2009.11.29

神戸市・補助金返還判決の帳消し条例の是非その2

「神戸市・補助金返還判決の帳消し条例の是非」は、けっこう力を入れて書きました。
条例を探し出すのに、いささか手間取りましたが、神戸市のHPの構造が理解しがたいものであるために、ウロウロして「わざと隠しているのではないのか?」とまで思いかけた程です。

結果として Matimulog さん(町村教授)にもご紹介いただいています。

その後、関連記事を調べていたら、原告側弁護士が阿部泰隆弁護士(元神戸大学教授)だと知りました。神戸市にとっては相手が手強すぎる(^_^)

わたしが阿部泰隆先生に注目したのは「犬も歩けば行政法に当たる」「六法の半分分捕る行政法」といった阿部語録を知り司法試験に行政法を取り上げるべきだと主張されていたことを知ってからです。

そういう論客ですから、今回の事件についても書かれています。 「神戸市議会の権利放棄議決」より

神戸市議会での陳情  外郭団体有給職員派遣の試み、賠償請求権放棄の試みは、法律違反

神戸市議会議長 殿

                                原告訴訟代理人弁護士・中央大学教授 

               2009年2月23日                    阿部泰隆 

神戸市公益法人等への職員の派遣等に関する条例の改正案は違法・無効である

 神戸市長が議会に提案した神戸市公益法人等への職員の派遣等に関する条例の改正案は一見明白に違法無効である。その要点は、2つある。

一   権利放棄条項は無効

 三セクへの不当利得請求権、市長個人への賠償請求権を放棄するとの条項は、住民の提起した裁判で、市が獲得した財産を、市民の利益に反して、市長個人の私的利益のために、及び三セクという神戸市とは別団体の利益のために、市民から信託された財産を善良な管理者として注意して管理すべき職務に反して、ドブに捨てるもので、職務義務違反である。

 放棄するとの市長の提案の根拠は、権利の放棄を議会の議決事項とする地方自治法96条であるが、これは、権利の放棄は、重要であるから、執行機関だけで判断してはならず、議会も判断するというダブルチェックの制度にすぎず、善良な管理者の注意義務を免除するものではない。議会の放棄議決は、放棄が有効のための必要条件の一つにすぎず、市民の信託に反しないことであって初めて十分条件を満たすのである。

 もっとも、権利の放棄も、やむを得ない場合には許されるが、市長は、違法過失により市に損害を与えたのであるから、払えるだけは払ってもらうべきであり、全額を免除する公益性はない。また、三セクには公益性があるとしても、職員は地方公務員法上、神戸市の職務に専念しなければならないのであり、公益法人派遣法では、市の仕事をしている場合だけ、有給としているのであるから、それ以外は三セクの職員に市から給料を払う公益性はないのである。したがって、市の権利を放棄する公益上の理由はないから、放棄は無効である。

この放棄議決は司法で決まったことを覆そうとするもので、法治国家ではありえない司法への挑戦である。

 そして、今回議会が放棄議決をすれば、その議員は、違法な放棄に荷担して、市に損害を与えたので、違法なカルテルで市に損害を与えた企業と同じく、共同不法行為者であり、住民訴訟で、市長に対して、議員に対して、市へ連帯して賠償するように請求せよとの訴訟が可能である。市長個人では払えない数十億円も、議員が連帯すれば払えるであろうから、市としては、むしろ、議会が違法な議決をするほうが損害を回復できるという皮肉な結果になる。さらに、市民の権利の放棄は刑法の背任罪に当たる可能性が高い。前例はまだ見つからないが、私は当たると解釈している。

 この議案への賛成は重大事件であるから、記名式にして、賛成する議員の名前を残すべきである。さもないと全員に賠償請求することになる。

 しかも、その提案者は、責任を負っている市長である。司法で違法・過失ありとされて、賠償義務を課された市長が、議会にその責任を免除してくれと自ら平気で言うのにはあきれるしかない。他の人が、市長は、市に貢献したから、何十億も払わせて気の毒と言って、破産しない程度で勘弁しようと言うなら分かる。しかし、市民への責任をないがしろにして、過失を犯して、賠償責任を負っている市長が、自分の債務を全部勘弁してくれと言うのであるから、こんな図々しいことがありますか。

 私は、市長にも、払える分を払ってもらえば、残りは免責して良いという意見を持っていたが、このように司法と法治国家に挑戦して責任を逃れようと悪あがきする市長の姿を見れば、悪質な確信犯であり、情状酌量の余地なしと、全部払ってもらうべきだとの意見に変えようかと思っている。

 二    改正条例では、有給派遣を正当化できない

 派遣法6条1、2項は、職員派遣は無給を原則とし、市の業務を行うなら有給派遣も許されるとしている。改正条文4条2項、8条2項は、「派遣先団体における業務の従事を本市における勤務、・・・とみな」している。これは、有給派遣を適法にしようというものであろうが、明らかに無効である。職員の従事する業務が市の業務になるかどうかは事実問題であり、条例でみなすとすることはできない。市のために働いていない人を市のために働いていると見なして、給料を市から出すことはできないのである。この条例改正案は、派遣法6条2項に違反して無効である。

 これもまた、法6条2項を潜脱しようとする規定である。外郭団体訴訟大阪高裁判決(平成21年1月20日)で、職員を無給で派遣する代わりに人件費を補助金として支給することを、給料付派遣を原則禁止する法律の脱法行為と指摘されたにもかかわらず、では、神戸市の業務をしていない外郭団体に有給で職員を派遣して、その仕事を神戸市の業務とみなそうというのであるから、これまた脱法行為である。

 市は、本当に損したのかという疑問があると聞くが、市と外郭団体は別団体であるから、市民の税金で外郭団体の職員を雇えば、それは市の損害である。外郭団体が市と同じ仕事をしているのであれば、市の組織にすべきなのである。

三    議会のなすべきことは

 議会のなすべきは、違法行為オンパレードの市長を支えるのではなく、まったく逆で、市長の違法行為を早期に是正させること、市長不信任決議をして、法令に則って、市民を尊重する市長を市民に選出してもらうことである。

 最後に、議会での審議の仕方も不適当である。今回、市長とその部下は議員の方々にたくさんご説明しているはずであるが、私と原告住民への説明の依頼はない。この事件は、市長が、公金を違法に支出して、市に損害を与えたので賠償を命ぜられたのに免責してくれというのであるから、いわば泥棒側である。泥棒が勘弁してくれと言うときに、なぜ被害者である住民、特に住民の被害を防止した代理人と原告住民の意見をなぜ真っ先に聞いてくれないのか。

 議会の姿勢自体、市民の代表としてはふさわしくない、不公平なものである。しかも、この意見陳述自体、「陳情」という時代錯誤である。

  私は、42年も住み、我が愛する神戸市がこの惨状であることに情けなくなる。

 賛成する議員には、司法への挑戦、国法への挑戦、自ら市へ膨大な債務を負担するという危険という、異常な行為をしているとの自覚を持ってもらう必要がある。

今回の判決に対する、見解は近いうちにアップされるでしょうが、

提案者は、責任を負っている市長である。司法で違法・過失ありとされて、賠償義務を課された市長が、議会にその責任を免除してくれと自ら平気で言うのにはあきれるしかない。

他の人が、市長は、市に貢献したから、何十億も払わせて気の毒と言って、破産しない程度で勘弁しようと言うなら分かる。

しかし、市民への責任をないがしろにして、過失を犯して、賠償責任を負っている市長が、自分の債務を全部勘弁してくれと言うのであるから、こんな図々しいことがありますか。

私は、市長にも、払える分を払ってもらえば、残りは免責して良いという意見を持っていたが、このように司法と法治国家に挑戦して責任を逃れようと悪あがきする市長の姿を見れば、悪質な確信犯であり、情状酌量の余地なしと、全部払ってもらうべきだとの意見に変えようかと思っている。

ここに集約されている、阿部泰隆先生の考えが高裁で「その通り」とされたと言って良いでしょうから、どんなコメントを出されるのか楽しみです。

11月 29, 2009 at 12:23 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.11.28

神戸市・補助金返還判決の帳消し条例の是非

朝日新聞より「神戸市長の補助金返還責任「帳消し」議決無効 大阪高裁

神戸市が外郭団体に支出した補助金は違法として、矢田立郎市長らに返還させるよう市に求めた住民訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。

大谷正治裁判長は、市議会が一審判決後、返還請求権をすべて放棄するとした議決は「議決権の乱用で無効」と判断。違法支出は一審判決より約10億円多いとし、約55億円を市長らに請求するよう市に命じる変更判決を言い渡した。

市側は上告する方針。

住民訴訟で司法が違法と判断した公金支出をめぐり、首長が負った賠償責任を地方議会が「帳消し」にする例は各地で相次いでいる。

今回の訴訟の住民側代理人弁護士で、住民訴訟に詳しい阿部泰隆・中央大教授(行政法)は
「首長らへの債権放棄の議決を無効とする司法判断は初めて。各地の行政や議会への警鐘となる」
と話している。

訴訟は、神戸市が外郭団体に派遣した職員の人件費に補助金を支出したことをめぐって住民が起こした。

昨年4月の一審・神戸地裁判決は補助金の一部約45億円を違法支出とし、矢田市長と外郭団体に返還させるよう市に命じたが、
市議会は今年2月、市の提案を受け、別の住民訴訟で違法支出とされた補助金を含む約48億円の返還請求権を放棄する条例改正案を賛成多数で議決した。

この日の高裁判決は、議決の法的効力を検討。
請求権放棄に伴う市財政への影響の大きさや、市が市長らの資力を検討していない点などを挙げ、「議決に合理的な理由はない」と指摘した。

さらに、議決を「市長の違法行為を放置し、是正の機会を放棄するに等しく、住民訴訟制度を根底から否定するもの」と厳しく批判。
「議決権の乱用」と断じ、控訴した市側の「議決で請求権は消滅した」との主張を全面的に退けた。

そのうえで、補助金の支出について一審と同様に違法と判断。市が05~06年度に支出を決めた19の外郭団体への補助金計約55億4千万円が、返還請求の対象になるとした。(阪本輝昭)

NHKニュースより「神戸市の権利放棄 無効と判断

神戸市が、外郭団体に派遣した市の職員の人件費に充てるために補助金を支出したのは違法だとして、住民グループに訴えられている裁判で、大阪高等裁判所は、神戸市長に対して55億円余りを市に返還させるよう命じました。

また、1審判決のあと、神戸市が条例を改正して補助金の返還を受ける権利を放棄したことについても、「住民訴訟の制度を根底から否定するものだ」として、条例を無効だと判断しました。

この裁判は、神戸市が、住宅供給公社などの外郭団体に派遣した市の職員の人件費に充てるために、これらの団体に補助金を支出したのは違法だとして、住民グループに訴えられているものです。

1審の神戸地方裁判所は違法性を認め、神戸市長に対して補助金を市に返還させるよう命じましたが、1審の判決のあと、神戸市は条例を改正して返還を受ける権利そのものを放棄したため、2審ではこの条例が効力を持つかも争点になりました。

27日の2審の判決で、大阪高等裁判所の大谷正治裁判長は「改正された条例は、市が受けた損害を取り戻す機会を放棄しており、住民訴訟の制度を根底から否定するもので、議会の議決権の乱用に当たる」として、条例は無効だと判断しました。

そのうえで、1審の判決を支持し、神戸市長に対して55億円余りを市に返還させるよう命じました。

住民グループが起こした別の訴訟では、神戸地裁が11日、「条例の改正によって補助金の返還を求めることができなくなった」として、今回とは逆の判断で訴えを退けています。

27日の判決について、神戸市の矢田立郎市長は「きわめて意外な判決で、たいへん驚いている。

地方自治法に従い、適法に行われた議会の議決を否定するものであり、判決内容を精査したうえで、上告する方向で検討したい」というコメントを出しました。

判決も条例の制定も両方とも法律に基づく決定で、それが衝突しているという、わたしが高校の時に聞いて、法律の理屈に興味を持った話と全く同じ内容で、興味津々であります。

事件の経過はだいたい次のようです

  1. 住民訴訟で、市長に返還を命じる一審判決があった
  2. 市議会は、市が返還を受ける権利を放棄する条例を可決した
  3. 別の住民訴訟では、神戸地裁は「条例によって市が返還を求めることが出来ない」との判決をしている
  4. 高裁では、条例の正当性の評価。返還内容の評価。をして、一審を上回る金額を返還を命じた
  5. 市は条例の正当性を争うために上告を決定

問題のポイントは、条例の正当性でしょう。
調べてみたらこれらしいです。
「公益的法人等への職員の派遣等に関する条例」平成13年12月28日 条例第49号

この条例は次のように始まります。

(趣旨)
第1条 この条例は,公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成12年法律第50号。以下「法」という。)第2条第1項及び第3項,第5条第1項,第6条第2項,第9条,第10条第1項及び第2項並びに第12条第1項の規定に基づき,公益的法人等への職員の派遣等に関し必要な事項を定めるものとする。

とされていて、職員派遣の一般規則と対象となる団体を規定しているようです。
ところが、その中に突然以下の内容が出てきます。

(施行期日等)

(不当利得返還義務等の免除)

5 第1審における事件番号が神戸地方裁判所の平成18年(行ウ)第25号,平成18年(行ウ)第43号又は平成20年(行ウ)第76号である訴訟における請求に係る不当利得返還請求権及び損害賠償請求権(これらに係る遅延利息を含む。以下同じ。)その他平成14年4月1日から平成21年3月31日までの間に係る派遣先団体から派遣職員に支給された給与の原資となった本市から派遣先団体への補助金,委託料その他の支出に係る派遣先団体又は職員に対する本市の不当利得返還請求権及び損害賠償請求権は,放棄する。

いわば、この訴訟についての直撃です。
今回の高裁判決が

請求権放棄に伴う市財政への影響の大きさや、市が市長らの資力を検討していない点などを挙げ、「議決に合理的な理由はない」と指摘した。
と怒るのも無理はない。

神戸市の主張は、手続が適法であれば内容はどうでも良い、ということになってしまいますから、これではさすがに上告しても通用しないでしょうし、そもそも条例のこの部分の中核である「特定の判決を無効にする条例を定めることは違法ではないか?」と問題になるでしょう。

けっこう重大な判決であると言えます。

11月 28, 2009 at 10:19 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.26

痴漢えん罪だが、誤解だという判決

サンケイ新聞より「痴漢行為認めず 賠償請求は退ける 痴漢誤認損賠訴訟の差し戻し控訴審

電車内で痴漢をしたとして逮捕された後、不起訴となった東京都国立市の元会社員(67)が、被害を訴えた女性に約1100万円の賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が26日、東京高裁であった。

大橋寛明裁判長は「痴漢行為があったと認めることは困難」として、痴漢行為を認定した1審判決は誤りだったと認める一方、賠償請求は退け、控訴を棄却した。沖田さん側は再上告する方針。

差し戻し控訴審では、当時、女性が携帯電話で話していた知人男性が出廷。

女性の被害を訴える言葉を「聞いていない」と証言。

大橋裁判長は「女性の証言には疑問がある」と痴漢行為は認定しなかった。
一方で「記憶の正確さなどには限界がある」と虚偽の被害申告をしたとする沖田さんの主張を退け、賠償を認めなかった。

判決によると、沖田さんは平成11年9月、JR中央線の電車内で当時20歳だった女性に下半身を押し付けたとして、都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されたが、嫌疑不十分で不起訴となった。

1、2審判決では痴漢行為を認めたが、昨年11月の最高裁判決は知人男性の証人尋問が必要として2審判決を破棄、東京高裁に審理を差し戻した。

この事件は今も無茶苦茶な経過をたどってますね。
今回の判決で高裁の裁判長は、社会的な責任を果たしたとは言えないでしょう。

  1. 男性が電車の中で携帯電話で話していた「被害」女性に対して注意をした。
  2. 女性は、電話中の相手の男性に「ヘン親父が・・・」といった趣旨のことは話した
  3. 女性は痴漢と申告して、男性は現行犯逮捕・勾留。
  4. 痴漢事件は不起訴となり、勾留(20日)の後に釈放
  5. 男性は、女性に損害賠償請求で提訴
  6. 地裁・高裁は痴漢事実があったとして、請求を退ける
  7. 最高裁は、女性が当時電話していた相手の男性の証言が必要として、高裁に差し戻し
  8. 高裁でのやり直し裁判で、女性の電話相手の男性は「女性の主張する会話は無かった」と証言。
  9. 今日の高裁の判決は、女性の主張する痴漢事件は無かった(つまり男性の主張は認めた)が、虚偽申告ではないから、賠償責任はないと判決。

一般庶民にとって一番注目しているのは「どういう事件なのか裁判所は解明するべし」でありましょう。
そういう観点から見ると、痴漢事件は無かったが、痴漢事件と訴えた女性の行為が虚偽申告ではない、というのはどういう論理なのか普通の人には理解できないでしょう。
この裁判長は何を言いたいのだ?

これでは、再上告は仕方ないでしょう。
こういう想像しがたい判決をが出るから、裁判員制度は必要だとなります。

11月 26, 2009 at 05:50 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.11.24

郵便不正事件・元局長やっと保釈

サンケイ新聞【郵便不正】厚労省の元局長を保釈 5カ月ぶり、否認のまま

郵便制度悪用に絡む厚生労働省の公文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪で起訴された同省の元局長(53)=官房付=が24日、保釈保証金1500万円を納付し、逮捕から約5カ月ぶりに保釈された。

いくらなんでも、近代的な捜査とは言えないだろう。
こういう「取り調べ」が出来ること自体が問題だろう。おそらくは、弁護側が何度も保釈請求をしたのだろうが、裁判所も認めなかった。
こうなると、なぜ裁判所が何度も保釈請求を認めないのか?この点については、今になってなぜ認めたのかを明らかにして当然だと思う。

そもそも、公文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使というのは部下の証言があったはずで、その上でさらに勾留するとは何を探していたのだろうか?
単に半年も閉じ込めておくことの方が重要だったのではないだろうか?

11月 24, 2009 at 09:27 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.28

ホームオブハート裁判・2本目の勝訴判決

わたしが2004年(最初)から応援している、ホームオブハート裁判で2件目の裁判で判決がありました。

やや日刊カルト新聞より「ホームオブハート関連事件で判決。 原告らの請求をいずれも棄却

本日、東京地裁第527号法廷にて、2004年4月に児童相談所に一時保護され、その後、乳児院入所や児童福祉司による指導措置がなされた、ホームオブハートとトシオフィスの子供とその母親が、子供達を拉致された等として、児童相談所に通報した弁護士2名と元メンバー2名を訴えた民事裁判の判決が出されました。

【東京地裁判決 2009年10月27日】主文
  1. 原告らの請求をいずれも棄却する。
  2. 訴訟費用は原告らの負担とする。

傍聴席から判決が読み上げられるのを聞きながら、私は当然の判決だと思いました。
ちなみに、原告側の席には誰もいませんでした。

原告の請求が全て棄却されたのは、損害賠償請求権が時効により消滅したと判断されたためです。

何故なら、既に、同じ理由により、2004年11月1日、被告の紀藤正樹弁護士と山口貴士弁護士に対する懲戒請求が、原告8名のうち当時乳児であった者を除く6名によって行われているからです。

すなわち、遅くとも2004年11月1日の時点においては、損害賠償請求が事実上可能であったと考えられ、それから3年の2007年11月1日で時効が成立したという理由により、裁判官は原告の請求を全て棄却したわけです。

【中略】

判決終了後、司法記者クラブで記者会見が開かれましたが、この訴訟は、「本来は止めるべき訴訟」であるとの、被告の山本さんの言葉が印象に残りました。

まだ幼児である原告まで使って、被害者の口封じと弁護団の労力を殺ぐことを目的として、1億7000万円もの巨額の訴訟を起こす、ホームオブハートのやり方には強い憤りを覚えます。

このような「嫌がらせ訴訟」に対して、沢山の弁護士が力を貸してくれました。

被告側の代理人は、総勢85名であり、このような訴訟が提起されることへの強い危機感が伺えます。

「紀藤正樹弁護士とホームオブハート被害者を支援する市民の会」代表世話人のいのうえせつこ氏は、記者会見席で「子供たちに裁判を起こさせること自体が『子供虐待』である」と言っておられました。

今回、裁判官は当然の判断を下しました。
原告側が控訴してくるのかは分かりませんが、この裁判は本来、起こされてはいけない裁判です。

ホームオブハートを巡る裁判は、本件だけではなく、多数ありますが、このような「嫌がらせ訴訟」を行う団体を、そのまま放置してはならないと考えます。

この記事の説明の通りなのですが、ちょっと読んだだけではなかなか理解しがたいかと思います。

2004年4月だと覚えていますが、「元X-JapanのToshiが児童虐待」とテレビのワイドショーで連日大々的に報道された事件です。

この時に、児童相談所が乳児を含む子どもたちを一時保護(長期では半年以上)したことに対して、紀藤正樹弁護士らに損害賠償を請求した、という素人には関係性が分からない訴訟です。

児童相談所の保護は法的強制力がある行政の仕事ですから、行政に対して賠償請求するというのは分かりますが、なぜ他のことで争っている弁護士らに損害賠償請求を起こせるのか?という時点でかなり問題だと言えます。
(行政に賠償請求をしているといった情報はありません)

紀藤弁護士らは当初から「時効だろう」との判断でしたが、判決もその通りとなったようです。

ホームオブハートをめぐる裁判は、「HTP 最 新 情 報」によると現在、6本あるようで、その一つは平成19年(2007年)2月26日に一審判決が出ています。
この事件は、被害者の全面勝訴となり、その後ホームオブハート側の控訴も高裁で敗訴(2009年5月28日)しています。

こういう見方をすると、二つ目の判決が出たとなります。
現在のところ、ホームオブハート裁判はいずれも結審が近づいていますから、ほとんどが今年度内に判決が出るものと考えています。

10月 28, 2009 at 10:56 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.25

コイン式携帯充電器事業・特商法違反で事件化

読売新聞より「携帯用の充電器マルチ商法、解約妨害で2社捜索

ホテルなどに設置する携帯電話用の有料充電器の連鎖販売取引(マルチ商法)で、解約希望者に虚偽の説明をしたなどとして、販売会社「MMS」(現・メディアクロス、大阪市)と、関連会社の「ワールドビジョン」(同市)を、大阪府警が特定商取引法違反(解約妨害)容疑で捜索したことがわかった。

読売新聞の取材に対し、M社役員は「捜索容疑についてはコメントできない」としている。

経済産業省などによると、M社は2003年以降、コイン投入式の公衆用充電器を1台約50万円で販売

新たに購入者を紹介すれば、4万円以上のボーナスを支払うといううたい文句で、07年8月までに約154億円を売り上げた

ワールド社はM社元社長を社長(当時)として07年7月に設立。
同9月にM社の販売業務を引き継ぎ、約6億円を売り上げた。購入者は全国で2万5000人以上いた。

連鎖販売契約について、特商法は、クーリング・オフ(無条件解約)期間が過ぎても中途解約がいつでも可能と規定している。

しかし、両社は契約解除を申し出た購入者に対し、「委託契約期間(3年間)は解約できない」などと説明していたという。
(2009年10月25日03時08分 読売新聞)

確かに、ホテルなどにコイン式の携帯電話充電器が設置されているのを見かけますが、使っている人はあまり見かけませんから「この程度のモノか」と思っていたのですが、50万円の商品を154億円売ったと計算すると、3万台を売ったことなります。

特商法の事件としては、かなり多額事件になりますね。

平成電電事件・近未来通信で指摘しているのですが、この種のトンデモ商法は「聞いたことがあるキーワードで欺す」のが共通しているようです。

事件名キーワード
平成電電電話中継基地
近未来通信貸しサーバー
電話充電器公衆サービス

といったもののようで、勧誘された人が具体的に分からないのに何となく知っている、というところをターゲットにしているのでしょう。
いずれの場合は「まだ世間には知られていないから先行者利益」といったことで勧誘するのでしょうし、被害者も「自分は他の人が知らない先端的情報に詳しい」と思っているのではないかと想像しています。

それにしても、2万5千人もこんな商品に手を出しているとは驚きです。
機器なのだから、メンテナンスとか償却とか、さらに設置場所との契約などけっこう面倒なことが必要なはずなのですが、そこらを乗り切れるものなのでしょうか?

平成電電や近未来通信では、設備の設置は実体がありませんでした。
つまりは、契約して集金だけした詐欺事件なのですが、今回の携帯充電器は詐欺ではないのでしょうか?

金額と言い、被害者数と言い、かなりの大事件に拡大するのではないか?と感じます。

10月 25, 2009 at 11:00 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.10.19

戸塚ヨットスクールでふたたび死亡事故

朝日新聞より「戸塚ヨットスクールで飛び降り自殺か、入校中の18歳

19日午前9時40分ごろ、愛知県美浜町北方の「戸塚ヨットスクール」(戸塚宏校長)で、入校中の横浜市磯子区の女性(18)が3階建ての寮の屋上から転落し、約1時間後に死亡した。
半田署は自殺とみている。

同署によると、女性は男性コーチ1人と別の寮生1人の計3人で布団を干していたが、高さ1.5メートルのフェンスを突然乗り越え、寮西側の路上に飛び降りたという。

女性は16日にスクールに入校した。学校が同署にした説明によると、入校当初から「死にたい」と周囲に話していたという。

戸塚校長は19日午後1時ごろ報道陣の取材に応じ、「親から自殺未遂をしたことがあると聞いていたので屋上にコーチをつけた。
コーチが後ろを向いた時に女性が飛び降りたとみられる」と話した。

戸塚ヨットスクールは76年に開校。80年代初め、訓練生が死亡・行方不明になる事件が相次いだ。

同校のホームページでは、「(ヨットやウインドサーフィンの訓練によって)人が本来持つ『生きる力』を開花させることに全力を注ぎ、非行や不登校児などに成果を上げている」としている。

文字で読むと「そういうことか」と思いますし「不幸な事故なのだろう」という印象がありますが、FNNニュースの「愛知・戸塚ヨットスクールで18歳の訓練生女性が屋上から飛び降り自殺」では、戸塚宏校長がインタビューに答えています。

記者管理体制に問題はなかったのですかね?
戸塚校長だから~、その、止められると思う?突発的なことなんだから

この応対は少し変ではないのか?
自殺したいと言っている人を屋上に上げて、というのが問題で、それに対して「コーチを付けた」とし、そのコーチが後ろを向いた隙に飛び降りた、だとしてもそれを「突発的なことだから止められない」という事にするのであれば、何でもアリになってしまうでしょう。

やはり質的なところで何かがヘンなのではないだろうか?

10月 19, 2009 at 09:54 午後 事件と裁判 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2009.10.07

パチンコ店の社員が良く当たる機械を教えると、どのような罪になるのか?

落合洋司弁護士のブログ経由毎日新聞より「特別背任:高設定スロット教え損害…静岡で容疑者逮捕

メダルが最も出る設定にしたスロット台を特定客に教え、勤め先のパチンコ会社に損害を与えたとして静岡県警富士署などは6日、御殿場市中山、元パチンコ店マネジャー(31)を会社法違反(特別背任)容疑で逮捕した。また、客側の富士宮市上条、無職(42)ら3人も共謀者として同容疑で逮捕した。

県警によると、パチンコ店の社員の不正を同容疑で立件するのは全国初という。

逮捕容疑は、マネジャーが今年5月27日、勤務先のパチンコ店で、出る台を容疑者に教え、一緒に逮捕された男2人に遊技させてパチンコ会社に約15万円の損害を与えたとしている。

同署はマネジャーらが昨年11月~今年5月、総額3000万円以上の利益を得た可能性があるとみている。【平林由梨】

このニュースを最初に知った時には「そういうこともあるだろうねぇ~」と割と肯定的に感じて、タイトルしか見ていませんでした。
だから、マネジャーが逮捕云々もあまりきちんと認識していなかった。

今朝になって、落合洋司弁護士のブログを見て、全く違う視点で重要な指摘があったので、紹介します。

落合洋司弁護士の記事より

こういった行為に特別背任罪適用というのはかなり珍しいと思いますが、「出る台」というものは、誰が遊戯しても出る台ではないかと思われ、特定の人間が遊戯したからと言って、会社に財産上の損害が生じたと言えるかどうか、素朴に疑問を感じますね。

警察が、「全国初!」などと言ってマスコミに売り込みマスコミもそれに踊らされて記事にするが不起訴、というケースもあって、立件したのも全国初だが不起訴になったのも全国初、ということになってないかどうか、事後のフォローということも、報道したマスコミには望みたいという気がします。

確かにそうですよね。
この店の被った損害をどうやって認定するのでしょうか?

いわば不公平ではあるかもしれないから、損害を被ったのは同じ時刻にその店で遊んでいたお客だというのなら、まだ分かりますが、そうなると機械毎に当たりの率が違うことが問題になるでしょう。しかし、全ての機械が同じ確率であれば、お客は減る。
これはお客も分かっているから、上記の「公平でないと客が主張する」ことは無いでしょう。

もし、従業員が当たり率の良い機械を知っていて、自分でその機械でゲームをしたらどうなるのか?
調べていませんが、これは禁止されているはずです。従業員が賭博場で遊ぶことを許したら、賭博場が成立しませんから、禁止でしょう。

こんな事を考えると、「会社に損害を与えた」では話に無理がありすぎます。
非常に興味深いことですね。

10月 7, 2009 at 10:08 午前 事件と裁判 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2009.10.06

10月26日朝の東京地裁はすごそ~

ZAKZAK より「のりピー、麻原超え確実 傍聴券取得代行業者に注文殺到

今月末、東京地裁は空前の傍聴人ラッシュを迎える。21日の高相祐一被告(41)を皮切りに、23日には押尾学被告(31)、26日は東京地裁の傍聴希望者記録を更新するともいわれる酒井法子被告(38)と、薬物有名人の初公判が続くからだ。嵐の前の静けさの中、一足早く多忙のピークを迎えているのが傍聴券取得を代行する人材動員業者だ。

「傍聴券押さえます」

こんなキャッチコピーでマスコミ各社の「押尾学事件担当者」「酒井法子事件担当者」あてにチラシを送付しているのは、東京都内に本社を置く人材動員業者。

裁判史上最高の1万2292人が行列し、傍聴券48席に対する倍率が256.1倍に達した1996年4月の麻原彰晃死刑囚(54)初公判で約7000人を動員した実績を持つ業界大手だ。

同社は、同地裁で2006年9月に行われたライブドア元社長、堀江貴文氏(36)の公判(2002人、32.8倍)や、今年1月に大阪地裁で行われた音楽プロデューサー、小室哲哉氏(50)の裁判(1304人、21.4倍)でも傍聴席を確保してきた。
その実績から、マスコミ各社の注文が早くも殺到。動員する頭数の確保に忙殺されているという。

「酒井被告の初公判の傍聴希望者は、麻原死刑囚を大きく上回る最大1万5000人程度と予測しています。
麻薬事件としては異例の、50人収容の大法廷が使用される可能性が高いですが、それでも競争率は300倍。
マスコミ各社から記者席用と絵描きさん用に最低2席を求められていますので、5000人は動員しないと間に合わない」(営業担当者)

酒井被告に先立って行われる押尾被告の裁判も最大1万人が集まると同社は予測。これにも3000人近い動員をかけるというから大忙しだ。

同社はアルバイトとして約10万人の“会員”を抱えている。この会員に対し、オペレーター50人がメールとファクスを駆使して呼びかけ、当日のドタキャンも見越した人数を確保する予定という。

「最初に行われる高相被告は最大3000人程度の行列で済みそうなので、動員は1000人で十分。
これを予行演習として、2つのヤマの実動員数を予測し、大一番に備える形になるでしょう。創業以来、最も忙しい1カ月となるのは間違いありません」(同)

ちなみに、同社に動員を依頼した場合の料金は、拘束3時間×20人以上で、1人3000円から。個人からの依頼も受けているそうなので、どうしてものりピーや押尾を見たいという人は個人発注してみては?

10月26日の酒井法子被告・初公判は当然傍聴券交付裁判になりますが、同じ日に統一教会絡みの印鑑販売会社「新世」の特商法違反事件の裁判があります。
この裁判には、統一教会の関係者多数が来ていて、昨日(2009/10/05)は傍聴希望者が二百何十人だったそうです。

まあ、この朝はものすごい人が東京地裁に集まるのでしょう。

問題は、あたしもこの日は東京地裁に行く予定をしていることでして(^_^;)
以前から、何度も報告しているホームオブハート裁判の傍聴に行きます。
この裁判は、傍聴券交付は無いですが、時間がほとんど同じ10時開廷(新世も10時開廷)ですから、多分まだ抽選の余韻が残る東京地裁に行くことになるのでしょう。

それにしても「傍聴券取得を代行する人材動員業者」なんて会社があるとは知りませんでした。
基本的にはお店の行列を演出したりする会社なのでしょうが、裁判所内ある司法記者クラブ所属の記者以外は一般傍聴人扱いだから、こんなことになるでしょうが報道各社が取材競争するような事件なんでしょうかねぇ?

10月 6, 2009 at 09:43 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.02

アメリカの外交問題って???

朝日新聞より「子ども「連れ去り」事件 日米ルールの違いで解決難しく

離婚した日本人の元妻が米国から実家の福岡県に子どもと帰国したため、子どもを取り戻そうとした米国人の元夫が、警察に未成年者略取容疑で逮捕された事件が、米国内で報道され、高い関心を集めている。

米国では、子どもを勝手に海外に連れ去ることは犯罪行為とみなされ、米国側も元夫を支援する。背景に、国際結婚が破局した場合の日米のルールの違いがあり、問題解決は難航しそうだ。

混乱の背景には「ハーグ条約」がある。

「拉致された家族を救うための行動が逆に日本で犯罪に問われた」「釈放に向けて外交努力が求められる」。CNNは「拉致」という言葉を使いながら、連日、大きな扱いで伝えている。

逮捕されたのは、米テネシー州の男性(38)。

福岡県警柳川署によると、逮捕容疑は9月28日朝、柳川市内の路上で元妻と一緒に登校中だった長男(8)と長女(6)を無理やり抱きかかえて車に乗せ、連れ去ったというもの。

元妻が110番通報し、福岡市の米国領事館に来た男性を警察官が発見し、逮捕。

署は30日午前、男性を未成年者略取容疑で送検し、今も勾留(こうりゅう)中だ。男性は「子どもに会いたかっただけ」と否認しているという。

テネシー州で4月から男性の代理人を務める弁護士によると、夫婦は今年1月に離婚。

両親がともに親権を持ち、子どもは母親と一緒に、男性宅の近所で住むことで合意した。

男性は米国人女性と再婚した。
ところが母親は男性に告げず、8月13日に子どもと帰国したという。
弁護士は「日本は、米国の法律を破った母親をかくまうべきではない」と主張する。

一方、離婚調停時に母親の代理人だった弁護士は「米国の法律を守らない行為は支持できない」としつつ、「母親は、常に支配的な男性の態度に悩んでおり、家族で一緒に住むことを望んでいなかった」と説明。

夫婦は日本での結婚生活後、08年6月に渡米したが、男性は渡米の翌日に離婚の書類を示した。日本生活が長い子どもたちも米国暮らしに慣れなかったという。

米国務省は取材に「個別事案にはコメントしないが、この問題については承知している」と指摘。

「日本は大事なパートナーで友好国だが、子どもの連れ去りについては意見が異なる。
米国で取り残された親は大きな心理的負担を強いられ、子どもを取り戻せないでいる」と話している。

県警は「子どもを無理矢理連れ去った行為自体が犯罪で、離婚の経緯などは事件と関係ない」としている。(ニューヨーク=田中光)

■ハーグ条約

国際結婚が破局した場合、一方の親が勝手に子どもを国外に連れ出さないよう求めている。国境を超えた「面接権」を定め、米国やカナダなど80カ国以上が加入している。

日本は未加入であるため、日本人の親が子どもと日本に帰国した際に、外国人の親が子どもを連れ戻すことは極めて困難だ。
トラブルが相次ぎ、欧米諸国は条約に加わるよう、日本政府への圧力を強めている。

この記事だけだと、アメリカの主張と日本の主張が衝突する理由が、ハーグ条約にだけ集約されるかのように見えますが、CNNにはこんなニュースが

CNNより「福岡で逮捕の米国人父、日本への帰化が判明 弁護士は外交問題と

東京(CNN)
離婚した元妻と一緒にいた子供2人を誘拐したとして福岡で逮捕された米国人の父親が、4年前に日本に帰化していたことが、警察の調べで30日、明らかになった。

このため、国際的な誘拐問題ではなく、日本国内における犯罪と見て警察は捜査を進める模様。

一方、逮捕された男性の弁護士はCNN番組で、「米国政府に訴えかけて子供を連れ戻す」と、外交問題として扱う構えを見せている。

事件は28日朝、福岡市内で発生した。逮捕されたクリストファー・サボア容疑者が、登校中だった子供2人と元妻に車で近づき、子供を無理やり車に乗せて逃走。福岡の米国領事館でパスポートを取得しようとしたが、元妻の通報を受けて駆け付けた警官に逮捕された。

サボア容疑者と元妻は米テネシー州フランクリンで暮らしていたが離婚。
元妻はフランクリンで住むという合意があったが、夏休みの間に元妻が子供を連れて日本に帰国したため、同容疑者が追ってきたとされている。

米国の報道によれば、テネシー州の裁判所は子供が連れ去られたと認定してサボア容疑者の親権を認め、フランクリン警察は元妻の逮捕状を取って行方を追っていたという。

このため、サボア容疑者の行動は米国において、子供を連れ戻す「英雄的な」ものと報道されている。

しかし、日本の警察の調べで、サボア容疑者が4年前に日本に帰化し、東京に本籍を置いていたことが分かった。

また、2人の子供は日本のパスポートを所持。さらに、サボア容疑者と元妻は日本において離婚手続きをしていなかったという。

このため、今回の事件は婚姻関係を継続している夫妻間で、夫が子供を連れ去った事件として扱われる可能性が高くなった。

同容疑者の弁護士ジェレミー・モーレー氏は29日夜、

「子供を米国に連れ戻せる可能性はかなり低くなった」との見方を示す一方で、「この問題を国際刑事警察機構(ICPO)に持ち込むつもりだ。
外向的な圧力をかけたい。米国政府には、強固な態度で対応してもらいたい」
と、あくまで外交問題として争うと声高に述べた。

外交かねぇ?単なる内政干渉になってしまうわけですが・・・・・。
アメリカ世論は天動説なのですねぇ。

ハーグ条約に抵触するのは、この父親の方なのだが・・・・・・

第224条(未成年者略取及び誘拐)

未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する

10月 2, 2009 at 10:35 午前 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.09.28

事故調査委員会が関わる事件は、免責するべきだ

共同通信ニュースより「補助ブレーキ28日から義務化 エレベーター事故防止で

扉が開いたままエレベーターが動いた場合、自動的に運転を止める補助ブレーキの取り付けを義務付けた改正建築基準法施行令が28日、施行された。

同日以降に着工する建物から適用される。
欧米や中国、韓国では既に義務化されており、消費者団体は「安全のために必要な取り組み」と評価。
適用対象は既設のエレベーターにも拡大される見通しで、新たなコスト負担に戸惑う声も出ている。

改正は2006年、東京都港区のマンションで男子高校生=当時(16)=がシンドラーエレベータ社製のエレベーターに挟まれ死亡した事故がきっかけ。ブレーキ不良で扉が開いたまま急上昇したのが原因だった。

国土交通省は昨年9月に政令を改正し、扉が開いたまま動いたことをセンサーが感知すると、補助ブレーキが作動して停止させる仕組みを義務付け、メーカー各社は新製品開発に乗り出した。

日本エレベータ協会(東京)によると、エレベーターかごをつるロープを挟んで急停止させる「ロープブレーキ」を取り付けたり、ロープ巻き上げ機の電磁式ブレーキを二重化するなどの対策を取った機種が国交省の認定を受けた。

しかし技術面や開発コストの問題から、中小エレベーターメーカーの中には認定が間に合わない社もあるという。
新機種は1基当たり数十万円から数百万円高く、新規にビルやマンションを造る場合、施工経費は増えることになる。

今ひとつ分からないのですが、メカニカルインターロックを義務づけるという理解で良いのでしょうか?

港区で高校生が死亡した事故は、ブレーキが解放されないまま運転を続けたために、ブレーキシューが摩耗してしまって、制動力が無くなったことが事故の原因でした。

ブレーキが解放されない状態で運転が続けられた、というのに驚くところで、ブレーキが解放端まで移動しないと、作動しないようにインターロックを付けるのは当然だと思っていましたが、その機能が無かったようです。

上記のニュースは28日の配信なのですが、直前の25日に港区の事故で有名になってしまったシンドラーエレベーター社が国交省に抗議したそうです。
サンケイ新聞より「事故の調査報告書に意見言えない シンドラーが国交省に抗議

東京都港区のマンションで平成18年、都立高生がシンドラーエレベータ製エレベーターに挟まれ死亡した事故をめぐり、国土交通省の昇降機等事故対策委員会が今月8日にまとめた「設計や品質に問題があった」とする調査報告書について、同社は25日までに「事前協議の場で意見を述べる機会が与えられなかった」と国交省に抗議した。

同社は「日本では平等な競争条件の下で製品を販売できず、事実上の保護貿易主義」と批判。
内容の削除などの主張が認められなければ法的な措置を取るとしている。

同社は報告書について、エレベーターの所有者の港区にメンテナンス情報を提供していることを盛り込んでおらず、事故原因と無関係と判明している障害が関係しているかのように書かれているなどと主張している。

直前にJR西日本が、福知山線脱線事故について事故調査委員会に接触し、内容の変更を求めていた、という問題がありました。
この問題については、山口利昭弁護士のブログ「ビジネス法務の部屋」のエントリー「JR西日本事故報道から探る不作為の過失(立件方針その1)」と「JR西日本事故報道から探る不作為の過失(立件方針-その2)」や、落合洋司弁護士のブログのエントリー「浮かび上がった「国鉄一家」の癒着 福知山線脱線情報漏洩」で広範に論じられています。

いずれも、国鉄一家といった閉鎖された組織内の価値観としてコンプライアンスの遵守が強うしないことが問題、といった論点で書かれています。

山口利昭弁護士は記事中に、郷原信郎弁護士

(元検事、桐蔭横浜大学法科大学院教授、名城大学教授・コンプライアンス研究センター長)
の著書「検察の正義」を取り上げて説明しています。

最近、元検事でコンプライアンス問題に詳しい郷原信郎先生が「検察の正義」(ちくま新書)を出稿されましたが※1、そのなかで鉄道事故に関する日米の刑事司法の在り方の差について触れておられます。

アメリカの場合は再発防止のために事故の真相究明が第一とされ、関係者には司法免責を付与して、事故に関する供述を最大限引き出すことに全力を挙げるそうであります。

いっぽう日本の場合には、航空・鉄道事故においても、一般の事件と同様に業務上過失致死被告事件として立件して、真実の発見も刑事司法が担うことになる、とのことで、ここが日米の大きな違いである、とされております。(上記著書61頁)

また、郷原先生は、公正取引委員会へ出向されていた経験から、独禁法違反事件の告発に関しては、公取委と検察との間には根本的な考え方の違いがあったとして、たとえば独禁法違反について公取委は法人単位、事業者単位、つまり企業その組織全体の行為として明らかにすればよく、個人の行為を特定することはほとんど行われなかった、しかし検察の考え方は事業者や法人企業ではなく、個人の行為につき成立するものであり、それを具体的に明らかにすることが刑事処罰の必要条件だとする伝統的な刑事司法の在り方に基づいていた、と述懐されておられます。(上記著書48頁以下)

このあたりの記述内容は、本件を(被告人に対する刑事追及の在り方を)検討するにあたり、とても参考になろうかと思います。

要するに、事故調査をどういうものと考えるのか?というところで、アメリカと日本では違ってしまっているし、日本では将来の事故の防止よりも起きた事故の刑事責任の追及が事故調査の目的になってしまっている、と言えます。

こうなると、シンドラーエレベータ社が港区の事故当時にノーコメントで押し通したのも無理はない、となってしまうわけで、事故原因の解明に協力すると、自分の刑事責任が重くなるというのでは、メーカーサイドは事故調に協力しなくて当然、と言えます。

一方、メーカーやサービス提供業者であるシンドラー社やJR西日本が、社会と会社の関係性をキチンと理解していれば、問題にならないことも、あまり考えていないだろうJR西日本は「事故調の調査を内偵しよう」などとやり出して、コンプライアンスを当然とする弁護士の皆さんを驚かせるわけです。

読売新聞より「内偵のつもりだった 福知山線漏えいで元委員

JR福知山線脱線事故の最終調査報告書案の漏えい問題に絡み、JR西日本の幹部と接触していた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の鉄道部会長だった佐藤泰生・元委員(70)が28日午前、記者会見し、

「(JR西の内情を)内偵するつもりで会っていた。誤解を招く行動で、大変反省している」
と述べた。

佐藤元委員は、2006年8月から報告書が公表された07年6月にかけ、国鉄時代の後輩だったJR西の鈴木喜也・執行役員東京本部副本部長(55)と都内の中華料理屋などで10回前後、会食していた。

佐藤元委員は、鈴木副本部長との接触を繰り返した動機について、

「日勤教育が事故の最大の問題だと思っていたが、JR西日本は認めようとせず、内情がよく分からなかった。
内偵のつもりで話を聞いていた」と説明。
鈴木副本部長との関係については、「古い知り合いで、東京で昔の友達と会うという場に行って、1時間ほど話を聞いて帰るということをしていた」
と述べ、あくまで独自調査の一環という認識を示した。

一方で、「情報漏えいは絶対にしないようにと気を使い、共通の知人の1人を横に置いていた」と釈明し、報告書の内容の漏えいについては否定した。

ただ、鈴木副本部長が聞きたい内容をメモにした紙を持参して質問し、「これはマルだね」「バツだね」と、審議の状況について答えたことがあった。また、「日勤教育のことは報告書に載りますか」と質問されて、「当たり前だろう」と答えたこともあり、「探りが入っているな」と感じたという。

会食の食事代は、「ウーロン茶と焼きそばくらいしか食べていないので、先に帰る時に同行者に2000円程度を渡していた」と述べた。

結局、事故調査なのか犯人捜しなのか、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の鉄道部会長ですら、キチンと定義できていないのでしょう。

では、直ちにアメリカ型の事故調査委員会に代わることが出来るのか?となると、一朝一夕にはいかないでしょう。

福知山線事故については想像できる事故原因には

  1. 運転士の個人的な過失(速度オーバー、ブレーキの遅れなど)
  2. 運転士を追い込んだ勤務態勢・管理体制
  3. ATSの未設置
  4. ダイヤの厳守のやりすぎ
  5. 線路の曲率変更
などが、すでに挙げられています。

刑事責任の追及となると、事故原因が複合的であるとしても、責任者は一人を追求することになりますから、上記のバラバラの事故要因については、いわば放置されるところが出てきます。
それでは事故調査ではないでしょう。

責任ではなくて、事故に至る経過を明確にすることで、より上流で事故防止が図ることができるようになるでしょう。
エレベータの問題でも、鉄道や航空機の事故についても、キチンとした事故調査がなされない、できる体制がない、ことが大問題だと思います。

9月 28, 2009 at 04:13 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2009.09.24

一審は無罪・控訴審は無期懲役、証拠は?

共同通信ニュースより「一審無罪の被告に無期懲役 大阪高裁 供述信用できず

神戸市中央区で質店経営者を殺害し、現金を奪ったとして強盗殺人罪などに問われた電気工(50)の控訴審判決で、大阪高裁は24日、無罪とした一審神戸地裁判決を破棄、求刑通り無期懲役を言い渡した。

判決理由で小倉正三裁判長は「質店前の自動販売機でたばこを買おうとしたら、被害者から防犯カメラの設置を相談され、店内に入っただけ」とする被告の主張を「見ず知らずの被告に相談するとは考えにくい」と指摘。

「被告の供述は不合理、不自然で信用できない」とした。

現場から被告が出てきたのを見たとする目撃証言も「明確に被告であると判断している」と述べた。

電気工は逮捕時から一貫して無罪を主張、凶器も発見されていないが、検察側は質店から指紋や足跡が見つかったことなどから、電気工の犯行と主張していた。

神戸地裁判決は「被告の弁解は排斥できず、目撃証言も1年10カ月後の判断で、疑問が残る」として無罪を言い渡した。

判決によると、電気工は2005年10月、神戸市中央区の質店で経営者の中島実さん=当時(66)=の頭を殴って殺害し、現金約1万円を奪った。

一審無罪が控訴審で無期懲役です。そもそも一審はどういう判決だったのか?

求刑無期懲役、判決有期懲役 2008年度というサイトに経緯が詳しく載っていました。

逮捕当初から電気工は、2年ほど前に現場に行って酒を飲んで話をしたことは認めているが、殺害については「やってません」と否認している。

公判前整理手続きを適用。4回の審理で結審した。

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008年4月21日の初公判で、電気工は「犯人ではない」と無罪を主張した。

検察側は冒頭陳述で、被害者の遺体が見つかった居室などから、電気工の指紋や足跡、唾液のDNA型や指紋が残った吸い殻が見つかったうえ、犯行直後とみられる時間帯に、布でくるまれた棒状のものを持った電気工が質店前の路上で目撃されていたと主張した。

一方、弁護側は冒頭陳述で、「血がついた指紋や足跡はなく、物色した引き出しなどからも指紋は検出されておらず、被告の犯行と立証する証拠にはならない」「電気工は事件当日、男性から防犯カメラの設置の相談を受けるため、店舗や住宅に招き入れられており、指紋や吸い殻はそのときに残ったもの」などと反論した。

2008年5月13日の論告求刑で、検察側は「体の不自由な被害者を何度も殴打するなど、犯行は冷酷だ」として無期懲役を求刑した。

これに対し、電気工は「殺していない」と主張、弁護側も最終弁論で「犯行時刻の数時間前に店を出ており、犯人ではない」「合理的な疑いが残る」として無罪を求めた。

判決で岡田裁判長は、

電気工が「(事件前に)近くで被害者に声を掛けられ、防犯カメラが設置できるか聞かれて招き入れられた。
室内を点検し、ビールを飲みながら話をしていた」と主張。
指紋などはこの際のものとする説明について、裁判長は「中核部分で一貫し、これに沿う客観的事実もあり、一概に排斥できない」
とした。

また、室内の灰皿に被告とDNA型や血液型が一致するたばこ12本の吸い殻があった点も「被告が吸った可能性が高いが、犯人とした場合、わざわざ証拠を残す行為で、容易に想定し難い」と述べた。

目撃証言については、目撃者が多くの写真から被告を選んだのが事件から約1年10カ月後だったことなどを指摘。「印象に基づく感覚的、主観的判断の側面が強く、採用できない」とした。

そして「被告を犯人とするには合理的な疑いが残る」として、無罪を言い渡した。

この一審判決では、確かに被告の行動はあまり普通ではないように思われるが、有罪である証拠が、目撃証言であって、目撃証言の信用度について一審では疑っている。

このよう構造の事件で、「被告の供述は不合理、不自然で信用できない」とするのは良いとしても、それが有罪にできるものなのか?

なんか、御殿場事件の「日にち以外は合っている」という判決と同等のものすごいものを感じます。
判決文を見てみたい。

9月 24, 2009 at 06:16 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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サンケイ新聞より「HPリース被害相次ぐ 個人事業者狙い 一部は訴訟に発展

個人事業主が「ホームページ(HP)を作れば問い合わせが増え、売り上げが上がる」と勧誘され、HP制作とコンピューターソフトを抱き合わせて数百万円の高額なリース契約を結ばされる被害が増えている。

実際はHPが作られなかったり、作られても集客効果がほとんどなかったりするケースが多いという。

リース被害の救済に取り組む大阪の弁護団には「詐欺的商法だ」としてすでに70件以上の相談が寄せられ、一部は訴訟にも発展している。

弁護団によると、こうした商法は数年前から全国的に増加。

HP制作はリース契約の対象にならないため、ソフトを抱き合わせてリース物件にしているのが特徴。

ソフトの大半は数万円程度の価値しかないにもかかわらず、契約者の無知につけ込み、契約総額は100~300万円に設定されているという。

相談を寄せる事業主の多くが小規模店舗を家族経営しており、「少しでも売り上げが増えれば」と契約。思ったような効果がなくても解約は認められず、クレジット会社から毎月の支払いを強く要求されるケースが目立っている。

大阪府門真市の工務店経営の男性(74)は突然電話してきた男から「HPを作りませんか」と勧誘を受けた。「新規の客が増えるなら」と心が動き、ソフトは不要と断ったが、「ええもんやから一回使って」と何度も強く言われ、いつでも解約できると考えて契約書にサインしたという。

月々の支払いは3万6千円。約1カ月後に仮のHPが制作されたが、HPを見たという問い合わせは全くなかった。半年たっても本格的なHPは完成せず、男性は解約通知書を送って支払いを停止。

ところが60回払いのリース契約になっていたため、クレジット会社が残額約195万円の支払いを求めて提訴してきた。

男性は「だまされて必要のないリース契約を結ばされ、多額の支払い義務を負わされた」として逆にHP制作会社とクレジット会社を相手取り、損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

HPが完成していない上、2つあるソフトは20万円以下で市販されており、男性は「何もせずに口先だけで契約させてもうける業者は許せない」と憤っている。

弁護団は「あいまいな説明しかしていないのに契約の詳細について了解を得たよう書類を整えるなど、手口は年々巧妙化している。
複数の業者が零細企業をターゲットに暴利行為を繰り返している」と批判し、契約に注意するよう呼びかけている。

「リース被害の救済に取り組む大阪の弁護団」というのは、「電話リース被害大阪弁護団」と同じところのようですが、ネット上では詳細な情報はありません。

小規模事業者にリースの形で、不必要な機材を売りつける商法の代表が電話機リースであったことを思い出しますと、ホームページリースも同種のものだとよく分かります。

最近、個人でHPを作りたいとの相談を何件か受けたのですが、いずれもインターネットにほとんどアクセスしていない人が「作りたい」ですので、ものすごい誤解をしていました。

一番問題なのは「情報発信をする気がない」ところです。

いずれも「一度作れば、その後は全くメンテナンスの必要がない」といった思い込みをしているようで、その一方で「検索エンジンに引っかかれば・・・」とか言っていました。

アクセスの多いHPではそれなりにメンテナンスとか努力とかしているわけで、その結果がアクセスとして現れることを、知らないのか、裏道があると思いこんでいるのでしょうか?といった感じでした。

なにしろ、自分ではやる気がないので「お金を払えば誰かがやってくれる」という思い込みがあるようで、どうして「他人が自分に代わって実現してくれる」と思いこめるのか、不思議です。

こういう「思い込みの人」が事業者だとリースでも引っかかってしまうのでしょう。

9月 24, 2009 at 10:17 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.14

重大事件で無罪の主張

読売新聞より「ビデオ店放火初公判、被告が全面否認・無罪主張…大阪地裁

2008年10月、16人が死亡、4人が重軽傷を負った大阪市浪速区の個室ビデオ店放火事件で、殺人、現住建造物等放火などの罪に問われた無職(47)の初公判が14日午前、大阪地裁(秋山敬(ひろし)裁判長)であった。

被告は「放火はしていません」と起訴事実を全面否認し、無罪を主張した。公判は8回行われ、10月15日に結審する予定。

被告は逮捕当初犯行を認めていたが、その後、否認に転じた。

検察側は、冒頭陳述で「被告は入店後、家族も財産も失って生活保護を受けるまでに至った人生を振り返って惨めな気持ちになり、自殺を決意。『巻き込まれて死ぬ人、ごめんなさい』と思いながら火を付けた。被告の個室から火が出たという目撃証言もある。逮捕後19日間にわたり『やったことは認めたい。正直になりたい』と話し、自白にも任意性がある」などと主張した。

一方、弁護側は「入店後、たばこ数本を吸い眠り込んだため、火の不始末で起きたのではという疑念は持っていたが、ライターで放火したことはない。現場検証で一番激しく燃えていたのは別の個室。そこが火元のはず」とし、当初の自白について「刑事に机をたたかれ、性格の弱い被告は怖くなり認めた。自白は、虚偽で認められない」と述べた。

東京新聞より「東金事件 無罪主張へ 弁護団『自白誘導、証拠と矛盾』

千葉県東金市で昨年九月、保育園児=当時(5つ)=が殺害された事件で、殺人罪などで起訴された被告(22)の弁護団が、十四日に千葉地裁で行われる公判前整理手続きで無罪主張することが分かった。

副島洋明主任弁護人は「現場の状況や証拠が被告の自白と矛盾する。自白は、知的障害があって迎合しやすい被告から、誘導により引き出された」などと話している。

副島弁護人は、被告は保育園児を自宅マンションの浴槽で水死させたとされるが、計四日間行われた自宅の捜索では保育園児の毛髪や指紋が検出されなかったと指摘。

保育園児の衣服が入ったレジ袋から、被告の指紋が検出されたことについては「専門家の意見で、浴槽でおぼれさせるには最低五分程度必要で、その直後に指の脂の取れた手では、指紋が付着しない可能性が高いという判断になった」と信憑(しんぴょう)性に疑問を呈した。

同弁護人によると、弁護団は七月、保育園児の体重と同じ十八キロの人形を使い、連れ去り現場周辺で再現実験を実施。

その結果、運動機能障害があって一般男性より力がない被告が現場から約三百メートル離れた自宅に保育園児を担いで運ぶことは不可能だと説明している。

また、休日のJR東金駅前の繁華街から連れ去ったにもかかわらず目撃者がおらず、浴槽に落として押さえ付けたのに、浴槽に抵抗した形跡がない、など不自然な点が多いとしている。

起訴状によると、被告は昨年九月二十一日午前十一時四十分ころ、自宅マンション近くの路上で見かけた保育園児を抱きかかえて連れ去り、浴槽で水死させ、同日午後零時二十分ごろ、遺体を近くの資材置き場付近に遺棄したとされる。

二件の重大事件ですが、被告は無罪を主張しています。

ビデオ店放火事件は、2008年10月の事件、保育園児殺害事件は2008年9月ですから、双方ともほぼ1年前の事件がようやく初公判になります。

すぐに逮捕されていますから、捜査が簡単では無かったと言えます。
そして、無罪主張ですから注目せざるを得ません。

特に東金の保育園児殺害事件は、証言に頼る立証は無理なのではないか、と強く思います。

9月 14, 2009 at 08:18 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.11

統一教会・印鑑販売事件・初公判

共同通信より「印鑑販売で「霊感商法」認める 統一教会信者らの初公判

「先祖の因縁」に結び付けて不安をあおり印鑑購入を迫ったとして、特定商取引法違反(威迫・困惑行為)の罪に問われた統一教会信者で印鑑販売会社「新世」(東京)の社長(51)は10日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)での初公判で起訴内容を認めた。

共犯として起訴された営業部長(40)と、法人としての同社も認めた。

検察側は冒頭陳述で、新世が統一教会の組織を背景に、宗教活動として通行人を勧誘。電話や訪問で接触を続けて洗脳、信者にして販売員を増やしていたと指摘した。

被告らは、販売員を「前線部隊」、販売成功を「勝利」と呼び、印鑑購入者は331人、契約総額は約2億3千万円に上るとした。

起訴状によると、被告らは2007年10月~09年2月、JR渋谷駅前で声を掛けた女性5人に「先祖の行いが因縁となり、あなたの運気を悪くしている」と不安をあおり、因縁を振り払うためと称して印鑑の購入を迫った、としている。5人は1本13万~40万円の印鑑計13本を購入した。

時事ニュースより「「新世」社長ら、起訴内容認める=高額印鑑販売事件-東京地裁

鑑定と称して不安をあおり高額な印鑑を購入させたとして、特定商取引法違反罪に問われた印鑑販売会社「新世」社長(51)、同社役員(40)両被告と、法人としての同社の初公判が10日、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で開かれ、被告らは「間違いありません」と起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で、被告らは、入信していた世界基督教統一神霊協会(統一教会)の宗教活動として、通行人らを洗脳し、献金として全財産を拠出させていたと指摘。

印鑑販売を洗脳の初期段階と位置付け、相手を威迫して売りつけることを繰り返し、購入者は判明分だけで331人、契約金額は約2億3000万円に上ったとした。(2009/09/10-12:41)

毎日放送ニュースより「高額印鑑販売、社長ら起訴内容認める

「先祖の因縁がある」などと不安をあおって、声をかけた女性らに高額の印鑑を購入させた事件の初公判が東京地裁で開かれ、特定商取引法違反の罪に問われた印鑑販売会社の社長らは、起訴内容を認めました。

東京・渋谷区の印鑑販売会社「新世」の社長(51)と営業部長(40)は、おととし10月から今年2月にかけ、JR渋谷駅前で声をかけた女性5人に「先祖の行いが因縁となってあなたの運気を悪くしている」と不安をあおり、印鑑13本をおよそ420万円で購入させたとして、特定商取引法違反の罪に問われています。

10日、東京地裁で開かれた初公判で、被告らは「間違いありません」と起訴内容を認めました。

一方、検察側は冒頭陳述で、「被告らは入信している統一協会の組織を背景に、宗教活動として通行人を勧誘し信者化させ販売員を増やしていた」と指摘。その上で「相手を威迫し困惑させながら販売するマニュアルを作成し、少なくても331人に販売、契約総額は2億3000万円に上った」と主張しました。(10日18:50)

FNNニュースより「高額印鑑販売事件初公判 印鑑販売会社社長ら、起訴事実認める 東京地裁

不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして、特定商取引法違反の罪に問われている印鑑販売会社社長らの初公判が東京地方裁判所で開かれ、社長らは起訴事実を認めた。

東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長(51)らは、2007年から2009年2月にかけて、都内で女性らに声をかけ、「先祖の因縁が運気を悪くしている」などと不安をあおり、印鑑を高額で購入させたとして、特定商取引法違反の罪に問われている。

被告は「間違いありません」と述べ、起訴事実を認めた。

検察側は、冒頭陳述で「被告らはいずれも統一教会(世界基督教統一神霊協会)の信者で、印鑑販売を一連の感化・洗脳の最も初期の段階に位置づけ、困惑させる行為を繰り返した」と指摘した。

統一教会の事件については、紀藤弁護士が長年取り組んでいるもので、今回の裁判の対象になった事件についても「警視庁頑張れ!ついに警視庁が霊感商法店舗の一つ「新生」に家宅捜索に入りました。東京では初摘発ではないかと思います。」と丁寧な記事を書いています。

つまりは、特定商取引法違反事件として手続きの不備あるいは、手続きについて被害者を欺(だま)した、とする趣旨での立件・裁判ということも十分にあり得るわけです。
紀藤弁護士らが長年にわたって「霊感商法の問題」として取り上げている範囲にまで検察が踏み込むのか、踏み込むとするとどの範囲まで踏み込むのか、を注目していました。

多くの報道を集めてみたのは、報道の内容が微妙に違っていることと、実際に傍聴した方のお話によると、検察はかなり踏み込んだ冒頭陳述をしたと考えたからです。
赤字のところに注目しました。

  1. 統一教会の宗教活動である
  2. 洗脳である
  3. 信者獲得のための勧誘である
  4. 信者にしてから販売員に仕立てて、さらに拡大を狙った
  5. 「前線部隊」「勝利」といった、組織・用語を特定している
  6. 献金として全財産を拠出させていた
  7. 印鑑販売は洗脳の初期段階
  8. 相手を威迫し困惑させながら販売するマニュアルを作成
  9. 印鑑販売を一連の感化・洗脳の最も初期の段階と位置づけていた

検察側は思い切り踏み込んでいる、と言えるでしょう。

考えようによっては、宗教弾圧になってしまうわけですが、カルト宗教で大変な被害を生み出している、というところまで踏み込まないと、問題を解明できないというのは霊感商法事件で被害者・弁護団が以前から強く主張されていたことです。

今回、検察の行った冒頭陳述は、霊感商法全体に網を掛けるぞという意思表明であり実行である、と見るべきなのでしょう。
この裁判の今後の展開には注目しなければなりません。

報道は比較的地味ですが、東京地裁は直前で傍聴券の抽選を決め、3倍ぐらいの倍率になったとのことでした。

9月 11, 2009 at 09:39 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.09

肝臓切除手術で傷害致死事件?

朝日新聞より「不要手術で傷害致死容疑 奈良県警、医師を家宅捜索へ

診療報酬を不正受給したとして逮捕、起訴された医療法人雄山会「山本病院」(奈良県大和郡山市、休止)の前理事長で医師(51)らが、男性入院患者に不必要な肝臓の手術を実施し、失血死させていた疑いのあることが、病院関係者らへの取材でわかった。

奈良県警は近く、傷害致死容疑で、前理事長と、手術に立ち会った男性医師の自宅などを家宅捜索する方針を固めた。

医師の手術を巡って、医療過誤の結果、患者を死なせたとする業務上過失致死容疑ではなく、故意に傷つけ死に至らしめたとする傷害致死容疑を適用した強制捜査は極めて異例。
亡くなった患者の遺体は火葬されており、県警は立件の可否について奈良地検と協議を進めて判断する。

病院関係者らによると、前理事長と男性医師は06年6月ごろ、50歳代の患者を肝臓がんと診断し、必要のない手術をして大量失血で死亡させた疑いが持たれている。医師は当時、山本病院に勤務していた。

県警が、外部の複数の専門医らにこの患者の患部のCT(コンピューター断層撮影)画像や血液検査の結果などを見せたところ、「肝臓の腫瘍(しゅよう)は良性で、手術は不要だった」との証言を得た。

前理事長らは手術前にCT検査などをしただけで詳細な病理検査を怠った疑いがあるという。前理事長らは心臓血管外科が専門で、肝臓がんの手術は不慣れだったとされる。

県警は、前理事長らから手術に至った経緯について事情を聴く。

県警は、別の入院患者らに対し、心臓の血管を広げる金属製の筒「ステント」を挿入するカテーテル手術をしたように装って、診療報酬を不正に受給したとする詐欺容疑で7月に前理事長を逮捕。
山本病院への家宅捜索で、男性患者の死亡診断書やCT画像などを見つけた。

診断書に死因は「心筋梗塞(しんきんこうそく)」と記載されていたが、病院関係者らから「不必要な手術で亡くなった」との内部告発を受けるなどしたため、捜索に踏み切る。

県内のある救急医は「肝臓のがんの切除は特殊な技術を要し、専門外の医師が手術するのは考えられない」と指摘する。

診療報酬詐欺で逮捕された前理事長が金もうけに以前から奔走していたように報道がありました。
その意味で、ステントを挿入したことになっていたのに、レントゲン撮影をしたら入っていなかったというのは、以下にも詐欺という感じでした。

医療関係の詐欺では、ニセ薬が非常に多いのですが、多くの場合は全く効き目がない物質をクスリと偽っていますから、バイアグラのニセ薬などでは、ニセ薬は危険がないなど言われています。

それが、ステントの挿入となると専門的な手術ですから、事故もあるようで詐欺の対象としては危険なことだとは思っていました。

それが肝臓切除とは驚きました。

詐欺目的の手術だったのでしょうかね?常識的に考えて、詐欺として成立しないのではないかと思います。

青戸病院腹腔(ふくくう)鏡事件と似ているような気がします。

慈恵医大青戸病院で、腹腔(ふくくう)鏡手術の経験のない医師チームが「手術経験を積みたい」と実施して患者が死亡した事件です。

手術経験を積みたいから、肝臓切除をやったというのでは論外だと思うのですが、これが詐欺目的であるのならば、ステントを挿入しないの同じことで、肝臓切除手術したフリをして済ませることもできたと思います。

肝臓切除の危険性を知らないとはとうてい思えませんから、青戸病院事件と同じような「興味でやったみた」なのでしょうか?

被告の前理事長には、若いころから問題視されていたとの報道もあり、その時点で現場から排除できればこれほどの事件にはならなかったとは思います。
医師や弁護士などの職能団体は、厳しく業界内を律することが必要であると強く感じます。

9月 9, 2009 at 09:02 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.14

東京医科大・茨城医療センターの診療費不正請求

朝日新聞より「診療報酬2万人分不正に請求 東京医大茨城医療センター

東京医科大学付属の総合病院、茨城医療センター(茨城県阿見町)が、センター長の同大学理事の指示で診療報酬の不正請求を繰り返していた疑いがあることが、同大学の内部調査でわかった。

総額1億1870万円の診療報酬を不正に請求していたといい、厚生労働省関東信越厚生局が立ち入り調査を始めた。

同理事は7月24日付でセンター長を辞任した。

医療費は患者が1割から3割を負担し、残りは国民健康保険や社会保険などから医療機関に診療報酬が支払われる。
不正請求があったのは昨年4月~今年5月とされ、同大学側は、この間に入院した患者や高度医療を受けた通院患者ら延べ2万人以上が、不正請求に連動して高い医療費を負担させられたとみて、患者らへの返還手続きと、関係者の責任追及を進めるという。

大学側によると、不正請求は、病院の患者数を減らして勤務医の負担を軽減するなどの目的で昨年4月の診療報酬改定で導入された、三つの制度を悪用して行われた。

例えば、一定期間に退院した患者のうち、治癒した人と別の医療機関に紹介した人の合計が40%を超えると、病院は通常より高い診療報酬を請求できる。
同センターは実際は5.6%と適用外だったのに、43.4%と基準を上回っているように装い、昨年4月1日から今年3月31日まで9111万3千円の報酬を不正に受領していた。

ほかの二つの制度でも虚偽の数字や架空の職員名を使うなどして、本来は適用されない加算制度を申請していたという。

今年2月、千葉・茨城の私立医科大学付属病院長会議のアンケートで、新たな加算制度を採用している病院が少ないのに同センターの加算請求が際だっていることが表面化。

センター長は3月、一部の利用だけ辞退し、ほかは不正請求を続けるよう指示していた。5月、内部告発が大学本部にあり発覚した。

同センターは7月21日に診療報酬請求が不適切だったと公表したが、センター長は朝日新聞の取材に「計算間違いや担当職員の勘違い」と説明し、不正ではないと否定。
その後は大学を通じた取材に回答していない。

内部調査の進展を受け、同センターは「センター長が申請した数字の根拠がどこにも見あたらなかった。全容解明と再発防止に全力を尽くす」とコメントした。(沢伸也、吉野慶祐)

〈学校法人東京医科大学〉 大学医学部、大学院などのほか大学病院(東京都新宿区)、八王子医療センター(八王子市)など三つの付属病院と二つの看護学校を持つ。

茨城医療センターは病床数508床の付属総合病院。07年に地域がん診療連携拠点病院の指定を受けた。今年4月に「霞ケ浦病院」から名称変更した。

この事件はどうも朝日新聞しか報道していないようなのですが、どうにもよく分からない事件です。

言うまでもなく、病院内では色々な書類が作成されるはずなので、全体をごまかすのはかなり難しいでしょう。
原理的には、請求の書類だけを書き換えれば済むわけですが、元のデータと全く違うデータを作り直したというのなら、すぐにバレる。

最近の大病院では電子カルテ化が進んでいますが、電子カルテでは基本的に情報が一元化されるので、ますます一部分の書き換えは難しい。

内部告発があったとのことだから、内部で不正が行われていることは知られていたのだろうけど、 組織を挙げて不正を働いたということではないようだから、ますます「どうやって誤魔化したんだ?となってしまいます。

同センターは7月21日に診療報酬請求が不適切だったと公表したが、センター長は朝日新聞の取材に「計算間違いや担当職員の勘違い」と説明し、不正ではないと否定。
その後は大学を通じた取材に回答していない。

内部調査の進展を受け、同センターは「センター長が申請した数字の根拠がどこにも見あたらなかった。
全容解明と再発防止に全力を尽くす」とコメントした。(沢伸也、吉野慶祐)

こうなると「何を言っているかわけが分からない」と言うべきで、現在のところ謎ですね。

8月 14, 2009 at 09:13 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.11

失神させても体罰というのか?

サンケイ新聞より「はげ に怒り生徒に体罰 兵庫の市立中男性教諭を戒告

兵庫県教育委員会は11日、「はげ」と言われたと勘違いし男子生徒に体罰を加えたとして、同県加古川市立中の男性教諭(56)を戒告の懲戒処分とした。

県教委によると、教諭は4月20日午前、2年の授業中に男子生徒が同じクラスの女子生徒を「はげ」とからかったのを、自分に言っていると勘違いして注意した際、首を右手で押さえて失神させた。

男子生徒はその場ですぐに目を覚まし、ほかにけがはなかった。教諭は「胸ぐらをつかもうとして首に手が入ってしまった」と話しているという。

クビを締めて失神させて、体罰は無いだろう。

刑事事件として捜査するべきだ。

8月 11, 2009 at 09:11 午後 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

少年院リンチ事件・とうとう首席教官逮捕

朝日新聞より「少年への特別暴行陵虐容疑 広島少年院元首席専門官逮捕

広島地検は11日、奈良少年院(奈良市)の次長で、広島少年院(広島県東広島市)の元首席専門官(47)を特別公務員暴行陵虐の疑いで逮捕し、発表した。

地検によると、元首席専門官は同少年院の首席専門官だった05年9月ごろ、当時16歳の在院少年の首にシーツを巻き付けて自分で絞めさせたうえ、遺書を書くように言い、さらに洗剤を混ぜてガスを発生させたポリ袋を少年に近づけ、吸わせようとした疑いなどが持たれている。
元首席専門官は地検の調べに「洗剤を使ったことは認めるが、ほかはあまり覚えていない」と話しているという。

広島少年院では、在院少年に暴行を加えていたとして、法務教官4人が同容疑で逮捕、起訴されている。

NHKニュースより「広島少年院 元首席専門官逮捕

広島少年院で教官4人が少年たちに暴行や虐待を繰り返していたとして逮捕・起訴された事件で、少年院の教育部門のトップだった元首席専門官が少年に暴行を加えていたとして、特別公務員暴行陵虐の疑いで新たに検察に逮捕されました。元首席専門官は容疑を否認しているということです。

逮捕されたのは、東広島市にある広島少年院の元首席専門官で、現在は奈良少年院の次長(47)です。

広島地方検察庁の調べによりますと、元首席専門官は平成17年9月ごろ、広島少年院の体育館などで少年の首をシーツで絞めたうえ、洗剤を混ぜ合わせて発生させた塩素系のガスを吸うよう迫るなどの暴行や虐待を加えたとして、特別公務員暴行陵虐の疑いが持たれています。

検察によりますと、元首席専門官は、同じ少年に遺書を書くようにも迫っていたということですが、調べに対し容疑をすべて否認しているということです。

首席専門官は少年院の中で少年たちを教育する部門のトップで、一連の暴行事件で逮捕・起訴されている4人の教官も、元首席専門官による暴行をほかの教官から聞いて知っていて、このうち1人は「参考にして自分もやってみようと思った」などと供述しているということです。

検察は、少年院で大きな影響力を持っていた元首席専門官の言動が4人の教官による暴行や虐待の背景にあったのではないかとみて調べています。

元首席専門官の逮捕を受けて、広島少年院を管轄する広島矯正管区の林和治管区長は「幹部が逮捕され、国民の皆様の信用を著しく損なったと言わざるをえず、きわめて遺憾で深くおわびいたします。今後も調査を進め、再発防止策も含めて適切に対処していきます」とコメントしています。

すでに逮捕されている、4人の教官の中には27歳で新人も居て、どう考えても本人が勝手にやったとは言いがたい状況でした。

仕組みとして、どうすればこのような事ができるのか?を解明するべきでしょう。

8月 11, 2009 at 08:41 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.03

オリコン裁判終了

朝日新聞より「オリコンが請求放棄、和解 コメント巡る名誉棄損訴訟

音楽チャートの統計手法をめぐる雑誌記事のコメントで名誉を傷つけられたとして、音楽市場調査会社「オリコン」(東京都港区)が、コメントをしたフリージャーナリストに賠償を求めた訴訟は3日、オリコン側が請求を放棄して東京高裁(奥田隆文裁判長)で和解が成立した。

一審・東京地裁はジャーナリストに100万円の賠償を命じたが、実質的な逆転勝訴で裁判が終了した。

訴訟の対象となっていたのは、月刊誌「サイゾー」の06年4月号に掲載された「ジャニーズは超VIP待遇!?事務所とオリコンの蜜月関係」など。

サイゾーも控訴審から利害関係人として訴訟に参加した。

ジャーナリストと代理人によると、和解では、サイゾーがコメントは不正確で了解を得ないまま掲載したことを認めたうえで、ジャーナリストに賠償として500万円を支払い、オリコンに対しても「読者に誤解を与えたこと」を謝罪することが決まったという。

う~ん、なんか微妙な結果になりましたね~。

どう考えても、訴訟恫喝そのものなのですが、それについての結論が出たと言えるものなのでしょうか?

8月 3, 2009 at 09:36 午後 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.07.07

クレジットカードと通販サイト・危ない

サンケイ新聞より「計算で他人の番号 「クレジットマスター」初摘発 警視庁きょう男に逮捕状

カード番号に特殊な計算を施し、ほかのカード番号を割り出す「クレジットマスター」という手口を使って、不正にインターネットで商品を購入していたとして、警視庁は6日、窃盗の疑いなどで大阪市内の無職の男(45)の逮捕状を7日に取る方針を固めた。

捜査関係者によると、クレジットマスターによるカード犯罪の摘発は全国初だという。

こうした手口はカード会社などで問題となっており、被害防止に向けて抜本的な対策を迫られそうだ。

カード会社関係者や捜査関係者によると、クレジットマスターは、実際のカード番号に複雑な計算を加え、他人のカード番号を割り出す手口。

ネットには、カード番号と有効期限を登録すれば買い物ができる通販サイトがあり、この手口で不正に入手した番号を打ち込むと、実在のカード番号に当たる可能性がある。
有効期限は元のカードの期限がそのまま該当する場合がある。

中野署の調べによると、男はクレジットマスターを使って、大手カード会社の他人のカード番号を入手。
平成20年7月20日、ネットで都内の通販会社から、テレビなど8点(20万円相当)を盗んだとされる。男は所在不明で、同署は覚せい剤取締法違反容疑でも逮捕状を取り、指名手配する方針。

捜査関係者によると、男は覚醒(かくせい)剤の売買を通じて知り合った顧客らから、これまで計10枚のクレジットカードを譲り受け、クレジットマスターで68枚分のカード番号を入手。
ネットで家電品など約300件、総額1千万円分以上を購入していたという。オークションサイトなどで転売して利益を得ていたとみられる。

男の知人(20)=大阪市=は、窃盗と電磁的記録不正作出・供用の罪で既に起訴されている。

クレジットマスター

16けたのクレジットカード番号のうち複数のけたに、決まった数字を足し引きしていくと、特定の回数で元の番号に戻る。

その過程で出てきた番号は、他人が使用しているものに該当する可能性があるという。

カード番号の並びの規則性を悪用した方法。

こうした計算を瞬時に行う自動ソフトも出回っているとされる。
カード業界の関係者などによると、10年ほど前から被害が確認されているが、具体的な防止策は見つかっていない。

サンケイ新聞より「番号流出に打つ手なし クレジットマスタ

インターネット決済とクレジットカード番号の規則性を悪用した新たなカード犯罪の一端が明らかになった。

警視庁が7日に窃盗容疑などで逮捕状を取る大阪市の男らは、カード番号と有効期限だけで簡単に決済できるネットの通販サイトに着目。

「クレジットマスター」と呼ばれる手口で、他人になりすまし購入を繰り返していた。

カード番号の仕組み自体を悪用しているため、カード会社なども番号流出の防止に打つ手がないのが実情だ。専門家は「ネット決済に暗証番号の項目を追加するなどの対策が急務」としている。

カード会社関係者によると、これまでカード犯罪では、スキマーと呼ばれる機械を使ってカードの磁気情報を盗み取る「スキミング」や、偽のウェブサイトのURLを張りつけたメールを送りつけ、カード情報を登録させる「フィッシング」と呼ばれる手口の被害が目立っていた。

特殊な機械や技術が必要なこれらの手口に比べ、クレジットマスターは元になるカードがあれば、あとは計算を繰り返すだけの比較的単純なものだ。
男らは、通販業者のサイトで次々と番号を打ち込んでいくことで、実在する他人のカード番号に行き着いていた。

NPO法人「日本情報安全管理協会」(東京都)は、「クレジットマスターによってカード番号を知られることは防ぎようがない。ネット上で不正利用するため、犯人にとってリスクの低い手口」とする。

複数のカード会社によれば、クレジットマスターの被害報告は約10年前から寄せられているという。

日本クレジット協会の調査では、今年1~3月までのスキミングやフィッシングなど不正行為による被害額は25億9000万円。クレジットマスターによる被害件数もこの中に含まれるとみられるが、カード会社が詳細を公表しないため、実際の被害は不明だ。

カード会社関係者は「サイト上でより多くのカード情報や個人情報を打ち込むシステムにするなど、業界で統一ルールを作る必要がある。
ある程度、ネット利用者に手間をかけてもらうしかない」と指摘する。

ただ、業者にとってはハードルが低い方が客を呼び込みやすいという本音もある。ある通販業者は「打ち込む情報が少ない方が買い物が便利」と、ネット決済の煩雑化には及び腰だ。

日本情報安全管理協会は「決済はカード会社の問題と考えられており、販売側にとってひとごとなのではないか」としている。

この手の記事はあまり詳細を書かないものですが、そのために実際に何が問題なのかよく分かり分かりません。

本質的には、16桁の番号と有効期限だけなら、自動生成で簡単に出来てしまうのは明らかで、リトライを許していればそりゃ破られるでしょう。

どうしたものでしょうか?

7月 7, 2009 at 08:52 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.02

印鑑商法の裏側

朝日新聞より「印鑑商法事件、信者に給与名目の現金 統一教会に上納か

印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)が不安をあおって印鑑を売りつけたとされる事件で、新世が、勤務の実態がないのに、少なくとも100人以上に給与名目で年間計数千万円を振り込んでいたことがわかった。捜査関係者が明らかにした。

いずれも世界基督教統一神霊協会(統一教会)の信者といい、警視庁公安部は、新世の販売収益の一部が個人献金の形で統一教会側に流れていたとみて裏付けを進めている。

東京地検は1日、法人としての新世と、社長(51)、営業部長(40)の両容疑者を特定商取引法違反(威迫・困惑)の罪で起訴した。販売員の女5人は同罪で略式起訴され、同地検によると、いずれも罰金100万円を納めたという。

捜査関係者によると、新世から振り込みがあった口座の名義人のうち約70人は、新世で働いていた実態がなかった。

1日程度働いたことが確認できた者を含めると、「給与」を受け取っていたのは百数十人にのぼるという。

また、ほとんどのケースで、振り込み直後に口座からほぼ全額が引き出されているという。

公安部は、信者が現金で、統一教会側に「上納」していたとみている。

社長が頻繁に、統一教会の南東京教区長を務めていた幹部(50)から印鑑の販売について指示を受けていたことがすでに判明している。

公安部は今後も、幹部が違法な販売活動に関与していたかどうかを調べる。

社長(51)、営業部長(40)の両容疑者を特定商取引法違反(威迫・困惑)の罪で起訴した。に出てくる特定商取引法の該当条文は以下です。

第6条(禁止行為)

販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。

  1. 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
  2. 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
  3. 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
  4. 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
  5. 当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
  6. 顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
  7. 前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
  1. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
  2. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない
  3. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。

第6条の2(合理的な根拠を示す資料の提出)

主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第八条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。

第70条

次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  1. 第六条第一項から第三項まで、第二十一条、第三十四条第一項から第三項まで、第四十四条又は第五十二条第一項若しくは第二項の規定に違反した者
  2. 第八条第一項、第十五条第一項、第二十三条第一項、第三十九条第一項から第三項まで、第四十七条第一項又は第五十七条第一項の規定による命令に違反した者

第71条

次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  1. 第六条第四項、第三十四条第四項又は第五十二条第三項の規定に違反した者
  2. 第三十七条又は第五十五条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者

社長と部長の逮捕容疑は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科に該当ということですね。

で、公安部は、信者が現金で、統一教会側に「上納」していたとみている この部分は、統一教会本体への捜索のとっかかりということでしょう。
今後どういう展開になるのか、非常に注目するべきだと思います。

7月 2, 2009 at 08:59 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.29

松本引越センター元会長・またも偽造小切手事件に関与?

産経関西より「松本引越センター元会長、偽造小切手の購入打診 200億円を10億円

ゾウのマークで知られた「松本引越センター」(大阪府四條畷市、破産手続き中)の元会長(74)らが、額面200億円の偽造小切手のコピーを兵庫県伊丹市の運送会社に示し「10億円で購入する人がいないか」と持ちかけていたことが28日、分かった。

元会長は産経新聞の取材に「本物と思って話しただけ。偽造とは知らなかった」と釈明しているが、持ちかけられた運送会社の関係者は、一連の経緯を大阪府警に情報提供しているという。

運送会社の男性社長によると、元会長は6月初め、旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)で平成8年1月に振り出されたとする額面200億円の偽造小切手のコピーを見せ、「これは本物だ。購入する人がいないか」と打診。
男性社長は数日後、「まずコピーがほしい」と要求すると、「30億~40億円の話だが10億円でいい」と答えたという。

元会長はその後、男性社長にコピーを渡したうえ、同月15日に「実物を見せたい」と話したという。
翌16日に元会長の代理を名乗る男ら2人が、小切手について「韓国の政界に流れていたものが日本に持ち込まれた。極秘の裏金なので、銀行は簡単に換金に応じない」と男性社長に説明した。

産経新聞が小切手のコピーを入手、みずほ銀行に照会したところ、同行経営企画部は「記載の振出日に200億円の小切手が振り出された事実はなく、印影も異なるなど明らかに偽造」としている。

元会長は取材に対し、「(ある人から)コピーをもらったから、持っているという話を(男性社長に)しただけ。向こうが売ってくれと言うから10億円で、ということになった」と話した。

松本引越センターをめぐっては19年9月、元会長の長男の元社長=当時(43)=が自殺したのに続き、元会長が総額6億円の個人名義の手形を振り出し、無断でグループ会社2社に裏書保証させていた問題が表面化。
同社は昨年9月、民事再生法の適用を大阪地裁に申請したが再建を断念した。

2008年4月6日の記事、「手形偽造事件拡大」と同じような事をまたやった、という印象が強いですね。

どうも上場企業の手形(小切手)偽造グループに元会長がガッチリと絡んでいるのでは無いでしょうか?
しかも、単なる個人レベルの仕掛けではなくて、本当に大企業の役員レベルが関係しているようなので、どうもM資金事件と同様な本格的(?)な偽装事件の一角なのではないのか?と感じます。

6月 29, 2009 at 09:37 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.27

痴漢事件・落とし所が難しい

サンケイ新聞より「痴漢認めた同大生を即釈放 1カ月後に現行犯逮捕 京都・伏見署

京都市内の地下鉄駅構内で今月5日、女子高校生の体を触ったとして京都府迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕された同志社大学2年の男(20)=同条例違反罪で起訴=が、この約1カ月前にも電車内で女性の体を触ったとして取り押さえられながら、伏見署が任意捜査にとどめてその日のうちに帰宅させ、起訴の1日前になって書類送検していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。

男は昨年10月にも電車内で痴漢行為をしたとして大阪府警に逮捕されていたが、伏見署は「逃亡などの意志はなく、捜査に問題はなかった」としている。

男は5日朝、同市上京区の市営地下鉄今出川駅で、改札口を出た高校1年の女子生徒(15)の胸をすれ違いざまに触ったとして、駆けつけた上京署員に現行犯逮捕された。

上京署によると、男は「以前からずっとやっていた。おとなしそうな女性を狙った」として約20件の痴漢行為を自供。さらに「電車内では逃げ場がなくて捕まった。今回は逃げられるように初めて車外でやった」と供述したという。

一方、男は5月8日朝、京阪電車の出町柳発中之島行き快速急行の車内で、隣に座っていた大阪府枚方市の女性会社員(33)の胸を触ったとして乗客に取り押さえられ、丹波橋駅(同市伏見区)で駅員を通じ伏見署員に引き渡された。

伏見署によると、このとき男は「間違いなくやりました」と痴漢行為を認め、男が述べた住所に間違いがないことも確認。男は昨年10月にも、枚方市内を走行中の京阪電車内で同様の痴漢行為をしたとして大阪府警に逮捕され、その後罰金30万円の略式命令を受けていたが、同署は逮捕要件に該当する逃亡や証拠隠滅の恐れはないと判断し、逮捕せず帰宅させたという。

男は今出川駅の事件をめぐり今月23日に起訴されたが、伏見署は前日の22日になって5月の事件を書類送検。今出川駅の事件と併せて起訴された。

一連の経緯について、伏見署の小林晃副署長は「(5月の事件は)逮捕の要件に当たらず、任意捜査で十分と判断した。当時の捜査に問題はなく、その後も捜査を続けていた」としている。

また、男が通う同志社大は、5月以前の事件について「把握できていなかった」とする一方、「あくまで個人の起こした事件だが、本人と面会して事実確認ができ次第、教授会で処分を検討したい」としている。

サンケイ新聞の記事のトーン「常習犯なのだから即釈放は問題だ」といったところなのでしょうが、今回「約20件の痴漢行為を自供」というのは厳しく取り調べられたからなのでしょう。

時系列を整理すると

  • 昨年10月 京阪電車内 罰金30万円
  • 5月8日 京阪電車内
  • 6月5日 地下鉄駅構内
  • 6月22日 5月の事件を書類送検
  • 6月23日 5月の事件で起訴。6月5日の事件でも起訴

まあ忙しいヤツです。

こんなのはちょっとでも長く留置場に入れておけ、という意見もあるとは思いますが、手続的には釈放で妥当でしょう。
確かに結果を見ると、何とかしろよ、という感じはありますが、それは結果論ですからね。

しかし本当にしょうもないヤツだな。

6月 27, 2009 at 05:26 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.17

若者がんばってる

読売新聞より「女子高生スナックママ、年上ホステス8人使う…札幌で摘発

札幌市厚別区で無許可のスナックを開いたとして、札幌厚別署が「ママ」を務めていた女子高生(18)らを風営法違反容疑で逮捕、送検していたことが17日、わかった。

◆資格も取得、商才発揮◆

捜査幹部によると、この女子高生はホステスとして働きながら食品衛生責任者の資格を取るなど勤務態度を評価され、2年生だった今年1月、店長に昇格。
年上のホステス8人を使いながら店を切り盛りする“敏腕”ぶりで、売り上げが月200万円を超える時もあったという。

摘発されたのは同区厚別中央のパブスナック「ムーン」。
捜査幹部によると、女子高生は今年5月、経営者の男(34)とともに、北海道公安委員会の許可を受けずに同店を営業、女性従業員に接客をさせた疑い。

女子高生は親元を離れ、札幌市内で一人暮らしをしながら通信制高校に在学。生活費と学費を稼ぐため、市内の複数のスナックなどで働き、昨年10月、同店に移ったという。

ママに昇格した後も、飲み放題メニューを設定したほか、ホステスの誕生会を開くなど気配りも忘れない商才を発揮したが、学校は休学状態になっていた。

女子高生は現在、少年鑑別所に収容されており、「働いているうちに学校が面倒になってしまった。今はちゃんと高校を卒業したい」と反省しているという。

(2009年6月17日12時52分 読売新聞)

大したものだと思う。

経営者が、無許可だったのが悪い。

6月 17, 2009 at 01:49 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

厚労省の証明書偽造事件のいきさつは?

東京新聞より「偽証明書入手前にDM契約 凜の会、厚労省に発行急がす

郵便制度悪用に絡む公文書偽造事件で、「凜の会」(現・白山会)が障害者団体の偽造証明書を厚生労働省から得る前に、初のダイレクトメール(DM)の割引発送契約を広告主と結んでいたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。

割引発送できる低料第3種郵便物制度の利用には証明書が必要で、大阪地検特捜部は、契約が早く成立してしまったため、凜の会側が前局長らに発行を急がせたとみている。

複数の関係者の供述によると、凜の会は2004年2月ごろから、国会議員が電話したり、同会設立者(73)が訪問したりして発行を依頼。

厚労省側は、議員の電話を受けた当時の障害保健福祉部長(57)が障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長)に対応を指示したとされる。

捜査関係者によると、凜の会はその後、専門学校のDMの格安発送を同年6月から開始する契約を締結。

しかしこの時点で証明書はなく、低料第3種制度の承認も得られていなかった。

このため同会設立者は障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長)に発行を再三催促。同省係長は、上司(障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長))から「正式な決裁はいらない」と発行をせかされ、発送開始直前の6月上旬、証明書を偽造したとみられる。

(共同)

この記事の通りだとすると、分かりやすいですね。

  1. 郵便料金割引を利用してDM発送を請け負うビジネスを考案した。
  2. 厚労省に証明書を発行させることにした。
  3. 先にDM発送の注文が取れてしまった。
  4. 至急・証明書を発行させる必要が生じた。
  5. 国会議員・部長などに早急な発行を依頼した。
  6. 係長は、障害者団体の実態がないなどを課長(当時)に報告した。
  7. 課長(当時)が「正式な決裁はいらない」と係長を押し切った。

この通りだとすると、係長の報告を押し切った障害保健福祉部企画課長(前雇用均等・児童家庭局長)に指示した、当時の障害保健福祉部長や国会議員の「圧力」がどのようなモノであったのか?が問題になりますね。

6月 17, 2009 at 08:20 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.15

厚労省の公文書偽造事件

FNNNニュースより「障害者団体証明書偽造事件 逮捕された局長の当時の上司「野党の国会議員から依頼」

厚生労働省の局長が障害者団体の証明書を偽造したとされる事件で、逮捕された局長の当時の上司が、問題の証明書について、「野党の国会議員から依頼を受け、障害者自立支援法の成立を視野に承諾した」と証言していることが、捜査関係者の話でわかった。

特捜部は、局長以外の職員の関与の有無や、事件の背景について、さらに解明するため、2度目となる厚労省の捜索を15日朝から行っている。

局長(53)は、係長(39)に指示して、障害者団体「凛(りん)の会」に証明書を偽造したとされている。 局長は、容疑を完全否認している。

証明書は、障害者団体用の制度を悪用したダイレクトメール不正送付事件につながった。

証明書について、凛の会の当時の代表が「局長に直接依頼した」と供述しているが、この代表は、野党の国会議員のかつての秘書だった。

また、捜査関係者の話によると、局長の上司だった障害保健福祉部元部長は、「国会議員本人から依頼され、局長に伝えた」と話しているという。

そして元部長は、依頼を承諾した理由について、「障害者自立支援法の成立を視野に、野党対策の意識があった」という証言をしていることが、捜査関係者の話で新たにわかった。

自立支援法は、2004年の事件当時、局長ら障害保健福祉部職員が法案をつくっていて、翌2005年に国会審議を控えていた。 特捜部の任意の聴取に対し、ほかの複数の職員も、「国会議員に対し、自立支援法への理解を得たいという意識があった」という証言をしているという。

特捜部は、部全体のこうした意識が事件の背景にあったとみている。

日曜日に検察が事情聴取したのですから、逮捕も当然かと思いますが、公文書の偽造というのはとんでもない話ですが、そもそもその公文書とは何で、どこの部署が発行するものだったのか?と気になりました。

というのは、正式に公文書を発行できる部門であれば別に偽造しなくても良いだろうと思うからです。

そこで元の事件はなんだったのか?検索してみました。

4月17日の読売新聞の記事「偽造証書?で障害者郵便割引 白山会代表供述「活動実態ない」/大阪地検」で証明書偽造と出てきます。

◆郵便不正 偽造証書?で障害者割引

障害者団体に適用される郵便料金の割引制度が悪用された郵便法違反事件で、大阪地検特捜部は16日、郵便料金約2億4300万円を不正に免れたとして、東証1部上場の大手家電量販店「ベスト電器」(福岡市)元販売促進部長(51)や自称障害者団体「白山会」(東京都文京区)幹部ら10人を同法違反容疑で逮捕した。白山会幹部が、制度適用のため日本郵政公社(現・郵便事業会社)に提出した厚生労働省発行の障害者団体証明書を偽造した疑いも浮かんでおり、特捜部は証明書発行の経緯を調べている。

(中略)

問題発覚の昨秋以降、郵便事業会社が特別調査し、保管されていた証明書を調べ、厚労省に照会。同省には発行記録が残っていなかった。

同省では過去の申請書類すべてを保管しているが、凛の会からのものはなかった。

郵便事業会社から凛の会の証明書を見た同省担当者は「当時の企画課長の役職名と公印が押され、一見して本物だったが、発行された形跡はなく、本来の手続きを踏んだものとは考えられない」としている。

一方、自称障害者団体「健康フォーラム」は05年2月設立。社会福祉協議会にボランティア登録し、同年6月に東京都港区が障害者団体としての証明書を発行した。
活動実態はほとんどなかったが、港区障害者福祉課は「ボランティア登録していたので活動実態を詳しく調べなかった。審査に問題がなかったか検証したい」としている。

つまり厚労省の文書管理規定に従って発行された公文書ではないから、公文書偽造となっていて、それを逮捕された局長が指示したらしい、ということのようです。

そうなると、厚労省が正式に発行した公文書ではどうなのだろうか?と思うわけです。
もちろん「活動実態がない団体に証明書を発行してはまずいだろう」となりますが、その場合には「よく調べなかった」でウヤムヤになっていたでしょう。

つまり厚労省(局長 & 係長)がなぜあえて文書規定に反してニセ書類を作る危険を冒したのか?という全く別の興味が出てきます。

6月 15, 2009 at 04:15 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.12

警視庁が統一教会を家宅捜索・その2

東京新聞より「霊感商法で高額印鑑販売 統一教会捜索 社長ら7人逮捕

根拠のない姓名鑑定で不安をあおる霊感商法で高額な印鑑を販売したとして、警視庁公安部は十一日、特定商取引法違反(威迫・困惑)などの疑いで、印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)社長(51)と同社販売員ら七人を逮捕した。

公安部は今年二月に同社などを家宅捜索し、容疑者が世界基督教統一神霊協会(統一教会)の南東京教区(渋谷区、世田谷区など)の教区長から業務や従業員の賞与額について指示を受けたり、同教区の献金活動にかかわっていたことを裏付ける資料を押収したとして、新世が「統一教会と密接な関係がある」と判断。同日、渋谷区などにある統一教会の教会三カ所など関連先を家宅捜索した。

逮捕容疑は、二〇〇七年十月~今年二月、渋谷区内の街頭で根拠のない姓名鑑定で勧誘した三十~六十代の女性五人を同社に連れて行き、「良くない運勢が出ている」「このままだと命がなくなる」などと不安をあおり、十六万~百二十万円の印鑑十三本を計四百十六万円で販売したとされる。

公安部は新世の売上金が統一教会側に流れているとみて捜査を進めている。

◆「新世」との関係 統一教会は否定

統一教会広報部は「当法人は宗教法人であり、いかなる営利事業も行っておりません。当法人と『新世』とは関係がありません。なお、信者がその個人的な活動において問題となることがないよう、さらに指導に努めていきたいと思います」とのコメントを出した。

<世界基督教統一神霊協会(統一教会)>

韓国人の文鮮明氏(89)が1954年、韓国ソウルに創設した宗教団体。184カ国に宣教師を置く。文氏が信者の先祖の因縁などを見抜きカップルを決めるという「合同結婚式」で知られる。

日本本部は東京都渋谷区松濤にあり、64年に宗教法人として認可された。
日本本部広報部によると、国内の信者は約56万人。

朝日新聞より「印鑑販売拡大、統一教会幹部が指示か メールを押収

東京都渋谷区の印鑑販売会社「新世」が、根拠のない姓名鑑定で不安をあおって印鑑を売りつけていたとされる事件で、新世社長(51)=特定商取引法違反容疑で逮捕=が世界基督教統一神霊協会(統一教会)の幹部から、印鑑の販売拡大を指示されていたことを示すメールの記録を、警視庁公安部が押収していたことがわかった。

捜査関係者が明らかにした。公安部は、統一教会が印鑑販売を通じて信者を集めていたとみて調べている。

公安部によると、逮捕された容疑者らは容疑について否認しているという。

捜査関係者によると、メールの記録は新世の関係先から押収された。

それによると、社長は、渋谷区などでの布教を担当する統一教会南東京教区の教区長(50)と一日に何度もやりとりしていた。

社長からは教区長に印鑑の販売状況を報告したり、社員の賞与額について指示を仰いだりしていた。
教区長はたびたび売り上げを伸ばすよう指示していた
という。

さらに、印鑑の売り上げが少なかった際に新世の販売員が書いたとみられる「反省文」が押収された。

社長が取りまとめて教区長に提出していたとみられる。

公安部によると、押収資料から、社長が同教区の運営部長を務めていたことが判明。

運営部長は「特別伝道部隊」と呼ばれる信者獲得活動や献金集めを担うチームのまとめ役で、公安部は、新世が特別伝道部隊の拠点だったとみている。

NHKニュースより「印鑑販売会社に入信の手引書

不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして東京の印鑑販売会社の社長らが逮捕された事件で、会社の事務所から印鑑の購入者を統一教会=世界基督教統一神霊協会に入信させるためのマニュアルが押収されていたことがわかり、警視庁はこの会社と統一教会が密接な関係にあるとみて捜査を進めています。

この事件は、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長(51)らが、渋谷駅前の路上で女性5人に声をかけ、「このままでは命がなくなる」などと不安をあおり、印鑑13本をおよそ420万円で購入させたとして、特定商取引法違反の疑いで逮捕されたものです。調べに対し、社長は容疑を否認しているということです。

警視庁の調べによりますと、「新世」の販売員は統一教会の信者で、統一教会の幹部が印鑑の販売実績について報告を受けていたほか、販売の拡大を指示していた疑いがあるということですが、警視庁がことし2月、新世の事務所を捜索した際、印鑑の購入者を統一教会に入信させるためのマニュアルが押収されていたことがわかりました。

この中では、購入者を統一教会の「ビデオフォーラム」と呼ばれる施設に連れていき、段階的に教義を学ぶ本やビデオを見せたりすることなどが書かれていたということです。

被害者の女性は「渋谷フォーラムというところで勉強すると真理がよくわかるので、勉強しませんかと言われました。私を信者にしようとしたことが許せません」と話しています。

警視庁は、「新世」と統一教会が密接な関係にあるとみて、捜査を進めています。これについて、統一教会は「新世とは一切かかわりがない」と話しています。

三つの報道記事から、注目点を赤で示しました。

印鑑販売が、統一教会の活動であったことを裏付ける資料と、統一教会は関係ないと主張しているのですが、統一教会の組織の中に印鑑販売が組み込まれていたことを示す証拠が発見されたのが大きな点でしょう。

NHKニュースでは被害者の声がありますが、ビデオフォーラムに連れて行くとはっきり述べているのは結構重要な点で、今までの統一教会問題の被害者がビデオフォーラムへの参加して、一気に信者になってしまう、という報告は有名です。

ホームオブハート事件でも、このビデオフォーラムのような「閉じられた空間での短時間の洗脳」で信者になってしまったという話を聞いていますし、明らかにカルト宗教の信者獲得=被害者の発生の一つの手段としてビデオフォーラムのようなものが使われており、知らない人にとっては「ビデオを見るくらいなら」と抵抗なく参加してしまうことが、被害を拡大させている大き理由であるとされています。

今回、報道レベルとは言え、占い・印鑑(グッズ)販売・ビデオフォーラム勧誘、という一連の動きを警視庁が証拠として確保したのは非常に重要な点だと言えます。

6月 12, 2009 at 08:40 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.11

警視庁が統一教会を家宅捜索

NHKニュースより「高額印鑑販売に関与か 捜索

東京・渋谷で女性に声をかけ、「このままでは命がなくなる」などと不安をおったうえ、高額の印鑑を購入させたとして、警視庁は、特定商取引法違反の疑いで東京の印鑑販売会社の社長らの取り調べを始めました。

容疑が固まりしだい逮捕するとともに、統一教会・世界基督教統一神霊協会の幹部が販売にかかわっている疑いがあるとして、都内にある統一教会の施設の捜索を始めました。

取り調べを受けているのは、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の51歳の社長や販売員の女らで、警視庁は容疑を裏付けるため、関連先として、渋谷や世田谷にある統一教会の施設の捜索を始めました。

警視庁の調べによりますと、新世の社長らは、おととしからことしにかけて、渋谷駅前の路上で30代から60代の女性5人に「あなたの運勢を鑑定します」と声をかけて事務所に連れて行き、「このままでは命がなくなる」「のろいから家族を守るために印鑑が効果がある」と不安をあおったうえ、十数万円から100万円余りの印鑑を購入させた疑いが持たれています。

警視庁は、ことし2月、新世の事務所を捜索して押収した資料を調べた結果、販売員の女はいずれも統一教会の信者で、統一教会の幹部が印鑑の販売実績について報告を受けていたうえ、販売の拡大などを指示していた疑いがあることがわかりました。

このため、警視庁は、統一教会の施設や幹部の自宅の捜索に踏み切ったもので、容疑が固まりしだい、新世の社長らを逮捕して、印鑑販売の実態や統一教会のかかわりについて捜査を進める方針です。

2月に新世の事務所を捜索した結果ということですが、

販売員の女はいずれも統一教会の信者で、統一教会の幹部が印鑑の販売実績について報告を受けていたうえ、販売の拡大などを指示していた疑いがあることがわかりました。

というところがずいぶんと力強いメッセージだと感じます。

2月に新世の事務所を捜索とは、紀藤正樹弁護士のブログに紹介されています。
「警視庁頑張れ!ついに警視庁が霊感商法店舗の一つ「新生」に家宅捜索に入りました。東京では初摘発ではないかと思います。」

警視庁は、先週木曜日(2009年2月5日)のL&Gへの強制捜査、波和二会長らの逮捕の次に、昨日(2009年2月10日)、統一協会が、その信者を駆使して全国的組織的に行っている霊感商法店舗への家宅捜索に入りました。普段から多忙な上に、取材が殺到し、更新が遅れましたm(_ _)mが、重要なことなので、速報であげておきます。

ちなみに朝日新聞の報道では「統一教会関連団体?」とありますが、「?」ではありません。「統一協会」と断定的に報じてほしいと思います。

今回捜索を受けた有限会社新世の本店所在地は、東京都渋谷区渋谷1丁目24番7号 渋谷宮下パークビル601、代表取締役の田中尚樹は、6500双(1988年の合同結婚式参加組)の古参信者です。
僕が所長をつとめるリンク総合法律事務所には多くの相談があります。

警視庁は、この機会に、20年以上にわたり長年放置してきた霊感商法、すなわち「統一協会の組織的悪徳商法」に、抜本的なメスを入れてほしいと思います。

なお最近、統一協会問題で、原稿を書きました。→消費者法ニュース最新号 78号 2009年1月発行

内容
消費者庁設置を求める-統一協会裁判外高額和解報告・・・紀藤 正樹(弁護士[東京])
統一協会の責任を認めた判決の一覧(2008年11月25日時点)
・継続中の霊感商法等訴訟一覧表(2008.9.10現在)
全国霊感商法対策弁護士連絡会がICSAからローズデール賞を受賞した件についてのご報告・・・山口 貴士(弁護士[東京])
申入書(風水総合鑑定フェアについて)・・・全国霊感商法対策弁護士連絡会

ぜひ統一教会の知識を、メディアの皆さんも含め、皆さん、お読みください。

[参考]

朝日新聞:姓名判断で高額印鑑販売容疑 統一教会関連団体?に捜索 - 社会-2009年2月10日12時20分

 姓名鑑定で根拠のないことを言って印鑑を高額で売りつけたとして、警視庁公安部は10日、東京都渋谷区渋谷1丁目、印鑑などの販売会社「新世」の事務所や代表者の自宅など数カ所を特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで家宅捜索した。同社は、霊感商法被害対策に取り組む弁護士の団体から、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の関係団体と指摘されており、公安部が背後関係を調べている。

 公安部によると、新世の販売員の20代と30代の女性2人が07年10月~08年7月、渋谷駅前の路上で50代の女性3人に声をかけ、事務所で姓名鑑定を受けさせ、「よくない運勢が出ている。命がなくなる」などと根拠のないことを言い、それぞれ数十万円で印鑑を販売した疑いがある。

 販売員の女性らは、路上で通行人に「いい相が出てますね、詳しく見てあげますよ」などと声をかけ、事務所に連れて行っていたという。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、新世については、同様の手口による被害相談が04年以降で14件寄せられており、被害総額は843万6千円にのぼるという。

[参考]

高額の印鑑販売会社を家宅捜索 産経新聞2009.2.10 12:40

 10日午前、東京都渋谷区

 「このままでは命がなくなる」などと不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして、警視庁公安部は10日、特定商取引法違反(不実告知、書面不交付)の疑いで印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)など関係先を家宅捜索した。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、新世は世界基督教統一神霊協会(統一教会)系の企業という。

 統一教会は「当法人は、宗教法人であり、その規則に従っていかなる営利事業も行っておりません。したがって、『新世』とは関係ありません」とコメントしている。

 公安部の調べによると、新世の20代と30代の女性販売員2人は平成19年10月から20年7月にかけて、JR渋谷駅前の路上で50代の女性3人に「あなたの運勢を鑑定します」などと持ちかけて事務所に連れて行き、「先祖の影響が出ている。転換期だ」「このままでは命がなくなる」「のろいから家族を守るために印鑑が効果がある」などと不安をあおり、それぞれ数十万円程度の高額の印鑑を購入させた疑いが持たれている。 公安部では、新世が同様の手口でこの数年にわたり印鑑の販売を繰り返していたとみて、押収した資料の分析を進めるとともに関係者から事情を聴き、販売実態の解明を急ぐ。

結局、2月の家宅捜索から今日(2009年6月11日)の逮捕と統一教会への家宅捜索となったわけです。

警視庁がこれだけ力を入れて掛かっているのですから、相応に厳重な捜索をすると期待したいです。

6月 11, 2009 at 11:34 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.06.10

山口県美祢(みね)市ホテルでの一酸化炭素中毒事件

山口県美祢(みね)市の一酸化炭素中毒事件について、mimonさん(悪徳商法系の掲示板などで良く存じ上げています)からトラックバックをいただきました。

毎日新聞の記事が紹介されていました。「山口・美祢のCO中毒事故:旧型のボイラー稼働 ホテル、故障後も撤去せず

山口県美祢(みね)市の山口秋芳(しゅうほう)プラザホテルで起きた一酸化炭素(CO)中毒事故で、事故当時に稼働していたボイラーは約2年前に故障で一度撤去が決まったもので、ホテルに2系統ある排気管の古い方につながれていたことが分かった。

県警は排気管の亀裂からCOが漏れたのが事故原因との見方を強め、5日も現場検証を続行。

いったんは撤去が決まったボイラーが古い排気管につながれた経緯についても調べている。

ボイラーの製造会社によると、事故時に使われていたボイラーは

99年に納入された。
07年2月にホテル側から「故障して動かなくなった」と連絡を受け、新型機と置き換え、故障機はホテル側が撤去するとしていた。
しかし、同社社員が今年4月末、新型機の修理にホテルを訪れた際、故障機が使われていることに気づいたという。

ボイラー製造会社などによると、

07年に導入した新型ボイラーは、
99年にホテルがボイラーを替えた際に、同社が据え付けたステンレス製の排気管(直径約20センチ)を使用。
古い排気管(直径約23センチ)は82年にホテルが大幅改修をしたころからあったとみられ、
99年に設置された古いボイラーも当初は新しい排気管につながれていたが、
事故時は古い排気管につながっていた。

【諫山耕、中尾祐児】

mimonさんは次のように整理しています。

ということで、少し分かりにくいので整理しますと、排気管は、

A:'82年以前に設置されていたφ230の古い物
B:'99年に敷設したφ200のステンレス製の物

の二本があり、ボイラは、

1:'99年に設置してその後故障した物
2:'07年に1のボイラの代わりに設置した物

の二台があって、
以前は、1がBに接続されていたのですが、1が故障して、2をBに接続して使うようにしていたようです。

ところが、どういうわけか、故障している1をもっと古いAの排気管に接続した所、排気が漏れて、今回の事故につながりました。

ボイラだけでなく、排気管も寿命がありますから、'99年当時使えないと判断された物に、故障しているボイラを接続したら、事故が起きて当然でしょう。しかも、口径が違いますし。

昔、山中湖あたりで、排気管から排気が漏れて、7人が一酸化炭素中毒で死亡する事故があって以来、機器を取り替えるときには、排気管も、それに適合した物に取り替えるのが当然とされています。

普通は、使えなくなった排気管は、撤去するのですが、たぶん、壁の中にあったりして、撤去できなかったのでしょう。

現時点で、今ひとつ分からないのが2台のボイラーのどちらを稼働していて事故が発生したのか?です。
警察の実験では「燃焼を開始した直後に致死量濃度の一酸化炭素が発生した」とのことなので、これは旧ボイラーが旧排気管に?がった状態で運転したときなのではないかと思いますが、その時に新ボイラーは稼働していたのか居なかったのか?が記事からは分かりません。

山口秋芳(しゅうほう)プラザホテルは廃業してしまいました。

排気ダクトの屋根側にはフタがあったとされますが、使っていない排気ダクトに雨よけのフタをするのは理解できるところで、どうも「当初は使わない」のは計画通りに進んだのでしょう。
それが、どこかで「旧型ボイラーを稼働し、排気ダクトを余っている方の吸排気ダクトに接続したようです。

そもそも、廃棄処分するはずのボイラーが数年経って稼働したのだとすると、廃棄予定であることを知らなかったとなります、もちろんもっと古い排気管にはフタがしてあることも当然知らない。

こうなると「何かをやるのに、知らないでやっていた」という恐ろしいことになります。
なんでこんなことになったのでしょうか?

6月 10, 2009 at 07:18 午後 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.05.27

神世界を集団提訴

朝日新聞より「賠償求め「神世界」提訴

「神世界」グループの霊感商法事件に絡み、東京や大阪、神奈川など9都府県の17人が25日、不安をあおられたうえ祈願料で多額の支払いをさせられたなどとして、グループ会社8社と幹部17人を相手に計約1億6800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

被害対策弁護団は記者会見で「典型的な霊感商法。裁判を通じて問題を明らかにしたい」と訴えた。

弁護団は神世界グループに対して、これまで87人分約2億6400万円の賠償請求をしたが、「誠実な回答を出さず、責任も認めようとしない」と提訴に踏み切った。紀藤(きとう)正樹弁護団長は「宗教団体としての正体を隠して勧誘し、虚偽の事実を断定的に述べるなどして不安をあおって金を支払わせたのは詐欺的な行為だ」と語気を強めた。

弁護団には約200人から被害相談の電話があったという。弁護団は、今後も神世界グループに損害賠償を求め、順次提訴する方針だ。

記者会見には、原告の女性2人も出席した。

水戸市の女性(43)は、地域情報誌を見て、神世界グループの玄関口にあたる「サロン」に通い始めた。「ヒーリング」と呼ばれる手かざしなどを受けているうちにはまりこんだ。

「自殺した家族の霊に対する祈願をしなければならない」と言われ、1年余りで300万円近くを支払ったという。「神世界がきちんと裁かれて、まだ通っている人たちに役に立つような情報が出てくればいい」

また、徳島市の女性(32)は同僚に「お産が軽くなる」と誘われ、サロンに。

その後、生まれた息子の病気も「ヒーリングで治る」などと言われ、約720万円を支払わされた。
「被害の告発掲示板を見たり、夫に必死に説得されたりして目が覚めた」と涙ながらに話した。

神世界を巡っては、これまで県警の元警視が活動に関与したとして08年に懲戒免職になっているほか、今年3月には詐欺容疑で関係会社などが家宅捜索されている。

神世界グループは、神世界本部にぶら下がる形で各地のサロンを運営する会社がある。
そのうちの主要会社で現在も活動を続ける「びびっととうきょう」は「答えることは何もない」、「えんとらんすアカサカ」は「担当者が不在で、何も答えられない」と提訴を受けてコメントした。

(木村尚貴)

東京新聞より「神世界』幹部らを提訴 1億6800万円 霊感商法で被害 主婦ら17人

山梨県甲斐市の有限会社「神世界」グループによる霊感商法で被害を受けたとして、東京都や神奈川県内の主婦ら十七人が二十五日、関連八社と幹部十七人に計約一億六千八百万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
神世界への集団提訴は初めて。

被害対策弁護団によると、原告は九都府県の三十-六十代の男性三人と女性十四人。これまで被害の返還を求めたが、応じないため提訴した。

訴状によると、神世界グループは、全国各地に「ヒーリングサロン」を設立。面談で手かざしするなどし、訪問客らに「男性の念がついている」「このままだと恨み殺されます」などと不安をあおり、経典やお守りを購入させたり、祈祷(きとう)を受けさせたりして多額の金銭を支払わせた、とされる。

提訴に対し、神世界グループのサロンを経営する「びびっととうきょう」(東京都稲城市)は「答えることは何もない」としている。

東京新聞より「恐怖心植え付けられ 神世界提訴の原告女性ら 礼金の返還など求める

霊感商法で損害を受けたとして、「神世界」(山梨県甲斐市)グループの幹部らに損害賠償を求めた原告の女性らは二十五日、東京都内で会見し、「(グループは)早く活動をやめてほしい」などと訴えた。提訴に関し、同グループの関連会社は「答えることはない」としている。

茨城県内の会社員女性(43)は二〇〇五年十一月、地域情報誌を見てサロンを訪問。「エステ感覚」でヒーリングを受けるうち、幹部に「霊のお迎え」「墓のお清め」などの名目で多額の礼金を求められるようになり、一年半で約二百八十万円を支払った、という。

「『やめたら大変なことになる』と恐怖心を植え付けられてしまった。誰でも引っかかってしまう。神世界側は『自分たちは悪くない』と思っている。公の場で話が聞きたい」と語った。

被害対策弁護団によると、グループの手口は「人の身体的、精神的な悩みにつけ込んでいる上、実態は宗教でありながら正体を隠して高額な被害を発生させた」としており、弁護団の荻上守生事務局長は、「泣き寝入りしている被害者は多くいるはずで、提訴を機に声を上げてほしい」と話している。

神世界をめぐっては、神奈川県警が霊感商法による巨額詐欺事件とみて捜査。二〇〇七年十二月と今年三月には、甲斐市の本部や関連会社などを家宅捜索している。

神世界については

2007.12.20警察官が霊感商法
2007.12.20警察官が霊感商法その2
2007.12.21警察官が霊感商法その3
2007.12.25警察官が霊感商法その4
2007.12.30警察官が霊感商法その5
2008.02.24神世界に賠償請求
2008.02.27神世界の動き
2008.02.28神世界について
2009.02.12神世界・統一教会・L&G(円天)
2009.03.26神世界に一斉捜索

とたくさんの記事を書きましたが、こうして見ると最初に報道されたのが2007年ですから、1年半経っての集団訴訟です。

いくつかの特徴がありますが、私が理解している範囲では

  • 被害の返還を求めたが、応じない
  • 実態は宗教でありながら正体を隠して
  • ヒーリングサロンを各地に展開(ビジネス)

などです。

この種の商法はいわば病気とか病原菌に例えるのが分かりやすいかもしれません。

今話題のインフルエンザはどんどん変異するためにワクチンを作っても、すぐにワクチンの効かないインフルエンザが登場するのが特徴だと言われています。

すぐに患者が亡くなってしまう程の強烈な伝染病は、患者が亡くなってしまうから世界的な大流行にはならない、と言われます。

病原菌が生存するためには、患者と折り合いを付けることで、患者が亡くならないでどんどんと感染させるような、同時に免疫によって感染防止力が付きますから、免疫をかいくぐることが出来るように自身が変異する病原菌が「進歩した病原菌」と言われます。

これをカルト宗教に当てはめると、カルト宗教が社会とをうまくやるようになると普通の宗教になるのでしょう。キリスト教徒とか仏教でもそういう進化をしています。

こんな点から見ると「被害を申してられても無視したり・反論する」のはより「原始的なカルト」である言えます。
進化したより巧妙に騙すようになったカルト宗教、というのはよりタチが悪いと言えますが、神世界ほど広範囲に被害を及ぼしつつ、同時に「原始的」というのは興味深いところです。

5月 27, 2009 at 09:27 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.16

蟹江町の一家死傷事件の捜査は?・その5

サンケイ新聞より「【衝撃事件の核心】犯人が15時間も現場に居座ったのは…浮かび上がる世田谷一家殺害事件との共通点

犯人は家人らを殺害後、15時間近くも現場に居座っていた。
愛知県蟹江町で母子3人が殺傷された事件。

現場にあった作り置きの夕食を食べ散らかし、意識を取り戻した被害者のひとりと会話を交わすなど、犯人の「余裕」ともいえる不可解な行動が浮かび上がってきた。

なぜ、顔を見られた可能性が高い被害者にとどめを刺さなかったのか。現場に長時間、“滞在”しなければならなかったのは…。

その理由を知る犯人とみられる男は、現場に臨場した捜査員のスキをみて、まんまと逃走してしまった。

「まだやることがある」…居座った目的は?

事件が発覚したのはゴールデンウイークまっただ中の5月2日午後0時20分ごろ。愛知県蟹江町の会社員、山田喜保子さん(57)宅を、次男の次男(26)が勤務するケーキ店の上司と同僚が訪れた。
前日の夜から次男と連絡が取れないことを不審に思い、あらかじめ蟹江署員を同行させていた。

インターフォンを押しても応答がない。玄関ドアや勝手口は施錠されていた。自宅のまわりを一周したところで、首などを刺され、電気コードで両手首を体の前で縛られた三男の三男(25)が突然、玄関から飛び出してきた。

「助けてください!強盗です。2人死んでいます。犯人は逃げました」

臨場した蟹江署員からの連絡で、現場に駆けつけた愛知県警捜査1課の捜査員はあまりの惨状に目を見張ったという。

玄関を入り、左側の和室では次男が上半身裸の状態で背中を刺され、うつぶせで倒れていた。周囲には血だまりが広がり、すでに息絶えていた。
凶器は洗面所に残されていた自宅の包丁と判明。よほど強い衝撃が加えられたのか、刃と柄が外れていた。

喜保子さんも翌5月3日、和室の押し入れの下段で毛布にくるまれ、変わり果てた姿で見つかった。
下半身は何も身に着けず、上半身のシャツはまくり上げられ、顔や頭に激しい暴行を受けた痕が残っていたという。

凶器は玄関付近に落ちていた鉄製のスパナとみられ、頭蓋骨(ずがいこつ)が割れるほど頭を何度も殴られていた。さらに、喜保子さんの遺体のそばにはかわいがっていたという子猫が首を絞められ、死んでいた。

一家は喜保子さんと4人兄弟の5人家族。
夫は10年以上前に他界した。長男と四男は別居しており、次男と三男と3人暮らしだった。

蟹江署捜査本部は、喜保子さんの胃の内容物などから犯行時間を5月1日午後9時から10時ごろと推定している。

三男は同日午後8時ごろに勤務先から帰宅したが、すぐに外出。自宅には喜保子さんしかいなかったとみられる。

次男は午後9時半ごろ、勤務先のケーキ店を出て10時前に帰宅。
和室で犯人と鉢合わせになり、襲われたようだ。

その後も犯人は現場に残り、日付が変わった2日午前2時すぎ、泥酔状態で帰った三男が玄関で靴を脱ごうとしたところを背後から襲いかかったという。

捜査本部によると、三男は犯人ともみ合いになった後に意識を失った。
意識を取り戻したときには両手首をコードで縛られ、粘着テープで口をふさがれた上、上着で目隠しされたという。

「もう帰ってくれ」。ようやく口のテープが外れた三男は犯人にこう懇願したが、犯人は「まだやることがある」と現場に居座り続けた。

夜が明けると、新聞配達員や心配して訪ねてきた次男の同僚も呼び鈴を鳴らした。
三男はその度に「出ていいか」と尋ねたが、犯人は「だめだ」と拒否、頭から布団をかぶせられたという。

喜保子さんと次男を惨殺した犯人は、三男にとどめを刺さなかった。
犯行現場に居合わせ、顔も見られている可能性が高いのに…。

証拠隠滅?われに返った?

凄惨な事件現場で交わされた会話。三男には犯人と交渉する余地が残されていたようにもみえる。

捜査本部の調べに対し、三男は犯人について「一瞬しか見えなかったが、見覚えはない」と話しているという。

「やることがある」といった犯人が何をしていたのか。
三男は布団をかぶせられていたため、その後のことは「見ていない」と捜査本部に話しているというが、室内の音や犯人の動きについては、けがで意識が朦朧(もうろう)としていたのか、「話がつながらない部分もある」(警察幹部)という。

警察幹部は「犯人がけがをしていた可能性があり、自らの血痕を洗い流すなど証拠隠滅を図っていた可能性もある」と分析する。

確かに捜査本部の調べでは、1階居間の床には大量の血をふき取ったような跡があった。

浴室では水を張った浴槽に衣類やタオル、毛布が入れられ、水は血がにじみ出てピンクに染まっていた。
発見された3つの凶器のうち、喜保子さんを殴打したスパナの血をふき取り、次男を刺した包丁は洗面所で血を洗い流していた形跡が確認された。

ただ、付着した汗や血液などの微物から犯人特定につながりかねない凶器を放置し、着てきたパーカを現場に脱ぎ捨ててもいた。

現場から採取した血液や毛髪などをDNA鑑定した結果、殺傷された3人のほか、別居している長男と四男とも異なるDNA型が検出されたという。

犯人のいう「やること」が証拠隠滅だったとするには、あまりにずさんだ。犯人は蟹江署員が現場に到着するまでの15時間近くにわたって現場に居座り、何をやっていたのか。

被害者3人の財布からは紙幣が抜き取られていた。三男は犯人から「金はないか」と聞かれたというが、これまでの捜査本部の調べでは、室内を物色した形跡はないという。

捜査関係者は「殺傷方法を見れば被害者への強い恨みを感じるが、財布に紙幣が見当たらず、強盗目的の線も消せない」と話す。

新潟青陵大大学院の碓井真史教授(臨床心理学)は

「強盗目的であれば、殺害し、現金を奪って逃走すればいい。
喜保子さんを襲い、異常な興奮状態のまま次男まで殺害した。

そこである種の高揚感や達成感にひたっているうちに時間がたってしまったのかもしれない。

三男が帰宅したころにはわれに返り、何が何でも殺さなければという精神状態にはなかったとみることもできる」

と推測する。

ただ、犯人が言ったという「やること」はまったくみえてこない。

現場で食事…「あの事件と似ている」

「状況があの事件にそっくりだな…」

ある警察OBはこうつぶやいた。

「あの事件」とは9年前に発生した東京・世田谷の宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人殺害事件のことだ。

20世紀最後の日にみきおさんと妻(41)、長女(8)=が刺殺され、長男(6)=が窒息死させられているのが見つかった。
みきおさんら3人は刃物で執拗に刺されており、室内は血の海と化した凄惨な現場だった。

凶器の包丁、トレーナー、ジャンパー、ヒップバッグ…。現場には多くの物証が残されていた。

さらに、犯行後に半日近くも現場に居座り、朝になって隣接する家族がインターフォンを鳴らしたところで逃走したとみられる。
冷蔵庫のアイスクリームを食い散らかし、書類を浴室に散乱させるなど不可解な行動も、今回の事件と重なる点ともいえる。

大人の被害者が執拗に刺されたり、殴打されるなど残忍な手口で殺害されているのに対し、子供の礼君や猫など「弱い存在」に対しては刃を向けていないことも不思議に共通している。

世田谷事件の捜査に携わった警察OBは犯人像をこう推察する。

「犯行後、長時間現場に居座り、食事までする行為は犯人が“普通の人間”であることを意味している。
精神状態が異常な犯人ならば、犯行後に騒ぐか、すぐに逃げるケースが多い。犯人はどこかで普通の生活を送っているはずだ」

その上で、こうも言った。「現場で時間稼ぎをしていたのは誰かを待っていた可能性がある。つまり、共犯がいる可能性もあるということ。あるいは、誰かに殺害を頼まれたのかもしれない」

署員は“犯人”を見ていた…最後は被害者が自力で脱出

自宅を最初に訪れた蟹江署員が犯人の疑いが強い男を取り逃していた事実が事件から6日後に明らかになった。

県警の立岩智博捜査1課長は「初動捜査にミスはなかったと判断している」と弁明したが、ジャーナリストの大谷昭宏さんは「現場に居合わせた関係者を一斉に足止めにするのは捜査の常識だ。現場を離れるというのは考えられず、その場で応援を呼べばいいだけの話。県警の初動捜査の教育に疑問を抱かざるを得ない」と指摘する。

ことの顛末(てんまつ)はこうだ。捜査本部によると、三男が助けを求めて外に出てきた後、蟹江署員がドアのすき間から中をのぞくと、玄関先の廊下で若い男がうずくまっていたという。署員は男に「大丈夫ですか」と声を掛けたが反応はなく、ひとまず三男を近くの路上に保護し、2分後に現場に戻ると、男は消え去っていた。

“捜査ミス”とは別に浮かび上がるのは、それまで身動きが取れない状態にされていた三男が、そのときは外に逃げられる状態にあったという点だ。

三男は捜査本部に「玄関のインターフォンが鳴ったとき、犯人は近くにいないようだった。力を振り絞って逃げ出した」と説明しているという。

それまで、新聞配達員らが何回かインターフォンを鳴らした際は、「出てはいけない」と言ったり、三男に布団をかけるなどしていた犯人は、その時だけは三男の動きを気にかけていなかったことになる。
そのとき犯人は屋内のどこで、何をしていたのか…。

情報提供は蟹江署捜査本部、フリーダイヤル(0120)011076

「蟹江町の一家死傷事件の捜査は?」

まるで「杉並の一家殺人事件」の時の展開とそっくりではないか?

と書きました。
(世田谷を杉並と書き間違えていました)

結局、新聞も警察関係者も同じような見解を示すことになったわけで、この間に警察は何をやっていたのか?
確かに、事件の進行はかなり異常であったことが今になればよく分かりますが、それは警察自身が発表してきたからで、捜査している側にとっては最初から分かっていたことでしょう。

にもかかわらず、遺留品についてこれほど後なってから「着衣が残っていた」などと発表するのでしょうか?
警察がどのような意図を持って捜査を進めているのか?分からないところが、世田谷事件ともそっくりなのです。

現場の状況がすごいということは、物的証拠が多数残されていることに等しいのは明らかで、それ全力で収集して即座に必要な情報を割り出すとが重要でしょう。

ところが実態は、これが遅れているから小出しになっている。
この間に警察は何をやっているのか?

裁判員裁判を目前にして、証拠重視が要請されている時期に、明らかに証拠収集・分析に手を抜いたとも取れる捜査については批判が集まって当然です。

5月 16, 2009 at 10:27 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.09

SFCG(旧商工ファンド)元社長の破産を申し立て

朝日新聞より「SFCG元社長の破産を申し立て 隠し資産明らかに

商工ローン最大手で破産手続き中のSFCG(旧商工ファンド)の大島健伸元社長の自宅に、経営破綻(はたん)直前に親族会社が極度額(借金上限額)100億円の根抵当権を設定していたことがわかった。
債権者側は「高額な借金を装った資産隠しだ」とみている。

また、SFCGが大島元社長の親族会社に無償・格安で資産を譲渡していたことも破産管財人の調べで明らかになっており、「隠した資産の詳細を明らかにし、取り戻したい」として、同社の債権者らが8日、東京地裁に元社長の破産を申し立てた。

債権者側は「資産隠しで大島氏は債権者に損害を与えており、大島氏自身も補償する責任を負っている。同社の債務は利息の過払い分だけでも2100億円に達しており、大島氏にその支払いは不可能」としている。

新たな資産隠しが指摘されたのは、東京都渋谷区にある一等地の自宅。大島元社長の義弟が代表取締役を務める親族会社が所有している。

ところが、経営破綻(今年2月末)直前の1月30日、別の親族会社が、この土地・建物に対して極度額100億円の根抵当権を設定していた。
別の親族会社の代表取締役も義弟で、親族会社が別の親族会社から多額の借金をしている形になっている。

SFCGの破産管財人によると、この自宅はSFCGから賃料が支払われている。
建物の住居をゲストハウス、大島元社長の趣味である空手の道場を研修所名目で借りており、昨年9月まで月額1525万円支払っていたが、昨年10月から3150万円に引き上げられている。

一方、8日に破産を申し立てたのは、SFCGに約3億円に上る過払い金債権を持つ中小業者ら約70社。

申し立てによると、大島元社長は、同社の財産を親族会社に移すなどして債権者に損害を与えている。

実際、SFCGの破産管財人によると、同社に帰属しているはずの約2670億円相当の資産が元社長の親族会社など7社に、無償や格安で譲渡されていたことが判明。

さらに、同社による融資の担保物件約172億円分も格安で親族会社に売られていたとされる。(沢伸也)

4月21日(2009.04.21)に「SFCG(旧商工ファンド)破たんに際して財産隠し」を書いた時点で元会長の破産申し立てが出るの自明でありました。

報道されたときに「ここまであからさまにやれば、隠したことにならないだろう」とまで思いました。
これほど巨額であからさまな例はわたしの記憶にはなくて、どういう結末になるのか興味深いところです。

消費者庁が設置されますが、金融被害については消費者庁の管轄ではないことになっているのだそうです。
もちろん金融機関はすでに厳しく監督されているから、というのが理由ですが、消費者庁は企業と個人の取引などで商取引だから双方の立場はイコールである、という外形的な枠組みを重視しないという考え方から出てきています。

つまり、消費者庁を設置する考え方自体は、消費者庁の管轄を越えて役所を横断する形で適用されるべきだ、となります。

今回の「資産隠し」は、おそらくは「外形的に追求逃れれば結果OK」という考え方なのだと思いますが、消費者庁を設置することになる現在では、外形的な要件重視から実際面重視に判断の基準が変わっていく時代と見ることが出来て、この事件の収束がどのようになるのかは注視するべきでしょう。

5月 9, 2009 at 10:25 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.05

蟹江町の一家死傷事件の捜査は?

朝日新聞より「財布と通帳奪わず 洗面台に包丁 愛知・強盗殺人

愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で、喜保子さんと次男(26)が殺害され、三男(25)がけがをした強盗殺人事件で、自宅のものとみられる包丁が殺害に使われ、洗面所に残されていたことが4日、県警特別捜査本部への取材でわかった。

特捜本部は、それぞれ3人分の通帳と財布が室内で見つかったと発表。金銭目的とともに、家族に対する恨みによる犯行の可能性も視野に、犯人像の絞り込みを急いでいる。

4日の司法解剖では、事件発覚翌日の3日に自宅1階和室の押し入れから見つかった喜保子さんの死因が、頭を鈍器で複数回強打されたことによる外傷性脳障害だったこともわかった。

背中にあった刺されたような傷は鈍器による擦り傷で、後頭部などを繰り返し殴った際にできたとみられる。首にひも状のもので絞められたことを示す跡も残っていたという。

発表によると、通帳はそれぞれ喜保子さん、次男のケーキ店店員の次男、三男の会社員の名義で、財布も3人のものと確認した。複数の財布に現金が残されていたという。

三男が襲われたという玄関では、三男の財布と1万円札が裸の状態で落ちていたのが見つかっている。

捜査関係者によると、自宅台所にはふだん、包丁数本があったが、事件後、1本がなくなっていた。

一方、洗面所の包丁は洗面台にあり、血を洗ったような跡が残っていた。
刃の形状が次男が負った傷の形と対応していることから、特捜本部は次男殺害に使われた凶器と判断した。

三男は特捜本部の事情聴取に対して、「犯人に襲われた際、口を粘着テープでふさがれた」と話しているという。
テープは意識を回復した際に自力で外したと説明しており、室内の現場検証でもテープは見つかった。

血のついた衣類も室内に散乱しており、特捜本部は殺害された喜保子さんや次男らの衣類なのか、犯人が犯行後に脱ぎ捨てたものなのか、調べている。

三男は1日午後7時50分ごろまで勤め先の清涼飲料関係会社で仕事をして、同8時ごろに帰宅。
服を着替えて友人との飲食に出かけ、2日午前2時過ぎまで飲んだ後、同2時半ごろ帰宅。玄関で靴を脱いでいたときに、男に背後から襲われた。たくし上げられた上着をかぶせられ、電気コードのようなもので手首を緊縛されたという。

喜保子さん、次男、三男は3人暮らし。

事件は、次男が2日朝に出勤しないことから、同日正午前、店長が「店に出てこない」と蟹江署の交番に届け出て発覚。

店長と警察官が自宅に駆けつけた際は玄関が施錠されており、三男が中から鍵を開けて、警察官が首を刺された三男の体の前に巻かれていた手首のコードをほどいた。
次男は1階和室の布団のうえで背中を刺されて死亡していた。玄関の鍵は、自宅敷地内の玄関先から見つかった。

喜保子さんは1日夜から翌日にかけて殺害されたとみられる。喜保子さんの遺体発見が3日になったことについて、特捜本部は「犯人の遺留品の証拠収集に神経を使い、優先したため」と説明している。

この事件は、5月2日に発覚していますが、遺体発見が5月3日であり、凶器の発見がそれ以降というのは犯罪捜査の速度としては遅すぎるのでは無いだろうか?

当初の報道のトーンは「母親が行方不明」であって、まるで母親が息子らを刺して逃走したかのようなトーンであった。
ところが翌日の3日になって、押し入れから遺体が出てきたから、強盗殺人事件として特捜本部を設置した、そうしたら今度は財布が取られていないからとして、怨恨説が浮上してきた。

まるで「世田谷の一家殺人事件」の時の展開とそっくりではないか?と感じてしまう。

少なくとも、翌日になって遺体を発見する捜査というのはおかしくないか?
特捜本部は「犯人の遺留品の証拠収集に神経を使い、優先したため」と説明している。と言うが、それが押し入れの中を確認しなかった理由の説明になっていないのは自明だろう。

今後の捜査の進展を予測してみると、色々と考えられるところではあるが、現段階まではヘンな推測の下に特定の方向に捜査を進めて、ひっくり返されているように見える。
捜査と言うからには、幅広く捜査するのが本筋ではないのか?科学捜査がどうのこうのと言う以前に、犯罪捜査の基本的なところで何かがヘンだと感じます。

【訂正】

まるで「杉並の一家殺人事件」の時の展開とそっくりではないか?と感じてしまう

と書いてますが、世田谷の勘違いでした。読み直して気づいたので訂正します。

5月 5, 2009 at 09:03 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.04.27

ウナギの産地偽装事件・これでは軽すぎる罰だろう

読売新聞より「中国産ウナギの産地偽装、魚秀社長らに有罪判決

中国産ウナギかば焼きの産地偽装事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)罪に問われたウナギ販売業「魚秀(うおひで)」(大阪市)社長(45)、水産物卸売業「神港魚類」(神戸市)元担当課長(40)ら5被告の判決が27日、神戸地裁であった。

佐野哲生裁判官は、両被告に懲役2年6月、罰金200万円、執行猶予4年(いずれも求刑・懲役2年6月、罰金200万円)の有罪判決を言い渡した。

このほか、魚秀福岡営業所長(42)、高知県南国市の水産加工会社元専務(40)の両被告は懲役2年6月、罰金200万円、執行猶予4年(同)、高松市の水産物卸販売会社元役員(44)被告も懲役2年6月、罰金400万円、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月、罰金400万円)の有罪判決だった。

魚秀と親会社「徳島魚市場」(徳島市)も、求刑通り罰金1000万円、神港魚類に罰金500万円(求刑・罰金1000万円)の有罪判決が言い渡された。

判決によると、5被告らと3社は昨年2~4月、魚秀の在庫の中国産かば焼き約256トンを「原料原産地・愛知県(三河一色産)」などと印刷された段ボール箱に詰め替えて偽装。京都府内などの9社に1545箱(約15トン)を納品した。
(2009年4月27日15時09分 読売新聞)

この事件が報道されたのは、2008年6月25日ですから大がかりな事件の割に早く地裁判決があったと言うべきなのかもしれません。

5被告と2社に総額2700万円の罰金であり、個人に対する刑事罰として懲役は執行猶予になりました。

ところがサンケイ新聞2009年2月7日の記事は「三河一色産 ウナギ偽装、9日初公判 3億円の行方闇の中」と題して

中国産ウナギが「愛知県三河一色産」と偽装表示して販売されていた事件で、不正競争防止法違反罪に問われた水産物輸入販売会社「魚秀」(大阪市)社長(44)や仲卸の水産物卸売会社「神港魚類」(神戸市)の元ウナギ担当課長(40)ら5人と両社など3法人の初公判が9日、神戸地裁で開かれる。

架空のダミー会社を経由させ、巨額の現金決裁で証拠隠滅をはかるなど、これまでにない悪質な偽装工作はどのように計画され、利益はどこに流れたのか。
公判での全容解明に注目が集まる。

ほかに審理されるのは、魚秀の非常勤役員で水産物加工会社「土佐海商」(高知県南国市)元専務(39)▽魚秀福岡営業所長(41)▽水産物加工会社「大洋水産」(高松市)元専務(44)の各被告。法人としての魚秀と親会社の「徳島魚市場」、神港魚類の3社。

起訴状によると、被告らは共謀し、昨年2~4月、魚秀が輸入した中国産のウナギかば焼き計約256トンを高松市内の倉庫で「愛知県三河一色産」などと印刷された段ボール箱約2万5700箱に詰め替えたうえ、昨年3~6月に神戸市内や大阪市内などの卸売会社8社に対し130回にわたって1545箱(約15トン)を販売した。

弁護人によるとすでに両被告は起訴事実を認める意向を示しているというが、一連の偽装工作で、魚秀が不正に得たとみられる3億円に上る差益の行方はまだ明らかになっていない

今回のような産地偽装を取り締まる日本農林規格(JAS)法では業者側が農水省の是正命令に従う限り刑事罰が科されず、抑止効果が低い。このため、相次ぐ産地偽装事件を受けて自民党内の小委員会は先月までにJAS法の改正案を作成。
原産地を偽装した違反業者に、個人では1年以下の懲役100万円以下の罰金、法人には最高1億円の罰金を科せる「直罰制度」を導入するなどの実効力を持たせるとしている。

これが事実であるとすると、3億円を上回る不正な利益を上げたことに対して、2700万円の罰金では、ずいぶんと割の良い犯罪である、となってしまいます。

結局、罰金としても「ちゃんと商売をしない(不正競争防止法違反)」に対する罰であって、不正な利益を上げたことについては、直接は何もしていないわけです。

このよう事が、悪徳商法、産地偽装といったことが無くならない理由だとする意見があります。
悪事を働いて、捕まっても得た金を隠してしまえば、やり得という構図だとの指摘です。

原理的には、本来の市場価値よりも不当に高い商品を買ったのですから、消費者は損害賠償請求訴訟を起こすことが出来るし、間違えなく買ったと証明する事が出来れば裁判でも勝訴できるでしょう。
しかし普通に考えて、「蒲焼きで損害賠償請求訴訟は起こしてもコスト割れ」です。
この事が「やり得」となって、円天の波会長のように「マルチ商法の塊」のように繰り返す人が絶えないと言われています。

このような問題を根本的に解決できるかもしれないと、紀藤弁護士が提起しているのが消費者庁が父権訴訟で不当利得を国が没収してしまう。
その後に、被害者に配当する。という方式です。

今回の、ウナギの産地偽装では2700万円の罰金とは別に、不当利得とされる3億円を取り上げてしまうわけです。簡単に言えば「バレたら大損」としてしまおう、というものです。

やはりこの位のことをやらないと、この手の商売は無くならないでしょう。

4月 27, 2009 at 05:05 午後 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.04.22

弁護人が控訴趣意書を出さず、裁判打ち切り

弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」の記事「弁護人が控訴趣意書出さず、裁判打ち切り」に紹介がありました。

朝日新聞より「弁護人が控訴趣意書出さず、裁判打ち切り

殺人などの罪に問われ、一審で懲役11年の判決を受けて名古屋高裁に控訴していた男性被告(29)が、弁護人が控訴趣意書を提出しなかったため、裁判を打ち切る決定(控訴棄却決定)をされていたことが21日、分かった。

被告側は異議を申し立てたが、高裁は17日付で棄却した。被告側は最高裁に特別抗告ができるが、これも棄却されれば、控訴審が開かれないまま一審判決が確定する。被告は無罪を主張していた。

被告は07年11月に大分市出身の津末一守さん(当時55)を殺害し、遺体を岐阜市の長良川に捨てたとして殺人と死体遺棄の罪に問われ、昨年11月、岐阜地裁で懲役11年(求刑懲役13年)の判決を受けた。
一審で被告側は「殺害、死体遺棄行為にかかわっておらず、無罪だ」と主張していた。

関係者によると、弁護人=愛知県弁護士会所属=は
  1. 控訴後の昨年12月に選任され、控訴趣意書の締め切りを、当初の1月7日から延長するよう申請したという。
  2. 高裁は締め切りを3月23日に延長したが、
  3. 弁護人は当日になって再度、延長を申請。
  4. これを受け、高裁は同30日まで再延長した。
  5. しかし、弁護人は同24日、3度目の延長を申請。
  6. 高裁が不許可の決定を出すと、同26日付で弁護人を辞任したという。
  7. 高裁は3月31日付で控訴棄却決定を出した。
  8. 弁護人は4月になって再度、選任され、控訴棄却決定に対する異議を申し立てたという。

弁護人は、締め切りの延長を申請した経緯について「ノーコメント」としている。

この弁護士がなぜこのような選択をしたのか理解不可能ですが、この事件はどんなものだったのか?を検索してみました。

岐阜放送ニュースより「長良川殺人事件・知人の男8人を殺人容疑で再逮捕

01月31日:20時24分37秒更新
去年11月、岐阜市の長良川で、男性の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された男性の知り合いの男ら合わせて8人が、31日、殺人の疑いで再逮捕されました。

殺人の疑いで逮捕されたのは、死体遺棄の罪で逮捕された岐阜市御望の彫り師(45)ら8人です。 警察の調べによりますと、8人は共謀して、去年11月7日夜から8日未明にかけて大分県出身で無職の津末一守さん(当時55)のアパートで津末さんに激しく暴行を加えて、瀕死の津末さんを別の場所に運んだ後、さらにナイフで胸などを数カ所刺して、失血死させた疑いが持たれています。

調べによりますと、殺された津末さんと彫り師の間で、彫り師の元妻を巡ってトラブルになったということです。

警察の調べに対し、8人全員が容疑をおおむね認めています。

彫り師は「津末さんが元妻に言い寄っていたので、痛めつけるつもりだった」と供述しているということです。 警察では、8人がどのように関わったのかなど、さらに詳しく調べています。

つまり、今回の裁判打ち切りになった被告は、殺害の実行犯では無いようです。
新聞記事検索では以下のようなタイトルが見つかります。

  • 殺人罪で懲役18年
  • 犯人隠避の罪に問われた元妻に懲役10月、執行猶予3年
  • 被告の知人で、会社員(28)を死体遺棄容疑で逮捕

おそらくは、この「被告の知人の会社員」が今回の裁判打ち切りの被告でしょう。
そうなると、被告の主張である「殺害、死体遺棄行為にかかわっておらず、無罪だ」というのもまんざら根拠のないこととは言えないでしょうから、被告には控訴の意志があったことも考えると、この弁護士の引き起こした結果は極めて重大と言わざるを得ないでしょう。

4月 22, 2009 at 11:51 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.04.21

SFCG(旧商工ファンド)破たんに際して財産隠し

朝日新聞より「資産2670億円が親族会社などへ SFCG管財人公表

2月に経営破綻した商工ローン最大手、SFCG(旧商工ファンド)をめぐり、東京地裁は21日、同社の破産手続き開始を決定した。記者会見した破産管財人は、約2670億円相当の株式や債権が、破綻直前の5カ月間に、当時社長だった大島健伸氏の親族会社などへ無償や格安で譲渡されていたことを明らかにした。

親族会社は破綻処理の対象外にあることから、管財人は「きわめて悪質な財産隠しだ」として、会社法違反(特別背任)や民事再生法違反(詐欺再生)の疑いで大島氏ら旧経営陣の刑事告訴を検討する。

負債総額は、これまで公表していた約3380億円に、不当に高い金利で得た過払い利息の返還金約2100億円が加わり、計約5480億円にのぼる見込み。債権届け出は7月21日までで、財産状況報告集会は10月28日に開かれる。

地裁から破産管財人に選任された瀬戸英雄弁護士によると、金融危機が起きた昨年9月の時点で同社は破綻(は・たん)状態にあった。だが、同社は社長だった大島氏の役員報酬を、それまでの月額2千万円から、8月に9700万円へ大幅に引き上げ、12月分まで払い続けた。他の役員は一律30万円だったという。

また、都内の高級住宅地・松濤にある大島氏の自宅についても、妻が社長の会社の所有とし、月1525万円の家賃をSFCGで負担。昨年10月からは3150万円に引き上げたという。

同社はこれらの増額を、日付をさかのぼって処理したとみられ、瀬戸弁護士は「重大な背任行為と言わざるを得ない」としている。

いったいコリャ何なんだ?

債務が約5480億円で破たんというのは金融機関であったのだから、ビックリする話ではないけれども、

約2670億円相当の株式や債権が、破綻直前の5カ月間に、当時社長だった大島健伸氏の親族会社などへ無償や格安で譲渡されていた

というのはあり得ないだろう。イヤ、道義的とかそういう問題ではなくて、バレるから。
で「バレても逃れられる」という計算だと言うのか?なにしろ
社長だった大島氏の役員報酬を、それまでの月額2千万円から、8月に9700万円へ大幅に引き上げ、12月分まで払い続けた。他の役員は一律30万円だったという。
なんて話があるのなら本気で逃げ切れると考えていたのかもしれない。

誠に意表を突いた「別の事件の発生」であると言えるでしょう。

ただ、事件としてはどういう風に扱うことになるのか?難しいところがありそうですね。

最初は「SFCG(旧商工ファンド)破たん」で紹介した通り、2月23日の「民事再生法適用申請」でした。
それが東京地裁が、民事再生手続を廃止して破産手続に切り替えたのが、3月24日でした。「SFCG(旧商工ファンド)破産」

その一月後に、今日の報道ですから2月の時点ではさすがにこんな話が出てくるとは予想できませんでした。
一月後にまた別の騒動が起きるのでしょうか?

4月 21, 2009 at 08:13 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

不正DM事件は全貌が良く分からない

郵便料金割引制度利用に関する郵便法違反事件の記事を集めてみましたが、事件に登場する会社の数や容疑者の数にビックリします。

  1. 広告会社「新生企業」(大阪市西区、現・伸正)
  2. 広告主の家電量販大手「ベスト電器」
  3. 広告会社「博報堂エルグ」
  4. 博報堂エルグ親会社の広告大手「博報堂」の九州支社(福岡市)
  5. 大手通販・印刷会社「ウイルコ」
  6. 自称・障害者団体「白山会」
  7. 白山会の前身の障害者団体「凛(りん)の会」

ものすごいのは、問題になった郵便物の数で

特捜部の調べでも08年度の半年間に取り扱われた不正なダイレクトメール(DM)のうち、新生企業のものが約6割を占めていたことが判明。

04年度約8200万通
05年度1億600万通
06年度1億2900万通
07年度1億2200万通

このうち07年度は、「障害者団体の定期刊行物の有償購読者が発行部数の8割以上」という要件を満たしていない不正な郵便物は、8割超の1億262万通だった。

あまりの凄さに、記録しておく事にしました。

割引郵便「新生」参入で急増、4年間で1・5倍に

障害者団体向けの料金割引制度が悪用された郵便法違反事件で、大阪地検特捜部の摘発を受けた広告会社「新生企業」(大阪市西区、現・伸正)が不正に手を染め始めた2004年度から07年度までの4年間に、この制度の取扱件数が1・5倍に急増していることが、郵便事業会社(日本郵便)の調査でわかった。

特捜部の調べでも08年度の半年間に取り扱われた不正なダイレクトメール(DM)のうち、新生企業のものが約6割を占めていたことが判明。特捜部は、同社の参入によって、違法なDM市場が拡大したとみている。

日本郵便によると、郵便物の全体取扱数は電子メールの普及で減少が続いているにもかかわらず、「低料第3種郵便物」の取扱件数は、04年度が約8200万通。05年度には1億600万通、06年度には1億2900万通、07年度は1億2200万通。このうち07年度は、「障害者団体の定期刊行物の有償購読者が発行部数の8割以上」という要件を満たしていない不正な郵便物は、8割超の1億262万通だった。

これまでの調べなどによると、新生企業は04年3月、広告会社としてDM郵送業務を開始。提携する障害者団体は当初、大阪、兵庫両府県の3団体だったが、広告主からの発注が増えたため、提携先を増やし、8団体が発行する10種類の定期刊行物を扱うようになった。

割引制度は、通常1通120円の郵便物が最低8円となるが、福祉目的のために単体では赤字事業で、一般の郵便利用者からの郵便料金で補っている。
(2009年4月21日03時14分 読売新聞)

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ベスト電器、DM違法性を認識か 博報堂側に懸念文書

ダイレクトメール(DM)広告をめぐる郵便法違反事件で、逮捕された広告主の家電量販大手「ベスト電器」の元部長が広告会社「博報堂エルグ」との間で、障害者団体向けの郵便料金割引制度を使ったDM発送の違法性に懸念を示す文書をやりとりしていたことが大阪地検特捜部の調べでわかった。特捜部は、両社の関係者が違法性を認識していたことを裏付ける文書とみて調べている。

逮捕されたベスト電器の元販売促進部長(51)は調べに「違法性の認識はなかった」と否認する一方、博報堂エルグの執行役員(47)は「責任を痛感している」と容疑を認めているという。特捜部は20日までに、博報堂エルグ親会社の広告大手「博報堂」の九州支社(福岡市)も関連先として家宅捜索した。

捜査関係者らによると、ベスト電器はDM広告の予算が決まっており、ベスト側は、エルグ側に「料金効率のいい発送方法はないか」と尋ねたとされる。エルグ側は05年5月、大手通販・印刷会社「ウイルコ」から、割引制度の誘いを受けており、ベスト側に提案したという。

だが発送を始めた後、顧客から「郵便法違反ではないのか」との問い合わせが同社に相次いだ。このため元部長は、「発送される障害者団体の定期刊行物の8割以上が購読されている」という要件が割引制度にあることなどを踏まえ、問い合わせ文書をエルグ側に送ったとされる。

これに対し、エルグ側は博報堂を通じてウイルコに問い合わせたうえで、自称・障害者団体「白山会」や「健康フォーラム」の刊行物はベスト電器が買い取っている点を挙げ、「大丈夫だ」などと回答したという。その結果、ベスト電器は05年8月から昨年2月までに約1190万通のDM発送を続けた。

特捜部は、同制度を使ってDMを送るのは明らかにおかしく、ベスト側が、問い合わせ後も違法性を疑いながら発送したとみて調べている。

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障害者団体の背後に見え隠れする政界の“影”~郵便法違反事件

福祉を食い物にした「闇ビジネス」に、捜査のメスが入った。障害者団体向け郵便料金割引制度を悪用して大量のダイレクトメール(DM)を格安で発送していたとして、大阪地検特捜部が16日、印刷・通販大手「ウイルコ」(石川県白山市)の会長や大手家電量販会社「ベスト電器」(福岡市)の元販売促進部長ら8人を逮捕、2人を再逮捕した郵便法違反事件。逮捕者の中に、障害者団体の代表者が含まれていたことに驚きの声が上がっているが、同時に政界の“影”も見え隠れしている。

いんちき団体

「福祉新聞の広告として掲載し、郵便料金を安く抑え、福祉団体を支援している企業としてのイメージアップを狙えます」

「製作から印刷までハガキ郵便代以下で出来ます」

カラー印刷のパンフレットには、「安さ」と「イメージアップ」をアピールする言葉が並ぶ。

これは、逮捕された障害者団体「白山会」会長(69)が製作に関与した独自の宣伝パンフレットだ。

このパンフでは、白山会について「阪神・淡路大震災の際に、親を亡くした子供たちを支援する目的」などと、前身の障害者団体「凛(りん)の会」の設立趣旨を並べるなど美辞麗句で埋め尽くされているが、凛の会設立メンバーの一人はこう指摘する。

「郵便でもうけるために障害者団体の名称を使っただけ。第一、会員に障害者は1人もいない。“砂上の楼閣”のような全く実体のないいんちきな団体だよ」

政治家とのパイプ

平成16年に開かれた民主党の牧義夫衆院議員(51)=愛知4区=の政治資金パーティーで、凛の会の主要メンバー(73)と知り合った会長は、会の名前を利用し、次々と不正な発送に手を染めていったとみられるという。

会長は牧議員の長年の支援者だった。割引の第三種郵便物制度を使ったダイレクトメールの郵送を日本郵政公社(現・郵便事業会社)側に一度断られた際、牧議員の事務所に陳情したケースも発覚した。

このように、不正郵送に手を染めた会長、凛の会会員の背後には、政治家との深い関係も浮かび上がるのだ。

凛の会会員は約15年前まで、民主党国会議員らの秘書をしており、かつて同じ議員の元で働いていた牧議員の秘書とは旧知の仲だった。

会長は約20年前、鳩山邦夫総務相の秘書だった牧議員と知り合った。鳩山総務相の選挙区だった東京都文京区で会社を経営していたことが2人を結びつけた。会長は平成12年には、牧議員が立ち上げた飲食店コンサルタント会社を継承している。

牧議員の事務所は「(会長は)水道メーターの販売会社を紹介したり、土地の販売の斡旋を依頼するなど、怪しげな話をよく事務所に持ってきた。支援者の一人として陳情を受けてきた」という。

一方で会長、凛の会会員の関係について、前述の凛の会のメンバーはこう話す。

「凛の会会員はカメレオンのような性格。経営していた出版社が倒産したこともあり、会長の押しに負けて、事件に巻き込まれたのではないか。会長は地上げ屋をやっており、うるさ型の人間。人前で凛の会会員に対し『おれをだましたのか』と怒鳴ることもあった」

凛の会は当初、割引の第三種郵便物制度を利用して、機関誌「凛」を毎月3回発行していた。だが、数カ月後には印刷業務を広告会社に外注。会長が会の運営に介入し始めた前後から、企業の商品パンフレットが同封されるようになったという。

巨額の「暴利」

第三種郵便物を悪用した不正郵送が長年続けられた背景には、取引が生み出す巨額の「暴利」がある。

関係者によると、容疑者らはベスト電器の商品パンフレットに白山会など2団体が発行する定期刊行物を同封したDMを郵送。通常なら1通120円かかるのに対し、7円でベスト電器の顧客に発送して差額約2億4000万円を得ていたとされる。

障害者団体の刊行物や商品パンフレットの印刷を請け負ったウイルコは16年11月、今回に不正郵送を主導したとされる広告代理店「新生企業」(現・伸正、大阪市西区)と提携。当初、社内調査で取引を懸念する声があったにもかかわらず、当時の社長(57)=15日付で会長を辞任=が取引開始を決裁したという。

奇しくもウイルコは、制度を悪用した取引開始直後の17年10月に東証2部に上場を果たしていた。

「辣腕を振るう典型的なワンマン経営者」

石川県内で印刷会社を経営する男性は、前会長の経営スタイルを一言で言い表した上で、こう証言した。

「役員クラスでも、反対意見を唱える者はいなかった。前会長がゴーサインを出したら、その企画は必ず通るし、社員には成功させなければならないプレッシャーがあった。閉鎖的な社風を嫌い、辞める社員が多かった」

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社説:違法DM事件 日本郵便の対応 不可解

障害者団体名で発行される刊行物に通販会社などのダイレクトメール(DM)広告を掲載し、格安の低料第3種郵便で顧客に届けていた疑いで、大阪市の広告代理店「新生企業」(現・伸正)社長ら10人が大阪地検特捜部に逮捕された。違法DM約210万通を郵送し、正規料金との差額約2億4000万円を不正に免れた疑いが持たれている。同社長らは3月にも計約690万通の違法DMを郵送し、計約9億1000万円を免れたとして起訴されている。

公共性の高い郵便物の料金を安くすることは郵便法で定められている。第3種は新聞や雑誌などの定期刊行物で、特に障害者団体が月3回以上発行し50グラム以下の場合、1通8円(通常料金は定型で80円)で郵送することができる。

この制度に目を付けた悪用例は少なくない。日本郵便(郵便事業会社)によると昨年10月までに制度の承認を受けた216件のうち21件で悪用が確認されたという。判明した障害者団体(19団体)に49億円、民間企業(4社)に30億円を請求すると発表したのは当然だ。

しかし、新生企業による違法DMの発送窓口となった日本郵便の東京都内2支店では、担当者が内容物に虚偽がないかマニュアルに従って検査していたのか疑問が持たれている。短期間で違法DMが不自然なほど急増したのにどうして見抜けなかったのか。「被害者」であるはずの日本郵便の対応は不可解だ。

ほかにも疑問はある。同社に名義を貸していた障害者団体はどうなっているのか。その障害者団体から民主党の牧義夫衆院議員(51)が献金を受け、国会で同社に有利な質問をしたのはなぜか。捜査当局には徹底した真相解明を期待したい。

割引郵便制度は郵政民営化に伴って廃止が検討されたが、多くの障害者団体の反対で存続した。

ある障害者団体は機関誌を全国の会員に毎月4万部余郵送している。通常は1部140円だが、低料第3種郵便で1部20円だ。収入は障害基礎年金だけ、施設での賃金も1万円に満たない障害者は多い。機関誌の作成や発送はその障害者や家族からの会費で賄われている。制度が廃止されたら郵送料だけで年間6000万円の赤字になる。高齢の家族の中には年金暮らしで、電子メールなどにも縁がない人が多い。障害者や家族にとって不可欠な情報伝達手段なのだ。

この事件の真の被害者は全国の障害者と国民である。障害者の自立や社会参加のために各種利用料や税の優遇制度があり、優遇した分は国民全体が間接的に少しずつ負担することで成り立っている。その信頼を揺るがせる不正を許してはならない。

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4月 21, 2009 at 10:34 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.16

御殿場事件・驚愕の一審判決を最高裁が是認

大石英司の代替空港で知りましたが、「御殿場事件」が上告棄却になりました。

大石英司の代替空港より「※ 元少年5人の有罪確定へ 静岡・御殿場の少女集団強姦未遂」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090415-00000544-san-soci

>2審東京高裁は、少女の証言の信用性について、「日時を除きほぼ一貫しており、具体的で自然」と指摘、

 凄まじく滑稽な話。「日時」という肝心要の部分で、もう公訴棄却って話ですよ。普通なら。それが、裁判官が堂々と、「日時を除いては合っている」とか、何だそれは…‥。だいたい、日時所か、天候まで全く違っているのに。

 言ってみれば、死因は銃創なのに、「刺しました」と自白した犯人を有罪にする時に「凶器を除き被告の証言は一貫しており…‥」みたいな話をするような無茶ですよ。

 なんでこんな無茶苦茶な話が堂々とまかり通るのか。

この事件に付いては、大石英司氏や阿曽山大噴火氏(阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」)でも取り上げていて、わたしも以前取り上げています。

2007.08.27の記事「御殿場事件を考える」、2008.09.05の記事「御殿場事件判決」です。

一審の静岡地裁の判決が問題で、地裁での審理中に「起訴した日時には事件が起きていないことは確認された」のに、地裁判決はこの点について「被害者の供述は犯行日を除き、一貫している」「被告人らの供述も、犯行日を除き一貫している」という理解しがたい、判決理由で有罪としています。

高裁も地裁もどうも、事実調べをしないで弁護側の控訴と上告を棄却したようです。

静岡新聞より「不当決定 と弁護団 御殿場の少女暴行未遂

御殿場市で2001年、少女に乱暴しようとしたとして当時16―17歳の元少年らが強姦(ごうかん)未遂罪に問われた事件で、最高裁は15日までに元少年5人の上告を棄却し、いずれも有罪とした東京高裁判決が確定する見通しとなった。
元少年らや家族、支援者たちは「最後の希望も裏切られた」と不満をあらわにした。

決定は弁護側の上告趣意について「単なる法令違反、事実誤認の主張であり上告理由に当たらない」と退け、「事件当日は雨で野外での犯行は不自然」と降雨記録に関する新証拠を提出するなどした弁護側の主張には一切言及しなかった。

弁護団の鈴木勝利弁護士は「門前払いに等しい不当な決定。物証がないのになぜ有罪か、合理的な理由を示さない姿勢は危険であり、自白偏重の傾向を招きかねない」と批判した。

元少年らはいずれも社会人となった。決定の通知を受けて「前向きに生きるしかない」と声を掛け合ったという。実刑判決の4人は近く収監される見通し。

物証がなく被害者証言が起訴の柱となっている点で、法学者の間では14日に最高裁が無罪判決を言い渡した痴漢事件との類似性を指摘する意見が出ている

荒木伸怡立教大大学院教授(刑事法学)は「無罪判決は物証なくして有罪にできない、という基本原則を重視した。逆に本件は降雨データなど被害証言と食い違う証拠があるのに、証言や自白が重視された。
判事の間で意見の差異がうかがえる」と疑問を呈した。

山本雅昭静岡大法科大学院准教授(刑法)は「本件は全員一致の棄却であり、裁判官は確信を持って判断したと見るべき。供述の信用性に疑問はあるが、混雑する電車の痴漢とは状況の複雑さが違い、供述が明白だったことも結論が分かれた一因では」と分析した。

たまたま、最高裁の痴漢事件・無罪自判判決があって、報道記事も色々出ていますが、わたしが最初に無罪報告を読んだのは山口利昭弁護士の「ビジネス法務の部屋」に書かれた「必読!!痴漢事件・最高裁逆転判決(速報版)」でした。

すでにマスコミ各社で報道されているとおり、防衛医大教授の強制わいせつ被告事件につきまして、本日逆転無罪の最高裁判決が出ました。(すでに最高裁HPにて判決全文が閲覧できます)ひさびさに背筋がゾクゾクとするような判決文です。これはプロの法律家であれば必読でしょう。裁判官5名のうち、反対意見2名という僅差の多数判断ですが、ビックリするのは「被告人は本当に痴漢をしたのか、しなかったのか」という点だけでなく、「被害者の供述は詳細で理路整然としており、時系列的にも合理的である」といった一般的な供述の信用性判断の手法を批判し(これ、涙が出そう・・・・!裁判員制度にも大きな影響を与えそうです)、かつ事後審制の法律審たる最高裁の「事実審理の在り方」にまで論争がなされている点であります。これはおそらく学者の先生を交え、大いに今後論争される判決になるものと思われます。また、きちんと判決全文を読んでからエントリーしたいと思います。(とりいそぎ、速報版です)

※ちなみに、私が痴漢被告事件を扱った経験からすると、満員電車のなかで「下着のなかに手をいれた」場合は強制わいせつ罪、「下着もしくは服の上から触った」場合は大阪府条例(迷惑防止条例)違反罪として立件されるのが通常かと思われます。(なお、交通ルールさんのご指摘により、スカートをめくって下着を触った時点で強制わいせつ罪に該当する、とのことのようです。また確認させていただきます)

※なお、裁判官が述べているとおり、本件は被害者であるAさんの証言が信用できない、というものではなく、記憶違いや人違いなどについての可能性がないことに「合理的な疑いが残る」というものであります。このブログも、冤罪者支援とか、痴漢被害者支援といった立場からではなく、冷静に事実審理の在り方を考える、というスタンスで述べるものであります。(あしからず)

さっそく、最高裁判決をPDFで見ました。

裁判官那須弘平の補足意見は,次のとおりである。

1 冤罪で国民を処罰するのは国家による人権侵害の最たるものであり,これを 防止することは刑事裁判における最重要課題の一つである。
刑事裁判の鉄則ともいわれる「疑わしきは被告人の利益に」の原則も,有罪判断に必要とされる「合理的 な疑いを超えた証明」の基準の理論も,突き詰めれば冤罪防止のためのものである と考えられる。

本件では,公訴事実に当たる痴漢犯罪をめぐり,被害を受けたとされる女性(以 下「A」という。)が被告人を犯人であると指摘するもののこれを補強する客観的 証拠がないに等しく,他方で被告人が冤罪を主張するもののやはりこれを補強する 客観的証拠に乏しいという証拠状況の下で,1審及び原審の裁判官は有罪・無罪の 選択を迫られ,当審でも裁判官の意見が二つに分かれている。

意見が分かれる原因 を探ると,結局は「合理的な疑いを超えた証明」の原理を具体的にどのように適用 するかについての考え方の違いに行き着くように思われる。

そこで,この際,この 点について私の考え方を明らかにして,多数意見が支持されるべき理由を補足して おきたい。

2 痴漢事件について冤罪が争われている場合に,被害者とされる女性の公判で の供述内容について「詳細かつ具体的」,「迫真的」,「不自然・不合理な点がな い」などという一般的・抽象的な理由により信用性を肯定して有罪の根拠とする例 は,公表された痴漢事件関係判決例をみただけでも少なくなく,非公表のものを含 めれば相当数に上ることが推測できる。

しかし,被害者女性の供述がそのようなも のであっても,他にその供述を補強する証拠がない場合について有罪の判断をする ことは,「合理的な疑いを超えた証明」に関する基準の理論との関係で,慎重な検 討が必要であると考える。
その理由は以下のとおりである。

ア混雑する電車内での痴漢事件の犯行は,比較的短時間のうちに行われ,行為 の態様も被害者の身体の一部に手で触る等という単純かつ類型的なものであり,犯 行の動機も刹那的かつ単純なもので,被害者からみて被害を受ける原因らしいもの はこれといってないという点で共通している。

被害者と加害者とは見ず知らずの間 柄でたまたま車内で近接した場所に乗り合わせただけの関係で,犯行の間は車内で の場所的移動もなくほぼ同一の姿勢を保ったまま推移する場合がほとんどである。

このように,混雑した電車の中での痴漢とされる犯罪行為は,時間的にも空間的に もまた当事者間の人的関係という点から見ても,単純かつ類型的な態様のものが多 く,犯行の痕跡も(加害者の指先に付着した繊維や体液等を除いては)残らないた め,「触ったか否か」という単純な事実が争われる点に特徴がある。

このため,普 通の能力を有する者(例えば十代後半の女性等)がその気になれば,その内容が真 実である場合と,虚偽,錯覚ないし誇張等を含む場合であるとにかかわらず,法廷 において「具体的で詳細」な体裁を具えた供述をすることはさほど困難でもない。

その反面,弁護人が反対尋問で供述の矛盾を突き虚偽を暴き出すことも,裁判官が 「詳細かつ具体的」,「迫真的」あるいは「不自然・不合理な点がない」などとい う一般的・抽象的な指標を用いて供述の中から虚偽,錯覚ないし誇張の存否を嗅ぎ 分けることも,けっして容易なことではない。

本件のような類型の痴漢犯罪被害者 の公判における供述には,元々,事実誤認を生じさせる要素が少なからず潜んでい るのである。

イ被害者が公判で供述する場合には,被害事実を立証するために検察官側の証 人として出廷するのが一般的であり,検察官の要請により事前に面接して尋問の内 容及び方法等について詳細な打ち合わせをすることは,広く行われている。

痴漢犯 罪について虚偽の被害申出をしたことが明らかになれば,刑事及び民事上の責任を 追及されることにもなるのであるから(刑法172条,軽犯罪法1条16号,民法 709条),被害者とされる女性が公判で被害事実を自ら覆す供述をすることはな い。

検察官としても,被害者の供述が犯行の存在を証明し公判を維持するための頼 りの綱であるから,捜査段階での供述調書等の資料に添った矛盾のない供述が得ら れるように被害者との入念な打ち合わせに努める。

この検察官の打ち合わせ作業自 体は,法令の規定(刑事訴訟規則191条の3)に添った当然のものであって,何 ら非難されるべき事柄ではないが,反面で,このような作業が念入りに行われれば 行われるほど,公判での供述は外見上「詳細かつ具体的」,「迫真的」で,「不自 然・不合理な点がない」ものとなるのも自然の成り行きである。

これを裏返して言 えば,公判での被害者の供述がそのようなものであるからといって,それだけで被 害者の主張が正しいと即断することには危険が伴い,そこに事実誤認の余地が生じ ることになる。

ウ満員電車内の痴漢事件については上記のような特別の事情があるのであるか ら,冤罪が真摯に争われている場合については,たとえ被害者女性の供述が「詳細 かつ具体的」,「迫真的」で,弁護人の反対尋問を経てもなお「不自然・不合理な 点がない」かのように見えるときであっても,供述を補強する証拠ないし間接事実 の存否に特別な注意を払う必要がある。

その上で,補強する証拠等が存在しないに もかかわらず裁判官が有罪の判断に踏み切るについては,「合理的な疑いを超えた 証明」の視点から問題がないかどうか,格別に厳しい点検を欠かせない。

3 以上検討したところを踏まえてAの供述を見るに,1審及び原審の各判決が 示すような「詳細かつ具体的」等の一般的・抽象的性質は具えているものの,これ を超えて特別に信用性を強める方向の内容を含まず,他にこれといった補強する証 拠等もないことから,上記2に挙げた事実誤認の危険が潜む典型的な被害者供述で あると認められる。

これに加えて,本件では,判決理由第2の5に指摘するとおり被害者の供述の信 用性に積極的に疑いをいれるべき事実が複数存在する。

その疑いは単なる直感によ る「疑わしさ」の表明(「なんとなく変だ」「おかしい」)の域にとどまらず,論 理的に筋の通った明確な言葉によって表示され,事実によって裏づけられたもので もある。

Aの供述はその信用性において一定の疑いを生じる余地を残したものであ り,被告人が有罪であることに対する「合理的な疑い」を生じさせるものであると いわざるを得ないのである。

したがって,本件では被告人が犯罪を犯していないとまでは断定できないが,逆 に被告人を有罪とすることについても「合理的な疑い」が残るという,いわばグレ ーゾーンの証拠状況にあると判断せざるを得ない。
その意味で,本件では未だ「合 理的な疑いを超えた証明」がなされておらず,「疑わしきは被告人の利益に」の原 則を適用して,無罪の判断をすべきであると考える。

この那須弘平裁判官の補足意見は一般常識として反対の余地が無いかのよう見えますが、堀籠幸男裁判官の反対意見は

私は,多数意見には反対であり,原判決に事実誤認はなく,本件上告は棄却すべ きものと考える。その理由は次のとおりである。

第1 事実誤認の主張に関する最高裁判所の審査の在り方

1 刑訴法は,刑事事件の上訴審については,原判決に違法又は不当な点はない かを審査するという事後審制を採用している。

上訴審で事実認定の適否が問題とな る場合には,上訴審は,自ら事件について心証を形成するのではなく,原判決の認 定に論理則違反や経験則違反がないか又はこれに準ずる程度に不合理な判断をして いないかを審理するものである。
そして,基本的に法律審である最高裁判所が事実 誤認の主張に関し審査を行う場合には,その審査は,控訴審以上に徹底した事後審 査でなければならない。

最高裁判所の審査は,書面審査により行うものであるか ら,原判決に事実誤認があるというためには,原判決の判断が論理則や経験則に反 するか又はこれに準ずる程度にその判断が不合理であると明らかに認められる場合 でなければならない。刑訴法411条3号が「重大な事実の誤認」と規定している のも,このことを意味するものというべきである。

2 刑訴法は,第一審の審理については,直接主義,口頭主義を採用しており, 証人や被告人の供述の信用性が問題となる場合,第一審の裁判所は,証人や被告人 の供述態度の誠実性,供述内容の具体性・合理性,論理の一貫性のみならず,論告 ・弁論で当事者から示された経験時の条件,記憶やその正確性,他の証拠との整合 性あるいは矛盾等についての指摘を踏まえ,その信用性を総合的に検討して判断す ることになるのであり,その判断は,まさしく経験則・論理則に照らして行われる のである。証人や被告人の供述の信用性についての上訴審の審査は,その供述を直 接的に見聞して行うものではなく,特に最高裁判所では書面のみを通じて行うもの であるから,その供述の信用性についての判断は,経験則や論理則に違反している か又はこれに準ずる程度に明らかに不合理と認められるかどうかの観点から行うべ きものである。

第2 事実誤認の有無

1 本件における争点は,被害者Aの供述と被告人の供述とでは,どちらの供述 の方が信用性があるかという点である。

被害者Aの供述の要旨は,多数意見が要約しているとおりであるが,Aは長時間 にわたり尋問を受け,弁護人の厳しい反対尋問にも耐え,被害の状況についての供 述は,詳細かつ具体的で,迫真的であり,その内容自体にも不自然,不合理な点は なく,覚えている点については明確に述べ,記憶のない点については「分からな い」と答えており,Aの供述には信用性があることが十分うかがえるのである。

多数意見は,Aの供述について,犯人の特定に関し疑問があるというのではな く,被害事実の存在自体が疑問であるというものである。すなわち,多数意見は, 被害事実の存在自体が疑問であるから,Aが虚偽の供述をしている疑いがあるとい うのである。しかし,田原裁判官が指摘するように,Aが殊更虚偽の被害事実を申 し立てる動機をうかがわせるような事情は,記録を精査検討してみても全く存しな いのである。

2 そこで,次に被害者Aの供述からその信用性に対し疑いを生じさせるような 事情があるといえるかどうかが問題となる。

(1) 多数意見は,先ず,被害者Aが車内で積極的な回避行動を執っていない点 で,Aの供述の信用性に疑いがあるという。この点のAの供述の信用性を検討する に際しては,朝の通勤・通学時における小田急線の急行・準急の混雑の程度を認識 した上で行う必要がある。この時間帯の小田急線の車内は,超過密であって,立っ ている乗客は,その場で身をよじる程度の動きしかできないことは,社会一般に広 く知れ渡っているところであり,証拠からも認定することができるのである。身動 き困難な超満員電車の中で被害に遭った場合,これを避けることは困難であり,ま た,犯人との争いになることや周囲の乗客の関心の的となることに対する気後れ, 羞恥心などから,我慢していることは十分にあり得ることであり,Aがその場から の離脱や制止などの回避行動を執らなかったとしても,これを不自然ということは できないと考える。Aが回避行動を執らなかったことをもってAの供述の信用性を 否定することは,同種痴漢被害事件において,しばしば生ずる事情を無視した判断 といわなければならない。

(2) 次に,多数意見は,痴漢の被害に対し回避行動を執らなかったAが,下北 沢駅で被告人のネクタイをつかむという積極的な糾弾行動に出たことは,必ずしも そぐわないという。しかし,犯人との争いになることや周囲の乗客の関心の的とな ることに対する気後れ,羞恥心などから短い間のこととして我慢していた性的被害 者が,執拗に被害を受けて我慢の限界に達し,犯人を捕らえるため,次の停車駅近 くになったときに,反撃的行為に出ることは十分にあり得ることであり,非力な少 女の行為として,犯人のネクタイをつかむことは有効な方法であるといえるから, この点をもってAの供述の信用性を否定するのは,無理というべきである。

(3) また,多数意見は,Aが成城学園前駅でいったん下車しながら,車両を替 えることなく,再び被告人のそばに乗車しているのは不自然であるという。しかし ながら,Aは,成城学園前駅では乗客の乗降のためプラットホームに押し出され, 他のドアから乗車することも考えたが,犯人の姿を見失ったので,迷っているうち に,ドアが閉まりそうになったため,再び同じドアから電車に入ったところ,たま たま同じ位置のところに押し戻された旨供述しているのである。Aは一度下車して おり,加えて犯人の姿が見えなくなったというのであるから,乗車し直せば犯人と の位置が離れるであろうと考えることは自然であり,同じドアから再び乗車したこ とをもって不自然ということはできないというべきである。そして,同じ位置に戻 ったのは,Aの意思によるものではなく,押し込まれた結果にすぎないのである。 多数意見は,「再び被告人のそばに乗車している」と判示するが,これがAの意思 に基づくものと認定しているとすれば,この時間帯における通勤・通学電車が極め て混雑し,多数の乗客が車内に押し入るように乗り込んで来るものであることに対 する認識に欠ける判断であるといわなければならない。この点のAの供述内容は自 然であり,これをもって不自然,不合理というのは,無理である。

(4) 以上述べたように,多数意見がAの供述の信用性を否定する理由として挙 げる第2の5の(1),(2)及び(3)は,いずれも理由としては極めて薄弱であり,こ のような薄弱な理由を3点合わせたからといって,その薄弱性が是正されるという ものではなく,多数意見が指摘するような理由のみではAの供述の信用性を否定す ることはできないというべきである。

3 次に,被告人の供述については,その信用性に疑いを容れる次のような事実 がある。

(1) 被告人は,検察官の取調べに対し,下北沢駅では電車に戻ろうとしたこと はないと供述しておきながら,同じ日の取調べ中に,急に思い出したなどと言っ て,電車に戻ろうとしたことを認めるに至っている。これは,下北沢駅ではプラッ トホームの状況についてビデオ録画がされていることから,被告人が自己の供述に 反する客観的証拠の存在を察知して供述を変遷させたものと考えられるのであり, こうした供述状況は,確たる証拠がない限り被告人は不利益な事実を認めないこと をうかがわせるのである。

(2) 次に,被告人は,電車内の自分の近くにいた人については,よく記憶し, 具体的に供述しているのであるが,被害者Aのことについては,ほとんど記憶がな いと供述しているのであって,被告人の供述には不自然さが残るといわざるを得な い。

(3) 多数意見は,被告人の供述の信用性について,何ら触れていないが,以上 によれば,被告人の供述の信用性には疑問があるといわざるを得ない。

4 原判決は,以上のような証拠関係を総合的に検討し,Aの供述に信用性があ ると判断したものであり,原判決の認定には,論理則や経験則に反するところはな く,また,これに準ずる程度に不合理といえるところもなく,原判決には事実誤認 はないというべきである。

第3 論理則,経験則等と多数意見の論拠

多数意見は,当審における事実誤認の主張に関する審査について,「原判決の認 定が論理則,経験則等に照らして不合理といえるかどうかの観点から行うべきであ る」としている。この点は,刑訴法の正当な解釈であり,私も賛成である。

しか し,多数意見がAの供述の信用性に疑いを容れる余地があるとして挙げる理由は, 第2の5の(1),(2)及び(3)だけであって,この3点を理由に,Aの供述には信用 性があるとした原判決の判断が,論理則,経験則等に照らして不合理というにはあ まりにも説得力に欠けるといわざるを得ない。

多数意見は,Aの供述の信用性を肯定した原判決に論理則や経験則等に違反する 点があると明確に指摘することなく,ただ単に,「Aが受けたという公訴事実記載 の痴漢被害に関する供述の信用性についても疑いをいれる余地があることは否定し 難い」と述べるにとどまっており,当審における事実誤認の主張に関する審査の在 り方について,多数意見が示した立場に照らして,不十分といわざるを得ない。

裁判官田原睦夫の反対意見は,次のとおりである。

私は,多数意見と異なり,上告審たる当審としての事実認定に関する審査のあり 方を踏まえ,また,多数意見が第2,1において指摘するところをも十分考慮した 上で,本件記録を精査しても,原判決に判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認が ある,と認めることはできないのであって,本件上告は棄却すべきものと考える。
以下,敷衍する。

1 当審は,制度上法律審であることを原則とするから,事実認定に関する原判 決の判断の当否に介入するについては自ら限界があり,あくまで事後審としての立 場から原判決の判断の当否を判断すべきものである(最二小判昭和43.10.2 5刑集22巻11号961頁参照)。具体的には,一審判決,原判決及び上告趣意 書を検討した結果,原判決の事実認定に関する論理法則,経験則の適用過程に重大 な疑義があるか否か,あるいは上告趣意書に指摘するところを踏まえて記録を検討 した場合に,原判決の事実認定に重大な疑義が存するか否か,及びそれらの疑義 が,原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるに足りるものであるか否 かを審査すべきこととなる。

2 本件は,被告人が全面否認し,物証も存しないところから,原判決の事実認 定が肯認できるか否かは,被害事実の有無に関するAの供述の信用性及びAの加害 者誤認の可能性の有無により決するほかない。そのうち加害者誤認の可能性の点 は,一審判決が判示する犯人現認に関するAの供述の信用性が認められる限り,否 定されるのであり,また弁護人からも加害者誤認の可能性を窺わせるに足る主張は ない。そうすると本件では,Aの被害事実に関する供述の信用性の有無のみが問題 となることとなる。

3 そこで,上述の視点に立って本件記録を精査しても,Aの供述の信用性を肯 認した原判決には,以下に述べるとおり,その論理法則,経験則の適用過程におい て重大な疑義が存するとは到底認められないのである。

(1) Aは一審において証言しているが,その供述内容は首尾一貫しており,弁 護人の反対尋問にも揺らいでいない。また,その供述内容は,一審において取り調 べられたAの捜査段階における供述調書の内容とも基本的には矛盾していない。

(2) 多数意見は,Aの述べる公訴事実に先立つ向ヶ丘遊園駅から成城学園前駅 に着く直前までの痴漢被害は相当に執ようで強度なものであるにもかかわらず,車 内で積極的な回避行動を執っておらず,成城学園前駅で一旦下車しながら,車両を 替えることなく再び被告人の側に乗車している点も不自然であるなどとしている が,Aは,満員で積極的な回避行動を執ることができず,また痴漢と発言して周囲 から注目されるのが嫌だった旨,及び成城学園前駅で一旦下車した際に被告人を見 失い,再び乗車しようとした際に被告人に気付いたのが発車寸前であったため,後 ろから押し込まれ,別の扉に移動することなくそのまま乗車した旨公判廷において 供述しているのであって,その供述の信用性について,「いささか不自然な点があ るといえるものの・・・不合理とまではいえない」とした原判決の認定に,著しい 論理法則違背や経験則違背を見出すことはできないのである。

(3) また,多数意見は,本件公訴事実の直前の成城学園前駅までの痴漢被害に 関するAの供述の信用性に疑問が存することをもって,本件公訴事実に関するAの 供述の信用性には疑いをいれる余地があるとするが,上記のとおり成城学園前駅ま での痴漢被害に関するAの供述の信用性を肯定した原判決の認定が不合理であると はいえず,他に本件公訴事実に関するAの供述の信用性を肯定した原判決の認定に 論理法則違背や経験則違背が認められず,また,Aの供述内容と矛盾する重大な事 実の存在も認められない以上,当審としては,本件公訴事実にかかるAの供述の信 用性について原判決と異なる認定をすることは許されないものといわざるを得な い。

4 なお,付言するに,本件記録中からは,Aの供述の信用性及び被告人の否認 供述の信用性の検討に関連する以下のような諸問題が窺える。

(1) Aの供述に関連して
Aの痴漢被害の供述が信用できない,ということは,Aが虚偽の被害申告をした ということである。この点に関連して,弁護人は,Aは学校に遅刻しそうになった ことから,かかる申告をした旨主張していたが,かかる主張に合理性が存しないこ とは明らかである。女性が電車内での虚偽の痴漢被害を申告する動機としては,一 般的に,①示談金の喝取目的,②相手方から車内での言動を注意された等のトラブ ルの腹癒せ,③痴漢被害に遭う人物であるとの自己顕示,④加害者を作り出し,そ の困惑を喜ぶ愉快犯等が存し得るところ,Aにそれらの動機の存在を窺わせるよう な証拠は存しない。

また,Aの供述の信用性を検討するに当たっては,Aの過去における痴漢被害の 有無,痴漢被害に遭ったことがあるとすれば,その際のAの言動及びその後の行 動,Aの友人等が電車内で痴漢被害に遭ったことの有無及びその被害に遭った者の 対応等についてのAの認識状況等が問題となり得るところ,それらの諸点に関する 証拠も全く存しない。

(2) 被告人の供述に関連して
本件では,被告人は一貫して否認しているところ,その供述の信用性を検討する に当たっては,被告人の人物像を顕出させると共に,本件当時の被告人が置かれて いた社会的な状況が明らかにされる必要があり,また,被告人の捜査段階における 主張内容,取調べに対する対応状況等が重要な意義を有する。

ところが,被告人の捜査段階における供述調書や一審公判供述では,被告人の人 物像はなかなか浮かび上っておらず,原審において取り調べられた被告人の供述書 及び被告人の妻の供述書等によって,漸く被告人の人物像が浮かび上がるに至って いる。また,その証拠によって,被告人は,平成18年4月に助教授から教授に昇 任したばかりであり,本件公訴事実にかかる日の2日後には,就任後初の教授会が 開かれ,その時に被告人は所信表明を行うことが予定されていたことなど,本件事 件の犯人性と相反すると認められ得る事実も明らかになっている。

また,近年,捜査段階の弁護活動で用いられるようになっている被疑者ノートは 証拠として申請すらされておらず,被告人が逮捕,勾留された段階での被告人の供 述内容,心理状況に関する証拠も僅かしか提出されていない。さらに,記録によれ ば,被告人の警察での取調べ段階でDNA鑑定が問題となっていたことが窺われる ところ,その点は公判では殆ど問題とされていない。

(3) 仮に上記(1),(2)の点に関連する証拠が提出されていれば,一審判決及び 原判決は,より説得性のある事実認定をなし得たものと推認されるが,以上のよう な諸問題が存するとしても,当審として原判決を破棄することが許されないことは いうまでもない。

この反対意見にある通り、狭く解釈すると上訴審では事実認定をしていけない、という解釈も成り立つわけで、御殿場事件では「日にちがずれていても犯罪があった。被告が犯人」が事実認定であるから、上訴審は判断をしなかった、という事になりそうです。

これでは、近い将来「日本の裁判所は信用できない」という評判が立ちかねないわけで、その危機感が痴漢えん罪事件の疑いがあるとして、最高裁判所が自判した。 それ自体が異例のことなので、三対二の多数決になった。ということでしょう。

4月 16, 2009 at 12:17 午後 事件と裁判 | | コメント (5) | トラックバック (2)

2009.04.09

若年性アルツハイマーで裁判が停止

読売関西より「若年認知症で裁判中断、万引きで起訴の61歳…大阪地裁堺支部

万引きで窃盗罪に問われた大阪府内の男性被告(61)が、大阪地裁堺支部の精神鑑定で若年性認知症と診断され、「裁判手続きが理解できず、訴訟に対応できない」として1年5か月間、公判が停止されていることがわかった。

弁護人は裁判打ち切りを主張しているが、現行法では、精神状態を理由に裁判所が公訴を棄却できず、検察側が公訴を取り消すしかない。医学的知見の広がりで生じた新たな課題だけに、検察側も対応を慎重に検討している。

弁護人の辻川圭乃(たまの)弁護士によると、被告は2007年4月14日、堺市内のスーパーでショルダーバッグ(1980円相当)を万引きした疑いで現行犯逮捕された。
大阪地検堺支部が実施した簡易精神鑑定で「軽い認知症の症状はあるが、責任能力に問題はない」とされ、窃盗罪で起訴された。

しかし、起訴後に辻川弁護士が接見した際、被告は万引きしたことを覚えておらず、現在を「昭和」と言ったり、辻川弁護士の名前もその場で忘れたりした。

公判で被告側は事実関係を争わなかったが、「訴訟能力がなく、犯行当時も心神喪失状態だった」と無罪を主張し、精神鑑定が実施された。
その結果、責任能力が完全に失われていたわけではないと指摘されたが、早発性アルツハイマー型認知症と診断され、訴訟能力について、「症状が急速に進行する恐れがあり、回復は困難。近い将来失われる」とされた。

これを受け、地裁堺支部は07年11月、「(現在は)心神喪失状態で訴訟能力がない」と公判停止を決め、拘置もストップ。被告は府内の病院に入院した。

その後、辻川弁護士は3か月ごとに状況を地裁堺支部に報告している。字を書けなくなるなど症状は悪化している、という。

一方、検察側は「対応を検討中」としている。

想定外、司法配慮ほしい

65歳未満で発症する認知症は若年性認知症と呼ばれる。10歳代で発症するケースもある。厚生労働省の推計では、発症者は全国で約3万7800人に上る。働き盛りで就労に困るだけでなく日常生活にも支障をきたす場合が多いが、近年になって問題視され始めたため、社会的な理解や支援体制づくりは遅れている。

安冨潔・慶応義塾大法科大学院教授(刑事訴訟法)は、「医学の進歩で刑事訴訟法の立法当時に想定できなかったことが表面化している。
起訴の判断には重みがあって検察が公訴を取り消すのは難しい。裁判所の判断で公訴棄却できるよう法改正するのも一つの考え方だ」と指摘する。

精神科医で、NPO法人「若年認知症サポートセンター」(東京)理事長の宮永和夫医師によると、発症者が万引きなどの軽犯罪を起こすケースはほかにもある、という。
宮永医師は「犯罪を行っても自覚がない場合がある。軽犯罪では被害弁償を優先させ、診察を勧める配慮が司法にもほしい」と話している。

これは極めて難しい問題ですね。

オウムか真理教の松本(死刑囚)の裁判でも「裁判が理解できない」と報道されていました。

今回の報道では「拘置もストップ。被告は府内の病院に入院した。」とのことですから、病状としては非常に深刻なのでしょう。

時系列を整理すると

事件の発生・現行犯逮捕2007年4月
検察で簡易鑑定・起訴に
弁護人が心神喪失を主張
裁判所が精神鑑定
裁判の停止2007年11月

全部7ヶ月でこれだけの変化があったことになります。
入院後にも症状は進行して状況は悪化したようですが、その期間が1年5ヶ月だとなると、やはり逮捕時点の簡易精神鑑定を実施した結果の判断が甘かったということなるでしょう。
そういう見方をすると、検察には厳しい事になりますが「簡易精神鑑定の判断ミスで、責任能力無しなので、公訴取消」という手続が正しいのだろうと思います。

裁判が出来ないから、裁判を打ち切るというのではまずいのではないでしょうか?

4月 9, 2009 at 09:57 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.07

舞鶴の高校一年生殺害事件で逮捕したのだが

今朝の朝刊から「逮捕へ」と大々的に報じられていましたが、物的な確実な証拠が出てないわけですね。
だから毎日新聞記事には

司法関係者の間には、今回の逮捕には、裁判員制度との関係を指摘する声もある。制度が導入される5月21日以降に起訴されれば、有罪・無罪の判断などに市民が加わる裁判員裁判で審理される。
捜査当局には「状況証拠による立証は市民には理解してもらえない恐れがある」という声があったという。
刑事訴訟法で認められた、逮捕から起訴までの取り調べ期間は最大23日間。
4月30日ごろの逮捕が、職業裁判官による公判を受けるための期限だった。それだけに、今後、本格化する容疑者に対する調べが注目される。

と指摘されてしまうわけですが、これでなんとかなるものなのでしょうか?

今後の刑事捜査手法や、刑事裁判、さらには法律の理解などにも影響しそうに感じます。


新たな目撃情報で逮捕、有力物証なく…舞鶴・女子高生殺害

京都府舞鶴市で昨年5月、高校1年の女子生徒(当時15歳)が殺害された事件で、府警舞鶴署の捜査本部は7日、遺体発見現場近くに住む無職容疑者(60)(窃盗罪で実刑判決を受け服役中)を、殺人、死体遺棄容疑で逮捕した。

府警は昨年11~12月に計6日間、同容疑で容疑者の自宅を捜索していた。

捜索では、事件につながる直接証拠は得られなかったが、現場近くで容疑者とみられる人物が、被害者と一緒にいるところを目撃されていたことが新たに判明。容疑者にアリバイがないなどの状況証拠を積み重ねた結果、容疑者が被害者と最後に接触した可能性が高く、他に犯行の機会があった人物もいないと結論づけた。

容疑者はこれまでの聴取に対し、「当日は家で寝ていた」と話し、関与を否認しているという。

容疑者は舞鶴市内の民家で女性の下着などを盗んだとして昨年11月、窃盗容疑で逮捕、起訴された。今年2月25日、懲役1年の実刑判決を受けて確定、京都刑務所(京都市山科区)で服役している。
(2009年4月7日14時30分 読売新聞)

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【舞鶴・少女殺害事件】「知らない」と容疑否認

京都府舞鶴市の府立高校1年の女子生徒=当時(15)=殺害事件で、舞鶴署捜査本部は7日、殺人と死体遺棄容疑で逮捕した同市朝来(あせく)西の無職、容疑者(60)=別の窃盗罪で服役中=が、捜査本部の調べに対して「知らない」と容疑を全面否認していることを明らかにした。

逮捕容疑によると、容疑者は昨年5月7日未明、同市朝来中の雑木林で、被害者の顔や頭などを鈍器で数回殴って失血死させた上、遺体に土や枯れ葉をかけて隠したとされる。

被害者は同6日夜に自宅から一人で外出したあと行方不明となり、8日朝になって遺体で発見された。

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服役中の男を逮捕舞鶴の女子高生殺人・死体遺棄容疑

京都府舞鶴市で昨年5月、高校1年の女子生徒(当時15)が殺害された事件で、府警舞鶴署捜査本部は7日、京都刑務所に窃盗の罪で服役中の容疑者(60)を、殺人・死体遺棄容疑で逮捕した。事件当夜の容疑者と被害者の足取りが重なり、防犯カメラの映像に残っていた被害者とみられる女性と歩く人物と似ていることなどから、容疑者が事件に関与した疑いが強いと判断した。

府警によると、容疑者は昨年5月7日未明、舞鶴市朝来(あせく)中の朝来川左岸の雑木林内で、被害者の頭部や顔面などを鈍器のようなもので数回殴打し、失血死させたうえ、遺体に土をかぶせて遺棄した疑いが持たれている。

捜査本部は昨年11月28日から6日間かけて、容疑者の自宅を殺人・死体遺棄容疑で捜索・検証し、服や手袋、自転車など約2千点を押収したが、事件への関与を示す有力な物証は得られなかったとみられる。このため、状況証拠を積み重ねる捜査を慎重に続けてきた。

捜査関係者によると、容疑者は6日夜、被害者が歩いたとみられるルートに近い飲食店に立ち寄り、7日未明に帰路についたとみられ、同時間帯に容疑者の帰宅ルートを被害者も通った可能性が高いという。当時、被害者とみられる女性とともに、自転車を押しながら歩く男が道沿いの防犯カメラに映っていたが、この男と容疑者の特徴もほぼ一致しているという。

容疑者は事件当時、被害者の遺体発見現場近くの府営住宅に住み、昨年11月に窃盗容疑で府警に逮捕された。今年2月25日、窃盗罪で懲役1年の実刑判決が言い渡され、今は、京都刑務所(京都市山科区)に服役している。

容疑者は窃盗容疑で逮捕される前、朝日新聞の取材に対し、「(被害者のことは)全然知らん。早く解決してもらいたい」などと話していた。

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舞鶴高1殺害:服役中の60歳男を逮捕京都府警

08年5月に起きた高校1年の女子生徒(当時15歳)殺害事件で、府警舞鶴署捜査本部は7日、当時、現場近くに住み、窃盗罪で服役中の容疑者(60)を殺人、死体遺棄容疑で逮捕した。容疑者は逮捕前の任意の事情聴取に「外で飲んだ後、家で寝ていた」と関与を否認しているが、捜査本部は事件当夜の行動などを本格的に追及する。

捜査本部は7日未明に逮捕状を取り、同日午後、服役中の刑務所で逮捕した。

被害者は08年5月6日夜、自宅を徒歩で出たまま行方不明になり、同8日朝、約7キロ離れた舞鶴市朝来(あせく)中の朝来川南側の雑木林で遺体で発見された。

その後の捜査で、自宅と遺体発見現場を結ぶ道路沿いの防犯カメラに6日深夜から7日未明にかけて、自転車を押して被害者と一緒に歩く男の映像があったことが判明。捜査本部が映像を外部機関に依頼するなどして分析した結果、容疑者が5月6日夜、市内の居酒屋を出た際の服装などと酷似していることが分かり、容疑者が所有している自転車も、カメラ映像と似たタイプだった。

京都府警は08年11月15日、女性用下着などを盗んだ窃盗容疑で容疑者を逮捕。捜査本部は同28日から6日間、殺人、死体遺棄容疑で容疑者の自宅を捜索し、工具や毛髪など約2000点を押収し、鑑定を進めていた。捜索には容疑者の弁護人も立ち会う異例の展開となった。

こうしたことから、捜査本部は容疑者が被害者の殺害と死体遺棄に関与した疑いが極めて強いと判断。容疑者は女性用下着や、さい銭などを盗んだとして逮捕・起訴され、2月に京都地裁舞鶴支部で懲役1年の実刑判決を受けて確定したが、服役中に任意の聴取を行うなど慎重に裏付けを進めていた。【田辺佑介、珍田礼一郎、村上正】

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舞鶴高1殺害:物証乏しく長期化別件で捜索、異例の展開

京都府舞鶴市の高校1年の女子生徒(当時15歳)殺害事件は、府警舞鶴署捜査本部が7日に窃盗罪で服役中の容疑者(60)を殺人容疑などで逮捕し、一気に動き始めた。容疑者は被害者の遺体発見現場から約400メートル東の府営住宅に住み、事件後は捜査の動きを気にかける様子も見せていたが、これまでの捜査や取材に、事件への関与を否定していた。発生から約11カ月。謎の多い事件を捜査当局がどこまで解明できるかに注目が集まる。

事件では、被害者が自転車の男と一緒に歩く様子が遺体発見現場に向かう道沿いの防犯カメラに映っており、当初、捜査の方向で顔見知り説が浮上。捜査本部は1カ月近くをかけ、携帯電話の通話やメールの記録の精査と友人・知人からの聞き取りを重ねたが、有力情報には行き当たらなかった。現場周辺の不審者の洗い出しを進める中で浮かび上がったのが、逮捕された容疑者だった。

容疑者は付近を自転車でうろつく姿が度々目撃され、奇異な言動も目立っていた。被害者が自宅を出た5月6日夜、容疑者も現場に通じる府道沿いの居酒屋にいたことが分かった。

一方で、有力な物証に乏しく、捜査は決め手を欠いた状態が続いた。昨年11月には府警が事件とは関係ない窃盗容疑で容疑者を逮捕し、殺人容疑などで自宅の家宅捜索に踏み切るなど異例の展開をたどった。

捜査本部は家宅捜索での押収物の分析を進める一方、容疑者の周辺についても詳細に分析。容疑者は捜査当局の任意の事情聴取に対し、被害者が自宅を出て行方不明になった昨年5月6日夜、「何軒か店で飲んで家に帰って寝た」と、事件への関与を否定。しかし、周辺の聞き込み捜査などから、うち1軒については訪れていないことも判明するなど、供述の矛盾も判明した。

司法関係者の間には、今回の逮捕には、裁判員制度との関係を指摘する声もある。制度が導入される5月21日以降に起訴されれば、有罪・無罪の判断などに市民が加わる裁判員裁判で審理される。捜査当局には「状況証拠による立証は市民には理解してもらえない恐れがある」という声があったという。刑事訴訟法で認められた、逮捕から起訴までの取り調べ期間は最大23日間。4月30日ごろの逮捕が、職業裁判官による公判を受けるための期限だった。それだけに、今後、本格化する容疑者に対する調べが注目される。

【関連記事】

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殺人容疑 男を逮捕 舞鶴女子高生殺害 任意聴取に否認

京都府舞鶴市で昨年5月、高校1年の女子生徒=当時(15)=が殺害された事件で、京都府警捜査本部(舞鶴署)は7日、殺人と死体遺棄の疑いで、遺体発見現場近くに住む無職容疑者(60)=窃盗罪で服役中=を逮捕した。府警によると、容疑者は任意の事情聴取に対し、殺人容疑を否認しているという。

容疑者は京都新聞社の取材に対し「事件とは関係ない」と被害者殺害への関与を繰り返し否定していた。

府警は同日午後、山科刑務所で逮捕状を執行し、容疑者を山科署に移した。

捜査本部は、

  • 容疑者が遺体発見現場から東約400メートルの住宅に居住
  • 事件当日の昨年5月7日未明に海岸沿いの防犯カメラのとらえた、被害者と一緒に歩く自転車の人物と、容疑者の身体的な特徴が「同一人物とみて矛盾しない」との鑑定結果が出た
  • 容疑者が同6日夜から7日未明に市内の飲食店2店を自転車で訪れ、帰途のコースと時間帯が被害者が通過したものと重なる

などを重視している。

容疑者は市内で女性下着とさい銭約2000円を盗んだとして、窃盗の疑いで昨年11月15日に舞鶴署に逮捕された。京都地裁舞鶴支部は2月25日、懲役1年(求刑懲役2年)を言い渡した。刑は確定し、現在受刑している。

被害者は昨年5月6日夜に自宅を1人で出て、8日朝に舞鶴市朝来(あせく)中の朝来川沿いの雑木林で遺体で発見された。工具とみられる鈍器で顔などを殴られたあとがあり、遺体には土や枯れ葉がかぶせてあった。

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4月 7, 2009 at 06:29 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.29

丹波ナチュラルスクール・もう一つの事件

日経新聞より「フリースクール入所者事故死、両親側が逆転敗訴──大阪高裁 少年に原因

入所者に対する虐待事件があった京都府京丹波町のフリースクール「丹波ナチュラルスクール」の指導員らに千葉市内の自宅から連れ出され、交通事故で死亡した少年(当時15)の両親が、
スクール側に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は27日、両親敗訴の逆転判決を言い渡した。

事故では少年ら3人が死亡。

一審・京都地裁は2008年9月、指導員の遺族が計約3700万円を両親へ支払うよう命じていたが、
高裁は反対に、両親が指導員ら2人の遺族へ計約1億1500万円を支払うよう命令。

連れ出しの“被害者”が、事故の“加害者”とされる結論になった。

最大の争点は事故原因。
高裁の大和陽一郎裁判長は判決理由で「後部座席の少年が体を乗り出してハンドルを左側に引っ張ったため、側壁に激突した」と認定した。

判決によると、事故は2005年5月、東京都江東区の首都高速湾岸線で発生。
ワゴン車が道路左側の壁に衝突し、少年と車の所有者だったスクール指導員ら2人が死亡し、運転手が負傷した。
(共同)

丹波ナチュラルスクールは2008年9月に入所者への傷害容疑で経営者と側近が逮捕されて、有名になったところです。
細かく情報をまとめてあるサイトがありました。

  • ◇ フリースクール:移送中事故でスタッフを提訴…少年の遺族 (魚拓)
  • ◇ 京都・京丹波のフリースクール傷害:移送事故死、運転手の責任認めず--京都地裁判決 (魚拓)
  • ◇ 傷害:フリースクール経営者ら逮捕 入所少女に暴力 京都 (魚拓)
  • ◇ フリースクール傷害:入所者の迎え、拉致同然の手口 京都 (魚拓)
  • ◇ 京都・京丹波のフリースクール傷害:「いらんこと言うな」 調査時、入所者に口止め (魚拓)
  • ◇ フリースクール、入所者を昼夜「監禁状態」に置く (魚拓)
  • ◇ 入所者ただ働きさせ自分は高級外車、フリースクール代表 (魚拓)
  • ◇ 「ずっと泣いてた」 フリースクール入所の少女恐怖語る '08/9/13 (魚拓)
  • ◇ 高額な料金で劣悪な生活 京都のフリースクール監禁虐待事件 (1/3ページ) (魚拓)
  • ◇ 高額な料金で劣悪な生活 京都のフリースクール監禁虐待事件 (2/3ページ) (魚拓)
  • ◇ 高額な料金で劣悪な生活 京都のフリースクール監禁虐待事件 (3/3ページ) (魚拓)
  • ◇ 逃げた入所者、フリースクールに戻す 福知山署が05年 (魚拓)
  • ◇ フリースクール事件、経営者ら再逮捕へ 監禁などの容疑 (魚拓)

説明のしようがない事件でありました。
果たして裁判で決してもそれで物事が良くなるのか分からないといったところでありますが、どう考えても問題がある青少年を遺棄するといった事にしかならないようなことを高額で引きうけていたという組織でした

今回の高裁判決も、事故の部分だけに着目しますと、原因が15歳の少年にある、となるのでしょうが、外見的には誘拐であって、少年の行動は緊急避難とも考えられるかと思います。

しかし、高裁が両親に責任ありとしたのは、丹波ナチュラルスクールに少年の保護を依頼したから、ということなのでしょうが、普通に考えて丹波ナチュラルスクールの内実を理解していれば、両親は依頼しなかったのではないのか?と考えます。

多分、この少年は家庭では持てあます状況であったのでしょう、そういったところから思いをめぐらせると、因果は巡るとしか言いようがなく、その輪の一部分を切り抜いて判決することが社会的に意味のあることなのだろうか?といった感を強く受けます。

3月 29, 2009 at 12:28 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.26

神世界に一斉捜索

読売新聞より「会員名簿など押収 「神世界」事件一斉捜索

「神世界」グループの霊感商法事件で、県警が詐欺容疑で25日朝から始めた6都道県の系列会社など約20か所に対する捜索は同夜まで続き、会員名簿などの関係書類を押収した。
被害総額は100億円を超えるとみられ、県警は押収品などを基に詰めの捜査を進める。

山梨県甲斐市竜王にある系列の有限会社「えんとらんすアカサカ」では、捜査員約10人が午前9時過ぎから、約4時間にわたって捜索。捜査員は段ボール5箱と紙袋3~4袋に証拠品を入れ、ワンボックスの捜査車両に次々と積み込んだ。

県警幹部によると、同社の社長や役員ら13人は、「あなたに蛇の霊がとりついている。除霊すれば病気が良くなる」などとウソをつき、女性5人から祈願料計174万円を詐取した疑いが持たれている。

一連の事件となったのは2007.12.20の記事「警察官が霊感商法」が報道されてからですね。続けて何本もの記事を書いています。

  1. 警察官が霊感商法
  2. 警察官が霊感商法その2
  3. 警察官が霊感商法その3
  4. 神世界に賠償請求
  5. 神世界の動き
  6. 神世界について
  7. 神世界・統一教会・L&G(円天)

これだけ大々的に報道されているのですから、それなりに実体解明が進んでいたのかと思っていたら、どうも神世界はかなり強く捜査に抵抗しているようですね。
だから一斉捜索となった。

悪徳商法と言えども商売なので、裁判ざたになった場合などで、敗訴確実となると「トカゲの尻尾切り」の要領で、組織の温存を図るのだそうです。

全組織を挙げて抵抗する、なんてのはカルト宗教を狂乱的行動というべきなのでしょう。
そういう見方をすると、一見すると警察官として大学教員などが関わっていたということから、狂乱とは縁遠いのかと思っていましたし、内容的にも宗教的色彩よりも詐欺商法的に見えたのですが、段々と明らかになってくるとカルト宗教的な狂乱といったものが背景に強くあるのではないか?と思えてきます。

3月 26, 2009 at 04:52 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

名誉毀損裁判、これではどうにもならないでは?

サンケイ新聞より「八百長訴訟、講談社に4300万円賠償命令 朝青龍ら勝訴

大相撲の八百長疑惑を報じた「週刊現代」の記事で名誉を傷付けられたとして、日本相撲協会と横綱朝青龍関ら力士30人が発行元の講談社などに計約6億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。

中村也寸志裁判長は「取材は極めてずさんだ」として講談社側に計約4300万円の支払いと記事を取り消す広告の掲載を命じた。

賠償額の内訳は

朝青龍関1100万円
相撲協会660万円
栃東関ら6人各220万円
琴欧州関ら8人各110万円
豊ノ島ら15人各22万円

同誌は「横綱・朝青龍の八百長を告発する!」と題した平成19年2月3日号から3回連続で、朝青龍関を中心に相撲界に八百長が横行していると報じた。

中村裁判長は、判決理由で「八百長の合意や現金授受の具体的内容が明らかでない」と指摘。
「(記事は)社会の注目を集めたが、力士生命にかかわる。具体性や迫真性があり、一般読者が真実だと受け取りやすい」として、高額な慰謝料支払いを命じた。

訴訟では、八百長の中心と名指しされた朝青龍関本人が出廷。
「(八百長は)ない。すべて真剣勝負だ」と反論した。
元若ノ鵬=ロシアに帰国=は陳述書で「私は八百長をした」としたが、後に「虚偽だった」と撤回した。

日本相撲協会の話「再び勝訴判決を受け、喜んでいる。八百長報道に何らの根拠もなかったことを認めたもので、意義は大きい」

記事を執筆したライター、武田頼政氏の話「(賠償額は)大きな金額で、当然、控訴する。八百長がないと言うには無理がある。ペンはゆるめられない」

八百長があったと述べた若ノ鵬が「ウソだった」と陳述してしまったのでは、こんな結果になってしまうのも仕方ないところでしょう。

名誉棄損事件ですから、公益性、真実性、相当性の争いであったはずですが、信じるにたる情報がウソでした、となってしまったことについては、常識的に考えて特にマスメディアに対して「取材をしっかりしろ」というのが社会の要請でしょう。

そこを裁判長が「取材は極めてずさんだ」と評したのだと思います。

それにしても、

記事を執筆したライター、武田頼政氏の話「(賠償額は)大きな金額で、当然、控訴する。
八百長がないと言うには無理がある。ペンはゆるめられない」

普通に考えて「そういう思い込みを記事にしちゃいかんよ」という判決だと考えると、どこが「当然控訴」なのか分からないですね。
別にニュースソースがあるのなら、そこで闘わないとダメでしょう。

3月 26, 2009 at 04:09 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.03.11

小学生の転落死亡事故でドライバーが有罪判決

読売新聞より「小5バス転落死に有罪…運転の元サッカー・コーチ予見可能

少年サッカーチームのマイクロバスから男児が転落死した事故で、運転中にドアをロックしていなかったなどとして自動車運転過失致死罪に問われたチームの元コーチ(34)の判決が11日、さいたま地裁であった。

田村真裁判長は「事故は予見可能で、鍵をかけるなどの実行可能な措置を怠り、事故を引き起こした過失は軽くない」として、禁固1年6月、執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)を言い渡した。

判決によると、被告は2007年12月24日夕、車体中央のスライド式ドア(センタードア)をロックせず、手動で開閉できる状態にしたまま、児童24人が乗ったマイクロバスを運転。
東京都練馬区の外環自動車道を走行中、ドアステップでサッカーボールに座っていた少年(当時11歳)が、開閉レバーに触れるなどして開いたドアから路上に転落し、後続のトラックにひかれて死亡した。

公判では、事故の予見可能性が争点となり、弁護側は「児童がドアステップに入り、レバーに触れることは予見できなかった。
様々な偶然が重なった事故」と無罪を主張していた。

判決後、記者会見した男児の父親(43)は「(主張が)ほぼ全面的に通ったと思う。子供には一つの区切りがついたと話したい」と語った。

◆事故を受けドアを改良◆

このバスのセンタードアの開閉は、ドアステップの足元付近にあるレバーで「自動」と「手動」を切り替えられる仕組みだった。
「自動」にすると運転席のスイッチでしか開閉できないが、「手動」だと走行時でもロックを外し、ドアレバーを回せば開けることができる。

さいたま地検が検証した結果、「手動」の場合、ドアレバーは2キロ余りの力で回転したという。

バスの製造元のトヨタ自動車は今回の事故を受け、同車種のバスについて、ドアレバーの周りに囲いを設け、肩や背中がレバーに触れても、ドアが簡単に開かないよう改良した。

ストレートな感想としては、運転手に過酷な判決だと感じます。

確かに、ドアのモードを自動にして、運転席だけ開くことができるようにするべきだったという結果論は分かるのですが、これは普通の自動車ではチャイルドロックに相当する機能です。

わたし自身も、昨年11月にマイクロバスにかなり近いハイエースグランドキャビンをレンタルして7人で移動しました。

Up

ハイエースですから、ドアロックの機構は普通の乗用車と同じで、さらにスライドドアはパワードアでした。
運転席からドアを開けることができますし、ドアハンドルを引くだけで自動でスライドドアがフルオープンします。

わたしは運転手をやっていて、乗降の時のドアの開閉もやっていたのですが、同乗者(乗客?)もドアの操作をしますので、どうもタイミングが合わないのです。

今振り返っても、ある種の緊張感がありました。
普通の乗用車でも乗り慣れない人が後席に乗った場合などに、ドライバーはある種の緊張を感じますが、7人乗りで運転席から見てかなり後方のスライドドアから何人もが出入りするのは、はるかに大きな緊張を感じました。

わたしが運転したときも、潜在的にこの事件と同じで走行中に同乗者がドアを開けてしまったから転落する可能性がありました。

これを防止するために、チャイルドロックをするべきだとなりますが、大人を乗せているときにチャイルドロックをしてドライバーだけがドアを開閉できる、とすることが現実的な選択なのか?というと結構迷うところです。

少なくとも普通の乗用車では、大人を乗せる場合にチャイルドロックをすることはないでしょう。
一方、路線バスなどでは乗客が度を開けることができるのは非常ハンドルを引いた場合であって、そもそも乗客が扱えるドアハンドルがありません。

このようなバランスをどこに取るのが正しいのか?という問題になりますし、同乗者(乗客)の年齢によってどのような行動を取るべきなのか?という問題も出てくるでしょう。

亡くなった少年が、ステップに置いたボール上に座っていて、故意か偶然かドアハンドルを引く、という状況についてドライバーに全責任があるのか?となりますと、小学校5年生がそういう行動を取る事は、普通にあり得ることと見るのか?といったことになるように思います。

というわけで、総合的に考えてこれほどスッパリと割り切った判決が出せる事件なのか?という印象が強く残ります。

3月 11, 2009 at 09:20 午後 事件と裁判 | | コメント (8) | トラックバック (0)

2009.03.10

タバコ強奪事件

サンケイ新聞より「タスポないから盗んだ たばこ21カートン窃盗の少年逮捕

コンビニエンスストアでたばこを大量に万引したとして、警視庁少年事件課と亀有署は窃盗の疑いで、東京都葛飾区の無職の少年(19)ら17~19歳の少年4人を逮捕した。同課によると、4人はいずれも容疑を認めており、「タスポの導入で自販機でたばこが買えなくなったため盗んだ」などと話しているという。

同課の調べによると、4人は昨年12月8日午前3時過ぎ、葛飾区南水元のコンビニで、たばこ21カートン(6万4100円相当)を盗んだ疑いがもたれている。

同課によると、少年らは盗んだたばこのうち、吸わない銘柄を転売することを計画。埼玉県三郷市のコンビニで、「銘柄を間違えたので、父親から返品を頼まれた」などとうそをついて、3カートンを約9000円に換金したという。

4人はたばこを盗む実行役、搬送役、店員を誘いだす役などと役割を分担し、「ガスコンロのボンベのサイズは1種類しかないんですか」などとアルバイト店員(22)を店の隅に呼び出し、そのすきにレジの後ろにあったたばこを盗み出したという。

同課は少年らが千葉県松戸市のコンビニでもたばこを盗んだ疑いがあるとみて調べている。

まるっきりアメリカの禁酒法の再現といった感じですね。

下手な規制は別の問題、それもより重大な犯罪に近づくという実例でしょう。

その一方で日本では「改革」と称する「新自由主義」が今も跋扈しております。
先日、NHKでやっていた「高校中退」という番組で取り上げられた、高校生と橋下大阪府知事との対談で知事が「今の世の中は自己責任です」と言い放っているように放送されましたが、実際に高校生である苦学生に「自己責任だから自治体は援助を減らす」というのは言い訳にすらならないでしょう。
(現実にこれだけしか言っていないのかはいささか疑問です)

俯瞰してみると、新自由主義と裏腹のヘンな規制の強化をやって、社会のバランスが非常に不安定になって、将来展望がないというのが現状でしょう。

とりあえず「セーフティネットが機能していない」といった状況の時に、直感的に理解しがたい規制なんてものは良くないとしか言いようがないと思いますね。

3月 10, 2009 at 03:02 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.06

無罪判決の証人を控訴審のために偽証罪で起訴

読売新聞より「羽賀研二被告の詐欺無罪公判で偽証、知人男性を在宅起訴へ

詐欺罪などに問われ、1審・大阪地裁で無罪判決を受けたタレント・羽賀研二被告(47)の公判で、無罪の決め手となった証言はうそとして、大阪地検は月内にも元歯科医の知人男性を偽証罪で在宅起訴する方針を固めた。

地検は昨年11月の1審判決後、男性宅から羽賀被告との親密さを示す写真を押収するなどし、男性証言には虚偽が多いと判断。控訴審での有罪立証につなげる考えだ。

羽賀被告は、2001年に大阪市内の不動産会社社長に対し、1株40万円で取得した未公開株を3倍の1株120万円と偽り、3億7000万円をだまし取った、などとして起訴された。

男性は昨年8月の公判で「(羽賀被告とは)10年ほど前に知り合い、2、3か月に一度、都内のカフェで偶然出会う程度」と述べた。

事件に関しては「カフェで社長に会った際、『40万円で仕入れた株を120万円で買って、もうかるのか』と尋ね、社長は『損はない』と答えた」と証言。社長が実際の購入額を知っていて詐欺にはあたらない、とする羽賀被告に有利な証言をして、無罪の根拠になった。

検察が無罪判決の理由になった証人に家宅捜索。」に「こういうのはアリなんでしょうかねぇ?」と書いた話が起訴になります。

地検は昨年11月の1審判決後、男性宅から羽賀被告との親密さを示す写真を押収するなどし、男性証言には虚偽が多いと判断。控訴審での有罪立証につなげる考えだ。

と書かれているくらいで、一審無罪の判決は検察が控訴しています。そこに証人を偽証罪で起訴というのですが、いわば本丸が控訴審の有罪判決獲得のため、となると「そこまでしないと証明できないのですか?」という根本的な疑問が生じてきます。
一体、検察側は何をしたいのでしょうか?

日刊サイゾーにはこんな記事もあります「実は被害者!? 12億の請求書も...羽賀研二無罪判決の裏事情

サイゾーの記事を読むと「そういうこともあるかな?」と感じるところであって、そもそも株式を高く買ったのは詐欺にあったからだ、という主張自体が極めて無理のある話で、価格の高い安い自体が詐欺に該当するために必要なことは何か?ということがさっぱり分かりません。

控訴と言い、証人の起訴と言い、無理をしていると感じますし、その結果として検察のメンツがよりいっそう傷つくのではないのですか?と心配になるところです。

3月 6, 2009 at 09:22 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

Toshiのコンサート関係者が詐欺事件

読売新聞より「TOSHIさん支援 と450万詐取…風俗店員ら女2人

人気ロックバンド「X JAPAN」のボーカル・TOSHIさんの活動費と偽って450万円を詐取したとして、地検姫路支部が、兵庫県姫路市の無職女性(41)、風俗店店員女性(33)両被告を詐欺罪で起訴していたことが4日、わかった。

起訴状などによると、2人は2007年6月、同市内の女性(29)に「TOSHIさんの当面の活動費や生活費のために金を貸してほしい」などと持ちかけ、450万円をだまし取ったとされる。

県警が2月に2人を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者によると、2人は、同市内でイベント企画会社「パーフェクトラブ」を運営。

TOSHIさんのコンサートを同市内のホールなどで数回開催したことがあり、コンサートを通じて女性と知り合ったといい、調べに対し、2人とも容疑を認めているという。

イベント企画会社「パーフェクトラブ」ということで検索してました。
メールマガジン・LOVEというのがありました。

X JAPANFANの為のメルマガです。X JAPANの情報とおまけで色々な占いでX JAPANのメンバーを占っています。出来るだけ新しい情報を早く届けられる様に頑張って発行していきたいと思っています。

番号日付場所など問い合わせ先
★HEATH
2007/07/30(詳細未定)Lynx next GIG
2007/07/16 (月・祝)[タイトル未定]表参道FAB 03-5772-8566
★PATA
06/17(Sun)ワンマンライヴ決定!www7b.biglobe.ne.jp/sensation/ueno.html
★TOSHI
6/9(土)~10(日)癒しのコンサートイン上海音空
6/13(水)「フレンチレストラン アレーヌ」TEL048-554-8050
6/15(金)クライネウィーンToshiコンサート事務局
6/16(土)癒しのコンサートパーフェクトラブ 080-1469-7505
6/17(日)ホテルサンシャインパーフェクトラブ 080-1469-7505
6/23(土)赤穂市文化会館パーフェクトラブ 080-1469-7505
106/25(月)レストラン ANGE048-291-0085
117/1(土)霧島国際音楽ホールパーフェクトラブ 080-1469-7505
127/21(土)癒しのディナー&コンサートToshiコンサート事務局
137/28(土)ムッシュ・ド・ムニィTEL0942728177
148/12(日)岡垣サンリーアイパーフェクトラブ 080-1469-7505

コンサート情報が14件ある内の、5件がパーフェクトラブが問い合わせ先になっていて、このメルマガの中では一番数を出しています。
そこで、この電話番号でも検索しみると、ものすごい数がヒットします。
この事から「TOSHIさんのコンサートを同市内のホールなどで数回開催したことがあり」ということなのか?とも思えるところです。
実態はかなりToshiのコンサート企画では主力の一つではなかったのか?と感じます。

もともと詐欺事件は立件が難しく警察にとっては捜査に手間が掛かることなので、多数の被害者が出ているとか、多額の被害があるといった大きな事件にならないと、起訴に至らないとも言われています。
今回の事件の真相がどういうものなのか詳しく知りたいところです。

3月 6, 2009 at 12:25 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.03.01

一応建物を作る住宅ローン詐欺

朝日新聞より「タイル貼り3階建て…実は張りぼて 住宅ローン詐取容疑

張りぼての住宅で金融機関をだまし、住宅ローン名目で約4500万円を詐取したとして、警視庁は、不動産会社役員(58)、風俗店経営者(54)の両容疑者ら計4人を詐欺容疑などで逮捕したと28日発表した。

捜査2課によると、不動産会社役員らは、納税通知書などを偽造して歯科医になりすました風俗店経営者が住宅を新築すると偽り、02年6~8月、千葉市の信用金庫から計約4500万円をだまし取った疑いがある。

風俗店経営者らは、同市内に約1300万円で土地を購入。
そこに外壁のみの住宅を約600万円で建てて、信金の現地調査を受けたという。
外観からはタイル張りの3階建て住宅に見えるが、内側は資材がむき出し状態のままだった。

同課は、なりすまし役の風俗店経営者を除く3人は、このほかに計6軒の張りぼて住宅を建てて詐欺を重ね、計約3億円をだまし取ったとみて調べている。
その度ごとになりすまし役を立てていたという。同課は金の使途なども調べている。

2001年に喜んで買ってきた「8時だョ!全員集合の作り方―笑いを生み出すテレビ美術」を思い出してしまいました。

犯罪ではありますが、ギャグじゃないのか?というものですよね。
「世界趁犯罪」とかで記録が残りそうです。

Up3

この写真が、外側と内側だそうですが、土地を買ってさらに外観だけの書き割り(舞台のセットの事)のようものと言っても、一応建物を作っているのですから、これはどういうことなのだろう?と思います。

一体、住宅ローンとしてお金を受け取っても、返済はあるわけだからそこはどうなっていたのでしょう?
奇想天外な事件ではありますね。

3月 1, 2009 at 11:15 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.02.27

韓国・サイバーテロを業とする会社

韓国朝鮮日報より「サイバーテロ請負業者を初摘発、60社に被害

韓国のインターネット業界でうわさになっていた「サイバーテロ」請負業者が警察によって初めて摘発された。

サイバーテロ対応センターは26日、「ライバル企業の営業を妨害してほしい」などという依頼を受け、インターネット業者約60社のホームページをまひさせた容疑で、インターネットセキュリティー業者V社の理事(38)を逮捕し、同社関係者5人を在宅のまま取り調べている。

調べによると、容疑者らは昨年9月からコンピューターを遠隔操作できる悪質なプログラムをインターネット上に流し、これをダウンロードしたコンピューター10万台を感染させた。感染したコンピューターを一度に特定サイトに接続させるいわゆる「DDoS(ディードス・分散DoS)攻撃」を通じ、国内の60余りのインターネットサイトをダウンさせたり、機能をまひさせたりした。警察は容疑者らが金銭を受け取り、サイバーテロ攻撃を請け負っていたとみて、具体的な請負金額などを調べている。

容疑者は悪質なプログラムを密かに組み込んだ動画プログラムをネット上に流し、インターネットユーザーにダウンロードさせていた。また、遠隔操作に使用するサーバーを中国に設置し、DDoS攻撃が中国から行われているように偽装していた。

警察は「これまでDDoS攻撃で特定サイトを脅迫し、金銭を要求したケースはこれまでにもあったが、会社を設立し(サイバーテロの)営業を行っていたケースは初めてだ」と説明した。

李吉星(イ・ギルソン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

「会社を設立し(サイバーテロの)営業を行っていたケースは初めてだ」って、世界でもこんな例はないと思います。

さすがに想像外ですよ。
ところが、こんな事がありました。

JCATより「島根県サイトに「サイバー攻撃」 「竹島の日」に抗議?

日韓が領有権を争っている竹島(島根県、韓国名・独島)をめぐる不穏な動きが起こっている。島根県が2005年に制定した「竹島の日」の式典こそ混乱なく行われたものの、その直後に、県のウェブサイトに対して、韓国に割り当てられたIPアドレスから、大量のアクセスが行われた。サイトの内容の改ざんなどの「実害」はなかったが、まだ火種がくすぶっている様子だ。

約650万回のアクセスが集中、つながりにくい状態に

島根県は05年、竹島が島根県に編入された2月22日を「竹島の日」と制定。09年で、「竹島の日」は4日目。制定当初は、韓国側の激しい反発があったものの、松江市内で行われた今年の記念式典は、大きな混乱もなく終了した。

ところが、その4日後の2月26日、島根県のウェブサイトがトラブルに見舞われることになる。同日14時頃から約20分間、約650万回のアクセスが集中。サイトがつながりにくい状態になった。

アクセスは、韓国のプロバイダーに割り当てられた10程度のIPアドレスから行われていた。サイトの監視システムからアラーム(警報)が出たため、県ではすぐに事態を把握。これらのIPアドレスからのアクセスを拒否する設定に変更し、つながりにくい状態は解消された。この間、特にサイトの内容が改ざんされたり、業務に支障が出たりする影響はなかったという。

今回の大量アクセスは、「サイバー攻撃」に近い性格を持つとも言えそうだが、このような被害は、今回が初めてではない。

06年5月31日から6月1日にかけて、約413万件のアクセスが集中し、やはりウェブサイトがつながりにくい状態になった。さらに、5月 31日から6月2日の3日間、県のメールアドレスに対して、およそ10分間に約1200通近いメールが送りつけられるという被害もあった。メールの内容は、

「独島は韓国の領土だ」

などとハングルや英語で書かれていたといい、攻撃が竹島問題と関連していたことは明らかだ。

韓国南部の馬山市は「対馬の日」を制定

一方、今回の大量アクセスについては、情報政策課では

「『竹島の日』との関連は不明だ」

と話しているほか、総務課では

「普段から、竹島問題については1日に数通はメールが来ます。竹島についての報道があった時や『竹島の日』の時でも、メールの量は『やや増えるかな』といった程度です。今回の大量アクセスの後も、特にメールの数が増えたということはありません」

と話している。06年と比べて、大量アクセスの狙いははっきりしないとも言えそうだ。

一方、韓国南部の馬山市は、「竹島の日」に対抗して、05年に3月18日を「対馬の日」に制定。もっとも、韓国内でも「こんな主張をしたら、独島(竹島)についての主張についても信憑性を疑われる」などと、冷ややかな見方が多い。

いやはや・・・・

と書いて一旦アップしたのですが、なんで「こんなビジネスが成立するのだろう?」
要するに、犯罪なわけでしょう。というか、金を払っても成果を確認出来ないですよね。攻撃したサイトが100%明確に止まるなんて事はないわけで、また止まったとしてもそれが攻撃の結果なのか偶然なのかも分からない、さらには「Aを攻撃してくれ」と注文したから「攻撃しろと注文されました」とチクられるかもしれない。

殺し屋がなかなか成立しがたいのは、実行されない事が多い、実行されないと思うから注文しない、という構造にビジネスとして成立しない理由があるのでしょう。
ましてやサイバーテロでは、「成果」を確実に検証することはほとんど無理でしょう。
にも関わらず会社組織として成立した、ってどういうことなのでしょう?

2月 27, 2009 at 09:30 午後 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.02.26

ヘロイン加工用の無水酢酸事件・追記あり

東京新聞より「アルカイダから依頼 無水酢酸密輸でアフガン人供述」 2009年2月26日 09時49分

ヘロイン製造などに使われる化学物質「無水酢酸」のアフガニスタンへの密輸事件で、日本で調達した無水酢酸を韓国から昨年7月に密輸出しようとしたとして、韓国警察に逮捕されたアフガン人が「国際テロ組織アルカイダの組織員から依頼を受けた」と供述していたことが分かった。
中日新聞の取材に、韓国警察当局者が明らかにした。

名古屋港で今月、2回にわたって無水酢酸が見つかった事件で、警察庁は関与したとみられるパキスタン人を国際手配する手続きを進めており、連携して情報収集にあたる。

韓国警察の捜査関係者によると、昨年7月の韓国での密輸事件は、アフガン人らのグループが、日本から輸入した無水酢酸12トンを自動車のエンジンオイルに見せ掛け、輸出しようとしたとして逮捕された。

無水酢酸は韓国では生産されておらず、業者を通じて日本や米国から正規に許可を受けて輸入されたものを入手したという。

犯人グループとアルカイダを直接結び付ける資料はなかったが、押収されたファクスの中に「イラン経由でアフガン南部のニムローズ州に送る」という書類が見つかった。
さらに、グループのアフガン人が「自分はアルカイダの組織員ではないが、組織員に依頼を受けて(無水酢酸を)買いに来た」と供述した。

韓国では別のグループが2007年4月から08年3月まで計5回、無水酢酸計50トンをパキスタンなどに密輸した事件も発覚している。

アフガン南部はアルカイダと関係の深いタリバンの拠点で、タリバンはヘロインを資金源としているという。

無水酢酸はヘロインの製造過程で使用される。

(中日新聞)

これは、ビックリなニュースで「名古屋港で今月、2回にわたって無水酢酸が見つかった事件」とはなんだ?と検索したら、こんな記事が出てきました。

共同通信より「麻薬原料1トンを押収 名古屋税関、アフガン向け」 2009/02/20 13:57

名古屋税関が今月、名古屋港で麻薬などの原料となる無水酢酸約1トンを押収していたことが20日、分かった。

愛知県内に住むパキスタン人の男が、無許可でアフガニスタンに輸出しようとしていたとみられ、税関が関税法違反の疑いでこの男から聴取。愛知県警も外為法違反などの疑いで捜査している。

名古屋税関によると、今月12日、名古屋港で輸出向けの貨物の中に、ポリタンク約50個に入った無水酢酸計約1トンがあるのを検査中の職員が見つけた。

無水酢酸はヘロインなど麻薬製造に使用されており、無水酢酸を半分以上含む薬品類について輸出入するには国への届けが必要だが、男は届けていなかった。

ヘロインなど麻薬類はアフガニスタンで旧政権タリバンの資金源になっており、国連決議で無水酢酸は同国への輸出が禁止されている。県警は組織的な背景を含め関連を調べている。

【共同通信】

共同通信より「新たに麻薬原料大量に押収 関税法違反容疑で1人逮捕」 2009/02/25 14:16

名古屋港で今月、アフガニスタンに輸出される貨物の中から麻薬原料となる無水酢酸が大量に見つかった事件で、愛知県警は25日までに、関税法違反(無許可輸出未遂)の疑いでパキスタン国籍の男を逮捕、新たに名古屋港で約1・4トンの無水酢酸を押収した。

県警によると、男はナジール・モハメド・フェイヤーズ容疑者(40)。逮捕容疑は24日、輸出入を規制された無水酢酸を無許可でアフガニスタンに輸出しようとした疑い。県警はほかに、同容疑でパキスタン人の男(33)を指名手配し行方を追っている。

名古屋港では今月12日、アフガニスタン向けの輸出用貨物から0・9トンの無水酢酸が見つかり、県警が同容疑でパキスタン国籍の自動車輸出業者の男(47)を指名手配。2件の関連や背後関係などを捜査している。

【共同通信】

共同通信より「名古屋港で押収の化学物質密輸か アフガン南部へ」 2009/02/25 18:20

名古屋港で今月、輸出用貨物の中から麻薬原料となる化学物質、無水酢酸が相次いで見つかった事件で、貨物はいずれもアフガニスタン南部カンダハルに向けて輸出される予定だったことが25日、愛知県警の調べで分かった。

同地域では反政府武装勢力が麻薬生産を資金源とするなど非合法な薬物取引が横行しており、愛知県警は現地の密売ルートと国内の発送元の関係を調べている。

県警によると、名古屋港で24日、コンテナに計約1・4トンの無水酢酸がタンク7個に分けて隠されているのを税関職員が発見。無許可で輸出しようとしたとして、関税法違反の疑いで逮捕されたパキスタン国籍の会社員ナジール・モハメド・フェイヤーズ容疑者(40)は「中身が無水酢酸とは知らなかった」と供述している。

県警と税関は今月12日にも、名古屋港で無水酢酸約0・9トンを押収し、同容疑でパキスタン人の男(47)を指名手配。貨物はそれぞれ、カンダハルの2企業があて先になっていた。

【共同通信】

どうも複数ルートで無水酢酸をアフガニスタンに送ろうとしたようで、非常に大がかりな事件になりそうです。

アメリカが張り切って現れそうですね。
こんな大がかりな事件が進行中だったというのに驚きます。

追記

朝日新聞の記事「ヘロイン原料2トン、横浜港で押収 アフガン向け貨物

麻薬のヘロインの原料となる無水酢酸約2トンが、横浜市の横浜港からアフガニスタン向けに輸出される貨物の中から見つかっていたことが横浜税関への取材でわかった。同税関は関税法違反(無許可輸出)容疑で調べている。

税関によると、無水酢酸はタンクに入れられ、ほかの輸出品と一緒にコンテナに隠されていた。無水酢酸は今月12日にも、愛知県の名古屋港でアフガニスタン向けの自動車の中から約1トンが見つかり、25日には約1.4トンが押収された。

無水酢酸は麻薬のヘロインを製造する際、化学反応の過程で使われる。

韓国、名古屋港から横浜港と広がってきました。
日本中の港の捜索が行われているのでしょうね。

2月 26, 2009 at 11:34 午前 事件と裁判 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2009.02.24

デート商法は公序良俗に反する、との判決

紀藤弁護士のブログ経由、東京新聞より「デート商法 信販も責任 名古屋高裁『契約無効』返金命じる

異性に好意を抱かせて高額商品を契約させるデート商法の被害に遭った三重県の男性(28)が、クレジット契約を結んだ信販会社に対して既に支払った百六万円などの返還を求めた訴訟の控訴審判決があり、名古屋高裁は「契約は公序良俗に反し無効」として、会社側に既払い金の返還を命じるとともに原告には未払いのクレジットを拒否できる権利があるとした。

判決は十九日にあり、代理人の弁護士らによると、デート商法で、信販会社に不法行為の責任を認めた判決は初めて。

現在でも年間約五百五十件の被害があり、判決が与える影響は大きそうだ。

判決理由で、岡光民雄裁判長は「女性販売員との交際が実現するような錯覚を抱かせ、契約する不公正な方法の取引で契約は無効」と認定。
その上で信販会社が販売業者の不相当な販売行為を知っているのに漫然と契約を行ったとして「販売業者の不法行為を助長し、不法行為責任を負う」と結論づけた。

判決によると、男性は二〇〇三年三月、勧誘の電話がきっかけで、レストランで販売員の女性に会った。
交際をほのめかすような話をされたり、手を握られたりした上で、指輪の購入を勧められた。
さらに、後から来た数人の販売員からも再三勧められて男性は指輪二点とネックレス一点を購入。総額二百十八万円のクレジット契約を申し込んだ。

一審・津地裁伊勢支部は、原告側の訴えを退けていた。被告の信販会社は一審時は「ジーシー」(東京)だったが、控訴審では営業譲渡を受けた「GEコンシューマー・ファイナンス」(東京)が訴訟を承継。
デート商法で販売業者だった「シェルフィオーレ」は現在、廃業している。

画期的で影響大

クレジット被害対策・地方消費者行政充実会議副代表の小野寺友宏弁護士の話 

自己責任を問われてしまいがちなデート商法で、信販会社の責任を認めた判決は聞いたことがなく、画期的。

デート商法では信販会社と連携する仕組みがないと成り立たず、今回の判決が同種犯罪に与える影響は大きい。

これは今までに何度となく被害者側が挑戦して負けていた種類の裁判で、この事件でも一審では負けた(紀藤弁護士の説明)のが控訴審で勝った。ということでもいかに大変にきわどい判決かと分かります。

しかし素朴な庶民的な感覚として、与信を与えるクレジット会社が相手がどういう商法なのかを全く知らない、ということが通用するはずもないわけで、どこかでこのような判決がでて当然であったでしょう。
今まで、多数の裁判が起きていて、初めての判決という方がヘンだと言うべきですね。

真正面から「公序良俗に反する」と判決しているのは、デート商法全体に大きな抑止力となるでしょう。
この判決が確定することを強く期待します。

2月 24, 2009 at 10:13 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.23

平成電電事件・関係会社社長などに懲役刑

朝日新聞より「平成電電 投資詐欺事件 関係会社元社長に懲役6年判決

通信ベンチャー「平成電電」の投資詐欺事件で、東京地裁は23日、関係会社「平成電電システム」元社長K(56)に懲役6年(求刑懲役10年)の実刑判決を言い渡した。

合田悦三裁判長は、システム社が、平成電電にリースする通信機器を購入すると偽り、投資家30人と匿名組合契約を結んで05年8月に3億6千万円をだまし取ったと起訴事実通りに認定。

これを含め、同月だけで総額37億円を集め、被害回復もされていないことから、「組織性、反復性は顕著で、営業の責任者としての責任は重い」と述べた。

この日は同社元役員S(50)も懲役3年(求刑同6年)の実刑判決を受けた。

これは「関係会社の社長の刑事裁判」なんですね。

CNET Japan に記事があります。「平成電電元社長ら5人逮捕、500億円の巨額詐欺事件へ発展」 島田昇(編集部) 2007/03/05 20:43

経営破綻した平成電電とその関連会社が投資家などから現金をだまし取っていたとして、警視庁は3月5日、詐欺の容疑で平成電電元社長のS(55)ら関係者5人を逮捕した。

通信機器購入の名目と高配当をうたい文句とし、約2万人の出資者から500億円弱を集めて経営破綻した同社の一連の問題は、巨額の詐欺事件へと発展した。

逮捕されたのは元社長のS容疑者のほか、関連会社の元社長であるK(54)、同じく関連会社の元役員のS(48)、平成電電元役員のT(40)、同元経理担当社員のK(42)──の計5人。

元社長のS容疑者は2005年10月当時、民事再生法適用の申請を発表した会見冒頭で30秒近く頭を下げ、「今回の件は私の経営判断のミス」とだけ繰り返した

警視庁の調べによると、2005年8月中旬に元社長のS容疑者らは共謀し、一般投資家ら3人に対して「通信機器の購入資金」との虚偽の説明を行い、約1億円をだまし取ったとされる。

関連会社の元社長のK容疑者が社長を務めていた平成電電設備と平成電電システムの2社は、平成電電に貸す機器の購入資金を集めるために匿名組合を結成。
「年率10%程度の利回り」としたうたい文句で、一般投資家などから資金を調達していた。

当時の平成電電の発表によれば、両社合わせて約1万9000人から490億円程度を調達していたという。

平成電電は1990年創業。2003年7月から「直収型」と呼ばれる自前の通信機器を使って電話料金を低く抑える固定電話サービスを提供した。しかし、契約者数は伸び悩み、2005年10月に民事再生法適用を申請し、2006年4月に経営再建を断念していた。

通信絡みの大規模詐欺事件としては、近未来通信事件がありますが、わたしの見るところこの種の大規模詐欺に引っかかる被害者の多くが、リタイア組で典型的なのは「退職金の運用」のつもりが詐欺被害に遭うといった形です。

前にも書きましたが、この種の大規模詐欺で使われるトークが「どこかで聞いた言葉」のようです。

平成電電では、格安電話事業ですし、近未来通信では貸しサーバー、L&G(円天)では電子マネーです。

つまり被害に遭う人が「自分は社会の先端の情報をキャッチしている」というプライドをくすぐられたからこそ引っかかったのではないか?と思っています。

しかし、これらの「業務として詐欺商法の会社」というのは法律でなんとか出来ないものなのでしょうか?
刑法上の犯罪は、個人が犯罪を犯すものとなっていて、刑罰も個人に科されるわけでそれには異存はありませんが、犯罪道具として会社を作ってまで実行するとなると、個人が個人に行う犯罪を大きく越えた被害が発生するに決まっているわけです。

どこまでも個人の犯罪への刑罰という考え方のまま進むと、どこかで「刑罰があっても割の良い犯罪」という事になるでしょう。
先日、NHKで放送されてネットでも話題になった「職業 詐欺」のようなことになるわけです。

犯罪の抑止のためには、会社の事業が詐欺であるといったような場合には、思い切り重い刑罰を科せるようにするべきではないでしょうか?

2月 23, 2009 at 01:12 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.19

理不尽は刑罰の対象になりうるか?

サンケイ新聞より「【星島被告に無期】理不尽殺人は計画犯より軽い?

被害者が1人の殺人事件で極刑が下されるかどうかが注目された今回の判決公判で、「慎重な検討が必要だ」として判決期日を延期していた平出喜一裁判長は、最終的に死刑を回避した。被害者参加制度が始まるなど遺族や犯罪被害者への配慮を求める世論が強まり、量刑は厳罰化の傾向にあるが、死刑の適否は従来通り、厳格に検討すべきだと判断した。(小田博士)

「永山基準」

死刑は、昭和58年の最高裁判決が、犯行の罪質、動機、態様(特に殺害手段の執拗(しつよう)性、残虐性)、結果の重大性(特に殺害された被害者の数)-などを考察し、やむを得ない場合に許されるとの判断を示している。「永山基準」と呼ばれて一般化されており、判決もこの基準に従った。

検察側は、遺体を200個以上の肉片、骨片に切り刻み、汚物のようにトイレなどに捨てるなどの残虐な行為を強調。犯行動機に直結するわいせつ目的略取罪を加え、罪状を重く見た。

だが、基準は残虐さを問うべき対象を、「殺害の方法」としている。判決は、首を一突きに刺した殺害行為を「極めて残虐とはいえない」と指摘。遺体をバラバラに解体した行為も「悪質だが過大に評価できない」とした。遺体損壊罪は、あくまでも最高刑が懲役3年であるため、殺害とは区別したといえる。

場当たり的

判決は、わいせつ目的略取と住居侵入の罪について計画性を認めたが、殺人と死体損壊などの罪は、被告が凶器を用意していなかった点などから、「事前に計画していたとは認められない」と認定した。

このため、「計画的犯行をした者とそうでない者への非難の程度には差がある」と指摘。計画性のなさを、罪状を軽く見る理由のひとつに挙げた。

「被害者1人は無期、3人なら死刑が暗黙の基準」(司法関係者)とも言われ、判決は、今回の事件を「死刑とするには強い悪質性が必要」と説明した。

だが、諸沢英道常磐大教授(刑法)は「この理屈でいくと、相手が誰でも良い衝動的な犯行は、罪が軽くなってしまう」と批判。評論家の佐藤健志さんは「最近は“理不尽”な犯罪が増えている。計画性はないが罪はむしろ重いというロジックがないと、裁判所はこの種の事件に対応できなくなる」と疑問を呈する。

捜査関係者は「無計画な凶悪事件が増える中、虫を殺すようにあっさりと人を殺害する場当たり的な犯行より、計画犯の方が悪質という従来型の判断の適否が、今後、問われるのでは」と推測している。

裁判員裁判?

検察側は今回、裁判員制度を念頭に置いて、分かりやすい視覚に訴える立証方法を選択した。

犯行の残虐性や特異性を訴えるため、検察側は遺体の肉片や骨片を大型モニターに映し出し、マネキンを使用して遺体解体の様子を再現するなどした。これらの手法は、“情”に流された裁判員に、冷静な判断を誤らせる危険性がある一方、裁判員制度では厳罰を求める際の大きな武器になる可能性はある。

ただ、裁判員制度の開始は5月であり、ある法曹関係者は「証拠として多くの残酷な写真を見てきた職業裁判官の判断に、この立証方法が有効だったのかは疑問だ」と指摘する。

今回の判決を、永山基準に照らして「妥当」ととらえる法曹関係者が多いのは事実だ。だが通常の刑事裁判で、従来通りの立証方法ではなく、裁判員裁判を意識した立証方法を採用したことが、量刑に何らかの影響を及ぼしたか否かは、検証する必要があるだろう。

わたし自身は、判決が無期懲役であったとの報道を見て、それ自体は「まあそうだろ」といった感想でした、しかし事件としてはビックリなものであって、判決文が伝わってくるにつれて判決というか裁判全体を通じて違和感を感じています。
ここらについては、同じくサンケイ新聞にこんな記事が出ています。「【神隠し公判】「理不尽に対応するロジック必要」 識者反応

東京都江東区のマンションで会社員当時(23)=が殺害され、バラバラにされた事件の判決で、被告(34)が無期懲役とされた事について、元東京高裁判事の荒木友雄・流通経済大教授(刑事法)は「遺族の心情は痛いほど分かるが、第三者として理性的な判断をするのが裁判の大原則で今回の判断は妥当、穏当だと思う」と指摘する。

一方、評論家の佐藤健志さんは「死刑を宣告しない理由に、殺人の計画性のなさを挙げているが、今回は計画性がなかった故に、凶悪性、残虐性が高まった。計画性はないが、罪はむしろ重いというロジックがないと、裁判所はこの種の理不尽な事件に対応できなくなるのではないか」と分析する。

また、谷川恒太・東京地検次席検事は「死刑が選択されなかった点については遺憾。判決内容を精査し適切に対応したい」とコメントを出した。

この中で「計画性がなかった故に、凶悪性、残虐性が高まった。計画性はないが、罪はむしろ重いというロジック」が必要というの意見には若干ですが同意します。

多くの犯罪は、経済的な利益など被告の利益のために事件を起こしたと説明できるのですが、なかには得られる利益が犯罪の動機になるとは思えない、というケースがあります。そういう事件が、一時的な興奮などで理性的に考えると法を犯す行為であること忘れて実行したのか?と見ると必ずしもそうではない。

様々な理由で、刑法犯が出てきますが中には「全くの理不尽」=「理解不可能」というのもあります。
困ったことに、わたしが注目しているカルト宗教系の問題の多くが「理解不可能」です。

そういう中で犯罪が起きたときに、例えば「被害者が重罰を望まない」といったことを機械的に適用できないのは、DVなどにはありがちです。

そこらヘンに着目すると「理不尽なことに法的な対応をする」という意見は分かるのですが、理不尽であることを証明できるか?となると、無理ではないのか?とも思うところです。
問題が、刑罰の程度であるのなら終身刑の積極的な採用は重要な論点であるかもしれません。

2月 19, 2009 at 10:16 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.18

近代国家の事件とは思えないが

サンケイ新聞より「女子中生に売春強要、横須賀の無職の女ら3容疑者を逮捕

中学生の少女に売春などをさせていたとして、県警少年捜査課などは17日、児童福祉法違反容疑で、神奈川県横須賀市に住む無職の女(49)ら男女3人を逮捕した。
女らは「指示はしていない」などと否認している。

県警の調べによると、女らは共謀し、同市内に住む無職の少女(16)に、昨年6月3日から同月27日までの間、4回にわたり、伝言ダイヤルで募った横浜市戸塚区内に住む男性会社員(36)=児童買春罪で罰金刑確定=ら3人を相手に、横須賀市内のホテルでみだらな行為などをさせた疑いがもたれている。

県警によると、少女は、中学生だった平成19年9月ごろから20年8月ごろにかけて、女らに売春などを強要され、延べ約300人の相手をさせられ、900万円以上の売り上げを稼いだと話しているという。
少女は昨年2月には妊娠、中絶。少女が昨年8月に横須賀署に相談に行き、事件が発覚した。

酷い事件だと思いますが、逮捕容疑が児童福祉法とのことなので他の法律に抵触していないのか?と手元の模範六法CDを検索してみると、売春防止法は当然出てくるのですが、意外なほど軽い罰則でした。

第7条(困惑等による売春)

人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

「模範六法 2008」(C)2008(株)三省堂

まあ考え方としては、本人が同意しないと売春行為が実行されないから、強制性は無く「困惑など」が強制に当たるということなのでしょう。

サンケイ新聞の記事には別の事件が紹介されていました。
中3娘に売春強要の母親に懲役3年6月 「許し難い犯行」と裁判官

中学3年だった娘に売春させたとして、児童福祉法違反と売春防止法違反の罪に問われた和歌山市の母親(37)の判決公判が25日、和歌山家裁で開かれた。杉村鎮右裁判官は「あまりに卑劣で非人道的」として懲役3年6月、罰金10万円(求刑懲役5年、罰金10万円)を言い渡した。

判決理由で杉村裁判官は「自分たちの遊興費のために娘の気持ちを踏みにじった許し難い犯行」と指弾。そのうえで「彼女にとって、あなたは世界でたった1人の母ちゃんなんだよ。何ができるのかよく考えてほしい」と説諭した。

判決によると、母親は夫(47)と共謀し、当時15歳の娘に「体売ってでも金をつくってこい」などと繰り返し売春を強要。和歌山市のホテルで今年2月下旬、男性客相手にみだらな行為をさせ、現金1万2000円を受け取らせた。

判決が懲役3年6月、罰金10万円というのは、児童福祉法と売春防止法の両方で売春防止法の懲役3年以下を突破した判決になりましたが、求刑でも懲役5年なわけです。

今回の事件のように、事実上の奴隷の強制といった事件に対しては、あまりに罰が軽いのではないか、というよりも法律は全体としてこのような奴隷的な強制を想定していないようなのです。

事件がこのままで判決に至ったとしても、懲役5年になるかならないかでしょうね。
なんというか、奴隷的な強制行為を罰するような法律があっても良いようにも感じます。

2月 18, 2009 at 12:09 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.12

神世界・統一教会・L&G(円天)

読売新聞より「霊感商法「神世界」を賠償提訴へ、被害者20人が1億円余求め

神奈川県警の元警視らが関与したとされる山梨県の「神世界」グループによる霊感商法事件で、虚偽の説明で不安をあおり高額な祈願を受けさせたなどとして、東京都や神奈川県などの主婦や会社員ら約20人が3月上旬、神世界を相手取り、慰謝料など計約1億1000万円を求めて東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こす。

被害対策弁護団によると、神世界に対する集団提訴は全国初で、今後の追加提訴も予定している。同県警も霊感商法による巨額詐欺事件とみて捜査を進めている。

弁護団によると、原告は2004~07年末、神世界系列のヒーリングサロンなどに通い、「心身の不調は先祖の霊のせい」と脅されるなどして、「ご霊光」と呼ばれる高額の祈とう料や仏画などの霊感商品代としてそれぞれ200万円以上を支払ったとしている。
がん闘病中にサロンへ通い、「薬を使ってはいけない。ご霊光でがんは治った」などと指示され、症状を悪化させた人もいるという。

弁護団は昨年9月までに、87人の被害額として計約2億4600万円の返金を神世界に請求。神世界側は、和解を持ちかけたり、「請求額の90%なら応じる」などとの回答を繰り返していたが、弁護団は「本来、全額が返されなければならない」として提訴に踏み切った。

事件を巡っては、同県警警備部の警視がサロン運営に関与していたことが発覚。昨年2月に懲戒免職となったほか、県警本部長らの監督責任も問われた。また、北海道大学の准教授が自宅をサロンとして提供したなどとして諭旨解雇処分を受け、1月に辞職した。

◆「神世界」グループによる霊感商法事件◆

神奈川県警などによると、神世界は有限会社で2002年3月からこの名称で活動を始めた。07年12月、県警は霊感商法を行っているとして、山梨県甲斐市の本社や都内のサロンなど100か所以上を詐欺容疑で捜索。弁護団によると、会員数は5000~6000人、被害額は直近の3年間だけでも100億円を超えるとみられる。

一昨日(2009/02/10)に統一教会の印鑑販売会社に捜索が入りました。
朝日新聞より「姓名判断で高額印鑑販売容疑 統一教会関連団体?に捜索

姓名鑑定で根拠のないことを言って印鑑を高額で売りつけたとして、警視庁公安部は10日、東京都渋谷区渋谷1丁目、印鑑などの販売会社「新世」の事務所や代表者の自宅など数カ所を特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで家宅捜索した。同社は、霊感商法被害対策に取り組む弁護士の団体から、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の関係団体と指摘されており、公安部が背後関係を調べている。

公安部によると、新世の販売員の20代と30代の女性2人が07年10月~08年7月、渋谷駅前の路上で50代の女性3人に声をかけ、事務所で姓名鑑定を受けさせ、「よくない運勢が出ている。命がなくなる」などと根拠のないことを言い、それぞれ数十万円で印鑑を販売した疑いがある。

販売員の女性らは、路上で通行人に「いい相が出てますね、詳しく見てあげますよ」などと声をかけ、事務所に連れて行っていたという。

全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、新世については、同様の手口による被害相談が04年以降で14件寄せられており、被害総額は843万6千円にのぼるという。

公安部が特定商取引法違反で捜索に入るというのが、すごい印象ですが紀藤正樹弁護士がこの報道について次のようにコメントしています。
弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版より「警視庁頑張れ!警視庁。ついに警視庁が霊感商法店舗の一つ「新生」に家宅捜索。東京では初摘発ではないかと思います。

警視庁は、先週木曜日(2009年2月5日)のL&Gへの強制捜査、波和二会長らの逮捕の次に、昨日(2009年2月10日)、統一協会が、その信者を駆使して全国的組織的に行っている霊感商法店舗への家宅捜索に入りました。普段から多忙な上に、取材が殺到し、更新が遅れましたm(_ _)mが、重要なことなので、速報であげておきます。

ちなみに朝日新聞の報道では「統一教会関連団体?」とありますが、「?」ではありません。「統一協会」と断定的に報じてほしいと思います。

今回捜索を受けた有限会社新世の本店所在地は、東京都渋谷区渋谷1丁目24番7号 渋谷宮下パークビル601、代表取締役の田中尚樹は、6500双(1988年の合同結婚式参加組)の古参信者です。
僕が所長をつとめるリンク総合法律事務所には多くの相談があります。

警視庁は、この機会に、20年以上にわたり長年放置してきた霊感商法、すなわち「統一協会の組織的悪徳商法」に、抜本的なメスを入れてほしいと思います。

なお最近、統一協会問題で、原稿を書きました。→消費者法ニュース最新号 78号 2009年1月発行

内容
■消費者庁設置を求める-統一協会裁判外高額和解報告・・・紀藤 正樹(弁護士[東京])
■統一協会の責任を認めた判決の一覧(2008年11月25日時点) ・継続中の霊感商法等訴訟一覧表(2008.9.10現在)
■全国霊感商法対策弁護士連絡会がICSAからローズデール賞を受賞した件についてのご報告・・・山口 貴士(弁護士[東京])
■申入書(風水総合鑑定フェアについて)・・・全国霊感商法対策弁護士連絡会

ぜひ統一教会の知識を、メディアの皆さんも含め、皆さん、お読みください。

紀藤弁護士が述べているように、2009/02/5 にはL&G(円天)で複数の幹部が逮捕されました。
まるで「霊感商法取締週間」のようです。

2月 12, 2009 at 10:22 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.01.31

平和神軍・高裁判決

昨日(2009/01/30)平和神軍裁判の高裁判決がありました。

わたしは裁判所には行ったのですが、傍聴券の抽選時間には間に合わず、法廷外で待っていて判決後に他の傍聴者・弁護士と合流して、夜まで一緒にいて色々と話をしてきました。

今回の高裁判決は、いささか以上に問題があると感じられるのですが、傍聴もしていませんし判決文も見ていないので、具体的にどこが問題かという指摘をするのは後にしようと思います。

高裁では、第一回の公判で即日結審として、判決に至りました。
このために、事実認定などは地裁のものをそのまま使って、逆転敗訴の結論になっています。
この流れがよく分からないのです。

なんというか、高裁は地裁の判断など信用することない、といった印象もあります。

けっこう話題になって、昨日から多くのところからリンクをたどって来ている方が多いので、とりあえずのエントリーを書きます。
現時点では、次の方々が記事を書かれているのを確認しました。

Matimulogarret:平和神軍グロービート事件逆転
モトケンブログネットの名誉毀損、二審は有罪
弁護士落合洋司 (東京弁護士会) の「日々是好日」[刑事事件]中傷書き込み、逆転有罪=ネットで名誉棄損-東京高裁
奥村徹弁護士の見解[名誉毀損]中傷書き込み、逆転有罪=ネットで名誉棄損-東京高裁H21.1.30
壇弁護士の事務室グロービートジャパン控訴審事件
弁護士山口貴士大いに語る【控訴審判決】グロービート・ジャパン(らあめん花月)/平和神軍観察会事件判決速報【不当判決】
弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版これは速報です-即刻上告です。

1月 31, 2009 at 10:53 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.01.29

L&G(円天)のどんぶり勘定

朝日新聞より「円天決算、丼勘定? 07年、数億円の食い違い

健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、破産手続き中)が「円天」と称する疑似通貨を宣伝材料に多額の現金を集めたとされる事件で、同社とグループ会社間の貸し付けと借り入れの金額が、07年の決算書上、数億円単位で食い違っていることが28日、分かった。
同日に都内で開かれた第2回債権者集会で、破産管財人の福田大助弁護士が報告した。福田管財人は「決算書が丼勘定だった可能性もある」と指摘した。

警視庁と宮城、福島両県警の特別捜査本部もこうした情報を把握しており、グループ間の出入金の流れについて、押収した経理資料の裏付け捜査を進めている。特捜本部は同日、捜査員を約100人態勢に増員。
同社の波和二(なみ・かずつぎ)会長(75)と幹部ら約20人について組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑などでの立件を目指す。

福田管財人によると、同社には判明しただけで18社のグループ会社があった。

うち決算書のある5社の07年分を調べたところ、同社から5社への貸付額は計約6億4千万円だったのに、5社の決算書の数字を合計すると、同社からの借り入れは約14億4千万円で約8億円の差額が生じているという。同社が5社から借りている額でも約10億円の差があったという。

債権者集会後、被害対策弁護団(団長・千葉肇弁護士)が被害者説明会を開き、約60人が参加した。

この日は、波会長を支持する「円天研究会」という新団体が「L&Gに預けたお金が全額戻る可能性が分かる」と書いたチラシを配って参加を呼び掛けた説明会も都内であり、同会の中心人物とされる川崎市の男性が未返還の金について「波会長は破産管財人を介して出来れば返したいと思っている」と話した。

次回の債権者集会は7月15日。被害対策弁護団の連絡先は03・3511・6840。

決算がデタラメというのは驚きませんが、円天研究会の説明会があったという方に関心があります。

「円天研究会」で検索しても波会長のブログしか出てこないですが、波会長はこのところブログに頻繁に円天研究会で説明する、といった趣旨の記事を書いています。
読んでみましたが、頭が痛くなった。

ちょっと思い出しただけでも、多額の被害を発生させた詐欺商法はこんなにあります。

2002年八葉物流
2002年ジーオーグループ
2005年平成電電
2006年近未来通信
2007年L&G(円天)
2008年ワールドオーシャンファーム
2008年神世界

すぐに決着が付いてしまうもの、延々と引っぱっているものといった違いはありますが、現実には複数の詐欺商法に引っかかっている被害者も居ます。
それを「被害者がおろかだから」というのは簡単ですが、それだけでL&Gのように2000億円を超えるお金が動いていた、という事実の説明には不十分でしょう。

こんな事実があることに注目することが、被害者にならない第一歩かと思うのです。

1月 29, 2009 at 11:49 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.01.27

L&G(円天)で逮捕だそうですが・・・・

サンケイ新聞より「L&G会長ら近く逮捕 20人前後、3億円詐取立件

全国約5万人から総額1000億円超の資金を集めたとされる健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G、東京都新宿区、破産手続き中)が破綻(はたん)状態に陥ったことを隠し、会員から出資金を集めていた疑いが強まったとして、警視庁と宮城、福島両県警の特別捜査本部は26日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で、同社の波和二(かずつぎ)会長(75)ら20人前後を近く逮捕する方針を固めた。
立件額は、波会長らが破綻状態を認識した平成18年夏以降の約3億円に上る見通し。

これまでの調べでは、L&Gは13年ごろから、「3カ月ごとに9%(年36%)の利息を支払い、満期(1年)には元金を返還する」などと元本保証と高配当を約束し、1口100万円の「協力金」の募集を開始。
全国の会員約5万人から総額1000億円を超える資金を集めたとされる。

しかし、実態は出資金を配当に回す自転車操業で、18年夏には破綻状態に陥っていたという。実際、この時期に開かれた社内会議では「配当が払えない」と報告されていた。

波会長や幹部社員らは社内会議などで、こうした経営状態を知りながら会員には伝えず、それ以降も組織的に出資金募集を続け、計約3億円をだまし取った疑いが持たれている。

19年1月には、配当の支払いを一方的に停止。各地で開催するバザーやインターネットサイトで買い物ができる独自の疑似通貨「円天」での支給に切り替えたうえ、「来年2月まで出資金の解約には応じない」と通知していた。

こうしたL&Gの対応を受け、都内の弁護士約50人が同年10月、被害対策弁護団を結成し、L&Gと波会長の破産を東京地裁に申し立てていた。

一方、警視庁などは同月、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で、L&G本社や波会長の自宅などを家宅捜索。今月15日には特別捜査本部を設置し、捜査を本格化させていた。

波会長はこれまでの産経新聞の取材に「集めた金は全部事業に使った。詐欺なんて証明できない」などと詐欺行為を否認している。

おっ!と思って記事を読んで、ちょっとガッカリであります。

組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で、同社の波和二(かずつぎ)会長(75)ら20人前後を近く逮捕する方針を固めた。
立件額は、波会長らが破綻状態を認識した平成18年夏以降の約3億円に上る見通し。

この部分だけだとすると「全体としては正当なビジネスである」とも受け取れるわけですが、普通はそうは思えないでしょう。

波会長は相変わらず、ブログで元気に発言しています。

これを読んでみると、実に見事に灰色なところを主張していて、世間の約束事を無視すれば成立する意見ではありますね。
ある意味では革命家とも言えるかもしれない。 しかし、常識的には成立しないのであって、さらに言えばアメリカがやった「金が金を生む」といった「政策」も実は、ドルの引き下げと軍事強国のバランスを取っての「ドル高」であったという指摘があるほどで、結局は国もアメリカすらも信用がないわけだから、円天なら信用できるという論に正面切って反対する論拠は難しいですな~。

その結果が「破綻状態を認識した平成18年夏以降の約3億円」で立件と言うのでは、「総額1000億円を超える資金を集めたとされる」というのはどういうことよ?です。

1月 27, 2009 at 11:20 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

精神鑑定を分離した裁判

朝日新聞より「責任能力、判決前に認定 裁判員見据え、大阪地裁が試行

被告の刑事責任能力が争われ、精神鑑定が必要となった強制わいせつ致傷事件の公判で、大阪地裁(杉田宗久裁判長)は責任能力についてまず審理して結論を出し、後から有罪・無罪や量刑を判決で言い渡す異例の「2段階審理」を実施した。

市民が参加する裁判員裁判では、責任能力の争いによる裁判の長期化をどう防ぐか、また、裁判員にどうやって鑑定結果を正確に理解してもらうか――が克服すべき最大の課題とも言われる。
議論のポイントを責任能力に絞ることで、新制度でも裁判員の理解を助け、裁判全体のスピードアップを図る狙いがあるとみられる。
専門家は今回の試みを「画期的」と評価している。

被告の無職の男(33)は昨年5月2日早朝、大阪府八尾市の路上で20代の女性に背後から抱きつき、押し倒してけがをさせたとして起訴された。検察側と弁護側が争点を絞り込む「公判前(こうはんぜん)整理手続き」が適用され、弁護側は、男が統合失調症を患っていたことから「事件当時は善悪の区別がつかない状態で、刑事責任を問えない」と主張。
公判前整理手続き中に精神鑑定が行われた。

今月14日の初公判で、杉田裁判長は「裁判員裁判を控え、わかりやすい内容にするため通常と異なる審理をする」と表明。

2段階で審理を進める方針を示し、検察側と弁護側に対し、公判の中で鑑定医が鑑定意見を示した段階で責任能力の問題に絞った「中間的な論告と弁論」をするよう指示した。

また、裁判員が法廷を見て聞いてわかるよう「口頭主義」を重視する立場から鑑定医に尋問権を与え、被告や被害者に直接質問することを認めた。

鑑定医は公判で被告の言動を観察したり、被害者に「事件の際、被告は何か言葉を発しましたか」と質問したりした。

鑑定意見が示されたのは23日の第3回公判。鑑定医は事件当時の被告の精神状態について「完全責任能力が認められる」と述べた。

これを踏まえた中間的な論告で
検察側は「鑑定結果を尊重すべきだ」と主張。
弁護側は「鑑定結果にとらわれるべきではない。 被告は心神喪失または心神耗弱の状態にあった」と反論した。

26日にあった第4回公判の冒頭、杉田裁判長は「少なくとも心神喪失にはあたらない」と述べ、被告に刑事責任能力があったと認定。
続けて刑の重さを左右する情状面の証拠調べに入った。

この後、2月12日に最終的な論告と弁論が行われ、判決は2月中にも言い渡される。

こうした試みは、裁判員制度開始後にいきなりやり方を変えるのでなく、検察側、弁護側も含めて事前にさまざまな工夫をし、開始に備えるために行われている。

杉田裁判長は、うその著作権譲渡話をめぐる5億円の詐欺の罪に問われ、21日に初公判があった小室哲哉被告(50)の裁判でも、供述調書の全文朗読や被告を弁護人席に座らせる手法を試行し、裁判員裁判を見据えた訴訟指揮を積極的にとっている。(宮崎園子、阪本輝昭)

これはなかなかすごいですね。手順としては、

  1. 今月14日の初公判で、杉田裁判長は「裁判員裁判を控え、わかりやすい内容にするため通常と異なる審理をする」と表明。
  2. 公判前整理手続き中に精神鑑定が行われた。
  3. 鑑定医は公判で被告の言動を観察したり、被害者に「事件の際、被告は何か言葉を発しましたか」と質問したりした。
  4. 鑑定意見が示されたのは23日の第3回公判。鑑定医は事件当時の被告の精神状態について「完全責任能力が認められる」と述べた。

とのことですから、第一回公判で手順を宣言、第二回公判では鑑定医が質問、第三回公判で鑑定意見が出て、第四回公判で刑事責任能力を認定。
となります。

公判前に精神鑑定が行われているのが大きく、これまでの典型的な裁判では何度も公判を開いた後に精神鑑定の実施を決めて、その期間は裁判の進行は停止するというものでした。
これでは時間が掛かって当たり前ですから、今回のやり方は非常にスマートではないかと思います。

1月 27, 2009 at 11:04 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.01.15

検察が無罪判決の理由になった証人に家宅捜索。

朝日新聞より「羽賀研二被告の証人宅、偽証容疑で捜索 大阪地検

詐欺と恐喝未遂の罪に問われ、昨年11月の一審・大阪地裁判決で無罪とされたタレント羽賀研二(本名・当真美喜男)被告(47)の公判でうその証言をした疑いがあるとして、大阪地検は14日、千葉県浦安市の男性宅を偽証容疑で家宅捜索し、男性から任意で事情を聴いた。

検察側は、羽賀被告が01年、東京の医療コンサルタント会社(02年に破産)の未公開株を1株40万円で取得する事実を伏せたまま、知人の不動産会社社長に3倍の1株120万円での購入を持ちかけて3億7千万円を詐取し、返済を求められると債権放棄を迫ったとして起訴している。

男性は昨年8月、羽賀被告側の証人として出廷。「羽賀被告から紹介された不動産会社社長に『40万円の株を120万円で買ってもうかるのか』と聞くと、社長は『上場したら損はない。何十倍ももうかる』と話していた」などと証言した経緯がある。

一審判決はこの男性の証言を踏まえ、「3倍の価格で買わされるとは思わなかった」という不動産会社社長の話について「全幅の信頼を置くことはできない」と判断した。検察側は無罪判決を不服として控訴している。

こういうのはアリなんでしょうかねぇ?

証人の信用性を法廷で崩せなかったから、判決後家宅捜索って意味無いでしょう。

常識的には嫌がらせにしか見えませんけどね。

1月 15, 2009 at 12:55 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

草薙事件

実にひどい話だと思う。
詳細は、各新聞社の記事をご覧下さい。
記事の書き方自体に、記者たちの怒りが見て取れます。

わたしは個人的な主張はどこまでも認める者ですが、意味が通じない主張を受け入れることは出来ません。その一方、いかに吃驚であろうと、首尾一貫している主張なら評価できます。

しかし、記事にある法廷での証言では、どう見ても首尾一貫しているとは思えない。
その上問題になってからの、出版も取材への対応も今回の証言とはとうてい相容れない、つまり証言前と証言ですでに首尾一貫していません。

ここまで来ると、大変な迷惑という存在にしかならないと感じます。

読売新聞より「調書漏出事件で草薙氏、出版前の協議不十分認める

調書を引用した本の著者でフリージャーナリストの草薙厚子さんに対する証人尋問は14日午後も、奈良地裁(石川恭司裁判長)で行われた。情報源を明らかにした草薙さんは、少年の鑑定医の崎浜被告と出版の意図や表現手法などの事前協議が十分でなかったことを認めた。

草薙さんは、崎浜被告に出版の企画を伝えず、原稿チェックも求めなかったことを証言。弁護側から「崎浜被告に相談すれば、出版できないと思ったのでは」と問われると、「そういう気持ちもある」とし、「崎浜先生が起訴され、責任を感じている」と述べた。弁護側は「筆を折ってください」と詰め寄ったが、「折りません」とした。

草薙さんは公判後、記者会見し、法廷で情報源を明らかにしたことについて「昨晩、弁護士と相談して決めた。ジャーナリズムに影響はあると思う」と話した。本が少年に与える影響には「来るべき時が来れば、少年の更生の手助けになる」とした。

崎浜被告も別の場所で記者会見し「情報源をなぜ今ごろ言うのか、わからない。自分に有利になるかは別の話だ。調書では、少年の真意が伝わらないと何度も言っていたはず」と話した。

高野嘉雄弁護士も「証言を拒否すれば証言拒否罪に問われる可能性がある。それを避けただけ」と批判した。

東京新聞より「草薙さん『鑑定医の無罪に協力』 調書漏えい事件 取材源証言で説明

奈良県の医師宅放火殺人の調書漏えい事件で、調書を引用した「僕はパパを殺すことに決めた」の著者でフリージャーナリスト草薙(くさなぎ)厚子さん(44)は十四日、奈良地裁での証言後、奈良市内で記者会見。一転して取材源を医師の長男(18)を鑑定した京都市の精神科医崎浜盛三(もりみつ)被告(51)=秘密漏示罪=だと明かしたことについて「調書を見せたのは正当な行為だという弁護側の無罪主張に協力するためだった」と説明した。

草薙さんはさらに「わたしは逮捕、起訴されても構わない。崎浜被告を自由にしたいとずっと考えていた」と主張。事件で情報提供者が萎縮(いしゅく)する恐れについては「取材しにくくなる可能性はあるが全員が萎縮するとは思わない」と話した。

父親の医師が昨年十二月、法廷で著書を「暴露本」と批判したことは「著書が長男の更生を妨げることはない。読めば自分の立場を客観的に認識できる」と反論。「著書で情報源が特定されたとは思っていない」との認識を示した。

草薙さんは同日午後、地裁で引き続きあった公判で「初めは広汎性発達障害についての本を書くつもりだった」と証言。出版元の講談社と話し合い、一般の人に読んでもらおうと引用スタイルに変更したと話した。

弁護側の尋問に、調書をカメラで接写したことは「メモを取るのと同じだと考えた」とし、コピーを禁じる約束もなかったと証言した。

秘密漏示罪は、正当な理由があれば違法性が阻却される。崎浜被告側は「長男に殺意がないことを伝える正当な目的があった」と無罪を主張している。

閉廷後、崎浜被告も記者会見。草薙さんの法廷での謝罪には「なぜ今ごろか。特に言うことはない」。執筆活動を続けるという草薙さんに「そこまでの決意があるなら立派な本を書いてほしい」と注文を付けた。

午後の法廷では崎浜被告の弁護士が「筆を折ってください」と厳しく詰め寄り、草薙さんが「折りません」と答える場面があった。

朝日新聞より「草薙氏、出版の意義強調/公判調書漏出

謝罪の一方、出版の意義や出版社の責任も強調――。

14日、奈良地裁(石川恭司裁判長)で開かれた、田原本町の医師宅放火殺人事件をめぐる供述調書漏出事件の第5回公判。調書を引用した本の著者でフリージャーナリストの草薙厚子氏(44)が初めて出廷、調書の入手先を秘密漏示罪に問われた鑑定医の崎浜盛三被告(51)と明言した上で本人に謝罪した。

一方、情報公開や少年の更生の観点から出版の意義を改めて強調、出版した講談社にも連帯責任があることを訴えた。次回は27日、同社の社内で本の出版に反対したとされる週刊現代の当時の編集長が証人として出廷する予定。

◆「申し訳ございません」「調書は秘密文書?」

11・00 上下とも黒のパンツスーツ姿で草薙氏が出廷。検察側の尋問が始まる直前、「情報源について一言、言いたいのですが」と発言。

石川裁判長が「許可しません」と制した。

「捜査資料は誰から入手したか」と質問され、「情報源をこのまま秘匿するのがいいのかと考えたが、明らかにした方が利益があると思う」と述べた上で、「情報源は崎浜先生です」と明言。被告席に座る崎浜医師に向かって、「申し訳ございません、ほんとに」と述べ一礼した。

草薙氏は、崎浜医師と京都市内の料理店で会うなどして、医師が持つ捜査資料を見せてもらうことを約束。
「コピーはダメ」と言われたが、メモする許可は得たという。

調書などを見た状況に触れ、「崎浜先生の自宅に講談社編集部の記者やカメラマン、編集者と一緒に行った。

>家の鍵は記者が預かり、先生は出勤していて家にいなかった」「私は鑑定書に興味があっただけで、記者らが調書などをデジタルカメラで接写した」とした。
「撮影の承諾を受けようと思わなかったか」と問われ、「自分で撮影していないから意識が薄かった」と釈明した。

出版前に崎浜医師に本を手渡したとし、少年が自ら書いた図などが使われた表紙などを見た時の反応から、「受け入れられたと感じた」とした。

引用理由を「編集者の意向があった。私は鑑定書に興味があった」「引用すれば読者に真実性を実感してもらえると思った」と述べた。

さらに「秘密文書とは思ってない。

公にしなければならない重大な事件だ」「少年審判は非公開だが、調書が公になるかならないかは議論されるべきだ。国民は知りたいと思っているし、伝えなければならない」と持論を展開。

「供述調書は秘密文書なのですか?」と検察側に逆に尋ねる場面もあった。

「少年の更生の妨げにならないか」と問われ、
「本を読むなど自分がしたことを認知しなければ反省は起こらない」とし、父親に対し「不満があれば直接、私や講談社に言って欲しい」と話した。

最後に、「プライバシーを害してないということか?」と聞かれ、「はい」と答えた。

12・10 休廷。

◆「記者がコピーしない約束」「筆は折りません」

13・30 弁護側の尋問で再開。取材理由を聞かれ、「少年は広汎性発達障害だと思った。

度重なる少年事件を見て、広汎性発達障害を世に広めることで事件防止につながると思った」と述べた。

調書の引用について、「講談社編集部の意向。

私は雇われている身というか、チームで(取材を)やっているから、チームの一員として見せてもらうことに従った」とした。

「本意ではなかったのか」と聞かれ、「関心があったのは鑑定書」と繰り返す一方、「情報はあった方がいいので、多くあることは不本意ではない」とも述べた。

コピーをしないなどの崎浜医師との「約束」については「講談社の記者がしたことで、私が言ったのではないから覚えていない」とした。

14・45 デジカメで撮影したことを、「『メモはしていい』とおっしゃっていたので、メモと撮影はイコールだと思った」と述べた。

「本の表紙に少年が書いた犯行計画が使われているが、あなたの言う『メモ』では再現できないでしょう」と指摘されると、「表紙について決定権はありません」とした。

出版について反省があるか聞かれ、「もっと慎重になるべきだった」としながらも、「(情報源が)特定できないと思った」とした。

責任を自覚しているか問われ、「はい」と肯定したが、「筆を折って下さい」と非難されても「折りません」と拒絶した。

◆崎浜医師「本の帯にあぜん」「約束したと認識」

再び検察側尋問。少年の家族のプライバシーに関する表現について「社会性があると思う」と反論。

「(少年院を)出所後、少年と父親が分かり合っていくと思わなかったのか」と聞かれ、「この事例は無理と思った」とした。

石川裁判長の質問に、捜査資料を10時間見ていたことや撮影個所をいくつか指示したことを明らかにしたが、崎浜医師が許可した「メモ」の範疇(はん・ちゅう)だったとした。

16・05 石川裁判長が弁護側が申請していた地検の小野寺明検事の証人申請を却下、閉廷した。

16・15 傍聴していた神戸市のフリージャーナリスト粟野仁雄さん(51)は「驚いたのは、崎浜医師に原稿のチェックを受けなかったこと。私なら間違いがないよう何度も相手に確認する」と首をかしげた。草薙氏の主張に対し、「著者として名前を出す以上、出版社任せの態度は無責任」と批判した。

16・30 崎浜医師が南都総合法律事務所で会見。草薙氏が、本を手渡した時の崎浜医師の反応から「受け入れられた」と証言したことについて、「本の帯を見てあぜんとし、言葉がなかった」と反論。
「約束」について、「されたものと認識している」と草薙氏の主張に反発した。

16・40 草薙氏が県文化会館で会見。「事実を語ることが崎浜先生の利益になると思った」「崎浜先生と目が合ってうなずいてくれた。今日初めて自分の考えが伝わったと思った」と語った。 17・50 地検の野島光博・次席検事は「草薙氏が取材源を明らかにしたことで崎浜医師の供述と一致し、立証は前進した」と評価した。
サンケイ新聞より「【奈良・供述調書漏洩】草薙さん「崎浜先生の利益に、と情報源を秘匿」

奈良地裁で14日開かれた医師宅放火殺人の供述調書漏洩事件の公判で、草薙厚子さんに対する尋問の主なやりとりは次の通り。

《草薙さんは上下黒のパンツスーツ姿。証人としての宣誓の際、宣誓書を持つ手が小刻みに震えていた》

検察官「『僕はパパを殺すことに決めた』を出版するにあたり、少年の供述調書を入手したのか」

草薙さん「はい。コピーを入手した」

検察官「だれから入手したのか」

草薙さん「今まで情報源を秘匿してきた。悩んだが、事実関係を明らかにすることが崎浜先生の利益になると考えた。情報源は崎浜先生です。(被告席を向いて)崎浜先生、申し訳ありません」

検察官「何のために秘匿しようとしたのか」

草薙さん「ひとつはジャーナリストとしての生命線だから。もうひとつは崎浜先生の真意が分からなかったから」

検察官「どこで見せてもらったのか」

草薙さん「崎浜先生の自宅。私のほかに週刊現代の記者、カメラマン、編集者と4人で訪ねた」

検察官「そのとき被告は自宅にいたか」

草薙さん「はい。その後出勤されたので、その間に捜査資料を見せてもらった。調書はカメラマンがカメラで接写した」

検察官「撮影するのはコピーと同じことだと思うが、承諾は得たのか」

草薙さん「メモしていいとは言われていた」

検察官「コピーしてはいけないと言われていたのではないか」

草薙さん「崎浜先生はコピーは電車に忘れたりするという話をしていたので、置き忘れないようにすればいいと思っていた」

検察官「捜査資料はプライバシー上、むやみに見せるものではないが」

草薙さん「調書は公文書と思っている。重大事件であれば国民に知らせるべきだ」

検察官「撮影の事後報告もしなかったのか」

草薙さん「私が撮影したわけではないので、そういう意識はなかった」

検察官「著書に調書を引用したのはなぜか」

草薙さん「編集部と、より事実に近いものを読者に提供するにはその方がいいという話になった」

検察官「結局、売り上げを伸ばすためではないのか」

草薙さん「編集者はそうかもしれないが、私はお金儲けのためにやっているわけではない」

検察官「被告には謝罪したが、長男に何か言いたいことは」

草薙さん「きちんと更生してほしい」

検察官「著書が更生を妨げるとは考えないか」

草薙さん「まったくない。更生のためには事実を知らなければならない」

検察官「父親には」

草薙さん「本の内容は非常に酷だとは思うが、父親の虐待がなければ事件は起きなかった。不満な点があれば告訴するのではなく、直接、講談社と私に言ってほしかった」

検察官「プライバシーを害したという意識は」

草薙さん「ない」

《昼の休廷をはさみ、午後からは弁護側が尋問》

弁護人「『情報源は命を差し出しても明らかにできない』と以前は述べていたが、その理由は」

草薙さん「ひとつはジャーナリストとしての使命…」

弁護人(発言をさえぎるように)「その使命の根拠は」

草薙さん「情報源として明らかにしてほしくない人もいるので、その意思を尊重するということ」

弁護人「その程度の認識なのか。公権力から表現の自由を守るために必要だからではないのか」

草薙さん「はい」

弁護人「では情報源の秘匿とは、積極的に明らかにしないということだけで足りるのか」

草薙さん「情報源が分からないように発表することも必要だと思う」

弁護人「著書の表紙には、少年の犯行計画書がそのまま使われている。これはメモをとっただけではあり得なかったことだが」

草薙さん「表紙やタイトルについて、決定権があるのは編集部だった」

弁護人「この本を出版したことについて反省していることはあるか」

草薙さん「もっと慎重になるべきだった」

弁護人「具体的に」

草薙さん「私は編集者ではないのでアイデアはない」

弁護人「あなたは著者ですよ。あなたの調書に『死んでおわびするしかない心境』とあるが、そう思った理由は」

草薙さん「崎浜先生に対し責任があると思ったから」

弁護人「被告個人に対してだけか。ジャーナリストに対しての責任は」

草薙さん「思った」

弁護人「命をくれとは言わないから、筆を折ってもらえないか」

草薙さん「折りません」

《午後4時過ぎに閉廷。27日の次回公判では被告人質問などが行われる》

追記

サンケイ新聞の福富正大記者が法廷でのやり取りの詳細を自身のブログ「にしてんま傍聴日記」にエントリーしていました。

1月 15, 2009 at 12:46 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.01.06

東金市の事件

千葉日報より「帰りたいと騒がれ殺害」容疑者供述変える東金女児殺害遺棄

東金市東上宿の市道脇で昨年九月、同市田間の保育園女児=当時(5つ)=が遺体で見つかった殺害遺棄事件で、容疑者(21)が、女児に声を掛けて強引に抱きかかえた交差点から近道を抜けて自宅マンションに連れ込んだ約二百メートルのルートについて説明していることが四日、分かった。

県警捜査一課と東金署の捜査本部が同日、容疑者を同行して実況見分を行い、そのルートなどを確認した。また、捜査本部の調べに対し容疑者は、部屋に連れ込んだ後に女児に「帰りたい」と騒がれ、「『帰るな』と風呂水に沈めた」と殺害に至る説明をこれまでと変えていることも明らかになった。

これまでの調べで容疑者は「路上から女の子(女児)を抱きかかえて無理やり部屋に連れていった」などと説明していることから、捜査本部は実況見分を実施した。

容疑者は、自宅マンションから約二百メートル離れた生花店近くの歩道で女児とすれ違ったという。追い掛けるように約十メートル離れたドラッグストア横の交差点付近で声を掛け、強引に抱きかかえた後、人通りの少ない市立鴇金小学校正門前の細い道へ入り、近くの別のマンション横で人しか通れない最短の近道を抜けて、自宅マンションに戻った―と説明しているとされるため、捜査本部はそのルートを確かめた。

午前十時五十分ごろ、捜査車両が到着。交差点など六カ所で容疑者が乗ったワンボックスカーと現地をブルーシートで覆った後、助手席の捜査員が後部座席のカーテンを開けて「そこの角と言ってます」と車内の容疑者の説明に合わせて現場を撮影、「写真終了しました」と捜査員が無線で交わした。実況見分は約三十五分間、通りに面するところもあり、市民らが「何事?」と見守る中で終えた。

この事件は、もう無理じゃないでしょうか?

千葉日報の12月31日の記事には

容疑者は、これまで「近くの路上で会った女の子が、自宅の玄関にいた。自分が風呂から出たら、女の子がまだ部屋にいた。帰らないので腹が立って風呂水に沈めた」などと供述していたとされる。

と供述しているとされています。
確かにこれでは、まるで信用できないですが、じゃあ

容疑者は、部屋に連れ込んだ後に女児に「帰りたい」と騒がれ、「『帰るな』と風呂水に沈めた」と殺害に至る説明をこれまでと変えている

と供述したら信用できるものか?と思うわけです。

1月 6, 2009 at 11:55 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.01.01

国内での事件

東金女児殺害事件

あっちこっちで指摘されていましたが、この事件は最初からテレビで大々的に取り上げられていますが、千葉日報の記事のように警察の発表がいかにも警察が欲しがるような順序で情報が出てきたこと自体が、すでに事件の構造についての信頼を失わせていると言えるでしょう。

裁判に持ち込めないのではないでしょうか?

汚染米

米は全量を国が管理していますから、流通過程で用途のすり替えて高く売るなんてことは最終的には必ずバレる、と言えるでしょう。

今回も、かなり早く全貌が明らかになったと言って良いでしょうが、一連の事件の始まりとなった三笠フーズは倒産しています。
これほどのリスクの高いことをやる理由は、東京新聞の記事のタイトルの通り「半年で2500円を稼ぐ」ことができたからでしょうが、それにしても話に無理がありすぎますし、そもそも国が食用以外の用途に米を引き取らせることが出来ない(用途がない)ことを承知の上で売却したのではないのか?との疑惑はありますね。

生体認証を破った

この問題は、指紋認証が話題になった頃に「どうやって破るか」と話題になっていたことが実行された、わけです。

当時の指摘で非常に感心したのは「変造不可能なキーは最終的に使えない」というがありました。

認証技術では、必ず使えないことがある、というのです。
例えば、精度を緩くすると重複する、きつくすると認識できない。というのです。

そのために「唯一の認証キー」というのはダメだ、というものでした。

記事では

テロリストの入国阻止を主な目的に40億円以上をかけて導入された。比較的単純な手口で破られた
と問題にしているようですが、上記のような原理的なところから考えてみると「この程度のモノなのだ」と理解する方が安心(?)かもしれません。
「生体認証だから絶対」などという考え方をしないことが重要という証明であります。

抱えて無理やり部屋に 容疑者、説明変わる 東金女児殺害遺棄

東金市東上宿の市道脇で九月、同市田間の保育園女児=当時(5つ)=が遺体で見つかった殺害遺棄事件で、殺人容疑で再逮捕された容疑者(21)が、県警捜査一課と東金署の捜査本部の調べに対し「路上から女の子(女児)を抱きかかえて無理やり自宅に連れていった」などと、新たな説明をしていたことが三十日、分かった。

捜査幹部が明らかにした。
連れていった理由としては「話をしたかった」という趣旨の話をしているという。殺害動機を含めたこれまでの供述と矛盾することになる。

容疑者は、これまで「近くの路上で会った女の子が、自宅の玄関にいた。自分が風呂から出たら、女の子がまだ部屋にいた。帰らないので腹が立って風呂水に沈めた」などと供述していたとされる。

捜査幹部によると、新たな容疑者の説明では、女児の母親の勤務先医院そばの交差点付近で、女の子を強引に抱きかかえ、そのまま自宅マンションに向かい、エレベーターで三階の自室に連れていったという。

交差点からマンションまでは約二百メートルの距離。説明を裏付ける目撃や防犯ビデオ映像は確認されておらず、捜査本部は引き続き慎重に捜査する。
殺害動機の説明に関しても今後、変わる可能性があるとみている。

女児は事件当日の午前十一時すぎごろ、同医院で職員に「お母さんの仕事はまだ終わらないの」と尋ねたのが最後の目撃。

容疑者も同十一時ごろに、同医院近くのショッピングセンターを一人で歩いていたのが、店の防犯ビデオの映像で確認されている。

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浅井、半年で2500万円稼ぐ 汚染米転売

接着剤製造業「浅井」(名古屋市)による農薬汚染米の不正転売事件で、浅井から「ノノガキ穀販」(三重県四日市市)に売却された計570トンについて、浅井は農林水産省から約300万円で購入していたことが、本紙が農水省へ情報公開請求して入手した入札資料で分かった。

浅井はノノガキへの売却で約2500万円の粗利を稼いだとみられる。
愛知県警は今月中にも浅井を食品衛生法違反(規格基準外食品の販売)容疑で立件する。さらに罪が重い詐欺容疑も視野に、浅井とともにノノガキの調べを進める。

農水省の資料によると、浅井は2006年12月から翌年5月にかけ、農薬メタミドホスに汚染された中国産もち米の入札に度々参加。いずれも東京農政事務所で行われた指名競争入札で、落札は13回に上っていた。

初回と2回目が行われた06年12月11日には、約110トンを1キロ当たり6・3円で落札。以降は5円台前半で落札した。同省の調べでは、浅井は1キロ50円でノノガキに転売し、売り上げは2850万円になる計算。
仕入れ値を差し引くと、半年間で約2500万円もの粗利を稼いだことになる。

関係者によると、ノノガキは、浅井から買い取った米をさらに利ざやを上乗せした1キロ70-160円で食用米として転売。両社の取引を通じて価格が跳ね上がっているため、県警は食用米として取引することで大幅な利益を得たとみている。

浅井からノノガキに流れた事故米は、米穀仲介業者や菓子製造業者などに販売されていた。これまでの県警の調べに、浅井側は「事故米として売った。ノノガキは知っていたはず」と主張。

ノノガキ側は「事故米とは知らず食用として扱った」としている。
しかし、県警は両者で事故米と知りながら食用米と偽って米穀仲介業者らへの販売を繰り返し、不当な利益を得ていた疑いが強いとみている。

Up

【事故米事件】

国が政府米として保管中、水にぬれたり、残留農薬基準の変更により事故米扱いになったりした米が食用として流通していたことが発覚。

政府が工業向けに民間に売却していた米が不正転売され、学校給食やコンビニ弁当などに使われていた。

大阪府警などが昨年9月、食品衛生法違反と不正競争防止法違反の疑いで三笠フーズ(大阪市)を家宅捜索。愛知県警も同10月、食品衛生法違反容疑で浅井や関係先のノノガキ穀販の強制捜査に乗り出し、利ざや目的に食の安全を脅かした悪質な事件とみて全容解明を進めている。

(中日新聞)

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生体認証破り入国、韓国人女がテープで指紋変造

不法滞在で強制退去処分になった韓国人の女(51)が2008年4月、入国審査時に指紋照合で本人確認する生体認証(バイオ)審査をくぐり抜け、不法に再入国していたことがわかった。

再入国が発覚したのは同8月で、女は再び東京入国管理局に摘発されると、「特殊なテープを指にはって指紋を変造し、審査を通過した」と供述した。東京入管は、女の再入国に韓国人ブローカーが介在したとみられることから、「同じ手口で、相当数の韓国人が不法入国した恐れがある」とする報告書を法務省に提出、同省も実態解明に乗り出している。

このシステムはテロリストの入国阻止を主な目的に40億円以上をかけて導入された。比較的単純な手口で破られた可能性が浮上したことで、入国審査のチェック体制とともに、テロ対策についても見直しを迫られることになりそうだ。

入管関係者によると、問題の女は観光目的で来日したにもかかわらず、滞在期限後も長野市内でホステスをして働いていたとして、07年7月中旬に摘発され、5年間は日本への再入国を禁じる強制退去処分を受けて韓国に送還された。

しかし08年8月初め、「同じ女が長野にいる」という情報が寄せられたのをきっかけに、東京入管が同市内のアパートで暮らしている女を発見、入管難民法違反容疑で再び摘発した。

女は偽造旅券を所持しており、同年4月末、この偽造旅券を使い、青森空港で入国審査を通過した記録が残っていた。同入管が女を追及したところ、

  1. 韓国人ブローカーから偽造旅券を購入し、青森空港行きの航空券を買うよう指示された
  2. ブローカーからは特殊なテープも渡され、青森空港の入国審査場で、テープをつけた人さし指をスキャナーにかざして審査を通過した

と供述したという。

同入管が実験した結果、市販のセロハンテープなどではスキャナーに指紋が映らずにエラーが表示されるため、審査を通過できないことが判明。

このため特殊なテープが使用された可能性があるとみて女の取り調べを続けたが、テープの素材や、ブローカーの特定につながる供述は得られず、同9月中旬、強制退去処分にした。

同入管は処分後、法務省に報告書を提出。バイオ審査をくぐり抜ける特殊なテープが出回っている可能性や、ブローカーが同じ手口で多数の不法入国を仲介している可能性を指摘した。

同省によると、青森空港の記録には、女が審査を通過した際の指紋の画像は残っていたが、不完全な指紋で、詳しく調べても女のものとは一致しなかった。同省入国在留課は「女が不法入国した経緯について調査を続けている段階。事実が解明でき次第、必要な対応を取りたい」としている。

(2009年1月1日03時04分 読売新聞)

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1月 1, 2009 at 11:01 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.12.31

L&G(円天)事件・組織犯罪処罰法で立件へ

サンケイ新聞より「会長ら十数人「立件へ」L&G 組織的詐欺の疑い 年明け本格捜査

全国約5万人から総額1000億円超の資金を集めたとされる健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G、破産手続き中)の出資法違反事件で、L&Gの波和二(かずつぎ)会長(75)らが、平成18年夏に経営破綻(はたん)の状態に陥っていることを認識しながら、その後も元本保証や配当を約束して出資を募っていた疑いが強いことが30日、分かった。

警視庁などの合同捜査本部は18年夏以降の資金集めが詐欺行為に当たると判断。波会長ら十数人について組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑での立件に向け、年明けにも捜査を本格化させる方針。

 これまでの調べでは、L&Gは13年ごろから、「3カ月ごとに9%(年36%)の利息を支払い、満期(1年)には元金を返還する」などと、元本保証をうたった1口100万円の「協力金」の募集を開始。会員が支払った金額や勧誘した人数に応じて会員をランク付けしてピラミッド型の組織を築き、競争をあおりながら、新たな資金集めを繰り返してきた。

しかし、19年1月になると、利息の支払いを一方的に停止。各地で開催するバザーやインターネットサイトで買い物ができる独自の疑似通貨「円天」での支給に切り替えた上、「来年2月まで出資の解約には応じない」と通知した。

捜査本部は昨年10月、出資法違反(預かり金の禁止)容疑でL&G本社や波会長の自宅など59カ所を家宅捜索。押収資料を分析する一方、波会長ら幹部から事情聴取を進めてきた。

その結果、18年夏に開かれた社内会議で「配当が払えない」などと報告されていたことが分かった。その後も配当を続けたが、出資金を配当に回す自転車操業だったとみられ、本来は配当できない状態だったという。捜査本部は、波会長ら幹部が18年夏にはL&Gが破綻状態にあると認識していたとみている。

また、事件にはL&G幹部らのほか「GA(グランドアーク)」と呼ばれる最高位ランクの会員も関与した疑いがあるとみて、一部の立件を検討している。

エル・アンド・ジー(L&G)

波和二会長が昭和62年に設立。当初は布団や健康食品の販売を手掛けていたが、平成13年ごろから、高配当をうたい出資金を募った。食品や貴金属などと交換できる独自の電子マネー「円天」を発行。社名は「レディース&ジェントルメン」の頭文字からとった。18年6月期の売上高は88億円。波会長の親族が社長を務めるDVD再生機販売会社など十数社のグループ会社があった。

組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で立件というのは「ようやくやるか」という感じではありますが、画期的と言えるのでしょう。

「L&G(円天)2千数百億円を集めていた。」書いた通り、2千数百億円も集めたというのですから、すごい話だとしか言いようがないですね。

これほどのを事件を、さっさと取り締まることが出来ないのは、法律の欠陥と言えるのではないでしょうか?

12月 31, 2008 at 04:04 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.28

L&G(円天)2千数百億円を集めていた。

東京新聞より「L&G集金、全国から2千数百億 豊田商事超え、最高額

「円天」と称する疑似通貨を発行し、高配当を約束して違法に金を集めたとして、出資法違反容疑で家宅捜索を受けた健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京、破産手続き中)が、全国47都道府県の会員から集めた金額は2千数百億円に上ることが27日、警察当局の調べなどで分かった。

悪質商法の集金額では、金のペーパー商法による詐欺事件として社会問題になった豊田商事の約2千億円を超え、過去最高となる。

警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部はL&Gの波和二会長(75)らの聴取を重ね、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑などで詰めの捜査を急いでいる。

警視庁などによると、L&Gは1987年に設立。当初は販売代理店を通じて布団や健康食品の販売をしていたが、2001年ごろから「100万円を預ければ3カ月ごとに9%支払う」との触れ込みで「協力金」名目として出資金を集めた。

一方で、同社が主催するバザーやインターネット上の市場で使える「円天」を発行し、「現金を10万円以上預ければ、毎年同額の円天を支払う」と宣伝し「保証金」名目でも金を集めた。

L&Gが東京地裁に提出した資料によると、「協力金」などの預かり金残高は、02年6月期には約6億4000万円だったが、07年6月期には約700億円まで膨らんだ。

L&Gは07年1月、「協力金」の現金配当を凍結し、代わりに円天で支払うと会員に通知。同年9月には円天での支払いも停止した。

(共同)

さすがにここまで大規模になっていたとは、予想していませんでした。

波和二会長は、日本で本格的な事件になった初のマルチ商法といわれる、APOジャパン(1971年)に関わっていたのですから、いわばこの手の商法が本職とでもいうべき人です。

「円 天 /波 和二」というブログで、「<続・徹底抗戦>」と書いていますね。

12月 28, 2008 at 11:06 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.12.27

ヘンだと感じた事件

ヘンなニュースと感じたものを並べました。

ネズミ講詐欺

いくら何でも、月に5%年率60%の配当なんてあり得ないでしょう。
しかも運用の再委託だから・・・・ということのようですが、こんなものに引っかかることが出来るモノなのでしょうか?

病院の電子システムやり直し

システムを構築して、運用を委託したら、委託先のシステムセンターが倒産した。ということですが、
「約3年半前に7億3500万円をかけて稼働させたばかりのシステムの運用をあきらめ」はとにかくとして、
「新たに7億7700万円投じて電子システムを構築し直す」というのはなんかヘンに感じますね。

倒産した、会社が極端な安値受注をしたということでしょうか?
倒産は仕方ないとしても、そういう会社に発注したことについての問題検証は必須ですね。

高校入学者に町が助成金6万円

どうなんでしょうかねぇ?
荒砥高は05年度入学者が48人にとどまり、06-08年度の入学者は59-80人で推移している。
山形県立荒砥高等学校には、現況に生徒数が198名となっています。助成金を負担する白鷹町の人口は16331人(平成17年)となっています。予算総額が73億円のようです。仮に生徒80人に6万円を出すとすると480万円になります。どんなものでしょうか?

海自でPCウイルスで自殺

この手の問題への対応としては、最低も良いところですね。
海自が3自衛隊の中で一番体質が古い、という説もありますが、少なくとも事件の防止効果が全く無い「調査」をしていたとは言えそうです。

裁判所で感染防止措置

この記事は、なんで記事になるのか分からないのです。

「◆被告の同意なく病歴公表したことに◆」というのが読売新聞が問題にしたい点であるとすると、これは伝染病対応について、読売新聞は理解していないのではないか?と感じます。

「感染防止か、被告のプライバシー保護か。裁判所は難しい対応を迫られそうだ。」そんなことはあり得ないのであって、個人情報保護法など勉強会でも伝染病情報とプライバシーはそもそも比較するべきものではない、となっています。

運用実態ないファンド破綻で元金50億円戻らず 被害者が告訴状

大阪市中央区の投資会社2社が、「年間利回り60%」と高配当をうたって延べ700人以上から73億円を集めた投資ファンドが破綻し、配当支払いや元金償還がストップしていることが26日、分かった。

集めた資金はほとんど運用実態がなく、配当や元金償還に回すといった“自転車操業”を繰り返して底を突いたとみられ、50億円以上の元金が焦げ付いたままという。
被害を受けた出資者の一部が、2社の経営陣に対する詐欺容疑で大阪府警に告訴状を提出しており、府警も情報収集を進めている。

問題の投資会社2社は、「EMIKO・フィールド」と「EMIKO・LLC」。
それぞれ「E&D」「M&M」という匿名組合を使ったファンドで活動していた。

出資者に提供された両社の報告書などによると、両社は平成17年末ごろから「現金を預ければ月5%、年間60%もの配当がある」などといって投資ファンドの出資者を募り始め、19年9月までに延べ700~800人から73億4000万円を集金。
出資者には配当や元金償還を進めたが、このうち52億1000万円の元金が償還できなくなった。

両社は、「EMIKO・フィールド」の男性役員(53)が代表取締役を務める東京都台東区の投資会社に資金運用を委託。
ところが、同社はほとんど運用しないまま、高額の配当や元金償還に充てるという状態だった。

また、男性役員は委託された資金のうち約9億5000万円について、競馬や香港市場へ投資すると称して知人4人に資金運用を再委託していたが、知人らが運用していた実態はなかった。

配当が止まった19年9月以降、経営陣の代理人弁護士が出資者への弁済にあてるため、経営陣や男性役員の知人らから個人資産を回収しているが、これまでに2500万円余りしか回収できていない。

代理人弁護士によると、2社の女性経営者(44)は「(男性役員の)話を信じてしまった。資金を運用していないことは知らなかった」などと男性役員との共謀関係を否定しているという。

3000万円の元金が戻っていない奈良県内の30代の女性出資者は、「経営陣も加害者のはずなのに、被害者を装っているような印象さえ受ける。元金の返済もうやむやにしようとしているのではないか」と憤っている。

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電子システム再構築に7億7700万円 委託会社倒産で紀南病院

紀南病院(田辺市新庄町)が電子システムの運用を業務委託している北海道の会社が、東京地裁から民事再生手続きの廃止決定を受けていたことが25日分かった。

紀南病院は約3年半前に7億3500万円をかけて稼働させたばかりのシステムの運用をあきらめ、新たに7億7700万円投じて電子システムを構築し直すことを決めた。
50億円近くの累積赤字で厳しい財政状況が続く中、大きな痛手になりそうだ。

紀南病院は、医療用情報システムの開発を手掛けるハルク(札幌市)と2004年に契約を結び、電子カルテなどの医療情報システムを構築。新築移転後の05年5月から運用を始めた。病院職員らがコンピューターに情報を入力、東京にあるハルクのデータセンターと専用回線を通じて情報をやりとりしている。
年間約8700万円の運用業務の委託料をハルクに支払っている。

その後ハルクは多額の負債を抱え、今年8月に東京地裁に民事再生を申し立てた。しかし12月15日に民事再生の手続きの廃止が決定。

これを受け、紀南病院は、現在使っている電子システムの使用をあきらめ、新システムを整備することを決めたという。

新しいシステム導入のため、医療情報システム構築のシェアが大きい4社に対して指名競争入札の告示を26日に行い、来年1月10日に現場説明会、同月22日に入札を行う。6月1日から新システムを稼働させたいという。

25日には病院組合(管理者=真砂充敏田辺市長)議会があり、病院組合の中本政吉副管理者が経過を説明。

組合は来年度に生じる「医療総合情報システム整備事業」に必要な7億7700万円の債務負担行為の議案を提案した。

議員から「システム導入でハルクを選んだ理由は何か」「(新システム導入まで)医療現場への影響は出ないのか」などの質問が相次いだ。

これに対し、組合は「初期投資とその後の運用維持費を含め他業者より低価格だった」「影響は出ない」と答弁した。

結局、組合議会は7億7700万円の債務負担行為を全会一致で可決した。組合議会はこの日、継続審議としていた07年度の組合事業決算などを認定した。
07年度の決算は約106億円の収入に対し約112億8700万円の支出、収支は6億8700万円の赤字だった。累積赤字は49億7800万円に膨らんでいる。

電子システムの再構築について、病院管理者の真砂市長は「委託している会社の再生を期待していたが廃止決定が出てやむを得ない状況になった。今後はこういうことのないよう委託先を決めていきたい」と話している。

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荒砥高入学者に6万円助成へ 白鷹町、定員割れに危機感

中学生の進路選択が大詰めを迎える中、白鷹町は26日までに、2009年度に町内の荒砥高に入学する新入生全員に対し、制服購入や通学費の支援を目的に、 1人6万円を助成する方針を固めた。

自治体が入学者を確保するため特定の高校に助成を行うケースは珍しく、これを問題視した県私立中学高等学校協会は「中学生の高校選択の自由をゆがめる」などとする質問状を同町に送付。
県内各地で加速する県立高校の再編統合に向けた動きにも、少なからず影響を及ぼしそうだ。

白鷹町が助成する6万円は「新歓応援券」として配布し、入学生の居住地は問わない。制服や運動靴を販売する指定店、フラワー長井線を運営する山形鉄道、山交バスなどで利用できる。
既にチラシを町内の全戸に配布したほか、フラワー長井線沿線の中学校にもチラシを送った。

荒砥高は05年度入学者が48人にとどまり、定員80人(2学級)を大幅に割り込んだ。このため、その後の入学者が定員の3分の2(54人)未満になれば、現在の2学級が1学級となり、募集停止を前提とした「分校」となる。06-08年度の入学者は59-80人で推移している。

県教育委員会は西置賜地区の高校再編について、2004年度入学者ベースで15あった学級数を14年度をめどに10程度に減らすと明示。協議は来年2月に本格スタートする予定で、同校の存続は不透明な状況にある。

白鷹町は、助成について「町から高校をなくしてはいけない。人口流出など、町の衰退につながる可能性も高く、行政として指をくわえて状況を見ているだけではだめ。全力で支援していきたい」としている。

これに対し、県私立中学高等学校協会は25日、4項目の質問状を町に送付。

  • 中学生の進路選択の自由をゆがめる
  • 同じ町民でありながら助成を得られない中学生に不公平感がある

などとし、来年1月16日までの回答を求めている。

県教委は、市町村によるこうした助成は「極めて異例」としているが、「あくまでも白鷹町の判断」との立場で県教委としての見解は示していない。

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海自補給艦で2曹が自殺 PCウイルス感染で聴取中

海上自衛隊補給艦「ときわ」が修理のため横浜市鶴見区の造船所に停泊中だった13日、衛生業務担当の2等海曹(38)が艦内で首をつって死亡していたことが26日、分かった。

海自は状況から自殺とみている。遺書は見つかっていない。

海自関係者によると、2曹は12日、ウイルスに感染したUSBメモリーを自宅から持ち込み、業務用のパソコンをウイルスに感染させたなどとして内規違反の疑いで上司らの事情聴取を受けた。
海自は情報流出があった可能性もあるとみて、確認を急いでいる。

上司らが13日にも再聴取する予定だったが、起床時間になっても起きてこなかったため、上司が2曹の部屋を訪れたところ、制服姿で首をつっているのを発見。部屋は施錠されていた。

USBメモリーには、艦内の隊員の健康管理や衛生器具の使用状況などの情報が入っていた。秘密情報は含まれていないという。

2曹が自宅に持ち帰り、自分のパソコンで使用した際、コンピューターウイルスに感染。
この際、外部に情報が流出した可能性があったという。

しかし、2曹はウイルス感染に気付かないまま再びUSBメモリーを、海自横須賀基地内に持ち込み、業務用パソコンで使用、ウイルスに感染させたという。

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被告に結核の恐れ 傍聴人にマスク配布、法廷前張り紙も

大阪地裁が、26日に判決があった窃盗事件の公判で、「被告に結核の恐れがある」と知らせる張り紙を法廷前に掲示し、傍聴人にマスクを配布、裁判官をのぞき、在廷した全員が着用した。

◆被告の同意なく病歴公表したことに◆

初公判があった今月中旬にも同様の措置を取っていた。

地裁は「感染の可能性は極めて低く、念のための措置」と説明しているが、被告の同意なく掲示しており、裁判とは無関係な病歴を公表したことになる。

来年5月からは裁判員制度が始まり、多くの市民が裁判所を訪れる。感染防止か、被告のプライバシー保護か。
裁判所は難しい対応を迫られそうだ。

被告は60歳代の男性。飲食店でバッグを盗んだなどとして起訴、拘置中で、起訴事実を認めており、この日、実刑判決を受けた。

地裁によると、大阪地検から今月、「被告は結核かもしれない。公判は開けるか」と問い合わせがあった。地検は病状について「結核菌を排出していない可能性が高く、他人にうつす恐れは極めて低い」と説明した。

地裁は開廷を決め、初公判期日と判決公判のこの日、法廷の入り口に「被告は結核に感染している恐れがあります。
傍聴者で希望の方にはマスクを配布します」と掲示。近くに被告名や罪名、公判の開始時間が書かれた開廷表も張り出した。

この日の法廷には、飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、証言台の前に透明のアクリル板を設置。被告がマスク姿だったほか、検事と弁護人、地裁職員2人、看守2人、傍聴人1人がマスクを着用した。

裁判官だけは2回の公判を通じてマスクはしていなかった。その理由について、裁判官は「被告が着けていたし、自分の発言が聞き取りにくくなると思った」と説明しているという。

地裁総務課は「開廷するかどうかや、どんな措置を講じるかは被告の病状を情報収集して検討した。今後も適切に対応したい」としている。

◆結核=結核菌による感染症。くしゃみやせきで空気感染するが、患者が服薬すると他人に感染する危険性は少なくなる。菌が体内に入っても必ず感染するわけではなく、発病の確率は5~10%とされる。2006年に新たに結核患者とされたのは全国で約2万6000人。

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12月 27, 2008 at 12:50 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.26

金融事件系統の記事

金融事件系統のニュースと言えます。
元ナスダック会長のネズミ講詐欺事件は、この記事によれば米証券取引委員会(SEC)の監督が緩かったから拡大した、ということのようです。
新銀行東京での問題も、監督を緩くしたことが巨額の不良債権に化けたと言われています。

新銀行東京の不良貸し付けの中に、限度一杯までほとんど無審査で化しだしたものがあるとされています。
ごく普通に考えて、貸付金額と審査の程度は比例するべきでしょう。
石原都知事の「審査を緩くして貸し出しを機動的にする」という考えの是非は、都市銀行などの審査体制との比較で決まることですから、一般の都市銀行レベルの審査体制でなければダメだということにはならないと思います。
実際に、信用金庫などはかなり機動的にやってくれます。

そこに、つけ込んだのが「審査は最低限・貸し出しは最大限」とやった人物が居るわけです。
こんな事をやったら、どんな体制でも底が抜けるでしょう。

元ナスダック会長のネズミ講詐欺事件も、根本は同じような構図ではないでしょうか?
元ナスダック会長という名声を利用して、有名人を集めたからネズミ講が成り立ったわけです。
そして、SECすらもその名声で監査を甘くしました。
どう考えても「常に年率12%を保障する」なんてことはあり得ないわけですから、調査を打ち切る理由は無かったでしょう。

結局のところ、ことお金に関する限りは、性善説ではうまく行かないということですね。

名声 逆手に証取委抱き込む 米巨額詐欺事件

【ニューヨーク=長戸雅子】
元ナスダック・ストック・マーケット(現ナスダックOMXグループ)会長のバーナード・マドフ容疑者による巨額金融詐欺事件は、同事件で多額の損失を負ったヘッジファンド創設者が自殺するという悲劇を引き起こした。

被害総額約500億ドル(約4兆5000億円)-。事件はなぜ米史上最大といわれる規模に発展するまで見逃されてきたのか。疑問と非難の声が起こっている。

■名声への信頼

「寛容で素晴らしい人物だった。彼はマドフ氏の犠牲者だ」

23日朝、ニューヨーク市内のオフィスで亡くなっているのが発見された投資会社「アクセス・インターナショナル・アドバイザーズ」の創設者、ルネティエリ・マゴン・ドラビルシェ氏の知人は米メディアにこう語った。

約14億ドルといわれる損失を苦にして自殺したとみられるドラビルシェ氏は先祖の名前「マゴン」がパリの凱旋(がいせん)門に刻まれているというフランスの名家出身。顧客にも世界の王室関係者の名前が並ぶ。

マドフ氏の率いるファンドが、「ファンドが選んだ人だけが参加できる」という「排他性」や「特権」を売り物にしてきた証拠でもある。

「あの人が言っているんだから間違いない。マドフ氏はそういう人物だった。
ユダヤ系社会の信頼を完膚なきまでに裏切った事件だ」(ニューヨーク在住のユダヤ系男性)
といわれるように、マドフ氏はユダヤ系社会の有力者、慈善事業家という自身に寄せられた信用を最大限利用。
映画監督のスピルバーグ氏、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を生き延びたノーベル平和賞作家、エリ・ウィーゼル氏の慈善財団も被害にあったことが判明している。

■SECにも身内の影

ある意味でマドフ氏以上の非難を浴びているのが米証券取引委員会(SEC)だ。

以前からマドフ氏の不透明な運用に関する情報が寄せられていたにもかかわらず、マドフ氏が逮捕されるまでごく表面的な調査しか行われていなかったことが明らかになったからだ。

18日付のウォールストリート・ジャーナル紙はボストンで投資家として働いていたハリー・マルコポロス氏が約10年にわたって行っていたマドフ氏への調査について詳報。

マルコポロス氏は調査を始めて間もなく、市場の動向にかかわらず常に年率12%という配当を約束するマドフ氏のやり方を「ねずみ講」と確信、SECのボストン事務所と連絡を取り始めたという。

マルコポロス氏の情報提供により、SECは2006年1月からマドフ容疑者本人や関係者、さらには顧客の米ヘッジファンドなどへの面談を行うなどの調査を開始した。

しかし、SECはマドフ氏が必要とされる届け出を怠っていたことや、顧客企業の口座の情報を調査員に正確に伝えないなどの問題があったとしたものの、強制調査を行うほどの違反ではないとして、調査を打ち切ったという。

マルコポロス氏は調査をSECのニューヨーク事務所が行ったことについて「困惑を覚えた。SECのニューヨークとボストンの事務所は(大リーグの)ヤンキースとレッドソックスのような関係だと聞いていたから」とSEC内の縄張り争いが調査結果に影を落とした可能性も示唆した。

米メディアによると、マドフ氏のファンドのスタッフは身内で固められ、マドフ氏はSECの調査員らと親密であることを以前から自慢していた。
昨年行われたマドフ氏のめいとSECの元弁護士との結婚もSECの再調査の対象になっているという。

■監視の甘さ

資金を出す側が限られ、監督規制の対象にならないものが多いとされるヘッジファンドをめぐっては、業界内部からも運用実績の透明性向上を図るべきだとの声が出ている。

オバマ次期米大統領は、マドフ氏の事件について「市場を統制する規則に抜本的な改革が必要であることが改めて示された」と述べ、金融市場に対する監督機能強化に意欲をみせている。

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新銀行東京:金融庁が業務改善命令 経営改善が不十分

金融庁は26日、東京都から400億円の追加出資を受けて経営再建中の新銀行東京に対して、コンプライアンス(法令順守)を含めた内部管理体制の強化などを求める業務改善命令を正式に発動した。

ずさんな融資審査で巨額の貸出金の焦げ付きを出したうえ、融資をめぐる詐欺事件も発生したにもかかわらず、「経営改善の取り組みが不十分だ」と厳しく指摘。

融資審査・管理体制の抜本強化や不正の再発防止策を盛り込んだ業務改善計画を09年1月26日までに提出するように求めた。

金融庁は今年5月から7月まで、同行に立ち入り検査を実施。
10月下旬に検査結果を通知したうえで、行政処分の是非や内容を詰めていた。

金融庁によると、同行は過大な事業計画の下、中小企業の財務データから融資の可否を自動的に審査する独自の「スコアリングモデル」に依存した融資を拡大し、巨額の損失を計上した。
同行元行員が絡んだ詐欺融資事件も発覚した。

07年に経営陣が交代した後も、同行は貸出先企業の経営実態の把握などの融資審査体制や取締役会の経営チェックが十分には機能しなかった。

特に、ずさんな融資が続いた背景には、行員の不祥事防止を前提にしない内部監査体制やコンプライアンス意識の低さなど内部管理面で重大な不備があった、と厳しく指摘した。

新銀行東京は11年3月期をめどに現在の赤字体質から脱却する経営再建計画を進めている。

しかし、今回の業務改善命令で、07年に刷新された現経営陣の取り組みについても不十分と指摘されたことで、同行が一段の経営改革の取り組みを迫られることとなった。【永井大介】

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12月 26, 2008 at 11:10 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.24

書記官・成人後見人制度でニセの差押え

読売関西より「家裁書記官、成年後見制度も悪用…資産差し押さえ

振り込め詐欺事件で凍結された預金口座から現金が引き出された事件で、偽造有印私文書行使容疑で逮捕された京都家裁書記官(36)が、認知症などの人が対象となる成年後見制度を利用している資産家からも現金を不正に得ていたことがわかった。

埼玉県警関係者によると、容疑者は、戸籍を不正取得して「馬場(ばんば)」氏になりすまし、成年後見制度を利用している資産家に対し債権があるとして裁判所に資産の差し押さえを申し立て認められた。

容疑者は、資産家の預金を自分で管理していた馬場名義の口座に移していたという。

この資産家の成年後見人が同家裁に任命される際、容疑者は担当書記官だった。

成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下した人を支援する。家裁に任命されるなどした成年後見人が財産管理などを行う。

別の資産家の遺産を偽の判決文を使って差し押さえていたことも判明しており、県警は、凍結口座から引き出した現金も含め、総額で約6000万円を不正に得ていたとみている。
(2008年12月24日 読売新聞)

これどういうことなのでしょうか?

資産差押えをニセ債権で行った、ということでしょう。
しかし、今回はこの馬場なる人物が架空であり、書記官が作り上げた人格だと分かっているから何とかなりますが、実際に債権者と称する人物が実在して、書類も見かけ上は正常な手続で処理されたようになっていたら、分からないのではないでしょうか?

判決は人の死をも命ずことが出来る最終決定ですから、部分的にもアテにならないとなれば、大問題です。

なんでバレないですむ、と見切ったのでしょうか?それが問題のように思います。

12月 24, 2008 at 02:03 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

不気味な事件・点滴に汚染水

ずいぶんと不気味に感じる事件です。

警察発表で出来た記事でしょうから3つの新聞社の記事を並べると、普通は記事の濃さや字数が多いか少ないかぐらいの違いになるはずなのに、微妙に3社の記事が違っているところに注目しました。

サンケイ新聞の記事では「汚染水」「腐敗した水」となっていて、どういう風に腐敗した水になるのか直感的には分かりません。
記事中には「水道水に飲料水を混ぜ、1週間から10日ほど放置した」となっていますが、これでも「ただの水が腐るとはどういうことだ?」と思いました。

京都新聞では「汚染した液体」となっていて、内容も「スポーツ飲料を水道水に混ぜて1週間から10日ほど放置して腐らせた液体」となっていますから、だいぶ具体的に分かります。

一番踏み込んでいるのが朝日新聞です

五女は、血液に細菌が感染する敗血症の症状があり、12月初旬に母親の希望で岐阜県内の病院から転院してきた。

血液内に通常は存在しないカンジダ・アルビカンスなどの菌が入っていたため、病院が抗生物質を投与するなどして治療するとともに府警に相談していた。

容体は好転していたが、23日になって再び発熱があったため、府警が任意で母親から事情を聴いていた。

母親は注射器を持っており、「スポーツドリンクを7~10日ぐらい放置したものを注入した」と話しているという。

府警によると、五女の父親は会社員で関市の自宅におり、母親が京都市内に滞在して看病していた。夫妻の間に生まれた子どものうち、ほかに3人が病死しているという。

親が薬物などを使って子どもを病気にさせる児童虐待の症例は「代理ミュンヒハウゼン症候群」と呼ばれる。 奈良市の女が00年、病院や自宅で薬物入りのお茶を当時高校1年の長女に飲ませたとされる事件もこれにあたると専門家は指摘。

殺人未遂の罪に問われた母親は精神鑑定の結果、意識や記憶が本来の自分のものとは一致しなくなる「解離性障害」のほか、代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性があるとされた。02年の奈良地裁判決は懲役3年(求刑懲役6年)を言い渡した。

こうして各社の記事を並べてみると、新聞社としてもこの事件にとまどっているのでしょう。

1歳娘の点滴に汚染水 殺人未遂容疑で母逮捕」」

重病で入院中の1歳10カ月の娘の点滴に、注射器で腐敗した水を注入して殺害しようとしたとして、京都府警捜査1課と川端署は24日、殺人未遂容疑で、岐阜県関市の無職の女(35)を逮捕した。

「死亡させるつもりはなかった。病状が悪化すれば娘に付き添って看病してやれると思った」と供述しているという。
次女と三女、四女の3人も幼いころ、病院で死亡しているといい、府警はこの経緯についても調べる。

調べでは、女は12月22日から23日にかけ、京都市左京区の病院に入院していた五女の点滴に、2回にわたり、腐敗して細菌の混入した水を注入し、殺害しようとした疑い。

五女は12月初旬、敗血症の症状を起こし、岐阜県内の病院から免疫治療のため左京区の京大医学部付属病院に転院。
集中治療室(ICU)で治療を受けていたが、転院先の病院側が五女の血液検査を行ったところ、通常は血液中にない細菌が検出され、不審に思った病院が今月初旬に府警に通報した。

22、23両日になって五女の症状が急激に悪化。医師が治療を施すとともに府警に通報し、府警が女から事情を聴いたところ、両日に注入したことを認めた。五女は現在、快方に向かっているという。

女は「水道水に飲料水を混ぜ、1週間から10日ほど放置した。面会時間中に点滴に注入した」と事実関係は認めているが、殺意は否認しているという。
府警は、女が腐敗水の注入を継続的に行っていた可能性がある一方、精神的に疲れていた可能性もあるとみて、動機面を詳しく調べる。

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1歳娘の点滴に汚染水、母親を逮捕 殺人未遂容疑で京都府警

入院中の1歳10カ月の五女の点滴に汚染した液体を注入し、殺害しようとしたとして、京都府警捜査一課と川端署は24日、殺人未遂の疑いで、母親の岐阜県関市の無職女(35)を逮捕した。

府警の調べに対し、女は今月上旬以降、同様の注入を数回したことを認め、「死亡させるためにやったわけではない。
面会時間は限られており、子どもの症状が悪化すれば、ずっと付き添ってあげられる」と供述しているという。

調べでは、女は22日と23日の夕方、京都市左京区の京都大医学部付属病院の集中治療室(ICU)で治療を受けていた五女の点滴回路の管に、スポーツ飲料を水道水に混ぜて1週間から10日ほど放置して腐らせた液体を注入し、五女を殺害しようとした疑い。

府警は24日朝、病院で女に事情を聴いたところ、女は注射器を隠し持っていた。京都市内のアパートに仮住まいしており、面会時間に注入していたという。

五女は今月上旬に、敗血症の治療のため、岐阜市内の病院から京大病院に転院した。同病院が血液検査をしたところ、通常は検出されないカンジダ・アルビカンス菌が検出されたため、府警に相談していた。五女は敗血症は回復に向かっていたが、22日から発熱や心拍数が上昇する症状が出ていた。
女の次女と三女と四女は、いずれも4歳までに病院で死亡しているという。

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1歳女児の点滴に古い飲料注入 殺人未遂容疑で母を逮捕

京都市内の病院に入院している1歳10カ月の娘の点滴チューブに古くなったスポーツドリンクを注入したとして、京都府警は24日、岐阜県関市に住む母親(35)を殺人未遂の疑いで逮捕したと発表した。府警によると、母親は「(病気になれば)ずっと付き添ってやれると思った。殺すつもりはなかった」と供述しているという。

府警によると、母親は22~23日にかけて、京都市左京区の京大病院の集中治療室(ICU)で治療を受けていた五女の点滴チューブに、古くなって細菌が繁殖したスポーツドリンクを注射器で注入し、殺害しようとした疑いがある。

五女は、血液に細菌が感染する敗血症の症状があり、12月初旬に母親の希望で岐阜県内の病院から転院してきた。血液内に通常は存在しないカンジダ・アルビカンスなどの菌が入っていたため、病院が抗生物質を投与するなどして治療するとともに府警に相談していた。容体は好転していたが、23日になって再び発熱があったため、府警が任意で母親から事情を聴いていた。

母親は注射器を持っており、「スポーツドリンクを7~10日ぐらい放置したものを注入した」と話しているという。

府警によると、五女の父親は会社員で関市の自宅におり、母親が京都市内に滞在して看病していた。夫妻の間に生まれた子どものうち、ほかに3人が病死しているという。

親が薬物などを使って子どもを病気にさせる児童虐待の症例は「代理ミュンヒハウゼン症候群」と呼ばれる。
奈良市の女が00年、病院や自宅で薬物入りのお茶を当時高校1年の長女に飲ませたとされる事件もこれにあたると専門家は指摘。殺人未遂の罪に問われた母親は精神鑑定の結果、意識や記憶が本来の自分のものとは一致しなくなる「解離性障害」のほか、代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性があるとされた。02年の奈良地裁判決は懲役3年(求刑懲役6年)を言い渡した。

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12月 24, 2008 at 01:53 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.21

国内の不祥事

偽造判決文

公印の偽造といったことまでやっていれば、相当な大規模な事件になっているはずだと思っていましたが、やはり数千万円をだまし取った、と出てきました。

詐取した金がどのように使われたかですが、常識的に考えて裏世界に流れているでしょう。

容疑者は「自分一人でやった」と供述しているそうですが、こんなやっかいなことを強制するとなると、普通は「脅されて」でしょうね。

何らかの形で、やっぱりというかビックリという内容が明らかになるでしょう。

装備品調達

平均で20倍、最大で50倍というのは「それなら止めてしまえ」というレベルですね。

装備施設本部はFLISについて、「存在が知られていなかった。装備品の価格は複雑で単純比較はできないが、活用は検討する」というのでは、今までどうやって価格算定をしていたのか?さらには検証していたのか?
という問題になります。高いなら高いなりの理由が明示できないと、説明できないでしょう。
外部(会計検査院)から「こんなのがあるが」と示されて、返事が出来ないのではどうにもならない。

偽造判決文:家裁書記官、別の手口で数千万円

偽造判決文により凍結解除された銀行口座から預金が引き出された事件で、京都家裁書記官(36)=偽造有印私文書行使容疑で逮捕=が、裁判制度の本人確認手続きの不備を突くなど、新たに二つの手口で他人の口座からそれぞれ数千万円をだまし取った疑いのあることが埼玉県警の調べでわかった。 容疑者は新たな手口への関与を認める供述をしているという。

県警幹部によると、新たな手口の一つは、書記官の立場を悪用。
もう一つは、書記官の立場でなくても法律知識があれば可能で「裁判制度上の一種の本人確認手続きの不備を突き、他人の口座から現金を引き出し、さらに借金を背負わすことが可能」(捜査幹部)という。
二つの手口についても、詐欺容疑などでの立件を視野に入れて捜査している。

これまでの調べで、振り込め詐欺に使われたとして凍結された複数の口座を巡って、今秋、容疑者がでっち上げたとみられる架空の人物「馬場(ばんば)」に各口座の債権があるとする偽造判決文が各地の裁判所に届いた。

一部裁判所は口座を管理する金融機関に口座残金の差し押さえを命令し、「馬場」が金を引き出せる立場を得た。

容疑者は9月、凍結口座の一つを管理する埼玉県内の銀行に「馬場」名で振込依頼書を郵送したとして逮捕された。
【浅野翔太郎】

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防衛省、国際相場の50倍で装備品調達 山田洋行から」」

防衛省の装備施設本部が防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)との間で契約した防衛装備品の価格が、米国の国防総省が公開している価格の最大で50倍以上にのぼっていたことが、会計検査院の調べで分かった。

防衛省が防衛商社との間で極端に「高い買い物」をさせられ、「税金が浪費した」(検査院関係者)ことになる。

国防総省の価格はFLIS(フリス)と呼ばれるデータベース(DB)に蓄積され、インターネットで公開されているが、防衛省側は参考にしていなかったという。

検査院によると、米国は平成5年以降、国防総省が米軍の調達価格の平均に補正を加えて算定した国防総省価格をネット上で公開している。
軍用トラックのネジからミサイルまで価格情報がそろっており、世界最大の防衛装備品に関する情報バンクといえる。

FLISは米国防総省からパスワードを付与されれば、より機密性の高い情報にもアクセスでき、NATO(北大西洋条約機構)加盟国と韓国、イスラエルなど計56カ国がパスワードを付与されている。
日本はパスワードを持っていない。

山田洋行が12~18年度に防衛省の装備施設本部と契約した49件、計約96億4000万円を検査院が調べたところ、防衛省は国防総省価格の最大で50倍以上もの価格で山田洋行と契約したケースがあった。平均でも約20倍にのぼった。

昨年秋に山田洋行が輸入した装備品の契約額を同省に過大請求していた問題が発覚したのを機に、同省のプロジェクトチームは今年3月、改善報告書をまとめた。

検査院関係者によると、これまでにFLISの存在を同省に伝えているが、報告にその活用は触れられていないという。

同省の装備施設本部装備政策課はFLISについて、
「存在が知られていなかった。装備品の価格は複雑で単純比較はできないが、活用は検討する」と話している。

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12月 21, 2008 at 11:26 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.20

イヤな事件

  1. 毎日新聞より「闇サイト公判:被害者中傷…被告が事件後、知人に手紙」
  2. 読売新聞より「足利事件、DNA再鑑定へ…有罪「決め手」で実施初」
  3. 東京新聞より「意見陳述で沈黙『やっぱりない』 東金事件 容疑者の拘置理由開示」
  4. 毎日新聞より「防衛省:米製航空タイヤ、4分の1を返品…賠償請求も検討」
  5. 産経関西より「私的流用 で処分へ 門真市職員6人 小学校給食ご飯 ただ食い2年間」
  6. 産経関西より「負傷者8割と示談成立 JR西脱線事故」

ひどい事件、どうかと思う事件の記事を集めました。

「闇サイト公判」

闇サイトで仲間を募って通りがかりの女性を計画的に襲って殺害し、金品を奪う計画を立て、実行したというものです。

公判廷で明らかになった「手紙」というのがいつ書かれたものなのかよく分かりませんが、この内容はひどいですね。

当初の報道の印象はある種の劇場型犯行か?とも思いましたが、どうも違うようですね。最初から殺すことを目的にしていたように感じます。

「製航空タイヤ、4分の1を返品」

「証明書の製造番号や製造年月日は架空のもので」というのがひどすぎます。
ところで、1500万円で195本買ったというと、一本あたり7万7千円です。U125A救難捜索機は元がビジネスジェット機ですが、タイヤってこんなに安いものなのでしょうか?

小学校給食ご飯 ただ食い2年間

最初、タイトルだけ見たときには学校の関係者だと思っていたのですが、

職員らは事前に電話で連絡し、昼食前に1人が職場から自転車で約15分の五月田小へ行き、同校の児童らに配る前の米飯を縦30センチ、横30センチ、高さ10センチのアルミ製の容器に詰めて持ち帰り、6人で分けていた。

自転車で15分って、そこそこの距離がありますよ。隣に行くといった感じではない。こんな事をわざわざやるとは、いくら何でもさもし過ぎるというべきでしょう。

JR西脱線事故

示談交渉が全然進んでいない、と感じてしまいます。

「闇サイト公判:被害者中傷…被告が事件後、知人に手紙」

名古屋市千種区の派遣社員(当時31歳)が07年8月、拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた被告(37)の公判が19日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であった。
被告が事件後、被害者について「嘘(うそ)吐(つ)き姉ちゃん」「食えねえ女だ」などと書いた手紙を交際相手に渡していたことが明らかになった。

被告は手紙で、拉致後の車中で被害者が吐き気を訴えたことに触れ「車酔いしてたら、背中とかに汗かくんだよ。芝居の上手い彼女(笑)。嘘吐き姉ちゃん。嘘なら俺の方が上手だぜ」と書いていた。被害者さんが包丁で脅されて震えていた場面は「がったがた。マグニチュード10?」と表現。また事件を「仕事」と表現し「『仕事』(8月21~25日)をちゃんと覚えておこう」と書いていた。

公判で被告は「(交際相手から)犯行時の正直な気持ちを書きなさいと言われた」などと説明。「頭を下げるとか文章にしてわびるとかで許される行為ではありません。
判決に恭順するということで納得していただきたい」と述べた。

また被告の父親(72)が証人出廷し「被害者や遺族の方にどんなに謝っても謝りきれない。極刑が妥当じゃないかと思っています」と述べた。
【秋山信一】

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「足利事件、DNA再鑑定へ…有罪「決め手」で実施初」

栃木県足利市で1990年、同市内の女児(当時4歳)が誘拐・殺害された「足利事件」を巡り、殺人罪などで無期懲役が確定した受刑者(62)が、裁判のやり直しを求めた再審請求の即時抗告審で、東京高裁(田中康郎裁判長)は19日、有罪の決め手となったDNA鑑定について、近く再鑑定を命じる意向を弁護人に示した。

弁護人によると、DNA鑑定が有罪の決め手となった事件の再審で、再鑑定が実施されるのは初めてという。

この事件の上告審判決は、DNA鑑定の証拠能力を最高裁として初めて認め、女児の下着についていた体液が、受刑者のDNAの型と一致したと判断して、有罪が確定している。

弁護人の佐藤博史弁護士によると、同高裁はこの日、東京高検と弁護団との三者協議を行い、検察、弁護側がそれぞれ推薦した専門家2人に、鑑定を命じる考えを明らかにしたという。同高裁が正式な決定を出せば、専門家が、下着についた体液と、受刑者の血液などを採取し、DNA鑑定を行う。
(2008年12月20日02時30分 読売新聞)

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「防衛省:米製航空タイヤ、4分の1を返品…賠償請求も検討」

防衛装備品商社「サイエンステクノロジートレーディング」(東京都渋谷区)が納入した米国製航空機用タイヤに傷などのある不良品が含まれていたとして、防衛省は19日、約4分の1に当たる52本を返品したと発表した。添付の製造証明書が偽造だった疑いもあり、賠償請求など法的措置を検討している。

防衛省によると、航空自衛隊が07年2月、U125A救難捜索機用のタイヤ195本(総額約1500万円)を購入。うち52本にゴムの劣化などが見つかった。証明書の製造番号や製造年月日は架空のもので、同社は防衛省に「証明書は元々添付されていた。偽造に関与していない」と説明している。
同社納入の暗視装置も模造品だったことが昨年、発覚している。【本多健】

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「意見陳述で沈黙『やっぱりない』 東金事件 容疑者の拘置理由開示」

千葉県東金市の保育園児=当時(5つ)=が遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された容疑者(21)の拘置理由開示の手続きが十九日、千葉地裁(武富一晃裁判官)で開かれた。容疑者は逮捕後初めて、公の場に姿を見せた。

弁護士が差し入れた紺のブレザーに白いワイシャツ、ベージュのズボン姿で入廷した容疑者は、満席の傍聴席に一瞬驚いた表情を見せたものの、緊張した様子はなかった。

人定質問で、容疑者は名前を答え、職業を「無職です」と言ったが、生年月日と住所は自分から答えられなかった。
拘置理由への意見陳述を求められても、下を向いて首をかしげたり、口や鼻をかいたりするなど落ち着かない様子で沈黙。
再び意見を求められ、一分近い沈黙の後「やっぱりないです」と、小さな声で答えた。

拘置理由について、武富裁判官は「関係者に働き掛け、事件に関連する場所の状況を変更するなど、罪証隠滅の恐れがある」などと述べた。

弁護団は、取り調べ時の録画・録音など全過程の「可視化」をあらためて強く求めた。

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「私的流用 で処分へ 門真市職員6人 小学校給食ご飯 ただ食い2年間」

大阪府門真市の職員6人が平成15年3月から17年4月、市立五月田小学校(同市北島町)の給食調理員から無料で給食の米飯を分けてもらい、職場で昼食として食べていたことが19日、分かった。

約2年間で少なくとも20回に上り、市は近く、かかわった給食員4人とともに懲戒処分を検討。6人は「自前の弁当だけでは足りなかった」などと話しているという。

市によると、6人は35~45歳の男性職員で、当時は市教委施設課(現・教育総務課)に所属。学校施設の修繕が主な仕事で、給食員とは顔見知りだった。

職員らは事前に電話で連絡し、昼食前に1人が職場から自転車で約15分の五月田小へ行き、同校の児童らに配る前の米飯を縦30センチ、横30センチ、高さ10センチのアルミ製の容器に詰めて持ち帰り、6人で分けていた。

給食員が渡した米飯は1回につき約900グラム(約5合)で計約18キロ。金額に換算すると、6000円程度になるという。

6人は「自宅から持ってきたり、買ったりする弁当だけでは足りなかった」と釈明。不正に関与した給食員の女性(53)は「米飯給食のときは以前から多少の残飯があり、どうせ捨てるのだから、その範囲内であればかまわないと思った」と話しているという。

17年4月に別の給食員から指摘があり、その後不正はなくなったとしているが、一連の不正について市への報告を怠っていた。市は投書をもとに今年9月から調査を開始。刑事告訴も検討したが、量や損害を特定する確かな証拠がなく、告訴を見送った。

同市の下浦克明教育長は「子どもたちの給食の食材を私的に流用したもので、深くおわび申し上げます」としている。

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「負傷者8割と示談成立 JR西脱線事故」

兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故について、JR西日本の山崎正夫社長は19日の定例会見で、負傷者の約8割と示談が成立したことを明らかにした。
一方、昨年末の時点で2割超と終えている遺族との補償交渉については、具体的な件数は明言しなかった。

山崎社長は、被害者への補償状況について「現在も少しずつ進捗(しんちょく)している」と述べ、昨年8月の時点で7割超だった負傷者562人との示談件数が8割程度まで増えたことを明らかにした。
一方、遺族との示談件数は「昨年末に数字を公表した際、相当な反発があった」として、明言を避けた。

また、事故をめぐる神戸地検の捜査が大詰めを迎えていることについては、「捜査はまだ続いており、引き続き誠実に対応していく」と話した。

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12月 20, 2008 at 01:21 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.12.16

続・ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問の感想

「ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問の感想」の続きです。

「ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問」では、「よく分からない証言であった、というのが印象」と書きましたが、どこが良く分からないのかという説明は書いていませんから、読まれた方も気にしているだろうと思います。
しかし、書こうと思ってもかなり難しいのです。

たとえると「トンデモ本」を読んでいるようなモノでした。
トンデモでもいろいろなジャンルがありますが、わたしには「トンデモ陰謀論」であるように受け取りましたが、当然「裁判所で陰謀論を展開してもどうにもならないだろう」というのがストレートな感想です。

現実と懸け離れているから「2004年の事件について1998年の問題を引っ張ってくる」こともあるのでしょうが、MASAYA本人には分かっていても、聞いている側には、どう話がつながっているのか分かりませんから証言をそのまま文字に起こすぐらいしか伝達の手段がありません

しかし、速記もできませんし録音もしていませんから、これもできません。
仕方ありませんから、気になった「ヘンなところ」をいくつか紹介します。

今回の裁判は控訴審(東京高裁)であって、原判決は東京地裁でのホームオブハート側の敗訴を受けてのものです。
いわゆる消費者被害裁判で、判決では

原告は、被告らの違法行為により、セミナー参加費用、商品・会員権等の購入代金、オーガニックビレッジ出店費用等の負担を負わされ

と認定して、1543万円余の損害賠償を命じたものです。
当然、控訴審ではこの金額や「違法行為」とされる部分の反論をするのが、本来の控訴審のあり方ですが、その種の「実務」になると「プロデューサーだから実務は知らない」「ソフトの専門だから土地取引など知らない」として、金銭関係についてはほとんど何も証言していません。

事件が大々的に報道されたのは「児童虐待報道」であり、児童相談所が児童を一時収容したり、警察が捜査したりという事実がありました。
しかし、刑事事件での立件はありませんでした。

さらに、ホームオブハート側の弁護士の尋問(主尋問だから先に質問します)で「なぜ、第一審で何も述べなかったのですか?」と聞かれるとMASAYAは「まさか、紀藤弁護士らが裁判所もだましているとは思いませんでした。当然、裁判所は分かるはずだと考えていました」と答えています。

普通に考えますと、裁判所をだますのなら、警察はどうなのだ?、児童相談所はどうなのだ?となりますが、これらの機関はMASAYAに対して「ホームオブハート側が正しいです。紀藤弁護士はひどいです」と言ったのだそうです。
そして、マスコミと組んで紀藤弁護士がX-Japan復活を画策して、Toshiの兄と企んでいる」とか言うのです。 ここらヘンまで来ると「世界を裏から操る紀藤弁護士に、警察も児童相談所も裁判所も欺された」となってしまうわけで、「いくら何でもそれじゃ裁判所では通用するわけが無いだろう」という感想にしかなりません。

くり返しますが、この控訴審は不当利得かどうかを争っているはずなのです。そして、争っている相手である被害者は一人の女性です。
事件は平成14年(2002年)の7月から15年(2003年)1月までに起こった被害を指しています。
児童虐待報道は2004年春の事ですから、それがどうこの裁判に影響すると考えるのでしょうか?想像も付きません。

証言全体の進行は、こんな調子なので「あの証言では勝つ方向に行かないのではないのか?」と強く感じました。と書くことになってしまいました。

弁護士が証人に質問するときは基本的に「イエスかノーか」といった質問をします。延々と演説しないと説明にならない質問はしません。
ところが、MASAYAはしばしば「演説」になってしまうのです。 裁判長から「質問に答えて下さい」「弁護士が話している時は発言しないよう」といった注意を何回もされていましたが、裁判長が「あなたは、セルフコントールのプロなのですから、それにふさわしい発言をするように」と言ったのは裁判長の注意としても異例でありましょう。

ディズニーランドのようなものを作るつもりだった、といったことを何回か発言しています。
その一方で「土地取引などは分からない」ですから、全体として首尾一貫していると思えませんし、単なる夢物語に多くの人を引き込んで今に至っているのかな?とも感じるところです。

ホームオブハート裁判は全体として、ホームオブハート(MASAYA)とトシオフィス(Toshi)が出てきますので、今回の法廷にも「本人」として、Toshiと出山香も弁護席に座っていました。
ホームオブハートとトシオフィスの関係がよく分かりません。どっちが上でどっちが下といった明確な関係は無いようです。だからと言って、一体ということでもないようです。

Toshiは終始落ち着いて座っていましたが、出山香は大きくうなずくというかリズムを取っているような動作があったりして、「どうしちゃったんだろう?」と不思議な感じがありました。

傍聴者の中にはオウム裁判にくわしい方が居て、「MASAYAの話し方は麻原彰晃とそっくりだよ」とおっしゃっていて「そういうものですか?」と感じたものです。

このように思い出しつつ、書いても論旨が首尾一貫していませんので、つまみ食いの報告になってしまいます。
これこそが、MASAYA尋問の結果のすべて、ということなのでしょう。

12月 16, 2008 at 07:32 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.14

ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問の感想

ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問の感想ですが、典型的なカルト問題そのものじゃないかと思いました。

2004年春にワイドショーなどで突如として「元X-Japan・・・・」とホームオブハート事件が報道され始めました。当時、別のネットワークをめぐる裁判で紀藤弁護士に良く会う機会があって以来ホーオブハート裁判を応援し傍聴もしています。

2007年に「カルト宗教―性的虐待と児童虐待はなぜ起きるのか」 紀藤正樹・山口貴士著、2007/03 アスコム刊が発売されました。

この本は次のような報告の翻訳を中心にしています。

国際カルト研究学会の紀要である「カルト研究レビュー」の中から「カルトの影響下にある女性たち」という特集号に収録された文献4つと、アメリカのカルト問題の専門家ロバート・パードン牧師が、同氏の主催するニューイングランド宗教調査協会(NEIRR)のホームページに公開した文献を訳出しました。

冒頭に書いた「典型的なカルト問題そのもの」とはこの報告に出てくることと全く同じように見えるからです。

本の内容を切り取って説明するのが困難で、一度書きかけましたが断念しました。

複数のホーオブハート裁判は、いずれも元は金銭被害の回復を目的とする損害賠償訴訟であり、争いになってからの名誉毀損裁判も起きています。

今回の高裁でのMASAYAに対する証人尋問は、東京地裁での被告敗訴を受けての控訴審でした。地裁判決は1543万円あまりの損害賠償を命じています。
これほどの多額の損害が生じるのにどれくらいの時間が掛かったのか?となると、なんと半年です。

人が欺されて、被害を受けることを知識として知っていても、実際に何が起きてどのような経緯を経ていくのか、ということはカルト問題は知られていません。
わたしが「典型的なカルト問題じゃないか」と感じたのも、どこかで「カルト問題ではない何かがあるのではないのか?」と思っていたからなのでしょう。
多少は門前の小僧でカルト問題に知識があっても全く現実には追いついていけないわけです。

カルト問題の知識を整理するのには、「カルト宗教―性的虐待と児童虐待はなぜ起きるのか」 は良いガイド本です。

12月 14, 2008 at 11:23 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.13

ホームオブハート裁判・控訴審証人尋問

12月9日にホームオブハート裁判の中で一番先行している高裁の証人尋問を傍聴してきました。

高裁ですから控訴審で、一審判決が不満だとしてホームオブハート側が控訴したものです。

証人はMASAYAこと倉渕透でした。

朝の9時に「傍聴券が抽選だ」という情報が入ってきていささか慌てましたが、その時にどういうわけかPCが死にました。

法廷は14時~16時30分が予定されていて、主尋問(ホームオブハート側)が40分、反対自問(被害者側)が80分の予定でした。
今まで、傍聴券配付の裁判は何度も見ていますが、抽選というのは初めてです。13時40分に抽選待ちのを人を対象にコンピュータ利用の抽選をして、傍聴券を受け取ることになりました。
40席に対して46人が並んでいて、ほとんどの人が傍聴できたのですが、結果的に被害者側の応援団状態になりました。
ホームオブハート側は時間に遅れたために傍聴できずに廊下にいたとのことでした。

わたしは色々な裁判を傍聴していますが、すべてが何らかの関わりのある人たちの応援で傍聴しているものですから、あまり普通の事件はありません。
その意味では傍聴した全ての裁判で扱っている事件が「ヘンなもの」であって、裁判もヘンなところがあるのですが、この裁判はおそらく今後一生見ることがないと断言できる程ヘンな証言でありました。

控訴審ですから、原理的には一審の判決に不満なところを証言するはずなのですが、元もと一審ではMASAYAは何も述べていません。
そこからヘンなのですが、内容も裁判の証言とは思えないほどものでした。

裁判で問題になっている事件は、2004年の春に「元X-JapanのToshiが児童虐待」と連日報道された事件であって、2004年の春以後に起きた事が問題なのに、1998年とか2002年の出来事を「紀藤弁護士のの陰謀」のようなことを繰り返し述べていました。
時間の前後関係を無視しているので、聞いていても良く分かりません。

証人尋問ですから、弁護士の質問に答えるのですが、途中から演説になってしまう。
何回か裁判長に注意されていました。

民事裁判ですから、本質的に勝ち負けを争うものなのですが「あの証言では勝つ方向に行かないのではないのか?」と強く感じました。

よく分からない証言であった、というのが印象の全てですね。

12月 13, 2008 at 01:10 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.07

京都家裁の書記官が判決文を偽造?

朝日新聞より「京都家裁書記官、判決偽造容疑で聴取へ 詐欺団と共謀か

京都家裁の男性書記官(35)が、振り込め詐欺事件に利用されたとして凍結された銀行口座を使えるようにするため、民事訴訟の判決文を偽造した疑いがあることが6日、捜査当局の調べで分かった。埼玉県警は近く、この書記官を偽造有印公文書行使の疑いで事情聴取し、容疑が固まり次第、逮捕する方針だ。

振り込め詐欺に利用されていた口座は、埼玉県内の銀行に開設されたもので、架空の人物が名義人になっていた。事件に使われていることを突き止めた別の県警の要請で、凍結されていた。

捜査関係者によると、書記官は
今年9月ごろ、振り込め詐欺グループの求めに応じて、京都地裁が民事訴訟で言い渡したように装った判決文を偽造した疑いがあるという。
県警は京都家裁の家宅捜索も実施し、この書記官が振り込め詐欺グループと知り合った経緯や、偽造の詳しい手口などを調べる。

判決は、貸金請求事件に関するもので、別の書記官が作成したようになっていたという。書類には京都地裁でしか付けられない公印があったとされる。男性書記官が無断で付けた可能性もあるという。判決の内容は、この口座の名義人に債務の支払いを命じ、凍結の解除を要請したものになっていたという。県警は口座開設の過程も調べている。

判決文を郵送で受け取ったさいたま地裁熊谷支部は9月、口座から預金が引き出し可能となる命令を出し、凍結が解除された。その後、口座から何者かが数百万円を引き出したという。

判決を出した形となった京都地裁に、熊谷支部から問い合わせの連絡がいき、判決文の偽造が判明した。さいたま地裁が10月、刑事告発し、埼玉県警が捜査していた。

県警は、書記官と振り込め詐欺グループの関係を調べ、実態解明を目指す。

元の事件は、時事ニュース・10月18日偽造判決文で凍結解除=振り込め詐欺利用の口座-さいたま地裁支部」です。

虚偽の判決文に基づく申し立てを受けたさいたま地裁熊谷支部が偽造を見抜けず、振り込め詐欺に使われた疑いで凍結されていた口座について、預金の引き出しを可能とする命令を出していたことが18日、分かった。

詐欺グループが口座の凍結解除を狙ったとみられ、裁判所は偽造有印公文書行使容疑で埼玉県警に告発した。

(2008/10/18-12:06)

10月の報道で「虚偽の判決文」とか「裁判所が告訴した」といった刺激的な内容に「どうなっているか?」と気にしていたのですが、家宅捜索・逮捕に動き始めたようです。

詳報を待ちたいと思います。

12月 7, 2008 at 10:13 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.04

舞鶴事件・6日間の家宅捜索終了

産経関西より「舞鶴・高1殺害 家宅捜索を終了

京都府舞鶴市の高校1年女子生徒・殺害事件で、舞鶴署捜査本部は3日、遺体発見現場近くに住む無職の男(60窃盗罪で起訴、勾留中)の自宅で、引き続き殺人、死体遺棄容疑での家宅捜索を実施。

同日夕、6日間にわたる捜索を終えた。

男の弁護人立ち会いのもとで行われた捜索は延べ約40時間におよび、男の衣類やスコップなど押収品は計約2000点に達した。

これで、事件に結びつく物証が出てこなかったらどうなるのでしょう? 非常に心配なところです。

12月 4, 2008 at 09:04 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.01

診療報酬不正請求で詐欺容疑として逮捕

朝日新聞より「旧厚生省OBの美容形成外科医師を逮捕 詐欺容疑

診療報酬を不正に請求し、現金をだまし取ったとして神奈川県警は30日、横浜市の美容形成外科「菅谷クリニック」(現サニークリニック)を経営する医療法人社団・天道会の理事長で医師の菅谷良男容疑者(58)=横浜市南区六ツ川2丁目=ら3人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。

菅谷容疑者は「やっていない」と容疑を否認しているという。菅谷容疑者は87~89年、旧厚生省で医療指導監査官を務め、医療機関の監査をする立場にあった。

県警によると、3人は04年10月~06年8月、30代男性の腕の入れ墨を除去する治療をした際、実際には行っていない手術をしたように装うなどして診療報酬を不正に請求、21回にわたり計約110万円をだまし取った疑いがある。

神奈川社会保険事務局などは07年2月、クリニックが不正請求を繰り返したとして保険医療機関指定と菅谷容疑者の保険医登録を取り消し、同年12月、菅谷容疑者を詐欺容疑で県警に刑事告発した。

サラッと読んでしまうと気がつかないですが、かなりヘンな事件になるかもしれません。
サンケイ新聞より「まったくのぬれぎぬ 詐欺容疑で逮捕の旧厚生OB医師

美容外科「菅谷クリニック」(現サニークリニック)で診療報酬の不正請求を繰り返していたとして30日、神奈川県警に詐欺容疑で逮捕された旧厚生省OBの医師でクリニックを経営する医療法人社団「天道会」理事長の菅谷良男容疑者(58)は、逮捕前、産経新聞の取材に対し、「不正請求はしていない。ぬれぎぬだ」と強気に答えていた。一問一答は次の通り。

--不正請求の疑いが持たれているが

「一切していない。まったくのぬれぎぬ。再診料は1円も請求していない。保険のきかない自由診療で保険を請求されたとも言われているが監査をしてもまったくそういう事実はなかった」

--社会保険事務局の告発と保険医登録取り消しについては

「調書を捏造(ねつぞう)された。調書に書かれた私の署名も勝手に誰かが書いた。取り消しはまったく不当だ」

--なぜ捏造されたと思うのか

「一部の報道機関が私の病院が不正請求をしていると報道し、社会保険庁がたきつけられて、捏造しなくては自分たちがたたかれると思ったから。抗議はしたがまったく無視された」

--不正請求用のマニュアルがあるとされるが

「不正請求をするためのマニュアルではなく、アルバイトの医師などが誤って不正請求をしないように作ったマニュアル。まったく反対の意味になっている」

逮捕についての記事を読みなしてみると、けっこうすごいことになっています。

2007年2月クリニックが不正請求を繰り返したとして保険医療機関指定と菅谷容疑者の保険医登録を取り消し
2007年5月保険医療機関指定の取り消しは違法として、同事務局などを相手取り、処分取り消しを求める訴えを横浜地裁に起こした。/td>
2007年12月菅谷容疑者を詐欺容疑で県警に刑事告発した。
2008年11月30日3人を詐欺容疑で逮捕

診療報酬請求が不正であると発覚するためには、治療の事実がない患者が実在しない場合以外は、内部告発しか無いように思うのです。また、事務手続き上の間違えによる不正請求と故意に詐欺的な不正請求を分けることも必要になります。

こんな事を考えると、これは刑事事件として処理できるのでしょうかね?

12月 1, 2008 at 09:11 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.30

ちょっと大変ではないかな?

読売新聞より「女性教諭のワゴン車から児童の名簿など盗まれる…岐阜

愛知県警西枇杷島(にしびわじま)署は30日、岐阜県白川町立白川北小学校の女性教諭(33)が、愛知県清須市西枇杷島町の自宅マンション駐車場で車上狙いに遭い、ワゴン車の中にあった同校の児童、職員の名簿などが盗まれたと発表した。

発表によると、女性教諭は29日午後1時40分頃、「車の窓ガラスが割られ、後部座席にあったかばんを盗まれた」と通報した。

かばんには、同校1年生11人と教諭15人の名前、住所、電話番号が記載された緊急連絡用の名簿のほか、同校の玄関や職員室などの鍵計3本が入っていた。

同駐車場では別の車1台もガラスを割られ、ゴルフバッグが盗まれており、同署は窃盗事件として調べている。

女性教諭は「かばんを車内に置き忘れてしまった」と話しているという。

情報流出で、一番多いのが置き忘れ、車上荒らしなど外部に持ち出した情報が無くなるというものです。

それはそれとして、わたしは清須市西枇杷島に自宅がある先生が、岐阜県白川町の学校に勤務しているとはどんなものかと地図でルート検索をしたら、72キロもありました。

関東平野の端から都心に通勤するようなものだ、言えばそれまでですが、小学校は8時には出勤する必要がありますから、通勤だと毎日6時には出発ですね。

11月 30, 2008 at 01:30 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

舞鶴事件の捜査

サンケイ関西より「舞鶴・高1殺害 異例の捜索 裁判員制度にらむ?

京都府舞鶴市の高1女子殺害事件で、窃盗罪で起訴された男(60)の自宅を殺人などの容疑で捜索した京都府警の「捜査手法」に注目が集まっている。

関与を示す物証や供述がない中での捜索が批判され、弁護人立ち会いという異例の展開となったが、背景には「裁判員制度がある」と識者や関係者は語る。

自白を前提にするよりも、まず物証を押さえるやり方は制度を見据え、より強まる“流れ”という見方だが、「制度をにらむならば、より捜索は慎重であるべきだった」という声もある。

「弁護人の反発は想定内だった」。ある府警幹部は、捜索予定日に弁護人が準抗告し、いったん捜索が延期された異例の事態にも強気の姿勢を崩さなかった。

府警は捜索にあたり、警察庁や検察当局とも協議を重ねており、強引ともいえる捜査手法への批判も、弁護士立ち会いも「織り込みずみだった」と言う。

背景にあるのは捜査の行き詰まりとともに「物証」へのこだわり。
弁護人が立ち会うことにより、証拠がみつかった場合は信用性も高まる。

一連の捜査で府警は被害者の所持品だけでなく、今回の捜索の決め手となった防犯カメラの映像も公開してきた。

それ以降も捜査を進める上で不利になりかねない情報を積極的に報道機関に流している。
府警の捜査幹部は「重要事件の報道対応としては異例の展開だろう」と振り返るが、公開性を高める裁判員制度をにらんだ対応とみられる。

府警は今月15日に窃盗容疑で男を逮捕して以降も、「(窃盗)容疑と無関係な証拠品の押収や検証はしていない」と強調し、10日間の勾留(こうりゅう)中に殺人事件には「一切触れなかった」としている。

これらの捜査手法について

元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長(刑事法)は

「自白を強いるのではなく、まず物証を押さえる。そのやり方は裁判員制度をにらんだ厳密な手順といえる」と評価。

井戸田侃(あきら)・立命館大名誉教授(刑事法)も

「自白を強いるより、まず物証を押さえるやり方は本筋で常道といえる」と理解を示す。

ただ、土本さんは

「捜索で物証が見つからなかった場合、どう捜査を続けていくのかが問題になる」と指摘。

また、ジャーナリストの大谷昭宏さんは

「なんとしても検挙したいという熱意は分かる。だが、こんな捜索は違法ギリギリ。やっちゃいけない。裁判所も裁判員制度をにらんで安易に捜索令状を出すのは慎むべきだ。しかし制度が始まれば、今回のようなケースが再び出る可能性もある」と話す。

裁判員制度では捜査の違法性が問われれば、裁判員の心証が悪くなる恐れもあり、京都府警の幹部は「だからこそ捜索までには相当の時間を要した」と話す。
と同時に、この幹部は「(裁判員制度をにらみ)事件を世間に印象づけておきたいという思惑が(捜索の背景に)あったのではないか」とも語っている。

ナンか京都府警の思惑がかなり高級なところを狙っているかのような記事になっていますが、そうでしょうかねぇ?
京都府警はインターネット犯罪について、かなり先進的に著作権侵害事件の立件を行っていますが、よくよく聞くとかなり強引ではないのか?といったところがあります。

大石英司の代替空港より

※ 現場近くの60歳男宅を捜索 舞鶴・高1殺害事件で府警

http://www.asahi.com/national/update/1128/OSK200811280003.html

 何かの窃盗事件ですでに家宅捜索は一回行われているんですよね。そこで何か仕込まれて、二度目で発見される可能性は大いにある。弁護士はそれを恐れた様子ですが。

 私はこの人が真犯人か否かに関しては、いかなる予断も持ちませんが、進行していることは、昭和中期の数多の冤罪事件の鉄板パターンです。

多くの人はこのように見ますから、ニュースの価値もあるのでしょうがそれが裁判員制度に適合するために・・・というのは、ちょっと苦しすぎる見解ではないでしょうか?

もちろん、弁護士立ち会いの下で物証を確保できれば、円滑な裁判が期待できるのは裁判員裁判に限らないわけで、注目が集まる方がおかしいことです。

さらに、証拠が出てこなかった場合にどうするのだ?という問題は大きいでしょう。 自白と証拠はセットであるべきで、自白が無くて証拠があると強弁すると証拠ねつ造が出てくるでしょうし、自白はあるが証拠はない、ではえん罪事件に一直線とも言えます。

どうもこの舞鶴事件では、自白がないから証拠を再度探しに行ったわけで、過去には「無かったことが確認されている証拠が出てきた」というえん罪事件が複数報告されています。 その意味で弁護士が立ち会ったのはかなり安全サイドに寄ったとは思いますが、今度は「証拠が出なかったら」という問題に直面することになります。

そもそも「捜査を進める上で不利になりかねない情報を積極的に報道機関に流している」こと自体が、捜査が行き詰まっている証明ではないのでしょうか?

全体としては、きわどいことをやっているな、という印象から離れないですね。

11月 30, 2008 at 12:25 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ネット殺人予告で逮捕事件は意外と近かった

読売新聞より「天誅、文科省局長ら殺害 と東大卒の男がブログに、逮捕

文部科学省局長らの殺害予告をインターネットのブログに書き込んだとして、警視庁は29日、東京都文京区本駒込、無職(25)を脅迫の疑いで逮捕した。

同庁幹部によると、同容疑者は東大を卒業後、定職には就いておらず、「理想を持って勉強してきたが、教科書で勉強したことと社会の現実が違っていたことを思い知り、文科省にだまされたという感情が高まった」などと供述しているという。

発表によると、容疑者は今月20日、自分が開設したブログに「1週間以内に次の者を、その自宅において刺殺する」などと書き込み、同省局長や課長クラスの実在する幹部職員10人の名前を列挙して脅迫した疑い。

同庁幹部によると、容疑者は「目的は詐欺教育に対する天誅(てんちゅう)。国民主権を回復し、抵抗権を行使して悪を殺害する」などとブログに書き込んでいた。

今月2日ごろ、インターネット上のウェブサイトに、現職の東大教授を名指し、「殺害する」などと書き込んでおり、同庁が通信記録などを照会した結果、文科省幹部の脅迫も判明した。

(2008年11月29日19時17分 読売新聞)

この事件はわたしにとっては「またネット落書きで逮捕か」といった感想であったのですが、今日になってけっこう身近なところにあった事件であることが分かりました。

[緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・という記事が11月7日に出ました。
このボツネタは知る人ぞ知る裁判官が書いているブログです。

先日,ボツネタの書き込み欄において,管理人が,犯罪被害者となり,
捜査当局も巻き込み,大変な騒ぎとなりました。
今回の件が,捜査当局や,管理人の勤務先の当局など,各方面に与えた影響は甚大で
ボツネタ及びtopページをこのまま継続することが
かなり困難な状況となっています。
必要な情報,ソフト等がありましたら,
万が一の場合に備え,DL.魚拓などで個人的に保存されることをオススメします。
なお,ボツネタを引き継いでくれる方がいらっしゃいましたら
管理人までご連絡いただければ幸いですm(__)m

突然「刑事事件になった」というのには驚きましたが、何が問題なのか分からないままでした。
それが「元東大生逮捕」の報道を受けて、ボツネタで問題になった事件とはこの元東大生が引き起こし、結果としてボツネタの継続を困難にしたものだと分かりました。

検索してみると、2ちゃんねるの司法試験版などに2007年9月からボツネタへのコメントなどを問題だとして、スレッドが立っています。
スレッドで取り上げられる問題発言は、ボツネタでのコメントとは別に、自身のHPなどで繰り返していて、ボツネタに粘着していたのはその一連の活動だったようです。
そのために、ボツネタ管理人として岡口裁判官も事情を聞かれたと言うことでしょう。

そりゃ、裁判官がネットを舞台にした事件に直接巻き込まれては、ネットワーク活動が継続できないというのも分かりますが、ネットワーカとしてはネット世論全体として、もうちょっとうまくやれば逮捕に至らない道があったのではないか?という気がします。

Matimulogさんの記事

2008/11/08

blog:ボツネタ、自爆テロにやられてしまうのか

コメント欄でのご指摘や落合先生の記事にもあるが、ボツネタが緊急告知を掲げている。

■[緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・
先日,ボツネタの書き込み欄において,管理人が,犯罪被害者となり,
捜査当局も巻き込み,大変な騒ぎとなりました。
今回の件が,捜査当局や,管理人の勤務先の当局など,各方面に与えた影響は甚大で
ボツネタ及びtopページをこのまま継続することが
かなり困難な状況となっています。

職場が職場だけに、よくこれまでもっていたと感心することしきりだったが、これまで長く続くと存在して当たり前ということになり、少し感謝の念が足りなかったかもしれない。

また長く続くと、当然、おかしな人が寄ってくる可能性もあり、ただでさえ人々のトラブルを対象とする職業の一つであるから、その可能性はさらに高まる。

そういうわけで、法律関係の職業人が開くウェブサイトというのは、そのコミュニティ機能を保持しにくい環境にあり、今回のボツネタの犯罪被害はその典型例の一つといえそうだ。

過去、執拗な実名・職場暴きにあって登場できなくなった方や、裁判官と見られる人気サイトが原因は不明ながらも継続されなくなった例(単に忙しくなっただけかもしれないし、別の名前に変わっただけかもしれないが)もあり、まともな法律系サイトやネット言論がコミュニティ機能を保ったまま存続することは困難なのである。

なお、ボツネタでは、サイト管理人の後継者を募集している。一人で管理人機能を引き継いで今の質を保つのは難しいだろうが、少人数グループが共同管理するなら、可能性はあるだろう。

落合弁護士の記事

[お知らせ]トラックバックを承認制にしました

http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20081106/1225967251

で告知されていますが、本ブログでも、管理者の承認の上で表示されるようにしました。カテゴリーの趣旨に即したトラックバックは積極的に承認するようにしますから、よろしくお願いします。

折しも、

[緊急告知]ボツネタと管理人のHPが終了するかもしれません・・・

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20081107/p1

という、困った事態になっていますが、はてなダイアリーでは、コメントもトラックバックも承認制が導入できるようになっているので、その辺を工夫して(ボツネタのコメント欄は既に承認制になっていますが)、関係者の理解も得た上で、何とか継続していただきたいものです。

町村先生や落合弁護士がわざわざ岡口裁判官に「何があって刑事事件被害者になったのでしょうか?」と聞くとは思えませんし、第一に捜査段階での情報を裁判官が話すわけもありませんから、よほどの事情通のネットワーカでないと今回の逮捕に至る展開を予想しても、当時は疑念の域を出なかったでしょう。

そういう意味では、コメントやトラックバックを承認制にするといった手だては継続のためにはやむを得ない選択と言えるでしょう。

それにしても、ネット社会はこの種の「おかしな人」への対応が上手になる必要があるのは確かなことでしょう。

11月 30, 2008 at 11:31 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.22

教師不適格

大阪日日新聞より「勤務時間中に乗馬レッスン 府教委が教諭懲戒免

大阪府教育委員会は二十日、約二年間にわたり勤務時間中に無断で職場を離れ乗馬教室に通っていたとして、守口市立中学校の女性教師(50)を懲戒免職処分にした。

府教委によると、女性教師は同校の美術を担当。「両親の介護のストレス解消」を目的に乗馬のレッスンを始め、二〇〇六年八月から今年十月までの間、届け出なしに計九十一回、乗馬教室に通っていた。

勤務終了時間前や、出張命令を受けながら出張に行かずレッスンを受けていたが、「授業や学校行事に穴をあけなければ問題はないと思った」と話しているという。

タイトルを見たときに「懲戒免職とは厳しいな」と思ったのですが、「授業や学校行事に穴をあけなければ問題はないと思った」これでは社会人失格ですね。
なんでこんな事がまかり通ったのかが驚きです。

11月 22, 2008 at 09:36 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.14

入札ではない入札・尼崎市

産経関西より「尼崎市職員ら逮捕 架空入札で業者に便宜

兵庫県尼崎市の市中央卸売市場(現・市公設地方卸売市場)の清掃業務をめぐる不正発注事件で、県警捜査2課は13日、偽計業務妨害容疑で同市人権啓発室長(57)ら職員3人と、同市東塚口町の清掃業「摂津」役員(62)と同社社員(33)の両容疑者の計5人を逮捕した。

逮捕されたのは、ほかに同市下水道部業務課長(59)と同市管財課長補佐(45)の両容疑者。
調べに対し、人権啓発室長、下水道部業務課長は「摂津と結託していない」などと容疑の一部を否認。
管財課長補佐、摂津の役員容疑者らは認めているという。

調べでは、5人は同市場の清掃業務を摂津に委託させるため平成19年3月に実施した指名競争入札で、不当に高い最低制限価格を設定。最も低い金額を提示した同市内の事業組合を排除した疑い。

同市が19年度から、随意契約だった委託業務の発注方法を入札に変更する方針を示していたため、長年清掃業務を受託していた摂津の摂津の役員容疑者が1月ごろ、当時市場の係長だった管財課長補佐容疑者と相談。
市場長だった人権啓発室長、次長だった下水道部業務課長の両容疑者の承諾を受けて、入札を実施した。

入札には8社が参加。上限価格にあたる予算金額が2069万5000円とされたのに対し、最低制限価格はその97・75%にあたる2023万315円に設定された。
わずか約46万円の差額の間の金額を提示した摂津のみが“落札”し、事業組合は最低制限価格を下回る約1760万円を提示したため失格となった。

県警は、市場側のはからいで失格となった事業組合以外の7社で、「官製談合」が行われていたとの見方を強めている。また談合に加わらない事業組合を排除するために行われた入札は架空で、その後市場と摂津との間で結ばれた清掃業務委託は事実上の随意契約だったともみており、今後他の業者からも事情を聴くとともに、5容疑者の間で金銭の授受がなかったかなど贈収賄容疑も視野に捜査を進める。

予算金額が2069万5000円とされたのに対し、最低制限価格はその97・75%にあたる2023万315円に設定された。

どう考えても、予算と最低落札価格がここまで近くては、入札自体が成立しないでしょう。
ところが、読売新聞関西発にはもっと驚くべき記事がありました「ごみ運搬業務、競争入札を偽装…尼崎市幹部らを逮捕

兵庫県尼崎市中央卸売市場(現・同市公設地方卸売市場)のごみ収集運搬業務の発注を巡り、指名競争入札を偽装し、新規業者の参入を妨害していたとして、県警捜査2課などは13日、元市場長(部長級)の人権啓発室長・人権啓発室長(57)ら市職員3人と市内の清掃会社「摂津」の役員ら2人を偽計業務妨害容疑で逮捕した。
県警は、5人の間で金銭の授受があったかどうかなど、贈収賄容疑も視野に入れ捜査を進める。

市側のほかの逮捕者は、元市場次長で下水道部業務課長(59)と、元市場係長の管財課長補佐(45)両容疑者。業者側は、同社役員(62)と、同社員(33)両容疑者。

発表によると、人権啓発室長ら5人は共謀。予定価格(2069万円)を2%だけ下回った最低制限価格(2023万円)を設定して摂津側に事前に伝えたうえで2007年3月28日に指名競争入札を実施したように装い、最低制限価格よりも低い1759万円で応札した同市内の廃棄物収集運搬会社を失格させ、受注から排除した疑い。8業者が入札に参加。摂津は予定価格の99%にあたる2053万円で落札していた。

業務はこれまでは随意契約で実施され、長年にわたり、摂津が受注していた。

人権啓発室長、下水道部業務課長は犯意を否認、残りの3人は認めているという。

市の内規で、指名競争入札を行う場合、事前に指名業者選定委員会を設置するなどの手続きが必要だが、人権啓発室長らはこうした手続きを取っていなかった。
正規の入札ではないことから、県警は競売入札妨害容疑ではなく、偽計業務妨害容疑を適用した。

最低価格、受注業者が見積もり

白井文市長ら市幹部は13日、市役所で記者会見し、「市民の信頼を損ない申し訳なく思っている」と陳謝するとともに、県警の捜査が本格化した先月から市が内部調査していたことを明らかにした。

白井市長らによると、管財課長補佐は07年1月頃、一般家庭ごみの収集業務が入札で業者を選定するよう変わったことなどから、随意契約だった市場内のごみ収集運搬業務も指名競争入札に変更したいと人権啓発室長らに提案し、了承された。

管財課長補佐は、安価で落札した業者が業務の質を低下させないよう、最低制限価格を設定することを決めたものの、金額をどのくらいにしたらいいのかわからなかったため、同年2月下旬以降、摂津側に電子メールで見積もりを依頼。
摂津側が見積もった価格を参考に最低制限価格を決定したうえ、再びメールで摂津側に価格を伝えたという。

白井市長は会見で、「随意契約を見直すべきだという組織としての課題は全職員が認識していたが、どう業務に反映していくべきか、お恥ずかしいが、知識も経験も不足していた。守秘義務など公務員としてあるべき認識も欠けていた」と釈明。一方、「3人とも業者から、金銭の授受や接待は一切受けていないと明言していた」と話した。

“入札”から排除された兵庫県尼崎市の廃棄物収集運搬会社の幹部は13日、読売新聞の取材に対し、「予定価格のわずか約2%下の最低制限価格とは信じられない。窮迫する市の財政を考慮してできるだけ低く応札したのに……。裏切られた」と憤っていた。

稗貫(ひえぬき)俊文・北海道大教授(独占禁止法)の話「透明性を高めるため指名競争入札を導入しようとしながら最低制限価格を漏らすとは、これほど市民をバカにした手法は聞いたことがない。公務員は税金の使い道を市民に説明できるよう意識すべきだが、特定の業者との関係が長く続きすぎてマヒしていたのだろう。意識改革を徹底するしかない」

どうしてこれほどの規則違反がすり抜けることができるのか、不思議と言うべきでしょう。
予算額と最低入札価格の差がこれほど接近していては、市役所内での情報共有措置でチェックされたでしょうから、それも行っていなかった。
こういうことができる仕組みの方に問題があったと言うべきです。

11月 14, 2008 at 01:45 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.11

地銀から偽造キャッシュカードで預金が引き出される

読売新聞より「流出口座番号からカード偽造、6地銀で4億円被害

企業から流出した個人情報を使って偽造されたとみられるキャッシュカードで、預金が引き出される被害が全国の地方銀行で相次いでいることが分かった。

被害は2006年12月以降、少なくとも北洋銀行や中国銀行など計6行で総額約4億円に上るという。
現物のカードから情報を盗み取る従来の偽造方法とは違って、口座番号などを入手すれば、カードを偽造できる新たな手口とみられ、銀行側のセキュリティー対策の強化が求められそうだ。

警視庁は大がかりな偽造グループによる窃盗事件とみて、近く関係する警察と合同捜査本部を設置、本格捜査に乗り出す。

同庁幹部や各銀行によると、北洋銀行では07年10月17~23日の1週間に、顧客が知らない間に現金が引き出される被害が186口座であり、被害額は約1億4100万円に上った。
中国銀行や千葉興業銀行でも同様の被害があり、いずれも顧客の居住地から離れた都内や大阪府などのATM(現金自動預け払い機)から引き出されていた。他の金融機関にも被害が広がる可能性がある。

どの顧客にもカード紛失の経験はなく、大分銀行(大分市)ではカードを作っていない顧客の口座からもカードで預金を引き出そうとした形跡があった。

偽造カードを使う従来の事件は、ATMや店舗に特殊な装置を仕込み、現物のカード情報を読み取って複製する「スキミング」が主流。
しかし、今回は顧客の居住地がバラバラで、過去に利用したATMなどにも共通点がなかった。

一方、預金を引き出された顧客の大半は、都内の健康食品会社の会員だったことが判明。
引き出しに利用されたカードは、磁気部分に口座番号などを暗号化して組み込んでいるタイプで、同庁では偽造グループが各行のカード情報を解析したうえ、健康食品会社から流出した口座番号を使って大量に偽造カードを作った疑いが強いとみている。

暗証番号については、北洋など3行で現金が引き出される直前、電話で暗証番号を入力して口座残高を照会するサービスの利用が急増していたことから、偽造グループが生年月日や電話番号を手当たり次第に入力して探り出したとみられる。
間違った番号を打ち込んだケースが、2日間で1000件を超えた銀行もあったという。

同庁では、被害にあった地銀はカードの解析が容易だった可能性があるとみて調べている。

「キャッシュカード偽造で1億円以上の被害」の続編ですね。

契約の際に顧客が提出した氏名、口座番号、生年月日、電話番号などの個人情報が何者かに流出したもようだ。

いわゆる紐付き情報問題です。

  1. 都内の健康食品会社の会員名簿が流出した
  2. 名簿には、氏名、口座番号、生年月日、電話番号が記載されていた
  3. 口座番号が分かっている銀行のキャッシュカードを偽造することが出来る
  4. 銀行は、暗証番号の確認をテレホンサービスで行うことが出来た
  5. 生年月日、電話番号などを手当たり次第に入力して暗証番号を取得
  6. ATMで現金を引き出した

口座番号・生年月日・口座番号と情報が繋がっていたわけです。
下手に情報の集中管理をすると、巨大な事故になるという典型でしょう。
さらに、テレホンサービスで暗証番号入力を無制限に繰り返せるというのが問題外なのは明らかで、事実銀行はサービスを停止ししました。

実はごく最近、携帯電話の暗証番号を変更したのですが、普通は暗証番号などを誕生日などとは無関係な数字を作れと言われても、どうすれば良いのか分からない人が普通でしょう。
暗証番号の作り方を一般に知らしめないと、この問題は繰り返すでしょう。

わたしは、元になる数字をなんからの理屈で計算した結果を使うことをお勧めします。
計算の論理は色々ありますから、結果が「1111」とかにならなければ、有効な暗証番号を簡単に創ることが出来ます。

11月 11, 2008 at 09:26 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.19

振り込め詐欺が止まらない

サンケイ新聞より「振り込め詐欺、主犯格摘発はわずか1割 分業化や携帯履歴が壁

全国の警察が昨年摘発した振り込め詐欺グループのうち、主犯格まで逮捕できたのが約1割にとどまっていることが、警察庁の調べで分かった。

主犯格が逮捕されないため、犯行グループが“再生”し、新たな被害が生まれているという。

警察庁はトップまで迫れるよう突き上げ捜査を徹底するため、携帯電話の通話履歴の保存期間延長などを携帯各社に要請しているが、実現していない。関係者は「システム開発費の問題が壁となっている」と指摘している。

警察庁によると、全国の警察が昨年摘発した振り込め詐欺グループは約170。逮捕者のほとんどは電話をかける「だまし役」や銀行口座から現金を出す「引き出し役」など末端の実行犯で、主犯格の逮捕に至ったのは約1割の約20グループにすぎなかった。

グループのリーダーはノウハウと資金があり、簡単に犯行グループを再生できるという。警察庁幹部は「現状ではグループの拡大、再生産を食い止めるところまで至っていない」と頭を抱える。

主犯格の逮捕では、詐欺グループの全容解明につながるケースが多い。「キング」と呼ばれていた被告(30)=組織犯罪処罰法違反罪で公判中=をリーダーとする事件もその一つだ。

警視庁は今年1月から、キングの配下を次々摘発した。キングは自身を頂点に「店長」と呼ばれるまとめ役や、その下の実行部隊「だまし役」を配置、40人の組織を形成していた。

キングは自分で手配した銀行口座を「店長」にファクスして連絡していたほか、メンバーから成果の報告を毎日受けて「店長」ごとの成果を記載する“帳簿”を作るなど、グループを統括。「振り込め企業」ともいえる効率的なピラミッド型の組織を率いていた。

被害額は2年半で19億円。全国の高齢者からだまし取っていた。「リーダーが捕まったからうまく解明できた側面がある」。警視庁幹部はそう話した。

「現状の捜査の仕組みとして限界がある」。主犯格の逮捕になかなかたどり着かない背景を、警察庁幹部はこう説明する。

警察当局によると、以前は友人など仲間同士が結託し詐欺行為を重ねていたが、最近は主犯格が捜査から逃れるため、実行犯に名前を知らせていないケースが増えている。

警視庁が10日に詐欺容疑で逮捕した振り込めグループの「引き出し役」(27)は、リーダーを「振り込めさん」と呼んでいた。頻繁に現金を手渡していたにもかかわらず、名前を知らなかった可能性が高いという。

「末端を逮捕しても名前を知らないのであれば突き上げ捜査が難しい。犯行の組織化、分業化を示す典型的な例だ」と警視庁幹部は指摘する。

さらに、捜査を阻む原因として警察関係者が異口同音に指摘するのが、携帯電話の通話履歴保存期間の壁だ。携帯を押収しても3カ月の保存期間が過ぎていれば、通話履歴が消えて犯行の裏付けがとれない。
こうしたケースが頻発しているという。

警察庁は携帯各社に保存期間を半年に延長するよう要請しているが、「システム開発には国内5社で240億円の投資が必要」などと難色を示している。

増える「非ATM型」

振り込めの新しい形態として、現金を郵送させたり自宅を訪問したりするATM(現金自動預払機)を使わない手口が増えている。警察官立ち寄りなど対策が進むATMを避けるためとみられる。

警察庁によると、8月の振り込め詐欺被害のうち、被害金がATMから振り込まれた件数は780件で、7月の1304件と比べ40%減少した。

これに対し増えているのが、「非ATM型」ともいえるATMを経由しない犯行。警視庁が先月、融資の審査費名目で現金をだまし取っていたとして逮捕したグループは、被害者に定形小包郵便「エクスパック」を使って現金を送るよう指示し、約1億円を詐取していたとみられている。

エクスパックは専用の封筒を用いた小包で、全国一律500円の送料でポストに投函できる。本来は現金を送れないが、現金が入っていても中身を確認する方法はない。今年8月末までのエクスパックを利用した被害は1093件に達し、昨年1年間の1203件に迫っている。

「訪問型」では、警察官らを装って自宅を訪れ、「あなたの口座は犯罪に使われていて、凍結が必要」と、通帳やキャッシュカードをだまし取る手口が報告されている。東京都北区では、先月中旬から「会社の金を使い込んだ。すぐ手渡しでほしい」と電話が入った後、バイク便業者を直接被害者宅に派遣して金を渡させる詐欺が相次いでいる。訪問型による今年8月末までの被害は、前年同期比1.6倍の222件となっている。

全体像を解説する記事と言えますが、巨額詐欺事件とされている近未来通信事件、L&G(円天)事件、ワールドオーシャンファーム(海外養殖事業)事件などと同列であると考えるべきでしょう。

マルチ商法系の事件では、L&G(円天)事件の会長が「国内初の本格的マルチ商法」とも呼ばれるAPOジャパンの中心人物として活動した、と知られています。

日本の刑法は、犯行の数や被害者数に比例して刑罰が重くなることはないので、不特定多数の被害者を生み出す詐欺事件では、犯行を犯して逮捕・懲役となっても割が合うという面があるようです。

刑法第246条(詐欺)

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。 2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

「模範六法 2008」(C)2008(株)三省堂

ですから現実には、詐欺犯は数年以内に出所してくる者が多いわけです。
被害者が一人とか数人という事件と、被害者が何千・何万といった事件を一律に「懲役10年以下」で扱っては、懲役の長さが犯罪抑止力になっていないのではないか?と思います。
手っ取り早く言えば、被害者数の数を懲役の長さに掛け算して「懲役300年」といった事にでもしないと、不特定多数を対象にした方が詐欺罪は有利だ、という犯罪者側の利点が無くならないように思うのです。

10月 19, 2008 at 08:10 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.13

図書館が訴えられる?

サンケイ新聞より「海賊版貸し出しは著作権侵害 大宅賞作家が図書館提訴

著書の海賊版を納入し、貸し出しているのは著作権侵害にあたるとして、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した経験もある作家、萩原遼さん(71)が東大など8大学と外務省所管の財団法人日韓文化交流基金を相手取り、近く損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こすことが13日、分かった。

萩原さんは米国立公文書館に通い、朝鮮戦争当時に北朝鮮政府が作成した膨大な内部資料約160万ページを閲覧。そのうち重要な1500ページを複写して解説を加えた「北朝鮮の極秘文書」(夏の書房、全3巻)として、平成8年2月に出版した。

その2年後に韓国・ソウルの出版社が「北韓解放直後極秘資料」(全6巻)を出版。韓国語だが、目次や解説の大部分、抜き出した資料が「北朝鮮の極秘文書」と酷似していると萩原さんは主張している。萩原さんは韓国・ソウル東部地検に告訴状を提出し、捜査が続いている。

一方、12年ごろから「北韓解放直後極秘資料」が日本の多くの図書館に所蔵されていることが発覚。萩原さんは各大学に廃棄を求めたが、東大、東京学芸大、筑波大、専修大、青山学院大、大阪大、関西大、九州大の各図書館と日韓文化交流基金図書センターは応じなかったため、著作権法で禁じられた違反物の「公衆送信」にあたるとして提訴を決めた。

東大付属図書館は「大学が海賊版と判断はできない。一方を海賊版と判断すれば、もう一方から訴えられる可能性もある。裁判の判決か当事者同士の合意があれば対応する」(総務課)と話している。

こういうのは、権利の乱用に当たるように思う。

図書館側が「判断できません」と回答しているのだから、そこから先は強制ということで提訴なのだろうけど、裁判もタダじゃないのだから図書館側に負担を追わせることに間違えない。

本来、図書館は第三者であって、例えばこれで韓国側の会社が図書館を提訴したらどうなるのだ?
問題だと思う。

10月 13, 2008 at 01:25 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.07

社会をリビルトするべき時代

産経関西より「フリースクール虐待 教育掲げ...切り詰め巨利 異例の捜査本部設置1週間

京都府京丹波町の「丹波ナチュラルスクール」の入所者監禁虐待事件は、府警が南丹署に捜査本部を設置してから7日で1週間を迎えた。これまでの調べで、スクールは保護者から高額な料金を受け取る一方、入所者の食費や光熱費をありえないほど切り詰めるなどしていたことが判明。

スクールが「教育目的」を掲げながら、組織的な関与で不当に巨額の収入を得ていた悪質な実態が明らかになってきた。

入所時数百万円

調べでは、経営者(60)=傷害罪で起訴、逮捕監禁容疑で再逮捕=らスクール側は、保護者に対し、入所金として200万~500万円▽強制的に連れ去る場合は別途30~50万円▽月謝10~15万円-など、高額の料金を請求。
平成18年1月以降だけで、二十数人の入所者から1億数千万円の収入があったことが判明している。

一方入所者の食事は、経営者の親類が経営するコンビニエンスストアから無料で譲り受けた期限切れの弁当などを充当。
ほかにも

  • 照明器具の半分を取り外す
  • 風呂は1回5分間で、冬は5日に1回、夏でも隔日
  • トイレは時間を決めて数人がまとめて使用し、最後の人が水を流す
などを強要。十数人が生活するスクール全体の光熱費は月4万円程度だったという。

組織的に監禁

逮捕監禁容疑で逮捕された経営者ら11人(健康上の理由で1人は釈放)は、入所者の監視や夜間の宿直、嫌がる入所予定者の移送などを役割分担。
実質的な責任者(55)ら数人は月数十万円を受け取っていたほか、3交代で宿直に当たっていた3人は1回1万円を、また入所予定者の連れ去り要員は1回10万円程度といった具合に、作業ごとに報酬を受け取っていた。

メンバーは経営者が集めた親類や知人などで、数人の容疑者は「塾長に指示されてやった」「金に困っていたので引き受けた」などと供述しているという。捜査本部は「塾長」である経営者を頂点として、組織的に入所者を監禁していたとみている。

入所者を選別

府警は8月中旬、施設を逃げ出して保護された少女が「監禁され、虐待を受けている」と訴え、実際にけがをしていたことから本格捜査に入った。
施設に多くの入所者が残っていたことを考慮し、実態解明よりもまず摘発を優先。
9月9日に傷害容疑で両容疑者を逮捕した。

その後、スクールの運営に関与していたメンバー全体による組織的な監禁が判明。
日常的に暴行を加えるなど極めて悪質として、殺人などのケースを除く虐待事件としては、異例の捜査本部設置を決めた。

経営者は、本当に手のかかりそうな子供は引き受けを断り、支配できそうな入所者を選んでいたという。

関係者への報酬を除いても、経営者の手元には相当な現金が残っていることから、捜査本部は金目当ての運営だったとみて全容解明を進めている。

9月の逮捕報道からどんどんと色々な情報が出てきましたが、行き着くところまで行き着いたという感じですね。

組織犯罪防止法を適用して、監禁罪に加重処罰するべきでしょう。
しかし、親が同意して送り込んでいるのは事実で、脱走した子どもが警察に駆け込んだら、親が引き取らないのでこの施設に警察が戻した、という報道もあります。

先日の、個室ビデオ店放火事件後に大阪市は個室ビデオ店に宿泊認定をするという記事もあります。
フリースクールだから誰もチェックしないといったこと自体を改善する必要があります。
多少でも監視の目があれば、ここまで組織的にひどいことは出来ないと思う。

10月 7, 2008 at 09:21 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.05

御殿場事件判決

大石英司の代替空港で知ったのですが、朝日新聞より「御殿場集団強姦未遂、元少年の控訴を棄却 東京高裁

静岡県御殿場市で01年9月、当時15歳の少女を集団で暴行しようとしたとして、強姦(ごうかん)未遂罪に問われた当時16歳だった元少年の被告(23)の控訴審判決で、東京高裁は4日、懲役2年6カ月執行猶予4年とした一審・静岡地裁沼津支部判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。被告側は即日上告した。

事件をめぐっては、少女が途中で被害日を変えて供述したため、捜査段階で犯行を認めた被告や共犯者と、少女の供述の信用性が争点となった。被告側は「事件とは無関係」として無罪を主張した。

永井敏雄裁判長は、被告の供述に「取調官の誘導による影響が認められる」としたものの、「犯行の基本的内容に関する部分は十分信用できる」と指摘し、被告側の主張を退けた。

被告は04年3月、静岡家裁沼津支部の少年審判で刑事裁判の無罪にあたる「不処分」となったが、検察側が抗告。東京高裁が差し戻しを命じ、起訴された。

「御殿場事件」として有名な問題(えん罪事件の可能性が高い)なのです。

一番強烈なのが「犯行日時がはっきりしない」でありましょう。
自供で誘導あったとか無かったとか絶対的に説明できるモノではないでしょうが、日時は特定できるでしょう。
そこを、すっ飛ばして判決して良いのか?
明らかに合理的に起訴内容に疑いがある、ということではないのか?
日にちが違っていても、事件があったのは確かだから判決する、というのはあり得ないだろう。

どういうことなのだろうか?

9月 5, 2008 at 02:21 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.01

L & G(円天)騒動

朝日新聞より「慶大元准教授にL&G資金 1200万円は受領認める

慶応大学医学部の元准教授(53)=免疫学=が在任中の04年4月から1年間、出資法違反容疑で警視庁などの家宅捜索を受けた健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」から、自分の会社を受け皿に毎月100万円の振り込みを受け、計1200万円を受け取っていたことがわかった。
04年から05年にかけて元准教授が理事を務める法人にもL&Gから計1億6千万円余が振り込まれていた。この期間に、少なくとも6500万円が同法人から元准教授名義や会社名義の銀行口座に移されていた。

元准教授は、1200万円については「不徳だった」と受領を認める一方で、法人を経由した資金移動については「(自分の関与は)絶対にあり得ない」と否定している。

元准教授が毎月100万円の資金の受け取りを始めた04年は、L&Gが高配当をうたった投資商品の扱いを本格化させ、会員からの苦情などが増え始めた時期と重なる。
L&Gが家宅捜索を受けた昨年10月、元准教授は朝日新聞の取材に対し、L&Gが元准教授の名前や免疫について話す場面を勝手に使って健康関連商品の宣伝に利用していたと主張。
「自分の研究が悪用されたとしたら許し難い」と関与を否定していた。

元准教授は大手化学メーカーで医薬品の企画・開発などに携わった後、01年11月、慶応大が学内外の専門家を年度ごとに任用する特別研究教員に採用され、04年4月に助教授に就任。その後、准教授と名称が変わったが、08年3月末に大学との契約は打ち切られた。

元准教授によると、L&Gとかかわりを持ったのは03年冬。
研究テーマだった「自然免疫」にL&G側が関心を持ったことで付き合いが始まり、L&Gからの申し入れを受ける形で、04年4月から「研究費」として毎月100万円を受け取るようになったという。
この金は自ら代表を務める医療コンサルタント会社に毎月振り込まれた。

関係者によると、こうした資金の受領が始まって以降、元准教授はL&G主催の講演会で自分の研究内容を話したり、会報誌に顔写真と「慶応大教授」の肩書とともに論文を寄せたりしていた。

1200万円とは別に、L&Gからは04年8月から05年10月にかけて、元准教授が理事だった法人に計4回総額1億3500万円、その他にも毎月210万円(計15回)の振り込みがあったことも判明。
総額は1億6650万円に上る。

この法人は、営利目的でも公益目的でもない法人の設立について定める中間法人法に基づき、04年3月、医療系ベンチャーの支援を目的に設立された中間法人。
元准教授や公認会計士らが参加していたが、徐々にL&Gからの資金提供が増え、関係者によると、この期間中の法人の収入の約96%をL&Gからの資金が占めていた。
L&G側は健康商品の研究開発費や業務委託費として支払っていたという。

この法人に入った資金のうち計約6540万円は、04年8月から05年11月にかけて、元准教授の個人名義の口座と医療コンサル会社名義の口座に移されていた。関係者によると、いずれも元准教授に対する役員報酬や健康商品の研究開発費の名目だったという。

1200万円を除く一連の資金の流れについて元准教授は「自分は絶対に受け取っていない。(医療コンサル会社の)資金管理は法人の代表理事に任せていた。L&Gからいくらが支払われ、そこから私名義の口座にいくらが支払われたのか、私は把握していない」と話している。

これに対し、法人の代表理事は「元准教授がいたからこそ、L&Gは法人に資金提供した。L&Gも元准教授がいないと戦略的に困る部分があった。資金の管理や移動は元准教授の指示に従っていただけだ」と主張している。(向井宏樹)

〈L&G〉「円天」と称した疑似通貨を使って全国約5万人から1千億円超を集めたとされ、警視庁などが昨年10月、出資法違反容疑で東京・新宿の本社などを家宅捜索し、同社をめぐる商法の実態解明を進めている。

87年、健康寝具販売などを目的に設立されたが、次第に100万円預ければ年利36%の金利を受け取れるとうたった「協力金」などの投資商品を扱い始めた。また、会員が振り込んだ金額に応じて付与される円天で、貴金属や日用品などを購入できる「円天市場」を開催。「使っても減らないお金」と宣伝して出資者を募っていた。

ちょっと読んだだけでは把握できないですね。組織を書いてみるとこんな事らしいです。

L & G中間法人代表理事
  元准教授医療コンサルタント会社元准教授

L & G、中間法人、コンサルタント会社、と連なっていて、元准教授は中間法人の理事であり、コンサルタント会社の代表である。となります。
資金の流れもややこしくて

L & G医療コンサルタント会社1200万円
L & G中間法人1億6千万円医療コンサルタント会社6500万円

L & Gから中間法人と医療コンサルタント会社に資金が流れ、中間法人から医療コンサルタント会社にさらに流れたというのです、こうなると元准教授の手元には二つのルートから資金が流れたとなりそうですが、元准教授はそれを否定しています。

1200万円を除く一連の資金の流れについて元准教授は「自分は絶対に受け取っていない。(医療コンサル会社の)資金管理は法人の代表理事に任せていた。L&Gからいくらが支払われ、そこから私名義の口座にいくらが支払われたのか、私は把握していない」と話している。

これが真実であれば、元准教授が代表の医療コンサル会社は中間法人のダミー会社だったとなります。
ここに至って双方の言い分が食い違ってくるわけですが、もともとL & Gは円天を使った詐欺商法会社なのですから、元准教授を広告塔に使いそのギャラを支払っていたことは確実でしょう。それが1200万円というのは元准教授も認めるところのようです。

医療コンサルタント会社はおそらくは中間法人の、さらにはL & Gのダミー会社であったのでしょう。
こんなややこしいことをして追跡を困難にすることで、集めた金を返さないようにすることが目的だったのだろうと思います。

9月 1, 2008 at 09:45 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.08.31

我孫子の交通トラブル殺人

千葉日報より「我孫子の農道 交通トラブルで2人刺殺容疑の男逮捕、長男逃走

我孫子市北新田の農道で二十九日午後七時四十五分ごろ、茨城県取手市新取手の電気工事士(60)と千葉市花見川区作新台の解体作業員(61)が、軽トラックの男二人組と車の通行方法をめぐってトラブルになり、胸などを刺されて死亡した。

県警捜査一課と我孫子署は三十日、男二人組のうち、我孫子市東我孫子の廃品回収業(61)を殺人容疑で逮捕した。
容疑者の長男(31)についても同容疑で逮捕状を取って行方を追っている。
軽トラックからは血の付いた包丁が見つかった。

調べでは、目撃者の通報で現場に駆け付けた同署員が、走り去る軽トラックを確認。県警は緊急配備を敷き、約三時間後に野田市内の県道を走行する軽トラックを発見した。
車内には容疑者の廃品回収業(61)だけがおり、服の一部に血が付いていた。

調べに対し、容疑者は「現場(の農道)で、対面交通のことでトラブルになってやった。 長男は途中で降ろした」と供述。 県警は長男の立ち回り先を捜査するとともに、週明けに電気工事士と解体作業員の遺体の司法解剖を行って死因を特定する方針。

現場には、クレーン付きトラックと廃品回収業者の乗用車があり、被害者の電気工事士(60)は農道上で、解体作業員(61)は乗用車内で倒れていた。
二人は知人同士とみられる。乗用車の助手席に電気工事士の妻(75)がいたが、けがはなかった。
クレーン付きトラックは被害者のどちからが運転していた可能性が高いが、ナンバープレートから所有者は特定できないという。

現場は利根川の河川敷に近い、幅約四メートルの農道の橋の上。抜け道になっているが、車二台がすれ違うのは困難という。
目撃者は「男女数人がもめている」と近くの交番に届け出ていた。

被害者の妻から覚せい剤反応が出たため同署は三十日、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕した。

知人らによると、被害者の電気工事士は、約二十年間にわたって勤めていた取手市内の電気工事店を一年ほど前に辞め、病気で倒れた妻を介護していた。近所では、妻を車いすに乗せて散歩する姿も見かけられていたという。

何だかよく分からない、報道で整理された情報が伝わってきません。
最初の報道では「犯人二人が乗ってきた車とは別の車で逃走した」というものでした。「なんで犯人が別の車で逃げた、と特定できたのかな?」と思いました。

その後に出てきたのはもっと分からない話で、「トラックの使用者行方不明 軽トラも乗り捨て」でした。「一体何台の車が出てくるのだ?」でありました。

紹介した、千葉日報の記事では双方が2台の車で移動していたことになるようです。被害者は、クレーン付きトラックと乗用車、加害者親子は軽トラック2台、ということのようです。

しかし、クレーン付きトラックを被害者の一人が運転していたらしいとまで分かったものの、所有者は不明のようですし、被害者の妻から覚せい剤反応が出たというのはなんなんでしょう?病気療養中だったとのことだから犯罪性はないようにも感じるのですが、なんとも全体としてわけの分からない話です。

まるで、fox crime ではないのか?と思うところですが、間違えなく日本が劣化し治安も危うくなっていることの現れでしょう。

8月 31, 2008 at 01:25 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.27

紀元会裁判

信濃毎日新聞より「紀元会集団暴行事件、元責任役員の初公判

小諸市の宗教法人「紀元会」施設内で昨年9月に起きた集団暴行事件で、死亡した会員ですし店経営者の女性(63)に対する傷害致死などの罪に問われた元同会責任役員の女性(50)の初公判は26日、長野地裁(土屋靖之裁判長)で開いた。

傷害致死について被告はほかの会員と暴行を加えたことは認めた上で「私は死に至るほどの暴行は加えていません」と述べ、暴行の程度については争う姿勢を示した。

犯行を被害者の家族内のけんかに見せ掛けるよう指示したとされる犯人隠避教唆の罪については「指示はしていない」と無罪を主張。被害者の次女(27)に加えたとされる傷害罪については起訴事実を認めた。

検察側は冒頭陳述で、事件を「カルト教団内における集団リンチ」とし、被告が実権を握る過程で会が「カルト化」したと指摘。
会員に指示して被害者の次女に暴行を加えた後、被害者を呼び出して1時間にわたって暴行を続け、死亡させたとした。

一方で弁護側は、事件は被害者の次女が被告の長女にお守りとしてコンドームを渡そうとしたことに被告や会員が激怒したことが原因-と主張。
「集団で暴行を加えることで互いの自制心がなくなり、結果的に死に至らしめるような暴行となった」とし、宗教上の教義や被告の会内部での支配権の確立などは事件とは無関係と強調した。

土屋裁判長は、被告が暴行を主導したかどうか、犯人隠避を指示したかどうかを争点とすることを決めた。

被告はスエットの上下に緑のジャージー姿で入廷。裁判官らの問い掛けにはっきりとした口調で答えた。

地裁には朝から約80人が傍聴券を求めて列をつくり、傍聴席には会員の姿もあった。

この報道だと「被害者の次女が被告の長女にお守りとしてコンドームを渡そうとしたことに被告や会員が激怒したことが原因」とサラッと書かれていて、ここだけ読むと「なぜ、それで会員が激怒するのか?」となってしまいます。

この「被告の長女」とは「次期総裁」とされていた少女15歳とされています。
紀元会の創始者は亡くなっていて、「いわゆる教主」が不在であるようです。そのために幹部レベルでの勢力争いがあったのだろうとは、推測できるところです。

検察が「カルト」と出してきたのは、こういった組織内の勢力争いに至るまでの経過を、カルト化として説明するためなのでしょうが、この裁判で集団リンチを指示したとするのは刑法上はどうなのでしょうか?
傷害致死などでは本質的には個人の犯意の問題になるでしょうから、現行の法制度ではなかなか扱い難い事件なのでしょう。

8月 27, 2008 at 10:45 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.25

大分県教員採用試験問題

朝日新聞より「大分県教委、新たに不正確認 処分人数2ケタも

大分県教育委員会の汚職事件を受け、教員採用や昇任人事をめぐる不正の実態調査を進めている県教委の教育行政改革プロジェクトチーム(PT)は24日、職員の不正への関与を新たに確認したことを教育委員に報告し、職員本人や上司らの処分方針に関する複数の案を示した。

最も厳しい案の場合、処分される人数は2ケタに上るという。処分は月内にも行われる見通しだ。

この日、県庁であった教育委員の協議会で報告された。
協議会は非公開。関係者の話を総合すると、処分される人数は最も厳しい案の場合、事件で起訴され懲戒免職になった義務教育課参事2人と校長、教頭の4人を含めて2ケタになるという。

主に減給や戒告などの懲戒処分が検討されている。
職員が関与したとされる不正の具体的内容については、詳細は明らかにされなかったという。

この日の協議会では、事件の再発防止のための組織改革の一環として、来年度から教員出身の人事担当者を減らす方針も決まった。
麻生益直・教育委員長は取材に対し、代わりに教員以外の県教委職員や知事部局出身者を増やす考えを示した。

大分県教委では今年度、義務教育課人事・免許班に8人、高校教育課人事班に5人が配置されており、多くが教員出身という。
元参事も教員出身で、人事・免許班を総括していた。

これは不正人事に絡む汚職事件などの処分案なのでしょうね。
ということは、誰が考えても不正人事そのものには手が着いていない、と見るだろうし実際の教員が疑惑の目で見られることになるでしょう。

教員採用については、あっちこっちで「コネが絶対に必要」などと以前から言われていました。
大分県では、試験成績の改竄をしているのだからこの部分は人事の信用性を著しく失墜させた、という点で問題です。

この種の大規模な問題になりますと、何が起きたのかを細かく解明することが出来ないのですが、そうすると「先生は信用できるのか?」と疑念が発生するといった展開になるでしょう。

では、刑事事件で強制捜査をすれば問題は解消するのか?というと直感的には「刑事捜査による社会に対する効果は限定的だ」と思うのです。

誰か特定の人物が、引き起こした事件ではなく代々引き継がれてきたのでしょうから、現時点で「犯罪者」となった人たちは「なんでオレだけ」と思うでしょうし、そもそも社会正義の観点からは「以前からこんな事になっていた」と主張することは大いにあり得るでしょう。

よく似た構造の事件について、非常にうまく説明している記事がありました。
NIKKEINET BIZ+PLUS より「そして誰もいなくなった――長銀裁判とは何だったのか

タイトルから分かる通り、長銀裁判の無罪判決について背景などを説明しています。
4ページにわたる長文ですが、見出しを並べてみます。

  • 「法律」と「法律の精神」のはざま
  • 裁判官の補足意見に込められた長銀破綻の本質
  • スケープゴートにされた“バブルの象徴”
  • 大手を振って歩く「同じ穴のむじな」だった面々
  • 権力者たちの責任回避の果て
  • 刑事事件化によるカタルシスの危うさ
  • 皮相な善悪二元論を超えて

筆者の箭内 昇氏は

1947年生まれ。
70年東京大学法学部卒、日本長期信用銀行入行。法律室配属を皮切りに、広島支店、企画部、人事部、公共金融部、ニューヨーク支店副支店長、企画部企画室長などを経て、97年に取締役営業2部長。
同新宿支店長を経て98年4月に執行役員新宿支店長となるが、同年7月に当時の経営陣を批判して辞職。

現在はアローコンサルティング事務所代表として経営コンサルティングを手がける。
りそなHD社外取締役。

ですから、いわば当事者なのですね。
長銀事件が、被告だけの責任ではないと誰もが考えることですが、では銀行を潰すような事件に誰も責任が無いのでしょうか?というとそれはあり得ません。この点については

今回の判決要旨は次のとおりだ。「97年3月の大蔵省通達による経理基準はまだガイドライン的なものだったので、長銀が関連ノンバンク向け貸し出しについて、旧基準を使って不良債権処理の先送りをしたとしても、違法とはいえない」

結局、最高裁は厳密な規定解釈に論点を絞り込み、いわば法技術的な見地から無罪と判断したのであり、その限りでは全く妥当な結論だ。だが、別の視点から見れば、不良債権処理先送りを容認した旧経理基準そのものの適法性については、判断を回避したともいえる。

この大蔵省通達の根拠法であり、決算の憲法ともいうべき商法は、「貸し倒れの恐れがある債権は引当金を積むべし」と規定している。「保守的で健全な決算をせよ」というのが法の精神だ。

その視点からすれば、「銀行が支援する以上、関連会社向け貸し出しの貸し倒れはあり得ない」という牽強付会(けんきょうふかい)の理論を盛り込んだ旧経理基準自体には、重大な問題があったといわざるを得ない。そして、この甘い経理基準に便乗して大胆に関連会社を不良債権隠ぺいや先送りの道具に使っていった長銀経営者の行為は、法律そのものには違反しなかったとしても、法の精神に違背した「広義の粉飾決算」だったというべきだろう(本コラム第20回参照)。

一方、この甘い経理基準を放置することで結果的に長銀の粉飾決算に加担した大蔵省も、「未必の故意」もしくは「重大な過失」による「共犯者」だったというべきだ。

この点、今回の判決における古田佑紀裁判官の補足意見はきわめて重要だ。

「関連ノンバンクについては、(大蔵省の行政指導による)母体行主義が存在していたため、母体行である銀行は、自行の関連ノンバンクに対して原則積極支援を求められる立場にあったところ、税法基準においては積極支援先に対する貸付金には原則として回収不能と評価することはできないという考え方がとられており、この考え方からは、関連ノンバンクに対する貸付金を回収不能とすることは(本判決の結論どおり)困難であったと思われる」

「(だが一方)業績の深刻な悪化が続いている関連ノンバンクについて、この税法基準の考え方により貸付金を評価すれば、実態とのかい離が大きくなることは明らかであると考えられ、長銀の本決算は、その抱える不良債権の実態と大きくかい離していたものと推認される」

「このような決算処理は、当時において、それが直ちに違法とはいえず、また、バブル期以降のさまざまな問題が集約して現れたものであったとしても、企業の財務状態をできる限り客観的に表すべき企業会計の原則や、企業の財務状態の透明性を確保することを目的とする証券取引法における企業会計の開示制度の観点からみれば、大きな問題があったものであることは明らかと思われる」(カッコ内は筆者、一部要約)

まさに的確な指摘であり、古田裁判官の複雑な思いが伝わってくる。

裁判所の判断を肯定しますと、無罪判決は当然となりますが、実際に何が起きていたのかについては次のように説明しています。

日銀と大蔵省は、80年代に俯瞰(ふかん)的な金融情勢を見誤ってバブルを引き起こし、90年代にはグローバル化に逆行する護送船団方式の不良債権処理で、日本経済を危機に陥れた。政治家は、バブルに便乗して金策に精を出し、96年の住専処理では農協擁護の横車を押して、大蔵省に公的資金アレルギーを植え付け、その結果銀行界への公的資金投入を遅らせた。

政府は長銀が破たんするや、旧経営陣を刑事告発することで、問題や責任を限定、極小化しようとした。
事実、その後大手銀行が野合的にメガバンクを誕生させていく中で、国民はこれでバブル処理は終わったと安堵する。

だが、その直後から大手銀行の不良債権問題が再燃し、わが国経済は重大な難局を迎えた。結局、泥沼化した不良債権問題を決着させたのは、竹中平蔵金融担当大臣という、政治家でも官僚でもバンカーでもない1人のエコノミストだった。

実は、そこに「不良債権とモラルハザードは表裏一体」という、わが国不良債権問題の本質が収斂(しゅうれん)している。政治家も金融当局も銀行トップも、関係者は誰一人自らの非を認めず、自らの手で不良債権問題を処理することもできなかった。

箭内氏は刑事裁判の結果が無罪であっても、モラルハザードになってしまったところはどうなんだ、と続けます。

今日、わが国は不信渦巻く混迷の中にある。その最大の責任は、「ノブレス・オブリージ」の精神を失った既得権者にある。高い地位にある者ほど大きな責任を果たしてこそ、国民は権力者に信頼を寄せる。

だが、今のわが国は権力者が責任回避と開き直りを押し通す情けない国に堕落した。筆者には、旧経営者に全責任を押し付けることで国民の目をそらせようとした長銀裁判こそが、その嚆矢(こうし)だったように思える。

そして、長銀の無罪判決がおりた後の「そして誰もいなくなった」状態こそ、壮大なモラルハザードの象徴に思えてならないのだ。

第3に、近年、長銀事件のように不祥事件を刑事事件化することで、かえって本質的な問題が埋没しているような気がする。

長銀事件以降、不祥事件が起きるとワイドショー的雰囲気の中で、企業トップや役職員を逮捕するケースが目立つ。三菱自動車事件、耐震偽装事件、食品偽装事件、賞味期限改ざん事件、コクド事件、ホリエモン事件、村上事件、NOVA事件、日雇い派遣不正事件などなど。

刑事事件化してしまうと、すべて「善か悪か」というステレオタイプに押し込まれ、こうした実態が埋没してしまう。政治家や官僚たちもこれを奇貨として、「クサいものにふた」をし、個別・特殊問題、民間サイドの問題として抜本処理を先送りしがちだ。これでは、食品偽造事件など同根の不祥事が頻発するのは当然だし、国民の意識を変えることも困難である。

この問題に関しては、メディアの役割がきわめて重要だ。中立的で正確な情報や問題の核心を突く深い分析を国民に提供できるのは、メディア以外にない。今回の長銀判決では、多くのメディアが当時の金融行政の実態をかなり正確に分析し、報道している。

「10年前に同様の報道をしてくれていたなら」というのは筆者の恨み節かもしれないが、メディアは、間違っても視聴率引き上げにこだわるあまり事実を脚色したり、扇情的な報道に走ったりすることのないよう、ひたすら祈るのみだ。

この記事は、2008/08/18の配信であり、大野病院事件の福島地裁判決が出たのが8月20日です。
大野病院事件の無罪判決についても、マスコミ批判はかなり強くあります。
箭内氏が指摘する
今日、わが国は不信渦巻く混迷の中にある。その最大の責任は、「ノブレス・オブリージ」の精神を失った既得権者にある。高い地位にある者ほど大きな責任を果たしてこそ、国民は権力者に信頼を寄せる。
は非常に重大だと思うのですが、現在の福田首相はまるで正反対を向いているのではないのか?と感じてしまうところが、現在の日本の病んでいるところだと言えるでしょう。

8月 25, 2008 at 10:26 午前 事件と裁判, 国内の政治・行政・司法, 教育問題各種, 日記・コラム・つぶやき | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.08.20

このパトカー何を考えていたのか?

サンケイ新聞より「パトカー逆走、バイクと衝突 東京

18日午後9時25分ごろ、世田谷区代田の環状7号で、パトロール中の警視庁北沢署地域課の男性巡査部長(43)が運転するパトカーが不審車を追跡して道路を逆走。

前から走ってきた西東京市の男性会社員(39)の原付バイクと衝突した。会社員は胸などを強く打ち重傷。

不審車はそのまま逃走した。北沢署は自動車運転過失傷害の疑いで巡査部長を書類送検する方針。

調べでは、パトカーは環状7号線交差点手前で停車中、Uターン禁止の交差点で転回した不審車を発見。約25メートル逆走して追跡したという。

環七ですから片側3車線で分離帯によって内回りと外回りが分かれています。
そこを「逆走した」というのがさっぱり分からないのです。その上「転回禁止を無視して転回した車を追跡」とありますから、どうも違反車は逆走していたわけではないようです。
すると、分離帯の向こう側を走る車を追跡する事になってしまうのですが、どうすればそんな事が出来るのでしょうか?
日テレニュース24の動画より「追跡中のパトカーがバイクと衝突、1人重傷

東京・世田谷区の環状7号線で18日夜、違反車を追跡していたパトカーがバイクと正面衝突し、バイクの運転手が胸の骨を折る重傷を負った。

調べによると、18日午後9時半ごろ、世田谷区代田の環状7号線で、転回禁止にもかかわらず、Uターンした違反車をパトカーが発見した。パトカーは追跡のため、脇道から環状7号線に出て25メートル逆走したところ、直進してきたバイクと正面衝突した。この事故で、バイクを運転していた39歳の男性が胸の骨を折る重傷を負った。

パトカーは警視庁北沢署地域課の巡査部長(43)が運転しており、「追跡に気を取られ、バイクに気が付かなかった」と話している。警視庁は、巡査部長を自動車運転過失傷害の疑いで書類送検する方針。

どうもこのニュース映像で見ると、環七には多い分離帯があって左折しかできない交差点で、環七に出てきたパトカーが右側の信号のある交差点に向かって、追跡のために逆走した、ようですね。
8月18日月曜日の午後9時半では環七はごく普通にかなり混雑していたでしょう。何を考えていたのでしょうか?

8月 20, 2008 at 09:01 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.25

保育園児・車内に閉じ込められてて死亡の続報

毎日新聞より「熱射病死:浜崎暖人ちゃんの両親、保育園や北九州市を提訴

「保育園児・車内に閉じこめられ死亡」で亡くなった児童の両親が提訴しました。

北九州市小倉北区の中井保育園(認可外、昨年10月閉園)で昨年7月、送迎車内に置き去りにされ熱射病のため亡くなった浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2歳)の両親が25日、元園長(31)や元職員計7人と園を指導・監督する立場の北九州市などを相手取り、約5842万円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に提訴した。

訴えによると、暖人ちゃんは昨年7月27日午後1時ごろ、他の園児と園外保育で出掛けた近くの公園から送迎車で園に戻った。職員は降車時に人数確認を怠り、その後の昼寝の際にも暖人ちゃんの所在を確認しなかったため、暖人ちゃんは約4時間車内に置き去りにされた。同4時50分ごろ職員が見つけ、同5時半ごろ病院へ搬送したが、同7時5分ごろ死亡が確認された。

両親側は、人数や所在を確認しなかったことに加え

  1. 安全管理マニュアルを作成せず指導や訓練も一切なかった
  2. 炎天下に日除けがない公園に連れ出すなど不適切な園外保育だった
  3. 不在に気付いた後も速やかに責任者に報告せず迅速な捜索を妨げた

--などと、北村元園長らの過失を指摘。市については、定期立ち入り検査が不十分だったことなどを挙げ「認可外保育施設指導監督指針などにのっとり権限を適正かつ妥当に行使して改善勧告をしなかったのは著しく不合理で違法」と主張している。【太田誠一】

元園長の話事実を重く受け止め、今後もできる限りの対応をしなければならないと考えています。
北九州市保育課長の話改めて暖人ちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。訴状が届き次第、内容を吟味して対応を決定したい。

◇職員一人一人に対する責任追及を…両親が会見

「すべての人の責任を問いたい」。北九州市小倉北区の中井保育園(認可外、昨年10月閉園)で昨年7月、送迎車内に置き去りにされ熱射病のため亡くなった浜崎暖人ちゃん(当時2歳)の両親が25日、元園長や北九州市などを相手取った損害賠償請求の提訴後に記者会見した。父健太郎さん(31)は職員一人一人に対する責任追及が提訴の主眼と強調し、「全員に苦しみと後悔と償いの機会を与えたい」と険しい表情で語った。

健太郎さんは「(事故から)1年後にこの場にいること自体が不思議で戸惑っています」と心境を語った。市については「適正な保育を指導する責任があった。悪い保育園を排除してほしい。北九州市の保育園は皆いい保育園になってほしい」と述べた。

「一生満足する結果は得られない。心の穴は決して埋まらない」とし、「命の大切さや尊さを裁判を通じて訴えたい」と語った。

母美香さん(25)は「この1年を通して中井保育園の職員たちの誠意がまったく感じられなかった」と話した。

同席した原田直子弁護士は「個人がどう責任を取るのか、明らかになっていない」と、業務上過失致死容疑で書類送検されている元園長らに対する検察の処分が決まる前に提訴に踏み切った理由を説明した。【太田誠一】

「保育園児・車内に閉じこめられ死亡」

では、ざっと検討しただけでしたが、
車の仕様といい、チェックしなかった事といい、なんか最初からダメ、という印象が強いです。

と保育園の運営体制に問題があったのだろうと書きました。
いくつかのコメントでその疑問は確実なものになっていったのですが、非常に詳しく追求したブログがありました。

「できない、困って→問題解決」に「北九州市「中井保育園」園児熱射病死・カテゴリー」を作って色々と調べています。

ここに、色々な問題指摘があり、それが今回の提訴と見事に重なっています。

話は全く変わりますが、記事中に出てくる原田直子弁護士とは、ある問題を電話でお話ししたことがあります。

問題の園児死亡事故の調査は、一年間掛けても話が進まなかったようで、提訴することで原因や対策を含めて明らかになれば良いと思います。
電話でお話ししたときの原田弁護士はとてもこまめな方のようでしたので、色々と明らかにしてくれると期待しています。

7月 25, 2008 at 10:31 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ストーカー裁判官・求刑6ヶ月

サンケイ新聞より「ストーカー判事 検察側は懲役6月求刑

知人の20代の裁判所女性職員に執拗(しつよう)にメールを送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)の初公判が25日、甲府地裁(渡辺康裁判長)で開かれた。下山被告は「すべて間違いありません」と罪を全面的に認めた。

検察側は「相手の心情にむとんちゃくな犯行で、司法制度改革に対する国民の信頼を裏切った」などとして、懲役6月を求刑し、即日結審した。判決は8月8日。

起訴状などによると、下山被告は甲府地裁都留支部長だった2月19日からの約1カ月間に、恋愛感情を満たす目的で、女性が所持する携帯電話機に16回にわたって、「こんばんわ! 今何してる? もうお風呂入った?」「身体きれいに洗っておいてね」などと、性的な表現を含む内容のメールを送信する、つきまとい行為を繰り返した。

この事件は「どうしてこうなるのか?」に興味が向くわけですが、サンケイ新聞は今ではおなじみになった「法廷ライブ」として10本の記事をアップしています。
実に2万字の大作で、法廷でのやり取りが分かったので「なぜこんな事を引き起こしたのか?」もある程度分かりました。

この裁判官、けっこう困った人です。裁判官としてこの事件を引き起こさなくても不適格であったと言えるでしょう。
起きるべくして起きた、とは言いませんが事件を起こしても不思議ではない裁判官かもしれません。

裁判は、検察がストーカーメールを読み上げ、弁護側が弟や学生時代からの友人の弁護士の証言で、被告のプロファイルを明らかにしています。

ストーカーメールの部分は赤文字、記者の記事は青文字、で示しています。

【ストーカー判事】認める?注目の被告人質問も10時から初公判

「今、何してる?身体きれいに洗っておいてね~会いにいくからさぁ」…。20代の裁判所職員の女性にメールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)=東京都文京区=に対する初公判が25日午前10時、甲府地裁で開廷する。法を知り尽くした現職判事が、被告に身を落として迎える初公判に、どのような態度で臨むか注目される。

起訴状によると、下山被告は2月19日ごろからの約1カ月間、女性の携帯電話に匿名で「入るの見いちゃった!ついでに写真撮っちゃった!よく撮れてると思うけど、どうしようか?」「今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ」などとするメールを繰り返し送るストーカー行為を行った。下山被告が匿名で女性に送ったメールは16通に及んでいた。

これまでの県警の調べなどによると、下山被告は甲府地裁都留支部長だった今年3月、女性から匿名のメールや無言電話などの被害相談を受けたとし、知人の警察幹部に無関係な第三者を装って捜査を依頼。結局、これをきっかけに捜査が始まり、5月21日に下山被告はストーカー規制法違反容疑で逮捕された。

下山被告は今月になって保釈されている。

下山被告は逮捕された当初、女性にメールを送ったことは認めたが、「父親のような気持ちだった。メールを送ったのは恋愛感情を満たすためではなく、彼女のため。幸せになってほしかった」などと供述。

ストーカー規制法違反罪は、恋愛感情やその他の好意感情、またはそれが満たされなかった怨恨の感情を充足する目的が「つきまとい側」になければ規制の対象にならないため、下山被告の供述が注目されたが、公判では起訴事実を全面的に認める見通しとなっている。

25日は被告人質問が行われるほか、弁護側が証人尋問で情状面を訴える構え。昼ごろには検察側の求刑が行われ、結審する見通しだ。

一方、最高裁は6月16日に裁判官会議を開き、罷免の訴追をするよう国会の裁判官訴追委員会に請求した。今月7日には、訴追委の委員3人が甲府刑務所を訪れ事情を聴取。下山被告が事実関係を認めたため、裁判官弾劾裁判所に訴追するか検討している。

弾劾裁判所で罷免判決が出れば、平成13年に児童買春事件で有罪が確定した元東京高裁判事以来、6人目となる。

【ストーカー判事初公判(1)】異様な法廷…朗読される妄想「とっても気持ちいいよ!」直立不動の下山被告(10:03~10:10)

知人の20代の裁判所職員の女性にメールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)に対する初公判。すでに保釈されている下山被告は、報道関係者を避けるように、審理が始まる約2時間前の午前8時過ぎに裏口から地裁入りした。司法の世界のエリートとされる裁判官から、被告の立場に身を落とした下山被告の発言や態度に注目が集まる

予定より3分遅れの10時3分、下山被告が早足で法廷に入ってきた。グレーのスーツに水色と紺のストライプのネクタイ姿。髪の毛をきっちりと横分けにしている。裁判長が開廷を告げた

裁判長「名前は?」
下山被告「下山芳晴です」

甲府地裁によると、審理を担当する渡辺康裁判長は、昨年12月に甲府市内で開かれた「裁判員制度ミニフォーラムin甲府」に下山被告とともに出席していたという。「職場仲間」に裁かれる下山被告の心境はいかばかりだろうか

裁判長「仕事は何をしていますか」
下山被告「宇都宮地裁判事です」

裁判長が被害者の個人情報が公判で明らかにならないよう、被害者秘匿の決定がなされていることを説明した後、検察官の起訴状朗読が始まった

検察官 「下山被告は2月19日からの約1カ月間、前後16回にわたり、同女が所持する携帯電話機に、『こんばんわ!今何してる?もうお風呂入った?きょうは、お昼も夕方も邪魔が入って会えなくって残念だったよ~明日は会えるかな~楽しく遊ぶのにお互い最高だよねラブホに○○ちゃんが入るの見いちゃった!ついでに写真撮っちゃった!この写真、送ってみよーか?でも、困っちゃうかぁ身体きれいに洗っておいてね~会いに行くからさぁ今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ、ずいぶんと長い時間いたよね』などの内容の電子メールを送信し…ストーカー行為をしたものである」

読み上げは、起訴状につけられている「別表」へと進む。
別表は、下山被告が匿名で女性に出していたとされる16通のメールの具体的な文面のようだ。
お堅い職場での顔とは違う、裁判官の「裏の顔」を、さらに容赦なく読み上げていく

検察官 1。犯行日時は2月19日午後11時36分。送信場所は被告人方自宅PC、メールの件名『楽しかったよー』。こんばんわ!今何してる?(中略)穴ちっちゃいって悩んでるって?とっても気持ちいいよ!今度いつ会えるかなぁ…
4。(中略)もうお風呂入った?今日のお昼は楽しかったよね。でも、昼は短いよね~やる時間ないもんねっ!

親密な関係をうかがわせるような文面だが、下山被告はこうしたメールを匿名で出していた。2人は知人だったとされるが、メールの内容は下山被告の「想像の世界」だった可能性が高い。下山被告は立ったまま、直立不動で読み上げられている文面をめくっている

検察官 5。(中略)もうお風呂入った?今日のお昼は忙しくって出られなくって残念だったよね。昨日は、時間なくってエッチまでできなかったけど、いろいろいろやれて楽しかったよ!(中略)こんなスリルを楽しめる女の子って初めてだよ!楽しく遊ぶのにお互い最高だよねでも、お昼にあんまり独占すると、男が怒っちゃうかなあ…じゃあオヤスミー
6。(中略)もうお風呂入った?土曜日も仕事するんだっけ?(中略)この前車に乗っけてもらったときは、散髪したてだったから、髪の毛が落ちてたかもしれないね。ほかの男に見つからないよーに掃除しておいてくれたよね!なに聞かれてもトボケテおいたらバカな男にはわかんないからね。今度ラブホめぐりしようね。じゃあオヤスミー

なぜか、「もうお風呂入った?」の質問が多い

【ストーカー判事初公判(2)】「太股やわらかいね」「写真、彼の奥さんに送ってみよーか」(10:10~10:25)

検察官が下山芳晴被告が被害女性に送信したメール内容を朗読する。下山被告は、検察官から渡されたメール内容が記された書類を左手にもったまま、被告人席で立ったままじっと見入っている

検察官7。(中略)夜のグラサン姿目立つよ。この写真彼の奥さんに送ってみよーか?困っちゃうかなぁ…車も写っているし
検察官8。(中略)件名、太股やわらかいね。メール内容、(中略)もうお風呂入った?今日はお仕事たまっちゃって、昼間外に出られなかったよぉ…(泣)夜は待ち合わせ場所に間に合わなかったしさ顔文字

メールには顔文字も使用していたことを明らかにする検察官。下山被告は動揺した様子はない。かつては法廷を指揮したプライドがそうさせているのか…

検察官…10。(中略)こんばんわ!もうお風呂入った?今日はちょっと難しい統計学の話をしよーかな(笑)いくつかのサンプルがあって、そのうちかなりのものが真実の場合、ほかの部分も真実だというお話だよ~(中略)AもBもホントのことなのに、Cだけうそだって信じるのは統計学的に無理だよ~あっでもヤンキー君はVちゃん(被害者)を真面目って信じているっぽいよな~最近周りには頭悪そーな連中多いよね(笑)
検察官11。(中略)これから相手する男の子のためにVちゃん(被害者)の弱いところの解説書を作っちゃったりして…左の太股とか肩口とか…」

下山被告は、女性が交際していることを知っていて、その相手を強く意識していたようだ。さらに検察官の朗読が続く

検察官12。(中略)そうそう、昨日話した解説書なんだけど、口説き方とかからかいたほうがいいかなぁ…

深夜から未明にかけてわいせつな内容も含むメールを送信し続けた下山被告。検察官は最後に送信した16番目のメール内容を読み上げる。被害女性が県警本部にストーカーの相談に訪れた時の内容が含まれる

検察官16。(中略)今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ…ずいぶんと長い時間いたよね。怒らせちゃったかなぁ…支部長っていう人には怒られるし…それで、いろいろ考えたんだけど、送るつもりだった写真や動画のすべてを廃棄・消去することにしたヨ。メルアドも消します。だから、このメールが最後になっちゃうよ。それじゃぁ、おやすみ~

最後のメールには、「支部長」と自分(当時は甲府地裁都留支部長)を第三者として登場させた。捜査が及ばないようにするための“撹乱”作戦なのだろうか。検察官の起訴状朗読は約20分かかって終了。渡辺康裁判長から被告人の権利について説明を受ける。つい数ヶ月前には自分が説明する立場だった下山被告。もちろん権利は十分に把握しており、裁判長の説明に小さく何度もうなずいた

そして、渡辺裁判長が罪状についての認否をたずねた。背筋を伸ばし裁判長を直視する下山被告は、口を開いた

下山被告「すべて間違いありません」

逮捕当初は、恋愛感情はなかったとしてストーカー規制法の適用には当たらないとの趣旨の供述をしていたとされる下山被告は起訴事実を全面的に認めた。続いて検察側の冒頭陳述に移る

検察官「昭和56年10月に司法試験に合格。平成16年4月1日から20年3月31日まで甲府地裁都留支部長…(中略)一時期被害者の女性と親しくし、恋愛感情があったが、しだいに女性が避けるようになったため、ストーカーメールを送信し親身に相談することを装って、自己の恋愛感情を満足させようとした」

冒頭陳述は終了。続いて証拠調べに。検察官は証拠として、3月18日に被害女性が最初にストーカー相談に訪れた県警本部で相談した内容についての書面などを提出した。最初の相談ではストーカーメールの話ではなく、無言電話の相談が中心であったと検察官は明らかにした

【ストーカー判事初公判(3)】動機「男の嫉妬をかきたて、別れさせたかった」(10:25~10:40)

証拠の内容を説明する検察官の声が法廷に響く。下山被告は傍聴席から見て左側の被告人席に腰かけ、伏し目がちに聞いている

検察官「続いての証拠はメールアドレスの送受信の状況、平成20年3月31日までの3種類のアドレスのメールです。下山被告のパソコンのメールアドレスからのメール、被害者との日常的なメール、それから第三者を装って送られたメール…」

検察官はここで、下山被告が自分のメールから、“ストーカー犯人”にあてて第三者を装って送ったメールの内容を読み上げた

検察官「貴殿の行為はストーカー規制法違反に当たり、被害者は18日に警察に届け出ることを承知しました。今後は司直の手に委ねるので、通告します。甲府地方裁判所都留支部支部長下山芳晴」

このメールの内容を見る限り、下山被告は、自らの行為がストーカー規制法違反に当たると自覚していたようだ。下山被告は、“犯人”に当てたメールを一度被害者に送信し、了承を得た上で送信していた

検察官の説明を、時折小さくうなずきながら聞いている下山被告だが、検察官が言い間違えると、顔を上げて検察官を見つめる。その姿は、正面に座っている渡辺康裁判長の姿と変わりない。これまで裁判官として判決を下してきた公判では、このような姿で聞いていたのか

検察官「下山被告は3月中旬、会員になっていた甲府市のインターネットカフェに『転勤するので退会したい。会員のデータを消して、入会申込書を返してほしい』と申し出た。被告の車両からは漫画喫茶のレシートが出てきた」

検察官は続いて、被害者の女性の供述調書を読み上げた

検察官「下山被告とは一時親しくしていましたが、積極的にドライブに誘ってくるのがうっとうしくなりました。私が同い年の男性を好きになったと話すと『好きになるのは自由だけど、その男はどうだろう』『ぼくは君を束縛したつもりはない。君の態度はカチンとくる。ぼくのプライドが許さない』などとメールが来るようになりました。メールを返さないでいたら、2月19日に誰からか分からないメール(起訴事実に含まれている1通目のメール)が来ました。24日に下山被告に相談すると、下山被告は『許せないな。君に怖い思いをさせるなんてとんでもないヤツだな』と言いました。それから下山被告はまたメールを送ってくるようになりました」

ストーカーメールで女性の気を引きたいという下山被告の“作戦”は成功した。メールをきっかけに、再び女性と親しくなれると信じた下山被告だが、その思いこみが次なるストーカー行為に走らせた

検察官「しかし、下山被告は私が頼んでもいないのに、『Vちゃん(被害者)の車を見かけたので不審者がいないか見張るよ』などのメールを送ってくるようになりました。その後、交際相手の家に、声を変えた感じの電話がありました。3月18日に警察本部に呼ばれましたが、その夜、『県警本部に何しに行ったのかなぁ』というメールが来たので、ぞっとしました」

しかし、女性が警察に相談してから、ストーカー捜査が本格化。女性の気を引くこともできず、作戦が失敗した下山被告は、ついに自らの犯行を打ち明ける

検察官「4月8日、下山被告から、『実は、すべてのストーカーメールを送ったのは僕です』というメールが来ました。これまで何くわぬ顔でメールを送っていたのかと怒りでいっぱいになりました。私から(被害の)相談を受けていたのにメールを送ってきた被告が許せません」

被害者の怒りを理解しているのか。下山被告の表情に変化はない。続いて、検察官は下山被告の供述調書の一部を読み上げ始めた

検察官「被害者を1人の女性として守りたいという意味での感情はあった。私は被害者の交際相手に対しては低い評価しか与えていなかった。交際相手と別れることで女性が幸せになれると思った。恋愛観情を充足させる目的と思われることに異義はない。メールの送信者は架空の男という設定にした。交際相手が、彼女がメールの送り主と交際していると思い、嫉妬(しっと)し、別れることを期待した」

時折、メモを取りながら検察官の言葉を聞く下山被告は落ち着いていて、強烈なメールの文面とのギャップが際だつ。続いて弁護人が下山被告の現段階での陳述書、被害者との示談経過などの証拠を申請。情状証人として、実弟と同僚弁護士の証人尋問が行われることになった

【ストーカー判事初公判(4)】示談応じぬ被害女性法廷には弟「苦労の司法試験」証言(10:40~10:55)

弁護人は、下山被告が現在の心情を文書にした陳述書を裁判所に提出した。弁護人は、その内容についての説明を始める

弁護人「(陳述書には)被告人がこれまで、恋愛感情や自分が(女性の)父であるような感情を持っていたこと。また、この裁判では(自らの行為が)単なるストーカーであったことを認め、この公判が下山の全人生が裁かれる裁判だと考えて、真剣に向き合っていること。いま振り返ると、多くの思いこみがあったように思い、恥ずかしさを禁じ得ないという趣旨のことが書かれております」

弁護人は、ほかにも下山被告が借金で苦労していたことや、女性と交際を始めた経緯などが書かれていると説明した後、犯行に至った経緯について書かれた部分の代読を始める

弁護人「今年の私の異動が近づき、私の中に焦りのような気持ちが沸き起こりました。被害者にとって、自分が特別な存在でいたいと思うようになり、55歳と20代の女性で、職場の上司と部下という関係でありながら、年がいもなく彼女を女性としてみる気持ちが強くなりました」
弁護人「『いろいろな意味で彼女を満足させていないのでは』と思うようになり、仕事の関係で彼女とドライブにもいけず、彼女は(別の)男性との交際を深めていきました」
弁護人「彼女を取り戻そうと、彼女にストーカーメールを送りつけました。彼女へのメールを男性が見ることで、彼女との交際が終わるだろうと信じて疑いませんでした。いま思い返すと、恥ずべきことですが、そのときは思い込みから気づきませんでした」

ここまで弁護人が一気に読み上げた。下山被告は目を閉じ、天井を仰ぎ見るような姿勢のまま、じっと聞き入っている

弁護人は被害者へのおわびに関する文言を読み上げる

弁護人「被害者にはただただおわびの気持ちでいっぱいです。自分の犯したことで、彼女にとって知られたくないことが明るみに出されてしまった。今は自分の愚かな行為を恥じるばかりです」

その後、弁護人は下山被告側が女性側と6回にわたり面談をしたが、示談が成立していないことを説明した文書や、和解に尽力した東京の弁護士へのお礼の手紙などを証拠として提出して席に着く

続いて弁護側が呼んだ情状証人への質問が行われる。1人目は下山被告の実弟だ。傍聴席にいた男性が立ち上がり、証言台に向かう。下山被告の弟は、白髪交じりのひげを蓄え、腕まくりした黄色っぽいシャツにネクタイ姿だ

弁護人「あなたは下山被告の1歳違いの弟ですね」
「はい」
弁護人「ほかに兄弟は?」
「おりません」
弁護人「両親は健在ですか」
「父は3年前に亡くなり、母は実家で隣家に住んでいます」
弁護人「母親は病気で入院中と聞きますが」
「はい。おっしゃる通りです」
弁護人「芳晴さんはあなたにとって、どんな存在ですか」
「私は尊敬する人と聞かれれば、兄と答えます。正義感が強く、よく勉強をする。いつも私をうまく導いてくれる人でした」
弁護人「芳晴さんは学生のときに大きな病気をしたといいますが」
「はい。子供のころから肺の難しい病気で、司法試験を前に手術を受け、洗面所で大量の血を吐いて、あぶない状況になったこともあります」
弁護人「そんな中、司法試験を頑張ったんですか」
「はい」
弁護人「芳晴さんは司法試験に受かってから結婚しましたね。結婚をしてからは?」
「しばらくはつきあいを続けていましたが、家族同士は非常に淡泊で、仕事の関係もあり、次第に疎遠になりました」
弁護人「徐々に距離ができたんですか」
「はい。お互いに結婚をしているので当たり前かなと」

ここで話題は下山被告の借金についてに切り替わる

弁護人「芳晴さんが父親に金のことで相談にいったことは?」
「はい。あります」
弁護人「いつごろですか」
「平成10年ごろだと思います」
弁護人「父親は金を出しましたか」
「はい」
弁護人「金額は?」
「詳しくは知りませんが、あまりにも大きな額で」
弁護人「100万円単位でなく、もう一けた上の数字ですか」
「はい」
借金は1000万円単位だったようだ
弁護人「芳晴さんは東京都豊島区目白に大きな家を持っていますが?」
「それは何軒目かのマンションです。バブルのすぐあとで、関西の感覚からすると分かりませんが、マンションの金額としては高額なものと思います」
弁護人「父は経営者で金銭的に余裕があったかもしれませんが、負担になっていたのでは?」
「新しい借金をしたり、従業員を抱えていますから…」

弟の声が小さくなる。家族の恥部を明かすことへの抵抗からか、うつむき加減になり、かなり聞き取りにくい

弁護人「父親が亡くなり、芳晴さんが(弟に)金策に来たことは?」
「ありました」
弁護人「何に使うという説明はありましたか」
「(説明は)一応するのですが、内装や修繕などですが、金額から考えるとよく分からなかった。大阪にいるので分からないことが多かった」
弁護人「事件はどうやって知りましたか」
「テレビを見ていた家内から連絡があって」
弁護人「それ以前に(下山被告から)連絡は?」
「逼迫(ひっぱく)していた電話があって『とにかく大変だから』と。ただ、借金の話と同じように、日常のことと思っていた」
弁護人「逮捕後に面会は?」
「拘置所で」
弁護人「芳晴さんへの思いは?」
「まだ信じられない。信じたくない。苦労して司法試験を通って結婚して、子供はできたのですが生まれる前に流産して…。『3人で最高の家族を作りたい』と言っていたのに、一方通行のことが多くなって。いまでもどうしてそんなことをしたのか…」
弁護人「芳晴さんは今後、経済的や仕事の面でも多くのものを失うことになると思うが」
「それが大きな過ちのためと思うと、本当残念。過ちはやり直せると思う。過ちに気づいたのなら、長い時間がかかっても…」

声が小さくなり、後半部分はほとんど聞き取れない。消え入るような声で話す弟を前に、下山被告は何を思ったのか。ただ目を閉じたままだ

【ストーカー判事初公判(5)】被害女性への恋愛感情すべて認める「強く反省」と友人弁護士(10:55~11:10)

下山被告の実弟への証人尋問に続き、この日2人目の証人として、友人である男性弁護士が証言台に立った。下山被告は目を閉じたままで、弁護士に視線を送ることはなかった

弁護人「あなたは下山被告と同じ弁護士ですね?」
友人の弁護士「はい」
弁護人「下山被告と友人になったのはいつ、どのようにですか」
友人の弁護士「昭和47年、1972年に予備校の寮で一緒になりました。18か19歳のときです」
弁護人「大学受験に失敗して、浪人生活をしていて寮で知り合ったんですね」
友人の弁護士「はい」
弁護人「1年間?」
友人の弁護士「寮は1年間です」
弁護人「かなり親しくなったのですか」
友人の弁護士「500人くらい寮にはいましたが、部屋が近くて親しくなりました」

下山被告は目を閉じたまま。時折、何かを思いだすかのように顔を上げた

弁護人「大学にいってからも親しかったのですか」
友人の弁護士「はい、司法試験も下山被告の方が勉強が進んでいて、教えてもらっていました」
弁護人「下山被告の結婚式に呼ばれ、披露宴にも出ていますね?そこにはどんな人たちが集まったのですか」
友人の弁護士「予備校の同期、寮友たちが集まりました」
弁護人「浪人生活で親しくなった人たちが披露宴に出たのですね?」
友人の弁護士「はい」
弁護人「あなたが弁護士になってからも連絡は取りましたか」
友人の弁護士「回数は激減しましたが、ときどき連絡は取り合ってました」
弁護人「こうした刑事事件で、弁護士の口から詳細を明らかにしていいものか、あなたとも話し、悩みました。だが、あえて質問します。先ほど証人の弟さん(下山被告の実弟)にも質問しましたが、借金の件を聞きます。あなたに被告が借金を頼んできたのはいつごろでしたか」

下山被告が目を閉じたまま、顔を上げた、みけんにしわを寄せ、険しい表情だ

友人の弁護士「10年ほど前です」
弁護人「いくら?」
友人の弁護士「50万円ほどだったと…」
弁護人「借金の理由は何でしたか」
友人の弁護士「聞かなかったです。話せば長くなりますが、予備校の寮は特殊な社会で、挫折をした一方で希望を持っている人の集まり。それでいてライバルでもあります。普通の寮とは違い、互いに恥部を見せ合うような濃密な関係になる。濃密な関係だからこそ、借金の理由は聞かなかったのです」
弁護人「お金は返してくれましたか」
友人の弁護士「はい」
弁護人「借りたのは1回でしたか」
友人の弁護士「何回か…10回くらい…。最後の方はさすがに理由を聞きました。さすがにおかしいなと」
弁護人「それで初めて、過大なローンでマンションを購入したことを聞かされたのですね?」
友人の弁護士「はい」
弁護人「どのように聞かされましたか」

下山被告が落ち着きなく肩を揺すった。目は閉じたまま。またみけんにしわを寄せ、険しい表情で顔を上げた

友人の弁護士「予備校時代の友人3人で下山を呼び出しました。『理由を言え』と。それで聞きましたが、(ローンの)額が額でしたから、われわれではどうにもならんと。当時、健在だった大阪のお父さんに頼るしかない、と話しました。なんなら大阪まで、われわれも一緒に行ってもいいと」
弁護人「被告に会ったのは平成13年11月11日でしたか」
友人の弁護士「多分そのころです」
弁護人「手をさしのべたわけですが、被告は、その後どうしましたか」
友人の弁護士「次にみんなで会う日取りを決めていましたが、その前に下山から電話があって、『自分で父に話す』と言いました。だから、2度目に会うことはしませんでした」
弁護人「その後、(ローンの件を)どうなったか確認しましたか」
友人の弁護士「今思えばうかつだったが、しませんでした。(下山被告の)父が…規模は知らないが社長をやっていると聞いていたので、何とかなったのかなと…。確認しておくべきだったと後悔しています」

今回の事件と借金は直接の関連はないが、友人として親身にフォローすべきだったと考えているようだ

弁護人「今回の事件はどうやって知ったのですか」
友人の弁護士「寮友からの電話です。自分の携帯に、1人は宮崎、1人は横須賀から立て続けに電話がありました。『下山が逮捕された』と。友人であるわれわれも何とかしないと、と思い弁護人を引き受けました」
弁護人「当初は、下山被告が恋愛感情は否認しているという報道でしたね」
友人の弁護士「恋愛感情もすべて認めております。あの(下山被告の)陳述書は思い切って出したもの。反省していないと書けません。彼(下山被告)の今回の反省は確信しています」

【ストーカー判事初公判(6)】被害者とは「交際していた」…下山被告、心情を吐露(11:10~11:25)

証言席に座った下山被告の友人の男性弁護士は、今後、下山被告を友人として支えていくことを改めて表明した

友人の弁護士「私は司法試験予備校で講師をしているので、そこの紹介はできます」
弁護人「彼が法律の世界に携わることについて、あなたはどう思いますか」
友人の弁護士「せっかくこれまで蓄積した知識があるのだし、もう一度やるというならば挑戦してもらいたいと思います」

ここで弁護側の質問が終了し、友人の弁護士は退廷。続いて裁判長が「被告人、前へ」と告げると、下山被告は傍らの長いすから立ち上がり、証言台へ進み出て、両手を体の前で組み、まっすぐ裁判長の方を向いて立った。いよいよ被告人質問が始まる

弁護人「まず、本件についてどう考えていますか」
下山被告「反省しております」
弁護人「逮捕当初はどうでしたか」
下山被告「気持ちの整理がついてない分もあり、今ほどはっきりとは…」

落ち着いた口調で慎重に言葉を選びながら答えるが、声は小さく、傍聴席の物音にかき消されて語尾が聞き取れない

続いて、弁護人は逮捕当初の『恋愛目的ではなかった』という、下山被告の供述の意味について質問。ストーカー規制法違反罪は、恋愛感情やその他の好意感情などがなければ規制対象とならないため、下山被告に否認の意図があったのがどうかが注目されていた

弁護人「あなたの当初の供述、これは否認していたのですか」
下山被告「あえて否認するということではなかったが、自分自身の気持ちが良く見えていませんでした」
弁護人「あなたは、この件について考え続けた結果、どういう結論になりましたか」
下山被告「そこに至る動機は…。私自身が、自分の価値観を人に押しつける。それが、自分自身を満足させることにつながっていました」
弁護人「どのような気持ちだったのですか」
下山被告「被害者の方と交際を始めたときの気持ちを、多少引きずっていたと思います」

被害者である20代の裁判所職員の女性と「交際していた」という下山被告。弁護人は、当時の恋愛感情についてさらに突っ込んだ質問をする

弁護人「恋愛感情を自認するようになったのは、どうしてですか」
下山被告「当時の自分の気持ちを振り返ると、当時、被害者の方に対して恋愛感情を持っていたのは間違いないと(思う)」
弁護人「被害女性と個人的に交際があったのはいつからですか」
下山被告「昨年の4月です」

30歳近い年齢差がある2人の仲は、上司と部下の関係から“交際関係”にどのように変化したのか。弁護人は「(被害女性は)年齢的にも相当離れた方ですよね…」と遠慮がちに前置きしたうえで、交際に至る経緯について聞いた

下山被告「被害女性のプライバシーにかかわることが多いので…。私が(女性から)話を聞いたり、悩みを打ち明けられたりする中で…」
弁護人「被害女性には、あなた以外に交際相手がいました。その話を女性から聞いたときは、どう思いましたか」
下山被告「親にも、恋人にもいえないことを(女性から)相談される中で、新たな交際相手のことを聞きました。それは、あまり信頼のおける相手ではないと聞きました。詳しくは以前提出した陳述書に書いてあります」

女性のプライバシーを慮ってか、下山被告は「ライバル」と女性の関係について法廷で話すことを避けた

弁護人「どう思いましたか」
下山被告「それまで(新しい交際相手について)聞かされていた内容が内容だったので、『本当にそれでいいのだろうか』という気持ちがありました。他の男性ならばよいのですが…」
弁護人「それは被害女性を思う気持ちからですか。今現在は、どう思っていますか」
下山被告「自分自身の価値観を被害女性に押しつけることで、許されることではありません」

逮捕当初は、ストーカーメールを送った目的について「彼女のため。幸せになってほしかった」と話していたという下山被告だが、独善的な“暴走行為”であったことを、小さな声ではあるが認めた

弁護人「被害女性の交際相手に、嫉妬心を抱いたのではありませんか」
下山被告「そういう面もあったと思います」
弁護人「むしろそれが中心では」
下山被告「自分自身の価値観としては、新しい交際相手の行動があまりにも常軌を逸していると思いました。(ストーカーメールは)その価値観を押しつけようとした結果だと思います」
弁護人「被害女性が新しい交際相手と近づき、一方であなたから離れていくという焦りもあったのではないですか」
下山被告「今年3月で(甲府地裁都留支部から)転勤することが分かっており、これまでのようには(交流)できないと。そうなる前に、交際を始めた当時の、ある意味の良好な関係になれればと。そんな中で、自分の行動できる期間も限られていました」

転勤を前に、女性との関係に焦りを募らせていったという「揺れる男心」を訥々と語る下山被告の証言に、法廷には神妙な空気が流れるが、弁護人はさらに切り込んだ質問を続けた

弁護人「ストーカーメールを発信した今年2月19日ごろ、あなたは被害女性とは親しく付き合っていなかったのでは」
下山被告「転勤間際ということもあり、夜に行動する時間が限られ、去年の12月までのようなこと(交流)は、物理的にも時間的にもできませんでした。ただ、普通に話はしており、疎外感(を感じた)ということはありませんでした」
弁護人「被害女性から交際を断られたことはありますか」
下山被告「明確に、そのように言われたことはありません」
弁護人「あなたは、(女性と)そのような関係でもいいと思っていましたか」
下山被告「それはそれで、私としては充実する時間を過ごすことができたのでよかったです」
弁護人「転勤して以降は、被害女性とはどのような交際をしようと思っていましたか」
下山被告「転勤後の新しい仕事を考えると、時間的にも距離的にも(交際は)無理だろうと…」

「女性と会話するだけの関係でも充実していた」というが、それではなぜ下山被告はストーカー行為に及んだのか。ここで、「この質問には真摯(しんし)に答えてくださいね」と弁護人が念を押した

弁護人「なぜストーカーメールをしたのですか」
下山被告「自分自身の自己満足。自分が被害者に対して、何かできるという思い上がった考えがあった。恋愛感情に裏打ちされたものだとは思いますが。…そういう気持ちで、最後の一線を越えてしまいました」
弁護人「ストーカーメールを送っているときは、どういう思いでしたか」
下山被告「非常につらい思いでした。ストーカーメールについては被害者から相談を受けていましたが、そのときの被害者の反応、感情が手に取るように分かりましたから…。何となく『悪いことをしてるんだ。やめなければいけない』という気持ちはありました」

【ストーカー判事初公判(7)】「家族…全てをなくす状態になっている」(11:25~11:40)

下山被告は弁護側の被告人質問に正面を向き、手を組んで淡々と質問に答えていたが、裁判官の職務に話が及ぶと途切れ途切れになった

弁護人「ストーカーメールの送信をなぜやめられなかったのですか」
下山被告「その当時、自分自身に疑いがかけられており、やめることはとうてい私にはできませんでした。早い段階でやめたいというのが常にあったけれど、きっかけを何とか作り出さなければいけなかったんです」

下山被告はストーカーメールの送信を開始して約1カ月後の3月、大学時代の友人である警察幹部に、無言電話についてのみ捜査するように依頼した

弁護人「知り合いに頼んだんですか」
下山被告「大学時代の…(聞き取れず)警察庁の幹部に、『被害女性が無言電話で悩んでいる』と話しました」
弁護人「無言電話だけですか」
下山被告「いずれ被害女性にすべて話そうと思っていました。でも、女性は『メールを見せるのは絶対嫌だ』と。『ほかのメールも見られてしまうし、どんなことがあってもメールは見せたくありません』と言っていたので、無言電話だけ相談することになりました」
弁護人「女性にかかってきた無言電話は、かけていないのですか」
下山被告「一切関与しておりません」

下山被告ははっきりした口調で答えた

弁護人「(ストーカーメールについて)なぜ話そうと思ったんですか」
下山被告「『悪いことをしたので裁きを受けなければいけない』と思い、すべて話をしておこう、と思いました」

下山被告は4月になると、自ら警察や被害女性、裁判所に対してストーカーメールの発信が自分の仕業だったことを打ち明け、謝罪した。被告人質問で理由を聞かれると、「捜査に負担をかけたくなかった」と述べた

弁護人「女性への謝罪はしましたか」
下山被告「4月8日に会って話をして、『捕まりますよ』と言われましたが、覚悟はできています…(聞き取れず)。謝罪の手紙を2回書いています」
弁護人「弾劾裁判の結果を予想していますか」
下山被告「はい。事件に加えて部下の職員と不適切な関係にあったこともあるし、裁判官の品位を汚したことにもなります」
弁護人「社会からどう見られているか分かりますか」
下山被告「私は、現職の裁判官が行ったケースで、とんでもないと。非常に司法に不安を与えてしまったと思います」
弁護人「家族はどういう状況にありますか」
下山被告「すべてをなくすような状態になっています」
弁護人「お父さんの葬儀には参列できましたか」
下山被告「身柄を拘束されていたので、参列できませんでした」
弁護人「桶川の事件では非難を受けていましたね?」

この質問は、下山被告が埼玉・桶川のストーカー殺人事件を審理中の平成13年、「裁判官が寝ている」と傍聴人から指摘を受け、配置転換されたことを指しているようだ

下山被告「僕自身、睡眠障害という病気になっておりまして。大変なご迷惑をおかけしまして…」
弁護人「今後の生活はどうするんですか」
下山被告「私自身は『法律の世界にとまっているのはどうかなあ』と。許されないのではないかと考えています。自分の大学時代にやった仕事、経験したことを含めて、いくつかの仕事をできたらと思います」
弁護人「最後に、社会に対してはどうですか」
下山被告「まず、被害女性に対して本当に申し訳ないことをしました。私に対して信頼していただいてどんなことでも話してくれていたのに。裁判所や裁判官、刑事…(聞き取れず)に対する不信感を国民の皆さんに感じさせてしまいました。私を育ててくれた裁判所に対しても、申し訳ないことをしたと思います」

【ストーカー判事初公判(8)】プライドか、戦術か頑なに「女性は拒否的態度でなかった」(11:40~11:50)

被告人質問は検察側に移った。まず、検察官は証拠隠滅の意図を尋ねる。下山被告は目を閉じ、ひとつひとつ思いだすように答える

検察官「犯行の途中にフリーメールのアドレスをエキサイトからヤフーにかえましたね。これはなぜですか」
下山被告「エキサイトよりもヤフーのほうが使い勝手がいいからです」
検察官「エキサイトばかりを使っていると犯行がばれるからでは?」
下山被告「そういったことではありません」
検察官「3月にネットカフェの△△クラブ(実名)の申込書を回収しましたよね?」
下山被告「転勤の内示を受けたので、会員の申し込みをしていたものを回収しました」
検察官「ビジネスホテルなども回収したのですか」
下山被告「○○ホテル(実名)は会員ではありませんでした」
検察官「△△クラブは、(回収したのは)犯行をばれないようにするためではないですか」
下山被告「そうではありません」

検察官は続いて、ストーカーメールを送る動機にもつながった下山被告と被害女性との間の「距離感」について質していく

検察官「ストーカーメールを送った時点では、被害者から拒否的な態度を取られていると感じていましたか」
下山被告「拒否的な態度をされていたという感じはありませんでした」
検察官「どうして感じなかったんですか」
下山被告「被害者と関係を持ったあと、去年12月に(関係を)解消しましたが、ドライブしたり食事をしたりすることに変化はありませんでした。明確に『お付き合いをしません』といわれたことはありませんでした」
検察官「では、なぜメールを送ったのですか」
下山被告「当時は女性の生活状況に不安をもっていました。自分の価値観を押しつけてしまいました…」
検察官「拒否的態度の女性を振り向かせるためではなかったんですか」
下山被告「拒否的態度は、メールのやりとりを見てもらえば分かりますが、(被害者の女性からは)示されていません」

頑なに拒否的態度は取られていなかったと主張する下山被告。男としてのプライドなのか法廷戦術なのか。それとも、本当に女性から拒否的態度を取られたと感じていないのか…

検察官「今でもそう思っているのですか」
下山被告「(女性の)本心は分かりませんが、客観的には伝わっていませんでした」
検察官「すると、女性の供述調書はウソだといいたのですか」
下山被告「それは気持ちだから分かりませんが、客観的事実とは違っています」
検察官「女性のメールには、(下山被告に)拒否的な態度をとっているものがありますよね?」
下山被告「そう言われれば、考えようによっては拒否的かとも思いますが、当時は思っていませんでした」

続いて検察官は、被害女性と交際相手の男性について尋ねる

検察官「被害者は今でもその男性と交際しているのですか」
下山被告「は?」

質問をよく聞いていなかったのか、大きな声で尋ねる

検察官「男性とは今も交際しているのですか」
下山被告「は?はい?」

目を大きく見開いて大声で尋ね返す。検察官が3度目の質問でようやく理解し、下山被告は答える

下山被告「と、聞いています」
検察官「(交際について)どう評価していますか」
下山被告「それは個人のことですから…」

続いて検察官は、被害女性が上司でもあった下山被告にストーカーメールの相談をした際のことについて質問をする

検察官「2月24日ごろ、あなたに女性が相談に行き、あなたは『そんなのは許せない』と言ってますよね?」
下山被告「言っていません」
検察官「これは女性のウソでしょうか」
下山被告「そうとは言っていません」
検察官「ではどうと?」
下山被告「『変なメールだな』と…」
検察官「部下が相談にきて『変なメール』で終わりですか?『許せない』と言っていませんか」
下山被告「『ひどいメールだな』とは言いました」

【ストーカー判事初公判(9)】検察「無理なローン、単身赴任が不倫の背景に」(11:50~12:05)

検察官による被告人質問は、最終盤にさしかかった。下山被告は小声だが、沈黙することなく、質問にしっかりと答えている。被害者のことを裁判でよく使われる「被害女性」と呼ぶなど、さすがに法廷には慣れた様子だが、検察官の追及は厳しい

検察官「被害者からの相談をうれしいと思ったことはなかったのですか」
下山被告「それはないです」
検察官「3月15日、ストーカー犯人にあてて、ストーカー行為にあたると警告のメールを支部裁判官の名前で送っていますよね。なぜですか」
下山被告「ちょうど土日にかかる時(15日が土曜日)で、18日(火曜日)までの間に何かされるのではないかと被害女性が私に言ったので、何か起きないようにするにはどうすればいいか2人で話し合い、警告すれば止められるのではないかという話の流れになりました」
検察官「でも犯人はあなただったんでしょ?」
下山被告「はい」
検察官「私です、と打ち明ければ良かったのでは?」
下山被告「その後、今日も出ていないメールで言いました」
検察官「なぜ(自分だと)告白しなかったのですか」
下山被告「先ほど述べた通りです」
検察官「もう一度言ってください」

検察官は、しつこく聞き直す。下山被告は、観念したように小声で答えた

下山被告「勇気がなかったから…」
検察官「自分の力を示す気では?あえて芝居をしたのでは?」
下山被告「違います」
検察官「反省しているんですね?」
下山被告「はい」
検察官「終わります」

被告人質問が終わった。下山被告はしっかりとした足取りで、弁護人側にある席に戻った。しかし、緊張していたのだろうか。いすに腰掛けると、大きく息を吐いて天を仰いだ。続いて、検察官の論告の読み上げが始まった

検察官「本件犯行は、取り調べ済みの証拠で証明十分である。次に情状ですが、第三者を装って1カ月にわたって、監視していると思われる内容を送り、困惑する被害者から相談を持ちかけられたのをいいことに、親身に応えるかのように装い、演技までして被害者の心情をもてあそんだ。被害者が厳罰を求めるのは当然だ」
 「恋愛感情を充足させる目的があったと評価されることに意義はない、と犯行の認め方も消極的。ストーカーにありがちな、相手の心情に無頓着な人格の表れで、被告による犯行の根深さは明らかだ。司法制度改革の流れの中、現職の裁判官によるストーカー行為という犯罪が社会に与えた衝撃は大きく、司法制度に対する国民の信頼が損ねられ、厳罰に処す必要がある。懲役6月に処するを相当とする」

求刑が出された。懲役6月は、被害者の告訴をもとにストーカー規制法違反罪で起訴されるケースではもっとも重い量刑となる。しかし下山被告は覚悟していたのか、その表情に変化はない。続いて弁護人が立ち上がり、最終弁論を読み上げ始めた

弁護人「下山被告は大きな影響を認識しつつ、事実を認め、反省している。裁判官としての最後の責任を果たすべく、訴追に素直に認めている。執行猶予付き判決が相当と考える」
 「今回の事件の背景にはまず、経済的破綻(はたん)があった。下山被告は東京・目白に高級マンションを購入し、当初は賃借人がいたが、いなくなり、ローンの支払いに窮するようになった。税金の差し押さえを受け、実母、実弟の援助を受けたが、平成19年6月には競売となり売却された。本人の見通しの甘さがあったとはいえ、下山被告の心には虚脱感があった。そのころ、被害者とドライブや飲食を重ねるようになった」

弁護人は、苦しい経済的事情が、下山被告が被害者に恋愛感情を抱くようになったきっかけになったと主張した。さらに山梨での単身赴任がこの感情を後押ししたと言いたいようだ

弁護人「妻は都内で教員をしており、下山被告は単身赴任だった。宇都宮地裁足利支部への転勤が伝えられ、これも単身赴任を求めるものだった。55歳という年齢を考えると、定年間近の長期間を単身赴任しなければならず、下山被告は『(異動は)1日考えさせてほしい』と返答を留保したくらいだ」
 「下山被告は被害者と親しくなった後も、自分の存在が負担にならないように考えていた。11月に送ったこんなメールがある。『ひょっとするとVさんをずいぶん束縛しちゃってるのかなと心配です。言ってくれれば品行方正なパパに戻ります』。その後、被害者はある男性と付き合うことになり、下山被告は男性としての立場から、父親の立場になることになった」

パパの立場でいようと決心したという下山被告だが、下山被告と距離を置こうとした女性の態度が許せなかったようだ

弁護人「下山被告は(被害者と男性を)別れさせようとメールをしたが、相手の男性と直接話すことはやめてくれと女性から言われた。女性が距離を置き始めたことは、名誉ある撤退を望んでいた下山被告のプライドを傷つけた。今年2月、異動までの日数が少なくなり、下山被告は被害者との良好な関係を取り戻したいと考えた」

弁護人は、異動を前にあせる気持ちが、下山被告を犯行に駆り立てたと指摘した。あらかじめ内容を伝えられているのか、下山被告はメモを取ることもなく、黙って聞いている

【ストーカー判事初公判(10)完】メールやめるタイミング逸し、焦った(12:05~12:20)

現職の裁判官がなぜストーカーという犯罪を犯したのか。最終弁論で弁護人は、罪になるとわかっていながら身動きが取れなくなっていった下山被告の様子を明らかにしていく

 「被害者がストーカーメールを相談してきたことは、下山被告にとってプライドをくすぐるもので、メールをやめることができなくなった。それが犯罪に該当することがわかっていて、いつやめるか悩んでいた。被害者はストーカーメールを相談しつつも発信者ではないかと疑い、直接、下山被告に尋ねた。下山被告は今やめれば自分だとわかってしまうとやめるタイミングを失い、焦りの中で身動きが取れなくなった」
 「頼れる支部長でありたいとの思いから、警告メールを送り、無言電話を警察に相談するよう言うなど、『(犯人は)怖じ気づいてやめた』と言えるようにした。そして、終わらせる宣言とも取れる最後のメールを送った。この時点でメールを送り続けるつもりはなかった」
 「下山被告がストーカー規制法に基づく警告を受けなかったのは、今後、ストーカーメールを送る危険がないと思われたから。自らの意志でストーカーメールをやめたのも事実だ。相談に乗って味方を装ったことで、被害者が味わった人間不信の思いは察するに余りあるが、自らメールを終息させ、無言電話は関知していない」

弁護人はさらに、被害者が県警に告訴する前に、下山被告が自分の犯行であると打ち明けた行為が自首に当たると主張した

 「告訴前の4月8日には被害者に犯行を告白し、謝罪した。同日、県警本部の担当にも打ち明けようと電話をしたが、不在。翌日、『週末に時間を取ってくれないか』と言ったが連絡が来ず、翌々日に再度電話したが事情聴取の申し出は断られた。被告は当初よりメールを発信した事実を認めていて、これは自首に当たる。被害者に『つかまりますよ?』と言われたときも、『覚悟している』と答えている」

逮捕されてから、「恋愛感情ではなかった」と否認していたと伝えられた下山被告だが、弁護人は取り調べの中で、徐々に下山被告が自分の気持ちに向き合うようになったと主張した

 「恋愛感情についても、当初は否定していたが、拘束中に弁護人との面会を重ね、自分の生きざまが問われていると言われ、被害者への恋愛感情を認め、率直に反省している。また、メールの送信場所なども、自発的に申告している」

弁護人は最後に、下山被告が裁判官を辞める意向でいることを明らかにし、反省の態度を前面に出した

 「裁判官の職についても、4月10日に宇都宮地裁所長に、5月に東京高裁事務局長に口頭で辞職の意を伝えている。被害者にも、告訴前に自らのストーカー行為を伝え謝罪しているほか、告訴後は弁護人を介し謝罪文を渡し、再三示談の申し入れをしている。実弟や妻も謝罪の手紙を出しており、示談の準備を整えている。かつての勤務地、都留支部にも被害者を気づかってほしいと手紙を送っている。約2カ月、身柄拘束され、刑罰を事実上受けている」
 「下山被告は努力家で、困っている人を助けたいと裁判官になった。裁判中の居眠りも、睡眠障害という病気が原因だ。以上のように、下山被告は約2カ月の身柄拘束で、形だけのプライドを捨て、反省を深めた。示談は成立していないとはいえ、慰謝に応じる姿勢はあり、厳しい社会的制裁を受けており、弾劾裁判も控えている。執行猶予付き判決が相当と考える」

弁護人が読み上げを終えると、渡辺康裁判長が下山被告に「最後に何か言いたいことはないですか」と声を掛けた。下山被告は立ち上がり、証言台でかつて自分が座っていた席をまっすぐ見つめ、反省の気持ちを口にした

「被害者に申し訳ないことをしました。また司法に対する国民の信頼を損ね、私を育ててくれた裁判所を裏切り、申し訳ありませんでした。以上です」

抑揚のない小さな声。法の番人は、自ら犯した罪を認め、謝罪した。審理は初公判のこの日結審した。判決公判は8月8日午前10時に開廷する

初公判を終えた下山被告は、午後1時前に甲府地裁から出ると、報道陣に囲まれ、もみくちゃにされた。うつむき加減で口を固く閉ざし、「自分が裁かれる立場になったことをどう思うか」などの報道陣の問いかけには一切答えず、弁護人が用意した車の後部座席に乗り込むと、乱暴にドアを閉めた

7月 25, 2008 at 09:01 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.23

またも潜水艦?当て逃げ?

毎日新聞より「千葉沖漁船転覆:乗組員「船底に衝撃」 潜水調査を検討

千葉県犬吠(いぬぼう)埼沖で6月、福島県いわき市の巻き網漁船「第58寿和(すわ)丸」(全長38メートル、135トン)が転覆し死者4人、行方不明者13人を出した事故で、原因究明をしている横浜地方海難審判理事所が、救助された乗組員から「右舷船底に強い衝撃を受けた」との証言を得たことが分かった。
理事所は衝撃による損傷の有無を調べるため、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)に対して、深海潜水調査船の派遣依頼を検討し始めた。

船体は深さ数千メートルの海底に沈んだとみられる。事故原因はこれまで、複数の波やうねりが干渉して突発的に波が高くなる「三角波」の可能性が指摘されていた。

だが理事所の調査で、僚船を含め三角波を見た者はなく、救助された乗組員は「体験したことのない衝撃を機関室の右舷船底部から受け、急激に右舷側に傾き沈んだ」と証言。機関室下の燃料タンクから漏れたとみられるA重油が海面に大量に浮いていたことが分かった。理事所関係者は衝撃でタンクが破損したとみている。

また、証言から▽高波なら波の進行方向に船は傾くが、寿和丸は波を受けた右舷側に大きく傾き、左舷側へは傾いていない▽船内には空気があるため転覆しても最低数時間は浮いているのに、寿和丸は数十秒で転覆、約15分で沈没した--など通常の転覆事故とは異なる状況も判明。
事故当時、僚船のレーダーや目視では、周辺海上に他船はいなかった。

事故は6月23日午後1時半ごろ、犬吠埼の東約350キロの太平洋上で発生。当時は波高2メートルと操業可能な程度のしけで、寿和丸は船を安定させるためパラアンカー(パラシュート状いかり)を海中に広げ、エンジンを止めて停泊していた。証言では、パラアンカーの不具合や巻き網の荷崩れもなかったという。

海難審判理事所は海難事故の再発防止のため原因究明をする機関。【鈴木一生】

この記事は大石英司の代替空港で紹介されている「潜水艦の当て逃げ説」が現実に起きたのではないのか?と強く疑わせるものです。

大石英司の代替空港より「A380大化け?

それでスカパーパックインでの元帥の潜水艦の当て逃げ説。土曜日も結構長い時間を割いて元帥が喋ってらっしゃました。何でも、米海軍の潜水艦が、最近はもっぱら横須賀を避けて佐世保に入っているのに、この事件の直後だけ、横須賀に「修理名目」で一隻入港して出港している。先週頭に出港したらしく、ヘリで追い掛けたけれど、キャッチできなかったという話です。

元帥がいろんな疑問点としてあげているのは、波浪2メートルというのは、太平洋では別に珍しい波ではない。その程度であんな大型漁船がひっくり返るはずがない(確かにその後の空撮映像では凪ぎに近い海だったことは事実)。そもそも「三角波」という話が出てきた経緯がはっきりしない。漁船仲間は第一報を聞いた時に、まず他船からの当て逃げを疑っている。

三角波が立つような時化模様だったはずなのに、生還した乗組員は、後ろに引っ張っていた10メートルも無いボートまで自力で辿り着き、その後そのボートで捜索活動を行っている。果たして本当に波はあったのか?

あと、漂流物のほとんどは潮流に乗って発見されているのに、船体自体は潮流の逆方向に流れて沈底しているのはなぜか?(沈む時の角度によってはそんなものだと思うけどなぁ。深度的にも2千メートル前後のずれは可能性範囲内だと思う)

それで、着底深度は5千メートルですか。無人ロボットを沈めて調査する価値はあるでしょう。ただ、米海軍の潜水艦云々となると、これは修理を請け負ったのは結局は日本の業者ですよね。いずれは情報は漏れる。可能性としては潜水艦の衝突はあり得るけれど、果たして当て逃げまであったのかなぁ……、という印象です。  一方で、元帥がこういう話しをなさるということは、海幕周辺でそういう疑いが持たれているということなんですよね。あの時間帯、確か米海軍の潜水艦が付近にいたよなぁ……、みたいな話はあるんでしょう。

元帥とは田岡俊次氏です。 ウィキペディアの記事によると

7/12放送のパックインジャーナルでは、2008年6月23日に千葉県銚子市沖での第58寿和丸転覆について海上自衛隊潜水艦との接触が原因とする発言を行い、AERAにて同様の記事が掲載された

一番怪しいのは、転覆後にすぐに沈没しているところで漁船では船体が割れないとかなり長い間漂流しているのが普通ですね。
もう一つは、ボートが異常なく活動しているところです。
わたしもテレビニュースで出てきたボートを見て「こんな小さい船が太平洋で活動しているのだ」と驚きました。

両方を重ね合わせると「天災説」は成立しないように思えるわけで、それが潜水艦当て逃げ説にはさすがに向かなかったのですが、原因が分からないのだから潜水調査も必要とは言えます。

7月 23, 2008 at 08:40 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.21

大分県の教員採用試験・その2

毎日新聞より「大分教員採用汚職:審議監、執拗に水増し指示

大分県の小学校教員採用汚職事件で、県教委の教育審議監(60)が、08年度の試験で最下位グループにいた受験者4人を合格させるよう、採点の集計担当だった元県教委参事(52)=収賄容疑で再逮捕=に執拗(しつよう)に指示していたことが分かった。元参事はうち2人を、100点以上水増しして合格させていた。県警は審議監が教員の不正採用にも深くかかわっていたなどとみて、20日までに任意で事情聴取した。

審議監は、部下の元県教委義務教育課参事(52)が大分県佐伯市の離島の校長から抜てきされた際、佐伯市の離島の校長から20万円分の商品券を受け取った収賄容疑が浮上している。県警は4人を合格させようとした経緯についても詳しく聴いたとみられる。

これまでの調べでは、審議監は08年度の試験で、元参事に対し、約20人を合格させるよう指示。うち5人は合格圏にいたが、残る約15人は不合格ゾーンにおり、審議監が合格させるよう強く求めた4人は最下位グループだった。

元参事は、点数の改ざんを繰り返す“合否調整役”をしていたが、本来合格すべき受験者が不合格となるケースをあまり増やしたくないと考えていた。このため「試験の順位が250番以下の受験生は不正合格させない」という“独自ルール”を作っており、4人について「試験の成績が悪すぎるので、合格させるのはどうか」と審議監に進言したという。

しかし、審議監は「何とかならないか」などと語り、不合格にすることを認めなかった。元参事との折衝で、最終的に1次と2次で1000点満点の試験で計100点以上水増しして2人を合格させ、残る2人は不合格にした。この合否調整のために、ボーダーライン上にいた受験生2人が不合格になったという。

08年度の小学校教員試験は472人が受験し、1次合格者は117人だった。2次で、元小学校長(52)=贈賄罪で起訴、懲戒免職=の長男、長女を含む41人が合格し、採用された。倍率は11.5倍だった。不正合格したとみられる2人は長男、長女とは別人という。

県警は17日、前任審議監(61)の07年度試験を巡る収賄容疑の関連先として、審議監の自宅を家宅捜索している。

問題の試験の性質がどういうものなのか分かっていませんので、試験の結果に合否があることは分かっても、それが即座に採用・不採用になるのか分かりません。

しかし、ペーパーテストで不合格になった受験者が面接などで合格になってしまっては、ペーパーテストを実施する意味がないわけですから「117人合格の試験で、250番以下」というのは100人以上抜きですよね。

競争率11.5倍で合格者が117人ですから、1345人が受験したのですから一人しか合格しないのであれば「1345倍の競争率に勝ち抜いた」となりますが、二人合格ならその半分の567倍でしょう。
こんな計算をしますと、117番目の合格者は本来9.7倍の競争率を勝ち抜いた人でした。
そこに250番目では、4.5倍だとなります。

これはいくら何でもひどすぎるでしょう。
だから、直接の担当者であった元県教委参事は「250番以下は対象としない」としていたわけですが、これよりもさらに低い成績の受験生四人を合格させた、ということですね。

仮に、300番なら3.7倍、350番なら3.2倍、400番だと2.8倍となります。
どこが、競争率11.5倍なのでしょうか?

これではすでに買官というべきでしょう。

問題の試験は一次試験ですから、二次試験が当然あると思うのですがそこで一次試験の成績は検討されなかったのでしょうか?
ここまで派手に試験成績を改竄すれば、二次試験の時に「ヘンじゃないのか?」と疑問が出てきそうに思うのですが、それを無視して成績を改竄することに意味があるとは、どういう仕組みになっていたのでしょうか?

7月 21, 2008 at 09:15 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.18

非弁行為で公判

読売新聞神奈川版より「無資格で破産手続き 地裁川崎支部初公判

弁護士資格がないのに自己破産申し立てなどを行って報酬を受けたとして、横浜地検川崎支部が、元相談事務所経営者を、弁護士法違反(非弁行為)の罪で横浜地裁川崎支部に起訴していたことがわかった。起訴されたのは埼玉県熊谷市、無職田中喜代司被告(56)で6月3日付。17日に開かれた初公判で、田中被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。

起訴状によると、田中被告は東京都文京区で多重債務者の相談事務所「七転び八起きの会」を設立し、2004年6月~07年1月ごろ、弁護士資格がないのに、債務者に自己破産申し立て手続きを教えて書類を作成し、地裁川崎支部に提出させるなどの法律業務を行ったとされる。

17日の初公判の冒頭陳述で、検察側は、田中被告が多重債務者の破産手続きなどを行って、1人当たり50万円程度の報酬を受け取っていたとし、3年間で少なくとも172件の相談を受けて、23件の自己破産手続きを行ったとした。

この後、弁護側証人として、同会の経理をしていた田中被告の妻が証言。田中被告について「損得なしで困った人を助ける性格」と述べたが、加登屋健治裁判官が「もし本当に困っている人を助けるとしたら、何十万円も取らない。社会常識としても、言い逃れにしか聞こえない」と指摘する場面もあった。

このところ、わたしはブログでは個人名を消した記事をエントリーしていますが今回はそれは出来ません。

「七転び八起きの会」の田中被告。
となっていますが、わたしには「八起会」と誤解させる意図があったように思います。 「八起会」は倒産の経験者が集まっている組織で、昭和53年(1978年)設立ですから30年の実績があります。

「八起会」の野口社長自身はなかなか精力的に活動しています。だからこれほど長期に続きますし、多くの方が集まったのだろうと想像しますが、「七転び八起きの会」が「八起会」の名声を全く考慮しなかったとはちょっと思えないのです。

田中被告の妻が証言。田中被告について「損得なしで困った人を助ける性格」と述べましたが、加登屋健治裁判官が「もし本当に困っている人を助けるとしたら、何十万円も取らない。社会常識としても、言い逃れにしか聞こえない」と指摘する場面もあった。

この部分は、初公判で裁判長が指摘するというのもすごいですが、なんで「ボランティア」を正面に出したのか?と感じます。
むしろ、知らなかったと主張した方がリアリティがあると思うくらいです。 いわば天網恢々疎にして漏らさず、といったところでしょうか?

7月 18, 2008 at 08:44 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.10

横浜市大騒動の調査結果

「横浜市大騒動は拡大か?」の続編(結果)です。

横浜市立大学で学位審査で教員が大学院生に金銭を要求したという事件の最終報告書が発表され、東京新聞と読売新聞が報道しています。

面白いのは、この二つの新聞の記事が焦点を当てているところが微妙に違うところです。

東京新聞神奈川版より「一般社会と感覚にずれ 対策委最終報告 教育者の資質にも言及

学位のやりとりをめぐって教え子らから金を受け取っていた教員が全体の三割以上に達することが明らかとなった横浜市立大学大学院医学研究科(金沢区)。九日夜の会見で、問題の調査に当たった対策委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)は大学の体質に苦言を呈した。

大学は信頼回復を目指す姿勢を強調したが、教授が自ら金銭を要求する事例が判明するなど問題の根は深く、再発防止策が結実するかどうかは未知数だ。 (中山高志)

「医学部の特異性を強く感じた。一般社会との乖離(かいり)があると思う」

この日発表された最終報告書で、同大大学院の二つの研究科のうち、金銭授受というあしき風習があったのは医学研究科だけであることが判明した。

元東京地検特捜部長の宗像委員長はこの点を指摘し、「医」の世界の非常識さが問題の温床となったとの見方を示した。
本多常高・同大理事長も「学内で放置され続けたことに問題があった」と振り返り「大学の評判は地に落ちたことを実感している」と無念さをにじませた。

一連の金銭授受問題では、内部通報者の責任追及を求めるという非常識な文書が学内から大学当局に提出されるなど、同大のコンプライアンス(法令順守)意識の低さも際だった。
宗像委員長は「みなし公務員という立場で仕事をするという意識に欠けていた」と述べた。

最終報告書はこのほか、同大教授の一人が学位審査の際、学位取得者に金銭を露骨に要求し、受け取ったという事実を認定した。

取得者の証言によると、教授は「学位審査後にお礼をするのは慣例だ。金額も安くしている」と謝礼の支払いを求めたという。
あからさまな要求に取得者が反発し、口論になったところ、教授は「学位を出さないことができる」と脅迫ともとれる発言をしたという。

対策委は証言を事実と認めた上で、事実関係を否定したこの教授を「教育者としての資質を疑わざるをえない」と強く非難。厳しい処分を大学に求めた。

こうした新事実が判明する中、対策委は医局制度の抜本改革など四項目から成る再発防止策を提示した。

本多理事長は「(大学と一般社会の)倫理観のずれを直すのには時間がかかるかもしれない。そのためにいろいろな方策が必要になる」と述べ、大学の再出発へ決意をみせた。

読売新聞神奈川版より「謝礼横行浮き彫り 横浜市大最終報告

横浜市立大の学位審査対策委員会が9日公表した最終報告で、医学部教員61人のうち、19人が大学院生らからの謝礼の受け取りを認め、ほかの3人も同委員会が謝礼授受を認定、推認したことが明らかになった。

ほかにも18人が「金銭を持って来られたが断った」と回答しており、謝礼の受け渡しが横行していた実態が浮き彫りとなった。

同委員会は「関係者の認識は社会常識と乖離(かいり)していた。組織の管理運営に非常に問題があった」と約3か月にわたる調査を総括し、再発防止策を提言した。

同委員会では中間報告を発表した5月2日以降、謝礼を巡る証言が食い違った学位取得者6人と教員9人について、経験豊富な弁護士らが面談による聞き取り調査を実施。

その結果、2人の教員が「院生らが渡したというなら、そうでしょう」と一転して授受を認めた。
さらに、別の教員が「受け取りを思い出した」と名乗り出たという。

同委員会の委員長を務めた元東京地検特捜部長の宗像紀夫弁護士は記者会見で「粘り強く関係者に協力を依頼し、回答が一致しない事例にも客観的事実などから見解を示した」と調査結果に胸を張った。

また、学位取得者2人から「お礼をするのは慣例だ。金額も安くしている」「学位を出さないこともできる」などと謝礼の要求があったことを指摘された指導教授について、宗像委員長は「力を入れて調査した点だ」と説明。

指導教授は金銭の要求や授受を完全否定したが、院生らの証言を「明確かつ具体的で、信用性が高い」と判断し、授受があったと認定したという。

報告書は指導教授を「法令に抵触するおそれのある行為。否定する態度は良識を疑う」と厳しく指弾。
宗像委員長は「慣行の中での行為で、ただちに刑事告発の対象になるとは見ていない」と言葉を選びながら慎重に話した。

調査対象の教員のうち、受け取り拒否を含めると3分の2近くの教員が謝礼の受け渡しにかかわっていたことになる。

本多常高理事長は「医学部には特殊性があり、個々の問題ではなく(全体に)あしき慣習があった」と苦渋の表情。
「大学の評判が地に落ちているのを実感している。
一般社会との倫理観の乖離を直すには時間がかかるかもしれない」と語った。
同委員会から提言された再発防止策については「真摯(しんし)に受け止め、全力をあげて信頼回復に取り組む。一つ一つやっていく」と述べた。

二つの新聞記事は、調査委員会の発表内容を報道しているのですが、東京新聞の記事のトーンは、

  • 医学部の問題であり
  • (教員の)個人の資質や、刑事事件の可能性など強く非難するべき

と感じられるのに対して、読売新聞の記事のトーンは、

  • 組織に問題がある
  • 医学部だけとは報じていない
  • 調査が強力であった

と感じられます。

わたしには、こんな事がどこの大学や医学部でも起きているとはとうてい思えないわけで、その意味では報道の姿勢としてもより精密に何が起きているのかを知らせるべきだと思うのです。
そういう観点からは、読売新聞の記事には、なんとなく「幕引きの一端を担っている」という印象がつきまといますし、横浜市大のもう一つの研究科から「もっとはっきり書け」とクレームが来ても不思議じゃないように思います。

それにしても、金銭を要求し「払わないと学位を出さない」とまで言って、これを脅迫や強要として刑事訴追しないのであれば、大学は刑事事件になった時よりも、より強い制裁を科して当然だと思うのだが、大学当局の見解が漠然と「信頼回復に取り組む」では早晩大学自体の不要論につながっていくだろう。

学問の自由や、大学の自治は重要な問題であるのだから、外部から(法的な)指摘をされる以前に社会が納得する管理ができなければいけない。
その「管理」が学問の自由などに基づいているのだ、と社会に示すことこそが大学の存在意義なのだから、これでは全くダメだ、ということを大学当局は分かっているのだろうか?

横浜市大に明日はあるのか?

7月 10, 2008 at 09:38 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.08

大分県の教員採用試験

朝日新聞より「大分教員不正採用、合格者の半数口利き 100点加点も

大分県の小学校教員の採用を巡る汚職事件で、収賄容疑で再逮捕された県教委義務教育課参事が、県警の調べに、今年度の採用試験でも「約20人を合格させるよう上層部から依頼され、15人くらいに加点した」と供述していることが分かった。
「得点を水増ししなくても合格した受験者も4、5人いた」とも供述しているという。今年度の合格者41人のうち、県教委幹部から口利きのあった受験生が半数を占めていたことになり、不正採用がはびこっている疑いが濃厚となった。

県教委によると、今年度の小学校教員の採用試験は昨年7月に1次の筆記試験があり、472人が受験。9月にあった面接などの2次試験には117人が進み、41人が合格した。

再逮捕された参事はこの試験で、佐伯市立蒲江小学校長=贈賄罪で起訴=から長男と長女を合格させるよう頼まれ、現金など計400万円相当を受け取ったとして、収賄罪で起訴されている。長女と長男はともに合格し、今年4月から勤務している。

再逮捕された参事の供述によると、1次と2次の合計は1千点満点で、合格ラインは約620点だった。1次試験の終了後、受験者全員の得点表を上層部に見せたところ、「合格ラインに入れろ」と約20人の名前に印を付けて得点表を返されたという。この中に校長の長女の名前もあった。

再逮捕された参事はうち約15人について1、2次の点数を加点したが、100点以上加点した受験者も2人いたといい、中には実際の点数が400点台で合格させた受験者もいた半面、長女を含む4、5人は合格ラインに到達しており、加点せずに合格したという。

一方で、不正採用があまりに広がっていることを懸念し、発覚を恐れた上層部からの指示を受け、口利きされた受験生のうち2人は1次だけ加点し、2次で落とす工作も行ったという。また、加点ばかりでは全体の平均点が高くなって怪しまれるため、合格ラインより少し上回っていた約10人の受験者の点数を減点する調整も行ったという。

再逮捕された参事は「この年の採用試験では、上層部から縁故のない受験者にも配慮してくれと指示された。以前はもっと縁故採用が多かった」と背景事情を説明しているという。

要するに試験をする理由すらなかったということですね。

それにしても、

  • 今年度の合格者41人のうち、県教委幹部から口利きのあった受験生が半数
  • 得点表を上層部に見せたところ、「合格ラインに入れろ」と約20人の名前に印
  • 実際の点数が400点台で合格させた受験者
  • 4、5人は合格ラインに到達しており、加点せずに合格
  • 口利きされた受験生のうち2人は1次だけ加点し、2次で落とす工作
  • 合格ラインより少し上回っていた約10人の受験者の点数を減点
  • 上層部から縁故のない受験者にも配慮してくれと指示された。以前はもっと縁故採用が多かった

こんなややこしいことをしても帳尻を合わせたかった「上層部」の理由はなんなのでしょうか?
おそらくは採用された教員の質ということでは、機械的に試験をした結果と大差なかっただろうと想像できますが、このように「口利き」とか「合格者の調整」といったことが行政などの信頼に打撃を長期間にわたって与え続けたことに疑問は無いですね。

それにしても採用試験の途中段階で氏名をそのままで検討するというのはどういうつもりなのだろう?常識的には受験番号だけで情報交換するものなのではないのか?

7月 8, 2008 at 09:08 午前 事件と裁判 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.07.06

ピンクレディー敗訴

サンケイ新聞より「ピンクレディー敗訴 パブリシティ権侵害なし

元ピンクレディーの2人が女性週刊誌に過去のステージ写真を無断掲載され、パブリシティ権を侵害されたとして、出版元の光文社に損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。市川正巳裁判長は、訴えを退けた。

市川裁判長は、「使用された写真は振り付けを説明する一助にすぎない」と指摘。

ことさらに原告の肖像を強調しておらず、パブリシティ権の侵害には当たらない」と結論付けた。

パブリシティ権は、著名人の肖像などがファンを引きつけて得られる利益を、その本人が独占できる権利。
原告側は「記事は販売部数を上げるため、ピンクレディーの振り付けを利用した」と訴えていた。

判決によると、週刊誌「女性自身」の昨年2月27日号は、ピンクレディーの振り付けでダイエットするという記事で、ステージ写真計14枚を掲載した。

なかなか興味深い判決ですね。

パブリシティ権に限らず著作権の関係の権利を広く解釈するの、狭く解釈するのかという議論は常にあるわけで、提訴の段階から興味がありました。

判決文を見ないと写真のどういうところが「ことさら強調していない」との結論に至ったのかが判りませんから、なんとも言いがたいところですが、とりあえずまた一つ判断要素が増えたのかもしれません。

7月 6, 2008 at 12:26 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.05

ウナギ偽装事件は解明されるのか?

サンケイ新聞より「【衝撃事件の核心】裏ガネ、口止め、幽霊会社-ウナギ偽装工作に見える「性善説崩壊」

なんとも長大な記事で、読むのが大変です。
中国産ウナギの偽装表示事件は、今ひとつすっきりしませんが、この記事によるとかなり怪しいですね。

架空会社。奇妙な代金の流れ。茶箱に入れられた1000万円の札束…。
中国産ウナギの偽装表示事件は、単なる偽装表示にとどまらず、経済事件ともみるべき異様なカラクリが表出している。警察捜査は全容を解明できるだろうか。
この事件の直前には飛騨牛ブランド偽装が発覚、昨年から「ミートホープ」「白い恋人」「赤福」「船場吉兆」…と食品偽装が絶えない。「口に入るものにウソはつかない」という常識は今や昔、“性善説”は崩壊している。(菅原慎太郎)

中国ギョーザ? 謝罪にも“偽装”疑い濃厚の「魚秀」

「認識していました。申し訳ありません」

中国産ウナギの蒲焼きを「愛知県三河一色産」と偽装表示して販売していた水産物輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)。社長は、農水省の表示是正指示を受けた後の6月25日、記者会見で頭を下げて謝罪し、偽装表示の動機をこう説明した。

「(中国)ギョーザ事件などで中国産の売れ行きが不振となり、在庫をさばきたかった」

一見、もっともらしい動機ではある。が、これを聞いた農水省幹部は怒りを露わにした。

「ギョーザ事件なんて理由は、うちの調査では出ていない。在庫はその前からあったはずだ!」

実は農水省は調査を通じ、ギョーザ事件発覚の今年1月30日以前から魚秀が大量の在庫を抱え、社長や同社福岡営業所長ら幹部が、偽装販売を準備していたことを確認済みだった。社長自身も農水省にそう認めていたというのだ。

一見素直に謝罪したかのようだったが、あたかもギョーザ騒動での“風評被害”に理由を押しつけた社長。謝罪の中身すら“偽装”をほどこした魚秀の体質に農水省は激怒したのだ。

「事実を隠して、同情を買い、事なきを得ようとしたとしか思えない」

農水省関係者は怒りを隠さない。

口座記録が残らぬようカネを流していた

魚秀の偽装の異様さは、手の込んだその「手口」だった。

魚秀は中国産ウナギの蒲焼きを「愛知県三河一色産」と表示して、256トン分を水産大手「マルハニチロホールディングス」の子会社「神港魚類」(神戸市)に販売し、そのうち49トンを市場を流している。

その際、産地を偽装するだけではなく、製造者の欄には「(有)一色フーズ」という架空会社の名前を記載していた。しかも「愛知県岡崎市一色町字一色119-20」という架空の住所も表示していた。

農水省が初めに偽装情報を入手したのは今年5月23日ごろである。兵庫農政事務所の食品表示110番に「一色産の蒲焼きが安く売られている。一色フードという会社を調べたが、見あたらない」という情報提供があったのだ。これは、内部告発ではなかった。

農水省が一色フードを確認したところ、住所は架空の番地で存在しない。「岡崎市一色町」という地名はあるが、ウナギの産地「一色」として知られる愛知県一色町とは別で、そこから30キロ近く離れた山中にあった。表示された会社らしき建物もなかった。

「これはおかしい」

農水省幹部が疑いを深めた。調査の結果、本当の製造者は魚秀と分かった。

奇妙なカラクリはこれだけではない。魚秀は神港魚類から代金を受け取る際にも、自分たちが本当の製造者と分からないように巧妙な工作を行っていたのだ。

代金7億7000万円は神港魚類から商社2社の銀行口座を経由したうえ現金化され、商社社長らから魚秀の社長らに手渡しされていたのである。商社から魚秀へのカネの流れは口座記録には残らないように細工されていたわけだ。

しかも魚秀側は、商社に発行した領収書に「魚秀」の名は書かず、「一色フード」と記載していた。商社社長らには偽装を知らせず、代金から手数料計約4000万円を差し引かせる条件で、商取引の体裁を取り繕って協力させていた。

「高知の水産会社」「利益の分配」…農水調査では解明できず

こうした構図は農水省の調査で解明されたが、依然として多くのナゾが残されている。

例えば-。

出荷された偽装蒲焼きは高松市の倉庫で偽装ラベルを貼った箱に詰められたが、社長らは箱詰めを行う業者を探す際に、高知県の水産卸会社役員に相談するなどしている。

関係者によると、この役員は魚秀の非常勤役員も務め、「裏の仕事をする勢力にも顔が利く」とされる人物なのだという。魚秀による一連の偽装では、他にも大きな役割を果たしたとみられているが、農水省の調査で詳しい実態は分からなかった。

魚秀が得た不正利益についても同様だ。

中国産ウナギは元値が4億4000万円程度。これを「一色産」と偽装表示して売却したことで、魚秀には2商社への手数料を差し引いた7億3000万円が入っている。したがって3億円近くが魚秀の不正利益だった計算になる。

ただ、この中から、水産卸会社役員や箱詰め業者へ1億円が流れたとみられているが、それ以上の詳細は解明しきれなかった。

「我々はあくまで行政調査。ここからは警察に任せるしかない」

農水省幹部はそう話している。

中国茶に1000万円! 共犯者か、被害者か

関係先の家宅捜索に踏み切った兵庫県警と徳島県警は今後捜査を本格化させるとみられるが、こうした不審点の解明に加え、大きなポイントは他にもある。

魚秀からウナギを買って市場に流した神港魚類は偽装を知っていたのか、知らなかったのか。

魚秀と神港の両者の言い分は、大きく食い違う。

神港魚類が知っていれば「共犯」になり、知らなければ「被害者」だ。

魚秀の社長は、「1月に福岡営業所長と神港魚類の担当課長が話し合って偽装を計画した」と主張し、農水省や徳島県警の任意の事情聴取にも同様の説明をした。つまり神港側も「共犯」だというわけだ。

これに対して神港魚類は当初、「担当課長は5月下旬に業界の噂で何となく知り、会社としては6月12日に農水省の立ち入り検査を受けて初めて知った」との立場だった。その後、担当課長は以前から偽装を知っていたのではないかと推測させるような事実が次々と発覚しているが、真実はまだ分からない。

社長は5月27日、新港魚類の担当課長に対して中国茶の入れ物に1000万円を入れて渡している。この金の“趣旨”についても、両者の主張は大きく食い違っている。

担当課長は、これをお茶だと思い持ち帰り、あとから現金だと知った-と主張する。偽装を知ってしまったことに対する「口止め料だと思った」という。

これに対し社長の認識は、偽装販売に協力してくれたことに対する「謝礼」だ。

「1000万円の札束はズシリと重い。お茶と間違うだろうか」

農水省幹部は神港魚類の言い分に首をひねるが、社長の言い分も鵜呑みにすることもできない。

真実はどちらなのか、はっきりと分からないまま、農水省は調査を終えた。

事実解明という点では、中途半端と言わざるを得ない状態で農水調査は終わっている。それは、表示の是正を最大の目的にした日本農林規格(JAS)法に基づく調査の限界を示している。

限界を逆手にとられた「飛騨牛偽装」

農水省や自治体は、偽装表示の疑いがある業者に立ち入り検査をする権限はあるが、事情聴取はあくまで任意。逮捕権限はない。

偽装が判明すれば、消費者のために表示の是正を業者に指示し、業者の名前を公表する。

が、できるのはここまで。

業者が指示に従わなければ命令を出し、それでも従わなければ刑事告発する。告発を受ければ捜査当局が業者を摘発することになるが、業者がその前に指示に従えば原則として刑事罰は問えない。

さらに、偽装表示の中でも農水省が是正指示できるのは、「産地」や「内容量」など対象が限られてくる。すべての偽装を是正させることができるわけではないのだ。

それを逆手にとった形になった事件が、「飛騨牛」ブランド偽装だ。

岐阜県養老町の食肉卸販売「丸明」は、5段階の等級で3等級以上の黒毛和種の牛肉しか「飛騨牛」と認められないのに、2等級の肉を「飛騨牛」と表示して販売していた。

従業員らによる内部告発で発覚したが、社長は岐阜県や農水省の調査に、自分が指示していたことを認めた。だが、今のところ県などもこの偽装について是正指示という「行政指導」をしていない。

なぜならば、「飛騨牛」は「飛騨牛銘柄推進協議会」という業界団体の自主ルールで決まる等級に過ぎないため、JAS法上の「偽装」と見るのが困難だからだという。

「それを分かった上での行為ではないか」

農水省幹部は疑いの目を向けている。

“逆ギレ”飛騨牛最大手トップ

丸明は岐阜から全国に出荷される飛騨牛の約3割を手掛ける最大手。社長も剛腕経営で知られ、「飛騨牛の普及とともに事業を急成長させた」(食肉業者)と、実績や名声を誇っていた。

だが、偽装の判明により、丸明は直営レストランと販売店が次々と営業停止に追い込まれ、大口取引先との取引停止も決定した。

当初は「知らない」「従業員がやった」と偽装への関与を否定していた社長は6月26日、「大変な迷惑をおかけしました。すべての責任は私にある」と自らの指示を認めた。会社側は、古くなった牛肉の加工日の表示を最大で5日後に改竄したほか、消費期限が切れた牛肉を新しい肉に混入して出荷した偽装も認めた。

しかし、その一方で社長らは、牛肉や豚肉の産地を偽装したことについては「全く指示していない」などと否定。「(牛に添付される)個体識別番号に誤りがあった可能性はあり、調査している」と反論した。

会見場にいた従業員が「社長の指示で豚肉も偽装した」と発言すると、社長は「偽装はありません!」。挙げ句の果てに会見を打ち切り、従業員の問い掛けにも答えず立ち去ってしまった。

退任を表明している社長だが、疑惑を払拭し“けじめ”をつけたとは言い難かった。

逃げ得、捜査困難、ウソ続けるトップ…性善説は崩壊した

一度偽装が発覚すれば、小手先のウソでその場をしのごうと思っても、結局は会社や経営者が大きなダメージを受けるのは、過去の例から見ても明らかだ。

豚肉や鶏肉を混ぜた挽肉を牛肉と偽ったミートホープ事件、秋田県の業者が廃鶏を比内地鶏と偽った事件、船場吉兆の不正競争防止法違反事件…。最近では警察が摘発に乗り出すケースも目立つが、それでも偽装や経営者のウソは絶えない。

行政側が調査を始めた途端に逃亡する業者もおり、「逃げ得」もはびこる。昨年9月には、魚秀と取引したウナギ卸会社が産地偽装を行った疑いが浮上し、農水省が調査したが、業者はすぐに会社を清算して役員らは行方不明になった。

行政側は「最後は警察で摘発を」と期待するが、刑事事件化するには業者が利益目的で虚偽表示をしたことを示す膨大な証拠の収集が必要で、捜査機関といえども簡単に着手できないのが現実なのだ。

ウナギ偽装に限っても、昨年9月以降で発覚は12件目だが、刑事事件化は魚秀が2件目に過ぎない。

農水省は、適正な表示について業者や業界団体へのセミナーなどを行っているが、捜査関係者は冷ややかだ。

「初めから偽装をしようとする人に、そんなことをしても抑止効果は薄いのでは」

もはや“性善説”が限界に達していることを示唆している。

平成17年に発覚した一連の耐震偽装事件では、行政・立法側が“性善説”から“性悪説”へと大きく舵を切り、法改正などで各方面のハードルを上げた。

では、食品偽装に対する処方箋はどうするのか。

政府・与党は現在、消費者庁の設立によって行政権限の拡大などを検討しているが、抜本的な対策になるのかは不透明である。

7月 5, 2008 at 03:22 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.06.27

大学総長・強制猥褻で実刑

FNNニュースより「東京福祉大学前総長わいせつ事件 前総長に懲役2年10カ月の実刑判決 東京地裁

女性職員ら5人に対して、わいせつな行為をした罪に問われている東京福祉大学の前総長に対して、東京地方裁判所は、懲役2年10カ月の実刑判決を言い渡した。

東京福祉大学の前総長(61)は、2005年以降、自分が経営する学校の女性職員ら5人を相次いで総長室などに呼び出し、胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの罪に問われている。

27日の判決で、東京地裁は、「職場内での立場の違いにつけ込んだ性的な犯罪は、卑劣かつ悪質だ。教育者としてあるまじき犯行であり、執行猶予にすることは認められない」として、懲役2年10カ月の実刑を言い渡した。

判決を言い渡された中島被告は、うなだれた様子を見せていた。

いや~、実刑もなかなか厳しいと思いますが、その理由が「教育者としてあるまじき犯行であり、執行猶予にすることは認められない」というのは明快でよいですな。

実刑になっちゃいそうな、教師の起こした事件が最近数多く報道されていますが、刑事罰どころか職場での懲戒処分も異様に軽いのではないのか?と思っていましたから、「相場」に与える影響は少なくないかな?と思うところです。

教員が生徒に対してというのは、いわばスクールハラスメントとでも言うべきものでしょう。
その時点で、強く非難するべき事柄だと思いますね。
生徒が学校に在席するのは、中学高校では3年間です。こんな短期間に何かをしでかすというのは、結果の如何に関わらずそれだけで、教員という職に相応しいとは思えません。

6月 27, 2008 at 05:12 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.06.19

続・小学校の天窓から6年生が転落死

「小学校の天窓から6年生が転落死」は午後5時頃の速報段階で書きました、このため夜のニュースで明らかになった事実とはだいぶ違っています。

その後、サンケイ新聞には「ほかの天窓にも複数の足跡 杉並の小6男児転落死」が出ました。

東京都杉並区の杉並第十小学校で6年生(12)が屋上の天窓から転落死した事故で、ほかの天窓からも児童の古い足跡が見つかっていたことが19日、警視庁杉並署の調べで分かった。

「人が乗ることは想定していなかった」。学校側はこう釈明するが、過去にも児童が天窓に乗って遊ぶなどしていた可能性が高く、杉並署では学校側の安全管理に問題がなかったか業務上過失致死容疑で捜査している。

■平成2年以降17人死亡

転落した男子児童は1時間目の算数で歩幅を測る授業終了後の18日午前9時25分ごろ、教室に戻る途中で屋上の天窓に乗ったところ、ドーム形のプラスチック(直径130センチ、厚さ4ミリ)が割れ、さらに金網入りガラス(厚さ7ミリ)を突き破り、12メートル下の1階に転落。頭を強く打っており、搬送先の病院で約4時間後に死亡した。

学校やマンション、公共施設などで起きた天窓からの転落事故は、平成2年以降少なくとも25件発生。世田谷区大蔵の区立総合体育館で平成17年7月、私立高2年の男子生徒(16)が屋上で遊んでいるうちに天窓を突き破って転落して死亡するなど、成人も含めて計17人が死亡している。

太陽光を効率よく採り入れる天窓は電気代を節約できる上、デザイン性にも優れているため、昭和50年代ごろから学校で設置されるようになり、マンションやホテルにも広まった。成人は屋根の補修作業など仕事中の事故が多い一方、児童・生徒らは無断侵入して遊んだり、飛び乗ったりして転落するケースが目立つ。

■人乗ること想定せず

杉並第十小では、昭和61年の校舎建設で天窓を設置し、建築基準法に基づいて3年ごとに検査。直近の平成18年10月の検査では、ひび割れや傷がないかなどを目視で確認し、異常は見つかっていなかった。

天窓を設置したプラスチック製造業者によると、こうした天窓は積雪や火災に耐えられる設計となっているが、人が乗ることは想定しておらず、天窓にも注意書きがしてあるという。

担当者は「静かに立つぐらいは大丈夫だろうが、飛んだり跳ねたりして一点に大きな力が加わると壊れることもある。過去にも転落事故が起きており、立ち入りできないように柵をつけるなど何らかの対策を講じるべきだ」と話す。

一方、国土交通省は「この学校の屋上は人の出入りを前提にしておらず、天窓自体に問題があったとは考えにくい。逆に屋上に立ち入る際は十分な注意が必要だった」としている。

■安全管理に問題か

杉並署では屋上のほかの天窓でも複数の児童の古い足跡が見つかったため、学校の安全管理に問題がなかったか詳しく調べている。

同校の校長らによると、屋上は通常、カギがかけられているが、授業などで利用することがあった。教諭が付き添えば校長や副校長の許可は不要で、今回引率していた女性教諭(49)も校長に事前に報告していなかった。

女性教諭は「天窓に乗らないよう注意はしていなかった」と説明。屋上を走っていた別の児童を注意している間に男子児童が転落したという。転落した男子児童が天窓の上で飛び跳ねていたという同級生の目撃情報もある。

過去のケースでは、神奈川県横須賀市の小学校で13年9月、6年生の女児が校舎屋上の天窓から転落し重体になり、現場にいた女性教諭と校長が業務上過失傷害容疑で書類送検された。

杉並区の教育長は「安全安心でなくてはならない学校でこのような事故を起こし、申し訳ない。事故原因を徹底的に調査したい」としている。

【全国の主な天窓転落事故】

発生年月転落場所転落者けが
08年12月名古屋市守山区のマンション屋上小5男児死亡
10年07月沖縄県北中城村の島袋児童館1階小2男児死亡
10年10月長野県浪合村の浪合小中校1階小5女児重傷
11年05月横浜市港北区の慶応高体育館屋上高2男子2人死亡・重傷
13年07月茨城県那珂町の菅谷小プール更衣室中3男女2人軽傷
13年11月神奈川県横須賀市の大楠小屋上小6女児重体
17年07月世田谷区総合運動場体育館屋上高2男子死亡

※市町村名や名称は当時

この事件の学校と教育委員会の記者会見を見ても何を考えているのか、よく分からないのです。

「小学校の天窓から6年生が転落死」でも指摘していますが、事実関係はそれほど複雑ではありません。

  1. 通常は屋上に出るドアにカギを掛けていた。
  2. 屋上で授業をした。

授業が出来るところに、なぜカギを掛けて普通は入れないようにしていたのか?というほとんど超根本的な疑問になってしまいます。
普通の人は疑問に思うことはありません。「屋上で危険だからだろう」と誰もが判断します。
だから普通は

  1. 屋上は人が日常的に使用するのには適した場所ではなく、転落も含めて危険がある場所である
  2. したがって、通常は屋上に出るドアにカギを掛けていた。
  3. にもかかわらず、屋上で授業をした。

となってしまいます。
今回の転落事故に至った、最大の理由は屋上に立ち入ったからで、これが今まで全く前例がないというのならとにかく、授業で使っていたことは教育委員会の記者会見も認めていました。
しかも今回のニュースのように「他の天窓にも古い足跡があった」というのですから、少なくとも屋上に立ち入ったことが異例なことでないのは確実でしょう。

こうなると「カギを掛けていたのに、立ち入って事故になった」なのですが、鍵を開けて立ち入っているのであって、鍵を開けたのはカギを掛けた学校です。

どう考えても「なぜカギを掛け、なぜ鍵を開けたのか?」が問題になります。 鍵を開けず、立ち入らなければ事故は起きなかった。

学校では、だれもこれを異常なことだと考えなかったのでしょうか?
カギを掛けて屋上を立入禁止にした意味が分かっていない学校関係者、というのはアリでしょうか?
亡くなった男子児童は正にこれからが期待の少年であったことは確かなのですが、彼の生活していた世界がこれほどまでワケの分からない判断基準で動いていたとは、誰も思いつかないでしょう。

子供自身が注意する、危険なところだと先生が注意する、複数の大人が見張る、色々な方法で最悪の自体だけは避けることは可能でしょう。

しかし、わたしには一方で「危険だから立入禁止」の場所で「特に問題にせずに授業する」という判断の根本に非常に重大な問題があると思っています。

6月 19, 2008 at 11:41 午後 事件と裁判, 教育問題各種 | | コメント (18) | トラックバック (0)

2008.06.18

小学校の天窓から6年生が転落死

朝日新聞より「明かり窓割れ小6転落死 校舎屋上で授業中 東京・杉並

18日午前9時25分ごろ、東京都杉並区和田の区立杉並第十小学校から、「児童が屋上から転落した」と119番通報があった。6年生の男児(12)が屋上の明かり取り用窓から1階に転落。救急車で病院に運ばれたが、頭などを強く打っており、約4時間後に死亡が確認された。警視庁が原因を調べている。

杉並署によると、男児のクラスの児童は、算数の授業の一貫として屋上で歩幅を測るなどしていた。屋上の床面にある明かり取り用ガラス窓の上に男児が乗った際、ガラスが割れ、約12メートル下の1階床に落ちたという。窓の下は吹き抜けになっていた。

明かり取り用窓は、屋上の中央付近に3つ並んで設置され、囲いなどはなかったという。

ニュースのタイトルだけ見たときには、いたずらで転落したのかと思ったら「授業中に」とのことなので、他のニュース記事も集めてみました。

フジニュースネットワークより「東京・杉並区の小学校で6年生の男子児童が3階建て校舎の屋上から1階に転落」(ニュース動画)

東京・杉並区の小学校で6年生の男子児童が屋上から転落した。児童は、頭などを強く打っていて、18日午後2時現在、集中治療室で治療を受けている。

1

8日午前9時20分ごろ、杉並区和田の区立第十小学校で、女性教師の指導のもと、算数の授業で3階建ての校舎の屋上に上っていた6年生の男子児童(12)が、1階の床に転落した。

児童は病院に運ばれたが、頭などを強く打っていて、18日午後2時5分現在、集中治療室で治療を受けている。 児童は、教室に戻ろうと、ドーム状のガラスの屋根の上を通ったところ、突然ガラスが割れ、吹き抜けになっている1階の集会場の床まで転落したという。

警視庁は、事故のくわしい経緯を調べている。

日テレニュース24より「屋外授業中に天窓割れ転落 小6男児死亡

東京・杉並区で18日午前、小学校の屋上で6年の児童らが算数の屋外授業を受けていたところ、突然、天窓が割れ、男子児童(12)が1階に転落して死亡した。

通常、屋上には鍵がかけてあったということで、警視庁が事故の原因を調べている。

赤字にしたところがポイントかと思いますが、

  • 屋上への出口は通常鍵掛かっている
  • 明かり取りの窓には柵など無い

この条件で、歩測の実験を屋上で行い、自動が転落死したと言うのは、単純に「通常は立入禁止になっているところで授業を行い、危険を予測できなかった」とは言えないでしょう。

屋上に出る扉にカギを掛けていることが、危険を通知しているのは明らかと言えるでしょう。
こんな事になるというのは、鍵を開けるところが、大問題だろうと思います。

6月 18, 2008 at 05:12 午後 事件と裁判, 教育問題各種 | | コメント (6) | トラックバック (2)

2008.06.09

秋葉原大量刺殺事件・事前にネットに予告?

サンケイ新聞より「【秋葉原通り魔事件】「秋葉原で殺す」 当日早朝、携帯サイトに書き込み

秋葉原の無差別殺傷事件当日の早朝から正午すぎにかけ、インターネットの携帯電話サイトの掲示板に犯行を予告するような書き込みがあることが9日、分かった。

書き込んだ人間は不明だが、内容は実際の事件とほぼ符合。警視庁万世橋署捜査本部は、殺人未遂の現行犯で逮捕した派遣社員が犯行を予告した可能性もあるとみて、関連を調べている。

書き込みは、8日午前5時21分の「秋葉原で人を殺します」との内容でスタート。「途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな」などと続き、6時31分には「時間だ 出かけよう」。

「神奈川入って休憩」(9時48分)、「秋葉原ついた」「今日は歩行者天国だよね?」(11時45分)などと書き込みは頻繁に続き、午後0時10分には「時間です」と記されている。

Up

どうもこの書き込みのようです。

最近では、放火予告などで逮捕者が出ていますが、この書き込みが実際に犯人が投稿した大量殺人の予告であった場合、ネット管理者などに何らかの対策を義務づけるといった展開になるでしょう。

しかし、中国ですら無理なのがネット情報の管理ですから、費用対効果の点からおそらくは効果がないでしょう。

今後どうなっていくのでしょうか?

6月 9, 2008 at 09:51 午前 事件と裁判 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2008.06.08

脱北女性が朝鮮総連を提訴

読売新聞より「脱北女性、朝鮮総連を提訴へ…帰還事業で虚偽の説明

帰還事業で北朝鮮に渡り、強制収容所に入れられるなど肉体的・精神的苦痛を受けたのは事業を支援した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に責任があるとして、日本に脱出した女性が近く朝鮮総連を相手取って慰謝料など約1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことがわかった。

このほか数人の脱北者も同様の訴えを起こす方向で検討している。国内には脱北者約170人が暮らすが、日本に住む脱北者が帰還事業を巡って訴訟を起こすのは初めて。

帰還事業を巡っては、2001年6月に、韓国に住む男性が朝鮮総連を相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたが、脱北から約40年がすぎていたため「賠償請求権が消滅している」として請求を棄却(確定)されている。朝鮮総連は「帰還事業の主体は日本政府とその委託を受けた日本赤十字社」などと反論していた。

今回提訴するのは05年に脱北した大阪府内に住む40歳代の女性(現韓国籍)。

訴状などによると、女性は63年、在日朝鮮人の両親らと帰還事業で北朝鮮に渡ったが、衣食住にも困る生活を送った末、家族が強制収容所に入れられ、女性も00年に脱北を試みて失敗、収容所で拷問を受けた。

女性側は「朝鮮総連は北朝鮮の惨状について説明すべき義務があったのに、『地上の楽園』などと虚偽の説明をして送り出し、人生をめちゃくちゃにした」と主張している。

民法では、不法行為による損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から3年間行使しないと時効によって消滅すると定めているが、原告側は「訴えることが不可能な北朝鮮から帰国して3年以内の提訴なので、時効にはあたらない」としている。

朝鮮総連は、法人格を持たない「権利能力なき社団」だが、訴訟の当事者となることはできる。

私が北朝鮮問題について具体的に知ったのは「凍土の共和国」を買ったときでした。
1984年に刊行されているで、購入したのもこの頃だろうと思います。

その後は入ってくる情報もどんどんと悪化してきます。
金日成主席が亡くなった頃には、平壌放送をよくラジオで聞いていました。

新聞記事にある「帰還事業」とは別名を「北送事業」と呼び、1959年から始まりました。
これに大きく影響したとされているのが「38度線の北」寺尾五郎著・新日本出版社刊だとされています。

提訴した女性は、63年に渡航したとのことですから、45年前のことですね。
「地上の楽園」とは「38度線の北」に出てきた言葉のようですが、寺尾五郎氏についてはウィキペディアに解説がありました。

これらの資料によると、1950~60年代初めの日本の北朝鮮への対応には日本共産党が大きく関わっていたようですが、日本共産党自身が1960年代後半には自主独立路線を確立し、その過程で左派を除名していきます。

こうした経過を経て、現在に至るわけで50年に渡る問題であると言えます。

6月 8, 2008 at 12:43 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.27

ふじみ野市のプール事故・刑事裁判判決

毎日新聞より「埼玉・ふじみ野のプール事故死:有罪判決 娘ちゃん両親、今も納得できない

◇思い出アルバムに

「なぜ娘は吸水口にのみ込まれたのか」--。埼玉県ふじみ野市の市営プールで06年7月に起きた女児(当時7歳)の死亡事故で、さいたま地裁は27日、業務上過失致死罪に問われた市職員2人に有罪判決を言い渡した。事故の真相を知るため傍聴を続けてきた両親の思いに、裁判所は厳しい判決で応えた。

伝田喜久裁判長が主文を読み上げると、元市教委体育課長(61)と元同課係長(47)は背筋を伸ばし、裁判長を見据えた。女児の母(40)はハンカチを目に当て、涙をぬぐった。隣の父(47)は時折目をつぶり、じっと判決に聴き入った。判決後、両親は「事故がどれだけ大切な命を奪ったのかを、裁判官が受け止めてくれた」とコメントを出した。

両親ら家族は、取材に応じていないが、母親は、娘のお墓参りを欠かさない。数日前、代理人の弁護士に「今でも娘の命が奪われたことが納得できない。娘も納得できるような判決であってほしい」と話したという。

判決を前に、両親は娘の成長の記録をつづったアルバムを作った。写真一枚一枚に思い出の言葉を添え、周りをきれいなシールで飾った。生まれた時の写真には「誕生。お兄ちゃんたちも大よろこび」、小学校の入学式の写真には「ちょっぴりキンチョー気味?いよいよ小学生だね」。

アルバムの最後の写真には、「『ありがとう』娘からもらうお手紙には必ず書いてあったステキな言葉。たくさんの先生やお友達、そして家族の愛情をもらって天使のような子だったよ。ありがとう」と記した。

一方、元市教委体育課長は事故後、自殺を考えるほど追い込まれたという。

元同課係長は、全国からの抗議電話を受けるうち突発性難聴で入院したことがあった。

公判の被告人質問で元市教委体育課長らは「引き継ぎがなかった」「危険性の認識がなかった」と繰り返し、うなだれた。公判には市職員有志が集めた減軽を求める約7000人の署名が提出された。

日本体育施設協会によると、1965~2007年にプールの吸排水口に吸い込まれた事故は少なくとも60件あり、55人が死亡した。ふじみ野プール事故後、事故発生の報告はないという。

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■解説

◇所有者も意識変革を

執行猶予付きとはいえ、禁固刑を命じた判決は、地方公務員法の規定から現職の市職員である元同課係長が失職することも意味する。裁判所は極めて厳しい姿勢を示したと言える。国は事故後、プールの管理責任が所有者にあることを明確にした。判決はこれを追認し、所有者に意識の変革を求めた。

ふじみ野市では、吸水口の柵を「ネジ・ボルト等で固定」するとした文部科学省の通知や県の要綱が、担当者間できちんと引き継がれていなかった。元市教委体育課長は公判で「通知、要綱の内容を事故後に知った。安全管理は業者の責任だと思っていた。認識が甘かった」と述べた。

関係省庁による全国調査によると、文科省と国土交通省が把握するプール約4万2000カ所のうち、1552カ所で吸排水口の不適合が見つかった。その後、すべて改善されたというが、事故後2回目の調査であることを考えると、不安はぬぐえない。

ふじみ野市は事故後、業務委託業者との契約内容の確認▽履行状況の監視--などを担当するポストを新設したが、市職員からは「業者の過失責任まで負わされてはたまらない」との声が漏れる。

規則や組織を変えても、所有者や管理者の意識が変わらなければ、事故は再び起きかねない。関係者は、ずさんな管理をすれば、楽しいはずのプールが一瞬のうちに命を奪う場所に変わることを心に刻むべきだ。【飼手勇介、加藤隆寛】

毎日新聞 2008年5月27日 東京夕刊

市職員が「業者の過失責任まで負わされてはたまらない」と今でも言っているのであれば、呆れ返るとしか言いようがありません。

管理を委託された側に責任があるなんて話がどこにあるものか?

もっとも、事故を起こしたプールは早々に取り壊しになってしまいましたし、全体として臭い物に蓋をするという感じもあります。
元をたどると相当怪しい施設であったとの疑いもありました。
吸水口と排水溝が逆だったのではないのか?という話すらあります。

また、委託先の業者が毎年変わっていたこともあり、それでどうやって責任を取れるほどの立場になれるものか?

市営プールの運営は手に余った、というのならまだ話は分かるというものです。

刑事裁判は事故原因の追及ではなくて、誰に責任があるかだけを認定するものなので、事故そのものが解明されないこともかなり多いのが実情です。
事故調査専門の機関を作るべきだと思います。

公共機関の施設には保険は掛かっているのでしょうか?公用車には自動車保険は掛かってないのではないかな?
確かに保険は支払能力が十分であれば、掛ける必要がないのですが保険を掛ければ安全性が保険料として反映しますから、安全性のチェックの意味でも保険を掛けるというのはよいかもしれません。

5月 27, 2008 at 11:07 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.17

L&G(円天)広告塔役を提訴

毎日新聞より「L&G出資法違反:被害者、「円天」の広告塔と提訴 細川たかしさんら4人を

独自の電子マネー「円天」を売りに巨額の資金を集めた東京都新宿区の「エル・アンド・ジー」(L&G、破産手続き中)の「広告塔」として出資を促したと主張し、東京都と神奈川県の被害者7人が16日、演歌歌手の細川たかしさんら4人に計約4500万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。
警視庁などが出資法違反容疑で家宅捜索したのを受けて昨年10月に結成された被害対策弁護団による初の提訴。

訴えでは、細川さんは96年から8回、L&Gの全国大会に出席し、波和二(かずつぎ)会長との親密さをアピールして事業を信用させたと主張。
研究開発した商品をL&Gに提供するなどした大学の名誉教授と准教授らに対しても賠償を求めた。

L&Gの広告宣伝には細川さんら芸能人30人がかかわったとされる。細川さんの所属事務所は「訴状が届き次第、弁護士に対応を任せたい」とのコメントを出した。【北村和巳】

2008年4月16日に参議院議員会館で、L&G(円天)、近未来通信、ワールドオーシャンファーム(エビ養殖)といったところの被害者と弁護団が集まった集会に参加してきました。

この中で、L&Gでのタレントの活動の報告もありましたが、NHKニュースの報道が説明とほぼ同じです。

「円天」と呼ばれる架空の電子マネーを売り物に巨額の資金を違法に集めたとされる、東京の健康商品販売会社「エル・アンド・ジー」の元会員らが、出資を募る催しに出演していた歌手の細川たかしさんらを相手取り、およそ4500万円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

出資法違反の疑いで警視庁の捜索を受け、およそ5万人から1000億円を集めていたとされる「エル・アンド・ジー」をめぐっては、出資を募る催しに多くの歌手やタレントが出演していたほか、大学教授らが講演して商品を宣伝していました。

これについて、東京と神奈川に住む元会員7人が、会社を信用させ出資を促したなどとして、歌手の細川たかしさんや大学教授ら4人を相手取り、およそ4500万円の損害賠償を求める訴えを16日、東京地方裁判所に起こしました。

訴えの中で元会員らは、このうち細川さんについて10年以上前から「エル・アンド・ジー」の催しに数多く出演し、高額の出演料を受け取っていたとしています。

エル・アンド・ジー被害対策弁護団の団長を務める千葉肇弁護士は「事実関係の問い合わせにもまったく応じないなど誠意ある対応がみられなかったため訴えに踏み切った」と話しています。
細川たかしさんが所属する事務所は「訴状が届きしだい、弁護士に任せたい」と話しています。

複数のタレントが出演しているのですが、多くは一度だけの出演のようで「単なる営業」という主張も理解できます。

要するに有名タレントによるショーが開催されたのですが、ショーを見ることは無料であったのだそうです。
その一方で、出演料は破格の高額であったとも伝わっています。

そのような状況で、8回の出演なので責任を追及するとなったのでしょう。

実際に被害者集会に参加してみると、ビックリすることばかりです。
特に驚くのが、被害額のものすごさです。サンケイ新聞より「細川たかしさんらを提訴 L&G被害者ら-広告塔で被害拡大させた

健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(波和二会長)の出資法違反事件で、出資者7人が16日、被害拡大に関与したとして、エル社関連のコンサートや講演会に出演した歌手の細川たかしさんや大学教授ら4人に、計約4500万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
「L&G被害対策弁護団」による第1次提訴。

訴えたのは、東京都や神奈川県の会社員や主婦ら男女7人。訴えによると、細川さんは平成8年ごろから、エル社関連の無料コンサートなどで「L&Gのおかげでたくさんお金が入っていいですね」などと発言し、広告塔として活動。
大学教授らもエル社の全国大会や講演会に出席し、出資を勧めるなどした。

被害対策弁護団は「著名な歌手や大学教授らの宣伝が被害拡大につながった。被告らがエル社の違法性を認識していたことは明らかで、出演料などで詐欺の分け前を受け取っており、共同不法行為に当たる」と主張している。

原告らは平成16~19年、「1口100万円で3カ月ごとに9%の利息が受けられる」などの勧誘を受けて協力金として計8400万円をエル社に支払った。

警視庁は昨年10月、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で東京都新宿区の本社などを家宅捜索。東京地裁はエル社と波会長の破産手続きの開始を決定している。

細川さんの所属事務所は「訴状が届いていないので、届き次第、弁護士に任せたい」としている。

今回の原告は7名ですが、その支払総額が計8400万円ということでしょう。
なぜこのような怪しげな話にこれほどの大金を投じる人がいるのか、わたしには理解しがたいところですが、最初に挙げた、近未来通信やワールドオーシャンファームでも同じように何千万円も投じた方がいます。

はっきり言えば、詐欺商法ということなのでしょうが先に挙げた3つの商法を考えてみると、近未来通信=通信サーバ、L&G=電子マネー、ワールドオーシャンファーム=海洋養殖、といずれも「あまり知られていないが、話題にはなっている」「名前は知っているが、実態は理解されていない」といったものを「商材」にしています。

「何となく、目新しい」が詐欺商法の共通点かもしれません。

5月 17, 2008 at 01:43 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.13

弁護士懲戒・大阪弁護士会

読売新聞関西版より「弁護人の「懲戒相当」議決…被告に不利な上申書提出

汚職事件で起訴された元神戸市議・村岡功被告(70)(上告中)から捜査段階で選任された2人の弁護人が、村岡被告の有罪を立証する上申書を神戸地検に提出したとして、大阪弁護士会綱紀委員会から「懲戒相当」の議決を受けていたことがわかった。

2人のうち1人は当時、汚職事件で神戸地検から取り調べを受ける可能性があったとされ、綱紀委は「自らの取り調べを回避するため、依頼者に不利な上申書を提出した行為は弁護人制度の根幹に触れる非行」と指摘した。今後、同弁護士会懲戒委員会が処分するかどうか審査する。

大阪市中央区で事務所を共同経営する59歳の弁護士と元検事の51歳の弁護士。
議決は4月8日付。村岡被告が懲戒を請求していた。

村岡被告は2003年春ごろ、地元業者から依頼を受け、大手産廃会社の神戸進出を妨害した謝礼に、2000万円を地元業者から受け取ったなどとして、1、2審で懲役2年6月の実刑判決を受けた。
2人の弁護士は、以前、公選法違反事件で摘発された村岡被告の秘書らの弁護人を務めており、2000万円は公選法違反事件で支払われた弁護士報酬で、贈賄業者が村岡被告の要求を受け、肩代わりしていたとされる。

議決書によると、59歳の弁護士は、村岡被告逮捕後の06年6月20日ごろ、神戸地検の担当検事から、2000万円を受け取った経緯について上申書を出さなければ取り調べるとの連絡を受け、上申書を提出。
51歳の弁護士は上申書の作成・提出を知りながら、反対していなかった。

上申書には、59歳の弁護士が2000万円を受領した経緯や、村岡被告がわいろ性を認識していたことを示す多数の事実が記載されていたという。
しかし、59歳の弁護士は綱紀委の調査に対し、「村岡被告から同意を得たうえで上申書を提出した」と主張していた。

これに対し、綱紀委は「上申書の内容は、弁護士が職務上知り得た秘密に当たり、(上申書を見せて内容に同意を得たわけではなく)秘密漏示罪に問われかねない違法性の強い行為。弁護人としては上申書の提出を拒絶するか、取り調べの嫌疑がぬれぎぬならば、検事に積極的に説明すべきだった」と指摘した。

51歳の弁護士についても綱紀委は「59歳の弁護士に比べて非行は軽いが、非難は免れ難い」とした。また、この弁護士は捜査を担当した神戸地検幹部と懇意で、「(59歳の弁護士の)免責と引き換えに、依頼者の有罪の証拠を検察に提出する一種の取引を行った疑問をぬぐえない」とまで言及した。

神戸地検は2人について立件はしていない。

議決について、59歳の弁護士は本紙の取材申し込みに回答がなく、51歳の弁護士は「議決内容は不当で、懲戒委員会の場で争う」などとしている。

なんか「藪の中」といった感じがしますが、大騒動になるかもしれないとも感じます。

それにしても「上申書を出さないと、取り調べる」といった検察の行動もちょっとヘンじゃないでしょうかね?

5月 13, 2008 at 10:32 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.02

通販でのクレジットカード利用についての判決

毎日新聞より「ネット決済:「確認不備」カード会社敗訴 長崎地裁支部

インターネット上の決済で、長男が父親のクレジットカードを無断使用したことを巡り、父親に支払い責任があるかが争われた訴訟で、長崎地裁佐世保支部は「父親の過失は問えない」として、原告の大手カード会社側の請求を棄却した。
決済では本人確認として父親の名前とカード番号、有効期限を入力させていたが、竹村昭彦裁判官は「カード会社が不正使用を防ぐ方法を構築していたとは言えない」とネット決済上の安全管理システムの不備を指摘した。

暗証番号がいらない本人確認の手法はネット決済では広く一般的に使われているため、ネット決済の運用に影響を与えそうだ。判決は4月24日。

判決などによると、長崎県佐世保市の会社員男性(58)の長男は19歳だった05年1~2月、携帯電話でネット上の有料アダルトサイトを複数回閲覧し、閲覧料約285万円を父親のカードで決済した。
父親は利用した覚えがない高額の請求書が届いたため、カード会社・ユーシーカード(現クレディセゾン=本社・東京都)に問い合わせたところ、携帯電話番号から長男の利用が判明した。長男は父親が就寝中、財布からカードを取り出し番号などを控えていた。

カード会社は父親の管理に落ち度があったとして支払いを求めたが、被告の父親は「暗証番号の入力が不要な決済方法が(ネット上に)あることを事前に知らされていなかった」などとして、支払いを拒否していた。

竹村裁判官はネット決済について「決済時に暗証番号などの本人確認を入力する必要がなかったことから、会員になりすまして利用することが容易に可能だった」と指摘。決済時の安全管理について「可能な限り会員以外の不正使用を排除する方法を構築しておらず、不十分と言わざるを得ない」と会社側の責任に言及した。
【近松仁太郎】

このニュースはMatimulogさんの記事「jugement:NET決済無断使用でカード会社が敗訴」で知りました。

町村先生は記事の最後に次のようにコメントしています。

安全と利便の衝突する典型的問題であり、過去にも電話料金・電話付加サービス料金、キャッシュカードなどで繰り返されてきた問題である。

関連記事:ネット決済:厳格確認普及せず 「利便性損なう」抵抗も
これまた従来の不正利用対策強化に常に決済業者が示してきた反応と同じだが、難問であることは間違いない。

町村先生の記事を読んだときには、あまり考えなかったのですが毎日新聞の記事を読んでことの重大性に気づきました。

  1. 携帯電話でネット上の有料アダルトサイトを閲覧
  2. 閲覧料約285万円を父親のカードで決済
  3. カードを取り出し番号などを控えて
  4. カード番号と有効期限を入力したのでインターネットで買い物が出来た
  5. カードの名義人は、暗証番号が不要だからと支払いを拒否
  6. 裁判官は「決済時に暗証番号が無いのは不十分」と会社側の責任に言及した。

これは、インターネット(通販)での買い物一般の手法の否定ですね。

確かに、285万円の買い物が出来ることは大問題だとは思うけれども、だからと言って現在世界的に通用している手法そのものの問題として良いものか?
町村先生が指摘する「難問」ですね。

こんな請求が通ってしまう、クレジットカード会社は問題だと思うのだが、その理由を手法に求めるのは社会全体を考慮すると、違うと思う。
現実的には難しいのかもしれないが、クレジットカード会社が請求先ごとに一つのカード/月の上限を設定するぐらいのことは出来ても良いように思う。

今朝、ワイドショーで買い物詐欺のリポートがありました。

  1. SNS で「仕事あります」と女性名義で、女性を勧誘。
  2. 仕事の相手として男が現れ、店に一緒に行って、携帯電話+電子オモチャなど90万円を購入させる。
  3. 女性は危険を感じて、直ちに携帯電話を解約するが、90万円の負債は確定。
  4. 警察も事件に出来ない(詐欺の共犯になる)
  5. 男の連絡用の携帯電話は使えない。
  6. 取材で携帯電話の名義人を突き止めたら、その人も携帯電話の名義人詐欺の被害者。

現在、クレジットカード会社は「利用パターンが違う」といった警報を出していますが、犯罪に利用されているのですから、もっと精密に機能させて犯罪を抑止するべきだし、そういう機能が働けば結果的に今回の裁判のようなことにはならないでしょう。

5月 2, 2008 at 11:23 午前 事件と裁判 | | コメント (12) | トラックバック (0)

2008.05.01

裁判所長襲撃事件・検察が上告断念

朝日新聞より「地裁所長襲撃、成人2人無罪確定へ 大阪高検が上告断念

大阪市住吉区で04年、当時の大阪地裁所長(65)が現金を奪われて重傷を負った事件で強盗致傷の罪に問われ、一、二審で無罪とされた会社員の二人の被告(33)と(30)について、大阪高検は上告を断念する方針を固めた。

上告は原則として下級審の判断に憲法違反や判例違反がある場合に限られ、「上告理由が見当たらない」と判断したとみられる。上告期限の1日いっぱいで、2人の無罪が確定する見通しだ。

事件ではほかに少年3人が逮捕・補導された。当時14歳の少年(19)と、同16歳の元少年(21)については少年審判で「無罪」や「再審無罪」にあたる判断が示されたが、検察側が争う姿勢を崩していないため、司法手続きがなお続いている。

今回2人の無罪が確定することが少年らの審理に影響を与えるのは確実とみられ、「全員無罪」とされる見通しが強まった。

大阪高裁が4月17日に言い渡した判決は、実行犯の1人で被害者に体当たりしたとされた当時13歳の少年(18)について犯行時間帯にアリバイが成立すると明確に認定。
さらに、2人の指示で、当時13歳の少年とともに犯行に及んだ――とする同14歳の少年と同16歳の元少年の捜査段階の自白についても、一定の信用性を認めたうえで、同13歳の少年のアリバイと矛盾することなどから「証明力は相当に減殺される」と指摘。2人を無罪とする判断を導いた。

上告理由は刑事訴訟法で憲法違反と判例違反に限られる。
ただし「重大な事実誤認」や「量刑が甚だしく不当」などの事情があれば、最高裁は職権で下級審判決を破棄できる。このため、「経験則や論理則に反する認定をした」として上告する例もある。

今回の高裁判決について検察側はこうした検討も行った結果、(1)アリバイ成立の認定はメールの送受信記録や知人少女の証言など複数の証拠に支えられている(2)一審判決とは逆に、少年らの「自白」の信用性を一定程度認めており、取調官の示唆や誘導は認定していない――などの点を踏まえて「重大な事実誤認があるとまではいえない」との結論に至ったとみられる。

当時14歳の少年と同16歳の元少年は昨年12月と今年2月、大阪家裁でそれぞれ刑事裁判の「無罪」と「再審無罪」にあたる決定を受けたが、いずれも大阪高裁が検察側の抗告を受理。
同14歳の少年については「審理が不十分」との理由で「無罪」の決定を取り消し、再び家裁へ審理を差し戻したため、少年側が最高裁へ再抗告している。

児童相談所に通告された当時13歳の少年も昨年4月、「虚偽の自白を強要された」として、国や大阪府に賠償を求めて提訴している。

「地裁所長襲撃事件、3度目の家裁」の別の法的結論ですね。
今回の上告断念は「地裁所長襲撃事件・成人の高裁判決は無罪」に対するものです。
成人の被告の無罪決定に対して、少年の被告はまだ争いが