2011.09.21

小金井ゴミ戦争に発展するのか?

読売新聞より「市長の発言が危機招く…小金井のごみ行き場なし

自前のごみ焼却場を持たず、周辺自治体に可燃ごみの処理を頼っている東京都小金井市が、今年度分をまかなう量の引受先がいまだ決まらず、危機的な状況に陥っている。

背景には、今年春に初当選した佐藤和雄市長が、

「ムダ使い」「ごみ処理4年間で20億円」などと選挙戦で主張
し、周辺自治体に委託費を払い始めた2007年度以降の可燃ごみ処理費増を批判したことなどに端を発した周辺市との摩擦がある。

佐藤市長はおわびに奔走しているが、最悪の場合は「収集ストップ」もあり得るとして、市は10月上旬、緊急のタウンミーティングを開いて市民に現状を報告する。

◆収集できない事態も

「現状は厳しい状態にある」。
15日に開かれた小金井市議会ごみ処理施設建設等調査特別委員会で、佐藤市長は苦渋の表情を浮かべた。

同市の可燃ごみ処理は、市内の二枚橋焼却場が老朽化により廃止されたため、2007年4月以降は周辺自治体と1年ごとに契約を結び、焼却してもらう綱渡り状態が続いている。
10年度は市内で排出される可燃ごみ1万3387トンのうち、多摩川衛生組合(稲城、狛江、府中、国立市)に7481トン、昭島市に1953トン、八王子市に1506トン、日野市に2447トンを頼んだ。

今年度に排出が見込まれる約1万3500トンのうち、8000トンは多摩川衛生組合に受け入れてもらえたが、5500トン分のごみの行方が決まらぬまま。

8月までの搬入実績は5367トンで、10月末~11月上旬には8000トンの枠を使い切ってしまう見通しだ。
市内には一時保管場所がなく、

「ごみの処理先がないと、収集できない事態になる」
と三上順本・ごみ処理施設担当部長は15日の委員会で説明した。

◆周辺市との摩擦

小金井市が当座の受け入れ先として期待していたのが、07年からの4年間で計約6180トンを引き受けてくれた昭島市。だが、周辺自治体への委託費を含む可燃ごみ処理費増を「ムダ使い」とした佐藤市長が就任したことで、昭島市の中でごみ受け入れを疑問視する声が高まった。同市の幹部は「人道的支援ということでずっと支えてきたのに」と語る。

同市の焼却場は、東日本大震災に伴う計画停電や節電の影響で稼働時間が制限されてきたため、

「自分の市のごみ処理だけでも精いっぱいという状況」
(市幹部)。同市議会関係者も
「市民感情を考えると、今はとても小金井の話を議会に相談できる状況にない」
と話す。

そもそも、周辺自治体には小金井市のごみを受け入れることに抵抗感がある。広域支援は、同市が処理場を建設するまでの緊急支援という位置づけだった。

しかし同市が国分寺市と共同で17年に稼働させるとしている新焼却場の建設の見通しが立たず、

「事実上、恒常的な支援につながる恐れがある」
(ある自治体幹部)との懸念があるためだ。
「小金井は周りに迷惑をまき散らしていることが分かっていない」
と恨み節すら聞こえるようになった。

◆収拾に懸命

周辺市の不信を背景に、小金井市議会でも「ムダ使い」表現への非難が相次いだ。

佐藤市長は6月の本会議で、

「広域支援をいただいている自治体関係者に不愉快な、あるいは不愉快以上の思いをさせたということは、非常に私の思いの至らなかった点です」
などと答弁。表現を謝罪・撤回し、「反省」として自らの7月の給料を20%減額する措置をとった。
周辺の市などへも「おわび行脚」を重ねているが、風当たりは強いままだ。

市側は現況を市民に知ってもらう必要があるとして、来月2日と8日に緊急のタウンミーティングを設定し、市報などで参加を呼びかけている。
ただ、市議会からの指摘で開催日はさらに追加される見通しだ。

(2011年9月21日12時56分 読売新聞)

昔「杉並ゴミ戦争」というのがありましたが、よく似た構造ですね。

同市が国分寺市と共同で17年に稼働させるとしている新焼却場の建設の見通しが立たず、

という状況で、選挙戦で「ムダ使い」「ごみ処理4年間で20億円」と言ったのだから、周辺自治体から「お断り」になって当然だし、それは計算済みの「公約」だったはずでしょう。

今さら、「お詫び」って二重の意味で、裏切ってますね。
投票した市民と、周辺自治体の双方にデタラメを言っている。

小金井市の「新ごみ処理施設の建設場所を「二枚橋焼却場用地」に決定しました【2010年4月15日 更新】」によると、決定したという場所はGoogleマップで見るとここですね。
東八道路と西武多摩湖線、野川、野川公園に囲まれた長細い土地です。

しかし、この発表は2010年ですから、今回の市長が当選する以前の決定です。
それで、あわてて【緊急開催】市長とのタウンミーティングのアナウンスをしていますが、内容は

【緊急開催】市長とのタウンミーティング テーマ=小金井市のごみ問題

【 2011年9月12日 更新】

 市長とのタウンミーティングを開催します。

 平成23年度の可燃ごみ処理については、多摩地域の各団体に広域支援をお願いしていますが、今年度の発生見込量の全量を確保するには至っていません。

 市長就任以降のごみ問題に係る経過および現在の厳しい状況を報告のうえ、市民の皆さんのご意見・ご要望などを市長が直接お聞きします。

 皆さんのご参加をお待ちしています。

○今回のテーマ
  小金井市のごみ問題

○とき・ところ
  (1)10月2日(日)午後6時~9時
      会場:小金井第一小学校 体育館

  (2)10月8日(土)午後6時~9時
       会場:小金井第三小学校 体育館

○市の出席者
  市長、関係部長等

○その他
  ・事前の申込みは不要です。直接会場にお越しください。
  ・会場は土足禁止のため、靴を入れる袋をご持参ください。
  ・手話通訳・保育があります。
  ・駐車場はありません。お車での来場はご遠慮ください。

○問い合わせ先
   広報秘書課広聴係(電話042-387-9818)
   ごみ処理施設担当(電話042-387-9854)

情報発信元

[部課名]
広報秘書課広聴係

だけしかありません。
まあ、この期に及んでタウンミーティングで何をしようというのでしょうか?
その意味では内容なんてどうでも良いと思いますが、早い話がこの市長は「ゴミは捨てられませんから、市から出て行って下さい」としか言いようがないんじゃないでしょうか?

元朝日新聞記者だそうですが、結局評論家のままで市長になってしまったということかもしれません。
自治体の首長は、下手な企業よりも大きな組織の経営者です。だから、例えば中小企業を経営したことがない人には難しい仕事でしょう。
個人での仕事である作家出身の首長というと、石原東京都知事がいますが、たびたびハラハラするような発言をしているのは良くご承知の通りです。

それにしても、避けて通ることが出来るはずがない、ゴミ処理場などについてネガティブな公約をする候補者を当選させてはいけないでしょう。影響が大きすぎます。

9月 21, 2011 at 02:15 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.12

留置場で睡眠導入剤を与えていた

読売新聞より「留置場で容疑者に睡眠導入剤「秩序維持のため」

岐阜県警は12日、岐阜中署の留置場で、十数人の看守担当の署員が医師の処方に基づかず、勾留中の容疑者に睡眠導入剤を飲ませていたと発表した。

県警監察課は、薬事法違反や暴行の疑いがあるとみて、関与した警察官から事情を聞いている。

発表によると、同署の20~30歳代の十数人の看守担当が今年1月下旬から3月下旬と、5月に、勾留中の容疑者計7人に対し、睡眠導入剤を溶かしたお茶を飲ませた。

7人は医師から睡眠薬を処方されていたというが、看守担当は「さらに薬がほしい」と頼まれた時や、消灯後に騒いだ時に施設の秩序維持のために与えていたという。

同署は、処方された薬が余った際に廃棄せず、一時保管して、それを提供していたとみている。

同署では5月31日、勾留中の容疑者の一人が自分で保管していた薬を飲んで病院に搬送される自殺未遂事案があり、県警が、同署の薬の管理態勢を調べる中で発覚した。

相川哲也警務部長は

「留置業務の基本を逸脱した行為で遺憾だ。厳正に処分する」
とコメントした。

(2011年7月12日16時22分 読売新聞)

これは、極めて危険ですよ。

そもそも、そんな事が出来るほど長期間、留置場に入れておくのも問題で、やはり警察官では無理と言うことではないのか?

薬が余る、とかが内部の通貨になっていくわけです。
そして、そういうわずかなルール違反で、こんどは警察官がルール破りを勾留されている者に強制される。
これが典型的な、勾留施設の不正事件であり、その末には武器の持ち込みといったことにもなるのですね。
世界中で起こっていることで、すごく危ない。

7月 12, 2011 at 08:11 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.28

ニューズウィークの記事が語ること

Newsweek日本版より「震災でわかった日米の競争力格差

日本製部品はさほど重要ではなくなったという見方と同様、経済競争でアメリカが日本に勝利したという見方も嘘だった

2011年03月25日(金)16時44分

クライド・V・プレストウィッツ(米経済戦略研究所所長)

津波と原発事故が複合した日本の震災の深刻さが明らかになる中、90年代にアメリカが日本に経済的に勝利したという考えもまた、実際には神話に過ぎなかったことが明らかになりつつある。

ボルボは今週、日本製のナビゲーションとエアコンの在庫が10日分しか残っておらず、工場が操業停止になる可能性があることを明らかにした。
ゼネラル・モーターズ(GM)は先週、シボレーコロラドやGMCキャニオンを組み立てているルイジアナ州シェリーブポートの従業員数923人の工場を、日本製の部品が不足しているために閉鎖すると発表した。

アーカンソー州マリオンでは、ピックアップトラックのタンドラなどトヨタ車の後部車軸を作っている日野自動車の製造工場が、日本から輸入されるギアなどの部品が急激に減っていることで操業停止の危機に瀕している。

他の産業でも事情は同じだ。半導体を製造する設備の大半が日本だけで作られているか、または主として日本で作られている。

半導体の回路を焼き付けるステッパーは、3分の2がニコンかキャノン製だ。

携帯端末やラップトップパソコンに使われる樹脂「BTレジン」の約90%、
世界のコンピューターチップに使われるシリコンウェハーの60%は、日本から輸入されている。

日本の混乱が長引けば、アップルやヒューレット・パッカード(HP)は深刻な問題に直面しかねない。

今まで誰も気にしたことがないような製品、例えば小型マイクやメッキ素材、高性能機械、電子ディスプレイ、それにゴルフクラブやボーイングの新型旅客機ドリームライナーの羽に使われる炭素繊維など、すべて日本だけで作られているか、または主に日本で作られている。

アメリカが被災しても世界は困らない

最近の報道では、世界のサプライチェーン(部品調達網)の複雑さや、各企業が生産ラインを止めないためにどれだけ競い合っているかが盛んに紹介されている。しかしこの点に関する日本とアメリカの違いについては、誰も論じていない。

考えてみれば分かることだ。北米以外にある世界中の自動車工場で、アメリカ製の部品が不足して操業停止の危機に直面するところなどいくつあるというのか?
もしシリコンバレーで地震が起きたとして、アップルはどれだけの危機に瀕するだろうか?

もしそうした事態になったらアップルは被害を受けるかもしれない。特にスティーブ・ジョブズがけがをしてしまったら、事態は深刻だ。
しかしアメリカが被災しても、今回の日本の震災が世界の部品調達網に与えている影響には遠く及ばない。

理由は簡単だ。インテルのチップなどいくつかの例外を除けば(ボーイングでさえ国内ではドリームライナーの30%しか製造していない)、アメリカはもう世界市場に向けてそれ程多くの製品を出荷していないからだ。

アメリカが表向きはサービスとハイテク経済の国だということはわかっている。

だが実際は、アメリカの1500億ドルのサービス黒字は、6500億ドルの貿易赤字と比べれば極めて小さい。

それどころか、ハイテク貿易の収支も実は1000億ドル以上の赤字だ。
真実を言うと、世界の市場で競争力があるアメリカ製品などほとんどないのである。

これで思い出されるのは、70年代後半から90年代前半の日米貿易摩擦だ。

当時の日本経済は今の中国並みの高成長を遂げていた。
日本の製造業は、アメリカの繊維、家電製品、工作機械、鉄鋼などの産業を事実上絶滅させ、アメリカの自動車メーカーから大きな市場シェアを奪い、半導体市場で50%以上のシェアを奪ったときにはシリコンバレーさえ屈服させた。

見せ掛けの繁栄に浮かていただけ

エズラ・ボーゲルのベストセラー『ジャパン・アズ・ナンバーワン』に刺激され、GDP(国内総生産)で日本にアメリカが抜かれてしまうかもしれないという脅威論も生まれた。

だが、本当の競争は当時アメリカ政府が日本に市場開放を迫った農業や大規模小売業の競争ではなく、国際市場向けの製品やサービスの競争だったのだ。

結局1985年のプラザ合意で日本は劇的な円切り上げを容認することになり、円は最終的に対ドルで100%も上昇した。

この円高と、91~92年にかけての不動産と株式市場のバブル崩壊は、日本の成長の足かせとなり90年代の「失われた10年」を生み出した。

その一方、アメリカは90年代に入りインフレなき高成長を謳歌した。
日本の停滞とアメリカの繁栄を比較すると、いかにもアメリカは日本を打ち負かしたように見えた。
アメリカ人は口々に、なんで日本に抜かれる心配などしたんだろうと言い合った。

だがアメリカでもITバブルとサブプライム・バブルが崩壊してみると、90年代のアメリカの高成長もまた見かけ倒しだったことがはっきりした。

今、国際的な部品調達網に日本が与える影響の大きさをアメリカのそれと比較すれば、グローバル競争の本当の勝者はアメリカではなく、日本だったことは明らかだ。

Reprinted with permission from The Clyde Prestowitz blog, 25/03/2011. (c) 2011 by The Washington Post Company.

なんとも自虐的な記事だと思うのだが、驚いたことに3月10日付けで以下の記事を出している。「iPhoneが「アメリカ製」だったら

iPhoneの作られ方を検証したら、人件費の安い中国に負けたのではない意外なカラクリが浮き彫りに

2011年03月10日(木)17時48分

クライド・V・プレストウィッツ(米経済戦略研究所所長)

ジョン・マケイン上院議員は先日、ABCテレビのインタビューに応じ、iPhoneとiPadは「メイド・イン・アメリカ」の素晴らしさを象徴する製品だと語った。

事実誤認もいいところだ。ハイテク機器産業の一大拠点であるアリゾナ州選出のマケインが、こんな勘違いをするなんて容認できない。
上院議員たちの知識レベルに国民が不安を感じるのも無理はない。

では、アップルが誇るiPhoneやiPadは、実際にはどの国で作られているのだろう?
大半の人が中国と答えるだろうが、実はそれも間違いだ。ここには、興味深い真実が隠れている。

アメリカの製造業の崩壊を憂う立場の人々は以前から、国内の製造業と雇用が中国に流出している典型例として、iPhoneを名指しで批判してきた。

彼らに言わせれば、iPhoneの海外生産委託によってアメリカの貿易赤字は年間20億ドル上積みされ、20~40万人の国内雇用が失われているという。

巨額の対中貿易赤字は数字のトリック

一方、自由貿易の信奉者たちはまったく逆のことを言う。iPhoneの小売価格、約500ドルのうち、中国での製造・組み立てにかかるコストは180ドル足らず。
それ以外の320ドルはデザイン、ソフトウエア開発、マーケティング、輸送、販売がらみのコストで、すべてアメリカ国内で行われている。

つまり、中国の2倍近い価値がアメリカで生み出されている計算になる、という。

さらに、中国の製造コストが低いおかげで、アメリカの消費者はiPhoneを安く購入できる。
その結果、消費者はより多くの電話を購入し、より多くの国内雇用が生まれる──。

そうだとしても、アメリカには依然としてアメリカには巨額の対中赤字が残り雇用も犠牲になるが、その赤字は、米企業が強い競争力をもつ航空機などの輸出を倍増させることで解消できると自由貿易主義者は言う。

ところが、アジア開発銀行研究所(ADBI)が最近行った調査からは、まったく別のシナリオが浮かび上がる。

iPhoneのサプライチェーン(原材料の調達網)を詳細に調べたところ、中国が関与しているのはほんの一部に過ぎないことがわかったのだ。

中国はアジア各国から集まってきたiPhoneの部品を最終的な製品に組み立て、アメリカに送るだけ。

貿易統計上、アメリカの税関は中国から届いたiPhoneの価値すべてを中国からの輸入とみなす。
iPhoneの貿易でアメリカが中国に20億ドルの赤字になるように見えるのはそのためだ。

だがADBIによれば、中国での組み立てによる付加価値は完成品の3%、つまり約6ドル相当にすぎない。
しかも中国はいくつかの高価な部品をアメリカから輸入しており、iPhone貿易で赤字なのはむしろ中国のほうだという。

つまり、iPhone生産の大部分を担うのは、中国をはじめとする労働コストの低い国ではない。
充電器やカメラレンズ、水晶振動子は台湾製で、スクリーンは日本製、映像処理半導体は韓国製。
それ以外の半導体の多くも台湾の台湾積体電路製造社で作られている。

中国の組み立てラインには、最終的に9カ国以上の国で生産された部品が集まる。そのため、対中国だけでみれば実際にアメリカが黒字になる可能性はかなり高い。

得意分野のハイテク部品も日本に丸投げ

対中貿易では黒字なのにiPhone貿易全体では赤字なのは、アメリカの貿易赤字の相手が中国ではなく、アジア全体であることを示している。
iPhoneにまつわるアメリカの対中貿易赤字は、実は「対アジア赤字」なのだ。

そう考えると、さらに興味深い論点が浮上する。日本や韓国、台湾などのアジア諸国の労働コストは決して安くない、ということだ。
日本と韓国は、富裕国が集まるOECD(経済協力開発機構)の加盟国でもある。

しかも、これらの国々が供給するiPhoneのハイテク部品(半導体チップや液晶ディスプレー、レンズなど)は労働集約型ではなく、高度に技術集約的な製品だ。アメリカが先導しているはずの分野の製品なのだ。

こうしたハイテク部品が本当にアメリカの得意分野なら、これらを国内で生産すれば対アジアの貿易赤字は解消されるだろう。
iPhone貿易はアメリカに黒字をもたらし、2~4万人の雇用も創出してくれるはずだ。なのにアメリカはなぜ、それをしないのか。

Reprinted with permission from The Clyde Prestowitz blog, 10/03/2011. (c) 2011 by The Washington Post Company.

一言で言えば、「Newsweekが警告していた通りになったのだよ」という記事なのだが、それ以前に自由貿易信奉者がアメリカ国内での付加価値を大きくするために、安い中国で作らせているのだ、と主張していることを紹介している。

ところが、困るかどうか?という問題になると、アメリカに手の打ちようがない現状が見えてきた、ということなのでしょう。 確かに、カーボンファイバーの供給は、東レ一社といっても良いわけで、そういうキーパーツが供給されないと、他をどうしようが、経済原理すら働かなくなってしまう。
これでは、動産の不動産化とでも言わざるを得ないわけで、不自由貿易を甘受するしかない。

やはり、自由貿易論自体が無理であったということになるのだろうか?

3月 28, 2011 at 11:19 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.09.29

阿久根市・議員が議場を封鎖

朝日新聞より「阿久根議会、副市長選任取り消し可決 市長派が議場封鎖

市長と議会の対立が続く鹿児島県阿久根市で29日、市議会定例会が7カ月ぶりに招集された。

開会直後、竹原信一市長が専決処分で副市長に選任した元愛媛県警巡査部長、仙波敏郎氏(61)の副市長選任取り消しと、議場からの退席を求める決議を反市長派議員が提案。

市長派が反論して審議が止まり紛糾したが、採決の結果、賛成11、反対4で可決した。

反発した市長派が議長不信任案の緊急動議提出を宣言。

休憩後に議場を「封鎖」する事態に発展した。

市議会には竹原市長も出席。

開会直後の午前10時すぎ、反市長派議員が仙波氏の副市長選任について

「明らかな違法状態で行われたもので、総務大臣や知事が違法との見解を示すなど法的無効性が言われている」
として選任取り消しと退席を求めた。

だが、提案者への質疑で、市長派議員が

「片山(善博)総務相は鹿児島市で今年あった講演で地方自治法の解釈は『百人百通り』という趣旨の発言をした」
などと反論。

議長の見解をただすなどしたため、決議案への質疑応答に戻そうとする議長が午前10時20分ごろ、休憩を宣言。

再開後、決議案は午前11時40分ごろ可決したが、議事運営をめぐり市長派が議長不信任を求める緊急動議を出すと宣言し、再び休憩に入った。

午後、議長不信任案を協議する全員協議会が別室で開かれたが、その途中で市長派3人が無人の本会議場に入り、

「議会は開かせない」
と内側から鍵をかけてしまった。

片山総務相は21日の記者会見で

「議会を招集しない状態で行った専決処分は根っこから違法だ」
と発言。
反市長派は総務相発言を「追い風」ととらえ、今回決議案を提出した。

仙波氏は警察の裏金問題を実名で告発した人物。

副市長選任は議会の同意が必要とされるが、竹原市長は議会を開かないまま7月に専決で副市長に据えた。

市長が昨年懲戒免職にした職員を復職させる一方、県知事から2度も是正勧告を受けた市長の政治姿勢を擁護するなどし、「市政の混乱を助長した」とする批判も高まっている。

日本の出来事とは、思えませんが・・・・・。

しかし、議員が議会を開かせない、と主張すること自体が、きわめてまずいでしょう。

歴史上は、議員が議会を閉鎖して、独裁者に権能をゆだねた事例がいくつかありますが、議会の自殺そのものです。

この3人の議員は、辞表を出すべきです。

9月 29, 2010 at 06:36 午後 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.07.30

阿久根市・教育委員長も選挙管理委員長も日当1万円に専決

読売新聞より「13件目、阿久根市長が教育委員ら日当制に

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は30日、教育委員や選挙管理委員らの報酬と副市長の給料(いずれも月給制)を日当制にする改正条例を専決処分した。

4月以降、市議会を開かないままの専決処分は計13件に上る。

報酬を日当制にしたのは、教育委員長と委員3人、議員選出の監査委員、選挙管理委員長と委員4人。
現行では月額3万4700円~5万6300円だったが、専決処分で一律に日額1万円とした。施行は8月1日。

副市長の給料は、昨年7月の市議会で40%削減が可決された市長給料と同率を削減する。
現行の63万4000円から38万400円となり、竹原市長の任期の2013年5月まで適用する。

日当制になったある委員は「違法な専決処分による報酬は返納したい」と話した。
(2010年7月30日20時32分 読売新聞)

月額3万4700円~5万6300円を日当1万円にすると、かえって高く付くことにならないか?

教育委員長なんて常勤じゃないの?

とりあえず、市長が交代して議会が開かれたら、これらの専決処分はほとんどが否決されるだろう。
いったいどうなってしまうのか?

7月 30, 2010 at 08:55 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.07.04

大阪府が金融特区案

毎日新聞より「大阪府:「貸金特区」設置提案へ 上限金利引き上げを検討

大阪府は3日、改正貸金業法の完全施行で導入された、個人の借入総額を年収の3分の1までに制限する「総量規制」と、年15~20%の上限金利規制を一部緩和する構造改革特区の設置構想を政府に提案する方向で最終調整に入った。

規制の強化で中小事業者などが違法な「ヤミ金融業者」に流れるのを防ぐことが狙いだが、実施されれば全国の貸金業界に影響が出ることは必至だ。

政府との交渉は難航が予想されるが、提案で同法のあり方に一石を投じる意味もあるとみられる。

構想によると、中小事業者向けの1年以内の融資は上限金利を改正前の年29.2%に戻すほか、個人に返済能力があれば総量規制を超えた無担保融資ができるよう緩和。

府内に本店を置く貸金業者が府内の店舗で融資する際に適用することを想定しており、借り手は府民でなくてもいい。

改正法による金利引き下げで、貸金業者はリスクの高い中小事業者向け融資を縮小。

廃業する業者も多い。府は、担保の少ない中小事業者に「金利が高くても無担保で即日融資を受けたい」との声が強い点を重視。
また、返済能力のある利用者への融資まで一律に制限する総量規制は硬直的だと判断し、多重債務者の救済体制を充実したうえで規制緩和を実施したい考えだ。

近畿財務局が3~4月に実施した調査によると、近畿2府4県の貸金業63業者の利用者のうち、総量規制に抵触する人は49.4%と全国平均の42.0%より多い。

また、府が個人債務者500人に実施した調査では、7人に1人が「ヤミ金融利用は仕方ない」と回答したため、府はヤミ金融に利用者が流れる可能性があることを懸念していた。

政府は、9月末をめどに特区設置の可否を判断する。しかし、6月18日に完全施行されたばかりの改正貸金業法の一部緩和は、消費者団体などからの反発も予想され、すんなり認められる可能性は低い。
ただ、府の動きで改めて規制強化の是非論が浮上する可能性はある。
【中井正裕、宇都宮裕一】

毎日新聞 2010年7月4日 2時30分

いくら何でも「貸金特区」は無理がありすぎでしょうが、総量規制が現実的ではないのも明らかで、早晩こういった議論になるだろうとは思っていましたが、ビックリするほど早いですね。

参議院選挙の最中だからこういう話を大阪府は打ち上げたのでしょうか?

問題なのは、この種の話は全国レベルで一斉にやらないとダメなわけで、地域特区では明らかに実現性がないです。
その一方で、総量規制の是非は議論するべきです。

昨日(2010年7月3日)車で放送大学を聞いていたら、金融政策論をやっていました。
この中で、戦後の高度成長期を支えた、金融政策は国が全部を主導してその実施を銀行に任せるという形であった。
この時代には、先進国アメリカをキャッチアップすれば経済は成長したから、製造業が進歩するための情報も国が収集し提供することが出来た。
しかし、製造業の競争市場が最先端になると、国が関与できなくなった。
必然的に、国が関与するよりも、金融の自由化も含めて、企業活動を市場原理に任せることになって、その後、現実にはバブルと不景気を繰り返すようになった。

この授業を最後までは聞いていなかったのですが、講師はこの問題について、高度成長期に銀行の支店の設置にまで、行政がチェックすることで、供給側を強くコントロールして、全体の経済秩序を維持していた。

国は銀行を通じて、資金供給を事前にチェックしたから企業の暴走も抑えることが出来た。
金融自由化によって、企業の資金調達のルートが直接金融(株式公開など)に変わったのだから、事前チェックが出来なくなった。当然、結果チェックに切り替えるべきであった。

要するに、決算を含めて情報開示の義務化、重罰化するべきだ。と言うのです。
しかし、現実は情報開示と責任追及の体制は全くできず、その結果が北海道拓殖銀行や山一証券といった予想しがたい倒産事件になり、今度は大きすぎてそのまま潰せないから、結果的に救済する。つまりは、罰であるところの市場からの追放すら出来ない、という意見であったようです。

今回の、大阪府の「総量規制骨抜き特区」案は、結局は金融市場の透明性の管理が出来ないまま、「とりあえずず金融業者を抑え込む」という「総量規制」に対して、同じく「どうでも良いから金を供給しろ」という市場無視、つまりはヤミ金公認とどこが違うのだ?という種類のものです。

先に紹介した放送大学の授業では、金融の自由化に伴う、市場のチェック機能の不十分さ問題は、日本に限ることではない、とのことでした。
実際アメリカのノーベル賞を取った金融工学という名のトンでもないマネーゲームは世界の経済を不安定にしています。

これでは、国に対する信頼が無くなるのも当然というべきでしょう。
問題は、国に対する信頼=未来に対する信頼を、金融がぶち壊しつつあることで、早晩国という存在そのものが壊れるでしょう。
それに対して各国政府が何の手も打てないことが問題ですが、このような国イコール行政に対する信頼の崩壊は、軍事クーデーターなどになっていくしかないのですよね。
今後の数十年間は、各国政府の崩壊、貿易の途絶といったことになっていくのかもしれません。

7月 4, 2010 at 10:12 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.04

夜の北朝鮮

わたしのPCの壁紙は、World Clocks Wallpaper にしています。

まあ、単純に日照を示す世界時計になっているだけなのですが、日本から中国・ロシアあたりの午前0時頃のを表示を切り取ったのが、以下の画像です。

Up

日本の東京から太平洋岸に向けて二紙に明るいのが分かります。
しかし、韓国の上側つまり北朝鮮は、真っ暗です。

中国も広大とは言え、全体に明るいのに対して、まるで砂漠や原始林地帯のように人の気配を感じさせません。

もちろんこの写真がリアルタイムの情報ではない、ことも含めて正確なものなのかはなんとも言いようがありませんが、他の衛星写真の情報も同じような事になっています。

日本の目と鼻の先にある北朝鮮が、こんな国であり、韓国・中国・台湾などとも全く様子が違う、のだということは覚えておくべきですね。

5月 4, 2010 at 12:32 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.19

アイスランド火山噴火があっちこっちに影響

アイスランドの火山噴火の影響のニュースを集めました。
個人的には、MoTo GP 日本の中止が「あ~そうか」という印象です。

NHKニュース 成田 欧州便運行見通したたず

北欧・アイスランドの火山の噴火でヨーロッパの空港の閉鎖が続き、成田空港はヨーロッパ便の欠航が始まってから19日で5日目となります。
運航が再開される見通しは依然たっていません。

成田空港では、18日はヨーロッパを結ぶ便あわせて43便が欠航し、帰国できない外国人旅行者などおよそ100人が空港で一夜を過ごしました。

ヨーロッパ各地と成田空港を結ぶ便は、19日もほとんどの便がすでに欠航を決めています。

欠航はイギリス、オランダ、フランス、ドイツを中心に、17日からはロシアやイタリアを結ぶ便にも拡大し、運航が再開される見通しは依然たっていません。

空港ビルでは18日夜、外国人旅行者などに空港会社から寝袋や水が配られました。

19日朝5時前にロビーの照明がつくと、パソコンのインターネットで航空会社の運航情報を確認する人もいました。
また、誰もいない航空会社のカウンターの前に10人余りが列を作って、担当者を待つ姿も見られました。

フランス人の33歳の男性は

「ここはよく眠れない。あと1週間ここにいることになったら生きていけないと思う」
と話していました。

航空各社では19日と20日の便について、欠航するかどうか決まりしだい、随時、インターネットなどで知らせていくということです。

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CNN.co.jp オバマ米大統領ら、ポーランド国葬の参列中止 火山噴火の影響で

ワルシャワ(CNN)
ポーランド政府専用機の墜落事故で死亡したポーランドのカチンスキ大統領の国葬が18日に営まれるが、アイスランドの火山噴火の影響で欧州諸国の空港閉鎖が相次ぐ中、参加を表明していた一部主要国首脳の出席が難しくなっている。

米ホワイトハウスは17日、オバマ大統領の葬儀参列を取りやめると発表。
駐ポーランド大使が代行出席するもよう。

オバマ氏は声明で、ポーランドのコモロウスキ大統領代行に電話で出席を取りやめると伝えたことを明らかにした。

さらに

「ポーランド国民が今回の悲劇から立ち直れるよう、あらゆる面で協力する。カチンスキ大統領は愛国者で、米国の親友で同志だった。事故で亡くなったほかの人々もそうだった。米国民が亡くなった人々のことを忘れることは決してないだろう」
などと述べたという。

火山灰の影響で航空網が混乱している影響で国葬参列を中止する要人が続出しているが、国葬は予定通り実施される予定とポーランドのシコルスキー外相は述べている。

現時点で出席取りやめを表明した首脳は、サルコジ仏大統領、ドイツのメルケル首相、カナダのハーパー首相、韓国の鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相、スペインのサパテロ首相など。

なお、英国のブラウン首相は選挙活動中のため当初から欠席の予定だった。

ロシアのメドベージェフ大統領は現在もモスクワにおり、国葬に出席するためポーランドに向けて出発するか否かは明らかにされていない。

エストニアのアンシプ首相は車でポーランドへ向かう予定に変更した。
また、カチンスキ大統領と親しかったとされるラトビアのザトレルス大統領も、13時間かけて車でポーランドへ向かう予定だという。

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サンケイ新聞 アイスランド噴火、日本企業にも影響広がる

アイスランドの火山噴火で欧州の空港閉鎖が相次ぐ中、日本企業の経済活動にも懸念が広がっている。

近畿日本ツーリストは、23日までに日本を出発するロンドンやパリなどの欧州向けツアーの中止を決め、約500人に影響が出た。
欧州ツアーは1人当たり20万~30万円と単価が高く、担当者は「ようやく欧州向けが回復してきたところなのに…。これ以上、尾を引かないでほしい」と嘆く。

日本航空と全日本空輸は15~18日の4日間で計50便を運航停止。

19日も計12便を欠航させる。「欧州路線の搭乗率は平均7割前後と回復基調にあっただけに収益への影響は大きい」(全日空)という。

現地生産を進めるメーカーは「航空貨物を利用するのは一部」(日立製作所)と冷静だが、船便への転換で海上輸送が混雑する恐れを指摘する声もある。

ロンドン出張中の社員が足止めを食った富士通など、日欧を行き来するビジネスマンへの影響も大きい。

国際会議にも余波が出ている。スペインのアジア欧州会議(ASEM)財務相会合は野田佳彦財務副大臣が欠席。

23日には米国で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、その直前に先進7カ国(G7)の非公式会合もあるが、混乱が長引けば、日程や議事に影響が及ぶ懸念もある。

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読売新聞 アイスランドの噴煙、日本の観測衛星が撮影

アイスランドの火山噴火に伴う噴煙が欧州各地に広がっていく様子を、日本の温室効果ガス観測衛星「いぶき」が撮影した。

日本時間15日午後10時半ごろに撮影されたものは、噴火した火山から出た噴煙が英国の北方沖を通過し、北欧のスカンディナビア半島に到達した状況をとらえている。

いぶきは国立環境研究所や宇宙航空研究開発機構などが昨年打ち上げた。二酸化炭素などの濃度を観測しているが、いぶきに搭載されたセンサーが噴煙に吸収された紫外線の一種をとらえ、結果的に噴煙の様子を記録できた。
(2010年4月19日03時04分 読売新聞)

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東京新聞 欧州火山灰、影響長引く 8割超が欠航、EUが緊急会議へ

【ロンドン共同】
アイスランドの火山噴火による火山灰の影響で、欧州の空の便の混乱は18日も続き、欧州の航空交通管制の調整機関「ユーロコントロール」(本部ブリュッセル)によると、同日運航予定だった約2万5千便の84%が欠航の見通しとなった。

「第2次大戦後最悪」(欧州メディア)の空の混乱を受け、欧州連合(EU)各国の運輸相は19日、緊急テレビ会議を開催し、対応を協議する。

英国は18日、空港閉鎖を19日午前7時(日本時間同日午後3時)まで延長した。

ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)など英航空各社は英国を発着する19日の便の全面欠航を決定、欧州の空の混乱は19日も続き、長引く見通しとなった。

英仏など各国は運航再開に向け、試験飛行を行った。 火山灰は数日は空中にとどまるとみられる。

空港閉鎖の影響で、政府専用機墜落事故で死去したカチンスキ・ポーランド大統領夫妻の18日の国葬への参列を見送る要人が続出した。

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東京新聞 アイスランド噴火 バイク日本GP中止

アイスランドの火山噴火の影響で、今月二十三~二十五日に栃木県のツインリンクもてぎで行われる予定だった、オートバイのロードレース世界選手権(WGP)第二戦日本GPが中止になったことが十八日、関係者に通達された。

欧州の主要空港閉鎖で、WGP関係者が来日できないための措置。代替開催などの詳細は十九日に正式発表されるが、秋へのスライド開催が濃厚という。

WGPの興行権を持つ「ドルナスポーツ」が決定し、「国際レーシングチーム協会(IRTA)」(ともにスペインに本部)が関係者に伝えた。

天候不順によるセッションの順延や、財政難による開催中止は過去にあったが、天災による直前の中止は六十一年にわたるWGPの歴史でも極めて珍しい。

スペインのバルセロナなどの空港も閉鎖となり、日本GPの翌週に予定されている第三戦スペインGPの開催も微妙になっている。欧州の関係者には、日本GPは十月三日(決勝)に開催すると通達されたという。

日本GPは一九八七年から鈴鹿サーキット(三重県)か、もてぎで二十三年連続して開催(二〇〇〇~〇三年のパシフィックGPを含めれば二十七回)されてきた、日本の二輪レースの最高峰イベント。過去には、ともに故人となった加藤大治郎さんや阿部典史さんが大活躍して、レースファン以外でも大きな話題になったことがある。

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4月 19, 2010 at 09:27 午前 国際経済など | | コメント (3) | トラックバック (0)

2010.03.19

マグロ問題の種明かし

サンケイ新聞より「「欧州の敗因は偽善」とBBC記者 クロマグロ取引禁止案否決

【ロンドン=木村正人】
カタールで開かれているワシントン条約締約国会議で、大西洋・地中海産クロマグロの国際取引禁止案が否決され、米国や欧州連合(EU)は失望感を隠さず、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)で漁獲制限の強化を図る方針を表明した。

一方、否決の結果について、日本の交渉筋は

「漁獲物の輸出に頼る途上国の間に、取引禁止案は自国や域内に巨大市場を抱える先進国の身勝手だ、という不公平感が広がり、予想以上の大差がついた」
と分析した。

英BBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者は、ブログで

「EUがクロマグロ問題で敗北を喫したのは偽善が根底にあったからだ」
と辛辣(しんらつ)だ。

地中海でクロマグロを乱獲した張本人はEUの沿岸漁業国。ICCATの科学委員会が提案した漁獲モラトリアム(一時中止)をロビー活動で退けたのは、ほかならぬEU加盟国で、日本は協議で

「これは絶滅危惧(きぐ)種を守るワシントン条約ではなく、EU自身の問題だ」
と反撃した。

しかも条件付きでの禁輸を求めたEU案は、EU域内の取引継続を前提にしているとされ、同記者も

「EUにとり都合の良い話で、正当性を訴える一貫性を欠いていた」
と指摘する。

近年、リビアやチュニジアなど北アフリカの地中海沿岸国もクロマグロの漁獲に参入。

最大消費国の日本がこうした国と組めば、国際取引禁止後も留保権を使い輸入を継続できる。

このため、フランス、イタリアなどの水産業界は「北アフリカ諸国に水産利権を奪われる」と猛反発していた。

18日の協議で、モナコとEUの提案に賛成意見を表明したのは、米国とノルウェー、ケニアの3カ国。

反対意見の表明は日本、韓国、カナダなど13カ国とアラブ連盟だった。

大差での否決に、EUの欧州委員会は18日の声明で

「失望した。EUはクロマグロの資源回復に強力な措置が必要だとの立場を維持する」
とし、ICCATで漁獲制限を徹底させる方針を示した。

ただ、北アフリカ諸国にもクロマグロの利権をあさる欧州資本が大量に流入しており、欧州資本による違法、過剰漁業の取り締まりも課題になる。

一方、米国交渉団のストリックランド代表は

「18日の投票は後退だが、米国は持続可能な形で漁獲が管理されるよう戦い続ける」
と強調した。

蓋を開けたら、石油などと同じく資源の利権確保の問題であった、ということですか・・・・・。

たしか、マグロというのは冷凍保存がものすごく利いて、何年も保存できる、というのですね。
つまり、商業取引にはすごく向いている資源だから、生産を押さえてしまえば、需給調整ビジネスに展開できる、ということでしょう。

なんでEUが出て来るのか?と思っていたのですが、純粋に金融資本が生産基盤をあらしている、と理解すれば石油メジャーの動きと同等という理解で、これほどの大問題にする、そしてそれを大西洋・地中海にするのは、漁業資源管理がまだ太平洋ほど進んでいないから、ということで分かりやすいです。

日本の戦略無き、縦割り行政の失敗の一つと銘記するべきでしょう。

3月 19, 2010 at 10:16 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.07

アイスランドの国民投票

日経新聞より「英蘭への預金返済法案に反対多数 アイスランド国民投票

【レイキャビク=石井一乗】

破綻した銀行へお金を預けていた英国とオランダの預金者を公的資金で保護する法案の是非を問うアイスランドの国民投票が6日夜(日本時間7日午前)締め切られ、開票速報によると反対票が圧倒的多数に達している。

これにより現法案の廃棄がほぼ確実となった。

開票率3割程度の段階で、法案への反対票は9割強に達している。最終結果の判明は7日になる見通し。

アイスランド政府はこれを受け、英国、オランダ両政府との間で、改めて資金返済条件の緩和などの再交渉に入る。

ただ交渉に時間を要するようなら、アイスランドに対する国際通貨基金(IMF)などからの金融支援に遅れが生じる可能性も指摘されている。

アイスランドでは金融危機を受けて2008年秋に大手銀ランズバンキが経営破綻。同行傘下のインターネット銀行「アイスセイブ」に預金していた英国とオランダの預金者の資金が凍結された。

英蘭政府は自国で預金者に弁済し、計50億ドル(約4500億円)強の返済をアイスランドに求めている。
(09:24)

あららららら(^_^;)

これは、直接的な銀行間の債務問題ではなくて、国家間ですよね。
つまりは、国債ということ?

ギリシャ、イギリス、アイスランドとユーロ自体が構造的に揺さぶられているような気がします。

3月 7, 2010 at 11:10 午前 国際経済など | | コメント (2) | トラックバック (1)

2009.09.23

ゴールドマン・サックスのCEOが報酬抑制を提言?

FujiSankei Business iより「高額報酬に決別? 欧米金融大手首脳「手のひら返し」の理由

バンカーが受け取る高額報酬は多くの人の批判の的となっているが、最近は金融業界内からも抑制に賛成する動きが出ている。

ドイツ銀行のアッカーマン最高経営責任者(CEO)は世界的な報酬制限ルールを呼び掛け、米ゴールドマン・サックスのブランクフェインCEOは複数年の賞与保証を禁止し、支払われた報酬の「返還」を認めるべきだとの考えを示した。

確かにこの業界は友愛とは無縁の世界だが、それにしてもバンカーの報酬制限に真っ先に反対してしかるべきドイツ銀とゴールドマンの経営トップがなぜ規制に賛成するのだろうか。

アッカーマン、ブランクフェイン両氏が突如、強欲と物質主義と決別したという可能性もあるが、以下のように考えればより納得のいく説明ができる。

彼らは自社の損得勘定に基づいて動いているのだ。金融業界への規制は、既存の大手に有利に働く一方、新興企業が伸びにくい状況を作り出すだけだ。最も得をするのは一般市民ではなく、アッカーマン、ブランクフェイン両氏のような金融大手のCEOだ。

この2社が報酬制限に賛成しているということは、わたしたちにとってよい案ではないかもしれない

才能ある人材の争奪戦

アッカーマン氏は先週、フランクフルトで開かれた銀行関連会議で「才能ある人材の争奪戦」で不公平が生じないよう、世界の報酬規則の標準化が必要だと主張した。一方、同じ会議でブランクフェイン氏は過剰なリスクテークを抑制するため、報酬の返還を認めるべきだと述べた。また株式報酬の割合を増やし経営幹部については退社するまで大部分を保持することを義務付ける必要があるとした。

2人の発言は例えて言うならマイクロソフトのゲイツ会長が同社ソフトの無料・オープンソース化に賛成するとか、投資家ジョージ・ソロス氏が、証券取引所によるヘッジファンドの為替投機規制の必要性を訴えるのと同じくらい驚きだった。

だが、これらは業界の頂点に君臨する2人の社会的良心の発露ではない。むしろ既存金融機関の権限を守るためにせざるを得なかった皮肉な企てなのだ。

アッカーマン氏は、世界的な報酬規則を設けなければ、各国間で不公平が生じると説明した。つまりドイツで報酬制限が実施されて英国で行われなければ、この措置は英銀に有利に働くというわけだ。さらに、報酬が規制されていない地域に拠点を置く金融機関も恩恵を受ける可能性がある。一方、世界的にルールが標準化されれば、大手銀行に有利となるだろう。

無名の中小銀行の株

ブランクフェイン氏は株式報酬の割合を増やすよう訴えた。公平に見て、これはより大きな意味がある。しかし大手と中小の銀行では大きな違いが生じる。ゴールドマン株をもらえばほとんどの人は喜ぶだろうが、たとえゴールドマンをしのぐような優れたアイデアを持った金融機関でも、無名な中小銀行の株ではうれしくない。これも既存の大手銀に有利な措置だ。

つまり世界的な報酬制限ルールは以下の3つの点から大手銀に有利に働く。
1つは既存の大手銀の間に実質的なカルテルを生じさせる。

大手銀は自社の花形トレーダーが競合行から高給で引き抜かれるのを恐れる必要がなくなる。それが実質的に禁止されるからだ。 その結果、トレーダーよりも経営者側が力を持つようになるだろう。

第2に既存の大手銀の地位は揺るぎないものとなる。

新規参入した金融機関がシェアを伸ばす唯一の方法は、より高い報酬を支払い経験豊富な人材を獲得することだ。しかし、報酬規則と規制強化が実現すればこの方法は不可能になる。

自ら規制する方が得

最後に、これは外部による監督ではなく、自主規制になるとみられることだ。

自主的な規制は必ず、既存の参加者に有利になるよう定められる。報酬制限が不可避であるなら、自ら規制する方が得策なのだ。

アッカーマン、ブランクフェイン両氏は、自社に有利になるような改革案を提唱している。賢明だ。

だが用心しなければならない。両氏にとってよいことであっても、ほかのすべての人にとってもよいということにはならない。逆に、報酬の自由を維持すべき最大の理由を両氏が示してくれたともいえるだろう。

(ブルームバーグ・コラムニスト Matthew Lynn)

いやはや、なんともすごい話です。

ところで、なんで報酬制限に話が行くのでしょうかね?
問題はリスクを取った結果、あっちこっちを巻き込むような大損害を出す経営者が居た、という事実でありましょう。
普通に考えて、高額報酬を得るには高いリスクを負担するのが当然で、報酬の制限ではなくて、損失が経営者の責任であれば、責任を取らせる方が合理的なのでは無いだろうか?

高い報酬を取りつつ、経営に失敗して民間ではどうにもならないところまで被害を拡大させて、公的資金を注入してなんとかする、というのではモラルハザードそのものだろう。

当然のことであるが、この種のバクチ的な損失に荷担した、邦銀の経営者も賞与辞退などではなくて、損害賠償するべきだろう。
そういうペナルティーがあれば、より慎重に「投資先を選別する」ことになる。

金融工学の名の下に、どう見ても詐欺商品であるようなモノを作り出して、それが回っている間は健全だ、などという花見酒経済をどうやって防止するか(禁止するではない)を構築しなければ、いつまで経っても同じような事が起きるだろう。

消費者庁は犯罪資金の没収法制に向けて動いているが、銀行がやれば犯罪ではない、と言い切れるのか?という問題だと思う。

9月 23, 2009 at 03:17 午後 国際経済など | | コメント (2) | トラックバック (0)

円高はバカげているのだそうだが、ドル高はどうよ?

FujiSankei Business iより「円高は、ばかげてる ゴールドマン、円急落を予想

鳩山新内閣発足に伴い就任した藤井裕久財務相は円安を支持しない考えを表明しているが、欧米の金融大手は円相場は下落していると予測している。

民主党が総選挙で勝利する可能性が高いとの見方が広がるなか、円は主要16通貨に対して8月初め以降、1つの通貨を例外としてほぼ上昇している。

しかし、ブルームバーグが40人を対象に実施した調査の予想中央値によれば、日本経済は円高を支えるには脆弱(ぜいじやく)過ぎるとみられ、円は年末までに対ドルで5.7%、対ユーロで1.1%下落すると予想されている。

調査によれば、日本銀行は2010年を通じて政策金利の誘導目標を年0.1%に据え置き、日本は主要10カ国(G10)で同年利上げを実施しない唯一の国となる見通し。
調査の予想中央値では、日本の経済成長率は今年マイナス6%に落ち込んだ後、来年は0.8%のプラス成長を回復するとみられている。

米金融大手ゴールドマン・サックスのグローバル経済調査責任者、ジム・オニール氏は

「皆が円買いに動いているようだが、ばかげている。
円のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の実勢は、わたしの考えでは著しく悪化している」
と話す。

ゴールドマンは、円が対ドルで9月21日時点の1ドル=91円46銭から98円ちょうどに、対ユーロでも1ユーロ=134円52銭から142円ちょうどにそれぞれ下落すると予測。

米銀最大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)と欧州銀行最大手HSBCは、円相場の先行きについて一段と弱気な見方をとっている。

選挙戦前の世論調査で民主党が優勢になったことで、円は対ドルで6.6%上昇し、対ユーロでは3.3%の上昇を見せていた。

選挙戦中、民主党は輸入品の価格が下がるため、円高の方が消費喚起につながると強調。
これは公共事業への支出に注力し、輸出企業支援のために円安維持の方針をとった前政権とは対照的だ。

藤井財務相は民主党政権の発足した16日、為替介入には反対と発言。
この発言を受けて円は1ドル=90円13銭と2月以来の最高値を記録した。

収入の約75%を海外に頼るトヨタ自動車の同日の株価は日経平均株価が0.5%上昇したにもかかわらず、1.1%下落した。

その翌日、藤井財務相は輸出のために円安がよいという考えはおかしいとの見方を示している。

4月22日に内閣府が発表した調査結果で、輸出企業は1ドル=97円33銭かそれ以上の円安であれば採算がとれるとしている。円高が進めば輸出品が値上がりし収益も目減りする。

キヤノンは直近の会計報告で、対ドルで円が1円上下するごとに下半期の営業利益に42億円の影響が出ると述べている。

ミレニアム・アセット・マネジメント(ロンドン)で140億ドルの資産運用に携わるリチャード・ベンソン氏は

「藤井財務相は自らの発言に悩まされるだろう。民主党の円高容認で日本の株式市場は打撃を受け、リターンを求める国内投資家の海外流出と円売りを誘発することになる」
との見方を示した。

VTBキャピタル(ロンドン)のストラテジスト、ニール・マッキノン氏は

「日本銀行や財務省は藤井財務相に対し、発言すべきこととそうでないことを指示することになるだろう」
と指摘した。

(ブルームバーグ Nielsen Brown、Matthew Brown)

企業収益を吐き出させる方向にせざるを得ないのは日本の世論の動向ですから、株式市場から信金が流出し、円安になる可能性はあるでしょう。
その結果として、株安・円安に陥る可能性も無いではない。

しかし、その予測として

円は年末までに対ドルで5.7%、対ユーロで1.1%下落すると予想
というのはあり得ることか?
ドルが、円に対してもユーロに対しても強いという意味に取れるが、そんなに強いものなのか?
対中国はどうなるのだろうか?

どうも、この記事自体が「ドル防衛のためのアドバルーン」のような気がしてならない。
お金の木の葉化とでも言うべき事なのではないのか?

9月 23, 2009 at 11:41 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.07.11

開城工業団地交渉進展せず悪化

韓国聯合ニュースより「開城接触が決裂の危機に 北朝鮮が談話で非難

【ソウル10日聯合ニュース】
北朝鮮の開城工業団地指導機関・中央特区開発指導総局は10日に報道官談話を発表、南北間の工業団地関連実務会談が「決裂の危機」に直面していると指摘した。

韓国が会談に誠実に応じない場合、

「われわれの決心の通りに進むことになる」

と警告している。北朝鮮メディアが報じた。

談話は、過去4回の会談の結果、

「南側(韓国)当局がわれわれの度量と誠意を冒とくし、挑発的に出てくるなかで、開城工業地区の実務接触を通じた交渉で問題を解決できるか危惧(きぐ)の念を抱くようになった」

と主張。
韓国側が最初からいやいやながら会談に応じ、4回の会談で

「ついに対決的本性を現わした」

と非難し、特に2日に行われた4度目の会談に不満を示した。

また、韓国側が北朝鮮に抑留された現代峨山社員の問題から解決しようと提案したことを

「無理強い」

だとはねつけた。
続けて、

北朝鮮は開城工業団地事業の維持と正常化に向けあらゆる努力をしたが、韓国側が努力と誠意を無視して正反対の行動をしている

と指摘。

会談場の外では接触に冷や水を浴びせる言動をみせている

と非難し、

「これは南側が北側に責任をかぶせ、工業地区を壊そうと考えていることを示している」

と主張した。

南北は2日の会談で、社員抑留問題や土地賃貸料の引き上げなど争点懸案に対する立場の溝を埋められず、次回の会談の日程さえ合意できなかった。

一方、この談話に対し韓国統一部当局者は、「北朝鮮が抑留中の社員を速やかに釈放し、工業団地関連の懸案協議に真摯(しんし)な姿勢で臨むことを願う」と述べた。

聯合ニュースの電話取材に答えたもの。また、政府は開城工業団地を安定的に維持・発展させるという立場に変わりはないと強調した。

そもそも開城工業団地での南北共同事業が成立したこと自体が驚きであったわけで、南北関係の従来の路線上にはあり得ないことでした。
他の事業としては、鉄道の復旧などがあったのですが、工事も試験も済ませたのものの、元の状態に戻ってしまいました。
結果として開城工業団地事業だけが突出した形になっていたのですが、他の事業と同じく中断の方向に向かっているのでしょう。

いよいよ、韓国と北朝鮮の関係も冷戦状態に戻っていくのだろうと思います。

7月 11, 2009 at 08:58 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.07

新GMに向けてスタート

朝日新聞より「GMの資産売却計画を承認 NY破産裁判所

【ニューヨーク=丸石伸一】
ニューヨークの連邦破産裁判所は5日深夜、経営破綻(はたん)した米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が新たに設立する会社(新GM)に優良資産を売却する計画を、承認した。

資産売却は、GMの再建計画の柱となる。計画に反対する債権者らが今後、上告する可能性があるが、最終的には資産売却が認められて新GMが発足し、破産法下から事実上の早期脱却を果たす公算が大きくなった。

GMは6月1日、米連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻した。

同法下で会社を2分割し、優良資産を形式上の新会社(新GM)に売却する計画をまとめ、裁判所に承認を求めていた。

不良資産を切り離し、負債の少ない健全な会社に衣替えする計画だ。
だが、複数の債権者らは債務返済額を増やすことなどを求め、計画に反対していた。

これに対し、破産裁判所は債権者らの主張を退け、新GMへの資産売却を承認した。

資産売却について、GMが会社清算に追い込まれないようにする選択肢だとの判断を示した。

ただ、債権者らが資産売却の差し止めを求めて上告する猶予を与えるため、資産売却の実行は今後4日間控えるよう命じた。
複数の米紙によると、何人かの債権者が上告する可能性があるという。

GMより約1カ月前に破産法を申請した米同業大手クライスラー(現クライスラーグループ)も6月1日、再建計画がニューヨークの連邦破産裁判所に承認されたと発表した後、複数の債権者が上告したが、連邦最高裁判所が同月9日に計画を承認して「早期再建」が決まった。
GMも最終的には資産売却が認められる可能性が高いとみられる。

GMは6日朝に声明を出し、「資産売却を近く完了できると見込んでいる」と表明した。
GMと米政府は、米政府が手続き完了の期限と定めている今月10日までの決着を求めていた。

新GMの概要も発表された。社長兼最高経営責任者(CEO)には、旧GMでCEOを務めるフレデリック・ヘンダーソンCEOが就く見通しだとした。
当面は事実上の続投になる。新GMの本社は現在と同じミシガン州デトロイト。名称は、現在の「ゼネラル・モーターズ(GM)・コーポレーション」から「ゼネラル・モーターズ(GM)・カンパニー」とし、事実上「GM」のままにする。

新GMは、旧GMの優良資産を引き継ぎ、主要ブランドを半減して「シボレー」や「キャデラック」など四つに絞る。

借金を大幅に削減して財務状況を改善し、労務費なども大幅に削って日本メーカー並みの経費に抑える計画。
米政府は巨額の資金支援に加え、新GMの株式の60.8%を握り、事実上「国有化」する見通しだ。

クライスラーに続いてGMも1カ月余りで破産法の法的手続きを完了できれば、米大企業では極めて異例の「スピード再建」になる。

両社と同様に連邦破産法11条の適用を申請した米航空大手の多くは、法的手続きが完了するまで2~3年かかった。

GMとクライスラーは破産法の適用を申請する前に、全米自動車労組(UAW)と労務費削減で合意するなど準備が整っていたことから、法的手続きも早めることができたとみられる。

新GMの4ブランドとは、シボレー、キャデラック、ビュイック、GMCだそうで、ポンティアック、ハマー、サターンでは無くなります。

アメリカの自動車業界は、ブランドは工場から販売店まで?がっていて、日本では別メーカというほどのものでしょう。
販売店網に与える影響は大きいように思いますが、メーカー直結の個人商店のような販売店が残っている方に驚くわけで、日本では20~30年前のホンダといったところでしょうか?

それにしても、アメリカとは思えないほどの強硬な路線変換で、後々まで法律論争になるような気もします。
とは言え、一部の金融機関などが新自由主義として勝手をやったのがこの結果を生み出したと言ってもさほど間違ってはいないのですから、今後の長期的な政策誘導として安定的な投資活動になるように金融の暴走を抑える手法を確立するべきでしょう。

7月 7, 2009 at 09:08 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.27

GM破たんに一歩近づく

日経新聞より「GM、債務削減目標に届かず計画失効 週内に対応検討

【ニューヨーク=小高航】
米ゼネラル・モーターズ(GM)は27日、26日深夜に回答期限を迎えた債務削減交渉で債権者の応募額が未達に終わり、債務削減案は失効したと発表した。

金額ベースで9割の債権者が応じる必要があったが「大幅に下回った」としている。

週内に取締役会を開き、今後の対応を協議する。

債務削減交渉の条件見直しなどは表明していない。

GMは6月1日までに債務削減で合意できなければ、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請すると言明していた。

GMは約270億ドル(約2兆6000億円)の無担保債務の大幅な削減を計画。債権者に見返りとして再建後のGM株の10%を割り振る考えだった。
だが、債権者側は受け取る株式が少なすぎるなどと反発。GMの発表によれば「大幅未達」に終わった。
(20:38)

これで、GMの連邦破産法11条を申請(日本では民事再生法適用申請)は確実でしょう。
むしろ問題は、確実に連邦破産法11条が適用されて、資産保善が出来るのか?に焦点は移ると思います。

少なくともGM経営陣が債権者に提案していたのは、連邦破産法11条の適用よりも有利だと説得していたはずで。
それが正しい判断であれば、連邦破産法11条を適用することによって、債権者の損失はより大きくなることになります。

どのような形であっても、再生法は債権者に「待ってくれ」と公式に決めることですから、債権者が「待てないから、会社を清算しろ」という可能性は常にあります。

もちろん、再生法の管理下で資産売却つまり会社の解体は進むでしょう。しかし、それ以前に再生法に無事にたどり着くことが出来るのか?というところに焦点は移るでしょう。

5月 27, 2009 at 09:27 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.23

GM後がない

ロイターより「米GMの社債保有者委員会、債務株式化案を拒否へ

[ニューヨーク 22日 ロイター]

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の社債保有者委員会は22日、債務を10%の株式と交換する同社の提案を拒否する考えを明らかにした。

同委員会のスポークスマンは「最初から全員一致で反対だ。債券保有者は投機的な悪者だとみなされている。しかし、債券保有者は投資家であり、その多くは退職金をGMにつぎ込んでいる」と述べた。

同委員会はGM社債保有者の最大グループだが、他の個人投資家とは正式なつながりを持たない。ただ、同スポークスマンによると、こうした投資家から連携を求める声が寄せられている。

ロイターより「米GM、財務省から新規で40億ドル借り入れ

[デトロイト 22日 ロイター]
経営難に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は22日、財務省から新たに40億ドルの融資を受けたことを明らかにした。

GMが証券取引委員会(SEC)に提出した文書によると、財務省からの融資総額は194億ドルとなった。

同社はまた、6月1日以降、76億ドルが必要との見通しを示した。使途については明らかにしていない。

アメリカ政府は6月1日までにアメリカ政府の意に沿う再建計画を出せとしているわけですが、冒頭に紹介した債権者グループは社債20%を保有し「破たん処理にした方が(債権者として)得になる」といった主張だそうです。

すでに、期限までに10日間を切っているわけですが、労組とも「コスト削減に同意した」という情報はあるものの「詳細は未定」だそうで、これも期限までに合意できるものか疑わしいです。

これでは、破たん処理(民事再生法相当)になるでしょうね。

5月 23, 2009 at 02:57 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.16

アメリカの自動車販売データ

朝日新聞より「クライスラー・GM、米国の販売店大幅削減へ

【ニューヨーク=山川一基】 経営危機の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は15日、米販売店を約4割削減する計画を同日から実施すると発表した。米連邦破産法の適用を申請したクライスラーも販売店契約を大幅に打ち切る。
ともに経営再建に不可欠な販売の効率化を急ぐが、ディーラー側の反発が予想されている。

GMの発表によると、現在米国内にある5969の販売店を、2010年末までに約3600店に削減する。

同社の販売店は08年末に約6200店あったが、深刻な販売減で今年に入り、すでに200店以上減った。
さらに今後、約4割にあたる2300店以上の契約を打ち切ることになる。
GMは同日から、対象の販売店に通告を始める。

一方、クライスラーは14日、米国内にあるディーラー約3200店のうち、約4分の1に当たる789店と契約を打ち切ると発表した。

クライスラーが破産裁判所に提出した資料によると、同社販売店の1店舗当たりの08年の販売台数は日系メーカーの3分の1~4分の1と極めて少ない。
提携先のイタリアメーカー、フィアットも効率化を急ぐように促している。

米メディアによると、契約打ち切りを通告された販売店には反発が広がっており、法的措置を探る動きも出ているという。

メーカー20092008% Chg.シェア累積
GM582,0301,058,464-45.019.3%19.3%
Toyota486,212789,448-38.416.1%35.4%
Ford450,550748,886-39.814.9%50.4%
Honda332,014487,822-31.911.0%61.4%
Chrysler322,438599,555-46.210.7%72.1%
Nissan221,957345,643-35.87.4%79.5%
Hyundai129,806134,618-3.64.3%83.8%
Kia94,49998,280-3.83.1%86.9%
Volkswagen81,23198,257-17.32.7%89.6%
BMW70,60699,977-29.42.3%91.9%
Mazda69,934101,449-31.12.3%94.3%
Daimler61,16484,123-27.32.0%96.3%
Subaru57,18157,652-0.81.9%98.2%
Mitsubishi17,75335,959-50.60.6%98.8%
Suzuki17,67436,099-51.00.6%99.4%
Tata11,92016,553-28.00.4%99.8%
Porsche6,7789,640-29.70.2%100.0%
Isuzu5523,394-83.70.0%100.0%
International (Navistar)3688-59.10.0%100.0%
Total Light Vehicles3,014,3354,805,907-37.3100.0%

1~4月の米国国内小型車販売の2009と2008年のデータです。

ビック3ではフォードが一番落ち込みが少なくて、-38.4%です。
これは、トヨタ、ホンダ、日産とほぼ同等ですが、GMとクライスラーは45%、46%のマイナスになっています。

日産が、シェア7.4%でGMの1/3ではありますが、日産を含む上位6社で全体の80%ですから、この6社の実績がアメリカの現状と言えるでしょう。

その中で、クライスラー販売店の1店舗当たりの08年の販売台数は日系メーカーの3分の1~4分の1と極めて少ない。というのでは、そりゃ赤字にもなるでしょう。
むしろ、そのような無理をしてもこれだけの台数を売っていたことに驚きます。

GMとクライスラーが、収益性の改善を図って、販売台数を減らす方向に行くと、ビッグ3ではなくて、メジャー6といったことになりそうです。
つまりは、アメリカでの自動車販売はよりいっそう激化するのでしょう。

5月 16, 2009 at 09:57 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.05

通貨というのものが信用されなくなりそうだ

DIAMOND online より「米銀の黒字決算が「うまく作り上げた」とされるこれだけの理由」 辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員)

世界的金融危機の震源地を、各国金融当局は注視している。
米国大手金融機関の第1四半期決算が、先週発表された。予想されていた通りに、好業績である。

だが、日本の金融当局幹部は、「実力以上の決算をうまく作り上げた。内実は苦しいはずだ。第2四半期は厳しいだろう」と分析する。

「うまく作り上げた」とは、どういうことだろうか。どれほど「内実は苦しい」のだろうか。

世界の注目を最も集めたのは、窮地が伝えられるシティグループの決算である。

結果は2007年第3四半期以来の黒字に転換、16億ドルの利益を上げた。この5四半期は赤字を垂れ流し、その合計は285億ドルにも上っていただけに、世界中の金融関係者にとって朗報となるはずであった。

ところが、市場の反応ははかばかしくない。それは、「うまく作り上げた」黒字だからである。

この第1四半期では、「負債評価益」という特殊な会計処理によって、シティグループは25億ドル、バンク・オブ・アメリカは22億ドル、JPモルガン・チェースは4億ドルの利益をかさ上げしているのである。

「負債評価益」とは、何か。

  1. シティが10億ドルの社債を発行したとする。
  2. ところが、金融危機に直撃され信用度が低下し、社債の価値が9億ドルまで低下した。
  3. この時点で社債を時価評価する。

具体的には、市場価格で買い戻すとしよう。購入価格は9億ドルだから、発行額の10億ドルとの差額1億ドルが発生する。それを利益として計上できる、という会計処理方法である。

これは、米会計基準「FAS159」が認める合法的処理である。

企業の資産を再評価する場合、社債などの負債もその対象とするべきだという主張は、一見論理が通っている。

だが、現実的には成り立たない、無理筋の解釈であろう。

業績が悪化すれば手元資金が細り、社債などを買い戻すにはリファイナンスが必要となる。
だが、応じてくれる金融機関はないはずだ。

そもそも、業績が落ち、信用を失えば失うほど利益が上がるという会計処理が、健全な基準であるはずがない。

シティグループの決算から負債評価益の25億ドルを差し引くと、9億ドルの最終赤字に転落していたことになる。市場が良い反応をしないはずである。

18億ドルの利益を上げたゴールドマンサックスの決算も、その利益水準が持続可能だとはとても言えない。

ゴールドマンは米政府から公的資金を投入される際、銀行業に業種転換するのに伴い、決算期を変更した。

  1. 四半期決算を従来の12月~2月から1 月~3月にしたのである。
  2. 1か月後ろにずらすことによって、12月の月次決算は反映されていない。
  3. ほとんど報道されていないが、12月単月決算は1~3月決算書に小さく注記されていて、実は10億ドルの赤字である。決算月の変更で、この赤字は巧みに捨象されているのである。

1月~3月の好決算は、市場部門の好調に支えられている。1~3月の金利、為替、債券などの市場は、実に読みやすい動きを繰り返す「素人相場」であった。
素人相場とは、素人でも勝てるようなわかりやすい相場のことである。
このチャンスに元来リスクテイカーとして有名なゴールドマンは、可能な限りポジションを膨らませた。
そして、賭けに勝った。「決算をうまく作りあげた」のである。

加えて、ベアスターンズもなく、リーマンもなく、バンカメに吸収されたメリルリンチも信頼を失うというライバル不在のなかで、顧客はゴールドマンとJPモルガンに群がった。その優位も存分に生かした。

したがって、ゴールドマンらしさを存分に発揮したともいえるが、市場の動きが鈍くなったり、あるいは複雑化して読みにくくなればトレーデイングの機会は激減してしまうから、とても経営を安定させる戦略が展開されたとは言えないのである。

JPモルガンもゴールドマンと同様の理由で、トレーデイング部門が21億ドルの利益計上に貢献した。

だが、JPモルガンには商業銀行としての不良債権問題がのしかかる。実際、この第1四半期でも消費者金融への引当金を大幅に積み増している。

シティグループに話を戻せば、クレジットコストが103億ドルで前年同期比76%増である。

主にはクレジットカード部門の不良債権処理費用である。各行ほとんどが貸倒引当金の繰入額を増加させており、今後は個人、法人問わずデフォルトが急増し、あらゆるローンが不良債権化する危険が、決算書から読み取れるのである。
米国大手金融機関で唯一赤字であったモルガンスタンレーの商業用不動産処理も、その兆候の一つかもしれない。

「黒字をうまく作り上げた」要素を、もうひとつ挙げよう。
今四半期決算から、時価会計ルールが変更されている。

これまで金融機関を悩ませ続けてきた証券化商品の評価方式が時価会計から、各行の内部モデル評価に変更されたのである。
例えば、市場価格が1ドルであっても、内部モデルによれば2ドルという違いがあり得る。

市場は時にオーバーシュートする。

今回の金融危機ではいまだ証券化商品の買い手が現れず、市場が機能不全に陥っていて、適正価格が形成されない。こうした異常時には、内部モデルによる評価も選択肢としてはありえるだろう。

だが、現時点では各行の内部モデルの妥当性がわからない。
当局がチェックしているかどうかも不明だ。
したがって、決算には不透明感が付きまとう。
少なくとも、内部モデル評価と時価評価を両方記載すべきであろう。
そうでなければ、投資家あるいは市場に対して極めて不誠実であり、信頼は取り戻せない。

米国財務省は今、金融機関のストレステスト(資産査定)を進めている。ストレステストの結果、資本不足に陥っていると判断した金融機関には、再び公的資本注入を行わなければならない。だが、公的資金枠の残りは少なく、追加出資を議会は容易に認めない、という厳しい状況にある。

国際金融市場と米銀経営に詳しい倉都康行・RPテック代表は、米銀の第1四半期決算を、「(会計ルールの変更を認めた)政府と市場の二つに救われた」と総括し、「実力だけで決算をすれば、各行ともに赤字だったろう。
だが、それがむき出しになれば、マーケットが混乱、暴落しかねない。
そうなれば、比較的健全な銀行も自力増資が難しくなる。財源が乏しくなってきている財務省にすれば、何としてもマーケットに持ちこたえてほしい。だから、あらゆる“支援 ”をする」と解説する。

だが、本格的な不良債権の増加を、財務省が阻むことはできない。第2四半期以降の決算は、決して楽観できないものとなる可能性が高い。

片方で、GMが倒産か?という状況で、いきなり黒字と出てきたので???であったのですが、こんな仕組みであったとは、知りませんでした。

個人的には、すでに経済と貨幣が離れてしまったのではないのか?という超根本的な疑問を持っています。

この記事に紹介されている「そもそも、業績が落ち、信用を失えば失うほど利益が上がるという会計処理が、健全な基準であるはずがない。」といった処理までが認められしまっては、取引そのものや経済の尺度しての貨幣の価値とは言えないのではないか?

現時点では他に評価のしようがないから、ドル、ユーロ、といった国際的に通用する貨幣で経済の規模などを評価しているわけだが、投資と金利が実際の物の生産やサービスの拡大などに無関係に発生しても、それではいわば帳面の上の計算と言えるのではないのか?

保有している通貨が経済の価値を示す物だとするのであれば、評価の対象となる「経済」とは何なのか?
良く言われることであるが、原油先物の取引量は生産量をはるかに上回っています。
そうなると、物理的に商売が成り立たないところでやっているわけだから、全体として取引量ではなくて生産量で評価しないと分からない、とも言えるでしょう。

こんなことあらゆる場面で拡大したのが「新自由主義」だと感じるわけです。

こんなことを重視していたら、人材投資なんて出来ませんな。
投資姿勢に、超短期的から超長期的なところまでも漏れなくカバーすることが必要なのに、新自由主義は投資姿勢そのものまで投資の評価にするようなことにしてしまった。
派遣労働者の方が人件費が高いが長期投資よりは安全だ、というのが派遣労働を企業が使う理由ですが、肝心の人材育成は超長期の投資行動であって「企業はそんなことは知らないよ」と言った良いのか?という評価がない、のが現状ですね。

5月 5, 2009 at 09:50 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.05.02

クライスラー破たんとヘッジファンド

朝日新聞より「クライスラー倒産、ヘッジファンドに矛先 オバマ大統領

金融機関や自動車の救済を続け、「弱腰」ともみられてきたオバマ米大統領。就任101日目の4月30日、「大きすぎてつぶせない」と言われ続けた米自動車3位クライスラーの「倒産」を決めた。
しかも、その「犯人」として、金融資本のヘッジファンドを厳しく責めた。

「一部の投資会社やヘッジファンドが、税金による(クライスラー)救済を期待して譲ろうとしなかった。ほかの債権者の2倍の額を要求する者までいた」。
労働組合が退職者向け医療費の削減を受け入れ、大口債権者が債権残高を3分の1以下まで減らすことに応じていたのに、「強欲」な金融資本が再建策の結実を阻んだというのだ。

ヘッジファンドは、リスクの高い投資を続け、結果的に世界的な金融危機をもたらした主犯の一角と目される存在だ。
世界中で批判を浴びる金融資本が「犯人」となれば、「倒産」に反対してきた労働組合など民主党の支持基盤から理解を取り付けやすい。

また、クライスラーへの80億ドル(約7920億円)の追加融資とひきかえに、経営陣を辞任に追い込んだ。

「ヘッジファンド」は金融危機を、「クライスラー」はそれに伴う実体経済の不振を共に象徴する存在だ。

国民に雇用不安を与えかねない「倒産」会見にもかかわらず、大統領はその両方に強い態度を示す舞台に仕立てた。

米財務省関係者は朝日新聞に「ウォールストリート(米金融街)を怒らせることになったが、いい打ち出し方だった」と話す。「タフに」(米政府高官)対処する今後の姿勢を強調したとも言えそうだ。
(ワシントン=尾形聡彦)

新自由主義からケインズへといった論調が大半で、ブッシュ時代の「脳天気な新自由主義」はどこに行った?といった感じです。

確かに、ヘッジファンドは「お金を回すための仕組み」を作ることだけに集中しすぎていて「必要資金を調達する」といったところを無視していた。落語に出てくる花見酒そのものをやっていたと言うべきでしょう。
オバマ政権は「今さらそれを主張するなら」とやったのが今回のクライスラーの破たん処理で朝日新聞の記事の通りだと思います。

しかし、アメリカが1940年代から世界をリードしてきた理由の大きな部分が、ドルと生産力のバランスをアメリカに有利に機能させて半世紀以上に渡って強国を維持できた、と見るべきではないかと思います。

そして、近年は日本や中国などに生産性で追い抜かれつつあるところを、ドルの操作で切り抜けてきた。
その結果が、ヘッジファンドもOKという経済体制になり、製造業の革新が遅れて金融は世界企業であるのに、自動車産業は国内専用、のようなことになってしまった。

金融業の中からヘッジファンドのようなあまりに高リスクな会社を追い出すとして、その分を自動車産業の拡大で補えるのか?と考えると、いまやアメリカの自動車文化が特殊に過ぎてアメリカ以外では通用しない状況にしてしまった、という問題が出てきます。

自動車に燃費規制をして燃料税を安くしたまま据え置いた、しかも燃費規制からトラックを除外したものだから大型SUVブームとなり、現実に燃料代が高騰したら自動車が売れなくなってしまった・・・・・。

新自由主義が標榜する「規制緩和による経済活性化」とは「不安定化による活性」なのであって「不安定の行きすぎ」という問題が出てくるのは当然です。
言い換えると「バランスの取れた政策」こそが大事なのであって「規制緩和」=「完全自由競争・自己責任」ではバランスが取れているとは言えない。
同様に、ヘッジファンドを規制したから問題解決でもない。

新自由主義の猛威の跡に整然とした社会を組み立てるのは、極めて大変なことだし叡智が今ほど必要な時代はこの100年間で初めてなのかもしれない。

5月 2, 2009 at 10:43 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.05.01

クライスラーが破たん

クライスラーが連邦破産法11条(日本では民事再生法=会社更生法)を申請しました。
日本時間の午前0時にオバマ大統領の発表があり、その前後のニュースを報道期間の発表順に並べました。

各紙が着目している点を挙げると

  • ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた
  • 大統領は、「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになるかもしれない。
  • ゼネラル・モーターズ(GM)再建の行方にも影響を与えそうだ。
  • すでに全米自動車労働組合(UAW)や債権(69億ドル)の7割を保有する大手金融機関などの大口債権者、提携するフィアットから再建計画への同意を得ており、あらかじめ再建計画を固めてから破産法11章の適用を申請する「事前調整型(プレパッケージ型)」の手続きに入る見通しだ。
  • クライスラーの申請が認められれば、30~60日間で破産手続きを終了し、裁判所の管理下から抜け出せる
  • 親会社の米投資会社サーベラスは約8割を持つ株式のすべてを放棄し、約2割を出資する独ダイムラーも資本関係を解消する。新生クライスラーでは、人件費の大幅削減などに同意したUAWが株式の55%、フィアットが35%、米国とカナダ政府が計10%をそれぞれ取得する。
  • ヘッジファンドなど一部の債権者が(債務削減などの)譲歩に応じなかった。
  • ゼネラル・モーターズ(GM)についても、5月末までにリストラや債務削減策をまとめられなければ、政府支援が打ち切られることになっている。こちらも債権者やUAWとの交渉が難航していると伝えられており、あと1カ月余りが正念場だ。
  • フィアットの出資比率は当初20%で、将来は35%まで引き上げる。
  • ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。

といったところが気になります。
アメリカ政府としてはGMが本命であり、GMの交渉でゴネると破たん処理に持ちこむぞ、と見せつける意味合いが大きかったのだと思いますが、クライスラーの規模が小さいからこのような対応が可能であったとも見えます。
一ヶ月後に迫るGMの交渉期限に向けて、どのような展開なるのかをクライスラーを前例として考えるのは間違えかもしれません。

サンケイ新聞より「クライスラー破綻処理へ GM破綻に現実味」2009.4.30 22:10
サンケイ新聞より「クライスラー破産申請、スピード再建めざす」2009.5.1 00:49
読売新聞より「米クライスラーが破産手続き、オバマ大統領が発表」2009年5月1日01時20分
朝日新聞より「クライスラー破綻 政府支援は継続、再建へ資金援助」2009年5月1日2時49分
毎日新聞より「クライスラー:経営破綻 フィアットが資本提携で救済へ」5月1日3時17分
FNN ニュースより「クライスラー経営破たん クライスラーの従業員からはさまざまな反応」05/01 06:18

クライスラー破綻処理へ GM破綻に現実味

ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が初めて破綻(たん)処理に追い込まれる見通しとなった。オバマ政権は破綻処理と伊大手フィアットとの資本提携の“2点セット”が再建の近道と判断したとみられ、これで6月1日に抜本再建策の提出期限を迎えるゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた。

「生き残り可能な自動車メーカーとして期待している」

4月29日夜、就任100日の会見でオバマ米大統領はクライスラーについてこう語ったが、その処方箋(せん)に破綻処理も含まれていることを否定しなかった。

ミニバンを生み、「ジープ」など人気ブランドを有するクライスラーは、ビッグスリーの中で最小とはいえ従業員数は約5万4000人に上る。その破綻は、20世紀初頭からの大衆車時代をリードしながら、近年は日本勢などの攻勢にシェアを減らしてきた米自動車産業の決定的な「転換点」となるだろう。

ビッグスリー再建に取り組んできたオバマ政権は、車種がSUV(スポーツ用多目的車)など大型車に偏り、開発力も劣るクライスラーについて、「単独再建は無理」と早々に見切りをつけていた。すでに融資した40億ドルの血税を無駄にしないためにも、フィアットとの提携を実現させるには、破綻処理も「有効な選択肢」(政府関係者)と見てきた節もある。

米財務省は破綻を回避するため、債務削減について期限直前まで債権者と交渉を続けたが、一部債権者が最後まで抵抗し時間切れとなった。しかし結果的には、スピード再建を可能にするプレパッケージ型(事前準備型)破産の条件が整う形となった。あらかじめ債権者から債権放棄などの同意を得てから、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きに持ち込む手法だ。

フィアットにとっても実はメリットが大きい。日産自動車を再生させた仏ルノーのゴーン会長と比較されることの多いマルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、クライスラーの生産・販売拠点を事実上掌握し、世界有数の自動車メーカーに脱皮して世界同時不況を勝ち抜く野望を抱く。

全米自動車労働組合(UAW)は29日夜、クライスラーの退職者向け医療費負担の大幅圧縮を承認。UAWと主要債権者の譲歩を勝ち取ったうえで、短期間の破綻処理に持ち込む-。オバマ政権の描く再建の青写真だが、成否の行方は定かでない。

今後の焦点はGMの行方に移る。GMは4月27日に発表した追加リストラ策で、約270億ドルの債務の株式化に加え、政府支援の返済や労組への医療費関連の支払いも半分以上を株式で行う案を提示。債権者が同意しなければ、破産法の適用を申請する考えだ。破綻の脅しをかけて債権者に譲歩を迫る戦略だが、果たして通用するのか。

「米経済の象徴的存在」と米自動車産業の再建に力を入れてきたオバマ大統領は、「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになるかもしれない。(ワシントン渡辺浩生)

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クライスラー破産申請、スピード再建めざす

【ワシントン=渡辺浩生】ビッグスリー(米自動車3大メーカー)の一角が初めて破(は)綻(たん)に追い込まれた。オバマ政権は破綻処理と伊大手フィアットとの資本提携の“2点セット”がクライスラー再建の近道と判断した。これにより、6月1日に抜本再建策の提出期限を迎えるゼネラル・モーターズ(GM)の破綻も一気に現実味を帯びてきた。

「生き残り可能な自動車メーカーに生まれ変わることを期待している」

4月29日夜、就任100日の会見でオバマ米大統領はクライスラーについてこう語ったが、その処方箋(せん)に破綻処理も含まれていることを否定しなかった。

ミニバンを生み、「ジープ」など人気ブランドを保有するクライスラーは、ビッグスリーの中で最小とはいえ従業員数は約5万4000人にのぼる。その破綻は、20世紀初頭からの大衆車時代をリードしながら、最近は日本勢などの攻勢でシェアを減らしてきた米自動車産業にとって決定的な転換点となりそうだ。

ビッグスリー再建に取り組んできたオバマ政権は、車種がSUV(スポーツ用多目的車)など大型車に偏り、開発力も劣るクライスラーを「単独再建は無理」と見切りをつけていた。フィアットとの提携を実現させるため、破綻処理も「有効な選択肢」(高官)として念入りな準備を重ねてきた。

米財務省は債務削減について期限直前まで債権者と交渉を続けたが、一部債権者が最後まで抵抗し時間切れとなった。だが、結果的にはスピード再建を可能にするプレパッケージ型(事前準備型)破産の条件が整う形となった。あらかじめ債権者から再建計画の同意を得てから、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)に基づく会社更生手続きに持ち込む手法だ。

販売網のスリム化などフィアットにとってもメリットは大きい。マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は、北米市場の生産・販売拠点を手中に収め、自動車産業の「ローマ帝国」を再興する野望を抱く。

全米自動車労働組合(UAW)は29日夜、クライスラーの退職者向け医療費負担軽減を承認。負の遺産一掃のメドをつけて破綻処理とフィアット提携に持ち込む-。「成功した解決策」と政府高官も満足する再建の青写真だが、成否の行方は定かでない。

今後の焦点はGM再建の行方に移る。GMは4月27日に発表した追加リストラ策で、約270億ドルの債務の株式化に加え、政府支援の返済や労組への医療費関連の支払いも半分以上を株式で行う案を提示。債権者が同意しなければ、破産法の適用を申請する考えだ。破綻の脅しをかけて債権者に譲歩を迫る戦略だが、果たして通用するか。

「米経済の象徴的存在」と米自動車産業の再建に力を入れてきたオバマ大統領は「ビッグスリーを破綻させた最初の大統領」として歴史に名を残すことになったが、再生の行方にはなお多くの困難が待ち受けている。

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米クライスラーが破産手続き、オバマ大統領が発表

【ニューヨーク=池松洋】オバマ米大統領は30日正午(日本時間5月1日午前1時)、米大手自動車メーカー、クライスラーが米連邦破産法11章の適用を裁判所に申請すると発表した。

クライスラーは申請後、裁判所の管理下で巨額の債務削減を進める一方、近くイタリアの同業大手フィアットと資本提携を結び、米政府の追加支援も受けながら経営危機からの早期脱却を目指す。

オバマ大統領は、「破産法の適用は後ろ向きではない。米政府はクライスラーを支えていく。フィアットとの提携で生き残り、成功するはずだ」と述べた。

米政府は、破産法適用を回避するため、クライスラーに同日までに人件費や債務の大幅削減を決めるよう求めていたが、一部債権者の同意が得られなかった。昨秋に起きた米金融危機は米新車市場を急速に冷え込ませ、米自動車大手3社(ビッグスリー)の一角が初めて破産手続きに追い込まれる異例の事態に発展した。

クライスラーの破産法適用は、米ゼネラル・モーターズ(GM)再建の行方にも影響を与えそうだ。

クライスラーは、すでに全米自動車労働組合(UAW)や債権(69億ドル)の7割を保有する大手金融機関などの大口債権者、提携するフィアットから再建計画への同意を得ており、あらかじめ再建計画を固めてから破産法11章の適用を申請する「事前調整型(プレパッケージ型)」の手続きに入る見通しだ。

米政府は、クライスラーの申請が認められれば、30~60日間で破産手続きを終了し、裁判所の管理下から抜け出せると見ている。

米メディアによると、米国、カナダ両国政府は運転資金をクライスラーに供給して経営を支える方針だ。

クライスラーが破産手続きに入ると、親会社の米投資会社サーベラスは約8割を持つ株式のすべてを放棄し、約2割を出資する独ダイムラーも資本関係を解消する。新生クライスラーでは、人件費の大幅削減などに同意したUAWが株式の55%、フィアットが35%、米国とカナダ政府が計10%をそれぞれ取得する。

資本提携するフィアットはクライスラーを事実上傘下に収め、世界6位の自動車グループを形成する。両社合計の2008年の世界販売台数は約420万台だ。

(2009年5月1日01時20分 読売新聞)

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クライスラー破綻 政府支援は継続、再建へ資金援助

【ワシントン=尾形聡彦、デトロイト=山川一基、ニューヨーク=丸石伸一】経営難に陥っていた米自動車3位クライスラーは30日、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条を申請し、経営破綻(はたん)した。ただし、米政府は経済への悪影響を最小限に抑えるため、クライスラーの工場の操業などが続けられるように資金支援を実施。同業大手のイタリア・フィアットとも資本・業務提携を結び、短期間での経営再建を目指す。

オバマ米大統領が同日、「ヘッジファンドなど一部の債権者が(債務削減などの)譲歩に応じなかった。私は、クライスラーによる破産申請を支持する」と語った。

クライスラーが破綻に追い込まれた直接の原因は、米政府が支援継続の条件としていた債務の削減ができなかったためだ。だが、不況下で大手企業を倒産させるのは景気をさらに悪化させる恐れがある。このため、あらかじめ大半の関係者と債務や労務費の削減を決め、政府も支援を続ける「事前調整型」と呼ばれる異例の破綻処理策に近い手法を選んだとみられる。

これにより、米政府は、クライスラーが通常の破産法下と比べると大幅に短い30~60日間で再生を完了する見通しという。破産法下でディーラー網の削減などを進める「外科手術的な手法」(政府高官)で、収益力を高める。

提携するフィアットは当初、クライスラー株の20%を所有し、その後35%まで出資比率を引き上げる権利を持つ。米政府は今後、クライスラーに対し追加融資30億~35億ドル(約3430億円)を実施する方針。政府がクライスラー株の一部を取得して少数株主になる予定で、今後も事実上の公的管理を続ける。

1925年に創業したクライスラーは70年代以降、日本車の攻勢に押されて何度か経営危機に陥ったが、米政府の救済や同業他社との合併などで乗り切ってきた。戦前から世界の自動車産業を主導した「ビッグ3」の一角が崩れ、米国の大手3社体制は百年に一度とされる経済危機にとどめをさされるかたちで、事実上幕を下ろす。

クライスラーは昨年12月、米新車販売の急激な落ち込みで資金繰り難に陥り、米政府から40億ドル(約3920億円)の「つなぎ融資」を受けた。米政府に義務づけられた経営再建計画を今年2月に提出した際には、資金繰りが一層悪化したため、さらに50億ドル(約4900億円)の追加融資を要請していた。

これに対し、米政府は3月末、クライスラーは「単独では生き残れない」と判断。支援を続ける条件として、4月末までに、基本合意に達していたフィアットとの提携に最終合意し、抜本的なリストラや債務削減についても全米自動車労組(UAW)や債権者と合意するよう求めていた。

その後の交渉で、UAWとは労務費の削減などで合意し、大口債権者とも債務削減で基本合意していた。だが、残る一部の債権者との交渉が決裂し、政府の条件を満たすことが難しくなったため、自力再建を断念したものとみられる。

フィアットとの提携で誕生する米欧大手による新連合は、新車販売台数が08年実績の合算で425万台で、世界6位の規模になる。小型の大衆車に強みを持つフィアットの技術提供を受け、小型車強化で生き残りを図る方針だ。

一方、クライスラーと同じく経営危機に直面している米最大手ゼネラル・モーターズ(GM)についても、5月末までにリストラや債務削減策をまとめられなければ、政府支援が打ち切られることになっている。こちらも債権者やUAWとの交渉が難航していると伝えられており、あと1カ月余りが正念場だ。

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クライスラー:経営破綻 フィアットが資本提携で救済へ

【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は30日、経営危機に陥っていた米自動車大手クライスラーが、ニューヨーク市の破産裁判所に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると発表した。また、クライスラーがイタリアの自動車大手フィアットとの資本提携で合意に達したことも明らかにした。既に全米自動車労組(UAW)や債権者ら大半の利害関係者との間で協議が進展しており、クライスラーは破産法申請後、1~2カ月で再建協議を終了する見通しという。

クライスラーは、米政府が支援の条件としていた設定された4月30日の期限に向け、銀行やファンドなど債権者団との債務削減交渉を進めていた。クライスラーと米政府側が計69億ドル(約6800億円)の債務を22・5億ドルに削減する案を提示し、28日までに大手金融機関など主要債権者と合意していた。しかし、一部のヘッジファンドが難色を示し、29日深夜に交渉は不調に終わった。米自動車大手3社(ビッグ3)では初めての経営破綻(はたん)となる。

今回の破産法申請はその後の再建支援体制を用意した上での「事前調整型」の破綻に当たる。申請でクライスラーの債務は法的枠組みを通じて大幅にカットされる見通しで、米政府も最大80億ドルの公的資金による支援をする方針。フィアットの出資比率は当初20%で、将来は35%まで引き上げる。クライスラーはフィアットから小型車の技術供与や新車供給を受けて再建を急ぐ見通しだ。

しかし、ビッグ3の一角が破綻に追い込まれた衝撃は小さくなく、同様に経営危機に陥り公的支援を求めている米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)の再建の行方に影響を与える可能性がある。

クライスラーは98年、ドイツのダイムラー・ベンツ(現ダイムラー)と大西洋をまたぐ“世紀の合併”を実現。「ダイムラークライスラー」として成長を目指したが、商品力の弱さから販売不振に陥り、07年に合併を解消。米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントの傘下で再生を目指したが、ガソリン価格の高騰や米国の金融危機などで経営危機に陥った。

今年2月には米政府に50億ドルの資金支援を要請したが、オバマ政権は3月末に「単独での生き残りは困難」と判断。4月30日までに債務の大幅圧縮や労務費削減、今年1月から続けていたフィアットとの提携交渉を完了させることを抜本支援の条件として通告した。

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クライスラー経営破たん クライスラーの従業員からはさまざまな反応

アメリカの自動車大手「クライスラー」の経営破たんを受け、デトロイト郊外の工場で働くクライスラーの従業員は、さまざまな反応を見せている。

工場従業員は

  • 「会社のためになるなら良い」
  • 「(破産法を)今、申請すれば、市場でもっと力強い会社になる」
  • 「きょうはアメリカにとって悲しい日だよ」

と話した。

一方、破産法に基づく再建手続きだが、アメリカ政府は1~2カ月の短い期間で終了するとの見通しを示している。

今後、アメリカ政府は、クライスラーに最大80億ドルの公的支援をする方針。

また、フィアットは、まずクライスラーの株の20%を取得し、小型低燃費車の技術などを供与することになる。 しかし、ビッグ3の一角の破たんで、同じく経営再建中のゼネラル・モーターズの経営不安が一段と高まる可能性がある。

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5月 1, 2009 at 09:23 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.29

クライスラーとGM

クライスラーがフィアットとの資本提携で破産を逃れること出来るという報道と、GMが事実上の国有化になるという記事を集めました。

財務省による圧力の結果、26日には退職者向け医療保険をUAW運営の信託基金に移管する際の拠出額約100億ドルの一部削減で暫定合意。

この部分が一番大きいかと思いますが、クライスラーだから何とか合意したという面もあるでしょうね。
これがそのまま、GMにも適用されてUAWが全面譲歩となるのか?ということころが注目でしょう。

GMが債権の株式転換をしても、本質的には帳簿上の対策でしょうから、体質転換が出来るのか?という問題は残ります。
ブランドの縮小やディーラー網の縮小は「背に腹は替えられない」というところかと思いますが、必要なのは新時代向けの製品開発力の維持や向上のための投資であって、一方で縮小しつつ一方で拡大するというの極めて難しいことの一つですから、この情報だけでGM安泰とは言えないし、アメリカ政府がGMの発表をそのまま受け入れるかどうかも分からないですね。

さらには、クライスラーが合意したとされる、UAWとの交渉もGMにまとめる力があるのか?となりますから、こうなるとGMが大きいから対策が出来ないという構図とも見えます。

クライスラー破産回避へ 債権者と米財務省が合意 米紙報道

【ワシントン=渡辺浩生】
米紙ワシントン・ポスト(電子版)など米主要メディアは28日、経営危機に陥っている米自動車大手クライスラーの債務圧縮について、米財務省と債権者グループの交渉が合意に達したと報じた。

26日には退職者の医療費負担軽減で全米自動車労働組合(UAW)と暫定合意に達しており、公的支援継続の期限とする今月30日までに、イタリアの自動車大手フィアットとの資本提携が実現し、破綻(はたん)回避の見通しが高まったとみられる。

同紙などによると、債権者グループは、約69億ドル(約6600億円)の債務を20億ドルまで圧縮することで合意した。再建後のクライスラー株式の55%をUAWが保有し、フィアットは35%、政府と債権者が残り10%の株式を分け合うことになるとしている。ただ、破綻の可能性は依然残っているとの報道もある。

政府は支援継続の条件として、今月末までにフィアットとの資本提携合意、債権の大幅圧縮、人件費の大幅削減を要求。しかし交渉は難航し、連邦破産法適用を今週内に申請するとの観測も一時高まっていた。

しかし、米市場再進出を狙うフィアットのマルキオンネ最高経営責任者(CEO)の粘り強い交渉や、破綻を回避させたい財務省による圧力の結果、26日には退職者向け医療保険をUAW運営の信託基金に移管する際の拠出額約100億ドルの一部削減で暫定合意。最も強硬だった債権者も債権放棄の額を引き上げる歩み寄りの姿勢を見せていた。

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クライスラー債務削減合意 破綻回避の可能性強まる

【ニューヨーク28日共同】
経営危機に陥った米自動車大手クライスラーの債務圧縮をめぐる債権者団と財務省の交渉が合意に達した。米政府高官が28日、共同通信の取材に対し、合意を確認した。

クライスラーは今月末までにイタリア自動車大手フィアットとの資本提携交渉で最終合意できないと、破産法の適用申請を迫られる恐れがあった。債権者団との合意で経営破綻を回避できる可能性が強まり、フィアットと詰めの交渉を急ぐ。

高官は「非常に大きな成果だ。クライスラーの経営再建を成功させるため、すべての利害関係者が犠牲を払うという大統領の固い方針に沿っている」と合意を歓迎した。

米メディアによると、交渉はクライスラーに代わって財務省が主導、債権者団は69億ドル(約6600億円)の債務のうち約7割の削減に応じることになった。フィアット首脳は、30日にクライスラーとの交渉結果について発表する方針という。

政府はクライスラーへの支援継続の条件として、今月末までを期限にフィアットとの資本提携交渉の完了を示したが、大幅な債務削減を求められた債権者との交渉が難航していた。

26日に労務関連費をめぐる労働組合との交渉が暫定合意に達したほか、ドイツ大手ダイムラーも保有する約20%のクライスラー株の放出を決め、期限を間近にフィアットとの提携実現への環境が整いつつある。ただ破綻の可能性は依然残っているとの報道もある。

クライスラーとフィアットの資本提携が実現すると、2008年の世界新車販売台数で6位となり、大西洋を挟んだ大型自動車連合が誕生。政府は提携が完了すれば、クライスラーに最大60億ドルを追加支援する方針を示している。

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GMが追加リストラ策発表、人員削減やブランド廃止

(CNNMoney)
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は27日、破綻回避に向けた追加リストラ策を発表した。人員削減や主要ブランド「ポンティアック」の廃止、440万ドルの債務削減策を盛り込んでいる。同社は米政府から追加融資を受ける条件として、2月に提出した再建計画の見直しを求められていた。

追加リストラ計画では、工場を閉鎖して2011年までに米国で2万3000人を削減。ディーラー網も2010年までに40%削減する。

債務圧縮に向け、債権者には債務の株式化に応じるよう求めた。米財務省にはこれまでに融資を受けた約100億ドル(約1兆円)を返済する代わりに、GM株の保有を提案。全米自動車労働組合(UAW)が運営するファンドにも株式保有を提案した。これにより、財務省とUAWで合わせてGMの89%を保有することになる。

フリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は同日記者会見し、新計画に基づき早ければ2010年にも黒字化を目指すと表明。ただし5月31日の期限までに債権者が債務の株式化に応じない場合、破産法の適用申請に踏み切る公算は依然として大きいと強調した。

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米政府、GM筆頭株主に 新再建計画、ディーラー網半減

米自動車大手GM(ゼネラル・モーターズ)は、同社が27日に発表した再建案を計画通りに実施した場合、米政府が少なくとも半数の株式を保有することになる。

同社は27日、負債を440億ドル(約4兆2400億円)圧縮する計画の下で債務の株式への交換を債券保有者に提案、ディーラー網のほぼ半分の規模への縮小を含む再建計画を示した。米オバマ政権がこれを受け入れれば、米財務省は再編後のGM株の少なくとも半分を保有することになる。

センター・フォー・オートモーティブ・リサーチの労働アナリストでエコノミスト、ショーン・マカリンデン氏は「政治経済学は今や米経済の一部になった」として「米政府のGMの持ち分はドイツのニーダーザクセン州のフォルクスワーゲン持ち分や仏政府のルノー持ち分より大きくなる」と指摘した。

米政府がGMへの融資100億ドルの債権を株式に転換すれば、政府はGMの筆頭株主となる。政府の融資は担保付きのため、米政府はGMの無担保社債保有者に比べ優遇される。

オバマ政権が前任のリック・ワゴナー氏を更迭して就任させたヘンダーソンCEO(最高経営責任者)は、破産申請回避に向け負債圧縮と経費削減を図っている。政府が設定した期限は6月1日。政府は昨年12月のGM救済以来、1億ドルを超える同社の支出について拒否権を持ち、CEOに加え会長も指名している。

GMによれば、6億1050万株を持つ既存株主は再編後の同社株を実質ベースで約1%保有することになる。GMは債務再編案に基づき約600億株の新株を発行する。新株のうち10%は現在の社債保有者が持つことになる。

ヘンダーソンCEOによると、残り89%は米政府と全米自動車労組(UAW)が保有し、米政府の持ち分は少なくとも50%となる。

ギブズ大統領報道官は27日、「自動車会社の日々の経営に携わることは本政権の意図ではない」と述べた。GMが自立して政府支援なしに存続できるような計画の立案に、政府はかかわると説明した。

GMは既に受けた政府融資154億ドルに加え最大でさらに116億ドルの借り入れが必要だとしている。既存融資の保持と新規融資獲得のためには負債を圧縮する必要がある。米政府が検討中のGMの最新提案は、政府融資のうち100億ドルを再編後会社の株式に転換することで債務圧縮を図る内容。

ヘンダーソンCEOは27日のアナリストとの電話会議で、米政府の目的は政府融資が全額返済されるか、株式に転換した場合は十分な株主利益が上がることだとし、政府の立場はプライベートエクイティ(未公開株)投資会社と同様になると説明した。

4月 29, 2009 at 10:55 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.03

イギリスに続いてドイツも YouTube での音楽配信が停止

日経新聞より「米ユーチューブ、独でも音楽ビデオ配信停止

【シリコンバレー=田中暁人】
米グーグル傘下で動画共有サイト最大手のユーチューブは2日、ドイツで音楽ビデオ配信を停止したことを明らかにした。

配信に必要なライセンス料支払いを巡り、同国の権利団体と対立したため。

ユーチューブは英国でも同様の問題で音楽ビデオ配信を停止中。
欧州の音楽業界との対立が深刻化してきた。

レコード各社から使用許諾を受けた音楽ビデオの配信を止めた。

ドイツで音楽ビデオを配信するには、権利団体「GEMA」にライセンス料を払う必要がある。
ライセンス料増加を求める権利団体と、利用料が高額とするユーチューブが対立。
「交渉がまとまるまで配信を停止する」(ユーチューブ)という。

ユーチューブは英権利団体とも価格交渉で対立中で、3月中旬から音楽ビデオ配信を停止している。

動画サイト世界最大手のユーチューブはドイツや英国でも圧倒的シェアを持つが、ネット広告による収益基盤の確立は道半ばで、今後もコンテンツ業界との厳しい交渉が続きそうだ。 (14:07)

日本のテレビに「テレビ番組をネットに流したり、共有してはいけません」という広告が流れます。

最初は、なんにも感じなかったのですが、民間放送にとっては「特定の電波に載せません」というのと同義語ですよね。

明らかにどこか時点で「ネットにテレビ番組を流さないと広告収入に影響する」と意地代が来るでしょう。

そうなった場合「ネットワークはテレビ番組を流さなくてはなりません」という広告に変わるのではないのか?と思うのです。

YouTube 問題も、YouTube に流れなくなったらCDがまるで売れなくなった、ということも起こりうるでしょう。
この争いがどういう結末になるのか非常に興味深いところです。

4月 3, 2009 at 04:56 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.01

GM・CEOが交替したのだが

朝日新聞より「背水GM、最後の挑戦 新CEO、覚悟の初会見

【デトロイト=山川一基】
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のフレデリック・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は31日、就任後初の会見を開き、米政府に与えられた期限内にリストラ交渉がまとまらなければ破産申請する方針を鮮明にした。

同社とクライスラーは前日30日、米政府に「最終通告」を突きつけられたばかり。GMは自ら退路を断ち、破綻(はたん)回避のための最後の挑戦に臨む。

「60日間の期限で新しい経営再建策がまとめられなければ、破産申請することになるだろう」。
9年間GMの指揮をとったリチャード・ワゴナー氏に代わり、前日にCEOに就いたばかりのヘンダーソン氏は31日、デトロイト市にあるGM本社内で開いた会見で明言した。

その新再建策のとりまとめは「極めて困難な課題」(ヘンダーソン氏)だ。

政府の作業部会がまとめたGMの再建計画への評価はさんざんだった。

  • 「環境技術は少なくともトヨタより1世代遅れている。
  • GMの電気自動車は高過ぎる。相当のコスト削減が必要」
  • 「ここ30年間で毎年平均0.7%のシェアを失ってきたのに、14年までは0.3%と(過小に)見込んでいる」

作業部会は債務や資金繰りについても見通しの甘さを指摘し、「楽観的すぎる」と結論づけた。
残る時間は、計画の再提出期限である5月末までの2カ月間。さらに厳しい市場予測に基づく収支計画や、より現実的な先進技術の開発を約束しなければならなくなった。

GMのOBで、経営コンサルタントのロバート・クラインバウム氏は「GMは目前の痛みを避けて、本質的な問題をやりすごそうとする文化が長年根付いている。その点をついに政府に指摘された」と言う。
「痛みに耐えて抜本改革ができるかどうか最後の機会であり、その改革のためならば破産法申請も一つの重要な手段だ」と指摘する。

GMは債権者や全米自動車労組(UAW)との交渉にてこずっている。
破産法を申請すれば両者との契約を見直しやすくなり、再建は大幅に進む。

3月31日付のウォールストリート・ジャーナル(電子版)は「政府はGMとクライスラーを経営破綻に追い込み、良い資産と悪い資産に分ける積極策を検討し始めた」と報じた。

ただ、新CEOは「法的措置なしにリストラするのが最優先」ともしている。
破産すればGMの株は紙くずになり、UAWも大きく力をそがれる。
GMが破産法申請を前面に出すのは、両者との交渉を有利に進めたい思惑もありそうだ。

政府としても、これ以上の失業率上昇や景気悪化につながる巨大企業の経営破綻は避けたいものとみられる。
オバマ大統領は同月30日に「自動車産業をなくさない」と宣言した。結局GMは倒産させられないとの見方も根強い。

あまり難しく考えるまでもなく、現時点で山川一基記者の判断が世論そのものでありましょう。
その意味では、ワゴナー会長が居座っていること自体が、世論と乖離していたのだから、それを是正するために、CEOが後退したのは分かりやすいことです。

しかし、巨大企業GMをどうするべきか?について世論もアメリカ政府も確信的に方向性を見いだしてはいないだろう思います。
つまりは現状維持の弥縫策なのではないか?

一方、全米自動車労組の立場も容易に転換できるものではないでしょうし、研究開発についても、大変な状況でありましょう。

「GMの倒産は論外」と言っている事で、よりいっそう時間を空費し最終的に「GMののたれ死」に至るかもしれません。

4月 1, 2009 at 11:24 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.31

GMとクライスラーに最終通告

朝日新聞より「GM、クライスラー破産も視野、リストラ迫る 米大統領

【ワシントン=西崎香】
オバマ米政権は30日、経営危機が続く米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)と3位クライスラーに対する救済の基本方針を発表し、抜本的な経営再建計画がまとまれば追加支援する計画を打ち出した。

オバマ大統領は両社に対し、破産手続きの申請も視野にリストラを強く要求した。

米政府はクライスラーは単独では生き残れないと判断し、イタリアの自動車大手、フィアットとの資本提携に30日以内に合意することを追加支援の条件にした。

経営陣の交代などを求めたGMには、60日以内に再建計画をまとめることを要求。

現時点ではリストラが不十分なため、両社への本格的な追加支援を見送るが、再建計画の策定期間中に必要となる「十分な短期資金」は供給し、破綻(はたん)を防ぐ。

オバマ大統領は同日、声明を読み上げ、両社に

「限られた時間を与える。企業や労組、債権者、ディーラーなどの関連業界が厳しい決断をして初めて、納税者に自動車業界への追加投資を求めることができる」

と述べた。
難航が予想される再建交渉を迅速化させるため「破産手続きの利用もあり得るだろう」と、破産申請も視野に入れていることを明らかにした。

経営危機が深刻なクライスラーについて、基本方針をまとめた政府の作業部会は「単独では生き残れない」と指摘。30日間の資金繰りに応える短期融資を実施。
その間に1月に基本合意したフィアットが同社の株式35%を取得する提携交渉を完了させた場合は、さらに最大60億ドルの政府融資を検討する。

無理なら政府支援を実質的に打ち切り、破産処理を視野に入れた。

経営規模が大きいGMに対しては、米経済への打撃に配慮する形で、経営再建を支える姿勢を鮮明にした。

策定中のリストラ計画を改善すれば「GMの競争力が増すことに政権は自信を持っている」と指摘。財務省を中心にした作業部会が密接に協力し、60日以内に最終的な再建計画を策定するため、必要な短期資金を供給する。この間に長期的な本格支援を検討する。

GMは30日、ワゴナー会長兼最高経営責任者の引責辞任を発表した。両社に対する支援で政府は昨年12月、計174億ドルの融資を決定。両社はその後、計216億ドルの追加融資を求めていた。

サンケイ新聞より「米大統領、自動車追加支援策を発表 強い姿勢でリストラ迫る

【ワシントン=渡辺浩生】
オバマ米大統領は30日、公的支援を受けて経営再建中の米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、厳しい条件を付けた追加支援策を発表した。

新たにGMへ60日分、クライスラーには30日分の運転資金を支援する。

そのうえで、クライスラーには、イタリア大手フィアットとの資本提携交渉を1カ月以内に締結すれば、最大60億ドル(約5800億円)の追加融資を受けられるが、失敗すれば政府は支援から手を引くと表明した。法的破綻(はたん)も辞さない態度で両社に抜本的リストラを迫った。

オバマ大統領は声明で自動車産業を「アメリカン・スピリットの象徴。簡単には消滅させない」と強い口調で政府が再建を主導する決意を示した。

政府の発表に先立ち、GMは30日、ワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任を発表。
支援継続と引き換えに、経営責任の明確化を迫る政府の要求に応じて引責辞任した。新CEOにはヘンダーソン社長兼最高執行責任者(COO)が就任。外部から起用されたクライスラーのナルデリCEOは職にとどまる。

自動車産業の再建を主導する対策委員会(タスクフォース)は同日、両社が2月に提出した再建計画について「存続可能性について信頼できる道筋をつけられなかった」とする報告をまとめた。クライスラーには「単独の企業として存続不能」と結論付けた。

GMとクライスラーは2月に計216億ドルの追加支援を要請。同委員会は3月末を期限に計画を検証してきた。同委員会は両社の計画を「実行可能性がない」と指摘すると同時に、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用による再建手法を「(債務問題などを)容易に解消する手段」と指摘している。

特に、GMについては、人件費圧縮のための退職者向け医療保険制度の見直しをめぐる全米自動車労組(UAW)との交渉や、債務圧縮のための債権者との交渉が難航を続けている。
フィアットは基本合意したクライスラーとの資本提携について、政府の追加支援を前提に置くなど交渉が長引いている。

政府は経営破綻の可能性を突きつける強い態度で、GMがUAWと債権者の交渉を、クライスラーがフィアットとの提携交渉をそれぞれの期限内に実現できるよう圧力を加えた格好だ。

30日とか60日と厳しく両社に迫っていますが、これまでの流れを考えるとこのような短期間で無事にまとまるものなのでしょうか?

わたしの考えでは、クライスラーはすでに自動車の大企業として世界に挑戦するだけの力に欠けていると思います。
しかし、自動車業界は小企業も成立する業界ですから、身の丈にあった経営によって規模を縮小して存続することも可能かとは思います。
ただ、このような事例はイギリスの自動車業界の危機にも現れた事であって、現実にはベンチャー企業のようなごく小規模なメーカーが台頭することになるようですが・・・・。

一方のGMは、巨大企業ですから質的に健全な経営が出来れば非常に有望ではありますが、退職者医療制度のような経営にとって質的に極めて重大な問題を抱えていて、これが短期間で解決できるものなのでしょうか?

状況は予断を許さないというか、崖っぷちに追い詰められた、と言えそうです。 ダウ平均は前週末比254・16ドル安の7522・02ドル、3%以上の下落でした。
株式市場もGMとクライスラーの将来をかなり悲観的に見ている証拠でしょう。

3月 31, 2009 at 09:46 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.03.30

GMワゴナー会長辞任ではあるが

日経新聞より米GMワゴナー会長、辞任へ 米メディア報道

【ニューヨーク=小高航】
経営危機に陥っている米ゼネラル・モーターズ(GM)のリチャード・ワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO=56)が辞任する見通しとなった。

複数の米メディアが29日、報じた。30日に米政府が追加支援策を打ち出すのに合わせ、経営責任を明確にするもよう。

後任は未定。
ワゴナー氏は2000年6月にGMのCEOに就任。

しかし大型車への傾斜が裏目に出て、08年までの4年間で計820億ドル(約8兆円)もの最終赤字を計上。
昨秋の金融危機で資金繰りが悪化し、巨額の政府支援を受け経営再建を目指していた。 (06:44)

ロイターより「米GMのワゴナーCEO、政府の要請で辞任へ=ホワイトハウス当局者

[ニューヨーク 29日 ロイター]
米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)のワゴナー最高経営責任者(CEO)は、オバマ政権の要請を受け、辞任することに合意した。
ホワイトハウス当局者が29日明らかにした。

オバマ大統領は30日に経営再建中のGMとクライスラー[CBS.UL]に対する追加支援計画を発表するとみられている。

NEW YORK TIMES より「G.M. Chief Is Said to Be Resigning in Deal With U.S

DETROIT ―
The chairman and chief executive of General Motors, Rick Wagoner, resigned Sunday as part of a broad agreement with the Obama administration to funnel more government aid to the ailing auto giant, according to people close to the decision.

Mr. Wagoner, who has served as G.M.’s top executive since 2000, agreed to step down after it was requested by the president’s auto task force.

G.M. had no immediate comment on the stunning development, which happened on the eve of Mr. Obama’s announcement on Monday detailing his rescue plans for G.M., Chrysler, and the larger American auto industry.

But people in the company said G.M. would issue a statement on Mr. Wagoner after the president unveils his plan in Washington.

“The bigger surprise is not that he resigned. That was going to happen sooner or later,” said Michael Useem, professor of management at the Wharton School at the University of Pennsylvania. “But the moment seems inexplicable.”

The president’s task force is expected to recommend more short-term aid for G.M. and Chrysler, but with tight strings on the money and a deadline on getting concessions from union workers and creditors.

A person with direct involvement in the auto bailout discussions said the administration would set a new deadline of April 30 for the automakers to come to terms with the bondholders and the union.

“Thirty days from now, there will either be a bankruptcy or the naming of a chief restructuring officer who will have government authority to ‘knock heads together,’ ” this person said. In addition, the government must come up with a backup guarantee on loan for G.M. to operate during bankruptcy because the banks will not do it.

G.M. and Chrysler have almost exhausted the $17.4 billion in federal aid the two companies have received since December. G.M. has asked for up to an additional $16.6 billion, and Chrysler has requested another $5 billion.

According to people close to the talks, the task force will be treating G.M. and Chrysler differently with respect to their restructuring plans and aid requests.

Chrysler has submitted a stand-alone revival plan, but has also proposed entering a global alliance with the Italian automaker Fiat.

People with knowledge of the task force’s deliberations said that members so far are looking favorably on the deal, which would give Fiat a 35-percent stake in Chrysler in exchange for providing small cars and engines to the American company.

Like Chrysler, G.M. submitted a restructuring plan in February for the government that called for cutting 47,000 jobs worldwide and drastically shrinking the company’s models, brands and dealers.

But people close to the auto task force said some of its members considered the plan inadequate to transform G.M. into a profitable enterprise.

Mr. Obama, in comments in a televised interview on Sunday, said neither G.M. not Chrysler had yet to meet the conditions of their existing loans.

“That’s going to mean a set of sacrifices from all parties involved ― management, labor, shareholders, creditors, suppliers, dealers. Everybody’s going to have to come to the table and say it’s important for us to take serious restructuring steps now in order to preserve a brighter future down the road,” Mr. Obama said in a taped interview on the CBS news program “Face the Nation.”

While President Obama did not specify a need to replace Mr. Wagoner at G.M., the president has repeatedly cited mistakes made by management as a contributing factor to the industry’s troubles.

Mr. Wagoner was not available for comment, according to people at G.M. As recently as March 18 he said in an interview that he did not consider his job at stake in his discussions with the president’s auto task force. “They so far haven’t commented on that,” he said.

Administration officials stopped short of saying that Mr. Wagoner was forced out, only that he was asked to leave and agreed, according to people with knowledge of the decision.

A person close to discussions said that G.M.’s president, Frederick A. Henderson, or possibly a board member, would serve as chief executive on an interim basis, but that the task force planned to recruit an outside restructuring specialist to run the company.

Mr. Wagoner’s departure at G.M. marks an end to a corporate hierarchy that spanned generations. The only previous G.M. chairman to leave under duress was Robert C. Stempel, who was force to resign in 1992.

Mr. Wagoner, a graduate of Duke University and the Harvard Business School, vaulted into Detroit’s consciousness in 1992, when he was named G.M.’s chief financial officer at the age of 38. He was a prote'ge' of G.M.’s former chief executive, John F. Smith Jr., who ran the company after Robert C. Stempel resigned in October 1992.

Mr. Wagoner stepped in when G.M.’s purchasing chief, Ignacio Lopez de Arriortua, left for Volkswagen in 1993. A year later, Mr. Wagoner was named president of G.M.’s North American operations, and was elevated to president of the company and its chief operating officer in 1998. He succeeded Mr. Smith as chief executive in 2000, and became G.M.’s chairman in 2003.

Mr. Wagoner followed Mr. Smith in expanding G.M.’s operations outside the United States. In 2007, G.M. sold more vehicles outside North American than it did in its core market, thanks in part to Mr. Wagoner’s aggressive pursuit of sales in China, Latin America and eastern Europe.

But G.M.’s share of its most important market, the United States, declined steadily under Mr. Wagoner. In 1994, when he took charge of North America, G.M. held 33.2 percent of the American market. Last month, G.M. held only 18.8 percent of American auto sales, according to statistics from Motorintelligence.com, which specializes in industry data. Auto sales in February were the worst for the industry since 1981.

Shortly after taking the chief executive’s job, Mr. Wagoner predicted that G.M. could earn as much as $10 a share by the middle of the decade, due to efforts the company expected to take to cut its costs, transform its operations and grow its business.

Last year, Mr. Wagoner led the celebration for G.M.’s 100th birthday, promising to steer the automaker into its next century with new technology and a renewed vigor. But G.M. collapsed last fall when new-vehicle sales in the United States plummeted to their lowest level in 25 years. G.M. lost more than $30 billion in 2008, and has been subsisting on government loans since the beginning of the year.

As G.M.’s biggest defender over the years, Mr. Wagoner has long been the target of critics including shareholders.

“He’s a victim of problems that his predecessors did not solve, but he’s also responsible for where G.M. is today,” Mr. Useem said.

Bill Vlasic reported from Detroit and Sheryl Gay Stolberg from Washington. Micheline Maynard contributed reporting from Detroit.

Google による機械翻訳

デトロイト-
ゼネラルモーターズ、リックワゴナー会長兼最高経営責任は、オバマ政権との広範な合意には、経営難の大手自動車メーカーへの政府援助目標到達プロセスの一環として、人々は近くの決定によると日辞任した。

ワゴナー氏は、 GM社の最高経営責任者として2000年から提供しており、後には、大統領の自動タスクを強制的に要求されたステップダウンすることで合意した。

G.M.素晴らしい開発には、オバマ氏の発表日の前夜にGMは、クライスラーは、米国の自動車業界向けの大型の救助の計画の詳細が起こったのでコメントした。

しかし、会社の人々とG.M.後は大統領ワシントンの彼の計画を発表ワゴナー氏の声明を発表するだろう。

"辞任は大きな驚きではない。は、遅かれ早かれが起きようとしていた"とマイケルユシーム、ペンシルベニア大学ウォートンスクールで経営の教授は述べた。 "しかし今のところ不可解なようだ。 "

大統領の作業部会をもっとGMの短期的な援助をすることをお勧めする予定だとクライスラーが、資金がタイトな文字列や労組員、債権者から譲歩を得る上で締め切り。

自動救済議論に直接的な関与を持つ人は、政権は、自動車メーカーのための社債権者との連合を受け入れることが4月30日の新たな期限を設けると発表した。

今から" 30日間は、いずれかの政府当局者は、 '一緒に頭をノックする必要がありますが倒産やリストラ長は役員の命名され、 "この人だ。また、政府は遺伝子組み換えでバックアップのためのローン保証を打ち出す必要がありますこれは、銀行が倒産時に動作するようにするのは無理だ。

G.M.とクライスラーの2006年12月以来、ほぼ2社を受けている連邦政府の援助で、 17400000000ドル枯渇している。 G.M.最大16600000000ドルの追加を要求しており、クライスラーの50億ドルを要求している。

交渉に近い筋の人々によると、 GMはこのタスクフォースは治療されるとクライスラーのリストラ計画や援助を求めたが、異なる点です。

クライスラーは、スタンドアロンの再生計画案を提出しているイタリアの自動車メーカー、フィアットは、世界的な同盟関係を入力すると提案している。

このタスクフォースの審議の知識を持つ人々は、メンバーがこれまでのところ好意的に対処するには、フィアットは35 %の株式を保有すると、クライスラーに小型車や米国の会社にエンジンを提供と引き換えに、探していると述べた。

クライスラー、 G.M.同様2007年2月に政府は、世界の47000の仕事は、同社のモデルを大幅に削減、ブランド、販売店の縮小を求めるためのリストラ計画を提出した。

だが、人々は近くの自動タスクを強制的に一部のメンバーとGMの計画を変えるには不十分な考え企業の利益に。

オバマ氏は、日曜日にテレビのインタビューで、コメント欄では、ともGMのクライスラーは、まだ、既存の融資の条件を満たす必要があった。

"それはすべての関係者-管理、労働者、株主、債権者、サプライヤー、販売店からの犠牲のセットを意味するだろう。みんながテーブルに来ているだろうし、我々にとっては深刻なリストラ対策を講じるためには、道路下の明るい未来を維持することが重要だと言う、 "オバマ氏は、 CBSのニュース番組の録画インタビューをしている"フェイスザネーション"

オバマ氏は大統領が必要でGMのワゴナー氏の代わりに指定していないが、大統領の過ちを繰り返して管理して、業界の問題に貢献した要因として挙げている。

ワゴナー氏のコメントは、人々によるとGMのでは利用できませんでしたつい3月18日のインタビューで彼は彼が大統領の自動タスクフォースとの議論にかかって自分の仕事を考慮していない。その上でコメントしていない"彼らは今のところがある"と述べた。

ワゴナー氏によると、政権を余儀なくされた、彼だけを残すように頼まれたと合意したとまでは言わずに、その決定の知識を持つ人々に応じて停止した。

議論に近い人は、 GM社の社長は、 1つの。フレデリックヘンダーソン、または可能性のボードメンバーになると、最高経営責任者として、暫定的にはなるが、タスクを実行する力は、企業のリストラは、外部の専門家を採用する計画を明らかにした。

ワゴナー氏はG.M.で出発その世代のスパンは、企業の階層に終止符をマーク。唯一の前G.M.委員長に脅迫されて残すロバートCステンペルは、 1992年に辞任を強制されました。

ワゴナー氏は、デューク大学を卒業し、ハーバード大学ビジネススクール、 1992年にデトロイトの意識吹き抜けには、彼がGMの最高財務責任者38歳で指名された。彼はprote'ge '者ロバートCステンペル1992年10月に辞任した後、同社はGMの元最高経営責任者、ジョンFスミスジュニアのだった。

ワゴナー氏は、 GMの購買部長が、イグナシオロペスデArriortua 、 1993年にフォルクスワーゲンの左側にある。その1年後には、ワゴナー氏は、 GMの北米部門の社長は、命名され、会社の社長と最高執行責任者に、 1998年に昇格した。彼は2000年に最高経営責任者として、成功したとスミスさんは2003年にGM社の会長に就任。

GMのワゴナー氏は、米国外の事業拡大にスミスさん続いた。 2007年には、 G.M.中国、中南米、東ヨーロッパでの売上高のワゴナー氏は積極的に追求する部分で、北米以外の販売よりもさらに車の中核市場では、感謝します。

しかし、その最も重要な市場のGMのシェアは、アメリカ合衆国、ワゴナー氏の下で着実に減少した。 1994年には、彼が北米は、 GMを担当した米国市場の33.2パーセントを開催した。先月、 G.M.アメリカの自動車販売は18.8 % 、 Motorintelligence.comは、業界に特化データの統計によると開催した。 2007年2月の自動車販売は、業界にとって1981年以来、最悪だった。

近く最高経営責任者の仕事を受けた後、氏は、 GMのワゴナー予測この10年間の半ばまでに、同社はコスト削減の努力を期待するために、その操作を変換し、ビジネスを成長により1株当たり10ドルとして獲得する可能性がある。

昨年は、ワゴナー氏は、新しい技術と気合を入れて、その次の世紀への舵取りをする有望な自動車メーカー、 GMの100歳の誕生日のお祝いを主導した。しかし、 G.M.最後に、米国で新車販売25年ぶりの低水準に急落した秋崩れ落ちた。 G.M.し、 300億ドル以上を失った2008年に政府の融資で、今年の初めからsubsistingされています。

年間ではGMの最大の擁護者としては、ワゴナー氏は、株主などの批判の標的にされています。

問題の"被害者は自分の前任He'sa解決しなかったが、彼にも責任があるのは、 GMの本日、 "ミスターユシームいる。

法案Vlasicデトロイトとシェリルシュトルベルク同性ワシントンから報じた。 Michelineメイナードデトロイトからのレポートです。

どうも素直に巨大企業が業績不振の責任を取ったとは読めないですね。

考えてみると、GMのまずかったところは、過度にアメリカ国内向けに傾斜した車種開発であったために、海外では全く販売が出来ず、同時に省燃費車も開発できなかった、といったところであって、販売不振そのものは米国国内の極端な景気悪化の問題でしょう。

多分それを理由にして、自ら辞任することはないという立場であったのでしょうが、オバマ政権は許さなかった。
国が救済資金を出しているし、さらなる資金投入が必要とされる状態では「前経営者が辞任しないと話が進まない」というシナリオなのでしょう。

しかし、GMについてだけ考えても、全米自動車労組の合意が無くては、資金需要の縮小も出来ません。さらに、米国国内での経営責任を考えると、複数の金融機関の経営者の行動が問題になっているわけで、米国全体としてはうまく解決できないのではないか?と感じます。

元もと、1945年に第二次大戦が終結した段階では、米国だけが生産力が無傷な先進国でした。
その後、先進国ではほとんど戦争がなかったから、各国の経済競争力は上がり本質的にはアメリカは経済的競争で徐々に圧倒的リードから普通の国なるはずだったところが、結局は為替操作で、自国が有利になるように立ち回っていた、ということなのでしょう。

だからこそ、為替レートが問題になるわけですが、経済力そのものの競争ではないから、いわば競争ルールの方を変更し続けて来たわけで、限界に達してしまったらどうするのか?という問題に直面しているだと思います。

オバマ政権が、意外なほど表面的というか帳尻合わせのような選択をしているように見えます。
間違えなく世界経済危機ですが、オバマ政権が短期で収束させるのではないか思っていたところが、予想に反して長期に渡って世界不況が続くのではないか?さらには、資源戦争に発展するのではないか?という不安を感じます。

3月 30, 2009 at 09:59 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (3)

2009.03.19

AIG問題の深刻さ

朝日新聞より「米全土が憤慨 AIG公聴会、高額報酬に怒り爆発

【ワシントン=西崎香、ニューヨーク=丸石伸一】
米政府救済を受けている米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が米議会や政府の猛烈な批判を受けている。

巨額の公的資金を受け取りながら、幹部に高額のボーナスを出し、詳細な情報開示も拒んでいるためだ。下院が18日に開いた公聴会で厳しく追及されたAIGのリディ最高経営責任者(CEO)は「(経営に)誤りがあった」と認め、経営改善に取り組むと釈明した。

ニューヨーク州のクオモ司法長官の調査によると、AIGは13日、同社の実質破綻(は・たん)の原因をつくった金融子会社の幹部らにボーナス計1億6500万ドル(約160億円)超を支給した。

100万ドル(約9800万円)超の幹部は計73人。

ボーナスは有能な人材の流出を防ぐ目的だったが、73人のうち11人はすでに退社している。米メディアによると、AIGは10年までに約400人に対して最大で計4億5千万ドル(約440億円)支払う予定という。

18日の下院の金融サービス委員会小委員会の公聴会で、ボーナス支給に対する議員の怒りが爆発。

AIGについて「尊大で欲張りだ」「米全土が憤慨している」「(公的)資金を取り戻さなければいけない。(政府は)訴訟を検討すべきだ」「納税者にお金を返すまで、ボーナスはなし」「AIGは破産手続きを経て、ちゃんと整理されるべきだ」などと、批判が続いた。

米政府は、これまで4回にわたり同社に総額約1735億ドル(約17兆円)もの公的資金を投入し、実質的に同社の株式の8割を保有。
経営は政府の管理下にあり、高額報酬を見逃した政府への世論の怒りがつのる。

リディCEOは公聴会に提出した証言要旨で、ボーナス支給の一部について「不快に感じる」「私も社会の怒りを共有している」「AIGでは、不可能に近いといってもいいほどの過ちが犯された」と自ら認めた。

同CEOは政府救済を受けて昨年就任し、ボーナス支給も含めた経営判断には関与していないといわれるが「我々は政府に返却する(公的)資金を最大化するため、基本的に米納税者に代わってAIGを運営している」と説明し、政府への負債返済を最優先させる考えを打ち出した。

米政府・議会は支給されたボーナスを回収する方針。オバマ大統領の指示を受けたガイトナー財務長官は、高額報酬を規制した金融救済法をもとに回収する方法を検討する一方、過剰なボーナスを公的資金から差し引くことを同社と調整している。
米議会は、ボーナスのほぼ全額を課税で回収する法案の採決を検討。クオモ司法長官はボーナスが誰にいくら支払われたのかを公表するよう求めている。

今後のボーナス支給の差し止めも検討している。しかし、支給は米政府が救済する前の08年初めに決まっていたとされ、リディCEOは証言要旨で
「(支給には)法的義務がある」と説明している。

政府がAIGの支給決定を覆すために訴訟を起こせば、ボーナスの支給額を大きく上回る損害賠償請求をAIG側から受ける恐れがあり、高額の訴訟費用の負担も強いられる。支給後、全額に近い課税で回収する案が有力視されている。

この一週間ほどこのニュースが大きく報道されているのに、全く事態が動かないのでどうしたことなのか?と思っていたら、こんな事情だったのですね。

結局は「トレーダーは会社が利益を得るか損失を被るかに関係なく、ボーナスを受けることができる」といった契約だった、ということのようですね。

しかし、現実は会社が成り立たないほどの損失を作ってしまったのだから、ボーナスを支給しようにも原資がないわけで、たまたま破たん処理ではなくて公的資金投入だから、ボーナスを受け取れるというのでは、誰だって怒るでしょう。

ここまでは、理解していましたが、アメリカ政府が「そんな契約は無効だ」と宣言すれば何とかなるだろうと思っていたら「ボーナス支給額を大きく上回る損害賠償請求訴訟を起こされる」というのは予想外でした。

こんなこともまとめられないようでは、アメリカの経済再生はできないのではないでしょうか?
日本がいまだに不動産バブルの後遺症に悩まされていて、それが投資行動が実際には「お金がお金を生む」という方向にしか向かわず、実物経済の成長を阻害しているという現実を考えると、世界の将来に不安が増します。
世界の日本化というのはあり得ることなのでしょうか?

3月 19, 2009 at 09:27 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.06

GMとシティと言えば「かつての大企業」なのでしょうか?

読売新聞より「GM、事前調整型の破産法適用申請へ傾く…米紙報道

【ニューヨーク=池松洋】

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は5日、経営難の米ゼネラル・モーターズ(GM)が、資金繰り支援などを事前に定めた上で米連邦破産法11章(日本の民事再生法に相当)の適用申請を行う、「プレパッケージ(事前調整)型」と呼ばれる手法で経営破綻することについて、容認論が社内で広がってきたと報じた。

ウォール紙によると、GMは外部の経営アドバイザーとの検討の結果、破産法11章の適用を受ければ、難航している負債の整理や、販売店網の再編が容易になり、経営再建がむしろ短期間に達成できるとの見方を強めているという。
破綻後も現経営体制のままで事業を継続することができる。

GMはこれまで、破産法の適用申請について、顧客離れを招き、再建に大きな支障を与えるとともに、政府による支援額もかえって膨らむと否定的な考えを示してきた。
(2009年3月6日11時51分 読売新聞)

しかし、関連企業では多くは清算になるでしょうね。
そういう前提で、現行体制で経営続行を世論が許すのか?という問題に直面するように思います。

その一方でこんなニュースも、読売新聞より「シティ株とAIG株が低迷、上場廃止の可能性も

【ニューヨーク=山本正実】
5日のニューヨーク株式市場で、米金融大手シティグループの株価は一時、前日より14%安い0・97ドルまで下落した。

米メディアの報道では、株価が1ドルを割り込んだのは、1998年にシティコープとトラベラーズ・グループの米2大金融機関が合併して発足して以来、初めて。終値は同10%安の1・02ドルだった。

2日に米政府が追加支援を決めた米保険大手AIGの終値は、前日より19%安い0・35ドルだった。

ニューヨーク証券取引所は、株式上場を維持する条件として、30日間の終値の平均値が1ドルを下回らないよう定めている。

同証取は株価対策として、この基準を6月末まで凍結しているが、低迷が続けば、上場廃止の可能性も出てきそうだ。

シティ株は、ダウ平均株価(30種)を構成する銘柄の一つで、ダウ平均から除外される可能性もある。
(2009年3月6日11時55分 読売新聞)

まあ株式市場評価には思惑が多々入りますから、過敏になってはいけないとは思いますが、GM、シティーといったところが同時に問題になるところが、景気対策でどうこうなるという話ではないと感じます。

それにしても、オバマ政権は時間を短縮するために思い切った対策を乱暴に発動するのではないか?と思っていましたが予想外のスローモーションと小出しの対策という印象で、日本の二の舞になるのでは?と思うようになりつつあります。

3月 6, 2009 at 12:24 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

GMの危機は、終わりの始まりになるか?

AFP BB より「米GM、事業継続能力に「著しい疑念」 経営破たんの可能性も

【3月6日 AFP】 世界的な経済危機が深刻化する中、経営難に陥っている米自動車大手

GMは5日、会社清算の可能性を認めた。

GMの監査法人は同社の事業継続能力について、「著しい疑念」があるとの見解を表明したが、これを受け、GMも経営破たんによる会社清算の可能性があると警告した。

GMはすでに、米政府からつなぎ資金として134億ドル(約1兆3000億円)の緊急融資を受けているが、同社は前月、世界的な景気後退による販売不振を乗り切るためには、追加融資が必要だとして、米政府に166億ドル(約1兆6300億円)、カナダやドイツ、英国、スウェーデン、タイ政府に60億ドル(約5900億円)の合計226億ドル(約2兆2000億円)の追加融資を要請している。

米財務省はGMに対する追加融資について、態度を明らかにしていない。
(c)AFP/Mira Oberman

完全にUAW(全米自動車労働組合)との交渉がまとまらない事が、このような話がでてくる理由ですね。

こうなると、UAWが主張を引っ込めれば、全てが解決するかのように感じますが、こんな報道もあります。FujiSankei Business iより「2008年のGM会長の報酬は5億円

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が5日、米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書で、ワゴナー会長の2008年の報酬が、前年比約61%減の約545万ドル(約5億4000万円)だったことを明らかにした。

給与210万ドルや自社株をめぐる報酬などが含まれる。経営が深刻化し、政府に支援を要請したビッグスリー(米大手3社)首脳の高額報酬には批判が強い。

ワゴナー会長は09年に年俸を1ドルにすることを表明している。(共同)

2008年が前年比約61%減5億4000万円ということは2007年は9億円ということになりますね。GMの2007年の業績はこの報酬に見合うものであったのでしょうか?
少なくとも製造部門だけを取り出したら、すでに勝負にならないとこまで追い込まれていたわけだから、これでは今になって批判されても致し方ないでしょう。

しかし、UAWが悪い、取締役が悪いというのは簡単ではあるけど、次のよう現実に対応することには役に立ちません。CNN.cp.jp より「米国人の3人に1人、8670万人が健保未加入と

(CNN) 米国で2007年から08年にかけ、一時期でも健康保険に未加入だった65歳未満の人数が8670万人に達していることが、米消費者団体ファミリーズUSAが4日に発表した統計結果で明らかになった。

同時期の65歳未満人口は2億6231万人で、約3人に1人に相当する33.1%が保険未加入状態となっている。

保険未加入期間は、25.3%が24カ月の2年と長期間にわたっており、13─23カ月の19.5%と合わせると、未加入状態が1年を超えているのは44.8%。6カ月以上の未加入状態は74.5%に達し、4人に3人が半年以上にわたって健保未加入となっている。逆に、未加入期間が1─2カ月と短期だったのは5.4%で、最も少なかった。

年代別に見ると、特に19─24歳の世代が49.5%とぼ半数を占めていた。

人種別に見ると、未加入者全体の49.8%が白人。しかし、各人種の人口に対する割合で見直せば、ヒスパニックの55.1%、黒人の40.3%が未加入となっている。

ファミリーズUSAの共同設立者でもあるロン・ポラック常務理事は、「これほど多くの人々が健保未加入状態にあるのは(疾病の)大流行よりも憂慮すべき事態だ」と述べている。オバマ政権は、加入者を増やす健康保険制度の見直しを公約の一つとしている。

健康保険についてもいろいろな種類があるそうで「契約した州外では無効」といったものもあるとの記事を先日見ました。
全米自動車労働組合(UAW)とビッグ3との契約には退職者の保険料負担があること良く言われていますが、状況がこれでは「受け皿がない」とも言えるのでしょう。UAWとしても「引っ込めるわけにはいかない」となるのも当然です。

アメリカの消費市場によってこの10年間(もっと長いとも言えますが)の世界の経済は回っていたのは事実ですが、ここまで切り詰めた上に過剰消費していたことで世界経済が回っていた、という事実に着目するべきでしょう。

今になると「アメリカの過剰消費」というのは分かりやすいですが、それがなぜ起きたのか?となると、わたしは「新自由主義」の破たんであると考えています。

新自由主義の国際化はやはり無理であった、ということなのだと思いますし、そもそも新自由主義こそがすべての問題を解決できる、というリードが間違えであろうと思います。
これが日本に来ると「改革万能論」になるのでしょう。

結果として「お金さえあればなんでもできる」「お金で社会のすべてを評価するべきだ」といったところに陥ってしまった、と言っても良いでしょう。
資源価格の高騰とか食料・医療の高騰からサービスの低下、といったことになるのは「過度の金額換算万能論」によるのではないか、と考えています。

評価軸を「お金」だけに絞りますと、一見分かりやすくなりますが、世界が分かりやすくなることは良いことではないのかもしれません。世界はどうやっても分からないものである、という理解の方が重要なのかもしれません。

3月 6, 2009 at 10:13 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.02

巨大な経済ニュース

3月になった途端に、世界規模の経済ニュースが大きく動いたと言えるようです。 株価も3%ぐらいの下落というのもすごいですが、株式相場ではその程度の激しい動きはたまにあることですが、以下の二つのニュースは「底が抜けた」ということになるのかもしれません。

今日のウォン/ドルレートは、1542.5 ウォンで始まり、現時点の最安値は 1576.9 ウォンが出ています。前日比でほぼ3%下落でした。
様子では、今日はもうちょっと下落しそうです。

AIGの国有化はさすがに驚きです、どこも引きうけられないほど内容が悪いという粉のでしょうか?
現実問題として、アメリカで銀行国有化に進みつつある、という解釈になるように思います。

日経新聞より「韓国ウォンが急落、一時11年ぶり安値 1ドル1560ウォン台

【ソウル=島谷英明】
2日のソウル市場では対ドルのウォン相場が急落し、一時1ドル=1560ウォン台とほぼ11年ぶりのウォン安水準に下落した。

前週末の米国株式相場が大幅安となったのを受け、株式市場で外国人投資家の売りが先行。株価が大幅に下落し、海外マネーの流出が再び拡大するとの警戒感が強まった。
(11:03)

読売新聞より「AIG、アリコなどFRBに譲渡…大規模支援3回目

【ニューヨーク=山本正実】
政府管理下で経営再建中の米保険大手AIGが、日本などで生命保険事業を行う傘下のアリコなどを米連邦準備制度理事会(FRB)に譲渡することで合意したことが1日、明らかになった。

政府から最大300億ドル(約2兆9000億円)の追加支援も受ける。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などが報じた。

2月27日に政府が米金融大手シティグループの議決権を最大約36%握ることも決まっており、米国を代表する巨大金融機関への公的管理が強まる異例の事態が進んでいる。

報道によるとAIGは、FRBから借り入れた600億ドルの一部を免除してもらう代わりに、アリコや香港拠点のAIAの株式を譲渡するという。

当初は民間企業に売却した現金で返済する計画だったが、買い手が見つからなかった。さらに、法人顧客向けの損害保険事業の株式の約20%を新規発行して公開し、返済に充てる。

AIGが2日に発表する2008年10~12月期決算の純利益は米企業として過去最悪の約600億ドル(約5兆8000億円)の赤字に陥る見通しだ。

AIGへの政府の大規模支援はこれが3回目。これまでに約1500億ドル(約14兆6000億円)の支援を受けていた。
(2009年3月2日11時35分 読売新聞)

3月 2, 2009 at 12:13 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.19

GMとクライスラー問題

日経新聞社説より「混迷続く米ビッグスリーの再建(2/19)

米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは米政府に新たな再建計画を提出し、両社合計で216億ドル(約2兆円)の追加支援を要請した。米自動車市場の落ちこみは止まらず、公的支援はさらに膨らむ恐れがある。
発足早々のオバマ政権は難しい判断を迫られる。

GMとクライスラーは昨年末の政府決定で計174億ドルの公的融資を受けた。ところが、その後も資金流出に歯止めがかからず、追加支援を要請せざるを得なくなった。
GMなどは人員削減やブランドの整理を進めると表明したが、それで収支が均衡するかどうか微妙だ。

再建の具体策をめぐって、関係者間の調整が難航していることも前途の多難さを示している。
退職者向けの医療保険基金への拠出について、GMは負担軽減を要求しているが、全米自動車労組(UAW)は譲らず、着地点は見えていない。

債権者に対しては「債権の株式化」を求めているが、こちらも先行き不透明だ。債権を株式化できれば貸借対照表の強化につながり、金利負担も軽減されるが、債権者の合意を取り付けられなかった。

米自動車危機はGMなどの大手3社(ビッグスリー)にとどまらず、部品会社にも広がっている。
米自動車部品工業会は破綻回避のために最大255億ドル(2兆3000億円)の支援を政府に要請した。
部品会社が破綻すれば、そこから部品を購入する日系企業にも支障が出る。

米政府としても多数の雇用を抱える自動車産業の先行きに無関心ではいられず、ガイトナー財務長官らが率いる特別チームをつくって、追加支援の是非などを検討する。

GMが倒産した場合の世界経済に与える衝撃を考えれば、追加支援もやむを得まい。
だが、公的支援は緊急避難のための一時的な措置で、そこから先は企業独自の力で経営を立て直す必要がある。
そのためにはUAWなどの関係者も痛みを分かち合う覚悟が不可欠だ。

いま世界的に自国企業優先主義の風潮が高まっているが、その出発点は米政府によるビッグスリーの救済問題だった。
近く訪米する麻生太郎首相も、オバマ大統領に対して、自国企業の保護が行き過ぎないようしっかりクギをさしてほしい。

民間企業は自由競争による優勝劣敗が原則であり、政府支援はあくまで例外措置だ。これが常態化すれば、競争条件はゆがみ、産業構造の転換も進まない。
自由競争の原則に立ち戻るためにも、ビッグスリーの一日も早い経営再建が望まれる。

読売新聞社説より「米自動車再建 大統領は追加支援するか

経営危機に陥った米自動車大手の再建の道筋はいまだに霧の中だ。追加支援するかどうか、オバマ大統領は、難しい決断を迫られよう。

大手3社(ビッグスリー)のうち、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが、経営再建計画を政府に提出した。

昨年末、政府が両社に緊急のつなぎ融資を決め、破綻(はたん)を一時的に回避した際に義務付けていた。

その再建計画の柱は、資金繰りに苦しむGMが、最大166億ドル(約1兆5000億円)の追加支援を要請したことだ。クライスラーも、50億ドル(約4500億円)を新たに求めた。

国がすでに投入した分を含めると、GMへの支援額は合計で300億ドル、クライスラーは90億ドルに達する計算だ。

支援額が際限なく拡大しかねない事態に対し、議会や国民の間から、厳しい批判が高まることも予想されよう。

両社は一応、リストラ策も打ち出した。GMは、世界全体で4万7000人の従業員を削減し、2012年までに米国で計14工場を閉鎖する。クライスラーも従業員3000人を削減する。

巨額支援を再び仰ぐ以上、当然の対応だ。しかし、最も肝心な点が盛り込まれなかった。それは、GMで言えば、約600億ドルに上る巨額債務と、割高な労働コストの削減策である。

再建計画の提出期限までに、これに抵抗する債権者や、全米自動車労組(UAW)との交渉がまとまらなかった。

今後の焦点は、両社が、債務削減と労働コストの削減の具体策を早期に決定できるかどうかだ。UAWも、このままでは業績不振に拍車がかかるという厳しい現実を見つめ直すべきでないか。

米国新車市場は急速に冷え込み、米自動車各社の販売不振は深刻だ。こうした逆風のもと、売れる車をどう作っていくかという、具体的な戦略も欠かせない。

オバマ政権は、3月末までに再建計画の実現性を精査し、追加支援の是非を判断するという。

納得できるような追加策を盛り込まないと、政府は計画を承認できまい。

そうなれば、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11章の適用が現実味を帯びる。GMなどを顧客とする日本の部品業界や、米国内で部品調達する日本車メーカーへの影響も懸念される。

経営再建か、破綻か。ビッグスリーの苦闘はまだ続く。

(2009年2月19日01時37分 読売新聞)

どちらも社説で取り上げては、いるものの「全米自動車労組(UAW)の対応次第だ」とも取れるわけで、実際にGMが政府に追加の融資を求めた際にも、全米自動車労組(UAW)との話し合いは事実上全く進んでいなかったようです。

高コスト問題の中核に、退職者の医療保険という問題があって、対象者が何人なのか分かりませんがこんなビジネスモデルは企業の縮小に対応できないのが当然で、想像するに全米自動車労組(UAW)としては企業に対して「企業活動の縮小自体を認めることが出来ない」といったことなっているのでしょう。
もしそういうことであれば、まるで交渉のしようがないわけで、世界中の自動車メーカーが大減産に向かっている現在、GMの(日本の)民事再生法適用、クライスラーの清算という展開もあり得るでしょう。

アメリカの自動車メーカーとしては、GMが一番内向きで国際化がまったくできていませんが、クライスラーは比較的世界メーカーとして国際化した自動車を作っているように思います。
極端な予想をすると、GMの清算、クライスラーの救済というのも経済合理性の点からはあり得ることかもしれません。

全米自動車労組(UAW)が了解するような、医療保険給付の減額が出来るのであれば、ここまで問題が長引くことはなかったでしょう。
つまり、手の打ちようがないのでは?と思っています。

2月 19, 2009 at 09:41 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.01.27

アイスランド政府崩壊

ロイターより「アイスランド、金融危機の影響で連立政権が崩壊

[レイキャビク 26日 ロイター]
深刻な景気悪化から政府に対する抗議行動が続いていたアイスランドで26日、連立政権が崩壊した。

世界的な金融危機の影響で政府が崩壊したのは初めて。

連立政権が崩壊したとの報道を受け、議事堂前にはこれを喜ぶデモ隊が集結しクラクションなどを鳴らし気勢を上げた。
後継政権をどの政党が主導するかなどは今のところ不明。

ハーデ首相は、連立政党との政権維持をめぐる交渉が決裂したことを受け、グリムソン大統領に辞表を提出した。
大統領はどの政党に新政権発足を委ねるかについては27日以降に決定する可能性があると述べた。

世界的な金融危機による深刻な影響を受けた同国経済は、通貨が急落したほか、金融システムも大きな打撃を受け、過去10年間の経済的繁栄が一気に暗転した。

アイスランドは国際通貨基金(IMF)に金融支援を求めざるを得なくなり、経済生産は今年最大10%落ち込むことが予想され、大量の失業者が生まれている。

このため国内では抗議行動が連日続き、与党第1党の独立党と第2党の社会民主同盟との連立政権に対する圧力が強まっていた。

アイスランド大学の政治学教授は「アイスランドは現在政府がない状態になった。次に何が起きるか確信をもって言える者は誰もいない」と述べた。

今後発足する新政権がIMFと衝突する可能性を指摘するアナリストもいる。IMFは26日、「適切な」政策が行われる限り、アイスランド政府を支援するとの姿勢を示した。

ちょっと目が離せない状況ですね。
こんな事になるものなのですね。

1月 27, 2009 at 11:39 午前 国際経済など | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.12.22

世の中は難しい

世の中は難しいモノだと感じたニュースを集めました。

「少女救出詐欺」

最初の事件ですが、この記事を読むと容疑者はトンでもないヤツだと、感じますが何千万円も長期間に渡って詐取された被害者家族もヘンなのじゃないか?と感じざるを得ません。
もちろん、娘が行方不明と言うだけで、充分にパニックになるとは思いますが、それで何年間も欺され続けるというのは、被害者には気の毒ですが「何かヘンではないのか?」と感じてしまいます。

こうなると、この卑劣にして図々しい容疑者と欺され続けた被害者が居たというところに難しいモノだ、感じます。

「オバマ大統領宣誓式」

オバマ次期大統領がは選挙活動を始めた頃には、現在の国際経済情勢を予測していたとは思えません。
レーガノミックス以来の規制緩和は結果として、アメリカ経済を消費だけで回すようことに拍車を掛けました。
これについて「閉塞経済―金融資本主義のゆくえ」金子勝著 (ちくま新書) に「バブルとその崩壊の繰り返しだ」と説明しています。

考えてみると、アメリカ国内から何かを輸出できるのか?というと農産物しか無く、工業製品はビッグスリーの状況に代表されるように、現時点では競争力がありません。
世界中から借金をしまくっていたのがアメリカ、ということでしょうが、全く信用がないところにお金はいかないわけで、アメリカの今後は実態に見合った経済運営にして下さい、というのが世界の共通の判断でしょう。

つまりは、ブッシュ政権までのやり方に反対向きにならざるを得ないのですが、ブッシュ共和党=財界より、オバマ民主党=消費者よりという図式で語れるのか?となると、共和党=保守、民主党=革新、のようなとらえ方をしていると違うのではないのか?
経済社会がアメリカに要求するのは、地道な労働といったところであって、これは見かけ上は保守主義でしょう。あるいは、国内重視主義でしょうか?

これを「左派切り捨て」というのであれば、間違えなくその通りなのでしょうが、今までの保守対革新的な価値観から離れざるを得ない時代になってきたことの現れでしょう。

「ドバイにも金融危機の影」

さすがに、バブルでありバブルの崩壊としか見えませんね。
サムスンについて韓国朝鮮日報より「サムスン電子、ドバイに超大型の展示場オープン

サムスン電子は16日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイにあるドバイモールに、850平方メートル(約257坪)規模の超大型展示場(ブランドショップ)をオープンした。
ドバイモールは面積がサッカー場70個分に相当する54万8762平方メートルの広さを誇る、世界最大級のショッピングモールだ。

売り場では商品の展示と販売はもちろん、携帯電話やノートパソコン、携帯型音楽プレーヤー、ビデオカメラなどを客が直接手にして体験できるようになっている。
サムスン電子の関係者は「ドバイ市民だけでなく、世界各国の観光客向けに効果的な宣伝を行うという効果も期待している」と説明した。

ペク・スンジェ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

確かにドバイの人口は100万人程度ですから、いくら金持ちと言ってもショッピングセンターは観光客相手に企画するしかないですが、この経済情勢でドバイに観光客がどれほど集まるのか、という根本問題がありますね。

Google Earth で見たドバイ

Up

少女救出詐欺の容疑者 豪遊のため。悪いと思わなかった

大阪府熊取町で2003年5月に行方不明になった少女(14)の救出をかたった詐欺事件で、容疑者(39)(逮捕)が府警の調べに対し、詐取を続けた4年以上の間、「(少女の家族に)申し訳ないとは思わなかった」と供述していることがわかった。

事件を起こすまでは路上で暮らすなどしていたが、だまし取った金で高級ホテルに長期滞在したり、ギャンブルを繰り返したりしており、「豪遊を続けるため、詐欺を繰り返した」とも供述。事件の卑劣さが改めて明らかになった。

捜査関係者によると、容疑者は逮捕容疑となった04年7月の10万円以降、今秋まで少女の父親(48)から約470回にわたり、計6800万円以上をだまし取った、とされる。
容疑者は前妻との間に子供もいるが、娘の無事を願う親の心情につけ込んだ犯行について、調べには罪悪感はなかったとし、現在まで謝罪の言葉もないという。

容疑者は、共犯の女性(38)(同)とともに04年7月頃まで路上生活をしていたが、同月、少女の発見につながる情報提供者に、父親が「謝礼金200万円を出す」と発表。
これを報道で知った容疑者が、共犯の女性に計画を持ちかけ、父親から金をだまし取っていったという。

2人は、同月から約2年間、府内の高級ホテルに滞在。パチンコ店や競艇場に頻繁に出かけていたこともわかっているが、容疑者は「生活費もままならない、苦しい生活には絶対に戻りたくなかった。だから、だまし続けた」と供述している。

一方、共犯の女性は、「(容疑者が少女の父親から)金を受け取っていたのは知っているが、どう使っていたのかは知らない」と、逮捕当初から否認の姿勢を変えていない。府警は、共犯の女性がどのように関与していたかなどを詳しく調べている。
(2008年12月22日03時02分 読売新聞)

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オバマ大統領宣誓式、右派牧師を起用へ…リベラル派猛反発

【ワシントン=黒瀬悦成】 オバマ次期米大統領は、来年1月20日の就任宣誓式で祈りをささげる牧師に、同性婚反対論者のキリスト教福音派のリック・ウォーレン牧師(54)を起用し、リベラル系団体などから激しい反発を浴びている。

オバマ氏自身は、宗教右派の同師を起用することで米国の「融和」を演出する狙いだが、閣僚の起用などで現実路線を鮮明にしたオバマ氏による、「左派切り捨て」を象徴する人選との見方も出ている。

米国の宗教界で現在、最も影響力のある牧師とされるウォーレン師は、アフリカのエイズ問題や貧困対策に熱心な一方で、先月カリフォルニア州の住民投票で決まった同性婚禁止を支持するなど、保守的な社会的価値観を前面に押し出している。

オバマ氏は、同師の起用を発表した18日の記者会見で、「同性愛者の米国民の権利を支持する」と述べた上で、「特定の社会問題で意見が違っても、米国民として結束することが大切だ」と強調。
だが、選挙戦でオバマ氏を支持した同性愛者団体などからは「裏切られた」との声も強く、就任式に合わせワシントンなどで抗議デモが起きる可能性もある。
(2008年12月22日07時33分 読売新聞)

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ドバイにも金融危機の影…止まったクレーン・解雇の波

世界一高いビル、世界一豪華なホテルなど「世界一」を冠する建築物を次々に登場させ、21世紀に入って猛烈な勢いで発展を続けてきたドバイ。中東の物流・金融センターとして、200に及ぶ国籍の労働者や投資家を引きつけてきたこのペルシャ湾岸の小さな首長国にも、金融危機の影は忍び寄っていた。その現場を歩いた。

ドバイ北東部にあるアラブ首長国連邦(UAE)労働省。「カスタマーサービス局」待合室に、沈んだ表情の外国人労働者が目立つようになった。解雇通知を受け、苦情を申し立てに来た人々だ。

ドバイの中堅建設会社で工事現場監督を務めてきたインド人のV・ヒレマタさん(45)は今月12日、1枚の紙を手渡された。「あなたが提供するサービスは必要なくなりました。滞在許可も1か月後に失効します」

クレーンを操縦していた同郷のスンニル・Bさん(40)も解雇された。ドバイには世界のクレーンの3割が集まっていると言われてきたが、「今は多くが止まっている。再び職を得るチャンスはまずない」と、帰国の覚悟を決めたようだった。

ドバイ居住者の8割を占める外国人労働者の滞在許可証は、仕事や労働許可証と不可分に結びついている。職を失えば、雇用主が労働局への解雇届け出を遅らせるなど特別な措置を講じない限り、1か月以内に出国しなければならない。「ドバイには失業者がいない」と言われるゆえんだ。

ドバイの海岸には、上空から3本のヤシの木に見える群島が沖合に延びる。埋め立てでつくったリゾート・居住用地だ。100万人の住空間ができあがると言われる最大の木「パーム・デイラ」では、クレーンの多くが動きを止めていた。

ドバイを代表する政府系デベロッパーで、「3本のヤシ」のプロジェクトを推進する「ナヒール」社は11月30日、総従業員の15%にあたる500人を削減する方針を明らかにした。

同社で工期やコストを管理する仕事を担当してきたスリランカ人のSさんはこの日、上司に、1月31日付での解雇を言い渡された。資金繰り悪化によるプロジェクト停止が理由と説明された。「オフプラン(設計図段階)の事業の大半が停止された」とSさん。「年明けには、さらに人員削減されるのは間違いない」

ナヒール社だけではない。民間最大のデベロッパー「DAMAC」も11月、200人の解雇を発表、解雇の波は確実に広がっている。(ドバイで 宮明敬、加藤賢治)
(2008年12月21日23時52分 読売新聞)

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12月 22, 2008 at 11:35 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.12.21

ビッグスリー救済関係のニュース

  1. 東京新聞より「自動車の都デトロイト先行き不安 経営批判も」
  2. サンケイ新聞より「カナダもビッグ3救済策 3080億円を緊急融資」
  3. 朝日新聞より「自動車業界支援、世界各国で次々 米に続き欧州、中韓も」

今までは、なんとなく「ビッグスリーでしょう」といった他人事の報道でしたが、いよいよ火の粉が身近に来たという感じになってきました。
カナダがビッグスリーのカナダ法人に緊急融資を決めたのは、いわば当然ですが、こういう報道があるまではついつい忘れています。

自動車には、乗用車だけではなくて、トラックなども関わっていますから、産業基盤として自動車産業の力が落ちると、ありとあらゆるところに影響が出ます。
そんな事まで考えると心配のタネは尽きないですね。

自動車の都デトロイト先行き不安 経営批判も

クリスマス休暇を控えた自動車産業の中心地、米ミシガン州デトロイト。19日には米政府が大手のゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対する公的資金による救済策を発表したが、救済という「贈り物」を歓迎する声がある一方、将来への不安が広がっている。旧態依然とした経営体質への批判も根強い。

「こんな状況で操業が止まったら、そのまま工場が閉鎖されてしまうかもしれない」。

販売の急減と資金繰りに苦しむクライスラーは大幅減産に迫られ、この日から北米全工場で約1カ月間の操業を停止。従業員の間には不安が広がっている。

デトロイトの経済はビッグスリー(大手3社)の業績とともに沈下。
先月まではヘアデザイナーの仕事があったというナチュリー・レイノルズさん(26)は「卒業しても職がない若い人が増えている」と訴える。

2年前までクライスラーに部品を納入していたラシード・マジュビさん(52)は「なぜ日本のように燃費の良い車がつくれないのか。
ビッグスリーが石油産業と結託しているからだ」と批判した。(デトロイト共同)

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カナダもビッグ3救済策 3080億円を緊急融資

ロイター通信によると、カナダ政府と同国のオンタリオ州政府は20日午前(日本時間21日未明)、米ビッグスリー(自動車大手3社)の各カナダ法人向けに計40億カナダドル(約3080億円)の公的資金による緊急融資などの救済策を発表した。

ビッグスリーのカナダ法人は、北米での自動車生産台数の約20%を担っている。

米政府が19日に発表したゼネラル・モーターズ(GM)などへの緊急融資額(174億米ドル=約1兆5500億円)を基に額を算出したとみられている。

カナダ政府が27億カナダドル、オンタリオ州政府が13億カナダドルを融資する。

オンタリオ州はビッグスリーの拠点ミシガン州の北隣で、GMやホンダなど外国企業が進出、自動車・同部品の生産拠点が集まっている。(共同)

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自動車業界支援、世界各国で次々 米に続き欧州、中韓も

【ロンドン=尾形聡彦、ソウル=稲田清英、合肥(中国安徽省)=琴寄辰男】
米国政府が、自動車業界への緊急融資を打ち出すなかで、世界各国でそれぞれの自動車大手を救済する動きが強まっている。

日本も「日本だけが我が道を行くわけにはいかない」(二階経済産業相)。

多くの雇用を抱える自動車業界に対して支援合戦の様相だ。
ただ、ロシアが来年1月から自動車の輸入関税を引き上げるなど、支援が自国産業の保護に転じかねない恐れもある。

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12月 21, 2008 at 10:05 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.20

ビックスリー救済策

  1. 日経新聞より「自動車大手救済で米政府、1.5兆円融資 破綻を当面回避」
  2. 読売新聞より「ビッグ3救済、GMなどに174億ドルを資金繰り支援」
  3. サンケイ新聞より「ビッグ3に174億ドルつなぎ融資 米政府が救済策発表」
  4. 東京新聞より「米政府がGM、クライスラー救済 1兆5500億円のつなぎ融資発表」

ビッグスリーの救済策は、当面の手当てはしたことになっていますが、クライスラーは全工場の一ヶ月間の操業停止を発表しています。日経新聞より「クライスラー、北米全30工場1カ月停止 ディーラー融資も縮小へ

【デトロイト=小高航】

経営再建中の米クライスラーは17日、19日から最低1カ月間、北米の全工場の操業を停止すると発表した。自動車ディーラー向けの融資も縮小する見通し。米政府に緊急支援を要請中のクライスラーはビッグスリー(米自動車大手3社)の中で最も経営状態が厳しいとされ、異例の大規模な操業停止などで現金の流出を防ぐ。

クライスラーは米国やカナダ、メキシコに抱える約30の工場を停止する。完成車工場だけでなくエンジン工場なども全面的に操業を止める。同社は減産規模は公表していないが、1カ月の操業停止で10万台程度の影響が出るもよう。

クライスラーは経営破綻の憶測が流れた影響もあり、10月以降、米国での新車販売が前年同期に比べほぼ半減している。大規模な減産により在庫を圧縮する一方、工場の運営コストの削減や部品調達の停止で現金の確保に努める。(15:10)

果たして、政府のつなぎ融資で何とかなるモノなのか、疑問になってきます。
原油が33ドルになっていますが、金も値下がりしています。
ありとあらゆるものに、買い手がいないとということでしょうか?経済の歴史でこのような事は今まであったのでしょうか?

「自動車大手救済で米政府、1.5兆円融資 破綻を当面回避」

【ワシントン=大隅隆】
ブッシュ米大統領は19日、経営危機に陥っているゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーにつなぎ融資を実施すると発表した。

最大174億ドル(約1兆5000億円)で金融安定化法に基づく公的資金を活用する。

2社は、来年3月末までに債務や人件費の削減など抜本的な再建計画を策定する。
金融危機で深刻化した米自動車大手の経営危機は、政府支援による破綻回避でひとまず決着。

本格再建の行方はオバマ次期米政権に持ち越された。

ホワイトハウスで声明を発表したブッシュ大統領は「自動車大手の経営破綻は深刻な景気後退を招く」と指摘。
「通常なら破産法を適用すべきだが(異常な経済情勢の)現時点ではうまくいかない」と語った。

つなぎ融資はGM134億ドル、クライスラーが40億ドル。
12月29日から来年2月まで順次実施する。このうち40億ドルは2月に議会の追加承認を経て実施する。
(01:52)

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「ビッグ3救済、GMなどに174億ドルを資金繰り支援」

【ワシントン=矢田俊彦】
米政府は19日、米自動車業界に対し、金融安定化法の資金を活用して、計174億ドル(1兆5500億円)の資金繰り支援を行うと発表した。

具体的には、7000億ドルの公的資金枠から、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに計134億ドルを融資し、来年2月にも40億ドルを追加融資する体制を整えた。

米政府は、米自動車大手3社(ビッグスリー)が破綻(はたん)すれば、金融市場を含めて米経済に大きな影響を及ぼすとして、つなぎ融資の実施を決めた。当面の破綻は回避される見通しとなったが、当座の支援に過ぎず、抜本的な対策はオバマ新政権に委ねた形だ。フォードは、当面の資金繰り支援は必要ないとしている。

政府は納税者保護のため、融資の見返りに各社の株式取得権(ワラント)を取得するほか、経営幹部へのボーナス支払い停止や株主への配当も禁じた。社用ジェット機の売却も求めている。また、大型の取引は政府に報告し、場合によって政府が制限できる権限を与えた。米下院が可決した支援法案に準ずる内容になっており、GMなどは厳しいリストラを迫られることになる。

さらに、GMとクライスラーは来年3月末までに再建を軌道に乗せなければ、融資資金が回収される。再建が軌道に乗らなければ、破綻に追い込まれる可能性がある。

ビッグスリー支援を巡っては、米民主党と米政府が最大140億ドルの資金繰りを支援する法案に合意したが、上院では11日、共和党の反対によって廃案となった。このため、GMなどは年内に手持ちの資金がなくなる恐れが出ていた。
(2008年12月20日01時59分 読売新聞)

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「ビッグ3に174億ドルつなぎ融資 米政府が救済策発表」

【ワシントン=渡辺浩生】
米政府は19日、経営危機に陥っているビッグスリー(米自動車3大メーカー)に対して、金融安定化法の公的資金枠から174億ドル(約1兆5500億円)のつなぎ融資を供与する救済策を発表した。
うち134億ドルを近く実施する。対象はゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの2社となる見通し。金融安定化法に基づく融資が金融機関以外に適用されるのは初めて。
これにより、年内に融資を受けなければ資金繰りに行き詰まるとしていたGMとクライスラーは、年内破綻(はたん)を回避できる見通しとなった。

両社は今後、融資を受ける条件として、全米自動車労働組合(UAW)との労働協約を見直し、さらなる人件費の削減などを盛り込んだリストラ計画を3月31日までに提出することになる。抜本的な再建は年明けに招集される新議会で検討され、オバマ次期政権の判断に委ねられる。

ビッグスリー支援をめぐっては、最大140億ドルのつなぎ融資を柱とする救済法案が今月11日の上院審議で廃案となった。このため、ホワイトハウスは、金融安定化法の7000億ドルの公的資金枠の適用を検討する方針を示し、財務省がビッグスリー首脳らと協議に入っていた。

当初、米政府は金融安定化法の適用を否定していたが、GMとクライスラーが破綻に追い込まれれば、後退局面にある米経済を「一段と不安定化させる」(ペリーノ大統領報道官)可能性があると判断、最終的に方針を転換した。

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「米政府がGM、クライスラー救済 1兆5500億円のつなぎ融資発表」

【ワシントン=古川雅和】
ブッシュ米大統領は19日午前(日本時間同日深夜)、緊急声明を発表し、経営難に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラー救済のため、合計174億ドル(約1兆5500億円)の緊急融資を行うと発表した。緊急のつなぎ融資は、金融機関救済を目的としていた緊急経済安定化法が認めた最大7000億ドルの公的資金枠を使って行う。

◆年内破たんは回避

政府融資を当面、不要としていたビッグスリー(自動車大手3社)の一角フォード・モーターも、両社が破たんした場合、自社の経営も破たんに追い込まれると懸念を表明していた。緊急融資の実施で、ビッグスリーの年内破たんは回避されることになった。

ブッシュ大統領は声明で「(ビッグスリーの)経営破たんは景気後退の深刻化を招く」と強調。連邦破産法申請による経営再建は「現時点ではうまくいかない」との見方を示し、公的資金による救済に理解を求めた。

ただ、大統領はビッグスリーに対して、来年3月末までに抜本的な経営再建策の見通しを示さない場合、資金の即時返済を求めている。再建策が承認された場合、融資期間は2011年12月29日までに延長されるが、3社の再建問題は今後もくすぶり続けることになりそうだ。

資金のうち、134億ドルの融資は今月と来年1月に行われる。議会が緊急経済安定化法で政府に活用を認めた資金の最初の3500億ドルはほぼなくなるため、残り40億ドルは新体制になる政府と議会の間で残り半分の活用を決めた後に行われる。米政府は来年2月までに融資が行われるとみている。

最初のつなぎ融資の134億ドルのうち、94億ドルはGMに、40億ドルはクライスラーに使われる。

(中日新聞)

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12月 20, 2008 at 12:25 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.05

ビッグスリーの危機

東京新聞より「ビッグ3救済へ道筋見えず 公聴会で厳しい意見相次ぐ

【ワシントン4日共同】

経営危機に陥った米ビッグスリー(自動車大手3社)の首脳は4日、上院銀行住宅都市委員会の公聴会で証言し、最大で総額340億ドル(約3兆1400億円)の公的資金による救済を要請した。

ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)は「われわれは過ちを犯した」と一定の経営責任を認めたが、議員からは厳しい意見が相次ぎ、破たん回避への道筋は依然見通せない状況だ。

水面下では救済法案をめぐる議員間の折衝も本格化し、米製造業の基幹と呼ばれてきた3社は生き残りをかけた重要局面を迎えた。

公聴会でフォードのムラリー会長兼CEOは、かつては「造れば売れる」との思想があったと反省の弁を述べ、抜本的な経営改革を約束。
GMのワゴナー会長は「過ちからわれわれは学んでいる」と述べ、公的資金の投入に理解を求めた。

クライスラーのナルデリCEOは「巨額の公的資金であることは認識しているが、これが最もコストのかからない選択肢だと思う」と訴えた。

しかし同委員会の共和党トップ、シェルビー議員は公的資金が有効に使われる確信が持てないとして「3社の救済には反対だ」と明言。
民主党のカーパー議員らは、破たん処理も依然選択肢の1つとの考えを示した。

なんとも厳しい状況ですね。
政権移行期だから、政府が政治的決断下して議会を説得するという状況ではないようで、議会が合意できれば公的資金の投入が実現する、という状況かと思います。
つまり事情はどうあれ議会で議論が続く間は、公的資金投入に至らない可能性があります。

ブッシュ現政権にはすでに指導力は無く、オバマ政権の与党になる民主党はこの問題を避けるために現政権中に決断を下すべきだとして現状にはノータッチ。
これでは、行政は現在も次期政権も決断を放置していて、議会に放り投げていると言うべきなのですが、その議会での議論が混乱しているようですから、決まるかどうか分からないですね。

GM倒産はあり得るのでしょうか?

12月 5, 2008 at 10:02 午前 国際経済など | | コメント (5) | トラックバック (0)

2008.12.03

ビッグスリーの苦闘・その2

朝日新聞より「ビッグ3、米議会に340億ドルの支援要請

【ニューヨーク=丸石伸一、ワシントン=西崎香】

米自動車大手3社「ビッグ3」は2日、経営再建計画を米議会に提出した。

人件費の削減や電気自動車への投資を盛り込む一方、政府に最大で計340億ドル(約3兆2千億円)の資金支援を要請。新車販売が急減するなか、緊急融資の早急な決定を求めている。

米議会は自動車業界への250億ドル(約2兆3300億円)の緊急融資枠を含む救済法案を審議中。再建計画を踏まえて今月4、5両日に公聴会を開き、週明けに採決するかどうか決める。

資金支援の要請額は、ゼネラル・モーターズ(GM)が最大180億ドル(約1兆6700億円)。運転資金に使うつなぎ融資として最大120億ドルに加え、販売不振が長引くのに備えた融資枠60億ドルの設定も求めた。支援が得られれば、今月中に40億ドルを引き出す方針も明らかにし、資金繰りが厳しくなっていることを示唆した。

フォード・モーターは最大90億ドル(約8400億円)、クライスラーは70億ドル(約6500億円)を要請。3社の合計額は、審議中の救済法の枠を上回る規模のため、今後の調整が必要とみられる。

再建計画では、議会で厳しく非難されていた役員の高額報酬について、3社とも最高経営責任者(CEO)の年俸を1ドルに下げる方針を発表。CEOらが使う専用ジェット機の売却なども打ち出した。

GMは、工場労働者の労務費削減を労組と協議し、12年までにトヨタ自動車と競争できる水準まで引き下げるとした。傘下の「サーブ」や「サターン」など3ブランドの売却などの検討も示唆。取引金融機関や社債保有者らと交渉し、債務を大幅に減らす方針も打ち出した。

ガソリン以外の燃料で走る車の技術開発に09~12年で約29億ドル(約2700億円)を投資し、10年に電気自動車の生産を始めるなど次世代車への取り組みも強調している。

フォードも、次世代車の開発に今後7年間で計約140億ドル(約1兆3千億円)を投じ、10~11年に電気自動車の商用化を目指す。競合他社の倒産などがなければ09年までに資金繰り難に陥ることはないとしており、11年に北米事業の黒字化を見込む。

クライスラーは09年から大幅な燃費改善を幅広い車種で実施。電気自動車は10年に発売を始め、13年までにさらに3車種を追加する計画だ。

各社の計画提出を受け、米議会を主導する野党民主党のペロシ下院議長は2日記者会見し、「議会か政権かのいずれかによる介入は起きると思う」と述べ、何らかの救済が実施されるとの見通しを明らかにした。

ただ法案には共和党議員らの反対が目立っているうえ、今回の再建計画にも人員削減など追加リストラの具体策までは示されておらず、法案可決に至るかはなお不透明だ。

このため民主党側は、実施の手続きが簡単なブッシュ政権による金融支援の公的資金枠の活用も要求。
政権側はこれに反対する一方、すでに決定済みの燃費技術改善向けの支援250億ドル(約2兆3300億円)の転用を検討している。

「ビッグスリーの苦闘」の続報です。

前半は、前に紹介した内容ですが、最後の議会状況についての説明は注目する必要がありますね。
共和党が反対で否決というのはあまり考えられないと思いますが、政権移行期なので決定が何事も遅れる可能性は高いでしょう。
結果として、巨大倒産事件になるかもしれません。

マクロに言えば、アメリカの短期利潤追求型の経済運営は危機に弱いと言うべきなのでしょう。
石油の値上がりはアメリカ車を直撃して、ビッグスリーの体力を奪ったのですが、元はと言えばアメリカの石油依存が石油入に向いて国際原油相場を引き上げた事から始まりました。

さらに、産油国でもあるアメリカが中東原油に依存するのは、一方で原子力発電所を新規建設をストップし原子力工業も無くなってしまうに等しくして待ったからとも言えます。

ここまで来ると、ニワトリが先かタマゴが先かのような議論になってしまいますが、短期利益追求が過ぎるとエネルギー危機にも対処できなくなる、と示していると言えるでしょう。

日本の政治・経済状況が表面上は今もアメリカ式の短期利益追求を良しとしていますが、全体的な安定にももっと目を配るべきだし、特に派遣労働が低賃金に誘導することを目的とするのなら、間違えなく経営が市場を潰しつつあるわけで、派遣労働ゆえに高賃金という仕組みにしないと経済縮小にしかならないでしょう。

12月 3, 2008 at 01:17 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

ビッグスリーの苦闘

日経新聞より「GM、最大180億ドルの融資要求 再建計画を提出」

【ニューヨーク=武類雅典】

米政府に金融支援を要請中の米ゼネラル・モーターズ(GM)は2日、自動車ブランドの削減方針や債務削減などを盛り込んだ再建計画を米議会に提出した。金融支援としては総額で最大180億ドル(約1兆7000億円)を要求。
今月中に40億ドルの利用を見込んでおり、政府支援が得られなければ、経営破綻の恐れが高まる。

再建計画には傘下ブランド「ポンティアック」の大幅車種削減、「サーブ」「サターン」の戦略見直しを盛り込んだ。
サーブとサターンについては売却も視野に入っていると見られる。
一方、取引のある金融機関や債権者らに対しては債務の軽減を求める方針。

経営陣の報酬も大幅にカットし、リチャード・ワゴナー会長の年俸は1ドルに引き下げる。

日経新聞は特集「米ビッグスリー再建」として、以下の記事をまとめています。

「米ビッグスリー再建」記事一覧

  • (12/2)GM、最大180億ドルの融資要求 再建計画を提出
  • (12/2)米フォード、8500億円の融資枠求める CEO年俸1ドルに
  • (12/2)米ビッグ3、再建計画を2日提出 労務コストなど削減へ
  • (12/1)フォード、ボルボ売却検討を発表 経営再建、自助努力訴え
  • (12/1)サーブとボルボ、スウェーデン政府に支援要請 英紙報道
  • (11/29)ビッグ3公聴会 12月4、5日に米議会で開催
  • (11/29)GM、債権者に債務株式化を要請 米紙報道
  • (11/26)米クライスラー株の売却交渉難航 独ダイムラーと米サーベラス
  • (11/26)北米車在庫、100日分超す 日米6社、00年以降で最悪
  • (11/24)ビッグ3の公的救済、世論冷ややか 議会の対応難しく
  • (11/23)米ビッグ3、経営陣報酬カットへ 支援狙い「自己犠牲」
  • (11/22)GMの一部取締役、破産法含め検討の声も 米紙報道
  • (11/22)米GM、社用ジェット2機手放す 政府支援巡る批判で
  • (11/21)GM、生産調整を追加 工場休止の前倒しなど
  • (11/21)米ビッグ3に配当見送りなど要求 民主党首脳が書簡で
  • (11/20)米ビッグ3再建策、追加リストラ焦点 12月2日期限
  • (11/20)ビッグスリー再建、「時間との勝負」に
  • (11/20)米ビッグ3への政府支援、12月に結論先送り リストラ計画要求
  • (11/19)米ビッグ3、株価も低迷 GM9.71%、フォード25%安
  • (11/19)日産ゴーン社長「新たな提携、今は考えていない」
  • (11/19)ビッグ3緊急融資の民主党案、週内の採決撤回 米メディア報道
  • こういった経過を経て、社有ジェット機の廃止、CEOの年報を1ドルにするといった象徴的な「対策」を発表してから、フォードが90億ドル、GMが180億ドルが必要だと発表しました。

    アメリカは消費によって経済を回してきました。
    その消費市場がサブプライムローンに代表される過度の信用拡大が原因で、崩壊してしまいました。

    自動車はアメリカでは、生活必需品ですからいつかは需要は復活します。
    ただし、アメリカの消費者が要求するものを将来とも提供し続けることができる、と市場が判断しないとビッグスリーが復活するのは難しいだろうと考えます。

    ビッグスリーが自動車市場にどう対応してきたのか?と考えますと、過去の事実は市場をリードしてきたというよりも、市場をねじ曲げてきたというべき、なのかもしれません。

    有名なのは、自動車普及のために鉄道会社をつぶしてしまった、というのがありますし、最近では乗用車の燃費規制法に対抗するために、燃費規制の対象外であるトラックをSUVとして大々的に売り出しました。その結果、ガソリン高騰でトヨタのハイブリッド車に人気が集中してしまいました。

    「GMにとって良いことはアメリカにとって良いことだ」などと言っているうちに、世界から取り残されてしまった、と言うべきなのかもしれません。

    日本でも自動車が売れなくて問題になっていますが、自動車の耐久力が向上して今や平均使用年限が11年を超えているとのことです。
    さらに、日本では若い人たちが自動車を買わなくなってきています。この部分はオートバイが日本では全く売れないことを追いかけているのだと思います。
    オートバイは日本の都会で極めて使いにくい交通機関で、とにかく駐車場がありません。その結果が「オートバイは無くても何とかなる」と電車やバス、自転車に試乗を奪われたと考えるべきでしょう。

    こういった自動車特有の問題とは別に、アメリカが何とかしなければならないのは、消費だけで回してきた経済構造からの脱却です。
    そのために必要なのは、工業生産性の大幅な向上が不可欠ですが、これは非常に難しいでしょう。

    世界中の量産型工業の生産設備を提供しているのは日本です。もちろん設備なのだから使いこなせば、結果は出ますが、世界をリードすることはできません。
    つまりは人件費などのコストの勝負から抜け出すために、モノを作るための仕組みを作るための仕組みを・・・・といったところの奥行きが無いとダメだとなります。
    これはアメリカにとってはかなり厳しい道になるでしょう。

    一方、日本では生産することが何よりも重要としたために、賃金引き下げに走ってきました。
    このために消費市場が無くなってしまっています。自動車が売れない理由は、収入が低いことが反映していることに間違えありません。
    ヘンリーフォードが空前の高賃金を支払って自動車を量産し、市場を作ったことの全く逆のことをやっているのが、現在の日本の財界です。
    企業が稼いだ金を市場に出さないで、どうやって市場にモノを売るのでしょうか?

    こうして考えますと、日本とアメリカは対象形になっているのでしょう。
    日本の現在の経済状態は比較的好況と言えるのでしょうが、すぐ隣に空前の大不況がありそうです。

    12月 3, 2008 at 09:59 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.12.01

    ドルの将来

    イザより「屑資産でもドル札に換えるFRB

    ちょっと小生意気な小学6年生のおいっ子が突っ込んできた。
    「おじさんたちは景気が悪いと書いているけど、そんなに悪いなら国がお札をじゃんじゃん刷ってみんなに配ればいいじゃないの」。

    フム、どう答えるか。

    カネの信用がなくなって、インフレになるから駄目だ、なんて杓子(しやくし)定規の答え答をしたら恥かくぞ。
    物価がどんどん下がるデフレ経済では、カネを刷ってヘリコプターからばらまけ、というご託宣がノーベル経済学賞受賞者から提起されている。

    経済とはカネが十分回れば、必ずよくなる。
    しかし、タダのカネを刷ってみんなに配ってもそうなるとはかぎらない。いま話題の定額給付金もそうだ。

    例えばこのおいっ子たちが喜び勇んでお札を手にゲームソフトを買うとしよう。
    赤字経営のゲームソフト店のオヤジさんはその代金で一息つけるかもしれないが、銀行が運転資金を貸してくれないといずれ店をたたむ羽目になる。
    カネが回るという意味は、金融機関を通じて収益性のある事業や勤勉に働く勤労者の住宅ローンなどに流れることで新たな事業や需要が生み出され、しかも返済されることで還流することだ。

    つまり、たっぷりと資金を持っている健全な金融機関と、借りたカネを返済する能力を持つ企業や個人が大多数を占める。
    とにかく金融機関がなければ、カネは回りにくい。
    金利が低ければ、低収益の事業にも融資しやすくなる。
    ヘリコプターからばらまかれたカネは金融機関に集まってこそ生きる。

    おカネを刷って金融機関に流すのは通常、中央銀行であり、日本では日銀、米国では連邦準備制度理事会(FRB)である。
    単に刷っているわけではない。
    中央銀行は国債など信用度の高い証券を買い上げる操作のために輪転機を回す。
    つまり、国債などの資産の裏付けがあるおカネを市場に流す。
    ほとんど値打ちのないような資産に値をつけて買い上げることはこれまでタブーとされてきた。
    そんなことをすれば、中央銀行は不良資産を大量に抱えることになり、それに見合って発行されるお札は信用を失うかもしれないのだ。

    ところが、米FRBは25日、そんな禁じ手を使うことを決めた。

    最大で8000億ドル(約77兆円)ものドル札を刷って、各種ローンが裏付けになっている「証券化商品」を買い入れる。住宅ローン関連で6000億ドル、自動車、クレジットカード、学資などの消費者ローンと一部の小企業向けローンで2000億ドルの資金枠をそれぞれ設定した、というのだ。

    FRBの買い入れ対象はそれまでに問題含みの企業のコマーシャル・ペーパー、貯蓄型の投資信託(MMF)など多岐に渡り、しかも経営危機に陥った証券大手ベアースターンズ支援 290億ドル(約2兆8000億円)や保険大手のAIG支援1100億ドル(約10兆円)など、不良化するリスクの高い資産ばかりだ。

    この結果、FRBの資金供給残高(保有資産)は証券大手リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)した9月中旬以降の約2カ月半の間に一挙に 2.5倍に膨らんだ。

    しかも通常なら米国債という優良資産の占める比率は通常のレベルの9割から2割へと大幅に低下した。

    FRBはジャンク(屑(くず))になりかねない金融資産と引き換えに1兆数千億ドル(百十数兆円)ものお札を垂れ流している。

    外聞もメンツもかなぐり捨ててまで応急措置に踏み切らなければならないのは、金融商品バブル崩壊のために金融機関の資産が損なわれ、金融機関同士疑心暗鬼になってしまい、金融市場でカネが回らなくなったのが一つ。
    さらに、企業や個人も資産を失い、融資が受けられなくなったからだ。
    ビジネス活動も個人消費も冷え込み、景気がいよいよ悪くなる。ならば、この際、ドル札を刷ってばらまくしかないと思い切った策に出たわけだ。

    さらに驚くのは、今回の買い上げ対象になった証券化商品というのは、「金融工学」を駆使してコンピューター空間で創造された仮想現実の金融商品である。これらの商品は市場での評価、つまり現実の価値が不明である。株や債券はまだ配当や元本という確かに実在する価値をバックにしている「実」であるのに対し、証券化商品の大半は「虚」の金融商品である。FRBはあえてこの「虚」を現金化する。

    市場経済というものには必ず帳尻合わせが起きる。ドル札が虚に染まれば、いずれただの紙切れに変わる。

    それでもそうならず、ドルの価値が安定しているのは、世界でドルの金融商品の清算に伴ってドル札が不足しているためだ。

    ドルが一転して過剰になったとき、どうなるか。米国はもとより、世界はまさに前代未聞、近代中央銀行制度史上初の巨大な実験の行方にかたずをのんで見守っているとでも言えようか。

    (特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)

    最後の節

    市場経済というものには必ず帳尻合わせが起きる。ドル札が虚に染まれば、いずれただの紙切れに変わる。

    それでもそうならず、ドルの価値が安定しているのは、世界でドルの金融商品の清算に伴ってドル札が不足しているためだ。

    この部分は、田村記者が以前から主張しているところで「現時点ではドル高」というものです。

    そこにさらにドルを発行しているのですから、ドル暴落の可能性もあるとなります。
    ところで、今回の田村の記者の指摘で重要なのは、すでに信用を失ってしまった金融商品を買い上げたという部分でしょう。

    通貨の発行権は国家が独占することになっていますが、手形とか借金というのいわば個人や私企業が通貨を発行するようなもの、と解釈して良いのでしょう。
    国家と個人では信用が全く違います。だから、借金はいつまで経っても通貨にはならない。

    しかし現実の事件としては、借金をし放題に拡大して、最後に「大きすぎて潰せないから、国が何とかする」ということは日本も含めて世界中で起きています。
    いわば国ではないところが通貨を勝手に発行したとも言えるでしょう。
    勘定を合わせることは出来るかもしれませんが、信用は減りますよね。

    アメリカ経済の復活は世界の期待でありますが、経済とは信用の問題であってアメリカの信用がいまだに下落の方向に向かっているのでは、世界は今後どうなっていくのでしょうか?

    12月 1, 2008 at 10:19 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.11.19

    アメリカの明日

    日経新聞より「GM会長「自力では無理」 政府によるつなぎ融資を正式要請

    【ワシントン=大隅隆】
    米ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は18日、上院公聴会で証言した。ワゴナー会長は「我々が行き詰まったのはグローバルな金融危機と(それに伴う)戦後最悪の自動車販売の落ち込みだ」と指摘。

    「GMは過去100年、米国の重要な役割を担ってきたが、現下の情勢では自力では無理だ」と話し、政府によるつなぎ融資を求める考えを正式に表明した。

    ワゴナー会長は「自動車産業は米国の実態経済を担っている。(リストラも実施してきており)成功のために十分なことをしてこなかったと指摘する人には同意できない」と発言。

    自動車メーカーの破綻は「雇用減少、所得の減少、税収の減少など、悲惨な結果をもたらす。今回の(政府支援の)件は『デトロイト』というより米経済を悲惨な破綻からどう救うかという話」と強調した。(07:25)

    アメリカでは自動車の必要性は非常に高いですから、現在の自動車が全く売れないという状況はいずれ改善されるでしょう。
    しかし、資金繰りなどの観点で公的資金投入が必要なのも明らかだと思います。
    そう考えると「話は単純じゃないか」と思っていたのですが、そうでもないようです。
    東京新聞より「ビッグ3は多過ぎる バンカメCEO

    【ニューヨーク18日共同】
    経営危機に陥った米ビッグスリー(自動車大手3社)が政府による救済を求めている問題で、銀行大手バンク・オブ・アメリカのケネス・ルイス最高経営責任者(CEO)は18日、
    「3社もあるのは多過ぎる」と述べ、現状のままで公的資金による救済の実施に反対する姿勢を表明した。米メディアが伝えた。

    合併や大規模なリストラなどの経営再建努力を救済の条件とすべきとの考えを示した。

    ミシガン州デトロイトで講演したルイス氏は「時間稼ぎのために資金を投入することを米国民は疑問視している。自動車会社は戦略を大きく変えなければならない」と語った。

    アメリカが生産よりも消費で経済を回すことを続けてきた事が、現在の事態に至った根本的な理由だと考えますから、むしろ減らすべきは金融機関ではないのか?と思うところです。

    こうして見ると、アメリカ経済が消費産業(?)と生産産業で公的資金のぶんどり合戦を始めた、と理解するべきなのかもしれません。

    11月 19, 2008 at 08:29 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.11.18

    続・世界の明日

    世界の明日の続編です。

    東京新聞より「封じ込めたか 金融危機 『その後』描けぬ欧州

    「これは歴史的な集まりだ」-。英国のブラウン首相は十五日、日米欧と新興経済国の二十カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)を終えると、カメラの放列の前で顔を紅潮させた。ふだんはカリスマ性に乏しい首相に注目が集まったのは、第二次大戦後に米国のドルを基軸通貨とする国際金融体制をつくった「ブレトンウッズ体制」の見直しをぶち上げていたからだった。

    だが、自信たっぷりだった当初の意思表明は次第にトーンダウン。三週間にわたり議論した一九四四年七月の歴史的な会議に比べ、今回はわずか五時間。「これでは戦後体制を見直せない」(英エコノミスト誌)のも当然だった。

    首脳会合の呼び掛け人である欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領は「ドルはもはや唯一の基軸通貨ではない」と言い続け、「市場が常に正しいという米国流の考えはおかしい」と批判しワシントンに乗り込んだ。

    首脳宣言はEUが主張した「すべての金融機関、金融商品」の規制・監督を盛り込む一方で、米国の意をくんで「競争や技術革新を阻む過剰な規制は避ける」ことも求めた。対立する意見のバランスを取った結果、来春までの具体策作りが難航するのは必至だ。

    英仏首脳らが金融危機対応で主導権を握ろうとしたのは、今が暴走する米国流の金融資本主義を抑える千載一遇の好機と映ったからだ。市民の間にも行き過ぎた市場主義には不安が高まる。

    マルクスが著した『資本論』がドイツで再び売れだした-。AFP通信は十月半ば、金融危機で多くの人が資本主義の行く末を案じていると伝えた。フランスでは、株主本位の企業統治に疑問を投げかけた三年前のベストセラー『世界を壊す金融資本主義』が息長く売れ続ける。

    とはいえ、米国一極支配からの転換後にどんな将来像を描けるのか。まだ欧州側も金融産業の青写真を決められない。首脳宣言では国際通貨基金(IMF)や世界銀行などブレトンウッズ体制で生まれた国際機関の存続を前提に、規制改革を促すにとどまった。

    資金が瞬時に国境を越える銀行、証券など金融産業の危機は、地球規模で広がる経済問題が一つの国や、主要国だけでは食い止められないとの共通認識を強めている。

    G20首脳会合の当日、フランスのクシュネル外相は「今後も首脳会合はG8でなく、少なくとも中国、インドなどを加えたG14まで広げるべきだ」と新たな考えを示した。

    国内総生産(GDP)ではG20だけで世界の約85%を占める。首脳会合も、二十カ国が景気刺激策で協調すれば、今回の世界的な不況を最小に抑えるとの姿勢を打ち出した。ブレトンウッズ体制の見直しは先送りしたものの、二十カ国の利害が絡み合う場に広がった首脳会合の動きは、米国主導の経済体制を変える歴史的な節目になる可能性を生んだ。 (ロンドン・松井学)

    基軸通貨をどこかの国の通貨とした場合、その国の金融政策・財政政策はもちろん経済運営の考え方すらも世界経済に影響してしまうことは、冷静に考えれば当然ではあるのですが、基軸であるがゆえに忘れてしまう事でもあるのでしょう。

    各国の通貨の価値は相対的に決まるものだ、とする変動相場制であっても基軸通貨の信頼度が高いのは当然で、アメリカ経済がヘンなことをすると世界中が迷惑だ、というのが欧州連合(EU)の主張でありましょう。

    しかし、ドルを基軸通貨ではないとすることは無理がありますから、基軸通貨を複数にするしか無いわけです。しかしそんな事ができるのでしょうか?と考えますと、世界に一つだから基軸なのであって、もし基軸通貨が複数ある場合には、全部の通貨がイコールの完全変動相場で構わないことになりますから、現実的には意味がないように思います。

    そうなりますと、アメリカの経済政策を国内向けではなく世界経済向けに運営しろ、ということになる、のかもしれません。しかしアメリカはもともと国内政策重視の国なのですから、無理があります。

    こう考えますと、今回のG20は対策が出なかった会議、と考える方が正しいのでしょう。
    実際に、市場は特には反応していませんね。

    それにしても、アメリカの主張の根源が「市場に任せなさい」であるのなら、市場を作ってしまう方向を目指した、ハゲタカファンドなどはアメリカから見ても「場外乱闘」であるはずですが、市場秩序を維持しないで市場に任せる、とはどんな事になるのでしょうか?。
    結局のところ、アメリカは「暴走しても完全自由経済であるべきだ」と言っているのでしょうか?。
    それは、戦争も含む、となると思うのですが・・・・・・

    11月 18, 2008 at 08:40 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.11.17

    世界の明日

    東京新聞より「封じ込めたか 金融危機 行き詰まる米国経済

    金融サミットが開かれた米国の首都ワシントン市の中心部に近い国立建築博物館。ここに世界の注目が集まったのは、今年に入って二回ある。

    最初は民主党のヒラリー・クリントン上院議員が、米大統領選挙の民主党候補者選びで敗北宣言をした六月七日。だが、世界を動かす二十カ国・地域の首脳が集結した今回は、六月ほどの熱気はなかった。大統領選で圧勝し、来年一月に就任するオバマ氏が不在だったからだ。

    各国首脳から殺到した会談依頼をオバマ氏は「米大統領は一人しかいない」と断り、サミットの“陰の主役”は最後まで姿を見せなかった。

    オバマ氏の経済政策に対する米国内外の視線は熱い。選挙期間中、訴え続けた「チェンジ(変革)」は、米国経済再建のみならず、世界恐慌回避への数少ない期待につながっているためだ。

    サミットでの合意事項を実行に移すのは、残り任期二カ月のブッシュ政権ではなくオバマ政権。政権移行の端境期で、米国は金融危機の震源地でありながら、恐慌回避に向けた具体策を打ちだすことができなかった。サルコジ仏大統領が主張していた基軸通貨としての「ドル体制見直し」という壮大な提案も首脳宣言には一言も入らなかった。

    米国では緊急経済安定化法に基づき、金融機関に対し最大七千億ドルの公的資金による資本注入が始まった。ところが、金融機関の貸し渋りや消費低迷は収まっていない。

    十日には米家電量販店二位のサーキット・シティーが破たん。米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の行方は、金融市場の大波乱要因になっている。

    国際通貨基金(IMF)は二〇〇九年の実質経済成長率で、米国、ユーロ圏、日本の先進国がそろってマイナス成長を予測。首脳宣言は景気てこ入れ策として各国に内需拡大を促す財政政策を求めたものの、米国の場合、四月実施の戻し減税は、七-九月期の国内総生産(GDP)で個人消費がマイナスになるなど効果は一過性にすぎない。

    かといって活路を海外に求めるのも難しい。金融危機がして米国より激しい欧州は、域内経済の底支えで精いっぱい。アジアや南米の新興国も金融危機の影響で経済が疲弊いる。
    一〇年末までに五十七兆円の対策を打ちだした中国は、8%成長という自国の雇用確保のためであり、世界経済を支えるには荷が重い。

    来年一月二十日。世界はオバマ氏の大統領就任を待つ。ただ、それは残り任期が少なく「レームダック(死に体)」ともいえるブッシュ政権と比べた期待の高さにすぎない。
    しかも、オバマ氏は米経済再生を最優先に掲げる一方、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しなど保護貿易主義的な考えも持つ。
    それだけに結果がでなければ、世界の失望はいや応なく高まるおそれだけはある。

    (ワシントン・古川雅和)

    世界経済を消費大国アメリカがけん引してきましたから、日本・中国・韓国などアメリカに輸出している国の経済が回っていた、と言って良いでしょう。

    しかし、生産を上回る消費をいつまでも続けるわけにいかないのは、国家も個人も同じでバブル経済を「景気がよい」とはやし立てていたのに急ブレーキが掛かった、ということです。

    問題は、二種類あるのでしょう。

    一つは、短期的なバブル経済の破たん。
    これは日本の土地バブルと同じ、かなりやっかいではありますが、それ以外のところが健全であれば、何とかなる派です。

    もう一つが圧倒的に問題であると考えているのは、アメリカの経済には生産力がないことです。

    日本のバブル破たん寸前には「東京の土地を売ればアメリカが買える」といったバカな話が出てきて、誰が見ても「数字だけのこと」と思っていたわけです。
    しかし、製造業も無事だったし商社活動も機能していました。つまり金融以外の生産活動が機能していました。

    アメリカでは自動車メーカーのビック3が危機に陥っています。細かい話ではアメリカはヘリコプターを新規開発できないようです。
    工作機械はとっくの昔にアメリカ製は消えてしまいました。

    もともとアメリカは巨大な国であり、資源も豊富で世界貿易に依存しなくてもやっていける、と自他とも認める国でした。
    しかし、現在では石油なども輸入していますし、輸出できるのは農産物ばかりといった国になっています。

    アメリカの人口増加が、将来の生産と消費の両方を拡大するのは確実でしょうが、今までが金融工学のテコを使って(リバレッジ)実質よりもはるかに大きく見せかけていた上に、実質的な生産でギャップを埋める見通しが実はなかった、とはっきりしてしまいました。

    サンケイ新聞の解説では、現在はドル高なのだそうです。
    金融商品の決済のために、通貨としてのドルが必要で連邦準備制度理事会(FRB)がドルを供給しても間に合わない、つまりドル高なのです。
    ドル高の反対にあるのが、各国通貨で韓国ウォンのように劇的に下がってしまった通貨もあります。

    しかしこの現象も、一時的に決済に必要だからドル需要が増えているのであれば、いずれは本来のアメリカ経済力の評価に見合う水準になるでしょう。
    それは、現在よりもドル安になるでしょう。

    このような傾向は、円の上昇に現れていてジリジリと円は上昇し続けています。
    1年もしますと、ドル安の傾向ははっきりするでしょうが、もちろん対米輸出国にとっては輸出不振になります。
    そして、そのような状態がアメリカの生産力が復活するまで、だとするとこれは大変な長期間おそらくは数十年ぐらいの話になるのではないでしょうか?
    現在の状況をしのいでも、ジワジワと大変な世界が長く続くような気がします。

    オバマ政権は、もともと民主党政権であり政策の軸足を外交から国内に大きく転換するのではないか?と考えます。
    ブッシュ政権のイラク・アフガンといった地域での武力行使などから手を引き、世界の警察官の地位を降りるかもしれません。
    これは日本にとっては、北朝鮮問題をアメリカが投げ出すことになりますから「アメリカの言う通り」といった外交政策が続かない事になります。
    経済も、外交もかなり混迷する時代に突入するのかもしれません。

    11月 17, 2008 at 11:18 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.10.25

    グリーンスパンが過ちと言っていることは

    サンケイ新聞より「融資規制せず「過ち犯した」グリーンスパンFRB前議長

    【ワシントン=渡辺浩生】
    グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長は23日、下院政府改革委員会の公聴会で証言し、低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した金融危機について「過ちを犯した」と語り、サブプライム融資の過熱を放置するなど議長時代の政策運営にミスがあったことを認めた。

    グリーンスパン氏は2006年1月まで18年間議長に在任し、米経済を高成長に導いたかじ取りが「マエストロ(巨匠)」と評価された。
    しかし、当時の超低金利政策と規制に消極的な姿勢が結果的に、サブプライム融資や関連証券化商品の投資の野放図な拡大を放置したと批判されている。

    ワックスマン委員長(民主)に「FRBには無責任な融資を規制できる権限があった」などと責任を追及されると、グリーンスパン氏は「金融機関の自己の利益追求が彼らの株主の利益を最大限に守ることになると考えた。私は過ちを犯した」と認めた。
    規制を嫌う自身の市場理念に「欠陥があった」とも語った。

    「日本型デフレを防ぐためだった」という超低金利策はしかし、住宅ブームを過熱させた。市場開拓の切り札がサブプライムローンだった。金融機関はローンを証券化して世界中の投資家に販売し、大量の資金が米住宅市場に環流された。

    借り手の返済能力を超えたお金を貸し込む営業が横行する。
    だが、グリーンスパン氏は監督権限を行使せず、過熱する証券化やデリバティブ(金融派生商品)取引に規制を加えることもなく、06年1月、退任した。
    持ち家を失ったサブプライム難民が続出し、景気後退入りも確実な今、「原因は不十分な規制にある」(スティグリッツ・コロンビア大教授)という批判が高まっている。

    ただ、規制緩和による住宅市場拡大は当時の「議会の意思」(グリーンスパン氏)でもあった。大統領選の投票を来月4日に控え、同氏が「スケープゴート」になったという側面も否定できない。

    いわゆる神の見えざる手が経済を自然に安定させるから、政府が規制するべきではない、という考え方なのですね。
    しかし、現実に起きたことは「返済できるはずがないレベルにまで、貸し込むという暴走」になったと表されています。

    金子勝著「閉塞経済―金融資本主義のゆくえ」ちくま新書2008年7月10日発行
    を読んでいます。

    金子勝氏の以前からの主張をまとめた本と言って良いのでしょうが、この時期に読むとピッタリでグリーンスパン氏が政治状況があるにしても「私は過ちを犯した」と認めたのは大変なことだと言えるでしょう。

    「閉塞経済―金融資本主義のゆくえ」P39より

    アラン・グリンースパン(FRB前議長)がやった政策というのはまさに、バブルがひどくなると金利を上げていってそれを抑えにかかり、バブルが崩壊した瞬間、小刻みに次々と金利を下げて、実質マイナス金利になるまで下げていきます。
    それで、資産価格の上昇を引き起こす。つまり、次のバブルを待つわけです。

    その間に、国際的な協調のもとで、量的金融緩和政策が行われます。
    デフレを防ぐという名目で、ジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマンも、この量的金融緩和政策を支持しました。

    ともあれ、実際に行き場を失ったお金が再び資産に戻ってきます。
    また資産価値が再び上昇して加熱したと思ったらジリジリと金利を上げていって、またバブルが崩壊する。
    こうして不動産 → 株式 → 不動産というようにバブルを交替させていくのです。

    「グリーンスパン神話」ということが言われましたが、結局、グリーンスパンの「功績」はなんだったのかというと、バブルをコントロールすることによって次々とバブルを乗り換えていったことです。

    あまりに巧みにバブルをコントロールしたので「グリンースパン神話」と言われました。
    バブルがはじけてもグリーンスパンが何とかしてくれる、と安心してしまう。

    そういう世界が作られたことによって、アメリカ人の個人貯蓄率がゼロになって、ほとんどマイナスにあるくらい借金まみれになってしまったということなのです。そして、それが世界に波及していったのです。

    この金子勝氏の指摘がグリーンスパン氏の「過ち」であるのだとすると、金融や財政による景気のコントロールにはずっと厳しいもので、将来を楽観できず貯蓄が拡大するような社会であるべきだ、ということになりそうです。

    少なくとも、バブルの崩壊と次のバブルを作るというグリーンスパン氏の手法が否定されると、金融自由化の否定であり、レーガノミックスから小泉改革に至る一連の自由化(自由奔放)路線の修正となります。
    世界はこれほどの大規模な政策転換が出来るほどの英知を持っているのでしょうか?

    フランスのサルコジ大統領の果敢な行動に注目するべきなのかもしれません。

    10月 25, 2008 at 11:13 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.10.22

    金融危機

    朝日新聞より「ローン返済、突如倍増 アイスランド、円建て人気裏目

    家や車のローンの毎月の返済額が急に倍になる――。悪夢みたいな話がアイスランドでは現実になっていた。

    レイキャビクの高校教師、(47)は2年前にアパートを買った。子供が5人なので広めの約200平方メートル。そのローン返済額が今年初めは月11万4千クローナだったのに今は22万クローナなのだ。

    実は資金を「日本円」で借りた。それがつまずきのもとだった。

    バブル経済で同国通貨クローナは金利が高いうえ、返済額が物価の上昇率に応じて変わる独特の制度もある。それに比べ円はずっと低金利だし、この国のインフレにも振り回されない。返済は円での定額を毎月のレートでクローナに替えて払う。「為替の変動が多少あっても割安」になるはずだった。

    ところが、この春ごろから下落気味だったクローナは金融危機で暴落。ついに1クローナが約1円と年初のほぼ半分の価値に落ちてしまった。

    手取りで26万クローナの月給のほとんどがローン返済に消えるはめになった。生活は大工の棟梁(とうりょう)である夫の収入頼み。

    「通勤は車から燃料代のかからない自転車にかえました。休暇の家族旅行も当分中止」とため息をつく。

    レイキャビク郊外の高級車販売店。経営者(36)によると、ここ4、5年は客の9割以上が円などの外貨ローンを利用していた。
    客が購入を決めると一緒にコンピューターの前に座り、銀行系ローン会社のサイトにアクセスする。提供される各種ローンの中から選んでもらいクリック。

    「人気が高いのは円だった。クローナの金利は2けた台。それが円だと4%ちょっと。ほとんどの客が円を選んでいたよ。だれも日本のお札なんて見たことないけどね。これからは僕も落ち目だな」

    と彼もため息。

    一国の経済がバスタブの湯だとすれば、政府や中央銀行は熱湯や冷水を出して湯加減を保つ蛇口。ところが、アイスランドではバスタブがいつのまにか巨大な海に変わっていた。

    過熱した経済によるインフレを抑えようと中央銀行は自国通貨の金利を上げる。
    今年10月はじめには15.5%にまでなっていた。しかし人々は中央銀行の規制から自由で低金利のまま流入する外貨でローンを組み消費を続ける。
    世界の金融市場という海のなかで、アイスランドの小さな蛇口は意味をなくしていた。

    中央銀行によると、外貨ローン利用はこの4年間で急増。04年1月は家計の借金のうち4.5%だったが、08年には3月の時点で23%に。クローナ暴落で、外貨による借金の重みはさらに増す。

    73年まで世界銀行が「途上国」に分類していた小国は、80年代から経済のグローバル化の波に乗ろうと大胆に規制緩和を進めた。
    舞台が広がり外資も流れこんだ。次々と内外で注目される企業が輩出。
    06年には専門家らが首相に対し、「国際金融センターとして理想的。さらに条件整備を」という野心満々の提言さえまとめた。

    気がつけば1人当たり国内総生産(GDP)は世界トップクラス。07年には国民の幸福度を示すともいわれる国連開発計画(UNDP)の人間開発指数で第1位に輝く。

    ただ、その陰で経済は「規制緩和が産みだした巨大な怪物」(ビフロスト大学のエイリクール・ベルグマン教授)と化していた。
    英国などで自国の人口より多い預金者を獲得したり、日本でサムライ債(円建ての債券)を発行したりして巨額の資金を集めた銀行の資産は合計でGDPの10倍。
    何か起きれば政府の手に負えない規模に膨らんだ。そこへリーマン・ブラザーズの経営破綻(は・たん)。万事休した。

    明日からどうなるか。通貨下落が続き、失業は増え、物価は上昇し、給料はカット……。グローバル化がもたらしたサクセスストーリーはホラーストーリーに変わった。

    02年に首相経済顧問を務めたアイスランド大学のギュナール・ハラルドソン経済学部長は「私たちは自身の成功の犠牲者かもしれない」と嘆く。
    首都の中心街の高級店やしゃれたレストランはまだ営業を続けている。
    だが、いつまでもつか。最も幸せだった国から突然、人々の夢がごっそりと消えてしまった。(レイキャビク=大野博人)

    〈アイスランド〉 北海道よりやや広い約10万平方キロの国土に約30万人が暮らす。
    漁業国だが、80年代以降、経済の規制緩和を積極化。
    特に資本の移動の自由化、金融機関の民営化や通貨クローナの変動相場制への移行など金融部門の規制緩和を機に、経済成長を遂げた。
    06年までの10年で国内総生産(GDP)は2倍強に。1人当たり5万ドルを超え、3.4万ドルの日本を上回った(06年)。
    日本への輸出はシシャモなど水産物が中心で、日本からの輸入の多くは乗用車。

    欧州連合(EU)未加盟だが、経済分野にかかわる欧州経済領域(EEA)には参加。非武装で、北大西洋条約機構(NATO)加盟。

    これは確か先週のテレビで放送された取材そのもののようですね。

    ちょうど今「閉塞経済―金融資本主義のゆくえ」金子勝著・ちくま新書を読んでいます。
    この中に「バブルとバブル崩壊を繰り返す経済」という言葉が出てきて、なるほどと思っています。

    住宅ローンとか自動車ローンに直接外資を使うというのはテレビで見たときに驚いたものですが、テレビではアイスランドの問題が直接イギリスの問題になっていることも放送されて、これまた「そういうことだったのか」でありました。

    アイスランドの金利が高いから、イギリスの100を超える自治体がアイスランドの銀行に預金していたのだそうです、それが凍結されてしまって予算執行が出来ない自治体が出てきてしまった。
    さらに、イギリス政府がアイスランドに抗議して、イギリス国内のアイスランドの銀行を営業停止にしてしまったとか。
    イギリス下院でも、政府の責任を追及するなど、完全に政治問題になってしまったようです。

    アイスランドの「国内金利が高い(15.5%)なので、円でローンを組む」というのは、簡単に言えば裏技といったところですが、結局は「金利差を利用して儲ける」事であって、金融工学などと言う分野のテクニックですね。
    もちろん、アイスランドの場合もアイスランド通貨クローナが暴落することがなければ、大問題にはならないわけでしたが、本質的には高金利であることがすでに危険信号でもあるわけで、そこで金利差があることがいずれは誰かがババを引くと理解しても間違えではないようです。

    金子氏の本はまだ半分ぐらいしか読んでいませんが、経済危機になると金融機関救済のために結果として資金を市場に供給してきたのだから、世界は常に金余りになっている。という指摘があります。
    つまり、いつでも資金運用=バブルになるわけで、これがバブル崩壊になるので、10年周期でバブル崩壊がある。と述べています。

    今回の世界的に金融危機に対しては、たまたま円は巻き込まれなかったから円高に推移していますが、日本国内について考えると、資金が市場に溢れていることは代わりがないでしょう。
    つまり、バブル崩壊があるかもしれないわけですね。

    これでは、銀行は潰れないかもしれないけど、銀行の信用は無くなる、といったことになってしまいそうです。

    10月 22, 2008 at 08:39 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

    2008.10.09

    産油国があたふた

    読売新聞より「OPEC、11月に緊急総会か…加盟国の減産要求強く

    【ロンドン=是枝智】
    原油価格の急落を受け、石油輸出国機構(OPEC)が、12月17日に予定されている臨時総会の前に、11月18日に緊急総会をウィーンで開催する可能性が高まってきた。

    金融危機が実体経済に波及して、石油需要が落ち込むとの見方から、大幅な減産を求める声が加盟国から強まっているためだ。

    OPECは9月の定例総会で、日量52万バレルの実質減産を決めた。
    しかし、国際的な指標であるニューヨーク市場のテキサス産軽質油(WTI)の価格は下がり続け、8日には、7月のピーク時より約4割低い1バレル=90ドル台を割り込んだ。

    ロイター通信によると、ベネズエラのチャベス大統領は8日、緊急総会の11月開催をOPECに要請していることを明らかにした。
    リビア国営石油会社のガネム総裁は「11月18日の開催を検討している」と語った。アルジェリアのメディアも同日に緊急総会が開催されるとの見通しを報じた。

    ドルが下落したので、ドル建ての原油価格も下がっています。

    Up

    ガソリン価格は下がって、日本ではラッキー♪なのでありますが、さすがに産油国ではちょっとまずいと言うことでしょうし、さらには景気の悪化で石油の使用量そのものが減るのも確実でしょう。
    当然、産油国は減産を協議するでしょうが、こんな影響もあるようです。

    サンケイ新聞より「ロシア経済低迷で言論統制? 金融危機のニュース避ける傾向

    【モスクワ=佐藤貴生】
    9日付英字紙モスクワタイムズは、株・通貨のダブル安が進行中のロシアで、政府の統制下にある主要テレビ局が国内の金融危機に関するニュースを避ける傾向が出てきたと伝えた。
    政権側の意向が働いている可能性が指摘されており、海外投資家らの資本逃避が拡大する恐れもありそうだ。

    ロシアの主要株価指数RTSとMICEXは週明けの6日、数回の取引停止をはさんでともに約19%急落した。主要テレビ3局はこの日夜のニュース番組で株価急落には直接ふれず、ロシアの大富豪、ミハイル・フリードマン氏が「世界の金融危機はロシア企業の海外進出の好機になる」などと話す場面を放映した。

    株価は8日も10-15%下落して取引が一時停止されたが、主要2局は、このニュースにふれなかった。ロシアの主要テレビ3局のうち2局は国営で、残る1局も政府系企業ガスプロムの傘下にある。

    同紙によると、クレムリンは先週、経済状況の悪化を示すさいに「危機」「崩壊」といった表現を使うのを禁じ、代わりに「低下」「減少」などの抑制した用語を使うよう指示した。

    グルジア紛争と米国発の金融危機の影響で、ロシアの株価指標は年初に比べて7割近くも暴落。

    政府は先週、1900億ドルに上る緊急財政支援策を打ち出したのに続き、7日には主要金融機関に今後5年間に総額360億ドルの追加融資を行うと発表した。
    通貨ルーブルの対ドルレートも8月上旬から約10%下落、中銀は7、8両日で総額100億ドル近くを放出しルーブルを買い支えたとみられる。

    グルジア紛争発生から約1カ月間で、570億ドルに上る資本が海外に逃避したと試算する市場関係者もおり、原油高が頼みのロシア経済が曲がり角を迎えたとの見方が強まっている。

    これでは、ベトナム戦費に追い詰められたニクソン政権が、ドルの固定相場を廃止した1971年のニクソンショックの時の状況のようですね。
    当時のアメリカとソ連が、アメリカとロシアを当事者にしているのでは、あまりどうかと思いますが。

    ドル相場の下落は、ドルの信用の基礎となっているアメリカの消費者市場の信用に直結していると考えますから、住宅価格の低迷=消費者信用の現象=ドル相場の下落、というつながりで今後最低でも3年間から数年間は下落したままであろうと考えます。

    単に、ドルが下落したという以上に、世界の今後はややこしいことになるようです。

    10月 9, 2008 at 08:18 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    ドルはもっと下がるかも

    BIZ+PLUS より「第12回「『サブプライム』の次に来る『米住宅問題の本質』」(2008/10/07)

    前回までは、サブプライム問題が起こった原因や、金融市場の状況、銀行問題が発生したときの政府の対処方法などについて述べてきたが、今回は、住宅市場の動向に目を向けてみよう。

    米住宅価格、日本のバブル期と同じ状況

    下のグラフは、米国の住宅価格とバブル時の日本の近畿圏と首都圏のマンション価格の推移である。これを見ると、今回の米国の住宅価格の上昇は日本で起きたバブルと全く同じ状況だったということが良く分かる。

    別の言い方をすれば「家を売ろうとしている人達は、できるだけ早く売ろうとし、家を買おうとしている人達はできるだけ遅らせようとする」わけだ。こうなってしまうと、先物市場が示唆するように、住宅価格の先安感はなかなか払拭されない。

    「米住宅ローンはノンリコース・ローン」が招く懸念とは

    もしこれからも、住宅価格が下がり続けるとしたら、米国にどういった問題が起こるのだろうか。これを解くカギは、米国の住宅ローンは日本と違ってノンリコース・ローンになっているという点にある。

    ノンリコース・ローンでは、お金を借りる人ではなくで、家そのものに対してお金を貸しているので、借り手が仮にローンを払えなくなってしまっても、担保となっている住宅を銀行に返してしまえば、残債を払わなくてよい。

    このため、住宅価格がローン残高を下回って「債務超過」になると、人々は住宅ローンを払い続けるインセンティブを失い“Return the key(=家の鍵を銀行に返す)”という行動を考え始める。家を銀行に返してしまえば、住宅ローンの借り手はこれ以上責任を問われなくなるからだ。

    しかし、そのような形で銀行の所有に戻った住宅は、再び市場で売却されるときに住宅価格を押し下げてしまう。こうして住宅ローンのデフォルトが増えれば、米国の住宅市場は、差し押さえられて売りに出される住宅の数が増え、その結果、増えた住宅供給が更に住宅価格全体を押し下げるという悪循環に陥ってしまっているのである。

    ところが、このサブプライムの問題がトリガーとなって住宅価格がピークから221%近くも下がった結果、今度はサブプライムとは無関係の “Return the key”問題が発生してしまった。これは、今後の住宅価格の下落度合いによっては、規模にして変動金利でサブプライムローンを借りた人達の10倍以上の件数になる可能性がある。

    しかも、これらの人達の大半はプライムローンで借りた人達である。今までサブプライムローンだけが何とかなれば良いと思っていた人達にとっては、これは大きなショックとなる。このように見ていくと、米国の住宅市場はまだまだ楽観視できるような状態ではないと思われる。

    住宅在庫、中古・新築とも過去最高水準に

    次に、新築と中古の住宅販売件数を見てみると(下の「下落が続く米国の住宅販売」)、すでに過去の平均的な状況を下回るところまで販売件数が急激に落ちている。また、新築住宅と中古住宅の在庫率、これは今の在庫を販売戸数で割って、何ヶ月で今の在庫が掃けるかを計算したものだが、それによると、中古住宅も新築住宅も在庫の積み上がりが過去最高水準という大変な事態になっている(下の「歴史的水準にある米国の住宅在庫」)。

    ここまで在庫率が悪化するのにおよそ3年かかっているということは、在庫が適正なところに戻るのにも少なくとも3年かかることになり、政府はその間、景気を下支えしなければならないことになる。

    日本でも95年くらいから金利はゼロだが、景気は悪化し続ける、土地の値段は下がり続けるということがあったわけで、これだけ金利を下げたにもかかわらず「住宅価格の先物市場が全然反転しない」という米国とそっくりだ。

    そういう意味では、金融政策は、住宅価格が収益還元価格に戻るまではほとんど効かない。ただ、バーナンキ氏は、10年前日本経済について「日本銀行は皆バカばかりだ」「ヘリコプターからお金をばら撒けば日本経済は良くなる」とか「トマトケチャップさえ買えばいい」というむちゃくちゃなことを随分言っていたと記憶している。

    バーナンキ議長が進める「ドル安政策」のリスク

    もっとも、1ヶ所だけ金融政策で反応したところがある。下落を続けていたドルである。その結果、米国の輸出は今のところ好調に伸びている。

    ただ、ドル安には大変多くのリスクがある。例えば、米国は石油にあまり税金をかけていなかったので、原油価格が上がると、ガソリンスタンドの価格も同じ比率で上がり、米国民の生活を直撃した。

    こういったインフレの弊害もあって、バーナンキ議長は、今は金融政策の緩和を止めているが、彼の本音は今でも、金融緩和を通じて景気を下支えしたいというところにあるだろう。

    しかし米国でも、サマーズ元財務長官などは「この問題は、金融政策でも対応できない。もっと財政でやらなくてはいけない」と言っている。もっと財政に頼れば、米国がドル安に頼る必要は減少するわけである。

    「IMFからも財政出動求める声」の理由を考えよう

    また、IMFのストラスカーン専務理事は、今年1月のダボス会議から「全世界が財政出動すべきだ」という話をしている。なぜなら、全世界がこの問題を金融政策で対応しようとしたら、1930年代のように、お互いが切り下げ競争になってしまい、全世界が崩壊してしまう。それを回避するには財政出動しかないというのだ。

    IMFの60年の歴史の中で、財政を出せと言ったのは、恐らく彼が初めてである。IMFはこれまでどのような局面でも、助けを求めれば「まずは財政再建だ」と言っていた。だから、IMFの頭文字は何かというと、It’s Most Fiscal、つまり「財政再建の話しかしない」と言われるくらい、財政再建ばかりを言っていた。

    ところが、この世界経済の危機に直面して、IMFも、全世界で財政をすべきだと言っている。そういう方向に世界が行けば、こういう問題はかなり解消されるということだが、そうはならず、日本も米国もヨーロッパも財政赤字があるから金融政策をやりましょうということになったら、かなりいろいろな所で問題が出てくるということである。

    「銀行への資本投入」に米政府・議会は決断を

    最後に、上の表に、米国の経済政策の選択肢についてまとめてみた。まず、米国の財政政策については、既に減税は実行されている。これはやらないよりはましだが、今はやはり政府支出を拡大させることが何より重要であり、なおかつ、それが継続的なものでなくてはいけない。

    それから金融システムについては、銀行への資本投入が必要である。公的資金による不良債権の買い取り策については、先日、紆余曲折を経て何とか成立したものの、これでは本質的な解決策にはならない。ましてや、不良債権の買い取り法案に対して、あれだけ議員や国民の抵抗感が強いなかでは、資本投入については、まだ政治的に議論ができるような状況ではないだろう。

    金融政策のほうは、住宅価格が収益還元価格に戻るまでは、なかなか効かない。ただ、流動性の供給については、主要国の中央銀行が協調してドル資金を供給してきたように、今後も積極的に続けていかないと、経済システムそのものがおかしくなりかねない。あとはインフレの問題が収まれば、ドル安で、なんとか景気を下支えしようというふうに米国は考えているはずだ。

    従って、今の米国は、景気対策の面で言うと、バブル崩壊で状況が悪化していた1992年の日本、つまり1、2回景気対策をすればよくなると政府や経済企画庁が言っていたあのときと同じだろうし、金融システムについては、1996~97年ごろの日本と同じような状況だと言える。

    「リチャード・クーのKoo理Koo論」の10月7日号の記事である。

    正直に言えば、読んでもよく分からないところがあります。

    なるほどと思うのが、住宅ローンが返せないから住宅が売りに出され、それが住宅の供給過剰となり、住宅市場での価格を押し下げ・・・・、という循環の説明です。
    日本でも同じ事が土地バブルがはじけたときに起きていて、いまだに土地デフレ状態から変わらない。
    それほど変化しにくいものだとすると、アメリカの景気後退というか、ドル安も簡単に元に戻るとは言えなくなります。

    アメリカは、消費で経済を動かしてきました。個人の信用をもっとも支えるのが住宅でしょうから、その住宅価格が低迷すると、アメリカ全体の信用収縮とも考えられるわけで、現在のドル安は一時的な問題ですぐに回復する、とは言い切れないという考え方も成り立ちます。

    リチャード・クー氏が「だから金融ではなくて、財政出動」と言っているところは良く分からないのですが、各国の政府がうまく信用の下落を駐めることが出来るか、が現在の世界的な通貨危機を収束させるポイントであることは理解できます。

    しかし、現状がどうなっているのか?を理解しているのか?というと「分かっていない」と思うことが、数日前にありました。イザブログに書きました。「ドルの価値がいまだに下がらないことの意味について 」
    サンケイ新聞の田村秀男記者のブログ「いくらドル札刷っても足りない米金融危機」から引っ張ったのですが、

    米国はこの9月一ヶ月だけで、もう一年分以上のドル札を増刷したことをご存知だろうか。

    いくら供給しても「まだ足りない、助けて、振り込んで」という電話が米連邦準備制度理事会(FRB)にはひっきりなしにかかってくる。振り込め詐欺のことではない。

    米国ばかりではない。英国、アイルランド、フランス、ドイツ、ルクセンブルグなど欧州からもかかってくる。日本でもその恐れが強い。そこで、米欧日の中央銀行が協調して、ドル資金を流す取り決めもした。
    なぜ国際的に市場ではドル資金不足が続くのか。金融商品バブルが崩壊したためで、歴史的には前代未聞である。

    それは金融のグローバル化によりドル建ての金融商品が世界に出回っている。それらの金融商品の多くがサブプライム関連の証券化商品で、その値打ちが下がっている。金融機関の資産は大きく目減りする一方、清算してドルの現金に替えなければならないが、手元にドルがない。金融商品を叩き売れば、同種の金融商品を中心に投げ売りが連鎖してしまう。欧州では特にそれがひどい。とりあえずは、資金が金融機関の手元にふんだんにあり、融通し合えるという通常の姿に近づけるしかない。
    いくら国際協調してもドル札はFRBでなければ刷れないから、FRBへのドル資金需要は高まるばかりだ。皮肉なことに

    ドル資金は不足しているのだから、ドルが今のところ暴落するはずはない。ドルは見かけ上、まだ強い。
    FRBは金融機関から米国債を買い上げては刷ったドルを供給するのだから、米国債相場は堅調なのだが、それは台風の目の中にいるようなものだ。サブプライム危機がおきた昨年8月以降ことし6月までのドル資金供給で生み出された余剰ドルは原油・穀物先物市場になだれ込んだ。輸入国は高騰したドル建ての原油、穀物をドルで払わなければならないので、ドル需要が高まり、ドル相場は強含んだ。

    「えっ?!」である。

    確かに、韓国のウォン安はドル不足を示していて、ユーロも下がっている。
    アメリカ発のバブル商品の清算にはドルが必要だから、ドル不足になっているというのは分かる。
    しかし、先に書いたように、アメリカの実体経済である消費市場の信用低下は事実だからドルが下落し、それもある程度の長期に渡るだろうというのも、予想の範囲内であって、現在の見かけ上のドル相場が一時的なドル不足によって高めになっているのだとすると、先行きドルはもっと下がることになってしまう。

    わたしの理解では、アメリカの消費市場中心の経済はやはり付加価値をあまり生まないものだったのではないだろうか?
    確かに、アメリカは人口が増加しているから、生産力の上昇も期待できるのではあるが、近代が生産性の向上と人口の増加による消費市場の拡大でバランスが取れていたのだと考えると、バランスが崩れる場合もあるのだろう。

    生産調整は簡単だが、消費の調整は難しい。

    これでは、国際経済は、ドルを基幹通貨として決済や経済指標評価に使って良いものか?という事にもなります。
    それがまた、貿易のコストを上げる事にもなるでしょう。

    今後、どうなるのでしょうか?

    10月 9, 2008 at 09:06 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.09.30

    アメリカ金融安定化法案を否決

    サンケイ新聞より「米下院、金融安定化法案を否決 世界市場に衝撃

    【ワシントン=渡辺浩生】米下院は29日、本会議を開いて、最大7000億ドル(75兆円)の公的資金を投入して金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法案を反対多数で否決した。

    賛成205、反対228。共和党メンバーの多数と民主党の一部が造反して反対に回ったためだ。

    米国発の金融危機の拡大阻止を目的に政府・議会の協議で合意にこぎ着けた同法案が否決され、米国だけでなく世界中の市場に大きな衝撃を与えた。ダウ工業株30種平均はこの日、777ドル安の過去最大の下げ幅を記録した。

    再採決など今後の見通しは現時点では不明。

    ブッシュ大統領は否決後、「失望している」と声明を発表、ポールソン財務長官、バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長らを招集して対応を協議した。ポールソン長官は協議終了後、「(法案成立を)失敗させるにはあまりに重大すぎる」と語り、議会と交渉を続け、計画を再策定する考えを示した。

    法案化に向けた政府・議会の協議は、「税金によるウォール街の救済」という世論の批判を受けて、民主党が修正を求めたほか、与党・共和党の下院グループが対案を提出するなど難航を続けたが、28日、法案取りまとめで最終合意に達していた。

    可決はほぼ確実視されていたが、11月に大統領選と上下両院選挙を控え、有権者の反発に配慮して共和党議員の多数が反対に回った。

    安定化法案は、公的資金枠のうち2500億ドルをただちに支出し、財務省による買い取りを監視する機関を設立するほか、国民負担の軽減策や、政府による利用金融機関の株式取得権獲得、経営者の報酬制限などが政府・議会の調整の結果、盛り込まれていた。

    朝起きたらこれだった、という意味でビックリです。

    9時20分の時点で、株式市場は狼狽売りの様相ですが、為替は全面的なドル安の中で韓国ウォンがドル連動の形でウォン安になったために、1150ウォン/100円を覗く様子になっています。

    9月 30, 2008 at 09:35 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (1)

    2008.09.16

    ドル危機

    米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんは、サブプライム問題つまりバブル崩壊の現れの一つで、それ自体は日本では驚く人はほとんど居ないでしょう。

    当然ドル安円高になりました。
    しかし、これも良く見てみると結構面白いです。

    ドル・円レート、5日間のグラフです。
    円高に変化したことがよく分かります。

    Up_2

    ユーロです。ユーロはこのところ高すぎたということで、ユーロ安に変化していましたが、それでもユーロ高に変化し、その後ユーロ高基調も反映したということでしょう。

    Up1_2

    韓国は、9月危機説があって、9月はじめにウォン安に大きく変化しました。

    Up3

    上のグラフは1月間を示していますが、グラフの中央部が9月1日で、3日間で急速にウォン安に振れたことが分かります。
    韓国政府は断続的な介入でウォン高に誘導しました。

    Up2

    上のグラフは、5日間を示していますが、1ヶ月のグラフと合わせて見ると、あっさりと9月はじめの状態よりも安くなってしまいました。

    もちろん日本も含めて世界中の株式市場は、とりあえずは下落したわけで、株価が下がれば為替が上がるのが普通のパターンです。
    特に韓国は、石油はもちろん、工業部品を日本から大量に輸入して輸出している国ですから、決済通貨であるドルに対して中立であることが望ましいわけで、そのためにもドル連動で来ましたが、そのドルが韓国から引き揚げられたために、ウォン安になった(ウォンから見るとドル高)と言われます。

    理由はともあれ、ウォン安は輸出にはメリットですが、輸入にはデメリットです。ところが、韓国が輸出する商品の中核に使われる部品は輸入している物なのですから、これは厳しい。

    作家の大石英司氏がブログ

    リーマンを救えなかったものは、もうAIG救済なんて無理ですからね。

    世界経済は終わりの始まりをひた走っている所でしょうね。いったい、日本はどうすれば良いんでしょう。てか、日本人は当然山一証券の破綻を思い出して、ここにスキームのモデルがあるじゃないか? と考えるんだけど、当のアメリカは、つい先日日本が辿った道を歩んでいる、という所まで意識している暇が無いんですよね。明日の資金_繰りに追われるだけで。

    で、10年前の時点でも、日本には製造業があった。それが日本経済の屋台骨を支えてくれてわれわれは踏み止まった。けれども、いまのアメリカには軍需産業しか無い。ラプターだのイージス艦など売りまくった所でインカムは知れている。ソフト産業のハリウッドにももう金は入ってこない。アメリカ人の失敗を喜ぶ気にはなれないけれど、こうなると、金を回す奴しかいなくなった国の経済をどうやって建て直すんだろう? お手並み拝見、という感じですよね。とにかく踏み止まって、復活してくれなきゃ困る。

    確かに注目するべき点でしょう。実際に、アメリカは製造業系統の大企業が投資はしないし、革新もありません、ソフト産業も現場はインドなどに移ってしまっている。
    現実にヘンにものが作れない国になっています。

    アメリカの先端産業の代表であった、航空機産業もずいぶん怪しいことになっていて、ヘリコプターでは大統領専用機を更新するのに、ヨーロッパ製の機体の改造(?)をやっています。
    日本は、ボーイング767を空中給油機としてイタリアと並んで導入しましたが、アメリカ空軍は決まっていません。
    ものすごいのは、大統領専用機(エアフォースワン)がエアバス社製になる可能性がある、という話です。

    こうしてみると、自動車のビッグ3も公的資金援助の話が出てきていますし、アメリカはここをどうやってしのぐのか、韓国はどうやって乗り切るのか、もちろん日本もです。

    9月 16, 2008 at 08:29 午後 国際経済など | | コメント (2) | トラックバック (0)

    2008.09.12

    邦銀・生保にアメリカ財務省が公的資金導入で「説明」

    日経新聞より「住宅公社救済、米財務省が異例の説明 債券保有の邦銀・生保に

    米政府が決めた連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の再建策について、米財務省が日本の大手金融機関へ個別に説明を始めたことが11日明らかになった。

    日本の金融機関は米国債に次ぐ信用力があるとされる2公社債券を主な運用対象に据えている。

    再建策発表後も市場で債券売却の動きが続けば金利上昇などで市場が混乱し、金融不安をぬぐうことができないため、事実上の協力を求めたものとみられる。

    複数の関係者によると、マコーミック米財務次官(国際金融担当)が11日、大手銀行と生命保険協会の幹部にそれぞれ直接電話を入れ、米政府が7日決めた2公社の再建策を説明した。
    米当局高官が直接、日本の金融機関に働きかけるのは極めて珍しい。

    こういうのは「明らかに」なってしまってはダメだろう。

    また、売り手(アメリカ財務省)がわざわざ説明するという事態は、それだけで金利上昇要因になるし、逆に予想される金利よりも下がれば「密約説」などが出てくるだろう。

    明らかにしたのが、どこかは興味深いところだが、それ以上に日経新聞が掲載したことの重大性を考えるべきなのかもしれない。
    直接的には「貧すれば鈍する」という言葉を思い出すところであります。

    9月 12, 2008 at 09:20 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.09.09

    アメリカ経済・すごく深刻だと思う。

    日刊工業新聞より「三菱重工、米で車用エアコン部品を5割減産

    三菱重工業は米国で、自動車用エアコン部品を大幅減産していることを明らかにした。

    冷媒を圧縮するコンプレッサーの生産を年初水準の年30万台から約半減しており、主要供給先の米ゼネラル・モーターズ(GM)の生産状況によって減産の追加策も検討する。
    期間は明らかにしていないが、年内は続くと見られる。GMの米市場での低迷に出口が見えず、大幅な生産調整を迫られた形だ。

    減産に入ったのは「ミツビシヘビーインダストリーズクライメートコントロール」(インディアナ州)。工場の操業日数などは減らさず、ライン稼働本数の調整や、人員の削減で対応している。

    三菱重工のカーエアコン事業は、三菱自動車とGMへの供給が8割以上を占める。グループの三菱自への依存度を下げるためGM向け供給を大型車を中心に増やし、事業を拡大してきた。

    アメリカの自動車販売台数は、2008年7月は年換算で1250万台と1993年3月以来の低い水準なのだそうです。年初の自動車販売台数は1450万台ぐらいのようですから、三菱重工製エアコン部品のシェアは、30万台/1450万台=2%だったとなります。

    確かに、年初からの自動車販売台数が、1450万 → 1250万では、14%減でGMの販売はこれ以上に下がっているはずですから、結果として三菱重工のエアコン部品が半減したというのは、計算上は理解できます。

    三菱重工アメリカ工場が供給するエアコンの8割以上が三菱自動車とGM向けというのでは、半減とはGMの自動車販売が半減した、ということに等しいでしょう。

    8月23日ごろに「ビッグ3、米政府に低利融資要請へ 最大5兆円超 」(日経新聞)といった報道があったのですが、状況はより一層悪化していると想像します。

    毎日新聞より「エコナビ2008:追い込まれた米ビッグ3 新車販売2~3割減、ローン焦げ付き急増

    【ワシントン斉藤信宏】米自動車市場で米大手3社(ビッグ3)の不振が続いている。

    3社の8月の米新車販売台数は前年同月比20~34%の大幅減で、低迷に歯止めがかからない。主因は米景気の減速とガソリン高騰に伴う大型車の販売不振。

    ビッグ3は数年前から経営難に苦しんできたが、急激な販売の落ち込みで、より深刻な危機に直面している。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に絡む自動車ローンの焦げ付き急増もあり、「資金繰りに窮する」との指摘が現実味を帯び始めている。

    最大手のゼネラル・モーターズ(GM)は8月下旬、新車販売促進の一環で異例の値引きに踏み切った。
    期間限定で一般顧客に社員向け割引価格を適用するというもので、3000~4000ドル(約32万~43万円)の値下げになる。落ち着きを取り戻した原油価格を追い風に、大胆な値下げで新車販売をてこ入れする狙い。3日には値引き期間を9月末まで延長すると発表、株価も急伸した。
    しかし、「効果は一時的なものにすぎない」(米自動車アナリスト)との見方が大勢だ。

    GMは、08年4~6月期決算で、155億ドル(約1兆6800億円)の最終赤字を計上、4四半期連続の赤字に沈んだ。7月には株価が54年ぶりの水準まで下落。
    「破綻(はたん)も、あり得ないことではない」(米メリルリンチ証券)との指摘すら出ている。

    8月には、経営再建中の米自動車部品最大手デルファイの存続を危ぶむ報道が相次いだ。
    同社はGMの部品子会社だったが、05年に米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した。
    同社を支援するための出資が今年4月に撤回され、再編計画の見直しに追い込まれていた。
    仮に清算されれば、GMの負担は数十億ドル増えると見られており、今後、大きな懸念材料になりそうだ。

    フォード・モーターとクライスラーも苦しさはほぼ同じだ。
    フォードは4~6月期に約87億ドルの赤字に転落。
    クライスラーも含めた3社の格付けは「投資不適格」の水準まで落ちている。

    米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「3社ともこのまま自動車販売の不振が続けば資金の急速な減少につながる恐れがある」と警告している。

    ビッグ3はそれぞれ、人員削減や大型車の製造工場閉鎖などリストラを進めるが、小型車生産で先行する日本勢を追うための資金力は、ほとんど残されていない。

    今月中にも米政府に3社で総額500億ドルの低利融資を求める方針だが、事実上の公的資金で民間企業を救済することへの抵抗は強く、救済策が具体化すれば異論が噴出すると見られる。

    ◇「日本車たたき」再燃を懸念

    日本メーカーにとっても米市場の冷え込みは厳しい。各社は生産体制の見直しを急ぐが、販売減に有効な手だてはない。米ビッグ3よりも販売減少幅は小さいだけに、シェアは上がっており、「日本車たたき」の再来にもおびえている。

    トヨタ自動車の8月の米新車販売台数は前年同月比9.4%減。ガソリン高で燃費の悪い大型車の販売減に歯止めがかからず、ハイブリッド車「プリウス」などは在庫不足で売りたくても売れない状況が続くためだ。

    小型車の品ぞろえが多く、この数カ月は比較的好調だったホンダも同7.3%減に落ち込んだ。小型車販売の伸びがやや鈍化したためで、「ガソリン高がやや落ち着いたことで、衝動的に小型車を買い求めていた顧客が様子を見るようになった」(広報)という。一方、日産自動車は同13.6%増と健闘したが、値引きを拡大したことが一因という。各社は現地工場の生産ラインの一時停止や人員削減に乗り出しているが、収益改善には時間がかかる。

    8月の米国でのシェアはビッグ3が日本メーカー(8社)を上回ったが、7月は日本メーカーがビッグ3を追い抜いた。各社とも、現地生産を拡大し、摩擦は起きていないが、米大統領選を控えているだけに「ナショナリズムが台頭して日本車たたきがいつ起きてもおかしくない」(大手首脳)との警戒感もある。【宮島寛】

    こういう状況の中で、エアコン部品とはいえ「半減」ですから、極めて深刻な事態であると言えるでしょう。
    自動車の問題と言うよりも、石油高騰であり、サブプライムローン問題であるわけですね、サブプライムローン問題は、政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)への公的資金投入問題に切り替わりつつあります。

    政府系金融機関への公的資金投入では、昔の日本とそっくりと言うべきで、すぐにどうにかなるものでもないでしょう。
    アメリカ経済の沈没の速度はまだ加速するのではないか?と感じるところです。

    9月 9, 2008 at 09:45 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.04.20

    フィリピンの米騒動

    東京新聞より「穀物価格高騰 フィリピン 『不足』報道で米騒動

    国際的な食糧価格の高騰が深刻化している中、コメ輸入国であるフィリピンでも政府供給米の販売所に毎日長蛇の列ができ、政府が矢継ぎ早に対策を打ち出している。
    価格高騰が庶民の懐を直撃しているのは事実だが、背後には「コメ不足」の不安を盛んにあおるメディアの姿もちらつく。(マニラ・吉枝道生、写真も)

    毎日三万三千トンのコメを消費するフィリピンは、おかずは買えなくてもコメは食べるというお国柄。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンのメニューにさえライスがある。コメの価格はことしに入って約30%高くなっており、庶民の財布を直撃した。

    一方で、「コメ不足の可能性」を報道するメディアや、政府の無策を訴える反政府勢力が、国民の不安を駆り立てている面も否めない。飲食店には「半ライス」も登場し、“コメ危機”のイメージを増幅した。

    一キロ一八・二五ペソ(約四十四円)の政府供給米には毎日早朝から市民が殺到し、長蛇の列をつくる。

    マニラ市内で政府米を販売するアンジェリーナ・チャンさん(52)は「コメは十分にあるのに、報道がパニックを引き起こし、お客は買いだめしている」と話す。貧困層ではない人が何度も列に並び、必要以上のコメを買っている例が目立つという。

    マニラ首都圏パラニャーケ市に住む男性(35)は、セブ島の親類がコメを持って訪問してきたことに驚いた。「マニラはコメがないとテレビで見たから」。セブ島では昨年より収穫が多かったと聞き、男性は「コメはある。問題は値段だけ」と答えたという。

    社会不安につながる事態だけに、既にベトナム、米国などからの輸入を確保したアロヨ政権は「コメは不足していない」とパニック防止に必死。
    備蓄量は昨年同期より約30%多い百九十四万トンで、今年六月までの国産米収穫量も昨年同期を上回る見通しと発表した。国内で毎日千二百五十トンが食べ残されて捨てられているという研究報告も出された。

    国連食糧農業機関(FAO)などはフィリピンでも暴動が起こったと報告した。
    しかし、テオドロ国防長官は「暴動など起こっていない」と憤る。

    三月末に新人民軍(NPA)がコメ倉庫を襲撃した例はあるが、NPAによる各種襲撃事件は頻発しており、即座にコメ問題と結び付けるのは早計といえる。

    ラグナ州の国際稲研究所(IRRI)によると、フィリピンは輸出国であるタイに比べて一ヘクタールあたりの収穫量は三割以上も多いが、水田の総面積は約四割にすぎない。多くの稲田が失われてきた。

    騒動が長引く中、貧困層などを対象とした当面の対策に加えて「国内農業のあり方や人口問題、社会構造を根本的に見直すべきだ」との中長期的な論議も始まっている。

    <コメ国際価格の高騰>国連食糧農業機関(FAO)によると、1998-2000年を100とした全米価指数は、昨年3月には130だったのが今年3月には216と66%も上がり、現在も上昇を続けている。世界各地で暴動などが続発し、FAOは「貧しい人たちが一番打撃を受ける」と警告。世界銀行や世界食糧計画(WFP)なども対策を打ち出している。

    フィリピンで米不足の報道があって、その中には「ベトナムが輸出を止めた」という記事までセンセーショナルに取り上げられました。

    例えば日本農業新聞は「アジア米騒動/自国優先鮮明に 逼迫感 相場押し上げ」で以下のように説明しています。

    世界第2、第3位の米輸出国インドとベトナムは、昨年秋から米輸出を厳しく抑制してきた。国際相場が高騰する中で、アジアのそのほかの国にも実質的な輸出規制の動きが広がる。自国優先の姿勢が鮮明になってきた。

    ■インドネシア 事実上の輸出禁止

    インドネシア政府は17日までに、今年産米の輸出を事実上、禁止する方針を打ち出した。国際的な需給逼迫(ひっぱく)を受け、国内備蓄を積み増すとともに価 格高騰を抑制するためだ。

    この記事は慎重に読まないと「米の絶対量が足りない」と受け取りますから、東京新聞の記事にあるように「マニラでは米がない」と思いこんだ人も出てくるわけです。
    これは日本の石油ショックの時のトイレットペーパー買いだめ事件のようなものでしょう。

    国際商品が実際に不足するといったことは非常な長期変動であって、実際の過不足よりもはるかに急激な価格変動が起きます。
    価格変動は最終的には実需の範囲に収まるのであって、突如として物が足りなくなること自体がありません。

    しかし、投機的判断で国レベルの機関が国際商品価格を操作することは原油価格などでは何十年も続いてきたことで、そういう手法が米の国際価格に及んだと考えるべきなのかもしれません。

    原油の国際価格が操作可能なのは、需要が全世界規模なのに生産が僅かな国に偏っているからで、米についても同じ事が言えるのかもしれませんが、米の生産はアジア地域では特に困難な要素はありませんから、米の国際価格の暴騰と貿易制限はすぐに収まるでしょう。

    合理的に考えると、問題は無いのになぜフィリピンでは大事件になっているのか?は東京新聞の記事のように、メディアがアロヨ政権批判と連動させているからであり、ベトナムやインドネシアも米が国際戦略商品になったことをテコとして利用するために国家管理に乗り出した、ということでしょう。

    米不足なのではなくて、各国の内外の政治問題だ、となります。

    4月 20, 2008 at 12:45 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2008.02.05

    アメリカ・貸し渋り・下請け倒産・自動車メーカ操業ストップ

    読売新聞より「米で貸し渋り広がる、米銀が融資基準・条件を厳格化

    【ワシントン=矢田俊彦】米連邦準備制度理事会(FRB)が4日発表した銀行の融資に関する調査で、米国内の銀行が個人や企業に融資をする際の基準や条件を厳しくしていることがわかった。低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題をきっかけにした貸し渋りが広がっていることを示した。

    調査は、四半期に1度実施しており、アメリカで営業している79の銀行(米銀56行、海外の銀行23行)を対象に1月中旬までの3か月間の融資姿勢を聞いた。

    企業向けの融資では、米銀の3分の1、海外の銀行の3分の2が融資姿勢を厳格化させたと答えた。

    理由(複数回答)としては、8割以上が「景気見通しの悪化」を挙げた。「(資本不足など)銀行側の経営悪化」も2割以上あった。サブプライム問題による損失の拡大で、融資を慎重にせざるを得ない銀行が相次いでいるとみられる。

    商業用の不動産融資も、米銀の8割が融資条件などを厳しくしたと回答し、1990年の調査開始以来、最も高い比率となった。

    個人向けでは、サブプライムローン以外の優良な顧客向けの住宅ローンでも、米銀の5割以上が融資の条件を厳しくしたと答えた。

    (2008年2月5日10時26分 読売新聞)

    完全に日本のバブル崩壊の時と同じ展開ですね。
    こんな事が起きているところも「いつか来た道」です。

    AFP BB より「クライスラー、4工場の操業停止

    【2月5日 AFP】米自動車大手クライスラーは4日、国内の組立工場4か所で操業を停止すると発表した。これは国内全工場の5分の1にあたる。同社に部品を納入していた部品メーカー、Plastech Engineered Productsが経営破たんしたことが影響した。

    操業を停止するのは、イリノイ、デラウェア、ミシガン、オハイオの各州の工場で、従業員1万500人が影響を受ける。オハイオ州のもう1つの工場でも、生産に遅れが出ている。

    クライスラーによると、今後の作業スケジュールについては、各工場の責任者を通じて発表する予定だという。

    同社は、「生産の遅れは間もなく解消される見通しだが、状況を注意深く監視し、在庫を調整して、効果的かつ迅速な操業の再開を目指す」との声明を発表した。

    同社は1日、Plastech Engineered Productsへの部品発注を中止した。Plastech社はクライスラーに、プラスチック部品を幅広く供給していた。

    米メディアはPlastech社が1日、破産を申請したと報じたが、同社は報道内容についてコメントしていない。

    クライスラーは、投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントに74億ドル(約8400億円)で売却されて以来、経営見直しで数千人の雇用削減を行ってきた。

    クライスラーは1日、1月の国内販売台数が12%減少し、13万7392台だったと発表している。(c)AFP

    Plastech Engineered Products なるプラスチック部品メーカを検索してみるとここが出てきます。大企業ですね。

    普通に考えて、資金ショートなのでしょうが AFP BB の記事がクライスラー本体の不安も書いているところが不気味です。

    日本では生産側のコストダウンなど全体に縮小均衡でバランス回復を図っているときに、アメリカでは合法非合法を含めて移民とその家族によって人口拡大による消費拡大によって不況に陥らないように経済運営を進めてきたのだと理解しています。

    実際に人口増加なのですから先行投資であって決して先送りではないというのは分かるのですが、それにしてもサブプライムローンはバクチであったのではないでしょうか?

    下手をすると、アメリカも長期不況に突入するのかもしれません。

    2月 5, 2008 at 09:37 午後 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

    2008.01.16

    サブプライム問題

    日経新聞より「米シティ、サブプライム損失2兆5000億円・欧米10兆円超す

    【ニューヨーク=財満大介】米大手銀行、シティグループは15日、2007年10―12月期決算で、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に絡み、235億ドル(約2兆5000億円)の損失を計上したと発表した。

    米大手証券メリルリンチも損失計上が必至で、

    欧米大手金融機関20社
    の関連損失は合計で
    1000億ドルを超えたもよう。

    資本不足に陥るのを防ぐため、メリルはみずほコーポレート銀行などから、シティはシンガポールや中東から合計で200億ドルを超える出資を受け入れる。

    追加損失計上が続いているのは、金融市場でサブプライムローン関連の証券化商品の価格下落に歯止めがかからないため。

    シティの10―12月期の損失の大半は有価証券の評価損で、計181億ドル。さらに消費者ローンの貸倒引当金の増加などで54億ドルを計上した。シティは7―9月期にも64億ドルの関連損失を計上しており、合計の損失は約300億ドルに達した。(07:03)

    1000億ドル(10兆円)の損失(資金不足)はすごいなと思って、世界のGDPと比較してみました。
    2006年のデータですが、GDPが1000億ドルから2000億ドルの国を並べると

    Portugal1,947
    Hong1,778
    Malaysia1,489
    Singapore1,322
    Pakistan1,280
    Czech1,240
    Philippines1,176
    Hungary1,129
    New1,099

    だそうです。
    結構なレベルの一国のGDPに相当するわけで、これは世界恐慌のようなことになりかねないのでは?とすら思ってしまいます。

    当然のように、ニューヨーク・東京と株価は大幅続落になっていますね。

    1月 16, 2008 at 09:32 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (1)

    2007.10.11

    787大幅遅延

    毎日新聞より「ボーイング787:納入が半年遅れに…次世代中型機

    【ワシントン斉藤信宏】
    米航空機大手ボーイングは10日、来年5月に予定していた次世代中型機「787」(ドリームライナー)の納入開始時期が6カ月以上遅れて来年11月下旬~12月になると発表した。
    部品不足が主因という。1号機が引き渡される予定の全日本空輸(ANA)は北京五輪に合わせて来年8月に羽田-北京便に787を就航させる計画だったが、変更を余儀なくされる。
    日本航空(JAL)など導入準備を本格化させている航空各社も影響を受けそうだ。

    ボーイング社は納入遅れの原因について、組み立ての際に使う留め具などの部品不足や運航管理機器のソフトウエア開発の遅れを挙げており、初の試験飛行も来年3月末に延期する。

    787は、機体の35%の開発・生産を三菱重工業、川崎重工業、富士重工業の3社が担当。主翼など機体の約50%を「鉄より強くアルミニウムより軽い」と言われる炭素繊維の複合素材で製造しており、燃費効率は同型機比で20%改善する。
    軽量化効果で、中型機(標準機種の座席数210~250)にもかかわらず、航続距離は最大1万5200キロと大型機並みで日本から米東海岸へも直行できる。

    これまでに、世界全体で約50社から700機以上を受注。燃料価格の高騰で疲弊している日本の航空各社は、経営改善への効果に期待を寄せていた。

    欧州の航空機大手エアバスも、超大型機「A380」の引き渡しが大幅に遅れ、業績が悪化した経緯があり、ボーイング社の経営に影響を及ぼす恐れがある。

    ANAは「機材計画の見直しが必要で、策定中の08~11年度の中期経営戦略に納入遅れを反映させなければいけない」(広報室)と話している。
    JALは「期待していたので残念。機材運用計画を見直し、影響を最小限に抑えたい」(広報部)としている。

    エアバス社のA380の引き渡し大幅遅れはエアバス社の業績悪化から地方経済問題、国際政治問題にまで拡大していました。
    それに対してボーイングの787は妙に順調な情報ばかりで「本当に心配ないのか?」と思っていましたが、結構すごいことになったようですね。

    日本航空では747の退役をどんどん進めています。
    朝日新聞(昨日の記事)さらばジャンボ 燃費に難、世代交代へ

    ジャンボの愛称で知られ、前方が盛り上がる2階建てのボーイング747型機が日本の空から消えつつある。超大型機で燃料を多く消費するため、天井知らずの原油高が直撃。航空会社が「満席でも経費に合わない」と、燃費が良い新型機への交代を急いでいるためだ。機長、副操縦士、航空機関士の3人が乗り組む旧型(在来型)はあと2年半で完全に消える。空の旅を身近にした名機だけに、惜しむ声が上がっている。

    94年の関空開港時、国際線の5割以上はジャンボだった。今は1割弱で、香港、台北、ソウルなど6路線の週50便だけだ。貨物便は3割余り残るものの、一般の人が乗れる機会は減っている。

    ジャンボは70年、日本航空の羽田―ハワイ線で日本にデビューした。席数は当時の主力機DC8の約3倍。日航は「空飛ぶ豪華船」と宣伝した。

    85年にDC8からジャンボの副操縦士に転じた若林一男機長(57)は「初めて離陸した時、まさに大型艦船が浮き上がる感じがした」と振り返る。操縦席の高さはビルの3階並み。地上が遠く見え、感覚が狂って車輪走行中につい速度を出しすぎるのに苦労した。

    席を埋めるために安いツアーが広まり、海外旅行は身近になった。若林さんは「年末年始はハワイの空港にずらっと日本のジャンボが並び、壮観だった」と懐かしむ。

    「ジャンボは航空をあらゆる面で変えた」と、日航広報部で歴史資料を収集する伊藤勝久マネジャー(59)は評する。女性客室乗務員が大量採用され、ビデオ、オーディオといった機内サービスも一般化した。

    空港が込み合う日本では大勢の人を一度に運べるジャンボが国内線でも重宝された。関西には77年の大阪(伊丹)―羽田線で初就航。85年に同路線の日航ジャンボが群馬県の山中に墜落し、520人が死亡した。

    騒音対策で伊丹空港は06年4月からジャンボの発着が禁止された。関空も国内線は全日空の羽田線1便のみ。

    エンジンが四つあるジャンボは燃料消費量が多い。エンジン二つでジャンボに近い席数を持つボーイング777型機(94年初飛行)と同じ東京―パリ間(約1万キロ)を飛ぶと、1回で約4万リットル(ドラム缶約200本分)かさむ。席が減った分を引いても年15億~20億円の差になるという。

    航空会社はジャンボの退役を急ぐ。ボーイングから世界最多の通算108機を購入した日航は、現59機のうち旧型10機は10月にまず1機が引退し、9機も10年3月までに全廃する。通算45機の全日空は06年に旧型を全廃し、機長、副操縦士の2人で飛べる新型についても、21機中7機の売却がすでに決まっている。

    次の空の主役は来年登場するボーイング787型機になりそうだ。全日空が50機、日航が35機を発注している。最大330席の中型機だが、ジャンボより60%程度燃費が向上するといい、両社は「2回飛ばしてもジャンボを1回飛ばすより安上がり」と期待する。

    朝日新聞の記事は、企画記事でしょうからだいぶ前に取材して書かれたものでしょう。
    それが翌日になったら、大幅な納期遅れの発表。まるで、図ったようです。

    すぐに、日本航空は「747の退役は予定通りに進める」と発表してダメージが影響しないようにアピールしていますが、このところの燃料高騰は非常に問題になっているようで、低燃費と運行で小回りを利かせるための「ダウンサイジング」だったのでしょうから、ここでつっかかるとというのはエアラインにとっては大問題でしょう。

    一方、ボーイングについてはこのところヘンで、航空自衛隊(とイタリア空軍かな?)が発注している、KC767空中給油機が完成しているのに納入されません、契約でボーイング社はかなりの違約金を支払い続けているようですが、かなりの問題があるようで最終的に検査をパス出来ていないとのことです。

    航空機メーカが合併によって大型化し、同時に大幅なコストパフォーマンスの向上をクライアントに提示することで、技術的な高度化とコストダウンの厳しい途を選択肢、同時に予備の航空機メーカがないから次善の選択も出来ない、という脆弱性が表れてきたのでしょう。

    同じようなことは、自動車メーカでは十数年前にあって、フォードグループが非常に巨大になったり、ベンツとクライスラーが一つの会社になったりとありましたが、最近ではフランス・イタリア・ドイツなどで小規模メーカも成り立つようになってきました。

    これからは、企業の小型化の時代に向かうのかもしれません。

    10月 11, 2007 at 02:00 午後 国際経済など | | コメント (3) | トラックバック (0)

    2006.10.20

    日本は国際標準規格に乗り出せるのか?

    毎日新聞より「国際標準規格:日本主導へ人海戦術 脱欧米目指す
    パソコンのような製品の規格から品質保証の管理に関する国際標準まで、幅広い分野の国際規格づくりで、日本が影響を強めることを目的とした政府の「国際標準総合戦略」の原案が19日、分かった。

    欧米主導で進んできた国際標準策定の流れを変え、日本企業に有利な競争環境を整えるのが狙いだ。政府の知的財産戦略本部(本部長・安倍晋三首相)で年内にまとめる。

    95年に発効したWTO(世界貿易機関)協定では、国内の標準規格は国際標準をもとに作ることが義務付けられた。このため、自国の技術を国際標準にできれば、国際的な競争を有利に戦うことができるわけだ。
    しかし、国際標準を決める標準化機関での日本の存在感は薄い。
    ISOを制定する国際標準化機構(本部・ジュネーブ)で733ある主要会合のうち、議論の仕切り役をする「幹事」を日本人が務めているのは47会合(6.4%)だけ。
    ドイツ、米国、英国に遠く及ばない。関係者によると、欧米のペースで議論が進められ、日本の技術が優秀でも、不利な規格を決められるケースが多いという。

    このため政府が主導し、初めて戦略を取りまとめることになった。

    ただ、海外で作られた標準規格を受け入れたうえで、優秀な製品を作り成長してきた日本企業にとって、「国際標準を自分たちで作るという意識は薄い」(関係者)のが実情。

    一方で米国や中国はすでに自国に有利な国際標準作りに力を入れ始めており、他国との標準化競争は激烈になりそうだ。
    昔に比べればインターネットの普及などで規格や条文といった情報の流通はずいぶん良くなったと思いますが、どうもそういう公式情報を流通させるのがお役人を中心にする専門家が独占する業務だ、といった雰囲気を感じます。

    10年ぐらい前に、新たに決まった何かの条文のコピーが必要になって、関係団体に出かけたところ「いつかは紙が来ますが、いつになるのか分かりません。他にはどこでも手に入らないでしょう」というトンでもない話を聞かされました。もう、情報を流通させる意志はない、としか言いようありません。

    その頃に比べれば、今は遙かに良くなっていますがそれでも規格については入手の困難性は他の情報の比ではないです。特に海外の規格ですね。お金を掛けて収集するより手がないと思いますが、やっているのかねぇ?

    国際標準規格に乗り出す前に国内での規格の利用について実務的に促進することが必要ではないだろうか?少なくとも規格を求めてあっちこっちの団体をウロウロするといったことは国家的な大損失だと思う。
    日本では、国家規格以前に国鉄規格があったりしたから、統一管理が出来ないといったところがあった。そういう日本における規格とはどういうものだったのか、といったところまで振り返ることが必要だと思う。

    10月 20, 2006 at 09:07 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

    2006.10.04

    A380大幅納期遅れ

    日経新聞より「エアバス超大型機「A380」、納入1年遅れに
    欧州航空大手エアバスは3日、総2階建て超大型機「A380」の航空各社への引き渡しが平均1年遅れると発表した。
    生産工程の問題が予想以上に深刻なためで、計画の遅延はこれで3度目。

    年内就航を目指していたシンガポール航空への1号機の引き渡しも2007年10月にずれ込む。

    信頼失墜は避けられず、エアバスは生産体制見直しやコスト削減を急ぐ。
    エアバスはA380の生産をいったんほぼ中断し、新たなソフトウエアを各工場に投入して生産方法を改善する。

    07年には当初25機の引き渡しを予定していたが、新計画では1号機だけ。
    08年は13機、09年は25機と、いずれも当初計画の半分前後となる。
    A380は16社から159機を受注している。

    航空各社は運航計画に狂いが出るとしてエアバスに遅延補償金支払いを求めており、利益を圧迫する見通し。
    A380は初飛行が2005年4月だから、2006年中に就航というのはいくら何でも無理だろうと思っていたのが、現実になってしまった。

    報道では客室内の仕様を航空会社ごとに大幅に自由にしたために生産性が悪くなったとされています。
    これではキャンセルが出てくるでしょうね。
    もっとも、就航して人気が出れば注文が増える可能性はあるわけで、エアバス社としては頑張りどころでしょう。

    全面的にボーイングに依存するのはなんかの時に困るから、保険という意味では日本ももっとエアバス機を買うべきではないかとも思うのですが、最近ではさっぱりですね。

    10月 4, 2006 at 11:43 午前 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (1)

    2006.09.26

    特許条約が出来る?

    日経新聞より「特許、出願優先に統一へ・米が転換、主要41カ国大筋合意
    日米欧など41カ国は特許を認める基準を統一する新条約を作ることで大筋合意した。

    米国が自国の「先発明主義」を放棄し、早く出願した企業や個人に特許を与える日欧の「先願主義」に統一することで一致したのが最大の柱。
    どんな発明が特許に値するかの判断基準も統一する。
    新条約ができれば、日米欧の企業にとって審査時間の短縮や特許を巡る係争の減少につながる見通し。

    11月に東京で開催する各国特許庁の長官級会合で条文の正式合意を目指す。
    最短で来年にも開く会議で各国は条約を採択する見通しだ。
    アメリカの先発明主義が国際間の特許問題をややこしくしていて、結果的に例外だろうといったものが多数あったので、先願主義に統一することで便利にはなりますが、そんなにうまく話がまとまるものなのか?と思ってしまいます。
    先発明主義も公表が条件のようですから先願主義にしてもあまりかわりはない、ということなのでしょうか?
    それにしても今後の展開は、常識的に条約の採択、各国での批准、各国の特許法の改正、という手続きになるのでしょうから今すぐに取りかかっても、何年がかりになるのでしょうか?

    9月 26, 2006 at 09:16 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2006.04.20

    原油最高値・問題はどこにあるか?

    FujiSankei Business i より「【FOCUS原油高】市場を翻弄 投機マネー
    原油価格の高騰が止まらない。価格をつり上げている“主犯”は、巨額の投機マネーだ。
    大富豪や機関投資家から出資を募った「ヘッジファンド」のほか、証券会社など金融機関の自主運用資金、企業や公務員の年金資金が、その代表例。

    大量の資金を原油先物市場に注ぎ込んでいるのだ。
    投機マネーは激しく短期の売買を繰り返しており、WTI(West Texas Intermediate)の一日の原油取引量は、全世界の一日当たり原油消費量の三倍に相当する約二・五億バレルにも膨らんでいる。

    「米国債市場から原油先物市場に資金が流れ込んでいる可能性が高い」。
    WTIは取引が膨らんでいるとはいえ、一日の出来高は百五十億ドル前後。
    これに対し、米国債市場の出来高は五千億ドル前後とされ、はるかに巨大だ。
    市場規模が小さい原油市場が、巨額の投機マネーのターゲットにされれば、ひとたまりもない。
    WTI というのは、石油の銘柄ですから先物市場で「WTI を(将来)売る/買う」と取引するのが本来の姿です。
    先物市場は将来の生産や消費を予測して取引するのですから、現実の生産量や消費量よりも多くの取引が成立するのも先物市場の特徴です。一種の人気投票のようなものです。
    しかし、いくら原油と言っても「一つの銘柄だ全世界の一日あたりの原油取引量の3倍相当」とはやり過ぎでしょう。バブルと言ってよさそうです。
    長谷川慶太郎氏は「2006年 長谷川慶太郎の大局を読む」(2005年10月刊)で次のように書いています。
    原油に無限の値上がりはあり得ない
    WTI は1983年、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)に上場された。
    NYMEX の参加者のうち、約7割が実需を背景にした石油関係者、約3割が投機筋と言われる。 WTI の生産量は日量50万バレル、世界の原油供給量は日量8000万バレルだが、WTI における取引量が2億バーレルに達することもある。つまり、実際の需給バランスとは関係のない思惑によって・・・・
    さらに、FujiSankei Business i の記事のように「債券市場に比べて WTI の規模が小さいから債券市場での運用資金で WTI 全体の価格が動く」のでより一層の債券市場からの資金が流入するということでしょう。
    しかし、実需ではないし、実際の原油の取引では WTI を売り買いするわけではなく、あまりに現実的でない値付けになると指標としての意味を失ってしまうこともあります。
    もちろんその一方で、生産の先行き不安や消費の拡大予想などで敏感に上下するから、上昇/下降が現実の原油の価格の傾向を示すことに間違えはありません。ただ、報道される「ニューヨークの原油先物が上昇」とか「70ドル台」といった数字が灯油やガソリンなどにそのまま反映して「15%の上昇」といったことになるものではない、という理解は必要でしょう。

    むしろ FujiSankei Business i が指摘する、債券相場→金利 の関係の方が切実な影響があるかもしれません。

    4月 20, 2006 at 08:10 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2006.03.17

    アメリカの経常赤字

    読売新聞社説より「[米経常赤字]「潜在リスクを未然に回避したい」
    2005年の米経常赤字が前年比2割増の8049億ドル(約95兆円)に膨らみ、過去最悪を4年連続で更新した。

    ブッシュ政権が発足した2001年から倍増し、国内総生産(GDP)比で6・4%に達した。
    ひえ・・・・・、そんなことになっていたんだ。
    経常赤字ですからアメリカの輸出入が赤字だとということで、すごい金額ですがアメリカは国債をはじめとして他国に借金が出来る信用がありますから、他国は投資という形で資金をアメリカに戻しています。
    読売新聞社説は以下の指摘をしています。
    しかし、順調に見える現在の資金の流れが、ひとたび崩れたら、好循環は悪循環に変わる。その時、起きるのは次のような悪いシナリオだろう。

    各国が米国への投資を見直し、資金流入が収縮する。その結果、米長期金利が急上昇して、住宅投資にブレーキがかかり、個人消費も委縮して、景気が減速する。米国の輸入減少は、輸出頼みの各国経済に打撃を与える。

    不均衡是正には為替調整しかないとの思惑が広がり、ドルの信認が揺らげば、大幅なドル安が進む。為替乱高下は株式市場の混乱も招く――。

    もちろん、そうした破局のシナリオに陥らないよう、各国の政策当局は様々な対策を講じるはずだ。

    だが、巨大な米経常赤字をいつまでも維持できる、と楽観するのは禁物だ。
    ハードランディング・ソフトランディングということなのでしょうか?
    「赤字のたれ流しをいつまでも続けるわけにはいかない」に尽きるのですが、今後どういう展開になるのでしょうか?
    あれこれ考えると、かなり大変なこともあり得ますね。

    3月 17, 2006 at 08:51 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2006.03.02

    中国の資源利用効率

    中国人民網より「中国の発展、まだ「粗放型」 中国科学院報告
    中国科学院(科学アカデミー)が1日に発表した「2006年中国持続可能な発展戦略報告」によると、世界の主要国家59カ国の資源利用効率を評価した番付のうち、中国は56位で、最下位グループに含まれた。

    資源利用効率の番付では、首位から順に、デンマーク、スイス、アイルランド、英国、オランダ、ノルウェーが上位を占めた。一方、中国は、5種類の資源を対象に算出された単位GDP当たりの資源消費量で、世界平均の1.9倍に達した。
    中国の経済成長は素晴らしいもので、日本を抜くかという話題も出ていますが人口が一桁以上多いので、豊かさという観点で一人あたりGDPを見ることになります。

    もう一つの大きな要素が、資源利用効率で中国自身が「工業国としては世界最低ランク」と発表したのは大きいですね。
    資源利用効率では、鉄鋼生産などが効率の差が付きやすい代表です。鉄鉱石から粗鋼を得るために使用するコークス=石炭の使用率が問題になるわけです。
    エネルギー多消費型の重厚長大産業にとって高率はものすごく利くわけです。

    ここらの極めて高度な技術は日本から出ていない(というより使いこなせない)ので日本のような水準になるのは大変でしょうが、世界水準の2倍ではこれはせめて世界水準になって欲しいものです。

    3月 2, 2006 at 05:54 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2005.05.11

    30年後に中国がGDPトップだそうだが

    毎日新聞より「「人口力」がカギ/日本の活路は「文化力」?」

    30年後の世界の先進国を探ってみた。
    結論から言うと、国内総生産(GDP)で見た2035年の経済大国は(1)米国(2)中国(3)インド--の順である。現在米国に次ぎ2位の日本は4位に後退。11年後の16年には中国に抜かれ、32年にはインドにも追い越され、その距離は開くばかりだ。これは米国証券会社ゴールドマン・サックスが03年に発表した予測だが、第一生命経済研究所経済調査部の門倉貴史・主任エコノミストの意見も5位ロシアまでの順位は変わらない。日本の30年後の経済規模が今の2・6倍なのに対し、中国は16・5倍、インドは20・6倍に達している。

    中国・インドは現在でも人口大国なのだから、総生産で世界のトップにいないというのがヘンだとも言えるのだが、じゃあどれほどのものか?というと。

    現在のGDPトップはもちろんアメリカで中国は7位、インド12位である。
    そこで国民一人あたりのGDPは?と見ると、ルクセンブルグ、アイスランド、ノルウェイ、スイス、デンマーク、カタール、アイルランド、アメリカ、スウェーデン、日本と並ぶ。
    中国は85位、インド96位です。
    アメリカを1にすると、日本は0.9となります。同様に中国0.03、インド0.01です。

    毎日新聞の論調は国家の総和での国家間の競争を無条件で論じているのですが、国民一人あたりにして、ここまで差があるモノを一律に扱って良いのか?という気はしますし、そもそも中国がGDPで世界一になったとしても、ある種の「お国のために」という国内統一が前提になっています。

    やはり国民一人あたりのGDPなどで見るべきでないでしょうか?
    量じゃなくて質の問題だと思います。

    5月 11, 2005 at 05:37 午後 国際経済など | | コメント (4) | トラックバック (2)

    2005.05.07

    自動車に国境は無いよ

    Rwsponse より「【ソウルモーターショー05】ルノーサムソンとインフィニティ、どっちが元祖?」

    ルノーサムソンのブースで取材中、なにやら憤慨している様子の韓国人記者と遭遇した。彼はインフィニティのプレスキットと、ブースに展示された『SM7』の実車を眺めながら「似ている、似ている」と繰り返している。
    気になったので話を聞いてみると、彼は「SM7と、インフィニティ『G35』や『M45』が似すぎている。ルノーサムソンはインフィニティのデザインを模倣したんじゃないか」とカタログを見せ、SM7のフロントやリアなどを指し示しながら怒っている。
    彼はその3モデルが同一メーカーのものだとは知らなかったようなのだ。

    Rwsponseはオートアスキーの営業権を引き継いだ自動車情報専門サイトです。
    このレポートはソウル自動車ショーのエピソードなのですが、自動車産業は多国籍というよりも無国籍というべきで、特にエンジンについては日本がかなりの量を供給していると言っても間違えでは無いです。

    日産がルノー傘下になったことで、日産設計のエンジン工場が何ヶ国かに出来たようです。もちろん日産自動車の工場ではないところもあります。
    ボルボのエンジンの一部はマツダの設計です。

    こうなると「似てる・似てない」という以前の問題になってしまいますが、自動車は極めて多くの部品を組み合わせたモノですから、部品の寿命とかサービスの環境などで色々なバリエーションが出来るわけで、ユーザとしてはそこらを承知して使うが一番なのでしょう。

    しかし、日本の環境は自動車生産国の中ではかなり特別なのではないでしょうか?夏は熱帯モンスーン気候地帯と同様で、冬には北欧と大差ないほどの寒気にもなる国。エアコンが発達するわけです。こういう使ってみないと差がないところ以外は共通化していくのでしょう。

    5月 7, 2005 at 08:56 午前 国際経済など | | コメント (2) | トラックバック (0)

    2005.05.01

    世界経済を概観してみる

    以前から興味はあるしまんざら知らないデータではないのだけど、アルゼンチンの対外債務危機の問題から世界各国のGDPのデータを調べてみました。
    財団法人国際貿易投資研究所が公開しているデータを基本にしてみた。

    良く知られているデータとしては、日本のGDP=500兆円=4兆3千億ドルなどでしょう。
    世界全体のGDP=36兆ドルはあまり知られてないでしょう。
    アメリカのGDP=11兆ドルといったところです。

    これらを並べてみると、世界のGDPの50%はアメリカ・日本・ドイツの3ヶ国の合計です。
    では世界経済の半分に相当するGDPを生みだしている3ヶ国の人口を世界の総人口60億人に比較すると、8.3%となります。

    では、世界のGDPのほとんどという意味で90%を生みだしている国は何カ国か?と見てみると、上位26ヶ国のGDPの合計で90%になります。
    そしてその人口合計は63%です。

    国家の数なのか地域などを含むのかなど問題はありますが、ザッと160ヶ国とすると、GDPの10%を分け合っている約140ヶ国の人口の総計は22億人ぐらいです。機械的な平均値は意味がありませんが、1500万人となります。

    世界はかなり偏っていますね。

    5月 1, 2005 at 05:54 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.11.03

    アジアの携帯サービス共通化へ連合

    日経新聞よりアジアの通信大手7社、携帯サービス共通化へ連合」

    シンガポール、インド、 豪州などの大手通信会社7社は3日、アジア太平洋地域で携帯電話サービスの共通化や研究開発を共同で進める連合体「ブリッジ・モバイル・ アライアンス」の創設で合意した。

    ただでさえ、世界の孤児状態の日本の携帯電話だが周辺でこんなことも起きている。
    もちろん各種の方法で携帯電話の国際化は不可能では無くなっているが、国内基準があることの方がおかしい、という時代になってきたのではないか?

    11月 3, 2004 at 04:20 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.10.24

    新潟大地震を考える

    新潟の大地震で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

    現在のところで報道されている範囲から考えられることとして、新潟と東京圏の物流に大問題が出るでしょう。
    関越自動車道は越後湯沢から長岡ジャンクションまで不通ですが、空撮ではのり面の崩壊で二車線がまるごと横にずれてしまったり、つなぎ目が車では通過不可能なほどの段差になってしまったところが何ヶ所もあるようです。
    単なる、土砂崩れで土砂を取り除けばとりあえず復旧というレベルではないので、修復に相当の期間を要するでしょう。

    阪神淡路大震災の経験では、精密工場は当分の間使い物にならないでしょう。
    機械のレベルが調整しても地盤が動くためにすぐに狂ってしまって、いつまでも経っても正常で安定した状態を取り戻せないからです。
    阪神淡路大震災では結局、かなり遠隔の工場に設備を動かした例がありました。
    新潟ですから、長岡、柏崎、三条などにこの種の影響が出るでしょう。

    電力は復旧しつつありますが、橋やマンホールが地面から飛び出している例などがあり、地面に直接位置づけられている構造物の不具合の修正には相当な手間が掛かるのではないか?と想像できます。
    関越自動車道の問題も含めて、道路の復旧に相当時間を要しそうですが、有数な豪雪地帯でもあり、2ヶ月ぐらいである程度の復旧が出来ないと工事そのものが大変になりそうです。

    10月 24, 2004 at 10:44 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.10.18

    原油高騰の解説

    日経新聞社説より「新タイプ“石油危機”と世界経済の不安」

    今回の価格急騰の背景には、世界的な石油製品需要の構造変化があることにも注目したい。ガソリン、軽油の消費量が急増する一方、重油の消費が減る現象だ。

    なるほど、と感じる。
    電力や船舶の燃料として重油が使われていたが、電力では天然ガスにシフトするといった重油の使用量が減っている。その一方でガソリンを使用する自動車は増えているから、ガソリンの使用量は増えていて原油の産地別の価格に差が付いたということか。
    しかし、それだと経済指標としては、天然ガスなども見ないとまずいわけで、原油価格についても一方だけを見ていてはダメだということか?

    自動車の燃料としてヨーロッパでは軽油をディーゼルで多用している、日本はディーゼルは規制する方向であるが、ヨーロッパは積極使用している。これもガソリンの使用比率を下げる方向になっているのだろう。

    頭を使った対応が必要だが、水素の使用を積極的に進めるのが一番だろう。というのは、実は水素は現在かなり余っているというのだ。化学・鉄鋼などで中間生成物として水素が大量に発生する。それを現在は燃やしているというのだが、燃料電池用に外販すればメーカとしても収入増になることになる。
    もう一つは、発電機を住宅などに付けてしまうことの推進だろう。

    電力の困ったところは、貯めておくことが出来ない点であるが、ガスは貯蔵可能である。そこで住宅にガスを燃料とする発電機を付けてしまうと、電力が不要の時にはガスを使わないとなる。さらに実は長距離高圧送電のロスという問題も大きい。技術的なロスもあるが、メンテナンスが大変という問題も当然ある。無制限に電力送電のレベルを高めるのはムリであることが見えてきている。

    実際には、長距離送電、ガス発電、太陽光発電の組み合わせといったことになると思うが、エネルギー需要に柔軟に対応するためにはヨーロッパで乗用車のディーゼル化を進めているように、多様化が一番であろう

    10月 18, 2004 at 09:50 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (1)

    2004.10.06

    原油価格上昇

    産経新聞より「NY原油、初の51ドル突破 世界経済減速の懸念強まる」

    7月には、40ドルでしたからちょっとひどいですね。アナリストは「高値安定になる」という説のようですが、価格は最終的には市場が変える価格になるの決まっています。その点で、原油だけが高いというのはムリがあるというか続きません。

    アメリカが一番の問題なのでしょうが、ブッシュ大統領がテキサス出身ですから石油産業を保護する方向であると見ているから、投機筋が価格の釣り上げをしているのだと思います。中国が石油輸入国になり、今後も消費が増えるから原油価格も上昇するという意見もありますが、7月に40ドルだったものが3ヶ月後に25%も上がるというのは、実需とは無関係であることは明らかでいずれ下がります。

    もっとも原価高による企業収益の悪化は株価を下げるでしょう。その結果として株式市場から資金が原油市場に向かうと、原油高騰になる可能性もあります。

    投機資金による原油市場だけの現象であると思ってはいますが、コレを見ると先行き元の水準まで下がるとも言えないかな?と思います。かなりの先渡しの価格もけっこう高い水準になっています。つまり市場は長期的にも高いはずだ、としていることになります。世界の政治状況の全体的な不安定がこんなことを許しているのでしょう。アメリカは大統領選挙、イラク戦争などで中東の石油生産は不安定かもしれないと感じる、ロシアはまだ安定になるとも言えない、日本・イギリスはなんとなく政変も織り込んでいる、などといったところで、世界を主導する国が内政問題で手一杯というのが一番の問題なのでしょう。

    10月 6, 2004 at 11:26 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.09.25

    塩ビの柔軟剤のオモチャ類への使用、EUで禁止決定

    東京新聞より「フタル酸エステル類を禁止 EU、おもちゃへの使用に」

    EUの競争理事会は24日、子供の健康に有害だとして、塩化ビニールを柔らかくする軟化剤として使われているフタル酸エステル類のおもちゃへの使用を禁止する決定をした。

    EUへのおもちゃの輸出はアジア各国が大半を占めており、今回の決定は、アジアのおもちゃ業者にも大きな影響を与えそうだ。  

    以前から話題になっていたことで、とうとう正式に禁止となった。環境ホルモンであるとされていて、オモチャにというのは、環境ホルモンで問題になっている雌雄性別に影響があるということなのだろう。フタル酸エステルで検索してみると、賛否両論があってなんとも言えないが、オモチャといった分野については疑わしきは禁止ということなのだろう。

    9月 25, 2004 at 02:09 午後 国際経済など | | コメント (1) | トラックバック (0)

    2004.08.21

    石油価格上昇の解釈

    石油価格が急上昇して50ドル間近になり「60ドル、70ドルになるのでは」といった声もある。確かにこれを見ればそんな気分になる。
    さすがに今日になると新聞記事がいろいろ出てきた。
    日本経済に大きな影響は無い(読売)、世界のエネルギー構造は変化する(産経)、省エネを考えるべき(東京)、アメリカは石油備蓄を取り崩さない(日経)などである。どれもがそれなりに正しいと思うが、当然のことながら「絶対にこれ」というのは無い。マクロな視点だと日本が石油依存度を大幅に下げ、現在も省エネルギー・省資源の方向に産業構造を大幅に変えつつあることが世界にどう影響するか?であると思う。
    ちょっと考えれば当たり前のことであるが、石油の価格が上昇して困る経済(国)と好ましい経済(国)がある。さらに、短期的な利益追求と長期的な経済成長を狙うのかなどによって、それぞれの利害は衝突する。
    日本は資源輸入国であり輸出によって経済が成り立っているのだから、原材料は安く輸出先の国々が経済成長していることが一番である。ところが輸出先の代表であるアメリカは省資源とはとうてい言えないエネルギー多消費国であり、石油価格の上昇はアメリカ経済を直撃する。一方中国はいまやアメリカ・日本などにとっては大変なお得意様であるが、急速な経済成長に伴って輸入急増であるから、これも石油価格の上昇は経済を直撃する。それにしても、日本というモデルがあるのだから石油価格の上昇は省エネ経済への転換を世界中に促すとも考えられる。つまり石油価格の上昇→不景気、というほど単純な話にはならない、と考えます。
     
      「日本経済の抵抗力は増している」
    原油高の影響は、日本でも表れつつある。ガソリン価格の上昇は急ピッチだ。電気料金も標準世帯で、十月から月42―161円値上がりする。 ただ、原油高に対する日本経済の抵抗力は大幅に向上している。 第二次石油危機に襲われた一九七九年度、原油の平均輸入価格は一リットル=33・5円だったが、今年六月は25.9円にとどまる。総輸入額に占める原油の比率もかつての39%から15%に下がっている。
     原油高騰 需給の構造変化に備えよ」
    わが国は二度にわたる石油危機を経て、かつては八割近くもあったエネルギーの石油依存率を、今では五割程度にまで減らし、企業の省エネルギーも進めた結果、原油高の影響はかつてほど大きくはなくなった。しかし、このまま原油価格の高騰が続けば、回復基調をたどる日本経済にも影響が出てくる。原油価格が四十五ドルで推移すれば、二〇〇五年度の実質成長率は0・3ポイント下がる-という電力中央研究所の試算もある。世界の石油需給の大きな構造変化を直視して、エネルギー、原材料の不足や高騰に備えるとともに、原子力を含めた総合エネルギー政策を常に見直していく必要がある。
    「原油高騰 再び『省エネ』努力を」
     とくに、経済発展が進む中国やインドの増加が目立つ。中国の石油消費量はすでに日本を上回り、石油輸入国になった。自動車社会への転換や重化学工業化が進むことを考えれば、今後も需要が増えることはあっても減ることはないはずだ。  企業や家計は省エネルギーの重要さをいま一度、思い起こす必要がある。過度の冷房や電気製品のつけ放しなど、いつの間にか石油危機当時の真剣さが失われていたのではないか。サラリーマンも、たまにはネクタイを外してみてはどうか。
    米政府、石油備蓄の取り崩しを否定」
     マクレラン報道官は「大統領もエネルギー価格の動向を注視している」としながらも、SPRの積み増しを継続する方針に変わりはないと述べた。SPRを取り崩すのは「石油供給の途絶など不測の事態が起きた時に限る」という従来の主張を繰り返した。

    8月 21, 2004 at 11:58 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.05.01

    EU拡大

    5月1日、拡大EUがスタートする。25ヶ国体制となり、巨大経済圏が動き出す。
    域内格差は大きく、人口動向についても今のところはっきりしないが、うまくいけばアメリカのように巨大消費市場が誕生するかもしれない。その場合には、域内生産を域内消費することが可能になるかもしれない。

    EU   4億5千万人、   7% GDP9兆ドル 30%
    日本  1億2千7百万人  2%  4兆1千億ドル 13%
    インド  6億6千5百万人 10%    5千億ドル  1.6%
    中国 12億9千5百万人 21%  1兆1千億ドル  3.8%
    USA  2億8千万人  5% 10兆7百億ドル 33%
    全世界 60億5千5百万人 30兆ドル

    もちろん現時点では主権国家の集合体であるから、アメリカや日本などと直接比較するのは適当では無いが、EUの歴史そのものが1951年から始まったに過ぎないことを考えれば、経済的には単一国家となるのもそうそう時間がかかることでもあるまい。
    改めて驚くのは、アメリカ、EU、日本だけで世界経済の76%を占めているのだが、その人口は世界人口の14%に過ぎないことである。
    また、すでに世界経済の76%を2ヶ国と1地域で占めていることを考えると、安易にアジア経済圏を構想しても、人口は多いが経済的に影響力が少ないということになる。

    5月 1, 2004 at 06:09 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.04.19

    中国経済の正念場

    日経新聞社説より「中国経済の軟着陸が緊急課題だ(4/19)

    中国の今年1―3月期のGDPが2兆7106億元(1元=約13円)と、前年同期比で実質9.7%増えた。昨年7―9月期から3四半期連続の9%台成長だが、需給関係を無視した過剰投資でエネルギーや資材の不足、価格高騰などの弊害が深刻化している。この状態が続けばいずれバブルが崩壊し、企業の大型倒産や金融危機を招く恐れもある。
    急成長の最大のけん引役は昨年と同様、投資と輸出だ。1―3月の公共事業と企業の設備投資は約8800億元と、前年同期比43%増の異常な伸びを示している。過剰投資の典型は鉄鋼、アルミ、セメントなどの素材産業で、この1―2月の鉄鋼産業の投資は前年同期比で172%も増えた。

    輸出は34%伸びたが輸入が42%も急増し、84億ドルの貿易赤字を出した。工業生産は18%増えたが、国内消費は実質9%増にとどまっている。膨大な投資に見合うだけ内需が伸びず、最終消費財は慢性的な在庫過剰状態にある。

    電力消費はさらに16%増えた。石炭、電力、石油の供給不足が深刻化し、全国24の省・自治区が電力の供給制限を実施。鉄道輸送は需要の約4割しかこなせない状態だ。9%台の成長を持続するのはあらゆる面で無理がある。

    しかし、国務院が大幅利上げなどの本格的な引き締め策に踏み切れば、バブルが崩壊して経済が失速する恐れもある。インフレとデフレのどちらにも陥る可能性があるだけに、細心のかじ取りが必要だ。


    中国経済の最大の弱点は国有企業の極端な低生産性であると言われていた。
    とは言え、多くの雇用を抱えているので、消費市場も作っていたことに間違えはあるまい。つまり所得の再配分の機能を果たしていたわけだが、過度に暴走する市場原理に頼っていては、売れる見込の無い商品の過剰生産やさらに二輪車メーカーの乱立といった、バブル状態が企業数から商品生産まですべてというのでは、景気が停滞曲面に入った時に不況下の物価上昇にすらなりかねない。
    一気に急成長した中国経済であるが、原材料の高騰と通貨レートを事実上の固定相場制から変動相場制に移行することによる輸出力の低下といった難問が待ちかまえている。
    なんとか、国内消費市場を成長させるべきだと思うが、銀行機能も庶民生活までは及んでいない様子なので、かなり難しい舵取りになるし、ソフトランディングが可能なのか、疑問に感じる。

    4月 19, 2004 at 10:47 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.04.18

    IMF世界成長予測を上方修正

    ロイターより「IMFが今年の世界成長見通しを4.6%に上方修正へ、日本は3.4%に

    国際通貨基金(IMF)は、2004年の世界経済見通しを見直し、経済成長率を昨年9月時点の4.1%から4.6%に上方修正する。
    ロイター通信が入手したIMFの春季リポート最終案で明らかになった。正式には来週21日に公表される。

    2005年の世界経済の成長率は4.4%としている。
    2004年のユーロ圏成長率は前回の1.9%から1.7%に下方修正、
    2005年は2.3%としている。
    2004年ドイツの成長率は1/5%から1.6%に小幅上方修正、
    2005年は1.9%成長と見通している。

    2004年の日本の成長率は前回9月の1.4%から3.4%に大幅上方修正する。
    その上で「日本の予期していなかった堅調な成長とデフレ克服への首尾よい努力は喜ばしい」と指摘した。


    本当にこの通りだと良いのだが、このところIMFの予測は当たらないからねぇ~・・・・。
    さらに、中国の原材料の輸入急増で、石炭・石油・スクラップ鉄材などが高騰していて、この傾向はすぐには収まらないだろうし、さらには需要増加を見越した産油国の生産制限などもあって、特にアメリカの貿易収支と国内生産力の低下は計算せざるを得まい。
    その場合、ドル安傾向が加速する可能性も考慮せざるを得ない。

    4月 18, 2004 at 11:18 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.03.17

    韓国で徳政令?

    韓国・朝鮮日報より「不良債務者の元金も減免、人気取り政策論議

    政府が不良債務者に対する元金帳消しは無いと公言してから1週間後、元金まで帳消しにする不良債務者対策を発表した。
    これにより金融界では弾劾政局を利用した総選挙用の人気取り対策だという論争が起こっており、借金を返さずに開き直るモラルハザード(倫理観の欠如)が増えるだろうといった懸念も高まっている。

    財政経済部の金錫東(キム・ソクトン)金融政策局長は17日記者団と会い、不良債務者対策の一つであるバッドバンク(個人の不良債権を一ヵ所に集め処理する機関)と関連し、「バッドバンク対象者が1~2年間債務を真面目に返済すれば、残りの元金の一部を減免する案を検討中」と話した。
    金錫東局長は「真面目な債務者に対しインセンティブ(元金減免など)を与えることが金融機関の立場から考えるとより効果的」としながら、「インセンティブは8年間の分割償還期間に複数回受けられる」と話した。金錫東局長はまた「信用回復委員会も類似したインセンティブ制度を導入する」と付け加えた。
    バッドバンク・プログラムの対象者を5000万ウォン未満の負債を6カ月以上滞納中である不良債務者に確定した。
    バッドバンク・プログラム対象者になると元金の3%だけを返済すれば不良債務者から解除され、それまでの滞納利子は全額減免される。残りの負債は最長8年に渡って分割して返せばよい。
    バッドバンク・プログラム申請資格がある不良債務者は約179万人(債務総額28兆ウォン)で、このうち約40万人程度が申請し、不良債務者の烙印から脱するだろうと政府は推定している。

    韓国のクレジットカード利用者の破綻は経済危機のレベルに達していて、慎重で着実な対処が必要なのであるが、大統領職を首相が代行し、4月15日には総選挙というこの時期に、局長クラスから徳政令を思わせるような発言が出るのは問題だと思う。

    3月 17, 2004 at 10:26 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2004.01.10

    LGカード、危機を切り抜ける

    韓国の大手クレジットカード会社LGカードの危機が救われたようです。
    韓国・中央日報「LGカードが劇的回生…10日からキャッシングサービス再開」との記事を9日付で掲載した。ところが、前日8日には「LGカード、キャッシングサービスをまた中断」とのという記事が出ていたくらいの、ピンチでした。。
    ここ一週間ぐらい世界的なニュースのレベルになっていてBBCがビジネスニュースで詳しく現地取材をしたほどでした。
    韓国は1997年のアジア通貨危機でいわゆるIMFショックを経験しています。
    これは、完全に貿易決済資金が不足してしまって、企業で言えば倒産状態つまりディフォルト(支払不能)宣言を出すかどうか?という状況まで追い込まれました。
    BBCによれば、この時の経験で韓国内での消費セクターの成長の必要性を感じた政府が、政策として個人にクレジットカードの所有を勧めたのだそうです。

    その結果、個人のクレジット破産や踏み倒しなども多く、大手クレジットカード会社のLGカードが多額で、かつ回収の見込の無い不良債権を抱え込んでしまった。
    ということだそうです。LGと言えば有力財閥で日本でも有名な会社ですが、LGグループがサジを投げたので、銀行団などが救済に入るということになったようです。

    BBCでは若い女性が「すべての銀行のクレジットカードを持っていた」とか、料理屋さんのご主人がクレジットカードで1000万円(?)の負債がある、といった過剰借り入れを反省しているというトーンの放送でした。
    これが事実だとすると、韓国の消費者はクレジットカードの利用を初めとして、消費抑制に向かうのでは無いでしょうか?

    1月 10, 2004 at 02:22 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2003.12.24

    朝鮮日報

    わたしは、大体、毎日30紙ぐらいの新聞サイトを見ています。
    その中に朝鮮日報の日本語Web版 http://japanese.chosun.com/ があります。
    その中に「技術格差の前で崩れ落ちる先進国への夢」というタイトルの社説がでました。

    http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/12/23/20031223000087.html

    > 韓国銀行は90年代以降から韓国が先進国との
    >技術格差を縮められないといった「落とし穴」
    >に陥た可能性が高いと指摘した。
    (中略)
    > 世界最高という韓国のメモリー半導体産業は
    >設備投資費の70%を日本の製造機器メーカーに
    >ロイヤリティとして支払っている。
    >DVDプレイヤーやPDPといったデジタル家電製品も
    >製品価格の10~30%を
    >外国企業にロイヤルティとして支給している。

    これは、かねてから指摘されていたことで、輸出によって外貨を稼ぐことでは同じ日本と韓国では経済構造がかなり違うということが言われていました。
    日本の外貨収支は長い間、貿易黒字つまり原材料を輸入する以上に製品輸出をして、貿易収支の黒字を続けていました。同時に貿易外収支特に観光収支の赤字、つまり日本からの観光客はたくさん海外に出かけるが、海外からの観光客は呼べない、と言われていましたし、それは今でもあまり変わらないようです。
    さらに国際収支としては、利子配当収入に当たる資本収支もあります。
    これらによって、国の経済の状況が概観できることになります。
    もちろん、国家の政策つまり行動原理は、経済によってのみ左右されるものではありませんが、最終的には経済が国家の運命を決めることは、冷戦が東側陣営の敗北という形で終わったことを見ても明らかです。

    というわけで、ちょっとこの分野について書いてみることにします。

    酔うぞ拝

    12月 24, 2003 at 12:50 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)