2011.10.27

日本人が減少し始めた

NHKニュースより「日本の人口増加率 過去最低に

10月26日 17時7分

去年10月に行われた国勢調査の結果が確定し、日本の総人口は1億2805万7352人と、前回5年前の調査に比べて増加率は0.2%にとどまり、これまでで最も低い伸びとなりました。

また総人口のうち、外国人などを除く日本人は初めて減少しました。

それによりますと、去年10月1日現在の日本の総人口は、1億2805万7352人で、前回5年前の調査に比べておよそ28万9000人増えました。

しかし、増加率は0.2%にとどまり、国勢調査が始まった大正9年以来、最も低い伸びとなりました。

一方、総人口から外国人や国籍の分からない人を除いた日本人は、1億2535万8854人で、前回よりおよそ37万1000人減り、外国人と区別して集計を始めた昭和45年以降、初めて減少しました。

こうした結果について、総務省は「今回初めて日本人の人口が減ったが、今後も減少傾向が続くのは間違いないだろう」と話しています。

一方、日本の世帯数は、前回に比べておよそ238万4000世帯多い5195万504世帯で、初めて5000万世帯を超えました。1世帯当たり人数では、4人以上の世帯が減少する一方、1人の世帯が全体の32.4%と最も多くを占めています。

一方、都道府県別の人口で、人口が増加したのは、増加率の高い順に東京、神奈川、千葉など9つの都府県、人口が減少したのは、減少率の高い順に秋田、青森、高知など38の道府県となっており、今回増加から減少に転じたのは栃木、静岡、三重、京都、兵庫、岡山の6つの府県でした。

わたし自身は、学生の頃から人口動向には色々な面から興味があって、2005年7月27日に「とうとう人口減少」と題する記事を書いています。

サンケイ新聞より「人口増加率、過去最低0・04% 男性が初の減少
総務省は27日、住民基本台帳に基づく今年3月31日現在の全国の人口動態を発表した。男性人口は対前年比1万680人減の6207万6658人で、1968年の調査開始以来、初めて減少した。
総務省は男性の人口減について「企業の海外進出に伴い男性の長期渡航者が増えたこともあるが、それ以上に自然減の要因が大きい」としている。人口増加率が0.1%台を初めて割り込み、男性人口の減少で、総人口減少社会が目前に迫ってきていることを裏付けた。
2006年とか2007年から人口減少になると言われていましたが、とうとう統計に出てきました。
まあ、常に人口が増え続けるという図式の方がおかしいのであって、ここらはそれこそ「山高ければ谷深し」と同じでしょう。
確かに急速な高齢化と人口減少となるでしょうが、長期で見れば当たり前でもあるわけです。
あと20年ぐらいすると、ガクガクと人口が減るんでしょうね。
トヨタがレクサスブランドを立ち上げましたが、これが人口現象対策だということですが、どんなのもんでしょうかね?

「成長の限界」が出版されたのが1972年ですぐに買ってきました。
当時は「コンピュータで21世紀を予測した」と評判になったのですが、システムダイナミックス用のシミュレーションソフトウェア DYNAMO をワールドモデルに適用したものでした。

システムダイナミックスは、因果はめぐるといった関係性を記述できるので演習問題では「ウサギと狼と雨の関係」などを取り扱います。
雨が降ると植物が増えて、ウサギが増える、ウサギを狩る狼も増える、ウサギが増えすぎると植物が食べ尽くされて兎は減り、兎が減るから狼も減る、といった現象がどのように変化していくのかを時系列で観察することが主な用途です。

上の説明でも、植物が増えてから、狼が増えるまでにはある程度の時間的ズレがあるわけで、これを人口問題に置き換えると、社会としては新生児だけ増えても、あるいは老人だけ残っても、生産力にマイナスになるのは明らかですが、この直感的に分かることが、どんなことになるのかを示すことが出来るかもしれない技術なのです。

そんな視点から見ると、「日本人が減った」はそれだけでは今後どうなるのかが分かるとは言いがたいですが、もっと突っ込んで「こんな事も起こりうる」という研究は割とかんたんにできるはずなのです。

DYNAMO は当時の超大型コンピュータを必要としましたが、いまではPCで使える STELLA をわたしも持っています。

ツールは持っていても、使うのはかなり難しいのですが、いろいろと調べてみましょうか。

10月 27, 2011 at 11:32 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.24

アメリカの人口・3億700万人

CNN.co.JP より「米国の人口3億700万人、テキサス州で顕著な伸び

ニューヨーク(CNNMoney) 米国勢調査局が23日に発表した人口動態統計によると、2009年の米国の人口は推定3億700万6550人となり、2000年に比べ9%強、08年比では0.86%増加した。

都市別に見ると、前年比で最も顕著な伸びを示したのはテキサス州のダラス・フォートワース地区とヒューストンで、それぞれ約14万人の増加。

伸び率も同州のオースティンが3.1%増と、ノースカロライナ州ローリーに次いで2番目に高かった。

専門家はテキサス州の人口が増えた要因として、多様な経済や住宅の値上がりが比較的小幅で差し押さえ物件が少なかったことを挙げている。

一方、自動車不況に直撃されたミシガン州デトロイトは人口が2万人(0.5%)以上減った。

過去10年で人口減少が最も深刻なのはルイジアナ州ニューオーリンズで、大型ハリケーン「カトリーナ」に見舞われた05年から06年にかけて30万人以上減り、2000年からの統計では人口の9.6%に当たる約12万6000人の減少となっている。

人口統計は州と自治体への連邦予算配分や議員数を決める目的で使われる。12月には2010年国勢調査の統計が発表される予定。

以前はアメリカの人口をにほんの2倍ぐらいで考えるのが、常識でしたが、3億7百万人とは、すごいですね。
以下の表は、統計局の「主要国の人口の推移(1998~2008年)」から作りました。
この表では、3億880万人となっています。

年度アメリカ日本人口比
1998279126.52.21
1999281.9126.72.22
2000284.9126.92.25
2001287.8127.32.26
2002290.8127.52.28
2003293.8127.72.30
2004296.8127.82.32
2005299.8127.82.35
2006302.8127.82.37
2007305.8127.82.39
2008308.8127.72.42

3月 24, 2010 at 10:05 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.06

需要の3倍の空港建設

東京新聞より「航空需要 国に配慮、過大予測

全国で空港の需要予測を手掛けてきた財団法人「運輸政策研究機構」(東京都港区)の羽生(はにゅう)次郎会長(元国土交通審議官)が本紙の取材に応じ、機構自らの予測の多くが過大だったことを認めた。

その背景について、空港建設を進めたい国の意図に配慮し、過大な数字を出してしまう現実があると言明した。

同機構は昨年六月に開港した静岡空港や北九州空港などの需要予測を担当。

予測は建設の必要があるのか、事前に検証する重要な数字だが、多くのケースで実需の二、三倍もの予測を出し、「無駄」批判を浴びる空港建設につながってきた。

外れ続きの予測について、羽生会長は

「反復的に大幅に外してきたのは恥ずかしい。
発注者(国)側からこういう結果を出せとまでは言われないが、造りたい国の意図をおもんぱかってしまう。
地元業者の期待感もあり、これに反する結果を出せればいいが、そうもいかない」
と語った。

その上で、近年造られた空港の必要性について、

「お金があるときならたくさん空港がある方が便利。
離島などは別として、本当に必要なものと言えるのは羽田空港の第四滑走路(建設中)くらいだろう」。
静岡空港のほか、今月十一日に開港する茨城空港などを挙げ、
「建設の是非を問われれば反対だ」
と述べた。

今後の財団のあり方については、国や自治体の事業の受注はできる限り減らし、自主財源による研究や提言を中心にしたい考えを強調した。

(東京新聞)

「身も蓋もない話し」というのはこう言うことでしょうか?

一方で、少子化から人口減に転じているのに、相変わらず「成長戦略」しか提示しないという日本全体の方向性が、このようなひずみを生み出している、というべきでしょう。

言葉が見つからないのですが「成長戦略」を戦争での「攻撃」にたとえるのであれば、今の日本に必要なの「撤退の政略」なのではないでしょうか?
成長戦略で進みつつ、現実には人口減などであらゆる分野が縮小するのですから、空港を建設したが需要がない、ぐらいのことは当たり前に起きます。
問題は、そのコストであって、需要の3倍の規模の空港でも1/3の費用で作る事が出来ればOKだとも言えます。

こういう意見が当事者から出てきたということは、そろそろ「成長戦略を止めよう」という議論が出て来るのでしょうか?

3月 6, 2010 at 11:34 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.14

少子化問題に取り組むのにはどうするのか?

サンケイ新聞より「【静かな有事】特別版 小宮山宏氏インタビュー 創造型需要を喚起せよ

世界で最も早く進む少子高齢化を乗り越えるために、われわれは何をしたらよいのか。前東京大学総長で三菱総合研究所の小宮山宏理事長に聞いた。

Q 少子化を止めるために必要な対策は

「やるべきことは3つ。

  • まずは午後5時になったら家族が一緒に暮らせる雇用環境をつくる。
  • 2番目が保育所の問題。
  • 3番目が家庭への経済的支援。

この3つがだいたいできれば、かなり変わる。フランス、デンマーク、スイス、スウェーデンでは、夕方になるといったん家に帰った人が再び街に出る。子供が走り回るのをみると『家庭はいいな』と思う人が増える」

Q 政府は4月から「子ども手当」を支給する

「やらないよりはいいが、順序でいえば1、2、3の3番目だ。

保育所に子供を預けたい人が確実に預けられる体制をつくらなくてはいけない。

父親が働いて家族を支え、妻が子供を育てて必死に頑張るというモデルは終わった。
これに早く気づかなければいけない。

核家族化した家庭に入り、夫は午後9~10時まで帰ってこないと、女性は子供を産む気になるだろうか。
そこが一番遅れている。

1、2、3の順番通りに大事だ。
決して逆ではない」

Q 将来的な労働力不足も心配される

「現実にはむしろ仕事が少ない。この対応が重要。

今は変な状況で、

  • 若い人が職を探せない。
  • 高齢者も60歳の定年後、65歳で年金をもらうまで“穴”があいている。
  • 労働力が余っているから失業率が上がる。

もう少し経済を活性化し、仕事を増やさなければいけないという部分が今は顕在化している」

Q 政府は需要重視の経済成長を目指している

「需要には2つある。『普及型需要』と『創造型需要』だ。

例えば日本では自動車や家はもうみんなが持つようになった。道路などインフラもだいたいできている。これが『普及型需要』だ。

しかし、人口はピークアウトしている。

需要があるのは買い替えのときなどだ。
ほとんどの先進国では普及型需要が飽和し、需要不足を招いている。
だから普及型需要が旺盛な中国を中心に発展途上国にモノを売る」

Q 創造型需要とは

「中国でも普及型需要は早ければ2020年ごろには飽和する。遅くても2030年だ。

次はインドに行くかもしれないが、こうした需要のあり方では人類の経済はやっていけない。

じゃあ、もう需要がないのかとなるが、そこで重要となるのが『創造型需要』だ。

これは新しい状況に対する需要であり、ひとつが環境分野、もうひとつが高齢化分野。
これを意識して開発することができるかが重要だ。

グリーンイノベーションを重視するのは正しい。
日本はグリーンイノベーションに絶対に勝たなくてはいけないし、勝てる」

Q 高齢化社会に対する需要とはどのようなものが考えられるか

「例えば装着すると力が出て介護やリハビリで使えるロボットスーツ。角膜の再生も新しい技術だ。

高齢者が社会参加できなくなることが高齢化社会を一番悪くする。

誇りを持って社会参加する高齢者はなかなか要介護の状態にならない。
モノをつくることが人々を幸せにするし、介護の負担も減り医療費も減る」

Q うまくいっている例は

「『葉っぱビジネス』で有名な徳島県上勝町では高齢者が元気で、一番多い人で2000万円近く稼ぐと聞く。
県内でも高齢者1人あたりの医療費が少ない。

高齢者は稼ぐ以上に使うそうだ。
もともと蓄えがあるから、稼ぎがあり安心すればそれを使う。

どういう高齢社会をつくらなくてはいけないの。高齢者ができる限り長く動け、できればお金を稼ぐ形で働ける。
社会に尊敬されて働ける社会を作れれば、いい高齢社会になると思う」

Q 「日本は課題先進国だ」と指摘しているが

「高齢化は先進国共通の課題だ。

高齢化社会の日本に必要なものをつくり、日本の課題を解決することは世界の課題解決につながる。

ゼロからモノを作れる力は世界にそんなに残っていない。

ロボットスーツなど世界にいまだない高齢化社会用商品をつくっていけば、巨大な産業を日本が引っ張ることになる。

高齢化社会の社会制度の点で引っ張っている北欧やフランスにはモノづくりの力がない。

日本はモノづくりが強い国であり、それを生かすべきだ」

Q 地方は若者が流出し厳しい状態にある

「私はいま『プラチナ構想ネットワーク』というのを呼びかけており、三十数カ所の自治体が参加したいといっている。

エコや高齢化への対応などをキーワードに地域が特徴を生かしたまちづくりを行い、大学が地域間の連携の起点となる。

ある自治体でやった実験の知識を大学を通じて別の自治体に伝える。

国主導で産業を引っ張り人々を幸せにしてきたが、これからは強い自治体をつくり、企業や大学と連携してまちづくりを進める。国は制度をつくるなど支援に回る」

Q 社会のあり方が大きく変わるということか

「発想を転換させなくてはいけない。

産業を興せば、国内総生産(GDP)が増え、人が幸せになる。
これが明治以降の日本のモデル。それは『坂の上の雲』の時代、つまり途上国のモデルだ。
そのための国策が所得倍増論であり、日本列島改造論だった。

先進国になったら、さらに自分らの暮らしをよくしようと考え、そこに新しい産業が興る。
結果的にGDPも増えて経済も成長する。これがこれからのモデルだ」

Q モデル転換は容易でないのではないか

「簡単にいかない。

明治時代は外国人教師を呼んできたが、今度は新しいことをやろうとしているので先生がいない。
だが、始めなければいけない。

失敗もあるだろうが、やらないと人も育たない。
これが先進国の苦しさだ。

『坂の上の雲』の時代は先進国が美しい雲だった。
われわれはそこに入ってしまった。雲に入れば中は霧だ。

霧の中で前に進むのは勝手が違うが、進む以外にない。
逆に初めておもしろい時代に入るということでもある。

これはチャンスだ。どれほどの人がチャンスだと思えるかが重要だ」

サンケイ新聞の連載【静かな有事】はなかなか興味深く読んでいますが、今回の記事は一連の提言をキチンと説明しているところがよいですね。

少子化問題は、私が知っている限りでも20年ぐらいは新聞に出ているほどの問題ですが、歴代の政権はもちろん、政治家も直視した意見を避けてきたから「少子化問題は誰かが何とかしてくれる」的な事で政治的な課題としては避けてきました。

いまだに、ニュータウン開発の小型版のようなものが各地で計画されていますが、現実は巨大住宅団地の統廃合こそが一番の問題でしょう。

地方都市では、マンションが新築されると、隣のマンションが空き家になるといった減少が20年ぐらい前から報告されています。
人口が増えずに減っていくのですから、新築住宅を100軒建てて旧住宅100軒分に相当するのか?というと、110軒とかになるわけです。
トータルでは10軒が減る。

量的な投資に効果がなくなることの象徴ですね。

クリフォード・D・シマックの「都市」では、エネルギー革命によって、人類は都市から郊外に移り住み、巨大な敷地の中でロボットに世話をされながら孤立した生活をしつつ、人として衰退していく。という世界が描かれていました。

わたしの住んでいる、横浜市北部のちょっと先には、多摩ニュータウンがあります。
このあたりが開発される直前の様子を良く覚えていますが、分かりやすく言えば丘陵地でありました。人口が減るということは、また丘陵地に戻るということでもあります。

天然自然に人口も経済規模も量的に増えるという前提では、すでに社会が進めない状況になっています。
やはり、高等教育の作り替えが重要ではないかなあ?

2月 14, 2010 at 11:03 午前 人口問題 | | コメント (9) | トラックバック (0)

2009.01.01

人口の自然減5万1千人

朝日新聞より「08年、日本の人口5万1千人の自然減 減少幅最大

08年の国内の死亡者数は114万3千人で、戦後に統計をとり始めた1947年以降最多となることが、厚生労働省が31日発表した人口動態の年間推計でわかった。

死亡数から出生数を引いた自然減は5万1千人になる見通し。

初めて自然減となった05年以降、減少幅は最大となる。

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出生数は
前年より2千人多い109万2千人。
女性1人が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、07年の1.34を0.02ポイント程度上回る可能性があるという。
ただ、厚労省統計情報部は「08年がうるう年でなければ、出生数は横ばいか少し減少していただろう」と分析する。

死亡数は、 高齢化のため03年に100万人を超え、
07年は110万8千人。
08年は、終戦直後の47年の113万8千人を上回った。

人口が自然減に転じたのは
05年で2万1千人減。06年は自然増だったが、
07年に再び1万9千人の自然減となった。
08年の減少幅はその3倍近い。

結婚は前年比1万1千組増の73万1千組、離婚は4千組減の25万1千組になる見通し。

今さら「減少幅最大」もないと思いますが、このまま数十年間続きます。
問題は、現在の政治・行政が人口減という現実に対応できる体制に全くなっていないことでしょう。

自然減が5万1千人ですから、4/10000減ったことになります。

平成17年(2005年)の国勢調査・都道府県・市区町村別統計表には、2366の行政区の人口が出ています。(横浜市青葉区などもある)
これで、5万1千人の行政区を探すと、常滑市・富里市・田川市・能代市・真庭市・赤穂市・菊池市といったところが人口5万1千人台の行政区と出てきました。
問題は、2366ある行政区で人口の少ない順から、1720番台の行政区であって5万1千人以上の人口規模の行政区は2366-1720=646しかありません。

限界集落という言葉がありますが、日本全体として人口の自然減は当面(20間年ぐらい)は加速していきますから、限界集落から消滅集落になるのは目に見えているわけで、いまでこそ行政区の一部の集落を限界としてますが、すぐに行政区が限界になり消滅する時期が来るでしょう。

どういう社会を選択するのか?を考える必要があります。

1月 1, 2009 at 12:18 午後 人口問題 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.05.28

人口倍増策だって

沖縄タイムスより「知事「人口倍増」に言及/沖縄21世紀ビジョン懇

沖縄の将来像を描くビジョン策定に向けて議論する「沖縄21世紀ビジョン懇話会」(主宰・仲井真弘多知事)の第七回会合が二十六日、県庁であった。
仲井真知事は少子高齢化対策として、百三十七万人の県人口を約三百万人に引き上げる「人口倍増計画」策定に言及。
委員からは、県が観光を総合産業ととらえて部局横断的・官民協働で取り組むよう求める意見や、小規模な島しょ県であることを踏まえたインテリジェンス(情報の収集・分析)能力強化の必要性などが示された。

カヌチャベイリゾートの白石武博社長は、仲井真知事が言及した人口倍増計画に「人口は経済の基盤。増やすのは大賛成だ。人口が減ってコミュニティーが無くなる所で観光振興はうまくいかない」と賛同した。

観光への行政の取り組みについては、「『観光立県』という言葉が観光客を増やすためだけに使われている気がする。観光部局だけでなく横断的に取り組んでほしい」と要望した。

カルティベイトの開梨香社長も「観光は、二次産業に三次産業を掛けて六次産業という意見もある。総合産業として関連づける必要がある」と述べた。

宮﨑政久弁護士は「理念を具体的施策にするため、柱としてインテリジェンスと戦略性が求められる。(県は)知と戦略性を持つ志の主体者集団になるべきだ」と提案した。

文化で地域おこしに取り組む脚本・演出家の平田大一氏は「自分の生まれた地域、島のことを知らないと、沖縄の良さが認識できない。他の地域との違いも分からない。視点を郷土に置くほど、視野は世界に広がっていく」と述べ、沖縄の歴史や文化、地域に関する教育を充実させる重要性を強調した。

実際に県知事がこの通りに発言したのかが気になるところですが、根本的に無理でしょう。

この10年くらいの間ではっきりしてきたのは、自治体などの道路・水道・下水などのインフラ整備で将来需要の見通しについて全ての計画が実現したとすると、あり得ないほどの人口増加になるという指摘です。

これについて、担当者は「街が出来れば人が増える」といった説明を主に議会を対象に行うわけですが、ちょっと計算の出来る人は「どこかから人が移動するわけですね?」と突っ込みます。

つまり、インフラを拡大する必要があるという説明の前提には「人が移動する」しかないとなっています。

これ自体もムチャクチャで人口の増加はないと考えるべきでしょうが、それ以上に最近問題になってきているのが、高齢化で移動できる人口の平均年齢はリタイア組などが中心になるから、何年か後には移動先の地域の負担が増えるという計算があります。

こんな問題があるから、人口増加策が少子高齢化対策とイコールではない、というのが都市計画などの問題として浮かび上がってきています。

そもそも「倍増計画」というからには期間を示さないと意味がないわけですが、示されていないのでなんとも言えません。
しかし、日本全体としてはすでに人口減少社会になっているわけで、人口増加そのものには他地区からの人の移転が必要であり、それは高齢化に拍車を掛けることになりますから、少子高齢化対策としては高齢者の転出を目的とする地域住人減少政策の方が正しいとなってしまいます。

こんな政策はとりうることが出来ませんが、それにしてもいきなり無理なことを「21世紀ビジョン」として知事が打ち出して良いものか?
実現の可能性がない夢物語を現職の知事が言い出すのは正しいこととは思えません。

5月 28, 2008 at 08:55 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.02.22

合計特殊出生率にこだわるのは間違えではないか?

FujiSankei Business i より「06年出生率1・3台に回復 人口、2年ぶりに自然増 厚労省速報
出生数は前年比3万2041人増の112万2278人、死亡数は同795人増の109万5393人となり、日本在住の外国人と外国在住の日本人を含めた人口は2万6885人増加した。
日本在住の日本人数(概数)も2年ぶりに約8000人の自然増となる見込み。

厚労省は、一人の女性が生涯に産む子供数に相当する合計特殊出生率は、過去最低だった05年の1・26から、06年は1・30台に回復するとみている。
なんか矮小化というか近視眼的な情報だな、と感じますね。

厳密には違うのですが、合計特殊出生率は「女性が生涯に産む子供の数」とされています。
だから合計特殊出生率が2を超えないと、人口は減少します。
つまり、1.3だ1.2だといったところで議論しても人口減には変わらない。
1.9であっても人口は減少するので、アメリカを除いた先進諸国は全部が実行減少国です。

問題は、日本の場合は急激に人口が減少するとされていますが、合計特殊出生率だけで見ると韓国の方がもっと急激です。

この事から分かるのは、長期的に人口は減少する方向なのだから、それが将来社会にどう影響するのか?をもっと研究するべきだ。
日本の政治や経済の考え方は「成長は善」でしか考えてこなかったから「人口減の現実」というだけでおびえてしまって思考放棄に近いのではないだろうか?

さらに「急激な高齢化が問題」というのであれば、出生率を問題にしても「急激な高齢化」にはさほど意味がないのではないか?
新生児が社会の戦力になるのには30年ぐらい掛かるのだから、新生児の誕生は30年以上先の「高齢化社会に有効」なのであって、それまでの期間にはすでに生まれている少年などの負担になるしかない。

なんか「合計特殊出生率に代表される、新生児が増えさえすれば問題は全部解決」といったように見えるのは間違っているように感じる。

2月 22, 2007 at 09:57 午前 人口問題 | | コメント (0)

2006.11.10

合計特殊出生率が1.8になったら

サンケイ新聞より「出生率「1.8」で人口推計 「子育て層」もベース
厚生労働省は9日、潜在的な「子育て層」をもベースにした新たな将来人口推計を年内にも出す方針を固めた。
従来の人口推計は、過去の出生率や未婚率など実績をベースに予測する手法がとられている。
新たな人口推計は、独身者の結婚が進み、夫婦が理想とする数の子供が実際に生まれた場合、合計特殊出生率が平成17年の1.25から1.8程度まで回復するとの試算に基づくもの。
少子化に歯止めがかかる社会の姿を示すことで、少子化対策の機運を高め、具体的な施策を見いだすのが狙いだ。
コリャなんだ?アドバルーン記事とでもいうべきなのか?
  1. 最初は「出生率が1.8になった」という記事なのか?と思った。
  2. しかし、「年内に将来人口推計を出す方針を決めた」であった。
  3. さらに「理想とする子供が実際に生まれた場合」とはなんだ?
三重に予防線を張っているというべきか?
記事は次のように続く。
国立社会保障・人口問題研究所が17年に実施した出生動向基本調査によると、夫婦が理想とする子供の平均数は2.48人、実際に持ちたいと考える「予定子供数」も平均2.11人。
だが、経済的な理由などによる理想と現実のギャップは大きい。
また、独身者のうち将来結婚を考えている人は男性87%、女性90%にのぼる。
厚労省は有効な対策を講じればギャップの大半は埋まり、合計特殊出生率の1.8程度への回復は可能だとの分析結果をまとめた。

こうした潜在的な「子育て層」を含めた1.8に基づき新たな人口推計を出すのは、「楽観的」な数値を示すことで少子化の反転はそれほど困難ではない、との認識を国民にもたせ、年金制度に対する不信のさらなる拡大を緩和したいとの思惑もある。

新たな人口推計は、出生率が1.8まで回復した場合のほか、1.5程度にとどまった場合など複数のケースについて出し、将来の労働力人口など経済的な影響も予測する。
従来の人口推計はこれまで通り年内に公表する。
厚労省は年明けにも、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)に有識者による検討部会を新設し、新たな人口推計結果を基に今後の少子化政策を検討する。
これで明らかと言って良いが「少子化は簡単に緩和できるから、少子化問題を考えないでも良い」という方針でこんな事を言い出したのだろう。
考えたくないからその根拠を作り出す、といった話ですな。

そもそも、合計特殊出生率の計算方法がほとんど知られていないでしょう。
人口統計の「5歳階級」と呼ばれる5歳(5年間)で分類した人口別に15歳から49歳までの7段階(15-19、20-24、25-29、30-34、35-39、40-44、45-49)の女性が出産した率を足し算したものです。正確には「コーホート合計特殊出生率」と呼ぶ手法のようで、期間合計特殊出生率なので「一人の女性が生涯に産む子供の数」そのものではないわけです。

人口統計から見てみると、14歳以下や50歳以上の出産もありますから出産の傾向を示している、ということです。

当然ですが、人口増加になるためには出生率が2以上であることが必要です。つまり1.25から1.8になっても人口が減ることに違いはないのですから、人口が減ることが問題ではないということなのでしょうか?
であるとすると「どのように人口が減るのが良いのか?」という問題になりますね。


それにしても「理想とする出産が実現すれば」は厚労省や人口問題研究所が出す見解としては相応しくないだろ。
そんなデータならパソコンにソフトウェアを入れれば誰だって計算できる。
合計特殊出生率が変化するのは、20-24、25-29、30-34ぐらいの年齢層だろう。
ところがこの世代は当然のように全体の出生率の大半を占めているわけで、そうそう増えるものではないと思う。さらに注目するべきなのはこの世代が次の世代に入れ替わるのには15年掛かるということで、ちょっと上がってすぐ下がるといったことなったらどうなるのか?
かなり強力な対策を100年ぐらい期間続けないと全体の傾向が動くことにはならない。


こんな風に見ると、「見解を発表する方針を決めた」という歯切れの悪いことになっているのは、どっちを向いて言っているのだ?と考えてしまう。

11月 10, 2006 at 10:04 午前 人口問題, 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2006.09.02

宮崎県の確定人口

宮崎日々新聞より「本県人口また減少 さらに進む高齢、過疎化
県は31日、2005年10月1日に実施した国勢調査の本県人口確定値を発表した。
県人口は前回調査(2000年)に比べて1・45%減り115万3042人。

県人口は1995年時の117万5819人をピークに前回からさらに約1万7千人減った。
減少率は前回の0・49%を大幅に上回った。

市町村別の人口で前回よりも増えたのは宮崎市(1・4%増)と都城市(0.9%増)、三股町(2・0%増)、宮崎市と合併した佐土原町(1・5%増)の2市2町にとどまり、2市8町で人口が増えた前回とは落差が出た。

逆に減少率が最も大きいのは諸塚村の11・8%で、西米良村の11・7%、南郷村(現美郷町)の10・1%と続いた。
平均値で九市は0.7%減、35町村は3・0%減と山間部を中心に過疎化が急激に進んでいる。
1.45%減って115万3千人ですから、5年間で1万6千人以上減ったとなります。

数年以上前から、無人になってしまってさらに所有者が居なくなる地区が出てくるだろう、という予測がありますがそろそろ現実のものになってきた、ということでしょう。
ここまでくっきりとした数字が出てきたのには、ちょっと驚きましたがこれからはこんなデータばかりになるでしょう。
自民党の新総裁は安倍氏になりそうですが、人口減社会への対応を政策に掲げないのはまずいでしょう。

9月 2, 2006 at 10:34 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.11

人口減社会の経済目標

読売新聞社説より「[新成長戦略]「人口減社会だから大事な『人財力』」
少子高齢化が進み、日本の人口が減少し始めた。
経済成長にはマイナスの影響を与えるが、それを跳ね返して、成長力を強化できないだろうか。

こんな問題意識から、経済産業省が「新経済成長戦略」をまとめた。
「やり方次第では、成長は可能だ」として、今後10年間に、実質で年率2・2%成長の青写真を示している。

日本の労働力人口は、今後10年で400万人減少する。
GDP(国内総生産)の規模は、約10年後に中国に、約20年後にインドに抜かれるという。

デフレ不況の「失われた10年」に対して、人口減がまだ緩やかな今後10年は、経済の活力を生む「残された10年」という見方もある。
日本が経済大国であり続けるかどうか、岐路に立っている。
なんか奥歯に物が挟まったような表現で何を言いたいのは良く分からない社説だな。
どうも簡単に「経済大国」とか言うけど、高度成長以来(以前からだと思うが)「全体として成長(拡大)する」というだけでコトを済ませてきた。
しかし、国が豊かになるとは結局は国民一人ひとりが豊かになることに他ならないわけで、国家間の比較よりも国民の比較をするべきだろう。
だからこそ「国民一人あたりのGDP」に意味が出てくる。

客観的に言って日本は世界でもかなり豊かな国であるし、実際に財団法人 国際貿易投資研究所の発表の2004年の各国(60ヶ国)のGDPを並べると、このような順序になります。
数値は60ヶ国のGDPの平均値に対する割合を示しています。平均値は韓国・インド・メキシコ・オーストラリアといった各国です。
この順序は要するに「大国ランキング」であって、人口の多い国という要素があって確かに帝国主義時代の「大国」のイメージには合致しています。1以上であれば大国といったところでしょうか?

1-15番対平均値16-30番対平均値31-45番対平均値46-60番対平均値
アメリカ17.7ロシア0.88アイルランド0.28パキスタン0.14
日本7.04スイス0.54ポルトガル0.25フィリピン0.13
ドイツ4.15ベルギー0.54香港0.25エジプト0.12
イギリス3.21スエーデン0.53イラン0.25ルーマニア0.11
フランス3.09台湾0.49タイ0.24ペルー0.1
イタリア2.53トルコ0.46アルゼンチン0.23ウクライナ0.1
中国2.49オーストリア0.44マレーシア0.18ナイジェリア0.1
スペイン1.57インドネシア0.39イスラエル0.18クエート0.08
カナダ1.5サウジアラビア0.38ベネゼーラ0.16モロッコ0.08
インド1.03ノルウェー0.38チェコ0.16スロバキア0.06
韓国1.03デンマーク0.37シンガポール0.16カザフスタン0.06
メキシコ1.02ポーランド0.36ハンガリー0.15クロアチア0.05
オーストラリア0.96南アフリカ0.32ニュージーランド0.15スロベニア0.05
オランダ0.92ギリシア0.31コロンビア0.15ルクセンブルグ0.05
ブラジル0.91フィンランド0.28チリ0.14チュニジア0.04


「国民一人ひとりのの豊かさ」の比較するために「国民一人あたりのGDP」の順序で見てみると。
60ヶ国のデータであるために、GDPの順位には出てこない国が一人あたりGDPの表には登場することに注目するべきでしょう。
すごいのはルクセンブルグの3.45倍で日本のほとんど倍です。

なによりも人口が少ない国でも国民一人ひとりは豊かであることを表しているわけで、社説のような「経済大国を維持する」ことがどんな意味があるのかを国民的な合意にするべきことを示しています。
確かに、この表では国民の豊かさの表れとは言っても石油資源などで国民の一部に偏っている場合もあり、またどう考えても人口が小さすぎるからランクが上がったという例もあるわけで、日本の人口が1億人を越えていることは規模の上でも十分に「大国」であることは確かなことなので、国際貢献といった面からも著しく内向きになって「国民一人ひとりが豊かになりさえすればよい」というわけにもいきません。

それにしても、今まではあまりに「国民一人ひとりの豊かさとは」を無視して、「会社を大きくする」「国を豊かにする」に片寄り過ぎていたのではないか?と思うのです。
だから、人口社会で目指す経済指標は今までと同じでよいのか?だと思うのですが、社説は大枠の変更については明確な表現をしていないのに、産業構造にだけ言及している。それで良いものでしょうかねぇ?

1-15番対平均値16-30番対平均値31-45番対平均値46-60番対平均値
ルクセンブルグ3.45ドイツ1.65バーレーン0.76ポーランド0.31
ノルウェー2.7オーストラリア1.58韓国0.71ラトビア0.29
スイス2.46カナダ1.54台湾0.71チリ0.29
アイルランド2.25イタリー1.44マルタ0.66モーリシャス0.26
デンマーク2.24シンガポール1.24赤道ギニア0.53ボツワナ0.24
アイスランド2.08ニュージーランド1.22チェコ0.52マレーシア0.23
アメリカ1.97スペイン1.21サウジアラビア0.52セントルシア0.23
スエーデン1.93香港1.18ハンガリー0.49南アフリカ0.22
オランダ1.86マカオ1.12セントキッツ0.4パナマ0.22
日本1.81クエート1.06タイ0.32トルコ0.21
オーストリア1.79ギリシア0.93エストニア0.42ベネゼーラ0.21
イギリス1.78キプロス0.93スロバキア0.38ロシア0.2
フィンランド1.76イスラエル0.88クロアチア0.38アルゼンチン0.2
ベルギー1.71スロベニア0.82リトアニア0.32ベリーズ0.19
フランス1.69ポルトガル0.8メキシコ0.32ウルグアイ0.19

6月 11, 2006 at 10:28 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.05.15

人口問題・厚労大臣2050年の目標を発表

産経新聞より「出生率2050年に1.39 厚労相が目標示す
川崎二郎厚生労働相は14日、千葉市内で行われた少子化対策のタウンミーティングで、平成62年(2050年)の出生率を1.39に回復させることを政府目標とする考えを明らかにした。

川崎氏は、日本の将来人口と出生率について、「政府が目標値を明確に示すときだ」とした上で、平成62年に人口1億人、出生率1.39にすることが適切との考えを示した。

人口減少に歯止めをかけるには合計特殊出生率で2.1程度への回復が必要とされる。
目標値を1.39に定めることについて、川崎氏は「これから(少子化対策の)政策を重ねても、人口が減らない2.0までは戻せない」と指摘。
「このぐらい(1.39)あれば年金などのシステムは回していける」と、将来の財源不足が指摘される社会保障制度への深刻な影響は避けられるとの見通しを示した。
どうなんでしょうかね?
個人的な見解であれば、どう言うことも出来ますが人口政策というのは「政策で直接なんとかなるものではない」ですし、政策誘導しても合計特殊出生率に直接反応が出てくるのには10年以上の遅れがありそうです。
その意味で「2050年に」というのは適切かもしれないけど、44年後では誰も責任を持って政策誘導出来たとは言えないでしょう。

細かく検討するのは時間的に無理ですが、ちょっと調べてみないといけないですね。

5月 15, 2006 at 09:47 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.05.04

人口問題・国勢調査の回収率

読売新聞より「国勢調査、都内11%が未回収…揺らぐ信頼性
昨年10月の国勢調査で、調査票を提出しなかった世帯が東京都中央区などの都内8区市で20%以上に達し、都全体の未回収率は11・3%(約57万世帯)に上ったことがわかった。

都によると、都内の区市町村で未回収率が高かったのは中央区(30・3%)、町田市(29・9%)、渋谷区(25・5%)、品川区(25・2%)、新宿区(23・7%)の順。
前回2000年の調査では未回収率20%以上の自治体はゼロで、都全体では5・9%だった。

総務省が今年3月に公表した中間集計では、国全体の未回収率は4・1%(前回1・7%)で、都心部の突出ぶりが際立っている。
全国の世帯数は5千38万2081世帯(約5千万世帯)なので、未回収4.1%とは206万世帯に相当します。
5%以上ずれるとデータとしては信用ならないとなりますね。
まぁ「国勢調査が何の役に立つのか?」という印象は強いですが、
地方交付税の配分基準や議員定数の決定をはじめ、行政施策の基礎資料にも使われるため、その信頼性は生命線といえる。
ということで、調査員が回収するという他の調査では例がない方法を考え直して回収率を上げる必要があるでしょう。

5月 4, 2006 at 08:26 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.04.26

いきなり合計特殊出生率を1.5と出来るかな?

朝日新聞より「出生率1.50に 公明党の少子化対策原案
合計特殊出生率を2015年に1.50に。公明党は25日、働き方の見直しを柱に据えた少子化対策の原案をまとめた。
う~ん・・・・・。 「03年で1.29まで落ち込んだ出生率」ですからねぇ。 「人口問題・合計特殊出生率の推移から考える」に書きましたが合計特殊出生率の定義は
15歳から49歳までの女子の年齢別出生率を合計したものとされています。
2015年というと、9年後ですね。
9年後に15歳から49歳までの女性はすでに決まっているわけです。その人たちの数によって1.2以下になるか?という合計特殊出生率を1.5にするとなると、それぞれの世代(5歳ごとに分けます)がどんな変化になるかは計算してみないといけないですね。 (後からやりますね)

4月 26, 2006 at 05:45 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.03

人口問題・2040年に1億人割れ

読売新聞より「日本人の人口、2040年に1億人…研究機関推計
日本人の人口は、2040年にほぼ1億人になる見通しであることが、政策研究機関「エイジング総合研究センター」(東京)が3日、発表した「日本人人口の将来推計」で分かった。
この政策研究機関は知らなかったですね、名前を変えたのかな?
この情報では「合計特殊出生率」が今後も減少するという推定で引き出した結果だとのことですが、将来予測でベースとなる数字を触るのはかなり度胸が必要です。
わたしが今まで出した数字は合計特殊出生率が徐々に変化するという予測は計算していません。(難しいからでもあるが)

まぁ人口が減少するから今の政策が継続できないというのは分かるとしても「だから人口をすぐに増やそう」というのは全く無理で、やはり「将来人口が減る」という前提での長期政策を作るべきでしょう。

2月 3, 2006 at 08:57 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.15

人口問題・ロシアの場合

朝日新聞より「ロシアで一夫多妻制論議沸騰 チェチェン実力者発言受け
ロシアのラジオに13日出演したチェチェン共和国の親ロシア派実力者、カドイロフ第1副首相は、チェチェンで繰り広げられている独立派との武力紛争の結果、女性の方が約10%ほど男性より多くなった、と指摘。チェチェンの人々の多くが信仰するイスラム教に従って「生き残った男性は4人まで妻を持ってよい」との考えを示した。

極右として知られるジリノフスキー連邦下院副議長がまず賛成。「ロシア全体で認めるべきだ。一夫一妻制しか認めない家族法の改正を進める。私も第2、第3の妻をめとる」と語った。ロシアの公的なイスラム指導者タジュドジン師も「深刻な人口減の問題の解決に資する」と賛意を示した。

ロシアでは飲み過ぎなどによる男性の平均寿命の短さも深刻なだけに、女性のスリスカ下院第1副議長は「平等と男性保護の必要から、一妻多夫制も認めるべきだ」とジリノフスキー氏らに反論している。


ロシア男性の平均寿命はソ連時代より下がっていて、色々な情報がありますが一説では54歳とも言われています。
それが一夫多妻・一妻多夫という話になるのかね?とは思いますが、ロシアの人口は移民による流出もあって現時点で人口減少であり、同時に出生率は人口が維持できるレベルではない、という完全に人口減少の方向に向かっています。
それでこんな冗談のような話も真剣に扱わざるを得ないことになっているでしょう。

日本の少子化問題を巡る議論はどうもこういうせっぱ詰まった状態(あるいは仕方ないが来る未来)を直視することなく雰囲気だけで論じていると感じますが、人口問題は言わばデジタルな数字以外の何物でも無いわけですから「少しは改善した」といったような話では気分や雰囲気の改善でしかな、悪くすると先送りなのです。
ロシアの問題提起は正に他山の石です。
もっとも確かイスラム国家でも「一夫多妻はお金が掛かって実現できない」のだそうですが。

1月 15, 2006 at 10:51 午前 人口問題 | | コメント (7) | トラックバック (1)

2006.01.13

人口問題・出産無料を検討だそうですが

読売新聞より「出産無料化を検討、少子対策で政府
政府は12日、少子化対策の一環として、入院を含めた出産費用全額を国が負担する「出産無料化」制度導入の検討に着手した。
これは少子化対策にはならないでしょう。
それ以前に「どういう数字になれば少子化でないとするのかなど基本的な目標がない」ことがよほど問題です。

「人口問題・静止人口の形」で現状のまま静止人口にするとしても、20~24歳台で1.5倍、25~29歳台が1.5倍、30~34歳台が2倍の出産が必要になります。
先日、高校一年生女子にこのことを話してみたら「え~!それは大変」でした。やはり「女性が働きながら子供を育てることが出来れば・・・」のような話で納得(?)していたのですね。ところがそれは少子化対策と言えるものなのか?という根本的な話は当然知らない。
わたしもデータを集めて計算して出したものです。

なんか少子化問題とは何か、どうなれば少子化問題解決なのか、少子化問題が解決しない場合でもどのくらいなら我慢できるのか、といった問題を全部飛ばして「少子化だから問題」として「出産を無料にする」などと言い出すのでしょう。
1975年から合計特殊出生率は2を下回って、着実に減っていたのですからその時点でも出産費の無料化ぐらいすれば良い思いますが、病気でないから自己負担とかやってきたのです。

少子化問題は社会の問題であり政治の問題なのですから「どういう未来が良いのか」という合意無しでは 「対策」になりません。ひどい話だと思います。

1月 13, 2006 at 12:20 午後 人口問題 | | コメント (4) | トラックバック (3)

2006.01.07

人口問題・新聞の意見

「人口問題・合計特殊出生率をどう計算する」でちょっと紹介していますが、わたしは30年ぐらいシミュレーションで将来を予測することに興味を持ち続けています。
STELLA なんてソフトウェアを持っているのもこのためですが、表計算ソフトを使ってもある程度のシミュレーションは出来ます。

そうして幾つかの検証をしてみると、シミュレーションでは前提や固定しておくデータによって結果は変わるのですがそれでも「そりゃこんな風になるのは当然だ」と見えてくることがあります。

その代表が少子高齢化の問題だと感じます。 新聞の論調などでは「少子高齢化がズーと続くから問題」と読める記事ばかりですが、今の高齢化問題の原因である団塊の世代は今後20年から25年ぐらいで寿命を迎えるのですから、高齢化問題はある意味では我慢の問題です。

少子化問題というのはわたしには何が問題なのか良く分かりません。
現在のところ先進国で人口が自然増になっている国は無いのではないか?と思います。アメリカは人口増加ですが移民とその子供による増加であって、移民が無いと人口増加にはならないでしょう。
良く「合計特殊出生率が1.3を切るようだと・・・・」という言い方をしますが、じゃあどの程度なら良いのか?どの程度の人口減なら許されるのか?という話は聞いたことが無いです。

年末年始の新聞記事は「いよいよ人口減」ばかりでした。人口増でなければ人口減ですから、人口増加は話題にならず人口減だと記事になるということでしょうね。
しかし、合計特殊出生率が2を下回った時から将来の人口減は分かっているので実は1975年から合計特殊出生率は2を下回ったままなのですから、30年前には予想されていました。
そのために「いよいよ人口減」は正しいのかもしれませんが、ニューオーリンズを襲ったハリケーン被害のように「前から分かっているのに対策しなかったのは」という以上の意味は無いでしょう。

ハリケーン被害は一年単位の問題ですが、人口問題は100年単位とかになるのは明らかです。ハリケーン問題でも「堤防の工事予定が・・」といった原因と対策が記事になるのに、少子化問題では「問題が何で、どうあるべきか」という議論すらほとんど出てきません。
それなのに「問題だ!」と新聞は続けています。日経新聞社説は
人口減に克つ(1)成長力を高め魅力ある日本を創ろう(1/1)
人口減に克つ(2)「女性が辞めない会社」が飛躍する(1/3)
人口減に克つ(3)IT活用で生産性の引き上げを(1/4)
人口減に克つ(4)アジアと共存共栄の道を築こう(1/5)
人口減に克つ(5)ナショナルミニマムの再定義を(1/7)
と連日社説で特集しています。
まるで政策の全ての舵を方向転換するべきだ、といった印象ですがある意味では25年も我慢すれば先の展開は否応なしに決まってしまうのです。
正しい事かどうかは分からないですが、単に我慢するとか経済を減速する、といった手段でも継続出来るのであれば舵を切るほどのことでもない、とも言えます。

人口減が問題であるのならばとりあえずは静止人口を目標にするべきでしょう。
静止人口の日本は「人口問題・静止人口の形」で試算した通りで
(女性は現在の出産率に比較して)20~24歳台で1.5倍、25~29歳台が1.5倍、30~34歳台が2倍の出産をすることになります。
そのような現実があるのに日経新聞社説の「人口減に克つ(2)「女性が辞めない会社」が飛躍する(1/3)」は成立するものか?と思います。現時点で子供を育てながら職に就くのが難しいのは事実でしょう。だから職場や会社を整備して・・・というのは、現状の安定にはなるかもしれないが事実上出産率を倍に引き上げる役に立つとは思えないです。
もし出産率を倍に引き上げるのであるなら、出産適齢期の女性が出産・育児だけに集中しても経済的にも社会的にも問題なく、就職する必要は特には無いという社会しか無いでしょう。

静止人口を維持するという目標にするだけで、こんなことが見えてきます。
「人口減が問題」「少子化対策を」という意見の多くが「こういう目標にするから」という前提抜きに出てきているのはどうにも役立つアイディアにすらならないと感じています。

1月 7, 2006 at 10:22 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.05

人口問題・年金と健康保険

大石英司氏の記事「国民健保は公平なのか?」にトラックバックします。
組合に入れる入れないで、なんでこんな差が付くの?と思った。
結局、国民健康保険料というのは、そういう組織や団体に所属出来ない人々で支え合うせいで、高齢化を加速する社会では、当然掛け金は跳ね上がる一方になる。
こんな制度は果たして、公平と言えるのか?日本は長らくサラリーマン社会で、国民全員が、何らかの組織に属していることを前提に来たけれど、もうそんな時代じゃない。
組織から独立した人々にも差別の無い制度が必要ですよね。
年金制度と同じで一元化すべきだと思う。
この問題は誰かが言ってましたが、若くて医療費をあまり使わない人も歳を取って医療費が増えるようになると、健保組合から国民健保に追い出している構造だ。というのですね。

つまり国民健康保険の赤字体質、組合健保の黒字体質は比べようがないわけで、全然公平ではないです。

さらに言えば、どう負担して、どのようなサービス(給付)が受けられるかは、人口構成や就労者=所得のある人、といったことによって変わるのだから、どういう人口構成を前提に仕組みを組み立てるのか?ということを明示しないかぎり、ねずみ講の説明と同じだ。

先日、破産配当が完了した熊本の天下一家の会の内村所長は
あなたの上には会員が居る、下にも会員がいる、その会員にも会員がいる、こうして無限に会員が居るからお金が途切れることはない。
と説明していました。これではすぐに全人口が会員になって無限ではない。と反論されてしまいました。

年金と健康保険についての政府の説明は「危機的だけど大丈夫」という話に終始していて、今や大石氏の指摘のように公平でないし、継続できるかも分からない。
不安があるからお金を出さないというのはねずみ講ではないか。
まともな説明が必要だし、研究もするべきだろう。
少なくとも、人口構成の変化についてもっと研究するべきだ。

1月 5, 2006 at 12:17 午前 人口問題 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.01.04

人口問題・静止人口の形

人口が静止するにはどうなるのか?を考えてみました。
2003年の0歳~4歳までの5年間の人口のままであるとして、各年代ごとの死亡率を掛けて年代ごとに減っていくとします。

xx1

総人口1億420万人の静止人口になります。
この静止人口を維持するためには、年間116万人の出産が必要になります。
2003年当時に母親となった世代の女性の総数は、4124万人ですが静止人口を想定した場合のこの世代の女性の総数は2814万人に減ります。
従って、1.46倍の出産数が必要となり、20~24歳台で1.5倍、25~29歳台が1.5倍、30~34歳台が2倍の出産をすることになります。
こうして静止人口が成立すると、人口構造はこのような茶碗をひっくり返したような形になるようです。

1月 4, 2006 at 01:13 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.03

人口問題・人口構成の形から考える

日本が超高齢化社会になりつつあり、その理由が少子化問題であり、その理由が晩婚化(非婚者の増加)であるというのは分かるのだが「だから問題だ、大変だ」として「年金などの崩壊」と言われている。
もっと抽象的な国力の低下とか地方の集落の無人化が問題という意見もあるが、とりあえず年金の崩壊の方を考えてみる。

年金の問題については、現役世代が減って年金を支払う者の数が減るから問題だという。
しかし、これは明らかに相対的な問題で年金を受け取る側が支払う者よりも早く減るといったことでも回避します。
本質的な問題は年金支払い者が増えるつまり人口が増加するという前提にあるわけです。

一国の人口が増え続けるというのは無理があると思うし人口政策はそのような無謀なものではない、と思いたいところですが人口問題の本では「人口ピラミッド」という概念がさほど問題視されずに使われています。
国立人口問題研究所の少子化情報ホームページに人口ピラミッドが1930年~2050年の間でどう変化するかをアニメーションで示しています。
これを見ると釣鐘がひっくり返るように見えます。つまり1930年には子供の方が多かったのに2050年では老人の方が多いのです。

子供ばかりの世の中というのは団塊の世代には経験してきた社会そのものですが、老人ばかりの社会というのは見たことが無いですね。
過去にこどもばかりの時にうまくいった政策を老人ばかりの社会で実現しようとしても無理があるのですが、それを「子供が減るからいけない」と言っているのではないか?という政策の基本をチェックする必要があります。

現在の年金政策は若い世代がその時の老人世代の年金を負担するというものです。<だから若い世代が常に老人世代よりも多い釣鐘型の人口構成であることが必要なのです。
人口構成が釣鐘型であるためには若い世代ほど多くが死ぬことが必要でしょう。
そうでない場合は、常に子供が増え続けるしかありません。

医療技術・公衆衛生の向上は人が天寿を全うすることを目指しているはずです。つまり人口構成は限りなく生まれてから死ぬまで真っ直ぐで年代間の人口にほとんど差がないような形を目指すのでしょう。
そのような社会では、どう考えても若い世代が老人世代の年金を支払うなんてのは無理です。

2003年の0歳~5歳世代が人口の増減無しに90歳まで生きて人口構成が直線の棒状になったとすると、総人口は1億1千万人ぐらいで静止します。
20歳~65歳の労働可能な全人口は5800万人です。この5800万人が5200万人を支えることになります。つまり一人が一人の面倒をみる社会です。
もちろん現実には生まれた子供がすべて寿命を全うするという社会はあり得ないですが、労働人口数人で一人の面倒をみるといった社会は、とても成立しないことは確かです。

このように明らかに無理な人口構成の設定を放置した結果は「年金危機だ」となっていますが、もう一つ大きな現象が起きています。
生命保険会社の大儲けです。生命保険は30年・40年後の人の死の確率を予測するのがビジネスの基本であったのですが、今から35年前の契約などが人が死なないから保険金の支払いが大幅に予想外れとなってしまって大儲けの形になってしまいました。

こうして人口構成のつまりは死亡率の予測が外れたから、年金危機が顕在化したというべきですが、これは生命保険会社が保険金の支払いが予想以下で儲かってしまった時に年金体制は無理だ、と判断するべきでした。

少子化問題が年金の危機だけの問題だとするのなら「年金は仕方ない」とすれば、人口減や少子化は問題にならないのでしょうか? 何が問題なのか分からなくなってきます。

1月 3, 2006 at 11:30 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.01

人口問題・合計特殊出生率の推移から考える

合計特殊出生率が1.26になるかと新聞にも記事が出ています。
以前にも説明しましたが、一般には「一人の女性が生涯に生む子供の数」とされていますから、常識的に2.0以上じゃないと人口は減少すると理解できますが、実際の計算ルールはもっと大ざっぱというか簡単で、15歳から49歳までの女子の年齢別出生率を合計したものとされています。

1970年から1995年までは5年おき、1998年から2001年までは毎年の5歳区切りの出生率を現しているデータを見つけました。

母の年齢1970197519801985199019951998199920002001
15~19歳0.020.020.020.020.020.020.020.020.030.03
20~24歳0.520.510.390.320.240.20.190.190.200.20
25~29歳1.050.930.910.890.70.590.530.500.500.48
30~34歳0.430.360.350.440.470.470.470.460.460.44
35~39歳0.10.080.070.080.110.130.150.150.160.17
40~44歳0.010.010.010.010.010.010.020.020.020.02
45~49歳0.000.000.000.000.000.000.000.000.000.00
合計特殊出生率2.131.911.751.761.541.421.381.341.361.33


sb1
これをグラフにするとこうなります。1970年(昭和45年)頃には25~29歳の女性(戦中生まれの方たちですね)は全員が子供を産んでいた計算になるのですね。
他の年代の人たちの出生率はそう大きな変化は無く、20~24歳台と25歳~29歳台の方々が子供を産む率が半分以下になったから、合計特殊出生率も半分になった、というのが良く分かります。

このデータからは、この年代で子供を産んだ場合には児童手当を3倍にする、といった施策が人口減の速度を減速させるのには有効かもしれません。

1月 1, 2006 at 11:34 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.18

人口問題・緩やかな人口減少を考える

「人口問題・労働力比率の変化」では合計特殊出生率を現状の約1.3として計算しました。
基本的に一人の女性が1.3人の子供を産むという意味ですから、人口の再生率は1.3を2で割った0.65となります。一世代を40年とすると40年ごとに人口が65%になります。
この調子だと
2050年頃には日本の人口は一億人以下になり、2120年頃には5000万人以下、2290年頃には1000万人以下になる計算です。

これはちょっと急激に減りすぎると思うのですが、合計特殊出生率をどの程度にすれば社会的に妥当か?となると分かりません。
人口減にならないようにする、というのは直感的に妥当とも思えませんが一世代でどの程度減るのなら妥当か?と考えて1割に設定してみることにしました。
一世代で9割になるのなら、合計特殊出生率は1.9になります。

元になる平成14年の年齢層ごとの実績の出生数は、次の表の通りなのでそれを修正した出生数を作って、合計特殊出生率が1.9になるようにしてみました。

%が正しくないように見えますが、この表では時間は5年単位で進むことになるので、年間出産数も計算上は5倍しています。つまり%は5年間に売れた子供の数を母親の人口で割っていますから、年間では%の5分の1となります。5年間あれば2人あるいは3人を出産する母親もいるわけで、その場合は200%あるいは300%ということになります。

20歳~34歳までの出産数をザッと1.5倍にすると合計特殊出生率は1.9になり、安定的な人口減は一世代で10%となります。

年齢層人口出生(実績)出生率(実績)出生(想定)出生率(想定)
10~142,984,000520.01%520.01%
15~193,408,00021,3493.13%21,3493.13%
20~243,835,000152,49319.88%200,49326.14%
25~294,477,000425,81747.56%625,81769.89%
30~344,804,000406,48242.31%606,48263.12%
35~394,203,000131,04015.59%131,04015.59%
40~443,907,00016,2002.07%16,2002.07%
45~493,953,0003960.05%3960.05%
50~545,025,000260.00%260.00%
55~594,647,000160.00%160.00%


もしこように合計特殊出生率を1.9にして維持できると、現状の1.3のままの世界と比較すると45年で1割、65年で2割、90年で5割、140年で100%つまり倍(4000万人 VS 8000万人)の開きが出てきます。

年間で現状577万人の新生児が誕生しますが、これに44万8千人を増加することになります。
もしこの44万8千人に年間173万円の育児費を掛け算すると7750億円になりますね。う~んちょっと予算に出来ないでしょうかねぇ。

12月 18, 2005 at 12:45 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.17

人口問題・労働力比率の変化

「人口問題・合計特殊出生率をどう計算する」で Stella なるソフトウェアを持っていると書きました。

Stella は有名な「成長の限界」で使われたシステム・ダイナミックスのPC用のソフトウェアです。
システム・ダイナミックスはフィードバック・ループのある現象にはすべて適用できますが、社会システムなどに使う例が有名です。

「成長の限界」を買ったのは1973年とかだと思いますが、当時からシステム・ダイナミックスには興味があって、Stella も10年以上前から持っています。
持っているだけで、ちょっとぐらい勉強しても実際に使うまでは至らなかったのですが、ちょっと前から日本の人口動向に適用してみました。ソフトウェアの使い方を勉強しつつなので一月ぐらいやっていました。その間に少子化白書が出てしまいました。
一応、明らかな間違えはないシミュレーションモデルができました。そしてちょっと応用の利くデータが出来たようです。

人口動向は出生と死亡で決まるわけですが、そもそも出生は女性の14歳から50歳ぐらいまでの人口によって決まります。
死亡についても年齢によって死亡率が変わってきます。これらから人口動向を予測するためには女性・男性・年齢層別の人口・年齢層別の出産数・年齢層別の死亡率が必要になります。
このデータは総務省・統計研修所「日本の統計」に揃っています。0~4歳、5~9歳、10~14歳と5年ごとのデータになっています。5~9歳の人(子供)は5年後に10~14歳になるわけですが、この間に亡くなる方がいるので死亡者数を引いた数の人が次の5年の世代になる、と計算します。
このために5年ごと各年齢層の死亡率が必要になります。

一方、出生についても女性の10~14歳層から55~59歳層までに出生の報告がありますから、それぞれの層からの新生児をフィードバック・ループの先頭にくわえます。

直感的に「新生児や死亡者はデータ上どこから来て、どこに行くようにするのだ?」と感じますが Stella はいわば空中から取り出したり、空中に送り出すことが出来ます。
つまり新生児は空中から出てきて、死者は空中に戻す、といった感じで計算に新規に加えたり除いたりすることが出来ます。

こうしてシミュレーションモデルが出来ましたが、出産率がどう変化するのか、死亡率がどう変化するのかは、実際のデータを当てはめるか予測したデータを当てはめるかしか無いわけで、現在のモデルでは実際のデータを当てはめています。
そしてシミュレーション期間を約300年にして計算してみました。

将来人口そのものデータは総務省・統計研修所「日本の統計」に出ています。「2-1 人口の推移と将来人口」(エクセルのデータ)これによると2050年頃に総人口が1億人以下になるとされています。わたしが作ったモデルも同じ結果ですから、ここらへんを論じても面白くありません。

少子化問題・高齢化問題と良く言われるのが「労働人口の相対的な低下」ですが、労働できる年代(24歳~64歳)が総人口に占める割合の変化を見てみました。


労働人口比率
20030.58
20080.56
20130.53
20180.51
20230.5
20280.49
20330.48
20380.47
20430.47
20480.47

こんなことになります。確かに今後15年ぐらいは総人口に占める労働人口の割合は急速に低下しますが、30年後には一定になるようです。
通信の自由化が1985年で今から20年前のことでした。Windows 95 発売から10年です。現在でも国家財政は破綻しそうな情況なので今後30年間そのままというのは無理でしょうが、言われるほどお先真っ暗でも無いように思えます。

12月 17, 2005 at 07:21 午後 人口問題 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.12.16

人口問題・合計特殊出生率をどう計算する

毎日新聞より「少子化白書:「日本は超少子化国」 年間育児費173万円
04年の合計特殊出生率(女性1人が一生に産む子供の数に相当)が1.288と過去最低を更新した
超少子化国は、合計特殊出生率が1.3未満の国に位置づけられる人口学上の定義。白書では、04年の出生率が03年の1.290を下回り、減少傾向に歯止めがかからないことへの警告からこの定義を初めて用いた。05年から初めて人口が自然減となる可能性があることも指摘している。
stella


割と気楽に合計特殊出生率という言葉が使われますが、どういう計算をするのか良く分かりませんでした。
報道で使われるフレーズは「女性が一生の間に生む子供の数」となっているので、直感的には「そりゃ2を越えないと人口減になるよね」といったアイマイな認識でした。

そもそも「一人の女性が生涯に生む子供の数」という言い方をすると、一人ひとりの女性の生涯を追跡しないと分からないといった感じで統計的にはどうするの?となります。
そこでちょっと調べたらこんなのがありました。
「合計特殊出生率は、どのように計算するのですか。」(埼玉県・統計情報FAQ)
合計特殊出生率は、出生率計算の際の分母の人口数を、出産可能年齢(15~49歳)の女性に限定し、各年齢ごとの出生率を足し合わせ、一人の女性が生涯、何人の子供を産むのかを推計したものです。
これなら簡単、こんなデータがあります。
総務省・統計研修所「日本の統計」の中に「第2章 人口・世帯」というがあり、「2-5 年齢5歳階級別人口」と「2-19 母の年齢階級別出生数と出生率」の二つの表を合わせると計算できます。

この統計表は「年齢階級」を5歳毎に区切るのですが、0~4歳、5~9歳という具合なので、出産可能年齢(15~49歳)では区切られておらず、また実際の母親の年齢層も(9~14歳)層から(54~59歳)層まで広がっているので、出産可能年齢(層)以外から生まれた子供が居るのでヘンなことになります。
それでもある程度は自力で合計特殊出生率を計算できることが分かったので、手持ちの平成15年のデータで計算してみました。 1.305474 と出ました。
範囲を変えても 1.30 以下にはならないですね。
合計特殊出所率の数字だけが一人歩きしている印象を受けますが、諸外国のデータを見ても、2.0を越えているのはアメリカぐらいなものでヨーロッパ諸国は程度は緩いとは言え長期的に人口減少社会になっています。
「超少子化社会」なんて言ってますが、じゃあどの程度なら良いのか?という議論をしないのではダメでしょう。

こんなソフトを持っているので、将来予測をやってみているのですが、どうも直感的におかしな結果になっているのでまだ発表できるようなものではありません。

12月 16, 2005 at 04:10 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.07.27

とうとう人口減少

サンケイ新聞より「人口増加率、過去最低0・04% 男性が初の減少
総務省は27日、住民基本台帳に基づく今年3月31日現在の全国の人口動態を発表した。男性人口は対前年比1万680人減の6207万6658人で、1968年の調査開始以来、初めて減少した。
総務省は男性の人口減について「企業の海外進出に伴い男性の長期渡航者が増えたこともあるが、それ以上に自然減の要因が大きい」としている。人口増加率が0.1%台を初めて割り込み、男性人口の減少で、総人口減少社会が目前に迫ってきていることを裏付けた。
2006年とか2007年から人口減少になると言われていましたが、とうとう統計に出てきました。
まあ、常に人口が増え続けるという図式の方がおかしいのであって、ここらはそれこそ「山高ければ谷深し」と同じでしょう。
確かに急速な高齢化と人口減少となるでしょうが、長期で見れば当たり前でもあるわけです。
あと20年ぐらいすると、ガクガクと人口が減るんでしょうね。
トヨタがレクサスブランドを立ち上げましたが、これが人口現象対策だということですが、どんなのもんでしょうかね?

7月 27, 2005 at 06:39 午後 人口問題 | | コメント (7) | トラックバック (1)

2005.06.27

「成長の限界・人類の英知」

「成長の限界 人類の選択」ダイアモンド社刊を買った。
「成長の限界」が発表されたは1972年である。 続編として「限界を超えて」が1992年であるから、20年ぶりであり、さらに10年後に新刊が出たことになる。

「成長の限界」は発表された当時「コンピュータによる21世紀の予言」といった評判となった。
実際にそれまでは未来予測を統合的に行う手段が無かったのだから画期的であったが、まるでアイザック・アシモフの「ファウンデーション・シリーズ」そのものだと思った。

「成長の限界」で使われた手法はシステムダイナミックスであり、当時は DYNAMO が有名であった。DYNAMO は当時有名な大型コンピュータ利用の代表例と言われた。それが、この文章を書いているPCの中に「STELLA」として入っている。大型コンピュータの代表的な仕事と言われていたものがPCで出来るようになったのが何十年かの進歩でもある。

「成長の限界」は世界に確固たるメッセージを発信し続けているから、30年後でも話題の本になるのだが、重要なことの一つにシミュレーションの実用性という問題がある。
コンピュータの利用を「仮想空間」とか「仮想現実」といったことで表現することがあるが、コンピュータが出来る仕事は情報処理であるから実は非常に多くのコンピュータの仕事は「シミュレーション」である。

例えば最近継続的に売れているソフトウェアとして「住宅設計ソフトウェア」がある、これはプロ用の建築CADなどとは比較にならない低価格ありしかも質感などを上手に表現する。このようなソフトウェアが継続的に売れているとは、需要があるからだ。


しかし、シミュレーションを実用している例は他にはあまり無いわけで、ゲームは全体がシミュレーションであろうが、シミュレーションをしていると意識して使う例は多くはないだろう。
強調したいのはコンピュータ利用の大きい面がシミュレーションであり、シミュレーションとは予測そのものであり、予測とは未来を覗くことに他ならないのだから、コンピュータを後処理に使うのではなく人類の英知を強化するために使いたい。

6月 27, 2005 at 09:58 午前 人口問題 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2004.10.17

続人口問題

週刊!木村剛さんの記事「日本は高齢者天国なのか?:48%対3%」にトラックバックした「人口問題」には「辺境からの遠吠えのhasenka」さん、「新佃島・映画ジャーナルの服部弘一郎」さん、「名梨」さんからなかなか重々しいコメントをいただきました。

「名梨」さんが

お三方と同じく私も、一定の国土に対して適正人口ってもんがあるんじゃないの、と考えます。そして、運命論的な言い回しになってしまいますが、この事態は適正値への「収れん」でしょ、と。

とまとめられていて、それは異存がないところです。
わたしの考えでは、現状が変化することを「大変だ」というのは簡単で、「辺境からの遠吠えのhasenka」さんのコメントの通り

増えても減っても問題になるのだからいつだって問題は無くならないですね。

と喝破している通りです。増えても減っても問題なら減ることそのものが問題では無いのは明らかでしょう。と言いたいです。

この現状が変化することを大変だというのがいつの時代でもあって、大学入試センター試験を実施するかと議論してころには「試験制度が変わる」と大騒動でしたし、今は郵政公社の民営化で大騒動です。

人口問題が慢性頭痛のように重苦しいのは、ラジカルな変化は起こしようが無いことと、それゆえに変化までの時間が数十年単位になってしまうことにあるでしょう。

では、週刊!木村剛さんの記事「日本は高齢者天国なのか?:48%対3%」は何を問題にしているのか?というと、結局は曲がり角を問題にしているのではないだろうか?と思います。

簡単に言ってしまえば、日本は人口純増から人口純減に曲がるわけで、その曲がり角をどうするのか?ということでしょう。
これは確かに痛いことになる可能性はあります。

それと、長期的に人口減になることで人口増になる国と国の質が変わるという問題について、人口増になる国のようでないから良くない、というのは言うだけムダじゃないだろうかと思うのです。
純粋に経済成長だけを意識すると、人口増であるアメリカの方が将来の経済成長の展望は明るいでしょう。
それは間違いなくアメリカを経済上の大国の位置に維持し続けるでしょう。しかし、それがアメリカ国民一人ひとりの幸せに直結するかは、アメリカ政府の腕前によりますし、今でもアメリカ国民の一人ひとりについては不安な要素は多いと言っても間違えではないようです。

こうして見てみると、人口減少問題あるいは少子高齢化問題とは人口が減少した社会や高齢化した社会が今の社会の延長線にではなくて、隣に突如して出現したらどうなるのか?といった視点での問題化であるように感じられます。そういう未来のことがだんだんと近寄ってきたから問題にしているのであって、そうなってしまった未来の社会からの視点では無いのですね。

10月 17, 2004 at 02:10 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2004.10.15

人口問題

週刊!木村剛さんの記事「日本は高齢者天国なのか?:48%対3%」
日本の少子化による人口の推移について次のよう意見募集しています。

現在1億2000万人いる日本国は、あと20~25年くらいで1億人にまで縮むという計算になり、相当小さな政府にしないと持たないという結論になります。
そういう経済環境下において、日本経済はどう対処しえるのか、という厳しい認識を示されていました。
暗くなってしまうような話ですが、未来予測に興味のある方は、是非、明るくなるための政策私案をお寄せください。

と呼びかけているので、ほとんど私信ですが(^_^;)
人口問題・未来予測には極めて強く興味を持っています。

未来予測が占いの域を越えて注目されたのはダイヤモンド社刊「成長の限界」で、シミュレーションソフトによって「人類は21世紀を迎えることが出来ない」と「科学的に証明した」と言われた時です。

この時に使われたソフトウェアは DYMAMO で、その後パソコン用の STELA が登場して、現在もアップデートされています。

「成長の限界」では全世界をモデルにしたシミュレーションを行った結果、資源の枯渇と環境の汚染(破壊)が同時に進行して、収束しない情況になるために人類は21世紀が迎えられないという結論だったのですが、その後に批判的な立場からの研究が発表されました。

一つは、資源の枯渇=採掘可能量はコストの問題であるから、現時点での採掘可能量は価格の上昇によって増えることになる、という点。
もう一つは、食料は食事という文化的な側面が大きいから重量などで現すのはムリだという事でした。
イスラム教徒にブタを供給しヒンズー教徒にウシを供給しても食料問題の解決には明らかにならない、と書かれていました。

これら、批判的な研究や実際に21世紀に無事にたどり着いたことを含めて考えると、シミュレーションではデータを入力する人の考え方がどうしても反映するので、客観的な未来予測が基本的に難しいこと。
シミュレーションの結果は政策や経済に反映するので、改善したのかしないのかも含めて結果との照合が出来ないこと、といった根本的な問題は解決が困難です。


さて、日本の人口問題が少子化であり、人口減であることは疑いの余地が無いですが、それの何が問題なのか?という気持ちが非常に強いです。
わたしは団塊の世代なので、小学校・中学校では二部授業を経験しています。二部授業は現在のゆとり教育といった考え方で言えば論外でありましょう。しかしその「今から見ると論外のことを過去には当然のこととして実施した」という事実があります。

これを未来に向けてみると「今の判断では論外のことも、未来においてはやむ得ないこと」と是認されるでしょう。そうなると「今心配していることが問題」なのか「実際に未来において問題になるのか」という区別が出てきます。

人口減を嘆く論者は「人口プラミッドが崩れるのが問題」と言いますが、人口がピラミッド構造になっていることは、個人に還元すると天寿を全う出来ない人が大勢居ることに他なりません。これは架空の話しではあっても「全員が天寿を全うできる社会」よりも幸せなのでしょうか?

その意味では、人口ピラミッド構造から人口ビルディング構造に移行した結果として人口減になるのは当然で、ピラミッド構造になるつまり夭折する人達を補うために人口を過剰にしていた、とも言えるわけです。その調整期が今だとするなら、短期的には高齢化になり、その後に一気に人口減になることは理解できます。

結局はより良い社会とは何か?を論ずることなく、人口が減ると経済も縮小するから、人口減は良くない、と言っているとしか思えません。
唯一変わらないと言って良いのは国土の面積であって、果たして1億2千万人は日本の国土に相応しいのか、といったグランドデザイン抜きで、人口減を問題にしても、これは年金問題と同じで、幻想と現実の追いかけっこ、といったことになると思います。

10月 15, 2004 at 01:11 午後 人口問題 | | コメント (4) | トラックバック (2)