2009.12.28

衆議院選挙・一票の格差2倍で違憲判決。

サンケイ新聞より「大阪高裁「一票の格差2倍は違憲」 衆院選の無効確認請求は棄却

「一票の格差」が最大2.3倍になった今年8月の衆院選は憲法に違反するなどとして、大阪府箕面市の60代の男性が府選挙管理委員会に選挙の無効を求めた訴訟の判決が28日、大阪高裁であった。

成田喜達裁判長(菊池徹裁判長代読)は

「憲法は投票の価値の平等も要求しており、現在の選挙制度は憲法の趣旨に反する」
とした上で、
「格差が2倍に達する事態は著しい不平等で違憲の評価は免れない」
として、原告が居住する大阪9区の選挙は違法との判断を示した。
選挙の無効確認請求は棄却した。

9月に全国の8高裁で起こされた一斉訴訟で初めての判決。

訴状によると、8月の衆院選の各選挙区の当日有権者数は、最多の千葉4区と最少の高知3区とで2.3倍の格差があった。

大阪9区と高知3区との格差は2.05倍で、原告の男性は憲法15条などの解釈について「1人につき同じ価値の1票を保障している」とし、「選挙区割りは人口分布に基づいておらず違憲」と主張。

これに対し、府選管側は「投票価値の平等は他の政策との関連で調和的に実現されるもの。
区割りは国会の裁量の範囲を逸脱していない」と反論していた。

衆院選の定数配分をめぐる訴訟では、最高裁が最大格差が約5倍となった昭和47年と4.4倍だった58年の選挙を違憲と判断。

また、最大格差3.94倍の55年と3.18倍の平成2年は「憲法の選挙権の平等に反する程度に至っていた」などと判示。

一方、3倍未満のケースはすべて合憲と判断されている。

ようやく、2倍は違憲だという判決が出ました。
当然、サンケイ新聞の解説記事「【解説】一票の格差、現行制度の見直し迫る」のようなことになります。

最大格差が4.86倍だった平成19年の参院選の定数配分を合憲とした30日の最高裁大法廷判決。

違憲かどうかの判断基準は、

  • (1)著しい不平等状態がある
  • (2)その状態が相当期間継続している
の2点だった。

多数意見は「大きな不平等状態にある」と述べたが、「相当期間の継続」については、現行選挙制度の仕組みを大きく変えるには時間がかかることに一定の理解を示し、違憲判断を避けた。(酒井潤)

多数意見の10裁判官のうち、6人は明確な指摘を避け、2人は「違憲状態」との認識を示した。
違憲と判断して反対意見を述べた5人を加えると、裁判官7人が違憲性を示している。

過去、衆院選は「3倍程度」が合憲か違憲かの基準とも取れる判断が下されてきたが、参院選では、議員が都道府県代表との性格を帯び、3年ごとに半数を改選するため偶数配分される特殊性から、5倍を超えても合憲判断が続いていた。

しかし、最高裁は大法廷判決で格差縮小を求め続けている。

最大格差が5・06倍だった13年の参院選では、15人の裁判官のうち6人が違憲とする反対意見を述べ、合憲判断した裁判官も「次回も現状が漫然と維持されるなら、違憲の余地がある」と警告した。

16年参院選は、選挙制度の見直しを含めた検討を国会で継続するように注文をつけ、15人中5人が違憲とした。

今回の判断もこの流れにある。

18年の公職選挙法改正で「4増4減」が実施され、今回の対象となった19年参院選から適用された。

しかし、最高裁は定数振り替えの改善策は小手先の数合わせに過ぎないと明確に指摘したと言える。
多数意見の中で初めて、「選挙制度の仕組み自体の見直し」の必要性を強く訴えた。

民事や行政訴訟の判決言い渡しでは、判決主文を告げるだけでよいと規定されているにもかかわらず、竹崎博允裁判長は理由を朗読した。
異例の措置からも、抜本的改革を求める最高裁の姿勢がうかがえる。

18年の公選法改正以降、格差是正のための具体的な検討が国会などでなされた形跡はない。

最高裁の強いメッセージを受け止め、国会が抜本的改革に重い腰を上げるかどうか。
政権交代で勢力図も大きく変わった中、動向が注目される。

人口比例という考え方で進める場合、区割りの枠組みを自治体単位で止めるためには、最小の自治体を意を基準にして、国会議員の定員を決めることになってしまう。

以下の表は、有権者数ではなく人口を元に計算したものだから、厳密出はないが傾向を理解するためにはこの方が分かりやすいだろうと思う。

人口順に県を並べ、最小である鳥取県に対する、各県の人口比を計算し、按分比例で衆議院小選挙区の議席数300を割り当てたのが「人口比例」です「現状」は現在の選挙区に指定されている選挙区数で、計算上の数字と現状との差を「差異」としました。

 各県人口人口比人口比例現状差異
鳥取県590,880112+1
島根県720,9871.2220
高知県770,7811.323+1
徳島県785,2781.323+1
福井県801,9151.423+1
佐賀県841,9701.423+1
山梨県866,8931.523+1
香川県986,1251.723+1
和歌山県1,014,3051.723+1
富山県1,086,2711.8330
秋田県1,116,7521.9330
宮崎県1,121,5731.9330
石川県1,143,7591.9330
大分県1,173,4952330
山形県1,191,0722330
沖縄県1,332,1182.334+1
岩手県1,351,0752.334+1
滋賀県1,361,7782.334+1
奈良県1,394,1672.434+1
青森県1,400,3662.434+1
長崎県1,429,0512.434+1
愛媛県1,433,2132.434+1
山口県1,448,6552.534+1
鹿児島県1,697,0192.945+1
熊本県1,789,077345+1
三重県1,833,2733.145+1
岡山県1,907,6653.2550
栃木県1,980,6963.4550
群馬県1,989,1503.4550
福島県2,055,2063.5550
岐阜県2,072,3493.5550
長野県2,157,8043.7550
宮城県2,316,6533.9660
新潟県2,379,5704660
京都府2,582,2984.4660
広島県2,798,1124.7770
茨城県2,922,9754.9770
静岡県3,728,5216.398-1
福岡県4,904,2308.31211-1
北海道5,467,9659.31312-1
兵庫県5,482,2099.31312-1
千葉県5,955,25610.11413-1
埼玉県6,951,27311.81715-2
愛知県7,128,18912.11715-2
大阪府8,627,87014.62119-2
神奈川県8,637,17414.62118-3
東京都12,246,41420.72925-4

この考え方では、最小の県では各県が一選挙区になってしまって、一人しか小選挙区議員が出ない県が出来てしまいます。
現状では最低でも一つの県を2小選挙区に割って、2名の小選挙区議員が一つの県から出て来るようにしています。

そこで、鳥取県に現有通りに2議席を与え、人口比例で各県に議席を割り当てると、総数が427議席となってしまって、小選挙区の議員数が50%近く増えてしまう。
実現するために、比例区の180議席を大幅に減らすことになるでしょう。

元はと言えば、ここまで放置した国会の責任ではありますが、いよいよ後がない、という状況に追い込まれたと言えます。

12月 28, 2009 at 04:00 午後 衆議院選挙 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2005.08.17

新党を作ると言うのだが

朝日新聞  「亀井静香氏ら新党結成へ 郵政反対派を募る
サンケイ新聞 「亀井氏ら新党結成へ 参院含め5人でスタート
毎日新聞  「新党:亀井元政調会長ら結成で合意 党首は綿貫氏が有力
読売新聞  「亀井、綿貫氏ら新党結成で大筋合意
朝日新聞  「追い込まれて決断 亀井新党「選挙互助会」色彩強く

事情の解説は読売新聞の記事に細かい。
反対票組のうち、出馬を断念した能勢和子氏を除く36人は、党執行部から公認されない上、対立候補を擁立されるなど、選挙戦で厳しい情勢となっている。

無所属候補は、政見放送ができないなどの制約があることから、亀井静香氏らは新党を結成し、反対票組が選挙運動で不利にならないようにすることを目指している。新党候補は、比例選との重複立候補が可能なことから、小選挙区選で落選しても、比例選で救済される余地を残す狙いもある。

ただ、新党に参加するには、自民党を離党する必要があるため、反対票組の中には「地方組織の支援が受けられなくなる」との慎重論も広がっている。平沼氏らのほか、藤井孝男・元運輸相、保利耕輔・元文相、衛藤晟一・前衆院議員、自見庄三郎・元郵政相らも新党に参加しない意向だ。
いやその通りだと思う。だがしかし、「こんなことは法律で決まっていること」というのをどう解釈すれば良いのか?

毎日新聞はこう説明している。
同元政調会長ら反対派は当初、同党の地元都道府県連の支援を受け、無所属で立候補する道を探ってきた。県連の支援を得られれば、新党結成より得策との判断からで、いったんは新党の検討を取りやめた。

しかし、党執行部が反対派への対立候補擁立を進めたため、地方組織に動揺が広がり、反対派支援を見直す県連も出てきた。無所属での出馬には政見放送ができないなどのハンディがあり、さらに地元組織の支援が断たれれば小選挙区での当選は極めて困難になる。同元政調会長らは、こうした状況を踏まえ、新党を結成せざるをえないとの結論に至った。
なんなんだ?県連の支持が得られればと言っても、お金の問題がある現在は政治資金に政党交付金(政党助成金)という税金が国会議員を5人以上出している政党に投じられていて(政党の意志で受け取らないことは出来る)政党の中央がこれを受け取り、最終的には選挙の公認料など形で候補者の資金などになっていく。
つまり「実質は自民党」といった表現は法律的に許されないわけで、例えば無所属の立候補者に二つの政党が公認料を出すなんてことをやったら問題になるに決まっている。
もちろん政治活動の自由は大いに認められるわけだが、モノには限度がある。さらに重要なのは、党中央の締め付けといったものが法律的にもあるわけで「県連独自の」と言うのは簡単だが、実行するには党中央をひっくり返すような力がないと出来るものではない。
もちろん資金の問題ではなく単純に選挙実務上も無所属では
政見放送、ポスター、宣車、ノボリ、ビラとあらゆるところハンデがある
のも法律で決まっている。だからこそ候補者は党公認を必要とするわけだし実質的な意味がある。それを知らない面々ではあるまい、何をやっているのだ?

8月 17, 2005 at 09:58 午前 衆議院選挙 | | コメント (3) | トラックバック (2)

2005.08.15

反対派の変質

順不同であるが、衆議院選挙関係のトピックを並べてみると。

土井氏は比例名簿5位、辻本氏は大阪10区で…社民党
亀井氏が会長辞任、反対票組で新党の可能性も
小渕優子氏:「民営化に賛成」の確認書を党執行部に提出

なんか何でもアリですね。 確かに小泉首相の手法は荒っぽいと言えるだろうけど、その結果がこれでは小泉反対派だって同じように乱暴であって、しかも乱暴とは言え首尾一貫しているように思える小泉首相に比べて「明日は何をするか分からない議員」となってしまっているではないか。 これでは消去法が小泉有利になるのも仕方ないと思う。
一体「郵政改革反対」とは何だったんだ?

8月 15, 2005 at 11:47 午後 衆議院選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.10

立花隆の小泉首相評論

nikkebp.jp ビジネススタイルり・立花隆のメディアソシオ・ポリティックスより「衆院解散、派閥解体で小泉首相が狙う次の一手」立花隆氏が自民党の派閥が小泉首相によってどうなってしまったのかを解説しています。
森前首相が小泉説得が出来ず「サジを投げた」と記者に話したのは有名ですが、この事件を立花隆氏は
森前首相に対して公然たる侮辱を加えたに等しい行為といわれても仕方ないだろう。
これが意味するところは、小泉首相は森派と訣別したということだろう。
と述べています、これにはさらに前の事情があって、その点は次のように説明しています。
自民党の旧体制の指導者たちは、小泉政権下の徹底的な冷遇措置で片端から政治力を失っていった。 経世会は橋本、野中を最後にとっくに力を失い、最後の世代の旧経世会指導者である青木も、綿貫も、今回の政争で政治力を使い果たし、次世代の額賀や藤井も力不足歴然で、事実上、この派閥は消えたも同然の状態にある。旧宏池会勢力(旧宮沢派)も、「加藤の乱」以後は、四分五裂状態がつづき、大宏池会構想も、構想があるだけでさっぱり実りがない。
亀井派は、前回総裁選以来、徹底的に干し上げられたし、今回の政争の影響で多くの議員が公認も得られないということになると、壊滅的な打撃を受けるおそれがある。
残る大派閥は森派だけだが、森前首相を徹底的にだめ男にすれば、森派は丸ごと小泉派になると小泉首相は思っているのではないか。実際、小泉政権下で急速に勢力を伸張したのは、森派だけで、若手はすべて小泉首相の息がかかっているから、事実上の小泉派といってよい。
要するに「自民党をぶっ壊す」と言っていた小泉首相はすでに派閥をぶっ壊してしまったのだ、ということです。今回の亀井氏ら郵政改革反対派の行動は結果としてみると「成算なしに単に反対のための反対をしたのだね」としか評価出来ません。

亀井氏・小林氏は「法案を否決したら、公認しないとは・・」とか言っているが、意味が分からない、重要法案だから政府提案の法案を与党でありながら否決したのであろう。本来なら否決する前に離党するべきことでは無いのか?
もし、否決したまま何も変わらないのであれば、小泉首相をレイムダック扱いにしたのは間違えないだろう。つまり郵政改革反対派の自民党議員は「小泉は内閣総辞職する」という判断だったのだろう。
この判断がかなり危険であることは、当事者は分かっていたのだろうと思う、つまりは危険ではあるが実行せざるを得ないところに小泉首相によって追い込まれたのだとすると、郵政改革反対の旗を揚げなくてはならないことになったところで、小泉首相の勝ちだった、ということだろう。

では民主党が今回の総選挙で勝利するのか?という疑問について立花隆氏は次のような見解を述べます。
選挙の結果次第で、改憲問題など、民主党の中で統一がとれない問題をもちだし、民主党の一部勢力に小泉首相が声をかけたらどうなるか。党を割って小泉勢力と合流するなら、自民党を完全に再起不能にしたうえで政権がとれるぞと声をかけたら、必ずグラッときて、小泉首相と合流してしまうような流れが民主党の中にある。
今からそこまで予測することはかなりはずれる危険をともなうが、私はごく近い将来に、小泉首相が民主党を分裂させるような動きにでてくると思う。
大胆な予測ではあるが、無いシナリオではないだろうし政界大再編の引き金が引かれた、と考えるのはアリだろうと思う。

8月 10, 2005 at 11:57 午後 衆議院選挙 | | コメント (4) | トラックバック (4)

衆議院解散の新聞各紙社説

衆議院解散選挙関係の新聞各社の社説を並べてみました。
地方紙と全国紙ではまるで視点が違い、全国紙の間でも改革賛成で以外の部分ではかなりトーンが違うことが分かります。

日経新聞社説   「改革」の実行力を競う選挙に
朝日新聞社説   郵政改革 民営化の灯を消すな
サンケイ新聞社説 反対派非公認 「改革政党」への脱皮促す
北海道新聞社説  郵政法案否決*国民が解散を受けて立つ
宮崎新聞社説   郵政民営化法案否決、大義名分のない衆院解散だ
琉球新報社説   郵政法案否決・小泉政権に大きな痛手/政局の行方は有権者の手に
沖縄タイムス社説 衆院解散の大義は何か
北國新聞社説   北陸新幹線 政権交代でも遅れさせるな

詳細は以下をお読み下さい。


日経新聞社説 「改革」の実行力を競う選挙に
郵政民営化の是非が争点になるだろう。日本の経済・社会の将来を考えたとき、それにとどまらず財政、税制、医療、年金、農業、地方分権などの制度改革、規制改革や、少子化・若年雇用への対応を早急に進めなければならない。各党とも選挙ではぜひ、それらの改革の具体的な方向と実行力を競ってほしい。
朝日新聞社説 郵政改革 民営化の灯を消すな
重い意味があるからこそ、私たちは法案の成立を求めてきた。廃案、総選挙で道筋は不透明になったが、郵政改革の必要性はまったく変わらない。選挙結果がどうあれ、民営化の灯を消すことは許されないと考える。
サンケイ新聞社説 反対派非公認 「改革政党」への脱皮促す
求められているのは特定団体の権益にとらわれず、日本の将来に必要な改革を断行する国民政党である。
北海道新聞社説 郵政法案否決*国民が解散を受けて立つ
本来なら内閣総辞職が筋である。 有権者は既得権益やしがらみを離れて判断してほしい。結果次第でそう遠くない時期に再度の衆院選や民主党を巻き込んでの政界再編があるかもしれない。混乱はしばらく続くだろう。
宮崎新聞社説 郵政民営化法案否決、大義名分のない衆院解散だ
首相の解散権は「伝家の宝刀」と呼ばれる。国民から選ばれた衆院議員全員から議員資格を一気に奪う絶大な権限だ。それだけに行使に当たっては極めて慎重な対応が求められている。解散権を振りかざせば、健全な民主主義が機能しなくなるからだ。
琉球新報社説 郵政法案否決・小泉政権に大きな痛手/政局の行方は有権者の手に
小泉首相は参院での法案否決を受け、解散・総選挙に打って出た。果たして参院での法案否決を理由に衆院を解散できるのかとの疑問があるが、憲法学者の間では「法的に問題ない」との見解が多数である。  確かに、衆院の解散権は首相に与えられた専決事項とはいえ、今回の解散に大義名分があるかといえば疑問が残る。それは参院の法案否決による衆院解散という憲政史上に例をみない事態だからである。
沖縄タイムス社説 衆院解散の大義は何か
何よりも離島や山間僻地にある簡易郵便局がどうなるのか。この疑問と不安に首相は応えていない。  ユニバーサル・サービス(全国一律業務)は確保すると言いつつも、具体的な対応策について過疎地域の人々を納得させることができなかった。  反対に回った議員の反発もその点にあり、それが高齢者の多い「過疎地切り捨て」の懸念につながっていたことを見過ごしてはなるまい。  緊急課題といえる財政改革に加えて農政改革、年金を中心にした社会保障制度改革、公務員改革などを含めた抜本的な構造改革に理解を示している国民は少なくない。
北國新聞社説 北陸新幹線 政権交代でも遅れさせるな
選挙後の政権がいかなる形になるにせよ、北陸には後退させてはならない一線がある。北陸新幹線の二〇一四年度末までの金沢開業である。仮にもこれが遅れるようなことになっては、この地の損失は計り知れず、衆院選の出馬予定者もぜひ、そのことを意識してもらいたい。

8月 10, 2005 at 10:45 午前 衆議院選挙 | | コメント (2) | トラックバック (0)

衆議院解散・独断解説

郵政民営化の是非を理由にして衆議院が解散してしまったわけだが、あかん隊さんから質問がありました。
すみません。郵政民営化って、どうなるのが一番いいんでしょう?
わからないのです。無知蒙昧。民営化されると困る先生方が反対しているのですか?
民主党を始め、野党が反対しているということは、このままがいいってことなんですか?
わたしが解説するというのは無理で、わたしの独断となりますが、やはりこれは派閥争いという側面が大きいのだと思います。

そもそも郵政民営化について、民主党の多くは郵政民営化推進のはずなのです。もちろん民営化の方法論で賛否が分かれるということはあるでしょうが、今回の参議院の採決の趣旨が小泉政権への信任の可否であったからこそ郵政民営化そのものではないところで賛否があったということです。

そこであかん隊さんのご質問の「郵政民営化はどうあるべきか?」へのお答えですが、日本の郵政は以前は郵政省が全部握っていて国営でした。現在は公社化されましたが、実質は同じでしょう。事業として郵便事業と郵便貯金・簡易保険の金融事業があります。
そもそも郵便については万国郵便条約で国際的に決められているものです。
一方、金融事業は実は世界最大の銀行と言えます。

わたしは世界最大の銀行が国営銀行であるというのは許されないと思っています。つまり郵便貯金・簡易保険は完全民営化するべきだと考えます。
一方、郵便事業もきわどいのですが、万国郵便条約の意味するところは郵便事業は国家が責任を負うべしとなっていますから、その意味では国営であるべきだと思っています。

もっとも、宅配便をはじめとするメッセンジャーサービスが世界的に普及している現在、郵便事業が儲かるものかどうかは怪しいので、いつまでも国営事業として続けるものかどうかは考えるべき時期なのでしょう。

反小泉のリーダは亀井ですが、派閥の歴史はこのようなものです。
池田→前尾→大平→鈴木→宮沢→加藤派
佐藤→田中→竹下→小渕→橋本派
岸→福田→安倍→三塚→森派
三木・松村→三木→河本派
河野→中曽根→渡辺→江藤・亀井派
小泉は形式上は森派ですが、派閥活動をほとんどやらない「変わり者」として有名でした。
戦後の政治は田中角栄・福田赳夫の「角福戦争」と言われる抗争が有名で、その後に中曽根が登場します。これらが弱ったところでスポット救援のような形で三木政権ですね。
結局、旧来の派閥構造の上では田中派つまり橋本派の力が落ちて、福田・中曽根の争いと見ることが出来ます、これは群馬県のライバル関係であり同じく群馬の小渕をもり立てるなどキングメーカとして駆け引きをしている関係です。

そこに「変わり者の小泉」ですから、これは派閥の弱体化とセットで考えるべきでしょう。
類似の例としては三木政権によく似ているように思います。衆議院解散の様子も似てますね。

一晩経つと色々の意見はありますが「郵政民営化はけしからん」という意見は少数であるように感じます。つまり亀井としては「虎の尾を踏んだ」というべきなのでしょう。
さらにどういう計算をしたのか本人に聞きたいところですが、比例区で当選した議員が反対に回っています。小泉は「反対したら公認しない」と言っているのですから、比例区から再出馬出来ないという意味です。つまりこれは「小泉は解散せずに総辞職する」という情報で反対に回ったとしか考えられないのです。
現在の選挙制度は小選挙区制であり、これは二大政党による容易な政権交代を目指すとされていて、選挙実務では党公認であるかどうかによって大幅に有利不利があります。
さらに政党交付金という国の金が使えるか使えないかという問題もあって、何があっても当選できるという実力者でないと無所属で選挙に臨のはとても大変です。

こんなことを考えると今回の「衆議院解散」は亀井にはまとも計算が無かったのではないか?と強く思います。
反対派の議員で「我々が自民党だ」とかバカなことを言っている人が居ますが、あれでは支持者だって「バカじゃないか?」と思うでしょうね。
だからこそマスコミの観測は「新党を結成して戦い、選挙後に自民党に合流」というシナリオを提示したのでしょうが、それも一晩経ったら消えてしまったようです。
つまりは反対派(亀井)の動きは成算がなかったわけで、はっきり言ってムチャクチャです。

その点、民主党の岡田は「郵政民営化が問題の全てではなく、政権交代が目的だ」と郵政民営化の肯定をしていますから、こっちの方がよほどまともでしょう。
さて選挙の結果はどうなるでしょうか?

8月 10, 2005 at 12:54 午前 衆議院選挙 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005.08.08

内閣府HPはリアルタイム更新だった

内閣府ホームページで罷免された大臣の名前を確認しようとしたらすでに無い
つまり内閣府ホームページの更新はリアルタイムなわけだ。
これはちょっと感心したな。

とは言え、島村農相の時評提出を拒否して罷免したというのは、乱暴ではある

こんな暑いときに選挙なんてのは勘弁してくれ。
日本は結構広いから例えば、補欠選挙は春秋の楽の季節に設定してある。
それを真夏に選挙か・・・・。逃げよう・・・。

8月 8, 2005 at 05:44 午後 衆議院選挙 | | コメント (2) | トラックバック (1)

郵政民営化法案・参議院で否決

郵政民営化法案は参議院本会議で否決されました。
こうなると、衆議院と参議院で採否が逆転しているわけですが、ルールとしては衆議院で2/3の多数決で決するとなりますが、小泉総理は「即座に衆議院の解散」と言っているので、解散しちゃうんでしょうか?
閣僚はどうするのかねぇ?

ところで、反対討議で「郵便貯金を郵便局の業務から分離すると郵便事業が成り立たない」という話がありましたが、それは郵政民営化と全く無関係に大問題でしょう。
そもそも世界最大の国営銀行なんてものがこの先何年も続けられるわけがない。
それをどうするの?

郵便事業を民営化しない、というのには合意するところですが、郵便貯金・簡易保険は国営から早急に切り離すべきです。
まして郵便事業の穴埋めを金融でカバーしている、なんのは基本的に論外です。

さて、総選挙になったとすると(暑いのに選挙はイヤだ)自民党は分裂選挙ですね、ただ小選挙区制なので選挙区単位で考えると、有権者は郵政民営化法案に関する判断を直接投票で下すことができるのかは、賛成・反対の候補者が揃っている場合だけですから、なかなか微妙です。

8月 8, 2005 at 01:52 午後 衆議院選挙 | | コメント (5) | トラックバック (0)