2013.07.05

エジプトの政変雑感

CNN.co.jp より「検察がムルシ氏捜査、暫定大統領が就任式 エジプト

カイロ(CNN)
軍による事実上のクーデターから一夜明けたエジプトで4日、検察が大統領を解任されたムルシ氏と支持母体「ムスリム同胞団」の幹部に対する捜査に着手した。ムルシ氏らが暴動をあおり、デモ参加者の殺害にかかわった疑いがあるとしている。

首都カイロで同日行われた式典では、最高憲法裁判所のマンスール長官が暫定大統領に宣誓就任。マンスール氏は、ムバラク政権を崩壊させた2011年の革命の「修正と是正」を行うと宣言した。

現地からの報道によると、検察トップのアブデル・マキド・マハムード大将は、捜査対象となっているムルシ氏ほか35人に対して出国禁止を命じた。

ムスリム同胞団の報道官によると、大統領警護隊の本部で拘束されていたムルシ氏は、国防省に移送されたという。幹部らの拘束は軍がムスリム同胞団を解体させることを狙ったものであり、「非常に問題がある」と報道官は話している。軍はムルシ氏の居所を明らかにしていない。

ただ、軍は出国を促したものの、ムルシ氏がそれを拒否したとの報道もあり、情報は錯綜(さくそう)している。政府系日刊紙アルアハラムは4日、ムルシ氏が自発的に大統領を辞任することはないと伝えた。

ムスリム同胞団はウェブサイトに掲載した声明で、「選挙で選ばれた大統領と国民の意思に反する軍事クーデーターは断固として認めない。権力を盗み、平和的なデモに対して暴力を行使した支配者にかかわる一切の行動への参加を拒否する」と宣言した。

さらに「ムルシ大統領は、軍の発表した内容は完全なクーデターであり、容認されないと強調している」とした。

一方、ムルシ氏の大統領辞任を求めてデモを組織してきたグループは、野党指導者のエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長を首相に推すと表明した。

エルバラダイ氏は4日、CNNの取材に対し、ムルシ大統領の解任はクーデターではなく、「2011年の国民蜂起の軌道修正」だとの認識を示した。

大統領選に出馬してムルシ氏に敗れた野党エジプト会議党党首のムーサ・アラブ連盟元事務局長も同様の見方を示し、「これはクーデターではなく、革命だ」と強調。ムルシ大統領の下では民主主義が「不在」だったと述べた。再度の出馬の意向については「これまで何度も、次の大統領選に出馬するつもりはないと断言している」とした。

エジプト軍は同日、国民に平静を呼びかけたが、ムルシ氏支持派と反対派および軍の間で衝突が続き、国営メディアによれば、エジプト全土でこの日だけで少なくとも2人が死亡、100人以上が負傷した。死亡した2人は子どもだったとみられる。

反ムルシ派が集まっていたカイロ中心部のタハリール広場では4日もお祭りムードが続き、人々が上空を飛ぶ軍のヘリコプターに声援を送ったり、音楽やダンスを楽しんだりしていた。ベビーカーを押す女性たちやフェイスペインティングをした子どもたちの姿もあった。

アルアハラムによると、エジプトの株式市場は4日の取引開始直後から7%上昇し、ほぼ2カ月ぶりの高値をつけた。

昨日(2013/07/04)は終日CNNを見ていて、暫定大統領の選出風景なども見ていました。
CNNが中継しているカイロの状況は落ち着いているようですが、クーデターか革命か、といった議論になっているところが、今後も落ち着かない可能性があることを示しています。

マクロに見ると、ムスリム同胞団が地道な民族運動でかつての植民地状態から、地元に取り返す運動を長年続けていて、その行き過ぎに対する揺り返しなのでしょう。
その意味では、今後も同じようなことが繰り返される可能性があります。

大統領を選出するところまでは簡単かもしれないけど、その大統領が誰にとっても許容出来る範囲に収まっていられるかは、大統領になった人の実力によるしか無いわけで、日本でも鳩山首相という後から見ても不適切な人が、どういうわけか首相になってしまった。

CNN は「選挙で選ばれた大統領がクーデターで失脚するのは、民主主義の危機だ」と言っているが、そこまで単純に言い切って良いものかどうか?
今後の推移によって歴史的評価も変わるのだろうと強く思うのです。

7月 5, 2013 at 11:41 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.04.04

金正恩氏の危ない決断

時事通信より「正恩氏、現実無視の指示乱発=幹部は戦々恐々-北朝鮮

【ソウル時事】

4日付の韓国紙・東亜日報は、政府筋の話として、北朝鮮の金正恩氏が現実を考慮しないむちゃな指示を出すなど、問題が頻発していると伝えた。幹部らは、統治経験がないという正恩氏のコンプレックスを逆なでしてはいけないと気を使い、うかつに反対意見を出せないという。

 同筋によると、正恩氏は1月、北朝鮮住民の外貨使用を禁じる措置を取った。北朝鮮は2009年11月のデノミ(貨幣呼称単位の変更)失敗で経済の混乱を招いており、正恩氏の措置に関し「デノミ以後の市場の状況を全く分かっていない」との不満の声が上がった。さらに2月、電力と食料が不足しているとの報告を受けた正恩氏は、現実を考慮しないまま「無条件で供給を正常化しろ」と怒り出したという。
(2012/04/04-14:19)

この記事は、紀藤弁護士のtwitterで知ったのですが、東亜日報・日本語版を見ると「外務省が申し出た打ち上げ延期、金正恩と軍部が黙殺」の記事がありました。

APRIL 04, 2012 05:47

北朝鮮外務省が、米国と交渉をしていた2月に、長距離ロケット打ち上げ計画を5月初めに発表するよう金正恩(キム・ジョンウン)労働党中央軍事委副委員長に申し出たが、軍部の反対で受け入れられなかったことが分かった。

3日、北朝鮮事情に詳しい消息筋によると、

「2・29米朝合意」の頃、北朝鮮外務省は金正恩氏に「『光明星3号』打ち上げ計画を5月初めに発表するのがいい」
と申し入れた。

外務省は、

「5月頃なら、国際原子力機関(IAEA)査察団復帰や食糧支援など米朝合意の履行で難航する可能性があるため、これを口実にロケット打ち上げを強行するのがいい」
という論理を展開したという。

また、5月初めの発表によって、金日成(キム・イルソン)主席生誕100年(太陽節、4月15日)と労働党代表者会などの4月の政治行事に対して有終の美を飾ることができると説得したという。

しかし、朴道春(パク・ドチュン)労働党軍需書記と李英稿(リ・ヨンホ)人民軍総参謀長、金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長が4月15日前後に実行することを主張した。

彼らは、

「『光明星3号』が平和目的の衛星だと主張すればいい。
ウラン濃縮計画(UEP)停止を求める米国が容易に局面を崩すことはできないだろう」
と反対したという。

このような状況で、金正恩氏は軍強硬派の意見を聞き入れ、その結果、2・29合意が行われた16日後に打ち上げ計画が突然発表されたと、同消息筋は伝えた。

同筋は、

「騙し騙される情報戦を好む金正恩氏が、約束と信頼を重視する米国を理解できず、党と軍の強硬派の主張に同調したようだ」
と分析した。

政府当局者も、

「北朝鮮の長距離ロケット打ち上げは、かなり以前から準備しなければできないが、米国と交渉をしていた李容浩(リ・ヨンホ)外務次官は、北朝鮮のロケット打ち上げ計画の発表の時期を事前に知らなかった可能性がある」
と指摘した。

さらに、

「金正恩氏の掌握力が不十分で、強硬派に振り回されているようだ」
とし、
「北朝鮮の現実を考慮せず、強引な指示を下すなど、混乱した情況もうかがえる」
と話した。

金正恩氏は2月に電気と食糧が不足するという報告を受けたが、現実を考慮せず

「供給を正常化せよ」
と怒り出したという。

1月には北朝鮮住民の外貨使用を全面禁止し、「貨幣改革後の市場の状況を全く分かっていない措置だ」という不満を買った。

このため、幹部は統治経験のない金正恩氏のコンプレックスに触れることを恐れ、反対意見を出せないという。

韓国の「北朝鮮に詳しい消息筋」の情報などですから、信憑性には疑問がありますが、北朝鮮政府と軍部の間で意見の衝突があっても不思議はありません。

わたしには、金日成、金正日、金正恩と続いた世襲体制は、秦帝国の二世皇帝がクーデターで倒された故事に似ているのではないのか?と感じています。

秦の初代皇帝は、中国全土を統一しましたが、その偉大さだけをマネするために、二世皇帝は人と会わない、居場所を明らかにしない、といったことで神格化を実践した、となっています。(史記の記載)

ぞれで、現実政治の充実を求める庶民の支持を得た、後の漢帝国(前漢)を建てる劉邦などに滅ぼされたとされています。

金正恩氏はどうも妥協を知らない人のようで、バランスを取ることが出来ずに、突っ走ると秦の二世皇帝のように事になるのではないのか?
という思いがだんだんと強くなってきます。

4月 4, 2012 at 06:35 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.09.25

プーチン大統領復活

サンケイ新聞より「露大統領選 権力闘争に敗れたメドベージェフ氏 佐藤優

2011.9.25 06:45 (1/2ページ)

ロシアのプーチン首相の大統領選出馬が決まった背景には、メドベージェフ大統領の力不足、このままでは国家が崩壊するというプーチン首相と官僚、国会議員ら政治エリートの強い危機意識があった。

メドベージェフ氏は再選への強い意欲を持っていたが、日本や中国をめぐるプーチン氏との戦略の違いから、大統領職を辞さなくてはならない“包囲網”を敷かれてしまっていた。

プーチン氏は中国をアジア最大の脅威と見なし、それに対抗するため日本との関係を重視していた。
しかしメドベージェフ氏が対日関係悪化を招き、日本というカードを使えない状況を生み出してしまっていた。

メドベージェフ氏の最大の失敗は対北朝鮮外交だ。

メドベージェフ氏は北朝鮮との関係改善で国際社会での地位向上を目指す戦略を打ち出したが、プーチン氏は北朝鮮が日本との間で拉致問題を抱えている事実を強く認識していた。
さらに大統領は天然ガスを韓国、北朝鮮に送る方針を示したが、これはガスの対日輸出が細ることを意味する。
今回、北朝鮮の金正日総書記はモスクワを訪問しなかったが、これはプーチン氏側が金総書記の公式訪問という形を取らせなかったためだ。

またメドベージェフ氏はロシアのナショナリズムをあおるため北方領土を訪問し、領土交渉は完全にゼロの状態に陥った。

プーチン氏は(平和条約締結後の歯舞、色丹両島の日本への引き渡しを定めた)「56年宣言」をロシアにとって「義務的なもの」と認識しており、この点でも2人の戦略は大きく異なる。

ただ、プーチン氏が親日家だというわけではない。
中国に対抗するために日本が大事だという、乾いた力の外交の考えを持っているということだ。

プーチン氏が大統領となれば、日本との関係ではまず北方領土問題が動き始めるだろう。

交渉は大変で、ロシアが四島をすぐに返すということは考えられないが、日本人の感情を逆なでするやり方はないだろう。
また日本へのガス輸出でも、対中牽制(けんせい)という意味合いから日本に優先的に送ると考えられる。

ただ、プーチン氏はタフ・ネゴシエーターだ。それに向き合うだけの外交的な基礎体力が日本側にあるだろうか。
野田佳彦首相は外交に弱いという側面が否めず、ロシアに“してやられる”可能性は少なくない。(談)

【プロフィル】佐藤優

さとう・まさる昭和60年外務省入省。63年から平成7年までロシアの日本大使館勤務、10年に国際情報局分析第1課主任分析官。21年7月失職。主な著書に「国家の自縛」など。

サンケイ新聞が佐藤優氏の分析を載せたのですから、それだけで「!?」な感じではありますが、それでもこういう解説は聞かないと分からないものです。

事実として、メドベージェフ大統領の施策はかなりの疑問符付きで、北方四島への特別な支援や北朝鮮経由で韓国まで延ばすパイプラインの敷設などは、経済合理性の観点からはマイナスでありましょう。

にもかかわらずこんな施策を推し進めたのは、日本に対抗するため、ぐらいしか理由が想像できません。
実際にもウラジオストック港などでの日本からの貨物に対する規制、特に中古車輸入制限では反対運動が起きました。

考えてみると、これは戦前の日本が満州に進出した時と同じような問題ではないのか?

当時の日本から見ると、満州は中国とロシアの間の不安定な地域でありました。だから、満州に進出という無茶をやったのですが、今ロシアから見ると北朝鮮が不安定地域であることは明らかでしょう。

ロシアが実際に北朝鮮に進出したら、間違えなく中国と対立することになるでしょう。
プーチン首相などの考え方は、北朝鮮に白黒を付けることはしないで放置、その状態を維持するために日本に中国と対峙させる、ということでしょう。

戦前の日本は、ソ連との連携によって満州を安定化させることを考えたのでしょうが、満州に進出したために中国と戦争になってしまった。
この地域に進出することが、戦争に近づくという意味でメドベージェフ大統領の施策はロシア国内からも批判されている、と理解して良いようです。

9月 25, 2011 at 10:49 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.10.17

中国の反日デモ

読売新聞より「大規模反日デモ、胡政権へ衝撃…日中修復に影響

【北京=佐伯聡士】
中国で16日、大規模な反日デモが発生したことに、胡錦濤政権は衝撃を受けている。

15日には、重要政治イベントの共産党第17期中央委員会第5回総会(5中総会)が北京で開幕したばかり。
街頭抗議行動が無秩序に拡大するような事態になれば、社会の安定だけでなく、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の後、修復に向かうとみられていた日中関係にも悪影響が出るのは必至だ。

漁船衝突事件を受け、胡政権は、中国人船長釈放を実現するための対日圧力の一環として、満州事変の発端となった柳条湖事件から79年を迎えた9月18日、北京などで反日デモを一部容認した。
しかし、完全な統制下での「反日」で、破壊行為など大きな混乱には至らなかった。

胡政権も、街頭抗議行動が過激化することは望んでいない。

「愛国無罪」のスローガンの下、民衆の不満が中国政府に向かい、制御不能の状態になるのを恐れているためだ。
大規模な反日デモが起きた2005年と比べると、都市と農村の所得格差など貧富の差は一層拡大し、社会の不安定要因ははるかに膨らんでいる。

特に、15日には、ポスト胡錦濤時代の経済社会政策の路線図となる「第12次5か年計画」(2011~15年)の基本方針を議論する内政上の重要日程である5中総会が開幕。
安定確保が絶対に欠かせない政治の季節を迎えている。
中国筋によると、5中総会は、もともと10月上旬に開く予定だったが、漁船衝突事件を考慮して15日に延期された経緯がある。
それだけに、関係筋は、「政権が衝撃を受けているのは確実」と話す。

デモを報じる国営新華社通信は、「行進が平和的に行われた」などと強調。政権が街頭行動の過激化を望んでいないことをうかがわせた。

影響は内政だけではない。ブリュッセルで4日行われた菅首相と温家宝首相の会談を機に、日中関係は修復に向かっていた。
両国政府は、10月末のハノイでの東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会議の際に首脳会談を行うことで大筋合意したばかりだ。

中国筋によると、中国側は、11月中旬に横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への胡錦濤国家主席の出席を検討しており、そのタイミングで日中関係の完全修復を実現させる見通しだった。
だが、反日デモが拡大するようなら、胡政権が対日関係改善を進めにくい状況になる。

(2010年10月17日09時25分 読売新聞)

そうなのかと思って、改めて反日デモが起きた都市を確認してみた。

Up

要するに、大デモが起きたのは内陸部の大都市であって、沿岸部との開発格差が問題になったのでしょう。

大陸国家中国にとっては、沿岸部から海洋開発などに向かうことは内陸部との格差拡大になるから、抵抗があるのでしょうね。
ここ10年ぐらいの中国の海洋進出はちょっと異様な感じもありましたから、今後海洋進出路線が修正されるのかが興味深いところです。

10月 17, 2010 at 10:26 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2010.08.24

ソマリア・モガディシオでホテル襲撃

サンケイ新聞より「国会議員15人死亡 ソマリア、武装勢力が襲撃

2010.8.24 19:28

ソマリアの首都モガディシオで24日、武装勢力が政治家らが宿泊しているホテルを襲撃、自爆攻撃も行い、ロイター通信などによると、国会議員を含む少なくとも15人が死亡した。

モガディシオでは23日から、国際テロ組織アルカイダに忠誠を誓うイスラム過激派組織アッシャバーブと暫定政府軍が戦闘を続けており、AP通信によると、少なくとも市民40人が死亡、130人が負傷している。

ソマリアで6千人規模の平和維持活動(PKO)部隊を展開しているアフリカ連合(AU)は先週、数百人を増派。アッシャバーブは23日「大規模戦争」の開始を宣言した。(共同)

ソマリアはこんな国です。

Up

外務省のHPより
面積63万8千平方キロメートル(日本の約1.8倍)
人口895万人(2008年:世銀)人口増加率2.9%
首都モガディシュ(人口約60万人)
かなり広大な国で、南北方向に1800キロ、東西方向に860キロもあります。
ところが、ソマリア内戦で国内統治は首都モガディシオ周辺だけだと言われていて、北部のエリはソマリア沖海賊の本拠地と言われています。

映画「ブラックホークダウン」は、1993年に首都モガディシオで起きた市街戦を描いています。
今回、モガディシオで国会議員も死亡する事件となると、平和維持活動の効果がますます無くなりつつあって、とんでもないことになっていくのかもしれません。

8月 24, 2010 at 10:33 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.29

アメリカ憲法・銃所持規制条例は憲法違反

サンケイ新聞より「シカゴ市の銃規制法令は違憲 米最高裁が初判断

2010.6.29 08:30

米最高裁は28日、自宅での銃所持を事実上禁じたシカゴ市などの法令は違憲だとする判決を下した。

武器携帯の権利を認めた米憲法修正2条は、州や市の法令よりも優先するとの判断。
銃の所有を制限する州や市の法令撤廃を求める訴訟が全米に広がりそうだ。

銃規制は米世論を二分する問題。今後は訴訟を通じた判例の積み重ねで、憲法上認められる銃規制の方策が定まるとみられている。

最高裁は2008年6月、連邦政府直轄の首都ワシントン特別区で同様の銃規制を違憲と判断した。

州や市の法令との関係については、今回の判断で初めて憲法の優位性を認めた。

シカゴ市の住民らが、自宅での銃所持が禁じられ安全を確保できないと提訴。

判決では9人の最高裁判事の意見が5対4に割れた。

スティーブンズ判事は反対意見で、判決は「国家や社会に破壊的な影響を与える」と述べた。
(共同)

5対4の内容を知りたいですね。
今後、同様の訴訟の判決が、ぶれることは容易に予想できますが、方向性としては規制を強化せざるを得ないでしょう。
そうなると、今回の最高裁判決の対象になったシカゴ市の条例も「事実上の」というところが問題だったのだとすると、繰り返しもめるでしょうね。

アメリカ憲法が、市民の武装を認めているのですが、実体法としては何らかの規制をするに決まってるわけで、その規制の方向性を「自由に銃を所持し扱うべき」論と「自由はなく規制するべきだ」論の衝突なのでしょう。

わたしには、市民が武装する権利が、銃の自由な所持に繋がるというのは無理すぎると感じられます。

6月 29, 2010 at 09:09 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.07

バンコックに非常事態宣言

東京新聞より「バンコクに非常事態宣言 治安部隊、実力行使か

【バンコク共同】
タイの首都バンコクでタクシン元首相の支持団体「反独裁民主統一戦線(UDD)」によるデモが拡大し、混乱が深まっていることを受け、アピシット首相は7日夕、バンコクと周辺地域に非常事態宣言を発令した。
事態の正常化に向け、治安部隊が実力行使に乗り出す可能性が強まった。

一方、UDD幹部は同日夕、政府が非常事態宣言下で実力行使に踏み切っても「われわれは家には帰らない」と徹底抗戦を宣言。

UDDが占拠する都心の繁華街でデモ隊と治安部隊が衝突すれば、多数の負傷者が出るのは確実で、事態は緊迫している。

流血の事態を避けるため、政府はこれまで強制排除などには慎重姿勢を示してきたが、UDDのデモ隊が7日、国会の正門をこじ開け敷地内に乱入するなど抗議行動をエスカレートさせたことを受け、これ以上、無法状態を放置できないと判断した。

非常事態宣言の発令により、軍に治安回復の権限が与えられる。

先月14日にUDDが首相府近くの大通りを占拠し反政府集会を開始して以降、主要公的施設に強行突入したのは初めて。政府を挑発するため、抗議行動を過激化させたとみられる。

ずーと続いていた、タクシン元首相派のデモは、結局はふたたび軍の介入となりました。

タイの政治状況については、外務省のサイトに「最近のタイ情勢と日本・タイ関係」というページがあります。

2006年2月以降親タクシン首相(当時)派と反タクシン派双方の大規模な集会が開催され社会的対立が激化し、同年4月の選挙は、野党がボイコットする等の異例の事態となった。その後、憲法裁判所により選挙は違憲無効と判断され、選挙のやり直しが検討される中、
2006年9月ソンティ陸軍司令官(当時)を中心とする軍部によるクーデターが発生し、タクシン政権は終焉を迎えた。
2006年10月スラユット首相(就任当時は枢密院顧問官)の下で暫定政権が発足した。
2007年5月司法当局は、タイ愛国党の前年の選挙違反疑惑に対して、解党処分と党幹部の5年間の政治活動の禁止を決定した。党の解党に伴い、愛国党主流派は、それまで議会で議席を有していない小政党だった国民の力党に移籍するとともに、サマック元バンコク都知事を党首に迎えた。
2007年12月下院議員選挙が行われ、タイ愛国党の流れを汲む国民の力党は、下院4120議席中、233議席を獲得し、第一党となった。
2008年1月サマック党首が首相に就任し、翌2月に同首相の下で、政権が発足した。その後、サマック政権打倒を揚げる反タクシン派の民主化市民連合(PAD、黄シャツグループ)による反政府運動が高まる中
2008年9月憲法裁判所により、サマック首相が報酬を得てテレビ番組に出演していたことが違憲と判断され、同首相は失職するに至った。これを受け、同月ソムチャイ副首相兼教育相が国会で首班指名を受けて、新首相に選出され、新政権が発足した。しかしながら、激化する反政府デモに有効な対応策がとれない中
2008年12月に2007年12月の選挙違反を理由に、憲法裁判所により、国民の力党は解党処分となった。その後、国民の力党の一部及び連立与党が民主党支持に回ったため、民主党を軸にした連立に向けた協議が行われた結果、同月15日にアピシット民主党党首が首相に選出され、政権交代が行われた。
2009年3月下旬より、アピシット政権に対して、タクシン元首相支持の反独裁民主戦線(UDD、赤シャツグループ)が反政府デモを断続的に実施した。同年4月にパタヤで開催が予定されていたASEAN関連首脳会議は会議場へのデモ隊乱入により延期となる事態が発生した。政府はバンコク及びその周辺に非常事態宣言を出し、事態を収拾するも、最近に至るまで断続的に反政府集会が開催されており、社会的な対立構造の根本的な解決には至っておらず、内政の混乱の再発の可能性も指摘されている。

こうして見ると、クーデターや非常事態宣言など軍が関わる場合と、裁判所が政党を解散させたり、首相が失職するなど、といった自体が交互に起きていると見ることができます。

それにしても、タクシン元首相の財力はものすごいもので、田中角栄首相のような感じでしょうか?
好景気をもたらす政治家として、支持者が多いのでしょう。

早い話が、クーデターや非常事態宣言すらも、政治の一形態と見た方が良いかもしれませんが、これほど長く大規模デモが続くというのは、国民経済にとってマイナスであることに疑いはなく、逆に言えばそれほど現政権が信用されていない、とも言えそうです。

4月 7, 2010 at 10:41 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.27

韓国海軍コルベットが沈没

朝日新聞より「緊迫の海域 何が起こったのか 韓国軍艦、沈没

【ソウル=牧野愛博】
26日夜に韓国海軍の軍艦の船尾に穴があき、浸水した韓国北西沖の黄海は、北朝鮮との海上の軍事境界線にあたるNLL(北方限界線)が引かれ、常に緊張した状態に置かれた海域だ。

特に北朝鮮は昨年11月に銃撃戦を起こしたほか、今年1月には繰り返し砲撃訓練を実施していた。
韓国側が警戒を強めていた矢先で、韓国当局は穴があいた原因について慎重に調べる方針だ。

26日深夜現在、浸水した哨戒艦の船尾に開いた穴の原因は特定できていない。

ただ、隔壁などで厳重に防護された軍艦が沈没の恐れを起こすほどの損傷を受けたことに、韓国政府は衝撃を受けている。

韓国政府関係者は「仮に北が関与しているのなら事態は深刻だ」と語ったが、北朝鮮が直接攻撃をするのは難しいとの見方も示した。

NLLは朝鮮戦争の休戦後、国連軍司令官が海上に設定した。

当時、海軍力に劣り、自国領土寄りに設定されたことに不満を持つ北朝鮮は1999年9月、NLLの無効を宣言。
同年と2002年、昨年11月に韓国海軍との間で武力衝突を起こすなど、常に挑発行動を続けていた。

特に、李明博(イ・ミョンバク)政権になってから北朝鮮は態度を硬化。

09年1月に改めてNLLの全面無効を主張した後、5月には同海域での米韓艦船の航行安全を「担保しない」と主張。
韓国政府によると、北朝鮮艦艇によるNLL侵犯事件は08年は7件だったが、09年は約20件に急増していた。

また、朝鮮中央通信によれば、北朝鮮軍総参謀部報道官は25日、北朝鮮有事に関係した米中韓3カ国の動きに触れ、「反共和国体制転覆を狙う者たちは、真の核の味、真の戦争の味を経験することになる」と警告していた。

〈北方限界線(NLL)〉

朝鮮戦争(1950~53年)の休戦後、陸上の南北軍事境界線にあたるものとして国連軍司令官が海上に設定。

黄海では、韓国側の五つの島と北朝鮮側の中間線が基準とされた。

99年9月には北朝鮮軍がNLLを無効とし、独自の境界線を宣言した。

北朝鮮軍はさらに2000年3月、指定水路を外れた場合は領海侵犯とみなす「5島航行秩序」を打ち出したが、韓国側は拒否。

偶発的な武力衝突を避けるため、南北軍事当局は04年の将官級会談で、通信連絡所の設置や警備艇の共用周波数の設定などで合意したが、境界線をめぐる南北の主張は変わっていない。

■黄海上での主な出来事

1999年6月北朝鮮警備艇4隻と韓国海軍10余隻が延坪島(ヨンピョンド)付近で銃撃戦に。
北朝鮮魚雷艇など2隻が沈没、3隻が大破。韓国側は2隻が一部損壊し、7人が負傷
2002年6月延坪島西方沖で、北朝鮮警備艇が北方限界線を越えて南下、韓国海軍高速艇に砲撃。
韓国側の6人が死亡、19人が負傷
2009年11月北朝鮮警備艇と韓国艦艇が銃撃戦
2010年1月北朝鮮軍が3日連続でNLL付近の北朝鮮側海域に向けて数発の砲撃を行ったと、韓国側が発表

当初このニュースは「1200トンの哨戒艦で爆発」だったので、艦内での事故で航行不能になったのでは?といった程度に考えていたのですが、なんと沈没したというのには驚きました。

韓国中央日報より「海軍哨戒艦沈没…104人のうち40人が行方不明

西海(ソヘ、黄海)で作戦中だった韓国海軍の1200トン級哨戒艦天安(チョナン)艦が26日沈没した。

2艦隊司令部所属のこの艦艇には104人の将兵が上船し、27日午前1時現在58人が救助されたと軍当局者は伝えた。
残りの乗務補助員の生存については確認されていないが、大きい人命被害が懸念されている。

軍当局は天安艦の沈没原因について北朝鮮の攻撃、欠陥、障害物衝突などの可能性をめぐり調査している。

海軍関係者は

「哨戒艦が自ら爆発して沈む可能性は極めて低い」
とし
「北朝鮮軍による攻撃である可能性を排除することはできない」
と話した。政府高位関係者は
「目に見える交戦や衝突はなかった」
とし
「しかし機雷による攻撃の可能性など、北朝鮮軍挑発についてを調べを進めている」
と述べた。<別の軍の消息筋も
「天安艦が船体裏のスクリュー部分に穴があき、沈み始めた」
とし
「船尾の方が爆発して穴があいたということは、北朝鮮の魚雷艇などによる攻撃の可能性であることもいえる」
とした。軍当局はしかし天安艦が就役してから21年たち、欠陥による沈没の可能性も排除していない。

軍当局によると天安艦はこの日午後9時45分、西海ペンリョン島と大青島の間の蓮花里隣近で軍艦の底に原因不明の穴が生じて沈み始めた。

以後、乗務補助員たちは備えつけのボートなどに乗って非常脱出を試みた。

合同参謀は「韓国海軍はこの過程で哨戒艦レーダー上に未詳の物体が捕捉され、警告射撃をしたが、レーダーに捕捉された形象から見て鳥の群れと推定される」とし「正確な内容は確認中」と説明した。

海軍はペンリョン島に救急車と救助ヘリなどを緊急出動させた。北朝鮮はこの日、陸上で数十回砲射撃訓練をしたものと伝えられている。

今回沈没した天安艦は1989年に就役した哨戒艦で、海軍に同級が20隻運用されている。

この艦艇には76ミリおよび30~40ミリの艦砲と魚雷6発を装着している。

最大速度は32ノットで4000マイルを航海する。この日、海軍哨戒艦が沈んだ海域の気象状況は波浪注意報などの特報が発令されていないなど、穏やかだったと気象庁は明らかにした。
気象庁の予報資料によると事故当時、ペンリョン島と大青島隣近海域の最大波高は2.63メートルで、風速は秒速6.7メートルだった。気象庁関係者は「風がちょっとあったが特報が発令されるほど強い風ではなかった」としている。

なんとも情報不足ですが、数十人が行方不明であるようです。
いわゆる「コルベット」でこんな船です。

同型艦が24隻ありますが、約半数が1989年に就役していて、今回沈没した PCC722 も89年就役ですね。
だから、「欠陥による沈没の可能性も排除していない。 」なんてことも出て来るのでしょう。

考えられる原因としては、機雷説、故障説、サボタージュ説、被弾説でしょうね。
機雷というのは危なすぎてあまり考えられないように思います。
故障など艦内の機材の爆発で沈没というのはシャレにならないし、そもそもそこまで安全に問題があれば、サボタージュと見るべきでしょう。
今日中にもうちょっとはっきりした状況が分かるでしょうか?

3月 27, 2010 at 10:43 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.06

アメリカ外交のバカバカしさ

読売新聞より「アルメニア「集団虐殺」、米下院本会議は採決せず

【ワシントン=本間圭一】

米下院多数派の民主党筋は5日、ロイター通信に対し、オスマン帝国末期に発生したアルメニア人殺害事件をジェノサイド(集団虐殺)と認定した下院外交委員会の決議を本会議で採決しない方針であることを明らかにした。

国務省高官も5日、記者団に対し、同様の見解を示した。

国務省筋によると、オバマ政権高官が民主党幹部に本会議で採決を行わないよう働きかけており、決議は委員会止まりとなる方向だ。

オバマ政権は、イランの核問題やアフガニスタンの旧支配勢力タリバンの掃討作戦で、トルコの協力を重視しており、トルコを刺激したくない事情がある。
(2010年3月6日19時23分 読売新聞)

タイトルを読んだときには「ソ連崩壊時に、集団虐殺なんてのがあったのか?」と思ったのですが、オスマン帝国末期というのでは、1922年以前=第一次大戦の頃の話しですよ。

ウィキペディアより「アルメニア人虐殺問題

アルメニア人虐殺問題は、19世紀末から20世紀初頭のオスマン帝国において、帝国の少数派・辺境住民であるアルメニア人に対して、多数派のムスリム(イスラム教徒)住民たちが行ったとされる迫害事件を巡る問題である。

大規模な迫害は第一次世界大戦中のアルメニア人の強制移住と、それに伴う多数のアルメニア人が命を落とした事件とされる。これらを「組織的虐殺」とする意見はヨーロッパに多く見られるが、トルコ政府はこれを認めていない。従い、21世紀に至るまで、この事象はトルコの「歴史問題」として国際的にも論争が続いている。

19世紀末と20世紀初頭の二度にわたり、オスマン帝国領内でアルメニア人に対する大規模な迫害が起こったことは歴史的事実として知られている。これを「トルコ国家」によるアルメニア人の組織的虐殺であるとみなす人々は、この一連の事件を「アルメニア人虐殺」と呼んで非難している。

二度の迫害のうち、一度目はアブデュルハミト2世専制期の1894年から1896年にかけて行われた迫害・襲撃であり、イスタンブルなど西部の大都市を含む帝国全土でアルメニア人が迫害された。

1894年から1896年というのは、日本に当てはめると日清戦争の頃です。

114年も前の、全くの別の国の事件について「認定決議」をしようとする、アメリカの議会の異常さは、それ自体を非難するべきだと思います。
オバマ政権が、止めに入るのは当然ですね。

アメリカ下院外交委員会は、こんなバカバカしいことを決議できる程度のところである、と銘記するべきですよ。

3月 6, 2010 at 08:59 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.14

空中発射レーザーでミサイル撃墜実験

FNNニュースより「空中レーザー発射試験機の弾道ミサイル撃墜試験初成功 米国防総省ミサイル防衛局が発表

アメリカ国防総省のミサイル防衛局は12日、敵が弾道ミサイルを発射したあと、上昇中の段階で撃ち落とすALTB(空中レーザー発射試験機)の初の撃墜試験が成功したと発表した。

ALTBは、ジャンボジェットの機首に大型のレーザー砲を搭載したレーザー戦闘機の試験機で、敵が発射した弾道ミサイルを上昇途中で撃ち落とすために、ミサイル防衛局が開発中の兵器。

発表によると、11日午後、カリフォルニア州沖から、標的となる液体燃料の短距離弾道ミサイルが発射された数秒後に、ALTBは、赤外線センサーなどで標的のミサイルを見つけ出し、低出力レーザーで追尾、計測などを行ったあと、メガワット級の大出力レーザーを照射し、発射から2分以内にミサイルを破壊したという。

レーザー砲の最大射程は400kmとされ、朝鮮半島の休戦ラインの南を高度1万5,000メートルでレーザー戦闘機が飛行すれば、北朝鮮から発射される弾道ミサイルを射程内に収めるとみられる。

標的が液体燃料の短距離弾道ミサイル(そんなモノがアメリカにあるのかね?)というのがいかにもでありますが、このプロジェクトは中止の報道もありました。本当のところはどうなるのでしょうか?

しかし、どういう原理でレーザーでミサイルを破壊するのだろうか?
ミサイルの何が壊れるのだろうか?
精緻な誘導をしているミサイルの制御機構をレーザーで狂わせたというのならとにかく、単なるロケットが弾道飛行している場合は、レーザーでは阻止できないから物理的(キネティック)弾丸による破壊しかできないだろう。

そんな事を考えると、今回の実験は北朝鮮向けのアピールということか?

2月 14, 2010 at 10:25 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2010.01.10

台湾の政治状況。

NHKニュースより「台湾 補欠選挙で野党が勝利

9日に行われた台湾の議会、立法院の補欠選挙の結果、いずれの選挙区でも勝利した野党・民進党が総統を罷免する議案を提出できる議席に達し、次の総統選挙で再選を目指す馬英九総統の求心力の低下は避けられない状況です。

台湾では9日、立法院の3つの選挙区で補欠選挙が行われ、去年甚大な被害をもたらした台風への対応などをめぐって、政権を批判した野党・民進党がいずれの選挙区でも勝利し、与党・国民党は持っていた3つの議席を失いました。

この結果、民進党は、総統の罷免や憲法修正の議案を提出できる全議席の4分の1を上回りました。

国民党は、先月の統一地方選挙で民進党にほぼ同じ得票率に迫られるなど、苦戦したのに続いて、今回の補欠選挙では3選挙区すべてで敗北したことで、馬総統の党内での求心力の低下は避けられない状況です。

民進党は今後、馬政権が進める中国との関係強化の政策についても批判を強めていくものとみられます。

サンケイ新聞より「ファストフードに“非健康税”? 馬総統 求心力回復へ窮余の策

台湾の馬英九政権が、世界初となる「ジャンクフード税」を導入する方針を打ち出し、台湾で使われる漢字表記の「正体字」を世界文化遺産として申請する準備に入った。

支持低迷に苦しむ馬政権としては、健康や独自文化を守る住民本位の姿勢を打ち出し、批判の矛先をかわす狙いがあろう。

だが、5月に一期目の折り返し点を迎える馬英九(ばえいきゅう)総統(59)は昨夏以降、急速に求心力を失い、政権よりのメディアも「無能無策ぶりを露呈」(中国時報)といらだちを隠せず、政局は混とんとしたままだ。

ジャンクフード税

台湾の保健当局は昨年12月、住民の食習慣の改善などを目指すとして、ファストフードなど「非健康的」と分類される食品に特別税を課す法案の草案作りに入った。

台湾で発行される日刊紙、蘋果(りんご)日報(電子版)によれば、課税対象となるのは、糖分を多く含む飲料やケーキなどで、年内に立法院(国会)に提出され、早ければ来年から実施されるという。

台湾でも近年、健康ブームが高まりをみせ、馬総統自身も趣味のジョギングで健康をアピール。健康重視の政策は環境問題に並び、政権の看板的存在となっている。

ところが、経済発展の中で台湾でも、運動不足や偏食などに起因する肥満問題は深刻化している。
医療関係者の調査によれば、台湾の子供の4人に1人が「肥満」または「病的に肥満」と診断され、こうした児童の割合は6%だった10年前に比べ、現在は25%と急増しているという。

こうした社会事情を踏まえて馬政権は、税制改正で食生活の改善と肥満率の低下を図り、住民の支持を得ようというわけだ。

保健当局はさらに、母親が赤ちゃんに授乳する権利を守る法案作りにも着手。

台湾のテレビ局、TVBS(電子版)が12月29日に伝えたところによると、法案が立法院で承認されれば、授乳行為を妨げた者は最高で3万元(約8万7000円)の罰金を科されることになる。

「中華文化の保存」

一方、馬総統は12月26日に開かれた国際シンポジウムで、台湾で使われる伝統的な「正体字」を国連の世界遺産に申請するよう行政院(内閣)に指示したことを明らかにした。

台湾各紙によれば、総統は席上、「言語は文化を決定づけ、文化は民族を決定づける」と発言。正体字を排して簡体字に移行した中国と、台湾の文化的相違を強調した。また「台湾は中華文化の保存という重大な責務を負っている」と述べ、世界遺産への指定を目指すことで台湾の独自性を維持する姿勢をにじませた。

住民生活を重視する施策や、台湾の主体性の堅持を求める世論への配慮は、昨年夏に台湾を襲った台風被害への対応の遅れが批判され、また12月上旬に行われた統一地方選における与党・中国国民党の後退を受け、主導権を握り返すための総統の戦術だろう。

与党からも突き上げ

しかし、馬総統は昨年10月から党主席を兼務し、党内基盤を固めようとしているが、求心力の低下は否めない。その好例は馬政権が一気に押し進めようとした米国産牛肉の輸入解禁問題だろう。

政権は10月、米国との間で解禁にむけた合意議定書を交わしたが、一方的なやり方に立法院が反発。

議席の7割を締める国民党の立法委員もが反旗を翻し、年明けの5日、内蔵など米国産牛肉の輸入規制を再強化する修正案を与野党一致で可決してしまった。

当局間合意をほごにされた格好の米国の通商代表部(USTR)と農務省は5日、共同声明で「科学的な判断より政治を優先させた決定だ」と痛烈に批判。米国と貿易投資枠組み協定(TIFA)の締結を目指す政権は当初、輸入解禁を契機に対米関係の強化を図ろうとしたが、おひざ元の国民党内から突き上げを食らい、馬総統は改めてリーダーシップ不足を内外にさらす結果となった。

なんともすごいことになっていますね。

台湾の最近の政治史は次の通りです。

1996年国民の直接選挙による総統選出が実施され、李登輝が当選。
2000年民主進歩党の陳水扁が選出され、中国国民党が初めて野党となる。
2005年連戦国民党主席が中華人民共和国を訪問。
2008年総統選で中国国民党主席の馬英九が民進党を破って当選し、同党が8年ぶりに政権を取得。

戦前から続いていた、国民党政権が2000年選挙で民心党政権に交代し、台湾独立などを唱えて中国と対立していました。
その結果、2008年選挙で国民党政権が復活し、中国との関係も良好になっていましたが、上記記事のように、どうも馬英九総統の政治手腕そのものが批判の対象になってきたようです。

現在の野党・民進党主席は、蔡英文氏

台湾の次の総統選挙は、2012年ですから、今年ぐらいから徐々に台湾国内の政治状況は熱くなっていくでしょう。

1月 10, 2010 at 10:22 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.12.13

北朝鮮・武器の密輸に空路

昨日(2009/12/12)の夜に飛び込んで来たニュースが、大騒動になりそうです。

2009.12.12 20:51サンケイ新聞北朝鮮発の貨物機から大量兵器 タイ空港で押収、ベラルーシ人ら拘束
2009/12/13 00:47共同通信北朝鮮製兵器35トン押収 バンコク着陸の貨物機から
2009年12月13日8時0分朝日新聞北朝鮮製兵器を大量押収 バンコクに着陸の貨物機
 東京新聞タイ 北製武器?を大量押収 緊急着陸貨物機から
 毎日新聞タイ:貨物機の兵器35トン押収 「北朝鮮から輸出」情報受け--バンコク

毎日新聞より「タイ:貨物機の兵器35トン押収 「北朝鮮から輸出」情報受け--バンコク

【バンコク西尾英之】
タイ当局は12日、バンコクにあるドンムアン空港に給油のため着陸した貨物機から、北朝鮮製とみられる対空ミサイルなど約35トンの兵器を押収、乗員5人を拘束したと明らかにした。

タイ空軍は、貨物機は北朝鮮から輸出目的で兵器を積み込み、目的地に向かう途中だったとみている。

押収された兵器は対空ミサイルや可搬式の対戦車ロケット砲など数十基に上る。

タイ外務省の副報道官は、6月に採択された国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に基づく措置だと述べた。北朝鮮の2度目の核実験を受けた6月の安保理決議には、同国からの武器禁輸拡大などが盛り込まれている。

タイ当局は、同機が北朝鮮からの兵器輸出を企てているとの情報を米国から得て、機内を捜索した。

貨物機は旧ソ連で設計されたイリューシン76型で、国籍はグルジア。出発地は平壌とみられる。

一部地元メディアは、同機の目的地はウクライナと報じているが、スリランカとの情報もあり錯綜(さくそう)している。

拘束された5人のうち1人はベラルーシ人で、残る4人はカザフスタン人とみられる。

北朝鮮にとって武器輸出は重要な外貨獲得源の一つ。
安保理による制裁強化後も、8月にイランへ向かう貨物船から北朝鮮製兵器が見つかり、安保理決議違反だとしてアラブ首長国連邦(UAE)に押収された事件が明らかになっている。

いやはや、貨物機で武器の輸出をするというのはちょっと驚きでした。
貨物船であれば、どこかを経由しないでも目的地にたどり着けますから、船舶を対象に海上臨検といったことが話題になっていたわけです。
大型貨物機だと、中継地も相応に大きな空港になるから、検査で簡単にバレてしまうでしょう。

今回はアメリカの情報とのことですが、35トンの武器を買うことが出来るのはどこなのでしょうかね?

12月 13, 2009 at 10:11 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.22

北朝鮮とアメリカ外交

サンケイ新聞より「【朝鮮半島ウオッチ】飢餓も発生 体制脅かす北のデフレ

世界同時不況の影が北朝鮮経済を苦境に追い込んでいる。核・ミサイルへの制裁包囲網がこれに追い打ちをかけ、餓死者の報告も出始めた。北朝鮮当局は穀倉地帯から強引に食糧を供出させているため、南部の農村地帯に飢餓が発生する異常事態が起きているという。

極度に疲弊した経済環境は北朝鮮権力機関を維持する資金を圧迫しており、国際孤立の長期化は金正日政権の体制維持を脅かしている。

12月から始まる米朝協議の行方には、こうした北朝鮮の内部事情が反映しそうだ。(久保田るり子)

「飢餓の恐怖が拡散している」

北朝鮮の青年たちを記者として育成、内部情報を世界に発信している日本人ジャーナリスト、石丸次郎氏(47)によると、いま北朝鮮内はデフレの大不況に見舞われている。

世界的な資源価格下落で北朝鮮随一の茂山鉱山(鉄鉱石)が昨秋、対中輸出の中断に追い込まれた。
5月に再開したが、電力不足で精錬できず、原石を送っている。

北朝鮮富裕層のカネ回りが極端に悪くなり、中下層が国境警備兵にわいろの根回しの準備もしないまま危険を顧みず現金を求め中国に越境するケースも増えたという。

「中国からモノは入っているが軍用米の横流しなど軍や党の組織的な闇商売が目立つ。中朝国境の鴨緑江では密輸が大々的に行われている。また当局は、2年ほど前から農村に手を付け、首都米、軍糧米と称して米を供出させ、監視・検査態勢を強化している。(北朝鮮南部の)黄海南道、北道などの穀倉地帯が収奪の対象で飢餓も起きている。経済統制など政治で経済を動かそうとしているが引き締めで状況は悪化し、貧困層に影響が一番出ている」(石丸氏)

韓国メディアの伝える食糧逼迫報道が増えている。

脱北者ルートから入ってくる北内部の「農場の脱穀所で襲撃事件の頻発」、「兵士が強盗行為」といった犯罪増加の情報や、90年代半ばの大量飢餓再来への恐怖など、社会不安の増大と拡散だ。

国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)は、今年の食糧事情について米・トウモロコシ生産量は170万~180万トンの大幅な不足(最低必要量は480万トン)と予想している。

日本にも飢餓情報が入り始めており、「餓死者発生を最初に聞いたのは今春だった」(日本の脱北者支援団体)。

カネはどこから…

北朝鮮への資金パイプは急速に細まっている。

金大中・盧武鉉政権で韓国は毎年、食糧・肥料を各30~40万トンなど10年間で総計69億ドル(約6580億円)に上る支援を実施したが、李明博政権はこれを中止した。

今夏、対話路線に転換し韓国に対しても融和的なアプローチを始めた北朝鮮は10月中旬、韓国に初めて人道支援を要請した。これに応えて李政権は1万トンのトウモロコシ供出を提案したが、北朝鮮は「ケチで心の狭いやり方だ」(祖国統一平和委員会の宣伝サイト)などと露骨に不快感を示し、支援の受け取りを拒否した。

核・ミサイル外交で緊張緩和を演出し大型支援を獲得してきた北朝鮮には支援依存体質が染みついている。

しかし、政権交代した韓国、独自制裁継続を継続する日本、粛々と金融制裁を行う米国と、日米韓の対北資金ルートはほぼ閉鎖状態だ。

「北朝鮮のドル決済は相当、厳しくなっている」(日朝関係者)。状況は米国が北朝鮮の資金洗浄(マネーロンダリング)に関与したとして、マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジア(BDA)にかけた金融制裁(2005年)当時に近づいている。

韓国紙「朝鮮日報」によると、米韓情報当局は北朝鮮の資金源として麻薬、偽造通貨のほかアフリカからの象牙密輸、偽バイアグラ販売などで外貨を稼ぎ、ロシアのマフィアに資金洗浄を依頼していたとみて調査した。

米国務省は対北朝鮮制裁担当、ゴールドバーグ調整官を今夏、ロシアに派遣し、ロシア政府にマフィア取り締まりを依頼。
ロシア政府は、米情報に基づいて北朝鮮口座の洗い出しをロシアの金融機関に指導したという。

日本政府関係者は「夏すぎから制裁がじわじわと効いている」と語った。

「金正日総書記は人民を見殺しにした」

北朝鮮では94年から本格化した北朝鮮の食糧難で90年代後半までに250万人から300万人が餓死したと推定されている。

長年の失政からの絶対的なモノ不足に天災が加わり、無策による農業衰退で配給制が崩壊したのが原因だった。商売の才覚のないものや弱者が犠牲となったが、金正日政権はこうした住民の悲劇を無視した。

では今回はどうなのか。石丸氏はこう分析する。

「90年代のような大量餓死にはならないだろう。配給制はすでに崩壊、人々は生き延びるための市場経済のなかで生活しているからだ。

だが、国家保衛部(住民を監視する秘密警察)維持にもカネが必要だ。
電気も1日に1時間の送電では、体制は持たない。飢餓で人が倒れている。首脳部にとって最優先はロイヤルファミリーの安全であろうが、体制維持の機能不全がはじまっている」

北朝鮮内部の流動的な動向が、米朝の駆け引きを左右する有力なカギとなりそうだ。

いくら何でも「北のデフレ」ってのはヘンでしょう。
需要不足で原材料が値下がりするのは確かにデフレ傾向ですが、北朝鮮内の問題はどう考えても世界的に北朝鮮内で生産される原材料の需要がちょっとぐらい増えたとしても、電力不足が解消するとも言えないでしょう。
石炭生産国ですから、エネルギー資源をの輸入量は多くはない。にも関わらず電力不足なのはメンテナンスなどの問題であって、それは主に社会情勢の問題だから金融危機でなければなんとか手当てが出来た傷を塞ぐことが出来ない、というほどの意味でしょう。

記事中に指摘があるように、すでに配給制度は崩壊し自由市場経済になっていますから、経済問題(未完の問題)では北朝鮮の困難は解決しない。
しかも政権交代システムがないから論理的な帰結としてはクーデターしか残っていないですね。

アメリカが北朝鮮当局と積極的に接触している意味が今ひとつ分からないのですがアフガニスタンとイラクを終結させるまでの時間稼ぎかな?と感じます。

11月 22, 2009 at 11:59 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.07

アメリカの国民医療保険問題から考える

ロイターより「オバマ米大統領側近、公的保険制度導入案で妥協の可能性示唆

[ワシントン 6日 ロイター]
アクセルロッド大統領上級顧問とギブズ大統領報道官は6日、公的保険制度を導入する案を大統領が依然として支持しているとしながらも、大統領は妥協する可能性があることを示唆した。

オバマ大統領は9日夜、上下院合同会議で医療保険制度改革に関する重要な演説を行う予定。
そのなかで同大統領が、医療保険制度改革の目玉とされる保険業界と競合する公的保険制度の導入案を維持するかどうかが注目される。

この件に関しては、民主党リベラル派のペロシ下院議長は、どのような改革案になったとしても公的保険制度は必ず含まれなければならないとの立場をとっているものの、民主党穏健派およびその他の大多数の民主党議員は公的保険制度の導入は支持していない

こうしたなか、アクセルロッド大統領上級顧問は6日朝のNBCの「ミート・ザ・プレス」で、オバマ大統領は公的保険制度の導入は競争促進と経費削減に向けた医療保険制度改革の重要な部分であると考えているとしながらも、この制度の導入問題が「医療保険制度改革の議論そのものではない」と述べた。

またギブズ大統領報道官はABCの「ジス・ウィーク」で、オバマ大統領は医療保険制度改革に公的保険制度の導入が含まれることを望んでいると述べた。
しかし、オバマ氏にとり医療保険制度改革法案を支持するためにこの件が重要になるかとの質問に対しては明確に答えなかった。

同報道官は、公的保険制度の導入が含まれていない医療保険制度改革案が提案された場合、オバマ大統領が法案の通過を阻むかとの質問に対し「9日の演説で、拒否権に大きく言及することはないだろう」と指摘。「問題の解決に近づいているため、何ができるかについて話す予定だ」と述べた。

保険業界は公的保険制度の導入に反対しており、導入阻止に向けたロビー活動に多大な資金を投入している。アナリストの間では、オバマ大統領は公的保険制度の導入案を縮小せざるを得なくなるとの見方が出ている。

アメリカで医療保険が大問題になっているのは有名ですから、オバマ大統領が民主党の大統領として公的保険制度を作るという公約に、ここまでの反対が出てくるとは想像していませんでした。

共和党が反対するのなら分かりますが、民主党も大多数が反対というのでは、国民の大半が反対なのか?となってしまいますが、2009年は014日付けの読売新聞の記事「オバマ米大統領、医療制度改革に奔走 保守派が批判強める」には、わたしがビックリした報告がありました。

【ワシントン=黒瀬悦成】
オバマ米大統領は、内政の最大懸案と位置づける医療保険制度改革法案の年内成立に向け、国民に直接理解を求める対話攻勢に乗り出した。

法案を審議中の議会が7日から夏期休会に入ったのを受け、民主党議員も動員して各地で市民との対話集会を開いているが、法案が目指す国民皆保険を「政府支配の強化」と見なす保守勢力は、集会に乗り込んで騒ぐなどの抗議運動を活発化。

財政赤字拡大を懸念する民主党の一部議員の間でも反対論はくすぶり、法案成立への道のりは険しさを増している。

オバマ大統領は11日、ニューハンプシャー州ポーツマスの高校で開かれた対話集会に自ら出席し、民間の保険会社による高額の保険料が「家計や事業者を破綻(はたん)に追い込んでいる」と批判、約1800人の聴衆に対し法案成立の重要性を訴えた。

大統領は14日にモンタナ州、15日にはコロラド州と、選挙遊説さながらのペースで市民集会を開き、改革実現に向けた世論を盛り上げたい構えだ。

大統領が自ら国民の説得に乗り出したのは、かつてクリントン政権の医療保険改革が保険業界や共和党の抵抗で頓挫したのは国民世論を味方に付けられなかったのが原因との反省があるのに加え、共和党や保守派勢力が今月に入り、草の根レベルで展開している法案への反対運動に危機感を強めているためだ。

保守系の市民団体や論客は、公的保険の導入は「政府の市場介入で、自由競争を阻害し、保険、医療の質の低下を招く」などと主張、法案を「社会主義的」と決めつけて市民の嫌悪感をあおる作戦に出た。

これを受け、保守派の市民が、法案成立を訴える民主党議員の集会に殺到し、ヤジと怒号で法案賛成派市民を威圧したり、議員を面罵(めんば)したりする事態が続発している。

米国では元々、政府の権限拡大は個人の権利の制限につながるとの考え方が強く、ギャラップ社が12日に公表した世論調査では、オバマ政権の医療保険政策を「支持しない」とする回答は49%で「支持する」43%を上回った。

いやはや、公的保険制度そのものを、個人の権利の侵害と捉えるというのは、すごいことですが、健康保険の意味をアメリカは理解していないのではないのか?

Up

これはOECD諸国の医療費とGDPの比率を示したグラフです。
アメリカは16%で日本が8%です。それでアメリカの医療の質が日本の倍も優れているのか?というと、どう考えてもそんな事はない。

平たく言えば、アメリカの医療コストは非常に効率が悪い、とは言えるでしょう。
しかし、ここで「医療のコストとは何なのか?」を考えないと、話が分からなくなります。

この色分けされたグラフは、医療費の内の公的支出も示していますが、オーストラリアの次ぐらいで15位になります。
つまり医療費は世界最高だが公的支出はごく普通の国だとなります。

国家にとって、医療費はコストであってそれをなぜ公的に負担するのか?は、医療費を公的負担にして早期に治療を開始した方が国家全体としてはコストが下がるからに他なりません。

アメリカがこの国民医療保険制度の原理を忘れた結果が、グラフに現れているわけで、単純にアメリカの医療は高コストになっていると言って良いでしょう。
問題はだれがそれを負担しているのか?

結論から言えば、アメリカ以外の国民がアメリカ人の医療費を負担している、と原理的になります
アメリカは、長年にわたってドルが基軸通貨であることを利用して、いわば差益で稼いできました。
実業が破たんするまで気が付かなかったのが自動車産業の破たんです。

こんな事を考えるときに、国民保険が個人の権利の侵害だと考える国とどう向き合えばよいのか?クビをひねってしまいます。
国民医療保険に民間保険会社が反対するのは分かりますが、国民が反対する言うのでは国際社会はさじを投げるしかないように思うのです。

9月 7, 2009 at 01:24 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.16

台湾の台風被害と馬英九総統非難の声

AFP BB より「馬総統、台風8号対応の遅れに謝罪 台湾

【8月15日 AFP】
台湾の馬英九総統は15日、台風8号への政府の対応が遅かったことに対する市民の批判が高まっていることを受け、「大変申し訳ないと思う」と謝罪した。

台風8号は、台湾中部と南部に大きな被害をもたらしている。

風被害の規模を把握するのに遅れた馬政権に対しては、市民から強い批判や不満が出ている。

馬総統は、台湾中部の南投県を視察中に記者団に対し「もっと適切に迅速に対応することができたはずだ。しかし、われわれは適切ではなく迅速ではなかった。もちろん、大変申し訳ないと思っている」と語った。

これまでに123人の死亡が確認されているが、馬氏は、高雄県小林村で数百人が生き埋めになっていることから、最終的な死者数が500人に上る可能性もあるとの見通しを示した。

被災地では現在も捜索活動が続いており、警察は、行方不明者の親族に対し、遺体との照合のためにDNAのサンプルを提供するよう呼びかけている。

行方不明者の関係者や親族らは、死後7日目に死者の霊魂が戻ってくるとの信仰に基づき、土石流にのみ込まれた集落のそばに社(やしろ)を建てたという。
また、中国出身のアクション俳優ジェット・リー(Jet Li)さんも高雄県を訪問し、救援物資を避難施設に運び込んだ。

一方、馬総統は謝罪の数時間後に台中の野球場の始球式に登場。馬氏は結局、会場からのブーイングがあまりに激しかったため、ボールを投げることなくスタジアムを後にした。

スタジアムの外では、男性が取材カメラの前で「これだけ多くの人が死んでいるのに、始球式に参加するのか!夜はよく眠れますか!?」と叫ぶ姿もみられた。
(c)AFP/Polly Hui

台湾の人口は2300万とのことなので、日本との比較では1/5以下であるから、日本であったどの程度の被害なのかを考えるために被害者数を5倍にして見ると、現時点で確認されているの死者が600人、行方不明が2000人以上ということになる。

日本の自然災害での死者数は、近年については阪神淡路大震災が6400人以上というのが図抜けていて、100人を越える死者は平成18年豪雪(2006年)、北海道南西沖地震(1993年)といったものが記録となっている。
1980年代までは、自然災害で死者が100人を超えることも多かったのだが、特に阪神淡路大震災以後は防災対策、緊急対策が整備されたのはご承知の通り。

こんなことを考えても、今回の台湾の台風被害は犠牲者の数が多すぎて、大変だが政府の対応が悪いというのは、阪神淡路大震災での村山内閣の無策ぶりを彷彿とさせる。

野球場の始球式に登場して、ブーイングというのは驚いた。

当初の政府の言い訳は「情報収集が・・・」と現場の責任にしたようなのだが、その後もこれというのでは、下手をすると台湾政界にも台風の影響が及ぶのかもしれない。

8月 16, 2009 at 09:11 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.03

アラブ首長国連邦のバブル崩壊?

日経新聞より「金融危機で事業中止・停止 UAE、総額28兆円

【ドバイ=太田順尚】
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの調査会社プロリーズ・グローバルは、金融危機によりUAEで中止、または停止となったプロジェクトは400件以上に上り、総額は3千億ドル(約28兆5000億円)以上に達するとの試算を発表した。

UAEでは不動産開発ブームが続いたドバイを中心に、住宅や商業プロジェクトの中止が相次いだという。

一方、サウジアラビアでは中止、または停止されたプロジェクトは約80件となり、総額は200億ドル(約1兆9000億円)にとどまっているという。

プロリーズ・グローバルは、サウジはUAEほど市場が開放されておらず、外国人の不動産所有も制限されていることなどを指摘。このような背景から、投機を抑制できたと分析している。
(14:02)

Photo

ドバイと言えば、有名な「パーム・アイランド」の衛星写真であります。

宇宙から見えるバブルとでも言うべきなのでしょうが、世界的大不況で色々な工事が継続不可能になったという情報は以前からありましたが、それが総額28兆円というのはこれまた桁外れですね。

アラブ首長国連邦(UAE)について、駐日アラブ首長国連邦大使館HPより

アラブ首長国連邦(the United Arab Emirates)は、アラビア半島のアラブ湾沿いに位置する、7つの首長国(アブダビ、ドバイ、ウム・アル・カイワン、シャルジャ、アジュマン、ラス・アル・ハイマ、フジャイラ)で構成されている国です。

19世紀以降イギリスの保護下に置かれていましたが、1971年12月2日、各首長国が統合し、アラブ首長国連邦が建設されました

首都はアブダビで、シェイク・ザイード・スルターン・アル・ナヒヤーン現大統領の出身地でもあります。UAE政府は建国以来ザイード大頭領統統率の下、休むことなく国の発展に尽くし、短期間の内に経済発展、アコ界開発を成し遂げ、砂漠の町を緑化の進んだ緑多い高層ビルの建ち並ぶ超近代都市へと変貌させました。

UAEの人々は伝統的に外国人の受け入れに寛容で、街中にはインド亜大陸、イラン、他のアラブ諸国、ヨーロッパ諸国の人々が多く、まさしくコスモポリタン・シティと呼べます。

現在UAEの生活水準は世界でも高レベルに達しており、湾岸地域の中でもっとも安定した国の一つとして知られています。

UAEの地理

北緯22度及び26.5度、東経51度及び56.5度の間に位置。北をアラビア湾、東をオマーン湾とオマーン、南をオマーンとサウジアラビアに、西をカタールとサウジアラビアに囲まれている。総国土面積83,600平方キロメートル。UAEはアラビア湾沿いに600キロ、オマーン湾に沿って100キロの計700キロに及んで、海岸線が伸びています。

Photo

面積は日本の22%、人口は4%(446万人)、GDPは1,901億ドル、一人当たりGDPは42,349ドル

GDPが2000億ドルの国で3000億ドルの事業が停止になったというのは、大変なことで今後どうなっていくの、注目したいと思います。

8月 3, 2009 at 04:56 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.31

オバマ大統領に資格無しとナンクセを付ける右派

AFP BB より「過激な米右派、オバマ氏の出生地と大統領資格に難癖

【7月30日 AFP】
米保守派の少数の非主流派が、バラク・オバマ大統領の大統領資格に異議を申し立てている。彼らの多くは、基本的にアフリカ系米国人が大統領になるという考えに反対する者たちだ。

■右派や人種差別主義者の巣窟「バーサーズ」

彼らは「バーサーズ」と名乗るグループで、インターネット上のブログから果ては裁判所でまで、「米国生まれの合衆国市民でなければ、大統領となることはできない」と規定している合衆国憲法を引き合いに出して、オバマ大統領がホワイトハウスにいる資格はないと糾弾している。

オバマ氏の出生に関わるうわさは、米ハワイ州生まれだとの事実を示す出生証明書などの証拠があるにもかかわらず、広がり続けている。煽っているのは、右派の過激派や人種差別主義者(レイシスト)、ホロコースト否定論者などが集まるグループだ。

過激派を研究する南部貧困法律センターのマーク・ポトック氏は、「彼らは基本的にレイシストか極右の集まり。ここから今回の運動全体が起こっている」と分析する。

同氏によると、運動を率いている人びとの構成は「オバマ氏に大統領であってほしくないと強く考える者たち」で、その理由は「主にオバマ氏が黒人だから、また確実に彼がリベラルだから」だという。

■「オバマ氏はケニア生まれ」の証明に躍起

独立系インターネット新聞「ワールドネットデイリー」は、オバマ氏の出生地に疑義を申し立てる署名に40万を超える電子「署名」を集めた。
こうしたサイト上で「バーサーズ」は日々、「オバマ出生のストーリーに関する新たな疑惑」を持ち出している。

「バーサーズ」の1人はこれまでに3回、インターネットオークション大手イーベイにオバマ氏がケニアで生まれたとする「出生証明書」を出品しようとしたが、失敗した。

また、バーサーズはすでに数か所で、オバマ氏は米国内の生まれではないと主張する裁判を起こし、却下されている。中には最高裁への提訴もあったが、最高裁は聞く耳を持たなかった。

■政府や議会は「ハワイ生まれ」を再三保証

オバマ氏の本名はバラク・フセイン・オバマ、1961年8月4日ハワイ時間午後7時24分、ホノルルのカピオラニにある産婦人科専門病院で誕生――
今週初め、ハワイ州当局はオバマ大統領がハワイ生まれだとの出生証明を余儀なくされた。大統領就任からすでに2回目だ。

一方、米下院は27日、ハワイの州への昇格50周年の機に、「第44代アメリカ合衆国大統領はハワイで生まれた」ことを確認する法的拘束力のない決議を採択した。

■反体制勢力の闇の伝統、陰謀説も影響

「米国には陰謀説の歴史がある。反体制の伝統の一部ともいえる」と、シンクタンク「ポリティカル・リサーチ・アソシエイツ」の米右派運動の専門家、チップ・バーレット氏は指摘する。

バーレット氏によれば米国には、全国民人口に比べればわずかながら、米国政府はフリーメーソンやカトリック教会、ユダヤ人銀行家などの「秘密のエリート集団」に乗っ取られてきたと信じる人びとがいる。

ビル・クリントン元大統領もこの陰謀説の標的にされ、米国内のすべての武器を押収するために国連の助けを求めていると糾弾されたことがあるという。
(c)AFP/Virginie Montet

ひえ~でありますが、よくよく読むとかなり興味深い問題です。

  • 人種差別というか、白人至上主義
  • 陰謀論
  • インターネット

が合成されて、こんな話になっているのですね。

「バーサーズ」の1人はこれまでに3回、インターネットオークション大手イーベイにオバマ氏がケニアで生まれたとする「出生証明書」を出品しようとしたが、失敗した。

これは何を狙って、出品したのでしょうか?
「オークションで高値が付いたから、確かな情報だ」とでも主張する予定だったのでしょうか?
本末転倒ですが・・・・・。

「21世紀なのだなあ~」とも「300年ぐらいでは人は変わらない」とも感じるところです。

7月 31, 2009 at 10:40 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.23

北朝鮮で金属供出?

読売新聞より「1人1発の銃弾を 北朝鮮、国民に呼びかけ

【瀋陽=牧野田亨】
北朝鮮が7月に入り、米国などとの「死闘」を強調し、「1人が銃弾1発を寄付しよう」とのスローガンを掲げ、全国民に鉄製品などの供出を求める国民運動を展開していることが22日、中朝関係者の話でわかった。

この関係者によると、運動は金日成(キムイルソン)主席の死去から15年にあたる8日から開始。
「各人が肉弾となり、米国を筆頭とするすべての反動派との死闘を決意しよう」と訴え、「銃弾」の呼びかけに加えて「10人で砲弾1発を、1000人でミサイル1発を」と続くという。

住民たちはくず鉄などを供出。食事に使うスプーンを出す小学生もいる。住民の間では、「銃弾何発」を提供したかが話題になっているという。
(2009年7月23日07時58分 読売新聞)

日本でも太平洋戦争中に金属供出というがありました。

工業力は原則として集中して量産した方が効率が良いのであって、供出などをやるようになると、早晩その国家体制は崩壊することが歴史上の事実であります。

しかし、その過程で大騒動になるのが普通で、かなり注意しているべき段階になったのかもしれません。

7月 23, 2009 at 11:57 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.07.05

謎の国ミャンマー

「神奈川県警・北朝鮮・ミャンマー・中国・・・・」に潘基文(バンキムン)事務総長がミャンマーを訪問しているとの記事を紹介しましたが、結論は不毛であったようです。
朝日新聞より「ミャンマー軍政「拒否」貫く 国連総長、実りなき訪問

ミャンマー(ビルマ)の軍事政権は、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんとの面会など、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長からの要求をことごとくはねつけた。

ミャンマー情勢をトップ外交で動かそうとした国連側の狙いは、実を結ばなかった。
今後、国連のミャンマー外交が行き詰まるのは必至で、民主化運動の支援者らは別の道も探り始めた。

「面会は重要だ。ぜひ検討してほしい」。
4日午前、軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長との2度目の会談で潘事務総長は、前日に了解を取り付けられなかったスー・チーさんとの面会の実現を繰り返し訴えた。

だが、国連の圧力に屈したとみられることを警戒する軍政側は、最後まで拒否の姿勢を貫いた。
前日の会談は2時間近くに及んだが、この日はわずか25分で終わった。

会談後、同行記者団が待つ首都ネピドーの空港に到着した潘氏は、「面会が実現しなかったという報告となり、申し訳ない」と悔しそうに顔をゆがめた。

国連側が今回の訪問で最もこだわったのが、刑事訴追され勾留(こうりゅう)中のスー・チーさんとの面会だった。
唯一の実現できそうな成果であり、象徴的な意味を持ちうるものだったからだ。

訪問前にいい感触があったわけではない。6月下旬にガンバリ国連事務総長特別顧問がミャンマーを訪れて事前調整をしたが、民主化に向けた協力について、軍政側から特段色よい返事はなかったという。

それでも潘氏が訪問に踏み切ったのは、昨年5月のサイクロン直後の訪問で政治課題に何ら触れず、批判されたことへの潘氏自身のこだわりがあった。また、周囲には「事務総長が動けば何か変わるのでは」との期待があった。

しかし、「リスクは承知の上」(国連幹部)で出た賭けは結局、成功しなかった。
国連側が求めた来年の総選挙までの全政治犯の釈放、公正で透明な選挙の実現に向けた環境整備についても、具体的な答えは得られなかった。

国連側は「軍政トップに直接国際社会の声を届け、これだけ詰めた議論をできるのは事務総長だけ」と主張。
潘氏も4日夜、「メッセージは伝わったと思う。(スー・チーさんに)会えなかったことを成功、失敗の基準にすべきではない」と述べたが、トップ会談でも事態が打開できなかったことで手詰まり感は強まっている。

「内政干渉」を嫌う中国などの反対で、国連安全保障理事会を通じた強い圧力が望めない中、事務総長を筆頭とする国連事務局による交渉が貴重な手段である状況に変わりはない。
だが、「成果」と呼べるものを何一つ持ち帰れなかった今回の訪問は、欧米諸国や人権団体などのさらなる非難を招きそうだ。

■「今は裁判中」繰り返し強調

軍政トップのタン・シュエ議長は4日、スー・チーさんとの面会を求める潘事務総長の要請を拒絶した際、スー・チーさんが裁判中であることを繰り返し強調した。

「ほかの時期なら喜んで許可したが、今は裁判中だ。司法に介入するわけにはいかない」

スー・チーさんの訴追で国際的な非難が高まる中、外交筋の間では、軍政は最後には面会を許すとの見方があった。議長が3日の会談で即答を避け、4日に改めて会談に応じたのも、ぎりぎりまでじらして「面会カード」の値をつり上げ、国際社会からの圧力緩和に最大限に利用する戦略との見立てだ。

だが軍政は、裁判中であることを盾に最後まで譲らなかった。

「軍政はスー・チーさんの問題を、最後まで司法の問題として押し通そうと腹を決めたようだ」。外交筋は軍政側の姿勢をこう読み解く。

軍政はこれまで、自宅軟禁やその延長を自ら決めたことで非難を浴びてきたが、「司法手続きは政府の意向とは無関係」と主張することで、批判をはねつける戦略だというのだ。

裁判所が禁固刑を言い渡した後に軍政が「恩赦」し、自宅軟禁に「減刑」すれば国際社会に対する絶好の「譲歩」のアピールにもなる。軍政のそんなシナリオすら指摘する関係者もいる。

だがいずれにせよ、国連トップの直談判でも譲歩しなかった軍政を今後、国際圧力で動かすのは難しいとの見方が強まっている。

民主化運動を支援する人権団体などからは、今回の事務総長の訪問を「タイミングを見誤った」と批判する声も出始めた。亡命先のタイで民主化運動に取り組む男性(43)は「国連は軍政のトリックにはまった。今回の訪問は完全に失敗だ」と話した。

海外を拠点に民主化を訴える亡命ビルマ人団体の多くは「国連だけの外交努力は限界を迎えた」と指摘する。その一部はすでに、軍政の国民への弾圧行為を国際戦犯法廷に刑事訴追するよう各国に働きかけるなど、国連の場だけに頼らない運動を始めた。
(ネピドー〈ミャンマー中部〉=松下佳世、バンコク=山本大輔)

潘事務総長に対しては「何もやらない」という評価が定着しつつあって、一発逆転を狙ったのかな?という印象も受けますが、その逆に絶対に事態が動きそうもないミャンマーに行って「公称したけどダメだった」という結果が出ないことをあえて実績稼ぎにしようとしたのか?とも感じます。

それにしてもミャンマーの軍事政権は手強いですね。

会談後、同行記者団が待つ首都ネピドーの空港に到着した潘氏は、「面会が実現しなかったという報告となり、申し訳ない」と悔しそうに顔をゆがめた。

会見の写真は公開されていますが、この一行から読み取れるのは記者団は空港に止められたということです。

再度、ネピドーの画像で説明します。

Up

画面の中央がピンマナ駅です、南側の赤丸で囲ったところが空港、右上の赤丸で囲った湖の周辺が先に建設された地域で、拡大してみると同じ形ですが、邸宅といった感じで巨大な建物が並んでいます。大きな建物の長さは150メートルぐらいですから本質的にはビルディングだと思いますが、なんで点在しているのか少なくともビジネスセンターとは言いがたいです。
左側に南北に連なっている建物は、後から出来ました。ピンマナ駅を通る鉄道は南北に通っていて、街道も続いています。
つまり、新たに建設された建物は旧市街地や鉄道からわざと距離を離して建てた、と見ることが出来ます。

Up1

記者団が留め置かれたと考えられる空港がこの画像です。

空港の建物としては、せいぜい50メートル×20メートル程度のものが一つ、駐機場は200メートル×150メートル程度なのですから、日本のローカル空港でもちょっと見られない規模です。しかし、滑走路の長さは3000メートル以上あるようで非常に異様であります。

7月 5, 2009 at 10:31 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.07.04

神奈川県警・北朝鮮・ミャンマー・中国・・・・

朝日新聞より「不正輸出未遂事件、北朝鮮本国が指示か神奈川県警捜査

核やミサイルなど大量破壊兵器(WMD)開発に転用可能な装置のミャンマー(ビルマ)への不正輸出未遂事件で、神奈川県警が逮捕した北朝鮮系商社社長への指示は、北朝鮮本国からだった疑いが強いことが3日、捜査関係者への取材で分かった。県警は装置を本国ではなくミャンマーに送らせようとしたとみており、北朝鮮が関係国に軍事技術を供与する一環だった可能性が出てきた。

県警外事課が外為法違反(無許可輸出未遂)の疑いで逮捕したのは北朝鮮系商社「東興貿易」(東京都新宿区)社長(41)と、同渋谷区の商社「大協産業」社長(57)、同目黒区の計測機器メーカー「理研電子」社長(75)の計3容疑者。
08年9月、東興貿易社長が発注した磁気測定装置をミャンマーに輸出しようとしたが、経済産業省への申請を求められたため断念。
09年1月にマレーシアに送ると見せかけて、再びミャンマーに送ろうと計画した疑いがある。

捜査側関係者によると、装置をミャンマーに送るよう東興貿易社長に指示していたのは、WMD開発などへの関連が疑われる企業などをまとめた経済産業省のリストに記載がある「東新国際貿易有限公司」(本社・香港)の北京事務所だったという。
同社は北朝鮮・平壌にも事務所を持ち、北朝鮮の政府機関「第2経済委員会」の管理下にあるとみられている。

同委員会は非公開組織で、中東やアフリカへミサイルなどの武器を輸出することで外貨を稼ぐなど、北朝鮮の軍需経済を管理しているとされる。

一方、東興貿易社長らが当初、ミャンマーの受け取り主として申告したのは、政府機関の「第2工業省」だった。
2月の家宅捜索で押収した資料を分析した結果、東興貿易社長はこれまでも複数回にわたり、WMD開発に利用できる日本製機器をミャンマーに不正輸出していた疑いも浮上している。

こうした状況から、県警は東興貿易社長への指示は北朝鮮本国の意向だったと分析。

北朝鮮がミャンマーにWMD開発の技術を供与する過程で、関連装置を日本からミャンマーに送ろうとしていたのではないかとみている。

商社関係者の一人は朝日新聞の取材に、「装置はミャンマーで変圧器製造に使うと聞いた」と疑いを否定している。

■武器開発で協力、ミャンマーも?

北朝鮮はこれまでも、パキスタンやシリアといった国の核やミサイル開発に関与することで、自国の技術も向上させてきた疑いがある。

08年には中東などに、約1億ドル相当のミサイル技術などの武器を輸出したと韓国紙が伝えたほか、防衛省も4月のミサイル発射について検証した報告書で、北朝鮮のミサイル開発の急速な進展について、「他国からの技術・資材の流入や、ミサイルを輸出した国での試験結果の利用が考えられる」と指摘した。

北朝鮮とミャンマーが国交を回復させたのは07年。

韓国の閣僚やミャンマー政府関係者らが北朝鮮工作員の爆弾テロで殺された83年のラングーン事件をきっかけに、北朝鮮とミャンマーの国交は断絶していた。だが、北朝鮮側が00年以降、回復を求めてミャンマーへの働きかけを強めた。
ミャンマー側は北朝鮮からの武器輸出を、北朝鮮側はミャンマーの天然資源や食料を求めての結果とみられている。

ともに米国などへの反発から国交を回復させたとも言われ、国交回復当初から北朝鮮の軍事技術流出の懸念が指摘されていた。

〈磁気測定装置〉大量破壊兵器(WMD)の開発につながる輸出を制限するキャッチオール規制の対象となっている。
内蔵するセンサーで、磁石の磁力や機械の磁気などを測定する。ウラン濃縮を行う遠心分離器の調整や、ミサイルの飛行精度向上にも使われるとされる。

ミャンマーは、アウンサンスーチー女史を軟禁していることなどで知られる、謎の軍事独裁政権国家です。

Photo

Google Earth の画像は、首都ネピドー(ピンマナ)付近を示しています。
ピンマナ駅と書かれている付近が昔からのピンマナの街で拡大すると立派な寺院や、大規模な駅などがある大きな街であることが分かります。
そして同時に密集した家屋が、いかにも普通の街であることを示していますが、軍事政権が行政機関を移転して新首都のネピドーとしたのは、どうもその周辺に新たに道路を広げて作った一連の建物のことのようです。

ピンマナ駅を取り囲むような感じで、左下から右上に延びている道沿いに果物の蔓のような感じの道と、果物のなら房にあたる道路からちょっと引っ込んで作られているのが建物です。
大きく拡大してみると、同じような建物がかなりの距離を置いて作られており、まるで陣地のような作り方です。

ミャンマーは旧首都ヤンゴンなど海岸がベンガル湾に面しているのでインド方面への軍事進出を拡大している中国が港の整備と中国からの交通網整備をしていると伝えられています。

新聞記事にあるように、ラングーン事件で北朝鮮と国交断絶が続いていたのですが、国交が回復したのはとにかくとして、中国が北朝鮮がミャンマーを舞台に軍事的な冒険を許すのか?と思います。

共同通信より「北朝鮮船、台湾海峡通過し帰還か ミャンマー要請で航路変更

【ソウル3日共同】
韓国のYTNテレビは3日、ミサイル部品や核関連物資を積載した疑いがあるとして米軍が追跡していた北朝鮮船舶「カンナム」が2日に台湾海峡を通過して北朝鮮の方向に向かっていると報じた。外交消息筋の話として伝えた。

同テレビによると、カンナムはミャンマーに向かっていたが、同国当局の要請で航路を変更。

同国当局が今回の事態に関する補償を約束したとみられる。米軍は無理に貨物検査を行わない方針だ。

カンナムは6月17日に黄海側の北朝鮮南浦港を出港した。

だそうですが、一方では。朝日新聞より「北朝鮮・ミャンマーが軍事協力合意か 米政府系放送報道

【バンコク=山本大輔】
米政府が支援する「自由アジア放送」(電子版)は3日、ミャンマー(ビルマ)軍事政権ナンバー3のトゥラ・シュエ・マン大将が昨年11月に北朝鮮を訪問し、軍事訓練や武器生産などの軍事協力に合意していたと、署名式の写真つきで報じた。

同放送が入手したという37ページに及ぶ軍政の「機密文書」によると、「ミャンマー軍の近代化と軍事能力の強化」が目的。大将は平壌で北朝鮮の金格植(キム・ギョクシク)・人民軍総参謀長(当時)と会談し、軍用機や艦艇の地下格納施設建設、武器の近代化などで協力するための覚書に署名した。

東京新聞より「ミャンマー議長 政治犯解放即答避ける 国連総長とトップ会談

【バンコク=古田秀陽】
国連の潘基文(バンキムン)事務総長は三日、ミャンマーを訪問し、首都ネピドーで軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長と会談。最大都市ヤンゴン郊外で拘置中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん=国家防御法違反罪で審理中=を含む政治犯の解放などを要請したが、議長は即答を避けた。

軍政側には来年実施予定の総選挙を前に、国連トップと内政問題について会談することで、国際社会に対する協調姿勢を示し、批判をかわす狙いがあるとみられるが、同日の会談では前向きな回答は示さなかった。

潘氏は回答が得られなかった政治犯解放などの要請について、同議長に再度の会談を要求。軍政側がこれを受け入れ四日午前、二度目の会談が開かれる。

潘氏は三日の会談後、総選挙前に二千人以上とされる政治犯全員の解放に加え、軍政と民主化勢力との対話再開や公正で透明な総選挙実施の環境づくりなどを要請したと、同行記者団に明らかにした。総選挙について、潘氏は「公正で透明な選挙を保証するとの確約を得た」と述べたが、軍政が今後、国連の選挙監視要員受け入れなどを拒否する可能性は残る。

また、潘氏はスー・チーさんとの面会を同議長に要求。議長は「彼女は裁判中だ」とし、面会を検討するとみられるが、四日夜の帰国までに実現するかは不透明だ。

今回の潘氏の訪問について人権団体などからは、国際社会からの批判をかわす材料として「軍政に利用される危険性が高い」との批判が出ており、潘氏自身も「非常に難しい任務」としていた。

潘氏は昨年五月のサイクロン被災後の初訪問で、タン・シュエ議長に会い、外国人支援要員の受け入れを軍政に認めさせた。
だが、今回のスー・チーさんらの解放などは内政に深く立ち入る問題で、ヤンゴンの外交筋は「軍政がそこまで譲歩するとは考えにくい」と指摘している。

このような事が同時に進行しています。
中国は、インド洋方面への進出が出来れば、ミャンマーなどの国内の状況などはどうでも良いと考えているのでしょうか、北朝鮮に利用されることを黙認するものでしょうか?
そのようなことを考えると、けっこう複雑な国際関係が今回の事件の裏側にはあるように思います。

7月 4, 2009 at 09:55 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.27

北朝鮮・休戦協定に拘束されないと宣言

サンケイ新聞より「北朝鮮の「宣戦布告」声明文の要旨

北朝鮮の朝鮮中央通信が27日伝えた朝鮮人民軍板門店代表部の声明文の要旨は次の通り。

  • 韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)全面参加をわれわれに対する宣戦布告とみなす。
  • われわれの船舶に対する取り締まり、検査など、いかなるささいな敵対行為も、わが共和国の自主権への容認できない侵害とみなし、即時に強力な軍事的打撃で対応する。
  • わが軍はこれ以上、休戦協定に拘束されない。
    休戦協定が拘束力を失えば、朝鮮半島は直ちに戦争状態に戻り、わが革命武力は軍事的行動に移る。
  • 黄海上の米韓軍艦および一般船舶の安全航海を担保できない。

(ソウル 水沼啓子)

「休戦協定に拘束されない」が注目ポイントでしょうか。
これが「休戦協定を破棄する」であれば、自動的に「熱い戦争状態」に国際法上はなるわけで、破棄ではないが拘束されないとは、ひどく微妙な主張であると言えるでしょう。

おそらく、何らかの軍事的衝突があった場合に「休戦協定違反」と非難されないようにといったことかと考えますが、一歩「熱い戦争状態」に近づいたとは言えるでしょう。

まあ、やっかいな話だなと思いますが、現実的に軍事衝突が起きることは中国が抑止するだろうと考えます。
しかし「偶発的な事故」とされるようなことは常にあり得るし、日本も含めた周辺諸国で「休戦協定は無効になった」という認識が国民に浸透すると、衝突へのハードルは下がってしまうでしょう。

明らかに、冷戦時代の社会党のお題目のように「戦争反対」とだけ言っていても事態が変化するわけではないし、アメリカ・韓国が試みた太陽政策も効果がなかった。

だからと言って、例えば日本が核武装して冷戦時の米ソ対立のような構図にしても、単に費用倒れになるだけだろう。

こんな事を考えると、日本国内の質的な強さの強化こそが一番の安全保障であって、わたしはそのためにはいわゆる新自由主義との明確な決別こそが必要だと強く思います。

5月 27, 2009 at 10:51 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.19

北朝鮮・対韓国担当者が処刑されていた

韓国聯合通信より「北朝鮮・対韓国事業総括の崔承哲氏、処刑されていた

【ソウル18日聯合ニュース】

韓国が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、北朝鮮で対韓国事業を事実上総括していた崔承哲(チェ・スンチョル)前朝鮮労働党統一戦線部首席副部長が、「対南(韓国)政策の失敗」を問責され、昨年、処刑されていたことが分かった。

対北朝鮮情報筋が18日に伝えた。
表面的には南北交流過程上の個人的不正が処刑理由とされているが、実際には、韓国新政権の対北朝鮮政策に対する「誤判定」と、韓国の太陽政策が北朝鮮社会に及ぼした影響などについて、北朝鮮当局から責任を問われたものだと説明した。

崔前副部長は、内部強硬派の反対ににもかかわらず、盧武鉉政権の韓国との関係進展を強く推し進め、第2回南北首脳会談の推進も第一線で指揮した人物。
韓国の政権交代で南北関係が悪化したことで、政策判断の失策などすべての責任を負わされ「スケープ・ゴート」になったという。

別の情報筋も、崔前副部長が処刑された事実を認め「最大の罪状は、北朝鮮社会全般に対韓国依存度を育て、韓国への幻想を植え付けたこと」だと話した。

北朝鮮当局は、崔前副部長が南北関係を総括したため北朝鮮内部に韓国への幻想が生じる結果をもたらしたと分析評価し、これを大変深刻に受け止め、処刑を選択したとの説明だ。
また、南北関係の進展を望む北朝鮮内部の対韓国分野従事者に、警鐘を鳴らす意味もあったと指摘している。

「北朝鮮と韓国の重要会談の結果」で紹介した通り、韓国の現代峨山社員は依然として身柄を拘束されたままで、北朝鮮は交渉そのものに応じ無いどころか、交渉の場を持たないようにしているようです。

ロイターより「開城工業団地、北朝鮮の契約無効宣言で混乱状態に=韓国統一相

[ソウル 18日 ロイター]

韓国の玄仁沢(ヒョン・インテク)統一相は、南北経済協力事業の開城(ケソン)工業団地について、混乱状態に陥っている、との認識を示した。当地の学術セミナーで述べた。

北朝鮮は15日、開城工業団地における労務、賃貸、税務上の一連の契約を無効とすると宣言。
これを受けて18日のソウル株式市場では、ロマンソン(腕時計メーカー)やシンウォン(衣料メーカー)など、開城工業団地で事業展開する企業が急落した。

韓国の統一相は「開城工業団地は危機的状況となった」としている。

ただし、当局者などの話によると、開城工業団地の韓国企業は18日も、通常通りに事業活動を行っている。
開城工業団地では、100社近い韓国の中小企業が進出しており、現地で4万人程度の北朝鮮国民を雇用している。

アナリストは、北朝鮮の狙いは賃料と賃金の引き上げ、と指摘する。現在の賃金水準は月額70ドルからで、政府に直接支払われるという。

サンケイ新聞より「戦争で南朝鮮は火の海、廃虚に 北の委員会が報道官談話

北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」は18日、韓国の外交通商省が北朝鮮の核問題や「衛星」打ち上げを国連などで非難し南北関係を破綻(はたん)させたと主張、「このままでは戦争が起き、南朝鮮(韓国)が火の海、廃虚となるのは避けられない」と警告する報道官談話を出した。朝鮮中央通信が伝えた。

韓国の李明博政権が南北関係の進展と核問題を一体化させ、北朝鮮との懸案について、国連や日米などとの多国間外交を通じて取り組もうとする姿勢をけん制したとみられる。

談話は、外交通商省が韓国政府の中でも「最も悪質で無分別な反民族的集団」と非難。
開城工業団地で韓国側職員が拘束されている問題を、国連人権委員会に持ち込もうとしていることについても「立場をわきまえず介入している」と批判した。(共同)

これでは何がどうなるのか見当も付きませんが、状況が収束には向かっていないと考えて間違えないでしょう。
ロイターの指摘のように、賃料・賃金の引き上げは開城工業団地に進出している中小企業にとっては受け入れがたいでしょうから、本来であれば妥協点を見つけるための交渉が行われるはずですが、公式会議は開かれず事実上の拉致状態も解決せずというのでは、妥協のための交渉が進むとも思えません。

その中で、明らかになった「担当大臣の処刑」ですから、北朝鮮の狙いは「韓国の統一省を北朝鮮寄りに戻す」ことではないか?と思います。

しかし、全体として現時点では盧武鉉前大統領にも詐欺的な疑義が出されていて、とてもではないが韓国政府が北朝鮮寄りに方向転換できる状況には無いように見えます。
そもそも盧武鉉政権時代の統一省の北朝鮮寄りの姿勢については、韓国メディアとしては珍しく政府批判のトーンが強くありました。

こんな事を総合的に考えると、開城工業団地での事業は韓国側の撤退になるのではないか?と思うところです。

5月 19, 2009 at 09:36 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.04

ネパールの政情は?

朝日新聞より「ネパール政情不安 毛派が国軍トップ解任

【ニューデリー=武石英史郎】
ネパール共産党毛沢東主義派(毛派)が率いるネパール政府は3日、かつて内戦で戦火を交えた国軍のトップである陸軍参謀長の解任を決めた。しかし、連立を組む他の与党各党は反発し、うち2党が政権離脱を決定。
毛派中心の連立政権は発足からわずか8カ月で、崩壊の瀬戸際に立たされている。

毛派は06年に10年間に及んだ武装闘争をやめ、内戦が終結。
その後、毛派と各政党の協力で選挙の実施や王制廃止などが実現した。
毛派は08年の制憲議会選挙で勝利して連立政権を組織したが、両者の亀裂が再び深まれば、新憲法制定などの重要課題が頓挫する可能性もある。

現地からの情報によると、毛派議長のダハル(通称プラチャンダ)首相が率いるネパール政府は3日の閣僚会議で、かねて毛派政府の意向を無視し続け、クーデターの企ても報じられた国軍トップのカタワル陸軍参謀長の解任を決め、後任に毛派寄りとみられる副官を指名した。

毛派と国軍は、06年に包括和平協定が成立した後も、約1万9千人の毛派軍兵士の扱いをめぐり、火種を抱えていた。
毛派が、毛派軍兵士全員を国軍に統合させる方針を示したのに対し、毛派に嫌悪感を抱く国軍は今年に入って毛派以外からの新兵募集を強行し、毛派の怒りを買った。

国軍はさらに、毛派出身のタパ国防相の承認を得ないまま軍幹部の任期を延長したり、師団長会議を勝手に招集したりするなど独自色を強め、毛派は命令に従わないカタワル参謀長の解任手続きに入っていた。

4月24日には地元紙が、参謀長解任の動きに対し国軍がクーデターを計画していたと報じるなど、国軍側の反発は強かったが、毛派が解任を強行した形だ。今後、毛派と国軍との間にしこりが残るのは必至だ。

一方、連立与党内では、毛派を除く全4党が参謀長解任に反対して3日の閣僚会議をボイコット。
与党第2党の統一共産党など2党が政権離脱を発表した。

同党の事務所にはその後、最大野党のネパール会議派を含む「非毛派」の17政党が集まり、対応を協議した。

毛派は昨年4月の制憲議会(定数601)選挙で220議席を獲得し、第1党になったとはいえ、過半数には届かなかった。さらに連立からの離脱が続けば政権は崩壊し、「非毛派政権」が誕生する可能性がある。

毛派対非毛派」の構図になれば、和平以前の状況への逆戻りになりかねない。毛派の議席が3分の1を超えている以上、3分の2以上の賛成が必要な新憲法の制定も一筋縄ではいかなくなる。

首都カトマンズでは、解任に対する抗議デモが始まった。一方、地元紙の電子版は、国内28カ所の駐屯地で国連監視下にある毛派部隊に対し、同派指導部から緊急態勢を敷くよう指示が下りたと伝えた。

■ネパール内戦

毛派が96年、王制打倒を目指して武装闘争を開始。
06年4月、当時のギャネンドラ国王の強権政治に対する主要政党による抗議運動が成功し、国王は下院を復活せざるを得なくなった。
これを受け、新政権と毛派が制憲議会選挙の実施などで合意。同年11月、両者が和平協定に署名して内戦が終結した。

■ネパール政局を巡る主な動き

96年毛派が王制打倒を目指す武装闘争開始
01年王宮内でビレンドラ国王ら9人射殺。実弟のギャネンドラ王子が国王に即位
02年国王が下院解散
05年国王が全閣僚解任。直接統治に
06年抗議運動が広がり下院復活。新政権が毛派との内戦終結
07年暫定憲法に共和制移行を明記
08年制憲議会で王制廃止。選挙で第1党となった毛派中心の連立政権発足

2008年に王政廃止を決めて、それなりに安定するのかと思っていたら、政権与党内の対立が激化したと言うことなのでしょうか?
ネパールの地域情勢までは理解していないので、地域間対立がどの程度のものか分かりませんが、

毛派が、毛派軍兵士全員を国軍に統合させる方針を示したのに対し、毛派に嫌悪感を抱く国軍は今年に入って毛派以外からの新兵募集を強行し、毛派の怒りを買った。

と言うのでは、地域間対立の激化か?とも思ってしまいます。

2001年の宮廷内ので射殺事件もナゾのままで、当然王室の権威は大きく傷つき、2007年の共和制移行、2008年の王政廃止の流れになっても、それ自体が各派の妥協の産物であった様子で、いまだに安定にはほど遠いのかな?と感じるところです。

5月 4, 2009 at 09:37 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.04.22

北朝鮮と韓国の重要会談の結果

「北朝鮮問題・いよいよヨロイがあらわになった?」の中で紹介した「北が韓国に接触要求…開城工業団地で「重大事案」と」が、昨日(2009年4月21日)実施されました。

北朝鮮が、開城工業団地の韓国人職員を「北朝鮮労働者に対して脱北させようした容疑」で拘束し韓国からは面会も出来ない、状態でした。
その後、ミサイル発射、国連安保理での議長声明の全会一致での採択、北朝鮮がIAEA職員の追放、アメリカの外交関係者の北朝鮮からの出国、といったこと続いている中での「開城工業団地について重大な会談」ということでしたから、注目されました。

韓国側の報道としては、昨日の朝から「会談の用意」があったのですが、次のような進行になりました。

韓国聯合ニュースより
南北接触、現地で連絡官が接触場所・議題など協議中10:54
南北接触、開催場所・議題めぐり意見の対立続く17:56
南北接触いまだ始まらず、接触場所選定で対立14:39
南北当局者、開城工業団地で本接触を開始21:00
南北接触約20分で終了、双方が文書交換23:18

昨夜の内に「会談は20分で終了」の情報は速報されましたが、内容が詳しく伝わってきました。

韓国聯合ニュースより「開城工業団地の特恵を全面再検討、北朝鮮が通報

【ソウル21日聯合ニュース】
北朝鮮は21日に開城工業団地事業と関連し、賃金や土地使用など韓国側に与えていたすべての制度的な特恵措置を全面再検討すると明らかにした。これにより、2000年8月の現代峨山と北朝鮮当局間の開城工業団地開発合意書採択で始まった同団地事業が最大の危機に直面することになり、事業に相当狂いが出るものと予想される。

統一部によると、北朝鮮当局は開城工業団地で行われた李明博(イ・ミョンバク)政権発足後初の南北当局者接触で、北朝鮮側労働者の賃金を現実に合わせて再調整すること、当初10年間付与していた土地使用料の猶予期間を6年に短縮し、来年から適用することを要求した。北朝鮮はこうした同団地事業の再検討を一方的に通報した上で、既存の契約を再検討するための交渉を韓国側に提案したという。

韓国側はその席で、23日にわたり拘束されている開城工業団地の現代峨山社員を早期に釈放するよう求め、面会と身柄の引渡しを要求したが、北朝鮮はこの問題は今回の接触と無関係だとしてこれを拒否、面会は実現しなかった。

韓国側はまた、南北合意書無効宣言など緊張を造成する行為の撤回、陸路通行・滞在制限措置の撤回、国家元首の誹謗(ひぼう)・中傷の中止などを要求し、開城工業団地の出入・滞在問題などを含め南北関係の懸案解決に向けた当局者間の次期接触を提案した。

さらに、北朝鮮が韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)全面参加方針を強く非難し、反発を示していることに対し、「朝鮮半島水域では南北海運合意書が適用されるため、対決布告・宣戦布告といった主張は道理に適っていない」と強調し、北朝鮮に賛同を促した。

南北は同日午前と午後に7回にわたる事前接触を行い、接触の場所や議題、参加者リストの相互通報などの問題を話し合った。最終的には北朝鮮側が要求した中央特区開発指導総局の事務室で午後8時35分から約22分にわたり本接触を行ったが、議題を話し合うことなく互いの主張だけを伝え、具体的な成果を上げられなかった。

この結果について、韓国朝鮮日報は2本記事と社説で取り上げています。

「南北接触:開城工団の労働者賃金引き上げ要求」

北朝鮮は21日、李明博(イ・ミョンバク)政権発足後初の南北当局間接触で、開城工業団地の労働者の賃金を中国並みの水準に引き上げることと、開城工業団地の土地使用料の支払い繰り上げなどを要求した。

消息筋によると、北朝鮮はまた、韓国政府が大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加しようとしていることに強い不満を示したという。

北朝鮮は一方で、先月30日から拘束している現代峨山社員(44)の身柄処理については全く言及しなかったとのことだ。

韓国統一部によると、今回の接触は、開城工業団地で北朝鮮側が管轄する中央特区開発指導総局の事務室で午後8時35分から同57分まで、22分間にわたり行われたという。

韓国側代表団は、接触終了後の午後11時半に報道発表を通じ、北朝鮮が開城工業団地の土地賃貸料契約を結び直し、10年間の支払猶予期間を経て、 2014年から支払うことになっている土地使用料を2010年から前倒しして支払うよう、韓国側に求めてきたことを明らかにした。

北朝鮮側は開城工業団地内の労働者の賃金を「現実化」することも求めてきた。現在、同団地で働く労働者の一人当たり月額賃金は74ドル(約7300円)で、中国に進出した韓国企業が現地労働者に支払う賃金の3分の1程度となっている。

韓国政府消息筋によると、北朝鮮は50年間と定められている開城工業団地の賃貸期間を25年に短縮すること、北朝鮮の労働者の宿舎問題を解決することなども求めてきたという。

同消息筋は北朝鮮側から「韓国のPSI全面参加は宣戦布告に当たるのに、戦争状態で開城工業団地を運営するのは困難ではないか」という趣旨の発言があったことも明らかにした。

韓国側は拘束されている現代峨山社員の身柄引き渡しを要求したほか、▲開城工業団地の運営に支障が生じれば、その責任は北朝鮮にある▲(韓国の)国家元首に対する侮辱を続ければ、相応の対応を取ることもあり得る-などとする内容の通告文を手渡したが、北朝鮮側は受け取りを拒否した。

本接触に先立ち、韓国側代表団は午前9時半から午後7時まで7回にわたる予備接触(連絡官接触)を繰り返し、議題と接触場所などを協議したが、なかなか意見差が埋まらず難航した。

一方、韓国政府は南北接触終了を受け、近くPSI全面参加を発表するとみられていたが、北朝鮮が再び不満を表明したことから、追加的な検討が行われる可能性もあるという。韓国政府は同日夜、大統領府(青瓦台)で安全保障関連の緊急会議を開いた。

大統領府高官は「PSIはロシアを含む94カ国が参加した国際協約であり、韓国政府がPSIに参加しても南北海運合意書の範囲内で運用されるため、公海上で北朝鮮の船舶を臨検することは不可能だ。北朝鮮を狙った措置ではない」と強調した。

「南北接触:北朝鮮、PSI非難口実に「現金獲得」狙う」

北朝鮮のカードが明らかになった。李明博(イ・ミョンバク)政権発足以来初の南北当局間接触で北朝鮮が取り出したカードは、韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)参加問題と開城工業団地だった。

議題自体は韓国側の予想の範囲内だった。しかし、北朝鮮側がそれを通じてどんなメッセージやシグナルを韓国側に送ろうとしているのかははっきりしない。北朝鮮の言葉を見ただけでは、北朝鮮の狙いが韓国のPSI参加を阻止するところにあるのか、それとももう少し現金を手に入れるため、開城工業団地の事業を拡大、進展させようとしているのか不明だ。このため、韓国政府は北朝鮮の本心をつかみ、対応策を準備するのにかなりの苦心を強いられそうだ。

開城での同日の接触が行われるのに先立ち、韓国側当局者と専門家からは、「韓国がPSIに全面参加すれば、開城工業団地が危険になる」というような脅迫に出てくると予想する声が多かった。最近、開城工業団地問題に深く介入し始めた北朝鮮軍部が「PSI全面参加は宣戦布告だ」と宣言しているためだ。

しかし、北朝鮮が同日の接触で実際に発した言葉は、「PSIは『同じ民族同士』という原則に反する」という程度のものだったという。予想よりも「穏健」な内容だったと言える。

さらに注目されるのは、北朝鮮が「優遇措置縮小」を掲げ、開城工業団地の今後の運営に関する新たな提案を行ったことだ。▲2014年から韓国が支払うことになっている開城工業団地の土地使用料を2010年から支払うこと▲開城工業団地の賃貸期間を50年間から25年間に短縮▲開城工業団地の北朝鮮側労働者の賃金水準を中国のレベルまで引き上げること▲開城工業団地の労働者の宿舎問題を解決すること-などが主な内容だ。

このうち、土地使用料の繰り上げ徴収は、「北朝鮮が李明博政権の任期内に、工業団地の使用料という名目で現金を受け取りたいと考えている」(韓国側当局者)とみられる。労働者の賃金引き上げも、金正日(キム・ジョンイル)総書記の金庫に入るドルを増額してほしいという要求に等しい。北朝鮮の労働者にドルで支給している賃金の相当部分を北朝鮮政権が持っていくためだ。労働者の宿舎問題は、北朝鮮が盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権時代に韓国側と合意したものの、李明博政権が「核問題の解決」とリンクさせ、実施を先送りしている事項だ。こうした提案を見る限り、北朝鮮は開城工業団地事業を破綻に追い込むというよりも、むしろ事業継続を望んでいるとの解釈が可能なほどだ。

北朝鮮がなぜこんなやり方で韓国側に分かりにくいシグナルを送ってきたのかははっきりしない。北朝鮮の政権中枢で意見対立が整理されていないからなのか、韓国内部の混乱を招こうという意図的なかく乱作戦なのかは分からない。そこに関しては、韓国政府の深い分析と戦略的な判断による対応が必要だ。

ただ、明らかになった姿勢を見る限り、北朝鮮が少なくとも自分の手で先に開城工業団地をたたむ考えはないことは間違いなさそうだ。韓半島(朝鮮半島)の緊張をいくら高めたとしても、「現金をたやすく放棄しない集団」という北朝鮮の実態に変わりはない。

「【社説】開城まで呼びつけておいて何だ」

21日に北朝鮮の開城で開かれた南北当局者による接触は双方がそれぞれの立場を一方的に通告し、わずか22分で終わったという。今回の接触で何の成果も上がらないことはある程度予想されていたことだ。

韓国側代表団は同日午前9時ごろ開城工業団地に到着し、直ちに会談の議題、代表団の構成、場所などを協議するための予備接触を提案した。北朝鮮は韓国側代表団が開城に到着するまで、北朝鮮側代表団を誰が率い、議題が何で、開城工業団地内のどこで会うのかなど、接触に必要な最低限の事柄すら知らせてこなかった。

そして、現地では工業団地内にある北朝鮮側の中央特区開発指導総局の事務室に来るよう韓国側に指示した。50年を超える南北会談の歴史で、南北双方ともこれほど無礼な対応をした例はない。

韓国と北朝鮮は同日、7回にわたる予備接触を行った上で、ようやく双方の代表が出席する本接触を行ったが、それもわずか22分で終了した。北朝鮮がこんな対応に出た理由は容易に想像できる。

北朝鮮は韓国が自分たちの思い通りになる存在であるかのように開城工業団地まで呼び出し、国連の対北朝鮮制裁や韓国による大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加方針を一方的に非難し、同工業団地を閉鎖することもあり得る、と脅しをかけようとしたのだ。

国際社会が見守る中で韓国に恥をかかせようとした格好だ。韓国がそんな侮辱を甘受してまで南北接触にこだわれば、それは国の体面をも投げ捨てる行動だ。

韓国は同日、北朝鮮が面会も認めずに23日にわたり拘束している現代峨山の社員に会いたいと求めたが、北朝鮮はそれさえも拒否したという。

北朝鮮は最低限の人道的原則すら守らない存在だということを自ら明らかにした。しかし、そんな北朝鮮を相手にせざるを得ないのが、韓国の直面する現実だ。韓国政府は同日の南北接触の結果に一喜一憂するよりも、原則を持って南北対話を継続すべきだ。

韓国政府は最近のPSI問題をめぐる政府部内の混乱を整理し、対北朝鮮政策を全般的に再検討する作業に着手しなければならない。

今までも北朝鮮の外交交渉は、表向きには交渉にならないような通告のようなことだけで来たように感じますし、現実の交渉は秘密交渉であったのでしょうが、ここまであからさまに外交交渉にもならないし、内容的にもとても実現不可能な話を20分の通告だけというのは、朝鮮日報の社説のタイトルのようになりますね。

開城工業団地は、この写真の上側の左寄りにある色の薄くなったところです、開城工業団地の左上が開城市、右下がソウルです。

Up

これが開城工業団地の写真で、大体の大きさが3.5キロ角ぐらいです。
日本の工業団地と比較すると、さがみはらの内陸工業団地の倍程度の大きさですから、さほど大きなものではありません。
開城市の中心部からは7キロ、韓国側のゲートからは8キロ、ソウルから50キロといったところです。

Up1

北朝鮮の外交政策が、いわばテコの原理を使って事態を拡大しする演出は以前からありましたが、今回もその例に漏れない、と見るべきでしょう。
しかし、これではどこに落着するのだか、見当が付きません。

4月 22, 2009 at 10:07 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.18

北朝鮮問題・いよいよヨロイがあらわになった?

読売新聞より「PSI全面参加なら「宣戦布告」…北朝鮮、韓国に警告

【ソウル=前田泰広】
北朝鮮の朝鮮中央通信によると、朝鮮人民軍総参謀部報道官は18日、韓国が「大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)」に全面参加する方針を明らかにしていることについて、「いかなる圧力も我々に対する宣戦布告となる」と警告した。

報道官は、韓国の李明博(イミョンバク)政権が北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する制裁などに固執していると非難。
「ソウルが南北軍事境界線から50キロほどしか離れていないことを忘れてはならない」と強調した。

韓国政府は当初、北朝鮮の弾道ミサイル発射直後に、PSI参加を表明することを検討していたが、「ミサイル発射とは関係ない措置」としていったん延期。
18日には、北朝鮮が南北対話を提案してきたことを受け、19日に予定していた表明を再び、先送りした。
(2009年4月18日21時08分 読売新聞)

18日には、北朝鮮が南北対話を提案してきたことを受け、19日に予定していた表明を再び、先送りした。とは,同じく読売新聞の記事「北が韓国に接触要求…開城工業団地で「重大事案」と」の事でしょう。

【ソウル=前田泰広】
韓国統一省は18日、北朝鮮当局が南北経済協力事業の開城(ケソン)工業団地の事業に関連し、南北の政府当局者が21日に接触することを提案してきたと発表した。

聯合ニュースによると、北朝鮮当局は16日、「重大事案を通知する」と連絡してきたという。北朝鮮は、対北朝鮮融和政策を見直す李明博(イミョンバク)政権への反発を強めており、今回の政府間対話でも何らかの警告を発するとみられる。

韓国政府は提案意図を分析中だが、工業団地進出企業の韓国人従業員が北朝鮮当局に拘束されている問題が取り上げられるとの見方が出ている。
(2009年4月18日19時51分 読売新聞)

これでは、冷戦というかどちらが折れるかというチキンレースですね。

現在までの事態の進行は、

4月5日ミサイル発射
4月13日国連・安保理議長声明採択
4月16日IAEA要員を追放

と進んできました。
開城工業団地の韓国人要員が北朝鮮に拘束され、韓国側からの面会も出来ない状態はそのままで、韓国からの会談要求があり、その後に韓国のPSI参加を宣戦布告と宣告したわけで、普通に考えるとかなり深刻な事態です。

人質をテコに外交交渉を進めようとしているように見えるから、意外な感じを受けますが、北朝鮮は1968年にプエブロ号事件を引き起こしています。
プエブロ号事件はベトナム戦争の真っ最中であり、正しく米ソ冷戦時代の事件でありました。ひょっとすると、北朝鮮は「冷戦なのである」という判断で、武力による国際政治展開をやっているのかしれません。

4月 18, 2009 at 09:58 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.15

北朝鮮・IAEAを追放

国連安保理が北朝鮮に対して議長声明を全会一致で採択した事に対して、北朝鮮が、

  • ミサイル(人工衛星)の発射の自由
  • IAEA(国際原子力機関)の追放

を同時に主張しました。

まあ、これをセットにすると、核兵器の弾道弾化ということなるわけで、冷戦中から米ソを中心に延々と続けられ来た種々の国際交渉が元に戻ってしまう、ような状況とも言えます。

この状態を称して「東アジアでは冷戦の最中だ」といった意見をあります。

東西冷戦が、レーガン大統領が仕掛けた軍拡競争で、ソ連が経済的に行き詰まり、最終的には政治体制の崩壊によって終結したことを考えると、全く同様に進むのであれば東アジアにおいて、軍拡競争を進めることになります。

個人的には、今や戦争のコストは高すぎて、どの国でも取り得ない選択なってきていると思いますから、政治手段としての軍事技術の向上=質的高度化での競争にはなりそうです。
しかし量的な拡大はとても出来ないでしょう。

西欧諸国から見れば、東アジアの冷戦的なにらみ合い状態は、熱い戦争になる危機が無い状況では「関与しない」とするでしょう。
その意味では「東アジアの冷戦の激化」の可能性があらわになりつつあるのかと思います。

以下に、興味を惹いた新聞記事を列挙します。

日経新聞社説より「議長声明に映る6カ国協議の空洞化(4/15)

国連安全保障理事会は、北朝鮮による「発射を非難」する議長声明を全会一致で採択した。

常任理事国間の思惑の違いで法的拘束力のない議長声明に落ち着いた。
安保理の現実は、結果的に実効性の乏しい合意文書を発表してきた北朝鮮に関する6カ国協議の空洞化と重なる。

声明は「非難」を明記したが、打ち上げたのは「ミサイル」とせず、単に「発射」とした。ミサイル関連活動の停止を求めた2006年の決議違反も指摘し、再び発射しないよう求めた。決議が定めた制裁の徹底も加盟国に要請した。

法的拘束力のある決議であれば、文言を柔軟にし、拘束力のない議長声明であれば、厳しい文言を盛り込む。合意文書をまとめる場合、安保理がとる手法である。今回もそうだった。米国と非常任理事国である日本は当初、決議を主張し、中国、ロシアは反対した。

今回の交渉で主要な役割を演じた日米中ロは、6カ国協議の構成国である。韓国と当事者である北朝鮮を加えた6カ国で北朝鮮の核、ミサイルなどの問題を協議してきたが、実質的な進展はほとんどない。

当初、米国は6カ国協議を通じて北朝鮮に孤立感を味わわせ、態度を変えさせようとした。北朝鮮「封じ込め」を考えたのだが、中国の意向もあり、北朝鮮を「関与」させようとする場に変わった。

今回の安保理の交渉でも中ロは6カ国協議への悪影響を避けようと腐心した。結果を出すのを目的とすべき協議で、協議自体の継続が目的に変わる。
交渉当事者が陥りやすい傾向であり、協議参加か不参加という北朝鮮の立ち回りの余地を生む。

安保理の議長声明と同様、6カ国協議の合意にも法的拘束力がない。北朝鮮を拘束するには理論的には6カ国協議の合意を安保理決議で確認する必要がある。

日米中ロ4カ国が交渉した今回の経過は、安保理よりも非公式な枠組みである6カ国協議でさえ、4カ国が一致して北朝鮮に対処する難しさを見せつける。
北朝鮮の核やミサイルに対する脅威認識が4カ国で共有されていないからだろう。

協議の場としての6カ国協議の意味はある。
残念ながら、それを相当の忍耐をもって見守らねばならないのが国際政治の現実である。

日米両国ができるのは、06年の安保理決議を踏まえた制裁である。中ロ両国は早く気づいてほしい。
核を廃棄せず、ミサイル実験をする北朝鮮が、両国を含む地域全体の安全を脅かしている明白な事実に――。

毎日新聞社説より「北朝鮮声明 ひるまず確かな対応を

北朝鮮外務省がまるで脅迫状のような声明を発表した。
「人工衛星打ち上げ」と主張する弾道ミサイル発射を国連安全保障理事会の議長声明で非難され、これに逆襲した形だ。

声明が、北朝鮮の核問題を扱う6カ国協議に「二度と、絶対に参加しない」と強調表現を重ねて断言したこと自体は驚くにあたらない。
発射前から、この問題を安保理で扱えば「6カ国協議の破綻(はたん)を意味する」と公言していたからだ。

それにしても特に日本を名指しした批判が激しい。同協議不参加の理由として「日本が今回の衛星打ち上げに言いがかりをつけて」この協議の存在意義を失わせた、などと主張している。
日本に責任転嫁し、他の協議参加国との間に亀裂を生じさせようという意図が透けて見える。

これを含めて、声明の内容はいかにも北朝鮮らしい瀬戸際外交の典型そのものだ。
特に日米韓3国は北朝鮮の揺さぶりに動じることなく、一致団結して確実な対処を進めることが何より肝要である。

やや懸念されるのは、米オバマ政権の対北朝鮮政策が、その戦略にせよスタッフの陣容にせよ、しっかり固まっていないことだ。

北朝鮮が6カ国協議を拒否しながら、米朝直接交渉を望むのは目に見えている。
米国は速やかに態勢を整え、中国とも緊密に協力して北朝鮮を6カ国協議へと導く工夫をしてほしい。

声明には、一見穏やかな表現を用いた脅しともとれる部分がいくつもある。
「自主的な宇宙利用の権利を引き続き行使していく」とは、人工衛星打ち上げを装った長距離弾道ミサイルの発射実験を重ねる構えを示唆したものと読める。
「自衛的核抑止力の強化」や「使用済み燃料棒の再処理」に言及した部分は、6カ国協議の合意に従って進んできた寧辺(ニョンビョン)の核関連施設の無能力化措置を逆戻りさせ、おそらく原爆数個分にあたるプルトニウムを新たに確保する狙い、と解釈せねばなるまい。

もちろん、これらは直ちに実現できることではない。
だが北朝鮮は放射能に対する作業員の安全を軽視してでも核施設の再稼働を急ぎかねない。
しかも数十年にわたる核開発、ミサイル開発の歴史を見れば、最終的に核兵器を搭載できるミサイルの保有により自らの安全を確保しようと願っている可能性を否定できない。そんなことになれば大変だ。

北朝鮮も破局は望んでいまい。
声明の末尾にある「非核化のプロセスが破綻しても朝鮮半島の平和と安全は守る」という言葉が、そのシグナルであろう。
甘い妥協を排しつつ交渉を通じて問題解決への道を探ることは可能なはずである。関係国の粘り強い努力に期待する。

読売新聞社説より「安保理議長声明 北朝鮮の挑発行為を許すな

国際社会の総意にあらがう北朝鮮の危険な挑発行為だ。

国連安全保障理事会は全会一致で弾道ミサイル発射を非難する議長声明を採択した。北朝鮮はその直後、6か国協議をボイコットし、核施設を再稼働させる方針を表明した。

東アジアの緊張を高め、平和と安定に逆行する動きだ。北朝鮮の核廃棄を目指す6か国協議の合意を反古(ほご)にする行動に出るなら、日米韓中露の5か国は結束して強い対応措置を取らねばならない。

安保理の議長声明は、「北朝鮮による4月5日の発射」について、「安保理決議1718に違反する」と認定し、さらなる発射を行わないよう北朝鮮に求めている。

発射が「人工衛星」か「弾道ミサイル」かには触れず、「発射」自体が決議違反と明示した。

「衛星打ち上げは主権国家の権利」という北朝鮮の主張を認めれば、発射に歯止めをかけられなくなる。弾道ミサイル計画に関連した活動は容認できない、との日米の主張を反映したのは当然だ。

北朝鮮は、安保理が発射問題を扱えば、6か国協議は「なくなる」と強く牽制(けんせい)してきた。議長声明を糾弾する外務省声明をただちに発表したのは予想通りだが、その内容は看過できない。

北朝鮮は「宇宙利用の権利を引き続き行使する」として、衛星打ち上げに名を借りたミサイル発射の継続を明らかにした。

さらに、6か国協議の早期再開を求めた議長声明を無視して、今後、協議には「二度と絶対に参加せず、いかなる合意にも拘束されない」と宣言した。

加えて、無能力化した核施設を再稼働させ、使用済み核燃料棒の再処理で核兵器用プルトニウムを抽出する方針を示したことは、核ミサイルの開発を目指すと公言したに等しい。

いつもながらの瀬戸際戦術で、オバマ米政権に米朝交渉の早期再開を迫り、譲歩への見返りを狙っているのかもしれない。だが、北朝鮮が言葉の通り、核施設の再稼働に踏み切れば、6か国協議は意味を失ってしまう。

6か国協議の議長国である中国の責任は重みを増している。最大の貿易国、支援国として、北朝鮮への制裁の徹底などあらゆる有効な手段を講じてもらいたい。

ノドン・ミサイルの射程に入っている日本にとっては深刻な事態だ。米国や韓国と緊密に協議し、核開発阻止に実効的な方策を探っていく必要がある。
(2009年4月15日01時39分 読売新聞)

朝日新聞より「北朝鮮、IAEA監視要員に退去通告 安保理声明に反発

【ウィーン=玉川透】
国際原子力機関(IAEA)は14日、北朝鮮・寧辺の核施設の無能力化を監視するために駐在しているIAEA要員3人に対し、北朝鮮が退去を通告してきたことを明らかにした。

北朝鮮のミサイル問題をめぐり、国連安全保障理事会が発射を非難する議長声明を採択したことに反発した動きとみられる。

北朝鮮はIAEAに対し、核施設に設置している監視用カメラなども撤去するよう要求。

その上で、施設だけでなく、速やかに北朝鮮から離れるよう求めているという。

AFP BB より「北朝鮮、IAEA監視要員に国外退去求める

【4月15日 AFP】
国際原子力機関(IAEA)は14日、北朝鮮がIAEAに対するすべての協力を即時停止すると通告し、寧辺の核施設にいるIAEA監視要員の国外退去を求めたと発表した。

監視要員らは、2007年2月の6か国協議の合意事項の一部として兵器級プルトニウムを製造していた施設を監視するため寧辺に駐在していた。

この数時間前、北朝鮮は国連安全保障理事会が北朝鮮が5日実施した打ち上げを非難する議長声明を採択したことに反発し、朝鮮半島の非核化を目指す6か国協議から離脱し、核開発計画を再開するとの声明を発表していた。

■各国は協議継続を求める

ロシアと韓国は北朝鮮の発表に遺憾の意を示した。
中国は、北朝鮮と友好的な関係を維持してきたこと、日本などが求めていた安保理決議に反対したことを強調して、北朝鮮に6か国協議にとどまるよう求めた。
日本は北朝鮮に6か国協議に復帰するよう強く求めた。

ヒラリー・クリントン米国務長官は、IAEA査察官の国外退去は「不必要な対応」で、北朝鮮が協議に復帰することへの期待感を示した。

■瀬戸際外交強化か

韓国・東国大学のキム・ヨンヒュン教授は、
「北朝鮮は掛け金を徐々に上げている。北朝鮮の瀬戸際外交は米国と国際社会から最大限の譲歩を引き出すのが目的だ」と述べ、北朝鮮が軍事的挑発に乗り出す可能性が高まったと指摘する。

北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、14日の北朝鮮の声明は記憶にある限りこれまでで最も厳しいものだと話す。
「この声明は、北朝鮮が行動に向けて動いていると言っている。米国とその同盟国、中国が状況をコントロールするよう賢明な対応をとることが非常に重要だ」

ある韓国の高官は、北朝鮮は核施設の無能力化作業11段階のうち8段階まで終わらせ、現在は9段階目の使用済み燃料棒を原子炉から取り出し、冷却槽に移動させる作業を行っているが、燃料棒の再処理を再開しプルトニウム抽出を始めるまでどの程度の時間がかかるか分からないと述べた。
(c)AFP/Park Chan-Kyong

ロイターより「北朝鮮による国連査察団への国外退去命令、不必要な反応=米国務長官

[ワシントン 14日 ロイター]
クリントン米国務長官は14日、国連安全保障理事会が、前週の北朝鮮によるロケット発射を非難したことを受け、北朝鮮が国連の核施設査察団に国外退去を命じたことについて、不必要な反応だとの見解を示した

同長官は、記者団に対し「われわれはこれを、安保理の懸念から出された合法な声明に対する不必要な反応とみている」と述べた。

さらに「言うまでもなく、われわれは、この件について話し合う機会を同盟国とだけでなく最終的には北朝鮮とも持つことを望んでいる」と語った。

ロイターより「北朝鮮、監視団に早期の国外退去命令=IAEA

[ウィーン 14日 ロイター]
国際原子力機関(IAEA)によると、北朝鮮は核施設の監視団との協力をすべて打ち切るとした上で、監視団に対しできるだけ早期の国外退去を命じた。

これに先立ち、北朝鮮は核問題について話し合う6カ国協議からの離脱と核施設の稼動再開を表明した。

広報担当のマーク・ビドリケア氏は声明で「(北朝鮮は)この日、寧辺施設のIEAE監視団に対し、IAEAとのすべての協力を即刻停止すると通告してきた」と指摘。

核施設のすべての封印および監視機器を撤去するよう求められ、監視団はできるだけ早期に国外退去するよう命じられたことを明らかにした。

読売新聞より「北朝鮮制裁、米が資産凍結の対象リスト…安保理委に提出へ

【ニューヨーク=白川義和】
北朝鮮のミサイル発射を非難し、国連安全保障理事会の制裁決議徹底を求める議長声明採択を受け、米国が近く安保理の制裁委員会に提出する北朝鮮企業の資産凍結対象リストが14日、明らかになった。

弾道ミサイル関連の取引を担う貿易会社や金融機関の計11社を挙げており、制裁委は24日までに対象企業を指定し、国連加盟国に制裁措置の徹底を促す。

2006年の北朝鮮の核実験を受けて採択された安保理決議1718は、核・ミサイル開発に関連する企業の資産凍結を定めているが、具体的な対象は指定していなかった。
13日に採択された議長声明は、今月中に制裁対象リストを作成する方針を示しており、日米などのリストを基に制裁委で安保理の各理事国が討議する。

読売新聞が入手した米国のリストは、11社の筆頭に「朝鮮鉱業開発貿易会社」を挙げている。
同社が北朝鮮の「主要武器取引業者」で、弾道ミサイル関連の物資・設備輸出の中心になっているとし、複数の国の事務所を通じて武器売却を推進していると指摘した。
防衛複合企業体の「朝鮮リョンボン総合会社」もリストに含めており、同社は軍需物資の獲得や、軍事関連物資の売却支援を専門に行っていると説明している。

金融機関で唯一リストに入っているのは「端川(タンチョン)商業銀行」
弾道ミサイルや通常兵器の取引決済を担い、前身の「蒼光(チャングァン)信用銀行」は1980年代後半から、中東やアフリカへの武器売却の利益を集めてきたとしている。
米側は、こうした売却益が北朝鮮の兵器開発や武器購入の財源になっていると指摘している。

朝鮮鉱業開発貿易会社と朝鮮リョンボン総合会社の子会社計8社もリストに含まれた。

制裁委の決定は全会一致が原則で、制裁対象企業を決定できなかった場合は、安保理が30日までに指定を終える。確定したリストは決議1718の関連文書となり、国連加盟国は対象企業への制裁履行が義務付けられる。

すでに日本と米国は、これら11社に独自の金融制裁を行っているが、北朝鮮に最も影響力がある中国は制裁を限定的にとどめており、全体の効果は不十分だ。
今回、安保理がリストを作成しても、制裁履行は各国の意思に委ねられるため、実効性を疑問視する見方も強い。
(2009年4月15日03時23分 読売新聞)

4月 15, 2009 at 09:44 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.04.08

衛星写真はすごい!!

北朝鮮のミサイル発射衛星写真で一気に有名になった、DigitalGlobe 社ですが、拡大写真がアップされました。

9425×6612ピクセルという巨大なものですが、ビックリするのはその鮮明さです。Google Earth の比ではない。
なんと発射台周辺の排気ガスの残りもはっきり見えます。なんともすごいライブ感

  1. DigitalGlobe 社
  2. 一番上の「 Featured Image: Musudan Ri, North Korea | Collected April 5, 2009 | > See More」で
  3. 「See More」を選択
  4. 「Musudan Ri, North Korea (Rocket Launch)」の少ししたの、
  5. > View Large Image | > View Overview Image | > Usage Guidelinesで
  6. View Overview Imageを選択

報道された、写真ではミサイルの航跡が、排気ガスの白い線で見えましたが、拡大写真で見ると白く見えないところも、空気のゆがみで下の地面がぼやけて見えています。
民間の衛星写真でもこれというのは、軍用の偵察衛星などではすごくよく見えるということですね。

4月 8, 2009 at 10:11 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

盧武鉉前大統領が謝罪

韓国聯合ニュースより「盧前大統領が謝罪、本人捜査は避けられない見通し

【ソウル7日聯合ニュース】
盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が7日、自身のホームページに謝罪文を掲載し、権良淑(クォン・ヤンスク)夫人が鄭相文(チョン・サンムン)元青瓦台(大統領府)総務秘書官を通じ、朴淵次(パク・ヨンチャ)泰光実業会長から金を受け取ったと認めた。
盧前大統領に直接の捜査が及ぶことは避けられない見通しだ。

盧前大統領は、謝罪文を通じ「嫌疑は鄭元秘書官のものではなく、わたしたちのものだ。わたしの家(夫人)がお願いし、その金を受け取り使用した」と述べた。

大検察庁(最高検察庁に相当)の洪満杓(ホン・マンピョ)捜査企画官は「盧前大統領の謝罪文を捜査の参考にする。文章の内容を捜査するかは、鄭元秘書官の調べが終わった後に決定する」と、慎重な立場を示している。

しかし、盧前大統領の姪(めい)婿が昨年2月中旬に朴会長から受け取った500万ドルは事実上、盧前大統領の資金だったのではとする疑惑が生じたのに続き、今回、権良淑夫人が朴会長から金を受け取った事実が明るみになったことで、近く盧前大統領を出頭させ調べることになるというのが、検察内外の観測だ。盧前大統領も「詳しい話は検察の調査に応じて陳述する」と、検察の捜査を既成事実として受け入れている。

権良淑夫人が朴会長から金を受け取った事実を、盧前大統領が在任中に知っていた場合、検察がそれを立証すれば、盧前大統領に包括的賄賂(わいろ)罪を適用することができる。

在任中に知らなかったのであれば、権良淑夫人と鄭元秘書官をあっせん収賄容疑容疑で処罰できる。大検察庁中央捜査部は同日午前、総務秘書官在職中に朴会長から数億ウォンを受け取った疑いで鄭元秘書官を逮捕し、調べを進めており、あっせん収賄または賄賂の疑いを適用することを検討している。

一方、盧前大統領の謝罪文の内容とは異なり、鄭元秘書官が朴会長から受け取ったとされる数億ウォンは、鄭元秘書官本人のものであり、権良淑夫人に朴会長から渡った金とは別個のものだと伝えられた。

鄭元秘書官は2007年12月、盧前大統領の姪婿の依頼で朴会長に電話し面会を求めている。
また、同年8月には、朴会長、姜錦遠(カン・グムウォン)チャンシン繊維会長と3人で会い、盧前大統領の退任後の活動資金準備に向けた財団設立などを話し合ったという疑惑もある。

中央捜査部は、鄭元秘書官の各種疑惑を調べ、大田地検が同日に横領などの疑いで事前拘束令状を請求した姜会長の身柄を確保すれば、姜会長が株式会社烽下に投資した70億ウォンの性格と、「3者会合」について捜査する考えだ。
また、前日には泰光実業の香港現地法人・APCの口座関連資料を香港司法当局から受け取っている。
これを分析し、500万ドルが姪婿にわたったかどうか確認できれば、娘婿も改めて出頭させる方針だと伝えられた。

韓国の大統領は退任すると、投獄されてしまうことが続いてきましたが、今回もまた同じようことになるのでしょうか?

それにしても、一方でワイロ疑惑があり、片方で「大統領の生家を国の予算で整備」というのはどういう事なのでしょうか?
韓国の問題点として、企業活動では中小企業が弱体で、大企業への過度の集中を指摘する声が続いていますが、行政についても過度の権力の集中と見ざるを得ないところが、何事も中央政府の意向次第、といったところを感じます。

過敏に過ぎる、といったことかと感じます。

4月 8, 2009 at 08:04 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.01.15

オバマ政権

日経新聞社説より「社説 オバマ大統領の登場を待つ世界と日本(1/15)」
朝日新聞社説より「米国の新外交―「力」から「賢さ」への転換」
サンケイ新聞より「ビンラーディンは一番の脅威 オバマ次期大統領」
サンケイ新聞社説より「【主張】ヒラリー外交 「日本重視」に積極対応を」
CNN.co.jp より「任期終了近いブッシュ大統領、最重要任務はテロ対策と」
AFP BB より「クリントン次期米国務長官、指名承認公聴会で「スマートパワー」を強調」
CNN.co.jp より「公的資金残りの拠出、オバマ氏が承認要請 拒否権発動示唆」
AFP BB より「「北朝鮮の核拡散には強い姿勢で臨む」、クリントン氏」

オバマ政権関係のニュースを集めました。

ブッシュ政権の評価とセットの記事がいくつかあります。

ブッシュ政権は理想主義

日経新聞社説には

ブッシュ政権を一時牛耳ったネオコン(新保守主義者)は、イデオロギー先行だった。

とあります。朝日新聞社説には

悪の枢軸や中東民主化といったスローガンを掲げて「力の論理」をむき出しにしたブッシュ外交

CNNにはブッシュ大統領のインタビューで

同時テロ後の自身の指導力について「わたしは国民に疲れや躊躇(ちゅうちょ)を見せないと述べたし、実際に見せたこともない」とコメントした。

といった記事を並べてみると、ブッシュ大統領は理想主義というか現実離れした指導者であったと評価しても良いかと思います。

オバマ政権はブッシュ政権の反動

ブッシュ政権では理想のために破滅に突き進んだようなところがあります。

有名なのはイラク侵攻の理由となった、フセイン政権が大量破壊兵器を保有しているというニセ情報で戦争を始めたことでしょう。
結果として、経済的にも国際的にもアメリカの国内政治に対しても深刻なダメージを与えたことになります。

また、野放図なアメリカの借金体質を加速したとも言えます。
わたしが驚いたのは、高額所得者の所得税をゼロにするという計画を進めようとしたことです。
もちろん、理屈としては民間で金を回すという原理ではありますが、実際には多額の資本を集中した場合に、全体が行方不明になったりする大きな危険があるわけで、動きは鈍くても国などに任せた方が安全だ、という現実があるわけで、理想主義というか小学生並みの発想ではないでしょうか?

これでは、オバマ政権は理想主義の逆の実利主義に動くのは当然というか、他に選択肢がないというべきでしょう。
わたしは、実利主義の一つとしてアメリカが内向きになると考えます。

アメリカは、第一次大戦でいわば世界デビューして以来、ベトナム戦争でひどい目にあっても「世界の警察官」を務めてきました。
今のアメリカは経済的にも大変で、オバマ政権の最優先課題が「経済再生」でしょうから、結果としてイラク・アフガン等から段階的な撤収になると思います。
また「悪の枢軸」のようなスローガンで動くことはできないでしょう。つまりは「外交的無関心」になっていくと考えます。

ヒラリー国務長官

だいぶ前に、大石英司氏が「アメリカの国務長官はプロの外交官の職だ」という記事を書いていて、なるほどねと感心しました。

なんで、ヒラリー氏を国務長官にしたのか?はよく考えるべきでしょう。
わたしには、民主党内のオバマ抵抗勢力を棚上げにすることを最優先にしたのではないか?と考えます。
ヒラリー国務長官が世界を飛び回って、裏側で話をまとめるといった図は想像しがたいのです。

これらをまとめますと、アメリカは基本的に孤立化に向かうのではないか?と思うのです。
それが日本にどういう影響を及ぼすか?を考えると、そもそも1945年以来60年以上もアメリカのペット(番犬にもなれない)を務めながら、経済成長した日本の今までが歴史的な例外と考えるべきでしょう。
「日本独立」のようなヘンなスローガンを掲げる必要はありませんが、より対等な国、さらには世界中の国々の独自性と協調性をしっかりと把握しつつ進めることになっていくのだと思うのです。

日経新聞社説より 社説 オバマ大統領の登場を待つ世界と日本(1/15)

ガザの惨状への悲しみやいらだちとともに2009年を迎えた世界は、20日に就任するオバマ米大統領を待つ。世界を包む閉塞(へいそく)感を打破してほしいとする期待がオバマ氏に寄せられる。

退任するブッシュ大統領の8年間は不運な時代として米国の歴史に残る。就任8カ月後に米同時テロが起き、世界は変わった。「テロとの戦い」を進めることは米国内でも国際社会からも支持されたが、その遂行の過程で多くのきしみも生んだ。

「古典的リアリスト」

結果的に不確かな根拠のまま、明確な国連安全保障理事会の決議もなく、イラクに攻め込んだ。反米感情が全世界に広がり、特に米欧関係は悪化した。皮肉にもいまイラク情勢は改善しつつあり、テロとの戦いを最初に始めたアフガニスタンでは出口の見えない状況が続く。

ブッシュ氏の名は経済史にも刻まれる。クリントン政権末期のITバブル崩壊を克服し、ブッシュ政権下で米経済は好況を続けたが、住宅バブルの崩壊で暗転した。任期切れ前に金融危機が深刻化し、米国発の危機が全世界を不況に陥れている。

オバマ氏を待つ米国と世界には寒風が吹く。だから選挙中に語られた「変革」と「そうだ。われわれはできる」の実行が待たれる。オバマ氏にとって政治的環境は悪くない。米国内だけでなく、世界中でオバマ氏の人気は極めて高い。米議会は上下両院とも民主党が多数を占めた。

新政権の最優先課題が経済であるのは論をまたないが、米国が世界最大の軍事力を持ち、安全保障分野でも最も重い責任を持つ現実もある。外交・安全保障政策でどのような優先順位を決め、それをどう具体化するか、世界的な関心事である。

この点からオバマ大統領の最初の外国訪問先が注目される。最も常識的なのは4月にロンドンで開く金融サミットである。政権の最重要課題が経済にあるとの表明になる。

安全保障面から世界システムを考えた場合に、オバマ大統領が最初に話す相手は、ロシアかもしれない。プーチン首相が指導力を誇るロシアは自己主張を強める。ロシアの前身ソ連との間で結んだ第一次戦略兵器削減条約(START1)は、ことし末に失効する。米、ロシアには真剣な交渉が求められる。

イラク戦争を批判し、アフガニスタンでの戦いを重視する選挙中の発言からすれば、アフガニスタン、パキスタンへの対応が外交・安保政策の最優先課題になる。最初の訪問先は両国となる。同盟国への支援要請も強めるだろう。

米民主党の外交・安保政策関係者は、オバマ氏の外交姿勢について「理想主義者ではなく、古典的リアリストだ」と評する。

ブッシュ政権を一時牛耳ったネオコン(新保守主義者)は、イデオロギー先行だった。民主主義という価値の実現を重視したが、そのためのコストを軽視した。古典的リアリストは価値を無視はしないが、実現のためのコストを重視してきた。

いわば実利主義だが、時に無原則なご都合主義にもなりうる。第二次大戦中にチャーチルは、ナチズム、ファシズムと戦うために共産主義のソ連と手を結んだ。冷戦時代の米国は、共産主義と戦うために途上国の独裁者たちと深い関係を持った。

1979年のソ連の侵攻からほぼ10年間にわたりアフガニスタンで続いたのも、米ソ冷戦に伴う戦争だった。だから冷戦が終わると、国際社会は、この国への関心を失った。

北朝鮮政策の転換必要

リアリスト的思考からすれば当然だった。が、このためにアフガニスタンはテロリストの温床となり、米同時テロにもつながった。オバマ政権は、この国にどう対応するか。手を引けば歴史の繰り返しだ。公約通りに軍事行動を続ければ泥沼に陥る危険もはらむ。ジレンマである。

実利的理由からオバマ政権が中国に傾斜する可能性もある。民主党の政策綱領にあるアジアにおける多国間の安全保障機構構想は、日米同盟を相対化する恐れがある。

イラン、中東などオバマ政権の政策が注目される地域は多い。日本から特に求めたいのは、ブッシュ政権後期の融和的な北朝鮮政策の転換であり、関係者の一掃である。

ライス国務長官、ヒル国務次官補らによる融和政策は北朝鮮を信頼できるとする幻想を前提とした。非核化に向けた検証措置をめぐる文書も作れず、失敗に終わった。日米同盟には不信感が残る。

オバマ氏がリアリストなら、幻想を前提にして失敗した交渉を繰り返せないはずである。

だからこそ米国の新政権発足後、時間をおかずに日米首脳会談が開かれるのが望ましいが、麻生政権は外交に目を向ける余裕があまりない状況にみえる。同盟強化への条件を欠く日本の内政の現実が痛い。

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朝日新聞社説より 米国の新外交―「力」から「賢さ」への転換

米国の新外交―「力」から「賢さ」への転換

「米国だけでは難題を解決できないし、世界も米国抜きでは解決できない」。オバマ米次期政権の国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が、こんな表現で国際協調主義を語った。

経済危機への対応もそうだが、オバマ氏は正式就任と同時にさまざまな課題にすぐ取りかかれるよう体制づくりを急いでいる。クリントン氏も上院外交委員会の公聴会に臨み、新政権の外交の基本姿勢を述べた。

米国が直面するのは、イラクとアフガニスタンでの戦争、テロや大量破壊兵器の脅威だけではない。クリントン氏は、地球温暖化や感染症の拡大、途上国の貧困なども列挙した。こうした課題に対応するため、米国は軍事力だけでなく、経済・文化のソフトパワーも組み合わせる「スマート(賢明な)パワー」の外交を目指すという。

悪の枢軸や中東民主化といったスローガンを掲げて「力の論理」をむき出しにしたブッシュ外交からの決別宣言である。

仲間を増やし、敵を少なくして目的を果たそうという戦略だ。国連をもっと活用する。オバマ氏が国連大使を閣僚級に格上げしたのもその表れだ。単独行動主義からの脱却を歓迎したい。

具体的には、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准や、地球温暖化防止のためのポスト京都議定書の交渉促進を約束した。

選挙戦では、クリントン氏は外交の経験がないオバマ氏を「ナイーブ」などと攻撃していた。だが、公聴会では、核開発を進めるイランとの直接対話を探る姿勢も見せるなど、オバマ外交の推進役となる決意を示した。

圧倒的な知名度を持つクリントン氏である。国際舞台では、米外交の「顔」として注目を集めるに違いない。

その最初の試金石は、中東和平だ。すでに「パレスチナ自治区ガザの惨状にオバマ氏はなぜ声をあげないのか」という不満の声が、イスラム諸国を中心に出ている。侵攻を拡大するイスラエルに圧力をかけ、停戦を実現するには米国が一日も早く公正な仲介者としての立場を取り戻さねばならない。

アジア政策で急を要するのは北朝鮮の核問題だ。6カ国協議の枠組みを継続しつつ、場合によっては重油支援中断で圧力をかける構えも見せた。硬軟両様で臨むということだろう。

日米同盟を「アジア太平洋の平和と安定の礎石」と位置づけ、中国には「国際社会の全面的で責任ある参加者」になるよう呼びかけた。

新政権が日本重視か、中国傾斜かという、ありがちな議論には意味がない。この地域、そしてグローバルな課題に日米基軸で中国をどう巻き込み、協力していくか。その構想を持ってこそ健全な同盟関係が築かれる。

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サンケイ新聞より ビンラーディンは一番の脅威 オバマ次期大統領

【ワシントン=有元隆志】
オバマ次期米大統領は14日、国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者とされる人物の音声声明が流れたことについて、「ビンラーディン容疑者とアルカーイダは米国の安全にとって一番の脅威だ」と述べ、政権発足後はアルカーイダが再び米国を攻撃できないように「あらゆる手段を講じる」と強調した。

オバマ氏は同容疑者拘束のため、アフガニスタンだけでなくパキスタンとも協力していく方針を示した。

チェイニー副大統領は14日の公共放送(PBS)番組で、「彼は深い穴にいる。もはや(アルカーイダの)組織に大きな影響を与えない」と指摘した。

マコーマック国務省報道官も14日の記者会見で、「自分以外のすべてを批判しているのは、ビンラーディン容疑者が孤立していることを示している」と語った。ただ、同報道官は引き続きアルカーイダの動向を警戒する必要があるとの認識を示した。

米中央情報局(CIA)は同容疑者がアフガニスタンと国境を接するパキスタン北西部の部族地域に潜伏しているとみている。ヘイデンCIA長官は昨年11月の講演で、同容疑者が「生きるために大変な労力を費やし、アルカーイダの日常活動からは離れているようだ」との見方を示した。

ビンラーディン容疑者のものとみられる音声声明はウェブサイト上で流れ、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ攻撃に対する「聖戦」を呼びかけた。

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サンケイ新聞社説より 【主張】ヒラリー外交 「日本重視」に積極対応を

次期米国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が上院外交委員会の承認公聴会で証言し、外交、軍事、経済力や文化的影響力を駆使した「スマートパワー」で米外交の指導力を再生する決意を表明した。

クリントン氏の証言は、オバマ次期政権の外交を担う「ヒラリー外交」の実質デビューといっていい。「米単独では緊急課題を解決できないが、世界も米国抜きでは解決できない」とオバマ氏の公約でもある国際協調路線を強調し、軍事力を「最後の手段」としつつ米国の力を賢明(スマート)に組み合わせて取り組むという。

テロとの戦いに没頭せざるを得なかったブッシュ政権とは一線を画し、国際機関の活用や気候変動にも目配りする。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イランなど中東周辺の利害は複雑に入り組み、全体を見すえた「包括的解決が必要」とも訴えた。そうした構想と氏の意欲は伝わった。それが「強く、信頼されるアメリカ」の再生につながるのなら、期待をこめて注目していきたい。

ただし、今後はスマートな公約よりも実際の外交が問われる。例えばクリントン氏は選挙戦で独裁政権との直接対話を掲げたオバマ氏を「未熟」と批判したが、公聴会では北朝鮮やイランとの直接外交を否定しなかった。昨年末、空中分解した6カ国協議が示すように、北朝鮮やイランの問題は一筋縄ではいかず、「話せばわかる」相手でもない。厳しい現実に立って、「対話と圧力」の適切なバランスを注文したい。もちろん、拉致問題も忘れては困る。

クリントン氏は日米同盟を「アジアの平和と繁栄の要石で、共通の価値と利益に基づく」と、同盟重視路線が変わらないことを強調した。選挙戦で「米中関係が最重要」と発言して懸念を招いたこともあるが、公聴会では「米中関係は中国次第」と中国に責任ある行動を求める姿勢を示唆した。

激動が続くアジアで、日本にとっても同盟の強化と発展が生命線に等しいことはいうまでもない。オバマ政権では、ブッシュ時代の「甘え」が通用しないドライな関係が予想される。アフガニスタンやソマリア沖の海賊対策などで、より具体的な貢献が求められるだろう。これにどう応えるのか。米国に注文するだけでなく、信頼される同盟国として日本も積極的に行動する外交が不可欠だ。

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CNN.co.jp より 任期終了近いブッシュ大統領、最重要任務はテロ対策と

(CNN)
任期終了が1週間後に迫ったブッシュ米大統領は13日、ローラ夫人とともにCNN「ラリー・キング・ライブ」の単独インタビューに応じた。大統領は、自身の最重要任務が新たな対米テロの防止だったと述べ、この点はオバマ次期大統領にとっても同じだろうの認識を示した。

ブッシュ大統領は2001年9月11日の同時多発テロ以来、米政権が具体的なテロの脅威を阻止するとともに、国際テロ組織アルカイダに関する新情報を多数入手し、幹部の掃討を実施していると述べた。大統領は詳細への言及を避けながら、同時テロ後の自身の指導力について「わたしは国民に疲れや躊躇(ちゅうちょ)を見せないと述べたし、実際に見せたこともない」とコメントした。

一方、景気後退について、大統領はオバマ氏に「経済予報士」にならないよう促した。今後1年間悪いとする同氏の経済見通しについて意見を求められた大統領は、景気回復に向けて必要な対策を実施すると発言した方が良い、と助言した。

大統領は「米国の歴史的瞬間」だとして、オバマ氏の大統領就任式を楽しみにしている。ローラ夫人は、夫に対するオバマ氏の批判の一部を、個人攻撃と受け取ったことがあったと冗談めかして語った。大統領は「大きな決断や苦渋の選択をすれば批判される。任期中には政界のくだらない中傷に失望した時もあったが、わたしは大統領の地位を中傷の水準に引き下げないようベストを尽くした」と胸を張った。

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AFP BB より クリントン次期米国務長官、指名承認公聴会で「スマートパワー」を強調

【1月14日 AFP】
バラク・オバマ次期米大統領によって国務長官に指名された、ヒラリー・クリントン上院議員は13日、米上院外交委員会の指名承認公聴会に出席した。ヒラリー氏は、オバマ政権の下で、軍事力と外交を織り交ぜた「スマートパワー」を活用していくことを約束するとともに、世界における米国の指導力の欠如を改めていくと語った。

クリントン氏は公聴会で、米国は中東和平の実現をあきらめることはできないとしたほか、世界の問題は米国だけでは解決できないと語った。また、北朝鮮問題については、北朝鮮が関与しているとされる核技術の拡散を阻止するという目的を達成するために、オバマ政権は「非常に精力的な取り組み」を行っていくとの姿勢を示した。

また、オバマ氏の公約に沿う形で、クリントン氏は、オバマ政権が欧州やインド、日本、韓国などの従来からの同盟国との関係を強化するとともに、新たな同盟の構築や米国の敵を減らしていく方向に向かうだろうとの見通しを示した。さらに、大統領選挙中は中国の貿易政策を厳しく批判していたクリントン氏は、米中関係には中国政府の国内外での動向が大きく影響すると強調した。

まもなく「昔の同僚」となる上院議員たちから大きな歓迎を受けたクリントン氏は、オバマ政権の外交政策を公聴会で示し、数日後には上院によって正式に国務長官就任が承認されるものとみられている。(c)AFP

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CNN.co.jp より 公的資金残りの拠出、オバマ氏が承認要請 拒否権発動示唆

(CNN) オバマ次期米大統領は13日、緊急経済安定化法に基く公的資金7000億ドル(約63兆円)の残り半分、3500億ドル(約31兆5000億円)の拠出を認めるよう、民主党上院議員らの説得を試みた。仮に米議会が拠出を認めない決議が採択された場合、オバマ氏は大統領拒否権を発動する可能性を警告したという。同氏との会合に出席した上院議員らが語った。

オバマ氏は12日、ブッシュ大統領を通じて、残り半分の拠出の承認を議会に要請。13日には民主党上院議員団に公的資金の運用計画を説明し、景気刺激策への支持を求めた。オバマ氏はまた、同法に懐疑的な向きが多い議員らの質問15個に回答し、公的資金の拠出プロセスをより透明化するとあらためて約束した。

会合に出席したネブラスカ州選出のベン・ネルソン上院議員は、オバマ氏が景気刺激策を進めたい考えであることを理解したうえで、同州の有権者が最初の公的資金拠出に反対していた点を考慮し、早急な判断を避ける意向を表明した。

最初に拠出された公的資金の運用については、共和・民主両党が反発を表明。民主党議員の一部からは、住宅差し押さえ対策が不十分との指摘があった。オバマ氏は上院議員団に対し、就任早々の拒否権発動を望んでいない点を明確にしたうえで、選択肢はないと主張したという。上院銀行委員会の委員長を務めるクリス・ドッド上院議員は、公的資金拠出を認めない決議が採択され、オバマ氏が早くも拒否権を発動せざるを得なくなる事態は良い政局ではないと、民主党議員らに呼び掛けた。

オバマ氏との会合後、上院議員の一部は以前より納得できたとコメント。しかし残りの議員はまだ多数の疑問点があるとして、慎重姿勢を示している。

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AFP BB より 「北朝鮮の核拡散には強い姿勢で臨む」、クリントン氏」」

【1月14日 AFP】
バラク・オバマ政権の国務長官に指名されたヒラリー・クリントンは13日、米上院外交委員会の指名承認公聴会で北朝鮮の核兵器拡散に強い姿勢で臨むと証言した。

かつて北朝鮮の核兵器技術がシリアに、核のノウハウがリビアに流出した疑いがあると述べたこともあるクリントン氏は、「我々の目標は北朝鮮の核プログラムを、プルトニウム再処理と高濃縮ウランの両方とも終わらせることだ。何が実行可能かを見極めるには、現実に即した強硬な外交が必要だと考えている」と述べた。

クリントン氏は、オバマ政権は6か国協議を支持し、米国とアジアの同盟国との関係強化に取り組むと述べた。

一方、北朝鮮外務省は13日、米国が北朝鮮敵視政策を止めない限り、北朝鮮は核兵器を手放さないとの談話を出した。(c)AFP/Lachlan Carmichael

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1月 15, 2009 at 11:45 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.01.04

グアンタナモからオーストラリア・政府断る

CNN.co.jp より「グアンタナモ収容者の受け入れ拒否、治安上に問題と豪州政府

(CNN)
オーストラリア政府は3日、キューバのグアンタナモ米海軍基地にあるテロ容疑者収容所の閉鎖計画に伴いブッシュ米政権が打診していた一部拘束者の受け入れを拒否する方針を決めた。
豪州のAAP通信が報じた。

同収容所には釈放されても治安上、問題がないと判断される拘束者約60人がおり、米政府は英国など拘束者の出身国以外の国に受け入れを打診していた。

出身国に送り返した場合、拷問が起きることなども配慮していた。
これまで拘束者の移送に同意したのはポルトガルのみとなっている。米国務省によると、収容者受け入れを打診したのは数十カ国となっている。

AAPによると、豪州労働政権のギラード副首相は、米国が提示した収容者リストを個別に審査した結果、いずれも同国の治安、移住の観点から問題点があると判断、拒否の意向を米政府に伝えた。

米政府は昨年初期に豪州政府に初めて受け入れを打診し、この時も断っている。
昨年12月初旬、米国は再度、接触していたという。

オバマ米次期大統領は、就任後に同収容者を閉鎖すると公約している。
新政権でも続投するゲーツ国防長官は昨年12月、閉鎖の実行案の作成を指示。オバマ新大統領が実際に指示した場合に備えた措置としていた。

同収容所に対しては人権侵害の批判が絶えず、米連邦裁判所は一部の収容者の釈放を命令している。

グアンタナモ基地には最多で約750人が収容されていたが、現在の収容者は250人に減少。
アルカイダ幹部らをどこに移送するかの問題は未解決となっている。

チェイニー米副大統領は先に、CNNと会見し、

「収容者を釈放すれば、彼らは戦場に戻る。米本土に移送すれば、憲法上の権利請求の問題が生じる」と対テロ戦争が終結するまで基地にある拘束施設の閉鎖は避けるべきだとの考えを示していた。

ブッシュ政権も過去に施設閉鎖を検討したことがあるが、移送先の問題などが障害となり断念していた。

こんな事になっていたとは、全く知りませんでした。

グアンタナモ米海軍基地に収容されているテロ容疑者というのは、法的な解釈が無理すぎで、いわば誘拐被害者になりそうなんですよね。

結局、チェイニー米副大統領の発言などからは
アメリカの裁判所の命令で、閉鎖せざるを得ないから、外国に引きうけさせる。
ということでしょう。それも米軍基地ではまずいから、オーストラリア政府に頼んだ。

こんな事をやっている、ブッシュ大統領に感謝する人は居ないと思う。

1月 4, 2009 at 12:57 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

トンデモだと思ったニュース

ニュースを分類して記事を書いていますが、今回は「トンデモ」と分類した報道です(^_^;)

こうして並べてみると「当事者はそんな事で良いのか?!」と思うようなものばかりでありました。
別に、そういう視点で集めたわけではなくて、まず「これはトンデモではないのか?」というニュースを集めて、さらに興味深い記事に絞り込んだ結果です。

参議院の手書き速記廃止

主義員が取り組んでいる、音声自動変換というのは研究テーマとして良いと思いますが、現時点で実用になるのでしょうかねぇ?

新方式は、国会内で中継される審議の映像と音声をパソコンに取り込み、ヘッドホンで音声を聞きながらキーボードで文字入力する仕組みだ。聞き直す場合などは、パソコンに接続した足元のペダルで操作できるようにして、入力の迅速化を図ったのが特徴だ。

この程度のことは、あたしだってやっております。
どう考えても「今どきこんな事を発表すること自体がニュース」=「トンデモニュース」でありますね。

顔写真CD

毎日新聞の記事ですが、何を言いたいのか良く分かりません。どうもこの部分が主題のようです。

肖像権を無視した「顔写真ビジネス」のモラルが問われそうだ。

2002年に発売したというのでは、取材時点は2000年あたりでしょうね。
いわゆる素材写真であって、販売も出版などではなく業界向けでしょう。
プロが撮影した写真を、それなりに了解を取って素材CDに提供した。
つまり、この時点で説明不足があったとしても、手続的には肖像権がどうのこうのと言うところは「無視した」ではなくなっていますよ。

当然のことことながら、こんな意見が出てきます。

ある広告会社は「このCDをこういうことに使わないで、何に使えというのか」と反論している。

ニュースというのは公益性が問題でしょう。
で、問題が「画像の改変」だとしても「素材画像」を改変しないことが、考えられません。
そうなると「肖像権」ですか?これは、いわば「事後の争い」ですね。新人タレントが後年ビッグスターになったから、お宝画像になるようなものでしょう。

これほどの、大穴だらけの署名記事では「どういう意図がある記事なのだ?」とヘンに勘ぐってしまいますよ。

ライス国務長官

ライス米国務長官は28日放送された米CBSテレビとのインタビューで、ブッシュ政権での経験を振り返り、国民はやがて「大統領の業績に感謝する時が来るだろう」と述べた。

イラクでの死傷した兵隊などが激怒して当然かと思いますね。

ハイテク化の波ここにも…参院が議事録の手書き速記廃止へ

参院は通常国会から、本会議や一部の委員会以外の議事録作成方式を速記者が特殊な記号を使って質疑を記録する「手書き速記」からパソコンで入力する新方式に変更する。

衆院も、2010年秋から独自の入力方式の実用化を目指しており、帝国議会開設以来、約120年の歴史を持つ手書き速記は、参院が先行する形で全面廃止に向け、第一歩を踏み出す。

参院は05年7月、人員削減のため、06年度からの速記者の新規採用中止と、手書き速記の段階的廃止の方針を決め、約4億円をかけて新たな議事録作成方式の開発を進めてきた。

新方式は、国会内で中継される審議の映像と音声をパソコンに取り込み、ヘッドホンで音声を聞きながらキーボードで文字入力する仕組みだ。聞き直す場合などは、パソコンに接続した足元のペダルで操作できるようにして、入力の迅速化を図ったのが特徴だ。

08年の通常国会と臨時国会で新方式と手書き速記を併用した結果、議事録作成の速度は手書き速記にかなわないものの、専門知識のない一般職員でも機器の操作が可能で、十分実用に堪えると判断した。当面は、議員向けに議事録の即日発行が求められている本会議と、全閣僚が出席する予算、決算、国家基本政策の3委員会以外で使用し、将来的にはすべての審議に広げる方針だ。

一方、05年度から速記者募集を中止している衆院では、音声をコンピューターで自動的に文章に変換するシステムの開発を進めている。10年秋の臨時国会から段階的に使用を拡大していく考えだ。
(2009年1月4日07時19分 読売新聞)

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顔写真:東京の業者が無断で広告に CD販売、回収不能

商業目的への利用などについて十分な説明のないまま撮影された一般市民の顔写真を、東京の写真素材製造販売会社がCD化して販売し、収録された顔写真を使用した広告主と被写体の間でトラブルが頻発している。

勝手に写真に手を加えた例や事実無根の広告に使用したケースもあり、同社は販売を中止。
しかし、既に出回ったCDの回収は不可能で、被害は相次いでいる。肖像権を無視した「顔写真ビジネス」のモラルが問われそうだ。

問題のCDは、半導体製造装置メーカー「大日本スクリーン製造」(京都市上京区)が02年に発売し、同社から独立した「マイザ」(東京都新宿区)が引き継いで販売した「百人の顔」。1枚1万円で、老若男女100人の顔写真を収録。約1200枚が売れ、業界では「ベストセラー」だった。

写真は、京都市の写真素材業者から依頼を受けた関係先のスタジオのカメラマンが、顧客らに協力を求めるなどして撮影。お礼に1人3000~5000円を支払ったという。写真素材業者はこうして集めた顔写真をマイザに販売していた。

被写体にサインしてもらう「使用許諾確認書」は、署名簿のように住所や名前を書いてもらうだけ。
しかも「CD-ROM製品の取扱説明書に列挙されている内容に準拠する」としか書かれておらず、実際の用途には触れていなかった。

CDに添付されている利用規約には、特定の団体や商品を推奨するような使い方の禁止を盛り込んでいる。
しかし、実際には、ネクタイ姿を勝手に浴衣姿に改造した写真が温泉ホテルの新聞広告に使われたり、「パチンコで大もうけした」とする虚偽の広告に使用されたりしていた。

抗議を受けたマイザは07年2月「百人の顔」の製造販売を中止したが、販売済みCDの回収は不可能。
その後もホームページで虚偽広告などに写真を使用しないよう呼び掛けているが、不正使用は後を絶たないという。

マイザは「(写真素材業者からは)『理解してもらえた人だけ撮った』と聞いている。
公序良俗に反する使い方をしてはいけないと明示しており、責任は購入者にある」と主張。
しかし、ある広告会社は「このCDをこういうことに使わないで、何に使えというのか」と反論している。【熊谷豪、古屋敷尚子】

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ブッシュ大統領に感謝する時が来る ライス長官語る

(CNN)
ライス米国務長官は28日放送された米CBSテレビとのインタビューで、ブッシュ政権での経験を振り返り、国民はやがて「大統領の業績に感謝する時が来るだろう」と述べた。

米国のイメージが悪化しているとの指摘も「それは事実でない」と一蹴(いっしゅう)し、同政権がたどった足跡に自信を示した。

長官はブッシュ大統領が直面してきた状況について、「第二次世界大戦後で最も厳しい時期だったのではないか」との見方を示し、そのなかで大統領が下してきた決断は「時を経て記憶にとどまるだろう」と述べた。

史上最低のレベルを記録している大統領の支持率に関しては、「悪いがこれは人気コンテストではない。
きょうの見出しではなく歴史の判断に照らし、米国の国益のために良い道を選ぶのが政権の務めだ」と強調。
イラクのフセイン政権打倒や中国、インド、ブラジルなどとの良好な関係を例に挙げ、「歴史がブッシュ政権に良い評価を下すだろう」と述べた。

大統領や長官自身の政策が時に批判の的となったことについて問われると、「大統領も私も、難しい決断を下すためにこの職にあるのだ。確かに、もう一度やり直すなら全く違うやり方をするだろうと思う事柄もある。だがやり直しは許されない。その時点で選択し、立場を決めるしかないのだ」と語った。

「一部の歴史家はブッシュ大統領を『史上最悪の大統領』に数えているが」との問いには、「それは優れた歴史家とはいえない。
歴史家は、政権が交代もしないうちに評価を下したりしないものだ」と反論。ブッシュ政権下で大統領補佐官と国務長官を務めた8年間を「これ以上の栄誉はなく、またこれ以上の試練はなかった」と振り返った。

新政権発足後はスタンフォード大のフーバー研究所に戻り、外交政策をテーマにした本と、自分の両親についての本を執筆する予定だという

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1月 4, 2009 at 12:36 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.28

ガザ地区爆撃

  1. 日経新聞より「イスラエル、ガザに大規模空爆 死者190人超か」
  2. 朝日新聞より「報復連鎖の恐れ、泥沼化も ガザ大規模空爆」
  3. サンケイ新聞より「【ガザ空爆】ハマス、イスラエル「報復合戦」激化へ」
  4. CNN.co.jp より「イスラエルがガザ空爆、停戦切れ後、最大規模の攻撃か」

イスラエルによるガザ地区攻撃の記事を集めました。

Up

Up1

Google Earth の写真です。上側に、イスラエル全域とヨルダン川西岸地区、ガザ地区が写っています。
下側が、ガザ地区の中心部です。

Google Earth で測ってみると、ガザは全体として長さ38キロ、最大幅12キロの地区で、ヨルダン川西岸地区とイスラエルが共にある、エルサレムから直線で78キロの位置になります。

ここに、80機の航空機で爆撃したのですから、すごいことになりました。

ハマスとイスラエル双方の政治的な事情でこのような事になったようですが、いくら何でも規模が大きすぎるでしょう。
パレスチナ自治政府はハマスをコントロールすることが出来ず、イスラエルも選挙を控えて軍事力行使を示す必要があった、ということのようですね。
さらに戦闘が拡大するようだと、アメリカの意向に反してもヨーロッパが介入するという展開もあるかもしれません。

イスラエル、ガザに大規模空爆 死者190人超か

【カイロ=安部健太郎】
イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザに大規模な空爆を加えた。100カ所前後が攻撃されたもよう。

ロイター通信によると少なくとも195人が死亡した。ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの拠点などを狙ったもので、ここ十数年で最大規模の攻撃となった。
ハマスは報復攻撃を宣言している。
ガザでは期限半年の停戦が19日に失効しており、全面的な衝突に発展する懸念がある。

空爆には戦闘機やヘリコプターなど約80機が参加。ガザ市に加え南部ハンユニスやラファなどで警察施設や治安部隊の訓練施設を破壊した。空爆後、ガザからのロケット弾攻撃でイスラエル人1人が死亡した。

イスラエルのバラク国防相は「作戦は続き、必要であれば強化する」としており、当面は交戦状態が続くとみられる。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は空爆を「犯罪だ」と非難、各国と緊急に対応を協議すると表明した。

(01:28)

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報復連鎖の恐れ、泥沼化も ガザ大規模空爆

【エルサレム=村上伸一】
イスラエル軍が27日、パレスチナ自治区ガザに対し過去最大規模の空爆に踏み切ったことで、報復が報復を招く泥沼化の恐れが高まった。

来年2月に総選挙を控えるイスラエルの現政権は、ガザを支配するイスラム過激派ハマスへの強硬な態度を国民に示す必要に迫られていた。

これに対しハマス側は再停戦を模索していたが、190人以上の犠牲で後に引けなくなった形だ。

ガザの地元テレビが映したハマス警察の訓練施設はがれきの山で、制服姿の警官たちが泣きながら同僚らの遺体を運び出していた。負傷者を乗せた救急車が次々に到着した病院玄関では、「イスラエルに報復だ」などの怒号が飛び交った。

ハマスが18日、6月からの半年間の停戦終了を表明してから、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃が激化。
被害を受けるイスラエル市民の間からは、攻撃を止められない現政権への不満が再び高まっていた。

総選挙の世論調査によると、パレスチナとの和平に消極的な右派野党が第1党になる可能性が高い。

和平交渉の継続を掲げる現政権与党カディマのリブニ党首(副首相兼外相)は「首相に選ばれたらハマスをつぶす」と訴え、国民の不満を抑えるためハマス糾弾のトーンを上げてきた。

選挙後の新政権ができるまで政府を率いるオルメルト暫定首相は、ガザへの本格攻撃に慎重と見られてきた。
だが、頻発するロケット弾攻撃を前に反撃せざるを得なくなり、アラブ系の外国テレビ放送を通じて26日、ハマスに最後通告を突きつけていた。

ただ、イスラエル軍が空爆だけでハマスを崩壊させるのは不可能で、大量の地上兵力を投入して「再占領」をする必要がある。
この場合にはイスラエル兵自身の多大な犠牲も覚悟しなければならず、強硬な対応が逆に選挙に悪影響を及ぼす恐れもある。

来年1月に誕生する米国のオバマ次期政権は、イスラエルによるガザへの本格的な軍事攻撃には慎重な姿勢と見られている。
そのため、イスラエルはオバマ氏の就任前に駆け込みの軍事攻撃をし、就任後に米次期政権の圧力を受けたら攻撃を控えるというシナリオもある。

一方のハマスは政治部門が停戦の再発効を模索し、強硬な軍事部門がこれに反対していた。

今回の空爆で軍事部門の発言力がさらに増し、報復攻撃が悪化する可能性が高まった。
ロケット弾の射程を延ばして標的の都市を増やしたり、数年前まで頻発した自爆テロを復活したりする恐れがある。

イスラエル領内で再び自爆テロが起きればイスラエル世論が強硬になるのは必至で、現政権はさらに激しい攻撃をしなければならない状況に追い込まれる可能性がある。

ハマスは今月18日に、エジプトの仲介で発効したイスラエルとの停戦が終了したとの声明を発表した後ロケット弾や迫撃砲攻撃を再開した。イスラエル側の死傷者は伝えられていなかったが、バラク国防相は「(ハマスは)重大な代償を支払うだろう」と警告していた。

エジプトのムバラク大統領は25日にイスラエルのリブニ外相と会談し、停戦の継続に向けた仲介努力を続ける意向を伝えるとともに、イスラエルに自制を求めていた。

07年にハマスがガザを武力制圧して以降、イスラエルはガザの封鎖を続け、国連による支援も含め人や物資の出入りを制限している。ガザでは生活必需品が不足して人道的な危機が深刻化。
ハマスは、封鎖が緩和されないことを停戦終了の理由に挙げていた。

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【ガザ空爆】ハマス、イスラエル「報復合戦」激化へ

【カイロ=村上大介】
イスラエル軍が27日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスを標的とした大規模な空爆を行い、200人近い死者を出したことは、ハマス側の予想をも大きく超えた被害だったとみられる。

ハマスはイスラエルとの停戦延長を拒否し、ロケット弾攻撃を激化させていた。イスラエルの反撃を誘い、逆にイスラエルによるガザ地区封鎖の“非人道性”を国際社会に訴えることを狙っていたようだ。
だが“想定以上”の被害により、ハマスはイスラエルとの報復合戦を激化させる必要がでてきた。

エジプトが仲介したハマスとイスラエルの停戦は今月19日に失効した。ハマス側が「イスラエルが停戦合意に違反してガザ地区に対する封鎖をほとんど緩和しなかった」として、停戦延長を拒否したためだ。実際、イスラエルはさまざまな“口実”を設け、実質的な封鎖緩和措置は取らず、ハマスだけでなく仲介者のエジプト政府も失望させた。
結局、医薬品や食糧など生活必需品の不足は続き、国連や欧州連合(EU)もガザ住民の生活困窮に強い人道上の懸念を示す状況になっていた。

停戦の失効に伴い、ハマス武装部門を中心としたガザの武装勢力は連日、ロケット弾をイスラエル領に撃ち込んでいた。
戦闘状況を悪化させることで、次の「停戦」に向けて国際社会の介入を呼び込み、「封鎖解除の徹底」などハマス側の求める条件を交渉に反映させたいとの狙いがあったとみられる。

イスラエルの総選挙が2月に予定されていることから、ハマスは投票日近くまで戦闘を長引かせ、戦闘が続く中で投票日を迎えたくないイスラエル中道右派の与党、カディマから譲歩を引き出せると計算したとの指摘もある。

世論調査によると、対パレスチナ強硬派の右派リクードとカディマの支持率は拮抗(きつこう)しており、戦闘が長引けば国内世論は右に振れ、リクードに有利に働く可能性があるからだ。

こうしたハマスの狙いを読んだカディマと、連立与党の中道左派・労働党は一気に激しい反撃に出ることで、「次の停戦交渉でも決して妥協はしない」との姿勢を明確にしたものとみられる。

ただ、攻撃の犠牲者が大規模であったことから、パレスチナやアラブ世界の「反イスラエル世論」が沸騰し、ハマスは当面、武力衝突を激化させざるを得なくなったばかりか、逆にハマスのアラブ世論内での政治的立場を強める可能性もある。
自爆テロ再開も含めて、状況が双方の思惑を超えて制御不能の事態に陥る可能性も否定はできない。

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イスラエルがガザ空爆、停戦切れ後、最大規模の攻撃か

パレスチナ自治区ガザ(CNN) イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム強硬派勢力ハマス指導部関連の標的や基地を空爆、病院筋によると少なくとも35人が死亡した。
死者は150人以上、負傷者は約250人との情報もある。死傷者がさらに増える恐れもある。

イスラエル国防省当局者は必要な限り、ガザでの作戦は続けると言明した。

今回の空爆は、イスラエルとハマスが結んでいた半年間の停戦が12月19日に切れた後、最大規模の攻撃とみられる。ハマス指導部は空爆を受け、報復を宣言、ガザ情勢は一気に緊迫度を増してきた。

27日は数十発のミサイル攻撃を実行したとみられ、ハマスの警察部門施設などが狙われた。停戦中や期限切れ後にもパレスチナ武装勢力はガザからイスラエルへロケット弾、迫撃砲攻撃を加え、オルメルト・イスラエル首相は報復を示唆していた。

ハマスは昨年6月、ガザを武力制圧し、自治区はガザとアッバス議長率いるパレスチナ自治政府が統治するヨルダン川西岸に分断された状態が続いている。

エジプト政府は25日、イスラエルのリブニ外相を招き、停戦延長を模索したが、同外相はイスラエルへの攻撃を止めないハマスの行動を抑える必要性を強調、成果は得られなかった。ハマスは24日から25日にかけ、ガザからイスラエル側へ多数のロケット弾攻撃などを仕掛けていた。

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12月 28, 2008 at 10:51 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.12.21

海外の話題

タイ新内閣

タイでの長期間の空港占拠には驚きましたが、状況はかえって混沌としていく可能性がありますね。
タクシン元首相は、2006年に政権の座を追われて事実上の亡命生活に入ったのですが、タイ国内での支持も小さくなく、一旦帰国また亡命といったことを繰り返して、その間にタイの政情は不安定になった、ということでしょう。

この報道によると、タクシン派と反タクシン派、反タクシンである軍部、タクシン派からの造反組といったところが、閣僚に入っているのですから良く言えば挙国一致内閣なのかもしれませんが、長年続いているタイの政情不安の一時的な静穏だと見る方が妥当かもしれません。

タイの政情については、注意して見ておくべきでしょう。

海賊対策

海賊対策で国際的な足並みを揃えることが出来ないと、政府が焦っているとのことですが、はっきり言えばどうにもならないでしょう。

中国と軍艦派遣競争をすると言っても、韓国も軍艦派遣を表明していますが、軍艦を出す場面なのでしょうか?
基本的には警察行動であって、各国のコーストガードの仕事だろうと思うのですが、その点では日本は不審船追跡を自衛隊の情報力を活用して実施した事がありますから、技術的には適任でしょうが、その場合は海上自衛隊と海上保安庁が出向くことになります。

さて、どうなりますか。

ポラロイドが経営破綻

ポラロイドがまた破たんしたというので「???」でありましたが、買収した親会社の不正疑惑が原因ですか・・・。
技術的には素晴らしい会社だったのですが、技術が市場とマッチしている期間は有限ですから、何か新しく市場が要求する技術を提供しないと苦しくなるというのは、日本ではソニーに該当しますかね?

タイ新内閣が発足 空港占拠派入閣に批判も

【バンコク=古田秀陽】
タイでアピシット首相がプミポン国王に提出した閣僚名簿が20日承認され、新内閣が発足した。

タクシン元首相派と反タクシン派の政治対立を解消し、国民和解を目指すはずの新内閣だが、外相には反タクシン元首相派市民団体「民主主義のための市民連合(PAD)」の空港占拠を支持したガシット元駐米大使を起用するなど新閣僚の顔触れに疑問も上がっている。

ガシット氏はPADの抗議集会で、首相府や国際空港の占拠を正当化しており、民主党中心の連立与党内からも批判が上がっている。

また、今回の連立政権樹立を陰で進めたとされるアヌポン陸軍司令官と親しいプラウィット元陸軍司令官が国防相に就任。
軍の政治関与を批判し続けているタクシン派には受け入れ難い人選だ。

タクシン派から造反し、新政権に合流したネウィン元首相府相派も副大臣を含め5人が入閣。

特にタクシン派暫定政権の最後の切り札とされた下院の解散、総選挙を、暫定首相として防いだとされる同派のチャワラット前副首相は内相の重要ポストに起用された。

空港占拠で大きな痛手を受けた経済問題に取り組む閣僚の人選でも、経済界から不満の声が上がった。
景気浮揚策を主導する工業相のポストでは、国王への名簿提出直前に人選を変えたとされる。

(中日新聞)

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海賊対策、政府に焦燥感…対米関係で中国に「後れ」懸念

国連が各国に貢献を求めているアフリカ・ソマリア沖での海賊対策で、米英仏など十数か国に加え、中国も軍艦派遣を正式発表し、日本政府内には焦燥感が出ている。

米国は中国と、情報共有などで協力する考えで、来月のオバマ政権発足時までに日本の貢献策を示せなければ、新政権との関係構築で中国に後れをとるとの見方も出ている。

政府・与党は、海上保安庁や海上自衛隊が海域を限定せずに海賊取り締まりが可能な一般法を検討する一方、成立に時間がかかることを予想して、自衛隊法の海上警備行動発令による海自派遣や、ソマリアの事案に限った特別措置法での対応も視野に入れている。

国連安全保障理事会が16日、ソマリアの陸海空で必要な海賊対策を認める決議案を全会一致で採択したこともあり、ただちに海自派遣が可能な海上警備行動案を有力視する見方もある。
ただ、この場合、保護の対象が日本籍船や日本人が乗る船に限られるため、防衛省内では「外国船を見捨てれば批判を招く」(幹部)と慎重論が強く、政府の方向性は定まっていない。

その間に、中国が本腰を入れた格好で、与党内では、「インドネシア・スマトラ沖大地震での救援活動では、自衛隊の活躍と、中国の存在感の薄さが対比されたが、逆になりかねない」と懸念する声も出ている。
(2008年12月21日03時07分 読売新聞)

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米ポラロイドが経営破綻、親会社の不正疑惑で財政悪化

【ニューヨーク=池松洋】
インスタントカメラで一時代を築いた米ポラロイドが米連邦破産法11章(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻(はたん)していたことが20日、わかった。

親会社である投資会社の不正疑惑で財政状況が悪化したことが理由という。今後は裁判所の監督下で経営再建を目指しながら、日常業務は継続する見通しだ。

ポラロイドは、撮影した写真がすぐに見られるインスタントカメラで世界の写真業界をリードした。デジタルカメラの普及などを受け、今夏にはインスタントフィルムの生産を終了、現在はデジタルカメラや液晶テレビを生産している。

ポラロイドは、2001年にも同11章の適用を申請して破綻。05年に米投資会社ペターズ・グループ・ワールドワイドに買収されていた。
(2008年12月21日01時23分 読売新聞)

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12月 21, 2008 at 10:42 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.12.13

対北朝鮮エネルギー支援は中断か?

朝日新聞より「北朝鮮への重油支援中断へ 米報道官 緊張再燃の恐れも

米国務省のマコーマック報道官は12日の会見で、北朝鮮が核計画の検証で合意しない限り「今後の重油支援は行われない」と述べ、核施設の無能力化などへの見返りであるエネルギー支援を中断する方針を明らかにした。

北朝鮮を除く他の6者協議参加国も同じ考えだという。
支援が止まれば北朝鮮が反発するのは必至で、無能力化作業の逆行など緊張が再燃する可能性が強まってきた。

11日に終了した6者協議首席代表会合では、北朝鮮の反発で核関連物質のサンプル(試料)採取などの検証方法の文書化で合意できないまま終了。
核検証を重視する米国は協議後に、北朝鮮への圧力で合意を促す方向にかじを切った形だ。

マコーマック氏は現在はロシアが提供した重油が北朝鮮への輸送途上にあるとした上で、今後は「(検証問題の)進展が見られなければ重油の輸送は進まないだろう」と発言。

拉致問題を理由にした日本の不参加で宙に浮いた重油20万トン相当のエネルギー支援を、オーストラリアなど6者以外の国で負担する構想についても「検証合意がなければ前に進まないだろう」と語った。

こうした意向は北朝鮮にすでに示されたとし、「ボールは北朝鮮側にある」と述べて北朝鮮側の対応を促した。

エネルギー支援は北朝鮮が核施設を使えなくする無能力化作業の見返り措置で、第2段階までに重油100万トン相当の支援をする。
すでに約5割の引き渡しが済んでおり、今年7月の6者協議の時点では「10月末までに完了する」とされていた。

今回の首席代表会合の議長声明では「無能力化とエネルギー支援を同時に行う」とし支援を推進する方針を示していたが、日本政府関係者は協議後に「次回の協議までにすべてが終わるという見通しは持てなかった」と述べ、中断の可能性を示唆していた。

今回の首席代表会合の議長声明では「無能力化とエネルギー支援を同時に行う」とし支援を推進する方針を示していたが、日本政府関係者は協議後に「次回の協議までにすべてが終わるという見通しは持てなかった」と述べ、中断の可能性を示唆していた。

北朝鮮はテロ支援国家指定解除の遅れに反発し、無能力化をやめて核開発の再開に動いたこともあり、今回の支援中断の表明で再び強い態度に出る可能性が高い。(鵜飼啓、玉川透)

■北朝鮮は反発

【ソウル=牧野愛博】
韓国政府関係者は13日、「検証方法で進展がない限り、支援をしないという合意は5カ国にはない」と説明。
韓国が支援を中断するかどうかは「検討中だ」とした。

ただ、韓国政府は6者協議で検証問題をエネルギー支援と関連づける「包括的解決」を再三主張。

李明博政権が核問題の解決を重視していることや、日米韓の連携を重んじていることから、米国の政策に同調する可能性は高い。
別の韓国政府関係者は「包括的解決について北韓(北朝鮮)は反発しているが、5カ国には一定の共通認識がある」と語った。

一方、北朝鮮関係筋は13日、マコーマック報道官の発言について「議長声明は検証問題とエネルギー支援を切り離しており合意違反だ」と反発。

「支援が進展しないというだけでなく、検証問題で我々に圧力をかけるという意味であれば、無能力化作業を中断し原状復帰を進める可能性は十分ある」と語った。

アメリカのヒル国務次官補とライス国務長官の北朝鮮寄りの6ヶ国協議のリードは、肝心の北朝鮮がヒル国務次官補らの説明通りに動かないのですから、結局はこのような結果になるのは必然であると言えるでしょう。

北朝鮮側の主張が「支援問題と検証問題は別だ」と言っても、もともとが核開発停止・公開の検証とセットでエネルギー支援なのですから、どこかでこのような事になったでしょう。

検証問題とは、使用済み核燃料からプルトニウムの生成についての検証をするというものであって、国際原子力機関の査察の一環ですが、北朝鮮は監視カメラの停止などを行っていて、根本的に査察を受けず秘密で行くと言うわけです。
要するに核兵器生産をするという宣言と同等とも取れるわけですが、そのような国にエネルギーなど各種支援をするというのは、どの国にとっても国内的に合意できるものではないでしょう。

南アフリカは核武装計画の放棄をしていますが、これも基本的には経済制裁とのバランスによって非核武装を選択したのだと言われています。

金正日後の体制ができていないとも言われていて、注目せざるを得ません。

12月 13, 2008 at 12:36 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.28

ソマリア海賊戦車33両を積んだ貨物船を乗っ取る

読売新聞より「戦車積んだウクライナ貨物船、ソマリア沖で海賊乗っ取る

【アディスアベバ=角谷志保美】東アフリカ・ソマリアの沖合で、ケニア向けのロシア製T―72型戦車33両や武器弾薬などを積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られ、ロイター通信などは27日、海賊が身代金として3500万ドル(約37億円)を要求したと報じた。

報道によると、貨物船は25日、ケニアのモンバサ港に向かう途中、重武装の海賊に襲撃され、ウクライナ人やロシア人の船員ら21人が人質になった。

乗っ取られた貨物船は、イスラム原理主義勢力の活動が活発なソマリア中部に向かったとの情報もあり、エチオピアのメレス首相は「地域の不安定化のために使われる恐れがある」と懸念を表明。海域を巡回する米駆逐艦が監視を続け、ロシア海軍も現場海域に艦隊を派遣した。

ソマリアは今年、イスラム原理主義勢力のテロ攻撃激化で治安が急速に悪化。近海では今年に入って60隻以上の船が攻撃され、日本企業が所有する船も含め30隻以上が乗っ取られている。

サンケイ新聞より「ウクライナから戦車33両を輸送中、貨物船乗っ取られる 露バルト艦隊、ソマリア沖へ

【モスクワ=佐藤貴生】アフリカ東部のソマリア沖で、30両以上の戦車や大量の弾薬を積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られる事件があり、イタル・タス通信などは27日、海賊は貨物船と乗組員を解放する見返りとして3500万ドル(約37億円)の身代金を要求したと伝えた。ソマリア近海では海賊による外国船乗っ取り事件が頻発、エネルギーを中東に依存する日本の貨物船が標的になる事件も起きており、わが国にとっても決して人ごとではない。

貨物船はウクライナ南部の黒海の港を出航し、ケニアのモンバサに向かう途中の洋上で25日乗っ取られた。ウクライナのエハヌロフ国防相は26日、船にはケニアに輸出するT72型戦車33両や大量の弾薬、迫撃砲などが積まれていたことを明らかにした。国防相は、積み荷の兵器・弾薬類は正しい法的手続きをへて輸出されたもので、ソマリア沿岸から遠く離れた航路を進んでいたと強調した。

船にはウクライナ人17人、ロシア人3人、ラトビア人1人が乗っていた。ロシア海軍は今後、ロシアの船舶やロシア人に危害が及びかねないとして、バルト艦隊所属のミサイルフリゲート艦をソマリア沖に派遣した。ソマリア近海では、フランスやカナダ、マレーシアなどが海上で警戒活動を行っている。

10年以上も無政府状態が続くソマリアでは、特に今年に入ってから、イスラム原理主義勢力「イスラム法廷」とエチオピアが後押しする暫定政府の軍による戦闘が激化、治安は悪化の一途をたどっている。乗っ取られた船の解放交渉が頓挫すれば、積み荷の兵器・弾薬類がソマリアや他のアフリカ周辺の戦闘地域に流出する事態も想定される。

イタル・タス通信によると、貨物船は多くの海賊が拠点とするソマリア北東部プントランド地方の港エイルに向かっている。海賊は通常、エイルから船主らと連絡を取り、身代金交渉を行っているという。

英BBCによると、エイルには現在も乗っ取られた船10隻以上が停泊している。現地は乗っ取った船の解放交渉のさいに多額の身代金をかすめ取る「海賊ビジネス」で好況に沸いており、邸宅が立ち並び高級車も売れているという。乗っ取りで年1億ドル以上を稼いでいるとの推計もある。

ソマリアとイエメンの間に位置するアデン湾は、世界の石油の全輸送量の3割以上が通過するエネルギーの大動脈だが、昨年は海賊の襲撃急増で保険料も10倍に跳ね上がったとされる。

こうしたなか、イタル・タス通信は27日、プントランド地方政府高官の話として、今年7月に乗っ取られた日本企業所有の貨物船「ステラ・マリス号」が、身代金200万ドルを支払い解放されたと報じた。

ソマリア沖では、4月にタンカー「高山」が、8月に貨物船「AIZU(あいづ)」が相次ぎ襲われるなど、日本がかかわる船舶への襲撃も後を絶たないのが実態で、日本としても対岸の火事として傍観できる事態ではなさそうだ。

サンケイ新聞より「ソマリア 海賊、無法地帯への逃げ込み図る

アフリカ東部のソマリア沖で戦車や弾薬を積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られた事件で、米国などの軍艦3隻が28日、貨物船の捕捉に成功し、うち2隻が貨物船を包囲するように航行していることが分かった。フランス通信(AFP)がソマリア当局高官の話として伝えた。ただ、貨物船は「海賊の楽園」とも呼ばれる北東部エイルへの逃げ込みを狙っているとみられ、緊迫した状況が続いている。(犬塚陽介)

AFPによると、軍艦は米国艦1隻と欧州連合(EU)加盟国の艦船2隻とみられ、ソマリア中部のハラデレ沖を航行中という。現地の複数の漁師や沿岸部の部族長らも同様の目撃証言をAFPに寄せている。

長期の無政府状態によってテロリストの温床となり、海賊行為も横行するソマリア沖では、多国籍軍の艦船が海上パトロールを展開して警戒活動を強化しており、こうした艦船が貨物船を追尾している可能性もある。

一方、米CNNテレビは隣国ケニアの海運関係者の話として、海賊が身代金要求を引き下げたと報じた。海賊は当初、3500万ドル(約37億円)を要求していたが、(1)乗組員が米国人ではない(2)接岸できなければ荷降ろしができない-などの理由から、要求額を500万ドル(約5億3000万円)まで引き下げたという。

ただ、貨物船が目前まで迫っているとみられるエイルは、海賊ビジネスが“主要産業”の無法地帯。英BBCによると、現地では小型パソコンにスーツ姿の海賊用会計士や交渉人が闊(かつ)歩(ぽ)し、街には人質専用の特別レストランさえある。

今月中旬、別の事件でフランス奇襲部隊が海賊から人質を救出した際、サルコジ仏大統領は「エイルでの人質救出はあまりにも危険」として入港前の救出作戦を指示したほどの場所で、海賊がエイル港に接岸する前の事件解決が求められている。

今回の事件を受け、ソマリア沖にはロシア軍もミサイルフリゲート艦の派遣を決めており、約1週間後に現場海域に到着するという。

記事中にでてくる、モンバサ港と乗っ取られた貨物船が向かっているというエリはこんなところです。距離は1800キロぐらい離れていますね。

Up

これはさすがにビックリでありますが、こんなニュースがちょっと前にありました。

韓国中央日報より「マリア海賊出没地域…駆逐艦「李舜臣」送る

政府が、海賊が頻繁に出没するソマリア海域に海軍の艦艇を派兵する案を推進中であることがわかった。

軍の関係者は24日「政府がソマリアの近海上で韓国船舶が拉致されることを防止するために海軍構築することを送る案を推進中」と述べた。韓国が海賊の退散を目標として海軍艦艇を送るのは初めてのことだ。ソマリア海上では10日、韓国人8人が乗った貨物船「ブライトルビー」号が海賊に拉致されたのをはじめ、毎年、韓国船舶が拉致されている。

この関係者は「ソマリアの海上に送る艦艇は忠武(チュンム)公李舜臣(イ・スンシン)艦級(KDX-Ⅱ、5500トン)水準になるものとみられる」とし「艦艇には韓国船舶が拉致される状況が発生する場合に備えて海軍特殊部隊であるUDT(水中爆破チーム)隊員と高速モーターボート・ヘリコプターなどを搭載すると聞いている」と述べた。派兵される艦艇は年間3~6カ月交代の方式を取るということだ。

忠武公李舜臣艦級駆逐艦を派兵するのは、長期間の航海と作戦が必要だからだ。忠武公李舜臣艦級は海軍駆逐艦のうちイージス艦である世宗大王艦の次に規模が大きい。海軍はソマリア海域で韓国船籍の民間船舶が海賊に拉致された場合、直ちにヘリコプターと高速モーターボートで特殊部隊を投入し、人質を救出するという戦略を立てている。

特に国連安全保障理事会が今年の6月、ソマリアの海賊を退散させるために外国政府がソマリア領海に進入することを承認する決議案を通過させた状態であることから、韓国艦艇の活動に制限がないという点も派兵を推進する背景となった。

現在、ソマリア海域には米国とフランス、日本などの艦艇が派兵されており、拉致された自国船舶を優先的に救出している。このため海賊たちは、艦艇を派兵していない韓国などの船舶を狙っているということだ。

中央日報 Joins.com  2008.09.25 07:21:48

もちろん日本船も被害に遭っているし、どこの国の船が問題ということではなくて、国際貿易に大問題を及ぼしている上に、ソマリアが無政府状態の内戦状態に戦車と弾薬を積んだ船を乗っ取ったとなると、国連軍が介入して停戦を強制するといった実力行使の段階に入ってきたということでしょう。

韓国の軍艦派遣を対岸の火事として見ている余裕は無さそうです。
「米国などの軍艦3隻が28日、貨物船の捕捉に成功し、うち2隻が貨物船を包囲するように航行していることが分かった。ソマリア中部のハラデレ沖を航行中」ということは、ソマリアの首都モガディシュからエリに向かって北上中ということでしょう。果たして本当に軍艦が乗っ取られた貨物船を捕捉できているのか疑わしいようにも思います。

こうなると、いくら海賊の誘拐と言っても身代金を払っていては、その後の事態の悪化になっていくでしょうから、そろそろ状況の転換を図らなざるを得ませんが、ソマリアは紅海の入口アデン湾に面しているので、日本にも多大の影響があり、軍事作戦の展開についてもそれなりに考えておかないといけないようにも思います。
ついつい「海賊問題だから」と見逃していたところもあったかと思いますが、こうなると軍事行動の範疇であるだろうし、どうなることやらといったところですね。

9月 28, 2008 at 11:14 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.25

「神舟7号」打ち上げへ

ロイターより「中国が「神舟7号」打ち上げへ、初の船外活動も

[北京 24日 ロイター] 中国政府は24日、有人宇宙飛行船「神舟7号」の打ち上げを25日夜に行うことを明らかにした。今回の飛行計画には、中国初の船外活動も含まれている。

同飛行計画の報道官によると、神舟7号は現地時間午後9時7分から同10時27分(日本時間午後10時7分から同11時27分)の間に、内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから発射される。

中国は2003年10月、旧ソ連と米国に続き世界で3番目に自国ロケットでの有人宇宙飛行を成功。2005年10月には神舟6号で宇宙飛行士2人による5日間のミッションにも成功している。

さて、今晩はニュースに注目ですね。

9月 25, 2008 at 10:14 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

北朝鮮・核施設再稼働?

CNN.co.jp より「再処理施設で1週間内の核物質利用の作業開始、北朝鮮が通告

ウィーン――北朝鮮の核開発問題で、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は24日、北朝鮮が寧辺にある、核兵器原料となるプルトニウムを生産する使用済み核燃料再処理施設で今後1週間以内に核物質を使った作業を開始すると通告してきたことを明らかにした。AP通信が報じた。

IAEAは現在、定例理事会を開き、北朝鮮やイランの核問題を協議している。事務局長はまた、北朝鮮の求めで寧辺に駐在するIAEA要員が核施設にあるIAEAの封印や監視カメラを24日にすべて撤去したとも述べた。

IAEAは声明も発表し、北朝鮮は24日からIAEA査察員に再処理施設への立ち入りを認めないとも通告してきたという。事務局長は22日、北朝鮮がIAEAに寧辺の核施設にある封印と監視装置の撤去を要求したことを明らかにしていた。

北朝鮮は、6者協議合意に基づき昨年から寧辺の核施設の無能力化作業を開始し、IAEAに封印、監視措置の設置を認めていた。他の6者協議参加国は見返りに北朝鮮へのエネルギー支援に応じていた。

米朝はしかし、今年初めから北朝鮮のすべての核計画申告の内容、検証方法で厳しく対立。北朝鮮は6月にすべての核計画を申告し、米国はこの見返りに交換条件となっていたテロ支援国指定を解除すべきと主張したが、米国は申告内容や検証方法の未決着を理由に解除を延ばしている。

この中で北朝鮮は8月下旬、無能力化作業の中断を発表。9月16日には、北朝鮮西海岸で新たなミサイル基地の建設が判明、長距離弾道ミサイルのエンジン実験を実施したともされ、米国に譲歩を強いる強硬態度に傾斜している。

北朝鮮の金正日総書記の健康悪化説は9月9日ごろから表面化した。

昨日(2008/09/24)から伝わり始めたニュースですが、どういうわけか何か地味な扱いです。
しかし、部分的にはけっこう強烈な情報もあるので、整理してみます。

毎日新聞より「北朝鮮・核問題:施設封印解除 北朝鮮、核開発再開も 6カ国協議合意に逆行

【北京・西岡省二】北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)核施設の封印解除など6カ国協議合意に逆行する手順を進め、核開発を再開させる構えをちらつかせている。米国側が今後もテロ支援国家指定解除を保留したり、核申告書の厳格な検証の受け入れを迫るなど、強い姿勢を続ければ、北朝鮮は核開発のプロセスをさらに前進させるとみられ、6カ国協議は難関を迎えることになりそうだ。

北朝鮮は米国が8月11日に指定解除を発表すると期待していたが実施されず、同14日には核施設の無能力化を中断、26日には「寧辺核施設を原状復旧させる措置を考慮する」と発表した。今月3日には復旧準備作業開始、22日には「核施設の封印撤去要請」と、徐々に危機のレベルを高めた。

今回、北朝鮮は、再処理施設で核物質を使う実験を再開すると通告したが、具体的内容は明らかにされていない。仮に北朝鮮が再処理施設の復旧作業を始めれば、2~4カ月で施設は使用可能になり、使用済み燃料棒を再処理してプルトニウムを量産できるといわれる。この場合、6カ国協議の参加各国も10月末までに完了させる予定だった対北朝鮮経済・エネルギー支援を停滞させるなど対応措置を取るとみられ、6カ国協議は大きく挫折することになる。

北京の外交関係者は今回の措置について「北朝鮮は外務省声明の発表など公式的な立場を表明していないため、各国の反応を注視しているようだ」と指摘する。

また「北朝鮮が国内体制を引き締めたい場合、外敵と対峙(たいじ)する姿勢を強く示すことがある。ただ、一連の措置が最高指導者の金正日(キムジョンイル)総書記の健康悪化説や体制不安説と関連しているかは分からない」と話している。

北朝鮮は02年10月に始まった「第2次核危機」の際、同年12月下旬に寧辺の三つの核施設の封印を撤去し、その数日後には査察官を追放した経緯がある。

朝日新聞より「北朝鮮、寧辺の核施設の封印撤去

【ウィーン=関本誠】国際原子力機関(IAEA)は24日、北朝鮮が寧辺の使用済み核燃料再処理施設の封印と監視カメラの撤去を完了させたと明らかにした。IAEAはまた、北朝鮮が約1週間以内に再処理施設で核物質を使った作業を行う予定だと通告してきたことも公表した。

IAEA報道官によると、北朝鮮は、稼働停止・封印の監視検証活動をしているIAEA要員の再処理施設への立ち入りを今後は認めないとも通告してきたという。

これでIAEAが再処理施設の動きを監視することはできなくなったが、同要員は寧辺にとどまり、実験用黒鉛減速炉など他施設の監視検証活動は続けるとしている。

22日に再処理施設の封印撤去を求めてきた際は「核物質は使わない」としていたが、今回、北朝鮮は核物質の使用をIAEAに通告。再処理施設の稼働テストなど再稼働の準備を行うとみられる。貯蔵プールにある使用済み燃料棒の封印撤去を求め、それを使う可能性もある。ただ、核専門家によると、本格稼働までは数カ月かかるとされる。

テロ支援国家の指定解除に向けて米国から譲歩を引き出すために、北朝鮮が無能力化を逆行させ、強硬姿勢を強めたといえる。

寧辺では、稼働停止まで原子炉内にあった約8千本の使用済み燃料棒のうち半数以上が取り出され、貯蔵プールで封印が施されている。専門家によると、8千本の燃料棒には核兵器2発分にあたる10キロ以上のプルトニウムが含まれていると推計されるという。

読売新聞より「北朝鮮、核再処再開へ…IAEAに通告

【ウィーン=石黒穣】国際原子力機関(IAEA)は24日、北朝鮮から寧辺(ヨンビョン)の再処理施設でプルトニウム抽出に向けた作業を再開するとの通告を受けたと発表した。

北朝鮮は「1週間後に再処理施設に核物質を持ち込む」と明言しており、冷却プールで保管中の使用済み核燃料棒を再処理施設に移動して、再処理作業を再開させる意向と見られる。

IAEAによると、再処理施設では、核施設の停止に伴いIAEAが取り付けた封印、監視装置の撤去が同日完了し、IAEA査察官の立ち入りも禁じられた。

6か国協議の枠内で進められてきた核放棄プロセスに逆行する動きで、非核化はさらに遠のきそうだ。

米国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官は24日、北朝鮮に対し、6か国協議の合意順守を強く求めるとともに、対話を続けていく考えを示した。

外交筋によると、再処理施設には封印約100個、監視カメラ約25台が取り付けられていたが、北朝鮮の要求に従い、IAEA査察官がすべて取り外した。無能力化作業の一環として5000キロ・ワット黒鉛炉から抜き取られ、冷却プールに移された使用済み核燃料棒の数は全体(8000本)の6割近くに達している。北朝鮮には現在、IAEA査察要員3人が滞在。北朝鮮は今のところ、再処理施設以外の黒鉛炉や核燃料製造工場では、封印、監視装置の撤去を求めていないという。

サンケイ新聞より「IAEA監視要員を追放 北朝鮮

【ベルリン=黒沢潤】国際原子力機関(IAEA)によると、北朝鮮は24日までに、寧辺の核施設に駐在していたIAEAの監視要員を追放した。北朝鮮は今後、プルトニウムの抽出作業を再開するため、再処理施設に核物質を注入する作業を約1週間以内に始めるという。

IAEAのフレミング報道官は24日、「北朝鮮から『IAEAの監視要員は再処理施設に立ち入ることはできない』と通告された」と語った。同報道官によれば、施設に設置されていたIAEAの封印と監視用のカメラも完全に撤去されたという。

北朝鮮の外務省報道官は今月19日、北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除を米国が延期したことを非難し、無能力化を中断していた核施設を「原状復旧しているところだ」と説明していた。

北朝鮮がIAEAに核施設の封鎖を解除することを通告したのは確かなのでしょうが、報道各社の記事は微妙に違っていて、強調しているところが違いますね。

  • 事務局長はまた、北朝鮮の求めで寧辺に駐在するIAEA要員が核施設にあるIAEAの封印や監視カメラを24日にすべて撤去したとも述べた。
  • 今回、北朝鮮は、再処理施設で核物質を使う実験を再開すると通告したが、具体的内容は明らかにされていない。
  • IAEA報道官によると、北朝鮮は、稼働停止・封印の監視検証活動をしているIAEA要員の再処理施設への立ち入りを今後は認めないとも通告してきたという。
  • 外交筋によると、再処理施設には封印約100個、監視カメラ約25台が取り付けられていたが、北朝鮮の要求に従い、IAEA査察官がすべて取り外した。
  • 国際原子力機関(IAEA)によると、北朝鮮は24日までに、寧辺の核施設に駐在していたIAEAの監視要員を追放した。

情報が、IAEAの事務局長、報道官、外交筋などとあって、監視カメラの撤去は確実のようですが、監視要員については、施設への立入を認めない、とするものと、追放したというのがあります。
何が事実なのか分からないし、北朝鮮自身が何をしたいのかが伝わってきませんね。

国際政治の高度な駆け引きなのでしょうが、現時点で北朝鮮がこうした行動に出ることが、国際政治の観点から北朝鮮に有利なことなのか、いささか以上に疑問があるところで、日本韓国は快く思うはずもなく、中国も北京オリンピック・上海万博と続く一連の大イベントにマイナスの影響を感じて不快であるでしょう。

それでも、こうした行動に出るほど、北朝鮮は追い詰められていると感じているのでしょうか?また、これで北朝鮮は自身に有利な何かを得ることが出来ると考えているのでしょうか?よく分からないですね。

9月 25, 2008 at 10:09 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.23

F22の生産を継続?

NHKニュースより「F22戦闘機の継続を主張

アメリカ空軍の新しい参謀長に指名されたシュワルツ大将は、2011年に生産が終了する予定の最新鋭戦闘機F22について、生産を継続するよう求める考えを示し、自衛隊の次期戦闘機の選定にも影響を与える可能性が指摘されています。

アメリカの最新鋭戦闘機F22をめぐっては、製造コストがかかりすぎるなどの理由で、当初の計画より調達機数が大幅に減らされ、2011年末には生産が終了する予定になっています。
これについて、空軍の新しい参謀長に指名されたシュワルツ大将は22日、議会上院軍事委員会の公聴会で証言し

「F22は、アメリカ軍にとってかけがえのない存在だ。今の183機という生産機数の上限は低すぎる。少なくとも当面は生産を継続すべきだ」と述べ、生産終了予定を見直すよう求める考えを示しました。
F22については、日本政府も、自衛隊の次期戦闘機の有力候補とみていますが、アメリカ議会が軍事機密の保護を理由に現時点では輸出を禁止していることや、現状のままだと2011年に生産が終了する予定であることなどが障害とされています。
このため、アメリカ空軍のトップがF22の生産継続を求めたことは、将来の日本輸出にわずかながらも可能性を残すものといえ、次期戦闘機の選定にも影響を与える可能性が指摘されています。

自衛隊の機種決定に影響するでしょうが、それは主に「混乱する」事と同義語でしょう。

制服組は基本的にハードウェアを欲しがるのは常で、有名な例ではB1A爆撃機をカーター大統領が止めたのをレーガン大統領がB1Bにして(別モノにして)復活させた例があります。

F22の運動性能は大石英司氏が撮影したビデオで見ると「こりゃすごい」とは思います。

見所としては、2分過ぎの爆弾倉オープン。何しろあそこは、いろんなメーカーがこっそりとパッシブ・センサーを持ち込んで新鋭機の情報を探っている所ですから、そんな環境下であんなことをするなんてよほど性能に自信があるということでしょう。

もう一箇所は、5分過ぎかな、垂直状態での長いホバリング。エレベータが小刻みに動いている様子が分かります。ロシア機ではこんなの無理。

全体としては、演技に慣れきっている感じでした。たぶんアメリカで見せているデモとほぼ同じメニューだと思います。

確かにあれを見せつけられると、空自さんのみならず欲しくなりますよ。これはメルマガのおまけで書いたのですが、直前に飛んだのがタイフーンだったんですよ。そもそもが正面からのRCSが段違い。タイフーンの厚さが餅くらいあるとすると、ラプターのそれは煎餅か餃子皮ですよ。それほどに薄く見える。

これであの性能となると、空自さんが欲しがるわけですよ。二世代分くらい、他国の新鋭機を引き離しているんだもの。

確かにこの通りで、普通にカメラで撮ってもシルエットがよく分からなくなるくらいなのだから、レーダーでは見えませんよ。

ステルスの理屈は今では良く理解されていますが、それを実現するとこんな形になる、というのは理屈とは別物ですね。
やはり、SR71あたりからやっている、アメリカのステルス技術のこなれた面が見えたと思いました。

1機が200億円以上とも言われて、いくら何でも価格的に無理だろう。とも思うところです。

何となくですが、簡易版(?)のF22改が登場しても不思議はないように思います。

現在のF22は「何をやらせてもチャンピオン」といったところを狙っていて推力ノズルを動かしてトンでもない飛行が出来ますが、このような機能がステルス性能よりも優先するのか?と個人的には疑問があります。

万能型ではない、F22というのがあっても良いかと思います。
その時には、日本は一番先に手を出すでしょう。

7月 23, 2008 at 01:16 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.17

ミャンマーのサイクロン被害の規模

AFP BB より「ミャンマー、サイクロンの死者・行方不明者13万人超える

【5月17日 AFP】

ミャンマー国営テレビは16日、大型サイクロン「ナルギス(Nargis)」による死者が7万7738人、行方不明者は5万5917人になったと発表した。

ナルギスは2日から3日にかけ同国各地を直撃し、洪水でいくつもの村が完全に流失したほか、多くの土地が冠水するなど大きな被害が出た。(c)AFP

死者が7万7738人、行方不明者は5万5917人ですから、合計すると133,655人。ミャンマーの人口は53,220,000人ですから、日本に当てはめると320,872人の死者・行方不明者という計算です。

32万人というと、宮崎市、中野区、青森市、港北区、那覇市、越谷市、前橋市、北区、秋田市、高知市、川越市、所沢市、高松市、郡山市、品川区、高槻市、吹田市、いわき市、岡崎市、旭川市などが31万人から35万人規模の自治体ですから、どれか一つが無くなったというほどの規模だとなります。

日経新聞より「ミャンマー、外交団がサイクロン被災地視察・日本など60人

【バンコク=野間潔】ミャンマー軍事政権は17日、在ミャンマーの外交団を対象に、今月初旬のサイクロンで甚大な被害を受けた同国南西部の視察を実施した。

外交団の被災地視察は初めて。日本や中国など最大都市ヤンゴンに大使館などを持つ外交官ら約60人が参加したが、行動は制限されていたもよう。

ヤンゴンには同日、タイからの医療救援の本隊30人が到着。約2週間の予定で活動する。

外交団の視察はミャンマー南西部のイラワジ川河口地帯の3カ所をヘリコプターで半日かけて回った。

軍事政権は自身で救援物資の輸送や医療活動を実施している姿を見せることで、「海外からの支援活動を拒み、救援活動が遅れている」との国際社会からの批判をかわす狙いがあるとみられる。

サイクロンによる死者は軍事政権の公式発表でも7万7000人を突破。
国連などは被災者は250万人に上ると指摘している。

イラワジ川河口流域は最も被害の大きい地域で救援活動が急がれるほか、有数のコメ生産地帯でもあることから、今後は海水をかぶった田園地帯の脱塩など回復措置も必要になるとみられている。 (20:42)

ミャンマーの軍事政権には、中国が深く関わっていますが中国も四川省大地震に見舞われてミャンマー支援どころではないでしょう。
ミャンマーはどうなっていくのでしょうか?

5月 17, 2008 at 11:49 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.21

日本郵船タンカー攻撃される

サンケイ新聞より「日本郵船タンカー、ロケットランチャーで攻撃される イエメン沖

国土交通省に21日入った連絡によると、日本郵船の大型タンカーが、イエメン沖で、不審船から発砲を受け、被弾した。不審船はロケットランチャーのようなもので発砲してきたとの情報がある。
けが人はいないもようだが、船尾が損傷したという。同省や同社で情報収集にあたっている。

イエメン沖で日本郵船の大型タンカーが、不審船から発砲を受けた事件で、タンカーは船尾部が損傷し、燃料漏れを起こしていることが21日、日本郵船などに入った連絡で分かった。

日本郵船に入った連絡によると、同日午前10時40分(日本時間)ごろ、中東イエメンのアデンの東約440キロの沖合で、同社の大型原油タンカー「高山」(15万53トン、乗組員23人)が小型不審船から発砲を受け、被弾した。けが人はなかった。

国土交通省によると、不審船はロケットランチャーのようなもので発砲し、高山は船尾部が被弾して損傷、燃料漏れを起こしているという。

高山の日本人乗組員は7人で、4日に韓国の蔚山(ウルサン)港を出港、原油を積むサウジアラビアに向け空荷で航行しているところだった。

Up

図に示した線が「アデンから440キロ」ですから、紅海に続くアデン湾に入ったばかりのところのようです。日本時間の10時40分ですから、現地時間は4時40分。薄明だったのでしょうか?

対戦車ロケットだと船に穴は開きますから、怪我人がなければ幸いであったと言うべきでしょう。
燃料が漏れているとのことだから、喫水線から高いところに命中していないのでしょう。

仮に撃たれたのが一発でそれが命中したのか、何発か撃たれてその一発が命中したのか?は大きな問題だと思いますが、日本郵船の発表「大型原油タンカー「高山」被弾の件」によると

本日21日午前10時40分頃(日本時間、現地時間同日午前4時40分頃)、イエメン共和国アデン沖東方約440kmにて当社が所有・運航する大型原油タンカー「高山」が、小型不審船1隻からの発砲により被弾しました。なお、小型不審船は午前11時3分頃、本船よりその船影を確認できなくなるまで離れたとの報告が入っております。

本船「高山」は、4月4日午前2時40分(日本時間)に韓国ウルサン港を出港し、積み地のサウジアラビア王国ヤンブー港に向け空荷での回送航行中でした。

本被弾による負傷者はありません。また、本船は航行可能で、被弾状況は現在確認中です。

引き続き、損傷個所の確認に努めるとともに、詳細な情報が明らかになり次第お知らせ致します。

「高山」の概要

1.船名高山(TAKAYAMA)
2.総トン数150,053トン
3.全長332.0m
3.船籍日本
4.建造年月日1993年11月 (旧日本鋼管津造船所建造)
5.船長岡村秀朗(おかむら ひであき)
(国籍:日本)
6.乗組員日本人7名、フィリピン人16名、計23名(船長含む)
7.船舶管理会社TMM株式会社

とのことですから、15万トン、330メートルのタンカーに海賊行為を働くとは考えがたいです。
むしろ本格的なテロ攻撃あるいはその訓練といったことを考えた方が妥当かもしれません。

4月 21, 2008 at 05:45 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.16

チベットの暴動について・その2

毎日新聞より「チベット:暴動が甘粛省に波及…亡命政府 30人が死亡

Up

【北京・大谷麻由美、ニューデリー栗田慎一】中国チベット自治区で始まった暴動は15日までに、西部・甘粛省甘南チベット族自治州夏河に波及した。

チベット仏教僧侶を含む数百人が14日にデモ行進し、15日には治安当局がデモ隊に催涙ガス弾を発射した。AP通信が地元住民の話として伝えた。 暴動の成り行き次第では、他のチベット族居住地にも飛び火する可能性が出てきた。

一方、インド北部ダラムサラを拠点とするチベット亡命政府は15日、ラサの14日の武力鎮圧で30人の死亡が確認されたと発表。国連の即時介入と現地調査を求める声明を出した。中国国営新華社通信は、ラサの暴動で商店主ら10人が死亡したと伝えていた。

こうした中、チベット自治区の司法当局は15日、ラサの暴動に加わった僧侶らに出頭を呼びかける通告を出した。住民の密告も奨励しており、あらゆる手段で事態収拾を急ぐ姿勢を見せている。

通告は「18日午前0時までに出頭すれば減刑し、他の犯罪者の検挙に協力すれば刑の免除もあり得る」としている。「期限までに出頭しない者や犯罪者をかくまった者には厳罰で臨む」と警告した。

チベット亡命政府は声明で死者100人の未確認情報もあるとし、「平和的なデモが無差別殺人で抑圧されている」と非難。中国政府が暴力的な鎮圧を続ければ「チベット人は方向性を失う」として暴力の連鎖の深刻化に懸念を示し、全チベット人に暴力で対抗しないよう求めた。

声明はまた、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世を暴動の「首謀者」とする中国政府の主張について「全く根拠がない」と全面否定した。

インドの首都ニューデリーでは15日も、中国大使館の塀をよじ登ろうとするなどした亡命チベット人ら約50人が警察に逮捕された。ダラムサラでも約300人がデモ行進したが、大きな混乱はなかった。インド政府は中国側での暴動に関連し、国内の亡命チベット人による政治活動を厳格に取り締まる方針を確認している。

毎日新聞 2008年3月15日 21時14分 (最終更新時間 3月16日 0時59分)

AFP BB より「チベット仏教僧ら新たに抗議デモ、甘粛省

【3月15日 AFP】】中国のチベット統治に抗議するデモが暴動に発展した問題で、中国甘粛省で15日、チベット仏教の僧侶らによる抗議デモが新たに行われた。これに対し中国治安当局は、催涙ガスを用いてデモを中止させようとしていたという。チベット支援団体が明らかにした。

ワシントンD.C.を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン(International Campaign for Tibet、ICT)」と、ロンドン(London)に本部を置く人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」によると、これまでで大規模となった抗議行動が、同地のチベット仏教の僧院ラブラン寺を中心に行われているという。

フリー・チベット・キャンペーンの広報担当者によると、デモ参加者が複数の政府関連の事務所を破壊。同団体によると少なくとも1000人が抗議行動に加わったという。一方、ICTは抗議行動に参加したのは最大で5000人とした。

フリー・チベット・キャンペーンは、同州の博拉郷と碌曲県でも抗議行動が行われ、博拉郷では車数台が焼かれたという。また14日に夏河で行われた僧侶主導の抗議行動には、約4000人以上のチベット民族が参加したと発表した。(c)AFP

なんでこんな争乱がこの時期に起きたのでしょうか?が良く分からないですね。

確かに中国は実際的にはチベットを侵略して支配下に置いていると言えますし、チベット族自治区での散発的な反中国政府運動はありましたけど、これほど大々的な事件は聞いたことがありません。

もちろん、中国政府の主張のように「ダライラマ一派が首謀した」といったようなことも信じがたいです。

そうなると事件のきっかけはなんだったのでしょうか? 中国の中央政府は、オリンピック前にこんな騒動になることは何よりも嫌っているでしょうから、中央政府が特に取り締まりを強化しないでしょう。

つまり、中国政府とチベット亡命政府の正面衝突とは思えません。。 中国の地方政治の問題なのでしょうか?
この点については、毒ギョウザ事件で見られた、中国地方政治の発言が中央政府と摩擦を引き起こしそうになっていたところに注目しています。

中国は共産党政権の強力な政治体制で第二次大戦後の中国をまとめてきましたが、自由経済に移行することで自然に中央集権的な政治体制から地方自治になるはずで、実際に自由選挙も地方自治から始められたはずです。
これらが裏目に出たのでしょうか?現時点では謎が多い事件です。

3月 16, 2008 at 10:49 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2008.03.15

チベットの暴動について

AFP BB より「チベットの抗議活動、暴動に発展

【3月14日 AFP】(一部更新、写真追加)中国のチベット自治区の中心都市ラサで数日間続いている中国のチベット統治に対する抗議活動は14日、激しさを増し、中国の国営新華社通信や旅行者の情報などによると、店舗に放火するなどの暴力的な事態に発展しているという。放火で焼けたり、休業したりする店舗も出ているもようだ。

新華社は、少なくとも数十人の負傷者が病院に運ばれたとも伝えている。また現地に滞在する米国人が米大使館に寄せた情報では、銃声も聞かれたという。

暴動が発生しているのは、ラサ中心部にあるチベット仏教で最も聖なる寺院とされるジョカン寺院の近辺。

米ワシントンD.C.を拠点とするチベット支援団体「チベットのための国際キャンペーン」が得た現地情報によると、同寺院の参道沿いに店を並べる露店が放火されたという。また、警察車両が放火されたとの情報もあり、一般市民も抗議活動に参加している様子だという。

ラサを旅行中の複数の外国人がAFP記者に語ったところによると、市内全域で僧侶と市民が一体となって抗議活動を展開しており、旅行者たちはジョカン寺院付近に近付かないよう忠告されたという。

暴動はチベット以外にも広がっており、チベット仏教の最も重要な場所の1つ、甘粛省夏河では、300人の僧侶が抗議活動の先頭に立った。(c)AFP

2006年1月にこんな記事を書いています。「近未来の出来事」

2006年9月自民党総裁選
2007年7月参議院選挙
2008年2月韓国大統領選挙
2008年8月北京オリンピック
2008年ロシア大統領選挙
2008年11月アメリカ大統領選挙
2009年5月裁判員制度>"
2010年NTT光回線を過半数に、メタル-光の切り替え開始
2011年7月アナログ停波

北京オリンピックについては、

北京オリンピックで現在の東アジアの安定は北京オリンピックが近づいているから納まりがついているという面はあるわけで、それなりに激しく変化する時代に入るでしょう。

と「オリンピック終了までは中国政府はなんとか社会を安定させるだろう」と考えました。
それがラサで暴動ですから驚いた。

CNN.co.jpチベットで商店放火などの「暴動」、僧侶らの反中デモも
CNN.comTibet in turmoil as riots grip capital
BBC NEWSDeaths reported in Tibet protests

と大騒ぎです。読売新聞には「チベット自治区ラサで大規模暴動…商店に放火、2人死亡か

【北京=杉山祐之】中国チベット自治区の区都ラサの中心部で14日、大規模な民衆暴動が発生、放火や暴行などで多数の市民が負傷した模様だ。

米政府系放送局「ラジオ自由アジア」は、警官の発砲で少なくとも2人が死亡したと報じた。民族・宗教問題で対立を抱え、中国当局が反政府行動を厳しく取り締まっている同自治区での大規模暴動発生は、ラサに戒厳令が敷かれた1989年以来とみられる。

今回の暴動は、8月の北京五輪開催に向け、民族融和をアピールしていた中国政府に大きな打撃となった。

中国国営新華社通信が報じた目撃証言によると、14日午後2時(日本時間同3時)ごろ放火が始まり、ラサを代表するチベット仏教の名刹(めいさつ)・ジョカン寺(大昭寺)前の広場から多数の人が出ていった。複数の負傷者が出ており、病院に運ばれた人もいる。商店が焼かれ、車両も放火されているという。北京発のAFP通信はラサの救急センター当局の話として、暴動により数人が死亡したと伝えた。在北京日本大使館によると、14日夜現在、日本人負傷者が出たとの情報はない。

ラサ市内のホテル従業員は14日、本紙の電話取材に、「火の手はあちこちで次々に上がった。大部分の店が扉を閉め、街には警察、(武力で治安を維持する)武装警察官が出ている」と語った。ロイター通信によると、この日、市内で住民、僧侶ら300~400人がデモを行い、10人以上の僧侶が逮捕された。

在北京米国大使館は14日、ホームページを通じ、ラサに滞在する複数の米国人から、「銃声を聞いた」との情報が寄せられたことを明らかにした。

ラサでは、3月10日に僧侶ら数百人規模の反政府デモがあり、当局に制圧されていた。米政府系放送局などによると、僧侶2人が手首を切って重体になったほか、僧侶がハンガーストライキを始めたとされる。
(2008年3月15日06時23分 読売新聞)

サンケイ新聞より「チベット、潜在的不満が爆発 胡錦濤政権に衝撃

【北京=野口東秀】中国チベット自治区での僧侶らによる暴動は、「和諧(調和のとれた)社会」を提唱してきた胡錦濤指導部に大きな衝撃を与えた。北京では全国人民代表大会(全人代)が開催中で、チベット自治区の代表者らが「チベットは目覚ましく発展し安定している」と強調した矢先だった。今回の僧侶らの抗議活動の背景には、「自治」が足踏み状態の中で「中国化」が進む一方という状況に対するチベット人の焦りと不満が横たわっており、五輪開催に向け、チベット問題を国際社会にアピールするねらいがあるとみられる。

チベットでは1980年以降、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の特使団が中国政府と断続的に交渉、同氏の帰国やチベット情勢などを協議してきた。ダライ・ラマも独立をうたわず、中国政府に「高度な自治」を求めてきた。

しかし、中国政府のダライ・ラマ批判は止まず、チベット自治区のトップ、張慶黎・党委書記らは全人代で、北京五輪に向け「最大の不安定要素はダライ・ラマ集団。一日たりとも分裂活動を中止しない(分裂主義者)」と非難していた。

チベットでは、僧侶に対するダライ・ラマ否定の思想教育だけでなく、学校教育や治安面などでも「中国化」を実施してきた。一方で、資金力を背景に老朽化した仏教関連施設の大規模補修事業を実施するなど、チベット民族の心を懐柔し、独立運動を押さえ込もうとする“硬軟両様”の政策を講じてきた。

だが、ラサでは潜在的に反政府感情は強く、きっかけさえあれば反中国感情が一気に吹き出す状態だった。チベットでは昨年も数十人、数百人レベルの民衆と当局が衝突した末、当局は武装警察を動員し、摘発を繰り返したといわれる。全人代の2日目、胡錦濤国家主席がチベット自治区の分科会に出席、「チベットの安全は全国の安全にかかわる」と強調したのも危機感の表れといえる。

胡主席は、チベット自治区党委書記時代の89年、ラサ暴動を鎮圧し、その功績が故トウ小平氏に評価され昇進につながった経緯がある。今後、抗議行動に対して当局が強硬手段をとれば、国際社会から人権批判や五輪ボイコットの声はさらに強まりそうだ。

サンケイ新聞の福島香織さん(中国総局記者)のブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」が盛り上がっております。

チベット民族蜂起49周年の3月10日にラサでおこった僧侶に対する公安、武装警察らの暴力以降、14日、ついに暴動に発展してしまいました。ラサが燃えています。

■11日にセラ寺でおこった抗議デモは催涙弾で制圧されました。このあと、ジョカン、デプン、セラのラサ3大寺院は人民解放軍に包囲されていました。数千人規模のデモ隊と武装警察が衝突、警察の発砲して2人が死亡した、と自由アジア放送が報じました。セラ寺では、僧侶らが抗議のハンストを行って、当局の暴力に抗議しています。2人の僧侶が、抗議の意味で手首を切って重体。

■今、ラサの友人とチャットしています。14日、街は中国系商店などが焼き討ちにあいました。この日の午後7時ごろ、娘熱路と2環路の交差点あたりで、衆人環視の中で3人のチベット族が撲殺されたそうです。誰に殺されたの?「そんな怖いこと聞かないで!私はここで生きていかねばならいの!」。パソコンに浮き出る英語の文章を見て、自分の愚かさを恥じました。恐怖を抑えながら、チャット必死で現地の様子を私に伝えてくれる彼女を、神様仏様、どうかお守りください。。

■友人によると、このほかにもparko (八角?) エリアで男性2人、女性2人が殺されたとか。あちこちで、暴行がおこなわれているもようです。インドからは応援のデモ隊がチベットに向かっているそうです。インド警察が押しとどめようとしていますが、おしとどめらるか。ああ、私の不注意で、怖がらせてしまって、友人はラインオフです。



中国外務省の秦剛報道官は13日の会見で、「少数の僧侶が社会動乱を起こそうと企てた。これはダライ・ラマ派の集団がチベット分裂をたくらみ、チベット人民の正常で調和ある平和な生活を破壊しようとした政治的陰謀。目下、政府と寺院民主管理委員会のおかげで沈静化している」と説明していましたが、ぜんぜん沈静化していない!


■これは中国当局の大失態です。こんな体たらくで、本当に五輪を開催するつもりなのでしょうか。デモくらいやらせてあげればいいのです。報道では、さも五輪反対がお坊さんたちの抗議活動の目的のように伝えられていますが、僧侶の願いは、政治犯として拘束されている僧侶の釈放です。この数年に急激に締め付けが厳しくなった宗教の自由です。ダライ・ラマ14世が求めるのは独立でなくて自治だ、と譲歩を見せているのに、中国側が強硬手段をとるので、ダライ・ラマ猊下のやり方は生ぬるい!と思っている一部若い僧侶が「チベット独立!!」といいうスローガンを唱えてしまうのです。

■独立が現実的に無理なのは、多くのお坊さんも認識しているのです。本当は中国がちょっと譲歩し、自治と宗教の自由、そしてチベット文化への尊重をもてば、話し合いの余地が生まれる関係なんです。実際、昨年はダライ・ラマ14世の密使が、私の聞くかぎりでも2度訪中しているはずです。

■なのに、中国側は僧侶に公然と暴力を振るいました。坊さんに暴力を振るうことが、どれほど信仰深い人々の怒りを買うか、国際社会から軽蔑されるか、わかっていない、まさか?まさか、中国の指導者ってそんなにあほなのか~?本当に五輪を無事開きたいなら、この局面で絶対暴力をふるってはならなかったのです。

胡錦濤国家主席は、すぐダライ・ラマ14世に事態の収拾を助けてもらうよう、丁重に頼むべきです。でないと、血の気の多いチベット族の若い僧侶は抑えられない。宗教に生きる民族を抑えることができるのは宗教指導者だけなのです。万が一でも、解放軍の武力で鎮圧なんてことになったら、五輪はあきらめなければならない。

■15日はポタラ宮近くのRamucheという修道院のリノベーションという特別な日らしい。何かがおこるのか?事態は深刻を極めています。

目の離せない状況になってきたと感じます。

3月 15, 2008 at 11:30 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2008.02.23

トルコ陸軍が激戦か?

昨日(2008/02/22)「トルコ陸軍が国境を越えてイラクでクルド労働者党の掃討作戦を開始した」とのニュースがありました。

AFP BB より「トルコ軍が大規模越境軍事作戦、29人以上が死亡

【2月23日 AFP】

トルコ軍は22日、クルド労働者党(PKK)掃討のためイラク北部への越境軍事作戦を展開した。
地上部隊の展開により、PKKの戦闘員24人が死亡、トルコ軍兵士も5人死亡した。負傷者も大量に出ている。

また砲撃やヘリによる作戦も実施され、これによりPKKの戦闘員がさらに約20人死亡したとみられる。(c)AFP

トルコ軍兵士が5人死亡、負傷者多数というのは予想外の激戦ですね。
同じく AFP BB の前日の報道にトルコ軍の規模に言及した記事があります。

米軍、イラク北部でのトルコ軍のPKK掃討作戦を確認

【2月22日 AFP】

米軍報道官は22日、トルコ軍の地上部隊が国境を越えてイラク北部に進入し、クルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(PKK)」の限定的な掃討作戦を開始したことを確認したと発表した。

駐イラク米軍のグレゴリー・スミス報道官はAFPに宛てた文書の中で、掃討作戦に際し一般市民やクルド人自治区のインフラ設備に被害が及ばないよう、最大限の注意を払うとの保証をトルコ政府から得ていると述べ、米国は「PKKのテロ活動から自国を守るトルコの権利を支持する」と語った。

さらにトルコ政府に対しPKK問題の解決に向けて、外交努力やイラク政府との調整などを含めたあらゆる手段を考慮するよう米国が助言したと述べた。

米報道官発表に先立ち、トルコ軍もイラク北部のクルド人自治区でPKK掃討作戦を開始したと発表している。

トルコのテレビ局は掃討作戦には地上部隊1万人が投入されたと報じているが、実際にイラク領内に入った兵力は明らかではない。
ホシヤル・ジバリ外相は、作戦は小規模なものだとしている。
(c)AFP

昨年12月からトルコはイラク北部のPKKの支配地域に爆撃を始めていて、とうとう陸軍の進行にエスカレートしたと見ることが出来ます。
マクロにはクルド人問題が拡大しつつあると見ることが出来るでしょう。
注目するべきです。

2月 23, 2008 at 11:29 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.24

ガザ地区・国境の壁を爆破しエジプトに脱出その2

「ガザ地区・国境の壁を爆破しエジプトに脱出」をアップした途端に続報が入ってきています。

読売新聞ガザとエジプト境界の壁爆破、住民数万人が流入
毎日新聞パレスチナ:ガザ住民数万人がエジプトに越境 壁爆破
NHKガザの壁爆破 住民エジプトへ
CNN.co.jpガザ地区住民がエジプト流入、境界壁爆破が引き金
AP NEWSGazans knock down border,flee to Egypt
The New York TimesPalestinians Topple Gaza Wall and Cross to Egypt

ニューヨークタイムスはスライドショーで写真を掲載しています。

Up

Up1_2

なんともすごい光景ですが、他の写真を見ると「エジプトまで買い物」といった様相で、壁を爆破した以上の混乱は今のところ起きていないようです。

しかし、ハマスとイスラエルの争いから別の局面に展開したことに違いはなく、今後の収拾策も今までとは違う方向になるでしょう。

たまたま、ベルリンで開催されている「国連安全保障理事会常任理事国5カ国とドイツの外相会合」では対イラン制裁強化の新決議案で合意しました。

世界の状況は今までとはだいぶ違う方向で、かつ何となくきな臭くなっていくように思います。
かなり強力な武器が軍隊以外のところで使えるようになっていますから、おそらくは、アメリカや中国・ロシアなどといった軍事大国でも対処不可能な形でのダラダラと続く紛争のような形になっていくのではないでしょうか?

1月 24, 2008 at 02:11 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

ガザ地区・国境の壁を爆破しエジプトに脱出

AFP BB より「国境の壁を爆破、数百人がガザ地区脱出

【1月23日 AFP】

イスラエルによる封鎖が続くパレスチナ自治区のガザ地区で23日、武装勢力がエジプトとの国境沿いに建設された壁の少なくとも5か所を爆破し、パレスチナ人数百人がエジプト領に脱出した。目撃者によると、エジプト治安部隊はまだ対応していない。

現地では前日22日、南部ラファのエジプト国境にある検問所で、イスラム原理主義組織ハマス主導のデモ隊が強行突破を図り、エジプト治安部隊との間で銃撃戦が発生。緊張した膠着状態が続く中で今回の脱出劇が起きた。デモ隊は、数か月におよぶイスラエルのガザ地区封鎖に抗議していた。

イスラエルは17日に封鎖措置を強化。物資の欠乏に苦しむガザ地区は一層の困難に陥った。22日になってようやく限定解除され、一定量の燃料搬入が許可されたばかりだった。(c)AFP

ガザ地区とイスラエル・エジプトはこんな位置関係です。

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今回の「エジプトとの国境沿いの壁」というのは、13キロに渡って作られている物で、子細に見ると、ラファの市街と飛行場が見えます

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飛行場は、ご覧通りイスラエルの空襲によって破壊されています。

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2008年1月17日にイスラエルはガザ地区を封鎖し、ガザ地区では燃料が無くなって発電所が停止してしまい、このために上下水道設備が動かなくなる事態にまでなりました。

イスラエル側の言い分は、ロケット攻撃などするハマスがガザ地区に本拠を置いているから、ということですが市民生活が成り立たなれば、今回の国境突破も当然の成り行きといえるでしょう。

現時点では、エジプトはまだ対応していないとのことですが、全くの難民として国境を突破してくるような事態になった場合、その原因が明らかにイスラエルにあるとなれば、イスラエルとエジプトの緊張を引き起こすかもしれません。

極めて難しい状況になっていますが、イスラエルが強攻策を緩和することで、この国境突破が元のように修復されるのかどうかが、とりあえずの緊張が回避できるのかどうか?の分かれ目になるような気がします。

1月 24, 2008 at 12:31 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.22

中国の対北朝鮮政策

読売新聞より「北朝鮮の体制崩壊危機なら軍派遣…中国の専門家ら議論

【北京=佐伯聡士】

北朝鮮の金正日体制が崩壊の危機にひんした場合、中国が、北朝鮮の一般難民だけでなく、軍や治安部隊などの一部が武装したまま難民化し、国境地帯の中国東北部に流入するのを強く警戒して、北朝鮮国内に軍を派遣し、治安回復や核管理などに乗り出す案が、中国人民解放軍の専門家らの間で議論されていることがわかった。

中朝関係に詳しい消息筋が21日、明らかにした。

中国は、北朝鮮情勢は当面安定していると見ているが、不測の事態に備えた緊急対応策の策定を急いでいるとみられる。

同筋によると、専門家らは、金正日総書記の急死やクーデターなどの北朝鮮有事で軍を派遣するかどうかは、国連安全保障理事会の承認が原則的には前提になるとしているが、難民流入が一刻の猶予も許さない場合は、中国が独自判断で派遣することも検討している。この案について、中国指導部はまだ最終決定しておらず、有事の際は対米関係などに配慮した上で慎重に判断することになるという。

中国では、2006年10月の北朝鮮の核実験以来、有事の際の核管理に対する懸念が強まっている。別の消息筋は「北朝鮮だけでなく、パキスタンなど政情不安を抱える核保有国が混乱に陥った際、いかに多国間で核兵器の管理を行うかについて、国連安保理で議論すべきだ」として、検討の必要性を訴えている。

米戦略国際問題研究所(CSIS)は先に、中国の専門家と昨年議論した結果として、北朝鮮有事の際の中国軍派遣構想に触れた報告書を発表した。報告書は軍派遣目的として、〈1〉(一般の)難民の支援など人道上の任務〈2〉平和維持〈3〉核兵器・核物質の安全確保――といった可能性を指摘した。ただ、中国外務省報道官は、この構想について存在を否定している。
(2008年1月22日03時11分 読売新聞)

こういう計算はあるだろうとは以前から考えてはいましたが、新聞の取材記事として登場したとは驚きです。

この「発表」がどのレベルのものかが良く分かりませんが、世界に向けてある種の事前通告の要素を持っていることは確かでしょう。
これにロシアがどう反応するのかが興味深いところですが、北朝鮮の政権が次世代に平穏に引き継がれるかとなると、かなりの疑問がありどういう形にしろ政権崩壊になる確率は低くは無いでしょう。

とりあえず、崩壊直後の混乱が中国に及ばないようにするために、と議論は出発するわけですが、その後をどうするのか?という問題は残っているわけで、とりあえずを乗り切ったとしても東北アジアの国際関係の緊張が強くなるのは避けられないと考えています。

1月 22, 2008 at 09:33 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.13

台湾の総選挙・与党惨敗

昨日(2008/01/12)の台湾の総選挙は、定数113議席に対して

与党民進党27議席24%
野党国民党81議席72%

と野党国民党の圧勝となりました。

台湾の政治体制は大統領制と言って良く総統選挙が3月22日にあります。
陳水扁総統は民進党の主席(党首)ですが、選挙の惨敗で党主席を辞任する異なりました。

陳水扁総統は台湾の独立を目指していて、総統選挙では台湾独立について国民投票を実施するとしていました、これに対して国際世論はアメリカも日本も現時点の対話独立に反対を表明していました。

日本の新聞は、朝日新聞が中国よりの観点から大きな記事を作り、サンケイ新聞が反中国よりの観点から複数の記事を出しています。

朝日新聞より「台湾立法院選、野党国民党が圧勝 与党、総統選に打撃

台湾の国会にあたる立法院の選挙(一院制、定数113)が12日、投開票され、中央選挙委員会の発表によると、野党国民党が3分の2を超える81議席を獲得した。国民党にとって歴史的な大勝で単独過半数は98年選挙以来。与党民進党は27議席にとどまり、諸派・無所属が5議席だった。民進党には3月22日の総統選に向けて深刻な打撃となり、米中との対立も辞さない陳水扁(チェン・ショイピエン)総統の独立路線の転換を含め、態勢立て直しが急務になる。陳総統は12日夜会見し、「支持者に申し訳ない。私に全責任がある」と述べ、兼務する党主席の辞任を表明した。

国民党は今回から導入された小選挙区制で持ち前の組織力を動員した。民進党政権の腐敗や経済失政をテレビ広告で繰り返し攻撃し、陳総統への有権者の反発を利用して「陳政権への信任投票」を印象づけた。野党連合を組む親民党との候補者調整にも成功。やはり直接選挙で行われる総統選に向け、これ以上ない勢いを得た形だ。

陳総統は台湾人意識や台湾の独自性を強調し、今回の選挙が「中国か台湾かの選択だ」と主張。中国との融和姿勢をとる国民党との違いを有権者に訴えたが空振りした。

05年の選挙制度改革で今回から定数が半減、小選挙区73議席と政党比例区34議席、先住民区6議席の計113議席を争った。陳総統は04年総統選の公約だった小選挙区制導入で一気に勢力拡大を狙ったが、支持率下落で自ら墓穴を掘った形になった。

今回は、小選挙区で国民党が民進党の固い地盤だった高雄市・県など南部でも議席を伸ばすなど73議席中57議席を占めて圧倒したほか、比例区でも国民党票は全体の51%に及び、民進党票の37%を大きく引き離した。李登輝前総統が指導者である台湾団結連盟(台連)は比例区での得票率が3.5%にとどまり、議席なしに終わった。

国民党の総統候補、馬英九(マー・インチウ)氏は12日夜に会見し、「皆さんが我々にチャンスをくれた。今回の成果を総統選への加勢と変えたい」と話した。

今回は民進党が求めた「国民党の不当資産返還要求」と国民党が求めた「政権腐敗追及・国家財産返還」の二つの住民投票も同時に実施されたが、棄権が多く投票者不足で成立しなかった。

投票率は小選挙区で前回選挙の約59%をやや下回る58.5%、比例区で58.3%だった。

■議席3分の2、議会支配

国民党の議席数は3分の2にあたる76議席を超える81議席となった。台湾の立法院では3分の2の賛成があれば、総統の罷免案を提案して住民投票で賛否を問うことができ、たとえ次の総統選で民進党の謝長廷(シエ・チャンティン)氏が当選しても不安定な政権運営を強いられる。

国民党と協力関係にある諸派・無所属の当選議員5人も加えると、合計で4分の3を超える。4分の3の賛成を得れば憲法改正などの提案が可能で、国民党が議会運営で圧倒的な支配力を行使できることになる。

90年代の民主化以来、基本的に右肩上がりで勢力を伸ばしてきた民進党は「党創設以来の歴史的敗北」(陳総統)という惨敗だ。今回の議席割合は約24%にとどまり、初めて完全直接選挙となった92年の選挙で161議席のうち50議席(約31%)を得たときをさらに下回った。

陳総統は、台湾名義での国連加盟の住民投票を総統選と同じ3月22日に実施することを決めるなど選挙運動を主導してきたが、総統選に際し、主役を総統候補の謝氏に明け渡すよう求める声が党内から上がりそうだ。

ただ、このままでは00年と04年の総統選で勝ち取った政権の維持が難しいと判断した場合、陳総統がより台湾独立に傾くなど過激な方法で情勢を緊張させたり、「混乱」を理由に総統選延期などの手段を講じたりするのではと危ぶむ声が国民党側からは出ている。

サンケイ新聞より「台湾人意識より経済 立法院選 陳政権に厳しい審判

【台北=長谷川周人】
12日の台湾立法院選で、与党・民主進歩党が歴史的惨敗を喫したことは、初の台湾人政権を誕生させながら成果に乏しい陳水扁政権の執政8年に対し、有権者が抱く複雑な思いを代弁している。対中融和による経済振興策を掲げる最大野党・中国国民党は、次の照準を3月の総統選に合わせ、議会での大躍進をバネに8年ぶりの政権奪還に動き出す。民進党が巻き返しを図れるか、「台湾人意識」を根付かせた真価が問われる。

陳総統は選挙戦で、「台湾」名義による国連加盟の問題や「脱蒋介石化」政策を矢継ぎ早に打ち出し、国民党独裁による民衆弾圧をやり玉に挙げて、「台湾人意識」の高揚による民意の一体化を引きだそうとした。12日は台北市内の投票所で呉淑珍夫人とともに投票を済ませ、「台湾、民主、正義のために投票しよう」と支持を訴えた。

しかし、独立志向を強めながら中台関係は前進せず、頼みの経済も深刻化する貧富格差に住民は不満を募らせるばかり。腐敗を招いた政権の責任も先送りしたままで、陣営幹部は「理念だけでは有権者には問題のすり替えと映る。対立をあおれば政局混乱を招き、政治への嫌気を誘うだけだ」とため息をつく。

これに対し、経済重視という現実路線で選挙戦を優位に進めた国民党は、総統候補の馬英九前主席が高い支持率を武器に党の広告塔となり、全土で応援遊説を展開。党内調整や統一派政党との協力関係の構築を図る呉伯雄主席とは役割を分担し、組織力を背景に圧勝し、悲願の政権復帰を目指して総統選に駒を進める形となった。

今回は、立法院選と総統選が接近しており、有権者の揺り戻しが起こる可能性は低いとみられ、総統選でも勢いに乗る国民党が有利とみられる。

民進党は選挙結果を踏まえた体制の立て直しが急務だが、党主席を兼任する陳総統は13日から南米への外遊を決めた。総統は先週、選挙責任についても「総統選後」との考えを示したが、総統候補の謝長廷元行政院長(首相)は「今後の『主役』は私。立法院選の政治責任を党主席がとるのは世界の常識だ」と認識の開きはなお大きく、今後の調整の行方が注目される。

現在の台湾は、第二次大戦後の中国での共産革命で大陸を追われた蒋介石政権が台湾にいわば亡命政権を作ったという考え方があって、中国大陸の正統政府は台湾にあるとして「大陸反攻」で長年、台湾と大陸が戦ってきた関係にあります。

一方で、台湾では大陸からの亡命者が元からの住民の財産などを奪ったという事で、大陸から来た人たちを外省人と呼び、元々の台湾の住民を本省人と呼び、少数派の外省人が本省人を支配しているということで、対立がありました。

陳水扁総統の「台湾独立」論はこの争いを明確にしたものですが、国民党政権下では、台湾は中国の一部であるという事については大陸も台湾も共通認識であったのですから、台湾独立は極論と受け取られたのかもしれません。

実際問題として、現在の台湾は経済で大陸と深い関係にあり大陸と経済断交になった場合は台湾の先端産業は生産能力を事実上失うでしょうから、経済が不安な現時点で陳水扁総統は経済界からの支持を得られなかったのでしょう。

台湾ほどの巨大な国力の地域が、国際的に中途半端な状態のままであるの決して良いとは思いませんが、隣国である日本はそこそこうまくやっていると言えるでしょう。
なんらかの形で国連での発言力を台湾が持てることぐらいが、望ましいのでしょうか?

1月 13, 2008 at 11:26 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.12

F15の大量廃棄か?

AFP BB より「米空軍のF15戦闘機初期型の40%に欠陥が見つかる

【1月12日 AFP】

米空軍が保有する主力戦闘機F15の初期型にあたるA型からD型の40%前後が構造的欠陥を抱えていることが明らかになった。米空軍が10日、調査結果を明らかにした。長期的に米軍の戦略に支障をきたすと懸念が持ち上がってきた。

前年の11月2日、米国ミズーリ州での空中戦訓練中のF15戦闘機1機が空中分解により墜落したことを受け米空軍は前年11月、保有する665機全ての同戦闘機の飛行を停止させ、2か月にわたり検査を行ってきた。

10日の発表によると、A型からD型の合計295機が飛行を許可された一方、9機の縦通材(ロンジロン)と呼ばれる胴体の骨に当たる部分にクラックが見つかった。さらに調査した機体のおよそ40%で、少なくとも1つのロンジロンが設計の仕様に合致しなかったという。11月の空中分解はロンジロンの破損が原因と見られている

現在までF15戦闘機の約90%の検査が終了しているが、空軍は構造的欠陥を抱える100機以上について、欠陥を修正するか退役させるかの決断を迫られている。

バージニア州のラングレー空軍基地航空戦闘軍のThomas Crosson少佐によると、F15戦闘機は2009年から退役が始まる予定だが、ロンジロン1つの交換にはおよそ20万ドル(約220万円)の費用がかかるという。

長らく主力戦闘機の座にあったF15戦闘機は、製造から平均25年を経ている。F15戦闘機のなかでは最新のF15E型はイラクやアフガニスタンにも投入されているが、旧型のF15AからF15Dは現在、主に米本土防衛に当たっている。

F15戦闘機は現在、徐々に最新戦闘機F22へ置き換えられている。高速でステルス性を持つF22はF15より高額。空軍はこれまで調達が承認された183機では兵力の不足を補えないとし、政府に対しF22戦闘機381機の調達を強く求めている。(c)AFP

ロンジロンは飛行機の骨の一種類で縦に長く通っているものです。

今回F15戦闘機が飛行中にロンジロンの破壊で分解したのは、操縦席直後だそうで操縦席が分離して落下、パイロットはその後に脱出して生還したそうです。

飛行機の断面は場所によって変化しますが、断面の形状を形作る枠をフレームと呼び、フレームを繋ぐのがロンジロンです。

現代の飛行機はモノコック構造ですから、強度も骨に貼り付けた表面材料と共に強度を維持しています。

このため、ロンジロンそのものは恐ろしく貧弱な部材であることが多いです。

検査してみたら設計仕様に合っていなかったというのは本当か?と感じますが、無いとは言えないでしょう。

同じような形でありながら爆撃機になったF15Eでは、機体構造を大幅に変更して積載能力を高めましたが、同時に自重も重くなっています。

ロンジロンの交換自体は珍しい事ではなく、大分解整備といった位置づけですが、交換ではなくて改造となるとちょっと大変でしょう。

例えば、問題のロンジロンの強度を高めるために、形状を変更すれば内部の搭載機器との干渉の問題がありますし、単に一部の部材だけを強度を高くするとその他の部分に応力が集中する可能性もあるでしょう。

このような、手間暇の掛かる作業をして改修するのか、廃棄するのかというのは次期戦闘機であるFA22とF35の配備数にも影響が出るでしょうから、政治的な駆け引きの要素は大きいでしょう。

1月 12, 2008 at 06:27 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.04

トルコで車両爆弾の爆発

AFP BB より「車両爆弾の爆発で4人死亡、トルコ南東部

【1月4日 AFP】トルコ南東部のディヤルバクル(Diyarbakir)で3日、爆弾を積んだ車両が爆発し、4人が死亡、68人が負傷した。地元当局によると、負傷した68人のうち4人が重傷だという。

南東部はクルド系住民が多数を占める地域。爆発は、軍基地や兵舎から約100メートル離れたディヤルバクル中心部で発生。爆発した車両は、軍の車両がその近くを通った際に、遠隔操作によって爆破されたという。

トルコのテレビ局NTVは、死亡した4人の中には高校生も含まれている可能性があると報じた。

また、負傷者の中には、兵士と一般市民の両方が含まれているとの情報もある。(c)AFP

ディヤルバクル(Diyarbakir)とはどこだ?とGoogle Earth で探しました。

Up

一番近いシリア国境まで100キロぐらいです。決して国境の町ではありません。
本当にクルド民族がこのような事件を引き起こしてるのなら、内乱とも言えることでトルコ政府も苦しい対応になりますね。

シリア国境を拡大して見てみいたら、国境沿いに広いところだと数百メータもある無人地帯が整備されているのが見えます。
もちろん、街から出た道路も国境沿いの道に道で行き止まりです。国境が陸で接する国の大変さが見えました。

1月 4, 2008 at 09:17 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.03

ブット氏暗殺後のパキスタン情勢

CNN.co.jp より「内務省が頭蓋骨骨折の死因を「撤回」 ブット元首相暗殺

イスラマバード(CNN) パキスタンのブット元首相暗殺事件で、同国内務省のチーマ報道官は1日、死因は自爆テロの爆風で乗っていた車両のサンルーフのレバーに頭部を強く打ち付けたための頭蓋骨骨折としていた立場を修正し、最終的な判断は鑑識捜査の結果を待って下したいと述べた。

同報道官は事件から1日後の28日の会見で、死因は頭蓋骨の骨折と説明。しかし、内務省は当初、テロ実行犯の銃撃が死因としたが、その後、自爆攻撃の破片と訂正した経緯もある。

チーマ報道官は死因を頭蓋骨骨折とした根拠について、初期の捜査結果と死亡と宣言したラワルピンディ総合病院の医師の所見を挙げた。得られた事実を述べただけとも主張した。だが、同病院の弁護士はこの医師の所見に該当するような見解を政府に伝えていないと反論した。

元首相の死因については政治的な思惑も絡み、政府側とブット氏率いていた野党、パキスタン人民党議会派の主張が事件後から対立している。

事件発生直後に元首相の遺体をふき清めた側近は29日、頭部に銃弾痕があったと証言。この女性側近は事件時、襲われた車では元首相の背後にいた。出血する元首相を病院に搬送し、遺体をふいた時、銃弾痕が明らかに見てとれたと説明している。

ブット氏は銃弾を受けていないとする内務省の主張を、警備問題などで暗殺事件の責任を免れようとするまやかしの言動と糾弾していた。また、ラワルピンディ総合病院の弁護士は31日、地元警察が医師による死因解明の検視解剖を阻止したとの事実も明らかにしている。

これに対し地元警察の署長は検視を勧めたが、元首相の夫のザルダリ氏が反対したため実施されなかったと反論していた。

31日には事件発生の模様をとらえた新たなビデオ映像も判明、元首相の死因は銃撃だったことを「裏付ける」場面が含まれていた。

ブット氏暗殺はその後一連のかなり混乱した状態を生みだしています。

  1. ブット氏暗殺
  2. 銃撃後に自爆テロ
  3. パキスタン政府は、ブット氏は銃殺ではなく銃弾も無いと発表
  4. 政府は1月8日の総選挙の延期を発表
  5. 銃撃を撮影したビデオが公開
  6. 医師が政府発表の意見は述べていないとコメント

といったところが昨日の報道でしたが、野党側は当然のように「選挙延期反対」を強く表明していました。しかし、政府は総選挙を2月18日に延期すると発表しました。

朝日新聞より「パキスタン総選挙、2月に延期 英に捜査協力要請も

パキスタン選挙管理委員会は2日、8日に予定していた総選挙を2月18日に延期すると発表した。ブット元首相の暗殺による暴動で各地の選管事務所が襲撃され、正常な選挙ができないと判断した。ムシャラフ大統領は同夜、国営テレビで演説。「自由で公平で透明な選挙のために、延期は不可避だった」と理解を求めた。

ムシャラフ氏はブット氏の死に哀悼の意を表し、「イスラム過激派のテロリストの仕業だ」と明言。英国に捜査協力を求めたことを明かした。

選管のファルーク委員長は記者会見で、南部シンド州で11カ所の選管事務所が破壊され、投票箱の保管所が被害に遭ったと説明。1月中旬からイスラム教シーア派の祭礼行事アシュラが始まる。例年、この時期にスンニ派との宗派抗争が多発するため、アシュラの期間が終わってからの選挙日程を設定したという。

ブット氏暗殺を防げなかったばかりでなく、政府が暗殺に関与したと疑う声も広がり、ムシャラフ氏への批判が高まっていた。このため与党パキスタン・イスラム教徒連盟(PML)には延期を求める意見が出ていた。

一方、ブット氏が率いた野党パキスタン人民党(PPP)や、シャリフ元首相のパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PMLN)は、予定通り1月8日の実施を求めていた。

実際にブット氏暗殺のビデオを見ると銃撃犯人は短機銃を持って車の隣に居ます。
このようなところに銃を持ちこませた警備体制はブット氏自身が生前に問題にしていたことで、政府としては混乱の中で総選挙に臨むのを避けたとは言えるでしょう。しかし当然ながらブット支持者は「ブット氏地元に怒り パキスタン総選挙延期」(朝日新聞)となっています。

パキスタン総選挙が2月18日に延期され、暗殺されたブット元首相の地元カラチには失望や怒りが広がった。野党も一斉に批判しており、抗議デモなどが再び先鋭化する可能性がある。

一時はブット氏支持者と警官隊が衝突するなど緊迫したカラチ中心部サダル地区では2日、所々に銃を持った兵士や警官が厳戒し、以前のにぎわいも戻っていた。

時計修理工のファルークさん(52)は「全政党が納得する形で予定通りに総選挙を実施することでしか、平和と安定は戻らない。野党支持者が反発して状況が悪化するのは必至だ」と不安がる。

大学生のサイードさん(23)は「一体何のために延期する必要があるのか。これは大統領や政府のワンマンショーだ」と憤った。

抗議デモや襲撃を予期して早々に店じまいするところも。茶葉販売店を閉める支度をしていたフィダフサインさん(28)は「デモ参加者が店を襲うかもしれず、商売どころじゃない」と話した。

ブット元首相が率いていた野党パキスタン人民党(PPP)は、大量の「同情票」を期待して予定通りの選挙実施を求めていた。PPP幹部は民放テレビに「大敗しそうな与党が時間稼ぎのために延期させた」と批判。ただ、新総裁に選ばれたブット氏の長男ビラワル氏は「民主主義こそ報復の最良の手段」と述べていた。PPPは2日夜に幹部会議を開き、選挙への参加を決めた。

シャリフ元首相の野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PMLN)の報道官は、AFP通信に「参加するだろう」と述べた。同党は暗殺事件後、いったんは選挙の不参加を表明したが方針を撤回している。

なんとか無事に総選挙が出来ればよいのですが、インド洋沿岸の諸国の安定は中東とのオイルロートに大きく影響します。
パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコと不安定化しては世界的な大問題になるでしょう。
原油の先物価格はニューヨークで一時100ドルを突破しました。 ユーロだけが強く、円はもちろんドルも弱くなっています。今後は、ユーロを基軸に世界経済を見た方が正しのかもしれません。

年末でニュースも枯渇状態でネタに困っております(^_^;)
とは言え新聞などに倣えば「特集企画」に行くわけでして、複数のニュースを無理矢理並べてみました。

朝日新聞より「冷める米英、日本危機感 宇宙に迫る「ILC計画」暗雲
共同通信より「核計画申告遅れ「残念」 期限遅れで米国務省
AFP BB より「スペースシャトル「アトランティス」、1月の打ち上げ予定も再延期

これらはいずれも国際協力として日本が深く関わっている事柄ですが、様々な事情で当初の思惑通りに進まなくなってしまいました。
1960年代までの日本は敗戦国の位置づけであったと実感しますが、1980年代は世界から利益を受けるだけの国という感じで、1990年以降は「根拠無き国際協力が当然」であったのだろうと思います。

まもなく2010年代が始まるわけですが、上記のようなニュースを並べてみると、ふたたび国際協力よりも国家中心に戻るのではないか?と感じざるを得ません。

朝日新聞より「冷める米英、日本危機感 宇宙に迫る「ILC計画」暗雲

日本をはじめ欧米、アジア諸国が協力して進めてきた次世代粒子加速器・国際リニアコライダー(ILC)計画に暗雲が漂っている。
今月、米国が大幅に予算を削減し、英国も事実上の撤退を表明した。
計画に不透明感が増す中、日本の推進議員連盟(会長=与謝野馨・前官房長官)のメンバーは来年2月にも訪米し、関係強化を図る。

ILCは約30~40キロの直線トンネル内で光速に近い電子と陽電子を正面衝突させ、宇宙誕生(ビッグバン)から1兆分の1秒後という超高温・超高密度状態を再現。宇宙と物質の謎に迫る世界最高性能の加速器だ。
建設費は約8000億円。

日本では高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)や各地の大学が技術開発をしており、建設適地を検討したこともある。昨年結成された推進議連は「開発・調査に5年で総額200億円の予算確保」などの提言を盛り込んだ中間報告を今月3日に公表した。

しかし26日に成立した米国の08会計年度包括歳出法では科学技術関係予算が削減され、中でもILC関係は要求の4分の1の1500万ドル(約17億円)に圧縮された。08会計年度はすでにほぼ3カ月がすぎており、歳出法は残り9カ月の研究停止に等しい措置。国際設計チームは「深刻な事態」としている。

英国の公的研究資金分配機関の一つ、科学技術施設審議会も11日、08~11年の方針で「ILCに対する拠出を中止する」と発表した。08年に欧州で稼働する別の大型加速器(LHC)への集中などを理由に挙げている。

ILCのアジア側代表の野崎光昭・高エネ研教授は「米国の予算削減は政治要因の副次的結果であり、計画中止を意味しないと考える。日本はこれまで通り研究開発を進め、英米の一刻も早い復帰を願う」としている。

共同通信より「核計画申告遅れ「残念」 期限遅れで米国務省

【ワシントン30日共同】

米国務省は30日、北朝鮮が6カ国協議で合意した核計画申告の提出が遅れていることを「残念だ」とする声明を発表、「完全で正確なすべての核計画、核兵器、核拡散活動」についての申告を早期に提出するよう促した。

6カ国協議の10月合意文書には、核計画申告の期限は12月31日と明記されている。期限切れをにらんで出された声明は「北朝鮮が義務を果たせば、米国も6カ国協議の合意に基づいた義務を果たす」として、完全申告に向けた決断を北朝鮮に迫った。

声明は核計画申告とともに、北朝鮮が核施設無能力化作業のペースも落としているとして遺憾の意を表明。米国は今後も日本など他の協議参加国と連携し、北朝鮮に対しすべての核計画申告と無能力化作業の完了を促していくと強調している。

AFP BB より「スペースシャトル「アトランティス」、1月の打ち上げ予定も再延期

【12月29日 AFP】

米航空宇宙局は28日、1月10日に打ち上げを予定していたスペースシャトル「アトランティス」について、打ち上げの再度延期を発表した。

27日、シャトル計画責任者の会合を開いて問題解決の進ちょく状況を協議した結果、1月10日の打ち上げも「達成不可能」との結論に至ったと説明している。新たな打ち上げ日程は未定。

アトランティス打ち上げは、国際宇宙ステーションに欧州の宇宙実験棟を輸送するため。当初の打ち上げ予定は12月6日だったが、液体水素の燃料センサーの欠陥が見つかり、これまで数回にわたって延期されている。(c)AFP

日本では「国際公約だから」と言うと誰も反論できなくなるようなところがいまだにありますが、すでに「他国に迷惑が掛かろうが出来ないものは出来ない」といった政策決定が続々と出てきていることには注目するべきでしょう。

国際宇宙ステーション計画では、日本の実験棟は非常に大型のもので期待も大きかったのですが、すでにスペースシャトルの運航に期限が切られていて、さらにその実施すら怪しいとなると実験棟は出来ても実験は出来ないということも十分にあり得る事でしょう。

巨大プロジェクトとして他に有名なものには「国際熱核融合実験炉計画」がありますが、これはまるで海の物とも山の物とも分からないと言って良いので、国際宇宙ステーション計画すら止まるようではとても実現するとは思えません。

マクロに見ると、日本の国内政治でも同じですが「反対しにくいからドンドン話だけ大きくなった」と評価するべきなのでしょう。
全くの夢の段階では話を進めることが出来たが、いざ取りかかってみると、とてもではないが続けることが出来ない。
投資に見合う成果を得るためにはもっと現実的な規模の計画にするべきだ、となるのは必然で2010年代の国際潮流は「国際協力よりも国内事情の優先」に向かうのではないか?と考えるのです。

一方、世界の警察官役を自他とも認めていたアメリカの軍事力も国際協力無しには動かなくなってしまいましたから、国際紛争レベルではかなり不安定になっていくように感じます。

国家が例え反米的であってもそれなり安定していれば、戦争レベルの国際紛争にまでは拡大しないかもしれませんが、国家ではない集団が事実上の国家レベルの軍事力を持つと予想されますから、例えば海運が困難になる、石油のパイプラインが途絶する、といった戦争よりもひどい内乱や海賊行為といったことが出てくるかもしれません。

国際協力を無条件でアテに出来る時代ではなくなったとすると、国際平和こそが日本の経済の生命線であるという現実は非常に重いものになってきて、日本はどうやって生き延びるべきかという問題に直面するかもしれません。

1月 3, 2008 at 03:10 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.01.02

ケニアで全国規模の暴動

ケニアで2007年12月27日に大統領選挙がありましたが、その後に始まった混乱はすごいことになりつつあります。

AFP BB より、記事タイトル一覧

ケニア大統領選、独立以来初の政権交代なるか2007年12月27日
開票作業遅れるケニア大統領選、非公式結果では野党候補が優勢2007年12月29日
ケニア大統領選挙、開票作業の遅れから不正を疑う野党支持者らが各地で暴動2007年12月30日
ケニア大統領選、現職キバキ氏が再選2007年12月31日
大統領選めぐりケニア全土に広がる暴動、死者185人2008年01月01日
ケニア暴動で各国政府が渡航延期勧告2008年01月01日
ケニア大統領選をめぐる暴動で、死者251人に2008年01月01日
ケニア暴動、教会に避難していた35人が焼死2008年01月02日
大統領選後の暴動で住民7万人が避難、死者は300人超2008年01月02日

12月30日の「各地で暴動」といったニュースには驚きませんでしたが「住民7万人が避難」となるとただ事ではない、感じます。
それに、3日ぐらいでここまで拡大したのですからもう一段の拡大もあり得るでしょう。

ケニアは1963年にイギリスから独立して、近隣諸国がクーデター騒動などで政治的に安定しない中で長期間に渡って政治的に安定していたので、今回の騒動に驚いています。

1月 2, 2008 at 08:19 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.30

パキスタンからトルコまで

AFP BB より「パキスタン政府、総選挙延期の可能性を示唆

【12月30日 AFP】

パキスタン政府は29日、ベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相が自爆テロで死亡し、それに伴い全国的な暴動が発生したのを受け、来年1月8日に予定されていた総選挙が延期される可能性を示唆した。暴動により、これまでに38人が死亡し、53人が負傷した。

■PPPは30日に総選挙の参加・不参加を決定

欧米各国はパキスタン政府に対し、ブット元首相の死に伴う混乱の中でも民主化プロセスを進めるよう要請しているが、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML)のナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相はすでに総選挙のボイコットを表明している。

また、ブット元首相のパキスタン人民党(Pakistan People's Party、PPP)議会派は、総選挙の参加について30日に決定を下すと発表した。

■ブット元首相の死因をめぐり激しい論争

一方、ブット元首相の死因をめぐっては、激しい論争がわき起こっている。

PKKは、ブット元首相の死の真相を隠蔽しようとしているとして政府を非難。これに対し、同国内務省は同日、同元首相の死因についての説明は「真実以外の何ものでもない」と述べ、PKKからの要請があれば検視のために遺体を掘り起こすと言明した。

ブット元首相はラワルピンディ(Rawalpindi)で開かれた選挙集会の会場を離れようとした際、自爆テロに遭い死亡した。当初の報道や目撃者の証言では、爆発前に射殺されたと伝えられていたが、政府はブット元首相の遺体からは銃弾や爆弾の破片は発見されず、自爆テロ発生時に伏せようとした際、車両のサンルーフに頭をぶつけたことが死因になったと発表した。

PPP幹部はこの政府の説明を「でたらめ」と一蹴(いっしゅう)。ブット元首相の遺体洗浄を行った同元首相報道官のSherry Rehman氏は、「彼女の後頭部から貫通した銃創を見た」と証言し、「政府は真実を隠蔽しようとしている」と主張した。(c)AFP/Nasir Jaffry


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すごい展開になりつつあって、暗殺を企てたものが政治の混乱を狙ったのだとすると成功しつつあると言えるでしょう。
アメリカ側から見れば、パキスタンの政治的安定を確保しないと隣国アフガニスンタンの安定などあり得ないわけだし、さらにパキスタン・アフガニスタンと接するイランの反米的な姿勢にも悪影響が出る、と考えているでしょう。

しかし、トルコ軍はイラクに侵攻する様子を見せていて、アメリカはかなり抑える方向で動いたようですが、すでにトルコ国内の政治情勢がイラク領内に侵攻せざる得ないところまで来ているようです。

アメリカのシナリオは破綻したと言って良いでしょうが、ではこの地域の安定はどのような形で実現するのか?
大げさに言うと、近代国際社会の原理にまで戻るような騒乱がすぐそばに迫っているような印象すら受けます。

12月 30, 2007 at 11:23 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.16

国連で死刑制度廃止決議

朝日新聞より「死刑執行停止決議を採択日米などは反対国連総会委

欧州連合(EU)が主導し、87カ国が共同提案した死刑の執行停止を求める決議案が15日、人権問題を扱う国連総会第3委員会で賛成99、反対52、棄権33の賛成多数で採択された。死刑制度が存続している日本や米国、中国などは反対した。年内に総会本会議で正式に採択される見通し。決議に法的拘束力はないが、死刑廃止国の増加という世界的な潮流を改めて印象づけた形だ。

決議案は死刑制度の継続に「深刻な懸念」を示すとともに、制度が存続している各国に、(1)制度の廃止を視野にした執行の一時停止(モラトリアム)(2)死刑の適用の漸進的削減(3)死刑に直面する人の人権保護の尊重――などを要求。廃止国に対しても制度を再導入しないよう求めている。

同様の決議案はイタリアなどの主導で94年にも提出されたが、この時は小差で否決された。99年には、反対派の修正要求が通ったため、採決を断念した経緯がある。今回も、死刑制度の必要性を訴えるシンガポールやエジプトなどが段落ごとに修正案を出して抵抗したが、2日間の協議の末、原案通りで採択された。

日本の神余隆博次席大使は「日本では、国民の大半が最も悪質な犯罪には死刑を宣告すべきだと信じている。死刑制度の廃止に向かうことは難しい。死刑廃止に国際的な合意はない」と反対の理由を説明した。

この決議の元はこの記事です。
朝日新聞より「死刑執行停止求める決議案提出EUなど72カ国

イタリアなどが1日、死刑の執行停止を求める決議案を国連総会に提出した。人権問題を扱う第3委員会で月内にも採決される見通し。加盟192カ国のうち、提出時点で72カ国が共同提案国に名を連ねており、決議案作成を主導してきた欧州連合(EU)加盟27カ国は賛成多数での採択に自信を見せている。

決議案は死刑制度の継続に「深刻な懸念」を示すとともに、制度が存続している各国に、(1)制度の廃止を視野にした執行の一時停止(モラトリアム)(2)死刑の適用の漸進的削減(3)死刑に直面する人の人権保護の尊重――などを要求。廃止国に対しても制度を再導入しないよう求めている。

同委員会には94年、2000年までの死刑執行停止などを促す決議案が出されたが、小差で否決された。その後も死刑廃止国が増加しており、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルによると、死刑を10年以上執行しないなど事実上廃止している国を含めた死刑廃止国は133カ国。一方、死刑存続国は日米や中国など64カ国・地域だという。

要するに死刑制度を維持している国が少数派になっている、という事です。

アムネスティ・インターナショナルが死刑制度については以前から継続的に報告しています。
アムネスティ・インターナショナル日本・死刑廃止ネットワークセンターの記事「死刑に関する事実と数字」より

4. 死刑判決と執行

2006年中に、25カ国において少なくとも1,591人が処刑され、55カ国において少なくとも3,861人が死刑の判決を受けた。これらは最低限の数字というだけであり、実際の数字は確実にこれを上回る。

2006年においては、判明しているすべての執行の91パーセントが、中国、イラン、パキスタン、イラク、スーダン、米国で行なわれた。

入手した公の報告をもとに、アムネスティ・インターナショナルはこの年に中国で少なくとも1,010人が処刑されたと見積もったが、実際の数字はこれをはるかに上回ると考えられる。信頼できる筋は7,500~8,000人が2006年に処刑されたと示唆する。公式な統計は依然として国家機密であり、そのことが監視と分析を難しくしている。

イランは177人、パキスタンは82人、イラクとスーダンは少なくとも65人を処刑した。米国では12の州で53件の執行があった。

現在死刑を宣告され処刑を待つ人の世界的な数字を入手することは困難である。人権団体、メディアの報道、手に入る限られた公式な数字からの情報をもとに、2006年末時点で見積もられた数は19,185から24,646の間だった。

こんな事なので、死刑制度を維持することは国際的には非常に異端な感じになりつつあるようです。一方で死刑制度復活の意見が出ている国もあるようですが、けっこうデリケートな国際問題になりつつある、という証明でありましょう。

11月 16, 2007 at 09:49 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.11.08

ミャンマー・国連に反発

CNN.co.jp より「ミャンマー軍政、スー・チー氏交えた3者協議を拒否

ヤンゴン──ミャンマー軍事政権は6日、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏を交えた協議を拒否し、「大国のごう慢さ」に屈しない姿勢を強調した。
同国を再訪問したガンバリ国連事務総長特別顧問は、軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長との協議が実現しないまま、8日に出国する可能性が高くなってきた。

ガンバリ顧問はミャンマーの政治改革と、軍政および民主化勢力との和解を推進するため、スー・チー氏と軍政代表、自身の3者協議を提案していた。

軍政はスー・チー氏と対話する条件として、経済制裁の支持撤回を求めている。ただ、国営紙「ミャンマーの新しい灯」が情報当局者の発言として伝えたところによると、同氏はこの問題について軍政側に回答していない。

一方、潘基文国連事務総長は、ガンバリ特別顧問の再訪による事態進展がないことに懸念を表明。
潘事務総長は同顧問に対し、スー・チー氏との面会や、デモ制圧で拘束された仏教僧や学生らの釈放を実現し、民主化に向けた必要措置を実施するようミャンマーに圧力をかけるよう求めたという。

こうしたなか、国連人権理事会のピネイロ特別報告者(ミャンマー担当)は6日、軍政の許可を受けて、11日から5日間の日程でミャンマーを訪問すると発表した。ピネイロ氏の同国訪問は2003年以来。

ミャンマー政府は、ミャンマー国内の国連職員に対して外交官としての身分の更新の拒否などで事実上のを追放を始めていて、どんどんと鎖国状態になりつつあるようです。

中国との関係さえ維持出来れば国際社会に止まる理由はないといった感じなのかもしれません。
いまや何十年か前の北朝鮮並みの謎の国家になりつつあるところですが、中国政府の政策としてミャンマーが現状の方向であることを将来も是認すると必ずしも言えないのではないか?と感じます。
中国政府の庇護の元に現政権が、将来の中国政府の方針転換でミャンマーの政権転覆、国内争乱といったことも予想されるところで、かなり心配な要素でしょう。

国連がうまく状況をコントロールできるのかが、評価されるところかもしれません。

11月 8, 2007 at 09:29 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2007.11.06

パキスタン・戒厳令までの様子

東京新聞より「非常事態2日前決断かパキスタン大統領抗議の弁護士ら350人拘束

【イスラマバード=大場司】イスラマバードの情報筋によると、パキスタンのムシャラフ大統領が非常事態宣言を決断したのは、三日の宣言の二日前にあたる一日だったとの見方が強まっている。強権発動の準備は一カ月半前から本格化したとされ、綿密な計算で発動された可能性が高い。治安当局は五日、抗議行動の封じ込めを強化。宣言以来、野党支持者ら千五百人以上が拘束されたもようだ。

消息筋によると、ムシャラフ氏は一日にキアニ陸軍副参謀長ら軍側近との会合を開き、その場で非常事態の宣言を決めた可能性が高いという。前日には最大与党パキスタン・イスラム教徒連盟クアイディアザム派のフサイン総裁らとの会合が開かれていた。

ムシャラフ氏が最多票を得た十月六日の大統領選をめぐり、陸軍参謀長を兼任するムシャラフ氏の立候補資格を審理していた最高裁が、今月六日にも当選無効の判決を出す恐れがあった。

仮に最高裁が判決で当選を認めても、反政権的な姿勢を強める最高裁が、政権運営の障害になるのは確実な情勢だった。強権発動の準備は九月半ばから本格化していたが、反対する米国の圧力でムシャラフ氏は発動時期を慎重に見極めていたという。

地元メディアによると、東部パンジャブ州ラホールで五日、州高裁前に弁護士約二千人が集結して抗議行動を展開。警察当局との衝突で少なくとも二百五十人が拘束された。南部シンド州カラチでも弁護士が百人以上連行された。

一方、非常事態宣言後に解任され、自宅軟禁下にあるチョードリー前最高裁長官は四日夜、地元英字紙「ニューズ」の電話取材に応じ、「非常措置はすべて違法で違憲だ。神は最後に私の成功を祝福してくれるだろう」と述べ、政権と対決していく姿勢を強調した。

『大統領拘束』のデマ

【イスラマバード=大場司】非常事態宣言で事実上の戒厳令が敷かれたパキスタンの首都イスラマバードで五日、ムシャラフ大統領が「拘束された」「自宅軟禁になった」とのうわさが市民の間を駆けめぐった。

うわさは携帯電話などで瞬く間に広がり、昼食時の市民の話題を独占した。全く根拠のないデマにすぎないが、政府のメディア規制で国営テレビしか視聴できない状態が、うわさの拡大に拍車をかけたようだ。

国会議事堂周辺で取材していた地元民放テレビのイムラン・ラジャ記者は「衛星放送で国外では視聴できるが、国内では見られない。こんな不当な措置がいつまで続くのか」と怒る。

法曹団体による抗議行動を警戒して、国会議事堂や最高裁周辺は通行が全面禁止され、警察や軍の治安部隊が展開。警察官の一人は「これだけ警官がいれば、デモはできない」と語った。

だが東部ラホールなどでは抗議行動に集まった弁護士らを警察当局が次々と拘束。イスラマバードの弁護士は「当局も国際社会への体面上、首都では手荒なことはできない。地方ではやりたい放題だ」と指摘した。

ムシャラフ大統領はアメリカとの関係でもうちょっとうまくやるかと思っていたのですが、非常事態宣言でアメリカにも不安を強く与えるとは思いませんでした。

パキスタンはイスラム勢力では核武装を国際的に認められている唯一の国で、国際的に見て国内政治の安定を強く要請されていました。
政治の基本構造は、大統領と最高裁の政治的な対立のようで、政府と市民が衝突しているミャンマーとはまるで別だと思うのですが、それでも非常事態宣言でメディア規制などで同じような事になったと言えます。

その一方で、うわさ話が携帯電話で一気に広まるといったところは、現代社会そのもので強権発動の有効性も以前よりは遙かに無くなってしまったのではないでしょうか?

核保有国の政府が有効に機能しなくなるといったことは勘弁して欲しいのですが、その危険は高まりつつあると言えるでしょう。
注目している必要があります。

11月 6, 2007 at 11:25 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.04

パキスタンで戒厳令

サンケイ新聞より「パキスタンに戒厳令憲法停止、最高裁長官排除

パキスタン国営テレビによると、ムシャラフ大統領は3日、非常事態を宣言、現行憲法を停止し暫定憲法命令を発令した。
命令はムシャラフ氏が兼務する陸軍参謀長名で出され、事実上の戒厳令。
イスラム過激派による自爆テロなど、国内の治安悪化を理由にするとみられるが、大統領選の出馬資格をめぐる訴訟で同氏に不利な判決を出すと予想される最高裁の封じ込めが目的とみられる。

民放テレビやAP通信によると、首都の電話回線が不通となり、軍がテレビ局や最高裁の建物に展開、最高裁の執務室にいたチョードリー最高裁長官を排除した。大統領は3日夜、戒厳令について国民向けに演説するという。

約8年間にわたり権力の座にあるムシャラフ体制への反感は国民の間で強まっており、反発を呼ぶのは必至。抗議デモが頻発する事態も予想され、核保有国であるパキスタンの混乱で、テロとの戦いを同国と展開する米国をはじめ国際社会の懸念も強まりそうだ。

最高裁では10月6日に行われた大統領選での立候補資格をめぐる審理が継続中。暫定憲法命令により、裁判所の機能も停止もしくは縮小される可能性がある。非常事態はムシャラフ氏に批判的なブット元首相が国外に出たタイミングを狙ったとの見方もある。

ムシャラフ氏は10月6日に行われた大統領選で最多票を獲得したが、事実上の軍トップである陸軍参謀長を兼務したまま出馬したため、公職兼任者の立候補を禁じた憲法に違反するとして対立候補が提訴していた。

ムシャラフ氏は1999年のクーデターで実権を握り、暫定憲法命令に基づき大統領に就任。2002年に総選挙を実施して民政復帰したが、憲法改正で議会解散権を得るなどして大統領権限の強化を図ってきた。

気にはしていた気ですが、まさか非常事態宣言・憲法停止といったことになるとは予想外です。
10月の選挙で最多得票というか圧倒的多数だとされていて、いわば信任された事になるでしょうが、その段階で「立候補が憲法違反だ」となって、公式には立候補していないようです。
つまり選挙自体が公職選挙ではなく人気投票だったことになってしまう。

パキスタンの政治史は極めて複雑で、JICA(国際協力機構)の資料(PDF)に「政治史に見る内政の特徴」というのがあります。
近代史では何らかの形で軍が政治に関与してきた歴史が上記の資料で述べられていて、政治的なターニングポイントはクーデターばっかりです。

また、社会主義や中国の意向もパキンスタンの内政に大きく関わってきました。
核保有国でもあり、無事に大統領選挙の決着が付くことを願っていましたが、戒厳令になってしまいました。
注目する必要がありますね。

11月 4, 2007 at 11:34 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.21

核弾頭行方不明

CNN.co.jp より「将官4人を解任、戦略爆撃機による核弾頭ミサイルの空輸ミス

ワシントン(CNN)
米空軍のB52戦略爆撃機が今年8月、核弾頭付きの巡航ミサイル6基を積み米本土上空をほぼ縦断、核兵器空輸に関する国際条約違反の疑いも出ていた問題で、空軍は19日、出発地のノースダコタ州マイノット空軍基地などでの規則違反が原因として大佐3人を含む将官4人の解任を発表した。

6週間にわたる調査報告書を受けた措置。米空軍ではこれまで起きなかった前代未聞の不祥事で、ミサイル管理で本来実施すべき確認作業などが無視されていたという。

調査の責任者、ニュートン空軍少将は徹底的な再発防止策を速やかに打ち出すと述べた。ただ、あくまで例外的なミスだったとも説明している。

解任されたのは同基地、到着地のルイジアナ州バークスデール空軍基地の飛行隊隊長、機体整備・管理、作戦担当の将官ら。この不祥事発覚後、マイノット基地の飛行隊隊長が職を解かれている。

少将によると、マイノット基地ではまた、100人以下が兵器担当の資格をはく奪された。空軍は今後、報告書を受け、刑事立件などを検討する。

空軍によると、問題のB52戦略爆撃機は8月30日、廃棄処理が決まったミサイル6基をマイノット基地からバークスデール基地まで運搬した。これらのミサイルには核弾頭が装備されたままになっていたが、乗員らは気付かなかった。

空輸中に万一墜落などの事故が起きても、核爆発が起きる恐れはなかったとみられるが、放射能汚染などの可能性はあったとされた。

この問題は、結局は小説や映画の中だけと思われていた「核兵器の盗難」が現実に起きた事になるわけですね。
だから大騒ぎになっている。

それにしても、

  1. 廃棄処理が決まったミサイル6基をマイノット基地からバークスデール基地まで運搬
  2. これらのミサイルには核弾頭が装備されたままになっていた

というのはいささか以上に意外でした。

今まで核兵器を積んだまま墜落事故を起こした例の紹介では「核物質カプセル」といった言葉や、「弾頭」という言葉が出て来ているので、核戦争の危険が少ない現在ではミサイルと核弾頭を分離して管理しているのが通常だろう、と思っていました。

それが「廃棄予定のミサイルに核弾頭が付いていた」とのことですから、ビックリです。
こんな観点からも大騒動になっているのでしょう。

10月 21, 2007 at 09:42 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.20

ロシアの爆撃機基地

NHKニュース(動画)より「ロシア 長距離爆撃機基地公開

公開されたのは、ロシア南部サラトフ州、エンゲルスにある国内最大の長距離爆撃機の軍事基地です。

この基地では、長距離爆撃機の離発着の訓練が昼夜を問わず繰り返し行われていました。
この基地を離陸した爆撃機は、北極海を経由してイギリス北方の沖合まで13時間かけて往復します。
このほか、ロシア各地の空軍基地でも長距離爆撃機が24時間態勢でパトロール飛行を再開したということで、アメリカに並ぶ、軍事大国ロシアの復活を内外に印象づけるねらいがあるものとみられています。

これに対して、イギリス空軍の戦闘機がことし8月、スクランブル発進するなど、欧米では、ロシアが冷戦時代のように軍事的な緊張を高めているという批判が強まっています。
ロシア軍としては、異例の軍事基地公開で透明性をアピールして欧米の批判をかわす一方で、ロシアが軍事的な存在感を着実に回復しつつあることを示すねらいもあるものと見られます。

さっそくGoogle Earth で見に行きました(^_^;)

Up_2

ちゃんと大型爆撃機ツポレフ TU160 が居ますね。
もっとも、滑走路一本だけなのでそれほど巨大基地とも言えませんが。
測ってみると、滑走路の長さは3500メートル、基地全体としては一辺が20キロの三角形のようです。
北緯51度28分45秒、東経46度12分52秒あたりです。

ボルガ河沿いで、河幅が広いところでは10キロぐらいあります。

Google Earth はすごいなあ。

10月 20, 2007 at 11:10 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.29

ミュンマー争乱3日目・鎖国に

大紀元日本より「ミャンマー:抗議デモの発端に、反中共の声

【大紀元日本9月28日】ミャンマー僧侶が主導した抗議デモは拡大しつつ、僧侶と民衆も参加したが、僧侶や日本人カメラマンを含む9人の犠牲者を出す最悪の事態に発展した。
外国メディアの分析によると、10数万人の大規模な平和的抗議はミャンマー軍事政権にとってこの10年来の最も劇的な抗議活動であり、民衆がミャンマーの経済が中共(中国共産党政権)の影響を受け、搾取されているのを意識したことの現れであると指摘した。

UPI通信は、今回の大規模な抗議に経済的要素が指摘した。特に、ミャンマー政府は先月、石油の値段を5倍も上げた。托鉢で生活する僧侶にもこの問題は深刻であり、これまで5、6世帯で僧侶1人の供物を賄えたが、現在は20世帯も必要だからだ。

抗議活動の発端に、反中共の声

抗議活動の兆しは以前からあった。
最初の兆しは今年2月で、中共が国連安全保障理事会でミャンマー軍事政権を制裁する決議案を否決した後のことである。
いわゆる「青年僧侶連盟(Young Monks Union)」と名乗る団体はミャンマーのインド国境に近接するアラカン州で宣伝チラシを配り始めた。
中共の否決に抗議した上、中国製品を排斥することを求めた。この地域には、豊かな石油と天然ガスがある。

また、別の抗議チラシには、ミャンマーの石油と天然ガス開発で中共はミャンマーを搾取していると抗議する内容があった。
中共は現地の住民を雇わず、中国から労働者を供給し、不満を募らせた地元農民らは、中共所有の天然ガス会社の事務所を攻撃したという。

ミャンマー・アラカン州の主要都市シットウェ(Sittwe)で、中国雲南省に直通する新しい港が中国資本で建設が進んでいる。この港は将来、海軍基地としても使用できるように開発を進めており、鉄道と道路は勿論、石油輸送管も整えおり、石油と天然ガスを中国に輸送できる。
この港は、従来のシンガポール・マラッカ海峡を通らず、石油輸送船はペルシャ湾からシットウェに直航できる。 そのため、この地域は、ミャンマー軍事政権を抗議する焦点なのである。

Up

シットウェで先週、ミャンマー軍事政権に対する抗議活動があった。現場の警察官は、デモの僧侶に武力弾圧という上層部の命令を拒絶した。
最後に軍事政権は軍隊に出して催涙弾を使用して、威嚇発砲してデモ隊を追い払った。

インドの時事研究センター( Institute For Topical Studies)主任インド政府内閣官吏ラマン氏(B. Raman)は今年8月19日、南部ミャンマーと中部ミャンマー地域では弾圧される学生と僧侶の抗議デモは軍事政権だけに反対しているのではなく、中国共産党にも反対していると指摘した。
大量の中国人エンジニアと労働者を駐在させている石油と天然ガス開発地区では、このデモ活動が多くの民衆の支持を獲得している。

中共はアフリカでも類似する問題に起こしている。中共は、スーダンで多額の石油投資をしたが、スーダンの人権保護に注力せず、国際社会の強烈な反発を引き起こした。
中央アフリカ地区の投資は更に広範囲な強烈な反対を招いた。
特に、ザンビアで,野党の愛国前線は昨年、ザンビア選挙で、中共に反対する政治綱領を宣言した。

ミャンマーにおける中共勢力の存在は、更に複雑な事情がある。
それは中共がシットウェで開発しているベンガル湾海軍基地であるこの基地に対してインド側は懸念を抱いている。
中共がインド西側のパキスタンで建設したグワダール港(Gwadar )海軍基地と同様に、インド国防の不安材料となっている。

今度の僧侶、尼僧が参加する抗議の重要性の一つはこのデモが、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏との連合に発展したことを挙げられる。
ミャンマー軍事政権は、僧侶と市民や学生、アウン・サン・スー・チー氏が団結した抗議活動に直面し、日に日に高める愛国主義と反中国共産党の感情が絡み合い、その上石油価格の高騰によりもたらされた苦しい経済状況で、ミャンマー軍事政権は窮地に追い込まれた。

ミャンマーは1962年から軍事政権によって支配され、独裁者のネ・ウイン氏が1988年に民主運動で退陣し、軍事政権は1990年に総選挙を行ったが、国民の支持を得たアウン・サン・スー・チー氏に権力を渡すことを拒絶した。過去18年で、同氏が自宅に軟禁されたのは通算で約12年になる。

かつて東南アジアでは最も豊かな国家ミャンマーは今や、国民の平均年収は200ドルの世界で最も貧しい国の1つである。
政府はここ数年、経済を開放し、近隣の中国、インドとタイが狙っている大量の石油と天然ガス貯蔵区の採掘権が、軍事政権の支えとなっている。

大紀元をご存じの方はさすがに少ないと思いますので、ちょっと説明しますと反中国共産党新聞で、各国語で中国共産党批判記事を配信しています。
内容が化なり分析的で、今回の記事も中国がミャンマーの西海岸に新港を建設中というものです。

Google Earth で見ると、Sittwe はイギリスが建設した港湾都市というか植民都市であることが良く分かります。
現在の港のさらに奥にどう見ても新しい建物の整った港があって、これが新港かと思いますが、地上部を見ると、Sittwe の街から隔絶していて、軍事基地でないかと思われます。

先ほどのNHKニュースでは、ミャンマー政府(軍事政権)はインターネットの接続を切ったとのことでした。
日本大使館はミュンマー国内の日本人に対して「出国を検討するように」と促しているそうです。

すでに、報道関係者は入国できないために殺害された長井さんは観光ビザでミャンマーに入国していますが、インターネットの接続を切ったとなるとすぐに国際電話の制限になるでしょう。
つまりは21世紀の鎖国に向かうと思われ、国際社会との普通のつき合いを促すためにも、国連に主導による制裁にならザルを得ないのではないか、と思います。
これについては、中国の決断が大きいのですが、中国も来年のオリンピック、2010年の万博と国際社会に合わせざるを得ない要素が大きい、という指摘もあります。

9月 29, 2007 at 01:30 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.09.28

ミャンマー・邦人死亡しかし不明な事が多い

ミャンマーでフリーカメラマンの長井健司さんさんが取材中に銃撃を受けて死亡したようですが、今ひとつ状況がはっきりません。
報道では何時頃の事件なのか伝えられていませんが、2007/09/27の夕方頃であったようです。
ヤンゴンなどでは夜間外出禁止令が出ていて、この時間帯を無視したデモがあったという情報もありますが、今ひとつはっきりしません。

ひどいのは日本の外務省で、HP上にもなんの記事もありませんし、そもそも長井さんについての政府の説明は、町村官房長官が述べたものに止まっています。

AFPBBより「ミャンマーの反軍政デモ、日本人を含む9人が死亡

【9月28日 AFP】ミャンマーの国営メディアによると、27日の同国の軍事政権による大規模な反軍政デモに対する武力鎮圧で、日本人男性を含む9人が死亡した。また国営メディアは、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Ky)さんが所属する同国最大野党、国民民主連盟(National League for Democracy、NLD)を騒乱を扇動しているとして非難した。

27日午後にテレビで放送された速報では、女性1人を含むデモ参加者11人が負傷し、治安部隊側も31人が負傷したという。

国営メディアは「デモ参加者は、治安部隊に対しレンガや棒、ナイフなどを投げつけ、治安部隊は威嚇射撃を行わざるを得なかった」と報じた。さらに、26 日にも1人が死亡し3人が負傷したことも報じられたが、匿名の政府高官らから伝えられた3人の僧侶の死亡については言及はなかった。

死亡した日本人は、東京都港区に本社を置く独立系ニュースプロダクション「APF通信社(APF News)」所属の映像ジャーナリスト、長井健司(Kenji Nagai)さん(50)であることが同社によって確認された。国営メディアによると、長井さんはビデオカメラを所持しており、観光ビザでミャンマーに入国していたという。報道ビザは軍事政権が発行禁止の措置を取っている。

国営メディアは、NLDを10日間にわたる一連の反軍政デモに金を払って人々を参加させ、騒乱を扇動しているとして非難。また、同党のMyint Thein広報官とHla Pe議員がほかの政党メンバーとともに拘束され取調べを受けていることを明らかにした。NLD関係者によると、2人はそれぞれ夜間に家宅捜索を受け拘束されたという。

また、国営メディアは、国外に亡命しているメディア関係者に対しても騒乱を引き起こしているとして非難するとともに、国民に対し「外国から雇われている」勢力からの情報に注意するよう警告している。ミャンマーでは、亡命者からの目撃情報や写真、ビデオ映像などが、同国内での出来事を世界に伝える上で重要な役割を果たしている。(c)AFP

21世紀どころか19世紀の話ではないのか?と思うほどの鎖国状態を目指しているとしか思えない情報です。
中国に対しては国際世論は影響力を行使するように働きかけていますが、ミャンマーの軍事政権がまともな外交姿勢がないためか中国も簡単には説得できる状況ではないようです。

朝日新聞より「中国が「工作組」派遣 自制働きかけへ ミャンマー

中国政府は27日、ミャンマー情勢の緊張を受けて、中国外務省の当局者を中心とする「工作組」をヤンゴンに派遣した。
中国筋が明らかにした。工作組はヤンゴンで軍事政権の当局者と面会し、これ以上の犠牲者を出さないよう自制を働きかけるとみられる。

胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席や温家宝(ウェン・チアパオ)首相の「特使」としなかったことについて、同筋は「特使とすると、タン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長ら軍事政権の指導部との会見を設定しなければならない。いまの混乱状態では困難と判断し、工作組として送り出した」と説明した。

中国が特使を送り込めないミャンマーとはどういう状態なのでしょうか?
日本から報道陣は入っていないようで、APやAFPなどが僅かに写真やビデオを送ってきていますが、組織的な報道は出来ていないようで27日の「9人死亡」というニュースもニュースサイト毎に少しずつ違っていて、本当はどういうことなのかが分からない状態です。

日本政府は長井さんの死亡についてミャンマー政府に抗議するとしていますが、それ以外の制裁については「行わない」と述べた様子です。
果たして、現時点でこれは正しい判断なのか疑問があります。今後事態が急展開した時に対応できるのか?主に外務省の責任は大きいと思いますが、日本にとって外務省はここ一番で本当に国益を損ねてきた、という印象がわたしにはあって「今回もか?」とも思うところです。

9月 28, 2007 at 10:12 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.27

ミャンマー・国連での国際政治問題が顕在化?

ミャンマーの軍事政権に反対する僧侶のデモが大規模になって死者と負傷者多数が出たと報じられ、国連も動きを見せています。
国際政治の問題になりつつあります。

CNN.co.jp より「僧侶らのデモ隊に発砲、死者の情報 ミャンマー軍政

ヤンゴン──仏教僧主導の反軍事政権デモが続発するミャンマー政局で、僧侶らが前夜に布告された集会禁止令などを無視し旧首都ヤンゴンのシュエダゴン・パゴダ(仏塔)付近で26日、デモ行進を新たに実施した。ヤンゴンでは9日連続の抗議デモ。

これに対し、警官隊はデモ隊を解散させるため仏教僧らに威嚇発砲し、催涙ガスも発射。タイに本部があるミャンマーの反軍政グループはCNNに対し、衝突で少なくとも1人の僧侶が死亡、市民3人が負傷した、と述べた。

この事実の真偽は不明だが、ミャンマー内の活動家の証言としている。別の仏塔に結集していたデモ隊にも発砲、死亡者が出たとの情報もある。

反政府感情の高まりを懸念し、国民の尊敬を受ける僧侶の弾圧はこれまで避けてきた軍政が強硬路線に転じたこともうかがわせる。
軍政の人権侵害などを批判する欧米諸国が威嚇発砲、デモ規制に反発するのも必至となっている。
26日のデモは収まったとみられるが、27日以降の僧侶、軍政の動向が極めて注目される重大局面となってきた。

シュエダゴン・パゴダでは、僧侶、活動家ら多数が逮捕された。警棒で殴打される暴力も受けたという。行進に参加していた僧侶、市民らの数は不明。

軍政は25日夜、午後9時から午前5時までの外出禁止令を布告、5人以上の集会も禁止した。26日の実力阻止はこれに基づくものだ。

AP通信によると、同パゴダ周辺では仏教僧や支持者200人近くが排除を狙う警官隊に追跡され、一部は混乱の中で倒れる騒ぎとなった。治安当局はパゴダ入口に有刺鉄線を張り進入を阻止したが、デモ隊はこれを突破する動きも一時見せた。警察のオートバイが焼かれたとの情報もある。

デモ隊には、仏教僧と学生、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏率いる野党・国民民主連盟のメンバーなどが加わっていた。シュエダゴン・パゴダから市内中心部の別のパゴダに向かったが、軍のトラックに阻止された。

CNN.co.jp より「ミャンマー情勢で国連安保理の緊急招集を要請、英首相

イングランド・ボーンマス――政府批判の仏教僧らと軍政の対立が深まるミャンマー(ビルマ)情勢で、英国のブラウン首相は26日、国連に対し安保理の緊急招集を求め、事態悪化の防止に努める特使を早急に派遣すべきだとの考えを示した。

与党の労働党大会が開催されているボーンマスで記者団に述べたもので、デモ多発を受け外出禁止令、集会禁止などを打ち出した軍政の対応を踏まえ、「今後数日間の情勢の注視が極めて重要」と事態の悪化を懸念、早急な対応策を求めた。

また、欧州連合(EU)の閣僚級会議が招集され、ミャンマーへの制裁策延長を協議する方針を明らかにした。

今回のデモ隊には、仏教僧と学生、政治改革運動指導者でノーベル平和賞受賞者のアウン・サン・スー・チー氏率いる野党・国民民主連盟のメンバーなどが加わっているとされる。自宅軟禁中の同氏の亡き夫は英国人で、英政府はスー・チー氏の処遇問題でミャンマー軍政を一環して批判してきた。

読売新聞より「ミャンマー緊迫で国連安保理、非公式の緊急会合

【ニューヨーク=白川義和】国連安全保障理事会は26日、ミャンマー情勢の緊迫化を受け、同日午後(日本時間27日未明)に緊急の非公式会合を開くことを決めた。

安保理筋によると、ガンバリ国連事務総長特別顧問による情勢報告の後、ミャンマー軍政に自制などを求める報道機関向け声明を発表する方向で調整が進められている。

一方、米国と欧州連合(EU)は26日、安保理が「制裁を含むさらなる措置」を検討することを求める共同声明を発表した。米英などが近く制裁決議案を提案する可能性もあり、ミャンマーへの圧力強化に反対する中国、ロシアなどとの対立が予想される。

日本は1988年の軍事クーデータによる現政権(軍事政権)を素早く承認していますが、イギリスなどはアウン・サン・スー・チー女史の軟禁といったことに反対し、またミャンマーの軍事政権自体が首都の移転などについても海外に情報を明らかにしないこともあって、ほとんど唯一の友邦が隣国中国となっています。

中国から見ると、ミャンマーの西海岸はアンダマン海・インド洋に繋がる軍事的要衝と言えます。
ミャンマー国内の動向も重要ですが、今回の事件をテコに米英と中国との争いにどういう影響が出てくるのか、といった面からも注目するべきでしょう。
もちろん、その間に立つ日本の立場も大問題です。

9月 27, 2007 at 09:57 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2007.09.26

ミャンマー2大都市で夜間外出禁止令

「ミュンマーの10万人デモ」の続報です。
CNN.co.jp より「軍政の警告無視し仏教僧らがまた抗議デモ、ミャンマー

ミャンマー(ビルマ)・ヤンゴン――緊迫化しているミャンマー情勢は25日、仏教僧らが政府の警告を無視し、最大都市ヤンゴンなど2都市で反軍政の抗議行進を新たに実施した。市民も合流したとみられている。

参加僧侶の規模拡大などに危機感を持つ軍政は24日、放送を通じて内外の勢力に扇動されたとするデモ隊への対抗措置の可能性に言及、強硬策に出ることも示唆した。
国民の尊敬を受ける僧侶を弾圧すれば国民の反発をさらに煽ることから軍政当局はこれまで慎重姿勢を示してきたが、双方が衝突する事態も否定出来ない段階に入ったとも言える。

AP通信によると、ヤンゴンでは数万人規模の僧侶が市内中心部にあるシュエダゴン・パゴダ(仏塔)周辺に結集、行進を始めた。
支援する市民ら数千人がこれを声援するなどした。
行進は現地時間の午後5時ごろ終わったという。
ヤンゴンでの抗議の行進は8日連続となった。
第2の都市マンダレーでも約700人が行進した。
このほかの都市でも行進が発生したとの情報がある。

一方、軍政側は政府支持の集団がトラックに乗ってヤンゴン市内を巡回、大規模な集会は不法と僧侶らをけん制している。

反軍政デモは、8月中旬の燃料値上げがきっかけになったもので、これまで100人以上が拘束されている。
軍政が僧侶のデモに暴行を加えたこともあり、若手の僧侶が抗議行動の最前面に立つ形となった。

Up

マンダレーの位置を追加しました。
マンダレーは Google Earth ではっきりと見える立派な王宮がある古都で、イギリスに占領された時の首都でした。
人口についての情報がはっきりしないのですが、ザッと90万人ぐらいのようです。ヤンゴンとマンダレーでミャンマー全体の人口の10%は確実に超えるようで、そこでデモが起きたとなると次の段階に進むと考えるべきでしょう。

ヤンゴンに夜間外出禁止令 ミャンマーより「ヤンゴンに夜間外出禁止令 ミャンマー

ミャンマー軍事政権は26日、燃料費の引き上げなどに抗議する僧侶らの反政府デモを抑えるため、デモが盛り上がりをみせている旧首都ヤンゴンと第2の都市マンダレーに夜間外出禁止令を発令した。また、5人以上の集会禁止も改めて指示。軍政は平和的な僧侶らのデモに対し実力行使を控えてきたが、今後デモの弾圧に乗り出す可能性もある。(時事)

現在のミャンマーはある種の鎖国状態で、報道のほとんどがバンコックなどからになっています。
まして、首都であるネーピードー市からの情報が全く無いので軍事政権の動き自体も分からない。
いわば「明日何が起きるのか判らない」といった感じです。

9月 26, 2007 at 10:55 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.09.25

ミュンマーの10万人デモ

読売新聞より「ミャンマー僧侶デモ10万人に、軍政が「強硬措置」警告

ミャンマーの僧侶による反政府デモは24日、最大都市ヤンゴンで10万人以上が参加し、1988年の民主化要求運動以来最大の規模となった。

一方、軍事政権は、同日夜の国営放送で、デモを先導する僧侶に対し強硬措置で臨むことを初めて明らかにし、これ以上のデモ拡大を容認しない姿勢を示した。
今後、軍政による僧侶の拘束も予想され、情勢は一層の緊迫局面を迎えた。

在ヤンゴン消息筋によると、トゥラ・ミン・マウン宗教相が24日、同国仏教界で最も権威のある高僧らと面会。「抗議デモは高僧の教えに背くもので、矯正されないのであれば(軍政が)法に基づいた措置を取る」と説明し、高僧は了承したという。
また、「国民は(犠牲者が出た)88年の再来を望んでいない」とも述べ、現段階では、僧侶に対し直接武力を行使する考えがないことも示したという。

同筋によると、ヤンゴンではこの日、僧侶と市民らが、NLD(国民民主連盟)本部事務所前や、88年の民主化運動の舞台となり現在は封鎖されている大学付近などを行進、中心部の幹線道路の交通はマヒ状態に陥った。女優ら国内の著名人も駆けつけ、僧侶に食糧や水を寄付。
参加した市民の一部は涙を流しながら民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(62)の解放を訴えた。

スー・チーさんが書記長を務めるNLDのメンバーの一部もデモに参加。軍事政権の治安当局はデモに対し直接の鎮圧行動を控え、デモも24日夕には平穏に終了したが、ヤンゴン市内では事態緊迫化を受け、警備態勢が着々と強化されている。
軍政は近く、新首都ネピドーで会合を開き、デモへの対策を協議する予定だという。

外務省・各国地域情勢より

5.内政

(1)1988年、全国的な民主化要求デモにより26年間続いた社会主義政権が崩壊したが、国軍がデモを鎮圧するとともに国家法秩序回復評議会(SLORC)を組織し政権を掌握した(1997年、SLORC は国家平和開発評議会(SPDC)に改組)。

(2)1990年には総選挙が実施され、アウン・サン・スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したものの、政府は民政移管のためには堅固な憲法が必要であるとして政権移譲を行わなかった。  総選挙以降、現在に至るまで、政府側がスー・チー女史に自宅軟禁措置を課す一方で、同女史は政府を激しく非難するなど、両者の対立が続いてきた。2003年5月には、スー・チー女史は政府当局に拘束され、同年9月以降、3回目の自宅軟禁下に置かれている。

(3)2003年8月、キン・ニュン首相(当時)が民主化に向けた7段階の「ロードマップ」を発表し、その第一段階として、憲法の基本原則を決定するため国民会議を開催する旨表明した。同年5月、国民会議が約8年ぶりに再開され、継続的に審議が行われている。

(4)2004年10月、キン・ニュン首相が更迭され、ソー・ウインSPDC第一書記が首相に就任。

(5)2005年7月、ニャン・ウイン外相は、ASEAN外相会議(於:ラオス)の際、現在進行中の国民和解と民主化のプロセスに集中したいため、2006年のASEAN議長国就任を見送る旨発表。

(6)2005年11月7日、ミャンマー政府は、首都機能をヤンゴンからピンマナ県(ヤンゴン市の北方約300キロメートル)に移転する旨発表。2006年3月頃までに政府機関は概ね移転を終了し、移転先はネーピードー市と命名された。

ミャンマーの人口は5322万人(外務省)で旧首都のヤンゴンは人口集中で450万とも500万以上とも言われています。
そこで10万人規模のデモですから大事件ですが、ミャンマーが現在の軍事政権になってからのいきさつは毎日新聞の「ミャンマー:民衆デモ拡大 軍事政権の「裏切り」に怒り」に詳しい記事があります

ミャンマーで反軍事政権デモが急激に拡大した背景には、アウンサンスーチー書記長率いる最大野党「国民民主連盟」(NLD)が圧勝した90年の総選挙結果を軍事政権が無視し、権力の座に居座り続けて国民を抑圧してきたことへの怒りが根底にある。軍事政権が「(必要に応じた)行動を取る」と警告したことにより、両者の対決構図が強まり、緊張が一気に高まってきた。

最大都市ヤンゴンでのデモには、これまで様子を見ていた多くの市民たちも続々と参加し、88年の民主化要求デモ以来前例のない10万人規模となった。軍事政権側が直接介入に出ないことが市民らの結集を招いた。

急速にデモ参加者が拡大した最大の理由としては、長年にわたって国民が抱いてきた軍事政権への嫌悪感がある。

  1. 88年3月の学生デモを機に全国に広がったゼネストに対し、国軍は9月、クーデターを決行して全権を掌握。デモ隊への無差別発砲で1000人以上の死者が出た。軍事政権は総選挙実施を公約した。
  2. 90年5月の選挙ではNLDが8割以上の議席を得て圧勝した。だが、軍事政権は「新憲法制定が政権移譲の前提」として選挙結果を拒否した。
  3. 軍事政権は93年1月に新憲法の原則を審議するための国民会議を設置したが、たびたび長期休会を繰り返し、会議がようやく終了したのが今月3日だった。

一連のデモは国民会議終了と前後するように起きた。軍の権力維持を担保した条項がちりばめられた新憲法の制定手続きに、国民の多くが何の期待もしていないことが示されている。

一方、前日まで今回のデモを一切報じなかった国営メディアは、デモ激化を受けた24日夜、軍事政権の「警告」を伝え、デモのさらなる拡大をけん制した。

軍事政権は昨年10月にヤンゴンから中部ネピドーへの首都移転を発表した。その主な理由は、今回のような事態の発生を警戒してのことだ。
ヤンゴンで大きな混乱を招いても、治安を確保しやすい山間部に首都を移しておけば、権力維持は可能だとの戦略がある。
最高権力者のタンシュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長ら政権幹部は、ネピドーで事態を注視しながら対応策を検討しているとみられる。

新首都はミャンマーのほぼ中央部の旧都マンダレーと南の旧首都ヤンゴンとの間に位置します。

Up

Google Earth で新首都近辺25キロ四方を見てみると、かなり大規模な開発が行われているように見えますが、街ではなくて施設が道路から奥まって配置されているまるで軍事施設のような感じです。

88年以来の大規模な反政府運動になるかもしれません。

9月 25, 2007 at 09:31 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.09.27

北朝鮮に遠心分離器?

サンケイ新聞より「カーン博士、北に遠心分離機 パキスタン大統領が認める
パキスタンのムシャラフ大統領は25日に発売された新著「イン・ザ・ライン・オブ・ファイア(非難にさらされて)」のなかで、北朝鮮の核専門家がミサイル技術者を装って、パキスタンの核開発の父とされるカーン博士の研究所を訪れ、遠心分離機に関する「秘密の説明」を受けていたことを明らかにした。

さらに、同博士が北朝鮮にウラン濃縮のためのP2型と呼ばれるより性能の高い遠心分離機など約20基を提供していたことを認めた。
大統領が著書でこのような情報を公開するというのは驚きです。
パキスタンのカーン博士が核拡散に大きな役目を果たしたのは確かなようで、北朝鮮が接触していても不思議ではありません。
それが遠心分離器を提供しているとなると、これは別問題でしょうね。

朝鮮半島情勢がどうなるのかは個人的にはだいぶ以前から注目しています。

北朝鮮は、経済的にも政治的にも極めて困難な状況で、すでに崩壊過程に入ったと思います。
直接国境を接しているのは、中国・ロシア・韓国で特に中国と韓国が色々と対北朝鮮政策を具体化していますが、中国は昨日も北朝鮮国境の長白山(白頭山)付近で旅団規模の実弾演習をしたと発表しています。

2008年の北京オリンピックが終わるまでは中国政府としては国内外の争乱を抑える政策をとるでしょうが、オリンピック以後は政治課題として抜本的な解決策に出る可能性が高いと思います。

中国から見て北朝鮮の安定化のために、北朝鮮に武力進駐するのはアリではないか、と考えています。一方、アメリカも北朝鮮に直接侵攻する可能性が皆無では無いでしょう。

こんな本が出てくると、アメリカの強硬派が北朝鮮侵攻を主張するかもしれません。

9月 27, 2006 at 09:11 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.14

テロとはなんなのさ?

毎日新聞より「ギングリッチ前下院議長:「第三次世界大戦の様相」指摘
08年米大統領選に共和党から出馬が取りざたされているニュート・ギングリッチ前米下院議長は12日、当地で外国人記者団と会見し、イラクでの対テロ戦争やレバノン情勢など世界の紛争について「第三次世界大戦の様相を呈している」と指摘、テロに対抗するため国際社会が結束する重要性を強調した。

ギングリッチ氏は記者団に「すべての文明国家はテロ根絶にあたり『中立』でいることはできない」と強調した。テロ集団との交渉を「子供じみた空想」と退け、「今後20年は厳しい状況が続く。問題は文明社会がテロリズムを打ち砕くだけの系統的な戦略と組織を構築できるかどうかだ」と指摘、国際社会がテロ掃討で共闘する必要性を訴えた。
ようするに『テロ』=「ナチズム」といった意味合いなんでしょうか?
一般には「テロ」とは行為をさすのだと思います。
行為のない者や集団を「テロリスト」、「テロ集団」と名付けるのは無理があるでしょう。

さらにそれに対して「第三次世界大戦」とは、テロ行為の撲滅は目指すところであっても、その解決が武力対決しかないというのは、あまりに薄っぺらでちょっと受け入れがたいですね。

イギリス(政府)とIRAの争いはテロそのものでしたが、現在は交渉によって平和的に武装解除されたはずです。

いくら何でもこれで大統領候補というのは無理だろうと思うのです。

8月 14, 2006 at 11:19 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.04.23

ネパール・王政廃止に向かうか?

読売新聞データベースからネパールの国王暗殺以来のニュース・タイトルを集めてみました。
2001年6月にネパール王室で皇太子が国王はじめほとんどの王族を銃撃し、自殺を図るという事件がありました。
国王を射殺した皇太子は脳死のまま後継者として国王に即位しその後に死亡します。
新国王には皇太子に射殺されたビレンドラ国王の弟のギャネンドラが新国王に即位します。
射殺事件が6月1日で6月4日にギャネンドラが国王即位ですから、ネパール王室では4日間で射殺されたビレンドラ前国王の葬儀、銃撃した皇太子ディペンドラの即位、ディペンドラの葬儀、現在の国王ギャネンドラの即位と4つの儀式があったことになります。
当時も今もこの銃撃・暗殺事件は銃撃した皇太子が死亡していることもあって、色々の推測や疑問があって政治的な不安定要因でした。

2001年6月の皇太子による国王銃撃事件の記事です。
  • 2001/06/02 ネパール国王夫妻ら殺害 皇太子が銃撃、自殺か 王族十数人も 王宮内晩さんで
  • 2001/06/03 ネパール王宮銃撃事件 皇太子、脳死のまま国王即位へ 故国王実弟が代行に就任
  • 2001/06/04 ネパール銃撃事件 ディペンドラ新国王が死去 王宮筋明かす
  • 2001/06/04 ネパール王宮惨劇 野党、真相究明を要求 国内で陰謀説広まる
  • 2001/06/04 ネパール王宮惨劇 皇太子結婚相手、インドとつながる家系 王妃ら反対の理由?
  • 2001/06/05 ネパール、ギャネンドラ新国王即位 警官隊がデモに発砲、2人死亡?
  • 2001/06/05 王宮周辺「真相を!」 疑念と怒り 渦巻くカトマンズ/ネパール
  • 2001/06/11 ネパール国王射殺 右きき皇太子、左から銃弾 複数犯行説を地元紙示唆
  • 2001/06/15 ネパール王族殺害 調査委が報告書、「前国王の単独犯行」 
このために、政治的に全く安定せず、2001年から2005年まで3年半の間に、6人の首相が交代しています。
2005年2月に実質的に国王の直接統治となり、非常事態宣言が出されましたが、この時に国王は「1年以内に地方選挙を実施」を発表しますが、政党の反発は強くなる一方でした。
  • 2001/07/20 コイララ・ネパール首相が引責辞任
  • 2001/07/23 デウバ元首相、新首相に選出/ネパール政権与党 
  • 2002/10/05 ネパールのギャネンドラ国王がデウバ首相を解任
  • 2002/10/12 ネパール新首相にチャンド氏
  • 2003/05/31 チャンド・ネパール首相が辞任 「国王のかいらい」批判受け
  • 2003/06/05 ネパール新首相にタパ氏を任命
  • 2004/05/08 タパ・ネパール首相が辞任
  • 2004/06/03 ネパール首相にデウバ氏
  • 2005/02/02 ネパールのギャネンドラ国王、首相を解任 政党と深い溝 “直接統治”の動き
  • 2005/02/02 ネパールのギャネンドラ国王が非常事態宣言を発令
  • 2005/02/15 ネパールの主要6政党が統一組織結成 「絶対王制認めぬ」共同声明
  • 2005/04/15 「1年内に地方選」 ネパール国王が発表
  • 2005/04/28 ネパール当局、デウバ前首相を拘束
2006年になってから反国王闘争は武装闘争も含めて激化する一方で、昨日はカトマンズで10万人のデモが行われましたが、カトマンズの人口が70万人とのことなので、14%が参加したとなり日本の人気のない選挙の投票率のような数字です。
元々、ネパールはインドの中国が対立している中間に位置していて、王室はインドやイギリスに縁があります。その一方で長年のネパールでゲリラ活動をしている左翼勢力は毛沢東派と呼ばれ武装闘争を続けていました。
元々、反王室的と反政府運動があるところに、ギャネンドラ現国王の人気が無いことはますます反国王運動を強くして、ついには立憲君主制の否定論も出てきていて王政そのものの廃止もあり得るか、という状況になりつつあるようです。
  • 2001/11/27 ネパールで極左ゲリラ800人蜂起 銃撃戦200人死亡 国王、非常事態宣言
  • 2002/03/24 ネパールで毛派拘束1万人 幹部も殺害 政府軍攻勢強める
  • 2006/01/03 ネパールで毛派が闘争再開発表
  • 2006/01/20 ネパール主要政党幹部ら100人拘束
  • 2006/01/21 ネパール治安当局、7党の活動家ら200人以上を拘束
  • 2006/01/22 ネパール首都で治安部隊とデモ隊衝突 300人拘束
  • 2006/01/23 毛派と銃撃戦、23人死亡/ネパール
  • 2006/02/09 ネパール地方選投票 国王と政党の対立決定的に 治安部隊発砲、1人死亡
  • 2006/04/07 反国王ゼネスト開始 デモ参加者400人拘束/ネパール
  • 2006/04/08 ネパール「国王に問題」 体制内からも反旗 ゼネスト、逮捕750人超す
  • 2006/04/21 ネパール首都で10万人デモ強行 治安部隊発砲 3人死亡、200人超負傷
治安状況の悪化は、2006年2月に1年前に国王が約束した地方選挙で政党が一致して反国王の立場を明らかにしたことによって、戒厳令、夜間外出禁止令、と締め付けを強化するに応じて悪化しました。
昨日2006年4月21日にギャネンドラ国王は直接統治を放棄し、国民に行政権を委譲すると表明しましたが、主要7政党は国王の呼び掛けを無視することで一致しました。
すでにネパールの世論は王政廃止に向かっているようです。
  • 2004/05/07 ネパール国王に批判の嵐 民主化要求激化
  • 2005/05/01 ネパール国王、非常事態宣言を解除
  • 2005/08/23 「国王のクーデター」から半年 ネパールに高まる王制廃止論
  • 2005/08/31 2大政党、国王に「ノー」 立憲君主制支持を綱領から削除へ/ネパール
  • 2005/09/02 ネパールの最大政党、立憲君主制支持の取り消し承認
  • 2005/10/13 ギャネンドラ・ネパール国王、下院選実施を指示
  • 2006/01/21 ネパール、地方選で混乱に拍車 主要7党が不参加 毛派は暴力で妨害
  • 2006/02/02 掌握1年 ネパールの国王全権、失敗の声 民主化、治安「逆ばかり」
  • 2006/02/08 ネパール地方選、厳戒下投票開始
  • 2006/04/06 ネパール、首都に夜間外出禁止令
  • 2006/04/08 ネパールで外出禁止令 抗議集会阻止狙う
  • 2006/04/11 ネパール 国王強権姿勢に主要7政党、抗戦の構え 政府は徹底取り締まり
  • 2006/04/13 ネパール「反国王」全土で激化 抗議1週間 毛派が7党後押し
  • 2006/04/14 ネパール国王が選挙参加呼びかけ
  • 2006/04/15 ネパール国王、直接統治放棄を拒否 総選挙参加呼びかけ 政党は反発、緊迫続く

4月 23, 2006 at 12:00 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.23

アメリカ軍が石油消費節約だって

CNN.jp より「米軍が燃料費削減に必死、節約命令も 原油価格高騰
米国防総省によると、2004年の消費量は約1億4480万バレル(1バレルは約159リットル)で、経費は67億ドル(約7772億円)。
なんかすごい量だなと思って計算してみると アメリカ軍の年間使用量 1億5千万バレル=2400万キロリットル
日本の石油年間使用量  2億5000万キロリットル(石油情報センター) これでは、アメリカ軍は日本の約10%の石油を消費しているのですね、ムチャクチャだよ。

3月 23, 2006 at 12:08 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.03.22

イラク・ブッシュ大統領が危険信号?

産経新聞より「「内戦ではない」 イラクについて米大統領
ブッシュ米大統領は21日、イラク開戦から3年が経過したことを受け急きょホワイトハウスで記者会見、イラク情勢について「内戦には向かっていないと判断する」と述べ、イラクのアラウィ前暫定政府首相が示した「(イラクは)内戦下にある」との見方を否定した。

大統領は、イラク情勢について、移行政府の指導者らが宗派対立に適切に対応しているとの認識を表明。一方で「この先、さらに激しい戦闘も起きるだろう」と述べ、見通しの厳しさも認めた。
なかなか微妙ですね。
「内戦に向かっている/向かっていない」というのは今後の展開をどう予想するかということのようなので、そりゃブッシュ大統領が「悪化していて内戦になるだろう」なんてのは政治的な自殺ですから言うわけがない。

その上で

「この先、さらに激しい戦闘も起きるだろう」と述べた

というのは実質的に「内戦になるだろう」ということと同じとも受け取れますね。
危険信号でしょうね、日本も事が顕わになる前にさっさと現地から撤退するべきでしょう。国際的なおつき合いももう十分であると思います。

3月 22, 2006 at 09:00 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.03.08

イラク戦争の真のコスト

今日買ってきた「週刊ダイヤモンド」に面白い記事が出ていました。
日ごろ買っていないのでこんな記事が出ているとは知らなかった。

「イラク戦争にかかった真のコスト」スティグリッツ教授著というもので、元のテキストはコレです。

言うまでもなくタイトル通りでイラク戦争のコストを分析しているのですが、ちょっとすごすぎます。
現在のイラク戦争の少し前に、ブッシュ政権のエコノミスト、ラリー・リンゼイ氏がこの戦争のコストは1000億ドルから2000億ドルになると述べたとき、他の高官たちはすぐさま反論した。たとえば、行政管理予算局長のミッチ・ダニエルズ氏は、600億ドルですむと主張した。今ではリンゼイ氏の数字でさえ、はなはだしく過小な試算に見える。

私は予算研究の専門家であるハーバード大学のリンダ・ビルムズ氏と協力してこの問題を調べてみた。
この戦争に反対しているわれわれでさえ、出てきた結果に仰天した。
控えめな試算で1兆ドルを若干下回る額、穏当な試算では2兆ドルという数字が出たのである。

われわれの分析は、議会予算局が発表している5000億ドル(それでも政府が当初主張していた額の10倍である)を出発点にしている。予算局の試算値がこれほど低いのは、発表されている数字には政府にかかる財政コストでさえ、すべては盛り込まれていないからだ。しかも財政コストは経済全体にかかるコストの一部にすぎないのである。

たとえば、ブッシュ政権はあらゆる手段を使って、重傷を負って帰還した兵士の膨大な数を隠そうとしてきた。その数はこれまでのところ1万6000人で、うち約20%が脳や頭に深刻な損傷を受けている。だから、5000億ドルという議会予算局の試算が、政府がこの先何年も負担せねばならない終身障害給付や医療給付のコストを無視しているのは驚くには当たらないわけだ。

もちろん、負傷や死亡のコストを主として負担するのは兵士とその家族である。だが、軍が支払う障害手当は逸失所得より著しく低い。
同様に、死亡した兵士への補償金もわずかに50万ドルで、統計的生命価値とも呼ばれる死亡の経済的コストの標準的な試算値(610万ドル~650万ドル)より遙かに低いのだ。
日本は太平洋戦争ですべての国富を失ったと言われます。戦争はそれほどコストが掛かるものですが、イラク戦争のアメリカのコストがこれほどとは、大事件というべきでしょう。
日米間の経済格差が1/2.5ぐらだとして日本経済では100兆円に極めて近い規模です。これはいかにアメリカでも負担できるものではないでしょう。負担できそうもないからブッシュ政権は隠しているということかもしれませんが、もうすでに隠すのには大きすぎるというべきでしょう。

3月 8, 2006 at 10:13 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.17

「帰還事業」で渡った人が帰国する

font color="blue">朝日新聞より「「帰還事業」で北朝鮮へ 女性の一時帰国、可能性高まる
北京で8日まで開かれた日本と北朝鮮両政府間の包括並行協議で、在日朝鮮人らの「帰還事業」により60年に北朝鮮へ渡った女性(69)の一時帰国を日本側が求めたことに対し、北朝鮮側が「早期に出国手続きを取りたい」と表明していたことが分かった。愛知県に住む妹の要請を受けていた日本政府は03年、北朝鮮の出国許可がない女性に「渡航証明書」を発行する異例の決定をしており、一時帰国が実現する可能性が高まった。
う~む・・・・・・。
わたしが「帰還事業」という言葉を知ったのは「凍土の共和国」 金 元祚著 亜紀書房を読んだときですから、1984年ごろでしょう。

1960年代に帰還事業とは北朝鮮を理想の地として日本から北朝鮮に渡る(帰還する)ことを指して、日本でも大いに「帰還するべきだ」と煽ったと言えます。
有名なのが「38度線の北」寺尾吾郎著 新日本出版社刊です。
この本は1959年刊ですから、60年代の帰還事業に影響がありました。そして出版社は日本共産党系列の新日本出版であって、1980年代になって北朝鮮批判本が出てくるのも国際政治情勢の変化があったとしか言いようがありません。

そして、一時帰国となるわけですがこれもまた国際政治情勢というか日本と北朝鮮の関係で実現したというべきでしょう。
手段を尽くしても個人の国を超えての行き来が政治的に抑えつけられるというのはひどい話だし、こと帰還事業については三十数年の時間が掛かっていて、全面的に往来の自由に至るのは見通しが付かないことにも注目するべきです。

2月 17, 2006 at 09:06 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.06

BSE問題・アメリカの一国主義

産経新聞より「「対日制裁は望まず」 牛肉輸入問題で米農務長官

ジョハンズ米農務長官は3日、コロラド州で開かれた牛肉生産者団体の会合で、日本による米国産牛肉の輸入再停止問題について「事態打開のためにできることはすべてやるつもりだ。制裁措置が必要とならないことを望んでいる」と語り、議会などで対日批判が高まる前に、日本による輸入再開が実現することに強い期待を示した。
昔、日本で米価問題で米農家に政治家が揺すぶられたようなことがアメリカの畜産業界と政府との間で起きているのでしょうね。
一方、同じ会合で講演した通商代表部(USTR)のクローダー首席農業交渉官は「日本の牛肉市場への出荷を再び回復するため米政府全体が団結して取り組むことを保証する」と強調。日本の輸入条件が国際的な基準より厳しすぎるとして、貿易再開へ強い姿勢で臨む考えをにじませた。
この部分は内容的にもアメリカ国内向けですが、たぶん深刻なのは「どう考えても国際基準に通りそうもないミスをした」の方で、そのために「日本は国際基準ではない」ことを強調しているのだと感じます。
アメリカは伝統的に「国際基準」が守れない国で「アメリカの基準を国際基準にする」という方向でしたが、この何十年かは徐々に着実に国際基準に押されています。こんなところに伝統的な「アメリカ一国主義」が顔を出す、と見るべきでしょう。
AP通信によると、ジョハンズ長官は、輸入停止のきっかけとなった特定危険部位の背骨を含んだ牛肉は、日本の輸入業者が「骨付き」として発注した肉だったかもしれないとの見解を表明。ただ「だれも非難するつもりはない。合意条件を満たさない肉が出荷された(のは事実だ)」と述べ、米側の不手際をあらためて認めた。
ここもひどいことを言ってますね。
結局は「輸出してやっている」という意味でしょう。日本が輸入禁止にすると、アジア諸国も同様に輸入禁止にするからアメリカの打撃は大きいのでしょうが、だからといって「各国向けに製品仕様を変えます」といった器用なことも出来ないのでしょう。

自動車のビッグ3の内、GMとフォードが大赤字で大リストラになりましたが、驚いたのは輸出が意外と少ないのですね。
資本関係ではアメリカの自動車メーカは国際企業ですが、メーカとしては国際企業に全くなってなくて、日本やヨーロッパのメーカがアメリカ国内に工場はもちろんデザインセンターまで作って「アメリカ国内企業」として自動車を作るまでになっているのに、アメリカの自動車メーカは輸出量ですら「国際自動車会社」の水準からは大きくかけ離れています。

巨大なローカル国家なんですねぇ。

2月 6, 2006 at 09:03 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.01.11

韓米軍事演習延期で米軍が猛反発

韓国・朝鮮日報より「「米朝の板ばさみ」 韓国政府、韓米合同演習で苦慮
政府が北朝鮮を刺激する懸念に配慮して、今年3月に予定されていた韓米合同「ワシ訓練」および戦時増員訓練(RSOI)の延期を進めていたが、軍の一部や在韓米軍の激しい反発に遭い、予定どおり訓練を行うことにしたことが明らかになった。
政府の消息筋は今月10日、「昨年末から政府の一部から、韓米連合ワシ演習およびRSOIの延期の必要性を訴える声が強まり、在韓米軍と協議してきた」とし、「これは北朝鮮がこの訓練に敏感に反応しており、南北対話の進展に障害になりうるという政府一部の意見のためだった」と明らかにした。
この消息筋によると、米軍は以前から予定されている訓練を政治的理由で先送りするのは受け入れられないと厳しく反発し、韓国軍内部でも無理な対応という声が強まり、結局今月6日、「白紙化」の方向で結論付けたという。
隣国のことも良く理解できていないのは情けないが、これには驚きました。
野党などが韓米合同演習に反対するというのならどの国でもあることだからどうということも無いけど、一部とは言え政府部内ですでに決まっている合同演習を取りやめる(延期)する方向で動くとなると、正に外交問題になるリスクを侵したことになります。

韓国政府がそこまでアメリカ離れの方向にあるとは思っていなかったので驚いたわけですが、なんでアメリカと良好な関係を保つ必要があるのかは北朝鮮の苦境を見れば分かることです。
陸続きの北朝鮮との関係をうまくやる必要があるという韓国の立場は分かりますが、アメリカとの外交問題に出来るほどのことでしょうかね?

北朝鮮もアメリカとそれなりにうまくやる途を探っているくらいなのですから、アメリカとうまくやっている国にとってはアメリカに反対するのは非常に慎重にやる必要があります。
それをすでに3月に実施が決まっている演習を延期するといった非常事態対応のような選択をするほど韓国はアメリカから離れているのだとすると、今後は隣国を注視する必要がありますね。

1月 11, 2006 at 08:48 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.06

ミャンマーの新首都

サンケイ新聞より「ピンマナ ミャンマー謎の新首都
ミャンマー政府が11月初め、ヤンゴンからの首都機能を全面移転させると突然に発表し、各国の外交団などに困惑を広げている謎の新首都ピンマナに4日、入った。
ヤンゴンから北に約400キロ、車で約8時間の道のり。
「おお行ったのね」です。

ミャンマー(旧ビルマ)は軍事独裁政権が続いていて民主化の旗手とされるアウンサンスーチー女史が長年に渡って活動を制限されいることでも知られています。
現在の首都のヤンゴンはアンダマン海に面していますが、事実上ミャンマーの南淵といった位置にあります。
軍事政権の首都移転の理由を「国の中心に移動する」なのだそうですが、Google Eath で新首都のピアンナを一生懸命に探したら、山の中といった感じ河が蛇行して平地が出来ているといった土地です。
Google Eath では飛行場の滑走路ぐらいは簡単に見つかりますが、新首都のあたりには滑走路は見えません。だから、記者は車で400キロの移動を強いられたのでしょう。これでは、外交団や商社などが困惑するのも無理はない。
どうなってしまうのでしょうかね?

12月 6, 2005 at 05:33 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.11.07

パリじゃなくてフランスが燃えているのか

CNN.co.jpより「シラク仏大統領「治安回復が最優先」 暴動取締強化を表明
シラク大統領は6日、パリ郊外から国内各地に拡大している移民系若者らによる暴動について、関係閣僚の国内治安対策会議を緊急開催し、治安回復を最優先し、取り締まりを徹底すると言明した。
今までの騒乱拡大がサルコジ内相の強硬姿勢に対する反発という見方があったのだが、シラク大統領も取締強化を主唱するとなると、ますます先鋭化した対立になるのではないか?と思ってしまう。
なにしろ、こんな情報が出てきている。
内務省によると、西部ナントでは幼稚園が放火された。
内務省によると、6日は午後11時までに1日で車365台が燃やされ、50人が逮捕された。10月27日に暴動が始まって以来、燃やされた車は3300台に上るという。
幼稚園に放火するとか、一日数百台(千台という説もあり)も車に放火されるというので、内乱だとすら言えるだろう。
観光にも影響が出てくるだろうし、政情不安と評価されれば投資などにも問題が出てくる。ヨーロッパ各国で移民問題に苦労しているところを見ると、日本の少子化問題解決に移民を考えるにしても慎重に長期的な視点で判断しないと何十年か後にトンでもないことになるかもしれないということですね。

11月 7, 2005 at 11:53 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.18

ブッシュはピンチか?

CNN(テレビ)で、テキサス州クロフォードのブッシュ大統領の私邸の隣で座り込みを続けている、戦死米兵の母親の支援者達の風景を見た。ちょっと驚いた。
タープを張ったりしてハイキング的な風景であるが、道路沿いに50メートルぐらいの列になっている。

ニュースでの取り上げ方や、この母親の運動への反対活動をブッシュ大統領は個人的には同情しつつ、政治的には無視するという方針で進めたいのだろうが、総合的に見て、今では無視できる段階を突破したと感じる。
ブッシュ大統領の対イラク政策(軍事)の方向性について影響を与えるでは無いかと思う。
下手すると、ブッシュ政治の評価は将棋倒し的に悪くなる可能性も出てきたような気がする。

8月 18, 2005 at 10:04 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.08

6ヶ国協議休会

6ヶ国協議が休会して月末再開となったが、これは意外でした。
「じゃどういう結末を予測していたのだ」と突っ込まれると回答はないのですがね(^_^;)

わたしの解釈は、今回はもう話としては出るだけ出てしまって、なんらかの結果を出さないわけにはいかないのではないか、と思っていたのです。

その「何か」とは以前の「原子力発電所の提供」のようなはっきり言えばある種のアドバルーンのようなものかもしれないが、それでも何かは出るだろうと考えたのです。
事実、この種の国際会議としては異例に長時間を掛けたわけだし、会議を進行させるために日本独自の問題といことで拉致問題には言及しなかった。
それでも少なくとも「現状維持・何も変わらず」で止まってしまった。

いまや世界は相互依存なのだから北朝鮮が長年続けてきた事実上の鎖国も年々不可能になってきたというのが現実なのだ。さらに北朝鮮の経済的な苦境はウルトラC的な解決が不可能になってきていて、それは今後も変わることはない。

実際に起きるかどうかとなると大いに疑問ではあるが、クーデターによる政権崩壊や内戦になるという可能性も無いとは言えない。
日本にとって何が困るといって、1000キロと離れていないところで戦争状態になったりするのが一番の問題でしょう。
確かに長期的には中国大陸のインフレや経済格差の拡大による政情不安の可能性といった中期的な危機についても考えておくことが必要だとは思いますが、短期的には北朝鮮問題が一番の大問題だと思います。

それが「会議は踊る」状態になったのでしょうか?

8月 8, 2005 at 11:30 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.28

P2Pソフトは違法か?・アメリカ最高裁

朝日新聞より「ファイル交換ソフト「違法性問える」 米最高裁判決
「ファイル交換ソフト」の提供は著作権侵害にあたるとして音楽業界が起こしていた訴訟で、米最高裁は27日、違法なファイル交換を助長する仕組みの提供は「違法性を問える」とする差し戻し判決を出した。
一審と控訴審では合法とされたが、最高裁はそれを覆した。
ちょっと意外です。違法性を問えるというのは実際にはどうなるのでしょうかね?

6月 28, 2005 at 07:49 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.06.19

カードシステムハッキング・6万8千枚が不正使用

サンケイ新聞より「6万8000枚が不正使用 カード情報流出で米紙報じる
米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は18日、少なくとも6万8000枚分のデータが実際に不正使用され、被害が出たと報じた。
4000万枚の内の6万8千枚が不正使用の実績ありですか?!
ポスト紙は、金融機関と店舗との取引データを扱うアリゾナ州トゥーソンのデータ処理会社のコンピューターネットワークがハッカーとみられる第三者に「昨年遅い時期」に侵入を受け、顧客情報へのアクセスを可能にするプログラムが埋め込まれていたとしている。
すでに半年は経っているわけだし、不正使用が明らかになるというのはそれなりの金額でしょう。6万8千枚に1万円ずつ被害があったとしても総額6億8千万円が詐取されたことになります。
明らかになっているのが6万8千枚ですからもっと増えると考えて良いでしょうね。ここまで大規模になるとこれは一種の偽札でしょう。



戦争で経済を攪乱するために国家事業として敵国の偽札を作ります。これは別に偽札で利益を上げるのではなくて、敵国に新紙幣を作らせる、通貨自体=政府そのもの=国の信用を貶めるために行う戦略です。 このために、国家は非常なコストを掛けて通貨の信用性を維持しているのですか、カードについても同じ事が言えるわけで、カード偽造とかカードシステムへのアタックは通貨偽造と同列に処罰するべきでしょうね。

6月 19, 2005 at 09:36 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.05.15

ウズベキスタンで反政府暴動

読売新聞より「ウズベク暴動、キルギス国境地帯へも拡大」

ウズベキスタン東部アンジジャンで13日起きた反政府暴動で、中央アジア情報専門のニュースサイト「フェルガナRu」は、アンジジャンの東方、キルギスとの国境に位置する町カラスウでも14日、数千人の住民が集会を開き、暴動に発展したと報じた。
カリモフ大統領は記者会見で、州庁舎を占拠した武装集団と交渉した際、武装集団側は政治犯の釈放などを求めたが、拒否したことを明らかにした。

ウズベキスタンという国名も首都のタシケントも有名ですが、実際にどこにあってどのくらいの国なの?となるとあまり知りません、調べました。

カスピ海の東側の国で、面積は日本より1割大きく、人口は日本の20%、GDPは1%といった国です。
首都タシケントは東寄りで、騒乱になったアンジジャンに近いです。
地図の通りで、国の中央部が砂漠です。
タシケント、サマルカンドとシルクロードの有名都市のある国となりますね。

現代の地政学的な点ではイスラム過激派が暴れている地域とも言えるわけで以前から政情不安の心配が取りざたされていましたが、今回のカリモフ大統領の選択は強硬措置であって、騒乱の激化になる可能性は高いでしょう。

報道の数字が判然としませんが、治安部隊による無差別発砲説もあって死者数百人、隣国キルギスに数千人が避難したとされます。

5月 15, 2005 at 02:23 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.04.30

続・アルゼンチンが国債踏み倒し?

「アルゼンチンが国債踏み倒し?」で紹介したアルゼンチンの対外債務危機について CNN.co.jp「「債務博物館」が登場、財政火の車のアルゼンチン」という記事が出た。

危機的な状態にある同国の債務状況を伝えるための「債務博物館」がオープンした。子供たちにも分かりやすい展示内容で、国が抱える借金の窮状を伝え、財政再建への理解を深めてもらうのが目的だという。
アルゼンチンの2003年末までの対外債務残高は、1470億ドル(約15兆5000億円)に達している。同年の国内総生産(GDP)は1297億ドル相当。

一般に企業でも年間売り上げと同レベルの借入金があると経営危機となる、国家の対外債務も同じようなことなのだろうか?

と言っても、日本でも国内の国債ではあるが総額がGDPと同等だからもう限界であることは明らかだ。
他山の石というべきだろうか?

アルゼンチン経済については、生産の中心が一次産品なので長期的に経済は厳しいだろうと思います。
省エネルギーに有効なのはリサイクルで、鉄を代表として鉱物の精製ではなくリサイクルで素材を得られないか、という技術競争の時代になってきました。

通貨というものの意味も問題になるのは常ですが、国際経済は国家を越えているので北朝鮮でも自由市場経済が現れてしまうわけです。
難しいものです。

4月 30, 2005 at 11:57 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.04.20

アルゼンチンが国債踏み倒し?

読売新聞社説より「[アルゼンチン]「余りに身勝手な債務の“踏み倒し”」」

アルゼンチン政府が、日米など8か国・地域で発行した国債の元本、延滞利息合わせて1026億ドル(約11兆円)に上る債務を、新規国債に交換することで3分の1に削減することを決めた。
世界の国債保有者と実質的な協議もしないまま、巨額の債務削減を決め、今月初めからの交換開始を通告した。
日本に3万の保有者がいるという円建てアルゼンチン国債だけでも、総額1925億円が削減の対象になる。だが、米国の機関投資家から交換凍結を求める訴えを起こされ、開始を延期している。

全くの偶然で社説を読むまでこんなことが起きていることを知らなかった。
アルゼンチンの経済規模とはどの程度のものかと探ってみた。

人口=3738万人 日本の1/3
為替1ペソ=38円
GDP=375909百万ペソ=14兆2900億円 日本の1/35
一人あたりGDP=9926ペソ=377188円=38万円 日本の1/11
といったところになる。そこに11兆円だから経済規模で言えば100兆円の対外債務の65兆円を切り捨てるといった感じだろうか。読売新聞の社説は
見直しの一方的な押しつけも、元本削減もアルゼンチンが初めてだが、
と書いている通り国際社会で国家間の借金返済つまり債券償還は最近ではロシア帝国の国債をソビエト時代に無視していたものを現在のロシアが償還したという話があるくらいで、それなりに厳格なものである。 第一、国が借金を返さないと宣言すればその国の信用は目減りして通貨安となるだろう。アルゼンチンの日本への輸出産業は農業・漁業・鉱物といったところが主力である。一次産品なのだがこれが安くなるのだうか? ちょっと無茶すぎると思うのだが。

4月 20, 2005 at 10:28 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2005.04.19

中国の反日現象をちょっと考える

新佃島・映画ジャーナルさんの記事「反日中国の背景」の記事に刺激されてわたしの見解を(^_^)生煮えながら書いてみます。

新佃島・映画ジャーナルさん(服部さん)は「二つの考えがある」として、ひとつは中国市場をめぐって日本追い落とし運動の現れだろう、というのものと高度成長・社会の激変の現れだろう、という二つの考えです。

わたしは、どちらかというと二番目ですが服部さんも「日本でも昭和30年代に起きていた現象」として、都会へ若者が出てきているから社会構成が変わりつつあるとしています、ここからの展開というか政府の覚悟のようなところ違いがあると思っています。

これは、古くは産業革命のイギリスからある現象で、色々な文学作品にも繰り返し取り上げられている「都会の孤独」などに直結している現象の元となる事柄だろう。
しかし、だからと言って今回の反日運動のようなことになるのか?を日本で振り返ってみると、かなり近いのが1960年(昭和35年)の安保闘争ではないかと思う。
この年には、アメリカ大統領新聞係秘書のハガチー氏がデモ隊に包囲されてヘリコプターで脱出するという事件があり、その5日後に国会通用門で樺美智子氏が警官隊との激突の中で死亡した。

政治的には当時アメリカの属国同然だった日本にとっては、大変な危機で一週間後に岸内閣は退陣を表明して、7月に総辞職となった。

中国の政権でもこのような可能性があるのだろうが、日本は当時は長年の労働争議の経験なデモ慣れしていたとも言えるのでしょう。そこが中国は違うのではないだろうか。

確かに国内の摩擦を国外に向けるというのは政権にとっては容易な選択なのだろうがその結果が予想の範囲なのか、つまりリスクが見込の範囲なのかによって外国への対応も変わるのだろう。
日本では1960年は64年に東京オリンピックが控えているのだから今の中国とほとんど同じだったわけだが、アメリカに対するデモがコントロール不可能になるリスクは承知していたようです。

今回の中国のデモではどうも政府はコントロール出来ないということ自体が受け入れられないのでは?と思う。
つまり、コントロール可能であるそれだけ政権は強いのだ、という前提で進んでいるのではないだろうか?
ところが現実はコントロール出来ているとは言えない。だが「コントロール出来ません」では内閣総辞職のようなことになるわけで、それは無理となると「今でもコントロールしています」と主張しなければならない。

つまり、実際のデモについては煽る勢力もあるかもしれないが、いわば種火が大きくなるようなもので、どんどん燃え広がってきたのだろうが、政府の見解は「コントロールしています」を証拠立てるために「燃え広がってしまったが、これは想定の範囲」と言い張る、つまり大きな火を見て種火の段階から予想通りだった、と言い張っている、という図式だと見えます。

1960年の安保闘争はその後の日本の政治・経済の進路を全く変えてしまって、労働運動の勢力低下と企業が社会に合致するという方向になりました。
さて、中国ではどのよう変化するのでしょうか?
現在のような中国政府のタテマエ強調路線だと、限界点で折れてしまうのではないか?と心配です。

4月 19, 2005 at 08:08 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2004.10.23

続・韓国盧武鉉政権はどうなる?

韓国の朝鮮日報・中央日報・東亜日報の3新聞社の記事は日本語で読むことが出来ます。
憲法裁判所は政府の決定した首都移転について違憲であると判決したが、政府与党は判決には反発している。そこで新聞3社は社説で政府批判を展開している。
朝鮮日報「憲法裁の決定不服は国憲を乱す行為だ」中央日報「憲法裁決定に即時承服するように」東亜日報「首都移転違憲決定に反発するのは正しくない」、ところが東亜日報の記事によれば「「憲法裁判官を弾劾」政府与党、違憲決定に真っ向から反発」となっている。

ウリ党の忠清北道(チュンチョンブクド)地域国会議員9人(比例代表1人を含めて)は22日、忠清北道庁で記者会見を開き、「新行政首都建設特別法に対して違憲決定を出した憲法裁判所長や裁判官に対し弾劾案を発議する計画だ」と発表した。

では政府与党は憲法裁判所を軽んじているのか?というと大統領弾劾の時には憲法裁判所の決定を尊重すると言っていたのだから、新聞も野党も反発している。
一方で、移転先であった忠清(チュンチョン)地域では経済的に深刻な問題に発展しそうである。朝鮮日報の記事「忠清圏不動産開発に資金提供した銀行に「大波」」

忠清(チュンチョン)圏一帯の不動産開発と関連、多額の資金をプロジェクト・ファイナンシング(PF)に提供した銀行が首都移転の中断で大きく揺れている。2003年以降、金融機関が新行政首都付近の不動産開発に投資した資金は5144億ウォンに上った。全国で投資された不動産開発のため資金(5兆8000億ウォン)の8.8%に相当する金額。不動産価格は暴落するほかなく、結局、銀行界の不良化は避けられない状況だ。

韓国の総人口は4700万人(2000年)で、ソウルに1000万人、首都圏では2100万人が住んでいます。首都圏に全人口の45%以上が集中しています。 これが首都移転計画が出てくる理由ですが、日本でも首都移転に反対するのは東京都であるように、ソウルは基本的に反対することになります。そしてその人口が全人口の45%というのは、大変な圧力になるわけで簡単にどうこう出来るものでは無いでしょう。どうも盧武鉉政権は強行的な政策運営が多いと感じてしまいますが、今回は政策によって土地投機をあおりそれが一気に不良債権化することになりかねないわけで、より注目する必要があるでしょう。

10月 23, 2004 at 11:15 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.22

韓国盧武鉉政権はどうなる?

韓国の憲法裁判所は盧武鉉政権が決定した新行政首都建設特別法を違憲とした。
この結果、新行政首都建設特別法は停止つまり首都移転計画は中断となった。
韓国・朝鮮日報によれば「忠清圏の不動産市場は「パニック」」

行政首都建設の中断で投資家が一斉に物件を手放しにかかり、売り物件が続出、価格も急落している。買い注文も入らず、取引が長期間中断される可能性が高い。 2年で不動産価格が5倍以上に=2002年末に行政首都移転作業が開始され、忠清圏の不動産市場には全国から投資家が集まったことで、不動産価格はあっという間に急騰した。
忠清南道地域の土地の値段は昨年1年で4.81%上昇し、全国平均(3.43%)より40%以上、高い上昇率を示した。今年も上半期に7.17%上昇、全国平均(2.47%)の3倍を上回った。 とりわけ、行政首都の移転先とされていた燕岐(ヨンギ)や公州(コンジュ)地域は今年それぞれ16%、6%と暴騰した。燕岐郡・南面一帯は、2年前に1坪3万~4万ウォンだった農業振興地域の農地が10万~15万ウォンに急騰した。

盧武鉉政権がかなりの強権的な政治手法を使ってきたことは、韓国・朝鮮日報の記事「与野党、「4大法案」めぐり全面対立」に象徴されている。

与党が推進中の国家保安法廃止や過去史の真相究明、私立学校法改正、マスコミ関連法など争点となっている4大法案をめぐる与野党間の理念対立が、本格化している。

国家保安法は主に朝鮮戦争の停戦(終戦ではない)後の秩序維持のための法律
でこれを廃止しようというものだが、検事総長が反対意見を出している。

過去史真相究明というのは、どうも公職にある人物などの過去を調査・公表する権限を与えるという法律らしく、結局は先代・先々代がどういう政治姿勢であったかを問題にするらしいです。先々代では主に日本領だった時にどうであったか?を問題にするでしょうが、それでどうなるの?というのが個人的な感想です。

私立学校法改正は、私立学校の運営に法的に介入の度合いを強め、経営母体の権限を縮小するという法律です。

マスコミ関連法は強烈で、新聞社のシェアを制限するというものです。韓国・朝鮮日報社説より「批判新聞への仕返しなのか」

新聞社1社の市場シェアが30%以上だったり、上位3社のシェアが60%を越えれば、公正取引法の「市場支配的事業者」とみなし、規制できるようにした条項からして、世界で類を見ない発想である。
フランスや日本、英国の3大新聞社のシェアはそれぞれ85%、81%、 74%に及ぶが、どの国でもマスコミに立法の斧を振りかざしたりはしない

この4大法案が20日に国会に提出されることになっていましたが(結果はよく分からない)21日に憲法裁判所が首都移転について違憲の判決を出しました。盧武鉉政権は、これまで政権に批判的な言動については弾劾か?といった逆の圧力をかけることで、強行的な政治手法を採用しその一つが首都移転でした。
首都移転についても「もっと議論すべき」といった意見がある中を「時間切れ」といったことで、強行したと言えますが今回それが憲法裁判所によってひっくり返されたと言えます。

もっとも野党ハンナラ党の朴槿惠代表が首都移転が中止になったことについて「前回の第16代国会で関連法の通過に協力したことを公式謝罪した」というのですから、なんとも混乱状態というべきでしょう。
今回の違憲判決は盧武鉉政権にどの程度のダメージになるのか分かりませんが、ちょっと韓国政局は目が離せないでしょう。

10月 22, 2004 at 11:25 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.09.12

スカイマーシャル搭乗へ

産経新聞より「米国便に武装警察官搭乗へ 警察庁、年内にも」

警察庁は日本航空と全日空が運航する米国便の旅客機に拳銃を携帯した警官を搭乗させる「スカイマーシャル」の制度を年内にも実施することを決めた。米国の要請を受けて国土交通省、航空会社と協議。05年度予算の概算要求にも装備費など7700万円を計上した。旅客機の乗員らに慎重論もあり、権限や拳銃の使用基準など詰めの作業を進める。スカイマーシャルをめぐっては、今年6月のG8の会合で、実施に向けた準備を進めることで合意。警察庁は同様の制度を持つ国に千葉県警と大阪府警の幹部を派遣、訓練を受けさせるなどしていた。
先日NHKでイラク問題などを広範囲に議論する番組を放送したが、その中で「アメリカではテロ事件は起きていないが、アメリカ以外の国でテロ事件が起きている。これはアメリカのテロ対策が効果を挙げている証拠だ」という説明があって納得した。
実際問題としてアメリカの特に空港におけるテロ対策は色々な問題もあるし、ビジネス・チャータージェットの大流行といった社会のスタイルの変革も生みだした。それにしても効果はあったと言う。

であるなら、日本ではどうか?テロ事件は起きていない。けっこうテロ事件を起こしにくい国なのだろうと思う。第一に銃の規制が極めて厳しい。また、オウム事件などで日本の世論は反社会的集団については非常に厳しく見ていると思う。
それやこれやで、実際にはアメリカでテロ事件が起きないのと同じ程度のテロ抑止力は日本に実際にあるのだろう。

その上で「スカイマーシャルの搭乗」というのはどうなんだ?大体、スカイマーシャルがハイジャックを防止したなんてのは、ロシアであった例ぐらいしか無いのではないか?もちろん、事前に抑え込みに成功すれば事件にはならないとか、指名手配犯が飛行機を利用しなくなるといった側面の方が大きいのだろうけど、どうも費用対効果が合わないような気がする。

13Hzで稼働中さんが「ブッシュは銃を野放しにするつもりらしい」と書かれているが、銃器の取締つまり刀狩りは歴史的に見ても極めて難しい。近い将来、世界で刀狩り(銃器取締)は出来ないだろう。そうなると、実効的に銃器を取り締まっている国の方が少ないという現実に突き当たる。日本でも銃器の取り締まりは極めて厳しいが、ヤクザが短機銃を持つとか、全くの素人が「自殺のためにピストル密輸入」なんて事件が起きている。公式(?)に実効的に銃器の取り締まりが出来ているのは、EU諸国、日本、東北アジア諸国ぐらいしか思い当たらない。そんな中で銃を所持するスカイマーシャルというのはある意味で当然の発想なのかもしれないが、日本から出発する便よりも日本に向かう便の方が怪しいのではないか?どうするのかね?

9月 12, 2004 at 12:56 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (2)

2004.07.24

1年前に自衛隊機が照準されていた

東京新聞より「北朝鮮軍機が攻撃態勢

昨年の3月のことだそうだが、北朝鮮空軍のMig29が海上自衛隊のEP3をロックオンしたというのです。

2003年4月ごろ朝鮮・日本・アメリカの関係はどうだったのか?と調べてみると、2002年後半からギクシャクしていて2003年1月10日には北朝鮮は核不拡散条約からの脱退を表明しています。

ロックオンとは照準のことで、1986年にリビアのシドラ湾でアメリカ海軍のF14がリビア空軍機から攻撃照準波(CW波)を受けたことで反撃して撃墜しています。
つまり平たく言えば攻撃したことになります。

もっともEP3というのも電子偵察機と言うほどのものですから狙われても仕方ないというところもあります。
東京新聞によると、自衛隊はF15戦闘機を発進させた。その後にMig29はアメリカ空軍の電子偵察機RC135Sをロックオンしました。

自衛隊はアメリカ空軍のRC135Sと間違えて海上自衛隊のEP3をロックオンしたという見解を発表していますが、ちょっと額面通りには受け止め難いですね。
まず、速度がかなり違う。これほど速度の違う機体を間違えて照準していては戦争にならない。
やはり、当時の政治状況による圧力であると素直に解釈するべきでしょう。

7月 24, 2004 at 11:46 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.07.20

個人情報窃盗罪が成立(アメリカ)

CNET Japanより「「フィッシング」が刑事罰の対象に--米で連邦法が成立

フィッシングとはメールが来て、掲示されているURLをクリックするといつも使っている銀行のサイトなどと見えるところに飛ばされて、個人情報を入力させられるというものです。

これで何をするのか?というと銀行口座の番号とかパスワードをかっぱらうといったことは日本でも起こりうることですが、アメリカでは社会保障番号を盗まれることが重大なことだということで、Identity Theft Penalty Enhancement Act(ITPEA)(個人情報窃盗罪とでも訳すのかな?)が成立しました。

アメリカでは個人の身分証明を社会保障番号に統一してしまったために、身分窃盗がだいぶ前から問題になっていて、以前CBSの特集で報道された例では、大学教授だかの夫人が一家の中で一人だけ身分を盗まれた、という例が紹介されました。この場合、一家の中で一人だけなので一見郵便物も届くといったことで気づくのが遅れるわけです。

日本でも偽装結婚させられたといって身分窃盗が最近報道されますが、住民票を書き換えられてしまったりすると、本人であることの証明が非常に困難になるし、元に戻すのも簡単ではありません。

アメリカでも同じ事なのだと思いますが、社会保障番号という可搬性の良いものなので、こんなことが起こります。

「1度被害にあうと、人の過去の信用を完全に取り戻すのには何年もかかる場合がある。そしてその間に、障害が山積みになってしまう」と述べている。「こうした犯罪の被害者は、仮にローンの申請が通ったとしても妥当な利率ではお金を借りられないため、自動車や家のような高額な買い物がほぼ出来なくなってしまう」

住基ネットのカード発行も同じ危険を含んでいます。
実際にニセ者が住基ネットカードを取得していることがバレた事件があります。

やはり、情報という抽象的なものに対しても窃盗罪を適用するように法律改正する必要があります。

7月 20, 2004 at 01:07 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.07.02

スーダンで感染症

産経新聞より「感染症で1万人死亡の恐れ スーダン西部

WHOは1日、民族紛争が続くスーダン西部ダルフール地方で、コレラや赤痢など感染症のため今月中に国内避難民1万人が死亡する恐れがあると警告、国際社会の支援を強化する必要性を訴えた。

スーダンはここ、エジプトの南の隣国です。

map

コレラや赤痢は19世紀にはほぼ解決策が分かっていた病気で、主に公衆衛生の水準を高めることによって予防できるし、治療法も現代の医療の平均水準であれば比較的容易な方に入ります。
一言で言えば政治的な安定こそが病気の予防と治療のために必須な条件と言えるのでしょう、それが満足していないとWHOが声明を出すことになるのです。
21世紀になってもこんな声明が出るとは予想外でした。

7月 2, 2004 at 11:04 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.10

イラクでのアメリカ兵の虐待から

イラク刑務所でのアメリカ軍の虐待について世界的に報道されるようになったが、一部で解説がちょっとだけ出ているのだけど、2001年9月11日つまり2年半前の事件がきっかけになっていることについてその連続性について説明している記事がほとんど無いようです。
無謀でありますが、酔うぞ的な全体像の解説を試みます(^_^;)

2001年9月11日のアメリカ同時テロは、ブッシュ大統領をアルカイダへの制裁を強要しました。これは、ほぼ1年後(2002年)なってニューヨーク証券取引所のダウ工業株30種平均が同時テロ直後のパニックレベルの価格まで暴落しました。

これは、株式投資よりも貯金の方がなんかあった時に自分の財産を動かす(逃げる)のに都合が良いということで、株式市場から資金が逃げ出したからです。同時にニューヨークから事務所も逃げ出して、会社というかビジネスというものの信頼感が無くなってしまったのです。

アメリカ政府(ブッシュ大統領)としては、アメリカ国内が安全で株式市場に資金が戻ってくる、経済活動が円滑に動くことを緊急に全世界に知らせる必要がありました。

そこで2003年1月に国土安全保障省を作りました。国土安全保障省はアメリカ軍につぐ巨大な役所(公共事業)であって、CIA、FBI、沿岸警備隊、州軍などの機能を集中しました。日本であれば、省庁改正一括法案で何年もかかるでしょうが、大統領令で実行してしまいました。

こういう国内外へのアピールを準備をする一方、2001年9月11日の同時多発テロの実行者であるアルカイダをアフガニスタンで2001年10月から、攻撃を始めました。当初はすぐにアルカイダの指導者ビン・ラディンを捕捉するということであったが、2004年になってもまだ続いているのはご承知の通りです。

2001年中にアメリカ国内など全世界でアルカイダ・メンバーを捕らえて、2002年1月からグアンタナモ海軍基地に移送を始めました。
当初このアルカイダ・メンバーがどういう法的な根拠で拘束されているのか?という説明として「戦争捕虜」ということでした。これは、刑事事件で必要な裁判所の令状などが全く必要ないということを正当化するための説明と言うべきでしょう。

しかし、戦争について定めたジュネーブ条約によれば、国と国の戦争ではないアルカイダ・メンバーを戦争捕虜として扱うのは、無理なので戦争捕虜して拘束しているということ自体が「ジュネーブ条約違反」であるという意見は当初からありました。

2003年3月20日に連合軍はイラク攻撃を始めます。これは本来であれば戦争ですから、捕虜は戦争捕虜としてジュネーブ条約による保護を受ける権利があります。ところが、イラク兵を戦争捕虜ではないということで、刑務所での虐待という、近代史上でちょっと例の無い事件に発展しました。この事件の遠因が上記に書いた、アルカイダ・メンバーを捕まえるという(法的な)無理から来ているのであって、なんでそんな無理をするのか?と言えば、元は経済的な信用を早急に得る必要があった、というある種のドミノ倒しのようなことで、こんなことなってしまったのでしょう。

いったいアメリカ政府はこの法的なゴチャゴチャをどうするのか?が問題の中心になっていくように思います。少しの無理は通用するかもしれない、しかし無理に無理を重ねると、どうにもならなくなるという典型でしょう。つまり、事態を正常化することが段々と大変になって、最終的にはどうにもならなくなるということでしょう。EUが拡大して25各国化したのも偶然では無いでしょうし、アメリカの思惑とは逆に石油(原油)価格は40ドルになりました。これはエネルギー多消費社会であるアメリカを直撃するでしょう。

アメリカと日本を比較すると、石油の使用効率は日本の方が圧倒的に良いので原油価格の上昇は相対的に日本に有利になります。もちろん、巨大消費市場があるアメリカ経済の悪化は輸出主体である日本にとっても悪影響は大きいですが、昔ほど深刻な影響は無いはずです。それやこれやで、おそらくは一ヶ月ぐらいは国際情勢は非常に注目する必要があります。

5月 10, 2004 at 01:47 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.05.02

米英軍がイラク刑務所で虐待

ここ数日問題になっている、連合軍によるイラク人虐待問題について、複数の報道記事で次第に内容が明らかになりつつある。

CNNによれば、米兵による拷問行為の写真は、米CBSが28日夜に放送し、デイリーミラー紙の4月1日号に掲載された。デイリー・ミラーのサイトにはこんなページが出ている

これをアラブ各国のメディアが放送して、アラブ諸国が激怒しているとCNNは報じている。

一方関連情報扱いとして産経新聞が「イラク駐留米軍によるイラク人虐待問題に絡み、米軍が今年2月に詳細な内部調査報告書をまとめていたことが2日、分かった。」と報じている。ニューヨーカー紙のインターネット版にすでに掲載されていて詳細は以下の通り、5月10日号に掲載されるとのこと。

急遽イギリス陸軍トップが会見し、ブッシュ大統領が不快感を表明するなど、事態は拡大する様相を見せている。
しかしだ、いくなんでもこれは無いだろう。だから内部告発がここまで明快に出てきたわけであるが、なんで日本のメディアは詳細に出さないのだろう?
BBCテレビを見ていたら突然イギリス陸軍の参謀長が出てきたのには驚いた。
今回、この記事を書くために、デイリーミラー紙やニューヨーカー紙のサイト見たのだが、これだけ大々的に取り上げられている事件について、ほとんどの新聞社が報道していないという事実に驚く。

5月 2, 2004 at 09:49 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.04.21

ムバラク大統領がアメリカ非難

CCNより「「今までにない対米憎悪」ムバラク大統領

訪仏中のムバラク・エジプト大統領が20日付仏紙ルモンドの会見で、米政府のイラクやパレスチナ政策のせいで「アラブ世界において、米国に対して今までにないほどの憎悪が沸き起こっている」と強く批判した。大統領は19日、パリでシラク大統領と会談している。
ムバラク大統領は、米国への憎しみがアラブ世界で高まっている原因は、米政府がイスラエルを支援しているからだと指摘。特にイスラエルがイスラム原理主義組織ハマスの指導者ヤシン師とその後継者ランティシ氏を相次いで殺害したのを機に、親イスラエル政策を続ける米国への怒りが噴出したという。

「シャロン首相は米国が何も言わないのをいいことにやりたい放題だ。武装ヘリや戦闘機を持つイスラエルが、それを持たないパレスチナ人を殺害している。何と不当なことかと、人々は感じている」と述べた。
イスラエルがヤシン師ら殺害を「自衛権の行使」と主張しているのに対し、ムバラク大統領は同事件がガザ地区を不安定にするだけだと懸念を表明。

イラクについては「初めは米国が自分たちを助けてくれると思っていた人もいた。米国への憎悪などかった。だが、現在では(イラク国民は)米国を敵視している。米国もそれに気づいている」と言明し、ガザやイラクの情勢悪化は米国のためにもイスラエルのためにもならないと苦言を呈した。
大統領はさらに「絶望と不公平の思いは、アラブ地域だけにとどまらない。米国とイスラエルは中東だけでなく、世界中で脅威にさらされるだろう」と話した。


この時期にフランスでそれも新聞向けに発言するとは、ムバラク大統領健在という印象を強く与える。
とは言えこの発言は、今の時期は「誰が言い出すか」状態であったわけで、ムバラク大統領の発言ではアメリカも石油価格問題でそうそう強硬に反発も出来ないだろうから、けっこう微妙な雰囲気になったというべきだろう。

4月 21, 2004 at 09:31 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.04.20

北朝鮮向け亡命者放送が始まる

朝鮮日報より「脱北者らが制作する「自由北韓放送」がスタート

脱北者(北朝鮮を脱出した住民)によるインターネットラジオ放送「自由北韓放送(www.freenk.net)」の正式開局を明日にひかえた19日。
ソウル・東大門(トンデムン)区の北朝鮮研究所の建物内にある6坪余のスタジオでは、この放送のアナウンサーを務める元脱北者のチョン・ジュファ(31/仮名)さんとノ・ユジン(35/仮名)さんが「キュー」のサインに合わせて台本を読む練習をしていた。
ノさんは北朝鮮で10年間、宣伝隊所属の放送員として働いている。

ノさんは放送で北朝鮮の方言を使う理由について、「私たちが上手くできる話し方でもあり、北朝鮮の住民や海外の脱北者に親しみを感じてもらう言葉の方がいいと思ったから」と話した
自由北韓放送はキム・ソンミン代表以外に7人の編集委員と技術監督、アナウンサー、取材記者、ウェブ専門家など全員が元脱北者だ。放送に必要な機材を整えるためにかかった費用3000万ウォンも、国内の4000人余の脱北者が少しずつ出し合って集めたものだという。
20日から毎日午後8時から9時までの1時間は生放送、残りの時間は録音した内容をサイトで視聴できる。

1980年11月9日にベルリンの壁は崩壊し、社会主義東欧は消滅してしまった。このきっかけとなったのは、衛星放送の受信であったことがよく知られている。
それ以前のプラハの春事件と呼ばれる、チェコへのワルシャワ条約軍の侵攻の時1968年にはラジオが大きな意味を持っていた。
SARSの流行を中国政府が早々に公表しなければならなくなったのは、携帯電話によるインターネットメールを止めることが出来なかったからだと言われている。北朝鮮においても中朝国境では中国の携帯電話を主に密輸のために使っていると言われるが、当然内陸部ではこれも出来ないだろう。
1960年代どころか、第一次大戦中からラジオを使った宣伝戦は行われていたが、21世紀になってこのような話が出てくるとは思ってもいなかった。

4月 20, 2004 at 10:34 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

パウエル氏、本の内容に反論

CNNより「パウエル長官、ウッドワード氏の新著に反論

パウエル米国務長官は19日、ワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード氏が新著「Plan of Attack (攻撃計画)」でイラン戦争計画の策定から国務長官が外されていたと書いたことについて、「私も、フセイン政権打倒を支持していた」と反論した。同書がイラク戦争にパウエル長官が反対していたと強調したため、共和党内からは同長官が自己弁護のために執筆に全面協力したのではないかとの憶測も飛んでいる。

同書について聞かれたパウエル長官は記者団に対し、「軍事行動が必要だと大統領が判断したとき、私はその選択肢をとっくの昔から知っていた。そして(フセイン)政権を終わらせる必要があると、ほかの人たちと同様に強く確信していた。私は(大統領の決定を)自ら進んで、全面的に支持していた」と、政権内の不一致はなかったと強調した。
一方で長官は、「戦争と平和に関する事柄には、私は常に慎重に取り組む。それは認める」と述べ、イラクの戦後統治は困難なものになると大統領に進言したというウッドワード氏の著述は正しいことも認めた。

長官はさらに、ウッドワード氏の取材に協力したのはホワイトハウスの指示によるものだと述べ、「みんながウッドワードと話をした。ホワイトハウスからの指示で、周知のことだった。私の場合は、電話取材を何度か受けただけだった」と説明した。

詳しくはCNN本紙を読んでいただくとして、「やっぱりね」という印象がますます強くなる。伝統的にアメリカの政治問題ではこのような展開をすることが多い。しかし、パウエル氏自身は軍事的には慎重派であることを今回も公言しているし、当時も同様であった。それを実際に一年前に戦争を始めたのは誰が主導的に主張したのか?が問題になるのは当然だ。邦訳が楽しみではある。

4月 20, 2004 at 10:14 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.04.19

イラク戦争開戦秘話が出版される

CNNより「イラク開戦前夜の「米政権内幕」米紙記者が新著

「ブッシュ米大統領は米同時多発テロの3カ月後に、すでにイラク攻撃案の作成を命じていた」
米ワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード記者は近く発売する著書「プラン・オブ・アタック(攻撃の計画)」で、イラク開戦に至るまでの米政権の「内幕」を紹介している。アフガニスタン戦争のための予算がイラク戦争の計画資金として流用されたとの描写もあり、論議を呼んでいる。

新著は、ブッシュ大統領をはじめ、イラク戦争の立案にかかわった75人へのインタビューを基にしてまとめたという。
要旨によると、同氏は、イラク戦争の立案が01年11月までさかのぼると主張する。ブッシュ大統領がラムズフェルド国防長官を呼び出し、秘密裏に計画を作成するよう指示したという。

ブッシュ大統領は03年1月初め、ライス補佐官に相談した上でイラク開戦の決断を下し、ラムズフェルド長官らに伝えた。だが開戦に反対したとされるパウエル国務長官には、13日まで報告しなかったという。

ライス補佐官はこの点についても、「イラク開戦が決まったのは3月。パウエル長官は事前に計画を熟知していた」と反論。またウッドワード氏が、戦争推進派のチェイニー副大統領とパウエル長官は「めったに口をきかないほど仲が悪い」と描写しているのに対し、「2人の関係は友好的」と強調した。


まさに「やっぱり出たか」という印象が第一である。
言うまでもなく大統領選挙に影響するだろう。
ライス補佐官のかなり目立つ発言は、それ自体が異常な印象を与えていたし、パウエル国務長官が湾岸戦争の指揮官でありながら、終始一貫して開戦に慎重であったことを考えると、この手の本が出ない方が不思議というべきであろう。日本でも韓国でも見られる傾向であるが、株価を代表とする経済指標は政府首脳の発言や選挙結果などある程度予測がつくものには反応しなくなって来ている印象がある。むしろ、実際の戦闘など突発的ことに強く反応するようで、本来であれば大政治スキャンダルとも言えるかもしれないし、現在の支持率の通りであれば、大統領選挙はブッシュ敗戦となるわけだが、それでも経済に影響しないのだとすると、これは政治の社会的な地位が低下したということにならないか?

4月 19, 2004 at 11:05 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.04.18

イスラエル・ハマス指導者を暗殺

CNNより「イスラエル、ハマス新指導者も殺害 先月に続く

パレスチナ自治区ガザ市で17日夜(日本時間18日未明)、イスラム過激派ハマスの新指導者ランティシ氏が、イスラエル軍武装ヘリのミサイル攻撃によって殺害された。ランティシ氏はハマスの最強硬派で、ハマス創始者で最高指導者のヤシン師が3月22日にイスラエル軍に殺害された翌日、後継者に就任したばかりだった。

各方面からのコメントは

イスラエル外務省は、ランティシ氏への攻撃を確認。マイヤー外務報道官はCNNに対して、「数か月前にも(ランティシ氏殺害を)やろうとしたが、逃げられた。今回は成功した」と述べ、攻撃はあくまでも、自爆テロなどを指揮するハマス指導者に対する自衛的な行動だと位置づけた。外務報道官はさらに、「ランティシの支持者たちも、もし(ハマスが)罪のないイスラエル人にこうしたテロ攻撃を続けるなら、全員がわれわれの標的だと理解すべきだ」と述べ、「ハマス壊滅作戦」を進行させる意図を示した。

一方、アラファト自治政府議長は、「ランティシ暗殺の犯罪」を強く非難し、パレスチナ人はイスラエルから身を守る必要があると強調。国際社会に援護を求めた。

読売新聞より「ランティシ氏殺害、国連事務総長が非難声明

国連のアナン事務総長は17日、イスラエル軍によるハマス指導者ランティシ氏殺害を「このような行動は、すでに悲惨かつ危うい状況を一層悪化させる」と述べ、「国際法違反」として強く非難する声明を発表。

朝日新聞より「川口外相「無謀な行為」とランティシ氏殺害を非難

川口外相は18日、イスラエル軍がイスラム過激派ハマスの指導者ランティシ氏を殺害したことについて、「無謀な行為で、極めて遺憾である」と強く非難する談話を発表した。ヤシン師に続く殺害で「憎悪と暴力の連鎖がさらに拡大し、イスラエル・パレスチナ間の和平実現が困難となる」ことを危惧(きぐ)しているとして、イスラエルに最大限の自制を強く求めている。


ヨーロッパ、アラブ諸国などで一斉に国家テロであるとの非難声明が出た。
一方アメリカはこの暗殺について特にイスラエル非難はせず、14日に

日経新聞より「米大統領、イスラエルの入植地存続を事実上容認

ブッシュ米大統領は14日、シャロン・イスラエル首相との会談後に共同記者会見し、イスラエルがヨルダン川西岸などに大規模な入植地を設けている現実を考慮する必要があるとして、一部入植地の存続を事実上、容認する姿勢を示した。一方、シャロン首相が用意しているガザ地区などからの一方的撤退案を明確に支持した。

イスラエルとパレスチナ自治区の地図

中東の不安定化はひどくなるようだ。
アメリカがイラクから実質的に手を引き国連主導にするということは、率直な表現をすれば「ババ抜きゲーム」と化すだろう。
先進諸国において唯一の消費市場と化したアメリカは、経済の優越した地位を確保している。これは物理的な現実なのでちょっとやそっとでは変わらないが、貿易赤字と財政赤字の巨大化はどこかで限界に達するのではないだろうか?心配になってくる。

4月 18, 2004 at 11:04 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.04.14

ブッシュ大統領イラク政権移譲は予定通り

CNNより「6月末の主権移譲を強調、ブッシュ大統領記者会見

ブッシュ米大統領は13日午後8時半(日本時間14日午前9時半)、ホワイトハウスで今年初の公式記者会見を開き、イラクの状況と、同時多発テロを警告した機密文書について記者団の質問に答えた。イラクについては、6月30日の主権移譲は予定通りに行うと強調した。また、必要なら米軍を増派する用意があると言明した。

詳しくはCNNの記事を読んでいただくとして、なんというか「ここまでポジティブシンキングなのはすごいな」というのが率直な印象です。
だいたい政権を委譲しようというイラク人は主にフセイン政権時代に欧米で亡命生活をしていた人たちで、現地イラクよりもアメリカなどに近い人たちが中心になっています。
イラクはもともと多民族・多宗教といって良い土地柄で、部族長の支配力が大きい近代国家としての統制が取りにくい、よく言っても連邦国家のような形になるのが自然というところで、それがおのおのに兵力を持っているのですから、昔風の言い方なら軍閥といったところでしょう。
そういうところに政権移譲が出来るのか?と言えば、よくてアフガニスンタン並み、悪ければ政権は委譲したが、米軍は撤退出来ないどころか増派が必要ということもあり得るでしょう。
アフガニスタン以上の混乱になるだろと予測します。

4月 14, 2004 at 08:20 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2004.04.13

ブッシュ政権の脅威

ロイターより「米政権、イラク情勢悪化は9.11の機密文書問題より脅威に

米国の政治評論家やアナリストによると、9.11の対米同時テロ関連の機密書類公表でブッシュ政権の当時の対応が問題となっているが、再選を目指すブッシュ大統領にとって、現在のイラク情勢悪化のほうが影響が大きいとみられている。

10日に、同時テロに関する機密文書(大統領日報)が公表され、民主党からはブッシュ政権が情報を知りつつ迅速に行動しなかったことを示す証拠だとの指摘がでている。
一方、共和党では、機密文書の公表による影響よりも、イラク各地で反米活動が広がり、旧フセイン政権崩壊以来最大規模の戦闘が起きるなどのの方がはるかに大きな脅威だとの懸念が聞かれる。

月曜日発表の最新の世論調査でも、ブッシュ政権のテロとの戦いと国内治安への取り組みに対して、回答者の59%が評価している。
しかし、イラク問題については、評価すると答えたのは44%にとどまった。

アメリカ軍のイラク侵攻は2003年3月20日であった。
そして5月1日に空母エーブラハム・リンカーンで事実上の勝利宣言をした。その後も、戦闘は続き米軍の死者はすでに680名を越えているが、死者の数を時系列で見ることができるサイトがある。

2003年3月~4月の死者は、151名であるが、その後は月ごとに、31名、26名、42名、37名、33名、47名、84名、49名と2003年5月~12月の間で349名となった。
2004年に入ると、1~3月で43名、31名、42名であり、4月はすでに72名の死者が出ている。つまり2004年4月半ばですでに戦争中の死者を上回る死者が出ているわけで、ブッシュの勝利宣言とはなんだったのか?となるのは必然であろう。

現在は、休戦状態であるがむしろ治安状況など悪化しているのだが、アメリカ軍がさらにイラクにコミットできる状況でも無いと思う。どうなるのだろう?

4月 13, 2004 at 09:25 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.04.12

ブッシュの支持率43%

ZAKZAKより「ケリーがブッシュを引き離す…7ポイント差に

ニューズウィークが12日までに発表した世論調査によると、米大統領選が現時点でブッシュ大統領と民主党のケリー上院議員との間で行われた場合、ケリー氏支持が50%で、支持43%のブッシュ氏に勝利するとの結果が出た。ケリー氏の7ポイントリードは、これまでの同誌調査で最大。

また米中枢同時テロを検証する独立調査委員会でのライス大統領補佐官らの証言内容をめぐる質問では、ブッシュ政権が同時テロ発生前、テロの脅威を過小評価していたとする回答が60%に上り、真剣だったとする回答の23%を大きく上回った。

ブッシュの言い訳で書いたが、現在のブッシュ政権に対する風当たりは強い向かい風になりつつあり、先日のライス大統領補佐官の証言もすぐにひっくり返された形になって、クールなライス氏の対応が逆効果になってしまった。
それが支持率にモロに出たというべきだろうが、こうなってはイラクでの6月の政権移譲は何としても実行するだろう。
それで事態が解決するのか?と言えば、イラクは元々多民族・他宗教が入り交じっている交通の要衝といった国であって、フセイン政権が強圧的な支配によって国の体裁を保っていたと言っても過言ではない。
その栓を抜いたというか、ナベのフタを取ったというか、沸き返っている中身が外に出てきているのだから、ブッシュ政権のシナリオ通りに収まるとは到底思えない。
イギリスのブレア政権もイラク問題では距離を取りつつある、幸か不幸か日本は戦争は出来ない立場だから、結果的に最後までイラクに駐屯することになるかもしれない。

4月 12, 2004 at 02:53 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ブッシュの言い訳

CNNより「米大統領、「具体的な事前情報なし」9・11前の機密メモ

ブッシュ米大統領は11日、公表された大統領あての機密報告書が、同時多発テロの約1カ月前に国際テロ組織アルカイダによる米国内テロを警告していた問題について、「具体的に対応できる情報はなかった」と述べ、報告の内容から同時多発テロを防ぐことはできなかったと反論した。

大統領は、記者団に対し、2001年8月6日付の「大統領日報」について、「テロの脅威を具体的に示すものではなかった」と釈明。「攻撃の具体的な日時が挙げられていたわけではない。オサマ・ビンラディンが米国に攻撃をたくらんでいたと書いてあった。でもそんなことはすでに分かっていた。私が知りたかったのは、自分たちが対応する必要のある具体的な何かが、米国内で起きるのかどうかということだった」と大統領は弁明している。

ウォーターゲート事件などを担当した元連邦検察官のベンベニステ委員は記者団に対し、「CIAは日報に『ビンラディン、米国内の攻撃を決意』という題を付けて、大統領に、大規模テロの危険は海外だけじゃないと強調していた。米国内に『細胞』があり、工作員が米国に出入りしており、米国内に支援ネットワークがあるなど、ビンラディンが米国内の攻撃を計画していると強調するには、十分な根拠を列挙している。さらに日報は、ビンラディンが長期間にわたり攻撃を計画することも指摘している」と同委員は指摘する。

いかにもブッシュ政権にとって分の悪い展開になった。報道された通りにはっきりと「アメリカ国内でアルカイダが攻撃を掛ける」と報告されたのであれば、大統領が言う「具体的に対応できる」とは「日時を指定せよ」と言っているのと同等だから、これはちょっと受け入れがたいだろう。
イラクでの米軍の大損害、イラク侵攻の元となった情報の信頼性への疑問、ガソリン価格の上昇など11月の大統領選挙に対してはマイナス要素ばかりが並んでしまった感があるブッシュ政権は今後、産業界の支持を得るために日本と中国には無理難題を押しつけて来るだろう。

4月 12, 2004 at 02:02 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.26

国連安保理・イスラエル非難は米の拒否権行使

CNNより「ヤシン師殺害非難の安保理決議、米が拒否権行使

ヤシン師がイスラエル軍に殺害された問題で、国連安全保障理事会は25日、イスラエル非難の決議案を採決にかけたが、米国が拒否権を行使し、同案は否決された。
採決ではフランス、ロシア、中国など11カ国が賛成、英国、ドイツ、ルーマニアの3カ国が棄権。反対は米国のみだった。

アルジェリアが提出した決議案は、イスラエル軍によるヤシン師殺害を非難し、「法的手続きを踏まない処刑の全面中止」を呼び掛けていた。米国は、これと同時にハマスを名指しで非難する文言を盛り込むよう求めたが認められず、決議案は「民間人に対するあらゆるテロ行為」を非難するにとどまった。
ネグロポンテ米国連大使は採決に先立ち、「ハマスによるテロへの言及がなく、偏った決議案だ」と批判した。


政治的な意見の食い違いとしては典型的な処理手順で、いわば双方のメンツを立てたということなのだろうが、パレスチナでは今後は喪が明けたことあって武力衝突は激化するのでは無いだろうか?
いつもの事ながら、国連の実行力の無さが目立つばかりになりそうだ。

3月 26, 2004 at 02:59 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.03.25

米・BSEの日本向け全頭検査を検討中

読売新聞より「米農務省、民間のBSE全頭検査を支援へ

米国でのBSE感染牛発見で日本が米国産牛肉の輸入を停止している問題で、米農務省が、米民間業者による自主的な全頭検査を支援する方針に転換したことが24日、明らかになった。
日本政府は輸入再開の条件として、民間業者が全頭検査をする場合でも米政府に関与するよう求めており、農務省は民間検査の信頼性を確保するため、同省が認定する公的検査機関が民間検査を監督する方向で最終調整している。

この案は、自主的な全頭検査を申請している米カンザス州の中堅食肉加工会社「クリークストーン・ファームズ社」に対し、米農務省が示した。同社には、公的検査機関としてカンザス州立大学が監督にあたることで調整している。
米農務省は当初、民間の自主検査では信頼性が保証できないことや、日本向けに限っても全頭検査が難しい大手業者の反発などを考慮し、民間検査案に消極的だった。しかし、あくまで全頭検査を求める日本政府との交渉が壁に突き当たる中で、本格的な輸出再開までの暫定措置として、検査費用を負担しても日本市場への輸出を再開したいとする民間業者を積極的に支援する方針に転換した。


アメリカ国内でBSEの人へのクロイツフェルトヤコブ病被害のウワサや、一部の学者からの、BSE対策が無いという指摘が相次いでいたこともあって、アメリカ政府も軟化のサインを出したのだろう。
しかし、農業団体などの圧力は強烈で、はたしてこのまますんなりとまとまるのかは、まだまだ難しいのでは無いだろうか?

3月 25, 2004 at 04:41 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.24

イスラエル・パレスチナ指導者の全滅を画策?

共同通信より「アラファト議長殺害も、イスラエル軍参謀総長が示唆

イスラエル軍のヤアロン参謀総長は23日、イスラム原理主義組織ハマスの創始者ヤシン師に続いて、パレスチナ自治政府のアラファト議長の殺害もあり得るとの考えを示唆した。イスラエルのモファズ国防相は22日夜の軍幹部との会議で、ハマス幹部全員の殺害を目標にすることを決定

イスラエルはヤシン師殺害がパレスチナ側に与えた衝撃を利用し、アラファト議長やハマス幹部らに、自爆テロなどの完全停止を要求する最大限の警告を送ったとみられる。
イスラエルはこれまでも議長殺害を検討しながらブッシュ米政権の批判で実施しておらず、実際に踏み切るかどうかは不明だ。

アメリカも今回の暗殺について賛成していない。国連のイスラエル非難決議には反対している、といった状況にある。
イギリスは早々に「暗殺は認めがたい」と声明を出し、日本政府も「反対し非難する」と声明を出した。
この状況でさらに世界中に反発されるようなことをわざわざ発表するというのは、パレスチナを刺激することが目的なのか?
ハマスに限らずパレスチナでは過激派の支持は決して大多数ではない。アラファト議長の巧妙なバランス政策が続けられるのは、戦争や暗殺などで一気にケリをつけるという考え方には支持が無い証拠である。
おそらくはイスラエル国内も同じようなことであろう。シャロン首相の言動が半年単位ぐらいで変わるのもそういう影響であろう。
しかし、武力行使そのものは強大な政治力が無いとごく少数の人間によって容易に巨大な力の行使が実行可能である。
大変な危機にあると言える。

3月 24, 2004 at 12:12 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.22

ハマスの指導者をイスラエル軍が爆殺

CNNより「ハマス創設者、イスラエル軍空爆により殺害される

22日午前5時(日本時間同日正午)すぎ、イスラム過激派ハマスの創設者で精神的指導者のアハメド・ヤシン師(67)がガザ市のモスクで早朝の礼拝を終え、車で自宅へ戻るところを、イスラエル軍ヘリコプターにミサイル3発を撃ち込まれて、死亡した。ほかに護衛兵3人など少なくとも5人が死亡。一緒にいた息子2人など、少なくとも15人が負傷したという。反イスラエル闘争(インティファーダ)の象徴的存在の殺害によって、イスラエルに対する報復テロがさらに激化する懸念が高まった。

目撃者らによると、車椅子で寺院を出たヤシン師が、車に乗り込む前、車椅子ごと吹き飛ばされたとの情報もある。現場にはおびただしい血や散乱した衣類、靴、自動車や車椅子の破片などが残されている。
パレスチナ自治政府のエレカット交渉相は、ヤシン師殺害を「犯罪」と呼び、「今朝のような犯罪が起きると、(和平プロセスは)指の間を砂のように滑り落ちていってしまう。暴力は暴力を呼ぶだけだ。暴力の悪循環を断ち切るに、和平は実現可能だと人々の希望を再燃するしかない」と述べ、和平交渉再開に向けた国際社会の仲介を強く求めた。
ガザ市内のモスク(イスラム教礼拝所)は拡声機で「ヤシン師が死亡した」と伝え、パレスチナ人数千人は、ガザ市内をデモ行進している。
パレスチナ自治政府はそれ以後、ヤシン師を繰り返し、自宅軟禁状態に置いた。最近では、イスラエルで25人が死亡するなどテロ攻撃が続いた2001年12月に同師を自宅軟禁にしたが、これに抗議するパレスチナ人と自治政府治安部隊の間で衝突が起きるなど、ヤシン師とハマスの存在は、パレスチナ人をも分断する要因となっていた。


イギリスは「暗殺を正当化できない」と非難声明を出した。
イスラエルが個人をヘリコプターからミサイル攻撃する例は、ちょっと前から増加していて、攻撃の可否は主に政治的な理由によって決定されるのだろう。今回の暗殺は、シャロン首相の指示によるとされる。
しかし、このような乱暴な暗殺に抗議するデモが数千人というのが事実であれば、パレスチナでのハマスの地位がどの程度のものかが分かる。
いつの時代でも同じことであるけど、少数の過激化派の衝突が長々と続くのは歴史によく登場する場面である。パレスチナ問題とはこのような過激派同士の衝突であるのなら、政治的な解決は困難であろう。

3月 22, 2004 at 09:17 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

元テロ対策担当補佐官・暴露本を出版

CNNより「元対テロ責任者がアルカイダ軽視とブッシュ政権批判

昨年2月まで米ホワイトハウスのテロ対策担当特別補佐官を務めたリチャード・クラーク氏が、22日発売の著書で、米同時多発テロ前後のブッシュ政権の対応を厳しく批判し、波紋を呼んでいる。同氏によれば、ブッシュ大統領は当時からイラクのフセイン政権打倒を優先させ、国際テロ組織アルカイダの脅威を軽視していたという。ホワイトハウスは同氏の主張に対し、詳細な反論を発表した。
クラーク氏は21日、CBSテレビのインタビュー番組で著書の内容について語り、ブッシュ政権のテロ対策を「ひどい仕事ぶり」と批判した。

それによると、クラーク氏はブッシュ大統領の就任直後から、アルカイダの脅威について真剣に協議するよう側近らに働きかけたが、取り上げられなかった。安全保障上の課題としては、イラクやミサイル防衛網が重視されていたという。「大統領はテロの脅威を何カ月も無視し続けた。その間に行動を起こしていれば、同時テロを防げたかもしれない」というのが、同氏の主張だ。
また、同時テロの翌日、ラムズフェルド国防長官は、イラクへの報復攻撃を提案したという。さらにブッシュ大統領もクラーク氏に、アルカイダとイラクとの関連を見つけるよう指示した。「大統領は、イラクが同時テロを起こしたとの結論を望んでいる様子だった」という。「再選を目指すブッシュ大統領が、テロ対策の実績を看板に掲げるなどとんでもないことだ」と、クラーク氏は語る。同氏は23日、同時テロに関する調査委員会で証言する予定だ。
これに対し、ホワイトハウスの声明は「クラーク氏が昨年辞任した時ではなく、選挙戦真っただ中の今になって大統領批判を始めたことに、政治的意図が感じられる」と反撃。「大統領は就任直後からアルカイダの脅威を認識し、ホワイトハウスはただちにアルカイダ打倒の戦略を立て始めていた」「当時クラーク氏が示したアルカイダ対策の提言は、すでに実行されているものばかりだった」「大統領がテロ発生直後に、イラクの関与も含め、あらゆる可能性を把握しておきたいと考えたのは当然のことだ」など、クラーク氏の主張に逐一反論している。


アリメカの対アルカイダ政策と対イラク政策については、陰謀説や警報無視説が次々に出てきているが、これは本命といったところか?
ただ、ホワイトハウスの反論のように「選挙戦の最中に」というのは確かに奇異に感じるし、なんかフレームアップの感もする。

同時多発テロにアルカイダが要した作戦(?)費用は1千万ドル台という説があり、経済的に二度と同じ規模のことは出来ないだろうと言われている。
その一方で、地下鉄サリン事件で経験したり、先頃のスペインの列車同時爆破のような、ゲリラ戦レベルテロ攻撃は増える可能性があるだろう。
スペインの列車爆破テロでは携帯電話によるリモコン爆破でり、自殺爆弾攻撃ではない、それだけ自殺爆弾テロよりも攻撃方法として洗練されたものと言えるだろうし、危険は大きいとは思うが逆に言えばアメリカが現在実施しているような空港でのチェックなどは、怪しげな人間を押さえるぐらいの効果しかないのだから、これはすでに一種の国内向けの緊張感の維持という側面の方が大きくなり過ぎてしまったのでは無いだろうか?なんとなく、政府批判の論調が強くなってきているような気がする。

3月 22, 2004 at 08:49 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.03.21

台湾の総統選挙・裁判所が投票の封印を命令

CNNより「台湾裁判所、総統選の票封印を命令 野党の無効訴えで

台湾総統選で野党が得票率0.22%の差で敗れ、総統候補の連戦国民党主席と副総統候補の宋楚瑜親民党主席が連名で高等行政裁判所に選挙無効の申し立てを提出したのを受け、同裁判所は21日、各地の選挙委員会の票を封印し、保全するよう命令した。

高等行政裁判所の担当者は同日、投票所1万3000カ所の投票箱をすべて封印し、証拠として保全すると明らかにした。票の封印が決まったのは、連氏が開票結果に不服を表明してから約10時間後だったという。
再集計を実施するのかについては、「すぐに再集計するのは難しい。その決定を下す判事をまず任命しなくてはならない」と述べ、担当判事はすでにコンピューターで無作為に選んであると説明した。
野党の連―宋・両候補と支持者らは20日夜から21日にかけて、台北市内の同陣営選挙本部や総統府前、高雄、台中、台南各市の地方検察当局などで抗議行動を続け、「選挙は無効」「票を再検査せよ」と訴えている。
総統選は20日夜までに開票され、現職陳水扁総統と呂秀蓮副総統のペアが、野党候補に2万9000票差、得票率にするとわずか0.22%の差で再選された。連氏はただちに、無効票が33万7297票にも上ったと怒りをこめて指摘。前回選挙(2000年)の無効票数の約3倍にもなったのに加え、陳氏との得票差の11倍にもなっているとして、票の点検を強く求めた。
連氏はさらに、陳総統と呂副総統が19日午後に台南市で狙撃され負傷された事件について、「選挙結果に明らかに影響した」にもかかわらず、事件の詳細が何も発表されていないと非難した。

なんか4年前のアメリカ大統領選挙のフロリダ州の開票の大混乱のようなことにならなければ良いと思うのだが・・・・。
日本でも、先日裁判所が最下位当選者と次点の候補者が点検の結果、得票数が同じであったとして、公職選挙法の同数の時にはくじ引きの規定により、次点だった候補者の当選が決まったという劇的なことがあった。
冷戦終了後10年を過ぎて、各国の各政党の主張も段々と差が無くなり、政権があっさりと交替するといったこと増えてきたのだと思う。

3月 21, 2004 at 04:49 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

台湾の総統選挙の社説色々

台湾総統選挙についての新聞各社の社説
日経新聞 「混迷深まる総統選挙後の台湾
読売新聞 「中国と台湾は対話再開をめざせ
朝日新聞 「陳氏再選・台湾は動いている
産経新聞 「総統再選・信任された台湾の路線・中台ともに現実的対応を
琉球新聞 「陳水扁総統再選・台湾人の意思明確に
東京新聞 「陳総統再選・中国と対話の道さぐれ

事実関係として、台湾独立を指向する与党・民進党の陳水扁総統と中国との関係強化を目指す野党・国民党の連戦主席の接戦であった。
そもそも台湾独立とは、元からの台湾在住の本省人と呼ばれる人たちの中にある意向であるが、日本領であった時には日本人であり、中国内戦で共産党に負けた中華民国政府が台湾に移ってきた国民党政権の人たちを外省人として、分けるところから、対立関係があった。
台湾経済は安価な労働力を中国に大きく依存している事実がある。
中国政府は台湾の独立は認めないと繰り返し主張し、軍事演習など圧力を掛けている。
投票日前日に、陳水扁総統が銃撃され負傷した。
そして、投票の結果は6,472,510対6,441,912で、差が30,598両方の投票総数の2/1000のという僅差であった。
選挙に負けた、連戦候補陣営は選挙の無効を主張して、座り込みや投票用紙の再点検を求めるとしている。

このため、各紙の社説もバラバラである。
あまりにも複雑で、どのようになるのがベターなのかもよく分からない。

3月 21, 2004 at 04:32 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.18

韓国財界、弾劾は影響無しと述べる

韓国・中央日報より「財界、弾劾は経済にショック与えず

新千年民主党指導部は17日、経済5団体代表と朝食懇談会を行った。

経済団体からは、大韓商工会議所会長、韓国経営者総協会会長、中小企業協同組合中央会会長、全国経済人連合会専務、韓国貿易協会副会長が参加した。
経済団体代表は「憲裁で速やかな結論が出されるよう願っている」と一様に話した。 大韓商工会議所の朴会長は「政府や財界の対応が早く、衝撃はほとんどない」とし「ただ事態が長引くと、輸出への悪影響が懸念され、早期に終了してほしい」と話した。

大統領弾劾請求を成立させた、ハンナラ党に対する風当たりは厳しく、党内から「弾劾請求の取り下げ」という話しが出ていて、さらには4月15日の総選挙に現執行体制では勝負にならないとして、野党は執行部の退陣を決めているという。韓国国会の定数は271人であるが、与党ウリ党は47人と圧倒的な少数与党であるが、世論調査ではウリ党の支持率が50%を越えた。総選挙の結果はどのようなものになるのか分からない。

3月 18, 2004 at 10:39 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

CIA偵察画像流出を調査

CNNより「漏出経路を調査、CIA機のビンラディン氏の映像

CIAの無人偵察機プレデターが2000年8月、アフガニスタン東南部のタナック・ファルムで、オサマ・ビンラディン氏とみられる人物を映像でとらえ、一部の米テレビが放映した問題で、CIAは17日、高機密扱いだったテープの漏出経路を調べる方針を明らかにした。

米NBCテレビが16日、映像を最初に放送、CNNも放映していた。
米情報機関当局者は、映像は本物であることを確認、集団に混じって、アラブ風の白い衣服を身に着けた背の高い男はビンラディン氏本人の可能性が高いとの見方も示している。

映像の現場は、アルカイダ幹部の会合の場所として知られ、組織構成員の訓練キャンプとも化していた。

撮影当時のプレデターは、武器を装着していなかったことから、米当局者は、映像がビンラディン氏と思われる人物をとらえてから、爆撃などの攻撃までに当時は3時間から7時間掛かったと指摘、殺害など迅速な作戦は実行出来なかったと説明している。
2001年にプレデターにヘルファイアー対戦車ミサイルを搭載する計画が急浮上したのは、このビデオの存在が理由の一つになったという。

無人偵察機として実用的でなおかつ驚異的な性能(航続時間29時間、上昇限度1万3千メートル、巡航速度160キロ)のプレデターの使い方として偵察が当然だと思っていたら、いきなり爆撃機能を持たせるというので、どうやって標的を見つけるのか?戦場に低速機を出しても撃墜されるのではないか?と思っていたけど、こういう背景があったわけか。

3月 18, 2004 at 09:47 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.14

韓国野党支持率急落

韓国朝鮮日報より「2野党に「弾劾逆風」支持率急落

弾劾案が可決された12日以降の各世論調査の結果によると、弾劾案の可決に反対する世論が60~70%となったほか、与党ウリ党の支持率が急上昇し、野党ハンナラ党と15~20%余の差をつけていることが分かった。
野党のハンナラ党と民主党は、「このままでは1カ月後の総選挙で惨敗するのが確実」という不安に包まれている。このため、与野党の総選挙戦略の全面的な見直しが避けられなくなった。
野党は、「世論の強い批判を静めるためには国民の不安を解消するのが急務」という認識下、高建(コ・ゴン)大統領権限代行行体制下では改憲議論を一切しないことにした。
野党ハンナラ党代表は14日、「今、この国は混乱を煽って憲法裁判所が正常な判決を下せないよう干渉する勢力と、国の混乱を懸念し黙々と見守っている安定を求める勢力に二分されている」とし、「今回の総選挙は両勢力の死活のかかった戦闘になるはず」とした。
与党ウリ党は弾劾訴追案の可決以降、政治に対する国民の不信と不安が高まっていることと関連、国会外での集会を自制することにするなど、野党に対する強硬対応より国政の安定に力を入れることにした。

与野党が肝心の弾劾問題について4月15日の選挙に向けて棚上げしているとしか見えないが、これでは国民世論もやりきれない気持ちになるのではないか?政治は闘争だから大統領弾劾も合法でありなんの問題も無いのに、憲法裁判所に送付し、大統領代行が決定した時点「休戦宣言」とは理解しがたい。野党の弾劾提起が剣法裁判所が弾劾決定を出すのに十分とは思えないが、憲法裁判所が門前払いはあり得ないだろうから、結論が出る前に総選挙になるだろう。それまでの与野党のどちらを国民がより信頼するかという相対的な選挙結果になるように思う。

3月 14, 2004 at 10:45 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.13

韓国大統領弾劾に関する記事

日経新聞社説 「韓国の「大統領不在」を強く懸念する
朝日新聞社説 「大統領弾劾――韓国の迷走を憂える
毎日新聞社説 「韓国大統領弾劾 対北外交への影響最小に
産経新聞社説 「【主張】韓国大統領弾劾 北の存在を考え安定望む
神戸新聞社説 「盧大統領弾劾/安定望む世論を忘れるな
琉球新報社説 「韓国大統領弾劾・政局混乱の早期収拾を
東京新聞社説 「盧大統領弾劾 自らつくった落とし穴
韓国東亜日報社説 「国政空白の最小化に力を合わせなければならない
韓国中央日報社説 「平常心をもって賢明に進もう
韓国朝鮮日報社説 「国を考えなければならない

と全体に、大統領・与党・野党を問わずに政治的な混乱を深めたという観点で政治家に対して批判的な論調で揃ってしまった。さらに株式市場の反応は「弾劾株価21ポイント急落」850大台割れ(韓国東亜日報)

大統領弾劾案が可決されたあおりを受け、12日株価とウォン相場、金利が軒並み値下がりした。同日ソウル証券市場で総合株価指数は前日より21.13ポイント(2.43%)下落した848.80で取引を終えた。弾劾案の発表直後、47ポイント以上急落し、822台まで下落したが、午後に投売りの動きが沈静化し、下落幅がかなり縮まった。コスダック(店頭市場)の総合指数も14.9ポイント(3.44%)下落した420.28で引けた。
韓国朝鮮日報より「【弾劾案可決】「不安続けば消費・投資がさらに萎縮
憲政史上初の大統領弾劾案の可決によるショックが、不況に喘いでいる韓国経済の回復をさらに遅延させると懸念されている。
国会が弾劾案を可決した12日、国内外の経済専門家らは一斉に「政治による悪材料が韓国経済に悪影響を与える」との見通しを示した。しかし、韓国経済にどれほどの打撃を与えるかについては意見が分かれており、特に「韓国経済の基礎体力からして東南アジアなどの弾劾政局とは違うだろう」という見方が多い。

金融関係については意見の分かれるところではあるが、総じて影響はあるが小さいだろう、ということらしい。一方カード問題で消費が減退していることについては

呉文碩(オ・ムンシク)LG経済研究院常務は「弾劾政局で政治経済的不安が続けば、めっきり萎縮していた消費が一層冷え込む可能性がある」と話した。消費と投資という内需の2つのエンジン活力が大幅に弱まりかねないという話だ。

という意見もあり、いずれにしろ「マイナスの影響がどのくらいか」という話しになってしまう。4月15日の総選挙でどのような結果がでるのだろうか?

3月 13, 2004 at 09:15 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.12

韓国大統領弾劾訴追案可決・続報

韓国中央日報・日本語版より「盧大統領弾劾訴追案が可決


盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対する弾劾訴追案が12日午前、国会で可決された。 現職大統領弾劾案が発議、可決されたのは56年の憲政史上初めて。
在籍議員271人のうちハンナラ党、新千年民主党(民主党)、自由民主連合(自民連)議員や一部の無所属議員ら195人が投票した。結果は賛成193票、反対2票となり、賛成が在籍議員の3分の2(181人)を超えた。
弾劾案可決後、ハンナラ党は「救国の決断」とし、民主党は「議会民主主義の勝利だ」と主張した。

ウリ党は「憲政をじゅうりんする犯罪行為を犯した国会に、これ以上身を置くことはできない」とし、所属議員らの議員職辞退を宣言した。

韓国は4月15日に総選挙があります。
ノ・ムヒョン大統領は国会が弾劾訴追案を決議したので、大統領職は停止され、コ・ゴン首相が大統領権限を代行します。
弾劾訴追は憲法裁判所で弾劾審査が180日以内に行われ、決定します。
大統領が弾劾・罷免された場合には、60日以内に大統領選挙が行われます。
一言で言えば、総選挙と弾劾裁判が同時に進行するのか、総選挙後に弾劾裁判が始まるのか、という違いはあるものの総選挙の争点が大統領になることは確かです。

ノ・ムヒョン大統領と野党ハンナラ党の政争が政治資金不正の金額争いになってしまい、少数与党の大統領を弾劾してしまった、という構図であるから、韓国の新聞の論調も大統領・与党・野党のいずれにも対して、妥協して早急に収拾するように呼びかけてきたが、現実の事態は正反対になってしまった。

韓国経済は、かなりの苦境にある。しかし、政治家たちはそれどころではないのだう。早急に収拾できなかった場合は、240日後つまり11月7日まで混乱が続く可能性もありうる。これは危機だと思う。

3月 12, 2004 at 06:46 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (2)

韓国・大統領・弾劾決議案可決

NHK昼のテレビニュースより

議長が居座る与党を強制排除して、国会議員の2/3を越える多数決で、弾劾決議を可決。
大統領は職務が一時停止に。
今後、弾劾裁判所に掛けられることになるらしい。

3月 12, 2004 at 12:03 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

韓国国会、本日18時に山場

韓国朝鮮日報・日本語版より「本会議再開控え与野党が対峙

弾劾案処理の時限を数時間残した12日午前10時、与野党は国会本会議の再開を控え、非公開会議を開いている。
弾劾訴追案の時限は同日午後6時27分までで、否決されれば、訴追案は自動破棄される。

大統領弾劾決議案が国会の議事日程として提出されてから72時間以内に採決することとなっていて、その期限か18時27分である。
さく11日に採決する予定であったが、与党が議長席を選挙して議事を開かせなかったために、本日12日に延期された。
完全に時間切れに持ち込む狙いではあるが、議長は強硬開催も示唆しており、状況は目が離せない。
大統領弾劾決議というのもすごいが、それを実力で国会の議事を開かせないことで、廃案に追い込んだ場合、国会の信用は地に落ちるのではないだろうか?
そのせいか韓国国会に車で突入し放火を図るという事件も発生した。

3月 12, 2004 at 10:46 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

民主党大統領候補ケリー氏に決定

共同通信より「ケリー氏の指名正式決定 11月本選へ運動本格化

米CNNテレビが11日発表した最新の集計によると、米民主党のケリー上院議員がこれまでの予備選などを通じて獲得した代議員数が同日までに、候補指名に必要な2162人に達し、7月の民主党大会でケリー氏が大統領候補に指名されることが正式に決まった。
ケリー陣営は来週、正式な勝利宣言をする見通しで、弱点とされる南部での支持固めや、11月の本選で勝敗の鍵を握るとみられる無党派層の掘り起こしに向けた選挙キャンペーンを本格化させる。

2位のエドワーズ氏を副大統領候補にすることで民主党として一本化してブッシュ大統領に挑戦することになる。現在のところ世論調査ではケリー対ブッシュの人気は同等であるから、11月までの半年間の選挙戦は激戦になるだろうし、外交政策として何を打ち出してくるのか目が離せない。

3月 12, 2004 at 10:45 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.11

韓国大統領記者会見

午前10時から、韓国大統領の記者会見がありましたが、内容は「国民に謝罪する」というもので、野党が2時から弾劾決議をするという予定は、そのまま実行することになりそうです。与党は決議つまり会議の開催に抵抗するために国会で籠城中です。
非常に大きな問題は、大統領が選挙資金について違法な政治資金が野党の1/10以上であれば辞任すると以前に公表していたことで、中間報告で検察は大統領VS野党の違法政治資金は約1/8であるとなっています。しかし、記者会見で大統領は、1/10以下であると発言しました。
結局、この記者会見は混乱の解決に資するところは無かった、ようです。

3月 11, 2004 at 11:28 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.10

盧武鉉大統領、11日に記者会見を予告

韓国中央日報・日本語版より「盧大統領、11日に記者会見

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が11日午前10時に、検察の大統領選資金中間捜査発表に対する立場表明のため記者会見を行うと、大統領府スポークスマンが明らかにした。
これに伴い、盧大統領が野党側が要求してきた国民に対する謝罪を受け入れるかなど、会見内容によって弾劾政局は分水嶺を迎えることになった。
盧大統領は今回の会見を通じて、検察の捜査で明らかになった不正大統領選資金、側近の不正のほか、兄・建坪(コンピョン)氏、閔景燦(ミン・キョンチャン)ファンドなど親せきの不正について謝意を表明することが伝えられた。特に「10分の1」論議については、いかなる形であれ立場を明らかにすることが予想され、注目されている。

韓国の新聞は、政治の混乱についてかなり批判的な論調を強めている。

韓国朝鮮日報・日本語版・社説では「素直に謝罪するか、弾劾案の採決に協力せよ

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、野党が発議した大統領弾劾訴追案を厳重な現実として受け入れなければならない。野党のとてつもない政略だと非難したところで解決される問題ではない。もうそのような段階は過ぎている。
もし、大統領が素直に謝罪するのができないというなら、国会での弾劾訴追案の採決を阻止してはならない。野党の弾劾訴追案の発議は合法的な手続きを踏んでいる。独立した憲法機関である中央選挙管理委員会の決定を無視して多数の国民が求める謝罪も拒否し、議会民主主義の根幹となる会議の進行まで実力阻止するというのは、まったく納得できない。
盧大統領に残された選択は素直に謝罪をするか、それとも弾劾案の採決に協力するかだ。

一言で言えば「混乱をとにかく収拾せよ」という意味だろう。
あまりに複雑な政治状況になっているが、政治資金問題の他にも韓国ではクレジットカード問題による個人債務の処理、原材料の高騰による製造業の操業停止など、国民の目から見ると「政争などやっている時ではない」ということなのだろう。この大統領の記者会見は大きな転機になるのか、単なる失望に終わるのか、注目する必要がある。

3月 10, 2004 at 11:46 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ケリー氏、民主党・大統領候補へ

CNNより「ケリー氏、南部4州でも大勝、民主党指名争い

米大統領選の民主党候補指名争いは9日、フロリダ、ミシシッピ、テキサス、ルイジアナの南部4州で予備選が行われ、最有力候補のジョン・ケリー上院議員(マサチューセッツ州選出)が各州で大勝した。
これら4州で2位につけたエドワーズ上院議員(ノースカロライナ州選出)は、すでに撤退を表明している。近くワシントンでケリー氏と会談し、同氏支持を正式に決めるとの見方が強い。

CNNの詳報によれば、ケリー氏が67%~78%の得票に対して、エドワーズ氏は16%~7%の得票で2位となった。この結果、ケリー氏の総得票は1937票、エドワーズ氏540票で、過半数の2162票にはケリー氏は540票なのに対しエドワーズ氏は1622票が必要だが、すでに残り票のすべてがエドワーズ氏に入っても過半数(2162票)には届かないようである。

3月 10, 2004 at 11:43 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.09

韓国大統領・政治資金で窮地に

韓国東亜日報・日本語版より「ハンナラ=823億、盧陣営=113億、検察が不法選挙資金捜査結果発表

昨年の大統領選挙当時、ハンナラ党と盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補選挙キャンプが企業から集めた不法大選資金の中で、検察捜査で明かした金額がそれぞれ823億2000万ウォンと113億8700万ウォンと集計された。
これによって、自身の不法大選資金がハンナラ党の10分の1水準を越えたら政界から引退するとしていた盧大統領の発言をめぐり議論が起きるのは必至だ。


韓国ウォンの対円相場は大体10ウォンが1円です。為替相場換算で80億円とか10億円という話になってしまうわけで、どういう結末になるのか分かりませんが、ひょっとする大政変になるのかもしれません。

3月 9, 2004 at 10:21 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

韓国大統領に弾劾決議案

韓国朝鮮日報・日本語版より「盧大統領の弾劾案発議、憲政史上初

憲政史上初の現職大統領に対する弾劾訴追案が9日、国会に提出された。
ハンナラ党と新千年民主党(民主党)は所属議員159人の署名を受け、同日午後3時49分頃盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対する弾劾訴追案を、ノ・ジェソク国会議事局長を通じ国会に提出した。


韓国政界はよく分からない動きが続いていたが、なんと大統領弾劾に至った。とは言うものの、野党である、ハンナラ党と民主党の議員、合計206人の内、弾劾決議に署名したのは、159人とのことで弾劾が成立する2/3の賛成=181人には届いていない。さらには、そもそも採決に必要な181人(2/3)の定足数に届くのかも不明とのこと。
隣国のことではあるが、あまり無関心というわけにもいかないでしょう。

3月 9, 2004 at 10:17 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.02.18

補給会社がイラク米軍に不正請求か?

CNNより「米ハリバートン子会社、イラク米軍への食費請求を延期」

イラク復興事業で複数の不正疑惑が取りざたされている米エネルギー大手ハリバートンは16日、イラクとクウェートの駐留米軍基地における食事提供サービスで子会社が水増し請求したとの指摘を受けて、米軍への計1億4000万ドル(約150億円)の「費用請求を延期する」と発表した。受注した食事数と実際に提供した食事数をめぐり、米軍の見解と大きな食い違いがあるためで、「状況がはっきりするまで」としている。

駐留米軍への食事提供で水増し請求疑惑が指摘されているのは、ハリバートンの子会社ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート。ケロッグ・ブラウン・アンド・ルートはこれまでに、イラクへのガソリン輸入事業でも水増し請求の疑いがもたれたほか、イラク駐留米軍への軍需補給業務でも下請けのクウェート企業から社員がリベート630万ドルを受け取ったとされ、同額を国防総省に返金している。

ハリバートンは、チェイニー米副大統領が1995年から2000年まで最高経営責任者(CEO)を務めていたため、イラク復興関連事業の受注については厳しい批判の目が向けられている。

エマニュエル・トッド著「帝国以後」藤原書店刊(毎日新聞の書評)の「日本の読者へ」で説明されているのはイラク攻撃が開始される以前から、アメリカの戦略システムは解体を始めていた。とあり、アメリカの衰退が明らかになったとあります。この事件はアメリカの衰退そのものかもしれません。

「帝国以後」は、ヨーロッパがアメリカ離れしているのに対して、日本はヨーロッパではソ連崩壊など対立が無くなったのとは対照的に対立関係が周辺にあるから、崩壊過程のアメリカと相変わらず手を組んでいる必要がある。という説明をしています。アメリカの衰退が急激で収拾の見通しが無い赤字の増加に大きな因果関係があると指摘しています。つまり、経済の道徳的な側面が失われたということであれば、このような大企業がどさくさ紛れに一儲けというのも起こりうることなのでしょう。

2月 18, 2004 at 12:03 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.02.05

パキスタンの核の父・自供?

自宅軟禁の拘束状態だったパキスタンの核の父・アブドル・カディル・カーン博士が同国治安当局に対し、イランとリビア、北朝鮮への核技術流出にかかわったと自供したとのことです。

パキスタン政府はカーン博士ら科学者グループの私的な活動による核技術の流出と主張していますが、アメリカ政府や国際原子力機関(IAEA)などはこれでは納得しないだろうし、北朝鮮の反応がどうなるのか分かりません。

パキスタンは農業国であり、核技術を自力で開発するための基盤技術として重工業は遅れていた。北朝鮮はもともと工業国であった。産油国であるイランやリビアには資金があった。つまり、資金、技術、工業という組合せがこの3(4)ヶ国を結びつけたわけで、長年うわさにはなっていた。

パキスタン政府はムシャラフ大統領にカーン博士の赦免を申し入れました。

パキスタン政府の一連の行動はアメリカのイラク攻撃を見て、将来の攻撃を回避するために先手を打ったのでしょう。

2月 5, 2004 at 11:50 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.02.03

パキスタンの核の父・拘束

日本ではあまり大きく報道されていませんが、BBCやCNNがトップニュースで扱っているのが、「パキスタン政府は1日、同国の「核開発の父」アブドル・カディル・カーン博士が、ウラン濃縮技術を北朝鮮やイラン、リビアなど外国に提供していたと供述したため、首相顧問(閣僚級)などの役職から解任した」というニュースです。

パキスタンはインドと並んで核実験を公表し核武装している国ですが、カーン博士は以前からいろいろな場面でニュースに登場しています。
非常に有名なものが、1976年にオランダ・アムステルダムの物理力学研究所で高速遠心分離機を研究中に、当時のブット首相の特命を受けて帰国し、パキスタン核開発研究所の所長になった、博士が重要な設計図としてオランダ裁判所は博士を有罪としました。

確か「イスラムの核」という本だったと思いますが(出てこない)このころの核開発の関係を説明した本が出ていました。一言で言えば、カーン博士が熱心なイスラム教徒であることと、1974年のインドの核実験成功に対して当時のパキスタンのズルフィカー・アリ・ブット首相が核武装を明言し、そのためにカーン博士が帰国して核開発研究所の所長に就任したという一連の流れでした。

パキスタンの核すなわちカーン博士の動向が問題になったのは、イスラム諸国と核開発について積極的に連携を図ろうとしたことにあります。核開発についてはアメリカもイギリスに対して情報を知らせませんでした。ほとんどの国は自力で核兵器の開発を行っています。
この点、パキスタンは中国、リビア、イラン、北朝鮮と核兵器開発の情報あるいは設備類を取引材料にしていたと言われています。

驚嘆するべきは、重工業の基盤が事実上無い状態で核兵器開発に乗り出したことです。逆説的には自国では調達できない機械類や資金不足を核兵器の提供という約束で得ていたという構図なのでしょう。

パキスタンは、独立後インド・パキスタン戦争などもあり、歴代政権の多くは軍事政権でした。それが、核兵器開発を推進したであろうことは、想像に難くありません。また、インドがソ連よりの政権であったために、アメリカがパキスタンには甘かったのも事実でした。
今回のカーン博士に対する告発は、アメリカの一国支配の現れということで注目するべきことです。

2月 3, 2004 at 01:06 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2004.01.01

正月の新聞記事がこれとは!

明けましておめでとうございます。
今年は戦争もなく、日本経済も順調に回復しますように。

とか書くのが年賀状の通例であるが、世界情勢は早くも冷水を浴びせてくるらしい。

産経新聞より、産経新聞ワシントン支局の取材として

米「北の核」に期限 3月末までの放棄迫る 強硬方針、PSI発動視野
海上警備 日本に要請

(中略)

 また、ワシントンの別の外交筋は、北朝鮮が六カ国協議の再開に応じない場合、その時点をもって米国が、強硬方針に移行する方向であることを明らかにした。いずれの期限も三月末だが、六カ国協議の今後の展開などを勘案したうえでのぎりぎりのタイミングだ。

(中略)

 PSI発動の場合、米政府は、本来の目的である核、ミサイルなど大量破壊兵器の北朝鮮からの輸出阻止だけでなく、麻薬、偽札などについても取り締まりを強化する構えだ。とりあえず、日本の海上保安庁に対し、朝鮮半島周辺の海域や日本海などで主に活動するよう要請する方針だ。

(中略)

 【PSI(大量破壊兵器拡散防止構想)】ブッシュ米大統領が2003年5月にポーランドを訪問した際の演説で提唱。主に北朝鮮とイランの大量破壊兵器輸出入を阻止する目的で、各国が船舶、航空機などを使って協力し合う。日英豪など16カ国が参加し、各国合同の演習も03年中にすでに数回、行われている。

この「各国合同の演習」とはオーストラリア近海でヘリコプターで強行突入の演習をしたとかいう話しで、海上保安庁(世界的には、沿岸警備隊)の守備範囲なのか大いに疑問という内容であった。

もっとも、21世紀の戦争はゲリラ戦が主体になることはだいぶ以前から言われており、今回のアメリカ・イギリス軍のイラク侵攻について他のヨーロッパ諸国が反対した理由の中には、現代の軍隊はゲリラ戦には対応できない、という判断があったのでは無いか?と思っている。

その点、アメリカは不法移民問題や麻薬取締のための大規模な軍事だか警察だか区別できないような投資と訓練を行ったので、不正規戦闘に自信があったのかも知れない、フセイン政権を倒せばイラク国民が一斉蜂起して新政権を作ると思い込んだ方か強いだろうが・・・・。

というわけで、今度は日本周辺がきな臭くなってくるかもしれない。

1月 1, 2004 at 01:36 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2003.12.14

フセイン拘束

21時過ぎから、ライブでバグダッドの記者会見が中継されている。
アラビア語、イタリア、といった具合にいろいろな言葉が飛び交っている。
なんと言っても、逮捕時の画像に対して記者が立ち上がって、手を振り回しているのが印象的だった。
アメリカ軍特殊部隊が、かなり高度な探索システムを使って最終的な位置を探査したようだ。
まるっきり、息だけが出来る程度の穴を貫通させた地下3メートルぐらいの穴の中に居たらしい。
普通、怪しげな洞窟などを見つけたら、とりあえず催涙弾とか放り込むわけで、フセインはとても人が居るとは見えないようなところに隠れていたというのは当然だと思う。
まぁ、おそらくは次々と居場所を替えて、田舎の農場(?)などに隠れていたのだろうが、占領軍に通報される可能性があるから、移動するたびに相当な家賃(?)を払わないと、安全に過ごすことは出来なかったのだろう。
しかし、時が経つにつれてお金の効果も昔の威光も効き目が無くなって、占領軍に通報されたということだろう。
捕まった、穴蔵に一週間も居たとは思えないから、たぶん一ヶ月とかそれ以上以前から、次々と足取りを追われていて、ついに追いついた。ということなのだろう。

さて、これでイラクが安定するのだろうか?
というよりもアメリカが安定するのだろうか?が問題だ。実際に、ニューヨークの同時多発テロについては、1990年頃にソ連の崩壊で冷戦構造の終了がはっきりした時点で、予想されていた。
それで、アフガニスタン・イラクとアメリカは攻撃したわけだが、しょせんはテロは戦争ではないヴィンラディンがいかに大金持ちで、かつ狂信的なテロリストであったとしても、戦争とはレベルがまるで違う。
つまり、牛刀をアメリカが振り回しているという事実は変えようがないわけで、今のイラクの不安定の原因がイラクにあるのか、フセインが逃げていたことにあるのかが、明らかになるのは間近だ。

酔うぞ拝

12月 14, 2003 at 09:50 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2003.12.08

すごい国があるんだ

>ジンバブエのムガベ大統領が英連邦脱退を宣言した。
>英連邦首脳会議で、ジンバブエの英連邦参加資格の
>一時停止処分を無期限継続すると決めたことへの
>対抗措置だということだが、ジンバブエは深刻な食糧不足、
>インフレ率が700%と経済は破たんしている。

このような状態では、
国際的な孤立は単に国をより一層貧しくするだけだろう。
その結果としてクーデターなど政変も予想の範囲になるが
冷戦が終了した今では、国際関係をテコに小国が生きる道は
極めて厳しい、キューバがアメリカに接近しているのも、
その例と言える。

この国はどうするんだろう?

12月 8, 2003 at 11:21 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2003.12.07

外交官射殺事件についてのうわさ

CATVで朝日新聞系列の朝日ニュースターというチャンネルを見ることができます。
愛川欽也が司会をする「パックイン・ジャーナル」といういささか騒々しい番組がありますが、常駐のコメンテーターに軍事に詳しい田岡俊次氏が出演しています。
こういう背景の番組ですが、12月6日の放送で「米軍誤射説」がついに出てきました。
一部の人たちは米軍の誤射ではないか?という疑いが語られていましたが、少しずつ明らかになってきた状況をすべて説明できるのは米軍誤射説だということです。

わたしが理解している点では、
軍用の自動小銃を使い、かなり上手な射手が撃っていること。
アメリカ軍が証拠品の車をいまだに返還しないこと。
東京で行われた、司法解剖の結果については、銃弾についての説明をノーコメントとしたこと。
車両は拳銃の弾丸には耐える能力のある装甲が施されていたこと。
ボンネットに前方から銃撃された弾痕があるが、フロントウインドは撃たれていない。

といったところです。
その他の情報でも、100キロ以上で走行中の車を3~4台で取り囲んで銃撃した。
といった情報もあります。ここであえて大胆な予測をすると。

大使館を出発した車は、ナンバーを外し、装甲してあり、アンテナを装備している、かなり怪しい外見の車であった。ナンバーを外したのは大使館の車であることを隠すためであったが、他の装備がかえって怪しい車に見せかけてしまった。
米軍が大使館の車を取り囲んだ時に、大使館の車に乗っていた全員が米軍の護衛と解釈して、銃口を向けられても、日ごろ慣れているから停車することしなかった。
取り囲んだ米軍は、ナンバーが無いこともあって大使館の車と確認できず、かつ正面から銃口を向けても停車しないので、自殺爆弾車両として射撃した。

言うまでもなく、これが真実であるか、そうでないのかは銃弾が遺体か車両から取り出せれば、決定することである。
一言で言うと、ノーコメントで通すことは出来るかもしれないが、ゲリラの攻撃とかテロであると断言すると、後から銃弾が出てきた時に説明が付かない。
アメリカ軍とイラクにある小銃は全く別物だから、取り違える可能性は皆無と言えるからだ。
そういう見地から記者会見の言葉尻をチェックしてみると「テロと思われる」というところから一歩も進んでいない。
その上、銃弾についてはノーコメントであるし、車は返ってこない。
さて真実は明らかになるのだろうか?

酔うぞ拝

12月 7, 2003 at 02:36 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (3) | トラックバック (1)