2013.07.08

アシアナ航空機墜落事故

CNN.com より「 2013/07/07のサンフランシスコ空港でのアシアナ航空のボーイング777型機墜落事故

これを見るといかにも低すぎで、対地接近警報が鳴り続けていただろう。
CNNによると、最終的には着陸復興を試みたというのだが、4秒前からだそうで、それではこの動画に写っている、海面を這うような飛行になってからだとなる。

777の空港での事故で有名なのは、ヒースローでの両エンジン停止でギリギリで空港内に降りた(機体は大破)があるが、これは燃料の凍結が原因で現在は対策されている。

今回のアシアナ航空機ではエンジンは不調ではなく、アイドリング状態で降りてきて、1.5秒前に着陸復興のためにエンジン出力を上げたとのこと。

なんか手動操作で降りてきた、といったイメージにしかならないのだ、どういう事なのだろう?

アシアナ航空の発表によれば、二組の正副パイロットが乗務していたそうで、似たような状況で、着陸のために仮眠から着陸操作で入れ替わった機長が、寝ぼけていて誤操作を繰り返して、墜落したという前例があります。
なんかこの例に酷似しているように感じます。

7月 8, 2013 at 10:07 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.07.04

東名逆走20キロ

読売新聞より「「山梨戻る用事が」と東名20キロ逆走38歳女

東名高速道路を約20キロ逆走したとして、静岡県警高速隊は3日、山梨県上野原市、無職女性(38)を道路交通法(通行区分)違反の疑いで現行犯逮捕した。

発表によると、容疑者は同日午前7時5分頃、静岡県長泉町の東名高速上り線で、軽乗用車を逆走させた疑い。

追い越し車線を逆走する容疑者の軽乗用車を避けようと、富士市の男性教諭(26)の乗用車がガードレールに衝突、教諭は左ひじを捻挫する軽傷を負った。

さらに、軽トラックも中央分離帯に衝突したが、運転手の男性にけがはなかった。

容疑者は「間違えて走ってしまった」と容疑を認めているという。

同隊幹部によると、容疑者は足柄サービスエリアで休憩した後、山梨県の自宅に戻ろうとした。

「山梨に戻る用事ができた。『本線』と書かれた看板を見て、(下り方向に)戻れると思った」
と供述しているという。

(2012年7月4日11時15分 読売新聞)

以前から何度も問題にしている逆走事件です。
今回は幾つもビックリするところがあります。

足柄サービスエリアはよく知っているところなので、「逆走できるモノなのか?」という思いもあります。
さらに、約二十キロ逆走とありますが、長泉町というのはほとんど沼津インターです。
足柄サービスエリアから止められた現場までは、御殿場インター、駒門パーキング、裾野インター、新東名ジャンクションがあります。

これだけ何とかなる場所があるのに、20キロも走らせたというの警察を含めて高速道路管理というか点からは、大問題だと思います。

どうも病的な判断ミスとも思えないところがあって、逆走を実行する人間が特別であるから人への対処をすれば解決する、という考え方では無理ではないのか?

だいぶ前の事ですが、関越トンネルが上下対向車線であったときに、自殺志望者がトンネル内で正面衝突した事件があったように記憶しています。
つまり、意図的に逆走する事あるわけで、対策は「逆走もなんとかする」しかないでしょう。

7月 4, 2012 at 11:39 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.11.12

福島第一原発の壊れ方

FNNニュースより「原子炉の年内冷温停止を目指す福島第1原発を事故後初めて報道陣に公開

原発事故から8カ月がたち、原子炉の年内の冷温停止を目指す福島第1原発が、12日、事故後初めて報道陣に公開された。激しく壊れた原子炉建屋が、爆発の衝撃を物語っていた。

12日午前10時41分、報道陣が初めて福島第1原発の敷地内に入った。

汚染水処理のためのタンクが、たくさん並んでいた。

目の前に現れたのは、福島第1原発の1号機から4号機の原子炉建屋。
建屋が爆発によって大きく壊れているのが確認できた。

4号機は、燃料プールのクレーンなどが丸裸の状態となっていた。
1号機の建屋には、白い巨大なカバーがかけられ、その手前の2号機は建屋が残っているのがわかった。

しかし、3号機と4号機は依然、建屋の上の部分が爆発で跡形もないほど壊れたままで、爆発の衝撃がわかる。

さらに、原子炉建屋に向かい、海の方向へ進んでいくと、4号機のタービン建屋の前は、海側は津波で大きく壊れていた。

12日現在は、横転した車などが残っているものの、ある程度片づけが進んでいた。

2号機と3号機の近くでは、一時的に1時間あたり500マイクロシーベルト(μSv)を検出することもあった。

収束作業の最前線基地となっている免震重要棟では、外で作業を終えた作業員が放射性物質の測定を行う。

福島第1原発の吉田昌郎所長が、報道陣のインタビューに初めて応じた。
吉田所長は

「ご迷惑、ご不便おかけしましたことについて、心よりおわび申し上げたい。
極端なこと言うと、死ぬだろうと思ったことが数度ありました。
周辺の住民の方が安心していただける程度のプラント(原子炉)は安定している。
だけど作業するのは、まだまだ厳しい状況があると」
と話した。

(11/12 17:46 福島テレビ)

1分27秒あたりで、「、原子炉建屋に向かい、海の方向へ進んでいくと、4号機のタービン建屋の前は、海側は津波で大きく壊れていた。」というシーンがでてきますが、タービン建屋の鉄骨が曲がっている。

ここまで来るとどう考えても建物の問題ではなくて、津波が直撃するようなところにこんな重要な施設を作ったことが問題でしょう。

その意味では、日本にある原子力発電所のかなり多くが、失格ですね。

千年に一度の津波かもしれないけれど、今回の大被害に遭った範囲は、日本全体で見れば、1/10とか1/20でしょう。
つまり、千年に一度ではなくて、百年に一度とか、五十年に一度だとも言える。

ということは、千年に一度では全く不十分で、津波が到達していないことが歴史に確実に記録されているようなところにしか、原発は作る事が出来ない。と考えるべきでしょう。

弁護士会館で開かれたシンポジウムで配られた資料では、諸外国で原発を設置しているところのほとんどが地震がない地区になっています。
アメリカでは原発の設置されている地区が非常に偏っている。

日本は地震国であり、原発が多数ある国、という非常に珍しい事になっています。

津波だけに絞って考えると、30メートルの津波というのはたぶん無いでしょう。
10メートルだと確実にある、だから15メートルにしますというのではダメなのではないだろうか?
そして、無理に30メートルの防波堤を作るくらいなら、標高50メートルと行ったところに建設する方が実際的ではないだろうか?

原発建設のコストが上昇するのは当然だし、廃棄物処理のコストをどう見るのか?という問題もある。
果たして原発の高コストに日本は耐えることができるのだろうか?

11月 12, 2011 at 11:55 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.29

737の背面飛行

読売新聞より「副操縦士がスイッチ間違えて…全日空機背面飛行

「旅客機が一時、ほぼ背面飛行をしていた」。

那覇発羽田行き全日空140便(エアーニッポン運航)の急降下トラブルの際の詳しい機体状況が28日、判明し、失速寸前の危険な状態に陥っていたことに、航空関係者は強い衝撃を受けた。

「旅客機がこんな姿勢になることは通常、あり得ない。大事故につながる可能性もあった」
との声も上がった。

運輸安全委員会の発表によると、飛行記録装置(DFDR)データ解析の結果、機長のトイレ中に操縦室に一人でいた副操縦士が、ドアロックを解除するスイッチと間違えて、機首の向きを変える方向舵を動かすダイヤル式スイッチを2回、計約10秒左に回していた。

その結果、機体は左旋回しながら左に大きく傾き、機首が下がって急降下したとみられるという。

全日空によると、旅客機は通常、旋回時の傾きは30度以内、機首の角度も上に20度、下に10度の範囲内で運航している。今回の左への傾きが131・7度、機首の角度が下向きに35度という数値は、

「危険回避などで急な操作を必要とするケースでも、到底考えられない数値」(全日空関係者)
という。

(2011年9月29日02時00分 読売新聞)

「737-700が急降下」で説明した通りに、見えないところにあるダイアルを手探りで回すわけですが、コックピットのドアロックと方向舵トリムはほとんど同じ場所にあって、取り違える可能性が大きい構造です。

その結果として背面飛行のようになってしまった、ということで当初急降下と伝えられていたので方向舵ではなくて補助翼のトリムスイッチかな?とも思っていましたが、基本的に失速でしょうね。

飛行機が空中に浮いているためには、重量を揚力で相殺しなければなりません。
しかし、揚力は翼の鉛直方向の投影面積と速度で決まります。

単純化すると、飛行機が90度傾いて揚力が地面に対して横向きになれば、飛行機は浮いていることが出来ず降下します。
機体を傾けただけで降下してしまいます。

その一方、水平にとんでいる場合には速度を上げると、揚力が増加して上昇し、速度を下げると揚力が減少して降下します。
一言で言えば飛行機が空中に浮いているためには、機体重量・速度・姿勢のバランスが取れていることが不可欠です。

今回は、パイロットが身動きできなくなるようなGが掛からなかったから、リカバリーできたのであって過去には姿勢を乱した機体でパイロットが身動きできなくなってそのまま墜落してしまった事故もあります。

「アエロフロート航空593便墜落事故」

こんな事を考えると、極めてラッキーというべき事故であって、わたしはフェイルセーフの観点からは間違えたら致命的な結果になるスイッチの配置に大いに問題があると思います。

9月 29, 2011 at 10:49 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2011.09.12

暴力団が弁護士紹介業

読売新聞より「非弁活動で組長ら逮捕、多重債務者紹介の疑い

払い過ぎた借金の利息を取り戻す「過払い金返還請求訴訟」の依頼人を不正に弁護士に紹介し報酬を得た疑いが強まったとして、警視庁は12日、住吉会系暴力団組長(52)と、その知人が代表を務める東京都港区の広告会社幹部ら7人を、弁護士法違反(非弁活動)容疑で逮捕した。

紹介を受けた東京弁護士会所属の弁護士(69)も、近く同法違反(非弁提携)容疑で書類送検する方針。多重債務者の債務整理を巡り、弁護士と依頼人の間を暴力団幹部が仲介していた構図が浮かんだ。

捜査関係者によると、組長らは2009年4~10月、弁護士資格がないのに、過払い金返還請求訴訟の依頼人数十人を弁護士に紹介し、報酬を得た疑い。
組長は「違法なビジネスと思っていない」と否認しているという。

(2011年9月12日14時33分 読売新聞)

弁護士法違反とは

第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

を指しているのでしょう。

しかし、弁護士と関わりのある人が、「弁護士を紹介しよう」となった場合に、「報酬が発生するのを禁ずる」と一様に法律で制限するために、現実にはかなり問題になってきます。

ちょっとあまりに漠然とし過ぎていて、弁護士と協力して活動するのも無理となってきます。
合法的に報酬を得るのは、弁護士事務所に勤務した場合になってしまいます。

あるいは、公的機関などの仕事として、請け負った場合には、弁護士に話しをつなぐのは大丈夫でしょう。
会社員が、部下の相談に応じて、会社と契約関係がある弁護士を紹介したら、どうなるのか? 常識的にはOKでしょうが、弁護士法からは突っ込まれかねません。

そんなわけで、弁護士を紹介するのが、ごく親しい知人に無償で紹介できて当然のような間柄に限定になってしまう、という面があります。

暴力団が、資金稼ぎで弁護士を紹介するのは、大問題ですが暴力団でなくてNPOと置き換えても、紹介の報酬が発生したらダメなんですよね。
だから、弁護士の紹介は出来ない、という本末転倒なことにもなる。

これって、悪貨は良貨を駆逐する、といったことに近いんじゃないでしょうかね?
一方で、弁護士が足りないと言いつつ、弁護士を紹介するところに制限を付けたままでどうするのだ?という印象が強いです。

9月 12, 2011 at 03:07 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.08.27

福島原発・やっと出てきた、汚染総量

読売新聞より「原発事故のセシウム137、広島原爆168個分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で1~3号機から大気中に放出された放射性物質のうち、セシウム137の量は、広島に投下された原爆の約168個分だったことが分かった。

経済産業省原子力安全・保安院が26日、試算値を公表した。

保安院の試算は、国会の求めに応じてまとめたもの

原発事故による放出量は国際原子力機関に提出した政府報告書から、原爆による放出量は国連科学委員会の資料をもとに、核種ごとに試算した。

  1. セシウム137は
  2. 原発事故では1万5000テラ・ベクレル(テラは1兆)、
  3. 原爆は89テラ・ベクレル。
  1. ヨウ素131は
  2. 原発事故では16万テラ・ベクレルで、
  3. 原爆の6万3000テラ・ベクレルの約2・5倍だった。

保安院は「原爆による影響と発電所の事故は、単純比較できない」と話している。

(2011年8月26日21時17分 読売新聞)

これは、YouTube で紹介されて、話題になった
「児玉龍彦氏、福島原発事故よる政府の対応に渾身の訴え。放射線の影響」
と連動していますね。

現行の放射線の障害防止法というのは、高い線量の放射性物質が少しあるものを処理することを前提にしています。

この時は、総量にあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。

ところが今回の福島原発の事故というのは、
100キロメートル圏で5マイクロシーベルト、
200キロメートル圏で、0.5マイクロシーベルト、
さらにそれを越えて足柄から静岡のお茶まで及んでいることは、今日皆さん全てがご存じの通りであります。

われわれが放射線障害を見るときには総量を見ます。
それでは、東京電力と政府は、一体今回の福島原発の総量がどのくらいであるか、はっきりした報告は全くされておりません。

そこでわたくしどもは、アイソトープセンターの色々な知識を元に計算してみますと、
まず熱量からの計算では広島原爆の29.6個分相当するものが漏出しております。
ウラン換算では20個分のものが漏出していると換算されます。

さらに恐るべき事にはこれまでの知見で、原爆による放射線の残存量と原発から放出されたものの放射線の残存量は、
一年経って原爆が1/3程度に低下するのに対して、
原発からの放射線汚染物は1/10程度にしかならない。

つまり今回の福島原発の問題は、チェルノブイリと同様原爆数十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したということが、まず考える前提になります。

正に、原爆数十個分ですが、実は一部の専門家は「原爆実験後でも、さほどの被害はない。自然が浄化する」といった表現をしていました。
これ自体は事実ですが、一方にチェルノブイリがあり、これは核燃料が直接大気に露出したことが確認されていました。

福島原発では、どのように穴が空いているのかが、いまだに分からないのですが、チェルノブイリほどの物理的な崩壊に至っていないことはまず確実でしょう。
しかし、原爆よりもチェルノブイリに近いことは確実で、「原爆がこの程度」という比較自体が正しく無いのも確実な事です。

分かりやすく言うと、「質の問題よりも量の問題だ」となります。
ところが、日本の文化は往々にして「量よりも質」を重視するのですね。

確かに、質的に高度なことを求めることは、社会の発展の一側面ではよいことですが、それが量の効果を忘れて良い事ににはならない。

低レベルの放射線であっても、何十年といった期間その環境から抜け出せないときに、何かが問題になるのは予想できます。
その逆に、かなり高レベルの放射線を受けても、治療することが出来ます。 これを取り違えて、だから問題無いというのは大間違えである可能性が大きいです。

攻殻機動隊ではないけど、放射性物質の除染はそれ自体が技術的進歩であり、国家プロジェクトとして開発するべき目標であると思うのです。

8月 27, 2011 at 01:46 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.08.17

高齢者の、自動車道立入対策について

神奈川新聞より「高速道迷い込む高齢者、保護された人の半数以上は65歳以上/神奈川

高速道路などに歩行者が立ち入るケースが後を絶たない。

県警高速隊によると、同隊が管轄する高速道路などで起きた立ち入りは昨年1年間で500件以上。保護された人の半数以上は65歳以上の高齢者で、認知症の人も多く、死亡事故につながるケースもある。

県警はすでに実施している立ち入り多発地の重点パトロールのほか、道路管理者と協力した防止策の強化を検討している。

今月10日、横浜市神奈川区新浦島町の首都高速道路横浜羽田空港線で、男性が倒れて死亡しているのが見つかった。
直前に「人が高速道路内を歩いている」との通報が複数あり、付近に停車車両もないことなどから、高速道路に侵入して複数の車にひかれたとみられるという。

同隊によると、歩行者が高速道路などに立ち入ったケースは、昨年1年間で507件発生。
うち同隊が保護したのは159人で、半数を超える85人は65歳以上。
認知症かその疑いがある高齢者は47人だった。

今年に入っても立ち入りはなくならず、7月末までですでに107人を保護した。
48人が65歳以上で、21人が認知症かその疑いがある人だったという。

2007年12月には横浜市南区南太田4丁目の首都高速道路狩場線上で、認知症とみられる無職男性(71)が死亡しているのが見つかっている。

立ち入りが後を絶たない背景について、同隊は

「県内はさまざまな路線が入り組んでおり、どこからでも入れる状態。一般道とつながっている所も多い」
と分析。
「自動料金収受システム(ETC)の普及で料金所の人員が減り、目が届かなくなったのも一因ではないか」
と推測している。

また県警第2交通機動隊が管轄する西湘バイパスなど三つの自動車専用道路などでは昨年1月から今年6月末までに、71人が保護されている。このうち65歳以上は20人で、認知症とみられる人は12人だった。

第3京浜道路や横浜新道などを管理する「NEXCO東日本」では現在、立ち入り禁止の看板を立てるなどの対策を行っているが、今後は路面に注意を呼び掛けるシートを貼るなど、

「とにかく目立つ所に大きく表示し、立ち入りを減らしたい」
と対策を強化したい考えだ。

また県警高速隊も立ち入りが多い場所で隊員が重点的にパトロールを行っており、「今後、道路管理者と協力し、防止対策を強化したい」と話している。

一方、「認知症の人と家族の会神奈川県支部」の杉山孝博代表(64)は

「看板だけでは全く意味がない」
と指摘。
「料金所の職員や運転手が認知症への理解を深め、『みんなで守る』という意識を持ってもらい、人がいれば素早く通報してほしい」
と呼び掛ける。

歩行者らの侵入を素早く把握するシステムを導入している地域もある。京都府の高速道路を管理する会社などは07年、立ち入りに伴う事故を防ぐ全国初の協議会を設立。
監視カメラで人を識別する機器を導入しているという。

「認知症の人と家族の会神奈川県支部」代表の「立入を防止する策は意味がない」という意見には全面的に同意します。

高速道路の逆走でも同じことですが、分からないから自動車専用道路に進入するのだし、逆走もするわけです。
そういう分からない人たちに分からせることで何とかなると考えているのだとすると、どういう思考過程でそういう結論に達するのか?直接聞いてみたいくらいです。

歩行者の立入、高速道路の逆走も、事故にしないためには正常に走っている車を止める方が、実際的な効果は大きいでしょう。
もちろん、現実に止める前に注意喚起とか色々やれることはあります。
正常に走っている車に対して、何の情報を出さないというのは、道路管理の観点で失格と言うべきです。

路車間通信で、自動車に直接警報を送ることも出来ます。
それでも「分からない人に分かるようにするのが対策」というのはあまりにバカすぎる。

8月 17, 2011 at 07:46 午後 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.08.05

フール死亡事故・またもやいい加減な管理体制

サンケイ新聞より「市教委ずさん巡回、監視人数も確認せず 小1プール水死

2011.8.5 08:28

大阪府泉南市立砂川小の一般開放のプールで同小1年(7)が溺れて死亡した事故で、市教委が水質チェックや安全管理状況の把握を目的に行っていたとする巡回の際、監視員の人数を全くチェックしていなかったことが4日、市教委への取材で分かった。

そもそも、巡回で監視員の人数を確認することをチェック項目として定めておらず、改めて市教委の監督態勢が問われそうだ。

市教委によると、巡回はプールの一般開放中、1日1回、職員1~2人が不定期で行っていた。
巡回の目的は、保健所に提出する水を採取するなどの水質管理や、委託業者の安全管理状況の把握、監督業務のためと説明していた。

しかし、監視員の人数確認は期間中行っておらず、37回あったプールの一般開放のうち、32回で監視員が不足していた事実を見過ごしていた。

また、市から運営を委託されていたビル管理会社「ダイショウコーポレーション」(泉南市)の社長(35)は3日の記者会見で、

事故のあったプールは身長120センチ以上でないと利用できないという市の規定について「ケース・バイ・ケースで」
と市教委から言われたことを明らかにしている。
府警は、市教委がずさんな監督態勢を続けていたとみている。

この事故の問題点が、大々的に報道されたのは「37回あったプールの一般開放のうち、32回で監視員が不足していた」と委託されていた会社が発表したときでした。

しかし、もし単に監視員が契約人数から一人欠けている、ぐらいであればよほどの不運でない限り死亡事故にはならないでしょう。
つまり、管理体制が不十分であることと、死亡事故は偶然の一致かも知れない、と思っていました。

ところが、今回出てきた「身長制限もあいまいだった」というのは大問題でしょう。

これでは、管理の契約とは何をやっていたのか?
という全体が信用できない、となってしまいます。

2006年7月に起きた、ふじみ野市のプール吸い込み死亡事件でも、教育委員会はプールの内部を確認せずに、外側を見ただけとの報道がありました。
それで、管理したとされていた。

結局のところ、プールの管理なんてものは教育委員会の仕事の中で非常にマイナーなものだから、とのことのように思えます。
しかし、それが死亡事故になっているわけで、設備を設置するだけが教育委員会(自治体)の仕事であれば、建設会社と同等になってしまうでしょう。
運営の名目が教育委員会などになっていれば、委託先のミスは委託した側の責任という当たり前の話になぜならないのか?

なんか根本的なところが狂っているような気がします。

8月 5, 2011 at 09:42 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.29

航空大学校機の事故調査の問題点

サンケイ新聞より「計器のみで飛行する訓練中に事故? 北海道警が現場調査へ 航空大の小型機墜落

2011.7.29 08:06

北海道帯広市の航空大学校帯広分校の4人乗り小型単発プロペラ機が訓練中に芽室町の山中に墜落し、教官ら3人が死亡、訓練生1人が救助された事故で、道警は29日午前、墜落現場を調査する。

運輸安全委員会の航空事故調査官も同日、帯広分校で聞き取り調査。

小型機は28日午前に帯広空港を離陸した後、消息を絶った。午後になり空港北西約30キロの剣山で、機体や機長(44)らとみられる3人の遺体が見つかった。訓練生(23)は現場から約2キロの林道で歩いているところを保護された。

帯広分校によると、訓練生は

「事故当時、計器のみで飛行する訓練のため、機外を見ないよう視界の一部を遮るフードをかぶって自分が操縦していた」
と話している。

なんだって、航空事故で先に警察が調査して、その付け足しのように事故調が出て来るのか?

これでは、まともに事故調査になるわけがない。

今回の事故は、機体の故障などでは無さそうなのだが、報道では飛行中に出火した、というのがあった。
こんな情報が飛び出してくるのは、あっちこっちで現実を読み解くことが出来ない記者などが乱雑に取材しているからだろう。

事故調査が重要なのか、3人死亡の加害者の特定が重要なのか、という一見無関係に見えることが、実はtrade-offの関係にあり、それを判定するのがキチンとした報道だ、という当然のことを忘れているから、後から批判が出て来る。
これは、福島原発事故後の政府の対応も同じだ。

犯人逮捕だけですっきりする社会を卒業するべきなのだと思う。

7月 29, 2011 at 09:34 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.26

中国の高速鉄道、日本の原発

毎日新聞より「中国高速鉄道:早期「幕引き」に反発強まる

【温州(中国浙江省)隅俊之】
中国浙江省温州市で23日に起きた高速鉄道事故で、中国当局が事故車両を埋めたり、事故から1日半で運転を再開したりしたことに大惨事の「幕引き」を急ごうとしているとの反発が中国国内で強まっている。

救助活動が打ち切られた後の24日夕、車両から2歳の女児が見つかったことにも「救助活動の打ち切りが早過ぎた」との批判が出ている。

中国メディアによると、中国当局は24日朝の時点で「車両内からの生命反応はない」と発表。生存者がいる可能性は低いとして大規模な救助活動を打ち切り、重機を使った車両の撤去作業に重点が移された。
だが24日夕、追突されて高架橋にとどまっていた列車の最後尾車両で、救助隊員が車体を解体しながら遺体を収容した際、わずかに動く女児の手を見つけ、事故発生から約20時間ぶりに救出したという。

新華社電によると、事故の死者は25日夜までに39人に達した。

中国当局が早期の事態収拾を図ろうとする背景には、高速鉄道の信頼回復を急ぐ必要性に迫られている事情があるとみられる。
鉄道省の王勇平報道官は24日の記者会見で、「事故は国内的にも国際的にも重大な影響をもたらした」と認める一方で、「中国の高速鉄道の技術は先進的で我々は自信を持っている」と強調した。

毎日新聞 2011年7月26日 1時41分(最終更新 7月26日 9時18分)

原因も明らかでなく、世界初の高速鉄道の追突事故を起こしたのに、「中国の高速鉄道の技術は先進的で我々は自信を持っていると言われても滑稽に感じてしまいますが、日本でも3月11日以来の「安全です」発表は主にアメリカの現場などから、強く非難されていました。

日本は中国政府などを批判できる立場にはありません。

正に「人の振り見て我が振り直せ」そのものでありましょう。

7月 26, 2011 at 12:30 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.21

病院でボンベの取り違え

読売新聞より「酸素と間違え二酸化炭素、患者重篤…神戸の病院

神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)は20日、手術を終えた80歳代男性に酸素ではなく二酸化炭素を吸引させるミスがあったと発表した。

男性は一時心肺停止に陥り、重篤という。

同病院によると、男性は腹部大動脈瘤(りゅう)切迫破裂で13日夜から14日未明にかけて緊急手術を受けたが、術後、集中治療室(ICU)に運ぶ際、麻酔科医と看護師が二酸化炭素ボンベを酸素ボンベと取り違え、人工呼吸器に数分間接続した。

酸素ボンベと二酸化炭素ボンベはほぼ同じ大きさで、酸素は黒、二酸化炭素は緑で色分けされている。

北徹院長は「ご家族には大変申し訳ない。医療事故調査委員会を設け、原因究明や再発防止に努める」と謝罪した。

(2011年7月21日00時39分 読売新聞)

あり得ないことでしょう。

手術室の周辺に、携帯用の炭酸ガスボンペがある、という状況自体が理解不可能です。

看護師・麻酔医らのボンベの選択ミスよりも、炭酸ガスボンベを持ちこんだ方が怪しい、と感じます。

とは言え、日ごろ使っている黒いボンベでないものを接続したという判断力の怪しげな現場の責任は逃れるものではありません。

7月 21, 2011 at 03:07 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.07.05

日航123便事故報告書の解説書

朝日新聞より「日航ジャンボ墜落事故、原因解説書公表へ 遺族が要望

520人が死亡した1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故で、運輸安全委員会が事故原因の解説書の作成を進めている。
運輸省航空事故調査委員会(当時)がまとめた調査報告書について、遺族から「分かりにくい」との声が上がっていたためで、今月中にも公表する。

安全委は「結論自体を見直すわけではないが、報告書の説明は専門的で分かりにくい部分もあった」としている。

87年に公表された報告書では、飛行中に機体後部の圧力隔壁が壊れ、尾翼や操縦系統が損傷し、操縦不能に陥ったとされた。
だが、隔壁破壊で起きるはずの強い空気の流れがなかったとする生存者の証言などもあり、一部の遺族が昨夏、当時の前原誠司国土交通相に疑問を投げかけた。

何だか意味不明なのですが、事故報告書の解説書を作るって事なのでしょうか?

原因究明の不徹底が全ての問題の出発点なのだから、今さら解説書を作っても「よく分かりません」になると思うのだが・・・・。

今だったら、間違えなく引き上げたであろう、脱落した垂直尾翼を回収していないのだから、どうにもならない。

事故を起こした機体は、よく知られている通り尻もち事故後に、大規模な修理を行って、その時に圧力隔壁の修理を間違えていたことが、墜落後の検証で判明した。
だから、圧力隔壁が一気に破れて、垂直尾翼が吹っ飛んで墜落した、というシナリオが正しいとされたわけだ。

しかし、事故を起こした機体は、トイレのドアが閉まらない、などといった機体の歪みに起因とするトラブルが報告されていた。
つまり、圧力隔壁以外は問題なしであったとは言いがたい。

にもかかわらず、脱落した垂直尾翼を回収していない。

これで「判らないけど圧力隔壁の修理は間違っているから、それが原因だと思う」なんて結論になっているのだろう。
誰が見ても、科学的合理的とは言いがたい結論で止まっている。

そして、今となっては修理したボーイングの社員の行方も判らなくなっているのだから、追跡も出来ない。
全ては、日本の「メンツ重視」の調査の結果であろう。

この種の問題になると、この何十年間に事故調査技術がアメリカで進歩したのに対して、日本では全く停滞していて埋めようのない差を付けられてしまったと強く思う。

7月 5, 2011 at 09:09 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.06.23

戦力の逐次投入を繰り返して、全滅する気なのか?

読売新聞より「米社装置の汚染水処理、目標のわずか20分の1

東京電力は22日、試運転中の福島第一原子力発電所の汚染水処理システムで、米キュリオン社製の装置の処理能力が、当初目標の20分の1程度にとどまっていると発表した。

処理が追いつかず、循環冷却に使う汚染水の再利用ができなくなり、水があふれ出す恐れがある。東電は、汚染水をためている施設の許容量を1500トン増やす方針だが、今後の降雨量によっては、11日間程度と見られる満杯までの余裕が、さらに短くなる可能性もある。

東電によると、キュリオン社の装置は、真水の低濃度汚染水を処理すると、目標の約1000分の1以下まで濃度を下げることができたが、海水混じりの高濃度汚染水だと50分の1程度に下げるのがやっとだった。

汚染水処理システムは、キュリオン社の装置、仏アレバ社の装置に塩分除去装置を組み合わせて、放射性物質と塩分を除く。汚染水の再利用には塩分除去が不可欠だが、除去装置が正常に稼働するには、放射性物質の濃度を1万分の1以下にする必要がある。
アレバ社の装置の能力も400分の1程度と言われ、2社の装置を合わせても安定的に処理できるかどうかは不明。

(2011年6月23日00時22分 読売新聞)

4月から、更新をサボっておりました。

4月~5月は選挙に関わっていまして、時間が取れませんでした。
この間に、地震から原発問題の拡大になってしまい、あまりいい加減なことを書くと、不安などを助長する可能性もあると考えて、自重しておりました。
6月になると、学校に行く仕事が激増しまして、書くどころではなくなってしまって、結果としてずいぶん長い間記事を書きませんでした。

さて、今回の報道を見ても「なんでこんな事が問題になるのだ?」と強く思います。

だって、冷却水ではなくて冷却後の廃水でしょう。
そんなものを浄化するのには、一筋縄ではいかないことは誰だって予測できると思うのです。

そして、その現実は「カタログスペック通りにならない」に決まっているのですから、手っ取り早くいえば「必要最低限の10倍の安全性で用意する」ぐらいは常識だろう。

もちろん放射性物質が混じっている水なのだから、濾過したフィルターの処理をどうするのか?といったことは、決して簡単な事ではないが、それはやらなきゃならないことだし、さらに作業が遅れてタンクが足りなくなる、なんてことはどんな理由でも起きうることだろう。

当初の、冷却機能の全喪失以来ずっと東電と政府から出て来る情報は「○○がOKだから大丈夫」で統一されているのだが、現実は「○○は実はダメだった」の連続でないか。
なんで「○○がダメでも△△も用意してある」という展開にならないのか?

大昔に、堺屋太一氏の書いた記事だったと思うのだが「なんで、万博でトイレ行列になるのか?」というのがあった。

この内容は、うろ覚えなのだが「予算の観点で、必要な機能を最低限にしておくのは、集客が失敗しても機能が余らなかったら、予算に無駄はなかった」と言い訳するためだとなっていた。

要するに、「万全を期して、二重三重に用意する」といったことを否定しているわけです。
そりゃ、確かにルーチンワークで経験豊富なことに過度の余裕を取るのは間違っていると思いますが、よく分かっていないこととか、初めての出来事にも同じ原則を適用するのはバカだろう。

今必要なのは、「万全の体制」であって「必要最小限」ではない。
このような、考え方の根本的な勘違いが、あっちこっちに出てきていると思うのだが。

6月 23, 2011 at 09:13 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2011.04.03

東電は全く信用できない

テレビ朝日ニュースより「【原発】東京電力が会見で謝罪「判断が甘かった」

(04/03 00:21)

東京電力は、原発の海辺の確認をしていなかったことを明らかにして「判断が甘かった」と謝罪しました。

結局、流出元を突き止められても汚水を止めることはできませんでした。

3日朝になって、ようやく現地に水を止める専門家を送り込むということです。

また、東京電力は「電線が詰まっている管だったために、水が入っているとは思わなかった」とも釈明していますが、海への汚染水の流出が発覚してから1週間、その間もずっと放射性物質が海に垂れ流されてきたことになります。

そもそも、元々の水の出どころは、原子炉の水が流れ出ているとみられる2号機のタービン建屋の地下に管がつながっているとみられています。

その水を止めない限り、いくら穴をふさいでも限界がありますが、2号機の地下の水の排水も始まるめどが立っていません。

そして、建屋の水が汚染されていることで、肝心な原子炉の冷却システムの復旧作業は足踏み状態です。

事故発生から3週間を迎えて、事態はいまだに改善の兆しは見えていません。

東電は、全く調査をしていないように見えます。

因果関係を考えず、調査もせず、見つかったことに対してだけ対応しているわけで、これでは「子どもの使い」でしょう。

さっさと、米軍管理にでもしてしまった方が世界のためです。

「判断が甘かったと謝罪した」というのは、「判断していなかった」であって謝罪の対象ではないでしょう。
「甘い」というのは程度問題を指す言葉であって、なんにもやっていないことを指す言葉でない。
だから謝罪の対象にはならない。

ここまで、ひどいのは世界的にも珍しい事だ。
外国であれば、戒厳令でも出て来るのではないだろうか?

東電は、今後この事態が解決したときにどうなっている、と想定しているの聞いてみたいし、マスコミは取材する責任として追及するべきだ。

4月 3, 2011 at 10:23 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

アメリカでの旅客機をめぐる事件

サンケイ新聞より「米機の天井に穴、急降下し、緊急着陸 乗員1人けが 雷か金属疲労か

2011.4.3 07:22

AP通信によると、米サウスウエスト航空のボーイング737が1日、米南部上空を飛行中、天井部分に突然穴が開き、機内の気圧が低下したためアリゾナ州の米軍基地に緊急着陸した。乗客乗員118人のうち、客室乗務員1人が軽傷を負った。

連邦捜査局(FBI)や運輸安全委員会(NTSB)によると、テロの可能性は低く、穴は雷か金属疲労が原因でできた可能性があるという。

同機は高度約1万1千メートルを飛行中、機体の天井部分に長さ約2メートルの裂け目のような穴が開いたため、3350メートルの高度まで急降下した。

同機はアリゾナ州フェニックスからカリフォルニア州サクラメントに向けて飛び立ったばかりで、機内は一時パニックになったという。

朝日新聞より「米航空機飛行中、天井に穴 緊急着陸 乗員1人軽傷

2011年4月3日5時6分

米アリゾナ州で1日、飛行中のサウスウエスト航空機(ボーイング737型)の天井に穴が空き、同州内の空港に緊急着陸した。米メディアによると、客室乗務員1人が軽傷、乗客118人にけがはなかった。

AP通信によると、同州フェニックス発カリフォルニア州サクラメント行きで、高度約1万8百メートルを飛行中、乗客が「銃声のような音」を聞いた。

機内の与圧が失われたため、同機は高度を約3千3百メートルまで下げた後に緊急着陸。着陸の瞬間、乗客から歓声が上がったという。

米メディアが伝えた写真では、天井に少なくとも数十センチ大の破れたような穴が空いているのがわかる。原因は不明だが、米連邦捜査局(FBI)はテロや犯罪行為ではない、としている。

サウスウエストは米国の格安航空会社で、事故機は同社が保有する最も古い機種。

CNN.co.jp より「飛行中の機内天井に穴、気圧減少で緊急着陸

2011.04.02 Sat posted at: 15:03 JST

(CNN) 米連邦航空局(FAA)は1日、格安航空大手サウスウェスト航空の旅客機がアリゾナ州上空を飛行中、機体天井に穴が開き、機内気圧が減少したため同州ユマにある米海兵隊空軍基地・国際空港に緊急着陸したと発表した。

機種はボーイング社製737型機の812便で、同州フェニックスを離陸し、カリフォルニア州サクラメントへ向かっていた。乗客の証言によると、気圧減少などは離陸から約35分後に発生した。

空軍基地には米東部時間の1日午後7時7分ごろに緊急着陸していた。

同航空は乗務員が機内上部に穴を発見したとの声明を発表した。乗客118人に負傷者はいないが、多数が急降下に伴う耳鳴りの症状を訴えたとし、乗務員1人が高度落下で軽傷を負ったと述べた。

FAAは気圧減少の原因は不明とし、機長は高度3万6000フィート(約1万973メートル)から1万1000フィートへの急降下を適切に切り抜けたと評価した。乗客によると気圧減少から1分弱で酸素マスクが降りてきたといい、乗客からも機長や乗務員の対応をたたえる声が出た。

座席番号11Cにいた乗客はCNNの取材に対し、

最初に3、4分間弾けた音がし、次に大きな爆発音が発生、機内の空気が外へ吸い出されるような状況だった
と証言した。
爆発音など聞こえたのは座席の約2.5列分の上部の天井としている。一部の乗客がパニック状態になり叫び声が上がったとも述べた。

後ろの機体天井に長さが3~4フィート(約90~120センチ)、幅1フィートの穴が開いているのを見付け、配線コードなどがむきだしになり、天井パネルが外れて上下に揺れていたとも証言した。

この事件は、動画投稿サイト LiveLeak で先に見ました。
Flight from Phoenix to Sacramento diverted, hole in the jet’s fuselage

しかし、この音声入りのビデオは、かなり事態が落ち着いた後に撮影されていて、天井が落ちてきた風にしか見えません。
また、酸素マスクも見えません。

つまり「穴が開いた」のは機内のパネルであって、そのサイズが2メートルぐらいのようです。
そして、報道では圧力減少があったから緊急降下した、とあるので与圧が破れたのも確かなようですが、機体そのものが部分的に破壊した、と言うほどではないように思えます。

ところが、CNN にはもっとトンでもないニュースが載っています。

CNN.co.jp より「米旅客機の機体に穴 客室から銃弾回収か

2011.03.30 Wed posted at: 11:22 JST

(CNN) 米ノースカロライナ州のシャーロット・ダグラス空港で28日、着陸した旅客機の機体に穴が開いているのを操縦士が発見した。

政府当局者ら3人が29日、CNNに語ったところによると、外部から撃ち込まれた銃弾が貫通したとみられる

この旅客機はフィラデルフィア発のUSエアウェイズ1161便で、定員144人。定刻通り午後4時ごろに到着し、次の運航に向けた準備が行われていた。同社によると、機体後方の客室の窓の上に穴が開いているのを操縦士が発見したため運航を中止し、連邦捜査局(FBI)に通報したという。

情報筋によると、機内から銃弾1個が見つかった。乗客が降りた後で撃ち込まれたとみられる。当局者の1人は、テロとの関連はないとの見方を示している。銃声を聞いたとの報告はないという。

FBIは機体を捜査したうえで、28日中にUSエアウェイズに引き渡した。同社は独自の調査を実施中としている。運航再開に先立ち、連邦航空局(FAA)の検査を受けて認定を得る必要がある。

旅客機に銃弾を撃ち込むというのでは、危なくってしょうがないですね。

4月 3, 2011 at 10:06 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.04.01

東電の取締役全員を即刻解任するべきだ

東電の経営陣を、即刻解任するべきだ。

現状は会社全体として、何も動いていない。

「電力は供給しているじゃないか」と業務が行われているとおっしゃる方は多いと思うが、極論を言えば、会社はなにか特別な変化の時に備えて、経営者から現場の担当者までの人事体系、指揮命令系統が認められているわけで、日常業務については現場の裁量に任されているし、いちいち経営者が出て来る必要もない。

しかし、現況の東電は「極めて特殊な事態」にありながら、会社として何も動いていない。

現場作業員が持つことが義務づけられている、線量計が足りなくなったから、そのままにしていた。
なんと、柏崎原発から持ってくることが出来る、と言う。

なんにもやっていないではないか。

線量計を例に取れば、実際に線量計が必要な現場に入る作業員はNHKのインタビューに対して「不安である」と言っている、つまり現場の作業員が「いりません」としているわけではない。
その話がどうして、線量計を「柏崎原発から持ってくる」という事にすらならないのだ?

まして、海外まで買い付けに行けば、すぐに用意できるだろう。

こんな事すらやっていないのは、どう見ても経営者が「やらないことを認めている」か「経営者が何もしない」に決まっている。

もし、経営者が「NHKのニュースに出ていたが線量計が足りないのならすぐに手配しろ」と言えば、それで解決だ。 NHKは東電の広報に「本当か?」と聞いている。広報の答えは「安全だから必要ない」、これで厚労省が「法律違反だ」と怒った。

間違えなく、この情報は経営陣に届いていただろうと思う。にもかかわらず広報にこんなバカなことを言わせたのは「それどころではない」とか返事したのだろう。

要するに、経営陣として必要な事をやっていない。

だから、即刻解任しろ。

そもそも、傷害罪の疑いは強く、すでに善管義務にも忠実とは言えないのだから、証拠隠滅のおそれがあるとして、刑事捜査をして逮捕しても良いだろう。

4月 1, 2011 at 11:23 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.03.31

東京電力は、線量計の手配すら出来ない。

NHKニュースより「一部作業員の被ばく量量れず

3月31日 19時8分

深刻な状態が続く福島第一原子力発電所の復旧作業現場で、放射線の量を量る「線量計」が地震で壊れて不足し、一部の作業員の被ばく量の管理ができていないことが分かりました。

厚生労働省は「作業員を大量の被ばくから守るうえで問題だ」として、東京電力の安全管理の在り方を調べることにしています。

福島第一原発では、水素爆発などが相次いで広い範囲に放射性物質が飛び散り、場所によって高いレベルの放射線が検出されています。
しかし、東京電力では、被ばく量を量るのに必要な線量計の多くが地震で壊れたとして、一部の作業グループでは代表者にしか持たせず、作業員一人一人の被ばく量の管理ができていないことが分かりました。

国の規則では、被ばくを伴う作業を行う場合、作業員全員に線量計を持たせるよう事業者に義務づけていて、福島第一原発で電源復旧に当たった作業員の男性は「被ばく量は作業によって一人一人変わるはずで、自分がどのぐらいの放射線を浴びたか分からない」と不安を訴えています。

東京電力では「放射線量が高くない場所に限った運用で、安全管理はできている」と説明していますが、厚生労働省では

「原発事故の現場ではいつどこで大量の放射線を浴びるか分からず、事実なら作業員を被ばくから守るうえで重大な問題だ」
として、東京電力の安全管理の在り方を調べることにしています。

  1. 地震で線量計が不足した
  2. 放射線量が高くない場所に限った運用で、安全管理はできている
  3. 作業員全員に線量計を持たせるよう事業者に義務

これだけ見るとそれほど極端に問題は無いように感じますが、実際に原発が壊れたのは3月11日で、その時点から被曝量を管理しながら作業する必要がありました。

そこで、線量計が足りないから「やむ得ず、1グループに1個」といった体制で作業に入った。
問題あるにしても「緊急措置だ」という点は認めましょう。

しかし、今日は3月31日です。ほとんど三週間です。
個人用の線量計は、たかだか数万円のもので、世界中にあります。国産品を通販でも買えますが、現在は品切れのようです。
しかし、世界中どこからでも入手可能です。三週間あれば、必要数の何倍も余裕を持って集めることができます。

もし、キチンと手配できていたら「事故当初は一時的に線量計が不足したが、現在は問題無く行き渡っている」と発表するでしょう。

線量計で被爆を管理しながら作業するのは、この種の作業の基本中の基本です。
それすら出来ないのが、東電ですね。

ひどい会社だ。

3月 31, 2011 at 10:09 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.03.29

社会をデジタル的に見ることの恐ろしさ

昨日から話題になっている、YouTube に記録された放送「原子力保安院の大ウソ暴露!(関東エリア未放送)」での武田邦彦教授の説明は、なんでこんな事になっているのかを、社会の問題(人災)だとして解説しています。

しかし、先生の見解は正しいと思うのだが、放送としてはどうなのか?と思うところが多々あります。
放送の進行は「先生に結果を教えろ」と迫っています。

しかし、先生は「こんな事になったのは、こんなところに原因があるのに、それをすり替えた」といったことを延々と説明しています。

そこで、原子力保安院が問題だ、となります。
わたしの考えでは、現時点では東電だって、政府だって大問題なのですが、この放送を見た方が「保安院を解体するべきだ」と発言されているのだけれども、保安院を解体するとうまくいくのはどういう仕組みなのか?ということを考えているとは思えない。

つまり、「誰が悪者か」という「結果」を放送は探しているのだけれど、誰かが悪いと言っても他に良くすることが出来ないのなら、悪いと言っても意味がないでしょう。
「こっちが良い」というものが無いときに、良い悪いを考えることには明らかに意味がない

こんな日本にどうしてなってしまったのか?と感じるのだが、結果だけを判断しているとこんな事になってしまって、結果としておそろしい無責任社会になっている。

これをどう建て直すのか?というのは、「結果は結果。問題は別だ」という声がキチンと通用する社会にすることしかない。

ところが、社会全体がデジタル的な、○×思考になっていて、だから「×なのは誰の責任だ」と平気に誰でも主張する、これ自体がまずいと強く思うのだ。

3月 29, 2011 at 11:10 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.03.27

「謝罪する」を報道するマスコミはバカなのだ

朝日新聞より「東電、2号機の高放射線量を事前把握 作業員らに伝えず

2011年3月26日18時32分

東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)で、3人が作業に入る6日前の18日、2号機のタービン建屋地下で、通常時に比べて異常に高い放射線量を確認しながら、東電は作業員に注意喚起をしていなかったことがわかった。

東電は「情報共有が早ければ被曝を防げた可能性がある」と認め、謝罪した。

東電福島事務所によると、6日前の18日、2号機のタービン建屋地下1階で放射線量を測定したところ、作業員の被曝線量の上限(250ミリシーベルト)を上回る毎時500ミリシーベルトだった。

一方、3人の作業員が3号機で作業を始めたのは、24日午前10時半ごろ。
作業員には2号機の情報は伝わっていなかった。

前日にはなかった水が深さ15センチになっていたが、3人は前日の作業では線量が低かったこと、「タービン建屋は通常、線量が高い場所でない」と思っていたことなどから、水につかって作業をして、局所被曝した。
18日のデータが事前に伝わっていれば、作業員らの思い込みを防げた可能性がある。

東電福島事務所の担当者は「情報共有が悪かったために24日の被曝が起きた。おわびしたい。今後は社内の情報共有に努めたい」と述べた。

東電や経済産業省原子力安全・保安院によると、1、2号機のタービン建屋地下にも高い放射線量の水がたまっていることがわかった。1号機では、24日に水を採取して分析。

3号機と同様、通常の原子炉内の冷却水より約1万倍強い、1立方センチ当たり380万ベクレル(放射能の単位)の放射能が検出された。

含まれている放射性物質の種類は3号機とほぼ同じだった。燃料に含まれる物質が検出されているうえ、半減期の短い物質が多いことから、原子炉内から漏れ出した可能性が高いという。

2号機の水は、表面付近の放射線量が毎時200~300ミリシーベルトだった。これにより、1~3号機について、今後、配管の損傷などからどういう経路で漏出が広がったのかを調べていくことになる。

水の深さは3号機で最大1.5メートル、2号機は1メートル、1号機は40センチ。4号機でも、放射性物質の状況は不明だが、80センチの水がたまっているという。1号機では、ポンプを使って建屋内のタンクに排水する作業を進めている。

また、2号機では26日午前、消防ポンプで原子炉に送り込んでいた海水を真水に切り替えた。海水に含まれる塩分の悪影響を防ぐためで、これで原子炉を冷却する必要がある1~3号機すべてが真水の注水になった。

午後には2号機の中央制御室の照明が点灯した。1、3号機に続き3基目。

「責任追及ではなくて原因解明を優先する社会にするべきだ」では、社会全体として、現在は原因究明よりも責任追及の方が価値がある、となっているからマスコミも一般企業も政府も後で責任を追及されないように、情報を出さなくなる。

「物言えば唇寒し・・・」
ということなのだが、今回のように「言わないから伝わらなかった」という事実があったときにどうするべきか?についても、「拡大しない方がよい」として「謝罪で済ませる」事になるわけだ。

今回の事件は、

  1. 事前に汚染した水が溜まっている事は把握していた。
  2. その情報は共有されなかった。
  3. 情報を知らないまま作業した。
  4. その結果被爆した。
なのですから、情報共有しなかった原因に問題があるのは明らかです。

情報共有しなかったから、情報共有すればよいと言うのは、一見まっとうな見解のように見えますが、事故を起こさねば良かった、というほどの話しであって対策でもなんでもない。

そういう風に見てみると、結局のところ「謝罪する」しかない。

謝罪とはなんのために謝罪するのか?
マスコミは、社会は、謝罪すれば後は何もしなくて良いと考えているのか?

日本の事故に対する考え方は、極端に善菅義務に偏っているのでしょう。
責任者をより強く処罰すれば、処罰を恐れてより安全に管理するだろう、という想定になっているのでしょう。

それでは安全にならないことは、多くの研究が示していて、航空機事故などではたびたび裁判にもなっている。
しかし、今も原因追及の方が処罰よりも優先するべきだ、という意見は少数派のままであり、そういう社会に沿って、東電も原因など明らかにするべきではない、と対応しているのだろうと思う。

政府も同様です。

その結果、非常にデコボコになった情報に社会は振り回されています。
そのデコボコの情報を拡大して流しているのがマスコミ。

マスメディアが、情報を加工しないでそのまま流す、ネット中継だけに限定した方がまだマシではないのか?
東電や政府のよく分からない説明に対して、国民が「何を言っているのか分からない」とぶつける方がマシで、マスコミが分からないところ穴埋めするのは、結果として東電などの言い分を補ってしまっているのだ。

3月 27, 2011 at 09:12 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.03.26

責任追及ではなくて原因解明を優先する社会にするべきだ

東京電力のプレスリリースを見てみると、地震直後も現在も根本的な姿勢が全く変わっていないことがよく分かる。
以下が、3月11日の地震後の最初の発表。

原子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象の発生について(PDF8.36KB)

原子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象の発生について
  1. 平成23年3月11日
  2. 東京電力株式会社
  3. 福島第一原子力発電所

本日、当社・福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワ ット、2号機および3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)は定格 出力一定運転中のところ、午後2時46分頃に宮城県沖地震により、タービンお よび原子炉が自動停止しました。

上記3プラントにおいて、2系統ある外部電源のうちの1系統が故障停止し、 外部電源が確保できない状態となり、非常用ディーゼル発電機が自動起動しまし た。

その後、午後3時4↓分、非常用ディーゼル発電機が故障停止し、これにより 1、2および3号機の全ての交流電源が喪失したことから、午後3時42分に原 子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象*1が発生したと 判断し、第1次緊急時態勢を発令するとともに、同項に基づき経済産業大臣、福 島県知事、大熊町長および双葉町長ならびに関係行政機関へ通報しました。

今後、非常用ディーゼル発電機が停止した原因等を調査し復旧に取り組んでまい ります。

放射線を監視している排気筒モニタの指示値は通常値と変かっておらず、現時点 において外部への放射能の影響は確認されておりません。詳細について、引き続き 調査してまいります。

以上

*1原子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象

原子力災害対策特別措置法は、原子力災害から国民の生命、身体および財産を保護するこ とを目的としている。このため、原子力発電所で一定の事故・故障等が生じた場合に音切な 初期動作の確保と迅速な情報の把握が出来るよう、原子力災害対策特別措置法第10条で国、 県および市町村に原子力の事故・故障を通報することが義務付けられている。通報の必要な 事故・故障には原子炉が非常停止できない場合や原子炉への給水が喪失した場合等いくつも の事象が規定されている。

特徴というか、問題というべきかと思いますが、そもそも「全体としてどうなっている」という話が一切出てきてません。
「どの部分のどこを調べた。あっちの部分は調べていない」といった情報すら出てきません。

この状態が、現在に至るまで続いているわけで、どんどんと情報の信頼性が落ちていっています。
物事は、原因が結果となり、その結果が原因となって・・・と繰り返していくわけですが、明らかになった結果についても、それで止まってしまって、その結果を引き起こした原因はなんなのか?というメッセージは出てきません。

これでは、どうにもならないわけで、いわば呆然と事態の推移を見ているだけとなってしまいます。

原発反対論者が「重大事故に学ばない」と言っているのは正しいが、それは原発だけのことなのか?
わたしの見るところ、近年は重大事故でも全く原因が追及されていないと思う。
追及されているのは責任だけ。

その結果、企業側の発表も「とりあえず、シッポを捕まれないように」と原因から遠ざかる方向に向かう。
その上で、「責任は・・・・。今後はこのような事がないように」で済ませてしまう。
そうすると、社会は満足している。

全然、原因解明になっていないのに、それで社会は満足している。

いじめ問題も、銀行の処理システム停止問題も、トラックのホイールが飛ぶ事件も、電車がマンションに突入した事件も、エレベーターの事件も、原因ではなくて、責任を追及している。

この点がおかしいのだ、と強く言いたい。

3月 26, 2011 at 11:30 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

原因はどうでも良い社会の恐ろしさ。

読売新聞より「1号機の水にも高濃度放射性物質…通常の1万倍

東京電力は25日午後11時過ぎの記者会見で、福島第一原子力発電所1号機のタービン建屋地下1階にたまっていた水を分析した結果、1立方センチ・メートルあたり約380万ベクレルの放射性物質が検出されたことを明らかにした。

東電によると、水を採取したのは24日午前中で、放射性物質の濃度は、通常運転時の原子炉内の冷却水の約1万倍。作業員3人が被曝(ひばく)した3号機のタービン建屋地下1階にたまっていた水と同程度にあたるという。

(2011年3月25日23時48分 読売新聞)

タービン建屋の人が作業するところには普通水はないだろう。

それを「通常の1万倍」って何が「通常」なのだろうか?
ちょっと考えだけでも、支離滅裂で意味が通じない。

これでは、情報としてクズである。

ところが、読売新聞のサイトには、サイバー護身術に「震災でのデマ・ガセ情報に踊らされるな」が出ている。

 東日本巨大地震では、メールやTwitterでデマや(うそ)の情報が大量に流れている。デマや詐欺に踊らされないようにしたい。(テクニカルライター・三上洋)

震災被害・原発事故でのデマが出回る

 「製油所火災で有害物質の雨が降る」「放射線に対する備えにはうがい薬を飲め」こんなメールやTwitterのつぶやきが流れている。もちろん、どちらもデマだ。東日本巨大地震直後から、携帯電話メールやTwitterなどでデマや嘘、不安をあおる情報が目立っている。デマやガセ情報のパターンはいくつかある。今回の震災で流れているデマをパターン別に見ていこう。「→」は筆者による注意書きだ。

●震災被害・原発事故の不安をあおるもの

 デマ:『千葉の石油会社の火災で、有害物質の雨が降る可能性があるとの情報をもらいました。できるだけ外出せず、雨が身体にかからないようにしてください』
→事実とは大きく異なる。火災が起きたのはLPガスのタンクであり、燃焼により発生した大気が人体に及ぼす影響は、あったとしても非常に小さい。このデマは携帯電話メールで関東地方を中心に大量に流れた。浦安市やコスモ石油株式会社が、デマであるとして注意喚起を出している。
http://www.cosmo-oil.co.jp/information/110312/index.html

●間違った知識を広めるもの

 デマ:『放射線被害を防ぐには、ヨウ素を含んだものを口にすればいい。市販のうがい薬にはヨウ素が含まれている』
→医師が処方する「安定ヨウ素剤」には一定の効果があるが、市販のうがい薬(デマでは商品名「イソジン」と書かれていた)では効果がなく、大量に飲むと身体に有害となることがある。また他にも、昆布などが有効とのデマが流れていたが、放射線医学総合研究所は「海藻等を食べても十分な効果はありません」と否定している。
http://www.nirs.go.jp/data/youso-1.pdf

●善意のつもりでデマ拡散

 デマ:『関西電力の友人から節電のお願いが来ています。少しでも節電して被災地を支援しましょう』
→携帯メールやTwitterで流れたものだが、関西電力が否定。融通可能な範囲で関東へ送電しており、関西電力では特別に節電をお願いする状況ではないとしている。
http://www.kepco.co.jp/

●SOS、救助要請のアナウンス

 『○○地域の避難所では、まったく食料が無く餓死者が出ています。いますぐ救援を!』『津波で流されて孤立している。いますぐヘリで助けて欲しい』
→震災直後に、メールやTwitterで大量拡散したのがSOSの情報だ。上記の『餓死者』というのは、友人からの情報としてTwitterで拡散されたのだが、避難所にいた人からの否定コメントが出ている。また、本当のSOSであった場合、メールやTwitterで拡散させる意味はない。それよりも最寄りの警察署、災害対策本部に救助の連絡をするのが先決。デマとは言えないが、不安をあおる情報だと言えるだろう。

チェーンメールとTwitterのリツイート(RT)

 これらのデマは、携帯電話のチェーンメール、そしてTwitterによるリツイート(RT)として大量拡散されている。チェーンメールは古くからあるものだが、携帯電話時代になってより加速している。特に今回の震災のような社会的不安が広がっている状態では、知識があるはずの大人でさえ、チェーンメールを転送してしまう場合がある。

 厄介なのはチェーンメールの多くが「善意」「支援」「注意喚起」を呼びかけていること。たとえば善意のつもりで無意味な節電を呼びかけたり、友人を助けるつもりで「雨にあたるな」というメールを転送したりする。悪意やデマを広めるつもりはなく、他人を助けるつもりで送ってしまうのだ。

 そしてチェーンメールでは、内容が過激に改変されるほど、より拡散されるという性質がある。「火災の後の雨が怖いね」というメールが「火災の後の雨が危険」、さらに「有害物質の雨が降る」といったように、どんどん改変されて出回る。穏当な内容や嘘のない情報は危険だと感じないため出回らず、改変されたデマメールだけが大量拡散されてしまうのだ。

 今回の震災では、Twitterでも多くのデマが流れた。原因は二つある。一つは「非公式リツイート」によるもの。Twitterは140文字の文字制限があるため、同じ内容をコピーして送るリツイート(非公式)の場合、短く省略されてしまう傾向がある。そのため改変が起きて、過激な部分だけが残ってデマとなったり、発言元がわからなくなる場合が多い。

 もう一つは「公式リツイート」と呼ばれる機能で、元の書き込み(つぶやき)を改変せずにそのまま転送することができる。発言元がたどれるほか、元の書き込みをした人が削除すると、公式リツイートされたものも消えるので比較的安全に思える。しかしながら公式リツイートでも、時間がたっていて意味の無い情報になっていたり、そもそも情報源が怪しいということがある。ボタン一つで情報をコピーして転送できるため、デマを加速する原因の一つとなっている。

 ただしTwitterの場合は、「これはデマだ」という情報も素早く流れる。デマが大量拡散するスピードが速いだけでなく、訂正されるスピードも速いのだ。そのため信頼できる人をフォローしていれば、デマにだまされる可能性は低くなるだろう。

デマや嘘情報を見破るための心得

 このようにデマや嘘情報は、善意や注意喚起のつもりで送られ、極端な内容になるほど大量拡散されるという性質があるため、阻止することが難しい。デマに踊らされないための心得をまとめておこう。

●「転送して!」「拡散希望」はデマと疑え

 チェーンメールやデマツイートでは、「危ないから今すぐ転送して!」「RT拡散希望」といったキーワードが付いていることが多い。しかし、善意や支援のつもりからだとしても、このキーワードが出た時点で、内容にかかわらず疑いの目を向け、細心の注意を払ったほうがよい。転送や拡散を希望するメール・書き込みは基本的に無視するのも一つの選択肢だ。

●発言元を確かめよう

 デマの多くが「友人から聞いた」「関係者にこっそり教えてもらった」「情報を流すように頼まれた」など、発言元があやふな情報となっている。この時点で怪しく、デマや嘘情報だと考えたほうがいい。メールでこの手の内容が来た場合は、できる限り取り合わないこと。そしてTwitterでは、最初の発言者が誰かをたどってみること。最初の発言者が本当に信頼できるか、その情報が正しいかをチェックすることが大切だ。

●Twitterでは発言日時を確かめよ

 Twitterでは発言元だけでなく、日時を確かめることも大切だ。Twitterでは、その時点のリアルタイム情報が流れるため、時間がたつと情報の意味がなくなることがある。たとえば震災直後に「危険だ」とした内容も、復旧した現在ではまったく安全という場合も多い。誰が最初に発言し、それがいつかを確認することが大切だ。

●信頼できるソースにあたれ

 発言元が本当に信頼できるのか、よくチェックすることが大切だ。有名人からであっても、有名=信頼できるとは限らない。放射性物質のことであれば専門の研究機関や団体の発表・発言を確かめる、といったように信頼できるソースからの情報を確かめることが大切だ。

●詐欺にだまされるな

 メールやウェブサイト、家庭訪問などの形で、募金・義援金の詐欺が増えている。デマを利用して募金させるパターンもあるので注意が必要だ。募金する前に、その団体が本当に信頼できるのか、実在しているのかを確かめよう。

●メール転送・リツイートでは支援にならない

 繰り返しになるが、多くの場合、善意や支援は人の心を動かすものだ。メールを転送することや、Twitterでリツイートすることが「人のためになる」「被災地の支援になる」と思い込んでボタンを押してしまう。ボタンを押すだけで満足してしまい、それ以外の行動をしなくなる場合もあるだろう。しかし、私たちに今必要なのは、ボタンを押すことではなく、募金や行動で支援すること。メール転送やTwitterでのリツイートだけでは支援にはならないと考えたほうがいいだろう。

 原発事故の影響で、今後さらにデマや風評被害が広がる可能性が高い。メールやリツイートで流れてくる情報を安易に信用せず、転送やリツイートはしないように心がけよう。

これによると、読売新聞の記事は「聞いた話しのたれ流し」に相当しているのではないのか?
今回の、原発事件で一番目につくのが、情報隠しです。
そして、情報隠しに大いに「貢献」しているのが、マスコミの「分からないけど情報をとして流す」姿勢にあると強く思うのです。

企業も、政府も自分に有利な情報しか流さない、のが常識です。それを検証するのがマスコミの責任なのに、マスコミが「結果責任だけを追求する」姿勢であるから、企業や政府で起きている事実を抜きにして、その時点での責任逃れのために、事実を出さなくても、それを追及出来ない、あるいは追求することに意味がないと判断している社会を作ってしまった。

だから、「通常の一番倍」という意味不明の情報が出てきても批判されない。
実に恐ろしい社会になりつつあると思う。

3月 26, 2011 at 10:29 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.25

引き裂かれているって!

朝日新聞より「「ひび割れた日の丸」掲載の米誌に抗議 在NY総領事館

2011年3月25日9時37

【ニューヨーク=田中光】在ニューヨーク総領事館は24日、米誌「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」に対し、3月21日号の表紙にひび割れた日の丸のデザインを掲載したことについて、「不適切だ」と抗議したことを明らかにした。

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総領事館によると、同誌は「日本国民に不快感を与える趣旨ではなかったが、配慮が欠けていた」と述べたという。

総領事館は抗議にあたって、デザインが「日本自体が『壊れた』ないし今回の危機で日本国民が引き裂かれたことを表しているようにもみえる」と指摘し、「大多数の日本国民を落胆させるものだ」とした。

これ、総領事館が抗議するというほどのものとは思えないんですけどね。
むしろ「関心を持ってくれてありがとう」でしょう。

そもそも、日本の実情は、色々なものが引き裂かれている、と言って良いわけで、それを「引き裂かれているという表現が悪い」というのは、今回の原発事故であからさまになった、詳細隠しそのものの思考ではないのか?

この20年間ぐらい、「○○責任」といったことで、原因ではなく結果だけを問題にする傾向がかなり強くなってしまった、と感じています。

三菱ふそうのホイール破断事故(事件)についても、原因つまり技術的な解明よりも、リコール制度に対する違反という行政手続きが問題になった。

飛行機事故の調査などでも、原因究明を刑事捜査に優先させるべきだ、といった声は以前からあるのだけれども、現実は原因追及よりも、処罰と賠償ばっかりが優先される傾向が強くなってきた。

処罰も賠償も原因究明と同じ重要さで進めば問題無いのだろうが、現実には処罰を逃れるために、原因を隠すようになってきている。
そして恐ろしいことに、「明らかになっていないから無かった」という話しになってきた。

書類上無いから無い、というのでは中世の宗教裁判のようなものになってしまう。

今の日本社会は、高度な技術に支えられている宗教国家のようなものなのかも知れない。

3月 25, 2011 at 12:34 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.14

輪番停電

サンケイ新聞より「東京電力の計画停電が想定されるエリア

2011.3.13 22:55

東京電力が13日午後8時に発表した、計画停電の時間帯(グループ)別想定エリアは以下の通りです。

第1グループ3/14(月) 6:20-10:00、16:50-20:30
第2グループ3/14(月) 9:20-13:00、18:20-22:30
第3グループ3/14(月) 12:20-16:00
第4グループ3/14(月) 13:50-17:30
第5グループ3/14(月) 15:20-19:00

詳細は、各県別のPDFファイルに詳細があります。

 栃木県  群馬県  茨城県  千葉県  埼玉県  神奈川県  静岡県  東京都  山梨県

東京都を見ると、23区の内停電が実施されるのは約半分で、以下は対象外です。

渋谷区、新宿区、文京区、江戸川区、墨田区、江東区、中野区、中央区、千代田区、港区

しかしやってみないと分からないとは言え、ありとあらゆるところに影響するから、果たして一日の時間を区切って輪番にするのがよいのか、地域ごとに休日にしてしまうのがよいのか、分からないですね。

我が家では、昨年の5月には、在宅酸素治療をしていたのですが、同じような事になっている家では「どうしたものか?」でしょうね。

待機電力が切れると、メモリーがリセットされてしまう機器がありますから、その手当ても面倒だ。
我が家では、ラジオのチューニングが飛びます。

幹線道路以外では、信号機が消えますから、警察庁は「自動車・バイクで出かけないように」と呼びかけています。
ちょっと想像できない、大規模な問題が出てきそうです。

3月 14, 2011 at 12:34 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.03.13

海上自衛隊は、何をしているのだ?・訂正あり

海上自衛隊の「おおすみ」型輸送艦はエアクッション艇を搭載し、空母のような広大な甲板を有するもので、災害救助についても高々と述べられているのだけれども、出て来る情報が無い。

その一方で、アメリカは空母を派遣してくる、どうなっているのか?と海上自衛隊のサイト見たらこんな事になっていた。

海上自衛隊活動内容ARF災害救援実動演習への防衛省・自衛隊の参加について

ARF災害救援実動演習への防衛省・自衛隊の参加について

防衛省・自衛隊は、3月15日~3月19日の間、インドネシア・マナドにおいて実施されるASEAN地域フォーラム(ARF)災害救援実動演習(日本及びインドネシアの共催)に、以下のとおり参加することを予定しています。
本訓練はARFの枠組みで行われる2回目の実動演習であり、我が国からは、防衛省・自衛隊のほか外務省及び国際協力機構(JICA)等の関係機関が参加する予定です。

目的

ARF災害救援実動演習に参加し、参加各国と共に災害救援に係る演練を実施することを通じ、関係国との間の相互理解及び協力関係の促進を図ります。

演習の概要

インドネシア・マナド沖において大地震による大規模な被害が発生し、同国政府の要請を受けてARF各国が人道支援を実施するとの想定に基づき、各国が人員や装備等を派遣して救援活動の演習を行い、地域の災害救援に係る対応能力を高めるものです。

訓練参加予定部隊

(1)陸上自衛隊:人員約 60名、ヘリ(UH-1)2機
(2)海上自衛隊:人員約160名、輸送艦(LST)1隻、LCAC2隻
(3)航空自衛隊:人員約100名、輸送機等(C-130、KC-767)2機、ヘリ(UH-60J)2機

防衛省・自衛隊が実施する主要訓練内容

捜索救助や被災者・負傷者の輸送及び医療活動に関する訓練等を実施予定です。

つまり、おおすみはインドネシアに災害救援体制で訓練に向かっているらしいのです。
現実が訓練どころではないのですから、さっさと現地に入れるべきでしょう。

海上自衛隊のサイトは現時点(2011/03/13 11:58)では更新されていません。
防衛省のサイトはリアルタイムで更新されていますが、主に原発対応など人手の投入についての情報だけです。

陸上からアプローチできないのだから、まさしく海上自衛隊の出番であると思うのだが、どうなっているのだろうか?

訂正です

時事通信より「自衛隊の災害演習参加を中止

防衛省は12日午前、インドネシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)加盟国による災害救援実動演習への自衛隊参加を取りやめると発表した。東日本巨大地震による被災者の救援活動を優先することにした。

演習は15日から19日まで、日本とインドネシアの共催で実施。日本からは陸海空の自衛隊員約300人と海上自衛隊輸送艦などが12日に現地入りする予定だった。
(2011/03/12-12:30)

12日のプレスリリースで本文はこちらです。

ARF災害救援実動演習への防衛省・自衛隊の部隊参加の中止について
平成23年3月12日

本年1月14日にお知らせしたARF災害救援実動演習への防衛省・自衛隊の部隊参加について、昨日3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を受け、訓練参加予定部隊の派遣を国内の災害・救助のため中止することとしましたのでお知らせします。

これはこれでけっこうですが、じゃあどこで何をやることになっているのだろう? やっぱり「どこに行った?」ではありますね。

3月 13, 2011 at 12:05 午後 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.03.02

ニュージーランド地震・隣のビル解体作業で壁に穴を開けた?

TBS NEWS より「CTV会長が証言、地震の前日「壁に穴」」

ニュージーランドの地震から1週間、これまでに155人の死亡が確認されました。

一方、連絡が取れない日本人28人の安否は依然として分かっていません。

地震発生の午後0時51分。クライストチャーチでは2分間の黙祷が捧げられました。日本人28人の安否は依然として分かっていません。

CTVビルでは現在も救助活動が続けられていますが、ニュージーランド当局の要請で、夜間の活動は中止。日本の緊急援助隊は規模を60人から30人に縮小するといいます。

「我々が(日本から)来たのは、生存者を見つけ出して助け出すのが目的。それにいたっていないのが非常に残念です」(国際緊急援助隊・吉井幸夫団長)

依然、多くの人が閉じ込められているとみられるCTVビル。
1日、ビルにオフィスを構える地元テレビ局、CTVのニック・スミス会長が、JNNの取材に応じました。

「CTVも関係者15人が崩落に巻き込まれ、連絡がとれていない」(CTV)

「CTVビルは頑丈そのものに見えましたよ。コンクリートでできていて、問題があるなんて夢にも思いませんよ。築25年だか35年だか分かりませんが、一切問題はありませんでした」(ニック・スミス会長)

地震の前日、隣のビルの解体工事の際、CTVビルの壁に穴を開けていたと会長は証言します。

「工事の騒音で仕事にならないので『どうしたんだ?』と解体業者に聞くと、
『(CTVビルの)壁に強化材を入れる作業をしている』と言われました。
『特に問題ない』と言われたのでそのまま仕事に戻りました」(ニック・スミス会長)

 解体業者に掛け合っても、大丈夫だと言われたといいます。経緯を聞くために解体業者に電話してみると・・・

「申し訳ありませんが、質問には答えられません」(隣のビルを解体していた業者)

CTVビルの持ち主は、ビルの耐震性について、過去の調査で「構造に問題がある」との報告受けていないと話しています。

そして1日、CTVビルから救出された富山外国語専門学校の黒田奈瑠美さん(19)が、帰国しました。空港では帽子を深くかぶり、コメントを発表しただけでした。

地震発生から1週間。状況は厳しさを増しています。現地の警察は、不明者の家族に対し「最後まで遺体が発見できないケースもありうる」と伝えたいとしています。

「(不明者家族は)生存を信じたい気持ちと、死亡を受け入れなければという2つの気持ちのせめぎ合いだという状況」(不明者家族のケアを行う日本赤十字社)

(01日23:17)

ビルの潰れ方が、まるで爆破解体の様子そのものなんですよね。

ビルなどの爆破解体のコツは、単にぶっ倒れるのではダメで、目的の方向に倒すのだそうで、その中には真下に倒す(潰す)のがあります。

そのために、柱にあらかじめ切り込みを入れたり、成形爆薬で柱を切断したりしています。

この「隣のビルの解体工事で、壁に穴を開けていた」というのが事実であれば、とんでもない話で柱にワイヤーなどを掛けて引っぱっていたりすると、結果として柱の強度を致命的に落としてしまった可能性もあるでしょう。

ニュージーランドは地震大国であり、隣のビルが取り壊しになるほどの被害を前の地震で受けているのに、あまり明確な記録が出てこないのは、問題かもしれません。

とは言っても、阪神淡路大震災があるまでは、「神戸は地震がない。東京から移住した方がよい」といった声もあったくらいで、結果的に屋根の重い木造住宅が被害を拡大した、と言われています。
後知恵で、批判するのは、簡単なのですがね。

3月 2, 2011 at 11:46 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.02.27

ニュージーランドの大地震・建物にヒビが入っていた?

朝日新聞より「昨年の地震でビルにひび、市当局は「安全」 NZ地震

2011年2月27日5時12分

ニュージーランド南部の地震で倒壊したカンタベリーテレビ(CTV)ビルが、昨年9月の地震で大きな損傷を受けていた。

現地の複数の証言で分かった。
建築技術者が耐震補強工事が必要と指摘したが、工事はなされなかった可能性が高い。
一方、クライストチャーチ市当局は前回地震後に点検し、ビルは安全と判断したという。

倒壊したCTVビルは1975年に建てられた。
ビル内にあったキングスエデュケーションで学んでいた多くの日本人留学生が生き埋めになっているとみられる。

CTVのアナウンサー、ロブ・コープウィリアムズさん(61)によると、昨年9月のマグニチュード(M)7.0の地震で、長いもので数メートルに及ぶひびが、室内の壁に何カ所もできた。

この地震ではCTVビルの裏側に隣接する3階建てビルも大きく損壊。昨年末から取り壊しが始まった。

CTVビルと壁が接触するような位置にあるビルを破壊するため、鉄球がぶつかるたびにCTVビルにも衝撃が伝わり、室内のひびが広がったという。
CTV社員はみな

「次に地震が来たらCTVビルが壊れるのではないか」
と心配していたという。
3階建てビルの取り壊しが終わったのは今回の地震の前日だったという。

キングスエデュケーションの留学生に部屋を貸している現地住民も

「窓枠がゆがんでいて、みな不安がっている」
などと聞かされた。
「建物の基礎がずれたのではないか」
と心配していたという。

CTVビル近くの建築関連企業の関係者によると、同社の建築技術者がビル管理者側の許可を得てビルを調査。

次の地震に備えて一部で補強工事が必要だと判断し、報告書を提出した。
だが管理者側は、工事を実施するために必要な詳細情報の提供を求めてこなかったという。

コープウィリアムズさんによると、補強工事はなかった。

「ビルのオーナーが大丈夫だと判断した、と聞かされた」
という。

米国の耐震設計会社が今回、現場に調査団を派遣した。
最高経営責任者の宮本英樹さんによると、倒壊したCTVビルのコンクリート片を調べると、中の鉄筋が現在の耐震基準で求められる量より少なかった、との報告が来たという。

地震後の市当局の耐震検査では、CTVビルは問題ないと判断されていた。

同市のボブ・パーカー市長は26日、記者団に対して

「(昨年9月の地震後に)検査を受けており、的確な結果が出ていると確信している」
と述べ、
「ひび割れがあったとは聞いていない。再度チェックした上で回答したい」
と話した。
(クライストチャーチ=上沢博之、長野剛、五十嵐大介)

これは結構問題になりそうな話ですね。

2月 27, 2011 at 10:11 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.27

電動アシスト自転車の事故

読売新聞より「電動自転車の事故死7割増、急加速に対応できず

昨年1年間に起きた電動アシスト自転車の事故死者数が、前年より7割増の46人となり、統計を取り始めた2001年以降で過去最多になったことが27日、警察庁のまとめでわかった。

このうち40人が65歳以上の高齢者で、メーカー各社では乗り方によっては急加速する電動自転車に対応できていない人が多いとみて、慎重な運転を呼びかけている。

電動自転車の人身事故件数は01年に604件だったが、昨年は1000件を超えた。死者数は01年の19人から2・4倍に増えた。

電動自転車は上り坂でも楽に走行できるため、高齢者や子連れの女性らに人気だ。しかし、わずかな力で加速するため、一気にペダルを踏み込むなどすると、急発進してしまうこともあるという。

昨年の電動自転車の国内出荷台数は約38万台で、01年と比べ倍増。「交通事故総合分析センター」(東京)は、

「電動自転車では死亡事故の7割が頭を打っている。急な動きに対応しづらい高齢者は、ヘルメットを装着するべきだ」
としている。

(2011年1月27日11時02分 読売新聞)

実は、昨年(2010年)11月1日に電動アシスト自転車を買って、自宅に乗って帰る途中で、正にこの記事のような転倒をして、右手親指の付け根にある舟状骨を骨折しました。

電動アシスト自転車のほとんどは、機械式の変速ギアと、電気的なアシストの強さの切り替えがあります。
わたしの持っている自転車では、機械式3段階、電動アシスト3段階ですから、原理的には9段変速のようなものです。

ややこしいのは、電動アシストがペダルを踏む事に対応している事で、おそらくはトルクセンサーが働いているのだろうと思います。
また、法律的にもアシストではない電動だと、原動機付き自転車になってしまうので、ペダルに力を掛けないとアシストが始まらないようになっています。

わたしが転んだのは、坂道の交差点でさらに左折して発進するために信号で止まっていました。
坂道であるから、ギアは最低速(ローギア)、電動アシストを最強にしました。

発進した瞬間は、ペダルはかなり重いです。アシストがないのだから当然の事です。
次の瞬間、ペダルが無くなったというか、階段を踏み外したような事になって、地面に放り出されました。

結局、発進時だから体勢が不適切、ペダルが重いと思って力一杯踏み込んだ、一瞬おくれて強力な電動アシストが掛かったから、踏み外したような事になった。

これで、頭を打てば死にますね。

わたし自身は、オートバイも乗っていたし、以前はクロスバイクで走っていました。それがなぜ電動アシスト自転車で転んだのか?というと、おそらくは上記の経験が悪く作用したのだろうと思います。

坂道発進でアシスト無しの自転車のペダルの重さが身体に染みついているから、ペダルが重いままだとして踏み込んでいるのです。

この問題については、取り説はもちろん販売店でも情報がありませんでした。
電動アシスト自転車を何年も使っている人の話では「ローギアーで、最強アシストなんてするものじゃない」とのことで、わたしもこれは同意します。

オートバイであれば、普通の道路なら急坂でも平地と同じようにエンジンで発進しますが、アシスト無しの自転車では、急坂では坂道発進は出来ませんよね。
しかし、自転車で走行中であれば、坂の勾配よりもむしろ距離の方が問題で、強力なアシストが必要です。

このことは、痛い目に遭ってようやく分かってきた事ですが、電動アシスト自転車は、自転車でもオートバイでもない、別の乗り物ですよ。
だから、昔から自転車に乗っている人の方が大事になるような気がします。 事前教習とは言わないが、乗って帰る事もあるのだから、注意喚起の文章ぐらい渡してくれても良いだろう、と思うところです。

1月 27, 2011 at 01:46 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.01.03

Tu154の火災事故

CNN.co.jp より「シベリアの空港で旅客機爆発

2011.01.02 Sun posted at: 11:42 JST

ロシア・シベリアのスルグトにある空港で1日、モスクワ行きの旅客機が離陸のため滑走路を走行中、エンジンから出火して爆発。4人が死亡、少なくとも43人が負傷した。うち4人は重傷だという。

読売新聞より「老朽で?露旅客機が離陸前に爆発、3人死亡

【モスクワ=寺口亮一】
ロシア・西シベリアのスルグトの空港で1日、離陸のため滑走路を走行していたモスクワ行き旅客機Tu154がエンジンから出火、燃料タンクに引火して爆発した。

乗員乗客134人のうち3人が死亡、43人が負傷した。タス通信が伝えた。

同型機は1970年代に就航、現在も旧ソ連圏を中心に使用されているが、機体の老朽化で事故が頻発している。露国内最大手のアエロフロートは10年1月、同型機の使用を中止した。

(2011年1月2日18時56分 読売新聞)

最初は、日本国内のニュースで「滑走中にエンジン爆発」とあったのですが、機体が Tu154 でエンジン3基が胴体後部に付いているのに、なんで死亡事故になったのだ?と疑問がありました。

それが、CNN のビデオを見て驚いた。

客室の脱出口やドアから炎が上がっています。
Tu154 の客室素材は、可燃性のものだったのでしょうか?

エンジンは胴体に付いていますから、エンジンが破壊して、燃料が客室内に流れ込んだ、ということもあり得るとは思いますが、どうも黒煙の具合から見ると化学製品が燃えたように見えます。

1月 3, 2011 at 01:39 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.01

関越道逆走・何が起きたのだ?

サンケイ新聞より「関越道を軽トラ逆走 5台絡む事故、5人けが

2011.1.1 12:52

12月31日午後9時40分ごろ、東京都練馬区大泉町の関越自動車道下りで、軽トラックが逆走し、対向の乗用車とライトバンに相次いで衝突、さらに後続の乗用車2台も絡む事故になった。

軽トラックを運転していた、さいたま市北区の自営業の男性(76)を含む5人が首などに軽傷を負った。

埼玉県警高速隊によると、現場は練馬インターチェンジから約1・3キロ。男性は少なくとも新座料金所から約3キロを逆走したとみられ「間違って逆走してしまった」と話しているという。

高速隊が逆走の経緯などを調べている。

読み飛ばしていたのですが、よくよく考えると相当ヘンです。

現場は練馬インターチェンジから約1・3キロ。

この「練馬インターチェンジから約1・3キロ」とは、大泉ジャンクションが関越道下り線に合流するところのことです。

だから、それよりも手前(新潟方向)で関越道に入ることができるのは、所沢インターですが関越道ですから、途中に新座料金所のゲートがあります。
ここは上下線ともゲートがありますから、ゲートを突破したことになる。

今まで伝えられた逆走事故は、Uターンした例と、SAなどで逆向きに走った例ばかりで、ゲートを突破したというのは無いようです。

もし、この事件が本当にゲートを突破しているのだとすると、逆走車を止めるという対策は無理なのかもしれないですね。

1月 1, 2011 at 03:49 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.12.01

図書館システムの欠陥構造

毎日新聞より「三菱電機:子会社システムで3000人の個人情報流出

三菱電機子会社の三菱電機インフォメーションシステムズ(東京)は30日、同社の図書館貸し出しシステムを通じ、利用者の名前や生年月日、住所など約3000人の個人情報が流出したと発表した。

情報が漏れた利用者の内訳は、

  1. 宮崎県えびの市の図書館の2761人、
  2. 愛知県岡崎市の図書館の159人、
  3. 東京都中野区の図書館の51人。

8月上旬に九州の代理店のサーバーからインターネットを通じて漏えいしたが、流出した情報が悪用された被害は確認されていないとしている。

三菱電機インフォメーションシステムズは2000~10年7月に、図書館利用者の個人情報が含まれているのに気付かずに、プログラムを貸し出しシステムに登録し、他の図書館にシステムの出荷を繰り返した。

この結果、同社のシステムを採用した全国の76カ所の図書館のほとんどで、システム上に他の図書館利用者の情報が書き込まれた状態になっていたという。

30日記者会見した同社の門脇三雄社長は

「問題の根本原因は当社にあり、再発防止策を講じて信頼回復に努めていく」
と陳謝した。

毎日新聞 2010年11月30日 21時33分

岡崎図書館問題とでも言うべき事件の真相がこれであったということのようです。

高木浩光@自宅の日記に説明がありますが、元の事件は岡崎図書館の蔵書を検索したら、サイバーアタックだとされて逮捕されしまったということから始まりしました

ITmedia News より「「SIerとしての責務を果たせていなかった」 図書館システム問題でMDIS謝罪

「SIerとしての責務を果たせていなかった」――三菱電機インフォメーションシステムズは、岡崎市立図書館などに納入した図書館システムで、アクセス障害や個人情報流出を引き起こしたことについて謝罪した。
2010年11月30日 20時30分 更新

三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)は11月30日、同社が愛知県岡崎市立図書館など全国の公立図書館に納入した図書館システムで、アクセス障害や個人情報流出を引き起こしたことについて謝罪した。

「システムインテグレーターとしての責務を十分に果たせておらず、根本原因は弊社にある」
とし、再発防止に努めるとしている。

「サイバー攻撃」

問題の発端は今年3~4月、岡崎市立中央図書館に納入した図書館システム(製品名は「MELIL/CS」)で断続的に起きたアクセス障害だった。

同図書館のWebサイトから蔵書を検索できる機能などを備えていたが、このWebサイトにつながらないと市民から苦情があったという。

外部プログラムによる高頻度のアクセスが障害の原因だとして、同図書館は愛知県警に被害届を提出。

愛知県警は「故意の大量アクセスで障害を発生させた」、つまり「サイバー攻撃」だとして、新着図書情報を取得するためのプログラムを作成・運用していた同県内の男性を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。

だが、名古屋地検は悪質性はないとして、男性を起訴猶予処分にしていた。

男性は起訴猶予処分後の6月、Webサイトで当時のサーバ構成や経緯などを詳細に報告した。

実際の状況が明らかになるにつれ、クローラーなどを利用するネットサービスの運営者などから

「ネットでは常識的な程度のアクセスであり、逮捕はおかしいのでは」
と批判の声が高まった。

8月には朝日新聞の報道で、MDISのシステム自体に問題がある可能性が濃厚となった。

こうした状況で同図書館が発表した説明に対してもネットでは批判が集まっていた。

原因は「1アクセスにつき10分間のDB接続を維持」する仕様

同社によると、このシステムは、Webサイトへの1回のアクセスにつき、データベース(DB)との接続を10分間にわたって維持する仕様だった。

DBへの同時接続可能数には設定値があり、これを超えると新規のアクセスはできなくなる。

クローラープログラムなどによる機械的なアクセスに対しても、1アクセスに対しその都度10分間のセッションが発生することになる。

比較的高頻度のアクセスに対しても、

10分間のセッションがそのアクセス数の分発生した結果、同時接続数が設定値(朝日新聞の報道によると約1000)をオーバーし、ほかのユーザーがアクセスできなくなる状態に陥った
というのがMDISの説明だ。

障害発生の連絡を受け、同社は

「他の利用者へのサービスを優先し、機械的なアクセスを回避する種々の処置を講じたが、完全な回避はできなかった」
という。

だが6月になり、ほかの図書館でも高頻度な機械的アクセスがあった。

このため、対策として、DB接続を一定時間維持していた従来の仕様を、アクセスの都度接続する仕様に改めた。

6月末から改良開発を開始し、11月15日までにこのシステムを使っている28図書館で改修を完了したという。

逮捕された男性が経緯を報告した6月の時点で問題を認識していたことになるが、同社は公表はしていない。

また朝日新聞の報道によると、2006年の時点で問題を解消したソフトを開発していたという。

岡崎市立図書館のシステムは05年に納入されたものだった。

同社は一連の経緯について、

  1. 最初のアクセス障害が起きた3月中旬の時点でシステム解析や性能調査による原因の究明を行わなかった、
  2. 図書館への説明も不十分だった、
  3. 障害情報を開発部門で分析し対策を講じることを怠った
と、結果的に3月から3カ月の間、アクセス障害の可能性が残ったことについて非を認めた。

今後は、障害の発生を顧客担当SEが開発部門に対し迅速に伝えるなど、情報共有を徹底するほか、製品管理の強化に努めるとしている。

同社のニュースリリースには、逮捕された男性への言及はなかった。

ミスが重なり3000人の個人情報流出

8月上旬には、MDISの図書館システムを販売しているパートナー企業のサーバから、岡崎市立図書館など3カ所の図書館利用者の氏名、住所、電話番号などの個人情報3000人分がネットを通じて外部に流出したことも発覚した。

同社によると、システム改良時に、新機能を図書館でテストし、作業後にプログラムを自社に持ち帰ることがあったという。

その際、持ち帰ったプログラムに個人情報が含まれていることに気付かず、個人情報を含むプログラムの一部を製品マスターに登録してしまった。

そのまま出荷してしまったため、図書館システムを導入したほとんどの図書館に、ほかの図書館の個人情報が存在するという事態になったという。

さらに、同システムを販売していた九州地区のパートナー企業が、サーバをanonymousに設定するというミスが重なった。

このためサーバは誰でもアクセスできる状態になり、第三者によってプログラムとデータをダウンロードされ、個人情報が流出する結果を招いた。

プログラムがダウンロードされたことは8月上旬に認識していたが、

「個人情報流出について、弊社の確認が不十分であったことから、流出情報の確定まで約4カ月を要する事態となった」
と弁明している。

各図書館システム内に残った個人情報は11月19日までに削除を完了したという。

今後、出荷の際に個人情報が存在していないことを検索ツールやクロスチェックで確認するなど、再発防止策を徹底するとしている。

どこをどう見ても、ソフトウェアを商う資格がありません。
再発防止のために、すべてのアプリを回収の上、会社を潰すべきでありましょう。

常識的に考えて、開発体制が無かったのだと見ます。
その理由は、フィールドで開発してそれを持ち帰っている。
だとすると、同時に二ヶ所で「改良」すると二つ以上のバージョンが出来てしまいますから、両方とも存続させざるを得ない。

これが、AとBの二ヶ所であった場合、「改良後に」Aで問題が発生した、そこでAを再改良すると、A、B、A1となってしまって、2ヶ所で3種類・・・・。
後はねずみ算式なりますから、どんどんと事態は悪化します。

このような事は、わたしがソフトウェアの商売をしていた、1980年代に直接遭遇したことで、同業者がバージョン管理をしないために、何年経ってもシステムが安定しない、と大問題になっていました。

それから二十数年経って、同じことを大規模にやった会社があるということ自体が驚きです。

公開されたネット上の意見にもほとんど無いようだし、辛口の高木浩光も述べていませんが、わたしはこの会社が過去に納品した図書館システムのバージョン管理は無い(バグのあるソフトウェアの各図書館別のソースが保管されていない)、と確信しています。

ソースの保存であれば、たかだかロッカー一個です。
しかし、それは無いでしょう。
だから、改良に従って欠陥が減るのではなくて、隠れた欠陥が増えていく可能性の方が遙かに大きいのです。

12月 1, 2010 at 10:13 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.11.26

食品による窒息事故の法律問題

毎日新聞より「食品による窒息事故:増加する死亡者数 未然防止へ法整備、急務に

ミニカップ入りこんにゃくゼリーによる窒息事故を巡る民事訴訟で17日、神戸地裁姫路支部は「商品(マンナンライフ社の蒟蒻(こんにゃく)畑)に製造物責任法上の欠陥はない」と判断した。

一方、判決を受けて消費者庁は

「法整備が必要との認識に変わりはない」(福嶋浩彦長官)
として、改めてこんにゃくゼリーを含めた食品全般で窒息事故を防ぐための法整備を目指す方針を示した。
一見矛盾するような両者の判断だが、消費者庁が目指す法整備は何だろうか?【山田泰蔵】

福嶋長官は、同庁が現在進めているこんにゃくゼリーについての安全指針作りだけでなく、さらに大きなテーマとして「食品全体」での窒息事故対策の法整備を強調した。

背景には、国内での食品などがのどに詰まる窒息事故死亡者数の増加がある。

厚生労働省によると、交通事故など不慮の事故での死亡数は毎年4万人弱で推移する中、窒息事故による死亡数は95年の7104人から年々増え続けており、09年は9401人だった。
06年以降は交通事故の死者数を上回っている。

◇明らかな「法のすき間」

日本で窒息による事故死が増えているのは、法制度の不備が一因になっているとも言える。

食品の安全性を主に担う食品衛生法は、食中毒など衛生上の危害を防ぐ目的でしか製造や販売を規制することはできない。食品の大きさや硬さ、形状などから包括的に規制する法律は存在しない。

90年代半ば以降相次いだこんにゃくゼリーによる窒息事故で、窒息事故対策のように規制する法律がない「法のすき間」が浮き彫りになった。
このため、政府はすき間の事案に対し、緊急措置をとることができる消費者安全法を消費者庁の発足(09年)にあわせて整備した。

◇規制は現時点で困難

同法は、硬さや大きさに問題がある危険な食品に対して、回収や販売禁止などの緊急措置を講じることはできる。

しかし、死亡など重大事故が発生した場合に限られ、禁止措置なども一時的なもので、事故を未然に防ぐ効果には乏しい。

消費者庁は「こんにゃくゼリーについては2年以上、事故が発生していない」として同法を使った事業者規制は「現時点では不可能」と判断している。

一方、すき間を埋めるための法整備は取り残されたままで、依然として政府の具体策は見えてこない。

◇食品全般の安全性を

福嶋長官が

「今回は具体的な商品に対する責任を問うた判決。法整備とは別の話だ」
と言うのは、食品全般の安全性を網羅する法整備が急がれているためだ。
内閣府の消費者委員会も今年7月、政府に対し
「適切な法整備を図ることは政府の基本的責務だ」
として新法も視野に入れた検討を提言した。
消費者庁幹部は
「窒息事故に対して法律のすき間を埋めるのが大きな課題。
こんにゃくゼリーに規制が必要かどうかは、全体の枠組みの中で検討していきたい」
と話している。

◇欧米は包括的に規制 企業側もリスク意識

海外では、窒息事故防止のために、回収命令など一時的な緊急措置のほか、食品の販売規制などを行える包括的な法整備が着々と進んでいる。

米国では1938年に食品の安全などに関する法律に販売規制の根拠条文が盛り込まれ、02年には、こんにゃくゼリーの自主回収に応じない業者から製品を押収した際に活用された。
欧州連合(EU)でも同様の法律がある。

こうした法制度を背景に、メーカー側にも「窒息リスクは商品の欠陥」という意識が生まれている。

07年に米国でシリアルが「水やミルクに溶けにくく、窒息のリスクがある」としてメーカーが自主回収したほか、今年4月には英国で幼児用食品に「硬い野菜が入っており、窒息リスクがある」として自主回収された。

また、窒息事故対策は食品だけが対象ではない。
米国では95年に子どもが口に入れやすい直径約4・5センチ以下の玩具の販売を禁止するなど各国で法整備が進む。
日本では、食品衛生法で乳幼児用の玩具にカドミウムや重金属など有害物質が含まれないようにする基準は設けられているが、窒息を防ぐための形状や材質などの基準はない。

これは、結局は法律や行政の問題というよりも、それらを形作っている文化といった面の問題といえるように思います。

日本では、安全などを保証する仕組みとして、上流を管理することにしています。
生産段階で保証すれば、消費段階では安全だ、という仕組みです。

しかし、生産者が考えていない使い方で消費者が利用したときに事故が起きると、生産者の責任か消費者の責任か、と問題になります。

このときに、問題になるのは「刑事責任」であって「原因究明」ではありません。
こうして、日本の文化は「原因は覆い隠して、結果を求めるで良い」とやってきたのでしょう。

本来は、社会で問題が起きたのなら生産者と消費者の双方で、原因究明を進めるべきなのでしょうが、それは手間がかかるから責任だけを明らかにして、同じことが起きないように生産者に強制する方が簡単だ、ということでやってきたのでしょう。

その結果、原因が不明のままなので繰り返して同じようなことが起きることもあるわけです。
責任は追及しても原因が改善される保証がないからです。

確かに下手に原因追及だけを進めれば、とんでもないコスト高になる可能性はありますが、逆に責任を軽減するために、原因追及をしなくなることもあり得ます。

こんなことを考えると、法の隙間には違いないだろうけど、法を整備すれば何とかなる、という問題ともいいがたい面があるのではないのか?と強く思います。

11月 26, 2010 at 11:43 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.10.28

管制官の誤指示・何が起きたのか?

朝日新聞より「管制官が誤指示、山肌まで520メートル ANK機

2010年10月28日3時4分

北海道・旭川空港近くの山岳地帯で26日、全日空系のエアーニッポン(ANK)機の対地接近警報装置(GPWS)が作動したトラブルで、国土交通省は27日、管制官が同機に、周囲の山の標高よりも低い高度まで降下するよう誤って指示していたことを明らかにした。

最接近時には山肌まで520メートルしかなかったとみられ、操縦士が回避操作しなければ山に衝突していた。

国交省によると、誤指示をしたのは札幌航空交通管制部(札幌市)の30代の男性管制官。2千メートル級の山が連なる空港東側の空域は、管制官がレーダーで航空機を誘導する際の最低高度が内規で約3千メートルと定められている。

だが、管制官はANK機に約1500メートルまで降下するよう指示していた。

管制官は国交省の調査に対し、

最低高度を失念していた
と話しているという。

全日空によると、機長は「管制官の指示通りに飛んでいた」と話しているという。
当時は悪天候で、雲の中を飛んでいて視界はきかなかったとみられる。

高度約2100メートル付近を降下中にGPWSの警報が鳴ったため、操縦士は急上昇して回避したが、約1分後に高度2560メートル付近で地表に最接近したとみられる。航空機の速度を時速800キロとすると、1秒で222メートル進む計算になる。

GPWSは電波高度計や降下率計などを使い、山や地表に近づきすぎると警報を発する。

このANK機では、地表が近いことを示す警報に加え、機体を上昇させるよう求めるさらに強い警報が鳴っていた。操縦士はこの警報が鳴るとエンジン出力を最大にして急上昇するよう訓練されているという。国交省によると、GPWSが作動して危険を回避したケースは2009年度に30件あったが、事故につながる可能性があったと判断された例は過去にない。

運輸安全委員会は27日、機長らから経緯を聴くなど調査を始めた。今後は機体のデジタル飛行データ記録装置や交信記録を解析し、詳しい原因を調べる。

現役のパイロット(59)は

「GPWSに従ったから助かったが、相当危険な状況。管制官にあってはならないミスだ」
と指摘する。元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さん(64)は
「この状態の危険度は、機体がどれぐらい降下していたかにもよるが、GPWSが鳴るのは一番危険度が高い状態だ。パイロットも最低高度より低い高度に誘導されたら管制官に確認すべきだ」
と話す。(永田工)

この記事だけだと、単に「(高度の)数字を間違え」のようにも取れますが、読売新聞には「全日空系機の異常接近、管制官が誤った指示」として説明があります。

国土交通省は27日、北海道・旭川空港に着陸するため、大雪山系の山間部を旋回中だった全日空系のエアーニッポン機(ボーイング737―800型機、乗員乗客57人)が26日午後、管制官の誤った指示で地表に約520メートルまで異常接近していたと発表した。

同山系は標高2000メートル級で、周辺空域の最低誘導高度は3048メートル(1万フィート)だったが、管制官は同機に対し高度1524メートル(5000フィート)に降下するよう指示。同機は雲の中を降下中、対地接近警報装置(GPWS)が作動し、乗員が機体を急上昇させて衝突を回避した。

運輸安全委員会は27日、視界不良での運航で、事故につながりかねない「重大インシデント」に該当するとして調査に乗り出した。けが人はなかった。

(2010年10月28日03時05分 読売新聞)

この記事には、絵がありますが記事中にもあるように、空港から30キロぐらい東側の大雪山のあたりで、山よりも低い高度指示をしたというものです。
問題の大雪山のあたりの山の高さは、2000メートルを超えていますが30キロ西の旭川空港の標高は210メートル。

おおざっぱに考えると、水平に30000メートル、垂直に2000メートルですから、4度の傾きで空港との位置関係を保てばよい、となります。

このような事があるので、空港官制(今回の場合は札幌航空交通管制部だから空港ではないが)にとっては、高度が低いと水平の広がりは小さく、高度が上がると水平の範囲が広がる、漏斗形の空間で飛行機を誘導するのだそうです。

つまり、「高度を取り違えた」のは、「水平位置を間違えた」かもしれないわけです。
むしろこっちが怪しい。
高度ではなくて、位置を間違えているのではないのか?

その場合、飛行機そのものを取り違えていた、という可能性も出てくるわけです。
札幌航空交通管制部ということは、北海道全域を見ているはずで、相当忙しいのだろうと想像はしますが、単に「高度指示を間違えた」ではなくて、何でこんなことが起きたのかを詳しく発表して欲しいものです。

10月 28, 2010 at 09:26 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.19

いろは坂でマイクロバス衝突

TBSニュースより「日光市の駐車場で小型バスが車6台に衝突 7人負傷

(09/18 17:31)

栃木県日光市の駐車場で、マイクロバスが駐車していた車に衝突し、合わせて7台を巻き込む事故になりました。

現場はいろは坂の途中にある駐車場で、マイクロバスは急カーブを曲がりきれずに駐車場の入り口から突っ込んだとみられ、乗用車に乗ろうとしていた人がバスと車の間に挟まれるなど7人が重軽傷を負いました。

18日午前10時過ぎ、「バスと車がぶつかり、けが人がいる」と目撃者から通報がありました。

警察などによると、マイクロバスは駐車中の車、少なくとも2台に衝突して合わせて7台が絡む事故となりました。

バスの乗客や車に乗り込もうとしていた男女合わせて7人が病院に搬送されました。このうち、車に乗り込もうとしていた61歳の男性がろっ骨を折る重傷で、ほかの6人も足を打撲するなどけがをしました。マイクロバスには、観光に来ていた栃木県内の敬老会のメンバー18人が乗っていました。

バスの運転手:「慌ててしまって、パニックで状況がちょっと分からない。自分の不注意でハンドルが切れなかったと思います」
 警察で事故当時の詳しい状況を調べています。

ニュース記事の文章だとさっぱり分からないのですが、動画を見るといろは坂の下り坂の途中で、カーブがほぼUターンしている外側にある駐車場内に下り坂から突っ込んでの事故でした。

マイクロバスは、左にUターンするべきところをほぼ直線に駐車場に突っ込んでいます。

その上で、ハンドルが切れないか、ブレーキが効かなくて駐車している車に次々に当たった、ようです。

報道には出ていませんが、ブレーキのフェードじゃないでしょうかね?
車種は、三菱のローザですが、画像で見ると最新型とは言い難いようです。(おそらくは、2005年以前の型)

最新型の仕様を見ると、かなりの高機能車のようで、大型バスを小さくしたような車のようです。

9月 19, 2010 at 10:31 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.13

JRバスに自動消火器を搭載

朝日新聞より「夜行バスに自動消火装置 ジェイアールバス関東が初導入

ジェイアールバス関東(本社・東京)は、夜行として使っている2階建てバス全57両に「自動消火装置」を搭載すると発表した。

同社によると、事業用のバスやトラックに自動消火装置が搭載されるのは、国内初という。

同社では昨年3月、静岡県牧之原市の東名高速で、走行していた2階建て夜行バスのエンジンルームから出火し、乗客77人と運転手が避難する事故があった。

同社によると、この事故では、けが人はなく、同一車種も廃車にしたが、夜行バスでの火災は惨事につながりかねないことから装置の導入を決めた。

装置はスウェーデンのメーカー製。

エンジンルーム内にボンベを取りつけ、火災を感知すると、消火剤が霧状に噴射され消し止める仕組みだ。運転手にも警報で異常を知らせる。

バスへの搭載が義務づけられているスウェーデンなど欧州では広く使われているという。

57両は主に東京と関西、四国などを結ぶ長距離便に使われており、今年度中に設置を終える。今後、その他のバスにも拡大していく計画だ。(小林誠一)

今回の自動消火器搭載のきっかけになった、2009年3月の東名牧之原での全焼事件については「高速バス・エンジンから出火全焼」

出火の初期段階で、消火に成功すれば荷物の焼失などには至らないでしょうし、自動車も修理可能な損害で済むかもしれません。

消火装置をエンジン周りに付けておくのは保険として有効なのではないでしょうかねぇ?

と書きましたが、ようやく実現した、と言えます。

ただ家庭や事務所用の消火器のサイズでは、自動車火災には対処できないそうで、その意味では現在も一部のトラックやは路線バスなどに取り付けられている消火器は、車体の炎上よりも搭乗者や貨物などの出火などに対応するための物、と考えるしかありません。

そんな事を考えると、ようやく車両火災に対応する自動消火器を搭載することになった、と言えます。

9月 13, 2010 at 08:05 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.08.23

トレーラーがバスの前に飛び出して、追突。

FNNニュースより「静岡・富士市の東名高速でツアーバスがトレーラーに追突 乗客ら27人重軽傷

23日未明、静岡・富士市の東名高速道路上り線で、ツアーバスがトレーラーに追突し、バスの運転手と乗客27人全員が重軽傷を負った。

23日午前3時すぎ、富士市中里の東名上り線で、運転手と乗客26人のあわせて27人が乗ったツアーバスが、前を走っていた大型トレーラーに追突した。

この事故で、バスに乗っていた27人が、富士市や沼津市などあわせて9カ所の病院に運ばれた。 乗客は、「わたしは軽傷だったんですけど、隣の友達も軽傷で、斜め後ろの子が、足がぱっくり開いてたので、『ちょっと手握ってて』って言われて、ちょっと握って離してっていうのをしていた」などと語った。

これまでのところ、少なくともバスの運転手と乗客のあわせて4人が骨折するなど、27人全員がけがをした。

バスは22日夜、三重・鈴鹿市を出発して、東京ディズニーランドに向かう途中だったという。 静岡県警によると、事故はトレーラーがバス停から走行車線に合流した際に起きたということで、警察は双方の運転手から話を聴いて、事故の原因を調べる方針。

(08/23 11:55 テレビ静岡)

事故はトレーラーがバス停から走行車線に合流した際に起きた
というのですが、サンケイ新聞の写真を見てみると

Up

まだ、バス停の合流車線が終わってません。

これでは、トレーラーが後方を確認しないでバスの直前に割り込んだ、ことになりそうです。

間違いなく、ドライブレコーダーに記録されているでしょうから、何が起きたのかはすぐに分かるでしょうけど、なんか報道はへんに誘導されている感じがありますね。

8月 23, 2010 at 07:11 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.08.13

事故調の原因究明と警察の捜査について半歩前進?

朝日新聞より「大事故「捜査優先」見直し 国交相方針、原因究明重視へ

2010年8月13日2時13分

航空や鉄道の重大事故が起きた時、当事者の刑事責任を問う警察の捜査が、事故原因の究明を目指す国(運輸安全委員会)の調査より優先されがちな現状について、前原誠司国土交通相は12日、仕組みを見直す考えを示した。

原因究明を重視する観点から、事故調査が優先されるようにできないか検討する。

米国や欧州の一部では国の事故調査機関の権限が強く、警察の捜査からは完全に独立している。

当事者に刑罰を科さない代わりに、原因調査に協力させる制度もある。
誰かを罰するよりも、真の原因を突き止めることが、再発防止に役立つとの考えからだ。

しかし日本では、たとえば2001年の日航機同士のニアミス事故で、空港到着直後の機内で警察が操縦士から事情聴取するなど、捜査が優先されるケースが目立つ。

また、捜査からの調査の独立性があいまいで、1997年に三重県上空で日航機が乱気流に巻き込まれた事故では、事故調査報告書が機長の刑事裁判で証拠として使われた。

こうした状況では、

「事故の当事者は刑事処分を恐れて国の調査に真実を話すことをためらうようになり、原因究明の妨げになる」
と航空関係者らが指摘してきた。

前原国交相は同日夕、日航機墜落事故の追悼慰霊式で、

「事故の原因をすべての段階で明らかにしていく事故調査の実現」
を図ると言及。
その後の取材に
「事故調査が優先されるような具体的な話し合いを運輸安全委と警察庁で行っていきたい」
と話した。

捜査と調査の関係については、72年に警察庁と旧運輸省とが、互いに協力することを定めた覚書が根拠となっているが、この是非についても「今後の研究テーマと考えている」と見直す可能性を示唆した。

欧米のような免責制度を導入するかについては

「予断を持たずに議論していく」
と述べるにとどめた。

日航機事故の遺族らでつくる「8・12連絡会」の美谷島邦子事務局長は

「調査と捜査をきちんと分けると国交相が話したことは大きな進歩だ」
と評価した。作家の柳田邦男さんも
「事故防止と安全対策のために、真実を話しやすいよう、刑事処分は免責されるようにすべきだ」
と話した。

ようやく、大臣からこういう話が出てきたか、との印象です。
とは言っても、免責しないのでは、現実的効果は無いでしょう。

特に、飛行機事故については、免責制度がある国の人間を日本で調べることについて、協力を得られません。
これについては、日航123便の事故で、修理を担当してボーイング社の関係者を調べることが出来なかったことが有名です。

さらに、医療事故とか、シンドラーエレベーターの事故などに代表される、事故についても原因究明と刑事責任問題については、悩ましい問題が多々あります。

今回の大臣の発言は、航空・鉄道事故調査委員会について語っていますが、道路事故にも大問題があって、東名高速の裾野付近の上り線は、以前は毎週のように死亡事故が発生していました。
それらの責任はすべて運転者にあるとされていましたが、路線を改修したらいきなり死亡事故がほとんど無くなってしまった。
つまり事故原因が道路にあったとなります。
自動車事故の原因究明と、安全対策についても、事故調査は必要なのは明かですが、事故調の担当範囲には入っていません。

航空・鉄道事故調査委員会の問題ではなく、事故つまり刑事責任上の過失罪について見直すべきだろうと思うのです。

8月 13, 2010 at 08:28 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.31

氷河特急・転覆事故は速度超過

朝日新聞より「速度超過で脱線、「人為ミス」認める スイス列車事故

2010年7月31日0時3分

【ブリッグ(スイス南部)=稲田信司】
スイス南部バレー州で起きたアルプスの観光列車「氷河特急」の脱線事故で、連邦政府の公共交通事故調査局(SEA)は30日、運転士(35)による速度の出し過ぎによる人為的なミスで事故が発生したとする暫定的な調査結果を発表した。

SEAの説明によると、フィーシュの事故現場は、制限速度が時速35キロの緩やかなカーブから55キロの直線に変わる境界。

運行規定では最後の車両がカーブを曲がりきったところで加速をしなければならない。
だが、列車は最後から2両目が曲がった時点で加速を始めたため、最後尾の6両目が脱線し、4、5両目もそれに引きずられる形で脱線したとみられる。

機関車の記録計によると、列車の最高速度は制限速度を21キロ上回る56キロだったという。

SEAの責任者コベルト氏は「運転士が制限速度を超過し、55キロ制限に変わる約200メートル手前で加速してしまったのが事故原因と思われる」と述べた。
ただ、運転士が速度を出し過ぎた理由について「本人はわからないと言っている」としている。

運行会社マッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)側によると、列車は事故時点で予定時間よりも約10分遅れで運行していたが、

「制限を超えて速度を出すことは、いかなる理由があっても厳禁となっている」
と説明。

MGBの責任者は「人為的ミス」と会社側の過失を認め、亡くなったKさん(64)をはじめ負傷者に改めて謝罪した。

これまでの調べでは、SEAと地元警察当局と合同の事情聴取に対し、運転士が「レールがゆがんでいて何もできなかった」と証言していることが明らかになっていた。
だが、コベルト氏は「脱線に関係するほどのゆがみは認められなかった」と断言した。

また、事故当時の天候については、気温は12~28度、風速は秒速3.3メートルで、ともに運行に支障をきたす水準ではなかったと結論づけた。
さらに、地質専門家の分析の結果、現場の地盤に異常はみられなかったという。

SEAは3、4カ月後に最終報告書をまとめることになるが、事故原因がほぼ確定されたことで、今後、運転士の刑事責任の追及が行われ、運行会社とKさんの遺族や負傷者らとの補償交渉が進められることになりそうだ。

原因がはっきりしたようですね。
日本でも、カーブの減速区間を抜けて加速するところには、標識が設置されているようですが、これは世界共通でしょうね。
それにしても、制限速度35キロから55キロに変わるというのは、1.6倍に変化するのだからかなり厳しい変化ですよね、鉄道の運行システムを見ていると運転士の腕前に大きく依存していると感じるところです。

7月 31, 2010 at 10:25 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2010.07.16

原油流出事故のまとめ記事

ニューズウィーク日本版より「BP原油流出、史上最悪の環境・産業災害を招いた深海油田探査の野望と教訓

全5ページの長いものです。
良くまとまっていて、問題点色々と指摘しています。

原油流出

深海に賭けたBPとオバマの誤算

Crude Awakening

オバマが沖合での石油・天然ガスの探査・開発にゴーサインを出した矢先の大惨事。被害拡大につれ人々の怒りは募りBPの経営危機も深刻に

2010年07月16日(金)12時09分

エバン・トーマス、ダニエル・ストーン(ワシントン支局)、ウィリアム・アンダーヒル(ロンドン支局)、マシュー・フィリップス、ラビ・ソマイヤ

[2010年6月23日号掲載]

「アメリカの敵」ナンバーワンは、もはやトヨタ自動車でもイランでもない。イギリスの国際石油資本BPだと、英フィナンシャル・タイムズ紙は嘆く。

※下記の図はクリックするとポップアップで拡大します


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 4月20日に米ルイジアナ州沖のメキシコ湾の深海油田掘削施設ディープウオーター・ホライズンで作業員11人が犠牲となる爆発事故が起きてから8週間。いまだ原油の流出が止まらず、被害は海洋生物から沿岸の地域住民に拡大。

火消し役のはずのBPのトニー・ヘイワードCEO(最高経営責任者)が、「海の大きさに比べれば流出した原油の量など微々たるもの」と発言するなど無神経ぶりを発揮していることもあって、アメリカ人は日増しにBPへの反発を強めている。

 それと比例するように、バラク・オバマ米大統領の対応にも不満が噴出。

6月7日に発表されたABCニュースとワシントン・ポストの共同世論調査ではオバマに批判的な人が69%に達し、ハリケーン・カトリーナのときのジョージ・W・ブッシュ大統領に対する批判率62%を上回った。

 いら立つ世論に背中を押されるように、オバマ政権がBPに科す「罰金」は次第に厳しくなり、BPの株価は事故発生から40%以上下落した。買収やBPの「プランB(バンクラプシー=破綻計画)」が株式市場やイギリス政府の動揺を誘うまでになっている。

 原油流出量は既にアメリカ史上最大となり、自然破壊はもちろんルイジアナ、フロリダなど沿岸各州の地域経済に対する影響も甚大だ。事故はなぜ起こり、なぜここまで拡大したのか。再発を防止する手だてはあるのか。

 先のABCニュースとワシントン・ポストの世論調査によると、BPに批判的なアメリカ人は81%にも上る。オバマ政権は地域住民への補償や事故対策費用は全面的にBPに支払わせる方針で、BPが負担した事故対策費は既に14億ドルを超える。

イギリス人の年金も減る

 さらにケン・サラザール米内務長官は6月9日、掘削作業の停止で一時解雇される労働者の給与の支払いを新たに要求

BPの株価は1日で16%近く急落した。米政権はBPを「決して容赦しない」と、サラザールは言う。

 米議会は、BPに配当の支払いを停止して原油流出の被害を受けた数百万人の地域住民への補償を優先させることを求めている。

減配に陥るとすれば、92年の景気後退以来のことになる。

 ヘイワードらBPの経営幹部は6月16日、こうした険悪ムードを解消するためオバマに会いに行く。配当停止の「手土産」を持参するという報道もある。高配当(昨年は9%)が魅力のBPのような企業が配当を停止するのは、かなり思い切った行為。株価がさらに下落する可能性もあるからだ。

 イギリス政府も助け舟を出すつもりでいるようだ。キャメロン新政権のビジネス・イノベーション・技能相、ビンセント・ケーブルが先週語ったように、巨大企業BPに何かあればイギリス経済にも直接間接に重大な影響が及ぶ。

 昨年BPが支払った配当総額は100億ドルに上り、イギリスで支払われた配当全体の約14%を占めた。イギリスではほとんどすべての年金基金にBP株が組み込まれており、国内で1800万人、人口の30%が何らかの形で同社の株式を所有しているといわれる。

 デービッド・キャメロン英首相はBP株が急落した翌6月10日に、政府としてBPを支援する用意があると表明。株価は反発した。

 12日にはキャメロンとオバマが電話会談を行い、BPが迅速に対処すべきとの認識で一致した。だが、事故後次々と明らかになったBPの安全対策の不備や技術的な未熟さ、事故対応のつたなさを思えば、それで安心できるわけではない。

 何より原油流出は今も止まっていないし、その流出量や汚染範囲は新たな調査結果が出るたびに大きくなっている。最近、米政府調査団の一員である大学教授がAP通信に語ったところによると、BPが日量220万~450万リットルと推定していた流出量が、実は300万~680万リットルに達する可能性があるという。

 BPはここ数年、企業イメージの向上に力を入れてきた。正式名称をブリティッシュ・ペトロリアムからBPに変更したのは01年のこと。CSR(企業の社会的責任)の流れに乗ってより環境に優しい企業イメージを打ち出すのが目的で、BPとは「石油の先へ(ビヨンド・ペトロリアム)」の略だとうたった。

米政府との癒着もあった

 しかしその後も、05年のテキサス州の製油所爆発事故や06年のアラスカ州の石油パイプライン漏出事故など、大きな事故が相次いだ。現代の石油業界で最大級の惨事となったテキサスの事故では従業員15人が死亡し、180人が負傷。4万3000人がシェルターで避難生活を送る羽目になった。

 07年には、経営諮問委員会を新たに設置し、クリスティーン・ホイットマン元環境保護局長官やトマス・ダシュル前民主党上院院内総務、CIA(米中央情報局)長官就任前のレオン・パネッタら大物メンバーをそろえた(年俸はそれぞれ12万ドル)。

 だが、いずれも誠意ある取り組みではなかったようだ。

「BPは繰り返し安全問題を無視してきた」と、非営利の取材機関プロパブリカとワシントン・ポストの共同調査結果は結論付ける。

 プロパブリカが「BPに近い人物」から入手した社内安全調査に関する資料からは、安全軽視の体質が浮き彫りになった。老朽化した装置をそのまま使ったり、内部告発を封じる圧力をかける行為が組織的に行われていた。

 テキサスの製油所の爆発事故に関する調査では、「米国内5カ所の製油所すべてに重大な安全上の問題がある」と、05年に指摘されていたことが分かった。

 本誌のマイケル・イジコフとマイケル・ハーシュは先月、環境保護局の調査官らが「テキサスシティーでの安全上の欠陥を知りながら善後策を講じなかったとみられる」BP社幹部らを告発しようとしたが、ブッシュ政権時代の司法省に却下されたと報じた。

 米政府上層部が甘い対応をした例はほかにもあった。BPは安全対策の不備を大目に見てもらうためのロビー活動に大金をつぎ込んでおり、それが功を奏したのだろう。

プロパブリカが得た資料により、ディープウオーター・ホライゾンでも事故前に

「エンジンの出力過剰を防止する安全装置が働かなかった」
など数々の安全上の問題が指摘されていたことが分かった。ある機械工はこう証言している。
「エンジン室にガス警報装置があれば、エンジンを止めることができただろう」

 事故発生後のヘイワード「語録」は、石油大手のトップとは思えない認識の甘さをよく表している。ニューヨーク・タイムズによると、事故対応で追われた4月29日にはロンドン本社で「一体どうしてわれわれがこんな目に遭うんだ」と言っている(過去3年間に760件もの安全規定違反を犯していたからでは? ちなみに、エクソンモービル社の違反は1件のみ)。

 5月14日には英ガーディアン紙に「海は広い」発言、5月18日にはスカイ・ニュースに「この災害の環境への影響はおそらく非常に小さいだろう」と言ってのけた。『トゥディ・ショー』に出演した5月30日には、「自分の生活を取り戻したい」と言って同情を買おうとして失敗した。

 今回事故を起こした油井は約1500メートルの深海にある。水は冷たく真っ暗で、近づけるのは遠隔操作のロボット型潜水艇だけだ。

BP買収は時間の問題?

 なぜ爆発したのか、まだはっきりとは分からない。報道によると、爆発の数時間前、海底に掘った油井の周囲を固めるセメントからガス漏れがしていたという。

ニューヨーク・タイムズによれば、

  1. 掘削施設を所有し管理していたのはスイスの掘削請負会社トランスオーシャンで、
  2. セメント工事をしていたのは米複合企業ハリバートン。
各社が責任を押し付け合っているという。

 はっきりしているのは、原油やガスが海面に向かって噴き上げて掘削施設で爆発が起きるのを防ぎ、海面に浮かぶ人工島で作業をする126人を守る役割を果たすはずだった重さ325トン、5階建ての消火栓のような噴出防止装置が、肝心なときに作動しなかったということだ。

 BPは事故後10日間にわたって何度も噴出防止装置を作動させようと試みたが、うまくいかなかった。遠隔操作技術の限界もあり、水深1500メートルの流出個所を完全に塞ぐまでには何カ月もかかりそうだ。

 現に、巨大なドーム型の容器を破損したパイプにかぶせる方法は失敗。パイプにチューブを差し込んで原油を吸い上げることには成功したが、効果は薄かった。油井に泥やセメントを流し込んで原油とガスの噴出を食い止める作業、通称「トップキル」も失敗した。今は流出源にキャップをかぶせる新手法で1日に230万リットルの流出が防げたとBPは言っているが、流出が止まったわけではない。

 失言でBPのイメージを損なったヘイワードに残されたもう1つの使命は何か。同社史上で最も高くつきそうな原油除去費や、補償の負担額を可能な限り少なくすることだ。

 事故が発生した4月20日以降、BP株は40%近く暴落し、時価総額は1830億ドルから約1150億ドルに急減した。投資家たちはまだ、この株価下落は一時的なものと考えている。世間が過剰反応から目覚め、1日300万リットル程度の原油流出が企業を破滅させるはずはないと気が付けば、株価は回復すると信じている。

 だが、誰もが楽観的なわけではない。BPは原油の除去作業に約10億ドルを注ぎ込んでいるが、

ヘイワードは、最終的なコストは約30億ドルにもなり得ると言ってまた失笑を買った。
「断言するが、ウォール街はこの見積もりを信じていない」と、ニューオーリンズを拠点とする原油アナリストのブレーク・フェルナンデスは言う。
本当のコストはおそらく100億~300億ドルに達する
と言うのだ。

 BPの財務状況についてさまざまな憶測が飛び交うなか、世間の関心はもはやこの石油大手が買収されるか否かを通り越して、「いつ」買収されるかに変わっているようだ。

オバマは技術を過信した

 BPの利益は今も莫大で、巨額の手元資金を持っている。今年1~3月期だけで60億ドルと、前年同期の2倍以上の利益を上げた。フリーキャッシュフロー(純現金収支)は70億ドルに上る。フェルナンデスによると、原油価格が1バレル=60ドルを上回る水準である限り、BPが手元資金を使い果たすことはない。5月の原油価格は1バレル=70ドル前後だったから、今のところは安泰に見える。

 だが、BPは同社株の大きな魅力の1つである配当の支払いを停止するかもしれない。メキシコ湾がBPの大きな収益源であることも見逃せない。BPは日量45万バレルという、この地域で最大の原油と天然ガスの生産者だ。同社の世界における原油生産のうちメキシコ湾での生産量は11%を占め、利益でみればその割合はさらに大きい。

 オバマがメキシコ湾における深さ約150メートル以上の海底油田開発を半年間凍結し、メキシコ湾で操業する採掘施設の安全対策規則を強化した今、その事業費が跳ね上がるのは確実だ。

 さらに、BPを欲しがる企業があるかどうかだ。ノルウェーの原油アナリストの最新予想によれば、BPを買えるほどの大規模な企業は英蘭系のロイヤル・ダッチ・シェルだけ。だが、今回の事故で安全対策に問題を抱えていることが分かったBPと手を組むのは事故のリスクを背負い込むも同然で、企業イメージを損ねることにもなる。今のBPは、刑事責任さえ問われかねない立場だ。

 BPの最終的な運命は、原油流出を止められるかどうかに懸かっている。流出を食い止めることに成功すれば、おそらくBPは何とかこの嵐を乗り切り、買収を免れることもできるだろう。だが流出が続けば、BPの負債はどこまでも膨れ上がり、独立した石油会社としての将来は真っ暗になる。それこそ「プランB」しか選択肢はなくなるかもしれない。

 そこへ至るまでには、先週末の時点でまだ34ドルだったBPの株価が、限りなく0ドルに近づいていくはずだ。

 事故はオバマにとってもタイミングが悪かった。オバマは4月1日、環境への影響を懸念する民主党内の声を押し切って、アメリカ沖合での石油・天然ガスの探査・開発にゴーサインを出したばかりだった。

「政府はかなり楽観していたと思う」と、マイアミ大学ローゼンスティール海洋学・大気科学大学院の研究者ビリー・クラファルーは事故の後、本誌に語った。「最新技術は非常に優れているから、もう2度と原油流出事故が起きることはないと聞かされてきた」

 海面に最初の油膜が広がったときから、オバマ政権に政治的な危機が忍び寄っていることは明らかだった。共和党はすかさず、ハリケーンへの対応が遅れたブッシュ政権になぞらえて「オバマのカトリーナ」と攻撃した。

油は大西洋岸まで達する

 オバマは5月2日になってルイジアナ州を訪問して被害の状況を視察。公の場での発言も痛烈になった。5月14日には「石油会社と、彼らに採掘を許した連邦機関のなれ合い関係」を激しく非難。法的な抜け穴を塞ぎ、BPのいいかげんな安全規則を承認していた米内務省鉱物管理局(MMS)を廃止すると明言した。

 5月半ばには、ついに油膜が沿岸にまで達し、現場にはメディアが押し掛けた。油まみれになった鳥の死骸や湿地帯に流れ込む茶色の汚い物質が全米のテレビに映し出された。

 ミシシッピ川の河口に位置し、入り組んだ湿地帯で知られるルイジアナ州プラークマインズ郡のビリー・ナンゲサー郡長にとっては、この世の終わりの光景だった。「以前この湿地帯では魚が跳びはねていた」と、彼は言う。なのに、今では「鳥も虫もいない。すべてが死んでしまった」。

 経済的損失も大きい。民主党政策委員会が5月末に行った試算では、ルイジアナの漁業は24億ドル、フロリダの観光業は600億ドルの規模があるが、それらが大打撃を受けるという。例えばメモリアルデー(毎年、5月の最終月曜日)のホテルの稼働率は、前年より70%減少した。

 当局や関連業界は、夏のハリケーンシーズンを懸念している。強風や大波が原油を分散させて消し去ることもあり得るが、油が海水と混じって粘着性の液体になり、沿岸を覆う事態も想定される。

 また早ければ夏にも原油はメキシコ湾岸をはるかに越え、大西洋岸に到達するかもしれない。

 米大気研究所(NCAR)の科学者らがコンピューターの海流モデルでシミュレーションしたところ、メキシコ湾の高速の海流「ループカレント」に原油が一旦流れ込めば、数週間以内にフロリダ半島の大西洋沿岸に達する。

 さらにメキシコ湾流に乗って北に広がり、ノースカロライナ州のハッテラス岬に到達。そこから東の外洋に拡大しかねないという。原油がループカレントに乗れば1日に65キロ、メキシコ湾流に乗れば1日に160キロ移動する。

「われわれが知る限り、この環境災害の範囲はフロリダのずっと先まで広がるだろう」と、NCARのシンティ・ピーコックは述べた。「その影響はまだ分からない」

 採掘の簡単な油田が世界中で減っている今、メキシコ湾の深海油田は欧米の石油メジャーにとって新たなフロンティアだった。深海での油田開発技術も向上し、ようやく投資が報われ始めた矢先の事故だ。はっきりしたのは、深海で一旦事故が起きてしまえば、被害が拡大するのを食い止めるのは難しいということだ。

 オバマは、エネルギー政策の転換の必要性も訴えるだろう。69年にカリフォルニア州サンタバーバラ沖で起きた原油流出事故による海岸汚染は、画期的な大気浄化法の全面改正につながった。今回の事故も、本格的なクリーンエネルギー時代のきっかけとなるかもしれない。

 それとも、BPを野放しにしてきたのと同じ石油ロビーの力で、ほとぼりが冷めれば再び甘く危険な深海油田開発の道に引き戻されるのだろうか。


■挑戦と失敗のタイムライン

4月20日石油掘削施設が爆発し、作業員11人が死亡
4月22日掘削施設が沈没し、施設と油井をつないでいたパイプが破損
4月24日ロボット型潜水艇が水深1500メートル付近でパイプからの油漏れを確認
4月28日BPが1日1000バレルとしていた推定流出量を、米政府が1日5000バレルと修正
4月29日ナポリターノ国土安全保障長官が「国家的で重大な流出事故」との認識を示す
5月4日BPは3カ所の流出個所のうち1つを封じたが、全体の流出量は変わらず
5月6日流出した原油がルイジアナ州沿岸部に漂着し始め、この後、計4州に汚染が拡大
5月7日流出個所に巨大なドーム型容器をかぶせ、流出原油の一部を吸い上げて回収しようと試みた。だがドーム内にメタンガスと水が結合した氷状の結晶が付着して吸い上げ口が詰まり、失敗に終わる
5月10日BPはより小型のドームを沈める計画を発表したが、実行せず
5月13日ニューヨーク・タイムズ紙などが、流出量は政府の推定値1日5000バレルを大幅に上回ると報道
5月14日BP、トランスオーシャン、ハリバートンの3社による責任のなすり合いをオバマが「ばかげた見せ物」と批判
5月15日薄まった原油が深海の広範囲にわたって広がっていると、科学者チームが報告
5月16日失敗続きのBPが、流出原油の一部を吸い上げて船に回収する作業をようやく開始
5月19日米環境保護局はBPに対し、72時間以内に毒性の低い分散剤に切り替えるよう求めたが、BPは効果が期待できないとして拒否
5月20日情報公開を求める世論に押され、BPが流出現場のライブ中継をウェブ上で始める
5月21日流出事故の原因を究明し、再発を防止するため、オバマが超党派の委員会を設置
5月26日BPは泥状の物質を大量に流し込む「トップキル」作戦を開始したが、3日後に失敗と発表
5月27日連邦政府の調査チームが、1日の推定流出量は1万2000~1万9000バレルと報告
6月6日批判が高まるなか、BPは1日1万バレルを回収中と発表。当局は流出が秋まで続く可能性を示唆

7月 16, 2010 at 09:07 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

石油メジャーは少数派なんだと

ニューズウィーク日本版より「BPが国営石油会社じゃなくて助かった

Thank God BP Is a Multinational Company

2010年07月15日(木)17時25分
カイル・トンプソンウェストラ

メキシコ湾にあるBPの海底油田から原油が流出する事故が起きて3カ月近くが経つ。

アメリカの世論の怒りや責任追求は続き、「特別な関係」だったはずの米英関係にも緊張が漂っている。

メキシコ湾の海底油田の操業停止命令は裁判所で覆された。どうしようもない状態だ。

だがこれでもまだマシと言えるかもしれない。
もしBPが国際石油資本(メジャー)でなく国営企業だったらどうなっていたことか。
交渉すべき相手は無能なCEO(最高経営責任者)ではなく、保護主義的な首相になるのだ。

アメリカの周辺海域や世界各地の海では多くの国営石油会社が海底油田の開発を行なっている。次に同じような事故が起きた場合には、経済や環境に大きな打撃を与えるばかりでなく、外交上の危機をももたらすかもしれない。

民間企業であるBPの事故でさえ、米英関係に緊張をもたらした。バラク・オバマ米大統領はイギリスのメディアや高官から、外国人嫌いだのアメリカ人の反英感情をあおっているだのイギリス叩きをしているだのと非難されてきた。デービッド・キャメロン英首相も、もっとBPの味方になるべきだと批判されている。

ではもしBPがイギリスの国営企業だったらどうなっていただろう。それはつまり、アメリカの沖合で発生した深刻な原油流出事故の直接的な責任を外国の政府が負っているという事態だ。

国民感情が絡んだ非難の応酬は今回の10倍もひどいものになっただろう。両国の首脳やエコノミスト、評論家たちは、責任の所在や現状回復のための費用負担、国家の威信、安全保障、経済競争力といったテーマについて延々と議論を続けることになったはずだ。

知名度は高いが規模は小さい欧米メジャー

それでもまだ、これはバラ色のシナリオと言えるだろう。少なくともイギリスは同盟国だからだ。

アメリカと同盟関係になく、なおかつ国営の石油会社を抱えている国はたくさんある。代表的な例がベネズエラや中国、イラン、ロシアだ。

これら産油国は、石油の安定供給を維持して自国内の需要増や石油価格の乱高下から身を守るという観点から、国営石油会社をこれまで以上に重視している。

実は世界の石油関連企業の多くは国営企業だ。名前が知られているのはエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロンといった多国籍企業のほうかもしれない。だが世界の石油資源のうち、多国籍企業が採掘権を握っているのは6%に過ぎない。

石油資源の88%を握るのは国営の石油企業で、既に世界の原油生産量の半分以上を占めている。

今のところ、サウジアラビアのアラムコ、ブラジルのペトロブラス、中国石油化工(シノペック)、メキシコ石油公社(ペメックス)といった国営石油企業の名はあまり知られてはいない。だが石油資源が枯渇して今以上にこうした企業の影響力が強まれば、おのずと知名度も上がることだろう。

国営石油会社がらみの事故を心配しなければならないのはアメリカだけではない。

シェブロンは11年にロスネフチ(ロシア政府が大株主)と合弁で、黒海での海底油田開発を始める。黒海にはロシアの他、グルジアやトルコ、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナが面しているが、これらの国々の間の関係はあまり良好とは言えない。

ここでロシアの国営企業が重大な事故を起こし、これまで軽んじてきた沿岸諸国の環境を汚染したらどうなるか。国際関係上の危機の始まりだ。

「火薬庫」南シナ海で事故が起きたら

トラブルが起こる可能性がさらに高いのは南シナ海だ。ここでは中国国営の中国海洋石油(CNOOC)が油田開発を進めている。

南シナ海は10もの国々に囲まれた海上輸送の要衝であり、環境的な多様性という点でも重要性は高い。すでに南沙諸島をめぐる領有争いがあるこの海で中国の国営企業が大事故を起こせば、これまでに積み重ねられた外交上の努力も水の泡だ。

メキシコ湾でも類似の事故が起きる可能性は残っている。ペトロブラスはメキシコ湾で油田開発を進めている。ブラジルは周辺諸国と比較的良好な関係を保っているが、今回と同じ規模の事故が起きれば南北アメリカにおける国際政治の風向きは大きく変わるだろう。

国際政治を揺り動かすのが海底油田の事故とは限らない。石油のサプライチェーンのどの段階でも事故は起こりうる。

今年4月には、テキサス州にある石油精製施設(英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルとアラムコの合弁)で死亡事故が起きた。採掘であれ精製であれ輸送であれ、重大な事故が起きれば国際関係を損ねる可能性は否定できないということだ。

今回のBPの事故の教訓は「これからも事故は起こりうる」ということだろう。この事故を理由に、海底油田の開発をやめた国はない。海底油田の石油生産量は今後5年間で3分の2増加すると見られている。国営石油会社各社もほぼ順調に成長を続けると見られている。

再生可能エネルギーの普及は、世界の石油需要を大きく減らすほど急速には進んでいない。残っている石油資源は従来ほど簡単に採掘できる場所にはなく、今後石油会社はさらに危険を伴う方法で資源開発を進めることになるだろう。

そしてBPの事故を見れば分かるとおり、永遠に危険を回避し続けることなど不可能だ。

(The Big Money.com特約)

なるほどねぇ~と思って読みました。

実は世界の石油関連企業の多くは国営企業だ。名前が知られているのはエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロンといった多国籍企業のほうかもしれない。だが世界の石油資源のうち、多国籍企業が採掘権を握っているのは6%に過ぎない。

石油資源の88%を握るのは国営の石油企業で、既に世界の原油生産量の半分以上を占めている。

う~ん・・・・、つまりBPが民間企業としてこれだけの大事故を起こしたこと自体が、確率的に低いところで起きたというわけですか・・・・。

いくら何でも、これほど長引くとは思っていませんでしたが、今後起きるかもしれない、国営企業の事故は、大外交問題に発展する可能性がある、というのは良く分かります。

7月 16, 2010 at 10:42 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.15

口蹄疫問題・宮崎県の隠蔽体質?

読売新聞に宮崎県の口蹄疫に関する記事が二本出ています。
獣医師「典型的な症状」…口蹄疫疑い未報告

特集 口蹄疫

厳戒態勢で口蹄疫(こうていえき)に対峙(たいじ)していた宮崎県で、口に赤い斑点のある牛が、検査も国への報告もなされないまま埋却処分されていた。

県の担当者は「口蹄疫ではないと信じている」と正当性を主張するが、その場に居合わせた獣医師らは「少しでも疑いがあれば調べるべきだった」として、県の対応を疑問視している。

「教科書で見たような、典型的な症状だった」。同県新富町の肉牛農家で6月25日、殺処分にかかわった男性獣医師(34)は、こう振り返る。

読売新聞の取材に応じた複数の獣医師によると、問題の牛は、殺処分中の同日午後4時頃、発見された。舌の奥に白い水ほうができ、赤い斑点が歯茎に数個浮かんでおり、現場に居合わせた別の30歳代の男性獣医師も「ついに出たか、と思った」と話す。

当時、この牛の周囲には10人近い獣医師らが集まり、「血液を採って、検査すべき」との意見が相次いだ。しかし、現場にいた県の家畜保健衛生所の防疫員は、獣医師らに、「疑わしい牛がいたが、殺処分を続ける」と命じたという。

問題の牛の殺処分をした男性獣医師は「注射しながらも、『検査するのが当たり前なのに』と疑問が頭から離れなかった」と話す。別の獣医師は「しばらく発生がなかった時期だったので、感染の事実を認めたくなかったのではないか」とも振り返る。

動物衛生研究所(茨城県つくば市)によると、ワクチンを接種した家畜はワクチンが効果を発揮すれば、体内でウイルスの増殖力が失われ、臨床症状を示すこともウイルスを排出することもほとんどなくなる。しかし、ワクチンの効果には個体差があり、

「症状が出ているということは、ワクチンが効果を発揮せず、ウイルスを排出していた可能性があった」
(疫学情報室)という。

県畜産課の児玉州男(くにお)課長は

「唇に赤い斑点はあったが、疑わしい症状とまではいえなかったと報告を受けている」
と説明。複数の獣医師らの所見を聞き入れなかった防疫員の判断については
「県知事から委嘱を受けた家畜防疫員の現場での権限は大きい。その判断は絶対だ」
としている。

(2010年7月15日08時09分 読売新聞)

宮崎県に口蹄疫隠しの疑い…検査拒否し殺処分

宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、県の家畜保健衛生所の職員らが先月、同県新富町の農家で口蹄疫が疑われる症状の牛1頭を発見しながら、検査や国への通報をしないまま殺処分していたことが14日、わかった。

県は「口蹄疫ではないと判断した」としているが、農林水産省が殺処分に関与した獣医師らから事情を聞いたところ、「明らかに口蹄疫の症状で、検査を求めたが県側に拒否された」と証言。家畜伝染病予防法は疑似患畜を発見した場合、国への通報を義務づけており、同省は同法違反の疑いもあるとみて近く、県に事情を聞く方針。

口蹄疫のような症状が出ていた牛が見つかったのは先月25日。

この時点で同町では同12日を最後に感染が確認されておらず、県全体でも同19日以降発生がなかったため、県は7月1日に「非常事態宣言」を一部解除した。農水省では「解除を遅らせたくないための“感染隠し”と受け止められかねない。検査すべきだった」としている。

農水省によるとこの牛が見つかった場所は、感染が集中した移動制限区域内にある同町内で、約500頭を飼育する畜産農家。5月24日にワクチン接種を終えていた。

6月25日には県家畜保健衛生所の家畜防疫員と獣医師ら計約40人が殺処分を進めていたところ、1頭に口蹄疫のような症状が見つかった。

この症状を確認した獣医師らはその場で、「口蹄疫の典型的な症状」として、口内の写真撮影と血液の採取を求めたが、現場責任者で獣医師の資格を持つ県の家畜防疫員が「必要ない」として、その日のうちに殺処分と埋却を終えたという。

読売新聞の取材に対し、県畜産課の児玉州男(くにお)課長は、現場で異議が出たことは認めたが、

「軽微な症状だったので、口蹄疫ではないと判断した。殺処分と埋却の権限は県の防疫員にあり、対応に問題はない」
としている。

しかし、農水省が現場に居合わせた獣医師ら3人に聞き取り調査を行ったところ、

「牛の舌には水疱(すいほう)ができ、鼻や歯茎などにただれと潰瘍(かいよう)が複数あった」
「典型的な口蹄疫の症状で、獣医師らで家畜防疫員に検査するよう何度も迫ったが、聞き入れられなかった」
などと話したという。

家畜伝染病予防法は、疑似患畜を発見した場合、獣医師や農家に対し、速やかに県を通じて国に報告することを義務づけている。

同省は

「軽微な症状でも、まず検査するのが防疫の鉄則。仮に感染していた場合、人や車を介してウイルスが拡散した危険性もあった」
として県から事情を聞く方針。
(2010年7月15日03時03分 読売新聞)

宮崎県の対策が後手後手になったと感じていましたが、どうも「少しでも小さく見せよう」とした県の姿勢があったようですね。

「牛の舌には水疱(すいほう)ができ、鼻や歯茎などにただれと潰瘍(かいよう)が複数あった」
「典型的な口蹄疫の症状で、獣医師らで家畜防疫員に検査するよう何度も迫ったが、聞き入れられなかった」

というのはけっこうすごい話で、聞き入れない根拠が

「県知事から委嘱を受けた家畜防疫員の現場での権限は大きい。その判断は絶対だ」

ということであれば、全責任を県が取るべきだとなりますね。
しかし、現実には口蹄疫は拡大したわけで、その点について宮崎県はどのように責任を撮るのでしょうか?

どう考えても、疫学や防疫といった科学的な根拠に基づく決定に対して、経済とか行政の裁量といったことを優先したとしか思えません。
要するに、非科学的であり、防疫の観点では数百年前の水準での判断と言えるでしょう。

先ずはこの点を整理して、問題を明らかにしないことには、疑いは残り続けます。
将来の宮崎県の畜産業に相当な損害をもたらす可能性があるでしょう。

7月 15, 2010 at 10:02 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.08

タクシーの暴走事故

朝日新聞より「タクシー、ビルに突っ込む 乗客2人含む7人けが 大阪

2010年7月8日11時21分

8日午前1時半ごろ、大阪市中央区道頓堀の繁華街で、客を乗せたタクシーが車道と歩行者専用道路を暴走し、通行人をはねながらビル1階の店舗に突っ込んだ。

大阪府警によると、通行人5人とタクシーの客2人の計7人が腰や足などを打って病院に運ばれたが、いずれも軽傷だった。

府警によると、けがをしたのは、路上にいた21~48歳の女性3人と男性2人、タクシー乗客の23歳と32歳の女性。タクシーの男性運転手(73)=同市大正区=は「突然エンジンがうなって加速し、ブレーキが利かなくなった」などと説明しており、府警は、運転手による過失傷害と、車の問題の両面で調べている。

大阪市中央区宗右衛門町の道頓堀交番の北側で男女5人の客を乗せ、南へ直進。
そのまま道頓堀川にかかる歩行者専用の「太左衛門橋」に進入し、通行人5人をはねながら、突き当たりのビル1階にある飲食店案内所に突っ込んだ。
案内所は閉店後で、1階に人はいなかったという。

運転手は

「走っていたら突然エンジンの回転数が上がった。左折しようとしたができず、ブレーキを踏んだが利かなかった。橋の欄干に車体をこすりつけて止まろうとしたが止まらず、突っ込んだ」
などと説明しているという。

タクシー会社によると、男性運転手は3日未明に営業所に戻ってきた際、

「エンジンの回転数が急に上がるのでおかしい」
と訴えた。
整備士が点検したが異常は見つからず、念のため回転数を下げる部品に交換し、アクセルペダルに引っかかって急加速しないよう、マットを2枚から1枚に減らしたという。
修理後の車は6日から使ったが、同日は異常がなかったという。

同社は「走行距離は48万キロでとくに長いわけではない。整備不良とは考えていない」と説明している。

3日に点検したが、異常は見つからず、というのは事故調査という点では、非常に良い条件だと言えますね。

詳細に調べて何かが分かることを期待します。

7月 8, 2010 at 11:56 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.23

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その6

読売新聞より「ボート転覆で死亡、西野さんの告別式しめやかに

浜松市の浜名湖で起きたボート転覆事故で亡くなった愛知県豊橋市立章南中学校1年の女子生徒(12)の告別式が22日、同市牧野町の葬儀場で営まれた。

女子中学生が所属していた同校吹奏楽部のメンバーや同級生、豊橋市の加藤正俊教育長、川勝平太静岡県知事ら約330人が参列し、女子中学生の遺影が飾られた祭壇に焼香した。

この日は女子中学生が小学生のときから習っていたピアノとバイオリンの先生、吹奏楽部のメンバーが遺影の前で「カノン」「それが大事」を演奏。
同級生らが女子中学生へのメッセージを書いた寄せ書きのカードを花と一緒にひつぎに入れて最後の別れを惜しんだ。

父親は「たくさんのみなさんに来ていただいて娘も喜んでいると思う」と涙をこらえてあいさつした。

川勝知事は参列後、

今回の事故は完全に不可抗力とは言えず、誠に残念。原因を徹底的に究明し、委託業者が自然体験学習の危機管理を徹底できるようなマニュアルをつくり、再発防止に取り組んでいきたい」
と述べた。

(2010年6月23日09時27分 読売新聞)

県知事が「不可抗力ではない」と言ってしまいましたね。
まあ、正しい判断だとは思いますが、県知事がこの時点で言って良いことだったのかは、いささか疑問があります。

なによりも、今回の事件全体を通じて感じるのは「なんで、そう先走るの?」でした。

  • 天候をじっくりと確認していない
  • 学校の先生、施設側の職員とのキチンとした打合せをしていない
  • 乗船名簿を作っていない。当然、乗船者の氏名確認をしていない。
  • カッターが動けなくなったときに、各方面に協力を要請する前に、所長が自分でモーターボートで「救助」に向かった。
  • えい航には、牽かれる側の操船技量が必要なのに、教師しか乗っていないカッターをえい航した。
  • 転覆後に、モーターボートに救助したのが、10人で残り10人は救助の手立て無く放置
  • 転覆しなかった、ボートをバラバラに岸に着けたために、点呼が出来なかった。
  • 点呼が、人数ではなくて、個人名で行うことを消防が行った。

これらの、一つ一つが「とりあえずやる」であったと思うのです。
別の言い方をすると「この程度でよいはずだ」という思い込みと言えるでしょう。
そして、それらが犠牲者をひっくり返ったボートに中に放置して、その結果死亡した、となります。

根本的な問題点は「とりあえず」とか「この程度でよい」といった先を考えない行動にあったはずです。

こういう観点で、県知事の「不可抗力ではない」発言が、今後どういう影響を及ぼすのか?を考えてみると、全く問題なしとは言いがたいでしょう。
それに

原因を徹底的に究明し、
委託業者が自然体験学習の危機管理を徹底できるようなマニュアルをつくり、
再発防止に取り組んでいきたい

というのは問題でしょう。

原因を徹底的に究明するのはよいとして、マニュアルが完成すれば、委託業者は危機管理ができるのか?というのは、まだ分からないでしょう。
そもそも、委託業者が危機管理できる綿密なマニュアルが出来るのかどうか分からないですし、カッター訓練を安全に出来るというところまで見直したら、カッター訓練は廃止、という結論になるかもしれないでしょう。
また、徹底的な危機管理マニュアルを作ってみたら、委託できる業者がなくなってしまった、ということもありうるでしょう。

県知事の発言は

  1. 不可抗力の事故ではない=対応が不十分であった
  2. だから、原因を徹底的に究明する。
  3. しかし、カッター訓練は委託業者で継続する
  4. 十分に危機管理が出来るマニュアルを作る
  5. これで事故の再発は防止できる

ということになりますが、全部が繋がっていないことは明らかで、それをまとまっているかのように述べるのは、先走りなのではないかと思います。

6月 23, 2010 at 11:03 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2010.06.22

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その5

どうにもひどい事件(事故とは言いがたい)であることが徐々に明らかになってきました。

7本の新聞記事を並べてみると、いろいろな事が分かってきます。

時刻所要時間経過時間
02:3500:2000:00出発
02:5500:3600:20救難要請
03:3100:2000:56199番通報
04:1800:4701:43消防隊が救助対象者の人数把握。行方不明者1名を確認
04:2000:0201:45救助対象者の人数が混乱
04:3800:1802:03消防は、行方不明1名が確実だと認識
04:4000:0202:05警察が乗船名簿を入手。女子生徒だと判明
05:1500:3502:40ダイバーが水上バイクで到着
05:2100:0602:46救助された生徒を点呼して、女子生徒がいないことを確認
05:4100:2003:06救助開始
05:5100:1003:16ボート内で、女子生徒発見

この記事を書くために、時刻を確認しようとして、各紙を繰り返し調べたのですが、どうも確定的な時刻なのかも判然としません。

2時55分の「救助要請」はボートが身動きできなくなった時刻なのかもしれませんが、その後、えい航作業を開始して数分で転覆した、となっています。
つまり、この表では、何時に転覆したのかが今ひとつ分かりません。

全然分からないのが、4隻の内転覆したのは1隻で、乗っていたのが20人。
残りの3隻は、とりあえず陸に帰還できました。
陸に上がった、生徒の数が確認出来ないというのはどういう事か?
人数の把握に1時間以上掛かっています。

それを「3ヵ所に分かれたから人数の把握に時間が掛かった」という言い分がそもそも分からない。
目的が人数の把握でしょう。
さっさと1ヵ所に集めるなりなんなりすれば良いことで、なんのために何をやっているのか理解していなかったのだろう。

この学校は、今も「何が問題だったのか」が分かっていないのではないだろうか?

それにしても「乗船名簿」がないというのは、どういう事なのだ?
転覆でなくても、落水とか病気の時にどういう対応をするつもりだったのだろうか?
金を取って船に乗せる、という観点だけで見ても失格だろう。

それが、その後の情報混乱の元なのだから、この点についての「青年の家」の責任は極めて重い、と言わざるを得ないし学校にはそれを是認した責任があることは言うまでもない。

サンケイ新聞より「【浜名湖ボート転覆事故】50分間行方不明に気付かず 静岡

2010.6.21 21:21

愛知県の中学生ら20人が乗ったボートが浜名湖(浜松市北区)で転覆し、中学1年の女子生徒(12)が死亡した事故で、現地で情報が錯綜(さくそう)し、消防隊が行方不明者の存在に気付くまでに事故発生から約50分間経過していたことが21日、救助関係者への取材で分かった。

浜松市消防局は、救助された生徒や教諭の情報を基に懸命に救助作業に当たった。

だが、消防隊が救助対象者の人数を完全に把握したのは、ボート転覆から約50分後の4時18分だった。その時点でも、行方不明者が死亡した女子生徒と特定できていなかったという。

また、訓練を実施した「県立三ケ日青年の家」を所管する県教委によると、青年の家には参加者の一覧名簿しかなく、どの生徒がどのボートに乗ったかなど緊急時を想定した名簿を作成していなかったことも明らかになった。

こうした態勢の不備が発覚する中、県教委は21日朝、教育施設の担当者による緊急会議を開催。
青年の家を当面の間、閉所することを決めるとともに再発防止措置の徹底を求めた。

県教委は、再発防止策として、

  • 野外訓練実施の可否の判断基準の明文化
  • 緊急時マニュアルの作成
  • 実践を想定した設備や機材の点検
  • 所員間での情報共有
  • 警察や消防と連携した訓練の実施
を青年の家に指示した。

同日午後には、青年の家の運営を県から委託された「小学館集英社プロダクション」(東京都千代田区)の社長ら幹部2人が県庁に川勝平太知事を訪ねた。
八木正男社長は今回の事故を謝罪した上で、

「(野外学習は)子供たちにとっては良い思い出になるので、引き続き運営できるよう万全を尽くしていきたい。再発防止に向け尽力したい」
などと述べた。

中日新聞より「乗船名簿なしで安否確認ボート転覆で救助の現場本部

2010年6月21日 16時00分

浜松市北区の浜名湖で18日、野外活動中の愛知県豊橋市立章南中学校の生徒ら20人が乗ったボートが転覆し、1年生の女子生徒(12)が死亡した事故で、救助に当たった消防の現場本部に、発生から1時間以上にわたりボートごとの乗船者が分かる名簿が届かず、転覆したボートとの無線連絡のみで安否の確認をしていたことが分かった。

このため「全員無事」の誤報が保護者らに伝わることになった。

関係者によると、転覆直後に静岡県立三ケ日青年の家のボートがまず生徒、教員の10人を救出し、教員が

「残る生徒6人が(転覆した)ボートにまたがり4人が不明」
と証言。この情報に基づいて救出活動が始まった。

発生から約1時間後の午後4時20分すぎ、転覆したボートから

「(救出後に残った所長を含め)11人いる」
と誤った情報が伝わった。
所長が手持ちの無線で応対したとみられる。

現場では2つの情報を基に「不明の4人の生存を確認」との解釈が広がり、消防にも伝えられた。

この結果、「すべての生徒が水から上がった」との情報が静岡県教委、豊橋市教委へと流れた。

当初、消防の現場本部にあった名簿は、1年生96人全員が記載されたものだけ。

乗船の割り振りがなく、欠席や見学者も判別できなかったという。

警察が入手した乗船名簿が現場本部に届いたのは、午後4時40分すぎ。

乗船名簿は学校が作成し、青年の家に渡していたが、訓練には携行せず、警察が入手するまで消防には伝わらなかった。

名簿到着に前後して、救出に向かった消防ボートが10人しかまたがっていないことを確認し、名簿と照らして女子生徒が不明であることが分かった。

浜松市消防局は

「人数の情報だけで安否確認をしてはならないことは鉄則」
としているが、確認方法などに問題がなかったかどうかを検討する。

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:3カ所に救助分散…安否確認に手間取る

浜松市の浜名湖で愛知県豊橋市立章南中学校(水野克昭校長)の1年生ら20人乗りの手こぎボートが転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、救助された生徒らは3カ所に分散し、全員の安否確認に手間取っていたことなどが関係者の話で分かった。

豊橋市教委や水野校長らの説明によると、転覆した手こぎボートには教諭2人と生徒18人が乗っていた。

亡くなった女子生徒は最後列付近におり、その後ろに教諭2人がいたという。

ボートが転覆後、数人が内部に閉じこめられたが、正確な人数はわからなかった。

水野校長は

「ボートの中で教諭が生徒を励ましながら救助を待っていたが、『死にたくないよー』という声も聞こえたと教諭から聞いている」
と話した。

救助された生徒らは、転覆したボートに乗っていた生徒も含めて三ケ日青年の家や近くのホテル、病院の3カ所に集まったが、分散したため教諭らが姿が見えない生徒の確認や、連絡が遅れたといい、水野校長も「人員確認の点呼が遅れたのは事実」と話している。

市教委によると、ボートは午後2時35分に出発。
その20分後に青年の家に救助要請が入り、青年の家は午後3時31分に119番通報した。【沢田均】

毎日新聞2010年6月22日13時51分(最終更新6月22日13時58分)

中日新聞より「かじ操作、熟練必要ボート転覆・中1死亡

浜松市の浜名湖で愛知県豊橋市立章南中学校の生徒ら20人が乗ったカッターボートがえい航中に転覆し、1年生の女子生徒(12)が死亡した事故で、
ボートを製造した静岡県内のメーカーが21日、中日新聞の取材に応じ

「えい航されるボートは、えい航する船と同じ方向にかじを切り続けないと、横方向に引っ張る力がかかる」
と話し、技術的な難しさを指摘した。

役員の男性によると、ボートは約20年前に納入。

材質は繊維強化プラスチック(FRP)で、重量750キロ。生徒18人と教員2人を加えた重さは約1・6トンになると推定される。

教員2人が座っていた船尾にかじがついている。1・6トンのボートは進行方向に強い慣性力が働くため、ボート側のかじを操作せずに引っ張る船が進行方向を変えると、不規則な力が横方向にかかるという。

専門家は、えい航には高度な技術が必要だと話す。東京海洋大でカッター部顧問の経験があり、造船に詳しい石橋篤講師は

「ボートが波に対してどのような姿勢になるのか、えい航する側に注意が必要」
と指摘。
「かじの操作を合わせねばならず、熟練者でも緊張する作業だ」
という。

東海大の佐藤治夫教授は

「横波を受けてもいけないが、追い波や向かい波でも船首や船尾が振られる。
双方とも波の方向に対して30~40度の姿勢を保つのが望ましい」
と解説する。

ボートをえい航した静岡県立三ケ日青年の家の所長(52)は「えい航は初めてだった」と話している。
教員には船着き場内でこぎ方を教え、湖に出てからかじの取り方を説明したという。

所長は「えい航を始めて5、6分で転覆した」とも話しており、県警はえい航方法に問題がなかったかなどの調べを進めている。

一方、ボートをえい航する際のマニュアルがなかったことも分かった。
青年の家の指定管理者「小学館集英社プロダクション」(東京都千代田区)の八木正男社長が21日、同県の川勝平太知事に事故の経緯を説明した際に明らかにした。

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:中1死亡「青年の家」所長、えい航経験なし移送手段に疑問の声

浜松市の浜名湖で愛知県豊橋市立章南中の1年生ら20人が乗った手こぎボートがモーターボートによるえい航中に転覆し1人が死亡した事故で、モーターボートを運転していた「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)は約20年前に操縦免許を取得したものの、えい航の経験はなかったことが関係者の話で分かった。

一部の専門家からは「生徒らを他の船に移す必要があったのでは」との指摘も上がっている。

県や所長らの説明によると、所長は18日の事故時、風に流されていた手こぎボートの船首に約20メートルのロープをつないでえい航を始めたが、5~6分で転覆。青年の家は今年4月に県から民間会社の「小学館集英社プロダクション」に移管されたばかりだった。

19日の会見で所長は

「20人をモーターボートに移すのは無理で(えい航は)妥当な手段」
と述べた。

しかし東海大海洋学部航海学科の佐藤治夫教授は

「えい航される船は左右に揺れ、引っ張られる船に、かじを切る専門家がいないと難しい。湖が荒れている場合はなおさらだ」
と指摘。
日本海洋少年団中部地区連盟(名古屋市)の男性職員も
「なぜモーターボートに生徒を移し(岸と)往復しなかったのかと思うが、批判はできない」
と話す。【山田毅、平林由梨】

朝日新聞より「「死にたくない」叫ぶ生徒浜名湖転覆、安否確認で混乱

2010年6月22日3時0分

浜松市の浜名湖で訓練中だった愛知県豊橋市立章南中学校の手こぎボートが転覆して1年の女子生徒(12)が死亡した事故で、ひっくり返った真っ暗なボートの中で生徒が叫ぶなか、湖に投げ出された教諭が号令をかけてボートの内側から脱出していたことが分かった。

その一方で、教諭もモーターボートで助けられて現場を離れるなどしたため安否確認が混乱するなど、事故直後の様子が学校側への取材などで明らかになった。

事故をめぐっては、波が高く生徒が体調不良を訴えたため迎えに来たモーターボートに引かれている最中、手こぎボートが転覆した疑いが強まっている。

手こぎボートにはインストラクターは同乗しておらず、教諭の男女2人と生徒18人、モーターボートには「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)らが乗っていた。

教諭から水野克昭校長が聞き取りした話によると、転覆したボートの内側には教諭と10人以上の生徒が取り残された。

水は胸のあたりまできていた。呼吸はできる状態だったが、中は真っ暗だった。

水位が上がってきて、「死にたくないよー」と叫ぶ生徒もいたという。教諭が「みんな、しっかりつかまって。出るよ」と叫び、「1、2の3」と号令をかけて、ボートの下から脱出したという。

生徒とともに2人の教諭もモーターボートに引き上げられ、先に計10人が岸に戻った。

亡くなった女子生徒をのぞく9人の生徒は、転覆したボートの上で所長が一緒に救助を待った。

教諭の1人は水野校長に、

「(モーターボートが)現場にまた戻ると思ったが波が非常に高く、二次被害を考えてかボートが再び出動しなかった」
と話しているという。

安否確認の混乱について水野校長は、

「(青年の家に引き揚げてきた人を対象に)誰がいるかを点呼で確認したが、転覆現場ではわからない状況だった」
と話す。
豊橋市教委は20日夜、会見で
「救助先が青年の家、ホテル、病院の3カ所に分かれてしまい、全員の安否確認が遅れたのは事実だ」
と説明している。

教諭2人のうち、女性教諭は聞き取りに応じている。

もう1人の男性教諭は出勤しているが体調が優れず、聞き取りができていない。

水野校長は

「2人から詳しく聞いて、現場で教諭がどういう判断をしたか解明しないといけないが、教諭も生徒も息も絶え絶えの状態だった」
と話す。

浜松市消防局によると、行方不明者が1人いることを同局が把握したのは18日午後4時18分。

「ボートが転覆した」との通報があった午後3時31分から47分が経過していた。

全員無事との情報も入り乱れる中、転覆したボートの船底にまたがって助けを待っていた生徒らの救助に向かった水難隊員が、人数を数えて確認したという。

行方不明者が女子生徒だとわかったのは午後4時半過ぎ。

素潜りで捜索していたが、天候の悪化もあり発見できなかった。

ダイバーが午後5時51分に女子生徒をボートの中から発見した。

事故があったのは18日午後で、野外教育活動の一環として手こぎボートで沖に出た4艇のうちの1艇が転覆し、約20人が投げ出された。
ボートの下に取り残されていた女子生徒の死亡が確認された。(山田雄介、小山裕一)

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:中1死亡救助開始まで2時間情報錯綜、人数確認が遅れ/静岡

◇人数確認作業が遅れ

浜松市北区三ケ日町の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学1年の生徒ら20人乗りの手こぎボートがえい航中に転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、現場での行方不明者情報が混乱し、ボート内側にいた女子生徒の救助が始まったのは、事故発生から2時間以上経過してからだったことが20日、消防関係者への取材でわかった。【山田毅】

事故は18日午後3時半ごろ発生。生徒の船酔いなどで操船できなくなった手こぎボートを、「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)らがモーターボートでえい航中に起こった。

浜松市消防局の関係者によると、発生直後、所長が生徒らを助けるため海に飛び込み、現場の救助対象者が計21人となった。

ところが、この情報がうまく伝わらず、対象者が計20人か21人かで、情報が混乱。

所長を含む20人が救助され、「行方不明者1人」「全員無事を確認」という二つの情報が錯綜(さくそう)したという。

消防が、確実に行方不明者が1人いることを認識したのは、発生から1時間以上経過した午後4時38分。

ボートの船底にまたがった生徒らを救助した海難救助隊の隊員が、生徒の数を数えて1人足りないことに気付いたという。

その後、海難救助隊のダイバーに出動を要請。

ダイバーは水上バイクで午後5時15分ごろ現場に到着したが、荒波で転覆した船に近寄れず、救助が開始されたのが午後5時41~42分。

女子生徒が船の内側から発見されたのは約10分後の午後5時51分だった。

事故発生直後、所長が海に飛び込み、転覆した船の内側から生徒3人を救出していた。

県教委の聞き取りによると、所長は

「3人を救助した時点で、体力的にそれ以上潜れなかった。救助の際に4人目がいたとは気付かなかった」
と話しているという。

一方、陸上では近くのホテルで、県警や中学の教師らが救助された生徒たちを点呼し、午後5時21分に女子生徒がいないことが最終的に確認された。

消防関係者は

「救助対象者が何人か把握するのは基本。確認が遅れて人命が失われたことは申し訳なく思う」
と話した。

◇現場水域など見分--県警と国交省運輸安全委

県警と国土交通省運輸安全委員会は20日、事故現場となった水域などの見分を実施した。

同日午前、県警の警備艇に捜査員と同委の調査官2人、転覆したボートをえい航した「県立三ケ日青年の家」の所長が乗り込んで出航。

所長の説明で、ボートが転覆した場所やえい航を始めた地点などを確認した。

調査官はこの後、転覆したボートを計測したり、前日に引き続き青年の家で関係者に事情を聴いた。記者団の取材に応じた酒井郁夫・統括船舶事故調査官は「幅広く調べ、(初日に述べた)『1年以内』と限らず、早めに報告書を出したい」と話した。21日も引き続き調査する。

一方県警は、えい航に使われたモーターボートを、係留されている青年の家で見分した。【仲田力行】

6月 22, 2010 at 04:29 午後 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2010.06.21

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その4

NHKニュースより「学校側 混乱で不明に気づかず

6月21日 6時54分 動画あり

今月18日、静岡県の浜名湖で中学生など20人が乗った手こぎのボートが転覆し、生徒1人が死亡した事故で、学校側が20日夜、記者会見をして、
転覆直後は混乱していたため、死亡した生徒がいなくなっていることに気づいていなかったことを明らかにし、あらためて謝罪しました。

今月18日、浜松市北区の浜名湖で、愛知県豊橋市の章南中学校の生徒と教師20人が乗った手こぎのボートが、モーターボートでえい航されていたときに転覆し、1年生の女子生徒(12)が死亡しました。

事故を受け、章南中学校の校長らが20日夜記者会見をして、転覆直後の状況について

「教師1人を含む数人の生徒が転覆したボートの下に閉じ込められていた」
と説明しました。

そのうえで、校長は

「自力で脱出したり、救助されたりした生徒や教師が次々と病院やホテルに運ばれた。
混乱の中、女子生徒がまだ見つかっていないことがあとになってわかった。
救助が遅れ、最悪の事態になってしまい、申し訳ない」
とあらためて謝罪しました。

また、同席した豊橋市教育委員会の白井宏治課長も

「結果的に、転覆したあとの生徒の点呼が遅れたのは事実だ」
と述べ、21日午後、臨時の校長会を開いて、野外活動の際には生徒の安全管理を徹底させるよう指導することにしています。

「浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その3」で指摘した通り、現場で点呼を取っていなかった。

この事件というか事件以前から、組織的な行動が出来ない人たちだけでやっていたように見えます。

  • 天気予報の確認
  • 中止の判断を誰が行うのか
  • 教師だけが付き添ったボートの緊急時の行動手順
  • 転覆時の対応
  • サポート艇の存在
  • 非常連絡体制

このような重要な事柄に疑義がある場合、教師などが誰でも良いから「確認出来ていないから、ストップ」とやれないのでは、危なっかしくてとてもこんな行事を実行することは出来ないだろう。

どこをどうやれば、湖岸のホテルに到着し点呼する、まで行方不明者がいることに気づかないなんてことができるのだ? 当然、同じカッターに乗っていた生徒・教師間で「行方不明の生徒の安否」を心配する声はあっただろう。
それにどう対応したのだろうか?

そもそも、この手の「大事故」では問題になるのだが、当事者の学校は「情報の後だし」を異常だと思わないのか?
事故当時に混乱していたとして、今は混乱がないのなら、情報を隠していることになる。
いまだに混乱しているのなら、当事者能力が全く無いことになる。

この中学校は、自分の立場を理解していないのではないのか?

6月 21, 2010 at 09:23 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.06.20

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その3

中日新聞より「経緯の説明、二転三転 中1死亡のボート転覆事故

浜松市北区の浜名湖で豊橋市章南中学校の1年生ら20人の乗った手こぎボートが訓練中に転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、
豊橋市教委と同校は18日深夜から19日未明にかけて記者会見したが、
ボート訓練の実施を判断した経緯の説明が二転三転した。

市教委幹部は当初、静岡県立三ケ日青年の家の所長と学校長が事前に協議して実施を決めたと説明していたが、その後、引率していた水野克昭校長本人が協議はなかったと明かした。

市教委によると、注意報が発令された場合、ボートの訓練は青年の家の所長と学校長が協議して実施するかどうかを判断する取り決めがある。

静岡地方気象台によると当時、浜名湖を含む浜松市南部には強風や波浪などの注意報が出ていた。

同校での記者会見で、市教委幹部は

「実施の判断をめぐり協議の上で総合的に判断した」
と説明。ところが、静岡県警の聴取を終え、
途中から会見に参加した水野校長が
「施設職員と学年主任が話し合った結果を伝え聞いたが、所長とは協議しなかった」と明かし
「注意報も知らなかった」
と話した。

こうした食い違いについて市教委は

「職員と話し合ったのだから、いわゆる『協議』はあったとの認識だったと思う」と釈明。
「施設の取り決め通りに所長と学校長で協議するべきだった」
と判断ミスを認めた。 (諏訪慧)

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:移管後えい航初めて 青年の家所長謝罪

浜松市北区三ケ日町の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学1年の生徒ら20人乗りの手こぎボートがえい航中に転覆し女子生徒1人が死亡した事故で、ボートのえい航にあたった「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)が19日、記者会見した。
所長は転覆後、湖に飛び込み、ボートの内側から生徒3人を見つけて救助したことを明らかにした。

亡くなった女子中学生(12)はその後、同じボートの内側から見つかった。

所長は会見で「風が強くなることを予測できなかった。生徒の命を奪うことになり、おわびしたい」と謝罪した。

転覆後のボート内側の様子については

「空気があり息ができる状態だった。水面からぼんやり光が回る状態だった。生徒の姿は確認できなかった」

と説明。
生徒がいないのに気付いたのは、湖岸のホテルに到着し、点呼した時だったという。

青年の家は県が管理していた3月までは救助のため今回同様、ボートをえい航した経験があった。

しかし4月に民間業者に管理・運営が移って以降、救助のためにモーターボートでえい航するのは初めてだった。

所長は、えい航の速度について

「少しスピードが上がっていたのではないか。子供たちを早く岸に戻したい気持ちがあった」
と述べた。

転覆したボートは、生徒の船酔いなどで操船できなくなり、所長が職員と2人でモーターボートに乗って駆け付けた。

ボートの船首に約20メートルのロープをつないでえい航中、「5、6分で転覆した」(所長)という。

静岡県警細江署は19日、事故で亡くなった生徒の死因を水死と発表。転覆したボートを引き揚げて実況見分した。国土交通省運輸安全委員会の調査官も現地に入り、関係者の聴取を始めた。【瀬上順敬、仲田力行】

◇死亡の生徒、能楽教室に通う 「芯の強い子」

「芯の強い子でした。こんな事故は二度と起こしてほしくない」。ボート転覆事故で死亡した生徒が通っていた豊橋能楽こども教室を運営する朝川知勇(ともお)さん(71)は生徒の突然の死を悲しんだ。

教室は月2回土曜日に市内の神社で開き、幼児から中学生までの10人ほどが能楽師の手ほどきを受ける。

19日のけいこに集まった子どもたちは生徒の死にショックを受けた様子。朝川さんは「練習や発表会で撮った花菜ちゃんの写真を見ながら冥福を祈ろう」と語りかけたという。朝川さんによると、生徒は06年ごろに教室に入った。【高木香奈】

◇学校に苦情電話

豊橋市立章南中の教諭ら12人は19日、1年生を中心に生徒の家を訪問した。

鈴木宏道教務主任によると、1年生は疲れた様子の生徒が多く、動揺が続いているようだった。悲しい気持ちが抑えきれず前夜は涙が止まらなかった、と訴える生徒や、寝込んだままの生徒もいたという。家庭訪問は20日も続ける。

一方、学校関係者によると、章南中には19日朝から苦情の電話が相次いだ。

多くは、荒天なのにカッター訓練実施に踏み切った判断を非難する内容という。電話は「ほとんどひっきりなしにかかってくる」(関係者)状態で、午前中だけで数十件。学校は終日対応に追われた。【沢田均】

毎日新聞 2010年6月19日 21時30分(最終更新 6月20日 1時02分)

読売新聞より「浜名湖転覆「荒天とはとらえず」

校長が会見 生徒のストレス予想以上

浜松市北区の浜名湖で、体験学習中に手こぎボートが転覆し、女子生徒1人が死亡した豊橋市立章南中学校の水野克昭校長は19日未明、同校で記者会見し、

「大きな事故を起こしてしまい、申し訳ありません。学校行事で生徒が命を落とし、厳粛に受け止めている」
と謝罪した。

水野校長は事故後、現地で静岡県警の事情聴取を受けた後、学校側の会見に加わった。

水野校長によると、ボートに乗る前、静岡県立三ヶ日青年の家の職員から

「岸沿いのコースに変更する」
と知らされたという。

今回のコース設定について、水野校長は

「湖の真ん中を行くコースは、岸が遠くに映って不安になるが、近場のコースなら子どもも安心できると思った」
と述べた。

荒天かどうか判断する基準については、

「青年の家の職員と学年主任が相談して、大丈夫ですという言葉をもらった」
「波を見て大丈夫と判断した」
などとあいまいな答えに終始。
「テレビの天気予報と現場の確認で、荒天とはとらえなかった」
と釈明した。

一方、19日朝、同校の教員12人が1年生3クラス96人の家を訪ねて回った。

仲間を失ったショックで涙が止まらない生徒や疲れて寝込んでいる生徒が多く、鈴木宏道教務主任は「事故で生徒が受けたストレスは予想以上に大きい。心のケアにあたっていく」と述べた。

学校には早朝から「なぜ決行したのか」「自然を相手に判断が甘かった」などと、学校側の判断を非難する一般市民からの電話が相次いだという。
(2010年6月20日 読売新聞)

少しずつ出て来る情報が、バラバラで何がどうなっているのかよく分かりません。

浜松市教育委員会が、現場である静岡県立三ケ日青年の家が何をやっているのかは、通常事後報告でしょう。
にもかかわらず「協議があった」など、記者会見するというのもヘンですね。
だから、校長の話とズレがあって、後から訂正したのでしょう。

わけの分からないのが、毎日新聞の記事にある

所長は会見で「風が強くなることを予測できなかった。生徒の命を奪うことになり、おわびしたい」と謝罪した。

生徒がいないのに気付いたのは、湖岸のホテルに到着し、点呼した時だったという。

所長が、なんで生徒がいないことについて言及するのだ?
生徒の点呼は、転覆したボートに乗っていた二名の教師の責任だろう。

担当の教師が転覆直後から繰り返し点呼するのが当然だろう。
なんで、陸に上がってから点呼し、やっと分かった、という話しになるのだ?

極めて不思議なことに、学校側から引率に何人が参加したのかも報道されていないし、転覆時にそれぞれが何をしたのかも伝わってこない。
つまりは、大変な大混乱になったというのは分かるが、じゃあ「なんかあったらどうする?」という対策を学校は用意していなかった?とでも言うのか?

水に入るというのは、夏の海水浴シーズンでも、毎年のようにあるがショック死などもあり得るし、まして救命胴衣を付けているのだから落水したらどうする、という手順を考えないわけにはいかないだろう。

なんというか、恐るべき無責任体制で、行われていたのではないのか?
学校に抗議電話をしてもしょうがないとは思うが、抗議電話をする人の気持ちも分かるところがある。

6月 20, 2010 at 11:58 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.06.19

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その2

FNNニュースより「静岡・浜松市浜名湖ボート転覆 事故当時、大雨や強風などの注意報

静岡県の浜名湖で、野外学習の中学生ら20人が乗ったボートが転覆し、全員が湖に投げ出された。駆けつけた消防などが救助したが、女子生徒1人が死亡した。

現場では当時、大雨や強風などの注意報が出ていた。

18日午後9時半すぎ、愛知・豊橋市の章南中学校の生徒たちが、重い足取りで体育館へ入っていった。

保護者の待つ学校へ戻ってき生徒たちは、みな疲れきった表情をしていた。

18日午後、静岡県の浜名湖で、学校行事の野外学習を行っていたところ、生徒ら20人が乗ったボートが転覆し、女子生徒1人が死亡した。

転覆時、生徒たちは船底を上に向けたボートの上で、助けを待った。

救助の船は、強風と高い波のせいか、ボートに近づけず、その作業は思うようにいかなかった。

しかし、ボートの横になんとか回り込み、生徒たちを船に乗り移らせることに成功した。

その間も、転覆しなかったほかのボートから、生徒たちが次々と地元消防などによって救出されたが、意識不明で見つかった女子生徒(12)の死亡が搬送先の病院で確認された。

救助された生徒は

「(湖の上はどうだった?)寒かったです」、
「なんかすげぇ、荒れとったな。なんか風も強くて」
、「(船はどんな感じで転覆?)
なんか、帰ってる時になんか、斜めになって、いきなり倒れた」
と話した。

転覆したボートに乗っていた生徒らは、17日から2泊3日の予定で、浜松市にある三ケ日青年の家を訪れていた。

三ケ日青年の家・所長は

「出艇の段階では風がありませんでしたので。
(まったくなかった?)
えーと、東の風4メートル程度でしたので、その状況で出艇はさせていただきました」
と話した。

事故当時、浜名湖周辺では大雨注意報をはじめ、強風、波浪など、各種の注意報が出ていた。

18日夜、章南中学校が会見を行い、

「結果として、こうした最悪の事故を招いてしまったということは、やはりその判断に大きな問題があったんではないかというふうに考えております」
と話した。

事故の原因については、警察が章南中学校の校長と青年の家の所長から事情聴取を行っているほか、19日、国土交通省の運輸安全委員会が現地入りし、調査をする予定。

毎日新聞より「ボート転覆:「全員無事」が暗転 父母ら悲報に絶句

2010年6月19日 0時43分

浜松市の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学校(水野克昭校長)の生徒18人と教師2人が乗ったカッターボートが転覆し、同中1年、女子生徒(12)が死亡した事故。

章南中では事故の一報が入った直後から、教職員ら10人ほどが職員室で現地と携帯電話で連絡を取り合い、情報収集にあたった。

森下郁夫教頭は職員室前に集まった報道陣に「昨年も(野外学習を)実施している。雨でもやる予定にしていた」とこわ張った表情で話した。

ニュースや学校の緊急メールで事故を知った父母らは午後5時前から次々と学校に駆け付け、約50人が職員室から約100メートル離れた柔剣道場に待機して学校の説明を待った。

情報は職員室から30分置きに柔剣道場に伝えられたが、断片的な情報に父母らがいら立ちを募らせた。

同6時前、父母らの携帯電話に

「三ケ日青年の家でのボート転覆の件についてお知らせします。全員無事救助されました。ご安心ください」
とのメールがあり、一時は安堵(あんど)が広がった。だがその後、女子生徒1人が亡くなったとの情報が入ると、「えー」という驚きの声とおえつが漏れ、ハンカチで目頭を押さえる姿もあった。

同11時から加藤正俊・市教育長ら4人が同中で記者会見。加藤教育長は

「教育活動の場で最悪の事故が起き、亡くなった生徒、家族に申し訳ない気持ちでいっぱいです」
と陳謝し
「今日は天候が悪く、湖上の様子や気象情報などさまざまな情報の中で判断して活動したと思うが、最悪の結果になったということは判断に間違いがあったのではないか」
と述べた。体験学習には1年生96人のうち94人が参加。教師6人が引率したという。【沢田均】

読売新聞より「浜名湖転覆「大雨強風注意報の中、なぜ決行」

大雨強風注意報が発令される中、荒れた浜名湖(浜松市)で18日に起きたボート転覆事故は、愛知県豊橋市立章南中学校の女子生徒が亡くなる惨事になった。

救助されるまで1時間以上、生徒たちはボートにしがみついた。
ボートのえい航の仕方や、悪天候での決行には問題はなかったのか。
関係者から疑問の声もあがった。

「ボートには最初から水が入り、少し傾いていた。岸に戻る途中スピードが出てきて、ひっくり返ってしまった。怖かった」。
転覆したボートから救助された男子生徒は唇を震わせた。

浜名湖を望むホテルから、転覆を目撃したという東京都八王子市の女性(46)は、

「波が高く、ボートが流されていた。『キャー』という悲鳴も聞こえ、危ないと思ったら、一瞬のうちにひっくり返った」
と青ざめていた。

静岡県警などによると、生徒らは17日から2泊3日の予定で湖畔にある県立三ヶ日青年の家に滞在。

18日は午後2時過ぎから、自然体験学習の一環として、生徒92人と教師5人が、青年の家の職員3人とともに4隻の手こぎボートに分乗し、ボートをこいでいた。

転覆したボートには職員はいなかった。

転覆したボートの教師から、

「風雨が強くなり、生徒がひどい船酔いで、これ以上こげない」
と無線連絡があり、青年の家がモーターボートを出し、ボートをえい航して岸に向かっている途中で転覆したという。
他の3隻は湖上で救助を待った。同日夕、県警の警備艇にえい航され、転覆を免れた。

「浜名湖ボートクラブカナル」の柴田昌宏代表(48)によると、悪天候の中、大勢の人を乗せたままボートをえい航すると、予想のつかない横揺れなどが生じることがあるという。柴田さんは

「結果論かも知れないが、引っ張る船に救助対象の人たちを乗せて運び、無人になった船を岸辺に運んだ方が安全だった可能性がある」
と話した。

一方、青年の家を管理する県教育委員会の安倍徹教育長は18日夜、県庁で記者会見し、「大変申し訳ない」と陳謝、

「なぜこんな天候で訓練を行ったのかと思った。もう少し慎重に判断すべきだった」
と述べた。

県教委によると、ボート訓練は、大雨などの注意報が出ていた場合、施設と学校側で協議して判断することになっている。
今回は、同施設の所長らが、

「天候の急変はない」
とみて実施を決めたという。

豊橋市老津町の章南中学校には、保護者約50人が続々と集まった。安否情報が二転三転し、泣き出す人も。保護者の男性(37)は

「この雨の中で(ボート訓練を)決行するのはどうかしている」
と声を荒らげた。

森下郁夫教頭によると、亡くなった女子生徒(12)は吹奏楽部に所属し、優しくまじめだった。18日の朝の集いで生徒を代表して

「きょうのボート教室を頑張りたい。仲間のきずなを深めたい」
とあいさつしたという。

今回の事故について、「日本海洋少年団中部地区連盟」(名古屋市)の木下登事務局長(80)は、

「海洋少年団では、強風注意報が出ている場合は、波が高くなるので、子供たちを海に出さないようにしている」
と話している。

(2010年6月19日01時32分 読売新聞)

東京新聞より「ボート転覆、中1女子死亡 浜名湖 荒天下の野外活動中

十八日午後三時半ごろ、浜松市北区の浜名湖の約二百メートル沖合で、愛知県豊橋市立章南中学の生徒ら二十人が乗っていたボートがモーターボートでえい航中に転覆、全員が投げ出された。

地元消防などが間もなく十九人を救助。

同中学一年女子生徒(12)が転覆したボートの内側から見つかったが、搬送先の病院で死亡した。

静岡県警によると、ボートは全長約七メートルの手こぎ式カッターボート。

同中学一年の生徒十八人と教諭二人が乗り、訓練中だった。全員が救命胴衣を着用していたという。

ほかに生徒八人が病院で手当てを受けた。

ボートに同乗していた教諭が直前に

「強風で生徒の船酔いがひどく、こげない」
と無線で連絡、助けに向かったモーターボートがえい航して岸に戻る途中で転覆しており、県警は訓練やえい航の方法に問題がなかったか関係者から事情を聴くなど、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査。運輸安全委員会は十九日に船舶事故調査官二人を現地に派遣する。

章南中によると、一年生計九十四人が野外活動のため、十七日から二泊三日の予定で静岡県立三ケ日青年の家(浜松市)に滞在。十八日は青年の家が管理するボート四艇に分乗し、午後二時ごろ訓練を開始。

二艇には青年の家の職員が同乗したが、転覆したボートを含む二艇には生徒と教諭だけが乗っていた。

気象庁によると、浜名湖周辺では十八日昼すぎから強い雨が降り静岡地方気象台は大雨や強風、波浪などの注意報を発表していた。

浜松市では午後四時ごろ、最大瞬間風速一三・四メートルを記録した。

静岡県教育委員会に対し、青年の家は「

注意報の発令は確認したが、波が高くなかったので実施を決めた」
と説明している。

東京新聞より「ボート転覆、責任者の聴取続行 静岡県警、原因調べる

浜松市北区の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学の1年生ら20人が乗ったカッターボートが転覆、女子生徒(12)が死亡した事故で、静岡県警は19日、過失がなかったか、ボート訓練を実施した「静岡県立三ケ日青年の家」の関係者から事情聴取を続けるとともに、女子生徒の遺体を司法解剖して死因を調べる。

モーターボートがえい航中に転覆しており、県警は業務上過失致死傷容疑も視野に捜査。

運輸安全委員会の船舶事故調査官2人も現地入りし、事故原因を調べる。

県警によると、転覆したボートには生徒18人と教職員2人が乗っていた。教諭がボートから「強風で生徒が船酔いしてこげない」と無線で連絡、モーターボートがえい航し戻る途中に転覆。

えい航の仕方などに問題があった可能性が出ている。

章南中は1年生計94人が野外活動のため17日から2泊3日で青年の家に滞在していた。
(共同)

事実関係は以下のようです。

  1. 浜名湖周辺では十八日昼すぎから強い雨が降り静岡地方気象台は大雨や強風、波浪などの注意報を発表していた。
  2. 三ケ日青年の家・所長は「出艇の段階では、東の風4メートル程度でしたので、その状況で出艇はさせていただきました」 と実行
  3. 転覆したボートの教師から、 「風雨が強くなり、生徒がひどい船酔いで、これ以上こげない」と連絡が入って、青年の家がモーターボートを出し、ボートをえい航して岸に向かっている途中で転覆

昨日(2010年6月18日)は全国天気予報でも、朝から「西から雨が降ってくる」といった内容でした。

普通に考えて「天候は悪化する」であり、出かけるのを控えようか?という状況でしょう。
それを「「出艇の段階では、東の風4メートル程度でしたので」というのは、「判断していません」というほどの意味しかないだろう。

さらにえい航中に転覆したとのことだが、中学生の証言で

「ボートには最初から水が入り、少し傾いていた。
岸に戻る途中スピードが出てきて、ひっくり返ってしまった。怖かった」。
というのだから、えい航船がひっくり返した、という意味だろう。
実際に、消防などがえい航した他のカッターは無事に帰還している。

「三ケ日青年の家」はいったい何を考えて、動いていたのだろう?
少なくとも、緊急事態に対応出来る準備をしていなかったことだけは確実だろう。

6月 19, 2010 at 10:10 午前 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2010.06.18

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡

東京新聞より「浜名湖でボート転覆、中学生死亡 野外活動中

2010年6月18日 19時35分

18日午後3時半ごろ、浜松市北区の浜名湖で、愛知県豊橋市の市立章南中学の生徒ら20人が乗ったボートが転覆、全員が投げ出された。いずれも地元消防などに救出されたが、女子生徒1人が意識不明となり、搬送先の病院で死亡した。

静岡県警などによると、ボートは全長約7メートルの手こぎ式で、同中学1年の生徒18人と教諭2人が同乗。全員が救命胴衣を着用していたという。

女子生徒は転覆したボート内に取り残されたとみられ、県警が転覆時の状況などを調べている。

章南中によると、学校行事の「野外活動」のため、1年生計94人が17日から2泊3日の予定で、浜名湖近くの「静岡県立三ケ日青年の家」に滞在。

18日は同施設が管理するボート4艇に分乗していた。

静岡地方気象台によると、浜名湖周辺では18日昼すぎから強い雨が降り、大雨雷強風波浪洪水注意報を発令。

浜松市では午後4時ごろ、最大瞬間風速13・4メートルを記録した。

(共同)

このニュースが伝わってきたときに「悪天候の中でボートとはどういう事だ?」と思っていましたが、最悪の結果になったと言って良いでしょう。

ボートとなっていますが、20人乗りだからカッターですね。

さすがに転覆したときの脱出法までは教えていなかったのではないだろうか?
にもかかわらずかなりの悪天候で強行したのは基本的にまずいだろう。

市立中学校がやる行事として適切だったのか?という疑問がありますね。
その上で、悪天候での実施は論外だと思う。

6月 18, 2010 at 08:05 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

岡本倶楽部・電話相談

紀藤弁護士のブログより「全国岡本倶楽部被害対策弁護団の発足!

現在、電話が鳴りにくい状況が続いているようですので、もう一回線増やしました。

電話番号は、03-3261-8330

に加え

電話番号は、03-3261-2690

です。

現在、受任依頼が殺到しています。
今後、受任者においては、特別に、「受任者専用ダイヤル」を設置し、対応する予定としています。

岡本倶楽部 被害救済へ説明会 NHKニュース

弁護団事務局は、リンク総合法律事務所内ですから、何度か訪問して知っているわたしとしては「大変ですなあ~」と言うしかないです。

回線を増やしたということは、基本的に連続して掛かってきているのですよね。
ちょっと想像しがたいですね。

藤森弁護士のHPにも

2010/6/12 未登録被害者の当弁護団への結集を呼びかけます。

岡本倶楽部被害対策弁護団
団長 弁護士 藤森克美

 当HPに転載してある2010年6月10日付「破産管財人からのご連絡」(第一報)にあるとおり、管財人の今一番の課題は、会員名簿の整備です。そのために管財人は被害対策に当たっている弁護士から管財人への名簿の情報提供を求めております。当然当弁護団は管財人に全面的に協力して行きます。
 同「ご連絡」によると、会員数は約8000名とされておりますが、当弁護団が6月11日(金)までに受付けた会員数は807名であり、全体の約1割程度にしか過ぎません。
 未登録被害者が速やかに当弁護団に受付けをし、管財業務を一歩でも前進させていくことを要望します。
 尚、当弁護団の事務局事務所は4回線の電話を常設しておりますが、今週の6月7日(月)頃からは電話がつながらないという状況は解消されております。
 尚、平日は9:00~18:30、土日は9:00~13:00まで対応しております。

となっていて、やはり相談が殺到している様子です。

ニュースに出て来るのは一瞬ですが、この種の相談は本質的に終わりがないわけで、今後も数は減ってもダラダラと続くでしょうから、事務方は大変であります。

6月 18, 2010 at 04:34 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.16

口蹄疫問題と原油流失問題

CNN.co.jp より「米政府、原油流出量の推定値を再修正 最大6万バレル

(CNN)

メキシコ湾の原油流出事故で、米政府は15日、1日当たりの流出量の推定値を3万5000~6万バレルに修正した。

先週発表された推定値から、さらに最大で1.5倍に増えている。

政府は先週、1日当たりの流出量が当初の推定値を大幅に上回り、2万~4万バレルに達しているとの見解を発表していた。

当局の発表によると、チュー・エネルギー長官、サラザール内務長官らが、最新のデータと分析結果に基づいて修正を決めた。

高画質のビデオ映像や音響測定の結果や、破損部分にかぶせたふたの内部の油圧などを総合的に検討したという。

専門家チームのメンバーによると、チームはワシントン州シアトルで13日に10時間、14日に3時間の会合を重ねた末、新たな数値で合意した。

サラザール長官は「正確な流出量を把握することは、対策と原因調査の両面において重要だ」として、今後もさらに修正される可能性があると述べた。

対策に当たっている石油大手BPは現在、破損した噴出防止装置にふたをかぶせることによって、1日最大1万8000バレルを回収し、海上の船に吸い上げている。

同社の報道担当者は新たな推定値の発表を受け、「われわれの対策は流出量によって決まるものではない。できるだけ多くの原油を回収することが焦点だ」と語った。

2010年4月10日に石油掘削施設で大規模な爆発があり、11人行方不明・17人負傷とのことです。
以来現在に至るまで、原油の流出は続いていて、いまだに止めることが出来ないのですが、その事実に比べると、どうも報道される内容が「大事件」という感じでは無く、当初はこれほど長期に続く事件だとも感じませんでした。

この石油掘削装置は、BPの管理下にあって、BPの対応に非難が集まりつつありますが、さきほど海外ニュースを見ていたら、BP社の事故対応マニュアルでマスコミ対策を重視しつつ、電話連絡網の更新はされていなかったと言っていました。

このBP社のマスコミ対応策が、事件を矮小化していて結果としてアメリカ政府も対策の小出しとなり、今になって大統領がオーバルオフィスから放送する、という事になったのではないか?と感じます。

災害時に、戦力の逐次投入は被害が確実に拡大するので、結果として高コストになることは、よく知られているところですが、日本の口蹄疫問題とアメリカの原油流出問題は、両方とも初期対応を誤って被害が拡大した、のではないかと思います。

6月 16, 2010 at 10:31 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.16

マイクロバス炎上事故で小学4年生がヒーロー

「マイクロバスの炎上」で紹介した、大阪府高槻市の市道でスイミングスクールの送迎用バスが側壁に衝突、炎上した事故の状況が、読売新聞に出ました。「バス炎上事故、機転の脱出・勇気の救助

バスは蛇行を繰り返した後、何度も側壁にぶつかり、停止した――。

大阪府高槻市内で3月末、スイミングスクールの送迎用マイクロバスが名神高速道路の側壁に衝突、炎上した事故。

バスは火炎に包まれ、男性運転手(65)が死亡したが、乗客の子どもら14人は軽傷で救助された。

被害の拡大を食い止めたのは、乗客の男児の機転や、偶然通りかかった男性たちの勇気ある行動だった。

同市消防本部は、乗客の救助活動に協力したとして、計5人と事故現場近くの緑が丘自治会に感謝状を贈った。

うち、いずれも同市内在住で、市立安岡寺小4年IH君(9)、無職Fさん(61)、同Sさん(72)の3人が読売新聞の取材に応じ、事故当時の様子を語った。

事故があった3月29日夕、車内には、スイミングスクール帰りの5~10歳の子ども13人と保護者の女性(39)、運転手が乗車。

IH君は運転席近くで友人、弟のIA君(7)と並んで座っていた。

〈突然、運転手がうめき始め、最初は気にしなかったけど、また声が聞こえて、バスが2、3回(側壁に)ぶつかった。最後に「ドカーン」と音がした〉

車内では、泣き叫ぶ声が飛び交い、煙が広がってきた。

IH君の目に、IA君が衝突の弾みでフロントガラスの方に飛ばされ、泣きじゃくっているのが見えた。

どうしよう、はよ逃げなあかんと思い、席の後ろの方のドアを何度も押したけど、開かなかった。

ドアの横に「自動→手動」と書かれたレバーが見えたので、「手動」の方に動かしてみた。
すると、ドアが開いた。

子どもらが一斉に外へ飛び出した。逃げられてよかった。
車内にいるときに爆発していたらと思うと……〉

ゴルフの練習に行くため走行中のFさんは、前方のバスの異変に気づいた。

〈50メートルくらい手前から、ふらついていて、おかしいなと感じた。

止まったバスをよけて進み、バックミラーを見ると、バスから黒煙が立ち上り、子どもが車内から飛び出していた。

同じくらいの孫の顔が思い浮かんで、何かせずにいられなかった〉

Fさんが、慌てて駆け寄ると、激しいエンジン音とタイヤが空回りする音が響き、煙がバスを覆い尽くそうとしていた。

Fさんは、後部の窓から、3、4人の子どもの手や腕を引っ張り出した。
その間、1、2分の出来事だったという。

〈子どもたちは全員無事でほっとした。でも、あとで運転手さんが亡くなったと聞いた。助けてあげられず残念です〉

ジョギングをしていたSさんも一部始終を目撃し、救出に加わった。

〈衝突後、驚いて駆け寄ると、「お母さん、助けてー」という泣き声が聞こえた。黒煙が上がり、タイヤが焦げる強烈なにおいがした。
爆発するんやないかと、恐怖感を感じながらも、必死に窓から子どもを助け出した〉

その直後、「ボーン、ボーン」と、2、3回爆発音が響き、バス後部から火の手が上がった。周囲にいた人たちはぼうぜんと見守るしかなかった。(山本慶史)

(2010年5月16日13時06分 読売新聞)

何がすごいと言って、4年生9歳の男子が「レバーを切り替えた」という判断力・行動力です。
大人だって、パニックで彼と同じ行動が出来ない人は沢山いるでしょう。

「マイクロバスの炎上」では「なぜ出火したのか?」と書きましたが、発作で倒れたドライバーがアクセルを踏みっぱなしにしたから、タイヤが空転していたのでしょう。
後部から発火したようですから、燃料タンクに穴が空いているところに、タイヤの加熱で発火した、ということかと思います。

5月 16, 2010 at 04:42 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.13

メキシコ湾の原油流出事故・その2

CNN.co.jp より「BPは爆発直前、油井の異常を把握していた 米下院委員長

ニューヨーク(CNNMoney)
米ルイジアナ州のメキシコ湾で起きた石油掘削施設の爆発事故で12日、米下院エネルギー商業委員会・小委員会の公聴会が開かれた。

同委員会のワックスマン委員長は、

油田の採掘権を持つ石油大手BPが爆発の数時間前に油井の異常を把握していながら、対応を怠った
と証言した。

同委員長は、

BPは4月20日、爆発が起きる数時間前に油井の圧力試験を実施し、基準を満たしていないことを認識していた
と証言した。

この件については、BPから同小委員会に非公式に報告があったという。

同委員長によると、

圧力試験では油井内の圧力が高まっていることが確認されていた。
これにより原油やガスが浸透し、爆発を引き起こす可能性のあることが示されたという。

同委員長は

「それでもBPは作業を中止しなかったようだ。その結果、11人が死亡し、メキシコ湾は大規模な環境災害に直面した」
と述べた。

これに対しBPと同施設を所有するトランスオーシャン、設置工事を請け負ったハリバートンの幹部らは、爆発の原因は依然、調査中であると証言した。

公聴会では原油の流れを止めるはずの防噴装置が正常に作動しなかったことについても質問がなされたが、装置を製造したキャメロン・インターナショナルのムーアCEO(最高経営責任者)は、

「原因を結論付けるのは時期尚早だ」
と答えた。

また、現在、原油の流出を止めるために噴出口を「ごみ」でつまらせる案が検討されているが、これに対する批判の声も上がった。

この爆発事故をめぐっては、海洋掘削を管理する連邦機関、鉱物資源管理部のあり方も問われている。

公聴会でも、同機関と石油業界との関係を疑問視する声が上がった。これについて政府は11日、同機関を2つに分割する計画を発表している。

この事件は、今や深海での原油流出をどうやって止めるか、という問題になってきましたが、元もと大爆発でありました。

CNN.co.jp より「石油施設爆発めぐり責任のなすり合い 米上院公聴会

ルイジアナ州ケナー(CNN)
米ルイジアナ州のメキシコ湾で起きた石油掘削施設の爆発事故で11日、米上院の公聴会が開かれ、証言に立った石油大手BPや採掘施設所有社などの幹部が事故原因をめぐってそれぞれの主張を展開、責任のなすり合いの様相となった。

上院エネルギー天然資源委員会の公聴会で、油田の採掘権を持つBP米国法人のラマー・マッケイ会長は、爆発を起こした採掘施設の運営責任と非常装置の点検責任は同施設を所有するトランスオーシャンにあると強調した。

これに対しトランスオーシャンのスティーブン・ニューマン最高経営責任者(CEO)は、油田を支えるコンクリート構造に問題があったとの見方を示し、「そうした要因に問題がなければ、爆発は起こらなかったはずだ」と反論した。

この構造の設計責任はBPにあり、設置工事は石油サービス会社のハリバートンが請け負っている。

ハリバートンの最高安全環境責任者、ティム・プロバート氏は、ハリバートンはBPの指示に従っただけであり、爆発防止はトランスオーシャンの責任だと証言、責任はトランスオーシャンかBPのいずれかにあるとの認識を示した。

一方、沿岸警備隊と内務省共同の公聴会では同日、爆発現場に居合わせた補給船のアルウィン・ランドリー船長が証言し、爆発の直前、掘削施設から「黒い雨」が降り注ぎ、ガス放出の轟音が響いたと語った。

同船長が無線で連絡を取った掘削施設の施設長は、油田からの原油流出を防ぐための非常用スイッチ作動を試みたと話したという。
しかし作業員らが脱出する時点で、このスイッチが機能したかどうかは分からなかったとランドリー船長は証言している。

採掘施設は4月22日に爆発を起こして海に沈んだ。
この事故で作業員11人が行方不明になり、日量約5000バレルの原油がメキシコ湾に流出している。

CNN.co.jp より「メキシコ湾のドーム作戦、結晶沈着で中止 対応策探る

ミシシッピ州ビロクシ(CNN) 米南部ルイジアナ州の石油掘削施設爆発事故で、原油流出を巨大なドーム状構造物で止める作戦を試みている国際石油資本(メジャー)の英BP社は8日、ドームの内側に大量の結晶が沈着したため、作戦をいったん中止したことを明らかにした。

同社のサトルズ最高執行責任者(COO)によると、ガスと水が結合してできる氷状の結晶が、ドーム内に大量に蓄積している。

ガスは水よりも軽いため、ドームを浮上させてしまう。

また、流出した原油を船に吸い上げるためのドーム上部の穴が結晶でふさがれるという問題も発生している。

「ガスが問題になる可能性は予想していたが、これほど大きな問題になるとは考えていなかった」
と、サトルズ氏は話している。

作業チームは、ドームをいったん流出箇所から外し、対応策を探っているという。

ドーム本体を加熱する方法や、メタノールで結晶をとかす方法、穴の詰まりをドーム内側からの流れで突破する方法などが検討されている。

メキシコ湾には日量約5000バレルの原油が流出しているとみられ、数千人の作業員やボランティアが油膜の除去作業に追われている。

現場は、ルイジアナ州沖80キロ、深さ1500メートルの海底に設置され、そこから10キロ下の油田ガス田から採掘していたようです。

これほどの大深度で噴出しているガスをどうやって止めたり、流出状態から回収できるのか、想像しがたいですね。

YouTube の「The Gulf of Mexico Oil Slick (BP: Deepwater Horizon) 」を見ると、どこで起き、汚染がどのように広がっているか、などが分かりやすいですね。
Deepwater Horizon で検索すると、色々な情報が出てきます。

5月 13, 2010 at 10:50 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.05.08

特別支援学校生徒の転落事故

読売新聞より「遊具から転落、15歳重傷…安全バーから足抜く

7日午後1時25分頃、東京都練馬区の遊園地「としまえん」で、人気アトラクション「フライングカーペット」に乗っていた埼玉県立所沢特別支援学校(所沢市)の高等部1年の男子生徒(15)が転落した。

男子生徒は腕の骨を折るなどの重傷を負ったが、命に別条はないという。警視庁練馬署が詳しい状況を調べている。運営会社の豊島園は当分の間、フライングカーペットの運行を中止するとしている。

同署や豊島園によると、フライングカーペットは40人乗りの回転式遊具で、客の乗る「カーペット」が水平状態を保ったまま振り子のように前後に動いた後、回転し最大12メートルの高さまで上がる。

運行時は、安全バーを太もも付近に下げ、体を固定するが、転落した男子生徒はフライングカーペットが動き出した後、安全バーから両足を抜き、正座のような姿勢をとったという。

係員が緊急停止ボタンを押したが間に合わず、生徒は高さ約7メートル付近の位置から約10メートル斜め後方に振り落とされたという。

男子生徒は同校の遠足のため、教師を含む42人で訪れていた。

引率の教師は男子生徒の前列の斜め左に座っていた。

としまえんのフライングカーペットでは1992年8月、開園前の点検作業中に男性作業員(当時58歳)がカーペット部分の下敷きになって死亡する事故が起きているが、乗客の事故は初めてという。

としまえんでは、工藤真一管理課長が同日午後6時半から記者会見し、「けがをしたお客様の一日も早い回復を祈っています。警察の捜査には全面的に協力したい」と述べた。

◆足を引き抜く事態想定せず◆

豊島園によると、フライングカーペットの安全バーは締め付け過ぎないよう、太ももとの間に若干のすき間を残して固定している。
座席は4人がけで、1本の安全バーを隣に座った人たちと共有する仕組みだったという。

遊具の安全点検にあたる技術者の講習を行っている財団法人「日本建築設備・昇降機センター」(東京・港区)は「体格が全く同じでない限り、どうしても、大きな人に合わせざるをえない」と指摘している。

事故当時、生徒の隣には2人が座っていたが、豊島園では「3人とも体格に大きな差はなく、安全バーに必要以上のすき間はなかったと思う」としており、「乗客が自ら足を引き抜くような事態は想定していなかった」などと説明している。
(2010年5月8日03時11分 読売新聞)

この事故は、防げなかったと思います。

  1. 引率の教師は男子生徒の前列の斜め左に座っていた。
  2. 動き出した後、男子生徒は安全バーから両足を抜き、正座のような姿勢をとった
  3. 係員が緊急停止ボタンを押したが間に合わず、生徒は高さ約7メートル付近の位置から約10メートル斜め後方に振り落とされた。

ということですから、これ以上の安全策となると「乗せない」になると思います。
ニュース映像で見ると、4人一列ごとに安全バーが膝の前方から太ももの上に下りてくるような仕組みのようです。

そのために

「体格が全く同じでない限り、どうしても、大きな人に合わせざるをえない」
となるのでしょうが、では一列ではなくて個別に抑えるようにしたらどうか?となりますと、それでも今回のように「本人の意志で安全バーから抜け出した」という事態には対応出来ないだろう、と思います。

極めて難しい問題だと言えますね。

5月 8, 2010 at 08:49 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.01

首都高山手トンネル内で、多重事故

東京新聞より「山手トンネル 玉突き12人けが

一日午前零時四十五分ごろ、東京都渋谷区元代々木町の首都高速中央環状線内回りの「山手トンネル」で、トラックが渋滞最後尾の乗用車に追突するなどして、計八台の車が絡む多重事故があった。

東京消防庁によると、三十一歳と四十二歳の女性が全身打撲などで重傷を負ったほか、二十三~五十歳の男女十人が首などに軽いけが。

警視庁高速隊によると、現場は三月末に開通した首都高速3号渋谷線と4号新宿線を結ぶトンネルで、車三台以上の多重事故は初めて。

現場は、西新宿ジャンクションから3号渋谷線に向かう山手トンネルと合流した付近。

29日は祝日でしたが、21時から紀藤弁護士の事務所で会議があり、帰りはほぼ0時に出てきたのですが、大橋ジャンクションにどのように行くのかを試すために、新宿周りで帰りました。

山手通りは、今も工事中で大変に見通しが悪く、どこから環状線に乗るのだ?と思っていましたが、結局「初台南」から「大橋ジャンクション」まで新しい道路を走りました。

驚いたのは、休日の時間が深夜0時だからなのか分かりませんが、かなり飛ばしているのです。
その上、二車線から一車線になって、大橋ジャンクションの回転に入り、そこで東名方面が左車線、都心方面が右車線と見かけ上は二車線に変わります。

ゆっくり走ればどうということはないのですが、首都高では珍しくない右側からの本線合流であったりして、全体的にかなり分かりにくく走りにくいです。

事故は、

西新宿ジャンクションから3号渋谷線に向かう山手トンネルと合流した付近。
ということですから、
  1. 新宿線とのジャンクションである西新宿ジャンクション
  2. 初台南IC
  3. 渋谷線に合流する、大橋ジャンクション

しかありませんが、けっこう迷います、そこを90キロ以上でぶっ飛ばす、という状況なので、全身打撲といったひどいことになったのでしょう。

5月 1, 2010 at 05:20 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.29

メキシコ湾の原油流出事故

DIGITALGLOBE より「Gulf of Mexico Oil Spill

Image Collected April 26, 2010

This is a natural color, 60 centimeter high-resolution DigitalGlobe QuickBird satellite image featuring the oil spill and associated clean up after an explosion at the Transocean Deepwater Horizon Drilling Slick in the Gulf of Mexico.

これは、NHKニュースメキシコ湾 油流出で回収急ぐ」で報道された事件の、衛星写真です。

4月25日 19時8分 動画あり

アメリカ南部のメキシコ湾にある海上の石油掘削施設が爆発、炎上した事故で、およそ30キロ四方にわたって油が広がり、沿岸警備隊は、海底の油田から大量の油が流出しているとして回収作業を急いでいます。

この事故は、20日、ルイジアナ州の沖合80キロのメキシコ湾にある石油掘削施設が爆発、炎上したもので、作業員11人の行方がわからなくなっています。

施設は、その後、海底に沈みましたが、アメリカの沿岸警備隊によりますと、およそ30キロ四方にわたって油が広がっているということです。

海底にある油田から1日当たりおよそ160キロリットルの原油が流出しているものとみられ、沿岸警備隊で油の回収作業を進めています。

油の流出は、施設と油田をつないでいたパイプが破損したことが原因とみられ、施設を所有するイギリスの大手石油会社「BP」で修復作業を急いでいますが、作業は悪天候のため難航しており、今後、原油の流出が続けば生態系への深刻な影響も懸念されています。

DIGITALGLOBE は衛星写真で世界中の光景を掲載していますが、拡大写真があります。

今回の原油流出の衛星写真を見ると、左上に小さな白い×印が見えますが、拡大すると海面に機影が写るほど低空を飛んでいるC130だと分かります。

ものすごいものですね。

4月 29, 2010 at 10:08 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.04

大阪市営地下鉄・失敗学を勉強するべき・その2

「大阪市営地下鉄・失敗学を勉強するべき」の続きです。

東京新聞より「逆走電車に指導の担当助役乗車 運転士不在に気付かず

大阪市営地下鉄谷町線の大日駅(大阪府守口市)で昨年9月、電車が進行方向とは逆の壁に向かって約20メートル走行したミスで、先頭の運転室には安全運転を指導する担当助役(44)が乗っていたことが3日、市交通局への取材で分かった。

この電車は、運転士と車掌の双方が進行方向を誤り、後方確認が役割の車掌が先頭に、運転士が最後尾にそれぞれ乗り込み、逆走につながったことが分かっている。

交通局によると、この助役は電車が走りだすまで、運転室にいるのが運転士ではなく車掌だということに気付かなかった。

担当助役は運転士が安全に運転しているかどうかを抜き打ちチェックするため乗車していた。

車掌が、運転席に座らずドアを閉め、出発合図のベルを鳴らすなど運転士と違う業務をしていたのに気づかなかった。

「動きだして初めておかしいと思った」
と話しているという。

交通局は

「運転士、車掌だけでなく指導役も行うべき任務を果たしていない。あまりにも初歩的なミスで申し訳ない」
としている。
(共同)

こんな事が起きること自体が異常でしょう。

その異常なことを「初歩的ミス」とすること自体が、ダメなのは確かです。
絶対にどこかに、こんな問題を引き起こす何かがあるはずです。

運転士が方向を間違えた時に、なんでそこに車掌がいなかったのか?

担当助役が抜き打ちで乗務した時に、「そこに車掌がいることに気が付かないのが問題だ」と、なぜなら無いのか?

あまりに奇っ怪だから「初歩的ミスとしか考えられない」とでもしたのだろうか?
安全に止まったからOKではなくて、なんでこんなヘンテコなことが起こりえるのか?が問題でしょう。

4月 4, 2010 at 02:48 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.04.03

大阪市営地下鉄・失敗学を勉強するべき

朝日新聞より「運転士が反対に乗車、地下鉄が壁へ逆走 昨年9月、大阪

大阪市営地下鉄谷町線の大日駅(大阪府守口市)で昨年9月、大日発八尾南行き電車(6両編成)が進行方向とは逆の壁に向かって進行し、ATC(自動列車制御装置)が作動して緊急停止していたことが市交通局への取材でわかった。

停止地点から壁まで約200メートルだった。市交通局は、男性運転士(37)が本来とは反対の運転席に乗り込んだうえ、赤信号も見落としたことが原因とみている。

市交通局によると、

  1. 運転士は9月3日午前7時25分ごろ、進行方向を勘違いし、
  2. 本来は車掌が乗る最後尾の運転席についた。
  3. 車掌も間違いに気づかず、先頭車両の運転席に座った。
  4. その後、運転士は線路脇の赤信号を見落として発車。
  5. 電車は21メートル進んだところで緊急停止した。
朝のラッシュ時でかなりの数の乗客が乗っていたが、けが人はなかったという。

運転指令所の指示を受けた別の運転士が電車をホームの元の位置に戻したうえで、勘違いをした運転士が本来の席に移動。

電車は11分遅れで再発車した。

市交通局の調査に対し、運転士は「出発前の点呼で時間がかかり、焦っていた」と説明したという。

このミスについて、市交通局は国土交通省近畿運輸局に報告したが、公表していなかった。

市交通局は「衝突の恐れはなく、安全上の問題はなかったが、初歩的ミスで反省している」としている。(永井啓吾)

いくら何でもずっと先とは言え、壁に向かって出発することを気が付かないというのは変だろう。

それほど勘違いしやすい駅の壁や地下鉄だから照明、といったところに問題があるのは明らかでしょう。

安全上大問題だとしか思えませんけどね。
そもそも「初歩的ミス」というのが、運転士が間違えうる仕組みであったことを認めていないわけで、対策していませんという宣言なのだが、何を考えているのだ?

4月 3, 2010 at 02:41 午後 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.03.24

高速道路の、逆行事故を防ぐには。

読売新聞より「高速逆走、半数は高齢者…引き返しやUターンも

山口県岩国市の山陽自動車道玖珂―岩国インターチェンジ(IC)間上り線で23日夜、軽自動車が逆走し、運転していた岩国市本郷町本郷、無職(82)が死亡した。

警察庁によると、高速道路の逆走事故は2009年に16件(前年比1件増)起きており死亡者は4人(同3人増)。うち10件は65歳以上の高齢ドライバーによる事故だった。

東日本・西日本高速道路によると、事故に至らなかったケースも含めると、逆走は08年に701件(同5件増)発生している。

西日本高速道路によると、高速道路に入る際、インターチェンジ(IC)の料金所通過後にある分岐で、目的地とは違う進入路に入ってしまい、引き返してくるケースが42%と最も多い。

さらに本線上まで入ってから目的地とは違う方向に走っていることに気付き、Uターンして逆走したのが36%と続く。サービスエリア(SA)やパーキングエリアで、入り口から本線に逆戻りするケースも22%ある。

同社によると、逆走事故の47・7%は65歳以上の高齢ドライバーが占め、一般の交通事故で高齢者が占める割合(4・8%)を大幅に上回っているのも特徴だ。
ほとんどの場合、勘違いや不注意が原因だという。

鹿児島市の指宿スカイラインでは今年1月7日、IC付近を逆走した男性(82)の乗用車が2台の乗用車と相次いで衝突、男性は死亡、4人が重軽傷を負った。

同18日には、熊本県氷川町の九州自動車道で、軽自動車の78歳女性がSAから本線を約13キロ逆走。
女性は高速道を運転している認識すらなかったという。

逆走事故の多発を受け、西日本高速道路では、管内のICやサービスエリアの出入り口などに約430基のセンサーを設置、逆走を感知すると表示板に「逆走もどれ」などの警告が表示される。

また自動車メーカーと連携し、逆走すると車内に音声で警告を出すカーナビゲーションシステムなどの開発も進めている。

同社の担当者は「道路の安全対策などの整備は進めているが、一番の防止策はドライバー自身が注意を怠らないこと」と話している。
(2010年3月24日15時05分 読売新聞)

今回の、岩国市での事故は、岩国ICから上り線に入り、800メートルほどのトンネルで気が付いて本線上でUターンして、岩国インターを通り過ぎて6キロほど先で事故になった。
この間に複数の事故が起きた。

ということのようです。

  1. 料金所通過後にある分岐で、目的地とは違う進入路に入ってしまい、引き返してくるケースが42%
  2. 本線上まで入ってから目的地とは違う方向に走っていることに気付き、Uターンして逆走したのが36%
  3. サービスエリア(SA)やパーキングエリアで、入り口から本線に逆戻りするケースも22%

進入路間違えで、バックしてくるというのは、たまに見かけますね。
さすがに、あと二つの「本線上でUターン」と「SAから逆走」にはであったことがないですが、このデータは事故ですから進入路でバックして事故、というのも多いということでしょう。

逆走を感知すると表示板に「逆走もどれ」などの警告が表示される
ここまでやってるのに
「道路の安全対策などの整備は進めているが、一番の防止策はドライバー自身が注意を怠らないこと」と話している。
というのはもう少しなんとか出来ないものかね?

「高速道路の逆走事故対策」に書いたように、逆走してくる車があることを、警告する方が実際的ではないだろうか?

もう一つ気になっているのが、逆走衝突事故は夜間に多いのではないのか?
データがないから本当のところは分からないのだが、ニュースになった例では少なくとも真っ昼間に事故があったという記事は見つからなかった

これが事実だとすると、夜は間違えやすいということになりますから、別の対策も考えられるかもしれない。

実は、高速で逆走ならぬ反対方向に走ったという経験が何回かあります。

富山空港からレンタカーで客先に向かう時に、北陸道を反対方向に向かってしまったのです。
これを複数回やった。

なぜかな?と考えると、日ごろは横浜市にいるわけですから「西に向かう時は左が海」と、身体が覚えているのです。
海が見えなくても、山は右側にあって当然、と覚えているのですね。

これが日本海側に行くと逆になりますが、身体はかってに反応してしまうわけです。

こんなわけで錯覚は誰にでもあるわけで、間違えた本人に警告するのも良いですが、第三者が巻き込まれないようにする方策も必要でしょう。

3月 24, 2010 at 04:45 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.03.23

交通警察の連続事故を考える

サンケイ新聞より「白バイ追跡で激突のバイク男性が死亡 東京・足立区

東京都足立区の国道4号で22日午後、警視庁の白バイに追跡されていた原付バイクがガードレールに衝突した事故で、23日朝、原付バイクを運転していた同区千住旭町のマンション管理人(64)の死亡が確認された。

警視庁千住署によると、原付バイクが制限速度を約20キロ超えて走行していたため、白バイが追跡。大山さんは後方を確認するように振り返った後、左側のガードレールに衝突し、頭を強く打った。大山さんは事故直後は意識があったが、病院へ搬送途中に意識不明となったという。

鈴木一明千住署副署長の話

「追跡は適正だったと認識している。亡くなられた方のご冥福(めいふく)をお祈りします」

追尾中に白バイが人身事故、広島

17日午後3時10分ごろ、広島県府中町本町1丁目の町道交差点で、緊急走行していた県警交通機動隊の男性巡査長(30)の白バイが、近くのアルバイト店員女性(17)の自転車と衝突。女性は右足に軽傷を負った。

広島東署によると、巡査長はナンバープレートを折り曲げた2人乗りのバイクに職務質問しようと停止を求め、逃げられたため数分間にわたり追尾。赤色灯をつけサイレンを鳴らしながら信号のない交差点に進入した。

同署は「追跡方法に問題はなかった」としている。

双方とも「追跡方法に問題は無い」なのだが、それでは「問題がない追跡でも死亡事故があり得る」となってしまう。
要するに、「交通警察の行動に伴って市民が死傷するのは仕方ない」ともとれるわけだが、そのようなことが自然に是認されるはずもなく、「死亡事故を起こしても追跡するべきか?」となるし、当然「追跡を禁止しろ」という意見も出て来るだろう。

普通に考えて「通常業務中に大事故を起こして、死亡に至った」しかないのではないか?

何時までも「追跡に問題は無い」と言っていられるものか、少しは何とかしないとまずいだろう。
そろそろ限界だと思う。

3月 23, 2010 at 11:32 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.03.14

続・飛行高度間違え?

「飛行高度間違え?」の続報です。
読売新聞より「スカイマーク機高度誤って飛行、機長が入力ミス

スカイマークの新千歳発羽田行きの便で今月11日、機長が自動操縦装置の高度入力を怠り、一時、管制官の指示よりも約1950メートル高い高度で飛行していたことがわかった。

衝突の危険などはなかったが、同社は国土交通省に報告、再発防止策を講じるとしている。

国交省や同社によると、11日午後、羽田に向け降下していたスカイマーク716便(ボーイング737―800型機、乗員乗客173人)は、茨城県霞ヶ浦上空を飛行するまでに高度を1万3000フィート(約3900メートル)まで下げるよう管制官から2度指示を受けた。

同機は了解したが、実際はこの地点を高度約5850メートルで通過。

管制官が指摘し降下を始めたという。同機は、通常通り着陸した。
(2010年3月14日06時00分 読売新聞)

「飛行高度間違え?」では地上管制が見逃したのか?という観点で書きましたが、地上管制はチェックしていたのですね。

たぶん、高度指定はノブを回して数字を合わせる方式で、13000フィートとするべきところを19000フィートに設定した、といわれていますが13と19を間違えるものでしょうか?

操作をして数字はセレクトしたが、実際には入力されなかった、という可能性があるのではないのか?
設定高度に下りていないことを見逃したパイロットもひどいと思うが、これが機器の故障であるとすると、こんな基本的なところが壊れるというのは論外という気がする。

まあ、スカイマークのパイロットが飛行に集中できていない様子は察することができるが、それは会社つまりは経営の問題だろう。

3月 14, 2010 at 11:52 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.03.13

飛行高度間違え?

日テレNewS24より「スカイマーク機 管制指示と違う高度で飛行

航空会社「スカイマーク」の旅客機が、管制塔の指示と違う高度で飛行していたことがわかった。

スカイマークによると、新千歳空港発・羽田行きの旅客機が11日、管制塔から指示された高度1万3000フィートより6000フィート高い1万9000フィートで飛行していたことが、機長の報告で発覚した。

自動操縦装置に正しい高度が入力されていなかったという。
スカイマークは国交省に報告した上で、関係者からの聞き取りや自動操縦装置の解析などをして詳しく調べている。

スカイマークは先週、機長の判断に従わずに運航したとして、国交省から厳重注意を受けたほか、副操縦士がコックピットで写真を撮っていたとして、立ち入り検査を受けていた。

高度入力をミスしたというのだから、話しにならないというのはとにかくとして、航空管制でチェックできないのかねぇ?

飛行高度は、レーダートランスポンダーの情報として地上で見ることができます。
飛行高度自体は、地上管制の指示だから、指示と実際が違っていることは地上でも分かるはずなのだけど、命令の出しっぱなしなのかな?

航空管制の歴史を考えると、指示出しっぱなしで地上では特に問題が起きない限りチェックしない、というのは大いにありそうではあるが、航空交通が混雑して運行が複雑化してきているのだから、地上管制の精度を向上させることは必要なのではないのか?

3月 13, 2010 at 08:52 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

トヨタ車暴走問題・報道について

「トヨタ車暴走問題・色々な展開」で紹介したABCテレビの映像をよくよく見たら、かなりひどい。

この「実験」というのは、配線をショートさせるとフルスロットルになる、という話しであって全く意味がないのだが、それを「実験」した映像では

  1. 車の中に実験装置を積み込んで説明(説明だけ)
  2. タコメーターがエンジン全開を示す
  3. 車の外から撮影した、加速し減速する車。
というものでした。

これで、実際にメカニズムとして車が暴走した印象ですが、実際のタコメータの上昇は加速ではありません。
完全に暴走で車はおそらく加速ではなくてスピンとかになります。要するに、ON/OFFなわけです。
当然減速もしませんが、車の走っている状況は狭い敷地の中を加速してかなり速度の後に普通に減速しています。

要するに、暴走に見せかけてアクセル操作をしただけ。です。

ここまで来ると、ほとんどトンデモ本の世界の展開とか、三段論法であって、それを映像的に見せるのでは、ドリフのコントか?といった種類の話しですね。

プリウス暴走後に「トヨタを提訴しない」という話しは、逆さまにトヨタから車代を請求されていますね。
なんかボロボロな話しになってきています。

3月 13, 2010 at 02:53 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

トヨタ車暴走問題・色々な展開

朝日新聞より「「減速できない」プリウスの米男性「トヨタ提訴せず」

【ニューヨーク=丸石伸一】 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が米カリフォルニア州の高速道路で減速できなくなったとされる問題で、一部の米メディアは11日、この車を運転していた男性の弁護士が「(男性は)トヨタを提訴する計画はない」と語ったと報じた。

この男性は、カリフォルニア州サンディエゴの高速道で8日午後、「プリウス」を運転中、アクセルペダルを踏み込んだ際にペダルが戻らなくなって、ブレーキが利かなくなったと主張。米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が調査を始めていた。

トヨタによると、プリウスにはアクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキを優先する仕組みが導入されている。

日テレNEWS24より「トヨタ車急加速 米ABCが映像操作認める

「トヨタ自動車」の車が突然、急加速すると指摘されている問題で、最初に問題を報じたアメリカの「ABCテレビ」は12日までに、一部、実験映像を意図的に操作して報道したことを認めた。

この問題は、南イリノイ大学・ギルバート教授が、トヨタ車の急加速の原因は電子制御システムの欠陥であることを実験で立証したとされるもので、この実験の様子をABCテレビが報じた。

ABCテレビは12日までに、実験映像を放送する際、一部誤った編集を行っていたと認めた。

実験映像をよく見ると、ブレーキライトなどが点灯していて、実際は車が停止中に撮影していたにもかかわらず、あたかも走行中に撮影したように編集して放送していた。

ABCテレビは、実験結果に変わりはないとしながらも、すでにホームページには再編集したVTRを載せている。

読売新聞より「「欠陥知りながら販売」米郡検事局がトヨタ提訴

【ロサンゼルス=飯田達人】
トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題で、米カリフォルニア州オレンジ郡検事局は12日、米国トヨタ自動車販売などを相手取り、「欠陥を知りながら車の販売を続け、州民を危険にさらした」などとして、制裁金などを求める民事訴訟を起こした。

同検事局によると、トヨタは2002年から10年までに、意図しない急加速などを起こす不具合などを認識しながら情報を隠し、事故の犠牲者を出したり、トヨタ車の価値下落で保有者に経済的損失を負わせた、などと主張している。

制裁金の請求額は「違法な事業行為1件あたり2500ドル(約22万5000円)」としている。ただ、訴状には、この違法事業行為1件が、リコール1件あたりか、車1台を指すのかには触れていない。

トヨタ自動車販売は「訴訟については一切コメントできない」としている。

カリフォルニア州には、消費者保護のため、検察官が民事訴訟を起こせる不正事業取締法があり、今回の提訴は同法に基づくもの。

一方、コネティカット州のリチャード・ブルメンサル司法長官は12日、トヨタ・カムリの暴走事故が10、11日に相次いで3件起きたため、トヨタに対して原因調査を依頼すると共に、自らも調査を始めると発表した。
(2010年3月13日10時54分 読売新聞)

まあ、いろいろな事が出てきますなあ~。

ABCテレビの「映像操作」の記事には、当初は「回転計の急上昇」を移すのは当然だろうと考えて、「何が問題になったのだ?」と思いました。
複数の記事を読んで、あたかも走行中に撮影したように編集して放送、が問題だとしてABCが修正したのだと分かりました。

しかし、元ネタである南イリノイ大学・ギルバート教授の「実験」が非現実的である、ということをトヨタは反論しているわけで、映像の編集についてはあまり問題無いでしょう。
しかしABCが発表し、記事も差し替えたとなると「ABCは逃げに入ったか?」という印象を受けます。

「「減速できない」プリウスの米男性「トヨタ提訴せず」」
こんな事アメリカでは有り得ないでしょう。
結局報道によって、自体が拡大した実例と言えます。

それが、さらに「「欠陥知りながら販売」米郡検事局がトヨタ提訴」、こうなります。

これは、父権訴訟と呼ばれるもので消費者問題に対して、行政が代表して訴訟する仕組みです。
日本でも、消費者庁設置に伴って父権訴訟が議論されていますが、今回の事例を見ると父権訴訟の難しさがよく分かります。

今までも、行政などの判断が世評に寄っているという話しは多々あって、行政・司法に専門家が関与できないか?ということはずっと話題になっています。
それがピークになったのが、医療裁判が連続した時期でした。

今までの行政・司法の姿勢には「専門家が必要な難しい内容は判断しない」というところがあって、鑑定などで丸投げして実質的に判断しない場合と、難しいから取り上げないとして無視する場合があります。

しかも、日本では航空機事故に至るまで「原因解明に協力すると罪が重くなる」のですから、原因解明もできない。
結局のところいつまで経っても「行政・司法の断定」のみで決まっていくのですから、ちっとも社会は進歩しない、とも言えます。

今回のトヨタ問題は、いろいろ社会問題を露わにしていて、今後も注目する必要があります。

3月 13, 2010 at 12:09 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.03.07

飛行場で気圧の大間違え

東京新聞より「気圧誤報で着陸できず 気象庁がデータ入力ミス

先月12日、気象庁が松本空港(長野県)の気圧データを取り違えたため、着陸降下中の旅客機の高度計に誤差が生じ、着陸をやり直すトラブルが起きていたことが分かった。

航空機は気圧を基に高度を補正しながら飛んでおり、気圧が違うと正確な高度が把握できない。
当時は雪で視界も悪く、航空関係者は「事故につながりかねない危険な状態だった」と指摘している。

気象庁などによると、松本空港では同日朝、滑走路付近の気温計が氷点下2度前後で動かなくなり、凍結と判断。
同庁の松本空港分室の職員が、手持ちの気温計で代替観測した。

これに伴い、通常は各種気象データを記した航空機向けの電文が自動作成されるが、手作業による気温や気圧の入力が必要となった。

職員がコンピューターの計算ソフトで気圧を算出した際、海面気圧(標高ゼロメートルに換算した気圧)を電文に取り込むべきところ、一緒に表示された現地気圧(滑走路上の気圧)など別の値を入力した。

松本空港は標高657・5メートルと日本の空港で最も高所にあり、海面気圧と現地気圧の差が大きい。

同庁は午前10時~10時半すぎに電文を計3回発信。1014ヘクトパスカルとすべき値を、999、937、938ヘクトパスカルと誤った。

このため、大阪発で午前10時半に松本着予定のプロペラ旅客機ボンバルディアDHC8は、空港まで数キロの地点で、発信されたデータを基に計器上の高度300メートルまで降りて着陸体勢に入ったが、実際は420メートルまでしか降りていなかった。
そのまま滑走路に入ると急角度での着陸となるため、目視で危険を察知した機長の判断で着陸を中止し、ことなきを得た。

同機は、上空を旋回しながら無線でデータを照会。
管制塔を通じ、指摘を受けた気象庁が発信した訂正報を確認後、正常に着陸した。この影響で、到着が41分遅れたが、乗客乗員27人にけがなどはなかった。

■重大な問題と認識

松本空港分室を所管する東京管区気象台総務部業務課の話

 気圧の誤報は大事故につながりかねず、重大な問題と認識している。
国土交通省航空局と航空会社には、その日のうちに経過を説明、謝罪した。
データを取り違えないよう計算ソフトの表示を変えるなど、改善策を検討する。
通風筒(気温を測るステンレス製の円筒)の材質や形状にも、凍結防止の工夫をしたい。

(中日新聞・東京新聞)

ずいぶんひどい話ですね。

基本的には、飛行機の高度計は、滑走路の気圧で補正します。
だから、全く同じ気圧の時に出発した空港に戻る、といったケース以外は常に高度計の補正をして、着陸した時に高度0になるようにしています。

飛行機への通報は、データで送信されるのかは、分からないのですが基本的には管制官とパイロットの間で確認をしていくはずです。
しかし、パイロットは上空にいるから地上の気圧は知りようがない。

管制官が、気象庁のデータをそのまま伝えていた、となります。
気象庁の測定値と、空港事務所の測定値がある、なんてのはまずいですから情報一元化の観点では、気象庁のデータをそのまま送るのは正しいことではあります。

しかし、今回は「コンピュータで計算したから間違えた」という話しですが、どこをどうやれば気圧を間違えたままで、いられるのか?

気圧計なら、わたしだって自宅にもあるし、腕時計にも付いてます。

気象庁職員も、管制官も「チラッと確認」すれば、すぐに間違え気づくものでしょう。
それがなぜ見逃されたのか?

ハイテク旅客機で、機首にある静圧孔などの大気取り入れ口のカバーを取り損ねて離陸してしまったら、フライトコントロールがデタラメになってしまって、そのまま墜落したという事件がありました。
昔なら「速度計が動かない」ということだったはずなのです。

Up

「1014ヘクトパスカルとすべき値を、999、937、938」ということですが、典型的なアネロイド気圧計の目盛りで見ると、指針の位置が90度も違うことになります。
アナログ的に見落とすような状況では無いです。

デジタルの落とし穴、というべき事でしょう。

今回の「測定誤差」は150~600メートルぐらいに相当します。
これでは、飛行機が山に衝突しても不思議は無い。
今回がたまたまラッキーだったわけで、鉄道が赤信号を無視したが事故にならなかった、ぐらいの話しですよ。

3月 7, 2010 at 11:50 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.02.27

雑誌記事について第三者委員会を作ることになった

「NBL編集倫理に関する第三者委員会設置のお知らせ」(PDF)なる告示がありました。

NBLは法律関係専門の出版社、商事法務が発行している隔週間誌です。

この「告示」めぐって、わたしが読んでいる範囲で「ボ2ネタ [ボ2] 」、「落合弁護士のブログ」、「町村先生のブログ」で、一斉に取り上げられました。

Matimulog より「NBL第三者調査委員会発足

ボ2ネタコメント欄でも、落合ブログでも取り上げられており、また別の編集者からもビックリニュースとしてメールで教えてもらったものだが、NBL編集部名義の記事に以下のような問題があったということである。

①その内容が他誌の判例コメントの内容と著しく類似していること ②その内容は、編集部によって書かれたものとしては、不自然に当該訴訟の一方当事者の立場に偏りすぎている

この件については第三者の調査委員会が発足したということだ。

興味深いのは、編集部名義の記事が偏っていたということよりも、他誌の判例コメント内容と著しく類似している記事が、当該訴訟の一方当事者の立場に偏っていたということである。

漏れ聞こえるところでは、判例コメントは多くの場合、担当裁判官自身が書く、あるいは最高裁なら調査官が書く、担当裁判官自身ではなくとも別の裁判官が書く、というもののようである。

しかし、この問題から推測されるのは、訴訟の一方当事者(代理人)が書くということもあり得るということであろうか。

このことは、もし一般化できるとなると、時折見られる判決批判的なコメントの執筆者が誰か、推測できそうな気がするし、ほとんど理由を示さず「妥当であろう」とか「異論のないところと思われる」というコメントも担当裁判官自身ではなく勝訴した側の代理人という可能性もあるわけだ。

匿名コメントなんてのは、その程度の信憑性だと理解していればよいのだが、時折、判例評釈なんぞより判決のコメントが役に立つという人がいたり、また院生の判例評釈の練習で判例コメントに引用された判決をわけも分からず評釈の中に引用して支離滅裂なことになっている時があったり、とにかく判決雑誌の判例コメントは盲信される傾向があるのだ。

そう言う人に1つの警告となるような、徹底的な調査を望みたい。

ほ~、そういうことなのかと、「NBL編集倫理に関する第三者委員会設置のお知らせ」(PDF)を読んでみました。

平成22年2月23日

各 位

株式会社商事法務 代表取締役 大林 譲
NBL編集倫理に関する第三者委員会設置のお知らせ
当社は、平成 22 年2月23日付けで、下記のとおり第三者委員会を設置致しましたので、お知らせ致します。 記

1.第三者委員会設置までの経緯

当社が発行する法律雑誌「NBL」2010年1月1日号に掲載された編集部名義の「東証売買システムの不備によるみずほ証券の取消注文の不処理をめぐる損害賠償請求訴訟の検討」という題名の記事(以下「本件記事」といいます)について、①その内容が他誌の判例コメントの内容と著しく類似していること、及び②その内容は、編集部によって書かれたものとしては、不自然に当該訴訟の一方当事者の立場に偏りすぎていると思われたことから、当社は社内調査を実施致しました。 その結果、本件記事は、編集部名義となっているものの、実際には、当該訴訟の一方当事者の関係者が執筆していたことが判明致しました。 当社は、かかる事態を重大なものと受け止め、本件記事の掲載に至る経緯や原因、当社における責任の所在等を明らかにすべく、外部の専門家・有識者から構成される第三者委員会の設置を決定したものであります。 なお、第三者委員会からは、当社からの調査依頼の受諾にあたり、①調査報告書の起案権・編集権は第三者委員会にあること、②調査報告書は外部に公表すること、③第三者委員会の調査に当社は全面的に協力すること、を条件としたい旨の確認依頼があり、当社はこれらの事項について確認のうえ、第三者委員会に下記の調査事項をお願いするものであります。

2.第三者委員会の委員

  • 委員長 久保利英明(弁護士・大宮法科大学院大学教授)
  • 委 員 堀部政男(一橋大学名誉教授(情報法・メディア法))
  • 委 員 田中早苗(弁護士・マスコミ倫理懇談会「メディアと法」研究会アドバイザー)
  • 調査事務局長 野宮 拓(弁護士)

3.調査事項

  • (1) 本件記事の掲載に至る経緯・原因等の事実解明
  • (2) 本件記事の掲載に関する当社の責任
  • (3) 再発防止策の提言

4.第三者委員会の名称

第三者委員会の名称は、「NBL編集倫理に関する第三者委員会」に致しました。

5.報告スケジュール

第三者委員会からは1ヶ月程度を目途に調査報告書を提出・公表する見込みである旨の報告を受けております。
以上

ということでありました。

落合洋司弁護士は「[不祥事]NBL編集倫理に関する第三者委員会設置のお知らせ」でこのようなお考えを述べています。

http://www.shojihomu.co.jp/oshirase/20100223.pdf

ボ2ネタのコメント欄経由で知りました。

NBLの問題記事を読んでいないので、どういう内容であったかはわかりませんが、この「お知らせ」を見る限り

1 当該事件について、訴訟の一方当事者の関係者が記事を執筆し、その内容が不自然に当該訴訟の一方当事者の立場に偏りすぎていると思われるものであった
2 それにもかかわらず、「編集部」名義の記事になっていた
3 しかも、他誌の判例コメントの内容と著しく類似していた

という問題になっているようです。

特に問題なのは、おそらく1及び2で、偏った内容を「編集部」名義の記事として発表することで、あたかも中立、公平な立場からの見解のように偽装しつつ流布しようとしたと解する余地もあって、今後の調査結果如何によっては、NBLという雑誌の信頼性を大きく揺るがしかねないでしょう。

【後略】

この部分で「ハッ!」と思ったのです。

NBLは型式としては雑誌です。
例えば、問題になっている2010年1月1日号の目次がサイトに載っていますが、多くが署名記事です。その中に編集部名義の記事もある、という構造です。

もちろん「編集部名義では匿名だから信用できない」という乱暴な意見も可能ですが、それ言うのなら署名が偽名ではないのか?とかペンネームはどうなのだ?という議論にも展開するでしょう。

結局、商事法務は第三者委員会を設置するほどの深刻に受け止めているのでしょうが、なぜ信用ならない記事が紛れ込んだのか?と言えば、NBL(雑誌)自体に信用があるとするから、信用ならない記事も一旦発行されることになると、そのまま通過してしまった。
ということですね。

蟻の一穴とでも言うのでしょうか?強固な仕組みでも、どこか1ヵ所を突破されると全滅する、ということの代表例でしょう。

この「1ヵ所が壊れると」という問題に取り組んで出来たのが、インターネットであり、ネットワーク時代と言えます。

つまりは、雑誌を編集して発行するというモデル自体に、信用のならない情報が信用ありとされる危険性をはらんでいて、そのために堅固なダムを造るほど、決壊したときの被害大きい、と理解するべきでしょう。

2月 27, 2010 at 12:47 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.22

高速道路の逆走事故対策

朝日新聞より「関門道で乗用車逆走? タンクローリーと衝突、男性死亡

22日午前6時40分ごろ、山口県下関市の関門自動車道上り線で、無職(52)の乗用車とタンクローリーが衝突し、さらに後続の車3台が玉突き衝突した。乗用車の運転手は頭などを打って間もなく死亡。
タンクローリーを運転していた北九州市小倉南区の男性(41)は軽いけがで、積んでいたガソリンなどの流出はなかった。県警は乗用車が関門橋方向へ逆走し、正面衝突したとみて調べている。

県警などによると、「乗用車が逆走している」との110番通報を受けて出動した高速隊員らが事故現場を見つけた。

現場は中国自動車道下関インターチェンジ(IC)から北九州市側へ約600メートルの関門自動車道。乗用車は同ICから高速に入り、逆走したとみられるという。

この影響で、関門橋を含む門司―下関IC間の上り線が約3時間半にわたって通行止めになった。

高速道路の逆走事故が日常的になってしまって、珍しい事ではなくなってしまいましたが、こうなると逆走させないではなくて、逆走車が来ることを知らせる方が対策としては現実的ではないでしょうか?

基本的には、出口から進入するのですから、センサーで拾ってより手前の情報表示板に警報して、必要であれば通行止めにする、といった方法があるでしょう。

出口で逆行する車をセンスするのは、比較的簡単だと思います。
それで、せめて警報を出すのはアリでしょう。

2月 22, 2010 at 01:04 午後 事故と社会 | | コメント (13) | トラックバック (1)

2010.01.04

バードストライク

読売新聞より「バードストライク?日航機エンジン停止・緊急着陸

3日午前11時7分頃、新千歳発神戸行き日本航空3302便(ボーイング767―300型機、乗員乗客231人)が、新千歳空港を離陸直後の上空約60メートル付近で、左エンジンの排ガス温度が急上昇する異常表示が出た。

機長は左エンジンを停止し、約15分後に新千歳空港に緊急着陸した。乗員乗客にけがはなかった。

日本航空によると、左エンジン内部に鳥を吸い込んだ「バードストライク」のような痕跡があり、エンジンの交換が必要なほど内部が破損していたという。

写真は緊急着陸した日航機。バードストライクに遭遇したとみられる=西藤公起さん撮影

Up

Up1

Up2

非常に見事にバードストライクの連続撮影に成功していますね。
最初の写真の赤丸の中にかなり大形の鳥が写っています。

1月 4, 2010 at 09:51 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.12.05

国交省がコンテナー車横転対策を検討しているというのだが

NHKニュースより「コンテナ事故防止へ新法検討

トレーラーに積んだコンテナが倒れ、巻き添えとなった死亡事故などが相次いでいることを受けて、国土交通省は、コンテナ内部の積荷の状況をドライバーが把握していないことなどが事故の背景にあるとして、荷主側に通知を義務づける新しい法律を検討することになりました。

トレーラーに積んだコンテナをめぐっては、ことし5月に、名古屋で走行中のトレーラーから落下したコンテナが隣の車線を走っていた乗用車を押しつぶし、3人が死傷するなど、この4年間で事故が71件相次ぎ、あわせて10人が死亡しています。

国土交通省は、コンテナ内部の積荷の状況をドライバーが把握していないことなどが事故の背景にあるとして、新しい法律を作って安全対策を強化することになり、4日夜、その内容を検討する初めての会議を開きました。

国土交通省によりますと、速度オーバーや荷台にコンテナをしっかり固定していないといったドライバー側の問題がある一方で、コンテナ内部の荷物の積み方が不適切なため、低い速度でも横転してしまうなど、荷主側にも原因があるということです。

新しい法律では、荷主の責任を明確にして、積荷の中身や積み方などの情報をドライバー側に伝えるよう義務づけることなどを検討しており、早ければ来年の通常国会にも法案を提出したいとしています。

「コンテナー内の荷物の片寄りぐらい計測できるはずだ」に書いた通りで、コンテナー内の荷物の片寄りによってトレーラーが転倒することがあると国交省が動き出したのは、今までの「全てドライバーの責任」という姿勢から比べればけっこうなことではあります。

しかし「荷主が積荷の中身や積み方などの情報をドライバー側に伝えるよう義務づける」なんてことが実際的に機能するとはとうてい思えない。
そもそも荷主だってコンテナー内の荷物の積み方なんて把握できないでしょう。
いかにも手続を用意したから行政の責任は回避できる、という作戦にしか見えません。

そもそも、本当にコンテナー内の荷物の片寄りがトレーラーを転倒させるほどひどいものなのか、あるいはトレーラーの許容度が低すぎるのか、を検証しているのでしょうか?
もちろん、事故なのだから頻度の問題もあるでしょう。事件として有名になったから、手を打ちましたというだけでは社会的には意味がないでしょう。

12月 5, 2009 at 07:57 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.27

9メートル上から落下した10歳児を確保したのは若い女性らしい

サンケイ新聞より「校舎3階から小4男児転落…偶然通行中の女性がキャッチ!

27日午後3時ごろ、私立武蔵野東小学校(東京都武蔵野市緑町)の校舎3階から小学4年の男子児童(10)が転落し、偶然通りかかった女性が下で受け止めた。

男児は右ひざを負傷したが、命に別条はなかった。女性にけがはなかった。

警視庁武蔵野署や同校によると、男児は放課後、高さ約9メートルの3階の窓から出て、校舎の出っ張り部分に立って遊んでいたところ、足を滑らせて、縁の部分をつかんだ状態でぶら下がった。

近くを通りかかった女性が異変に気付き、男児の下に回り込んだところで、男児が落下。

男児は高さ約1.7メートルの壁にぶつかった後、女性の腕の中に収まった。

この女性は名乗らずに立ち去ったが、近くの仕出し店に勤める若い女性らしいという。

同校の市川智教頭(48)は「大事に至らず、本当に良かった。2度と起きないように、危険個所の確認を進めていきたい」と話していた。

いや~良かった良かった。

11月 27, 2009 at 07:34 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.12

目的地飛び越しパイロット資格剥奪

サンケイ新聞より「議論、パソコンに熱中で目的地飛び越しパイロットの免許を剥奪

デルタ航空傘下のノースウエスト航空パイロット2人が操縦中に「議論に熱中」し、目的地を240キロ通り過ぎた。米連邦航空局(FAA)は「不注意、無謀な運航」を行ったと結論を下し、2人の免許を剥奪(はくだつ)した。

パイロット2人が過失を犯したのは、10月21日のサンディエゴからミネアポリスに向かうノースウエスト188便のエアバスA320型機。

事件の重大性を重く受けとめたFAAは同27日に制裁処分を通告。
パイロット2人は捜査官に対し、ウィスコンシンで飛行位置を見失ったときに疲労はしておらず、フライト前には19時間の待ち時間があったと語っている。

バージニア州で航空コンサルティング会社を経営しているボーイング777型機の元パイロットのボーン・コードル氏は「2人は国内線のパイロットで体内時計も狂っていないはず。従って完全に彼らの過失だ」と指摘した。

操縦室でノートパソコンを使用していた2人は、管制塔の呼びかけ、運航管理者のメッセージに注意を払わず、無線連絡に応じないまま91分間にわたり飛行した。

FAAは「操縦のことを完全に忘れている。地上無線の監視さえ怠る行為は職務怠慢」と2人に通告した。

監視機関がパイロットの危険な行動に注意を与えたのは今年3度目。

2月12日には米ピナクル航空の機長が操縦する旅客機がニューヨーク州バファロー郊外に墜落、50人の死者を出した。

その4週間前には離陸後にエンジンのトラブルに気づいたチェズレー・サレンバーガー機長がUSエアウェイズの旅客機をニューヨークのハドソン川に不時着させ、乗員乗客全員を救った。

今回の188便には144人の乗客と5人の乗務員が搭乗していた。パイロットはティモシー・チェニー機長(53)とリチャード・コール一等航空士(54)で、総飛行時間はそれぞれ2万時間と1万1000時間に及ぶベテランだ。2人は仕事のスケジュール管理に関する議論に熱中。ミネアポリスを通り過ぎ、管制との接触が断たれたことにも気付かなかったと述べている。

航空機の自動操縦中、パイロットは食事や休憩を許されているが、航空士は常に航空管制塔からの連絡に注意を払い、現在位置を把握していなければならない。

「ハドソンの奇跡」とたたえられる事故では、サレンバーガー機長がエンジン再始動の際にチェックリストを確認し、航空機を無事着水させて惨事を避けた。

ビジネス旅行の消費者団体「BTC」のケビン・ミッチェル会長は「パイロットはサレンバーガー機長の水準を目指すべきときなのに、逆に下降しているようだ」と嘆いている。

この事件は、当初「居眠り運転か?」と言われ、その後「議論に熱中していた」伝わり最後に「PCを使っていた」となりました。

最初からFAAは「資格剥奪」としていたようですが、航空管制を聞いていなかった、さらには自動操縦の警報も聞いていない(あるはセットしてない)可能性があるとなっては、その理由が居眠りであろうと議論であろうと、資格剥奪は当然でしょう。

しかし、50歳中頃のパイロットというのは、大ベテランですよね。
多くのこの年代のパイロットは管理者であったりもするわけで、そこでスケジュール管理の議論になってしまったというのは、会社の体制も問題があると見るべきでしょう。

11月 12, 2009 at 10:27 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.06

高速道路上で軽微な追突?

NHKニュースより「放射性物質積んだ車が事故

5日午後8時すぎ岩手県八幡平市の東北自動車道の上り線で、放射性物質を含んだ試薬を積んだワゴン車にライトバンが追突する事故が起きました。

警察によりますと、この事故で放射性物質が漏れるおそれはなく、けが人もいないということです。

国土交通省などによりますと、ワゴン車は青森県六ヶ所村に本社がある日本原燃の委託を受けて、放射性物質を含んだ分析用の試薬を川崎市にある東芝の施設に向けて運んでいました。

また試薬は液体で、0.4リットル入りのビン2本に入れられたうえ、専用の輸送容器に収められ、ビンの破損はなく、放射性物質が漏れるおそれもないということです。

現場で消防が調べた結果、放射線は検出されませんでした。またこの事故でけが人はいませんでした。

大した事故ではないのですが、映像を見るとハイエースのリアハッチが曲がった程度の軽い追突事故です。

わけが分からないのは、これが高速道路の本線上で起きていることで、ハイエースのライトバンだから80キロぐらいで走っていた(速度違反しない)としても、本線上で「軽い追突」になるものでしょうかね?

結果として大事故にならず、負傷者はなく損害も軽微であったから良かったのですが、本線上でこんな事が起きることにビックリします。

追突した車もライトバンらしいですから、特に高速で突っ込んだということでも無いでしょう。
前方不注意・居眠り同然ということかと思いますが、こんな事が起きるのだな、と感じました。

11月 6, 2009 at 03:23 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.10.28

関門海峡の衝突事故

読売新聞より「護衛艦とコンテナ船衝突・火災、3人けが…関門海峡

27日午後7時56分頃、福岡、山口県境の関門海峡で、海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国籍のコンテナ船「カリナ・スター」(7401トン)が衝突し、両船で火災が発生した。

北九州市消防局などが消火に当たり、コンテナ船の火災は午後8時35分に鎮火、くらまも午後11時20分頃、鎮火状態になった。海上幕僚監部によると、くらま側で乗組員1人が足に軽い裂傷を負い、2人が煙を吸って気分が悪くなった。門司海上保安部は業務上過失往来危険容疑で、関係者から事情を聞き始めた。

第7管区海上保安本部(北九州)や防衛省によると、現場は北九州市と山口県下関市を結ぶ関門橋のほぼ真下で、海峡の幅は約650メートルと狭かった。くらまは瀬戸内海方面から西に向かって、コンテナ船は玄界灘から東に向かって、それぞれ関門海峡に進入したと見られる。波はほとんどなかったが、視界は約3~4キロで、見通しが良い状態ではなかったという。

くらまは艦首部分が大きく破損し、シンナーなどを収納していたペイント庫付近が炎上した。コンテナ船は右船首部分に穴が開き、積み荷のコンテナが燃えた。

現場は、海上衝突予防法の特別法である港則法施行規則により、右側航行が義務づけられている。くらまの艦首部分は左から右に衝突を受けたような破損状況のため、くらまが左前方から来たコンテナ船と衝突した可能性がある。

くらまは1981年に就役。全長159メートル、全幅17・5メートル、定員360人で、対潜ヘリ3機を搭載できる。25日に相模湾で行われた観艦式に観閲艦として参加、佐世保基地に戻る途中だった。297人が乗船し、負傷するなどした3人は船体前部で見張りをしていた。午後11時頃、自力航行を再開、門司港に向かった。

韓国海洋警察庁によると、カリナ・スターはナムソン海運(本社・ソウル)が所有。全長127メートル、幅20メートルで、同社釜山事務所によると、韓国人ら16人が乗り組み、釜山港から大阪へ向かっていた。

釜山事務所の社員は読売新聞の取材に、「コンテナ船の船長から『前を走る船の後を追って航行していたら、前方から護衛艦が接近してくるのが見えた。かじを切ったが間に合わず衝突した』と報告を受けた」と話した。

関門海峡の航路は約4時間閉鎖された。

政府は27日午後8時15分、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と貨物船の衝突に関し、首相官邸内の危機管理センターに情報連絡室を設置した。鳩山首相は同日夜、関係省庁に対し、早急な情報収集と被害実態の把握を行うよう指示した。
(2009年10月28日01時22分 読売新聞)

朝日新聞より「海自護衛艦と貨物船衝突、炎上し3人けが 関門海峡

27日午後7時56分ごろ、本州と九州の境にある関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン)と韓国のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)が衝突。双方が炎上した。防衛省海上幕僚監部によると、「くらま」の3人が負傷した。第7管区海上保安本部が業務上過失往来危険の疑いなどで調べている。

海保によると、現場は本州と九州を結ぶ関門橋のほぼ下。「カリナスター」は衝突約40分後の午後8時35分ごろに鎮火した。船首の右部分が大破したが、浸水や油漏れはなく負傷者もいない。同船の船主である韓国の海運会社「南星海運」の釜山事務所によると、コンテナの一部から出た火を乗組員らが消し止めた。

一方、「くらま」は艦首部分が激しく損傷し炎上。防衛省によると、28日午前0時ごろまでにほぼ鎮火したが、消火作業の際に乗員1人が右足に切り傷を負い、ほかに2人が煙を吸って気分が悪いと訴えている。艦首部分に船体を塗り直すためのペンキの缶の倉庫があるという。

防衛省によると、双方ともに自力航行可能という。

「カリナスター」の韓国人の船長(44)は朝日新聞の取材に「前を走る船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(護衛艦が)来ているのはわかり、早めにかじを切ったがぶつかった」と話した。

防衛省によると、両船はほぼ正面衝突だったとみられる。海保によると、海上衝突予防法で海峡の航行は「右側通行」と定められており、前方に相手船を発見した場合も互いに「右へ回避」が原則。だが、「カリナスター」は船首右側が損傷しており、海保は今後その経緯を調べるとみられる。関門海峡は大規模海難事故の起こりやすい「ふくそう海域」に指定されており、港則法の細則で追い越しなどは禁止されている。

下関地方気象台によると、事故当時、現場海域の天候は快晴だった。

「カリナスター」はコンテナを韓国・釜山から大阪に運ぶ途中で、韓国人12人ら16人が乗り組んでいたという。

「くらま」は長崎県の佐世保基地の第2護衛隊群に所属するヘリ搭載型護衛艦で、進水は79年。25日に神奈川県の相模湾であった観艦式に参加した後、佐世保に戻る途中で、297人が乗っていた。

FNNニュースより「関門海峡護衛艦衝突事故 双方の船が近くにいた別の船をよけようとして衝突した可能性

27日夜、関門海峡で起きた護衛艦とコンテナ船の衝突事故で、双方の船が、近くにいた別の船をよけようとして衝突した可能性が高いことがわかった。

この事故は27日夜、福岡・北九州市沖の関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国のコンテナ船「カリナスター」が衝突して炎上し、護衛艦の乗組員6人がけがをしたもの。

海上保安庁の関係者によると、当時、コンテナ船の前を別の外国船が航行しており、これをよけようと護衛艦が右に、コンテナ船が左にかじを切ったために、双方の進路が交錯し衝突した可能性が高いことがわかった。

海上保安庁は、これら3隻の船の航跡を分析するなどして、事故の原因を調べている。
(10/28 06:04 テレビ西日本)

朝日新聞より「コンテナ船、護衛艦の針路にはみ出す? 衝突事故

その瞬間、暗い海峡を火柱が照らし、爆発音が周囲を揺らした。27日夜、北九州市沖の関門海峡で起きた護衛艦とコンテナ船の衝突事故。国内有数の「海の難所」で何が起きたのか。

防衛省や海上保安庁などによると、護衛艦「くらま」の艦首とコンテナ船「カリナスター」の船首右側がぶつかったとみられる。コンテナ船の船長(44)は、事故直後に朝日新聞の取材に応じ、「前の船を追い越そうとしていた」などと話しており、コンテナ船が護衛艦の針路にはみ出す形になって衝突を引き起こした可能性が出てきた。

コンテナ船は韓国・釜山から大阪に向かっており、事故で船首右側が大きく損傷した。船長の説明によると、コンテナ船は前方からの護衛艦には気づいていて、早めにかじを切ったが避けられなかったという。

海上保安庁によると、海峡での船の航行は海上衝突予防法により、互いに右側を通ることがルール。前方に相手船を発見した場合は、互いに右へ回避するのが原則だ。このルールを互いに守っていれば、船首右側が相手の船とぶつかることは考えられない。

コンテナ船がどのようにして前の船を追い越そうとしたかははっきりしないが、船長の証言や双方の船の衝突部位などから、海保関係者は「コンテナ船がかじを左に切って追い越そうとして左側に膨らみ、左前方から来た護衛艦の針路に入った可能性も考えられる」と話す。

衝突事故があった関門橋付近は関門海峡のなかでも幅が約600メートルと狭く、大型船同士がすれ違うには危険が伴う。特に、北九州市側からせり出す部分があり、西から東に向かうコンテナ船からは視界が悪く、向かってくる船が直前まで視認できないケースがあるという。

護衛艦の監視態勢について、元海上自衛隊潜水艦隊司令官の西村義明さんは「狭い水道を通過するときは、艦橋の見張りや指揮所の人員など、通常の当直態勢よりも強化した状態で、細心の注意を払って航行するはずだ」と話す。

軍事ジャーナリストの神浦元彰さんは「関門海峡は狭く、潮流も国内では最も速い場所。船の通行も多く、本来は追い越しをするような場所ではない。潮流の激しいところで追い越しをしようとしたコンテナ船がコントロールを失った可能性もある。護衛艦も船の行き来が多い中で身動きが取れなかったのではないか」と分析する。

海保は、レーダーなどで両船の航跡を確認し、衝突の状況を詳しく調べる。

昨日の関門海峡での衝突事故は炎上ということもあってかなり驚きました。
4本の記事を時系列で並べてみました。

1時22分読売新聞
3時2分朝日新聞
6時4分FNNニュース
8時5分朝日新聞
となっています。

1時22分の読売新聞の記事で注目する点は

くらまは艦首部分が大きく破損し、シンナーなどを収納していたペイント庫付近が炎上した。

コンテナ船は右船首部分に穴が開き、積み荷のコンテナが燃えた。

現場は、海上衝突予防法の特別法である港則法施行規則により、右側航行が義務づけられている。

くらまの艦首部分は左から右に衝突を受けたような破損状況のため、くらまが左前方から来たコンテナ船と衝突した可能性がある。

ですね。
この時点で、コンテナー船が護衛艦側の航路に進入した可能性が出てきました。

3時2分の朝日新聞の記事では以下の点が注目です。

「カリナスター」の韓国人の船長(44)は朝日新聞の取材に「前を走る船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(護衛艦が)来ているのはわかり、早めにかじを切ったがぶつかった」と話した。

NHKテレビで、この画面は何度も見ましたが、どう見ても航路の右側で衝突していると思っていました。
この画面はNHKは山口県下関市に設置したカメラの映像と解説していますから、東側から撮っています。つまり、長崎に向かっていた護衛艦は画面の左下から右上に向けて関門大橋の下を通過する航路を後攻していたことになります。
その進路上で衝突したように見えます。

6時4分のFNNニュースでは

海上保安庁の関係者によると、当時、コンテナ船の前を別の外国船が航行しており、これをよけようと護衛艦が右に、コンテナ船が左にかじを切ったために、双方の進路が交錯し衝突した可能性が高いことがわかった。
船は右側通行ですから、海峡で左にかじを切ると対向する航路に進入することになります。

8時5分の朝日新聞では

軍事ジャーナリストの神浦元彰さんは「関門海峡は狭く、潮流も国内では最も速い場所。船の通行も多く、本来は追い越しをするような場所ではない
関門海峡は、海上保安庁が一隻ずつ航行管制出来るようになっています。そこで、追い越す必要が生じたとはどういうことでしょうか?

現時点では、コンテナー船の海峡内では不適切な操船で衝突に至った、と見えます。

10月 28, 2009 at 09:42 午前 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.10.04

空中衝突と自動車事故

東京新聞より「交差点で衝突7人死傷 真岡 見通し良好、出合い頭

三日午前十一時ごろ、栃木県真岡市大根田の市道交差点で、茨城県桜川市無職(76)の軽ワゴン車と、栃木県那須塩原市塩原、旅館従業員(61)のワゴン車が出合い頭に衝突、軽ワゴンドライバーと旅館従業員ら計四人が全身を強く打つなどして死亡。
旅館従業員の車に同乗の女性(84)が意識不明の重体、女性二人が重傷を負った。

ほかに死亡したのは、旅館従業員の車の真岡市鹿、農業女性(79)と同所、同(80)。

真岡署によると、二台は衝突の後、弾みで道路標識にぶつかるなどして交差点脇の畑に突っ込んで横転した。

旅館従業員の車には高齢の女性計六人が乗っていた。農業女性ら五人は、旅館従業員が勤める那須塩原市内の旅館に九月三十日から滞在し、帰宅する途中だった。

現場は信号機のない、見通しの良い交差点。軽ワゴンドライバー側に一時停止の標識があった。

写真でもテレビニュースでも、よく見える側で6人乗りのワゴン車の右側から軽自動車がぶつかって、ワゴン車とも左側の畑に飛び出し、道路との境界線にあるちょっと幅のある水路に引っかかって転倒、投げ出された方が死亡、というパターンのようです。

この交差点では、2年間に4回事故があったとのことですが、これは飛行機の空中衝突と同じことではないのか?と思います。

自動車を運転していると、動いているものには注意が行くのですが、止まっているものは無視するのですね。

飛行機の空中衝突では「窓に対して、常に同じところに相手機が見えたら衝突する」というのがあります。
理屈としては、相対角度が常に同じなのだから、完全に平行で同速度で動いている時以外は、進路が交差している、ということです。

これと同じことが自動車の運転で起きると、動かないから気づかないという問題が出てきそうで、今回は双方とも自動車だと全く気づかずにぶつかったのではないのか、と思うのです。

だからこそ、一時停止は重要なことなのですが・・・・・。

2年間に4回の事故というのは、多すぎるでしょう。確かに畑の真ん中の道でもあり、対策も限られているとは思いますが、「ドライバーが注意すれば防げる」というセンスでは、事故が無くならない交差点でしょうから、行政の責任の部分は大きいと思います。

10月 4, 2009 at 10:20 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.10.03

裁判や事故調査に神の視点は避けるべきなのだ

サンケイ新聞より「『現代の赤紙』廃止を 制度反対の全国集会

裁判員制度に反対する弁護士らのグループ「裁判員制度はいらない!大運動」が2日、東京都新宿区で全国集会を開き、参加者は「被告に死刑や無期懲役を言い渡す国家活動に国民を駆り出す『現代の赤紙』の制度を廃止しよう」と宣言した。

集会には市民ら約450人が参加。基調講演したジャーナリストの斎藤貴男さんは「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」と制度を批判した。

グループの事務局次長を務める藤田正人弁護士は、これまでの裁判員裁判を分析し「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」と説明した。

この運動については、 最初の裁判員裁判 でも取り上げましたが、わたしには反対の原理が分かりません。

特に今回の報道に出てきたキーワードには非常に重大な問題がある、と強く感じます。

  • 「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」
  • 「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」
  • 「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」
  • 「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」

「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」

司法に権力があることは確かですが、それを市民が支持することは、罪なのでしょうか?
だとすると、市民による多数決原理を否定することになりませんか?

「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」

真実が解明できるとは限らない、と断定出来ないでしょう。
意見の対立があって、一方が真実を解明したとし、もう片方が真実を解明してはいない、と反論することはよくあります。
裁判において、真実が解明するとは限らない、というのは周知のことでしょう。
それを「事実だと認定する」のが裁判であるのですから、裁判制度を否定する他にこのような意見が成立する余地がありません。

「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」

従前から、裁判官は法廷で被告人質問として取り調べをしているわけで、個々の裁判員の質問がまずいというのなら、それについて具体的に指摘するしかないでしょう。
裁判官だから良くて、裁判員だからまずい、ということならそういう指摘をするべきでしょう。裁判員裁判を否定する根拠には全くならない意見だと思います。

おそらくは、「大衆によるリンチである」と言いたいのではないでしょうか?
であるのなら、「裁判員裁判は、選ばれた裁判官によらないのだから、大衆によるリンチだ」と明確に主張するべきだと思います。

「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」

これは、裁判員制度とどういう関係があるのですか?
被害者参加制度の問題ですよ。 まして、被害者参加制度はより重罰化することを間接的な目的にした制度ですから、結果が重罰化をもたらすのは当然であって、裁判員裁判とは関係ないでしょう。

というわけで、「何を主張しているのかさっぱり分からない」ことは代わりはないですが、何回も「分からない」と書いても進歩がありませんから、裁判員裁判反対運動の原理であろうことを推測してみます。

結論は「神を求めている」のだと考えます。

「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」

司法権力を認めつつ、市民はそれに触れてはならない。
触れてはならない権力とは、神の権力、神権と置き換えてもなんら違和感がないでしょう。
わたしは、司法権力をコントロールするのは市民の権利である、と考える者です。
だからこそ、司法への市民参加があるべきだとするのが、先進諸国の大勢であって裁判員制度がよいのか、陪審員制度にするべきなのか、という意見を戦わせるのは当然ですが、いずれにしろ裁判に市民が参加するのは、最終的には司法権力に市民がお墨付きを与えることそのものです。

司法権力は存在しないのですから、存在しないものに市民はお墨付きを与えてはならない、という意見であれば、まだ分かります。
しかしそれは、アナーキズムではないのでしょうか?

「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」

裁判とは、もともとそういうものですよ。
神の視点による真実に近づこうとすることは当然であっても、それはかなわないことである、という前提で成り立っているのが、近代の裁判制度です。
そして裁判では「事実認定」をするわけです。
これを「真実ではありませんから」とやっていたら、明らかに神学論争も同然の議論に陥ってしまいます。
どういう裁判像を考えるとこういう意見が出てくるのか?と考えた場合に「裁判とは神が決めるものであれば良い」ということなのかな?と思うのです。

結局、わたしには「裁判員制度はいらない!大運動」の主張は「神聖裁判」の要求以外には見えません。

ところが、日本ではしばしば「神のごときことを要求する」ことがあるように感じます。
その一つに「事故調査」があります。

事故調査において、刑事責任追及が優先されていますから、しばしば事故原因が隠されてしまうのですが、事故原因について詳細な情報を提供すると自分の刑事責任が重くなるというのでは、情報提供をするはずもないですよ。
これに対して「隠したから刑事責任」とやっていくわけですが、ここまで来ると事故原因の解明よりも刑事責任追及が主体になっています。

刑事責任追及が事故原因の解明には役立たない、というのはアメリカの航空機事故調査やボルボの自動車事故調査などの過程で明らかになっていることの一つです。日本がいまだに事故調査のシステムを確立できないのはなぜなのか?と考えてみますと、「事実認定は良くなくて、真実を見つけなければならない」に固執しているからではないでしょうか?

事故と対策を考えますと、「取りあえずの対策」でも許されるわけです。
そのための判断には「事実認定」が必要です。「事実認定で決めたから、対策はこうなる」という決定でよいのです。
これを「真実の追究」をやっていますと、そもそも時間が掛かりすぎて対策が遅れることもありますが、真実を追究する先は「こっちはまだ分からない部分だから」とドンドンと分からない方面に主眼が移ってしまいます。

「取りあえずの対策」とか言い出すと「それは真実に向き合っていない」などといった批判が出てきてしまいます。
分からないところに踏み込んでいきますから、分からないものの代表的なものである「個人の責任」に帰する意見は常に残ってしまって、けっかとして対策が「注意喚起」であったりします。

日本の中にある「神を畏る」という文化は美しいものだとは思いますが、社会で神を出し過ぎることの不具合は、第二次大戦での敗戦で学んだはずではないのでしょうか?
市民として、神に代わって責任を取る、という姿勢こそが必要なのではないのですか?

10月 3, 2009 at 10:06 午前 事故と社会, 裁判員裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.09.30

LiveLeak の影響でトヨタがリコールなのか?

日経新聞より「米トヨタ、380万台リコールへ 「プリウス」など過去最大

【デトロイト=小高航】
トヨタ自動車の米国法人は29日、フロアマットを正しく固定していない場合、アクセルペダルがマットに引っかかり事故につながる恐れがあるとして、「カムリ」など380万台の保有者に対し、マットを取り外すよう求めた。

正式なリコール(回収・無償修理)手続きに入る可能性が高いとしている。
トヨタの米国でのリコール台数としては過去最大となる。

対象は「プリウス」やレクサス「IS」など最新モデルも含めた7車種。

運転席でフロアマットを重ねて敷くような場合、アクセスペダルがマットに引っかかり、加速する恐れがあるとしている。 (08:02)

9月28日に LiveLeak に投稿された、911 Tape of Fatal Crash as it Happen's に911がドライバーから受けた電話がアップされています。LiveLeak の説明

This happened near San Diego.
A CHP Officer was driving with 3 of his in laws in his Lexus and the accelerator was stuck from the floor mat.
The car was going 120 when it crashed at an intersection where the freeway comes to an end.
Unsure why he didn't just turn the car off or throw it in neutral

これでトヨタがリコールに動いた可能性は大きいかと思いますが、LiveLeak の解説にもあるように、スイッチ(エンジンキー)をオフにするか、シフトをニュートラルしなかったのか?という話になるわけで、これはリコールと言っても説明書に注意書き追加するか、ステッカーでも配付することになるのでしょうか?

国民皆保険を拒否するアメリカ国民なのですから、フロアマットを重ねることを禁じることに反対、とか出てきても不思議じゃないような気もします。

9月 30, 2009 at 09:43 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.09.26

水中メガネの操作で事故

朝日新聞より「水泳用ゴーグルが眼球直撃 10歳女児が大けが 福岡

消費者庁は25日、福岡県で10歳の女児がスイミング用ゴーグルを右目に強くぶつけ、視力が1.5から0.01に落ちる大けがを負う事故があったと発表した。

事故があったのは6月で、女児の父親から同県内の消費生活センターに今月11日に通報があったという。

発表によると、女児は民間のスイミングスクールで練習中、ゴーグルの内側の曇りをとろうと頭に着けたまま引っ張って水中で洗っていた際、手を離してしまい、ゴーグルが眼球を直撃したという。

消費者庁によると、こうした事故は国民生活センターに過去10年に3件報告されているという。

状況は想像できるのですが、実際にこんな事件が起きるためには、顔と水中メガネの間に手を入れることができるぐらい、ベルトが伸びる必要があるでしょう。
そのような使い方ができる製品はちょっとまずいだろう。とは思います。

ではどうするのがよいのか?となると、おそらくは

長さの調節を大きく動かして、顔面に密着させるゴムの伸び代を減らす。
それだけだと、着脱が大変だから、ベルトが分離するようなことにする。
さらに、それだと水中で落としてしまう可能性があるから、普通のメガネに使うような脱落防止のヒモも付ける。

といったことが必要だったのかもしれません。

こんな風に考えると、直感的に使用する側が想定していない使い方をしたから発生した事故、というのが実は、製造側が使用する側の使い方をあまり考えていないから事故になる、ということが多いのか?となりますね。

9月 26, 2009 at 12:51 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.09.22

首都高湾岸線川崎の死亡事故

朝日新聞より「首都高湾岸線 3台玉突き、2人死亡7人重軽傷

22日午前9時ごろ、川崎市川崎区東扇島の首都高速道路湾岸線上りの東扇島インター付近で、大型トラックが渋滞した車列最後尾の乗用車に追突、3台がからむ玉突き事故となった。

この事故で2人が死亡、7人が重軽傷を負った。

神奈川県警高速隊は、トラックを運転していた千葉県成田市官林、運転手(30)を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕し、同致死に容疑を切り替えて調べている。

同隊によると、追突されたのは新潟県長岡市吉崎、会社員(42)運転の乗用車で、会社員の義父(65)と義父の妻(63)が死亡。会社員と次男(9)が頭蓋骨(ずがいこつ)骨折など、長男(12)が右足骨折などで重傷。妻(39)と長女(14)、会社員の車が追突した乗用車の2人は軽傷を負った。

整理しますと、追突された車は小型のミニバンで

  1. 義父
  2. 義母
  3. 父(会社員)
  4. 二男
  5. 長男
  6. 長女

の7人乗車であり、その前の車(これもミニバンらしい)には男女2人が乗車していました。

死傷の状況は

義父死亡
義母死亡
父(会社員)頭蓋骨骨折
二男頭蓋骨骨折
長男右足骨折
軽傷
長女軽傷

亡くなったお二人は、3列座席の最後部に乗っていたのでしょうが、このニュースの一報では「亡くなった方が分からない」とのことで、ドライバーが話せないほどの重傷を負ったのか?と不思議でした。

それが夜の報道で「頭蓋骨骨折」というのですから、正に重傷を負ったことが分かります。

しかし、今ひとつ理解できないのが車の破損状況です。

Up

この写真以外のビデオ画像などもチェックしたのですが、ホイルベースが縮むほどの変形はしていません。

この種の車では、三列目の座席の安全マージンは追突に対しては少ないと思われますから、お二人で三列目に乗車していて亡くなったのであれば、理解できるのですが、ドライバーである父親が頭蓋骨骨折とはどういうことなのでしょうか?

ウインドシールドにぶつかったというのが一番理解しやすい状況ですが、シートベルトとエアバックがあれば、滅多にウインドシールドに頭をぶつけることはないでしょう。

事故車の中で振り回されて、大けがや死亡するといった事故はあるものではありますが、それにしても車体の壊れ方にくらべて人の死傷の程度が重大すぎると感じました。

9月 22, 2009 at 10:33 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.21

驚愕の動画

マイミク氏のご紹介で知ったビデオです。
大変に衝撃的ではあるのですが、この動画を投稿した方は怪我が無かったから編集して投稿出来たのでしょう。

大変に危険な道路、ということでしょうね。

9月 21, 2009 at 02:31 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.09.20

またもやネオプランバスが出火炎上

サンケイ新聞より「東名走行中のバスから出火 乗客ら59人けがなし、静岡

20日午前3時5分ごろ、静岡県牧之原市東萩間の東名高速道路上り線で、走行中の高速夜行バスのエンジン付近から出火、車体後部が焼けた。バスは大阪・梅田発東京ディズニーランド(TDL)行きで、乗客57人と乗員2人は避難して無事だった。

静岡県警高速隊などによると、現場は登坂車線を含め3車線の緩やかなカーブ。バスが失速し始めたのに気付いた運転手(53)が、バックミラーで後部から炎と煙が出ているのを確認し、登坂車線に停車、乗客を避難させた。高速隊が原因を調べている。

運行するローレル観光バス(大阪市浪速区)によると、バスは2階建てで、定員70人のドイツ・ネオプラン社製。同社製の2階建てバスをめぐっては、昨年5月、大津市の名神高速道路を走行中に出火し全焼したほか、今年3月にも、静岡県牧之原市の東名高速道路でバスが炎上。いずれもエンジン付近から出火し、原因は不明のままとなっている。

ローレル観光の車体は2003年2月に登録。3カ月おきに目視で点検しており、6月の点検時には異常は確認されなかったという。

乗務員の男性(59)によると、出火当時、車内には煙のにおいが立ち込めたが、寝ていた客が多く「バスが燃えている」「爆発します」と知らせて避難させた。乗客は牧之原サービスエリアから別のバスに乗り換えた。

バスは19日午後10時50分に大阪・梅田を出発。20日午前7時半にTDLに到着予定だった。

 

写真で見ると、全損の様子ですが、以前も指摘した通り「なんで消火装置を付けないのか?」ですね。
消火器自体はバスだから持っているわけで、それが有効でないのだから、消火装置と出火警報装置を付けるべきでしょうね。

これは、国交省の仕事だと思う。

9月 20, 2009 at 03:25 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.19

岐阜の山岳救難ヘリ墜落事故に新展開

東京新聞より「県警、出動に再三反対 岐阜防災ヘリ墜落

岐阜県の防災ヘリ「若鮎(あゆ)2」が同県高山市の北アルプス奥穂高岳で遭難救助中に墜落し3人が死亡した事故で、県防災航空隊が県警航空隊の反対を押し切って出動していたことが18日、県と県警への取材で分かった。

県警は業務上過失致死容疑で、19日に県庁と県防災航空センター(同県各務原市)を家宅捜索し、センターの出動判断や機体整備に過失が無かったか慎重に確認を進める。

事故当日は、119番通報で高山消防本部から連絡を受けた県防災航空センターが、隣接する県警航空隊に「北アルプスで心肺停止状態になった登山者の救助要請が入ったので、県警のパイロット1人にも搭乗してほしい」と要請。

県警側は、標高約3000メートルの急峻(きゅうしゅん)な岩峰が現場のため、山岳遭難救助で実績のある県警側が出動するとセンターに伝えたという。

県警側は、北アでの救助経験が豊富な県警航空隊長が会議で愛知県に出張中で、隊長は出動準備を指示するとともにセンターには出動を待つように伝えたというが、県側は「待てない」として単独で出動したという。

高山消防本部によると、同センターに出動依頼をしたのは、11日午後1時34分。センターはその20分後に「若鮎が飛ぶ」と同本部に連絡しており、同2時9分に離陸した。

県警側は離陸後も救助を中止するよう、センターを統括する県防災課などに再三、要請したという。

県によると、山岳遭難での出動は、どちらが担当するかの取り決めやマニュアルはない。

出動判断は現場の運用に任されており、県警はこうした管理体制に問題がなかったか、慎重に調べるとみられる。

県は事故を受けて、事故検証委員会を設置。出動した経緯などを調べているが、これまでに「県警と協議し、その上で出動を決定した」とだけ説明していた。

県防災ヘリは、事故現場のような険しい3000メートル級の北アで、ホバリング(空中静止)しながらのつり上げ訓練や、実際の救助は行ったことがなかった。

岐阜県防災ヘリコプター墜落死亡事故で、国土交通省運輸安全委員会は18日、ヘリを運航していた県防災航空隊がある県防災航空センター(同県各務原市)を調査した。

同委員会の航空事故調査官3人は、ヘリから地上に降下して遭難者を救助中だった隊員の土田裕次さん(36)やセンター長ら職員7、8人から話を聞いたという。

高度3000メートルでのホバリングができるようになったとは言っても、大変に難しいことだろうとは誰にでも分かります。

実際に経験がなかったと報道されていて、無茶だろうとは思っていましたし、アルプス周辺には山岳救難の経験があるヘリコプター運用機関はたくさんあるわけで、なぜ経験がない機関が出動したのかが疑問でした。

今回の報道は県警側の発表ですからまだ隠れている事情があるのかもしれませんが、伝わった範囲ではずいぶんとひどい話だと思います。

9月 19, 2009 at 11:10 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.15

消火器爆発

朝日新聞より「駐車場の消火器が破裂、小学男児が重体 大阪の住宅街

15日午後4時55分ごろ、大阪市東成区中本4丁目の駐車場「NKモータープール」の近くに住む男性から、「消火器が破裂した」と119番通報があった。

東成署によると、この事故で小学生男児1人が頭にけがを負い、意識不明の重体。

消火器は20年前に製造されたもので、同署は破裂した原因や、管理上の問題がなかったか調べている。

同署によると、けがをしたのは、近くに住む自営業(48)の長男で、大阪市立小学校4年生(10)。

一方、破裂した消火器は、ヤマトプロテック(東京都)製で、総重量は10キロ前後という。

Up1

同署によると、消火器は駐車場の隅に置かれ、誰でも触れる状態だった。周辺で4年生と友人の2人が遊んでいた際、4年生が消火器の安全ピンなどを触っていたところ、破裂してぶつかったという。

消火器の底の部分がさびており、同署は何らかの原因で消火器内の圧力が高まり、もろくなっていた底が抜け、破裂したとみている。消火器は約10メートル離れた道路の反対側で見つかった。

Up2

同署によると、90年ごろからこの駐車場を管理していた男性は同署に、「管理人になった当時、不要になった消火器を別の場所から駐車場に持ってきて置いておいた。点検はしていなかった」などと説明。消火器の耐用年数は消防法で定められていないが、各メーカーは一般的に8年をめどに交換を呼びかけている。

現場は、JR森ノ宮駅の南東約900メートルの住宅街。

Up

この写真は、サンケイ新聞の記事のものですが、すごい様子になっています。

構造図にある通り、ハンドルを握ると、内部の炭酸ガス・カートリッジが解放されて、タンク内が加圧され、内部の薬剤がホースから噴出するのが、粉末形消火器です。

記事によると、この子供はどうやらハンドルを握ったのではないか、と思います。
その結果、炭酸ガス・カートリッジが解放されるところまでは普通ですが、圧力が高まったタンクがそのまま破裂してしまった、ということのようです。

そもそも、薬剤を噴出するだけの圧力があれば良いので、タンク自体はさほど高圧には耐える必要がないはずです。
確かに、記事のように容器が錆びていれば、タンクの強度が大幅に落ちている可能性はあります。

そこで、気づいたのですが、粉末式の消火器の薬剤(粉末)は燐酸二水素アンモニウムで、物質としては粉末あるいは結晶だそうで、吸湿性があるようです。
詰め替え時期が5~8年とされていますから、あまり吸湿性が問題にはならないのかもしれませんが、粉末が流動する条件を保つためには、空気とは遮断した方が良いに決まっているので、フィルムで蓋をしておく、といったことでもやっているのでしょうか?

この記事を書くために、ウィキペディアを参照したら

加圧式粉末消火器は広く普及している為、錆で破裂の危険があるものが散見され、実際死亡事故を含む大きな事故が発生している。

決して放置したり練習用などとせず、消防設備業者に回収を依頼する。

錆び易い環境下や点検の行き届かない恐れのある場合には蓄圧式とすべきであろう。

と注意が出ていました。

今回の事故を起こした、消火器は20年ぐらい放置してあったようで、容器の錆びはもちろん、薬剤の固化も十分にあり得るでしょう。

そう考えると、今回の爆発は「爆発するべくして爆発した」としか言いようがありません。
消化器の性質上、屋外に置く必要も十分にあるでしょうが、放置状態はダメでしょう。

9月 15, 2009 at 11:24 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.16

シンドラーエレベーター起訴

落合洋司弁護士のブログにあった記事です。

共同通信ニュースより「シンドラー側、16日起訴 東京・港区のエレベーター事故

東京都港区のマンションで2006年、都立高2年(16)がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、東京地検は15日、業務上過失致死罪で製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と、事故当時に保守点検を担当していた「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の幹部ら数人を16日に在宅起訴する方針を固めた。

地検は、シンドラー社側が事故前の点検で確認した不具合情報を開示しなかった点などを重視。重大な事故を招く恐れを予見できたのに、十分な安全対策を怠ったと判断した。

構造上の欠陥が見つからないまま事故から丸3年がたち、世界第2位の昇降機メーカー側の刑事責任も問われる異例の展開となった。

捜査関係者によると、現場のマンションは1998年4月に完成、シンドラー社が05年4月まで保守点検を担当した。

04年に停止階と、かごとの間に段差が生じるなどのトラブルがあり、ブレーキの異常だったことを把握したが、保守点検を引き継いだ業者に伝えなかった。

エス社は06年4月から保守点検を請け負ったが、事前に点検方法やエレベーターの構造などを十分に把握せず、ブレーキ異常を見落としたとされる。

落合弁護士は

今年3月の事件送致の際に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090330#1238373852

とコメントしましたが、特殊業過の否認事件にしては、かなり迅速に処分が決まったという印象を受けます。特にシンドラー社の刑事責任については、難しさを感じますが、東京地検は難しく考えず単純明快に割り切ってしまっているのかもしれません。

しかし、そういった単純明快な割り切りで起訴されたとしても、公判でも単純明快に割り切ってもらえるかどうかは何とも言えないでしょう。

最近の判例で、薬害エイズ事件における厚生労働省の課長の不作為に業務上過失が認定されたケースがありますが、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080305#1204674857

有罪認定の根拠として、

1 単なる予見可能性

だけでなく、

2 危険性の認識が関係者に共有されておらず、医師や患者がHIVに汚染されたものか見分けて感染を防ぐことも期待できなかったこと

3 国が明確な方針を示さず、取り扱いを製薬会社に委ねれば、安易な販売や使用が現実となる具体的な危険があったこと

が挙げられていて、不作為というものが、安易な過失競合論により、過度に広範囲に過失に取り込まれてしまうことを防止しようという姿勢も見て取れます。

同様の問題は、最近、JR西日本の社長が起訴された福知山脱線事故にもあって、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090709#1247099049

東と西で、過失犯の刑事責任をどう考えるかについて今後に大きく影響しそうな事件が、奇しくも同時期に起訴された、という見方もできそうです。

となかなか難しい問題があると指摘されています。

そもそも、この事故は電磁ブレーキのパッドが常時接触していたために、すり減ってしまってブレーキの電源がオフの時にもブレーキがメカニカル利かなくなっていて、重りに引っ張られたカゴが上昇して、高校生が挟まれて死亡した、というものです。

電磁ブレーキは、ブレーキ解放の時には通電が必要で、電源断でブレーキが掛かる仕組みです。

つまり、通電しているときにブレーキが充分に解放せず、接触していたからパッドが摩耗してしまった。

これには、設計上で安全性が十分ではない、という印象は強く受けます。

ブレーキが充分に解放されていないことは、スイッチ一つで分かることで、いわゆる動作確認信号を取っていなかった、としか思えません。

しかし、定期的に点検していることを考えると、設計上の欠陥かどうかは争いが生じるでしょう。

メンテナンス会社がなぜこのような状況を見逃したのか?が問題になるわけですが、このメンテナンス会社はたしか数年で3社目なんですよね。

  • 現場のマンションは1998年4月に完成、シンドラー社が05年4月まで保守点検を担当
  • エス社は06年4月から保守点検を請け負った

この部分で分かる通り、05年度は別の会社がメンテナンスを請け負っています。
なぜこのような事になったのか。

問題の建物は、港区の管理の物件でメンテナンス会社を毎年度入札で決めていた。
だから04年、05年、06年でメンテナンス会社が3社出てくるわけです。
もちろん入札だからどんどんと安くなって行った。普通に考えると「安かろう悪かろう」の面はあるわけで、それは港区は分かっていて決定したはずです。

こう考えると、シンドラー社はメンテナンスに関する予見性については、下手するとメンテナンス会社自体を知らない可能性すらありますよ。

港区がメンテナンス会社を入札で決めたときに、メーカーであるシンドラー社に拒否権があったとは思えない、というよりも港区がシンドラー社に「メンテナンス会社をここにしました」と連絡したは思えない。

そうなると、シンドラー社から見ると「ユーザの港区が勝手に使って事故を引き起こした」としかならないのではないか?

自動車メーカは、車検点検などを通じて、勝手に整備することを許していないから、エンドユーザにまで整備についての責任を負っていますが、エレベーターについてそういうことが言えるのだろうか?

事故の予見性については、シンドラー社よりも港区が負うべき部分が多いと考えています。

7月 16, 2009 at 11:47 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.08

エレベーターメンテナンスの諸問題

朝日新聞より「エレベーター主要6社、独立系管理会社に不具合伝えず

国内エレベーターで8割以上のシェアを占める主要メーカー6社が、独立系の保守管理会社に不具合や事故情報を伝えていないことが7日、国土交通省の調べでわかった。

06年6月に男子高校生が死亡した事故の背景にも、メーカーと保守管理会社の連携不足があった。
事故から3年たってもこうした問題点が一向に改善されていない実態が浮き彫りになった。

この日、国交省の昇降機等事故対策委員会で、5月にメーカーや保守管理点検会社を対象に実施した調査結果が報告された。
また、メーカー6社(三菱電機、日立製作所、東芝エレベータ、日本オーチス・エレベータ、フジテック、シンドラーエレベータ)と独立系の保守管理会社5社から聞き取りをした。

国交省が6社に、設計や製造過程に原因がある場合、保守管理会社に不具合の内容や改善方法を通知するか尋ねた結果、6社とも「していない」と回答。
各社ともビルやマンションなど建物の所有者には通知していることを理由に挙げた。

不具合情報の一般公開でも、6社はいずれも非公開とし、「当社ブランドであることだけで利用者に不安を抱かせ、混乱を招く」(三菱電機)「重大な不具合は所有者に開示している」(日立製作所)などと理由を挙げた。

所有者から保守管理会社に不具合情報が伝わり、事故防止につながれば問題ない。
しかし、所有者にはエレベーターの専門知識がなく、保守管理会社が頻繁に交代して引き継がれない、ビルなどの所有者自体がはっきりしない、といったケースも多いという。

エレベーターの保守点検をめぐっては、割高なメーカー系列の保守管理会社を敬遠して独立系に切り替える動きが自治体やマンションなどで加速。独立系は、メーカーが企業秘密を盾に情報を出し渋っていると批判する。

一方、メーカー側は安値で参入する独立系の技術力を疑問視しており、別々の業界団体が設立されるなど対立が続く。

06年の東京都港区の事故では、エレベーターはシンドラー社が設置した。保守管理は05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。
現場の住宅では不具合が40件以上頻発し、事故機は04年に急停止するトラブルもあった。
シンドラー社は所有者の港区住宅公社に「ブレーキの不具合が原因」と報告していたが、2社には引き継がれていなかった。

港区の事故で犠牲になった市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)の母正子さんはこの日の委員会を傍聴した。「メーカーと保守管理会社の利害対立で、利用者の安全が置き去りにされている。
息子の死から3年たつのに、なぜこんなに安全対策は進まないのか」と話した。(歌野清一郎)

この記事は国交省の意向を受けて、メーカーがメンテナンス業者に情報開示をしないのが悪いのような内容になっているが、そこだけに問題があるとは言いきれないと思う。

港区の事故では、建物の管理者が港区でメンテナンス会社を競争入札で選定した結果、短期間にすごく低価格でメンテナンスされるようになりました。

普通に考えて、あまりに安い場合は品質が劣化するのが商取引の常識です。

こんな事実を考えると「メーカがメンテナンス業者に情報公開しないのが問題」とだけは言えないと感じます。

この記事中にも

06年の東京都港区の事故では、エレベーターはシンドラー社が設置した。
保守管理は05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。
現場の住宅では不具合が40件以上頻発し、事故機は04年に急停止するトラブルもあった。
シンドラー社は所有者の港区住宅公社に「ブレーキの不具合が原因」と報告していたが、2社には引き継がれていなかった。

とありますが、この「05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。」が入札によって業者が変わったことを示しています。

こんなことについて「メーカーに責任がある」というのはいくら何でも無理と言うべきでしょう。

メーカー側の主張としては、メーカに責任を持たせるためには独立系のメンテナンス会社を認める無い、という方向に行くと思いますよ。
どうもこのまま行くと、もう一つ業界団体が出来て利権の巣窟になってしまうかもしれないな。

7月 8, 2009 at 09:26 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.06.21

エールフランス機は空中分解?

CNN.co.jp より「エールフランス機、空中分解か 遺体の損傷状態から推測

パリ(CNN) ブラジル沖の大西洋上で6月1日に起きた、エールフランス航空のエアバス330─200型旅客機の墜落で、収容された遺体の損傷状態から機体が空中分解した可能性が高いことがわかった。

原因解明にあたるフランス航空事故調査局が18日、ブラジルの検死官から得た情報として明らかにした。

ブラジル側の検視官が収容された遺体を確認したところ、遺体は腕や脚、腰などが骨折しており、衣服がほとんど残っていなかった。
これまで、約50遺体が回収されている。

また、ブラジル紙報道によると、遺体の95%に見られた足や腕、腰の骨折は、非常に高い場所から落下した場合に生じる傷と似る一方で、頭蓋部分に外傷が余り見られなかった。
もしも機体がそのまま海水面に突っ込んでいれば、頭蓋部分の負傷が多いはずで、このことからも空中分解した可能性が高いという。

さらに、遺体の粘膜部分には窒息状況に陥った場合に見られる赤斑が見られたことからも、酸素濃度の低い上空で遺体が機外に投げ出されたことが伺えるとしている。

以上の結果から航空専門家は、約3万5000フィード(約1万670メートル)の上空で機体が分解したとの見方を強めている。

同機には、乗員・乗客228人が搭乗していた。

う~ん・・・・・
今のところ、速度計が故障して、自動操縦が解除され、速度不適正になった。
と伝っていますが、速度不適正とは基本的には失速したと言うことでしょう。

飛行機が速度過剰で空中分解するのは、急降下した場合で失速の場合には無理な荷重がかかった場合に空中分解します。

どちらにしても、今どきの旅客機が空中分解にいたるというのが驚きです。

6月 21, 2009 at 10:04 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.03

ちょっとナゾの事件

ヘンな事件が重なりましたね。

読売新聞より「エールフランス機の墜落確認…ブラジル国防相が発表

【サンペドロスーラ(ホンジュラス北西部)=小寺以作】
リオデジャネイロ発パリ行きのエールフランス航空447便(エアバスA330型機、乗客乗員228人)が大西洋で消息を絶った事故で、ブラジルのジョビン国防相は2日、記者会見を行い、「軍用機が、大西洋上で幅5キロにわたって飛行機の残骸(ざんがい)を発見し、447便のものと確認した」と発表した。遺体は見つかっていないという。

(2009年6月3日09時19分 読売新聞)

朝日新聞より「宿泊客22人手当て1人死亡 一酸化炭素中毒か 山口

2日午後5時50分ごろ、山口県美祢(みね)市秋芳(しゅうほう)町秋吉の山口秋芳プラザホテルから「人が倒れている」と119番通報があった。

県や美祢市によると、大阪から修学旅行に来た小学校の教員や児童、消防隊員ら22人が気分が悪いと訴え、病院で手当てを受けた。

うち修学旅行に同行していた男性カメラマン1人が死亡した。
県警は一酸化炭素(CO)中毒の可能性が高いとみて、業務上過失致死傷の疑いで調べている。

県や市などによると、同ホテルは3階建てで、修学旅行中の大阪府高槻市の松原小学校6年の児童72人と引率の樋口哲夫校長ら教員5人を含む計約80人が宿泊していた。

手当てを受けたのは大人16人と児童6人。大人は3階の部屋にいた教員や救助中に倒れた消防隊員ら。

死亡したのは奈良市内の印刷会社所属のカメラマン川副浩明さん(26)=京都府木津川市=で、卒業アルバム用の写真撮影のため同行していた。
ほかの21人は命に別条はないという。

大阪府教委などによると、高槻市教委の依頼を受けて同行していた同市内の民間病院の女性看護師が午後5時半ごろ、3階の部屋に入った途端に倒れ、助けに駆け付けた教員らも次々と倒れたとの情報があるという。
川副さんは近くの別の部屋で倒れていたらしい。

一行は午後6時からホテル1階で夕食の予定だった。児童らは事故を受け、隣のホテルに避難した。

人が倒れた3階の部屋で県警と消防が一酸化炭素の濃度を測定したところ、午後8時45分現在で300ppmを測定した。頭痛がする程度の数値という。

COは血液中で酸素を運ぶヘモグロビンと結びつきやすい。吸い込むと全身に酸素が行き渡らなくなり、様々な症状が出る。COと結びついたヘモグロビンの血中濃度が10%を超えると頭痛などが起こるとされ、多量に吸うと死に至ることもある。

山口市の山口赤十字病院には消防隊員らが搬送された。検査の結果、この消防隊員はCOと結びついたヘモグロビンの血中濃度が高く、一酸化炭素中毒の可能性が高いという。

修学旅行を手配した大阪市の旅行会社によると、旅行は6月2~3日の1泊2日の旅程で、2日朝に新幹線で新大阪駅を出発。広島市で平和記念公園を見学し、バスで移動して同日夕、現場のホテルに到着した。3日はカルスト台地の秋吉台を観光し、午後2時ごろ、新山口駅から大阪に帰る予定だった。

現場のホテルは中国自動車道美祢インターから約10キロ北。近くの宿泊施設によると、5月~6月中旬は全国から、特に関西方面から小中学生が修学旅行に多く集まる時期で、秋吉台や鍾乳洞の秋芳洞などを回るのが定番のコースだという。

エールフランス機の墜落事故は、離着陸時以外で大型旅客機が今どき墜落するのものか?と驚くばかりです。

ワイドボディー旅客機の始まりである、ボーイング747は機体そのものの問題で墜落したことはないと記憶していますが、ダグラスDC10(MD)などでは貨物室のドアが脱落して墜落した、といった事故がありました。

それらの事故が解明されたので、現在の旅客機は非常に安全なものになったと理解していたのですが、大西洋上で突如として墜落というのは驚きです。

一酸化炭素中道毒事故は、たまたま小学校の修学旅行生の泊まっているホテルで起きたというのが大ニュースになった理由ですが、ガス漏れがあったと思われのは3階の部屋で修学旅行に同行したカメラマンが死亡して、同じ階で看護師が倒れたようです。

この事から、建物の配管からのガス漏れが考えられるですが、今どき一酸化炭素が多いガスを使っていたのでしょうか?ちょっと不思議です。

6月 3, 2009 at 09:57 午前 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2009.04.15

麹町でクレーン転倒・その2

朝日新聞より「クレーン横転、作業員「つり上げでバランス崩した」

東京都千代田区のマンション建設現場で14日、作業中の大型クレーンが横転し通行人ら6人が重軽傷を負った事故で、クレーンを操作していた作業員の男性(38)が警視庁の事情聴取に、「(ケーシングと呼ばれる枠を)つり上げようとしてバランスを崩した」などと説明していることが分かった。同庁幹部が明らかにした。

捜査1課は、業務上過失傷害の疑いで工事関係者から事情を聴くなどして原因を捜査。クレーンを操作していた場所が適正だったかについても調べている。

この建設工事は、東亜建設工業(千代田区)が施工。クレーンを所有する大洋基礎(中央区)や光北産業(埼玉県新座市)などが実際の作業に携わり、14日は、大洋基礎の現場責任者1人とクレーン操作の作業員ら光北産業の社員4人らが基礎工事のくい打ちを進めていたという。

ケーシングは、掘削した穴に地表の土が入らないようにするための円筒形の鉄製の枠で、直径約2.5メートル、長さ約7メートル、重さ10トン前後。事故直前にはワイヤ2本でつって穴から引き上げていたという。

東亜建設によると、ワイヤ2本なら最大13トンのつり上げが可能だが、アームを下げて遠くの物をつり上げる時は最大荷重は小さくなる。同課は、クレーンとケーシングの距離が本来より離れていた疑いもあるとみて調べている

大洋基礎によると、このクレーンは00年3月に購入し、直近の今年1月13日の点検で問題はなかったという。

この事故では、倒れた工事用フェンスの下敷きになった歩行者の女性(62)=東京都武蔵野市=が頭の骨を折って意識不明の重体、男性(33)も頭を打撲した。クレーンのアームは、走行中の物流業者のトラックを直撃し、運転手(29)ら男性3人が運転席に一時閉じ込められ、足の骨が折れるなどのけが。クレーン操作の作業員も運転席から投げ出され、背中を打撲した。

読売新聞より「最大荷重近く、支えきれずクレーン横転か

東京都千代田区麹町のビル建設工事現場で14日、大型クレーンが横転し、歩行者ら6人が負傷した事故で、事故当時、クレーンは最大荷重に近い重さの鉄管をつり上げる作業をしていたことがわかった。

この現場では、同じ鉄管をこれまでにも2回、問題なく引き上げていたが、つり上げることができる鉄管の重さはアームの角度によって大幅に減少することから、警視庁ではクレーンが適切に操作されていたかを詳しく調べるとともに、業務上過失傷害容疑で工事関係者から事情を聞いている。

クレーンを操縦していた男性オペレーター(38)は警視庁の調べに、「クレーンで鉄管をつり上げようとしたら、バランスを崩して倒れた」と説明。現場の作業員も「鉄管を引き出している途中、クレーンが突然ふわふわした状態になり、横倒しになった」と話しているという。

工事の元請けの「東亜建設工業」(千代田区)によると、事故は地上19階、地下2階建て複合ビルの基礎工事中に発生。下請けの「大洋基礎」(中央区)の作業員らが作業にあたり、クレーンは杭(くい)を打ち込む縦穴に挿入されていたケーシングと呼ばれる11トンの鉄管(長さ約7メートル、直径約2・5メートル)を、地中から地上約3メートルまで引き上げたところで横転した。この現場で鉄管を引き上げる作業は3回目で、これまでの作業で問題はなかったという。

クレーン製造元の日立住友重機械建機クレーン(台東区)によると、倒れたクレーンはもともと基礎工事で地面に縦穴を掘る掘削機。穴の内部に鉄管や鉄筋などを搬入するために備え付けられている補助的なクレーンは最大で13トンの荷物をつり上げられるが、アームの角度によって最大荷重は減少する。

アームが水平に近い角度になって重機と鉄管が離れるほど、重いものをつり上げられなくなるといい、東亜建設工業の説明によると、13トンをつり上げられる重機と鉄管の適正距離は6・7メートル~9・4メートルの間。10・9メートルでは9・2トン、13・1メートルでは5・5トンしかつり上げられなくなるという。

同社によると、現場はビルの解体後、埋め戻した土地で地盤が弱く、鉄板を敷いて作業をしていたという。

この事故では、横転のはずみで倒れた、工事現場を取り囲む鉄製の囲いの下敷きになった武蔵野市の女性(62)が頭の骨を折るなどして意識不明の重体となったほか、アームの下敷きになったトラックに乗車していた男性(39)ら3人が足の骨を折るなどの重傷。クレーンの男性オペレーターと歩行者の男性(33)が背中を打つなどの軽傷を負った。

クレーンが横転した国道20号は一時、上下計6車線のうち5車線で通行止めとなった。東京国道事務所によると、クレーンを解体して撤去するのに手間取り、発生から10時間40分後の午後9時50分に全面復旧した。
(2009年4月15日03時04分 読売新聞)

どうにも両方の記事とも、タイトルと記事の内容を端的にあらわしていると感じられないですね。

読売新聞の記事にある

クレーンを操縦していた男性オペレーター(38)は警視庁の調べに、「クレーンで鉄管をつり上げようとしたら、バランスを崩して倒れた」と説明。現場の作業員も「鉄管を引き出している途中、クレーンが突然ふわふわした状態になり、横倒しになった」と話しているという。

が真実だとすると、カウンターウエイト不足だったのかもしれない、と感じます。
写真を良く見ると、問題の基礎工事は敷地の境界線に沿って行っていたようで、地面に空けた穴が境界線ギリギリところに空いています。
ところが、鉄板の敷板が敷地の中央だけにあるようで、ひょっとすると転倒したクレーンを敷地の真ん中に置いて、アームを伸ばして工事を進めていたのではないか?とも想像できます。

テレビニュースでは、目撃者は「強い風が吹いていると思ったらゆっくりと倒れてきた」といったような表現をしていましたから、

  1. アームの伸ばしすぎで、カウンターウエイト不足の状況であった
  2. 後部が持ち上がって不安定になってしまったが、前方に転倒するほどではなかった
  3. 横方向から強風が吹いて横倒しになった。

といったところではないかと想像します。

4月 15, 2009 at 08:47 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2009.04.14

麹町でクレーン転倒

読売新聞より「クレーン転倒、歩行者1人が重体…東京・千代田区

14日午前11時10分頃、東京都千代田区麹町4のマンション建設工事現場で移動式の大型クレーンが横転。工事現場に面した国道20号で信号待ちしていたトラックがクレーンのアームの下敷きになった。

東京消防庁と警視庁麹町署によると、この事故で、歩行者2人が巻き込まれ、うち1人が重体となっている。

アームは新宿方面に向かう下り線の3車線をふさぐようにして倒れており、警視庁などによると、下敷きになった2トントラック内に男性運転手(29)など3人、クレーン内にオペレーターの男性(38)の計4人が一時、閉じこめられた。午後0時10分現在、4人はいずれも救出されたが容体は不明。また、事故に巻き込まれた歩行者のうち、40歳代の女性が病院に搬送されたが意識不明の重体、男性(33)が軽傷の模様。

現場の国道20号はJR四ツ谷駅から皇居に向かう主要道路(新宿通り)で、周囲には上智大学などの学校や各国大使館のほか、オフィスビルやマンションなどが立ち並ぶ人通りの多い地域。

現場では、クレーン車が工事の囲いをなぎ倒し、歩道と通りの片側3車線をまたぐ形で倒れていた。中央分離帯に近い追い越し車線では、トラックが下敷きになり、運転席が押しつぶされた状態になっていた。

歩道には通行人らしい男性が頭を押さえてぼうぜんとした様子で立っていた。

現場向かいの会社内で勤務中だった会社員男性(47)は、「交通事故のようなガシャンという音がして外に出たら、工事現場のクレーンがトラックの運転席付近に倒れているのが見えた。トラックの運転席にいた男性は、足を挟まれているようで運転席から出られないようだったが、上半身は動いていた」と驚いた様子で話した。 (2009年4月14日12時58分 読売新聞)

このあたりは、法律事務所がたくさんあるところで、わたしの知っている弁護さんの事務所が複数ありますし、大勢の知人がいる地区でもあるので、誰かが何らかの被害に遭っていないかとちょっと心配しました。

報道には現時点では出ていませんが、新宿通のこの地区(麹町)の古いビルは再開発中です。
新宿に向かって左側のビル群が建て替えになります。

今回事故を起こした工事現場も正に立て替えのための取り壊しをしていたビルで、何年もウロウロしている地域ですから、写真を見ただけで分かってしまいました。
昨日は、幼稚園の送迎バスが民家に突っ込むという事故が大田区矢口でありましたが、ここは大学まで住んでいたところですから、裏道も含めてよく知っているところでした。

立て続けに知っているところで事故というのは、イヤなものですね。

4月 14, 2009 at 01:33 午後 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2009.03.26

京都駅ビル大停電の正体

京都新聞より「業者「排煙機誤作動」京都駅ビル大停電 伊勢丹 ボタン 納入用通路に

京都市下京区のJR京都駅ビルで25日に起きた全館停電で、市消防局は26日、ジェイアール京都伊勢丹から、商品の納入業者が誤って排煙機のボタンに触れた可能性があると説明を受けていることを明らかにした。

排煙機の誤作動が停電につながった可能性が高く、市消防局は同日、京都駅ビル開発による調査に立ち会い、詳しく調べる。

京都駅ビル開発によると、誤作動した排煙機は、伊勢丹地下2階にある商品納入用の通路の壁に設置してある。
一般客は出入りしない場所で、停電約3分前の25日午後3時47分に、ボタンが押された記録が中央監視センターに残っているという。

市消防局によると、伊勢丹の防災担当者の社員が25日夜、聴き取りに対し、「出入りの納入業者の野菜を運ぶかごとか段ボールが誤ってボタンに当たった可能性がある」と話したという。

伊勢丹総務部は「現時点では特定できないのでボタンが押された経緯について引き続き調査する」という。

京都駅ビル開発の説明によると、排煙機の作動だけでは通常停電しないが、当時はビルの高圧受電設備工事中で電気回路の一部を遮断していたことも影響し、1時間の停電につながったという。

■おわび張り紙やフロントで謝罪 駅内のホテル

全館停電から一夜明けた京都市下京区のJR京都駅ビルでは、館内のホテルや百貨店などが通常通り営業し、平静を取り戻した。

ホテルグランヴィア京都では午前9時すぎ、停電時に一時停止したエレベーター前2カ所に説明板を設置し、停電原因やおわびの文言を掲載。
フロントではチェックアウトする宿泊客に係員が謝罪の言葉を掛けた。ジェイアール京都伊勢丹はいつも通り午前10時に開店し、直後から大勢の客が訪れていた。

この駅ビルではけっこうはでに迷って、ウロウロした覚えがあります(^_^;)

あんなデカイ建物が全館停電でエレベーターに人が閉じ込められた、というのが想像外でしたし、そもそもなぜ停電したのか?と思っていました。

  1. 高圧受電設備を一部止めていた
  2. 排煙機を誤作動させてしまった
  3. 全館停電になってしまった

といった順序で事態が進んだようです。

事故は2009年3月25日午後3時50分頃に発生しています。
停電は1時間後に回復していますから、交通の便、昼間であったこと、比較的短時間であったことなど、大きな問題に拡大しなかったのはラッキーと言うべきでしょう。

不思議なのは、これだけの大規模施設で非常発電装置が作動した様子が見えないのですが、読売新聞関西版にこんな記事が「京都駅ビル停電、非常用発電させず…関係者が失念

京都市下京区の京都駅ビルで停電が起き、ビル内のエレベーター7基に31人が閉じ込められるなどした事故で、停電が発生した際、関係者が非常用発電機を作動させなかったため、非常用エレベーターなどの防災設備に電気が供給されなかったことがわかった。

13基の非常用エレベーターが停止し、4基に10人が閉じ込められたほか、上層階にいた人の避難に利用できなかった。

ビルを管理する京都駅ビル開発は、「非常用発電機が作動していれば、よりスムーズな避難ができた」としている。

京都駅ビル開発によると、非常用発電機は通常、火災などの緊急時に自動的に作動し、非常用エレベーターや排煙装置などの防災設備に電力を供給する。

しかし、25日は、受電設備工事に伴い手動に設定されていた。

停電は、百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」地下2階の排煙機のボタンが押され、さらに工事で電気回路の一部が遮断されていた影響で、電気供給システムが緊急事態と認識して発生。

この時、ビル10階の非常用発電機の近くに工事関係者がいたが、停電に慌てたため、作動させることを失念したという。

京都駅ビル開発は、排煙機のボタンが誤って押されることのないような設備改善や、停電に特化した防災マニュアルの整備を検討するとしている。

こうして明らかになってみると、典型的な「事故」ですね。
しかし、受電設備の一部停止で、全館が停電になる可能性があるというのは、設計としては冗長度が低すぎるのではないでしょうかね?

3月 26, 2009 at 04:51 午後 事故と社会 | | コメント (11) | トラックバック (0)

2009.03.16

高速バス・エンジンから出火全焼

朝日新聞より「走行中の高速バスから出火 78人避難 静岡・東名高速

16日午前4時15分ごろ、静岡県牧之原市の東名高速上り線で、走行中のジェイアールバス関東(本社・東京都)の大阪発東京行きの高速バスから出火。バスは近くの牧之原サービスエリアに緊急停車したが、全焼した。
乗客77人と男性運転手(43)は避難してけがはなかった。

牧之原署によると、走行中に運転手がサイドミラーでバス後部から火が出ているのを見つけたという。エンジンルームから出火したと見られる。

バスは、ドイツのバス車体メーカー「ネオプラン」社製の2階建てバス。
08年5月には、西日本ジェイアールバスの同社製バスが大津市の名神高速道路上り線を走行中、エンジン付近から出火して全焼している。

バスは15日午後10時40分にJR大阪駅を出発、16日午前8時9分にJR東京駅に着く予定だった。
ジェイアールバス関東によると、乗客はJR静岡駅まで別のバスで移動後、新幹線に乗り換えたという。

写真で見ると、サービスエリアの駐車区画に正常に駐車した後に燃え上がったようですから、比較的安全ではあったようです。

トラックも含めて、大型自動車が燃え上がると、荷物の焼失など相応の被害が発生しますが、一方で大型車ディーゼルエンジンが多いので出荷しても比較的ゆっくりと燃え上がります。
出火の初期段階で、消火に成功すれば荷物の焼失などには至らないでしょうし、自動車も修理可能な損害で済むかもしれません。

消火装置をエンジン周りに付けておくのは保険として有効なのではないでしょうかねぇ?
この種の事故を見るたびに思います。

3月 16, 2009 at 12:04 午後 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2009.03.13

行政の基本は法治なのか放置なのか

神奈川新聞より「放課後キッズクラブの暴力指導員は研修未受講/横浜市

横浜市の「放課後キッズクラブ」事業で元男性指導員(55)が児童に暴力を振るっていた問題で、本来常勤指導員が受講するはずの事前研修をこの元指導員が受けていなかったことが十二日、明らかになった。

また、昨年あった暴力行為について、今年になって新たな暴力行為が発覚するまで運営主体の特定非営利活動法人(NPO法人)「ウッドクラフト」から市に対し報告はなかったことも判明。研修体制の整備の遅れなど、事業の問題点が浮き彫りになった。

十二日の市会予算特別委員会で、斉藤達也氏(自民党、緑区)の質問にこども青少年局が答えた。

こども青少年局によると、元指導員は今年一、二月の事前研修を受講するはずだった。
同局は「対象者が多かったため三月開所のクラブの指導員だけを受講させた」と説明。
元指導員は七、八月の研修に参加させる予定だったという。

クラブの常勤指導員に対しては、市と運営法人が計百二十七時間の事前研修を課す。研修は新設クラブ開所前の二カ月間で行われ、中途雇用の指導員は直近の研修に参加することになっている。

しかし、三月は開所施設が多く、「会場の広さが足りない」(こども青少年局担当者)などの理由から元指導員ら中途雇用の指導員は受けられなかった。
市は指導員の研修未受講期間を短縮するため、研修機会を増やしていくという。

昨年の時点で市への報告がなかったことについて、ウッドクラフトの野本実顧問は「子ども同士の事故報告書はあるが、指導員の暴力を報告する規定はないと思った」と説明。
一方、市は「当然報告されるべき内容」と主張し、意見は食い違っている。

こども青少年局は「情報開示・連絡の重要性をさらに周知する」としている。
しかし、子どもを含む関係者の聴取を基本とする「体罰に関する報告書」(市教委作成)に準じた「指導員による事故報告書」策定は考えていないという。

なんでこんな事が事件になってから、議論になるのでしょうかね?

それにしても、NPO関係者の発言

「子ども同士の事故報告書はあるが、
指導員の暴力を報告する規定はないと思った」

というのはどういう意味なのだろう?
しかも市の言い分に寄れば報告がなかった理由として「規定がないから」と主張していることになるが、これでは論外でしょう。

それにしても開設と研修の関係がキチンと運営できないとは、行政のやることとしては失格だと思います。

3月 13, 2009 at 09:51 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.22

パトカーが無人で発進したというが

サンケイ新聞無人パトカー民家に突っ込む 乗らずにエンジンかけたら急発進」、朝日新聞パトカー民家に衝突 ギア入れたままエンジン始動 秋田日テレニュース24無人のパトカーが急発進、民家に衝突 秋田」と報じられている事件です。

秋田市山王中島町の秋田中央署山王交番で、女性警察官が車に乗り込まないままパトカーのエンジンをかけたところ急発進し、パトカーは無人のまま県道を横断して民家に衝突していたことが22日、分かった。けが人はいなかった。

同署によると、事故は21日午後1時ごろ発生。無人のパトカーは片側3車線の県道の中央分離帯も乗り越え、県道反対側の民家の玄関を壊して止まった。パトカーはマニュアル車で、ギアを入れた状態で駐車していたのに気付かなかったという。

県警は「被害者にはおわびして全額弁償するとともに、女性警察官に厳しく注意するなどして、再発防止に努めたい」としている。

秋田市山王中島町にある秋田中央署山王交番で21日、無人のパトカーが急発進し、県道(山王大通り)を横断、向かいの民家に衝突していたことが、秋田中央署への取材でわかった。民家の玄関の一部が破損したが、けが人はいなかった。

同署によると、21日午後1時ごろ、交通事故が起きた現場に向かおうとした同交番勤務の署員が、パトカーに乗り込まずにドアを開けてエンジンをかけたところ、いきなり発進したという。凍結を防ぐためとしてサイドブレーキをかけておらず、ギアも入れた状態で駐車していたことが原因とみられる。パトカーはマニュアル車だった。

同署は当日、事故を発表していなかった。「軽微な事故なので広報事案にあたらないと判断した」としている。民家の破損部については全額弁償する方針という。

秋田市の交番で21日、パトカーが無人のまま急発進し、民家に衝突した。ケガ人はいなかった。

事故があったのは、秋田市山王中島町の秋田県警秋田中央署山王交番。秋田中央署によると、21日午後1時ごろ、交通事故の現場に出動しようとした警察官が、パトカーに乗り込まずにエンジンをかけたところ、急発進した。パトカーは無人のまま県道を横切り、中央分離帯を乗り越えて県道を挟んだ民家に衝突した。この事故で、民家の玄関のガラスが割れたが、ケガ人はいなかった。

パトカーはマニュアル車で、警察官はギアを入れたままの状態で駐車していたことに気付かなかったという。また、サイドブレーキはかけていなかった。

秋田中央署は「被害者には21日に謝罪した。被害は全額弁償することにしている。再発防止策を講じたい」と話している。

重大事故にならなかったようなので、そこはラッキーであったというべきなのでしょうが、単に乗り込まないままでエンジンを掛けたということなのか?と思うのです。

新聞の論調には「ギアを入れて、サイドブレーキを引かないまま駐車していたこと問題」のようにとれる記事がありますが、凍結対策のためにサイドブレーキを引かないことは珍しくなありません。

一方、運転者が乗り込まないでエンジンをスタートさせることはあることで、マニュアル車ではそのまま動き出す事がありますが、サイドブレーキを掛けていれば普通はその場でエンストします。

つまり、組合せとしてかなり具合が悪い状況だったとなりますが、そもそも運転者が乗り込まないでエンジンを掛けるとはどういう状況が多いのか?と考えると「キーを付けたままの場合」でしょう。

そうなると、パトカーと言っても軽自動車だろうと思うのですが、キーを付け放しで当然ドアをロックせずに駐車していた可能性が出てきます。
もしそういうことであったとすると、そっちの方が問題でしょう。

チョとした駐車でもエンジン切ることを強制するために、ドライバーとキーを繋いでしまってキーを抜かないと降りることが出来ない、という手法もあります。全体として何をやっているのか?は問題にするべきでしょう。

2月 22, 2009 at 06:29 午後 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2009.02.12

普通の交通事故ではないように思う

毎日新聞より「交通事故:老人ホーム送迎車衝突2人死亡 デイサービス帰宅中 2人けが 博多区

11日午後5時15分ごろ、福岡市博多区西月隈のマルキョウ精肉センターの施設の壁に、福岡県春日市桜ケ丘の老人ホーム「アンクラージュ大橋南」の送迎ワゴン車が衝突。
ワゴン車の運転手で同老人ホームの職員(43)が全身を強く打って死亡、同乗していた無職の女性(80)も腰の骨を折るなどして約6時間半後に出血性ショックで死亡した。
ほかに同乗していた70歳代の男女2人も軽傷を負った。

福岡県警博多署によると、送迎車は、ミニバス型の車でセンターに通じる道路を直進してきて、そのままセンター敷地内に進入、約15メートルほど走って壁に正面衝突したとみられる。現場にブレーキ痕はなかった。

車は前部が大破しガラスの破片が広範囲に散乱していた。精肉センターの男性従業員らは「バーンという大きな音がして外に出て見たら、運転席に男性がはさまれ意識が無かった」と驚いた様子だった。アンクラージュ大橋南によると、ワゴン車はデイサービスを利用したお年寄り3人を自宅に送る途中だった。【岸達也】

なんでこの記事を取り上げたのかと言うと、43歳のドライバーがノーブレーキで建物に当たって死亡 しているからですが、しかも「そのままセンター敷地内に進入、約15メートルほど走って壁に正面衝突」という異常さが気になりました。
地図で見るとこんなところです。

Up

航空写真で見ると、建物の上(北側)の敷地は駐車場であるようで、北側の道から「そのまま敷地に入る」のは無理だと思われますから,下側の道を直進で進入したのだと思います。

この地域は工業団地のようで、地図上でも南から進入したと思われる2本の道も街道といったものではありません。
そうなると、見かけブログにもありましたが「運転者が失神か?」とも考えられるのですが、そもそもそれ以前にこの道になぜ入ってきたのかがよく分からない。

何が起きたのが、気になります。

2月 12, 2009 at 09:53 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.12.29

心配なニュース

心配なニュースを集めました。

再処理工場トラブル続出

試運転は本来、08年2月に終わり、本格操業に入っているはずだった。
ほとんど全ての問題が個々に集約していると言って良いでしょう。

技術的なトラブルで再処理工場が稼働していないことは承知していましたが、

  1. ガラス溶融炉の底に希少金属がたまり、溶融ガラスの粘り気が強くなり、炉から容器に流下しなくなる。
  2. 金属棒で炉底をかき混ぜて押し流す回復運転を実施したが
  3. 2日後には金属棒が炉内で曲がる

これでは、どうしようもないですね。
多分、水冷が出来ないでしょうから「金属棒でかき混ぜる」というのはかなり難しい技術になると思うのですが、その点を見逃しているのだとすると、技術的には致命傷かもしれません。

イスラエル・ガザ地区に地上軍を投入?

AFPカメラマンや記者によると境界沿いの各所に戦車や装甲兵員輸送車十数台が配備された。
イスラエル政府は28日、予備役6500人を招集した。

十数台ということだと、侵攻ではなくて警戒と言うべきなのでしょうが、現実に地上軍が衝突したら、地域の征服となるでしょう。
現実にこんな事が起きたら、どうなるのか想像できません。

パキスタンで自爆攻撃

タリバン勢力の自爆テロとのことですが、パキスタンとインドの緊張が大規模テロの背景あるという記事の指摘はその通りでしょう。

簡単に言えば「不安定化がひどくなった」となります。パキスタン全体が内戦状態となる可能性も皆無とは言いがたいでしょう。

ベトナムの鳥インフルエンザ

小規模な鳥インフルエンザに対して、素早く対処できているようですが、

同国では、ことし報告されたH5N1型の感染例6件のうち、5人のベトナム人が死亡。そのすべてが3月までに同国北部で起きていた。
ですから、中国でも広がる可能性は高く、うまく対処できるか?心配です。

なにしろ、すでにベトナムでは5人が死亡しているのです。

トラブル続発、技術に「?」 青森・再処理工場

日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転完了時期が、相次ぐトラブルで越年する。

2008年元旦に起きた装置の油漏れから始まり、肝心のガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)の製造試験は、ガラス溶融炉の底に希少金属がたまる不具合でストップしたまま。

今度は溶融炉をかき混ぜる金属棒がL字形に曲がる想定外の問題も発生した。

その都度、試運転完了時期を繰り延べにしてきただけに、反対派住民だけでなく推進派の首長からも国産技術へ疑問の声が上がっている。(青森総局・桜田賢一)

「度重なる延期とトラブルは施設の健全性に不安と不信を引き起こしかねず、極めて残念だ。原燃にはあらん限りの努力をするよう申し上げた」。
12月9日、六ケ所村議会12月定例会。古川健治村長が議員からの一般質問に答えた。

再処理工場の立地村長による異例の苦言。
村幹部は、原燃がこの半月前に試運転完了時期を09年2月に延期したことをとらえ、「06年3月に試運転が始まってから延期はもう6回目。村長だってちくりと言いたくなる」と解説してみせた。

今年に入っての延期の原因は、ガラス溶融炉の底に希少金属がたまり、溶融ガラスの粘り気が強くなる不具合だ。ガラスで固めて専用容器に詰めれば、放射能レベルが高くても安定した状態で処分できるが、粘り気が強いと炉から容器に流下しなくなる。

原燃は金属棒で炉底をかき混ぜて押し流す回復運転を実施したが、村長答弁の2日後には金属棒が炉内で曲がるという想定外のトラブルが発覚し、炉内上面からは傷まで見つかった。

炉底に損傷がないかどうか、ビデオカメラによる調査を行うため、固化試験は09年1月末ごろまで中断する予定で、今や来年2月の試運転完了さえ絶望的だ。

フランスからほとんどの技術を導入した再処理工場で、ガラス固化は唯一の純国産技術だけに、想定外のトラブルを招いた事態は深刻。

これ以外にも使用済み核燃料のせん断装置からの油漏れや核物質の封印破損など、年初から立て続けに発生している。反対派は「技術が確立していない『欠陥工場』と証明されたようなもの」(社民党県議)と非難の度合いを強める。

試運転は本来、08年2月に終わり、本格操業に入っているはずだった。

原燃の児島伊佐美社長は08年を「エネルギー元年」と位置付けて意気込んできたにもかかわらず、空振りの1年になってしまった。

児島社長は「トラブルや不具合の1年という印象は残るだろうが、乗り越えれば将来に役立つ知見となる。スケジュールありきで進めるのではなく、当面の課題を着実に乗り越えたい」と話している。

◎再処理工場試運転完了越年へ 核燃料安定活用進まず

使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)は、国が推進する「核燃料サイクル政策」の根幹を成す施設だ。核燃料の原料となるウランが、形を変えながら国内で輪のように動くことから、その名が付いた。
中核施設の試運転完了とその後の本格操業が大幅にずれ込めば、資源に乏しい日本が核燃料を有効利用し、エネルギーの長期安定確保を図る政策がそれだけ遅れることになる。

<9割以上終える>

Up

核燃料サイクル政策の概念は図上の通り。
原発で使う核燃料は3、4年で核反応が鈍くなるが、石油のように燃えてなくなるわけではない。再処理工場で溶かし、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料などを取り出し、再利用することが計画されている。

ウランはほぼ外国産だが、国内で循環させることができれば「準国産エネルギー」(日本原燃)となり、エネルギーの安定的な供給につながる。

MOX燃料を取り出して原発に戻すまでを「プルサーマル計画」と呼び、2010年度までに16―18基の原発に導入されることになっている。

原燃はMOX燃料を取り出すことに成功し、再処理工場は試運転工程の9割以上を終えている。だが、取り出しに伴って発生する高レベル放射性廃棄物の処理のトラブルで、試運転を終えることができないでいる。

国内に55基ある原発が年間に出す使用済み核燃料は、900―1000トン。原燃の児島伊佐美社長は「工場が本格操業しなくても(原発に貯蔵スペースがあるから)まだ何年か大丈夫」と話すが、早期の操業が求められることは言うまでもない。

<遅れる国の選定>

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サイクルが未完成な一方で、再処理工場のある下北半島には図下のように関連施設の集積が進む。

高レベル放射性廃棄物の最終処分場こそ、三村申吾知事が4月に青森県内に設置しないという確約書を国から得ているものの、国による処分地選定は全く進んでいない。

六ケ所村議の1人は「他県では確約書のことが知られておらず、原子力施設の恩恵にあずかる青森県内に選定するべきだという声もいまだにある」と指摘する。
処分地も下北半島に選定されるのか―。県民から疑念は消えていない。

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イスラエル軍の戦車など、ガザ地区との境界沿いに集結

【12月28日 AFP】イスラエル軍は28日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界付近に戦車などを集結させている。イスラエルはイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)拠点への空爆に加え地上戦の実施を警告している。

AFPカメラマンや記者によると境界沿いの各所に戦車や装甲兵員輸送車十数台が配備された。

イスラエル政府は28日、予備役6500人を招集した。

イスラエル軍は27日、ガザ地区からのたび重なるロケット弾発射への報復措置としてハマスが実効支配するガザ地区への大規模な空爆を実施、エフド・バラク(Ehud Barak)国防相はこれに加え地上部隊を派遣する可能性もあると警告した。

ガザの医療関係者によると前日の空爆開始からこれまでにパレスチナ人280人以上が死亡、600人以上が負傷した。

(c)AFP

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パキスタン北西部で大規模な自爆攻撃、36人死亡

【12月29日 AFP】パキスタン北西部の学校で28日、自爆テロと見られる自動車爆弾の爆発があり、36人が死亡、15人が負傷した。

警察によると、爆発が起きたのはパキスタン北西部の北西辺境州(North West Frontier Province)ブネル(Buner)地区の学校で、事件当時は下院補欠選挙の投票が行われていた。犯人は自動車に積んだ爆弾を校舎の壁のそばで爆発させたとみられている。

負傷者のうち7人は重体で、北西辺境州の州都ペシャワル(Peshawar)の病院に搬送された。

AFPが取材した地元の警察官によると爆発は非常に強力で、校舎が「完全に破壊された」ほか、近隣の住宅などにも大きな被害が出たという。死亡者の中には近くの市場で、崩壊した屋根の下敷きになって亡くなった人もいるという。犠牲者には警察官2人も含まれていた。

警察は学校の外で自動車の破片多数を発見したが、現場付近には遺体の破片が散乱していたため、犯人が1人だったのか現時点で断定できないという。爆発物処理班が破片の中から証拠になるものを捜しているが、分析にはまだ時間がかかる見込み。

夜になっても生存者の捜索は続いている。目撃者によれば、住民も捜索に加わり、シャベルや素手で残骸を取り除いているという。この爆発でこの日の投票は取りやめられた。

■治安の改善見られぬパキスタン北西部

パキスタン軍はブネル地区に隣接するスワート(Swat)地区で同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)系の武装勢力の掃討作戦を1年以上にわたって続けている。

「パキスタンのスイス」と呼ばれるスワート渓谷(Swat Valley)は、同国唯一のスキー場でも知られ、かつては国内外から訪れた多数の観光客で賑わっていた。

しかし、タリバンと関係がある急進的な宗教指導者マウラナ・ファズルラ(Maulana Fazlullah)師がイスラム法の導入を目指す運動を始めて以来、この地域の治安は急激に悪化した。ファズルラ師は私設のFMラジオ局「ムラー・ラジオ(Mullah Radio)」で、激しい言葉遣いで自分の見解を広める説教をしていることでも知られている。

パキスタン軍は前年11月にファズルラ師の信奉者をこの地域から放逐するため大規模な作戦を開始した。陸軍は今年に入りスワート地区での反タリバン攻勢を一旦は強めたが、その後、作戦の規模を縮小していた。

さらに、パキスタン政府は、前月発生したインド・ムンバイ(Mumbai)での同時多発攻撃後に印パ関係が緊張したことを受け、一部の軍部隊をタリバンやアルカイダ(Al-Qaeda)系の武装勢力との戦闘が続く北西部からインドとの国境地帯に移動させている。

しかし、パキスタンの複数の新聞は28日、同国政府はインドとの緊張が高まるにまかせ、スワート渓谷や隣接する部族地域での過激派との戦いをおろそかにしていると批判的に報じた。

英字紙ドーン(Dawn)は「パキスタンには『荒野の西部』を荒廃するに任せて、相当数の軍部隊を東部のインド国境付近に配備する余裕はないはずだ。西部こそ、世界最高の諜報機関が、過激派の武装勢力が隠れてあちこちの目標を攻撃する計画を立てていると言い立てている地域なのではないか?」とする社説を掲載した。(c)AFP/Saad Khan

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ベトナム、ニワトリなどの鳥インフル感染を確認

[ハノイ 28日 ロイター] ベトナム北部の2カ所の養鶏場で、毒性が強い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスに感染したアヒルとニワトリが死んでいたことが分かった。国営Tuoi Tre紙が28日に伝えた。

同紙によると、ベトナム当局が26日、首都ハノイの北80キロに位置するタイグエン市の養鶏場で飼育されていた100羽以上のアヒルのうち、数羽が同ウイルスによって死んだことを確認した。

また、同市内にある別の養鶏場で死んだニワトリからもウイルスを検出。ウイルス拡大を防止するため約4200羽のニワトリを処分したという。

同国では、ことし報告されたH5N1型の感染例6件のうち、5人のベトナム人が死亡。そのすべてが3月までに同国北部で起きていた。

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12月 29, 2008 at 10:19 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.14

続・2006年度神奈川県立高校全生徒の情報流出

読売新聞より「生徒情報流出、第三者が故意に公開か

2006年度に県立高校に在籍した生徒延べ約2000人分の個人情報流出は、授業料口座振替用コンピューターシステムを開発した日本IBMの下請け業者が県教委との契約に違反して個人用パソコンに情報を保存していたために引き起こされた。
県教委とIBMは13日、下請け業者のパソコンから流出した情報を入手した第三者が、ファイル交換ソフト「シェア」を使って「意図的にネット上に公開した可能性がある」と指摘した。

発表によると、約2000人分のうち、約1400人分は、授業料の口座振替に使う名前や口座番号などの情報。約600人分は住所や氏名、電話番号など。

IBMの下請け業者の社員は、06年3月の契約期間を過ぎてもパソコンに約11万人の個人情報を保存。そのまま使い、08年6月に、ファイル交換ソフト「ウィニー」を介して情報を流出させるウイルスに感染させた。
社員は「作業後に個人情報を消去した」とIBMに報告していたが、今回の調査には「データが残っていることを失念していた」と話したという。

IBMでは、ウィニーを介して流出した個人情報を、第三者が再びネット上でダウンロードできる状態にさせているのではないかとみている。個人情報はシェアにより拡散するおそれがあるが、IBMは「犯罪性がないと警察は動いてくれない」として、流出した個人情報をすべて削除するのは難しいとしている。

県教委が12日に開設した相談窓口には、2日間で「どうして流出したのか」という保護者などから計93件の問い合わせがあった。

県教委では、個人情報が流出した恐れがある06年度に県立高校に在籍した約11万人には書面で謝罪し、流出が確認された2000人分の該当者には電話で連絡するという。
また、被害を防ぐため、県警と協議し口座変更を円滑にできるように金融機関に要請する。

神奈川新聞より「2000人分の流出確認/口座番号など県立高生徒の個人情報

二〇〇六年度に県立高校に在籍していた全生徒約十一万人の個人情報が流出した恐れのある問題で、県教育委員会は十三日、約二千人の口座番号などのデータがインターネット上に流出していた、と発表した。
県教委は流出した恐れのあるすべての生徒や保護者に文書で謝罪し、口座番号の変更を求めていく。

県教委によると十二日午後、授業料の徴収システム開発を委託した日本IBMが、生徒の氏名や住所、口座番号、電話番号を含む個人情報がファイル共有ソフト「シェア」を介して閲覧可能な状態になっているのを確認した。
流出情報が悪用された形跡はないという。

インターネット上では、既に数十人分のデータが大半を消した状態で流出しているのが確認されている。
シェア上のデータも同一人物が流出させた可能性が高いとIBMはみている。

笠原達夫教育局長は「適切に管理する責任があったのに大変申し訳ない。流出が確認された約二千人に対してはできるだけ早く事実を伝え、対応をお願いしたい」と述べた。
IBMは「現状では他の流出はないと思う」と話している。

今回、流出したデータは、システム開発に携わった日本IBMの下請け業者の男性社員のパソコンに保存していたものと同一だった。ファイル共有ソフト「ウィニー」を介してウイルスに感染していた。

2006年度神奈川県立高校全生徒の情報流出の続報であるが、なんだか意味不明ですね。

  • 県教委とIBMは13日、下請け業者のパソコンから流出した情報を入手した第三者が、ファイル交換ソフト「シェア」を使って「意図的にネット上に公開した可能性がある」と指摘した。
  • IBMでは、ウィニーを介して流出した個人情報を、第三者が再びネット上でダウンロードできる状態にさせているのではないかとみている。
  • 被害を防ぐため、県警と協議し口座変更を円滑にできるように金融機関に要請する。
  • 流出情報が悪用された形跡はないという。
  • IBMは「現状では他の流出はないと思う」と話している。

教育委員会も、IBMも情報セキュリティという観点では珍しいほど完璧に失格だと思うのだが・・・・。

リスク評価を公表して比べるとかしないと、何をやったのか理解できないのだろう。

11月 14, 2008 at 12:38 午後 セキュリティと法学, 事故と社会, 個人情報保護法, 教育問題各種 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.11.12

2006年度神奈川県立高校全生徒の情報流出

神奈川新聞より「最大11万人の県立高生徒の個人情報流出か/PC感染で住所、氏名、口座番号も

二〇〇六年度に県立高校に在籍していた生徒の個人情報がインターネット上に流出した可能性が高いことが十一日、分かった。コンピューターシステムの開発に携わった業者のパソコンから最大で全生徒約十一万人分のデータが流出したとみられ、県教育委員会は確認を急いでいるが、いまのところ個人情報が悪用された形跡はないという。

県教委によると、流出した可能性のあるデータは生徒の住所、氏名、授業料の振替口座番号、電話番号など。二〇〇五年度に県教委が授業料の徴収システムを開発する際、開発を担当した日本IBMの下請け業者の男性社員のパソコンにあったデータと同じ二十~三十人分の個人情報の画像がインターネット上に大半をぼかした状態で掲載されていた。

データは契約終了後に消去しなければならなかったが、男性社員は私物で使っていたコンピューター内にデータを残したままにしていた。ことし六月になってファイル共有ソフト「ウィニー」を介してウイルスに感染していたことが確認されている。

九月に県庁へ匿名の情報があったことを受け、県教委が委託先の日本IBMに調査を指示した。日本IBMの調査によると、今のところそれ以外の生徒の情報流出は確認できていないという。

県教委は発表が遅れたことについて「発表することで検索回数が増えて、仮に流出していた場合にデータが表面化し、二次被害の恐れがあったため」と説明している。ただ、「第三者がデータを持っている可能性が高い」と警戒している。

日本IBMは今後もデータが流出していないか二十四時間態勢で監視を継続。もし流出が確認された場合、県教委は口座番号を変更するなどの対応を生徒に要望するとしている。

日本IBMは「業務委託先で判明した不適切な情報管理について深くおわびする。今後、業務委託先での情報管理の徹底を一層強化し、再発防止に努める」とのコメントを出した。

FNNニュースより「2006年に神奈川の県立高校に通っていた全生徒の個人情報がネット上に流出のおそれ

神奈川県の県立高校に2006年に通っていたすべての生徒の個人情報が、インターネット上に流出しているおそれがあることがわかった。

神奈川県教育委員会によると、情報流出のおそれがあるのは、2006年に神奈川県の県立高校に通っていたすべての生徒およそ11万人分で、名前や住所、それに授業料納付などに使用していた口座番号などが含まれるという。

県では、授業料徴収のシステムを日本IBMに委託していて、システムを作成した下請け会社の社員のパソコンが、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介してウイルスに感染し、2008年9月には、流出した情報の一部がウェブサイトの掲示板に掲載されていたという。

それ以降、個人情報の流出は確認できていないということだが、県やIBMでは引き続き情報流出がないか監視を続けている。

開発で生データを使うのは禁じ手であります。

なんで、県 → IBM → 下請け → 担当者 と生データが渡ってしまったのかの方が重大問題でしょう。

県も、IBMも事件を矮小化しようとしているように見えますね。
情報管理の徹底をいっそう強化し、って生データを直接開発の末端まで回した時点で、落第であって強化以前の問題、早い話が「今後はこの種の開発業務を引きうけません」と言うぐらいしか対策がないと思うのだが。

11月 12, 2008 at 09:10 午前 セキュリティと法学, 事故と社会, 個人情報保護法, 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.27

試乗車での事故でディーラー社員を送検

サンケイ新聞より「異例! ベンツ試乗事故で助手席の販売ディーラーを書類送検

試乗させる際に適切な指導を怠った結果、暴走したベンツで男性をはね、重体にさせたとして、警視庁東京湾岸署は26日、助手席に乗っていた販売店の男性(38)を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。

運転していた男性会社員(23)は自動車運転過失傷害の罪で起訴されているが、助手席のディーラーの責任が問われるのは極めて異例だ。

書類送検されたのは、東京都品川区のメルセデスベンツの正規販売店の男性。

調べによると、男性は6月15日、男性会社員にベンツを試乗させた際、「アクセルを踏むとすぐにスピードが出るので気をつけてください」などの適切な助言をしなかった疑い。

男性会社員は同日午後1時40分ごろ、品川区八潮の路上で制限速度50キロの道路を約150キロで暴走し、前方の車を追い越した後、横断しようと自転車で歩道から出てきた練馬区光が丘の男子大学生(20)をはねたとして起訴された。大学生は重体となった。

ベンツは排気量が大きく、スピードが出やすい車種だった。同署は試乗の際に適切な走行方法を指導すべきだったとして、販売店の関係者から事情を聴いていた。

この記事には続きがあります。「安全軽視「販売至上主義」に警鐘 ベンツ試乗事故

試乗中の車が起こした事故で警察がディーラーの責任を問うた今回の事故は、「売るためなら」と公道で150キロものスピードを容認したディーラー側の「販売至上主義」に警鐘を鳴らしたといえる。

東京都文京区のある自動車販売店は「免許の有無は確認するが、基本的には希望者には試乗してもらう方針」と話す。初心者や高齢ドライバーの場合は個別に判断するが、「試乗場所は販売店の周囲の決められたコースで、発進時のハンドル操作性など、運転しやすさを見てもらうのが目的」(同)のため、実際に断ることはまれだ。

今回のケースでは、試乗車が排気量6000cc以上という車種だったことが災いした。「こうした車では新車を買いたいという目的以上に、排気量の大きいエンジンを体感したいという欲求が試乗の目的になりかねない」(捜査幹部)。アクセルを踏めばすぐにスピードが出る。スピードを出すよう指示してはいないにせよ、ディーラー側は考えられる“暴走の危険”に対して、あまりに無自覚であったといえる。

日本自動車ジャーナリスト協会の日下部保雄会長は「車はお金があれば自由に買えるだけに、ドライバーには高い倫理観と自制心が必要だ。こうした事故を放置すると、車そのものが社会悪になりかねない。車の性能をきちんと知っているのは販売店なのだから、売ろうとして客に弱い立場にいるのではなく、強く指導してほしい」と話す。

最先端技術を取り入れた時価1000万円以上というベンツは、多くの自動車愛好家のあこがれであるはずだ。だからこそ、それを売る側には、「安全運転をする者にしか売らない」という高い倫理観が求められている。(道丸摩耶)

道丸記者(この方とはリアルでお会いしていますが)の、売る側には、「安全運転をする者にしか売らない」という高い倫理観が求められている。(道丸摩耶)という踏み込んだ書き方はなかなか良いと思います。

自動車の性能は非常にバラツキが大きくなって、わたしが車に乗り始めた40年ぐらい前に比較してみると、F1ではないのか?というほどの高性能車も市販されています。
その一方で、本当にげたであるかのように、何も考えないでも使える車もあります。

そのようなバラついた性能を体験できるのは自動車ジャーナリストぐらいしかいないわけで、多くの庶民にとっては自分が乗ったことがある車の範囲を超える性能には触れることがほとんどないのです。
その数少ない機会が「ディーラーでの試乗」です。

今回の事件ではディーラーの主張はおそらく、「(事故を起こした)ドライバーの技量や判断力を知る立場にない」だったのでしょうが、ドライバーの主張は「車の性能は体感したことがないから・・・」と客観的なレベルですれ違いがあったのだろうとも思います。

実際にほとんどの国産車のディーラーではいわゆる高性能車の試乗は簡単にはできません。
もちろん、実車が少ないということも大きいとは思いますが、結果として試乗するドライバーの手に余るような車を試乗させてはいない。
これを「わが社の試乗車は高性能車です。誰でも歓迎」といった売り出し方をしたのだとすると「売り手の倫理の問題」となってくるでしょう。

8月 27, 2008 at 10:16 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.25

斎場で間違えが分かった

FNNニュースネットワークより「福岡・太宰府市九州自動車道男女6人死傷事故 女性2人の「死亡」と「重体」を取り違え

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3日、福岡・太宰府市の九州自動車道で男女6人が死傷した事故で、警察は、女性2人について、「死亡」と「重体」を取り違えていたと発表した。

この事故は23日、福岡・太宰府市の九州自動車道で、普通乗用車が中央分離帯に衝突し、男女6人が死傷したもの。

警察は24日、死亡したのが当初「重体」としていた福岡市の飲食店従業員(27)で、福岡市の専門学校生(24)は「死亡」ではなく「重体」と訂正した。

警察は、2人の親族から「間違いない」と身元を確認していたが、斎場に訪れた専門学校生の友人が「遺体は別人」と指摘し、取り違えがわかったという。

本当なのか?と驚きました。

  1. 警察は、2人の親族から「間違いない」と身元を確認
  2. 斎場に訪れた専門学校生の友人が「遺体は別人」と指摘

法医学で鑑定すれば、容易に防げる事だろうと思うのですが・・・・。

8月 25, 2008 at 10:34 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.07.30

川の安全

読売新聞より「国交省、河川の親水公園など安全対策を緊急調査

神戸市灘区の都賀(とが)川で5人が濁流に流されて死亡した事故を受け、国土交通省は30日、全国の河川に設けられた親水公園などの安全対策について緊急調査を実施すると発表した。

現場に上流の集中豪雨を知らせる警報装置などが設置されていなかったことから、再発防止には安全対策の実態把握が不可欠と判断した。同省は調査結果を踏まえ、安全確保に向けた対応方針をまとめたいとしている。

調査は、国の出先機関などが管理する約1万4000の1級河川と、自治体が管理する約7000の2級河川が対象。親水公園や川辺の遊歩道などの「親水空間」や過去に急激に増水したケースの有無、増水への注意を呼びかける看板や警報装置の設置状況などを調べ、8月末をめどに集計する。

同省では昨年6月に作った河川水難事故防止の指針で、河川を管理する出先機関や自治体に、急激な増水への注意喚起を求める看板の設置などを呼びかけていたが、「緊急調査の結果、先進的な対策の事例があれば、広く紹介したい」(河川局)としている。

そういうことなのか?
都賀(とが)川とはここ 恐るべき一直線の川で、しかも上流の六甲川はもっと一直線。

さらに映像で見る通り護岸をコンクリート化して要するにダムの排水路のようなものにしているわけでしょう。
そこに鉄砲水的に水量が急激に増加するのは、正にそのために作った川ではないのか?

むしろ、そういうところに親水公園とか遊歩道を造ったことの方が問題じゃないですかねぇ?
いくら警報システムを整えても、鉄砲水状態に変わりはないでしょう。

鉄砲水になるようなところ人の立入を促進するようなヘンなことをしているところが問題だと思うのです。

7月 30, 2008 at 10:33 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.26

747-400の胴体に大穴

朝日新聞より「機体に穴、カンタス航空機が緊急着陸 365人乗り

AP通信などによると、ロンドン発オーストラリア・メルボルン行きの豪カンタス航空ボーイング747―400が25日、経由地の香港を離陸後、爆発音に続いて機体に穴が開き、マニラ国際空港に緊急着陸した。365人の乗客と乗員にけがはなかった。

穴は右翼近くに直径2.5~3メートルの大きさで開き、機内でも天井の一部が壊れるなどした。同機は高度約9千メートルから3千メートルまで緊急降下したという。ある乗客は「機体の破片がファーストクラスの客席にも飛んできて、酸素マスクも飛び出した」と語った。

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豪デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、今年3月に内装を新しくした際、整備士が機体に数多くの腐食を確認していた、と報じた。同紙は老朽化が事故の一因とする専門家の見方や、整備を外注化したことで整備の水準が低くなったとのパイロットの証言も伝えている。

読売新聞によりクローズアップの写真がありました。

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主翼の付け根の整形部分ですから、脱落したのがフェアリングで主翼側には取り付けのための穴が多数見えています。
多分、着脱できるのでしょう。

黄緑の部分は胴体そのもので、与圧されていますから大きな穴の部分が破断して外側のフェアリングを吹き飛ばしたのでしょう。
茶色の格子縞は、胴体の骨組みですが、どう見ても腐ってます。

豪デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、今年3月に内装を新しくした際、整備士が機体に数多くの腐食を確認していた、と報じた。

今回壊れた部分は、基本的に床下なので、上部の客室と下部の貨物室との間の、安全扉が開いて圧力を逃がしたために床が脱落せず、結果的に乗客乗員には怪我人がなかった、ということでしょう。
ずっと以前に、貨物ドアが脱落したか何かで、貨物室の与圧が急速に失われ、生じた圧力差によって客席の床が崩壊・脱落し、そのため操縦系統が破断して墜落という事故がありました。
その事故以来、圧力差を生じさせない安全扉が設置されていますので、今回は助かったのでしょうが、最近は飛行機の腐食による事故が多くなってきました。怖いことです。

7月 26, 2008 at 08:43 午前 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.05.09

振り込め詐欺対策システム作り

読売新聞より「怪しい出入金検知、システム作動し振り込め阻止…名古屋銀

振り込め詐欺の被害が後を絶たない中、第二地銀の名古屋銀行(本部・名古屋市)が、全国で初めて運用している口座監視システムが注目を集めている。

専用コンピューターで全口座を監視し、通常取引ではありえないような出入金が確認された口座をあぶり出し、不正が疑われたら凍結する仕組み。
約1年5か月の間に100以上の不正口座を凍結した。自民党の「振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム」は「被害規模を最小限に抑える画期的な仕組みだ」として、9日、同行から聞き取り調査を行う。

このシステムは、同行がNECと共同開発し、一昨年11月から運用している「異常取引・不正口座検知システム」。

  1. 不特定多数からの入金後、遠隔地の現金自動預け払い機(ATM)で1日に何度も出金の繰り返しがある
  2. 長期間出入金がなかった口座への高額な入金後、限度額いっぱいの出金がある

など、振り込め詐欺などに利用された疑いのある異常取引のケースを17項目に分類。
インターネット取引の利用分も含め、専門部署がコンピューターで各項目に該当するかどうかをチェックしている。

異常が検知されると、担当者が口座開設者や振り込み銀行に連絡。
関係者からの聞き取り調査で口座が犯罪などに利用されている疑いが強まれば警察に連絡し、被害拡大を防ぐため口座を凍結する。

今年3月には、システムが異常を検知した口座の開設者に連絡をしたところ、「通帳とキャッシュカードを紛失した」との回答があったため取引を停止。
その後、数十万円単位の入金依頼がこの口座に続いたため、銀行に確認して振り込め詐欺と判明し、被害者に返金された。
これも含め、今年3月までに100以上の口座凍結につなげている。

ほかの金融機関も、口座開設時に開設者と結ぶ「預金規定」に違反した場合は口座を凍結することはできる。警察などからの情報提供で口座が譲渡されていたり、免許証など本人確認書類が偽造されたりしているケースだ。

しかし、この規定に基づく凍結は、捜査がある程度進まないと銀行に情報が提供されないため、その間に被害が膨らむことが多い。名古屋銀のシステムは異常取引が1件発生した時点で確認作業を進め、口座を凍結できるのが特徴という。

これはかなりうまい手法ですね。

どうしても、出金側の対策を考えてしまいますが、入金側の異常を感知して対策するのですから、効果的でしょう。
早急にこのシステムの普及が必要ですね。

5月 9, 2008 at 09:23 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.07

ダイカスト製品の検査で爆発死亡事故

中日新聞より「豊田自動織機の工場で爆発 大府、作業の1人死亡

7日午前5時15分ごろ、愛知県大府市江端町、豊田自動織機大府工場(清田修工場長)で爆発が起きた。
作業中の同社社員(24)が多発性外傷ショックのため死亡。
窓ガラス約50枚が割れ、屋根の一部が曲がった。東海署は業務上過失致死容疑で調べている。

調べでは、工場内にある鉄骨平屋の棟(1万2000平方メートル)内の、カーエアコン部品を検査するブリスタ試験場で爆発があった。アルミ製ピストン部品を、530度の塩化ナトリウム溶液が入ったステンレス製水槽(長さ1メートル、奥行き60センチ、高さ40センチ)に漬ける作業中、水槽が爆発したらしい。棟内ではほかに11人が作業していた。

大府工場は4月26日から5月5日まで休業し、6日に操業を再開した。死亡した社員は同日午後9時から7日午前5時50分までの勤務で、終業間近の事故だった。

現場はJR大府駅の西側の住宅街近くにあり、爆発音は住民を驚かせた。現場から200メートル北に住む会社員男性は「バーンというものすごい音がして、びっくりした。原因をはっきりさせてほしい」と話した。

豊田自動織機は「住民の方にご迷惑を掛け、誠に遺憾。再発防止に努めたい」としている。

朝の第一報では「検査のために水槽に付けたら爆発した」というわけの分からないものでしたが、ようやく「ブリースター試験中の事故」だと分かりました。

ブリスタ試験とは、アルミダイカスト製品を熱して鋳造欠陥(巣)が膨張して表面を膨らませることで検査をする仕組みです。

だから、530度というもの理解できるものですが、爆発したとは巣の中の空気が膨張したからなのでしょうか?
まだ爆発の原因が何なのか?は分かったとは言えないですね。

5月 7, 2008 at 07:45 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.16

道路陥没

神奈川新聞より「川崎でまた道路陥没/長さ40メートル、幅40メートル、深さ2メートル

十五日午後三時十五分ごろ、川崎市中原区下新城の市道「宮内新横浜線」で、下水道管工事中に出水したと通報があった。直後から道路が落ち込み始め、午後五時の時点で工事用の掘削穴周辺の道路と県立新城高校のグラウンドにかかる長さ四十メートル、幅四十メートルの区間が、最大二メートルの深さに陥没した。市下水道局は現地対策室を設置。原因を調べる。

工事は市発注の雨水対策で、二月上旬に地下二十一メートルに筒状のシールド機(直径三・五メートル)を入れてトンネルを堀り始めたが、玉石がカッターに絡まるトラブルがあり、この日は土を埋め戻して掘削を再開しようとしたところだった。

現場は県立新城高校の正門近く。路面は一部でひび割れて大きく沈み込み、高校のフェンスもたわんだ。近くに住む男性は「万一、車などが突っ込んでいたら大惨事になるところだった」と話していた。

同じ下水管工事では昨年二月、約百メートル北側でも大規模な道路陥没があった。犬を散歩中の近くの主婦(62)は「二度も同じ事故を起こすなんて、あまりにもずさん。(発注主の)市は住民に説明すべき」と憤っていた。

Up

年に数回は通るところで、よく知っているところです。
だいぶ以前から工事が続いていて、下の地図の太い道の真ん中にシールド工事用の出入り口が設置してあります。
写真の左側に見える塀が工事用の出入り口で、これが道路の真ん中に突き出しています。

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写真は、地図で見ると北から南を見た光景で、写真右側が新城高校のグランド沿いのフェンスです。
どうやって復旧するのでしょうか?

4月 16, 2008 at 09:31 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.04.12

トラックホイルー脱落死亡事故

中日新聞より「脱落タイヤは全ボルト破損 東名バス事故、点検ミスか

静岡県牧之原市坂部の東名高速道路で11日、大型トラックのタイヤが外れて対向の「名阪近鉄バス」(名古屋市中村区)の観光バスを直撃、バス運転手の関谷定男さん(57)=岐阜県大垣市浅草2=が死亡、乗客7人が負傷した事故で、ホイールを車軸に固定するボルト8本がすべて折れてタイヤが脱落した可能性が高いことが、国土交通省中部運輸局静岡運輸支局の調べで分かった。

乗客の証言やバス会社によると、関谷さんはタイヤの直撃を受けて倒れながらもブレーキをめいっぱい踏み込んだままで、バスは中央分離帯の縁石に乗り上げた後、約60メートル進んで止まった。

国交省などによると、脱落したタイヤは6カ所計10本のうち左後輪の外側の1本(直径約1メートル、重さ約100キロ)。中央分離帯にぶつかり、幅3・4メートルの分離帯を飛び越えバスを直撃。高さ約3メートルの運転席上部のガラスを破って車内に突き刺さった。

タイヤは1本当たり8本のボルトでホイールごと固定され、うち2本は破断面がさびていた。既に折れていた可能性があるという。

ボルトの破断は整備不良で発生するケースが多く、県警高速隊はトラックを運転していた静岡市の産業廃棄物処理会社「京阪産業」の男性社員(37)=浜松市=から、自動車運転過失致死傷容疑で事情を聴いている。国交省はトラックメーカー「いすゞ自動車」に調査を指示した。

トラックは1回の走行距離が長いため、ボルトの締め付けが強すぎても弱すぎてもボルトにかかる負荷が大きくなる。このためボルトが1本折れただけでも残りのボルトの負荷が高まり次々折れることがあるという。

バスには乗客乗員計41人が乗り、愛知県犬山市の50-80代の男性1人と女性6人が軽傷を負った。

写真を見ると確かに錆びています。

Up

これはスタッドボルトですよね。そしてナットでホイールを留めている。
錆びているということは、普通に考えて8本中2本のボルトがナットごと抜け落ちて、ホイールに穴が開いていたということになりますよ。

点検を怠ったと言うにしても程度が悪すぎるとなりますね。

4月 12, 2008 at 07:55 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

管制官有罪・東京高裁

昨日(2008/04/11)東京高等裁判所で、2001年1月31日に焼津市上空で起きた、日本航空機同士(747とDC10)の異常接近と回避操作によって、747機内で乗客7名及び客室乗務員2名が重傷を負い、乗客81名及び客室乗務員10名が軽傷を負った、事件で管制官の刑事裁判の控訴審が開かれました。
事故の詳細については「航空事故一覧/2001年」に詳しく出ています。

サンケイ新聞、東京新聞、朝日新聞、読売新聞の記事を並べてみました。

新聞記事にもあるように、地裁判決は管制官だけの責任とは言えないとしたのですが、高等裁判所は管制官に責任があるとしました。
この場合の責任とは刑事責任のことです。

サンケイ新聞は、地裁判決と高裁判決の違いについて説明しています。
東京新聞は、事故調査と刑事責任追及が対立する問題について説明しています。
朝日新聞は、個人に対す類似責任追及よりも事故原因の解明に重点を置くべきだという主張のようです。
読売新聞は、高裁判決があった事実だけを伝えているように見えます。

わたしの意見は、この高裁判決は社会的に意味がないと思います。

高裁判決そのものが、事故原因が複合的であるとしているのですから、その上で管制官の刑事責任を認めて罰することは、法的な意味しかなく社会的には法律が見捨てられような結果しか引き起こさないでしょう。

その意味では、真に必要な法的な判断は、事故調査と刑事責任追及のあり方というより高いレベルの判断であるべきでした。
地裁判決は、そこに踏み込んだ判断であったのだと考えますが、高裁判決は「そういう高級なことを裁判所は考えない」とメッセージしたわけで、世間は「裁判所は信用ならない」と考えるでしょう。

被告が上告するのも当たり前だと思います。

サンケイ新聞より「ニアミス事故で管制官2人に逆転有罪

静岡県上空で平成13年、乗客57人が重軽傷を負った日航機同士のニアミス事故で、便名を言い間違えて事故を起こしたとして業務上過失傷害罪に問われた管制官、蜂谷秀樹(33)、籾井(もみい)康子(38)両被告の控訴審判決公判が11日、東京高裁で開かれた。須田● (=賢の又が忠)裁判長は1審東京地裁の無罪判決を破棄し、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年を言い渡した。

便名言い間違いと事故との因果関係などが争点となったが、1審判決は「誤指示は不適切ではあったが、言い間違いがニアミスを招いたとはいえない」と判断。その上で「事故の刑事責任を管制官や機長という個人に追及するのは相当でない」として、2人に無罪を言い渡していた。

検察側は「管制官が重大な人為的ミスを犯しているのに、1審判決は個人の過失責任の追及を放棄している」として控訴。弁護側は控訴棄却を求めていた。

事故は13年1月31日午後3時55分ごろに発生。実地訓練中だった蜂谷被告は、日航958便を降下させようとしたが、誤って同907便に指示。訓練監督者だった籾井被告も誤指示を聞き逃し、907便が緊急回避行動を取ったために乗客57人がけがをした。

管制官、「業務」負担大きく

管制官の指示をめぐる航空機のトラブルは、昨年から今年にかけても各地で相次いで発生した。聞き違いや勘違いといった単純なミスが原因とみられているが、管制業務の負担の大きさが背景にあると危惧(きぐ)する声もある。

今年2月、新千歳空港で日航機が無許可で離陸を開始するトラブルが発生。管制官が指示の中で「テークオフ(離陸)」という用語を使用したのを、乗員が離陸許可を受けたと誤解した可能性が高まっている。

昨年11月には、中部国際空港で中国南方航空機が管制官の指示に従わず、停止線を越えて滑走路に無断進入。直後に着陸予定だった全日空機が着陸をやり直している。

昨年9月には、大阪(伊丹)空港で着陸した日航機が、別機への管制官の指示を誤認して、無許可で滑走路を横断。同空港では翌10月にも、全日空機が管制官の指示とは異なる滑走路に着陸している。

航空評論家の青木謙知さんは「システムがいくら更新されても、管制官の業務は軽減されていない。本来なら管制指示は復唱が当然だが、忙しさの中でなおざりになることもある。人間のミスを百パーセントなくせない以上、バックアップするシステムの構築が必要」と指摘している。

管制官の単純ミスは「危険行為」 ニアミス公判解説

降下を指示すべき便名を言い間違えた管制官2人を逆転有罪とした11日の東京高裁判決。1審判決とは正反対の結論になったのは、便名言い間違いというミスを「実質的に危険な行為」ととらえたか否か、その認定の差に尽きる。

1審判決は、たとえ907便が誤指示により降下しても、958便は航空機衝突防止装置(TCAS)が作動しなければ水平飛行を続けていた-という前提で判断。「その段階では衝突を招く危険な指示ではなかった」として、言い間違いミスには実質的な危険性はなかったと判断した。

しかし高裁判決は、TCASによって907便には上昇指示が、958便には降下指示が現実に出ていた点を重視。958便が水平飛行する前提で判断した1審判決を「両機が急接近しているという切迫した状況を踏まえておらず、事実から目を背けた空論」と批判した。

その上で、管制官が907便に誤って降下指示を出したことこそが、958便とニアミスを起こし、急激な回避措置によって乗客がけがをする恐れのある「実質的に極めて危険な管制指示」と明確に認定した。

管制官による誤った指示、TCASによる指示、機長判断による緊急回避措置-と、このニアミスは複雑な要素がからみ合って発生している。ただ判決は、管制官の単純ミスは大惨事につながりかねないということを厳格に示した点で、航空行政に携わる者への大きな戒めとなろう。(福田哲士)

東京新聞より「2管制官に逆転有罪 日航ニアミス 東京高裁『誤った指示が原因』

静岡県焼津市沖の上空で二〇〇一年に起きた日航機同士のニアミス事故で、業務上過失傷害罪に問われた管制官の蜂谷秀樹(33)、監督役の籾井(もみい)康子(39)両被告の控訴審判決が十一日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は両被告を無罪とした一審の東京地裁判決を破棄、籾井被告に禁固一年六月、執行猶予三年(求刑禁固一年六月)、蜂谷被告に同一年、同三年(同一年)の逆転有罪を言い渡した。

管制官の刑事責任を問えるかが焦点だったが、判決は「便名を間違え危険な管制指示を出した初歩的誤りで、指示と乗客の負傷との間には因果関係が認められる」と、ニアミス事故で刑事責任を初めて認定した。

航空機事故では、刑事責任より原因究明の重視が世界的な流れだが、今回の判決はそれに逆行する形となった。

一審は「管制指示は不適切だったが(管制官の)指示通りなら両機の間隔は保たれ、危険性はなかった」と判断した。

事故空域では当時、最低二千フィート(約六百十メートル)が安全な垂直間隔の基準だったが、事故後に千フィートに変更された。

須田裁判長は「便名を間違え、二千フィートを切ったから衝突防止装置(TCAS)が作動した。誤った指示がなければ事故は起こり得ず、刑法上の注意義務に違反する」と述べた。

両被告は上告する方針。

■再発防止より責任追及

<解説>日航機ニアミス事故で、管制官に有罪を言い渡した十一日の東京高裁判決は、航空機事故で個人の責任を追及するより、原因追及によって再発防止につなげることを重視する世界的な流れに逆らう格好となった。

判決は、ニアミスに至るまでの流れを(1)管制官の誤指示(2)指示後に両機の衝突防止装置が作動(3)一機の機長が装置の指示に従わず両機が接近-と認定。

弁護側は「管制官は装置の作動を予見できなかった」として(1)と(2)(3)に関連はないと主張したが、判決は(1)がなければ(2)(3)はなかったとして管制官の刑事責任を認定した。

航空機事故は複雑な要因で生じる。個人に責任を負わせるだけでは、裁判に不利になるとの理由で証言を拒まれて事故防止策には生かされない。国際的に原因究明を重視する背景にはそうした事情がある。

一九九七年に三重県上空で日航機が乱高下し乗客らが負傷した事故の刑事裁判で、原因究明を目的とした運輸省(当時)の調査報告書が証拠採用された是非が問題になったのも同じ理由からだ。

ある管制官は「人為的ミスを完全に防ぐことは難しいが、事故を教訓にするには責任の追及よりも優先して取り組むべきことがある」と指摘。実際、事故後に管制官の指示ではなく装置の指示に従うとのルールに改められ、再発防止に生かされている。

航空需要が増大する中、日本の空は安全を確保しつつ便数の増加が求められている。ニアミス回避の管制業務をどう行うのか。個人に責任を帰した判決が現場を萎縮(いしゅく)させないか。判決が及ぼす影響を見守る必要がある。(寺岡秀樹)

<日航機ニアミス事故>2001年1月31日午後3時55分ごろ、静岡県焼津市上空で羽田発那覇行き日航907便と韓国・釜山発成田行き日航958便が接近、管制官が便名を取り違えて907便に降下を指示した。直後、907便の機体に取り付けられたTCASが上昇を、958便のTCASは下降をそれぞれ指示。907便の機長はTCASの指示に反して管制官の指示に従ったため両機は異常接近し、907便が回避のため急降下した際、乗客乗員計100人が重軽傷を負った。

朝日新聞より「「もう管制できない」ニアミス逆転有罪、現場に衝撃

「危険は決して生じさせてはならない」――。01年に起きた日本航空機のニアミス事故訴訟で、東京高裁は管制官の職務上の義務を厳しく指摘し、管制官2人に有罪判決を言い渡した。様々な要因が絡む航空事故で、個人の刑事責任が認定されたことで、関係者に驚きと不安が広がった。

「明日からというか、今日から管制業務はできない」。籾井康子被告は判決後の会見で、現場への影響をこう語った。一瞬の「言い間違い」が厳しく断じられた点について、「現場に不安と緊張を強いるもの。安全にとって有害」と声を詰まらせた。

国土交通省航空局の幹部は「実務への影響が心配」と話す。日本上空の交通量は、事故当時の年間約410万機(全空域の延べ数)から現在約500万機と約22%増加。だが管制官は1732人から1950人と約13%しか増えていない。今後成田空港の滑走路延伸や羽田の再拡張などで、より多くの機体をギリギリの間隔でさばくことが求められている。

今回の事故は、同省航空・鉄道事故調査委員会の報告書でも、システムの不備や運用の不徹底など複数の要因が指摘された。こうした状況を踏まえ、一審・東京地裁は、個人への刑事責任追及は「相当でない」としていた。

欧米では影響が大きい事故の場合、当事者を免責したうえで真実をすべて語らせ、再発防止に役立てる考え方が主流になりつつある。過度な責任追及は、原因究明に支障をきたす恐れもある。処罰を逃れようと、当事者が真実を語らなくなる可能性があるからだ。この点で、今回の高裁判決は国際的な流れに逆行する形となった。

管制官ら運輸行政に携わる労働者で構成される全運輸労働組合(組合員約9千人)も「再発防止より個人の責任追及を優先する対応は問題」と批判する声明を出した。

管制交信ミスによるトラブルは最近も多発。ほとんどが「聞き間違い」や「誤解」だ。ベテランの事故調査官も「声だけに頼る交信に誤りはつきもの」と言う。国交省も「人間は間違える」ことを前提に、二重三重の安全策の構築に乗り出したところだった。

10月から事故調査委は「運輸安全委員会」となり、海難も扱う総合的な機関として調査力の向上が期待される。同委が当事者から再発防止の核心に迫る証言を引き出すことが必須で、航空関係者には「免責」を含めた検討が必要とする意見もある。

一方で、多くの犠牲者が出たり、過失が明らかだったりした場合には「刑事責任は当然」という意見が強くなる。被害者感情もある。再発防止と刑事責任追及のどちらに重きを置くか、議論を求める声が高まっている。(佐々木学)

読売新聞より「日航機ニアミス事故の控訴審、管制官2人に逆転有罪判決

静岡県焼津市上空で2001年、日本航空機同士が異常接近(ニアミス)して乗客57人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪に問われた国土交通省東京航空交通管制部の管制官、籾井(もみい)康子(39)、蜂谷(はちたに)秀樹(33)両被告の控訴審判決が11日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は「便名を言い間違えるなど、管制官に要求される最も基本的で重要な注意義務に違反し、多数の乗客に傷害を負わせた」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年(求刑・禁固1年)の逆転有罪判決を言い渡した。

ニアミス事故で管制官が有罪となったのは初めて。両被告は上告する方針。

判決によると、蜂谷被告は01年1月、焼津市上空を上昇中の日航907便と水平飛行中の同958便が急接近した際、誤って907便に降下を指示し、両機を異常接近させた。監督していた籾井被告も間違いに気付かず、衝突回避のため急降下した907便の乗客57人にけがをさせた。

判決はまず、「2人が958便を降下させる管制指示をしていれば、事故は起こりえなかった」と指摘。管制ミスと事故の因果関係を認め、「極めて危険な管制指示で、刑法上の注意義務に違反することは明らか」と述べた。

1審判決は、管制ミスの後、907便の機長が衝突防止装置(TCAS)に従わずに降下したことなど複数の要因が事故につながった点を考慮し、「管制官の誤った指示が直接の事故原因とはいえない」としたが、この日の判決は「誤った指示が機長の急降下を余儀なくさせた」と認定した。

一方で、判決は「当時の管制システムには、管制官の人為ミスを事故に結びつけないようにする観点から、不備があったことは否めない」と述べた。

4月 12, 2008 at 09:38 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.03.08

明石海峡での3隻衝突事故

産経関西より「衝突で貨物荷崩れか バランス失い直後に沈没 明石海峡事故

神戸市沖の明石海峡でタンカーなど3隻が相次いで衝突した海難事故で、沈没した貨物船「ゴールドリーダー」(1466トン、ゴ号)に、タンカー「オーシャンフェニックス」(2948トン、オ号)が衝突した際、衝撃でゴ号の積み荷の鋼材が荷崩れを起こした可能性が高いことが7日、神戸海上保安部の調べでわかった。

ゴ号は衝突から5分前後で沈没しているが、同保安部では荷崩れで船体の重量バランスが崩れて傾きが大きくなり一気に転覆したとみて調べている。

調べでは、5日午後2時55分ごろ、オ号は砂利運搬船「第5栄政丸」(496トン)との衝突後、船首がゴ号の右中央部に衝突。数分後にゴ号は沈没した。

ゴ号の乗組員4人を現場海域で救助した淡路町漁協(兵庫県淡路市)所属の遊漁船の船長(68)は「(ゴ号を)見つけたときにはすでに転覆しており、それから2~3分後の午後3時ごろには、船尾から沈んでいった」と話している。

船舶は船体が傾いても元の姿勢に戻る復元性があり、同保安部では今回のケースの場合、衝突の力だけで転覆する可能性は低いとみている。

ゴ号は事故当時、船倉に1778トンの鋼材を積んでいた。過積載ではないが、同保安部では、荷崩れを起こしたことから、船体の重量バランスが崩れて一気に転覆。さらに浸水で浮力を失い短時間で沈没した可能性が高いとみている。

この事故はいわば追突に近い横からの接触だったのです。
それで沈没で、さらに死者が出たのがまるで理解できなかったのですが、荷崩れで転覆ということならありそうな事故だったのですね。

今回も自動操舵が問題になっていますが、自動操舵+居眠り運転では座礁とか家に突入したとか起こしているのですよね。
難しい問題ですな。

3月 8, 2008 at 11:02 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.03.04

交通事故予報カレンダー

読売新聞神奈川版より「県警が交通死亡事故の「注意日」を予報

県警交通総務課は3日、過去3年間の交通死亡事故を分析し、事故が起こりやすい日を「注意日」として県警のホームページ(HP)で公開を始めた。

名付けて「県交通死亡事故多発要注意日カレンダー」。「注意日」「要注意期間」の“予報”をして交通安全を呼びかけている。

過去3年間に死亡事故が起こった日が、何週目の何曜日に当たるのかを割り出す。死者が計5人以上となると、「注意日」として、今年の日付にして発表する。

各月の連続した5日間で過去3年間の死亡者数が最も多い期間を「要注意期間」としている。

ちなみに、3月は9日が注意日で、7~11日が要注意期間になっている。

金曜日は年に6回、注意日になっており、事故が起こりやすい曜日とわかる。

県警は、要注意期間に交通指導取り締まりを強化する。

県警交通総務課は、「交通事故死亡者数年間230人以下を達成させるため、1日でも多く交通安全への意識を持ってもらえれば」と話している。

県警HPアドレスは http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0053.htm

Up

1月から6月までのカレンダーはこんな具合になっています。

赤丸で囲まれているのが注意日、矢印が付いているのが注意期間だとのことです。

これで見ると、2月27日は注意期間でしたがこの日にパニックブレーキでABSを佐渡させてしまいました。
実によい天気の日でしたが、比較的見通しの良いバス通りに全く一時停止することなく飛び出してきた車がいて急ブレーキになりました。

このカレンダーの使い方として「印刷したカレンダーを机の上などに置いて、注意日を確認しながら交通事故に遭わないようにしましょう。」と書いてあります。
印刷用のデータはPDFになっています。

しかし見直してみると、意外とバラバラですね。どういうことなのだろう?
基本的には月の後半に注意期間があります、やはりビジネス上の追い込みの影響でしょうか?

3月 4, 2008 at 09:47 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.02.18

JAL機の聞き間違えと管制のあいまいな発言

一昨日(2008/02/16)の新千歳空港でのJAL機が他機が滑走路上にいるのに離陸滑走を開始して、管制からの停止命令で衝突を回避したという事件の一連のニュースをまとめてみます。

2008年02月17日01時52分朝日新聞滑走路に到着機いるのに離陸滑走開始 新千歳でJAL機
2008年02月17日23時00分朝日新聞JAL機、英語の指示聞き違え滑走か 新千歳空港
2008年02月18日03時07分読売新聞日航機無断滑走、「防氷液」の効果切れ迫り機長らに焦りか
02/18 07:27北海道新聞操縦士、指示復唱怠る 新千歳の無許可滑走 管制も誤解招く表現か

新聞記事のタイトルだけでも色々な問題が複合してトラブルになったようですが、「元検弁護士のつぶやき」さんの記事「JAL機、聞き違えか?」のコメントに面白い意見がありました。

No.1 Feriさん | 2008年2月18日 08:01 | CID 118823  (Top)

色々と憶測が飛び交っていますが、実は、新千歳空港では、過去にも管制上の問題から、同様の事故が起きています。

推察される理由として、同空港は航空自衛隊が航空管制を一元的に行っており、いわゆる自衛隊特有の「慣用句」を管制官が、知らずに使っているという可能性も考えられます。

ただし、今回の一件でも、管制官の指示を、機長又は操縦士が復唱していれば、その時点で、聞き違いに気づいたということは間違いありません。

最近は、燃料高騰うんうんで、早く出発させたかったという一面もあるかもしれませんが、このブログでも話題になっている「お客さまの過激な反応」を気にしすぎて、焦っていたという可能性も考えられます。私も、出張でよく航空機を利用しますが、天候などやむを得ない事情で、欠航や出発遅れが生じると、「切れまくるお客さま」を空港で見ることが多くなりました。

まとまりのないコメントで失礼しました。

新聞記事でも指摘されている「なぜ、Expect immediately takeoff という曖昧な指示を出したのか」は大いに研究するべきでしょう。

「何で英語なのだ」といった疑問を述べる方も多いですが、英語とは言いがたい、というよりも、誤解の余地がないように特殊化した符丁と考えるべきで、ある意味では下手に英語で会話すると解釈してはまずいのでしょう。

情報処理技術の著しい向上に比べて航空管制は良く言えば慎重で悪く言えば時代遅れの状態になっています。航空過密化に対しては情報処理技術の活用を考えるべきなのでしょう。

管制指示データなどはデータ通信でコックピット内に情報表示するといった仕組みがあっても良いと思うのですが。

2月 18, 2008 at 12:24 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.29

無茶苦茶なニッポン(になりつつある)

神戸新聞より「活況で安全後回し 社内規定違反 川崎造船クレーン倒壊

死傷者七人を出した川崎造船神戸工場のクレーン倒壊事故で、極めて危険な作業だったにもかかわらず、元工作部長(55)らが根拠なく安全と過信し、漫然と作業を進めようとしていた実態が、兵庫県警の捜査で浮き彫りになった。

送検された一人は、作業計画の作成を定めた社内規定を認識していたが、「クレーンを休ませることはできない」との理由で、規定に違反したという。

同工場は当時フル稼働の状態で、捜査関係者は業績を優先し、安全対策がおろそかになっていたことを指摘する。

神戸工場で行われたベアリング交換は、ほかの会社では専門業者に委託したり、事前準備に二十日間程度かけたりしているという。

しかし、同工場はクレーンメーカーだけでなく、経験のある社内の別工場にも問い合わせていなかった。

倒壊の直接の原因はクレーンの重心位置を誤ったためだったが、県警は事前にしっかり検討さえしていれば容易に防ぐことができたとみている。

当初、同工場はクレーンの総重量を約八百トンとしていたが、県警の鑑定で約六百七十トンだったことも判明、重量さえも正確に把握していなかった。

事故の背景として、捜査関係者らが指摘するのは好調な業績だ。川崎造船は二〇〇七年度には三年ぶりの営業黒字を見込み、一〇年度の売り上げ目標は〇六年度の倍増を掲げていた。

事故当時はアジア各国から三十一隻の船を受注し、三年先に造る船が決まっていた。送検された一人は「クレーンを休めることはできないと思った」と供述したといい、船の建造を優先させたことをうかがわせている。

活況の陰で、安全がないがしろにされかねない状況は製造現場全体に広がっているという。兵庫労働局の八田雅弘局長は二十八日の会見で「受注が増えている時期だからこそ安全の意識を高め、しっかりと取り組みをしてほしい」と注文した。

川崎造船神戸工場クレーン倒壊事故

2007年8月25日午前9時40分ごろ、船体をつり上げる「走行式ジブクレーン」の部品を交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げたところ、上部がバランスを崩して倒壊。地上31メートル付近で作業をしていた同造船社員(40)、派遣会社社員(55)の2人と、同12メートル付近にいた同造船社員(55)の計3人が落下するなどして死亡したほか、4人が重軽傷を負った。
同9月には、兵庫労働局が労働災害の防止を徹底するよう行政指導し、川崎造船は、安全対策などを含む経営体制を強化するため、非常勤の会長ポストを新設した。

このニュースは事故当時気にしていたのですが、遠めがねの記事にはなっていませんね。
この時には中華航空機が炎上という事件がありました。
それで飛ばしてしまったのでしょうが、 最近ちょっと手抜きではありますが、検索機能を付けたので検索してみました。

通りすがりの懐かしい顔 氏がコメントに書いています。

ある程度予想はしてましたが、こんな整備だと船は沈没するし自動車でもブレーキ踏んだ途端にキャリパー脱落なんて事故になりかねません。
(クレーン倒壊の修理手順もかなり怪しいので日本も他人事ではないな)

予想通りに「修理手順を何にも考えていなかった」というべき結論ですね。

何で専門家が存在するのかを考えていないというところが恐ろしいです。
さらに、先日の三菱ふそうのクラッチハウジング破断・死亡事故で被告側の主張が「細かいことまで知らなくて当然」のようなものなのですが、知らないのは当然ではなくて知っているべきなのですね。
その知っているべきとは、専門家がいることを承知している事であって、

「専門家の何が専門の価値なのかよく分からないから、専門家を利用することを無視しても大丈夫だろう」

というのではムチャクチャだ。

1月 29, 2008 at 10:54 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.21

駐車中の車に追突死して駐車したドライバーに責任

毎日新聞より「自転車衝突死:違法駐車を「運転過失致死」で立件へ 千葉

千葉市美浜区美浜の市道で昨年7月、県立京葉工業高3年の自転車部の生徒2人(当時17歳と18歳)が違法駐車の乗用車に衝突して死亡した事故で、千葉県警交通捜査課と千葉西署は21日にも、男性運転手(31)を自動車運転過失致死と道路交通法違反(駐車禁止)容疑で書類送検する方針を固めた。事故時に乗車していなかった運転手を自動車運転過失致死容疑で立件するのは極めて異例。交通事故厳罰化の流れを考慮したとみられる。

県警はこのほか、生徒の監督責任を怠ったとして30代と40代の自転車部の男性顧問2人を業務上過失致死容疑で、死亡した生徒2人を道交法違反(安全運転義務違反)容疑で、それぞれ書類送検する。

調べでは、男性運転手は昨年7月19日午後1時50分ごろ、片側3車線の一番左の車線に乗用車を違法駐車し、路上走行練習中の生徒2人が衝突死する原因を作った疑い。当初は道交法違反容疑のみで書類送検する方針だったが、繰り返し取り締まりが行われていた同道に駐車していた点に重大な過失があると判断した。

2人の顧問については、いつも行っている乗用車による併走を事故当日はせず、安全確認を怠ったと判断した。【斎藤有香】

記事では「事故時に乗車していなかった運転手を自動車運転過失致死容疑で立件するのは極めて異例。」とありますが、たしか品川でコンテナートレーラを止めていたトラックにバイクが追突死亡した事故で、かなり長い時間が掛かりましたがトラック側に責任あり、となったと記憶しています。

ドライバーが乗っていても、事故にはなるでしょうから乗車している・いないは決定的では無いと思います。

競技用自転車が練習できるのだから、幕張メッセの駐車場のまわりの道だろうと思うのですが、あんなところに「駐車して車から離れる」とはどんな事情だったのでしょうか?
ここらへんも問題になっているのかもしれません。

もっとも、併走しなかったというのはもっと重大じゃないかな?
乗用車でもバイクでも良いけど、併走して安全確認するのは当然の責務だろう。

1月 21, 2008 at 10:16 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.25

マイクロバスのドア

朝日新聞より「バス運転の男性ら、容疑で逮捕 外環道バス転落事故

東京都練馬区の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で24日、マイクロバスのドアが開き、小学校5年が車外に投げ出され、トラックにはねられた死亡事故で、埼玉県警は25日、バスを運転していた同県川越市今福、会社員と、トラックを運転していた運転手の両容疑者を自動車運転過失致死の疑いで逮捕した。

県警高速隊の調べに対し、マイクロバスの運転手は調べに対し、バスの出入り口を「(ドアが開かないようにする)自動に切り替えていなかったようだ」と話していた。県警はドアが誤って操作された可能性もあるとみて、事故直前のドアのロック状況などを詳しく調べている。

県警によると、バスは06年の製造。ドアはスライド式で、開閉を手動と自動に切り替えるレバーが、運転席付近とドア付近にあった。

バスは埼玉県川越市を拠点に活動するサッカーチーム「川越福原サッカークラブ」を運営する有限会社名義で、マイクロバスの運転手は同社員。小学5年生は、茨城県かすみがうら市でのサッカーの練習試合を終えて出発する際、前から2列目のドア側に近い席に座っていたらしい。落ちる直前、ドアの乗降口にあるステップの部分にいたという。

まず間違えなく落ちた少年がいたずらでドアを開けてしまったのでしょう。このマイクロバスについては前の記事に解説があります。

朝日新聞より「走るバスのドア開き、小5転落 ひかれ死亡 都内高速道

24日午後6時10分ごろ、東京都練馬区大泉町4丁目の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で、走行中のマイクロバス(定員29人)のドアが開き、埼玉県ふじみ野市の小学5年生が車外に投げ出された。少年は路上で、後続のトラックにはねられ、まもなく死亡した。県警高速隊はドアが開いた原因などを調べている。

Up1

バスのドアはスライド式で、車体左側の中央付近にある。開閉は自動と手動を切り替えられる型で、切り替え装置はドアの昇降口付近と運転席にあるという。

県警の聴取に対し、マイクロバスの運転手は「自動に切り替えていなかったようだ」と話しているといい、手動になっていた可能性が高い。死亡した少年はドア付近にいたらしい。

Up2

一帯は片側2車線と大泉の出口に向かうための側道のある区間で、バスは右側の本線を、トラックは左側の本線をそれぞれ走っていた。トラックを運転していた埼玉県入間郡内の会社員男性(25)は「バスから物が落ちてきて、トラックに当たったと思った」と大泉料金所の社員に通報してきたという。

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走行中のバスから転落した事故は、

  • 01年6月、宮崎県高崎町(現・都城市)の国道で、スイミングスクールの送迎マイクロバスの窓から小学2年の児童(7)が転落して死亡
  • 05年3月、静岡県焼津市の東名高速で、愛知県美浜町の小学6年の児童(12)が観光バスの窓から転落し、後続の車にひかれて死亡
――などがある。

自動車のドアをロックする機構については色々な考え方があって

  • 車速に応じて自動的にロックするもの
  • 運転席だけはロックしていてもドアハンドルでいつでも開くもの
  • 内側のドアハンドルで開くことが出来ないもの(チャイルドロック)
  • 開くと警報が鳴るもの(バスの非常扉)

などがあります。
ヨーロッパ車では、常に内側からドアが開くものが多かったと思います。(最近はどうなのだろう?)

今回のマイクロバスは29人乗りですから、中型免許で運転できる上限でしょうか。
つまり事実上バスなのであって、ドアも社会中央部の運転手からは見えにくいところにあります。
そのドアが走行中にロックしていない、というのは日本の現在の車の標準的な仕様としては異例なように感じます。
車速感応型の自動ロックを採用するべき車種でしょう。

確かに「自動ドア状態にセットすれば手動で開かない」ことは間違えないでしょうが、これはドアを運転者が開閉するための仕組みでしょうね。走行中に開かないようにする、といった機能を直接目的にはしていないのではないだろうか?

そんな風に考えると、このバスの設計(企画)と走行中にドア開けることが引き起こした事故でしょう。
特に、この種の車では自動ロックは不可欠ではないだろうか?

12月 25, 2007 at 10:27 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (1)

2007.12.20

ジェットコースター脱線死亡事故で送検

産経関西より「エキスポ事故 元取締役ら書類送検 危険認識、利益を優先

大阪府吹田市のエキスポランドで今年5月、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」が脱線して乗客1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、吹田署捜査本部は19日、事故の危険性を認識しながら保守点検を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑で、エキスポランド社の伊藤正則・元取締役総括部長(59)と建部淳・元施設営業部長(65)を大阪地検に書類送検した。
また、車軸などの法定検査をせずに吹田市に虚偽報告したとして、建築基準法違反容疑で2人に加えて松田博・元技術課長(58)と法人としてのエキスポ社も書類送検した。

捜査本部は、脱線の原因となった車軸の破断は金属疲労が原因と断定。

昨年11月末には肉眼で見える大きな亀裂があったにもかかわらず同社は車体から車軸を抜き取って目視する作業を怠っていた。
また、車軸検査は建築基準法に定められているが、同社は検査項目を実施せずに吹田市に異常なしと報告していた。

伊藤元取締役らは「このままの検査ではいずれ大事故が起こることは分かっていたが、ゴールデンウイークにコースターを稼働させる利益を優先させ、検査を先送りした」と供述しているという。

調べでは、伊藤元取締役と建部元部長は安全管理を徹底しなければ重大事故が起きることを認識しながらも保守点検を怠り、漫然と「風神雷神Ⅱ」を運行。5月5日午後、車両が乗客20人を乗せたまま脱線し、20人を死傷させた疑い。
また、2人は松田元課長と共謀して3月16日、法定検査を実施しないまま異常なしとする虚偽の報告書を提出した疑い。

捜査本部は鑑定で車軸の破断面を分析。
事故から約半年前の昨年11月末の時点で、直径の約6割、外周の約6割に及ぶ大きな亀裂があったことが分かった。

亀裂は、車体から車軸を取り外して点検すれば肉眼でも確認できたという。

供述によると、昨年12月に伊藤元取締役が新アトラクションの導入を提案。建部元部長が検査用の点検庫に収納することを決め、「風神雷神Ⅱ」の車体検査はGW後に延期した。

そもそも運行開始以来、車軸を車体から取り外した検査は一度もしていなかったという。

吹田市に対しては2人の意向を受けて松田元課長が虚偽の報告書を作成したという。当時社長の山田三郎会長(77)については、伊藤元取締役らから検査を実施したと虚偽の報告を受けていたとして立件を見送った。

2007/06/05に書いた「ジェットコースター脱線死亡事故その8」のその後の話で取締役が責任者として書類送検されました。

どうもこの報道によると「全く点検していなかった」としか読めないので、破断事故が起きるのは必然であった、と言えるのでしょう。

いくら利益優先とは言っても「点検しないでも良い」という考え方はどこから出てきたの知りたいところです。
そもそも、日常点検していたようですから、年に一度といった分解検査だけをしないというのはどういうことなのか?

「検査なんて形だけでよいのだ」ということで押し通していたのでしょうか?
こうなると、検査をしたかどうかといった事実よりも「どういう考えだったのか?」も同一レベルで明らかにするべきでしょうね。
「失敗学」は重要だ、と改めて思うところです。

12月 20, 2007 at 09:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.19

温泉爆発の遠因はややこしすぎる構造かな?

東京新聞より「渋谷スパ爆発から半年 吸気口 地下溝で代用 ガス配管も水抜きせず 換気低下、原因か

東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」で従業員三人が死亡、八人が重軽傷を負った爆発事故で、爆発が起きた別棟の地下では排気口の反対側にある地下溝を吸気口として代用する構造になっていたことが十九日、分かった。
警視庁捜査一課と渋谷署は、業務上過失致死傷容疑で捜査しており、地下溝からでは外気の流入が不十分で天然ガスを排気する能力を低下させていた可能性が高いとみている。事故は同日で発生から半年を迎えた。

温泉の源泉にはメタンガスを主成分とした天然ガスが含まれるため、源泉のくみ上げ施設があった別棟の地下区画では室内の十分な換気が必要だった。

調べでは、この室内には、空気を屋外に排出するファン付きの排気口があるが、外気を取り入れる吸気口については、施設を運用するユニマットビューティアンドスパ(東京都港区)や設計した大成建設(新宿区)側は「別棟と本館をつなぐ地下溝から吸気できていた」と警視庁に説明したという。

この地下溝には、源泉やガスなどを本館に送る配管や上水管などが詰まっており、空気が通るすき間はあったが、同課などは、十分に換気できるほどの外気の流入は確保されていなかったとみている。

一方、別棟地下にはガス分離器で源泉から分離された天然ガスを排出するための配管があるが、その配管のU字形に曲がった部分の底に水がたまり、ガスが流れなくなっていたことも分かった。同課は、本来なら配管を通じ屋外に放出されるガスが行き場を失って別棟地下に流出し、爆発を招いた可能性もあるとみている。

ガスの配管は冬季の結露などで水がたまるため、定期的に水抜き作業をする必要があり、水抜き栓も付いていた。しかし設計した大成建設は取扱説明書をユ社や保守点検会社に渡しておらず、点検作業員は施設の運用開始から約一年半の間、一度も水抜き作業を行っていなかったという。

別棟の構造をめぐっては、室内にガス検知器が設置されていなかったほか、設計の変更で別棟の密閉性が高まっていたなど、安全確保が不十分だったことが判明している。同課は運営のユ社、設計の大成建設、保守点検会社の三者それぞれの過失が重なって、事故が引き起こされたとみて、捜査を続けている。

本館・別棟といった説明になっていますが、別棟は道路を挟んだ反対側に建っていて、道路の下を温泉を送るパイプを敷設死していました。
爆発したのは別棟で、温泉をくみ上げてガスを分離して、本館に温泉を送るという仕組みになっていましたが、地面よりも低いところでやっていたからガスが滞留するために、積極的に排気する装置が必要なった、ということです。

そこで、設計というか企画の関係で慎重に扱うべき仕組みになってしまっていたが、それが関係者の間で情報共有になっていなかったのでしょう。

わたしには「こんなにややこしい仕組みでやるべき事ではなかったのでは」という印象が非常に強いですね。

12月 19, 2007 at 04:15 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.04

スカイマーク機内でカート暴走

朝日新聞より「スカイマーク機、着陸時にカートが動いて客が足を骨折

3日午後7時15分ごろ、スカイマークの神戸発羽田行きボーイング767―300型機が着陸時、飲み物用のカートが動いて乗客2人にぶつかった。
44歳の男性は右足の骨が折れる重傷で、47歳の男性も左肩に軽いけが。東京空港署が業務上過失傷害の疑いで捜査するとともに、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も4日、調査官2人を派遣する。

調べでは、客室最後部にあった重さ44.5キロのカートが着陸時の衝撃で動き出し、約13メートル走行した。カートは、車輪のストッパーのほか、本体を機体につなぐ留め金もある構造という。

あのカートは、ロッカーのようなところに収容してロックするような構造じゃなかったっけ?
脱出用シュートが自動的に展張するように操作するのも客室乗務員で、客室乗務員はしっかりした操作が必要なのだけど、ここらへんが怪しくなってきているのだろうか?

11月 4, 2007 at 12:23 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.10.29

SASでボンバルディア機を運行停止

NHKニュースより「ボンバルディア機の運航中止

スカンジナビア航空が使用の中止を決めたのは、カナダのボンバルディア社のDHC8型機で、先月、デンマークとリトアニアで着陸の際に事故を起こしたのに続いて、27日にもデンマークのコペンハーゲン空港で着陸の際、車輪が十分に出ないまま緊急着陸するトラブルがありました。

これを受けて、スカンジナビア航空は28日、緊急の幹部会議を開いた結果、「DHC8型機の信頼が著しく低下し、利用客も疑いを強めている。
このままではわが社のブランドが傷つけられるおそれもある」として、DHC8型機の運航をすべて中止することを決めました。

スカンジナビア航空は、事故を起こした同型機27機を主にヨーロッパで運航していますが、今後、運航を取りやめる便については、別の便の予約や払い戻しで対応することにしています。

ボンバルディアDHC8型機は日本でもことし3月、高知空港で全日空グループが運航する同型機が胴体着陸するなど、各地で事故やトラブルが相次いでいます。

朝日新聞の記事によると、

「DHC8―400型機」の使用を今後中止する、と発表した。
SASは保有する27機の使用を停止し、リース機などで対応する。「400型機の使用はSASのブランドを損なう恐れがある」としている。

となっています。
一月で二回の同じようなトラブルでは、運行停止という判断は経営的には正当でしょう。

今のところ、色々なトラブルがバラバラに起きていますが、運行する航空会社にとってはトラブル発生自体がとんでもないことだし、そうでなくても顧客(マーケット)の評判も大事です。
世界レベルで、一気に運行停止になるかもしれません。

全機運行停止といった全社的な問題に拡大してしまうことを考えると、保険という意味では、何事も過度に集中させないことも重要ですね。

10月 29, 2007 at 10:36 午前 もの作り, 事故と社会, 海外の話題, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.10.19

続・びっくり・中華航空機

「びっくり・中華航空機」の続報です。
朝日新聞より「中華航空機亀裂は「腐食が原因」 台湾側が見解

9月20日に佐賀空港に着陸した中華航空チャーター便(ボーイング737―800型機)の胴体に77センチの大きな亀裂が見つかった問題で、原因を調査していた台湾の行政院飛航安全委員会は18日、「機体外壁の腐食が亀裂の原因」との見解を示した。
腐食に至った状況は特定できておらず、ボーイング社にも協力を要請してさらに調査を進める。

同委員会は亀裂の原因として金属疲労や外部との接触は否定した。
調査ではトイレの水漏れや、外壁の表裏双方に必要なアルミニウム塗装が外側だけだったことが判明。
これらが何らかの化学変化を起こして外壁の腐食を進めた可能性があるが、現時点で断定はできない、としている。

機体では胴体下の尾翼に近い部分が前後の方向に細長く裂けていた。中華航空は搭乗前の点検や運航中に異常は確認されなかったとしている。

外壁の表裏双方に必要なアルミニウム塗装が外側だけだったことが判明。

ちょっとこれは信じがたいですね。今の飛行機が無塗装のパネルを使うのは外側にすることはあっても、内側になる部分というか全部のパネルは部品の段階で塗装されてます。

もし、問題のパネルだけが無塗装であるのなら、極端に目立つはずで、見逃されるとはちょっと思えないのですが・・・・。

それにしても、水漏れなどで腐食することはいつでもあり得ることで、YS11が「軍用機と違って野外に駐機して運用することの問題」で苦労したところとして紹介されているくらいです。
腐食が亀裂に及ぶまで点検していなかったということでしょうか?なんかヘンですね。

10月 19, 2007 at 12:02 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.18

コンクリート製信号柱が折れて死亡事故

読売新聞より「信号柱が折れ作業員転落、死亡…埼玉・三芳町

18日午後4時25分ごろ、埼玉県三芳町竹間沢の国道254号交差点で、電機工事会社員(30)が、コンクリート製の信号柱(高さ7・5メートル、直径20~30センチ)に登って作業中、信号柱が中央付近で折れ路上に転落、全身を強く打って間もなく死亡した。 東入間署によると、1人で渋滞感知装置のケーブルを張り替える作業をしていた。同署で折れた原因を調べている。

ちょっと信じがたいニュースですが、「中央付近で折れた」ですから自動車の衝突による損傷では無さそうです。
「一人で張り替え作業」となっていますが、問題の信号柱には一人という意味でしょうね。ケーブルを張るのだから相手があるはずで、そっちの作業の問題かな?

それにしても、コンクリート製の信号柱というのは電柱と同じか同じようなものでしょうから、それが折れること自体が大問題だと思います。

10月 18, 2007 at 11:47 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.10

それはないだろう・中華航空機

「びっくり・中華航空機」の続きですが、さらにまたまたビックリ。

毎日新聞より「中華航空機:計器異常は「虫が原因」 佐賀空港引き返し

中華航空機が佐賀空港(佐賀市)の滑走路をオーバーランして離陸した後、計器異常で引き返したトラブルで、計器異常の原因は、速度を測るため機体外部に取り付けられている管(ピトー管)に虫が入ったためだったことが9日、分かった。中華航空が国土交通省に報告した。

国交省によると、中華航空側は「ピトー管内に虫が入っていた。取り除いたところ、正常に戻った」と連絡した。

航空機を長期間駐機する際は、ピトー管にカバーをかけるが、同機は当初日帰りで台湾に戻る予定だったため、カバーを用意していなかった可能性を指摘する関係者もいる。

ピトー菅に異物が入って速度計が作動しないという話は時々聞きますが、そういうのは回避するべく対策するのが普通でしょう。
カバーを持ってこなかったというのも修理のために日本で長期間の現地修理が必要になって、整備の人員が来ているのだから、その時の体勢はどうなのか?という問題で、基本的に整備ノウハウに問題があると言えるのではないでしょうか?

10月 10, 2007 at 08:38 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.06

びっくり・中華航空機

「737-800胴体の亀裂」で修理中だった中華航空のボーイング 737-800 型機が台湾にフェリーするために佐賀空港を離陸する際に極めて危険な状況を引き起こしました。

Up

上の写真は毎日新聞の記事「中華航空機:設備壊しオーバーラン離陸 亀裂修理後 佐賀」に掲載されていた写真で、左の車輪が何かを踏みつけて壊しているのが分かります。

胴体底部に亀裂が見つかり、修理のため先月20日から佐賀空港(佐賀市)に駐機していた中華航空機(乗客なし、乗員2人、ボーイング737-800型)の修理が終わり、5日午後2時半ごろに台湾に向け離陸しようとしたところ、滑走路上の「過走帯灯」1基を壊したうえ、滑走路を約60メートルオーバーランして離陸した。
さらに同機は離陸直後に計器トラブルが発生し、26分後に佐賀空港に引き返した。

「過走帯灯」は、アスファルト舗装された滑走路の終点を示す保安装置。過走帯灯の手前で離陸を完了させるのが通常の離陸となる。

佐賀空港の滑走路は2000メートル。しかし、同機は滑走路先端に進むまで機首を上げず、滑走路を越えた直後にやっと離陸した。過走帯灯は、離陸の際に同機の主脚がぶつかり、壊された。同機が離陸しないまま、さらに数十メートル進んでいれば、隣接する田地に乗り上げていた状態だった。

機首を上げるタイミングは、燃料の量や旅客人数などで変わるが、同機には機長と副操縦士しか乗っていなかった。佐賀空港事務所などによると、滑走路をいっぱいに使って離陸するような状態ではなかったという。

中華航空東京支店は、同機が佐賀空港に引き返した理由について「機長と副操縦士の速度計に差が生じたため」とした。しかし、オーバーラン、過走帯灯破損については「報告が来ていないので分からない」と話した。

胴体後部に亀裂というのがビックリだったのですが、詳細が西日本新聞の記事「佐賀空港 中華機オーバーラン 亀裂は内部腐食原因」にありました。

佐賀空港で機体に亀裂が見つかった中華航空ボーイング737‐800型が5日午後、同空港から台北に向けて離陸した際、滑走路をオーバーランし、走行できる限界地点に設置された航空灯1基を車輪で破損させた。
同機はそのまま飛び立ったが、速度計の不具合が見つかり、間もなく佐賀空港に引き返した。
国土交通省は、重大事故につながりかねなかったとして調査を開始。
一方、亀裂の原因が、内部の腐食だったことも判明した。

国交省によると、同機は離陸の際、滑走路(2000メートル)を過ぎても、後輪が浮かず、オーバーランに備えた過走帯(60メートル)の終点まで走行。国交省佐賀空港出張所の現場確認で、過走帯の終点を知らせる航空灯5基のうち、1基が壊れているのが見つかった。

同機は同日午後2時半すぎに離陸したが、機長と副操縦士の速度計で数値が一致しないトラブルが発生し、同3時すぎに空港に引き返した。

中華航空は、同省に対し「(機長らは)速度計の異常は駐機場を離れた後に気付いたが、滑走前に直ったので出発した」と報告したという。同省は速度計の表示が何らかの原因で離陸速度まで上がらなかったため、機長が操縦かんを引くのが遅れたとみている。

同機は9月20日、後部の胴体底に長さ約77センチの亀裂が見つかり、同空港で修理を行っていた。同出張所の担当者は「過走帯の先は草地で(あと少し離陸が遅ければ)大惨事になったかもしれない」と話している。

また、5日までの国土交通省などの調べで尾部に見つかった大きな亀裂周辺のアルミ合金製の外板が、内部から腐食していたことが分かった。腐食のため強度が低下、飛行を繰り返した結果、亀裂ができたとみられる。

国交省と中華航空によると、外板は亀裂の周辺で長さ2メートル前後にわたって腐食。トイレの配管から漏れた液体などで腐食し、飛行を繰り返す間に金属疲労を起こし、最終的に佐賀空港で亀裂ができたとみられる。中華航空は、アルミ合金製の板で亀裂を覆うように補強して修理。ほかに腐食は見つからなかった。

飛行機の胴体はモノコック構造だから、外板にもストレスは掛かっていて、一部が腐食するとか傷が付くと、亀裂などに発展するものです。
だからこそ年中点検している必要があるわけで、水漏れがあっても腐食が進行してはいけないし、部材の劣化として捉えれば指定された整備の時期までコントロールしながら劣化させなくてはいけない。

それにしても、空荷の機体で2000メートルを走りきってしまったというのはどういうことなのだ?
いくら速度計が壊れていてもそれは走りすぎではないのか?
確かに、速度計が正常でないから滑走路一杯に使って離陸を試みたというのは分かるが、それでも過走帯まで使うというのは無いだろう。

本当に速度計だけの問題だったのか、エンジン出力不足だったのか?
いずれにしても、定期航空運行という総合的なマネージメントが重要な業務がうまく回らないのが中華航空ではないだろうか?

10月 6, 2007 at 10:39 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.10.03

中学生・砲丸投げの授業で頭蓋陥没骨折

産経関西より「砲丸直撃、中3重傷授業中、通報せず大阪・守口

2日午前11時半ごろ、大阪府守口市佐太中町の市立庭窪中学校の運動場で、砲丸投げの授業中、3年生(14)に、別の生徒が投げた砲丸が頭に当たり、左後頭部陥没の重傷を負った。
病院に搬送されたが、命に別条はないという。学校側は救急車を呼び、市教育委員会には連絡したが、警察には通報していなかった。
守口署は業務上過失傷害の疑いも視野に、学校関係者らから事情を聴く。

市教委や学校によると、事故当時は3限目の体育の授業中で、3年生2クラスの男子生徒36人が、3~4人のグループごとに約15メートル離れて投げ手と拾い手に分かれて練習。
事故当時、岳本君は拾い手で、隣のグループが投げ損じた砲丸を拾おうと身をかがめた際、自分のグループの男子生徒が投げた砲丸が左後頭部に直撃したという。

砲丸は直径約12センチ、重さ約2・7キロ。通常は女子中学生が使用するやや小さめのものだった。3年生で砲丸投げの授業はこの日が初めてだったという。

担当していた体育科の男性教諭(54)は約10年間、同校で砲丸投げの授業を行っており、授業前に安全確認をするよう生徒らに説明したが、投げ方やタイミングなどについて具体的な取り決めはしていなかったという。

同校では事故後、警察に通報しておらず、約5時間半後の午後5時ごろ、報道関係者からの問い合わせで警察が知り、警察側から同校に電話を入れたという。

庭窪中の校長は「安全であるべき学校で事故が起きたことにおわび申し上げる。安全の配慮が足りなかったことは認めざるをえない」。
市教委の指導部長は「校内で起きたことなので通報する必要はないと思った」と釈明した。
今後は砲丸投げの授業は取りやめる方針という。

全体としてずいぶんひどい話だと思う。

投げ手と拾い手に別れてについては、他の報道では「並んでキャッチボールの要領で」との説明があった。
また、実際の事件(ここでは事故とは呼ばない)でも、拾いに行った生徒に他の生徒が投げた砲丸が当たっているのだから、同時に複数の砲丸を投げ合っていたのは明らかだ。

危険なものを取り扱うときの大原則に、同時に複数を動かしてはいけない、というのがあってこれはごく普通の身を守るための常識だろう。
こんなところに反しているのが、学校側の常識=社会では非常識、と言えるのが教育委員会の発言だ。

教育委員会の指導部長にとっては生徒が頭蓋骨陥没に至るようなことは事件どころか事故ですらなく、日常的に起きる「事」なんですね。
随分とひどい発言だと思う。

砲丸の授業が云々ではなくて、根本的に安全管理の意識が無いのではないか?
人間が大勢集まっているときに一番注意するべきは安全管理で、しかも失敗したときにも安全に、というのが安全管理の常識だ。
「失敗したから怪我をした」という認識であれば、それ自体が間違っている。

10月 3, 2007 at 09:40 午前 事故と社会, 教育問題各種 | | コメント (13) | トラックバック (0)

2007.09.17

コースター暴走ではなくて、運転ミスだろう

「ジェットコースター脱線死亡事故その8」などでさんざん問題にした、エキスポランドでまたもコースター暴走のニュースがありましたが、どうも詳細がはっきりしないので、複数の記事を集めてみました。

現象について細かく説明しているのは朝日新聞です。
朝日新聞より「エキスポランドでコースター暴走 停止せず連続2周

コースターは通常、乗降位置の手前約20メートルでいったん自動停止するよう設定されており、その後、係員が手動で前進させ、ホームの停止位置までくるとセンサーが作動して再度、自動停止するようになっている。

今回もホーム手前で停止後、係員が手動で進めたが、その後、自動停止しなかったという。2周後、ホームへ戻ってきたところで、係員が自動停止の機能を使わず、前進ボタンから手をはなす手動操作で停止させた。

記事には説明図があるですが、作動のシーケンスとしては

  1. 降車位置の20メートル手前で停止
  2. 係員が降車位置まで前進を指令
  3. 降車位置で自動停止
  4. 降車

となっていたのに止まらずに前進してしまった。
ということですが、ここで複数の疑問が出てきます。

  1. 自動停止しないと次の周に入るとはどういうことか?
  2. 手動停止するべきではないのか?

この疑問について多少は説明になっているのが、読売新聞関西版の記事です。
読売新聞・関西発より「エキスポランド、コースターまた暴走 停止せず1周

2周目の滑走を始める前の「上り」の段階で緊急停止させることもできたが、係員が、もう1周させてホームで乗客を降ろしたほうが安全だと判断したという。

これで2周した理由そのものは分かりますが、20メートル手前で止まったのにゆっくりと前進しながら、停止位置を通過したとはどういうことだ?という疑問については、朝日新聞の記事が説明になっています。
朝日新聞より「今度はコースター停車せず、余分に1周 エキスポランド

コースターは通常、乗降位置の手前約20メートルでいったん自動停止するよう設定されており、その後、係員が手動で前進させ、ホームの停止位置までくるとセンサーが作動して再度、自動停止するようになっている。

今回もホーム手前で停止後、係員が手動で進めたが、その後、自動停止しなかったという。
2周後、ホームへ戻ってきたところで、係員が自動停止の機能を使わず、前進ボタンから手をはなす手動操作で停止させた。

この記事から読み取れるのは、

  1. 20メートル手前で、停止する
  2. 停止位置までは手動ボタンを押して前進させる
  3. 手動ボタンを放すと、その場で停止する
  4. 手動ボタンを押し続けていても、停止位置では自動停止で割り込みが掛かる
  5. 停止位置を過ぎると次の周回のために出発シーケンスに入っていく

これは、機械の設計としては「自動停止を運転の標準とはしない」のではないか?
鉄道におけるATSのような考え方で、オペレータが停止位置をミスしたときに自動的に止めるというものだと思う。
コースター全体の運行シーケンスで考えると、

  1. 停止している
  2. 客が乗り込む
  3. 出発準備を完了
  4. 停止位置から前進
  5. 動力による運転開始
  6. 重力によると自動運転
  7. 20メートル手前で自動運転の終了
  8. オペレータによる運転に切り替え
  9. 停止位置に止める
  10. 客の降車

なのだから

「結局は前進ボタンは停止位置で放す」
のが当然で、なんでそれを漫然と押したままで
自動停止に頼る事にしていたのか?

しかもエキスポランドが取った「点検」が恐ろしい。
中日新聞より「エキスポランドでコースター「もう1周」 センサー誤作動か

同社は運行を休止し、十六日午後からはメンテナンス会社とともに緊急点検して原因を調査。
電気系統を確認したり、試運転を繰り返したが、原因は分からず、十七日以降も調査を続ける。

要するに、オペレーションは問題なしでセンサーなどの機械的故障に原因を求めているのだが、それでは緊急停止以外では無限に周回することが可能なコースターだということになってしまう。
毎回停止して客が乗降しなくてはコースターではないのだから、オペレーションは最重要問題だろう。間違っても「無限に周回する」なんて可能性があってはいけないわけで、その観点からみると

次の周回に入る位置まで
行きすぎるまで気づかなかったのか?

方がよほど問題だろう。

この間、オペレータはボタンを押し続けていた

簡単に考えて「見ないでボタンを押し続けていた」であろう。なんらかの過失罪になっても不思議はないと思う。

9月 17, 2007 at 11:41 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.09.08

炭酸ガスボンベが路上をはね回り怪我人

読売新聞より「消火ボンベが落下、ガス噴出して跳ね回り4人負傷…大阪

8日午前11時20分ごろ、大阪市平野区加美東のパチンコ店の立体駐車場(60台収容)の解体現場で、作業員がショベルカーで駐車場備え付けの消火用液化炭酸ガス入りボンベ(長さ約1・75メートル、直径約30センチ)21本をつり上げ、トラックに積み込む作業中、うち1本が地面に落下、はずみでボンベの栓が外れた。

ボンベは噴出したガスの勢いで周辺道路などを回転しながら跳ね、コンビニ店の入り口のガラスを破ったり、近くのJR線の線路脇のコンクリートブロックにぶつかったりして約30~40メートル動いて止まった。

この事故で、通行人の27~76歳の男女計3人が、ボンベをよけようとして転倒、足の打撲などの軽いけが。また、コンビニ店内にいた男子中学生2人がガスを吸い、1人は気分が悪くなって病院に運ばれた。

大阪府警平野署は、ボンベが落下した状況などについて、作業員から業務上過失傷害容疑で事情を聞いている。

同会館によると、解体作業は8月20日から実施。この日は午前9時から作業を始めたという。


拡大地図を表示

コンビニのガラスを破ったというのですから現場はここですね。

駐車場設備の炭酸ガスボンベというのはデカイのかな?
いずれにしても間違えなく、高圧ガス容器だから取扱資格が必要で、同時に21本を吊り上げたりするのは禁止でしょう。

ボンベの大きさが D300×L1750 といった大きさになると、重量がほぼ100キロになるらしい。
鉄骨・鉄筋などと同じに21本まとめてロープで吊り上げたのではないかな?

100キロもあるモノが3~40メートルも暴走して、転んだ怪我人ぐらいで済んだのであれば、誠に幸運と言うべきで、人を直撃していれば死亡事故になっただろうし、極論としてはボンベの爆発だって皆無とは言えない。

こんな事故が起きること自体が、日本の劣化と感じますね。

9月 8, 2007 at 04:50 午後 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

Up1

今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

Up2

本来のワッシャが付いている状態。

Up3

今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.08.27

中華航空機爆発炎上事故その10

沖縄タイムスより「ボルト外し先月点検/中華航空炎上機体

那覇空港での中華航空機炎上事故で、燃料タンクに穴を開けたとみられるボルトについて中華航空が七月六日に点検していたことを二十五日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が明らかにした。事故調査委は「この点検でボルトがいったん外され、ナットが付け替えられた可能性もある」とみている。
事故調査委と県警の現場検証は同日、すべて終了した。

点検は、機体製造元のボーイング社が二〇〇六年、事故機の同系列機について「スラット(高揚力装置)のアーム部分に取り付けたボルトを締めるナットが緩む恐れがある」との文書を出していたことを受け実施された。

文書では「ナットを外して点検した場合は、元に戻す際に古いナットを取り換え、新しいナットを締めるように」とされているという。
中華航空の整備記録には「手順通りに点検を実施した」と記述されていることから、事故調査委は、この点検の際にナットの付け替え作業が行われた可能性があるとみている。

事故機では、ボルトとナットの間に取り付け、ボルトの脱落を防止するようになっているワッシャーなどの部品三個が、ボルトから外れた状態で見つかっていた。

また、事故調査委は、燃料漏れの原因とみられる穴が開いていた、燃料タンクに接する収納部品「トラックカン」も回収した。穴は幅約六・五センチ、厚さ約二ミリのトラックカンの底部に斜めに開いていた。
長さ四・一センチ、幅二・三センチだった。一方の先がすぼまった水滴のような形で、丸みを帯びた部分から、ナットが突き出ている状態だったという。

事故調査委は穴の形状や、ボルトが押し付けられていた状態などを詳しく調べ、どのように力が加わり、穴が開いたのかを検証していく。

日経新聞より「中華航空機炎上、整備ミス強まる・事故調、台湾に調査官派遣へ

那覇空港の中華航空機炎上事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は26日、事故機の燃料タンクに穴を開けたボルトの脱落は、留め具のワッシャー(座金)などの部品が外れていたことが原因との見方を強めた。
事故調は整備時に付け忘れた可能性があるとみて、今後、中華航空の整備記録などを確認し、担当者らからも事情を聴く方針を固めた。

これまでの調べでは、飛行機の揚力を調整する可動翼(スラット)を動かすアームからボルトが脱落していたことが判明。ボルトがアームの収納ボックス(トラックカン)を破り、燃料タンクに約4センチの穴を開けた。

確かに、部分的改修工事で点検とナットの交換だけの臨時作業の場合、時間に追われてミスする可能性は大きくなるかもしれません。
こういう「常識ではそういうことはしないだろう」というのが次々に破られているような気がしますね。

最終報告がどうなるのか、ですね。

8月 27, 2007 at 10:06 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

中華航空機爆発炎上事故その9

読売新聞より「中華機炎上、整備ミス濃厚…ボルト脱落防ぐ座金付け忘れか

那覇空港で中華航空機(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、脱落して燃料タンクを突き破っていた右主翼前端の可動翼(スラット)内部のボルトは、中華航空が今年7月の定期点検で脱着作業を行い、完了検査も受けていたことが25日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

ボルトは、脱落を防ぐ留め具の「ワッシャー(座金)」などが外れた状態で見つかっており、部品が誤って取り付けられ、整備後のチェックもすり抜けていた可能性が高い。
事故調では、中華航空の整備ミスが原因とみて調査を進める。

事故調は25日、現場での検証を終了。この日は事故調が当初、燃料漏れの原因とみていた右主翼下のパイロン内部の燃料管に不具合は見つからず、燃料漏れは脱落ボルトが燃料タンクを突き破ったためと断定した。穴の空いた部分(厚さ2ミリ)は、長さ41ミリ、幅23ミリだった。

事故調によると、事故機は先月6日の年1回の定期点検で、スラットの支柱後端部の部品を脱着。この部品は、ボルト(長さ42ミリ)とナット(外径10・4ミリ)の間に六つの部品を挟み込んで後端部の穴(直径14ミリ)に取り付けられており、穴から脱落しないよう二つの座金(外径15・9ミリ)が留め具になっている。

事故機の整備記録では、部品の交換作業は製造元の米ボーイング社の指示通りに行われた。航空機の整備作業は、作業が完了すると別の整備士が手順通りに作業が行われていたかを照合し、全整備完了後に再度、最終チェックを受けることになっている。各工程ごとに担当者が整備記録に署名しており、事故機の整備記録にも、部品交換、検査の項目ごとにサインが残っていた。

脱落したボルトにはナットが付いていたが、留め具の座金など三つの部品が外れた状態で脱落し、燃料タンクを突き破っていた。このため事故調では、ボルトを脱着した際に、〈1〉座金の一つを付け忘れたため飛行中の振動などで脱落した〈2〉整備士が部品の装着を忘れ、部品が燃料タンク組み込み部に放置されていた――など、整備ミスの可能性があるとみている。

国内航空会社の整備関係者は、「作業中は細かい部品が散逸しないようボルトに部品を装着してナットを付け、そばに置いておくことがある」として、「別の作業を同時並行で行っていて、装着し忘れた可能性もある」と指摘。別の整備関係者は、「事故機は就航から5年が経過しており、製造時の誤装着であればもっと早く検査で見つかっている」として、製造ミスの可能性は低いとしている。

Up

琉球新報の記事「中華航空機、燃料気化し延焼 事故調、トラックカン回収」に掲載されていた回収された穴の開いたトラックカンです。幅は100ミリは無いですね

脱落したボルトの長さが42ミリとのことですから、トラックカンの中ではギリギリの大きさであったと想像できます。
説明図によると、スラットのレールはスラット本体と一体で移動する仕組みで、問題のボルトもレールと一体で移動し、ストッパーとして機能した。

このトラックカンの中をボルトは移動する仕組みになっていたのですが、トラックカンを突き破ってしまった。

レールの穴はボルトが抜け落ちるサイズですが、トラックカン内部でどのようになっていたのでしょうか?

完全に脱落していたのか、レールには付いているが付きだしていたのか。
おそらくは、見つかったときには完全に脱落していたのではないかと思いますが、そうなるとトラックカン内部でレールからボルトは脱落する余地があるのか?
脱落する余地がないのなら、最初から取り付けられていなかった、置いてあっただけ。という可能性が出てきます。

けっこうタチの悪い話のようですね。

8月 26, 2007 at 10:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.25

中華航空機爆発炎上事故その8

朝日新聞より「留め具つけ忘れボルト脱落、整備状況調査へ 中華機炎上

那覇空港の中華航空機炎上事故で、燃料漏れを引き起こした金属製ボルトは、差し込み穴より大きな金具三つが外れていたため、脱落して燃料タンクに突き刺さったことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。
ボルトは穴に差し込んだだけで固定されていなかったことになる。
機体整備時に金具をつけ忘れるミスがあり、飛行の振動などで徐々に抜けていったと見られる。中華航空側は7月に事故機のボルトを締め直したと説明しており、調査委が経緯や作業内容を調べる。

調査委によると、ボルトは長さ約4センチ。先端にナット(直径1.04センチ)がついた状態で、燃料タンクに突き刺さっていた。

本来、ボルトには、ナットの内側にワッシャーやダウンストップという金具がついている。
ボルトが差し込まれる可動翼(スラット)の支柱(アーム)の穴は直径1.4センチ。ワッシャーやダウンストップの外径はこの穴より大きいため、これらが正しくついていれば、ナットのついたボルトが穴から抜け落ちることはありえない。

Up

ボルトから外れていたのは、ストップロケーションとナット側にあるはずのワッシャーとダウンストップの三つの金具。
これらはアームを格納する主翼内の燃料タンクのへこみ(トラックカン)内などに転がっているのが見つかった。アームの穴に損傷はなかった。

このため、事故機はこれらの金具をつけ忘れたままで運航され、振動などでボルトが抜け落ちたと見られる。

ダウンストップは、機体の揚力を調整するスラットが主翼から脱落するのを防ぐ金具。
ワッシャーは、ボルトからダウンストップが外れないように取り付けられている。

調査委は23日の調査で、右主翼内の燃料タンクにあるトラックカンの壁面にボルトが突き刺さっているのを発見した。

スラットは、離着陸時に主翼の前側にアームで押し出され、その後に格納される。格納時には、アームがトラックカンの中に引き込まれるため、落ちていたボルトがアームに押されて燃料タンクに突き刺さった可能性が高いと見ていた。漏れた燃料は右エンジン周辺に流れ、エンジンの余熱で燃え上がったと見られる。

調査委は今後、7月の中華航空の整備内容を調べ、整備不良によるものかどうかを確認する。
機体製造時からワッシャーなどがついていなかった可能性について、航空関係者には「事故機は就航から5年以上たっており、部品がないまま抜け落ちなかったとは考えにくい」との見方が有力だ。

図の赤線で囲ってある部品がボルトについていなかったとということになる。
しかし、付近に転がっていたというのだから

組み立てないで放り出してあった

ということになる。
整備不良といってもすご過ぎる。

新聞記事では「整備ミス」としているが、サボタージュでないと言えるのだろうか?
あるべき部品が無いというのであれば、部品出庫の管理なども含めて問題になるが、部品が機体に供給されたのに組み立てられずに放り出してあった、というのではチェックするのは作業内容の検査しかない。
それが甘かったのは間違えないが、ミスなのか故意なのかはやはり問題になるだろう。

少なくとも、機械類の整備で「故意に正式な状態にしない」とされたら、どうにもならない。
例えば、ボルト・ナットなどのように手加減の問題があるものや、配線などのように同じようなものが複数あって間違える可能性がある、といった非常に注意を要するものもさほどコスト掛けないで実用になっているのは「きちんとやる」が前提になっている。
今回の事故の原因よっては、非常に深刻な問題になるだろ。

8月 25, 2007 at 09:53 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.23

中華航空機爆発炎上事故その7

「中華航空機爆発炎上事故その6」の続きです。

テレビニュースの内容ですが、国交省は中華航空機の燃料漏れの原因をスラットを収納した際に、ボルトが燃料タンクを突き破ったためと発表しました。

いったいどうやれば、そんなことになるのだ?

8月 23, 2007 at 06:03 午後 事故と社会 | | コメント (9) | トラックバック (1)

2007.08.22

中華航空機爆発炎上事故その6

NHKニュースより「駐機前から大量の燃料漏れ

この事故は20日、沖縄の那覇空港で、台湾のチャイナエアライン120便のボーイング737型機が到着直後に炎上したもので、乗客・乗員165人は全員、避難して無事でした。

事故機が駐機場に到着した際、機体からは、大量の燃料が漏れていたことが地上の整備士の証言からわかっていますが、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会のその後の調べで、これよりも早い段階の誘導路を走行中に、機体からすでに大量の燃料が漏れているのを複数の空港の従業員が目撃していたことが新たにわかりました。

一方、大量の燃料漏れが起きた個所について事故調査委員会は、エンジン内部の燃料配管などに異常が見つかっていないことから、主翼とエンジンとをつなぐ「パイロン」の周辺にある配管との見方を強め、22日にも、内部の状況を詳しく調べて燃料漏れにつながる破損などがないか重点的に調査することにしています

「中華航空機爆発炎上事故その5」で書いた、駐機後に突如として大量の燃料が漏れ始めた、ということではないようですね。

他の報道は、パイロン内でエンジンに接続しているパイプなどが破損しているから燃料が漏れた、という推測ばかりです。

読売新聞より「中華航空機、初期爆発でタンク破損か…大量の燃料漏れ

那覇空港で中華航空120便(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、右主翼下の第2エンジンで起きた最初の爆発の衝撃により燃料タンク周辺が破損し、機体を全焼させる大量の燃料漏れが起きた可能性が高いことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

これまでの調べによると、燃料漏れは当初、右主翼下のエンジンをつり下げるパイロン周辺で発生。パイロン内部にある燃料管の不具合で漏れ出した燃料が第2エンジン内に流入、あふれ出した燃料は路面まで流れ落ちていた。地上で燃料漏れを目撃した整備士は機長に連絡。
機長らは手順に従ってエンジンを停止した結果、燃料タンクの安全弁が作動し、燃料の流出は一度は止まったとみられる。

しかし、エンジン停止後、内部は送風が止まり、余熱で温度が上昇。漏れ出した燃料は、タービンや排気口などの高熱で気化して引火し、この熱でエンジン内部などにたまっていた燃料が一気に爆発した。

事故調では、この爆発時の衝撃で安全弁や燃料管などのタンク部品が破損、燃料をエンジンに送り込むための高圧の燃料ポンプが作動していたため、タンク内の大量の燃料が一気に機外に流出したとみている。

流出した燃料は強い南風を受けて機体左側に移動。左主翼の燃料タンクでも燃料が気化して引火、何度も爆発を繰り返し、約1時間にわたり燃え続けた。

これはどうなんでしょうね?映像ではそんな風には見えないように思いますが、火災はどんどん拡大していたし、右側から流れた燃料だけで燃え広がるというよりも、かなり早い時期から左翼側でも燃料が漏れていたように感じるのですが・・・・・。

8月 22, 2007 at 10:23 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事故その5

「中華航空機爆発炎上事故その4」の続きです。

国交省から続報が出ないので、情報が止まっているようです。

朝日新聞より「燃料漏れ「相当な勢い」、風で火災拡大か 中華航空機

那覇空港(那覇市)で中華航空機(ボーイング737―800型)が炎上した事故で、右側の第2エンジン付近からは相当な勢いで燃料漏れが起きていたことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。燃料漏れを目撃した整備士は、「ジャージャーと漏れていた」と周囲に話したとされる。
この燃料漏れによって第2エンジン付近で起きた火災が風にあおられるなどして胴体や左側主翼が熱されて、爆発など被害拡大を招いた可能性が強まっている。

調査委は21日午前、沖縄県警、台湾の事故調査当局と合同で実況見分を実施。
燃料タンクとエンジンを結ぶ配管などに不具合がなかったかなどについて、詳しく調べている。

事故機の燃料は主翼と胴体下部にある三つの燃料タンクから配管を通り、ポンプで加圧された後、両エンジンの燃焼室に送り込まれ、通常漏れ出すことはない。だが、事故機が駐機場に到着した時、整備士が第2エンジンからの燃料漏れと出火を目撃。
関係者に対し、燃料漏れの様子について「ジャージャーと漏れていた」と話したといい、相当の勢いで大量の燃料が地上に流れ出した可能性が出てきた。

航空燃料は60度程度で引火、約240度で火花などがなくても発火するため、調査委は何らかの原因で漏れた燃料が、数百度の高温になっているエンジンの排気口や排ガスの熱で発火した恐れがあるとみている。
21日未明に那覇空港で記者会見した調査委の台木一成首席航空事故調査官は「燃えるものとしては一番、燃料が考えられる」と指摘した。

また、調査委の調べでは、最初に出火したとみられる右側の第2エンジンに比べて、左翼や左側にある第1エンジンは焼け方が激しく、エンジンそのものの形が崩れかけていた。

当時、第2エンジン側から第1エンジン方向に風速5メートル程度の風が吹き、空気は乾燥していた。
調査委は、(1)風であおられた炎が胴体下部や左側主翼を熱した結果、胴体内部の燃料タンクからの燃料漏れや、爆発につながった(2)主翼内部の配管を伝わって火災が広がった(3)何らかの原因で飛び火したなどの可能性を想定。中でも風の影響が最も有力とみて、火災発生・延焼のメカニズムの解明を進めている。

一方、調査委は右側の翼端近くから燃料が漏れているのも確認した。
主翼の端が地面に接触している状態で、主翼の表面を燃料が流れた形跡がないことから、タンクの燃料が主翼内を伝って翼端から出たとみている。
調査委は、事故後に主翼が折れ、内部に残っていた燃料が漏れたもので、ここからの漏れが右側エンジンの火災に直接つながった可能性は低いとみている。
ただ事故機では第2エンジンとともに、少なくとも2カ所で燃料漏れが確認されたことになる。

国交省や航空関係者によると、エンジントラブルなどの際、パイロットは操縦席で操作すれば燃料供給を遮断できる。
だが、その時点ですでにエンジンの覆い(カウル)の内側や地上にかなりの燃料がたまっていれば、発火する可能性がある。
いったん火災が起きて、その熱で配管やポンプが壊れれば、一気に大量の燃料が漏れ、火の勢いを止めようがなくなるという。

誘導路などに燃料漏れの形跡がないということなので、ランプに入るところで突如として大量の燃料が漏れて、白煙を上げたので地上整備士によって発見され、整備士は大量の燃料が漏れ続けているから緊急事態だとして脱出を機長に指示した。
ということのようです。

これで「なぜ、ランプに入ったところで大量の燃料が漏れたか」が問題になりますが、ランプに入ることが引き金になって何かが壊れるというのはちょっと無いでしょうから、壊れかけていたものが破断した、といったことでしょうか?
駐機に備えて操作するのは、APUの起動でしょうか?そういった駐機のための操作で何かが壊れた、というのはあり得るかな?

ちょっと謎が多いですね。
そう言えば、燃料漏れが右エンジン付近から始まって発火したのも右エンジン付近ですが、左側では燃料漏れは無かったのかな?あれだけ盛大に燃えたのだから、機体が壊れる前に左側からも燃料漏れがあっても不思議はないと思うのですが、それについては報道がないですね。

8月 22, 2007 at 12:12 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.20

中華航空機爆発炎上事故その4

「中華航空機爆発炎上事故その3」の続きです。

読売新聞より「操縦室の計器は異常示さず 中華航空が台北で記者会見

【台北=吉田健一】那覇空港で起きた中華航空機炎上事故で、同航空の孫鴻文・広報担当は20日、台北市の本社で記者会見し、「火災発生時、操縦室内の火災警報など計器類は異常を示しておらず、操縦士らは空港の地上職員から教えられ、初めて火災に気付いた」と説明した。

事実とすれば、計器類が正常を示した原因の究明も事故調査の大きな焦点になると見られる。

孫氏は会見で「最近の点検で(事故機の)機体には異常はなかった。現時点で事故原因は全く分からない」と述べ、日本側の調査に全面協力する姿勢を強調した。

孫氏によると、事故機は7月6~13日にかけ、年1回の定期点検(AV5)を実施。さらに、7月6~8日にはエンジン内に内視鏡を入れる目視点検を、8月4日には飛行時間500時間ごとの点検(RE5)をそれぞれ行ったが、いずれも異常はなかったという。

同社では、事故機と同型のボーイング737―800型機を、事故機以外に11機保有しており、行政院交通部(交通省)民用航空局は20日、同社に対し、すべての同型機の緊急点検を指示した。

一方、台湾当局は同日、事故機の調査のため、行政院航空安全委員会の担当官らを中心とする調査班9人を那覇に派遣した。

いや、台北での会見でしかも緊急だから調査は不十分だとは思うが、外部から見える火災警報が出ないのなら、同型機は即時飛行停止にするしかないだろう。

ちょっと前後を考えた発表とは思えない。
新聞記事も「事実とすれば」と書くのは当然だ。

そもそも、管制塔からではなくて間近にいる地上整備員から火災の知らせがあったということは、停止直前で一分も前のことではないだろう。
しかも「整備員から火災だ、乗客を緊急に避難させろ」と連絡があったとテレビニュースで伝えられたが、もしコックピット内で何も分からなければ普通は聞き返すなどして時間を食うだろう。

それが客室乗務員には「火災だから緊急脱出せよ」とコックピットから命令があったという。
どう考えても、コックピットで状況を把握していなかったとはちょっと思えない。

8月 20, 2007 at 09:26 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (1)

中華航空機爆発炎上事故その3

中華航空機爆発炎上事故は乗客乗員の生命は無事だったようですが、なんで駐機場に止まって一分後にエンジンが爆発するといったことになるのか、想像が出来ません。

朝日新聞より「中華航空機炎上、乗客・乗員165人無事 那覇空港

中華航空側は「エンジンから燃料漏れがあり、エンジンを停止させようとしているときに炎上し始めた」と説明しているという。

読売新聞より「那覇空港で中華航空機炎上、乗客157人は全員避難・無事

同便のパイロットからは異常を示す連絡は一切なく、エンジンは突然、爆発したという。

停止、一分後に爆発したとなっていますが、普通に乗客が降りる時間はなく、緊急脱出して無事だったとなります。

これが、パイロット・客室乗務員に全く情報が無く本当に突如爆発炎上に至ったのであれば、これほどまで素早く脱出は出来なかったのではないだろうか?

つまり、コックピットには警告が出ていたのではないか?
消防の活動具合や、国交省の発表では、空港側からは「突如爆発炎上」であったようです。
つまり、乗員が警報が出ているのにそれを地上に知らせて援助を受けることをしなかったのではないか?となります。

もうちょっと経つと詳しい経過が明らかになるでしょう。

8月 20, 2007 at 01:04 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事件その2

中華航空機爆発炎上事件

朝日新聞 中華航空機炎上、乗客・乗員165人無事 那覇空港
12時09分

サンケイ新聞 那覇空港で航空機炎上 乗員4人の安否不明
12:07

8月 20, 2007 at 12:21 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事故

中華航空機爆発炎上事件の新聞記事です。

朝日新聞 駐機場で中華航空機炎上、乗客155人避難 那覇空港
11時51分

読売新聞 那覇空港で駐機中の中華航空機炎上、乗客155人は避難
12時3分

サンケイ新聞 那覇空港で航空機炎上 乗員4人の安否不明
11:21

日経新聞 那覇空港で中華航空機が炎上、機内に乗員の情報
11:26

毎日新聞 那覇空港:中華航空機が着陸炎上 155人乗り
11時50分

8月 20, 2007 at 12:11 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.14

すごい工事

京都新聞より「側溝に電柱 長岡京 NTT西、ふた壊して設置

Up

京都府長岡京市天神4丁目で、市道に建てるはずだったNTT西日本の電柱が、側溝の中に建てられていることが13日までに分かった。

このままでは側溝を流れるはずの雨水を電柱がせき止める可能性もあり、設置に必要な道路占有許可を出した市土木課は「考えられない間違い」と驚いている。

老朽化などのため新しく建て替えられた電柱で、市が7月20日にNTT西日本に対して道路占有許可を出した後、7月下旬から8月上旬にかけて工事が行われた。

ところが、設置後に市民から連絡を受けた市土木課職員が現地を確認したところ、側溝(深さ約40センチ)のコンクリート製ふたの一部を壊して電柱が建てられていることが分かった。

同課がNTT西日本に問い合わせると、本来の設置予定地は側溝横の道路上だったことが判明した。
NTT西日本京都支店の広報担当者は「強度を保つために太めの電柱にしたせい、と聞いている。盆休み明けに、行政と話し合って対応を決めたい」と話している。

こんな工事をして、市民から通報があるまで関係者が誰も問題にしなかったとはどういうことなのだ?
実際に工事する作業員だって「これは変だろう」と協議したと思う。
それでも工事を強行したのには、それなりの決断をした人物が居たわけで、どうなっているのだ?
また、これほどまで明確な「ミスが止まらない」ので危なくって仕方ないではないか。

8月 14, 2007 at 10:02 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.08.13

エスカレータに穴が空いてた・その2

「エスカレータに穴が空いてた」の続編です。

写真がありました。

Up

この写真によると「左下」とのことですから、穴=空洞というよりも削れて出来た凹みのような感じですね。

それにして妙にきれいに凹んでいて、なんでこんな凹みが出来たのかちょっと分かりません。

8月 13, 2007 at 07:39 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エスカレータに穴が空いてた

毎日新聞より「エスカレーター:女性が足挟まれ親指切断 JR川崎駅ビル

12日午後9時55分ごろ、川崎市川崎区のJR川崎駅ビルで、エスカレーターに乗っていた同市中原区の会社員の女性(27)が左足を挟まれ、親指切断の大けがを負った。

神奈川県警川崎署の調べでは、エスカレーターは1階から3階の改札階につながる上りで、川崎市所有。

ステップの垂直部分に
高さ12センチ、横7.5センチの
穴が空いており

、女性はその穴に気付かず、立っていた。
降り場が近づき、たたまれる過程で、左足の親指が挟まれ、エスカレーターは緊急停止した。
同署は業務上過失傷害容疑で、メーカーの東芝エレベータと川崎市の担当者から事情を聴いている。【吉住遊】

これは地下街のアゼリアに繋がる東西自由通路の真ん中にある大きなエスカレータですね。
この自由通路、アゼリアのサイトには

川崎駅東西自由通路 「JR川崎駅東西自由通路」は1日33万人が行き交う首都圏でもトップクラスの巨大ターミナルです。

と宣伝しております。
いや、実際にすごい通行人の数で、巨大な通路が狭く感じるほどですが、地下街と線路を越えている通路を一気に繋いでいる長いエスカレータです。

最近は駅に設置してあるエスカレータが増えたので、分解して点検しているところをよく見かけます。
エスカレータのステップはアルミ鋳造品のようですね。多分、LPでしょう。
だから原理的には割れて穴が空くことはありうると思うけど「12センチ×7.5センチの穴」が通常使用で空くとはちょっと思えない。

手帳ぐらいの大きさですよね。誰かが故意に壊したのではないかな?
エスカレータの点検を見ていると、あまり大きな(長大な)エスカレータはメンテナンスの観点からは効率が良いのか疑問に感じます。
この、川崎駅のエスカレータはわたしはあまり好きではない。なんか転んだりすると大事故になるのではないか?と感じさせるところがあるからで、それと同じような印象を江戸東京博物館のエスカレータにも感じます。

基本的にはエレベータよりもエスカレータの方が開放的で好きなんですけどねぇ。

8月 13, 2007 at 04:45 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.12

自分の車の下敷きになる

福島民友新聞より「女性が車の下敷き、死亡/二本松

11日午前6時20分ごろ、二本松市の主婦(58)が軽乗用車を駐車、車外に出たところ車が動きだし、止めようとしたこの主婦が車の下敷きになった。
主婦は全身を強く打ち同市の病院に運ばれたが、約3時間半後に死亡した。

二本松署の調べでは、現場は坂道で、車は約40メートル下ったところで道路脇の斜面に乗り上げ、反動で、車を止めようとしていた高橋さんに覆いかぶさるように横転したとみられる。高橋さんは知人宅を訪問しようと車を駐車した。

最初、タイトルを見たときに「車にはねられたとは言うが下敷きとはどういうことだ?」でした。
上記の記事を読んで「意外なことも起きるものだ」というのが正直な印象です。
日本は全体として安全に注意する習慣などが薄まっているのでしょう。

8月 12, 2007 at 01:01 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.08

事故調査委員会・拡大へ

朝日新聞より「事故調を拡大、海難審判庁統合し「運輸安全委」新設へ

国土交通省は来年度、航空・鉄道事故調査委員会を拡大し、鉄道、航空に加えて海難事故も事故調査の対象にするよう組織を拡大・強化する方針を固めた。
具体的には海難審判庁を事故調査委に統合して「運輸安全委員会」を新設する。

航空、鉄道、海運に加え、高速道路やパイプラインの事故まで調査対象としている米国の国家運輸安全委員会(NTSB)をモデルに、国交省も陸、海、空の原因究明機能を一元化。
事故の背後要因の踏み込んだ分析や、情報の共有化を進める。
法律上の位置づけを変えて、現在の調査委より組織の独立性も高める。

各組織の具体的な定員などを詰めており、8月下旬に決定する08年度の組織・定員要求に盛り込む方針だ。

事故調査委は航空、鉄道の委員で構成されているが、運輸安全委では海難の専門知識を持つ委員も設け、再発防止策の提言などを行う。

一方、海難審判庁は、原因を調べる審判理事所と、調査結果をもとに行政処分などを出す、裁判所に相当する審判庁があり、両方とも運輸安全委員会の傘下組織として存続させる。
また、船員の紛争処理などを担う船員労働委員会は廃止。紛争調整機能を厚生労働省に、一部の調査機能は国交省の審議会に移す。

まぁやらないよりもマシですが、事故調査に協力すると自白するから罪が重くなるでは協力しろという方が無理でしょう。
だからと言って「客観的に調べて事故原因が分かる」とはとうてい思えない。

事故調査は、責任追及とは別だと思うのです。
将来の同種の事故を防止するために、何をどうするべきかを研究するのが目的で、それには現状を変革することが前提になるでしょう。

事故の責任を現状とは違う別の状況下での責任追及をされたらたまったものではない。
その逆に、現状を肯定した範囲で事故防止策を打ち出すと最終的には「使わなければよい」にしかならない。

どうやっても、事故責任の追求と、防止策の検討は両立しがたい面は否定できないでしょう。
だから「将来のためには、刑事免責する」といった考え方が出てくるわけで、そこをどうするか?で拡大事故調の未来は決まるでしょう。

ところで、事故の被害者数として自動車交通事故はものすごい数なのですが、拡大事故調で扱わないんでしょうかね?

8月 8, 2007 at 10:20 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.08.06

保育園児・車内に閉じこめられ死亡

朝日新聞より「ワゴン車内への園児放置、福岡県警が家宅捜索 北九州

北九州市小倉北区の私立中井保育園に通っていた園児(2)が園の送迎用ワゴン車内に放置されて死亡した事故で、福岡県警捜査1課と小倉北署は6日、同保育園に対し業務上過失致死容疑で家宅捜索に入った。園長(31)が立ち会った。

調べによると、園児は7月27日夕、保育園から約240メートル離れた入浴施設の屋根のない駐車場に止めていたワゴン車内で、2列目と3列目の座席の間に仰向けでぐったりした状態で見つかった。搬送先の病院で間もなく死亡が確認され、司法解剖の結果、死因は「熱射病の疑い」とされた。

この日、園児21人は3組に分かれて園外保育で近くの公園に出かけており、午後1時半ごろ、暖人ちゃんら園児7人、保育士ら職員2人が乗ったワゴン車でいったん園に戻った。だが暖人ちゃんが降りたかどうか、保育士らは確認していなかったという。

県警は、保育士らの刑事責任が問えるかどうか、園の管理体制に問題がなかったかどうか、慎重に捜査を進めている。

園側は今月3日、市に事故報告書を提出。北村園長らの説明によると、保育園のスタッフが暖人ちゃんを発見したのは7月27日午後4時50分。遠足に参加した他の園児たちが園に戻った同1時半から、約3時間たっていた。園側が119番通報したのは同5時29分で、発見から約40分経過していた。

県警が翌28日、事故があったのと同じ時間帯に炎天下で実況見分をした結果、車内の温度は50度近くまで上がった。

同保育園は事故の翌日から休園している。

この事件は報道された直後に記事にしようかとも思ったのですが、分からなかったのが亡くなった園児が車内にどのように居たのか?でした。
今回の報道だと

2列目と3列目の座席の間に
仰向けでぐったりした状態

とのことですから、床の上ですね。車は写真によると普通のミニバンです。

園児7人と職員2名で、保育園に帰ってきて、一人残っているを見過ごしてしまった。
ということのようですが、職員2名は一名はドライバーでしょうから、もう一人の職員はどの席に座っていたのだろうか?多くの場合、バスでない限りこの手の人を運ぶときには、本質的に3名体制なんですよね。ドライバー、車内、車外(ドアの開け閉め)の3人分

車の仕様といい、チェックしなかった事といい、なんか最初からダメ、という印象が強いです。

8月 6, 2007 at 01:13 午後 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

安全教育か危険回避の訓練か?

朝日新聞より「ドライアイス入れたペットボトルが破裂、小学生2人けが

5日午後4時25分ごろ、大阪府東大阪市中石切町5丁目の中石切公園で、同市の小学3年男児(9)が手に持っていたドライアイスの入ったペットボトルが破裂した。
男児は両手や胸を約20針縫うけが。近くにいた小学1年男児(6)も右腕に軽いけがをした。ペットボトルは、約10分前に公園にいた中学生らが砂場に埋めたもので、男児が掘り起こしたところ破裂したという。

枚岡署は、ペットボトルを埋めた同市内の中学1年の男子生徒3人を、過失傷害の非行事実で児童相談所に通告する方針。

調べでは、中学生らは近くのスーパーで保冷用にもらったドライアイスを公園で容量500ミリリットルの2本のペットボトルに入れ、1本はまもなく破裂した。しかしもう1本が数分たっても破裂せず、ふたも開かなくなり、砂場に埋めて公園を離れた。
1本目の破裂を見ていた男児が掘り出したところ、破裂したという。

中学生らは「破裂の方法を友達に聞いていたのでやってみた。1本が破裂せず怖くなり埋めた」と話しているという。

夏休みだなあ、という感じの事件でもありますが、子細に読んでみるともうちょっと何とかならないのか?という印象です。

  1. 中学生が500ミリリットルのペットボトル2本ドライアイスを入れた
  2. 一本はまもなく破裂した
  3. 二本目は数分経っても破裂しない
  4. 中学生は怖くなったから砂場に埋めて、講演から離れた
  5. 10分後、破裂したのを見ていた小学生が掘り出した
  6. その後、手に持っている状態で破裂、両手胸に20針縫う怪我になった

問題を挙げると

  • 密閉容器のペットボトルにドライアイスを入れて栓をした
  • 爆発しないから砂場に埋めた
  • 爆発したのを見ていて、掘り出して手に持っていた

この三点はどれも劣らずの「少しはものを考えろ!」でありましょう。
危険についての感受性の低下といったものを感じてしまいます。

高校生にロボット製作の授業をするときに、ドライバー、ニッパーといった工具についても工場並みの安全教育をしていますが、それでもドライバーやペンチを用もなく持って遊んでいる生徒が出ますから、そういうのは即座に注意します。
そうすると「あっ、注意されてた」という感じでパッと止めるのですが、しかしペンチを両手でもってパチパチと開いたり閉じたりといったことをやってしまうのがちょっと不思議なんですよね。

また、プラスチックパーツのヤスリ掛けをさせると、ヤスリを自分の顔の方に向かって動かすのがいます。
ま、覗き込んでいるのと方向が逆ということでありますが「滑ったらどうするのだ?」となるわけです、こういうことを注意するのも授業の内とおもって対処していますが、どうも着実に安全をおろそかにする傾向は強くなっているように感じます。

8月 6, 2007 at 09:27 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.02

ミネアポリスで橋が崩壊

Up

CNN.co.jp より「高速道路の橋崩落、3人死亡 ミネアポリス

米ミネソタ州ミネアポリス──当地のミシシッピー川にかかる高速道路の橋が1日午後6時5─10分頃に崩落し、ラッシュアワー中に現場を走行していた数十台の車両が川に転落し、これまでに少なくとも3人の死亡が確認された。
警察は原因を調査中だが、米国土安全保障省はテロとは無関係との見解を表明した。

崩落したのはインターステート35W号線(4車線)の橋で、ここ数カ月間は修復工事のため1─2車線が閉鎖されていた。転落した車両にはスクールバスも含まれていた。

生存者は川岸に引き上げられたが、一部は橋の残がいの上で身動きが取れなくなっている。負傷者は数十人とみられている。

いきなり飛び込んできたニュースですが、場所をGoogleマップで探しました
しかしなんか工事中であっても、地震とか台風でも無いのに、いきなり国道の橋が崩壊するのというのはどういうことなのでしょうか?
前兆は無かったのかな?

8月 2, 2007 at 12:01 午後 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2007.07.11

問題と原因を直視しないと

朝日新聞より「都交通局に京急車両の手引きなし 浅草線不通の被害拡大

都営浅草線が8日、ケーブル火災などで約11時間不通になり、約15万4000人に影響した事故で、被害を拡大させた三田駅の車両故障は、都交通局のマニュアルの不備が原因だったことが都の調べで分かった。
浅草線は都営を含む4社の車両が走っており、車両の仕組みが異なるが、事故時の対応方法の違いが書かれていなかったという。

復旧作業は午前11時前に終わり、運転を再開しようとしたが、内蔵電池を空調や照明に使いながら三田駅で待機していた京浜急行所有の車両が電池切れで走れなくなった。
このため、復旧は午後4時近くにずれこんだ。

京急によると、この車両は内蔵電池が切れると、パンタグラフを上げても走れない。一方、都交通局の車両は内蔵電池が空でもパンタグラフを上げれば走る。
都交通局のマニュアルにはこの違いの記載がなかった。

乗務していたのは都交通局の職員。電車の動きをモニターし、運行を管理している輸送指令らも違いを把握していなかったとみられるという。

この記事だと、マニュアルに書いて無いことが問題のように読めてしまいますが、違うと思いますね。

復旧作業が午前11時前終わったのに
運転を再開が午後4時近くにずれこんだ。

緊急対応策が出来ていないと言うべきで「書いてないから」じゃキリがない。
利用者(社会)から見れば「安全・確実」が公共交通機関に要求する最重要点であって、なんで「6時間も掛けて対応できなかったか?」こそが問題でしょう。
「マニュアルに記載がなかった」というのが、対応策が整備されていないことを隠すために発表したのじゃないのか?

7月 11, 2007 at 08:58 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.07.07

事故なのか、いたずらなのか

毎日新聞より「車スライドドア:開く時に頭挟まれ男児けが 東京・江戸川

東京都江戸川区で先月下旬、ワゴンタイプの車の電動スライドドアが開いた際、ドアの内側と車体のすき間に男児(1)が頭を挟まれて軽傷を負っていたことが東京消防庁の調べで分かった。

日本自動車工業会(自工会)は「電動スライドドアが開く際の挟まれ事故は聞いたことがない。同様の事例があるかの調査も含め、対応を検討したい」という。
東京消防庁は「子供がいる時は細心の注意を」と呼びかけている。

同庁によると、事故が起きたのは共同住宅の屋外駐車場。
母親の知人が車の外から後部左側のドアの操作をしてドアが開いた際、後部座席にいた男児の頭が、開いたドアの内壁と車体の間に出来た約15センチのすき間に引き込まれる形で挟まった。

119番通報で駆けつけた消防隊が救助用の器具を使ってすき間を広げ、男児を救助した。
後部座席には子供ばかり3人が乗っていたが車内に大人はいなかったという。

自工会によると、電動スライドドアの安全対策に統一基準はない。自動車各社はドアが閉まる際に何かが当たるとドアが停止したり開く仕組みを取り入れているが、ドアが開く際にすき間に引き込まれる事故は想定されていないという。

タイトルを読んだときには「大けがしたのかな?」と思ったが、軽傷とのことなので今度は「この記事は何なのか?」と考えてしまった。

東京消防庁が発表し、自工会がコメントした。ということなのでしょうか?
確かにドアに注意というのはあるけど、半年ぐらい前だったかセルシオなどのドアを最終的に占める段階で動力によって閉まるタイプで、指を挟んで骨折事故があるといった内容の報道があったから、その続編といった感じですね。

しかし、今回の事故は「普通の使い方」ではなかったのではないか?と強く想像します。
一言で言えば、大人が自動車のリモコン・スライドドアで遊んでいて事故になった。
と考えています。

報道されている状況は

  1. 車内に一歳児を含む3人の幼児だけ乗っていた
  2. 社宅の共同駐車場で起こった事故
  3. 怪我した子供の母親の知人がリモコン・ドアを操作していた。

車内に幼児が3人乗っていて、大人が車内にいない。という状況は普通の降車の状況とは思えません。
また、怪我をした一歳児の母親とリモコンを操作した知人ですから、大人が二人以上居て、要するに二家族以上がその場には居たわけです。
その段階で、大人は全員車外に降りていて、リモコンでパワードアを開く必要があるシーンが想像しがたいです。

さらに、パワードアは人力でドアを開く場合よりも動作が遅いわけで、CMの通り荷物を持っているから指先しか使えない、といった条件の時に使うのが普通でしょう。
リモコンでロックを解除するのとは違う。

だから中に子どもだけが居る状態の時にパワードアを操作する必然性は無いですね。
一言で言えば「扉で遊ぶな」でこれは小学生を叱るのと同レベルなのではないだろうか?
ニュース怪説でありますね。

7月 7, 2007 at 10:28 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.06.30

事故調査を独立させろ

国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会が尼崎脱線事故の事故調査報告書を発表しました。 これについては遺族からはこんな意見が出ています。
サンケイ新聞イザより「JRの企業責任には…遺族 誰のための事故調か

「何のために2年以上も待ったのだろう」。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)が28日公表したJR福知山線脱線事故の最終報告書は、事故原因を懲罰的な日勤教育に限定し、ATS(列車自動停止装置)の設置遅れや無理なダイヤ編成との因果関係は認めなかった。
期待とは裏腹に企業責任に対して踏み込みの甘さが目立つ最終報告に、遺族らは落胆の色を隠せなかった。

「誰のための事故調査なのか。極めて残念な結果だ」
遺族らでつくる「4・25ネットワーク」世話人の1人はこの日夜、大阪市北区で会見し、厳しい表情を崩さなかった。

遺族が最終報告書に期待したのは「JR西の経営責任にどこまで踏み込むか」。
事故原因の説明を拒み続けてきたJR西に、安全対策の不備や無理なダイヤ編成など経営責任を突きつけてくれると信じていたからだ。

ネットワークの活動を支援する弁護士は「3者に“談合”があったとは思えないが、遺族ならそうした疑念を抱いてしまう調査結果ということだ」と遺族の気持ちを代弁した。

この件について、読売新聞、サンケイ新聞、毎日新聞の社説を見てみます。

読売新聞社説

「尼崎脱線事故 鉄道の安全向上に報告を生かせ」

その背景にある問題として、報告書は、JR西日本の「日勤教育」が、死亡した運転士を心理的に追いつめた、と指摘した。社内連携の悪さや無理なダイヤも挙げている。

日勤教育は、ミスをした運転士を乗務から外して実施された。運転技術などではなく、精神論が主だ。反省文を書かせ、繰り返し、あいさつをやり直させる。賃金もダウンする。報告書は、一部の運転士は“懲罰”と受け止めていたと指摘し、見直すべきだとしている。

事故防止策として報告書は、懲罰的でない報告制度の整備や緊急性の低い無線交信の制限など3項目を求めた。一昨年秋に提言した自動列車停止装置(ATS)の機能向上などに続くものだ。全鉄道事業者は、早急に実施すべきである。

事故当時、国は、カーブのATS整備を義務づけていなかった。設置していれば、事故は防げたはずだ。国の安全管理上の規制が十分でなかったことが事故につながったとすれば、そうした分析も報告書にあってよかった。

最終報告書まで2年2か月かかった。事故調は昨春、鉄道事故調査官を倍増して14人にしたが、初動段階で鉄道総合技術研究所や大学の専門家の応援を求めるなどして、調査の迅速化を図りたい。

JR西は、遺族らに事故原因の説明を求められても口を閉ざしてきた。最終報告書を機に本格化する警察の捜査で、JR西が不利になるような言質を取られたくないとの意識からではないか。

関係者の刑事責任の有無が、今後の焦点になる。捜査を尽くし、JR西の安全管理の実態に迫ってもらいたい。

サンケイ新聞社説

JR事故報告 企業体質が問われている

この異常な運転について、事故調は運転士が「日勤教育を懸念」したためとした。日勤教育は乗務中にミスなどを犯した運転士を対象にした再教育制度である。だが、実際は上司が厳しく叱責(しっせき)するなど懲罰的な側面が強く、過去に3度の日勤教育を受けた運転士にとっては大きな心理的な負担となったとみられる。

日勤教育については、事故直後から問題となり、運用も見直されたとされる。そのうえでJR西日本の幹部は今年2月の事故調による意見聴取会で、「必要かつ有益」と反論した。

しかし、日勤教育が事故につながった可能性があるとの指摘が持つ意味は大きい。懲罰的な日勤教育が行われていなかったら、事故も起こらず、多数の犠牲者も出なかった可能性があるからである。

事故調はさらに、新型の列車自動停止装置の設置の導入先送りや、ブレーキの欠陥など、安全性を軽視し続けた企業体質も厳しく批判した。再発防止のために、企業体質まで踏み込んで批判するのは極めて異例だ。

過度の懲罰は教育ではない。JR西は報告を真摯(しんし)に受け止め、日勤教育が本当に必要かどうかも含め、徹底的な見直しを図る必要がある。同時に、批判された企業体質を根本的に改善する努力を続けるべきである。

兵庫県警は最終報告を受け、運行関係者を業務上過失致死傷容疑などで立件する方針だ。すでに事故から2年以上もたった。真相解明を求める遺族感情は強く、刑事上の責任追及も厳正に行われなければならない。

毎日新聞社説

「企業体質を一から見直せ」

JR西日本は事故後、日勤教育を実践的な形に改めた。教育効果が上がるよう、より検討するという。当然のことだ。事故の教訓を生かして、安全意識を高め、技量の徹底向上を図る内容でなければ意味がない。

安全管理体制にも数々の不備が指摘された。営業強化のためダイヤの余裕時分が削られ、職場間の連携不足で新型ATS(自動列車停止装置)の運用開始が遅れた。同型電車のブレーキ不具合や速度計の誤差が報告されていたのに、まったく改良されなかった。組織全体の緩みようは目に余る。

事故調は、当時の鉄道本部長が安全管理に直接タッチしていないと釈明した点にも触れ、経営トップに近い者が積極的に関与すべきだった、と強調している。緊張の欠如、責任逃れの体質は今も残っていないか。もう一度、真剣に自らを省みることが不可欠だ。

組織の基本から、改めて徹底的に見直した方がいい。なにより、すべての社員が安全最優先を共通の誓いとして心に刻み、経営陣と現場、職場間の不信の連鎖を断ち切る努力を重ねることが求められる。でなければ、企業風土の改革など進むはずがない。

話を整理すると

  • 遺族       JR西の責任の明確化(真相究明)
  • 読売新聞社説   日勤教育に片寄り、安全施設の設置の遅れが問題
  • サンケイ新聞社説 企業体質が良くない
  • 毎日新聞社説   組織が良くない

となりますが、結局のところ「刑事責任追及」であって、読売新聞社説が説明しているように

JR西は、遺族らに事故原因の説明を求められても口を閉ざしてきた。
最終報告書を機に本格化する警察の捜査で、JR西が不利になるような言質を取られたくないとの意識からではないか。
のは当然のことだ。

日本では、事故原因を明らかにすると責任が重くなるのであって、あらゆる事故で原因隠しになって、結果として事故原因の究明が出来ない。
古くは日航123便墜落事故で、機体が空中で破壊した理由がボーイング社の修理のミスであろうというところまでは分かったが、どのように壊れたのかはいまだに十分な解析が出来ていない。
ボーイング社の関係者が刑事責任追及を逃れるため事故調査に協力しなかったからだ。
その結果、22年も経った今でも遺族は「事故調査についての資料収集」している。

医療事故はもっと深刻で、事故扱いになると責任を追及されるから、リスクのある医療から医師がどんどん減っている。

事故調査を刑事捜査のためにやっては、事故原因の研究は出来ないし、当然改善も出来ない。
アメリカの航空機事故調査では免責しているから事故の研究が進んでいると指摘されています。

はっきり言えば、事故調査に協力すると司法取引で責任が軽減されるという仕組みは必要不可欠だろう。
刑事捜査の下に事故調を置く構図を脱却するべきだ。
そういう観点で社説を見ると、すべての社説が「日勤教育」を批判しているが、これは「精神教育のようなものでは事故は防げない」という意味だろう。

だとすると「企業体質に問題ある」という社説は精神論では無いのか?
事故が無くなることが優先であって、企業体質は遠因かもしれないが、企業体質を変えれば事故は着実に減少するのか?
それよりも安全設備への投資割合を評価することの方が社説としては重要なのではないのか?

何はともあれ、事故調査委員会を法的に位置づけることを早急に行うべきだ。

6月 30, 2007 at 11:31 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.06.22

温泉爆発:続報

「温泉爆発:なぜ知らないと責めてもダメだろう」の続報です。

サンケイ新聞イザより「ガス検出、伝達怠る? 施設所有のグループ会社 掘削時に把握

渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」で女性従業員3人が死亡した爆発事故で、開業3年前の掘削工事で天然ガスが検出され、施設を所有する「ユニマット不動産」が把握していたことが21日、警視庁捜査1課の調べで分かった。
施設を運営するグループ会社は、天然ガスの危険性を十分に認識していなかったとみられている。
捜査1課は、安全対策の重要情報がグループ間で伝達されなかったことが、事故につながった疑いがあるとみて調べている。

調べなどでは、シエスパはリゾート事業やオフィスコーヒーサービスを手がける「ユニマットグループ」が18年1月に開業。
グループ傘下のユニマット不動産が17年12月にシエスパ本館(A棟)と爆発の起きた別棟(B棟)の土地を取得し、建物もユニマット不動産が所有している。

シエスパのオープン当初、「ユニマットコスモ」が運営していたが、コスモ社は18年3月に「ユニマットビューティーアンドスパ」を設立。
11月にスパ社へ営業を全面譲渡した。

開業に先立ち、ユニマット不動産が東京都に温泉掘削を申請し、「鉱研工業」に工事を依頼。工事は平成14年12月に始まり、半年後に完成した。

この際、鉱研工業はガス濃度を測定、源泉にガスが含有されていることが判明した。15年8月に発注元のユニマット不動産に書面で、測定結果を伝えたという。

だが、コスモ社は会見で、「天然ガスの噴出は想定していなかった」と説明。
スパ社も「(ガス排出装置の)点検は管理会社へ任せていた」としたが、管理会社は排出装置の点検は依頼されていないと主張した。

シエスパではガス濃度を測定せず、ガス検知器も未設置のため、ユニマット不動産がグループの運営会社にガス検出の事実を伝えていなかった疑いが強い。

捜査1課は一斉捜索でユニマット不動産からも関係資料を押収。ユニマットグループ間の情報伝達の経緯や、安全対策が徹底されていたか関係者から事情を聴いている。

なんかかなり複雑ですね。
まとめてみますが、どこかで間違えるかもしれません。

年月 当事者企業 内容 相手先企業
2002/12 ユニマット不動産 掘削工事を依頼 工事業者は鉱研工業
2003/06 鉱研工業 掘削工事完了
2003/08 鉱研工業 天然ガス測定結果を書面で通知 通知先はユニマット不動産
2005/12 ユニマット不動産 敷地を入手
2006/01 ユニマットコスモス シエスパ・オープン
2006/03 ユニマットビューティーアンドスパ 設立
2006/11 ユニマットコスモス 営業譲渡 譲渡先はユニマットビューティーアンドスパ
2007/06 ユニマットビューティーアンドスパ 爆発事故が発生

結局、天然ガスの情報は、4年前に掘削業者の鉱研工業からユニマット不動産に伝わりますが、ユニマット不動産は土地を取得した2005年12月でこの事業の進行をユニマットコスモスに渡します。
これは、不動産から事業運営に切り替わるわけで、その後事業そのものがユニマットコスモスから、新会社のユニマットビューティーアンドスパに譲渡された。

不動産会社のところで天然ガス問題についての情報が止まっていたのだとすると、ガス分離装置があったのかを誰も考えていなかったということでしょうかね?

ガス分離装置を付けた人物が居るわけで、その人は不動産会社から「天然ガスが出てます」という情報を得ていたか、当然付けるべき装置として付けて、かつそれを設備として売っているわけです。

それでも「天然ガスなんて知らない」となれば、今度は「知らない・分からない設備を買ったのか?」となってしまいます。
これは企業経営としてあり得ることなのか?

6月 22, 2007 at 05:11 午後 事故と社会 | | コメント (1)

温泉爆発:なぜ知らないと責めてもダメだろう

東京新聞より「ガス発生認識せずに営業 渋谷の温泉施設爆発事故

渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」の爆発事故で、施設を運営する「ユニマットビューティーアンドスパ」(港区)幹部が、警視庁捜査1課などの聴取に対し「温泉から天然ガスが発生することは想定していなかった」と説明していることが22日、分かった。

天然ガスが発生する危険性を認識しないまま、ユ社経営陣が温泉施設を営業していた疑いが浮上した。

東京、千葉、埼玉、神奈川など首都圏の地下には「南関東ガス田」があり、地中深くから温泉をくみ出すと、溶け込んでいた天然ガスが発生するのは業界では広く知られている。
こうした認識もなく温泉事業に進出したユ社の企業体質が厳しく問われそうだ。

捜査1課も、ユ社がガス発生を認識し十分な対策を施していれば事故を防げたとみて、押収資料の分析や関係者の事情聴取を重ねるなどして、さらに調べる。

本当にこういう理解をしているのだとすると、なんのためにガス分離器を設置しているのか分かっていなかった、となります。
直感的には「知らないはず無いだろう」と思うのですが、最近のコンピュータなどに代表される技術のブラックボックス化やかなり高度なこともお金を出せば簡単に入手できるといった現実は「技術のことは知らない」「自社で使っている仕組みを理解していない」でもとりあえずは事業が成立するような時代になってきたということなのでしょう。

結果責任を追及するのはこの記事の示すところですが、「なんで知らないで事業が出来たのか?」と責任追及しても「知らなかった」しか出てこないでしょう。
それでは責任は追及できるでしょうが、対策にはならない。

だからと言って、ありとあらゆることを事前に役所が検査して承認するというわけにもいかないから、社会の知識として安全についての情報などが沢山あることが大事で、常識になっていれば「知らなかった」と視聴しても「こんなに沢山情報があるから、知らないはずがない」と言えます。

ジェットコースターのシャフト破断死亡事故も「なんでこの程度の点検・交換をしなかったのか?」と驚くところですが、これも基本的には「知らなかった」でありましょう。

このように見ると、最近のちょっと珍しい事故では「知らなかった」といったことが遠因になっている事故が多いと感じます。
改めて、事故の調査分析をして社会的な対策を提案する仕組みが必要だと強く思います。
交通安全の教育でも「警察に叱られる」と教えるのと「危険だから」と教えるのでは全く質が違うわけで、今必要なのは「社会の知恵の程度を向上させること」だと思います。

6月 22, 2007 at 11:57 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.06.19

エレベータのワイヤーが破断していたのは問題なのか?

読売新聞より「エレベーターのワイヤ破断、大手5社の38基で新たに確認

エレベーターのワイヤロープの破断が相次いだ問題で、国土交通省は18日、保守管理大手の5社が担当する全国のエレベーター約50万9000基について、既に判明した4基のほか、新たに計38基でロープの一部破断が見つかったとする調査結果を発表した。

これまで破断が確認されていなかった三菱電機ビルテクノサービス、東芝エレベータの保守管理分も含まれ、同省は、両社が管理する計約26万9000基について緊急点検を指示した。

調査結果は、国交省が社団法人・日本エレベータ協会を通じ、昨年6月以降に確認された破断件数をまとめたもの。

計42基の内訳は、日立ビルシステムが最多で21基、日本オーチス・エレベータ7基、東芝エレベータ、フジテック各5基、三菱電機ビルテクノサービス4基。
いずれも破断が判明後、ロープは交換済みで、日立、フジテックの各1基と、オーチス社2基については既に公表されている。

原因については、設置からの時間経過に伴う経年劣化が15基で最も多く、小石などの異物混入が原因とみられる損傷が7基、さびによる劣化2基などだった。

いずれも直前の定期検査では問題がないと報告されており、同省では「ずさんな検査・点検で劣化が見過ごされた可能性がある」として、今後、エレベーターの定期検査の方法や報告について見直す方針。

日本エレベータ協会では「破断の発生をゼロに近づけるよう、検査・点検を見直していく必要がある」としている。

ロープの一部破断を巡っては、今年3月以降、大手5社のほか、シンドラーエレベータ、日本エレベーター製造が保守管理する各1基でも確認されている。

結構微妙なニュースですね。
エレベータの保守について詳しいことは知らないのですが、元々複数のワイヤーで釣られていて、ワイヤーが一本破断したぐらいでは運用に差しつかえないし、釣っているワイヤーが全部無くなってもカゴは落下しないはずです。
だから、近年のエレベータによる死亡事故はカゴの上昇がコントロールできない時に起きています。

記事をよく読むと

調査結果は、国交省が社団法人・日本エレベータ協会を通じ、昨年6月以降に確認された破断件数をまとめたもの。

とのことですから、素直に読むと個々のエレベータを直接一斉に調査した、ということではないようです。
点検や異常の調査などで、ワイヤーの破断が見つかった、と解釈できます。

そうなると

いずれも直前の定期検査では問題がないと報告されており、同省では「ずさんな検査・点検で劣化が見過ごされた可能性がある」として、今後、エレベーターの定期検査の方法や報告について見直す方針。

とは実際には何が出来ればよいということになるのか?
ワイヤーが切れる前に切れそうだと発見するのはかなり難しいのではないだろうか?
そこで問題になってくるのが

原因については、設置からの時間経過に伴う経年劣化が15基で最も多く、小石などの異物混入が原因とみられる損傷が7基、さびによる劣化2基などだった。

経年劣化が一番多いのであれば、いつ設置されたものか、あるいは運転時間がどれくらいか、を問題にすれば対応策も出来るだろう。
そうなると、個々のエレベータの情報はメンテナンス会社にはあるわけだから、ワイヤーが破断したエレベータの台数よりも、緊急にワイヤーを交換するべき可能性のあるエレベータの台数を問題にするべきではないだろうか?

シンドラー社のエレベータが港区で起こした、高校生死亡事故の現場ではエレベータ管理会社を入札によって入れ替えたらメンテナンス費用(契約高)が数年で何分の1かに下がったとも言います。
どう考えても、点検でどこを手抜きするかを競っているわけで、その中でワイヤーについては「破断が分かればよい」であったのでしょう。
先に書いたとおり、ワイヤーの安全性は極めて高いので破断そのものが危険とは言えない、という解釈が成立しています。

これを問題にするのであれば、エレベータのメンテナンスコストは激増するわけで、国レベルではワイヤーの交換時期を定める、といったことの方が優先度が高いでしょう。
どうもここらにも「事故調査委員会」的な機能が働いていない、問題の提起がなされないと強く感じます。

6月 19, 2007 at 09:07 午前 もの作り, 事故と社会, 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.06.13

横浜市金沢のヘリ不時着の不思議

サンケイ新聞より「横浜の公園に米軍ヘリ不時着 けが人なし

13日午後3時半ごろ、横浜市金沢区、「なぎさ広場」に、米空軍横田基地(東京都)所属のUH-1Nヘリコプター(乗員7人)が不時着した。けが人はなく、ヘリに目立った損傷はなかった。
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無事着陸ではあるが、飛行場ではないところに降りてしまったことに間違えはない。
飛行場に降りことができればなんの問題もなかった。

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新聞の写真から推測するとこのあたりに降りたらしい。
ところが東に1.6キロほど先に、神奈川県の県警と消防のヘリコプター基地があって、立派な飛行場になっている。

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航空交通管制という観点ではどうなっているのか?と強く思う。
パイロットとしては地上から支援が受けられるということを考えても、飛行場に降りる方がよほど良いわけで、考えられるのは

  • 極めて緊急の事態で、目と鼻の先の飛行場まで飛ぶことが出来なかった
  • すぐそばに飛行場があることを知らなかった

ぐらいしか思い当たらない。
全く見当が付かないのは、どこの管制に対してでも「緊急で不時着する」という趣旨の連絡をすれば「すぐそばに飛行場があるぞ」というアドバイスはあるはずだ。

ヘリコプターが安全に広場に降りた、というのはヘリコプターの普通の機能なのだからなんの不思議も無いが、飛行場のすぐそばの場外にゆっくりと降りたというのは、極めて普通ではない。

何が起こったのだろうか?

6月 13, 2007 at 10:13 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.06.09

プール吸い込み事故の暗黒面 市役所職員を起訴

2006年7月31日に埼玉県ふじみ市の市営プールで発生した「吸い込み死亡事故」について多く記事を書きました。

  1. プール吸い込み事故の暗黒面
  2. プール吸い込み事故の暗黒面その2
  3. プール吸い込み事故の暗黒面その3
  4. プール吸い込み事故の暗黒面その4
  5. プール吸い込み事故の暗黒面その5
  6. プール吸い込み事故の暗黒面その6
  7. プール吸い込み事故の暗黒面その7
  8. プール吸い込み事故の暗黒面その8
  9. プール吸い込み事故の暗黒面その9
  10. プール吸い込み事故の暗黒面その10
  11. プール吸い込み事故の暗黒面その11
  12. プール吸い込み事故の暗黒面その12
  13. プール吸い込み事故の暗黒面その13

2007年6月8日にさいたま地検は当時の市教委課長と係長を業務上過失致死罪でさいたま地裁に在宅起訴し、委託業者ら4人を起訴猶予処分としました。

朝日新聞 「ふじみ野プール事故、元市課長ら起訴

ふじみ野市の市営プールで起きた事故で8日、ふじみ野市教委の当時の職員2人が在宅起訴された。

<解説>

市が設置するプールだから、みんなが安心して使う――。ふじみ野市営のプール事故でさいたま地検は、期待を裏切るずさんな市側の管理の実態を重くみる一方で、業者側については、元々欠陥があるプールの管理を委託されたにすぎないと判断した。市と業者側で処分に差がついた一番のポイントは、事故現場が「市のプール」だった点だ。

県のプールを管理する指導要綱では、02年以降は吸排水口のふたをボルトやネジで留め、吸い込み防止金具をつけ、定期的に点検することが明記されていた。しかし、地検によると、ふじみ野市ではその点検が全くされていなかった。

吸水口のさくは四隅をビスで留めておかなければならなかったが、事故があった吸水口は、針金で1カ所が固定されていただけだったとみられるという。

市の2人は職務権限上、固定状況を確認する義務があり事故を防げる立場にあったのに、それを怠ったと判断された。

一方、起訴猶予となった管理委託業者3人については、責任は免れないが基本的には、さくがビスで固定されていない危険なプールの管理を委託されていたにすぎない、という考え方だ。

送検された6人のうち、事故発生時唯一現場にいた京明社の現場責任者についても、補修の針金を探しに行くなど、事故の際の対処に一定の理解を示した上で、「元々、さくが外れること自体があり得ない」とした。

事故後、全国各地の公営プールで安全性の不備が次々と明らかになった。「責任の所在を際だたせた」(地検幹部)今回の処分は、プール設置者である行政の姿勢を改めて問うものとなった。事故の真相は今後、公開の法廷の場で明らかにされることになる。

読売新聞 「ふじみ野プール事故  欠陥見逃し 市を非難

公営プールにもかかわらず、施設の欠陥を見逃した市側の責任が厳しく問われた格好だ。

■責 任■

さいたま地検は「外れてはならない吸水口のふたが外れていた」のが事故の主な原因と設定。プールを主管する市体育課の課長と係長は、プールを開場する前にふたがねじで固定されているかどうかを確認し、委託業者に固定状況を点検させる注意義務があったのに、確認も指示も怠っていたとした。

一方、委託業者側の3人については「当初からふたの固定が不十分なプールの業務委託を受けたに過ぎず、修繕の責任はない」とし、もう1人の市職員も「課長らの指示を受けたに過ぎない」として起訴猶予とした。

同地検によると、ほかの公営プールでは、担当職員が業者と固定状況を確認しており、「他市町村並みのことをしていれば事故は防げた。市が基本的な点検を怠った結果、本件事故が発生した」とした。

同地検幹部は「現場をほったらかしにしていた市は無責任極まりなく、業者とメリハリを付けた。客は『市だから』と安心して利用しており、市の責任は大きい」と指摘した。

    ■丸投げ■

事故があったのは昨年7月31日午後1時40分ごろ。プール側面の吸水口(直径約60センチ)に設置されていた2枚のふた(60センチ四方)の1枚が脱落し、遊泳中の女児が吸い込まれて死亡した。

その後の調べで、ふたがねじの代わりに針金で留められ、当時は左下の1か所しか固定されていなかったことが判明。さらに、市が運営を委託した業者が、下請け業者に無断で業務を“丸投げ”していたことも発覚した。

市は、厚生労働省や県が定めた安全点検なども十分に行っていなかった。関係者から「市職員はプールサイド周辺を歩くだけだった」との証言が出るなど、ずさんな管理が非難された。

毎日新聞 「ふじみ野のプール事故死:業者起訴猶予 「責任に軽重ない」両親、処分に困惑 /埼玉

市教委体育課の元課長(60)ら事故当時の市担当者2人が業務上過失致死罪で起訴され、行政の管理責任が厳しく追及されることとなった。一方で、管理業務を請け負った民間業者は全員が起訴猶予に。瑛梨香ちゃんの両親は「(行政と業者に)責任の軽重があるとは思えない」と複雑な心境を吐露した。

「ずさんの連鎖」。同市事故調査委員会は昨年10月、同プールの管理体制をそう指摘した。市は管理業務をビルメンテナンス会社「太陽管財」に委託。「太陽管財」は下請けの「京明プランニング」に再委託していた。

地検は施設管理者である市の責任感の欠如が事故につながったとの認識を示した。一方で、約1100万円で市から管理業務を委託され、下請けに「丸投げ」した「太陽」や、「京明」の現場責任者らは刑事責任を問われないこととなった。

両親は「傍観して事故を招いた現場責任者こそ責任が重いと考えていた。ふじみ野市や下請け業者が、たった1枚の書類・たった数分の確認を怠ったことが、どれだけ大切な命を奪ったのかを、もう一度自覚してほしい」とコメントし、処分に戸惑いを見せた。【町田結子、弘田恭子】

◇監督責任を重視--元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長

市職員2人を起訴したことは、監督責任を重視した考え方による選択で正当な処理だ。しかし、(フタが外れた後の)直近過失にあたるものが外され、事故発生に直接関係する管理責任が軽視されている。今後、同種の事故が発生した場合、請け負った側は責任を問われず、委託した側だけが責任を負うことになりかねないのではないか。

プール吸い込み事故の暗黒面その12で以下の記事を書きました。

「ARエコノート」の有田さんからでした。

そこで、さっそく拝見したのですが、「埼玉プール事故:欠陥プール」にわたしの勝手な推測とは比べものにならない詳細な記事が出ています。
写真で説明がありますから、是非とも記事をご覧いただくとして

「吐出側には安全格子があるのに、吸水側にはないよね。これは設計か施工に大きな問題がある」

出水口の安全対策まで配慮するような建築業者が、なぜ吸水口は危険なままにしていたのか。出水口の格子を見る限り、建築業者が安全対策をとらなかったというのはちょっと考えにくい。

とすると、吸水口の安全対策は別の業者が行ったのではないか。その別の業者とは誰か?

設計図書と完成図書を併せて見れば、当たっているのかどうかがすぐにわかります。 実は、私が入手した本件プールの建築図面には吸水口の位置もサイズもありませんでした。

だとすると、吸水口に関する図面は設備工事側の図面にあるはずが、現段階では私にはわかりません。

もし施工図面に吸水口の安全対策がないのなら当初から「悪魔の穴のプール」だったことになり、設計施工業者とオーナーのふじみ野市の責任はきわめて重くなります。

ふじみ野市が始めた事故調査委員会をみていると、プール本体の問題には一切触れず、受託業者やプール管理の問題に責任を押しつけようという気配が出てきましたので、敢えて私の考え・推論をここに公開する次第です。

という極めて恐るべき情報がありました。

つまり、この情報では管理の問題と言うよりも設備の問題だ、となっていて地検が市役所の職員を業務上過失致死罪で起訴したのは、この装置が本質的に欠陥があったと認定したからでしょう。

プールの吸い込み事故については、記事中に何度も書いていますが、毎年文科省(文部省)が出している指示を連続して無視していたこともあり、あまりにひどい管理状態であったと言えるでしょう。今回の起訴は他のプール管理者(教育委員会)への検察の強い警告という面も大きいのでしょう。

追記

この事件は、柵が外れていたから、被害児童が流水プールの循環ポンプの吸水口に吸い込まれて亡くなりました。

文科省がプールの吸水口に対して出している安全基準は、吸水口の網や柵はボルトなどで固定して引っ張っても取れないこと、万一に備えて二重に柵を設ける事、です。

ふじみ市の問題のプールでは、吐出口は二重の格子で吸水口は外れる柵だけだった。

これらは、工事の問題であって監視員が出来ることはプールの運用を止めることぐらいしかないでしょう。
しかも、市に対しては以前から問題点として柵の取付について報告(警告)があったとも伝えられています。

事故のその時だけを問題にすると、監視員や請負業者の責任が強いように思えますが、では他の業者や監視員が別の人間であった場合に事件は起きなかったのか?と考えれば「運が良ければ」になってしまうでしょう。

事故の本質は、装置の欠陥であり、しかも設計・設置の段階から法令違反の疑いが極めて濃厚な装置でありました。これらについて責任があるのは市である、ということです。

それにしても、日本では各種事故について事故原因を究明する部署が無く、刑事捜査の一環でしか究明できないのは安全を高めるという見地からは大問題でしょう。

6月 9, 2007 at 03:58 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.06.05

ジェットコースター脱線死亡事故その8

毎日新聞より「コースター事故:車軸と軸穴にすき間 長年使用で磨耗か

大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で、ジェットコースター「風神雷神2」の車両の車軸が折れて脱線し、乗客の女性が死亡した事故で、車軸と軸穴が長年の使用で摩耗し、すき間ができていた疑いが浮上した。
車軸は本来、軸穴にすき間なく差し込まれる構造設計だが、エキスポランド社の関係者は「走行に伴う摩耗ですき間ができる」と証言。
この結果、車体に固定された車軸のうち、折れた付け根部分に荷重が集中し、金属疲労を起こした可能性が出てきた。

折れた車軸は「ボギー軸」と呼ばれ、車体側と車輪ユニット側の軸穴にそれぞれ差し込む「はめ合い工法」で組み立てられている。
風神雷神2の車軸は、強度の強い特殊なはめ合い工法により軸穴にきつく差し込まれる設計で、中央部分と両端を固定している。中央部分が太く、最も荷重がかかる構造だ。

エキスポランドで遊具の保守点検に携わった経験のある技術者は「ボギー軸は、5~6年たつとはめ合い部分が摩耗しているものがあった。
接着剤ですき間を埋めたりして補修した」と証言する。解体点検の際は油圧式機械やハンマーを使って車軸を抜いたり、差し込んだりするが、摩耗が進行し抜けやすくなっているものもあったという。

本来、はめ合い部分で荷重を支える構造なのに、ここにすき間ができると、車体と固定された車軸の付け根部分に荷重が極端に集中する。付け根部分が支点となり振動などで車軸が上下左右に動くため、金属疲労による亀裂が進行するという。

風神雷神2と同型の立ち乗りコースターがある「よみうりランド」(東京都)でも、はめ合い部分の摩耗が原因で00年に車軸12本をすべて交換した。軸穴を再加工したため、差し込む車軸もそれに合わせて新しいものにしたという。

風神雷神2は15年前の使用開始以来、一度も車軸を交換していない。関係者は「どの程度の摩耗で交換すべきかは技術者の判断。
摩耗の進行を見落としていたか、まだ大丈夫だと判断したのではないか」と指摘する。

府警吹田署捜査本部は、コースター発生1カ月を前に4日、折れた車軸の破断面などの写真を公開した。破断面は金属疲労の特徴があり、専門家は「少なくとも数年前から金属疲労による亀裂が進行していたと推測できる」と指摘。
エキスポランド社は、年1回は車両の解体検査をしていたと説明しているが、数年間にわたり亀裂を見落としていた可能性が浮上した。

折れたのは2両目の車両の車軸で、ナットで車体と固定された部分が破断した。材質は鉄にニッケルとクロムを加えた合金で、折損部分は直径3.6センチだった。

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なんとも分かりにくい内容ですが、以前の記事「ジェットコースター脱線死亡事故その7」にアップしたシャフトの写真と「ジェットコースター脱線死亡事故その5」で示した構造図を合わせて見ると分かってきます。

Up_16_1 Up_15_1

  1. 車体に車軸は締嵌めで取り付けられている
  2. 車軸に車輪ユニットが取り付けられる
  3. 車体側の穴が摩耗で大きくなる
  4. 車軸が長手方向に動くようになる
  5. 固定ナットに衝撃が繰り返し掛かるようになる
  6. 車軸のネジ部分が疲労して破断
ということのようですね。

回転方向の動きも当然あると思うのですが、どこが動いていたのでしょうか?
破断した部分だけで長手方向の抜け出しを押さえていることになりますね。これはちょっと怖い。
変形することで異常を知らせるとか、複数部品で支えるとか、いきなり致命的な事故にならないようにするという配慮に欠けた設計だと思います。
点検/補修すれば起きなかった事故ではあるが、設計不良と言えると思います。

しかし、運用側の整備担当者はこのような構造であることを承知していたのだろうか?
整備情報のノウハウを交換することは飛行機では組織的に行われているのだが、他の機器ではどんなものだろう?

6月 5, 2007 at 09:37 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.06.01

エレベータ死亡事故・メンテナンスで見逃し?

朝日新聞より「管理会社の立件を検討 シンドラーエレベーター事故

以前から