2013.07.04

ネット選挙解禁

今年(2013年)初めての書き込みです。(^_^;)
Facebookに書くことが多かったのですが、使い分けていくことにします

今日(2013/07/04)参議院選挙が始まりました。
今回の選挙の目玉は「ネット選挙解禁」だそうですが、木に竹を接いだようなもので、とうていうまくいくとは思えません。
そもそも公選法には現実無視のところがあって、そこに無理矢理ネット対応を押し込んだようなものだから、公選法が定義するネットは、通常のインターネットとは別物です。

選挙実務十数年の経験では、公選法の実務は非常に難しいものがあり、かつ選挙のたびに解釈が変わると言っても過言ではありません。
実は解釈が変わるのではなくて、適用が厳密になってきたというべきなのです。

たとえば、選挙運動員(街頭で活動する人)には給与(バイト代)が支払えません。ここでバイト代を支払うと、買収になってしまって当選しても失職になります。
実はこれは、十数年前には支払っても問題ありませんでした。時代によって変化する例です。

びっくりしてしまったのは、選挙カー(宣車)の上の候補者名や政党名が書いてある、板についての規定が変わったときでした。
元々は、「ポスターを車に貼った」扱いなのです。
そこで、演説が出来るようにデッキを付け、デッキを一周するように巨大な箱にしてしまった。
そこに「板に貼る物だ」となって、「箱じゃなくて4面の板にしろ」となりました。
そのために、わざわざ隙間を空ける構造に改良することになりました。

選挙では学生さんに参加していただくのは非常に重要なのですが、20歳以上の制限があるので、勝手に手伝うといったことになるのは困ります。
こんどは内部事務としては登録が必要だし、その段階で年齢確認も不可欠です。

全部まとめると、結局のところ現行の公選法は、地域で手作りするもの、といった意味合いで出来ている規定です。
そこに、インターネットを当てはめるといっても、水と油といった感じです。

こんな「どう取り組めばよいのか分からない」ものにはちょっと手を出せません。
しかし、先に書いた「バイト代は出せない」というよく知られている規定を知らないで、当選後に失職した議員がいました。
このように不勉強で「イケイケどんどん」の候補者がいるのも現実で、そういう人たちが「ネット選挙でいろいろな問題をあらわにした」となるかと思っています。

7月 4, 2013 at 04:41 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.05.27

トンでもない、新小型車企画案

読売新聞より「1~2人乗り「超小型車」、普及へ国が認定制度

政府は、軽自動車より小さい1~2人乗りの「超小型車」の普及に乗り出す。

主に高齢者が近場を移動する「足」としての利用を想定している。

年度内に認定制度を作り、道路運送車両法が定める「普通自動車」や「軽自動車」など五つの区分に、「超小型車」を加えて6区分にする方向で検討する。
新たな区分ができれば、1963年以来、半世紀ぶりとなる。

Photo

政府は超小型車を第1種原動機付き自転車(原付きバイクなど)と軽自動車の中間の車両として位置付ける方針だ。

地方を中心に、人口減を背景に路線バスなどが減る地域が多い中、高齢者でも手軽に運転できる超小型車の普及に取り組むことにした。

政府は自動車メーカーや自治体向けに超小型車の仕様を示す指針をまとめ、来月にも公表する。

その上で設ける認定制度に基づき一定の基準を満たせば、自治体が観光客に周遊に使ってもらう車などとして公道を走れるようにする。
その後、課税のあり方などを整備したうえで、メーカーに量産を促して普及を図る。

最初にタイトルを見たときには「良かった」と思ったのだが、記事を読んでいく内にどんどんと疑念がわいてきて、よくよく読んでみたら新たな利権作りそのものだろう、と判断した。

そもそも、高齢者が近場を移動する「足」としての利用のための車の新規格が必要というのがおかしいだろう。
高齢者が近場を移動する「足」の定義は、車というブツではなくて、使い方の問題であって「高齢者専用の車」なんてものをハードウェアとして作っても意味がない。
もうこの点で、全く無関係なものを一つにしている。

すごいのがこれで

その上で設ける認定制度に基づき一定の基準を満たせば、自治体が観光客に周遊に使ってもらう車などとして公道を走れるようにする。
どういう形にしろ、車を作って公道を走れないようにする、というのがあり得ないだろう。
公道を走らない車専用の規格なんてものを、作る合理性などあり得ない。
例えば労働安全衛生法とか、クレーンの規格などで十分だろう。現在もそれで問題無く運用している。

新規に車の規格作るのなら、公道走行が前提となるはずで、観光客が周遊に使おうがどうしようが、単なるレンタカー以外の何ものでもないだろう。なんでそこに「認定」とか言い出すのか?
話が逆で、認定する利権を作るために新規格を作ろうとしている、と疑ってしまう。

軽自動車の規格が、貿易障壁だと批判されている時代に、さらにワケの分からない規格を作って、さらに一層貿易摩擦を増やそうというのか?

規格というのは元もと、工学的な標準であって、社会でどう活用するのかは、規格とは本来的に別の物である。
そして自由経済では、規格を作る以前にニーズをキャッチアップして、非公式の製品が出回りそれが浸透して、ようやく社会的に意味のある規格を作ろう、という事になる。
この動きが近代産業の歴史そのものと言える。

自動車を多様化するのには大賛成であり、そのために自動車の規格を作るのも当然だと思う。しかし、使い方を規格の中に入れるのは明らかに間違っている。
実際に使い方をどうやって規格内に納める事が出来るのか?
そのための組織が必要になるだろう。これこそが今回の発表の狙いではないのか?

新たに車の規格を作るのであれば、全天候型オートバイ(カバードサイクル)の技術規格を作るべきだと思う。
普通のオートバイと同程度の1メートル以下ぐらいの幅にして、自動引き込み式の補助輪付き、定員二名の車室内容量を確保すると、サービス業務や単なる連絡などに使える。
ポイントは、2輪接地にすると燃費が稼ぎやすいところで、実用的で省燃費(電池でも同じ)な車を大量に生産する事が可能になるだろう。

5月 27, 2012 at 11:17 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (9) | トラックバック (1)

2011.11.01

小金井ゴミ戦争に発展するのか?・その一つの結末か?

読売新聞より「小金井市長、ゴミ収集危機で引責…辞意表明

東京都小金井市の佐藤和雄市長(54)は1日、自らの選挙戦での言動をきっかけに、可燃ゴミ収集停止の恐れが出ている問題の責任を取る形で、市議会議長に辞表を提出した。

地方自治法では、市長が20日以内に退職する場合は議会の同意が必要と定めている。佐藤市長の辞職は、1日午後にも開かれる市議会で諮られる予定。

佐藤市長は今年4月の統一地方選で初当選。市長選の選挙公報などで、可燃ゴミの焼却を依頼している周辺自治体に支払うゴミの委託処理費の増加分について、「ムダ使い」などと指摘したため、周辺市の反発を招いた。今年度排出見通しの可燃ゴミのうち未契約だった約5500トンの搬出先がいまだ決まらず、今月半ばにも収集停止の恐れが出ていた。

(2011年11月1日14時41分 読売新聞)

近来まれに見るひどい話ですね。
「小金井ゴミ戦争に発展するのか?」に書きましたが、今年の春の統一地方選挙で、現職を破って市長に当選した人です。
近隣の自治体にゴミ処理費を支払って、なるべく早く新焼却場を完成させるという選挙せん当時の実情以外の選択肢があると公約したのでしょう?
だから、「ごみ処理4年間で20億円」が無駄だと選挙戦で述べた。

そして、現実にはゴミ処理自体が出来なくなりそうなところに追い込まれたから、辞職って何です?
市長として、任務を遂行しなさいよ。
口から出まかせをいって、当選したら「出来ません」とはあり得ない話しだ。

いわば、選挙詐欺だろう。

11月 1, 2011 at 04:31 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2011.10.27

震災復興のトリアージ?

朝日新聞より「住宅ローン免除、仮設の人も 私的整理の対象拡大

東日本大震災の被災者に対する住宅ローン返済免除の対象拡大が26日、正式に決まった。
家賃がかからない仮設住宅を出た後に返済が困難になる人も対象にするなど、運用を見直す。

個人版の私的整理指針の運用を変える。全国銀行協会や日本弁護士連合会などがつくる「私的整理指針運営委員会」が運営協議会を開いて決めた。
高木新二郎理事長(野村証券顧問)は記者会見で

「家が流されてローンが残っている人はだいたい対象になる」
と述べ、被災者に積極的な利用を呼びかけた。

運営委はこれまで対象を「6カ月以内にローンの返済ができなくなることが確実な人」としてきた。事実上、支出が収入を上回っていることが条件だった。

このため、仮設住宅や親戚の家に住んで家賃がかからない人は、たとえ収入が少なくても「返済可能」として対象外だった。
震災後に収入が減っていなかったり、土地などの資産を持っていたりする場合も、相談した時点で「門前払い」になる例が相次いだ。

運営委は今回、仮設住宅の入居者らについて「近い将来に住居費負担が発生することを考慮する」と運用方針を変えた。
仮設を出た後の住居費も支出に含んで、対象になるかどうかを判断する。
また、相談窓口では簡単に門前払いせず、積極的に弁護士を紹介するよう徹底する。

高木理事長は、返済免除を受けた場合でも、資産をすべて処分せず、生活再建に必要な現金や資産をできるだけ残すようにすることも明らかにした。例えば、地震保険の保険金の一部などを手元に残せるようにして住宅再建を助ける。

私的整理の申込件数は10月21日までに32件にとどまっていた。運用見直しを受け、運営委は一度断った人に連絡し、また相談を受けつける方針だ。(千葉卓朗、大平要)

〈個人版の「私的整理」〉

東日本大震災の被災者らが、津波などで失った住宅や店舗のローンなどを自己破産せずに免除されたり、減額されたりする仕組み。対象は、震災で収入がなくなったり減ったりして借金が返せない人▽これから仮設住宅を出るなどして住居費などの支出が増え、返せなくなる可能性が高い人、など。

自己破産とちがって金融機関に記録が残らず、新たなローンを組んだり、クレジットカードを作ったりできる。連帯保証人が代わりに返済する義務も原則として免除される。

まず、全国銀行協会や日本弁護士連合会などがつくる「個人版私的整理ガイドライン運営委員会」に電話(コールセンターは0120・380・883)などで相談する。対象になる可能性がある人には、運営委が手続きを手伝う弁護士を無料で紹介する。私的整理を申し込む際には、住民票、り災証明書、源泉徴収票などが必要となる。

運営委は、6都県に設けた本部や支部でも直接相談を受けつけている。

  • 東京本部は千代田区丸の内1の東京銀行協会ビルヂング(03・3212・0531)
  • 青森支部は青森市橋本2の県商工会館3階(017・721・1015)
  • 岩手支部は盛岡市大通1の県産業会館2階(019・606・3622)
  • 宮城支部は仙台市青葉区一番町2の興和ビル7階(022・212・3025)
  • 福島支部は福島市大町4のチェンバおおまち4階(024・526・0281)
  • 茨城支部は水戸市桜川2の県産業会館10階(029・222・3521)。

これはこれで被害者救済としては有効だろうけれども、地盤沈下で一日に二回海水が上がってくる土地や、原発事故でかなりの長期間に渡って立入制限がある土地など、本来の不動産の機能を失ってしまった土地をどうするのか?を先に決めるべきではないのか?

乱暴かもしれないが「その土地は3月11日でなくなった」としないと、使えない土地に担保設定したり、課税したりといったことが延々と続くことになる。

そして、そういう権利があるから大規模な土地改良も始めるのが簡単では無い。
そうこうしているうちに、どんどんと地元経済は疲弊していくのは明らかで、こういう問題を一気に解決する権限を国に預けているはずなのだから、大づかみのところから始めないと弥縫策の積み重ねにしかならないと思う。

復興と言っても、地盤沈下を復興するなんてことは出来るわけがない。
まして、海面と同じ高さになってしまっては、港としてすら使えない。
どうするんだ?

10月 27, 2011 at 11:48 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.10.04

民法相続規定が改正か?

朝日新聞より「婚外子の相続差別は違憲 大阪高裁決定「家族観が変化」

結婚していない男女の子(婚外子=非嫡出〈ひちゃくしゅつ〉子)の相続分を、結婚している夫婦間の子(嫡出子)の半分とする民法の規定をめぐり、大阪高裁が「法の下の平等」などを定めた憲法に違反するとして、婚外子に同等の相続を認める決定をしていたことがわかった。

最高裁は1995年、婚外子をめぐる相続差別規定を「合憲」と判断。
弁護団は「高裁でこの規定をめぐる違憲判断が出たのは95年以降、初めて」としている。

決定は8月24日付。嫡出子ら相手側は特別抗告せず確定している。

違憲判断が出たのは、08年末に亡くなった大阪府の男性の遺産分割をめぐる裁判。

婚外子1人と嫡出子3人の配分が争点となった。
大阪家裁は民法の規定を合憲として相続分を決定、婚外子側が抗告していた。

決定理由で赤西芳文裁判長は、

95年の最高裁決定以後、家族生活や親子関係の実態は変化し、国民の意識も多様化していると指摘した。
さらに、外国人の母と日本人の父との間に生まれた後に父から認知されても、両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない当時の国籍法は、憲法の「法の下の平等」に反すると判断した08年6月の最高裁判決にも触れた。
その上で、相続が開始した08年末時点で婚外子と嫡出子の区別を放置することは、立法の裁量の限界を超えている
と結論づけた。

結局、方向性としては婚外子の相続差別を決めている民法の規定は、国籍法などとのバランスも含めて改正するべきだ、ということなのでしょうね。
そして、それらが08年頃の判決などによるのだから、もう放置は出来ないと。

今後こういう判決が複数出ると、

民法 第900条(法定相続分)

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

  1. 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
  2. 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
  3. 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
  4. 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。
    ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

〔昭五五法五一・平一六法一四七本条改正〕

「模範六法 2011」 (C)2011 Sanseido Co.,Ltd.

赤字で示した部分が廃止されることになるでしょう。
今後、団塊の世代の死亡で相続が増加することを考えると、早急に法律を現実にあったものにすることが必要で、あまり時間的余裕はないと思います。

10月 4, 2011 at 08:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.09.16

航空管制情報漏洩事件・国交省のバカな決定

サンケイ新聞より「管制室カメラ禁止に 国交省 羽田空港の男性管制官、飛行計画ブログ掲載で

2011.9.16 07:28

羽田空港の男性主任航空管制官が飛行計画などの画像を自分のブログに掲載していた問題で、国土交通省は16日までに、管制室内へのカメラ持ち込みを原則禁止する方針を固めた。

管制官不祥事の再発防止策を検討する委員会で、禁止に向け議論する。国交省は既に、管制室内で業務に関係しないカメラ撮影を禁止すると全国の管制施設に指示した。

国交省によると、男性主任管制官は米大統領専用機エアフォースワンの飛行計画や、米軍の無人偵察機グローバルホークの飛行計画とみられる画像を自身のブログに掲載していた。

管制官は調べに「自分のデジタルカメラで職場の端末画面を撮影した」と説明。国交省は12枚がブログに掲載されているのを確認した。
カメラ付き携帯電話は業務で使うこともあることから、業務用のものを新たに現場に付与するなどの方法を検討する。

国交省が、ここまでバカなあるいは意味のない方針を出してくるとは絶望的な国だなと感じる。

そもそも、勤務する職場の情報を管理無しに公開すること自体が、職業人として失格で、どんな職場であっても許されることではない。
その意味では、問題になった管制官は同じような事をするのであれば、世界中に職場がないと言える。

つまり、職業人として倫理が不合格であって、職に就いてはいけない人物であった、ということにしかならない。
その意味では、「職業人としてふさわしくないから懲戒」とするのが正しい。
それを「撮影したから」「デジカメを持ちこんだから」と問題を矮小化してどうするのだ。

航空管制情報をメモとして公開するのを許すのか?
秘密情報として規定されていないから、公開しても良いのか?
もし、民間企業だったら許されることなのか?

こんなことを考えただけで、国交省の考えていることがどちらに向いているのか?と首をひねってしまう。
まあ、後付けで言い訳を作ったとしか言いようがないが、こんな事になった最大の理由は、国交省自身が「職業倫理」のような白黒の付けられない領域に踏み込みたくなかったからだろう。

今の日本の最大の弱点というか問題点は、「白黒の付くこと以外は出来ない」ところにあると思う。

白黒の判断がつきにくい、「倫理」とか「常識」といったものを放り出してしまっている。
それだから「黒でないから白だ、やっても良い」となってしまうのは当たり前だ。

白黒判定から脱却してグレーであることを確認するべきだ。
その代表格が「事業仕分け」だろう。

予算全体の枠が少なくなったのだから、調整するのは当然でそれは客観的には決めようがない、政治的な思惑などで決まって当然だ。
それを、あたかも「客観的に決めた」かのようにして、以後は考え無しにすすめるというデジタル化する政治過程というのが最悪なのである。

9月 16, 2011 at 09:01 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.15

司法試験制度についての読売新聞社社説

読売新聞より「新司法試験 合格者増へ法科大学院改革を(9月15日付・読売社説)

法科大学院を修了しても法律家への道が開けない。その傾向が一層顕著になってきた。

今年の新司法試験の合格者数は、昨年より11人少ない2063人にとどまった。
合格率は23・54%で、2006年に新試験が始まって以来、5年連続で低下した。

政府は9年前、2010年をメドに合格者を3000人にまで増やすことを閣議決定したが、今回も目標に遠く及ばなかった。

もともと司法制度改革は、橋本内閣以降、公務員を減らし、行政による事前規制型社会を司法による事後救済型社会に変えていくという狙いから、行政改革と並行して進められてきた。

国民にとっても、日常生活のトラブルなどを手軽に相談できる「身近な司法」を実現させ、様々な権利を守る「頼りがいのある司法」へ進化させていく機会だ。

こうした国家の制度設計の目的を達成するには、弁護士など法曹人口の大幅増が欠かせない。
東日本大震災に関わる法的トラブルの解決にも、これまで以上に法律家の手が必要となる。

新司法試験の合格者数を出来るだけ早期に3000人にまで引き上げることが大切だ。

それに向け、最優先で取り組むべきは法科大学院改革である。

74の大学院が乱立し、入学の間口が広くなった。司法試験の合格者数で低迷する大学院が増え、そうした大学院には学生も集まらないという悪循環に陥っている。

姫路独協大の法科大学院は今年度から学生募集を停止した。桐蔭横浜大法科大学院と大宮法科大学院の統合も決まっている。

今後も統廃合による淘汰は、避けられまい。

実務教育を重視し、即戦力の法律家を養成するという設立理念の一方で、法科大学院に、司法試験対策に特化した教育が認められていない現状にも問題がある。

大学院生の最大の目標は司法試験に合格することだ。
大学院側も経営上、多くの合格者を出し、実績をアピールする必要がある。

理念と現実の溝を埋めるため、大学院のカリキュラムに今以上の独自性を認めるべきだろう。

新司法試験の出題内容も再検討が必要だ。詰め込み型の勉強をしなければ受からなかった旧司法試験の反省から生まれた制度だが、現状はさほど変わっていない。

新司法試験の所管は法務省、法科大学院は文部科学省だが、制度全体の改革には、両省の連携が何より重要だ。

11年9月15日01時13分 読売新聞

読売新聞社説の言いたいことが良く分からない。

司法試験合格者が三千人に届かないから、法科大学院を予備校化しろということなのだろうか?

  1. 法科大学院終了
  2. 司法試験合格
  3. 職に就く

の順序なのだから、社説の冒頭の「法律家への道が開けない」とは、職に就いたのが何人で、供給不足なのか?という観点から見る以外の評価は無いだろう。

それを、法科大学院を終了したが、司法試験に合格しないのが、四人中の三人だ、ということが問題だと言うのだろうか?
司法試験に合格しても、弁護士事務所に就職できない、新人弁護士というのが問題になっているのに、司法試験合格者(弁護士資格保有者)を増やすべきだ、と無条件に言えるものか?
その点を検討しているブログ「現行64期で初期登録しなかった人の数」には以下のように、分析されています。

就職状況について、継続的にチェックして公表いるのは、私だけのようなので、現行64期の就職状況について、独自調査した結果を報告させていただきます。

まず、現行64期の二回試験合格者は、161名ということのようです(185名受験して、24名の不合格者がでています。)。

裁判官の採用は4名ということでした。検察官は1名ということのようです。

弁護士については、例年私が個人的にチェックしていたのですが、今年はうっかりして、一斉登録時期にすぐにチェックすることができませんでした。9月9日現在では、64期は102名が検索されますので、102名は現在までに登録されているようです。

上記のような事情で若干不正確ではありますが、初期登録しなかった方は、161-102-4-1=54名ということになります。
合格者全体に占める初期未登録者の割合は、33.5%となります。現行63期の場合、合格者数195名のうち44名が初期登録時に法曹三者にはならなかったということで、その割合は22.6%だったわけですが、更に悪化し、最も悪い数字を更新してしまったことになります。

日弁連が公開している初期未登録者の数や二回試験合格者全体に占める割合に関する推移からしても、現行64期の就職状況が更に悪化したことは明らかです。
今年の新64期の就職も厳しい数字となることが懸念されます。

http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/110327_shiryou.pdf

しかるに、3分の1近くが法曹にならないということが常態化するという事態は異常です。
市場(人的な労働市場という意味での市場です。)の需要に合わせて、合格者の削減をせねばならないことは明らかです。

司法修習は、貴重な国費を使っていますし、裁判所や検察庁、各弁護士会も、人的物的資源の供給など大きな負担を背負っているということは、忘れられるべきではないと思います。
「司法改革」の見直しは、まずは合格者数の削減から始めるべきではないでしょうか。

読売新聞は、弁護士を増やせと言っているのに対して、白浜徹朗弁護士は「司法試験合格者を減らせ」と言っているのですから、ここまで見事に正反対の主張が衝突するのは珍しい、とすら言えます。

しかし、司法試験に合格して弁護士になれない人が1/3もいるというのは、とてもじゃないが司法試験合格者を増やすことに賛成できるものではありません。

大体司法試験合格者を三千人にする、という決定自体にまともな論拠はなかったようで、早い話がどんぶり勘定と言って良いでしょう。

需給関係という観点では、せいぜい十%が余るぐらいに制限した方が合理的でしょう。
1650人程度となります。

9月 15, 2011 at 07:03 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.08

山岡マルチ擁護消費者大臣

読売新聞より「消費者相、マルチから献金…4年で254万円

消費者被害を防ぎ業者を監督する立場の山岡消費者相が、マルチ商法(連鎖販売取引)の業者やその業界団体から計254万円の献金を受けていたことが分かった。

山岡氏は同業界を支援する議員連盟の会長を務めていたこともあり、識者からは「献金を受けたまま監督官庁のトップにいることは問題ではないか」との声が上がっている。

政治資金収支報告書によると、山岡氏が代表を務める政党支部「民主党栃木県第4区総支部」は2005~08年、東京都内のマルチ商法業者2社と、業者らの政治団体「ネットワークビジネス推進連盟」(旧「流通ビジネス推進政治連盟」)から計206万円の献金を受けていた。

山岡氏の資金管理団体「賢友会」も、主催するセミナーの参加費などとして、同団体から少なくとも07年に48万円を受け取っていた。

違法なネズミ講(無限連鎖講)と違い、商品などの販売者が代理店形式で次の販売員を勧誘すると収入が得られるマルチ商法は「ネットワークビジネス」とも呼ばれ合法だが、勧誘方法などを巡ってトラブルが多く、国民生活センターなどには苦情や相談が06~10年だけで9万件以上寄せられている。
販売目的を隠した勧誘などは、消費者庁が所管する特定商取引法で禁じられている。

(2011年9月8日03時07分 読売新聞)

そもそも、ずっと以前から「マルチ商法擁護はけしからん」と批判があった人物で、それが消費者大臣とは、悪い冗談だとしても度が過ぎる。

マルチ商法は、現実の勧誘などで多くの問題を起こしていることを別にしても、根本的に経済合理性に反しています。
だから増えない。

しかし、山岡氏はそれを無視して推進しているわけで、頭の中身がどうなっているのか?と思わざるを得ません。
全く話しは別ですが、鳩山元首相が「代替医療推進」などと言っていたのも、合理性が全くありません。

これらの「問題」は個別には、良いところもあります。
しかし、社会全体としてみると、不合理でありコストアップ要因になります。

政治家として、そこらの判断がまともでない、というのは非常にまずい。
怪しげな宗教家ならとにかく、行政を動かしうる人なのだから、不合理な考えに固執するような人物は、政治の世界から排除するべきです。

9月 8, 2011 at 11:20 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.08.17

療養費の通知書の作り方にビックリ

朝日新聞より「療養費支給額「3兆円」 都広域連合がケタ違いのミス

東京都の区市町村で構成する都後期高齢者医療広域連合は、療養費の通知書1万879通について、実際の支給額より数十億倍も高い額が誤記された書面を送付した、と16日に発表した。

実際の支給額は1351円なのに、ゼロが10個余分に付いて数字も変わり、「3510000000000」、つまり3兆5100億円と誤記された例もあったという。

同広域連合企画調整課によると、誤記が見つかったのは後期高齢者医療制度にもとづく高額療養費の4月分の支給決定通知書。15日に発送した5万4009通のうち、大田区の一部と足立、葛飾、江戸川各区の対象者全員に送る分で誤りがあった。
誤記された人にも実際は正しい額が支給されているという。

同広域連合によると、通知書を作る際、職員がパソコン操作を誤った。

支給額欄には13桁の数字を入れることになっているが、1351円を支給する場合も千の位の「1」の前にゼロを9個入力しなければならないのに入力し忘れ、データ処理の過程で千の位の「1」が消えてゼロが後ろに10個加えられたという。

支給の日付も「8月」の場合「08」と入力すべきなのにゼロを入力し忘れたため「80月」と記載された例が多いという。

支給額欄には13桁の数字を入れることになっているが、1351円を支給する場合も千の位の「1」の前にゼロを9個入力しなければならない

つまり、1351円を入力するのには「0000000001351」と入力することになります。

COBOLの入力ですかね?
今どきこんな入力方法が残っていることに驚きます。

それにしても、通知書作成で数字の再入力をする必要があるものなのか?
なんか、わざわざ面倒な仕事を作ってコストを掛けているようにしか見えませんがね。

8月 17, 2011 at 07:22 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.08.09

取り調べの可視化拡大か?

読売新聞より「取り調べ可視化、否認事件にも…法相指示

犯罪捜査の取り調べの録音・録画(可視化)のあり方を検討してきた法務省は8日、

「可視化を制度化することはぜひとも必要で、法務省として責任を持って実現しなければならない」
とする方針を発表した。

また、江田法相は同日、裁判員裁判対象事件の自白事件で行われている一部可視化について、否認事件にも広げ、裁判員対象の全事件で試行的に実施することなどを笠間治雄検事総長に指示した。
指示は検察庁法で定める一般的な指揮にあたるが、法相が検事総長に直接行うのは異例。

同省は2009年10月、当時の千葉法相のもとで省内勉強会を設置し、海外の制度や国内の取り調べの状況を調査するなど、可視化の制度化について検討を続けてきた。

「被疑者取り調べの可視化の実現に向けて」と題されたこの日の方針は、同省が同日公表した勉強会の最終報告を踏まえたもので、同省の最終見解にあたる。

方針は、法制審議会(法相の諮問機関)の特別部会で可視化の法制化の検討が始まっている点に触れ、

「できる限り速やかに答申を受け、制度としての可視化を実現する」
とした。

(2011年8月9日03時03分 読売新聞)

日テレNEWS24 より「取り調べ可視化「一律義務付け適当でない」

< 2011年8月8日 22:17 >

法務省は8日、取り調べの録音・録画の在り方に関する省内の検討結果を公表した。

取り調べの全ての過程での録音・録画については、

「一律に義務付けるのは適当ではない」
としている。

法務省の検討結果では、どのような事件で録音・録画を行うかについて、裁判員裁判の対象事件のうち、容疑者の身柄が拘束されているケースが対象になるとしている。

一方、取り調べの全ての過程での録音・録画については「一律に義務付けるのは適当ではない」とした上で、「必要性と捜査などへの支障との間でバランスの取れた制度が必要」との考えをまとめた。

また、今後の法制審議会での議論のため、検察が行っている録音・録画の対象を否認事件などにも拡大し、多角的な検証を行うべきだとして、笠間検事総長に対応を指示した。

この二つのニュースはタイトルだけ見ると、全く正反対のことを伝えているかのように感じます。

日テレNEWS24 の方が、精密な報道のようです。
非常に分かりにくいのが、録音録画の拡大を図るとしても、現在の運用がどうなっているのかが分からないので、一方で拡大するとし、他方で取り調べの全過程への義務づけは適当ではない、というのはアクセルを踏みつつブレーキを踏んでいるかのようで、論理としては正しくても、実感を持って伝わってこないのです。

録音録画については、わたしは賛成派なのですが、反対派の論拠が「こんな場合にはダメだ」ということばかりであって、結局は反対派が「完璧でないからダメ」と主張するのは一見もっともなようですが、元々がえん罪の防止が目的です。
えん罪は、取り調べが完璧でないから起きるのは自明のことで、それを録音録画によって改善しようという試みに対して、「完璧でないから、今の方がまだマシだ」という論理は通用しないでしょう。

そして、一部で実験した結果が、今回の「より拡大」の方針になったのは、ある意味で当たり前であって、次の段階としては「あらゆる捜査段階での録音録画」を試行するべきでしょう。

これは、「質と量」の問題のように感じられます。

機械的に録音録画をすると、その結果として取り調べの技術としての職人技が発揮できなくなる可能性はあるでしょう。結果として、取り調べの質的レベルが下がる可能性はある。

しかし、いわば機械的にチェックしているのだから、バラツキは防止できるはずです。
つまり、取り調べ技術レベルのピークは下がるかもしれないが、失敗も減るはずでケットして取り調べ成功の件数が増えると思われます。

機械的に記録することで、捜査側が余分な配慮をしないで、取り調べそのものに集中できるといった指摘は以前からありました。
想像していたよりは、録音録画の拡大が速いと感じています。制度化を急ぐべきだという事なのでしょう。

8月 9, 2011 at 10:21 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.27

検察官も可視化は効果あり

読売新聞より「取り調べ可視化、検事の8割が「効果あり」

法務省が全国の検事を対象に、取り調べの録音・録画(可視化)に関するアンケート調査を実施した結果、可視化によって適正な取り調べの確保に効果があると答えた検事が8割近くに上ることが分かった。

一方、可視化で容疑者が真相を供述しづらくなることを懸念する検事も9割に達した。

同省は可視化に関する見解を8月にまとめる方針だが、半数近い約500人が、罪を認めた場合に求刑を軽くする「司法取引」の導入の必要性を指摘しており、新たな捜査手法の導入が今後の焦点となる可能性がある。

同省は2009年10月、法相らによる可視化の省内勉強会を設置した。アンケートは、国内外で行われている可視化の状況調査の一環で実施され、今月中旬の勉強会で報告された。

(2011年7月27日14時38分 読売新聞)

現場から、効果ありという判断が出てきたのだから、部分的にでも次の段階として、「完全可視化体制」をテストしてみれば良い思います。

「可視化で容疑者が真相を供述しづらくなる」というのは、懸念があるとしても、本当に「しずらくなる」のかは判りませんよね。
「しずらくなる」というのは、相対的な程度問題なのだから、多数例の比較でもしない限り分からないまま。
懸念材料いえば言えるけど、逆に「可視化によって、供述しやすくなる」も考え得ることですから、あまり意味がないように思います。
むしろ、録画の技術レベルを上げるのにはどうするのか?といった議論が必要でしょう。

真相解明のために、司法取引は必要でしょう。
特に、事故調査において、真相を隠した方が罪が軽くなる、というのでは事故原因究明をさせない、というのと同義語です。

7月 27, 2011 at 04:21 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.26

首相も経産相も役所も、現在の状況に適応できない。

毎日新聞より「海江田経産相:電力需給情報開示 首相との相互不信に拍車

海江田万里経済産業相は25日の参院予算委員会で、菅直人首相が経産省に対し電力需給に関するすべての情報を開示するよう文書で求めたことについて「持っている情報を隠し立てしたことは一度もない」と批判した。

外部からの情報公開請求に担当府省が応じないケースがしばしば問題になるが、首相が特定の府省に情報開示の指示文書を突きつけるのは異例。
電力不足が全国的に広がるなかで、所管大臣の海江田氏と首相との相互不信に拍車がかかっている。

問題の文書は首相が内閣官房の国家戦略室に指示して作成させた。「脱原発」を打ち出した首相は民間企業の自家発電や水力発電による「埋蔵電力」を需給計画に組み込みたい考え。経産省が「自家発電の余剰分は160万キロワット」と報告すると、首相は「そんなに少ないはずがない」と激怒し、詳細なデータを提出するよう求めた。

「経産省から話を聞く中で明確にならなかった点について、国家戦略室のスタッフがもう少し具体的に示してもらいたいとの趣旨で出した」

首相は25日の参院予算委で、情報開示を求めた経緯を説明したが、背景に官民挙げて原発を推進してきた経産省への不信感があるのは明らか。同省内からは「どうすれば信じてくれるのか分からない」との不満も漏れる。

海江田氏は答弁で「(指示を)文書でいただいたが、これまでと同じようにしっかりと(情報を)出すつもりだ」と情報隠しを強く否定。加藤修一氏(公明)が「隠し玉、埋蔵電力はないのか」とただすと、「そういう言葉を使う人の中には、何か隠しているんじゃないかという思いがあって使う人がいる」と述べ、経産省の報告を信用しない首相の姿勢を暗に批判した。

海江田氏は九州電力玄海原発の再稼働を首相に止められ、「いずれ責任を取る」と辞任の可能性も示唆。首相はその後も政府内調整なしの「脱原発」会見など海江田氏の面目をつぶすような振る舞いを続けており、野党は「閣内の意思疎通が全くとれていない」と政権批判を一層強めている。【西田進一郎】

経産省が「自家発電の余剰分は160万キロワット」と報告すると、首相は「そんなに少ないはずがない」と激怒し、詳細なデータを提出するよう求めた。

こんな具合に「怒って」も意味無いでしょう。

この問題に直結するのか分かりませんが、日本では行政というか日本国の運営自体が、縦型というかカスケード構造を良しとしていて、平行して別のところで同じことをする、という仕組み自体がありません。
仮にそういう仕組みを作っても「上なのか下なのか」とやってしまう。

原発問題を例にしても、「推進するのか、廃止するのか」という白黒しかない、のは日本全体に広がっている構図です。

これ自体は決定の問題だから良いように見えますが、代替案といったものやメリット対デメリットといったものを総合して考える機能自体が無くなってしまっている。

そこらを総合的に考えよう、と近年注目されているのが畑村先生の「失敗学」とか、中西準子先生の「リスクマネジメント」でしょう。

では、今までの行政ではこのような事を全くやっていなかったのか?と言うと、じつはお役人は非常に有能なので「全く正反対の報告書を作れる」などと以前から言われていました。
いかにも、日本的なさじ加減の世界だったのだな、と感じます。

こんな、いい加減なことをやっているから、公害問題についての広範囲な検討も、何年経っても変わらない。
同じことを繰り返しています。

そうこうしているうちに、どんどんと「有用だ」とされるものだけが残って、それ以外消えていくからますます社会は余裕が無くなってくる。

わたし自身は、「反団地運動」を展開するべきだと思っています。

団地といっても住宅団地だけを指すのではなく、工業団地なども対象にします。

大昔の事になりますが「杉並ゴミ戦争」というのがありました。
これは、本質的に「自宅のそばにゴミ処理工場を置くな」というもので、「そばに置くな」だから「他所に持っていけ」これでは、衝突になって当然でなぜその当然のことが大運動に出来たのかが今でも不思議です。

幼稚園児のいる家庭は、近くに幼稚園が必要と言い、病院や葬儀場などを嫌悪する傾向があります。
これが、高齢者の多い地区になると、幼稚園はうるさいと嫌われます。

この事自体は、当たり前ですが団地化すると年代が揃ってしまいます。つまり社会が単純化します。
団地化の目的は、単純化によってコストダウンを図るもので、言葉を変えれば「問題の先送り」でありましょう。

社会は多様化していて当然であって、商店街、住宅、工場、農場、病院、葬祭場、刑務所、学校などが同一地区にある方が本来の社会のあり方である、と思っています。

首相と経産相のケンカは、単純化しすぎの社会にしか適応できない人たちの、バカなケンカなのだと思います。

7月 26, 2011 at 01:07 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.24

海江田妄言大臣は解任しかない

朝日新聞より「「線量計つけず作業、日本人の誇り」 海江田氏が称賛

海江田万里経済産業相は23日のテレビ東京の番組で、東京電力福島第一原子力発電所事故後の作業に関連し、

「現場の人たちは線量計をつけて入ると(線量が)上がって法律では働けなくなるから、線量計を置いて入った人がたくさんいる」
と明らかにした。
「頑張ってくれた現場の人は尊いし、日本人が誇っていい」
と称賛する美談として述べた。

番組終了後、記者団に対し、線量計なしで作業した日時は確かでないとしたうえで、

「勇気のある人たちという話として聞いた。今はそんなことやっていない。決して勧められることではない
と語った。

労働安全衛生法では、原発で働く作業員らの健康管理に関連し、緊急作業時に作業員は被曝(ひばく)線量の測定装置を身につけて線量を計るよう義務づけられている。

作業員らが被曝線量の測定装置をつけずに作業をしていたのなら、法違反にあたる。厚生労働省は、多くの作業員に線量計を持たせずに作業をさせたとして5月30日付で東電に対し、労働安全衛生法違反だとして是正勧告している。

これは、即時解任しかないだろう。

何が問題かというと、

「法律を守らない方がよい」
といっている点だ。

こんな事を言っていたら、「殺人の理由も分かる」とか、その時々の事情に合わせて、勝手に解釈することを許すことになってしまう。
それは社会が何千年も掛けて法律を整備してきたこと自体に対する裏切りであって、良き市民として許されざる態度だ。
それが大臣をやっている、というのでは近代どころか、有史以前の国家になってしまう。

ここまで、最悪の大臣があっただろうか?

丁度、オスロで大量殺人事件があったが、この犯人像はキリスト教原理主義者だと言われている。
こういう場合、「教義は分かる」とか言い出すだろう、という危惧を感じるわけで、政治は社会の指針を作るものであるから、このような人物は政界から追放するべきである。

7月 24, 2011 at 09:43 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.12

PCや携帯電話でも受信料徴収するべき

読売新聞より「ネット視聴でも受信料徴収、NHK調査会が答申

NHK会長の諮問機関「NHK受信料制度等専門調査会」(座長=安藤英義専修大商学部教授)は12日、インターネットで番組を見ている世帯からも受信料を徴収する方向性を打ち出すなど、新たな受信料制度に関する答申をまとめた。

答申は、地上放送と衛星放送を将来的にNHKの一体的なサービスとし、地上・衛星契約を一本化した「総合的な受信料」に集約させる手法を「有力な選択肢」としている。

また、NHKの業務は放送法上、原則的に放送事業に限られているが「NHKはインターネットでも『放送』で果たしてきた役割・機能を提供できる」と指摘。

受信料を財源として、インターネットに番組を送信する考え方を提示した。

その上で、テレビがなくてもインターネット経由の受信機で番組を見ることの出来る世帯が判明した場合「新たな受信料体系に組み入れ、受信料支払い対象者に追加する」と提案している。

(2011年7月12日20時02分 読売新聞)

いよいよ出てきたか、と感じますね。
しかし、本気でこんなことができると思っているのかね?

元もと、放送法が電波放送を対象とした法律だったので、CATVを対象とする「有線テレビジョン放送法」なんて法律を作っていたのですが、それらを放送法に統一してしまいました。

電波による放送に限定されなくなったから、インターネットでも受信料、と言い出しているわけです。

携帯電話機に、ワンセク受信能力がありますが、これも対象です。

簡単言えば「受信料を払わない理由を無くした」ということなのでしょうが、「やり過ぎだろう」という感じも大きいです。

7月 12, 2011 at 09:16 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2011.03.09

四万十町の選挙で

高知新聞より「当選議員が棄権者叱責 1月の四万十町議選

2011年03月09日08時33分

1月30日に投開票が行われた高岡郡四万十町の町議会議員選挙で、当選した議員(68)の後援会長を務める男性(74)が、投票所の「投票立会人」となっていた上、同日夜に議員の自宅で開かれた祝賀の酒席に出席し、議員に特定の有権者名を挙げ

「投票所で顔を見なかった」と伝えていた
ことが3月8日までに高知新聞社の調べで分かった。

議員は翌日、その有権者宅で、投票に来なかったことを叱責(しっせき)していた。

2人の行動は「投票の秘密は、これを侵してはならない」などと定めた憲法第15条に反し、自由な選挙を妨害する行為として批判を浴びそうだ。

四万十町選挙管理委員会が発表している情報が見つからず、よく分からないのですが、有権者は16,782人で、町議会議員の定数が20人らしいです。

これでは、投票率を60%と仮定すると、投票総数が1万票しかない。
それを20人で機械的に割ると、一人の議員あたり500票だとなります。

これでは、誰が投票に来たのかは丸わかりで、それが後援者だったら「なぜ来なかった」とかなるでしょうなあ~。

まあ、この議員が有権者宅に「投票に来なかった」と叱責した、というのが痛すぎます。

四万十町の全人口は、19,625人となっています。
人口2万人で、議員が20人というのは、議会制民主主義としては限界ではないだろうか?
議員数を減らすのか、合併で自治体としての人口を増やすのか、という観点から考えるべき問題だと思う。
単に「法律違反だ」とか言い出すと、地域として住みにくくなる方向に向かうような気がする。

3月 9, 2011 at 12:08 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.02.21

高速フェリーの軍事転用・小説そのものだわ

サンケイ新聞より「フェリーを高速輸送艦に 防衛省が転用検討 離島奪還で陸自輸送の切り札

防衛省が、民間フェリーを高速輸送艦として転用することを検討していることが20日、分かった。

中国による東シナ海の離島侵攻の脅威が高まる中、新規建造はコスト高で困難なため、転用によって、奪還作戦で陸上自衛隊部隊を機動展開させる際の輸送手段の「切り札」として位置づけている。

高速輸送艦は在日米軍再編に関する平成17年の日米合意で導入が明記された。

転用を検討しているのは「津軽海峡フェリー」(北海道函館市)が2隻所有する高速フェリー。
全長112メートル、時速約67キロの双胴型で高速フェリーとしては世界最大級。乗客774人、トラック33台、乗用車195台を運べる。

Up

同社は1隻約90億円で購入し、青森-函館間で運航させたが、燃料高騰による赤字で20年10月から運航を休止している。

東シナ海での島嶼(とうしょ)奪還作戦では、西部方面普通科連隊(長崎県)が中核となる。西普連は隊員約600人で、同社のフェリーは輸送能力を満たす。
高機動車や軽装甲機動車といった装備も搭載可能だ。

昨年12月の「防衛計画の大綱」は「(島嶼攻撃には)機動運用可能な部隊を迅速に展開」と明記した。
だが展開させる輸送手段が担保されていない重大な問題点を抱えていた。

防衛省では民間フェリーの転用でその穴を埋め、本州の部隊を南西方面に展開させる「スイング戦略」の輸送手段としても有効と判断している。

また、東南アジアをはじめ海外での災害時、国際緊急援助活動に部隊を派遣する際にも活用を想定する。

在沖縄米海兵隊は日本本土や西太平洋に展開する際、オーストラリアの民間高速フェリーをチャーターし、高速輸送艦として利用している。

自衛隊がフェリーを導入して海兵隊の輸送機能を代替すれば、本土への訓練移転拡充を米側に求める交渉材料になる。

転用を図るフェリーについて中国が購入に興味を示しているとの情報もあるため、防衛省は検討を急いでいる。
6月までに結論を出し、24年度予算案概算要求にも盛り込みたい考えだ。

写真を見ただけでも、すごい形の船なので、ちょっと検索してみました。
ウィキペディアの記事「ナッチャンWorld

ナッチャンWorldはナッチャンReraに続く双胴式の高速フェリーとして、オーストラリアのインキャット社ホーバート造船所で建造された。

同社の112m級ウェーブ・ピアーサー2 番船で、船体番号は065。

Up1

青森港 - 函館港間をおよそ夏季1時間45分、冬季2時間15分、深夜便2時間30分で結んだ。船体には、2007年11月に「パレード」をテーマとして児童より公募したイラスト538点の中から選ばれた恐竜や海の生物など18作品が描かれている。

2008年2月19日に進水し、4月3日に公試、同月8日に完成記念式典が行われた。その後、同月10日にオーストラリアを出航、ブリスベンを経由して17日の午前7時に函館に到着した。就航に先立つ4月30日には函館港に停泊中の船内でテロ対処訓練が行われたが、この訓練は同年7月7日から9日にかけて開催される北海道洞爺湖サミットに備えたもので、北海道警察と東日本フェリーが合同で実施した。

就航式は同年5月2日に青森市の青森高速船ターミナルで行われ、同時に函館港開港150周年記念イベント「津軽海峡・海と大空のフェスティバル」が開催された。また、本船の就航に合わせて青森フェリー埠頭では新しいターミナルビルと搭乗橋の使用が開始された。

しかし同年8月4日、東日本フェリーは原油高にともなう燃料高騰を理由として、運賃の3割値上げと秋・冬季の減便を発表した(これにより1日6往復12便運航されている便数が9月から4往復8便、11月から2往復4便に減少することになった)。さらに同年9月8日、燃料高騰の影響によりナッチャンRera・Worldの函館 - 青森航路と在来船で運航している函館から青森、室蘭、大間への3航路の合計で本年度49億円の赤字が見込まれることから、同年11月末をもって国内フェリー事業から撤退することを発表するとともに、2隻の高速フェリーは同年11月1日から運航を休止した[1]。

その後は青森・函館の両港に係船されていたが2009年3月、函館開港150周年記念事業のPRのために、同じく開港150周年を迎える横浜港の大さん橋で展示された[2]。また、東日本フェリーから青函航路を承継した道南自動車フェリー(現・津軽海峡フェリー)が国土交通省への期間限定での運航申請が2009年5月20日に認可され、同年7月18日から9月30日までの期間限定で青森港 - 函館港の間を運航した(地元漁協に配慮し減速して運航したため、両港間の所要時間は2時間45分となった)。さらに、2010年も7月17日から10月 31日までの期間限定で運航している。

ウエーブ・ピアーサー型というのは、ウィキペディアの記事中の写真のように水面下に伸びる先端がある船型のことです。

ディーゼルエンジン、ウォータージェット推進、最大36ノット、アルミ合金製、総トン数1万712トン。

これでフェリーですから、軍事輸送にはピッタリと言えるでしょう。

しかし、わたしには「これでは大石英司の小説世界じゃないか」と思うわけであります(^_^;)
すでにご本人がblog で取り上げています。

※ フェリーを高速輸送艦に 防衛省が転用検討 離島奪還で陸自輸送の切り札
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110221/plc11022101000000-n1.htm

 これって「ナッチャン」のことですよね。いきなり1万トンですか。アルミ軽合金製というのがあれだけど(戦車を積めるような強度はあり?)。これでシーデビル以来久しぶりにウェーブピアサーの表紙イラストを描いて貰えるかも(^_^;)。島嶼防衛と言わず、東南アジア方面の災害派遣に転用すれば活躍しますよ。ただ産経お得意のアドバルーンで無ければ良いですが。
 早速、あんな部隊やこんな部隊を乗せて、目指せ! 上海w

サンケイ新聞が「中国が購入に興味を示しているとの情報もあるため、防衛省は検討を急いでいる。」と書いていますから、牽制の意味では有効な記事なのかもしれません。

まあ、軍事技術は第二次大戦ぐらいまでは、飛び抜けてハイテクという位置づけでありましたが、どんどん民需との区別がなくなり、民需の方が性能が高くて有用、という時代になってしまいました。

その意味では、直接兵器以外の品物については、民間品の転用は行うべきでしょう。
1980年代には「なんで軍需品は単価が高いのか?」という批判本が出てました。

そんな流れからすると、実現性はそこそこ高いかと思います。
これで、鳩山前首相が大反対すれば、予想通りと言ったところでしょうか?

2月 21, 2011 at 10:41 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.02.12

こんなウイルス作成罪ならいらない。

毎日新聞より「ウイルス作成罪:3年以下懲役に 刑法改正案今国会提出へ

コンピューターウイルスを使ったサイバー犯罪を取り締まるための刑法改正について、法務省は9日、今の通常国会に提出する改正案の概要を民主党法務部門会議に提示した。

ウイルスの作成行為を直接罪に問える「ウイルス作成罪」の創設が柱だ。

改正案は、正当な理由なくウイルスを作成したり、ばらまいた場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金にする。

取得・保管した場合も2年以下の懲役または30万円以下の罰金を科す。

また、わいせつな画像データを不特定多数に電子メールで送信する行為も処罰対象に加えた。

コンピューターウイルスは複製が簡単で被害が容易に拡大する恐れがあることから、法務省は提供だけでなく作成そのものを処罰する必要性があると主張している。

サイバー犯罪を巡っては、警視庁が昨年、ファイルを勝手にタコやイカのイラストに書き換えてしまう「タコイカウイルス」を送りつけた会社員を器物損壊容疑で逮捕した。

相手のパソコンのハードディスクを使えなくしたという異例の容疑適用で、現行法での摘発の難しさが指摘されていた。【石川淳一】

ウイルス作成罪については制定が必要だと思うが、ワイセツ画像の送信なんてものが刑事罰に出来る道理があるとは思えない。

(正当な理由無しに)ウイルスの取得・保管を罰する、というのも非現実的だ。

タコイカウイルス事件の取り締まりに苦労したことが、「法律がないから」という理由は全くあてはまらないだろう。
タコイカウイルス事件を現行法の業務妨害の立証できないとはとうてい思えない。
取り締まりに苦労したというのは、結局のところ警察側のインターネットについてのスキルが低いから、ではないのか?

確かに「コンピュータウイルス行使罪」のような明確な法律はあった方が良いと考える事は出来るが、そういう風に法律を過度に細分化すると、融通が利かなくなる。

刑法には、「電子計算機損壊等業務妨害の罪」が定義されている。

第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)

人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、
若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、
又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、
又は使用目的に反する動作をさせて、
人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

これで十分だろう。

そもそも岡崎図書館事件のように、被害者側がコンピュータ技術についてインターネットに接続するべきではない、というレベルの場合の被害をどう解釈するのか?
まして、「保管した」など被害が発生していない状況での、取り締まりが現実的に意味をもつものなのか?
コンピュータウイルスとは何か、という定義が決まらないところで、取り締まり対象だけを広げていくと、「インターネット利用罪」を作ることになっていくだろう。

2月 12, 2011 at 11:41 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.02.05

青パト運用費としては、高すぎるのではないのか?

東京新聞より「「青パト」削減を中止 目黒区、殺傷事件を受け

2011年2月5日 07時07分

犯罪防止や安全対策で実施しているパトロール事業について、新年度から財政難に伴う縮小方針を決めていた東京都目黒区は、今年一月に区内で起きた夫婦殺傷事件を受けて方針を転換し、前年度並みを維持することにした。四日発表した二〇一一年度予算案に一億一千九百万円を計上した。

区は、防犯や安全対策のため、青色回転灯を付けた通称「青パト」の車で二十四時間、区内を巡回している。
○四年度からの事業で、本年度は全四台の車体を警察車両と同じ白黒に塗り替えて、犯罪抑止力の向上を図っていた。

一方で、区は○九年度の歳入が前年度から百億円も減少するなど財政が悪化。昨年十二月には新年度に向けた緊急財政対策として、三十六事業を廃止・縮小し、三十億円の財源を確保する方針を発表した。

この中でパトロール事業は、夜間・早朝時間帯の車を三から二台にして、一千万円を減額するはずだったが、一一年度は三台を維持し、不測の事態に備えて新たに全車両に刺股(さすまた)を配備することにした。

区は「財政は厳しいが、区民の不安に対応するため、緊急臨時的に予算を追加することにした」と説明している。
(東京新聞)

一件して美談のように見えますが、よくよく読むとかなり異様な話だと思えます。

夜間・早朝時間帯の車を三から二台にして、一千万円を減額するはずだった

つまり、夜間早朝の時間帯に、青パト一台を運用する経費が千万円だとなります。
要するに人件費ですよね。そして、3台が同時に動くとすると、夜間早朝で3千万円。もし、3交代制だとすると、9千万円。

青パト3台に年間1億円を使うのですか?
実際の予算計上は、1億1千900万円・・・・・。

どういう事なのでしょうか?
青パトは、結局は「火の用心」の巡回のようなものでしょう。それがこれほどの予算を投入しないと出来ないものなのか?
商店の配送車などが青パトをやっているところも多々あります。そういう形式で、これほどの費用が掛かるとは思えないし、そもそも作業効率として悪すぎるでしょう。
常識的には、直接運用費=人件費は300万円程度。多くて500万円で出来ると思います。

3台動かして、1億2千万円では自動車代が7%ぐらいにしかならない、6年も使う事にすれば、2%程度になってしまうでしょう。
一体どういう計算で、1億2千万円になるのだ?

2月 5, 2011 at 11:21 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.18

阿久根市・新市長が最初にやったこと

Google で「阿久根市」と入力してニュース検索をしてみた。
「報復人事だ」阿久根副市長解任の仙波氏ら集会読売新聞1時間前
選挙:阿久根市長選西平氏当選混乱市政のかじ取り託す/鹿児島毎日新聞7時間前
阿久根市長選住民は独善手法を拒んだ西日本新聞12時間前
阿久根市長室、久しぶりにベール脱ぐ西平新市長が指示朝日新聞13時間前
「専決は違法、見直す」阿久根新市長・西平氏、一問一答と公約MSN産経ニュース13時間前
解任の仙波副市長「フォローできず後悔…行革は見届ける」MSN産経ニュース13時間前
竹原色払拭、ボトムアップ呼び掛け阿久根新市長・西平氏MSN産経ニュース13時間前
西平・阿久根新市長、専決で副市長選任の仙波氏解任読売新聞13時間前
「改革の推進」46%が期待阿久根市長選出口調査朝日新聞14時間前
「正当なやり方で阿久根変えて」市民・知事の声朝日新聞14時間前

専決処分で任命されている副市長が新市長に解任されて「報復人事だ」というのは無理がありすぎ、と思いますね。
また、消防署の壁などの「壁画」を消すことを新市長が検討と伝えられて、これも騒動になりそうですが、問題の「壁画」はネット上でも「いかがなものか」とかなり批判的なトーンで話題が広まっているもので、まあ消す方が妥当でしょう。

結局のところ、前市長の独裁的な市政の部分については、是正されるのが当然であると思います。
議会制民主主義は、ベストではないかもしれないが、常にベターではあるはずだと思うのです。

1月 18, 2011 at 11:23 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.15

児童相談所の親権強化

東京新聞より「児童虐待防止 児相側の親権強化へ

2011年1月15日 朝刊

虐待防止などのため児童相談所が一時保護している子どもらについて、親が親権をたてに不当な主張を繰り返す場合に、児相側が必要な措置をとれるよう児相長の親権を強化する厚生労働省・専門委員会の報告書が来週中にもまとまる。

法相の諮問機関・法制審議会が創設することを決めた親の親権の最長二年間の停止と連動した改革で、同省は児童福祉法の改正案を通常国会に提出する方針。

同省によると、親が不当な主張をする場合

  • 児童養護施設に入所中の児童に施設長と里親が必要な措置がとれるようにする
  • 児童相談所に一時保護中の児童に対し、所長が必要な措置をとれるようにする
  • 一時保護中などで親権者がいない児童について児相長が機関の長として親権を行う
などが改革の柱。

現行法では、施設入所中の児童や里親中の児童に対する親権は施設長や里親が代行するが、親の親権とどちらが優先するか法律上、明確ではない。

また、一時保護中の児童については親権代行のような規定がなく、一時保護中などで親権者がいない児童の場合も誰が親権を行うかの定めがない。

このため、現場では児童に必要な手術を受けさせる場合や進学・進路の決定、携帯電話など生活上の契約など、親権者の同意なのに親が拒むケースがあり、支障が出ている。

同省は同法改正により、こうした事態を解消し、将来的に親権停止を行うほど重大な事案ではないが、親権が問題となる事態に対処していく方針という。

児童相談所について、具体的に知ったのは2004年の「ホームオブハート事件」の発端である、那須での児童相談所による「一時保護」でした。

その後も、色々な場面で児童福祉施設や法律に近づくことになって、2004年当時とはわたし自身の関心も全く別になってきました。

昨日、ある高校で「職業講話」をしてきたのですが、学校の説明に「片親の家庭も多い」との説明もありましたが、その中に「直接施設から通学している生徒もいる」とのことでした。

一昨年ですが、ある小学校でのもの作り教室では「生徒の写真を撮る場合に、写っている生徒を確認します」と初めから申し入れがありました。
当時は、写真をほとんど撮らなかったので「特に撮りませんが・・・」と返事したところ「通学していること自体を隠している生徒がいるのです」とのことで、これで「あ、シェルターから通っているのか」と理解しました。

現在のところ、子供が親から離れるために、自ら児童相談所に駆け込む、というのは法律的に無理なのです。
子供に対する親の権利(親権)は非常に強大で、記事中にあるような各種契約や医療(入院など)も「親の権利」となっているために「権利の名の下に放置」つまりネグレクトが起こりえます。

適切な教育を受けさせない、というのはカルト宗教系ではよく見られることですし、もっとひどくなると適切な医療を拒否する「医療ネグレクト」が起こります。

子供が医療を受ける権利を親が否定する、といった状況には現在のところ法律は無力なのです。
その意味では、児相の親権強化はかなり重要なポイントなのです。

1月 15, 2011 at 11:24 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.01.10

阿久根市・市議補選・無投票当選ではあるが

朝日新聞より「除名の2市議が無投票当選 阿久根の補選

2011年1月10日0時5分

阿久根市長選と同時に9日告示された市議補選(被選挙数2)には2人しか立候補を届け出ず、無投票当選が決まった。昨年の9月市議会で議場に立てこもるなど議事進行を妨害したとして除名処分を受け失職した前市議2人の欠員を埋める補選だったが、この2人が再び当選した。

2人は物産館経営の山田勝氏(65)と建設会社役員の牟田学氏(52)で、共に竹原信一前市長を支持してきた。

9月議会では別の竹原氏派市議2人と共に議場を封鎖。
竹原氏と対立する議長を羽交い締めにしたり突き飛ばしたりして議長席を占拠したため、昨年10月に除名処分を受けた。

同市議会(定数16)は反竹原氏派が多数を占めるため、山田氏と牟田氏は失職後、他の2市議らと共に議会解散の直接請求運動を進めた。解散の賛否を問う住民投票は2月20日に決定。

有効票の過半数が賛成なら議会は解散され、2人は再び失職する可能性もある。

山田氏は「今回の出馬は竹原氏の市長選応援のためだ。選挙運動が一日で終わったのは残念だ」と話した。

読売新聞より「出直し阿久根市長選、新人・前市長の一騎打ちに

解職請求(リコール)による住民投票で前市長が失職したことに伴う鹿児島県阿久根市の出直し市長選が9日告示された。

リコール運動を進めた市民団体の元監事で養鶏業の新人・西平良将氏(37)(無所属)と、3選を目指す前市長・竹原信一氏(51)(無所属)が立候補した。

議会を開かず専決処分を繰り返し、議会などと対立してきた「竹原流改革」の是非が争点。投開票は16日。

竹原氏は、議会から2度にわたり不信任案を可決され失職したが、09年5月の出直し市長選で再選。議会を招集せず、職員ボーナスの半減や議員報酬の日当制導入を専決処分するなどした。

昨年10月には、西平氏が所属する市民団体が、有権者の過半数に達する約1万人の署名を集めて解職請求し、12月の住民投票で僅差でリコールが成立した。
(2011年1月9日21時01分 読売新聞)

阿久根市の政治情勢は複雑怪奇とも言える状況で、市議補選の結果を報道されてもややしばらく考えてしまいました。
事実関係は、次の通りです。

2010年09月15日市長の解職を請求する署名簿が市選管に出される
2010年09月29日二市議が議場に立てこもり
2010年10月13日市長解職の住民投票が12月5日に決定
2010年10月18日市議会が、二市議を除名処分
2010年11月29日市議会のリコールを求める署名簿が市選管に出される
2010年12月05日市長リコールの住民投票。市長は即時解職。
2011年01月07日市議会リコールの本請求。
2011年01月16日市長選、市議補選の予定。
2011年02月20日市議会解散を求める住民投票の予定。

今回の二市議の無投票当選は、1月16日の市長選に併せて行われる、市議会議員補欠選挙の立候補者が失職した二前市議だけだったから、無投票当選になったわけです。

しかし、市議会のリコール投票が2月20日にあるので、2月20日で市議会が解散した場合、今回当選した議員は一ヶ月強の議員だとなります。

今後の動向は、1月16日の市長選挙で前市長が当選するのか、新人が当選するのかによって大きく左右されるでしょう。
前市長 vs 新人市長候補の対立は、そのまま市議会の対立になっているために、両方の選挙の結果は絶対数はとにかくとして、勢力分布が前市長と新市長(市長交代になった場合)の間で4段階の想定ができます。

阿久根市にとっては、とりあえず政治的な安定が必要であるように見えますが、市長と市議会の対立が激化する可能性も少なく無いように思えます。

1月 10, 2011 at 11:08 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.07

生駒市の二重民意制度?

サンケイ新聞より「事実上の「外国人参政権」市民投票条例案に抗議殺到 奈良・生駒

2011.1.7 14:34

奈良県生駒市が、市政の重要事項について市民の意思を直接問う「市民投票条例案」を、定住外国人にも投票権を付与する形で成立を目指していることが7日、分かった。

成立すれば事実上の「外国人地方参政権」が認められることになる。

同市は「あくまで民意を確認する手段で、参政権という認識ではない」としているが、市には電話やメールなどで1500件以上の苦情や抗議が殺到したといい、論議を呼んでいる。

専門家「違憲、姿なき浸透を許してしまう」

同市の条例案は、投票資格者の6分の1以上の署名が集まれば、市長に対し市政の重要事項の是非をめぐる市民投票を請求できる。投票結果(賛否)が全投票資格者の4分の1以上の場合は、市長や議会に尊重義務が生じる。

投票資格者は市内在住の男女18歳以上で、市内に3カ月以上居住する在日外国人や、在留資格を取得し国内に3年以上、市内に3カ月以上定住する外国人にも付与される。

重要事項は、病院や産廃施設の建設、学校統廃合などで、市長のリコールや議会の解散、憲法改正、外交、防衛などは対象外としている。昨年11月に山下真市長の諮問機関の市民自治推進会議が条例案をまとめ、市のホームページなどで公開。

市民に意見を求めるパブリックコメントを1カ月間実施したが、「外国人参政権を認めるのか」などと苦情が殺到した。

このため、当初は、市内で米軍基地が建設される構想があった場合、「市民の意思を明確に国に表明するための投票は可能」という条文が条例案に盛り込まれていたが、反発を受けて削除。

市は今後、パブリックコメントの意見を踏まえた同会議の答申を得て、3月の定例市議会に条例案を提出する方針だ。

同市によると、外国人に条例による投票権を認めているのは広島市や大阪府岸和田市、三重県名張市など全国に複数あり、同市市民活動推進課は「生駒市だけが特別ではない」としている。

山下市長は産経新聞の取材に「外交・安保などナーバスな話題が取り上げられるわけではない。身近な問題が中心で、国民主権と相反する問題ではない」とコメントしている。

外国人参政権に詳しい独立総合研究所社長・青山繁晴氏の話

「参政権は日本国民に限られ、外国人に投票権を与えることは違憲の疑いが濃厚だと考えている。生駒市の条例の場合、4分の1という少数の票を固めれば市政に大きな影響をもたらすことが可能になり、外国側の『姿なき浸透』を許してしまうきっかけになるのではないか」

根本的に有権者の枠の外に範囲を拡大する意味があるのだろうか?
また「あくまで民意を確認する手段で、参政権という認識ではない」と言っているが、それが、民意を行政などに反映させることが、政治に参加することそのものだろう。
参政権が20歳以上になっているのが問題だ、というほどの意味しかない。

つまり、論理がメチャクチャでどう転んでも批判しか出てこないような案であると思うのだが、何でこんなことになっていくのだろうか?

1月 7, 2011 at 08:10 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.06

阿久根市・ひどすぎる展開

読売新聞より「「専決処分は無効」阿久根市議会が抗議可決

鹿児島県阿久根市の市長職務代理者の仙波敏郎氏(61)が4日に行った専決処分について、市議会は6日、「議会開会中にもかかわらず専決処分したのは、地方自治法に違反し無効」とする抗議決議を可決した。

同時に、違法な専決処分が是正できるよう、国に法改正を求める意見書を提出することも決めた。

仙波氏は4日、一般会計と特別会計それぞれの補正予算計約1億5000万円分を専決処分した。
抗議決議では

「地方自治法179条に明確に違反している。二元代表制をないがしろにする暴挙で、権力の乱用による身勝手で極めて独裁的な行政手法」
と非難した。

また意見書では

「違法な専決処分は無効だが、地方自治法に是正措置は規定されていない」
とし、片山総務相らに罰則規定を設けることを求める。

浜之上大成議長は

「罰則規定がない現状では、違法な専決処分がまかり通ってしまう。ほかの自治体も他人事ではない」
と話した。
(2011年1月6日13時02分 読売新聞)

ものすごくまずいことになっていますね。

理屈としては、専決処分も決定だから直ちに是正することは出来ない、のは分かりますが専決処分が適性かどうか?についての判断基準が確実でないのだから、結果として何でもありになってしまいました。

原理的には、議会が専決処分を取り消す決定をすればよいはずですが、阿久根市では市長は議会の決議した条例を施行しない、というすごいことになっています。

はっきり言いまして、市長と行政側のやっていることは手続を無視しているという点で、テロリズムに通じるものがあるでしょう。

テロリズムや暴力は、それ以外で抑えることが非常に難しい、暴力が暴力を生むし無謀な行政は無謀な行政を生むでしょう。

今の日本でこんなことが起きていること自体にびっくりです。

1月 6, 2011 at 01:34 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.04

阿久根市・議会開催中に専決処分

読売新聞より「阿久根市、議会開会中でも専決処分…補正予算

鹿児島県阿久根市の市長職務代理者の仙波敏郎氏(61)は4日、一般会計と四つの特別会計で計約1億5000万円の補正予算を専決処分した。

市議会は9月議会の会期を今月21日まで延長しており、議会開会中の専決処分は異例。

9月議会の会期は当初、昨年11月24日までだったが、補正予算案の審議に対応するため昨年11月と12月、2度にわたり会期を延長。

仙波氏は「むやみな会期延長は違法」と補正予算案の提案を拒否した。

約6000万円の一般会計補正予算には、出直し市長選(今月9日告示、16日投開票)の経費や生活保護費などが含まれている。

浜之上大成議長は「議会は閉会していない。議会に予算案を提出すれば済むこと」と批判している。

地方自治法179条は、首長は議会を招集する時間的余裕がない時などに専決処分できると規定しているが、鹿児島大の平井一臣教授(政治学)は

「議会開会中の専決処分は聞いたことがない。議会が開会しようが閉会しようが関係なく、いつでも専決処分できることになり、(首長と議会の)二元代表制の否定につながりかねない」
と指摘している。

(2011年1月4日21時25分 読売新聞)

なんか来るところまで来てしまった、という感じですね。

そもそも、議会が会期を延長したことに対して、市長が「会期延長が違法だ」ということ自体がよく分からないですね。
市長の提案が、市議会で否決されるから、専決処分にした、と見えるわけでこれでは話にならないわけですが、どうなるのでしょうか?

1月 4, 2011 at 10:04 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.01.03

青木愛議員の旧式選挙?

毎日新聞より「青木愛議員:事務所が都議らに現金 公選法抵触か

民主党の青木愛衆院議員(東京12区)の事務所が主に09年夏の衆院選直前、選挙区内の都議や区議ら9個人・団体に147万円余を提供していたことが毎日新聞の入手した領収書のコピーなどで分かった。

支出名目は「労務費」で、青木氏の事務所は個別の支出を政治資金収支報告書に記載せず、一括計上できる人件費として処理したとみられ、「正当な労働の対価として適切に処理した」と説明する。

だが、一部の区議は「労働の対価」を否定し、青木氏の選対関係者も「金を渡すことで議員の支援を受けることが目的で、名目はどうでもよかった」と証言した。

公職選挙法では選挙区内の有権者に現金を渡す「寄付行為」を禁じている上、票のとりまとめなどを依頼した場合は「買収行為」に当たる。

専門家は「労務費名目でも実態がなければ公選法違反の疑いが強い」と指摘しており、青木氏側の説明が求められそうだ。

毎日新聞が入手したのは青木氏の資金管理団体「桜下塾研究会」宛ての領収書計12通。

選挙区内の北区選出の都議の後援会事務所と別の都議の親族、北区議5人と候補1人、足立区議1人の計9個人・団体が計147万5500円を受領したと記されていた。

12枚のうち9枚の日付は09年7月30日から公示前日の8月17日。2枚は8月とだけ書かれ、1枚は日付がなかった。

桜下塾の09年の政治資金収支報告書には9人の側への支出が分かる記載はなく、選挙運動費用報告書にも記載はなかった。

青木氏が代表の「民主党東京都第12区総支部」には6月17日~7月22日に9人のうち6人への寄付などの記載があるが、金額や時期が違う。

9人のうち金額が最多の原田大都議は「新聞には答えない」と取材を拒否し、残る8人は領収書にサインしたことを認めた。

原田都議は後援会の収支報告書に一部を収入として計上したが、支出者は未記載だった。
ほかはいずれも資金管理団体や関係政治団体に記載はなかった。

また、9人中4人は「ポスター張りや事務所の手伝いの謝礼や経費」と説明したが、鈴木隆司北区議は「労働の対価ではない。(受領の)理由は覚えていない」とし、花見隆同区議は「労務費とは理解してなく、選挙時に一律に配られる資金だと思っていた」と語った。

青木氏の選挙に関わった選対幹部は

「(名目は)ポスターやチラシを配った謝礼だが、地元議員たちが実際にやったかどうかは分からない。彼らを(選挙運動の手足として)押さえるのが目的で、名目や実態はどうでもよかった」
と証言した。

青木氏の事務所は

「労務費支払いに関しては桜下塾の09年分の収支報告で適切に処理している。正当な労働の対価としての支払い」
と文書で回答した。具体的な労務内容について説明はなかった。【杉本修作、町田徳丈、松谷譲二】

◆青木氏側からの資金提供◆

毎日新聞 2011年1月3日 2時30分

なんというか、反小沢があからさまで笑ってしまうところですが、それにしても「労務費」とは驚いた。
なんで「労務費」で計上したのだろうか?政治資金のやりとりは政治家と政治団体間ではごく普通のことで、青木議員の政治団体が区議に政治資金を渡した、という手続にすれば問題は無い。
つまり帳簿上の処理の問題に過ぎないわけです。

相手が区議つまり政治家だから、政治資金で処理できますが、これを一般人を対象にお金を渡すとストレートに買収になってしまいます。

こうなると、政治家に労務費として支払ったのだから、一般人にも「労務費」名目で支払っているのではないのか?と考えてしまいますね。

何度も取り上げているように、選挙を手伝ってくれた学生に弁当代を出しても買収になります。
選挙の手伝いは、無償でなければならない。
その原則から外れるのが、運転手、ウグイス、労務費なのです。

では、選挙運動で該当に繰り出すのは労務費の対象にならないのか?となりますが、選挙における労務とは本質的に事務所の掃除などの作業であって、選挙運動そのもの以外だとされています。
だから、選挙の実務としては労務費を支払う対象を限定するのに大変な手間が掛かるから、きわめて使いにくい項目なのです。
むしろ口説き落として、無償で手伝ってくれる人をそろえる方に力を注いだ方がベターです。

そんな実務的感覚から見ると、青木議員が選挙素人であったことを割り引いても、なんかすごく古い感覚の選挙スタッフが仕切っていたのだろうと思います。

1月 3, 2011 at 12:38 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.12.28

渋谷区教育委員会の情報非公開決定の程度

毎日新聞より「渋谷区教委:ブログの「中傷」恐れ、給食費情報非公開

東京都渋谷区教育委員会が、市民団体メンバーの情報公開請求に対し「文書を開示した場合、ブログやメディアで『中傷』される恐れがある」として非公開の決定をしていたことが分かった。
専門家からは「誰にでも平等に情報を公開するという制度の趣旨に反している」との指摘が出ている。【日下部聡】

請求したのは「渋谷オンブズマン」の堀切稔仁事務局長(42)。

堀切氏によると同オンブズマンは、区立中学1校の給食に関し、「給食費に比べて食材が粗末だ」などとして、会計に不透明な点があるとみて調査を進めている。

この問題に関する会合があったとみられる、昨年9~12月の区教委職員、全区立中校長・副校長らの「旅行命令簿」など出張の記録を9月8日に情報公開請求したが、今月16日にすべて非公開との決定が出た。

区教委の通知書は、

「請求人所属団体のブログは、保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗(ひぼう)中傷する記事及びコメントが掲載されている」
などと指摘。
公開請求の権利乱用を戒め、得た情報の適正使用を定めた区情報公開条例に違反するとして、非公開にしたと説明している。

さらに、

「一部メディア」に同様の記事が掲載され、学校現場が混乱し、「正常な学校運営に支障を及ぼす」
ことなども理由に挙げている。

同オンブズマンのブログには、保護者や卒業生と学校側のやり取りが校長、教諭らの実名を挙げて記載されている。
また、この経緯を週刊誌「週刊金曜日」が記事にした。

堀切事務局長は

「ブログに書いたのは調査の結果であり、誹謗中傷ではない。別件で区は旅行命令簿を開示しており、区教委は都合の悪い事実を隠そうとしているとしか思えない」
と話しており、非公開決定取り消しを求めて提訴する考えを示した。

区教委は

「通知書に書いた通り。あくまでも条例に適合するかどうかで判断した」
(庶務課)と説明している。

山田健太専修大准教授(言論法)は

「どんな人に対しても、請求の目的を問わずに開示するのが情報公開制度の原則。
目的を理由に非公開とするのは制度の本旨に反している。
個別の情報を審査せずに全体を非公開とするのもおかしい。(区教委は)制度をよく理解していないと思わざるを得ない」
と話している。

毎日新聞 2010年12月28日 15時00分(最終更新 12月28日 17時16分)

イタタタタ・・・・という感想です。

相手がこう使うから、情報公開しない、というのは情報公開ではないですね。
なんでこんなやっかいなことになるような、判断が出来るのだろう?

まあ、尖閣ビデオ隠し事件も出てきてみたら「この程度のモノの何が問題なのだ?」ということになったわけで、どうも日本はものの見方が浅薄になってきていますね。

12月 28, 2010 at 06:16 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.12.18

就職できない学生へのアドバイスを議会で聞くとは?

読売新聞より「就職未定学生「反省を」「コネ使え」…長野市長

長野市議会の12月定例会の一般質問で、就職先の決まらない学生に対するアドバイスを求められた鷲沢正一市長が「一番大事なのは反省すること」などと述べた。

共産党市議団は16日、「市長として不適当」として発言の取り消しを求める申し入れ書を提出した。

鷲沢市長は10日の答弁で、

「就職活動をしたことがなく、私が答えるのは不適当」とした上で、
「社会に文句を言っても何のプラスにもならない」
「自ら反省することで、自分は何を求めているか、あらゆる手段を使ったか、いろんなコネを使ったかとか、そういうことがあると思う」
と発言した。

同市議団は申し入れで、

「就職は子供の責任ではない。若い世代にコネという言葉も適当ではない」
と指摘したが、鷲沢市長は
「反省することは大事。コネを使うのが何が悪いのか」
として撤回しなかったという。

(2010年12月18日08時47分 読売新聞)

最初は、「この市長は何を言いたいのか?」と思いました、それでよくよく読み返してみたら、

12月定例会の一般質問で、就職先の決まらない学生に対するアドバイスを求められた
から、「反省しろ」「コネを使え」と言ったように見えます。

市長が「何について反省しろ」と言ったのか分からないのはとにかくとして、「コネを使え」というのはもっと分からない、学生がコネを使っていないとでも思っているのだろうか?

それにしても、定例議会で「学生へのアドバイスを質問する」というのが、いささかヘンではないのか?
そのあげく「答弁が問題だ」と騒ぐようなことなのか?
最初から、かなりヘンな話で、無駄な議論だと思う。

12月 18, 2010 at 01:19 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.12.12

ネット選挙時代の到来

毎日新聞より「金沢市長選:当選陣営がツイッターで選挙戦 指導を無視し

11月28日投開票の金沢市長選で初当選した山野之義氏(48)の陣営関係者が、公職選挙法で配布が禁じられている文書図画とされる簡易ブログのツイッターで、投票を呼びかけていたことが分かった。

削除を求めた市選管の指導を聞かず、投票当日にも呼びかけていた。
選挙結果は小差で、ネット運動が影響を与えた可能性が高く、公選法改正の動きや来春の統一地方選に向けて波紋を呼びそうだ。【宮嶋梓帆、宮本翔平】

市長選には5人が立候補し、新人の前市議・山野氏が5万8204票で当選。現職市長として全国最多タイの6選を目指した山出保氏(79)は5万6840票と、差はわずか1364票だった。投票率は35.93%で前回(27.39%)から8.54ポイント跳ね上がった。

市選管が問題視するツイッターを書き込んだのは、陣営のネット戦略を担当したIT関連会社社長(48)と山野氏の秘書。

社長は告示(11月21日)後の23日、

「金沢市長候補山野氏。今は金沢ベイで街頭演説中です」
と山野氏の画像を添付して投稿。公選法への抵触を心配する声に
「心配ご無用! メール、電話、ツイッターALL(オール)OK!『一票入れて!』とハッキリ言っていいです」
と、投票呼びかけの拡散を求めるような書き込みをしていた。
28日の投開票日までの書き込みは、選挙に関係ない個人的な内容も含め212回あった。

秘書は市長選を中心に計44回書き込み、投票締め切り約2時間前の28日午後5時51分には

「かなり、せってます。まだの方はその一票で変わる」
と記載。
午後6時36分には社長が
「今、500名差です」「あなたの一票で! 新市長誕生を! 投票所へ! 一番ヤル気満々の男にお願いします」
と書き、文末のURLをクリックすると山野氏の画像が表示されるようにした。

市選管職員は

「投票日の午後6時過ぎから若い人がどっと投票に来た所があった。初めて見る光景に驚いた」
と話している。

金沢市選管は選挙期間中に少なくとも4回、山野氏の事務所に「公選法に触れる」と関係者のツイッター更新をやめ、削除するよう電話で指導。改善されないため、選管は24日に石川県警に連絡した。

県警は警察庁と相談したが、公選法違反の警告はしなかった。県警幹部は

「判断は難しい。ネット選挙解禁の流れから、いま立件するのはどうかというところもある」
としている。

当選した山野氏は

「陣営の中で、そういうことを積極的にやっているのは知っていた」
と話し、秘書のツイッター更新に関しては
「山野という名前は消すように伝えた」
としている。
自分や妻のブログ、ツイッターは選挙期間中の更新を停止していた。

ネット担当の社長は

「公選法は素人目には分からず、無視した。違反と言われれば違反かもしれないが、まあいいやと。逮捕されず当選が取り消されないなら、多少の犠牲は構わないと覚悟していた」
と話し、「選管の指導は知らなかった」としている。

◇「地上VS空中戦」周知への武器に

「ネットをうまく使って話題をつくらないといけない」「ばんばんやろう」

告示まで1カ月を切った10月24日の山野陣営初の選対会議。ネット戦略は固まった。

相手の山出氏は、民主、自民支部、公明支部、社民、国民新が相乗りして推薦・支持。6選を目指し、組織選挙を展開した。
一方、山野氏側は知名度も資金力もない中で、ネットは重要な武器だった。「地上戦対空中戦だ」。
これが選挙戦の合言葉になった。山野陣営は掲示板を作り、社長らがツイッターやブログで若さや「市政刷新」を強調する文章や画像を繰り返し投稿。

動画サイトでは「6選目の79歳山出氏と新人48歳山野ゆきよし氏を比較。

どちらが金沢市長にふさわしいか、よく考えて投票に行こう」のコメントと共に、2人の動画もアップされた。ネット上で山野氏の「刷新」イメージが広がっていった。一方で、応援演説に訪れた中田宏・前横浜市長も自身のツイッターで「山野さんを応援しているのは、自民と民主の1年生議員7人。これは、あっぱれ!」と援護の書き込みをした。

毎日新聞 2010年12月12日 3時00分

開票速報によると

平成22年11月28日執行 金沢市長選挙

届出番号党派名候補者名23:10確定
1無所属米村てるお2,244
2無所属やまで保56,840
3無所属山野ゆきよし58,204
4無所属黒崎きよのり7,370
5無所属沖野正憲2,170
  合計126,828

要するに、1位と2位の争いだったわけですが、79歳で6期目を目指すというのは、それ自体が無茶でしょう。

その意味では、接戦であったことに驚きますが、だからこそネット選挙の展開になったのだろうと考えられます。

しかし、法的にはどう考えても公選法違反でしょう。
それで、公選法が正しく無いから改選する、というのはありかと思いますが、その一方で何らかのルールは必要でしょう。

選挙のネット利用が解禁だから、何をやっても良い、というのは無理があるだろうが、その一方で、特定の技術について可否を決めても、別の技術が出てくるに決まっているから、個々の技術について可否を決めるのも現実的ではない。

さらに、誰でも情報発信が出来るインターネットの性質上、力行放射やその関係者ではない、無関係の人が選挙運動をインターネット上で行う可能性は非常に高く、それをどうやって規制するのか?といういわば物理的な問題にも配慮することになるのだろうか?

12月 12, 2010 at 10:01 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.12.06

阿久根市・市長リコール成立

朝日新聞より「竹原・阿久根市長のリコール成立、即日失職

2010年12月6日0時23分

市長と市議会の対立が続く鹿児島県阿久根市で5日、竹原信一市長(51)の解職の賛否を問う住民投票が実施され、即日開票の結果、賛成票(7543票)が反対票(7145票)を上回り、解職が成立した。
竹原氏は即日失職した。

当日有権者数は1万9756人で、投票率は75.63%だった。

今後の焦点は、来年1月に予定される出直し市長選に移る。

「期日前投票の票数を確認する」として開票開始は約40分遅れた。

開票結果が確定したのは市選管の想定より1時間40分遅い午後11時40分。

結果は解職賛成51.35%、反対48.65%の接戦だった

竹原氏は同日午後11時すぎに同市内で記者会見し、

「また次に選挙があります」と敗北宣言。「市民の皆さんが、いろんな体験をする機会として前向きに考えたい」
と語った。

リコール委員会側にも笑顔はなく

「賛成票は、前回の市長選や署名数を下回った。出直し選挙は厳しい戦いになる」
と述べた。

半年近く議会を招集しないまま条例や予算を専決処分で決めた手法、議会との対立が招いた市政の混乱を、市民は否定した。

首長と議会の関係を見直す地方自治法改正論議にも影響した「阿久根騒動」は、一つの節目を迎えた。

ただ、竹原氏は来年1月に行われる出直し市長選に立候補する意向を表明している。

解職請求(リコール)運動を進めてきた市民団体「阿久根市長リコール委員会」の監事、西平良将氏(37)も立候補する意向で、騒動は少なくとも年明けまで続く。

竹原氏は市議1期目の2008年8月、「市役所・市議会改革」を公約して市長選で初当選。
就任直後、議員定数を16から6に減らす条例改正案を議会に提案し、否決されて対立へ。
09年4月、議会から2度目の不信任決議を受けて失職したが、翌5月の出直し市長選で再選されると強権的な姿勢を強めていった。

課ごとに人件費総額を記して張り出していた紙をはがした職員を昨年7月、懲戒免職処分にした。職員が訴えた裁判で「処分は不当」とする判決が出ても「裁判所に自治はできない」と無視した。

今年3月から議会出席を拒否。知事から2度の是正勧告を受けて8月末に臨時議会を開くまでに、市長と市職員、市議のボーナス減額や市議報酬の日当制(日額1万円)導入、来年度からの固定資産税率引き下げ、副市長選任など十数件を専決処分で決めた。

その多くを議会側は「議決が必要なのに議会招集の要請にも応じず、違法性が高い」として承認しなかったが、竹原氏は「専決の効力が優先する」として撤回しなかった。

こうした手法は「独善的」だとして8月、リコール委を中心に市長解職請求の署名集めが始まり、有権者の半数を超す1万197人分の署名が集まった。リコール委は10月、市選管に本請求した。

阿久根市選管の発表では、

当日有権者数19,756人
投票者数14,941人
投票率75.63%
賛成7,543
反対7,145
進捗率(%)100%

となっていて、200票が動けば結果が変わりました。
これは、有権者の1%に相当します。
僅差ですね。

やはり、市議会に対する批判も非常に強いのでしょう。

読売新聞より「市民感情に市議戸惑い?…阿久根市混迷

「阿久根市議会リコール実行委員会」が、議会(定数16、欠員2)解散を求める9266人分の署名を市選管に提出した29日、市長派議員らは「議会解散は市民の意思」と訴え、反市長派の議員らは予想を上回る署名数に一様に厳しい表情を見せた。

竹原信一市長の解職請求も同時進行する中、“もう一つのリコール”が現実味を帯び、市政はさらに混迷を深めそうだ。

◆議会リコール実行委

竹原市長を支持する議員らでつくる議会リコール実行委は、午後2時から記者会見した。

委員長の石沢正彰議員は、10月下旬から1か月間の署名活動中、署名を集める受任者が計画の200人を下回る119人だったとしたうえで、

「私たちの署名活動はまさに草の根運動。目標の8000人を超え、よしという気持ちだ」
と声を弾ませた。

竹原市長の解職の賛否を問う住民投票(12月5日投開票)に向けては

「プラスに作用すると思う。市長リコールを阻止したい」
と意気込みを語った。

中心メンバーの一人で、9月定例会初日の9月29日に議場に立てこもり、除名処分を受けた牟田学・前議員は

「このままの議会では駄目だという市民の意思。議会を変えなくてはならない」
と感想を述べた。

◆反市長派議員

一方、反市長派議員らは、9000人を超える署名数に対し、一様に驚きの声を上げた。

岩崎健二議員は

「(住民投票に必要な)6700人分は集まるだろうと思っていたが、予想外の多さだ。市政の改革は必要だが、法を無視した改革に問題があるということを、市民に理解していただきたいのだが」
と語った。

浜之上大成議長は

「議会に対する批判があるのは事実。市長を代えないと将来に禍根を残すことに変わりはないが、議会も反省しなくてはならない」
と厳しい表情で語った。

また、議会の自主解散について、岩崎議員は「現時点では考えていない」と否定した。

(2010年11月30日15時04分 読売新聞)

住民投票の結果によって、議会の解散後に、市議選になりますが、市長リコールの結果として、市議会批判の声が大きいということは、市議会が総辞職して市議選という可能性もありますね。

それにしても、市長は解職されましたが、混乱の元となった、市長と市議会の対立構造には変化がなく、有権者の声も拮抗しているのでは、今後も同じようの状況が続くように思えます。

12月 6, 2010 at 01:47 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.12.03

こども園のやっぱり

読売新聞より「「こども園」、幼稚園・保育所と併存で集約へ

政府が2013年度からの導入を目指す幼稚園と保育所を一体化した「こども園」(仮称)は、当初案である「幼保をすべてこども園に統合」という方式ではなく、幼保両施設を併存させながら「こども園」を増やす方式で、意見集約が図られる方向となった。

政府は来年1月にも「こども園」の設置基準など制度設計をとりまとめ、通常国会への法案提出をめざす。

2日に開かれた、政府の「子ども・子育て新システム検討会議」の幼保一体化ワーキングチームでは、政府が「こども園」実現に向けて例示した5案を巡り、関係者の意見を聞いた。

その結果、幼保を完全に統合する当初案には「拙速だ」などと反対意見が続出。

一方で、文部科学省と厚生労働省の2省が管轄する法律と財源を一本化した上で、こども園、幼稚園、保育所の3者を併存させる案に対しては、「将来のこども園への完全移行にもつながり、現実的だ」などと支持する声が目立った。

(2010年12月3日03時06分 読売新聞)

なんかほとんど最悪の方向に向かっているように感じます。

わたしは、こども園という名前が出てくる頃(2006~7年頃)に初めて「幼稚園と保育園の一体化」案があることを知りました。

高校で、職業講話をしている関係で、幼稚園は文科省の管轄、保育園は厚労省の管轄で教員資格も別であることを知っていました。

ウィキペディアに次のような説明があります。

根拠法の違い

保育所は保育に欠ける児童を収容する児童福祉施設であり、
幼稚園は就学前に通わせる教育施設である。
その目的にあわせて、施設整備や人員配置、カリキュラム作成が行われている。

保護者の違い

保育所児の保護者は原則として、共働き又は一人親家庭であり、幼稚園の保護者は片働きである事が多い。
幼稚園の保護者会は専業主婦の都合に合わせ昼間の時間帯に行われることが多いが、保育園では保護者会は就労事情を考慮し就労時間外に行なうことが多い。

設備

保育所は0歳~就学前の乳幼児、幼稚園は3歳~就学前の幼児を扱う。

乳児を扱うには、専用のトイレ設備、沐浴設備、調乳・離乳食・アレルギーに対応した給食設備などが必要。

幼稚園が乳児を扱うには経験のない分野での多大な設備投資と人材確保が必要になる(保育に欠けない0歳~2歳については根拠となる法律がなく、どちらの園でも収容することができない)。

資格

幼稚園教職員は幼稚園教諭免許状が必要、
保育所は保育士資格を有する職員を置かなければならない。

大学・短大・専修学校等の養成課程では認定こども園制度の発足に伴い、幼稚園教諭・保育士を両方取得できるようにカリキュラムを改定している。

幼稚園教諭資格を有する者が保育士試験を受験する場合は、発達心理学・教育原理・実技試験の免除に加えて、2010年度より養成課程で履修した教科に対応する試験科目が免除される事に制度が改められた。

一定の学歴を有する保育士資格を有し、児童福祉施設・へき地保育所・認定こども園で3年以上の実務経験を有する者は幼稚園教員資格認定試験の受験資格を得る。

入所選考について

幼保連携型認定こども園の保育所部分の入所選考は、当該自治体の保育所の選考基準に準じて認定こども園が定めた基準により行なわれる。

給食について

保育所は児童福祉施設最低基準により給食が義務付けられ、3歳未満児に対しては所内調理が必要である(3歳以上児は2010年6月1日以降、外部搬入が認められた)。

そのため、3歳未満児を収容する保育所は、他の社会福祉施設と併設される場合を除き調理室の設置が必要である。

こんな事情なので、高校生が将来つきたい職業として「幼稚園か、保育園の先生」という話をするたびに、「二つは全く別物だ」と説明してきました。

もちろん、小学生以前の子供たちのために、幼稚園と保育園があり、それを一つにすることは、賛成なのですが、元となっている根拠法から、業界団体まで別物なのです。

そこで、子供園案については、

  1. 文科省と厚労省が、それぞれ自分の管轄から幼稚園あるいは保育園の管轄を他方の役所に引き渡す。
  2. 文科省と厚労省にそれぞれこども園管轄部署が出来る。
  3. こども園管轄部署を全く別の役所(総理府とか)に作り。幼稚園・保育園の管轄を文科省と厚労省から削除する。
  4. 文科省と厚労省に幼稚園と保育園の管轄を残したまま、こども園の管轄を別の役所に作る。
といった組み合わせになるだろうから、こども園は実現困難だろうと思っていました。

そこで改めて、幼保一体化とはいつ頃から始まった話なのか?見て驚いた。
ウィキペディアより「幼保一元化の歴史

1996年12月20日地方分権推進委員会第一次勧告で地域の実情に応じた幼稚園・保育所の施設の共用化等の弾力的な運用を確立を求めた。
1997年1月24日教育改革プログラムで、国民のニーズに的確に応えるための幼稚園と保育所の在り方について、地方分権推進委員会の勧告等をも踏まえ、厚生省と共同で検討する。当面は、地域の実情に応じた幼稚園と保育所の施設の共用化について弾力的な運営が図られるよう検討を進め、平成9年度中に具体的な方針をまとめる事が定められた。
1997年4月幼稚園と保育所の在り方に関する検討会で、幼稚園と保育所の在り方について、1997年度に両施設の共用化等に関する具体的方針をまとめることを中心に検討。
1998年3月10日幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針が通知され、施設共用が開始された。
2003年4月21日構造改革特別区域法に基づく構造改革特別区域計画の第1回認定で幼保合築施設での幼稚園児・保育所児等の合同活動が初めて容認された。
2004年3月29日構造改革特別区域における『公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業』についてが通知され、公立保育所での給食の外部搬入が容認された。
2004年3月31日保育所の調理室と学校の給食施設の共用化についてが通知され、学校と敷地や建物を共用する場合等での学校と保育所の給食施設の共用が認められた。
2004年12月24日中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議にて「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設について」の骨子が取りまとめられた。
2005年4月6日「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設について」に基づく総合施設のモデル事業が採択された。
2006年3月31日総合施設モデル事業評価委員会により総合施設のモデル事業の最終まとめが行われた。
2006年6月15日就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が公布される。
2010年3月11日幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的・一元的なシステムの構築について検討を行うため、「子ども・子育て新システム検討会議」を開催。
2010年6月1日児童福祉施設最低基準が改正され、3歳以上児の給食は特区申請を要せずに外部搬入が認められた。

どうも最初は、「似たような施設なのだから、弾力的な運用が出来ないか?」ぐらいから始まった考えのようですね。
それが、どんどんと大げさになっていった。

あげくに、幼稚園、保育園、こども園の三者並立ですよ。
普通こういうのは、焼け太りというのだと思います。

12月 3, 2010 at 10:56 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.11.30

教職大学院制度

東京新聞より「教員免許、正規は修士レベル必要 文科省が新制度検討

2010年11月30日 02時02分

文部科学省は29日、大学4年間で単位を取得すれば教員免許が取れる現行制度を変更し、新卒者の免許を2種類に分け、正規教員として本格的に教壇に立つには教職大学院修了など修士課程レベルの免許取得を求める新制度の検討を始めた。

今後10年をめどに実現にこぎ着けたい考えで、30日の中教審特別部会に提示する。

構想によると、大卒者に与える免許は「基礎免許」とし、大学学部段階での教職課程修了を証明するという暫定的な資格にとどめる。取得者は教員にはなれるが、担任に就かず校務や授業を補助する役割とする。

一方、正規教員につながる「一般免許」を取得できるのは、教職大学院や、大学院の教育学研究科修士課程を履修した人を想定。

ただ、資格者を限定しないよう大学での基礎免許取得を大学院の入学要件とはしない方向で、教職課程を履修していない学生や、社会人も教員を目指せるようにする。制度の移行段階は、学部卒業者も正規教員として受け入れる考えだ。

(共同)

これは法科大学院と同じ手法ですね。

教育の体制をフィンランドのようにするべきだというと、「フィンランドの教員は、大学院卒」となってこんな話が出てくるのでしょうが、法科大学院の問題は実務教育であるはずなのに、単なる教育として成績評価を相対評価にしているところではないか?と思っています。

少なくとも、法科大学院制度が問題であるという認識がある間に、教職大学院制度をスタートさせると教員志望者の激減になるのではないでしょうか?

現状ですら、教職課程を卒業して教員採用試験に挑戦するものの、なかなか合格しないから事実上の就職浪人になる、というのが教員志望者を取り囲む問題です。

文科省のやることは、18歳人口の減少で経営が苦しくなる大学が新たな大学院を作って収益を計るという、大学経営にだけ向いている行政なのではないのか?と思うのです。

11月 30, 2010 at 08:53 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.10.25

阿久根市・市議会解散請求の署名活動始まる

読売新聞より「阿久根市議会の解散請求でも署名活動開始へ

鹿児島県阿久根市の選挙管理委員会は25日、市議会(定数16)の解散請求(リコール)手続きを始めた市長派市議らでつくる「阿久根市議会リコール実行委員会」(委員長・石沢正彰市議)に対し、署名活動に必要な解散請求代表者証明書を交付した。

受任者約200人は早ければ26日から署名を集めるという。

11月25日までに有権者の3分の1にあたる約6700人以上の有効署名が集まれば、解散の賛否を問う住民投票が実施される。

住民投票で過半数が賛成すれば市議会は解散し、出直し市議選が行われる。

同市では、竹原信一市長の解職を求めるリコール運動が同時進行しており、市長解職の賛否を問う住民投票が12月5日に行われる。

(2010年10月25日12時36分 読売新聞)

なんかややこしいことになってきました。

市長の解職請求は、署名活動の結果、住民投票をすることが決まりました。
だから、住民投票の結果によって、市長は解職されるかどうかが決まります。

同じように、市議会の解散請求の署名活動は、署名が必要数集まれば住民投票があり、その結果で市議会は解散か否かが決します。

要するに市長に対しても、市議会に対しても同じように、署名活動、住民投票と二段階の手続があって、市長については署名活動の結果住民投票を12月5日に行うことまで決まった。

市議会に関しては、11月25日までの1ヶ月間で、市議会解散に賛成する署名が必要数に達すれば、住民投票が行われますが、その時期は来年1月になるのではないでしょうか?

さて、市議会解散請求の署名が、住民投票に必要な数に達するのか?ですが、阿久根市議会の選挙は、任期が3年で平成23年7月19日に予定されています。
解散は、これ以前でないと意味がない。

しかし、住民投票が23年1月とか2月に実施となると、残りの任期が半年無いことになります。
そこまで緊急に、市議会議員を選び直す必要があるのか?という点も大きいですね。

市長については、住民投票で解職となるでしょう。そちらだけでも大変なのに、そこに任期があと半年の市議会議員の選挙を実施することを、市民が選択するでしょうか?
わたしは、この署名活動は市議会の解散に賛成する必要数、を集めることが出来ないだろうと予想します。

10月 25, 2010 at 07:33 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.10.18

阿久根市議会・二議員除名失職

西日本新聞より「議場占拠の市長派市議 2人除名で議員資格はく奪 阿久根市議会

2010年10月18日 12:07

鹿児島県阿久根市議会は18日の定例会本会議で、竹原信一市長を支持する4議員が市議会議場に立てこもった問題を審議、4議員のうち山田勝氏(65)と牟田学氏(52)の除名処分を無記名投票で賛成多数で可決し、議員資格をはく奪した。

残る石沢正彰議員(64)と松元薫久議員(34)も起立採決で出席停止5日間の処分を可決した。

除名は地方自治法の懲罰規定(除名、出席停止、陳謝、戒告)で最も重い。

処分が決まった後、4人は記者会見し

「裁定は受け入れる」
と話し、処分の取り消しを求める知事への審決申請や訴訟は行わないことを明らかにした。

その上で

「市長の改革を真っ向から反対する議会は要らない」
として、市長を支持する住民で計画する議会解散の直接請求活動に取り組むとした。

除名で定数16の阿久根市議会に欠員2が生じるが、市議の補欠選挙の公選法規定は「欠員が定数の6分の1以上」となっているため、すぐには行われない。

仮に12月5日投票の竹原市長解職(リコール)の賛否を問う住民投票でリコールが成立し、出直し市長選となれば、同時に補欠選挙が行われる。

4議員は、市長から9月27日に「議会で質問に答えない」と言われた浜之上大成議長が「それなら専決処分すればいい」と述べた発言に反発。
同29日の定例会本会議で議場を内側から施錠し、反市長派が合鍵を使って中に入るまで約1時間半にわたって立てこもった。

2010/10/18 西日本新聞

「阿久根市議会・市長派の議員2名を除名処分に」に書いた通り、除名失職になりました。

それにしても、

「市長の改革を真っ向から反対する議会は要らない」
って、議員の言う台詞でしょうかね?
そんなに反対なら、議員を辞職する方が先でしょう。

色々な情報を総合すると、市長はあきらかに問題ありだけど、市長が指摘する議会も変だというのも当たりだと思います。

挙げ句の果てに、市長派議員が「議員」が「議会はいらない」と言うのは、意味不明というか戯れ言でしょう。

両方(両陣営)とも、ひどすぎると思いますよ。

10月 18, 2010 at 01:31 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.10.15

阿久根市議会・市長派の議員2名を除名処分に

読売新聞より「阿久根の立てこもり、市議会委が2議員を除名に

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)を支持する議員4人が議場内に立てこもるなどした問題で、市議会の懲罰特別委員会は15日、山田勝、牟田学の両議員について、議員資格を剥奪(はくだつ)する除名処分とすることを決めた。
18日の本会議で可決されれば、即時失職する。

特別委は15日の会合で、山田議員は議場での立てこもりを主導し、牟田議員は浜之上大成議長を背後から突き飛ばしたと認定。

「2人の行動は特に悪質」
と結論づけた。

残りの松元薫久、石沢正彰の両議員は

「積極性が見られず、除名は重すぎる」
として、出席停止処分(5日間)とした。懲罰は軽い順に戒告、陳謝、出席停止、除名の4種類がある。

地方自治法によると、除名処分は議員の3分の2以上が出席し、出席議員の4分の3以上の賛成で可決される。
議長も採決に加わる。
同市議会は定数16のうち反市長派が12人を占めている。

(2010年10月15日13時37分 読売新聞)

「阿久根市・議員が議場を封鎖」で取り上げた事件の結果ですね。

議員が「議会を開かせない」と実力行使したのでは、議会から処分されるのは当然で、除名処分になったとは、ちょっとびっくりしました。
わびを入れるとかしなかったのですかね?

定数16の2/3は11人、12人が反市長はだから、18日の本会議ではよほどの根回しがないと、反市長派の議員は全員が除名に賛成投票するでしょう。
その結果は、即時失職ですから、また一荒れあるのでしょうか?

10月 15, 2010 at 08:40 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.17

阿久根市・条例公布せず

朝日新聞より「阿久根市長、通年議会条例を公布せず 専決阻止策封じる

2010年9月17日0時42分

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は、議会を開かないまま専決処分を繰り返す市長への対抗策として市議会が先月可決した、「通年議会」開催を可能にする条例を、期限の16日までに公布しなかった。

市長の専決処分で副市長に選任された仙波敏郎氏(61)は取材に対し

「中身がないので公布しない」
と述べた。

地方自治法は、議会側から条例を送付された市長は、送付から20日以内に公布するよう定めている。竹原市長は3日の市民との懇談会で

「通年議会は専決阻止が目的。執行しません」
と表明していた。

条例は、議会を常時開会状態にしておき、いつでも議長が議会を開けるようにするのが狙い。反市長派の議員が条例改正案を提案し、8月26日の臨時議会で可決していた。

同法によると、市長には可決後でも議会に審議し直すことを求めることが出来る「再議」の権限があるが、この手続きも取っていない。

総務省行政課は「再議の準備で公布期限を過ぎる場合もあるが、再議すると明言せずに過ぎたら違法だと言える」と話す。

いくら罰則がないとしても、こうも次々と違法行為を繰り返すのでは、行政としても成立していないではないか。

確かに、一つ二つの違法行為で行政の長を裁判に掛けるといった事を法制化したら、その害の方が大きいと思うが、副市長の選任自体が違法であるのに、その副市長が「中身がないので公布しない」 とコメントするに至っては、すでに喜劇の状態だ。

さっさと住民投票で、市長交代を計るべきだろう。

9月 17, 2010 at 09:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.12

ウイルス作成罪をさっさと作れなのだが

サンケイ新聞より「【日本の議論】ウイルス作成罪成立に向けて 相次ぐサイバー犯罪が背景

コンピューターウイルスの作成や頒布の取り締まりをめぐり、国会や有識者らの間で議論が巻き起こっている。

ウイルスを使用したインターネット犯罪が増加の一途をたどる一方、その作成や頒布自体を直接取り締まる法律がないからだ。

法務省は「不正指令電磁的記録作成等の罪(仮称)=通称・ウイルス作成罪」の制定を刑法に盛り込むため、早ければ来春の通常国会に改正法案を提出したい考えだが、過去2回にわたって廃案となった経緯があることから、慎重な構えを崩していない。(岡嶋大城)

犯罪動機は遊び半分?

法務省によると、ウイルス作成罪では、コンピューターウイルスの作成や提供、供用に対し、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金を科すことにしている。

取得と保管には2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金といった罰則も定める予定だ。

また、わいせつ物頒布等罪の処罰対象を拡充し、わいせつな図画や動画といった電磁的記録の頒布行為も処罰の対象とするという。

ウイルス作成罪が求められる背景には、どのような事情があるのうだろうか。

警視庁は8月、文書や写真などの保存データをイカやタコのイラストに変換し、パソコンを使用不能に陥らせるウイルスをばらまいたとして、器物損壊容疑で大阪府泉佐野市の会社員の男(27)を逮捕した。

この男は平成20年にもパソコンのデータを削除する「原田ウイルス」を作成したとして京都府警に著作権法違反容疑などで逮捕され、懲役2年(執行猶予3年)の有罪判決を受けている。

警視庁に逮捕されたこの男の供述によると、20年の事件に比べ自らのプログラミング技術がどの程度高まったかを試すことなどがばらまきの目的だったといい、これまでに計3度、サイバー犯罪で警察の摘発を受けている。

他県でサイバー犯罪を取り締まる捜査関係者は

「このままでは、遊び半分の気持ちで同様の事件を起こす犯人の登場が後を絶たない」
と警鐘を鳴らす。

直接罪に問えない現状

“イカタコ事件”で適用された罪名は、あくまでも他人の所有物などを壊した際に適用される器物損壊罪だ。

男の供述内容をみると、作成したウイルスは明白な悪意を持ってばらまいている。
しかし作成と頒布を直接的に取り締まる罪名がなかったため、器物損壊罪で立件したことは捜査担当者にとっては苦肉の策だったといえる。

「器物損壊罪での立件は警察にとってチャレンジングな判断だった。
裁判所の判断が待たれるが、ウイルスの使用でコンピューターの中身だけを壊しており、外部的な力を加えていないことは罪に問う上でかなり苦しいのではないか」

千葉大学大学院で刑法が専門の石井徹哉教授(49)はこう分析する。

京都府警は20年の事件で、アニメキャラクターを無断で使用したことによる著作権法違反容疑での立件しかできなかった。
当時の担当者は

「どの容疑事実で立件するか、難しかった」
と漏らしている。

先述の捜査関係者も

「ウイルスの頒布自体を取り締まることができなければ意味がない」
と話しており、ハイテク犯罪の担当者にとって、ウイルス作成罪の成立は悲願となっている。

共謀罪創設との兼ね合い

法務省は16年の通常国会で、ウイルスの作成と頒布を取り締まるウイルス作成罪を盛り込んだ刑法改正案を初めて提出した。

しかし、日本弁護士連合会などが成立に猛反対する共謀罪の創設を目指す組織犯罪処罰法改正案とセットで提出したことが、ウイルス作成罪成立の足かせとなってしまい、これまでに2度にわたっていずれも廃案となっている。

日弁連は18年、共謀罪について

「刑法では、法益侵害に対する危険性がある行為を処罰するのが原則。
未遂や予備の処罰さえ例外とされているにもかかわらず、予備よりもはるかに以前の段階の行為を処罰しようとしている。
黙示の共謀で罪が成立し、処罰範囲が著しく拡大するおそれがある」
などとして反対を表明している。

法務省は、ウイルス作成罪を盛り込んだ刑法の改正法案を来年1月の通常国会に再提出する方向で検討に入っているとされるが、共謀罪とは切り離し、ウイルスへの対処を先行させるとみられる。

石井教授は

「共謀罪は日本の刑法の体系には合わないだろうし、もう少し工夫が必要だ」
と話し、共謀罪新設反対国際共同署名事務局の跡部由光さん(60)も
「国もいろんな方策を練っているようだ。逆の見方をすればウイルス作成罪を先に成立させれば、共謀罪を単独で成立させるのはさらに難しくなるだろう」
との見解を示す。

一方、法務省はホームページ上で、共謀罪が国民の日常生活に危険を及ぼすことはないと強調。

  • 暴力団による組織的な殺傷事犯
  • 振り込め詐欺のような組織的詐欺事犯
  • 暴力団の縄張り獲得のための暴力事犯の共謀

など組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰するとしており、

「一般的な社会生活上の行為が共謀罪にあたることはない」
と説明している。

海外との約束

相次ぐサイバー犯罪を国際的な枠組みで監視し、加盟国が取り締まりのための協力体制などを構築するサイバー犯罪条約が欧州評議会の発案で13年に採択された。

日本や米国など30カ国が署名しており、ウイルス作成罪の成立は条約で定められた取り締まりのための国内法整備という位置づけでもある。

法務省刑事法制管理官室の担当者は

「条約を担保し、サイバー犯罪抑圧のための必要な刑事手続きを実施することが必要だ」
と話している。

一方、日弁連は共謀罪同様、ウイルス作成罪の成立にも反対を表明。

被害が発生する抽象的な危険がない場合でも、ウイルス作成罪で重い刑が科せられることに懸念を示す。

他人のパスワードなどを不正に取得して、ネットワークへ不正侵入する行為を取り締まる不正アクセス禁止法では、罰則が1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金と定めているため、「ウイルス作成罪の罰則は重すぎる」と考えるためだ。

早期成立に期待

法務省はウイルス作成罪に対する懸念について、改めて条文内容を検討する姿勢を示しているという。

さらにインターネット社会の到来で一般国民がコンピューターの使用を日常的に行っている現状から、石井教授は

「社会背景の変化を背景に、法体系も変えていく必要がある」
と強調する。

法務省は悪意ではなく、善意で作成したプログラムがウイルスとして頒布された場合を想定。

悪意を立証する必要性に迫られるのはあくまでも検察側であり、制作者が裁判において自らの善意を立証する必要はないとしている。

石井教授は

「不正アクセス禁止法など、これまで局面に応じた特別法の制定でサイバー犯罪に対処してきた。犯罪者といたちごっこを繰り返すことを避けるためにも、抜本的な法整備を実施しなければならない」
と強調し、ウイルス作成罪の早期成立の必要性を説いている。

この問題は、わたしにとっては「なんで、共謀罪と道連れにしたのだ?」が一番の疑問でした。

その上で、ウイルスとはなんぞや?が定義できるのか?という疑問があります。
世論の多数決と言うことであれば、アンチウイルスメーカが認定した物が、ウイルスとしても良いかと思いますが、アンチウイルスメーカーの認定自体が間違っていることは過去何度もありました。

まして、法務省が「悪意を立証する必要性に迫られるのはあくまでも検察側」などと言っていると、かえって身動きができないのではないのか?

winny 事件では、「包丁を作ったら殺人幇助になるのか?」という議論がありましたが、ネットワークセキュリティーワークショップ in 越後湯沢などでは、「そもそも、包丁を作ったのか、鉄砲や大砲を作ったのかを評価しないとダメだろう」という話になりました。

「悪意」などではなくて、もっと具体的な犯罪あるいは凶器としての機能のチェックが不可欠でしょう。

ただ、現時点でウイルスと鑑定する組織も判断基準も整備されていません。
だからできない。

こうして考えてみると、今までのウイルス犯罪への行政の対応は、警察も含めて

よく分からないから、怪しいのだ。怪しまれることをやるのが犯罪だ
といった程度の、まるで小学生の論理で進んできたようなものでしょう。

必要なのは、ここら辺のきちんとした整理だろうと思います。

9月 12, 2010 at 10:51 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.11

検察審査会・この決定は大いに疑問

47NEWS より「木村剛司衆院議員ら不起訴不当 東京第1検察審査会

2007年の東京都墨田区議選で選挙カーのガソリン代を区に水増し請求したとして詐欺容疑で告発された民主党の木村剛司衆院議員(39)ら当時の立候補者10人を起訴猶予とした東京地検の処分について、東京第1検察審査会が不起訴不当と議決していたことが10日、分かった。

審査会は議決理由で「区に全額返納されたことをもって、犯罪を許す一要因とする考えには賛同できない」とした。8月26日付。

木村氏は「議決書を見ていないのでコメントできない」と話している。
東京地検が再捜査する見通し。

議決は

「公費負担制度を悪用して公職の候補者になろうとすること自体、区民の期待を裏切る行為」
と指摘。区長が被害届を出さなかった点にも触れ
「区民の総意であるか疑わしい。区長としては厳しく対応すべきだ」
と求めた。

10人は07年4月の墨田区議選に立候補。選挙期間中に実際に使った選挙カーのガソリン代を上回る約3万~5万1千円を区に請求、差額をだまし取ったとして、市民団体代表から07年10月に詐欺容疑で警視庁に告発され、書類送検された。

東京地検は今年3月、水増し分を返納していることなどを理由に全員起訴猶予としていた。 2010/09/10 19:13 【共同通信】

これは、かなりの無理筋ではないかと思います。

選挙カーのガソリン代だから、公選法の規定を守らなかった、というのが事実ですね。
それに対して、詐欺容疑で告発した。

公選法違反が明らかになった時点で、返納するなりしたのでしょう。
基本的には、錯誤による誤請求扱いだったのだろうと思います。

詐欺容疑での告発が、返納の後なのか前なのかが分からないのですが、公選法上のなんからの結論は出ているでしょうから、下手をすると詐欺容疑は同じ問題を二重に刑事事件化することになるのかもしれない。

詐欺容疑が先で、公選法違反が後から問題になるのは、現実問題としてあってはならないことです。
個人の犯罪よりも、選挙制度の安定の方が優先でしょう。

その上で、不起訴になっているわけで、検察審査会が問題にするべきこと中に、公選法違反とされる問題について、詐欺罪により処罰するべきだ、という決定はあまりに恣意的に過ぎるかと思います。

さらに、

区長が被害届を出さなかった点にも触れ 「区民の総意であるか疑わしい。区長としては厳しく対応すべきだ」 と求めた。
というのは、行政上命令のように取れますが、検察審査会は司法の一角であるはずで、これは暴走と言うべきでしょう。

9月 11, 2010 at 12:27 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.04

阿久根市長・議決済みの条例を執行せず、と宣言

読売新聞より「阿久根市長、半年ぶりの市民懇談会開く

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は3日、市民会館で市民懇談会を開き、8月の臨時議会で可決された通年議会を可能とする条例改正を公布しない考えを示した。

公布されなければ改正条例は施行されないため、反市長派は反発している。

通年議会は、竹原市長が議会を招集せずに専決処分を繰り返したことに対抗し、反市長派議員が8月26日の臨時議会に提案、賛成多数で可決された。

専決処分はやむを得ず議会を開けない場合などに限って許されており、通年議会が実現すれば、専決処分が難しくなる。

地方自治法の規定では、議決書が市長に送付された翌日の同28日から20日以内に市長は公布しなければならない。

懇談会には、市長を支持する住民を中心に約300人が参加。

竹原市長は

「専決処分は議会で不承認になっても有効」
と主張したうえで、
「通年議会は専決処分の阻止が目的。私は執行しませんから、何の効果もない」
と述べた。
(2010年9月4日01時35分 読売新聞)

これは想像外でありました。
地方自治法には、

第138条の2〔執行機関の義務〕
普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。
第16条〔条例・規則等の公布・公表・施行期日〕

普通地方公共団体の議会の議長は、条例の制定又は改廃の議決があつたときは、その日から三日以内にこれを当該普通地方公共団体の長に送付しなければならない。

②普通地方公共団体の長は、前項の規定により条例の送付を受けた場合において、再議その他の措置を講ずる必要がないと認めるときは、その日から二十日以内にこれを公布しなければならない。

③条例は、条例に特別の定があるものを除く外、公布の日から起算して十日を経過した日から、これを施行する。

④当該普通地方公共団体の長の署名、施行期日の特例その他条例の公布に関し必要な事項は、条例でこれを定めなければならない。

⑤前二項の規定は、普通地方公共団体の規則並びにその機関の定める規則及びその他の規程で公表を要するものにこれを準用する。但し、法令又は条例に特別の定があるときは、この限りでない。

と当たり前に書いてありますから、執行しないと地方自治法違反ですよ。
そもそも、専決処分も地方自治法違反だし、こういう主張が出てくることを法律は想定していない、ということでしょう。

9月 4, 2010 at 10:39 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2010.08.31

消費者庁発足1年

2009年9月1日に消費者庁が発足して1年になります。
サンケイ新聞が3日間がかりで、特集記事を出しています。

2年前になる、2008年9月9日に品川で消費者庁設置を促進する集会がありました、これには当時、首相退陣を発表したばかりの福田首相が登場してスピーチしていました。

このときは、紀藤弁護士の案内で集会に参加したのですが、その後近くの呑み屋で、現在の日本弁護士会会長の宇都宮健児弁護士の隣で、色々と事情を伺いました。

わたし自身は、消費者庁の設置を重要視しておりましたが、同時に自民党政権下では出来るわけがないだろうと思っていたのに、当時自民案と民主案が競っていて、最終的に自民党の決定で消費者庁が設置されました。

ヨーロッパで、消費者大臣会議が開かれるようになっていて、日本には消費者庁が無いから参加できない、というのが設置を促進した大きな動機の一つだそうです。

その結果が、当然のように「寄せ集め」の役所であり、全国の消費者センターとの関係についても、企画倒れのようなところがあります。

消費者庁の設置は、「消費者庁及び消費者委員会設置法」によるもので、消費者委員会が色々な審議を行って、先日「自動車リコール問題」を消費者庁と国交省に建議しました。

わたしは、この時の「第33回消費者委員会」を傍聴しました。
そして、何人かと「消費者委員会Watch」ブログを始めました。
まだ、軌道に乗っているとは言い難いのですが、まじめに取り組む予定であります。

サンケイ新聞より「【消費者庁発足1年】(上)“すき間”規制できず こんにゃくゼリー法整備

2010.8.28 21:37

「こんな物のために息子の命が奪われてしまったかと思うと…。私が望むのは二度とこんなつらく悲しい事故が起こらないことです」

6月29日、荒井聡消費者担当相に出された手紙の一節だ。差出人は三重県伊勢市の村田由佳さん(49)。平成19年に長男の龍之介君=当時(7)=を、こんにゃくゼリーによる窒息で失った。

消費者庁の発足のきっかけの一つが各地で相次いだ、こんにゃくゼリーによる窒息事故だった。7年以降、少なくとも22人の死亡報告がある「特異な消費者事故」(同庁資料)に対して、“消費者目線”からの安心安全の実現が期待されていた。

こんにゃくゼリーのような食品には、硬さや形状を規制する法令や担当省庁がない。いわゆる“すき間事案”だ。消費者庁には、こうした事案に関し、事業者への改善勧告・命令を出す権限などが与えられた。

庁内では食品の事故防止対策を練るプロジェクトチームで食べ物の硬さや形などの指標をつくるための検討を開始。今年の7月中に指標の結論を出すべく作業が進んだ。

手紙が出されて半月後の7月16日。消費者庁が見解を出した。「法的整備が必要」(泉健太政務官)としながらも、「結論を出すにはデータが不足している」。指標の結論は「年内をめど」に先送りになった。

村田さんが受けた衝撃は察するにあまりある。村田さんはいま「対応できる状態ではない」(担当弁護士)という。

なぜこんなに時間がかかるのか-。
法や指標の整備には正確な窒息リスクの把握が必要となる。だが、専門家らの調査が異なる評価を出すなど、リスクを明確に示せないのだ。

消費者庁が導き出した評価は、

「こんにゃくゼリーにはモチやアメよりも重い事故につながるリスクがある」
というもの。
一方で、内閣府の食品安全委員会は
「アメと同程度でモチに次ぐ」
と、ニュアンスの異なる評価を消費者庁に答申してきた。

食品安全委は食品のリスクを評価する機関で、消費者庁に「意見」を出せる関係。
安全委の見解は

「こんにゃくゼリー規制だけで、窒息事故は防げるのか」
という疑問を投げかけた。

 

結局、検討作業は膠着(こうちゃく)状態となり、1年前と同じ状態が続いている。
そんな行政のもたつきをよそに、こんにゃくゼリー製造者による商品や表示改良は進み、過去約2年間、窒息死亡事故の報告はない。

食品をめぐる課題はほかにもある。発がん性が懸念される成分が検出された花王の食用油「エコナ」。
商品に与えられていた「特定保健用食品(特保)」の認定がどうなるかが社会の関心事となった。

特保を所管する消費者庁は昨年10月、特保の再審査手続きに入ることを決定。
花王側は即日、自主的に認定を返上した。

だが、肝心の発がん性については、昨年7月から食品安全委で調査中だ。
こちらも行政のもたつきをよそに、メーカー側の販売自粛などでこの成分を含む食用油はすでに市場から消えている。

消費者行政で強い権限を与えられた消費者庁。
だが、こんにゃくゼリーやエコナをめぐっては、どう権限を行使したらいいか手探りの状態が続いている。

消費者庁の活躍に期待していた人たちの中には、そんな状態が歯がゆく見える。

国民生活センター理事長の野々山宏弁護士は、

「行政が消費者の目線に立ち、消費者もそれを実感できることが大切な課題だった。
だが、現段階では十分ではないと思っている」
と1年を振り返る。

主婦連合会の山根香織会長も

「期待はあるがいまは十分だと思っていない。消費者も『何でもやってくれる』と期待したのに、『トントンと進むものが見えてこない』と思っている」
と厳しい見方だ。

昭和46年の環境庁(当時)以来の新官庁として、昨年9月1日に誕生した消費者庁。“消費者目線”を期待された省庁の活躍ぶりはどうだったろう。発足から1年を検証する。

■消費者庁

内閣府の外局。
相次いだ食品偽装事件などの発生を背景に設置構想が出された。
「消費者が安心安全で豊かな消費生活を営むことができるような社会をつくること」を任務にしている。
発足当初の担当大臣は野田聖子氏(自民)。
政権交代を経て福島瑞穂氏(社民)、荒井聡氏(民主)。
正規職員数は約200人。都心の民間ビルに入居しており、当初その賃料(年8億円)が高すぎると国会などで問題視された。

【消費者庁発足1年 期待と現実】(中)火遊び防ぐライター規制

2010.8.30 08:05

他省庁との連携 道半ば

「ベビーカーやライターの件は割と機敏に反応できたところがあった」

昨年12月、消費者庁の発足3カ月を振り返り、福島瑞穂担当相(当時)はそう自賛した。

ベビーカーとは、英マクラーレン社製の折りたたみ式ベビーカーで、子供が指を挟まれる事故への対応を迫られた件。
11月9日に米国でリコールが発表されると、消費者庁は即座に同種ベビーカーの一時使用自粛を呼びかけた。

庁内には「海外でのリコール案件までを所管するのか」という消極的な声もあったという。

だが、庁の発足理念である「消費者目線」が優先された。経済産業省と連名でマクラーレン社と連絡を取り、12月4日には日本国内での対応策を確約させている。

一方で、ライターとは、ライター火遊びが原因とみられる火災で子供の死亡が相次いだ問題への対応。

昨年11月に東京都が、子供が簡単に着火できないライターの必要性などを提言。それを受ける形で、国が規制作りに乗り出した。

▼自画自賛

福島氏は5月、経済産業省の審議会がライターの規制強化を打ち出すと、

「消費者庁としては、ライター火災のデータ提供など審議に協力してきた。消費者庁は基準を満たさないライターの廃棄・回収についても関係省庁と連携して周知徹底を図る」
と、消費者庁の“縁の下での活躍”ぶりを語った。

ライターに関して消費者庁は、経産省に対策作りを働きかけたほか、消防庁と連携して全国的な実態調査を実施。一般にもリーフレットの配布など3度にわたって注意喚起をした。

商品の安全性にかかわる情報を一元化して他省庁に働きかけたり、消費者目線で「公表」「注意喚起」するのは、消費者庁に与えられた主要な任務の一つだ。
福島氏だけでなく、消費者庁内にも「消費者庁の存在が貢献した」とみるむきは多い。

だが、周囲の反応は必ずしも、福島氏ら消費者庁の自己評価ほどには高い評価を与えてはいない。

ライター規制をとりまとめた経産省製品安全課は、スピード対応ができた理由について、消費者庁の功績よりも「東京都の調査があったから」と言い切る。
同課の担当者は「消費者庁の貢献はゼロではないが…」と言葉を濁した。

経産省内からは

「設置間もない消費者庁には不慣れな担当者が多く、連絡を取っても『大臣からやれといわれたから…』という“子供の使い”のようなやり取りもあった」
という証言も聞こえてくる。

▼権威なし

一連の経緯をみてきた全国消費者団体連絡会の阿南久事務局長は、同様の問題への消費者庁のより積極的な関与を期待する。

「消費者庁がメーカーの社長を呼びつけてもいい。本来はそういう庁のはずだが、いまは権威がない。それだけの権威をつけることも必要だ」
と阿南事務局長。

もちろん消費者庁も周囲からの声を自覚している。

同庁の2代長官として今月11日に就任した福嶋浩彦長官が、今後の消費者庁のあるべき姿についてこんな話をしている。

「原因は確定できないが『問題がある可能性がある』という段階で情報を出すことはとても大事」。そして「時には事業者や企業と摩擦が起こることも当然ある」
とも。

情報発信や他庁への影響力では、自己満足に近かったこの1年。どう外部から評価されるまでに強化するか。2年目の課題だ。

【用語解説】主な注意喚起

消費者庁は発足以降18日までに、消費者や各省庁などに45件の注意喚起や情報提供を行った。昨年11月、英マクラーレン社が米国でベビーカーのリコールを発表した際は、福島瑞穂消費者担当相(当時)が即座に「使うのをやめてください」と呼び掛け話題に。
乗用車のフロアマットの扱いや、携帯音楽プレーヤー「iPod nano」の過熱などについても注意喚起を行っている。

【消費者庁発足1年 期待と現実】(下)寄せ集め小所帯に危惧、景表法違反措置命令が激減

2010.8.30 21:07

「景品表示法違反による措置命令が少なくなった」。消費者庁が発足した昨年9月以降、いくつかの消費者団体からそんな懸念が出ていた。

それは今月10日の消費者庁の発表で裏付けられた。景表法違反での平成21年度の措置命令は12件。前年度の52件に比べ激減だった。

消費者に誤解を生じさせるような不当表示などに対処する景表法は、消費者庁発足の際に公正取引委員会から同庁に移管された。

消費者庁は「1つの調査で複数企業を処分する事例がなかった」と説明する。
しかし、周囲からは、消費者庁の体制の問題や、他省庁との役割分担がうまくいっていないことを指摘する声があがっている。

■情報1.5倍

公取委時代は約30人の担当者が、商品の不当表示に目を光らせていた。
だが、消費者庁には約20人の担当者しかいない。

また、関東以外の地方の商品調査は、従前通り全国に8つある公取委の地方事務所などが担っている。そこでの調査結果が、消費者庁に集められ、同庁が処分を判断する仕組みだ。

措置命令の激減を懸念する消費者団体の一つ、「食の安全・監視市民委員会」代表の神山美智子弁護士は

「頭の法令だけを消費者庁に移した一方で、手足となる実動部隊は地方においたまま。縦割り意識が強い日本の官僚機構の中で、これでは消費者庁は身動きがとれない」
と危惧(きぐ)する。

ほかに、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」「食品衛生法」のうち食品表示にかかわる部分の所管も、それぞれ農林水産省と厚生労働省から消費者庁に移されたのに、「食品表示Gメン」や「食品衛生監視員」といった地方の実動部隊は旧来の組織に属したままだ。

そもそも消費者庁の職員は217人しかいない。一方で、仕事は増えるばかりという。景表法の担当課でも一般などからの情報提供は前年度の1・5倍、約3千件に増加。

「ネタはたくさんあるが、調査に取りかかれていない状態」
と話す。

217人の職員が、内閣府、経済産業省、公正取引委員会など12府省庁からの出向職員と、全体の5%ほどの弁護士ら任期付き採用の常勤職員で構成されている点も、誕生したばかりの役所ゆえの特徴だ。

■連携強化

プロパーがおらず、寄せ集めの職員だけで消費者行政を担えるのか。

福嶋浩彦長官は、

「ほかの省庁に戻っても、消費者、生活者の視点を身につけたことは生きる。そういう人を各省庁に増やすのは、消費者庁が司令塔として機能していくうえで必要だ」
と、前向きにとらえている。

だが、消費者庁と協力しあう関係にある国民生活センター理事長の野々山宏弁護士が指摘するように、

「各省庁からの寄せ集めで、何年かすれば元の省庁に帰っていく。
職員全体が目指せる明確なビジョンも示されてこなかった」
という声は強い。

設立2年目に入るにあたり消費者庁は今後、景表法関連や、消費者事故の分析や対応の分野を強化する方針。

23年度には81人の出向職員と、34人の非常勤職員の増員も要望する予定だ。プロパー職員の採用に向けた検討も進む。

事務方トップに今月就任した福嶋長官は、元「改革派市長」。職員の一体感醸成や他省庁との連携強化を打ち出す。

食や商品の安全性などへの社会の関心は高まるばかりだ。新たな事故調査機関の設置について検討を始めるなど、消費者庁は省庁横断的な重要事案も抱える。

「司令塔としての真価がこれから問われていく」(福嶋長官)。関心とともに高まる期待にいかに応えるか。消費者庁は正念場の2年目を迎える。

■消費者庁所管の主な法律

消費者庁発足で、消費者に身近な法律は同庁が所管することになった。
食品表示に関するものでは、原産地などのJAS法、添加物などの食品衛生法、栄養成分などの健康増進法。
取引での消費者トラブルを防ぐ特定商取引法や旅行業法、製品の安全を確保する消費生活用製品安全法なども所管する。
担当省庁のない“すき間事案”などに対応する消費者安全法も新設された。

連載は高橋裕子が担当しました。

8月 31, 2010 at 09:25 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.08.30

首相のやることか?

読売新聞より「介護保険、高齢単身・夫婦世帯に手厚く…首相

菅首相は29日、2012年度の介護保険制度改正の際、高齢者の孤立化を防ぐため、高齢者の単身世帯や夫婦のみの世帯への支援を基本目標に追加するよう、厚生労働省など関係省庁に指示したことを明らかにした。

高齢者の所在不明問題が社会問題化していることを踏まえたもので、介護保険法改正や新規立法の必要性にも言及した。

支援の具体策として、

  1. 〈1〉介護従事者による24時間体制での地域巡回・訪問サービス
  2. 〈2〉見守り付きなどの高齢者住宅の整備
  3. 〈3〉認知症支援
を「新型サービス3本柱」として全国普及を目指す方針も示した。

厚生労働省は11年度予算の概算要求で、24時間地域巡回サービスに28億円、認知症の高齢者の見守りに関する新規事業に9・8億円を盛り込んでいる。

首相は兵庫県姫路市で記者団に、保護司制度や罪を犯した人の更生支援策の充実策を検討する関係省庁連絡会議設置を千葉法相に指示したことも明らかにした。

(2010年8月29日20時16分 読売新聞)

なんで、介護保険なのだ?

そりゃ高齢者問題だから、という意味で介護保険というのはARRIかもしれないが、原稿の介護保険が十分に機能しているのか?となると、十分とは言い難い。
つまり、現行サービスの質の向上が必要だと思う。

そこに、こんな問題を上積みして成り立つものなのか?

別立法という選択肢とか言っているが、いちいち起きた事件に対応して、何かをやるという後追いでは政治とは言えまい。
高齢者の所在不明問題なんてのは、行政の情報管理の問題だけであって、個人にとって何か国からサービスを受けなければならない種類の問題なのか?

ちょっとやり方がひどすぎるのではないか?

8月 30, 2010 at 04:52 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

まだ続いていていた神栖市のヒ素問題

NHKニュースより「“ヒ素中毒 疑い強い”と指摘

8月30日 6時56分

茨城県神栖市の住民らが旧日本軍が関係した有機ヒ素化合物に汚染された井戸水を飲んで健康被害を受けたとして、公害等調整委員会に国に賠償を命じるよう求めている問題で、調査に当たった医師らが

「健康被害の一部は有機ヒ素化合物による中毒の疑いが強い」
などと報告書で指摘していることがわかりました。

この問題は、茨城県神栖市の住民39人が、旧日本軍の毒ガス兵器の原料に用いられた有機ヒ素化合物に汚染された井戸水を飲むなどしたことで、健康被害を受けたとして、国と県に損害賠償を命じるよう公害等調整委員会に求めているものです。

国は

「健康被害と汚染された井戸水との関係ははっきりしない」
などと主張しています。

この問題で、公害等調整委員会に専門委員として委託された医師4人が29日までに報告書を委員会に提出しました。

住民の弁護団や関係者によりますと、報告書では汚染された井戸水を日ごろから飲んでいた住民15人について、

「手足のふるえやめまいなどについては、有機ヒ素化合物による中毒の疑いが高いか、またはその可能性が否定できない」
と指摘しているということです。

弁護団は

「健康被害と井戸水との関連を指摘したものと受け止めており、国に一刻も早い住民の救済を求めたい」
としています。

まだこんなところでウロウロしているのかとびっくりです。

「神栖市 ヒ素」で検索を掛けると、

といったページがあります。神栖市 - Wikipediaの説明が一番明快で、

2003年には、有機ヒ素化合物で汚染した井戸水により、住民がヒ素中毒を起こした事件が各メディアで報道され有名となった。

この原因は現在も調査中であるが、当初言われていた旧日本軍の化学兵器説は実証されず、近年に不法投棄された産業廃棄物に含まれた有機ヒ素化合物による可能性が高まっている。

なお、住民は2006年7月24日に公害等調整委員会に対して国の責任を認める裁定を下すよう申請を行い、現在継続中となっている。

  1. 井戸水で健康被害があった
  2. 健康被害の原因を旧日本軍の毒ガス兵器によるとして大規模調査をした
  3. その後、昭和30年代に投棄されたと見られるコンクリートブロックからヒ素を検出
という経過になっています。

中西準子先生の雑感より「雑感245-2004.2.5「神栖町井戸水ヒ素汚染-汚染源ほぼ確定か?

ヒ素中毒発生
 
2003年(昨年)3月、茨城県神栖町(かみすまち)で複数の中毒患者が発生し、それが砒素中毒であることが確認された。その砒素は、井戸水に起因し、住民が使用する井戸(数戸での共用井戸が複数掘られている)に含まれていた。

旧日本軍の毒ガス兵器に使用されたとされる有機ヒ素(ジフェニルシアノアルシンとジフェニルクロロアルシン)の分解生成物と思われるジフェニルアルシン酸が検出され、この化学物質が他のヒ素化合物から生成されるとは考えられなかったので、毒ガス兵器に起因するヒ素化合物が中毒の原因とされた。

ただちに、環境省は大がかりな汚染源調査に入ったが、昨年末(12月27日)、原因は特定できなかったという発表をして、2003年の調査を終了した。もちろん、2004年になっても調査は続いているが、それに関する報道はない。

他方、茨城大学広域水圏センター神栖町有機ヒ素地質汚染調査団を結成し、調査をしていた楡井(にれい)久氏らは、8月に中間報告をし、さらに12月に報告会を開き、ほぼ汚染源を確定したと発表した。

汚染源は砂利採取跡地に捨てられた廃棄物

楡井さんらの報告は、当初私が予想した結果と一致しており、詳細を知りたいと資料を頂いてきた。それによれば、汚染源は複数あり、いずれも砂利を採取した凹地に埋められた廃棄物の人工地層中に存在すると推定している。1970年代から1980年代に埋められた汚染残土石または汚染ゴミである可能性が高いとしている。

この地区は、昔の河川敷で地中に良好な砂利がある。その砂利が骨材として採取された。砂利の値段は、土地代の10~100倍と言われている。その砂利が採掘されあとの凹地は、下の方は廃棄物で、やや上は残土で、表面は土で埋め戻され、宅地に造成された。

茨城大学報告書には、年代を追った航空写真があるが、それによるとA地区(A地区とB地区の井戸がヒ素で汚染されているが、その区別については後で述べる)では、1983年の写真では、1ヘクタールくらいの敷地の2/3ほどの大きな穴が見える。88年には完全に埋めも出されているのが分かる。

人工地層

2003年12月4日、「神栖町有機砒素地質汚染調査 第二次報告」(茨城大学広域水圏センター神栖町有機ヒ素地質汚染調査団)には、つぎのような記述がある。

「凹地に、ダンプ・カーなどで搬入され堆積した人工地層内には、ダンプ・カー1杯分の物質(時間的地層単元)が、下から上へと累々と重なっている。累重している地層(時間的地層単元)は、非汚染土石類や汚染土石層、又はゴミ層からなっている。」

まだ続く砂利採取

ここに、この問題が起きたばかりの4月に撮った写真を一枚掲載する(撮影者濱田弘さん)。

Kamisu_hiso


これは、最初に汚染が問題になったA地区の、その住居に隣接する場所の写真である。今でも、砂利の採取は続いており、汚染井戸のすぐ隣まできているが、茨城県は中止命令を出していない。

茨城県の責任

もし、砒素汚染が埋め戻しのための廃棄物に原因があるとすれば、責任はむしろ茨城県にあるのではないか?もちろん、そのもともとの原因は旧日本軍かもしれない(これも、もう一度疑ってみる必要がありそうだ)。しかし、この埋め戻しは茨城県が認めたことである。とすれば、茨城県の責任はかなり大きい。

にも拘わらず、最初から治療費の補助や補償金は、国(環境省)が全額支払うものというような雰囲気で話が進んでいる。どこかおかしい。汚染の原因によって支払い責任者は違う筈で、国の責任という前提で進めないでほしい。

すべては、原因が明らかになってからの筈である。確か、そういうことが最初の頃、環境省から出された文書に書いてあった。しかし、これほど時間が経つと、払ったことが既成事実になってしまうのではないか。

では、原因は(B地区の汚染)

汚染源は、人工地層(廃棄物)の中にある

まず、B地区の汚染原因からはじめよう。(茨城大学広域水圏センター神栖町有機ヒ素地質汚染調査団、「神栖町有機砒素地下水汚染(B地区)の汚染機構解明」 第1次報告、平成15年7月22日による。)

最初に身体異常を訴えた人々の居住区を、茨城県(環境省)はA地区とよび、そこから、西北西に1kmほどの地区にも井戸水のヒ素汚染があることがわかったが、この地区をB地区と呼んでいる。A地区の井戸水中ヒ素の最高濃度は4.5 mg/Lで、B地区のそれは0.43 mg/Lである。

茨城大学の調査は、B地区から始まった。そして、最終的な結果が、以下の図―1(報告書では図-5-2)と図-2(報告書では図-5-3)である。
ここで、B-4というような記号は井戸を表す。T.P.は東京湾標準高度である。

Zak2451


図-1

Zak2452


図-2

V-V’が地表面を表す。TPで -6m程度まで人工地層(ごみと表層の覆土)がのび、その下に自然地層がある。その境界を人自不整合(じんじふせいごう)とよぶ。汚染井戸のストレーナは-8mから-13mの間にある。最も汚染されているのがB-9で0.43 mg/L、最も西側のB-18の濃度は0.006 mg/Lと低い。
 
そして、茨城大学調査団は以下のように結論する。

1)B-9を中心に汚染がひろがっている様子が読める。このことは、B地区の汚染は、A地区の汚染源から汚染地下水が移動してきたものではなく、近傍に汚染源があることを示唆するものである。

2)汚染源は、人工地層内に遺棄された有機ヒ素が、下に引っ張られ、帯水層に漏出した。汚染源は砲弾とは限らない。

3)この地域の地下水流動は、B地区の周辺にある鹿島工業用水道のための地下水取水に支配されている。そのために、地下水は西方向に移動する(もっと複雑だが、簡単に書いておく。もし、鹿島工業用水による取水がなければ、地下水はちがった方向に移動する。この括弧内は、中西による追記)

4)ボーリング調査等で確認が必要
(人工地層中の汚染物が、水平方向に移動せず、垂直方向に落ちるのは、人工地層の透水性が悪いためである。中西追記)

A地区の汚染源

茨城大学広域水圏センター神栖町有機ヒ素地質汚染調査団、「神栖町有機砒素地質汚染調査」 第2次報告、平成15年12月4日による。)は、環境省の調査結果をもとに解析した。その結果は以下の通りである。

図-3(報告書では、図6)にA地区の汚染井戸(最高値4.5 mg/L)と、そのすぐ近傍に掘られたNo.26のボーリングした地層中の砒素の濃度を示す。この地点での人工地層は薄く、そこにも、その直ぐ下層にも汚染は存在しない。むしろ、深い部分に汚染がある。A地区井戸のストレーナは深度-13~15mで、丁度この汚染地層にかかる。

Zak2453


図-3


1)A地区の汚染源は、やはり人工地層中にあると思われるが、B地区と違い、その汚染源は東側のやや離れたところにある。

2)A地区の井戸のストレーナが、数m浅ければA地区の被害はなかったであろう。その代わり、広域汚染に発展した畏れがある。

3)工業用水の取水で、汚染物が下層の帯水層に絞り出され、広域にひろがっている。

4)15m以浅(TPで-10m程度か?中西追記)の井戸の汚染があれば、その汚染源は真上または周辺の人工地層内にあり、それより深い井戸の汚染の場合は、やや広域の汚染と考えていいだろう。

君津

楡井さんは、千葉県君津市での東芝コンポーネンツによるトリクロロエチレンによる汚染解明でも功績を挙げた。楡井さんらの研究で、ほぼ汚染源の推定ができた。これは、あの地域の事情を知る者には、実に理にかなった推定に思える。しかし、その推論を確かめるための調査が必要である。そのために、文科省の研究費を申請し、約2000万円が認められたという。これからが楽しみである。

環境省は何故?

環境省は、すでに調査費として20億円使ったという噂がある。あまりの大きな金額で、ちょっと信じられないが、多額の調査費を使ったことは確かである。A井戸の周辺だけでも、30カ所以上でボーリングをしている。それでも、原因を特定できずにいる。何故だろう?(暇ができたら書くことにしよう)

地元の人間はことのはじめから、砂利穴の埋め戻しによって原因物質が持ち込まれたものと見ているから、環境省のやり方を冷ややかに眺めていて「環境省はいつから建設省並みのトンカチ土建屋になったんだっぺ。あちこちむやみにボーリングしたって何にもめっかんめぇーよ。もっと智慧を絞れば的もしぼれっぺーのによ。」と醒めたものである。

(最近、茨城ネタが多い。生活時間の半分を茨城県つくば市で過ごしているためである。ただ、これらの問題が国レベルでの重要性をもっている。これだけ問題が発掘できるのなら、やはり、北九州市とか、東大阪市とかに住んでみる必要があるなと思ったりする。)

ここまで、ガッチリと原因を特定できているのだから、それなりに結論が出ているのだろうと思ったら、いまだにNHKニュースに報道されたレベルのことをやっているのだから、これはいったなんなのだ?と強く思う。

中西先生が、書かれている通り

環境省は、すでに調査費として20億円使ったという噂がある。
あまりの大きな金額で、ちょっと信じられないが、多額の調査費を使ったことは確かである。
A井戸の周辺だけでも、30カ所以上でボーリングをしている。
それでも、原因を特定できずにいる。

これでは、行政のメンツの問題や落とし所を探している、といった事なのかもしれない。

8月 30, 2010 at 11:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.08.09

大阪府が貧困ビジネス条例制定へ

読売新聞より「貧困ビジネス規制条例、大阪府が制定へ

生活保護費から高額の家賃や生活サービス料を徴収する「囲い屋」が横行している貧困ビジネス問題で、大阪府が、囲い屋を規制する全国初の条例制定を検討していることがわかった。

サービス内容や金額の明示を義務づけ、利用者側からの解約を自由にすることなどが柱。
来年度施行を目指し、早ければ9月議会に提案する。

条例案では、業者側に家賃と、生活サービスの内容・料金の内訳を契約書に明記させ、口頭でも説明するよう義務づける。

また、利用者が申し出れば、無条件に解約できるとする条項も設ける。生活保護受給者が生活サービスだけの解除を申し出ると、住居からの退去を求められたり、高額な違約金を請求されたりするケースがあったためだ。条例に違反した場合の罰則や、業者の登録、届け出制も検討している。

ただ、生活サービスと住居の「セット契約」自体は、適正価格で行っている業者もあり、禁止はしない方針。8月中に、条例案について府民の意見を募るパブリックコメントを実施し、最終的に内容を詰める。

生活保護受給者の住居を巡っては昨年夏頃から、高額な家賃と食事などの生活サービス料名目で保護費の大半を差し引く不明朗な契約実態が府内各地で表面化。
府は、調査に乗り出した大阪市と連携し、条例制定の準備を進めていた。

国政レベルでは、民主党も貧困ビジネス対策を考える議員連盟を今年4月に発足させ、規制強化に向けた議員立法を検討している。
(2010年8月9日08時09分 読売新聞)

そもそも、小泉改革(世界的に見ても、改革ブームの最終段階だったのかな?)などは「すべてを市場に任せた方がよい」であったと思いますから、貧困対策がビジネス化して「貧困ビジネス」が生まれたことは、改革の方向性としては正しかったのではないのか?

結局、グッドウィルグループの一員であったコムスンが介護ビジネスを大々的に立ち上げ、介護報酬不正請求事件をきっかけにして、結局は消滅してしまったのと同じことではないのか?

事業によって、利益を得るためには複数の手段があって、経営情報がすべてオープンされていない状態での競争では、市場原理すら働かない。
むしろ、直接競争を避けた方が儲かると考える経営者が先に参加してくるのは当然だろう。

小泉改革に象徴される「改革」の実態はビジネス展開だけを自由化する改革であって、経営情報をオープンしなかったから、この20年ぐらい日本の企業はどんどん経営が悪質化した、という指摘は放送大学の授業ですら取り上げられています。

大阪府の取り組みは、当然ではあるけど、ちょっと方向違いのような気がします。
どうせなら、徹底的な経営情報の公開を義務づける方が、将来のためには有効なのではないだろうか?
所詮は、このような手法ではパッチを当てているだけだと思う。

8月 9, 2010 at 10:11 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.08.02

阿久根市・ようやくリコールが正式稼働

サンケイ新聞より「市長リコール16日申請 阿久根の市民団体

2010.8.2 17:37

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長に対するリコール(解職請求)の成立を目指している市民団体「阿久根市長リコール準備委員会」は2日、リコール運動をするための証明書交付を16日に市選挙管理委員会に申請することを明らかにした。早ければ17日から署名集めを始める。

1カ月以内に有権者の3分の1以上の署名が必要で、阿久根市では約6700人が必要となる。確定すれば60日以内に住民投票が行われ、過半数の賛成で市長は失職、50日以内に出直し市長選が行われる。同準備委は年内にも住民投票が行われると見込んでいる。

準備委は6月下旬から市内61カ所で説明会を実施。川原慎一委員長は「市民から竹原市長の資質を疑問視する声が上がっている。市民はリコールを望んでいる」と話した。

リコールってこんなに時間がかかるものなのでしょうかね?
6月下旬から、説明会を実施していて、8月の16日から一ヶ月かけて署名集めなんですよね。

それにしても、市長を交代できるのでしょうか?
前回のリコールでは、リコールは成立したが、占拠してみたら元に戻ってしまった、つまり適切な候補者がいなかった。

現在も市長が強気なのは、ライバルがいないというのが大きいのではないだろうか?
いわば、鼠が「ダレがネコに鈴を付けるのか?」と相談している、とでも言うべき状況では無いのだろうか?

首尾良く猫を追い払っても、鼠にはネコの代わりは務まりませんでした。というのは大いにありそうに思う。

8月 2, 2010 at 06:30 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2010.08.01

最低賃金について・読売新聞社説から

読売新聞社説より「最賃引き上げ 政府の成長政策こそ重要だ

最低賃金の今年度の引き上げ額の目安を決める中央最低賃金審議会の着地点が、大詰めの段階でも見えてこない。

最大の論点になっているのが、民主党政権が新成長戦略で掲げた、

できる限り早期に全国の時給の最低額を800円とする
という目標の扱いだ。

長妻厚生労働相は、こうした目標を踏まえた審議を求め、暗に大幅な引き上げを促した。
労働側委員も同調し、「3年間で800円の実現を」と主張している。

最低賃金は中央審の目安を参考に各都道府県が決定するが、

  1. 現在の全国平均は713円
  2. 最低は長崎県などの629円だ。
しかも、過去10年の最大の上げ幅は全国平均で16円にすぎない。

最低800円は、短期の目標としては、あまりに高い。この目標を踏まえた論議に経営側が抵抗するのも、当然だろう。

パートなどの場合、800円未満の賃金で働く人が50%以上を占める県が10県以上もある。
こうした県で急激に最低賃金を引き上げたことによる、企業経営への打撃や失業者の増加など、地域経済に及ぼす影響も考えるべきだ。

各国ごとの最低賃金の水準をみると、日本は先進国の中で最下位に近い。

全体の賃金の底上げを図らなければ、消費も盛り上がらない。最低賃金を着実に引き上げていくことは重要である。

政府の新成長戦略は800円の前提として、経済成長やデフレ脱却を掲げている。
経営側が主張するように、これらは、まだ何も実現していない。

経営環境が好転してこそ、賃金の上昇にも弾みがつく。まず、そのための施策を政府が打っていくべきだ。その上で最低賃金の引き上げを求めるのが筋だろう。

もう一つの論点に、生活保護との逆転現象がある。

最低賃金法が改正され、生活保護の水準に配慮することが義務づけられて3年目になるが、なおも12都道府県で、最低賃金で得られる月給が生活保護の水準を下回っている。
時給換算で、神奈川県の47円が最大の乖離(かいり)幅だ。

仕事がないなどの理由で、高齢者でも母子家庭でもない、若い世代の生活保護の受給者が急増している。
こうした人に就労を促すためにも、生活保護より、働いて得られる最低賃金の方を魅力あるものとしなければならない。

ただ、地域ごとの経済の実情もある。速やかな逆転現象の解消を促すには、ここでも政府の成長政策による後押しが不可欠だ。
(2010年8月1日01時24分 読売新聞)

新聞の社説というのは、いつも同じことだと思うのだが、この社説は見事に「鶏と卵があります」的な書き方で「何を言いたいのだ?」と思う。

企業側に有利になるように、派遣労働の範囲の拡大や、裁量労働の拡大を図る一方で、年金制度はそのまま、健康保険もそのまま、つまり雇用される側にとっては、特に有利になる事情はなかった。

現実に、雇用は流動化し賃金コストが下がったのだが、

もともと「賃金だけが下がる」なんてことはあり得ない。
何かをごまかしているのに決まっている。

それが、労働者の持っているスキルの先食いである。

現代の高度工業社会では、労働者のスキルは非常に高度なことが要求されていて、社会全体として次世代の労働者のスキルを維持するべく、より高度な教育を若者に与える義務がある。
つまり、労働者のスキル再生産だ。

この労働者のスキルの再生産には、企業内訓練が一番効率が良かったわけだが、派遣労働(臨時雇用)においては、当然これを行わないから労働コストが下がる。
その意味では、派遣労働は労働者のスキルを再生産することなしに、先食いしていると言える。

「賃金は下がったが、将来の労働者の質は落ちた」というのが真実だろう。

最低賃金をどう定義するのかは、専門家の領域だろうが、賃金が個々の家計を再生産出来ない額では意味がない。
人々は、どんどんと福祉に依存していくだろうし、社会は崩壊の一途をたどるだろう。

根本原則として、社会全体として再生産が可能な賃金を配分しないことには、いわば栄養失調で社会が衰弱していく。

諸政策について、原理的に整合性がとれているのか?という観点からのチェックが必要だと思う。

小泉改革に代表される「○○をすれば、後は放っておいてもうまく行く」という乱暴な議論は、世界レベルでダメだったことが実証されていて、政治は当然のことだが「あっちにもこっちにも目配りが必要」ということだ。

民主党政権に期待したのは、そういった面ではないのかと思うのだが、現実は自民党政権よりももっとひどい超短期的な視点しかない政府であった。
視野の広がりもなく、距離もない。これは政治とは言えないだろ。

では、自民党や官僚になんとか出来るのか?と考えると、これもとてもではないが任せられそうもない。
そもそも、日銀がデタラメだ。

つまりは、このままで行くと、革命というか暴動というか、クーデターとか内乱、といった事になりかねないと思う。

8月 1, 2010 at 11:32 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.28

阿久根市問題・議会の招集について

読売新聞より「鹿児島知事、阿久根は「法治国家で想定外」

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市議会を招集せずに専決処分を繰り返している問題は、地方自治法が議会の招集権を首長だけに与える一方、違反しても罰則のない現行法の限界を浮き彫りにした。

市議からは「議長にも招集権を認めるべき」との声が高まり、伊藤祐一郎・鹿児島県知事も法改正の必要性に言及している。

市議会の多数を占める反市長派市議と対立する竹原市長は4月以降、職員や市議らのボーナス半減や補正予算、市議の日当制導入などを議会を招集しないまま、専決処分で次々と成立させた。

地方自治法101条では、首長は臨時議会の招集請求から20日以内の招集を規定しているが、市長は反市長派市議が請求した臨時議会の招集にも応じず専決処分を繰り返している。
違法状態だが、現行法では議会を招集しない首長に罰則が科せられることはない。

市では住民団体による市長リコール(解職請求)運動の準備が進んでおり、今年中にも失職の可能性がある竹原市長が「公約を実現させるため」として、今後も専決処分を乱発する可能性がある。

「法治国家の中でおよそ想定できないことがどんどん起こっている。誠に遺憾としか言いようがない」

副市長人事の専決処分について伊藤知事は26日、記者団にこう語り、市で繰り返される専決処分について、法の想定外との認識を改めて示した。

地方自治法は、定例会も含め首長にしか議会の招集権を認めていない。

阿久根市議会の浜之上大成議長は「首長と議会が対等な関係である二元代表制で、市長を止める手段がないのは法の不備」と話す。

総務省出身で同法に詳しい伊藤知事も23日の記者会見で「議長に招集権を与えるのは一つの方法ではないか」と述べた。

浜之上議長は29日に西之表市で開かれる県市議会議長会で、議長に招集権を与えるよう法改正を国に要望する議案を提出する。
(2010年7月28日11時59分 読売新聞)

地方自治法は、議会の仕事についてこのような事を決めています。

  • 条例を設け又は改廃すること。
  • 予算を定めること。
  • 決算を認定すること。
  • 普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。
  • 議長は、議会運営委員会の議決を経て、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。
  • 定例会は、毎年、条例で定める回数これを招集しなければならない。
  • 臨時会は、必要がある場合において、その事件に限りこれを招集する。

地方自治体の実務は、すべて条例によりますから、議会が決定しないと自治体は仕事が出来ません。
阿久根市長は、専決処分で議会を招集することなく決定しています。
何しろ議会無用論ととれる発言をしています。

第179条〔長の専決処分〕

普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。

②議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。

③前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。

地方自治法は専決処分が出来る条件を「議会が成立しないとき」と定めているわけですが、一方で議会の招集については

第101条〔招集〕

普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。

②議長は、議会運営委員会の議決を経て、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。

③議員の定数の四分の一以上の者は、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。

④前二項の規定による請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、請求のあつた日から二十日以内に臨時会を招集しなければならない。

⑤招集は、開会の日前、都道府県及び市にあつては七日、町村にあつては三日までにこれを告示しなければならない。ただし、緊急を要する場合は、この限りでない。

となっています。まとめると

  1. 首長は議会を招集する
  2. 議会は条例を決する
  3. 議会を開くことが出来ないときには、首長は専決が出来る。

となっていますから、阿久根市の現状が

  1. 市長が議会を招集しない
  2. 議会は条例を審議できない
  3. 市長は専決している

ではまるで裏返しと言えます。
少なくとも、地方自治法の考え方に対しては、阿久根市長は間違った解釈をしているといわざるを得ません。

議長も議会の招集が出来るようにする、というのは首長が議会を招集せずに専決処分をするような場合に対抗するためには、有効だろうと思うところです。

7月 28, 2010 at 03:14 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.27

辻本議員が社民党を離党

朝日新聞より「辻元氏、社民党離党意向を表明「党の判断を待つ」

2010年7月27日15時38分

社民党の辻元清美衆院議員(大阪10区)は27日午後、大阪市内で記者会見し、同党を離党する意向を正式表明した。
辻元氏は「きょう離党届を提出した。党の方でどう判断するかをお待ちしている」と述べた。離党届が受理されれば、無所属議員として活動する考えという。

辻元氏は離党を決めた理由について「野党で批判や反対の急先鋒(きゅうせんぽう)にいたが、それだけでは日本を変えることはできない」と述べ、社民党にとどまっていては政策実現に限界があるとの認識を示した。

辻元氏が27日、大阪市で行った社民党離党表明会見の概要は次の通り。

社民党に離党届を提出しました。まず始めに、初当選から「社民党の辻元」としてご支援いただいた皆様におわびを申し上げます。

苦渋の選択、非常につらい選択でした。かつて私も国会で「総理、総理」と批判の急先鋒(きゅうせんぽう)で活動してきました。

しかし一方、日本の政治状況は非常に危機的です。政権交代を逆戻りさせてはならない。批判だけでは日本を変えることはできない。(副大臣として)国交省で働く中で、いますぐ具体的に解決していく方向の政治を進めていきたい気持ちが強くなりました。

一番気になったのは沖縄のことです。基地問題に対する考え方はいささかも変わっていない。離党することで間違ったメッセージになったら困るので、一昨日に夜から沖縄に行き、帰って離党届を出しました。

離党はいつから考えていたのですか。

参院選の前から考えてきた。地元の皆さんとも相談したが、一人で決めました。土井たか子さんは政治の母であり、お目にかかると決断が鈍る。本当につらくて、事前に相談できませんでした。

福島瑞穂党首とは今朝どんな話を。

野党となった社民党は独自性を大切にして、反対、批判すべきはして、存在感を発揮して欲しいと申し上げた。
しかし、私は(昨年の衆院選で)社民党だけでなく民主党、国民新党の協力で選ばれた小選挙区の出身だ。地元有権者は社民党の主張だけで私を選んだのではないと理解している。社民党が独自性を発揮していくだけでは(自分の立場は)難しくなってきている、ということもお伝えした。

最初から、社民党(社会党)に入ることに違和感があったのですが、その通りになったということでしょうか?

こういう人は、参議院の方が向いているのではないかなあ?

7月 27, 2010 at 04:47 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.26

阿久根市長の衣の下

NHKニュースより「阿久根市長 専決で副市長も選任

7月26日 7時2分

市議会を開かずに専決処分を繰り返し、知事から2度の是正勧告を受けた鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、議会の同意を得て選任すると法律で定められている副市長を、専決処分で選任していたことがわかりました。

鹿児島県阿久根市の市役所に公示された文書によりますと、竹原市長は25日付けで仙波敏郎氏(61)を副市長に選任する専決処分を行いました。

仙波氏は愛媛県出身の元警察官で、平成17年に愛媛県警察本部の捜査費の不正支出について記者会見して証言しました。

阿久根市では、おととしから竹原市長が提案した副市長の人事案に市議会が同意せず、副市長が不在のままになっていました。

地方自治法では、副市長は議会の同意を得て選任すると定めています。

阿久根市の議会事務局では

「人事案件を専決処分しても罰則はないが、専決処分にはなじまない案件だ」
と話しています。

阿久根市では、市議会側が議会の招集を求めているにもかかわらず、竹原市長がこれに応じないまま専決処分を繰り返していて、鹿児島県の伊藤知事は、地方自治法に違反するとしてこれまで2度にわたって是正を勧告しています。

地方自治に詳しい鹿児島大学法文学部の平井一臣教授

「議会を開ける状態にもかかわらず、開かないまま専決処分を続けること自体、違法性があるが、副市長の選任といった議会の同意を得る必要が法律に明記されている事案まで専決処分で済ませてしまうことは二重の意味で違法性が高い」
と話しています。

昨日(2010年7月25日)「阿久根市長・シャレにならない議会否定。」 にコメントをいただきました。

http://www.city.akune.kagoshima.jp/osirase/koho/h22_7/2-3.pdf

全文を読んだけど、
阿久根市議会だけでなく
国会も含めて議会を
「談合」「独裁」などと言い切っていて…
どっちが独裁なんだか。

紹介されている、URLは阿久根市の広報誌「広報あくね・平成22年7月号」の中から、市長コラムを含む2ページです。
本文は、週刊誌の体裁で縦三段組みです。

市長コラム

市議会を開かないことについて

  1. 1:人件費削減
  2. 2:官民格差の是正
  3. 3:市民のための市役所改革
  4. 4:「支えあう、こころ豊かな暮らし」の実現

私はこのような公約を掲げて市長に立候補し、市民の皆さんはそれを支持しました。
しかし、再選された私に対して市議会多数派は「不信任」のままです。事あるごとに言いがかりをつけ邪魔をしてきました。

たとえば、副市長、教育長、教育委員の人事案を否決したほか、手数料値下げ、給食費の半額補助、おまけに良くわからないまま、国補助の雇用対策事業費まで否決しました。議会は、とにかく「竹原がやる事には反対」です。市民の暮らしや阿久根の将来に対する責任感は感じられません。

以前は、市長、議員、職員そして新聞社まで仲良く手を握り合い、利権を分け合ってきたので、談合仲間であるマスコミからも問題にされませんでした。市民には真実が隠され、ひたすら騙され、利用されてきたのです。

また、議会と市長は2元代表制ということになっています。これは真実ではありません。議会は議論ではなく、多数派議員の談合、つまり議員の独裁で決める仕組みになっています。この点は国会も同じです。

地方自治法で、市民に対して一切責任を取る事のない議会に最大の権力を与えています。おかしな法律です。

私は、政治の責任は「支えあう社会の実現」にあると考えています。このために市長の立場をお借りしました。自分の為ではありません。

政策の妨害を続ける議会に対して、市長が使える対抗策は「専決」しかありません。私は以下の条例などを「専決」しました。

  1. 1:市長と議員、職員のボーナスカット
  2. 2:固定資産税の減税14%
  3. 3:議員報酬の日当制(アンケートでは市民の8割が支持しました。)

これに反発する議会多数派は臨時議会の招集を求めました。議会を招集すれば、彼らは必ず専決した条例を元に戻します。結果、私が皆さんに約束した公約が実現できなくなります。

私は市民の皆さんにお約束し、皆さんが支持した「支えあう阿久根市」を実現するために議会を開かないのです。

7月3日の文化講演会にお招きしたコラムニスト勝谷誠彦さんは議会について、次のように言っています。

「議会」が利権談合共産主義の巣窟となっている。結局、日本国は戦前の内務省統治のままなのに占領軍が吹き込んだ民主主義が「議会」という形になって、利権の中抜きをしているのである。しかしそれを否定すると「民主主義を否定するのか」と同じ利権の巣くう記者クラブのマスコミ連中が叩いて来る。

私のやり方に対して、議員、職員、体制派プロ市民、そしてマスコミなどから来るさまざまな抗議は、利権を奪われることに対するアレルギー反応です。阿久根は全国から注目されてもいます。私たちが、この大きな試練を乗り越えれば、阿久根ばかりかこの国も変わります。

阿久根市長 竹原 信一

地方自治法自体を否定するから、議会を開かない、というのは議会不要論ですね。

議会制民主主義を衆愚政治であるとして、哲人政治を唱える人は多いですが、哲人であっても独裁者には変わりなく、民主政治(議会制)から独裁制に移行した例としては、ローマ帝国を作ったユリウス・カエサル、ナチスの独裁にしたアドルフ・ヒットラーが有名です。

この二つの例は、いずれも「議会が政治を停滞させている」として、最終的には武力で議会を制圧して、独裁政権を打ち立てました。

竹原市長の言動は、これらの例をきれいになぞっているように見えます。

行政官として一番困ったものだと思うのは「おかしな法律です。」と言っているところです。
それぞれの立場で「おかしな法律」はたくさんあるのが当然で、「おかしな法律です」=「あらゆる面からおかしな法律はあってはならない」ということであれば、間違えなく非現実的だし、ユートピア論ですよね。
行政官が、あり得ない理想論に向かい、それを抑制する議会の機能を停止する、というのは政治制度に対する反乱、つまり内乱罪だとも言えます。

7月 26, 2010 at 09:35 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.16

阿久根市長・シャレにならない議会否定。

朝日新聞より「議会開かぬ阿久根市長、正当と広報にコラム1400字

2010年7月16日11時21分

議会を開かず、職員や議員のボーナスカットなど専決処分を繰り返す鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、15日発行の「広報あくね」7月号に「市議会を開かないことについて」と題するコラムを載せた。

「政策の妨害を続ける議会に対して、市長が使える対抗策は『専決』しかない」「地方自治法は、議会に最大の権力を与えているおかしな法律」
などと市議会や現行の法制度を批判し、自らの専決処分を正当化している。

1ページを使った1400字ほどのコラム。自分の選挙公約は人件費の削減、市役所改革などだったとし、

「議会と市長は二元代表制ということになっていますが、議会は議論ではなく、議員の独裁で決める仕組み」
とし、
「(議会を)招集すれば彼らは必ず専決した条例を元に戻す」
と主張している。

さらに

「(前市政まで)市長、議員、職員、新聞社まで仲良く手を握り合い、利権を分け合ってきたので談合仲間であるマスコミからも問題にされず、市民には真実が隠されてきた」
とし、
「私のやり方に来るさまざまな抗議は、利権を奪われることに対するアレルギー反応です。私たちがこの試練を乗り越えれば、阿久根ばかりかこの国も変わります」
と締めくくっている。

非常にまずいですね。

参議院選挙が終わったので、以前の予定では市長リコールの運動が始まっているはずなのですが、報道がありません。

法律に反対する発言は、自由ですが、それが現在ある法律を無視することを許すわけではない。
わたしには、法治をの放棄して人治に賛成する根拠は見いだせない。

これでは、今後リコール解職となっても、立てこもりとか公文書の持ち出しといった実力行使もありうるとなってしまう。

7月 16, 2010 at 01:39 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.07.07

貧困ビジネス・なんでこの程度のことを抑止できないのか?

サンケイ新聞より「【貧困ビジネス】NPO元代表を再逮捕 うそ転居で生活保護費詐欺

2010.7.7 08:46

NPO法人「いきよう会」(解散)による生活保護費詐取事件で、保護費を目的に受給者を転居させ、大阪市から敷金など約40万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査4課は6日、詐欺の疑いで、いきよう会元代表(51)=詐欺罪で起訴=を再逮捕した。

府警によると「間違いありません」と容疑を認めている。

逮捕容疑は、平成20年11月、受給者の女性(43)が実際は家賃滞納で家主から立ち退きを要求されたのに、市の担当者に「家主から、身内を住まわせるので出てほしいといわれている」とうそをつかせ、虚偽の賃貸借契約解除書を提出。新居の敷金など転居にかかる保護費約40万円を市から詐取したとしている。

府警によると、女性はこれまでにさまざまな名目でNPO元代表に借用書を書かされ、受給していた障害者基礎年金などを取られていたといい、渡した金からNPO元代表が家賃を支払っていたと思い込んでいたという。

こういう事件の可能性は、常にあるわけでこの事件が特に異例なことではないでしょう。

であるならば、事件をどうやって抑止するのか?を考えるべきですが、全てを行政がやったら社会全体としては、非常に不効率になるでしょうから、民間の事業も促進するべきだ、となります。

民間が動きかつ、事件を抑止するためには、会計監査など結果や途中経過の公表の義務づけが不可欠です。

「小泉改革」に代表され、今も声高に叫ばれている「改革」や「事業仕分け」は行政がやっていた実務部門だけを民間に放り出す、といったないようで、行政が実施していたときと同じ結果を保証する担保無しに、「改革」してきました。

その結果が、極めて安定性のない社会になってきた。

安定性がないこと自体は、素早い変化が期待できるという意味では「改革」の結果ではありますが、それが犯罪的な分野に踏み込んでも良いとするのか?という問題です。

アメリカの金融不安の元は、「わけの分からない証券を販売」できた事でしょう。
「改革」とは単に歯止めを無くせばよい、ということではないはずです。 現時点の歯止めの1が正しく無いから、ずらすというのが趣旨であるはずで、そのずれた範囲でのルール違反については、従来以上の重い罰則を課すといった配慮が必要であったはずです。

7月 7, 2010 at 10:23 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.04

行政の連携で何とかなるものか?

読売新聞より「子供に3回会えなければ児相通告…福岡市に提言

福岡市内に総本部を置く宗教団体の職員夫婦が今年1月、病気の長男(生後7か月)に医師の治療を受けさせず死亡させた事件を受け、市は2日、弁護士や大学教授ら外部の専門家6人が再発防止策をまとめた検証報告書を発表した。

乳幼児健診や民生委員らが家庭訪問を3回試みても、子どもに会えなかった場合、児童相談所に虐待通告する仕組みをつくるよう市に提言している。

報告書によると、市は昨年5月14日、福岡市東区の自宅に民生委員を派遣したが、母親は顔を見せず、インターホン越しに応対しただけだった。

1週間後に4か月健診の案内を郵送したが受診せず、同年9月に保健師が訪問した時も不在だった。

重度のアトピー性皮膚炎にかかっていた長男は同年10月、低栄養による敗血症などで死亡した。

報告書では、市が乳幼児健診を受けない家庭の状況を把握できなくても、虐待の疑いを察知しなければ、特段の措置を取っていない点を重視。
子育て支援の部署に虐待防止への積極的関与を求めた。

提言について児童虐待に詳しい関西学院大の才村純教授(児童福祉論)は、

「乳幼児健診を受けない家庭で虐待が起きていたケースは多い。この仕組みがうまく機能すれば他の自治体の参考になるだろう」
と評価。
しかし、市こども家庭課は、4か月健診を受けない家庭だけでも年間約300世帯に上り、態勢を整えるためには費用と人員が必要、としている。

この事件で、夫婦は保護責任者遺棄致死罪で福岡地裁に起訴され、12日に裁判員裁判の初公判が行われる。

(2010年7月4日12時14分 読売新聞)

まあ、やらないよりはよほどマシでしょうが、もうちょっと全体的なシステム設計が必要なように思います。

確かに、民生委員が家庭の様子を察知しつつ、児童を保護するに至らなかったのだから、児童の保護を専門とする、児童相談所に通知するのは当然ではありますが、児相が行ったが拒否されたという例も多数報告されています。

全体としてどうするか?という仕組みを考えないと「あっち任せたから・・・・」という言い訳に使われそうにも思います。

ところで、再発防止策のきっかけになった「宗教団体の職員夫婦が病気の長男(生後7か月)に医師の治療を受けさせず死亡」という事件は、バリバリのカルト宗教事件であって、浄霊などとやっているわけです、そういうこと自体が危ういのだから、今後も同じように児童の死亡事件の可能性はあると考えるべきで、それなりに注視している必要があると思うのですが。

7月 4, 2010 at 12:32 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

非実在都条例問題は面白い

サンケイ新聞より「【日本の議論】「子供を守る」どこ行った? 大人の都合で“政争の具”へ 漫画児童ポルノ条例をめぐる議論

2010.7.4 07:00

東京都議会6月定例会が閉会した6月16日。子供を性的対象にした漫画やアニメといった商品の区分陳列など、販売規制を目指す都青少年健全育成条例の改正案が最大会派の民主などの反対多数で否決された。

だが、石原慎太郎知事は9月議会への再提出を目指す考えを明言。「表現の自由」と「子供の健全育成」をめぐって交わされた議論は、いつの間にか“政争の具”に発展してしまった。

否決を前提として建設的な議論を避けた民主への批判に加え、都議会や関係先への根回しを怠ってきた都最高幹部や担当部局による“不作為”を指摘する声もある。(宮原啓彰)

“汚い花”を断つと植物全体が滅ぶ

都条例の改正案をめぐる議論は3カ月にわたって迷走を続けた。発端は今年3月議会の会期中、改正案に反対する著名漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが都庁で記者会見を開いたことだった。

「表現で新しいものが起きるときは色んな種類の花が咲く。スミレなどかれんな花も、ジャングルのラフレシアのような花も、根っこですべて繋がっている。この花は汚いと根を断つと植物群全体が滅ぶ」
ちばさんは、漫画文化を生態系に例えて改正案を批判した。

この会見により反対運動が一気に拡大した。

日本ペンクラブや出版倫理協議会などの各団体の反対表明に加え、反対派によるインターネットでの呼びかけで、都だけでなく民主、自民など各会派にメールやファクスで抗議が殺到した。

議論の焦点は改正案条文の文言の定義と適用範囲だった。

規制対象となる漫画などの18歳未満と想定されるキャラクター「非実在青少年」や「青少年性的視覚描写物」など用語の定義のほか、行政による恣意(しい)的な運用を招き、表現の自由を脅かすというのが主な主張だ。

民主幹部は当時、条文について

「まるで警察用語。わざと分かりにくくしているのかと思った」
とあきれた。
その一方で、改正案を提出した都青少年・治安対策本部の幹部は
「『非実在青少年』とは『非、実在、青少年』という意味だ。何が分からないのか、分からない」
と余裕の笑みを浮かべていた。

しかし、実際には3月議会で改正案の可否を問う集中審議はなく、その余裕も都議会にはなかった。

なぜか-。

当時、都政で最大焦点となっていた築地市場の移転関連予算を盛り込んだ平成22年度の中央卸売市場会計予算案審議が佳境を向かえていたことが理由だ。

賛否をめぐるさまざまな思惑が交錯する中で、改正案は結局、全会一致で継続審議となり、結論は6月議会に持ち越されることとなった。

しずかちゃんの裸はOK

一方、都庁内には、継続審議となったことで改正案をまとめた担当局の不手際をなじる声も上がった。

都幹部の1人は

「舐(な)めてかかっていたのではないか。明らかに業界や都民、議会への根回し、説明不足だ」
と眉(まゆ)をひそめた。
担当幹部も
「正直、ここまで反発が強くなるとは思わなかった。事前の説明不足は否めない」
と述べる。

強まる批判に担当者らは巻き返しにやっきとなる。

「都民に条例改正の周知が不十分だった」
(都担当者)として、
「ドラえもんのしずかちゃんの入浴シーンやサザエさんのワカメちゃんのパンチラなどは規制に該当しない」
などとする質問回答集を都のHPに掲載。

また、改正案を象徴する用語となった

「非実在青少年」についても「年齢、学年の明確な描写やセリフ、ナレーションで明らかに18歳未満に設定されたキャラクター」
と規定し、その
「性行為がメーンとなっているもの」
が規制対象になることを明記した。

しかし、5月初旬に起きたある“事件”が情勢を一変させた。

石原知事が定例会見で

「「(条文は)説明不足。『非実在青少年』という言葉は何だこれ一体? 幽霊の話か? 役人が作るくだらない言葉は世間に通用しない。誤解を受ける文言が悪い。どんどん変えたらいい」
と述べたのだ。

都幹部は

「あの発言が条例に反対する民主につけ込む隙(すき)を与えた。記者会見を補佐する知事本局や執行部は、知事答弁の打ち合わせをしていなかったのか…」
とため息をつき、公明幹部も
「明らかな失言だった」
と肩を落とした。

落とし所を失っていた民主は、これに乗じて反対姿勢をさらに強めていった。

「まさに、渡りに船とはこのこと。民主も助かったんじゃないか」
と、別の野党幹部は苦笑いを浮かべた。

都議会総務委員会の参考人招致で民主は反対派の急先鋒(せんぽう)、宮台真司首都大教授(社会学)らを招致。

宮台教授は

「主観だけで何でも規制できる。こんな条例を掲げること自体が東京都の恥」
と批判。
「非実在青少年」について
「設定が問題なら『これは成人コスプレ』と断れば何でもありで、ナンセンスだ」
と述べ、都の質問回答集を
「法律は条例を含め条文がすべてで無意味だ」
と切って捨てた。

これに対し、条例改正に賛成する自公は改正案の条文作成にかかわった前田雅英首都大教授(法学)を招致した。

前田教授は

「改正案は子供が見にくい場所に置くことはできないかという提案だ」
と改正案の趣旨を説明したが、
「条文にあいまいな部分がないわけではないが、法律は素人が分かる言葉でできていない」
と主張した。

民主都議の1人は

「反対派の主張の方が説得力があった」
とニンマリ。
「改正案に賛成意見なんて実際はPTAにさえない」
と述べるなど、自信をのぞかせる発言が目立つようになっていった。

「民主の方が無責任」?

勝負となった6月議会。民主幹部は代表質問で早速、

「自ら責任を持てないものを議会に提出したのは無責任」
と知事の発言を非難し、撤回を受け入れない場合は否決する方針を打ち出した。

だが、担当局幹部によると、石原知事サイドを無責任となじった当の民主幹部は、改正案を答申した「都青少年問題協議会」に名を連ねながら、一度も会に出席していなかった事実も発覚。

「最初から関心がなかったことの表れで、どちらが無責任か。一度、議会で受けた議案の撤回要求は責任放棄。民主こそ修正案を出すべきだ」
と自民幹部は憤った。
また、公明幹部も
「民主から民主案について『会派内がまとまらないので今回は出せない』といわれた。これが、最大会派のやることか」
と憮然(ぶぜん)とした表情を浮かべた。

自公は早期成立を求める保護者の署名が約4万5千筆集まったとし、対抗措置として独自の修正案を提出した。「非実在青少年」を「描写された青少年」に、また「青少年性的視覚描写物」を「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」に変更するなど用語を変えた上で、表現の自由を侵害するとの懸念に対して、付則で「条例施行3年経過後に検討の上、必要な措置を講じる」とした。

ところが、民主幹部は

「改正案の文言を変えただけだ。自公が担当局に作らせたに決まっている」
と批判、別の幹部は
「民主の独自案はできている」
と明かしたが、それが白日の下にさらされることは最後までなかった。

都議会で民主と自公がさや当てを行う一方、石原知事は

「7、8歳の女の子をセックスの対象にする漫画を子供の目に触れさせないようにすることがなぜいけないのか」
と強調。
「反対のための反対で都民が迷惑。ばかなことをやっている。抽象論ではなく具体的な対案を出すべきだ。(出さないなら)『現状を認める』と都民の前で言えばいい」
と怒号した。

落としどころは…

6月議会閉会後、都議会各会派を回った石原知事。

民主の控室で

「日本語の解読能力がないな、君らは」
とチクリ。
これに対して大沢昇幹事長は
「自分だってそうじゃないか。言われたくないよ」
と言い返す場面もみられた。

改正案に反対する藤本由香里・明治大准教授は

「都はエロ漫画に限定しての規制というが、条文では拡大解釈ができるようになっている」
と改正案の否決を喜び、
賛成派の赤枝恒雄・赤枝六本木診療所院長は
「未成年者が漫画の影響でレイプされている現実があることを知るべきだ」
と肩を落とした。

都幹部は

「条例規制か、それとも自主規制か。議論はそこで平行線をたどっただけ」
と総括。結局、着地点を見いだせないまま時間切れになった格好だ。

石原知事は、9月議会への再提出を目指す意向だが、インターバルはわずか。

「もっと時間がほしいのが本音。誰もが6月議会で流れは否決といった状況を感じていたはずだが、『俺に任せとけ』と言って問題を抱え込んだものの、民主対策を怠っていたにもかかわらず、知事には耳障りの良い情報しか伝えていなかった担当の最高幹部は責任をどう感じているのか」
などの“恨み節”も庁内からは聞こえてくる。

一方、自民幹部も

「民主はこの問題を知事選まで引き延ばすつもりだ。再提出は少なくても12月議会まで待った方が良い」
とうめいた。

いつの間にか“政争の具”と化した改正案をめぐる議論に、子供を守るという当初の目的が薄れ始めている。文字通り“非実在青少年”化しているようだ。

右派のサンケイ新聞のまとめ記事ですから、それなりでありますが、いや面白い。

と言うか、時間切れで何も決まらずというのは当然ではないだろうか?
逆に言えば、こんなややこしい問題を条例で何とかしようと考えるところが、まずいでしょう。

じゃあなんでこんな大騒ぎになったのか?と言えば、一方に石原都知事、片方に表現の自由の侵害に敏感な人たち、という大きな力があって、それを正当が担いだからで、サンケイ新聞が言う

いつの間にか“政争の具”と化した改正案をめぐる議論に、子供を守るという当初の目的が薄れ始めている。文字通り“非実在青少年”化しているようだ。
というのは、「いつの間にか」ではなくて「最初から」でしょう。

社会全体が、なんとなく安定性が無くなって来て、法律に安定を求める傾向が強くなってきているのだと思います。
そのために法律がどんどんビッグブラザー化してきている。

法律のビッグブラザー化の速度に対して「それは急ぎすぎだろう」というのが、今回の反対運動の根本だと思う。

だから、条例案に「いかなる内容でも反対」という意見はなくて、対案がどうのこうのと言ったことになっている。
しかし、条例がなければ野放しか?と言うと、自主規制とか世論の批判は当然あるわけで、自主規制でよいでしょう。という意見に対して、石原都知事は

「7、8歳の女の子をセックスの対象にする漫画を子供の目に触れさせないようにすることがなぜいけないのか」
「反対のための反対で都民が迷惑。
ばかなことをやっている。
抽象論ではなく具体的な対案を出すべきだ。(出さないなら)『現状を認める』と都民の前で言えばいい」
と言わざるを得ないということなのだろう。

ここまで来ると、さすがにまとまるとも思えないわけで、完全に「言った言わない」レベルの、政争の具になった、ということですね。

7月 4, 2010 at 10:58 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.29

阿久根市の問題点

TBSNewsより「阿久根市長「上申書シュレッダーにかけろ」

職員が提出した正常化を求める意見書に対し、「シュレッダーにかけろ」と一喝。鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、その独自の政治手法をますますエスカレートさせています。

28日は、阿久根市の職員の9割を超えるおよそ200人が署名した上申書を、猿楽善次総務課長が竹原信一市長に提出しました。それに対し、竹原市長は・・・。

「(上申書を)見ずに、シュレッダーにかけろと・・・」(上申書を提出した猿楽善次 総務課長)

上申書では、議会を招集せずに職員のボーナスを半分にしたり、議員の報酬を日当制にするなどの専決処分を繰り返す竹原市長に対し、法令の遵守と専決処分の撤回、議会の速やかな招集などを求めています。

「メディアは選ぶ。あなたたちは信用できない」(竹原信一 市長)

阿久根市の問題については鹿児島県の伊藤知事も先週、竹原市長と面談し、議会を招集するよう求めましたが、竹原市長は28日、自らのブログに「『しょせん役人だな』と感じた」などと記載し、対決姿勢を示しています。

「自分で判断しておっしゃったんですから、特にコメントもありません」(伊藤 鹿児島県知事)
(28日18:12)

読売新聞より「阿久根市長専決処分、反対派が取り消し提訴へ

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市議会を開かず、専決処分を繰り返しているのは地方自治法違反だとして、市議会(16人)の反市長派市議12人は28日、市長を相手取り、専決処分取り消しを求める訴訟を近く、鹿児島地裁に起こすと発表した。

反市長派市議らは「市政の正常化を図るには司法の場で決着をつけるしかない」と訴えている。

竹原市長は6月定例会を招集しないまま、市議や職員、市長のボーナスを半減する条例改正などを専決処分した。

同法では、議会招集の時間的余裕がない緊急時などに首長は専決処分できると規定しているが、反市長派市議は

「時間的余裕がないはずもなく規定に該当しない。市長の行為は明らかに違法」
と主張している。

市議らは今月8日、竹原市長に臨時議会の招集を請求。

議会が開かれれば、専決処分された条例を元に戻す提案を行う方針だった。
だが、同法で首長は請求から20日以内の招集を義務付けられているにもかかわらず、市長は期限の28日までに招集しなかった。

(2010年6月28日23時54分 読売新聞)

「相変わらずだ」と見るのか、「エスカレートしている」と見るのか、微妙なところだと思う。

確かに、専決処分は手続き上許されているし、上申書を読まずにシュレッダーに掛けても、それだけであれば大した問題ではない。

しかし、市長が県知事の申し入れに対決して何がどうなるのか?

それにしても情けないのは、阿久根市の市議会である。
と言うか、本当に問題なのは阿久根市の政界なのかもしれない。
竹原市長をめぐる選挙は以下の通り。

2005年阿久根市議会議員選挙で初当選
2008年8月31日阿久根市長選挙で初当選
2009年2月6日阿久根市議会は臨時会で市長不信任決議案を全会一致で可決し、同月10日、竹原市長は議会解散
2009年4月17日出直し市議選後初めてとなる平成21年第2回市議会臨時会において、不信任決議案が再度提出され、賛成11、反対5の賛成多数で可決、自動的失職
2009年5月31日出直し市長選挙に出馬し、再選

2008年に市長に初当選するが、この時に選挙期間中にブログを更新し続けて、総務省から注意されるも無視「ブログ市長」として全国に報道された。
半年後には市議会は不信任決議を全会一致で可決、市長は議会を解散。
選挙後の市議会で、市長不信任決議は、賛成多数で可決、市長は自動失職。
市長選挙の結果は、投票率82.6%、竹原52.7%、田中48.3%で竹原再選

結局、市長参戦を阻めなかった市議会の反市長派の実力を見透かして、竹原市長は独善的な運営を強めた、と評価されている。

しかし、

反市長派市議らは「市政の正常化を図るには司法の場で決着をつけるしかない」と訴えている。
これはおかしいだろう。

司法・行政・立法は互いに牽制し合うものであって、本来は上下関係があってはならない。
行政をコントロールするのは本来、立法であって、結果が良ければ司法に任せても良い、というのは筋違いとも言える。

確かに、竹原市長はやりすぎと言えるほど強力であるが、それを牽制するのが市議会の役割だろうし、だからこそ不信任決議を可決したのだろう。
不信任決議を可決したのに、市長選挙で反市長派が敗れたということは、反市長派が世論をまとめ切れていなかったことの証明で、その後の議会構成も市長派が増えている。

竹原市長自身は、市議会のいわばぬるま湯体質を批判しているが、これ自体は正しいといわざるを得ない。

つまり、市議会というか、阿久根市政界に実力がないから、竹原市長が登場し支持を得ているのであって、これを改めるのは司法の力を借りるのではなくて、市議会が力を付けるべきだ。

竹原市長と市長派の市議会議員のブログは見つかるのだが、半市長派の市議会議員の発言が見つからない。
行政の長が「議会を通じることなく有権者に呼びかける」とやるのは、大昔からあったことで、議会制民主主義に則った手続で独裁制に移行した例もある。

こうなると、「混乱」ももちろん問題なのだが、議会が本来行うべき仕事をしていないことの方が問題なのではないかと思う。

6月 29, 2010 at 07:25 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.14

小林議員(北海道5区)のお粗末な選挙の結末

読売新聞より「北教組幹部に有罪判決、小林議員は辞職表明へ

北海道教職員組合(北教組)が民主党の小林千代美衆院議員(41)(北海道5区)陣営に、1600万円の違法な政治資金を提供したとされる事件で、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)に問われた団体としての北教組と、同委員長代理(50)の判決が14日、札幌地裁であり、園原敏彦裁判長は、北教組に罰金50万円(求刑・罰金50万円)、委員長代理に禁固4か月、執行猶予3年(同・禁固4月)の有罪判決を言い渡した。

労働組合(職員団体)が、同法の両罰規定で有罪判決を受けるのは極めて異例。

事件は民主党の国会議員が、労組の不透明な資金に支えられてきた実態を浮き彫りにした。

これを受け、民主党の小林議員は同日、北海道千歳市内で記者会見を開き、事件の責任をとり、今国会閉会後に、議員辞職することを正式に表明する見通し。

(2010年6月14日10時09分 読売新聞)

サンケイ新聞より「北教組委員長代理に有罪判決 札幌地裁 小林氏進退表明へ

民主党の小林千代美衆院議員(41)=北海道5区=陣営が北海道教職員組合(北教組)から違法献金を受けたとされる事件で、政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反罪に問われた北教組委員長代理(50)の判決公判が14日、札幌地裁で開かれた。

園原敏彦裁判長は委員長代理に禁固4月、執行猶予3年(求刑禁固4月)、両罰規定に基づいて起訴された団体としての北教組に求刑どおり罰金50万円を言い渡した。

小林氏は9日、「(委員長代理の判決のある)14日に私の身の処し方について話をする」と述べ、委員長代理の判決後に自らの進退について表明する方針を示している。

検察側は論告で、

「北教組が違法献金の原資を解明されないように、組織的に罪証隠滅行為に及んだ。委員長代理がそれに関与している」
と指摘したうえで、
「北教組と委員長代理の刑事責任は重い」
と主張。

弁護側は委員長代理について

「深く反省している」
として罰金刑の判決を求めていた。

判決によると、小林氏陣営は平成20年9月、選対事務所を開設したが、解散・衆院選が行われなかったことから財政が困窮。

委員長代理と北教組委員長(故人)は、同年12月~昨年7月にかけて4回にわたり、小林氏陣営の元経理担当(46)=1審・禁固6月、執行猶予3年=に計1600万円を渡した。

小林氏陣営では、選対委員長代行で元連合札幌会長が公選法違反罪に問われ、札幌高裁は1日、懲役2年、執行猶予5年とした1審札幌地裁判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。

弁護側は上告の方針を示しているが、禁固以上の刑が確定すれば、札幌高検が小林氏の当選無効などを求める行政訴訟を札幌高裁に起こす。

これで、小林議員の辞職は確定したといって良いでしょうが、それにしてもひどい選挙であったことが伺えます。

問題になった選挙は平成21年7月21日に実施された選挙ですから、平成20年9月に選対事務所を立ち上げたから資金不足に陥った、というのは分からないでもない。

しかし、衆議院の選挙はいつあるのだか分からないのだから、参議院や統一地方選挙とは違っていて、候補者は原理的に「いつ選挙でもOK」であることを要求されています。

逆にいえば、金の掛かるような選対事務所を立ち上げるというところがおかしい。

選対なんては、普通の事務所でやらなければやってられないし、さらには支援者に手分けして事務処理をやってもらうことも出来る。

事務所が必要なのは、選挙事務所であって、国会議員の選挙だとある程度大きな容れ物が必要だから、当然事務所費も大きくなる。
簡単に言えば候補者は資金繰りが出来なくてはいけない。

こんな事になるのは、組織として無責任ぶりの露呈だろうが、どこかで「選挙事務所に使える選対事務所を早めに確保した方が良い!」といった話になったのではないだろうかと想像するが、それでは資金繰りもヘチマも無いわけで、その穴埋めを後からやった。

選挙に関わってみると、支援者の発言の中にも「実施したら間違えなく公選法違反だよ」という「提案」は幾つでも出て来る。

それを仕切るのが、候補者に直結してる、事務局長などの仕事なのだが、小林議員の選挙事務所では、その事務局長とか経理担当がダメだったようだから、当然の結果かも知れない。

こんなお粗末な選挙運動から出てきた議員を信用できないのは当然だ。
議員の質を見る目安として選挙運動の内容で見てみる、というのはアリだな。

6月 14, 2010 at 11:26 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.09

最小不幸社会の必要性

「菅直人首相会見」はサンケイ新聞にあった、首相の会見全文を載せましたが、こんな事は今までやっていません。

実のところ、テレビも含めて気にしていなかったために、昨日の段階では記者会見記事そのものを見逃していました。

今朝になって、新聞記事をチェックしたところ「最小不幸の社会」という言葉があっちこっちに紹介されていて、「おや!」と注目した次第です。

わたしは、菅直人氏が以前から「最小不幸の社会」という発言をしていたことを知らなかったので、非常に新鮮に感じましたが、ちょっと検索したら「志村建世のブログ」に行き当たりました。
「菅直人と最小不幸社会」

このところ私のブログへの検索語の上位に、「最小不幸社会」という語が急浮上してきました。調べてみると2006年4月に「最小不幸社会のつくり方」という記事を書いていました。書いた動機は、民主党の代表選挙(2004年末)で、菅氏が掲げたスローガンが「国民の不幸を最小にする政治」だったのでした。

この記事で私が提案しているのは、国民の生活に最低限必要な生活資源は、国が無償で提供するという考え方でした。当時はその言葉は使っていませんが、まさにベーシックインカムの思想でした。しかし我ながら面白いと思ったのは、その財政的基盤として「国民に一定期間の公務員としての無償の勤労を義務づける」という部分でした。ただし別に自由な仕事をしたい人は、税金を納めることで公務員の仕事を免れることができるとしています。

言うまでもなく、国は、最大の雇用者になることができます。かつてのソ連では、ほとんどすべての産業が国営で、国民の大半は公務員でした。それが官僚化して社会を硬直化させ、国の停滞と崩壊を招いたことは歴史の示す通りですが、最低保障部分と自由な経済活動の分野とを組み合わせた国づくりは、充分に可能であると思われます。

自由主義経済の下では、格差の拡大は避けられません。労働では、過労死するほど多忙な人々と、働きたくても仕事のない多くの失業者を生み出します。最低賃金といった公正な労働基準も、民間企業の主導では整備が困難です。賃金水準も、公務員の給与を民間に準拠して決めるのではなく、公務員の待遇を労働条件のモデルとして民間に普及して行くことが考えられます。

いま「分かち合いの経済学」(神野直彦・岩波新書)を読んでいる途中ですが、非常に示唆に富む本です。新自由主義信仰で歪んでしまった日本社会の現状には、多くの反省点があります。菅首相には、4年前に自らが提唱した「最小不幸社会」の実現に向けて、今こそ継続的に活躍して欲しいと思います。

国政の要諦は「不幸な国民を作らない」ことです。経済の成長も拡大も、それ自体が目的物ではありません。財政再建の第一順位が、消費税率の引き上げでないことは明らかです。 (追記・菅氏は、私が4年前の記事を書いた直後に、「年金未納問題」で社保庁のミスを自己の責任として追及され、無念の代表辞任に追い込まれました。)

(追記2・テレビ報道を見ていたら、組閣後の菅総理も「国民の不幸を最小にする」と発言していました。菅氏の一貫した持論だったのですね。)

この方は、2004年の民主党の代表選挙(2004年末)で、菅氏が掲げたスローガン「国民の不幸を最小にする政治」に注目されて、記事にしたのですね。

「最小不幸社会のつくり方」

さきの民主党の党首選挙に立候補した菅直人氏が掲げたスローガンが「国民の不幸を最小にする政治」でした。私は大いに同感したものです。政治の任務は、まさにそこにあると思います。そこで、ややユートピア論的になるのですが、国民を不幸にしない国づくりを考えてみましょう。

まず、国民の衣食住の最低限の基準のものは、国の責任において、必要とする全国民に無償で供給することとします。これで餓死と凍死の心配はなくなります。その代りに、働くことのできる全国民は、一定の時間は公務員として無償で働くことを義務づけられます。その総労働時間数は、国が無償で供給するサービスの労働価値と見合うものになります。つまり国民の最低限の生活保障は、貨幣経済から切り離すのです。こうして保障される国民生活の上に、自由な貨幣経済を発達させることにすれば、がんばって報われたい人は、いくらでもがんばれるし、もし失敗しても、生活の心配はしなくて済みます。つまりこれは、家族・同胞愛的相互扶助制度と、資本主義とを組み合わせた経済モデルです。そんなものは荒唐無稽でありえないと思われるでしょうか。しかし、その方向への試みは過去にもあったし、今でもさまざまな形で実際に行われています。

最近、福祉を考える上で重要性を指摘されている地域コミュニティーでも、ボランティアの力が高く評価されていますが、そこには、自分ができるときに奉仕しておけば、いつか自分が助けられるという相互扶助の思想があります。その仕組みを組織化するために、地域通貨やボランティア券などの擬似通貨を発行する例もあるようですが、それは資本主義経済の貨幣とは違うものです。ボランティア券は、奉仕する義務と奉仕を受ける権利とを制度化すれば、容易に無償化できるでしょう。それを一歩進めれば、一定時間、または一定期間の公務員としての無償労働になります。その時間を自由な経済活動に使いたい人は、無償労働の代りに税金を納めればいいのです。この制度がうまく機能すると、失業問題を根本的に解決することも、夢ではなくなります。

菅直人首相の持論であることは分かりましたが、首相が考える「最小不幸社会」あるいは「最小不幸社会を目指さざるを得ない状況判断」がどのようなものなのか?具体的には分かりません。

わたしは、人口減社会が現実のものになりつつあるときに「成長戦略と言いさえすれば、万事OK」のようなことでは「暴論」以外の何ものでもないと考えています。

成長戦略の代表格である、高度経済成長時代はありとあらゆるものが増えたのだから、政策は効率的な成長を見極めることで、世界的競争に打ち勝ったと理解しています。

これが、人口減による「経済縮小時代」になったときにどうするのか?は高度経済成長時代と同じく、戦略的な視点が必要であると考えています。

東京都には、多摩ニュータウンと、戸山団地という二つの高齢化団地があります。
それぞれに対策することになっていますが、全体が縮小するのだから、両方が存続するのは無理でしょう。
つまり、早晩「団地の廃棄」という問題に突き当たります。

今までの、成長戦略の視点からは誠に「不幸な事」に他ならないわけですが、不幸なことによる被害を最小限にとどめるのが、「最小不幸社会」ではないのか?と思います。

昨日の夕方、テレビでやっていましたが、電鉄会社の生き残り戦略として東急が採りあげられました。

わたしが住んでいるのは、まさしく東急が対象にしているたま田園都市なのですが、問題点は、戸建て住宅に住む住人が高齢化によって家を持てあますようになってきた、一方若い世代には子どものためにも良質の住宅供給が必要。という問題があるというのです。

そこで、東急は駅の近くの高層マンションに高齢層を戸建て住宅から引っ越すように勧め、同時に空いた戸建て住宅には若い世代に入ってもらう。
この事で、街全体としては人口が減らない、という「沿線経営」といった視点での取り組みをしているそうです。

しかしながら、これは大都会の周辺住宅地だから成り立つ話であって、もっと色々と考えなければならないことが多々あるでしょう。

わたしは、一番有効なのは「住宅団地」「工業団地」といった集合的都市計画を見直すのが、良いのでは無いかと思います。

集合化=効率化でありますが、効率を追求するとシナリオから外れたときにダメージが大きいわけです。

もの作りが必要と言いつつ後継者が育たない理由の一つは、子どもの時代に「住宅団地しか知らない」があると思います。
実際、学校で「将来の職業志望」を調べてみると、身近な職業である、美容師・看護師といったところばかりが出てきます。

工業にとって、公害処理コストなどを軽減するために、工業団地に逃げたことが後継者お断りとなってしまった、と理解するべきでしょう。
もちろん、住宅街で工場を運営したら、コストアップになって競争力が無くなるという意見が主流だと思いますが、存続は出来るでしょう。

つまり、今や「長期的存続か、短期的効率か」という選択の時代だと思います。

6月 9, 2010 at 12:28 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

菅直人首相会見

サンケイ新聞より
【菅首相会見詳報】(1)
【菅首相会見詳報】(2)
【菅首相会見詳報】(3)
【菅首相会見詳報】(4)
【菅首相会見詳報】(5)
【菅首相会見詳報】(6)
【菅首相会見詳報】(7完)

上記の通り7分割の記事を一本にまとめました。

記者会見ですので、首相の発言、記者の質問、首相の回答、という順序になりますから、字下げして表示しています。
以下、サンケイ新聞の記事

菅直人首相は8日夕、就任後初の記者会見を行い、

「政治の役割は国民が不幸になる要素、世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか。最小不幸の社会を作ることにあると考えている」
と述べた。

会見の詳報は以下の通り。

(1)「政治の役割は国民が不幸になる要素をいかに少なくするか」

【冒頭発言】

「今夕、天皇陛下の親任をいただいた後、正式に内閣総理大臣に就任することになりました菅直人でございます。

国民のみなさんに就任にあたって、私の基本的な考え方を申し上げたいと思います。

私は政治の役割というのは、国民が不幸になる要素、あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか。最小不幸の社会を作ることにあると考えています。
もちろん、大きな幸福を求めることは重要でありますが、それは、たとえば恋愛とか、あるいは自分の好きな絵を描くとか、そういうところにはあまり政治が関与すべきではなくて、逆に貧困、あるいは戦争、そういったことをなくすることにこそ政治が力を尽くすべきだと、このように考えているからであります。

そして、今、この日本という国の置かれた状況はどうでしょうか。
私が育った昭和20年代、30年代は、物はなかったけれども、新しい、いろいろなものが生まれてきて、まさに希望に燃えた時代でありました。
しかし、バブルが崩壊してからのこの20年間というのは経済的にも低迷し、3万人を超える自殺者が毎年続くという、社会の閉塞(へいそく)感も強まって、そのことが、今、日本のおかれた大きな、何かこう全体に、こう押しつぶされるような、そういう時代を迎えているのではないでしょうか。

私はこのような日本を根本から立て直して、もっと元気のいい国にしていきたい。
世界に対しても、もっと多くの若者が羽ばたいていくような、そういう国にしていきたいと考えております」

「そのひとつは、まさに日本の経済の立て直し、財政の立て直し、社会保障の立て直し。つまりは、強い経済と強い財政と強い社会保障を一体として実現をすることであります。

今、成長戦略の最終的なとりまとめを行っておりますけれども、日本という国は大きなチャンスを目の前にして、それにきちっとした対応ができなかった。このように思っております。

たとえば、鳩山前総理が提起された、地球温暖化防止のための(温室効果ガスの)25%(削減)という目標は、まさに日本がこうした省エネ技術によって、世界の中に新しい技術や商品を提供して、大きな成長のチャンスであるにもかかわらず、立ち遅れてきております。

また、アジアの中で、歴史の中で、最も大きな成長の時期を迎えているにもかかわらず、先日も中国に行ってみましたら、いろんな仕事があるけれども、日本の企業はヨーロッパの企業の下請けしかなかなか仕事がとれない。

一体どんなことになったのか。つまりは、この20年間の政治のリーダーシップのなさが、こうしたことを生み出したと。このように思っております」

「成長戦略の中で、グリーンイノベーション、そしてライフイノベーション、そしてアジアの成長というものを、私たち、それに技術や、あるいは資本や、いろいろな形で関与することで、わが国の成長にもつなげていく。こういったことを柱にした新成長戦略、これに基づいて財政配分を行いたいと考えております」

(2)「沖縄の負担軽減も真摯に取り組んでいく」

「また、日本の財政状況がこれまで悪くなった原因が、端的にいえばこの20年間、税金が上げられないから、借金でまかなおうとして、大きな借金を繰り返して、効果の薄い公共事業、例えば100に近い飛行場をつくりながらまともなハブ空港がひとつもない。

これに象徴されるような効果の薄い公共事業にお金をつぎ込み、また一方で社会保障の費用がだんだんと高まってきた。 これが今の大きな財政赤字の蓄積の構造的な原因であると。

私は財政が弱いということは思い切った活動ができないわけでありますから、この財政の立て直しも、まさに経済を成長させるうえでの必須の要件だと考えております。

そして社会保障についても、従来は社会保障というと何か負担、負担という形で、経済の成長の足を引っ張るんではないかと、こういう考え方が主流でありました。しかし、そうでしょうか。スウェーデンなどの多くの国では、社会保障を充実させることの中に雇用を見いだし、そして若い人たちも安心して勉強や研究に励むことができる。まさに社会保障の多くの分野は、経済を成長させる分野でもある。

こういう観点に立てば、この3つの経済成長と財政と、そして社会保障を一体として、強くしていくという道は、必ず開けるものと考えております。

国際的な問題についても触れたいと思います。

日本は、戦後60年間、日米同盟を基軸として外交を進めてまいりました。その原則は今も原則として、しっかりとそうした姿勢を続けていく必要があると考えております。

それと同時に、アジアにある日本として、アジア諸国との関係をより深め、さらに、ヨーロッパや、あるいはアフリカや、あるいは南米といった世界の国々とも連携を深めていく。このことが必要だと思っております。

普天間の問題で、日米関係を含めて、いろいろと国内の問題も含めて、国民のみなさんにご心配をおかけいたしました。日米の間の合意はでき、それに基づいて進めなければならないと思っておりますが、同時に閣議決定においても述べられました、沖縄の負担軽減ということも、真摯(しんし)に全力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。

大変困難な課題でありますけども、私もしっかりと、ひとつの方向性をもって、この問題に取り組んで参りたい。このように思っているところであります」

(3)「仙谷氏は付き合い長いが、煙たい存在」

【首相の仕事】

「そして、私、首相としての仕事は何なのか。

この間、テレビなどを少し見ますと、私が任命をした閣僚や党の新しい役員が、それぞれマスコミのみなさんの取材を受けて、いろいろな発言をしているわけです。

どうですか、みなさん。そういう、私よりも10歳、20歳若い、そういう民主党の閣僚や党役員の顔を見て、声を聞いて、『ああ、こんな若手が民主党にはいて、なかなかしっかりしたことを言うじゃないか。なかなかこれならやってくれそうではないか』、そういうふうに思っていただけたんじゃないか。

私は鳩山由紀夫前首相とともに、1996年に旧民主党をつくり、98年に新たな民主党、初代の、初代の代表となりました。その後、小沢一郎前幹事長の率いる自由党と合併をして、今の民主党になったわけでありますけども、そこにそうした人材が集まってきたこと。私はそのことがうれしいと同時に、自信を持って、今申し上げたような日本の改革を推し進めることができる。このように思っております」

「そして、この多くの、民主党に集(つど)ってきたみなさんは、私も普通のサラリーマンの息子でありますけれども、多くはサラリーマンや、あるいは自営業者の息子で、まさにそうした普通の家庭に育った若者が、志を持ち、そして努力をし、そうすれば、政治の社会でもしっかり活躍できる。 これこそがまさに本来の民主主義のあり方ではないでしょうか。

そのみなさんとともに、このような課題を取り組んでいく上で、私の仕事は、ひとつの方向性をきっちりと明示をし、そして内閣、あるいは党をですね、その方向で、議論するところは徹底的に議論をして、みんなが納得した上でその方向にすべての人の力を結集していく。そのことが私の仕事だと考えております。

ま、首相になったからには、もうあまり個人的な時間はとれない。本当なら53番札所まできているお遍路も続けたいところですけども、今しばらくはそれを、まさに後に延ばしても、ある意味では、官邸を中心に、これこそが修行の場だと、そういう覚悟で、日本という国のため、さらには世界のために、私のあらん限りの力を尽くして、よい日本を、よい世界をつくるために全力を挙げることを国民のみなさんにお約束いたしまして、私からの国民のみなさんへのメッセージとさせていただきます。よろしくお願い申し上げます」

【官邸機能強化】

首相は首相指名後の記者会見で、今回の組閣について『官邸機能をしっかりして内閣の一体性を担保する』と指摘している。
首相も副総理として加わった鳩山政権は短命に終わったが、その背景にどんな構造的問題があったのか。今回の組閣では、その教訓を生かして、どこがどう変わるのか

「まあ、鳩山内閣において、私もですね、副総理という重要な役割をいただいていたわけですから、鳩山内閣が短命に終わってしまったことは、もちろん残念でありますし、私も大きな責任を感じております。

ま、その上で、新たな、私の下の内閣は、やはり官房長官を軸にした一体性というものを考えて構成をいたしました。

つまりは首相の下の官房長官というのはまさに内閣の番頭役であり、場合によっては、首相に対してもですね、『ここはまずいですよ』と言えるような人物でなければならない。

よく中曽根康弘政権の下の(官房長官の)後藤田正晴先生の名前が出ますけれども、まさに、そうした力をもった方じゃなければならないと思っております。

仙谷由人官房長官は私とは長い付き合いでありますけれども、同時に、ある意味では、私にとっても、煙たい存在でもあるわけであります。
しかし、そういう煙たい存在であって、しかし、力のある人に官房長官になっていただくことが、この政権の一体性をつくっていく上での、まず、最初の一歩だと考えております。そして、その下に官房副長官、さらには各閣僚、そして副大臣という形を構成します」

【政と官】

「ま、この間、政と官の問題でいろいろ言われましたけれども、決して官僚のみなさんを、こう排除してですね、政治家だけでものを考え、決めればいいということではまったくありません。

まさに官僚のみなさんこそが、政策やいろんな課題を長年、取り組んできたプロフェッショナルであるわけですから。そのみなさんのプロフェッショナルとしての知識や経験をどこまで生かして、その力を十分に生かしながら、一方で国民に選ばれた国会議員、その国会議員によって選ばれた首相が内閣をつくるわけですから。国民の立場というものを、すべてに優先する中で、そうした官僚のみなさんの力もつかって、政策を進めていく。

このような政権を、内閣をつくっていきたいし、今日、全員の閣僚とそれぞれ10分程度でありますけれども、時間をとって話をいたしました。

それぞれに頑張ってほしいということと同時に、必要となれば、私がそれぞれの役所のあり方についても場合によっては、官房長官を通してになるかもしれませんが、『もうちょっとこうしたらいいんじゃないの』と、こういったことも申し上げて、一体性と同時に政と官のよりよい関係性を、力強い関係性をつくっていけるように努力をしていきたいと考えております」

(4)「取材受けることで政権運営行き詰まる」-国民に伝えるのは報道官

参院選について。改選期の議員を中心に7月11日の投開票を求める声が出ている。
今国会の会期を延長し、投開票日を先送りする考えはあるか。
また、参院選の争点と目標獲得議席数、勝敗ラインについてはどのように考えるか

「国会の会期というのは、通常国会というのは150日と決まっております。本来はその期間の中で成立させるべき法案を、すべて成立させたいわけでありますが、会期末を近くに控えて、まだそんな状況になっておりません。そういう中で国民新党との間での合意、つまりは郵政の法案について、それの成立を期すという合意もあるわけです。

一方では、たとえ多少の延長をしても、必ずしも、すべての法案を成立させることは難しい。

それならまた選挙の後に改めて取り組むこともあっていいんではないかという意見もいただいております。
これから新しい幹事長、あるいは国対委員長の下で、そうした連立の他党の皆さんとも十分議論をした上で、その方向性を定めていきたいと考えております」

「選挙における勝敗ラインということがよく言われますけれども、私は6年前、岡田代表の下で戦われた参議院選挙でいただいた議席がまずベースになる。そのベースをどこまで超えることができるか、あるいは超えることが本当にできるのか。

これから私もすべての選挙区について私なりに選挙区情勢を把握をしながら、近く発足する予定の参議院選挙対策本部の本部長として陣頭指揮をとっていきたいとこのように考えております」

先ほど財政再建の重要性を強調されたが、参院選に向けて、消費税を含む税制の抜本改革をどう位置づけていくか。
財政再建に関して新規国債発行額を今年度の44・3兆円以下に抑えると述べているが、参院選に向けて公約に明記する考えがあるのか

「確かに44・3兆円以下を目標とするということを申し上げました。

ただ、これは誤解をいただきたくないのは、44兆3000億(円)の国債を出すことで、財政再建ができるということではありません。

これでも借金は増えるんです。

この規模の財政出動を3年、4年続けていれば、GDP比で200%を超える公債残高が数年のうちにそういう状況になってしまいます。

そういった意味ではこの問題は実はまさに国として、とらえなければならない最大の課題でもあります。

これから所信表明演説もありますけれども、こういう問題こそ、ある意味では、一党一派という枠を超えた議論の中で、本当に、どこまで財政再建のためにやらなければならないのか。それは規模においても時間においても、どうあるべきなのか。そのことをある意味では党派を超えた議論をする必要が、今この時点であるのではないかと思っております。そういうことも踏まえながら、最終的な政権としての公約も含めて、そういうものを考えていきたいと思っております」

全閣僚の会見、官房長官の会見などを国民のために完全に開く意思はあるのかどうか。

「開くという意味がですね、具体的にどういう形が適切なのか、まだ私も総理という立場でまだ検討ということまで至っておりません。

率直に申し上げますと私はオープンにすることは非常にいいと思うんですけれども、ややもすれば、何かこの、取材を受けることによって、そのこと自身が影響してですね、政権運営が行き詰まるというそういう状況も何となく私には感じられております。

つまり政治家がやらなければいけないのは、まさに、私の立場で言えば、内閣総理大臣として何をやるかであって、それをいかに伝えるかというのは、例えばアメリカなどでは報道官という制度がありますし、ま、かつてのドゴール大統領などはですね、あまりそう頻繁に記者会見はされてはいなかったようでありますけれども、しかし、だからといって、国民に開かれていなかったかといえば、必ずしもそういうふうに一概には言えないわけです。

ですから回数が多ければいいとか、あるいはいつでも受けられるとか、そういうことが必ずしも開かれたことではなくて、やるべきことをやり、そしてそれに対してきちんと説明するべきときには説明する。

それについてどういう形があり得るのか、これはまだ、今日、正式に就任するわけでありますから、関係者と十分議論をしたいと思ってます」

政権が代わり、首相が代わったということで、衆参同日で選挙を打つ考えはあるか。

「まず、新しい政権になって、国民の皆さんから、参議院の選挙で審判を受けることになります。

衆議院の選挙にということついて、ま、ときどきいろんな方が言われるのは、分からないわけではありませんけれども、まず参議院の選挙で、今ここでも申し上げたような、ある意味では昨年の選挙で公約を出しましたし、また大きな意味での方向性をだんだんと固めてきた問題も含めて、きちっとこの参議院選挙で議論をさせていただきますので、そのことに対しての国民の審判を、まずいただくというのが、最初にまあ、やることというか、やらなければならないことだと思っております。

その意味で現在のところ衆議院選挙について、さらにやるべきだという、必ずしも、そうなるのかどうか、これはまったく白紙ということで考えております」

(5)「奇兵隊内閣と名付けて」

鳩山政権は「政治主導」や「友愛政治」とよく言われたが、菅政権が目指す方向性、キーワードがあったら教えてもらいたい

「私自身は草の根から生まれた政治家でありますので、草の根の政治という表現がひとつ浮かぶわけですが、もう少し元気が良いところで言えば、そうですね、まあ私の趣味で言えば『奇兵隊内閣』とでも名付けたいと思います。

私は今は坂本龍馬が非常に注目されていますが、長州生まれであります。

高杉晋作という人は逃げるときも早い、攻めるときも早い。果断な行動をとって、まさに明治維新を成し遂げる大きな力を発揮した人であります。

今、日本の状況はまさにこの停滞を打ち破るためには果断に行動することが必要だ。

そして、奇兵隊というのはまさに武士階級以外からもいろいろな人が参加をして奇兵隊をつくったわけですから、まさに幅広い国民の中から出てきたわが党の国会議員、これが奇兵隊のような志を持って、まさに勇猛果敢に戦ってもらいたいという期待を込めて『奇兵隊内閣』とでも名付けてもらえればありがたいと思っています」

鳩山由起夫前首相は退陣の理由で「政治とカネ」の問題、普天間問題をあげた。
枝野幸男幹事長は小沢一郎前幹事長の政治倫理審査会への出席に関し、ご本人の判断に任せるといったが首相はどう考えるか。
普天間問題では、8月末までに工法など詳細を決定するということだが、沖縄県では反対されている。どう判断していくつもりか

「鳩山前首相がですね、自らの辞任のあいさつの中で今、ご質問がありました政治とカネと普天間の問題をあげて、いわばその問題でこの民主党政権が本来やらなければならないことがなかなか国民に理解してもらえなくなったということで自ら身を引かれたわけです。

そういう意味では、この後を受けた私の政権はある意味では前首相の思いをしっかりと受け止めて引き継いでいかなければならないと思っています。

政治とカネの問題については前首相の発言もあって、小沢前幹事長も自ら幹事長を引いておられるわけです。

ある意味でこれで十分と考えるかどうかということはいろいろな立場がありますが、政治という場でそうした首相でもある代表を辞任し、また最も党の中で重要な役職である幹事長を辞任するという一定のけじめであると思っています。それを含めて、どうしたことがさらに国会や他の場面で必要になるのか、そこは特に国会の問題では幹事長を中心にそうしたことについては他党の主張もあるわけですから、しっかりと他党の主張も聞きながら判断していきたいと思っています」

「普天間については、日米合意を踏まえるという原則はしっかりと守っていかなければならないと思っています。

ただ、だからといって沖縄の皆さんが現在の時点で賛成をしていただいているというふうにはまだまだ思える状況にないことも分かっています。

8月の専門家によるひとつの方向性を出すということはそれはひとつの日米間の日程上の約束になっているわけですけど、そのことと沖縄の皆さんの理解を求めるということはやはり並行的に進めていかなければならない。当然ではありますけども、日米間で決めればすべてですね、自動的に沖縄の皆さんが了解して頂けるということではもちろんないわけでありますから。そういう意味では沖縄の皆さんについて、沖縄の負担の軽減ということをしっかりと取り組んでいく、そのことを含めた話し合いをしていかなければならない。

先の政権でいろいろな方がいろいろなアイデアや意見をもって鳩山前首相のところに来られたという経緯があったようでございますが、逆に言うと、いろいろな意見を聞くことは良いけれども、いろいろな人に担当してもらうことは混乱を招きかねませんのでまずは官房長官のところでどういう形でこの問題に取り組むべきなのか、もちろん外務省や防衛省、沖縄担当という大臣もおられますので、どういう形でこの問題に取り組むのが適切か、そう時間をかけるわけにはいきませんが、今日が正式のスタートでありますので、まずはどういうチームなり、どういう枠組みの中でこの問題の検討をするかの検討をしっかり行いたい」

今回の人事について「小沢カラー」を払拭(ふっしょく)した人事だといわれているが、野党側は参院選に向けた「小沢隠し」であるといっている。小沢前幹事長との距離感をどのようにとっていくのか

「良く皆さん、報道を見ていると常に小沢さんになんといいましょうか、近いとか遠いとか、あるいは小沢カラーとかいわれますが、少なくとも今回の人事を考える上で最大の要素はどなたにどういう仕事を担当してもらうのがより効果的に物事が進むかということで判断をいたしました。 ですから、よく見てもらえればわかるようにですね、それぞれ自らの考え方を持ち、行動力を持った人がそれぞれの所掌についてもらったと思っています。

小沢前幹事長について私が申し上げたのは、例えば私も2004年、最後は社会保険庁の間違えということが分かりましたけども、いわゆる年金未納で代表を辞任したことがあります。

やはり辞任した後はですね、しばらく本当におとなしくしていようと思いました。あるいは岡田(克也外相)さんは2005年の衆院選で小泉政権の郵政選挙で大敗されました。

あの選挙も今考えれば小泉さん流のある意味、ひどいというと言い過ぎかもしれませんが、まさに小泉劇場に踊らされた選挙であったわけですが、しかし岡田さんは責任をとって辞任した後にまさに全国の落選した仲間を一人一人たずねるという形で少なくとも表の場でいえば静かにして、次につながった行動をとられた。

私は特別なことを言ったつもりはありません。前首相が政治とカネの問題を含めて辞任し、また幹事長も首相から同じ問題でやはりともに引こうではないかということで了解されたということを首相が言われたわけですから、ある意味で責任を感じて辞められたということであるならば、しばらくの間は静かにされているのが、ご本人を含めてみんなのためにもいいのではないかとごく自然なことを言ったわけです。

しばらくというのは何日ならいいとか、何年ならということではなく、ひとつの新しい段階がきた中では、それはそれとして判断があっていいのではないでしょうか」

(6)「サミットで米大統領と会談できる」

経済成長を発展させるためにどのような引き金があり得るか。
また円安についての考えは

「さきほど経済、財政、社会保障を一体でということを申し上げました。

詳しいことを時間があれば申し上げてもいいんですけれども、あちらこちらで発言もしておりますし、また近いうちに所信表明もありますので、そういう中ではもう少し詳しく申し上げたいと思っております。

基本的にはですね、財政というものを健全化するそのときに、ただ、極端に言えば、増税して借金返しに充てたらいいかと言えば、これは明らかにデフレをより促進する政策になってしまいます。

そういうことを含めてですね、財政の振り向ける方向性がしっかりと経済成長につながる分野でなければなりません」

「また、国民の貯蓄を国債という形で借り受けして、そうした経済成長に資するところに使っていくというのは当然経済政策としてはあり得る政策であるわけです。

何を間違ったかと言えば、使い道が間違ったんです。

90いくつも飛行場を作って(韓国の)仁川(インチョン)のようなハブ空港が一つもないような使い方をやったことがですね、借金は増えたけれども成長はしなかったということであります」

「さらに言えば、世界先進国の中でも最もGDP(国内総生産)で高い水準まで借金が積み上がっておりますので、マーケットというのはなかなか難しい相手でありますから、そういうことを考えたときには、これ以上借金による、例え適切な財政出動であっても、借金による財政出動でいいのか、それとも税制の構造を変えることによって新たな財源を生み出して、そこの財源を使うことが望ましいのか。

そういったことをですね、まさに本格的に議論をする時期に来ている。

できればそれは政府として一方的に考え方を申し上げるだけではなくて、自民党を含む野党の皆さんの中でも共通の危機感を持たれている方もかなりありますので、そういう中での議論に私はつなげていければいいなと、こう思っております」

「円安のことはですね、一般的には円安が輸出においてプラスになるし、輸出のかなりウエートの高い今の日本経済では、円安が一般的に言えばプラスになると、こういうふうに言われていることは私もよく承知をしております。

ただ、相場についてはあまり発言しないようにと財務相になったときも言われましたので、この程度にさせていただいております」

米軍普天間飛行場の移設問題について、ぎくしゃくした日米関係を再構築する意味で、具体的に日米関係を好転させるために、どのようなことを考えているか。
近くカナダでサミット(主要国首脳会議)があるが、この前後の機会に自ら訪米する考えはあるか

「カナダでサミットが近く、今月の終わりごろありますので、その場でオバマ大統領と会談ができればいいなと。まだ最終的な予定は決まっておりませんが、そう思っております。

ただ、先日の電話会談では、カナダで会うことを楽しみにしているとオバマ大統領からもお話をいただいていますので、たぶんその場での会談は実現できるんではないかと思っております。

それより以前に訪米するということなども、いろいろ選択肢はあるわけですが、私ももちろんいろいろな国会を抱えておりますし、米大統領はもちろんもっと世界のいろいろな仕事があるわけで、今のところはサミットのときに首相として初めてお目にかかってお話ができるのではないかと思っております。ということです」

フリーランスの記者が首相に質問できる記者会見は今回で3回目だが、参加するには、さまざまな条件が課されている。
3回連続で参加を申請して断られたフリージャーナリストは、交渉の過程で首相官邸報道室に「私の権限であなたを記者会見に出席させないことができる」と言われた。
このジャーナリストはこれまで警察庁キャリアの不正を追及したり、検事のスキャンダルを暴いてきた人物だが、権力側から見たら煙たい存在だ。
首相は過去の活動実績の内容や思想・信条によって会見に参加させるかさせないかを決めていいという判断なのか

「先ほど、この会見というのか、オープンということの質問にもありましたが、私は一般的にはできるだけオープンにするのが望ましいと思っております。

ただ、何度も言いますように、オープンというのが具体的にどういう形が望ましいのかというのは、しっかりそれぞれ関係者の皆さんの意見も聞いて検討したいと思っております。

例えば私などは、首相になったらいろいろ制約があるかもしれませんが、街頭遊説なんていうのはたぶん何百回じゃきかないでしょう。何千回もやりました。
いろんな場面がありますよ。その場面でも。隣に来て大きなスピーカー鳴らして邪魔をする人もいたりですね、集団的に来る人もいたり、いろんなことがあります」

「だから、いろんな場面がありますので、できるだけオープンにすべきだという原則と、具体的にそれをどうオペレーションするかというのは、それはそれとしてきちんと何か必要なルールなり、対応なりをすることが必要かなと、こう思っています」

閣僚の顔ぶれを見ると再任が多いが、これは夏の参院選、9月の民主党代表選後に内閣改造ということを念頭に置いてのことなのか。
それとも逆に少なくとも次の総選挙まではこのメンバーでいくぞという決意で決めたのか

「一般的にはですね、まだ鳩山政権が誕生してから9カ月弱で今回の辞任に至ったわけです。 ですから、すべての閣僚も9カ月弱のこれまでの就任期間だったわけです。

ですから私もそれこそ最初の(カナダの)イカルカットでのG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)なんかに行ってですね、『この1年間で4人目の財務相の菅直人です』って言ったら、各国の財務相が苦笑していましたけれども、つまりはあまりにもですね、首相はもとよりですが、大臣も短期間で変わるということは私はそういう意味での行政の質と言っていいのか、いろんな意味で望ましいことではないと思っております」

「ですから今回については、もちろんいろんな経緯で自ら少し休みたいと言われたりですね、いろいろな経緯の方おりますけれども、しっかりした仕事をだいたいの方がやっていただいていると私も同じ内閣にいて見ておりましたので、そういう皆さんには留任をしてもらったということであります」

「改造うんぬんという話も今言われましたけれども、どうも皆さんが好きなのは改造とかですね、新しく変わることが好きなんですね。

同じ人がしっかりした仕事をやっていても、なかなか報道してもらえないんですね。ですから私の頭にそういう改造とか、なんとかということは全く頭の中にはありません。

ぜひですね、しっかり今やっている大臣が何をやっているかをよく見て、どういうことが実現できたかをよく見てですね、その上で、こうするのかああするのかを聞いていただければと思います」

(7完)「機密費、生活感覚だけではかれぬ場合も」

次の総選挙までは内閣、党人事を変えないという意気込みでいくのかどうか

「ですからそのことも含めてですね、今、私の頭の中には、改造とか何とかということはありませんし、一般的には、ある程度の期間を続けていただくことが望ましいと思っておりますけれども、この間、思いもかけない首相辞任もありましたのでですね、あまり、あの、その先のことまで、あまり確定的に申し上げることはちょっと控えたいと思います」

【北方領土】

北方領土問題についてうかがいたい。
鳩山前首相はやり残した仕事の中で北方領土問題を挙げていた。
メドベージェフ露大統領と6月のサミット(主要国首脳会議)、9月のロシアの国際会議、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、3回首脳会談をすることで約束していた。
菅首相としては鳩山前首相とメドベージェフ大統領との約束を踏襲するのか。
北方領土問題について具体的にどのような方針で対処するか

「率直なところ、まだ私自身がですね、今、指摘をされた鳩山前総理がどういう約束をメドベージェフ大統領とされているのか、あるいはその流れがどうなっているのか、必ずしも詳細に状況をまだ把握をしておりません。

ですから、もちろんこの問題、大変重要な課題であると同時に、大変歴史的にも非常に、こう長い間の問題で、大きな課題であるだけにですね、どういう形で取り組むことが適切か、まずはこれまでの経緯、あるいは鳩山総理とメドベージェフ大統領のそういう、その約束の中身なども十分検討した上で判断したいと思っています」

先ほどの質問で、官房機密費の問題についてお答えになっていなかったので重ねて質問する。
野中広務元官房長官が機密費を言論人、マスメディアの人間に配って、いわば情報操作、言論捜査を行ったという証言をした。
その後、取材を行い、野中氏の発言だけでなく、はっきりと私は機密費を受け取ったと証言する人物も出ている。
評論家の佐藤優氏は江田憲司元首相秘書官から機密費を受け取ったとはっきりおっしゃった。
こうした政治とカネならぬ、報道とカネの問題。政治と報道とカネの問題は大変ゆゆしき問題だ。
この点について、きちんと調査をするか。機密費の使途について、これまで使った分も、今後使用される分も含めて公開される気持ちはあるか

「この機密費という問題、なかなか、何と言いましょうか。根源的な問題も含んでいるわけです。

まあ、ものの本によればですね、いつの時代でしたでしょうか、戦前でしたでしょうか。当時のソ連の動きをですね、明石(元二郎)大佐ですか。いろいろ、こう、調査をするときにですね、巨額の、まさに、そういう費用を使ってですね、いろいろそういう意味での情報のオペレーションをやったというようなこともいろいろ歴史的には出ております。

そういう意味でですね、確かにその、なんて言うんでしょうか、国民のみなさんの生活感覚の中で考えられることと、場合によっては機密費という本質的な性格の中にはですね、一般の生活感覚だけでは、はかることの、場合によってはできない、ちょっと異質なものもあり得ると思っております。

今、この問題、官房長官のほうで検討をされていると思いますが、まあ、いろんな外交機密の問題もある意味で、ある期間が経た後にきちっと公開するというようなことのルールも必ずしも日本でははっきりしていないわけですけれども、この機密費の問題もですね、何らかのルールは、そういう意味でですね、必要なのかと思いますが、現在その検討は官房長官ご自身に委ねているところです。

まあ、報道のあり方については、これはあまり私の方からですね、言うべきことというよりも、それは報道に携わるみなさん自身がですね、考えられ、あるいはある種の、自らのですね、ルールが必要であれば、自らの自主的なルールを考えられればいいのではないかと。私なども時折ですね、ちょっと記事が違うんじゃないか、一体誰から聞いたんだと言っても、いやそれは取材元の秘匿はジャーナリストのいわば原点ですからと言って、それはそれでひとつのルールなんでしょう。

考え方なんでしょうが、まあ政治とカネの問題についてもですね、みなさん自身がどういうルールなり倫理観を持って当たられるか、それはみなさん自身が考え、あるいは必要であれば議論されることではないでしょうか」

6月 9, 2010 at 11:38 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.22

ライターの子ども対策が始動したが、回収できないらしい

読売新聞より「既存ライター販売禁止、来夏から安全装置義務

ライターの火遊びが原因とみられる火災が相次いだ問題を受け、経済産業省の作業部会は21日、国内で流通するほぼすべてのライターに、子どもが簡単に着火できない仕組み「チャイルドレジスタンス」(CR)を導入するよう義務付ける安全規制に乗り出すことを決めた。

同省は年内にも必要な法令を施行、在庫品解消のためなどの猶予期間を設けた後、来年夏頃から既存品の販売を禁止する方針。

販売禁止の対象となるのは、着火が容易なライターで、使い捨てタイプのほか、ガス注入式であっても樹脂製で安価な汎用品ライターも対象になる。

また、ピストル形など子どもの興味を引きそうな形状のライターの販売も禁じられる。

高級ブランド品など子どもが扱う機会が少ないと思われるものは対象外で、国内に流通する年間約6億個のライターのうち、9割以上が対象となるとみられる。

CRについては、すでに欧米で

  1. 着火ボタンを子どもの力では押せない重さにする
  2. ストッパーを外してから着火ボタンを押すなどの2段階操作にする
といった基準が導入されており、ほぼ同様の内容で、日本工業規格(JIS)の作業部会が8月までにとりまとめる見込み。

ライターの規制については、昨年12月から同省が検討を始めたが、今年2月以降、火遊びが原因とみられる火災で子どもが犠牲になるケースが東京都や北海道、宮城県などで相次ぎ、方針決定を急いでいた。

(2010年5月21日19時40分 読売新聞)

ここらの事情をていねいに放送したのが、日テレNEWS24 です。「相次ぐ“ライター火災” 使い捨てライター規制へ」です。

けっこうなことじゃないかと思うのですが、具体的に検討するとなかなか大変なようです。
朝日新聞より「使い捨て100円ライター、来夏までに販売禁止 経産省

子どもによるライター火災を防ぐための安全規制を検討していた経済産業省の作業部会は21日、来年夏までに今の「100円ライター」の販売を禁じ、原則すべてのライターを子どもが使いにくくすると決めた。

規制の対象は、燃料を再注入できない「使い捨てライター」すべてと、注入式のうちプラスチック製で「使い捨て」に似た汎用品。

年間約6億個流通しているライターの9割以上を対象にする。
高級品など一部は除く。

ライターの安全規制の方向性は決まったが、古いライターをどう回収するのか、安全なライターをいかに早く市場に広めるかといった新たな課題が浮上している。

民間調査会社「サーベイリサーチセンター」が3月、ライター所有者1千人に自宅にある数を聞いたところ、半数が4個以上で、11個以上も1割近くいた。

そこで消費者庁は不要になったライターを回収する仕組みができないか検討している。

だが、爆発の恐れがある製品を回収箱などで集めることには慎重な意見が強い。

廃棄するにも、中に燃料が残ったまま捨てると、ごみ収集車や処理施設の火災の原因になる。ごみとしての出し方も自治体によって異なる。

福島瑞穂・消費者担当相はこの日の会見で「関係省庁や日本喫煙具協会と連携し、適切な廃棄方法について注意喚起を展開していく」と述べた。

また経産省は来年夏を待たずに安全なライターを普及させようと、21日、業界団体の日本喫煙具協会(91社加盟)に対し、子どもが使いにくいライターを早く国内で販売するよう要請した。

だが、安全なライターに付ける「PSCマーク」が、早期投入には足かせになる恐れがある。安全なライターでも、規制前にマーク無しで出荷すると、規制後は販売できないからだ。

また、早期投入することで、小さなたばこ屋などで古いライターが売れ残り、大量の返品を出しかねない。

日本喫煙具協会の広田良平会長は

「経産省は、規制前に代替マークを付けて出荷した商品を規制後も売ることを認めてほしい。返品対策も必要だ」
と話す。(茂木克信)

この朝日新聞の記事は、よく分かりません。

ライターを回収する方策が見つからない、というのは分かりますが、

安全なライターに付ける「PSCマーク」が、早期投入には足かせになる恐れがある。
安全なライターでも、規制前にマーク無しで出荷すると、規制後は販売できないからだ。

何を言いたいのだろう?
さっさと、規制マークを貼り付けて、出荷すれば良いだけのことだろう?
というよりも、規制のタイミングと、出荷を同調させようなんてことができるわけがないだろう。
シール貼ったら適合品で、出荷のタイミングは何時でも良い、というのが普通ではないのか?
「何月何日から出荷した製品は規制適合品で、シールが貼ってあります」なんてのは全く現実的ではないだろう。

早期投入することで、小さなたばこ屋などで古いライターが売れ残り、大量の返品を出しかねない。

これは規制の目的そのものだろう。
なるべく早期に、大量に回収する。
その何が問題なのだ?

結局、このような事すら、まともに調整できないのが、現政権ということなのだろう。
福島消費者庁担当大臣の
「関係省庁や日本喫煙具協会と連携し、適切な廃棄方法について注意喚起を展開していく」これほど、何か言ったように見えて、その実何の意味もない発言も珍しい。

そもそも、使い捨てライターの子ども対策は、技術的レベルでは完成していることであって、今までなぜ出来なかったのか?というのは、行政が調整するべきところを放棄してきたからではないか。
「調整できないから、規制も出来ない」と放置してきた。
規制せざるを得ないところに追い込まれたから、「規制します」と発表した。ところが問題は、新旧製品の入れ替えや、小売店や家庭からの回収をどうするのか?という各省庁間にまたがる調整はそのままだ。

本来、消費者に関わる省庁間の調整は、消費者庁が行うべきことであると思うが、現実にはわたしが一番重要だと思うこの点について、日本の消費者庁は全く機能していない。

今回、この問題が露わになった、というべきなのだろう。

5月 22, 2010 at 12:33 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.20

小林千代美議員の辞職問題

朝日新聞より「小林千代美議員 辞職へ

民主党の小林千代美衆院議員=北海道5区=が、昨年の衆院選で自らの陣営が北海道教職員組合(北教組)から違法な選挙資金を提供された事件などを受け、議員辞職する方向で調整していることがわかった。「政治とカネ」をめぐる民主党国会議員の辞職は、昨年9月の政権交代後、初めて。

小林氏はこれまで議員辞職や離党を否定。
だが、北教組事件の公判で陣営幹部らが起訴内容を認めたことから、政治責任は免れないと判断した。

辞職の時期は、衆院道5区の補欠選挙が参院選と同日選となることを避けるため、通常国会閉会後の6月下旬以降を検討している。

■「今後の司法判断尊重」議員辞職へ 補選巡り思惑も

民主党の小林千代美衆院議員=道5区=が、通常国会閉会後の6月下旬にも、議員辞職する方向となった。

公職選挙法違反事件と北海道教職員組合(北教組)による違法献金事件という「政治とカネ」の問題が引き金だ。

2カ月前には「離党や辞職は考えていない」としていた小林氏。

だが、18、19両日の北教組事件の公判などで幹部らが起訴内容を認めたため、政治責任を免れられなくなった。

小林氏は19日、北教組委員長代理(50)の初公判後、コメントを発表した。

「私の選挙にかかわる一連の事件について、社会的・道義的責任を重く受け止めている」
「国民の政治に対する不信感を生じさせてしまったことに心からおわび申し上げる」
「議員の身分は、今後の司法の判断を尊重して参りたい」

民主党北海道(道連)の佐野法充幹事長も同日、

「不適切な金銭の提供と授受があったことで、政治不信を招いたとしたらおわびしなくてはいけない」
とコメントしたが、小林氏の進退については「本人が判断すること」としか語らなかった。

ただ、道連関係者によると、佐野氏は最近、小林氏と会談して「党内の意見」を伝えたという。

別の関係者は、この意見を「議員辞職やむなし」という趣旨だと解説する。

「(黙秘・否認していた)北教組事件の被告が違法な選挙資金の提供を認め、局面が変わった。小林氏の責任は避けられなくなったということだ」

小林氏をめぐる二つの事件では、

6月1日に公選法違反事件の控訴審の判決、
同9日に北教組事件で自陣営の会計担当者の判決、
同14日には長田被告の判決
が予定されている。

道連幹部は「これらが小林氏の言う『司法の判断』になる」と話す。

だが、小林氏が6月16日に予定されている通常国会閉会日までに辞職した場合、衆院道5区の補欠選挙は、参院選と同日選となる。

これを避ける一方で、参院選への悪影響も最小限に食い止めたい。

こうした思惑を勘案し、辞職の時期は国会閉会後の6月下旬周辺という方向性となった。

いやはや、六月一六日の通常国会閉会日まで持つのでしょうかね?

それにしても、程度悪過ぎとしか言いようがないですな。

5月 20, 2010 at 08:05 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

非常勤委員の給与問題

サンケイ新聞より「「非常勤委員の月額報酬は違法」と提訴 鹿児島

2010.5.20 18:38

非常勤の行政委員に月額で支払っている報酬は実態に見合わず違法だとして、鹿児島大法文学部の准教授(62)らが20日、鹿児島県の伊藤祐一郎知事に、4委員会の委員報酬支払い差し止めを求める訴訟を鹿児島地裁に起こした。

訴状によると、昨年末までの過去3年間で、収用、労働、選挙管理、監査各委員会委員の勤務は月平均1~6日で、月額報酬は約5万~21万円。

「地方自治法では勤務日数に応じた支給を定めており、月額制とすべき特別な事情はない」としている。

原告らは3月、違法な公金支出として住民監査請求をしたが、県監査委員は却下。

杉原准教授は「月額ではなく日当で支払うべきだ。条例改正を県議会にも要請していく」という。

県は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

一見至極当然のように感じるけど、非常勤委員が会議などに出席した時だけ、日当を支払うことにすると、非常勤委員のための職場を用意することになってしまうわけで、それは合理的なことなのだろうか?

実態として「やることがない」というケースはあるのだろうが、現実に何らかの諮問を受けて、そのための調査やリポートの作成などをする場合には、非常勤委員は、事務所以外の委員自身の仕事場や自宅で作業するのだろう。
つまり、労力以外のリソースも遭わせて提供せよ、というのが非常勤委員の普通のあり方なのではないだろうか?

その場合、勤務日数の方がはっきりしないわけで、「勤務は月平均1~6日」というのは会合などだけではないのか?

現実に、何もしていない非常勤委員が存在するだろうことは、容易に想像できるが、だからと言って「出勤日だけの日当制」に限定することができるものなのか?

かく言うわたしも、総務省傘下の仕事で非常勤の在宅勤務という不思議な形態で仕事をしたことがありますが、ネットワーク関係だからこれで誰も問題にしないわけです。
チーム内には、弁護士さんもいたから、事務所にわざわざ集まる方が普通ではないわけで、外見的には全然職場に集まらない人たちが、相応の人件費を使っていました。

こんな経験からすると、一律に日当制にするべきだ、というのは当を得ていない主張に見えます。

5月 20, 2010 at 07:47 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.18

裁判所が事件を起こしてどうするの?

毎日新聞より「福島地裁郡山支部:証拠映像消去 別の証拠も判読不能 1048枚中8割、画質悪く

福島地裁郡山支部(清水響支部長)が損害賠償訴訟で証拠保全したデジタルデータの一部を誤って消去した問題で、同じ訴訟の別の証拠保全のため、郡山支部が3月にデジタルカメラで撮影した文書1048枚の8割余りの画像が不鮮明で、内容が判読できないことが分かった。画素不足かピンボケが原因で、地裁郡山支部の管理体制が改めて問題となりそうだ。

この訴訟は、福島県郡山市内の医療専門学校を卒業した男性(40)が「無資格教員に授業をさせた」として、同校に授業料など約300万円の返還を求めて08年3月に提訴した。

新たに問題になっているのは、原告男性の申し立てによって3月26日に行われた証拠保全。

裁判官が立ち会い、書記官が同校でデジタルカメラ2台を使って02~05年度の成績通知票や学校日誌、学籍簿などを撮影した。

同支部は今月10日、画像データを収めたDVD1枚を男性に渡した。

毎日新聞がDVDの内容をパソコンで確認したところ、画像は項目ごとに17フォルダーで計1048枚あったが、うち43%の450枚は画素数が103~131キロバイトと極めて低画質で文字がぼやけ、文書全体がほとんど判読できなかった。

さらに41%の425枚はピントが合っていないため大きな文字しか読めず、すべて読めたのは全体の16%の173枚だけだった。

男性によると、データの内容を担当書記官に告げたところ

「読み取りにくいことは知っている。不満があるなら弁論で裁判官に直接言ってほしい」
と返答されたという。毎日新聞の取材に福島地裁総務課の佐藤武男課長は
「(データが読めないことを)把握していない。今後調査する」
と話した。

【坂本智尚】

毎日新聞 2010年5月18日 東京朝刊

どういうことなのかよく分からないのですが、一つの事件で証拠保全について、連続して問題が発生していて、当事者が毎日新聞に直接持ちこんで、記事になっているようです。

損害賠償訴訟で証拠保全したデジタルデータの一部を誤って消去した問題とは、毎日新聞より「福島地裁郡山支部:操作ミス、デジタル記録の証拠消去 原告に1年伝えず」のことです。

福島地裁郡山支部(清水響支部長)が、損害賠償訴訟の証拠保全のため、文書を記録したビデオカメラのデジタルデータを一部消去していたことが29日分かった。

パソコンで複写・編集する際に手順を誤ったという。

同地裁は「文書をビデオで記録するのは初めてだった。

担当した職員もパソコン操作に不慣れだった」と釈明するが、保全を申し立てた原告に消去を伝えず、再三の閲覧要求も放置していた。
元の文書は既に廃棄されており、原告が不利になるのは避けられない状況だ。

訴訟は、福島県郡山市の医療専門学校を相手に、卒業生の男性(40)が08年3月に提訴した。在学中の02~05年度、同校が無資格教員に授業をさせたとして、授業料など約300万円の返還を求めている。

男性は授業の状況を立証するため、同校の教職員出勤簿や雇用契約書、学生の出席簿などの証拠保全を申請。

同支部は昨年3月4日、裁判官1人と書記官ら4人が同校に赴き、ハードディスク内蔵型のビデオカメラなどで撮影記録した。

その後、支部職員が私物のパソコンを使い、約90分ある撮影データをDVD2枚に複写・編集する際、「02年度後期出席簿」が映っていた約8分のデータを消去してしまった。

同支部は撮影後約1年間、男性のビデオ映像開示の求めに「閲覧に来ても見せられない」と応じなかった。

今年3月末、男性が同支部を所管する福島地裁に苦情を訴え、今月21日に初めてデータの消去を明らかにした。

毎日新聞の取材に地裁は「(消去の事実を)隠したわけではないが、そう思われても仕方ない」と答えた。

男性は

「無資格教員の授業時間を立証するのに必要な証拠だった」
と困惑。同地裁の高世三郎所長は「厳しく指導したい」と話している。
【坂本智尚】

毎日新聞 2010年4月30日 東京朝刊

毎日新聞より「福島地裁郡山支部:証拠映像消去 原告の閲覧拒否、ミス隠ぺいの疑い浮上 /福島

福島地裁郡山支部が、証拠保全で撮影したビデオ映像のデジタルデータを消去した問題で、同支部は保全申請した原告男性(40)から昨年3月以降約1年間、映像データの開示を求められたのにもかかわらず、支部に保管していたDVDの閲覧を拒否していた。

原告の権利を侵害する不当行為で、消去に気付いていた同支部が、ミスを隠ぺいしていた疑いが浮上している。【坂本智尚】

◇「調査する」と返答、放置

昨年3月4日の保全手続きで記録されたのは、ビデオカメラによる動画8点、デジタルカメラによる静止画11点、複写紙2点の計21点。福島地裁総務課などによると、撮影した書記官は機材を別の職員に渡し、データを編集して支部に保管する「正本」と原告に渡す「副本」を、パソコンでDVDに複写するよう指示した。

データの消去はこの作業で起きた可能性が高い。記録の1週間後、男性に副本が2枚に分けて渡された。

男性によると、DVDは静止画は見られたが、動画は再生できなかった。

男性は昨年3月中旬以降、数回にわたり同支部に再生方法を問い合わせるなどしたが、担当書記官は

「支部のパソコンでは(正本の)再生が可能だ」
「調査する」
などと返答し、確認できないまま放置された。

男性は今年2月の口頭弁論で、映像データを証拠とする準備書面を提出するよう裁判官から求められ、同支部に正本の閲覧を請求。

しかし、担当書記官に「閲覧に来ても見せられない」などと拒否されたという。

そこで先月末、支部を所管する福島地裁に同支部の対応に苦情を申し立てたところ、今月21日に同地裁の首席書記官から映像データの一部消去を初めて明らかにされた。

男性は

「何度も開示を求めたのに対応してくれなかった。1年間も放置されたのはミスを隠そうとしていたとしか思えない」
と批判している。

同地裁総務課によると、同支部はDVDに保存したデータに問題があることを相当前から認識していたが、同地裁に苦情があるまで報告していなかった。

同地裁は

「隠ぺいする意図があったとは考えていないが、そう思われても仕方がない。担当者がどの時点でデータ消去に気付いたかなど詳しく調査したい。処分も検討している」
としている。

毎日新聞より「福島地裁郡山支部:証拠映像消去 「原因はヤブの中」 首席書記官、説明回避 /福島

福島地裁郡山支部が証拠保全で記録した映像データを消去した問題で、内部調査をした同地裁の首席書記官が

「なくなったものはどうしようもない」
などと、責任回避と受け取れる不適切な発言をしていたことが30日、原告の男性(40)の証言で分かった。

同地裁や男性などによると、映像データを同支部が約1年間にわたり開示しなかったことから、男性は3月26日、同支部を所管する福島地裁総務課に口頭で苦情を申し立てた。
さらに4月12日、文書で非開示理由への回答を求めた。

その後、同地裁から「謝りたいことがある」と連絡を受け、第三者の立ち会いを要求したが、「弁護士以外はできない」と拒否されたという。

このため同21日午後、一人で同支部に出向き、首席書記官と同支部庶務課長の2人と面談。この場で初めて、首席書記官から口頭でデータの一部消去の事実が明かされた。

首席書記官は

「担当書記官や補助をした職員に聴取したが、(データが消えた)原因は分からない。裁判所のミスだが、そこを追及してもなくなったものは戻ってこない」
などと発言。原因の説明を求める男性に対し、
「1年前のことで記憶も薄れており、今となってはヤブの中だ」
などと、今後の調査はしない意向を示唆したという。

データ消去や男性の開示請求を1年間も放置したことについて

「裁判所の責任と言えば責任。関係した職員に対処することになると思うが、内部の処分は公表しない」
などと話したという。

地裁総務課によると、面談後に首席書記官が地裁に提出した報告文書に、問題発言部分は記載されていないという。

一方、福島地裁は30日、事態発覚を受けて改めてデータ消去の事実を認めた。

非公式な対応だったことから、報道各社は高世三郎・同地裁所長の会見を求めたが同地裁は拒否した。【坂本智尚】

毎日新聞 2010年5月1日 地方版

とりあえず、裁判所を業務停止にしないと、裁判所の忌避が起こりますよ>最高裁殿

5月 18, 2010 at 10:39 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

青木幹雄議員の後継者は長男!

サンケイ新聞より「青木氏後継に長男・一彦氏

2010.5.18 08:04

自民党島根県連は17日、選挙対策委員会を開き、参院選島根選挙区(改選数1)への出馬を断念した青木幹雄前参院議員会長の後継に、青木氏の長男で秘書の一彦氏(49)の擁立を決めた。

会見した洲浜繁達県連幹事長は、一彦氏に決めた理由を

「長年にわたって秘書として青木氏を支え、政治的キャリアを積んでいる。判断力、行動力もある」
と述べた。予想される世襲批判については
「(公示まで)日数が限られ、公募できない。勝てる候補として最適任。理解を得られる」
と反論した。

一彦氏は早稲田大卒後、地元の山陰中央テレビ記者を経て、平成11年から父親の秘書を務めている。

青木氏は今月13日、同県雲南市のミニ集会で突然、ろれつが回らなくなり、出雲市の入院先で脳梗塞(こうそく)と診断された。意識はあり、話はできるという。

同選挙区には、いずれも新人で民主党の岩田浩岳氏(34)、共産党の石飛育久氏(32)、みんなの党の桜内朋雄氏(41)が出馬表明している。

最低にして最悪の選択、というべきだろう。

青木幹雄氏ほどの政治家なら、秘書を初め立派に選挙戦を戦える人材はよりどりみどりだろう。

その中でなぜ長男を選んだのか?

もちろん記者会見ですら、世襲批判が予想される、と突っ込まれているくらいだから、現実の選挙でも相応の批判票は出るだろう。

そもそも、選挙に勝ちさえすれば、なんでも良いという発想でなくてはこういう選択は有り得ないだろう。

まあ、なんというか「何も考えていません」「ビジョンなんかありません」という候補者選びであって、それに乗って出馬する候補者も全くダメだろう。

日本の政治は急速に劣化している。

5月 18, 2010 at 10:37 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.05.15

明石市役所・連れ子の女子高生の婚姻届を受理

読売新聞より「元妻の連れ子との婚姻届受理、戸籍上は「夫婦」

元税理士の男(57)が、元妻の連れ子だった女子高校生との婚姻届を偽造した有印私文書偽造容疑で兵庫県警に逮捕される事件があり、同県明石市の職員が、男と女子高生が民法上、結婚できないことを知らずに届を受理していたことが14日、わかった。

いったん受理された婚姻届は有効で、戸籍上はまだ「夫婦」のまま。

女子高生は婚姻の無効確認を求めており、家裁の判断を待って、戸籍を訂正するという。市は近く、女子高生に謝罪する。

捜査関係者などによると、男は4月、婚姻届の妻の欄に女子高生の名前を書くなどして偽造した疑い。
男は「自分のものにしたかった」と容疑を認めているという。

2008年の戸籍法改正で、窓口を訪れなかった配偶者に結婚が通知されるようになり、通知を受け取った女子高生が警察に相談し発覚した。

民法では、直系姻族(結婚相手の子どもなど)とは、婚姻することができないとし、離婚後も同様と規定している。

男は女子高生と血縁関係はないが、元妻との離婚後も連れ子との結婚は認められない。

男が届を出した際、夫と妻の欄にある名前の筆跡が酷似しているのを職員が不審に思い、法務局に照会したが、法務局から「書類が整っていれば、受け付けないといけない」と回答があり、受理したという。

(2010年5月15日00時48分 読売新聞)

なんとも色々ある事件ですね。

素晴らしいのは、

通知を受け取った女子高生が警察に相談し発覚した。
ですね。きちんと行動したことが良かった。
もっとも、こんな問題で「警察に行く」というところが、この税理士と元妻、その連れ子の女子高生との関係に何らかのトラブルがあったのだろうと想像できますが・・・・・。
しかし、警察ざたにしたから、明らかになったわけで、この点はよい判断でした。

対して、

明石市の職員が、男と女子高生が民法上、結婚できないことを知らずに届を受理
これは論外でしょう。
単に受け取るだけなら、職員なんて配置する必要ないよ。
郵便ポストで沢山だ。
この職員には、給与を払わないでも良いとなってしまう。

だいたい

夫と妻の欄にある名前の筆跡が酷似しているのを職員が不審に思い、法務局に照会したが
というのだから、疑っていたわけでしょう。
だったら、どこに問題があるのか無いのか、キチンと判断しなかったのか?明らかに、職務としての判断能力が必要な法的な知識を満たしていなかったわけで、当事者への謝罪をしても、市役所職員の行政上必要な判断能力が大いに疑わしい、という事実をどう修復するのだろうか?

5月 15, 2010 at 10:56 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.21

消費者庁の機能不全

朝日新聞より「消費者庁、届かぬ事故報告 「情報の一元化」看板倒れ

食中毒や製品事故など、消費者の安全が脅かされた事例を一元的に把握しているはずの消費者庁に、重大な事故情報が通知されない事態が相次いでいる。

通知すべき事故かどうかの判断を通知義務者の省庁や自治体側に任せてしまっているため、「消費者視点」を欠いた判断になったり、見落とされたりしているからだ。

消費者庁の「待ちの姿勢」が、看板倒れにつながっている。

通知制度は、消費者安全法に定められている。中国製冷凍ギョーザ事件での対応の遅れを受け、昨年9月発足の消費者庁に事故情報を一元化し、被害拡大の防止や注意喚起につなげようという制度の根幹が揺らいでいる。

都内で3月22日、乗用車の後部座席にいた母親がパワーウインドーを閉めた際、ひざに座っていた生後11カ月の女児が右手を挟まれ、小指を切断した。

昨年9月には4歳の男児が、後部座席の窓から頭を出していて首を挟まれて窒息し、運ばれた病院で生命に危険がある「重症」と診断された。

だが、2件とも発表後に報道機関が指摘するまで、東京消防庁から総務省消防庁に報告されておらず、消費者庁も発生を知らなかった。

東京消防庁生活安全課によると、交通事故と急病搬送を除き、同課には事故データが年間約11万件届く。
係員5人が、救急隊員の出動記録を1件ずつ点検し、被害状況や傾向を調べる。その作業が膨大なため、昨年9月の事故は見落とし、今年3月の事故は通知に思いが至らなかったという。
同課は「消費者安全法をより意識し、点検態勢の強化を考えたい」と話す。

東京都大田区の東急東横線多摩川駅下り線ホームでは昨年9月、女性(81)が車いすごと落ちて死亡した。

消費者庁は報道で知ったが、発生数時間以内に通知義務のある重大事故の疑いがあったため、国土交通省に問い合わせた。
同じ場所ではその2年前にも車いすの女性(95)が落ちてけがをしていたが、東急電鉄は利用者に注意喚起を十分にしていなかった。

しかし、国交省から

(1)介助者が車いすのストッパーをかけず手を離した
(2)カーブした線路に沿ったホームで傾斜は避けられないとして、商品やサービスが安全性を欠いたことが原因の「消費者事故」ではない
と説明を受け、そのままに済ませた。

消費者庁は「消費者事故かどうかは省庁や自治体側が判断する仕組みになっている」として、幅広い通知を求めていない。

このため通知がなければ事故が存在しないかのような状態になっている。

09年9月から今月11日までに、通知された事故は1399件ある。このうち133件を今年1月~今月14日に消費者庁が消費者安全法上の「重大事故など」として公表した。

これをみると、総務省消防庁の通知分は製品火災だけ。

国交省分は乗り合いバスでの転倒、経産省分はガス火災とガス爆発がそれぞれ大半を占める。

パターンにはまった事故は通知されるが、当てはまらない事故は漏れている可能性があり、通知されない事故は潜在的にはさらに多いとみられる。(茂木克信)

消費者庁の設置を求める集会に何度か参加しましたが、その時に問題点として指摘されていたことの一つが現実になった、ということでしょう。

消費者庁の設置を求める側の意見としては、役所のかきねを越えるといった観点での万能性を要求するわけですが、そうなると行政組織としては二重になってしまいます。
しかし、既存の各役所の判断に問題があって、隙間に落ちてしまうような問題を救済するために、幅広くチェックできる仕組みが必要なのは言うまでもありません。

つまり、消費者庁は出発以前からかなり大変な問題を抱えていたわけです。
そのために、自民党案と民主党案が正面衝突していたわけですが、それとは別に組織としても集中化を図るために、地方にあった消費者相談機能を中央直結にする、という「できるのか?」といった計画を進めて、これがいまだに旨くいっていません。

記事に紹介されている例は、いずれも各役所では情報が挙がっているのに、消費者庁に行かなかったということですが、元もと日本の行政は縦割り構造であり、消費者庁がやることが横串なのですから、消費者庁が情報を待っていても来なくて当たり前ではないでしょうか?

通知すべき事故かどうかの判断を通知義務者の省庁や自治体側に任せてしまっているため

というところは、最初からダメだろうといわれていた点で、ここらをさっさと直すのが最優先でしょう。

4月 21, 2010 at 10:17 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.04.20

国交省・高速道路建設計画でシミュレーションをごまかした?

東京新聞より「高速建設 評価“水増し” 国交省の便益計算 本紙試算

高速道路建設の是非を判断する最重要な指標をめぐり、国土交通省が、建設による影響をほとんど受けない遠方の道路まで「その他道路」として効果の評価対象に含め、建設によって住民らが受ける便益を大幅に水増ししていた可能性の高いことが十九日、本紙の調査で分かった。

国交省はこの三年間に八十八件の高速道路事業を「十分な便益あり」と判定したが、本紙が遠方の道路を外して再計算すると、二十三件にまで減った。

無駄な道路を造らないため、新道建設による走行時間の短縮や交通事故減少などのメリットを金銭に換算。

その便益額(B)を建設費用(C)で割った数(B/C(ビーバイシー))が1以上にならないと、建設は認められない決まりになっている。

本紙はこのルールが適正に実施されているか、専門家の助言を得て検証した。

その結果、便益額の大半を占める走行時間の短縮効果を計算する際、国交省は新道と直接関係のない「その他道路」を恣意(しい)的に設定。

平均すると効果の影響が出やすい「主な周辺道路」に比べ距離にして百倍近くも計算に入れていた。

また道路の合計(延長)で八十八件のうち二十七件までが四十万三千百六十キロでそろっているが、その根拠は非公開にしている。

遠方の道路でも、理論上はごくわずかな時間短縮効果が出る。計算対象を全国の道路にまで広げることで、便益額をかき集めた形。

こうした実態を伴わない効果は、本来は評価対象外とされ、「その他道路」を外して計算すると、時間短縮による便益額は大幅に減り、事故減少などの他の便益を同省の計算通りに加えても、B/Cが1に満たないケースが七割以上に上った。

国道の一部も検証したが、「その他道路」は数千キロまでしか対象にしておらず、再計算でも1を下回る例はなかった。

<国土交通省高速道路課の話>

評価する道路の合計が約四十万キロでそろうのは全国の道路を対象とするモデルで計算しているため。道路が完成した後も、遠方のため結果的に効果が出ない路線は計算上も数値に表れない。距離が長くても、便益の過大評価にならない。

(東京新聞)

ヘンに分かりにくい記事ですが、東京新聞の計算では、国交省が「便益が建設費を上回る」とした88件の高速道路事業計画が、実は単に計算上だけでも23件しかなかった。
88件をそのまま建設すると、建設費を取り戻せない。
ということですね。

これは、計算式に入れる情報が適正ではない、という観点からの指摘でしょうから、実際には社会構造の変化などで、もっと外れるという可能性もあるわけでしょう。

国交省はもっと詳しい報告をするべきです。

4月 20, 2010 at 12:24 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (11) | トラックバック (0)

2010.04.02

若林議員の奇怪な行動

サンケイ新聞より「若林氏議員辞職願提出 参院本会議での代理投票問題の責任をとって

自民党の若林正俊元農水相は2日午前、参院本会議での採決時に席をはずしていた青木幹雄前参院議員会長の投票ボタンを押していた問題の責任をとり、議員辞職願を江田五月参院議長に提出した。

若林氏は3月31日の参院本会議で、NHK予算案の採決の際、隣席の青木氏の「賛成」ボタンを押していた。
その場面が写真撮影され、発覚。

民主党は1日、「国会の議決を不正行為によってゆがめた前代未聞の事案だ」として参院議長に懲罰動議を提出した。

自民党執行部は混乱が広がることを懸念。若林氏の議員辞職を求めるなど、問題の早期の幕引きに乗り出していた。

これはいったいどういうことなのだろう?
元の事件の報道は、サンケイ新聞より「自民・若林議員辞職へ 青木氏の「代理投票」に説明があります。

自民党の若林正俊元農水相が参院本会議の採決で席をはずしていた青木幹雄前参院議員会長の代わりに投票ボタンを押していたことがわかり、自民党執行部は1日夜、議員辞職を含めた厳しい対応を求める方針を固めた。

2日に尾辻秀久参院議員会長が若林氏と会談し、辞任を促す見通し。

若林氏は農水官僚出身で昭和58年に衆院初当選。その後、参院に転出し、農水相、環境相などを歴任。
7月の任期満了で政界引退を表明していた。

3月31日の参院本会議で若林氏がNHK予算案の採決で青木氏の投票ボタンを押したところを写真撮影され、発覚した。

民主党は「国会の議決を不正行為によってゆがめた前代未聞の事案だ」として参院議長に懲罰動議を提出した。

これを受け、自民党も事実関係を調査。青木氏はこの件を知らず「驚いている」と語ったという。

どう考えたって、バレるでしょう。
だから、自民票を一票増やすという結果を求めた行動ではないですよね。
つまり、いたずらですか?

4月 2, 2010 at 10:22 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (2)

2010.03.30

阿久根市長・反対派集会に乗り込んだ

ボ2ネタ [ボ2]より「[話題]今日の阿久根市 阿久根市長:報告会に乱入 反市長派議員に「ばーか」

ボ2ネタ [ボ2]は「ボツネタ」を引き継いだものですが、「ボツネタ」は現役の裁判官が書かれていた時事問題を採りあげているはてなダイアリーでした。
「ボツネタ」を閉鎖する時に、「後任者は同じスタンスで」との希望があって、現在の「ボ2ネタ [ボ2]」も裁判官が書かれているのかもしれません。

そういう偏った見方では「今日の阿久根市 阿久根市長」に吹き出しちゃったわけです。
ボ2ネタ [ボ2]に目を付けられちゃったなあ~。(^_^;)

それにしても、朝日新聞の記事「阿久根市長「反対派を排除します」 反市長派会合で宣言

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長に反対する市議が29日夜に市内で開いた議会報告会に突然、市長が出席

マイクを握って「(反市長派の市議は)市政に参加させません」「反対派を排除します」などと発言を繰り返した。終了後も場外で市議と口論し、つかみ合い寸前になった。

会は、市長の市議会ボイコットで3月定例会が混乱した問題に絡んで市議らが開いた。

招いていなかった市長が会場の公民館に姿を現したため、市議らが前列に席を用意したが、市長は市民と一緒に会場のパイプいすに座って説明を聞いていた。

会場からの意見を受け付けた際に市長はマイクを要求。

前列に並んだ市議らの横まで出ていき、「なぜこんなこと(議会ボイコット)を私がしたか。議会は議論ができる場ではないんです」と持論を展開した。

さらに市議に向かって「私はちゃんとやります。皆さんには市政に参加させません」と発言。市民から議員との議論をしないのかと問われると、「しません。反対派の12人を排除します」と大声で宣言した。

なんてことを、なぜやったのでしょうかね?

  • 議会は議論ができない。
  • 反対派議員を排除する。
って、ユリウス・カエサルのつもりなのでしょうかね?

3月 30, 2010 at 11:41 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.03.22

自民党の大借金

サンケイ新聞より「【一筆多論】石井聡 自民の財政危機直視を

やや古くなるが、1月下旬、東京都内で開かれた自民党大会の終了後のことだ。

ホテル玄関のタクシー乗り場で行列を作る一般客を横目に、車を呼び出す係員のアナウンスに続いて黒塗りの高級車が車寄せに到着すると、若手議員を乗せて会場を後にした。

与党時代ならともかく、恵まれた議員なのか、まだ自民党も余裕があるのか。
一般党員の目にどう映ったかが気になった。

鳩山邦夫元総務相の離党問題で揺れる自民党で、谷垣禎一総裁ら執行部は求心力低下よりも深刻な悩みを抱えている。

野党転落によって一気に表面化した党の財政危機への対応だ。

衆院選での議席激減に伴って政党交付金は大幅に減り、企業献金への関与廃止を決めた日本経団連の方針転換は収入減に追い打ちをかけようとしている。

鳩山由紀夫首相の偽装献金の釈明にもあったが、企業献金を穴埋めするため個人献金を増やそうにも、簡単ではない。

国会では企業・団体献金の廃止問題について与野党協議が始まろうとしている。

資本主義経済を守り、企業の社会的存在を認めてきた観点から、自民党は直ちに「企業献金=悪」という立場をとるわけにはいくまい。

だが、野党に転落した自民党にとって、従来と同様に企業献金に依存しようとするのも現実的ではなかろう。

収入が減る以上、政党活動にかかる費用や個々の議員活動の費用を圧縮するしかない。

暮れの「もち代」や夏の「氷代」の支給は廃止したが、まだまだ不十分だ。
執行部は党財政が緊急事態にあることを宣言し、徹底したリストラ策や緊縮財政について所属議員らと真剣に論じ合うべきである。

有権者から忌避された「政官業」の癒着構造は、政権から離れることによって、幸いにも解消することが可能だ。

鳩山政権に代わる受け皿となるための政策を磨き、支持と寄付を地道に呼びかけていくしかない。

収入減とともに自民党の屋台骨を揺さぶっているのが、銀行からの巨額の借金だ。
平成20年分の政治資金収支報告書では119億円に上る。

小沢一郎民主党幹事長や故梶山静六氏が自民党幹事長を務めた時代にも、100億~150億円規模の借り入れがあった。

政権政党だからこそ可能だったが、すでに政権交代の可能性が指摘されていた20年10月、当時の麻生太郎首相の指示で行われた75億円の借り入れが響いた。

衆院選に備え、三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の3行から「協調融資」を受けた形だが、銀行側にとってはリスクの高い案件だったろう。

旧大和銀行時代から関係の深かったりそな銀行が、実質国有化された後に自民党への融資を増やした経緯もある。

企業献金は経団連経由のものだけで20億円規模を失う。
政党交付金の減額は50億円規模になるという。

収入の2本柱が急速に細るなかで、借金返済はきわめて困難だろう。
「企業だったら倒産できるのに」という声も漏れるが、無責任すぎる。

鳩山内閣とは別の意味で、自民党も「政治とカネ」に向き合うしかない。

政党の存続さえ危ういとの危機感を持ち、解党的出直しにどう取り組むかだ。
人気取りのために表紙を替えても借金は減らない。(論説委員)

当時の麻生太郎首相の指示で行われた75億円の借り入れが響いた。

何とも言いようがないが、政党が自力での資金集め能力以上の資金を市場から借りるという行動がそもそも健全ではないだろう。

末端の党員として活動していた時には、地方支部での資金繰りの大変さは目の当たりにしていたし、活動に伴う茶菓代のようなものについて、持ち寄りになるのも当然だった。

政党が活動費を銀行から借りてどうやって返すのだろう?

自民党が100億を越える借入金とは、それ自体がビックリだが、どうやって返済するのだろうか?
こっちの方がもっと気になる。

3月 22, 2010 at 05:33 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.03.19

阿久根市長・危なすぎる火遊び

朝日新聞より「阿久根市長「不信任してくれ」 反市長派市議に2月依頼

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が先月、反市長派の市議に「議会で不信任(決議)を出してくれ」と依頼していたことが19日わかった。

市議側は、竹原市長には不信任決議を受けたうえで再び議会を解散する狙いがあるとみており、「辞める気があるなら自ら辞職すべきだ」と話す。

依頼を受けたのは鳥飼光明市議で、2月中旬に電話があったという。

竹原市長が「不信任を出してくれ」
と持ちかけてきたのでその意図を問うと、
「自分の計画が前に進まない」
と語ったという。

竹原市長の議会出席拒否は3月4日の本会議総括質疑から始まった。
他の反対派市議も竹原市長から同じような要請を受けたという。

竹原市長は昨年2月に不信任決議を受けて市議会を解散した。

出直し市議選後の4月に2度目の不信任決議を受けて失職したが、直後の出直し市長選で当選した。

12人の反市長派市議は19日、市議会後に記者会見。多くの議員が

「市長が議員に不信任提出を言っているのは議会を解散する目的だ」
と話し、不信任決議案提出には慎重姿勢だった。

「市長が議員に不信任提出を言っているのは議会を解散する目的だ」
なるほどねぇ~。
以前、不信任 → 議会解散 → 市長選挙再選、となっているので「2匹目のドジョウ」を狙っている、ということなのでしょうか?

しかし、そのために市議会の運営を妨げたり、判決に従わない、というのは有り得ないでしょう。

普通の意味で、法律の規定に反している=実力行使ですから、これがエスカレートすると、テロリズムとかクーデターといった「実力行使」が見えてきます。
竹原市長の「実力行使」は民主主義社会にとって、極めて危ない火遊び、と言えるでしょう。

3月 19, 2010 at 09:57 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.03.12

法科大学院改革??

朝日新聞より「法科大学院の認証評価、司法試験実績も追加 新年度から

文部科学省は新年度から、法科大学院に義務づけている第三者機関による「認証評価」の判定基準に、司法試験の合格実績を初めて盛り込むことを決めた。

「質低下」が言われるなか、「法曹を生み出す」という役割を果たしているかどうかを重視する措置。
合格数などで低迷する大学院は、新基準で厳しい評価にさらされることになる。

文科省は、「形式的すぎる」との指摘があった認証評価を、実質的な教育の質を評価するものに変えることで、全体の底上げを図り、乱立された大学院の統合・再編を進めたい考えだ。新基準は省令改正で4月から施行される。

法科大学院は最低5年に1回、文科相が認証した3機関いずれかの評価を受けなければならない。

その評価基準の項目に「修了した者の進路(司法試験の合格状況を含む)」が加わる

また、入試成績が悪くても学生を入れる大学院もある状況を改めるため、「入学者の適性の適確(てきかく)かつ客観的な評価」も盛り込んだ。

法科大学院は「試験偏重からの脱却」という司法制度改革の理念を受け、教育成果を司法試験の合格者数で評価するのは不適切との考えがあった。

しかし、合格率は初年2006年の48.3%から続落し、昨年27.6%に低迷。このままでは制度が崩壊しかねないとの強い危機感が関係者にはあった。

法科大学院のあり方を検討している中央教育審議会(文科相の諮問機関)特別委員会は昨春の報告で、修了者や入学者の質確保を重視。
司法試験合格者がごく少数の大学院に抜本的見直しを求め、入試の競争倍率2倍確保や下位15%の「門前払い」を提言した。

今回の改正はこれを受けて行われた。

文科省は「合格率などの数値的指標のみで評価することは適当でない」とする一方、「法曹養成という明確な使命がある機関として役割を十分果たしているかは重要な観点」としている。

また、評価機関の判定についても、新基準では「総合的に評価する」に改め、教育の質に重大な欠陥が認められる時だけ「不適合」が出されるようにした。

今の認証評価は、授業のクラス規模が大きいなど形式的な理由で不適合となったり、機関によって評価にばらつきがあったりなどの問題が指摘されていた。

司法試験で実績を残している一橋大も、一部で100人を超えるクラスがあったとして不適合となるなど、全74校中69校の初回評価が終わった段階で、3分の1にあたる22校が不適合判定を受けている。(石川智也)

司法試験の受験資格から、法科大学院修了を外してしまえば、法科大学院は勝手にやってくれ、でなんの問題もないと思うのだが。

そもそも、法科大学院の評価に「合格率などの数値的指標のみで評価することは適当でない」と言い出したところで、意味が分からない。
それでは法学部と何が違うのか?

元もと、司法試験は合格定員数が決まっていて成績上位者から合格する、で良いはずなのだから、法科大学院が合格率を問題にしないとは、法科大学院は司法試験と無関係ですと言っているようなものだろ。
それなのに司法試験受験資格に法科大学院修了が必要、というのはどういう意味なのだ?

しかも、法科大学院での成績評価が相対評価だと聞いて、「なんかの間違えじゃないのか?」と質問してしまった。
法科大学院教授の答えは「文科省の管轄ですから」でありました。

何をやっているのか、さっぱり理解できない。

30年ぐらい前に、高度成長期のピークに達した頃、大学から「大学院に進学する学生に勉強の目的がないヤツが出てきた」と聞きました。近年では「社会に出るのではなくて、とりあえず大学院進学」が増えている、と言われてそれが修士課程ならとにかく、博士課程まで行ってしまって、もう本当に何をやればよいのか分からない若者がいるとのことです。

そういう、大学院問題の組織化が法科大学院ではないのか?

現役の弁護士さんが非常な大金をつぎ込んで、どうにもならないことにするのは問題だ、と大批判をしているのも当然でしょう

元に戻りますが、法科大学院は文科省。司法試験は最高裁なのだから、司法試験の受験資格から法科大学院修了を必須で無くすればよい。
と強く思いますね。
外国で学んだ人などに、受験資格の段階で時間と金がものすごく掛かる義務を課すのもまずいでしょう。
どうせ「受験資格」なのだから、どこかに穴を空けてしまえばよい。

改めて今回の文科省が実施する「改革」を読んでみると、結局は「質の向上」など入り口の問題としていますね。
しかし、法科大学院を卒業して司法試験に合格しないあるいは法曹にならない人に対して、法科大学院は何を成果として与えることができるのか?というところがさっぱり分からない。
出口が分からないわけです。

出口を司法試験合格に限定するのなら、司法試験受験者の成績で法科大学院を評価すればよいでしょう。
これは相対ではなくて、絶対評価にする。
司法試験合格者との成績の差が誤差の範囲以下の学生を排除するのが、法科大学院の仕事でしょう。

医学部でも「国家試験に合格しないことが分かっている学生を受験させない」という話は以前からありますが、それがさらに悪化している例と見るべきでしょう。

法曹を広く国民の各層から集める、というのであれば法科大学院制度を司法試験の受験資格から外すべきである。

3月 12, 2010 at 09:57 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.10

日弁連会長選挙・宇都宮健児弁護士が当選

毎日新聞より「日弁連会長選:再投票で宇都宮氏当選

日本弁護士連合会の会長選は10日、再投票が行われ、多重債務問題への取り組みで知られる宇都宮健児氏(63)=東京弁護士会所属=が、現執行部の路線を継承する前日弁連副会長の山本剛嗣(たけじ)氏(66)=同=を破り、新会長に内定した。

任期は4月から2年間。従来は大規模弁護士会の主流派が推す候補が当選してきたが、知名度の高い宇都宮氏が慣例を破った。

即日開票の仮集計で、宇都宮氏は9720票を獲得し、8284票の山本氏を1436票上回った。

当選には全体の最多得票者が全国52弁護士会の3分の1を超える18会で最多票を得る必要があるが、宇都宮氏は46会を制した。

約2万8800人の全弁護士が有権者で、投票率は63.19%。2月の投票では山本氏が宇都宮氏を976票上回り、宇都宮氏が42会を制していた。

全弁護士の6割が東京の3弁護士会と大阪弁護士会に所属し、従来は4会の主流派が擁立する候補が当選。
今回は山本氏が推されたが、再投票では大阪でも宇都宮氏に敗れた。

宇都宮氏は「司法試験合格者を年間1500人に削減する」と主張。
具体的な人数を示さなかった山本氏と比べ明確な方針を示し、地方の支持を幅広く得た。

宇都宮氏は愛媛県出身で71年弁護士登録。
消費者問題の第一人者として知られ、日弁連多重債務対策本部長代行やオウム真理教犯罪被害者支援機構理事長を務める。【銭場裕司】

そもそもなぜ、再投票になったのかが分かりにくいのですが、朝日新聞より「日弁連会長選、初の再投票に 主流派・山本氏に地方反発」に説明があります。

主流派閥の候補者と知名度の高い候補者との一騎打ちとなった日本弁護士連合会の会長選の開票が5日行われたが、接戦となって当選者が決まらなかった。

3月10日に再度、投票が実施される予定。再投票になるのは、会長選が全会員による直接選挙になった1975年以降、初めてのことだ。

立候補しているのは、いずれも東京弁護士会所属の山本剛嗣氏(66)と宇都宮健児氏(63)。

消費者問題の専門家として知名度が高く、「日弁連の改革」を訴える無派閥の宇都宮氏が、主流派で現執行部の路線を継承する山本氏に挑む構図。
主流派候補が組織力で勝ってきた従来とは異なる会長選として結果が注目されていた。

日弁連の会員数は約2万8千人。

日弁連の仮集計によると、投票総数は1万8361票で、得票数は山本氏が9525票、宇都宮氏が8555票と、山本氏が上回った。

ただ、会長選の規定では、全得票数が最多でも、全国に52ある弁護士会のうち3分の1の18会以上で得票数が1位でなければ当選者になれない。

山本氏がトップだったのは東京、第一東京、第二東京、大阪などの9会にとどまり、条件を満たせなかった。

一方、宇都宮氏は地方を中心に42会で1位となり、地方の「反乱」が史上初の再投票を招いた形だ。法曹人口の拡大を目指す司法制度改革で若手弁護士が急増し、弁護士の仕事が大都市部ほど多くない地方で、増員路線を進めてきた現執行部への反発が強いことが背景とみられる。

日弁連によると、3分の1の条件は、会員の6割が集中する東京・大阪の意見に偏らないよう、バランスを考えた規定。

再投票でも適用され、決まらなければ改めて候補者を募って「再選挙」をすることになる。その場合は投票まで2~3カ月かかることが予想されるという。(延与光貞、中井大助、向井宏樹)

要するに「当選資格」が二つあって、両方を満足することが規定されていたのだけど、たすき掛けになってしまったから再投票になった、ということです。

宇都宮弁護士とは宴会の席で隣になったので、お話しする機会がありましたが、信念の人という観点ではこの記事にある通りの方と思いました。

魂の仕事人第10回「社会の闇と闘う仕事人・弁護士 宇都宮健児」 2006年の記事で全5回のインタビューです。お勧めです。

しかし、わたしの知己である法学者や弁護士の方々は、どちらの候補も弁護士数の削減を唱えているのだが、とそもそも論の段階で疑問を呈されていました。
利用者というか社会一般から見ると、長期的には弁護士は増えるべきだと思います。

わたし自身は、法科大学院問題はトンでもない話だと思うのですが、実は法科大学院を直接管轄しているのも文科省ですから、法務省と組んでいる弁護士会としては、隔靴掻痒なところがあるのではないかと想像しています。

庶民に知名度が高い日弁連会長の登場が今後どのような影響を与えていくのか、楽しみです。

3月 10, 2010 at 10:00 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

阿久根市長・今度は市職員に議会出席禁止を命ずる

読売新聞より「阿久根市長、本会議をまた欠席…傍聴席から批判

「議場にマスコミがいる」として市議会本会議への出席を拒否していた鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)は10日、再開された本会議への出席を再び拒否した。

市議会は、市長と執行部が不在のまま議事を進めた。

市議会は10日、今年度の補正予算案に関する委員長報告と採決などを行った後、流会になった4、5日の総括質疑を行う予定だった。しかし、午前10時の開会時間になっても出席したのは市議のみ。市長や執行部は議場に現れなかった。

浜之上大成議長が「市長が出席を拒否しており、本来なら中断すべきだが、市民生活に大きな影響がある補正予算案の採決などがあり、会を続けます」と宣言して開会した。

市によると、同予算案の委員長報告と採決に市長や執行部が出席する規定はないという。

10日は新年度予算関係の質疑も予定されているが、市議会は質疑の打ち切りなどを検討している。

竹原市長は市長室に閉じこもったままで、読売新聞などの取材に市総務課を通じて「報道陣による庁舎内撮影手続きが無視され続けているなど、議会に出席する環境が作られていない」とコメントした。

傍聴席にいた70歳代の男性は

「自分が提案した議案を審議する議会に出席しないなんておかしい。何を考えているのか」
と話し、議場を後にした。別の男性(76)は
「今日から市長が出ると聞いて議場に来たのだが。前代未聞だ。正気を失っているとしか言いようがない」
と吐き捨てた。

(2010年3月10日11時43分 読売新聞)

サンケイ新聞より「ブログ市長また本会議欠席、指示で市課長も不在の異例議事

竹原信一市長がマスコミの傍聴を理由に出席を拒み、本会議が2回連続で流会となるなど混乱が続く鹿児島県の阿久根市議会で本会議が10日開かれたが、竹原市長は議場に姿を現さなかった。市長の本会議欠席は4、5日に続き3回目。

本会議は市長不在のまま午前10時に開会。各課の課長らも議場隣の控室に集まったものの、「市長から指示があった」として同5分ごろに議場に入らず職場に戻っていったため、市執行部が誰もいない異例の状態で補正予算案に絡む議事が行われた。

本会議は午後も継続、4、5日にできなかった平成22年度予算案の総括質疑を行う予定だが、竹原市長が出席しなければ、また流会となる可能性がある。

竹原市長は8日の委員会でも担当課長にも質問に答弁しないよう指示した上、市議に対し「おまえらとは話さない」などと激高して途中退席している。

ちょっとどうなるのか?とますます目が離せなくなりつつありますが、市長自身がいろいろ行うのは個人的な事ですから、厳密に職務規程に違反したとかでない限りは法的な追求を受けませんが、部下に指図して「議会の指示に従うな」というのは、普通に考えてアウトでしょう。

業務妨害だよね。

いったいどうなるのだろう?

3月 10, 2010 at 12:43 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.09

阿久根市長・市職員に議会答弁を禁止

阿久根市長の奇怪な行動はますますエスカレートしています。

昨晩最初に紹介する読売新聞の記事を見つけた時には「???」であったのですが、事前に市長が職員に「答弁するな」と命令していたのですね、

国会空転とかは、以前もありますが「行政官の議会拒否」とか「議会否定」ということで、歴史上有名な例としてはローマ帝国になった時とか、ヒットラーの台頭ぐらいでしょうか?

市長と市長派の言い分は、根本的には「市長と議会が対立するのがけしからん」なのだろうけど、元もと行政官と議会は対立を目指して作られた仕組みなのだから、市長であろうと議会であろうと「対立するからけしからん」と言ってはダメなわけです。
まして、実力行使は論外だ。

この状況が続けば、阿久根市は予算が不成立になるでしょう。
どうなるのでしょうか?

読売新聞より「阿久根市長「お前たちとは話をしない」委員会退席

開会中の市議会本会議への出席を拒否した鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)は8日、市議会産業厚生委員会(8人)で、議員に対して説明を拒んだうえ、議員らと言い争いになり「お前たちとは話をしない」と声を荒らげて退席した。

市議会は4、5日の本会議流会に続き、委員会審査も空転する事態となり混乱が続いている。

竹原市長は新年度から、競争原理を前面に出した教育法を小学校1校の学童保育に取り入れることに意欲を見せている。委員会側は担当の生きがい対策課長に、教育法についての詳しい説明を求めていた。

複数の議員によると、この日、担当課長は「市長の指示で何も答えられない」と答弁。委員会側は竹原市長に出席を求めた。

しかし、市長は質問に答えず

「議会は今も私を不信任している」
「市民は議会を議論する場だと思っているが、実際は議論していない」
と主張。議員らが「ちゃんと議論している」などと反論し、約10分間言い争いになった末、市長は委員会室を後にしたという。

木下孝行委員長は「説明責任を果たさない市長の態度は、市民の代表である議会はいらないと言ってるようなもの」と批判。
委員会の今後の対応は未定という。

市議会は10日に本会議を再開予定だが、市長派の松元薫久議員は「このままでは市長が出席しても、審議が進むか不安」と話した。

西尾隆・国際基督教大教授(地方自治論)の話「議会との対立は通常、特定の争点を浮き彫りにする目的もあるが、今回は政策的な意味がほとんど見えない。
市長は説明責任を果たしておらず、市政の機能停止は必至だ」

(2010年3月8日21時31分 読売新聞)

朝日新聞より「阿久根市長、課長らに答弁禁止令 ブログで議会批判

8日開かれた鹿児島県阿久根市議会の産業厚生委員会で、継続案件の説明を求められた担当課長が「市長から発言を禁止されている」と答弁を拒んだ

委員会が竹原信一市長を呼んで説明を求めたところ、市長は「議会がしっかり議論していない」などと発言し、退席。

さらに市長はこの日更新したブログで、今後の執行部の議会答弁について「『市長から言われました、答えません。市長の命令です』これでいきます」と課長らに訓示したことを明らかにした。

委員会は昨年12月議会から継続調査としている学童保育など保育行政案件について検討するため、午前10時に開会した。担当の生きがい対策課長が答弁を拒んだため、竹原市長を呼んで「なぜ答弁させないのか」と尋ねたところ、市長は「私は再選されても議会からは不信任の状況で聞き入れてくれない。議会がしっかり議論していない」と返答。案件の説明をしないまま10分間ほどで退席したという。

委員会は時期をみて、再びこの案件を審査することにした。

市議会の定数は16。木下孝行委員長は

「議会ルールを無視している。意に沿わない議会が悪いといわれても困る」
と話す。
4人いる市長派の1人、石沢正彰議員は
「反市長派議員は市長の足を引っ張ることしかやっていない。
市長はいろんな機会を通じて市民に説明責任を果たしていくと思う」
と市長を擁護した。

一方、竹原市長は同日午後6時すぎにブログを更新。時期ははっきりしないが、市長が課長会で訓示した内容を掲載した。

ブログではまず冒頭で

「あらゆるところで足を引っ張ろうとする議会とは決着をつけます」
とした上で、
「議会ははっきり言って『多数派の人たちは邪魔するために質問をする』という状態です。
こんなのに皆さんが全部答える必要はない。『市長から言われました、答えません。市長の命令です』これでいきます」
とした。

ほかにも

「今のバカみたいな状況は、決着しなければいけない。本当ならば、前の選挙のときに不信任を受けて、また私が再選したのだから、私に任せるというのが市民の意向、意思の反映である。多数派議員たちはまずそこのところが納得できていない、分かっていない」
と議会を批判。
「議会とは決着をつけます」
とした。

 竹原市長はマスコミが議会の傍聴席にいることを理由に新年度予算案の総括質疑が予定されていた4、5日の市議会本会議への出席を拒否し、議会が空転した。延期になった新年度予算の総括質疑は10日に予定されている。

毎日新聞より「阿久根市長:「不信任出せ」議員を挑発 課長には答弁禁じ

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は8日の市議会産業厚生委員会で「わいどんとはもう語らん(お前たちとはもう議論しない)」「不信任を出せ」などと激しく議員を挑発し、説明を拒んで退席した。

担当課長にも答弁しないよう命じたといい、委員会は1時間足らずで閉会した。

市長の本会議への出席拒否など、阿久根市議会は異常事態が続いている。

委員会は学童保育などを審議する予定で午前10時に開会した。当時は、報道陣を含め傍聴者はいなかった。

同委員会の木下孝行委員長らによると、市側から生きがい対策課長が出席。
委員の質問に、課長が「市長から一切答えるなと命令された」と答えたため、委員長が市長に出席を要求。
姿を見せた市長に、委員が「なぜ課長に説明もさせないのか」とただすと、「議会は前から自分に不信任状態。だから説明の必要はない」などと一方的に話し、激高した様子で席を立ったという。

木下委員長は竹原市長の振るまいを「市民不在の市政。議会の調査権を侵害している」と厳しく批判した。

竹原市長は今月4、5日、「マスコミが議場で取材している」として、本会議を欠席。予定していた10年度当初予算案の総括質疑に入れず、2日連続で流会した。

竹原市長は08年12月にも「議会は市長不信任を可決し解散してもらいたい」と議会側を挑発。
市長不信任案の可決後、議会解散と、市長不信任の再可決を経て出直し市長選が行われた。【馬場茂】

3月 9, 2010 at 08:59 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2010.03.06

阿久根市長の行動は奇行と呼ぶしかない

「阿久根市長・今度は議会と対立」の続きです。

以前から注目してはいたのですが、この市長は次から次に報道されるような変なことばかりを引き起こしていて、まとめておかないと、後からではわけが分からなくなりそうです。

整理し意見を述べているのが西日本新聞の社説であったので、先頭にしました。

しかし、「阿久根市長・今度は議会と対立」は2010年3月4日の事であって、定例市議会ですから連日開会です。「2010年3月5日はどうなるかな?」と報道もやじ馬も注目していたわけです。

結局、昨日の議会には市長は「市議会がカメラを入れているから、出席しない」と当初は述べていました。
そのことを伝えたのが、次の読売新聞の記事です。

この記事を読むと分かりますが、
読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、南日本新聞、南日本放送の5社を指名して、カメラの持ち込みを議会が禁止しないから、議会に出席しない。
という意味に取れます。

ところが、市議会の日程が16時までとしていたところに「15時50分に議場に現れた」というのが、次の朝日新聞の記事で、そりゃ市議会だって怒りますよ。
記事中に「市長派議員4人が残る」とありますが、阿久根市の市議会議員名簿によると市議会議員は16名です。
要するに、市長派は1/4の小数なのですから「何で市長を取り替えることができないのか?」と考えるところですが、最後の読売新聞の記事に、そこらへんの事情が載っています。

  • 阿久根市では昨年4月にも不信任案が可決され、出直し市長選で竹原市長が再選されたばかり。
  • 前回の市長選から1年もたっておらず、市民は一連の混乱にうんざりしている。
  • 不信任案を出すのなら、確実に勝てる候補が必要

正直な話が、もはや「奇行」というレベルだと思います。
このまま行くと、市が差し押さえを受けたり刑事告発から捜査を受けるといったことになるでしょう。
市議会が、解職決議をしても、後継候補者を出せないから現状が続いているというのではあまりにひどいでしょう。

西日本新聞社説より「阿久根市長 拒むばかりでは通らない

信じ難い話である。その言動が何かと物議を醸す鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、今度は「嫌いなマスコミが議場にいる」として市議会本会議への出席を拒んだのだ。

新年度当初予算案の総括質疑が行われる予定だった本会議が、2日続けて流会となる異常事態となった。

地方自治法で自治体の長は、議長から議会審議に必要な説明のため出席を求められれば、議場に出席しなければならないと定めているが、罰則規定はない。
法律も想定外の行為ということだろう。

出席拒否は「市民への冒涜(ぼうとく)行為」(浜之上大成議長)にほかならない。

議場で説明責任を果たすのが市長の責務ではないのか。民主主義の原点といえる議会を軽視した前代未聞の“職場放棄”で、市長としての資質を疑わざるを得ない。

竹原市長は、障害者を差別的に記載したとされるブログが問題化した昨年12月以降、一部報道機関を除いて取材拒否を貫いている。

今年1月には県内報道機関12社に対して、市庁舎内での撮影を原則禁止することを一方的に通達した。

今回も、市長は議会側に対し一部報道機関の議場撮影を許可しないよう求め、2日目には地元紙など報道機関を名指しして要求した。
これに対して、議長は「一部報道機関の排除は公開原則に反する」と拒否した。当然のことだ。

竹原市政の混迷は深まるばかりである。庁舎内に掲示した職員人件費総額の張り紙をはがした元係長を懲戒免職にした件でも、独善的言動が目立つ。

鹿児島地裁で3日に言い渡された元係長への未払い給与請求訴訟判決では、市が全面的に敗訴した。

これで市政の法廷闘争は、元係長の懲戒免職処分の効力停止決定や市職労事務所の使用許可をめぐる訴訟など、市側が4連敗となった。

市長は徹底抗戦する構えだが、給与請求訴訟の判決では、控訴しても強制執行が可能な「仮執行宣言」が付いた。

元係長側は市側が判決に従わなければ、仮執行宣言に基づいて市の預貯金差し押さえを地裁に申し立てると同時に、市長と市を労働基準法違反(賃金不払い)の疑いで刑事告発する方針という。

さらに障害者差別の問題では、市主催行事にも影響が出始めている。
14日に阿久根市である市長旗九州選抜高校駅伝大会に選ばれていた大牟田高(福岡県大牟田市)が、出場を辞退した。市長が障害者団体への謝罪要求を受け入れていないことなどが理由という。
このままでは市のイメージダウンも避けられない。

市民が竹原市長に期待したのは市の活性化であって、混乱ではないはずだ。
自らの言動が誤解されて伝わっているというなら、あらゆる機会をとらえて真意を説明し続けることこそが、市の最高権力者たる市長のやるべきことだろう。

これまでのような価値観や意見が異なる者を排除する姿勢では、市民の一体感は生まれない。いま市長に求められているのは、対話を尽くすことである。

=2010/03/06付 西日本新聞朝刊=

読売新聞より「議会出席拒否の阿久根市長、カメラ禁止も要求

開会中の市議会本会議への出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は、5日も議場に姿を現さなかった。

市長は新たに、一部報道機関について議場内へのカメラ持ち込み禁止を求める要求書を議長に提出。

議会は新年度予算案などの審議に入れない状態が続いた。

市議会は4、5日の2日間で、計7人が新年度予算案について総括質疑を行い、市長に答弁を求める予定だった。
5日は午前10時に開会したが、市長は4日に続いて欠席。

浜之上大成議長が「議案提出者の市長が出席を拒んでいます」と伝えた。

市議からは「総括質疑を割愛し、予算特別委員会での審議を進めるべきだ」との意見も出たが、いったん休憩とし、市議らは控室で対応の協議に入った。

議長によると、市長の新たな要求書は5日午前に提出された。
「庁舎内の撮影許可を取るよう求めたのに無視している」などと記され、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、南日本新聞、南日本放送の5社について、議場内へのカメラの持ち込み禁止を求めている。

市長は4日、報道機関が議場にいることを理由に議会への出席を拒否。
出席する条件として、議場内の撮影禁止を求める要求書を議長に提出していた。

読売新聞は市庁舎や議場は公共の場であり、撮影制限される理由はないため、撮影禁止の要求を拒否している。

(2010年3月5日 読売新聞)

朝日新聞より「阿久根市長、議会残り10分に登場「ちゃんとやろうよ」

傍聴席に報道陣がいるとの理由で2日連続で市議会をボイコットした鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は5日夕になって議場に姿を現した。

しかし、本会議は開かれず、この日予定された新年度予算案の総括質疑は10日に延期された。

竹原市長は「ちゃんとやろうよ」と、開き直るような発言を議場で繰り返した。

事態が動いたのは午後3時すぎ。総務課長が議長に「市長が本会議に出席する」と伝達。
議会が散会を申し合わせていた時刻まで残り10分となった午後3時50分ごろ、竹原市長が議場に現れた。

同じころ、議会側は別室で全員協議会を開催。
「市長の身勝手だ」「予定の7人が質問する時間はない」として日程の延期を決めた。

議場に戻り、荷物を持って帰ろうとする反市長派議員に対し、竹原市長が挑発するように言った。

「まだ時間があるよ。ちゃんとやろうよ」
「バカにするな」
議員からは怒りの声が飛んだ。
「なぜ朝から来なかったんだ」
「2日も待たせておいて」。
氏名が書かれた議席の札をたたきつけるように倒して帰る議員もいた。

議場は竹原市長や執行部、市長派議員4人が残る形に。

「市長は出てきたけど今度は議会が拒否。面白いな」。
ある議員が大声で笑った。竹原市長は4人とのやりとりで
「(報道5社の議場へのカメラ持ち込み禁止などを求めた)要求文書はちゃんと出した。
それに議会が応じてくれれば良かっただけで、おかしな話だ。
議会(の進行)よりも5社の方が重いということだ」
と発言。
「まだ時間はある。(本会議を)やれる。議会が要求を受けなかった」
と話しながら市長室に戻った。

朝日新聞などは、総務課職員を通じて竹原市長に真意を尋ねる質問項目を出してコメントを求めたが、竹原市長からの回答はなかった。

記者会見した浜之上議長は、竹原市長が突然、議場に戻ったことには「議会の意向を受け入れてくれたのではないか」と語った。

毎日新聞より「鹿児島・阿久根市長:市議会閉会25分前に突然登場 議会反発、また流会

「議場に報道関係者がいる」として市議会本会議への出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は5日、当初の閉会予定時刻の25分前、突然議場に姿を見せた。

残り時間わずかでの出席に議会側が猛反発し、本会議は2日連続で流会した。

市長は報道陣に「議会が要求を受け入れなかった」と繰り返し、議会に責任を転嫁した。

議会はこの日、10年度一般会計当初予算案の総括質疑を予定していたが、竹原市長は前日に続き姿を見せず、本会議は午前10時の冒頭から空転した。

午後4時の閉会予定時間まで1時間を切った午後3時過ぎ、市長側から

「3時35分に出席する」
との連絡が入った。議会運営委員会は
「残り時間がわずかで質疑できない」
として流会を決めたが、市長は構わず議場へ。
「まだ4時になってないよ。やろうよ」「民間は5時まで仕事するよ」
などと、挑発的な言葉を投げかけた。

【馬場茂、福岡静哉】

読売新聞より「阿久根市長の出席拒否、法の想定外に議会苦慮

開会中の市議会本会議への出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長。

地方自治法には、自治体の首長が議会に出席しない場合の罰則規定はない。
法の想定外のケースと言えそうだ。

同法は

115条で
「地方公共団体の議会の会議は、これを公開する」
121条で
「地方公共団体の長は、議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められた時は、議場に出席しなければならない」
と定めている。

竹原市長の対応はいずれの条文にも反している。

総務省行政課は

「議案の提案者である市長が議会に誠意ある対応を取っておらず、道義的責任は当然ある。
しかし、法律には、議会に出席しなかった場合にどうするかという規定まではない。
議長は出席を促し続けるしかない」
と話す。

市長はすでに予算案を議会に提出しており、議会が独自に審議し、議決することはできるという。同課は

「議決にあたり、市長の説明を聞くことは法的要件ではなく、議会が完全に行き詰まるわけではない。
ただ、予算の提案権は市長にしかなく、その説明を聞かずに進めるか、議会がどう考えるかにかかっている」
と指摘する。

事態打開のため、議員が市長不信任案を提出する方法もあるが、
阿久根市では昨年4月にも不信任案が可決され、出直し市長選で竹原市長が再選されたばかり。

反市長派の市議は

「前回の市長選から1年もたっておらず、市民は一連の混乱にうんざりしている。
不信任案を出すのなら、確実に勝てる候補が必要」
と打ち明ける。市議らの間では、市内の若手企業経営者ら数人の名が挙がっているが、擁立に向けた具体的な動きには至っていない。
市長が議会出席を拒み、議会側も打つ手がない異例の状態が続きそうだ。

一方、1月に阿久根市の会社社長らが設立した市民団体は、竹原市長の市政運営や政治姿勢を検証し、改善の余地がなければリコール(解職請求)も辞さない、としている。

(2010年3月5日23時09分 読売新聞)

3月 6, 2010 at 02:22 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.05

阿久根市長・今度は議会と対立

毎日新聞より「鹿児島・阿久根市長:議会出席を拒否 「マスコミが議場にいる」

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は4日、開会中の市議会定例会への出席を拒否した。理由は「マスコミが議場にいる」ためで、排除を求めている。

議長の出席要請も拒否し、議会は同日予定していた10年度予算案に対する総括質疑が行われないまま夕方散会した。

民主主義の原則である「議会の公開」を否定する言動に、議会側は猛反発。

議場では「子供じみて情けない」とあきれる声も漏れた。

竹原市長は1月、庁舎内の「撮影原則禁止」を報道各社に一方的に通告したが、議会側は従来通り取材を認める方針を確認していた。

議会関係者によると、市長の「報道排除」は撮影だけでなく、傍聴席で記者が取材することも含むという。

このため浜之上大成議長は開会後「議会は開かれたものでなくてはならず、マスコミ排除は論外」として、市長に地方自治法に基づく「出席要求書」を出した。

しかし市長は改めて「議場内撮影を許可しないよう」要求。
議長は「排除しない」と拒否したという。【馬場茂】

この市長、前日の3月3日に鹿児島地裁で「給与支払い命令」の判決を受けているのですよね。
連日の「法律無視」というのでは、首長として不適任と言わざるを得ないでしょう。
朝日新聞より「阿久根市財産差し押さえも 給与支払い命令

阿久根市政にまたも司法がストップをかけた。

職員の懲戒免職処分を巡る問題で、竹原信一市長が裁判所の命令を無視し続けたことから生じた未払い給与請求訴訟。

鹿児島地裁は3日、元係長男性(45)の訴えを全面的に認めた。今回の判決には強制力が伴うため、竹原市長が従来の姿勢を崩さず判決に従わない場合には、市役所の財産差し押さえという異例の事態に発展する可能性もある。

竹原市長はこれまで、懲戒処分の効力停止を命じた裁判所の決定を無視し、元係長の復職を認めず給与も支払っていなかった。

そのため処分取り消しの訴えに追加する形で訴えが起こされた。
判決では昨年10月の効力停止決定以降の未払い給与約180万円と、今後毎月の給与支払いを命じた。

竹原市長は同日、今回の判決を不服として控訴する方針を一部の報道関係者に明らかにした。

だが控訴しても、判決で認められた強制力を伴う仮執行は有効なため、原告側は強制的に阿久根市の財産を差し押さえて給与を支払わせる申し立てを裁判所に起こすことができる。

原告側はひとまず竹原市長に支払いを求めるが、応じなかった場合は来週中にも、財産差し押さえを裁判所に申し立てる方針だ。

裁判所が申し立てを認めた場合、阿久根市の預貯金が差し押さえられることになる。

財産差し押さえを回避するためには、竹原市長も担保金を納めるなど法的な手続きを踏まなければならない。

原告側の弁護士は、竹原市長を労働基準法違反(賃金未払い)の疑いで鹿児島地検に刑事告発する方針も固めている。
同法では、違反した場合30万円以下の罰金と定められている。

元係長は「今までの市の対応から言って判決が出ても状況は変わらないと思う。考えられる法的手続きを進めるしかない」と話す。

一方の竹原市長はこの日の法廷には出席せず、総務課を通じて「取材についてはお受けしません」とだけコメント。
一部の報道関係者以外の取材には応じなかった。

元係長が懲戒免職処分の取り消しを求めている訴訟の判決は4月9日にある。竹原市長の行政手法については、市職員労働組合事務所の使用許可取り消しを巡る訴訟で、昨年10月に鹿児島地裁が「違法」と判断している。

普通に考えると市長としてはメチャクチャをやっていると思いますが、それでも議会が一致して反市長派になるといったことはなく、また極端とは言え手腕を支持する人も多かったとのことですが、議会の側から見ると「議会軽視だ」となるでしょうね。

これでは、どんどん支持者が減って行くでしょうし、議会を敵に回すと予算が組めませんから、市政そのものが止まります。
このまま、定例議会を開けないという事態を続けるわけにはいきませんから、阿久根市長問題はどん詰まりに来た、と見るべきなのかもしれません。

3月 5, 2010 at 07:25 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2010.02.26

「政治主導」の電子書籍対応

朝日新聞より「電子書籍ビジネスの研究会設置へ 総務・文科・経産省

総務省と文部科学省、経済産業省は25日、電子書籍ビジネスを国内で普及させるための環境整備に向けた研究会を、3月中にも立ち上げる方針を決めた。

出版や通信、書店、新聞など関係業界の代表が参加し、普及のカギになる規格統一や著作権保護、流通のあり方などでの合意づくりを目指す。

研究会の仮称は「電子書籍ビジネス環境整備研究会」。

内藤正光総務副大臣、中川正春文部科学副大臣、近藤洋介経済産業政務官が推進役になり、書籍のデジタル化の制度設計などを政治主導で推し進めたいと考えている。
座長には学識経験者を迎える予定。

米国ではアマゾンの「キンドル」など電子書籍端末が人気を集めており、日本語版の発売も見込まれている。

25日に決めたって、2010年2月25日のことですよね(藁)

電子ブックは、日本ではけっこう以前からやっていて、松下のシグマブックなどハードウェアも発売されました。
しかしビジネスとして成功しなかった。

アマゾンが、キンデルで成功して日本にも上陸することになったから、慌てて「政府主導で」というのは分からないでもない。 なにしろ「業界主導」で放置していたら何回やっても失敗だったのだから。

しかし、これでは「泥縄」とか「黒船来航」としか言いようがないでしょう。
こんな「目と鼻の先にある目標」にすら対処が出来ない国になってしまったということなのでしょうか?

トヨタ問題にしても、ハーグ条約問題にしても「視野を広くして考えないと無理」としか言いようがありませんが、どうも国内のそれも現在にしか目を向けないですね。

少子高齢化で実際に人口減に転じているのですから、政策目標の基本から「成長」を外さざるを得ません。
良くて「静止」です。つまり、どこかが成長すれば、どこか縮小するということを政策の基本におかないと、長期戦略なんて描けません。
それを避けるために「ただ今現在」しか見ない政治。

こんな背景があるから、電子書籍対応も泥縄になるのでしょう。

2月 26, 2010 at 11:24 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.20

続・永住外国人の参政権問題にビックリ

「永住外国人の参政権問題にビックリ」の続きです。

イザ!記者ブログ・阿比留瑠比記者の国を憂い、われとわが身を甘やかすの記より
外国人参政権にかかわる園部元最高裁判事インタビュー

元記事は2010/02/19のサンケイ新聞一面トップ記事だそうです。
サイトから引っぱることが出来ないので、ブログから引っぱりました。
「永住外国人の参政権問題にビックリ」に書いた、園部逸夫元最高裁判事のインピュー全文です。

アウトラインの説明

鳩山首相らが、進めようとしている永住外国人に地方参政権を与えるという問題に対して、サンケイ新聞は新聞社として反対しています。
反対意見は民主党内にもあり、与党国民新党、野党自民党も反対で、政治課題としてはかなり危なっかしい問題です。

このような問題について「政治的希望」を述べるのは、自由ですが法律や制度改正するのには社会が納得する根拠が必要です。
外国人の地方参政権について、政治的判断の根拠とされているのが「最高裁判決の傍論」であるとされています。

最高裁判例

事件番号平成5(行ツ)163
事件名選挙人名簿不登録処分に対する異議の申出却下決定取消
裁判年月日平成7年02月28日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集巻・号・頁第49巻2号639頁
原審裁判所名大阪地方裁判所
原審事件番号
原審裁判年月日平成5年06月29日
判示事項日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項と憲法一五条一項、九三条二項
裁判要旨日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項は、憲法一五条一項、九三条二項に違反しない。
参照法条憲法15条1項,憲法93条2項,地方自治法11条,地方自治法18条,公職選挙法9条2項

主    文

     本件上告を棄却する。

     上告費用は上告人らの負担とする。

         
理    由

 上告代理人相馬達雄、同平木純二郎、同能瀬敏文の上告理由について

 憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものである。

そこで、憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。

そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。

そして、地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。

以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(最高裁昭和三五年(オ)第五七九号同年一二月一四日判決・民集一四巻一四号三〇三七頁、最高裁昭和五〇年(行ツ)第一二〇号同五三年一〇月四日判決・民集三二巻七号一二二三頁)の趣旨に徴して明らかである。

 このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。

しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。

以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(前掲昭和三五年一二月一四日判決、最高裁昭和三七年(あ)第九〇〇号同三八年三月二七日判決・刑集一七巻二号一二一頁、最高裁昭和四九年(行ツ)第七五号同五一年四月一四日判決・民集三〇巻三号二二三頁、最高裁昭和五四年(行ツ)第六五号同五八年四月二七日判決・民集三七巻三号三四 五頁)の趣旨に徴して明らかである。

 以上検討したところによれば、地方公共団体の長及びその議会の議員の選挙の権利を日本国民たる住民に限るものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項の各規定が憲法一五条一項、九三条二項に違反するものということはできず、その他本件各決定を維持すべきものとした原審の判断に憲法の右各規定の解釈の誤りがあるということもできない。

所論は、地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項の各規定に憲法一四条違反があり、そうでないとしても本件各決定を維持すべきものとした原審の判断に憲法一四条及び右各法令の解釈の誤りがある旨の主張をもしているところ、右主張は、いずれも実質において憲法一五条一項、九三条二項の解釈の誤りをいうに帰するものであって、右主張に理由がないことは既に述べたとおりである。

 以上によれば、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。

論旨は採用すること ができない。

 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官  可部 恒雄
裁判官  園部 逸夫
裁判官  大野 正男
裁判官  千種 秀夫
裁判官  尾崎 行信

上記判決文の青色で示したところが、「傍論」であり外国人に地方参政権があるとする最高裁判決だ、となっていました。

ところが、この判決を下した、園部逸夫元最高裁判事が「それは解釈が間違っている」と言うがごとき発言をサンケイ新聞のインタビューで述べていますから、改めてインタービューの全文読み、判決文が必要だとなって上記に転載した次第です。

判決文では、明らかに

  1. 我が国に在留する外国人のうちでも
  2. 永住者等であって
  3. その居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、
  4. その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、
  5. 法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、
  6. 憲法上禁止されているものではない
  7. と解するのが相当である。
という論理展開になっています。
つまり、逆向きに読むと、日常生活の基盤である居住地の地方議会などの選挙に、居住していて実際的に不便があるような場合、外国人でも地方参政権があっても良いだろう。と憲法を読むことが出来る。
といった解釈をしたものです。

「永住外国人の参政権問題にビックリ」にも書きましたが、これは選挙権と呼んで良いものか分かりませんね。
どちらかというと、公聴会程度ものではないでしょうか?

つまり、問題の判決がその後の混乱をもたらしたのは、かなり乱暴なバランス感覚に欠けている判決であった、ということが理由のように思います。
以下、インタビュー記事です

今朝の産経は1面トップで、永住外国人への地方参政権付与問題に関する平成7年の最高裁判決にかかわった園部逸夫元最高裁判事のインタビュー記事と解説記事を載せています。
小島優記者の取材ですが、判決の背景を知る意味で非常にいい仕事をしてくれました。

小島記者は1月には、日本に最初に外国人参政権の部分的許容説を紹介した長尾一紘中央大教授のインタビューもしており、それについては私の1月29日のエントリ「外国人参政権・過去の自説は『慚愧に堪えない』と長尾教授」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1435935/)で紹介しました。

 そこで本日は、小島記者がテープ起こしをしてくれた園部氏とのやりとりを報告します。

原文はあまりに長く、イザの字数制限に引っかかるので、園部氏の個人的見聞、重いなどを一部割愛したことをあらかじめ記しておきます。

おおむね趣旨は網羅できたと思います。内容については、特に私の感想や意見ははさまず、興味深いところを「太字」にするにとどめます。
注記 阿比留記者の「太字」と青の太字に代えました。

Q 平成7年2月の外国人地方参政権をめぐる最高裁判決について

園部氏

 私は1929年に韓国で生まれたが、これは植民地時代なんです。(中略)私はその後、小学校2年のときに台湾に行ってますから、台湾にも10年いた。だから、日本の植民地時代というのを朝鮮と台湾と両方経験している。

(中略)日本語でしゃべり、日本語で考え、そういう人たちがもういっぱい、大阪あたりには住んでるわけで。
そんなら帰化したらいいじゃないか、というのは日本人の勝手な理屈なんですよ。

無理矢理連れてこられて、帰化したらいいじゃないかと、こっちきたら日本人にならなきゃいけないなんて、彼らのように先祖を大事にする人間というのは、そう簡単に日本人になりませんよ。嫌いな日本人に。

それが日本人にはわかってない。だから、帰化したらいいじゃない、いくらでも(国籍)あげますよといっても、それは理屈の問題であって、感情の問題と違う。

(中略)この判決について言えば、これは私の「最高裁10年」(「最高裁判所十年-私の見たこと考えたこと」、平成13年10月発行)の中なんですけどね(※コピー渡される)。
それで、基本的なことから、講義をしなければいけないそのために。141ページ、一番最後、わかりやすいように、(1)(2)(3)と書いてあります(※判決理由を3つの段落に分けて、番号を振ってある)。

(1)が先例法理、(stare decisis)で(2)が傍論(obiter dictum)である。また、逆に(2)を重視して、傍論を重視する論調もある。(1)を重視する論調もある。

アメリカには、このstare decisisとobiter dictumのこの二つの判例があることは確かです。

なぜかというと、アメリカの判決は長いんです。日本みたいに簡潔じゃないんだから。
長いから、どれが先例法理で、どれが付け加えの傍論であるということをはっきりさせないと、どこまでが判例かということがわからない。
それで、判例変更というのは、傍論の部分じゃない、先決法理(先例法理?)の部分を判決として、それを変更したり、それに従ったりするというのがアメリカの考え方。

で、この傍論なる言葉を、どこの誰、どこのバカが覚えたのかしらないけど、やたら傍論、傍論と日本で言い出すようになっちゃった。

(中略)この判決は、全員一致の判決で、そして、この(1)(2)(3)というのは、理論の流れとしてどうしても必要なんです。

なぜ、必要かということを今から説明すると、(1)は、憲法の基本的人権の保障というのは、「日本国民を対象と解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても本来等しく及ぶべきものである」と書いてある。これは当たり前のことなんです。

(中略)ただし、そこでですよ、その中で、公務員を選定罷免する権利の保障は何かと。これまで外国人に保障するのかというと、この規定は、「国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明した」。

これは、はっきりそう書いてある。従って、「主権が『日本国民』に存するものとする憲法前文及び1条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである」。これですよ。これがこの判決の中心部分です。

ということは、この部分がまず序文としてある。前提条件として。

ただし、ここが非常に大事なとこなんで、(2)のところは、国民主権の原理の問題ではなくて、憲法8章の地方自治に関する規定。

これは、「民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み」、これは住民が出てくるわけです、国民じゃなくて、そして、われわれの周りにいっぱい住んでいる韓国人、その他の外国人はみんな住民なんです。

住民であるということによって、地方自治の本旨に基づいてこれは扱かわなきゃなんない。だから、国民と住民とは、扱い方が多少違うというのは、憲法上認められていることなんです。
そこがはっきりさせないと、後でわけのわからないことになる。

(中略)参政権の問題を基本にして、訴訟が起きてきているわけです。それに目をつぶるわけにいかないですよ、最高裁としてはね。

国民のことしか言わない、住民のことは言わないと、そういうわけにはいかないですよ、争われている以上。

(中略)「その居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った」、これが大事なんですよ。

特段に緊密な関係って、ちょっとやってきて、2、3日泊まっているとか、1カ月でさっさと帰っちゃうとか、そういうんだと、台湾から岩手県にたくさん雪を見にやってきますわな。せいぜいまあ1週間か2週間、これは違います、全く。そんなものに選挙権与えるなんて誰も考えもしないでしょ。

だけど、日本と朝鮮、韓国、台湾、等々の非常に長い歴史の、そういう特別な事情にある関係で、朝鮮の人や台湾の人やその他、特に永住して、永住の理由はいろいろあると思います。

(中略)何も国の選挙権とか言ってない。まず、地方の選挙権。市長さんとか、知事さんとか、そういうものをみんなで一緒に選挙するのは、問題ないんじゃないかという話にその段階ではなってきたんです。

私、国粋主義の国ってのは嫌いなんです。この国際的な時代に。だから、それは私の個人的感覚ですよ。だから、私は国粋主義者じゃないんだけど、同時に外国人べったり主義とか、何でも外国人の言うこと聞くとか、そんなことしてたら、日本はつぶれちゃうからもしれない。

例えば、中国から、多数の人がやってきて、移住して、そして50年も住んで、その人達がどんどん、これから移民がものすごく増えてきますから、これは非常に用心しなきゃいけない。

移民が来て、数年住んで、それで選挙権持つと、だんだん日本は中国人の国になっちゃうから、それまで賛成しません。だけど、そういうことじゃなくて、日本に来た理由がいろいろあって、永住等の状況があって、且つ、非常にその地方と関係が深い人たちについては、選挙権を与えたからといって、ただちに憲法違反の咎にはならないと、いうことを逆に裏から言ってるわけです。

(中略)例えば、大阪に30年も住んでた。ある日、突如、東京に来て3カ月住んでたと。東京都の選挙権与えるかというと、そんなことはとんでもない話だ。
それじゃあ、国民と同じになっちゃいますから。

やっぱり、非常に特別な関係のある大阪で、一つ選挙権を与えるのはいいんだけど、その人達が、突如、日本人と同じように移住して、そして、そちらでまた(選挙権を)もらうと、東京都の選挙権もらうとか、岩手の選挙権もらうとか、そんなことやってたら、これは無茶苦茶になっちゃいますから。それはやらない。

だから、これは非常に重要な問題ですけど、地方自治の本旨に従って、ある特定の地域と非常に密接な関係のある永住者については、非常に制限的に選挙権を与えて、なぜ悪いという話にきているわけです。

それは、地方自治の本旨から見て、まったく憲法違反だとは言い切れないということを言ってる。ここは、裏から言ってます。

それと、地方自治の本旨ということと、国民に対する基本的人権の保障ということは基本的に違うわけです。

国民に対しては、これはどこにいてもどこに移住されても、必ず国会議員の選挙権、その他を与えると、これは当然。

ただし、一定の期間住まなきゃいけませんけど。きのう、きょう選挙するってわけにはいかないけど。これは一般の国民には認めている。

だから、非常にはっきり言えば、国民条項と住民条項は違うんだという考え方がこの判決には出ているわけで、そういう具合にいろいろ議論をしたあげく、最後の3番目で、「以上検討したところによれば、地方公共団体の長及びその議会の議員の選挙の権利を日本国民たる住民に限るものとした地方自治法これこれ(11条、18条、公職選挙法9条2項)」が直ちに憲法(15条1項)に違反するわけじゃないと。

だから、現状に対しては、外国人に選挙権与えてないということは、何も憲法に違反するものではないということを、はっきり言ってるわけです。それが、まず、第一です。

この判決の基本的な部分というのは、この議論の流れの部分と言うよりも、3番目が大事なんです。

だから、要するに国籍を持ってなければ、国民の、殊に「地方公共団体の長及びその議会の(議員の)選挙の権利を日本国民たる住民に限ることにした」ということ自体は、それは日本国民たると書いてあるから、それは問題ない。
現にそうなっていることに対して、憲法違反だとはいいませんよと。

ただし、将来、そういう公職選挙法の改正をして、韓国国籍を持っている人たちで、日本に永住をしている人に、仮に公務員の選定罷免に対する、地方における公務員の選定罷免に対する、仮に法律をつくったからといって、すぐ、何もそれが憲法違反だというふうには言わない。

ただし、これ非常に大事なこと、それは許容範囲だと。2番目の部分(判決の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つ永住在留外国人への参政権付与は憲法上禁止されていないとする「傍論」部分)は、許容範囲なんだけれども、例えば、今、民主党その他、外国人参政権、住民に与えると、韓国の人にも与えると、そういう法律をつくったとします。
で、つくったこと自体はこの判例に引っかからないんだけど、あるいは、違憲訴訟が起きるかもしれない。

今の国民の感覚から見て、韓国人嫌いと、日本人になりなさいという国粋主義が非常にはびこってきて、韓国の国籍のままでは日本の選挙権、殊に住民としての選挙権は与えられないという世論が高まってくると、違憲訴訟が起きるでしょう。

その法律を適用して、韓国人で選挙をした事実について、それは本来の憲法に違反するという訴訟が起きるかもしれませんね。
事実、起こそうとしようとしている人もいるわけで。
その時に日本の最高裁はどう判断するだろうか。これ(平成7年2月の判決)で判断するんではなくて、最高裁の大法廷で、この判決を見直すとういうことはできる。

それは時代が変わってきているから、日本人は国粋主義一辺倒になってきたから、これをやったころと大分違うと。この際、違憲にするといって、日本の最高裁が大法廷を開いて、この2番目の部分は判例の中に入っているけど、おかしいと、憲法にそれ自体が違反するというのは、なさったらよろしい、その時の判断だ。その時の大法廷の判断、判例を変更したらいいのであって、それによって韓国との関係が非常に悪化して、何しようが、日本のその時の最高裁が考えたことだから、非常に政治的な意味も含めて、あえて選挙権に基づいて韓国と戦争する、それはないけど、争うというのなら、それはそれで、少しも構わないです。

これ(平成7年2月判決)は金科玉条で、これが絶対って、これは小法廷判決ですから。金科玉条でいっさい動かせないということは、私たちは考えてないです。

それは、その時、その時の国民の風潮とか、政権を担っている人たちの考え方とか、あるいは日韓の国民感情とか、そういうものを全部考えて、やっぱり外国人には選挙権与えるのはよそう、と。それで、勘弁してくださいと日本が言うなら、それはそれでもいいんですよ。私は、そう思ってます。

その時その時の最高裁が、日本の国民の風潮というのを十分考えて、最高裁だけ独走しちゃだめなんで、必ず国民とともになきゃいけませんから。

この時代(平成7年判決の時期)は割合と、まだまだ強制連行したりした人たちの恨み辛みが非常にきつい時代ではあったから、それを考えて、それをなだめる意味で、これ(判決)書いてます

ですけど、(中略)日本としての独自の生き方をするというのなら、それはそれで憲法に違反することでもなければ、憲法の解釈の問題ですから。憲法の解釈上、日本の最高裁がそういう判決を出すというのなら、それはそれで結構です。問題はない。

ただし、そこで、韓国との関係がうまくいかなくなっても、知ったことじゃない、日本人がみんなそう思ってるということになるわけだから。

(中略)民主党政権として、それで仮に自民党と争っても、ちゃんとこの問題、決着つけるというのであれば、それはそれで一つの方法だし、いろいろ先のこともおもんぱかって、柔軟な考え方を示すというのも一つの方法だし、これは政策の問題である。国際的な問題、外交上の問題、私が直接関わる問題じゃないけども、違憲訴訟が起きてきた場合には、それなりに対応をしなければならなくなるということはあります。(中略)

Q 非常に限られた外国人に参政権を付与することができる、という主張か

園部氏

 そう、それをはっきり朝鮮の人とかなんとか言わなかったのは、最高裁の判決はそんなこと言うわけにいかないから、非常に限られた、非常に歴史的、非常に人間の怨念のこもった部分、そこにもう少し光を当てなさいよと、こう言ってる。ただ、それは、立法政策の問題ですから。

Q 政府・民主党には、特別永住者、一般永住者を含めて、外国人参政権を付与しようという考えがあるが、この判決では、いわゆる在日韓国人、台湾人に限って、しかも、何世代にも渡って住んだ地域に限ってのみ付与するということか

園部氏
 よくわかってくれた。その通りです。

Q 外国人参政権推進派はこの判決を根拠に、全ての永住者に参政権を付与すると言っているが

園部氏
 そんなことあり得ないじゃないですか。困ったな。

Q この前、自民党の小池百合子氏が国会質問(1月22日衆院予算委)で言っていたように、一般永住者まで認めれば中国人や韓国人が大挙して、小さな島に住民登録し、主導権を握るとの指摘もある

園部氏
 それは、その通り。移住させといて、5年、10年、住まわせといて、選挙権与えるって、そんなこと、全然考えてないですよ。

Q この判決を論拠にして、そういうことを言っている人がいる

園部氏

 裁判官は弁解せず、弁明せずだけど、そんなことになったら、何とか、大きな声で、私でも何でもかり出していただいて結構ですよ。

ごく限られた歴史的な感覚で、この人たちなら、仕方がないという人に与えるんであって、大阪に長くいて、あっという間に東京に移住したら、その人にも東京の選挙権与えるんですか、ってそんなこと全然考えられもしない。

そんなことやったら、日本中、韓国人、中国人でいっぱいになっちゃう。それはダメだと私もはっきり言ってるわけです。

ただ、そこは政治的に利用されて、この傍論部分をどーんと表に出すと、傍論って、いわゆる、傍論じゃないですよ。

今、たまたま、傍論って言っちゃったけど、巷間、言われている傍論部分だけクローズアップしたり、巷間、言われている傍論部分を全く無視したり、それはダメだと。これはやっぱり、バランスの問題でね。

こんなに広げるのもおかしいし、こんなになくしちゃうのもおかしい。
これはやっぱり、政治が、韓国と日本、日本と台湾の特別の関係を十分頭に入れて、ここまでぎりぎりのところで、ここまで認めるとおっしゃるならいいんだけど、そこを突破口にして、どばーっと入ってきたらそれはもう大変ですよ。

Q 昔から住んでいて、何世代も同じ場所に住み続けている人に限ると

園部氏

 それは法律で、本当に制限的にしておかなければいけません。

そして、韓国人にもわかってもらう。そういう韓国と日本の歴史的状況を踏まえて、ここまでは、くれたと、それ以上はちょっと無理だと。

(中略)ウイグル人がどかーんと中国人に攻められてやってきたら、大問題になるでしょ。

民主党はわーっと中国に行ってね、議員が。昔の朝貢制度と同じですよ、そんなの。
何もそんなに中国に頭下げることない。まして、日本の天皇が日韓併合の何周年で韓国に行くのもやめた方がいい。(中略)

Q この判決は非常に限定的なことを書いているのか

園部氏
 そうそう。非常に限定的に。といって、全く触れないんじゃ、日本の最高裁は韓国のことまったく考えないのかと言われても困るから、そこはその時の政治的配慮があったと見ていただいて結構です。
杓子定規に国民じゃなきゃダメと一言、言えば済むことです。だけど、なんなんだ日本の最高裁はと言われても困るから。ちょっとばかり、突破口があっても、仕方がないと。ただし、この突破口にものすごい勢いで水が入ってきたら、困るんだけど。

Q 付与される人は非常に限られると。

園部氏
 そうそう。むしろそういうふうに、この傍論を将来、この政治的状況から、永住外国人に選挙権を認めなければいけないようなことになったとしても、非常に限られた、歴史的状況のもとで認めなきゃだめですよ。どかーっと開いたら終わりですと。日本はそうでなくても、国力がどんどん弱っている。

Q 推進派からすれば、この部分で大きく開いているというふうにとれる

園部氏
 それは違いますよ。それは、はっきり誰の前でも言うし、逆に全く認めないということも、それは最高裁としては書けなかったんだと。
そんな杓子定規なこと言ってたら、国の動きが取れなくなる可能性があるから、それはそこに、地方自治の本旨というものを、地方自治のレベルで考えるということを言おうとしているんだけど、そこは判決というものは怖いもので、独り歩きじゃなくて、勝手に人が動かすわけだから。

Q 韓国は在外選挙権を在日韓国人に認めている。選挙権の二重取りにならないか

園部氏
 あちらも認めて、こちらも認めるというやつでしょ。
それは、本当言うと、おかしいんだけど。帰化してないもんだから、そこは言いづらい。
外国人だから。自分の国の選挙権持ってどうして悪いと開き直られるとね。
だけど、そんな両方、あっち行って選挙する、こっち行って選挙するなんてことは、基本的にはやめてほしいですね。

Q 仮に外国人参政権を付与した場合には、どちらかの権利を放棄すべきか

園部氏

 じゃあ、なんのために韓国の選挙権持たなければいけないのか、日本でずっと移住して、日本にとけ込んで、帰化はしていないけど、ほとんど日本人と同じ生活している人が、わざわざ韓国の大統領選挙に行く必要がどうしてあるんだということになる。

これは非常におもしろい政治学の問題で、あっちこっち行って、土着に近くなったら、そんなに韓国の選挙権持ちたいのなら、どうぞ、韓国に帰ってくださいと、こんなこと言ったら、怒られちゃうけど。それはちょっとおかしいじゃないかと、いう気持ちはあります。

ただ、韓国人が本当にどういう趣旨で、両方に認めろと言ってるのか、それは私は分かりませんから、奥深いものがあるのかもしれないけど、どうしてそういうことにするのか。韓国の大統領がどうなったってかまわんじゃないですか、大阪に住んでる、生活している人は。

Q 二重取りになるのはやはりおかしいと

園部氏

 そこは冷静沈着にやってもらわないと、今は戦争してないでしょう。そのうち、難しい状態になってきて、徴兵だとか、いろんなことになってきたときに、日本から、選挙権持ってるから、徴兵だって出来ないことはないよと、言い出されたら終わりです。韓国人はみんな徴兵やってるんだから。どうして、韓国はそういう(日本でも付与しろ)ことにこだわるのか。

Q 一般永住者にまで付与すると、小さい自治体の選挙に大きく影響し、名護市や与那国のように安全保障に関わることもあるとの指摘もある

園部氏 

もっともなことです。私もそう思ってます。

国粋主義者じゃないけど、そんなことまでして、門戸を開く必要はない

日本のために、一生懸命やってきて、親子3代ぐらい住んでいて、日本に同化している人で、韓国人は自分の祖先を非常に大事にする国だから、(帰化して)そこは切られてしまうことは嫌がる。そこは韓国の独特のところだから、有る程度認めて行かなきゃいけない。だから、帰化しないんですから。それは分かったけど、政治的な権利から、何から、両方で持とうというのは無茶苦茶な話です

 出ている解釈だけを見ると非常に危ないという気がする

園部氏
 そんな危ないことを最高裁が言うわけがない。

Q 参政権付与法案の政府提出は賛成できないと

園部氏
 そう。政府の立法方針がはっきりしますから、そうしない方がいろんな意味でいいでしょう。そこは国会が全部納得できるような、出すなら議員立法で出してもらわないと。それは国策であり、外交問題であり、国際問題でもありますから、日本だけがあまり意固地なことをやっていてもしょうがない。

Q 園部氏は「自治体法務研究」(平成19年夏号)の「判例による法令の解釈と適用」で、「第二(傍論部分)を重視したりするのは、主観的な批評にすぎず、判例の評価という点では、法の世界から離れた俗論である」と書いているが

園部氏

 法の世界は専門的で難しいものがあるけれども、俗論というのは、私は別に悪い意味で言っているわけじゃないです。

世の中の人がいろいろ言うけど、法の世界から見れば、正論と言うよりは俗論なんだなと、それぞれのその時の気持ちでおっしゃっているわけですから。

俗論とは世俗の論だと、法の世界の論は必ずしも正しいとか何とかいうんじゃなくて、ちょっと変わってますと、それじゃなくて、一般の人の耳になじむような俗論であるということです。

Q 傍論はないと言っているが、朝日新聞のインタビュー(平成11年6月24日付)では自ら傍論と言っているが

園部氏
 これはちょっと言葉が悪かったね。

Q これでみんなが傍論と言ってるのでは

園部氏

 これだね。僕が傍論と言ってるんだ

これ、傍論なんて言った覚えないんだけど。
私が傍論述べたわけじゃないんでね、そこは間違えないでほしい。
僕が傍論と言ったかどうか、そこもよく覚えてないんだけど。
これで、私が何か傍論を書いたかのように、仮に傍論だとしても、思われていると、この文書はちょっと良くない。

Q みんなこのインタビュー記事を見て、傍論部分は園部氏が書いたと思っている

園部氏

 それは、私が傍論つけたというよりは、みんなで、合議で(判決理由を)つくっているわけです。一言も、傍論とも、少数意見とも書いてないんで、これ全部の意見で、共同の責任で書いている。

もし、これちょっとまずいよという人がいたら、個別意見でつけますから。しかし、これ(判決理由)をみんながオーケーしているわけですから。
今になって、あれは園部の傍論だと言われても困る。確かに自分の植民地経験とかそういうのは述べていますけど。

確かに本筋の意見ではないですよね。つけなくても良かったかもしれません

そういう意味で、中心的なあれ(判決理由)ではないけども、一応ついてると。

それを傍論というか言わないかは別として、(1)と(3)があればいいわけだと、(2)なんかなくてもいいんだと、でも、(2)をつけようとしたのには、みんながそれなりの思いがあったんだと思いますね。みんなで。

Q 推進派は、(2)を持って、広く解釈している

園部氏
 それは、危ないです。(了)

2月 20, 2010 at 02:40 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.02.19

永住外国人の参政権問題にビックリ

サンケイ新聞より「「政治的配慮あった」外国人参政権判決の園部元最高裁判事が衝撃告白
サンケイ新聞より「園部元判事証言、外国人参政権推進派には大きな打撃

この2本の記事はタイトルで分かる通り、取材と解説と言えますから、ひとまとめに読んだ方が分かりやすいでしょう。

平成7年の最高裁判決が永住外国人への地方参政権(選挙権)付与に関し、判例拘束力のない「傍論」部分で「憲法上禁止されていない」との判断を示した問題で、判決に加わった園部逸夫元最高裁判事は18日までに産経新聞に対し、「(在日韓国・朝鮮人を)なだめる意味があった。政治的配慮があった」と明言した。

さらに判決に際し、地方参政権付与の対象者について「(在日韓国・朝鮮人ら)非常に限られた永住者に限定する」ことを想定したとし、民主党などが「一般永住者」にも与えようと検討していることを「ありえない」と批判した。

園部氏が判決の背景として、「政治的配慮」に言及したことは、最高裁判決の当事者としては極めて異例の発言といえる。

判決は特別永住者に限らず、経済的基盤を日本に持ち10年以上在留など一定要件を満たせば得られる「一般永住者」についても、参政権を付与する案の根拠とされている。

この点について園部氏は「(一般永住者に)選挙権を即、与えることは全然考えていなかった」と語った。同法案を政府提出とすることにも「賛成できない」と表明した。

判決理由については、「憲法の地方自治の本旨に従って、特定地域と非常に密接な関係のある永住者に、非常に制限的に選挙権を与えることが望ましいと判断した」と証言。

歴史的経緯があり、何世代にもわたり日本国内に在留する韓国人、朝鮮人、台湾人に限り、住み続けている地域に限定して地方参政権を付与することは、「全く憲法違反だとは言い切れないという判断だった」という。

園部氏は当時の判決について「金科玉条で一切動かせないとは考えていない」と述べ、時代の変化に合わせ見直すことも可能だとした。

■外国人地方参政権に関する最高裁判決

永住外国人に地方参政権を認めない公選法などの規定は、住民自治を定めた憲法に違反すると、在日韓国人9人が起こした訴訟の上告審で最高裁第3小法廷は平成7年2月、「憲法上、わが国に在留する外国人に対し、選挙の権利を保障したものではない」とした一審判決を支持し、原告の請求を棄却した。

ただ、判決理由の判例拘束力のない「傍論」部分で「永住外国人に対し、地方レベルの参政権を法律をもって認めることは憲法上禁止されていない」との判断も示し、地方参政権付与推進派を勢いづかせた。

園部逸夫元最高裁判事が平成7年の最高裁判決時、地方参政権を付与できるのは歴史的経緯のある在日韓国・朝鮮人ら特別永住者のみを想定したと明らかにしたことは、在日中国人ら一般永住者も含めた参政権付与を目指す民主党、公明党などの外国人参政権推進派にとって、大きな打撃といえる。
推進派の多くは、園部氏が主導的役割を果たしたとされるこの判決を主張の根拠としてきたからだ。

園部氏は特別永住者であっても、転居などで地域との密接な関係を失った場合は、選挙権は認められないとの考えも示した。

これも、推進派の「納税しているのだから選挙権も与えるべきだ」との論法に厳しくクギを刺した形だ。

現在、韓国・朝鮮籍の特別永住者は帰化の増加で年間数千人減り続けている。
一方で、中国籍の一般永住者は平成18年からの3年間で約2万5100人増の約14万人に達している。

一般永住者まで付与の対象とした場合、小さな自治体に特定国の外国人が集団移住し、キャスチングボートを握る可能性も指摘されている。
この懸念について園部氏は「もっともだ。そこまでして、門戸を開く必要はない」と明言した。

ただ、園部氏は永住外国人への参政権付与は合憲との立場は崩していない。判決時の「政治的配慮」を認め、「無理やり連れてこられて、参政権がほしいのなら帰化すればいいというのは、先祖を大切にする韓国人にとっては簡単なことではない」とも述べた。

背景には贖(しよく)罪(ざい)意識があるようだが、この事実認識は疑問だ。
日大の百地章教授らによれば、戦時動員されて日本に来た朝鮮人はほとんどが帰国した。
現在も在留する韓国・朝鮮人の多くは戦前から日本に生活基盤があり、自らの意思で残ったと見るのが妥当で、参政権論議の見直しは必至だ。(小島優)

■外国人地方参政権に関する最高裁判決

永住外国人に地方参政権を認めない公選法などの規定は、住民自治を定めた憲法に違反すると、在日韓国人9人が起こした訴訟の上告審で最高裁第3小法廷は平成7年2月、「憲法上、わが国に在留する外国人に対し、選挙の権利を保障したものではない」とした一審判決を支持し、原告の請求を棄却した。

ただ、判決理由の判例拘束力のない「傍論」部分で「永住外国人に対し、地方レベルの参政権を法律をもって認めることは憲法上禁止されていない」との判断も示し、地方参政権付与推進派を勢いづかせた。

この永住外国人の地方参政権問題というのは、どこかに線引きをすることになるので「どうするのか?」と思っていますが、判決にはこんな背景があったのですね。

そもそも、永住外国人とそうではない人をどうやって区別するのか?という問題があるでしょう。
また、選挙権は権利ではありますが、広い意味での政治参加の義務でもあります。それを地方参政権だけに限定できる根拠をどこに求めるのか?
永住外国人が参政権を拒否できるのか? 参政権を逃れるために、永住外国人の地位を離れることが出来るのか?

一言で言えば、これは選挙人登録制度の変形でしょう。
日本では選挙人登録制度自体がありません。
この段階で、水と油のような関係になります。

裁判所(園部逸夫元最高裁判事)がこのようなわかりきっていることを無視して傍論を出したとはとうてい思えなかったので「どういうことなのだ?」と思っていました。

園部逸夫元最高裁判事のお考えは予想外でありました。
特に

  1. 在日韓国・朝鮮人ら)非常に限られた永住者
  2. 特定地域と非常に密接な関係のある永住者
  3. 非常に制限的に選挙権
  4. 特別永住者であっても、転居などで地域との密接な関係を失った場合は、選挙権は認められない
これらを同時に満たす必要があるというのですが、選挙権というよりも恩寵とでも言うべきものですね。
これは、選挙権を与えられるかもしれない永住朝鮮出身者も含めて、「最高裁判事はそこまでえらいのか?」と思うのではないでしょうか?
上から目線に過ぎると言うべきでしょう。

夫婦別姓問題でも同じですが、国籍とか戸籍といったものは、国によって基盤が全く違うので外国の例をそのまま持ってきても、収まりません。
だからと言って、戸籍制度をいきなり無くすとか、国籍制度を大幅に変更するといったことは、日本の社会文化として許されないでしょう。

そうなると、基盤が変わらないのですから、その上にある行政も含めた実務もまた変わることが出来る範囲が自ずから制限されるわけで、永住外国人に地方参政権を与えるというのが、かなり難しい話しであることが明らかになった、と言うべきでありましょう。

2月 19, 2010 at 03:08 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.16

土地買収がインチキなのか?

サンケイ新聞より「福岡市が職員ら7人提訴 土地取得で面積水増し契約

福岡市は16日までに、市土地開発公社の道路用地買収で、地権者の意に沿う補償金を捻出(ねんしゅつ)するため土地面積を水増しして契約を結び、市に補償金を過払いさせたとして、職員と元職員の7人に計約1億3200万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴した。

市によると、不正な契約は平成11年から13年にかけ8件あり、市の損害額は約1億3400万円に上るという。
市は昨年8月、関与した職員と元職員計9人に支払いを請求。これに応じて計約200万円を支払った2人を除く7人を提訴した。

今ひとつ理解し難いのですが、道路用地の買収で買収した面積が必要以上であった、ということでしょうか?
そうなると、必要な面積をどうやって割り出したのか?という問題になりませんかねぇ?

おそらくは、道路の計画に基づいて、買収するべき用地を決めて、最終的には買収した土地は測量して位置を決めて当然面積も確定する、ということでしょう。
では、買収以前に完全な測量が出来るのか?となると、これはこれでけっこう難しいことです。
同様な話しは、宅地開発でもあって、開発中の土地の売買契約では「最終的には完成後の測量による」のような注釈付きの契約をします。

つまり土地取引ではある程度の、面積の誤差はあります。

その誤差が問題になるほどであった、ということだと道路を作ってみたら、土地が余ってしまった。といったじょうきょうかとおもいますが、それほどの無茶苦茶が出来るものでしょうかね?
普通は、すぐにばれそうなものだと思うのだけど。

それとも、買収後に道路の設計をしてみたら、土地があまっていることが分かった、とかでしょうか?
一体どういうことなのか、詳細を知りたいものです。

2月 16, 2010 at 09:12 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

千葉法相が亀井大臣を説得するというのだが

サンケイ新聞より「夫婦別姓で千葉法相「亀井氏を説得していく」

千葉景子法相は16日の記者会見で、選択的夫婦別姓制を導入する民法改正案に国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相が反対していることについて

「亀井大臣のご発言は大変重い。ただ、内容について細かい理解をいただいているか必ずしも定かではない」

と述べた。引き続き法案提出への理解を求めていく考えを示した発言だ。
また、これまでも亀井氏に直接説明してきたとした上で

「内閣としての方向付けは、そんなに時間がないので最終的に詰めをしていきたい」

とも強調した。

わたしも、この法案を理解していません。
というよりも「どういう原理の法律にするのかが、分かりません!」

民法の改正案です。改正する部分は

第750条(夫婦の氏)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

を改正するというものですが、要するに「称する」の部分を変えるわけです。
しかし、そもそも婚姻の際にというの戸籍の問題もあるわけで、戸籍法は簡単にどうにか出来る法律ではありません。
そもそも、戸籍という概念が法律でガッチリ決まっているというのが世界的には珍しい。

文化的には、「Aの妻であるB」といった表現が一般的であることが、夫婦別姓の必要条件だと思います。
「Aの妻です(名前はない)」で通用にする文化において、夫婦別姓にすると言うのは要するに法律で文化を変えようと言うことでしょう。

それ自体は是認するとして、戸籍はどうするのか?
戸籍法をそのままにしておくと、戸籍の中に注釈を作る必要が出て来るのではないでしょうか?
要するに、戸籍の基本的な手続が「一つの戸籍に一つの姓」で成立しているわけですから(結婚して、姓が変わると別の戸籍が出来る)そこに二つの姓ができるとなると、これはどうなるのか?

そんな事を考えると「夫婦別姓の法的な考え方自体が理解できない」になってしまっています。
一言で言えば、極めて説明不足でありますよ。

2月 16, 2010 at 01:22 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.01.08

自民党の意味がない定年制度

読売新聞より「山崎拓氏ら参院比例選で公認せず…自民

自民党の谷垣総裁は7日、今年夏の参院比例選に出馬を求めている山崎拓・前副総裁(73)と保岡興治・元法相(70)を公認しない意向を固めた。

来週中にも正式に決定する見通しだ。党が定めた定年制を守ることで、党の若返りを印象づけるとともに、中堅・若手を中心に両氏の公認に否定的な意見が党内に強いことにも配慮したものと見られる。

谷垣総裁は7日の記者会見で、

山崎氏らの公認について「(定年制の)例外は今まで極めて限定的だ。基本は基本だ。(今月18日の)国会召集前に結論が出せるよう努める」と述べた。
自民党は、参院比例選の公認候補について「原則70歳未満」を条件にしているが、総裁の判断などで例外的に公認できる規定がある。

山崎氏は自民党から公認が得られない場合でも、参院選に出馬を目指しており、離党も辞さない構えを示している。
かつて山崎派に所属していた自見庄三郎参院議員が幹事長を務める、国民新党からの出馬が取りざたされている。

自民党では、2007年の参院選岡山選挙区で落選した片山虎之助・元総務相(74)も比例選候補として公認するよう求めており、今後検討する考えだ。

(2010年1月8日08時08分 読売新聞)

毎日新聞より「自民党:参院選に74歳の片山氏擁立 若手の反発は必至

2010年1月8日 2時31分 更新:1月8日 2時31分

自民党は7日、参院選比例代表に元参院議員の片山虎之助元総務相(74)を擁立する方針を固めた。

07年参院選岡山選挙区で落選した片山氏を巡っては、党の「70歳定年制」にかかるため執行部が慎重に検討していた。近く正式決定する。

片山氏は、当選3回。総務相や党参院幹事長などを歴任した。現在は日本消防協会(会員数約98万人)の会長を務めており、比例代表で一定の得票が見込めると判断した。

従来の支持団体が民主党に侵食される中、消防関連の組織を守る狙いもある。自民党は同様に07年に東京選挙区で敗れた保坂三蔵元参院議員(70)も比例代表で既に公認している。

ただ、こうした例外措置が続けば、世代交代を求める党内の中堅・若手議員が反発を強めるのは必至だ。【木下訓明】

単なる派閥の争いということですね。

1月 8, 2010 at 09:31 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.05

阿久根市などの地方自治法違反問題

サンケイ新聞より「ブログ市長「今年は私のやり方を加速する」「従わぬ職員は辞めろ

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は4日、仕事始め式のあいさつで「今年は私のやり方を加速する。命令に従わない職員には辞めてもらう」などと宣言し、市政運営方針に不満を抱く職員の動きを牽制(けんせい)した。

竹原氏は昨年12月、市賞罰審査委員会規程を改め、委員だった市職員4人を解任、代わりに市長支持派の市議らを充てる意向を表明。職員処分に自らの意向を反映させる狙いとみられていただけに、今回の発言は波紋を広げそうだ。

式典に出席した職員によると、市長は大会議室に集まった幹部職員ら約50人に行財政改革を訴える中で発言した。入室は放送各社のみに限定し、新聞各社には取材を認めなかった。

市長は昨年、自らが役所内に張り出させた紙をはがしたとして男性職員(45)を懲戒免職処分とした。処分執行停止とした鹿児島地裁の決定が確定したが、男性職員の復職を認めない状態を続けている。

読売新聞より「阿久根市長「従わない職員辞めてもらう

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は4日の仕事始め式で、「命令に従わない職員には辞めてもらう」と発言し、「反抗的」と判断した職員には懲戒免職も辞さない構えを改めて示した。

式には幹部職員ら約50人が出席。竹原市長はテレビ局のカメラだけを会場に入れ、新聞各社は閉め出した。

出席者によると、竹原市長は、民主党が公職選挙法を改正し、インターネットを使った選挙運動などを解禁する方針を固めたことに触れ、「これまでは総務省の役人が勝手に法を解釈して違法にし、現実の社会の動きを制限していた。私がやることは国がまねする」と述べ、自身のブログ活用を正当化した。

竹原市長は昨年、庁舎内に張り出した職員人件費の張り紙をはがした市職員を懲戒免職処分にした。しかし、「不適法の可能性がある」と処分の効力停止を認めた司法判断が確定したが、市長はこれを無視し、職員の復職や給与支払を拒否している。また、市長選期間中に更新した自らのブログで対抗馬を批判したり、障害者の出生を否定するかのような記述をしたりするなどして、物議を醸している。

阿久根市のホームページによると阿久根市のデータは以下の通りです。

 阿久根市東京瑞穂町
人口24,105人33,751人
世帯数10,792戸13,621戸
面積134.3平方キロ16.8平方キロ
事業所数1308ヶ所
市職員267人218人
有権者数20,456人26,627人
市議会議員16人18人
有権者率84.9%78.9%
市職員率1.1%0.6%

面積以外は、ほぼ東京都瑞穂町ぐらいの規模です。
有権者率は20歳以上の人口の割合を示していますから、高齢化率とも言えます。
市職員率は、阿久根市のホームページで見ると頑張って減らしてきたようですが、瑞穂町に比べて高いです。

阿久根市がこれほど有名になるのは、市長の言動によるものですが、わたしには法令遵守ということ自体が分かっていないのではないのか?と感じられます。

地方での法令遵守というか、法の考え方についての理解の浅さが気になります。
先に紹介した、神戸市議会の市長の賠償金を事実上無にする決議といったものは、法についての理解の浅さそのものでありましょう。

阿久根市長の言動にも、そういう面が見られて、懲戒委員会のメンバーを入れ替えたと言ったところや、裁判で「転覆を謀っている」と陰謀論のような主張をしたことは、市長という職責と、個人の考えが混乱しているとしか言えないわけで、それを区別し責任を要求しているのが、地方自治法の規定です。
それを結果において無視しているのでは、非常にまずいことです。

1月 5, 2010 at 01:55 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.12.26

千葉法相、民法の夫婦別姓改正案を提案へ

東京新聞より「夫婦別姓法案を来年提出へ 法相意向、次国会成立図る

千葉景子法相は26日までに、夫婦が同姓か別姓かを選択できるようにする「選択的夫婦別姓制度」導入を柱とする民法改正案を来年の次期通常国会に提出し、成立を目指す意向を固めた。

離婚後6カ月間と定めている女性の再婚禁止期間の短縮も盛り込む方針だ。既に首相官邸に伝え、関係閣僚とも折衝を始めている。年明けから政府、与党内での調整を本格化させる。

法相は法務省政策会議の同意を得た上で、3月ごろに改正案を閣議決定したい考えで、閣僚の一人は「2010年度予算案の審議が終わるころに改正案が提出されると思う。鳩山由紀夫首相も『選択的夫婦別姓制度は良いと思う』と言った」と述べた。

改正案ではほかに婚外子への遺産相続分を嫡出子の2分の1とした「差別規定」が撤廃される見通し。

別姓夫婦の子どもの姓は、夫婦どちらかに統一する方向だ。再婚の禁止期間は、民主党が野党時代にまとめた改正案で示した「100日」を軸に検討が進むとみられる。

(共同)

民法を改正するとはどういうことなのか?と調べてみると、

民法 第750条(夫婦の氏)

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

を改正しようということでしょうね。
ところが「婚姻の際の定め」とは、戸籍法で

戸籍法 第16条〔婚姻による戸籍の変動〕

婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。
但し、

  • 夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
  • ②前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
  • ③日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍を編製する。ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。

となっていますから、民法だけを改正すると

戸籍上は夫の姓であるが、民法上は妻の旧姓を称することが出来る
という意味になります。

要するに、現在も企業などが認めている、旧姓の使用を民法上も認めるとなります。
韓国などの、結婚によって姓を統一しないと言う仕組みとは違いますし、そもそも戸籍法がいわば「家思想」で作られていて、本人が決められないという仕組み自体が外国にはありません。

戸籍法は、家系の追跡を可能にしているものですが、諸外国では家系の追跡は教会の記録などによります。
この戸籍法の部分が、非常に強力であるために、夫婦別姓問題では戸籍法には手の付けようがないわけで、その結果民法改正となるのでしょうが、それって法律を改正することにどれくらい意味があるのでしょうかね?

民法750条違反で、事件になった例はあるのかな?

まあ、改正してもどうということもない、とも言えますが、逆に言えば民主党政権が大騒ぎするほどの意味もない、と言えますし、戸籍法が改正されないのだから(しかもとてもじゃないが、改正できない)根源的には結婚の法的な意味合いが民法での夫婦別姓を認める改正で満足するとも思えないのです。

むしろ、婚外子の相続権とか、事実婚者の権利と義務といったことの方が重要視されるでしょう。
ここまで行くと、法律的に結婚とは何か?となってきますね。

12月 26, 2009 at 08:48 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.12.25

阿久根市長は痛すぎる

朝日新聞より「元係長は市政転覆企画 阿久根市長側が準備書面提出

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、市庁舎内に張らせた職員の人件費を書いた張り紙をはがした男性係長(45)を懲戒免職処分にした問題で、元係長が市と竹原市長に免職処分取り消しを求めた訴訟の2回目の口頭弁論が25日、鹿児島地裁(牧賢二裁判長)であり、結審した。
判決は4月9日。

竹原市長はこの日までに、元係長について

  • 「『職員は市長の命令に服従すべきだ』とする意識がほとんど見られない」
  • 「『すきあらば竹原市政の転覆を謀ろう』と企図している」とする準備書面を提出。
  • 「人事は行政をつかさどる首長の専権事項。
    裁判所は首長と対等の立場からその適否を論じる資格を持たない。
    円滑な行政に必要として行われた以上、適法である」
と主張した。

原告側は法廷で

「効力停止の地裁決定が確定したにもかかわらず、元係長は今も就労できず、生活に困っている」
と早期の判決を要望した。
原告側の増田秀雄弁護士は取材に対し、
「市長は持論を述べるばかりで議論がかみ合っていない。三権分立という国の基本構造を分かってないのだろう」
と批判した。

反市長派が過半数の市議会で弁護士費用が認められていないため、竹原市長は弁護士を立てずに自ら出廷。

この日の法廷では持論を述べる機会はなかった。閉廷後は、報道陣の取材には応じず、法廷を後にした。

この訴訟では、「判決確定まで免職処分の効力を停止する」とする鹿児島地裁の決定が今月確定したが、竹原市長は今のところ元係長を復職させておらず、地裁の決定を無視した形となっている。

竹原市長は職場復帰だけでなく、給料やボーナスの支払いも拒否しており、元係長は市を相手取って未払い賃金の支払いを求める訴訟も同地裁に起こしている。

専決事項って、地方自治法の範囲での話しなんですけどね。

この「議論がかみ合わない」というのは、わたしが応援しているホームオブハート裁判で、ホームオブハート側との議論で、しばしば見られる状況です。
市長の行動がカルト的であると考えると、納得出来るところがありますね。

それにしても、法律を無視してそれが問題でないという考えでは、首長を任せるわけにはいかないでしょう。

12月 25, 2009 at 06:12 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.12.24

2007年時点で、食料が買えないときがあった家庭が15%

毎日新聞より「社会保障調査:「食料買えない」経験ある15%…07年

過去1年間に経済的理由で必要な食料を買えなかった経験のある世帯が15.6%(07年時点)に達することが24日、国立社会保障・人口問題研究所が初めて実施した社会保障実態調査で分かった。

厚生労働省が10月に初公表した相対的貧困率15.7%(06年が対象)と、ほぼ同じ割合。経済的理由などから医療機関に行けなかった世帯も2%あった。

調査は07年7月1日現在で実施
し、全国の1万766世帯から有効回答を得た。

「過去1年間にお金が足りなくて家族が必要とする食料が買えないことがあったか」を尋ねると、

まったくなかった77%
よくあった2.5%
ときどきあった4.5%
まれにあった8.6%
買えない 計15.6%

が食料が買えない事態を経験していた。母子家庭など「一人親世帯・2世代」に限ると、計38.4%が経験していた。

相対的貧困率とほぼ同じ点について同研究所は「偶然だろうが、食料の側面でみると実際に約15%の困窮者がいると言えるだろう」と分析している。

一方、過去1年間に世帯内の人が医療機関に行ったかを尋ねたところ、
行かなかった世帯は11.5%。
このうち「健康ではなかったが行けなかった」のは17.0%で、
全世帯の2.0%を占めた。

理由は自己負担割合が高いなど経済的理由が38.4%と最多。
多忙など時間的理由27.0%
健康保険に未加入14.2%--などが続いた。【佐藤浩】

そもそも、15%が食料を買えないときがあった、というのに驚きますが、さらにこの調査が2007年7月1日現在ということは、

  • 安倍内閣で、参院選のスタートした時です。参院選の結果は与党(自民+公明)の過半数割れとなり、2007年9月26日に安倍退陣で、福田内閣になります。
  • 英国ではテロ事件が頻発していました。
  • 横浜市バスで営業所長らがバス料金を横領していたことが発覚
こんな時代でした。今現在よりもはるかにマシだと思っていたい時期に、こんなデーターが採れていたわけです。
今現在はどうなのか?と考えると、背筋が寒くなります。

政治(政治家)の感度の鈍さは、この頃から全く改善せず、むしろ何をやりたいのか分からない鳩山首相では、状況はかえって悪化していると見るべきなのでしょう。

12月 24, 2009 at 11:25 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.12.16

自民・民主のビジョンの無さこそがデフレの原因だ

サンケイ新聞より「菅vs竹中、成長戦略会議で火花 「需要か、供給か」で論戦

政府は16日、成長戦略策定検討チームを開き、自民党政権時代の政策立案関係者として元総務相で経済財政相も担当した竹中平蔵慶大教授を招き経済政策に関するヒアリングを行った。

ヒアリングでは竹中氏が

「成長はサプライサイド(企業の技術力など供給力)にないといけない」
と主張したのに対し、菅直人副総理・国家戦略担当相が
「まず需要を作ることが大事ではないか」
と反論するなど、両者の間で成長に向けた論戦が繰り広げられた。

竹中氏は成長戦略の基本方策として

減税などで民間企業への資本投入を高めるとともに、
労働力を充実させることの重要性を強調。

具体案として「都市環境立国宣言」「アジアゲートウェイ宣言」などを通じて重点分野を明確化することと、税制改革・規制改革を通じた民間企業の活力を最大限に発揮させることを提言した。
そのうえで
「税制改革、規制緩和、民営化の伴わない成長ない」
と指摘した。

一方、菅副総理は竹中氏の提案を受けて

「需要がなくて供給過剰になる中で不況が起きた。
今はデフレが起きている。
需要サイドをいかに生み出すかがより重要」
として需要側の政策が重要だと反論した。 さらに、竹中氏が進めた規制緩和など供給サイドの取り組みは
「失敗したと思う」と指摘し、雇用が新たな需要を生むとして需要サイドのテコ入れを重要性
を主張した。

同会議は来週中にも成長戦略の骨格をまとめる方針だ。

竹中氏は

「需要サイドから説明しないと国民は分かってくれない」
と菅副総理の主張に一定の理解を示した上で、
「需要だけを付けるだけになってはいけない」と改めて供給サイドの施策を主張。「世界のトップ100社に日本企業は数社しか入らない」
と日本企業が世界でどんどん弱くなっているのが最大の問題と指摘した。

竹中という人は、何を言っているのか?と思う。

  1. 自由競争にして
  2. 投資を自由化して
  3. 技術力を高め
  4. 労働の質的向上をする

この目的が、企業の収益改善というのは話しに無理があるだろう。
自由競争なのだし、投資も自由なのだから、当然即戦力というか直ちにリターンのある投資が優先される。
技術力を高めるとは研究投資であり、労働の質的向上とは、長年の訓練以外の何ものでもないだろう。

普通に考えて、短期間で投資を回収するためには、目先の利いた買い手が世の中に出る直前の物件を買収して売り飛ばして利益を上げる、という投資行動になる。
当然「研究開発」や「人材育成」は短期間での投資回収という観点では、やってはいけないことだろう。

竹中氏はこの根本的な矛盾をどう説明するのだろうか?

今や、日本の最大のピンチは労働の質の急速な劣化です。
若人たちに十分な教養を身につけさせるといった根本的なところが崩れ始めています。
とてもではないが、「労働力を充実させる」なんてのはかけ声で何となるものではない。

どうしてこんな事になったのか、というのは要するにデフレで家計がうまく回転しなくなってきたことが大きい。
そして、竹中氏らが主唱する「自由化」が就労制度から賃金に及んだから、庶民の生活が不安定になってしまった、ことが最大の理由でしょう。

少なくとも「自由化すれば万事問題なし」でなかったことは確かで、どこをどう手当てするべきかについて、私案を出す責任が竹中氏にはあるだろう。

対する、民主党政権の「デフレ退治」は、ほぼ効果がないだろう。
デフレは結局は「金を使わないで待っているる方が有利だ」と考えるからで、それはとりもなおさず、時の政権が信用されていないことの表れ以外の何ものでもない。

では現在の民主党政権は信用されているのか?
期待は大きかったが、支持率の低下速度(微係数)が信用度だとすると、民主党政権の信用度はおそろしく悪い。
このために、ますますデフレ傾向は続くだろう。

製造業における登録型派遣労働の禁止が決まったが、派遣労働を完全自由化して、最低賃金を大幅引き上げて、時給1万円を最低とする、労働の実績は派遣労働者が個々に持っている電子カードに記録して、課税も含めて全部一元化する、といったような政策を取るべきだろう。

竹中氏が必要だという技術開発も圧力が無ければ始まらないのは決まり切っていることで、労働コストも技術開発を促す程度に高くするべきだ。
他に策がないから、技術開発を進める、という方向に誘導するべきだ。

また、知的財産の保護という観点からは、会社などの売買には、高額の取引税を課した方が良いかもしれない。
安直に企業を売るのは、売買以外の社会に対する影響があるから、そういう面への安定化のそちとして、企業売買の取引は自由だが、金額ではなくて規模などに応じた取引税を課すといった方向があると思う。

12月 16, 2009 at 01:40 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.12.10

阿久根市長のやっていることのマズイところ

朝日新聞より「裁判所を無視、ブログに持論…阿久根市長に抗議続々

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長の言動が、各方面に波紋を広げている。元男性係長(45)の懲戒免職問題では、職場復帰だけでなく給料、ボーナスの支払いを拒んだまま。

障害者について「高度医療のおかげで機能障害を持ったのを生き残らせている」とブログに書き込んだことにも抗議の動きが広がる。市民からは市のイメージダウンを懸念する声も上がり始めた。

職員人件費の張り紙をはがしたとして元係長を懲戒免職処分にしたのは7月31日付。

元係長が処分取り消しを求めた訴訟に基づき、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部が相次いで判決確定までの「処分の効力停止」を命じたが、市長は応じる姿勢を見せていない。

市長側が不服を申し立てる手段として、まだ最高裁への特別抗告が残っている。期限は14日。
ただ最高裁への特別抗告は一般的に憲法解釈の誤りなどに限られる。

仮に決定が確定し、市長が無視した場合はどうなるのか。
専門家は「損害賠償などの別の訴訟で対抗する以外にない」という。

高裁支部決定が明らかになった7日以降、市長は取材に応じなくなり、総務課の職員を通じて「コメントはない」と沈黙を続けている。

一方、ブログの記述をめぐっては9日、鹿児島県社会福祉士会など県内関連4団体が謝罪を求める決議声明を出した。「障害を持つ人の生きる権利や幸福を追求する権利を否定し、人間の生命の尊さをあまりにも軽んじている」という。
県身体障害者福祉協会も抗議を検討中。担当者は「ブログの記述は見識を疑う」と話す。

市への抗議の電話やメールは7日昼までに約250件を数えた。
その後について、市総務課は「市長の指示で公表しない」としている。

ブログについて、市長は4日、取材に「事実は事実として受け止めなければならない。その上でしっかり議論しなければならない問題。
いつまでも無理やり生かす医療になっている。神の領域まで人間が踏み込んでいる」と持論を展開した。

この問題では、14、15の両日にある市議会一般質問で複数の議員が真意をただす構えだ。

ある反市長派の市議は

「裁判所の決定に従わないことや給料の未払いは想定外。法治国家ではあってはならない。ブログの内容は論外だ」
と批判のボルテージを上げる。

市長に近い市議は

「懲戒免職職員は謝罪し反省する姿勢が見られないから。ブログは、全部を見れば決して障害者差別ではないことがわかる」
と擁護する。

市内の水産加工業の男性は「市のイメージダウンにもなりかねない。特産品の売れ行きが落ちなければいいが」と懸念を口にした。

裁判所の命令を無視するというのは、論外でしょう。
個人ならとにかく、行政の長が裁判の結果を無視するということは、ある意味でテロです。
そして、歴史はこのような行為が現実のテロ行為に結びついた例を多く示しています。

市議会も市長の行動について、市民に対して責任を負った行動をするべきところを、責任を負わずに批判を漫然としている、と外部からは見えてしまいますね。

12月 10, 2009 at 09:30 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.11.06

日航OB怒る

朝日新聞より「日航OB「年金強制減額なら提訴も」 調整大詰め

日本航空の再建を巡り、日航退職者の年金削減問題が大詰めを迎えている。

政府が検討している年金減額に、退職者らは強く反発。強制減額には訴訟も辞さない姿勢だ。

退職者らがつくる「JAL企業年金の改定について考える会」の15人は5日、厚生労働省を訪れ、強制的な年金減額に反対する要請文を長妻昭厚労相あてに提出した。

客室乗務員OBの福島隆宏さん(67)は記者会見し、「(政府が強制減額に踏み切るなど)一般的に不当なことが行われた場合は提訴もやむを得ない、というのは常識的な考え方だ」と述べた。

会が退職者に対し、ウェブサイトで「減額反対」の署名を募ったところ、5日現在で対象者約9千人中4割を超える3740人分の署名が集まったという。

現行法で日航の年金給付を引き下げるには、現役、退職者それぞれの3分の2以上の同意が必要。

さらに引き下げが成立しても、希望する退職者には条件変更前の水準で一括支給しなければならない。

政府内では、現行法に基づく限り大幅な年金減額は困難とみて、強制減額できる特別立法の道を探っている。

日航は事業継続のために11月中に、政府が全額出資する日本政策投資銀行からつなぎ融資を得たい考え。

ただ財務省などは4.5%の給付利率を約束する日航の年金には「国民の理解が得られない」として年金減額を求めている。

5日は関連省庁の副大臣が国土交通省に集まり、日航再建対策本部の第2回会合を開催。
さらに国会近くに場所を移し、前原誠司国交相も加わって話し合いを続けた。
辻元清美国交副大臣は記者団に対し、来週中に対策本部の方向性を出す考えを表明した。

また、日航は4日付で最大労組のJAL労働組合に対し、今春にいったん決めた冬の一時金(ボーナス)の減額について協議入りを申し入れた。

この中で「国民の理解」を一番得られないのは、「特別立法方を作って法律で強制的に年金給付額を引き下げる」でしょう。

確かに、日航の年金給付額が多くて、引き下げるのが公的支援の条件だという、財政当局の主張はその通りですが、それは条件の一つであって、条件が満足されないから日航は法的処理に向かう、でなんの問題もないでしょう。

完全にババ抜き状態になっていて、特別立法はババを押しつける法律ですね。
金融機関などがババを逃れるために誰かに押しつけることを決める法律なんてものが許されませんよ。

こんな法律が成立したら、日本はおしまいですね。

11月 6, 2009 at 09:36 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.04

15.7%の衝撃 朝日新聞社説

朝日新聞社説より「15.7%の衝撃―貧困率が映す日本の危機

日本の相対的貧困率は、07年調査ですでに15.7%だったと長妻昭厚労相が発表した。約6人に1人が「貧困」という事実は何を意味するのだろう。

日雇い派遣で生計を立てる都内の大卒30代男性の生活を紹介したい。

宅配便の配達や倉庫の仕分け作業で一日中くたくたになるまで働いて、手取りは6、7千円。結婚して子供も欲しいが、この収入では想像すらできない……。「明日の仕事もわからないのに、将来がわかるはずがない」

「国民総中流」は遠い昔の話となり、いくらまじめに働いても普通の暮らしさえできない。これが、貧困率15.7%の風景である。

相対的貧困率とは、国民一人ひとりの所得を並べ、その真ん中の額の半分に満たない人の割合を示す。

経済協力開発機構(OECD)の04年の調査では日本の相対的貧困率は14.9%。加盟30カ国中、4番目に高いと指摘されていたが、自民党政権は公表を避け続けてきた。

日本が“貧困大国”となった現実に目を背けてきたのだ。

■数値公表の持つ意味

新政権が貧困率を発表したことには、現実を直視すること以上の大きな意味がある。

英国などのように、具体的な数値目標を設定して貧困対策に取り組むことができるからだ。
例えば、「5年以内に貧困率の半減を目指す」といった目標である。

貧困の病根は何か。そして貧困は何をもたらそうとしているのか。

経済のグローバル化により国際的な企業競争が激化し、先進各国で雇用の不安定化が進んだのは90年代半ばからだった。
日本では労働力の非正社員化が進み、当時の自民党政権も政策で後押しした結果、3人に1人が非正規雇用という時代が到来した。

日本企業は従来、従業員と家族の生活を丸ごと抱え、医療、年金、雇用保険をセットで支えていたため、非正規雇用の増加は、それらを一度に失う人を大量に生んだ。

一方、生活保護は病気や高齢で生活手段を失った人の救済を想定していた。
働き盛りの失職者らは、どの安全網にも引っかからずこぼれ落ちていった。

貧困率の上昇は、安易に非正規労働に頼った企業と、
時代にそぐわない福祉制度を放置した政府の「共犯関係」がもたらしたものだといえる。

日本社会は、中流がやせ細り貧困層が膨らむ「ひょうたん形」に変わりつつある。

中流層の減少は国家の活力をそぎ、市民社会の足元を掘り崩す。
自殺、孤独死、児童虐待、少子化などの問題にも貧困が影を落としている。

さらに深刻なのは、貧困が若年層を直撃していることだ。

次世代への貧困の広がりは、本人の将来を奪うばかりではなく、税や社会保障制度の担い手層を細らせる。
子育て適齢期の低収入は、まっとうな教育を受ける権利を子どもから奪い、将来活躍する人材の芽を摘んで、貧困を再生産する。

これは、国家存立の根を脅かす病である。その意味で貧困対策は決して個人の救済にとどまらない。未来の成長を支える土台作りであり、国民全体のための投資だと考えるべきだ。

■人生前半の社会保障

貧困率を押し下げるには、社会保障と雇用制度を根本から再設計することが必須である。それには「人生前半の社会保障」という視点が欠かせない。

能力も意欲もあるのに働き口がない。
いくら転職しても非正規雇用から抜け出せない。就労可能年齢で貧困の落とし穴にはまった人たちを再び人生の舞台に上げるには、ただ落下を食い止めるネット型ではなく、再び上昇を可能にするトランポリン型の制度でなければならない。
就労支援のみではなく、生活援助のみでもない、両者の連携こそが力となる。

働ける人への所得保障は福祉依存を助長するという考えも根強いが、仕事を見つけ、生活を軌道に乗せる間に必要な生活費を援助しなければ、貧困への再落下を防ぐことはできない。

新たな貧困を生まない雇用のあり方を考えることも必要だ。

企業が人間を使い捨てにする姿勢を改めなければ、
国全体の労働力の劣化や需要の減退を招く。

正規、非正規というまるで身分制のような仕組みをなくすためには、同一労働同一賃金やワークシェアリングの考え方を取り入れなければならない。
正社員の側も、給与が下がる痛みを引き受ける覚悟がいる。

■新しいつながりを

経済的な困窮は、人を社会の網の目から排除し孤立させる。
家族、友人、地域、会社などから切り離され、生きる意欲すら失っていく。

戦後の成長期に築かれた日本型共同体がやせ細る今、貧困を生み出さない社会を編み上げるには、人を受け入れ、能力を十全に発揮させる人間関係も必要だ。
新たな人のつながりを手探りしていくしかない。その姿はまだおぼろげにしか見えないが、ボランティアやNPO、社会的企業などがひとつの手がかりとなるだろう。

鳩山由紀夫首相は所信表明で、「人と人が支え合い、役に立ち合う『新しい公共』」を目指すと語った。この美しい言葉を、現実の形にしていく政治力を発揮できるだろうか。

同時に貧困対策は、自民党などの野党にとっても共通の国家的課題だ。
与野党が真剣に斬新な知恵を競い合って欲しい。危機は待ってくれない。

前半は非常にストレートに書いている社説だと思います。
派遣労働を是とする考え方は、投資をせずに利を増やすという考え方ですから、結局は借金の増大としか言いようがないのに、そういう観点からの指摘はありません。

健康保険制度の問題についても、利用者である国民がどう見るか?という観点からの議論がほとんど何もない。
アメリカなどの例を出して「日本はマシです」のような後ろ向きの話にしたら、国民は全体として希望を失うでしょう。
ハッピーリタイアが無いと年上の人を見る若手社員が仕事に頑張ることが出来るでしょうか?

政治指導者などが提示するべきは希望なのであって、言い訳ではない。
一方で「人口が増加する」といった誰が考えて有り得ないような前提での将来像を語るべきでもない。
日本は現在のところ比較的豊かで安全な国です。これがいきなりピンチになる事があれば、それこそが政治などの失敗でありましょう。
しかし、人口減に向かいます。これは変わらない。
そういう状況で、どうするのが将来ハッピーであると今感じることが出来るのか?を提示することが政治の最大の使命でありましょう。

こう考えると、新自由主義は本質的に「将来の不安を強調し、それを理由に競争の障害になる規制をはずす事」だったように思います。
逆に、規制を外すことを目的に将来の不安を強調し、規制を外すことに反対できなくした、のかもしれません。

しかし、不安は解消せず、日本においては経済も成長しないから不安はかえって増大した。
これが現状でありましょう

人口減社会に向かうことを考えると、人の価値は高くなるばかりだし、価値に見合う能力を人に付けさせるための投資も重要だと言えます。
教育に関して言えば、大学進学率の数字は人に対する投資効率の目安にはならないことが明らかですから、総合的に人の価値をどう認めるのか?というところに踏み込まないとだめでしょう。

これは、市場側(評価する側)の声を教育についても重視するべきだ、ということであって文科省が長年やってきた「資格中心主義」ではダメだ、となります。

なんか、ドンドン話を原点に戻すような印象ですが、それこそが今の日本に必要な事かもしれません。

11月 4, 2009 at 10:51 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2009.10.29

日本航空再建案は三段論法ではないのか?

日本航空の再建策は三段論法のような理屈で、政府主導でやってはいけないだろう。

今日も「国民を税金を日本航空再建に使うのだから、高い年金に注ぎ込むわけにはいかない、だから年金を引き下げる」と言っているが、全く関係ない話をくっつけているとしか思えない。

確かに、年金を支払うために税金を投入するなどということは許されないわけで、だから税金は投入できない、その結果として日本航空が法的整理になって何が問題なのだろう?

前原国交相は「飛行機が飛ばない事態は起こさない」とか言っているが、なんでそれが大事なことなのだ?
飛行機が飛ばないのは日常茶飯事であって、会社を分離するなどすれば問題になるほど運行が差しつかえることになるとも思えない。
もっと言えば、日本航空が無くても全日空はあるわけで、飛行機が飛ばないという観点は問題になるまい。

第一、日本航空を救済できないから年金を引き下げるとか言っているわけでしょう。
そうなると、これからの時代に日本航空が生き残れるのか?が問題なるはずで、年金問題はその条件の一つでしょう。
年金を引き下げるだけで、日本航空は生き延びることが出来るのだから、公的資金を一時的に投入する、という話ではない。

実際、人員削減9000人とか言っている。
そういう色々な物事を総合的に判断して、年金を削減するという合意を取り付けるのなら、まだ分かるが全体の展望がよく分からない段階で、一部分を決定してしまうのではまずいだろう。

日本航空の法的処理はしないどういう理由なのか説明がない
公的資金を投入するますます理由が分からない
だから年金給付を法律で削減する憲法違反の疑いが強い

こんな無茶を批判しないマスコミはどういうつもりなのだ?

10月 29, 2009 at 12:12 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.10.24

日航だけ救済の法律案、日航残って人類が滅びる

読売新聞より「日航救済で特別立法検討…年金強制引き下げ

政府は23日、経営危機に陥った日本航空を救済するため特別立法の検討に入った。

日航再建の障害になっている企業年金の高い給付水準を強制的に引き下げることができる内容だ。

法律が成立し、年金問題が解決に向かえば、金融機関による債権放棄や公的資金の投入なども円滑に進むことが予想される。
日航再建が一気に加速する公算が大きい。

26日に召集される臨時国会への提出も視野に、財務、国土交通、厚生労働の3省が合同で法案作りを急ぐ。

調整が長引けば、提出を通常国会に持ち越す可能性もある。

検討されている法案では、年金給付水準の強制引き下げの適用対象を、公共交通にかかわる公益性の高い企業に絞り込む。

さらに、実際の適用には厳格な要件を付ける方針だ。

具体的には、企業が経営危機に陥って安全な運航に支障が出ると判断された場合や、公的資金による救済対象となった場合などに限る。

老後の生活にかかわる企業年金は、給料などと同様に「労働債権」として法的に強く保護されている。

給付水準の引き下げは、憲法で保障される個人の財産権を侵害する恐れがある。

このため、現行法下では、受給者に不利益となる制度変更をする際は、受給者の3分の2以上の賛同を得なければならない。

日航の再建を巡っては、前原国交相が組織した専門家チーム「JAL再生タスクフォース」が、銀行団に対し2500億円の債権放棄・株式化を求めている。

また、公的支援策でも、約1800億円のつなぎ融資の一部に政府保証をつけたり、公的資金を活用した資本増強を実施したりすることを盛り込んでいる。

一方で、日航は年金の積み立て不足額が3300億円に上り、経営の圧迫要因になっている。

銀行団や財務省は、「金融支援や公的資金が結果的に日航OBらへの年金の給付水準維持に使われる」と反発しており、年金債務を圧縮できるかどうかが、再建策とりまとめの可否を左右する情勢になっている。

今回の特別立法には、日航の従業員やOBも一定の痛みを分かち合うことで、金融機関などの理解を得られやすくする狙いがある。
(2009年10月24日03時05分 読売新聞)

無茶苦茶だ!!
憲法違反だろう。

確かに日本航空は企業年金問題が経営危機に直結しているわけだが、それでは経営危機になったから遡って契約を変える法律を作ることが許される、というのではこれは国家とは言えないだろう。

そもそも、法律を発動する理由をどう説明するのか?安全な運行に支障が出るのなら、運行を止めること、つまりは会社を潰すというのが普通であって、会社を潰すことと救済することをどうやって区別するのか?

何を考えてこんな案を出すことが出来るのか?
法律の原理を無視するような案だと言える。

  1. 人としての社会の構成
  2. 人倫として社会ルールの合意
  3. ルールの明確さの証明として法律の存在
  4. 法律を作るための立法機関への社会の信頼
  5. 法律を作り実施すること

法律は、本来は上記のような順序が前提にあって作られ施行されるものだと思う。
つまり、法律すら支持されないこともある。法律が出来ればOKではなくて、社会にさらには社会以前の個人に受け入れられる内容でなければならない。

会社が倒産して企業年金が無くなってしまった、というのは当事者でも「仕方ない」と言わざるを得ないだろう。
しかし、後になってから「会社がピンチだから、法律を作って年金を取り上げます」ではあまりにひどいだろう。
間違えなく当事者は「政府はもちろん、法律も、裁判所も信用しなくなる」これは国家の崩壊そのものというよりも、人類社会の崩壊だ。

現時点でこういう選択をせざるを得ないのであれば、若い日本人にはさっさと国を出るように、と教育するべきだとなる。

ごく普通に考えて、なんでこんなことをしてまで日航を存続させなければならないのか?
新会社を作って、債務整理する方が現実的だろう。

10月 24, 2009 at 09:19 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.10.01

参議院の一票の重さ、次回は憲法違反となるか?

毎日新聞より「参院選「1票の格差」訴訟:「選挙制度見直し必要」 最高裁、初の指摘

◇07年、格差4・86倍 定数配分「合憲」

選挙区間の「1票の格差」が最大4・86倍だった07年7月の参院選は、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、東京と神奈川の弁護士が各都県選管を相手に選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は30日、定数配分規定を合憲と判断し、原告側の上告を棄却した。

その上で「定数振り替えだけでは格差の大幅な縮小は困難で、選挙制度の仕組み自体の見直しが必要。
国会の速やかな検討が望まれる」と指摘した。参院の選挙制度見直しの必要性に言及したのは初めて。(11面に判決要旨、社会面に関連記事)

裁判官15人のうち竹崎裁判長ら10人の多数意見。中川了滋裁判官ら5人は「違憲」と反対意見を述べた。

判決は、「投票価値に著しい不平等状態が生じ、相当期間継続しているのに是正しないことが国会の裁量権の限界を超える場合は違憲」とする従来の枠組みを踏襲。その上で、

  • (1)06年の公職選挙法改正による「4増4減」の定数是正で、最大格差5・13倍の04年選挙より格差は縮小
  • (2)国会が参院改革協議会を設置
  • (3)選挙制度の大きな変更は時間がかかり、07年選挙までに見直すことは極めて困難
として、「定数配分を更に改正しなかったことが、国会の裁量権の限界を超えたとは言えない」と結論付けた。

一方、4・86倍の数字そのものについて合憲か違憲か明言しなかったが「憲法が要請する投票価値の平等の観点からは、大きな不平等がある」と指摘。

「選挙制度見直しには参院の在り方も踏まえた高度に政治的な判断が必要で、課題も多く時間を要する」としながら、国会に投票価値の平等の重要性を踏まえた早急な検討を促した。

金築誠志裁判官は補足意見で

「目安とすべき2倍の格差をはるかに超え、著しい不平等」と違憲状態を指摘。
反対意見の5人は「投票価値の平等を大きく損なう」などとして違憲と指摘したが、公益性を考慮し選挙は有効とした。
近藤崇晴、宮川光治両裁判官は抜本的な見直しがなければ、将来は選挙無効の判断があり得ることも指摘した。【銭場裕司】

◇真摯に受け止めて--原告団の話

選挙制度の仕組みを見直す必要があるとはっきり述べた画期的な判決。国会は、真摯(しんし)に受け止めてもらいたい

◆最高裁判決骨子◆

  1. 07年7月の参院選当時、選挙区選出議員の定数配分規定は憲法14条1項等に違反しない。
  2. 投票価値の平等の観点からは、この定数配分規定の下でも、なお大きな不平等がある状態。
  3. 国会において速やかに、投票価値の平等の重要性を十分に踏まえ、適切な検討が望まれる。

■15裁判官の意見■

 は合憲、×は違憲。-は06年判決後に就任。かっこ内は出身、◎は裁判長
判事名今回06年
◎竹崎博允(裁判官)
藤田宙靖(学者)
甲斐中辰夫(検察官)
今井功(裁判官)
中川了滋(弁護士)××
堀籠幸男(裁判官)
古田佑紀(検察官)
那須弘平(弁護士)×
涌井紀夫(裁判官)
田原睦夫(弁護士)×
近藤崇晴(裁判官)×
宮川光治(弁護士)×
桜井龍子(行政官)
竹内行夫(行政官)
金築誠志(裁判官)

毎日新聞より「参院選「1票の格差」訴訟:最高裁判決(要旨)

07年7月の参院選の定数配分を合憲と判断した30日の最高裁大法廷判決の要旨は次の通り。

■多数意見

憲法は、投票価値の平等を要求しているが、どのような選挙制度が国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させるのかの決定を国会の裁量に委ねている。

投票価値の平等は選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準ではなく参院の独自性など他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきだ。

参院議員の選挙制度の仕組みは、憲法が2院制を採用し参院の実質的内容や機能に独特の要素を持たせようとしたこと、都道府県が歴史的にも政治的、経済的、社会的にも意義と実体を有し一つの政治的まとまりを有する単位としてとらえ得ること、憲法46条が3年ごとに半数を改選すべきだとしていることに照らし、相応の合理性を有する。

しかし、人口変動の結果、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、相当期間継続しているにもかかわらず是正する措置を講じないことが、国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には、議員定数配分が憲法に違反すると解するのが相当だ。

最高裁は83年大法廷判決以降、参院選の都度、上記の判断枠組みに従い定数配分の合憲性について判断し、憲法違反に至っていたとすることはできないと判示してきた。

しかし、04年及び06年の大法廷判決では、投票価値の平等をより重視すべきだとの指摘や、格差是正のため国会における不断の努力が求められる旨の指摘がされ、不平等を是正するための措置が適切に行われているかどうかをも考慮して判断されるようになるなど、より厳格な評価がされてきた。

参院では04年判決の指摘を受け、当面の是正措置を講ずる必要があり、定数格差の継続的な検証調査を進めていく必要があると認識された。
06年の公職選挙法改正は、こうした認識の下に行われた。

07年7月29日の参院選は法改正の約1年2カ月後に現在の定数配分の下で施行された初の選挙で、選挙区間における議員1人当たりの選挙人数の最大格差は1対4・86だった。
改正前の04年7月の前回選挙の最大格差1対5・13に比べ縮小した。

07年選挙後には参院改革協議会と、その下に選挙制度に係る専門委員会が設置され、定数格差の問題について今後も検討を行うとされている。

そして、現行の選挙制度の仕組みを大きく変更するには相応の時間を要することは否定できず、07年選挙までにそのような見直しを行うことは極めて困難だった。

以上の事情を考慮すれば、07年選挙までに定数配分規定を更に改正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えたものとはいえず、定数配分が憲法14条1項等に違反していたとすることはできない。

しかし、法改正によっても残った格差は、投票価値の平等という観点からは、なお大きな不平等があり、選挙区間の有権者の投票価値の格差縮小を図ることが求められているといわざるを得ない。

ただ、現行の選挙制度の仕組みを維持する限り、各選挙区の定数を振り替える措置だけでは、最大格差の大幅な縮小を図ることは困難で、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できない。

このような見直しを行うには、参院の在り方をも踏まえた高度に政治的な判断が必要で、課題も多く、その検討に相応の時間を要することは認めざるを得ないが、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤で、投票価値の平等が憲法上の要請であることにかんがみると、国会において速やかに投票価値の平等の重要性を十分に踏まえ、適切な検討が行われることが望まれる。

<藤田宙靖裁判官の補足意見>

4増4減措置は暫定的と推認されるが、現在に至るまで更なる定数是正の本格的検討を行っているように見受けられず、07年選挙当時に定数配分が違憲状態にあったと考える余地もないではない。

ただ、憲法判断は次回選挙で行うのも一つの選択肢と考える。

多数意見は、選挙制度の抜本的改革を行うにはある程度の時間的余裕が必要となることを一つの理由として、定数配分を違憲とはいえないとしたが、そのことを口実に立法府が改革の作業を怠ることを是認するものではない。

早期の結論を得ることが困難であるというならば、その具体的な理由と作業の現状とを絶えず国民に対し明確に説明することが不可欠で、いたずらに現状を引きずるようなことがあるならば、立法府自らの手による定数是正措置に向けての残された期待と信頼とが消失してしまう事態を招くことも避けられないというべきだろう。

<竹内行夫裁判官の補足意見>

2院制の下で選出基盤が両議院で同じ必要性はなく、異なって当然。衆院選は厳格な投票価値の平等が求められる一方、参院選は多角的民意反映の考えに基づいて、厳格な人口比例原理以外の合理的な政策的目的や理由を広く考慮することが、2院制の趣旨に合致する。選出基盤が同じなら、参院は「第2衆院」ともいうべきものとなろう。

多様な民意は人口比例原理だけでは国政に十分には反映され難い。
地方分権に関する議論等が高まっている現状にかんがみれば、地方の実情と問題に通じた者の国政参画が必要。

単なる数字上の定数配分の是正ではなく、国権の最高機関である国会につき2院制が採用されている趣旨を踏まえた統治機構の在り方についての高度の政治判断に基づく検討が求められるものと考える。

国会が、衆院とは異なった参院の在り方にふさわしい選挙制度の仕組みの基本となる理念を速やかに提示することが望まれる。

<古田佑紀裁判官の補足意見>

竹内裁判官の補足意見に同調。

<金築誠志裁判官の補足意見>

選挙区間の最大格差は、目安と考えるべき2倍をはるかに超え、憲法上合理的範囲内として是認するには、よほど強い明確な理由が存在しなければならない。

■反対意見

<中川了滋裁判官>

都道府県単位の選挙区設定及び定数偶数配分制は憲法上に直接の根拠を有するものではない。

定数改正にもかかわらず、1対4・86の最大格差が生ずる選挙区設定や定数配分は、投票価値の平等の重要性に照らして許されず、国会の裁量権の行使として合理性を有するということはできない。不平等状態は違憲と考える。

<那須弘平裁判官>

投票価値については、選挙区と比例代表を一体のものとして計算するのが自然で、最も投票価値の低い神奈川県を1とした場合、最大格差は鳥取県の2・83。少なくとも1対2未満に収める必要があるが、比例代表を合わせて計算すれば縮小することは可能。

私は06年判決で憲法違反を否定する多数意見に賛同したが、これは対象選挙が04年判決から6カ月しかたっておらず、4増4減の改正が実現したことを重視した。今回は改正を再度評価の材料とすることは相当でなく、国会の審議に見るべき進展や真摯(しんし)な努力が重ねられた形跡も見受けられないから、憲法違反があったと判断せざるを得ない。

<田原睦夫裁判官>

47年の参院議員選挙法制定以後、社会、経済構造は著しく変革し、人口動態も大きく変動したにもかかわらず、制度の見直し作業は長らく放置され、選挙区選挙の改正が行われるのは94年まで待たなければならなかった。
しかも、既存制度への影響をできるだけ抑止しつつ最大格差を5倍以下に抑えるとの方針の下で行われたにすぎず、単なる弥縫(びほう)策との評価を受けてもやむを得ない。

何らの合理的理由もなく4倍を超える投票価値の格差が多数の選挙区で生じる違憲状態が長期間生じ、その解消には選挙制度の抜本的改正が必要であると96年判決で指摘されたのに、抜本的な改正がないまま施行された07年選挙は憲法に反する違法な選挙制度の下で施行されたものとして無効であるといわざるを得ない。しかし、選出議員への影響などにかんがみ違法と宣言するにとどめるのが相当。

<近藤崇晴裁判官>

最大格差は、投票価値の平等がほぼ実現されているといえる最大2倍未満の格差を著しく逸脱。
投票価値の著しい不平等が生じていたというほかなく、定数配分は全体として憲法14条1項に違反していたと考える。

なお、国会においては、4年後に施行される次々回の参院選までには、憲法の要求する投票価値の平等を他の政策的目的ないし理由との関連で調和的に実現するため、例えば選挙区割りの見直しなど参院議員の選挙制度の抜本的見直しを行うことが、憲法の要請にこたえるものというべきである。次々回選挙も抜本的見直しを行うことなく施行されるとすれば、定数配分が違憲とされるにとどまらず、事情判決の法理で選挙無効の請求を棄却することの是非が検討されることになろう。

<宮川光治裁判官>

衆院及び参院議員を選挙する権利は、国民の最も重要な基本的権利である。人口は国民代表の唯一の基礎で、投票価値の平等は憲法原則である。人口に比例して選挙区間の投票価値の比率を可能な限り1対1に近づけなければならない。衆院に対する抑制、均衡、補完の機能を通じ、国会の審議を慎重にする参議院の役割、独自性などを十全に機能させるべく、国会が考慮できる事柄があり得るとしても、最大格差が2倍を超えることがないようにすべきだ。

人口の移動、都市化、産業構造の変化に対応し、国会は奇数配分区の設定や、行政区にとらわれず大規模な区割りを試みる等、選挙制度を抜本的に改革すべきだったし、その試みは遅くとも94年の公選法改正時ころまでに実現すべきだった。

私は、定数配分は違憲無効の状態にあったと考える。将来、選挙結果を無効とすることがあり得ることを付言すべきだと考える。

現行の参議院議員の定員は

選挙区(都道府県単位47区)146人
比例代表選出(全国単位)96人
となっています。参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選ですから一つの選挙区に2名が最小定員です。選挙区は2~6名でその内訳は

北海道4人東京都10(9)人滋賀県2人香川県2人
青森県2人神奈川県6人京都府4人愛媛県2人
岩手県2人新潟県4人大阪府6人高知県2人
宮城県4人富山県2人兵庫県4人福岡県4人
秋田県2人石川県2人奈良県2人佐賀県2人
山形県2人福井県2人和歌山県2人長崎県2人
福島県4人山梨県2人鳥取県2人熊本県2人
茨城県4人長野県4人島根県2人大分県2人
栃木県2(3)人岐阜県4人岡山県2人宮崎県2人
群馬県2(3)人静岡県4人広島県4人鹿児島県2人
埼玉県6人愛知県6人山口県2人沖縄県2人
千葉県6(5)人三重県2人徳島県2人65

これで調整では無理ということは、都道府県を単位とする選挙区制度を崩して、隣接する県が2名ずつの選挙区をあわせて2名、余った2名を都市部の定員とする、ということになってしまいます。

さすがにこれは簡単に出来ることではないですが、その一方で裁判官の指摘には「時間切れだ」との意見もあって、次回の選挙がすでに1年以内になってしまいしたが、次の裁判では憲法違反の判決が出る可能性はかなり高くなったと言えるでしょう。

なによりも「5倍以内だから・・・」が否定されているところが大きいです。

10月 1, 2009 at 10:49 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.25

村長が地方自治法に反しても議会を開かない

東京新聞より「議会招集無視2カ月合併めぐり混乱 村長 変心

千葉県本埜(もとの)村の小川利彦村長(63)が地方自治法の規定に反し、村議が求めた臨時議会の招集を二カ月以上、無視し続けている。

隣接する自治体との合併問題で消極的な姿勢に転換した村長に、村議が不信任案を突き付けようとしているためだ。

住民団体も村長の解職請求(リコール)運動を行う事態に発展。人口九千人余の小さな村は揺れに揺れている。 (柏通信部・竹内章)

元村議の小川村長は二〇〇六年三月、隣接する印西市との合併推進を公約に掲げ初当選し、現在一期目。

当選時は「村民が合併を強く望んでいることを実感した」と語っていた。

ところが、印旛村を交えた一市二村で今年一月に合併協議会がスタートして協議が進むにつれて、「財政的に合併しなくてもやっていける」など否定的な言動を繰り返し始めた。

「合併には賛成しかねる」と村民に文書を配布するなど行動はエスカレート。

業を煮やした村民らは今年六月、有権者の73%(五千十三人)に上る合併の賛同署名を村に提出。

だが、村長は「重みはあるが、住民の意見は一カ月後にはどうなるか分からない」とはねつけた。

村長の姿勢に反発する村議たちは七月七日、不信任案提出を視野に臨時議会の招集を請求。

地方自治法の規定では、首長は請求から二十日以内に招集しなければならないが、村長はこれも拒否。

先月には森田健作知事が異例の是正を勧告したが、罰則規定はなく放置されたままだ。

さらに、村条例の規定では今月中に定例議会を開かなければならないが、村長は「開くのが常識だが、不信任案と言ってるし、政治的混乱を招きたくない」などと、いまだ招集の気配はない。
二十五日に議会と協議するが情勢は流動的だ。

こうした事態に、住民団体は二十四日、リコールの是非を問う住民投票の実施に必要な有権者の三分の一を大きく上回る三千四百四十人の署名を、村に提出。住民投票の実施が確実になった。

県は「議員が活動する場を設けるのは、地方自治の基本」と、想定外の事態に困惑気味。
ある村議は「村長がここまでするとは…」とあきれ顔で真意をはかりかねている。

いやはやすごい村長も居たものですね。

臨時議会の開催に抵抗したというのは、法律違反ではあるが、心情的には分かります。
しかし、定例議会を開かないというのは有り得ないでしょう。

どう考えても、時間が経つほど混乱の度は積み重なっていくわけで、どうなっちゃうのでしょうか?

9月 25, 2009 at 07:38 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.23

法科大学院をどうするべきか

読売新聞より「多すぎた法科大学院…新司法試験、崩れた構想

法科大学院の修了生を対象にした新司法試験の合格率が低迷している。

4回目となった今年の合格者数は2043人で、初めて前年割れとなり、合格率も27・64%と3割を切った。

法科大学院で充実した教育を行い、修了生の7~8割が合格できる――。そんな当初の構想は崩壊し、受験生たちからは「国による詐欺だ」との声も漏れる。なぜ、新司法試験の合格率はこれほどまでに低いのか。

◆受験資格◆

「幅広い人材を法曹にとの理念はどうなったのか」

合格発表があった今月10日。愛知県内の受験生の男性(26)は、その低い合格率に衝撃を受けた。自身も2回目の挑戦だったが、不合格。新試験は5年間で3回不合格だと受験資格を失うため、次がラストチャンスになる。

大学で美術を学んだが、法曹界が幅広い人材を求めていると知り、受験勉強をして、法科大学院の法学部以外の出身者を受け入れるコース(未修者コース)に入った。勉強のためアルバイトはできず奨学金を受けた。今後約700万円を返さなければならない。「次の試験に失敗したら、その後、別の仕事を探せるだろうか」と不安は募る。

中国地方の法科大学院の教授は、未修者コースを修了した30代の教え子が3回目の受験に失敗し、受験資格を失った。「不況の上、年齢も高いこともあり就職も難しい。学校も支援するが、今後同様の修了生が増えたらサポートしきれるか……」と頭を抱える。

◆過剰定員◆

「法科大学院の数が多すぎて、定員数が膨れあがってしまった」。ある法務省幹部は合格率の低さの原因をそう解説する。

法科大学院と新司法試験は、幅広い見識を持つ法曹を数多く養成するという司法制度改革の一環で生まれた。国が掲げた目標は、2010年頃までに司法試験の年間合格者数を3000人へ引き上げるというもの。新司法試験は、知識詰め込み型の勉強が必要とされた旧司法試験と比べ思考力重視の内容とし、法科大学院は修了者の7~8割が新試験に合格できるような教育を行うこととされた。

当初、適度な学校数と考えられていたのは20~30校。

ところが、実際には74校が乱立し、定員は約5800人に膨れた。今年の試験に失敗した結果、受験資格を失った人は571人。関係者からは「就職困難な人を毎年大量に生み出すのは社会問題」との声もあがる。

◆教育の質◆

14日開かれた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の法科大学院特別委員会。

特に今回の試験で、法学部出身者(既修者)より未修者の合格率が約20ポイントも低かった結果を受け、「合格の基準が未修者をすくい上げるものになっていないのでは」との指摘が相次いだ。だが司法試験を所管する法務省は、「既修者と未修者で合格ラインを変えるわけにはいかない」と言う。

一方、司法試験合格後、司法修習生となった人が法曹資格を得るために受ける卒業試験でも、不合格者数が増えている。
不合格となった法科大学院出身者の答案には、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則などを理解していないものもあり、法科大学院の教育の質も問われている。

新司法試験の合格率の低さから、すでに法曹を目指す人は減り始め、半分以上の学校で入試の競争倍率が2倍を切った。

各校はようやく定員削減に乗り出し、来年の入学者の総定員は4900人程度になる見通しだ。しかし、青山学院大法科大学院の宮沢節生教授は「定員削減はまだ不十分。現状を放置すれば法曹志望者は今後も減り、特に未修者が遠ざかって、多様な法曹を養成できなくなってしまう」と指摘している。(中村亜貴)

◆新司法試験=

2004年以降に開校した法科大学院の修了生を対象とし、毎年5月に実施。法学部出身者向けの既修者コース(2年制)修了生は06年から、他学部出身者や社会人向けの未修者コース(3年制)修了生は07年から受験している。合格率が3%前後と難関だった旧司法試験も10年までは存続する。

(2009年9月23日16時03分 読売新聞)

この記事で注目するべきは

「法科大学院の数が多すぎて、定員数が膨れあがってしまった」。ある法務省幹部は合格率の低さの原因をそう解説する。
特に今回の試験で、法学部出身者(既修者)より未修者の合格率が約20ポイントも低かった結果を受け、「合格の基準が未修者をすくい上げるものになっていないのでは」との指摘が相次いだ。だが司法試験を所管する法務省は、「既修者と未修者で合格ラインを変えるわけにはいかない」と言う。
の二点です。

注意深い人はお分かりかと思いますが、法科大学院を監督しているのは文科省です。
だから中央教育審議会が出てくる。

法科大学院が法曹になるための唯一の道にしてしまったのだから、学校教育ではなくて職業訓練だと考えると、文科省ではなくて法務省が監督するべき「学校」だろうと思います。
しかし、医師を大学の医学部が養成しているのと同じだと考えれば、文科省が監督するのは良いとして、記事中にあるように実務が出来ない学生を教育している法科大学院がなぜ成立するのか?という大疑問が出てきます。

法科大学院では、成績は相対評価なのだそうです。

これを聞いたときにはさすがにビックリしました。
どこまでいっても実務家の養成が目的の学校なのだから、最終的に資格試験を通過できることが絶対条件で、そのためには在学中から絶対評価をして、無理な学生を排除するべきでしょう。

「なんで絶対評価ではないのか?」と聞いたら「文科省の所管ですから」と言われました。

こんな事だから、未修者をすくい上げる、なんて言葉が出てくるのでしょう。
文科省は、法科大学院という教育機関を用意したが、法曹人を送り出すことは考えていない、ということになります。
法務省がヘソを曲げるのも当然だ。

こんないびつな法科大学院を制度として続けていくことが出来ないのは明らかで、例えば法務省が、絶対評価の試験を在学中に複数回実施して、不合格者は排除するといったことにでもしないと、全体が成り立たないでしょう。

もう一つ、法科大学院以外のルートでも司法試験の受検を可能にするべきです。

法科大学院とは、単なる予備校と何が違うのだろう?

9月 23, 2009 at 04:56 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.09.21

市場原理主義の放棄を

サンケイエクスプレスより「【国際政治経済学入門】新政権は「デフレ病」を退治できるのか

民主党主導の連立政権がスタートした。政権交代の真の意義は、自公政権が不作為に終始したデフレ病克服にある。

鳩山政権は経済のパイ拡大を目指すことを大目標に設定し、必要な政策を総動員すべきだ。

歴史的にみると、国家をリードする経済哲学は二分されてきた。

政府の役割を最小限に抑え、民間の市場原理にまかせればよい、という市場原理主義と、政府が経済拡大のために大きな役割を果たすケインズ主義である。

負のスパイラル

1年前の「リーマンショック」により、米国消費者の購買力の3割以上が一挙に消滅した。

米国はもとより日本、中国などの輸出産業も巨大な供給過剰に陥った。放置しておくと、製品価格は下がり続け、企業は破綻(はたん)し、失業者が街にあふれだす。
すると需要はさらに縮小し、倒産と失業増が加速する。「デフレスパイラル」と呼ばれる現象である。

そこで政府が国債を大量発行し、貯蓄マネーを吸い上げて社会資本や雇用対策に投入する。

財政出動を呼び水に民間の投資や消費を促し、デフレ不況突入を避ける。米国も欧州も中国も躍起(やっき)となっている。

日本の場合、1990年代初めにバブル崩壊し90年代後半以降、物価が下がり続け経済成長がゼロになるデフレ病にかかっている。

時の政権は当初、公共投資の拡大を試みたが、「財政均衡」を求める財務省官僚の声に促され、橋本龍太郎首相(当時)が1997(平成9)年に消費税増税など緊縮路線に転換すると、経済はデフレに舞い戻った。

橋本政権を引き継いだ小渕恵三首相(当時)は再び財政支出を拡大させたが、効果が出ないうちに病に倒れた。

2001年には「民のものは民に」という小泉純一郎政権が登場し、市場原理主義へと大転換した。
族議員と霞が関官僚による非効率で肥大化した日本経済を構造改革するという主張は国民やメディアの多くの支持を集めた。

自民の無為無策

ところが、デフレ病は一向に改善しなかった。
景気のほうは円安に支えられた輸出産業の競争力再生により好転した。

小泉政権は所得税の配偶者特別控除や定率減税を廃止し、財政均衡を図った。96年度に約40兆円だった公共投資は08年度に約20兆円まで減った。

結果は税収減で、政府は国債発行で財政赤字を穴埋めすると同時に増税に追い込まれた。

結局小泉政権時代、国債発行残高は278兆円増えた。政府は小さくなるどころか逆に大きくなった。
地方交付税交付金も削減され、地方の疲弊もひどくなっていった。

社会の活性化どころか若者の貧困化、自殺者の増加など世相も暗くなった。

「小泉後」安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各政権はこの成功体験に足をとられ、デフレを放置した。

麻生政権はリーマンショックを受けて、緊急財政出動に踏み切ったが、緊縮財政論の与謝野馨財務相にひきずられて、均衡財政や消費税増税にこだわり続けた。

総額15兆円もの追加経済対策も、官僚まかせの役所関連施設の寄せ集めが目立ち、迫力に欠けた。

先の総選挙での自民党の大敗北の根本原因は、デフレ病というバブル崩壊後10年以上もの間の宿痾(しゅくあ)に取り組もうとしなかった無為無策にあったとも言える。

課せられた歴史的使命

民主党主導の政権はデフレ病を退治できるだろうか。

民主党大勝利を生んだのは、小泉政権以来の格差問題や社会保障負担増にあえぐ有権者に対し、個別の生活支援を乱発、公約する戦術による。

しかし、国民の活力をそぎ、閉塞(へいそく)させる元凶になっているデフレ病に対して、処方箋(せん)を示してはいない。

藤井裕久新財務相は「財政均衡至上主義」にとらわれない考え方を表明しているが、デフレ問題には言及していない。

国家戦略・経済財政・科学技術担当相の菅直人副首相は「脱官僚依存」を指揮するが、単に官僚から予算権限を取り上げ、「政治配分」をアピールするだけなら、財政支出は混乱し緊縮財政と同じ影響が生まれむしろデフレを悪化させかねない。

経済のパイを拡大する成長戦略を作成し、思い切った財政出動と、それに連動する金融政策を動員してデフレから脱出する。これこそが鳩山政権の歴史的使命だ。

(特別記者・編集委員田村秀男/SANKEIEXPRESS)

この記事は、イザの田村秀男の経済がわかれば、世界が分かるブログ「デフレ病」退治の戦略で民主と自民は競えで知りました。

デフレ病退治とはなかなかうまい表現だと思いますが、簡単に退治できるものではないでしょう。
それ以上に、自民党政権が無為無策であった、と断じているところに共感します。

田村記者はブログで

自民党も再生をめざすなら、日本経済の構造に合わない市場原理主義をきっぱりと放棄して政府の役割を再定義し、脱デフレ戦略で民主党に先駆けるべきだろう。

このような意見はあまり出てきていませんね。

橋下大阪府知事に至っては、高校生を相手に「今は自己責任の時代」と言い放っております。

そもそも、自己責任とはどこから出てくるのでしょうか?当然ですが、市場原理主義であるから自己責任の時代となるわけです。

日本において、市場原理主義が失敗したことは、今回の記事でよく分かることで、さらにはアメリカを中心とする金融資本主義の暴走をどうするのか?問題が出てきます。

金融資本主義の暴走はアメリカ経済すら壊しているわけで、暴走を抑制する手段が必要だとなります。
同様に、日本では市場原理主義についても何らかのコントロールを社会は要請しているのですから、これはすでに市場原理主義ではダメであり、自己責任論も言い訳そのものだとなります。

ほぼ20年にわたって自民党政権は経済政策を誘導的にしてこなかった。
この結果、インフラレベルで不整合があっちこっちに見えます。

少子高齢化は、巨大住宅団地の成立を危うくしていますが、これには対策がありません。
団地を適正規模に縮小するしか手がありません。

同様なものに、空港や道路・新幹線などがあります。

人口減社会を健全に維持するには、現在の大都市に人口を誘導するしか無いでしょう。
神奈川県はどこでも都心から、2時間程度でアクセス出来ますから、首都圏の人口を背景にした、人口密度が薄い地域は成立するでしょうが、これが背景となる都会が小規模になっては自治体レベルでもどうにもなりません。

結果として、全国一律が無理で、今後は無人化した地区が出てくることを覚悟して、政策を進めるしかないだろう、と強く思うのです。

まさに国家100年の計であって、今までになかった時代に突入しつつあり、国際情勢(外交)についても今までとは、違った考え方を議論する時代になった、と感じます。

9月 21, 2009 at 05:35 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.20

消費者庁の家賃問題

読売新聞より「消費者庁の賃料8億円ビル、近さ重視・値段無視

約8億円に上る年間賃料が「高すぎる」と批判されている消費者庁の入居ビルの選定過程が、明らかになった。

公募に応じた18物件の中には3億円近く安い物件もあったが、同庁は賃料よりも霞が関からの「近さ」を重視して選んでいた。

福島消費者相は19日、記者団に「8億円は正直言って高い。移転も含めて検討する」と述べたが、契約更新の意思表示をする期限は今月末となっており、早急な決断を迫られそうだ。

内閣府の外局として発足した消費者庁が入る「山王パークタワー」(東京・永田町)は、地上44階、地下4階の超高層ビルで、内閣府まで徒歩数分の場所にある。
外資系銀行などが入居し、消費者庁と同庁の監視機関である消費者委員会は、4~6階の計約6000平方メートルを使用している。

物件の選定は、今年3月、内閣府が入居先を公募し、内閣府の局長ら幹部9人だけで作る審査委員会が行った。〈1〉霞が関からの距離〈2〉賃料や広さ〈3〉耐震構造などビルの設備〈4〉警備態勢〈5〉フロアの使いやすさ――など六つの評価項目に基づいて、40点満点で採点した。

各評価項目の中には「最寄り駅まで10分以内か」「建物の周辺に飲食店はあるか」など詳細なチェック事項が例示されていた。

応募してきた18の民間ビルのうち、最も賃料が高かったのは、千代田区大手町のビルで、1平方メートル当たり月額1万2957円(年間賃料約9億3000万円)。
最も安かったのは文京区本郷の物件の7576円(同5億4000万円)で、年間で4億円近い差があった。

山王パークタワーは1平方メートル当たり月額1万1034円。賃料は7番目だったが、内閣府からの距離が約500メートルと2番目に近いことが高く評価され、32点の最高点を獲得。

内閣府から1・5キロ圏内で7623円だった港区芝公園の物件や、1キロ圏内で9529円だった港区虎ノ門の物件は、いずれも「面積がやや狭い」などの理由で選ばれなかったという。

ほとんどの物件は内閣府から2・5キロ以内で、車や電車で30分以内の距離だが、内田俊一長官は10日の記者会見で「重大事故が起これば参集する事態もあり、距離を優先した」と「近さ」にこだわったことを認めた。

一方、賃料については、当時、内閣府の関係機関が入居していたビルの中で最も高い「1万2220円」を超えなければ問題ないと判断したという。

同庁によると、ビル保有会社に対し、契約を更新するかどうかを今月末までに示さなければ、契約更新はできず、来年3月末までにフロアを明け渡さなければならなくなるという。
同庁職員は、「新大臣が移転を決断したら、また移転先探しや引っ越しなどを行わなければならない。そんなドタバタで本当に消費者行政が出来るのか」と話した。

消費者庁のビル賃料が八億円と聞いて、直感的には「高いなと」思いましたが、すぐに「面積がわからないから何とも言えない」と考え直しました。

今回、面積が約6000平方メートルだと分かって「やはり面積が広いからわずかな単価違いが大きく影響するな」とあらためて感じたところです。

多少でも、コストダウンを考えた場合、単価を下げるか、面積を減らすか、のどちらかになります。
次に、どれくらいの賃料であれば妥当なのか、を八億円から考えてみると、記事中にあるように五億円程度にするのであれば、62%に減らすのですから、面積を4000平方メートル以下にする。あるいは、面積単価を七千円以下にする事になります。

どちらの数字も実現不可能という事ではなくて、少しずつ妥協すれば何とかなるように思います。
つまりは、

賃料については、当時、内閣府の関係機関が入居していたビルの中で最も高い「1万2220円」を超えなければ問題ないと判断したという。

こそが一番の問題だっただろうと考えます。
六億円台に収めることは、さほど難しいことだとは思えませんから、結局は移転することになるような気がします。

9月 20, 2009 at 09:59 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.09.19

インフルエンザワクチンの世界的な品不足

NHKニュースより「ワクチン 85か国で調達困難

先進各国で新型インフルエンザ用のワクチンの接種に向けて準備が加速するなか、WHO=世界保健機関は、世界全体としては発展途上国を中心に85か国でワクチンを調達するめどが立っていないことを明らかにしました。

新型インフルエンザ用のワクチンをめぐっては、今月末から来月にかけて、オーストラリアやアメリカ、日本などが接種を始める方針を示すなど、先進各国を中心に準備が加速しています。

しかし、18日にジュネーブで記者会見したWHOのハートル報道官は、WHOが、当初、世界全体で見込んでいた年間49億回分というワクチンの製造能力について、「このままでは予想を少なからず下回りそうだ」と述べ、世界全体にワクチンを行き渡らせるためには、今の供給態勢では不十分だとの認識を示しました。

そのうえで、ハートル報道官は、ワクチンを調達するめどが立っていない国が発展途上国を中心に85か国に上ることを明らかにしました。

この問題で、アメリカやフランスなど9か国は、自国で確保するワクチンのおよそ10パーセントを発展途上国に供給すると発表していますが、WHOでは、引き続き国際社会に対し、途上国がワクチンを確保できるよう、資金や技術の提供などへの協力を呼びかけています。

この報道はいろいろな問題を指摘しています。

日本ではワクチン製造が間に合わないことが明らかになってきましたが、そもそもはスタートが遅かったからだと考えています。

ワクチンが間に合わないことに対して、厚労省は基本的に「大丈夫」としか言わないのは、当然と言えば当然かもしれませんが、いささか以上に無責任なのではないのか?と以前から思っていました。

そして、厚労省がワクチンの輸入を打ち出したことに対して、安全性の観点から反対する意見が多数あります。

この厚労省の対策の遅れと、輸入に対する反対意見は、基本的に健康問題だけをとらえているのだろうと思いますが、社会的な問題としては病気の人が出ると社会の運営に問題が生じることも考えないと、バランスを失することになります。

新型インフルエンザは免疫がない人が多いために強い伝染力があり、急速に拡大することは分かっているわけですが、現在のところ病気として比較的軽いことが分かっています。

そこで、ワクチン輸入反対の根拠としては、「ほとんどの患者は数日で回復するから危険かもしれないワクチンの投与をすることはない」となります。

もちろん、一番まずいのは厚労省がワクチン製造について判断を遅らせたことですが、社会的に見るとどんな対策があり、どんな問題が生じるのかを冷静に見当するべきところを、病気の治療だけの観点で議論してしまったから「輸入すれば良い」でOKのようなことになったのでしょう。

しかし、今回の報道は「日本がワクチンを輸入しても良いモノか?」という疑問が明らかになった、というべきでしょう。

日本の社会をどうやって動かし続けるのか?というのと同様に、世界を動かすのか?も問題のはずです。

健康保険制度も、社会を動かすためには全国民を対象にした保険制度の方が社会全体としては低コストになる、という原理で出来ています。

この考え方が通用しないのがアメリカで、日本でも健康保険が本質的に全国民を対象にするべきなのに、細分化したものだから単位となる保険組合間で収支のバラツキがドンドン拡大してきました。
これを放置すると、本来の健康保険制度の崩壊になります。

自己責任を重視する意見が、新自由主義で強調されてきましたが、自己責任だけではやっていけないことが、このワクチン報道などで明らかになってきました。
「輸入すれば良い」という判断に対して「金を積んでも輸入できない」という究極の状況が待っています。

自己責任論は、いわば部分最適化(分野別高能率化)を越えるものではないでしょう。
これは製造業などでは否定されているわけで、小さな政府論が自己責任論に転じているところが問題なのかと思います。

社会や国家としては、必ずしもその時点での一番有利な選択だけをして、常に無駄のない状態を維持することは不可能です。
使わないかもしれない、ワクチンを作るべきだったのは今となっては明らかでしょう。

同じような問題は、防衛問題やエネルギー問題、農水産業などに代表されます。
「○○を××するから問題ない」的な即物的な政策には疑いの目を向けるべきだと思うのです。

9月 19, 2009 at 10:27 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.09.17

鳩山内閣の人事

東京新聞より「党内配慮 バランス型 グループ重鎮 参院手厚く

民主党から入閣した閣僚十五人の顔ぶれやポストを点検すると、鳩山由紀夫首相が専門性や党内バランスなどさまざまな面に配慮した形跡がうかがえる。

ただ、入閣できなかった議員などから早速、不満も噴出している。(政権交代取材班)

人事でまず特徴的なのは、民主党内の各グループから幅広くベテラン議員を起用した点だ。

川端達夫文部科学相は旧民社党系
前原誠司国土交通相は前原グループ
仙谷由人行政刷新担当相は前原グループ
赤松広隆農相は旧社会党系

で、それぞれ中心的な役割を果たしてきた。

閣僚ポストが限られる中、できるだけ挙党態勢で新政権を運営していこうという狙いによるものだ。

そこには各グループの重鎮を起用しておけば、ひとまず不満は抑えられるとの計算がうかがえる。

平野博文官房長官は記者会見で「中心的に活動してきた方やベテランを配し、全員野球の布陣をしく」と説明した。

特に目立ったのが参院への配慮。

自民党政権では参院枠は二人のことが多かったが、直嶋正行経済産業相ら来年の参院選で改選を迎える三人が入閣した。

小沢一郎幹事長と連携する輿石東参院議員会長への気遣いもあって、参院重視の姿勢を打ち出したようだ。

また、首相を長年、支えてきた小沢鋭仁氏を環境相に、平野博文氏も官房長官に起用。側近グループへの“恩賞”も忘れなかった。

その一方で、代表選に出馬するなど党内で存在を示してきた野田佳彦幹事長代理や野田グループからの入閣は見送られた。首相の真意は不明だが、挙党態勢の点ではやや違和感が残った。

若手論客からの大抜てきもなかった。

衆院選で掲げたマニフェストの実行に向け、堅実な実務型内閣を優先するあまり、ベテラン中心になってしまった側面は否めない。

こうした新内閣に対し、民主党内では「安定感もバランスもあって、いい人事」(参院幹部)と評価する声がある一方、中堅・若手議員の反応は総じて厳しい。

ある中堅は「清新さがない。この内閣、長続きしないんじゃないか」と酷評。
別の中堅も「働いていた人が入らず、働いてない人が入った。一つのチームとして動けるのか」、若手議員は「入閣させなければ文句を言う人たちを入れた」と批判する。

首相に比較的近い議員でさえ「内閣改造の時に、本当の適材適所で人事をすればいい」と、早くも改造に言及するほどだ。
新内閣の評価を高めるには、これから地道に実績を挙げていくしかない。

この記事は地味ですが、けっこう重大なことを語っていると思います。
参議院選挙は3年に一度で、次回は2010年7月になります。
10ヶ月後ですから、参議院選挙の結果を受けて内閣改造が既定の路線でありましょう。

自民党に対して派閥の集合体であるとの論評があったわけですが、最近の民主党は一連の騒動を乗り切る過程で清濁を併せ持つようになって、良く言えば逞しく、悪く言えば自民党的になったと思っています。

その意味では今回の組閣は派閥均衡形のようなもので、結局のところ自民党でも民主党でも政党の構造はそうそう変わらない、そういう政党を良しとするのが日本人なのだ、ということでしょう。

とは言っても、非常に重要なのが出来たばっかりの消費者庁で、福島みずほ社民党党首が担当するのですが、この人の行政的実力は全く未知であるところが、心配です。
消費者庁は既存の役所とは向いている方向が90度ぐらい違っているわけで、かなり難しい仕事になりますから、実力者が抑える回るべき職務だと思います。

9月 17, 2009 at 09:45 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2009.09.15

亀井氏の郵政問題担当大臣とは何をするの?

朝日新聞より「西川社長に自発的辞任求める 郵政問題相内定の亀井氏

鳩山新政権で郵政問題担当相に内定した国民新党の亀井静香代表は15日、日本郵政の西川善文社長に対し、自発的な辞任を求める考えを明らかにした。党本部での記者会見で答えた。

亀井代表は会見で、「(郵政)見直しが既定事実になっているので、そのなかで続けるのは不可能だ」と述べた。西川社長の去就をめぐっては、鳩山代表も解任方針を示している。

また、亀井代表は、不況で業績が悪化している中小企業に対して3年程度、借金の元本返済を免除する「支払猶予制度」(モラトリアム)を導入する考えを示した。

まあ、亀井氏は持論を展開しているのですから、不思議なところはないのですが、わたしが気になったのは「郵政問題担当相」とはなんだ?です。

そもそも亀井氏が言う「郵政問題」が「小泉改革」による郵政民営化の全面取り消しだと言うのなら、それは今となっては無理でしょう。
やるにしても莫大な費用が掛かると思います。

今では「日本郵政株式会社」であって、民間会社なのです。
つまり亀井氏がいかに問題にしても、全株式を日本政府が保有するとは言え、一民間会社であることに代わりはなく、特定の民間会社担当大臣とはいかにも変でしょう。

まあ、西川社長のやったことが、結果的に郵政会社にとって利益になったのか、損失になったのか、上がるはずの利益を失ったのか、は問題のあるところだろうとは誰でもが思うところでしょうが、それにしても政府に大臣を置いて専門に任せるようなことなのでしょうか?

9月 15, 2009 at 07:40 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2009.09.01

消費者庁発足

朝日新聞より「消費者庁、波乱の船出 住田弁護士が監視委員辞退

消費者行政を一元的に担う消費者庁が1日発足する。
しかし、消費者庁を監視する消費者委員会の委員長になる見通しだった住田裕子弁護士が委員就任を辞退するなど、波乱含みのスタートだ。

全く新しい中央官庁としては71年の環境庁(現・環境省)以来。1日は野田消費者行政担当相による事務所の看板除幕式や訓示、初代長官に就任予定の内田俊一・元内閣府事務次官の記者会見がある。

有識者による消費者委員会(10人以内)の初会合も開かれ、互選で委員長が決まる予定。
住田氏は野田担当相から委員長含みで消費者委員会設立準備参与に任命されていたが、31日までに「一身上の都合」で委員就任を辞退した。
内閣府は説得を続けたものの、本人の意思が固く断念したという。

住田氏については、これまで各地の弁護士会や消費者団体から「消費者問題に詳しくない」などの理由で、人選について見直しを求める声が上がっていた。
委員長就任についても、他の設立準備参与から「互選なのに、あらかじめ決められているのはおかしい」との批判があった。

一方、民主党は長官人事などについて、「旧来型の官僚主導で進めることは極めて不適切」と反発。総選挙前から再考を求めている。

消費者庁は、ガス瞬間湯沸かし器中毒事故や中国製冷凍ギョーザ事件など、製品や食品の事故に対応が後手に回った「縦割り行政」への反省から設立された。

生活に身近な約30の法律を所管し、行政処分・指導や、他省庁への措置要求・勧告をする。各省庁が課題にバラバラに対応して起きる「たらい回し」や、規制する法令のない「法のすき間」の解消を目指す。消費者行政を一元的に担い、「司令塔」としての役割が期待されている。

この問題については、紀藤正樹弁護士が7月16日に「2009年7月17日-日弁連 - シンポジウム動き出す消費者庁と消費者委員会-消費者のための制度に育てよう-」として批判しています。

今週金曜日に日弁連のシンポジウムがあります。

消費者庁の長官人事や消費者委員会の委員長人事を、前者を官僚人事、後者を消費者問題に詳しくない元検察官の住田裕子弁護士とするなど、最低の人事が政府から発表されています。

後者の人事も、消費者問題に精通していないという問題だけではなく、実質民間からの登用ではなく、元検察官からの登用という「天下り」類似のもので、二重に問題です。

これでは官僚の焼けぶとりという民主党や国民の批判に答えられません。、

消費者庁設置までの自民党の動きは、本当に感謝に堪えないものがありましたが、今回、このような人事が発表されること自体が、自民党政権(あるいは旧路線の議員)の限界かもしれません。あるいは、いつから変節したのでしょうか?

消費者庁設置にからみ、民主党は、一貫して官僚政治打破を叫んでしました。消費者庁も消費者委員会も、消費者問題に長年携わってきた民間人からの登用を一貫して主張してきたのは、民主党でした。当初は野田大臣も同意見でした。

正念場です。いろいろ言いたいこともあるので、紀藤も出席します。

参加無料です。皆さんもぜひご参加いだだき、どしどし意見を出していただければ幸いです。

日弁連 - シンポジウム動き出す消費者庁と消費者委員会-消費者のための制度に育てよう-

日時 (金)18:00~20:00(開場17:30)場所 弁護士会館 2階講堂クレオA
(千代田区霞が関1-1-3 地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線 「霞ヶ関駅」B1-b出口直結)参加費等 参加無料・申込不要 

* 消費者庁関連3法についての概要報告
* パネルディスカッション
(1) 消費者庁と消費者委員会の組織機能について
(2) 消費者安全法における消費者庁の権限機能について
(3) 消費者庁の所管法
(4) 地方消費者行政の支援策
* まとめ

主催 日本弁護士連合会
問合せ先 日本弁護士連合会 人権部人権第二課 TEL:03-3580-9508

[参考]

⇒人事 
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090701AT3S0100K01072009.html

 

消費者庁初代長官、内田氏起用を正式発表-日経新聞2009/07/01

政府は1日、9月に発足する消費者庁の初代長官に内田俊一前内閣府次官を充てる人事を正式に発表した。内田氏は同日付で消費者庁設立準備顧問に就任した。消費者行政の監視組織である「消費者委員会」の委員候補には弁護士の住田裕子氏ら10人を選出。住田氏が委員長に就く見通しだ。住田氏以外の消費者委員会の委員候補は次の通り。

池田弘一アサヒビール会長▽ジャーナリストの川戸恵子氏▽桜井敬子学習院大教授▽佐野真理子主婦連合会事務局長▽下谷内冨士子全国消費生活相談員協会顧問▽田島真実践女子大教授▽中村雅人弁護士▽林文子東京日産自動車販売社長▽松本恒雄一橋大法科大学院長(14:15)

⇒消費者団体から反対意見も続々出ています。
http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-0e1c.html

7月17日のシンポジウムに、わたしも参加しました。

新聞記事にもある通り、「互選なのに、委員長が予定されている」ということで、それだけで批判の対象になっていました。

消費者委員会は消費者庁を監視する組織で、このような仕組みは他の中央省庁には無いでしょう。
さらに、消費者庁そのものが行政の縦割り構造に対して横ぐしを挿した形になっていますから、消費者委員会そのものの重要性が問題になるのは当然です。
そこで人事の争いがあった、ということです。

それにしても、政権移行が決まったから「委員長の辞退を発表した」というのでは、あまりにあからさまで「悪あがきであった」と言われても仕方ないですね。

消費者庁の設置について、何度かシンポジウムに参加して知ったことの一つは「国際間の行政組織のあり方として消費者庁が無いことが、大問題になりつつあった」ということでした。

消費者庁とそれに基づく法律で、国際会議があり情報交換が行われているのだそうです。
日本は消費者庁がありませんから、その会議に参加できませんし、もちろん情報も流通しません。
これでは世界の孤児であって、貿易立国であることを考えると「論外」なのですが、元もと日本の行政の仕組み全体が「供給側の方が数が少ないから、供給側を行政がコントロールすればよい」という考え方ですので、消費者側に立った行政組織そのものが設置できなかったのです。

こういう点から、単に中央省庁が一つできるという以上の大きな意味がある、と考えるべきで、最初に話を聞いたときには「10年がかりかな」と思っていたのですが、福田首相が置き土産として推進し、麻生首相が早期に設置を進めた、のです。

早期設置については、反対論がありますが、反対論の背景には「消費者庁そのものに反対する」意見があることは間違えありません。
先の説明の通り、行政組織全体が「今の仕組みになじまないから反対」なのですから、当然でしょう。

その意味では、福田・麻生の両首相のいわば置き土産として、消費者庁が発足したことは、何かを象徴している、とも言えます。

9月 1, 2009 at 09:05 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.31

政権交代に思う

2009/08/30の選挙の結果は、

民主308
自民119
公明21
共産
社民
国民
みんな
日本
諸派
無所属

となりました。

報道のトーンは「一大事」「予想外」のような感じの見出しが多いのですが、小選挙区制なのだから、大いにあり得る事でした。

その意味では、報道の姿勢の方にビックリするべきでしょう。

自民党の一部には「選挙の時期が悪かった」という弁解があるようですが、小泉内閣以後の安倍・福田・麻生と続いた3代の内閣では、どうにも希望が持てなかった。
民主党政権で「なにか希望が持てることが出てくるのか?」が一番の注目点でしょう。

行政は、本質的に欠陥を修正するのが仕事であって、例えば教育水準が世界的な競争では下り坂である、という事実に対して「じゃあ、学力テキストを大げさにやろう」とはなるでしょう。
しかし、将来どういう人材を作るのが良いのか?については「従前通り」なのですから、欠陥を修正しても、以前と同じにしかならず、より良くなる保証は無いわけです。

このようにわかりきったことに対して、小泉が持ちこんだ「新自由主義」を悪用(?)して「個人責任だ」とやってきたのが、上記の3代の内閣でしょう。

「欠陥を埋めることしかしない & 責任は個人だ」という行政を信用しろという方が無理であって、「こっちに進むから協力してくれ」という目標を掲げることが政治の重要な役割のはずです。

自民政権から変わった事以上に重要だとわたしが考えていることは、人口減社会へのソフトランディングプランです。
少なくとも、高度経済成長時代のように「一部だけ推進すれば、他も追従してくる」という社会は今後何十年もあり得ないでしょう。

そういう社会をどう描くか、それによって教育をどうするのか?、人はどのように住むのか、といったところまで整理しないと、社会を描くことができません。

あっちこっちで、団地の高齢化問題が出ていますが、どう考えても「すべての住宅団地の高齢化問題を解決」することはできません。
ある住宅団地の高齢化問題を解決するためには、別の住宅団地を更地にするしかない。

とにかく「こうやれば全部うまく行く」はあり得ないのだから、それでもこっちが良い、と決断する社会にしていくしかないし、セーフティーネットをあらゆる方面に用意して「個人責任だ」などと行政が言い放つようなことは無くすべきでしょう。

8月 31, 2009 at 10:46 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.13

裁判員裁判・読売と朝日の姿勢

読売新聞より「2件目の裁判員裁判、弁護の違いが量刑に影響

さいたま地裁で開かれていた全国2件目の裁判員裁判で12日、判決があった。

先週の東京地裁での第1号事件では、過去の量刑の傾向を表す「量刑相場」より重めの判決が出たが、第2号事件では弁護人の主張がある程度受け入れられた。

3~6日に東京地裁で行われた裁判員裁判では、近隣トラブルから女性を刺殺し、殺人罪に問われた被告に懲役15年(求刑・懲役16年)が言い渡された。判決は被害者の落ち度を強調した弁護側の主張を認めず、ベテラン裁判官が「突発的な殺人事件では10年強を中心に考える」と話すように、従来の相場よりも厳しい結果だったといえる。

一方、さいたま地裁では殺人未遂罪に問われた被告に、検察側が懲役6年を求刑、判決は懲役4年6月だった。判決は被害者が犯行のきっかけを作った面があることや、被告の自首など、弁護側が強調した「被告に有利な事情」に目配りしており、別の刑事裁判官は、「この事件をプロの裁判官だけでやれば、懲役5年を下回ることはなかったのでは」との見方を示した。

裁判員が加わった場合の量刑については、「被害者の生の声に動かされて重くなる場合もあれば、被告の境遇に同情して軽くなる場合もある」(ベテラン裁判官)との予測があった。

被害者の遺族も参加した東京の裁判で、弁護側は「被害者が犯行のきっかけを作った」と主張したが、法廷ではこれに沿う証言をあまり引き出せなかった。最終弁論では、検察側の懲役16年の求刑に対し、「不当に重い」と言うのみだった。裁判員を務めた1人は後日、記者会見で検察側の求刑や被害者の代理人の意見が参考になったとする一方、「弁護人が具体的に何年が妥当と思っているのか知りたかった」と指摘した。

一方、第2号事件の弁護人は、この裁判員経験者の感想も参考にして主張を組み立てたという。罪状認否で被告が起訴事実を認めると、弁護人が「自首が成立しますので、執行猶予を求めます」と、すかさず付け加えた。公判の冒頭に弁護人が刑の重さまで口にするのは異例のことだった。

さらに最終弁論では、最高裁の量刑検索システムを利用した上で、過去の同種事件の量刑分布を示す棒グラフをモニターに映し出し、「懲役6年にグラフの山はあるが、執行猶予の部分にも山がある」と述べた。

一方、検察側も同じシステムを利用したが、「執行猶予がついているのは、被害者が被告の親族で、被告を許しているときだ」などとして、実刑を求めた。

量刑検索システムを土台に、検察官と弁護士が具体的な量刑の主張を展開した今回の第2号事件について、ある刑事裁判官は「データベースの検索結果という同じ客観データを使えば、かみ合った議論を引き出すことができ、非常に有効だ」と指摘している。

朝日新聞より「「一般市民には重い」「苦しい制度」 2例目裁判員会見

全国で2例目となる裁判員裁判を終え、記者会見に応じた裁判員たち。被告に懲役4年6カ月の判決を宣告し、緊張から解かれた表情で語る言葉には、一人の人生を考え続けた3日間の重みがにじみ出た。

さいたま地裁内で12日開かれた記者会見には、裁判員6人に加えて補充裁判員2人も参加した。

「大変疲れました」。感想を問われ、1人が口を開いた。被告人質問では積極的に質問を繰り返していた裁判員3番の男性だ。「やっぱり重いです。一般市民には非常に重い作業だった」「とても興味本位でやることではない」

今回の事件の焦点は、被告の刑の重さをどの程度にするかに絞られていた。まだ有罪か無罪かを真っ向から争う裁判員裁判は行われていない。

「(他の裁判員が)これから有罪か無罪かを決めることを考えると、非常に重くて苦しい制度だなと思う」。1番の男性は、こう語った。さらに、有権者から無作為に選んで審理に参加させる仕組みについて「苦労を強いている。回数を積み重ねることでみえた課題は、改善していただきたい」と要望した。

4番の男性は67歳。高齢者が参加する場合の負担の重さに触れた。「孫には『じいちゃん、大丈夫か』とさんざん聞かれた。もっと若いときにこういう体験をさせていただければよかったと思う」

今回の審理は3日間。出廷した証人は被害者1人だけだった。2番の男性は「精神的にきつかった」と話したうえで、「ふつうのけんかのように両方の話を聞いてから、もう一度聞き直すということができないのが、どうだったのかなと思った」と、短い審理期間の限界について語った。

他の裁判員や裁判官と話し合った内容は明かしてはならない決まりだ。4番の男性は「『守りたい』としかいえないと思いますが、まあ、どうでしょうかね。つらいところです」と実感を込めた。

今回の裁判員たちの服装は、赤や緑、水色などカラフルなシャツが目立った。実名を公表して記者会見に臨んだ6番の菊地健治さんは仕事柄、スーツを着ないという。「あまりに場違いなものではまずいと思ったので、出かける前に妻に一度、見てもらった。『こういう格好で来て』という目安があればいいかな」と話した。(山本亮介、市川美亜子)

■「守秘義務違反の恐れ」回答を制止

裁判員法は評議の内容についての守秘義務を裁判員経験者に課している。記者会見では、質問に答えようとした裁判員が、立ち会っている地裁の職員に違反するかどうかを確認し、職員が事前に回答を制止する場面があった。

裁判長はこの日の法廷で、被告に「十分やり直しがきく」と説諭した。記者の一人が「裁判員のみなさんの気持ちを代弁した言葉か」と尋ねると、裁判員の一人が「言っていいんですか」と前置きして、問い合わせるように職員へ視線を送った。職員が首を横に振るような身ぶりを見せると、裁判員は「控えさせてください」と話した。

この裁判員によると、会見前に地裁側から違反の恐れがあるときにはその場で指摘するか、後で報道機関側に発言の取り消しを求めると聞かされていたため、自ら目配せしたという。地裁側は会見後、事前に制止した理由を「(回答が)判決について裁判員が賛成したのか反対したのかの特定につながる可能性があるので、守秘義務に違反する恐れがあった」と説明した。

読売新聞と朝日新聞の記事を比べてみると、良くもここまで記事が別れるものだと感心してしまうほどだ。

読売新聞は二つの判決について、東京の裁判では重めに、埼玉の裁判では軽めの判決になった、ことを指摘して、その理由が弁護の違いであるとしている。

わたしはこの記事は大変に重要な事を書いていると思います。
「初めての裁判員裁判を終わって」に書いた通り

裁判員裁判の本質は市民感覚を判決に反映させることですから、判決のブレが大きくなって当然です。
裁判員裁判に反対あるいは批判する意見の中核は判決のブレを認めたくない、というところは大きいと思います。
しかしながら、それは「裁判官は神であれ」と言っているのに等しいわけで、それ自体があり得ない。

だと考えていますから、この点を実際の二つの判決が揃ったところで、記事を作るのは絶好の機会であったと言えます。

対して、朝日新聞の記事は「東京での最初の裁判員裁判について全く触れていない」
それ自体が異様です。

結局のところ、朝日新聞の姿勢は、裁判員裁判について反対ために

  1. 消極的報道
  2. ネガティブ面を主にした報道
  3. 全体像を評価せず、個々の裁判などで問題点を取り上げる

という方針のように見えます。
こんなことで良いのですかねぇ?

8月 13, 2009 at 09:22 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.07.31

債務整理のやっぱり

サンケイ新聞より「利息返還金で債務整理トラブル多発 手数料高い・広告と違う

年間1兆円規模で推移している消費者金融からの「利息返還金」をめぐり、債務整理を請け負った一部の弁護士や司法書士に、「手数料が高過ぎる」などといった苦情やトラブルが相次いでいる。

事態を重く見た日弁連が異例の弁護活動指針を打ち出したほか、消費者金融から「法曹の正義はどうした」という批判まで飛び出す事態になっている。

巨額市場に目がくらんだ一部の弁護士や司法書士が、ずさんな活動をしていることが原因のようだ。

大都市圏の電車やバスに最近、「債務整理の無料相談」「いますぐ整理」「借金苦を解決」といった弁護士や司法書士事務所の活字が目立つ。
地方テレビ局を中心に月1千本ものCMを流すところもあるという。

弁護士、司法書士が掘り起こしに躍起となっているのが、過去に高い利率(グレーゾーン金利)で消費者金融を利用したため、当時の利息の返還請求ができる人たちだ。

日本貸金業協会によると、平成19年度に業界から返還された利息金は、利用者の借入金の元本返済に充当されたのが約4200億円、現金で還元されたのが約5200億円の計9400億円。
20年以降は1兆円を超えているという。

消費者金融にとって経営の根幹を揺るがす事態になる一方、返還手続きを請け負う弁護士や司法書士にとり“返還金バブル”となっている。手数料20%と仮定すれば、2千億円もの市場ができた計算だ。

突如出現した大市場に、日本弁護士連合会(日弁連)、日本司法書士会連合会(日司連)ともに「統計はない」というものの、依頼者との間でトラブルが増えていることを認める。

  • 「面会もなく勝手に手続きを進める」
  • 「高い手数料を取られた」
  • 「広告に書いてある内容と違う」

といった声が多いという。

派手な広告で事務所の処理能力を超えた数の依頼を受け、事務が滞っているケースもあるようだ。債務整理で稼いだ2億4千万円もの所得を隠していた司法書士の存在も明らかになった。

6月には、中堅消費者金融のネオラインキャピタル(東京都港区)が司法書士団体などに、「弱者保護の実現のため業界全体で(安価な)手数料体系の統一を検討してほしい」と、法曹の正義感に訴えた要望書を提出。
「高利息などで批判されっぱなしだった消費者金融が“逆襲”に出た」と金融界で話題になった。

相次ぐ苦情に日弁連は23日、債務整理を受任する弁護士に向けて「指針」を打ち出した。弁護活動に関する指針ができるのは、極めて異例なことだ。

指針では、

  • 「債務処理の目的は債務者の経済的更生にある」と明記。
  • 「依頼者(債務者)と直接面談する」
  • 「『家を残したい』といった依頼の趣旨を尊重する」
  • 「再度の融資が難しくなるなど、リスクを告知する」

ことなどを求めた。

指針作成にかかわった宇都宮健児弁護士は「弁護士として当たり前のことが行われなくなっているケースがある」と話す。
日司連でも「広告表現に関するガイドラインの策定作業をしているほか、報酬や手数料についても全国的な調査に乗り出す」(担当者)という。

ただ、弁護士も司法書士も基本は個人業。「最後はそれぞれのモラルを信用するしかない」(日司連)という声が出ている。

田園都市線で東京地裁に行くときに、電車の中でも駅の構内でも「債務整理広告」が大変に目について、こんな事で大丈夫なのか?と思っていたところです。

地方テレビ局を中心に月1千本ものCMを流すところもあるという。

すごい大営業ですよね。
一言で言えば「それほど儲かる」なのですから、中には悪徳商法があっても不思議ではない。

ただ、弁護士も司法書士も基本は個人業。「最後はそれぞれのモラルを信用するしかない」(日司連)という声が出ている。

こういう声がある業界が、変革できないと業界自体が潰れてしまうのは、歴史の教えるところですね。

7月 31, 2009 at 10:22 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2009.07.18

日弁連主催消費者庁シンポジウム

昨日(2009年7月17日)は、日本弁護士連合会主催「シンポジウム動き出す消費者庁と消費者委員会 -消費者のための制度に育てよう-」に参加してきました。

2009年5月29日に消費者庁関連3法(「消費者庁及び消費者委員会設置法」、「消費者庁及び消費者委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律」及び「消費者安全法」)が成立しました。

これまでの産業育成の行政から消費者・生活者のための行政に大きく転換するため、その司令塔としての消費者庁と監視機関としての消費者委員会が今秋にも発足する見込みです。

そこで、消費者庁と消費者委員会とはどういう組織で、どんな権限があるのか、消費者安全法によって何ができるようになるのかなど制度の概要、地方消費者行政の支援策の現状と課題などの論点について、パネルディスカッション等によりご紹介する予定です。

多くの方のご参加をお待ちしています。

開会挨拶日弁連会長宮崎誠 
パネルディスカッション司会鈴木裕美・瀬戸和宏
 パネリスト内閣府大臣官房消費者庁・消費者委員会
設立準備室参事官
川口康裕
 パネリスト日弁連消費者行政一元化推進本部
本部長代行
中村雅人
 パネリスト日弁連消費者行政一元化推進本部
事務局長
石戸谷豊
 パネリスト日弁連消費者行政一元化推進本部
副本部長
池本誠司
 パネリスト日弁連消費者行政一元化推進本部
事務局次長
山本雄大
 パネリスト日弁連消費者行政一元化推進本部
委員
二之宮義人
閉会挨拶日弁連副会長藤本明 

要するに、日弁連の消費者庁問題の担当者が総出でパネルディスカッションと称することをやったのですが、少なくとも「ディスカッション」は全くありませんでした。

司会者が、進行次第に書かれている問題点をパネリストを指名して、その人が「資料の何ページに説明があります」と読み上げるだけ、といったものでした。
同じ問題について、複数のパネリストが意見を言うこともないし、もちろん議論もない。
会場との質疑応答もない。

その一方で、消費市庁設置に関する問題点は色々あって、疑問も多々あるのですが、紀藤弁護士は次のように意見を述べています

今週金曜日に日弁連のシンポジウムがあります。

消費者庁の長官人事や消費者委員会の委員長人事を、前者を官僚人事、後者を消費者問題に詳しくない元検察官の住田裕子弁護士とするなど、最低の人事が政府から発表されています。

後者の人事も、消費者問題に精通していないという問題だけではなく、実質民間からの登用ではなく、元検察官からの登用という「天下り」類似のもので、二重に問題です。

これでは官僚の焼けぶとりという民主党や国民の批判に答えられません。、

消費者庁設置までの自民党の動きは、本当に感謝に堪えないものがありましたが、今回、このような人事が発表されること自体が、自民党政権(あるいは旧路線の議員)の限界かもしれません。あるいは、いつから変節したのでしょうか?

消費者庁設置にからみ、民主党は、一貫して官僚政治打破を叫んでしました。消費者庁も消費者委員会も、消費者問題に長年携わってきた民間人からの登用を一貫して主張してきたのは、民主党でした。当初は野田大臣も同意見でした。

正念場です。いろいろ言いたいこともあるので、紀藤も出席します。

参加無料です。皆さんもぜひご参加いだだき、どしどし意見を出していただければ幸いです。

配られた資料はなかなかのもので、これだけでも十分価値はあるのですが、その最後に人事の名簿があってその中に、住田裕子という名前を見つけて「はあ~?」と言ってしまいました。

参加者は200人は越えていたと思いますが、会場からの質問の時間はなく、パネリストの議論もなく、これでは「ディスカッションではないだろ」と思っていたら、壇上ではなくフロアーに居た(フロアーで参加していた)宇都宮健児弁護士が指名されて発言しましたが、けっこう厳しく現状を非難していて、結果として会場からは多くの拍手を受けていました。

どんな事情があるのか分かりませんが、日弁連主催のガス抜きといった印象で、何か非常にうさんくさい感じを受けました。

法律関係のシンポジウムはいつも興味深い説明があるのですが、今回はまったく面白くないもので、こんなのは初めてです。

7月 18, 2009 at 12:46 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.07.15

無責任な、内閣と国会

朝日新聞より「国会、事実上閉幕 17法案は廃案へ

首相問責決議の可決を受け、野党が今後、衆参両院で審議に応じないため、国会は28日の会期末を待たずに事実上閉幕した。

北朝鮮制裁のための貨物検査特別措置法案や国家公務員の幹部人事を一元化するための公務員制度改革関連法案など、政府提出の17法案(前国会からの継続案件も含む)が廃案になることが確実になった。

問責決議は賛成132票、反対106票で可決された。
民主、共産、社民の野党各党のほか、無所属の田中直紀氏ら3人が賛成した。

内閣不信任決議案は賛成139票、反対333票で否決された。

貨物検査特措法案は14日、野党欠席のまま、衆院海賊テロ特別委員会と衆院本会議でそれぞれ可決され、参院に送られたが、21日にも衆院が解散されると廃案となる。

審議入りが6月下旬にずれ込んだ公務員制度改革関連法案は、衆院で本格審議に入らないまま廃案となる。

日雇い派遣を原則禁止する労働者派遣法改正案や、原則1割の自己負担を見直す障害者自立支援法改正案など、国民生活にかかわる法案のいくつかも廃案になる。

政府提出法案だけではなく、与党と民主党との間で修正協議が進んでいた児童買春ポルノ禁止法改正案などの議員立法も廃案になる。

ただ、政府が今国会に提出した法案の成立数は69本中62本で、成立率は89.9%。
衆院解散を控え、野党が修正協議に応じるなど協力姿勢を示したことから、「ねじれ国会」以前の水準(90%台)にほぼ回復した。

■廃案となる政府提出17法案

  1. 組織的犯罪処罰法改正案(共謀罪創設法案)
  2. 被用者年金一元化法案
  3. 地方公務員法地方独立行政法人法改正案
  4. 独立行政法人統計センター法改正案
  5. 行政不服審査法案
  6. 行政不服審査法施行関係法整備法案
  7. 行政手続法改正案
  8. 独立行政法人通則法改正案
  9. 独立行政法人通則法施行関係法整備法案
  10. 労働者派遣法改正案
  11. 独立行政法人気象研究所法案
  12. 成田国際空港株式会社法改正案
  13. 確定拠出年金法改正案
  14. 公務員制度改革関連法案
  15. 障害者自立支援法改正案
  16. 小規模企業共済法改正案
  17. 貨物検査特別措置法案

分かりにくい記事ですが、政府提出の17法案が廃案になりそうだ、ということです。
だから、議員立法法案である児童ポルノ児童買春禁止法改正案は17法案とはべつに廃案になる法律案だとなります。

青字にした組織的犯罪処罰法改正案(共謀罪創設法案)、労働者派遣法改正案 、貨物検査特別措置法案には注目していたのですが、このままだと廃案になりますね。

読売新聞社説、サンケイ新聞社説が指摘しているように、「民主党の衆参両院で全面的な審議拒否」は強く非難されるべきだと考えます。

一方では、時間切れというルールがあるわけですが、そのルールが有効であるためには、前提として「期限一杯まで通常通りに審議の場で争う」があるはずです。

これは自動車のラリー選手権などでも「時間調整をしやがって」と非難されるくらいの行為で、麻生首相が気に入らないというのなら、三権独立の観点からもドンドン国会審議を進めるのが公開議員の責務でありましょう。

全面審議拒否なんてバカなことを言い出すのは、
国会議員を辞職してから言え!

読売新聞社説より「問責決議可決 民主党は貨物法案を葬るのか

野党4党が衆院に提出した内閣不信任決議案は否決されたものの、麻生首相問責決議案は参院で可決された。

野党は、自らが問責した首相の下では国会審議に応じられないとして、衆参両院で全面的な審議拒否に入った。

このままの状況が続けば、21日にも予定される衆院解散で、北朝鮮貨物検査特別措置法案など政府提出の17法案は廃案になる。児童ポルノ禁止法改正案のように、与党と民主党が法案修正で合意目前だった議員立法も同様だ。

民主党は、貨物検査法案をこのまま廃案にしてよいと思っているのだろうか。法案が成立しないと、北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査や禁輸品の押収を、海上保安庁や税関が実施できない状態が続くことになる。

これらの措置は、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁決議に基づくものだ。

民主党の鳩山代表は記者会見で、法案の早期成立を是認する意向を示していた。民主党が掲げる国連中心主義にも合致する。法案に賛成するのが筋だろう。

民主党内には、法案が海上自衛隊の派遣も可能にしているため、旧社会党系議員を中心に、消極的な意見がある。法案への賛成は、衆院選を前にして、社民党との選挙協力に悪影響が出ることを懸念したとの見方もある。

国内法の不備を放置するツケが近い将来、民主党に回ってこないとも限らない。

衆院選から数週間後の9月後半にニューヨークで国連総会、ピッツバーグで世界20か国・地域(G20)金融サミットが開かれる。

日本の首相も出席し、その場でオバマ大統領との日米首脳会談や胡錦濤国家主席との日中首脳会談が行われる可能性も高い。

中国はじめ各国の首脳に対し、制裁決議の厳格な履行を促し、北朝鮮に核廃棄を迫る国際包囲網の強化を訴える絶好の機会だ。

衆院選で民主党が勝利し、政権交代が実現すれば、「鳩山首相」の外交デビューとなる。その時、貨物検査法案が成立していなければ、「鳩山首相」の訴えは、まったく迫力を欠くものとなろう。民主党はそれでもよいのか。

審議拒否の理由について、与党は、鳩山代表の個人献金偽装問題を国会で追及されたくないからだと批判している。

与党の批判の当否はともかく、民主党はやはり、北朝鮮貨物検査法案の今国会での成立に協力すべきであろう。
(2009年7月15日01時18分 読売新聞)

サンケイ新聞社説より「貨物検査法案 党首会談で成立の合意を

内閣不信任決議案が衆院で否決された一方、首相問責決議案は参院で可決された。民主党など野党は今後の国会審議に応じないとしている。

このため、北朝鮮関連船舶の貨物検査を可能にするための特別措置法案は、14日に衆院を通過したものの参院の審議に入れず、今国会成立は絶望視されている。

この法案は、国連安保理の対北制裁決議に基づいて禁輸物資の輸送を阻止することを目的にしており、成立は日本の国益に直結している。それを与野党の駆け引きの道具にして法整備ができないのでは、日本の政治の劣化を世界に発信しているようなものだ。

責任の多くは民主党にある。政権担当能力の欠如を露呈していることの自覚はないのか。

相次ぐ核実験や弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮の脅威を、日本は直接受けている当事者だ。国連安保理に対し、厳しい制裁措置を外交ルートで求めてきた成果として、対北制裁決議が採択されたことを忘れてはならない。厳しい制裁を求めながら、自国の貨物検査の法体系が整っていなかった問題も大きいが、その穴をふさぐのは党派を超えた義務だ。

政府・与党としては、民主党の賛成を得やすいよう、貨物検査を行う主体を自衛隊ではなく海上保安庁とする内容にした。民主党の鳩山由紀夫代表も、当初は法整備に同意する考えを示していた。

しかし、東京都議選の前後から内閣不信任決議案などの提出を優先させる方針に転じ、衆院審議でも、政府案のままでは賛成しない姿勢を示しはじめた。国連中心の外交を掲げながら、安保理決議を尊重していない。

鳩山代表は10日の日本記者クラブでの記者会見で、衆院解散から政権交代までの移行期間の危機管理に対応するため、与野党連絡協議会の設置を提起した。そう言いながら緊急性の高い重要法案を放置しているようでは「民主党政権」に外交・安保政策を安心して任せられないことになる。

政府・与党も法案提出に手間取った。14日の解散を模索していた麻生首相は法案を成立させようとしていたのだろうか。時間切れ廃案を民主党のせいだと批判するだけでは、指導者の責務を果たしたことにならない。衆院解散を控えて異例の措置となるが、鳩山代表との間で法案の緊急処理について協議すべきだ。

毎日新聞より「児童ポルノ:禁止法改正案は廃案の見通し 衆院解散で

深刻化する児童ポルノ被害を食い止めようと、画像を所持することへの規制強化に向け国会審議が続いていた児童買春・児童ポルノ禁止法改正案は、衆院が21日にも解散されることで、廃案の見通しとなった。

同法をめぐっては、18歳未満を写した性的な画像を個人で見るためだけに所有する「単純所持」を禁じる自民・公明両党と、「有償または反復して取得」した場合に処罰を限るべきだとする民主党がそれぞれ改正案を提出、先月26日に衆院法務委員会で審議入りした。3党は今国会での成立を目指して修正協議を重ね、「単純所持」を違法とすることで合意したが、処罰対象をどこまで広げるかなどで折り合いがついていない。

ただし、与党、民主党双方の委員らには、会期中に最終合意までこぎ着けたいとの意向もあり、解散ぎりぎりまで協議を続ける可能性もある。【丹野恒一】

7月 15, 2009 at 10:37 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.06.30

国際自動車のタクシーが・・・・・

読売新聞より「国際自動車、事業許可取り消しへ…大手タクシーで初

大手タクシー会社「国際自動車」(東京都港区)が、国土交通省関東運輸局の監査で運転手の違法な超過勤務を指摘され、来月16日に聴聞を受けることがわかった。

聴聞の結果、違反事実が確定した場合、一般乗用旅客自動車運送事業者としての許可が取り消される見通し。大手タクシー会社の事業許可が取り消されれば初めてとなる。

国交省などによると、今年2月に同社赤羽営業所に監査を行い、タクシー運転手の勤務実態を調べたところ、違法な超過勤務が見つかったという。

道路運送法に基づく処分基準では、3年間で一定の累積違反に達すると事業許可の取り消し処分を受けるが、監査の結果、同社の違反点数が規定の水準に達したため、国交省は聴聞を行ったうえで処分する方針を固めた。

同省によると、同社は現在、タクシー321台、ハイヤー589台を所有しており、事業許可が取り消されると、営業が出来なくなる。

国際自動車役員室は「聴聞への対応や、事業停止処分を受けた場合の対応については、現在社内で検討中」としている。

この記事だと、事業許可取消確定のよう感じですが、日経新聞の記事はちょっと違う感じになっています。「タクシー大手、国際自動車の免許取り消し検討 関東運輸局

国土交通省関東運輸局が、タクシー大手の国際自動車(東京・港)の事業者免許取り消しを検討していることが30日、同局への取材で分かった。

過去3年間の監査で、運転手の拘束時間や、乗務距離などの累積違反点数が道路運送法が定める取り消し基準の80点に達したためという。

来月16日に同社の言い分を聞く「聴聞」を実施した上で、8月中にも処分を決定。

一度免許取り消しになれば、2年間再申請できないが、聴聞の結果によって「事業停止」など処分が軽くなる可能性もあるという。 (16:00)

タクシー321台、ハイヤー589台を所有ということは、もし所有台数の倍のドライバーが居るのなら、1820人の職が無くなるとも言えるわけで、少なめに見積もっても1000人以上ですよね。

会社の失態による行政処分でいきなり仕事が無くなるというのは、大問題ですね。

6月 30, 2009 at 10:45 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.06.17

出口戦略が必要なのは金融以外ではないのか?

サンケイ新聞より「景気下げ止まりで、早くも「出口戦略」が浮上

景気の下げ止まりの動きが広がる中、政府・日銀が百年に一度の経済危機に対応して発動した超異例の緊急措置をどのタイミングで正常化するのかという「出口戦略」が課題に浮上している。

政府の大規模財政出動や日銀による過剰な金融緩和といった強力なカンフル剤を投与し続けると、財政悪化で長期金利が上昇したり、銀行や企業に甘えの意識が広がるなどの副作用が起きるためだ。

ただ、正常化のタイミングや方法を誤ると、せっかくの景気回復の芽を摘んでしまう恐れもある。

■長期金利上昇

14日にイタリア南部のレッチェで開かれた主要8カ国(G8)財務相会合の共同声明は、「出口戦略」を重要課題に位置付けた。特に懸念されているのが、各国の積極的な財政出動に伴う長期金利の上昇だ。

すでにその兆候は出ている。
財政出動で大量の国債が発行されることを嫌気し、債券市場で国債が売られ、金利が上昇。
日本では先月下旬に、年初の1・2%台から約半年ぶりに1・5%台を付け、その後も高止まり傾向にある。

景気の回復過程で過度に金利が上昇すると、企業や家計の利払い負担が増えるほか、設備投資や住宅投資の意欲も冷え、回復の足を引っ張る。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相はG8後の会見で、「考える時期で、実行しようとする時期ではない」と、“出口”はまだ遠いとの考えを示した。

ただ、政府としては、経済対策で大盤振る舞いした分、「その後の財政再建の道筋をきちんと示す必要がある」(与謝野財務相)との思いも強い。

政府が16日の経済財政諮問会議に提示した「骨太の方針2009」の原案でも、「国際的な長期金利の上昇傾向が見られる」と懸念を表明。
「健全化への中長期的な取り組み姿勢を明確に示すことが不可欠」と強調した。

さらに、「安定財源の確保」の必要性を強調し、消費税率の引き上げを強くにじませた。

ただ、歳出削減や増税路線に対して与党内からは、「選挙が戦えない」との猛反発が起きており、歳出増大圧力は逆に強まるばかりだ。
衆院選で政権交代の可能性がある民主党も積極財政が色濃く、財政政策の正常化の前途は多難だ。

■モラルハザード

日銀の金融政策でも、企業の資金繰り支援のため、社債やCP(コマーシャルペーパー)を買い入れるという「極めて異例の措置」(白川方明総裁)が相次いで打ち出された。
発行先の企業が破綻(はたん)すれば、日銀が損失を負うことになり、中央銀行としての信認を失いかねない“禁じ手”だ。

さらに、銀行や企業が日銀の支援に甘え、経営のモラルハザードを招く恐れもある。

白川総裁は16日の会見で、出口について、「企業金融の動向、効果なども点検し、(買い入れ措置の期限である)9月末までの適切な時期に判断していく」と述べるにとどめた。

ただ、金融危機による市場の混乱が沈静化する中、CPの買い取りでは、応札額が購入予定額に満たない「札割れ」が続き、今月5日の入札はついに「ゼロ」となった。
社債も大手企業を中心に「発行ラッシュ」(同)となっており、自力で資金を調達できるようになってきた。

このため、水面下で解除のタイミングを模索し始めているもようだ。

日銀には出口戦略で苦い経験がある。平成12年8月に「ゼロ金利」の解除を強行したが、その後、景気が悪化し、政府から激しい批判を浴び、さらに異例の措置である「量的緩和」へと追い込まれた。

かつての経験を生かしスムーズな正常化を果たすためにも、入念な準備が必要になりそうだ。

金融や直接的には金利を適正水準にコントロールし財政を健全化することは政府・日銀にとっては非常に明確な目標ですが、本来の経済政策の目的は経済だけではなく、社会全体を将来とも健全に維持することです。

日本の現状は少子高齢化であり、人口減は免れないわけですから人口減によって経済規模は縮小するはずです。

ところが、政策は基本的に成長路線のままであって、特に公共投資では作ったけど使われない施設が沢山あったりします。
特に地方自治体で何かを企画するときに「誘致する」と良く言いますが、人口減・経済規模縮小の日本では誘致するとは誘致されたところが空き地になるのに等しい。
地方都市では、マンションが新しく建つと、その隣のマンションが空き家になる、といったことは十何年前から言われています。

現在、国も地方も政治がやっていることは「目の前に見えることの対策」だけであって、本来は政治や行政の最大の使命である民間企業ではできない長期的な対策は、以前の成長路線のままかあるいは「成長路線の一時停止」と言えるでしょう。

先に挙げた地方政治での「誘致」案件では、将来の人口減社会の現実の到来の時にどうするのか?と発案者に聞くと「その頃には我々は死んでいますよ」が返事だそうです。
もう、今が通り過ぎればよい、というレベルでのぶんどり合戦で、こんな将来像の国が信用されるわけがないです。

アメリカは、人口増加の国であり原理的に成長段階での金融資源の配分を自由にした方が効率が良い、ということで新自由主義に意味があったのでしょう。しかし、新自由主義は結局は新しくなくて旧来の自由主義と同じことになり、破たんしてケインズに戻らざるを得なかった。

日本は、何十年も一貫して少子高齢化社会であり、現実に人口減社会になれば経済は縮小するのが当たり前なのに、小泉・竹中に代表される日本の新自由主義者は「アメリカが世界標準」と称して、全く似合わない服を強引に日本に着せた、というべきでしょう。

少子高齢化社会から人口減社会になることは、何十年も前から言われていたことで現実に合うはずがない「改革」などに時間を使わなければ、今はもうちょっとマシだったのではないだろうか?

人口という資源不足のために、企業や学校・家庭といった各セクターが自分自身に必要なところを人に強く要求する、ようになってしまった。
その代表が派遣労働の大幅拡大であり、このまま行けば「解雇制限の撤廃」などになっていくでしょう。

政策が政策になっていない、と強く感じるのです。

6月 17, 2009 at 09:00 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.16

骨太の大転換とは言いがたいが

サンケイ新聞より「骨太2009 社会保障費抑制を弾力化へ

政府は15日、月内に決定する経済財政の指針「骨太の方針2009」に、社会保障分野の歳出抑制を緩和する事実上の弾力条項を盛り込むことで与党と調整に入った。

骨太09の素案では、社会保障費について「骨太06等を踏まえ、歳出改革を継続」と明記されている。
平成22年度予算では、社会保障費の自然増分を毎年2200億円削減する目標が残るため、与党から不満が出ていたが、経済情勢を踏まえて、社会保障関係の施策拡充への歳出を可能にする考えを盛り込む方向だ。

素案では予算編成をめぐり、「現下の経済状況への必要な対応等を行う」とし柔軟姿勢を示しているが、社会保障分野で弾力的な予算運用が可能になるように明確化する考えだ。
社会保障で必要な施策を手当てできることを明示し、与党の反発に配慮する。

一方、政府は骨太09に社会保障、経済、国際的貢献の3分野を「最重点項目」として加える方針だ。

最重点項目には予算を重点配分する。
職業訓練の支援強化や、少子化問題に対処する政府組織を拡充する方向を盛り込む。
雇用や年金、医師不足問題などへの不安が高まっていることを背景に、社会保障分野に力点を置く姿勢を鮮明にする。

また、低炭素社会への移行を促す研究開発の支援や、国際的なリーダーシップを発揮するためアジア各国への金融面での協力も重視する。政府は16日に骨太09の原案を経済財政諮問会議に提示、23日に最終決定する。

東京新聞より「大合併打ち切り答申へ 地方制度調査会が首相に

政府の第29次地方制度調査会(会長・中村邦夫パナソニック会長)は16日の総会で、国主導で1999年から推進してきた「平成の大合併」を来年3月末で打ち切ることを柱とする麻生太郎首相への答申案を審議する。同日中に答申を決定、提出する予定だ。

調査会の専門小委員会がまとめた答申素案では、市町村数がほぼ半減した市町村合併について、現行の市町村合併特例法の期限の来年3月末で「一区切りとすることが適当」として、国の財政支援などで誘導してきた合併推進方針の転換を提言している。

一方で「合併は行財政基盤の強化に今後も有効」として、特例法期限後も自主的な合併を支援する新たな特例法を制定すべきだとした。

また、人口1万人未満の市町村が全体の4分の1以上を占めることを踏まえ、小規模自治体の行政サービスを確保するため福祉や保健などの事務を都道府県が補完できる仕組みや、周辺市町村との広域連携など多様な選択肢を用意する必要性を指摘した。

このほか地方議会制度の見直しや、自治体の監査機能の強化を提言。地方自治法で定めている議員定数の上限撤廃や、複数の市町村で監査委員事務局を共同設置できる制度の検討などを求めた。
(共同)

この2本の記事は、微妙に小泉・竹中=新自由主義からの転換を図る意図があるように見えます。

医療費や社会保障費などが増加する理由は、少子高齢化社会の到来に原因があるわけですが、新自由主義論者は「アメリカではこうだ」と日本との比較を無視してコトを進めてきました。

いわば、医療費や社会保障費の削減こそが少子高齢化からの脱出に有効であり、経済が復興するとの論理です。
さすがにこれでは「絵に描いた餅」であって誰もが「そんなにうまく行くわけがない」と感じていても、与野党を通じて「改革こそが正義」であり、その改革とは「削減すれば良い」ですから対案の出しようがなかった。

今回の方針変更は「もうこれ以上の「改革」は無理」ということでもあるでしょう。
しかし、ではどういう社会像を描いているのか?となると、この2本の記事では分かりませんね。

特に「大合併打ち切り」は打ち切ってどうするんだ?であります。
そもそも自治体と成り立たない規模と内容(高齢化)の地域が出てくるわけです。

統計局のデータで生成17年(2005年)の自治体別の人口統計をみると

人口自治体数
1000人以下25
1000~200067
2000~300074
3000~400091
4000~5000104

となっています。

この規模では、すでに行政事務を行う人手を確保すること自体が難しいというべきで、実質的に自治体としては独立して運営は出来ないでしょう。

この段階まで行くと、いわば国の直接管理しかないわけで、これまた「大合併すればなんとかなる」という方針が無理であった、という証明です。

結局のところ、アメリカも含めて新自由主義が結局は弥縫策であったということであり、特に少子高齢化対策なんてものが緊急で何とかなるものではない、長期的な国家戦略として将来の国民が豊かに生活するための施策を明示せずに「改革すればOK」やってきたことがダメであった。という結論でしょう。

6月 16, 2009 at 09:24 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.13

鳩山辞任

朝日新聞より「英断か暴走か 「鳩の正義」どう見る 鳩山総務相辞任

英断か、それとも蛮行なのか。数々の発言で話題を集めてきた鳩山総務相が12日、日本郵政の西川善文社長の人事をめぐる対立で「歴史が私の正しさを証明してくれる」とまで言い切って辞任の道を選んだ。同情や共感を寄せる人がいる一方で、冷ややかな視線を送る人たちもいる。

「世の中、正しいことが通らない時があるんだなと、今はそういう思いです」

官邸で辞表にサインをしたばかりの鳩山氏は、記者団の取材に応じた3分余の間に、9度も「正しさ」「正義」と繰り返した。
「正しいことが通用しなかったら、潔く去るべきだ」。うっすらと涙を浮かべながらも、そのたびに語気を強めた。

東京都内で祖父・鳩山一郎元首相の墓参りをした後、ある病院を訪れた。
「娘の子どもが生まれたんだよ」と報道陣に明かし、「名前はマサヨシがいいかな。『正義』」。

「正義」にこだわった形での辞任。

かつて鳩山氏の秘書を務めていたジャーナリストの上杉隆さんは「『自分が正しい』というスイッチが入ると止まらない性格」が影響したと考える。
「今回の問題でも、一貫して正しいと思っているから、一切妥協はしなかった」

上杉さんによると、この日、鳩山氏は周囲に「西川氏と刺し違えるつもりはあったが、自分だけが辞めることになるとは夢にも思っていなかった」と打ち明けたという。
「麻生さんには裏切られた気がしているだろう」と心中を推し量った。

アルピニストの野口健さんは鳩山氏の数々の「問題発言」も「確信犯的にメッセージを発したものも多く、『よく言った』と思ったものもあった」と受け止める。

環境問題の勉強会で知り合い、政界入りを勧められたこともある。
「今回の発言と辞任も、自民党内では『空気が読めない』感じかもしれないが、一般には鳩山氏に共感する人が多いのでは」

今回、辞任劇の発端となったのは、「かんぽの宿」の売却問題と、東京中央郵便局の再開発計画だった。

「あのとき、大臣は泣いていた」。

鳩山氏が再開発に異議を唱えた東京中央郵便局の保存運動にかかわった芝浦工大教授の南一誠さんは、3月に現地を一緒に訪れたときの姿を思い出した。
日本郵政の経営陣に不信感を持つ南さんは、鳩山氏の手腕を評価する。「国民目線で純粋な気持ちを持った政治家。辞める思いは理解できるが、郵政が今後どうなるか心配だ」

かんぽの宿を地域で活用するため、オリックス不動産への一括売却の撤回を求めていた有馬温泉観光協会(神戸市)の當谷(とうたに)正幸会長は「日本郵政の経営責任が明らかにならないままでは、問題がうやむやになってしまう」と気をもむ。
鳥取県岩美町のかんぽの宿は、1万円で購入した不動産会社が6千万円で社会福祉法人に転売。その法人の関係者も「鳩山氏は転売問題の解明に努めてくれていたので、辞任は気の毒です」。

一方で、冷ややかな声も少なくない。郵政民営化を推進してきた猪瀬直樹・東京都副知事は、都庁で辞任のニュースを生中継で見ながら、「かんぽの宿問題で、ろくに検証しないまま、鳩山さんは言い過ぎた。なぜ今辞任なのか理解できない。西川社長と協力して問題を一つずつ片づけるしかなかったのに」と首をひねった。

安倍、福田の両内閣で法相を務めた時代に、その発言に振り回された経験を持つ法務省幹部らの視線も冷たい。
「主張が通るはずがないのに、なぜあそこまで意地を張ったのか。また、目立ちたがり屋のクセが出たのか」

世論を味方に付ける政治的な勘には、省内でも一定の評価があった。
「かんぽの宿問題で世論から喝采を浴び、今回も世の中がついてくる、と思ったのだろう」。
ある幹部はこう分析した。

ドンキホーテを思い浮かべるところです。
そもそも、西川社長の再任だけを妨げれば全てOKとは普通の人には理解できないことで、それが正義だと言われても「はあ?」であります。

しかし謎なのは「どうしてこんなことになったのか?」ですが、読売新聞にこんな記事が出ています。「首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め

麻生首相は当初、日本郵政の西川善文社長を交代させる意向だった。

今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。

首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に「首相は西川氏を代えるつもりだ」と伝え、「西川辞任」に向けた多数派工作を始めた。

しかし、直後から巻き返しにあう。

指名委員会は、委員長を務める牛尾治朗・ウシオ電機会長を始め、郵政民営化など、小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人が名を連ねる。そうした委員を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった。

竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。

結局、指名委は5月18日、西川氏を続投させる方針を決めた。
(2009年6月13日01時49分 読売新聞)

こっちの方がよほど大問題でしょう。

かんぽの宿問題は、結局のところ財産収奪とも言える話であって、これはこれで解明するべき事柄であるでしょう。

一方で、わたしが最近主張している「新自由主義は失敗」という見方からすると、竹中・小泉路線の再検証を必要となります。
そしてそれらの「問題」が結実したところが西川社長の再任問題であって、木を見て森を見ずという言葉に当てはめるのなら、実にこだわって土地を見なかった、とでも言うべきでしょうか?

いやしくも、政治家がやることは土地を整備することであって、個々の実の評価にこだわるべきではありませんでした。
その意味では鳩山氏(兄弟そろって)の視野の狭さには目まいがするほどです。

小泉・麻生・鳩山とこれほど識見のない政治家に政治を任せている現在の日本国民は不幸のどん底にある、とでも言うべきです。

6月 13, 2009 at 08:35 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2009.05.14

暗黒社会を作るつもりか?

神奈川新聞より「入管難民法改正案で「子どもの学習権奪われる」/神奈川 外国人支援者に不安の声

国会で審議中の入管難民法改正案が成立、施行されれば、「ビザがない外国人の子どもの学習権が奪われる」と外国人の支援団体などから心配する声が上がっている。

現行では市町村に外国人登録すれば、学齢期の子どもの家庭にもビザの有無にかかわらず就学通知が届いていた。
だが、改正法案の内容は外国人登録証を廃止し在留カードで国が一元管理するのが柱。

法務省は「改正法施行後は(在留カードのない子どもに)就学通知は出せなくなる」との見解を示している。

「(法改正で)子どもが通学できなくなっても仕方がない。帰国したら仕事がない。子どもに石を食べさせられないから」。県内に住むフィリピン人女性(35)は淡々と話した。

女性は、十七歳でタレントとして来日。日本人男性と結婚、離婚したが、在留資格が切れた後も日本で生活している。子どもは三歳から中学二年の四人。「強制送還されそうで怖かった」が、子どもを通学させるため外国人登録をした。

日本も締約国の国際人権A規約や国連・子どもの権利条約では、在留資格に関係なく学齢期のすべての子どもに教育を受けさせなければならない。
一九九一年一月の旧文部省通知を根拠に、これまで外国人登録をした子どもは学校に通うことができている。

だが、入管難民法が改正されたらビザのない子どもの就学はどうなるかー。
法務省入国管理局総務課は「就学通知を出すような積極的な行政サービスはできなくなる」とし、「改正後から施行まで三年間ある。その間に入管に出頭してもらい、個別状況を見て在留特別許可を出す場合もあり得る」と歯切れが悪い。

外国人の支援活動をする難波満弁護士は「法改正後、外国人に住民票ができることはいいこと」としながらも、「日本で暮らす多くのビザがない外国人をどうするのか、実態に即した制度をつくるべきだろう。
ビザがない子どもの教育機会が奪われないかも心配」と話す。

頭を抱えるのは、外国人の子どもとかかわる県内の学童保育の男性指導員。
「学校とつながることが子どもにとって力になる。つまはじきにしてぶらぶらさせるようなことになっては」と不安顔だ。

在日外国人教育生活相談センター「信愛塾」(同市南区)のスタッフも、滞在資格がない外国人の情報を把握する機関がなくなり、存在が”地下化”してしまうことを憂い、「法的にいない存在にされてしまう子どもは、例えば新型インフルエンザでワクチン投与が必要なときにどうすればいいのか」と指摘している。

◆入管難民法改正案原則3カ月を超えて滞在する外国人に国が「在留カード」を発行し、不法滞在への対処を厳格化する内容。
4月24日に国会で審議入りした。入国管理局によると、ことし1月1日現在の不法残留の外国人は約11万3千人。現行の外国人の情報管理は、入国や在留許可を国が担い、外国人登録を自治体が担当する。
この二元管理でビザがなくても登録できた。改正されれば、入国管理と登録を国が一手に担うことになる。

役人の建前論だけで考えたバカな方策、というべきでしょう。

新自由主義に代表される「改革」が妙に物事を単純化することがよいことだ、とやってきた結果があっちこっちの崩壊であり、余裕が無く将来に期待の持てない社会を作り出していると考えています。

実際に子供が居て、就学させなければ単なる社会不安要素にしかならないでしょう。
産業革命以前のイギリスのような社会にするのでしょうか?

結果が、「地下化」であり、「表社会と裏社会の分離」になってしまうと考えられるわけですが、それが単に外国人への対処の単純化のためだとすると、本末転倒というか単なる手続に社会を合わせろという話です。

社会は複雑であり、正義も悪も同時に存在するのもので、社会システムは基本的に複雑化するはずで、行政も行政自身の合理化は必須であっても、社会を行政によって単純化しようなどという考え方は天を畏れないものとして強く非難されるべきです。

5月 14, 2009 at 08:57 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2009.04.29

消費者庁の設置

サンケイ新聞より「【イチから分かる】消費者庁誕生へ トラブル解決の「司令塔」

消費者行政を一元化する消費者庁設置関連法案は参院での審議が始まり、年内にも消費者庁が発足する見通しとなった。

「産業重視」とされた日本の行政にあって、消費者の視点に立った初めての行政機関となる。偽装表示、悪質商法、製品事故…トラブル解決の「司令塔」としての役割が期待される

日本の省庁は「殖産興業」を掲げた明治期以来、生産者側の目線で施策を展開してきた。
しかし近年、食品偽装、悪徳商法、欠陥商品といった消費者を巻き込む重大な問題が起きるたび、行政の対応は後手後手に回った。

一例が、昭和60~平成17年に21人が死亡したパロマ工業製の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故だ。
経済産業省内で都市ガスとプロパンガスなど所管する課が分かれていて情報が共有されず、積極的な対策が打てなかった。遺族からは「業者を守るために消費者をないがしろにした」という声も漏れた。

そうした反省から、消費者保護のため、各省庁にまたがる法律や権限を一元化する省庁が消費者庁だ。

所管する法律は29本。

  • 食品表示にかかわるJAS法
  • 悪質な訪問販売を取り締まる特定商取引法
  • 対マルチ商法の武器となる出資法
  • 不当表示などを規制する景品表示法

など生活に密着する法律がずらりと並ぶ。

内閣府を筆頭に、農林水産省、経済産業省などから約200人の職員が集まる見込みで、業者の不正などに対応できるよう警察OBらを非常勤職員として雇用する。

事案に対して対応が不十分な場合は、各省庁に改善を求める勧告をするほか、重大事案は直接業者に立ち入り調査する。「より悪質と判断した場合は捜査当局への刑事告発も辞さない」(内閣府)

窒息事故で平成7年以降17人の犠牲者を出している「こんにゃく入りゼリー」のように、規制する法令がない「すき間事案」についても、積極的に立ち入り調査などを行う。

消費者への直接のメリットもある。全国共通の電話番号が設置され、不満などを感じた消費者が掛けると、最寄りの消費生活センターに転送される。
窓口が一つになることで、「たらい回し」にされることもなくなる。

こうした一連の新しい消費者行政は、有識者の独立組織「消費者委員会」で監視する。

関係省庁との協議を進めていた内閣府は「縦割りだった消費者行政の大きな受け皿となる。これまでの視点と百八十度変わる省庁ができる意義は大きい」と自信をのぞかせている。

≪課題は… 被害者の救済 相談態勢の充実≫ 

課題も多く残されている。悪徳商法で業者が得た不当利益を没収し、被害者に還元する「救済制度」は導入が見送られ、法施行3年後をめどに検討することになった。
消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士は「業務停止や勧告も重要だが、お金を取り戻すことが消費者救済に直結する」と早期の法整備を訴える。

また、野田聖子消費者行政担当相が「インパクトのある船長を選びたい」と強調する長官人事も注目だ。
「これまでの霞が関にない役所なだけに行政運営の際、各省庁からの抵抗も予想される。能力のあるトップでないと動きが鈍くなる」(紀藤弁護士)

急務なのが相談態勢の充実だ。全国の消費生活センターは586カ所(20年4月現在)。都市部に偏在し、地方には相談員が1人だけという窓口も多い。

センター業務自体は地方自治体の管轄なだけに、首長の“やる気”が問われる。73の消費者団体で作る「消費者主役の新行政組織実現全国会議」の原早苗代表幹事は「消費者庁ができても、窓口が薄いのではどうしようもない」と拡充を呼びかけている。

この記事は、なかなか丁寧に分かりやすく書いてあると思います。

各種の事故でも、事故調査よりも刑事責任の追求を優先するのものだから、事故対策が進まないという指摘は何十年も前からありますが、航空機事故ですら刑事責任追及があるために事故原因そのものがウヤムヤになってしまう、のは今でも続いています。

刑事責任は元もと限定的に負わせるべきものであるけど、賠償に代表される民事責任はより幅広く対応できるようにするべきだし、将来の事故防止といった観点では社会的な責任を明らかにするといったことも重要です。

現在は刑事責任については社会を代表して国家が追求するわけですが、賠償など民事になると「民事不介入」として「ご自身でどうぞ」となってしまいます。
食品偽装などは一種の詐欺ですが、被害者が賠償を求めて裁判を起こすというのは、コストの面で実現不可能です。

結果として、民事的責任も社会的責任も負わないです済む場合が出てきます。
確かに市場経済で市場の評価は下がるでしょうが、社名を替える、ブランドを替えるなどといった事故原因に対策しない対応も出来るし、決してこれは少なくない。

ここらひっくるめて、「被害者救済」であろうし、何よりも「将来の被害防止」の観点で事故原因の解明にも範囲を広げて欲しいものです。

4月 29, 2009 at 11:18 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.04.03

消費者庁の夜明け前

読売新聞より「産地偽装知りながら公表せず、農水省が千葉県に対応要請

千葉県が県内業者の産地偽装を知りながら、日本農林規格(JAS)法に基づく改善指示をせず、公表もしなかったとして、農林水産省は3日、千葉県に対し、速やかに同法に基づく指示や公表を行うよう文書で要請した。

表示偽装を巡っては、同省と都道府県で業者への指示や公表などの対応に差があり、「不公平だ」という声があがったため、同省は1月、一律公表するようJAS法の運用指針を改定していた。指針改定後、同省が都道府県に対応を要請するのは初めて。

偽装があったのは県内の水産物業者で、今年1~2月に同省と県が合同で計3回調査に入り、業者は「中国産や韓国産の貝を国産と表示し、販売した」と認める文書に署名していた。

同省は県に対し、業者への改善指示を求めたが、県は3月23日に、改善指示よりも一段低い行政指導を行い、公表も見送った。

今回の要請は地方自治法に基づく助言にあたるが、強制力はない。

同県食の安心推進室の伊藤靖雄室長は「偽装をしていたという証拠がなかったので指導にとどめたが、今後の調査で改善指示をする可能性もある」と説明している。
(2009年4月3日21時40分 読売新聞)

今国会では消費者庁の設置に向けて、審議が進んでいます。
先日、紀藤正樹弁護士が衆議院の特別委員会で参考人として議員の質問に答えていました。その状況がビデオライブラリにあります。

わたしも以前は直感的には「消費者庁はあった方が良いだろう」といった程度の認識であったのですが、詳しく話を聞くそのような話では収まらないところに追い込まれているようなのです。

すでに欧米を中心にして「消費者大臣国際会議」というのが機能しているのだそうで、日本には消費者庁がないから、会議に参加できない情報も入ってこない、という状況になりつつあるとのことです。

これでは、貿易立国が成り立たないわけで、なんとしてでも消費者庁は必要だと、ということになって、どっちかというと生産第一の政府与党が旗を振って、野党がそれに応じているという図式で、消費者庁の設置に動いているということのようです。

急速に動き出したのは、福田首相の置き土産でありました。

漠然と消費者庁といったものをイメージしたのは、SFで読んだのが最初だろうと思いますが、具体的にイメージできたのは堺屋太一氏の短編小説に「役所の方向を逆にしたら」というテーマのものがあって、生産と消費、需要と供給といった組合せで見たときに、役所のやるべき事がどちらを向いても役所は成り立つといった趣旨の話を読んだときです。

例えば、工業製品について役所は作る側の立場に立とうが、消費する側の立場に立とうが、本質的な立ち位置は生産と消費の間にあることに変わりはない、あえて言えば「どちらに向いているのか?」ぐらいの違いしかない。

しかし、一旦事が起きるとどちらを向いているのか?は大きな問題になります。それが、今回の千葉県の対応に良く現れています。

偽装をしていたという証拠がなかったので指導にとどめた
これはそっくりそのまま「企業が偽装でないことを証明できないから差し止めた」と置き換えることが出来ます。

ではこれを、当事者同士で争えば良い、行政は関知しないとするとどういう事になるのか?

この場合、食材の原産地表示の偽装ですから、一般消費者向けであって、ここの消費者にとっては、損害額としては10円とか100円といったところになるでしょう。
これでは裁判を起こすことは出来ません。

消費者庁設置の考え方には、消費者行政として、ここの消費者に代わって訴訟を提起できる「父権訴訟」というのも想定されています。

紀藤弁護士が、参考人として強調していたことに「犯罪収益の没収」がありました。
これは、現状では詐欺で有罪になっても、被害金額を取り戻すための手数が大きすぎて、被害者が結果的に放棄してしまうから、懲役の期間にも隠しおおせれば「その方が割がよい」と犯罪を繰り返す、ということだそうです。

これは、犯罪以外でも行政処分が軽いから、法律違反を起こすといったことにも現れています。
例えは談合事件などですね。普通に考えると、談合がばれたら会社が潰れる、なればやりませんよ。

こんな事を考えてみると、たまたまとは言え、よくもまあここまで業界よりの消費者行政をやっているものだ、と記録しておこうという意味で書きました。

4月 3, 2009 at 11:08 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (6) | トラックバック (0)

P3Cをソマリア海賊対策のために、ジブチに派遣

朝日新聞より「P3C、ジブチに派遣へ ソマリア海賊対策

防衛省は3日、ソマリア沖・アデン湾の海賊対策で、来月にもP3C哨戒機2機を派遣することを決めた。

P3Cはアフリカのジブチ共和国を拠点とする計画で、中曽根外相は同日午後、ジブチのユスフ外務・国際協力相と、現地での自衛隊員の法的立場を保証するための地位協定に署名する。

訓練などを除き、P3Cが実際の任務で海外に派遣されるのは初めて。防衛省は、整備などを担当する部隊を含めて100人前後の海自隊員をジブチに駐留させる予定だ。

署名に先立ち、浜田防衛相は同日午前、ユスフ氏と会談し、協力を要請した。

地位協定は、P3C派遣のために駐留する海自部隊のほか、補給のために寄港する護衛艦の乗組員などに適用される。

P3Cは広い海域で海賊を警戒・監視することができる。海賊の位置や針路など、P3Cのレーダーで得た情報を護衛艦や各国軍艦に伝えることを想定している。

これだと妙にあっさりしている記事ですが、NHKニュースには「海賊対策 ジブチと協力を確認」として動画ニュースがあります。

浜田防衛大臣はジブチのユスフ外相と会談し、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊の護衛艦がジブチの港を利用することなどに謝意を示すとともに、引き続き協力を強化していくことを確認しました。

この中で浜田防衛大臣は、海賊対策に取り組む海上自衛隊の護衛艦が4日、ジブチ港に入港することについて「日本の護衛艦を受け入れてくれ、感謝したい」と述べました。
そのうえで浜田大臣は、近くより広い海域を監視する能力がある海上自衛隊のP3C哨戒機を派遣する意向を伝え、空港の利用などさらなる協力を要請しました。

これに対し、ジブチのユスフ外相は「日本の海賊対策はたいへん効果的であり、受け入れに万全を期したい。
日本のこれまでの経済支援に対し、こういう形でお返しができてうれしい」と述べ、海賊対策をめぐり、日本とジブチが引き続き協力を強化していくことを確認しました。

ソマリア沖の海賊対策をめぐっては、護衛艦2隻がすでに現場海域に到着し、先月30日から日本の海運会社が運航する貨物船を護衛するなど、任務を本格的に開始しています。

ジブチと哨戒予定のアデン湾はこんなところです。白い線が600海里(1100キロ)に相当します。P3Cが活動するのにちょうど良い範囲と言えますね。

Photo

朝雲ニュースより「どう取り組む 海賊対策<上>まずP3Cで哨戒 艦艇より負担少ない 米欧とも協力

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として、海自部隊派遣の公算が強まってきた。しかし、現行法下の派遣では日本船籍以外の船舶は保護できないなど、大きな制約が課せられることになる。新法の整備を待てないとしたら、どのような対応がベターか。海賊問題に詳しい海洋政策研究財団政策研究グループの専門家に、海自部隊が派遣された場合の課題や問題点などについて聞いた。

アジアと欧州を結ぶ海上交通路の要衝に位置する“アフリカの角”ソマリア。長く続く内戦で無政府状態にある同国では、貧しい漁民は海賊行為に走り、近年は武力集団が組織的に大型船舶を襲撃して積荷を奪い、乗組員を人質にして身代金を取るなど、海の犯罪がエスカレートしている。

こうした事態に対し、NATO、EU(欧州連合)、インド、ロシアなどは現地に海軍艦艇を派遣して海賊の取り締まりに乗り出し、中国やイランなども次々と艦艇を派遣、ソマリア沖ではこれまでにない多国籍海軍による海賊掃討作戦が展開されている。

アデン湾では昨年、日本の関係船舶が襲われる事件も5件発生し、日本船主協会は政府に海自艦艇の即時派遣を求めるなど、国内外で日本部隊派遣の声が高まっている。

だが、海自が現地で警察行動を行うには新法の整備が必要で、現行法の「海上警備行動」で送り出した場合は日本船籍の船しか守ることができず、各国と協調した海賊取り締まりは難しい。

では、現段階で海自はなんら期待に応えることはできないのか。これについて海洋政策研究財団の主任研究員を務める海自OBの秋元一峰氏(元海将補)は、「まずP3C哨戒機による情報収集活動が効果的ではないか」と提言する。「空からパトロールするP3Cなら海賊と交戦する危険性は少なく、海警行動で今すぐにでも出せる。固定翼哨戒機を出している国は少ないため、ニーズは高い。海自P3Cが哨戒活動で得た情報を各国海軍に随時提供できるようなシステムを作れば、海自の活動を大きく世界にアピールできるだろう。ただ、P3Cは海賊船からの不意のロケット弾攻撃などに対して脆弱な面がある。これには注意が必要だ」と話す。

現在、アデン湾に固定翼哨戒機を飛ばしているのはフランスとスペインのみ。
これにアルカイダの武器密輸などを監視している米軍機が哨戒飛行しているだけで、海自が加わる余地は十分にある。
これら哨戒機はソマリアの隣、ジブチ共和国の仏・米軍基地から飛んでいる。アデン湾のシーレーンは東西約1000キロで、1日1回、P3Cが往復すれば、継続的に海賊船の動向を探ることが可能だ。

海自P3C部隊の拠点として想定できるのはジブチの米軍基地。ジブチは旧宗主国のフランスと関係が深く、1977年の独立後、現在も仏軍が駐留。
01年の米国同時多発テロ以降は米軍も駐留し、首都ジブチ市の国際空港に近いキャンプ・ルモニエに部隊を配置している。日本はフランスに次ぐ主要援助国としてジブチとの関係も深い。

このためジブチ政府と米、仏両国の協力が得られれば海自P3Cをジブチの米軍基地に展開できる可能性は大きい。ルモニエ基地は航空機の整備・補給施設はもちろん、駐留隊員の生活設備なども整っている。

P3C部隊を派遣する場合の規模は、空自がクウェートに展開した際の派遣規模が参考となる。空自はクウェートのアリ・アルサレム空軍基地にC130H輸送機3機と人員約200人を展開させ、クウェート軍の施設を借り受けて約5年間にわたりイラクへの輸送任務を続けた。同様にジブチの米軍施設が利用できれば、そこを拠点に哨戒任務を行うことができる。

P3C1機を毎日飛ばすと、予備機を入れ3機が必要となる。ただし飛行中に海賊船団を発見し、これを継続して追尾するにはこの機数では足りない。P3Cの航続時間は約10時間で、連続して追跡するには常時、交代機をスタンバイさせておくことが必要になる。このため、最低でも4機が必要となろう。

P3Cを4機派遣する場合の人員は、司令部要員、搭乗員、整備・補給要員、後方支援要員などを含めて約200人程度。艦艇なら1隻で200人、2隻だと500人近くになるため、インド洋補給支援などの任務で艦艇・人員の不足に悩む海自にとっては航空部隊の方が負担は小さい。

P3Cを運用するには、飛行中のアクシデントも考慮しておかねばならないため、ジブチのほか、アデン湾沿いのイエメンやオマーンなど沿岸国の飛行場も緊急時に着陸できるようにしておくことが必要になる。

海自P3C部隊はこれまで海外の平和維持活動に参加した経験はないが、米本土やオーストラリアなどには頻繁に展開して訓練を実施しており、隊員は海外派遣には慣れている。しっかりした飛行場設備と本国からの後方支援が得られれば、P3C運用に大きな支障はないとみられている。

一方、海自艦艇がソマリア沖に派遣された場合も、仏軍が管理するジブチの港湾施設を利用することになりそうだ。ジブチ港はNATOやEU艦艇の補給場所ともなっており、ここに拠点を置けば各国海軍との情報交換にも都合がいい。

ただし、ジブチに日本大使館はなく、今のところ現地で外務省の直接的な支援は得られない。海自部隊が同国に展開する場合は、日本政府の何らかの外交的な支援拠点を現地に設けることが必要だ。

この記事に出てくる、ジブチの米軍基地とは Google Earth で見ることが出来るジブチ国際空港を併用している基地を指すのでしょう。
この基地には、P3C、C130がはっきりと見えますが、かなり狭いです。
そもそも空港としても小さい。滑走路は3000メートルが1本ですね。
ほぼ厚木基地程度の広さのようですが、そこに国際空港があるのですから、やはり相当狭いと言うべきでしょう。

4月 3, 2009 at 04:45 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.02.16

続・ソマリアにP3Cを派遣するべし

サンケイ新聞より「護衛艦2隻がセットで護送、4日に1度で護送漏れも ソマリア海賊対策

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、防衛省が検討している海上自衛隊の活動概要が15日、明らかになった。

商船の護送方法は、日本から派遣する護衛艦2隻が商船を前方と後方から護送し、護衛艦搭載のSH60哨戒ヘリ1機が上空から周辺海域の監視にあたる。
防衛省は、全長約900キロのアデン湾の航行に片道2日かかると試算しており、商船の護送は最多でも4日に1回のペースに限定されることになる。

防衛省は、自衛隊法82条の海上警備行動に基づき、3月上旬に海自第4護衛隊群(呉基地)所属の護衛艦「さざなみ」(4650トン)、「さみだれ」(4550トン)の2隻を派遣する方針だ。
2隻は格納庫を使用すれば哨戒ヘリ各2機を搭載可能だが、海自特殊部隊「特別警備隊」が使う特殊ボートの収容で格納庫の活用が不可能なため、各1機の搭載にとどめる。

海警行動では武器使用が正当防衛、緊急避難に限定される。このため、当面の派遣では海賊船が商船団に近づく前に発見し、進路を変えるなどの回避行動をいかに早く取るかが焦点となる。

護衛艦の水上レーダーの監視範囲は十数キロにすぎず、「飛行高度によっては300キロ先まで監視が可能」(海自筋)とされるSH60哨戒ヘリが重要な役割を担うことになる。

哨戒ヘリには、7・62ミリ機関銃を積み込む。海賊船が停船命令などに応じない場合、船団からできるだけ離れた海域で警告射撃などにより接近をくい止める任務も担う予定だ。

防衛省幹部は、哨戒ヘリについて「故障した場合や他国艦船への緊急通報に備え、バックアップを含め2機が必要」としており、護衛艦2隻をセットで運用する判断を固めている。

アデン湾を通航する日本関係船舶は1日6隻程度だが、2隻セットによる護送だと4日に1回程度の護送しかできず、「護送を受けられない商船がかなり出てくる」(自民党議員)との危(き)惧(ぐ)が出ている。
また、防衛省は護衛艦の燃料補給のため、2往復ごとにジブチに寄港させる必要があるとみており、給油による任務中断を含めると護送は1週間に1回ほどのペースに落ちる可能性もある。

ただ、「海賊船の警戒監視をP3C哨戒機に任せれば護衛艦1隻での護送も可能」(海自筋)とされるため、防衛省は護衛艦派遣の数カ月後になるとみられるP3Cの派遣後、護送方法に関する運用の見直しを図る考えだ。

誰が考えても当たり前のことで、なるべく早くP3Cの派遣を実現するしか手がないでしょう。
単なる国際的なシンボルとして「軍艦を派遣しました」という事にするのなら、韓国や中国のように大々的に宣伝しつつ「とりあえず送り出す」という選択でよいと考えますが、こんなに時間を掛けてしまっては「効果あり」とされる方法でないと、意味がないでしょう。

さらに、一過性ではなくて継続的に安全確保に結びつけるのにはどうするか?という難しい問題も出てきます。
どうも、政府のセンスが悪いところが現れている、としか思えません。

2月 16, 2009 at 09:02 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.01.29

ソマリアにP3Cを派遣するべし

東京新聞より「ソマリアへP3Cも派遣検討 特殊部隊は警告射撃まで

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策について、浜田靖一防衛相から28日、準備指示を受けた海上自衛隊の検討状況が判明した。アデン湾沿岸のジブチに拠点を設け、護衛艦2隻を派遣、P3C哨戒機3機の派遣も検討する。

護衛艦に乗り込む特殊部隊「特別警備隊」は警告射撃は行うが、乗っ取られた船舶の解放は日本政府による交渉に委ねる方針だ。

派遣根拠の海上警備行動で守ることのできる日本関係のうち、アデン湾を航行する船舶は年間約2千隻。2隻の護衛艦がエスコート方式で護衛する。海賊が出没するアデン湾を含む東西に長い約1200キロメートルの航路通過に一日半かかり、警護対象は10隻前後の大船団になる見通し。

船団を2列にすれば先頭から最後尾まで見通せるが、海賊が利用する高速ボートなど小型の船舶は肉眼では見えにくい。護衛艦の水上レーダーが海賊監視の重要な目となる。護衛艦搭載の対潜ヘリコプターによる定期的な監視も実施する。

特別警備隊は護衛艦に乗り込み、高速ボートやヘリで海賊船に近づき、警告した後、水面への警告射撃と船体射撃を行うことまでは想定している。

だが、乗っ取られた船舶に対する武器使用は(1)人質の船員が犠牲になる可能性がある(2)過剰防衛になるおそれがある(3)海賊を逮捕しても身柄の取り扱いが困難-などの理由から、日本政府に交渉を任せる方針でいる。

P3C哨戒機の活用は、防衛省が「護衛艦派遣より現実的」として以前から検討していた。
既に米、独、仏、スペインが哨戒機を派遣している。基地を提供するジブチ政府と地位協定を締結する必要があり、護衛艦派遣より遅れる可能性がある。
派遣は乗員、整備員、後方支援要員など約200人を見込んでいる。

自衛艦に警備隊員を乗せて・・・・というのは、格好はよいかもしれないけど、効果がないでしょう。

P3Cで常時哨戒する方がよほど効果的ではないかと思います。
それには3機では足りないでしょう。さらには、長期的には海上保安庁の管轄範囲になるのではないか思うので、海上保安庁機も出す、というのは出来ないものでしょうかねぇ?

1月 29, 2009 at 11:59 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.01.06

行政関係のニュース

朝日新聞より「消費者情報ネット、設置進まず 昨春時点で26%」
読売新聞より「被害者両親、公判参加へ」

一応行政上の動きについてのニュースです。

PIO―NET(パイオネット)

てっきり「ピオネット」だと思っていました。
だいぶ前の事になりますが、消費者センターをかなり減らしたことがあります。
その時も、現在も「人手不足」なんですよね。消費者庁作り情報一元化をするのは結構なことですが、以前から「人手が足りないぞ」と言われていました。
それが露わになったと言うことでしょう。

09年度に消費者庁がスタートしても半分ぐらいが情報共有化出来るということでしょうか?
最近では、大規模消費者被害は都市部よりも田舎で起こりがちなんですよね。
それに根本的な原因が「人手不足」では、予算を付けて頭数を合わせてもうまく動かない可能性もありますね。

被害者参加制度

わたしは、この制度には反対なのです。

今回、神奈川県内初の被害者参加裁判だそうですが、そもそもこういう報道になるところから問題であるという指摘がありました。
どういうメリットがあるのだか分かりません。

朝日新聞より 消費者情報ネット、設置進まず 昨春時点で26%

消費者被害の情報を共有して対策に生かすため、各地の消費生活センターなどをオンラインで結ぶ「PIO―NET(パイオネット)」の設置が遅れている。

センターなどを通じて消費生活相談事業を行う1276市区町村のうち、昨春時点で26%にとどまることが全国消費者団体連絡会の調査でわかった。

政府は09年度に新設予定の消費者庁の目的に「情報の一元的集約と調査・分析」を掲げる。

パイオネットはその柱。消費生活センターや、センターを持てずに役所で相談を行う自治体などと同庁を結ぶが、整備の遅れで情報一元化の前提が崩れかねない。

08年夏、都道府県を通じて4月時点の市区町村の状況を聞いた。設置は335市区町村。小規模町村など相談事業をしていない分を含む1812市区町村全体(当時)でみると、18%にしかならない。

政府は市区町村に相談事業を促すとともに、できるだけ多くでパイオネットを設置してもらいたい考え。
09年度予算を前倒しして08年度1次、2次補正予算に約14億円を計上し、希望する500市区町村に置く計画だ。
だが、その通り進んでも来春で835市区町村にとどまる。

しかも計画に及ばない可能性が高い。
国は端末代や回線整備費は負担するが、データの入力や活用には相談員が必要。
その費用は市区町村などが負担する。
全国消費生活相談員協会は「多くの自治体では入力・検索要員を雇う予算がないのでは」とみる。

政府は整備の遅れを認め、「週4日以上消費者相談をしている」という設置条件を最近緩和。
今後3年以内に週4日以上相談日を開く予定があるなら認めることにした。
(斎藤智子)

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読売新聞より 被害者両親、公判参加へ

自動車運転過失傷害 県内初、地裁小田原支部で

昨年12月から始まった刑事裁判への被害者参加制度に基づき、横浜地裁小田原支部は、2007年10月に二宮町で少年2人に重傷を負わせたとして、自動車運転過失傷害罪に問われた同町のタクシー運転手(61)の公判で、少年1人の両親の参加を認める決定をした。
決定は昨年12月26日付。最高裁によると、同制度の適用は県内では初めて。初公判は2月5日に開かれる。

少年側の弁護士らによると、タクシー運転手は07年10月21日夕、軽トラックを運転して同町二宮の県道交差点を右折する際、安全確認を怠って、2人乗りのバイクと衝突。
運転していた同町の無職少年(19)と同乗の少年(19)に重傷を負わせたとして、昨年12月11日に在宅起訴された。

審理に加わるのは、運転していた少年の両親。
少年は現在も意識不明の状態という。母親は「今までのように、被害者が心境を読み上げるだけでは、悲しみは伝わらない。法廷で被害者が直接質問することで、被告が深く反省し、交通事故の歯止めにもつながると思う」と話した。

同制度は、殺人、傷害、自動車運転過失致死傷罪などが対象で、昨年12月1日以降に起訴された事件から適用される。
公判に参加した被害者やその家族は、被告への質問だけでなく、検察側の求刑に対して意見を述べることもできる。
(2009年1月6日 読売新聞)

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1月 6, 2009 at 11:38 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.25

海上自衛隊をめぐるニュース

「ソマリア沖の海賊対策」

海上警備行動を発令して、護衛艦を派遣する方針を決めた。というのはちょっと驚きです。
記事中にもあるように、海賊対策の実が上がるのか?という問題であって、単に護衛艦を送れば何とかなるとは言えません。

わたしから見ますと、中国・韓国も軍艦を派遣するとしていますが、海賊に軍艦を派遣して何とかなるものなのでしょうか?ということもあります。

さらに本質的には警察活動ですから、コーストガード(海上保安庁)の方が得意な分野でしょう。

確かに現在の、国会が「政治抗争最優先」としている状況では、国会決議ですら得ることも難しいでしょう。実施を最優先とするために、このようなことになったのは分かりますが、実際面としてはやはり「護衛艦を派遣して何になるのでしょうか?」です。

効果としては、P3Cの派遣の方が効き目はあるかもしれませんが、結局は「派遣した」という名目だけでもあれば良いというのが、政府の方針なのでしょう。

「海自の不祥事対策」

ソマリア沖派遣が決まるという一方で、海自の不祥事対策を「抜本的改革委員会」が発表したという記事ですが、人員不足は世界中の海軍で問題になっていることでもあり、充足できるとも言いがたいでしょう。

経済政策としては、現在のような不況期には軍が雇用の受け皿になるのは当たり前のことなのですが、そういう機動的な対応も簡単ではないでしょう。

現代社会一般に言えることだと感じるのですが、省人化することによって社会全体も個々の職場や企業も応用力というか柔軟性を失ってきている、と感じます。
これは、進学や就職といったところにも及んでいて、新卒学生に即戦力を求めるという、無理なことになってきています。
投資効率とか、投資の回転率といったことが重要視されているのでしょうが、結果として「今、必要な事しかやらない」社会になってきているのでしょう。
そのために「予定外のことには極めて弱い日本」となりつつあるのだと感じます。

海自:ソマリア沖に護衛艦派遣へ 海賊対策で政府検討

政府は24日、アフリカ・ソマリア周辺海域の海賊対策のため、自衛隊法に基づく海上警備行動を発令し、海上自衛隊の護衛艦を現地に派遣する方針を固めた。

周辺海域を通航する日本船籍の民間船舶などを護衛することで、海賊行為を抑止する。
活動内容の最終調整を進めており、麻生太郎首相が年内に表明することも検討している。

ソマリア沖で海賊による誘拐事件などが多発していることを受け、政府・与党は、自衛隊の派遣を検討してきた。

海賊対策のための新法制定も検討しているが、ねじれ国会で早期に法案を成立させるのは事実上、困難。
各国が軍艦派遣を決めて海賊対策に乗り出すなか、日本も海上警備行動で実施可能な対策を先行させる必要があると判断した。

派遣される自衛隊の護衛艦は、海賊事件が多発するソマリア沿岸のアデン湾などを航行する日本船籍のタンカーなどを護衛する。
新テロ対策特別措置法により派遣されている護衛艦や補給艦とも活動海域が重なるため、活動の連携も検討している。

ただ、海上警備行動では、国内法が適用できない外国船籍の護衛は困難。
武器の使用権限も限られており、逃走する海賊船に向け発砲し、強制的に停船させることも不可能だ。

海自のP3C哨戒機による空からの警戒活動にもニーズがあるが、陸上の基地を使用するための地位協定の締結が受け入れ国との間に必要となる。
関係国との調整が付けば、派遣を別途、検討する。

国際海事局によると周辺海域での08年の海賊被害は11月19日現在で94件。

同月14日には、日本人船員を含む24人が乗った中国のマグロ漁船が乗っ取られるなど日本人が巻き込まれる事件も発生している。【古本陽荘】

◇新法より早期行動

海賊による事件が多発するアフリカ・ソマリア周辺海域への海上自衛隊派遣にあたり、政府が新法ではなく、海上警備行動を発令する方針を固めたのは、早期派遣のために現実的と判断したためだ。ただ、武器の使用などで他国の軍隊に比べ自衛隊に可能な活動は限定的。
現地で関係国とあつれきが生じる可能性もはらんでいる。

24日の閣僚懇談会。ソマリア沖の海賊対策が話題になった。

金子一義国土交通相が「早急に対応する必要がある」と指摘。
河村建夫官房長官も「政府全体として早急に検討し、万全を期す必要がある」と語った。

閣僚懇談会でのやりとりは伏せられるのが通例だが、
河村氏は記者会見で「海賊対策を早期に検討」と自ら発言したことを公表。
中国が軍艦派遣を表明するなど各国が海賊対策に本腰を入れるなか、石油などを中東に依存する日本が参加しなければ「ただ乗り」批判を浴びかねないという懸念もあり、自衛隊派遣に向けた政府の焦りを象徴する河村氏の異例の発言公表だった。

ねじれ国会の下、憲法論議にも発展しかねない新法制定は極めて困難。

そのため選択された海上警備行動の発令だが、これに基づき自衛艦が護衛できるのは、国内法の適用を受ける日本船籍か、他国船籍でも日本人が乗船している場合などに限られる。
他国の民間船舶が海賊に襲撃され、現場に向かうよう関係国から求められた場合、対応に苦慮することが想定される。

また、自船や護衛している船舶を守るための武器の使用は許されるが、逃走する不審船がたまたま自衛艦の付近を航行しても、武器を使って強制的に停船させることは困難だ。
仮に海賊を捕まえた場合に日本で裁判にかけるかなども問題となりそうだ。

一方で政府は、海上警備行動での派遣は、海賊活動という犯罪行為を取り締まるための任務であるため、武力行使そのものについて憲法解釈が問題になることはないと解釈している。【古本陽荘】

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海自の不祥事「心の問題」が要因 改革委が対策の指針

イージス艦衝突事故など続発する不祥事を受けて設置された海上自衛隊の「抜本的改革委員会」が24日、規律の緩みや倫理観の低下など「心の問題」を不祥事の要因と位置付け、根底には冷戦後の任務の増大、多様化に、隊員も組織も対応できていない現状があるとする「改革の指針」をまとめた。

「働く自衛隊」への急激な変容がもたらしたひずみを認めた格好だが、海自内部でまとめただけに、改革の柱に人員不足の解消や業務削減を据えるなど“身内びいき”な側面もあり、組織の病理解明と不祥事根絶への実効性を疑問視する声も上がりそうだ。

指針は一連の不祥事の要因を、法令・規則の軽視、規律の緩み、組織への帰属意識の低下など隊員の「心の問題」と分析。
冷戦後、工作船対処や弾道ミサイル監視、海外派遣など任務が増大、多様化する中で人員不足が浮かび上がったが解決されず、隊員の目的意識やプロ意識が希薄化したことなどが「不祥事の底流」にあると指摘した。

特に指針は、海自の中核である艦艇部隊に不祥事が集中している点を重視。人員不足で隊員の負荷が過剰になり「組織としての注意力やチェック機能が低下する弊害をもたらした」としている。

その上で改革の基本方針を「物(艦艇などの装備)先行型から人・物均衡型への転換」とし、具体策として

  1. 2014年度を目標に護衛艦乗組員の充足率を90%以上にする
  2. 業務の削減と効率化
  3. 女性自衛官の採用、登用拡大
  4. 入隊時教育、中堅隊員の教育、艦長養成課程の充実-などを挙げている。

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12月 25, 2008 at 09:38 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.29

開発指向の行き止まり

読売新聞より「企業団地 県公社が丸投げ案

中井町も支援に難色

県住宅供給公社が中井町で計画中の企業団地建設事業について、民間の開発業者に事業を外部委託する方針であることがわかった。

2005年から進出企業を募集しているが、応募企業がゼロのまま“塩漬け”状態。民営化を控えた公社側に追加支出などの余裕はなく、造成費捻出(ねんしゅつ)のため、新たな財政支援を同町に要請。

町側は難色を示しており、多額の公費を投じた事業完成の見通しは開けていない。(住友堅一)

この問題は、1991年のオレンジ輸入自由化を受け、廃園となった同町井ノ口のミカン園の跡地利用を検討する中で、東名高速秦野中井インターから約2キロと立地の良さを生かした企業団地建設が考案された。

公社は同年以降、ミカン園と周辺の予定地32ヘクタールのうち、約9割を買収したが、予定地内に点在する7人の地権者が、買収に応じなかった。同公社は01年、未買収地を含めた土地区画整理を実施して用地造成を行う方針に切り替えたが、各地権者が少しずつ土地を拠出する「減歩」割合を巡って折り合いが付かず、区画整理も頓挫したままだ。

同公社は05年、この状況を打開するため、進出企業の募集を先行開始。同公社は、「進出企業が、区画整理の解決策を持ち込んでくれないか期待した」としているが、問い合わせしてきた企業も、区画整理や土地造成に5年以上かかることを知らされた途端、検討を取りやめたという。

さらに、ここにきて、県の外郭団体の整理縮小のため、公社の民営化が浮上。公社全体の事業を縮小するため、公社は手間のかかる区画整理を始め、用地造成、進出企業の募集、用地売却までを民間のデベロッパーに一括して発注する方針を今夏、同町に伝えた。

だが、計画当初と比べ地価は約半分に下落。土地売却代で賄うはずだった造成費用を捻出できない可能性が高まっている。

そこで、造成費の足りない分を町の補助金で穴埋めできないか打診したが、同町は「企業団地はもともと、公社が自前で開発する計画だった。財政難の折、町が新たな財政負担をするのは厳しい」と否定的だ。

これまでに支出した土地買収費などについて、公社は「区画整理事業に影響があり、公表できない」としているが、金融機関からの借り入れ利息がかさんでおり、事業が進展しなければ、年間数十万円という固定資産税とともに支払い続けることになる。

県西地区開発事務所の長嶋慎一所長は、「予定地はインターに近く、需要は高いはず。地価が下落している中で、見通しは決して明るくないが、粛々と進めるしかない」と話している。

昔からよく知っているところで、こんな事が起きているとは知りませんでした。
記事を丁寧に読まないといきさつが分かりませんが、こんな事のようです。

1991年ミカン園の跡地を企業団地建設を計画
9割を買収したが、1割は買収に応じず
2001年未買収地を含め土地区画整理によって造成を行う方針に切り替え
地権者が区画整理にも応じず
2005年進出企業の募集を先行開始
企業の問い合わせはあったが、区画整理や土地造成に5年以上かかると知らされ企業は撤退
県の外郭団体の整理縮小のため、公社の民営化が浮上
2008年区画整理、用地造成、企業の募集、用地売却まで、一括して民間のデベロッパーに発注を企画
地価は約半分に下落。土地売却代では造成費用を捻出できない
造成費の足りない分を中井町の補助金で穴埋めできないか打診
中井町は「企業団地はもともと、公社が自前で開発する計画。町の新たな財政負担は無理」と否定的

Up

中井町井ノ口は東名の秦野中井インターの南東に位置していますが、インターの南西側にはすでに工業団地があります。
けっこうな大企業があるのですが、いまだに空き地があります。

いわば商品が余っている市場にさらに品物を持ちこもうと言うほど意味になるわけで、県住宅供給公社の都合だけでこの十年以上やってきて、最後に中井町に押しつけて逃げてしまおう、というほどの意味しかないでしょう。

11月 29, 2008 at 09:47 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.26

公が私にすり寄っているのではないのか?

読売新聞より「無期囚の仮釈放、遺族らが意見…法務省が聴取を義務付けへ

法務省は25日、無期懲役の判決を受けて刑務所に服役している受刑者(無期懲役囚)を仮釈放する際は、被害者や遺族の意見を聴くことを義務づける方針を固めた。

刑事裁判に被害者らが参加し、被告人質問などを行える「被害者参加制度」が12月から始まることにあわせ、仮釈放でも被害者重視の姿勢を示すことが狙いだ。年度内にも関係省令を改正する。

無期懲役は10年以上の服役で仮釈放が可能となる。仮釈放は刑事施設長が申請し、地方更生保護委員会が法務省令に従って

  • 〈1〉更生の意欲がある
  • 〈2〉再犯の恐れがない

などの観点から許可・不許可を決める。現在でも被害者らから意見を聴取できるが、今後は意見聴取を義務づける。
同委員会は、被害者らの意見を、仮釈放の許可・不許可決定の参考にする。

また、法務省は無期懲役囚の仮釈放申請について、許可・不許可すべてのケースについて入所期間などを公表する方針だ。
これまでは許可された場合のみ件数などを年間統計で公表してきたが、今後は、不許可の場合も公表することで、運用の透明化を図る。

被害者や遺族の意見を聴くことを義務づける
というのがどの程度の運用になるのか分かりませんが、必ずしも意見を聴くことができない場合もあるでしょうし、場合によっては聴く相手(遺族など)と服役者との関係が問題になる場合もあるでしょう。

  1. 聴くべきだ
  2. 聴いても聴かなくても、大勢に影響しない
  3. 聴くべきではない

ぐらいに分かれることは当然で、もちろん全く遺族や被害者が居ない場合もあるのですから、法的に義務づけることが良いのか問題になるでしょう。

わたしは被害者参加制度に反対です。
同じくこの「意見聴取の義務づけ」にも反対します。

11月 26, 2008 at 08:46 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.11.23

人口減社会への対応

朝日新聞より「道路建設計画作りの中心データを下方修正 国交省

国土交通省が、道路整備計画作りのもととなる中心データを「下方修正」する。

今後の交通量見通しでは、2020年ごろまで増え続けるとしていた従来予測を改め、おおむね横ばいから減少に向かうとする。

道路がもたらす時間短縮などの経済効果見積もりも引き下げる。

「道路整備に関する見通しは過大」との批判を踏まえた方針転換で、計画中の道路の選別と見直しにつながるのは必至だ。

交通量の見通しを示すのは「交通需要予測」で、全国の車の台数と走行距離を掛け合わせた数値(単位は台キロ)で示す。

02年の前回予測では、今後も増え続け、2020年から2030年にかけてピークを迎えるとしていた。

今回の予測では、07年度に初めて減少に転じた自動車の保有台数を厳しく見通し、高齢者の免許返納率の上昇、ガソリン価格の変動も加味。数種類の見通しを示すが、全体として「横ばいから減少」という方向を示す。

最も多いケースでも20年時点で06年比微増にとどまり、最も少ないケースでは既に減少に転じているとした。

02年の予測では、人口は05年から減り始めるものの、女性や高齢者のドライバーが増えると指摘。

昨年末にまとめた道路整備中期計画では、この予測をもとに「10年間で最大59兆円の道路整備」を盛り込んだ。
ところが、実績は06年時点で予測を5・8%も下回り、見通しの甘さが批判された。

一方、道路整備がもたらす経済効果の見積もりも改める。

「費用対効果」をはじく費用便益分析の指数の算定で、道路整備での移動時間短縮がもたらす利益をこれまでより1~2割引き下げるなど、根本的に見直す。
この結果、路線ごとに算出されている指数は、全体でこれまでより2割程度下がるという。

「無駄な道路」への投資に批判が絶えないなか、政府は「必要な道路建設は続ける」と反論してきた。
「必要な道路」を判断する際の中心データをそろって見直すことで、道路建設の判断基準が厳しくなるのは必至。
交通量が増え続ける前提で進められてきた高速道路整備や借金返済計画に大きな影響を与えそうだ。
(座小田英史)

もうすでに、新たな道路が出来ると、既存の道路の利用者が移動してしまうという現象になっていて、増やすではなくて、作り直すの方が適切になっているでしょう。

自治体がぶち上げるニュータウン構想といったものも、よくよく聞くと「よその地域のユーザを奪う」事でつじつまを合わせていたりします。

しかし、政治的には大きな方向転換で、国土交通省が打ち出した「将来予測」が政治的に受け入れられるものか?いささか以上に疑問があります。

11月 23, 2008 at 09:09 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.11.20

児童相談所をめぐる報道

神奈川新聞より「女児の虐待死/児童相談所など「軽いネグレクト」と判断/育児指導の最中、最悪の事態に

川崎市多摩区の自宅で三歳の女児が母親と交際相手の男に殴られ死亡した傷害致死事件は、市中央児童相談所(高津区)や女児が通う私立保育園などがネグレクト(子育ての怠慢)と判断して母親と女児を見守りながら、育児指導をしていた最中に起きた。周囲が問題を把握しながら、なぜ最悪の事態に至ったのか。自宅訪問など積極的な措置の必要性があらためて浮かび上がった。

女児が通う保育園は昨年八月、衣服が汚れていることなどに気付き同児童相談所に連絡。「軽度のネグレクト」と判断した児童相談所は、保育園と多摩区保健福祉センターを交えて協議し、母親や女児について情報共有することや育児指導することなどを決めた。

保育園と同センターは女児が死亡する直前の十一月初旬まで、母親が保育園に送り迎えしたり、生活保護費を受給したりするなどのために多摩区役所を訪れたりする際、家庭状況を確認するために面談などを行ってきた。児童相談所によると、その間、女児にあざができるなどの大きな異変はなく、虐待しているような様子は把握できなかったという。

しかし、関係者の証言をつなぎ合わせると、長女の変化が浮かび上がってくる。保育園は今年二月に長女の鼻の下が内出血しているのを確認。また、昨年八月からの約一カ月間と今年十月末から死亡するまでの間、長女は保育園を欠席していたという。

しかし、児童相談所などは「内出血は暴力によるものではない」という病院の診断や、「家族全員がかぜをひいたので(保育園を)休む」という女性の連絡を受け、自宅訪問などの積極的な措置は取らなかった。児童相談所は「軽いネグレクトだと判断していたので、見守りながら育児指導し徐々に改善しようという方針だった」と説明している。

児童虐待の問題に詳しい特定非営利活動法人(NPO法人)「子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク」の山田不二子理事長は「母子家庭に男性が加わると、子供がなつかないために男性が暴力を振るうことは珍しくない。生活保護や若年出産などの状況を考えると虐待が起きてもおかしくない」と指摘。「ネグレクトから暴力につながるケースは多いので、少しでも異変を感じたら専門家が自宅訪問して様子を見に行くべきだ」と注文する。

児童相談所は「最善の対応を取ってきたつもりだが、今ではもっとやるべきことがあったと考えている。同じことを繰り返さないために課題を検証し改善したい」と話している。

京都新聞より「乳児遺体遺棄、再発防止へ 事件受け、京都市検証委が初会合

生後約1カ月の乳児の遺体を遺棄したとして、11月1日に京都市中京区の両親が逮捕された事件で、京都市は19日、再発防止策を検討する「市乳児遺体遺棄事件検証委員会」を設置し、初会合を開いた。年内に報告書をまとめ、門川大作市長に提出する。

市児童相談所は、今年4月に乳児が生まれた病院から「母親の言動が不安定」という趣旨の通告を受けていたが、両親や乳児に会うことができず、立ち入りまで半年を要した。

検証委は、同志社女子大の宮本義信教授を委員長に、精神科医や民生児童委員ら計6人で構成。児童相談所と保健所の対応内容や時期、関係機関との連携の在り方に問題がなかったか検証する。

初会合は非公開で行われ、今井豊嗣子育て支援政策監が「再発防止に向け、取り組みを強化したい」とあいさつした後、市が事件の概要や市の虐待対応マニュアルについて説明した。

全く別の事件について、たまたま児童相談所の対応が問題になった記事が同時に出ていました。
児童相談所とは以下のものです。

児童福祉法 第11条〔都道府県の義務〕

都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
  • 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
  • 児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずること。
  • 児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。
  • 児童及びその保護者につき、ハの調査又は判定に基づいて必要な指導を行うこと。
  • 児童の一時保護を行うこと。

第12条〔児童相談所〕

  • 都道府県は、児童相談所を設置しなければならない。
第12条の4〔一時保護施設の設置〕
  • 児童相談所には、必要に応じ、児童を一時保護する施設を設けなければならない。

第33条〔一時保護〕

  • 児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置をとるに至るまで、児童に一時保護を加え、又は適当な者に委託して、一時保護を加えさせることができる。

第33条の6〔親権喪失宣告の請求〕

  • 児童又は児童以外の満二十歳に満たない者(次条及び第三十三条の八において「児童等」という。)の親権者が、その親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百三十四条の規定による親権喪失の宣告の請求は、同条に定める者のほか、児童相談所長も、これを行うことができる

児童相談所は、各都道府県にあり、児童の一時保護と、親権喪失請求ができる。
という極めて強力な法律です。
もちろんここまで強力な法律が必要な社会情勢であるのは、明らかですが同時に慎重な運用も必要であって、慎重でありすぎるから事件になった、というのが二つの新聞記事でしょう。

わたしが応援している、ホームオブハート裁判のきっかけとなった事件も児童虐待から一時保護でした。
児童相談所の仕組みなどについて、意外と知られていないと思うのです。

11月 20, 2008 at 08:34 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.27

派遣労働と厚労省

朝日新聞より「派遣の「常用型」化を努力義務化へ 厚労省方針

厚生労働省は26日、登録型派遣で1年以上働く労働者について、雇用期間の定めのない「常用型派遣」や正社員などに転換させることを、派遣元企業に努力義務として課す方針を固めた。秋の臨時国会に提出予定の労働者派遣法改正案に盛り込む方向で、28日開かれる審議会の部会で提示する。

厚労省は今回の法改正で、不安定雇用として批判の多い登録型派遣から、比較的雇用が安定している常用型派遣への移行を促す方向だ。ただ、罰則のない努力義務にとどまることから、労働者側からの反発も予想される。

26日明らかになった骨子案によると、派遣元は登録型派遣で働く人について、

  1. 常用型へ転換するか直接雇用する
  2. 常用型への転換を促すための教育訓練などを行う
  3. 派遣先に直接雇用される前提で一定期間働く「紹介予定派遣」に切り替える

のいずれかを実施することが求められる。

派遣労働には、派遣元が労働者と長期に雇用契約を結び、派遣先が見つからないときも給与を支払う「常用型」と、派遣元が仕事があるときだけ雇用契約を結んで派遣先に送る「登録型」がある。

登録型は3カ月程度の細切れ契約が多く、いつ契約を打ち切られるか分からない不安定雇用だとして、社民党や共産党、連合などが専門的な業務に限定すべきだと求めている。
厚労省の統計では、派遣労働者の7割の約230万人(06年度)が登録型だ。

一方の常用型は、雇用の安定度は比較的高いが、全体の6割弱が数カ月から3年の有期雇用というのが実態(04年)。このため厚労省は、特に「期間を定めない」常用型への移行を促すことで、雇用の安定を図りたい考えだ。(生田大介)

厚労省が意図的に示しているのだろうと思うのだけど、朝日新聞も署名記事でありながら問題が雇用の不安定にあると読める見解で良いのか?と思う。

派遣労働 → 不安定な雇用 → ・・・・・・ → 低賃金 → マイナス成長

これでは「風が吹けばおけ屋がもうかる」のような論理展開ではないのか?
問題が何で、問題を解決するために派遣労働をどうするべきか?という話になっているとは思えない。

実際に「派遣労働を禁止したらどうなるのか?」に対する答えとして、「長期間同じ職場に縛り付けられるのはイヤだという人がいる」、といった問答が必ず出てくる。

社会にとっての問題が、マイナス成長などだとするのであれば「低賃金労働」こそが問題だろう。
ところが日本経団連などは「低賃金であることが重要」と言っている。

(将来の)社会不安 ← マイナス成長 ← 低賃金 ← 派遣労働
であるのだとすれば、対策は簡単だ。

派遣労働=高賃金

にしてしまえばよい。正社員よりも短期雇用の派遣労働者の方が賃金コストが高いとなれば、企業は自然に正社員を増やして派遣労働を削減するだろう。

社会全体のマイナス成長が問題になっているが、個人で見れば生涯にわたって考えると、社会に出るまでの子どもから学生の期間は、受益者として勉強しているのだから、社会的にはマイナス成長でしょう。
それが社会に出ると一転して社会をプラス成長させる労働者になります。
その後、介護でも受けるような立場から亡くなるまでは、これは社会の世話になる、社会的にマイナス成長要素です。
では、ニート問題などはどう考えるのか?言うまでもなく親の世代の資産を食いつぶしているわけで、社会的にはプラス成長を促進しているとは言いがたい。

このニート状態を企業のあり方に置き換えると、派遣社員だから労賃が下がる、という経営論理の企業ではないのか?と以前から思っています。

労働コストを下げるとは、労賃と労働の質を比較して「労賃は大いに低いが、労働の質はさほど下がらない」といったところに価値があるのでしょう。

要するに「適当な質の労働をより安く買う」ということにほかならない。
では、その「適当な質の労働」を誰が作ったか?

その企業以外が作った「労働の質」だから、企業自身のコストにはならないわけです。
これはまるで親の資産を食いつぶしているニートではないのか?

大企業から青年までニート化しているのが日本の現代ということなのでしょうか?
厚労省の方針は政策ですらないですね。

8月 27, 2008 at 09:42 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.08.25

大分県教員採用試験問題

朝日新聞より「大分県教委、新たに不正確認 処分人数2ケタも

大分県教育委員会の汚職事件を受け、教員採用や昇任人事をめぐる不正の実態調査を進めている県教委の教育行政改革プロジェクトチーム(PT)は24日、職員の不正への関与を新たに確認したことを教育委員に報告し、職員本人や上司らの処分方針に関する複数の案を示した。

最も厳しい案の場合、処分される人数は2ケタに上るという。処分は月内にも行われる見通しだ。

この日、県庁であった教育委員の協議会で報告された。
協議会は非公開。関係者の話を総合すると、処分される人数は最も厳しい案の場合、事件で起訴され懲戒免職になった義務教育課参事2人と校長、教頭の4人を含めて2ケタになるという。

主に減給や戒告などの懲戒処分が検討されている。
職員が関与したとされる不正の具体的内容については、詳細は明らかにされなかったという。

この日の協議会では、事件の再発防止のための組織改革の一環として、来年度から教員出身の人事担当者を減らす方針も決まった。
麻生益直・教育委員長は取材に対し、代わりに教員以外の県教委職員や知事部局出身者を増やす考えを示した。

大分県教委では今年度、義務教育課人事・免許班に8人、高校教育課人事班に5人が配置されており、多くが教員出身という。
元参事も教員出身で、人事・免許班を総括していた。

これは不正人事に絡む汚職事件などの処分案なのでしょうね。
ということは、誰が考えても不正人事そのものには手が着いていない、と見るだろうし実際の教員が疑惑の目で見られることになるでしょう。

教員採用については、あっちこっちで「コネが絶対に必要」などと以前から言われていました。
大分県では、試験成績の改竄をしているのだからこの部分は人事の信用性を著