2009.11.27

9メートル上から落下した10歳児を確保したのは若い女性らしい

サンケイ新聞より「校舎3階から小4男児転落…偶然通行中の女性がキャッチ!

27日午後3時ごろ、私立武蔵野東小学校(東京都武蔵野市緑町)の校舎3階から小学4年の男子児童(10)が転落し、偶然通りかかった女性が下で受け止めた。

男児は右ひざを負傷したが、命に別条はなかった。女性にけがはなかった。

警視庁武蔵野署や同校によると、男児は放課後、高さ約9メートルの3階の窓から出て、校舎の出っ張り部分に立って遊んでいたところ、足を滑らせて、縁の部分をつかんだ状態でぶら下がった。

近くを通りかかった女性が異変に気付き、男児の下に回り込んだところで、男児が落下。

男児は高さ約1.7メートルの壁にぶつかった後、女性の腕の中に収まった。

この女性は名乗らずに立ち去ったが、近くの仕出し店に勤める若い女性らしいという。

同校の市川智教頭(48)は「大事に至らず、本当に良かった。2度と起きないように、危険個所の確認を進めていきたい」と話していた。

いや~良かった良かった。

11月 27, 2009 at 07:34 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.12

目的地飛び越しパイロット資格剥奪

サンケイ新聞より「議論、パソコンに熱中で目的地飛び越しパイロットの免許を剥奪

デルタ航空傘下のノースウエスト航空パイロット2人が操縦中に「議論に熱中」し、目的地を240キロ通り過ぎた。米連邦航空局(FAA)は「不注意、無謀な運航」を行ったと結論を下し、2人の免許を剥奪(はくだつ)した。

パイロット2人が過失を犯したのは、10月21日のサンディエゴからミネアポリスに向かうノースウエスト188便のエアバスA320型機。

事件の重大性を重く受けとめたFAAは同27日に制裁処分を通告。
パイロット2人は捜査官に対し、ウィスコンシンで飛行位置を見失ったときに疲労はしておらず、フライト前には19時間の待ち時間があったと語っている。

バージニア州で航空コンサルティング会社を経営しているボーイング777型機の元パイロットのボーン・コードル氏は「2人は国内線のパイロットで体内時計も狂っていないはず。従って完全に彼らの過失だ」と指摘した。

操縦室でノートパソコンを使用していた2人は、管制塔の呼びかけ、運航管理者のメッセージに注意を払わず、無線連絡に応じないまま91分間にわたり飛行した。

FAAは「操縦のことを完全に忘れている。地上無線の監視さえ怠る行為は職務怠慢」と2人に通告した。

監視機関がパイロットの危険な行動に注意を与えたのは今年3度目。

2月12日には米ピナクル航空の機長が操縦する旅客機がニューヨーク州バファロー郊外に墜落、50人の死者を出した。

その4週間前には離陸後にエンジンのトラブルに気づいたチェズレー・サレンバーガー機長がUSエアウェイズの旅客機をニューヨークのハドソン川に不時着させ、乗員乗客全員を救った。

今回の188便には144人の乗客と5人の乗務員が搭乗していた。パイロットはティモシー・チェニー機長(53)とリチャード・コール一等航空士(54)で、総飛行時間はそれぞれ2万時間と1万1000時間に及ぶベテランだ。2人は仕事のスケジュール管理に関する議論に熱中。ミネアポリスを通り過ぎ、管制との接触が断たれたことにも気付かなかったと述べている。

航空機の自動操縦中、パイロットは食事や休憩を許されているが、航空士は常に航空管制塔からの連絡に注意を払い、現在位置を把握していなければならない。

「ハドソンの奇跡」とたたえられる事故では、サレンバーガー機長がエンジン再始動の際にチェックリストを確認し、航空機を無事着水させて惨事を避けた。

ビジネス旅行の消費者団体「BTC」のケビン・ミッチェル会長は「パイロットはサレンバーガー機長の水準を目指すべきときなのに、逆に下降しているようだ」と嘆いている。

この事件は、当初「居眠り運転か?」と言われ、その後「議論に熱中していた」伝わり最後に「PCを使っていた」となりました。

最初からFAAは「資格剥奪」としていたようですが、航空管制を聞いていなかった、さらには自動操縦の警報も聞いていない(あるはセットしてない)可能性があるとなっては、その理由が居眠りであろうと議論であろうと、資格剥奪は当然でしょう。

しかし、50歳中頃のパイロットというのは、大ベテランですよね。
多くのこの年代のパイロットは管理者であったりもするわけで、そこでスケジュール管理の議論になってしまったというのは、会社の体制も問題があると見るべきでしょう。

11月 12, 2009 at 10:27 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.06

高速道路上で軽微な追突?

NHKニュースより「放射性物質積んだ車が事故

5日午後8時すぎ岩手県八幡平市の東北自動車道の上り線で、放射性物質を含んだ試薬を積んだワゴン車にライトバンが追突する事故が起きました。

警察によりますと、この事故で放射性物質が漏れるおそれはなく、けが人もいないということです。

国土交通省などによりますと、ワゴン車は青森県六ヶ所村に本社がある日本原燃の委託を受けて、放射性物質を含んだ分析用の試薬を川崎市にある東芝の施設に向けて運んでいました。

また試薬は液体で、0.4リットル入りのビン2本に入れられたうえ、専用の輸送容器に収められ、ビンの破損はなく、放射性物質が漏れるおそれもないということです。

現場で消防が調べた結果、放射線は検出されませんでした。またこの事故でけが人はいませんでした。

大した事故ではないのですが、映像を見るとハイエースのリアハッチが曲がった程度の軽い追突事故です。

わけが分からないのは、これが高速道路の本線上で起きていることで、ハイエースのライトバンだから80キロぐらいで走っていた(速度違反しない)としても、本線上で「軽い追突」になるものでしょうかね?

結果として大事故にならず、負傷者はなく損害も軽微であったから良かったのですが、本線上でこんな事が起きることにビックリします。

追突した車もライトバンらしいですから、特に高速で突っ込んだということでも無いでしょう。
前方不注意・居眠り同然ということかと思いますが、こんな事が起きるのだな、と感じました。

11月 6, 2009 at 03:23 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.10.28

関門海峡の衝突事故

読売新聞より「護衛艦とコンテナ船衝突・火災、3人けが…関門海峡

27日午後7時56分頃、福岡、山口県境の関門海峡で、海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦「くらま」(5200トン)と韓国籍のコンテナ船「カリナ・スター」(7401トン)が衝突し、両船で火災が発生した。

北九州市消防局などが消火に当たり、コンテナ船の火災は午後8時35分に鎮火、くらまも午後11時20分頃、鎮火状態になった。海上幕僚監部によると、くらま側で乗組員1人が足に軽い裂傷を負い、2人が煙を吸って気分が悪くなった。門司海上保安部は業務上過失往来危険容疑で、関係者から事情を聞き始めた。

第7管区海上保安本部(北九州)や防衛省によると、現場は北九州市と山口県下関市を結ぶ関門橋のほぼ真下で、海峡の幅は約650メートルと狭かった。くらまは瀬戸内海方面から西に向かって、コンテナ船は玄界灘から東に向かって、それぞれ関門海峡に進入したと見られる。波はほとんどなかったが、視界は約3~4キロで、見通しが良い状態ではなかったという。

くらまは艦首部分が大きく破損し、シンナーなどを収納していたペイント庫付近が炎上した。コンテナ船は右船首部分に穴が開き、積み荷のコンテナが燃えた。

現場は、海上衝突予防法の特別法である港則法施行規則により、右側航行が義務づけられている。くらまの艦首部分は左から右に衝突を受けたような破損状況のため、くらまが左前方から来たコンテナ船と衝突した可能性がある。

くらまは1981年に就役。全長159メートル、全幅17・5メートル、定員360人で、対潜ヘリ3機を搭載できる。25日に相模湾で行われた観艦式に観閲艦として参加、佐世保基地に戻る途中だった。297人が乗船し、負傷するなどした3人は船体前部で見張りをしていた。午後11時頃、自力航行を再開、門司港に向かった。

韓国海洋警察庁によると、カリナ・スターはナムソン海運(本社・ソウル)が所有。全長127メートル、幅20メートルで、同社釜山事務所によると、韓国人ら16人が乗り組み、釜山港から大阪へ向かっていた。

釜山事務所の社員は読売新聞の取材に、「コンテナ船の船長から『前を走る船の後を追って航行していたら、前方から護衛艦が接近してくるのが見えた。かじを切ったが間に合わず衝突した』と報告を受けた」と話した。

関門海峡の航路は約4時間閉鎖された。

政府は27日午後8時15分、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と貨物船の衝突に関し、首相官邸内の危機管理センターに情報連絡室を設置した。鳩山首相は同日夜、関係省庁に対し、早急な情報収集と被害実態の把握を行うよう指示した。
(2009年10月28日01時22分 読売新聞)

朝日新聞より「海自護衛艦と貨物船衝突、炎上し3人けが 関門海峡

27日午後7時56分ごろ、本州と九州の境にある関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン)と韓国のコンテナ船「カリナスター」(7401トン)が衝突。双方が炎上した。防衛省海上幕僚監部によると、「くらま」の3人が負傷した。第7管区海上保安本部が業務上過失往来危険の疑いなどで調べている。

海保によると、現場は本州と九州を結ぶ関門橋のほぼ下。「カリナスター」は衝突約40分後の午後8時35分ごろに鎮火した。船首の右部分が大破したが、浸水や油漏れはなく負傷者もいない。同船の船主である韓国の海運会社「南星海運」の釜山事務所によると、コンテナの一部から出た火を乗組員らが消し止めた。

一方、「くらま」は艦首部分が激しく損傷し炎上。防衛省によると、28日午前0時ごろまでにほぼ鎮火したが、消火作業の際に乗員1人が右足に切り傷を負い、ほかに2人が煙を吸って気分が悪いと訴えている。艦首部分に船体を塗り直すためのペンキの缶の倉庫があるという。

防衛省によると、双方ともに自力航行可能という。

「カリナスター」の韓国人の船長(44)は朝日新聞の取材に「前を走る船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(護衛艦が)来ているのはわかり、早めにかじを切ったがぶつかった」と話した。

防衛省によると、両船はほぼ正面衝突だったとみられる。海保によると、海上衝突予防法で海峡の航行は「右側通行」と定められており、前方に相手船を発見した場合も互いに「右へ回避」が原則。だが、「カリナスター」は船首右側が損傷しており、海保は今後その経緯を調べるとみられる。関門海峡は大規模海難事故の起こりやすい「ふくそう海域」に指定されており、港則法の細則で追い越しなどは禁止されている。

下関地方気象台によると、事故当時、現場海域の天候は快晴だった。

「カリナスター」はコンテナを韓国・釜山から大阪に運ぶ途中で、韓国人12人ら16人が乗り組んでいたという。

「くらま」は長崎県の佐世保基地の第2護衛隊群に所属するヘリ搭載型護衛艦で、進水は79年。25日に神奈川県の相模湾であった観艦式に参加した後、佐世保に戻る途中で、297人が乗っていた。

FNNニュースより「関門海峡護衛艦衝突事故 双方の船が近くにいた別の船をよけようとして衝突した可能性

27日夜、関門海峡で起きた護衛艦とコンテナ船の衝突事故で、双方の船が、近くにいた別の船をよけようとして衝突した可能性が高いことがわかった。

この事故は27日夜、福岡・北九州市沖の関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国のコンテナ船「カリナスター」が衝突して炎上し、護衛艦の乗組員6人がけがをしたもの。

海上保安庁の関係者によると、当時、コンテナ船の前を別の外国船が航行しており、これをよけようと護衛艦が右に、コンテナ船が左にかじを切ったために、双方の進路が交錯し衝突した可能性が高いことがわかった。

海上保安庁は、これら3隻の船の航跡を分析するなどして、事故の原因を調べている。
(10/28 06:04 テレビ西日本)

朝日新聞より「コンテナ船、護衛艦の針路にはみ出す? 衝突事故

その瞬間、暗い海峡を火柱が照らし、爆発音が周囲を揺らした。27日夜、北九州市沖の関門海峡で起きた護衛艦とコンテナ船の衝突事故。国内有数の「海の難所」で何が起きたのか。

防衛省や海上保安庁などによると、護衛艦「くらま」の艦首とコンテナ船「カリナスター」の船首右側がぶつかったとみられる。コンテナ船の船長(44)は、事故直後に朝日新聞の取材に応じ、「前の船を追い越そうとしていた」などと話しており、コンテナ船が護衛艦の針路にはみ出す形になって衝突を引き起こした可能性が出てきた。

コンテナ船は韓国・釜山から大阪に向かっており、事故で船首右側が大きく損傷した。船長の説明によると、コンテナ船は前方からの護衛艦には気づいていて、早めにかじを切ったが避けられなかったという。

海上保安庁によると、海峡での船の航行は海上衝突予防法により、互いに右側を通ることがルール。前方に相手船を発見した場合は、互いに右へ回避するのが原則だ。このルールを互いに守っていれば、船首右側が相手の船とぶつかることは考えられない。

コンテナ船がどのようにして前の船を追い越そうとしたかははっきりしないが、船長の証言や双方の船の衝突部位などから、海保関係者は「コンテナ船がかじを左に切って追い越そうとして左側に膨らみ、左前方から来た護衛艦の針路に入った可能性も考えられる」と話す。

衝突事故があった関門橋付近は関門海峡のなかでも幅が約600メートルと狭く、大型船同士がすれ違うには危険が伴う。特に、北九州市側からせり出す部分があり、西から東に向かうコンテナ船からは視界が悪く、向かってくる船が直前まで視認できないケースがあるという。

護衛艦の監視態勢について、元海上自衛隊潜水艦隊司令官の西村義明さんは「狭い水道を通過するときは、艦橋の見張りや指揮所の人員など、通常の当直態勢よりも強化した状態で、細心の注意を払って航行するはずだ」と話す。

軍事ジャーナリストの神浦元彰さんは「関門海峡は狭く、潮流も国内では最も速い場所。船の通行も多く、本来は追い越しをするような場所ではない。潮流の激しいところで追い越しをしようとしたコンテナ船がコントロールを失った可能性もある。護衛艦も船の行き来が多い中で身動きが取れなかったのではないか」と分析する。

海保は、レーダーなどで両船の航跡を確認し、衝突の状況を詳しく調べる。

昨日の関門海峡での衝突事故は炎上ということもあってかなり驚きました。
4本の記事を時系列で並べてみました。

1時22分読売新聞
3時2分朝日新聞
6時4分FNNニュース
8時5分朝日新聞
となっています。

1時22分の読売新聞の記事で注目する点は

くらまは艦首部分が大きく破損し、シンナーなどを収納していたペイント庫付近が炎上した。

コンテナ船は右船首部分に穴が開き、積み荷のコンテナが燃えた。

現場は、海上衝突予防法の特別法である港則法施行規則により、右側航行が義務づけられている。

くらまの艦首部分は左から右に衝突を受けたような破損状況のため、くらまが左前方から来たコンテナ船と衝突した可能性がある。

ですね。
この時点で、コンテナー船が護衛艦側の航路に進入した可能性が出てきました。

3時2分の朝日新聞の記事では以下の点が注目です。

「カリナスター」の韓国人の船長(44)は朝日新聞の取材に「前を走る船を追い越そうとしたときにぶつかった。前から(護衛艦が)来ているのはわかり、早めにかじを切ったがぶつかった」と話した。

NHKテレビで、この画面は何度も見ましたが、どう見ても航路の右側で衝突していると思っていました。
この画面はNHKは山口県下関市に設置したカメラの映像と解説していますから、東側から撮っています。つまり、長崎に向かっていた護衛艦は画面の左下から右上に向けて関門大橋の下を通過する航路を後攻していたことになります。
その進路上で衝突したように見えます。

6時4分のFNNニュースでは

海上保安庁の関係者によると、当時、コンテナ船の前を別の外国船が航行しており、これをよけようと護衛艦が右に、コンテナ船が左にかじを切ったために、双方の進路が交錯し衝突した可能性が高いことがわかった。
船は右側通行ですから、海峡で左にかじを切ると対向する航路に進入することになります。

8時5分の朝日新聞では

軍事ジャーナリストの神浦元彰さんは「関門海峡は狭く、潮流も国内では最も速い場所。船の通行も多く、本来は追い越しをするような場所ではない
関門海峡は、海上保安庁が一隻ずつ航行管制出来るようになっています。そこで、追い越す必要が生じたとはどういうことでしょうか?

現時点では、コンテナー船の海峡内では不適切な操船で衝突に至った、と見えます。

10月 28, 2009 at 09:42 午前 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.10.04

空中衝突と自動車事故

東京新聞より「交差点で衝突7人死傷 真岡 見通し良好、出合い頭

三日午前十一時ごろ、栃木県真岡市大根田の市道交差点で、茨城県桜川市無職(76)の軽ワゴン車と、栃木県那須塩原市塩原、旅館従業員(61)のワゴン車が出合い頭に衝突、軽ワゴンドライバーと旅館従業員ら計四人が全身を強く打つなどして死亡。
旅館従業員の車に同乗の女性(84)が意識不明の重体、女性二人が重傷を負った。

ほかに死亡したのは、旅館従業員の車の真岡市鹿、農業女性(79)と同所、同(80)。

真岡署によると、二台は衝突の後、弾みで道路標識にぶつかるなどして交差点脇の畑に突っ込んで横転した。

旅館従業員の車には高齢の女性計六人が乗っていた。農業女性ら五人は、旅館従業員が勤める那須塩原市内の旅館に九月三十日から滞在し、帰宅する途中だった。

現場は信号機のない、見通しの良い交差点。軽ワゴンドライバー側に一時停止の標識があった。

写真でもテレビニュースでも、よく見える側で6人乗りのワゴン車の右側から軽自動車がぶつかって、ワゴン車とも左側の畑に飛び出し、道路との境界線にあるちょっと幅のある水路に引っかかって転倒、投げ出された方が死亡、というパターンのようです。

この交差点では、2年間に4回事故があったとのことですが、これは飛行機の空中衝突と同じことではないのか?と思います。

自動車を運転していると、動いているものには注意が行くのですが、止まっているものは無視するのですね。

飛行機の空中衝突では「窓に対して、常に同じところに相手機が見えたら衝突する」というのがあります。
理屈としては、相対角度が常に同じなのだから、完全に平行で同速度で動いている時以外は、進路が交差している、ということです。

これと同じことが自動車の運転で起きると、動かないから気づかないという問題が出てきそうで、今回は双方とも自動車だと全く気づかずにぶつかったのではないのか、と思うのです。

だからこそ、一時停止は重要なことなのですが・・・・・。

2年間に4回の事故というのは、多すぎるでしょう。確かに畑の真ん中の道でもあり、対策も限られているとは思いますが、「ドライバーが注意すれば防げる」というセンスでは、事故が無くならない交差点でしょうから、行政の責任の部分は大きいと思います。

10月 4, 2009 at 10:20 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.10.03

裁判や事故調査に神の視点は避けるべきなのだ

サンケイ新聞より「『現代の赤紙』廃止を 制度反対の全国集会

裁判員制度に反対する弁護士らのグループ「裁判員制度はいらない!大運動」が2日、東京都新宿区で全国集会を開き、参加者は「被告に死刑や無期懲役を言い渡す国家活動に国民を駆り出す『現代の赤紙』の制度を廃止しよう」と宣言した。

集会には市民ら約450人が参加。基調講演したジャーナリストの斎藤貴男さんは「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」と制度を批判した。

グループの事務局次長を務める藤田正人弁護士は、これまでの裁判員裁判を分析し「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」と説明した。

この運動については、 最初の裁判員裁判 でも取り上げましたが、わたしには反対の原理が分かりません。

特に今回の報道に出てきたキーワードには非常に重大な問題がある、と強く感じます。

  • 「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」
  • 「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」
  • 「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」
  • 「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」

「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」

司法に権力があることは確かですが、それを市民が支持することは、罪なのでしょうか?
だとすると、市民による多数決原理を否定することになりませんか?

「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」

真実が解明できるとは限らない、と断定出来ないでしょう。
意見の対立があって、一方が真実を解明したとし、もう片方が真実を解明してはいない、と反論することはよくあります。
裁判において、真実が解明するとは限らない、というのは周知のことでしょう。
それを「事実だと認定する」のが裁判であるのですから、裁判制度を否定する他にこのような意見が成立する余地がありません。

「裁判員が被告に取調官のような質問を連発し、密室での取り調べが法廷で再現された」

従前から、裁判官は法廷で被告人質問として取り調べをしているわけで、個々の裁判員の質問がまずいというのなら、それについて具体的に指摘するしかないでしょう。
裁判官だから良くて、裁判員だからまずい、ということならそういう指摘をするべきでしょう。裁判員裁判を否定する根拠には全くならない意見だと思います。

おそらくは、「大衆によるリンチである」と言いたいのではないでしょうか?
であるのなら、「裁判員裁判は、選ばれた裁判官によらないのだから、大衆によるリンチだ」と明確に主張するべきだと思います。

「被害者の意見が裁判員に影響を与え、重罰化をもたらした」

これは、裁判員制度とどういう関係があるのですか?
被害者参加制度の問題ですよ。 まして、被害者参加制度はより重罰化することを間接的な目的にした制度ですから、結果が重罰化をもたらすのは当然であって、裁判員裁判とは関係ないでしょう。

というわけで、「何を主張しているのかさっぱり分からない」ことは代わりはないですが、何回も「分からない」と書いても進歩がありませんから、裁判員裁判反対運動の原理であろうことを推測してみます。

結論は「神を求めている」のだと考えます。

「司法権力が下す判決に市民がお墨付きを与える構造」

司法権力を認めつつ、市民はそれに触れてはならない。
触れてはならない権力とは、神の権力、神権と置き換えてもなんら違和感がないでしょう。
わたしは、司法権力をコントロールするのは市民の権利である、と考える者です。
だからこそ、司法への市民参加があるべきだとするのが、先進諸国の大勢であって裁判員制度がよいのか、陪審員制度にするべきなのか、という意見を戦わせるのは当然ですが、いずれにしろ裁判に市民が参加するのは、最終的には司法権力に市民がお墨付きを与えることそのものです。

司法権力は存在しないのですから、存在しないものに市民はお墨付きを与えてはならない、という意見であれば、まだ分かります。
しかしそれは、アナーキズムではないのでしょうか?

「裁判で真実が解明されるとは限らないが、市民が総出で真実と決めてしまう」

裁判とは、もともとそういうものですよ。
神の視点による真実に近づこうとすることは当然であっても、それはかなわないことである、という前提で成り立っているのが、近代の裁判制度です。
そして裁判では「事実認定」をするわけです。
これを「真実ではありませんから」とやっていたら、明らかに神学論争も同然の議論に陥ってしまいます。
どういう裁判像を考えるとこういう意見が出てくるのか?と考えた場合に「裁判とは神が決めるものであれば良い」ということなのかな?と思うのです。

結局、わたしには「裁判員制度はいらない!大運動」の主張は「神聖裁判」の要求以外には見えません。

ところが、日本ではしばしば「神のごときことを要求する」ことがあるように感じます。
その一つに「事故調査」があります。

事故調査において、刑事責任追及が優先されていますから、しばしば事故原因が隠されてしまうのですが、事故原因について詳細な情報を提供すると自分の刑事責任が重くなるというのでは、情報提供をするはずもないですよ。
これに対して「隠したから刑事責任」とやっていくわけですが、ここまで来ると事故原因の解明よりも刑事責任追及が主体になっています。

刑事責任追及が事故原因の解明には役立たない、というのはアメリカの航空機事故調査やボルボの自動車事故調査などの過程で明らかになっていることの一つです。日本がいまだに事故調査のシステムを確立できないのはなぜなのか?と考えてみますと、「事実認定は良くなくて、真実を見つけなければならない」に固執しているからではないでしょうか?

事故と対策を考えますと、「取りあえずの対策」でも許されるわけです。
そのための判断には「事実認定」が必要です。「事実認定で決めたから、対策はこうなる」という決定でよいのです。
これを「真実の追究」をやっていますと、そもそも時間が掛かりすぎて対策が遅れることもありますが、真実を追究する先は「こっちはまだ分からない部分だから」とドンドンと分からない方面に主眼が移ってしまいます。

「取りあえずの対策」とか言い出すと「それは真実に向き合っていない」などといった批判が出てきてしまいます。
分からないところに踏み込んでいきますから、分からないものの代表的なものである「個人の責任」に帰する意見は常に残ってしまって、けっかとして対策が「注意喚起」であったりします。

日本の中にある「神を畏る」という文化は美しいものだとは思いますが、社会で神を出し過ぎることの不具合は、第二次大戦での敗戦で学んだはずではないのでしょうか?
市民として、神に代わって責任を取る、という姿勢こそが必要なのではないのですか?

10月 3, 2009 at 10:06 午前 事故と社会, 裁判員裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.09.30

LiveLeak の影響でトヨタがリコールなのか?

日経新聞より「米トヨタ、380万台リコールへ 「プリウス」など過去最大

【デトロイト=小高航】
トヨタ自動車の米国法人は29日、フロアマットを正しく固定していない場合、アクセルペダルがマットに引っかかり事故につながる恐れがあるとして、「カムリ」など380万台の保有者に対し、マットを取り外すよう求めた。

正式なリコール(回収・無償修理)手続きに入る可能性が高いとしている。
トヨタの米国でのリコール台数としては過去最大となる。

対象は「プリウス」やレクサス「IS」など最新モデルも含めた7車種。

運転席でフロアマットを重ねて敷くような場合、アクセスペダルがマットに引っかかり、加速する恐れがあるとしている。 (08:02)

9月28日に LiveLeak に投稿された、911 Tape of Fatal Crash as it Happen's に911がドライバーから受けた電話がアップされています。LiveLeak の説明

This happened near San Diego.
A CHP Officer was driving with 3 of his in laws in his Lexus and the accelerator was stuck from the floor mat.
The car was going 120 when it crashed at an intersection where the freeway comes to an end.
Unsure why he didn't just turn the car off or throw it in neutral

これでトヨタがリコールに動いた可能性は大きいかと思いますが、LiveLeak の解説にもあるように、スイッチ(エンジンキー)をオフにするか、シフトをニュートラルしなかったのか?という話になるわけで、これはリコールと言っても説明書に注意書き追加するか、ステッカーでも配付することになるのでしょうか?

国民皆保険を拒否するアメリカ国民なのですから、フロアマットを重ねることを禁じることに反対、とか出てきても不思議じゃないような気もします。

9月 30, 2009 at 09:43 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.09.26

水中メガネの操作で事故

朝日新聞より「水泳用ゴーグルが眼球直撃 10歳女児が大けが 福岡

消費者庁は25日、福岡県で10歳の女児がスイミング用ゴーグルを右目に強くぶつけ、視力が1.5から0.01に落ちる大けがを負う事故があったと発表した。

事故があったのは6月で、女児の父親から同県内の消費生活センターに今月11日に通報があったという。

発表によると、女児は民間のスイミングスクールで練習中、ゴーグルの内側の曇りをとろうと頭に着けたまま引っ張って水中で洗っていた際、手を離してしまい、ゴーグルが眼球を直撃したという。

消費者庁によると、こうした事故は国民生活センターに過去10年に3件報告されているという。

状況は想像できるのですが、実際にこんな事件が起きるためには、顔と水中メガネの間に手を入れることができるぐらい、ベルトが伸びる必要があるでしょう。
そのような使い方ができる製品はちょっとまずいだろう。とは思います。

ではどうするのがよいのか?となると、おそらくは

長さの調節を大きく動かして、顔面に密着させるゴムの伸び代を減らす。
それだけだと、着脱が大変だから、ベルトが分離するようなことにする。
さらに、それだと水中で落としてしまう可能性があるから、普通のメガネに使うような脱落防止のヒモも付ける。

といったことが必要だったのかもしれません。

こんな風に考えると、直感的に使用する側が想定していない使い方をしたから発生した事故、というのが実は、製造側が使用する側の使い方をあまり考えていないから事故になる、ということが多いのか?となりますね。

9月 26, 2009 at 12:51 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.09.22

首都高湾岸線川崎の死亡事故

朝日新聞より「首都高湾岸線 3台玉突き、2人死亡7人重軽傷

22日午前9時ごろ、川崎市川崎区東扇島の首都高速道路湾岸線上りの東扇島インター付近で、大型トラックが渋滞した車列最後尾の乗用車に追突、3台がからむ玉突き事故となった。

この事故で2人が死亡、7人が重軽傷を負った。

神奈川県警高速隊は、トラックを運転していた千葉県成田市官林、運転手(30)を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕し、同致死に容疑を切り替えて調べている。

同隊によると、追突されたのは新潟県長岡市吉崎、会社員(42)運転の乗用車で、会社員の義父(65)と義父の妻(63)が死亡。会社員と次男(9)が頭蓋骨(ずがいこつ)骨折など、長男(12)が右足骨折などで重傷。妻(39)と長女(14)、会社員の車が追突した乗用車の2人は軽傷を負った。

整理しますと、追突された車は小型のミニバンで

  1. 義父
  2. 義母
  3. 父(会社員)
  4. 二男
  5. 長男
  6. 長女

の7人乗車であり、その前の車(これもミニバンらしい)には男女2人が乗車していました。

死傷の状況は

義父死亡
義母死亡
父(会社員)頭蓋骨骨折
二男頭蓋骨骨折
長男右足骨折
軽傷
長女軽傷

亡くなったお二人は、3列座席の最後部に乗っていたのでしょうが、このニュースの一報では「亡くなった方が分からない」とのことで、ドライバーが話せないほどの重傷を負ったのか?と不思議でした。

それが夜の報道で「頭蓋骨骨折」というのですから、正に重傷を負ったことが分かります。

しかし、今ひとつ理解できないのが車の破損状況です。

Up

この写真以外のビデオ画像などもチェックしたのですが、ホイルベースが縮むほどの変形はしていません。

この種の車では、三列目の座席の安全マージンは追突に対しては少ないと思われますから、お二人で三列目に乗車していて亡くなったのであれば、理解できるのですが、ドライバーである父親が頭蓋骨骨折とはどういうことなのでしょうか?

ウインドシールドにぶつかったというのが一番理解しやすい状況ですが、シートベルトとエアバックがあれば、滅多にウインドシールドに頭をぶつけることはないでしょう。

事故車の中で振り回されて、大けがや死亡するといった事故はあるものではありますが、それにしても車体の壊れ方にくらべて人の死傷の程度が重大すぎると感じました。

9月 22, 2009 at 10:33 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.21

驚愕の動画

マイミク氏のご紹介で知ったビデオです。
大変に衝撃的ではあるのですが、この動画を投稿した方は怪我が無かったから編集して投稿出来たのでしょう。

大変に危険な道路、ということでしょうね。

9月 21, 2009 at 02:31 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.09.20

またもやネオプランバスが出火炎上

サンケイ新聞より「東名走行中のバスから出火 乗客ら59人けがなし、静岡

20日午前3時5分ごろ、静岡県牧之原市東萩間の東名高速道路上り線で、走行中の高速夜行バスのエンジン付近から出火、車体後部が焼けた。バスは大阪・梅田発東京ディズニーランド(TDL)行きで、乗客57人と乗員2人は避難して無事だった。

静岡県警高速隊などによると、現場は登坂車線を含め3車線の緩やかなカーブ。バスが失速し始めたのに気付いた運転手(53)が、バックミラーで後部から炎と煙が出ているのを確認し、登坂車線に停車、乗客を避難させた。高速隊が原因を調べている。

運行するローレル観光バス(大阪市浪速区)によると、バスは2階建てで、定員70人のドイツ・ネオプラン社製。同社製の2階建てバスをめぐっては、昨年5月、大津市の名神高速道路を走行中に出火し全焼したほか、今年3月にも、静岡県牧之原市の東名高速道路でバスが炎上。いずれもエンジン付近から出火し、原因は不明のままとなっている。

ローレル観光の車体は2003年2月に登録。3カ月おきに目視で点検しており、6月の点検時には異常は確認されなかったという。

乗務員の男性(59)によると、出火当時、車内には煙のにおいが立ち込めたが、寝ていた客が多く「バスが燃えている」「爆発します」と知らせて避難させた。乗客は牧之原サービスエリアから別のバスに乗り換えた。

バスは19日午後10時50分に大阪・梅田を出発。20日午前7時半にTDLに到着予定だった。

 

写真で見ると、全損の様子ですが、以前も指摘した通り「なんで消火装置を付けないのか?」ですね。
消火器自体はバスだから持っているわけで、それが有効でないのだから、消火装置と出火警報装置を付けるべきでしょうね。

これは、国交省の仕事だと思う。

9月 20, 2009 at 03:25 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.19

岐阜の山岳救難ヘリ墜落事故に新展開

東京新聞より「県警、出動に再三反対 岐阜防災ヘリ墜落

岐阜県の防災ヘリ「若鮎(あゆ)2」が同県高山市の北アルプス奥穂高岳で遭難救助中に墜落し3人が死亡した事故で、県防災航空隊が県警航空隊の反対を押し切って出動していたことが18日、県と県警への取材で分かった。

県警は業務上過失致死容疑で、19日に県庁と県防災航空センター(同県各務原市)を家宅捜索し、センターの出動判断や機体整備に過失が無かったか慎重に確認を進める。

事故当日は、119番通報で高山消防本部から連絡を受けた県防災航空センターが、隣接する県警航空隊に「北アルプスで心肺停止状態になった登山者の救助要請が入ったので、県警のパイロット1人にも搭乗してほしい」と要請。

県警側は、標高約3000メートルの急峻(きゅうしゅん)な岩峰が現場のため、山岳遭難救助で実績のある県警側が出動するとセンターに伝えたという。

県警側は、北アでの救助経験が豊富な県警航空隊長が会議で愛知県に出張中で、隊長は出動準備を指示するとともにセンターには出動を待つように伝えたというが、県側は「待てない」として単独で出動したという。

高山消防本部によると、同センターに出動依頼をしたのは、11日午後1時34分。センターはその20分後に「若鮎が飛ぶ」と同本部に連絡しており、同2時9分に離陸した。

県警側は離陸後も救助を中止するよう、センターを統括する県防災課などに再三、要請したという。

県によると、山岳遭難での出動は、どちらが担当するかの取り決めやマニュアルはない。

出動判断は現場の運用に任されており、県警はこうした管理体制に問題がなかったか、慎重に調べるとみられる。

県は事故を受けて、事故検証委員会を設置。出動した経緯などを調べているが、これまでに「県警と協議し、その上で出動を決定した」とだけ説明していた。

県防災ヘリは、事故現場のような険しい3000メートル級の北アで、ホバリング(空中静止)しながらのつり上げ訓練や、実際の救助は行ったことがなかった。

岐阜県防災ヘリコプター墜落死亡事故で、国土交通省運輸安全委員会は18日、ヘリを運航していた県防災航空隊がある県防災航空センター(同県各務原市)を調査した。

同委員会の航空事故調査官3人は、ヘリから地上に降下して遭難者を救助中だった隊員の土田裕次さん(36)やセンター長ら職員7、8人から話を聞いたという。

高度3000メートルでのホバリングができるようになったとは言っても、大変に難しいことだろうとは誰にでも分かります。

実際に経験がなかったと報道されていて、無茶だろうとは思っていましたし、アルプス周辺には山岳救難の経験があるヘリコプター運用機関はたくさんあるわけで、なぜ経験がない機関が出動したのかが疑問でした。

今回の報道は県警側の発表ですからまだ隠れている事情があるのかもしれませんが、伝わった範囲ではずいぶんとひどい話だと思います。

9月 19, 2009 at 11:10 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.15

消火器爆発

朝日新聞より「駐車場の消火器が破裂、小学男児が重体 大阪の住宅街

15日午後4時55分ごろ、大阪市東成区中本4丁目の駐車場「NKモータープール」の近くに住む男性から、「消火器が破裂した」と119番通報があった。

東成署によると、この事故で小学生男児1人が頭にけがを負い、意識不明の重体。

消火器は20年前に製造されたもので、同署は破裂した原因や、管理上の問題がなかったか調べている。

同署によると、けがをしたのは、近くに住む自営業(48)の長男で、大阪市立小学校4年生(10)。

一方、破裂した消火器は、ヤマトプロテック(東京都)製で、総重量は10キロ前後という。

Up1

同署によると、消火器は駐車場の隅に置かれ、誰でも触れる状態だった。周辺で4年生と友人の2人が遊んでいた際、4年生が消火器の安全ピンなどを触っていたところ、破裂してぶつかったという。

消火器の底の部分がさびており、同署は何らかの原因で消火器内の圧力が高まり、もろくなっていた底が抜け、破裂したとみている。消火器は約10メートル離れた道路の反対側で見つかった。

Up2

同署によると、90年ごろからこの駐車場を管理していた男性は同署に、「管理人になった当時、不要になった消火器を別の場所から駐車場に持ってきて置いておいた。点検はしていなかった」などと説明。消火器の耐用年数は消防法で定められていないが、各メーカーは一般的に8年をめどに交換を呼びかけている。

現場は、JR森ノ宮駅の南東約900メートルの住宅街。

Up

この写真は、サンケイ新聞の記事のものですが、すごい様子になっています。

構造図にある通り、ハンドルを握ると、内部の炭酸ガス・カートリッジが解放されて、タンク内が加圧され、内部の薬剤がホースから噴出するのが、粉末形消火器です。

記事によると、この子供はどうやらハンドルを握ったのではないか、と思います。
その結果、炭酸ガス・カートリッジが解放されるところまでは普通ですが、圧力が高まったタンクがそのまま破裂してしまった、ということのようです。

そもそも、薬剤を噴出するだけの圧力があれば良いので、タンク自体はさほど高圧には耐える必要がないはずです。
確かに、記事のように容器が錆びていれば、タンクの強度が大幅に落ちている可能性はあります。

そこで、気づいたのですが、粉末式の消火器の薬剤(粉末)は燐酸二水素アンモニウムで、物質としては粉末あるいは結晶だそうで、吸湿性があるようです。
詰め替え時期が5~8年とされていますから、あまり吸湿性が問題にはならないのかもしれませんが、粉末が流動する条件を保つためには、空気とは遮断した方が良いに決まっているので、フィルムで蓋をしておく、といったことでもやっているのでしょうか?

この記事を書くために、ウィキペディアを参照したら

加圧式粉末消火器は広く普及している為、錆で破裂の危険があるものが散見され、実際死亡事故を含む大きな事故が発生している。

決して放置したり練習用などとせず、消防設備業者に回収を依頼する。

錆び易い環境下や点検の行き届かない恐れのある場合には蓄圧式とすべきであろう。

と注意が出ていました。

今回の事故を起こした、消火器は20年ぐらい放置してあったようで、容器の錆びはもちろん、薬剤の固化も十分にあり得るでしょう。

そう考えると、今回の爆発は「爆発するべくして爆発した」としか言いようがありません。
消化器の性質上、屋外に置く必要も十分にあるでしょうが、放置状態はダメでしょう。

9月 15, 2009 at 11:24 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.16

シンドラーエレベーター起訴

落合洋司弁護士のブログにあった記事です。

共同通信ニュースより「シンドラー側、16日起訴 東京・港区のエレベーター事故

東京都港区のマンションで2006年、都立高2年(16)がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、東京地検は15日、業務上過失致死罪で製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と、事故当時に保守点検を担当していた「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の幹部ら数人を16日に在宅起訴する方針を固めた。

地検は、シンドラー社側が事故前の点検で確認した不具合情報を開示しなかった点などを重視。重大な事故を招く恐れを予見できたのに、十分な安全対策を怠ったと判断した。

構造上の欠陥が見つからないまま事故から丸3年がたち、世界第2位の昇降機メーカー側の刑事責任も問われる異例の展開となった。

捜査関係者によると、現場のマンションは1998年4月に完成、シンドラー社が05年4月まで保守点検を担当した。

04年に停止階と、かごとの間に段差が生じるなどのトラブルがあり、ブレーキの異常だったことを把握したが、保守点検を引き継いだ業者に伝えなかった。

エス社は06年4月から保守点検を請け負ったが、事前に点検方法やエレベーターの構造などを十分に把握せず、ブレーキ異常を見落としたとされる。

落合弁護士は

今年3月の事件送致の際に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090330#1238373852

とコメントしましたが、特殊業過の否認事件にしては、かなり迅速に処分が決まったという印象を受けます。特にシンドラー社の刑事責任については、難しさを感じますが、東京地検は難しく考えず単純明快に割り切ってしまっているのかもしれません。

しかし、そういった単純明快な割り切りで起訴されたとしても、公判でも単純明快に割り切ってもらえるかどうかは何とも言えないでしょう。

最近の判例で、薬害エイズ事件における厚生労働省の課長の不作為に業務上過失が認定されたケースがありますが、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080305#1204674857

有罪認定の根拠として、

1 単なる予見可能性

だけでなく、

2 危険性の認識が関係者に共有されておらず、医師や患者がHIVに汚染されたものか見分けて感染を防ぐことも期待できなかったこと

3 国が明確な方針を示さず、取り扱いを製薬会社に委ねれば、安易な販売や使用が現実となる具体的な危険があったこと

が挙げられていて、不作為というものが、安易な過失競合論により、過度に広範囲に過失に取り込まれてしまうことを防止しようという姿勢も見て取れます。

同様の問題は、最近、JR西日本の社長が起訴された福知山脱線事故にもあって、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090709#1247099049

東と西で、過失犯の刑事責任をどう考えるかについて今後に大きく影響しそうな事件が、奇しくも同時期に起訴された、という見方もできそうです。

となかなか難しい問題があると指摘されています。

そもそも、この事故は電磁ブレーキのパッドが常時接触していたために、すり減ってしまってブレーキの電源がオフの時にもブレーキがメカニカル利かなくなっていて、重りに引っ張られたカゴが上昇して、高校生が挟まれて死亡した、というものです。

電磁ブレーキは、ブレーキ解放の時には通電が必要で、電源断でブレーキが掛かる仕組みです。

つまり、通電しているときにブレーキが充分に解放せず、接触していたからパッドが摩耗してしまった。

これには、設計上で安全性が十分ではない、という印象は強く受けます。

ブレーキが充分に解放されていないことは、スイッチ一つで分かることで、いわゆる動作確認信号を取っていなかった、としか思えません。

しかし、定期的に点検していることを考えると、設計上の欠陥かどうかは争いが生じるでしょう。

メンテナンス会社がなぜこのような状況を見逃したのか?が問題になるわけですが、このメンテナンス会社はたしか数年で3社目なんですよね。

  • 現場のマンションは1998年4月に完成、シンドラー社が05年4月まで保守点検を担当
  • エス社は06年4月から保守点検を請け負った

この部分で分かる通り、05年度は別の会社がメンテナンスを請け負っています。
なぜこのような事になったのか。

問題の建物は、港区の管理の物件でメンテナンス会社を毎年度入札で決めていた。
だから04年、05年、06年でメンテナンス会社が3社出てくるわけです。
もちろん入札だからどんどんと安くなって行った。普通に考えると「安かろう悪かろう」の面はあるわけで、それは港区は分かっていて決定したはずです。

こう考えると、シンドラー社はメンテナンスに関する予見性については、下手するとメンテナンス会社自体を知らない可能性すらありますよ。

港区がメンテナンス会社を入札で決めたときに、メーカーであるシンドラー社に拒否権があったとは思えない、というよりも港区がシンドラー社に「メンテナンス会社をここにしました」と連絡したは思えない。

そうなると、シンドラー社から見ると「ユーザの港区が勝手に使って事故を引き起こした」としかならないのではないか?

自動車メーカは、車検点検などを通じて、勝手に整備することを許していないから、エンドユーザにまで整備についての責任を負っていますが、エレベーターについてそういうことが言えるのだろうか?

事故の予見性については、シンドラー社よりも港区が負うべき部分が多いと考えています。

7月 16, 2009 at 11:47 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.08

エレベーターメンテナンスの諸問題

朝日新聞より「エレベーター主要6社、独立系管理会社に不具合伝えず

国内エレベーターで8割以上のシェアを占める主要メーカー6社が、独立系の保守管理会社に不具合や事故情報を伝えていないことが7日、国土交通省の調べでわかった。

06年6月に男子高校生が死亡した事故の背景にも、メーカーと保守管理会社の連携不足があった。
事故から3年たってもこうした問題点が一向に改善されていない実態が浮き彫りになった。

この日、国交省の昇降機等事故対策委員会で、5月にメーカーや保守管理点検会社を対象に実施した調査結果が報告された。
また、メーカー6社(三菱電機、日立製作所、東芝エレベータ、日本オーチス・エレベータ、フジテック、シンドラーエレベータ)と独立系の保守管理会社5社から聞き取りをした。

国交省が6社に、設計や製造過程に原因がある場合、保守管理会社に不具合の内容や改善方法を通知するか尋ねた結果、6社とも「していない」と回答。
各社ともビルやマンションなど建物の所有者には通知していることを理由に挙げた。

不具合情報の一般公開でも、6社はいずれも非公開とし、「当社ブランドであることだけで利用者に不安を抱かせ、混乱を招く」(三菱電機)「重大な不具合は所有者に開示している」(日立製作所)などと理由を挙げた。

所有者から保守管理会社に不具合情報が伝わり、事故防止につながれば問題ない。
しかし、所有者にはエレベーターの専門知識がなく、保守管理会社が頻繁に交代して引き継がれない、ビルなどの所有者自体がはっきりしない、といったケースも多いという。

エレベーターの保守点検をめぐっては、割高なメーカー系列の保守管理会社を敬遠して独立系に切り替える動きが自治体やマンションなどで加速。独立系は、メーカーが企業秘密を盾に情報を出し渋っていると批判する。

一方、メーカー側は安値で参入する独立系の技術力を疑問視しており、別々の業界団体が設立されるなど対立が続く。

06年の東京都港区の事故では、エレベーターはシンドラー社が設置した。保守管理は05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。
現場の住宅では不具合が40件以上頻発し、事故機は04年に急停止するトラブルもあった。
シンドラー社は所有者の港区住宅公社に「ブレーキの不具合が原因」と報告していたが、2社には引き継がれていなかった。

港区の事故で犠牲になった市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)の母正子さんはこの日の委員会を傍聴した。「メーカーと保守管理会社の利害対立で、利用者の安全が置き去りにされている。
息子の死から3年たつのに、なぜこんなに安全対策は進まないのか」と話した。(歌野清一郎)

この記事は国交省の意向を受けて、メーカーがメンテナンス業者に情報開示をしないのが悪いのような内容になっているが、そこだけに問題があるとは言いきれないと思う。

港区の事故では、建物の管理者が港区でメンテナンス会社を競争入札で選定した結果、短期間にすごく低価格でメンテナンスされるようになりました。

普通に考えて、あまりに安い場合は品質が劣化するのが商取引の常識です。

こんな事実を考えると「メーカがメンテナンス業者に情報公開しないのが問題」とだけは言えないと感じます。

この記事中にも

06年の東京都港区の事故では、エレベーターはシンドラー社が設置した。
保守管理は05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。
現場の住宅では不具合が40件以上頻発し、事故機は04年に急停止するトラブルもあった。
シンドラー社は所有者の港区住宅公社に「ブレーキの不具合が原因」と報告していたが、2社には引き継がれていなかった。

とありますが、この「05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。」が入札によって業者が変わったことを示しています。

こんなことについて「メーカーに責任がある」というのはいくら何でも無理と言うべきでしょう。

メーカー側の主張としては、メーカに責任を持たせるためには独立系のメンテナンス会社を認める無い、という方向に行くと思いますよ。
どうもこのまま行くと、もう一つ業界団体が出来て利権の巣窟になってしまうかもしれないな。

7月 8, 2009 at 09:26 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.06.21

エールフランス機は空中分解?

CNN.co.jp より「エールフランス機、空中分解か 遺体の損傷状態から推測

パリ(CNN) ブラジル沖の大西洋上で6月1日に起きた、エールフランス航空のエアバス330─200型旅客機の墜落で、収容された遺体の損傷状態から機体が空中分解した可能性が高いことがわかった。

原因解明にあたるフランス航空事故調査局が18日、ブラジルの検死官から得た情報として明らかにした。

ブラジル側の検視官が収容された遺体を確認したところ、遺体は腕や脚、腰などが骨折しており、衣服がほとんど残っていなかった。
これまで、約50遺体が回収されている。

また、ブラジル紙報道によると、遺体の95%に見られた足や腕、腰の骨折は、非常に高い場所から落下した場合に生じる傷と似る一方で、頭蓋部分に外傷が余り見られなかった。
もしも機体がそのまま海水面に突っ込んでいれば、頭蓋部分の負傷が多いはずで、このことからも空中分解した可能性が高いという。

さらに、遺体の粘膜部分には窒息状況に陥った場合に見られる赤斑が見られたことからも、酸素濃度の低い上空で遺体が機外に投げ出されたことが伺えるとしている。

以上の結果から航空専門家は、約3万5000フィード(約1万670メートル)の上空で機体が分解したとの見方を強めている。

同機には、乗員・乗客228人が搭乗していた。

う~ん・・・・・
今のところ、速度計が故障して、自動操縦が解除され、速度不適正になった。
と伝っていますが、速度不適正とは基本的には失速したと言うことでしょう。

飛行機が速度過剰で空中分解するのは、急降下した場合で失速の場合には無理な荷重がかかった場合に空中分解します。

どちらにしても、今どきの旅客機が空中分解にいたるというのが驚きです。

6月 21, 2009 at 10:04 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.03

ちょっとナゾの事件

ヘンな事件が重なりましたね。

読売新聞より「エールフランス機の墜落確認…ブラジル国防相が発表

【サンペドロスーラ(ホンジュラス北西部)=小寺以作】
リオデジャネイロ発パリ行きのエールフランス航空447便(エアバスA330型機、乗客乗員228人)が大西洋で消息を絶った事故で、ブラジルのジョビン国防相は2日、記者会見を行い、「軍用機が、大西洋上で幅5キロにわたって飛行機の残骸(ざんがい)を発見し、447便のものと確認した」と発表した。遺体は見つかっていないという。

(2009年6月3日09時19分 読売新聞)

朝日新聞より「宿泊客22人手当て1人死亡 一酸化炭素中毒か 山口

2日午後5時50分ごろ、山口県美祢(みね)市秋芳(しゅうほう)町秋吉の山口秋芳プラザホテルから「人が倒れている」と119番通報があった。

県や美祢市によると、大阪から修学旅行に来た小学校の教員や児童、消防隊員ら22人が気分が悪いと訴え、病院で手当てを受けた。

うち修学旅行に同行していた男性カメラマン1人が死亡した。
県警は一酸化炭素(CO)中毒の可能性が高いとみて、業務上過失致死傷の疑いで調べている。

県や市などによると、同ホテルは3階建てで、修学旅行中の大阪府高槻市の松原小学校6年の児童72人と引率の樋口哲夫校長ら教員5人を含む計約80人が宿泊していた。

手当てを受けたのは大人16人と児童6人。大人は3階の部屋にいた教員や救助中に倒れた消防隊員ら。

死亡したのは奈良市内の印刷会社所属のカメラマン川副浩明さん(26)=京都府木津川市=で、卒業アルバム用の写真撮影のため同行していた。
ほかの21人は命に別条はないという。

大阪府教委などによると、高槻市教委の依頼を受けて同行していた同市内の民間病院の女性看護師が午後5時半ごろ、3階の部屋に入った途端に倒れ、助けに駆け付けた教員らも次々と倒れたとの情報があるという。
川副さんは近くの別の部屋で倒れていたらしい。

一行は午後6時からホテル1階で夕食の予定だった。児童らは事故を受け、隣のホテルに避難した。

人が倒れた3階の部屋で県警と消防が一酸化炭素の濃度を測定したところ、午後8時45分現在で300ppmを測定した。頭痛がする程度の数値という。

COは血液中で酸素を運ぶヘモグロビンと結びつきやすい。吸い込むと全身に酸素が行き渡らなくなり、様々な症状が出る。COと結びついたヘモグロビンの血中濃度が10%を超えると頭痛などが起こるとされ、多量に吸うと死に至ることもある。

山口市の山口赤十字病院には消防隊員らが搬送された。検査の結果、この消防隊員はCOと結びついたヘモグロビンの血中濃度が高く、一酸化炭素中毒の可能性が高いという。

修学旅行を手配した大阪市の旅行会社によると、旅行は6月2~3日の1泊2日の旅程で、2日朝に新幹線で新大阪駅を出発。広島市で平和記念公園を見学し、バスで移動して同日夕、現場のホテルに到着した。3日はカルスト台地の秋吉台を観光し、午後2時ごろ、新山口駅から大阪に帰る予定だった。

現場のホテルは中国自動車道美祢インターから約10キロ北。近くの宿泊施設によると、5月~6月中旬は全国から、特に関西方面から小中学生が修学旅行に多く集まる時期で、秋吉台や鍾乳洞の秋芳洞などを回るのが定番のコースだという。

エールフランス機の墜落事故は、離着陸時以外で大型旅客機が今どき墜落するのものか?と驚くばかりです。

ワイドボディー旅客機の始まりである、ボーイング747は機体そのものの問題で墜落したことはないと記憶していますが、ダグラスDC10(MD)などでは貨物室のドアが脱落して墜落した、といった事故がありました。

それらの事故が解明されたので、現在の旅客機は非常に安全なものになったと理解していたのですが、大西洋上で突如として墜落というのは驚きです。

一酸化炭素中道毒事故は、たまたま小学校の修学旅行生の泊まっているホテルで起きたというのが大ニュースになった理由ですが、ガス漏れがあったと思われのは3階の部屋で修学旅行に同行したカメラマンが死亡して、同じ階で看護師が倒れたようです。

この事から、建物の配管からのガス漏れが考えられるですが、今どき一酸化炭素が多いガスを使っていたのでしょうか?ちょっと不思議です。

6月 3, 2009 at 09:57 午前 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2009.04.15

麹町でクレーン転倒・その2

朝日新聞より「クレーン横転、作業員「つり上げでバランス崩した」

東京都千代田区のマンション建設現場で14日、作業中の大型クレーンが横転し通行人ら6人が重軽傷を負った事故で、クレーンを操作していた作業員の男性(38)が警視庁の事情聴取に、「(ケーシングと呼ばれる枠を)つり上げようとしてバランスを崩した」などと説明していることが分かった。同庁幹部が明らかにした。

捜査1課は、業務上過失傷害の疑いで工事関係者から事情を聴くなどして原因を捜査。クレーンを操作していた場所が適正だったかについても調べている。

この建設工事は、東亜建設工業(千代田区)が施工。クレーンを所有する大洋基礎(中央区)や光北産業(埼玉県新座市)などが実際の作業に携わり、14日は、大洋基礎の現場責任者1人とクレーン操作の作業員ら光北産業の社員4人らが基礎工事のくい打ちを進めていたという。

ケーシングは、掘削した穴に地表の土が入らないようにするための円筒形の鉄製の枠で、直径約2.5メートル、長さ約7メートル、重さ10トン前後。事故直前にはワイヤ2本でつって穴から引き上げていたという。

東亜建設によると、ワイヤ2本なら最大13トンのつり上げが可能だが、アームを下げて遠くの物をつり上げる時は最大荷重は小さくなる。同課は、クレーンとケーシングの距離が本来より離れていた疑いもあるとみて調べている

大洋基礎によると、このクレーンは00年3月に購入し、直近の今年1月13日の点検で問題はなかったという。

この事故では、倒れた工事用フェンスの下敷きになった歩行者の女性(62)=東京都武蔵野市=が頭の骨を折って意識不明の重体、男性(33)も頭を打撲した。クレーンのアームは、走行中の物流業者のトラックを直撃し、運転手(29)ら男性3人が運転席に一時閉じ込められ、足の骨が折れるなどのけが。クレーン操作の作業員も運転席から投げ出され、背中を打撲した。

読売新聞より「最大荷重近く、支えきれずクレーン横転か

東京都千代田区麹町のビル建設工事現場で14日、大型クレーンが横転し、歩行者ら6人が負傷した事故で、事故当時、クレーンは最大荷重に近い重さの鉄管をつり上げる作業をしていたことがわかった。

この現場では、同じ鉄管をこれまでにも2回、問題なく引き上げていたが、つり上げることができる鉄管の重さはアームの角度によって大幅に減少することから、警視庁ではクレーンが適切に操作されていたかを詳しく調べるとともに、業務上過失傷害容疑で工事関係者から事情を聞いている。

クレーンを操縦していた男性オペレーター(38)は警視庁の調べに、「クレーンで鉄管をつり上げようとしたら、バランスを崩して倒れた」と説明。現場の作業員も「鉄管を引き出している途中、クレーンが突然ふわふわした状態になり、横倒しになった」と話しているという。

工事の元請けの「東亜建設工業」(千代田区)によると、事故は地上19階、地下2階建て複合ビルの基礎工事中に発生。下請けの「大洋基礎」(中央区)の作業員らが作業にあたり、クレーンは杭(くい)を打ち込む縦穴に挿入されていたケーシングと呼ばれる11トンの鉄管(長さ約7メートル、直径約2・5メートル)を、地中から地上約3メートルまで引き上げたところで横転した。この現場で鉄管を引き上げる作業は3回目で、これまでの作業で問題はなかったという。

クレーン製造元の日立住友重機械建機クレーン(台東区)によると、倒れたクレーンはもともと基礎工事で地面に縦穴を掘る掘削機。穴の内部に鉄管や鉄筋などを搬入するために備え付けられている補助的なクレーンは最大で13トンの荷物をつり上げられるが、アームの角度によって最大荷重は減少する。

アームが水平に近い角度になって重機と鉄管が離れるほど、重いものをつり上げられなくなるといい、東亜建設工業の説明によると、13トンをつり上げられる重機と鉄管の適正距離は6・7メートル~9・4メートルの間。10・9メートルでは9・2トン、13・1メートルでは5・5トンしかつり上げられなくなるという。

同社によると、現場はビルの解体後、埋め戻した土地で地盤が弱く、鉄板を敷いて作業をしていたという。

この事故では、横転のはずみで倒れた、工事現場を取り囲む鉄製の囲いの下敷きになった武蔵野市の女性(62)が頭の骨を折るなどして意識不明の重体となったほか、アームの下敷きになったトラックに乗車していた男性(39)ら3人が足の骨を折るなどの重傷。クレーンの男性オペレーターと歩行者の男性(33)が背中を打つなどの軽傷を負った。

クレーンが横転した国道20号は一時、上下計6車線のうち5車線で通行止めとなった。東京国道事務所によると、クレーンを解体して撤去するのに手間取り、発生から10時間40分後の午後9時50分に全面復旧した。
(2009年4月15日03時04分 読売新聞)

どうにも両方の記事とも、タイトルと記事の内容を端的にあらわしていると感じられないですね。

読売新聞の記事にある

クレーンを操縦していた男性オペレーター(38)は警視庁の調べに、「クレーンで鉄管をつり上げようとしたら、バランスを崩して倒れた」と説明。現場の作業員も「鉄管を引き出している途中、クレーンが突然ふわふわした状態になり、横倒しになった」と話しているという。

が真実だとすると、カウンターウエイト不足だったのかもしれない、と感じます。
写真を良く見ると、問題の基礎工事は敷地の境界線に沿って行っていたようで、地面に空けた穴が境界線ギリギリところに空いています。
ところが、鉄板の敷板が敷地の中央だけにあるようで、ひょっとすると転倒したクレーンを敷地の真ん中に置いて、アームを伸ばして工事を進めていたのではないか?とも想像できます。

テレビニュースでは、目撃者は「強い風が吹いていると思ったらゆっくりと倒れてきた」といったような表現をしていましたから、

  1. アームの伸ばしすぎで、カウンターウエイト不足の状況であった
  2. 後部が持ち上がって不安定になってしまったが、前方に転倒するほどではなかった
  3. 横方向から強風が吹いて横倒しになった。

といったところではないかと想像します。

4月 15, 2009 at 08:47 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2009.04.14

麹町でクレーン転倒

読売新聞より「クレーン転倒、歩行者1人が重体…東京・千代田区

14日午前11時10分頃、東京都千代田区麹町4のマンション建設工事現場で移動式の大型クレーンが横転。工事現場に面した国道20号で信号待ちしていたトラックがクレーンのアームの下敷きになった。

東京消防庁と警視庁麹町署によると、この事故で、歩行者2人が巻き込まれ、うち1人が重体となっている。

アームは新宿方面に向かう下り線の3車線をふさぐようにして倒れており、警視庁などによると、下敷きになった2トントラック内に男性運転手(29)など3人、クレーン内にオペレーターの男性(38)の計4人が一時、閉じこめられた。午後0時10分現在、4人はいずれも救出されたが容体は不明。また、事故に巻き込まれた歩行者のうち、40歳代の女性が病院に搬送されたが意識不明の重体、男性(33)が軽傷の模様。

現場の国道20号はJR四ツ谷駅から皇居に向かう主要道路(新宿通り)で、周囲には上智大学などの学校や各国大使館のほか、オフィスビルやマンションなどが立ち並ぶ人通りの多い地域。

現場では、クレーン車が工事の囲いをなぎ倒し、歩道と通りの片側3車線をまたぐ形で倒れていた。中央分離帯に近い追い越し車線では、トラックが下敷きになり、運転席が押しつぶされた状態になっていた。

歩道には通行人らしい男性が頭を押さえてぼうぜんとした様子で立っていた。

現場向かいの会社内で勤務中だった会社員男性(47)は、「交通事故のようなガシャンという音がして外に出たら、工事現場のクレーンがトラックの運転席付近に倒れているのが見えた。トラックの運転席にいた男性は、足を挟まれているようで運転席から出られないようだったが、上半身は動いていた」と驚いた様子で話した。 (2009年4月14日12時58分 読売新聞)

このあたりは、法律事務所がたくさんあるところで、わたしの知っている弁護さんの事務所が複数ありますし、大勢の知人がいる地区でもあるので、誰かが何らかの被害に遭っていないかとちょっと心配しました。

報道には現時点では出ていませんが、新宿通のこの地区(麹町)の古いビルは再開発中です。
新宿に向かって左側のビル群が建て替えになります。

今回事故を起こした工事現場も正に立て替えのための取り壊しをしていたビルで、何年もウロウロしている地域ですから、写真を見ただけで分かってしまいました。
昨日は、幼稚園の送迎バスが民家に突っ込むという事故が大田区矢口でありましたが、ここは大学まで住んでいたところですから、裏道も含めてよく知っているところでした。

立て続けに知っているところで事故というのは、イヤなものですね。

4月 14, 2009 at 01:33 午後 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2009.03.26

京都駅ビル大停電の正体

京都新聞より「業者「排煙機誤作動」京都駅ビル大停電 伊勢丹 ボタン 納入用通路に

京都市下京区のJR京都駅ビルで25日に起きた全館停電で、市消防局は26日、ジェイアール京都伊勢丹から、商品の納入業者が誤って排煙機のボタンに触れた可能性があると説明を受けていることを明らかにした。

排煙機の誤作動が停電につながった可能性が高く、市消防局は同日、京都駅ビル開発による調査に立ち会い、詳しく調べる。

京都駅ビル開発によると、誤作動した排煙機は、伊勢丹地下2階にある商品納入用の通路の壁に設置してある。
一般客は出入りしない場所で、停電約3分前の25日午後3時47分に、ボタンが押された記録が中央監視センターに残っているという。

市消防局によると、伊勢丹の防災担当者の社員が25日夜、聴き取りに対し、「出入りの納入業者の野菜を運ぶかごとか段ボールが誤ってボタンに当たった可能性がある」と話したという。

伊勢丹総務部は「現時点では特定できないのでボタンが押された経緯について引き続き調査する」という。

京都駅ビル開発の説明によると、排煙機の作動だけでは通常停電しないが、当時はビルの高圧受電設備工事中で電気回路の一部を遮断していたことも影響し、1時間の停電につながったという。

■おわび張り紙やフロントで謝罪 駅内のホテル

全館停電から一夜明けた京都市下京区のJR京都駅ビルでは、館内のホテルや百貨店などが通常通り営業し、平静を取り戻した。

ホテルグランヴィア京都では午前9時すぎ、停電時に一時停止したエレベーター前2カ所に説明板を設置し、停電原因やおわびの文言を掲載。
フロントではチェックアウトする宿泊客に係員が謝罪の言葉を掛けた。ジェイアール京都伊勢丹はいつも通り午前10時に開店し、直後から大勢の客が訪れていた。

この駅ビルではけっこうはでに迷って、ウロウロした覚えがあります(^_^;)

あんなデカイ建物が全館停電でエレベーターに人が閉じ込められた、というのが想像外でしたし、そもそもなぜ停電したのか?と思っていました。

  1. 高圧受電設備を一部止めていた
  2. 排煙機を誤作動させてしまった
  3. 全館停電になってしまった

といった順序で事態が進んだようです。

事故は2009年3月25日午後3時50分頃に発生しています。
停電は1時間後に回復していますから、交通の便、昼間であったこと、比較的短時間であったことなど、大きな問題に拡大しなかったのはラッキーと言うべきでしょう。

不思議なのは、これだけの大規模施設で非常発電装置が作動した様子が見えないのですが、読売新聞関西版にこんな記事が「京都駅ビル停電、非常用発電させず…関係者が失念

京都市下京区の京都駅ビルで停電が起き、ビル内のエレベーター7基に31人が閉じ込められるなどした事故で、停電が発生した際、関係者が非常用発電機を作動させなかったため、非常用エレベーターなどの防災設備に電気が供給されなかったことがわかった。

13基の非常用エレベーターが停止し、4基に10人が閉じ込められたほか、上層階にいた人の避難に利用できなかった。

ビルを管理する京都駅ビル開発は、「非常用発電機が作動していれば、よりスムーズな避難ができた」としている。

京都駅ビル開発によると、非常用発電機は通常、火災などの緊急時に自動的に作動し、非常用エレベーターや排煙装置などの防災設備に電力を供給する。

しかし、25日は、受電設備工事に伴い手動に設定されていた。

停電は、百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」地下2階の排煙機のボタンが押され、さらに工事で電気回路の一部が遮断されていた影響で、電気供給システムが緊急事態と認識して発生。

この時、ビル10階の非常用発電機の近くに工事関係者がいたが、停電に慌てたため、作動させることを失念したという。

京都駅ビル開発は、排煙機のボタンが誤って押されることのないような設備改善や、停電に特化した防災マニュアルの整備を検討するとしている。

こうして明らかになってみると、典型的な「事故」ですね。
しかし、受電設備の一部停止で、全館が停電になる可能性があるというのは、設計としては冗長度が低すぎるのではないでしょうかね?

3月 26, 2009 at 04:51 午後 事故と社会 | | コメント (11) | トラックバック (0)

2009.03.16

高速バス・エンジンから出火全焼

朝日新聞より「走行中の高速バスから出火 78人避難 静岡・東名高速

16日午前4時15分ごろ、静岡県牧之原市の東名高速上り線で、走行中のジェイアールバス関東(本社・東京都)の大阪発東京行きの高速バスから出火。バスは近くの牧之原サービスエリアに緊急停車したが、全焼した。
乗客77人と男性運転手(43)は避難してけがはなかった。

牧之原署によると、走行中に運転手がサイドミラーでバス後部から火が出ているのを見つけたという。エンジンルームから出火したと見られる。

バスは、ドイツのバス車体メーカー「ネオプラン」社製の2階建てバス。
08年5月には、西日本ジェイアールバスの同社製バスが大津市の名神高速道路上り線を走行中、エンジン付近から出火して全焼している。

バスは15日午後10時40分にJR大阪駅を出発、16日午前8時9分にJR東京駅に着く予定だった。
ジェイアールバス関東によると、乗客はJR静岡駅まで別のバスで移動後、新幹線に乗り換えたという。

写真で見ると、サービスエリアの駐車区画に正常に駐車した後に燃え上がったようですから、比較的安全ではあったようです。

トラックも含めて、大型自動車が燃え上がると、荷物の焼失など相応の被害が発生しますが、一方で大型車ディーゼルエンジンが多いので出荷しても比較的ゆっくりと燃え上がります。
出火の初期段階で、消火に成功すれば荷物の焼失などには至らないでしょうし、自動車も修理可能な損害で済むかもしれません。

消火装置をエンジン周りに付けておくのは保険として有効なのではないでしょうかねぇ?
この種の事故を見るたびに思います。

3月 16, 2009 at 12:04 午後 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2009.03.13

行政の基本は法治なのか放置なのか

神奈川新聞より「放課後キッズクラブの暴力指導員は研修未受講/横浜市

横浜市の「放課後キッズクラブ」事業で元男性指導員(55)が児童に暴力を振るっていた問題で、本来常勤指導員が受講するはずの事前研修をこの元指導員が受けていなかったことが十二日、明らかになった。

また、昨年あった暴力行為について、今年になって新たな暴力行為が発覚するまで運営主体の特定非営利活動法人(NPO法人)「ウッドクラフト」から市に対し報告はなかったことも判明。研修体制の整備の遅れなど、事業の問題点が浮き彫りになった。

十二日の市会予算特別委員会で、斉藤達也氏(自民党、緑区)の質問にこども青少年局が答えた。

こども青少年局によると、元指導員は今年一、二月の事前研修を受講するはずだった。
同局は「対象者が多かったため三月開所のクラブの指導員だけを受講させた」と説明。
元指導員は七、八月の研修に参加させる予定だったという。

クラブの常勤指導員に対しては、市と運営法人が計百二十七時間の事前研修を課す。研修は新設クラブ開所前の二カ月間で行われ、中途雇用の指導員は直近の研修に参加することになっている。

しかし、三月は開所施設が多く、「会場の広さが足りない」(こども青少年局担当者)などの理由から元指導員ら中途雇用の指導員は受けられなかった。
市は指導員の研修未受講期間を短縮するため、研修機会を増やしていくという。

昨年の時点で市への報告がなかったことについて、ウッドクラフトの野本実顧問は「子ども同士の事故報告書はあるが、指導員の暴力を報告する規定はないと思った」と説明。
一方、市は「当然報告されるべき内容」と主張し、意見は食い違っている。

こども青少年局は「情報開示・連絡の重要性をさらに周知する」としている。
しかし、子どもを含む関係者の聴取を基本とする「体罰に関する報告書」(市教委作成)に準じた「指導員による事故報告書」策定は考えていないという。

なんでこんな事が事件になってから、議論になるのでしょうかね?

それにしても、NPO関係者の発言

「子ども同士の事故報告書はあるが、
指導員の暴力を報告する規定はないと思った」

というのはどういう意味なのだろう?
しかも市の言い分に寄れば報告がなかった理由として「規定がないから」と主張していることになるが、これでは論外でしょう。

それにしても開設と研修の関係がキチンと運営できないとは、行政のやることとしては失格だと思います。

3月 13, 2009 at 09:51 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.22

パトカーが無人で発進したというが

サンケイ新聞無人パトカー民家に突っ込む 乗らずにエンジンかけたら急発進」、朝日新聞パトカー民家に衝突 ギア入れたままエンジン始動 秋田日テレニュース24無人のパトカーが急発進、民家に衝突 秋田」と報じられている事件です。

秋田市山王中島町の秋田中央署山王交番で、女性警察官が車に乗り込まないままパトカーのエンジンをかけたところ急発進し、パトカーは無人のまま県道を横断して民家に衝突していたことが22日、分かった。けが人はいなかった。

同署によると、事故は21日午後1時ごろ発生。無人のパトカーは片側3車線の県道の中央分離帯も乗り越え、県道反対側の民家の玄関を壊して止まった。パトカーはマニュアル車で、ギアを入れた状態で駐車していたのに気付かなかったという。

県警は「被害者にはおわびして全額弁償するとともに、女性警察官に厳しく注意するなどして、再発防止に努めたい」としている。

秋田市山王中島町にある秋田中央署山王交番で21日、無人のパトカーが急発進し、県道(山王大通り)を横断、向かいの民家に衝突していたことが、秋田中央署への取材でわかった。民家の玄関の一部が破損したが、けが人はいなかった。

同署によると、21日午後1時ごろ、交通事故が起きた現場に向かおうとした同交番勤務の署員が、パトカーに乗り込まずにドアを開けてエンジンをかけたところ、いきなり発進したという。凍結を防ぐためとしてサイドブレーキをかけておらず、ギアも入れた状態で駐車していたことが原因とみられる。パトカーはマニュアル車だった。

同署は当日、事故を発表していなかった。「軽微な事故なので広報事案にあたらないと判断した」としている。民家の破損部については全額弁償する方針という。

秋田市の交番で21日、パトカーが無人のまま急発進し、民家に衝突した。ケガ人はいなかった。

事故があったのは、秋田市山王中島町の秋田県警秋田中央署山王交番。秋田中央署によると、21日午後1時ごろ、交通事故の現場に出動しようとした警察官が、パトカーに乗り込まずにエンジンをかけたところ、急発進した。パトカーは無人のまま県道を横切り、中央分離帯を乗り越えて県道を挟んだ民家に衝突した。この事故で、民家の玄関のガラスが割れたが、ケガ人はいなかった。

パトカーはマニュアル車で、警察官はギアを入れたままの状態で駐車していたことに気付かなかったという。また、サイドブレーキはかけていなかった。

秋田中央署は「被害者には21日に謝罪した。被害は全額弁償することにしている。再発防止策を講じたい」と話している。

重大事故にならなかったようなので、そこはラッキーであったというべきなのでしょうが、単に乗り込まないままでエンジンを掛けたということなのか?と思うのです。

新聞の論調には「ギアを入れて、サイドブレーキを引かないまま駐車していたこと問題」のようにとれる記事がありますが、凍結対策のためにサイドブレーキを引かないことは珍しくなありません。

一方、運転者が乗り込まないでエンジンをスタートさせることはあることで、マニュアル車ではそのまま動き出す事がありますが、サイドブレーキを掛けていれば普通はその場でエンストします。

つまり、組合せとしてかなり具合が悪い状況だったとなりますが、そもそも運転者が乗り込まないでエンジンを掛けるとはどういう状況が多いのか?と考えると「キーを付けたままの場合」でしょう。

そうなると、パトカーと言っても軽自動車だろうと思うのですが、キーを付け放しで当然ドアをロックせずに駐車していた可能性が出てきます。
もしそういうことであったとすると、そっちの方が問題でしょう。

チョとした駐車でもエンジン切ることを強制するために、ドライバーとキーを繋いでしまってキーを抜かないと降りることが出来ない、という手法もあります。全体として何をやっているのか?は問題にするべきでしょう。

2月 22, 2009 at 06:29 午後 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2009.02.12

普通の交通事故ではないように思う

毎日新聞より「交通事故:老人ホーム送迎車衝突2人死亡 デイサービス帰宅中 2人けが 博多区

11日午後5時15分ごろ、福岡市博多区西月隈のマルキョウ精肉センターの施設の壁に、福岡県春日市桜ケ丘の老人ホーム「アンクラージュ大橋南」の送迎ワゴン車が衝突。
ワゴン車の運転手で同老人ホームの職員(43)が全身を強く打って死亡、同乗していた無職の女性(80)も腰の骨を折るなどして約6時間半後に出血性ショックで死亡した。
ほかに同乗していた70歳代の男女2人も軽傷を負った。

福岡県警博多署によると、送迎車は、ミニバス型の車でセンターに通じる道路を直進してきて、そのままセンター敷地内に進入、約15メートルほど走って壁に正面衝突したとみられる。現場にブレーキ痕はなかった。

車は前部が大破しガラスの破片が広範囲に散乱していた。精肉センターの男性従業員らは「バーンという大きな音がして外に出て見たら、運転席に男性がはさまれ意識が無かった」と驚いた様子だった。アンクラージュ大橋南によると、ワゴン車はデイサービスを利用したお年寄り3人を自宅に送る途中だった。【岸達也】

なんでこの記事を取り上げたのかと言うと、43歳のドライバーがノーブレーキで建物に当たって死亡 しているからですが、しかも「そのままセンター敷地内に進入、約15メートルほど走って壁に正面衝突」という異常さが気になりました。
地図で見るとこんなところです。

Up

航空写真で見ると、建物の上(北側)の敷地は駐車場であるようで、北側の道から「そのまま敷地に入る」のは無理だと思われますから,下側の道を直進で進入したのだと思います。

この地域は工業団地のようで、地図上でも南から進入したと思われる2本の道も街道といったものではありません。
そうなると、見かけブログにもありましたが「運転者が失神か?」とも考えられるのですが、そもそもそれ以前にこの道になぜ入ってきたのかがよく分からない。

何が起きたのが、気になります。

2月 12, 2009 at 09:53 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.12.29

心配なニュース

心配なニュースを集めました。

再処理工場トラブル続出

試運転は本来、08年2月に終わり、本格操業に入っているはずだった。
ほとんど全ての問題が個々に集約していると言って良いでしょう。

技術的なトラブルで再処理工場が稼働していないことは承知していましたが、

  1. ガラス溶融炉の底に希少金属がたまり、溶融ガラスの粘り気が強くなり、炉から容器に流下しなくなる。
  2. 金属棒で炉底をかき混ぜて押し流す回復運転を実施したが
  3. 2日後には金属棒が炉内で曲がる

これでは、どうしようもないですね。
多分、水冷が出来ないでしょうから「金属棒でかき混ぜる」というのはかなり難しい技術になると思うのですが、その点を見逃しているのだとすると、技術的には致命傷かもしれません。

イスラエル・ガザ地区に地上軍を投入?

AFPカメラマンや記者によると境界沿いの各所に戦車や装甲兵員輸送車十数台が配備された。
イスラエル政府は28日、予備役6500人を招集した。

十数台ということだと、侵攻ではなくて警戒と言うべきなのでしょうが、現実に地上軍が衝突したら、地域の征服となるでしょう。
現実にこんな事が起きたら、どうなるのか想像できません。

パキスタンで自爆攻撃

タリバン勢力の自爆テロとのことですが、パキスタンとインドの緊張が大規模テロの背景あるという記事の指摘はその通りでしょう。

簡単に言えば「不安定化がひどくなった」となります。パキスタン全体が内戦状態となる可能性も皆無とは言いがたいでしょう。

ベトナムの鳥インフルエンザ

小規模な鳥インフルエンザに対して、素早く対処できているようですが、

同国では、ことし報告されたH5N1型の感染例6件のうち、5人のベトナム人が死亡。そのすべてが3月までに同国北部で起きていた。
ですから、中国でも広がる可能性は高く、うまく対処できるか?心配です。

なにしろ、すでにベトナムでは5人が死亡しているのです。

トラブル続発、技術に「?」 青森・再処理工場

日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の試運転完了時期が、相次ぐトラブルで越年する。

2008年元旦に起きた装置の油漏れから始まり、肝心のガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)の製造試験は、ガラス溶融炉の底に希少金属がたまる不具合でストップしたまま。

今度は溶融炉をかき混ぜる金属棒がL字形に曲がる想定外の問題も発生した。

その都度、試運転完了時期を繰り延べにしてきただけに、反対派住民だけでなく推進派の首長からも国産技術へ疑問の声が上がっている。(青森総局・桜田賢一)

「度重なる延期とトラブルは施設の健全性に不安と不信を引き起こしかねず、極めて残念だ。原燃にはあらん限りの努力をするよう申し上げた」。
12月9日、六ケ所村議会12月定例会。古川健治村長が議員からの一般質問に答えた。

再処理工場の立地村長による異例の苦言。
村幹部は、原燃がこの半月前に試運転完了時期を09年2月に延期したことをとらえ、「06年3月に試運転が始まってから延期はもう6回目。村長だってちくりと言いたくなる」と解説してみせた。

今年に入っての延期の原因は、ガラス溶融炉の底に希少金属がたまり、溶融ガラスの粘り気が強くなる不具合だ。ガラスで固めて専用容器に詰めれば、放射能レベルが高くても安定した状態で処分できるが、粘り気が強いと炉から容器に流下しなくなる。

原燃は金属棒で炉底をかき混ぜて押し流す回復運転を実施したが、村長答弁の2日後には金属棒が炉内で曲がるという想定外のトラブルが発覚し、炉内上面からは傷まで見つかった。

炉底に損傷がないかどうか、ビデオカメラによる調査を行うため、固化試験は09年1月末ごろまで中断する予定で、今や来年2月の試運転完了さえ絶望的だ。

フランスからほとんどの技術を導入した再処理工場で、ガラス固化は唯一の純国産技術だけに、想定外のトラブルを招いた事態は深刻。

これ以外にも使用済み核燃料のせん断装置からの油漏れや核物質の封印破損など、年初から立て続けに発生している。反対派は「技術が確立していない『欠陥工場』と証明されたようなもの」(社民党県議)と非難の度合いを強める。

試運転は本来、08年2月に終わり、本格操業に入っているはずだった。

原燃の児島伊佐美社長は08年を「エネルギー元年」と位置付けて意気込んできたにもかかわらず、空振りの1年になってしまった。

児島社長は「トラブルや不具合の1年という印象は残るだろうが、乗り越えれば将来に役立つ知見となる。スケジュールありきで進めるのではなく、当面の課題を着実に乗り越えたい」と話している。

◎再処理工場試運転完了越年へ 核燃料安定活用進まず

使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)は、国が推進する「核燃料サイクル政策」の根幹を成す施設だ。核燃料の原料となるウランが、形を変えながら国内で輪のように動くことから、その名が付いた。
中核施設の試運転完了とその後の本格操業が大幅にずれ込めば、資源に乏しい日本が核燃料を有効利用し、エネルギーの長期安定確保を図る政策がそれだけ遅れることになる。

<9割以上終える>

Up

核燃料サイクル政策の概念は図上の通り。
原発で使う核燃料は3、4年で核反応が鈍くなるが、石油のように燃えてなくなるわけではない。再処理工場で溶かし、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料などを取り出し、再利用することが計画されている。

ウランはほぼ外国産だが、国内で循環させることができれば「準国産エネルギー」(日本原燃)となり、エネルギーの安定的な供給につながる。

MOX燃料を取り出して原発に戻すまでを「プルサーマル計画」と呼び、2010年度までに16―18基の原発に導入されることになっている。

原燃はMOX燃料を取り出すことに成功し、再処理工場は試運転工程の9割以上を終えている。だが、取り出しに伴って発生する高レベル放射性廃棄物の処理のトラブルで、試運転を終えることができないでいる。

国内に55基ある原発が年間に出す使用済み核燃料は、900―1000トン。原燃の児島伊佐美社長は「工場が本格操業しなくても(原発に貯蔵スペースがあるから)まだ何年か大丈夫」と話すが、早期の操業が求められることは言うまでもない。

<遅れる国の選定>

Up1

サイクルが未完成な一方で、再処理工場のある下北半島には図下のように関連施設の集積が進む。

高レベル放射性廃棄物の最終処分場こそ、三村申吾知事が4月に青森県内に設置しないという確約書を国から得ているものの、国による処分地選定は全く進んでいない。

六ケ所村議の1人は「他県では確約書のことが知られておらず、原子力施設の恩恵にあずかる青森県内に選定するべきだという声もいまだにある」と指摘する。
処分地も下北半島に選定されるのか―。県民から疑念は消えていない。

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イスラエル軍の戦車など、ガザ地区との境界沿いに集結

【12月28日 AFP】イスラエル軍は28日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界付近に戦車などを集結させている。イスラエルはイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)拠点への空爆に加え地上戦の実施を警告している。

AFPカメラマンや記者によると境界沿いの各所に戦車や装甲兵員輸送車十数台が配備された。

イスラエル政府は28日、予備役6500人を招集した。

イスラエル軍は27日、ガザ地区からのたび重なるロケット弾発射への報復措置としてハマスが実効支配するガザ地区への大規模な空爆を実施、エフド・バラク(Ehud Barak)国防相はこれに加え地上部隊を派遣する可能性もあると警告した。

ガザの医療関係者によると前日の空爆開始からこれまでにパレスチナ人280人以上が死亡、600人以上が負傷した。

(c)AFP

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パキスタン北西部で大規模な自爆攻撃、36人死亡

【12月29日 AFP】パキスタン北西部の学校で28日、自爆テロと見られる自動車爆弾の爆発があり、36人が死亡、15人が負傷した。

警察によると、爆発が起きたのはパキスタン北西部の北西辺境州(North West Frontier Province)ブネル(Buner)地区の学校で、事件当時は下院補欠選挙の投票が行われていた。犯人は自動車に積んだ爆弾を校舎の壁のそばで爆発させたとみられている。

負傷者のうち7人は重体で、北西辺境州の州都ペシャワル(Peshawar)の病院に搬送された。

AFPが取材した地元の警察官によると爆発は非常に強力で、校舎が「完全に破壊された」ほか、近隣の住宅などにも大きな被害が出たという。死亡者の中には近くの市場で、崩壊した屋根の下敷きになって亡くなった人もいるという。犠牲者には警察官2人も含まれていた。

警察は学校の外で自動車の破片多数を発見したが、現場付近には遺体の破片が散乱していたため、犯人が1人だったのか現時点で断定できないという。爆発物処理班が破片の中から証拠になるものを捜しているが、分析にはまだ時間がかかる見込み。

夜になっても生存者の捜索は続いている。目撃者によれば、住民も捜索に加わり、シャベルや素手で残骸を取り除いているという。この爆発でこの日の投票は取りやめられた。

■治安の改善見られぬパキスタン北西部

パキスタン軍はブネル地区に隣接するスワート(Swat)地区で同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)系の武装勢力の掃討作戦を1年以上にわたって続けている。

「パキスタンのスイス」と呼ばれるスワート渓谷(Swat Valley)は、同国唯一のスキー場でも知られ、かつては国内外から訪れた多数の観光客で賑わっていた。

しかし、タリバンと関係がある急進的な宗教指導者マウラナ・ファズルラ(Maulana Fazlullah)師がイスラム法の導入を目指す運動を始めて以来、この地域の治安は急激に悪化した。ファズルラ師は私設のFMラジオ局「ムラー・ラジオ(Mullah Radio)」で、激しい言葉遣いで自分の見解を広める説教をしていることでも知られている。

パキスタン軍は前年11月にファズルラ師の信奉者をこの地域から放逐するため大規模な作戦を開始した。陸軍は今年に入りスワート地区での反タリバン攻勢を一旦は強めたが、その後、作戦の規模を縮小していた。

さらに、パキスタン政府は、前月発生したインド・ムンバイ(Mumbai)での同時多発攻撃後に印パ関係が緊張したことを受け、一部の軍部隊をタリバンやアルカイダ(Al-Qaeda)系の武装勢力との戦闘が続く北西部からインドとの国境地帯に移動させている。

しかし、パキスタンの複数の新聞は28日、同国政府はインドとの緊張が高まるにまかせ、スワート渓谷や隣接する部族地域での過激派との戦いをおろそかにしていると批判的に報じた。

英字紙ドーン(Dawn)は「パキスタンには『荒野の西部』を荒廃するに任せて、相当数の軍部隊を東部のインド国境付近に配備する余裕はないはずだ。西部こそ、世界最高の諜報機関が、過激派の武装勢力が隠れてあちこちの目標を攻撃する計画を立てていると言い立てている地域なのではないか?」とする社説を掲載した。(c)AFP/Saad Khan

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ベトナム、ニワトリなどの鳥インフル感染を確認

[ハノイ 28日 ロイター] ベトナム北部の2カ所の養鶏場で、毒性が強い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスに感染したアヒルとニワトリが死んでいたことが分かった。国営Tuoi Tre紙が28日に伝えた。

同紙によると、ベトナム当局が26日、首都ハノイの北80キロに位置するタイグエン市の養鶏場で飼育されていた100羽以上のアヒルのうち、数羽が同ウイルスによって死んだことを確認した。

また、同市内にある別の養鶏場で死んだニワトリからもウイルスを検出。ウイルス拡大を防止するため約4200羽のニワトリを処分したという。

同国では、ことし報告されたH5N1型の感染例6件のうち、5人のベトナム人が死亡。そのすべてが3月までに同国北部で起きていた。

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12月 29, 2008 at 10:19 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.14

続・2006年度神奈川県立高校全生徒の情報流出

読売新聞より「生徒情報流出、第三者が故意に公開か

2006年度に県立高校に在籍した生徒延べ約2000人分の個人情報流出は、授業料口座振替用コンピューターシステムを開発した日本IBMの下請け業者が県教委との契約に違反して個人用パソコンに情報を保存していたために引き起こされた。
県教委とIBMは13日、下請け業者のパソコンから流出した情報を入手した第三者が、ファイル交換ソフト「シェア」を使って「意図的にネット上に公開した可能性がある」と指摘した。

発表によると、約2000人分のうち、約1400人分は、授業料の口座振替に使う名前や口座番号などの情報。約600人分は住所や氏名、電話番号など。

IBMの下請け業者の社員は、06年3月の契約期間を過ぎてもパソコンに約11万人の個人情報を保存。そのまま使い、08年6月に、ファイル交換ソフト「ウィニー」を介して情報を流出させるウイルスに感染させた。
社員は「作業後に個人情報を消去した」とIBMに報告していたが、今回の調査には「データが残っていることを失念していた」と話したという。

IBMでは、ウィニーを介して流出した個人情報を、第三者が再びネット上でダウンロードできる状態にさせているのではないかとみている。個人情報はシェアにより拡散するおそれがあるが、IBMは「犯罪性がないと警察は動いてくれない」として、流出した個人情報をすべて削除するのは難しいとしている。

県教委が12日に開設した相談窓口には、2日間で「どうして流出したのか」という保護者などから計93件の問い合わせがあった。

県教委では、個人情報が流出した恐れがある06年度に県立高校に在籍した約11万人には書面で謝罪し、流出が確認された2000人分の該当者には電話で連絡するという。
また、被害を防ぐため、県警と協議し口座変更を円滑にできるように金融機関に要請する。

神奈川新聞より「2000人分の流出確認/口座番号など県立高生徒の個人情報

二〇〇六年度に県立高校に在籍していた全生徒約十一万人の個人情報が流出した恐れのある問題で、県教育委員会は十三日、約二千人の口座番号などのデータがインターネット上に流出していた、と発表した。
県教委は流出した恐れのあるすべての生徒や保護者に文書で謝罪し、口座番号の変更を求めていく。

県教委によると十二日午後、授業料の徴収システム開発を委託した日本IBMが、生徒の氏名や住所、口座番号、電話番号を含む個人情報がファイル共有ソフト「シェア」を介して閲覧可能な状態になっているのを確認した。
流出情報が悪用された形跡はないという。

インターネット上では、既に数十人分のデータが大半を消した状態で流出しているのが確認されている。
シェア上のデータも同一人物が流出させた可能性が高いとIBMはみている。

笠原達夫教育局長は「適切に管理する責任があったのに大変申し訳ない。流出が確認された約二千人に対してはできるだけ早く事実を伝え、対応をお願いしたい」と述べた。
IBMは「現状では他の流出はないと思う」と話している。

今回、流出したデータは、システム開発に携わった日本IBMの下請け業者の男性社員のパソコンに保存していたものと同一だった。ファイル共有ソフト「ウィニー」を介してウイルスに感染していた。

2006年度神奈川県立高校全生徒の情報流出の続報であるが、なんだか意味不明ですね。

  • 県教委とIBMは13日、下請け業者のパソコンから流出した情報を入手した第三者が、ファイル交換ソフト「シェア」を使って「意図的にネット上に公開した可能性がある」と指摘した。
  • IBMでは、ウィニーを介して流出した個人情報を、第三者が再びネット上でダウンロードできる状態にさせているのではないかとみている。
  • 被害を防ぐため、県警と協議し口座変更を円滑にできるように金融機関に要請する。
  • 流出情報が悪用された形跡はないという。
  • IBMは「現状では他の流出はないと思う」と話している。

教育委員会も、IBMも情報セキュリティという観点では珍しいほど完璧に失格だと思うのだが・・・・。

リスク評価を公表して比べるとかしないと、何をやったのか理解できないのだろう。

11月 14, 2008 at 12:38 午後 セキュリティと法学, 事故と社会, 個人情報保護法, 教育問題各種 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.11.12

2006年度神奈川県立高校全生徒の情報流出

神奈川新聞より「最大11万人の県立高生徒の個人情報流出か/PC感染で住所、氏名、口座番号も

二〇〇六年度に県立高校に在籍していた生徒の個人情報がインターネット上に流出した可能性が高いことが十一日、分かった。コンピューターシステムの開発に携わった業者のパソコンから最大で全生徒約十一万人分のデータが流出したとみられ、県教育委員会は確認を急いでいるが、いまのところ個人情報が悪用された形跡はないという。

県教委によると、流出した可能性のあるデータは生徒の住所、氏名、授業料の振替口座番号、電話番号など。二〇〇五年度に県教委が授業料の徴収システムを開発する際、開発を担当した日本IBMの下請け業者の男性社員のパソコンにあったデータと同じ二十~三十人分の個人情報の画像がインターネット上に大半をぼかした状態で掲載されていた。

データは契約終了後に消去しなければならなかったが、男性社員は私物で使っていたコンピューター内にデータを残したままにしていた。ことし六月になってファイル共有ソフト「ウィニー」を介してウイルスに感染していたことが確認されている。

九月に県庁へ匿名の情報があったことを受け、県教委が委託先の日本IBMに調査を指示した。日本IBMの調査によると、今のところそれ以外の生徒の情報流出は確認できていないという。

県教委は発表が遅れたことについて「発表することで検索回数が増えて、仮に流出していた場合にデータが表面化し、二次被害の恐れがあったため」と説明している。ただ、「第三者がデータを持っている可能性が高い」と警戒している。

日本IBMは今後もデータが流出していないか二十四時間態勢で監視を継続。もし流出が確認された場合、県教委は口座番号を変更するなどの対応を生徒に要望するとしている。

日本IBMは「業務委託先で判明した不適切な情報管理について深くおわびする。今後、業務委託先での情報管理の徹底を一層強化し、再発防止に努める」とのコメントを出した。

FNNニュースより「2006年に神奈川の県立高校に通っていた全生徒の個人情報がネット上に流出のおそれ

神奈川県の県立高校に2006年に通っていたすべての生徒の個人情報が、インターネット上に流出しているおそれがあることがわかった。

神奈川県教育委員会によると、情報流出のおそれがあるのは、2006年に神奈川県の県立高校に通っていたすべての生徒およそ11万人分で、名前や住所、それに授業料納付などに使用していた口座番号などが含まれるという。

県では、授業料徴収のシステムを日本IBMに委託していて、システムを作成した下請け会社の社員のパソコンが、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介してウイルスに感染し、2008年9月には、流出した情報の一部がウェブサイトの掲示板に掲載されていたという。

それ以降、個人情報の流出は確認できていないということだが、県やIBMでは引き続き情報流出がないか監視を続けている。

開発で生データを使うのは禁じ手であります。

なんで、県 → IBM → 下請け → 担当者 と生データが渡ってしまったのかの方が重大問題でしょう。

県も、IBMも事件を矮小化しようとしているように見えますね。
情報管理の徹底をいっそう強化し、って生データを直接開発の末端まで回した時点で、落第であって強化以前の問題、早い話が「今後はこの種の開発業務を引きうけません」と言うぐらいしか対策がないと思うのだが。

11月 12, 2008 at 09:10 午前 セキュリティと法学, 事故と社会, 個人情報保護法, 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.27

試乗車での事故でディーラー社員を送検

サンケイ新聞より「異例! ベンツ試乗事故で助手席の販売ディーラーを書類送検

試乗させる際に適切な指導を怠った結果、暴走したベンツで男性をはね、重体にさせたとして、警視庁東京湾岸署は26日、助手席に乗っていた販売店の男性(38)を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。

運転していた男性会社員(23)は自動車運転過失傷害の罪で起訴されているが、助手席のディーラーの責任が問われるのは極めて異例だ。

書類送検されたのは、東京都品川区のメルセデスベンツの正規販売店の男性。

調べによると、男性は6月15日、男性会社員にベンツを試乗させた際、「アクセルを踏むとすぐにスピードが出るので気をつけてください」などの適切な助言をしなかった疑い。

男性会社員は同日午後1時40分ごろ、品川区八潮の路上で制限速度50キロの道路を約150キロで暴走し、前方の車を追い越した後、横断しようと自転車で歩道から出てきた練馬区光が丘の男子大学生(20)をはねたとして起訴された。大学生は重体となった。

ベンツは排気量が大きく、スピードが出やすい車種だった。同署は試乗の際に適切な走行方法を指導すべきだったとして、販売店の関係者から事情を聴いていた。

この記事には続きがあります。「安全軽視「販売至上主義」に警鐘 ベンツ試乗事故

試乗中の車が起こした事故で警察がディーラーの責任を問うた今回の事故は、「売るためなら」と公道で150キロものスピードを容認したディーラー側の「販売至上主義」に警鐘を鳴らしたといえる。

東京都文京区のある自動車販売店は「免許の有無は確認するが、基本的には希望者には試乗してもらう方針」と話す。初心者や高齢ドライバーの場合は個別に判断するが、「試乗場所は販売店の周囲の決められたコースで、発進時のハンドル操作性など、運転しやすさを見てもらうのが目的」(同)のため、実際に断ることはまれだ。

今回のケースでは、試乗車が排気量6000cc以上という車種だったことが災いした。「こうした車では新車を買いたいという目的以上に、排気量の大きいエンジンを体感したいという欲求が試乗の目的になりかねない」(捜査幹部)。アクセルを踏めばすぐにスピードが出る。スピードを出すよう指示してはいないにせよ、ディーラー側は考えられる“暴走の危険”に対して、あまりに無自覚であったといえる。

日本自動車ジャーナリスト協会の日下部保雄会長は「車はお金があれば自由に買えるだけに、ドライバーには高い倫理観と自制心が必要だ。こうした事故を放置すると、車そのものが社会悪になりかねない。車の性能をきちんと知っているのは販売店なのだから、売ろうとして客に弱い立場にいるのではなく、強く指導してほしい」と話す。

最先端技術を取り入れた時価1000万円以上というベンツは、多くの自動車愛好家のあこがれであるはずだ。だからこそ、それを売る側には、「安全運転をする者にしか売らない」という高い倫理観が求められている。(道丸摩耶)

道丸記者(この方とはリアルでお会いしていますが)の、売る側には、「安全運転をする者にしか売らない」という高い倫理観が求められている。(道丸摩耶)という踏み込んだ書き方はなかなか良いと思います。

自動車の性能は非常にバラツキが大きくなって、わたしが車に乗り始めた40年ぐらい前に比較してみると、F1ではないのか?というほどの高性能車も市販されています。
その一方で、本当にげたであるかのように、何も考えないでも使える車もあります。

そのようなバラついた性能を体験できるのは自動車ジャーナリストぐらいしかいないわけで、多くの庶民にとっては自分が乗ったことがある車の範囲を超える性能には触れることがほとんどないのです。
その数少ない機会が「ディーラーでの試乗」です。

今回の事件ではディーラーの主張はおそらく、「(事故を起こした)ドライバーの技量や判断力を知る立場にない」だったのでしょうが、ドライバーの主張は「車の性能は体感したことがないから・・・」と客観的なレベルですれ違いがあったのだろうとも思います。

実際にほとんどの国産車のディーラーではいわゆる高性能車の試乗は簡単にはできません。
もちろん、実車が少ないということも大きいとは思いますが、結果として試乗するドライバーの手に余るような車を試乗させてはいない。
これを「わが社の試乗車は高性能車です。誰でも歓迎」といった売り出し方をしたのだとすると「売り手の倫理の問題」となってくるでしょう。

8月 27, 2008 at 10:16 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.25

斎場で間違えが分かった

FNNニュースネットワークより「福岡・太宰府市九州自動車道男女6人死傷事故 女性2人の「死亡」と「重体」を取り違え

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3日、福岡・太宰府市の九州自動車道で男女6人が死傷した事故で、警察は、女性2人について、「死亡」と「重体」を取り違えていたと発表した。

この事故は23日、福岡・太宰府市の九州自動車道で、普通乗用車が中央分離帯に衝突し、男女6人が死傷したもの。

警察は24日、死亡したのが当初「重体」としていた福岡市の飲食店従業員(27)で、福岡市の専門学校生(24)は「死亡」ではなく「重体」と訂正した。

警察は、2人の親族から「間違いない」と身元を確認していたが、斎場に訪れた専門学校生の友人が「遺体は別人」と指摘し、取り違えがわかったという。

本当なのか?と驚きました。

  1. 警察は、2人の親族から「間違いない」と身元を確認
  2. 斎場に訪れた専門学校生の友人が「遺体は別人」と指摘

法医学で鑑定すれば、容易に防げる事だろうと思うのですが・・・・。

8月 25, 2008 at 10:34 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.07.30

川の安全

読売新聞より「国交省、河川の親水公園など安全対策を緊急調査

神戸市灘区の都賀(とが)川で5人が濁流に流されて死亡した事故を受け、国土交通省は30日、全国の河川に設けられた親水公園などの安全対策について緊急調査を実施すると発表した。

現場に上流の集中豪雨を知らせる警報装置などが設置されていなかったことから、再発防止には安全対策の実態把握が不可欠と判断した。同省は調査結果を踏まえ、安全確保に向けた対応方針をまとめたいとしている。

調査は、国の出先機関などが管理する約1万4000の1級河川と、自治体が管理する約7000の2級河川が対象。親水公園や川辺の遊歩道などの「親水空間」や過去に急激に増水したケースの有無、増水への注意を呼びかける看板や警報装置の設置状況などを調べ、8月末をめどに集計する。

同省では昨年6月に作った河川水難事故防止の指針で、河川を管理する出先機関や自治体に、急激な増水への注意喚起を求める看板の設置などを呼びかけていたが、「緊急調査の結果、先進的な対策の事例があれば、広く紹介したい」(河川局)としている。

そういうことなのか?
都賀(とが)川とはここ 恐るべき一直線の川で、しかも上流の六甲川はもっと一直線。

さらに映像で見る通り護岸をコンクリート化して要するにダムの排水路のようなものにしているわけでしょう。
そこに鉄砲水的に水量が急激に増加するのは、正にそのために作った川ではないのか?

むしろ、そういうところに親水公園とか遊歩道を造ったことの方が問題じゃないですかねぇ?
いくら警報システムを整えても、鉄砲水状態に変わりはないでしょう。

鉄砲水になるようなところ人の立入を促進するようなヘンなことをしているところが問題だと思うのです。

7月 30, 2008 at 10:33 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.26

747-400の胴体に大穴

朝日新聞より「機体に穴、カンタス航空機が緊急着陸 365人乗り

AP通信などによると、ロンドン発オーストラリア・メルボルン行きの豪カンタス航空ボーイング747―400が25日、経由地の香港を離陸後、爆発音に続いて機体に穴が開き、マニラ国際空港に緊急着陸した。365人の乗客と乗員にけがはなかった。

穴は右翼近くに直径2.5~3メートルの大きさで開き、機内でも天井の一部が壊れるなどした。同機は高度約9千メートルから3千メートルまで緊急降下したという。ある乗客は「機体の破片がファーストクラスの客席にも飛んできて、酸素マスクも飛び出した」と語った。

Up1

豪デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、今年3月に内装を新しくした際、整備士が機体に数多くの腐食を確認していた、と報じた。同紙は老朽化が事故の一因とする専門家の見方や、整備を外注化したことで整備の水準が低くなったとのパイロットの証言も伝えている。

読売新聞によりクローズアップの写真がありました。

Up

主翼の付け根の整形部分ですから、脱落したのがフェアリングで主翼側には取り付けのための穴が多数見えています。
多分、着脱できるのでしょう。

黄緑の部分は胴体そのもので、与圧されていますから大きな穴の部分が破断して外側のフェアリングを吹き飛ばしたのでしょう。
茶色の格子縞は、胴体の骨組みですが、どう見ても腐ってます。

豪デーリー・テレグラフ紙(電子版)は、今年3月に内装を新しくした際、整備士が機体に数多くの腐食を確認していた、と報じた。

今回壊れた部分は、基本的に床下なので、上部の客室と下部の貨物室との間の、安全扉が開いて圧力を逃がしたために床が脱落せず、結果的に乗客乗員には怪我人がなかった、ということでしょう。
ずっと以前に、貨物ドアが脱落したか何かで、貨物室の与圧が急速に失われ、生じた圧力差によって客席の床が崩壊・脱落し、そのため操縦系統が破断して墜落という事故がありました。
その事故以来、圧力差を生じさせない安全扉が設置されていますので、今回は助かったのでしょうが、最近は飛行機の腐食による事故が多くなってきました。怖いことです。

7月 26, 2008 at 08:43 午前 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.05.09

振り込め詐欺対策システム作り

読売新聞より「怪しい出入金検知、システム作動し振り込め阻止…名古屋銀

振り込め詐欺の被害が後を絶たない中、第二地銀の名古屋銀行(本部・名古屋市)が、全国で初めて運用している口座監視システムが注目を集めている。

専用コンピューターで全口座を監視し、通常取引ではありえないような出入金が確認された口座をあぶり出し、不正が疑われたら凍結する仕組み。
約1年5か月の間に100以上の不正口座を凍結した。自民党の「振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム」は「被害規模を最小限に抑える画期的な仕組みだ」として、9日、同行から聞き取り調査を行う。

このシステムは、同行がNECと共同開発し、一昨年11月から運用している「異常取引・不正口座検知システム」。

  1. 不特定多数からの入金後、遠隔地の現金自動預け払い機(ATM)で1日に何度も出金の繰り返しがある
  2. 長期間出入金がなかった口座への高額な入金後、限度額いっぱいの出金がある

など、振り込め詐欺などに利用された疑いのある異常取引のケースを17項目に分類。
インターネット取引の利用分も含め、専門部署がコンピューターで各項目に該当するかどうかをチェックしている。

異常が検知されると、担当者が口座開設者や振り込み銀行に連絡。
関係者からの聞き取り調査で口座が犯罪などに利用されている疑いが強まれば警察に連絡し、被害拡大を防ぐため口座を凍結する。

今年3月には、システムが異常を検知した口座の開設者に連絡をしたところ、「通帳とキャッシュカードを紛失した」との回答があったため取引を停止。
その後、数十万円単位の入金依頼がこの口座に続いたため、銀行に確認して振り込め詐欺と判明し、被害者に返金された。
これも含め、今年3月までに100以上の口座凍結につなげている。

ほかの金融機関も、口座開設時に開設者と結ぶ「預金規定」に違反した場合は口座を凍結することはできる。警察などからの情報提供で口座が譲渡されていたり、免許証など本人確認書類が偽造されたりしているケースだ。

しかし、この規定に基づく凍結は、捜査がある程度進まないと銀行に情報が提供されないため、その間に被害が膨らむことが多い。名古屋銀のシステムは異常取引が1件発生した時点で確認作業を進め、口座を凍結できるのが特徴という。

これはかなりうまい手法ですね。

どうしても、出金側の対策を考えてしまいますが、入金側の異常を感知して対策するのですから、効果的でしょう。
早急にこのシステムの普及が必要ですね。

5月 9, 2008 at 09:23 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.07

ダイカスト製品の検査で爆発死亡事故

中日新聞より「豊田自動織機の工場で爆発 大府、作業の1人死亡

7日午前5時15分ごろ、愛知県大府市江端町、豊田自動織機大府工場(清田修工場長)で爆発が起きた。
作業中の同社社員(24)が多発性外傷ショックのため死亡。
窓ガラス約50枚が割れ、屋根の一部が曲がった。東海署は業務上過失致死容疑で調べている。

調べでは、工場内にある鉄骨平屋の棟(1万2000平方メートル)内の、カーエアコン部品を検査するブリスタ試験場で爆発があった。アルミ製ピストン部品を、530度の塩化ナトリウム溶液が入ったステンレス製水槽(長さ1メートル、奥行き60センチ、高さ40センチ)に漬ける作業中、水槽が爆発したらしい。棟内ではほかに11人が作業していた。

大府工場は4月26日から5月5日まで休業し、6日に操業を再開した。死亡した社員は同日午後9時から7日午前5時50分までの勤務で、終業間近の事故だった。

現場はJR大府駅の西側の住宅街近くにあり、爆発音は住民を驚かせた。現場から200メートル北に住む会社員男性は「バーンというものすごい音がして、びっくりした。原因をはっきりさせてほしい」と話した。

豊田自動織機は「住民の方にご迷惑を掛け、誠に遺憾。再発防止に努めたい」としている。

朝の第一報では「検査のために水槽に付けたら爆発した」というわけの分からないものでしたが、ようやく「ブリースター試験中の事故」だと分かりました。

ブリスタ試験とは、アルミダイカスト製品を熱して鋳造欠陥(巣)が膨張して表面を膨らませることで検査をする仕組みです。

だから、530度というもの理解できるものですが、爆発したとは巣の中の空気が膨張したからなのでしょうか?
まだ爆発の原因が何なのか?は分かったとは言えないですね。

5月 7, 2008 at 07:45 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.16

道路陥没

神奈川新聞より「川崎でまた道路陥没/長さ40メートル、幅40メートル、深さ2メートル

十五日午後三時十五分ごろ、川崎市中原区下新城の市道「宮内新横浜線」で、下水道管工事中に出水したと通報があった。直後から道路が落ち込み始め、午後五時の時点で工事用の掘削穴周辺の道路と県立新城高校のグラウンドにかかる長さ四十メートル、幅四十メートルの区間が、最大二メートルの深さに陥没した。市下水道局は現地対策室を設置。原因を調べる。

工事は市発注の雨水対策で、二月上旬に地下二十一メートルに筒状のシールド機(直径三・五メートル)を入れてトンネルを堀り始めたが、玉石がカッターに絡まるトラブルがあり、この日は土を埋め戻して掘削を再開しようとしたところだった。

現場は県立新城高校の正門近く。路面は一部でひび割れて大きく沈み込み、高校のフェンスもたわんだ。近くに住む男性は「万一、車などが突っ込んでいたら大惨事になるところだった」と話していた。

同じ下水管工事では昨年二月、約百メートル北側でも大規模な道路陥没があった。犬を散歩中の近くの主婦(62)は「二度も同じ事故を起こすなんて、あまりにもずさん。(発注主の)市は住民に説明すべき」と憤っていた。

Up

年に数回は通るところで、よく知っているところです。
だいぶ以前から工事が続いていて、下の地図の太い道の真ん中にシールド工事用の出入り口が設置してあります。
写真の左側に見える塀が工事用の出入り口で、これが道路の真ん中に突き出しています。

Up1

写真は、地図で見ると北から南を見た光景で、写真右側が新城高校のグランド沿いのフェンスです。
どうやって復旧するのでしょうか?

4月 16, 2008 at 09:31 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.04.12

トラックホイルー脱落死亡事故

中日新聞より「脱落タイヤは全ボルト破損 東名バス事故、点検ミスか

静岡県牧之原市坂部の東名高速道路で11日、大型トラックのタイヤが外れて対向の「名阪近鉄バス」(名古屋市中村区)の観光バスを直撃、バス運転手の関谷定男さん(57)=岐阜県大垣市浅草2=が死亡、乗客7人が負傷した事故で、ホイールを車軸に固定するボルト8本がすべて折れてタイヤが脱落した可能性が高いことが、国土交通省中部運輸局静岡運輸支局の調べで分かった。

乗客の証言やバス会社によると、関谷さんはタイヤの直撃を受けて倒れながらもブレーキをめいっぱい踏み込んだままで、バスは中央分離帯の縁石に乗り上げた後、約60メートル進んで止まった。

国交省などによると、脱落したタイヤは6カ所計10本のうち左後輪の外側の1本(直径約1メートル、重さ約100キロ)。中央分離帯にぶつかり、幅3・4メートルの分離帯を飛び越えバスを直撃。高さ約3メートルの運転席上部のガラスを破って車内に突き刺さった。

タイヤは1本当たり8本のボルトでホイールごと固定され、うち2本は破断面がさびていた。既に折れていた可能性があるという。

ボルトの破断は整備不良で発生するケースが多く、県警高速隊はトラックを運転していた静岡市の産業廃棄物処理会社「京阪産業」の男性社員(37)=浜松市=から、自動車運転過失致死傷容疑で事情を聴いている。国交省はトラックメーカー「いすゞ自動車」に調査を指示した。

トラックは1回の走行距離が長いため、ボルトの締め付けが強すぎても弱すぎてもボルトにかかる負荷が大きくなる。このためボルトが1本折れただけでも残りのボルトの負荷が高まり次々折れることがあるという。

バスには乗客乗員計41人が乗り、愛知県犬山市の50-80代の男性1人と女性6人が軽傷を負った。

写真を見ると確かに錆びています。

Up

これはスタッドボルトですよね。そしてナットでホイールを留めている。
錆びているということは、普通に考えて8本中2本のボルトがナットごと抜け落ちて、ホイールに穴が開いていたということになりますよ。

点検を怠ったと言うにしても程度が悪すぎるとなりますね。

4月 12, 2008 at 07:55 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

管制官有罪・東京高裁

昨日(2008/04/11)東京高等裁判所で、2001年1月31日に焼津市上空で起きた、日本航空機同士(747とDC10)の異常接近と回避操作によって、747機内で乗客7名及び客室乗務員2名が重傷を負い、乗客81名及び客室乗務員10名が軽傷を負った、事件で管制官の刑事裁判の控訴審が開かれました。
事故の詳細については「航空事故一覧/2001年」に詳しく出ています。

サンケイ新聞、東京新聞、朝日新聞、読売新聞の記事を並べてみました。

新聞記事にもあるように、地裁判決は管制官だけの責任とは言えないとしたのですが、高等裁判所は管制官に責任があるとしました。
この場合の責任とは刑事責任のことです。

サンケイ新聞は、地裁判決と高裁判決の違いについて説明しています。
東京新聞は、事故調査と刑事責任追及が対立する問題について説明しています。
朝日新聞は、個人に対す類似責任追及よりも事故原因の解明に重点を置くべきだという主張のようです。
読売新聞は、高裁判決があった事実だけを伝えているように見えます。

わたしの意見は、この高裁判決は社会的に意味がないと思います。

高裁判決そのものが、事故原因が複合的であるとしているのですから、その上で管制官の刑事責任を認めて罰することは、法的な意味しかなく社会的には法律が見捨てられような結果しか引き起こさないでしょう。

その意味では、真に必要な法的な判断は、事故調査と刑事責任追及のあり方というより高いレベルの判断であるべきでした。
地裁判決は、そこに踏み込んだ判断であったのだと考えますが、高裁判決は「そういう高級なことを裁判所は考えない」とメッセージしたわけで、世間は「裁判所は信用ならない」と考えるでしょう。

被告が上告するのも当たり前だと思います。

サンケイ新聞より「ニアミス事故で管制官2人に逆転有罪

静岡県上空で平成13年、乗客57人が重軽傷を負った日航機同士のニアミス事故で、便名を言い間違えて事故を起こしたとして業務上過失傷害罪に問われた管制官、蜂谷秀樹(33)、籾井(もみい)康子(38)両被告の控訴審判決公判が11日、東京高裁で開かれた。須田● (=賢の又が忠)裁判長は1審東京地裁の無罪判決を破棄し、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年を言い渡した。

便名言い間違いと事故との因果関係などが争点となったが、1審判決は「誤指示は不適切ではあったが、言い間違いがニアミスを招いたとはいえない」と判断。その上で「事故の刑事責任を管制官や機長という個人に追及するのは相当でない」として、2人に無罪を言い渡していた。

検察側は「管制官が重大な人為的ミスを犯しているのに、1審判決は個人の過失責任の追及を放棄している」として控訴。弁護側は控訴棄却を求めていた。

事故は13年1月31日午後3時55分ごろに発生。実地訓練中だった蜂谷被告は、日航958便を降下させようとしたが、誤って同907便に指示。訓練監督者だった籾井被告も誤指示を聞き逃し、907便が緊急回避行動を取ったために乗客57人がけがをした。

管制官、「業務」負担大きく

管制官の指示をめぐる航空機のトラブルは、昨年から今年にかけても各地で相次いで発生した。聞き違いや勘違いといった単純なミスが原因とみられているが、管制業務の負担の大きさが背景にあると危惧(きぐ)する声もある。

今年2月、新千歳空港で日航機が無許可で離陸を開始するトラブルが発生。管制官が指示の中で「テークオフ(離陸)」という用語を使用したのを、乗員が離陸許可を受けたと誤解した可能性が高まっている。

昨年11月には、中部国際空港で中国南方航空機が管制官の指示に従わず、停止線を越えて滑走路に無断進入。直後に着陸予定だった全日空機が着陸をやり直している。

昨年9月には、大阪(伊丹)空港で着陸した日航機が、別機への管制官の指示を誤認して、無許可で滑走路を横断。同空港では翌10月にも、全日空機が管制官の指示とは異なる滑走路に着陸している。

航空評論家の青木謙知さんは「システムがいくら更新されても、管制官の業務は軽減されていない。本来なら管制指示は復唱が当然だが、忙しさの中でなおざりになることもある。人間のミスを百パーセントなくせない以上、バックアップするシステムの構築が必要」と指摘している。

管制官の単純ミスは「危険行為」 ニアミス公判解説

降下を指示すべき便名を言い間違えた管制官2人を逆転有罪とした11日の東京高裁判決。1審判決とは正反対の結論になったのは、便名言い間違いというミスを「実質的に危険な行為」ととらえたか否か、その認定の差に尽きる。

1審判決は、たとえ907便が誤指示により降下しても、958便は航空機衝突防止装置(TCAS)が作動しなければ水平飛行を続けていた-という前提で判断。「その段階では衝突を招く危険な指示ではなかった」として、言い間違いミスには実質的な危険性はなかったと判断した。

しかし高裁判決は、TCASによって907便には上昇指示が、958便には降下指示が現実に出ていた点を重視。958便が水平飛行する前提で判断した1審判決を「両機が急接近しているという切迫した状況を踏まえておらず、事実から目を背けた空論」と批判した。

その上で、管制官が907便に誤って降下指示を出したことこそが、958便とニアミスを起こし、急激な回避措置によって乗客がけがをする恐れのある「実質的に極めて危険な管制指示」と明確に認定した。

管制官による誤った指示、TCASによる指示、機長判断による緊急回避措置-と、このニアミスは複雑な要素がからみ合って発生している。ただ判決は、管制官の単純ミスは大惨事につながりかねないということを厳格に示した点で、航空行政に携わる者への大きな戒めとなろう。(福田哲士)

東京新聞より「2管制官に逆転有罪 日航ニアミス 東京高裁『誤った指示が原因』

静岡県焼津市沖の上空で二〇〇一年に起きた日航機同士のニアミス事故で、業務上過失傷害罪に問われた管制官の蜂谷秀樹(33)、監督役の籾井(もみい)康子(39)両被告の控訴審判決が十一日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は両被告を無罪とした一審の東京地裁判決を破棄、籾井被告に禁固一年六月、執行猶予三年(求刑禁固一年六月)、蜂谷被告に同一年、同三年(同一年)の逆転有罪を言い渡した。

管制官の刑事責任を問えるかが焦点だったが、判決は「便名を間違え危険な管制指示を出した初歩的誤りで、指示と乗客の負傷との間には因果関係が認められる」と、ニアミス事故で刑事責任を初めて認定した。

航空機事故では、刑事責任より原因究明の重視が世界的な流れだが、今回の判決はそれに逆行する形となった。

一審は「管制指示は不適切だったが(管制官の)指示通りなら両機の間隔は保たれ、危険性はなかった」と判断した。

事故空域では当時、最低二千フィート(約六百十メートル)が安全な垂直間隔の基準だったが、事故後に千フィートに変更された。

須田裁判長は「便名を間違え、二千フィートを切ったから衝突防止装置(TCAS)が作動した。誤った指示がなければ事故は起こり得ず、刑法上の注意義務に違反する」と述べた。

両被告は上告する方針。

■再発防止より責任追及

<解説>日航機ニアミス事故で、管制官に有罪を言い渡した十一日の東京高裁判決は、航空機事故で個人の責任を追及するより、原因追及によって再発防止につなげることを重視する世界的な流れに逆らう格好となった。

判決は、ニアミスに至るまでの流れを(1)管制官の誤指示(2)指示後に両機の衝突防止装置が作動(3)一機の機長が装置の指示に従わず両機が接近-と認定。

弁護側は「管制官は装置の作動を予見できなかった」として(1)と(2)(3)に関連はないと主張したが、判決は(1)がなければ(2)(3)はなかったとして管制官の刑事責任を認定した。

航空機事故は複雑な要因で生じる。個人に責任を負わせるだけでは、裁判に不利になるとの理由で証言を拒まれて事故防止策には生かされない。国際的に原因究明を重視する背景にはそうした事情がある。

一九九七年に三重県上空で日航機が乱高下し乗客らが負傷した事故の刑事裁判で、原因究明を目的とした運輸省(当時)の調査報告書が証拠採用された是非が問題になったのも同じ理由からだ。

ある管制官は「人為的ミスを完全に防ぐことは難しいが、事故を教訓にするには責任の追及よりも優先して取り組むべきことがある」と指摘。実際、事故後に管制官の指示ではなく装置の指示に従うとのルールに改められ、再発防止に生かされている。

航空需要が増大する中、日本の空は安全を確保しつつ便数の増加が求められている。ニアミス回避の管制業務をどう行うのか。個人に責任を帰した判決が現場を萎縮(いしゅく)させないか。判決が及ぼす影響を見守る必要がある。(寺岡秀樹)

<日航機ニアミス事故>2001年1月31日午後3時55分ごろ、静岡県焼津市上空で羽田発那覇行き日航907便と韓国・釜山発成田行き日航958便が接近、管制官が便名を取り違えて907便に降下を指示した。直後、907便の機体に取り付けられたTCASが上昇を、958便のTCASは下降をそれぞれ指示。907便の機長はTCASの指示に反して管制官の指示に従ったため両機は異常接近し、907便が回避のため急降下した際、乗客乗員計100人が重軽傷を負った。

朝日新聞より「「もう管制できない」ニアミス逆転有罪、現場に衝撃

「危険は決して生じさせてはならない」――。01年に起きた日本航空機のニアミス事故訴訟で、東京高裁は管制官の職務上の義務を厳しく指摘し、管制官2人に有罪判決を言い渡した。様々な要因が絡む航空事故で、個人の刑事責任が認定されたことで、関係者に驚きと不安が広がった。

「明日からというか、今日から管制業務はできない」。籾井康子被告は判決後の会見で、現場への影響をこう語った。一瞬の「言い間違い」が厳しく断じられた点について、「現場に不安と緊張を強いるもの。安全にとって有害」と声を詰まらせた。

国土交通省航空局の幹部は「実務への影響が心配」と話す。日本上空の交通量は、事故当時の年間約410万機(全空域の延べ数)から現在約500万機と約22%増加。だが管制官は1732人から1950人と約13%しか増えていない。今後成田空港の滑走路延伸や羽田の再拡張などで、より多くの機体をギリギリの間隔でさばくことが求められている。

今回の事故は、同省航空・鉄道事故調査委員会の報告書でも、システムの不備や運用の不徹底など複数の要因が指摘された。こうした状況を踏まえ、一審・東京地裁は、個人への刑事責任追及は「相当でない」としていた。

欧米では影響が大きい事故の場合、当事者を免責したうえで真実をすべて語らせ、再発防止に役立てる考え方が主流になりつつある。過度な責任追及は、原因究明に支障をきたす恐れもある。処罰を逃れようと、当事者が真実を語らなくなる可能性があるからだ。この点で、今回の高裁判決は国際的な流れに逆行する形となった。

管制官ら運輸行政に携わる労働者で構成される全運輸労働組合(組合員約9千人)も「再発防止より個人の責任追及を優先する対応は問題」と批判する声明を出した。

管制交信ミスによるトラブルは最近も多発。ほとんどが「聞き間違い」や「誤解」だ。ベテランの事故調査官も「声だけに頼る交信に誤りはつきもの」と言う。国交省も「人間は間違える」ことを前提に、二重三重の安全策の構築に乗り出したところだった。

10月から事故調査委は「運輸安全委員会」となり、海難も扱う総合的な機関として調査力の向上が期待される。同委が当事者から再発防止の核心に迫る証言を引き出すことが必須で、航空関係者には「免責」を含めた検討が必要とする意見もある。

一方で、多くの犠牲者が出たり、過失が明らかだったりした場合には「刑事責任は当然」という意見が強くなる。被害者感情もある。再発防止と刑事責任追及のどちらに重きを置くか、議論を求める声が高まっている。(佐々木学)

読売新聞より「日航機ニアミス事故の控訴審、管制官2人に逆転有罪判決

静岡県焼津市上空で2001年、日本航空機同士が異常接近(ニアミス)して乗客57人が重軽傷を負った事故で、業務上過失傷害罪に問われた国土交通省東京航空交通管制部の管制官、籾井(もみい)康子(39)、蜂谷(はちたに)秀樹(33)両被告の控訴審判決が11日、東京高裁であった。

須田賢裁判長は「便名を言い間違えるなど、管制官に要求される最も基本的で重要な注意義務に違反し、多数の乗客に傷害を負わせた」と述べ、無罪とした1審・東京地裁判決を破棄し、籾井被告に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)、蜂谷被告に禁固1年、執行猶予3年(求刑・禁固1年)の逆転有罪判決を言い渡した。

ニアミス事故で管制官が有罪となったのは初めて。両被告は上告する方針。

判決によると、蜂谷被告は01年1月、焼津市上空を上昇中の日航907便と水平飛行中の同958便が急接近した際、誤って907便に降下を指示し、両機を異常接近させた。監督していた籾井被告も間違いに気付かず、衝突回避のため急降下した907便の乗客57人にけがをさせた。

判決はまず、「2人が958便を降下させる管制指示をしていれば、事故は起こりえなかった」と指摘。管制ミスと事故の因果関係を認め、「極めて危険な管制指示で、刑法上の注意義務に違反することは明らか」と述べた。

1審判決は、管制ミスの後、907便の機長が衝突防止装置(TCAS)に従わずに降下したことなど複数の要因が事故につながった点を考慮し、「管制官の誤った指示が直接の事故原因とはいえない」としたが、この日の判決は「誤った指示が機長の急降下を余儀なくさせた」と認定した。

一方で、判決は「当時の管制システムには、管制官の人為ミスを事故に結びつけないようにする観点から、不備があったことは否めない」と述べた。

4月 12, 2008 at 09:38 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.03.08

明石海峡での3隻衝突事故

産経関西より「衝突で貨物荷崩れか バランス失い直後に沈没 明石海峡事故

神戸市沖の明石海峡でタンカーなど3隻が相次いで衝突した海難事故で、沈没した貨物船「ゴールドリーダー」(1466トン、ゴ号)に、タンカー「オーシャンフェニックス」(2948トン、オ号)が衝突した際、衝撃でゴ号の積み荷の鋼材が荷崩れを起こした可能性が高いことが7日、神戸海上保安部の調べでわかった。

ゴ号は衝突から5分前後で沈没しているが、同保安部では荷崩れで船体の重量バランスが崩れて傾きが大きくなり一気に転覆したとみて調べている。

調べでは、5日午後2時55分ごろ、オ号は砂利運搬船「第5栄政丸」(496トン)との衝突後、船首がゴ号の右中央部に衝突。数分後にゴ号は沈没した。

ゴ号の乗組員4人を現場海域で救助した淡路町漁協(兵庫県淡路市)所属の遊漁船の船長(68)は「(ゴ号を)見つけたときにはすでに転覆しており、それから2~3分後の午後3時ごろには、船尾から沈んでいった」と話している。

船舶は船体が傾いても元の姿勢に戻る復元性があり、同保安部では今回のケースの場合、衝突の力だけで転覆する可能性は低いとみている。

ゴ号は事故当時、船倉に1778トンの鋼材を積んでいた。過積載ではないが、同保安部では、荷崩れを起こしたことから、船体の重量バランスが崩れて一気に転覆。さらに浸水で浮力を失い短時間で沈没した可能性が高いとみている。

この事故はいわば追突に近い横からの接触だったのです。
それで沈没で、さらに死者が出たのがまるで理解できなかったのですが、荷崩れで転覆ということならありそうな事故だったのですね。

今回も自動操舵が問題になっていますが、自動操舵+居眠り運転では座礁とか家に突入したとか起こしているのですよね。
難しい問題ですな。

3月 8, 2008 at 11:02 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.03.04

交通事故予報カレンダー

読売新聞神奈川版より「県警が交通死亡事故の「注意日」を予報

県警交通総務課は3日、過去3年間の交通死亡事故を分析し、事故が起こりやすい日を「注意日」として県警のホームページ(HP)で公開を始めた。

名付けて「県交通死亡事故多発要注意日カレンダー」。「注意日」「要注意期間」の“予報”をして交通安全を呼びかけている。

過去3年間に死亡事故が起こった日が、何週目の何曜日に当たるのかを割り出す。死者が計5人以上となると、「注意日」として、今年の日付にして発表する。

各月の連続した5日間で過去3年間の死亡者数が最も多い期間を「要注意期間」としている。

ちなみに、3月は9日が注意日で、7~11日が要注意期間になっている。

金曜日は年に6回、注意日になっており、事故が起こりやすい曜日とわかる。

県警は、要注意期間に交通指導取り締まりを強化する。

県警交通総務課は、「交通事故死亡者数年間230人以下を達成させるため、1日でも多く交通安全への意識を持ってもらえれば」と話している。

県警HPアドレスは http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf0053.htm

Up

1月から6月までのカレンダーはこんな具合になっています。

赤丸で囲まれているのが注意日、矢印が付いているのが注意期間だとのことです。

これで見ると、2月27日は注意期間でしたがこの日にパニックブレーキでABSを佐渡させてしまいました。
実によい天気の日でしたが、比較的見通しの良いバス通りに全く一時停止することなく飛び出してきた車がいて急ブレーキになりました。

このカレンダーの使い方として「印刷したカレンダーを机の上などに置いて、注意日を確認しながら交通事故に遭わないようにしましょう。」と書いてあります。
印刷用のデータはPDFになっています。

しかし見直してみると、意外とバラバラですね。どういうことなのだろう?
基本的には月の後半に注意期間があります、やはりビジネス上の追い込みの影響でしょうか?

3月 4, 2008 at 09:47 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.02.18

JAL機の聞き間違えと管制のあいまいな発言

一昨日(2008/02/16)の新千歳空港でのJAL機が他機が滑走路上にいるのに離陸滑走を開始して、管制からの停止命令で衝突を回避したという事件の一連のニュースをまとめてみます。

2008年02月17日01時52分朝日新聞滑走路に到着機いるのに離陸滑走開始 新千歳でJAL機
2008年02月17日23時00分朝日新聞JAL機、英語の指示聞き違え滑走か 新千歳空港
2008年02月18日03時07分読売新聞日航機無断滑走、「防氷液」の効果切れ迫り機長らに焦りか
02/18 07:27北海道新聞操縦士、指示復唱怠る 新千歳の無許可滑走 管制も誤解招く表現か

新聞記事のタイトルだけでも色々な問題が複合してトラブルになったようですが、「元検弁護士のつぶやき」さんの記事「JAL機、聞き違えか?」のコメントに面白い意見がありました。

No.1 Feriさん | 2008年2月18日 08:01 | CID 118823  (Top)

色々と憶測が飛び交っていますが、実は、新千歳空港では、過去にも管制上の問題から、同様の事故が起きています。

推察される理由として、同空港は航空自衛隊が航空管制を一元的に行っており、いわゆる自衛隊特有の「慣用句」を管制官が、知らずに使っているという可能性も考えられます。

ただし、今回の一件でも、管制官の指示を、機長又は操縦士が復唱していれば、その時点で、聞き違いに気づいたということは間違いありません。

最近は、燃料高騰うんうんで、早く出発させたかったという一面もあるかもしれませんが、このブログでも話題になっている「お客さまの過激な反応」を気にしすぎて、焦っていたという可能性も考えられます。私も、出張でよく航空機を利用しますが、天候などやむを得ない事情で、欠航や出発遅れが生じると、「切れまくるお客さま」を空港で見ることが多くなりました。

まとまりのないコメントで失礼しました。

新聞記事でも指摘されている「なぜ、Expect immediately takeoff という曖昧な指示を出したのか」は大いに研究するべきでしょう。

「何で英語なのだ」といった疑問を述べる方も多いですが、英語とは言いがたい、というよりも、誤解の余地がないように特殊化した符丁と考えるべきで、ある意味では下手に英語で会話すると解釈してはまずいのでしょう。

情報処理技術の著しい向上に比べて航空管制は良く言えば慎重で悪く言えば時代遅れの状態になっています。航空過密化に対しては情報処理技術の活用を考えるべきなのでしょう。

管制指示データなどはデータ通信でコックピット内に情報表示するといった仕組みがあっても良いと思うのですが。

2月 18, 2008 at 12:24 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.29

無茶苦茶なニッポン(になりつつある)

神戸新聞より「活況で安全後回し 社内規定違反 川崎造船クレーン倒壊

死傷者七人を出した川崎造船神戸工場のクレーン倒壊事故で、極めて危険な作業だったにもかかわらず、元工作部長(55)らが根拠なく安全と過信し、漫然と作業を進めようとしていた実態が、兵庫県警の捜査で浮き彫りになった。

送検された一人は、作業計画の作成を定めた社内規定を認識していたが、「クレーンを休ませることはできない」との理由で、規定に違反したという。

同工場は当時フル稼働の状態で、捜査関係者は業績を優先し、安全対策がおろそかになっていたことを指摘する。

神戸工場で行われたベアリング交換は、ほかの会社では専門業者に委託したり、事前準備に二十日間程度かけたりしているという。

しかし、同工場はクレーンメーカーだけでなく、経験のある社内の別工場にも問い合わせていなかった。

倒壊の直接の原因はクレーンの重心位置を誤ったためだったが、県警は事前にしっかり検討さえしていれば容易に防ぐことができたとみている。

当初、同工場はクレーンの総重量を約八百トンとしていたが、県警の鑑定で約六百七十トンだったことも判明、重量さえも正確に把握していなかった。

事故の背景として、捜査関係者らが指摘するのは好調な業績だ。川崎造船は二〇〇七年度には三年ぶりの営業黒字を見込み、一〇年度の売り上げ目標は〇六年度の倍増を掲げていた。

事故当時はアジア各国から三十一隻の船を受注し、三年先に造る船が決まっていた。送検された一人は「クレーンを休めることはできないと思った」と供述したといい、船の建造を優先させたことをうかがわせている。

活況の陰で、安全がないがしろにされかねない状況は製造現場全体に広がっているという。兵庫労働局の八田雅弘局長は二十八日の会見で「受注が増えている時期だからこそ安全の意識を高め、しっかりと取り組みをしてほしい」と注文した。

川崎造船神戸工場クレーン倒壊事故

2007年8月25日午前9時40分ごろ、船体をつり上げる「走行式ジブクレーン」の部品を交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げたところ、上部がバランスを崩して倒壊。地上31メートル付近で作業をしていた同造船社員(40)、派遣会社社員(55)の2人と、同12メートル付近にいた同造船社員(55)の計3人が落下するなどして死亡したほか、4人が重軽傷を負った。
同9月には、兵庫労働局が労働災害の防止を徹底するよう行政指導し、川崎造船は、安全対策などを含む経営体制を強化するため、非常勤の会長ポストを新設した。

このニュースは事故当時気にしていたのですが、遠めがねの記事にはなっていませんね。
この時には中華航空機が炎上という事件がありました。
それで飛ばしてしまったのでしょうが、 最近ちょっと手抜きではありますが、検索機能を付けたので検索してみました。

通りすがりの懐かしい顔 氏がコメントに書いています。

ある程度予想はしてましたが、こんな整備だと船は沈没するし自動車でもブレーキ踏んだ途端にキャリパー脱落なんて事故になりかねません。
(クレーン倒壊の修理手順もかなり怪しいので日本も他人事ではないな)

予想通りに「修理手順を何にも考えていなかった」というべき結論ですね。

何で専門家が存在するのかを考えていないというところが恐ろしいです。
さらに、先日の三菱ふそうのクラッチハウジング破断・死亡事故で被告側の主張が「細かいことまで知らなくて当然」のようなものなのですが、知らないのは当然ではなくて知っているべきなのですね。
その知っているべきとは、専門家がいることを承知している事であって、

「専門家の何が専門の価値なのかよく分からないから、専門家を利用することを無視しても大丈夫だろう」

というのではムチャクチャだ。

1月 29, 2008 at 10:54 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.21

駐車中の車に追突死して駐車したドライバーに責任

毎日新聞より「自転車衝突死:違法駐車を「運転過失致死」で立件へ 千葉

千葉市美浜区美浜の市道で昨年7月、県立京葉工業高3年の自転車部の生徒2人(当時17歳と18歳)が違法駐車の乗用車に衝突して死亡した事故で、千葉県警交通捜査課と千葉西署は21日にも、男性運転手(31)を自動車運転過失致死と道路交通法違反(駐車禁止)容疑で書類送検する方針を固めた。事故時に乗車していなかった運転手を自動車運転過失致死容疑で立件するのは極めて異例。交通事故厳罰化の流れを考慮したとみられる。

県警はこのほか、生徒の監督責任を怠ったとして30代と40代の自転車部の男性顧問2人を業務上過失致死容疑で、死亡した生徒2人を道交法違反(安全運転義務違反)容疑で、それぞれ書類送検する。

調べでは、男性運転手は昨年7月19日午後1時50分ごろ、片側3車線の一番左の車線に乗用車を違法駐車し、路上走行練習中の生徒2人が衝突死する原因を作った疑い。当初は道交法違反容疑のみで書類送検する方針だったが、繰り返し取り締まりが行われていた同道に駐車していた点に重大な過失があると判断した。

2人の顧問については、いつも行っている乗用車による併走を事故当日はせず、安全確認を怠ったと判断した。【斎藤有香】

記事では「事故時に乗車していなかった運転手を自動車運転過失致死容疑で立件するのは極めて異例。」とありますが、たしか品川でコンテナートレーラを止めていたトラックにバイクが追突死亡した事故で、かなり長い時間が掛かりましたがトラック側に責任あり、となったと記憶しています。

ドライバーが乗っていても、事故にはなるでしょうから乗車している・いないは決定的では無いと思います。

競技用自転車が練習できるのだから、幕張メッセの駐車場のまわりの道だろうと思うのですが、あんなところに「駐車して車から離れる」とはどんな事情だったのでしょうか?
ここらへんも問題になっているのかもしれません。

もっとも、併走しなかったというのはもっと重大じゃないかな?
乗用車でもバイクでも良いけど、併走して安全確認するのは当然の責務だろう。

1月 21, 2008 at 10:16 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.25

マイクロバスのドア

朝日新聞より「バス運転の男性ら、容疑で逮捕 外環道バス転落事故

東京都練馬区の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で24日、マイクロバスのドアが開き、小学校5年が車外に投げ出され、トラックにはねられた死亡事故で、埼玉県警は25日、バスを運転していた同県川越市今福、会社員と、トラックを運転していた運転手の両容疑者を自動車運転過失致死の疑いで逮捕した。

県警高速隊の調べに対し、マイクロバスの運転手は調べに対し、バスの出入り口を「(ドアが開かないようにする)自動に切り替えていなかったようだ」と話していた。県警はドアが誤って操作された可能性もあるとみて、事故直前のドアのロック状況などを詳しく調べている。

県警によると、バスは06年の製造。ドアはスライド式で、開閉を手動と自動に切り替えるレバーが、運転席付近とドア付近にあった。

バスは埼玉県川越市を拠点に活動するサッカーチーム「川越福原サッカークラブ」を運営する有限会社名義で、マイクロバスの運転手は同社員。小学5年生は、茨城県かすみがうら市でのサッカーの練習試合を終えて出発する際、前から2列目のドア側に近い席に座っていたらしい。落ちる直前、ドアの乗降口にあるステップの部分にいたという。

まず間違えなく落ちた少年がいたずらでドアを開けてしまったのでしょう。このマイクロバスについては前の記事に解説があります。

朝日新聞より「走るバスのドア開き、小5転落 ひかれ死亡 都内高速道

24日午後6時10分ごろ、東京都練馬区大泉町4丁目の東京外環道内回り大泉ジャンクション付近で、走行中のマイクロバス(定員29人)のドアが開き、埼玉県ふじみ野市の小学5年生が車外に投げ出された。少年は路上で、後続のトラックにはねられ、まもなく死亡した。県警高速隊はドアが開いた原因などを調べている。

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バスのドアはスライド式で、車体左側の中央付近にある。開閉は自動と手動を切り替えられる型で、切り替え装置はドアの昇降口付近と運転席にあるという。

県警の聴取に対し、マイクロバスの運転手は「自動に切り替えていなかったようだ」と話しているといい、手動になっていた可能性が高い。死亡した少年はドア付近にいたらしい。

Up2

一帯は片側2車線と大泉の出口に向かうための側道のある区間で、バスは右側の本線を、トラックは左側の本線をそれぞれ走っていた。トラックを運転していた埼玉県入間郡内の会社員男性(25)は「バスから物が落ちてきて、トラックに当たったと思った」と大泉料金所の社員に通報してきたという。

Up3

走行中のバスから転落した事故は、

  • 01年6月、宮崎県高崎町(現・都城市)の国道で、スイミングスクールの送迎マイクロバスの窓から小学2年の児童(7)が転落して死亡
  • 05年3月、静岡県焼津市の東名高速で、愛知県美浜町の小学6年の児童(12)が観光バスの窓から転落し、後続の車にひかれて死亡
――などがある。

自動車のドアをロックする機構については色々な考え方があって

  • 車速に応じて自動的にロックするもの
  • 運転席だけはロックしていてもドアハンドルでいつでも開くもの
  • 内側のドアハンドルで開くことが出来ないもの(チャイルドロック)
  • 開くと警報が鳴るもの(バスの非常扉)

などがあります。
ヨーロッパ車では、常に内側からドアが開くものが多かったと思います。(最近はどうなのだろう?)

今回のマイクロバスは29人乗りですから、中型免許で運転できる上限でしょうか。
つまり事実上バスなのであって、ドアも社会中央部の運転手からは見えにくいところにあります。
そのドアが走行中にロックしていない、というのは日本の現在の車の標準的な仕様としては異例なように感じます。
車速感応型の自動ロックを採用するべき車種でしょう。

確かに「自動ドア状態にセットすれば手動で開かない」ことは間違えないでしょうが、これはドアを運転者が開閉するための仕組みでしょうね。走行中に開かないようにする、といった機能を直接目的にはしていないのではないだろうか?

そんな風に考えると、このバスの設計(企画)と走行中にドア開けることが引き起こした事故でしょう。
特に、この種の車では自動ロックは不可欠ではないだろうか?

12月 25, 2007 at 10:27 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (1)

2007.12.20

ジェットコースター脱線死亡事故で送検

産経関西より「エキスポ事故 元取締役ら書類送検 危険認識、利益を優先

大阪府吹田市のエキスポランドで今年5月、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」が脱線して乗客1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、吹田署捜査本部は19日、事故の危険性を認識しながら保守点検を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑で、エキスポランド社の伊藤正則・元取締役総括部長(59)と建部淳・元施設営業部長(65)を大阪地検に書類送検した。
また、車軸などの法定検査をせずに吹田市に虚偽報告したとして、建築基準法違反容疑で2人に加えて松田博・元技術課長(58)と法人としてのエキスポ社も書類送検した。

捜査本部は、脱線の原因となった車軸の破断は金属疲労が原因と断定。

昨年11月末には肉眼で見える大きな亀裂があったにもかかわらず同社は車体から車軸を抜き取って目視する作業を怠っていた。
また、車軸検査は建築基準法に定められているが、同社は検査項目を実施せずに吹田市に異常なしと報告していた。

伊藤元取締役らは「このままの検査ではいずれ大事故が起こることは分かっていたが、ゴールデンウイークにコースターを稼働させる利益を優先させ、検査を先送りした」と供述しているという。

調べでは、伊藤元取締役と建部元部長は安全管理を徹底しなければ重大事故が起きることを認識しながらも保守点検を怠り、漫然と「風神雷神Ⅱ」を運行。5月5日午後、車両が乗客20人を乗せたまま脱線し、20人を死傷させた疑い。
また、2人は松田元課長と共謀して3月16日、法定検査を実施しないまま異常なしとする虚偽の報告書を提出した疑い。

捜査本部は鑑定で車軸の破断面を分析。
事故から約半年前の昨年11月末の時点で、直径の約6割、外周の約6割に及ぶ大きな亀裂があったことが分かった。

亀裂は、車体から車軸を取り外して点検すれば肉眼でも確認できたという。

供述によると、昨年12月に伊藤元取締役が新アトラクションの導入を提案。建部元部長が検査用の点検庫に収納することを決め、「風神雷神Ⅱ」の車体検査はGW後に延期した。

そもそも運行開始以来、車軸を車体から取り外した検査は一度もしていなかったという。

吹田市に対しては2人の意向を受けて松田元課長が虚偽の報告書を作成したという。当時社長の山田三郎会長(77)については、伊藤元取締役らから検査を実施したと虚偽の報告を受けていたとして立件を見送った。

2007/06/05に書いた「ジェットコースター脱線死亡事故その8」のその後の話で取締役が責任者として書類送検されました。

どうもこの報道によると「全く点検していなかった」としか読めないので、破断事故が起きるのは必然であった、と言えるのでしょう。

いくら利益優先とは言っても「点検しないでも良い」という考え方はどこから出てきたの知りたいところです。
そもそも、日常点検していたようですから、年に一度といった分解検査だけをしないというのはどういうことなのか?

「検査なんて形だけでよいのだ」ということで押し通していたのでしょうか?
こうなると、検査をしたかどうかといった事実よりも「どういう考えだったのか?」も同一レベルで明らかにするべきでしょうね。
「失敗学」は重要だ、と改めて思うところです。

12月 20, 2007 at 09:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.19

温泉爆発の遠因はややこしすぎる構造かな?

東京新聞より「渋谷スパ爆発から半年 吸気口 地下溝で代用 ガス配管も水抜きせず 換気低下、原因か

東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」で従業員三人が死亡、八人が重軽傷を負った爆発事故で、爆発が起きた別棟の地下では排気口の反対側にある地下溝を吸気口として代用する構造になっていたことが十九日、分かった。
警視庁捜査一課と渋谷署は、業務上過失致死傷容疑で捜査しており、地下溝からでは外気の流入が不十分で天然ガスを排気する能力を低下させていた可能性が高いとみている。事故は同日で発生から半年を迎えた。

温泉の源泉にはメタンガスを主成分とした天然ガスが含まれるため、源泉のくみ上げ施設があった別棟の地下区画では室内の十分な換気が必要だった。

調べでは、この室内には、空気を屋外に排出するファン付きの排気口があるが、外気を取り入れる吸気口については、施設を運用するユニマットビューティアンドスパ(東京都港区)や設計した大成建設(新宿区)側は「別棟と本館をつなぐ地下溝から吸気できていた」と警視庁に説明したという。

この地下溝には、源泉やガスなどを本館に送る配管や上水管などが詰まっており、空気が通るすき間はあったが、同課などは、十分に換気できるほどの外気の流入は確保されていなかったとみている。

一方、別棟地下にはガス分離器で源泉から分離された天然ガスを排出するための配管があるが、その配管のU字形に曲がった部分の底に水がたまり、ガスが流れなくなっていたことも分かった。同課は、本来なら配管を通じ屋外に放出されるガスが行き場を失って別棟地下に流出し、爆発を招いた可能性もあるとみている。

ガスの配管は冬季の結露などで水がたまるため、定期的に水抜き作業をする必要があり、水抜き栓も付いていた。しかし設計した大成建設は取扱説明書をユ社や保守点検会社に渡しておらず、点検作業員は施設の運用開始から約一年半の間、一度も水抜き作業を行っていなかったという。

別棟の構造をめぐっては、室内にガス検知器が設置されていなかったほか、設計の変更で別棟の密閉性が高まっていたなど、安全確保が不十分だったことが判明している。同課は運営のユ社、設計の大成建設、保守点検会社の三者それぞれの過失が重なって、事故が引き起こされたとみて、捜査を続けている。

本館・別棟といった説明になっていますが、別棟は道路を挟んだ反対側に建っていて、道路の下を温泉を送るパイプを敷設死していました。
爆発したのは別棟で、温泉をくみ上げてガスを分離して、本館に温泉を送るという仕組みになっていましたが、地面よりも低いところでやっていたからガスが滞留するために、積極的に排気する装置が必要なった、ということです。

そこで、設計というか企画の関係で慎重に扱うべき仕組みになってしまっていたが、それが関係者の間で情報共有になっていなかったのでしょう。

わたしには「こんなにややこしい仕組みでやるべき事ではなかったのでは」という印象が非常に強いですね。

12月 19, 2007 at 04:15 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.04

スカイマーク機内でカート暴走

朝日新聞より「スカイマーク機、着陸時にカートが動いて客が足を骨折

3日午後7時15分ごろ、スカイマークの神戸発羽田行きボーイング767―300型機が着陸時、飲み物用のカートが動いて乗客2人にぶつかった。
44歳の男性は右足の骨が折れる重傷で、47歳の男性も左肩に軽いけが。東京空港署が業務上過失傷害の疑いで捜査するとともに、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も4日、調査官2人を派遣する。

調べでは、客室最後部にあった重さ44.5キロのカートが着陸時の衝撃で動き出し、約13メートル走行した。カートは、車輪のストッパーのほか、本体を機体につなぐ留め金もある構造という。

あのカートは、ロッカーのようなところに収容してロックするような構造じゃなかったっけ?
脱出用シュートが自動的に展張するように操作するのも客室乗務員で、客室乗務員はしっかりした操作が必要なのだけど、ここらへんが怪しくなってきているのだろうか?

11月 4, 2007 at 12:23 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.10.29

SASでボンバルディア機を運行停止

NHKニュースより「ボンバルディア機の運航中止

スカンジナビア航空が使用の中止を決めたのは、カナダのボンバルディア社のDHC8型機で、先月、デンマークとリトアニアで着陸の際に事故を起こしたのに続いて、27日にもデンマークのコペンハーゲン空港で着陸の際、車輪が十分に出ないまま緊急着陸するトラブルがありました。

これを受けて、スカンジナビア航空は28日、緊急の幹部会議を開いた結果、「DHC8型機の信頼が著しく低下し、利用客も疑いを強めている。
このままではわが社のブランドが傷つけられるおそれもある」として、DHC8型機の運航をすべて中止することを決めました。

スカンジナビア航空は、事故を起こした同型機27機を主にヨーロッパで運航していますが、今後、運航を取りやめる便については、別の便の予約や払い戻しで対応することにしています。

ボンバルディアDHC8型機は日本でもことし3月、高知空港で全日空グループが運航する同型機が胴体着陸するなど、各地で事故やトラブルが相次いでいます。

朝日新聞の記事によると、

「DHC8―400型機」の使用を今後中止する、と発表した。
SASは保有する27機の使用を停止し、リース機などで対応する。「400型機の使用はSASのブランドを損なう恐れがある」としている。

となっています。
一月で二回の同じようなトラブルでは、運行停止という判断は経営的には正当でしょう。

今のところ、色々なトラブルがバラバラに起きていますが、運行する航空会社にとってはトラブル発生自体がとんでもないことだし、そうでなくても顧客(マーケット)の評判も大事です。
世界レベルで、一気に運行停止になるかもしれません。

全機運行停止といった全社的な問題に拡大してしまうことを考えると、保険という意味では、何事も過度に集中させないことも重要ですね。

10月 29, 2007 at 10:36 午前 もの作り, 事故と社会, 海外の話題, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.10.19

続・びっくり・中華航空機

「びっくり・中華航空機」の続報です。
朝日新聞より「中華航空機亀裂は「腐食が原因」 台湾側が見解

9月20日に佐賀空港に着陸した中華航空チャーター便(ボーイング737―800型機)の胴体に77センチの大きな亀裂が見つかった問題で、原因を調査していた台湾の行政院飛航安全委員会は18日、「機体外壁の腐食が亀裂の原因」との見解を示した。
腐食に至った状況は特定できておらず、ボーイング社にも協力を要請してさらに調査を進める。

同委員会は亀裂の原因として金属疲労や外部との接触は否定した。
調査ではトイレの水漏れや、外壁の表裏双方に必要なアルミニウム塗装が外側だけだったことが判明。
これらが何らかの化学変化を起こして外壁の腐食を進めた可能性があるが、現時点で断定はできない、としている。

機体では胴体下の尾翼に近い部分が前後の方向に細長く裂けていた。中華航空は搭乗前の点検や運航中に異常は確認されなかったとしている。

外壁の表裏双方に必要なアルミニウム塗装が外側だけだったことが判明。

ちょっとこれは信じがたいですね。今の飛行機が無塗装のパネルを使うのは外側にすることはあっても、内側になる部分というか全部のパネルは部品の段階で塗装されてます。

もし、問題のパネルだけが無塗装であるのなら、極端に目立つはずで、見逃されるとはちょっと思えないのですが・・・・。

それにしても、水漏れなどで腐食することはいつでもあり得ることで、YS11が「軍用機と違って野外に駐機して運用することの問題」で苦労したところとして紹介されているくらいです。
腐食が亀裂に及ぶまで点検していなかったということでしょうか?なんかヘンですね。

10月 19, 2007 at 12:02 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.18

コンクリート製信号柱が折れて死亡事故

読売新聞より「信号柱が折れ作業員転落、死亡…埼玉・三芳町

18日午後4時25分ごろ、埼玉県三芳町竹間沢の国道254号交差点で、電機工事会社員(30)が、コンクリート製の信号柱(高さ7・5メートル、直径20~30センチ)に登って作業中、信号柱が中央付近で折れ路上に転落、全身を強く打って間もなく死亡した。 東入間署によると、1人で渋滞感知装置のケーブルを張り替える作業をしていた。同署で折れた原因を調べている。

ちょっと信じがたいニュースですが、「中央付近で折れた」ですから自動車の衝突による損傷では無さそうです。
「一人で張り替え作業」となっていますが、問題の信号柱には一人という意味でしょうね。ケーブルを張るのだから相手があるはずで、そっちの作業の問題かな?

それにしても、コンクリート製の信号柱というのは電柱と同じか同じようなものでしょうから、それが折れること自体が大問題だと思います。

10月 18, 2007 at 11:47 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.10

それはないだろう・中華航空機

「びっくり・中華航空機」の続きですが、さらにまたまたビックリ。

毎日新聞より「中華航空機:計器異常は「虫が原因」 佐賀空港引き返し

中華航空機が佐賀空港(佐賀市)の滑走路をオーバーランして離陸した後、計器異常で引き返したトラブルで、計器異常の原因は、速度を測るため機体外部に取り付けられている管(ピトー管)に虫が入ったためだったことが9日、分かった。中華航空が国土交通省に報告した。

国交省によると、中華航空側は「ピトー管内に虫が入っていた。取り除いたところ、正常に戻った」と連絡した。

航空機を長期間駐機する際は、ピトー管にカバーをかけるが、同機は当初日帰りで台湾に戻る予定だったため、カバーを用意していなかった可能性を指摘する関係者もいる。

ピトー菅に異物が入って速度計が作動しないという話は時々聞きますが、そういうのは回避するべく対策するのが普通でしょう。
カバーを持ってこなかったというのも修理のために日本で長期間の現地修理が必要になって、整備の人員が来ているのだから、その時の体勢はどうなのか?という問題で、基本的に整備ノウハウに問題があると言えるのではないでしょうか?

10月 10, 2007 at 08:38 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.06

びっくり・中華航空機

「737-800胴体の亀裂」で修理中だった中華航空のボーイング 737-800 型機が台湾にフェリーするために佐賀空港を離陸する際に極めて危険な状況を引き起こしました。

Up

上の写真は毎日新聞の記事「中華航空機:設備壊しオーバーラン離陸 亀裂修理後 佐賀」に掲載されていた写真で、左の車輪が何かを踏みつけて壊しているのが分かります。

胴体底部に亀裂が見つかり、修理のため先月20日から佐賀空港(佐賀市)に駐機していた中華航空機(乗客なし、乗員2人、ボーイング737-800型)の修理が終わり、5日午後2時半ごろに台湾に向け離陸しようとしたところ、滑走路上の「過走帯灯」1基を壊したうえ、滑走路を約60メートルオーバーランして離陸した。
さらに同機は離陸直後に計器トラブルが発生し、26分後に佐賀空港に引き返した。

「過走帯灯」は、アスファルト舗装された滑走路の終点を示す保安装置。過走帯灯の手前で離陸を完了させるのが通常の離陸となる。

佐賀空港の滑走路は2000メートル。しかし、同機は滑走路先端に進むまで機首を上げず、滑走路を越えた直後にやっと離陸した。過走帯灯は、離陸の際に同機の主脚がぶつかり、壊された。同機が離陸しないまま、さらに数十メートル進んでいれば、隣接する田地に乗り上げていた状態だった。

機首を上げるタイミングは、燃料の量や旅客人数などで変わるが、同機には機長と副操縦士しか乗っていなかった。佐賀空港事務所などによると、滑走路をいっぱいに使って離陸するような状態ではなかったという。

中華航空東京支店は、同機が佐賀空港に引き返した理由について「機長と副操縦士の速度計に差が生じたため」とした。しかし、オーバーラン、過走帯灯破損については「報告が来ていないので分からない」と話した。

胴体後部に亀裂というのがビックリだったのですが、詳細が西日本新聞の記事「佐賀空港 中華機オーバーラン 亀裂は内部腐食原因」にありました。

佐賀空港で機体に亀裂が見つかった中華航空ボーイング737‐800型が5日午後、同空港から台北に向けて離陸した際、滑走路をオーバーランし、走行できる限界地点に設置された航空灯1基を車輪で破損させた。
同機はそのまま飛び立ったが、速度計の不具合が見つかり、間もなく佐賀空港に引き返した。
国土交通省は、重大事故につながりかねなかったとして調査を開始。
一方、亀裂の原因が、内部の腐食だったことも判明した。

国交省によると、同機は離陸の際、滑走路(2000メートル)を過ぎても、後輪が浮かず、オーバーランに備えた過走帯(60メートル)の終点まで走行。国交省佐賀空港出張所の現場確認で、過走帯の終点を知らせる航空灯5基のうち、1基が壊れているのが見つかった。

同機は同日午後2時半すぎに離陸したが、機長と副操縦士の速度計で数値が一致しないトラブルが発生し、同3時すぎに空港に引き返した。

中華航空は、同省に対し「(機長らは)速度計の異常は駐機場を離れた後に気付いたが、滑走前に直ったので出発した」と報告したという。同省は速度計の表示が何らかの原因で離陸速度まで上がらなかったため、機長が操縦かんを引くのが遅れたとみている。

同機は9月20日、後部の胴体底に長さ約77センチの亀裂が見つかり、同空港で修理を行っていた。同出張所の担当者は「過走帯の先は草地で(あと少し離陸が遅ければ)大惨事になったかもしれない」と話している。

また、5日までの国土交通省などの調べで尾部に見つかった大きな亀裂周辺のアルミ合金製の外板が、内部から腐食していたことが分かった。腐食のため強度が低下、飛行を繰り返した結果、亀裂ができたとみられる。

国交省と中華航空によると、外板は亀裂の周辺で長さ2メートル前後にわたって腐食。トイレの配管から漏れた液体などで腐食し、飛行を繰り返す間に金属疲労を起こし、最終的に佐賀空港で亀裂ができたとみられる。中華航空は、アルミ合金製の板で亀裂を覆うように補強して修理。ほかに腐食は見つからなかった。

飛行機の胴体はモノコック構造だから、外板にもストレスは掛かっていて、一部が腐食するとか傷が付くと、亀裂などに発展するものです。
だからこそ年中点検している必要があるわけで、水漏れがあっても腐食が進行してはいけないし、部材の劣化として捉えれば指定された整備の時期までコントロールしながら劣化させなくてはいけない。

それにしても、空荷の機体で2000メートルを走りきってしまったというのはどういうことなのだ?
いくら速度計が壊れていてもそれは走りすぎではないのか?
確かに、速度計が正常でないから滑走路一杯に使って離陸を試みたというのは分かるが、それでも過走帯まで使うというのは無いだろう。

本当に速度計だけの問題だったのか、エンジン出力不足だったのか?
いずれにしても、定期航空運行という総合的なマネージメントが重要な業務がうまく回らないのが中華航空ではないだろうか?

10月 6, 2007 at 10:39 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.10.03

中学生・砲丸投げの授業で頭蓋陥没骨折

産経関西より「砲丸直撃、中3重傷授業中、通報せず大阪・守口

2日午前11時半ごろ、大阪府守口市佐太中町の市立庭窪中学校の運動場で、砲丸投げの授業中、3年生(14)に、別の生徒が投げた砲丸が頭に当たり、左後頭部陥没の重傷を負った。
病院に搬送されたが、命に別条はないという。学校側は救急車を呼び、市教育委員会には連絡したが、警察には通報していなかった。
守口署は業務上過失傷害の疑いも視野に、学校関係者らから事情を聴く。

市教委や学校によると、事故当時は3限目の体育の授業中で、3年生2クラスの男子生徒36人が、3~4人のグループごとに約15メートル離れて投げ手と拾い手に分かれて練習。
事故当時、岳本君は拾い手で、隣のグループが投げ損じた砲丸を拾おうと身をかがめた際、自分のグループの男子生徒が投げた砲丸が左後頭部に直撃したという。

砲丸は直径約12センチ、重さ約2・7キロ。通常は女子中学生が使用するやや小さめのものだった。3年生で砲丸投げの授業はこの日が初めてだったという。

担当していた体育科の男性教諭(54)は約10年間、同校で砲丸投げの授業を行っており、授業前に安全確認をするよう生徒らに説明したが、投げ方やタイミングなどについて具体的な取り決めはしていなかったという。

同校では事故後、警察に通報しておらず、約5時間半後の午後5時ごろ、報道関係者からの問い合わせで警察が知り、警察側から同校に電話を入れたという。

庭窪中の校長は「安全であるべき学校で事故が起きたことにおわび申し上げる。安全の配慮が足りなかったことは認めざるをえない」。
市教委の指導部長は「校内で起きたことなので通報する必要はないと思った」と釈明した。
今後は砲丸投げの授業は取りやめる方針という。

全体としてずいぶんひどい話だと思う。

投げ手と拾い手に別れてについては、他の報道では「並んでキャッチボールの要領で」との説明があった。
また、実際の事件(ここでは事故とは呼ばない)でも、拾いに行った生徒に他の生徒が投げた砲丸が当たっているのだから、同時に複数の砲丸を投げ合っていたのは明らかだ。

危険なものを取り扱うときの大原則に、同時に複数を動かしてはいけない、というのがあってこれはごく普通の身を守るための常識だろう。
こんなところに反しているのが、学校側の常識=社会では非常識、と言えるのが教育委員会の発言だ。

教育委員会の指導部長にとっては生徒が頭蓋骨陥没に至るようなことは事件どころか事故ですらなく、日常的に起きる「事」なんですね。
随分とひどい発言だと思う。

砲丸の授業が云々ではなくて、根本的に安全管理の意識が無いのではないか?
人間が大勢集まっているときに一番注意するべきは安全管理で、しかも失敗したときにも安全に、というのが安全管理の常識だ。
「失敗したから怪我をした」という認識であれば、それ自体が間違っている。

10月 3, 2007 at 09:40 午前 事故と社会, 教育問題各種 | | コメント (13) | トラックバック (0)

2007.09.17

コースター暴走ではなくて、運転ミスだろう

「ジェットコースター脱線死亡事故その8」などでさんざん問題にした、エキスポランドでまたもコースター暴走のニュースがありましたが、どうも詳細がはっきりしないので、複数の記事を集めてみました。

現象について細かく説明しているのは朝日新聞です。
朝日新聞より「エキスポランドでコースター暴走 停止せず連続2周

コースターは通常、乗降位置の手前約20メートルでいったん自動停止するよう設定されており、その後、係員が手動で前進させ、ホームの停止位置までくるとセンサーが作動して再度、自動停止するようになっている。

今回もホーム手前で停止後、係員が手動で進めたが、その後、自動停止しなかったという。2周後、ホームへ戻ってきたところで、係員が自動停止の機能を使わず、前進ボタンから手をはなす手動操作で停止させた。

記事には説明図があるですが、作動のシーケンスとしては

  1. 降車位置の20メートル手前で停止
  2. 係員が降車位置まで前進を指令
  3. 降車位置で自動停止
  4. 降車

となっていたのに止まらずに前進してしまった。
ということですが、ここで複数の疑問が出てきます。

  1. 自動停止しないと次の周に入るとはどういうことか?
  2. 手動停止するべきではないのか?

この疑問について多少は説明になっているのが、読売新聞関西版の記事です。
読売新聞・関西発より「エキスポランド、コースターまた暴走 停止せず1周

2周目の滑走を始める前の「上り」の段階で緊急停止させることもできたが、係員が、もう1周させてホームで乗客を降ろしたほうが安全だと判断したという。

これで2周した理由そのものは分かりますが、20メートル手前で止まったのにゆっくりと前進しながら、停止位置を通過したとはどういうことだ?という疑問については、朝日新聞の記事が説明になっています。
朝日新聞より「今度はコースター停車せず、余分に1周 エキスポランド

コースターは通常、乗降位置の手前約20メートルでいったん自動停止するよう設定されており、その後、係員が手動で前進させ、ホームの停止位置までくるとセンサーが作動して再度、自動停止するようになっている。

今回もホーム手前で停止後、係員が手動で進めたが、その後、自動停止しなかったという。
2周後、ホームへ戻ってきたところで、係員が自動停止の機能を使わず、前進ボタンから手をはなす手動操作で停止させた。

この記事から読み取れるのは、

  1. 20メートル手前で、停止する
  2. 停止位置までは手動ボタンを押して前進させる
  3. 手動ボタンを放すと、その場で停止する
  4. 手動ボタンを押し続けていても、停止位置では自動停止で割り込みが掛かる
  5. 停止位置を過ぎると次の周回のために出発シーケンスに入っていく

これは、機械の設計としては「自動停止を運転の標準とはしない」のではないか?
鉄道におけるATSのような考え方で、オペレータが停止位置をミスしたときに自動的に止めるというものだと思う。
コースター全体の運行シーケンスで考えると、

  1. 停止している
  2. 客が乗り込む
  3. 出発準備を完了
  4. 停止位置から前進
  5. 動力による運転開始
  6. 重力によると自動運転
  7. 20メートル手前で自動運転の終了
  8. オペレータによる運転に切り替え
  9. 停止位置に止める
  10. 客の降車

なのだから

「結局は前進ボタンは停止位置で放す」
のが当然で、なんでそれを漫然と押したままで
自動停止に頼る事にしていたのか?

しかもエキスポランドが取った「点検」が恐ろしい。
中日新聞より「エキスポランドでコースター「もう1周」 センサー誤作動か

同社は運行を休止し、十六日午後からはメンテナンス会社とともに緊急点検して原因を調査。
電気系統を確認したり、試運転を繰り返したが、原因は分からず、十七日以降も調査を続ける。

要するに、オペレーションは問題なしでセンサーなどの機械的故障に原因を求めているのだが、それでは緊急停止以外では無限に周回することが可能なコースターだということになってしまう。
毎回停止して客が乗降しなくてはコースターではないのだから、オペレーションは最重要問題だろう。間違っても「無限に周回する」なんて可能性があってはいけないわけで、その観点からみると

次の周回に入る位置まで
行きすぎるまで気づかなかったのか?

方がよほど問題だろう。

この間、オペレータはボタンを押し続けていた

簡単に考えて「見ないでボタンを押し続けていた」であろう。なんらかの過失罪になっても不思議はないと思う。

9月 17, 2007 at 11:41 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.09.08

炭酸ガスボンベが路上をはね回り怪我人

読売新聞より「消火ボンベが落下、ガス噴出して跳ね回り4人負傷…大阪

8日午前11時20分ごろ、大阪市平野区加美東のパチンコ店の立体駐車場(60台収容)の解体現場で、作業員がショベルカーで駐車場備え付けの消火用液化炭酸ガス入りボンベ(長さ約1・75メートル、直径約30センチ)21本をつり上げ、トラックに積み込む作業中、うち1本が地面に落下、はずみでボンベの栓が外れた。

ボンベは噴出したガスの勢いで周辺道路などを回転しながら跳ね、コンビニ店の入り口のガラスを破ったり、近くのJR線の線路脇のコンクリートブロックにぶつかったりして約30~40メートル動いて止まった。

この事故で、通行人の27~76歳の男女計3人が、ボンベをよけようとして転倒、足の打撲などの軽いけが。また、コンビニ店内にいた男子中学生2人がガスを吸い、1人は気分が悪くなって病院に運ばれた。

大阪府警平野署は、ボンベが落下した状況などについて、作業員から業務上過失傷害容疑で事情を聞いている。

同会館によると、解体作業は8月20日から実施。この日は午前9時から作業を始めたという。


拡大地図を表示

コンビニのガラスを破ったというのですから現場はここですね。

駐車場設備の炭酸ガスボンベというのはデカイのかな?
いずれにしても間違えなく、高圧ガス容器だから取扱資格が必要で、同時に21本を吊り上げたりするのは禁止でしょう。

ボンベの大きさが D300×L1750 といった大きさになると、重量がほぼ100キロになるらしい。
鉄骨・鉄筋などと同じに21本まとめてロープで吊り上げたのではないかな?

100キロもあるモノが3~40メートルも暴走して、転んだ怪我人ぐらいで済んだのであれば、誠に幸運と言うべきで、人を直撃していれば死亡事故になっただろうし、極論としてはボンベの爆発だって皆無とは言えない。

こんな事故が起きること自体が、日本の劣化と感じますね。

9月 8, 2007 at 04:50 午後 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

Up1

今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

Up2

本来のワッシャが付いている状態。

Up3

今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.08.27

中華航空機爆発炎上事故その10

沖縄タイムスより「ボルト外し先月点検/中華航空炎上機体

那覇空港での中華航空機炎上事故で、燃料タンクに穴を開けたとみられるボルトについて中華航空が七月六日に点検していたことを二十五日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が明らかにした。事故調査委は「この点検でボルトがいったん外され、ナットが付け替えられた可能性もある」とみている。
事故調査委と県警の現場検証は同日、すべて終了した。

点検は、機体製造元のボーイング社が二〇〇六年、事故機の同系列機について「スラット(高揚力装置)のアーム部分に取り付けたボルトを締めるナットが緩む恐れがある」との文書を出していたことを受け実施された。

文書では「ナットを外して点検した場合は、元に戻す際に古いナットを取り換え、新しいナットを締めるように」とされているという。
中華航空の整備記録には「手順通りに点検を実施した」と記述されていることから、事故調査委は、この点検の際にナットの付け替え作業が行われた可能性があるとみている。

事故機では、ボルトとナットの間に取り付け、ボルトの脱落を防止するようになっているワッシャーなどの部品三個が、ボルトから外れた状態で見つかっていた。

また、事故調査委は、燃料漏れの原因とみられる穴が開いていた、燃料タンクに接する収納部品「トラックカン」も回収した。穴は幅約六・五センチ、厚さ約二ミリのトラックカンの底部に斜めに開いていた。
長さ四・一センチ、幅二・三センチだった。一方の先がすぼまった水滴のような形で、丸みを帯びた部分から、ナットが突き出ている状態だったという。

事故調査委は穴の形状や、ボルトが押し付けられていた状態などを詳しく調べ、どのように力が加わり、穴が開いたのかを検証していく。

日経新聞より「中華航空機炎上、整備ミス強まる・事故調、台湾に調査官派遣へ

那覇空港の中華航空機炎上事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は26日、事故機の燃料タンクに穴を開けたボルトの脱落は、留め具のワッシャー(座金)などの部品が外れていたことが原因との見方を強めた。
事故調は整備時に付け忘れた可能性があるとみて、今後、中華航空の整備記録などを確認し、担当者らからも事情を聴く方針を固めた。

これまでの調べでは、飛行機の揚力を調整する可動翼(スラット)を動かすアームからボルトが脱落していたことが判明。ボルトがアームの収納ボックス(トラックカン)を破り、燃料タンクに約4センチの穴を開けた。

確かに、部分的改修工事で点検とナットの交換だけの臨時作業の場合、時間に追われてミスする可能性は大きくなるかもしれません。
こういう「常識ではそういうことはしないだろう」というのが次々に破られているような気がしますね。

最終報告がどうなるのか、ですね。

8月 27, 2007 at 10:06 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

中華航空機爆発炎上事故その9

読売新聞より「中華機炎上、整備ミス濃厚…ボルト脱落防ぐ座金付け忘れか

那覇空港で中華航空機(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、脱落して燃料タンクを突き破っていた右主翼前端の可動翼(スラット)内部のボルトは、中華航空が今年7月の定期点検で脱着作業を行い、完了検査も受けていたことが25日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

ボルトは、脱落を防ぐ留め具の「ワッシャー(座金)」などが外れた状態で見つかっており、部品が誤って取り付けられ、整備後のチェックもすり抜けていた可能性が高い。
事故調では、中華航空の整備ミスが原因とみて調査を進める。

事故調は25日、現場での検証を終了。この日は事故調が当初、燃料漏れの原因とみていた右主翼下のパイロン内部の燃料管に不具合は見つからず、燃料漏れは脱落ボルトが燃料タンクを突き破ったためと断定した。穴の空いた部分(厚さ2ミリ)は、長さ41ミリ、幅23ミリだった。

事故調によると、事故機は先月6日の年1回の定期点検で、スラットの支柱後端部の部品を脱着。この部品は、ボルト(長さ42ミリ)とナット(外径10・4ミリ)の間に六つの部品を挟み込んで後端部の穴(直径14ミリ)に取り付けられており、穴から脱落しないよう二つの座金(外径15・9ミリ)が留め具になっている。

事故機の整備記録では、部品の交換作業は製造元の米ボーイング社の指示通りに行われた。航空機の整備作業は、作業が完了すると別の整備士が手順通りに作業が行われていたかを照合し、全整備完了後に再度、最終チェックを受けることになっている。各工程ごとに担当者が整備記録に署名しており、事故機の整備記録にも、部品交換、検査の項目ごとにサインが残っていた。

脱落したボルトにはナットが付いていたが、留め具の座金など三つの部品が外れた状態で脱落し、燃料タンクを突き破っていた。このため事故調では、ボルトを脱着した際に、〈1〉座金の一つを付け忘れたため飛行中の振動などで脱落した〈2〉整備士が部品の装着を忘れ、部品が燃料タンク組み込み部に放置されていた――など、整備ミスの可能性があるとみている。

国内航空会社の整備関係者は、「作業中は細かい部品が散逸しないようボルトに部品を装着してナットを付け、そばに置いておくことがある」として、「別の作業を同時並行で行っていて、装着し忘れた可能性もある」と指摘。別の整備関係者は、「事故機は就航から5年が経過しており、製造時の誤装着であればもっと早く検査で見つかっている」として、製造ミスの可能性は低いとしている。

Up

琉球新報の記事「中華航空機、燃料気化し延焼 事故調、トラックカン回収」に掲載されていた回収された穴の開いたトラックカンです。幅は100ミリは無いですね

脱落したボルトの長さが42ミリとのことですから、トラックカンの中ではギリギリの大きさであったと想像できます。
説明図によると、スラットのレールはスラット本体と一体で移動する仕組みで、問題のボルトもレールと一体で移動し、ストッパーとして機能した。

このトラックカンの中をボルトは移動する仕組みになっていたのですが、トラックカンを突き破ってしまった。

レールの穴はボルトが抜け落ちるサイズですが、トラックカン内部でどのようになっていたのでしょうか?

完全に脱落していたのか、レールには付いているが付きだしていたのか。
おそらくは、見つかったときには完全に脱落していたのではないかと思いますが、そうなるとトラックカン内部でレールからボルトは脱落する余地があるのか?
脱落する余地がないのなら、最初から取り付けられていなかった、置いてあっただけ。という可能性が出てきます。

けっこうタチの悪い話のようですね。

8月 26, 2007 at 10:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.25

中華航空機爆発炎上事故その8

朝日新聞より「留め具つけ忘れボルト脱落、整備状況調査へ 中華機炎上

那覇空港の中華航空機炎上事故で、燃料漏れを引き起こした金属製ボルトは、差し込み穴より大きな金具三つが外れていたため、脱落して燃料タンクに突き刺さったことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。
ボルトは穴に差し込んだだけで固定されていなかったことになる。
機体整備時に金具をつけ忘れるミスがあり、飛行の振動などで徐々に抜けていったと見られる。中華航空側は7月に事故機のボルトを締め直したと説明しており、調査委が経緯や作業内容を調べる。

調査委によると、ボルトは長さ約4センチ。先端にナット(直径1.04センチ)がついた状態で、燃料タンクに突き刺さっていた。

本来、ボルトには、ナットの内側にワッシャーやダウンストップという金具がついている。
ボルトが差し込まれる可動翼(スラット)の支柱(アーム)の穴は直径1.4センチ。ワッシャーやダウンストップの外径はこの穴より大きいため、これらが正しくついていれば、ナットのついたボルトが穴から抜け落ちることはありえない。

Up

ボルトから外れていたのは、ストップロケーションとナット側にあるはずのワッシャーとダウンストップの三つの金具。
これらはアームを格納する主翼内の燃料タンクのへこみ(トラックカン)内などに転がっているのが見つかった。アームの穴に損傷はなかった。

このため、事故機はこれらの金具をつけ忘れたままで運航され、振動などでボルトが抜け落ちたと見られる。

ダウンストップは、機体の揚力を調整するスラットが主翼から脱落するのを防ぐ金具。
ワッシャーは、ボルトからダウンストップが外れないように取り付けられている。

調査委は23日の調査で、右主翼内の燃料タンクにあるトラックカンの壁面にボルトが突き刺さっているのを発見した。

スラットは、離着陸時に主翼の前側にアームで押し出され、その後に格納される。格納時には、アームがトラックカンの中に引き込まれるため、落ちていたボルトがアームに押されて燃料タンクに突き刺さった可能性が高いと見ていた。漏れた燃料は右エンジン周辺に流れ、エンジンの余熱で燃え上がったと見られる。

調査委は今後、7月の中華航空の整備内容を調べ、整備不良によるものかどうかを確認する。
機体製造時からワッシャーなどがついていなかった可能性について、航空関係者には「事故機は就航から5年以上たっており、部品がないまま抜け落ちなかったとは考えにくい」との見方が有力だ。

図の赤線で囲ってある部品がボルトについていなかったとということになる。
しかし、付近に転がっていたというのだから

組み立てないで放り出してあった

ということになる。
整備不良といってもすご過ぎる。

新聞記事では「整備ミス」としているが、サボタージュでないと言えるのだろうか?
あるべき部品が無いというのであれば、部品出庫の管理なども含めて問題になるが、部品が機体に供給されたのに組み立てられずに放り出してあった、というのではチェックするのは作業内容の検査しかない。
それが甘かったのは間違えないが、ミスなのか故意なのかはやはり問題になるだろう。

少なくとも、機械類の整備で「故意に正式な状態にしない」とされたら、どうにもならない。
例えば、ボルト・ナットなどのように手加減の問題があるものや、配線などのように同じようなものが複数あって間違える可能性がある、といった非常に注意を要するものもさほどコスト掛けないで実用になっているのは「きちんとやる」が前提になっている。
今回の事故の原因よっては、非常に深刻な問題になるだろ。

8月 25, 2007 at 09:53 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.23

中華航空機爆発炎上事故その7

「中華航空機爆発炎上事故その6」の続きです。

テレビニュースの内容ですが、国交省は中華航空機の燃料漏れの原因をスラットを収納した際に、ボルトが燃料タンクを突き破ったためと発表しました。

いったいどうやれば、そんなことになるのだ?

8月 23, 2007 at 06:03 午後 事故と社会 | | コメント (9) | トラックバック (1)

2007.08.22

中華航空機爆発炎上事故その6

NHKニュースより「駐機前から大量の燃料漏れ

この事故は20日、沖縄の那覇空港で、台湾のチャイナエアライン120便のボーイング737型機が到着直後に炎上したもので、乗客・乗員165人は全員、避難して無事でした。

事故機が駐機場に到着した際、機体からは、大量の燃料が漏れていたことが地上の整備士の証言からわかっていますが、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会のその後の調べで、これよりも早い段階の誘導路を走行中に、機体からすでに大量の燃料が漏れているのを複数の空港の従業員が目撃していたことが新たにわかりました。

一方、大量の燃料漏れが起きた個所について事故調査委員会は、エンジン内部の燃料配管などに異常が見つかっていないことから、主翼とエンジンとをつなぐ「パイロン」の周辺にある配管との見方を強め、22日にも、内部の状況を詳しく調べて燃料漏れにつながる破損などがないか重点的に調査することにしています

「中華航空機爆発炎上事故その5」で書いた、駐機後に突如として大量の燃料が漏れ始めた、ということではないようですね。

他の報道は、パイロン内でエンジンに接続しているパイプなどが破損しているから燃料が漏れた、という推測ばかりです。

読売新聞より「中華航空機、初期爆発でタンク破損か…大量の燃料漏れ

那覇空港で中華航空120便(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、右主翼下の第2エンジンで起きた最初の爆発の衝撃により燃料タンク周辺が破損し、機体を全焼させる大量の燃料漏れが起きた可能性が高いことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

これまでの調べによると、燃料漏れは当初、右主翼下のエンジンをつり下げるパイロン周辺で発生。パイロン内部にある燃料管の不具合で漏れ出した燃料が第2エンジン内に流入、あふれ出した燃料は路面まで流れ落ちていた。地上で燃料漏れを目撃した整備士は機長に連絡。
機長らは手順に従ってエンジンを停止した結果、燃料タンクの安全弁が作動し、燃料の流出は一度は止まったとみられる。

しかし、エンジン停止後、内部は送風が止まり、余熱で温度が上昇。漏れ出した燃料は、タービンや排気口などの高熱で気化して引火し、この熱でエンジン内部などにたまっていた燃料が一気に爆発した。

事故調では、この爆発時の衝撃で安全弁や燃料管などのタンク部品が破損、燃料をエンジンに送り込むための高圧の燃料ポンプが作動していたため、タンク内の大量の燃料が一気に機外に流出したとみている。

流出した燃料は強い南風を受けて機体左側に移動。左主翼の燃料タンクでも燃料が気化して引火、何度も爆発を繰り返し、約1時間にわたり燃え続けた。

これはどうなんでしょうね?映像ではそんな風には見えないように思いますが、火災はどんどん拡大していたし、右側から流れた燃料だけで燃え広がるというよりも、かなり早い時期から左翼側でも燃料が漏れていたように感じるのですが・・・・・。

8月 22, 2007 at 10:23 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事故その5

「中華航空機爆発炎上事故その4」の続きです。

国交省から続報が出ないので、情報が止まっているようです。

朝日新聞より「燃料漏れ「相当な勢い」、風で火災拡大か 中華航空機

那覇空港(那覇市)で中華航空機(ボーイング737―800型)が炎上した事故で、右側の第2エンジン付近からは相当な勢いで燃料漏れが起きていたことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。燃料漏れを目撃した整備士は、「ジャージャーと漏れていた」と周囲に話したとされる。
この燃料漏れによって第2エンジン付近で起きた火災が風にあおられるなどして胴体や左側主翼が熱されて、爆発など被害拡大を招いた可能性が強まっている。

調査委は21日午前、沖縄県警、台湾の事故調査当局と合同で実況見分を実施。
燃料タンクとエンジンを結ぶ配管などに不具合がなかったかなどについて、詳しく調べている。

事故機の燃料は主翼と胴体下部にある三つの燃料タンクから配管を通り、ポンプで加圧された後、両エンジンの燃焼室に送り込まれ、通常漏れ出すことはない。だが、事故機が駐機場に到着した時、整備士が第2エンジンからの燃料漏れと出火を目撃。
関係者に対し、燃料漏れの様子について「ジャージャーと漏れていた」と話したといい、相当の勢いで大量の燃料が地上に流れ出した可能性が出てきた。

航空燃料は60度程度で引火、約240度で火花などがなくても発火するため、調査委は何らかの原因で漏れた燃料が、数百度の高温になっているエンジンの排気口や排ガスの熱で発火した恐れがあるとみている。
21日未明に那覇空港で記者会見した調査委の台木一成首席航空事故調査官は「燃えるものとしては一番、燃料が考えられる」と指摘した。

また、調査委の調べでは、最初に出火したとみられる右側の第2エンジンに比べて、左翼や左側にある第1エンジンは焼け方が激しく、エンジンそのものの形が崩れかけていた。

当時、第2エンジン側から第1エンジン方向に風速5メートル程度の風が吹き、空気は乾燥していた。
調査委は、(1)風であおられた炎が胴体下部や左側主翼を熱した結果、胴体内部の燃料タンクからの燃料漏れや、爆発につながった(2)主翼内部の配管を伝わって火災が広がった(3)何らかの原因で飛び火したなどの可能性を想定。中でも風の影響が最も有力とみて、火災発生・延焼のメカニズムの解明を進めている。

一方、調査委は右側の翼端近くから燃料が漏れているのも確認した。
主翼の端が地面に接触している状態で、主翼の表面を燃料が流れた形跡がないことから、タンクの燃料が主翼内を伝って翼端から出たとみている。
調査委は、事故後に主翼が折れ、内部に残っていた燃料が漏れたもので、ここからの漏れが右側エンジンの火災に直接つながった可能性は低いとみている。
ただ事故機では第2エンジンとともに、少なくとも2カ所で燃料漏れが確認されたことになる。

国交省や航空関係者によると、エンジントラブルなどの際、パイロットは操縦席で操作すれば燃料供給を遮断できる。
だが、その時点ですでにエンジンの覆い(カウル)の内側や地上にかなりの燃料がたまっていれば、発火する可能性がある。
いったん火災が起きて、その熱で配管やポンプが壊れれば、一気に大量の燃料が漏れ、火の勢いを止めようがなくなるという。

誘導路などに燃料漏れの形跡がないということなので、ランプに入るところで突如として大量の燃料が漏れて、白煙を上げたので地上整備士によって発見され、整備士は大量の燃料が漏れ続けているから緊急事態だとして脱出を機長に指示した。
ということのようです。

これで「なぜ、ランプに入ったところで大量の燃料が漏れたか」が問題になりますが、ランプに入ることが引き金になって何かが壊れるというのはちょっと無いでしょうから、壊れかけていたものが破断した、といったことでしょうか?
駐機に備えて操作するのは、APUの起動でしょうか?そういった駐機のための操作で何かが壊れた、というのはあり得るかな?

ちょっと謎が多いですね。
そう言えば、燃料漏れが右エンジン付近から始まって発火したのも右エンジン付近ですが、左側では燃料漏れは無かったのかな?あれだけ盛大に燃えたのだから、機体が壊れる前に左側からも燃料漏れがあっても不思議はないと思うのですが、それについては報道がないですね。

8月 22, 2007 at 12:12 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.20

中華航空機爆発炎上事故その4

「中華航空機爆発炎上事故その3」の続きです。

読売新聞より「操縦室の計器は異常示さず 中華航空が台北で記者会見

【台北=吉田健一】那覇空港で起きた中華航空機炎上事故で、同航空の孫鴻文・広報担当は20日、台北市の本社で記者会見し、「火災発生時、操縦室内の火災警報など計器類は異常を示しておらず、操縦士らは空港の地上職員から教えられ、初めて火災に気付いた」と説明した。

事実とすれば、計器類が正常を示した原因の究明も事故調査の大きな焦点になると見られる。

孫氏は会見で「最近の点検で(事故機の)機体には異常はなかった。現時点で事故原因は全く分からない」と述べ、日本側の調査に全面協力する姿勢を強調した。

孫氏によると、事故機は7月6~13日にかけ、年1回の定期点検(AV5)を実施。さらに、7月6~8日にはエンジン内に内視鏡を入れる目視点検を、8月4日には飛行時間500時間ごとの点検(RE5)をそれぞれ行ったが、いずれも異常はなかったという。

同社では、事故機と同型のボーイング737―800型機を、事故機以外に11機保有しており、行政院交通部(交通省)民用航空局は20日、同社に対し、すべての同型機の緊急点検を指示した。

一方、台湾当局は同日、事故機の調査のため、行政院航空安全委員会の担当官らを中心とする調査班9人を那覇に派遣した。

いや、台北での会見でしかも緊急だから調査は不十分だとは思うが、外部から見える火災警報が出ないのなら、同型機は即時飛行停止にするしかないだろう。

ちょっと前後を考えた発表とは思えない。
新聞記事も「事実とすれば」と書くのは当然だ。

そもそも、管制塔からではなくて間近にいる地上整備員から火災の知らせがあったということは、停止直前で一分も前のことではないだろう。
しかも「整備員から火災だ、乗客を緊急に避難させろ」と連絡があったとテレビニュースで伝えられたが、もしコックピット内で何も分からなければ普通は聞き返すなどして時間を食うだろう。

それが客室乗務員には「火災だから緊急脱出せよ」とコックピットから命令があったという。
どう考えても、コックピットで状況を把握していなかったとはちょっと思えない。

8月 20, 2007 at 09:26 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (1)

中華航空機爆発炎上事故その3

中華航空機爆発炎上事故は乗客乗員の生命は無事だったようですが、なんで駐機場に止まって一分後にエンジンが爆発するといったことになるのか、想像が出来ません。

朝日新聞より「中華航空機炎上、乗客・乗員165人無事 那覇空港

中華航空側は「エンジンから燃料漏れがあり、エンジンを停止させようとしているときに炎上し始めた」と説明しているという。

読売新聞より「那覇空港で中華航空機炎上、乗客157人は全員避難・無事

同便のパイロットからは異常を示す連絡は一切なく、エンジンは突然、爆発したという。

停止、一分後に爆発したとなっていますが、普通に乗客が降りる時間はなく、緊急脱出して無事だったとなります。

これが、パイロット・客室乗務員に全く情報が無く本当に突如爆発炎上に至ったのであれば、これほどまで素早く脱出は出来なかったのではないだろうか?

つまり、コックピットには警告が出ていたのではないか?
消防の活動具合や、国交省の発表では、空港側からは「突如爆発炎上」であったようです。
つまり、乗員が警報が出ているのにそれを地上に知らせて援助を受けることをしなかったのではないか?となります。

もうちょっと経つと詳しい経過が明らかになるでしょう。

8月 20, 2007 at 01:04 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事件その2

中華航空機爆発炎上事件

朝日新聞 中華航空機炎上、乗客・乗員165人無事 那覇空港
12時09分

サンケイ新聞 那覇空港で航空機炎上 乗員4人の安否不明
12:07

8月 20, 2007 at 12:21 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

中華航空機爆発炎上事故

中華航空機爆発炎上事件の新聞記事です。

朝日新聞 駐機場で中華航空機炎上、乗客155人避難 那覇空港
11時51分

読売新聞 那覇空港で駐機中の中華航空機炎上、乗客155人は避難
12時3分

サンケイ新聞 那覇空港で航空機炎上 乗員4人の安否不明
11:21

日経新聞 那覇空港で中華航空機が炎上、機内に乗員の情報
11:26

毎日新聞 那覇空港:中華航空機が着陸炎上 155人乗り
11時50分

8月 20, 2007 at 12:11 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.14

すごい工事

京都新聞より「側溝に電柱 長岡京 NTT西、ふた壊して設置

Up

京都府長岡京市天神4丁目で、市道に建てるはずだったNTT西日本の電柱が、側溝の中に建てられていることが13日までに分かった。

このままでは側溝を流れるはずの雨水を電柱がせき止める可能性もあり、設置に必要な道路占有許可を出した市土木課は「考えられない間違い」と驚いている。

老朽化などのため新しく建て替えられた電柱で、市が7月20日にNTT西日本に対して道路占有許可を出した後、7月下旬から8月上旬にかけて工事が行われた。

ところが、設置後に市民から連絡を受けた市土木課職員が現地を確認したところ、側溝(深さ約40センチ)のコンクリート製ふたの一部を壊して電柱が建てられていることが分かった。

同課がNTT西日本に問い合わせると、本来の設置予定地は側溝横の道路上だったことが判明した。
NTT西日本京都支店の広報担当者は「強度を保つために太めの電柱にしたせい、と聞いている。盆休み明けに、行政と話し合って対応を決めたい」と話している。

こんな工事をして、市民から通報があるまで関係者が誰も問題にしなかったとはどういうことなのだ?
実際に工事する作業員だって「これは変だろう」と協議したと思う。
それでも工事を強行したのには、それなりの決断をした人物が居たわけで、どうなっているのだ?
また、これほどまで明確な「ミスが止まらない」ので危なくって仕方ないではないか。

8月 14, 2007 at 10:02 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.08.13

エスカレータに穴が空いてた・その2

「エスカレータに穴が空いてた」の続編です。

写真がありました。

Up

この写真によると「左下」とのことですから、穴=空洞というよりも削れて出来た凹みのような感じですね。

それにして妙にきれいに凹んでいて、なんでこんな凹みが出来たのかちょっと分かりません。

8月 13, 2007 at 07:39 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エスカレータに穴が空いてた

毎日新聞より「エスカレーター:女性が足挟まれ親指切断 JR川崎駅ビル

12日午後9時55分ごろ、川崎市川崎区のJR川崎駅ビルで、エスカレーターに乗っていた同市中原区の会社員の女性(27)が左足を挟まれ、親指切断の大けがを負った。

神奈川県警川崎署の調べでは、エスカレーターは1階から3階の改札階につながる上りで、川崎市所有。

ステップの垂直部分に
高さ12センチ、横7.5センチの
穴が空いており

、女性はその穴に気付かず、立っていた。
降り場が近づき、たたまれる過程で、左足の親指が挟まれ、エスカレーターは緊急停止した。
同署は業務上過失傷害容疑で、メーカーの東芝エレベータと川崎市の担当者から事情を聴いている。【吉住遊】

これは地下街のアゼリアに繋がる東西自由通路の真ん中にある大きなエスカレータですね。
この自由通路、アゼリアのサイトには

川崎駅東西自由通路 「JR川崎駅東西自由通路」は1日33万人が行き交う首都圏でもトップクラスの巨大ターミナルです。

と宣伝しております。
いや、実際にすごい通行人の数で、巨大な通路が狭く感じるほどですが、地下街と線路を越えている通路を一気に繋いでいる長いエスカレータです。

最近は駅に設置してあるエスカレータが増えたので、分解して点検しているところをよく見かけます。
エスカレータのステップはアルミ鋳造品のようですね。多分、LPでしょう。
だから原理的には割れて穴が空くことはありうると思うけど「12センチ×7.5センチの穴」が通常使用で空くとはちょっと思えない。

手帳ぐらいの大きさですよね。誰かが故意に壊したのではないかな?
エスカレータの点検を見ていると、あまり大きな(長大な)エスカレータはメンテナンスの観点からは効率が良いのか疑問に感じます。
この、川崎駅のエスカレータはわたしはあまり好きではない。なんか転んだりすると大事故になるのではないか?と感じさせるところがあるからで、それと同じような印象を江戸東京博物館のエスカレータにも感じます。

基本的にはエレベータよりもエスカレータの方が開放的で好きなんですけどねぇ。

8月 13, 2007 at 04:45 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.12

自分の車の下敷きになる

福島民友新聞より「女性が車の下敷き、死亡/二本松

11日午前6時20分ごろ、二本松市の主婦(58)が軽乗用車を駐車、車外に出たところ車が動きだし、止めようとしたこの主婦が車の下敷きになった。
主婦は全身を強く打ち同市の病院に運ばれたが、約3時間半後に死亡した。

二本松署の調べでは、現場は坂道で、車は約40メートル下ったところで道路脇の斜面に乗り上げ、反動で、車を止めようとしていた高橋さんに覆いかぶさるように横転したとみられる。高橋さんは知人宅を訪問しようと車を駐車した。

最初、タイトルを見たときに「車にはねられたとは言うが下敷きとはどういうことだ?」でした。
上記の記事を読んで「意外なことも起きるものだ」というのが正直な印象です。
日本は全体として安全に注意する習慣などが薄まっているのでしょう。

8月 12, 2007 at 01:01 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.08

事故調査委員会・拡大へ

朝日新聞より「事故調を拡大、海難審判庁統合し「運輸安全委」新設へ

国土交通省は来年度、航空・鉄道事故調査委員会を拡大し、鉄道、航空に加えて海難事故も事故調査の対象にするよう組織を拡大・強化する方針を固めた。
具体的には海難審判庁を事故調査委に統合して「運輸安全委員会」を新設する。

航空、鉄道、海運に加え、高速道路やパイプラインの事故まで調査対象としている米国の国家運輸安全委員会(NTSB)をモデルに、国交省も陸、海、空の原因究明機能を一元化。
事故の背後要因の踏み込んだ分析や、情報の共有化を進める。
法律上の位置づけを変えて、現在の調査委より組織の独立性も高める。

各組織の具体的な定員などを詰めており、8月下旬に決定する08年度の組織・定員要求に盛り込む方針だ。

事故調査委は航空、鉄道の委員で構成されているが、運輸安全委では海難の専門知識を持つ委員も設け、再発防止策の提言などを行う。

一方、海難審判庁は、原因を調べる審判理事所と、調査結果をもとに行政処分などを出す、裁判所に相当する審判庁があり、両方とも運輸安全委員会の傘下組織として存続させる。
また、船員の紛争処理などを担う船員労働委員会は廃止。紛争調整機能を厚生労働省に、一部の調査機能は国交省の審議会に移す。

まぁやらないよりもマシですが、事故調査に協力すると自白するから罪が重くなるでは協力しろという方が無理でしょう。
だからと言って「客観的に調べて事故原因が分かる」とはとうてい思えない。

事故調査は、責任追及とは別だと思うのです。
将来の同種の事故を防止するために、何をどうするべきかを研究するのが目的で、それには現状を変革することが前提になるでしょう。

事故の責任を現状とは違う別の状況下での責任追及をされたらたまったものではない。
その逆に、現状を肯定した範囲で事故防止策を打ち出すと最終的には「使わなければよい」にしかならない。

どうやっても、事故責任の追求と、防止策の検討は両立しがたい面は否定できないでしょう。
だから「将来のためには、刑事免責する」といった考え方が出てくるわけで、そこをどうするか?で拡大事故調の未来は決まるでしょう。

ところで、事故の被害者数として自動車交通事故はものすごい数なのですが、拡大事故調で扱わないんでしょうかね?

8月 8, 2007 at 10:20 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.08.06

保育園児・車内に閉じこめられ死亡

朝日新聞より「ワゴン車内への園児放置、福岡県警が家宅捜索 北九州

北九州市小倉北区の私立中井保育園に通っていた園児(2)が園の送迎用ワゴン車内に放置されて死亡した事故で、福岡県警捜査1課と小倉北署は6日、同保育園に対し業務上過失致死容疑で家宅捜索に入った。園長(31)が立ち会った。

調べによると、園児は7月27日夕、保育園から約240メートル離れた入浴施設の屋根のない駐車場に止めていたワゴン車内で、2列目と3列目の座席の間に仰向けでぐったりした状態で見つかった。搬送先の病院で間もなく死亡が確認され、司法解剖の結果、死因は「熱射病の疑い」とされた。

この日、園児21人は3組に分かれて園外保育で近くの公園に出かけており、午後1時半ごろ、暖人ちゃんら園児7人、保育士ら職員2人が乗ったワゴン車でいったん園に戻った。だが暖人ちゃんが降りたかどうか、保育士らは確認していなかったという。

県警は、保育士らの刑事責任が問えるかどうか、園の管理体制に問題がなかったかどうか、慎重に捜査を進めている。

園側は今月3日、市に事故報告書を提出。北村園長らの説明によると、保育園のスタッフが暖人ちゃんを発見したのは7月27日午後4時50分。遠足に参加した他の園児たちが園に戻った同1時半から、約3時間たっていた。園側が119番通報したのは同5時29分で、発見から約40分経過していた。

県警が翌28日、事故があったのと同じ時間帯に炎天下で実況見分をした結果、車内の温度は50度近くまで上がった。

同保育園は事故の翌日から休園している。

この事件は報道された直後に記事にしようかとも思ったのですが、分からなかったのが亡くなった園児が車内にどのように居たのか?でした。
今回の報道だと

2列目と3列目の座席の間に
仰向けでぐったりした状態

とのことですから、床の上ですね。車は写真によると普通のミニバンです。

園児7人と職員2名で、保育園に帰ってきて、一人残っているを見過ごしてしまった。
ということのようですが、職員2名は一名はドライバーでしょうから、もう一人の職員はどの席に座っていたのだろうか?多くの場合、バスでない限りこの手の人を運ぶときには、本質的に3名体制なんですよね。ドライバー、車内、車外(ドアの開け閉め)の3人分

車の仕様といい、チェックしなかった事といい、なんか最初からダメ、という印象が強いです。

8月 6, 2007 at 01:13 午後 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

安全教育か危険回避の訓練か?

朝日新聞より「ドライアイス入れたペットボトルが破裂、小学生2人けが

5日午後4時25分ごろ、大阪府東大阪市中石切町5丁目の中石切公園で、同市の小学3年男児(9)が手に持っていたドライアイスの入ったペットボトルが破裂した。
男児は両手や胸を約20針縫うけが。近くにいた小学1年男児(6)も右腕に軽いけがをした。ペットボトルは、約10分前に公園にいた中学生らが砂場に埋めたもので、男児が掘り起こしたところ破裂したという。

枚岡署は、ペットボトルを埋めた同市内の中学1年の男子生徒3人を、過失傷害の非行事実で児童相談所に通告する方針。

調べでは、中学生らは近くのスーパーで保冷用にもらったドライアイスを公園で容量500ミリリットルの2本のペットボトルに入れ、1本はまもなく破裂した。しかしもう1本が数分たっても破裂せず、ふたも開かなくなり、砂場に埋めて公園を離れた。
1本目の破裂を見ていた男児が掘り出したところ、破裂したという。

中学生らは「破裂の方法を友達に聞いていたのでやってみた。1本が破裂せず怖くなり埋めた」と話しているという。

夏休みだなあ、という感じの事件でもありますが、子細に読んでみるともうちょっと何とかならないのか?という印象です。

  1. 中学生が500ミリリットルのペットボトル2本ドライアイスを入れた
  2. 一本はまもなく破裂した
  3. 二本目は数分経っても破裂しない
  4. 中学生は怖くなったから砂場に埋めて、講演から離れた
  5. 10分後、破裂したのを見ていた小学生が掘り出した
  6. その後、手に持っている状態で破裂、両手胸に20針縫う怪我になった

問題を挙げると

  • 密閉容器のペットボトルにドライアイスを入れて栓をした
  • 爆発しないから砂場に埋めた
  • 爆発したのを見ていて、掘り出して手に持っていた

この三点はどれも劣らずの「少しはものを考えろ!」でありましょう。
危険についての感受性の低下といったものを感じてしまいます。

高校生にロボット製作の授業をするときに、ドライバー、ニッパーといった工具についても工場並みの安全教育をしていますが、それでもドライバーやペンチを用もなく持って遊んでいる生徒が出ますから、そういうのは即座に注意します。
そうすると「あっ、注意されてた」という感じでパッと止めるのですが、しかしペンチを両手でもってパチパチと開いたり閉じたりといったことをやってしまうのがちょっと不思議なんですよね。

また、プラスチックパーツのヤスリ掛けをさせると、ヤスリを自分の顔の方に向かって動かすのがいます。
ま、覗き込んでいるのと方向が逆ということでありますが「滑ったらどうするのだ?」となるわけです、こういうことを注意するのも授業の内とおもって対処していますが、どうも着実に安全をおろそかにする傾向は強くなっているように感じます。

8月 6, 2007 at 09:27 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.02

ミネアポリスで橋が崩壊

Up

CNN.co.jp より「高速道路の橋崩落、3人死亡 ミネアポリス

米ミネソタ州ミネアポリス──当地のミシシッピー川にかかる高速道路の橋が1日午後6時5─10分頃に崩落し、ラッシュアワー中に現場を走行していた数十台の車両が川に転落し、これまでに少なくとも3人の死亡が確認された。
警察は原因を調査中だが、米国土安全保障省はテロとは無関係との見解を表明した。

崩落したのはインターステート35W号線(4車線)の橋で、ここ数カ月間は修復工事のため1─2車線が閉鎖されていた。転落した車両にはスクールバスも含まれていた。

生存者は川岸に引き上げられたが、一部は橋の残がいの上で身動きが取れなくなっている。負傷者は数十人とみられている。

いきなり飛び込んできたニュースですが、場所をGoogleマップで探しました
しかしなんか工事中であっても、地震とか台風でも無いのに、いきなり国道の橋が崩壊するのというのはどういうことなのでしょうか?
前兆は無かったのかな?

8月 2, 2007 at 12:01 午後 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (1)

2007.07.11

問題と原因を直視しないと

朝日新聞より「都交通局に京急車両の手引きなし 浅草線不通の被害拡大

都営浅草線が8日、ケーブル火災などで約11時間不通になり、約15万4000人に影響した事故で、被害を拡大させた三田駅の車両故障は、都交通局のマニュアルの不備が原因だったことが都の調べで分かった。
浅草線は都営を含む4社の車両が走っており、車両の仕組みが異なるが、事故時の対応方法の違いが書かれていなかったという。

復旧作業は午前11時前に終わり、運転を再開しようとしたが、内蔵電池を空調や照明に使いながら三田駅で待機していた京浜急行所有の車両が電池切れで走れなくなった。
このため、復旧は午後4時近くにずれこんだ。

京急によると、この車両は内蔵電池が切れると、パンタグラフを上げても走れない。一方、都交通局の車両は内蔵電池が空でもパンタグラフを上げれば走る。
都交通局のマニュアルにはこの違いの記載がなかった。

乗務していたのは都交通局の職員。電車の動きをモニターし、運行を管理している輸送指令らも違いを把握していなかったとみられるという。

この記事だと、マニュアルに書いて無いことが問題のように読めてしまいますが、違うと思いますね。

復旧作業が午前11時前終わったのに
運転を再開が午後4時近くにずれこんだ。

緊急対応策が出来ていないと言うべきで「書いてないから」じゃキリがない。
利用者(社会)から見れば「安全・確実」が公共交通機関に要求する最重要点であって、なんで「6時間も掛けて対応できなかったか?」こそが問題でしょう。
「マニュアルに記載がなかった」というのが、対応策が整備されていないことを隠すために発表したのじゃないのか?

7月 11, 2007 at 08:58 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.07.07

事故なのか、いたずらなのか

毎日新聞より「車スライドドア:開く時に頭挟まれ男児けが 東京・江戸川

東京都江戸川区で先月下旬、ワゴンタイプの車の電動スライドドアが開いた際、ドアの内側と車体のすき間に男児(1)が頭を挟まれて軽傷を負っていたことが東京消防庁の調べで分かった。

日本自動車工業会(自工会)は「電動スライドドアが開く際の挟まれ事故は聞いたことがない。同様の事例があるかの調査も含め、対応を検討したい」という。
東京消防庁は「子供がいる時は細心の注意を」と呼びかけている。

同庁によると、事故が起きたのは共同住宅の屋外駐車場。
母親の知人が車の外から後部左側のドアの操作をしてドアが開いた際、後部座席にいた男児の頭が、開いたドアの内壁と車体の間に出来た約15センチのすき間に引き込まれる形で挟まった。

119番通報で駆けつけた消防隊が救助用の器具を使ってすき間を広げ、男児を救助した。
後部座席には子供ばかり3人が乗っていたが車内に大人はいなかったという。

自工会によると、電動スライドドアの安全対策に統一基準はない。自動車各社はドアが閉まる際に何かが当たるとドアが停止したり開く仕組みを取り入れているが、ドアが開く際にすき間に引き込まれる事故は想定されていないという。

タイトルを読んだときには「大けがしたのかな?」と思ったが、軽傷とのことなので今度は「この記事は何なのか?」と考えてしまった。

東京消防庁が発表し、自工会がコメントした。ということなのでしょうか?
確かにドアに注意というのはあるけど、半年ぐらい前だったかセルシオなどのドアを最終的に占める段階で動力によって閉まるタイプで、指を挟んで骨折事故があるといった内容の報道があったから、その続編といった感じですね。

しかし、今回の事故は「普通の使い方」ではなかったのではないか?と強く想像します。
一言で言えば、大人が自動車のリモコン・スライドドアで遊んでいて事故になった。
と考えています。

報道されている状況は

  1. 車内に一歳児を含む3人の幼児だけ乗っていた
  2. 社宅の共同駐車場で起こった事故
  3. 怪我した子供の母親の知人がリモコン・ドアを操作していた。

車内に幼児が3人乗っていて、大人が車内にいない。という状況は普通の降車の状況とは思えません。
また、怪我をした一歳児の母親とリモコンを操作した知人ですから、大人が二人以上居て、要するに二家族以上がその場には居たわけです。
その段階で、大人は全員車外に降りていて、リモコンでパワードアを開く必要があるシーンが想像しがたいです。

さらに、パワードアは人力でドアを開く場合よりも動作が遅いわけで、CMの通り荷物を持っているから指先しか使えない、といった条件の時に使うのが普通でしょう。
リモコンでロックを解除するのとは違う。

だから中に子どもだけが居る状態の時にパワードアを操作する必然性は無いですね。
一言で言えば「扉で遊ぶな」でこれは小学生を叱るのと同レベルなのではないだろうか?
ニュース怪説でありますね。

7月 7, 2007 at 10:28 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.06.30

事故調査を独立させろ

国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会が尼崎脱線事故の事故調査報告書を発表しました。 これについては遺族からはこんな意見が出ています。
サンケイ新聞イザより「JRの企業責任には…遺族 誰のための事故調か

「何のために2年以上も待ったのだろう」。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)が28日公表したJR福知山線脱線事故の最終報告書は、事故原因を懲罰的な日勤教育に限定し、ATS(列車自動停止装置)の設置遅れや無理なダイヤ編成との因果関係は認めなかった。
期待とは裏腹に企業責任に対して踏み込みの甘さが目立つ最終報告に、遺族らは落胆の色を隠せなかった。

「誰のための事故調査なのか。極めて残念な結果だ」
遺族らでつくる「4・25ネットワーク」世話人の1人はこの日夜、大阪市北区で会見し、厳しい表情を崩さなかった。

遺族が最終報告書に期待したのは「JR西の経営責任にどこまで踏み込むか」。
事故原因の説明を拒み続けてきたJR西に、安全対策の不備や無理なダイヤ編成など経営責任を突きつけてくれると信じていたからだ。

ネットワークの活動を支援する弁護士は「3者に“談合”があったとは思えないが、遺族ならそうした疑念を抱いてしまう調査結果ということだ」と遺族の気持ちを代弁した。

この件について、読売新聞、サンケイ新聞、毎日新聞の社説を見てみます。

読売新聞社説

「尼崎脱線事故 鉄道の安全向上に報告を生かせ」

その背景にある問題として、報告書は、JR西日本の「日勤教育」が、死亡した運転士を心理的に追いつめた、と指摘した。社内連携の悪さや無理なダイヤも挙げている。

日勤教育は、ミスをした運転士を乗務から外して実施された。運転技術などではなく、精神論が主だ。反省文を書かせ、繰り返し、あいさつをやり直させる。賃金もダウンする。報告書は、一部の運転士は“懲罰”と受け止めていたと指摘し、見直すべきだとしている。

事故防止策として報告書は、懲罰的でない報告制度の整備や緊急性の低い無線交信の制限など3項目を求めた。一昨年秋に提言した自動列車停止装置(ATS)の機能向上などに続くものだ。全鉄道事業者は、早急に実施すべきである。

事故当時、国は、カーブのATS整備を義務づけていなかった。設置していれば、事故は防げたはずだ。国の安全管理上の規制が十分でなかったことが事故につながったとすれば、そうした分析も報告書にあってよかった。

最終報告書まで2年2か月かかった。事故調は昨春、鉄道事故調査官を倍増して14人にしたが、初動段階で鉄道総合技術研究所や大学の専門家の応援を求めるなどして、調査の迅速化を図りたい。

JR西は、遺族らに事故原因の説明を求められても口を閉ざしてきた。最終報告書を機に本格化する警察の捜査で、JR西が不利になるような言質を取られたくないとの意識からではないか。

関係者の刑事責任の有無が、今後の焦点になる。捜査を尽くし、JR西の安全管理の実態に迫ってもらいたい。

サンケイ新聞社説

JR事故報告 企業体質が問われている

この異常な運転について、事故調は運転士が「日勤教育を懸念」したためとした。日勤教育は乗務中にミスなどを犯した運転士を対象にした再教育制度である。だが、実際は上司が厳しく叱責(しっせき)するなど懲罰的な側面が強く、過去に3度の日勤教育を受けた運転士にとっては大きな心理的な負担となったとみられる。

日勤教育については、事故直後から問題となり、運用も見直されたとされる。そのうえでJR西日本の幹部は今年2月の事故調による意見聴取会で、「必要かつ有益」と反論した。

しかし、日勤教育が事故につながった可能性があるとの指摘が持つ意味は大きい。懲罰的な日勤教育が行われていなかったら、事故も起こらず、多数の犠牲者も出なかった可能性があるからである。

事故調はさらに、新型の列車自動停止装置の設置の導入先送りや、ブレーキの欠陥など、安全性を軽視し続けた企業体質も厳しく批判した。再発防止のために、企業体質まで踏み込んで批判するのは極めて異例だ。

過度の懲罰は教育ではない。JR西は報告を真摯(しんし)に受け止め、日勤教育が本当に必要かどうかも含め、徹底的な見直しを図る必要がある。同時に、批判された企業体質を根本的に改善する努力を続けるべきである。

兵庫県警は最終報告を受け、運行関係者を業務上過失致死傷容疑などで立件する方針だ。すでに事故から2年以上もたった。真相解明を求める遺族感情は強く、刑事上の責任追及も厳正に行われなければならない。

毎日新聞社説

「企業体質を一から見直せ」

JR西日本は事故後、日勤教育を実践的な形に改めた。教育効果が上がるよう、より検討するという。当然のことだ。事故の教訓を生かして、安全意識を高め、技量の徹底向上を図る内容でなければ意味がない。

安全管理体制にも数々の不備が指摘された。営業強化のためダイヤの余裕時分が削られ、職場間の連携不足で新型ATS(自動列車停止装置)の運用開始が遅れた。同型電車のブレーキ不具合や速度計の誤差が報告されていたのに、まったく改良されなかった。組織全体の緩みようは目に余る。

事故調は、当時の鉄道本部長が安全管理に直接タッチしていないと釈明した点にも触れ、経営トップに近い者が積極的に関与すべきだった、と強調している。緊張の欠如、責任逃れの体質は今も残っていないか。もう一度、真剣に自らを省みることが不可欠だ。

組織の基本から、改めて徹底的に見直した方がいい。なにより、すべての社員が安全最優先を共通の誓いとして心に刻み、経営陣と現場、職場間の不信の連鎖を断ち切る努力を重ねることが求められる。でなければ、企業風土の改革など進むはずがない。

話を整理すると

  • 遺族       JR西の責任の明確化(真相究明)
  • 読売新聞社説   日勤教育に片寄り、安全施設の設置の遅れが問題
  • サンケイ新聞社説 企業体質が良くない
  • 毎日新聞社説   組織が良くない

となりますが、結局のところ「刑事責任追及」であって、読売新聞社説が説明しているように

JR西は、遺族らに事故原因の説明を求められても口を閉ざしてきた。
最終報告書を機に本格化する警察の捜査で、JR西が不利になるような言質を取られたくないとの意識からではないか。
のは当然のことだ。

日本では、事故原因を明らかにすると責任が重くなるのであって、あらゆる事故で原因隠しになって、結果として事故原因の究明が出来ない。
古くは日航123便墜落事故で、機体が空中で破壊した理由がボーイング社の修理のミスであろうというところまでは分かったが、どのように壊れたのかはいまだに十分な解析が出来ていない。
ボーイング社の関係者が刑事責任追及を逃れるため事故調査に協力しなかったからだ。
その結果、22年も経った今でも遺族は「事故調査についての資料収集」している。

医療事故はもっと深刻で、事故扱いになると責任を追及されるから、リスクのある医療から医師がどんどん減っている。

事故調査を刑事捜査のためにやっては、事故原因の研究は出来ないし、当然改善も出来ない。
アメリカの航空機事故調査では免責しているから事故の研究が進んでいると指摘されています。

はっきり言えば、事故調査に協力すると司法取引で責任が軽減されるという仕組みは必要不可欠だろう。
刑事捜査の下に事故調を置く構図を脱却するべきだ。
そういう観点で社説を見ると、すべての社説が「日勤教育」を批判しているが、これは「精神教育のようなものでは事故は防げない」という意味だろう。

だとすると「企業体質に問題ある」という社説は精神論では無いのか?
事故が無くなることが優先であって、企業体質は遠因かもしれないが、企業体質を変えれば事故は着実に減少するのか?
それよりも安全設備への投資割合を評価することの方が社説としては重要なのではないのか?

何はともあれ、事故調査委員会を法的に位置づけることを早急に行うべきだ。

6月 30, 2007 at 11:31 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.06.22

温泉爆発:続報

「温泉爆発:なぜ知らないと責めてもダメだろう」の続報です。

サンケイ新聞イザより「ガス検出、伝達怠る? 施設所有のグループ会社 掘削時に把握

渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」で女性従業員3人が死亡した爆発事故で、開業3年前の掘削工事で天然ガスが検出され、施設を所有する「ユニマット不動産」が把握していたことが21日、警視庁捜査1課の調べで分かった。
施設を運営するグループ会社は、天然ガスの危険性を十分に認識していなかったとみられている。
捜査1課は、安全対策の重要情報がグループ間で伝達されなかったことが、事故につながった疑いがあるとみて調べている。

調べなどでは、シエスパはリゾート事業やオフィスコーヒーサービスを手がける「ユニマットグループ」が18年1月に開業。
グループ傘下のユニマット不動産が17年12月にシエスパ本館(A棟)と爆発の起きた別棟(B棟)の土地を取得し、建物もユニマット不動産が所有している。

シエスパのオープン当初、「ユニマットコスモ」が運営していたが、コスモ社は18年3月に「ユニマットビューティーアンドスパ」を設立。
11月にスパ社へ営業を全面譲渡した。

開業に先立ち、ユニマット不動産が東京都に温泉掘削を申請し、「鉱研工業」に工事を依頼。工事は平成14年12月に始まり、半年後に完成した。

この際、鉱研工業はガス濃度を測定、源泉にガスが含有されていることが判明した。15年8月に発注元のユニマット不動産に書面で、測定結果を伝えたという。

だが、コスモ社は会見で、「天然ガスの噴出は想定していなかった」と説明。
スパ社も「(ガス排出装置の)点検は管理会社へ任せていた」としたが、管理会社は排出装置の点検は依頼されていないと主張した。

シエスパではガス濃度を測定せず、ガス検知器も未設置のため、ユニマット不動産がグループの運営会社にガス検出の事実を伝えていなかった疑いが強い。

捜査1課は一斉捜索でユニマット不動産からも関係資料を押収。ユニマットグループ間の情報伝達の経緯や、安全対策が徹底されていたか関係者から事情を聴いている。

なんかかなり複雑ですね。
まとめてみますが、どこかで間違えるかもしれません。

年月 当事者企業 内容 相手先企業
2002/12 ユニマット不動産 掘削工事を依頼 工事業者は鉱研工業
2003/06 鉱研工業 掘削工事完了
2003/08 鉱研工業 天然ガス測定結果を書面で通知 通知先はユニマット不動産
2005/12 ユニマット不動産 敷地を入手
2006/01 ユニマットコスモス シエスパ・オープン
2006/03 ユニマットビューティーアンドスパ 設立
2006/11 ユニマットコスモス 営業譲渡 譲渡先はユニマットビューティーアンドスパ
2007/06 ユニマットビューティーアンドスパ 爆発事故が発生

結局、天然ガスの情報は、4年前に掘削業者の鉱研工業からユニマット不動産に伝わりますが、ユニマット不動産は土地を取得した2005年12月でこの事業の進行をユニマットコスモスに渡します。
これは、不動産から事業運営に切り替わるわけで、その後事業そのものがユニマットコスモスから、新会社のユニマットビューティーアンドスパに譲渡された。

不動産会社のところで天然ガス問題についての情報が止まっていたのだとすると、ガス分離装置があったのかを誰も考えていなかったということでしょうかね?

ガス分離装置を付けた人物が居るわけで、その人は不動産会社から「天然ガスが出てます」という情報を得ていたか、当然付けるべき装置として付けて、かつそれを設備として売っているわけです。

それでも「天然ガスなんて知らない」となれば、今度は「知らない・分からない設備を買ったのか?」となってしまいます。
これは企業経営としてあり得ることなのか?

6月 22, 2007 at 05:11 午後 事故と社会 | | コメント (1)

温泉爆発:なぜ知らないと責めてもダメだろう

東京新聞より「ガス発生認識せずに営業 渋谷の温泉施設爆発事故

渋谷区の女性専用温泉施設「シエスパ」の爆発事故で、施設を運営する「ユニマットビューティーアンドスパ」(港区)幹部が、警視庁捜査1課などの聴取に対し「温泉から天然ガスが発生することは想定していなかった」と説明していることが22日、分かった。

天然ガスが発生する危険性を認識しないまま、ユ社経営陣が温泉施設を営業していた疑いが浮上した。

東京、千葉、埼玉、神奈川など首都圏の地下には「南関東ガス田」があり、地中深くから温泉をくみ出すと、溶け込んでいた天然ガスが発生するのは業界では広く知られている。
こうした認識もなく温泉事業に進出したユ社の企業体質が厳しく問われそうだ。

捜査1課も、ユ社がガス発生を認識し十分な対策を施していれば事故を防げたとみて、押収資料の分析や関係者の事情聴取を重ねるなどして、さらに調べる。

本当にこういう理解をしているのだとすると、なんのためにガス分離器を設置しているのか分かっていなかった、となります。
直感的には「知らないはず無いだろう」と思うのですが、最近のコンピュータなどに代表される技術のブラックボックス化やかなり高度なこともお金を出せば簡単に入手できるといった現実は「技術のことは知らない」「自社で使っている仕組みを理解していない」でもとりあえずは事業が成立するような時代になってきたということなのでしょう。

結果責任を追及するのはこの記事の示すところですが、「なんで知らないで事業が出来たのか?」と責任追及しても「知らなかった」しか出てこないでしょう。
それでは責任は追及できるでしょうが、対策にはならない。

だからと言って、ありとあらゆることを事前に役所が検査して承認するというわけにもいかないから、社会の知識として安全についての情報などが沢山あることが大事で、常識になっていれば「知らなかった」と視聴しても「こんなに沢山情報があるから、知らないはずがない」と言えます。

ジェットコースターのシャフト破断死亡事故も「なんでこの程度の点検・交換をしなかったのか?」と驚くところですが、これも基本的には「知らなかった」でありましょう。

このように見ると、最近のちょっと珍しい事故では「知らなかった」といったことが遠因になっている事故が多いと感じます。
改めて、事故の調査分析をして社会的な対策を提案する仕組みが必要だと強く思います。
交通安全の教育でも「警察に叱られる」と教えるのと「危険だから」と教えるのでは全く質が違うわけで、今必要なのは「社会の知恵の程度を向上させること」だと思います。

6月 22, 2007 at 11:57 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.06.19

エレベータのワイヤーが破断していたのは問題なのか?

読売新聞より「エレベーターのワイヤ破断、大手5社の38基で新たに確認

エレベーターのワイヤロープの破断が相次いだ問題で、国土交通省は18日、保守管理大手の5社が担当する全国のエレベーター約50万9000基について、既に判明した4基のほか、新たに計38基でロープの一部破断が見つかったとする調査結果を発表した。

これまで破断が確認されていなかった三菱電機ビルテクノサービス、東芝エレベータの保守管理分も含まれ、同省は、両社が管理する計約26万9000基について緊急点検を指示した。

調査結果は、国交省が社団法人・日本エレベータ協会を通じ、昨年6月以降に確認された破断件数をまとめたもの。

計42基の内訳は、日立ビルシステムが最多で21基、日本オーチス・エレベータ7基、東芝エレベータ、フジテック各5基、三菱電機ビルテクノサービス4基。
いずれも破断が判明後、ロープは交換済みで、日立、フジテックの各1基と、オーチス社2基については既に公表されている。

原因については、設置からの時間経過に伴う経年劣化が15基で最も多く、小石などの異物混入が原因とみられる損傷が7基、さびによる劣化2基などだった。

いずれも直前の定期検査では問題がないと報告されており、同省では「ずさんな検査・点検で劣化が見過ごされた可能性がある」として、今後、エレベーターの定期検査の方法や報告について見直す方針。

日本エレベータ協会では「破断の発生をゼロに近づけるよう、検査・点検を見直していく必要がある」としている。

ロープの一部破断を巡っては、今年3月以降、大手5社のほか、シンドラーエレベータ、日本エレベーター製造が保守管理する各1基でも確認されている。

結構微妙なニュースですね。
エレベータの保守について詳しいことは知らないのですが、元々複数のワイヤーで釣られていて、ワイヤーが一本破断したぐらいでは運用に差しつかえないし、釣っているワイヤーが全部無くなってもカゴは落下しないはずです。
だから、近年のエレベータによる死亡事故はカゴの上昇がコントロールできない時に起きています。

記事をよく読むと

調査結果は、国交省が社団法人・日本エレベータ協会を通じ、昨年6月以降に確認された破断件数をまとめたもの。

とのことですから、素直に読むと個々のエレベータを直接一斉に調査した、ということではないようです。
点検や異常の調査などで、ワイヤーの破断が見つかった、と解釈できます。

そうなると

いずれも直前の定期検査では問題がないと報告されており、同省では「ずさんな検査・点検で劣化が見過ごされた可能性がある」として、今後、エレベーターの定期検査の方法や報告について見直す方針。

とは実際には何が出来ればよいということになるのか?
ワイヤーが切れる前に切れそうだと発見するのはかなり難しいのではないだろうか?
そこで問題になってくるのが

原因については、設置からの時間経過に伴う経年劣化が15基で最も多く、小石などの異物混入が原因とみられる損傷が7基、さびによる劣化2基などだった。

経年劣化が一番多いのであれば、いつ設置されたものか、あるいは運転時間がどれくらいか、を問題にすれば対応策も出来るだろう。
そうなると、個々のエレベータの情報はメンテナンス会社にはあるわけだから、ワイヤーが破断したエレベータの台数よりも、緊急にワイヤーを交換するべき可能性のあるエレベータの台数を問題にするべきではないだろうか?

シンドラー社のエレベータが港区で起こした、高校生死亡事故の現場ではエレベータ管理会社を入札によって入れ替えたらメンテナンス費用(契約高)が数年で何分の1かに下がったとも言います。
どう考えても、点検でどこを手抜きするかを競っているわけで、その中でワイヤーについては「破断が分かればよい」であったのでしょう。
先に書いたとおり、ワイヤーの安全性は極めて高いので破断そのものが危険とは言えない、という解釈が成立しています。

これを問題にするのであれば、エレベータのメンテナンスコストは激増するわけで、国レベルではワイヤーの交換時期を定める、といったことの方が優先度が高いでしょう。
どうもここらにも「事故調査委員会」的な機能が働いていない、問題の提起がなされないと強く感じます。

6月 19, 2007 at 09:07 午前 もの作り, 事故と社会, 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.06.13

横浜市金沢のヘリ不時着の不思議

サンケイ新聞より「横浜の公園に米軍ヘリ不時着 けが人なし

13日午後3時半ごろ、横浜市金沢区、「なぎさ広場」に、米空軍横田基地(東京都)所属のUH-1Nヘリコプター(乗員7人)が不時着した。けが人はなく、ヘリに目立った損傷はなかった。
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無事着陸ではあるが、飛行場ではないところに降りてしまったことに間違えはない。
飛行場に降りことができればなんの問題もなかった。

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新聞の写真から推測するとこのあたりに降りたらしい。
ところが東に1.6キロほど先に、神奈川県の県警と消防のヘリコプター基地があって、立派な飛行場になっている。

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航空交通管制という観点ではどうなっているのか?と強く思う。
パイロットとしては地上から支援が受けられるということを考えても、飛行場に降りる方がよほど良いわけで、考えられるのは

  • 極めて緊急の事態で、目と鼻の先の飛行場まで飛ぶことが出来なかった
  • すぐそばに飛行場があることを知らなかった

ぐらいしか思い当たらない。
全く見当が付かないのは、どこの管制に対してでも「緊急で不時着する」という趣旨の連絡をすれば「すぐそばに飛行場があるぞ」というアドバイスはあるはずだ。

ヘリコプターが安全に広場に降りた、というのはヘリコプターの普通の機能なのだからなんの不思議も無いが、飛行場のすぐそばの場外にゆっくりと降りたというのは、極めて普通ではない。

何が起こったのだろうか?

6月 13, 2007 at 10:13 午後 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.06.09

プール吸い込み事故の暗黒面 市役所職員を起訴

2006年7月31日に埼玉県ふじみ市の市営プールで発生した「吸い込み死亡事故」について多く記事を書きました。

  1. プール吸い込み事故の暗黒面
  2. プール吸い込み事故の暗黒面その2
  3. プール吸い込み事故の暗黒面その3
  4. プール吸い込み事故の暗黒面その4
  5. プール吸い込み事故の暗黒面その5
  6. プール吸い込み事故の暗黒面その6
  7. プール吸い込み事故の暗黒面その7
  8. プール吸い込み事故の暗黒面その8
  9. プール吸い込み事故の暗黒面その9
  10. プール吸い込み事故の暗黒面その10
  11. プール吸い込み事故の暗黒面その11
  12. プール吸い込み事故の暗黒面その12
  13. プール吸い込み事故の暗黒面その13

2007年6月8日にさいたま地検は当時の市教委課長と係長を業務上過失致死罪でさいたま地裁に在宅起訴し、委託業者ら4人を起訴猶予処分としました。

朝日新聞 「ふじみ野プール事故、元市課長ら起訴

ふじみ野市の市営プールで起きた事故で8日、ふじみ野市教委の当時の職員2人が在宅起訴された。

<解説>

市が設置するプールだから、みんなが安心して使う――。ふじみ野市営のプール事故でさいたま地検は、期待を裏切るずさんな市側の管理の実態を重くみる一方で、業者側については、元々欠陥があるプールの管理を委託されたにすぎないと判断した。市と業者側で処分に差がついた一番のポイントは、事故現場が「市のプール」だった点だ。

県のプールを管理する指導要綱では、02年以降は吸排水口のふたをボルトやネジで留め、吸い込み防止金具をつけ、定期的に点検することが明記されていた。しかし、地検によると、ふじみ野市ではその点検が全くされていなかった。

吸水口のさくは四隅をビスで留めておかなければならなかったが、事故があった吸水口は、針金で1カ所が固定されていただけだったとみられるという。

市の2人は職務権限上、固定状況を確認する義務があり事故を防げる立場にあったのに、それを怠ったと判断された。

一方、起訴猶予となった管理委託業者3人については、責任は免れないが基本的には、さくがビスで固定されていない危険なプールの管理を委託されていたにすぎない、という考え方だ。

送検された6人のうち、事故発生時唯一現場にいた京明社の現場責任者についても、補修の針金を探しに行くなど、事故の際の対処に一定の理解を示した上で、「元々、さくが外れること自体があり得ない」とした。

事故後、全国各地の公営プールで安全性の不備が次々と明らかになった。「責任の所在を際だたせた」(地検幹部)今回の処分は、プール設置者である行政の姿勢を改めて問うものとなった。事故の真相は今後、公開の法廷の場で明らかにされることになる。

読売新聞 「ふじみ野プール事故  欠陥見逃し 市を非難

公営プールにもかかわらず、施設の欠陥を見逃した市側の責任が厳しく問われた格好だ。

■責 任■

さいたま地検は「外れてはならない吸水口のふたが外れていた」のが事故の主な原因と設定。プールを主管する市体育課の課長と係長は、プールを開場する前にふたがねじで固定されているかどうかを確認し、委託業者に固定状況を点検させる注意義務があったのに、確認も指示も怠っていたとした。

一方、委託業者側の3人については「当初からふたの固定が不十分なプールの業務委託を受けたに過ぎず、修繕の責任はない」とし、もう1人の市職員も「課長らの指示を受けたに過ぎない」として起訴猶予とした。

同地検によると、ほかの公営プールでは、担当職員が業者と固定状況を確認しており、「他市町村並みのことをしていれば事故は防げた。市が基本的な点検を怠った結果、本件事故が発生した」とした。

同地検幹部は「現場をほったらかしにしていた市は無責任極まりなく、業者とメリハリを付けた。客は『市だから』と安心して利用しており、市の責任は大きい」と指摘した。

    ■丸投げ■

事故があったのは昨年7月31日午後1時40分ごろ。プール側面の吸水口(直径約60センチ)に設置されていた2枚のふた(60センチ四方)の1枚が脱落し、遊泳中の女児が吸い込まれて死亡した。

その後の調べで、ふたがねじの代わりに針金で留められ、当時は左下の1か所しか固定されていなかったことが判明。さらに、市が運営を委託した業者が、下請け業者に無断で業務を“丸投げ”していたことも発覚した。

市は、厚生労働省や県が定めた安全点検なども十分に行っていなかった。関係者から「市職員はプールサイド周辺を歩くだけだった」との証言が出るなど、ずさんな管理が非難された。

毎日新聞 「ふじみ野のプール事故死:業者起訴猶予 「責任に軽重ない」両親、処分に困惑 /埼玉

市教委体育課の元課長(60)ら事故当時の市担当者2人が業務上過失致死罪で起訴され、行政の管理責任が厳しく追及されることとなった。一方で、管理業務を請け負った民間業者は全員が起訴猶予に。瑛梨香ちゃんの両親は「(行政と業者に)責任の軽重があるとは思えない」と複雑な心境を吐露した。

「ずさんの連鎖」。同市事故調査委員会は昨年10月、同プールの管理体制をそう指摘した。市は管理業務をビルメンテナンス会社「太陽管財」に委託。「太陽管財」は下請けの「京明プランニング」に再委託していた。

地検は施設管理者である市の責任感の欠如が事故につながったとの認識を示した。一方で、約1100万円で市から管理業務を委託され、下請けに「丸投げ」した「太陽」や、「京明」の現場責任者らは刑事責任を問われないこととなった。

両親は「傍観して事故を招いた現場責任者こそ責任が重いと考えていた。ふじみ野市や下請け業者が、たった1枚の書類・たった数分の確認を怠ったことが、どれだけ大切な命を奪ったのかを、もう一度自覚してほしい」とコメントし、処分に戸惑いを見せた。【町田結子、弘田恭子】

◇監督責任を重視--元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長

市職員2人を起訴したことは、監督責任を重視した考え方による選択で正当な処理だ。しかし、(フタが外れた後の)直近過失にあたるものが外され、事故発生に直接関係する管理責任が軽視されている。今後、同種の事故が発生した場合、請け負った側は責任を問われず、委託した側だけが責任を負うことになりかねないのではないか。

プール吸い込み事故の暗黒面その12で以下の記事を書きました。

「ARエコノート」の有田さんからでした。

そこで、さっそく拝見したのですが、「埼玉プール事故:欠陥プール」にわたしの勝手な推測とは比べものにならない詳細な記事が出ています。
写真で説明がありますから、是非とも記事をご覧いただくとして

「吐出側には安全格子があるのに、吸水側にはないよね。これは設計か施工に大きな問題がある」

出水口の安全対策まで配慮するような建築業者が、なぜ吸水口は危険なままにしていたのか。出水口の格子を見る限り、建築業者が安全対策をとらなかったというのはちょっと考えにくい。

とすると、吸水口の安全対策は別の業者が行ったのではないか。その別の業者とは誰か?

設計図書と完成図書を併せて見れば、当たっているのかどうかがすぐにわかります。 実は、私が入手した本件プールの建築図面には吸水口の位置もサイズもありませんでした。

だとすると、吸水口に関する図面は設備工事側の図面にあるはずが、現段階では私にはわかりません。

もし施工図面に吸水口の安全対策がないのなら当初から「悪魔の穴のプール」だったことになり、設計施工業者とオーナーのふじみ野市の責任はきわめて重くなります。

ふじみ野市が始めた事故調査委員会をみていると、プール本体の問題には一切触れず、受託業者やプール管理の問題に責任を押しつけようという気配が出てきましたので、敢えて私の考え・推論をここに公開する次第です。

という極めて恐るべき情報がありました。

つまり、この情報では管理の問題と言うよりも設備の問題だ、となっていて地検が市役所の職員を業務上過失致死罪で起訴したのは、この装置が本質的に欠陥があったと認定したからでしょう。

プールの吸い込み事故については、記事中に何度も書いていますが、毎年文科省(文部省)が出している指示を連続して無視していたこともあり、あまりにひどい管理状態であったと言えるでしょう。今回の起訴は他のプール管理者(教育委員会)への検察の強い警告という面も大きいのでしょう。

追記

この事件は、柵が外れていたから、被害児童が流水プールの循環ポンプの吸水口に吸い込まれて亡くなりました。

文科省がプールの吸水口に対して出している安全基準は、吸水口の網や柵はボルトなどで固定して引っ張っても取れないこと、万一に備えて二重に柵を設ける事、です。

ふじみ市の問題のプールでは、吐出口は二重の格子で吸水口は外れる柵だけだった。

これらは、工事の問題であって監視員が出来ることはプールの運用を止めることぐらいしかないでしょう。
しかも、市に対しては以前から問題点として柵の取付について報告(警告)があったとも伝えられています。

事故のその時だけを問題にすると、監視員や請負業者の責任が強いように思えますが、では他の業者や監視員が別の人間であった場合に事件は起きなかったのか?と考えれば「運が良ければ」になってしまうでしょう。

事故の本質は、装置の欠陥であり、しかも設計・設置の段階から法令違反の疑いが極めて濃厚な装置でありました。これらについて責任があるのは市である、ということです。

それにしても、日本では各種事故について事故原因を究明する部署が無く、刑事捜査の一環でしか究明できないのは安全を高めるという見地からは大問題でしょう。

6月 9, 2007 at 03:58 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.06.05

ジェットコースター脱線死亡事故その8

毎日新聞より「コースター事故:車軸と軸穴にすき間 長年使用で磨耗か

大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で、ジェットコースター「風神雷神2」の車両の車軸が折れて脱線し、乗客の女性が死亡した事故で、車軸と軸穴が長年の使用で摩耗し、すき間ができていた疑いが浮上した。
車軸は本来、軸穴にすき間なく差し込まれる構造設計だが、エキスポランド社の関係者は「走行に伴う摩耗ですき間ができる」と証言。
この結果、車体に固定された車軸のうち、折れた付け根部分に荷重が集中し、金属疲労を起こした可能性が出てきた。

折れた車軸は「ボギー軸」と呼ばれ、車体側と車輪ユニット側の軸穴にそれぞれ差し込む「はめ合い工法」で組み立てられている。
風神雷神2の車軸は、強度の強い特殊なはめ合い工法により軸穴にきつく差し込まれる設計で、中央部分と両端を固定している。中央部分が太く、最も荷重がかかる構造だ。

エキスポランドで遊具の保守点検に携わった経験のある技術者は「ボギー軸は、5~6年たつとはめ合い部分が摩耗しているものがあった。
接着剤ですき間を埋めたりして補修した」と証言する。解体点検の際は油圧式機械やハンマーを使って車軸を抜いたり、差し込んだりするが、摩耗が進行し抜けやすくなっているものもあったという。

本来、はめ合い部分で荷重を支える構造なのに、ここにすき間ができると、車体と固定された車軸の付け根部分に荷重が極端に集中する。付け根部分が支点となり振動などで車軸が上下左右に動くため、金属疲労による亀裂が進行するという。

風神雷神2と同型の立ち乗りコースターがある「よみうりランド」(東京都)でも、はめ合い部分の摩耗が原因で00年に車軸12本をすべて交換した。軸穴を再加工したため、差し込む車軸もそれに合わせて新しいものにしたという。

風神雷神2は15年前の使用開始以来、一度も車軸を交換していない。関係者は「どの程度の摩耗で交換すべきかは技術者の判断。
摩耗の進行を見落としていたか、まだ大丈夫だと判断したのではないか」と指摘する。

府警吹田署捜査本部は、コースター発生1カ月を前に4日、折れた車軸の破断面などの写真を公開した。破断面は金属疲労の特徴があり、専門家は「少なくとも数年前から金属疲労による亀裂が進行していたと推測できる」と指摘。
エキスポランド社は、年1回は車両の解体検査をしていたと説明しているが、数年間にわたり亀裂を見落としていた可能性が浮上した。

折れたのは2両目の車両の車軸で、ナットで車体と固定された部分が破断した。材質は鉄にニッケルとクロムを加えた合金で、折損部分は直径3.6センチだった。

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なんとも分かりにくい内容ですが、以前の記事「ジェットコースター脱線死亡事故その7」にアップしたシャフトの写真と「ジェットコースター脱線死亡事故その5」で示した構造図を合わせて見ると分かってきます。

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  1. 車体に車軸は締嵌めで取り付けられている
  2. 車軸に車輪ユニットが取り付けられる
  3. 車体側の穴が摩耗で大きくなる
  4. 車軸が長手方向に動くようになる
  5. 固定ナットに衝撃が繰り返し掛かるようになる
  6. 車軸のネジ部分が疲労して破断
ということのようですね。

回転方向の動きも当然あると思うのですが、どこが動いていたのでしょうか?
破断した部分だけで長手方向の抜け出しを押さえていることになりますね。これはちょっと怖い。
変形することで異常を知らせるとか、複数部品で支えるとか、いきなり致命的な事故にならないようにするという配慮に欠けた設計だと思います。
点検/補修すれば起きなかった事故ではあるが、設計不良と言えると思います。

しかし、運用側の整備担当者はこのような構造であることを承知していたのだろうか?
整備情報のノウハウを交換することは飛行機では組織的に行われているのだが、他の機器ではどんなものだろう?

6月 5, 2007 at 09:37 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.06.01

エレベータ死亡事故・メンテナンスで見逃し?

朝日新聞より「管理会社の立件を検討 シンドラーエレベーター事故

以前から

と延々と書いてきましたが、どうやら事故の直接原因としてメンテナンス不良(メンテナンス会社の責任)ということになりそうです。

東京都港区の公共住宅で06年6月、エレベーターに挟まれて高校生が死亡した事故で、保守管理会社がブレーキの摩耗を見落としていた可能性が高いことがわかった。
警視庁は摩耗が事故につながったと判断、エス社側を業務上過失致死容疑で立件する方向で検討に入った。
製造元の「シンドラーエレベータ」側の刑事責任の有無についても、引き続き調べている。

捜査1課などの調べでは、エス社は06年度から同住宅のエレベーター保守管理業務を受注。
月2回点検の契約で、担当者が直前の4月と5月に計4回点検していた。
最後の定期点検は5月25日で、事故8日前の同月26日にも機械の具合を見ていた。

警視庁が事故機のブレーキを調べたところ、隣の同型機よりパッド部分が摩耗していた。
ブレーキを解放する部品の不具合で、必要ない時もブレーキがかかった状態が続き、パッドが摩耗したとみられる。

その結果、ブレーキが十分に機能せず、12階に止まって扉が開いている最中にかごが上昇。
かごから降りていた市川大輔さん(当時16)が床と天井に挟まれたと判断した。

調べに対し、エス社側は「摩耗は事故直前の数分で進んだ。
点検に不備はなかった」と主張。点検担当者も「ブレーキの構造がよくわからず、細かい調整はできなかったが、外見でわかる摩耗はなかった」と説明したという。

しかし、同庁は、ブレーキの新旧や気温など条件を変えながら実験を入念に重ねた結果、最後の点検から事故までの間では、パッドの摩耗は大きくは進まないとの見方を強めている。

住宅側との契約上、パッドの摩耗具合も重要項目の一つとして点検することになっていた。
事故直前の点検では、摩耗が進んでいたため、ブレーキ周辺にパッドの削れた破片などが散っていたはずで、担当者が摩耗を見落とした疑いが強いと同庁はみている。

ちょっと分かりにくい内容ですが、事故を起こしたエレベータの仕組みは、

  1. カゴを重りでバランスを取っている
  2. カゴは人が乗り降りして重くなったり軽くなったりする
  3. 従って、重りでは完璧にバランスさせることは不可能
という仕組みです。

事故当時のように1人しかカゴに乗っていない場合には、重りが下がりカゴが上がる方向に動く力が掛かっています。(重りの方が重い)
バランスが取れていていないから動いてしまうエレベータを静止させるために電磁式のブレーキが働いています。
当然のことながら停電に対応するために、

  • ブレーキはカゴを静止させる時には電力切り
  • ブレーキを緩めてエレベータが上下する時には磁石に通電してブレーキを緩める
仕組みです。

事故は、エレベータが停止してドアが開き亡くなった高校生が降りようとした時に、エレベータが上昇して天井との間に挟まって死亡しました。

事故の直接原因は、ブレーキパッドの摩耗していてブレーキが働かなくなっていたからで、なぜそのような状態になったのかが問題となっていました。

  1. 静止しているべきエレベータが動いてしまった。
  2. ブレーキバッドが摩耗していたのが原因
  3. なぜブレーキパッドは摩耗したのか
  4. 電磁ブレーキの電磁石機能が弱っていた
  5. エレベータが上下する時に電磁石の力によって離れているべきブレーキパッドが接触していたので急速に摩耗が進んだ
この段階で、メーカー・メンテナンス会社サイドの見解が
  1. ブレーキパッドの摩耗は事故直前の数分間で進んだ
だったものですが、警視庁が実験した結果
  1. ブレーキパッドがブレーキドラムに接触している状態で
  2. 最後の点検から事故発生までの8日間では摩耗しないと判定
定期点検でブレーキパッドの摩耗、電磁ブレーキの劣化を見逃していたと結論づけた。ということでしょう。

それにしても、ブレーキパッドが摩耗してしまうと動いてしまうという構造で良いのでしょうか?
難しいのかもしれませんが、ブレーキパッドが摩耗するとロックしてしまって動かなくなる仕組みも不可能ではないでしょう。
なんか仕組みとしておかしいような気がします。機構を単純化して製作側のコストダウンをしたのだろうと想像しますが、メンテナンスの手間や重大事故の可能性は高くなっていたので果てないでしょうか?それだとトータルコストとしてどう評価するべきなのか?色々な問題が顕わになってきました。

6月 1, 2007 at 10:01 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.05.21

富士山頂気象観測装置が停止

東京新聞より「無人化強行 2年半 富士山測候所 データ途絶

気象庁が無人化した富士山頂の富士山測候所で、四月中旬から湿度が観測不能になっていることが分かった。
落雷や着雪による観測装置の障害が原因とみられる。
気温と気圧は辛うじて観測を続けている。三年前の無人化後、装置の故障やデータの異常で“綱渡り”の観測を繰り返してきたが、気温、湿度、気圧のいずれかのデータが完全に途絶えたのは初めて。

同庁は「自動観測技術の進歩で職員常駐は不要になった。無人化しても観測に支障はない」として、二〇〇四年十月、庁内外の異論を振り切って職員を下山させた。
観測装置は三系統あり、それぞれ気温と湿度、気圧を自動観測して同庁に衛星回線で送信していた。

同庁によると、このうち二系統の観測データが四月十四日未明に突然、一斉に途絶えた。
上空を強い雨雲が通過中だったため、落雷による障害の可能性が高いという。

残る一系統は、湿度が90%台を示したまま全く下がらなくなり「自然現象を観測しているとは言えない」として欠測扱いせざるを得なくなった。
「無人なので正確な状況は分からないが、観測装置に雪が大量に付くなど、水分の供給源が近い所にあるためではないか」(同庁)という。

このため、湿度データは四月十四日以降、一カ月以上も欠測が続いている。
残った一系統の気温と気圧については日々変動を繰り返しており、現時点では異常なデータとは判断していない。

残雪の少なくなる六月には職員を現地に派遣して、原因調査と復旧をさせる予定。
同庁観測部計画課では「山頂の湿度データを最も利用するのは、霧の有無などを判断する登山者。
今はまだ山開きしておらず、予報や防災情報にも直接の影響はない」としている。

富士山測候所は無人化後、トラブルが相次いだ。〇四年十一月、メーン観測装置二系統のうち一系統が故障。
昨年五月にはメーン二系統が壊れ、予備の一系統でしのいだ。
また、一昨年、昨年とも冬季に極端に高い湿度が続き、観測データが疑問視されていた。

<メモ>富士山測候所 1932年開設。65年、富士山レーダーも完成し、台風監視に活躍。99年のレーダー廃止後も職員4人が3週間交代で常駐、気象観測を続けた。
2004年の無人化後は気温、湿度、気圧と夏季の日照時間だけ機械で自動観測。
施設の劣化が懸念される中、大気化学の研究者らが極地高所観測の拠点としての再生を目指している。

無人化(2004年)の時にあっちこっちから懸念が出されたのですが、無人化を押し切ったという感じでした。
機器のメンテナンスに問題があるかな?と思っていたのですが、意外と早かったなという感じですね。

それにしても、気象観測機器が落雷や雪の付着といった気象現象で機能停止しては自動化できないということですね。
「利用するのが登山者だから」というのは基本的に言い訳にもなっていないと思う。

雪が付くといった現象については常駐者がいれば手作業で対応することだろうけど、落雷で壊れたなどというのは人が居ても修理以外の方法は無いのではないか?だとすると無人であるからすぐには修理できないというのでは、無人化のための策が確立していなかったというしかないと思うところです。

観測が止まった。観測が止まっても緊急に差しつかえない。というのは了解しても、この程度の対策しかないという状況でも無人化しなくてはならないのだとすると、そうなる背景の方がよほど問題だと思うところです。

5月 21, 2007 at 09:19 午前 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.05.14

ジェットコースター脱線死亡事故その7

Up_16 四国新聞より「検査で摩耗見逃しか/大阪のコースター事故

「エキスポランド」で事故を起こしたジェットコースター「風神雷神☆」と同じ立って乗るタイプで、別の遊園地にあるコースターの車軸が、7年で交換が必要な基準値まで摩耗し、交換されていたことが13日、分かった。

関係者によると、7年で車軸を交換していたコースターを運行するのはよみうりランド(川崎市)。
風神雷神☆と同じトーゴ社製で、超音波などで小さな傷を調べる探傷試験を委託するメンテナンス会社「トーゴサービス」は8年での交換を奨励していた。

解説によると、写真は破断したシャフトと同じものだそうです。

写真の上側がネジで、穴はクラウンナットのワイヤー穴でしょうね。

この写真の上・下どちら側に車輪ユニットが付くのかちょっと分からないのですが、写真で見ると下側はテーパー軸のようにも見えます。

写真の下側は、ナットですよねぇ?

気になるのは「基準値まで摩耗した」でして、どこが摩耗するのだ?とも思うところです。

どういう動きをする仕組みなのでしょうかね?

5月 14, 2007 at 09:30 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.05.13

ジェットコースター脱線死亡事故その6

朝日新聞より「エキスポランド社、探傷試験の記録残さず

エキスポランド社が車軸の微細な傷を調べる「探傷試験」について、実施結果を示した記録を社内に保管していなかったことが関係者の話で分かった。府警は同社のずさんな安全管理が事故を起こしたとみており、エキスポ社の検査担当者らから探傷試験の実施状況を聴く。

探傷試験は、遊戯施設の車軸など主要部品について、目視では判別できない微細な亀裂や傷を超音波や磁粉で調べる試験。日本工業規格(JIS)が年1回以上の実施を定めている。

エキスポ社は、毎年1~2月にこのコースターの定期検査を行い、探傷試験も実施していた。しかし、今年は試験の場所が確保できないとして探傷試験のみを大型連休後に延期したとされる。03年以前にもこうした先送りが複数回あったという。

エキスポ社は少なくとも06年までの3年間については、通常通り定期検査時に探傷試験を実施した、と説明している。

ところが事故原因を分析するため、府警がエキスポ社を

家宅捜索したところ、
昨年までに実施した探傷試験の
記録が見つかっていない

という。

JISの基準作成にかかわっている専門家は「試験を実施すれば記録を取り、それを保管するのは、法律以前の事業者としての常識」としている。これに対し、エキスポ社は記録の有無について「わからない」としている。

どこの世界に探傷試験のの結果を残さないということがあるのものか。

探傷試験に問題が無くても、後で問題が起きたときに「探傷試験の結果を検討しよう」となるのが普通だろう。だとすれば次回の探傷試験までは記録を残さないと、探傷試験を実施した意味がない。

「分からない」ではなくて「実施していない」のではないだろうか?少なくとも「検査結果の活用をする意志がなかった」と責められても仕方あるまい。

ところで、エキスポランドの施設で探傷試験を実施するべき施設は複数あるようだが、その記録はどうなっているのだろうか?非常に気になる。

5月 13, 2007 at 11:59 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.05.11

小学校で屋上から落下物

毎日新聞より「突風:小学校屋上から鉄製ふた落下、児童2人重軽傷 兵庫

10日午後3時すぎごろ、兵庫県宝塚市立中山五月台小の南校舎(4階建て)屋上で、冷房設置工事のため置いてあった配管ダクト用鉄製ふた(幅30センチ、長さ2メートル、厚さ1ミリ、重さ約5キロ)が突風で飛ばされ、集団下校のため校庭にいた6年生約60人の上に落下した。

男児が左腕を複雑骨折する重傷を、女児(11)が額に軽傷を負った。

同市消防本部によると同日午後3時10分ごろ、風速14.9メートルの突風が観測されていた。

4階建ての屋上から300×2000の鉄板が落ちてきて死者が出なかったのは幸いでありました。

強風で置いてあった鉄板が飛んだというのも置き方に過失があるかと思います。しかしそれ以上に問題なのは、屋上で工事をしている下を集団下校させていたというのはどういうことなのでしょうか?

板とは言っても重さが5キロにもなるもので、風に乗ってひらひらと遠方まで飛んだとは言えないでしょう。
安全についてどこか根本的なところに違和感を感じます。

5月 11, 2007 at 09:12 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.05.09

ジェットコースター脱線死亡事故その5

「ジェットコースター脱線死亡事故その4」の続きです。

サンケイ新聞より「メンテナンス悪かった エキスポランド幹部、責任認める

エキスポランド社の幹部が事故後、取引先の関係者に「今回の事故はメーカーの製造責任はない。すべて私どものメンテナンスが悪かった」と事故の責任を認める証言をしていたことが9日、分かった。

当初、「解体スペースがなかった」などと説明していたが、実際には新たな倉庫が3月に完成していた。

「風神」は大手遊具メーカー「トーゴ」(会社更生法適用)が製造。
エキスポランドは購入後、平成4年3月から運用を開始し、導入後のメンテナンスは所有者の同社が独自で実施していたという。

関係者によると、エキスポランド社の幹部は事故後、取引先の複数の関係者に「老朽化した部品は製造メーカーの関連会社が提供していたが、当方で事故機の車軸を交換したという実績はなかった」と話した上で、事故について「メーカーの製造責任はなく、すべてメンテナンスが悪かった」と責任を認めたという。

また同社は例年1~2月に車両を解体し、超音波や磁気などで金属内部の亀裂を確認する探傷検査を実施していたが、今年は1月末に目視検査だけを行い、探傷検査は連休後の5月15日に先送りしていた。

当初から出ていた話に段々と近づいている、という感じです。

乗客の話として何分か前から段々と調子が悪くなってきたとの情報があって、常識的にもそれまで全く変形もない部品が突如として破断することはそうそうあることではありません。

そこで問題になるのは分解検査よりも日常点検や運用中の異常を発見する能力がどのようなものだったのか?でありますが、サンケイ新聞の別の記事コースター事故 破断個所は日常点検外 捜査本部、部品を鑑定」によると

事故原因となった2両目の車軸の破断個所は、同社の日常点検の対象外だったことが9日、吹田署捜査本部の調べで分かった。
折損原因は長時間同じ負荷が繰り返しかかったことによる金属疲労との見方が強まっており、捜査本部は点検の在り方に問題があった可能性もあるとみて破断した部品を鑑定し、破断に至ったメカニズムの解明を急ぐ。

調べでは、同社は月1回の定期点検以外に、

コースターの始業点検と
中間点検の1日2回実施している。

事故当日も担当社員2人が無人でコースターを3周走らせる点検や目視による確認などをしたが、異常はないと判断した。
しかし事故原因となった車軸の破断個所は日常点検の対象になっていなかったという。同社は「現時点では日常点検の項目に入っていなかったとしか言いようがない」と説明している。

これまでの調べで、破断したのは6両編成の立ち乗り式コースター「風神雷神II」の2両目の左側車輪の車軸。車軸は長さ約40センチ、直径約5センチのニッケルクロム鋼と呼ばれる合金製。大小5つの車輪で構成されるユニットと車両本体をつなぎ、車軸の先端がナットで固定されている。

Up_15

破断個所はナットで覆われ外から見えない部分が軸の方向に対し垂直に折れており、断面は凹凸がなくほぼ平らな状態だった。先端部分がナットの根元から折れた後、点検孔から飛び出し、落下したとみられる。

日常点検が一日2回であるのなら、事故が起きた0時50分ごろというのは点検直後であるかもしれません。
また何回も乗っている乗客は午前中に乗ったときにも「以前とは違う」と感想を述べていて、継続的に試運転をしているのであれば何らかの異変を発見できたのではないかと考えられます。

これらのことから大いに考えられるのは、日常点検も形だけのものであったのではないか?です。

何らかの異常サインを見逃していたのであれば、正にハインリッヒの法則そのもので、何かを見過ごしていないか?を検証することが重要であると思います。

5月 9, 2007 at 09:54 午後 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.05.08

ジェットコースター脱線死亡事故その4

ジェットコースター脱線死亡事故その3」の続きです。

産経関西より「スタート直後、激しい揺れ 5両目の乗客証言 コースター事故

軽傷を負った京都市内の40歳代の男性会社員が産経新聞の取材に応じ「乗った瞬間に違和感があり、スタート直後から激しい揺れを感じた」などと事故の状況を詳しく証言した。

捜査本部は、事故を起こした車体に、発車前から異常があったことを示す重要な証言と判断。7日も業務上過失致死傷容疑で前日に引き続き現場検証しており、車輪を支える車軸が折れて脱線した2両目を中心に調べている。
今回の事故で乗客の具体的な証言が明らかになったのは初めて。

男性は6日午後、自宅で取材に応じた。男性は5両目の前列右側に乗車したが、

1年前にも同型車両に乗車しており、
当時と比べ「乗った瞬間に違和感があった」
と証言。

コースターが出発した直後から激しい横揺れを感じ、車輪が脱落したコース後半の降下に差し掛かった際、「『バキバキ』という異常音がして明らかにおかしいと思った」という。

脱落後、急停止した瞬間、車体が跳びはねるような縦揺れを起こし、激しい衝撃で一瞬気を失ったが、気付いた時は部品の白い破片が飛び散り、金属のこすれたようなにおいがしたという。

立って乗るのですから、違和感は足で感じたたとも言えるわけでしょう。簡単に言えば、傾いているとか方向がずれているといったことであると考えて良いでしょう。

この男性は5両目に乗車しているのですが、実際に壊れたのは2両目ですから、2両目はそうとうおかしな状態であったのではないか?と考えます。

出発直後から揺れたとは他にも取材に答えた人の話として伝っていて、確実なようです。
そうなると、音や作動状況に変化があったと見るべきで、運行係員などは変化を感じていなかったのか?が問題になるでしょう。

ハインリッヒの法則が当てはまるのではないでしょうか?

5月 8, 2007 at 08:34 午前 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.05.07

ジェットコースター脱線死亡事故その3

「ジェットコースター脱線死亡事故その2」の続きです。

NHKニュースに興味深い記事が出ています。「超音波検査を先送り ジェットコースター事故」の中に出ています。

エキスポランドは、普通なら毎年1~2月、建築基準法で定められた年1回の法定検査を行う。

車両を解体して「探傷検査」と呼ばれる超音波を使って部品の内部亀裂の有無などを調べるのだが、今年は

解体に使う車庫に空きがなく

、5月の連休後に先送りした、という。

これで想像できることは、日常点検では静止状態で部品の取付にゆるみがないかをチェックするぐらいだったろうということです。
鉄道などではハンマーでチェックするといった方法で実績はありますが、それは部品の定期交換が前提になっているわけで、今回はどうも部品交換をしないという方向だったようで、それでは「いつか破断が起きることを覚悟」の運用とどう違うのか?となりますね。

お客にサービスを提供できる体制ではなかった、となってしまいます。

「金属疲労は想定していなかった」と釈明していますが、じゃあ「破断しないと考えていたのか?」にしかならない、力を繰り返し受ければいつかは物が壊れるのは人類の常識であって、破壊のメカニズムの問題ではない。

「金属疲労による破断は想定していなかった」という釈明は部品の定期交換をしている場合に、交換時期に至る前に破断事故があった場合だけで、今回のように「壊れるまで使うことになっていた」では当然の結果であって、もし磁気探傷などで事前に発見できたら運が良かったということにならないか?

5月5日夕方(事故当日)の記者会見では

事故原因については、同社の保守点検に問題がなかったことを強調。事故の状況や原因について説明した建部淳・施設営業部長は車軸が折れた原因について「金属疲労か、加工の際に何らかの欠陥があったかのどちらかだと考える」と述べた。

さらに「保守点検の責任は当社にある」としながらも、「金属疲労の場合は日々の目視点検では見つけられない」「加工上の欠陥はメーカーの問題になる」との見解を示した。

折れた車軸は平成4年の「風神雷神II」導入以来、一度も交換されていなかったが、「過去に不具合はなかった」「休日は2台とも動かしているが、入場者の少ない平日は交互に1台ずつを休ませている」などと自社の正当性を繰り返した。

とまで言っているのだが、折れたシャフトの寿命をどう見ていたのか?と突っ込んでみれば良かったのに、と思う。
いつか壊れる、と分かっていて検査すれば事故になる前に交換時期が分かる、と思い込んでいたとすれば、保守点検の実務の問題じゃなくて考え方として失格だろう。

5月 7, 2007 at 09:29 午前 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.05.06

ジェットコースター脱線死亡事故その2

「ジェットコースター脱線死亡事故」の続きです。

複数の新聞に色々な記事が出ていて、全部を総合して読むと運用上でかなり問題があったのではないか?と思われます。

最初にサンケイ新聞から構造図を引用します。

Up_14

NHKニュースより「折れた車軸 1度も交換されず

エキスポランドによりますと、2両目の車両は、左側の車輪を車体に固定する長さ40センチほどの車軸が折れて、車輪が脱落したため、脱線したとみられていますが、この車軸は、15年前に運行を始めてから1度も交換されていないことがわかりました。

サンケイ新聞より「車軸、1年以上無点検 整備ミスの可能性も コースター死亡事故

車軸は毎日の点検や月1回の定期検査の対象でなく、最後の点検は昨年2月だった。
今回の事故について各地の遊園地関係者は、整備ミスの可能性を指摘しており、エキスポランドの安全管理体制が今後の焦点となりそうだ。

車輪のユニットは5個の車輪で構成される。
円柱状のレールを上から車輪2個、下から車輪1個、外側から車輪2個で挟み込む仕組み。
1両に左右それぞれ1ユニットずつある。左側の車軸が折れたため車輪ユニットごと脱落、車両ごと左側に倒れて鉄柵(てっさく)に直撃した。

車軸は合金製。折れたのは外側の先端部分で、ユニットを固定するナットの内側にあたる。
カーブが続き、遠心力を受けるなどして負荷が掛かった可能性がある。

「金属疲労か、部品を加工する際のミス」と同社幹部は説明する。ユニットのカバーののぞき窓から毎朝、ナットの締め具合などを確認していたが、車軸の状態は超音波などを使った年1回の分解検査でしかチェックできないという。

風神雷神IIは2編成を交互に使い、1日に計約180回運行していた。

風神雷神IIは、大阪市で開かれた花の万博で人気を集めた「風神雷神」をスケールアップしたとされる。
“元祖”の風神雷神は、花博会場で突然止まる事故もあったが、熊本県荒尾市の「三井グリーンランド」で平成3年3月、再デビューした。グリーンランドは毎朝、車軸の状態を確認。
運行3万回ごとにメーカーで検査し部品を取り換える。

最近は18年9月に検査し、ねじなどを交換。
「1カ月以上かかり、費用も膨大になるが、やむを得ない」と東健次・遊園地支配人。
「車軸が折れたのなら整備ミスが大きいのではないか」とし、「ちょっとしたことで大事故につながる。きちんと整備をやっていく必要がある。金属疲労で折れたのか、構造的な問題か判明しないが、金属疲労なら目視では分からない」と話す。

13年5月、コースターの車軸が折れ、重傷者2人を出した富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)は、専門業者に依頼し3カ月に1回、超音波で車軸を含め車両全体の傷を調べている。

朝日新聞より「エキスポランド、2月の定期検査で事故機をA判定

大阪府吹田市のジェットコースター死亡事故で、エキスポランド社が今年2月に吹田市に提出した事故機の定期検査報告書で、今回の事故で破断が起きた車軸も含め、全検査項目を「A判定(=良好、指摘なし)」としていたことがわかった。

破断につながるような傷やゆがみがあれば事前に発見できた可能性もあり、同社の定期検査が適正だったかどうかが、原因解明と責任追及の焦点となる。

報告書は、モーターやブレーキ、座席などの検査結果を「良好・指摘なし」から「要注意」「要修理・法不適合」までABCの3段階で評価するが、同社は「台車・車輪装置」も含めて全項目をA判定としていた。

同社は例年、事故機の定期検査の際、あわせて車両を分解する点検も自主的に行っているが、今年は開園35周年記念の新アトラクションをつくるため、今月15日から始める予定だったという。

国土交通省の定める定期検査とはエレベータと同じものだと覚えています。
いわば検査として日常点検の次ぐらいの位置づけと言って良いでしょう。
では実体はどうか?と見ると

車軸は、15年前に運行を始めてから
1度も交換されていない

他社はというと、運行3万回ごとにメーカーで検査し部品を取り換えるとのことですから、15年間無交換で何回ぐらい稼働したか?となると、15年×1日に180回×年間300日=81万回。桁が違います。

構造図を見ると、上側に2個、下側に1個、側面に2個と5個の車輪が付いている台車が一本の車軸に取り付いている構造ですが、この軸と台車は回転運動をするように取り付けてあるのではないかな?と想像します。

であるとすると、きちんとスイングするのか?は重要な機能ですが、それを確認するためにハレールの無いところで動かして動作を確認する必要があります。直感的にはそういう検査はしていなかったのではないか?と思います。

どういう検査をしてきたのか?が一番の問題と言えるでしょう。

5月 6, 2007 at 11:38 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2007.05.05

ジェットコースター脱線死亡事故

NHKニュースより「コースターで事故 1人死亡

5日午後0時50分ごろ、大阪・吹田市の万博記念公園にある遊園地「エキスポランド」で、「風神雷神II」というジェットコースターが走っている途中、車両が手すりに衝突しました。

吹田警察署や吹田市消防本部によりますと、ジェットコースターには22人が乗っていて、このうち女性1人が死亡し、21人がけがをして病院で手当てを受けています。
さらに、事故を目撃した12人が気分の悪さを訴えて病院に運ばれました。

エキスポランドの事業部によりますと、事故が起きた「風神雷神II」は、車両が6両つながっていて、1つの車両に4人の乗客が立ったままの姿勢で乗り込みます。
事故は車両が脱線して起きたということですが、詳しい状況や原因はまだわかっていません。

事故のあと、エキスポランドでは園内のすべての乗り物の営業とアトラクションをとりやめて新たな入場を中止し、園内に入っている人も外に出てもらっています。
5日は大型連休中ということもあり、大勢の人でにぎわっていたということです。

NHKの上記サイトではテレビ放送のネット版を見ることが出来ます。
その説明によると

目撃した人の声
「ジェットコースターは数百メートル手前からベールから車輪が離れ、左右に大きく揺れながら走っていた。乗っていた人は大きな悲鳴を上げていた。」
15分ぐらい前に乗っていた人の声
「揺れがすごくてて、一回目よりもすごくて。ジェットコースターの特有のことかなと思っていたが、ちょっとおかしかったなあと思います。」

ということで、かなりすごいことです。

新聞社の空撮写真などを見ると、脱線していますが、ジェットコースターは構造上、車輪が上下左右から押されえているので脱線するためには車輪が吹っ飛ぶといったことなります。
報道では「部品が飛んだ」という情報もあります。

NHKのインタビューに答えた女性の証言「2回目に乗ったら1回目よりも揺れが大きく異常にも感じた」ということだとすると、突然壊れたのではないのかもしれません。
しかし、今回は現実の死亡事故になるまで、チェックされなかった、となってかなり重大な問題と言えるでしょう。

5月 5, 2007 at 05:11 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.05.01

鉄道ホームにホームドアの設置を

産経関西より「JR大阪環状線桃谷駅、目の不自由な夫婦が転落

29日午後2時半すぎ、大阪市天王寺区のJR大阪環状線桃谷駅で、針灸師、恵坂さん(70)と妻(69)がホームから線路に転落。
外回り線の普通電車(8両編成)にはねられ、恵坂さんが右腕を切断し意識不明の重体、幸子さんも右あごや鎖骨を折るなどの重傷を負った。

2人は目が不自由で、電車が到着したと勘違いし、乗り込もうとしたところ誤って線路に転落したとみられる。

つえを持たず、2人で手をつないで電車の到着を待っていたが、電車がホームに到着する直前に線路へ向かって歩き出し、そのまま転落した。運転士が急ブレーキをかけたが間に合わなかったという。

妻は「電車が到着した気配を感じたので先頭車両に乗り込もうと思った」と話しているといい、電車が速度を落としてホームに入ってきたのを「止まった」と勘違いしたらしい。ホームには点字ブロックが設置してあったが、転落防止用の柵などはなかった。

2人は天王寺駅にある百貨店に買い物へ行く途中だった。

最近は電車に乗るたびに「以前より危険になったのではないか?」としばしば感じます。
なんかホームがいつも混雑している感じで、またホーム上にヘンな設備が増えたようにも感じます。

考えてみると、エレベータやエスカレータが増えてホームの通路も階段も狭くなってきました。
さらに、わたし自身も含めて電車に乗る人の荷物が増えていると感じます。

極端なことをいえば、男性であれば週刊誌一冊だけ、女性ではハンドバック一つだけ、という方をほとんど見かけません。
コロの付いているバッグを引きずっている人は男女とも珍しいものではなくなりましたし、中学生や高校生が通学カバン以外に巨大なバッグを持ち歩いていることも多いです。
さらに、自分も含めて携帯電話をを常時扱っていることなど、ホームが通路として機能しにくくなっていて結果として「混雑している」という面があるのでしょう。

だから危険に感じる、ということだとするとこれはホームドアの設置を早急に進めるべきでしょう。
わたしの地元の横浜市営地下鉄はホームドアの工事を進めていますが、ホーム自体が不便になるような印象は全く受けません。
東急池上線などはワンマン運転化のために固定式の柵を置いて光センサーでホームと電車の扉の間に人が居ないかを検知しています。

現在のほとんどの電車のホームが何もないという方がいささかヘンなのであって、何らかの柵を置くべきだし、柵を置けば光センサーを設置することで、ある程度の対策になるでしょう。
柵自体をホームドアにすれば非常に安全になると思います。そんなに難しいことではないし、既存の施設にさほど影響しないで設置できるようです。鉄道各社には、ホームの積極的な安全向上を進めて欲しいものです。

5月 1, 2007 at 11:24 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (1)

2007.03.27

無資格者のエレベータ点検

読売新聞より「シンドラーなど2社、経歴詐称でエレベーター点検資格
エレベーター会社「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)と、独立系保守点検会社「ハイン」(新潟県三条市)の社員、元社員計67人が、実務経験を偽ってエレベーター検査の資格を得ていたとして、国土交通省は27日、全員の資格を失効させた。

失効となったのは、シンドラー社が87~03年にかけて「昇降機検査資格者」の資格者講習を受けた53人、ハイン社が01~06年の14人。

67人は、受講資格である、専門学歴に応じた実務経験年数が足りなかったのに、入社年次や勤務内容を偽って受講し、資格を得ていた。

中には、11年の実務経験が必要なのに、実際は入社直後だったり、営業担当しかやっていなかったケースがあった。こうした経歴は提出書類に社長などの印鑑とともに会社が証明しており、国交省は会社ぐるみの不正行為と判断した。

エレベーターには年に1回、建築士や昇降機検査資格者による法定点検が義務づけられている。国交省では、67人のリストを建物を所管する全国の自治体に送付、再点検の対象となるエレベーターの特定を急ぐ。

今回の不正は今年1月末、国交省などに、両社別々に送られてきた匿名の投書で発覚した。

シンドラー社社長室の話「本社として指示をしたわけではないが、有資格者を増やすことをビジネス上の優先項目としており、各支社などに不正を許す雰囲気があったのかもしれない。関係者の方にご迷惑をおかけしたことをおわびします」

ハイン社の話「仕事の段取りを優先させるために、現場の担当者の判断で行っていたようだ。不正を把握していなかったことは非常に申し訳ないと思う」
両者とも「無資格者は一部」とも受け取れるコメントをしているが、シンドラー社が53人、ハイン社が14人というのは社員数に比べてどうなんだ?と気になって調べてみた。

シンドラー社
従業員 340人(2005年12月31日現在)

53/340=16%
ハイン社
従業員数 42人
14/42=33%
だがしかし、エレベータ製造会社や保守会社でも全社員が有資格者というのはあり得ないから、シンドラー社では全社員の1/4が保守サービス担当者だと仮定すると、85名中の53名が無資格者だとなってしまう。
同様に、ハイン社は専業の保守サービス会社だから全社員の2/3が担当者であるとすると、28名中の14名が無資格者。

過半数が無資格者だったということになってしまう。
エレベータの保守料金がものすごいダンピングになっていたというのは、「エレベータ死亡事故・その10」やそこにも紹介している「シンドラーエレベータ・自治体困惑と言うが」に書いたように、競争入札によって「内容を問わず安ければよい」とやるから、こんな事が起きるのでないのか?

そうでなければ「エレベータの保守点検費が3年間で1/4になる」なんてことは起こりえないだろう。

もし、同じような物品やサービスについて競争入札つまり価格調査をするのであれば、平均値を調べて平均値であれば平均的な物品やサービスを買うことが出来るだろうし、さほど難しい判断も必要ないだろう。
それが、平均値よりかなり外れた価格であれば「どういう理由でこんな事になっているか?」と調べるからこそ、価格.com が必要とされるわけですよ。

これはものの当然と言うべきで「安くなる(高くなる)のには理由がある」だから、採用する側の調査コストや後からの点検や場合によっては事故が起きたときのリスクまでもコストとして潜在的に上乗せされているはずで、それを無視しないと「3年間で1/4になった」なんて現象を見逃してしまうことになります。
実際に、港区のマンションで使われていたシンドラー社製のエレベータは二基とも他社製に交換になりました。そういうコストとして跳ね返ってきたのです。

もちろん、人件費の問題もあるでしょうからニセの有資格者なんてものが出てきた。
先日、どこかのテレビ局の社会評論の番組でこんな事を述べていました。
自由競争社会にすることで、価格競争になって耐えられない企業は市場から退場するから、結果的に適正価格の市場が形成されると期待していたのだが、日本の企業はほとんど退場しない価格割れでも品質を落としてでも市場にしがみつく。
この結果として適正価格を大幅に割り込んで安全性などを無視しするところまでコストダウンしても良いという風に変わってしまった。
自由競争で健全な市場が形成されなかった。
これは一面では正しいでしょうね。
日本の市場は自らリスクを取るという習慣がほとんど無いです。その結果が「安くなっても品質は変わらない」という誤解が生じています。
もちろん一部には需要家側が品質などをがっちりチェックしている業界はありますが、それは正に「業界人」の世界の話であって、専門家では無い人が構成する「市場」では相変わらず「値段だけの比較」になってしまっています。
ここにこそ今回の問題の根っこはあると思います。

3月 27, 2007 at 10:50 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.09

茨城県の貨物船座礁事故

10月6日に茨城県神栖市で起きた貨物船の座礁沈没事故は9万8千トンの大型船の遭難で、何が起きたのか不思議だったのだがかなり不運が重なったようです。

朝日新聞より「錨の巻き上げ機不調、退避遅れる 茨城沖の貨物船座礁
毎日新聞より「茨城貨物船座礁 いかり上げる機械故障、出発遅れた
朝日新聞より「ブローバイ現象で出火 船長が説明 茨城沖座礁
保安部は5日に「風雨が強くなるため、安全な場所に移動してほしい」と各船に注意喚起した

貨物船ジャイアント・ステップが座礁した事故で、同船は錨(いかり)の巻き上げ機がうまく作動しなかったために安全な沖合に避難するのが遅れていたことが8日、茨城海上保安部の調べでわかった。

6日早朝、避難の準備を始めたが、機械が故障し、いかりを巻き上げられなかったという。同日午後1~2時ごろ、7気筒のエンジンのうち1気筒で、ピストンリングの損傷などによるガス漏れ(ブローバイ現象)が発生。船は同4時ごろ、いかりの鎖を切断し、6気筒となったエンジンで沖に出ようとしたが、強い風雨で流され、同5時20分ごろ座礁した。

同船は鹿島港沖6キロに停泊していたが、6日朝になって低気圧の通過に伴い風が強まり、錨が引きずられる状態になったことから沖に出ることにした。

救出されたマスカレナス・メルロイ船長(49)が、座礁直前に起きた船内火災の原因について「メーンエンジン内で『ブローバイ(吹き抜け)』が起こった」と説明していることが7日、関係者の話でわかった。同船は火災直後に操船ができなくなり、折からの強風に流されていた。
これらを総合すると
  1. 遭難したジャイアント・ステップは鹿島港沖6キロに停泊していた
  2. 5日に海上保安庁が「風雨が強くなるため、安全な場所に移動してほしい」と各船に注意喚起
  3. 6日朝になって低気圧の通過に伴い風が強まり、錨が引きずられる状態になった
  4. 6日早朝、避難の準備を始めたが、いかりを巻き上げられなかった
  5. 午後1~2時ごろ、7気筒のエンジンのうち1気筒で、ピストンリングの損傷などによるガス漏れ(ブローバイ現象)が発生。
  6. 同4時ごろ、いかりの鎖を切断し、6気筒となったエンジンで沖に出ようとした
  7. 座礁直前に起きたブローバイで船内火災発生、操船不可能に
  8. 5時20分ごろ座礁
ということになるようです。
錨が引きずれる(走錨)で遭難というのは、富山港で起きた練習帆船海王丸の遭難が2004年10月20日にありました。
「海王丸台風海難事故に関する報告書」(PDF)に大変に詳しく書かれていますが、今回の事故と類似のところを引用すると
仮に走錨が認められれば、抜錨して航行に移るとの緊急避難計画を立てているが、風圧力及び波による外力と揚錨機能力の関係を整理し、巻揚げ限界の詳細検討はされておらず、走錨を認めてから航行に移る例は多々あるものの、計画の不十分さは否めない。

最後に、錨泊中の緊急出港方法として捨錨があるが、この緊急運用について、錨鎖の根付け構造を踏まえた検討はなされていなかった。近年において、特に危険が差し迫った状況で捨錨を行った例は見当たらず、検討の対象とされなかったことはやむをえないところである。
錨の鎖を切断して錨を捨てる(捨錨)は緊急時の対応として軍艦が登場する小説などでは出てきますが、海王丸の報告書のように近年は見あたらないということでこれは気象情報が充実したことで必要が薄れたと言うことでしょう。

ジャイアント・ステップは捨錨する以前にエンジン不調であったわけで、捨錨して出航してももしエンジンが止まれば遭難確実なわけですから、捨錨すること自体が大変な決断であったでしょう。
なんかものすごい話で詳細を知りたいものです。

10月 9, 2006 at 10:32 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.30

酒酔い運転事故判決その2

「酒酔い運転事故判決」で、町村先生の記事
酒気帯び運転で人をはねると、高額賠償が課されるという形で報道されるのは、あたかも懲罰的な賠償が認められたみたいに聞こえるので、ミスリードである。
を紹介したが、社説でこれに輪を掛けたようなミスリードが出てきた。

琉球新報社説 「3億円賠償命令・飲酒運転の抑止にしたい
交通事故をめぐる訴訟で、単独の被害者としては異例の高額賠償額という。
高額になったのは、家族の「将来の付き添い介護料」などが含まれているからだ。
全国的に大きな社会問題になっているにもかかわらず、飲酒運転は収まる気配がない。
今回、高額賠償命令の判決が出たことで、飲酒運転が皆無になる効果が生まれることを期待したい。
高額賠償が異例なのを認めるとしても、将来の介護料と飲酒運転事故とどういう関係があるのだ?
全く別問題をくっつけていることになってしまうだろう。

飲酒運転だから高額賠償になったわけではないことははっきりしているし、ましてや懲罰的な賠償でもない。
社説であれば、むしろの点を強調するべきだろう。反対方向にミスリードした社説といっても良いと思う。

9月 30, 2006 at 09:23 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.29

酒酔い運転事故判決

毎日新聞より「飲酒運転:追突事故運転者2人に3億円賠償命令 福岡地裁

九州自動車道で01年に起きた酒気帯び運転絡みの多重衝突事故で、重傷を負った母子らが追突した2台の車の男女に損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁(本田能久裁判官)は28日、計3億4100万円の支払いを命じた。
被告となった女性は酒気帯びの車が母子の車に追突した後に母子をはね、刑事裁判では無罪が確定していた。
判決は、女性の過失を認定し、負担割合を「男が9割、女性が1割を負担するのが相当」とした。

判決によると、事故は福岡県若宮町(現宮若市)の九州自動車道で01年3月15日夜に発生した。
福岡市東区の男(58)が酒気帯びのまま時速140キロで走行し、前を走っていた母子の乗用車に追突して逃走。
停車した乗用車から母子が降りたところに山口県下関市の女性(37)の乗用車が突っ込んで2人をはね、母が植物状態になるなどした。
男は警察に出頭し、呼気1リットルあたり0.35ミリグラムのアルコールが検出された。

女性は業務上過失傷害罪で起訴されたが、1、2審とも「街灯のない高速道でライトの消えた事故車に気付くのは不可能だった」として過失を否定し、無罪が確定。
男は道交法違反(ひき逃げなど)と業務上過失傷害の罪に問われ、懲役2年4月の実刑判決が確定した。

事故後、母子と介護をしている夫が総額6億5600万円を求めて提訴。最大の争点となった女性の過失の有無について、本田裁判官は「暗い高速道路を走る際、制限速度を守って前照灯を上向きに走行していれば、事故を回避できた可能性がある」と指摘した。
そのうえで男女2人の不法行為と母子らの損害の因果関係を認め、将来の介護費用を含めて計3億4100万円を支払うよう命じた。
9月27日付の記事で「飲酒事故加害者に3億円賠償命令 家族が独自に証拠集め」が報道されて、賠償金の高額さで「懲罰的な賠償命令か」と一瞬思いましたが、Matimulogさんが「jugement:3億円賠償は酒気帯びに対する鉄槌か?」指摘されているとおり
慰謝料については、加害行為の悪性により上下することがありうるが、それ以外の介護費用、逸失利益は酒気帯びでも素面でも変わらない。
この判決で注目すべきは、介護費用や介護のための自宅や車の改造費用などがきちんと認められている点であって、そのことは酒気帯びとは関係ない。

酒気帯び運転で人をはねると、高額賠償が課されるという形で報道されるのは、あたかも懲罰的な賠償が認められたみたいに聞こえるので、ミスリードである。
むしろ、懲罰賠償がない日本では、酒気帯び運転で人をはねても単なる不注意で人をはねても同じ賠償しか命じられないということをこの機会に考えてはどうか?
なのであって、今回の毎日新聞の記事タイトルもミスリードと言えるのではないか?

この事件は最初に追突して逃走した車が引き起こした事故は物損です。
だからこそ、被害者は車の外に出ていた、そこに第二の事故車が突っ込んで被害者は重体になりました。

刑事裁判ではこの第二の加害車両は無罪になっている。程度問題ではあるのでしょうが、不可抗力とされました。

今回の民事訴訟では、第一の加害者に9割、第二の加害者に1割と分割することが総額3億円の賠償命令となりました。

つまり、
第一の加害者から見ると自らが引き起こした物損事故の後の人身事故について9割の賠償を課され、
第二の加害者から見ると、刑事事件では不可抗力とされた事件について民事では認められなかった、
となりそうです。

特に判決理由で「暗い高速道路を走る際、制限速度を守って前照灯を上向きに走行していれば、事故を回避できた可能性がある」というのは厳しすぎるのではないか?と思いますね。

このまま確定するのでしょうか?
議論になりそうな判決のように感じます。

9月 29, 2006 at 10:25 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.09.15

中央高速の多重衝突事故その2

大石英司の代替空港にこんな記事が出ていた「※ 長野・中央道:「毎月のように事故」…また魔のカーブで
これは人間工学上の方法で減速させるのって限界がありますよね。
道路工学上の技術でもって、速度が強制的に落ちるようにしないと。
これはちょっと忘れていた視点ですね。

最近は走っていないが、問題の阿智の300Rを70キロなら安全に走ることが出来るのか?というちょっと疑問があります。
安全に止まれるかは大いに問題があるところでしょう。まして100キロとかだと車線を維持するのが手一杯。

法的には高速道路でも直ちに止まれるのが正しいなんて事になってますが、それは無理なことが経験則で分かります。
もっと言えば、どんな道路でも一般的に安全といわれる速度から下げるのも上げるのも意外と幅が狭いのではないか?

知らないで速くなる、遅くなるということあるがドライバーが速度をコントロールする場合は高速道路でも130キロぐらいが上限で、それ以上は相当意識しないと速度を上げることが出来ない。
一方下げる場合も、どうも80キロ以下になると意識して下げるようです。
いわば意識の慣性とでも言うのでしょうか?

もしこれが正しいのであれば、高速道路とはどんな場合でも130キロから80キロの範囲で走れるようにしないと事故の確率が高くなる。なんてことになるのではないでしょうか?

首都高には以前は信号があって止まるという論外のところがありましたが、今でも速度コントロールはとても難しい。道路の都合で交通に技術が必要です。

このようなことが「人間工学的な誘導の範囲外」な300R+下り坂+その先上り坂という無茶苦茶なカーブががそのまま残っているのではないでしょうか?
根本的には下り坂を無くしてしまえばよいのかな?と思っているのですが。

9月 15, 2006 at 11:30 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2006.09.14

中央高速の多重衝突事故

朝日新聞より「中央道で21台事故、4人死亡、1人重体 長野
14日午前1時ごろ、長野県阿智村駒場の中央道下り線の阿智パーキングエリア(PA)付近で、大型トラックや乗用車など21台が絡む多重衝突事故が発生した。
ここは300Rで右に90度旋回する下り坂でドライでもかなり緊張する高速道路にはあるまじき難しいカーブだと思います。

雨が降っていて、道路はつるつるの状態。氷の上みたいだった
というドライバーの声もあって、これは雨で滑ったのか?という疑問を感じます。
まるで凍結時の多重追突と同じですよね。
事故当時は弱い雨が降っていたとのことで、それが21台衝突というのはちょっと別の理由ではないか?と思います。

長野気象台のデータを見ましたが、9月14日午前1時の飯田では、気温17.5度、降水量1ミリですから横浜などと変わりはないですね。
なぜ、後続車は止まれなかったのだろう?

9月 14, 2006 at 01:57 午後 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

酒酔い運転問題

酔っぱらい運転についての記事を集めてみました。

9月12日付の日経新聞の記事「警察庁、ひき逃げ厳罰化を検討
警察庁によると、昨年1年間のひき逃げ事件は1万9660件にのぼり、過去10年間で3倍近くになっている。
ひき逃げの法定刑は現在、5年以下の懲役または50万円以下の罰金。
業務上過失致死罪と併合すると懲役は最高7年6月になるが、
危険運転致死罪の最高刑は懲役20年になる。

ひき逃げの多くは飲酒運転の発覚や危険運転致死罪の適用を逃れるために現場から逃走しているとみられ、酔いを覚ましてから出頭するケースが多発している。
福岡市で幼児3人が死亡した車両転落事件では、現場から離れた容疑者が大量の水を飲んで、アルコール濃度を下げようとしたことが分かっている。
危険運転致死罪が適用になる場合と、そうでない場合の落差が大きすぎるから、と言う意味ですね。
落合洋司弁護士は「警察庁、ひき逃げ厳罰化を検討」で次のように説明しています。
ちょっとした立証の可否により、懲役20年まで行くか、懲役7年6月止まりかが分かれることになり、一か八か逃げてしまえ、という者が激増しているのでしょう。
立法技術の稚拙さが、こういった事態を招いたと思います。

業務上過失致死傷の法定刑は変えないまでも、飲酒、無免許、ひき逃げ、その他の危険運転(構成要件上、明確化して)を伴えば、併合罪加重した刑の3倍まで刑が科せる(懲役20年まで科せることになるでしょう)ようにすれば、悪質な運転者を十分処罰でき、抑止効果も期待できると思います。
この警察庁や国家公安委員長の見解などをうけて新聞も一気に厳罰化の方向についての意見が出てきました。
しかしながら、一方で自治体の長が職員から誓約書を取るといったシンボル的な運動あるいは言い訳的運動をするところもあって、現実の問題としてどうやって運転させないか、といった根本的な解決を目指すとは言い難いところがあります。

沖縄タイムス社説  甘い風土を一掃しよう
沖縄は酒に寛容といわれる。「これぐらいは大丈夫」「家まで近いので」といった甘い考えが取り返しのつかない事故を生む。

県警によると、一月から七月までに起きた飲酒絡みの人身事故は百四十五件。全事故の3・62%に上り、全国ワースト。飲酒運転の摘発は免許人口一万人当たり六十二人。全国平均の六・三倍という異常な数字だ。

天久台病院(那覇市)の安部康之医局長は沖縄の特徴を「飲みすぎても注意する人やクレームをつける人がいない」と指摘する。飲酒運転は違反者だけでなく、周囲の人も同罪だ。
北國新聞社説  公務員の飲酒運転 「酒気帯び」も厳罰の検討を
全国の自治体が進めている厳罰化で注目されるのは、酒酔い運転と酒気帯び運転を同等に扱う傾向が見られることである。
岩手県や神奈川県、京都府などがそうであり、「ちょっと一杯ぐらいなら」という誘惑を断つには有効な方法だろう。

また、横浜市や佐賀県多久市のように、事故を起こさなくても、検挙された時点で原則として免職という厳しい処分を科す自治体もある。
これも「多少酒を飲んだとしても事故を起こさなければよい」といった甘い考え方を排除するのに大いに役立つはずだ。
朝日新聞より「福岡3児死亡事故、危険運転罪適用へ より重い求刑可能
福岡地検など検察当局は、より重い求刑が可能な危険運転致死傷罪を適用、道路交通法違反(ひき逃げ)の罪と併せて起訴する方針を固めた。

容疑者が事故当夜の運転前、かなりの量の酒を飲んでいた事実や、酔った勢いでトラブルを起こしていたことなどが判明。
また、事故現場の約1キロ手前の交差点では停車中の乗用車にぶつかりそうになったという目撃証言も得られた。

さらに、事故後に友人に身代わりを頼んだり、水を持ってこさせて飲むなどしていることと併せ、「酒に酔って正常な運転が困難な状態」だったと立証できると判断した模様だ。
毎日新聞より「>飲酒運転防止車:自動車メーカー開発急ぐ 不可欠と判断
日産自動車やトヨタ自動車など自動車メーカーが、飲酒運転を防止する装置を搭載した四輪車の開発を相次いで検討し始めた。

コストや抑止効果、交通関係の法律との兼ね合いなど、検証が必要な課題は山積しており、両社とも実用化の時期は未定という。

9月 14, 2006 at 09:50 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2006.08.31

プール吸い込み事故の暗黒面その13

サンケイ新聞より「プール安全対策に統一指針 省庁会議で申し合わせ
プールの吸い込み事故防止策を協議する政府の関係省庁連絡会議が30日開かれ、民間を含めたすべてのプールについて安全対策の統一的な指針を今年中にまとめ、全設置管理者に通知することを申し合わせた。

指針では吸排水口の安全対策など施設面の注意点や、監視員の配置など安全管理上守るべき点を示す。
法的な拘束力はない。
今までやっていたことと大差ないでしょう。
そして、毎年通知を出しても点検していないところとか、事件になってからも指示を「安全だと思うから関係ない」と勝手な解釈をするところが多発したのですから、また通知を出して変わるものでしょうか?

今、必要なのは、関係者への徹底した教育だと思いますよ。
過去の事故の事例の説明と、点検するべきところの確認といったことを教育する。これには、参加しないことにペナルティを付けて良いでしょう。
もし、自治体などが「それは出来ない」なのであれば、プールの運営が出来ないことが明確になるから、それはそれで結構。

もう一つ重要なのは、設計施工の検査確認体制でしょうね。どうもここに不明瞭なところがあるように思います。もちろん、運転については衛生面から保健所がチェックしているはずなので、そこに修理改修の履歴などを集めればよい。

施設の数だってそんなに多くはないのだから、やる気になればすぐに出来ることをたまたま管轄がはっきりしないというお役所の論理で放置していた、ということに尽きるのでしょう。

8月 31, 2006 at 09:50 午前 事故と社会, 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.30

事故情報公開後にどうするのだ?

「経産省が事故情報公開に」でわたしは、経産省の計画を批判しています。
  1. 事故の事実がある
  2. 情報を公開する
  3. 消費者のためには、使用禁止にする
しかできないだろう、という観点から批判しました。
これでは世の中の製品がドンドン使えなくなるだけだし、企業は潰れるばかりとなってしまう。この次の段階は
  • 対策が出来たと経産省が認定する
  • 使用禁止を解除する。
  • 以後は、製品の案税制について経産省に責任が生じる
こんなバカな話はないわけで、経産省が使用禁止を命じるにしても根拠が必要で製品の欠陥の問題であるのだから「欠陥が生じた原因がある」ことが使用禁止などの根拠になるでしょう。
これについて、日経新聞、読売新聞、朝日新聞が社説を出しています。

日経新聞社説 「情報開示で安全な製品目指せ
ただ、事故情報の報告が膨大になれば、役所の作業が増え、行政の肥大化を招く懸念がある。過度な規制強化の不安もある。
必要不可欠な情報に絞るとともに、企業の自主的対応を促すことが重要だ。
ガス器具問題ではガス事業者の団体である日本ガス協会が経産省と連携した対応をとっている。
経産省は各製品分野で業界団体と連携しながら、日本の製品の安全性を高めていくべきだ。

読売新聞社説 「パロマの教訓を生かさなければ
いずれも製品自体の欠陥は確認されていないが、使用者には、このような被害実態は知らされてこなかった。

警察、消防、国民生活センターなどとの連携も強化する。経産省内の縦割り行政の弊害も排し、製品安全連絡網や事故情報の統合データベースをつくる。

消費生活用製品安全法や省令の改正を伴うものもある。作業を急ぐべきだ。対策がきちんと実行に移され、機能しているか、チェックすることも重要だ。

安全をおろそかにすると、自らの存立も危うくなりかねない。このことを企業も深く自覚する必要があるだろう。

朝日新聞社説 「事故の情報を隠すな
各社には徹底した安全テストや設計の再点検を求めたい。事故があれば直ちにその事実を公表し、回収や改良で再発を防がなければいけない。

今後は、各課に寄せられた情報を集めたデータベースを作るとともに、メーカーには事故の届け出を義務づけ、警察や消防とも定期的に連絡を取るという。やってこなかったのが不思議なことばかりである。

もう一つ徹底すべきことがある。企業名を含めた事故の詳細の速やかな公表だ。最近のシュレッダー事故では直ちに企業名を明らかにしたが、被害を食い止めるには具体的な情報が欠かせない。
非常に不思議なことに思えるのだが、日本を代表する新聞の社説が「事故情報の集積と公表」の必要性を述べるだけな事です。
各新聞社に問いただしたいところであるが、「その先どうなるのだ?」と。

事故が起きたという第一報では「原因不明」に決まっている。少なくとも「原因は××だと判断される」と条件付きだ。
このような情報を集積すると、メーカあるいは製品を信用できないという意味しか無くて、他の会社の製品がたまたま事故が起きないと同じ原因を内蔵している製品でも安全となってしまう。

先日、NHKテレビが日航機の離陸直後にエンジンが破損した事件映像を元に日本の航空会社の整備状況やエンジンメーカの情報独占について特集番組を放送していたが、日航と全日空では整備の取り組みが微妙に違っていた。同じ園児を使っていても整備によって結果が変わってくるという例でしょう。
確かに、問題となったエンジンについてはメーカに対する評価は厳しいものがありますが、それでもメーカの評価やエンジンの評価だけでは事故に直結するとは言えない、という実例です。

今現在問題になっているのは、ソニー製のPC用リチウムイオン電池の欠陥で、電池の欠陥とするべきなの、PCの回路の問題とするべきなのか、はっきりしていません。ソニーとデルは互いに主とする原因を相手に押しつけ合っています。

わたしは
  1. 事故が起きた
  2. 原因がある
  3. 原因を公表する
  4. 製法などが社会全体で進歩する
  5. 別の事故も減る
こそが目指すべき方向であると強く考えています。

8月 30, 2006 at 10:42 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

根拠のない回収命令ではないか?

8月28日に経産省はパロマ工業に消費生活用製品安全法に基づき対象製品の回収などを命じる緊急命令を出した。
朝日新聞より「パロマ工業に回収の緊急命令と厳重注意 経産省
経済産業省は28日、同社に対し、消費生活用製品安全法に基づき対象製品の回収などを命じる緊急命令を出した。
二階経産相が同社の小林敏宏社長に処分を伝え、あわせて過去の事故や事故後の対応について厳重注意した。
パロマ製品は安全装置を構成するコントロールボックスにはんだ割れが相次ぎ、かつ不正改造が容易だったことから、同省は製品に欠陥があったと認定した。
これは同じく8月28日に経産省が事故情報を公開するとして法律改正を検討しているとの報道と関係している。 「経産省が事故情報公開に」こ中で自分で前日に書いた記事「事故原因の解明の方が重要」の核心を示しています。
原因も究明されず、対策も立たない状態で何とかしようとすれば「とりあえず使用禁止」しかあるまい。
正に原因が解明されない段階で、経産省はパロマ工業に回収を命じた。となりました。その結果。 朝日新聞より「パロマ工業、製品の欠陥を否定「経産省との見解に違い」」
経済産業省が製品の回収などを命じた緊急命令を受け、同社は29日、名古屋市瑞穂区の本社で会見した。同省は湯沸かし器に欠陥があったと結論づけたが、伊藤栄一広報室長は、製品の欠陥について「経産省と我々の見解に違いがある」と否定した。
第三者委員会の意見も踏まえたうえで、同省に対する意見書の提出も検討するとしている。
結局は水掛け論になった。
もちろんパロマ工業がこのような対応を取ることが、営業的にも社会的評価の点からも有利なこととは思えないから、「会社としては欠陥があるのは明らか」と評価される方もいらっしゃいます。

しかし、評価や損得は別にしてもパロマ工業としては「回収するべき欠陥とは何がはっきりしていない」との主張はあるでしょう。
回収を求めるとは、将来の危険を常識的な見地から予防するためには必要、という前提があるはずで「常識に反しているから欠陥だ」で十分ではありますが原因を特定するべきです。
それを「事故原因の解明の方が重要」で指摘しました。

経産省の動きは役所の無繆性を前提としているのですが、それで何も証明せず根拠も無しに回収命令を出すこと出来るというのはよほどの緊急事態に限られるでしょう。
何よりも、事故が起きるのには原因があるのだから将来の事故を防止するためには原因を明らかにするのが有効というのは変えようがない。
ところが目先の事故に対処しましたというポーズを示すためには「とにかく回収」とやったのが公開の命令でしょう。
もし、パロマ工業が「シアリルナンバーの何番から何番までを回収するのか決めてくれ」とでも言い出したらどう対応するのか?
今回の問題は回収するべき製品にあるのではなくて、パロマ工業の技術力の評価であることは明らかでしょう。

こんな点からも「原因の解明をする組織」のようなものが不可欠である、と強く思うのです。

8月 30, 2006 at 10:02 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.28

経産省が事故情報公開に

サンケイ新聞より「経産省が湯沸かし器・シュレッダーなどの事故で消費者保護策
経済産業省は28日、ガス湯沸かし器やシュレッダーなどの製品による重大事故が相次いだ問題で製品安全対策の総点検委員会を開き、消費者保護の安全対策をまとめた。

事故報告をメーカーに義務付け、罰金などの罰則を設けて迅速な報告を促すことや、事故を起こした業者や機種名の公表基準を明確化することが柱。
秋の臨時国会に関連法の改正案を提出し年内成立を図る。

安全対策は31項目に及ぶ包括的な内容で、経産省によるこうした対策は初めて。
産業育成に主眼を置いてきた従来の行政を、消費者の安全確保を重視する方向へ転換する姿勢を鮮明にした。

同省によると、製品の対象は事故が続発したガス湯沸かし器、シュレッダー、リチウムイオン電池を中心に経産省が管轄する電気、ガス製品全般とする予定。

消費生活用製品安全法などの法令を改正し、ガス関連機器が事故を起こした場合、これまで経産省の行政指導に基づいていた事故報告を法的に義務付ける方針で、他の製品も報告の義務化を検討する。

これまであいまいだった事故にかかわる企業名や機種名の公表基準を明確にし、事故リスク情報として重大な事故を起こした業者名などの公表を進める。

批判の多かった縦割り行政の不十分な情報交換については、事故を起こした製品のデータベース構築などにより省内で情報を共有。迅速に事態を国民に公表する体制を整えるとしている。
基本的には結構なことだと思いますが、アフターフォローをどうするのか?だと思います。
「事故原因の解明の方が重要」で書いた通り
原因も究明されず、対策も立たない状態で何とかしようとすれば「とりあえず使用禁止」しかあるまい。
になると思います。
さすがに、使用禁止に出来ないとなれば「原因は不明ですが、この機械で事故が起きました。注意して下さい」と宣言しておしまいですか・・・・。

後の時代に製品の改良を目指すためにも必要なのは、「事故原因の解明と共有化」ではないだろうか?
しかし、日本では今まで事故原因の解明を組織的にやったことはないです。
まして、製造業は国際化していて原産地が中国やベトナムなどの場合も多い、原因が「○○国製のぶひんが原因です」で済む問題か?
自動車のように部品の国際規格化が進んでいる場合ですら、いろいろな問題が起きていてほとんどの製品でその製品独自の問題を抱えていると言って良いでしょう。

さらに、シュレッダー事故では業務用の機械が幼児いる家庭で使われたという、使用環境がメーカーの考えていたものと実際に使われた場所で違っているのですから、これは製品の技術的な問題と言うべきか、販売企画上の注意が足りなかったと解釈するべきか、エンドユーザが無理をしたと考えるべきなのか、事故が起きたという情報だけでは判断できません。

消費者に情報提供しようという方向転換は良いとして、単に情報を積み上げだけでは役に立たないだろう。下手すると、企業を萎縮させたり、最悪の場合は企業を破綻させるといったことになる可能性もあるでしょう。
少なくともその分野の専門家クラスが「この部分の設計はこうするべきだ」といった意見を検討するといったことくらいまでは、拡大しないと意味が半減以下になってしまうと思うのです。

8月 28, 2006 at 10:45 午後 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.27

事故原因の解明の方が重要

毎日新聞社説より「シュレッダー事故 危険情報の報告義務化急げ
「パロマ工業」製の瞬間湯沸かし器でも、死傷事故が多発していたのに情報が公表されず、被害をさらに拡大させた。情報開示の遅れが新たな悲劇を招いた点で共通している。
関係者は責任の重さを自覚しなければならない。

経産省では1975年から、電気製品で事故が起きた場合、再発防止のために企業などから報告してもらう制度を導入し、現行では事故発生から原則1週間以内の報告を求めている。
同機構も事故情報を通報してもらい、経産省に報告する仕組みもある。いずれも法律には基づかない任意の制度だ。

一連の事故を受けて経産省は、同省への事故報告を企業などに義務付ける方向で検討を始めた。同種事故の再発防止のためには早急に義務化すべきだ。
その際には、「疑わしきは消費者の利益に」との観点から、事故が製品の欠陥によるものかどうか不明でも、企業には幅広い報告を義務付けてもらいたい。
企業が製品の欠陥を認めることは考えにくいからだ。

報告を義務化すれば事足りるわけではもちろんない。
経産省は00年にもシュレッダーによる幼児の事故報告を受けていた。しかし、父親の勤務先で起きたまれなケースとして、公表しなかった。

さらに、今年の2件を経産省が公表したのは今月23日で、情報を把握してから1カ月近くも過ぎていた。
企業側から聴取する必要があったにせよ、その間に新たな事故が起きる可能性もあったことを考えれば、対応は遅すぎると言わざるを得ない。
経産省は事故情報を迅速に公表し、国民に危険性を周知徹底する責務がある。
この社説は何を言いたいのか?

「事故がありました」という情報を早期に明らかにするだけで、その後の事故が防止できるのではないことが「企業側から聴取する必要があったにせよ」と社説中に表明している。にもかかわらず続けて「経産省は事故情報を迅速に公表し、国民に危険性を周知徹底する責務がある。」何を周知するのだ?それは書いていない。

結局は原因を明らかにすることを省いて、危険だから使うなと言えばよいということか?
シュレッダーについては「家庭での使用を禁止し、量販店での販売を禁止する」とすれば良かったとでも言うのか?

確かに報告の義務化はやっても良いだろうが、それでは経産省の業務がパンクしかねない。原因も究明されず、対策も立たない状態で何とかしようとすれば「とりあえず使用禁止」しかあるまい。
交通事故があれば通行禁止、飛行機が落ちればとりあえず飛行禁止、エレベータの使用禁止になった港区のマンション20階以上をどうやって階段で生活するか?という問題になった。

事故があって、それが製品や設備、サービスに原因がありそうだという場合、同種の事故が起きないようにするのには、改良など根本的な対策と使用禁止など一時的な対策に分かれるのだろう。
根本的な対策のためにはどこで膝端タカを検証するべきだ、として「失敗学」が提唱されている。

複雑になった現代社会で起きる事故の責任を特定するのは難しく、いわば責任のツリー構造(カスケード構造)が成立しないはずなのに、責任追及だけをツリー構造の頂点を押さえれば、全てが解決的な発想から抜け出せないのが、この社説に現れていると思います。

今必要なのは「事故原因の解明」であって、それは責任追及よりも優先度が高いと理解することでしょう。

8月 27, 2006 at 11:27 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

魔のカーブその2

信濃毎日新聞より「更埴JCTカーブ1車線化 事故現場前後320メートル
東日本高速道路長野管理事務所(長野市)と県警高速隊、交通規制課などは26日、長野市内で対策会議を開いた。

事故が多発している現場の前後320メートルの区間で、現在の2車線をカーブ内側のみの1車線とし、フェンスを強化することを決めた。
一方で、同事務所は「道路の構造に問題はない」との姿勢。

1車線化は速度抑制が目的で、県公安委員会に申請する。また、車や積み荷などの転落・落下を防ぐため、長さ230メートルにわたり、道路左端から1メートル内側に高さ1メートルのコンクリート壁を設置。
道路左端のフェンスは、支柱が多く強度が高い種類に変える。

同事務所などは事故を受けた応急措置で26日未明から、現場のカーブに工事用のガードレールを置き、1車線化している。
コンクリート壁や新しいフェンスは年内に取り付ける予定だ。
同事務所の吉田博所長(54)は「カーブの直前で視界が開けるため、速度を出しやすくなっている面もある」とし、制限速度の標識やカーブの表示板を大きくすることも検討するという。
首都高のジャンクションでは二車線から一車線にしたり、さらには従来二車線を一車線のまま内外を使ってRを大きくするといった改良工事があります。
現地を見ないと分からないのですが、写真で見てもトラックが飛び出したカーブの頂点あたりは明らかに二車線に見えます。しかし地図で見てみると普通の二車線の高速道路本線が、突き当たって左右に分かれているようにも見えます。つまり、分かれたときには一車線で、カーブに入ってから二車線にした、という首都高に見られるような形なのでしょうか?

これだけの工事になるのに10年掛かるというのはいくら何でもヘンではないか?
道路の構造に問題があるから、二車線を一車線にするのだろう。ヘンな話だ。

8月 27, 2006 at 10:57 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.08.25

魔のカーブ

朝日新聞より「トラックが8メートル下の屋根に転落 長野・千曲
25日午前4時50分ごろ、長野県千曲市雨宮の上信越道更埴ジャンクションで、大型トラックが右カーブを曲がりきれず、約8メートル下の住宅資材販売会社の2階屋根に落ちた。
会社に人はおらず、トラックの運転手(32)が足や胸の骨折などで重傷。現場は今月9日朝にもトラックが横転し、積み荷の鋼材約30本が落ちたばかりだった。
朝日新聞の記事の写真が分かりやすいので紹介しましたが、注目するべきは

現場は今月9日朝にもトラックが横転し、
積み荷の鋼材約30本が落ちたばかりだった。

これだけでも相当すごいですが、読売新聞にいかに事故が多発しているかが紹介されています。

読売新聞より「高架道から大型ダンプが会社事務所に転落、運転手重傷
996年のJCT完成以来、このカーブでは事故が多発。
昨年44件、今年はこれまでに25件の事故が起きており、人身事故は今年2件目。
今月9日にも、トレーラーが横転し、積んでいた鋼材約30本が事務所近くに落下する事故があったばかりで、地元では「魔のカーブ」と呼ばれている。
高速隊は、直前まで直線が長く続くため、スピードを落とさない車が多いとみている。
毎週一回事故が起きているようなとんでもない所だと分かりました。そこで地図を見てみます


Up_5
必要に応じて元の地図で拡大して見ると分かりますが、転落したトラックはこの道路を下側つまり南から北上して、更埴ジャンクションで右に向かうカーブで外側に飛び出しました。

注目するべきは、この道路の曲がり方で

  緩い右カーブ
  緩い左カーブ
  キツイ右カーブ

となっています。
まして直前に左に分かれ道がありますね。これは、難しいカーブでしょう。

それにしても、いったい全部で何件の事故が起きているのでしょうか?数百件の事故が起きていると推測出来ますが、これは道路の欠陥と言うべきでしょう。
除雪のことを考えたりすると難しいところがあるのでしょうが、もうちょっと知恵を出してなんとかするべきでしょう。

8月 25, 2006 at 03:42 午後 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

ソニーのリチウムイオン電池事件・その4

IT + PLUS より「米アップル、ソニー製電池180万個をリコール・発火の恐れ
米アップルコンピュータがノート型パソコンに搭載されていたリチウムイオン電池180万個をリコール(回収・無償修理)することが24日、明らかになった。
政府機関の米消費者製品安全委員会(CPSC)にリコールを届け出た。問題の電池はソニー製で、過熱して発火する恐れがあるという。
日経新聞より「リコール費用200億―300億円、ソニー「これ以上回収ない
ソニーは25日朝、米アップルコンピュータが24日にノート型パソコンに使用するソニー製リチウムイオン電池に発火の恐れがあるとしてリコール(回収・無償修理)すると発表したことについて、今回対象の電池パックは「現時点でこれ以上の回収が行われることはないと考えている」との声明を発表した。

14日に明らかになった米デルの回収と合わせ、ソニーが負担するリコール費用は合計で200億―300億円を見込んでいる。
アップルののーとPCが出火したというのは、デルのPCを対象とした電池回収決定以前に報道されていて、それだけで「デルは回収するが、アップルは回収しない」という決定が出来るものなのか疑問視されていたが、結局回収に決まった。

ソニーは「それ以上回収を行わない」と言っているが、ソニーのPCでの出火が報告されているのだから、これにどう対処するのか?

戦争を論評する言葉で「戦力の逐次投入」がある。
これは一気に大きな戦力を投入して決着をつけるのではなく、事態の進行に応じて戦力を投入するために、戦争(戦闘)が長引くまずい戦略を批判する言葉です。
先日のパロマの対応や、ちょっと前になるが三菱ふそうの対応なども後から後から問題が出てき「この会社はどういう事だ」と大批判に発展してしまうのは、戦力の逐次投入による失敗と言えるでしょう。

つまり、ソニーが「三菱ふそうのような評価になる」可能性がが出てきたと感じます。
どうして社会一般に「それで大丈夫なのか?」という内容を断定的に「やらない」とか「大丈夫」とか発表できるのだろう?
ソニーの株価は8月24日は前日比150円安の5100円と3%の下げでした。一時は180円安(3.43%)でした。
どうも悪い展開になってきたように感じます。

8月 25, 2006 at 09:01 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.24

ソニーのリチウムイオン電池事件・その3

「ソニーのリチウムイオン電池事件・その2」で、ソニーのコメントを紹介した。


ソニーは「発火はデル製パソコンの
充電回路と充電池に混入した金属粒子が
特定の場所に入り込んだ場合
にのみ発生する」と、
自社製パソコンでは問題は
発生していないと説明する。



このソニーのコメントについて、わたしは疑問符があると書きましたが、engadget「ソニーVAIOノートも炎上」の記事が出ました。
遂に真打ち・ソニーバイオが爆発炎上しています。

事件が起こったのは米カンザス州ShawneeのPaul Kuppermanさん宅で、電源を切って充電中だったバイオが突然炎を噴きだしたとのこと。
いったんは消火器で消し止めたものの数分後にまた発火したため消防当局が呼ばれる騒ぎになりました。
幸い被害はVaioそのものを除けば壁の焼け焦げと家具が消火剤を被っただけと伝えられています。

地元局のTVニュースによれば炎上バイオは4年前に購入したモデルということですが、発火原因やリコールとの関連は不明。
世界で大人気のVAIOノートだけに速やかな原因解明が望まれるところです。
大丈夫なんて事を言って良いのか?と思っていたらこんな事になりました。
なんかパロマとかプールの吸い込み危険性の調査漏れとかと同じ「だろう。発表」がソニーでもあらわになりました。
しかし、通常使用している状態で火を吹くなんて論外だと思うけどね。

8月 24, 2006 at 01:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

プール吸い込み事故の暗黒面その12

昨日、メールで「プール吸い込み事故の暗黒面」シリーズ(?)全体についてコメントをいただきました。
「ARエコノート」の有田さんからでした。

そこで、さっそく拝見したのですが、「埼玉プール事故:欠陥プール」にわたしの勝手な推測とは比べものにならない詳細な記事が出ています。
写真で説明がありますから、是非とも記事をご覧いただくとして
「吐出側には安全格子があるのに、吸水側にはないよね。これは設計か施工に大きな問題がある」

出水口の安全対策まで配慮するような建築業者が、なぜ吸水口は危険なままにしていたのか。出水口の格子を見る限り、建築業者が安全対策をとらなかったというのはちょっと考えにくい。
とすると、吸水口の安全対策は別の業者が行ったのではないか。その別の業者とは誰か?

設計図書と完成図書を併せて見れば、当たっているのかどうかがすぐにわかります。
実は、私が入手した本件プールの建築図面には吸水口の位置もサイズもありませんでした。
だとすると、吸水口に関する図面は設備工事側の図面にあるはずが、現段階では私にはわかりません。

もし施工図面に吸水口の安全対策がないのなら当初から「悪魔の穴のプール」だったことになり、設計施工業者とオーナーのふじみ野市の責任はきわめて重くなります。

ふじみ野市が始めた事故調査委員会をみていると、プール本体の問題には一切触れず、受託業者やプール管理の問題に責任を押しつけようという気配が出てきましたので、敢えて私の考え・推論をここに公開する次第です。
期せずしてわたしが「暗黒面」と名付けたのが当たりそうだという事態になってきました。


すごいと思うのは、有田さんは以前から「プール」というカテゴリーで記事を書かれています。
たまたまふじみ野市で死亡事件(わたしは事故ではないと考えます)が起きて、新聞・テレビにコメントを求められた、という専門家です。

わたしが「暗黒面」と名付けたのは、全くの直感であったのですがそれでもこの種の事故はずーと続いていることは知っていて、それでもまるで改善されていないと理解していました。
そのために「おそらくは相当ヘンな背景があるのではないか?」という予測もあって「暗黒面」としたのですが、当初の予想をはるかに越えて深い闇が見えてきた、と言うべきでしょう。


パソコン通信に参加したときに「世の中にはあらゆる問題について専門家が居るものだ」でしたが、こんかい久々にこの思いを強くしました。
「プール吸い込み事故の暗黒面」に興味のある方は是非とも「ARエコノート」をご覧下さい。

8月 24, 2006 at 10:36 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (9) | トラックバック (0)

2006.08.23

シュレッダーで幼児が指を切断

毎日新聞より「シュレッダー事故:2歳児の指切断2件発生 経産省注意
業務用シュレッダーに2歳の幼児が指を巻き込まれて切断する事故が、今年3月と7月に相次いで発生していたことが分かった。
メーカーから報告を受けた経済産業省は「家庭でシュレッダーを使う機会が増えており、同種事故が続く可能性がある」として、23日に事故を公表するとともに、シュレッダーに幼児を近づけないようにするなどの注意を呼び掛けることを決めた。
メーカーは再発防止策を同省に報告、要望がある場合は無償で対応する措置を取る。

3月の事故は、大手生活用品会社「アイリスオーヤマ」(仙台市)製の業務用シュレッダー「SCA-410D」(高さ約60センチ)。
同10日、静岡市内の女児(2)が、両親が経営する事務所内で、電源が入っていたシュレッダーの紙投入口に誤って指を入れ、両手の指を9本切断した。

シュレッダーはA4用紙約10枚の処理が可能で、1度に処理できる枚数を増やすため、紙投入口の幅が約8ミリあった。
事故後、同社は紙投入口を約3ミリに縮小した。

同社は23日から、事故が起きた機種と同じタイプのシュレッダー計5種約4万5000台を無償で改良品と交換する。


7月の事故は、「カール事務器」(東京都葛飾区)社製の同「DS-4000」(高さ55センチ)。同15日、東京都板橋区の自宅で、男児(2)の左手が同様に、シュレッダーに巻き込まれ、指を2本切断した。

このシュレッダーはA4用紙4枚を裁断できる。
紙投入口の幅は4~4.5ミリだが、今後2.5~3ミリに狭くする。

同社によると、同機種は約9100台を販売。特に家庭で使用している場合、無償で投入口を狭くする。
子どもの目からは魅力的に見える仕組みですから、家庭に普及したことで起きるようになった事故ですね。
しかし事故を起こした機種の投入口が、8ミリ~4ミリとは、ずいぶん大きいような気がする。
わたしが使っている機種は4ミリだと押し込まないと入らない。
この程度でもクロスカットだし、大量のゴミ処理でもしない限り通常は十分な性能を持っています。

事故を起こした機種は、より業務用だったのだろうか?
しかし業務用であれば、業務用としての安全設計の考え方もあるはずで、なかなか難しいところですね。

8月 23, 2006 at 08:38 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (14) | トラックバック (3)

2006.08.18

ソニーのリチウムイオン電池事件・その2

読売新聞より「ソニー製充電池問題、パソコン各社に聞き取り調査
電子情報技術産業協会(JEITA)は17日、国内パソコンメーカー各社に対し、トラブルの有無などの聞き取り調査を始めたことを明らかにした。

15日の問題発覚後の調査では、「現時点ではデル製パソコン以外のトラブルは確認していない」という。


ソニーは「発火はデル製パソコンの
充電回路と充電池に混入した金属粒子が
特定の場所に入り込んだ場合
にのみ発生する」と、
自社製パソコンでは問題は
発生していないと説明する。



パソコン各社も独自に安全確認を行っている。
ソニー製充電池を自社製のパソコンに使用している富士通や東芝は「充電回路の設計がデルとは異なる」などとして、いずれも「発火の可能性はない」とし、NEC、日立製作所、松下電器産業は、パソコンにソニー製リチウムイオン電池は搭載していない。
どんなものだろうか?
なんでソニー製の電池が発火するのか?という問題は、この説明では「発火を回路によって食い止めている」と受け取ることが出来るが、物理的破壊とかPCとして機能しないといった使用状況で発火するというのならとにかく、普通に使える大衆商品であるパソコンにそこまで危なっかしい部品を供給するのは、供給業者としておかしくないか?

パソコンといった非常に設計変更が多い製品に組み立てメーカ(デル)が使いがたい部品を供給するのであれば、ソニーがデルの技術を管理するべきだ、となってしまう。
なんか根本的な判断力がヘンではないだろうか?
まして「自社のパソコンは大丈夫」とはどういう事だ?この情報をデル社に伝えていなかったのか?

信用を大きく傷つけたと思う。

8月 18, 2006 at 11:04 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.16

ソニーのリチウムイオン電池事件

日経新聞より「米デル、ソニー製パソコン電池410万個回収へ・発火の恐れ
パソコン世界最大手の米デルは14日、ノートパソコン用の電池410万個を自主回収すると発表した。
回収するのはソニー製のリチウムイオン電池。過熱し発火する可能性があるという。
パソコン関連製品のリコール(回収・無償修理)では最大規模になるもようだ。
この事件は以前から engadget などでは大々的に取り上げて話題になっていました。
これで、410万本の回収騒ぎになりましたが、その理由をソニーは次のように述べています。

朝日新聞より「電池供給のソニーにダメージも デルPCのリコール
充電池の製造元であるソニーも同日、不具合を認めた。
同社によると、微小な金属片が製造過程で電池内に混入し、パソコン側の充電システムにつなげると、ごくまれに電池内でショートした状況になり、過熱・発火する場合があるという。

ソニーはこの電池を子会社ソニーエナジー・デバイス(福島県郡山市)で製造している。
国内2カ所、中国1カ所の工場は工程の大半を自動化。


「出荷前の電池の動作テストでは異常がなかった。
事故を受け、金属片の除去工程を増やした」

(同社)という。

こうした見方に対し、

国内電池メーカーで構成する社団法人電池工業会は
「異物混入は最も避けねばならず、ゆゆしき問題だ。
品質管理は二重三重にやるのが普通だ」と
ソニーの検査態勢に首をかしげる。

近く同社に直接事情を聴く方針だ。

リチウムイオン電池はソニーが世界で初めて実用化に成功し、91年に自社製の携帯電話に搭載した。
その後、ノート型パソコンやデジタルカメラなどの軽量小型化が進み、充電池の主役の座をニッケル水素電池から奪った。
一時は三洋電機やソニー、松下電池工業など日本勢が世界シェアの9割超を占めた。現在のシェアは7割程度。
費用も350億円に達するとの説もあって大変ですが、原因は本当にに金属片の混入だけなのでしょうか?
もし別にも原因があれば、対策してもまた出火したという最悪の事態もあり得ます。

そこでこんな事になった。
朝日新聞より「ソニー製電池すべて調査へ 米製品安全委
米消費者製品安全委員会は15日までにPC用電池の安全性に関する調査を本格化させた。
ソニー製のPC向けリチウムイオン電池すべてを対象に、デル社以外のPCでも過熱・発火の危険性がないかどうか調べる方針だ。

委員会関係者はソニー製電池が他社のPCにも搭載されていることに注目し、同様のトラブルが起きる恐れがないかどうか調べるという。

委員会の調査対象を「ソニー製すべての電池を視野に入れている」と伝えたロイター通信によると、米ヒューレット・パッカードや米アップルコンピュータ、中国レノボもソニー製内蔵電池を使用。
米国では15日、車内に置いていたPCが発火して小型トラックが燃えたという持ち主が、車両の前で炎上の模様を語る映像も放映され、情報家電では過去最大というリコール作業のテンポも速まっているという。

リチウム電池に関する過熱などの報告例は、デル社以外のメーカーや携帯電話なども含め、03~05年に339件あったという。
航空機内で発火するケースも問題化しており、当局はリチウムイオン電池を大量に空輸する際の規制強化も検討していると伝えられている。
PCの機能向上が内蔵電池の負担増につながっている側面も指摘されており、電池メーカーだけでなくPC業界としての取り組み改善を促す声が強い。
大騒ぎになってしまいました。

8月 16, 2006 at 05:32 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (26) | トラックバック (0)

2006.08.13

プール吸い込み事故の暗黒面その11

北海道新聞より「道内プール、改修判断あたふた 構造違う吸排水口 実態合わぬ文科省基準
文部科学省の緊急調査で、道内市町村の教育委員会の対応が混乱している。
プールや吸排水口の構造が千差万別なのに対し、文科省の基準が一律なため、判断に苦慮しているのが原因だ。

網走管内遠軽町教委は、総合体育館プールの金具未設置を追加報告した。「文科省の通知が分かりにくい。吸い込み防止金具はなかったが、ふたはボルトでしっかり固定され、監視員もついている。該当しないと思っていた」と説明する。

閉鎖したプールの中には、吸い込み防止金具がないものの、ふたは固定され排水口の直径が十五センチに満たないプールがある。
一方、小学校一校で吸い込み防止金具がなかった小樽市教委は「ふたはボルトで固定されており、すぐに危険とはならない」と閉鎖はせず、シーズン後に改修する予定と、対応はまちまちだ。

別の教委は「これまで事故もなく安全確認も定期的にしている。文科省の基準は実態に即しておらず、騒ぎすぎだ」という。
これだけ大騒ぎになっても、分からないという教育委員会には当事者能力がないとしか言いようがないでしょう。



これまで事故もなく

これは、ふじみ野市も同じだぞ。
何を考えている、いや何も考えていない証明だ。

ワケが分からないのは、

排水口の直径が十五センチに満たない

こういう意見はふじみ野市の事件が、パイプの中に全身が吸い込まれたことだけに注目しているからではないのか?
ところがちょうど、こんな判決が出ている。
サンケイ新聞より「吸水口でおぼれ後遺症 三セクなどが1280万円
保養施設の温水プールで平成12年、吸水口に吸いつけられ負傷したのはプールの欠陥が原因として、大阪市内の当時小学1年生の少年と両親が、三セクや設計業者ら4社に2200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、4社が解決金として約1280万円を支払うことを条件に大阪高裁で和解が成立した。

男児はプール側壁の吸水口(縦約20センチ、横約30センチ)に背中を吸い付けられておぼれた。一時、仮死状態になり、後遺症でてんかんを患った。
15センチだって、腕が吸い込まれればほぼ確実に溺死する。文科省の「金網を付けろ」ではまだ不十分というべきで、どうすれば安全を確保出来るのかはまだまだ研究の余地があるのは自明のことだろう。

なんでこんなバカなことになるのか?と考えてみると、どうもプールについての規制がはっきりしていないからとなりそうだが、安全確保というのは善管義務の最たるものではないのか?どうも、教育委員会の中に「義務である」事を理解していない人たちが居るように思う。

8月 13, 2006 at 11:15 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.08.10

プール吸い込み事故の暗黒面その10

毎日新聞より「プール事故:「不備」2339カ所に 文科省全国調査
文部科学省は10日、全国の公立学校や公営プールを対象にした緊急調査の最終結果を公表した。
吸排水口のふたが固定されていないプールが40都道府県375カ所、吸排水管内の吸い込み防止金具が設置されていないプールが39都道府県1964カ所で、不備のあるプールは延べ2339カ所に上った。
プールにいずれの不備もなかったのは、山形、長野、福井、大分、沖縄の5県だけだった。

公立学校のプール3万127カ所と、教育委員会が所管する公営プール2824カ所を対象に調べた。
7日の発表時点から、ふたの未固定が70カ所、金具の未設置が368カ所の計438カ所増えた。

各都道府県教委からの報告数に変更があったのが原因で
  • 金網状のふたがあれば適正と勘違い
  • 『修理する』と回答した不備を『問題ない』とみなし
  • 調査中のプールをカウントしていなかった
  • 北九州市の数を後に加算した
  • 大津市分を後に加えた
同省は「プールの安全のため調査のスピードを優先し、事務的に無理なお願いをしたのでやむを得ない」としている。
公立学校や公営プールとなっていますから、これは各都道府県市町村などの教育委員会の所管施設です。
文部科学省の「教育委員会制度について」より
[教育委員会制度の仕組み]
  1. 教育委員会は、地域の学校教育、社会教育、文化、スポーツ等に関する事務を担当する機関として、全ての都道府県及び市町村等に設置。
  2. 首長から独立した行政委員会としての位置付け。
  3. 教育委員会は、教育行政における重要事項や基本方針を決定し、それに基づいて教育長が具体の事務を執行。
  4. 月1~2回の定例会のほか、臨時会や非公式の協議会を開催。
  5. 教育委員は、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命。任期は4年で、再任可。
  6. 教育長は、教育委員のうちから教育委員会が任命。
となっています。
事件の当事者であるふじみ野市はもちろん、今回のいくら急いでいるからと言って、集計が混乱するような事からは、教育委員会制度に無理があるのではないか?と思わざるを得ません。
教育委員会制度は、政治的中立性の確保・継続性、安定性の確保・地域住民の意向の反映を目的としているのですから、チェック機関的な意味合いがあるのかな?と思うのですが、公立学校の人事・予算をコントールしているはずで、実際には教育関係を抜き出してしまった縦割り行政になっている、と言って良いでしょう。
縦割り行政の欠陥は、それぞれが専門でない分野についても抱え込まざるを得ないことで、今回のプール死亡事件のポイントとなったところは建築技術や機械技術といった分野ですから、それぞれの自治体の技官が対応するべき事だったはずです。
やはり横の連絡を使わないからこんなことなったのでしょう。

8月 10, 2006 at 12:36 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

パロマ工業は・・・・・その10

朝日新聞より「湯沸し器事故、パロマに立ち入り検査 経産省
経済産業省は10日、ガス事業法と液化石油ガス保安法に基づき、同社と親会社のパロマ(同)に対する立ち入り検査を始めた。
パロマは2度にわたって事故原因などについて文書で報告しているが、同省は報告が不十分と判断し、検査を通じて追加の資料などの提出を求める。

検査は事故の原因や背景を探るのが狙いで、故障が相次いだコントロールボックスの構造や事故に結びついたはんだ割れなどについての資料を重点的に調べる。
検査対象の営業所は事故が起きた地域が中心で、事故情報が本社と営業所の間でどのように伝達されたかも調査する方針だ。

パロマはこれまで7月31日と8月7日の2度にわたり、同省に事故調査報告書を提出。
安全装置の改造などを主な事故原因と説明していた。
報告によると、81、82年ごろの初期に製造された湯沸かし器で事故が多発したこともわかっている。
当時の多くの資料については同社は「時代が古く、データが残っていない」などと説明しているといい、同省はこれらの資料の有無についても調べる。

85年以降、北海道、奈良、東京などで17件の事故があり、15人が死亡したとしていた。
パロマ側は当初、「不正改造が原因だ」と説明していた。
しかし、その後の調査で、北海道や秋田に当初の発表には、含まれていない事故があることが分かり、28件で死者は21人に拡大した。
同族企業という以上に、無借金、海外からの技術ライセンス収入などで、日本国内の売り上げはかなり少ない会社なのだそうです。
そこで、これを機会に国内工場の大幅縮小に向かうようです。

そもそも、今回の事件の発覚は経産省の発表によるもので、普通はこんな事になりませんよ。
製品をリコールするでしょう。
それが、大事件に発展しても、リコールや点検をしないとアナウンスし、ようやく最近になってひっそりとテレビで無償点検、無償交換のCMを出し始めました。

最初から経産省は怒っているのでしょう。
そして、とうとう立ち入りです。
それなりの行政処分になるのじゃないかな?

8月 10, 2006 at 12:15 午後 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.09

プール吸い込み事故の暗黒面その9

「プール吸い込み事故の暗黒面その8」の最後に次のように書きました。
プールとはどこに問題があるのかを教育委員会など運営側が理解していないのではないか?本質的なところで大問題だと思う。
旧文部省が「プールの吸い込み(排水)口の格子(フタ)はボルトやネジで外せないようにしろ」と指示を出していて、さらに「(万一格子(フタ)が無くて、人が吸い込まれても)安全確保のために奥にも格子を付けて二重にしろ」と指示しています。
しかもこれらの指示は毎年出しています。
それでも事件になった上に、当事者のふじみ野市は「市営プールには適用されないと思った」「(針金で留めているとは)知らなかった」などと言っています。

中日新聞社説 「あまりにもずさんだ
小坂憲次文部科学相は八日の閣議後会見で「予想を上回る調査結果で衝撃だ。
従来の通知は画一的な文章だったのではないか」と、反省の弁を述べている。
通達を出している文科省が驚いているというのは追跡調査を全くしていなかった証明ですから、その点について文科省の責任は間違え無くありますが、通知を受け取っていた主に教育委員会の判断力というより理解力や知識レベルの方が問題じゃないかと強く思うのです。


読売新聞社説 「子どもたちの歓声を取り戻せ
財団法人日本体育施設協会によると、

1965年から2004年までに、
吸水口や排水口での事故は59件発生し

54人が死亡している。多くは学校プールが舞台だ。特異な事故ではないと言える。

文科省は毎年、学校プールの事故防止についての通知を都道府県教委を通じて各市区町村教委に出している。

96年以降は、フタのボルト固定と吸い込み防止金具の設置という二重の事故防止策を通知に盛り、対象に公営プールも含めることを明記している。

指示が現場に浸透せず安全対策がないがしろにされていた。
教委の怠慢だ。
39年間で59件、54人の死亡ですから、毎年一人以上が死んでいるのです。
本来なら、プールの管理者はこのようなデータを把握しておく責任があると思うし、そうすればなぜ文科省がこれだけ繰り返して注意の通達を出してくるのかを分かるだろう。
今回は文科省は「安全確保の措置が取られるまで、問題のあるプールの使用中止を求める通知」を出たのだが、現場で混乱しているという。
さらにはテレビの報道では「工事には時間も費用も掛かるからどうしようかと言っている」というものすらあった。
これでは「言われたからやった」以上でも以下でもないだろう。現場が問題の本質を見ていないことの証明だ。
なんで「問答無用で、文科省の指示の通りにボルトやネジで留める」を実行しないでよいと考える現場があるのか?は毎日新聞の昨日の記事 「プール事故:営業中止の判断分かれ、混乱も 文科省調査」が紹介している例が典型でしょう。
吸排水口のふたが固定されていなかった福岡県の田川市民プールでは、営業するかどうかで判断が揺れ、訪れた約100人が約1時間にわたって入場を待った。
その後、「

ふたはボルトで固定されていないが、
125キロの重さがあり、構造上安全と判断

した」として、通常より1時間遅れの午前10時半、営業を始めた。
125キロ=125000グラム/7.8(鉄の比重)=16000立方センチ、厚みが20ミリ(2センチ)の板であるとすると、8000平方センチ=250センチ×30センチ野穴の全くない板、1/3ぐらいの穴があるとしても、30センチ×350センチぐらいの格子、となるでしょう。
そんなに大きな物ではありません。で問題は、実際にこれを持ち上げるのには、ウエイトリフティングじゃないのだから手作業ではいっぺんに持ち上げるヤツは居ないですよ。片側だけ持ち上げる。早い話が、125キロじゃなくて、60キロを持ち上げるのであって、しかも水中では浮力があるから、50キロぐらいの負荷にしかならない。これでも、「持ち上がらない」と言うのか?

文科省の通達は「引っ張っても外れない構造」を要求しているのであって、「外れないだろう」じゃダメだということが分かっていない。
これだから、「格子を二重にすること」というフェールセーフの考え方も浸透していない。
「何も考えていません。判断もしていません」というのと同義語だ。安全を確保するという観点から、管理者の知識・判断力の試験をやらないとダメだね。

8月 9, 2006 at 11:23 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.08

プール吸い込み事故の暗黒面その8

いろいろな記事が出てきました。

文科省の調査指示で、どうも1600箇所のプールが不適格であるらしいこと。
ふじみ野市は市は安全点検を全くしていなかったらしいことなどです。


東京新聞 「1596プールが金具なし 文科省が使用中止要請
サンケイ新聞 「防止金具不備1596カ所 プール事故受け文科省緊急調査

昨日のテレビで1600個所と聞いてさすがに驚きました。
内容的にはまだ整理されていないようです。
文部科学省が実施した緊急調査で、全国の学校や公営プールで吸い込み防止金具が設置されていない所が37都道府県で1596カ所に上っていることが7日、分かった。
吸水口のふたが固定されていない所は38都道府県の305カ所見つかった。

公営プール約5000施設で調査が済んだ2886施設のうち、吸水口が固定されていないのは4.1%にあたる120施設。
北海道が15施設と最多で山口県(13施設)が続いた。
吸い込み金具を設置していないのは12.4%にあたる358施設。
東京都(39施設)、山口県(37施設)、神奈川県(27施設)が多かった。

全国3万136校にプールが設置されている公立校では、吸水口のふたの固定に不備があるのが185校。
福岡県で36校見つかったほか、愛知県でも27校あった。
防止金具に不備があるのは、1238校。
千葉県(183校)が最多で、東京都(138校)、山口県(115校)が続いた。

通知は都道府県の教委と知事、国立大学と国立高等専門学校あてに出した。
水泳プールの安全確保のため、必要な構造として、ふたの固定と吸い込み防止金具という二重の防護策ができていない施設に対しては、必要な対策が講じられるまで使用を中止するよう求めた。
朝日新聞 「プール使用中止相次ぐ 文科省、立ち入り検査へ
文部科学省の緊急調査によって40都道府県の約1600カ所で見つかった問題で、各地の教育委員会や教育現場などが、8日から改修や点検など改善に向けての取り組みを本格化させている。

すでに処置を終えて営業再開したプールがある一方、改善策が講じられるまでプールの使用禁止を求める通知を文科省が7日夜に出したのを受けて、8日、新たに中止に踏み切ったところも出ている。
文科省は、安全対策に不備がある場合、必要に応じて施設に対して立ち入り調査を行う方針を明らかにした。

8日から新たに使用中止を決めたプールがあるのは栃木、千葉、東京、神奈川、愛知、富山、大阪、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、長崎などの各都府県。
こんな事ですから、かなり混乱しているようです。

読売新聞 「プール事故:営業中止の判断分かれ、混乱も 文科省調査
東京都三鷹市第2体育館室内プールでは、プール底の中央付近に2カ所ある吸排水口には吸い込み防止の金具が設置されていなかった。
その上のふたも固定しておらず、水圧で押さえる仕組み。
当初、安全上問題はないとして、8日午前通常通り営業を始めたが、急きょ午後から休止。
吸い込み口に網を張り、ふた4カ所をビスで固定する工事を行うことを決めた。

同市によると、排水口の口径は15~20センチで、ふたの大きさは40センチ四方。
口径が小さく、ふたもポンプで水を吸い込むので浮き上がる心配はないとして当初営業を続ける方針だった。
73年のオープン時からこの状態だったという。

吸排水口のふたが固定されていなかった福岡県の田川市民プールでは、営業するかどうかで判断が揺れ、訪れた約100人が約1時間にわたって入場を待った。

その後、「ふたはボルトで固定されていないが、125キロの重さがあり、構造上安全と判断した」として、通常より1時間遅れの午前10時半、営業を始めた。入場口前に子供らが列を作り、「今日は開くの?」と尋ねる人もいた。
前に指摘していますが、格子(ふた)が重いから開かないだろう、と思われたのを子どもが持ち上げて事故になったというのが文科省が「ボルトやネジで固定する」と指示を出した理由ですから「重いから安全と判断した」はかなりいい加減な解釈というべきしょう。この段階でも文科省のし時の意味が浸透しないのはある意味ですごいと思いますが、小坂憲次文科相がこんな事を言ってます。
8日の閣議後会見で「まだ集計中だが、予想を上回る不備が報告されてきたことは誠に衝撃であり、プールという人命にかかわる施設の管理について危険の認識に緩みがあるという印象を持った」と不快感を示した。
だから、こうなります。 東京新聞 「立ち入り調査も検討 プール安全不備で文科相
もともと今回の事件で「どこが何を管理しているだ?」となって、何をどう解釈したのか理解出来ませんが、ふじみ野市の教育委員会は管理下にある小中学校のプールと市営プールを分けて考えてしまった。
さらにはこんな状態ですから、確かに統一することは必要だし、安全設計基準、運用基準も明確に決めるべきです。

サンケイ新聞 「国交相「プールの統一安全基準策定を」
国土交通省の北側一雄国交相は8日の閣議後会見で、埼玉県ふじみ野市の市営流水プール事故を受けて、都市公園内や学校、民間などすべてのプールに対する横断的な安全基準を策定する考えを示した。
国交省や文部科学省、厚生労働省、経済産業省など関係省庁と連係して検討を進める方針。

プールの安全管理態勢については、国交省が都市公園内、文科省は学校施設のプールをそれぞれ所管しているが、民間のプールについては所管省庁が明確でないため、水質基準を監督する厚労省や経済産業省も含め、「安全管理についての統一基準の策定について議論を行う必要がある」と述べた。
それにしても、ふじみ野市の対応は「知らない」の連続といった印象で、逆に「何が分かっているのだ?」と思うところですが、なんでこんな事が「分からない」なのだろう?

読売新聞 「職員のプール巡回、料金回収が主目的…安全点検せず
合併前の旧大井町職員が行っていたプールへの巡回は、売上金の回収が主な目的で、設備の安全点検はほとんど行っていなかったことが8日、元職員の証言で明らかになった。

巡回の際に点検すべき設備などを定めたマニュアルもなかったといい、安全点検を管理業者任せにした行政側の安全意識の欠如が改めて浮き彫りになった。

99年から当時の大井町教委に勤務した元幹部によると、「部下から巡回、点検の報告を受けたことはない」という。

ふじみ野市教委の吉野英明教育長は「旧大井町の職員の業務は料金回収だけでなく毎日、点検も実施していたと報告を受けている。
料金回収だけが仕事だったとの認識はない」と話している。
こんな「知らない」「認識がない」で済むような話だったのか?というと、ポンプの容量が毎分10トンという事ですから、早い話が断面積が1メートル角で長さが10メートルの水の固まりを一分間で移動するというほどの仕事です。
とても人力で出来る仕事ではない。

毎日新聞 「プール事故:吸水管内の吸引力は、最大280キロ
ポンプに水を引き込む吸水管内で生じる吸引力は、最大約280キロに達することが専門家の計算で分かった。
吸水管がふさがれた場合、このような力が発生するという。
県警は、ふじみ野市や管理業者が吸水口の防護措置を取らなかった場合の危険性を十分認識すべき立場にあったとみており、関係者から事情聴取を進める。

新潟県横越町(現新潟市)の町民プールで04年7月、小学6年生の男児がプール底の排水管(直径約17センチ)に両足を吸い込まれて死亡した事故でも、強い吸引力があったため男児をプールサイドに引き上げるのに大人6人を要した。
この事故で町職員が業務上過失致死罪に問われた公判では、新潟地検は冒頭陳述で発生した吸引力を「推定300~500キロ」と指摘している。
どうして、これだけ事故があったのに、プールの改修が出来ていなかったのだろうか?さらには、プールとはどこに問題があるのかを教育委員会など運営側が理解していないのではないか?本質的なところで大問題だと思う。

8月 8, 2006 at 05:02 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.08.07

パロマ工業は・・・・・その9

昨日あたりに気づいたのだが、パロマがTVCMとして松下と同じく「無償点検、無償交換」と流し始めました。
やっていることは悪くはないと思うのだが、なんでそれが報道に流れないのだ?
Google やYahoo! で検索してもヒットしない。
blog 検索エンジンの Technoratiではようやく出てくるが、いずれも昨日あたりの記事ばかり。

プログの感想は「松下そっくり」で、まぁたしかにそう思うけど一般論としては他の表現方法がどれほどあるか?となりそうです。
それにしても、blog で取り上げられるようなことをやったのにそれを報道に載せない、そこらの極端なほどの不器用さが一連の事故の遠因だと思う。
こんなところにもある種の「風通しの悪さ」が透けて見えるわけですね。

8月 7, 2006 at 02:55 午後 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

プール吸い込み事故の暗黒面その7

朝日新聞より「事故のプール、二重さく設けず 埼玉・ふじみ野市
市が管理する市内の19カ所のプールのうち、吸排水口のさくを二重にする対策がとられていなかったのは、事故の起きたプールだけだったことがわかった。

文部科学省が例年5月に出している


事故防止に関する通知は、吸排水口の安全対策について、00年以降、

  (1)排(環)水口のふたはネジ、ボルトなどで固定する
  (2)吸い込み防止金具について、丈夫な格子金具とする

とし、

いたずらなどで簡単に取り外しができないよう

さくやふたを二重に設置することを求めている。

市内には小中学校18校のプールのほか、二つの市営プールがある。別の市営プールは老朽化のため営業を休止している。
05年10月に合併する前の旧上福岡市と旧大井町は、今年までに市内にある小中学校18校のふたを二重にする工事を終えた。
一方、事故が起きたプールは吸水口3カ所に付けたさく6枚が二重になっておらず、5枚は針金が使用されていた。
うち1枚は四隅のうち2カ所に留め具がないなど外れやすい状況になっていた。

99年の夏にプールの排水口に吸い込まれる死亡事故が相次いだため、文科省は00年以降の毎年の通知では、学校以外のプールについても、学校と同様の対応をはかるよう求めていた。
ふじみ野市教育委員会は「この通知が市民プールが対象となっていることには気づかなかった。
これで分かることは、何のために何をするのかを全く考えていない、事がはっきりしています。
毎年出てくる通達を何年間も無視したのはどういう事か?という問題でしょう。
さらには、そもそも格子がビスで留まっているのは「いたずらなどで簡単に取り外しができないよう」という通達が要求している水準に達していると言えるのか?

「市民プールが対象か気付かなかった」なんて事よりも、判断基準はどうなのか?の方がよほど問題だと思います。

これから何かを考えるのであれば、プールの危険度判定のようなもので全国のプールを判定してみるといったことをやるべきでしょう。

8月 7, 2006 at 08:54 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.06

プール吸い込み事故の暗黒面その6

毎日新聞より「プール事故:ずさんな安全管理が次々と明らかに…
吸水口のふたが針金で固定されていたり、危機回避策が取れる態勢になっていなかったことなど、ずさんな安全管理が次々と明らかになった。
県警は業者に加え、市に対しても業務上過失致死容疑での立件を視野に入れ捜査を続けている。
今後の捜査は、業務上過失事件の成立に必要な「事故の予見可能性」過失と事故の因果関係などの見極めがポイントになる。
例えば、「針金を使えばふたが落ちて事故が起きると認識していたか」(予見可能性)という点では、過去にふたの脱落はなかったため、さらに関係者への事情聴取や針金の強度を調べる必要があるという。
市は針金使用については「知らなかった」としており、どれだけ現場の管理状況を把握していたかさらに説明を求める。
そもそもふじみ野市(の担当者)が「どういうものであるべきかを把握していたのか?」という問題になるでしょう。
やたらと「知らない」を連発しているようですが、格子が二重を構造であるべき事の理由を理解していたのか?といったところが問題になります。

学校のプールには適用されると理解していたらしい、こんな理解が出来るとはちょっと思えないのだけれど、おそらくは書類の字面を読んだだけなのだろう。
つまり「なぜ二重にする必要があるのか」は知らないじゃなくて考えてないだろ。。

そうすると、そもそも縦に付いている格子をネジ停めるという構造が適切なものと判断していたのか?適切だとするのであれば、その根拠は?となっていく。
「知らないじゃ済まない」のであって、プールの運営は命に関わるのは承知しているけど、内容については考えたこと無い、というのでは廃業しかあるまい。
その方がよほど良いとも言えるだろうね。

8月 6, 2006 at 01:43 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (1)

プール吸い込み事故の暗黒面その5

朝日新聞より「死亡事故のプール、管理会社が談合か
管理運営を委託された「太陽管財」と、実質的に管理していた「京明プランニング」が、入札で談合していた疑いが強いことが関係者の話で分かった。
県警の調べでは、「太陽」は入札で落選した「京明」に毎回丸投げしており、安全性が重視されるプールの運営業務の入札が骨抜きになっていた形だ。

調べでは、「太陽」は92年以降、97年と00年をのぞき、プールの委託管理業務を落札し、「京明」に下請けに出した。

ふじみ野市が公開した00年から06年までの入札調書によると、「太陽」は7回、「京明」は6回入札に参加。
今年6月の入札では2社を含む9社が参加し、「太陽」が1100万円で落札、落札率は99%だった。
「京明」は9社中4番目に低い1128万円だった。

この入札に10年ほど前、参加したビル管理会社の元社員によると、「太陽」は参加業者から「親」と呼ばれていた。
「太陽」の落札額からわずかに上乗せした金額を指示され、別の入札での協力を条件に協力したという。

また、昨年まで4年間、「京明」で監視員のアルバイトのまとめ役だった会社員は、02年の業務を終えた打ち上げの席で同社員から「来年もプールを管理するので、みんな来てほしい」と頼まれたという。

一方、00年に両社など10社が参加した入札で落札したビル管理会社(東京)は「開業前の点検時にさくのネジがなかったので、行政側に指摘して用意してもらってつけた」と話している。

県警の調べに、「京明」の社員は「6、7年前から針金を使っていた」と話しており、県警は01年以降、連続して同じ業者が運営していたことで、ずさんな安全管理が改善されなかった可能性もあるとみている。
わたしは前から入札制度については、役所の側に判断が出来ないのであれば、意味がないだろうという主張をしています。
要するにやった仕事をチェックして品質が要求水準に達していることを確認した上で、価格が安いが正当化されるわけで、価格は安いが品質は分からないでは、入札なんてしない方がよい。
今回の事件は、安かろう悪かろうの方向だった疑いが極めて大きいです。

00年に落札した会社は「ネジがないぞ」と行政に申し入れています。つまり業務の品質は良かったが、00年以降は太陽管財が落札している。
これはどうかと思う。

8月 6, 2006 at 01:29 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.08.05

プール吸い込み事故の暗黒面その4

ふじみ野市のプール事件(事故ではないだろう)では、どうも報道のつっこみが甘いというか取材者が世の中の理を理解していないのではないか?と感じところがあります。

わたしには格子が二重になっていないというのが施設として失格だと思うのですが、報道では監視員が高校生のアルバイトだったという方が大きな記事だったりします。そういう「この報道は?」という視点でまとめてみます。

読売新聞 「プール事故の委託業者、監視員調査書未提出のまま落札
朝日新聞 「埼玉プール事故 管理会社、救命講習修了証提出せず受注」 この二社の記事はつじつまが合っていると思えないのです。

どう考えても、監視員の調査書が揃っていなければ入札資格がないとしたら、誰も応札出来ないでしょう。
読売新聞の記事「プール事故の委託業者、監視員調査書未提出のまま落札」では
調査書は昨年も未提出で、入札を担当する同市管財課に連絡もされておらず、同課は「未提出がわかっていれば入札には参加させなかった可能性がある」としている。同市教委の池本敏雄教育次長は「市教委の手落ち」として、ミスを認めている。
こんな発表をするふじみ野市もひどいと思うが、なんで記者は「そりゃ無理でしょう」と突っ込まなかったのかな?
「将来とも提出されない」なんて事が分かるわけがないですよ。
だから、この後に続くのは「将来のことは分からないのだから、提出しない業者でも仕方なかった」でしょう。
ふじみ野市のやるべき事は書類が提出されていない時点で、チェックすることだったはずです。
それを「入札に監視員の資格を確認するべきだ」と記事するのでは読売の記者の見識というか常識はどこにあるのかね?

朝日新聞の記事「埼玉プール事故 管理会社、救命講習修了証提出せず受注」はいわばタイトルが内容を示していないと言うべきじゃないかな?あるいは、記事の中身はふじみ野市批判であるのだが、タイトルでは業者の問題であると振ったのかな?
市側は再三、求めたが、提出されなかった。
このため同社は、今年度の指名競争入札から外される可能性があったにもかかわらず、市職員が必要な手続きを取らなかったため、業務を受注していた。
市教委は「職員が担当課へ伝えなければ、という意識が低かった」と話している。

同社の対応は市との契約違反にあたり、本来なら市教委は、翌年度のプールの管理委託業務の入札を担当する市管財課に伝えなければならなかった。
管財課は、同課が事務局を務める「市指名業者選定委員会」を開き、入札で同社を指名に加えるかどうか検討する必要があった。

選定委員会の委員長でもある北村政夫助役は「市が修了証を求めたのに、出さなかったことは重要な事項だ。
委員会で指名除外の可能性もあった」と話している。
そういうふじみ野市のワケの分からないか対応がいろいろな見落としを進めて、結果として死亡事件になったわけでしょう。
事件での重要性は正にこの記事の中身であるふじみ野市の実際には何もしていない対応にこそ原因を求めるべきであって、「入札するのに監視員の資格必要」と誤読させるようなタイトルを付ける波大きな間違えであろうと思います。

問題にするべき事を列挙すると
  • 格子が二重でなかった
  • 格子を固定すること意味を理解していない工事
  • 格子の取付状態の点検を全くしていない
  • 監視員の教育訓練などをチェックしていない
重大なチェックポイントでこれだけあるのですから、細かいことを取り上げたらきりがない。
これ、全部がふじみ野市の責任であると断定します。
何よりも利用者は「当然上記の手続きが保証されているからこその市営施設」と考えているでしょう。どう考えるのか?

8月 5, 2006 at 11:29 午前 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.08.03

プール吸い込み事故の暗黒面その3

中日新聞より「全監視員、危険認識せず
文部科学省が吸水口のふたをボルトなどで固定するよう求める通知を出していたにもかかわらず、市はプール管理を委託した業者に通知内容を伝えていなかったことが三日、分かった。

通知は一九九九年に「学校水泳プールの安全管理について」との題で文科省(当時文部省)から都道府県に出された。
翌年以降は「学校以外のプール」も対象となり、毎年五月末に都道府県に通知。文科省の通知を受け、県は市町村の教育長らに事故防止の通知をしていた。
ふじみ野市教委は六月六日に今年の通知を受け市内の十八小中学校に伝達していたが、市営プールについては委託業者に連絡していなかった。

文科省や県の通知は「吸水口のふたが固定されていない場合、早急にネジ・ボルトで固定すること」と明記していた。
これは、ふじみ野市がプールの吸水口の格子についての通達を取り違えていた、という件ですが元になった旧文部省の通達が出た理由となった「プールの吸水口の格子を固定しなければならない」は、今回の事件となった壁の側面に格子が付いている状況だと「なんでわざわざ固定しろと指示したのか?固定しなければ脱落してしまうではないか」と考え方が多いかと思います。

以前は、普通の25メートルあるいは50メートルプールの底にある吸水口(排水溝)の上に鉄製の格子を置いただけだったのです。
いわば、道路の排水溝の格子のようなものでした。
それを水中で持ち上げて外ししまうと、吸い込まれて抜け出せなくなる、事故が多発したのです。

旧文部省は「格子を置いてあるだけではダメで、持ち上げられないようにネジ・ボルトで固定せよ」と指示したのです。
趣旨は「子どもがいたずらで外すことが出来ないようにする」であって「ネジで留まっていればよい」という意味とはちょっと違うと考えるべきでしょう。

このような意味のある措置だから、文科省になった今も「毎年通知している」となっているわけですが、それをふじみ野市は学校だけに通知したというのだからおよそ中身を読んでませんね。
だから市営プールには通達すらしない、検査もしない。
そもそも、問題になったプールの格子は文科省の指示の「二重にする」に反しているし、格子をボルトで留めることの意味がそこにある鉄の格子をを持ち上げたり外したり出来ないようにする、という意味からすると側面にあるの格子にはつかまりやすいことを考慮すればより一層の強度が必要で、「ネジが取れたら脱落する」構造自体が不適格と言うべきでしょう。

ふじみ野市は、市営プールなのだからこのような点は当然チェックする義務があったのだから、結局は何重にもミスを重ねて危険なプールを公開していた、となりますね。

8月 3, 2006 at 05:44 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (8) | トラックバック (1)

2006.08.02

プール吸い込み事故の暗黒面その2

読売新聞より「「何のふたか分からなかった」女児死亡のプール監視員
現場にいたアルバイト監視員3人は、遊泳していた男児が流水プールで見つけた吸水口のふたを、「何のふただか分からなかった」と埼玉県警の調べに供述していることが2日、分かった。
  • 7月31日午後1時半ごろ、流水プールで泳いでいた男児がプール内に落ちていたふたを発見し、
  • プールサイドの監視台にいた女性監視員に手渡した。
  • 監視員は無線で、管理棟の事務所2階にいた男性監視員に「何かのふたが外れている。重要なものかもしれないので来てほしい」と連絡。
  • 男性監視員と別の女性監視員、現場責任者の3人がプールに向かった。
  • 4人のうち現場責任者だけがふたを見て吸水口のふたと気づき、女性監視員2人に吸水口近くに立って「(吸水口に)人を近寄らせなくするように」と指示。
  • 自らはふたを補修しようと、針金や道具などを取りに事務所に戻った。
  • 責任者が戻る途中の同1時40分ごろ、事故が起きた。その間約10分だった。
  • 女性監視員は目の前で瑛梨香ちゃんが吸い込まれるのを目撃し、「吸い込まれたー」と大声を出した。
  • 事故に気づいた責任者が起流ポンプを止めに管理棟に戻ったという。
格子が外れた段階で、アクシデントであり運営を中断するべきでしょう。インシデントがアクシデントになるといいますが、格子を止めるビスがなくなった段階でインシデントであり、報告されているべきでした。

毎日新聞より「プール事故:「去年の針金交換」 ずさん管理常態化
現場責任者は、プールの管理運営を請け負ったビルメンテナンス会社「太陽管財」から、市に無断で業務の丸投げを受けた「京明プランニング」の社員。
ふじみ野市と「太陽」が委託契約を結んだ6月19日以降にプールを訪れて点検。
「去年のもの(針金)から今年のものに、吸水口のふたの針金をすべて自分で交換した」と説明しているという。
ただし、何カ所を固定したのか、針金を交換した詳しい日時などは不明。

また、県警の調べで、吸水口の60センチ四方のステンレス製ふた計6枚のうち、四隅ともボルトで固定したものは1枚しかないことが分かった。

流水プールは3カ所に吸水口があり、それぞれ左右に並んだ2枚のふたでふさがれていた。
事故のあった吸水口は左側のふたが外れ、右側のふただけが四隅をボルトで固定されていた。

残り5枚は針金だけ、または針金とボルトで固定され、何も留めていないボルトの穴だけの個所もあった。
6枚の格子の内で、精機に取り付けてあったのは、1枚。またまた一枚が外れて死亡事故になったわけですが、正規に取り付けてあった1枚と脱落して死亡事故を引き起こした一枚を除いた4枚のどれもが、正式に取り付けられていなかった。 これでは、取付状態の確認は全くしていなかったですね。 良くもまぁこれで、市営の施設として運営したものだと呆れますが、市はそもそも契約した管理会社が丸投げしていることを知らなかった。ではチェックの実態は?となると。

朝日新聞より「埼玉プール事故、管理会社など捜索へ
市教委によると、今季のプール開園前の7月5、7日、管理業者が水を抜いて、ポンプやプール側面を清掃・点検した。
市の報告書には清掃したのは「太陽管財」と書かれているが、業務を事実上丸投げされていた「京明プランニング」の可能性もあるという。

清掃には市職員も立ち会ったが、プールの床面に降りて、点検することはなかった。
プールサイドからの点検では、さくにボルトがなかったり、針金で留めたりしていたことは分からなかったという。

プールが開園した同15日以降も、市職員は2日に1度、プールを訪れていたが、管理業務が適切かどうかを、管理責任者に聞いたり、ざっと見回ったりしただけで、細かくチェックすることはなかったという。
開園前の点検に立ち会い、2日に一度の割合で訪れて一体何を見つけるつもりだったのでしょうか?
実質的に市職員の時間つぶし以外の何物でもないでしょう。 ひどい話だ。

8月 2, 2006 at 06:40 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (4)

パロマ工業は・・・・・その8

読売新聞より「パロマ改造関与、説明ちぐはぐで経産省が経緯報告命令
31日に経済産業省へ提出した事故調査報告書では、パロマ側の不正改造への関与について触れていないにもかかわらず、提出直後の記者会見では、「(パロマグループ)社員で改造にかかわった人物はいない」と報告書にない発表をしていたことがわかった。

経産省は説明の食い違いを重視し、1日、同社に経緯を報告するよう命じた。

パロマ工業は31日の会見で、経産省への報告の骨子とする資料を公表。資料では
  • 「社員で改造にかかわった人物はいない」
  • 「パロマサービスショップで改造をしたと認めている人物は確認されていない(法廷で証言をした人を除く)」
  • 「経産省(提出報告書)と報道向け(資料)は同内容」
と回答していた。ところが、経産省が報告書を調べたところ、報道向け資料のような記述はなかった。 経産省は1日、発表内容の具体的な根拠を7日までに回答するよう命じるとともに、「(製品に)構造的欠陥はない」とするパロマ側の主張についても根拠を示すよう求めるなど、30項目の追加報告を命じた。

パロマ総務部は「なぜ、報告書にない発表をしたのか分からない」としたうえで、「サービスショップへの聞き取り調査はしているが、詳細は分からない」としている。
「パロマ工業は・・・・・その7」

問題が無いと言えば、現実の問題が無くなる

と書いたのですが、全くこの通りであって経産省から指摘されると、

パロマ総務部は「なぜ、報告書にない発表をしたのか分からない」

この総務部の発言自体がおかしい。なぜ分からないと発表すればよいと判断したのか?共通しているのは「発表段階でその反響を考慮しない」です。
7月15日に報道されて大騒ぎになりました。以下に読売新聞記事データベースからパロマ側の発言を並べてみます。日付は記事が出た日にち

7月15日
  • 「(だれかが)製品を延命させるために、安全装置が働かないよう改造した可能性がある」
  • 「いずれも当社に落ち度はなかった」としている。
  • 「4機種はいずれも一酸化炭素漏れがあれば、自動的に制御装置が働いて使えなくなる仕組み。修理業者が湯沸かし器を不正改造したため、事故が起きたと考えている」
  • 「当社にうまく情報が入って来なかった。知っていれば、もっとアクションを起こせた。メーカーとして力が足りなかった。改善の余地はあった」
7月16日
  • 「在庫不足が瞬間的に生じた可能性はあるが、パロマサービスが応急措置で配線を改造した事実は確認していない」
  • 「事故は不正改造によるもので、業界団体を通じた安全対策だけで十分と考えていた。結果的に多くの犠牲者を出してしまったことは重く受け止めているが、当時としては精いっぱいの対応をしたと思っている」
  • 「設置後に修理業者などが不正改造した」
7月17日
  • 「メーカー及び販売会社は一切関与していない」
  • 「高裁判決の内容は認識しているが、古いことなので現在、事実関係を確認している」
7月18日
  • 「自社製品が、はんだ割れを起こすケースは把握しているが、他メーカーと比べこの部分が弱いかどうかはわからない」
7月19日
  • 当時としては最善の設計だった。現在の基準では不良と言われるかも。
  • 販売店が修理したり、サービスショップが修理した例はある。
  • だれが不正改造したかは不明。
  • (改造を指示したのでは?)全くございません。
  • 故障時に部品がなく、安易に修理として改造された例がある。
  • (27件とも担当部署では把握していたのか?)いずれも書類はあった。部が引っ越して書類がバラバラになり、きちんと管理されていなかった。
  • (事故はほかにないのか?)いとは断言できない。
  • (1992年の事故時、消費者向けになぜ広報しなかった?)業界向けだけでいいと判断したと思う。
  • (品質劣化が原因ついて)「製造した責任があり、補償については社内で検討し、対応する」
  • 「不正改造が原因と考えて事故を見過ごしてきた」
  • 「我々すべての責任という姿勢で対応すべきだったと反省している」
  • 「当時は最善の設計だった」
  • 「今の基準では設計不良と言われるかもしれない」
7月20日
  • 「不正改造は品質の問題とは別という認識で、報告しなかった」
  • 「コントロールボックスの修理方法を説明した文書を出したことはあるが、不正改造にかかわる文書は出していない」
  • 「修理業者が刑事処分を受けたと聞き、特殊な事案と考えて何も手を打たなかった」
7月22日
  • パロマ工業は21日、愛知県清須市の同社清洲工場で、事故を起こした瞬間湯沸かし器と同じ機種の製品を使い、不正改造した場合に安全装置が働かなくなる様子などを公開した。再現後、鎌塚渉・品質管理部長が「簡単な改造ですべての安全装置が損なわれてしまう。このような改造は絶対にあってはならない」とコメントしたが、製品の品質劣化についての質問が出されると、予定時間(30分間)が過ぎたことを理由に、質問には答えず、会見を打ち切った。
7月25日
  • 「金額の大小はあくまで裁判所の判断で、責任の有無には関係はない」
  • 「サービスショップと資本関係はなく、別会社。(証言は)解決金支払いには関係ない」
7月28日
  • 「この修理員の担当エリアは特に念入りにチェックしたので、チェック漏れはなかったと考えているが、当時の記録が残っていないので分からない」
7月31日
  • 「修理業者への周知徹底を図った」
  • 「構造的欠陥ではない」
  • 「ガス事業者を通じた働きかけの方が有効と判断した」
  • 「改造を指導、容認した事実はない」
  • 「(系列の)パロマサービスショップで、改造したと認める人物は確認されていない」
  • 「他社製品に比べて出荷台数が圧倒的に多かった」
  • 「改造者の危険性に対する認識が希薄だった」
8月1日
  • 「社員の関与はない」
  • 「不正改造を認めている人物は現在、確認されていない」
  • 「だれが改造したかは発見できなかった」
  • (調査方法について問われると)「時間的な余裕がなく、何人かには事情聴取しているはず」
  • (消費者に不正改造の危険性を呼びかけなかった)「(消費者が)不正改造の有無を判断するのは困難」
  • (「はんだ割れ」が多発していたことについて)当時では標準的な仕様。構造的な欠陥ではない」
こうして並べてみると、発表することでかえって信用を無くしていると言えるでしょう。
俗に言う「社員が上ばかり見ている」なのかな?とも思いますが、一種の企業文化なのでしょう。
その意味では「同族企業だから」という批判は当たらないと思っています。上場企業でもワンマン経営者は少なくない。しかし近年は企業の社会的責任といった点が強調されてきて、企業内部の都合だけではダメだというのが多くの企業に浸透しています。一番すごいのは、

パロマ総務部は「なぜ、報告書にない発表をしたのか分からない」

という発表をしてしまうことでしょう。問題は、こういう事を言ってしまう(やってしまう)体質にあると思います。

パロマは対策費が200億円との見通しを発表していますが、パロマ工業の2006年1月期の決算は、売上高が260億円、経常利益は22億円とされているので、これでは完全に倒産水準ギリギリになってしまいます。株式公開で資金調達するしかないでしょう。天動説同様に「我が社が全て」とやっていては、こういう時の対応もままならない、ということです。

8月 2, 2006 at 12:56 午後 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.01

プール吸い込み事故の暗黒面

サンケイ新聞より「流水プールを実況見分 小2女児死亡で埼玉県警
監視員や現場責任者は事故前、ふたが外れているのを遊泳客の指摘で把握しており、県警は業務上過失致死の疑いで同市や施設の管理・運営を委託されていた会社の責任について捜査している。

監視員らは流水プールにいた客に吸水口近くに近づかないよう呼び掛けていたが、遊泳中止やポンプを止めるなどの措置は取らなかった。

プール利用者からふたが外れているとの通報があってから瑛梨香ちゃんが吸い込まれるまで約10分あったという。

調べでは、瑛梨香さんは7月31日午後1時50分ごろ、頭から吸水口に吸い込まれ、約5メートル入ったパイプの中から約6時間後に救出されたが、病院で死亡が確認された。

吸水口は、ボルトで固定された2つのふたのうち片方が外れ、針金で補修した形跡があった。市の調べでは、吸水口のふたが修繕された記録はなかった。
フタが外れていることを客に指摘されて、給水好日が付かないように呼びかけていた。
というのは昨日のニュースでも伝えられていましたが、毎日新聞より「プール事故:自治体合併で点検回数減っていた
同プールでは現在、50分遊泳した後、休憩時間を10分設定し、その間に監視員らが気温や水温を中心に確認している。
事故前の31日午後0時50分からの点検では、瑛梨香ちゃんが吸い込まれた吸水口の異常には気付かなかったという。
他のプールなどでは、格子を二重にして「万一吸い込まれて止まる」といったフェール・セーフの考え方を取り入れている施設もあるそうで、その点「針金で留めていたのだが、記録がない」とはずいぶんと手抜きだと言えます。

さらに、最後の点検が0時50分からで、1時40分ごろに客から「格子が外れている」と指摘され、1時50分ごろに事故が起きたようなので「監視員が近づかないように呼びかけた」とは一体どういう事をやっていたのか?が問題ですね。
例えば「マイクで呼びかけた」というのであれば、どう考えてもほとんど効果がないでしょうし、少なくとも被害者の少女が吸水口に近づくことを留めることが出来ない「監視」であれば一体何をしていたのか?

そもそも、点検で格子が外れていた場合に「どういう対処をすることになっていたのか?」それは「近づかないように呼びかけることになっていたのか?」といった問題になります。
「格子の脱落を施設側が知らなかった」ならある意味で問題は単純ですが、今回の事故では「脱落を知っていたのに、どういう対処することになっていたのか?」灯言うちょっと難しい判断が必要だったことは事実ですが、これを判断してこその施設でありましょう。「判断出来ないから動けなかった」ということであれば、判断出来ないこと自体が犯罪的な無責任と言うべきです。

8月 1, 2006 at 02:35 午後 事件と裁判, 事故と社会 | | コメント (10) | トラックバック (1)

パロマ工業は・・・・・その7

パロマ工業は社長が経産省に報告書を提出し、その後東京でパロマ工業の社長の記者会見、愛知県清洲市の工場でパロマ工業、パロマの両社長の記者会見がありました。各紙がいろいろな記事を書いています。

朝日新聞 パロマ改造、社員関与を否定 経産省に報告書
日経新聞 パロマ、事故対策の不備認める・経産省に報告書
読売新聞 パロマが報告書「改造容認」「構造的欠陥」を否定
読売新聞 パロマ事故報告書に遺族の怒り「反省しているのか」
毎日新聞 パロマ湯沸かし器事故:消費者軽視の弁明 点検困難理由に情報未公開--事故報告書
サンケイ新聞 「汚れや劣化原因」9件 パロマ、再発防止へ報告書
北海道新聞 製品の欠陥否定 パロマ両社長が会見
北海道新聞 事故対応に200億円 パロマ、人員削減も


報告書の内容についての切り口が各社の記事で違っているのですが、報告書の内容について集めてみました。
  • 安全装置が機能しないようにした改造
  • 老朽化による部品の汚れや部品の劣化による故障
  • 安全装置の改造を、同社が指導したり、容認したりした事実はない
  • 改造に関与した社員はいない
(以上朝日新聞)
  • 不正改造を複数回にわたって認知していたが、「その都度、改造の厳禁を呼びかけてきた」
  • 系列のパロマサービスショップの従業員についても、「改造を認めた人物は確認できなかった」
(以上読売新聞)
  • 「一般使用者へ働きかけなかった理由」として、「ガス事業者を通じた周知徹底の有効性」
  • 実際に使用している消費者に伝えなかったのは(1)フロントカバーを外す必要がある(2)不正改造の有無の判断が消費者には困難--という理由を挙げた。
  • 製品のリコールを92年時に検討したことも明らかにした。しかし、社団法人「日本ガス石油機器工業会」の基準が「通常の使用状況において消費者の生命・身体もしくは財産に対して危害・損害を発生させる重大事故」となっていることを挙げ、一連の事故の原因となっていた「改造」が「通常の使用状況」に当たらないと判断。リコールの届け出を見送っていた。
  • 「結果的に事故が繰り返された理由」は、「改造による事故は、製品に起因するものであるという認識はなかった」とし、事業者による改造が続出したのは、(1)出荷台数が他社に比べて圧倒的に多かった(2)製品の使用が想定期間を大幅に超え、老朽化し部品故障が多くなった(3)改造者(事業者)の危険性に対する認識が希薄だった
(以上毎日新聞)
  • これまでの事故対応が不十分だったとして、新たにリコールの自主基準を設けることを報告書に盛り込んだ。外部の識者を加えた検討委員会を設置する方針。今後はガス事業者や警察と協力し、積極的に事故情報を収集するとしている。
(以上サンケイ新聞)


各社の記事もタイトルの段階ですらかなり批判的ですが、読売新聞 パロマ事故報告書に遺族の怒り「反省しているのか」
事故を消費者に知らせなかったことに関し、「ガス事業者を通じた働きかけの方が有効と判断した」とも釈明した。
この点について一人の被害者の母は「知らされれば湯沸かし器を取りかえることも考えたし、少なくとも注意はできた。なぜ、こんなに大きな問題を業者にしか伝えなかったのか」と怒りを新たにしていた。

事故原因の一つの不正改造について、パロマ側は今回、「改造を指導、容認した事実はない」「(系列の)パロマサービスショップで、改造したと認める人物は確認されていない」とした。

しかし、1987年の北海道苫小牧市と95年の恵庭市で起きた事故に関係する民事訴訟では、出廷したサービスショップの元修理員が「応急処理的に(不正改造となる)バイパス修理をある程度の件数行った」と証言している。
と極めて批判的な記事になっています。

私は一部の機種に欠陥があり、モデルチェンジしても欠陥が是正されなかったから長期間に渡って大量の不具合機種がでて、さらに不正改造から死亡事故に至ったのであるから、問題の根本はなぜ一部の機種に問題が集中したのか?だと思うのです。
どうも会社の出した報告書の中の「欠陥はなかった」とは製品がメーカ出荷時のまましようし続けた場合に、死亡事故を起こす欠陥はなかった。という狭い意味で鹿捉えていない、あるいは意図して狭く解釈した。
そのために「不正改造をした理由は分からない」となっているのでしょう。

不正改造がでてきた理由こそが、1%~3%といわれるハンダ割れによる停止にあったのだ、というべきでしょう。
そもそも一般家庭向けの製品の故障率が1%では、ビジネスとしては成立しませんよ。
問題を一部で隠すというのは、その他の部署からは問題がなかったように見えるるのがポイントでしょう。

問題が無いと言えば、現実の問題が無くなる

という変な思い込みまま抜け出せないように見えます。

8月 1, 2006 at 12:04 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.07.29

パロマ工業は・・・・・その5

北海道新聞より「パロマ 修理の定期報告要求 不正改造の系列業者に契約結び緊密関係
パロマ工業(名古屋市)製のガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、販売に当たる親会社のパロマ(同)は、不正改造が指摘されている「パロマサービスショップ」と、技術指導などを通じて緊密な関係を持っていることが、二十八日、分かった。
パロマはショップに対し契約書などで修理業務の定期報告も要求。
日常的なやりとりがあったにもかかわらず、ショップ従業員による不正改造を見逃したパロマ側の責任の一端が浮上した。

サービスショップはパロマ製品の修理代行店で、パロマに直接寄せられた修理依頼などを同社から請け負っている。
パロマ側は一連の事故発覚後、「サービスショップと資本関係はない」などとし、事故の監督責任を問われるような関係にはないと否定していた。

北海道新聞が入手したパロマとパロマサービスショップが結んだ契約書では、サービスショップが行う業務として、パロマ全商品のアフターサービスや、修理内容についてパロマへの定期報告義務などを規定。
報酬額の算定方法なども細かく定めている。

製造元のパロマ工業によると、少なくとも一九七四年以降、すべてのサービスショップとの間で同様の契約を締結。
ショップ以外の販売店とは、細かな内容の契約書を交わしておらず、ショップが修理にかかわる業者の中でも優越的な存在であることを裏付けた。

パロマ側はショップとの契約などの関係について「契約を通じてメーカーとして技術指導する責任はある」としながら、「一連の事故についてパロマ側に責任はないことは裁判で認められている」と、不正改造の責任について否定している。
この問題の核心は、厳密な法的な解釈によって解決出来る事ではなくて企業が製品を通じて社会とどう関わっていくのかという企業の存在意義についての問題提起となっているといえるでしょう。
いくら法的に正しくてもそれだけで社会から企業として認められるものではないから、企業はいろいろな発表をしたり事業の範囲を制限したりしているわけで、現在のところパロマの対応はマイナスの方向にしか向かっていないでしょう。

現実の事故は、使用後10年といった古い機種で起きているから、新製品に交換するべきであったわけです。
それが何で改造して継続使用するなんてことなったのか?それこそが問題の核心であってパロマが「それは知らない、責任がない」では問題を明らかにすることを妨げていることになる。
このようなパロマの対応では、企業の評判を下げる事になってしまうから、もっと分かりやすい対応があるだろうにと強く思うところです。

7月 29, 2006 at 10:35 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.07.26

パロマ工業は・・・・・その3

朝日新聞より「パロマ事故、70年型でも同じ改造
パロマ工業(名古屋市)製の湯沸かし器で一酸化炭素中毒事故が相次いだ問題で、経済産業省が指摘した7機種より前に製造、販売された同社製の別の湯沸かし器でも、安全装置を短絡させる不正改造が見つかっていたことがわかった。
一瞬どういう事か理解出来ないですが、昨日書いた「パロマ工業は・・・・・その2」では

パロマ工業は八九年までに事故機種の製造を中止し

とありますから、改造が行われて事故を起こした製品は80年代に製造されたものだと考えられていた、ということです。

朝日新聞の記事は
事故を巡る損害賠償請求訴訟でパロマサービスショップの元経営者が証言していた。不正改造は以前から行われていたにもかかわらず、パロマ工業は、簡単に安全装置の短絡ができる構造を機種変更でも改善せずに放置していた可能性が出てきた。

北海道恵庭市で95年に1人が重症になった事故の裁判記録によると、元経営者が不正改造を指摘したのは「PH―6号F」という型の湯沸かし器。 パロマによると、この型は70年6月に売り出された。
これは95年1月に起きた事故の裁判での99年2月の証言のようです。
この事故で問題になった製品が、70年代の製品であり、それに問題があることが事故としては95年に判断出来たということでしょうが、96年に80年代の同様の設計の製品の部品供給を打ちきっているということになります。

これはどういう事か?

事故情報の管理を全くしていなかった、ということになりそうですね。
昨日書いた記事では

パロマ工業総務部では「国の通達の供給期間(七年)を超えて、部品を供給する義務はない。
故障が生じて部品がない場合、製品の使用を中止するのが消費者側の通常の対応だ。
不正改造で使用を継続することは、メーカー側が予想できないこと」と話している。

と言っているようですが「製品に責任は持ちません」と言うのと同じ事ではないか?

7月 26, 2006 at 09:51 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.07.25

パロマ工業は・・・・・その2

北海道新聞より「交換部品96年製造中止 パロマ、不正改造誘発か 事故機種、道内2500台使用
パロマ工業(名古屋市)の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、同社は、不正改造による事故が相次いでいた最中の一九九六年までに、事故関連機種の交換部品の製造を中止していたことが二十四日、分かった。

部品の製造中止は九六年以降も発生した不正改造による事故を誘発した可能性があり、パロマ側の姿勢が問われそうだ。

事故を起こした機種は「PH-81F」「PH-101F」「PH-102F」「PH-131F」の四機種。
パロマ工業によると、計二十四万五千台を製造・販売し、道内では、数万台を売ったという。
事故機に構造が似ている「PH-82F」「PH-132F」「PH-161F」の三機種も含めると現在、道内では二千五百台以上がなお使用中という。

パロマ工業は八九年までに事故機種の製造を中止し、国の通達に従って七年後の九六年まで、交換部品の製造を続けたがそれで打ち切った。

パロマ工業総務部では「国の通達の供給期間(七年)を超えて、部品を供給する義務はない。
故障が生じて部品がない場合、製品の使用を中止するのが消費者側の通常の対応だ。
不正改造で使用を継続することは、メーカー側が予想できないこと」と話している。


これに対し、北海道消費者協会の根本芳紀常務理事は「メーカーには製品に対する責任がある。
事故の発生情報を十分に開示しないのに、使用中止の時期をユーザーに判断させるのは、消費者無視もはなはだしい」と指摘している。
パロマ側の主張は無理があると考えます。

「不正改造して使用し続ける」という表現には「使用者がみずから不正改造して」と取れますが、瞬間ガス湯沸かし器といったものを使用者(消費者)が自力で改造することはほとんどあり得ないことで、工事業者が改造したのがほとんどでしょう。
工事業者にはメーカであるパロマから取付を含む技術情報が通知されているわけだから「部品がないから交換しろ」という通知が行っているのが当然で、その通知の中には「改造は絶対にしてはならない」となっているはずです。

一方、修理部品の生産をやめた理由が「国の通達で7年間」とやっていたのですから市場にある使用中の製品の状況にかかわらずに生産を打ち切ったと取れます。
一方で部品供給を止めてしまい、その一方で市場(工事業者)に製品の新機種への交換を指示していない。
これは「あっちにもこっちにもいい顔をしたい」という姿勢のあられでしょう。あるいは「時間が経てば新品に交換してくれる」という甘えですか。

なぜ「新製品に交換」という指示を出さなかったのか?を想像してみると「部品がないから新品にしろ」とやったら、他社製品に乗り替えられる可能性があるから、でしょうね。
つまりは「問題先送り」であり「供給の都合優先」であり「役所の指示に従っていればよい」という姿勢や判断力の甘さの集大成が現れた、というべきなのでしょう。

7月 25, 2006 at 09:15 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.07.18

パロマ工業は・・・・・

読売新聞より「パロマ事故、17件発生直後に把握…上層部に伝えず
パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器による死亡事故が相次いだ問題で、同社は17日、経済産業省が指摘した17件の事故すべてについて、発生直後から本社の担当部が把握していたことを認めた。

同社の内部調査では、1990年に北海道帯広市で2人が死亡するなど、ほかに数件の事故が発生していたことも判明。
事故件数は20件以上で、最初に事故を認識した時期も、従来の説明より少なくとも6年早い85年にさかのぼることになった。

同社は、会見した今月14日の時点で、社内で把握している事故は17件のうちの7件で、残る10件は「11日に経産省から指摘されて知った」と説明していた。ところが、同社によると、事故情報は、発生する度に警察から同社に照会があり、本社の品質管理部が関係書類を保管することになっていて、問題の17件についても、同部がすべて把握していたという。

ただ、これらの事故は、「器具の欠陥ではなく、不正改造が原因」との認識だったため、上層部には報告されていなかった。

パロマ工業の事件への対応そのものが批判されていて、ワイドショーのコメンテーターは「会社の存続の問題になるぞ」とコメントしていました。
こういうアクシデント・インシデントへの対応をどうするのか?というのが、ネットワーク管理についてセミナーでも取り上げられるようになっています。 「BCP(Business Continuity Plan-業務継続計画)」と呼ばれ、事前に用意しておけとなっています。

要するに、ビジネスの継続を阻害する要因は事欠かない、その中には天災もあるがそれでも事業を止めないようにするにはどういう準備が必要か、実際に問題が起きた時にはどう対応するかは、事前に演習しておかないとダメでしょう。
といったことです。
海外に事業展開している会社などを中心に出てきた考えで、以前からあったのですがビジネス社会で必要なことだと認識されたのは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロでした。

特にインフラに属する企業にとっては社会的にも重視されるわけで、次に消費者に直結している商品を扱っている企業には大問題であると認識されてきました。 松下電器が石油ファンヒーターの回収のために全ての宣伝を止めてしまったというほどの対策を打ち出したのに比べて、パロマ工業の「知らなかった」はいかにもまずいでしょう。
シンドラーエレベーターへの批判も同じですがBCPの観点からどう対応するべきかは、事の大小にかかわらずチェックするべき項目なんですね。

7月 18, 2006 at 10:04 午前 事故と社会, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.07.04

エレベータ死亡事故・その15

読売新聞より「シンドラー社製「閉じ込め事故」、1年間で320件
業界団体「日本エレベータ協会」が公表した大手5社のエレベーターの閉じこめ発生率は平均で1月当たり0・15%だが、シンドラー社製は0・4%台で約3倍の高い発生率となった。

シンドラー社は「エレベーターは数多くの安全装置を備えており、乗客の安全が脅かされる状態から守るために閉じこめが起きる」と説明している。
エレベータはカゴの中で飛び跳ねたりすると、安全装置で緊急停止して閉じ込められることがあります。
そこでシンドラー社のエレベータが大手5社に比べて3倍の閉じ込め報告があったことの意味を考えてみると、機械であって各種センサーの働きで緊急停止・閉じ込めと至るわけですから、原因・感度といったもので閉じ込めの件数も変わる可能性があります。 しかし、人が飛び跳ねるといった原因がシンドラー社のエレベータでは多いというのあり得ないでしょう。
一方、ゴミが挟まったとか光学センサを使っているのだとするとレンズが汚れていたといった機械的な感度が他のメーカーと違うことはあり得ますが、それだと例えば年中止まってしまうといった実用上の問題になりそうです。

人の使い方や機械がシンドラーエレベータの製品と他社製品があまり変わりがないだのだとすると、閉じ込め報告数の他社よりも多い部分は他社にはない原因で閉じ込め事故を起こした。となりますね。

具体的には乗っている人も平均、機械の仕組みも平均、メンテナンスの状況も平均だとすると閉じ込め事故を引き起こした原因が、通常の機械の状況や使う人の使い方など以外の主に設計上に問題がある、としかなら無いでしょう。

7月 4, 2006 at 02:30 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.07.02

エレベータ死亡事故・その14

読売新聞より「シ社製エレベーターで閉じ込め、40分後に救出…横浜

わたしは、エレベータが何らかの異常で「正常に止まる」のは事故ではないと考えています。その結果、何分間か人が閉じ込められるもの仕方ないし、これも事故とは思いません。
しかし、このニュースはどうもちょっと違う。

2日午前1時ごろ、横浜市西区南幸のディスカウント店「ドン・キホーテ横浜西口店」(7階建て)で、買い物に訪れたの男性会社員が1階から「シンドラーエレベーター」社製のエレベーターに乗り込み、上昇した際、ドアが開かなくなって閉じこめられた。

1階から7階まで何度か行き来したが、どの階でもドアが開かず、約40分後、駆け付けた同社社員に救出された。
どういう事だ?
ドンキホーテだから深夜といっても客は大勢いるだろ。さらに、被害者だってボタンを押しただろ。
それを無視して上下したというのでは、安全もヘチマもないだろ。

何か異常があれば止まって当然で、動き続けたとはどういうことなのだ?
これでは、全面的に使用禁止になって仕方ないと思う。

7月 2, 2006 at 09:28 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.06.26

エレベータ死亡事故・その13

朝日新聞より「体育館の工事 豊田市がシンドラー社に中止申し入れ
豊田市は26日、シンドラー社が工場で始めているエレベーターの製造を7月31日まで中止するよう同社に申し入れた。
豊田市総合体育館のエレベーターは、指名競争入札で同社が落札した。
市は市民の不安を考慮し、製造を中止させた上で同社製エレベーターの安全性を確認したいとしている。

ただ、短期間での安全性の確認は難しく、市はこの間に同社に契約の辞退や解除を申し入れる方針だ。
しかし一方的に解除できる条項が契約になく、同社が辞退するかどうかは不透明だ。市は7月までに、同社に損害賠償をして別の会社に変えるか、安全面などの条件を付けた上で同社に設置させるか判断したいとしている。
これ、大問題でしょう。
入札で決めたものが信用できませんというのでは、入札制度がそのものが信用できないということでないですか。

単純に価格競争をするのであれば、競争する各社の製品の品質が同じである、ということが前提条件になるか、行政側が品質をチェックし保証する技術力があるか、どちらかしかないでしょう。
行政が品質を技術的にチェックする能力は無いのですから、仮に「安かろう悪かろう」であっても、悪いかどうかが判断できない、ということです。

入札では「1円入札」といったこともあって「どうよ?」なのですが、どうするでしょうかね?

損害賠償金を支払って契約を解除するにはその必要性をどうやって主張するのだ?「短期間じゃできない」のなら長期間掛けて検討したらどうなのよ。
死亡事故になった港区では住宅管理を行っている公社を解体しちゃうらしいし、実は責任の多くは入札制度にあるのではないか?

6月 26, 2006 at 03:25 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.06.18

エレベータ死亡事故・その12

朝日新聞より「シ社エレベーター停止、4人閉じこめられる 横浜地下鉄
7日午後7時10分ごろ、横浜市西区南幸1丁目の横浜市営地下鉄横浜駅の地下2階改札階で、シンドラー社製のエレベーターが約30センチ上昇したところで突然停止し、大人と幼児ら4人が閉じこめられた。
乗客からインターホン通報を受けて駆けつけた駅職員と他機の点検中だったシンドラー社社員が扉を開け、約3分後に助け出した。乗客にけがはなかった。
最初は「3分後に駅員が救出した」という報道だったので「イヤに速いね」と驚いたのですが、社員がタマタマいたわけですね。
わたしは「正常に止まるのは事故ではない」としてますから、これも事故じゃないと思いますが、原因には問題ありではないか?と思うのです。

産経新聞より「シンドラー製エレベーター、また閉じ込め 市営地下鉄横浜駅
レベーターは油圧式で、同社の点検の結果、油の流量をチェックするセンサーが誤作動したことが分かり、センサーを交換し運転を再開した。
油圧式で流量調整でセンサーがあるのは当然であるが、それで閉じ込められてしまうのというのはヘンではないか?と思う。
通常は油圧式エレベータではカゴを油圧で持ち上げているはずだから、油圧が抜ければ一番下(構造によっては一番上)まで動くはずだ。
ホースが切れたとかでない限り、油圧は一気には失われないので自由落下でもその速度はゆっくりしている。
つまり閉じ込めになるという選択ばかりではないようにも思う。
ところが、今回は記事によれば、センサーの異常で停止閉じ込めだそうで、ちょっと制御の頭が悪すぎないか?

どうもシステム全体に危険なほど冗長度が低い物を、メンテナンスで動かしている。という感じがしてならない。

6月 18, 2006 at 06:35 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

エレベータ死亡事故・その11

読売新聞より「エレベーター事故、ブレーキ異常と断定…警視庁
警視庁捜査1課は、事故機が急上昇して高校2年の男子生徒(16)を挟んだ原因について、ブレーキに異常が生じ、つるべ式のおもりの力を制御できなかったためと断定した。
おもりの重さだけで、事故機が引き上げられる力を測定したところ、男子生徒が事故時に受けた圧力と、ほぼ一致したことを確認。
同課は、事故当時、モーターが作動した可能性はないと判断した。
ブレーキが摩耗していて効きが悪かった。という報告は出ていますから予想通りではありますが、もう一面で疑問が出来ます。
  • エレベータが停止するときには巻き上げモータは停止する(当然ですが)
  • ブレーキは電磁式だから、ブレーキが掛かっているときには通電しない(停電してもブレーキが利くためには必須)
  • 事故は、ブレーキの効きが悪く止めることが出来なかった。
要するに
「安全装置がない」

ということになってしまうのだが?
そんな設計がありうるものなのか?

停電などで電気が無い場合にもエレベーターは通常通りの運行が出来なくてはいけない、とは誰も考えないだろう。
それでも停電した場合には止まった位置から全く動かすことが出来ず、中の人は電気が車で閉じ込められます。ではこれも許されることではない。
非常時には電力が無くても人力など出て安全適切に動かすことが出来て当然だ。となりますが・・・・・。

実際には空荷のカゴが急上昇して最上部に激突してワイヤーが滑車から外れたとか、レールからカゴが外れて傾いていると伝えられています。
つまり「人力では制御不可能であった」のです。
電気はメインの電源を切ってあったので、ちょうど停電状態であったのです。

これで分かることは、電気的に適切な制御があった上で、停電などでも人力での操作を含めて適切で制御可能であること、を要求されているわけですがこれが両方ともダメだった。ということになりますね。
少なくもと「ブレーキが壊れたら暴走します」が理由を問わずに許されるとは思えない。

明らかにするべきは、どういう設計であったのか?でありましょう。

6月 18, 2006 at 09:03 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エレベータ死亡事故・その10

毎日新聞より「エレベーター事故:事故機の保守会社員、ずさんな点検証言
事故機の保守点検を請け負っていた「エス・イー・シーエレベーター」の技術系社員が毎日新聞の取材に応じ、「メーカーからの製品情報がほとんどなく、部品の調整が怖くてできない」と証言した。
業界の情報の閉鎖性と保守点検業務の危うさが浮かび上がった。

事故機の保守点検は当初、製造元のシンドラーエレベータ(江東区)が行っていたが、その後競争入札になり、
05年度は「日本電力サービス」(多摩市)、
06年度はエス社になった。

エス社は今年4月から事故発生の6月3日までに4回の点検をしていたが、ブレーキの不具合を感じながら補修は一度もしていなかったことが明らかになっている。
その間もトラブルは何回か起きていた。

保守点検が不十分な理由についてこの社員は、
シンドラー社製の情報がほとんどないことを挙げた。
「メーカーは自社系列でない会社に設計図や点検マニュアルを渡さない。
大手メーカー系列から中途入社した社員が製品の知識を伝授しているが、
大手以外のOBはほとんどいない」という。

エス社は06年度の保守点検を約115万円(前年度比43万円減)で落札した。
シンドラー社が随意契約で請け負っていた03年度に比べると3年間で4分の1の価格になった。

安値受注について社員は「メンテナンスに限界がある。5年、10年と継続受注してはじめて部品代もねん出できる。入札で1年ごとに業者が代わるのでは部品交換もままならない」と訴える。
部品交換が出来ないのでは何を点検しているのか分からない、というか意味がない。
わたしは、「シンドラーエレベータ・自治体困惑と言うが」
値段だけを見れば悪くても安いものを買わざる得ない、内容はさっぱり判らない。
一体どうやって入札を成立させるのでしょうか?基本的に入札制度自体が無理に近いんじゃないでしょうかねぇ?
と書きましたが、今回の事件では現実のものになったと思います。

どういう入札で公社がメンテナンス会社を決定したのか分かりませんが、メンテナンス業務の価格は幾つかの要素によって決まるでしょう。
  • 規模 多数のメンテナンス業務を引き受ければ量産効果がある
  • 部品の価格 メーカー系と非メーカー系では部品の価格は違うはずだ。
  • 技術情報の質 メーカ系の情報レベルは当然高い
入札を実施した公社がここらを総合的に判断すれば「この価格でこのサービスが実現できるとは思えない」といった判断は出来るはずです。
しかし公社がこういう判断をすることなく、公社が入札のために作った条件を満足するという前提だとして価格だけで判断したというのなら、実際の作業で条件通りにしているのかをチェックする必要が出てきてしまう。

ところが実態は技術情報をメンテナンス会社は出さない(だから引き継ぎがない)のだから公社がチェックしていないのは明らかで、要するにやりっぱなしだった。
入札制度の実態が技術的とか質的な内容については無視して安ければよいという姿勢で一貫していた(だから3年間で1/4に出来た)
一言でいえば「安かろう(当初の1/4にした)悪かろう」の犠牲者が亡くなった高校生だと言えますね。

6月 18, 2006 at 08:26 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.16

エレベータ死亡事故・その9

産経新聞より「ドア開いたまま昇降のプログラムミス52台 シンドラー社が発表
シンドラー社の説明によると、平成3年から5年に出荷した52台の制御盤のプログラムにミスがあった。
ドアが閉まりきる前に「開」のボタンを押すと、閉まったと認識した制御盤の指示で昇降が始まるが、ボタンに従いドアが再び開いてしまう誤作動を起こす。

シンドラー社は5年にミスに気が付きプログラムを修正。
出荷済みのものについてもソフトを交換したが、リスト漏れが3台あったほか、古くなったエレベーターについてシンドラー社が改修工事をした際、6台を古いプログラムに戻してしまったといい、東京など1都4県で計9台にプログラムミスが残っていた。
平成3年というと1991年である。
15年も分からなかったというのは「管理していません」ということだろう。

さらにタチの悪いのは「一度なおしたものを、間違えて元に戻してしまった」でこんなのは書類で管理していても書類上は「改修済み」になっているわけだから、今回のような寺家が起こらない限り「書類上は正常」のままだ。

ソフトウェアを売っていた時代には、必ずユーザと同じコピーを保管していて常に同じものをテストできるようにしていたものだが、その後に知り合った連中の中には客先で修正してしまうために修正したものが元に戻ってしまう、なんてひどいことをやっていた奴が居た。
それと同じ事をやっているのではないか?ソフトウェアを商売として扱う資格がないと言っても過言ではあるまい。

ましてシンドラー社はこんなことを言っている。
「港区の事故機はプログラムの種類が違い、関連はない」
しかしドアが開いたまま動いたことに変わりはないわけで、同じ現象に複数の原因が推定されるわけだ。
かえってタチが悪いだろう。
その一方では新品では利いたブレーキが激突を引き押すほど摩耗などしているのにメンテナンス対象から見逃されていたらしい、というメンテナンス体制の問題が見つかっている。
一体これでどうやって安全を確保することが出来るのだろうか?

6月 16, 2006 at 09:51 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (3)

エレベータ死亡事故・その8

読売新聞より「事故エレベーター、ブレーキ異常が濃厚…新品では正常
警視庁捜査1課が15日、事故機のブレーキを新品に取り換えて再現実験をしたところ、エレベーターは正常に作動した。

このため同課は、ブレーキに何らかの異常があった可能性が高いとみて、事故時のブレーキを分解するなど、詳しく調べる方針。
立証するために実験するのは重要ではありますが、この結論は分かっていたことです。
新品を付けてもブレーキが利かないのでは最初から機能しません。
記事ではもう一つ重要な指摘をしています。
事故は、電源が入った状態で起きていたことから、制御盤にも何らかの異常が発生した可能性があるとみて捜査を進める。
これはカゴが上昇して高校生が挟まれた、という意味で受け取ると話が通じないですね。
事件の構造を結果から逆の順序に書いてみます。
  1. 高校生がドアが開いたまま上昇したエレベータに挟まれて死亡した。
  2. エレベータは定員の半分以下の負荷だと重りのバランスの関係で上昇する。
  3. 上昇(降下もだろう)を止めるのはブレーキである。
  4. ブレーキは電気が通電することで開放(自由)になり、電気が切れる(通電しない)と制動する。
ですから記事の「電源が入った状態で事件が起きた」というの事実であっても技術的には「電気が通電しているときにはブレーキが掛かる」という話にしないと意味が通じません。

ただ「ドアが自動で開く」とか「(ボタンを押した)指定した階に到着する」といった機能は間違えなく電気が通電して制御している状態ですから、この部分で異常があれば「制御盤の異常」でしょうね。

むしろ問題は、一つのブレーキの不調で暴走するエレベータでは安全設計とは言えないだろ。ですね。
これをメンテナンス会社の全面的な責任とすることが出来ることなのでしょうかね?

6月 16, 2006 at 08:12 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2006.06.14

エレベータ死亡事故・その7

読売新聞より「不具合情報は社外秘…エレベーター業界は密室体質
過去のトラブル情報が製造元のシンドラーエレベータ(江東区)から保守管理会社に引き継がれていなかったが、現状では情報引き継ぎを義務付ける法令などはないのが実態だ。

またエレベーターメーカーが系列外の管理会社に情報を出し渋るという業界の「悪弊」も背景にはある。

このため国土交通省は、エレベーターのトラブル情報の引き継ぎや情報開示など、新たなルール作りを進める方針を固めた。

「メーカーは不具合情報を決して、系列以外の管理会社に漏らさない」。
メーカーの系列には属さない、都内の独立系保守管理会社の社長はそう明かす。

国内で60万~70万基が稼働中とされるエレベーター。
新規設置分のうち、三菱電機や日立製作所など大手5社が9割超。
設置後の保守管理も系列会社が受託するのが圧倒的に多い。
独立系18社で組織する「エレベーター保守事業協同組合」(豊島区)によると、国内では現在、独立系が五十数社で、全体の約1割の管理を請け負っている。

だが関係者によると、管理会社が交代すると、元のメーカー系がエレベーターのかごの上部にある動作点検用のスイッチを取り外していったり、閉じこめ時にドアを開ける専用キーを売らないなど、様々な“締め付け”が始まるという。
「管理会社に黙ってメーカーが機械を直していくこともある。機種に欠陥があっても公表されることはない」と、先の独立系の社長は語る。
2002年には国内最大手の三菱電機系の「三菱電機ビルテクノサービス」が、独立系に対する保守部品の納入をわざと遅らせたり、不当な高値で売ろうとしたとして、公正取引委員会から排除勧告を受けている。
これに対し、大手メーカーなどで作る「日本エレベータ協会」は、「情報の引き継ぎなどの問題は、管理会社を変更する際、所有者の責任で対処すべきだ。
メーカー側の問題ではない」と話す。
昨日見た記事を探したのですが見つかりませんでした。
日本全国では1年ちょっとの期間で数百件のエレベータトラブルがあるという記事でした。
1000台のエレベータが1年動く、1件のトラブルがある。というのは直感的には多いではないか?と感じますが、別記事のコメントでも書きましたがエレベータ内で人が飛び跳ねたりすると停止します。これは正常な安全装置の作動ですが停止したから閉じ込められたという場合もあると思いますが、閉じ込められただけを見ると機械的なトラブルと区別が付かないでしょう。つまりは機能は正常で安全に問題がないのか、正常であると確認出来ない、故障あるいはシステムの原因不明の異常の本当の数が分かっているか?という問題に直面します。

ここにメンテナンス情報を引き継がないでは状況が分からないし、分からないのでは有効な対策も基準も作ることが出来ないでしょう。
それにしても、産経新聞の記事「エレベーター圧死、ブレーキ異常が原因 ディスクに多数の傷
エレベーター圧死事故は、ブレーキ異常が直接の原因だったことが13日、警視庁捜査1課の調べで分かった。
鑑定した結果、ブレーキディスクに多数の傷が見つかった。これらの傷で利きが悪くなったとみられる。
モーターへの送電が止まるとブレーキが作動する仕組みで、ドアが開いた状態では制御盤の指示で送電が止まり、重りの重量でかごが上下しないようディスクを押さえつける。

警視庁でブレーキを分解して鑑定を進めたところ、アーム部分やバネには異常がなく、ブレーキパッドの摩耗も許容範囲内だったが、ディスクに新旧の無数の傷があることが新たに判明。これらの傷がブレーキの利きを甘くしたとみられるという。
警視庁では管理会社がこれらの重大な傷を見落とした可能性があるとみて捜査するとともに、事故機などがトラブル続きだったことから、ブレーキ異常につながる構造的欠陥の有無について製造元の「シンドラーエレベータ」側から事情を聴いている。
過去のトラブルについて管理会社間の引き継ぎがなかったことも明らかになっており、委託元の「港区住宅公社」の安全管理に問題がなかったかについても調べている。
これでは、いったい何を点検していたのかですし、メンテナンス会社は何を重点的に点検するべきかが分からないからブレーキディスクを見ていなかったというのは論外ですね。
点検とは一体何をすることだったのか?というところまで踏み込んで調べないとまずいでしょう。
警察は刑事事件の犯人捜しに重点を置くので事故防止のために再発防止のために技術基準を改めるといった方向に影響が少ないのは、航空機から自動車その他の機械類などの事故についても同じ事でここらヘンの仕組みそのものを何とかするべきだと思うのですがね。

6月 14, 2006 at 08:55 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (3)

2006.06.13

エレベータ死亡事故・その6

テレビのニュースでちょっと流れたのだけど、事故を起こしたエレベータのブレーキ機構を取り外して調べている警視庁はブレーキ機構のボルトが緩んでいた、という情報を出したようです。
しかも問題のボルトが緩むとブレーキの効きが悪くなる。つまりはメンテナンスの問題か?ということになってきたようです。

さらに、メンテナンス会社の元従業員が「メンテナンスが手抜きである」という発言をしていて、メンテナンス会社に取材を申し入れたらメンテナンス会社は取材拒否した。というのですね。

それにしても、ポルトが緩むとブレーキの効きがダメになるというのは設計的におかしく無いですかねぇ?
複合トラブル事故、といったところでしょうか?

6月 13, 2006 at 09:22 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006.06.10

エレベータ死亡事故・その5

NHKニュースより「エレベーター事故 断線はなし
エレベーターの電源を入れて通電状態を調べたところ、ドアの安全装置やブレーキ、それにモーターなど装置全体に正常に電気が流れ、断線などの異常はなかったことがわかりました。コンピューターが入った制御盤にも、外見上、特に変わった点は見られないということです。 このため警視庁は、コンピューターのプログラムにトラブルが生じた疑いもあるとみて、今後、エレベーターを実際に動かしてコンピューターからの信号の流れ方に異常がないかを調べ、事故原因の特定を進めることにしています。
なんというか「外見上で異常があるものだ」というのは、調査過程の一つではあっても外見上に異常がありそれが故障の直接的な原因になるとは限らない。
なぜなら、エレベータを機能させている根本は電気(電流)であって、例え配線が切れていようとそれで分かるのは「この配線には電気はたぶん流れないだろう」だけであって、現実の作動を引き起こす「実際の電気流れが見えないことに変わりはない」=「見えない」=「分からない」なんですどねぇ。なんでこんな記事になるのだろう?

読者の多くは技術者でしょうから、釈迦に説法ではありますが今回の事故に至るまで「不具合が再現せず」的な状況であっただろうことは容易に想像できます。
一般にこのような「原因不明の故障」に対する判断は「制御回路など電気部品の劣化」といったとらえ方を多くしますが、詳細はもちろん分かりませんが制御用に使用する機器は専業メーカが作ったもので、極めて信頼性が高く機器や部品の個々の故障は事実上考えないでも良いほどです。
特にあっちこっちでいくつもの不具合があったということは、機器や部品の問題ではなくて、組み立ての問題かシステムの問題です。

今回も香港での同様な事故でも「ドアが全開のまま上昇した」というのですね、なんでドアが開いたままで動くことが出来るのか?という疑問が出てきますが、常識的には「ドアが開いていることを感知していないから」でしょう。

ドアは動作として、閉めておく・開けておく・閉め始める・開け始めるといった4つの作動状況があり、かつ作動状況の確認をしないとドアの開け閉めの制御にはなりません。
だから常識的には「スイッチは一個ではない」のであって、それだからこそ「複数のスイッチが同時に壊れることは無いだろう」というの自動運転(自動制御)が安全上で実用に耐える最大の理由となっています。

今回は、この部分が機能しなかったから死亡事故になっていますから原因を追及するべきところは「一ヶ所壊れると致命的なところがあるか?」であって、これは設計の検証に他ならないでしょう。
もし、根本的に設計の問題でかつ修正することが出来ないところ例えば信号をバスに流していて、その扱いをしているソフトウェアの中核がダメである、といった場合には不具合の修理は利かなかったのではないか?と思うのです。
エレベータの不具合の修理では、機械部分の清掃でゴミなどを取り除くこと、センサーの感度(感知位置)の調整をすること、が中心でしょう。ソフトウェアの入れ替えとかなら大騒動になるはずです。(やっていたら怖いというか、論外)
つまりバスの不調などなら「いくら調整しても直らない」という現象が出たはずで、今のところそういう報告は無いようで、むしろ東工大すずかけ台キャンパスの「ドアが外れた」といった、機械的なトラブルのすごさの方に注目したいと思います。

ドアが取れるというのは、ちょっと考えがたいことですが本質は「機械的な出来が悪い」としかならない。そこで、センサーの取り付けなども同様に「出来が悪い」さらには「センサーの数が少ない」(兼用している)というのがあるのではないか?と考えています。

これも専門家には釈迦に説法ですが、ドアを開くといった動作を考えると「ドアと開くためにモーターを作動させる」→「ドアが定位置まで開いたら、モータのスイッチを切り、ドアは開いた位置で止まる」とすれば良いのですが、もし開きすぎたらどうする?ということを織り込むのが設計です。
開きすぎるというのは、定位置でスイッチが切れないあるいは外部の力で動いたですから、ドアがどの位置にあるのか分からないとなります。
そこで「開きすぎた場合を調べるスイッチを付ける」となります、同様に「もうじき開いた側の定位置にあるとチェックするスイッチ」を付けることも精密な位置制御が必要な場合には良くやります。
原理的には「異常になった場合に、異常な状況そのものを感知する」であって正常作動時には使わない機能を付けておくのです。
これを「普通は使わないから無くても良いだろう」とやると、故障した時に「後がない」か結果的に暴走するのですね。
高級に言い方だと「フェイル(失敗)セーフ(しても大丈夫)」なのですが、少なくとも結果的に作動していませんでした。

香港の事故、港区の事故ともに少年が被害者です。
これをメーカ主張の通り「使い方の問題」だとすると「少年が乗ると正常動作が保証できない」というつもりなのかもしれません。
かなり問題は深いと思いますね。

6月 10, 2006 at 09:02 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

エレベータ死亡事故・その4

毎日新聞より「エレベーター事故:マンションの5台、他社に交換 港区
武井港区長は9日夜の記者会見で、同マンションに設置している「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)製のエレベーター5基を他社製に取り換える方針を明らかにした。

最近は駅に設置されたエレベータを見るとエレベータの構造が良く分かりますが、ユニット化・プレハブ化が進んでいて、駅に後からエレベータを設置するなどでは建物に穴を空けるといった工事の方が大変です。
ビルのエレベータでは最上階の機械室に動力部分があるので、これの扱いは簡単では無いでしょうが取り替えはむしろ簡単にできるといって良いでしょう。
問題のマンションは管理者が実質的に港区ですから、区長が決定するのは自然なことですが、ようやく出てきた不具合は
シティハイツ竹芝では03年4月~06年5月の間に計43回の不具合が起きていたことが区の調査で明らかになった。
わたしは「建物は98年に出来て、エレベータもそれ以来動いているのに、03年になってから不具合の報告が激増した」という点にこそに問題の本質がある、と考えます。
まる4年間で43回では毎月どこがに不具合があったわけで、これでは幼児も含めて誰もが使用する公共物としては故障頻度だけを見ても失格でしょう。

6月 10, 2006 at 08:18 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.08

エレベータ死亡事故その3

毎日新聞より「エレベーター事故:ブレーキ利かない…救出の点検会社社員
救出作業に加わった保守点検会社の社員が警視庁捜査1課の事情聴取に、救出作業後のエレベーターの急上昇について「機械室で巻き上げ機のブレーキをかけていたのに利かなかった」と証言していることが分かった。

これはきわめて大きな技術的な告発と言えるでしょう。新聞記事のポイントを並べると
  1. マンション屋上にある機械室で救出作業に加わり
  2. 市川君の体を挟んだエレベーターを下げる作業に当たった
  3. エレベーターの主電源を切った
  4. 手動でブレーキを解除
  5. ハンドル式の昇降装置を回してエレベーターを下げようとした
  6. ハンドルが重かったため操作を断念
  7. 手動でブレーキをかけた
  8. が、エレベーターが上昇する方向に少しハンドルが動いた
  9. ロープでハンドルを固定した
  10. 市川君が救出された
  11. ロープをはずした
  12. エレベーターの上昇に連動してハンドルが回り出し
  13. 回転は最初はゆっくりだったが、だんだん速くなり
  14. まもなくエレベーターが機械室の床下にある最上階の天井に衝突

このことから、重りとかごの重量バランスがまともで無い可能性が出てきましたね。
手動ハンドルが使えない、手動ブレーキでは止めることが出来ない。ということですね。
基本的な設計が危険な方向に寄りすぎていた、それを制御で強引に止めていたといったところでしょうか?
ボタンを押した方向に動かないとか、ドアが閉まったまま・開いたままといったところは制御シーケンスが甘すぎるというのも確実だとは思いますが、これはどうも重量バランス、ブレーキの効き、制御のレベルの浅さなどあっちもこっちも手抜きという印象ですね。
それが何年間か機能していたのは、メンテナンスでカバーしていた、それがコスト増加になったので自社でのメンテナンスを放棄して第三者であるメンテナンス専門会社に替わった、ということではないでしょうか?

テレビのコメントで「耐震偽装と同じだ」と評した女性がいましたが、この直感的に発言が案外正しいかもしれません。けっこう根の深い問題があるような気がします。

6月 8, 2006 at 07:04 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.06.07

エレベータで死亡事故その2

シンドラーエレベータ事故の記事を集めてみました。

朝日新聞 「事故当時、エレベーター扉は全開状態と判明
生徒がエレベーターの床と12階の天井に挟まれた際、扉は全開状態だったことが警視庁の調べで分かった。 同庁は扉の開閉を認識する部品の異常で、エレベーターが「扉が完全に閉まった」と誤認して動き出した可能性があるとみて調べている。
朝日新聞 「シンドラー社は説明拒否、住民怒り エレベーター事故
事故機を製造したシンドラーエレベータ(東京都江東区)が住民説明会への出席を拒否し続けている。
区長からの要請にも応えず、6日夜の説明会にも姿を現さなかった。
「職員でだめなら、区長が直接電話してほしい」「どうしても説明を聞きたい」という住民からの再三の要望で、武井雅昭区長が途中退席。
同社の担当者を相手に携帯電話で出席を求めたが、答えは「現在進んでいる捜査に支障をきたす理由がある」だった。
産経新聞 「シ社製エレベータートラブル相次ぐ 国交省が全国調査へ
シンドラーエレベータ社製のエレベーターのトラブルが、東京工業大すずかけ台キャンパス(横浜市緑区)のほか、さいたま市、長崎県佐世保市でも相次いで発生していたことが6日、分かった。
さいたま新都心の合同庁舎2号館の敷地内に設置された同じメーカーのエレベーター3基では、ドアが開きっぱなしになるなどのトラブルが4件発生した
トラブルは平成12年12月、エレベーターのドアが開きっぱなしになったほか、14年11月と17年10月にドアが閉じたまま開かなくなった。同11月には、ドアが勝手に開閉を繰り返すなどのトラブルもあったという。
一方、長崎県によると、佐世保市の県営黒髪団地で4月23日、4階と5階の間に停止。
女性が閉じ込められ、約1時間後に作業員が救助した。同15日に器具の交換工事をした際のミスが原因だったという。
毎日新聞 「エレベーター事故:製造会社、説明会出席を拒否 住民怒る
「シンドラーエレベータ」(江東区)が、住民らへの説明を拒んだまま沈黙を続け、批判が高まっている。
3日の事故発生以来、住民説明会は数回開かれたが、武井雅昭・港区長からの出席要請を断り、6日までに社員は一度も姿を見せていない。
「捜査への影響」が理由というが、住民からは「企業としての姿勢を疑う」との怒りの声が出ている。
保守点検を請け負っている「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の社員も出席。
住民の要望を受け、区長はシンドラー社にも出席を求めていたが「捜査に影響を及ぼすと判断した」として拒否された。
読売新聞 「エレベーター制御で誤信号か、全国でトラブル三十数件
事故機と同じ「シンドラーエレベータ」(江東区)製のエレベーターが、神奈川や愛知、埼玉など少なくとも1都5県の15か所で、三十数件の故障やトラブルを起こしていたことが6日、読売新聞のまとめでわかった。
事故機の制御盤に、誤った電気信号が送られたことが原因だった可能性が高まっており、警視庁捜査1課は、原因究明を急いでいる。
故障やトラブルが判明したのは、名古屋市や長崎県佐世保市、仙台市、さいたま市、練馬区、横浜市の公営住宅や国の出先機関の庁舎など。
名古屋市の市営住宅では昨年11月、30分間にわたり住民2人が閉じこめられ、
佐世保市の県営住宅では今年4月、約1時間閉じ込められた女性が、気分が悪くなったとして病院で手当てを受けた。
練馬区の区営住宅でも2004年秋、エレベーターのボタンが点灯し続けるなどトラブルを確認。
横浜市では、05年1月から今年4月にかけて、7か所の市営住宅で、エレベーターに約1時間から30分間閉じ込められるトラブルなどがあった。
また、さいたま市の新都心合同庁舎2号館でも00年12月以降、3基の扉が閉まったまま運転不能になるなどのトラブルが計4件発生した。

東京都昇降機安全協議会によると、シンドラー社は、スイスに本社のある世界第2のエレベーターメーカーのグループ企業で、日本国内での占有率は1%程度。国内メーカーより値段が安く、競争入札を実施している官公庁に納入されるケースが多いという。
西日本新聞 「高2死亡 同社製エレベーター 佐世保でも閉じ込め
県によると、トラブルは4月23日、同市黒髪町の県営黒髪団地で発生。
D棟4階と5階の間で止まり、女性が閉じ込められ、約1時間後に同社の作業員が救助した。
同15日に器具の交換をした際の工事ミスが原因だったという。

シンドラーエレベータ社のHPに沿革があります。
  • 1935年 「東和エレベーター工業所」製造部として創業発足
  • 1954年 「日本エレベーター工業株式会社」設立
  • 1966年 日本発斜行エレベーター1号機納入
  • 1973年 静岡県袋井市に工場新設
  • 1985年 シンドラーホールディングが日本エレベーター工業の株式の30%を取得
  • 1988年 船舶用エレベーター2000隻を突破
  • 1989年 日本初 ホームエレベーター完成
  • 1991年 「シンドラーエレベータ株式会社」に社名変更
  • 1994年 シンドラー製エスカレーター・動く歩道本格導入開始
  • 1995年 シンドラーホールディングが日本エレベーター工業の株式の96.7%を取得
  • 1997年 「Schindler 300J」発売品質の国際規格ISO9001認定を取得
  • 1999年 「Schindler Mobile」発売
  • 2000年 階段室型共同住宅用エレベーター「ミレニアムタワー」発売「Schindler Smart J 」発売「Schindler 300J MRL」発売
  • 2001年 「ミレニアムタワー」が2001年度グッドデザイン賞受賞
  • 2002年 階段室型共同住宅用エレベーター「ネクストタワー」発売「Schindler neu 」発売
  • 2003年 本社・東京支社を東京都江東区越中島に移転「Schindler neu 」発売
  • 2004年 創立50周年
  • 2005年 国内有数の独立系エレベーター、エスカレーターの保守会社マーキュリーアシェンソーレ株式会社(本社:鹿児島)の全株式を取得
今回の死亡事故になった浜松町のマンションは朝日新聞の記事「エレベーターに挟まれ、高2男子が死亡 東京・芝」によると
建物が完成した98年から稼働している。
18階に住む主婦(39)は「1年ほど前に、17階と18階の間で止まり1時間ほど閉じこめられた。ボタンを押した階でドアが開かないこともあり、苦情が出ていた」と話し、「子ども1人だけで乗せると心配だと思っていた」。
13階に住む自営業の男性(51)によると、エレベーターは最近まで、故障や部品交換による点検が頻繁に行われていたという。「これまでも点検で動かず、階段で上り下りすることがあった」と話した。
98年からということだとほぼ8年目なわけで、どうも故障は最近になって増えたのではないか?と感じます。
東工大のすずかけ台キャンパスのJ2棟のエレベータが面白いという記事が MIXI に2005年10月から始まっています。
この記事でも、マイナートラブルの連発だったわけですが、2005年に建物が出来た時から続いているようです。

これらの記事を見るとどうもメンテナンスレベルというか、調整の安全というか、メーカ的視点ではバカよけといったところが、下手なのじゃないか?という印象が漠然としますね。
ドアが全開で上昇を始めたから死亡事故になったということであれば「ドアの全開をなぜ感知しなかったのか?」となりますが、すずかけ台キャンパスの記事には「ドアが外れた」という記事もあり、これは構造の問題でしょう。だからセンサーが作動しない状況もあり得ただろうと思うのです。

そもそもエレベータというモノは建物の中に箱を入れるわけですから、プレハブ構造になっています。そうでなければ建物を建て始める最初に入れておかなくてはならない。
この事から想像できるのは、現場で組み立てる機械であるので下手な設計だとセンサーの取り付けなどが確実ではないことになりかねないです。ここは難しいところだと思います。
メンテナンスが必要(義務づけられている)機械ですから、メンテナンスコストにしわ寄せがあったのか?とも感じます。下手に職人技に依存しちゃいけないとこですね。

6月 7, 2006 at 10:24 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (2)

2006.06.06

エレベータで死亡事故

この一週間ほど多忙で、見事に更新できませんでした。m(_ _)m この間にいくつか大きな事件が起きていますが、わたしの興味を惹く事件は「エレベータ故障事件」です。

毎日新聞より「エレベーター事故:ブレーキに異常か 電源切で急上昇
救出された後、関係者がエレベーターの電源を切ったところ、「かご」が急上昇し、昇降路の最上部で停止していたことがわかった。
マンション関係者がエレベーターの電源を切ったのは、救急隊員が市川君の体をエレベーターから引き出した後。
正常ならブレーキの作動によって緊急停止するはずのかごが、電源を切ると同時に相当のスピードで最上部まで上がったという。
この記事の表現では
「相当のスピードで最上部まで上がった」

というのがどの程度の問題なのか分かりませんが、どうも上昇の結果は産経新聞より「制御盤などの異常か エレベーター高2圧死」となったようです。
警視庁捜査1課と三田署が5日、現場検証した結果、エレベーターは最上階まで上昇し、ワイヤがはずれていたことが分かった。
昇降をコントロールする制御盤やワイヤを駆動するモーターなどが何らかの異常を起こし、事故につながった可能性もあるとみて、ワイヤがはずれた点と事故との因果関係について今後調べることにしている。
ちょっと理解しがたいのだが、かごが落下しない方向にしかブレーキが無かったとかなのだろうか?
死亡事故も上昇して起きてます。
ワイヤーが外れたというのもどういうことか?ですが、重りがストッパーまで落ちてしまって、ワイヤーが余ってしまった、とかでしょうか?

報道では「電気系統に異常」といったトーンの記事が多いですが、エレベータの安全確保は電気制御よりもむしろメカニカルなもので、重りであるとか機械的なブレーキなどによっていました。
だから、大昔から使われていて別に電子制御時代になって出来た技術ではありません。

最近は駅に設置されているエレベータの仕組みなどを覗いてみると結構簡易化しているようで、今回の事件のようにかごの上昇=重りの落下の方向のメカニカルブレーキがあるのかが、分からない機種もあるように感じます。

それにしても、かごの上昇側にメカニカルブレーキや調速機が全く無いのだとすると、それは安全基準に違反する設計ではないのか?と感じます。
社団法人日本のエレベータ協会の「エレベータの駆動の仕組み」の図を見ると「調速機」が明示されていますね。

Up
この問題は、停止位置の制御や扉の開閉といった自動制御の部分と振動したとかかごが急上昇したという動きの部分に分けて考えるべきだと思います。
扉の開閉とか、隣のエレベータの動きを関知して運転するといったことは、電子技術の進歩によって自動化したもので、戦前は人が制御するとか上と下の2点だけしか止まる所がないといった制御を必要としない簡単なものから始まりました。
それでも、かごの落下を防ぐために調速機やメカニカルブレーキがあったわけで、位置制御や扉が閉まらないのに動く(だから死亡事故になった)といった自動制御上の問題とは別に、電源を切ったらかごが急上昇=重りの落下があったという、戦前の水準からしてもあり得ないことが起きた、というところに注目するべきでしょう。
同型同種の設計をしている機種はすべて運用中止にするべきでないかと思います。

6月 6, 2006 at 09:18 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)