2008.04.07

海峡横断6事業棚上げ

日経新聞より「海峡横断6事業棚上げ、国交省方針

国土交通省は大規模な橋やトンネル工事を伴う道路計画「海峡横断プロジェクト」を棚上げする方針を固めた。

計画は神奈川県横須賀市と千葉県富津市を結ぶ「東京湾口道路」など6カ所。
道路建設への批判を受け、採算の見込めない大規模事業をようやく見直す。今後は「10年間で59兆円」という道路整備の中期計画の圧縮が焦点となる。

海峡横断プロジェクトは1998年に閣議決定し、建設を前提に調査してきた。中期計画には含まれない道路計画で、国交省は6カ所とも着工年度や完成年度、建設費など具体的な整備計画を公表していない。
これまで道路特定財源から68億円の調査費が費やされてきた。

6つの海峡横断プロジェクトとは

Up

だそうです。

東京新聞が特集記事「【道路を問う】」の第3部で「怪しい優先順位<中> 懲りない大橋の夢 海峡連結構想 採算遠く」にまとめ記事を書いています。

旧日本陸軍の要塞(ようさい)があった和歌山市の加太(かだ)岬。丘の上にある国民休暇村からは、二つの無人島を挟んで淡路島が見える。

「あそこから見ると近いでしょ。だから淡路島まで橋を架けられそうな気になるんだろうな」と地元の土産物店主(48)。

加太岬と淡路島・洲本市(兵庫県)を橋で結び、神戸淡路鳴門自動車道と接続する構想がある。地域高規格道路の候補路線、「紀淡連絡道路」だ。完成には、神戸淡路鳴門自動車道の明石海峡大橋(三千九百十一メートル)をしのぐ超・長大橋の建設が必要となる。

一九九八年の全国総合開発計画(五全総)に、紀淡連絡道路の名前が挙がった。加太の老舗ホテル従業員(56)は「確かにその前後は盛り上がってた。漁業権を高く売るなんて景気のいい話もあった。でも今は皆、忘れてる。夢だよ、夢」。

対岸の淡路島・洲本市。「地方分権というならそれなりの環境も必要だ」と柳実郎市長(62)は紀淡連絡道路の必要性を訴える。だが、市民からの要望は「非常に低い」と率直に認める。明石海峡大橋についても「宿泊観光客が減り、神戸への買い物客が増えて地元商店街に悪い影響がある。これでよかったのかという思いはある」と複雑な表情だ。

大阪・兵庫・和歌山・徳島の二十五市町でつくる「紀淡連絡道路実現期成同盟会」事務局の吉増健・和歌山市交通政策課長も「機運はかなり冷めてますわ」と認める。ではなぜ、同盟会は存続しているのか。「まだ国が調査を続けているから、こちらからは…」と言葉をのみ込んだ。

国土交通省は九四年、紀淡連絡道路や東京湾口道路、伊勢湾口道路など六カ所で、「海峡横断プロジェクト」を地域高規格道路の候補路線と位置付け、延々と調査を続けている。これまでに道路特定財源から投下した調査費は約六十八億円にも上る。

中でも、国交省の天下り先の財団法人「海洋架橋・橋梁(きょうりょう)調査会」は、過去六年間で約八億円の調査業務を随意契約で受注してきた。同財団は旧建設省道路局長だった理事長をはじめ、国交省や旧日本道路公団幹部OBが理事や監事に十一人も名を連ねる。収入の大部分は道路財源からの委託事業。常勤の専務理事の給与は約千八百万円とみられる。

財団の幹部は受注額や職員数など一切を「答えられない」と繰り返し、「わが社はアカデミックな団体。海峡プロジェクトを推進していたわけではない」と語る。

瀬戸内海に三本の長大橋を建設して三兆八千億円もの借金を抱え、民営化に際して一兆五千億円近い税金が投入された旧本州四国連絡橋公団。一兆四千四百億円の建設費をかけながら、当初見込みの利用者数を大きく割り込んでいる東京湾アクアライン。長大橋道路は採算性からみれば、ことごとく失敗した。

それでも、今月末に閣議決定される見通しの国土形成計画には「湾口部、海峡部等を連絡するプロジェクトについては、熟度に応じた取り組みを進める」と、抽象的ながら構想を維持しようとする文言がある。過去の失敗を顧みず、税金による巨大プロジェクトに固執する道路官僚の「無謀な夢」は、いまだついえてはいない。

<国土形成計画>

国土整備の長期計画として1962年から5次にわたった全国総合開発計画(全総)に代わってつくられる計画。個別事業名を挙げて国主導で開発を推進してきた全総から転換し、国土形成計画は指針のみを掲げ、具体的な計画は全国を8ブロックに分けた広域地方計画で決める。

川崎木更津間のアクアラインと、倉敷坂出間の瀬戸大橋は通ったことがあります。
特に木更津方面にはフェリーを利用して割とちょくちょく行っていた時代もあったのですが、その後東関東自動車道が使えるようになりますと、首都高利用で不便を感じなくなりました。

結局、フェリーで交通需要がまかなえるところに道路を作っても交通量が増えるわけではない、という当たり前のことを証明したのでしょう。

改めて、6つの海峡横断プロジェクトの図を見ると「橋が架けられるところはどこか」を基準に計画したとしか思えませんね。
それでも「棚上げ」なのですから「中止ではない」と言い張るのじゃないでしょうか?

トラック便などのためには、高速道路などは必要不可欠であると思いますが、人の移動についてはもっと航空機利用が使えないかと考えています。
首都圏で見ますと、飛行場は現在でも20キロぐらいに一ヶ所はあります。意外と密集しているわけです。

これをもっと計画的に増やして、例えば東京大阪間を数カ所の飛行場同士を結ぶようなネットワークを作り、小型旅客機で頻繁に運行する、といった方式の方が道路と新幹線を拡大するよりも安いのではないか?と考えています。

4月 7, 2008 at 10:18 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.03.28

矢祭町の選挙騒動

福島民友新聞より「町長の給与削減案否決 矢祭町議会で「辞職の意味込め」

議員報酬の日当制導入を決めた矢祭町の古張允町長(67)が同町議選後に当選者に「当選祝い」として現金を配った問題で、古張町長は27日の臨時議会の開会に当たり謝罪したが、辞職する意思はないことを明確にした上で、自らの処分として3カ月間の給与50%を削減する条例の改正案を追加提出した。町議会は反対6、賛成2(欠席1)の反対多数で否決した。

古張町長は議会開会直前、「議員、町民に大変な迷惑を掛けた。前町長、議員が町民と一体となって築いてきた日本一の矢祭町を揺るがせたことを反省している」と語った。進退については「力の限り全身全霊を持って町政発展のために取り組む」と続投の決意を述べ、「自ら律する」ためとして給与削減案を示した。条例改正案の審議では、議員3人が反対、2人が賛成討論を行った。

議案を否決した議員は「給与の減額だけで済まされる問題ではない。ことの重大さを分かっていない」と指摘し「議会は良識ある判断をした。町長には(辞職を)自身で判断してもらいたい」「辞職の意味を込めた否決だった」などと話した。

町議会選挙の当選者に町長が当選祝い金を出したというのは、かなり問題だと思いますが、それ以上に矢祭町というか町長が行政改革で有名なところに注目しています。

記事にもあるとおり、議員報酬を日当制にしていますがそれ以上にものすごい方針で進んでいます。
「矢祭町集中改革プラン(平成17~21年度)」(PDF)に詳細な報告がありますが、ネット上でも矢祭町の行政改革については賞賛する記事が多数あります。

行政改革のポイントは、周辺自治体と合併しない、町行政の合理化、行政サービス時間のなどの大幅な拡大、などがあります。

これらの革新的な行政改革を実施したのが前町長の根本良一氏で、2007年4月に勇退して副町長の古張允氏が無投票当選で町長に就任しています。

このようないきさつを見ますと、今回の町議会の微妙な対応も何となく理解できるところですが、人口6700人の自治体が自立していけるというのはなんとも頼もしいところで、また町議会議員の日当制度も広まるべきだと考えますから、色々な意味でうまく収まって欲しいものです。

3月 28, 2008 at 12:01 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

暫定税率の処理は

八重山毎日新聞より「ガソリン価格、沖縄は現行通りの可能性 暫定税率期限切れ問題

復帰特別措置で適用受けられず、離島は価格転嫁の恐れも

復帰特別措置法の問題で、ガソリン税の暫定税率廃止後も現行価格が維持される可能性がある県内ガソリン1リットル当たり25.1円を暫定加算したガソリン税(揮発油税、地方道路税)の暫定税率の期限切れが31日に迫っているが、県内では期限が切れた場合でも、暫定税率分の価格が安くならない可能性があることが26日、石油業界関係者の話で分かった。

石油元売りが、復帰特別措置法の網がかかった沖縄は、同暫定税率撤廃の適用を受けないと判断。4月1日以降も従来通りの価格で出荷する方針を示しているという。

また、同税率撤廃が適用された場合は、離島への海上輸送費補助が打ち切られ、その分が価格に転嫁される可能性もあり、離島ではいずれも、同税率撤廃の恩恵は少なくなりそうだ。

国内のガソリン税は、揮発油の場合、暫定税率の25.1円を含め、1リットル当たり53.8円の税金が課せられている。県内では、復帰特別措置法でこれより7円減額し、46.8円とする特別措置が取られている。

県では、これに価格調整税として1.5円を加算して徴収。本島から離島への海上輸送費として補助している。

石油元売りが、沖縄は暫定税率の適用を受けないと判断したのは、復帰特別措置法のガソリン税の軽減等のなかで「租税特別措置法第89条の第2項の規定にかかわらず…」とする文言。

89条2項は暫定税率を加味したガソリン税の税額を定めたもので、復帰特別措置法が優先された場合、租税特別措置法の変更の有無にかかわらず沖縄の税率は変更されないというものだ。

これに対し、県内からは「復帰特別措置法の趣旨に反する」との反発があり、国が態度を示さないなかで、石油業界では対応に苦慮している、と言う。

ただ、石油元売りが、法の解釈を変えず、4月1日以降も現行税率のままで出荷する場合は「ガソリンの安定供給のため仕入れなければならない。その分をかぶることはできない」(県内石油業界関係者)としている。

一方、暫定税率廃止が県内でも適用された場合は、離島への海上輸送費の財源がなくなることから、県が輸送費補助を打ち切る可能性も浮上している。

業界関係者によると、本島から石垣までの海上輸送費は1リットル当たり5~7円。竹富町や与那国町などの離島へは、さらに輸送費がかさみ、輸送費補助が打ち切られると、それがすべて価格に転嫁されることにもなりかねない。

また、旧税率の在庫が卸元を含めて約2週間分程度あるとみられることから、店頭での価格変動は在庫処分の後となる見通し。

ガソリン税の暫定税率の期限切れが目前に迫っていますが、総額2兆6千億円にものぼるのですから、こんな影響もあるということですね。

突然起きた問題ではないのだから、今ごろになってバタバタしている行政も国会も国民から見放されつつあるわけで、こんな事では治安すら信用できないとなります。

民主党案の「完全減税案」も実際問題として不可能なのは明らかで「いったどうするつもりなのか?」が国民のあらゆる階層の一致した見解でしょう。

政治が国民に見捨てられつつあるといっても間違えではないでしょう。

3月 28, 2008 at 11:10 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.27

オンブズマン?

サンケイ新聞地方版より「委員会傍聴不許可訴訟で請求棄却 横浜地裁

横浜市議会の委員会が傍聴を不許可としたのは地方自治法が定める会議公開の原則に反し、「傍聴を求める権利」の侵害にあたるとして、市民団体「よこはま市民オンブズマン」メンバーの男性(68)が同市を相手に、30万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は26日、請求を棄却した。

三木勇次裁判長は判決理由で、「地方自治法のいう会議公開の原則には委員会が含まれるとは解されず、モニター放映など委員会審議の公開性を高めるための処置がなされている」などと指摘した。

判決によると、男性は平成18年9月、横浜市会の「都市経営・行政運営調整委員会」の傍聴許可申請書を提出したが、委員会の採決により反対多数で不許可となった。

市議会の委員会の傍聴不許可に対して損害賠償請求訴訟を起こしたというのはちょっと驚きですが、こんな報道もあります。

神奈川新聞より「主張に理由なしと監査委員/秦野市議選めぐる住民監査請求

昨年8月に行われた秦野市議選の選挙運動公費負担で過大請求があったとして「はだの・いせはら市民オンブズマン会議」が請求した住民監査について、市監査委員は24日までに監査結果を通知。
監査委員は報告書で「請求人の主張には理由がない」と判断した。

同会議は、刑事告発も視野に今後の方針を検討する。

これもよく分からない話です。

選挙運動の、公費負担分について過大請求があった、というのは普通に考えて公選法違反とか、特定の候補者の問題でしょう。
だから刑事告発もあり得るわけです。

それを監査請求するというのは、どういう意味があるのでしょうか?

なんか監査請求とういうものが錦の御旗になっているような気がします。

3月 27, 2008 at 11:05 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.03.22

広島県知事の選挙疑惑

中国新聞より「県議名閲覧を許可 藤田知事後援会「対策費」疑惑

藤田雄山広島県知事の後援会政治資金不正事件の裁判記録開示をめぐり、広島地裁は二十一日、知事の元秘書らが「一九九七年の知事選で金を渡した」などと広島地検に供述した県議、県議経験者ら十七人の実名閲覧を県議会に認める決定をした。県議会は二十四日に主要会派の代表者会議を開き対応を協議する。

決定によると、十七人のうち十一人は、実名閲覧を許可しない地検への不服を県議会が申し立てた昨年三月時点の現職で、申し立てに賛成し、閲覧による不利益も甘受する意思を示している▽公的地位にあり、地位にかかわる事柄の調査、批判への受忍範囲は一般人より大きい―と判断した。

残る六人も「(知事選当時は)公職に就き、一定の調査、批判は甘受すべき立場」とし地検による実名閲覧の不許可を取り消した。

地検は、実名閲覧について「氏名が一人歩きする」「仮に公選法違反でも既に時効が成立して捜査はできず、疑いだけで落選などの不利益の恐れがある」と主張した。決定は「県議会には個人情報保護条例などの規律があり、必ずしも氏名が一人歩きするとは言えない」などと退けた。

記者会見した県議会の林正夫議長は「申し立てのほとんどが認められた。(対応は)二十四日に各会派の代表者会議を開き、みなさんのご意見を聞いて決めたい」と説明。藤田知事は「司法の場で判断、決定されたものでありコメントは差し控えたい」との談話を発表した。

地検の信田昌男次席検事は「開示するか、最高裁に特別抗告するかどちらかになる。決定の理由などを詳細に検討し、早急に対応を決めたい」としている。

地検が抗告しなければ、議会は訴訟記録を閲覧する予定。ただ、議会は地裁への不服申し立てで、県議の実名は真否が判断されるまで内部資料にするとしており、公開されるかどうかは不透明な情勢だ。(長田浩昌、門戸隆彦)

実名閲覧を求める広島県議会の不服申し立て

藤田雄山広島県知事後援会の政治資金不正事件で、元秘書が1997年の知事選をめぐり、当時の県議17人の名前と金額を記したメモに基づき、広島地検に「金を渡した」などと供述。地検は2006年9月の裁判記録開示で県議会にこの調書の閲覧を認める一方、県議の実名は伏せるなどしたため、昨年3月12日に申し立てた。

藤田雄山 ( ふじた ゆうざん ) 広島県知事のプロファイルが広島県のHPにあります。

昭和57年9月
(~平成元年6月)
元参議院議長藤田正明秘書
平成元年7月参議院議員(広島選挙区)に当選
平成5年11月広島県知事に当選(当時全国最年少)
平成9年11月広島県知事に再選
平成13年11月広島県知事に再選
平成17年11月広島県知事に再選

問題になっている選挙が、1997年ですから3回前の平成9年の選挙のことです。

確かに検察の主張する「いまさら時効だし」というのはその通りですが、議会「やるものを検察が特別抗告してまで止めるとなるとそれ自体が「どういうことだ?」となりそうです。

この事件については全く知らなかったのですが、以下が事件化した始まりだそうです。

広島地検が2005年11月、藤田雄山知事後援会の元事務局長の自宅を捜索した際、1997年の知事選に関する元秘書の手書きメモを押収。県議15人の名前と金額が記載され、10人は今も現職とされる。地検の調べに元秘書は「メモが残っている以上は話すべきであると思う」と現金提供を供述した。地検は、元事務局長がワープロ打ちした別のメモも押収。元秘書の手書きメモにはない県議3人の名が含まれ、元秘書はこのうちの2人に30万円ずつ渡したと供述している。2人が今も現職かどうかは分かっていない。

その後の動きは、2007年5月29日付けの中国新聞が特集記事を作っています。「<特集>強制捜査から1年半 知事選 疑惑の構図

藤田雄山広島県知事後援会の政治資金不正事件は、知事選をめぐる県議への対策費や自民党県連への上納金などの疑惑を次々に浮かび上がらせた。知事、議会とも疑惑解明を目指してきたが、議会での関係者の証言などは実現せず、真相は今も闇の中で県民の政治不信もぬぐえていない。広島地検の強制捜査から29日で1年半。4回の知事選をめぐる疑惑の構図と、知事、県議会の取り組みを検証する。(荒木紀貴)

▽知事の取り組み 元事務局長ら説得続く

二〇〇五年十一月の事件発覚後、「事実が判明した時点で県民に説明したい」と繰り返してきた藤田知事。当初は、元後援会事務局長と面談を重ねたが、裏金の使途は聞き出せず県民に説明できない状況が続いた。

昨年九月の裁判記録開示で、過去の知事選での買収工作を認めた元秘書の供述調書の存在が明らかになると、知事は元秘書の聴取も模索。だが、説明は拒まれたとし、昨年十二月に参考人として出席した県議会調査会では、事実関係は「分からなかった」と連発した。

知事の調査が進みだしたのは、昨年末に県議会が一回目の辞職勧告を決議してから。元事務局長と元秘書が一転して説明を始めたとして、知事は今年二月、元事務局長が「桧山俊宏元県議会議長から暗に金を要求された」と訴えていることも公表した。

同月の県議会定例会で知事は、元事務局長が調査会への出席を内諾したと明言。元秘書も出席の準備をしていると述べた。だが、答弁の一週間後、元事務局長は出席内諾を撤回した。桧山氏が所属する自民党議員会が知事に「名誉を棄損した場合には直ちに法的手法を取る」と通告したことなどを理由に挙げた。

四月の県議選後、議長に選ばれた林正夫氏は今月二十一日、知事に最大限の努力を要請。知事も記者会見で二人の説得を続ける考えを強調した。六月二十一日開会予定の定例会までに、事態を打開できるか否かを議会側は注目している。

▽議会の取り組み 知事の調査結果待ち

事件は当初、藤田知事の個人後援会が舞台だった。しかし昨年二月、検察側が初公判で「毎回の知事選で各種議員へ対策費と称して現金を支払うなど多額の出費が必要だった」と指摘し、事態は一変。県議会を巻き込む展開となった。

県議会は昨年三月に調査会を設置。全県議から自己申告書の提出を受けたが、全員が金の受け取りを否定した。さらに、(1)有罪判決が確定した元後援会事務局長(2)県議への対策費提供を供述した元秘書(3)自民党県連への上納金疑惑で名前が浮上した元県連会長代行の桧山俊宏元県議会議長― の三人に出席を求めたが、いずれも拒否された。

昨年十二月にまとめた報告書は「対策費や使途不明金は明らかにできなかった」としている。

疑惑解明を果たせないまま迎えた今春の県議選では、事件が争点として浮上。自民党系の現職十人が落選した。最大会派だった自民党議員会は離脱者も相次ぎ、所属議員を改選前の二十八人から十四人に減らした。

改選後の今月十八日、主要会派による代表者会議では、早期解決を目指す方針で一致。林正夫議長は知事に面会して最大限の努力を尽くすように要請した。県議会としての今後の取り組みは「知事の調査結果をみて協議する」としている。

(1)期目 参院議員から転身 対策費2、3億円配る?

一九九三年の知事選は参院議員から転身を図った藤田知事が、現参院議員の亀井郁夫氏(広島)や元県教委教育長ら四人と争う激戦だった。開示された元秘書の供述調書によると、知事陣営は票の取りまとめや不評を抑える目的で、国、地方の政治家らに計二、三億円の対策費を配ったという。

「金の出所は藤田家から出たと言うくらいにしてほしい」「使った先は国、地方のバッジ族、関係諸団体」―。元秘書の供述調書は知事選の「舞台裏」を記す。一方で「それぞれの政治生命など重要な問題を多数はらむ」とも述べ、金を渡した相手に関する具体的な供述は拒んでいる。

元秘書は昨年十月、県議会調査会に提出した文書で「法に抵触したことは間違いありません」と回答。参考人招致はずっと拒否している。

(2)期目 事実上の「無風」 メモには17県議の名前 自民県連に上納金渡す?

一九九七年の知事選は共産党系候補との一騎打ちで、藤田知事が大差で再選された。事実上の「無風」だが、元秘書の供述は、「円満に選挙を終えるため」の対策費が三、四千万円に上り、自民党県連には上納金を渡したとする。

裏金の物証がほとんどない中、対策費を渡したという県議十七人の名前と金額を記したメモが元事務局長の自宅から押収された。元秘書は供述調書で「メモが残っている以上話すべきである」とし「折に触れて現金で渡したように記憶している」と述べた。

十七人には、今年四月の改選前まで現職だった十人も含まれていた。ただ、地検は県議の実名を伏せて開示したため、県議会は三月に広島地裁に不服を申し立てた。地裁の判断は、まだ下っていない。現金の受け取りは全県議が否定している。

自民党県連への上納金疑惑は、元秘書が「元事務局長から聞いた話」として三千万円を渡したと供述。だが、県連側は全面否定し、藤田知事も四月の記者会見で「元秘書、元事務局長とも『三千万円を持って行ったという覚えはない』と断言した」と述べ、供述調書と大きくくい違う。

(3)期目 共産候補下す 県連幹部が増額を要求?

共産党候補を大差で下した二〇〇一年の知事選でも、自民党県連への上納金疑惑がくすぶる。

元秘書の供述調書は「元後援会事務局長から聞いた話」として「県連に千五百万円を渡した」と記述する。さらに「信頼できる人から聞いた話」として、県連会長代行だった元県議会議長の桧山俊宏氏が第三者を介して三千万円の増額を求めてきたとしている。

藤田知事は今年二月に元事務局長の聴取結果を公表。桧山氏から知事選前に「参院選が三千万円だから知事選は五千万円かのお」と言われた―との説明を受けたと明かした。実際の金の授受は答えなかったという。

一方、桧山氏は関与を全面否定。県連の中川秀直前会長も今月の県連大会で、上納金疑惑について「調査の結果、事実を裏付けるものは見当たらなかった」と述べた。

(4)期目 初の政治資金パーティー 裏金の使途なお闇の中

知事選を二年後に控えた二〇〇三年十二月、知事後援会は四選に向けた活動資金を集めるため、初めての政治資金パーティーを開いた。八千六百万円を集めたが、県選管には収入が五千万円だったと報告。差額の三千六百万円を裏金にしていた事実が明るみに出た。

裏金の使途について、元事務局長は供述調書で「表に出せない活動費に使った」と説明しただけで、黙秘を続けた。県議会調査会の参考人招致も拒否し、裏金が流れた先は謎のままだ。

県議の一部は今年一月、元事務局長が裏金を私的流用したとして業務上横領容疑で地検に告発。元事務局長は調査会に提出した文書で「いわれない告発だ」と反論した。

●クリック 藤田雄山知事後援会の政治資金不正事件

4期目の任期に入った2005年11月29日、広島地検が強制捜査に着手。03年の政治資金パーティーで8600万円を集めながら、県選管には収入を5000万円と過少報告したなどとして、当時の後援会事務局長が政治資金規正法違反罪で起訴され、禁固1年6月、執行猶予3年の有罪判決が確定した。初公判で検察側は、毎回の知事選で県内の各種議員に対策費と称して現金を渡していたと指摘。裁判終了後、知事や県議会が裁判記録の閲覧を請求し、地検が約1000ページ分の記録を開示。対策費は1993年の1期目の知事選で2、3億円▽2期目が3、4000万円▽2、3期目には自民党広島県連に上納金が渡った―とする元秘書の供述調書が明るみに出た。

最終的に確認されていないとは言えここまで大きな話になっているとは驚きです。
2005年11月に広島地検が事務局長の自宅を捜索したというのは前回の知事選挙に絡んでの捜査ですね。
そして次の選挙は2009年11月に予定されていますから、現時点でほぼ1年半前だとなります。

こうしてみると、すでに次の選挙への影響を考えるべき時期になっているわけで、今後どういう展開になるのか興味深いです。

3月 22, 2008 at 09:27 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.21

座間市長7戦不出馬に

神奈川新聞より「米軍再編で座間市、早期決着へ/星野市長は7選不出馬固める

任期満了に伴う九月の座間市長選で、県内首長最多の六期目を務める星野勝司市長(65)が出馬しない方針を固めたことが二十日、分かった。健康上の不安などが理由とみられる。市長は懸案の米軍再編について、これまで堅持してきた反対姿勢から柔軟路線に転じ、残り約半年となった任期中に「決着をつけたい」として、国側による基地恒久化解消策の提示を待って最終調整に入る。

市長の出馬をめぐっては、座間市に隣接する大和、厚木両市長がいずれも四選を目指したものの落選したことから、後援会幹部の多くが七選を不安視したことも背景にあるとみられる。

同市長は、市議会三月定例会最終日の二十一日、進退を正式に表明する。今後は星野市長による後継指名の有無や、各会派による独自候補の擁立の動きに焦点が移りそうだ。

一方、米軍再編で市長は、キャンプ座間(座間、相模原市)への米陸軍第一軍団前方司令部の新設が「基地恒久化につながる」として反対を堅持してきた。しかし、市長と同じ反対の立場で再編交付金の対象外となっていた山口県岩国市に二月、容認派の市長が誕生。星野市長が本州では唯一の反対派となっている。

こうした状況の中で、市長は昨年十二月、「防衛は国の専管事項と存ずる」などと市議会で発言。防衛省は「一定の理解をいただいている」(幹部)と話すなど、市長の反対の姿勢が軟化していると判断。今月中にも、市長が当初から求めてきた恒久化解消策を提示する方針だ。

恒久化解消策の是非は今後、地元市議や町内会長らでつくる「基地強化に反対する座間市連絡協議会」(会長・星野勝司市長)が最終判断する見通しだが、その内容次第では再び態度を硬化させる可能性もあり、予断を許さない情勢だ。

市長は、一九七二年に座間市議に初当選し、三期を務めた後、八四年の市長選で初当選。二〇〇五年から全国基地協議会副会長を務めている。

市長の任期は4年ですから24年間も市長の交代がなかったことになります。

1972年に市議会議員に当選ですから36年前の話ですね。
それで現在65歳ということは、29歳からずっと市議会議員・市長を務めてきたことになります。

ここまで来ると選挙制度の根幹にも疑問が出てきてしまいそうです。
いくら有能な首長であっても16年とか20年といった長期間を務めるのは問題じゃないでしょうか?

3月 21, 2008 at 11:53 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.06

後席シートベルト高速では義務化

サンケイ新聞より「高速道の着用違反は減点1 自動車の後部座席ベルト

自動車の後部座席のシートベルト着用を義務付ける改正道交法が6月に施行されるのを前に、警察庁は6日、高速道路での違反に対し行政処分の点数1点を科すなどとする政令案をまとめた。

一般道での違反には処分はなく、後部座席の同乗者がけがなどでシートベルトができない場合は、着用義務の免除対象となる。

現在、70歳以上のドライバーは車に高齢者マーク(もみじマーク)を付けることを努力義務としているが、75歳以上の高齢ドライバーについては表示を義務化。付けなかった場合は初心者マークの表示義務違反と同様、行政処分の点数1点と4000円の反則金を科す。

また、自転車は車道通行が原則だが、政令案では、13歳未満の子どもと70歳以上の高齢者らは歩道走行をできるようにした。接触などの危険がある場合には、子どもや高齢者でなくても歩道走行を認める。

そもそも現在のシートベルト着用義務はどうなっているのか?と考えてしまいました。

わたしが免許を取った頃には、シートベルトは義務ではなくその後「高速で義務化」といった具合に段階的に義務化されてきました。
それで「今はどうなっていたっけ?」なのです。

道路交通法で「シートベルト」で検索したら見つからない、座席ベルトでした。
道路交通法 71条の3 普通自動車等の運転者の遵守事項

第七十一条の三  (普通自動車等の運転者の遵守事項)

自動車(大型自動二輪車及び普通自動二輪車を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第三章 及びこれに基づく命令の規定により当該自動車に備えなければならないこととされている座席ベルト(以下「座席ベルト」という。)を装着しないで自動車を運転してはならない
ただし、疾病のため座席ベルトを装着することが療養上適当でない者が自動車を運転するとき、緊急自動車の運転者が当該緊急自動車を運転するとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

2  自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席の横の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る。以下この条において同じ。)に乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、幼児(適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するものを除く。以下この条において同じ。)を当該乗車装置に乗車させるとき、疾病のため座席ベルトを装着させることが療養上適当でない者を当該乗車装置に乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

3  自動車の運転者は、他の者を運転者席の横の乗車装置以外の乗車装置に乗車させて自動車を運転するときは、その者に座席ベルトを装着させるように努めなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

4  自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

「運転者席の横の乗車装置」が助手席ということですね。
だから高速道路一般道を問わず、前席ではベルト着用義務があるですね、

これに対して、今回の改正では「後席は高速道路に限って、後席もシートベルト着用が義務づけられた」ということでしょう。
タクシーに配慮したのかな?

もうちょっと分かりやすい法律に出来ないものでしょうか?

3月 6, 2008 at 11:50 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

政治家のインターネット知らず

Matimulogさん経由で奥村弁護士の見解さん、さらに弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さんでも取り上げられているのが「有害サイト:閲覧を「18歳以上会員」に規制…自民法案」(毎日新聞

残虐性が高かったり犯罪を誘発しかねない「有害情報」に、青少年(18歳未満)がインターネットで触れないようにする法案の原案が5日明らかになった。自民党が議員立法を目指すもので、サイトの管理者に対し、閲覧を18歳以上の会員に限るよう義務付ける。携帯電話会社には有害情報を遮断するフィルタリングサービスの利用を原則、青少年との契約条件に加える。違反した事業者への罰則も盛り込んだ。ただ、有害性の線引きを国に委ねることや規制自体に慎重論もあり、引き続き議論して今国会への法案提出を目指す

議員立法は、自民党の「青少年特別委員会」(委員長・高市早苗前少子化担当相)が検討してきた。

法案は「有害情報」について

  1. 性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす
  2. 残虐性を著しく助長する
  3. 犯罪を著しく誘発する
  4. 薬物乱用など健康を害す行為を著しく誘発する
  5. 特定の青少年へのいじめに関する情報で著しく心理的外傷を与える恐れがある
  6. 家出した青少年に非行などを著しく誘発する

--と定義した。

これをもとに、具体的な基準を作成するため内閣府に「青少年健全育成推進委員会」を新設し、ネット上の情報を「選別」する。

その上で、基準に該当するとみなした情報が書き込まれたサイトの管理者には、閲覧を18歳以上の会員制にするよう義務付ける。インターネットの接続プロバイダーにも、サイト管理者に会員制化を促すよう求める。インターネットカフェには、18歳未満の客にフィルタリングソフト付き端末を利用させるよう義務付ける。

さらに、総務相は、違反したプロバイダーや携帯電話会社に是正命令を出せると規定。従わない場合は「6月以下の懲役か100万円以下の罰金」とした。ただしサイト管理者は、「個人で運営し、サイトに書き込まれた情報をすべて把握できないケースがある」として罰則の対象から外した。【堀井恵里子】

こんな乱暴な「意見」で何とかなると思っているのがひどい話だと思うが、Matimulogさんは出だしから

奥村弁護士の見解で知った自民党の「青少年の有害情報閲覧防止法案」原案だが、馬鹿丸出しではないのか?

中日新聞サイト:青少年のアクセス防止法案 有害サイトで自民、罰則も

これがまた、あの高市早苗委員長をいただく青少年特別委員会の作だ。
これだけで既に悪寒がするというものだが、内容はぶっ飛んだもののようだ。

町村先生は温厚な方なんですがねぇ・・・・。それで奥村弁護士はというと

「性、暴力、自殺、売春、麻薬、いじめに関する表現で「青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」を阻止しないと懲役ですって。

もう、なんでも来い!

落合弁護士

「有害」情報の定義が上記のようなものでは、ありとあらゆる情報が「有害」認定されかねないでしょう。
例えば、本ブログでも、性、暴力、自殺等々、様々な話題を取り上げ、かなり生々しいことも言ったりしていますが、見方によっては「青少年の健全な成長を阻害するおそれがある」という認定を受けかねません。

有害というのは、かくも曖昧かつ広範囲に及びかねない概念であり、しかも、そういった情報を「18歳未満の者が閲覧できなくするような措置を義務化」するということになると、日本全体を、国民が国民を監視する監視国家化することにすらなりかねず、国民が、有害情報を閲覧させたと言われないかどうか身を潜めながら生きることにすらなりかねないでしょう。

あまりに広範囲にわたって起きている問題について法律で取り締まることが出来るとしてもごく一部しか取り締まることが出来ない、という情況は多々起きています。
身近な実例としては自動車の速度違反でしょうか。ほとんど全ての道路で速度違反なのですが、取り締まっているのはごく一部だししかもかなり大幅な速度違反の場合がほとんどで現状は社会的に妥協しているといったところでしょう。

誰もでもやってしまうようなことを取り締まるのはかなり難しいのでしょう。アメリカの禁酒法は「誰でも守れる法律」ということだったようです。

社会にとって取り締まる対象になるのは、ごく少数の問題であるべきである程度一般化しているよう問題を後から取り締まるなんて考えても無理です。

こういう常識で見た場合に、この自民党の案は「インターネットの情報はごく一部でしか使われていないから取り締まること出来る」という発想が前提になっているのではないか?と思います。

もう一つ不思議に感じるのは、この種の法律がプロバイダが会員管理しているという前提に立っているようですが、パソコン通信時代の管理者であったわたしには、プロバイダが管理しているのは通信の接続だけであって流れる情報の中身ではない、と考えています。

パソコン通信時代だって、情報そのものを見て削除するといった仕事は強烈に大変でありました。
それをインターネットのように格安で使えるときにどうやって管理しろというのか?となります。

まあ、情報の削除なんて面倒なことは出来ないから、プロバイダは線を引っこ抜くのが本来業務としての通信の遮断でしょうね。

結局のところ、この「案」は出来ないことを出来るとした上で出てきているわけで、現実的ではない。

何よりも、管理コストの激増をどうするのだ?

一方で、インターネット利用を促進しつつ、問題については取り締まれとして、その矛盾によって生じるコストについては何も述べない。
これでは政治と言えるのか?

こんなバカなことを言い出すのなら「インターネットは良くないから全面停止にするべきだ」と主張する方がよほどすっきりすると思うのだが。

3月 6, 2008 at 11:04 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.03.04

立候補 → 自己破産??

読売新聞より「選挙費用返せず自己破産、国民新・福田氏債権者が党提訴へ

昨年の参院選群馬選挙区(改選定数1)に国民新党公認で立候補し、落選した福祉ボランティア団体代表の福田晃治氏(43)が、選挙事務所費などを支払えずに自己破産を申し立てることになり、債権者のうち1社が近く、国民新党を相手取り、約450万円の損害賠償を求める訴えを前橋地裁高崎支部に起こすことが3日、わかった。

福田氏の代理人弁護士によると、福田氏の債務は、選挙費用などとして支援者や金融機関などから借りた約6100万円と、選挙事務所設置費などの未払い金約800万円。先月下旬、前橋地裁に自己破産を申し立てることを決めた。

提訴するのは、プレハブの選挙事務所を設置してリースした同県高崎市内の機械卸会社。代理人の弁護士は「福田氏の選挙事務所は比例選で党の政策を訴える拠点でもあり、党本部に民法上の使用者責任がある」と主張している。国民新党事務局は「党は法的な契約にかかわっておらず、責任を負う立場にない」としている。

福田氏は、昨年の参院選で国民新党が選挙区に擁立した公認候補9人の1人。民主党からも推薦を受けたが、自民党候補に敗れた。

参議院選挙ですから、選挙区は全県一区です。県内に何ヶ所か事務所を置くようなことをすると大変で、参議院選挙は選挙区選挙であってもとても厳しいものです。

それにしても、合計6900万円の借金をしても当選したら返済できるという見通しがあったのでしょうか?

わたしが関わった選挙は地方選挙ですから大変だとされる参議院選挙とでは掛かる費用とは大違いかもしれませんが、所詮は候補者は一人なのですから同じような規模の選挙事務所を県内各所につくるなんてことはナンセンスです。

さらに、県会議員レベルの選挙ですら人集めが大変でこれは国会議員選挙であっても一人で集めたのでは県会議員の選挙とあまり変わりはないでしょう。
政党支部が動く場合は全然違います。

県会議員や衆議院の選挙区選挙と参議院の選挙区選挙で一番違ってくるのは、ポスターなど印刷物の政策と配付ですが、これだって違ってくるのはせいぜい100万200万レベルだろうと思います。

こんな風に考えると、常識的には選挙費用の実態は1000万円前後で2000万円を超えることはあまり考えられない。
それが6900万円というのはどういうことなのでしょうか?また銀行などは、なぜそれほどの多額の貸し出しを実行したのでしょうか?

なんか巨額寸借詐欺(?)のような印象ですね。

選挙では元々人件費はほとんど掛かりません。ボランティアを法律で強制されていて、日当を出すと公選法違反になってしまいます。
同様に、連絡などに使う自動車についても、持ち込みがほとんどで宣車にできる1台か2台についてだけガソリン代と看板やスピーカーなどの装備が選挙費用になります。

事務所も短期契約ですから、うまく探せば3ヶ月で数十万円であるでしょう。
どうやれば6900万円になるのだ?

3月 4, 2008 at 11:16 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.02.12

法務省のすごいページ

奥村徹弁護士の見解さんに紹介されていた記事「[児童福祉法]成人の刑事事件は廃止へ」のリンク先を見にいって驚いた。

リンク先は法務省の「 (H20.2.12)法制審議会少年法(犯罪被害者関係)部会 第4回会議 議事録・資料」なのだけど内容がこうなってます。

Up

こんな事になっておりました。
拡大すると分かりますが、奥村弁護士が紹介したリンクは、議事録のTXT版でした。
その結果は、横に延々とスクロールしないと見えないものになっていた。

PDF版と対応するのは、html 版じゃないのですかねぇ?
そもそも横に延々とスクロールするテキストは html のソースでしょうが。

PDF版を印刷すればよいということでしょうが、スクリーン上で見るという観点からは「どうしてやろうか?」と考えてしまいますよ。

なにしろ、PDFで表示してみると23ページにもなる大作です。
TXT版の文字数は、3万字を超えています。テキストに改行を入力して読もうと思っても無理というものです。

一体このテキストをどう使えというのでしょうか?

何をやっているのだ?法務省。

2月 12, 2008 at 11:12 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (6) | トラックバック (0)

ロシア爆撃機登場の背景は

2月9日の7時頃にロシア空軍の戦略爆撃機 Tu-95 が日本の領空を侵犯しました。
このニュースは政府がロシアに抗議し、その後ロシアからは領空侵犯していないと回答がありましたが、その後入ってきたニュースがあります。

AFP BB より「ロシア爆撃機が米空母の上を低空飛行

【2月12日 AFP】米国防当局関係者は11日、ロシアの戦略爆撃機「ツポレフ95 ベア」2機が9日、西太平洋を巡回中の米海軍の原子力空母ニミッツの上空を高度2000フィート(約609メートル)の低空で通過したために、同空母のF-18戦闘機をスクランブル発進させたことを明らかにした。

同関係者によると、日本の南を飛行中だったロシアの同爆撃機は9日朝、「ニミッツに向かって針路を変えた。そして空母搭載の戦闘機が緊急発進した」。

F-18は、この爆撃機が同海域を離脱するまで、誘導を行った。

「F-18とロシア爆撃機との間では、会話のやり取りは一切無かった」と、同関係者は語っている。(c)AFP

日本で領空侵犯をしたのと同じ9日にニミッツ接近したというわけです。
「へ~ニミッツねぇ・・・」と思っていたのですが、ニミッツのニュースを思い出しました。

長崎新聞より「米原子力空母ニミッツが初の佐世保寄港

米海軍のニミッツ級原子力空母ニミッツ(九一、四八七トン、マイク・C・マナジール艦長ら約四千八百人乗り組み)が十一日、佐世保に初めて寄港した。

全長三百三十三メートルの甲板などに航空機約六十機を搭載したニミッツは、同日午前八時三十七分、港中央部にいかりを下ろした。海上保安庁の巡視船や米軍警備艇など約二十隻が警戒する中、佐世保地区労などの抗議船二十七隻が「“核空母”は出て行け」などとシュプレヒコールを上げ、ニミッツを周回した。市中心部でもデモ行進し「佐世保の“準母港化”反対」などと訴えた。

放射線測定結果に異常はなかった。

ニミッツを中心とする空母攻撃群のテリー・ブレイク司令官は艦内で会見し、寄港の目的を「乗組員の休養や物資補給」のほか「西太平洋地域の平和と安定のため」と強調。在沖縄海兵隊員が少女に暴行したとして強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件に関連し、上陸する乗組員への対応を聞かれたマナジール艦長は「乗組員は市民との交流や日本文化に触れるのを楽しみにしてきた。一人一人がアメリカの大使だ」と乗組員の自重に期待する姿勢を見せた。

ニミッツは十五日午前十一時ごろ出港予定。横須賀基地で定期修理に入る通常動力空母キティホークに代わり、西太平洋で警戒任務に就く。

今年は、佐世保に日本で初めて原子力空母が寄港した「エンタープライズ事件」(一九六八年一月)から四十年。原子力空母の佐世保寄港は昨年二月の同級のロナルド・レーガンに続き通算九隻目。

2月11日の朝に佐世保に入港しています。

2月9日朝日本領空侵犯事件。
ニミッツ上空進入事件。
2月11日朝ニミッツ佐世保に入港。

という展開だったのです。
何で今ごろ東京急行なのか?と不思議であったのですが、ニミッツ(原子力空母の横須賀母港化)問題に対してのロシアの意思表示だと受け取れば分かりますね。

2月 12, 2008 at 02:11 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.02.06

規制だけなのか?民主党

「奥村徹弁護士の見解」さん経由、マイコミジャーナルより「"自殺サイト"など「有害情報」定義明確化、閲覧防止義務付け - 民主議員案

民主党はこのほど、今国会へ提出を予定している違法・有害情報の規制法案のたたき台となる案をまとめた。同党の「違法・有害サイト対策プロジェクトチーム(PT)」事務局長の高井美穂衆議院議員が私案としてまとめたもので、有害情報の定義を明確化して規制のための法的根拠を示したほか、プロバイダーに対して閲覧防止措置を義務付けており、違反した事業者に行政指導を行う根拠となりうる内容となっている。

高井議員は、違法・有害情報の青少年に与える影響が大きくクローズアップされ始めた2006年、「出会い系サイトにアクセスして青少年が被害に遭う場合は圧倒的に携帯経由が多い」との認識から、未成年が契約者の場合にフィルタリングサービスを受けるか否かを携帯事業者が保護者と未成年に意思確認をすることを義務付ける「電気通信事業法の一部を改正する法律案」を議員立法で提出した(今国会で継続審議中)。

その後も、「携帯電話経由で閲覧した出会い系サイトが原因となって犯罪の被害に遭う青少年の数が減っていないことや、『闇の仕事人』などのような犯罪に誘引するサイトが後を絶たないなどの現実から危機感を強めた」(高井議員)結果、自らを含む民主党議員16人が昨年末に立ち上げた違法・有害サイト対策PTの事務局長として、私案をまとめた。

私案の作成にあたっては、表現の自由や、閲覧制限が検閲にならないかなどについて、党内の勉強会を通じて検討し、「インターネットの自由な発展の阻害とならないような法案づくりを心がけた」(同)という。

同案では、これまで定義付けが難しいとされてきた有害情報の定義について、

  1. 児童に対し、著しく性的感情を刺激する情報
  2. 児童に対し、著しく残虐性を助長する情報
  3. 児童に対し、著しく自殺又は犯罪を誘発する情報
  4. 特定の児童に対するいじめに当たる情報であって当該児童に著しい心理的外傷を与えるおそれがあるもの

と明確化、いわゆる"自殺サイト"や"学校裏サイト"などについても、規制の対象としている。

また、サイト開設者とプロバイダーに対しては、違法・有害情報の「閲覧防止措置」を義務付けた。サイト開設者に対しては、自ら管理するサイト上に違法情報が掲示されていることを知った場合には同情報の閲覧防止措置(同措置として削除を想定)、自ら管理するサイト上に有害情報が掲示されていることを知った場合は、フィルタリングソフトの稼動対象とするための「セルフラベリング(有害情報であることの表示)」の実施など、有害情報が児童に閲覧されないようにするための措置を義務付けている。

また、プロバイダーに対しても、「自らがインターネットに接続する役務を提供するサイト上の違法・有害情報」について、サイト開設者同様の措置を義務付けている。

さらに、保護者の責務として、児童によるインターネット上の違法・有害情報の利用を防止するため、フィルタリング導入などの措置を義務付けると同時に、携帯電話事業者に対しては、保護者がフィルタリングソフトを稼動させないよう申し出た場合などを例外として、原則フィルタリングソフトを稼動させなければならないとしている。

これらの点に関して高井議員は、「これまでは違法・有害情報の基準がなく無法状態だったが、有害情報の定義により、悪意のあるサイト開設者やプロバイダーへの抑制効果が期待される。また、こうした情報の削除に応じないサイト開設者やプロバイダーに対して、行政指導を行う根拠ともなりうる。フィルタリングに関しては、携帯事業者が認めた公式サイトしか閲覧できない現状のホワイトリスト方式だと、SNSなどのコミュニティサイトを閲覧できなくなるというような問題もあり、同方式の見直しも含め、今後の精度向上を期待している」と話している。

法案の日程については、「今回の私案について、党の違法・有害サイト対策PTで議論した後、3月中には民主党案を作成したい。自民党も同様の法案を考えているということなので、できれば衆議院青少年特別委員会での委員長提案による議員立法とするなどして、一緒にいい案を作っていきたい」(高井議員) としており、今後の展開が注目される。

奥村弁護士は

著しく~を刺激・助長・誘発する情報

って、程度が計れない要素について、いかにも絞り込んだように「著しく」という要件をとってつけたようですね。

と評していますが、その他もかなりすごい(ひどい)ようです。

取り上げられているような課題がなぜ現状なのか?という判断をしていないのではないか?という気がします。
「規制するべきだ」「規制すればなんとかなる」「大々的に規制する」という流れしかないです。

そもそも「児童に有害な情報」だけをインターネット上でどうやって遮断するのか?という問題を抜きにして「児童に有害だから、インターネット上に情報を出してはいけない」という発想でない、という説明になっていないように思いますね。

これを考えるから「有害情報の定義が出来なかった」のであって、情報そのものが一般常識の範囲で有害であるという認定は比較的簡単です。
情報ネットワークが機能するためには「一般常識では不要」なんていう乱暴で粗雑な考えでは全くダメです。
個人的な経験や判断がいかに危ないかという例では、以前某有名作家が「学校卒業以来二次方程式なんて使ったことがない」と個人的な経験だけで、数学教育を批判したことがありました。

こんな例で分かるとおり、情報についての評価を「一般常識」とか「学識経験者」なんてところで決めてはいけない。

被害防止にもっと焦点を当てるべきで、発信側を規制する指向がダメですね。

2月 6, 2008 at 10:00 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.02.04

児童ポルノ禁止法を改正するのか?

読売新聞より「児童ポルノ 単純所持にも罰則規定を、法相が検討の意向

鳩山法相は4日の参院予算委員会で、児童買春・児童ポルノ禁止法について、現在は禁止されていない児童ポルノの単純所持にも罰則規定を設けるなど改正を検討すべきだとの意向を明らかにした。

法相は「児童ポルノは性的虐待と密接に絡んでいる。厳しくていい。(単純所持に)罰則があっていいと思っている」と述べた。福田首相も「(児童ポルノを)許容する社会は決して誇るべき社会ではない。しっかりと手を打たなければならない」と指摘した。有村治子氏(自民)の質問に答えた。

同法が1999年に超党派の議員立法で成立した際、児童ポルノの単純所持について、罰則なしの禁止規定を設けることが検討されたが、プライバシー侵害にあたるなどの反対意見が強く、禁止規定は設けられなかった。しかし、シーファー米駐日大使が1月30日付の読売新聞朝刊の寄稿で「日本の国会が同法を改正し、所有を違法とするよう期待する」などと指摘するなど、海外からも法改正を求める声が出ている。

あらら・・・・・
鳩山法相はビックリするようなことばかりやりますね。

以前の「プライバシー侵害・・」は結局は「文化の問題」だということになっているんですよね。
だから単純所持規制は非常に大変で、考えると不可能だになってしまったんですよね。
罰則規定以前に禁止出来るのか?という問題があって、それが以前は突破できなかった、この時の欧米の圧力は大変なものだったそうですが、一気に罰則規定までとなると「出来ますかねぇ?」ですな。

2月 4, 2008 at 10:09 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (11) | トラックバック (0)

横浜市営地下鉄はどうするつもりだ?

読売新聞より「席譲って 横浜市営地下鉄、マナー向上員導入へ

市営地下鉄に全国で唯一、全席優先席を導入している横浜市は、3月に開業する市営地下鉄の新線の車内で、高齢者などに席を譲るよう乗客に声を掛ける「スマイルマナー向上員」を乗車させる。

全席優先席がステッカーや車内放送だけでは、なかなか浸透しないためだ。向上員が声を掛けることで、席の譲り合いを増やしたいという。

新線は、日吉(港北区)―中山(緑区)駅間を結ぶ「グリーンライン」で、3月30日に開業する。向上員は平日の午後2~5時、2人1組で3チームが活動。車両内を行き来しながら立っている高齢者や妊婦らがいると、「どなたか譲ってもらえませんか」と座っている乗客に呼びかける。トラブルにならないよう、各チームには警備員も付く。

向上員は、市営地下鉄を利用している18歳以上からアルバイトとして募集し、作文や面接で約20人を選び、3時間の活動で1500円支払う。

市交通局は「ステッカーや放送だけでは、いつも利用している人は全席優先席を意識しなくなってしまう。譲り合いは強制ではないが、声掛けによってマナーを浸透させたい」と期待する。

ただ、利用者の向上員導入への受け止め方は様々だ。旭区の主婦(56)は「譲ってあげたくても恥ずかしくて言い出せない場合が多く、声を掛けてもらえれば、背中を押してもらえる」と歓迎する。一方、中区の高校1年の女子生徒(15)は「譲るよう言われたら周りに恥ずかしい」と嫌がり、泉区の男性(81)は「席の譲り合いは本来自発的なものなのに、不自然」と首をかしげる。

加藤諦三・早稲田大教授(心理学)は「高齢者や妊婦に席を譲るのは当たり前のこと。(向上員導入は)当たり前のことを直接声を掛けて実行させなければならないところまで、日本の社会が心理的に崩壊していることを象徴している」と嘆く。

全席優先席は、関西の阪急電鉄が1999年に全国で初めて導入したが、浸透せずに昨年10月、廃止した。横浜市は2003年から取り組んでいる。

全くの地元の問題であります。当然、しょっちゅう利用している路線でもあります。

この「全席優先」には結構強く反対したのですよ。地域政治レベルでも反対したした。
もちろん理由は「優先席として機能しないから」でした。反対理由が証明されたとなりますが、まさか人を動員するとは予想してなかった。

市営地下鉄は高い建設費の問題もあって、大赤字です。
ホームドアを導入して、ワンマン運転にしたばかりで、もちろん人件費を削減するとやっているわけで、その反対側で人手を掛けてどうするの?

普通の優先席にシステムにすれば良いでしょう。せいぜい、シートの表皮を取り替えるぐらいのことで済む。
全く、何を考えているのだ。

2月 4, 2008 at 05:29 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2008.02.03

司法試験は右往左往か?その4

東京新聞より「弁護士希望の修習生 3人に1人が就職難 日弁連調査

司法試験に合格し、二〇〇八年中に弁護士登録を希望する司法修習生約二千二百人のうち、八百人ほどが弁護士事務所など就職先をみつけられない恐れがあることが、日本弁護士連合会(日弁連)の調査で分かった。
司法制度改革による合格者急増が理由だが、三人に一人の就職難という数字は関係者に衝撃を与えそうだ。

日弁連は昨年八月から九月にかけ、全国の法律事務所を対象に来年度の求人計画についてアンケートをした。

司法試験に昨年合格し、その後の司法修習を今年中に終了する予定者は二千四百余人。その九割の約二千二百人が弁護士登録をすると予測されている。

ところが、アンケートに基づく推計では来年度の弁護士の求人需要は千四百人。その差、八百人ほどが就職難に直面する懸念が強まった。

同様の求人調査は一昨年も実施され、やはり数百人の求人不足が指摘されたが、その前年は逆に求人数が求職者数を上回っていたため、大半が吸収された。だが、来年度はそうした「持ち越し」もない。

裁判官や検察官も含む法曹人口約二万九千人のうち、弁護士の数は約二万五千人。司法試験の合格者数は九九年には年千人ほどだったが、政府は〇二年三月、司法制度改革審議会の報告を基に司法試験合格者を一〇年までに三千人に増やす計画を閣議決定した。

だが、合格者の質の低下や年収が極めて低い「ワーキングプア・ローヤーズ(法律家)」の存在が注目され、鳩山邦夫法相は先月下旬、一〇年以降の合格者数削減も視野に入れた見直しの検討を明らかにしていた。

  1. 「司法試験は右往左往か?」
  2. 「司法試験は右往左往か?その2」
  3. 「司法試験は右往左往か?その3」

と司法試験合格者の適正数を考えてないのではないか?とする方向で記事を作りましたが、あまり前提が明確ではないとはいうものの継続的に年間3000人の法曹人を養成する理由はないでは?というが結論になっています。

実際の就職見込についてのリポートが出てきたわけですが、需要が1400人というのは、法曹人口が静止状態であると仮定すると2万9千人から1400人が減るからその穴埋めに必要な人数となります。4.8%に相当します。

データの検討以前に、調査自体が全国の法律事務所を対象に来年度の求人計画についてアンケートなのですから、基本的には法曹人口の増加をどう見るか?と考えた場合の、少ない方の数値であろうと思います。

一方で、法律事務所にとっては工場のように初心者でも出来る仕事は少ないでしょうから(誰でも出来るのなら弁護士資格は不要だから)おそらくは法律事務所自体の継続という観点での新人採用は、学校に似ているのではないか?と想像します。
卒業生と同数が入学することで学校は同じ規模で継続します。

そうなると、元々の法曹人口を増やそうという計画に対して既存の法律事務所の意向を調査しても、元々増えない数字じゃないのか?と思うわけです。
単純にいえば、法律事務所が増えて新人放送かが働く場が増えること、が前提で法曹人口全体の増加になっていくわけです。

もちろん、既存の法律事務所の大型化ということでは弁護士法人制度が出来ましたが、今の段階では意外と少ない。
どうも法律事務所の大型化ということも現時点では活発化しているとも言えないようです。

こんな判断で、1400人の求人があるから2万9千人中の4.8%の人が引退するのであれば、年齢層の片寄り具体的には団塊世代の弁護士が意外と多いのかな?とも思えます。

一方では法曹人口も高齢化問題があり、片方では将来の法曹人口の適正数とそれをまかなうための養成計画がはっきりしないというのは、どうしたものでしょうか?

とりあえず無理と思われるのは、年間3000人養成計画でこれは長期間続くとは思えません。
早急にしっかりした法曹人養成計画を作るべきでしょうし、それも「今年は」といった事ではなく、将来の法曹人口の変化に対応するためにそれなりの計画をしっかり作ることが必要だろと思います。

今回の、日弁連の調査はそういう観点では乱暴すぎます。

2月 3, 2008 at 03:52 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.25

司法試験は右往左往か?その3

「司法試験は右往左往か?」にチラッと書いたのですが、一人の法曹人が法曹界を引退するまで35年間法曹人と活動するとして
さらに現在の法曹人口が年齢によるバラツキが無いという乱暴な仮定で考えると、
その年の法曹人口の1/35が法曹界から減ります。

法曹人増加計画ですから、この減る1/35を上回る法曹人を養成する必要があります。

一方、法曹人を無計画に増加させるのなら単に司法試験の合格率を上げればよいだけのことなので、もっと計画的に考えると「どのくらい期間で」「何人増やすか」を検討することになります。

当初の2002年に計画が2018年としていますから、15年計画だと仮定します。
その上で、計画定員を達成したら途端に充足数だけの採用に切り替えるというのでは、あまりに激変ですから、緩和曲線としてSINカーブを採用します。
徐々に養成者数が充足数に近づくカーブを描きます。

このような計算を「法曹人5万人」と「法曹人3万5千人」に15年で増加させる計画の表が下記になります。

年度5万人計画養成者数3万5千人計画養成者数
02500025000
1276133327260451760
2301983374270791778
3327253390280901785
4351683378290671780
5375003336300001763
6396953266308781735
7417283168316911696
8435793043324311646
9452252892330901585
10466512717336601516
11478392521341351437
12487762305345111350
13494542071347811257
14498631822349451157
15500001562350001053

現実の司法試験受験者にとっては法科大学院を経ると大学入学時に決断しても、8年がかりですから、15年間では緩和曲線を使ってもこのようにかなり厳しい変化があるのですから、大変です。

法曹人の養成は国家目標の一つであり、かつ単一の試験制度なのですからこの程度の精密な計画が欲しいところですが、そもそも法曹人口を何人にするのかが決まっているという話を聞いたことが無いのですよね。

1月 25, 2008 at 04:17 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

司法試験は右往左往か?その2

「司法試験は右往左往か?」の続きです。
後になってから、ちょっと調べたら平成17年度(2005年度)の法曹三者の総数が見つかりました。

裁判官3266
検察官2473
弁護士21185
総数26924

検察官は以前から少な過ぎると聞いてはいましたが、これほど少ないとは驚きました。

もちろん、裁判所は民事事件の方を扱うことの方が多いわけで、検察官が裁判官よりも多い方が良いとかではないのですが、検察が事件をよく調べて起訴して裁判に持ちこむのかどうかを決めるという観点からも、十分な人員を配置するべきでしょう。

そこで、裁判官を1.5倍、警察官を2倍、弁護を1割り増しとすると

裁判官4900
検察官4950
弁護士23310
総数33160

といった数字が出てきます。
これに対する、年間に必要な養成数は約千人ですね。
継続的に3千人を養成し続けるというのは無理があるでしょう。
そうなると、グランドビジョンといったものをもっと明瞭になるまで検討するべきです。

1月 25, 2008 at 02:35 午後 国内の政治・行政・司法 | |