2010.05.05

新オフィス地区の苦闘

朝日新聞より「さいたま新都心10年 「関東の中心」になるはずが…

さいたま市のさいたま新都心が5日、2000年の「街びらき」から10周年を迎えた。

当時の為政者は「埼玉百年の大計」としたが、現在の就業人口は計画の3分の1程度。
複合ビル建設計画の見直しなど、新たな課題にも直面し、街づくりは正念場を迎えている。

大型連休の初日。JRさいたま新都心駅東側地区の商業施設「コクーン新都心」は、家族連れやカップルでにぎわった。
昼過ぎ、各レストラン前には入店を待つ行列ができ、1千台収容の駐車場は、ほぼ満車だった。

対照的だったのが、駅西側地区。
国の出先機関が入る合同庁舎周辺などは人影がまばらで、人出が目立ったのは、街びらき10年の記念行事が開かれていた「さいたまスーパーアリーナ」と、その周辺ぐらいだった。

新都心と呼ばれる開発地区は、東京ドーム約10個分の47.4ヘクタール。
日本郵政や民間企業のビル、ホテル、大型スーパーなども立ち並ぶ。

新都心誕生のきっかけは、国が打ち出した「業務核都市」構想。

1986年、東京への一極集中を緩和するため、浦和・大宮地区が首都圏の広域的な拠点の一つに選ばれた。

89年、横浜や千葉との誘致合戦の末、同跡地への政府機関の移転が決定。
91年に開発が着工され、国の約20機関が移転して2000年5月、街びらきにこぎつけた。

当時の土屋義彦知事は「埼玉百年の大計」と位置づけた。当初の5年間は、さいたま市の誕生や政令指定都市化、コクーン開業などもあり、計画は順調に進むかのようにも見えた。

■「にぎわい創出」課題

目算の狂いが目立ち始めたのは、06年。

合同庁舎の隣の「第8―1A街区」(2.4ヘクタール)にデジタル放送用タワーを誘致しようとしたが、「東京スカイツリー」(東京都墨田区)との競争に敗れた。観光などの目玉候補を失った。

昨年以降も、苦難が続いている。

同街区では、オフィスや商業施設などが入る高さ186メートルの複合ビルを、三菱地所などが建てる計画だった。

しかし、「オフィス需要低迷など経済状況の変化」を理由に、県や市に計画見直しを申し入れたことが表面化した。
計画継続に向けた協議が続いているが、期限は7月25日。「規模縮小は避けられない」(市関係者)との見方もある。

スーパーアリーナ内の「ジョン・レノン・ミュージアム」も、来館者減少などの理由で9月末の閉館が決定。
市観光政策課は「全国に発信できる観光資源だったのに」と落胆している。後継施設は未定で「どうしたら人が呼べるかを考えたい」(県都市整備政策課)という状況だ。

先行きが不透明な施設は、他にもある。現政権が掲げる国の出先機関の「原則廃止」が実現した場合、合同庁舎をどう活用するかという問題が浮上する。

完成前から見物客が大勢訪れるスカイツリーとは対照的に、新都心は今も「にぎわい創出」が課題だ。

県によると、街びらき前に5万7千人と計画していた就業人口は、1万9千人足らずにとどまっている。

県内の経済シンクタンクの担当者は

「民間企業が増えれば理想的だが、不況で東京都心でさえオフィス賃料が下がっている中、新都心まで来るメリットは見あたらない。商業施設もショッピングモールは県内各地にあり、にぎわいをどう生み出すかは難しい」
と話している。(平林大輔)

■さいたま新都心の歩み

1986年浦和・大宮地区が「業務核都市」に位置づけられる
  89年旧国鉄・大宮操車場跡地への政府機関の移転が決定
  91年新都心開発の着工式
2000年JRさいたま新都心駅開業(4月)、街びらき(5月)
  01年浦和、大宮、与野の3市が合併し、さいたま市が誕生(5月)
  03年さいたま市が政令指定都市に(4月)
  04年「コクーン新都心」開業(9月)
  06年デジタル放送用のタワー誘致に失敗(3月)
  09年タワー候補跡の「第8―1A街区」で計画見直し問題が浮上(11月)
  10年ジョン・レノン・ミュージアムの9月末での閉館が決まる(2月)

横浜のみなとみらい地区は1979年から始まりましたが、土地区画整理がようやく完了しようかという段階で、早い話がなかなか買い手が付かなかった。
神戸でも同じようなことになっています。

要するに、さいたま新都心特有の問題ではない。

どう考えても、東京、神奈川、埼玉、千葉と隣接した地区で、一斉に巨大オフィス用地を作って、全てが埋まることは考えられないわけで、結局は既存の地域からの移転が主になります。

そのような状況では、コストが安いことが一番になるでしょうから、目算通りの収益は期待できない。

さらに、高速道路の使いにくさは、横浜とは比べものにならないわけで、これではなかなか移動しないでしょう。

結局、「箱を作れば何とかなる」というやり方が、ダメだったと言うことで、時間を掛けて埋めていくべきなのでしょうが、何とかなるのかは疑問です。

もう、明らかに「過去の遺物」と化しつつあるのが、この種の「開発」でありましょう。

5月 5, 2010 at 09:03 午後 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.22

米大統領・新金融規制案を発表

時事ドットコムより「金融機関の肥大化抑制へ=銀行のファンド投資を禁止-オバマ米大統領が規制案

【ワシントン時事】 オバマ米大統領は21日、ホワイトハウスで声明を発表し、大手金融機関の肥大化抑制や商業銀行のヘッジファンド投資を禁止する規制案を発表した。

金融危機再発防止のための金融規制改革の一環で、現在議会で審議中の法案に盛り込む。

大統領は「銀行が顧客に奉仕するという中心的使命から大きく逸脱することはもはや容認されない」と指摘。
銀行によるヘッジファンド、投資ファンドへの投資や資金の提供を禁止するとともに、自己資金による取引を制限する方針を表明した。
銀行がリスクの高い投資に傾注しないよう歯止めを掛ける。

一方、金融機関の規模拡大を防ぐため、銀行の預金シェア制限と同様な規制を銀行以外、また預金以外にも拡大する案を打ち出した。

この日電話会見した政府高官は、業界内でのシェアを目安として負債に一定の制限を設ける方針を明らかにした。
(2010/01/22-06:40)

この発表を受けて、ニューヨーク、東京も株価は値下がりしています。

ロイターより「オバマ米大統領が金融規制案を発表:識者こうみる

[ワシントン 21日 ロイター] オバマ米大統領は21日、金融機関のリスクテークに関する諸制限を一段と厳格化するよう提案した。

一部の金融機関にとって最も収益性の高い業務を制限する内容となっている。
これを受け、この日のニューヨーク市場で株価は下落。銀行株が大幅安となり、ドルも売られた。

新規制が金融業界に与える影響などに関する識者の見方は以下の通り。

●投資銀行業務の分離も

<ヒルタウンセンド・キャピタルの社長兼最高経営責任者(CEO)、ゲーリー・タウンセンド氏>

具体的な内容が示されていない。
あるのはオバマ大統領の怒号と非難だけだ。

規模抑制に関する大統領の発言が示唆するのは、金融機関によるこれ以上の合併や統合はないということだ。
これは特にトレーディングに影響を及ぼすものではない。

投資銀行業務と商業銀行業務の統合に関する規制の法制化は、どのように実施されるとしても影響が大きく、JPモルガン(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)、あるいはウェルズ・ファーゴ(WFC.N: 株価, 企業情報, レポート)などは投資銀行業務の分離を余儀なくされる可能性がある。

連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)への言及がなかった。モーゲージに触れずに2008年の金融混乱の根源について語れるとは思わない。

●自己勘定取引規制で金融業界の構造変化

<フォーゲル・二ール・パートナーズの投資ストラテジスト、ラルフ・フォーゲル氏>

ゴールドマン・サックス(GS: 株価, 企業情報, レポート)やJPモルガン(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)といった大手金融機関に多大な影響を及ぼすだろう。

これら大手金融機関が自己勘定取引を停止すれば、市場の流動性が低下する。さらに米金融業界の構造全体、トレーディング環境全体が変化するだろう。

●上院補選の結果とは関係なし

<ブルッキングス研究所の名誉シニアフェロー、スティーブン・ヘス氏>

オバマ政権がポピュリスト的な方向に向かっているのは疑いない。
規制の検討はすでに進められていたので、今回の提案はマサチューセッツ州上院補選とは直接関係していないだろう。

金融規制と関係のある雇用や関連問題は、明らかにオバマ政権の最重要課題として再浮上するだろう。
これまでは医療保険改革問題に気を取られていたが、国民は怒っている。

●法制化の手段について答えが求められる

<ジェフリーズ(ニューヨーク)の米国債ストラテジスト、ジョン・スピネロ氏>

収入を生み出すために金融機関を規制しようとしているようだ。

全体的な状況は株価の下落を招いており、米国債に対する質への逃避買いにつながっている。
金融機関が、以前のように商業銀行網を投資銀行業務から切り離せるかどうかは不明だ。

現在の状況は混乱しており、この金融規制案がどのように法制化されるかに関して多くの疑問があり、いま答えが求められている。

ロイターの記事は、基本的に金融自由化によって利益を得ていた人たちのコメントですから、規制反対でしょうが、割と大統領案に対して強い反対ではない、という印象を受けます。
ただ、マーケットとして値下がりは必然でしょう。

ブッシュ・小泉の新自由主義の終焉と見るべきなのでしょうか?
日本において大変にマズイと思うのは、コスト削減さえすれば良いという風潮が未だにあることで、それでは未来が開けないのは明らかで、コスト削減つまり節約とは現状のままで長生きするための手段です。
いずれは、償却していって消えてしまう。生産的とは言いがたいわけです。

本来であれば、個々の企業や個人の節約といった消極的な資金運用を、金融機関が実物投資に向ければよいのですが、それを安直に金融機関が金融投資向かう、要するに最終的にバクチに向かっているわけで、それでは実物経済が成長するわけがない。

この点を改善しようというのが、オバマ政権なのでしょうが、高価はいかがなものでしょうか?
たぶん日本でやればよいことをアメリカがやっているのでしょう。

新自由主義の、自由放任論からの脱却は明白になってきた、というべきでしょう。

1月 22, 2010 at 10:43 午前 経済 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.10.06

円高じゃないだろう、という指摘

FujiSankei Business iより「【日本の未来を考える】東京大・大学院教授 伊藤元重 「貨幣錯覚」に陥るなかれ

為替レートの動向に注目が集まっている。最近になって1ドル=80円台まで円高が進む中で、経済界などにも円高警戒論が出てきているようだ。

為替レートが経済の実体に及ぼす影響は大きいので、経済界などが円高を気にすることはよく分かるが、いろいろなお話を伺っていると多くの人が「貨幣錯覚」に陥っているように思えてならない。

大学で経済学を教えるときは、名目為替レートと実質為替レートをきちっと区別すべきことを強調する。

円ドルレートで言えば、今の1ドル=89円と1995年のそれとはまったく意味が違うのだ。

この間、日本はデフレなどもあったので物価はほとんど変化していない。
しかし米国では穏やかな物価上昇が続いたので、2008年の消費者物価は95年のおおよそ1・4倍になっている。

これだけ物価の動きに乖離(かいり)があれば、為替レートの意味が違ってくる。

2009年の89円という名目でみた円ドルレートを、95年の物価を基準にして同じ実質為替レートになるように調整すると、115円という数字になる。
95年の物価をベースに計算しなおせば、1ドル=115円となり、この状況を円高と呼ぶことはできないだろう。

ちなみに95年という年をとりあげたのは、この年に日本が超円高を経験したからだ。この時、名目レートは1ドル=80円をきった。

この95年の80円の円高と(実質レートでみた)同じ状況を今経験するとなれば、それは57円となる。

つまり、現在の物価を前提として過去最高の円高を経験したとすれば、それは1ドル=57円であるのだ。
それに比べればこの原稿の執筆時の1ドル=89円では、過去のピークに比べて50%以上も円安になっている。

名目と実質を混同して経済を見ることを、経済学では「貨幣錯覚」(マネー・イリュージョン)と呼ぶ。

貨幣錯覚はしばしば人々の誤った対応を引き起こし、結果として経済に深刻な影響を及ぼすことがある。

そのもっとも有名な事例は1930年代の大恐慌の時代の賃金交渉である。

当時、多くの国では深刻なデフレが生じていて、物価が下がっていった。たとえば物価が2%下がっていれば、賃金が2%下がっても、実質賃金は同じ水準になる。
これが貨幣錯覚のない世界の話だ。

しかし現実には、多くの労働者は賃金を1%でも下げられることは自分の損失となると考え、賃金引き下げに大きく抵抗した。この結果、経済全体としても賃金は下がりにくい状態が続いた。

大量の失業が発生しており、物価が下がり続けているにもかかわらず(名目)賃金が下がらなければ何が起こるか明らかだ。
企業から見れば物価に対する賃金がますます割高になっている。
ようするに実質賃金が上がっているのだ。

その結果、解雇はさらに進み、企業倒産も増え、新規雇用は生まれない。
失業はさらに増えていった。
物価が下がれば賃金を下げても実質的に賃金は変わらないということを理解できない人々の貨幣錯覚が不況をさらに深刻な状況にしていった。

為替レートで貨幣錯覚に陥らないことが肝心だ。「円高」と勘違いして過剰に反応するようなことがあってはならない。(いとう もとしげ)

なるほど、と思う。

日本は、少子高齢化による経済規模の急激な縮小のさなかにあって、今のところ比較的に世界をリード出来る、技術力のある国といったところでしょう。
つまりは、国際的に日本は以前よりは弱くなりつつあります。
この中には、もちろんデフレ的な物価下落、賃金下落もあります。

対する、アメリカ(ドル)は、相変わらずの消費大国であって消費の規模を拡大することが経済成長そのものなのでしょうが、消費するべきものは石油も輸入する国です。
これでは、ドルは下落するのが当然で、ドルでの物価は上昇します。

円安、ドル安といった言葉が「何に対して」を示したり考えたりしないと、よく分からなくなりますが、円・ドル・物の価値で考えると、円もドルも価値が下がっています。
その結果、円高になってもガソリン代が下がらない・・・・・。

財界の一部が「円高放置は問題・・・」のようなことを言っているのは、誤誘導というべきでしょう。
現在注目するべきなのは、円の対ユーロレートなのでは無いでしょうか?

10月 6, 2009 at 09:53 午前 経済 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.05.08

実物経済の復権が必須だと思う。

FujiSankei Business i より「富裕層増税「もうウンザリ」 英国脱出決めるバンカーら

ヘッジファンドのトレーダーでロンドン暮らし約20年のデメトリス・エフスタシウ氏(38)は、英国を去ることに決めた。ダーリング英財務相が高額所得者対象の増税策を明らかにしたからだ。

キプロス出身で1990年にロンドンに移った同氏は「もはや、ここにとどまる理由はない。今回の増税にはもう我慢できない。英政府は金融街シティーへの関心がなくなったようだ」と語る。

≪まるでレーニン≫

ブラウン英首相は15万ポンド(約2240万円)を超える所得を対象に、40%から50%への税率引き上げを提案。
ロンドンの新聞各紙1面には「階級闘争」といった見出しが躍り、産業界からは英国の競争力が落ち、金融業界から優秀な人材が流出するとの懸念が出てきた。
同首相は、英紙デーリー・テレグラフの1面の漫画で旧ソ連の建国者レーニンにたとえられた。

会計事務所KPMGの調査では、来年実施予定の所得税引き上げで、英国の最高税率はスペインやイタリア、ドイツ、フランス、米国を上回る。また、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)によれば、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中、税率の高さが19位だった英国は7位に急浮上する。

税率引き上げは、GDP(国内総生産)の12.4%に達する見込みの財政赤字抑制に向けた動きだ。
この比率は戦時下以外では英国で過去最高。2014年3月までの5会計年度の赤字は7030億ポンドとなる見通しだ。

≪アジアも選択肢≫

政府のオンライン上の税計算式によると、新たな税率の下、35万ポンドを稼ぐ金融機関関係者は所得税と国民保険で16万ポンドを支払う。
これは現在の支払額を2万2600ポンド上回る。英財政研究所(ロンドン)によれば、年収15万ポンド超の英人口は約35万人。

UBSのアナリスト、フィリップ・ウショワ氏は増税策には「富裕層には重税を課すという大衆迎合的な側面がある。国家が銀行や金融業界に対する怒りをあおっている」と指摘する。

英ポピュラスが成人518人を対象に実施し、今年4月24日に発表した世論調査によれば、約57%が増税に前向きな見方を示した。

ただ英国を脱出する金融関係者は、行く先々でも税金が上がる現実を目の当たりにするかもしれない。
オバマ米大統領は最高税率の35%と33%を39.6%と36%にそれぞれに引き上げたい意向だ。この最高税率は37万2950ドル(約3710万円)以上の所得が対象となる。

それでも、ヘッジファンド運用者のエフスタシウ氏は「10年には景気回復が見込まれ、魅力的な国はほかにもある。スイスやキプロス、あるいはアジアにだって行くことも可能だ。英国に残れば、手元に残せると思っている以上の金を政府に持っていかれてしまう」と語った。(Svenja O’Donnell、Mark Deen)

経済学に詳しいとは言えないが、新自由主義は経済の自由化が投資の活発化になるということであった。
この時に「投資は実物経済を豊かにする」と根拠無く楽観視したのだろうと、今になると思う。

大ざっぱな言い方をすると、投資をコントロールする金融業界が金融業界に投資するだけの話であったのではないのか?
要するに実物経済と隔絶した「投資」であった。そのために「バブル」になってしまって、それがはじけた。

上記の通りだとすると、金融業界が金融業界に投資するという連鎖から、実体経済であるモノやサービスの構築といった方向に、投資を抜け出させる必要があると言える。

投資の基礎原理は、物を作る工場を建設するための資金が必要、といったところから始まっているはずで、工場になってしまったらお金ほどフットワークが良くないから、短期的には利潤は上がらない。
いわゆる「回転率」であるが、あくまでも投資した資金がそこからは動かないから回転率が計算できるわけで、動いてしてしまうという前提だと回転率も良く分からない。
おそらくは、そこにメリットがあるとすると、実物経済に投資することを避けるようになるのではないか?

こんな事を繰り返しているのは、落語の花見酒そのもので、そうそう続くものではない。

結局、新自由主義・改革路線は、入口と出口のどちらか分からないが「片方を開けっ放しすれば、もう片方は自然とバランス取る」という根拠無き楽観論の上に構成された架空の構想だったのだと思う。

確かに、以前は「投資資金は実物経済に回る」だったから、金融を自由化すれば実物経済に市金が回ると考えたのだが、結果は実物経済がどんどん金融経済化してしまった、と評価するべきだろう。

以前、製造業などから金融中心になるのが先進国だ、などと声高に主張した人たちが何人もいたが、社会を金融だけでどうやって支えていくのか?という疑問は当時も投げられていた。
それに対する「新自由主義者」の反論は、基本的に「お金があれば実物経済に反映する決まっている」といういわば思考停止の回答であった。

結果は、投資で得た資金は実物経済に回るよりも、新たな投資に向かい実物経済に反映しなかった。
世界総バブル状態にしてしまった。

少なくとも、主に金融による富裕層を課税強化するだけでは、この状況から次の世界を作ることにならないのは明白だと思う。

どうも、投資という仕組み自体を考え直す必要があるのかもしれない。

5月 8, 2009 at 09:18 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.27

ジャスラック問題

読売新聞より「公取委、JASRACに排除命令…「著作権」新規参入阻む

テレビなどで放送される音楽の著作権使用料をめぐり、社団法人「日本音楽著作権協会」(JASRAC、東京都渋谷区)が他業者の新規参入を阻んでいるとして、公正取引委員会は27日、JASRACに対し、独占禁止法違反(私的独占)で排除措置命令を出した。

同日記者会見したJASRACは「事実認定、法令適用とも誤っている」として、審判請求する方針を明らかにした。

JASRACはNHKや民放各局との間で、放送事業収入の1・5%を徴収し、管理楽曲の放送を一括して認める「包括契約」を結んでいる。

この方式では、放送局がJASRAC以外の業者が管理する楽曲を使用すると、新たな負担が生じることになるため、公取委は「新規事業者の管理する曲が放送でほとんど利用されない状態になっている」と認定。
現状は私的独占にあたるとして改善を命じた。

公取委の調査の過程では、新規参入した音楽著作権管理会社「イーライセンス」(港区)が実際に排除されたケースが発覚した。

同社は2006年10月に大手レコード会社から大塚愛さんや倖田來未さんら人気アーティストの一部の曲について管理を委託されたが、番組などではほとんど流されなかった。同社が使用料を3か月間無料にするサービスを実施しても状況は好転せず、結局、07年1月にレコード会社から放送利用に関する契約を解除された。

公取委は来月2日以降、JASRACの管理楽曲と他業者の管理楽曲が実際に放送された比率に応じて、使用料を分配する契約形態を選択できるようにするなど、具体的な改善策を指示する方針だ。

放送局とジャスラックの間の契約が包括契約だというのは10年ぐらい前に聞いていました。
その意味では、このニュースは「あらニュースになった」といった程度の感想なのですが、ちょっと考えたらヘンなことに気が付いた。

ジャスラック自身の見解

2009.2.27

社団法人日本音楽著作権協会
(JASRAC)

公正取引委員会に対する審判請求について

 当協会は、2月27日付けで公正取引委員会から受けた排除措置命令について、事実認定及び法令適用の両面において誤ったものと考えており、到底承服することができませんので、法令の手続に従って審判を請求する方針です。

 今回の命令は、当協会が放送事業者との間で包括契約(当協会の管理著作物の使用料を放送事業収入等に応じて包括的に徴収する内容の契約)を締結していることが、当該放送事業者が放送番組において利用した音楽著作物の総数に占める当協会の管理著作物の割合を使用料に反映させていないことになるから、私的独占(独占禁止法2条5項)に該当すると判断し、この徴収方法の変更等を求めています。

 当協会は、現在の当協会の管理著作物に関する放送等使用料の徴収方法が独占禁止法上の私的独占に当たるとは考えておりません。また、今回の命令に対応するためには、これまで放送事業者との間で取組を進めてきた放送曲目の全曲報告が必要になるものと考えられますが、現時点ではすべての放送事業者が全曲報告をするまでには至っておりません。

 昨年4月に立入検査を受けて以降、当協会は、公正取引委員会に対し、現行の放送使用料の徴収方法や将来的に考え得る変更内容、その実現のための課題、実現に要する時間等について詳細に説明してまいりました。しかしながら、このような状況に至ったことから、今後は、審判を請求して適正な事実認定と正しい法令の適用を求めつつ、あるべき方向性を見出していきたいと考えています。

 当協会といたしましては、委託者・利用者の皆様にご迷惑をお掛けしないことを第一義として本件に対処してまいる所存ですので、今後ともご理解、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


◇ 今回の命令に関する当協会の見解の概要は、次のとおりです。

1. 当協会は反競争的な指示・要求などを一切していません。
 

 当協会は、放送事業者に対して他の管理事業者の管理著作物を利用しないよう要請するなどの行為を一切していません。公正取引委員会も、排除措置命令に先立つ事前説明の中で、当協会と放送事業者との間にそのような事実が見られなかったことを認めています。それにもかかわらず、本件について私的独占に該当するとの判断がされました。
 放送事業者は視聴者の嗜好に合わせて音楽著作物を利用するのであり、放送事業者が利用しないと判断したことの結果責任を当協会に負わせることには合理性がありません。


2. 今回の命令では、放送使用料の算定において具体的にどのような方法を採用すべきなのかが明確にされていません。
 

 放送事業者が当協会に支払う放送使用料は、著作権等管理事業法の定めを踏まえ、利用者代表(個々の放送事業者が加入する事業者団体等)と当協会との間の協議によって定められるものであり、その結果合意に達した内容が、仮に、当協会の管理著作物の割合が放送使用料に反映されるような方法でないとしても、そのこと自体特に問題になるものではないと考えます(4参照)。
 放送事業者が放送番組において利用した音楽著作物の総数に占める当協会の管理著作物の割合を放送使用料に反映するためには、放送事業者が放送番組において利用した音楽著作物の総数とこれに占める当協会管理著作物の数とが明らかになる必要がありますが、いずれも放送事業者の協力がなければ把握することができません。
 それにもかかわらず、今回の命令では、使用料徴収方法を具体的にいつまでにどのように変更すべきなのかが示されていません。


3. 今回の命令は、放送事業者の協力が得られない限り、当協会単独では実行不可能な内容です。
 

 仮に、放送事業者が放送番組で利用した音楽著作物の明細をすべて当協会に報告すること(放送曲目の全曲報告)ができるとすれば、放送番組において利用された音楽著作物の総数に占める当協会の管理著作物の割合を放送使用料に反映させることも不可能ではありません。
 放送曲目の全曲報告については、昨年4月の立入検査よりはるか以前の平成15年から放送事業者との間で具体的な協議を行っており、現在、NHKや民放キー局を中心とした一部の放送事業者において既に実施され、残りの放送事業者においても実現に向けた取組が進められています。実現までにはなお時間を要するものと予測されますが、放送事業者の理解と協力を得ながら対応していきたいと考えています。
 このように、関係者が自発的に努力を続けているさなかに、具体的方策も時間的猶予も明確にされないまま排除措置命令が出されました。


4. 当協会にお支払いただく使用料は、あくまでも当協会の管理著作物についての利用許諾の対価です。
 

 当協会は、放送事業者との間で、あくまでも当協会の管理著作物に係る利用許諾契約を締結しているのであり、この契約における使用料の算定において、他の管理事業者の管理著作物の利用状況を把握したり、それを考慮したりすると、かえって公正かつ自由な競争に反することとなるおそれもあります。
 放送事業者が当協会以外の管理事業者の管理著作物を利用した場合に、当協会の管理著作物についての利用許諾の対価(使用料)とは別に、その管理事業者に対して使用料を支払うことは当然のことであり、そのこと自体特に問題になるべきものではないと考えます。


以上

 

というわけで、結構「ミクロの戦争」のような印象ですが、そもそも包括契約であるから、放送局の売上げの何パーセントを著作権使用量としてジャスラックが徴収していたわけですよね。
これが、そのままカラオケ装置のある呑み屋に適用されていたようですが・・・、それは置いておいて、徴収手段としてまあ良いかもしれませんが、著作権者への支払金額はどういう計算をしていたのでしょうか?

700万曲と言われる登録楽曲を放送局は自由に無制限に放送に使うことが出来たわけですよね。

700万曲の中には、支払の計算期間中に一度もかからない曲も少なくないでしょう。あるいは、何度もの計算期間中に一度も掛からないのに、ある期間に一度だけ掛かった、ということもあるでしょう。

いずれにしても、放送局がどのように楽曲を使用するのかを測らないで、支払著作権料の計算が出来るわけがない。
では一律の均等割で支払うかの?なんて考えたら、それは無茶苦茶な不公平で論外と言うべきでしょう。

ということ、ジャスラックのさじ加減で著作権者に支払っていたのでしょうか?
もしそうだとすると、近代国家の契約の概念に大きく反しているのではないでしょうか?

実際にはどういう計算というか論拠で支払金額を決めていたのでしょうかね?

2月 27, 2009 at 10:27 午後 経済 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.12.28

中国での日本製携帯電話機事情

サンケイ新聞に二つの記事があります。「日本製携帯、中国で大量“闇”流通 盗難品か」、「日本製はステータス 打つ手なく野放し状態 携帯大量流通

中国で出所が分からない日本製携帯電話が大量に出回り、一部は中国人が日本で不正購入し、中国に運び出していることが27日、分かった。

最近では携帯価格の上昇に伴い、携帯販売店から盗んで運び出している可能性も高いという。

日本製携帯電話は中国でステータスが高く、高値で売買される。警察当局は日本製人気を背景に、携帯が不正な手段で中国に流出しているとみて捜査している。

NTTドコモによると、同社が首都圏で把握しているだけで、大量盗難はここ1年間に約40件発生。茨城県では1店から219台(1000万円相当)が盗まれるケースもあった。

最近でも12月6日には神奈川県の店から49台、8日に静岡市の店から104台、19~20日に群馬県内の2店から計180台など大量盗難が起こっている。

盗まれた携帯の大半が個人データが入った「SIMカード」を誰でも差し替えられるドコモとソフトバンクの携帯。自分のSIMカードを盗んだ携帯に差し込めば自分の携帯になる。店でしかSIMカードを差し替えられないauでは被害が確認されていない。被害総数は明らかなだけで3000台を超え、いずれも中国や欧州でも使えるタイプの機種だった。

警察庁は携帯を狙った中国人窃盗団の過去の摘発例から「海外に送っている可能性は否定できない」とコメント。捜査幹部は「何らかのルートで中国に流れている」とみている。

中国在住の日本人によると、日本製携帯は中国の携帯ショップやネットで4000元(約5万円)前後の高値で売られ、中国で売っていないはずの機種がネットの人気ランクに入るほど取引されている。

中国の販売業者によれば、このうち多くが、買い付け役の中国人が日本人の偽名を使って大量購入し、中国に持ち出している。
本人確認をしなければ携帯電話不正利用防止法違反だが、店側は中国人と知っていても「お得意さま」なので見逃しているという。

しかし昨秋、携帯各社が本体価格を通話料に転嫁させて安く抑える方式を相次いで廃止したため、携帯価格が上昇。
一般的に以前、3万円台で購入できた人気機種が5万円程度になった。

このころから、大量盗難が急増。

携帯事業者は「本体の高額化と契約時の個人確認の強化で偽名購入者の一部が大量窃盗という実力行使にシフトしたのでは」とみている。(桜井紀雄)


不正な手段を使っても日本製携帯電話が中国に流出する背景には、日本製品の高い人気がある。
しかし、不正流出した日本製品が公然と中国国内で売られている現状を取り締まるのは難しく、野放し状態だ。

《夏普(シャープ)SH906i1600万色、3インチモニター、520万画素カメラ、3380元(約4万4000円)、推薦度91%》

中国の人気IT商品を紹介するサイトなどでは、日本製携帯のこんな宣伝文が掲載されている。
大半が中国で売られていないはずの機種だ。《どこで買えるの》《非正規品を買うしかない》とユーザーの書き込みが続く。

中国南部・深セン(土へんに川)の電器街。
中国在住の日本人によると、携帯販売店のショーケースにはソフトバンクのロゴが入った本体が並ぶ。
ソフトバンクは中国に進出していないため不正流入品とみられる。
店では個人データが入ったSIMカードが誰でも交換可能なドコモやソフトバンクが人気。
中国規格のSIMカードはサイズが違うため、店周辺の“改造屋”が本体の差し込み口を中国仕様に変える。

携帯1台は3000~4500元(約4万~6万円)。

都市部住民でも月給が軽く飛ぶ価格だが、日本製の人気は根強く、シャープは中国に進出する前から人気ランキングでベスト10に入った。

中国のIT事情に詳しい中国在住ライター、山谷剛史さんは「中国で携帯は持つ人のステータスを表し、月給の倍の端末も平気で買う。特に日本製品は信頼できると『神格化』している」と語る。

日本で新機種が発売されると、リリースが中国語訳された記事がネットに流され、購買欲をあおる。日本製携帯に取り込んで遊べるゲームを紹介したサイトまで存在するという。

しかし、明らかな不正流入品を取り締まれないのか。

携帯事業を統括する総務省は「本人確認をしない譲渡は携帯電話不正利用防止法に違反するが、国外犯まで処罰できない」。海外で使うために携帯を持って出国する人も多く、税関でも摘発できないという。

ソフトバンクは「不正契約など“入り口”で防がない限り、中国国内の流通まで対処できない」。NTTドコモは「中古品の売買であれば止めようがない」とお手上げ状態だ。

日本の携帯各社はこの2、3年、手ごろな価格の中国向け携帯を発売したが振るわず撤退している。
しかし、シャープが6~11月に日本とほぼ同じ仕様の機種を投入したところ、4000元クラスの高額機種の中で4位に入る売り上げを記録。この影響か、不正流入品のシャープ製品の人気が下がり始めている。

山谷さんは「中国向け機種では中国人はばかにされていると感じ、日本で売られているのと同じだからこそ価値があるとみなされる」と説明。
日本の携帯電話メーカーは「今後は日本と同様の機種を中国国内で販売することで不正流入が抑えられるのではないか」と話す。

結論は、最後にある通り「市場のニーズに従う」でしょうね。
電話機だからと、ヘンなコントロールをするから、アンダーグラウンドの世界に潜るのでしょう。
大昔の日本の Macintosh ファンのような携帯電話マニアが中国にも居るという理解が近いように思います。

12月 28, 2008 at 11:22 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.20

もんじゅは再稼働させるべきなのか?

読売新聞より「もんじゅ 運転再開、来年1月以降に延期へ

1995年のナトリウム漏れ事故以来停止している高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運転再開について、日本原子力研究開発機構は19日、目標としていた10月から、来年1月以降に延期する方針を固め、国や福井県などと調整に入った。もんじゅの運転再開スケジュールは昨年8月にも延期されており、当初予定からは1年近く延びることになる。

もんじゅは現在、原子炉や発電設備全体の機能や安全性を確認する最終試験中だが、ナトリウム漏えい検出器31本で取り付けミスが見つかり、点検や交換を行ったため、今月末で終わる予定だった試験の工程に遅れが生じたという。

このほか、もんじゅの耐震安全性を評価する国の審議会から、今年6月、敷地内の地質について、調査を追加するよう指示されており、同機構は、調査結果をまとめるにも時間が必要と判断したとみられる。

もう18年も止まっていますが、燃料が劣化して交換するなどメンテナンスし続けています。
しかし、技術的にはいかにも古くなっていますし、世界的にも実用になっていないのですよね。

さらに延期することになると、メンテナンスの手間も増えるといったイタチごっこになってしまうのではないでしょうか?

あっちこっちで原子力発電所が止まっていることを考えますと、普通の原子力発電所を増設する方がずっと優先順位は高いと思います。

8月 20, 2008 at 09:19 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.16

派遣労働の削減になるか?

日経新聞より「キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用

キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。
子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用。正社員への登用も進める。

コマツも2009年3月末までに工場の派遣社員全員を期間社員に切り替える。
待遇改善で優秀な人材を確保し、生産技術や品質など国際競争力の向上に役立てる。

サービス・流通で進む非正社員の正規雇用の動きが、製造業に本格的に広がり始めた。

キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。
昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。
うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。
意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。 (07:00)

日本の雇用構造は「就社」であってその会社でどのような仕事をすることになるのか分からないのが普通です。

エンジニアとして仕事を始めて、営業に回り、人事を経験してから子会社の社長になる、といった経歴はごく普通のことです。

高校などでキャリアの説明をするときにこのような実態については全くリクエストがないですね。
学校教育に置ける「職」とは業務のことばかりで、簡単に言えば職人さんの世界しか取り上げません。だから現在でも大半の人が仕事に就く「サラリーマンとは」という話が伝わりません。

堺屋太一氏が「終身雇用制度は外れの会社に入社したらずっと苦しむ制度でもある」と指摘していますが、個人としては「職人志望で好きなことをやりたい」というのはあるでしょう。

つまり「就社」は好まない傾向が元々あるわけです。
それを可能にしたのが派遣労働制度で、特定機能だけを対象に始まったのですがそれを何でもアリにしてしまいましたから、単なる安い労働力になってしまいました。

何回か書いていますが、企業は労働力を集約して生産をする一方で、賃金として収益を再配分する大きな役目があります。
この両方のバランスが取れた状態が経済として整合が取れている状態であって、人経費が高すぎれば事業が成り立ちません。

では人件費が安すぎたらどうなるのでしょうか?
どこかから本来の人件費に相当する費用を誰かが持ってくるわけです。これはいわば借金でしょう。将来の購買能力を借りてしまっています。

そんな面倒なことを考えないでも、自社で新人教育をしないのが派遣労働者に業務をさせる意味ですから「誰が教育したのでしょうか?」となります。
「自社では教育せずに、誰かの教育の成果を利用してる」のは確実ですから、よほどの高給を支払わないと「教育の再生産が出来ない」のは明らかです。

どちらにしても「持続可能なやり方ではない」のが明らかで、まさに「借金経営そのもの」と言えるでしょう。借りているのがお金でないから分からないだけ。

こんなことで「業績が良い」と自慢するのは、バブル時代の借金長者の経営者と全く同等だと思いますね。

3月 16, 2008 at 11:26 午前 経済 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.07.26

地上デジタル放送に公的支援?

毎日新聞より「地デジ放送完全移行:地方局に公的支援 政府・与党検討
2011年7月の地上デジタル放送完全移行に向けて中継局整備などの投資負担がかさむ地方テレビ局に対し、政府・与党は公的支援を実施する方向で検討に入った。
国が放送局や携帯電話会社、地方自治体などから毎年徴収している電波利用料を活用する案が有力。円滑に地上デジタルへの完全移行ができるような環境を整えるために、政府・与党は財政資金の投入も検討したが、「財政再建が最大の課題となる中、黒字経営の放送局への税金投入は難しい」(与党幹部)と判断した。
なんで、地上のアンテナで電波を出さなきゃならないのだ?
衛星放送ならデジタルテレビ放送は今でもやっているし、それをCATVVで配信もしている。
さらにはワンセグでは電話でテレビ配信しているのに、そこから地上デジタルのための費用を徴収したら二重に徴収したことにならないか?
2011年のアナログ停波の時に全てのテレビが地上デジタル対応に切り替わることは無理だと考えているが、世間は「その時になったら考えよう」であろう。平たく言えばもうテレビにそれほど注目していない。確かに「ラジオが無くなれば困るでしょう」ではあるが、だからと言って「ラジオのために金を出す」という人はまずいない。今やテレビも同じ事で「テレビ!」とビックリマークで語るほどの値打ちはないのだ。
つまりは地上デジタル放送計画は無理なんだよ。

7月 26, 2006 at 10:12 午前 経済 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2006.05.05

ペットボトル再生の新技術

毎日新聞より「ペットボトル:275度の水で再生産 原材料まで分解
ペットボトルなどを高温の水を使って原材料まで効率よく分解することに、独立行政法人・産業技術総合研究所が成功した。原材料まで戻す完全リサイクルで、繰り返しペットボトルを再生産できる。
さらにごみ処理場排熱で加熱できるため資源の有効利用につながる。
従来、分解には毒性の強いメタノールを用いていたが、水を使えば有害な廃液も出ず、環境にもやさしい。
同研究所は2~3年後の実用化を目指す。19日に東京都内で開かれる石油学会で発表する。

テンレス製の密封反応器内で、ぺットボトル片などのポリエステル系樹脂と水を一緒に加熱。
300度の高温で原材料のテレフタル酸とエチレングリコールに分解することに成功した。
さらにテレフタル酸を、加熱前に水に加えておくと、もっと低い約275度でも分解できることを突き止めた。

ごみ処理場に年間数百トンを処理できる分解用の装置を併設し、一定の地域内でリサイクルシステムが実現すれば、ペットボトル原料を石油から新しく生産するより、2~3割安い費用で作ることが可能という。
石油から新しく生産するより、2~3割安い費用で作ることが可能

が本当ならすごいですが、コストには輸送とか収集など化学プロセス以外の部分が大きいのではないでしょうかね?
昔は金属などは細かく分けて収集して原材料化していました。今はこれがなかなか出来ないのはこの収集コスト問題であって、デポジット制度も集めた先からの経済合理性が成り立ってないから進まないわけで、技術開発しても全体のコストダウンになるのか、さらにはコストダウンすると全体として経済的な成り立ちが改善されるのか?という社会的な問題が大きくなっていくでしょう。
メーカーなどで作るPETボトルリサイクル推進協議会によると、ペットボトルの国内生産量は年間約51万トンで、推定約75%がリサイクルされている。
ということだそうですから、新技術が社会・経済的に画期的なことになるのかどうか微妙で十分な研究が必要だと感じます。

5月 5, 2006 at 10:40 午前 経済 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.04.30

車の燃費計測方式が変更へ

読売新聞より「車の燃費計測、新方式で厳格に…数値1割以上悪化か
日本自動車工業会(自工会)や国土交通、経済産業の両省などは、カタログなどに記載されているクルマの燃費性能について、2010年度をめどに、現在より厳しい計測方式に移行させる方針だ。

0・15モードは、「(実際の走行より遅い)時速40キロまでの加速・減速」や、「エンジンが完全に温まった状態での発進」「最高時速は70キロまで」など、燃費にとって「理想的な」状況を設定している。

新方式は「JC08モード」と呼ばれ、エンジンが冷えた状態から発進したり、時速60キロまでの加速、減速を繰り返したりと、実際の走行に近い形で計測する。

「10・15モードでは実際の燃費と違いが大きすぎる」から変更するということだそうですが。

ドイツかなんかでは「市街地燃費」「高速燃費」とか分けて出していたと記憶しているのですが、実際にも一般道、渋滞、高速道路と燃費は全く違うわけで、現在の10・15燃費が実際の走行では「渋滞のない一般道」に合っていると感じます。
高速道路では空気抵抗で速度に応じて燃費は大幅に変わるし、渋滞では発進に電池を使うハイブリッド車が圧倒的に有利になるはずなんですよね。
そしてどういう道を主に走るのかは使い方によって違うわけだから、一般道路、高速道路、渋滞道路と3種類の燃費を計測・発表するべきだと思うのですがね。

4月 30, 2006 at 08:26 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.04.29

北陸新幹線車両基地建設決定

北國新聞より「北陸新幹線、白山車両基地を認可 国交省、用地買収と造成の317億円分
国土交通省は二十八日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が申請していた北陸新幹線白山総合車両基地(白山市)の工事実施計画を認可した。
認可されたのは総事業費八百八十億円のうち、用地買収や土地造成の費用に充てる三百十七億円分。
工事実施計画によると車両基地は白山市米永町に建設され、敷地面積は約二十一万三千平方メートルで、約四万七千平方メートルの保守基地も併設する。
う~ん、21万3千平方メートル=6万5千坪=460メートル角・・・・・、小学校の通学区域ぐらいですかねぇ?
富山空港の半分ぐらいの広さのようです。

それで317億円だから、1平方メートルあたり14万9千円、一坪当たり49万1千円・・・・。
なんか土地代・造成費込みとは言え住宅並みのコストですね。
そんなにお金が掛かるんだ、驚きです。

4月 29, 2006 at 09:47 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.26

地価上昇についての社説

毎日新聞社説より「土地利用の巧拙で拡大する地価格差
06年の地価公示が発表された。
平均値が15年ぶりの上昇になったのは、東京都と名古屋市の住宅地、東京圏(東京都を含む広域)と大阪圏、名古屋圏の商業地だ。

平均値が15年ぶりに上昇した大阪圏商業地の大阪駅周辺を見てみる。東西600メートル、南北800メートル程度の範囲に四つの調査地点がある。
(表にしました)

建物名変動率
大阪第一生命ビルディング+8.9%
ヘップナビオ+1.2%
エスパシオン梅田ビル+0.8%
芝田町ビル-1.4%


かつての地価の変動は、こんなふうではなかった。ある地域の中心の地価が上がり始めると、ドーナツ状に地域全体の地価も上昇していった。狭い地域で、大幅な上昇と下落が同居するようなことはなかった。だから、平均値にも意味があった。
地価といいながら、実は建物の利便性や集客力が評価されている。建物の価値が地価として評価されているから、同じ地域でも地価に格差が生まれる。
地価は、その上に建つ施設との連動性を強め、立地との関連が弱まっている。それだけ、地域の地価の平均値の意味は薄れる。

土地は値上がりを待つ資産ではなく、有効に利用して収益を生ませる材料になった。その土地にいくら投資してどのような施設をつくるか。その投資は何年で回収できて、どれだけの収益を生むか。そうした収益還元の考え方で投資されるようになった。不動産投資に金融技術を活用する不動産の証券化で、その傾向はさらに強まった。
例に挙げられている地点は大阪梅田駅前で「東西600メートル、南北800メートル」というのはかなりの広範囲ですから、このようなテータが出てきても不思議はないと思います。
確かに土地バブルの時期のように「土地であれば何でも良い」というのは無いでしょうが、利便性などを求めて秋葉原駅前の大開発のようなものや、住宅地の建て替えといったことで、土地ではなくて利用の様子によってその地域の地価が決まるのは当然です。
個人でも企業でも不動産投資には大変が資金を必要とするので、地価が下落し続ける状態では投資が進むはずもありませんが「とりあえず下がることはない」と判断できるようになれば、投資は進むでしょう。

確かに「平均地価」ではなくて「地点地価」を問題にするのは当然です。

3月 26, 2006 at 12:04 午後 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.13

ライブドア上場廃止問題

FujiSankei Business i より「ライブドア きょうにも上場廃止決定 残る東証の課題
証券取引等監視委員会は十三日にも、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、ライブドアと同社の前社長、堀江貴文容疑者(33)らを東京地検に告発する見通しだ。
これを受けて、東京証券取引所は同日中にも、同社株(新興企業向けマザーズ市場)の上場廃止を決定する見込みだが、ライブドア株式が引き起こした波紋は、東証の今後の経営に重い課題を残す。
なるほど、証券取引法違反で告発されたら上場廃止ということですね。
とは言っても、上場廃止にすると一般株主が多いからかなり広範囲に影響が及ぶし、ライブドアがこんな状態になるまで放置していた東証や証券等取引監視委員会の責任はどうなのさ?と誰でも思うところでしょう。
記事には幾つかのポイントを示して解説しています。
東証は、ライブドアへの強制捜査以降、監視委の告発など捜査状況が進展し、同社の証取法違反が濃厚となっても、上場廃止には一貫して慎重姿勢を保ってきた。

二十二万人(二〇〇五年九月時点)にも上る個人株主への影響に対する懸念や、当初の逮捕・起訴容疑が東証の定める上場廃止基準には直接該当しない偽計取引・風説の流布だったこともその理由だ。

証取法違反による最近の上場廃止事例である西武鉄道やカネボウの場合、過去の経営・財務の問題点を両社が自ら洗い出し、業績の訂正報告書を提出したことが上場廃止への大きな判断材料となった。
これに対し、ライブドアは東証からの再三の情報開示要請にも回答できず、直近の決算発表でも決算内容を監査する監査法人が意見表明を回避。
投資家に対して説明責任を果たせないために、東証は、捜査当局の事実解明を待って上場廃止を判断せざるを得なかったという事情もあった。

問題は、企業統治や内部管理の未熟な新興の上場企業では、今後も当事者能力の機能不全が起こり得る点だ。
どう考えても、新規上場企業がすべて何十年と実績のある企業と同等の管理能力などが備わっているワケではないから、市場のために情報を開示させたり警告したりするのが市場や証券等取引監視委員会の仕事でありましょう。
ところが、ホリエモン逮捕に至る証拠集めを証券等取引監視委員会が調べていたから逮捕できた、というのですね。
それは事実でありましょう。

しかしこれでは証券等取引監視委員会と、市場でウソついてることが分かっているライブドアを泳がせていて、それが被害を拡大した、というの何が違うのでしょうか?
市場でルールを破っても、投資家はその情報を得ることが出来ないのでしょうか?

証券等取引監視委員会は監視し・証拠を集めて告発するのが仕事、と言うのであれば投資家に情報を開示する仕組みが無いわけで、一般投資家なんてのは居てはいけないとなります。
これでは投資後進国でしょう。今回の事件で一番問題なのはこのことではないか?と思います。
なんか、麻薬の輸入を察知してもそれを追跡して一網打尽にする、といった発想と同次元の仕組みしか無くて、今後は複雑になる証券市場などを育成できるものなのでしょうかね?

3月 13, 2006 at 10:28 午前 経済 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.19

CATV会社・ハイビジョン体制で連携

日経新聞より「主要CATV70社、ハイビジョン番組の配信・制作で連携
全国の主要CATV(ケーブルテレビ)約70社がハイビジョン番組の配信や制作で提携する。光ファイバー回線網を共同利用して配信コストを低減。共同出資で独自番組も制作し、プログラムの魅力を高める。CATV各社が地域を越えて連携し、NTTや関西電力グループが光回線による放送で攻勢をかけているのに対抗する。
数日前に「2011年7月24日までにアナログ停波することに法律で決まっている」のだが延期したら・・・・という話が出てきた。

なにしろ、今でもアナログテレビをジャンジャン作っているし、アナログ停波の認知度も低い、さらには「デジタルテレビに取り替えるか?」という質問に「まだ決めていない」という答えも多数で、総務省・放送業界といった供給側の思惑と消費者動向がいまだにかみ合っていない。

この現象は以前から同じで「時間が経つと消費者は一斉にデジタルテレビ化するから大丈夫」という意見が主に推進派から楽天的な予想として出されていた。
これに対して、デジタルテレビの生産量から考えてすでに絶対に転換できる時間がない、という説を唱える人もいて、わたしもこの説を強く支持します。

こういう背景では「アナログ停波を延期したら」という話も出てくるのは当然だが、延期は出来ても取り止めが出来ないのがアナログ停波というかテレビ放送周波数の変換で、どんなことをしても現行のテレビが見えなくなるのは時間の問題なのです。
その意味ではテレビメーカが「アナログ停波ですよ」とシールを貼るというのは正しいことであるが、それでも「まだ決めていない」という人が多いのは「テレビが気になる存在では無くなった」と解釈するべきだろう。

注目するべきは、供給側と消費者側の対立の図式になっていることで、消費者側から見ると「勝手に放送方式を変えるのなら、安くしろ」とか「消費者負担無しでやれ」といったところが本音でしょう。
それを主に放送局側が「ハイビジョン・双方向放送など高度化するから消費者はもっと金を出して当然」といったことで進んできたのだと思う。
論点がかみ合っていない。

番組制作側は商売は別にして、ハイビジョンが原則になっていくだろうから、CATV会社も自主番組も含めてハイビジョンで揃えよう、ということになるのは当然で「今さら発表するほどのことか?」としか思えませんが、このニュースを「おーすごい」とか思う消費者は居ないでしょう。

なんと言っても「今までテレビはタダで見ることが出来て、匿名で見ることが出来た」というのがわたし自身には一番需要なところで「テレビを見るのに登録する」なんてのは受け入れがたいです。
さらには、ネットと放送の関係を考えると「テレビをどこで捨てるか」ということも考えるところがあって「今さらテレビには投資する気にならない」のが本音ですから、地上デジタル化は私からみると「現行よりも安くする」手段でしか推進は出来ないと思います。

2月 19, 2006 at 09:20 午前 経済 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.12.09

みずほ証券・空前の大マヌケ

朝日新聞より「東証、誤発注のジェイコム株売買停止に 事態収拾見えず

みずほ証券の誤注文がなぜ取り消せなかったのかが報道された。
思い切りひどいです。
「ジェイコム株1株を61万円で売って欲しい」との注文を受け、8日午前、コンピューター端末で発注したが、
その際「61万株を1円で売り」と誤って入力。
端末からは市場価格との隔たりを示す警告が出たことに気付いたものの、担当者はそのまま作業を続けた。この警告については「よく出るので慣れの中で結果的に無視してしまった」という。

発行済み株式数を大幅に超える異常な注文に気づいた東証が、みずほに電話で連絡
みずほは、あわてて売り注文を取り消す注文を出した。

コンピューター上では、
「1円」で出した売り注文の価格が
ストップ安となっていた市場価格「57万2000円」
に自動更新されていたので、
取り消し注文は「57万2000円」で出さなければならなかった。
ところが、みずほ側がそれに気づかず、「1円」のまま取り消し注文を出したので、
取り消しが効かなかった。

このため誤発注の収拾策として買い注文を出し始めた。
素人が手数料を取ってはいかんだろう。

12月 9, 2005 at 01:34 午後 経済 | | コメント (7) | トラックバック (3)

みずほ証券・空前の大ミスだが

みずほ証券の「誤注文事件」の記事を集めてみました。
事実関係は、8日にマザーズに上場されたばかりの人材派遣業ジェイコム株を61万円で1株売りとするべきところを1円で61万株の売りと間違えたというものですが、ジェイコムの発行株式は1万4500株しか無いので、無いモノを売ってしまったことになります。

間違えてモノ売ってしまってお金を受け取った時の対応として考えられるのは、一般的にはお金を返して取引が無かったことにする、ですが「買ったのだからモノを渡せ」と主張されるかもしれません、その場合売り主は自分が持っていないモノをよそから仕入れて場合にはよっては損しても買い手に引き渡して取引を成立させる、という選択が考えられます。

株式だけでなく無いモノの売り買いも出来るのが市場で「商品先物市場」といった呼び方になっています。株式市場では現物取引と先物取引の両方があり、先物取引のルールは最終的には現物の取引で終結することなっています。

現物取引であっても、実際にリアルタイムで売り手と買い手の間で株式の受け渡しは出来ません、受け渡しは取引成立の日から4日目です。つまり現物取引でも先物取引のようことなるわけで、それがアリもしない61万株の売りが出せる理由です。

ではこれを「無かったことにする」と出来ることなのか?というかなり微妙ですね。そもそも「間違えた」というのは取消操作が出来るようになっているので、取り消さなかったのだから間違えではないとなりますね。よって「間違えたから無かった」というのはあり得ないでしょう。実際にオンライントレードでシステムの不調で意図した売買が成立しなかった場合もあるようです。
ではあり得ない数の株の売りを出したのだから明らかに間違えだろう、というのが成立するか?というと、これも「何が明らかなのだ?」という問題に突き当たりますね。そんな情況で各紙の面白い記事を集めてみました。

朝日新聞より「みずほ証券、誤まって大量の売り注文 株式市場は混乱
東証などによると、公募価格は1株61万円で3千株が売り出されたが、みずほの指し値は1円だった。61万円で1株の売りとするところを、1円で61万株の売りと誤って入力した。注文が不自然だという警告が入力画面に出たが、担当者は無視して作業を続けたという。その後、誤りに気づき、東証のシステムに取り消しの指示を4回出したが、認識されなかった。みずほは「コンピューターの操作を正しく行わなかったために取り消しができなかった」と説明している。
取消の操作を4回やったが認識されなかった。という点については他にも取消は沢山あるはずで、システムに不調があったとはちょっと考えられないですね。操作の間違えでしょうね。

サンケイ新聞より「みずほ証券が巨額注文ミス 不安広がり株価急落
誤って発行済み株式総数の約40倍に当たる61万株を1株1円で売る注文を出し、結果的に空売りの形で全株の取引が成立。みずほは大部分を買い戻したが、損失は270億円以上に上る見通しだ。
みずほ証券の福田真(ふくだ・まこと)社長は8日夜、記者会見し「損失は最少で270億円で、拡大の可能性がある。ただ当社の財務体力からみて問題ない」と述べた。原因については「単純な入力ミスで、担当者が警告メッセージを見落とした」とした。
買い戻せなかった取引には基本的に現物を渡すことになります、そうなると実際に現物を持っている人は「値上がりするに決まっている」と考えますね。市場に何株があるのでしょうか?そして価格は幾らになるのでしょうか?それが分からないのにみずほ証券の財務体質は大丈夫と言えるのでしょうか?さらに大丈夫ならもっと値上がりするだろう、と考える人は多いでしょうね。

毎日新聞より「みずほ証券:ジェイコム株誤発注 損失1千億円にも
同証券は「損失は現時点で270億円。1000億円程度に膨らむ可能性がある」と発表した。
同証券は約48万株を買い戻したが売却済みの株は実在する株数を上回っており、みずほから同株を買った投資家に実際に株券を引き渡せない可能性が高い。みずほは株券の代わりに現金で支払うかどうかを東証と協議する方針。
61万株の売りを48万株買い戻したとのこですから、13万株が売りで出てることになりますが、これは発行株式のほぼ10倍です。原則としては13万株を受け渡しすることになります。現金で支払うとしても幾らの現金にするのでしょうか?
終値がストップ高の77万2千円ですからこれを13万株分に当てはめると、記事のタイトルのように1000億円になります。

この記事を書いている9時のニュースで「終日・ジェイコムの取引を停止する」と東証が発表しましたが、どうするんでしょう?

12月 9, 2005 at 09:15 午前 経済 | | コメント (2) | トラックバック (7)