2010.07.01

投票の自由

読売新聞より「「比例選は政党名で」…期日前で立会人が誤指導

参院選の期日前投票が行われている茨城県筑西市明野支所で、立会人の女性職員1人が比例代表選について「政党名」のみを記入するよう有権者に誤って指導していたことが29日、分かった。

市選管によると、この職員は28日正午頃、同支所を訪れた男性(59)に

「比例選は政党名でお願いします」
と伝えたという。

男性はそのまま投票したが、不審に思い、市選管に問い合わせて指導ミスが発覚した。

職員は

「比例選は政党名という先入観があった」
などと話しているという。
市選管は同日、選挙担当の職員に対し、マニュアルを徹底するよう改めて周知した。

28日までに期日前投票をした市内の有権者は712人で、うち明野支所は100人。

立会人は複数の職員が入れ代わって担当しており、市選管では

「この男性以外、指導ミスの事例は確認してない」
としている。

男性は本紙の取材に対し、

「政党名での投票には抵抗があったが、無効にはしたくなかった。ほかにも立会人がいたが、誰もミスを訂正しなかった」
と話した。

比例代表選は、2001年から「非拘束名簿式」が導入され、候補者名または政党名のどちらでも投票できる。投票方法は、投票用紙の表面と記載台にも説明されていた。

すんなりとは了解し難い事件です。

比例選は政党名でお願いします

投票所でこんな事を言われた人いますか?
普通は「選挙区の用紙です。比例区の用紙です」といった言い方でしょう。

投票に来た人が「何を書けばよいの?」とか聞いたら、「(比例選は)政党名でお願いします」と答えた、というのなら分かりますが・・・・。

もちろん「政党名で」と言うこと自体が間違えには違いないのだが、それ以前に「○○を記入しろ」という表現が投票所ではふさわしいとは言えないだろう。

白票だって立派な投票だし、他亊記載だって投票だと思う。
本質的には「何を書いても自由です」が正しいと思う。しかし、その結果無効票になる可能性もあるわけだから「有効投票になるように書いて下さい」あたりが正しい表現かな?

全ての投票は開票時に点検されて、有効・無効が分けられ、さらに無効票の内容も分類されます。
投票率を高める、というのは良いとして、無効票を減らすために積極的に投票所で誘導すること自体はまちがいだと思う。

7月 1, 2010 at 09:30 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.01

小林千代美衆院議員・連座制適用に

読売新聞より「元連合札幌会長の控訴棄却…小林議員選挙違反事件

昨年8月の衆院選北海道5区で当選した民主党の小林千代美衆院議員(41)の陣営幹部による選挙違反事件で、公職選挙法違反(買収の約束、事前運動)に問われた元連合札幌会長(61)の控訴審判決が1日、札幌高裁であった。

小川育央裁判長は、懲役2年、執行猶予5年とした1審・札幌地裁判決を支持し、被告の控訴を棄却した。

弁護側は控訴審で、

「公示前の電話かけは後援会への参加呼びかけで、選挙運動には当たらない」
などと主張。

選挙の公示前後の電話かけを選挙運動と認定した1審判決には、事実誤認や法令適用の誤りがあるとして、罰金刑を求めていた。

一方、検察側は

「運動員らは電話による投票依頼だと承知して電話かけを引き受けた。選挙運動に役立てようという意図があったことも明白」
と指摘し、控訴棄却を求めていた。

検察側は、選対委員長代行だった被告が連座制対象となる「組織的選挙運動管理者」に該当するとして、禁固以上の刑が確定した場合は、小林氏の当選無効を求める行政訴訟を起こす方針。

検察側の主張が認められれば、小林氏は自動的に議員を失職する。

小林氏陣営を巡っては、北海道教職員組合(北教組)から1600万円の違法な政治資金を受け取ったとして、陣営の資金管理統括で、自治労北海道財政局長(46)が政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)に問われ、資金を提供した側の北教組と同委員長代理(50)も同法違反で起訴されている。

いずれも起訴事実を認めており、自治労北海道財政局長は9日、北教組と同委員長代理は14日に判決が言い渡される。

(2010年6月1日13時49分 読売新聞)

なんと言いますか、選挙のイロハを知らない素人が選挙活動に突入したのでしょうか?

さらに政治的の処理も適正ではなかったわけで、小林議員の遵法意識はどうなっているのでしょうか?

6月 1, 2010 at 02:40 午後 選挙 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.02.18

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その4

「小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その3」の続きです。

朝日新聞より「北教組「主任手当」プールし流用か 小林氏陣営への資金

北海道教職員組合(北教組)から、民主党の小林千代美衆院議員=北海道5区=側に違法提供されたとされる総額1600万円の選挙費用の一部に、公立学校の教員にいったんは支給された後、組合の運動方針の結果、北教組内部にプールされた巨額の「主任手当」の利息が充てられていた可能性があることが、捜査関係者などへの取材で分かった。
札幌地検は、北教組本部の家宅捜索で押収した資料などから裏付けを進めている模様だ。

主任手当は、学校長が任命した「教務主任」や「学年主任」などの教員に対する手当で、1人1日あたり200円が支給される。国が1975年に全国の公立学校で教員の「主任制」を導入した時から始まり、道内では78年から現在までに約110億円が支給されている。

日本教職員組合(日教組)傘下の組合は当初、この主任制について「教員の管理強化につながる」などと反対し、全国で手当の返還運動が行われた。

北教組も組合員から手当相当額を集め、北海道教委に返還。これに対し、道教委は07年6月までこれを返送していたが、「郵送費などに税金を使うのはおかしい」といった批判を受けたため、同年末以降は受領していない。

組合員でない主任教員はそのまま主任手当を受け取っている。

一方、07年末までの約30年間で組合員から集めた手当は約55億円にのぼり、同額が道教委に返還され、北教組に返送されている。

返還運動は全国的にはなくなったが、北教組は現在も主任制を認めておらず、組合員から手当相当額を集め続けているという。道教委によると、北教組の組織率は34.2%(09年10月現在)。

札幌地検は、北教組へ返送された55億円や組合員から現在も集めている手当相当額といった巨額の資金の一部が利息などを生み、選挙資金に利用された可能性があるとみているようだ。

小林氏陣営では当初、北教組委員長(当時)が選対委員長を務めていたが09年6月に死去。後任に北教組副委員長(現委員長代理)が就いた。

捜査関係者などによると、資金提供は、陣営の会計担当者の依頼に応じる形で始まり、この2人から400万円ずつ計4回、直接現金で手渡されたとされる。

札幌地検は、これらの資金提供について、政治家個人への企業・団体献金を禁じた政治資金規正法に抵触した疑いがあるとみている。

う~ん・・・・
何というか「どうするつもりなんだ?」という種類の話しですよね。

会計的には、個人が返還した主任手当は、北教組へ寄附されて組合活動費になっているのですから、バリバリの「団体が政治家個人に政治資金を提供した」以外の解釈が出来ません。

北教組は現在も主任制を認めておらず、組合員から手当相当額を集め続けているという。
道教委によると、北教組の組織率は34.2%(09年10月現在)。

つまり、北教組に所属する34.2%の教員の内、主任手当てを受けている人は組合費が、1日あたり200円高いわけだ。
年間で4万円以上?
けっこう無茶苦茶ではないのか?

読売新聞より「北教組資金、民主・小林氏陣営側が違法性を認識

民主党の小林千代美衆院議員(41)(北海道5区)陣営に、北海道教職員組合(北教組)側から計1600万円の違法な選挙資金が流れていたとされる問題で、小林氏陣営側が提供された資金の違法性を認識していたことが17日、関係者への取材でわかった。

資金は小林氏の選対事務所の経費に充てていたが、札幌地検は、こうした資金の使途が、北教組から小林氏個人への献金にあたる可能性があると見て、政治資金規正法違反容疑で調べている。

1600万円は、小林氏が代表を務める民主党北海道第5区総支部の事務担当者で、小林氏の選対事務所の実質的な会計責任者だった男性(46)からの依頼で、選対委員長だった北教組の委員長らが提供した。

男性は読売新聞の取材に対し、資金を受領した当時の認識について、「表に出してはいけないお金と思った。収支報告書には意図的に載せるのをやめた」と、違法な資金だったとみていたことを明らかにした。
(2010年2月18日08時50分 読売新聞)

意味が分からない。

  1. 選対事務所の実質的な会計責任者だった男性(46)からの依頼で
  2. 選対委員長だった北教組の委員長らが提供した。
  3. 資金を受領した当時の認識について、「表に出してはいけないお金と思った。収支報告書には意図的に載せるのをやめた」

会計責任者が、「資金が必要だ」と選対委員長で北教組の委員長に相談したのでしょう。
それで、いきなり北教組から400万円ずつ資金が来たが、団体の献金は禁止されているから

「表に出してはいけない」 → 「選挙資金収支報告書に記載しない」
となったとなります。

選挙の実務を体験しているわたしにはこのような事になること自体が想像しがたいです。
最初から公選法違反を承知で実行する候補者はまずいないでしょう。
ほとんどが単なる無知で違反してしまう、と考えます。具体的には、アルバイトで運動員を雇用してしまったので賃金を払った、というような事例ですね。

アルバイトを運動員に使えない、といったあたりは「選挙の手引」を関係者に周知徹底しないと、すぐに「人を連れてきた」とかなります。
つまり、選挙事務では責任者は公選法などの規定を常に意識していて、それで仕切ることが重要です。

今回の事件については、お金が来た時点で「これは受け取れない」と返すべきでした。
ところが「来たお金をどう隠そうか?」となったわけですから、これは会計責任者が責任者になっていない、さらには選対委員長が必要な法的知識がない。

それでも、ことが進むというのは、選挙関係者以外が選挙を仕切った、としか見ようがありません。
ちょっとひどすぎるでしょう。

2月 18, 2010 at 11:37 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.17

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その3

「小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その2」の続きです。

読売新聞より「民主今度は「労組とカネ」←野党「3大疑惑だ」

民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区)側が北海道教職員組合(北教組)側から選挙資金を違法に受け取ったとされる問題が表面化し、党内では、政治とカネを巡る新たな疑惑の浮上に懸念が広がっている。

党の支持母体である労組が絡む問題だけに、大きな打撃となりそうだ。

小林氏は16日、北教組が強制捜査を受けたことについて、国会内で記者団に、

「びっくりしている。遺憾に思う。(選挙資金の授受は)全く私は知らなかった」
と強調した。
自らの責任については、
「今は申し上げられない」
と述べただけだった。

北教組は、党最大級の支持団体である日本教職員組合(日教組)の下部組織だ。
日教組の下部組織の中でも、強固なことで知られる。

小林氏は食品会社の労組出身だが、選挙では北教組の厚い支援を受けた。 昨年の衆院選でも、北教組関係者が小林氏の選対事務局の幹部となり、選挙運動の陣頭指揮にあたった。

民主党の高嶋良充参院幹事長は16日の記者会見で、小林氏の進退について聞かれ、

「党として何の相談もしていない。推移を見守っている」
と語った。
しかし、鳩山首相の偽装献金事件や小沢幹事長の資金管理団体の政治資金規正法違反事件など、政治とカネの問題で党への逆風が続く中の問題発覚に、党内では批判が強まっている。
「選挙資金の提供という直接的な問題だけに、事実なら議員辞職も考えてもらわないといけない」
(国会対策委員会幹部)という声も出ている。

ただ、小林氏が3月15日までに辞職すれば、公職選挙法の規定で補欠選挙は4月に実施されることになる。

政治とカネの問題で議員辞職した後の補選は苦戦が予想されるため、党執行部は「当面は議員辞職は不要だ」としている。

民主党と日教組の間では、2004年の参院選の際も、輿石東参院議員会長を支持する山梨県教職員組合の教諭らが、教育公務員特例法などに違反して選挙資金を集めた疑いが持たれた。

党内では、「国民に『ベッタリ』と思われてしまうのはまずい」(中堅議員)という声も漏れている。

自民党の大島幹事長は16日の記者会見で、「首相の脱税、小沢幹事長の資金、北教組の選挙資金にかかわる『3大疑惑』が表れている」としたうえで、労組の政治活動に関する調査を命じたことを明らかにした。

谷川秀善参院幹事長も「根深い問題だ。労組のカネが(民主党議員に)流れているようだ」と述べた。
政治資金規正法は、企業や労組などの団体から政党への献金は認めているが、政治家個人への献金は禁じている。

(2010年2月17日10時48分 読売新聞)

こうなると、辞職を取るか、失職を取るか、という二者択一になりかねないですが、石川知裕議員の離党もあり北海道での失点続きは大きなダメージになりますから、ますます動けずに事態が悪化する事になりそうです。

それにしても「ビックリしている」では議員の資格がないですよ。これを理由に辞めても良いくらいだ。
自分の事務所の中も分からない国会議員なんてのは有り得ないでしょう。

2月 17, 2010 at 12:05 午後 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その2

「小林千代美衆院議員陣営の裏金問題」の続きです。

NHKニュースより「北教組幹部 陣営要請で金渡す

北教組=北海道教職員組合が、民主党の小林千代美衆議院議員の陣営に不正な資金提供をしていた疑いが持たれている事件で、資金提供は小林議員の陣営の要請を受けて行われ、北教組の幹部がみずから金を渡していたことが、関係者への取材でわかりました。

北教組=北海道教職員組合は、民主党の小林千代美衆議院議員の陣営に1600万円を不正に提供した疑いが持たれ、札幌地方検察庁は政治資金規正法違反の容疑で組合の事務所などを捜索しました。

関係者によりますと、北教組からの資金提供は去年の衆議院選挙を前に小林議員の陣営が要請し、北教組の幹部がみずから金を陣営に渡していたことがわかりました。

札幌地検の調べによりますと、資金提供は400万円ずつを4回に分けて行われたということで、小林議員の陣営の担当者は札幌地検の事情聴取に対し、金を受け取ったことを認めているということです。

札幌地検は今後、北教組の幹部から事情を聴いて、資金が提供されたいきさつや資金の流れの解明を進めるものとみられます。

この小林議員の陣営の担当者とは、小林氏の選対委員長を務めた北教組の長田秀樹委員長代理のことではないでしょうかね?

長田氏の立場は次のようなものだそうです。

長田委員長代理は、小林陣営の選対委員長を務めていた北教組委員長が選挙直前の昨年6月に死去した後、
陣営入りし、北教組とのパイプ役を果たしたとされる。

まあ、こうなると「組織丸抱え選挙」の典型でありますが、自民党が弱体化した背景には、企業団体献金の禁止などがあり、公選法の運用もどんどん純粋なボランティア活動を基準に判断するようになってきています。

先にも書いた通り、個人献金にすれば良かったわけですし、そもそも1600万円の献金が必要だ、というところが分かりません。
選挙のたびに、これほどの外部からの献金が必要ならば選挙なんてとてもやってられません。
全くの無一文の候補者が、資金豊富な候補者と同党の運動をするために献金を求めた、というのであればそれは政治家としては著しくバランス感覚に欠けている、と言わざるを得ません。

以前の報道によれば、予想外に衆院選挙が遅れたために、事務所維持費が掛かったとのことですが、それだって選挙に挑戦することのリスクに過ぎません。
基本的に世間をなめている態度と言えます。

2月 17, 2010 at 11:49 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題

サンケイ新聞より「カンパを裏金化? 北教組幹部宅も捜索 民主陣営への違法献金で

民主党の小林千代美衆院議員(41)=北海道5区=側が北海道教職員組合(北教組)側から違法な選挙費用を受け取っていたとされる事件で、北教組が選挙の度などに組合員から1人1千円ずつカンパを集めて裏金化しており、一部がこの選挙費用の原資になっていた疑いのあることが16日、関係者への取材で分かった。

札幌地検は同日、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)容疑で、小林氏の選対委員長を務めた北教組の長田秀樹委員長代理の自宅などを新たに家宅捜索した。

札幌地検の調べによると、小林氏側は昨年8月30日に行われた衆院選の選挙費用として、北教組側から4回に分け、計1600万円の違法な資金を受け取った疑いが持たれている。

関係者によると、北教組では以前から国政などの選挙の度や年に数回程度、「民主党候補者を支援するため」として組合員の教職員から1千円のカンパを徴収し、裏金としてプールしていた。カンパは学校単位の「分会」ごとに集められ、北教組の各支部を経て本部に集約されるシステムだったという。

札幌地検は、小林氏側への提供資金の原資の一部にこうした裏金が含まれていた疑いもあるとみている。

一方、札幌地検は16日、札幌市内にある北教組の長田委員長代理の自宅マンションを捜索した。

長田委員長代理は、小林陣営の選対委員長を務めていた北教組委員長が選挙直前の昨年6月に死去した後、陣営入りし、北教組とのパイプ役を果たしたとされる。

札幌地検は15日に、同市内の北教組本部事務所を捜索しており、2日間で押収した会計帳簿や名簿などの分析を進め、小林氏側と北教組側について、政治家個人への企業・団体献金を禁じた規正法違反容疑での立件に向けて捜査を進める。

また小林氏側については、選挙費用の収支報告を義務付けた公選法違反の疑いもあり、同法の適用も検討する方針だ。

大々的に報道されていることもあって、注目していましたが公選法違反の話にならないから「なぜだろう?」と考えてしまいました。

公選法では、買収を問題にするのが主眼ですから、候補者からお金が出ていく場合に事件になります。
それに対して、今回は候補者にお金が入ったからとりあえず買収にはならないわけです。

もちろん、記事の最後にあるように、選挙費用の申告で違反していますから事実が確定すると、公選法違反になりますね。
有罪になれば議員を失職でしょう。

そうなると、今までの教職員組合側だけを問題にしていたことの意味は?となりますが、検察の目標が北教組に向いている、ということなのでしょう。

北教組を落とすことが出来れば、公選法違反は後から付いてくる、という感じなのでしょうか?
状況的にはかなりはっきりしているので、早々に決着が付くのではないかと思います。

それしても、今まで記事からまとめてみると

  1. 選挙対策費をカンパした
  2. 政治活動資金として献金したいが、団体献金が禁止なので、裏金にした
  3. 裏金なので、選挙活動収支報告がウソになった
というあまりに分かりやすい構図に、選挙に関わった経験者としてはめまいがします。
個人献金にすれば、なんの問題もないわけです。
それをしなかった理由は何なのか?あるいは、団体献金でも見逃されると判断していたのか?

あまりに乱暴すぎる、政治活動と言えるでしょう。

2月 17, 2010 at 11:19 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.06.21

神栖市市議会選挙・ようやく決着

2008年3月5日に「神栖市議会選挙結果の修正」と書いたエントリーしたものの誤操作で削除してしまいました。

サンケイ新聞より「最下位当選者の当選「無効」 神栖市議選

2月10日の茨城県神栖市議選(定数26)で、5票差で次点となった後藤潤一郎氏(36)=無所属=が有効票を無効にされたとして異議を申し立てた問題で、市選挙管理委員会(伊藤實委員長)は4日、無効票15票を後藤氏の有効票と認め、最下位当選した関口正司氏(64)=共産=の当選を無効とする決定を行った。ただ、関口氏は県選管への異議申し立てを検討しており、市議会の議席が事実上、確定しないという異例の事態が長期化する可能性もある。

市選管は同日、決定を告示。告示から21日以内に県選管に異議申し立てがなければ、ただちに選挙会を開き、後藤氏を当選人と確定する。それまでは関口氏が市議会議員としての身分を有する。

ただ、関口氏は「弁護士と相談して県選管への申し立ても含め検討したい」と話しており、混乱も予想される。

今回の問題は後藤氏の名前が、同じく市議選に立候補していた泉純一郎氏(61)=無所属=と似ていたことから起こった。「後藤純一郎」との投票が多数あったため、後藤氏は「有権者が名前を混同して記入する『混記投票』で有効票が無効になった」と主張。市選管は2月26日、投票総数から持ち帰り票を除いた計4万9674票を再点検。「後藤純一郎」と記された投票が30票あり、うち15票が有効、残り15票が無効とされたことがわかった。

市選管によると、開票作業で機械が読み取れなかった票は審査係が目視し、混記投票で無効と判断したという。市選管は判断ミスを認め、「大変申し訳ない」と陳謝している。

当選を決めた後藤氏は「選管の重大なミスに大変驚いている。市の信頼回復のためにも原因を追究したい」と話している。

【視点】

投開票から約半月。神栖市選管のミスは、一度決まった当落を覆すという重大な結果をもたらした。

開票作業では、投票用紙を機械にかけ、機械が誰への投票か読み取れなかった票は審査係が目視で有効票とするか否かを審査するが、ここで有効票とすべき票を無効票とするミスが起こった。

市選管は「選挙前の説明会では1文字でも間違っていれば疑問票に回すよう指示していた。それが末端の職員にまで行き届いていなかった」と説明する。

総務省によると、得票が有効か無効かを争ったり、当選者が入れ替わったりするケースは年に数回起こるという。

平成18年9月の沖縄県名護市議選では、1票差で当落を分けた2人が「票の数え間違いがある」と主張。訴訟を経て当選者の1票が無効で2人の得票が同数となったため、公職選挙法に基づき、くじ引きで当選者を決めている。

わずな開票の狂いは候補者の明暗を分けるばかりか、有権者の暮らしにも影響がおよぶ。

同市議会では10日から定例市議会を開き、平成20年度予算案を審議する。だが開会当初、議場にいるのは市選管が「落選」の判断を下した議員ということになる。

その意味では、今回の事態は、民主主義の根幹を揺るがす痛恨事といえるだろう。

(豊田真由美)

わたしは、開票立会人は何度も経験しているので、開票実務なども理解しているつもりですから、このような凝らんが起きたというだけで、反射的に前回はエントリーしました。
その後、「神栖市議会選挙結果の修正」には現場からのコメントを複数いただき、色々と大変な事情があったのだろうと分かってきました。

現在の神栖市は平成17年(2005年)8月1日に神栖町と波崎町が合併して誕生しました。
2008年の神栖市議会議員選挙は、初めての正式な選挙で2008年8月1日から、2008年2月10日までの923日間は両町を町議会議員が市議会議員となっていたのでしょう。このため、定数26に対して38人が出馬した選挙となりました。

神栖市議会議員一般選挙(平成20年2月10日 執行)

得票順当・落候補者氏名党派名新現前元の別得票数
1いとう 大無所属3017.584
2神﨑 清無所属2360
3木内 としゆき無所属2126
4えんどう 貴之無所属1838
5佐藤 せつこ公明党1710.556
6やなぎほり 弘公明党1684.326
7野口 ふみたか無所属1665.689
8長谷川 はるよし公明党1634.612
9三好 ただし無所属1589
10いいだ こうぞう無所属1538.609
11古徳 ひとし無所属1524.000
12山本 まもる無所属1512.725
13長谷川 たかし無所属1493.387
14梅原 章無所属1472
15宮川 一郎無所属1448
16山中 正一無所属1386
17中村 勇司無所属1373
18いがらし 清美無所属1311
19泉 純一郎無所属1292
20藤田 あきやす無所属1263
21山本 源一郎無所属1262.274
22安藤 まさよし無所属1218
23小山 茂雄無所属1122
24野口 かずひろ無所属1043.310
25大槻 邦夫無所属995
26関口 まさじ日本共産党990
27後藤 潤一郎無所属985
28鈴木 康弘無所属982
29塚本 しげる無所属951
30佐藤 一乙無所属888.443
31高橋 克己無所属860
32田中 三郎無所属832
33高安 たけお無所属785
34ぬかが 成一無所属763
35いいだ 誠一無所属714.390
36いばと 幸次郎無所属656
37田村 ひろし無所属458.088
38和田 たかお無所属440

現職が33人立候補していて、当選者がすべて現職であっても、現職から落選者が出るという選挙でした。

つぎに得票数を見ると、小数点以下の得票が非常に多いのですが、基本的にこれは按分比例した結果です。
佐藤、山本、野口、長谷川姓の方はそれぞれ2名ずつ立候補していますから、投票用紙にこの4つの姓だけを記入した場合には、どちらに候補(この場合は姓が同じなのは2名です)の得票にするのかは、按分比例によりますす。

これが姓だけを取り上げた分けた説明ですが、さらに「名」が同じもの,漢字表記をカナで投票したもの、など色々なパターンでどの候補者の有効票になるのか、すぐには分からない票がどうしても出てきます。

その処理について、時点となった後藤 潤一郎候補が異議を申し立てたのが始まりです。

再点検の結果、後藤候補が最下位当選の関口氏の得票数を上回るとして、関口氏の当選は無効となった、というのが新聞の報道ですが、ここまでに半月かかっているのですから「何がどうなっているのか?」となります。

そもそも、なぜ

「後藤純一郎」と記された投票が30票あり、うち15票が有効、残り15票が無効とされた

というすごいことが起きたのか?が大問題です。
なぜなら、他の候補については按分比例も含めてきちんと処理されています。これについて神栖市選管は結果を説明する発表をしています。

神栖市選挙管理委員会発表「市議会議員一般選挙における投票の効力に関する調査報告

この選挙の候補者で次点となった後藤潤一郎氏から,無効として取り扱われた投票の中に自身の有効投票があり,その票を加えると,最下位当選者の得票数を上回るとの申し出を受けました。

市選挙管理委員会では,申し出の内容を審査し,必要と認めたので,全投票の再点検を行い,投票の効力について判断した結果,
後藤氏の得票数が999票,
関口氏の得票数が991票となり,
後藤氏の得票数が上回るため,関口氏の当選を無効とすることを,3月4日,市選挙管理委員会として決定し,その旨の決定書を後藤氏に交付しました。

調査報告は「神栖市議会議員一般選挙(平成20年2月10日執行)における投票の効力に関する調査報告書」(PDF)が2008年4月11日付けで発表されています。

事務局は、「後藤純一郎」と記載された票を後藤潤一郎候補者(以下「後藤候補」という。)と泉純一郎候補者との混記投票により無効と判断したため、選挙長が無効と決定した。

この結果を受け、後藤潤一郎氏から2月12日付けで異議申し出が提出され、2月19日に選管において受理した。
その結果、開披再点検を2月26日に実施することを決定した。開披再点検により、「後藤純一郎」と記載された票に有効、無効の判断ミスが生じていたのを確認した。

本件は、後述の通り、選管事務局がいくつかのミスを積み重ね、引き起こしたものであり、市民全体の選挙事務に対する信用を揺るがした重大な問題である。

と始まっています。私が当初理解できなかった事の一つに「純一郎」とカナ記載があったような場合にはどう処理したのだろうか?でした。
それ以上に不思議なのが、後藤候補にだけ判断ミスが発生したのか?です。つまり、後藤潤一郎後藤純一郎泉純一郎候補の名と混在しているのであれば、同じ問題が泉候補にも起きたのではないのか?それはなぜ無効判定されなかったのか?です。

この謎が、報告書の後段に出ています。

PDFの図にありますが、開票した票は最初に機械で読み取らせています。手書きOCRですね。
この段階で、どうも姓に該当する部分だけを「ア行」「カ~サ行」「タ・ナ行」「ハ~」「読み取り不能」に分類してしまうようです。

その後、判断が付かない票を疑問票にして審査係に回すといった作業をするわけですが、ここで同じ記載なのに、有効と無効の判定に分かれてしまった。
本来は間違えない記載以外は一旦審査係に回すべきところを、回さないで有効・無効を判断したらしい。

その後、点検を経て最終的に選挙長が後藤候補の票のある程度の数を無効にしたのだが、どういうわけか事前に同一の読みの名を持つ後藤候補と泉候補についての判断基準を決めていなかったらしい。

結局、この「事前に判断基準の周知徹底をしていなかった」ことが、長時間の再点検に至った最大の原因なのでしょう。
しかし、この報告書の日付は、選挙から2ヶ月経った4月11日付けなのですから、時間の掛かりすぎです。

他の候補では同じような問題が発生しなかった理由が、最初に機械読み取りで分類したからなのではないかと思います。
簡単に言えば、機械が名字だけで分類したものを人の手で、再度分類することになるのでしょうが、機械で分類済みだから同じ票が特定の人に集中するでしょう。

報告書によると、非常に少人数で作業しているようなので、機械が分類した票をさらに分類するのは一人の担当者なのかもしれない。
その一人が判断ミスをし、他の候補の票を分類している人がミスをしないと、一人の候補の開票結果だけが判断をミスしていた、となるのかもしれません。

もし、私の想像の通りだとすると、最初に機械で分類するのが良いのかどうか?となりますね。

6月 21, 2008 at 11:34 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.10

小林温・選挙違反高裁判決

読売新聞神奈川版より「出納責任者の控訴棄却

昨年7月の参院選神奈川選挙区で当選した小林温・前参院議員(辞職)派幹部の選挙違反事件で、公選法違反の罪に問われた出納責任者で元私設秘書の控訴審判決が9日、東京高裁であった。

原田国男裁判長は「違法性の認識があった」と述べ、懲役1年2月、執行猶予5年の1審・横浜地裁判決を支持し、控訴を棄却した。
被告は即日、最高裁に上告した。

1審では、現金を受け取ったアルバイト学生らの活動が、公職選挙法で認められた労務かビラ配りなどの選挙運動かが争われ、2審では被告の違法性の認識の有無が焦点になっていた。

原田裁判長は「設営隊(アルバイト学生ら)が選挙運動を行っていたことは、小林陣営すべてが知り得ていた。選挙の中枢にいる被告が、違う認識をしていたとは言えない。違反が認められる」と認定した。

判決によると、被告は昨年7月29日~8月1日、自民党県連職員と、大学生ら24人に、小林氏への投票を依頼するビラ配りなどの選挙運動への報酬として、1人1万~12万円の計151万円を手渡した。

県連職員の有罪判決は確定しており、東京高検が、連座制の規定に基づき、小林前議員に同選挙区から5年間、立候補を禁止することを求める行政訴訟を起こしている。

弁護団の高原将光弁護士は「有罪にするため、都合の良い事実だけをつまみ食いしたような判決。
裁判所は選挙の実態を知らないのではないか」と話した。

自民党県連の竹内英明幹事長は「被告が最高裁までやるというなら、県連としても支援したい」と話した。

◆「有罪ショック 戦い続ける」◆

前参院議員の小林温氏(43)は9日夜、東京・赤坂の会社事務所で読売新聞の取材に応じ、「報酬は正当なもので判決は非常にショック。無罪を信じていたが残念、これからもさんをサポートし、戦い続ける」と語った。現在は政治活動から身を引いており、「今後のことはまだ考えられない」としている。

小林氏が取材に応じるのは、議員辞職した昨年9月の記者会見以来。
1、2審を通じ、小林氏は、公判を傍聴していないが、秘書だった被告とは頻繁に連絡を取り合っているといい、この日の判決後も「納得が行かないので、上告することにした」と電話で伝えてきた被告に、「無罪を勝ち取るまで頑張ろう」と話したという。

再び、有罪が言い渡されたことに、小林氏は「秘書だから何でも知っているのか。(被告は)地元の選挙活動にはノータッチだった。つぎはぎの供述を結んだ推測で有罪と決めつけている」と批判した。

その上で、県民に対しては、「たくさん票を頂いたのに、仕事を出来ずに申し訳ない」と謝罪。「無実を勝ち取ることが、有権者に対する一番の説明になる」と話した。

小林氏は被告と、県連職員の男性に有罪を言い渡した昨年12月4日の1審判決後、横浜市内から現在の事務所に移り、現在はIT関係の仕事を始めたという。事務所の会議室には、支持者に配る予定だった著書などが入った段ボールが無造作に積まれたままになっていた。

被告側の言い分に「選挙の実態を知らない」とありますが、実際に2007年4月統一地方選挙をやっていた者としては「選挙の実態を知らないのは、小林元議員側だ」と強く指摘します。

わたしが参加した選挙でも、2003年の選挙ではバイト代を払うのが一般的でした。
公選法の解釈ではどうなのか?は当時も議論しましたが、小林元議員側の主張のように「学生の活動が選挙運動なのか、労務なのかをどうやって区別するのだ?」が常に論点になっていました。

もっと考えてしまったのは「金額はどこまでOK?」でした。選挙の事務なんてのは、考えようによっては、30分で終わりもあれば、16時間・20時間という仕事もあります。要するに管理からして大変。そこで、日当1万5千円として、それを30分の仕事に払ったら問題だろうということです。

2004年の選挙では「普通のアルバイト時給なら良いだろう」が一般的でした。しかし、この時も「根拠はないよな」と思いつつやっていたのが実態でした。

2007年の統一地方選挙では、4月の選挙なのに、1月頃から「規制が厳しくなった」という情報は飛び交っていました。
選挙運動の悩ましいところは、法的には選挙運動は公示後ですから一週間(わたしのやった選挙)なのですが何ヶ月か前から「政治運動」は継続しているわけです。どこかに「選挙運動とみなす」という線があるわけですが、それが分からない。

政治運動にアルバイトを動員して、バイト代を払うのは正当な行為ですが、どこかで「今日からは選挙運動とみなされるから、バイト代は払いません」とやることになります。
言葉では簡単に言えますが、事務所としては「明日から人が来なければどうしよう?」です。

そういう困難を乗り越えるのも、選挙の一部なのでしょう。

小林元議員側が選挙の実態を知らないで選挙運動に突入した、と指摘します。

4月 10, 2008 at 09:53 午前 選挙 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.03.05

神栖市議会選挙結果の修正

元記事を誤操作で削除してしまいました。

3月 5, 2008 at 11:52 午前 選挙 | | コメント (16) | トラックバック (0)

2008.02.17

選挙に関する毎日新聞の記事

毎日新聞神奈川版より「現場から:選挙運動の範囲 /神奈川

17日投開票の藤沢市長選で、各候補者に「立候補表明以降に選挙に支出する金額」を聞いてみたものの、考え込んでしまった。

公職選挙法では、告示前の選挙運動は違反だからだ

公的施設で告示前に「決起集会」を開くのは昔からあり、開催自体が摘発された記憶はない。
告示日から投票日前日まではマニフェスト(政策綱領)を配布できるようになったが、同じものは告示前にも配られている。
告示前は「政治活動」とみなされるが、社会的に許容されている選挙期間の範囲と、1週間(政令市以外の市長選)に限る法に隔たりがあるのは確かだ

有権者の判断材料として冒頭の回答を書けば、矢後清太郎氏「1500万円」、平本茂子氏「まだ分からない」、星野剛士氏「450万円」、海老根靖典氏と柳谷亮子氏「600万円」

立候補表明以降に使ったすべての費用を投票前に公開する。こんな制度ができていいと思うに至ったが、どうだろう。【山田研】

実際の選挙運動をやってきたわたしに言わせると、今さら「考え込んでしまった」「どうだろう」といわれても「選挙を取材するなら常識でしょうが」としか言いようがない。

わたしが選挙実務に詳しすぎるためなのかもしれないが、

社会的に許容されている選挙期間の範囲と、
1週間(政令市以外の市長選)に限る法に隔たりがあるのは確かだ

とはどういう発想から出てきたのだろうか?
社会的に許容される選挙期間って何?

特に、この記事が対象にしている選挙は藤沢市長選挙、首長選挙です。
首長に当選すれば、4年間の任期中に行政のトップとして活動するわけですが、その活動を次の選挙のための選挙活動と切り離すなんてことはで来ません。

「公選法で選挙活動になるような売名行為になるのは法律違反ですから、わたしは市長として一切名前が出ないように活動します」なんて市長が現れたらそちらの方が迷惑です。

同様のことは議員にも言えるわけで、議会報告をするのが政治活動であり、次の選挙のための布石であるのは当然で、これに対して「政治活動は選挙違反だ」とするのはどうするのか?

一方、現職ではない人が選挙に出ようとするときには、公選法をかたくなに守ると「告示日まで、出馬を表明すること自体が選挙違反」というのは他に解釈のしようがありません。

議員に立候補する場合には、政党に所属し公認を受ければ政党活動して、名前を売ることがで来ますが、無所属の場合には何も出来ない。

そこで無所属であっても、政治団体の届け出をして政治活動をする人が出てきます。

これで、元の記事に戻るのですが「立候補表明以降に選挙に支出する金額」といわれても、各候補とも「公式には立候補表明は告示日です」としか言いようがないでしょう。
となれば、金額も「選挙収支報告書を出します」になってしまう。

その逆に「立候補の意志を固めて以降の」としたら、現職の本音は「前回の当選日から」になってしまって、費用(予算)の比較の意味がない。

さらに言えば、わたしが付き合った選挙では学生のバイト代が出せいないのは当然として、昼食代から交通費まで学生さんの自己負担、全くの手弁当で参加していただいた。
それは選挙費用とどういう関係で捉えるのか?

この記事は大変に良いところに着目したと思いますが、いかんせん内容が浅すぎる。
こんな短い記事で書き表せるほど簡単な事ではないので、是非とも研究を深めた記事を書いていただきたい。

2月 17, 2008 at 10:58 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.10

小林元参院議員陣営の公選法違反事件・連座制の適用へ

「小林元参院議員陣営の公選法違反事件・判決」の続報というか結果です。

朝日新聞より「小林前議員の連座制適用求め提訴 東京高検

昨年7月の参院選神奈川選挙区の選挙違反事件で、東京高検は10日、前自民党参院議員の小林温(ゆたか)氏(43)に対し公職選挙法の連座制を適用し、同一選挙区からの5年間の立候補禁止を求める行政訴訟を東京高裁に起こした。
小林氏は再選後の9月、事件の発覚を受けて議員を辞職している。

訴えによると、小林氏陣営の選挙運動者だった自民党県連職員(当時)は出納責任者と共謀し、小林氏を当選させるため、選挙運動をしたアルバイトの大学生ら24人に報酬として計151万円を渡した。

横浜地裁は昨年12月、公選法違反(日当買収)の罪に問われた

  • 党県連職員に懲役1年執行猶予5年の判決を言い渡し、有罪が確定。
  • 出納責任者は懲役1年2カ月執行猶予5年の判決で控訴している。

東京高検は、有罪が確定した党県連職員が「組織的選挙運動管理者」に該当するとして、連座制の適用を求めた。

これはもう完全に手続レベルに進んでしまって、小林温前議員の同一選挙区からの5年間の立候補禁止は現時点で確定と言って良いでしょう。

起訴されたのは出納責任者の女性と、自民党県連職員でした。
他に自民党横浜市連の職員とアルバイトで日当を受け取った24人は起訴猶予でした。
今回、自民党県連職員が控訴せず、有罪が確定しました。

公職選挙法
第二百二十一条 (買収及び利害誘導罪) 3項
次の各号に掲げる者が第一項の罪を犯したときは、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
  1. 公職の候補者
  2. 選挙運動を総括主宰した者
  3. 出納責任者(公職の候補者又は出納責任者と意思を通じて当該公職の候補者のための選挙運動に関する支出の金額のうち第百九十六条の規定により告示された額の二分の一以上に相当する額を支出した者を含む。)
  4. 三以内に分けられた選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の地域のうち一又は二の地域における選挙運動を主宰すべき者として第一号又は第二号に掲げる者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した者

有罪が確定した自民党県連職員が「選挙運動を総括主宰した者」だとして、いわゆる連座制の適用に当たるとして東京高検は提訴しました。

公職選挙法
第二百五十一条の二 (総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止)

次の各号に掲げる者が第二百二十一条、第二百二十二条、第二百二十三条又は第二百二十三条の二の罪を犯し刑に処せられたとき(第四号及び第五号に掲げる者については、これらの罪を犯し禁錮以上の刑に処せられたとき)は、当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(以下この条において「公職の候補者等」という。)であつた者の当選は無効とし、かつ、これらの者は、第二百五十一条の五に規定する時から五年間、当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙において公職の候補者となり、又は公職の候補者であることができない。この場合において、当該公職の候補者等であつた者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であつたものが、当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選人となつたときは、当該当選人の当選は、無効とする。

    1. 選挙運動(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、参議院名簿登載者のために行う選挙運動に限る。次号を除き、以下この条及び次条において同じ。)を総括主宰した者
    2. 出納責任者(公職の候補者又は出納責任者と意思を通じて当該公職の候補者のための選挙運動に関する支出の金額のうち第百九十六条の規定により告示された額の二分の一以上に相当する額を支出した者を含む。)
    3. 三以内に分けられた選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の地域のうち一又は二の地域における選挙運動を主宰すべき者として公職の候補者又は第一号に掲げる者から定められ、当該地域における選挙運動を主宰した者
    4. 公職の候補者等の父母、配偶者、子又は兄弟姉妹で当該公職の候補者等又は第一号若しくは前号に掲げる者と意思を通じて選挙運動をしたもの
    5. 公職の候補者等の秘書(公職の候補者等に使用される者で当該公職の候補者等の政治活動を補佐するものをいう。)で当該公職の候補者等又は第一号若しくは第三号に掲げる者と意思を通じて選挙運動をしたもの
  1. 公職の候補者等の秘書という名称を使用する者又はこれに類似する名称を使用する者について、当該公職の候補者等がこれらの名称の使用を承諾し又は容認している場合には、当該名称を使用する者は、前項の規定の適用については、公職の候補者等の秘書と推定する。
  2. 出納責任者が第二百四十七条の罪を犯し刑に処せられたときは、当該出納責任者に係る公職の候補者であつた者の当選は、無効とし、かつ、その者は、第二百五十一条の五に規定する時から五年間、当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙において、公職の候補者となり、又は公職の候補者であることができない。この場合においては、第一項後段の規定を準用する。
  3. 前三項の規定(立候補の禁止及び衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効に関する部分に限る。)は、第一項又は前項に規定する罪に該当する行為が、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該行為に関する限りにおいて、適用しない。
    1. 第一項又は前項に規定する罪に該当する行為が当該行為をした者以外の者の誘導又は挑発によつてされ、かつ、その誘導又は挑発が第一項若しくは前項又は次条第一項の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせ又は立候補の資格を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであるとき。
    2. 第一項又は前項に規定する罪に該当する行為が第一項若しくは前項又は次条第一項の規定に該当することにより当該公職の候補者等の当選を失わせ又は立候補の資格を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者等以外の公職の候補者等その他その公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものであるとき。
  4. 前各項の規定(第一項後段及び第三項後段の規定並びに前項の規定(衆議院比例代表選出議員の選挙における当選の無効に関する部分に限る。)を除く。)は、衆議院(比例代表選出)議員の選挙については、適用しない。

出納責任者は控訴しているようですが、紹介した条文の通り出納責任者と総括責任者といったように並列の関係ですから、誰かが221条違反で有罪が確定すれば、251条の連座制が機械的に適用される事になります。

それにしても、何度も取り上げいるように4月の統一地方選挙では「日当買収に注意」が各陣営に徹底していて少なくとも神奈川県下では当選した議員が日当買収で公選法違反に問われたなんて話はありません。
それだけ、各陣営は注意していたわけです。

それをわずか3ヶ月後の7月の選挙で「知りませんでした」のようなことをやったというのは、選挙に臨む資格が無かったと言うべきでしょう。

しかも、その後の対応もメチャクチャで2007年に行われた選挙がどのようなものであったのかを今に至っても理解していないのではないのか?と思います。

1月 10, 2008 at 10:09 午後 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.08

大阪府知事選挙は大変だ

日経新聞関西版より「大阪府知事選、政策が支持層とねじれ──自公・橋下氏「子育て支援」、民主・熊谷氏「産業振興」」

国政の与野党が激突する構図となった大阪府知事選で、出馬表明した3氏の主要な政策の違いが鮮明になっている。

  • 橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=は「子育て支援」
  • 熊谷貞俊氏(63)=民主、国民新党、社民推薦=は「産業振興」
  • 梅田章二氏(57)=共産推薦=は「福祉」を前面に打ち出している。

だが、自公、民主などそれぞれの支持層が期待する政策との差から戸惑いを口にする声は少なくない。

「やっぱり大阪、やります太田」。太田房江知事が出馬を断念する直前まで練り上げた公約がある。32項目挙げた中で、筆頭は「関西国際空港の国際物流ハブ化」。以下も産業振興関連の施策がずらりと並ぶ。

いずれも、熊谷氏が公約で中核に位置づけている内容だ。福祉施策などでも熊谷氏の公約にある「高齢者や障害者の無料住宅耐震診断」「がん対策基本条例」などの文言は太田知事のと同じだ。

太田知事の公約作成にかかわった府幹部は「熊谷氏は安定感や継続性はあるが、改革の姿勢は弱い。若手職員には、熊谷氏では庁内の閉塞(へいそく)感を打破できないとの見方もある」と清新さに欠けることを指摘する。

「橋下氏への対抗上、産業施策を強調しているのかもしれないが、福祉や医療が弱い印象がぬぐえない」。ある民主府議は不満顔だ。

熊谷氏は「公約はオリジナル。大阪の資産を活用するのは府政を推進する王道だ」と強調。「シャープ工場の誘致などの実績は評価するが、無駄も多かった」とし、「太田府政の継承」を強く否定する。

熊谷氏を推薦する民主党の支持層が期待する「弱者保護」と、熊谷氏の公約の差に支持者らに戸惑いがある。同様に、橋下氏を担ぐ自民、公明支持層は橋下氏のこれまでの言動や公約に違和感を抱えたままでいる。

橋下氏が柱に据えるのは「子育て支援」。妊婦や子育て世帯などに個別給付を軸にした助成拡充を具体的に打ち出す一方、産業振興を「官が計画して積極投資するのは時代遅れ」とし、産業関連の施策は展示会開催など中小企業支援に限定した。

「これじゃダメだ」。昨年末、橋下氏に政策に関する公開質問状を出した関西経済同友会の幹部は回答を見てうめいた。橋下氏は「行政に産業振興の立案能力はない。民間にがんばってもらうしかない」と主張。関西国際空港も「魅力がない。伊丹との政策的なすみ分けしかない」と突き放したからだ。

自民府議団幹部は橋下氏の公約を「100点満点ではない。(自民の政策と)食い違う点もある」と認め、公明幹部も「知事になった後、しっかり見ていかないと」と手放しで支援するわけではない点を強調する。

橋下氏は記者会見の席で「大企業を切り捨てはしない。経済界から要望を聞く」とも述べているが、同友会幹部は「実情が分かっていない。関空の活性化なくしてどうして関西が活性化するのか」と厳しい表情だ。

梅田氏も福祉の充実や中小企業支援を軸に据えている。橋下氏と重なる部分が多いが「橋下氏は格差や貧困の問題に一切触れておらず、競争是認だ。方向性が180度違う」と強調する。

先に出馬表明し自民党が推薦した橋下候補が打ち出した政策が民主党的であり、対抗馬として民主党(反自民というべき)が推薦した熊谷候補の政策が対抗上とは言え自民党的であり太田前知事の政策の継承になってしまっている。という事ですね。

サンケイ新聞関西版はもっと踏み込んだタイトルになっています「割れる関西経済界 大阪府知事選、告示まであと2日

10日告示、27日に投開票される大阪府知事選。自民府連が推薦する弁護士でタレント、橋下徹氏(38)と民主などが推薦する元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)、共産推薦の弁護士、梅田章二氏(57)の3人が立候補を表明するなか、「中立」を標榜(ひょうぼう)する関西経済界で支持が別れている。

7日は作家の堺屋太一氏(72)らが経済界を巻き込み橋下氏を応援する勝手連を結成。一方、関西経済連合会の下妻博会長は同日、熊谷氏の政策を高く評価した。経済界でも支持がまとまらないまま告示日を迎えるのが確実な様相となった。

橋下氏支援「勝手連」

大阪府知事選で作家の堺屋太一氏ら関西経済界を中心にしたグループが7日、橋下氏を支援する団体「橋下氏を知事にする勝手連」を設立したと発表した。

「勝手連」の代表は、関西経済に詳しく、愛着もある大阪学院大学教授の國定浩一氏を代表に選定。堺屋氏のほか、ミキハウスグループ代表の木村皓一氏、PHP研究所の江口克彦社長ら関西経済界の人物がずらり。

作曲家の三枝成彰氏、ファッションデザイナーのコシノヒロコ氏、歌舞伎役者の坂田藤十郎氏ら有名人も含む計14人で組織した。今後、それぞれの知人に橋下氏の政策をアピールするなどして、支持拡大を目指すという。

大阪学院大学教授國定浩一氏
作家堺屋太一氏
ミキハウスグループ代表木村皓一氏
PHP研究所江口克彦社長
作曲家三枝成彰氏
ファッションデザイナーコシノヒロコ氏
歌舞伎役者坂田藤十郎氏

会見で堺屋氏は「橋下氏の弁護士活動には、改革に欠かせない『迅速さ』がある。大阪の情報発信源になれる人でもある」と評価。また太田房江知事を応援していた元JR西日本会長の井手正敬氏は「大変革のときには若い人の力が求められる」と強調した。

昨年12月の橋下氏の出馬表明までの動きは水面下で行われたが、関係者によると、堺屋氏が擁立の中心人物とされている。これまでほとんど表に出ていなかったが、告示直前になって行動を起こした。

「熊谷氏の政策一番」

関西経済連合会の下妻博会長(住友金属工業会長)は7日の年頭記者会見で、10日に告示される大阪府知事選に触れ、「熊谷さんのマニフェストが一番しっかりしている」と述べ、元大阪大大学院教授の熊谷氏が4日に発表したマニフェストの内容を高く評価した。

その一方で、公立小学校などの運動場の芝生化などを盛り込んだ、弁護士でタレントの橋下徹氏のマニフェストについては、「(よくわからないが)公立小学校の芝生化は、府政の仕事なのかということを教えてもらいたい」とした上で、「それをマニフェストに書くのはどうかと思う。奇異な感じがする」と苦言を呈した。

ただ、関経連としての知事選に対する姿勢については、「これまで言ってきたように“中立”でいきたい」と語り、特定候補者の支持はしないという考えを改めて強調した。

また、各副会長からも知事選に関する意見が相次いだ。

井上礼之副会長(ダイキン工業会長)は「財政再建がメーンテーマ。さまざまな施策を打ち出すのはいいが、その収入源をどうするのかについて、橋下さんはもっと勉強する必要がある」と厳しいひと言。

津村準二副会長(東洋紡会長)も「(3立候補予定者とも)マニフェストと称してお金を使う話ばかり出しているが、財政基盤を整理したうえで物事を考える必要があるのではないか」と指摘した。

一方、松下正幸副会長(松下電器産業副会長)は「府民にもっと関心を持ってもらいたい。どなたが知事になるにせよ、地に足のついた活動を行ってほしい」と注文をつけた。

自民党が推薦した橋下候補の応援団になった人たちが、いわばナンパな業界の人たちというのが面白いですが、これでは自民党の推薦なのか?と感じるところです。
しかし、10日には告示すなわち選挙戦突入ですが、橋下候補が道路使用許可を取っていないことが明らかになるなど、どうも自民党の選挙実行部隊が橋下陣営には入っていないのではないのか?と思わせる報道がありました。

そしてなんともすごいのが読売新聞関西版の報道「橋下氏への推薦・支持、自・公党本部は見送り

大阪府知事選(10日告示、27日投開票)で、自民、公明両党は7日、弁護士でタレントの橋下徹(はしもととおる)氏(38)について、党本部としての推薦・支持を見送る方針を固めた。自民党は「府連推薦」、公明党は「府本部支持」と、ともに府レベルでの支援にとどめる。無党派層に浸透するためには、政党色を薄めて、国政での与野党の対決構図を持ち込まないほうが有利と判断したためという。

橋下氏については、この日、公明党府本部が支持を決めた。自民党府連はすでに先月23日に推薦を決定。両党とも、ポスターの掲示や集会の開催などを通じて、橋下氏を支援していく。

本部と府連(県連)が推薦するのでは何が違うのか?と思われるかと思いますが、議員の選挙の「公認するかしないか」に相当します。

当然、お金や人の問題に直結しますし、所属している議員の活動にも大きく影響します。

まぁ、首長選挙なのですから府連推薦がちょうど良いという見方はありますが、大阪府知事選挙なのですから選挙運動に全力投入で臨むのが本筋でしょう。
党本部が表向きは推薦せず、全力で支援に当たるというのも大いにあり得るシナリオですが、先に紹介した選挙の実働部隊が橋下陣営に参加していないように見える点は、先日有罪判決が出た、参議院選挙の小林温候補の選挙運動で素人選挙になってしまい、日当買収という最注意事項で選挙違反になってしまった例を思い出します。

色々な意味で注目するべき選挙運動に突入です。

1月 8, 2008 at 09:57 午前 選挙 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.12.06

国政選挙でも電子投票か?

毎日新聞より「電子投票:国政選挙に導入で自公民合意 来年1月施行

自民、公明両党と民主党は電子投票を国政選挙に導入するための公職選挙法特例法改正案に合意した。
法案は7日の衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会で採決され、衆参の本会議で可決のうえ、今国会中に成立する見通しだ。
施行期日は来年1月1日で、次期衆院選では一部の自治体で電子投票が実施される可能性がある

電子投票は、有権者が投票所に置かれたタッチパネルなどを操作し、画面に表示された候補者名などを選んで投票する方法。票数をコンピューターで集計するため、開票時間を大幅に短縮できるうえ、従来の「自書式」より高齢者や身障者の手間が省けるメリットもある。

01年11月に成立した地方自治体電子投票特例法により、自治体では02年6月の岡山県新見市長・市議選で初めて電子投票が行われた。今年4月の統一地方選でも、青森県六戸町議選と宮城県白石市議選の2選挙でタッチパネル式の電子投票が実施されており、六戸町では開票作業29分、白石市も49分で終える実績を上げている。

ただ、最高裁で選挙無効が確定した岐阜県可児市議選(03年7月)などの故障や人為ミスも発生している。このため、今年6月の通常国会では、公明党から「システムの信頼性」に懸念が示され、国政導入の法案は継続審議となっていた。

国政選挙での電子投票導入は実施条例を独自に定めた自治体に限られ、政府は導入する自治体に対し交付金などで財政支援することを検討する。【七井辰男】

何回かわたしの意見を書いていますが、わたしは「電子投票反対」であります。

海外での選挙の紹介番組など大きな投票用紙を使うシーンが紹介されますが、候補者名をチェックする方式なのでしょう。
日本の選挙では、投票用紙に候補者名を書き込むのですがこの方式を「自書式」と呼び世界では珍しいとされています。

候補者名をチェックする方式から派生したのでしょうが、アメリカで何年か前に大問題になったのが「パンチ式」で、これは候補者名のところにパンチで穴を開けるというものでした。
このような自書式ではない投票方法を採用している選挙では電子投票機の採用も、機械の改変といった感じになるのだろと思いますが、自書式から電子投票に改変というのは大きく選挙の方式を変えると言えるでしょう。

記事にも紹介している通り、電子投票のメリットとして

  • 開票時間の短縮
  • 障害者の投票の促進
  • 投票判定の必要がない
  • 開票担当人員の削減によるコストダウン

などが挙げられています。これに対して、テスト結果も含めて問題点として挙がっているのが

  • 機器が作動せず、投票所が機能しなかった
  • データが明らかに間違っていた(おそらくはソフトウェアの不良)
  • メディア(CFカードを使うことなっている)が不適合で開票に問題が生じた
  • 機器の設置(配線)に失敗した
  • 電子データが消滅する可能性がある
  • 投票用機器の大幅なコストアップ

現在の選挙事務を投票用紙の観点から見ると

  1. 投票入場券を有権者の自宅に配付
  2. 投票入場券をチェックして重複投票の禁止
  3. 投票用紙に候補者名を自書
  4. 投票箱に投票
  5. 投票箱を開票所に移動
  6. 開票所ごとに候補者の得票数を確定
  7. 集計した投票用紙は内容(候補者・無効票など)別にまとめて封印し、次回選挙まで保存。

電子投票について考えてみると、赤字で示したところが無くなると考えられるでしょう。
投票箱に投票が操作パネルで投票ですから、おそらくはここは面倒になっているでしょう。
投票結果をどうやって集計するのか?については、開票所をどこに設けるのか?という問題になりますが、データそのもの点検は公開するべきですから開票所はどこかには出来るはずで、現在は神奈川県横浜市では開票所は一つの区に一ヶ所あります。
それを横浜市で一ヶ所だけにするのかどうか?という問題になりそうです。

各投票機から直接データを通信することは現在のところ無いようで、CFカードに投票結果を入れて運び集計する方式で行っています。
つまり「投票箱を運ぶ代わりにCFカードを運ぶ」ようなのです。

投票判定そのものは、無いわけで単に各候補者の得票数だけのデータですから、後からの検証などのたに記録メディアを保管することを除けば、各投票所ごとの得票一覧表を作ることも出来ますし投票機ごとに作ることも出来ます。

問題は、どうやって選挙区全体のデータとして集積するのか?であって、現在は開票所での集計データは選管に「手書きの集計用紙をファックス送信している」のです。
投票用紙に自書するところから、集計に至るまでアナログによって情報の信頼性を高めているわけですから、電子投票にしたときにはどうやって信頼性を確保するのか?という問題が新たに発生します。

こういうことを考えると、わたしには「コストダウンになる」とは思えません。
むしろ安全性を損ねるのではないのか?という印象が強いのです。
ことは選挙であって、コストアップの上に信頼性が落ちる、というのではいったいどこにメリットがあるのか?
これが理由で、わたしは電子投票には反対なのです。

12月 6, 2007 at 12:54 午後 国内の政治・行政・司法, 選挙 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.12.05

小林元参院議員陣営の公選法違反事件・判決

東京新聞神奈川版より「検察側の構図、ほぼ追認 小林陣営選挙違反判決 出納責任者の被告の認識を認定

自民党の小林温・元議員(43)陣営の選挙違反事件は四日、横浜地裁で、出納責任者の被告(33)と自民党県連職員の被告(34)に有罪判決が言い渡された。

栗田健一裁判長は「小林元議員が示した『若さをアピールした選挙運動』という共通の認識の下で、若い大学生らを投入して選挙運動をさせた」という検察側が描いた構図を、ほぼ全面的に追認した。
両被告の弁護人は控訴を検討している。(中沢穣、佐藤大)

公判で最も激しく争われたのは、公選法違反で起訴された出納責任者の被告が、大学生らがビラ配りなど選挙運動をしていた実態について認識していたのかどうかという点だった。

判決は「認識を推認させる間接事実は認められない。他方で認識がなかったことを推認させる事実もない」として検察、弁護側双方がそれぞれ示した事実を退けた。

その上で、判決は、大学生らによる街頭活動の設営作業には「ビラ配りなど選挙運動が“一般的に”組み込まれていた」と指摘。

出納責任者の被告は十年以上にわたって衆院選や県知事選を手伝ったことがあり、こうした経験などから、「出納責任者の被告のみが(設営活動に)選挙運動が含まれていないと理解していたとは考えがたい」と述べ、状況証拠に基づき、出納責任者の被告の認識があったと認定した。

もう一つの争点だった「報酬の趣旨」については、判決は弁護側の主張を全面的に退け、「大学生らは機械的労務と選挙運動を一連一体として行っている。支払われた金額全体が選挙運動の報酬だった」と認定した。

一連の事件では、出納責任者の被告とともに逮捕された自民党横浜市連職員と、報酬を受け取った大学生らが起訴猶予処分となっている。
検察側は小林元議員への連座制適用を視野に、百日以内で判決言い渡しを求める「百日裁判」を申し立てていた。

量刑理由を聞き涙、出納責任者の被告、しばらく放心

出納責任者の被告は、判決の言い渡しがすべて終わった後も、しばらくは放心したように被告席に座り込んだままだった。

午後一時。地裁で一番大きい一〇一号法廷。出納責任者の被告は自民党県連職員の被告に続いて入廷した。黒のジャケット、グレーのスカート姿。一礼した顔に、不安そうな表情が張り付く。

判決の主文が告げられる。「出納責任者の被告を懲役一年二月に処する。五年間、刑の執行を猶予する」-。直立の姿勢で聞いた出納責任者の被告は、その瞬間も固まったように身動きしなかった。

裁判長に促されて被告席に着席すると、出納責任者の被告はハンカチを握りしめ、無表情のまま、じっと床を見つめていた。だが裁判長が判決の量刑理由を読み上げると、こらえきれなくなったのか、出納責任者の被告の目にみるみる涙がたまった。

閉廷後、同じく有罪判決を受けた自民党県連職員の被告は足早に法廷を後にした。
対照的に、出納責任者の被告は弁護人の方を向いて腰を下ろしたまま、しばらく動くことができなかった。

傍聴席には、多くの自民党関係者らが詰めかけたが、小林元議員の姿はなかった。

小林元議員の選対事務局長を務めた竹内英明・自民党県連幹事長は公判終了後、「厳しい。無罪の可能性もあると思っていた」と険しい表情。「もしかすると、ぼくたちも含めて一部の人間に(公職選挙法の)曲解があったかもしれない。あらためて確認していく。(有罪判決を受けた)二人のためにもちゃんと整理したい」と話した。

<メモ>小林氏陣営選挙違反事件参院選神奈川選挙区で当選した小林温氏陣営の出納責任者らが、運動員24人に街頭でビラ配りなどをした報酬として計百数十万円を支払ったとして、県警が公選法違反(買収)容疑で出納責任者ら3人を逮捕。
横浜地検は2人を起訴、残る1人と公選法違反(被買収)容疑で書類送検された運動員24人は起訴猶予とした。
小林氏は「国政の停滞を避ける」として、連座制の適用対象となる出納責任者らの「百日裁判」を待たずに議員辞職。
次点の松あきら氏(公明)が繰り上げ当選した。

わたしが手伝った、2007年4月の統一地方選挙では、「選挙に関わる人の報酬」について非常に厳しい判断になる、という情報が繰り返し流れてきました。
結果として、4年前の選挙ではOKだった報酬が全面的に出なくなりました。
学生諸君は交通費を使ってボランティア活動になってしまうので「今日は交通費がないから参加できない」という電話連絡を受けたこともあります。
「電車賃ぐらい出すから参加してよ」と言えないのは、まことに辛いものがあります。

そういう経験をした後の夏の選挙である参院選で起きた事件ですから「何をやっているのだ?」という感想だったのですが、その後も裁判でも徹底的に争うのを知ってビックリしていました。

別に公選法が改正になったわけでありません。いわば今までは「お目こぼし」だったわけです。
それが条文を厳しく見る、となっただけのことです。

ただ、選挙の実務において公選法の解釈などを誰がするのか?という問題はあります。

候補者本人はもちろん、対外的に動いている人には「法律の解釈を勉強する」時間がありません。
選管や警察さらには政党などでも「選挙についての説明」は何度も開かれますが、そこに参加する時間がない。

「事務方」と呼ぶ、出納責任者を筆頭として、選対事務局長など公式の役職者とその次長、といったあたりに「判断の全責任が掛かる」ものなのです。

わたしが手伝った選挙では、わたしは選対事務局次長といった役回りでしたが、前回との違いなどについては随分と考え判断して、それを皆さんに伝えて納得して動いていただくように努めました。

非常にチームワークが重要で、そうしないと情報が入ってきません。情報が無くては判断も出来ない。

選対事務局長はいわば表の顔で、報道陣の取材にも応じたりするのが重要な仕事ですから、実務も細かいところまで知っていて判断を下す立場にあるとは必ずしも言えません、むしろ政党職員などの方が情報量も多いはずだから適当な役回りでしょう。

単なる「役割の名前」でやっていたのでは選挙は出来ません。実質が伴わないと無理で、平均的に言えば選挙チームの活動期間はほぼ半年は掛かりますし、相応に経験者でないと厳しい。
そういう人材を得ることが出来なかった小林前議員が候補者としての基本的な資質に欠けていた、と言うべきです。

12月 5, 2007 at 10:18 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.29

小林元参院議員陣営の公選法違反事件・判決は12月4日

神奈川新聞より「小林元参院議員陣営の公選法違反事件が結審/横浜地裁

小林温・元参院議員(辞職)陣営による公選法違反事件で、元出納責任者と自民党県連職員の両被告の公判が二十七日、横浜地裁(栗田健一裁判長)であり結審した。
検察側は元出納責任者に懲役一年六月、自民党県連職員に懲役一年二月を求刑。
両被告側は、あらためて無罪を主張した。判決は十二月四日。

検察側は論告で「集票につながるため、場所取りや設営には選挙運動性がある。(選挙運動に当たる)ビラ配りとは一体であり分けられない」と主張し、両被告が学生らに渡した報酬は違法とした。

さらに、元出納責任者は過去の選挙経験などを通じ「(学生らが)ビラ配りなどの選挙運動もしていたのを認識していた」と指摘した。

一方、最終弁論で元出納責任者側は「設営も選挙運動だとする検察側主張は無用に法解釈を広げるもので、国民の政治参加を委縮させる」と批判。元出納責任者が学生らの活動実態を認識していたとの検察側主張に「間接証拠ばかりで立証に足りない」と反論した上で「認識はなく、故意は認められない」と強調した。

自民党県連職員側は「ビラ配りはわずかな時間であり、報酬は労務に対するもので適法」と主張した。

起訴状によると、両被告は市連職員の男性と共謀し小林・元議員の当選を目的に、投開票日の七月二十九日ごろから八月一日までの間、二十四回にわたり横浜市中区の事務所内などで学生ら二十四人に選挙運動の報酬として現金計百五十二万円を渡した。

「参議院神奈川選挙区小林議員の選挙違反裁判・結審」の続きです。

一番気になるのが、弁護側の主張の根幹が「公選法の解釈優先」を取っているように見えるところです。
公選法は選挙での不公平を無くすことが目的であり、候補者はちょっとでも自分が有利になるように立ち回るのは当然です。
そこに「公選法の解釈論」を優先させるとどういうことになるのか?

事は選挙の実施についてですから、過ぎてしまった選挙期間についての評価を後から出来ても、取り戻せないのは明らかで、解釈論を取り得ないのは明確だと考えます。

もちろん、公選法違反そのものが無かったといった場合もあり得ますが、それで選挙の結果が大きく変わることはありません。

今回の、小林議員の運動員が公選法違反で有罪なると、連座制で議員が有罪になり、結果として当選無効になるわけで、逆に無罪になったから落選者が当選するわけではないからです。

そうなると「公選法に解釈論を持ちこむこと」が結果として「選挙違反のやり得」になるのは明らかです。

改めて考えてみると、公選法の種々の規定はいわばスポーツのルールのようなもので、ルールの改正は許されるのが当然であっても、ルールの解釈について参加者が異議を申し立ててはルールでなくなってしまいます。

ましてや「国民の政治参加を委縮させる」とは良く言うものだとしか言いようがないし、「知らない」なんてのはどんな法律でもほとんど相手にされない言い訳です。

なんでこんな悪あがきをするのだろう?

11月 29, 2007 at 09:43 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.24

参議院神奈川選挙区小林議員の選挙違反裁判・結審

「参議院神奈川選挙区小林議員の選挙違反」の続報です。
東京新聞神奈川版より「違反実態“認識”が焦点 小林温陣営の参院選挙違反事件

出納責任者は、報酬を払ってビラ配りをさせた選挙運動の実態を知っていたのか-。

7月の参院神奈川選挙区で当選した自民党の小林温・元議員(43)陣営の選挙違反事件で、横浜地裁で続いている裁判は、公選法違反(買収)の罪に問われた出納責任者で元公設秘書の違反事実の“認識”が、大きな争点となっている。15日の被告人質問まで計17人の証人が出廷し、検察側と弁護側が激しいやりとりをみせた。(中沢穣)

「一緒に逮捕され、起訴猶予処分になった自民党横浜市連職員から、街頭演説の準備やビラ配りなどをする『設営隊』の仕事内容を説明された。被告も一緒に長机に座って聞いていた」。十月二十六日の公判で、設営隊に加わっていた男性はこう証言した。

これに対し、被告は十五日の被告人質問で「(この男性を)市連職員の机の前で、立ったまま紹介した。仕事内容の説明は聞いていない」と述べ、男性の証言に“反論”した。

検察側は、否認する被告が「活動の実態を知っていた」ことを立証するため、間接的な事実を積み重ねようと事務所関係者らを次々と証人に呼び、「被告の近くでビラ配りについて会話した」などの証言を引き出してきた。

一連の証人の中でも、この男性の証言は起訴事実を裏付ける有力なものとみられたが、弁護側に証言の細かい矛盾点を突かれると、言葉に窮する場面もあった。

被告は設営隊の活動内容を「知らなかった」「聞いたことはない」と一貫して主張。さらに候補者が設営隊や支援者とともに商店街などをビラ配りしながら歩く「桃太郎行進」についても、「徒歩での移動手段だと思っていた」と供述するなど、選挙運動の実態についての“無知”ぶりを強調した。

一方、被告とともに起訴された党県連職員の被告は、十三日の被告人質問で「設営隊の仕事は、街頭演説の場所取りや設営など単純労務が主で、ビラ配りは付随的だった。違法とは思ってなかった」と主張したものの、学生らにビラ配りをさせたり、報酬を支払ったりした事実はおおむね認めた。

こうした証言などから、報酬を払ってビラ配りなどをさせる公選法違反に当たる選挙運動に対し、金の支払いに直接関与した出納責任者である被告が、違反行為を認識していたのかが、最大の争点となっている。

弁護側は「検察側の証拠はいずれも『知っていたはず』とか『認識していたと思う』というだけで、決定的な証拠はない」と話す。

一方、横浜地検幹部は「無罪は想定していない」といい、県警捜査幹部も「無理な捜査は一つもしていない。これが無罪なら日当買収の検挙は不可能に近い」と自信を見せる。

二十七日に検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論が行われ、
十二月四日に判決
が言い渡される。

12月4日に判決ですか、さすがに速い。
この種の裁判では、こんなに揉めることはほとんど無いのですが、なんかすごいですね。
実際に「桃太郎は徒歩の移動手段だと認識していた」と証言したのだとすると、「桃太郎という言葉を知っているじゃないか」と突っ込まれるでしょう。
わたしも最初に「桃太郎」と聞いたときには全くイメージが浮かばなかった。行列した歩くことを知っていれば、それが選挙運動だと思わないのは無理がありすぎます。

公選法の運用は、解釈論を全く許さないで来ていますから、弁護側の主張の根幹である「決定的証拠が必要」というのは、公選法の常識の範囲では無理があります。

検察が「これがダメなら」というのも、こういう「常識」から来ていて、それも元を質せば選挙での公平の維持を目的としているので、違反の処罰以前に「これでやらなくてはならない」という「指導的な側面」が極めて強い法律である必要があるからでしょう。

早い話が「指導に反した」だけで公選法違反とされるのは仕方なく、警察からの警告が選挙たびに多数出ることになります。

それに対して、弁護側が「確固たる証拠が必要」というのは、公選法の趣旨というか選挙そのものの趣旨に反するとも言えるわけで、なんでこんな主張をするのか、本当にこんな事を考えている、選挙素人なのか?
いずれにしろ、被告はそこそこ長く選挙に関わっていた「経験者」には間違いなく、こういう展開になるところに陣営として非常識ぶりが極めて強かったのだろう、と感じてします。

11月 24, 2007 at 11:15 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.29

参議院神奈川選挙区小林議員の選挙違反

東京新聞神奈川版より「事前共謀なかった 小林温氏派選挙違反事件検察側と真っ向対立

七月の参院神奈川選挙区で当選した自民党の小林温前議員(43)陣営の選挙違反事件。二十八日の横浜地裁での初公判は、出納責任者で元公設秘書と、自民党県連職員の弁護側が、選挙にかかわった大学生らに渡した金について「公職選挙法で認められた単純労務への報酬であり、事前共謀もなかった」と無罪を主張し、検察側と真っ向から対立する展開になった。

検察側は冒頭陳述で、小林前議員が四月に「若さをアピールした選挙運動を展開したい」と話したのを受け、両被告が五月に電話で「若い選挙運動員を集めるため日当一万円の報酬を支払う」と打ち合わせており、事前の共謀があったと指摘。

一方、大学生らがビラ配りなど選挙活動をしていたことを元公設秘書が知っていたかどうかについては、「選挙運動員にビラ配りに対するねぎらいの言葉をかけた」「ビラ配りについての大学生らの会話を聞いていた」などと間接的な事実を列挙したにとどまった。

また、八月二十六日に都内のホテルで、小林前議員本人から任意で事情を聴いた調書も証拠として提出したが、内容は詳しく明かさなかった。

弁護側は、大学生らに渡した金の趣旨は、街頭演説のための場所取りや旗の設営といった単純労務に対する正当な対価だったと主張。
大学生らがビラ配りに携わったことは認めつつ、街頭演説の設営作業の合間に十五分から一時間程度行ったにすぎず、また、鈴木被告はそのことを知らなかったと反論した。

公選法の「百日裁判」の規定に従い、判決期日は十二月四日とされ、それまでの公判日程も指定された。 (中沢穣)

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その7」を書いたのが、8月30日でこの時点では小林議員は辞職せずに補欠選挙に持ちこむのではないか?と思っていました。
しかし、9月4日に議員辞職となったために時点の松あきら候補が繰り上げ当選となりました。

小林議員とその周辺に選挙戦略があるのかが非常に疑問があるところですが、今回も小林前議員の言動には大いに疑問を感じます。

朝日新聞神奈川版より「県警、小林氏を聴取

大学生らに日当を払って選挙運動をさせたとして、自民党の小林温・前参院議員=議員辞職=の出納責任者だった元公設秘書ら2人が公職選挙法違反(日当買収)の罪で起訴された事件の初公判が28日、横浜地裁で開かれる。
元公設秘書らの弁護側は、公選法で認められた労務への正当な報酬だったとして無罪を主張する方針で、日当の趣旨が争点になるとみられる。県警は捜査段階で、小林氏から参考人として事情を聴いていたことも新たにわかった。 (藤山圭、小島寛明)

公選法違反罪で起訴されたのは、7月の参院選で小林氏の陣営の出納責任者を務めた、元公設秘書と、党県連職員。

起訴状によると、両被告は7月29日から8月1日ごろの間、大学生ら24人に、参院選の期間中にビラを配って小林氏への投票を呼びかけさせた報酬として、計153万円を支払ったとされる。

公職選挙法は、投票の呼びかけを伴わない事務や労務に対して、一定の報酬を支給できると規定している。

捜査当局のこれまでの調べでは、大学生らは小林氏が街頭で演説をする駅頭での場所取りや、のぼりの設営といった、演説の準備を担当。その後、街頭で有権者にビラを配って投票を呼びかけたとされる。検察側は、これらの一連の行為が集票活動にあたる、と指摘するとみられる。

一方、捜査段階で鈴木被告は「買収はしていない」と容疑を否認。弁護側は公判で「選挙運動への報酬ではなく、労務に対して日当を支払った」と主張する方針だ。出納責任者として、選挙期間中のほとんどを事務所で業務を担当していたため、大学生らがビラを配っていたことへの認識がなかった、などと主張するとみられる。

この事件を巡り、県警は捜査段階で、参考人として小林氏から任意で事情を聴いた。小林氏は「何も知らない」と答えたという。

議員辞職を表明した今月4日の記者会見で、小林氏は「県警や地検の事情聴取は受けたか」との質問に対して「受けていない」と答えていた。

8月26日に事情を聞かれていたのに、9月4日の記者会見の質問に「聞かれていない」と答えた小林前議員のセンスの悪さは目を覆うばかりで、こんな事だから自民党からの支援も受けられないのでしょう。

全体としてこの事件は「センスが悪い」と評するのが一番近いかな?と思うところですが、両被告の主張もちょっと考えられない内容で、公設秘書と県連職員なのだから選挙実務について全くの素人と同様の主張をしては、今後は政党関係者として動ける世界は無くなってしまうでしょう。

確かに選挙の現場にいると「公選法の解釈は???」とか「公選法は改正するべきだ」と思いますし、議論もします。
しかし、選挙は当選を目指すのが当然であって、仮に落選してもダメージを最小限にするように努力する、だから選挙違反と追及されないために一生懸命やる。のが当然なんですね。

両被告の主張の根幹は現在の公選法の解釈と運用について反対するという立場から出ているのだろうと思いますが、被告の立場で100日裁判で主張出来ることとは思えません。
なんのために反論しているのか良く分かりません。ひょっとすると、本当に知らなくて今に至っても知らないで反論しているのでしょうか?

9月 29, 2007 at 11:55 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.30

連座制とは内部統制そのもの?

突然、ひょいと思いついたのだが選挙の連座制とは内部統制違反ということか?

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その7」に紹介した小林議員の側の言い分は

  • 出納責任者は現金を渡したことは認めながら、「買収ではない」と否認を続けている。
  • 陣営幹部は、「事務所としての体制が薄かった」
  • 弁護人には「大学生らは労務者などとしてかかわっていた。設営や場所取りがほとんどで、選挙運動には当たらない」
  • 「事務員でも選挙運動用の腕章を着ければ、ビラ配りなどができると勘違いしていた」と犯意はなかった

これらをまとめると「確信的な公選法違反の意志はなかった」という主張のように見えます。

内部統制について詳しいとは言えませんが、基本的には「ちゃんと管理することは保証しろ」ということだろうと、理解しています。
それに罰則が付いてしまった。

会社で内部統制で問題ありとされた場合、経営者に責任が行くわけですが、問題になるのは社内の規則に反した場合のはずで、実際にそれによるトラブルが問題になってからでしょう。

小林議員の選挙では、すでにアルバイトの側はお金を受け取ったということで決まっていますから、外見的には「日当買収」が成立しています。
そこに「知らなかった」が通用にするのか?という問題ですが、選挙実務の立場としては毎回手引き書とにらめっこの上、警察とも相談しながら進めているのですから「知らないことはない」ところまで、つめています。

そういう立場の経験者としては「知らないでは済まないだろう」としか思わないのですが、逆に「知らなかった。時間がなかったのだから、手加減してくれ」という主張があった場合、どう考えれば良いのか?なのです。

まぁ知らなかった、間違えだったでは通用しないのは当然ですが「知ることを義務づける」のがどの範囲なのか?
送検された出納責任者と実質上の事務長は「知っていること、部下にもそれを指導することが義務づけられていた」なのだとすると、これは内部統制そのものじゃないでしょうかね?

8月 30, 2007 at 11:53 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その7

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その6」ではアルバイトをした側(お金を受け取った側)が書類送検された記事を伝えましたが、すぐにお金を出した側が送検されました。

送検されたのは、小林議員の公設秘書の出納責任者と、事実上の選対事務長と思われる県連職員です。
事務長か出納責任者のいずれかが有罪になった場合は連座制が適用となり、議員は失職します。
この事から、今回の送検は小林議員の連座制適用での当選無効・失職へ向けて事態は進んでいると見るべきでしょう。

新聞報道では、出納責任者の弁護士は「選挙運動とされる部分はごく一部で、事務所で内勤だった日もある。受け取った現金は報酬にあたらない」として争う姿勢を示していますが、県連職員については、肝心の県連が小林議員が国会にも出ないで雲隠れ状態を「(次の)選挙が出来ない」と言っているくらいですから、裁判になってこの県連職員が検察の主張をそのまま認めてしまうかもしれません。

そうなると、出納責任者が無罪を主張して、極端に言えば「本当に知らなかったから出納責任者は無罪」であっても、事務長が有罪で連座制適用により小林議員は失職となるでしょう。

すでに小林議員の失職後をにらんでのその後の4月の補欠選挙に関わる判断に動いているのだろうと思いますが、自民党と公明党と民主党の3勢力の関係性が今まで10年間ぐらいとはまるで違ったものになっていくと思われます。
一議員の選挙違反事件ですが、ことは神奈川県の政界再編成とも言えるインパクトがありそうです。

東京新聞記事では選挙事務所として弱かったとありますが、実際問題として選挙に至るまでに「講習会」のようなものを政党主催で開くものです。
そういった準備を経て選挙戦にはいるのですが、送検された出納責任者が決定したのが公示日の2日前というのは、ほとんど「あんたで届けておくからね」程度の事だったのでしょう。
それでは「その時の選挙実務のノウハウ」なんて入ってくる時間などありゃしない。

わたしが関わっていた統一地方選挙では、4月15日告示22日投票の選挙に対して、わたし自身は1月から事務所に入りましたが、候補の夫人はその次点から選挙戦の直前まで昼間はほとんど事務所に来ないで、各種手続きを含めて外回りで情報を収集していました。

夜になってから「今日はこういう情報があったが、どうしようか」と話し合って行動を決めていく。
こういったことに十分な時間を掛けてやることが重要であると知っている人たちが居ないで、人数だけ揃えてもダメだと言えます。
運動を手伝ってくれると集まって来た方の中にも「宴会やらなくては」とか言い出して周囲が「おいおい」と止めるなんてこともありました。
そういう人たちも含めて「こうやっていかなくてはいけない」「公選法は大変だ」と認識して貰うことこそが、選挙事務所の中心にいる人間の責務であって、その意味では「分かってなかった」とか「認識が違う」では回りの人に多大な迷惑を掛けます。
今回も、学生を中心とするアルバイトの人たちに迷惑を掛けたのは明らかで、それだけでも「責任あり」と言えます。

神奈川新聞より「出納責任者ら起訴、小林参院議員が辞意否定

参院選神奈川選挙区で当選した自民党の小林温議員陣営が運動員に報酬を支払ったとされる事件で、横浜地検は二十九日、公選法違反(日当買収)の罪で、出納責任者と県連職員の両容疑者を起訴した。小林議員はコメントを出し、現時点で議員辞職する考えがないことを明らかにした。

今後、出納責任者の有罪が確定すると、連座制が適用されて小林議員が議席を失う可能性がある。また県連職員が「組織的選挙運動管理者」と認定された場合も同様の流れになる。

一緒に逮捕された同党市連職員と、金銭を受け取ったとされ書類送検された学生ら二十四人は不起訴(起訴猶予)になった。

事件発覚以後、公の場に姿を現していない小林議員はコメントで「現在は報道された以上のことは分からないので、裁判を通して事実関係を正確に把握した上で対応を考える」との意向を表明した。

公選法違反事件の一審は通常、事件受理日から三十日以内に初公判が開かれ、次回以降は週一回以上のペースで審理することになっている。裁判所には判決を百日以内に出す努力義務の規定があり、順調に進めば十二月までに結論が出る見込み。

起訴状によると、両被告は市連職員の男性と共謀し小林議員の当選を目的に、投開票日の七月二十九日ごろから八月一日までの間に二十四回にわたり、横浜市中区の事務所内などで学生ら二十四人に選挙運動の報酬として現金計百五十三万円を渡した。

読売新聞神奈川版より「雲隠れ小林議員に批判自民内からも自分の口で説明を

参院神奈川選挙区で再選した自民党の小林温議員(43)派幹部の選挙違反事件は29日、出納責任者ら2人が起訴された。
小林議員は事件後、臨時国会を欠席するなど公の場に姿を見せていない。
自民党内にも「説明責任を果たしていない」と、批判や疑問の声も出ている。
出納責任者は調べに「アルバイトの学生らが選挙運動をしていることは知らなかった」と犯意を否認、今後の裁判の行方が注目される。

小林事務所によると、小林議員は出納責任者らが7日に逮捕されて以降、臨時国会に登院せず、横浜市の自宅マンションにも戻らず、東京都内のホテルを転々としている。県連幹部の一部にしか居場所も伝えていない。

出納責任者の起訴を受けて小林議員は「裁判を通して事実関係を正確に把握した上で、対応を考える」とコメントを出した。

こうした対応に、県内選出の自民の若手衆院議員は「説明責任を果たしていない。このままでは疑惑が晴れないままダメージだけが広がっていく。自分の口できちんと説明すべきだ」と批判する。

別の衆院議員も「89万票も取ったのに会見しないのでは、県民に納得してもらえない。県連も次の選挙に入れない」と頭を抱える。

自民県連幹部の一人も「陣営関係者が起訴されたことに対して公の場で県民に謝罪し、説明責任を果たせないような人間は、国会議員である資格はない」と対応を厳しく批判した。

一方、職員の起訴について自民県連は「報道以上のことについては分からない。裁判の推移を見守っていきたい」としている。

また、次点だった松あきら前議員の公明県本部幹部は、連座制で失職するなどした場合、繰り上げ当選の可能性があるだけに、「現段階では何とも言えない。裁判の推移を見守りたい」と慎重に言葉を選んだ。

■出納責任者ら起訴■

連座制適用で議員が失職するかどうかは、出納責任者の起訴で「百日裁判」に委ねられる。出納責任者の弁護人は無罪主張する方針。小林議員は辞職せず、裁判の行方を見て進退について判断するという。

横浜地検の調べによると、出納責任者とともに起訴された党県連職員は遊説活動のまとめ役で、場所取りなどを行う「設営班」の学生らを指揮していた。出納責任者は学生らに「日当」名目で選挙運動の報酬を支払った。

公選法は、候補者の資力によって選挙結果が左右されないよう、「選挙運動は無償のボランティアが行う」ことを想定。ウグイス嬢など特定の運動員以外には、報酬を支払うことを禁じている。

学生らは設営作業のほか、遊説で小林議員と一緒に練り歩く「桃太郎」行為をしたり、ビラ配りで投票を呼びかけたりしていた。捜査当局は「全体として選挙運動をしていたと評価できる」としている。

また、出納責任者はこうした実態を「知らなかった」と否認しているが、捜査当局は「同じ事務所で仕事をしており認識できた」として起訴した。

出納責任者の弁護人の高原将光弁護士は「選挙運動とされる部分はごく一部で、事務所で内勤だった日もある。受け取った現金は報酬にあたらない」と反論。選挙違反事件として成立するかどうか争うことも検討しており、裁判では激しい争いが予想される。

一方、県警は小林議員本人の関与の有無も捜査した。捜査幹部は「議員もビラ配りの運動員を見ていただろうし、側近の出納責任者の行為を知らないはずはないと考え、捜査は尽くした。裏付けるだけの証拠が確認できなかった」としている。

東京新聞神奈川版より「小林温議員陣営買収事件起訴弱い組織に甘い認識

七月の参院選神奈川選挙区で当選した小林温議員(43)陣営の選挙違反事件で二十九日、公設第二秘書だった出納責任者ら二人が横浜地検に起訴された。捜査当局は、選挙運動を行った大学生らに報酬として現金を渡すという違反に及んだ背景に、陣営の弱い組織体制や甘い認識があったとみる。一方で、出納責任者は現金を渡したことは認めながら、「買収ではない」と否認を続けている。(佐藤大、中沢穣)

「事務所としての体制が薄かった」。起訴を前に陣営幹部は、疲れ切った表情で、組織について反省の弁を述べた。

現職とはいえ、もともと“落下傘候補”で強固な支持基盤を持たなかった小林議員。選挙スタッフは「寄せ集め」(陣営幹部)状態だった。そんな中、小林議員の公設第一秘書が六月ごろ、個人的な都合で事務所を辞めてしまう。

出納責任者のなり手がいない中、公設第二秘書が出納責任者に納まったが、それが決まったのは、公示日のわずか二日前だった。別の衆院議員のスタッフとして働いたこともある出納責任者だが、選挙についての経験は乏しかった。周囲には「私でも(出納責任者が)できるかな」と不安を漏らしていたという。

◆選挙運動か否か

選挙資金の管理を一手に引き受けることになった出納責任者。投開票日の七月二十九日、事務所の給湯室などに大学生らを一人ずつ呼び出し、「ご苦労さま」と一人当たり一万円から十二万円の現金を手渡していった。

公選法では、ビラ配りなどで投票を依頼する「運動員」に報酬を支払うことは禁じられているが、あらかじめ選挙管理委員会に届け出た「事務員」やポスター張りなどの単純作業を行う「労務者」に報酬を渡すことは認められている。

出納責任者の弁護人によると「大学生らは労務者などとしてかかわっていた。設営や場所取りがほとんどで、選挙運動には当たらない」と出納責任者の潔白を主張。出納責任者は「大学生らが選挙運動をしていたことは知らなかった。買収ではない」と否認しているという。

しかし、捜査当局は学生らの主な活動は、ビラ配りなどの選挙運動だったと断定。選挙運動には当たらないという主張について、捜査幹部は「へ理屈にすぎない」と切って捨てる。出納責任者が深い認識がないままに違反に手を染めていたとみる。

◆口止めの意味は

一方で、ビラ配りや街頭活動のまとめ役となった自民党県連職員は容疑を認めている。

ただ、「事務員でも選挙運動用の腕章を着ければ、ビラ配りなどができると勘違いしていた」と犯意はなかったとし、学生らに「(現金のことは)言わないでね」などと口止めをしたとされる点について、「事務所内のボランティアの人が気を悪くしないようにと思って言っただけだ」と、その趣旨の違いを強調しているという。

8月 30, 2007 at 11:00 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.28

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その6

神奈川新聞より「金受け取った学生ら24人書類送検/小林温議員陣営買収事件

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その5」の続きです。

参院選神奈川選挙区で当選した自民党の小林温議員陣営による日当買収事件で、県警捜査二課と都筑署などは二十七日、金を受け取った運動員二十四人を公選法違反の疑いで書類送検した。秦野市在住の男子私大生(21)ら二十歳から四十歳の男女で、うち十七人が学生、ほかは無職と自営業。

調べでは、二十四人は小林議員を当選させる目的でビラ配りなどの選挙運動を行い、七月下旬から八月上旬にかけ報酬として一人一万円から十数万円を受け取った疑い。全員が容疑を認めているという。総額は百六十数万円に上る。

いずれも「選挙の仕事がある」といった口コミで集められ、うち約二十人は事務員として登録されていた。「一日一万円で」と具体的な報酬を知らされていた人もおり、多くは金を受け取った際に「他の人には言わないで。封筒もすぐに捨てて」などと口止めされていたという。

この事件で県警は陣営の出納責任者、鈴木美香容疑者(33)ら三人が、報酬を渡した容疑で逮捕され拘置中。元秘書の容疑者は否認を続けているという。小林議員は事件発覚後、公の場に姿を現していない。

その後どうなっていたのかなと思っていたら、運動員をやった側は送検になってしまいました。
「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その5」に書いたとおり、9月15日までに小林議員が辞職するなどして参議院神奈川選挙区議員が一名欠けると、次点だった公明党の松あきら候補が繰り上げ当選になります。

この選挙違反容疑は元秘書と県連・市連の事務職員という選挙実務の責任者が運動員に日当を支払ったので、連座制適用で小林議員が公選法違反で失職する可能性がある、ところが注目なのです。

裁判の結果が9月15日までに出るわけがないので、裁判による失職だと早くても空席になる参議院神奈川選挙区補欠選挙が2008年4月27日に行われることになります。
金を受け取った運動員の方は送検されてしまいましたが、元秘書が否認を続けているのは政治的には次点の繰り上がりをさせない事になります。

これは、自民党と公明党の協力関係を冷ますことには変わりはないでしょう。
神奈川県は民主党が強い地域で、自民党と公明党の協力関係は大きな意味があったと思いますが、それが変わるとなると、自民、民主、公明の三つどもえの戦いで4月の補選に突入となります。
結構すごいことになるだろうと予想します。

8月 28, 2007 at 09:06 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.19

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その5

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その4」の続きです。

毎日新聞神奈川版より「参院選・小林温氏派の公選法違反:自民県議団に報告 /神奈川

自民県議団(田島信二団長、40人)は17日、参院選後初めての団会議を県庁内で開き、小林温氏(43)陣営の選挙違反事件について同党県連が報告した。
小林氏が「迷惑をかけたことをおわびしたい」と話していることなどが紹介された。

竹内英明県連幹事長が参院選について「一丸となって勝利を得たことに感謝したい」と述べた後、県連事務所などが捜索を受けたことや小林氏に連座制が適用される可能性があることなどを報告。公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された県連職員らについて「悪意を持っての買収ではなかったことは推察できる」などと説明した。

また、小林氏が事件後、公の場に姿を見せていないことについて「弁護団と小林氏が協議し『説明できる立場にない』と判断している」と述べ、理解を求めた。【山下修毅】

これちょっとすごいですね。
小林議員自身は相変わらず公の場には顔を出していません。上記の「県議団会議」にも顔を出さない。

なんで「県議団会議」なのだ?
政党の会議には色々ありますが、県議や市議の団会議というのはかなり怪しげにもなれます。

団会議は本来は「議員団会議」ですから、議員以外は参加できません、これはかなり厳重に守られていますが、地方政治での議員団は政党に直結してはいません。
横浜市議会では民主党所属の議員団は二つあって、長らく対立していました。
こんな事だから、必ずしも党員でない議員が参加していたりする。オブザーバもあり。それは、議会内部の事を議論する場だから当然とも言えます。

となると、参議院選神奈川選挙区の議員が引き起こした問題だかといって、県議団会議にどれほどの意味があるのか?ではあります。

一言で言えば、自民党神奈川県連のやっていることは「引き延ばしをしている」と受け取られても仕方ないでしょう。

以前から、ちょっと気になっていたのですが、選挙直後に当選者が議員の資格を失うと、次点以下の候補者が繰り上げ当選になります。
これは、議員の資格を失うとですから、その理由は、辞職、死去、失職など何でも良いわけです。
しかし、それは選挙の期日から3ヶ月以内とされています。

公職選挙法 第九十七条  (衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙以外の選挙における当選人の繰上補充)

衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙について、当選人が死亡者であるとき又は第九十九条、第百三条第二項若しくは第四項若しくは第百四条の規定により当選を失つたときは、直ちに選挙会を開き、第九十五条第一項ただし書の規定による得票者で当選人とならなかつたもの(衆議院小選挙区選出議員又は地方公共団体の長の選挙については、同条第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたもの)の中から当選人を定めなければならない。

2  参議院(選挙区選出)議員又は地方公共団体の議会の議員の選挙について、第百九条第五号若しくは第六号の事由がその選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において第九十五条第一項ただし書の規定による得票者で当選人とならなかつたものがあるとき又はこれらの事由がその選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合において同条第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものがあるときは、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。

参議院選挙は2007年7月29日実施ですから、3ヶ月が経過するのは10月末ですね。
3ヶ月を経過した後に議員の資格を失うと補欠選挙になります。選挙はやり直しです。

公職選挙法 第三十三条の二  (衆議院議員及び参議院議員の再選挙及び補欠選挙)

衆議院議員及び参議院議員の第百九条第一号に掲げる事由による再選挙は、これを行うべき事由が生じた日から四十日以内に、衆議院議員及び参議院議員の同条第四号に掲げる事由による再選挙(選挙の無効による再選挙に限る。)は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)が第二百二十条第一項後段の規定による通知を受けた日から四十日以内に行う。

2  衆議院議員及び参議院議員の再選挙(前項に規定する再選挙を除く。以下「統一対象再選挙」という。)又は補欠選挙は、九月十六日から翌年の三月十五日まで(以下この条において「第一期間」という。)にこれを行うべき事由が生じた場合は当該期間の直後の四月の第四日曜日に、三月十六日からその年の九月十五日まで(以下この条において「第二期間」という。)にこれを行うべき事由が生じた場合は当該期間の直後の十月の第四日曜日に行う。

補欠選挙が、2008年4月27日に行われることになります。
繰り上げ当選になると、神奈川選挙区の次点は公明党の松あきら候補ですから、自民党は公明党に参議院の座を一つ譲ることになります。
これを避けるために、何としても3ヶ月間は突っ張って、その後に辞職すると4月の選挙で自民党の候補が勝てる可能性がある、という読みはあるでしょう。
そういう予測をしていたら、今回の報道です。どうも、予測の方向に進むのではないでしょうか?

8月 19, 2007 at 11:33 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.08.14

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その4

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その3」にサイバード創業者の真田哲弥氏からトラックバックをいただきました。

「小林温議員よ頑張れ!(公職選挙法の運動員とは?)」
本来はコメントするべきなのかもしれませんが、ちょっと重要な事もあるのでトラックバックにします。

記事の全文は、「小林温議員よ頑張れ!(公職選挙法の運動員とは?)」を読んでいただくとして、私が注目するのは、この点です。

小林温陣営は何にどう違反したのか? 公職選挙法をよく知らなかったので、調べてみた。

なんと、選挙運動は、みなボランティアでバイト代を支払ってはいけない。バイト代を支払うと、買収と見なされる。

私は、てっきりみなバイトだと思ってました。

(中略)

なんとも不思議で難しい法律だ。

小林陣営は、学生を報酬有りの事務員バイトとして雇用し、報酬を支払ってはいけない選挙運動に従事させた。ということらしい。不思議な法律だが、法律は法律、選挙事務所幹部は細心の注意を払い、適法に選挙運動を行わなければならない。それを、しなかった小林陣営の幹部が腹立たしくてしょうがない。

真田氏は小林議員について

これだけは言っておきたい。小林温氏は、金で票を買うような政治家ではない。

私が、初めて小林温に会ったのは、今からちょうど20年前、東京円卓倶楽部という社会人交流会だった。当時、東京円卓倶楽部には政治家を志す若者が集まっており、その後10人を超す国会議員を輩出した。政治家ではないが、ドコモの夏野氏や松永真理さんともこの会で出会った。

小林氏と二人で事業をしたこともあった。小林氏がワシントンのジョンズ・ホプキンス大学国際関係大学院に留学していた頃のことだ。小林氏と私は、全米各地の新聞から日本と日本企業について書いてる記事をピックアップして和訳して配信するというサービスだった。しかし、大企業向け営業の壁は高く、1年経たずして事業は頓挫した。

その後も小林は家業の文具屋を手伝いながら再び起業する。

そして、6年前、ついに得た立候補のチャンス。小林は自ら起業した会社を売却し、その資金で選挙戦を戦い、見事トップ当選を果たした。

二世議員が幅を効かす国会の中で、小林温は唯一、裸一貫からベンチャー起業を経験した国会議員だ。どうすれば日本経済が活性化するのか、身をもって知っている。そんな議員は他にいない。

連座制で当選無効などに成らないことを願っている。

との観点で応援しています。

ここから、真田さんへのコメントという面も含めてわたしの意見を述べます。

公選法が不思議で難しい法律であるのは真田さんのご指摘の通りで、選挙実務に10年以上も係わってしまったわたしも毎回「なんだ?これは」と考え考えやっている程です。
おそらくは「わたしは完璧に大丈夫」という人は日本中に一人も居ないと言っても良いのではないだろうか?

法律は一般に「禁止と書いていること以外は許される」と理解していますが、公選法の運用では「書いていていないことは全部ダメ」が原則だとされています。
そのために統一地方選挙では宣車の看板問題で右往左往しました。
最近ではHPに当選報告を出したら、違反だと指摘されて削除したというのがありますが、これは「当選報告は事務所に貼り出す紙一枚」となっているからです。 インターネット利用については「インターネットという言葉が公選法にないから使ったら違反」です。
解釈の余地がないというルール自体が社会常識とずれてます。

真田さんも「てっきりみなバイトだと思ってました」とお書きになっているのは世間の常識だと思うし、実際にちょっと前までは運動員に日当を出していました。
少なくとも6年前の参議院選挙の時には問題にならなかった。では公選法が改正になったのか?というとそうではなくて、適用が厳密になったのです。

選挙運動が出来るのは運動員の腕章を付けているときだけ、なんてのは多くの方はご存じないでしょう。大勢の人が駅頭で制服を着て立ったりしますが、あの中に運動員と応援団の区別があるのです。

話を戻して、公選法の適用がうるさくなったのは2006年ぐらいからで2007年4月の統一地方選挙では「宣車の看板問題」「運動員のボランティア化」「公示前の運動の制限」など大変な苦労をさせられました。

今回の小林議員派の公選法違反容疑は統一地本選挙後だから目立ってしまった、という面があると思います。

真田さんは「二世議員が・・・」と政治に素人が参加するべきだとおっしゃっていて、わたしも賛成ですが、選挙実務には実にプロフェッショナルなところがあります。
そして選挙の段階で「素人ですから間違えました、勘弁してください」では法律の世界は通用しませんし、当選無効にでもなれば投票してくれた人も裏切ることになります。

では、小林議員の事務所にベテランの選挙実務者がいなかった(不足していた)のはどこに問題があるか?となりますが。言うまでもなく、これは候補者が集めるべき事なのです。
有能な人が自然に寄ってくる事はない。それが、日常活動であり、地元対策であるわけです。

選挙は結果であり、それも一回の試験ではありません。その一方で「選挙に落ちればただの人」でもあるわけです。つまりは選挙の当落といったデジタル的な結果だけで全てが決まることは事実ですが、そこまでのプロセスが評価された結果であって、例えば何度も当選する首長や議員の得票数がどう変化するのかも重要な指標です。
そういったプロセスという観点で見ると、運動員に日当を払ったというところが「選挙の周囲の情報を見ていなかった」という「プロセスのミス」をしているわけで、それが重大なことになる可能性があるプロセスの見逃しだから、ことは重大だと言えます。

結論は、立候補者に「選挙の素人」は許されないというべきです。
なお、ベテラン議員の多くが選挙素人であることもまた事実です。

8月 14, 2007 at 12:04 午後 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.09

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その3

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その2」の続きです。

東京新聞神奈川版より「小林議員陣営買収 背景に慢性的人手不足

「人が足りなかった」。
自民党の小林温参院議員(43)の出納責任者ら三人が、運動員に報酬を渡したとして公選法違反(日当買収)容疑で逮捕された事件。
県警の調べに、小林議員の陣営関係者は、事件の背景に選挙運動を手伝うスタッフの「人手不足」をあげているという。
現職とはいえ、もともと“落下傘候補”で強固な支持基盤を持たない同陣営が、厳しい選挙戦の中で、不正へと駆り立てられたとみて、全容解明を進めている。

小林議員は参院選初挑戦の二〇〇一年、“小泉旋風”の追い風の中、約百三十万票を獲得しトップ当選。
IT(情報技術)や資源・エネルギー政策に強い議員として鳴らし、経済産業大臣政務官も務めた。

ただ、小林議員は福島県出身で、県内に頼れる地縁血縁はない。
自民党公認とはいっても独自の後援会組織を整えていたとはいえず、自民党県連幹部の一人は「選挙ごとにスタッフを集めざるを得なかった。慢性的に人手不足だった」と苦しい内情を証言する。

小林議員は二期目の当選を決めた七月二十九日夜、今後の抱負を報道陣に問われて「『政治とカネ』の問題を含めて政治改革を」と意気込んだが、皮肉にもその「政治とカネ」問題で出ばなをくじかれることになった。

出納責任者らの逮捕から一夜明けた八日も、小林議員は公の場に姿を現さず、国民と支援者に対して説明責任を果たしていない。
自民党県連も同日、報道陣の会見要請を拒否し、小林議員や県連が受けた衝撃の大きさを物語った。 連座制適用が焦点

神奈川新聞より「公設秘書、支払った金は選挙運動資金と示唆/小林温議員陣営公選法違反事件

参院選神奈川選挙区で当選した自民党の小林温議員陣営による公選法違反事件で、逮捕された出納責任者で公設秘書が、支払った金は選挙運動資金だったことをほのめかす供述をしていることが八日、県警捜査二課などの調べで分かった。
また、複数の陣営関係者が「人手が足りずに困っていた」などと話していることも判明した。

県警は公設秘書と、自民党県連職員、横浜市連職員の両容疑者を九日に送検。
約九十人態勢で八日未明まで行った家宅捜索の押収資料五百数十点の分析作業と合わせ、事件の全容解明を進める。

調べに対し公設秘書は、容疑事実については依然として否認しているが、「支払った金は、ここにあった金」などと、個人のポケットマネーではなく選挙運動用の資金の一部を使ったという趣旨の供述をしているという。
県警は資金の出所の裏付け捜査を急ぐとともに、買収に組織的な関与があった可能性もあるとみて三人の役割などを慎重に調べる。

また、複数の陣営関係者が、事情聴取に対して「人手が足りなかった」と説明していることも分かった。買収された二十数人の運動員の中には、選挙公示後に新たに参加した人もいたという。

投票日が一週間ずれ込み「夏休みに掛かってしまったため、集まった大学生が通常の選挙よりも三割ほど少なかった」(陣営幹部)
との事情もあったとみられ、厳しい選挙戦の中で人手不足への危機感が事件の背景となった可能性もある。

サンケイ新聞神奈川版より「人手足りなかった 小林陣営、選挙戦に危機感?

参院選神奈川選挙区で再選した自民党の小林温氏の陣営による公選法違反(日当買収)事件は、自民党関係者に大きな衝撃を与えている。
県警は7日夜から8日未明にかけて約100人態勢で自民党県連などを家宅捜索し、他の陣営幹部の関与や現金の出どころを調べているが、
複数の関係者が県警の聴取に対して「選挙の人手が足りていなかった」と証言。
買収行為の背景には、厳しい選挙戦を強いられた陣営の危機感があった可能性も浮上している。

県警捜査2課のこれまでの調べでは、買収された二十数人の運動員の大半が、公選法で報酬を受け取ることができる「事務員」としての届け出があったが、実際には事務活動をせずに、街頭などで投票を呼びかける選挙運動を行い、日当1万円の報酬を受け取っていた。
小林氏の出納責任者で公設秘書は「正当な報酬で買収はしていない」と否認しているが、街頭活動を取り仕切っていた自民党県連職員ら2人は容疑を認め、県警が聴取した複数の関係者も「選挙運動を手伝う人が足りなかった」などと話しているという。
また、一部の運動員は報酬について逮捕者から口止めされていたことを打ち明け、「お金をもらってもいいのかと思った」「軽率だった」などと、違法性を認識していたという。

小林氏の陣営による公選法違反事件は、連座制が適用されれば小林氏の当選が無効になる可能性もあり、関係者らは情報収集を急ぎながら事態を見守っている。
ある県連幹部は「まさに寝耳に水だ。経験の少ないスタッフだけで大丈夫かと不安だったが、まさかこんなことになるとは」と肩を落とした。
一方で買収行為については
「選挙で一番の悩みは人手不足。ボランティアとして運動員を集めているが、タダでは動かないのは常識で、今回の逮捕はまさにそこを突かれた」と打ち明けた。
また、自民党の若手議員は「政治と金の問題がクローズアップされているので頭が痛い。小林氏は公選法違反などとは無縁なイメージだったので、非常に残念だ」と困惑している。

県警は、鈴木容疑者ら3人を逮捕した7日午後9時から8日午前4時まで、約100人態勢で横浜市中区の自民党県連など十数カ所を家宅捜索。押収資料の分析を進め、小林氏本人の連座制適用を視野に捜査を進めている。

小林温議員の経歴は

1964年福島県で生まれる
1989年早稲田大学政経学部政治学科卒
大学卒業と同時に松下政経塾に入塾(10期生)
1994年松下政経塾を卒業し実家に戻る
2000年森喜朗議員のスタッフになる
2000年参議委候補の公募に応じる
2001年参議院議員となる

となっています。松下政経塾の10期生には同じ神奈川の中田宏横浜市長が居ます。
新聞記事の中で私が注目したところに色を変えましたが、参議院選挙は選挙区選挙でも全県一区ですからものすごく大変だと思います。
「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その2」にも書いたとおり、交通費(通勤費)も出せないのですから、近所の人に手伝ってもらう地方議会選挙などならとにかく、全県一区を動けるような人と人数を確保することは極めて大変でしょう。

無償どころか手弁当・持ち出しの支援者に選挙運動をして貰うことになりますから、候補者は人気者である事が必須とも言えます。
それが「地域密着」とか「後援会」とかになっていくわけです。ところが最近の若手政治家がよく使うトークに「しがらみの無い」がありますが、これを政治で実践してしまうと本当に孤立無援の選挙を戦うことになりかねません。
古くは青島東京都知事の選挙のように運動しないのに当選ということもありますし、人気者であれば「勝手連」が出来ることもあります。

しかしながら、このような人気者が当選するには選挙以前から人気者の有名人であることが条件で、青島知事などはその典型です。
松下政経塾など政経塾出身の政治家は非常に多くなったといって良いでしょうが、彼らは政治家になる前は無名の人です。だから、逆に政治家になってから後援会組織をガッチリ作らないと続かない。中田宏市長はこの点は成功しています。

今回の事件のどこに焦点を当てるべきか?と考えると、小林議員は運動員をお金を払って二十数人揃える必要があった、という人気の無さでしょうね。
しかもそれを自覚していなかった。
おそらくは自民党だから忠告する人は少なくなかっただろう。しかし政治の常識として「仲間は一番近い敵」でもあるから「手取り足取りでは教えない」のもまた常識です。
つまりは、小林議員の常識が足りなかった。と言えるでしょう。
そしてその背景には、大学卒業後に就職することなく松下政経塾に入り、政治の世界に入るとすぐに立候補・当選、というある種の「促成栽培の弱さの露呈」ではないか、と考えます。

8月 9, 2007 at 10:59 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (6)

2007.08.08

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性その2

「小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性」の続報です。

神奈川新聞より「小林温氏陣営の出納責任者ら逮捕/神奈川県警

公選法は、いわゆるウグイス嬢など法律で定められた者を除き、選挙運動の対価として報酬を支払うことを禁じている。

神奈川新聞社の取材に対し、小林氏は「学生や、その知り合いという形でアルバイトを集めた」と説明。一方で「会場設営のためのアルバイトがビラ配りなどをしてしまったのかもしれないが、よく分からない。
現場の人に任せており、ボランティアとアルバイトがごっちゃになっていたのかもしれない」と話している。

読売新聞神奈川版より「アルバイトに口止めも

出納責任者は小林議員の公設秘書で、側近中の側近だった。
連座制の対象となる、小林議員派の選挙運動で中核的立場にあった。
県連、横浜市支部連合会のは運動員の配置やビラ配りの計画を立案するなど、街頭活動を指揮していた。

調べによると、買収された運動員の多くは県連学生部に所属する都内や県内の大学生。
一部は、事務所のアルバイトとして働いていた。

県連職員らは学生らに違法な報酬を伴う街頭での選挙運動をさせる際に「(アルバイトかと)聞かれたらボランティアと答えるように」と口止めしていた。

学生らは手渡しで現金を受け取っており、調べに「(現金を)もらっていいのかなと思った」などと供述している。

関係者によると、学生らは当初、選挙事務所のアルバイトだったが、年金記録漏れ問題などによる逆風で情勢が厳しくなり、県連職員らがビラ配りや旗持ちなど選挙運動を指示したという。

小林議員は中区の個人事務所に「法にのっとって選挙運動するよう指示していたが、強制捜査を受けたことを知り、驚いている。捜査の推移を見守り、要請があれば協力する」とのコメントを張り出した。

ボランティアとアルバイトがゴッチャになったから、アルバイト代を二十数人に支払ったとすると、選挙事務所にはアルバイトとボランティアで何人いたのでしょうかね?
アルバイトつまり給与を支払うことが出来るのは、事務職員・作業員だからアルバイトが全員この二つに相当するのであれば、ボランティアつまり運動員はその10~20倍にはなりますよ。
早い話が、事務職員は管理者であって管理されるのが運動員です。だから管理者と管理対象の比率となります。

これが1~2名ならまだ「ゴッチャになった」でも分かる。二十数名とか百数十万円という数字をどう説明するのか?

ところで、選挙事務所は早いところでは半年以上前に開設しますから、どこからが選挙運動か?という問題が出てきます。これもいささか解釈がアイマイですが、まあ一ヶ月前になったらアウトです。
それでも、それまではアルバイトでOKなわけで、特に現職の議員であれば「政治活動報告」のビラ配りや演説のスタッフなどの仕事をアルバイトにさせます。

つまり、選挙実務としては

  1. 最初は、アルバイトとして作業してもらう
  2. 選挙が近づいたら無給に切り替えてもらう

とすることが必須となりますが、これは難しいです。
アルバイトが活動している時期にボランティアが入ってアルバイト以上の活動をしていないと、学生諸君などに「無給・持ち出しでも付き合います」とは言わせられないでしょう。
本当に一文も出さないから交通費は持ち出しなんですよね。
最近の学生の多くはそれなりにアルバイトしていますから、給料の取れる仕事の時間を削って、身銭を切って候補を応援する。
となるわけで選挙運動や候補自身にそれだけの魅力がないと出来ないものなのです。

こういう裏事情から見ると、この事務所はどういう雰囲気だったのだ?と思うところです。

8月 8, 2007 at 10:04 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.07

小林温議員・選挙違反で当選無効の可能性

朝日新聞より「小林温氏秘書ら日当買収容疑で逮捕 参院・神奈川選挙区

7月の参院選神奈川選挙区で再選された自民党の小林温(ゆたか)氏(43)の選挙運動に絡み、神奈川県警は7日、小林氏の公設第2秘書、自民党神奈川県連職員ら3人を公職選挙法違反(日当買収)の疑いで逮捕した。

県警捜査2課によると、第2秘書は小林氏陣営の出納責任者という。買収などで有罪が確定した場合、連座制の適用で小林氏の当選が無効になる可能性がある。

ほかに逮捕されたのは、同党横浜市連職員

第2秘書は「買収はしていない」と容疑を否認しているが、県連職員、市連職員は容疑を認めているという。

調べでは、3容疑者は、街頭でビラを配るなどの選挙運動をした報酬として、7月下旬から選挙後の8月上旬にかけ大学生ら二十数人に現金計百数十万円を渡した疑い。

参院神奈川選挙区の改選数は3で、小林氏は2番目に多い89万5752票を得て再選された。

一応選挙にはかなり深く関わっていた者としては「あ~~ぁ」であります。

次点は、松あきら候補ですね(^_^;)
これはこれで、それなりに熱くなりそうな展開です。

実は、MIXI で大学生とおぼしき人が選挙期間中に「選挙事務所のアルバイト募集に応じて行ったら、初日の晩に警察が訪ねてきたが」なんて相談が出てました。
統一地方選挙の時から、公選法の厳密解釈が進んだようでわたしが関わった統一地方選挙の事務所でも、全員無給で押し通しました。
選挙後も後も顔を出してくれる、学生諸君には感謝です。

二十数人に百数十万円となると、平均値が一人あたり6万円になりますね。30日間だとして、日当で2000円。アルバイトと考えると決して高くはないですが、比較する数字はゼロですからね、割り算すると「無限大」になってしまう(^_^;)

これはもう議論の余地がない証拠を警察は押さえているのでしょう。つまり、当選無効、次点の松あきら候補(公明党)の繰り上げ当選の可能性が極めて大きくなったと思います。

それにしても、自民党の県連・市連の職員まで含み、しかも政治家としてはそこそこのベテランなのになんでこんな事をになったのでしょうか?
不勉強でした。では済まないです。89万票に対してどう詫びるのでしょうか?
脇が甘いとかというレベルではないです。政治家としては極めて不誠実であると思います。

8月 7, 2007 at 11:51 午後 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007.08.01

開票のノウハウ

今回の参議院選挙では開票作業の遅れが問題としてニュースになっていますが、詳しい状況報告記事がありました。
福島民報より「開票ミス、遅れ相次ぐ 愛称、判断分かれる

福島県内市町村で29日から30日未明にかけて行われた参院選の開票で、集計や入力のミス、作業の遅れが相次いだ。郡山市では比例代表の投票者総数の集計を誤り、作業は30日午前3時40分ごろまで続いた。田村市では得票総数の入力ミスがあった。候補者が多い比例代表で疑問票の処理に長時間を要した選管委が多く、須賀川市では無効と判断した票を立会人の指摘で一転して有効に訂正する場面も。
候補者のニックネームの扱いでは、選管委によって有効、無効の判断が分かれた。

郡山市では予定より5分遅れの30日午前3時5分に比例代表の開票結果を発表したが、投票者総数が整数になっていなかった。
県選管委や報道機関の指摘を受けて再点検すると同姓候補者の案分で切り捨てた0・001票を数え忘れていたことが分かった。3時40分ごろに訂正した。
市選管委は「投票者総数が整数でなければならないという意識に欠けていた」と説明する。

田村市では疑問票処理などに手間取り、予定より1時間10分遅れの午前0時40分に確定を出したが、得票総数が合わないことが報道機関の指摘で判明した。
パソコン入力のミスと分かり、訂正まで20分程度を要した。

比例代表の疑問票の処理をめぐって、須賀川市は政党名と代表者の苗字などを併記した票を無効として1時25分、県選管委などに確定票を報告した。
しかしその後、立会人の主張に基づき有効とし、同45分に修正。市選管委は「疑問票を判定する弁護士の導入、立会人への事前説明などを考えたい」としている。

白河市と平田村も予定より遅くなった。市長選が重なった白河市は「比例代表の作業量が想定以上だった」とし、村長選と同日選の平田村は「比例の疑問票が多く、無効票、白票が投票総数の1割を超えた」として、いずれも最終的な終了時刻が遅れる結果となった。

一方、福島、いわき、会津若松の各市などは予定より早く終了した。まず全員で開票し、手の空く時間をなくして効率化を実践した会津若松市は予定より約1時間、3年前の前回参院選より約3時間も早く作業を終えた。

有権者数が県内1のいわき市は点検台の配置替えや票分けパックなどで予定より1時間15分早い午前1時45分に確定を出した。

「ヒゲの隊長」として知られる自民党の佐藤正久氏、「さくらパパ」などと呼ばれる民主党の横峯良郎氏らのニックネームを記したとみられる票の扱いでは、市町村の選管委で判断が分かれた。

二本松市は「ひげのたいちょう」を「佐藤氏への投票と特定するまでの内容でない」と無効にした。飯野町は「ヒゲさん」を無効に。福島市では「ヒゲの隊長」「ヒゲ」とも佐藤氏の票として有効。会津若松市、川俣町、会津美里町も「ヒゲの隊長」を有効にした。

「さくらパパ」は福島、いわき、二本松、新地、飯舘各市町村で横峯氏の票として有効、西会津町は無効。川内村は「さくらパパ」は無効と決めていたが、「さくらパパ民主」と書いた2票を有効とした。

会津若松、喜多方両市は「ヤンキー先生」を自民党の義家弘介氏の票として有効に、郡山市は「ヤンキー」を無効とした。

県選管委は「有効、無効は各市町村の開票管理者に委ねられており、判断が分かれることはあり得る」としているが、市町村によって有効、無効となることを疑問視する声も上がっている。

非常に詳細な報道で、私が何回か書いてる「開票作業は大変」がなぜなのかが良く分かります。
ただ、疑問票があるから開票時間が大幅にずれると言うのは、経験者としてはちょっと納得しがたい。

記事にもあるとおり、各選管で疑問票の扱いにバラツキがあったということで分かるのは、疑問票対応策が事前に決まっていなかった証拠でしょう。
有効票・疑問票・無効票に分かれますが、疑問票は案分比例にして有効票になります。
(もちろん、疑問票が最終的に無効票になる場合もある)
そうなると、実務的には「何が無効票か」を決めて通知しておくことが重要だとなります、そうしないと疑問票が激増してしまう。

開票時間が伸びた理由として、数字の扱いミスがあったようですが、これは下手すると強烈にが時間を食いますし、そうでなくても点検の手間はすごくて大勢が参加してチェックし直します。
逆に言えば、各部の確実な作業が要求されてるわけで、ある種の職人技のようなところもあります。

須賀川市選管が「疑問票を判定する弁護士の導入、立会人への事前説明などを考えたい」と言っているのは、

立会人に説明しない方がおかしい

のであって、横浜市選管は事前説明会があって質疑応答するし初めての人は経験者に様子を聞いたりしています。こういう地道で周到な準備をすることで疑問のない開票か結果を短時間で得ているのであって、電子投票でもそれなりの準備は必要だろうから、電子投票にすれば解決ではないだろうと思うのです。

8月 1, 2007 at 09:55 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

昨年9月石垣市議選の順位訴訟

琉球新報より「石垣市議選訴訟 現職市議の当選無効

昨年9月の石垣市議選挙をめぐり、議員辞職のため繰り上げ当選した富里八重子氏=得票数716票=と1票差だった仲嶺忠師氏=同715票=が、富里氏の当選無効確認などを求めた訴訟の判決で、福岡高裁那覇支部(河辺義典裁判長)は31日、現職の富里氏の当選を無効とし、石垣市選管の判断を正当とした県選管の裁決を取り消した。

河辺裁判長は市選管が無効票と判断した票のうち「ナカミネヒトシ」と書かれた票について「原告の名前を誤読して記載したもの」として仲嶺氏の有効得票と認定。富里、仲嶺両氏の得票数はともに716票とし、当選はくじ引きで決める必要があると判断した。

県選管は「まだ判決内容を見ていない。選管委員長と相談して対応を決めることになる」とコメントした。

2週間以内に最高裁への上告がなければ、石垣市選挙会でのくじ引きで当選者を決めることになる。

仲嶺忠師(なかみね ただし)候補を「ナカミネヒトシ」と記載した投票の有効・無効を争ったのでしょうが、これは仲嶺候補に投票した事になります。

なぜ、石垣市選管・沖縄県選管が仲嶺候補の得票としなかったのかちょっと理解できません。

公選法では投票の意志は極力尊重するですから、早い話が誰に投票するのかだけを表す意味が通じれば有効票のはずなのです。 他事記載が無効になりますが、「○○候補に投票します」なんて書き込みはダメですね。
その一方で、氏名が完璧でなくても分かればよいであって、姓だけでも通じる、通称でも通じるという場合も有効票になります。
意味が通じるが重要で文字として正しいかどうかなどが問題になるのではありません。

その点から見て、この票が無効とされた理由が分かりませんね。

8月 1, 2007 at 09:32 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)