2008.04.21

日本郵船タンカー攻撃される

サンケイ新聞より「日本郵船タンカー、ロケットランチャーで攻撃される イエメン沖

国土交通省に21日入った連絡によると、日本郵船の大型タンカーが、イエメン沖で、不審船から発砲を受け、被弾した。不審船はロケットランチャーのようなもので発砲してきたとの情報がある。
けが人はいないもようだが、船尾が損傷したという。同省や同社で情報収集にあたっている。

イエメン沖で日本郵船の大型タンカーが、不審船から発砲を受けた事件で、タンカーは船尾部が損傷し、燃料漏れを起こしていることが21日、日本郵船などに入った連絡で分かった。

日本郵船に入った連絡によると、同日午前10時40分(日本時間)ごろ、中東イエメンのアデンの東約440キロの沖合で、同社の大型原油タンカー「高山」(15万53トン、乗組員23人)が小型不審船から発砲を受け、被弾した。けが人はなかった。

国土交通省によると、不審船はロケットランチャーのようなもので発砲し、高山は船尾部が被弾して損傷、燃料漏れを起こしているという。

高山の日本人乗組員は7人で、4日に韓国の蔚山(ウルサン)港を出港、原油を積むサウジアラビアに向け空荷で航行しているところだった。

Up

図に示した線が「アデンから440キロ」ですから、紅海に続くアデン湾に入ったばかりのところのようです。日本時間の10時40分ですから、現地時間は4時40分。薄明だったのでしょうか?

対戦車ロケットだと船に穴は開きますから、怪我人がなければ幸いであったと言うべきでしょう。
燃料が漏れているとのことだから、喫水線から高いところに命中していないのでしょう。

仮に撃たれたのが一発でそれが命中したのか、何発か撃たれてその一発が命中したのか?は大きな問題だと思いますが、日本郵船の発表「大型原油タンカー「高山」被弾の件」によると

本日21日午前10時40分頃(日本時間、現地時間同日午前4時40分頃)、イエメン共和国アデン沖東方約440kmにて当社が所有・運航する大型原油タンカー「高山」が、小型不審船1隻からの発砲により被弾しました。なお、小型不審船は午前11時3分頃、本船よりその船影を確認できなくなるまで離れたとの報告が入っております。

本船「高山」は、4月4日午前2時40分(日本時間)に韓国ウルサン港を出港し、積み地のサウジアラビア王国ヤンブー港に向け空荷での回送航行中でした。

本被弾による負傷者はありません。また、本船は航行可能で、被弾状況は現在確認中です。

引き続き、損傷個所の確認に努めるとともに、詳細な情報が明らかになり次第お知らせ致します。

「高山」の概要

1.船名高山(TAKAYAMA)
2.総トン数150,053トン
3.全長332.0m
3.船籍日本
4.建造年月日1993年11月 (旧日本鋼管津造船所建造)
5.船長岡村秀朗(おかむら ひであき)
(国籍:日本)
6.乗組員日本人7名、フィリピン人16名、計23名(船長含む)
7.船舶管理会社TMM株式会社

とのことですから、15万トン、330メートルのタンカーに海賊行為を働くとは考えがたいです。
むしろ本格的なテロ攻撃あるいはその訓練といったことを考えた方が妥当かもしれません。

4月 21, 2008 at 05:45 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.16

チベットの暴動について・その2

毎日新聞より「チベット:暴動が甘粛省に波及…亡命政府 30人が死亡

Up

【北京・大谷麻由美、ニューデリー栗田慎一】中国チベット自治区で始まった暴動は15日までに、西部・甘粛省甘南チベット族自治州夏河に波及した。

チベット仏教僧侶を含む数百人が14日にデモ行進し、15日には治安当局がデモ隊に催涙ガス弾を発射した。AP通信が地元住民の話として伝えた。 暴動の成り行き次第では、他のチベット族居住地にも飛び火する可能性が出てきた。

一方、インド北部ダラムサラを拠点とするチベット亡命政府は15日、ラサの14日の武力鎮圧で30人の死亡が確認されたと発表。国連の即時介入と現地調査を求める声明を出した。中国国営新華社通信は、ラサの暴動で商店主ら10人が死亡したと伝えていた。

こうした中、チベット自治区の司法当局は15日、ラサの暴動に加わった僧侶らに出頭を呼びかける通告を出した。住民の密告も奨励しており、あらゆる手段で事態収拾を急ぐ姿勢を見せている。

通告は「18日午前0時までに出頭すれば減刑し、他の犯罪者の検挙に協力すれば刑の免除もあり得る」としている。「期限までに出頭しない者や犯罪者をかくまった者には厳罰で臨む」と警告した。

チベット亡命政府は声明で死者100人の未確認情報もあるとし、「平和的なデモが無差別殺人で抑圧されている」と非難。中国政府が暴力的な鎮圧を続ければ「チベット人は方向性を失う」として暴力の連鎖の深刻化に懸念を示し、全チベット人に暴力で対抗しないよう求めた。

声明はまた、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世を暴動の「首謀者」とする中国政府の主張について「全く根拠がない」と全面否定した。

インドの首都ニューデリーでは15日も、中国大使館の塀をよじ登ろうとするなどした亡命チベット人ら約50人が警察に逮捕された。ダラムサラでも約300人がデモ行進したが、大きな混乱はなかった。インド政府は中国側での暴動に関連し、国内の亡命チベット人による政治活動を厳格に取り締まる方針を確認している。

毎日新聞 2008年3月15日 21時14分 (最終更新時間 3月16日 0時59分)

AFP BB より「チベット仏教僧ら新たに抗議デモ、甘粛省

【3月15日 AFP】】中国のチベット統治に抗議するデモが暴動に発展した問題で、中国甘粛省で15日、チベット仏教の僧侶らによる抗議デモが新たに行われた。これに対し中国治安当局は、催涙ガスを用いてデモを中止させようとしていたという。チベット支援団体が明らかにした。

ワシントンD.C.を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン(International Campaign for Tibet、ICT)」と、ロンドン(London)に本部を置く人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」によると、これまでで大規模となった抗議行動が、同地のチベット仏教の僧院ラブラン寺を中心に行われているという。

フリー・チベット・キャンペーンの広報担当者によると、デモ参加者が複数の政府関連の事務所を破壊。同団体によると少なくとも1000人が抗議行動に加わったという。一方、ICTは抗議行動に参加したのは最大で5000人とした。

フリー・チベット・キャンペーンは、同州の博拉郷と碌曲県でも抗議行動が行われ、博拉郷では車数台が焼かれたという。また14日に夏河で行われた僧侶主導の抗議行動には、約4000人以上のチベット民族が参加したと発表した。(c)AFP

なんでこんな争乱がこの時期に起きたのでしょうか?が良く分からないですね。

確かに中国は実際的にはチベットを侵略して支配下に置いていると言えますし、チベット族自治区での散発的な反中国政府運動はありましたけど、これほど大々的な事件は聞いたことがありません。

もちろん、中国政府の主張のように「ダライラマ一派が首謀した」といったようなことも信じがたいです。

そうなると事件のきっかけはなんだったのでしょうか? 中国の中央政府は、オリンピック前にこんな騒動になることは何よりも嫌っているでしょうから、中央政府が特に取り締まりを強化しないでしょう。

つまり、中国政府とチベット亡命政府の正面衝突とは思えません。。 中国の地方政治の問題なのでしょうか?
この点については、毒ギョウザ事件で見られた、中国地方政治の発言が中央政府と摩擦を引き起こしそうになっていたところに注目しています。

中国は共産党政権の強力な政治体制で第二次大戦後の中国をまとめてきましたが、自由経済に移行することで自然に中央集権的な政治体制から地方自治になるはずで、実際に自由選挙も地方自治から始められたはずです。
これらが裏目に出たのでしょうか?現時点では謎が多い事件です。

3月 16, 2008 at 10:49 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2008.03.15

チベットの暴動について

AFP BB より「チベットの抗議活動、暴動に発展

【3月14日 AFP】(一部更新、写真追加)中国のチベット自治区の中心都市ラサで数日間続いている中国のチベット統治に対する抗議活動は14日、激しさを増し、中国の国営新華社通信や旅行者の情報などによると、店舗に放火するなどの暴力的な事態に発展しているという。放火で焼けたり、休業したりする店舗も出ているもようだ。

新華社は、少なくとも数十人の負傷者が病院に運ばれたとも伝えている。また現地に滞在する米国人が米大使館に寄せた情報では、銃声も聞かれたという。

暴動が発生しているのは、ラサ中心部にあるチベット仏教で最も聖なる寺院とされるジョカン寺院の近辺。

米ワシントンD.C.を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン」が得た現地情報によると、同寺院の参道沿いに店を並べる露店が放火されたという。また、警察車両が放火されたとの情報もあり、一般市民も抗議活動に参加している様子だという。

ラサを旅行中の複数の外国人がAFP記者に語ったところによると、市内全域で僧侶と市民が一体となって抗議活動を展開しており、旅行者たちはジョカン寺院付近に近付かないよう忠告されたという。

暴動はチベット以外にも広がっており、チベット仏教の最も重要な場所の1つ、甘粛省夏河では、300人の僧侶が抗議活動の先頭に立った。(c)AFP

2006年1月にこんな記事を書いています。「近未来の出来事」

2006年9月自民党総裁選
2007年7月参議院選挙
2008年2月韓国大統領選挙
2008年8月北京オリンピック
2008年ロシア大統領選挙
2008年11月アメリカ大統領選挙
2009年5月裁判員制度>"
2010年NTT光回線を過半数に、メタル-光の切り替え開始
2011年7月アナログ停波

北京オリンピックについては、

北京オリンピックで現在の東アジアの安定は北京オリンピックが近づいているから納まりがついているという面はあるわけで、それなりに激しく変化する時代に入るでしょう。

と「オリンピック終了までは中国政府はなんとか社会を安定させるだろう」と考えました。
それがラサで暴動ですから驚いた。

CNN.co.jpチベットで商店放火などの「暴動」、僧侶らの反中デモも
CNN.comTibet in turmoil as riots grip capital
BBC NEWSDeaths reported in Tibet protests

と大騒ぎです。読売新聞には「チベット自治区ラサで大規模暴動…商店に放火、2人死亡か

【北京=杉山祐之】中国チベット自治区の区都ラサの中心部で14日、大規模な民衆暴動が発生、放火や暴行などで多数の市民が負傷した模様だ。

米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は、警官の発砲で少なくとも2人が死亡したと報じた。民族・宗教問題で対立を抱え、中国当局が反政府行動を厳しく取り締まっている同自治区での大規模暴動発生は、ラサに戒厳令が敷かれた1989年以来とみられる。

今回の暴動は、8月の北京五輪開催に向け、民族融和をアピールしていた中国政府に大きな打撃となった。

中国国営新華社通信が報じた目撃証言によると、14日午後2時(日本時間同3時)ごろ放火が始まり、ラサを代表するチベット仏教の名刹(めいさつ)・ジョカン寺(大昭寺)前の広場から多数の人が出ていった。複数の負傷者が出ており、病院に運ばれた人もいる。商店が焼かれ、車両も放火されているという。北京発のAFP通信はラサの救急センター当局の話として、暴動により数人が死亡したと伝えた。在北京日本大使館によると、14日夜現在、日本人負傷者が出たとの情報はない。

ラサ市内のホテル従業員は14日、本紙の電話取材に、「火の手はあちこちで次々に上がった。大部分の店が扉を閉め、街には警察、(武力で治安を維持する)武装警察官が出ている」と語った。ロイター通信によると、この日、市内で住民、僧侶ら300~400人がデモを行い、10人以上の僧侶が逮捕された。

在北京米国大使館は14日、ホームページを通じ、ラサに滞在する複数の米国人から、「銃声を聞いた」との情報が寄せられたことを明らかにした。

ラサでは、3月10日に僧侶ら数百人規模の反政府デモがあり、当局に制圧されていた。米政府系放送局などによると、僧侶2人が手首を切って重体になったほか、僧侶がハンガーストライキを始めたとされる。
(2008年3月15日06時23分 読売新聞)

サンケイ新聞より「チベット、潜在的不満が爆発 胡錦濤政権に衝撃

【北京=野口東秀】中国チベット自治区での僧侶らによる暴動は、「和諧(調和のとれた)社会」を提唱してきた胡錦濤指導部に大きな衝撃を与えた。北京では全国人民代表大会(全人代)が開催中で、チベット自治区の代表者らが「チベットは目覚ましく発展し安定している」と強調した矢先だった。今回の僧侶らの抗議活動の背景には、「自治」が足踏み状態の中で「中国化」が進む一方という状況に対するチベット人の焦りと不満が横たわっており、五輪開催に向け、チベット問題を国際社会にアピールするねらいがあるとみられる。

チベットでは1980年以降、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の特使団が中国政府と断続的に交渉、同氏の帰国やチベット情勢などを協議してきた。ダライ・ラマも独立をうたわず、中国政府に「高度な自治」を求めてきた。

しかし、中国政府のダライ・ラマ批判は止まず、チベット自治区のトップ、張慶黎・党委書記らは全人代で、北京五輪に向け「最大の不安定要素はダライ・ラマ集団。一日たりとも分裂活動を中止しない(分裂主義者)」と非難していた。

チベットでは、僧侶に対するダライ・ラマ否定の思想教育だけでなく、学校教育や治安面などでも「中国化」を実施してきた。一方で、資金力を背景に老朽化した仏教関連施設の大規模補修事業を実施するなど、チベット民族の心を懐柔し、独立運動を押さえ込もうとする“硬軟両様”の政策を講じてきた。

だが、ラサでは潜在的に反政府感情は強く、きっかけさえあれば反中国感情が一気に吹き出す状態だった。チベットでは昨年も数十人、数百人レベルの民衆と当局が衝突した末、当局は武装警察を動員し、摘発を繰り返したといわれる。全人代の2日目、胡錦濤国家主席がチベット自治区の分科会に出席、「チベットの安全は全国の安全にかかわる」と強調したのも危機感の表れといえる。

胡主席は、チベット自治区党委書記時代の89年、ラサ暴動を鎮圧し、その功績が故トウ小平氏に評価され昇進につながった経緯がある。今後、抗議行動に対して当局が強硬手段をとれば、国際社会から人権批判や五輪ボイコットの声はさらに強まりそうだ。

サンケイ新聞の福島香織さん(中国総局記者)のブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」が盛り上がっております。

チベット民族蜂起49周年の3月10日にラサでおこった僧侶に対する公安、武装警察らの暴力以降、14日、ついに暴動に発展してしまいました。ラサが燃えています。

■11日にセラ寺でおこった抗議デモは催涙弾で制圧されました。このあと、ジョカン、デプン、セラのラサ3大寺院は人民解放軍に包囲されていました。数千人規模のデモ隊と武装警察が衝突、警察の発砲して2人が死亡した、と自由アジア放送が報じました。セラ寺では、僧侶らが抗議のハンストを行って、当局の暴力に抗議しています。2人の僧侶が、抗議の意味で手首を切って重体。

■今、ラサの友人とチャットしています。14日、街は中国系商店などが焼き討ちにあいました。この日の午後7時ごろ、娘熱路と2環路の交差点あたりで、衆人環視の中で3人のチベット族が撲殺されたそうです。誰に殺されたの?「そんな怖いこと聞かないで!私はここで生きていかねばならいの!」。パソコンに浮き出る英語の文章を見て、自分の愚かさを恥じました。恐怖を抑えながら、チャット必死で現地の様子を私に伝えてくれる彼女を、神様仏様、どうかお守りください。。

■友人によると、このほかにもparko (八角?) エリアで男性2人、女性2人が殺されたとか。あちこちで、暴行がおこなわれているもようです。インドからは応援のデモ隊がチベットに向かっているそうです。インド警察が押しとどめようとしていますが、おしとどめらるか。ああ、私の不注意で、怖がらせてしまって、友人はラインオフです。



中国外務省の秦剛報道官は13日の会見で、「少数の僧侶が社会動乱を起こそうと企てた。これはダライ・ラマ派の集団がチベット分裂をたくらみ、チベット人民の正常で調和ある平和な生活を破壊しようとした政治的陰謀。目下、政府と寺院民主管理委員会のおかげで沈静化している」と説明していましたが、ぜんぜん沈静化していない!


■これは中国当局の大失態です。こんな体たらくで、本当に五輪を開催するつもりなのでしょうか。デモくらいやらせてあげればいいのです。報道では、さも五輪反対がお坊さんたちの抗議活動の目的のように伝えられていますが、僧侶の願いは、政治犯として拘束されている僧侶の釈放です。この数年に急激に締め付けが厳しくなった宗教の自由です。ダライ・ラマ14世が求めるのは独立でなくて自治だ、と譲歩を見せているのに、中国側が強硬手段をとるので、ダライ・ラマ猊下のやり方は生ぬるい!と思っている一部若い僧侶が「チベット独立!!」といいうスローガンを唱えてしまうのです。

■独立が現実的に無理なのは、多くのお坊さんも認識しているのです。本当は中国がちょっと譲歩し、自治と宗教の自由、そしてチベット文化への尊重をもてば、話し合いの余地が生まれる関係なんです。実際、昨年はダライ・ラマ14世の密使が、私の聞くかぎりでも2度訪中しているはずです。

■なのに、中国側は僧侶に公然と暴力を振るいました。坊さんに暴力を振るうことが、どれほど信仰深い人々の怒りを買うか、国際社会から軽蔑されるか、わかっていない、まさか?まさか、中国の指導者ってそんなにあほなのか~?本当に五輪を無事開きたいなら、この局面で絶対暴力をふるってはならなかったのです。

胡錦濤国家主席は、すぐダライ・ラマ14世に事態の収拾を助けてもらうよう、丁重に頼むべきです。でないと、血の気の多いチベット族の若い僧侶は抑えられない。宗教に生きる民族を抑えることができるのは宗教指導者だけなのです。万が一でも、解放軍の武力で鎮圧なんてことになったら、五輪はあきらめなければならない。

■15日はポタラ宮近くのRamucheという修道院のリノベーションという特別な日らしい。何かがおこるのか?事態は深刻を極めています。

目の離せない状況になってきたと感じます。

3月 15, 2008 at 11:30 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2008.02.23

トルコ陸軍が激戦か?

昨日(2008/02/22)「トルコ陸軍が国境を越えてイラクでクルド労働者党の掃討作戦を開始した」とのニュースがありました。

AFP BB より「トルコ軍が大規模越境軍事作戦、29人以上が死亡

【2月23日 AFP】

トルコ軍は22日、クルド労働者党(PKK)掃討のためイラク北部への越境軍事作戦を展開した。
地上部隊の展開により、PKKの戦闘員24人が死亡、トルコ軍兵士も5人死亡した。負傷者も大量に出ている。

また砲撃やヘリによる作戦も実施され、これによりPKKの戦闘員がさらに約20人死亡したとみられる。(c)AFP

トルコ軍兵士が5人死亡、負傷者多数というのは予想外の激戦ですね。
同じく AFP BB の前日の報道にトルコ軍の規模に言及した記事があります。

米軍、イラク北部でのトルコ軍のPKK掃討作戦を確認

【2月22日 AFP】

米軍報道官は22日、トルコ軍の地上部隊が国境を越えてイラク北部に進入し、クルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(PKK)」の限定的な掃討作戦を開始したことを確認したと発表した。

駐イラク米軍のグレゴリー・スミス報道官はAFPに宛てた文書の中で、掃討作戦に際し一般市民やクルド人自治区のインフラ設備に被害が及ばないよう、最大限の注意を払うとの保証をトルコ政府から得ていると述べ、米国は「PKKのテロ活動から自国を守るトルコの権利を支持する」と語った。

さらにトルコ政府に対しPKK問題の解決に向けて、外交努力やイラク政府との調整などを含めたあらゆる手段を考慮するよう米国が助言したと述べた。

米報道官発表に先立ち、トルコ軍もイラク北部のクルド人自治区でPKK掃討作戦を開始したと発表している。

トルコのテレビ局は掃討作戦には地上部隊1万人が投入されたと報じているが、実際にイラク領内に入った兵力は明らかではない。
ホシヤル・ジバリ外相は、作戦は小規模なものだとしている。
(c)AFP

昨年12月からトルコはイラク北部のPKKの支配地域に爆撃を始めていて、とうとう陸軍の進行にエスカレートしたと見ることが出来ます。
マクロにはクルド人問題が拡大しつつあると見ることが出来るでしょう。
注目するべきです。

2月 23, 2008 at 11:29 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.24

ガザ地区・国境の壁を爆破しエジプトに脱出その2

「ガザ地区・国境の壁を爆破しエジプトに脱出」をアップした途端に続報が入ってきています。

読売新聞ガザとエジプト境界の壁爆破、住民数万人が流入
毎日新聞パレスチナ:ガザ住民数万人がエジプトに越境 壁爆破
NHKガザの壁爆破 住民エジプトへ
CNN.co.jpガザ地区住民がエジプト流入、境界壁爆破が引き金
AP NEWSGazans knock down border,flee to Egypt
The New York TimesPalestinians Topple Gaza Wall and Cross to Egypt

ニューヨークタイムスはスライドショーで写真を掲載しています。

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なんともすごい光景ですが、他の写真を見ると「エジプトまで買い物」といった様相で、壁を爆破した以上の混乱は今のところ起きていないようです。

しかし、ハマスとイスラエルの争いから別の局面に展開したことに違いはなく、今後の収拾策も今までとは違う方向になるでしょう。

たまたま、ベルリンで開催されている「国連安全保障理事会常任理事国5カ国とドイツの外相会合」では対イラン制裁強化の新決議案で合意しました。

世界の状況は今までとはだいぶ違う方向で、かつ何となくきな臭くなっていくように思います。
かなり強力な武器が軍隊以外のところで使えるようになっていますから、おそらくは、アメリカや中国・ロシアなどといった軍事大国でも対処不可能な形でのダラダラと続く紛争のような形になっていくのではないでしょうか?

1月 24, 2008 at 02:11 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

ガザ地区・国境の壁を爆破しエジプトに脱出

AFP BB より「国境の壁を爆破、数百人がガザ地区脱出

【1月23日 AFP】

イスラエルによる封鎖が続くパレスチナ自治区のガザ地区で23日、武装勢力がエジプトとの国境沿いに建設された壁の少なくとも5か所を爆破し、パレスチナ人数百人がエジプト領に脱出した。目撃者によると、エジプト治安部隊はまだ対応していない。

現地では前日22日、南部ラファのエジプト国境にある検問所で、イスラム原理主義組織ハマス主導のデモ隊が強行突破を図り、エジプト治安部隊との間で銃撃戦が発生。緊張した膠着状態が続く中で今回の脱出劇が起きた。デモ隊は、数か月におよぶイスラエルのガザ地区封鎖に抗議していた。

イスラエルは17日に封鎖措置を強化。物資の欠乏に苦しむガザ地区は一層の困難に陥った。22日になってようやく限定解除され、一定量の燃料搬入が許可されたばかりだった。(c)AFP

ガザ地区とイスラエル・エジプトはこんな位置関係です。

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今回の「エジプトとの国境沿いの壁」というのは、13キロに渡って作られている物で、子細に見ると、ラファの市街と飛行場が見えます

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飛行場は、ご覧通りイスラエルの空襲によって破壊されています。

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2008年1月17日にイスラエルはガザ地区を封鎖し、ガザ地区では燃料が無くなって発電所が停止してしまい、このために上下水道設備が動かなくなる事態にまでなりました。

イスラエル側の言い分は、ロケット攻撃などするハマスがガザ地区に本拠を置いているから、ということですが市民生活が成り立たなれば、今回の国境突破も当然の成り行きといえるでしょう。

現時点では、エジプトはまだ対応していないとのことですが、全くの難民として国境を突破してくるような事態になった場合、その原因が明らかにイスラエルにあるとなれば、イスラエルとエジプトの緊張を引き起こすかもしれません。

極めて難しい状況になっていますが、イスラエルが強攻策を緩和することで、この国境突破が元のように修復されるのかどうかが、とりあえずの緊張が回避できるのかどうか?の分かれ目になるような気がします。

1月 24, 2008 at 12:31 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.22

中国の対北朝鮮政策

読売新聞より「北朝鮮の体制崩壊危機なら軍派遣…中国の専門家ら議論

【北京=佐伯聡士】

北朝鮮の金正日体制が崩壊の危機にひんした場合、中国が、北朝鮮の一般難民だけでなく、軍や治安部隊などの一部が武装したまま難民化し、国境地帯の中国東北部に流入するのを強く警戒して、北朝鮮国内に軍を派遣し、治安回復や核管理などに乗り出す案が、中国人民解放軍の専門家らの間で議論されていることがわかった。

中朝関係に詳しい消息筋が21日、明らかにした。

中国は、北朝鮮情勢は当面安定していると見ているが、不測の事態に備えた緊急対応策の策定を急いでいるとみられる。

同筋によると、専門家らは、金正日総書記の急死やクーデターなどの北朝鮮有事で軍を派遣するかどうかは、国連安全保障理事会の承認が原則的には前提になるとしているが、難民流入が一刻の猶予も許さない場合は、中国が独自判断で派遣することも検討している。この案について、中国指導部はまだ最終決定しておらず、有事の際は対米関係などに配慮した上で慎重に判断することになるという。

中国では、2006年10月の北朝鮮の核実験以来、有事の際の核管理に対する懸念が強まっている。別の消息筋は「北朝鮮だけでなく、パキスタンなど政情不安を抱える核保有国が混乱に陥った際、いかに多国間で核兵器の管理を行うかについて、国連安保理で議論すべきだ」として、検討の必要性を訴えている。

米戦略国際問題研究所(CSIS)は先に、中国の専門家と昨年議論した結果として、北朝鮮有事の際の中国軍派遣構想に触れた報告書を発表した。報告書は軍派遣目的として、〈1〉(一般の)難民の支援など人道上の任務〈2〉平和維持〈3〉核兵器・核物質の安全確保――といった可能性を指摘した。ただ、中国外務省報道官は、この構想について存在を否定している。
(2008年1月22日03時11分 読売新聞)

こういう計算はあるだろうとは以前から考えてはいましたが、新聞の取材記事として登場したとは驚きです。

この「発表」がどのレベルのものかが良く分かりませんが、世界に向けてある種の事前通告の要素を持っていることは確かでしょう。
これにロシアがどう反応するのかが興味深いところですが、北朝鮮の政権が次世代に平穏に引き継がれるかとなると、かなりの疑問がありどういう形にしろ政権崩壊になる確率は低くは無いでしょう。

とりあえず、崩壊直後の混乱が中国に及ばないようにするために、と議論は出発するわけですが、その後をどうするのか?という問題は残っているわけで、とりあえずを乗り切ったとしても東北アジアの国際関係の緊張が強くなるのは避けられないと考えています。

1月 22, 2008 at 09:33 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.13

台湾の総選挙・与党惨敗

昨日(2008/01/12)の台湾の総選挙は、定数113議席に対して

与党民進党27議席24%
野党国民党81議席72%

と野党国民党の圧勝となりました。

台湾の政治体制は大統領制と言って良く総統選挙が3月22日にあります。
陳水扁総統は民進党の主席(党首)ですが、選挙の惨敗で党主席を辞任する異なりました。

陳水扁総統は台湾の独立を目指していて、総統選挙では台湾独立について国民投票を実施するとしていました、これに対して国際世論はアメリカも日本も現時点の対話独立に反対を表明していました。

日本の新聞は、朝日新聞が中国よりの観点から大きな記事を作り、サンケイ新聞が反中国よりの観点から複数の記事を出しています。

朝日新聞より「台湾立法院選、野党国民党が圧勝 与党、総統選に打撃

台湾の国会にあたる立法院の選挙(一院制、定数113)が12日、投開票され、中央選挙委員会の発表によると、野党国民党が3分の2を超える81議席を獲得した。国民党にとって歴史的な大勝で単独過半数は98年選挙以来。与党民進党は27議席にとどまり、諸派・無所属が5議席だった。民進党には3月22日の総統選に向けて深刻な打撃となり、米中との対立も辞さない陳水扁(チェン・ショイピエン)総統の独立路線の転換を含め、態勢立て直しが急務になる。陳総統は12日夜会見し、「支持者に申し訳ない。私に全責任がある」と述べ、兼務する党主席の辞任を表明した。

国民党は今回から導入された小選挙区制で持ち前の組織力を動員した。民進党政権の腐敗や経済失政をテレビ広告で繰り返し攻撃し、陳総統への有権者の反発を利用して「陳政権への信任投票」を印象づけた。野党連合を組む親民党との候補者調整にも成功。やはり直接選挙で行われる総統選に向け、これ以上ない勢いを得た形だ。

陳総統は台湾人意識や台湾の独自性を強調し、今回の選挙が「中国か台湾かの選択だ」と主張。中国との融和姿勢をとる国民党との違いを有権者に訴えたが空振りした。

05年の選挙制度改革で今回から定数が半減、小選挙区73議席と政党比例区34議席、先住民区6議席の計113議席を争った。陳総統は04年総統選の公約だった小選挙区制導入で一気に勢力拡大を狙ったが、支持率下落で自ら墓穴を掘った形になった。

今回は、小選挙区で国民党が民進党の固い地盤だった高雄市・県など南部でも議席を伸ばすなど73議席中57議席を占めて圧倒したほか、比例区でも国民党票は全体の51%に及び、民進党票の37%を大きく引き離した。李登輝前総統が指導者である台湾団結連盟(台連)は比例区での得票率が3.5%にとどまり、議席なしに終わった。

国民党の総統候補、馬英九(マー・インチウ)氏は12日夜に会見し、「皆さんが我々にチャンスをくれた。今回の成果を総統選への加勢と変えたい」と話した。

今回は民進党が求めた「国民党の不当資産返還要求」と国民党が求めた「政権腐敗追及・国家財産返還」の二つの住民投票も同時に実施されたが、棄権が多く投票者不足で成立しなかった。

投票率は小選挙区で前回選挙の約59%をやや下回る58.5%、比例区で58.3%だった。

■議席3分の2、議会支配

国民党の議席数は3分の2にあたる76議席を超える81議席となった。台湾の立法院では3分の2の賛成があれば、総統の罷免案を提案して住民投票で賛否を問うことができ、たとえ次の総統選で民進党の謝長廷(シエ・チャンティン)氏が当選しても不安定な政権運営を強いられる。

国民党と協力関係にある諸派・無所属の当選議員5人も加えると、合計で4分の3を超える。4分の3の賛成を得れば憲法改正などの提案が可能で、国民党が議会運営で圧倒的な支配力を行使できることになる。

90年代の民主化以来、基本的に右肩上がりで勢力を伸ばしてきた民進党は「党創設以来の歴史的敗北」(陳総統)という惨敗だ。今回の議席割合は約24%にとどまり、初めて完全直接選挙となった92年の選挙で161議席のうち50議席(約31%)を得たときをさらに下回った。

陳総統は、台湾名義での国連加盟の住民投票を総統選と同じ3月22日に実施することを決めるなど選挙運動を主導してきたが、総統選に際し、主役を総統候補の謝氏に明け渡すよう求める声が党内から上がりそうだ。

ただ、このままでは00年と04年の総統選で勝ち取った政権の維持が難しいと判断した場合、陳総統がより台湾独立に傾くなど過激な方法で情勢を緊張させたり、「混乱」を理由に総統選延期などの手段を講じたりするのではと危ぶむ声が国民党側からは出ている。

サンケイ新聞より「台湾人意識より経済 立法院選 陳政権に厳しい審判

【台北=長谷川周人】
12日の台湾立法院選で、与党・民主進歩党が歴史的惨敗を喫したことは、初の台湾人政権を誕生させながら成果に乏しい陳水扁政権の執政8年に対し、有権者が抱く複雑な思いを代弁している。対中融和による経済振興策を掲げる最大野党・中国国民党は、次の照準を3月の総統選に合わせ、議会での大躍進をバネに8年ぶりの政権奪還に動き出す。民進党が巻き返しを図れるか、「台湾人意識」を根付かせた真価が問われる。

陳総統は選挙戦で、「台湾」名義による国連加盟の問題や「脱蒋介石化」政策を矢継ぎ早に打ち出し、国民党独裁による民衆弾圧をやり玉に挙げて、「台湾人意識」の高揚による民意の一体化を引きだそうとした。12日は台北市内の投票所で呉淑珍夫人とともに投票を済ませ、「台湾、民主、正義のために投票しよう」と支持を訴えた。

しかし、独立志向を強めながら中台関係は前進せず、頼みの経済も深刻化する貧富格差に住民は不満を募らせるばかり。腐敗を招いた政権の責任も先送りしたままで、陣営幹部は「理念だけでは有権者には問題のすり替えと映る。対立をあおれば政局混乱を招き、政治への嫌気を誘うだけだ」とため息をつく。

これに対し、経済重視という現実路線で選挙戦を優位に進めた国民党は、総統候補の馬英九前主席が高い支持率を武器に党の広告塔となり、全土で応援遊説を展開。党内調整や統一派政党との協力関係の構築を図る呉伯雄主席とは役割を分担し、組織力を背景に圧勝し、悲願の政権復帰を目指して総統選に駒を進める形となった。

今回は、立法院選と総統選が接近しており、有権者の揺り戻しが起こる可能性は低いとみられ、総統選でも勢いに乗る国民党が有利とみられる。

民進党は選挙結果を踏まえた体制の立て直しが急務だが、党主席を兼任する陳総統は13日から南米への外遊を決めた。総統は先週、選挙責任についても「総統選後」との考えを示したが、総統候補の謝長廷元行政院長(首相)は「今後の『主役』は私。立法院選の政治責任を党主席がとるのは世界の常識だ」と認識の開きはなお大きく、今後の調整の行方が注目される。

現在の台湾は、第二次大戦後の中国での共産革命で大陸を追われた蒋介石政権が台湾にいわば亡命政権を作ったという考え方があって、中国大陸の正統政府は台湾にあるとして「大陸反攻」で長年、台湾と大陸が戦ってきた関係にあります。

一方で、台湾では大陸からの亡命者が元からの住民の財産などを奪ったという事で、大陸から来た人たちを外省人と呼び、元々の台湾の住民を本省人と呼び、少数派の外省人が本省人を支配しているということで、対立がありました。

陳水扁総統の「台湾独立」論はこの争いを明確にしたものですが、国民党政権下では、台湾は中国の一部であるという事については大陸も台湾も共通認識であったのですから、台湾独立は極論と受け取られたのかもしれません。

実際問題として、現在の台湾は経済で大陸と深い関係にあり大陸と経済断交になった場合は台湾の先端産業は生産能力を事実上失うでしょうから、経済が不安な現時点で陳水扁総統は経済界からの支持を得られなかったのでしょう。

台湾ほどの巨大な国力の地域が、国際的に中途半端な状態のままであるの決して良いとは思いませんが、隣国である日本はそこそこうまくやっていると言えるでしょう。
なんらかの形で国連での発言力を台湾が持てることぐらいが、望ましいのでしょうか?

1月 13, 2008 at 11:26 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.12

F15の大量廃棄か?

AFP BB より「米空軍のF15戦闘機初期型の40%に欠陥が見つかる

【1月12日 AFP】

米空軍が保有する主力戦闘機F15の初期型にあたるA型からD型の40%前後が構造的欠陥を抱えていることが明らかになった。米空軍が10日、調査結果を明らかにした。長期的に米軍の戦略に支障をきたすと懸念が持ち上がってきた。

前年の11月2日、米国ミズーリ州での空中戦訓練中のF15戦闘機1機が空中分解により墜落したことを受け米空軍は前年11月、保有する665機全ての同戦闘機の飛行を停止させ、2か月にわたり検査を行ってきた。

10日の発表によると、A型からD型の合計295機が飛行を許可された一方、9機の縦通材(ロンジロン)と呼ばれる胴体の骨に当たる部分にクラックが見つかった。さらに調査した機体のおよそ40%で、少なくとも1つのロンジロンが設計の仕様に合致しなかったという。11月の空中分解はロンジロンの破損が原因と見られている

現在までF15戦闘機の約90%の検査が終了しているが、空軍は構造的欠陥を抱える100機以上について、欠陥を修正するか退役させるかの決断を迫られている。

バージニア州のラングレー空軍基地航空戦闘軍のThomas Crosson少佐によると、F15戦闘機は2009年から退役が始まる予定だが、ロンジロン1つの交換にはおよそ20万ドル(約220万円)の費用がかかるという。

長らく主力戦闘機の座にあったF15戦闘機は、製造から平均25年を経ている。F15戦闘機のなかでは最新のF15E型はイラクやアフガニスタンにも投入されているが、旧型のF15AからF15Dは現在、主に米本土防衛に当たっている。

F15戦闘機は現在、徐々に最新戦闘機F22へ置き換えられている。高速でステルス性を持つF22はF15より高額。空軍はこれまで調達が承認された183機では兵力の不足を補えないとし、政府に対しF22戦闘機381機の調達を強く求めている。(c)AFP

ロンジロンは飛行機の骨の一種類で縦に長く通っているものです。

今回F15戦闘機が飛行中にロンジロンの破壊で分解したのは、操縦席直後だそうで操縦席が分離して落下、パイロットはその後に脱出して生還したそうです。

飛行機の断面は場所によって変化しますが、断面の形状を形作る枠をフレームと呼び、フレームを繋ぐのがロンジロンです。

現代の飛行機はモノコック構造ですから、強度も骨に貼り付けた表面材料と共に強度を維持しています。

このため、ロンジロンそのものは恐ろしく貧弱な部材であることが多いです。

検査してみたら設計仕様に合っていなかったというのは本当か?と感じますが、無いとは言えないでしょう。

同じような形でありながら爆撃機になったF15Eでは、機体構造を大幅に変更して積載能力を高めましたが、同時に自重も重くなっています。

ロンジロンの交換自体は珍しい事ではなく、大分解整備といった位置づけですが、交換ではなくて改造となるとちょっと大変でしょう。

例えば、問題のロンジロンの強度を高めるために、形状を変更すれば内部の搭載機器との干渉の問題がありますし、単に一部の部材だけを強度を高くするとその他の部分に応力が集中する可能性もあるでしょう。

このような、手間暇の掛かる作業をして改修するのか、廃棄するのかというのは次期戦闘機であるFA22とF35の配備数にも影響が出るでしょうから、政治的な駆け引きの要素は大きいでしょう。

1月 12, 2008 at 06:27 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.04

トルコで車両爆弾の爆発

AFP BB より「車両爆弾の爆発で4人死亡、トルコ南東部

【1月4日 AFP】トルコ南東部のディヤルバクル(Diyarbakir)で3日、爆弾を積んだ車両が爆発し、4人が死亡、68人が負傷した。地元当局によると、負傷した68人のうち4人が重傷だという。

南東部はクルド系住民が多数を占める地域。爆発は、軍基地や兵舎から約100メートル離れたディヤルバクル中心部で発生。爆発した車両は、軍の車両がその近くを通った際に、遠隔操作によって爆破されたという。

トルコのテレビ局NTVは、死亡した4人の中には高校生も含まれている可能性があると報じた。

また、負傷者の中には、兵士と一般市民の両方が含まれているとの情報もある。(c)AFP

ディヤルバクル(Diyarbakir)とはどこだ?とGoogle Earth で探しました。

Up

一番近いシリア国境まで100キロぐらいです。決して国境の町ではありません。
本当にクルド民族がこのような事件を引き起こしてるのなら、内乱とも言えることでトルコ政府も苦しい対応になりますね。

シリア国境を拡大して見てみいたら、国境沿いに広いところだと数百メータもある無人地帯が整備されているのが見えます。
もちろん、街から出た道路も国境沿いの道に道で行き止まりです。国境が陸で接する国の大変さが見えました。

1月 4, 2008 at 09:17 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.03

ブット氏暗殺後のパキスタン情勢

CNN.co.jp より「内務省が頭蓋骨骨折の死因を「撤回」 ブット元首相暗殺

イスラマバード(CNN) パキスタンのブット元首相暗殺事件で、同国内務省のチーマ報道官は1日、死因は自爆テロの爆風で乗っていた車両のサンルーフのレバーに頭部を強く打ち付けたための頭蓋骨骨折としていた立場を修正し、最終的な判断は鑑識捜査の結果を待って下したいと述べた。

同報道官は事件から1日後の28日の会見で、死因は頭蓋骨の骨折と説明。しかし、内務省は当初、テロ実行犯の銃撃が死因としたが、その後、自爆攻撃の破片と訂正した経緯もある。

チーマ報道官は死因を頭蓋骨骨折とした根拠について、初期の捜査結果と死亡と宣言したラワルピンディ総合病院の医師の所見を挙げた。得られた事実を述べただけとも主張した。だが、同病院の弁護士はこの医師の所見に該当するような見解を政府に伝えていないと反論した。

元首相の死因については政治的な思惑も絡み、政府側とブット氏率いていた野党、パキスタン人民党議会派の主張が事件後から対立している。

事件発生直後に元首相の遺体をふき清めた側近は29日、頭部に銃弾痕があったと証言。この女性側近は事件時、襲われた車では元首相の背後にいた。出血する元首相を病院に搬送し、遺体をふいた時、銃弾痕が明らかに見てとれたと説明している。

ブット氏は銃弾を受けていないとする内務省の主張を、警備問題などで暗殺事件の責任を免れようとするまやかしの言動と糾弾していた。また、ラワルピンディ総合病院の弁護士は31日、地元警察が医師による死因解明の検視解剖を阻止したとの事実も明らかにしている。

これに対し地元警察の署長は検視を勧めたが、元首相の夫のザルダリ氏が反対したため実施されなかったと反論していた。

31日には事件発生の模様をとらえた新たなビデオ映像も判明、元首相の死因は銃撃だったことを「裏付ける」場面が含まれていた。

ブット氏暗殺はその後一連のかなり混乱した状態を生みだしています。

  1. ブット氏暗殺
  2. 銃撃後に自爆テロ
  3. パキスタン政府は、ブット氏は銃殺ではなく銃弾も無いと発表
  4. 政府は1月8日の総選挙の延期を発表
  5. 銃撃を撮影したビデオが公開
  6. 医師が政府発表の意見は述べていないとコメント

といったところが昨日の報道でしたが、野党側は当然のように「選挙延期反対」を強く表明していました。しかし、政府は総選挙を2月18日に延期すると発表しました。

朝日新聞より「パキスタン総選挙、2月に延期 英に捜査協力要請も

パキスタン選挙管理委員会は2日、8日に予定していた総選挙を2月18日に延期すると発表した。ブット元首相の暗殺による暴動で各地の選管事務所が襲撃され、正常な選挙ができないと判断した。ムシャラフ大統領は同夜、国営テレビで演説。「自由で公平で透明な選挙のために、延期は不可避だった」と理解を求めた。

ムシャラフ氏はブット氏の死に哀悼の意を表し、「イスラム過激派のテロリストの仕業だ」と明言。英国に捜査協力を求めたことを明かした。

選管のファルーク委員長は記者会見で、南部シンド州で11カ所の選管事務所が破壊され、投票箱の保管所が被害に遭ったと説明。1月中旬からイスラム教シーア派の祭礼行事アシュラが始まる。例年、この時期にスンニ派との宗派抗争が多発するため、アシュラの期間が終わってからの選挙日程を設定したという。

ブット氏暗殺を防げなかったばかりでなく、政府が暗殺に関与したと疑う声も広がり、ムシャラフ氏への批判が高まっていた。このため与党パキスタン・イスラム教徒連盟(PML)には延期を求める意見が出ていた。

一方、ブット氏が率いた野党パキスタン人民党(PPP)や、シャリフ元首相のパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PMLN)は、予定通り1月8日の実施を求めていた。

実際にブット氏暗殺のビデオを見ると銃撃犯人は短機銃を持って車の隣に居ます。
このようなところに銃を持ちこませた警備体制はブット氏自身が生前に問題にしていたことで、政府としては混乱の中で総選挙に臨むのを避けたとは言えるでしょう。しかし当然ながらブット支持者は「ブット氏地元に怒り パキスタン総選挙延期」(朝日新聞)となっています。

パキスタン総選挙が2月18日に延期され、暗殺されたブット元首相の地元カラチには失望や怒りが広がった。野党も一斉に批判しており、抗議デモなどが再び先鋭化する可能性がある。

一時はブット氏支持者と警官隊が衝突するなど緊迫したカラチ中心部サダル地区では2日、所々に銃を持った兵士や警官が厳戒し、以前のにぎわいも戻っていた。

時計修理工のファルークさん(52)は「全政党が納得する形で予定通りに総選挙を実施することでしか、平和と安定は戻らない。野党支持者が反発して状況が悪化するのは必至だ」と不安がる。

大学生のサイードさん(23)は「一体何のために延期する必要があるのか。これは大統領や政府のワンマンショーだ」と憤った。

抗議デモや襲撃を予期して早々に店じまいするところも。茶葉販売店を閉める支度をしていたフィダフサインさん(28)は「デモ参加者が店を襲うかもしれず、商売どころじゃない」と話した。

ブット元首相が率いていた野党パキスタン人民党(PPP)は、大量の「同情票」を期待して予定通りの選挙実施を求めていた。PPP幹部は民放テレビに「大敗しそうな与党が時間稼ぎのために延期させた」と批判。ただ、新総裁に選ばれたブット氏の長男ビラワル氏は「民主主義こそ報復の最良の手段」と述べていた。PPPは2日夜に幹部会議を開き、選挙への参加を決めた。

シャリフ元首相の野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PMLN)の報道官は、AFP通信に「参加するだろう」と述べた。同党は暗殺事件後、いったんは選挙の不参加を表明したが方針を撤回している。

なんとか無事に総選挙が出来ればよいのですが、インド洋沿岸の諸国の安定は中東とのオイルロートに大きく影響します。
パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコと不安定化しては世界的な大問題になるでしょう。
原油の先物価格はニューヨークで一時100ドルを突破しました。 ユーロだけが強く、円はもちろんドルも弱くなっています。今後は、ユーロを基軸に世界経済を見た方が正しのかもしれません。

年末でニュースも枯渇状態でネタに困っております(^_^;)
とは言え新聞などに倣えば「特集企画」に行くわけでして、複数のニュースを無理矢理並べてみました。

朝日新聞より「冷める米英、日本危機感 宇宙に迫る「ILC計画」暗雲
共同通信より「核計画申告遅れ「残念」 期限遅れで米国務省
AFP BB より「スペースシャトル「アトランティス」、1月の打ち上げ予定も再延期

これらはいずれも国際協力として日本が深く関わっている事柄ですが、様々な事情で当初の思惑通りに進まなくなってしまいました。
1960年代までの日本は敗戦国の位置づけであったと実感しますが、1980年代は世界から利益を受けるだけの国という感じで、1990年以降は「根拠無き国際協力が当然」であったのだろうと思います。

まもなく2010年代が始まるわけですが、上記のようなニュースを並べてみると、ふたたび国際協力よりも国家中心に戻るのではないか?と感じざるを得ません。

朝日新聞より「冷める米英、日本危機感 宇宙に迫る「ILC計画」暗雲

日本をはじめ欧米、アジア諸国が協力して進めてきた次世代粒子加速器・国際リニアコライダー(ILC)計画に暗雲が漂っている。
今月、米国が大幅に予算を削減し、英国も事実上の撤退を表明した。
計画に不透明感が増す中、日本の推進議員連盟(会長=与謝野馨・前官房長官)のメンバーは来年2月にも訪米し、関係強化を図る。

ILCは約30~40キロの直線トンネル内で光速に近い電子と陽電子を正面衝突させ、宇宙誕生(ビッグバン)から1兆分の1秒後という超高温・超高密度状態を再現。宇宙と物質の謎に迫る世界最高性能の加速器だ。
建設費は約8000億円。

日本では高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)や各地の大学が技術開発をしており、建設適地を検討したこともある。昨年結成された推進議連は「開発・調査に5年で総額200億円の予算確保」などの提言を盛り込んだ中間報告を今月3日に公表した。

しかし26日に成立した米国の08会計年度包括歳出法では科学技術関係予算が削減され、中でもILC関係は要求の4分の1の1500万ドル(約17億円)に圧縮された。08会計年度はすでにほぼ3カ月がすぎており、歳出法は残り9カ月の研究停止に等しい措置。国際設計チームは「深刻な事態」としている。

英国の公的研究資金分配機関の一つ、科学技術施設審議会も11日、08~11年の方針で「ILCに対する拠出を中止する」と発表した。08年に欧州で稼働する別の大型加速器(LHC)への集中などを理由に挙げている。

ILCのアジア側代表の野崎光昭・高エネ研教授は「米国の予算削減は政治要因の副次的結果であり、計画中止を意味しないと考える。日本はこれまで通り研究開発を進め、英米の一刻も早い復帰を願う」としている。

共同通信より「核計画申告遅れ「残念」 期限遅れで米国務省

【ワシントン30日共同】

米国務省は30日、北朝鮮が6カ国協議で合意した核計画申告の提出が遅れていることを「残念だ」とする声明を発表、「完全で正確なすべての核計画、核兵器、核拡散活動」についての申告を早期に提出するよう促した。

6カ国協議の10月合意文書には、核計画申告の期限は12月31日と明記されている。期限切れをにらんで出された声明は「北朝鮮が義務を果たせば、米国も6カ国協議の合意に基づいた義務を果たす」として、完全申告に向けた決断を北朝鮮に迫った。

声明は核計画申告とともに、北朝鮮が核施設無能力化作業のペースも落としているとして遺憾の意を表明。米国は今後も日本など他の協議参加国と連携し、北朝鮮に対しすべての核計画申告と無能力化作業の完了を促していくと強調している。

AFP BB より「スペースシャトル「アトランティス」、1月の打ち上げ予定も再延期

【12月29日 AFP】

米航空宇宙局は28日、1月10日に打ち上げを予定していたスペースシャトル「アトランティス」について、打ち上げの再度延期を発表した。

27日、シャトル計画責任者の会合を開いて問題解決の進ちょく状況を協議した結果、1月10日の打ち上げも「達成不可能」との結論に至ったと説明している。新たな打ち上げ日程は未定。

アトランティス打ち上げは、国際宇宙ステーションに欧州の宇宙実験棟を輸送するため。当初の打ち上げ予定は12月6日だったが、液体水素の燃料センサーの欠陥が見つかり、これまで数回にわたって延期されている。(c)AFP

日本では「国際公約だから」と言うと誰も反論できなくなるようなところがいまだにありますが、すでに「他国に迷惑が掛かろうが出来ないものは出来ない」といった政策決定が続々と出てきていることには注目するべきでしょう。

国際宇宙ステーション計画では、日本の実験棟は非常に大型のもので期待も大きかったのですが、すでにスペースシャトルの運航に期限が切られていて、さらにその実施すら怪しいとなると実験棟は出来ても実験は出来ないということも十分にあり得る事でしょう。

巨大プロジェクトとして他に有名なものには「国際熱核融合実験炉計画」がありますが、これはまるで海の物とも山の物とも分からないと言って良いので、国際宇宙ステーション計画すら止まるようではとても実現するとは思えません。

マクロに見ると、日本の国内政治でも同じですが「反対しにくいからドンドン話だけ大きくなった」と評価するべきなのでしょう。
全くの夢の段階では話を進めることが出来たが、いざ取りかかってみると、とてもではないが続けることが出来ない。
投資に見合う成果を得るためにはもっと現実的な規模の計画にするべきだ、となるのは必然で2010年代の国際潮流は「国際協力よりも国内事情の優先」に向かうのではないか?と考えるのです。

一方、世界の警察官役を自他とも認めていたアメリカの軍事力も国際協力無しには動かなくなってしまいましたから、国際紛争レベルではかなり不安定になっていくように感じます。

国家が例え反米的であってもそれなり安定していれば、戦争レベルの国際紛争にまでは拡大しないかもしれませんが、国家ではない集団が事実上の国家レベルの軍事力を持つと予想されますから、例えば海運が困難になる、石油のパイプラインが途絶する、といった戦争よりもひどい内乱や海賊行為といったことが出てくるかもしれません。

国際協力を無条件でアテに出来る時代ではなくなったとすると、国際平和こそが日本の経済の生命線であるという現実は非常に重いものになってきて、日本はどうやって生き延びるべきかという問題に直面するかもしれません。

1月 3, 2008 at 03:10 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.01.02

ケニアで全国規模の暴動

ケニアで2007年12月27日に大統領選挙がありましたが、その後に始まった混乱はすごいことになりつつあります。

AFP BB より、記事タイトル一覧

ケニア大統領選、独立以来初の政権交代なるか2007年12月27日
開票作業遅れるケニア大統領選、非公式結果では野党候補が優勢2007年12月29日
ケニア大統領選挙、開票作業の遅れから不正を疑う野党支持者らが各地で暴動2007年12月30日
ケニア大統領選、現職キバキ氏が再選2007年12月31日
大統領選めぐりケニア全土に広がる暴動、死者185人2008年01月01日
ケニア暴動で各国政府が渡航延期勧告2008年01月01日
ケニア大統領選をめぐる暴動で、死者251人に2008年01月01日
ケニア暴動、教会に避難していた35人が焼死2008年01月02日
大統領選後の暴動で住民7万人が避難、死者は300人超2008年01月02日

12月30日の「各地で暴動」といったニュースには驚きませんでしたが「住民7万人が避難」となるとただ事ではない、感じます。
それに、3日ぐらいでここまで拡大したのですからもう一段の拡大もあり得るでしょう。

ケニアは1963年にイギリスから独立して、近隣諸国がクーデター騒動などで政治的に安定しない中で長期間に渡って政治的に安定していたので、今回の騒動に驚いています。

1月 2, 2008 at 08:19 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.30

パキスタンからトルコまで

AFP BB より「パキスタン政府、総選挙延期の可能性を示唆

【12月30日 AFP】

パキスタン政府は29日、ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相が自爆テロで死亡し、それに伴い全国的な暴動が発生したのを受け、来年1月8日に予定されていた総選挙が延期される可能性を示唆した。暴動により、これまでに38人が死亡し、53人が負傷した。

■PPPは30日に総選挙の参加・不参加を決定

欧米各国はパキスタン政府に対し、ブット元首相の死に伴う混乱の中でも民主化プロセスを進めるよう要請しているが、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML)のナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相はすでに総選挙のボイコットを表明している。

また、ブット元首相のパキスタン人民党(Pakistan People's Party、PPP)議会派は、総選挙の参加について30日に決定を下すと発表した。

■ブット元首相の死因をめぐり激しい論争

一方、ブット元首相の死因をめぐっては、激しい論争がわき起こっている。

PKKは、ブット元首相の死の真相を隠蔽しようとしているとして政府を非難。これに対し、同国内務省は同日、同元首相の死因についての説明は「真実以外の何ものでもない」と述べ、PKKからの要請があれば検視のために遺体を掘り起こすと言明した。

ブット元首相はラワルピンディ(Rawalpindi)で開かれた選挙集会の会場を離れようとした際、自爆テロに遭い死亡した。当初の報道や目撃者の証言では、爆発前に射殺されたと伝えられていたが、政府はブット元首相の遺体からは銃弾や爆弾の破片は発見されず、自爆テロ発生時に伏せようとした際、車両のサンルーフに頭をぶつけたことが死因になったと発表した。

PPP幹部はこの政府の説明を「でたらめ」と一蹴(いっしゅう)。ブット元首相の遺体洗浄を行った同元首相報道官のSherry Rehman氏は、「彼女の後頭部から貫通した銃創を見た」と証言し、「政府は真実を隠蔽しようとしている」と主張した。(c)AFP/Nasir Jaffry


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すごい展開になりつつあって、暗殺を企てたものが政治の混乱を狙ったのだとすると成功しつつあると言えるでしょう。
アメリカ側から見れば、パキスタンの政治的安定を確保しないと隣国アフガニスンタンの安定などあり得ないわけだし、さらにパキスタン・アフガニスタンと接するイランの反米的な姿勢にも悪影響が出る、と考えているでしょう。

しかし、トルコ軍はイラクに侵攻する様子を見せていて、アメリカはかなり抑える方向で動いたようですが、すでにトルコ国内の政治情勢がイラク領内に侵攻せざる得ないところまで来ているようです。

アメリカのシナリオは破綻したと言って良いでしょうが、ではこの地域の安定はどのような形で実現するのか?
大げさに言うと、近代国際社会の原理にまで戻るような騒乱がすぐそばに迫っているような印象すら受けます。

12月 30, 2007 at 11:23 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.16

国連で死刑制度廃止決議

朝日新聞より「死刑執行停止決議を採択日米などは反対国連総会委

欧州連合(EU)が主導し、87カ国が共同提案した死刑の執行停止を求める決議案が15日、人権問題を扱う国連総会第3委員会で賛成99、反対52、棄権33の賛成多数で採択された。死刑制度が存続している日本や米国、中国などは反対した。年内に総会本会議で正式に採択される見通し。決議に法的拘束力はないが、死刑廃止国の増加という世界的な潮流を改めて印象づけた形だ。

決議案は死刑制度の継続に「深刻な懸念」を示すとともに、制度が存続している各国に、(1)制度の廃止を視野にした執行の一時停止(モラトリアム)(2)死刑の適用の漸進的削減(3)死刑に直面する人の人権保護の尊重――などを要求。廃止国に対しても制度を再導入しないよう求めている。

同様の決議案はイタリアなどの主導で94年にも提出されたが、この時は小差で否決された。99年には、反対派の修正要求が通ったため、採決を断念した経緯がある。今回も、死刑制度の必要性を訴えるシンガポールやエジプトなどが段落ごとに修正案を出して抵抗したが、2日間の協議の末、原案通りで採択された。

日本の神余隆博次席大使は「日本では、国民の大半が最も悪質な犯罪には死刑を宣告すべきだと信じている。死刑制度の廃止に向かうことは難しい。死刑廃止に国際的な合意はない」と反対の理由を説明した。

この決議の元はこの記事です。
朝日新聞より「死刑執行停止求める決議案提出EUなど72カ国

イタリアなどが1日、死刑の執行停止を求める決議案を国連総会に提出した。人権問題を扱う第3委員会で月内にも採決される見通し。加盟192カ国のうち、提出時点で72カ国が共同提案国に名を連ねており、決議案作成を主導してきた欧州連合(EU)加盟27カ国は賛成多数での採択に自信を見せている。

決議案は死刑制度の継続に「深刻な懸念」を示すとともに、制度が存続している各国に、(1)制度の廃止を視野にした執行の一時停止(モラトリアム)(2)死刑の適用の漸進的削減(3)死刑に直面する人の人権保護の尊重――などを要求。廃止国に対しても制度を再導入しないよう求めている。

同委員会には94年、2000年までの死刑執行停止などを促す決議案が出されたが、小差で否決された。その後も死刑廃止国が増加しており、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルによると、死刑を10年以上執行しないなど事実上廃止している国を含めた死刑廃止国は133カ国。一方、死刑存続国は日米や中国など64カ国・地域だという。

要するに死刑制度を維持している国が少数派になっている、という事です。

アムネスティ・インターナショナルが死刑制度については以前から継続的に報告しています。
アムネスティ・インターナショナル日本・死刑廃止ネットワークセンターの記事「死刑に関する事実と数字」より

4. 死刑判決と執行

2006年中に、25カ国において少なくとも1,591人が処刑され、55カ国において少なくとも3,861人が死刑の判決を受けた。これらは最低限の数字というだけであり、実際の数字は確実にこれを上回る。

2006年においては、判明しているすべての執行の91パーセントが、中国、イラン、パキスタン、イラク、スーダン、米国で行なわれた。

入手した公の報告をもとに、アムネスティ・インターナショナルはこの年に中国で少なくとも1,010人が処刑されたと見積もったが、実際の数字はこれをはるかに上回ると考えられる。信頼できる筋は7,500~8,000人が2006年に処刑されたと示唆する。公式な統計は依然として国家機密であり、そのことが監視と分析を難しくしている。

イランは177人、パキスタンは82人、イラクとスーダンは少なくとも65人を処刑した。米国では12の州で53件の執行があった。

現在死刑を宣告され処刑を待つ人の世界的な数字を入手することは困難である。人権団体、メディアの報道、手に入る限られた公式な数字からの情報をもとに、2006年末時点で見積もられた数は19,185から24,646の間だった。

こんな事なので、死刑制度を維持することは国際的には非常に異端な感じになりつつあるようです。一方で死刑制度復活の意見が出ている国もあるようですが、けっこうデリケートな国際問題になりつつある、という証明でありましょう。

11月 16, 2007 at 09:49 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.11.08

ミャンマー・国連に反発

CNN.co.jp より「ミャンマー軍政、スー・チー氏交えた3者協議を拒否

ヤンゴン──ミャンマー軍事政権は6日、民主化運動指導者アウン・サン