2008.05.09

振り込め詐欺対策システム作り

読売新聞より「怪しい出入金検知、システム作動し振り込め阻止…名古屋銀

振り込め詐欺の被害が後を絶たない中、第二地銀の名古屋銀行(本部・名古屋市)が、全国で初めて運用している口座監視システムが注目を集めている。

専用コンピューターで全口座を監視し、通常取引ではありえないような出入金が確認された口座をあぶり出し、不正が疑われたら凍結する仕組み。
約1年5か月の間に100以上の不正口座を凍結した。自民党の「振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム」は「被害規模を最小限に抑える画期的な仕組みだ」として、9日、同行から聞き取り調査を行う。

このシステムは、同行がNECと共同開発し、一昨年11月から運用している「異常取引・不正口座検知システム」。

  1. 不特定多数からの入金後、遠隔地の現金自動預け払い機(ATM)で1日に何度も出金の繰り返しがある
  2. 長期間出入金がなかった口座への高額な入金後、限度額いっぱいの出金がある

など、振り込め詐欺などに利用された疑いのある異常取引のケースを17項目に分類。
インターネット取引の利用分も含め、専門部署がコンピューターで各項目に該当するかどうかをチェックしている。

異常が検知されると、担当者が口座開設者や振り込み銀行に連絡。
関係者からの聞き取り調査で口座が犯罪などに利用されている疑いが強まれば警察に連絡し、被害拡大を防ぐため口座を凍結する。

今年3月には、システムが異常を検知した口座の開設者に連絡をしたところ、「通帳とキャッシュカードを紛失した」との回答があったため取引を停止。
その後、数十万円単位の入金依頼がこの口座に続いたため、銀行に確認して振り込め詐欺と判明し、被害者に返金された。
これも含め、今年3月までに100以上の口座凍結につなげている。

ほかの金融機関も、口座開設時に開設者と結ぶ「預金規定」に違反した場合は口座を凍結することはできる。警察などからの情報提供で口座が譲渡されていたり、免許証など本人確認書類が偽造されたりしているケースだ。

しかし、この規定に基づく凍結は、捜査がある程度進まないと銀行に情報が提供されないため、その間に被害が膨らむことが多い。名古屋銀のシステムは異常取引が1件発生した時点で確認作業を進め、口座を凍結できるのが特徴という。

これはかなりうまい手法ですね。

どうしても、出金側の対策を考えてしまいますが、入金側の異常を感知して対策するのですから、効果的でしょう。
早急にこのシステムの普及が必要ですね。

5月 9, 2008 at 09:23 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.07

ダイカスト製品の検査で爆発死亡事故

中日新聞より「豊田自動織機の工場で爆発 大府、作業の1人死亡

7日午前5時15分ごろ、愛知県大府市江端町、豊田自動織機大府工場(清田修工場長)で爆発が起きた。
作業中の同社社員(24)が多発性外傷ショックのため死亡。
窓ガラス約50枚が割れ、屋根の一部が曲がった。東海署は業務上過失致死容疑で調べている。

調べでは、工場内にある鉄骨平屋の棟(1万2000平方メートル)内の、カーエアコン部品を検査するブリスタ試験場で爆発があった。アルミ製ピストン部品を、530度の塩化ナトリウム溶液が入ったステンレス製水槽(長さ1メートル、奥行き60センチ、高さ40センチ)に漬ける作業中、水槽が爆発したらしい。棟内ではほかに11人が作業していた。

大府工場は4月26日から5月5日まで休業し、6日に操業を再開した。死亡した社員は同日午後9時から7日午前5時50分までの勤務で、終業間近の事故だった。

現場はJR大府駅の西側の住宅街近くにあり、爆発音は住民を驚かせた。現場から200メートル北に住む会社員男性は「バーンというものすごい音がして、びっくりした。原因をはっきりさせてほしい」と話した。

豊田自動織機は「住民の方にご迷惑を掛け、誠に遺憾。再発防止に努めたい」としている。

朝の第一報では「検査のために水槽に付けたら爆発した」というわけの分からないものでしたが、ようやく「ブリースター試験中の事故」だと分かりました。

ブリスタ試験とは、アルミダイカスト製品を熱して鋳造欠陥(巣)が膨張して表面を膨らませることで検査をする仕組みです。

だから、530度というもの理解できるものですが、爆発したとは巣の中の空気が膨張したからなのでしょうか?
まだ爆発の原因が何なのか?は分かったとは言えないですね。

5月 7, 2008 at 07:45 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.16

道路陥没

神奈川新聞より「川崎でまた道路陥没/長さ40メートル、幅40メートル、深さ2メートル

十五日午後三時十五分ごろ、川崎市中原区下新城の市道「宮内新横浜線」で、下水道管工事中に出水したと通報があった。直後から道路が落ち込み始め、午後五時の時点で工事用の掘削穴周辺の道路と県立新城高校のグラウンドにかかる長さ四十メートル、幅四十メートルの区間が、最大二メートルの深さに陥没した。市下水道局は現地対策室を設置。原因を調べる。

工事は市発注の雨水対策で、二月上旬に地下二十一メートルに筒状のシールド機(直径三・五メートル)を入れてトンネルを堀り始めたが、玉石がカッターに絡まるトラブルがあり、この日は土を埋め戻して掘削を再開しようとしたところだった。

現場は県立新城高校の正門近く。路面は一部でひび割れて大きく沈み込み、高校のフェンスもたわんだ。近くに住む男性は「万一、車などが突っ込んでいたら大惨事になるところだった」と話していた。

同じ下水管工事では昨年二月、約百メートル北側でも大規模な道路陥没があった。犬を散歩中の近くの主婦(62)は「二度も同じ事故を起こすなんて、あまりにもずさん。(発注主の)市は住民に説明すべき」と憤っていた。

Up

年に数回は通るところで、よく知っているところです。
だいぶ以前から工事が続いていて、下の地図の太い道の真ん中にシールド工事用の出入り口が設置してあります。
写真の左側に見える塀が工事用の出入り口で、これが道路の真ん中に突き出しています。

Up1

写真は、地図で見ると北から南を見た光景で、写真右側が新城高校のグランド沿いのフェンスです。
どうやって復旧するのでしょうか?

4月 16, 2008 at 09:31 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.04.12

トラックホイルー脱落死亡事故

中日新聞より「脱落タイヤは全ボルト破損 東名バス事故、点検ミスか

静岡県牧之原市坂部の東名高速道路で11日、大型トラックのタイヤが外れて対向の「名阪近鉄バス」(名古屋市中村区)の観光バスを直撃、バス運転手の関谷定男さん(57)=岐阜県大垣市浅草2=が死亡、乗客7人が負傷した事故で、ホイールを車軸に固定するボルト8本がすべて折れてタイヤが脱落した可能性が高いことが、国土交通省中部運輸局静岡運輸支局の調べで分かった。

乗客の証言やバス会社によると、関谷さんはタイヤの直撃を受けて倒れながらもブレーキをめいっぱい踏み込んだままで、バスは中央分離帯の縁石に乗り上げた後、約60メートル進んで止まった。

国交省などによると、脱落したタイヤは6カ所計10本のうち左後輪の外側の1本(直径約1メートル、重さ約100キロ)。中央分離帯にぶつかり、幅3・4メートルの分離帯を飛び越えバスを直撃。高さ約3メートルの運転席上部のガラスを破って車内に突き刺さった。

タイヤは1本当たり8本のボルトでホイールごと固定され、うち2本は破断面がさびていた。既に折れていた可能性があるという。

ボルトの破断は整備不良で発生するケースが多く、県警高速隊はトラックを運転していた静岡市の産業廃棄物処理会社「京阪産業」の男性社員(37)=浜松市=から、自動車運転過失致死傷容疑で事情を聴いている。国交省はトラックメーカー「いすゞ自動車」に調査を指示した。

トラックは1回の走行距離が長いため、ボルトの締め付けが強すぎても弱すぎてもボルトにかかる負荷が大きくなる。このためボルトが1本折れただけでも残りのボルトの負荷が高まり次々折れることがあるという。

バスには乗客乗員計41人が乗り、愛知県犬山市の50-80代の男性1人と女性6人が軽傷を負った。

写真を見ると確かに錆びています。

Up

これはスタッドボルトですよね。そしてナットでホイールを留めている。
錆びているということは、普通に考えて8本中2本のボルトがナットごと抜け落ちて、ホイールに穴が開いていたということになりますよ。

点検を怠ったと言うにしても程度が悪すぎるとなりますね。

4月 12, 2008 at 07:55 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

管制官有罪・東京高裁

昨日(2008/04/11)東京高等裁判所で、2001年1月31日に焼津市上空で起きた、日本航空機同士(747とDC10)の異常接近と回避操作によって、747機内で乗客7名及び客室乗務員2名が重傷を負い、乗客81名及び客室乗務員10名が軽傷を負った、事件で管制官の刑事裁判の控訴審が開かれました。
事故の詳細については「航空事故一覧/2001年」に詳しく出ています。

サンケイ新聞、東京新聞、朝日新聞、読売新聞の記事を並べてみました。

新聞記事にもあるように、地裁判決は管制官だけの責任とは言えないとしたのですが、高等裁判所は管制官に責任があるとしました。
この場合の責任とは刑事責任のことです。

サンケイ新聞は、地裁判決と高裁判決の違いについて説明しています。
東京新聞は、事故調査と刑事責任追及が対立する問題について説明しています。
朝日新聞は、個人に対す類似責任追及よりも事故原因の解明に重点を置くべきだという主張のようです。
読売新聞は、高裁判決があった事実だけを伝えているように見えます。

わたしの意見は、この高裁判決は社会的に意味がないと思います。

高裁判決そのものが、事故原因が複合的であるとしているのですから、その上で管制官の刑事責任を認めて罰することは、法的な意味しかなく社会的には法律が見捨てられような結果しか引き起こさないでしょう。

その意味では、真に必要な法的な判断は、事故調査と刑事責任追及のあり方というより高いレベルの判断であるべきでした。
地裁判決は、そこに踏み込んだ判断であったのだと考えますが、高裁判決は「そういう高級なことを裁判所は考えない」とメッセージしたわけで、世間は「裁判所は信用ならない」と考えるでしょう。

被告が上告するのも当たり前だと思います。

サンケイ新聞より「ニアミス事故で管制官2人に逆転有罪

静岡県上空で平成13年、乗客57人が重軽傷を負った日航機同士のニアミス事故で、便名を言い間違えて事故を起こしたとして業務上過失傷害罪に問われた管制官、蜂谷秀樹(33)、籾井(もみい)康子(38)両被告の控訴審判決公判が11日、東京高裁で開かれた。須田● (=賢の又が忠)裁判長は1審東京地裁の無罪判決を破棄し、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年を言い渡した。

便名言い間違いと事故との因果関係などが争点となったが、1審判決は「誤指示は不適切ではあったが、言い間違いがニアミスを招いたとはいえない」と判断。その上で「事故の刑事責任を管制官や機長という個人に追及するのは相当でない」として、2人に無罪を言い渡していた。

検察側は「管制官が重大な人為的ミスを犯しているのに、1審判決は個人の過失責任の追及を放棄している」として控訴。弁護側は控訴棄却を求めていた。

事故は13年1月31日午後3時55分ごろに発生。実地訓練中だった蜂谷被告は、日航958便を降下させようとしたが、誤って同907便に指示。訓練監督者だった籾井被告も誤指示を聞き逃し、907便が緊急回避行動を取ったために乗客57人がけがをした。

管制官、「業務」負担大きく

管制官の指示をめぐる航空機のトラブルは、昨年から今年にかけても各地で相次いで発生した。聞き違いや勘違いといった単純なミスが原因とみられているが、管制業務の負担の大きさが背景にあると危惧(きぐ)する声もある。

今年2月、新千歳空港で日航機が無許可で離陸を開始するトラブルが発生。管制官が指示の中で「テークオフ(離陸)」という用語を使用したのを、乗員が離陸許可を受けたと誤解した可能性が高まっている。

昨年11月には、中部国際空港で中国南方航空機が管制官の指示に従わず、停止線を越えて滑走路に無断進入。直後に着陸予定だった全日空機が着陸をやり直している。

昨年9月には、大阪(伊丹)空港で着陸した日航機が、別機への管制官の指示を誤認して、無許可で滑走路を横断。同空港では翌10月にも、全日空機が管制官の指示とは異なる滑走路に着陸している。

航空評論家の青木謙知さんは「システムがいくら更新されても、管制官の業務は軽減されていない。本来なら管制指示は復唱が当然だが、忙しさの中でなおざりになることもある。人間のミスを百パーセントなくせない以上、バックアップするシステムの構築が必要」と指摘している。

管制官の単純ミスは「危険行為」 ニアミス公判解説

降下を指示すべき便名を言い間違えた管制官2人を逆転有罪とした11日の東京高裁判決。1審判決とは正反対の結論になったのは、便名言い間違いというミスを「実質的に危険な行為」ととらえたか否か、その認定の差に尽きる。

1審判決は、たとえ907便が誤指示により降下しても、958便は航空機衝突防止装置(TCAS)が作動しなければ水平飛行を続けていた-という前提で判断。「その段階では衝突を招く危険な指示ではなかった」として、言い間違いミスには実質的な危険性はなかったと判断した。

しかし高裁判決は、TCASによって907便には上昇指示が、958便には降下指示が現実に出ていた点を重視。958便が水平飛行する前提で判断した1審判決を「両機が急接近しているという切迫した状況を踏まえておらず、事実から目を背けた空論」と批判した。

その上で、管制官が907便に誤って降下指示を出したことこそが、958便とニアミスを起こし、急激な回避措置によって乗客がけがをする恐れのある「実質的に極めて危険な管制指示」と明確に認定した。

管制官による誤った指示、TCASによる指示、機長判断による緊急回避措置-と、このニアミスは複雑な要素がからみ合って発生している。ただ判決は、管制官の単純ミスは大惨事につながりかねないということを厳格に示した点で、航空行政に携わる者への大きな戒めとなろう。(福田哲士)

東京新聞より「2管制官に逆転有罪 日航ニアミス 東京高裁『誤った指示が原因』

静岡県焼津市沖の上空で二〇〇一年に起きた日航機同士のニアミス事故で、業務上過失傷害罪に問われた管制官の蜂谷秀樹(33)、監督役の籾井(もみい)康子(39)両被告の控訴審判決が十一日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は両被告を無罪とした一審の東京地裁判決を破棄、籾井被告に禁固一年六月、執行猶予三年(求刑禁固一年六月)、蜂谷被告に同一年、同三年(同一年)の逆転有罪を言い渡した。

管制官の刑事責任を問えるかが焦点だったが、判決は「便名を間違え危険な管制指示を出した初歩的誤りで、指示と乗客の負傷との間には因果関係が認められる」と、ニアミス事故で刑事責任を初めて認定した。

航空機事故では、刑事責任より原因究明の重視が世界的な流れだが、今回の判決はそれに逆行する形となった。

一審は「管制指示は不適切だったが(管制官の)指示通りなら両機の間隔は保たれ、危険性はなかった」と判断した。

事故空域では当時、最低二千フィート(約六百十メートル)が安全な垂直間隔の基準だったが、事故後に千フィートに変更された。

須田裁判長は「便名を間違え、二千フィートを切ったから衝突防止装置(TCAS)が作動した。誤った指示がなければ事故は起こり得ず、刑法上の注意義務に違反する」と述べた。

両被告は上告する方針。

■再発防止より責任追及

<解説>日航機ニアミス事故で、管制官に有罪を言い渡した十一日の東京高裁判決は、航空機事故で個人の責任を追及するより、原因追及によって再発防止につなげることを重視する世界的な流れに逆らう格好となった。

判決は、ニアミスに至るまでの流れを(1)管制官の誤指示(2)指示後に両機の衝突防止装置が作動(3)一機の機長が装置の指示に従わず両機が接近-と認定。

弁護側は「管制官は装置の作動を予見できなかった」として(1)と(2)(3)に関連はないと主張したが、判決は(1)がなければ(2)(3)はなかったとして管制官の刑事責任を認定した。

航空機事故は複雑な要因で生じる。個人に責任を負わせるだけでは、裁判に不利になるとの理由で証言を拒まれて事故防止策には生かされない。国際的に原因究明を重視する背景にはそうした事情がある。

一九九七年に三重県上空で日航機が乱高下し乗客らが負傷した事故の刑事裁判で、原因究明を目的とした運輸省(当時)の調査報告書が証拠採用された是非が問題になったのも同じ理由からだ。

ある管制官は「人為的ミスを完全に防ぐことは難しいが、事故を教訓にするには責任の追及よりも優先して取り組むべきことがある」と指摘。実際、事故後に管制官の指示ではなく装置の指示に従うとのルールに改められ、再発防止に生かされている。

航空需要が増大する中、日本の空は安全を確保しつつ便数の増加が求められている。ニアミス回避の管制業務をどう行うのか。個人に責任を帰した判決が現場を萎縮(いしゅく)させないか。判決が及ぼす影響を見守る必要がある。(寺岡秀樹)

<日航機ニアミス事故>2001年1月31日午後3時55分ごろ、静岡県焼津市上空で羽田発那覇行き日航907便と韓国・釜山発成田行き日航958便が接近、管制官が便名を取り違えて907便に降下を指示した。直後、907便の機体に取り付けられたTCASが上昇を、958便のTCASは下降をそれぞれ指示。907便の機長はTCASの指示に反して管制官の指示に従ったため両機は異常接近し、907便が回避のため急降下した際、乗客乗員計100人が重軽傷を負った。

朝日新聞より「「もう管制できない」ニアミス逆転有罪、現場に衝撃

「危険は決して生じさせてはならない」――。01年に起きた日本航空機のニアミス事故訴訟で、東京高裁は管制官の職務上の義務を厳しく指摘し、管制官2人に有罪判決を言い渡した。様々な要因が絡む航空事故で、個人の刑事責任が認定されたことで、関係者に驚きと不安が広がった。

「明日からというか、今日から管制業務はできない」。籾井康子被告は判決後の会見で、現場への影響をこう語った。一瞬の「言い間違い」が厳しく断じられた点について、「現場に不安と緊張を強いるもの。安全にとって有害」と声を詰まらせた。

国土交通省航空局の幹部は「実務への影響が心配」と話す。日本上空の交通量は、事故当時の年間約410万機(全空域の延べ数)から現在約500万機と約22%増加。だが管制官は1732人から1950人と約13%しか増えていない。今後成田空港の滑走路延伸や羽田の再拡張などで、より多くの機体をギリギリの間隔でさばくことが求められている。

今回の事故は、同省航空・鉄道事故調査委員会の報告書でも、システムの不備や運用の不徹底など複数の要因が指摘された。こうした状況を踏まえ、一審・東京地裁は、個人への刑事責任追及は「相当でない」としていた。

欧米では影響が大きい事故の場合、当事者を免責したうえで真実をすべて語らせ、再発防止に役立てる考え方が主流になりつつある。過度な責任追及は、原因究明に支障をきたす恐れもある。処罰を逃れようと、当事者が真実を語らなくなる可能性があるからだ。この点で、今回の高裁判決は国際的な流れに逆行する形となった。

管制官ら運輸行政に携わる労働者で構成される全運輸労働組合(組合員約9千人)も「再発防止より個人の責任追及を優先する対応は問題」と批判する声明を出した。

管制交信ミスによるトラブルは最近も多発。ほとんどが「聞き間違い」や「誤解」だ。ベテランの事故調査官も「声だけに頼る交信に誤りはつきもの」と言う。国交省も「人間は間違える」ことを前提に、二重三重の安全策の構築に乗り出したところだった。

10月から事故調査委は「運輸安全委員会」となり、海難も扱う総合的な機関として調査力の向上が期待される。同委が当事者から再発防止の核心に迫る証言を引き出すことが必須で、航空関係者には「免責」を含めた検討が必要とする意見もある。

一方で、多くの犠牲者が出たり、過失が明らかだったりした場合には「刑事責任は当然」という意見が強くなる。被害者感情もある。再発防止と刑事責任追及のどちらに重きを置くか、議論を求める声が高まっている。(佐々木学)

読売新聞より「日航機ニアミス事故の控訴審、管制官2人に逆転有罪判決

静岡県焼津市上空で2001年、日本航空機同士が異常接近(ニアミス)して乗客57人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪に問われた国土交通省東京航空交通管制部の管制官、籾井(もみい)康子(39)、蜂谷(はちたに)秀樹(33)両被告の控訴審判決が11日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は「便名を言い間違えるなど、管制官に要求される最も基本的で重要な注意義務に違反し、多数の乗客に傷害を負わせた」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年(求刑・禁固1年)の逆転有罪判決を言い渡した。

ニアミス事故で管制官が有罪となったのは初めて。両被告は上告する方針。

判決によると、蜂谷被告は01年1月、焼津市上空を上昇中の日航907便と水平飛行中の同958便が急接近した際、誤って907便に降下を指示し、両機を異常接近させた。監督していた籾井被告も間違いに気付かず、衝突回避のため急降下した907便の乗客57人にけがをさせた。

判決はまず、「2人が958便を降下させる管制指示をしていれば、事故は起こりえなかった」と指摘。管制ミスと事故の因果関係を認め、「極めて危険な管制指示で、刑法上の注意義務に違反することは明らか」と述べた。

1審判決は、管制ミスの後、907便の機長が衝突防止装置(TCAS)に従わずに降下したことなど複数の要因が事故につながった点を考慮し、「管制官の誤った指示が直接の事故原因とはいえない」としたが、この日の判決は「誤った指示が機長の急降下を余儀なくさせた」と認定した。

一方で、判決は「当時の管制システムには、管制官の人為ミスを事故に結びつけないようにする観点から、不備があったことは否めない」と述べた。

4月 12, 2008 at 09:38 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.03.08

明石海峡での3隻衝突事故

産経関西より「衝突で貨物荷崩れか バランス失い直後に沈没 明石海峡事故

神戸市沖の明石海峡でタンカーなど3隻が相次いで衝突した海難事故で、沈没した貨物船「ゴールドリーダー」(1466トン、ゴ号)に、タンカー「オーシャンフェニックス」(2948トン、オ号)が衝突した際、衝撃でゴ号の積み荷の鋼材が荷崩れを起こした可能性が高いことが7日、神戸海上保安部の調べでわかった。

ゴ号は衝突から5分前後で沈没しているが、同保安部では荷崩れで船体の重量バランスが崩れて傾きが大きくなり一気に転覆したとみて調べている。

調べでは、5日午後2時55分ごろ、オ号は砂利運搬船「第5栄政丸」(496トン)との衝突後、船首がゴ号の右中央部に衝突。数分後にゴ号は沈没した。

ゴ号の乗組員4人を現場海域で救助した淡路町漁協(兵庫県淡路市)所属の遊漁船の船長(68)は「(ゴ号を)見つけたときにはすでに転覆しており、それから2~3分後の午後3時ごろには、船尾から沈んでいった」と話している。

船舶は船体が傾いても元の姿勢に戻る復元性があり、同保安部では今回のケースの場合、衝突の力だけで転覆する可能性は低いとみている。

ゴ号は事故当時、船倉に1778トンの鋼材を積んでいた。過積載ではないが、同保安部では、荷崩れを起こしたことから、船体の重量バランスが崩れて一気に転覆。さらに浸水で浮力を失い短時間で沈没した可能性が高いとみている。

この事故はいわば追突に近い横からの接触だったのです。
それで沈没で、さらに死者が出たのがまるで理解できなかったのですが、荷崩れで転覆ということならありそうな事故だったのですね。

今回も自動操舵が問題になっていますが、自動操舵+居眠り運転では座礁とか家に突入したとか起こしているのですよね。
難しい問題ですな。

3月 8, 2008 at 11:02 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.03.04

交通事故予報カレンダー

読売新聞神奈川版より「県警が交通死亡事故の「注意日」を予報

県警交通総務課は3日、過去3年間の交通死亡事故を分析し、事故が起こりやすい日を「注意日」として県警のホームページ(HP)で公開を始めた。

名付けて「県交通死亡事故多発要注意日カレンダー」。「注意日」「要注意期間」の“予報”をして交通安全を呼びかけている。

過去3年間に死亡事故が起こった日が、何週目の何曜日に当たるのかを割り出す。死者が計5人以上となると、「注意日」として、今年の日付にして発表する。

各月の連続した5日間で過去3年間の死亡者数が最も多い期間を「要注意期間」としている。

ちなみに、3月は9日が注意日で、7~11日が要注意期間になっている。

金曜日は年に6回、注意日になっており、事故が起こりやすい曜日とわかる。

県警は、要注意期間に交通指導取り締まりを強化する。

県警交通総務課は、「交通事故死亡者数年間230人以下を達成させるため、1日でも多く交通安全への意識を持ってもらえれば」と話している。

県警HPアドレスは http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0053.htm

Up

1月から6月までのカレンダーはこんな具合になっています。

赤丸で囲まれているのが注意日、矢印が付いているのが注意期間だとのことです。

これで見ると、2月27日は注意期間でしたがこの日にパニックブレーキでABSを佐渡させてしまいました。
実によい天気の日でしたが、比較的見通しの良いバス通りに全く一時停止することなく飛び出してきた車がいて急ブレーキになりました。

このカレンダーの使い方として「印刷したカレンダーを机の上などに置いて、注意日を確認しながら交通事故に遭わないようにしましょう。」と書いてあります。
印刷用のデータはPDFになっています。

しかし見直してみると、意外とバラバラですね。どういうことなのだろう?
基本的には月の後半に注意期間があります、やはりビジネス上の追い込みの影響でしょうか?

3月 4, 2008 at 09:47 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.02.18

JAL機の聞き間違えと管制のあいまいな発言

一昨日(2008/02/16)の新千歳空港でのJAL機が他機が滑走路上にいるのに離陸滑走を開始して、管制からの停止命令で衝突を回避したという事件の一連のニュースをまとめてみます。

2008年02月17日01時52分朝日新聞滑走路に到着機いるのに離陸滑走開始 新千歳でJAL機
2008年02月17日23時00分朝日新聞JAL機、英語の指示聞き違え滑走か 新千歳空港
2008年02月18日03時07分読売新聞日航機無断滑走、「防氷液」の効果切れ迫り機長らに焦りか
02/18 07:27北海道新聞操縦士、指示復唱怠る 新千歳の無許可滑走 管制も誤解招く表現か

新聞記事のタイトルだけでも色々な問題が複合してトラブルになったようですが、「元検弁護士のつぶやき」さんの記事「JAL機、聞き違えか?」のコメントに面白い意見がありました。

No.1 Feriさん | 2008年2月18日 08:01 | CID 118823  (Top)

色々と憶測が飛び交っていますが、実は、新千歳空港では、過去にも管制上の問題から、同様の事故が起きています。

推察される理由として、同空港は航空自衛隊が航空管制を一元的に行っており、いわゆる自衛隊特有の「慣用句」を管制官が、知らずに使っているという可能性も考えられます。

ただし、今回の一件でも、管制官の指示を、機長又は操縦士が復唱していれば、その時点で、聞き違いに気づいたということは間違いありません。

最近は、燃料高騰うんうんで、早く出発させたかったという一面もあるかもしれませんが、このブログでも話題になっている「お客さまの過激な反応」を気にしすぎて、焦っていたという可能性も考えられます。私も、出張でよく航空機を利用しますが、天候などやむを得ない事情で、欠航や出発遅れが生じると、「切れまくるお客さま」を空港で見ることが多くなりました。

まとまりのないコメントで失礼しました。

新聞記事でも指摘されている「なぜ、Expect immediately takeoff という曖昧な指示を出したのか」は大いに研究するべきでしょう。

「何で英語なのだ」といった疑問を述べる方も多いですが、英語とは言いがたい、というよりも、誤解の余地がないように特殊化した符丁と考えるべきで、ある意味では下手に英語で会話すると解釈してはまずいのでしょう。

情報処理技術の著しい向上に比べて航空管制は良く言えば慎重で悪く言えば時代遅れの状態になっています。航空過密化に対しては情報処理技術の活用を考えるべきなのでしょう。

管制指示データなどはデータ通信でコックピット内に情報表示するといった仕組みがあっても良いと思うのですが。

2月 18, 2008 at 12:24 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.29

無茶苦茶なニッポン(になりつつある)

神戸新聞より「活況で安全後回し 社内規定違反 川崎造船クレーン倒壊

死傷者七人を出した川崎造船神戸工場のクレーン倒壊事故で、極めて危険な作業だったにもかかわらず、元工作部長(55)らが根拠なく安全と過信し、漫然と作業を進めようとしていた実態が、兵庫県警の捜査で浮き彫りになった。

送検された一人は、作業計画の作成を定めた社内規定を認識していたが、「クレーンを休ませることはできない」との理由で、規定に違反したという。

同工場は当時フル稼働の状態で、捜査関係者は業績を優先し、安全対策がおろそかになっていたことを指摘する。

神戸工場で行われたベアリング交換は、ほかの会社では専門業者に委託したり、事前準備に二十日間程度かけたりしているという。

しかし、同工場はクレーンメーカーだけでなく、経験のある社内の別工場にも問い合わせていなかった。

倒壊の直接の原因はクレーンの重心位置を誤ったためだったが、県警は事前にしっかり検討さえしていれば容易に防ぐことができたとみている。

当初、同工場はクレーンの総重量を約八百トンとしていたが、県警の鑑定で約六百七十トンだったことも判明、重量さえも正確に把握していなかった。

事故の背景として、捜査関係者らが指摘するのは好調な業績だ。川崎造船は二〇〇七年度には三年ぶりの営業黒字を見込み、一〇年度の売り上げ目標は〇六年度の倍増を掲げていた。

事故当時はアジア各国から三十一隻の船を受注し、三年先に造る船が決まっていた。送検された一人は「クレーンを休めることはできないと思った」と供述したといい、船の建造を優先させたことをうかがわせている。

活況の陰で、安全がないがしろにされかねない状況は製造現場全体に広がっているという。兵庫労働局の八田雅弘局長は二十八日の会見で「受注が増えている時期だからこそ安全の意識を高め、しっかりと取り組みをしてほしい」と注文した。

川崎造船神戸工場クレーン倒壊事故

2007年8月25日午前9時40分ごろ、船体をつり上げる「走行式ジブクレーン」の部品を交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げたところ、上部がバランスを崩して倒壊。地上31メートル付近で作業をしていた同造船社員(40)、派遣会社社員(55)の2人と、同12メートル付近にいた同造船社員(55)の計3人が落下するなどして死亡したほか、4人が重軽傷を負った。
同9月には、兵庫労働局が労働災害の防止を徹底するよう行政指導し、川崎造船は、安全対策などを含む経営体制を強化するため、非常勤の会長ポストを新設した。

このニュースは事故当時気にしていたのですが、遠めがねの記事にはなっていませんね。
この時には中華航空機が炎上という事件がありました。
それで飛ばしてしまったのでしょうが、 最近ちょっと手抜きではありますが、検索機能を付けたので検索してみました。

通りすがりの懐かしい顔 氏がコメントに書いています。

ある程度予想はしてましたが、こんな整備だと船は沈没するし自動車でもブレーキ踏んだ途端にキャリパー脱落なんて事故になりかねません。
(クレーン倒壊の修理手順もかなり怪しいので日本も他人事ではないな)

予想通りに「修理手順を何にも考えていなかった」というべき結論ですね。

何で専門家が存在するのかを考えていないというところが恐ろしいです。
さらに、先日の三菱ふそうのクラッチハウジング破断・死亡事故で被告側の主張が「細かいことまで知らなくて当然」のようなものなのですが、知らないのは当然ではなくて知っているべきなのですね。
その知っているべきとは、専門家がいることを承知している事であって、

「専門家の何が専門の価値なのかよく分からないから、専門家を利用することを無視しても大丈夫だろう」

というのではムチャクチャだ。

1月 29, 2008 at 10:54 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.21

駐車中の車に追突死して駐車したドライバーに責任

毎日新聞より「自転車衝突死:違法駐車を「運転過失致死」で立件へ 千葉

千葉市美浜区美浜の市道で昨年7月、県立京葉工業高3年の自転車部の生徒2人(当時17歳と18歳)が違法駐車の乗用車に衝突して死亡した事故で、千葉県警交通捜査課と千葉西署は21日にも、男性運転手(31)を自動車運転過失致死と道路交通法違反(駐車禁止)容疑で書類送検する方針を固めた。事故時に乗車していなかった運転手を自動車運転過失致死容疑で立件するのは極めて異例。交通事故厳罰化の流れを考慮したとみられる。

県警はこのほか、生徒の監督責任を怠ったとして30代と40代の自転車部の男性顧問2人を業務上過失致死容疑で、死亡した生徒2人を道交法違反(安全運転義務違反)容疑で、それぞれ書類送検する。

調べでは、男性運転手は昨年7月19日午後1時50分ごろ、片側3車線の一番左の車線に乗用車を違法駐車し、路上走行練習中の生徒2人が衝突死する原因を作った疑い。当初は道交法違反容疑のみで書類送検する方針だったが、繰り返し取り締まりが行われていた同道に駐車していた点に重大な過失があると判断した。

2人の顧問については、いつも行っている乗用車による併走を事故当日はせず、安全確認を怠ったと判断した。【斎藤有香】

記事では「事故時に乗車していなかった運転手を自動車運転過失致死容疑で立件するのは極めて異例。」とありますが、たしか品川でコンテナートレーラを止めていたトラックにバイクが追突死亡した事故で、かなり長い時間が掛かりましたがトラック側に責任あり、となったと記憶しています。

ドライバーが乗っていても、事故にはなるでしょうから乗車している・いないは決定的では無いと思います。

競技用自転車が練習できるのだから、幕張メッセの駐車場のまわりの道だろうと思うのですが、あんなところに「駐車して車から離れる」とはどんな事情だったのでしょうか?
ここらへんも問題になっているのかもしれません。

もっとも、併走しなかったというのはもっと重大じゃないかな?
乗用車でもバイクでも良いけど、併走して安全確認するのは当然の責務だろう。

1月 21, 2008 at 10:16 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.25

マイクロバスのドア

朝日新聞より「バス運転の男性ら、容疑で逮捕 外環道バス転落事故

東京都練馬区の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で24日、マイクロバスのドアが開き、小学校5年が車外に投げ出され、トラックにはねられた死亡事故で、埼玉県警は25日、バスを運転していた同県川越市今福、会社員と、トラックを運転していた運転手の両容疑者を自動車運転過失致死の疑いで逮捕した。

県警高速隊の調べに対し、マイクロバスの運転手は調べに対し、バスの出入り口を「(ドアが開かないようにする)自動に切り替えていなかったようだ」と話していた。県警はドアが誤って操作された可能性もあるとみて、事故直前のドアのロック状況などを詳しく調べている。

県警によると、バスは06年の製造。ドアはスライド式で、開閉を手動と自動に切り替えるレバーが、運転席付近とドア付近にあった。

バスは埼玉県川越市を拠点に活動するサッカーチーム「川越福原サッカークラブ」を運営する有限会社名義で、マイクロバスの運転手は同社員。小学5年生は、茨城県かすみがうら市でのサッカーの練習試合を終えて出発する際、前から2列目のドア側に近い席に座っていたらしい。落ちる直前、ドアの乗降口にあるステップの部分にいたという。

まず間違えなく落ちた少年がいたずらでドアを開けてしまったのでしょう。このマイクロバスについては前の記事に解説があります。

朝日新聞より「走るバスのドア開き、小5転落 ひかれ死亡 都内高速道

24日午後6時10分ごろ、東京都練馬区大泉町4丁目の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で、走行中のマイクロバス(定員29人)のドアが開き、埼玉県ふじみ野市の小学5年生が車外に投げ出された。少年は路上で、後続のトラックにはねられ、まもなく死亡した。県警高速隊はドアが開いた原因などを調べている。

Up1

バスのドアはスライド式で、車体左側の中央付近にある。開閉は自動と手動を切り替えられる型で、切り替え装置はドアの昇降口付近と運転席にあるという。

県警の聴取に対し、マイクロバスの運転手は「自動に切り替えていなかったようだ」と話しているといい、手動になっていた可能性が高い。死亡した少年はドア付近にいたらしい。

Up2

一帯は片側2車線と大泉の出口に向かうための側道のある区間で、バスは右側の本線を、トラックは左側の本線をそれぞれ走っていた。トラックを運転していた埼玉県入間郡内の会社員男性(25)は「バスから物が落ちてきて、トラックに当たったと思った」と大泉料金所の社員に通報してきたという。

Up3

走行中のバスから転落した事故は、

  • 01年6月、宮崎県高崎町(現・都城市)の国道で、スイミングスクールの送迎マイクロバスの窓から小学2年の児童(7)が転落して死亡
  • 05年3月、静岡県焼津市の東名高速で、愛知県美浜町の小学6年の児童(12)が観光バスの窓から転落し、後続の車にひかれて死亡
――などがある。

自動車のドアをロックする機構については色々な考え方があって

  • 車速に応じて自動的にロックするもの
  • 運転席だけはロックしていてもドアハンドルでいつでも開くもの
  • 内側のドアハンドルで開くことが出来ないもの(チャイルドロック)
  • 開くと警報が鳴るもの(バスの非常扉)

などがあります。
ヨーロッパ車では、常に内側からドアが開くものが多かったと思います。(最近はどうなのだろう?)

今回のマイクロバスは29人乗りですから、中型免許で運転できる上限でしょうか。
つまり事実上バスなのであって、ドアも社会中央部の運転手からは見えにくいところにあります。
そのドアが走行中にロックしていない、というのは日本の現在の車の標準的な仕様としては異例なように感じます。
車速感応型の自動ロックを採用するべき車種でしょう。

確かに「自動ドア状態にセットすれば手動で開かない」ことは間違えないでしょうが、これはドアを運転者が開閉するための仕組みでしょうね。走行中に開かないようにする、といった機能を直接目的にはしていないのではないだろうか?

そんな風に考えると、このバスの設計(企画)と走行中にドア開けることが引き起こした事故でしょう。
特に、この種の車では自動ロックは不可欠ではないだろうか?

12月 25, 2007 at 10:27 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (1)

2007.12.20

ジェットコースター脱線死亡事故で送検

産経関西より「エキスポ事故 元取締役ら書類送検 危険認識、利益を優先

大阪府吹田市のエキスポランドで今年5月、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」が脱線して乗客1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、吹田署捜査本部は19日、事故の危険性を認識しながら保守点検を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑で、エキスポランド社の伊藤正則・元取締役総括部長(59)と建部淳・元施設営業部長(65)を大阪地検に書類送検した。
また、車軸などの法定検査をせずに吹田市に虚偽報告したとして、建築基準法違反容疑で2人に加えて松田博・元技術課長(58)と法人としてのエキスポ社も書類送検した。

捜査本部は、脱線の原因となった車軸の破断は金属疲労が原因と断定。

昨年11月末には肉眼で見える大きな亀裂があったにもかかわらず同社は車体から車軸を抜き取って目視する作業を怠っていた。
また、車軸検査は建築基準法に定められているが、同社は検査項目を実施せずに吹田市に異常なしと報告していた。

伊藤元取締役らは「このままの検査ではいずれ大事故が起こることは分かっていたが、ゴールデンウイークにコースターを稼働させる利益を優先させ、検査を先送りした」と供述しているという。

調べでは、伊藤元取締役と建部元部長は安全管理を徹底しなければ重大事故が起きることを認識しながらも保守点検を怠り、漫然と「風神雷神Ⅱ」を運行。5月5日午後、車両が乗客20人を乗せたまま脱線し、20人を死傷させた疑い。
また、2人は松田元課長と共謀して3月16日、法定検査を実施しないまま異常なしとする虚偽の報告書を提出した疑い。

捜査本部は鑑定で車軸の破断面を分析。
事故から約半年前の昨年11月末の時点で、直径の約6割、外周の約6割に及ぶ大きな亀裂があったことが分かった。

亀裂は、車体から車軸を取り外して点検すれば肉眼でも確認できたという。

供述によると、昨年12月に伊藤元取締役が新アトラクションの導入を提案。建部元部長が検査用の点検庫に収納することを決め、「風神雷神Ⅱ」の車体検査はGW後に延期した。

そもそも運行開始以来、車軸を車体から取り外した検査は一度もしていなかったという。

吹田市に対しては2人の意向を受けて松田元課長が虚偽の報告書を作成したという。当時社長の山田三郎会長(77)については、伊藤元取締役らから検査を実施したと虚偽の報告を受けていたとして立件を見送った。

2007/06/05に書いた「ジェットコースター脱線死亡事故その8」のその後の話で取締役が責任者として書類送検されました。

どうもこの報道によると「全く点検していなかった」としか読めないので、破断事故が起きるのは必然であった、と言えるのでしょう。

いくら利益優先とは言っても「点検しないでも良い」という考え方はどこから出てきたの知りたいところです。
そもそも、日常点検していたようですから、年に一度といった分解検査だけをしないというのはどういうことなのか?

「検査なんて形だけでよいのだ」ということで押し通していたのでしょうか?
こうなると、検査をしたかどうかといった事実よりも「どういう考えだったのか?」も同一レベルで明らかにするべきでしょうね。
「失敗学」は重要だ、と改めて思うところです。

12月 20, 2007 at 09:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.19

温泉爆発の遠因はややこしすぎる構造かな?

東京新聞より「渋谷スパ爆発から半年 吸気口 地下溝で代用 ガス配管も水抜きせず 換気低下、原因か

東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」で従業員三人が死亡、八人が重軽傷を負った爆発事故で、爆発が起きた別棟の地下では排気口の反対側にある地下溝を吸気口として代用する構造になっていたことが十九日、分かった。
警視庁捜査一課と渋谷署は、業務上過失致死傷容疑で捜査しており、地下溝からでは外気の流入が不十分で天然ガスを排気する能力を低下させていた可能性が高いとみている。事故は同日で発生から半年を迎えた。

温泉の源泉にはメタンガスを主成分とした天然ガスが含まれるため、源泉のくみ上げ施設があった別棟の地下区画では室内の十分な換気が必要だった。

調べでは、この室内には、空気を屋外に排出するファン付きの排気口があるが、外気を取り入れる吸気口については、施設を運用するユニマットビューティアンドスパ(東京都港区)や設計した大成建設(新宿区)側は「別棟と本館をつなぐ地下溝から吸気できていた」と警視庁に説明したという。

この地下溝には、源泉やガスなどを本館に送る配管や上水管などが詰まっており、空気が通るすき間はあったが、同課などは、十分に換気できるほどの外気の流入は確保されていなかったとみている。

一方、別棟地下にはガス分離器で源泉から分離された天然ガスを排出するための配管があるが、その配管のU字形に曲がった部分の底に水がたまり、ガスが流れなくなっていたことも分かった。同課は、本来なら配管を通じ屋外に放出されるガスが行き場を失って別棟地下に流出し、爆発を招いた可能性もあるとみている。

ガスの配管は冬季の結露などで水がたまるため、定期的に水抜き作業をする必要があり、水抜き栓も付いていた。しかし設計した大成建設は取扱説明書をユ社や保守点検会社に渡しておらず、点検作業員は施設の運用開始から約一年半の間、一度も水抜き作業を行っていなかったという。

別棟の構造をめぐっては、室内にガス検知器が設置されていなかったほか、設計の変更で別棟の密閉性が高まっていたなど、安全確保が不十分だったことが判明している。同課は運営のユ社、設計の大成建設、保守点検会社の三者それぞれの過失が重なって、事故が引き起こされたとみて、捜査を続けている。

本館・別棟といった説明になっていますが、別棟は道路を挟んだ反対側に建っていて、道路の下を温泉を送るパイプを敷設死していました。
爆発したのは別棟で、温泉をくみ上げてガスを分離して、本館に温泉を送るという仕組みになっていましたが、地面よりも低いところでやっていたからガスが滞留するために、積極的に排気する装置が必要なった、ということです。

そこで、設計というか企画の関係で慎重に扱うべき仕組みになってしまっていたが、それが関係者の間で情報共有になっていなかったのでしょう。

わたしには「こんなにややこしい仕組みでやるべき事ではなかったのでは」という印象が非常に強いですね。

12月 19, 2007 at 04:15 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.04

スカイマーク機内でカート暴走

朝日新聞より「スカイマーク機、着陸時にカートが動いて客が足を骨折

3日午後7時15分ごろ、スカイマークの神戸発羽田行きボーイング767―300型機が着陸時、飲み物用のカートが動いて乗客2人にぶつかった。
44歳の男性は右足の骨が折れる重傷で、47歳の男性も左肩に軽いけが。東京空港署が業務上過失傷害の疑いで捜査するとともに、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も4日、調査官2人を派遣する。

調べでは、客室最後部にあった重さ44.5キロのカートが着陸時の衝撃で動き出し、約13メートル走行した。カートは、車輪のストッパーのほか、本体を機体につなぐ留め金もある構造という。

あのカートは、ロッカーのようなところに収容してロックするような構造じゃなかったっけ?
脱出用シュートが自動的に展張するように操作するのも客室乗務員で、客室乗務員はしっかりした操作が必要なのだけど、ここらへんが怪しくなってきているのだろうか?

11月 4, 2007 at 12:23 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.10.29

SASでボンバルディア機を運行停止

NHKニュースより「ボンバルディア機の運航中止

スカンジナビア航空が使用の中止を決めたのは、カナダのボンバルディア社のDHC8型機で、先月、デンマークとリトアニアで着陸の際に事故を起こしたのに続いて、27日にもデンマークのコペンハーゲン空港で着陸の際、車輪が十分に出ないまま緊急着陸するトラブルがありました。

これを受けて、スカンジナビア航空は28日、緊急の幹部会議を開いた結果、「DHC8型機の信頼が著しく低下し、利用客も疑いを強めている。
このままではわが社のブランドが傷つけられるおそれもある」として、DHC8型機の運航をすべて中止することを決めました。

スカンジナビア航空は、事故を起こした同型機27機を主にヨーロッパで運航していますが、今後、運航を取りやめる便については、別の便の予約や払い戻しで対応することにしています。

ボンバルディアDHC8型機は日本でもことし3月、高知空港で全日空グループが運航する同型機が胴体着陸するなど、各地で事故やトラブルが相次いでいます。

朝日新聞の記事によると、

「DHC8―400型機」の使用を今後中止する、と発表した。
SASは保有する27機の使用を停止し、リース機などで対応する。「400型機の使用はSASのブランドを損なう恐れがある」としている。

となっています。
一月で二回の同じようなトラブルでは、運行停止という判断は経営的には正当でしょう。

今のところ、色々なトラブルがバラバラに起きていますが、運行する航空会社にとってはトラブル発生自体がとんでもないことだし、そうでなくても顧客(マーケット)の評判も大事です。
世界レベルで、一気に運行停止になるかもしれません。

全機運行停止といった全社的な問題に拡大してしまうことを考えると、保険という意味では、何事も過度に集中させないことも重要ですね。

10月 29, 2007 at 10:36 午前 もの作り, 事故と社会, 海外の話題, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.10.19

続・びっくり・中華航空機

「びっくり・中華航空機」の続報です。
朝日新聞より「中華航空機亀裂は「腐食が原因」 台湾側が見解

9月20日に佐賀空港に着陸した中華航空チャーター便(ボーイング737―800型機)の胴体に77センチの大きな亀裂が見つかった問題で、原因を調査していた台湾の行政院飛航安全委員会は18日、「機体外壁の腐食が亀裂の原因」との見解を示した。
腐食に至った状況は特定できておらず、ボーイング社にも協力を要請してさらに調査を進める。

同委員会は亀裂の原因として金属疲労や外部との接触は否定した。
調査ではトイレの水漏れや、外壁の表裏双方に必要なアルミニウム塗装が外側だけだったことが判明。
これらが何らかの化学変化を起こして外壁の腐食を進めた可能性があるが、現時点で断定はできない、としている。

機体では胴体下の尾翼に近い部分が前後の方向に細長く裂けていた。中華航空は搭乗前の点検や運航中に異常は確認されなかったとしている。

外壁の表裏双方に必要なアルミニウム塗装が外側だけだったことが判明。

ちょっとこれは信じがたいですね。今の飛行機が無塗装のパネルを使うのは外側にすることはあっても、内側になる部分というか全部のパネルは部品の段階で塗装されてます。

もし、問題のパネルだけが無塗装であるのなら、極端に目立つはずで、見逃されるとはちょっと思えないのですが・・・・。

それにしても、水漏れなどで腐食することはいつでもあり得ることで、YS11が「軍用機と違って野外に駐機して運用することの問題」で苦労したところとして紹介されているくらいです。
腐食が亀裂に及ぶまで点検していなかったということでしょうか?なんかヘンですね。

10月 19, 2007 at 12:02 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.18

コンクリート製信号柱が折れて死亡事故

読売新聞より「信号柱が折れ作業員転落、死亡…埼玉・三芳町

18日午後4時25分ごろ、埼玉県三芳町竹間沢の国道254号交差点で、電機工事会社員(30)が、コンクリート製の信号柱(高さ7・5メートル、直径20~30センチ)に登って作業中、信号柱が中央付近で折れ路上に転落、全身を強く打って間もなく死亡した。 東入間署によると、1人で渋滞感知装置のケーブルを張り替える作業をしていた。同署で折れた原因を調べている。

ちょっと信じがたいニュースですが、「中央付近で折れた」ですから自動車の衝突による損傷では無さそうです。
「一人で張り替え作業」となっていますが、問題の信号柱には一人という意味でしょうね。ケーブルを張るのだから相手があるはずで、そっちの作業の問題かな?

それにしても、コンクリート製の信号柱というのは電柱と同じか同じようなものでしょうから、それが折れること自体が大問題だと思います。

10月 18, 2007 at 11:47 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.10

それはないだろう・中華航空機

「びっくり・中華航空機」の続きですが、さらにまたまたビックリ。

毎日新聞より「中華航空機:計器異常は「虫が原因」 佐賀空港引き返し

中華航空機が佐賀空港(佐賀市)の滑走路をオーバーランして離陸した後、計器異常で引き返したトラブルで、計器異常の原因は、速度を測るため機体外部に取り付けられている管(ピトー管)に虫が入ったためだったことが9日、分かった。中華航空が国土交通省に報告した。

国交省によると、中華航空側は「ピトー管内に虫が入っていた。取り除いたところ、正常に戻った」と連絡した。

航空機を長期間駐機する際は、ピトー管にカバーをかけるが、同機は当初日帰りで台湾に戻る予定だったため、カバーを用意していなかった可能性を指摘する関係者もいる。

ピトー菅に異物が入って速度計が作動しないという話は時々聞きますが、そういうのは回避するべく対策するのが普通でしょう。
カバーを持ってこなかったというのも修理のために日本で長期間の現地修理が必要になって、整備の人員が来ているのだから、その時の体勢はどうなのか?という問題で、基本的に整備ノウハウに問題があると言えるのではないでしょうか?

10月 10, 2007 at 08:38 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.06

びっくり・中華航空機

「737-800胴体の亀裂」で修理中だった中華航空のボーイング 737-800 型機が台湾にフェリーするために佐賀空港を離陸する際に極めて危険な状況を引き起こしました。

Up

上の写真は毎日新聞の記事「中華航空機:設備壊しオーバーラン離陸 亀裂修理後 佐賀」に掲載されていた写真で、左の車輪が何かを踏みつけて壊しているのが分かります。

胴体底部に亀裂が見つかり、修理のため先月20日から佐賀空港(佐賀市)に駐機していた中華航空機(乗客なし、乗員2人、ボーイング737-800型)の修理が終わり、5日午後2時半ごろに台湾に向け離陸しようとしたところ、滑走路上の「過走帯灯」1基を壊したうえ、滑走路を約60メートルオーバーランして離陸した。
さらに同機は離陸直後に計器トラブルが発生し、26分後に佐賀空港に引き返した。

「過走帯灯」は、アスファルト舗装された滑走路の終点を示す保安装置。過走帯灯の手前で離陸を完了させるのが通常の離陸となる。

佐賀空港の滑走路は2000メートル。しかし、同機は滑走路先端に進むまで機首を上げず、滑走路を越えた直後にやっと離陸した。過走帯灯は、離陸の際に同機の主脚がぶつかり、壊された。同機が離陸しないまま、さらに数十メートル進んでいれば、隣接する田地に乗り上げていた状態だった。

機首を上げるタイミングは、燃料の量や旅客人数などで変わるが、同機には機長と副操縦士しか乗っていなかった。佐賀空港事務所などによると、滑走路をいっぱいに使って離陸するような状態ではなかったという。

中華航空東京支店は、同機が佐賀空港に引き返した理由について「機長と副操縦士の速度計に差が生じたため」とした。しかし、オーバーラン、過走帯灯破損については「報告が来ていないので分からない」と話した。

胴体後部に亀裂というのがビックリだったのですが、詳細が西日本新聞の記事「佐賀空港 中華機オーバーラン 亀裂は内部腐食原因」にありました。

佐賀空港で機体に亀裂が見つかった中華航空ボーイング737‐800型が5日午後、同空港から台北に向けて離陸した際、滑走路をオーバーランし、走行できる限界地点に設置された航空灯1基を車輪で破損させた。
同機はそのまま飛び立ったが、速度計の不具合が見つかり、間もなく佐賀空港に引き返した。
国土交通省は、重大事故につながりかねなかったとして調査を開始。
一方、亀裂の原因が、内部の腐食だったことも判明した。

国交省によると、同機は離陸の際、滑走路(2000メートル)を過ぎても、後輪が浮かず、オーバーランに備えた過走帯(60メートル)の終点まで走行。国交省佐賀空港出張所の現場確認で、過走帯の終点を知らせる航空灯5基のうち、1基が壊れているのが見つかった。

同機は同日午後2時半すぎに離陸したが、機長と副操縦士の速度計で数値が一致しないトラブルが発生し、同3時すぎに空港に引き返した。

中華航空は、同省に対し「(機長らは)速度計の異常は駐機場を離れた後に気付いたが、滑走前に直ったので出発した」と報告したという。同省は速度計の表示が何らかの原因で離陸速度まで上がらなかったため、機長が操縦かんを引くのが遅れたとみている。

同機は9月20日、後部の胴体底に長さ約77センチの亀裂が見つかり、同空港で修理を行っていた。同出張所の担当者は「過走帯の先は草地で(あと少し離陸が遅ければ)大惨事になったかもしれない」と話している。

また、5日までの国土交通省などの調べで尾部に見つかった大きな亀裂周辺のアルミ合金製の外板が、内部から腐食していたことが分かった。腐食のため強度が低下、飛行を繰り返した結果、亀裂ができたとみられる。

国交省と中華航空によると、外板は亀裂の周辺で長さ2メートル前後にわたって腐食。トイレの配管から漏れた液体などで腐食し、飛行を繰り返す間に金属疲労を起こし、最終的に佐賀空港で亀裂ができたとみられる。中華航空は、アルミ合金製の板で亀裂を覆うように補強して修理。ほかに腐食は見つからなかった。

飛行機の胴体はモノコック構造だから、外板にもストレスは掛かっていて、一部が腐食するとか傷が付くと、亀裂などに発展するものです。
だからこそ年中点検している必要があるわけで、水漏れがあっても腐食が進行してはいけないし、部材の劣化として捉えれば指定された整備の時期までコントロールしながら劣化させなくてはいけない。

それにしても、空荷の機体で2000メートルを走りきってしまったというのはどういうことなのだ?
いくら速度計が壊れていてもそれは走りすぎではないのか?
確かに、速度計が正常でないから滑走路一杯に使って離陸を試みたというのは分かるが、それでも過走帯まで使うというのは無いだろう。

本当に速度計だけの問題だったのか、エンジン出力不足だったのか?
いずれにしても、定期航空運行という総合的なマネージメントが重要な業務がうまく回らないのが中華航空ではないだろうか?

10月 6, 2007 at 10:39 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.03

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