2008.03.16

派遣労働の削減になるか?

日経新聞より「キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用

キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。
子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用。正社員への登用も進める。

コマツも2009年3月末までに工場の派遣社員全員を期間社員に切り替える。
待遇改善で優秀な人材を確保し、生産技術や品質など国際競争力の向上に役立てる。

サービス・流通で進む非正社員の正規雇用の動きが、製造業に本格的に広がり始めた。

キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。
昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。
うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。
意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。 (07:00)

日本の雇用構造は「就社」であってその会社でどのような仕事をすることになるのか分からないのが普通です。

エンジニアとして仕事を始めて、営業に回り、人事を経験してから子会社の社長になる、といった経歴はごく普通のことです。

高校などでキャリアの説明をするときにこのような実態については全くリクエストがないですね。
学校教育に置ける「職」とは業務のことばかりで、簡単に言えば職人さんの世界しか取り上げません。だから現在でも大半の人が仕事に就く「サラリーマンとは」という話が伝わりません。

堺屋太一氏が「終身雇用制度は外れの会社に入社したらずっと苦しむ制度でもある」と指摘していますが、個人としては「職人志望で好きなことをやりたい」というのはあるでしょう。

つまり「就社」は好まない傾向が元々あるわけです。
それを可能にしたのが派遣労働制度で、特定機能だけを対象に始まったのですがそれを何でもアリにしてしまいましたから、単なる安い労働力になってしまいました。

何回か書いていますが、企業は労働力を集約して生産をする一方で、賃金として収益を再配分する大きな役目があります。
この両方のバランスが取れた状態が経済として整合が取れている状態であって、人経費が高すぎれば事業が成り立ちません。

では人件費が安すぎたらどうなるのでしょうか?
どこかから本来の人件費に相当する費用を誰かが持ってくるわけです。これはいわば借金でしょう。将来の購買能力を借りてしまっています。

そんな面倒なことを考えないでも、自社で新人教育をしないのが派遣労働者に業務をさせる意味ですから「誰が教育したのでしょうか?」となります。
「自社では教育せずに、誰かの教育の成果を利用してる」のは確実ですから、よほどの高給を支払わないと「教育の再生産が出来ない」のは明らかです。

どちらにしても「持続可能なやり方ではない」のが明らかで、まさに「借金経営そのもの」と言えるでしょう。借りているのがお金でないから分からないだけ。

こんなことで「業績が良い」と自慢するのは、バブル時代の借金長者の経営者と全く同等だと思いますね。

3月 16, 2008 at 11:26 午前 経済 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.07.26

地上デジタル放送に公的支援?

毎日新聞より「地デジ放送完全移行:地方局に公的支援 政府・与党検討
2011年7月の地上デジタル放送完全移行に向けて中継局整備などの投資負担がかさむ地方テレビ局に対し、政府・与党は公的支援を実施する方向で検討に入った。
国が放送局や携帯電話会社、地方自治体などから毎年徴収している電波利用料を活用する案が有力。円滑に地上デジタルへの完全移行ができるような環境を整えるために、政府・与党は財政資金の投入も検討したが、「財政再建が最大の課題となる中、黒字経営の放送局への税金投入は難しい」(与党幹部)と判断した。
なんで、地上のアンテナで電波を出さなきゃならないのだ?
衛星放送ならデジタルテレビ放送は今でもやっているし、それをCATVVで配信もしている。
さらにはワンセグでは電話でテレビ配信しているのに、そこから地上デジタルのための費用を徴収したら二重に徴収したことにならないか?
2011年のアナログ停波の時に全てのテレビが地上デジタル対応に切り替わることは無理だと考えているが、世間は「その時になったら考えよう」であろう。平たく言えばもうテレビにそれほど注目していない。確かに「ラジオが無くなれば困るでしょう」ではあるが、だからと言って「ラジオのために金を出す」という人はまずいない。今やテレビも同じ事で「テレビ!」とビックリマークで語るほどの値打ちはないのだ。
つまりは地上デジタル放送計画は無理なんだよ。

7月 26, 2006 at 10:12 午前 経済 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2006.05.05

ペットボトル再生の新技術

毎日新聞より「ペットボトル:275度の水で再生産 原材料まで分解
ペットボトルなどを高温の水を使って原材料まで効率よく分解することに、独立行政法人・産業技術総合研究所が成功した。原材料まで戻す完全リサイクルで、繰り返しペットボトルを再生産できる。
さらにごみ処理場排熱で加熱できるため資源の有効利用につながる。
従来、分解には毒性の強いメタノールを用いていたが、水を使えば有害な廃液も出ず、環境にもやさしい。
同研究所は2~3年後の実用化を目指す。19日に東京都内で開かれる石油学会で発表する。

テンレス製の密封反応器内で、ぺットボトル片などのポリエステル系樹脂と水を一緒に加熱。
300度の高温で原材料のテレフタル酸とエチレングリコールに分解することに成功した。
さらにテレフタル酸を、加熱前に水に加えておくと、もっと低い約275度でも分解できることを突き止めた。

ごみ処理場に年間数百トンを処理できる分解用の装置を併設し、一定の地域内でリサイクルシステムが実現すれば、ペットボトル原料を石油から新しく生産するより、2~3割安い費用で作ることが可能という。
石油から新しく生産するより、2~3割安い費用で作ることが可能

が本当ならすごいですが、コストには輸送とか収集など化学プロセス以外の部分が大きいのではないでしょうかね?
昔は金属などは細かく分けて収集して原材料化していました。今はこれがなかなか出来ないのはこの収集コスト問題であって、デポジット制度も集めた先からの経済合理性が成り立ってないから進まないわけで、技術開発しても全体のコストダウンになるのか、さらにはコストダウンすると全体として経済的な成り立ちが改善されるのか?という社会的な問題が大きくなっていくでしょう。
メーカーなどで作るPETボトルリサイクル推進協議会によると、ペットボトルの国内生産量は年間約51万トンで、推定約75%がリサイクルされている。
ということだそうですから、新技術が社会・経済的に画期的なことになるのかどうか微妙で十分な研究が必要だと感じます。

5月 5, 2006 at 10:40 午前 経済 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.04.30

車の燃費計測方式が変更へ

読売新聞より「車の燃費計測、新方式で厳格に…数値1割以上悪化か
日本自動車工業会(自工会)や国土交通、経済産業の両省などは、カタログなどに記載されているクルマの燃費性能について、2010年度をめどに、現在より厳しい計測方式に移行させる方針だ。

0・15モードは、「(実際の走行より遅い)時速40キロまでの加速・減速」や、「エンジンが完全に温まった状態での発進」「最高時速は70キロまで」など、燃費にとって「理想的な」状況を設定している。

新方式は「JC08モード」と呼ばれ、エンジンが冷えた状態から発進したり、時速60キロまでの加速、減速を繰り返したりと、実際の走行に近い形で計測する。

「10・15モードでは実際の燃費と違いが大きすぎる」から変更するということだそうですが。

ドイツかなんかでは「市街地燃費」「高速燃費」とか分けて出していたと記憶しているのですが、実際にも一般道、渋滞、高速道路と燃費は全く違うわけで、現在の10・15燃費が実際の走行では「渋滞のない一般道」に合っていると感じます。
高速道路では空気抵抗で速度に応じて燃費は大幅に変わるし、渋滞では発進に電池を使うハイブリッド車が圧倒的に有利になるはずなんですよね。
そしてどういう道を主に走るのかは使い方によって違うわけだから、一般道路、高速道路、渋滞道路と3種類の燃費を計測・発表するべきだと思うのですがね。

4月 30, 2006 at 08:26 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.04.29

北陸新幹線車両基地建設決定

北國新聞より「北陸新幹線、白山車両基地を認可 国交省、用地買収と造成の317億円分
国土交通省は二十八日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が申請していた北陸新幹線白山総合車両基地(白山市)の工事実施計画を認可した。
認可されたのは総事業費八百八十億円のうち、用地買収や土地造成の費用に充てる三百十七億円分。
工事実施計画によると車両基地は白山市米永町に建設され、敷地面積は約二十一万三千平方メートルで、約四万七千平方メートルの保守基地も併設する。
う~ん、21万3千平方メートル=6万5千坪=460メートル角・・・・・、小学校の通学区域ぐらいですかねぇ?
富山空港の半分ぐらいの広さのようです。

それで317億円だから、1平方メートルあたり14万9千円、一坪当たり49万1千円・・・・。
なんか土地代・造成費込みとは言え住宅並みのコストですね。
そんなにお金が掛かるんだ、驚きです。

4月 29, 2006 at 09:47 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.26

地価上昇についての社説

毎日新聞社説より「土地利用の巧拙で拡大する地価格差
06年の地価公示が発表された。
平均値が15年ぶりの上昇になったのは、東京都と名古屋市の住宅地、東京圏(東京都を含む広域)と大阪圏、名古屋圏の商業地だ。

平均値が15年ぶりに上昇した大阪圏商業地の大阪駅周辺を見てみる。東西600メートル、南北800メートル程度の範囲に四つの調査地点がある。
(表にしました)

建物名変動率
大阪第一生命ビルディング+8.9%
ヘップナビオ+1.2%
エスパシオン梅田ビル+0.8%
芝田町ビル-1.4%


かつての地価の変動は、こんなふうではなかった。ある地域の中心の地価が上がり始めると、ドーナツ状に地域全体の地価も上昇していった。狭い地域で、大幅な上昇と下落が同居するようなことはなかった。だから、平均値にも意味があった。
地価といいながら、実は建物の利便性や集客力が評価されている。建物の価値が地価として評価されているから、同じ地域でも地価に格差が生まれる。
地価は、その上に建つ施設との連動性を強め、立地との関連が弱まっている。それだけ、地域の地価の平均値の意味は薄れる。

土地は値上がりを待つ資産ではなく、有効に利用して収益を生ませる材料になった。その土地にいくら投資してどのような施設をつくるか。その投資は何年で回収できて、どれだけの収益を生むか。そうした収益還元の考え方で投資されるようになった。不動産投資に金融技術を活用する不動産の証券化で、その傾向はさらに強まった。
例に挙げられている地点は大阪梅田駅前で「東西600メートル、南北800メートル」というのはかなりの広範囲ですから、このようなテータが出てきても不思議はないと思います。
確かに土地バブルの時期のように「土地であれば何でも良い」というのは無いでしょうが、利便性などを求めて秋葉原駅前の大開発のようなものや、住宅地の建て替えといったことで、土地ではなくて利用の様子によってその地域の地価が決まるのは当然です。
個人でも企業でも不動産投資には大変が資金を必要とするので、地価が下落し続ける状態では投資が進むはずもありませんが「とりあえず下がることはない」と判断できるようになれば、投資は進むでしょう。

確かに「平均地価」ではなくて「地点地価」を問題にするのは当然です。

3月 26, 2006 at 12:04 午後 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.13

ライブドア上場廃止問題

FujiSankei Business i より「ライブドア きょうにも上場廃止決定 残る東証の課題
証券取引等監視委員会は十三日にも、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、ライブドアと同社の前社長、堀江貴文容疑者(33)らを東京地検に告発する見通しだ。
これを受けて、東京証券取引所は同日中にも、同社株(新興企業向けマザーズ市場)の上場廃止を決定する見込みだが、ライブドア株式が引き起こした波紋は、東証の今後の経営に重い課題を残す。
なるほど、証券取引法違反で告発されたら上場廃止ということですね。
とは言っても、上場廃止にすると一般株主が多いからかなり広範囲に影響が及ぶし、ライブドアがこんな状態になるまで放置していた東証や証券等取引監視委員会の責任はどうなのさ?と誰でも思うところでしょう。
記事には幾つかのポイントを示して解説しています。
東証は、ライブドアへの強制捜査以降、監視委の告発など捜査状況が進展し、同社の証取法違反が濃厚となっても、上場廃止には一貫して慎重姿勢を保ってきた。

二十二万人(二〇〇五年九月時点)にも上る個人株主への影響に対する懸念や、当初の逮捕・起訴容疑が東証の定める上場廃止基準には直接該当しない偽計取引・風説の流布だったこともその理由だ。

証取法違反による最近の上場廃止事例である西武鉄道やカネボウの場合、過去の経営・財務の問題点を両社が自ら洗い出し、業績の訂正報告書を提出したことが上場廃止への大きな判断材料となった。
これに対し、ライブドアは東証からの再三の情報開示要請にも回答できず、直近の決算発表でも決算内容を監査する監査法人が意見表明を回避。
投資家に対して説明責任を果たせないために、東証は、捜査当局の事実解明を待って上場廃止を判断せざるを得なかったという事情もあった。

問題は、企業統治や内部管理の未熟な新興の上場企業では、今後も当事者能力の機能不全が起こり得る点だ。
どう考えても、新規上場企業がすべて何十年と実績のある企業と同等の管理能力などが備わっているワケではないから、市場のために情報を開示させたり警告したりするのが市場や証券等取引監視委員会の仕事でありましょう。
ところが、ホリエモン逮捕に至る証拠集めを証券等取引監視委員会が調べていたから逮捕できた、というのですね。
それは事実でありましょう。

しかしこれでは証券等取引監視委員会と、市場でウソついてることが分かっているライブドアを泳がせていて、それが被害を拡大した、というの何が違うのでしょうか?
市場でルールを破っても、投資家はその情報を得ることが出来ないのでしょうか?

証券等取引監視委員会は監視し・証拠を集めて告発するのが仕事、と言うのであれば投資家に情報を開示する仕組みが無いわけで、一般投資家なんてのは居てはいけないとなります。
これでは投資後進国でしょう。今回の事件で一番問題なのはこのことではないか?と思います。
なんか、麻薬の輸入を察知してもそれを追跡して一網打尽にする、といった発想と同次元の仕組みしか無くて、今後は複雑になる証券市場などを育成できるものなのでしょうかね?

3月 13, 2006 at 10:28 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.19

CATV会社・ハイビジョン体制で連携

日経新聞より「主要CATV70社、ハイビジョン番組の配信・制作で連携
全国の主要CATV(ケーブルテレビ)約70社がハイビジョン番組の配信や制作で提携する。光ファイバー回線網を共同利用して配信コストを低減。共同出資で独自番組も制作し、プログラムの魅力を高める。CATV各社が地域を越えて連携し、NTTや関西電力グループが光回線による放送で攻勢をかけているのに対抗する。
数日前に「2011年7月24日までにアナログ停波することに法律で決まっている」のだが延期したら・・・・という話が出てきた。

なにしろ、今でもアナログテレビをジャンジャン作っているし、アナログ停波の認知度も低い、さらには「デジタルテレビに取り替えるか?」という質問に「まだ決めていない」という答えも多数で、総務省・放送業界といった供給側の思惑と消費者動向がいまだにかみ合っていない。

この現象は以前から同じで「時間が経つと消費者は一斉にデジタルテレビ化するから大丈夫」という意見が主に推進派から楽天的な予想として出されていた。
これに対して、デジタルテレビの生産量から考えてすでに絶対に転換できる時間がない、という説を唱える人もいて、わたしもこの説を強く支持します。

こういう背景では「アナログ停波を延期したら」という話も出てくるのは当然だが、延期は出来ても取り止めが出来ないのがアナログ停波というかテレビ放送周波数の変換で、どんなことをしても現行のテレビが見えなくなるのは時間の問題なのです。
その意味ではテレビメーカが「アナログ停波ですよ」とシールを貼るというのは正しいことであるが、それでも「まだ決めていない」という人が多いのは「テレビが気になる存在では無くなった」と解釈するべきだろう。

注目するべきは、供給側と消費者側の対立の図式になっていることで、消費者側から見ると「勝手に放送方式を変えるのなら、安くしろ」とか「消費者負担無しでやれ」といったところが本音でしょう。
それを主に放送局側が「ハイビジョン・双方向放送など高度化するから消費者はもっと金を出して当然」といったことで進んできたのだと思う。
論点がかみ合っていない。

番組制作側は商売は別にして、ハイビジョンが原則になっていくだろうから、CATV会社も自主番組も含めてハイビジョンで揃えよう、ということになるのは当然で「今さら発表するほどのことか?」としか思えませんが、このニュースを「おーすごい」とか思う消費者は居ないでしょう。

なんと言っても「今までテレビはタダで見ることが出来て、匿名で見ることが出来た」というのがわたし自身には一番需要なところで「テレビを見るのに登録する」なんてのは受け入れがたいです。
さらには、ネットと放送の関係を考えると「テレビをどこで捨てるか」ということも考えるところがあって「今さらテレビには投資する気にならない」のが本音ですから、地上デジタル化は私からみると「現行よりも安くする」手段でしか推進は出来ないと思います。

2月 19, 2006 at 09:20 午前 経済 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.12.09

みずほ証券・空前の大マヌケ

朝日新聞より「東証、誤発注のジェイコム株売買停止に 事態収拾見えず

みずほ証券の誤注文がなぜ取り消せなかったのかが報道された。
思い切りひどいです。
「ジェイコム株1株を61万円で売って欲しい」との注文を受け、8日午前、コンピューター端末で発注したが、
その際「61万株を1円で売り」と誤って入力。
端末からは市場価格との隔たりを示す警告が出たことに気付いたものの、担当者はそのまま作業を続けた。この警告については「よく出るので慣れの中で結果的に無視してしまった」という。

発行済み株式数を大幅に超える異常な注文に気づいた東証が、みずほに電話で連絡
みずほは、あわてて売り注文を取り消す注文を出した。

コンピューター上では、
「1円」で出した売り注文の価格が
ストップ安となっていた市場価格「57万2000円」
に自動更新されていたので、
取り消し注文は「57万2000円」で出さなければならなかった。
ところが、みずほ側がそれに気づかず、「1円」のまま取り消し注文を出したので、
取り消しが効かなかった。

このため誤発注の収拾策として買い注文を出し始めた。
素人が手数料を取ってはいかんだろう。

12月 9, 2005 at 01:34 午後 経済 | | コメント (7) | トラックバック (3)

みずほ証券・空前の大ミスだが

みずほ証券の「誤注文事件」の記事を集めてみました。
事実関係は、8日にマザーズに上場されたばかりの人材派遣業ジェイコム株を61万円で1株売りとするべきところを1円で61万株の売りと間違えたというものですが、ジェイコムの発行株式は1万4500株しか無いので、無いモノを売ってしまったことになります。

間違えてモノ売ってしまってお金を受け取った時の対応として考えられるのは、一般的にはお金を返して取引が無かったことにする、ですが「買ったのだからモノを渡せ」と主張されるかもしれません、その場合売り主は自分が持っていないモノをよそから仕入れて場合にはよっては損しても買い手に引き渡して取引を成立させる、という選択が考えられます。

株式だけでなく無いモノの売り買いも出来るのが市場で「商品先物市場」といった呼び方になっています。株式市場では現物取引と先物取引の両方があり、先物取引のルールは最終的には現物の取引で終結することなっています。

現物取引であっても、実際にリアルタイムで売り手と買い手の間で株式の受け渡しは出来ません、受け渡しは取引成立の日から4日目です。つまり現物取引でも先物取引のようことなるわけで、それがアリもしない61万株の売りが出せる理由です。

ではこれを「無かったことにする」と出来ることなのか?というかなり微妙ですね。そもそも「間違えた」というのは取消操作が出来るようになっているので、取り消さなかったのだから間違えではないとなりますね。よって「間違えたから無かった」というのはあり得ないでしょう。実際にオンライントレードでシステムの不調で意図した売買が成立しなかった場合もあるようです。
ではあり得ない数の株の売りを出したのだから明らかに間違えだろう、というのが成立するか?というと、これも「何が明らかなのだ?」という問題に突き当たりますね。そんな情況で各紙の面白い記事を集めてみました。

朝日新聞より「みずほ証券、誤まって大量の売り注文 株式市場は混乱
東証などによると、公募価格は1株61万円で3千株が売り出されたが、みずほの指し値は1円だった。61万円で1株の売りとするところを、1円で61万株の売りと誤って入力した。注文が不自然だという警告が入力画面に出たが、担当者は無視して作業を続けたという。その後、誤りに気づき、東証のシステムに取り消しの指示を4回出したが、認識されなかった。みずほは「コンピューターの操作を正しく行わなかったために取り消しができなかった」と説明している。
取消の操作を4回やったが認識されなかった。という点については他にも取消は沢山あるはずで、システムに不調があったとはちょっと考えられないですね。操作の間違えでしょうね。

サンケイ新聞より「みずほ証券が巨額注文ミス 不安広がり株価急落
誤って発行済み株式総数の約40倍に当たる61万株を1株1円で売る注文を出し、結果的に空売りの形で全株の取引が成立。みずほは大部分を買い戻したが、損失は270億円以上に上る見通しだ。
みずほ証券の福田真(ふくだ・まこと)社長は8日夜、記者会見し「損失は最少で270億円で、拡大の可能性がある。ただ当社の財務体力からみて問題ない」と述べた。原因については「単純な入力ミスで、担当者が警告メッセージを見落とした」とした。
買い戻せなかった取引には基本的に現物を渡すことになります、そうなると実際に現物を持っている人は「値上がりするに決まっている」と考えますね。市場に何株があるのでしょうか?そして価格は幾らになるのでしょうか?それが分からないのにみずほ証券の財務体質は大丈夫と言えるのでしょうか?さらに大丈夫ならもっと値上がりするだろう、と考える人は多いでしょうね。

毎日新聞より「みずほ証券:ジェイコム株誤発注 損失1千億円にも
同証券は「損失は現時点で270億円。1000億円程度に膨らむ可能性がある」と発表した。
同証券は約48万株を買い戻したが売却済みの株は実在する株数を上回っており、みずほから同株を買った投資家に実際に株券を引き渡せない可能性が高い。みずほは株券の代わりに現金で支払うかどうかを東証と協議する方針。
61万株の売りを48万株買い戻したとのこですから、13万株が売りで出てることになりますが、これは発行株式のほぼ10倍です。原則としては13万株を受け渡しすることになります。現金で支払うとしても幾らの現金にするのでしょうか?
終値がストップ高の77万2千円ですからこれを13万株分に当てはめると、記事のタイトルのように1000億円になります。

この記事を書いている9時のニュースで「終日・ジェイコムの取引を停止する」と東証が発表しましたが、どうするんでしょう?

12月 9, 2005 at 09:15 午前 経済 | | コメント (2) | トラックバック (7)