派遣労働の削減になるか?
日経新聞より「キヤノン、工場の派遣社員ゼロに・年内メド6000人直接雇用」
キヤノンは製造現場での派遣契約を年内に全面的に打ち切り、正規雇用に切り替える。
子会社を含め国内で働く1万2000人の派遣社員のうち、約5割を期間契約の社員として年内に採用。正社員への登用も進める。コマツも2009年3月末までに工場の派遣社員全員を期間社員に切り替える。
待遇改善で優秀な人材を確保し、生産技術や品質など国際競争力の向上に役立てる。サービス・流通で進む非正社員の正規雇用の動きが、製造業に本格的に広がり始めた。
キヤノン本体とグループ会社18社が製造現場での派遣の活用をやめる。
昨年末に生産人員の3割を占めていた1万2000人の派遣社員を順次減らし、年内にほぼゼロにする。
うち6000人は最長2年11カ月の期間社員として採用。
意欲があれば正社員に登用し、08年度に1000人程度を見込む。残る6000人分の仕事は「業務請負」に切り替え、作業を外部委託する。 (07:00)
日本の雇用構造は「就社」であってその会社でどのような仕事をすることになるのか分からないのが普通です。
エンジニアとして仕事を始めて、営業に回り、人事を経験してから子会社の社長になる、といった経歴はごく普通のことです。
高校などでキャリアの説明をするときにこのような実態については全くリクエストがないですね。
学校教育に置ける「職」とは業務のことばかりで、簡単に言えば職人さんの世界しか取り上げません。だから現在でも大半の人が仕事に就く「サラリーマンとは」という話が伝わりません。
堺屋太一氏が「終身雇用制度は外れの会社に入社したらずっと苦しむ制度でもある」と指摘していますが、個人としては「職人志望で好きなことをやりたい」というのはあるでしょう。
つまり「就社」は好まない傾向が元々あるわけです。
それを可能にしたのが派遣労働制度で、特定機能だけを対象に始まったのですがそれを何でもアリにしてしまいましたから、単なる安い労働力になってしまいました。
何回か書いていますが、企業は労働力を集約して生産をする一方で、賃金として収益を再配分する大きな役目があります。
この両方のバランスが取れた状態が経済として整合が取れている状態であって、人経費が高すぎれば事業が成り立ちません。
では人件費が安すぎたらどうなるのでしょうか?
どこかから本来の人件費に相当する費用を誰かが持ってくるわけです。これはいわば借金でしょう。将来の購買能力を借りてしまっています。
そんな面倒なことを考えないでも、自社で新人教育をしないのが派遣労働者に業務をさせる意味ですから「誰が教育したのでしょうか?」となります。
「自社では教育せずに、誰かの教育の成果を利用してる」のは確実ですから、よほどの高給を支払わないと「教育の再生産が出来ない」のは明らかです。
どちらにしても「持続可能なやり方ではない」のが明らかで、まさに「借金経営そのもの」と言えるでしょう。借りているのがお金でないから分からないだけ。
こんなことで「業績が良い」と自慢するのは、バブル時代の借金長者の経営者と全く同等だと思いますね。
3月 16, 2008 at 11:26 午前 経済 | Permalink | コメント (3) | トラックバック (0)