2009.11.25

アメリカのトヨタ車・アクセルペダルでリコールなのだが・追記あり

朝日新聞より「トヨタ、米で400万台ペダル交換へ 暴走事故受け

高級車レクサスが米国で暴走し、乗員4人が死亡した事故に関連し、トヨタ自動車は、アクセルペダルをフロアマットに引っかかりにくい形のものに交換するリコールを実施する方針を固めた。日本時間の25日夜にも米国で発表する。

対象は、米国で販売したトヨタブランドのプリウス、カムリ、アバロン、タコマ、タンドラと、レクサスブランドのESとISの計7車種約400万台になる見通し。9月29日にトヨタが暴走の危険を警告した際には約380万台としていたが、その後の販売車両も含める。

トヨタは当初、フロアマットを適切に固定しなかったり、二重に敷いたりしなければ問題は起きないと主張していた。
しかし、10月に入り、「事故が発生する危険性を減らすため、車両本体を改良する」との意向を米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に伝えていた。

リコールでは、アクセルペダルを短いものに交換。床板との距離に余裕を持たせ、フロアマットがずれたり、二重に敷かれたりしても、引っかからないようにする。
リコール費用は数百億円規模になるとみられる。

また、トヨタはアクセルと同時にブレーキがいっぱいまで踏み込まれた場合、電子制御でアクセルを解除し、ブレーキの作動を優先する装置の導入や、エンジンを緊急停止する操作を分かりやすくする方法についても検討しており、併せて対策に盛り込まれる可能性がある。

今回のリコールは、8月下旬に米サンディエゴ市郊外で、レクサス「ES350」が暴走し、4人が死亡した事故が契機となった。

ES350は07年にも同じ問題でフロアマットを交換するリコールを実施。

トヨタはあくまでもフロアマットの問題としていたが、今回は、車両本体の重要部分であるアクセルペダルをリコールせざるをえなくなった。

トヨタは、日本など米国以外で販売した車については、「北米のような厚みのある全天候型のフロアマットは販売しておらず、現時点で問題があるとは考えていない」(幹部)としており、リコールする予定はないという。

このニュースが伝わってきたときに、フロアマットを二重にするとペダルが引っかかるとはどういう事なのだろう?と思っていました。

ごく普通に二重にしても、そうそう厚くなるわけではないから「引っかかるものなのか、事故になるようなの極めて例外的な状況では無いのか?」とも考えていました。

Up

この写真を見ると、そういう「甘い考え」ではありませんでしたね。

フチ付きミゾ付きのマットとは・・・・・・。
こんなモノが、流行している土地では、アクセルペダルが引っかからないアクセルペダルが当然でしょう。
さらには、自動車用品の展示会や業界団体もあるわけですから、情報を取るなり、フロアマットの基準を定めるなりの行動は自動車メーカーの義務であったでしょう。

今のトヨタは、いささか以上に市場と距離があるのではありませんか?


以下、2009/11/26追記

毎日新聞より「トヨタ:信頼回復に全力 大規模ペダル無償交換

フロアマットが原因で米国で販売した車が暴走事故を起こしたとされる問題で、トヨタ自動車が400万台以上にのぼる大規模な自主改修に踏み切るのは、ブランドイメージの決定的な悪化を避けるためだ。

アクセルペダル交換など、改修には数百億円規模の費用が必要で10年3月期も3500億円の営業赤字を見込む業績への影響は小さくない。

しかし、世界新車販売首位まで上り詰めたトヨタ車を支えてきた「高品質・安全」のブランドイメージを守るには「背に腹は代えられなかった」(トヨタOB)ようだ。【大久保渉、米川直己】

◇米市場への影響重視

「原因がどうであれ、事故が起きたのは事実。ユーザーの不安を取り除くために必要な措置は取らなければならない」--。トヨタ幹部は大規模な部品改修を決断した理由をこう説明。
問題長期化によるトヨタブランドへの深刻な影響を回避するギリギリの判断だったことを強調した。

発端は、今年8月、高級車「レクサス」に乗った一家4人の死亡事故。

事故を起こした車はかなりの高速で走行していたうえ、異なる車種のフロアマットが取り付けられていた。このため、トヨタは問題表面化後も「車両に欠陥はない」と主張してきた。

しかし、米テレビなどマスコミでは「レクサス運転中にアクセルペダルがマットに引っかかり戻らなくなった」という部分がクローズアップされ、死亡事故を重大視した米道路交通安全局(NHTSA)内では強制力の強いリコール(無償の回収・修理)など抜本的な対応を求める圧力が強まっていた。

ただ、車両の欠陥を認めるリコールでは、米国でのブランドイメージへの深刻な打撃は避けられなくなってしまう。
そこでトヨタは希望者にアクセルペダルの無償交換をする踏み込んだ措置を取る一方、あくまで自主的な安全対策としての位置付けは譲らない「実は捨てても、名を取る措置」作戦に出た。

米国トヨタとしては過去最大規模の400万台以上の改修には、数百億円にのぼるという費用がかかる。

トヨタ幹部は「引当金などを約4300億円積んでおり、その範囲で対応可能」というが、昨秋以降の自動車不況の病み上がりのトヨタにとって、目先の収益への影響は小さくない。それでも、トヨタにとってユーザーの不安を解消する措置を一刻も早く打つ必要があった。

ただ、トヨタ流の手厚い対応がどこまで消費者に受け入れられるか。巨額赤字の元凶となった米国事業の立て直しはトヨタ復活に不可欠だが、今回の問題はその作業を厳しくさせる可能性もある。

◇日欧は改修対象外

米国で無償交換を行う8車種約400万台のうち、プリウスなど4車種は日本国内でも販売されている。

車体の設計に違いはないものの、トヨタは北米以外で販売された車両での無償交換は行わない方針だ。ただ、日本や欧州などのユーザーの不安解消には、全社的な丁寧な説明が求められそうだ。

トヨタによると、今年8月に起きた高級車レクサスのES350による一家4人死亡事故の際に、運転席に敷かれていたフロアマットは、米国だけで販売されている厚さ2~3センチの全天候型の商品。

米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いといい、上部のマットが定位置から前方にずれると、アクセルペダルの下部がマットの縁に引っ掛かり、アクセルが全開のまま戻らなくなる可能性があるという。

このため、トヨタは当初「車の構造に欠陥は無く、マットを正しく使用すれば問題はない」(幹部)との姿勢を示していた。

しかし、4人死亡事故が度々米国のテレビで報道されたうえ、問題を長期化させれば、米消費者の間にトヨタ・レクサスブランドに対する深刻なイメージダウンを引き起こしかねないため、米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

この毎日新聞の記事は、トヨタの言い分だけで書かれたのではないだろうか?

トヨタの主張は、アメリカだけで引っかかるフロアマットを使っているのだから、アメリカ国民はトヨタのやり方に合わせるべきだ、と言っているわけです。

では問題のフロアマットが非常識なものであったり、非常識な使い方であるのか?と写真を見てみると、会っても不思議は無い品物です。
そしてそれは米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いのだから、アメリカ国民の使い方に合わせるのは当然でしょう。

にもかかわらず、400万台を改修しなければならないほど長期間放置したと言えます。
普通に考えて「これほどの長期間放置する問題か?」となりますが、それでもなおかつ

米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

などと言っているのだとすると「供給者の論理」から一歩も出ていない。と評価せざるを得ません。
この事自体が、以前のトヨタとは大違いではないのだろうか?
トヨタのやるべき事は、こんな状態にまで放置したことについて、責任を明確化することだと思う。

妥協点を探るではなくて、妥協の余地がない事態に追い込まれている、と言うべきだし毎日新聞も朝日新聞も、トヨタの宣伝費の問題とは別に企業文化の問題としてキッチリとした評価記事を書くべきだと強く思う。

11月 25, 2009 at 07:30 午後 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.11.23

八幡製鉄所から高炉が無くなる日

朝日新聞より「八幡製鉄所第1高炉、解体へ 停止後、再稼動めど立たず

新日本製鉄が八幡製鉄所(北九州市)の戸畑第1高炉を解体することが分かった。

1959(昭和34)年に稼働し、98年に停止した後も予備として保存されていたが、再稼働のめどがつかず廃炉を決めた。

現在、同製鉄所で唯一操業している第4高炉は数年後に2カ月程度かけて改修する見込みだが、代替の炉がなくなるため、この改修期間中は長年続いた「高炉の火」が消えることになりそうだ。

解体作業は今夏から始めており、11年度前半までに更地にする。

八幡の総務部は「屋外設備の腐食や劣化が進み、安全性も考えて解体を決めた。
第4高炉の改修時は、スラブ(鉄の半製品)などを他の製鉄所から運んでくることになる」と説明している。跡地の利用方法は未定という。

第1高炉は高さおよそ100メートル、炉容積4千立方メートル余り。鉄鉱石とコークスを主原料に、鋼に精製する前の銑鉄(せんてつ)をつくる。

八幡製鉄所は1901(明治34)年に操業開始。一番多い時で12基の高炉があったが、新鋭製鉄所への生産移管や合理化で徐々に削減された。

まあ、時代の流れそのものですが、高炉は鉄鉱石から鉄を作りますが、すでにある鉄のスクラップを再生するのには、電炉を使用します。
なぜなのか分からないのですが、日本では高炉メーカと電炉メーカに別れていて、一つの会社で両方をやってはいないようです。

電炉の方がエネルギーコストが格段に安くなるので、現在の日本では電炉の方が向いていると言えますね。
そもそも高炉メーカーと電炉メーカーが別れていること自体が今の時代には意味がないでしょう。

明治時代に出来た各種制度や設備なども100年を超えてさすがに同じことを続けることが出来ない、と言うかのが続々と出てきています。
教育制度や法律なども「100年に一度」の改変をする必要が出てきていて、取りかかっていますがどうも抜本的にやり直し、と改修を主張する派が衝突しているところがありますね。
官営八幡製鉄所から高炉が無くなる時代が来たというのは象徴的です。

11月 23, 2009 at 09:06 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.11.14

トヨタ・アメリカでアクセルペダル改修400万台

日経新聞より「トヨタ、米でペダル改修 当局と合意、床マット問題で400万台超

トヨタ自動車は13日、同社が米国で販売する車種でアクセルペダルがフロアマットに引っかかり事故を招く恐れがある問題で、「レクサスES350」など8車種の車両を改修する方針を固めた。

ディーラーを通じて対象車両を自主的に回収したうえで、アクセルペダルを改修し、マットに引っかかりにくい形状に変える。

トヨタと米運輸省高速道路安全局(NHTSA)との間で大筋合意した。 NHTSAは早ければ週明けにも発表する。

改修するのはESのほか「カムリ」「プリウス」など8車種。

問題の発覚時には380万台が対象とされたが、その後、新たに生産・販売された分が加わるため、400万台を超える車が改修される見込み。

車両の改修には数百億円規模の費用がかかる見込み。
トヨタはこれまで品質保証費用を引き当てており、「今期業績には大きな影響はない」(同社幹部)としている。 (07:00)

400万台に500億円掛けるというのは、1台に1万2500円を要するということで、内容的になかなか大変だと言えます。

アメリカ向け車は左ハンドルなので、アクセルペダルの右側のフロアーパネルが盛り上がっています。そのためにアクセルペダルと床の隙間が右ハンドル車よりも狭くなっているのかな?とは思います。

しかしながら、FF車とFR車では床の出っ張りも違うわけで、もちろんメーカーはそこらはそれなりに検討した結果が現状でしょうから、問題があるとすると「それなり」の部分が不十分であった、ということになりそうです。

最近になって、トヨタに対して出されている批判の一つに「部品の共通化のやり過ぎ」というのがあります。ひょっとすると共通化が前面に出すぎた結果、リスク(危険性)の判断基準が緩んでしまったのかもしれません。

ユーザーの使い方に依存するような部分は、現時点の使用国や社会環境によるだけではなく、社会の文化的な変化や将来の流行といったものにまで、配慮した製品設計が必要だとなります。

今回の問題は、そういった広い視点から検討するとどうなのでしょうか?非常に興味があります。

11月 14, 2009 at 09:58 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.14

日産が10万台越えのリコールなのだが

朝日新聞より「日産、2車種10万台リコール ハンドル操作不能の恐れ

日産は13日、乗用車エクストレイルとデュアリス(英国製を含む)の2車種計10万7929台(07年1月~09年7月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

かじ取り装置の部品に不具合があり、事故例は出ていないものの、ハンドル操作ができなくなる恐れがあるという。

国産車については、燃料タンクの不具合で燃料が漏れる恐れもある。14日から回収を始める。

ハンドル操作ができなくなるというのはナンなんだ?と日産サイトを見に行きました。

日産自動車リコール情報より「2009/10/13 エクストレイルなど2車種のリコールについて

基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因

  1. かじ取装置のステアリングギヤにおいて、ピニオンシャフト固定用ナットの加工が不適切なため、使用過程において当該ナットの締付力が低下することがあります。

    そのため、当該ナットが徐々に緩み、最悪の場合、ピニオンシャフトが抜けて、ハンドル操作ができなくなるおそれがあります。

  2. 燃料タンクの燃料ポンプユニットの取付け部において、穴あけ加工が不適切なため、取付け部に鋭利な突起を有するものがあります。

    そのため、そのまま使用を続けると、当該取付け部のパッキンに亀裂が発生し、最悪の場合、パッキンから燃料が漏れるおそれがあります。

改善の内容

  1. 全車両、当該ナットの締付状態を点検し、固定用ナットの緩み防止クランプを追加します。
  2. 全車両、当該燃料ポンプユニットの取付け部を修正し、パッキンを新品と交換します。
  • リコール対象車の含まれる車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれておりますので、詳細につきましては
  • お買い求めの販売会社までお問い合わせ下さい。
  • リコール対象車の製作期間は、ご購入の時期とは一致しておりません。
  • 車台番号は、車検証に印刷されております。

燃料ポンプの方は割と分かりやすいのですが、ナットが落ちる可能性がある、というのはどういうことよ?

しかも、車体番号に直結していないとは、ユニットの生産段階で加工がバラついた、と読めるのですが、こんな基本的なところでバラつくものなのだろうか?

ネジが緩まないようにするというのは、難しいことではあるのだが、対応策も確立していて、ちゃんとやれば問題にならないから、広く使われているわけで、こんなことが21世紀に起きるとはビックリです。
何が起きたのだろう?

10月 14, 2009 at 12:12 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.10

Winny 事件の問題点

昨日(2009/10/09)は朝6時出発で、翌朝3時に帰宅の日帰りで、ネットワーク・セキュリティワークショップ in 越後湯沢に参加してきました。

白浜シンポジウムと同じく、木曜の昼に始まって土曜日の昼で終わる、足かけ3日のプログラムの真ん中だけ参加しているわけです。
さらに、わが家から湯沢だと3時間弱ですから、24時過ぎまで議論(?)していても、3時には帰宅出来ます。

今回の目玉は、誰がなんと言おうと、Winny 控訴審・無罪判決でありました。
3日間のプログラムはこれですが、2日目午後一番の講演「情報セキュリティ、個人情報保護、内部統制の相互関係を読み解く」の発表者である岡村久道弁護士は、パワーポイントを書き換えて、Winny 控訴審についての見解と解説を先にしました。

今回も、上原先生、岡村弁護士、丸山さん、佐々木先生、といった大物を初め、院生やOBといった方々と話をしてみました。話しているうちに段々と固まってきたのが、Winny 裁判を法律問題だけでとらえるのは間違いの元ではないのか?です。

上原先生は、控訴審について「包丁なのかピストルなのか、調べないで判決しているのは問題だろう」とのご意見であり、さらに「コードを読めば、何を作ろうとしたのか意図も分かるはずだ」と判決の論拠を問題にされています。

Winny 裁判については、当初から「包丁を作る事と、悪用することは別だ」論が強調されていて、特に技術開発の観点からは「開発自体を阻害するのは国家的損失である」といった意見が主流でありました。
もともと、この裁判は「著作権法違反」であり、さらにそのほう助が成立するか?だったのですから、論点は「著作権法違反をするためにソフトウエアを作ったことになるのか?」でありました。
ソフトウエアを制作する事についてだけ見てみると、検察側のこの主張はかなり無理があります。

しかし、現実には Winny は今も著作権法違反事件の道具として使われているわけで、この二つの間にある「何か」をどう考えるのか?という議論がほとんど無いと気づきました。

この「何か」を他の事件に当てはめてみると「事故」が相当するのではないのか?と思いつきました。

Winny 裁判について、刑事・民事で法的に決着が付いたとしても、ソフトウエアとしての Winny に問題がないことにはなりません。
刑事・民事の責任が明確になっても、事故が無くならないのでは社会的に問題だ、というのは航空機事故などを初めとする事故調査の問題としてわたしが以前から強く主張しているところです。

法的責任と社会的な問題解決はイコールではありません。
Winny は社会的な問題を解決するべきですし、Winny の公開について社会的に問題があったのではないのか?との評価と議論は不可避でしょう。

わたしは、Winny を誰でも使える状態で公開したのは、技術者の倫理の点では間違えであると考えます。
何かを作ったり、売ったりする場合には製造物責任といった形で、供給側には相応に責任があり、その中には倫理的な側面も当然あります。

ほとんどすべての技術は、もろ刃の剣であり、人を助ける技術の裏返しは人を殺す技術でもあります。
そこで、ほとんどの業界では「これをやると人が死ぬからやってはいけない」といったノウハウがあるわけですが、このノウハウを使うのは「プロフェッショナル限定・業界限定」ですから、ノウハウの共有が出来るわけです。
そこには「情報共有範囲を限定する倫理」が求められているわけで、すべてをオープンにして良いわけがありません。

Winny については、開発も利用も技術的には問題がない、と考えるべきです。
特に技術という面からは「作ってみないと分からない」ことは多いのですから、基本的に技術開発自体を事前に差し止めてはいけません。
しかし、それが全面公開して良い事ではないのですから、問題点は「公開のやり方」であったと言えましょう。

要するに「問題点」があって、それが解決していない事こそが、Winny 裁判で一番の問題なのではないでしょうか?と強く思うのです。

10月 10, 2009 at 10:08 午前 もの作り | | コメント (10) | トラックバック (0)

2009.10.02

コンテナー内の荷物の片寄りぐらい計測できるはずだ

サンケイ新聞より「相次ぐトレーラー事故、中身分からず過積載や荷崩れ

コンテナを積んだ大型トレーラーの横転事故が相次いでいる。

海外から船で運ばれたコンテナの中身を運転手が知る手立てがないため、過積載や荷崩れを起こしているのが一因とみられる。
さらに狭い都市部を縫うように走る道路はカーブが多く、巨大化するコンテナを積むとバランスが難しい。

運転手の間で「ブラックボックス」と恐れられているコンテナ。国土交通省は中身の情報開示の義務化を検討し始めた。

今年2月、東京都板橋区の首都高5号線で大型トレーラーが横転し、運転手が閉じ込められて死亡した。
5月には名古屋市でコンテナが隣を走行中の乗用車に横倒しになり、3人が死傷する事故も起きている。

ここ数年、コンテナを積んだ大型トレーラーの事故が続発。
背景について、全日本トラック協会の担当者は「複雑な事情がある」と説明する。

コンテナのうち海外から来た国際コンテナは、荷主が運転手らに中身の情報を開示する義務がない。

国交省は、すでに情報開示のガイドラインを作成。情報伝達の徹底を図っているが、同協会担当者は

「浸透していないし、たとえ伝票があっても情報が外国語で書かれている場合は読み取れない」と話す。
重量をチェックする仕組みもない
という。

国交省が8月にまとめた運転手などへの調査では、「内容の分からない荷物を運んだ」と答えた運転手は26・2%に達した。

コンテナは長い輸送の過程で積み荷が崩れたり、積み込む際にバランスが悪く配置されているケースがある。
「重心が偏った荷物を運んだ」とする回答も55・3%と半分以上にのぼった。

こうした事情から、民主党はコンテナの中身情報開示を義務化する法案成立を公約に提示。
国交省も対応を始めた。

しかし、義務化には課題も多い。

海外からのコンテナは、船が到着すると十数秒単位で次々とトレーラーに積まれる。
チェックが義務化されれば、物流のスピードや船の出航に影響が出るケースも想像できる。
さらに、すべて開封して中身の配置状況を調べるとなれば、広大な検査場所の確保も問題になる。

一方、都市部の道路は幅が狭く、ビルを縫うように張り巡らされている。

2月の首都高の横転事故現場も「魔のカーブ」とされ、その半年前にも全面復旧まで2カ月かかる横転炎上事故が起きた。
同協会の担当者は、「構造上、不安定なトレーラーがスムーズに走れる環境が整っていない。コンテナは大型化が進み、ますます輸送は難しい」とこぼす。

国交省は制限速度を下回る「慎重走行」を指導、協会も運転手に順守を徹底するが、5月の名古屋の事故でも制限速度は守られており、対策は一筋縄ではいかない。

国交省自動車交通局の担当者は「コンテナの中身の問題のほか、道路事情も事故の一因だ。ただ、いずれも解決は難しく、関係者間の調整を図りたい」と話している。(森本充)

コンテナー内での荷物の片寄りが、トレーラーの転覆の原因になるというのはよく分かるが、それを現実的にチェックする手立てがない、というほどのことは無いだろうと思う。

トレーラーに積んだ状態で、重量全体を見るのであれば、これは秤に乗せるしかないわけで、時間のことを考えると、これはちょっと現実的では無いかな?と思います。
しかし、トレーラーが転覆する程の重心の片寄りがあれば、車体の揺れが転覆以前でも相当偏っているはずですから、これをチェックできれば良いとなります。

コンテナーは港から道路に出て行くのがほとんどでしょうから、ヤードの出口付近でトレーラーの揺れを計測すれば、危険性の判定は出来るだろうと思います。
幸いなことに、コンテナ自体は規格品ですから、計測対象としては容易な部類でしょう。
レーザー測定で揺れを調べることは出来ますから、ちょっとした技術開発で危険なコンテナーが市内に出て行くことを防止できるでしょう。

正体不明の路車間通信よりも、この方がよほど役に立つだろうと思うのですがね。

10月 2, 2009 at 12:38 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.09.27

飛行昆虫形ロボット(?)の動画

Live Leak より「Remote Control Cyborg Insects Now A Reality

By using direct optical lobe stimulation, the bugs can be steered left and right and up and down, and they also respond to stop and start commands. Basically, everything you could want in a remote control bug.

REMOTE-CONTROLLED insects may sound like the stuff of science fiction, but they have already been under development for some time now. In 2006, for example, the Defense Advanced Research More..Projects Agency (DARPA, the Pentagon's research and development branch) launched the Hybrid Insect Micro-Electro-Mechanical Systems program, whose ultimate aim is to turn insects into unmanned aerial vehicles.

Such projects provide proof of principle, but have met with limited success. Until now, that is. In the open access journal Frontiers in Integrative Neuroscience, a team of electrical engineers led by Hirotaka Sato of the University of California, Berkeley, report the development of an implantable radio-controlled neural stimulating device, with which they demonstrate, for the very first time, the accurate control of flight in freely flying insects.

The miniaturized system developed by Sato and his colleagues is mounted onto the pronotum (the dorsal, or upper, plate of the exoskeleton), and consists of electrodes implanted into the brain and wing muscles and a microbattery. Flight commands to start and stop flight and control the insect's elevation and turning were generated on a personal computer running specialized software, and transmitted to a microcontroller equipped with a radio transceiver.

The device is much simpler to program and use than similar ones developed previously, because it makes implicit use of the beetle's own flight control capabilities. The researchers found that flight could be initiated by simply applying a single pulse of electrical stimulation via the electrodes implanted into the left and right optic lobes. A single pulse from the same electrodes was also sufficient to stop the wing beats. Exactly how this occurs is unclear; it is known that visual inputs can initiate flight in locusts and fruit flies, and the researchers speculate that stimulation of the optic lobe activates large diameter "giant fibre" motor neurons which project from the brain to the wing muscles.

Once initiated, flight continued in the absence of further stimulation. The beetle powers its own flight, and levels with the horizon on its own, so that the neural and muscle stimulators are only used when a change in orientation or elevation is required. Turning could be initiated by asymmetrical stimulation of the muscles at the base of the wings, with a left turn being triggered by an electrical pulse to the right flight muscle, and vice versa. The stimulator could also be used to modulate the frequency of wing oscillations, which caused changes in altitude.

Electrically-controllable insects have obvious military applications. They could be used as micro air vehicles for reconnaissence missions, or as couriers which deliver small packages to locations that are not easily accessible to humans or terrestrial robots. The beetles used here (Mecynorrhina torquata) are among the largest of all insect species, and are capable of carrying addditional loads of up to 30% of their 8g body weight. But they could also be very useful to researchers who study insect mating behaviour, the foraging behaviour of insect predators, and flight dynamics and energetics.

昆虫形のロボットが飛んでいるのですが、ものすごい。
まあ、軍事開発だと言われると「ここまでやるのは軍事かな」とは思ってしまいます。
小説の世界が現実化してきた、というところですね。

飛行をリモコンで技術的にコントロールしているのですからロボットなのですが、

implantable radio-controlled neural stimulating device, with which they demonstrate, for the very first time, the accurate control of flight in freely flying insects.

植込み型の無線神経刺激制御装置は、素早く正確に昆虫の飛行を制御します。(かな?)

ロボットと書きましたが、Remote Control Cyborg Insects スレーブマスタータイプ・昆虫形サイボーグが適切ですかね?

しかし、飛び立ったり、カーテン着地(?)するところは、昆虫の動作そのものであって、なおかつ飛行方向は制御しているのですね。
良くもこんな事をやったものだ、と感心しますが「フランケンシュタイン」という単語がちらつきます。
Hirotaka Sato of the University of Californiaとはこの方のようです

BIOGRAPHY

Hirotaka Sato received his B.S.(2000), M.S. (2002), and Ph.D. (2005) in Applied Chemistry from Waseda University (Tokyo, Japan) for his work on nano/micro fabrication for MEMS using electrochemical processes including electrodeposition, electroless deposition, electrochemical etching under Professor T. Homma (Applied Chem.), Professor S. Shoji (EECS) and Prof. T. Osaka (Applied Chem.). Dr. Sato was a research associate in Waseda University from 2004 to 2006. Dr. Satos current research interests include micro bio-interface as well as nano/micro fabrication. He joined Professor Michel M. Maharbiz group to work on Hybrid Insect MEMS project in 2007 and has been developing cyborg beetles, the worlds first tetherless, neurocontrolled insects.

A Cyborg Beetle: Insect Flight Control by a Neural Stimulator [BPN451]

Despite major advances, performance of micro air vehicles (MAV’s) is still limited in terms of size, payload capacity, endurance, and controllability. Various species of insects have as-yet unmatched flight capabilities and increasingly well understood muscular and nervous systems. Additionally, some of these insects undergo complete metamorphosis making them amenable to implantation and internal manipulation during metamorphosis. In light of this, we attempt to create implantable bio-interface to electrically stimulate nervous and muscular systems of alive insect to control its flight. Our first target is beetle for the insect platform, and we would like to call it 'cyborg beetle'.

9月 27, 2009 at 01:03 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.09.18

HTV目的地に到着

NHKニュースより「宇宙輸送船HTV ドッキング

今月11日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた日本の宇宙輸送船「HTV」は、飛行7日目の18日午前7時26分すぎ、国際宇宙ステーションとドッキングしました。

18日午前0時すぎ、「HTV」は宇宙ステーションの下からドッキングに向けて接近を始め、10メートルの距離まで近づくと、宇宙飛行士がロボットアームを操作してHTVをつかまえました。

ドッキングに向けた作業はきわめて順調に進み、午前7時26分すぎ、日本の実験棟「きぼう」のすぐ近くにある「ハーモニー」と呼ばれるドッキング用の結合部に取り付けられました。

HTVはこのあと、ボルトで固定したり、電力を供給するための配線をつないだりする作業が行われ、ドッキングのすべての作業を終えるのは昼すぎになる見込みです。

今回が初めての打ち上げとなる「HTV」には、食料や衣類のほか、「きぼう」の実験用の装置など、宇宙ステーションの運用に必要な物資が積み込まれています。
「HTV」は、スペースシャトルの引退後、国際宇宙ステーションへの物資の重要な輸送手段として期待されており、今回のドッキングに世界も注目しています。

打ち上げロケットのH2Bも初号機で、そもそも無事に機能するのか?との心配ものあったのに、さらに無人輸送船で国際宇宙ステーションに無事に到着したのは、すごいですね。

とは言っても、巨額を注ぎ込んでいるわけで、技術開発のコストパフォーマンスは良いとは言うものの、これからもこれで良いのか?というのは考えてしまうところですね。

9月 18, 2009 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.09.06

プラント技術のライセンスビジネス

サンケイ新聞より「【すごいぞ!ニッポンのキーテク】温暖化の元凶を樹脂原料に 旭化成のウルトラC

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)。旭化成は、その元凶を回収し、CDやDVDなどの光ディスクに使われるポリカーボネート(PC)樹脂の原料として活用する画期的な製法「ノンホスゲン法」を編みだし、世界展開に取り組んでいる。

一石四鳥の利点

PC樹脂は透明度が高いのが特長で、光ディスクのほか、自動車のテールランプカバーや家電部材向けで広く使われており、今後も中国などの新興国の需要拡大を背景に、市場の成長が見込まれている。

地球温暖化防止が急務となるなか、CO2を原料とするノンホスゲン法への期待は大きい。

ノンホスゲン法は、CO2を他の化学物質と反応させることで一酸化炭素と酸素に分離。PC樹脂と衣料品に使うポリスエステル繊維の原料になるエチレングリコールを生成する。

通常の製造法で必要な猛毒ガスのホスゲンを使わずに済むことに加え、CO2排出量の削減にもつながる“一石二鳥”の製法だ。

しかも、ホスゲンを使う従来の製造法では、ガス漏れを防ぐための設備や、塩素系の有毒廃棄物が含まれた排水を浄化する処理装置が必要だ。しかし、ホスゲンを使わなければ、こうした大がかりな設備も不要になる。環境対応に優れているだけでなく、プラントを建設する際のコストも割安になる。

利点はまだまだある。旭化成の林善夫取締役は「アルミの膜と組み合わせて作る光ディスクの製造にノンホスゲン法のPC樹脂を使うと、製造過程で塩素を使う必要がないため、アルミの劣化も防げる」とし、品質面でのメリットを強調する。一石二鳥どころか、四鳥の大収穫だ。

実用化に25年の歳月

同社がノンホスゲン法の開発に着手したのは、昭和52年までさかのぼる。63年に実証プラントを稼働させ、平成14年に台湾の化学メーカーと合弁でプラントを建設し、25年の歳月をかけて商業生産にこぎつけた。

苦労に苦労を重ねた独自技術だが、実は旭化成ではPC樹脂の生産は行っていない。製造技術を供与して対価を受け取るライセンス契約をPC樹脂メーカーと結び、ノンホスゲン法を世界に広げるという戦略をとっている。

自らPC樹脂生産に乗り出さないのは、後発の立場で参入するよりも、市場動向に左右されないライセンス契約で事業を展開した方が収益性が高いと判断したためだ。林氏は「環境対応に優れた製造法として、世界のPC樹脂メーカーに向けて技術を広めたい」と意気込む。

全世界に広がる

現在、ノンホスゲン法によるPC樹脂の年産能力は、世界全体の1割弱を占める33万5000トンに達する。海外では台湾のほか、韓国、ロシア、サウジアラビアの4カ国・地域で5プラントが稼働している。さらに来年には、サウジアラビアで年産能力26万トンの大型プラントが動き出す。

林氏は「ライセンス契約の拡大を通じ、2015~20年をめどにノンホスゲン法による生産能力を100万トン以上に高め、約25%のシェアを確保したい」として、今後は欧州や中国の化学メーカーとも積極的に契約を結んでいく考えだ。

本来なら生産能力を増やせば、CO2の排出量も増えてしまうが、ノンホスゲン法なら排出量削減に貢献できる。今後も各国で旭化成の独自製法が広がりそうだ。(山田泰弘)

化学方面の知識はさっぱりなので、紹介されるまで知りませんでした。
ちょっと検索してみると、メルト法とも言うようですが、CO2を原料(出発物質)として製造する、というところがポイントのようです。

総合的に、プラントにしてそれをライセンスにして、世界中に製造プラントを作るところが、特に注目するところなのでしょう。

ビジネス展開として楽しみですね。

9月 6, 2009 at 09:42 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.04

電気自動車に初同乗

今日(2009/09/04)三菱自動車の電気自動車 i-MiEV に乗せてもらいました。

沼津の小学校でもの作り教室(NPO活動)を行いました。
明電舎沼津事業所と共同で行っている事業で、沼津工場に i-MiEV がありました。

明電舎は、i-MiEV のモーターとインバーターを製造しているので、ローソンなど並んで初期ユーザとなり、電気自動車のプロモーションも行うようです。

仕様が、

モータ
型式水冷式永久磁石同期電動機
最大出力47kW
最大トルク180Nm
最高回転数8500min-1
  
インバータ
型式水冷式可変周波数電源装置
主要電源電圧DC330V
制御電源電圧DC12V
交流出力最大330Arms

となっていて、ちょっとビックリです。

出力は軽自動車のリミットである64馬力になっています。

同乗した感想

多少は予備知識がある方だと思っていますが、説明する方が運転席に着いて普通にキーを差し込むと、カーナビが起動しました。
ここで「あっ、エンジンが回っていない!」と実感しました。

エアコンのファンの回転音などがわずかにしますが、これはエンジン付き車でもエンジンを始動する前と同じですが、無音の状態で走行に移行する(としか言いようがない)のは非常に珍しいことと感じました。

一旦、道路に出ると自動車雑誌に紹介されている通り、トルク感はすごくてターボ車のような感じです。
速度が速くなるにつれて、走行音が大きくなって静粛という感じから、普通の車になりますが、信号待ちなどでは、ウィンカーの音が非常に大きく聞こえます。
止まっているときの静粛さは、すごいものでセンチュリーか?というほどのものです。

見かけよりも重いせいか、走行感そのものはけっこうゴッツイ車の印象がありますが、冷静に見ると普通の車であって、日常の実用には十分だと感じました。

冬場にヒーターを使うと、大幅に航続距離が短くなってしまうようですが、とにかく社会実験的にも使ってみるべき新型自動車であり、試乗するといった範囲では特別に問題もない、と思います。

9月 4, 2009 at 09:16 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.08.29

半球形ディスプレーシステム・14万円

technobahn より「14万円台で180度パノラマ型ディスプレイ、米社が販売を開始

カリフォルニア州に本拠を置くTOOB社というベンチャー企業が180度パノラマ映像を描写可能なディスプレイの販売を開始した。

180センチx90センチのドーム型パネル込みで販売価格は1440ドル(約14万円)と従来型の業務用ドーム型パノラマディスプレイと比べると価格は10分の1以下ということもあり、ゲームマニアの間では早くも注目を集めている。

このパノラマ型ディスプレイは半円形のドームの後ろ側から市販のプロジェクター(別売)を使って映像を入力し、それをディスプレイの前面に設置したドーム型ミラーに反射させることでパノラマ映像をドーム型パネルに映写するというものとなる。

TOOB社では市販のプロジェクターを利用できるようにすることで販売価格の大幅な低下を可能としたと述べている。

プロジェクターには民生用製品を使っているということもあり、プロジェクターが対応する限り、どんな映像入力であっても360度パノラマに変換することができるという利点は、3Dシューティングゲームやフライトシミュレーターなど幅広いエンタテイメントの領域に活用ができそうだ。

下の動画の場合、映像が歪んでいるように見えるが、ドームの手前中央部から見る限り、映像は正しく見える。

コロンブスの卵とでも言うべきなのかもしれませんが、動画にある通り半球形のスクリーンと対になっている半球形の反射鏡を用意して、普通のプロジェクターで投影すると半球形の動画が映し出されるというものです。

スクリーンと反射鏡で1440ドルはかなり微妙な価格だと思いますが、用途次第では色々使えそうです。

筑波科学博あたりでやっていたことが家庭レベルで実現することができるようになった、ということでしょうね。

8月 29, 2009 at 09:25 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.12

燃費の基準を作れ

AFP BB より「GM、新型ハイブリッド「ボルト」を11年発売 トヨタ追撃に本腰

【8月12日 AFP】
米自動車大手ゼネラル・モーターズは11日、2010年後半にプラグイン式ハイブリッド車の「シボレー・ボルト」の生産を開始し、11年に市場投入すると発表した。

GMによると、ボルトの市街走行時の燃費は、米基準で少なくとも1リットルあたり97キロとなる見通しだ。対するトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」は1リットルあたり21.26キロ。

GMはボルトについて、「プリウスの約4倍の燃費効率」をうたい、「ガソリン1ガロン当たり100マイル(1リットルあたり42.51キロ)以上の走行が可能な低燃費車としては、世界初の量産車」だとしている。

技術的に見ると、ボルトはハイブリッド車というより電気自動車に近い。

ガソリンエンジンも搭載するが、通常の動力源としては使用せず、主要動力源のリチウム電池の充電が切れた場合の発電用。

プラグインによる1回の充電で最高40マイル(約64キロ)の走行が可能で、ガソリン満タン時には300マイル(483キロ)以上の走行が可能だという。

GMのフリッツ・ヘンダーソン社長兼最高経営責任者は、「データで見る限り、日常走行においてはガソリンを使う必要はなく、純粋な電気自動車として使えるだろう」と語っている。
(c)AFP/Amandine Ambregni

この記事は朝から「プリウスの4倍」といった数字だけが伝わっていて「???」のままだったのだが、どうもキーワードは「現在のアメリカ基準」らしい。

ボルトは、自動車ニュースサイト Respose によると

GM(ゼネラルモーターズ)は9月16日、米デトロイトで創立100周年記念式典を行い、新型プラグインハイブリッドカー、シボレー『ボルト』を初公開した。ボルトは2007年1月のデトロイトモーターショーでコンセプトモデルを展示。今回は市販モデルが発表された。

ボルトは5ドアのFFセダンで、ボディサイズは全長4404×全幅1798×全高1430mm、ホイールベースは2685mm。トヨタ『プリウス』とほぼ同サイズだが、ボルトのほうが全幅は約75mmワイドで、全高は約60mm低い。エアロダイナミクスを徹底追求したボディは、とてもスタイリッシュだ。

ボルトの最大の特徴は、家庭用コンセントで充電できるプラグインハイブリッドカーという点。

最大出力16kWの大型リチウムイオンバッテリーを搭載しており、プラグを差し込んでおけば、240Vコンセントでは約3時間、120Vコンセントでは約8時間で充電が完了する。
GMは「1日あたりの電気代は約80 セント(約84円)と、コーヒー1杯の値段程度」と説明している。

フル充電時の最大航続距離は40マイル(約64km)と、多くのアメリカ人の通勤距離、20マイル(約32km)をカバー。
モーターは最大出力 150ps、最大トルク37.7kgmを発生し、最高速度は約161km/hと実用性も十分だ。もちろん、基本的にEVなので環境に優しい。

ボルトはエンジンも搭載しているが、プリウスとの最大の違いはエンジンが駆動用ではなくバッテリー充電専用という点。

バッテリー残量が少なくなると、発電用の小型エンジンが始動。スムーズに充電が行われ、航続距離は数百マイル伸びる。エンジンの燃料はガソリンだけでなく、エタノール85%とガソリン15%を混合した「E85」燃料にも対応している。

ボルトは2010年後半から生産が始まり、アメリカに2011年モデルとして投入される。

GMのリック・ワゴナーCEOは創立100周年記念式典で、「ボルトがGMの次の100年を切り開く革新的モデルとなる」と自信たっぷりのスピーチ。
ガソリン価格高騰が続く中、GMはボルトの維持コストについて、「同クラスガソリン車の約6分の1」と試算しており、車両価格次第では大ヒットとなる可能性がありそうだ。

ガソリンの他に電気を補給できると考えるべきで、いきなりガソリン消費量で走行距離を割っても、ガソリンを使用しない、20マイルの範囲では「燃費は無限大(の走行距離)」になってしまう。

普通に走行に必要なエネルギーをガソリンから供給したら、リッター当たり100キロなどというのスパーカブを上回ってしまう。
(スパーカブは60km/h定地走行で63.5km/L)

要するに、電池だけで走っている区間も織り込んで「燃費」と言っているわけで、これでは比較のしようがない。

今までは、一種類の燃料だったから「燃費」という分かりやすいデータの比較が出来た。
それがエネルギー源が二種類になったから、こんなことになるのですね。

電池自動車も登場したのだから、もっと分かりやすく間違えようのない「燃費」の定義を決める必要があります。

8月 12, 2009 at 07:58 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.07.29

競泳用水着の新規定

朝日新聞より「非透水性素材は一切認めず 高速水着めぐり新規定

国際水連は28日の理事会で、記録の大幅な伸びを助けている高速水着に歯止めをかけるため、素材を織物のみとする新規定を決めた。

透水性のない素材は一切認めず、世界選手権で続出している新記録を助けているラバーやポリウレタン製水着だけでなく、織物素材にポリウレタン製パネルを張り付けている高速水着の火付け役ともなった「レーザー・レーサー」も使用できなくなる。

当初は10年1月から適用予定だったが、メーカーなどが対応に時間が必要として来春まで延ばした。

水着が体を覆う範囲を男子選手は腰からひざまで、女子選手は肩からひざまでとした。

あるメーカー担当者は「これで水着はシドニー五輪以前の水準まで戻る。現在の記録を破るのは相当難しい」と話した。(阿久津篤史)

透水性のない素材は一切認めず
としても今度は「透水性とはなんぞや」ということになりそうに思います。

記事では「繊維製品はOK」のように受け取れますが、原理的にはどういう繊維だって作れるわけで、非透水性の繊維製品は成り立つだろう。

いっそ、自由勝手にした方が面白いのではないだろうか?

7月 29, 2009 at 07:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.25

2007年から飛べない飛行機

朝日新聞より「空自次期輸送機、飛べるのはいつ 強度不足解決できず

航空自衛隊の主力輸送機C1の後継の次期輸送機(CX)開発をめぐって、試作機の製作段階で発覚した機体の強度不足が解決できず、当初07年夏に予定されていた初飛行が現時点でも見通しさえ立っていないことが分かった。

量産化の予算計上も見送られており、12年度に始まる予定だった部隊での運用も大幅に遅れる公算だ。
C1の退役を遅らせる必要があり、空自の輸送業務に支障が出る可能性も出てきた。

防衛省によると、当初の計画では、主担当企業である川崎重工業が

  1. 07年夏ごろに社内で試作機の初飛行を実施。
  2. 08年3月末に試作機1号機を、
  3. 09年度半ばに試作機2号機を防衛省側に引き渡す予定だった。
  4. その後は防衛省が飛行試験を重ねながら改良を加える計画だった。

ところが、07年5~7月、強度試験用に同省に納入された試作機を使って同省技術研究本部が調べたところ、荷重を加えると水平尾翼の一部が盛り上がったり主脚が傾いて胴体部と接触したりするなど、構造上の強度不足が次々と明らかになった。

08年度から始まる予定だった量産化の機体調達のための予算計上も見送りが続いている。

防衛省幹部は「事実上、設計やり直しの状態。部隊での運用も当初予定より大幅にずれ込むだろう」と話す。

胴体部の太さが前部から後部までほぼ均一な民間機の形状と比べ、物資の出し入れのため尾翼下の後部扉が開閉する輸送機の構造は、胴体後部が胴体前部よりかなり細いのが特徴。

また、CXはデザインも重視して機体の背中の部分をかなり平べったい形状にしており、強度不足につながっている、との分析も防衛省内にはあるという。

自衛隊幹部は「民間機と比べ輸送機の強度計算は複雑なので、機体の設計も難しい。C1以来、40年近く国産で輸送機を作っておらず、技術が伝承できていない、という防衛産業が抱える課題が根底にある」と指摘する。

CXの実用化が遅れる間は、運用開始から35年以上たつ現在のC1の退役を遅らせて「時間を稼いで延命する必要がある」(防衛省幹部)という。

耐用年数を延ばすためには、C1の飛行時間を少しずつでも減らす工夫が必要。

本来、C1が担っている国内の輸送業務の一部を民間航空機や地上の輸送に振り替えたり、もう一つの固定翼輸送機であるC130(16機保有)に代用させたりするなどの案が検討されている。

ただ、C130はイラクでの多国籍軍のための輸送任務が終わったことで一時期よりは運用に余裕が出てきたとはいえ、「今後、海外で新たな輸送任務が課せられた場合、足りなくなる」(自衛隊幹部)との懸念もぬぐいきれない状態だ。(土居貴輝)

〈次期輸送機(CX)〉

73年に運用が始まった航空自衛隊の現在の主力輸送機C1(26機保有)が耐用年数を迎えるため、防衛省が01年度から開発を進めている次期輸送機。

40機を調達する予定。
海上自衛隊のP3C哨戒機の後継機「PX」と同時開発を進めており、開発費はCXとPXあわせて約3400億円。

C1が貨物を2.6トン積んだ際の航続距離が1700キロであるのに対し、CXは12トン積んだ際の航続距離が6500キロと、輸送力が大幅に向上する。

2007年7月4日にロールアウトして、7月末には地上走行する動画がネットにアップされていますが、その後記事の通り強度不足だとなって丸々2年経った現在でも、初飛行のめどが立たないとなってしてしまっています。

全然初飛行できない大物飛行機がボーイング787ですが、こんな記事がありました。
西川渉氏の Aviation Now より「年内の飛行は無理か

ボーイング787は7月7日から走行試験を始めたが、初飛行の日程はまだ決まっていない。主翼取りつけ部の強度補修をどのように実施するか、その方法も未定。

というのも強度不足の問題が、予想以上に複雑であることが判明したためで、この分では初飛行は年内は無理かもしれないと見られるに至った。

それというのも、まず主翼と胴体の接合部を再設計する必要があるかもしれない。そのうえで飛行試験に使う機体を補修する前に、先ず地上試験機の補修をして強度試験にかけ、結果を確認したうえで飛行試験機を補修する必要があるのではないかという考えが出てきた。

とすれば、地上試験機の補修と確認試験だけで1~2ヵ月を要する。その後で飛行試験機を補修し、飛行までの確認試験をおこなうのに再び2ヵ月ほどかかる。さらに、いったん完成した機体に新しい部品を組みこむのは極めて困難という意見もあって、年内の飛行は難しいというのである。

当初、6月23日に初飛行の延期を決めたとき、ボーイングの説明は少数の部品を改修するだけだから、作業は簡単ということだった。しかし、問題を探ってゆくうちに意外に難しいことが分かってきたのである。

第一に上記のような問題があるが、補修の方法と設計が完成しても、次は主翼取りつけ部の内部に作業員がもぐりこんで、狭いところで細かい作業をしなければならない。それもチタニウムや複合材に微妙な穴をあけたりするわけだが、これらの材料に穴をあけるだけでも容易ではない。

もとより作業をする前には、主翼の中から完全に燃料を抜かなければならない。これまた厄介な仕事である。

B787の当初の開発予定は、

  1. 2007年7月のロールアウト
  2. 8月から9月ごろに初飛行
  3. 型式証明取得は2008年5月
  4. 2008年8月の北京オリンピック開催時に全日空が羽田 - 北京間のチャーター便に使用

であったのだが、2007年7月8日のロールアウトでは実際に機体内部ができていないドンガラであったと言われ、その後分解されて再加工が続いて、すでに原型4号機を組立中といった情報が伝わってきているのだが、ようやく地上滑走ができる段階で、強度不足で手直しの方法が決定しないというのが現状のようです。

飛行機も100年の技術の集大成ですから、今どき「強度不足」に直面するというのにはビックですが、元もと飛行機はギリギリの設計をするものであるし、新素材の利用など経験がないところも多いのかと思いますが、それにしても実物大模型(モックアップ)をCADの応用であるバーチャルモックアップを使うなど、大幅にコンピューター利用をしていて、この結果というのは「コンピューター利用のレベルが不十分だったのか?」と思ってしまいます。

設計者に必要なセンスが失われたというところがあるのでしょうか?
巨大技術の実現に世界レベルで警報が灯ったと見るべきなのかもしれません。

7月 25, 2009 at 08:17 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.30

GMトヨタも大変だ

Bloomberg.co.jp より「米GM:トヨタとの米加州合弁から撤退-将来の製品計画で合意できず

6月29日(ブルームバーグ):

経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、カリフォルニア州フレモントにあるトヨタ自動車との合弁工場で今後生産する製品についてトヨタと合意できなかったとし、合弁事業から撤退すると発表した。

「ポンティアック」ブランドの小型車「バイブ」やトヨタのハッチバック「マトリックス」を生産する合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI)は8月にGM車の生産を打ち切る。

GMはトヨタの生産について学ぶ方法として、1984 年にNUMMIを立ち上げた。
一方、トヨタは米国で自社の生産方式を試した。

GMの北米部門責任者、トロイ・クラーク氏は発表文で
「広範な分析の結果、GMとトヨタはあらゆる当事者にとって意味のある将来の製品計画について合意できなかった」と説明した。

今回の提携終了は、GMが1日に破産法適用による会社更生手続きを申請した後、経費節減を推進していることに伴うものだ。GMは赤字に陥っているドイツ部門オペルの大半を売却するほか、1300余りのディーラー削減、15工場の閉鎖または休止、数千人規模の人員削減を計画している。

CSMワールドワイドの産業アナリスト、マイケル・ロビネット氏は「1984年の時点では、NUMMIには明確な使命があり、トヨタとGMの双方にとって有用だった」とし、「その段階は過ぎた可能性が高い。トヨタは今やNUMMIの事業の存続性を見直さざるを得ない」と指摘した。

トヨタは29日、GMがNUMMI合弁事業からの撤退を選択し、 25年にわたる長期間に成功を収めてきた提携を終わらせることを残念に思うとし、トヨタは折半出資の合弁事業の存続を望んでいたとの声明を発表した。

IBTimes より「米GM、トヨタとの合弁会社から撤退

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車は29日、両社の合弁会社ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチュアリング(NUMMI、米カリフォルニア州)から撤退すると発表した。注目を集めた25年に渡る合弁事業が終了する。

GMの広報担当エレイン・レッド(Elaine Redd)氏は「(同合弁事業は)新しいGMの一部にはならない」と述べた。

GMは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の手続き完了後、優良資産で構成される「新GM」と清算会社の「旧GM」に事業を分けて運営していく方針で、NUMMIの経営方針についてもトヨタと協議を進めていた。
しかし「将来の生産計画について合意に至ることができなかった」ため、NUMMIは「旧GM」の保有株に移されることになったという。

NUMMIでは8月末までステーションワゴン「ポンティアック・バイブ」の生産が予定されていた。
しかしポンティアックブランドは廃止が予定されており、両社の間では次に生産する車種選定のための協議が難航していた。

同工場では約4,600人の従業員が働いており、トヨタの小型乗用車「カローラ」とピックアップトラック「タコマ」も生産されている。

トヨタの広報担当ゾー・ジーグラー(Zoe Zeigler)氏は、同社がGM撤退の埋め合わせのため、NUMMIでの生産車種を増やすか、もしくは現行生産ラインの質を高めるについてはまだ決定していないと語った。

GMとトヨタは1984年、折半出資し同合弁事業を立ち上げた。GMにとってはトヨタの生産ノウハウを学ぶ機会となり、トヨタにとっては米国への進出を達成する機会となった。

Bloomberg.co.jp より「トヨタ、GMにプリウスをベースとする車種供給を提案も

6月29日(ブルームバーグ):

トヨタ自動車は再建中の米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、ハイブリッド車「プリウス」をベースとする1車種の供給を提案する公算がある。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

計画が非公開であることを理由に関係者らが匿名を条件に明らかにしたところでは、8月に予定されるトヨタの豊田章男社長とGMのフリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)との会談で提案が行われる可能性がある。

両社の合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI、カリフォルニア州)で製造するGMの小型車「ポンティアック・バイブ」は生産の打ち切りが決まっているが、関係者らによれば、これに代わる新製品として、プリウスをベースとするGMブランドの乗用車など複数の選択肢が検討されている。

世界で最も売れているハイブリッド車、プリウスをベースとする車種をGMが製造することになれば、輸入車の購入に抵抗がある消費者の獲得に役立つほか、GMが合弁工場の操業を継続する可能性が出てくる。

一方、関係者2人が今月ブルームバーグ・ニュースに語ったところでは、トヨタはミシシッピ州工場でのプリウス生産計画を棚上げにした後、NUMMIをプリウスの生産拠点とすることを検討しているという。

GMが新旧に分かれることは決定事項なので、NUMMIが旧GMになった場合は、オペル同様に売却といったことになりますから、結果として合弁解消になります。
もちろん、合弁事業の継続が出来ないから旧GMに移行するということもあるわけで、ニワトリと卵の関係です。

そこにNUMMIでプリウス生産では、当事者(4000人)にとっては疑心暗鬼になってしまいそうですね。厳しいものですね。

6月 30, 2009 at 12:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.26

787・6月の初飛行は実現せず

FujiSankei Business iより「787初飛行、5回目のお預け 納入時期未定、ボーイング株急落

米ボーイングは23日、今月30日を目標としていた次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の初飛行を延期し、航空会社への納入時期も向こう数週間未定だと発表した。

これを受け、23日の米株式市場で同社の株価は昨年11月以来最大の下げとなった。

同社民間航空機部門のカーソンCEO(最高経営責任者)はこの日の電話会議で、主翼よりも上の胴体部分に想定を上回る負荷がかかっている状況が判明したため、初飛行延期を決めたと述べた。

今回で初飛行の延期は5回目。

初延期となった2007年10月以降、ボーイングの株式時価総額は半分余り減少している。

カーソンCEOは今月16日、同日にも787が「飛行できる」との認識を示し、月末までに飛行実施する計画を強調していた。
同CEOはこの日、16日時点でボーイングは問題を把握していたが、19日まで飛行延期を決定しなかったと説明した。

787は来年1~3月期の納入が計画されている。

DAデービッドソンのアナリスト、J・B・グロー氏はインタビューで「初飛行延期で少なくとも納入開始が数カ月遅れる」と指摘し、「最良のシナリオでも開始は2010年半ばだろう」と語った。

787型機の複合材主翼のメーカーは三菱重工業で、同主翼と結合する胴体部品を製造するのは富士重工業。
問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われており、これら3社が解決に向けて取り組んでいると、同機を担当するボーイングのゼネラルマネジャー、スコット・ファンチャー氏は説明した。
同氏によれば、初飛行の新たな時期は「向こう数週間以内に」明らかにする。

787は、材質を工夫することで同社の従来機に比べて20%燃費効率を高めた点が特徴。
今回、問題となっている部分について、同社は比較的修正は簡単で、飛行機全体の重量を増やすことにはならないとしている。

ノースウエスト航空と合併し世界最大の航空会社となったデルタ航空の広報担当者は、今回の初飛行延期を受け、「787の発注については何の変更もない」と説明した。
同社は787を18機発注しており、2013年に初めての納入される予定。
同氏は納入スケジュールについて、「ボーイングと緊密に連絡をとっている」とした。(Drew Benson)

Bloomberg

technobahnjapan より「B787構造欠陥問題、問題箇所は三菱重工の製造部品

009/6/26 00:25

ボーイングが開発中の次世代旅客機、B787で新たに見つかった構造上の欠陥(強度不足)は日本の三菱重工 (7011) が生産を請け負った主翼を機体本体とを接続する構造部分であることが24日までに明らかとなった。

英航空専門誌「フライトグローバル」によると、構造上の欠陥が見つかったのは具体的には、三菱重工が生産した「Section 12」と呼ばれている主翼構造部品。

「Section 12」には主翼構造を支えるストリンジャー(stringer)と呼ばれる梁が主翼の先端から付け根まで通っており、ストリンジャーキャップを通じて機体本体と接合が行われている。
しかし、規定値の120~130%の負荷をかけたストレステストの結果、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの一部に損傷が生じ、ストレス要件を満たすことができないことが判った模様だ。

ボーイングでは当初、主翼のストレステストの結果、ストリンジャーキャップに生じた損傷は軽微なもので深刻な問題ではないと判断をしていたが、その後、実施された詳細検査の結果、ストリンジャーキャップの強化が必要であるという判断に至ったとしている。

「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化を行う場合、既に完成した飛行テスト用の2機(ZA001/ZA002)に関しては再び製造工程に戻して主翼部分の接合をし直す必要が生じる。また、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化は単に強化を施せば良いという性格のものではなく、強化を実施した場合には再び、主翼のストレステストまで戻って品質検査をやり直す必要性が生じることとなり、B787の製造開発は大幅な後退を余儀なくされることとなる。

今のところ、新たに見つかった機体の構造問題に関連してボーイングからは納期再延長の正式発表は行われていないが、状況的に顧客納期が数ヶ月から半年程度の遅延が生じるのは必至な状況だ。

製造・製法のミスであれば作り直せば良いわけですが、荷重を掛けたら破損したというのでは、設計の失敗なのでありましょうか?

日本でも、自衛隊の新型輸送機C-Xが似たような強度不足で2007年7月にロールアウトしましたが、現在に至るまで飛行せずに改修中です。

あまりにギリギリなところを狙って、設計上の見逃しや検討不足が現物を作ってから明らかになる、といったところがあるのでしょうか?

787は軽量化による大幅な燃費向上がウリなので、あまりに極端な重量増加は787の商品価値そのものを下げることにもなり、ポーイングとしては厳しい局面に至ったというべきでしょう。

6月 26, 2009 at 08:48 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.06.21

高温ガス炉発電所をカザフスタンに建設?

東京新聞より「カザフ、日本の新型原発導入へ 18年完成目指す

【セメイ(カザフスタン北東部)20日共同】
カザフスタン北東部にある旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に接する、かつての軍事閉鎖都市クルチャトフに、日本の技術を導入して発電効率の高い原子炉「高温ガス炉」による新型原子力発電所の1号機の建設が計画されていることが分かった。

カザフスタン国立原子力センターのカディルジャノフ総裁が19日、共同通信に明らかにした。

同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。

1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。

核兵器の被ばく問題を抱える両国が、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。

総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。

日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。

1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用の温熱も供給する方針。

予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行(JBIC)に資金協力を要請しているという。

本当かよ?としか思えないニュースですが、日本の高温ガス炉については独立行政法人・日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センターのHPにある、「HTTR」に詳細が出ています。

HTTRの構造と特徴

HTTRの構造と特徴について説明致します。

  1. 燃料について
    燃料には、仁丹粒の大きさの約半分ほどの被覆燃料粒子を用います。この被覆粒子燃料は、小さなウラン燃料の球状の粒子をセラミックで4重に包むことで、高温に耐え放射性物質が燃料粒子の外にでるのを防止する構造になっています。
  2. 炉心構造材について
    炉心構造材には昇華点が約3700℃の黒鉛を使いますので、耐久温度が極めて高く、かつ熱容量の大きな炉心になっています。
  3. 冷却材について
     冷却材にはヘリウムガスを使用します。ヘリウムガスは化学反応せず、放射性を帯びることもない非常に安定なガスで、また相変化もしません。

HTTRの主要仕様

熱出力30MW
一次冷却剤ヘリウムガス
一次冷却剤圧力4MPa
原子炉入口温度395度C
原子炉出口温度最高950度C
炉心構造物黒煙
燃料セラミック被覆した、二酸化ウラン微粒子
国外の動向を見てみると、発電プラントとして実用にはなっておらず、研究炉止まりのようですから、日本も競争力があるということのようです。
気になる記述としては

海外で高温ガス炉の開発を積極的に進めた国にアメリカとドイツがあります。
これらの国の発電用原型炉は、財政的理由等から運転を終了していますが、
その成果は日本、中国や南アフリカなどの計画に引き継がれています。

実用化するためには、投資可能なコストの範囲で元が取れなくては絵に描いた餅になってしまうわけで、実用になっている原子力発電は100万キロワット以上ですから、HTTR では1桁は出力が少ない。

以下は、各国の計画です。

南アフリカPBMR400MW
ロシア、アメリカGT-MHR600MW
アメリカNGNP600MW

こうなると、ニュース記事の「1号機の発電能力は5万キロワット」というのはどういう意味があるのだろう?
なんかよく分かりません。

高温ガス炉は、比較的安くできるのだそうですが、それでも出力がどのくらいにするのが適切のか?と感じます。

6月 21, 2009 at 09:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.25

ボーイング787・まだ飛ばない

technobahn から、最近のボーイング787の記事を並べてみます。

2009/05/2319:05ボーイング、B787の初飛行テスト日程を再調整
2009/05/2318:47ボーイング、B787のエンジンテストを開始
2009/05/1621:04ボーイングの次世代旅客機「B787」が遂に完成
2009/03/0619:26ボーイング、B787の飛行テストを6月から開始へ
2008/10/2411:55ボーイング、B787の出荷予定日がまた延期の可能性・ストライキの長期化で生産遅延
2008/08/2820:16ギアアップ!
2008/06/2419:09ボーイング787の1号機がようやく完成、これから電源を入れます
2008/04/1019:27ボーイング、B787「ドリームライナー」の納期を再々延期

2008年4月から2009年5月23日までの記事ですから、約1年分と言えますが苦闘の連続とでも言うべきでしょう。

全日空も待機状態なのでしょうが、1号機はエンジンテストを開始。量産2号機は全日空の塗装で公開済み、試験飛行に使用予定。全日空への納入(納入1号機)は量産7号機。ということらしいです。
かなり複雑なプログラムを動かしていますね。

これでテスト段階でまた大修正箇所が見つかったら大変です。

ボーイング、B787の初飛行テスト日程を再調整

2009/5/23 19:05 -
ボーイングは21日、地上試験日程の都合によりB787の初飛行テストのスケジュールに再調整したことを明らかにした。

同日行われた株主向け説明会の席上で、スコット・フランチャー(Scott Fancher)ジェネラル・マネジャーは、地上試験の日程を再調整する必要性が生じたとした上でB787の初飛行は2009年第2四半期(4-6月期)の後半に実施する方向で調整していると述べた。

同社では当初、B787の初飛行は今月末から来月初頭にかけて実施するとの見解を示していた。

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ボーイング、B787のエンジンテストを開始

2009/5/23 18:47 -
ボーイングは21日、先月末に完成したばかりのB787の1号機を使った最初のエンジン稼働テストに着手したことを発表した。

エンジン稼働テストは太平洋標準時で同日午前9時30分から開始され、できたての航空機に据え付けられた2基のロールスロイス・トレント1000型(Rolls-Royce Trent 1000)エンジンは電子制御で起動された後、約40分に渡って稼働を続けた。

同社では初のエンジン稼働テストは順調に進んでいると述べており、飛行テストに向けた地上での最終準備段階に移る。

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ボーイングの次世代旅客機「B787」が遂に完成

2009/5/16 21:04 -
ボーイングが開発を進めてきた次世代旅客機「B787」が遂に完成、マスコミ向けに映像が公開された。

今回、公開されたB787は量産2号機で6月末からの開始が予定されている試験飛行用の機体となる。

機体は日本の旅客会社、全日空 (9202) からの要望を受けてTV CM撮影用に全日空の機体ペインティングが施された状態となっており、初飛行の模様は全日空のCMにも利用される予定ともなっている。

ただし、ボーイングでは、この機体は試験飛行専用のもので実際に全日空向けに納品される機体は量産7号機になると説明している。

量産2号機を使った全日空のCMは来年夏頃のオンエアとなる見通し。

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ボーイング、B787の飛行テストを6月から開始へ

2009/3/6 19:26 -

ボーイングは製造開発中の次世代中型旅客機、B787「ドリームライナー(Dreamliner)」の初飛行テストを6月に実施する方向で最終準備段階に入った。

ボーイングでは当初、2007年中に飛行テストを終えて2007年5月に最初の機体を日本の全日空 (9202) に納品を行うことを予定していたが、B787から新しく導入した機体の製造管理につまずき、納品予定日を再三に渡って延期。更に昨年10月には国際機械整備士組合(International Association of Machinists)との間の労使交渉がこじれてストライキにもつれ込んでしまったためて、改めて納品予定日の延期を行っていた。

今のところ再遅延が発生しなければ飛行テストは6月から開始。その後、米連邦航空局(FAA)による型式認定作業が実施された上で、2010年8月に最初の機体の納品が実施される予定。

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ボーイング、B787の出荷予定日がまた延期の可能性・ストライキの長期化で生産遅延

2008/10/24 11:55 -
ボーイングのジム・マックナーニCEO(経営最高責任者)は23日、決算発表後に行われたプレス向けのカンファレンスの席上でB787「ドリームライナー」の生産スケジュールに付いて言及し、「ストライキの影響により787の生産に僅かだが遅延が生じる恐れがでてきた」と述べた。

2000名の整備士削減計画を掲げたボーイングの方針に対抗するために、職業別労働組合の一つとなる国際機械整備士組合(International Association of Machinists)とのストライキを起こすと同時に、労使交渉も難航し、ストライキ長期化の見通しとなってきたことが、今回の納期予定日延期の原因。

現状のスケジュールでも既に当初の計画に比べて15ヶ月の遅延が発生しており、今後、AMのストライキによる生産遅延分が加味された場合は遅延は16~17ヶ月に達する恐れがでてきた。

ボーイングは今のところ、2009年7-9月期に最初の飛行テストを実施し、続く10-12月期に顧客(全日空)へのファーストデリバリーを行うことを計画していていた。

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ギアアップ!

2008/8/28 20:16 - 画像は今月実施された開発中のボーイング787「ドリームライナー」の着陸用ギア昇降テストの模様。

テストは操縦席にある着陸用ギアの計器を操作することにより実施され、開発中の787の着陸用ギアは無事に、規定のポジションまで昇降した上で機体内に格納、その後、再び、ダウンポジションまで降下する一連の動作を繰り返すことに成功した。

着陸用ギアの昇降操作には電気系統から油圧系統、機体構造部分まで複数の機構が複合的に関わる複雑なもので、今回のテストでは、ノーズギア、レフトギア、ライトギアの3つのギアの昇降テストを個別に実施した後、今度は3つを連動しれ動かすテストが実施された。

今回、着陸用ギア昇降テストが終了したことを受けて、787の開発もいよいよ最終段階に近づいてきたこととなる。

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ボーイング787の1号機がようやく完成、これから電源を入れます

2008/6/24 19:09 - 画像は今月初頭、完成したばかりのボーイングの次世代旅客機、B787「ドリームライナー」を起動するための「パワーオンシーケンス」を実行するために機体に電源プラグを挿す作業員の模様を撮影したもの。

「パワーオンシーケンス」を実施するに先駆けてボーイングでは、B787の膨大な配線の接続性や、電子回路の全ての状態を個々に確認する作業を数ヶ月に渡って実施。6月に入ってからようやく、電源を入れる「パワーオンシーケンス」を実施できる状態にまで漕ぎ着けた。

電気系統は複数のセグメントに分かれており、この画像に写っているのはその内の一つとなる。

しかし、ボーイングが社運をかけて開発をしてきたB787の場合でも普通の電気機器と同じようなコンセントプラグがあり、電源を入れるには電源コードをプラグに挿さなければならないというのはちょっと面白い。

今回、完成したこの1号機、今後更に機体の機器の検証が行われた後、年末にも最初の試験飛行が予定されている。

遅延に遅延を重ねてきたB787がここにきてようやく完成し、初飛行に向けた最終準備(といってもまだ初飛行には半年近くもかかるが)に漕ぎ着けることができたのは、ボーイングにとっては最大の朗報に違いない。

しかし、ここにきてボーイングにはもう一つ、大きな朗報が寄せられる結果となった。

米空軍が今年の2月末、次期空中給油機に欧州航空宇宙最大手のEADSとノースロップ・グラマンが中心となって開発を進めてきたにKC-45/A330 を選定したことは不当だとして、ボーイングからの監査請求を受け、調査を進めてきた米会計検査院(Government Accountability Office)は18日、ボーイング側の主張を認め、米空軍がKC-45/A330を選定したのは誤りであったという判断を下したからだ。

米空軍の次期空中給油機選定は振り出しに戻ったわけだが、監査報告書のなかでGAOは、米空軍が次期空中給油機にKC-45/A330を選定した理由には「複数の重大な誤り」があったと述べた上で、公平な観点から両者のコストパフォーマンスを比較検討した結果、KC-45/A330を次期空中給油機に選定した米空軍の判断は誤りだったとする見方を示すなど、ボーイング社の主張をほぼ100%組み入れたものとなった。

良いことは続くものである。

もっとも、競合のEADS(エアバス社の親会社)にとってはこの上もない悪いニュースではあるが…

画像提供:Boeing

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ボーイング、B787「ドリームライナー」の納期を再々延期

2008/4/10 19:27 - ボーイング社は9日、開発中の次世代中型旅客機、B787「ドリームライナー」のファーストデリバリーの納期を2009年7-9月期に延期したことを発表した。

B787の納期は当初、今年5月の予定だったが、昨年10月に2007年11月か12月に延期。今年の1月には再び、2009年始めに延期していた。

初号機の組み立ては順調に進んでいる模様だが、下請け業者からの部品到着が予定以上に遅れる事態が発生したため、予期していなかった再作業が発生したことや、試験スケジュール確保のために、初飛行の実施時期を2008年10-12月期に延期したことが今回の納期の再々延期へとつながった。

今回の納期延期の発表に関してボーイング社の民間機部門担当のスコット・カーソンCEO(経営最高責任者)は「これまで数ヵ月以上にわたり、我々は、プログラムが直面している解決しなくてはならない問題に積極的に取り組んでおり、着実に前進しています。それでもなお、サプライヤーからの調達状況の遅れ、予期していなかった再作業が発生し、2008年1月に打ち出したマイルストーン達成を阻む結果となってしまいました。我々が今回変更したスケジュールは、達成可能かつ信頼性の高いものです。 787型機の基本設計および技術は依然として信頼性の高いものですが、ファーストフライト前の試験やフライトテスト・プログラムにおける試験など、これから対応していく課題のために、スケジュールに余裕をもたせているのです」と述べ、今回発表した納期に関しては厳守する考えを明らかにした。

今回、ボーイング社がB787の納期を再々延期したことに関しては、B787の導入を決めていた航空会社の間からも不満の声も持ち上がってきており、 B787のファーストデリバリー組に入っている航空会社からはボーイング社に対して納期遅延によって生じる損害金の賠償を要求する動きなどもでてきている。

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5月 25, 2009 at 09:41 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.30

シンドラーエレベータ事故・メーカの担当者を立件

サンケイ新聞より「シンドラー社 週内にも書類送検 EV事故 情報引き継ぎ不十分

東京都港区のマンションで平成18年6月、都立高2年生=当時(16)=がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、警視庁捜査1課は29日、保守点検に必要な過去のトラブル情報を保守点検業者に十分に引き継がなかったことなどが事故につながったとして、業務上過失致死の疑いで、製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守点検を請け負った「エス・イー・シーエレベーター(SEC)」(台東区)の担当者ら数人を週内にも書類送検する方針を固めた。

シンドラー社は事故の1年以上前に保守点検業務から外れ、事故機はかごの上下動を指示する制御盤などに構造上の欠陥がなかった可能性も高い。

このためシンドラー社の過失の立証は難航したが、捜査当局は「メーカーが一義的に責任を負うべきだ」との認識から捜査を続け、情報の引き継ぎが不十分だったと判断。発生から約2年10カ月で立件にこぎつけた。

同課によると、事故機はブレーキドラムを左右からブレーキパッド付きのアームで挟んで静止させる。
制御盤と連動した電磁コイルが作動してアームが開閉されるが、コイルの不具合でパッドが完全に離れないままドラムが回転したことでパッドの摩耗が進み、ドラムを押さえつけられなくなったとみられる。ブレーキ周辺ではパッドが削れてできた黒い粉が落ちていた。

SECの点検員は事故の9日前に事故機を点検していたが、「黒い粉はなかった」と供述。しかし同課は同機種の再現実験で点検前には黒い粉が落ちるなど異常があり、点検員が見落とし、パッド交換などの処置を怠ったと断定した。

同課によると、シンドラー社は10年から17年3月まで事故機の点検を請け負っていた。

この間に事故機でトラブルが度々あり、16年11月にはブレーキの不具合も発生。

同課はシンドラー社側から事情聴取を重ね、過去のトラブルに関する情報が後継の保守管理業者だったSECなどに引き継がれず、SECによる保守点検を不十分にさせた一因との結論に達したという。

毎日新聞より「エレベーター事故:シンドラー社員も立件 6人書類送検へ

東京都港区のマンションで06年、都立小山台高2年生(当時16歳)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査1課は週内にも製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の担当者計6人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。

シンドラー社についてはエレベーターの製品自体には欠陥がないとして、立件は困難と見られてたが、稼働当初の7年間に保守管理も請け負っていた点を重視。故障情報や点検マニュアルなどを引き継いでいれば事故は防げた可能性が高いと判断した模様だ。

高校生は06年6月3日午後7時20分ごろ、港区芝の自宅マンション12階で、降りようとしたエレベーターの扉が開いたまま急上昇し、建物の天井とエレベーターの床との間に挟まれ死亡した。

港区などによると、シンドラー社はエレベーターの稼働が始まった98年4月~05年3月まで保守管理を担当。その後は別の会社が引き継ぎ、事故2カ月前の06年4月からエス社が担当していた。

シンドラー社は事故後の会見で、保守管理を担当していた7年間で住民が閉じ込められるなどの故障が27件あったことを明らかにしている。

捜査幹部によると、04年11月にはブレーキの不具合が原因とみられるかごの停止もあったという。しかし、シンドラー社はこれらの故障情報などを引き継がず、点検マニュアルも渡していなかった疑いがある。

一方、エス社は、点検作業員(29)らが事故9日前に点検した際、ブレーキパッドの摩耗で出た粉の堆積(たいせき)などの異常を見逃した疑い。

捜査1課の実験で、事故機はブレーキを作動させる電磁コイルに不具合が生じ、ブレーキがかかった状態での運転が続いたことが判明している。このためブレーキパッドが摩耗し、ブレーキが機能しなくなり、かごが急上昇したとみられる。
【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】

◇消費者保護の流れが加速

警視庁が製造元の「シンドラーエレベータ」の担当者を立件する方針を固めた背景には、製品による被害の防止や救済を目的とした消費者保護の流れを重視したことがあるとみられる。

事故機を巡っては、シ社が保守管理を請け負っていた稼働当初の7年間で計27件の故障が発生。
当初はエレベーター自体の欠陥を問う見方もあった。しかし、製品には問題がないことが判明したため、警視庁は故障情報や点検マニュアルを引き継いでいなかったという点に着目し、立件の「壁」を突破した。

エレベーターの保守点検は、大手メーカー系列の会社と「エス・イー・シーエレベーター」のような独立系に分かれる。
業界関係者によると、大手は秘密保持を理由に自社系列でない会社に設計図などを渡さないことが多いという。

シ社は事故後の会見で、点検マニュアルなどについて「業者側から要請がなかった」と説明した。

事故を受け、国土交通省は定期検査・報告制度(年1回)を見直すなど建築基準法令を改正。エレベーターの所有者に、自治体への故障情報の報告を義務づけた。保守会社の間での情報共有などを目指したものだが、メーカーを含めたすべての関係業者が事故を教訓に徹底した安全対策を進める必要がある。【佐々木洋】

個人的な感想としては、どうにも抵抗がある立件ですね。

エレベーターの設計思想に問題があるのではないのか?と思いますが、製品がどのような設計思想で作られていて、どういう使い方をするべきなのかは購入者が判断するべき事柄でしょう。

そうなりますと、エレベーターのように複数のメーカーがありビルのオーナーが設備として選択するときに、どのような判断基準で購入したのか?によっても、事故になる・ならないといった現実があると考えます。

すべての工業製品が、一様の性能を持つことはあり得ないわけで、例えば「メンテナンス費用を掛ければ長期間使える」、というヨーロッパの自動車の設計と「短期間で更新するからランニングコストは安い」という考え方の日本車は、何十年か前は全くの別物と言っても良いほどの違いがありました。

この事故は、電磁ブレーキの故障が原因です。
電磁ブレーキの電力が切れますと、バネの力でブレーキが掛かる仕組みになっていました。
これが、不良になって、常時ブレーキパッドが接触していたために、摩耗してしまったついにはブレーキが利かなくなって、重りに引っ張られたかごが勝手に上昇しました。
ということでした。

制御的には、ブレーキが掛かっている状態の時に、それが制御信号以外の状況であるとこを関知する動作確認機構が無かったのではないのか?と思われるのですが、もしそうであれば根本的に設計が危ういというべきでしょう。

設計ミスが死亡事故になった、と判断して良いと思うモノには、三菱ふそうの車輪脱落事故がありました。
しかし、これも国交省がかなり怒っていたようですが、結局は設計ミスとはなりませんでした。

こうなりますと、事故調査委員会の拡充をして、非常識な設計について危険を指摘するようにするべきだと強く思うのです。
個人の責任を追及して、かかわる人を恐れさせても、事故原因が無くなるわけではありません。それでは社会は進歩しません。

3月 30, 2009 at 10:39 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.03.23

森精機・DMGが資本提携

サンケイ新聞より「森精機製作所が独工作機械最大手と業務・資本提携

工作機械大手の森精機製作所は23日、欧州最大手の工作機械メーカー、ギルデマイスター(DMG、ドイツ・ビーレフェルト市)と業務・資本提携したと発表した。

今回の提携により、4兆円規模といわれる工作機械の世界市場で、両社あわせた売り上げシェアは業界トップの10%に達することになる。

両社は発行済み株式の5%ずつを相互に持ち合う方針で、すでにDMGは、森精機の株式を取得。森精機も、4月2日にはDMGの筆頭株主になる見通し。

また、今年中に森精機の森雅彦社長がDMGの監査役に、DMGのルーティガー・カピッツァCEO(最高経営責任者)が森精機の専務執行役員に就任する。

一言「ほ~~~」であります。

3月 23, 2009 at 10:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.05

トルコ航空機事故・高度計の故障?

AFP BB より「トルコ航空機墜落事故、高度計の故障が原因か

【3月5日 AFP】
オランダ・アムステルダムのスキポール空港で2月25日に起きたトルコ航空機墜落事故で、オランダの国家安全委員会は4日、事故は高度計の故障が原因だった可能性が高いと発表した。

故障した高度計から誤ったデータを受け取った自動操縦装置が、実際には降下中で滑走路まではまだ距離があったにもかかわらず、着陸直前であるかのようにエンジンの出力を絞ってしまった。

失速警報が鳴ったが操縦士の対応が間に合わず、機体を上昇させることが出来なかったという。

当時は天候が悪く、雲が低くたれ込めて霧も発生していたため、乗員らは恐らく地上を確認することができず、気づいたときには遅すぎたのではないかとみている。

また、同機の高度計は過去に2度故障していたにもかかわらず、乗員らはそれを軽視していた可能性もあると指摘した。

国家安全委員会はボーイング社に対し、自動操縦中の高度計故障の危険性について警告し、通常の飛行でも同じ問題が起きるかどうか確認するよう求めたことも明らかにした。

事故を起こしたトルコ航空のボーイング737-800型旅客機は、乗客127人と乗員7人を乗せ、トルコ・イスタンブールからアムステルダムに向かっていた。
同機の尾翼が地面にぶつかった時の時速は175キロで、機体は大破して3つに分かれた。

乗客乗員のうちトルコ人5人と米国人4人が死亡、86人が負傷した。4日現在で負傷者のうち28人が入院している。(c)AFP

にわかには信じがたい話です。

自動着陸機能が働いているのなら、複数の高度計のデータを比較していたはずで、全てのデータが一致していた、ということになりそうです。

それにしても、高度計だけで自動着陸する仕組みになっているとは・・・・。
なんらかのバックアップ機能があると思っていたのですが、どういうことなのでしょうか?

3月 5, 2009 at 04:29 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

韓国で小学生が無断で他人の車を運転・驚愕のニュース

FNNニュースより「韓国で小学生が他人の車を勝手に運転し事故起こす 一部始終が防犯カメラに

韓国で、小学生が他人の車を勝手に運転し事故を起こしていた。その一部始終を、駐車場に設置された防犯カメラがとらえていた。

自転車に乗って姿を現した2人の小学生は、周囲をうかがいながら、急いで車に乗り込んだ。

小学生たちは、駐車場内で運転を始めるが、駐車スペースに入ろうとして失敗し、隣の車にぶつけてしまった。

この防犯カメラの映像で事件は発覚したが、その後の調べで、小学生たちは、3カ月前から勝手に運転を繰り返していたことがわかった。

車は、スタートボタンを押すだけでエンジンがかかるタイプで、自動でドアに鍵がかかる装置がついていたが、小学生たちは「鍵がなくてもドアが開き、運転できた」と話していることから、警察がくわしい状況を調べている。

一番ビックリするが、車のドアにカギが掛かっておらず、かつボタンを押したらエンジンがかかってしまう車だったという点ですね。

3ヶ月前から無断運転を繰り返していたというのは、それだけ多数の車が同様の状況にある、ということですよね。

どうやればそんな事になるのだろう?

3月 5, 2009 at 01:59 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.18

韓国KTXの欠陥枕木製造事件

韓国KBSニュースより「KTXの工事区間で枕木332本に亀裂 大邱-釜山間

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間の大邱-釜山間でレールの敷設工事に使うコンクリート製の枕木のうち332本に亀裂が入っていることが分かりました。

KTXの第2期工事区間は総延長が254.2キロで、レールの敷設工事は2002年に始まり、これまでに96.9キロの区間にコンクリート製の枕木15万5000本が敷かれています。

韓国鉄道施設公団は先月5日、一部の枕木で亀裂が見つかったため、先月19日から今月12日まで3回にわたって全ての枕木を調査し、332本に亀裂が入っていることを確認しました。

時速300キロで走る高速列車とレールを支える枕木に亀裂が入れば、レールが曲がって列車が脱線するなど、大規模な事故につながる恐れがあり、枕木の取替え作業が行われることになりました。

鉄道施設公団は、レールに枕木を固定する部品に欠陥があったのが原因と見ており、亀裂が見つかった枕木を全て取り替え、亀裂が見つかっていない枕木についても改めて検査をして、亀裂が見つかれば取り替える方針です。

韓国鉄道施設公団はまた、工事をした会社が故意に設計通りに施工しなかった可能性もあるとして、捜査機関に捜査を依頼することも検討しています。 韓国鉄道施設公団の関係者は、「問題がある枕木は上半期中に全て取り替え、品質と安全管理を徹底させる。工事期間内に工事を終わらせることはできるだろう」と話しています。

ナンダなんだ?という記事ですが、韓国朝鮮日報にもっと詳しく記事が出ています。

KTX欠陥工事:枕木15万本、すべて不良品

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱‐釜山間のレール敷設工事で、コンクリート製の枕木数百本に亀裂が入っていることが判明した問題で、工事に使われた枕木約15万3000本がすべて不良品だったことが確認された。
これにより、工事費がさらに数十億ウォンかかり、工事期間にも遅れが生じることが避けられない見通しとなった。

韓国鉄道施設公団と軌道の敷設を担当した「サムピョE&C」社、枕木を製造した「チョノン・レールワン」社などは16日、「2008年3月から現在までに、大邱‐慶州間の96.9キロの区間に設置された枕木は15万3394本だが、そのすべてで設計図に示された防水材ではなく、吸収材を使用していた」と発表した。
このため、現在のところ亀裂が見つかっていない枕木も、雨水などがしみ込んで凍結すれば、すべて亀裂が入る可能性が高い。一方、同公団側はこの日、亀裂が入っていた枕木の数が、当初判明した222本よりも100本余り多い332本であることが分かった、と発表した。

大邱=チェ・スホ記者

KTX欠陥工事:欠陥品の枕木フックボルトは韓国製

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱-釜山間のレール敷設工事で発覚した枕木の亀裂は、専門性のないメーカーとずさんな現場監理による「共同作品」だった。
軌道分野での経験者が一人もいない会社が不良品を生産し、現場監理業者は外国の技術を盲信するだけで十分な役割を果たせなかった。

枕木を製造した慶尚北道尚州市化西面の「チョノン・レールワン」社は2006年12月、コンクリート製品メーカーの「チョノン工業」社と、ドイツの「レールワン」社の合弁で設立された。
事実上、KTXの第2期工事のために設立された会社で、軌道分野での施工実績はまったくなかった。

現在、約60人の社員が在籍しているが、軌道分野での経験を持つ社員は一人もいない。
品質管理を担当する6-7人の管理職でさえ、建設現場でコンクリートやセメントを取り扱った経験はなかった、と会社側は話している。
イ・ハンセ工場長は「社名を明かすことはできないが、全羅道のある業者が製造したフックボルト(枕木を固定する部材)の納品を受け、これを使って枕木を製造し、施工会社に納品しただけだ。
亀裂が見つかっていなければ、今も(設計図に示された)防水材が使われているのか、吸収材が使われているのか分からなかっただろう」と釈明した。

一方、工事現場の監理を担当した韓国鉄道技術公社は「枕木を製造した会社にはドイツの技術者たちが常駐しているため、製品の品質を疑うことはなかった」と語った。
部材の監理を担当したチン・ヒョンムン課長(51)は「枕木の製造工程だけを監督していたため、枕木に使われるフックボルトに問題があるなどとは考えもしなかった。
亀裂が見つかるまで、フックボルトはドイツで製造され、枕木に取り付けられたものとばかり思っていた」と述べた。

これに対し、軌道関連の会社は「外国の技術にばかり依存し、専門性に欠けていたためにこうした事態になった」と指摘した。
防水材として使われる半固形状の圧縮用潤滑油(50ミリリットル当たり250ウォン=約16円)は、吸収材に使われるスポンジ(1個当たり50ウォン=約3円未満)より5倍ほど高いが、単価が非常に安いことから、コスト削減のために不良品を生産したという可能性は低いという。
軌道関連会社のある関係者は「この業者が、大邱から蔚山までの131キロ(上下線の合計)の区間(第4工区)で、枕木に吸収材を使うことによって節約できる金額は約4100万ウォン(約260万円)=差益200ウォン(約13円)×20万6514本=にすぎない。コスト削減よりも、経験不足がゆえに起こったトラブルだ」と話している。

一方、監督官庁である国土海洋部は、枕木に亀裂が入っているのが見つかってから1カ月以上も報告を受けていなかった。
同部とKTXを運行する韓国鉄道公社は「手抜き工事の実態について、専門家との合同調査団を派遣して調査を行っていく予定だ」と語った。

大邱=チェ・ジェフン記者

尚州(慶尚北道)=チェ・スホ記者

【社説】KTX、ひび割れた枕木の上を走るのか

京釜高速鉄道(KTX)の第2期整備区間の大邱-釜山間のレール敷設工事でコンクリート製の枕木の一部がひび割れで折れた。
列車とレールの重みを支える枕木が破損すれば、レールが曲がり、時速300キロで走る列車が脱線する事故が起きる可能性がある。
7兆ウォン(約4500億円)もの建設費が投入される高速鉄道の安全性に致命的な欠陥が見つかった形だ。

れまでに敷設された枕木15万3000本のうちひびが見つかったのは332本だが、全ての枕木が危険状態に置かれている。
枕木にレールを取り付ける締結装置とその下部の埋め込み栓がすべて不良品と判明したためだ。
設計図面には埋め込み栓に防水物質を使うことになっているが、それが守られていないために雨水が入り込み、寒さで水が凍結して体積が増えたことで枕木にひびが入った。
現在表面的には異常がない枕木もいつ折れたり割れたりするか分からない

埋め込み栓メーカーは、設計図面と異なる不良品を作り、枕木メーカーは納品された埋め込み栓が不良品かどうか検査もせずにそのまま使用し、施工業者と管理業者もそれに目をつぶり、何の手も打たなかった。
このうちの誰かがしっかり仕事をすれば、こんなことは起きなかったはずだ。巨額の国民の税金が使われる大型国策事業の工事がこれほどいい加減だとは話にならない。
工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。

ひびが入った枕木とは別に、鉄道施設公団が第2期区間に使用する締結装置として選定した英パンドロール社の製品も時速300キロの高速鉄道には使われた実績がなく、性能が確認されていないという。
監査院も2007年に安全性が立証されていない製品なので、軌道のずれやレール損傷などの問題が発生する可能性があると指摘していた。

高速鉄道の第1期工事は、1992年に車種も決まらず、設計図面もない状態で着工された。
結局1996年に米安全診断業者に精密調査を依頼し、190カ所は補修、39カ所は部分的な再工事が必要と判断された、当時、韓国政府は常時点検班を設置するなどの対策を取り、徹底した安全管理を誓った。
しかし、第2期で再び問題が明るみに出た。責任者を探し出し、国策事業の手抜き工事を防ぐための抜本的な対策を示すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

詳しく読んでみると、わけの分からない話です。

問題の工事は、KTXの第2期工事でウィキペディアの説明では

2010年には、ソウル近郊と釜山近郊を除く全区間が高速路線に移行し、ソウル-釜山間は1時間56分に短縮される計画であった。
しかし、慶州市街地の地下化および周囲の山へのトンネル建設をめぐって自然保護などの立場から反対運動が起こり、トンネル計画の中止などの理由により当初の計画の2時間以内の走行は不可能になってしまった。

大邱から慶州を経て釜山につながる部分の専用路線を建設する第2期工事は、2002年6月に始まった。
2006年8月、建設交通部は大田市内及び大邱市内の専用線増設について、地下短絡化ではなく、在来線と並行する高架化を正式決定。
それぞれ1兆ウォン超の費用で高架化、沿線道路立体化、沿線の緩衝緑地の設置などの事業が始まり、2010年の完成を予定している。
また五松、金泉亀尾、新慶州の駅新設とあわせて、全通後の所要時間は現行より約30分短縮の2時間10分を予定している。

となっていますから、2010年完成予定の工事であった、となります。
事実、朝鮮日報の社説には「工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。」とまで書いていますが、第1期工事で完成したKTXは運行しているわけです。
そうなると、第1期工事と第2期工事の間で「経験の会社が重要部品を受け持ち、それ自体をチェックしなかった」ということになってしまいます。

第1期の工事の経験が第2期工事に活かせなかったところこそが最大の問題点でしょう。
情報伝達の重要性を教えてくれる事件と言えます。

2月 18, 2009 at 11:34 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.01.24

タラップ落下・死亡事故

朝日新聞より「フックのボルト折損 タラップ落下原因か 造船所の事故

大分市の南日本造船(本社・大分県臼杵市)大在工場で23日にタラップが落下した事故で、船体に掛けていた先端のフックがタラップから外れたのが原因だったことが、わかった。

死傷者は作業員26人に増えた。

同社はフックの強度を把握しておらず、落下防止用ワイヤで船体とつなぐ措置もとっていなかった。大分県警は業務上過失致死傷容疑で、大分労働局も労働安全衛生法違反容疑で調べ始めた。

死傷した26人はいずれも下請け会社の作業員。けがをした24人のうち、一人が水中転落による急性呼吸不全で重体となっている。

県警や南日本造船などによると、タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。
午前9時20分ごろ、クレーンでタラップをつり上げて岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけ、作業員が上った際に落ちた。

タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていたが、すべて外れ、県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。
タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。

運搬船は22日に進水。それ以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。
階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。

斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。
同日は作業開始が約1時間遅れ、大勢の作業員がタラップを上っていて事故が起きたという。

同社は23日夕の会見で、フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかったことを認めた。
吉田泰社長は「事故が起きたのは当社のミス。安全確認が完全ではなかった」と謝罪した。

厚生労働省は安全衛生部門の専門官を現地に派遣した。大分県警は24日午前10時から現場検証を行う。

昨日(2009/01/23)の第一報からかなり混乱気味に情報が出てきていました。
この記事を元に問題になりそうなところを挙げてみます。

  • タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。
  • 岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけた。
  • タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていた
  • 県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。
  • タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。
  • フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかった。
  • 以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。
  • 階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。
  • 斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。

死傷者が26人ですから、50人ぐらいが乗っていたかもしれませんね。
タラップそのものは以前から使っているようですし、壊れたのがフックのボルトだけであるようなので、新たに付けられたフックに問題がありそうです。

直感的には、18ミリ(?)のボルト4本が破断するほどの重量が掛かったとは思えません。
そこで考えてみると、幅1メートル長さ30メートルのタラップが3トンというのが「本当か?」と感じます。

Up

この写真を見ると、このタラップの構造は上下左右で合計4本のチャンネル材が通っているようですね。
この部材の板厚が2ミリぐらいなのでしょうか?それでも3トン以下に出来るものなのか?

仮に50人乗ったとすると、5トンぐらいは静止重量で増加しそうです。そうなると、どうも折れたボルトには瞬間的には50トンぐらい掛かっても不思議ではないですね。

こんな風に考えてみると、どうもボルトの強度が見事に余裕が無かったようです。
水平に渡していたときには、タラップは滑っていたのでしょう。それがフック → ボルト → タラップという構造になって、全ての荷重が4本のボルトにかかった。
振動や衝撃などが無い静止荷重では問題が無かったのが、作業員の歩く振動や船の動き等で、限界を超えた、ということでしょうか?

それにしても、船に掛けるタラップをフックで引っかけるのなら、地面側にはローラーなどで水平に動くようにする必要があるし、船側のフックも自由に回転出来るようにしないとまずいですね。
なんか変だなあ?

Up1

【追記!!】

読売新聞より「大分・造船所の死傷事故、落下タラップの重さは会社発表の倍

大分市青崎の南日本造船大在(おおざい)工場で23日、建造中の船に架けられた鋼鉄製タラップ(長さ29メートル、幅90センチ)が落下して2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故で、大分労働局が事故後にタラップの重量を計ったところ、同社が発表した重量の2倍以上の6・8トンだったことが24日わかった。

同社の工場長は24日午前、読売新聞の取材に対し、「実際の重さは把握していなかった」と話した。

同社は、社長らが出席した23日午後の記者会見で、「タラップの重さは約3トンで、1・5トンの重みまで耐えられる」と説明した。3トンの根拠については、「タラップをつくらせた大分県内の下請け会社の報告」としていた。

しかし、大分労働局が23日の事故直後、クレーンでタラップをつるして重量を計測したところ、6・8トンだったことが判明した。

(2009年1月24日16時07分 読売新聞)

ブツを見て重量が判断できないのなら、製造業には不適ですよ。>工場長

1月 24, 2009 at 01:37 午後 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.12.20

自動車産業の記事

  1. 東京新聞より「GM会長、リストラの推進表明 労組は反発、再建難航も」
  2. 日経新聞より「トヨタ、富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に」
  3. 朝日新聞より「トヨタ九州、派遣1100人雇い止めへ 製造現場全員」
  4. 朝日新聞より「円高進めば正規雇用まで危うくなる ホンダ・福井社長」

自動車各社の動向に関する記事を集めました。

トヨタ、ホンダとも非常に危機感を持っていることがよく分かります。
日本の政策決定が、過去の延長の先に全く違う政策を付け加えてみる、といったいわば「木に竹をつぐ」といった面があったのではないかと思います。

自動車会社にとって日本で商売することを考えると、若い人が自動車に乗らなくなったというのが最大の難関でしょう。
さらに、都会では公共交通機関が便利なので自動車が無くても何とかなる。新幹線が各地に伸びるにつれて長距離ドライブも魅力が無くなった。

おそらくは、都会でより便利に車を使う方向に誘導するべきなのでしょう。しかし、政策全体としては高度成長期以来の政策から余り変化していない。

一方、全米自動車労組の主張は今や通用しないでしょう。とは言え、そういう将来の危機に備えて商品開発などを指導する責任がビッグスリーの経営陣にはあったはずで、GMが右ハンドル車を日本の輸出するようになったのはごく最近です。

ビッグスリーは経営陣も労働組合も、極めてアメリカ国内向けの面しかなかったと言えます。
アメリカは巨大な消費市場がある国であることは間違えありませから、国内向け専門の企業でも成り立つはずですが、それが外国企業からの攻勢をしのげるかどうかは別問題で、少なくとも今までのやり方ではダメだったというのは明らかでしょう。

ホンダの福井社長が「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう。自動車などの輸出産業がしっかりしないで国が存続できるかは疑問だ」として「1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とのことですが、アメリカの状況がこれでは、80円で止まるかも疑問ですね。
ドルはもっと長期間に渡って安くなっていくように思います。

「GM会長、リストラの推進表明 労組は反発、再建難航も」

【デトロイト19日共同】 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は19日、米政府による総額174億ドル(約1兆5500億円)の救済策発表を受け、デトロイトの本社で記者会見し「生き残れることを証明する計画づくりが最も重要になる」と述べ、来年3月までにまとめる経営再建計画でリストラを推進する考えを表明した。

救済策では、労務費削減などで競争力の回復を示す再建計画の提出が求められたが、全米自動車労働組合(UAW)のゲテルフィンガー委員長は同日発表したコメントで「労働者だけに不公平な条件を加えた」と反発。計画の取りまとめに失敗すると、政府による緊急融資の返済を求められ、経営破たんする恐れもあり、再建計画は難航も予想される。

ワゴナー会長は会見で「関係者の協力が必要だ」と述べ、組合側の譲歩を求めた。経営危機に陥り、政府救済に至った責任を取っての辞任は「するつもりはない」と強く否定した。

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「トヨタ、富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に」

トヨタ自動車は富士重工業と共同開発を進めている新型の小型スポーツ車の生産、商品化を先送りする方針を固めた。

当初は2011年末に生産を開始して国内で投入する計画だった。
延期期間は未定だが、12年以降で市場動向を見て判断する。両社は4月に提携を拡大、スポーツ車事業は協業の柱だったが国内市場の低迷が深刻化。十分な販売を確保するのが難しいと判断した。

両社は4月、トヨタが富士重工への出資比率を8.7%から16.5%に引き上げることを決めたのを受け、共同で小型のFR(後輪駆動)式スポーツ車の開発に着手した。

富士重が群馬県大泉町に専用の新工場を建設し2011年末に生産を開始、一部をトヨタに供給して両社ブランドで販売する計画だった。
生産台数は年間10万―15万台を想定していた。
(07:00)

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「トヨタ九州、派遣1100人雇い止めへ 製造現場全員」

トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)が組み立て工場で働く全派遣社員約1100人の契約を09年度中に終了する方針を固めた。中途解約はせずに期間満了で順次契約を終え、直接雇用はしない。

今年度に派遣社員約800人を中途解約したのを上回り、過去最多の人員削減となる。親会社のトヨタ自動車が今期の業績予想を下方修正してから言われ始めた「トヨタ・ショック」が九州でも一段と広がってきた。

親会社のトヨタも今年度に期間従業員を約6千人減らす計画。北米などでの販売不振を受けて減産が続き、人減らしを強化する。トヨタ九州の人員は約7700人で、うち約1400人が派遣社員。今回の削減は事務系などを除く製造現場の全約1100人が対象になる。

労働者派遣法は派遣期間の上限を3年と定めており、それを超えて働かせたい場合、派遣先は派遣社員に直接雇用を申し入れなければならない。
トヨタ九州では、06年度に受け入れ、09年度中に3年を迎える派遣社員が1100人の大半を占めるが、減産するため、直接雇用を申し入れず、契約を終える「雇い止め」とする。

同社は07年度には過去最多の44万3千台を生産した。今年度は同水準を計画したが下方修正が相次ぎ、約29万台まで引き下げた。今年度は100億円規模の営業赤字に陥る見通し。

来年1、2月からは約6500人が働く宮田工場(宮若市)の二つの組み立てラインで夜勤を休止し、在庫調整のため生産能力をほぼ半減させる。

同社は人員に「大幅な余力」が生じ、今夏と同様の中途解約を検討していた。しかし、北部九州の雇用環境が急激に悪化したため「派遣社員が次の仕事を見つけるまでに時間がかかる」(同社幹部)と判断し、中途解約は避けることにしたと説明している。

親会社のトヨタは先月、来年3月期の連結営業利益予想を前期比73%減の6千億円に大幅に引き下げた。その後、下期営業赤字の見通しとなっている。

同じく減産が続き、今年度の生産台数が前年割れする日産自動車九州工場(福岡県苅田町)も、今年4月に約900人いた派遣社員を来年1月までにゼロにする計画だ。

あいつぐ人員削減は地域経済に悪影響を与え、福岡県などの自治体が対策に乗り出している。(福山崇)

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「円高進めば正規雇用まで危うくなる ホンダ・福井社長」

ホンダの福井威夫社長(64)は19日、朝日新聞社などのインタビューに応じ、円高ドル安の影響について「(円高が進めば)国内工場のリストラに追い込まれる可能性がある。正規雇用まで危うくなる。日本の輸出産業は全滅するだろう」と為替の先行きに強い危機感を示した。

福井社長は1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とした上で、円高が加速すれば、埼玉製作所(埼玉県狭山市)を、計画中の新工場に集約するなど生産拠点の大幅な見直しに迫られる可能性を示唆した。

主な一問一答は次の通り。

世界の自動車販売の落ち込みを受け、様々なリストラ策を発表しました。

「ホンダの象徴だったF1から撤退し、役員報酬も下げる。自ら痛みを感じないで期間従業員を削減するというのは、順番が違うと思った」

埼玉県寄居町などに新工場を建設中です。今後も国内生産力は強化しますか。

「その方向は変わらない。1ドル=100円なら、競争力の高い新工場の代わりに老朽化した埼玉製作所のラインを一部止め、国内生産能力を年間130万台にする考えだった。だが、円高が続けば100万や50万台でいいという話になるかもしれない」

「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう。自動車などの輸出産業がしっかりしないで国が存続できるかは疑問だ」

逆風が吹く中で、国内メーカーは数が多すぎるとの指摘があります。

「数が多いのは事実で、顧客に選別されていくのではないか。ただ、M&A(企業の合併・買収)には消極的だ。他の資本には支配されたくない。複雑な資本関係ではスピードが重要な時代に素早く意思決定ができない」

環境対応車の開発強化を打ち出していますが。

「景気が戻ってきても原油価格が上昇して、大型車が繁栄する昔の自動車業界は再現しないだろう。全く新しい時代がくると思う」

「(次の時代は)高い原材料を多く使わず、二酸化炭素の排出がゼロに近い乗り物が主流になるだろう。太陽エネルギーを電気に変えて走る電気自動車や、植物からできるバイオ燃料を使うハイブリッド車など、化石燃料を使わない形に進化すると思う」

(古屋聡一、鈴木暁子)

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12月 20, 2008 at 12:52 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.11.26

トヨタのすごいところ

サンケイ新聞より「ランクル世界販売最高、中東で人気 08年は初の年間30万台突破へ

トヨタ自動車の最上級SUV(スポーツ用多目的車)「ランドクルーザー」の2008年の世界販売台数が、過去最高を更新する見通しだ。中東諸国などでの需要が旺盛で、年間30万台を初めて突破する可能性も出てきた。

ランクルの1~9月の世界販売実績(ランドクルーザープラドを含む)は前年同期比20%増の25万7000台。このうち、国内は1万4000台(同18%増)、海外は24万3000台(同21%増)と、国内外ともに2けた増の伸びをみせている。

昨年は年間27万4000台を販売。今年は9カ月間で月平均約2万8500台ペースで売れており、単純計算では年間34万台前後に達する見込みだ。ただ世界的に自動車販売が低迷するなか、「ここにきて販売が鈍化しつつある」(トヨタ幹部)ものの、過去最高を記録した昨年を上回るのは確実とみられている。

トヨタは昨年9月に9年ぶりにフルモデルチェンジしたランクルの新型車(200系)を発売。高級SUV市場では、オンロード(舗装した道路)性能を重視する傾向が強い中、新型ランクルは従来通り、オフロード(砂利道や土道などの未舗装の道路)での走行性能にこだわった。

トヨタ関係者は「世界中には広大な原野や砂漠地帯などランクルでないと生活できない人たちが存在する。彼らにとっては9年ぶりの新型車で、買う人は絶対に買い替える」と好調な販売の理由をこう説明する。

以前は、三菱のパジェロが大きなシェアを占めていたのですが、極端に売れず三菱自動車そのものが傾いてしまいました。
この理由が、「都会的なオフロード車にモデルチェンジしたから」と言われています。

現在のランドクルーザーの内装はこのような高級車ですが

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構造は、ラダーフレームを堅持しています。

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これが「オフロードに強いかどうか」に直結しますし、そもそも日常的にオフロードで自動車を運用するような国では簡単な整備で何とか走り続けることができることも重要ですから、ボディーが無くても走ることができるフレームを採用した車の方が実情に合っているのは当然でしょう。
もちろん、このような旧式の車体設計は、コストを引き上げるからランクルはいまや高級車(高価格車)です。しかし、それでも世界中で売れています。

こういう、商品を企画し販売するところがトヨタのすごいところです。

11月 26, 2008 at 09:07 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.08

HAL のリース販売が実現

サンケイ新聞より「介護用ロボットスーツをリース販売

筑波大発のベンチャー企業「サイバーダイン」が開発した装着型のロボットスーツ「HAL」が10日からリース販売される。年間約500台を目標に介護施設や福祉施設向けに製造される。

HALは、筑波大の山海嘉之教授が開発したロボットスーツ。体に装着して脳から出る電気信号を皮膚の表面に付けたセンサーで読みとり、コンピューター制御で、高齢者や障害がある人の歩行を補助する。

今回販売されるのは下半身に装着する両足用と単脚用の2タイプ。介護する側が装着する全身タイプも開発中だとか。SF映画のような光景が、近い将来に介護の現場で見ることができるかも。

この記事にある、障害者用の HAL の研究は、たしかNHKで見た記憶があるのですが、健常者に比べて格段に難しいようでした。

サイバーダイン社が創立する以前、2006年のロボット見本市で「誰にでもすぐに装着できるのか?」かと質問したところ「無理」という割と当然の回答でした。
このために、当時は「介護する側用」という話だったのですが、サンケイ新聞の記事で入れ替わっている感じですね。

日経新聞より「サイバーダイン、ロボスーツを福祉用にリース販売

筑波大学発ベンチャーのサイバーダイン(茨城県つくば市、山海嘉之社長)は10日から、同社に出資する大和ハウス工業と共同で、着用した人の動作を支援するロボットスーツ「HAL福祉用」のリース販売事業を始める。

>首都圏・関西圏の介護・福祉施設が対象で、7日に量産工場の完成式を開催。12月上旬にも出荷する。
世界初の事業が本格化する。

リースするのはロボスーツの下半身部分で、使用者の自立歩行を支援する。
片足型と両足型の2タイプで使用者の体格に合わせ、S、M、Lの3サイズそろえた。1回の充電で60―90分程度稼働する。

期間は5年間で料金はメンテナンス費用も含め両足型が月22万円、片足型が月15万円。
大和ハウスが施設などから注文を受けてサイバーダインに発注。大和ハウス系のリース会社を通じて契約後、サイバーダインと保守契約を結ぶ。個人向けのリースはしない。

アイザック・アシモフのロボットシリーズを思い出します。

10月 8, 2008 at 09:11 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.10

原発のタービン問題・その後

朝日新聞より「中部電力、日立を提訴へ 原発タービン損傷で数百億円

中部電力は9日、06年に発電用タービンの損傷事故で停止した浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)を巡る問題で、タービンを設計・製造した日立製作所を相手取り、原発停止中に割高な火力発電を代替運転することで生じた「逸失利益」の支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こす方針を固めた。電力会社が発電トラブルで重電メーカーに法的措置を取るのは初めて。

中部電の三田敏雄社長が10日、記者会見して正式に表明する。

請求額は数百億円規模となる見通し。
電力会社と重電メーカーは原発の技術開発や施設運営で密接な協力関係を築いてきただけに、中部電が訴訟に踏み切るのは異例の事態。

重電メーカーにとっては原発停止に伴う二次損失の補填(ほてん)まで求められるリスクを抱えていることを意味し、訴訟の行方次第では日立の経営に影響を与えそうだ。

浜岡原発5号機は06年6月にタービンの羽根が破損して緊急停止し、07年3月に営業運転を再開した。

中部電と日立の調査で事故原因は設計不良による金属疲労と特定され、同年10月には、日立がタービンの復旧にかかる直接的な費用(金額は非公表)を負担することで合意した。

しかし、停止期間中に火力発電を使用したことに伴う燃料代などの間接的な「逸失利益」を巡る交渉は決裂。中部電は「損失の規模があまりにも大きく、株主に対する説明責任が果たせない」(幹部)と判断し、提訴に踏み切ることにした。(宮崎健)

発電用のタービン翼が吹っ飛んだという驚くべき事件でした、中部電力浜岡発電所と北陸電力志賀発電所で同じタービンが同じように壊れるという、技術的には「何をやっているのか?」といった感じの事故でした。

「原子力発電所問題」に結構細かく説明記事を書きました。

原因は、設計不良というかテストしていないところが破損したとのことで、基本的には設計不良でしょう。
そのために、電力会社二社は日立製作所に賠償請求の交渉を行うとの報道があって「原発のタービン問題その5」に、

中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷事故の補償問題で、同社の三田敏雄社長は26日の定例会見で、メーカーの日立製作所に賠償請求することを明らかにした。
今後、代替発電コストなどの「逸失利益」の負担も日立側に求めていくとみられる。

と報道されています。
これが、2006年12月ですから、1年半の交渉が決裂した、ということのようです。
どういう交渉をして、決裂したのかが分からないので何とも言いがたいのですが、日立は当初「設計変更したことが、事故の原因で、設計変更は電力会社の許可を得ているから、その通りに作っただけだ」といった感じの主張をしたようです。

需要家である、電力会社が逸失利益を問題にするのは、当然であるし、それに対して「部品を作っただけで、運転の結果については知らない」ではメーカーとして責任放棄だろう、とは思いますが、実際問題として金額交渉がまとまらなかった、ということではないかと思います。

どんなことになるのか、興味津々です。

9月 10, 2008 at 09:39 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.30

電動カブは期待できるか?

サンケイ新聞より「電動カブ発進 ホンダが開発へ

ホンダは29日、国内を代表する二輪車「スーパーカブ」の電気自動車(EV)版の開発に乗り出すことを明らかにした。

ガソリン価格の高騰や環境問題への対応策として、日本郵政グループが“電気カブ”導入の意向を示しており、一定の需要が見込めると判断した。

ホンダは「環境対応型バイク」の象徴として開発を進め、5年内の商品化を目指す。

開発に着手する電気カブは、四輪の電気自動車と同様に電池とモーターで駆動する。

電池は大容量で小型・軽量化しやすいリチウムイオン電池を採用する方向だ。
家庭で充電できる長所は残しながら、新型電池の採用で走行距離を大幅に伸ばす。
ホンダでは「過去のノウハウがある」(幹部)と実用化に自信をみている。

ホンダは平成6年に独自開発の電気スクーターを発売した実績がある。ただ、官公庁や自治体などへの販売が中心で、販売台数も200台にとどまり、現在は販売していない。

一方、日本郵政グループは集配用車両として現在8万9000台超の二輪車を保有しているが、次世代車両となる電気カブの開発についてホンダに打診しているもよう。
同グループの郵便事業会社は四輪車について今年度から全保有車両(約2万1000台)をEVに切り替える方針で、二輪車も順次EVに切り替える意向とみられる。

スーパーカブは昭和33年の発売以来、燃費の良さや耐久性が評価されて国内外で普及した。
現在、アジアや中南米を中心に世界15カ国で生産、160カ国以上で販売され、世界販売台数は累計6000万台を突破している。

スーパーカブとマブチモーターは日本でなくては生まれなかった商品だと思います。

両方ともアイデアとしては昔からあるジャンルで、いわば本格的な機械装置とオモチャの中間に位置づけられます。
子細に見ると、両方とも本格的な機械装置が大型化することで無視できた部分を「小型化に必要なことは何か?」といった観点から、当時としては非常に高級・高精度な技術を投入し、量産することで価格を引き下げて大量に販売しました。

電動カブは当然商品化のターゲットになっていると思っていたのですが、「5年以内に商品化を目指す」というのは意外なほどのスローペースと感じますが、価格の問題が大きいのかな?

たまたま昨日、電動(アシスト)自転車を調べていたら、リチウムイオン電池の採用で以前に比べると平均価格が上昇しているのですね。
高級なものだと、12万円ぐらい。「自転車を12万円で売ってしまう商品企画が成り立つとはすごい」と変な感心をしました。

電動カブというか電動原チャリの共通規格を定めれば、有料二輪駐車場で充電サービスといった事も実用になりそうですね。

8月 30, 2008 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.24

カミカミマシーン

伊那毎日新聞より「カミカミマシーン 一般発売

喬木村の喬木第二小学校養護教諭の安富和子さん=中川村大草=が駒ケ根市の赤穂南小学校に勤務していた当時「児童の健康づくりのため、かむ回数をカウントする装置が欲しい」との思いから発案した〝カミカミマシーン〟が7月、商品名「かみかみセンサー」として全国に向けて一般発売された。

発売したのは学校などに保健や理科実験関係の機器などを卸している日陶科学(山田光彦社長、本社名古屋市)。
「かみかみセンサー」は、あごの動きを感知する器具を耳に掛けて装着。物を食べると、かんだ回数が魚の形の表示部にデジタル表示される。
安富教諭のアイデアをもとに駒ケ根工業高校(当時)の高田直人教諭の技術協力で3年前に完成して以来、赤穂南小で使用されてきた〝カミカミマシーン〟の基本的な仕組みを踏襲した上で各部を改良、発展させた。

昨年12月、販売代理店を通じて初めてカミカミマシーンを見た同社の企画開発担当者は「きっと役に立つものになると直感」し、商品化に向けた開発がスタートした。
同社によると、試作品は十数個に及び、さまざまな点で改良を重ねてきたという。
最も重視したのはかんだ回数の正確性。
あごの動きを間違いなく検知するためのセンサーの選定などに関連して数多くの試行錯誤を繰り返したほか、消費者に受け入れられやすいデザインにするよう気を配ったという。
赤穂南小の児童にモニターを依頼するなどして開発を進め、6月に最終試作品が完成した。
発売は今月11日。直後から問い合わせが相次ぎ、県内の学校や歯科医院などを中心に十数カ所から注文があったという。

安富教諭は「かむことの大切さを子どもたちに意識してもらおうと始めた小さな取り組みが今こうして商品になって感無量。今後、多くの学校で役に立ってくれればこんなうれしいことはない。高齢者のあごの強化やメタボリック症候群対策などにも利用できるかもしれない」と話している。

「かみかみセンサー」は小学校低学年用のSサイズと、高学年以上用のMサイズがあり、価格はいずれも1万1550円。
センサー部分の質量は約40グラムと軽量で、耳からあごまでの長さは7段階(3~4センチ)に調節可能。表示部内の単4乾電池3本で約30時間使用できる。30回かむと電子音が鳴り、千回かむとメロディが流れるなどの楽しい機能も搭載した。

問い合わせは日陶科学(TEL052・935・8976)へ。

リンク先の写真を見ると、どういう機会でどのような使い方をするのかが分かります。
こういうアイディアを商品化するのはよいですね。

価格はいずれも1万1550円
数が出れば、もうちょっと安くなるでしょう。ちょっと気楽に買える価格では無いのが残念ですね。

7月 24, 2008 at 11:40 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.23

湘南モノレール暴走事故の原因?

神奈川新聞より「制御装置誤作動の可能性も/湘南モノレール

湘南モノレールが西鎌倉駅でオーバーランした事故で、事故車両の制御装置が誤作動していた可能性があることが二十二日、分かった。
事故後の調査で、非常ブレーキが作動した状態では電源が切れ停止するはずの駆動用モーターが動こうとする現象が確認された
同社や国交省の航空・鉄道事故調査委員会は誤作動の原因を調べている。

同日、同社が調査状況について中間発表した。事故当時、仮にこの誤作動が発生していた場合、運転士は非常ブレーキをかけていたものの、同時に車両のモーターが動き加速しようとしていたことになるという。
同社は誤作動について「設計上、あってはならないこと。想定外だ」と話している。

また、運転士が「ブレーキが動かなかった」と話していた点について同社は「時速七十キロで走行していた車両が時速二十キロほどまで減速しており、(車両のブレーキディスクは破損していたが)ブレーキは正常に作動していたのではないか」と説明している。

事故車両は運転席のハンドルを前に倒すとブレーキがかかり、後ろに引くと加速する。ハンドルを動かすと車両制御装置に信号が送られる構造で、同社は何らかの原因で誤った信号が出ているとみている。

今年五月十九日、走行試験の準備のため、修理が完了した事故車両を車庫線で走らせようとしたところ、この現象が生じた。誤作動は三十回に一回程度の割合で発生するといい、これまでに数十回確認されたという。

この誤作動は事故車両と同型の別車両では確認されていない。七月に入り実施した事故車両の走行試験では誤作動は発生しなかった。

「湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた」の続報です。

この事故は、2008年2月24日に起きました。
西鎌倉駅に停車するべきところを、約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。というものです。

そして、点検したらブレーキディスクが24枚割れていました。

今回の記事のように、ブレーキを掛けても動力が切れないのであれば、ブレーキの負荷は限界を超えるでしょうから、ディスクが割れるといった事も起こりうるでしょう。

30回に一度発生するのであれば、湘南モノレールでは一往復でも何度も発生することになります。 しかし、5月には発生した現象が7月には発生しないのでは、原因の究明は簡単ではありませんね。 もっとも、技術的には動作確認信号を採っていないから矛盾した命令をシステムのエラーとしてチェックできないのだろう、と判断します。

エレベータの暴走死亡事故などでも、最近の制御系の設計では、信号が行きっぱなしになっているような気がしてなりません。 なんか根本的に人命に関わる機器の制御設計が出来なくなっているのではないでしょうか?

7月 23, 2008 at 09:13 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.06.13

超電導自動車誕生

サンケイ新聞より「世界初 超電導電気自動車公開 住友電工、10年後実用化へ

住友電気工業は12日、超電導技術を応用したモーターを搭載した電気自動車を公開した。

超電導モーターで動く自動車は世界初といい、10年後をめどにバス、トラック、建設機械などへの実用化を目指す。19日から札幌市で開催される「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」で展示される。

市販の乗用車に、同社が開発した世界最高レベルのビスマス系超電導材料を使ったモーターを搭載。液体窒素を利用した冷凍機で零下約200度の超低温状態を維持しながらバッテリーからの電力で動く仕組み。

デモンストレーションでは、ガソリンで動く自動車と変わらない加速性能で、静かでスムーズな走りが披露された。

電気抵抗がゼロで、大きな電流を流せるため強い回転力が得られ、銅線を使う通常のモーターと比べ、大幅な燃費向上が見込めるという。

これではあまりにあっさりした記事ですが、住友電工のプレーリリースに割と詳しく出ていました。
住友電工プレスリリース「世界初となる超電導電気自動車を試作

2008年6月12日
住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社は、このほど世界で初めて超電導モータにより駆動する超電導電気自動車を試作し、本年6月19日より北海道札幌市で開催される「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」において一般公開いたします。

【超電導電気自動車の試作目的】

超電導は、電気抵抗がほとんどないためエネルギー損失が小さく、かつ電流密度が高いという特長により、省エネルギー技術としても期待されています。

当社は、世界最高レベルとなる臨界電流値(*)を有するビスマス系高温超電導線を開発するとともに、米国での高温超電導ケーブル実証実験への参画、産学グループ共同による船舶用超電導モータなど超電導応用製品の開発を進めており、様々な産業分野における高温超電導技術の実用化に向けての研究開発に取り組んでいます。

今般、こうした取り組みの一環として、高温超電導技術の新たな応用分野として考えられる電気自動車用モータへの適用検証を行うために、また実用化に一歩近づいた高温超電導技術を産業界はじめ広く社会にアピールするために、当社の高温超電導技術を結集し、世界初となる超電導モータで駆動する電気自動車を試作しました。

【超電導モータの特長】

通常の電気自動車用モータには銅線が使用されていますが、銅線は電気抵抗で発熱するために電流値を制限しており、この結果大きなトルク(回転力)が得にくくなります。一方、超電導線は電気抵抗がなく、大きな電流を損失無く流すことできます。そのため大きなトルクを連続して得ることができるとともに、バッテリーのエネルギーを効率よく使用できるため省エネルギーに寄与できます。

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【今後について】

当社は、高温超電導線の更なる性能向上を図るとともに、今回の試作車は乗用車をベースとしていますが、バス・トラック等大型車への超電導モータ応用についても検討を進めていきます。

以上

(*) 臨界電流値は、超電導状態で流すことができる最大の電流値であり、超電導線の最重要性能です。臨界電流値の向上により、電力用ケーブル、変圧器、モータ、発電機、電磁石等の応用製品において、電力品質やエネルギー効率の向上が可能になります。また、応用製品に必要な超電導線の使用量を削減できるため、製品のコスト低減と小型・軽量化を実現します。

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乗用車にそのまま搭載できるシステムにまとめたというのは高く評価できますね。
しかし、今のところ冷却がかなり大変ではないか?と感じるところです。液体窒素冷却なのだから、冷凍車にはそのまま使えそうな気もしますが、いくら配線のロスが少ないと言っても、動力の変動が大きい自動車に使うと、定常運転で使える鉄道などよりも効率が悪いのではないか?という気もします。

でも、それもやってみないと分からない事の一つでしょうから、実用テストまでは進んで欲しいものです。

6月 13, 2008 at 09:42 午後 もの作り | | コメント (9) | トラックバック (0)

2008.05.24

全日空機・エンジン水洗いで作業ミス

東京新聞より「エンジン洗浄ミス 06年の全日空機トラブル原因

全日空機が2006年7月に機内の気圧が急低下し中部国際空港に緊急着陸したトラブルで、急減圧の原因は、エンジン洗浄の作業ミスが原因だったとみられることが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で分かった。エンジン洗浄に伴う急減圧は極めて異例。

エンジン洗浄で燃費が良くなり二酸化炭素(CO2)削減にもつながるため、航空各社は、原油高と温暖化を背景に洗浄する機体を急増させており、対策が求められる。

急減圧は06年7月5日朝、中部国際空港の南約130キロの上空約1万1000メートルで発生した。福岡発成田行き全日空2142便ボーイング737-500の気圧が半減し、酸素マスクが落下。同空港に緊急着陸した。乗客乗員46人に酸素不足による低酸素症などは起きなかったが、事故調委は事故に準じた重大トラブルとして、原因の調査に入った。

その結果、エンジンから出る高温高圧の空気を冷やすため、上空の冷たい外気を取り込む量を調節する熱交換器制御弁(直径20センチ、長さ30センチ)などに乾いた洗剤のかすが詰まり、弁の開閉を妨げたことが判明した。

事故調委は、冷たい空気の流入量が減って各空調装置に送る空気が十分に冷えずオーバーヒートセンサーが作動、機内の気圧を保つ空調が止まり急減圧したとみている。

洗剤のかすのほか、熱交換器制御弁などには水が浸入したことを示す水あかもあった。同機は急減圧の4日前まで、中国山東省の整備専門会社で約3週間の整備を受け、エンジン内を洗浄。現地整備士が水を吹き付ける場所を間違え、水や洗剤が入ったらしい。

同機のエンジンは取り込んだ外気を圧縮、燃焼させた高温、高圧ガスでタービンを回し、連動して回る前部の「ファンブレード」で推力を得る。

外気を圧縮する圧縮室に放射状に並ぶ回転羽根という小ブレード(数百枚)に、土やほこりが付くと圧縮効率が低下するが、エンジンを回しながら高圧ホースで年に2回程度洗浄すると、燃費が改善する。

一部の古い機種を除き不要な整備だが、燃料削減のため、航空各社はエンジン洗浄を拡充している。

2006年7月のアクシデントですから、2年前の話で何で今になってやっと調査結果が発表されたのだろう、とちょっと不思議に思うところです。

以前から見ている「航空事故」に記録が出ていました。

  • 2006/07/05
  • 中部国際空港の南約13キロメートル、高度約11,300メートル
  • JA8419 ボーイング 737-500
  • エアーニッポン(株)

当該機は、7月5日

07時24分福岡空港を離陸し飛行中
08時10分ころ上記場所付近において客室余圧の低下を示す計器表示があり、乗客用酸素マスクが自動落下した。当該機は航空交通管制上の優先権を要請のうえ緊急降下を行い、目的地を中部国際空港に変更し
09時09分同空港に着陸した。
出発地及び最初の着陸予定地福岡空港→成田国際空港。
搭乗者乗務員5名、乗客 41名、計46名。
死傷者なし。機体の損壊等:なし。

備考:本件は航空法施行規則第166条の4第10号で規定する「航空機内の気圧の異常な低下」に該当する事態であり、重大インシデントに該当する。

だそうです。今回の整備による故障問題について東京新聞は別の記事を出しています「【関連】コスト対策に“漏れ” エンジン洗浄 海外整備の安全課題

原油高騰と温暖化対策に成果を上げるエンジン洗浄で、安全面の“漏れ”が生じた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で、二〇〇六年に全日空機で起きた急減圧の原因に洗浄時の作業ミスが浮上。海外の整備専門会社に委託する海外整備で初の大きなトラブルといい、整備コスト削減のため広がる海外整備の安全確保に課題が浮かんだ。

燃料とCO2の削減を目的とした全日空のエンジン洗浄は、〇三年度の四十回からスタート。〇七年度は千三百十五回と急増中だ。

日本航空も〇五年度の三十数回から始め、〇七年度は四百五十回に拡大。ドラム缶で年間十数万本、東京-札幌間一千数百往復分の燃料を削減できた。

両社は九〇年代から海外整備を始め、海外整備比率は現在、ともに三割を占める。日航はエンジン洗浄の海外委託をしていないが、シンガポールでエンジン洗浄することを検討している。燃費と整備の両コストを削減できる一石二鳥の効果が期待できるという。

事故調委や全日空によると、同社が今回の中国の整備会社に委託を始めたのは〇六年。トラブルが起きたのはこの会社が整備した三機目の全日空機だが、エンジン洗浄の整備は初めてだった。

同年六月十日から七月一日まで、四千飛行時間か一年半に一度の間隔で行う大規模整備でエンジンを洗浄。その際に現地整備士が、水を吹き付ける場所を間違えたという。

現地整備士は全日空の作業基準に沿って洗剤で洗浄。全日空の駐在員も監督したというが、全日空側は洗剤を使わない水洗いを要請したとの情報もあり、事故調委は詰めの調査を急いでいる。
社員常駐や要員訓練作業の「質」確保に努力

海外委託整備は、自社整備に比べ品質を不安視する声が根強い。このため、海外四社に委託する全日空は計六人の社員を常駐させ、現地整備士の訓練期間を拡大。現地整備士を全日空機専用に固定したり、整備士と責任者ら三者でマニュアル通りに整備作業したかを逐一確認したりするシステムにしている。

海外七社に委託する日航グループは、委託の大半が集中する主要二社に計八人の社員を常駐させている。さらにこの二社に出資、役員を送って経営に発言権を持つ。日航本社にも〇六年、海外委託専門部署(二十人)を新設、海外整備の品質確保に努めている。

エンジン内部を水洗いすると効率が回復するというのは、どういう仕組みなのか今ひとつ理解できていません。
回転している羽根の先端は、エンジンの外側のハウジングに接するような感じで、普通に考えても隙間を最小限に減らすようにしないと、圧縮漏れになってしまうでしょう。
テフロンコーティングで滑らせるといった手法も使っているようです。

大型旅客機に使用される大直径のエンジンは当然回転数が遅いのですが、戦闘機に使用するエンジンなどでは、1万回転に近いところで回っています。
円周が2メートルであるとすると、毎分2万メートル、秒速333メートルというとんでもない速度になります。
そこで僅かなゴミも洗い落とすことで回転の抵抗が減るから、効率が向上するのだろうと考えます。

この程度の整備を中国でやった方が安いというのがよく分からないところで、分解整備のように思い切り人手が掛かるところについては、人件費の問題に直結するのは分かりますが、エンジン水洗いといったことぐらいは合理化できるのではないでしょうか?

神戸空港などで24時間体制の整備基地を集約するといったことも考えべきではないかと思います。

5月 24, 2008 at 11:39 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.20

ボンバルディア機の製造ミス

東京新聞より「修理マニュアルなし ボンバル機事故で調査委

全日空のボンバルディアDHC8-Q400(乗客乗員60人)が昨年3月、高知空港に胴体着陸した事故で、前輪が下りない原因となった整備ミスの全容が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。

単純な作業ミスで前輪格納扉開閉装置の一部が損傷。
その修理をマニュアルなしで行った末にボルトを付け忘れるミスが連鎖した可能性が高いという。

事故調委は、近く調査結果を公表する。

事故調委などによると、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が全日空側に機体を納入する1カ月前の2005年6月16日、地上試験中に前輪扉を開けた状態に保つ安全ピンの差し込みが不十分だったため、前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。

ボ社の部品管理記録では、この修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが、実際には別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた。
その取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた可能性が高いという。

このボルトは外周をスペーサーという筒状の金属部品に覆われ、前輪格納扉を動かすアームと連結、上下動で扉を開閉する。
ボルトで固定されなかった事故機のスペーサーは、振動などで外側にせり出し、周辺の金具に引っかかって、アームが動作不能になった。このため扉が開かず、自らの重みで下りる前輪が出せなかったとみられる。

扉開閉装置セットはほぼ組み立てた状態で下請け業者がボ社に納入するため、ボ社に分解や修理作業のマニュアルはなかった。
具体的な検査項目にもなっておらず、ボルトの取り付け忘れを見逃す死角を生んでいた。

◆中部空港でのトラブルは9件

中部国際空港(愛知県常滑市)で唯一、ボンバルディア機を運航する全日空グループのエアーセントラル(同市)によると、同空港発着のボンバルディア機で、航空法に基づいて国に報告したトラブルは2006年10月から今年3月までで計9件あった。

離陸上昇中、客室の気圧調節ができず引き返したり、離陸後脚を上げたが格納室扉が閉じなかったため、脚を下げたまま飛行したりした。

愛知県によると、県営名古屋空港(豊山町)発着の日航などのボンバルディア機で、「イレギュラー運航」として発表されたトラブルは05年2月から現在までで7件。水平尾翼部分に不具合が見つかって欠航したり、飛行中主翼の揚力調整装置が作動せず引き返したりした。

2007.03.14ボンバルディのノーズギア
2007.11.12ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因
2007.12.03ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

この「胴体着陸事故」については上記の3本の記事を書いています。

今回の報道が事実であるとすると、

  1. 前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。
  2. 修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換することになっていたが
  3. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けようとしたが
  4. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ことになります。
しかし、わたしが書いたコメントの中に重大な内容がありました。

ボンバルディのノーズギアのコメント

テレビのニュースでは、問題のボルトは冷やして締め込んで、ナットと同じ温度になるまで膨張すると外れなくなる、という永久締結機構だったそうで脱落したのではなく、最初から組み立てられていなかったのではないか?となっているようです。

投稿 酔うぞ | 2007/03/15 21:45:14

これで、

  1. 前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが
  2. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた
  3. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ではなくて、取り付けることが出来ない構造だった。と言えるでしょう。
そういう仕組みだったからこそ、「前輪格納扉開閉装置セットを一式交換」としていたわけだし、「分解や修理作業のマニュアルはなかった」のも当然だと言えます。

内容は修理ですが、これは製造の問題ですね。
修理作業であればユニット交換であったはずで、ユニット交換する仕組みを勝手に作ってしまったわけだから修理とは言えない。強いて言えば、製造時に正しい作業をしていなかったとなりそうです。

結構な大事に発展するかしれません。

5月 20, 2008 at 10:00 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.13

名古屋市営地下鉄エレベータ破損事故その2

「名古屋市営地下鉄のエレベータ破損事故」の続報が、朝日新聞と中日新聞に出ましたが、どちらの記事も何が起きたのが疑念を感じさせる内容です。

朝日新聞より「ブレーキ利かず、乗客一気に落下 エスカレーター事故

名古屋市営地下鉄で乗客が転倒してけがをしたエスカレーター事故の当時、乗客の大半はブレーキがまったく利かない制御不能のなかで最下部まで一気に落下していた状況がわかった。
名古屋市交通局によると、乗客が最下部に重なるように倒れ込んだ際に踏み板の側面のパネルが押されるまで、ブレーキを動かす安全装置は作動していなかった。

この事故では、高さ約9メートル、長さ約20メートルの上りのエスカレーターが突然逆走を始めたことで、乗っていた約25人のうち14人がけがをした。

Up

けがの程度がいずれも軽傷だったことなどから、異物を挟んだときなどに感知する安全装置がどこかで作動し、ブレーキはある程度利いていたとみられていた。

しかし、市交通局の調査で、乗客が倒れ込むまで安全装置が働いた形跡はどこにもなかった。このエスカレーターは、安全装置の稼働で電磁ブレーキが利かなければ、逆走しても、踏み板に動力を伝えるチェーンが切れるなどしない限り緊急停止はしない仕組みになっている。

市交通局によると、踏み板を動かすための、エスカレーター本体と制御装置の歯車をつなぐ金属製チェーンがたるみ、制御装置が載った台座もずれていた。また、制御装置の一部が踏み板にぶつかった跡もあった。

乗客の転倒まで「異常」が感知されなかったことなどから判断すると、台座がずれたことでたるんだチェーンが、制御装置がさらに踏み板にぶつかった衝撃でかみ合わせもはずれ、空回り状態になったと市交通局はみている。踏み板は制御不能状態になり、乗客の重みで加速度的に逆走したとみられる。

事故機の制御装置の台座をとめるボルトは昨年9月に2本が「金属疲労」で折れているのが見つかり、補強工事をしていた。しかし、今回も一部のボルトが折れていたことから、市交通局は疲労破断によってボルトが取れ、台座ごと制御装置が動いたとの見方を強めている。

こういう場合は、金属疲労とは呼ばないで強度不足というべきだと思うのですがね。
もっと怪しげな内容になっているのが中日新聞の記事「補強工事先延ばし、なぜ? 名古屋地下鉄エスカレーター」です。

名古屋市営地下鉄久屋大通駅のエスカレーター事故で、本格的な補強工事の準備が昨年10月には一部、整っていたことが市交通局の調べで分かった。

その時点で、早急に対応していれば、今回の事故は回避できた可能性もある。

昨年9月下旬、久屋大通駅のエスカレーターの機械室でボルト2本の「疲労破断」が見つかり、応急工事した際、製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)は計19基の恒久工事がさらに必要と申し出ていた。

ただ「部品がそろうのに時間がかかる。施工は今年4月以降」と市側に伝えていた。しかし、事故後、市交通局の調べで、昨年10月25日には11基分の製造を終えていたことが判明した。

残る8基分の製造がなぜ遅れたのか、当初めどとしていた4月以降もなぜ工事を始めなかったのか、12日現在、オーチス社は市にも、本紙の取材にも明確に答えていない。

市交通局は、製造済みの部品を使い、12日夜から一晩に1基ずつ、ボルトの直径を16ミリから20ミリに交換するなどの本格的な工事を開始。残る8基分も14日までには準備が整うという。

なんでこんな怪しげなことになっているのだろうか?
エスカレータはユニット化されているのだから、建物に設置するところが場所によって工事が変わってくるのだろう。それぞれの現場特有の工事があるわけで、そこに強度不足があったのだとすると、少なくとも同時に工事したところは全部に危険性があると考えるべきだと思う。

大体「2本のボルトが折れたから、補修する」というが問題だろうと思う。
なぜ折れたのかが問題だし、ボルトの強度不足であれば設計段階からの見直しが必須であろう。早い話がエスカレータの使用中止となったはずだ。

今回の事故は、補修したが壊れたのが現実であって、ボルトを太くすれば大丈夫と言えるのかは大いに疑問である。

16ミリから20ミリに変えるとのことだが、それでは剪断強度は1.5倍になるだけだ。
飛行機の軽量化設計じゃあるまいし、強度が1.5倍になったからOKとはとうてい言えないだろう。

普通に考えて、16ミリのボルトは数トンの負荷までは破断しないから、複数のボルトが切れたというのは10トンといった負荷が掛かったことになるが、それだとチェーンが先に切れるのではないだろうか?

一体何がどうなっているのか?根本的に、負荷対策が出来ていないとかではないのか?
原因不明であるのなら、使用中止にするべきだと考えます。

5月 13, 2008 at 10:20 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.12

名古屋市営地下鉄のエレベータ破損事故

中日新聞より「同型式のエスカレーターに補強工事 名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で9日朝、急停止後に上りエスカレーターが後退して11人が軽傷を負った事故で、市交通局は事故が起きたのと同じ型式の18基の本格的な補強工事を、12日夜に開始することを明らかにした。

補強工事は製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)が昨年9月、ボルト2本の破損が判明した際に、必要性を申し出ていた。

工事には8、9時間を要するため、終電前の午後9時ごろから、始発後の午前6時ごろまで毎日行う。1日1基ずつ補強し、30日までに全基を終えたいとしている。

全基の工事完了までは毎朝の始発前に、工事を終えていない同型式のエスカレーターの機械室で、モーターやブレーキが載っている架台とエスカレーターの骨組みをつなぐボルトに問題がないか、ハンマーでたたいて点検する。

市交通局によると、補強工事は、ボルトを現在の直径16ミリから20ミリに交換するほか、今回のように架台がステップからの圧力でずれるのを防ぐことを徹底するため、新たにボルトを上下に1本ずつ打ち込む。

同型式のエスカレーターは久屋大通駅に6基、桜通線の野並駅(天白区)に9基、桜山駅(瑞穂区)に3基ある。事故後は全基を止めたが、安全点検後、10日朝までにすべて運転を再開している。

市営地下鉄のエスカレーターは今回の同型式を含め計377基。今後は他社製も月1回、ハンマーでの安全点検をする。ボルトの点検はこれまでオーチス社が申し出た昨年9月に緊急実施しただけ。

元々6本のボルトでモーターと減速機を一体にしたフレームを取り付けていたようです。
それをさらに、補強工事していたものが今回は1本を残して全部が破断。
フレーム全体がチェーンに引っ張れてずれてしまい急停止し、さらに重量によって下がってしまったようです。

中日新聞より「補強した4カ所も破損 エスカレーター事故

名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で9日、急停止後に後退して11人が軽傷を負う事故を起こした上りエスカレーターは、昨年9月に破損が見つかり補強した4カ所も、今回の事故後の調査で破損していたことが分かった。

市交通局は製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)が実施した補強が強度不足で他のボルトの破損を引き起こし、事故につながった可能性があるとみて調べている。

Up

破損していたのは、モーターやブレーキが載っている架台とエスカレーターの骨組みをつなぐ個所。もともとは6本のボルトで架台と骨組みを固定していた。このうち2本が昨年9月、モーターなどの振動による疲労で破断し、根元からちぎれるように折れていた。

オーチス社は、この2本をそのままにした上で、破断個所近くの骨組みに厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接、その上に架台とつなぐように2本のボルトを上から、別の2本を横から埋め込んだ。

この結果、架台についているボルトは、10本(昨年9月に破断した2本を含む)となり、市側はオーチス社から「この補強でこれまでと同等の強度が出る」と説明を受けた。

しかし、わずか7カ月後の今回の事故で、補強した4カ所すべてが破損していたことが判明。うち少なくとも2カ所は、鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた。もともとあった6本のうちの1本のボルト以外すべてが破損していたことになり、架台は反時計回りにずれていた。

市交通局は「補強が適切でなかったか、設計通りに施工が行われなかった可能性がある」として、オーチス社から当時の状況を聴いている。

市交通局は10日、事故のあったエスカレーターの機械室を点検。11日はへこむように破損したステップ以外に異常のあるステップがないかを調べる。

市営地下鉄には、同型のエスカレーターが事故機のほかに、久屋大通、桜山、野並の3駅に合計18基ある。緊急点検の結果、安全が確認できたとして、10日朝までに順次、運転を再開した。

今回の事故では、ステップが破損しているようで破片が噛み込んで過負荷になったのではないかとも思うのですが、動力部がフレームから脱落したのですから機械設計としては落第でしょう。

ちょっと信じがたいのは「厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接」「鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた」という部分で、よほどひどい溶接をしない限りは、壊れるとは思えません。

さらには、シアピンなどはどうなっているのでしょうか?

この状態で、ボルトを太くするというのは修理と言えるのでしょうか?
原因が不明のまま補強しているようにしか思えないのですが、なんか三菱自動車のハブ破損事故を思い出してしまいます。

5月 12, 2008 at 09:26 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.05.09

大日本スクリーン製造・有機EL製造装置

京都新聞より「有機ELディスプレー・量産技術を開発 大日本スクリーン製造、米デュポンと

大日本スクリーン製造と米化学大手デュポンは8日、次世代の薄型テレビ用として普及が期待される「有機ELディスプレー」の量産に向けた技術を共同開発したと発表した。

2009年度に携帯電話など小型機器向け有機ELディスプレーの製造装置の納入を予定、
10年度からは32-36型テレビ用の装置の供給も始める方針。

スクリーンは、装置供給で10年度に100億円以上の売り上げを目指すとしている。

有機材料に電圧をかけて発光させる有機ELディスプレーは薄くて消費電力が少なく、画像が鮮明なのが特長。パネルの大型化や製造コストの引き下げが課題で、企業が技術開発の競争を繰り広げている。

両社は約3年前から有機ELディスプレーの共同開発に着手。発光材料を超高速でガラス基板に塗り分けるといったスクリーンの独自技術と、デュポンが持つ有機素材や材料技術の知見を組み合わせることで、従来は困難だった大型化や低コストでの量産にめどを立てたという。

当面の製造装置は十インチ程度の小型パネル用だが、大型パネル用の装置開発も進め、将来は40-50型テレビ用の装置も量産できるようにするという。
京都市内でデュポン担当者と会見したスクリーンの矢追善也FPD機器カンパニー社長は「デュポンとの提携で他社より一歩も二歩も先行した。市場の拡大が見込まれており、製品化にあらゆる技術を結集したい」と語った。

大日本スクリーン製造と米化学大手デュポンの組合せは、素材供給側ですからもくろみ通りに2010年度に装置を売上げベースで100億円規模に出来るとすると、一気に有機ELを使用した製品が増えるでしょうね。

大型液晶の試作現場を見たのが1990年頃で、その頃には両さんは不可能ではないのか?というほどの不良率だったのが、今では大型テレビが大量に作られようになっているのですから、すぐに有機EL時代になるのかもしれません。

5月 9, 2008 at 08:47 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.12

静粛な自動車禁止法?

Response より「プリウス に騒音は必要?…車の静かさ防止法案

アメリカ議会では早ければ2010年の実施を目指し、車が出す音の最低限レベルを決定する法案を検討中。

「ハイブリッド、EVなどの音が静かすぎて危険」という不満が、特に視覚障害者などから聞かれることから、歩行者の安全を守るために、車が出す騒音の最低レベルを決定する必要があるかどうか、米運輸省にリサーチを実施させる。

実はこうした法案は州レベルではすでに実施されており、今年3月メリーランド州では実際に音の最低レベルを設定する法案が州議会を通過している。

法案は各自動車メーカーに対し2年間のコンプライアンス期間を設定するもので、今年中に法案が可決されれば2010年に販売予定のモデルから、「最低騒音」が義務づけられることになる。

しかし問題視されているハイブリッドの無音は特にトヨタの『プリウス』、ホンダ『シビックハイブリッド』などが対象で、より大型の2モードハイブリッドを採用しているビッグ3のモデルは特に問題が指摘されていない。

アメリカでは「プリウスは日本政府の支援で作られた」発言など、日本のメーカーに対する警戒感を思わせる動きが高まっており、今回の「騒音は必要」議論も結局は日本車をターゲットにしたもの、と言えるかもしれない。

まあ確かにアメリカがなりふり構わずに日本のハイブリッド車の増加を抑えに掛かるというの大いにあり得ることですが、ハイブリッド車(正確には電動自動車)がエンジン駆動の自動車と騒音発生レベルのが全く違う、というのは社会的に問題になると思います。

たまたま今日「ありゃ??」という経験をしました。

今日(2008/04/12)の昼過ぎに歩いてとなり駅まで行ったのですが、途中の信号付き交差点でエスティマハイブリッドが目の前を横切っていきました。

今エスティマハイブリッドには非常に興味があるために、普通のエスティマと僅かな外形の違いを見分けることが出来ます。
それで、ちょっと向こうにいるエスティマハイブリッドを見て「ハイブリッドだ」と分かったのですが、目の前を通りすぎていく車の姿と音が頭の中で合成しないような感じになりました。

思い出してみますと、目の前を通るところと通り過ぎた後の音が期待していた音ではないと感じたのですね。 明らかに「ヘンな音」というより「なんだこの音の変化は」でした。

エスティマハイブリッドは十字路の交差点をまっすぐに通り抜けてきたのですが、道は交差点に進入する前にはダラダラと続く下り坂です。交差点を通り抜けるとすぐに上り坂になって一時停止になります。

普通のエンジン付きの車であれば、近づいてくるときの音はエンジンを吹かしていない下り坂、通り抜けてすぐに一時停止という状態では、通常走行からエンジンブレーキで減速中でしょうから、非常に静かでしょう。
目の前を通り過ぎると、排気音がはっきり聞こえるから「通過後に音が大きくなる」と判断するようです。

それが、通過前も通過中も通過後も同じような音でした。ほとんどはタイヤの音だったと思います。

これが違和感の原因だと思うのですが、決して無音ではないのです。しかし、聞き慣れている自動車の音でもありません。

そういう違和感を無くそうというアメリカの考えは分からないでもないですが、法律で決めるよりも社会の慣れの方が有効だろうとは思います。

以前、初代プリウスが目の前でバックを始めたときにもビックリしましたっけ。難しいものですね。

4月 12, 2008 at 08:54 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.10

ホーイング787・納期の再々延期

CNN.co.jp より「787型機の納入、3度目の延期 米ボーイング

航空機製造大手の米ボーイング社は9日、製造中の次世代中距離機787型「ドリームライナー」の引き渡し時期を、2009年7─9月期に延期すると発表した。
同社が787型機の納入を延期するのは、今年1月に続いて3度目となる。

最初の納入先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に引き渡す予定だったが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に。

今年の1月には、再度の延期で引き渡しは09年にずれ込んでおり、3度目の延期に全日本空輸は「非常に落胆した」としている。

引き渡しの延期理由は、製造工程の遅れや各国企業が生産する部品の到着遅延などとしている。

  • 2008年5月
  • 2008年12月
  • 2009年3月
  • 2009年9月

と引き渡しが延びてきたわけで、もう単純に四半期単位で延びてますね。
それにしてもまだ初飛行していないんですよね。
「納期がいつになるのか言えない」ということなのでしょう。

もうすでに複数の機体が完成しているという情報もあり、必ずしも1号機を先に飛ばすということにはならないのかもしれませんが、それでは1950年代のジェット機揺籃時代と同じです。
作ってみなければ分からないというか作ってみても分からない、なのかもしれません。

同じく飛べないのが、川崎重工が作っている自衛隊の次期輸送機C-Xでこれは強度不足で設計からやり直ししたそうです。

飛行機はすでに100年の歴史がある技術で、設計については充分に枯れていると思っていたのですが、複合素材を使ったりすると、とんでもないことが起きるのでしょうか?
全日空・日航共に燃料費高騰と787の導入遅れが株価に影響しているそうで、788カスタマーはボーイングに対して続々と賠償請求を起こす可能性があると、AFP BB は報じています。

4月 10, 2008 at 08:23 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.05

もんじゅの誤警報問題の原因解明

サンケイ新聞より「もんじゅ 県、全検出器の点検要請 誤警報 施工ミスの可能性

高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)で3月下旬に1次系配管でナトリウム漏れの誤警報が相次いだ問題で日本原子力研究開発機構は4日、接触式ナトリウム漏えい検出器の施工ミスの可能性が高いと発表、国や県、同市などに報告した。
県は、原子力機構に対しもんじゅの全検出器の健全性と整備体制の確認を要請した。また3月26日の誤警報の連絡が遅れたことについても教育や訓練を求め、原子力機構は応じる考えを示した。

◇原因を報告

原子力機構によると、問題の検出器は電極と電極の根本にあるさやが、ナトリウムなどの導電性物質に同時に接触することで警報を出す。

今回の検出器は平成2年2月の施工時に、留め具の設置ミスで予定より約1センチ深く入り、電極が配管内の開閉弁の一部(弁棒)に接触して曲がり、さやだけが接触した状態になったという。
その後、120回以上弁棒が動作する中でさやがこすれ、電極と同時に接触。3月26日と同28日に誤警報が出された。

原子力機構では「検出器としての機能は確保されていたが、施工時に、意図したとおり設置されていなかったことは、改善が必要だ」として、もんじゅに設置された検出器479台の内、今回と同じく1次系に斜めに取り付けてある22台について、6月中旬までに検査を実施する。

また、残りの検出器についても検査を検討しており、プラント確認試験の行程内で適切な時期を選んで実施する方針。もんじゅは10月の運転再開を目指しているが、行程が遅れる可能性があるとしている。

この日、早瀬佑一・敦賀本部長が県庁の旭信昭副知事を訪問。誤警報の原因が部品の製造ミスだったことを伝えた。また、県への連絡が誤警報から3時間後になったことについて所長らが通報を確認していなかったと説明。早期に1次系の検出器の点検、通報体制の確認や意識改革を行うと対策を説明した。

これに対し、旭副知事は昨年来2次系でも誤警報が発生したことを踏まえ、1、2次系すべての検出器の点検を求め、連絡体制のマニュアル整備や見直し、通報責任者の複数配置を行うよう文書で要請。また「漏れの確認手段については県原子力安全専門委員会での要請もあり、複数の方法を講じるようお願いする」と述べ、早瀬本部長は「重く受け止め、信頼回復に努める。委員会の要請も検討し、対策を取りたい」と答えた。

一方、敦賀市役所を訪れた原子力機構の伊藤和元理事は誤警報の原因を説明した後、地元自治体などへの連絡が遅れたことに触れ、「(通報遅れは)市民の皆さまの信頼を損なう重大な問題。一報を入れることより、事実確認を優先してしまった」と謝罪。河瀬一治市長は「電話一本いただければ済んだ話。今回の問題を教訓にしてほしい」と苦言を呈した。

検出器が誤警報を出したのに、「機能が確保されている」というのは無理でしょう。

原子炉の歴史ではナトリウム冷却炉は失敗の連続で成功した例はあるのですかね?

もんじゅがナトリウム漏れ事故を起こしたのは、1995年で以来止まったままです。
とは言っても、ナトリウムを暖め続けるために膨大な電力を消費しているのですから、原子炉として機能停止ではあっても、プラントは動き続けているとも言えるでしょう。

1995年の事故は、二次冷却配管(だから人が立ちいることが出来る部分)の温度計のサヤが破断してナトリウムが漏出して発火した、というものでした。

温度計のサヤが破断した原因は、設計不良による応力集中と管内のナトリウム流によって温度計のサヤが振動したことによるとされましたが、機械工学的にはかなり初歩的なトラブルでした。

今回の「工作ミス」も同じように「機械工学上の初歩的ミス」の印象を受けますが、それがかなりやっかいな事態に展開しているところが「ナトリウム炉は大変だ」と思うのです。

日本での高速増殖炉の計画は、実験炉・常陽、原型炉・もんじゅ、実証炉ということになっていますが、増殖炉・原子炉という以前にいわばボイラーとしてナトリウム冷却機構を使いこなせるのか?という問題のように見えます。
こんな段階でつまずいているようでは、高速増殖炉は本当に「夢の話」になってしまうように思えます。

それにしても、本当に10ミリも間違えて工作したのに、それがチェックできなかったのでしょうか?
そこまでいい加減な設計なのでしょうか?これほどの誤作を許してしまう設計自体が問題じゃないのでしょうか?

4月 5, 2008 at 10:13 午前 もの作り | | コメント (12) | トラックバック (1)

2008.03.28

MRJはどうなるか?

「MRJ事業化決定」はあっちこっちで取り上げられていますが、専門家の鋭い指摘がありました。

松浦晋也のL/Dより「MRJへの不安」から引用します。

 この半月ぐらい、「MRJ、三菱リージョナルジェット」の検索で当ページを訪れる人が急増している。去年の秋に書いたMRJ、大丈夫か?続・MRJ、大丈夫か?が引っかかるらしい。

 三菱重工業が開発を目指す国産旅客機「MRJ」を巡る情勢は急速に動いている。本日、全日空が25機を発注してローンチカスタマーになると発表した。ベトナムや中東への売り込みを行っているというニュースも流れている。

 YS-11以来の国産旅客機の開発だ。もちろん喜ばしい。

 しかし、私にはどうにも引っかかることがある。それは「三菱の技術者は本当に旅客機を設計できるのか」ということだ。

 「何を失礼なことを言っているのか」と怒らずに、以下読み進めて欲しい。三菱の航空技術者の質を疑っているわけではない。経験値が足りているかどうかを気にしているのである。

 長々と書いてきたが、私はMRJが失敗すればいいなどとは決して思っていない。おそらくMRJが失敗すれば、日本の航空機産業は半永久的に旅客機参入の機会を失ってしまうだろう。その意味では、MRJは失敗を許されないプロジェクトとなっている。

 ただただ、心配なのだ。営業面も技術面も。

さらに「MRJ、大丈夫か?」「続・MRJ、大丈夫か?」を読むと、三菱重工のセンスの悪さがはっきりと指摘されていて、わたしが前回書いた「営業的に一度も成功していない」ということが実に大きくのしかかってきています。

大上段に振りかぶってしまいますと、日本はいまだにメーカのプロダクトアウト的な側面が強すぎて、なぜ売れるのかといった問題を追及する姿勢が弱いと言えます。
その中でも三菱重工は営業が得意とは言えないのですから、ここ一番と言うところでは思いきった人材の登用など考慮するべきでしょう。

それが出だしから、「MRJ、大丈夫か?」なのですからそりゃ多少は事情を知っている人は皆揃って心配するわけです。

技術的に成功して、製品を作ることが出来てもビジネス全体を売却してしまう、という可能性は今まで経緯からは決して低いものではなく、作ることの自己満足に終わるようなことにならないように願うところです。

3月 28, 2008 at 02:28 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.27

MRJ事業化決定

日経新聞より「三菱重のMRJ、28日にも事業化決定・全日空は25機、日航も検討

三菱重工業は国産初の小型ジェット機「MRJ」の事業化を28日にも正式決定する。

全日本空輸が27日の取締役会でMRJ25機の購入を決めるほか、日本航空やベトナム航空も導入する方向で検討しており、一定の受注数を確保できると判断した。全日空はMRJの燃費性能などを評価しており、第一号顧客として今後の開発作業に参画し機体設計などに自社の意向を反映させる。約40年ぶりの国産旅客機事業が動き出す。

全日空が購入するMRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)は座席数が70―90席で、1機30億―40億円程度。2012年から地方路線などに順次導入する方針だ。

全日空はボンバルディア(カナダ)、エンブラエル(ブラジル)の2社の小型ジェット機も導入候補として検討してきたが、ボンバルディアは今月中旬に自ら辞退。エンブラエルと比較検討した結果、燃費の3割改善を目標としているMRJを選んだ。

「MRJ発進!?」の続報です。

燃費の3割改善というのはすごいですが、メンテナンス全体のコストダウンということですと、経験が大きくものを言うでしょうから三菱でなくても後発メーカはどこも苦労しています。

顧客のニーズをうまくキャッチアップするだろうか?となりますと、三菱重工が航空ショーでMRJを発表した時点でもかなり強く非難されていますから、心許ないですね。

技術的には一見ハイテクのように見えても、旅客機は元々結構保守的ですから特に問題にはならないでしょう。
超大型とか超斬新でもありません。

しかし民間機ビジネスということを考えますと、今まで一回も成功していないのが日本の航空機製造ビジネスで、個人的には「また売ってしまうことになるのでは?」と心配です。

3月 27, 2008 at 10:53 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.26

全日空787で損害賠償を請求

毎日新聞より「全日空:米ボーイング787納入遅れ、賠償請求へ

全日本空輸(ANA)の山元峯生社長は毎日新聞のインタビューに応じ、納入が遅れている米ボーイングの新型中型機787について、損害賠償請求する方針を明らかにした。
日本航空(JAL)など世界の航空会社にも同様の動きが広がる可能性がある。
一方、三菱重工が事業化を目指す国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」については期待を寄せつつも検討中とし、近く最終判断する意向を示した。

燃油高が続く中、燃費性能の優れた787の納入が遅れたことについて、山元社長は「08年中はもう入ってこないと思った方がいい。頭が痛い」と述べた。ANAは08~11年度の中期経営計画で機材調達の変更を余儀なくされた。米ボーイングに対する損害賠償請求は「当然、その話になる。燃費効率で収益に貢献するとはじいていたのだから」と述べ、納期が決まれば具体的な手続きをとる考えを示した。

◇MRJ導入は近く最終判断

MRJについては「日本の需要より、世界市場で売れる飛行機を作ってほしい。10年たって部品がなくなるというのでは困る」とくぎを刺した。購入判断には、部品供給などの条件の見極めが重要との認識を示した。社内の機種選定委員会から近く答申を受け、最終判断する。

また、10年10月に供用開始が予定される羽田空港の国際線の発着枠について「(国土交通省が予定する)3万回といわず6万回に増やしてほしい」と注文をつけた。羽田を拠点に近距離の国際線を拡充すべきだと主張している。【後藤逸郎】

2007年8月にロールアウトしましたが、いまだに初飛行していません。
計画は、2007年9月に初飛行、引き渡しは2008年5月とされていて、どう見ても「そんなにうまくいくものか?」と思われていましたが、ロールアウト時点で機体が完成していなかったというのですからすごいです。
もっとも日本の次期輸送機C-Xもロールアウトはしましたけど、強度不足で設計のやり直しとか言っていますから、別にボーイングだけの問題でもないようです。

しかし、大量に売れてしまった旅客機ですから各航空会社が経営計画に織り込んでいるのは当然で、賠償問題が出てくるもの当然でしょう。

初飛行が2008年第一四半期と計画されていますから、あと一月の内に飛行テストに入れるものかどうかを注目しましょう。

3月 26, 2008 at 11:01 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.20

4脚ロボット発展す

Engadget Japanese より「動画:蹴られても滑っても立ち直る四脚ロボ BigDog

DARPA出資のもと開発されている四脚ロボBigDogの新しい動画が公開されました(続きに掲載)。Boston DynamicsのBigDogは軍用・荷役用を想定したガソリンエンジン駆動の4脚ロボ。体重は約105kg (旧バージョンは約75kg)、体高約70cmくらい。

エンジン音を鳴らしながらよたよた歩く、蹴られても上手くバランスをとって立ち直るといったあたりは以前の動画でも公開されていましたが、今回の動画に含まれる「約150kgの荷物を背負いつつ、氷の上で同時に2本以上の脚が滑っても一瞬ヒザをついて立ち直る」場面は必見です。下の動画では開始1分20秒くらいから。

Defense Advanced Research Projects Agency は日本語訳だと色々あって、国防高等研究事業局、国防総省高等研究計画局、国防高等研究計画庁、などがありますが有名な無人車での走行実験などを莫大な金額を掛けてやっています。

この4脚荷役用ロボットは発表当時から「気味が悪い」などと言われてましたが、YouTube にアップされている動画「BigDog - Boston Dynamics (2008)」(Engadget Japanese のリンク先そのもの)を見ると、非常に難しいことに挑戦しています。

アシモにはこれは出来ないでしょう。
なんかタチコマを思い出してしまうわけです。

3月 20, 2008 at 03:19 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

MRJ発進!?

日経新聞より「三菱重工、小型旅客機事業化へ・国産40年ぶり

三菱重工業は国産初の小型ジェット旅客機を事業化する方針を固めた。

全日本空輸と日本航空が最大で合計70機を購入する方向で最終調整しており、アジアの航空会社からの打診を含め一定の受注数が確保できると判断した。

今後高成長が見込める小型旅客機市場に参入し、航空機事業を拡大する。国産旅客機の誕生は「YS―11」以来、約40年ぶりで、部品や素材など日本の製造業に幅広い波及効果が期待できそうだ。

三菱重工は小型ジェット旅客機「MRJ」について航空各社と価格や保守、納期遅れの際の補償などで詰めの交渉をしている。条件面で合意すれば、全日空は早ければ月内にも購入を決める見通し。その後、三菱重工が取締役会で事業化を正式決定する段取りだ。

新規にビジネスに挑戦すること自体は大歓迎でありますが、競争激甚のリージョナルジェットの業界に参入することがそれほど良いビジネスなのかな?と思います。

YS-11の研究が始まったのは、戦争が終わってすぐで世界的にも純民間機はどうあるべきか?といった構想が色々と提案されて、世界の航空技術者たちが「戦争用の飛行機から民間機に」と競争していた時代でした。
その意味では「民間機を作る」こと自体に大きな意味がありました。

同時に、少量生産であるために部品製作レベルまで人的資源を投入でき、しかも技術的に高度であるところが波及効果が大きいとされました。

その後、飛行機に使われるバーツも専業メーカが出来て航空機メーカはかなり組み立て産業になってしまい、ボーイングとエアバスの両者は大型部品を結合して飛行機にするメーカとなっています。

今では、パーツの大型化など人手の削減の方向で競争が激しくなっていて、量産効果もビジネス上必須になっています。
つまり以前ほどの波及効果はないと言えるでしょう。

もちろん、航空機製造技術の基盤維持のために航空機開発をすることが必要との意見はその通りだと思いますが、それがビジネス的に厳しいだろうという事実を変えることにはなりません。
第一、YS-11でもビジネス的な失敗でその後が続かなかったのです。
当時よりも現在の方が遙かにライバルは多く、ニーズからすると高級・高価格の機体は売りにくいでしょう。

確かに、技術的な研究や波及効果については飛行機を作ることで得られるものは大きいかとも思いますが、それがビジネスとして良いのか?というのは別問題でしょう。
高級で低価格の商品を少量生産する、というものすごく難しい問題になりそうです。

少量生産にしかならないリージョナルジェットの製造がビジネス的に成功するのか?それこそが大いなる挑戦と言えるかもしれませんが、少なくとも今までのやり方の延長上にはビジネス的にはマイナス要素の方が大きいだろうと思います。

3月 20, 2008 at 12:02 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.19

超伝導モーター実用化?

FujiSankei Business iより「世界最大365キロワット 超電導モーター IHIが船舶推進装置向け開発

IHI(旧石川島播磨重工業)は17日、世界最大出力365キロワットの超電導モーターを使った船舶用推進装置=写真=を完成させ、横浜事業所(横浜市磯子区)で報道陣などに公開した。同社は出力を400キロワットに高めた超電導モーターの販売を2009年度から始める。超電導モーターの販売は国内メーカーでは初めてという。

Up

公開した超電導モーターは、福井大学や住友電気工業など7社1大学の産学グループが共同開発した。船舶の分野も二酸化炭素(CO2)の排出削減が課題になっており、この推進装置を搭載した船は従来型のディーゼル駆動船に比べ燃費が15~40%向上する。

一定の温度以下になると電気抵抗がゼロになる超電導材に、高温タイプのビスマス系線材を採用。冷却剤に液体ヘリウム(マイナス269度)に比べて高温の液体窒素(約マイナス200度)が使え、断熱が容易で扱いやすいという。

4月から耐久性を検証するための24時間連続負荷運転に入り、7月から400キロワット超電導モーターの製作に着手する。将来は「船舶以外の分野にも超電導モーターを売り込みたい」(舶用超電導推進事業室部長)としている。

船舶用に普通のモーターとして超電導技術が使われるとは「なるほどねぇ」といったところです。

400キロワットでは、それこそ潜水艦の巡航用でしょうか(^_^;)

液体窒素の冷却で機能するのであれば、充分に実用出来るとは思いますが、冷やし続けなければいけないわけですから、そのエネルギー収支はどうなのでしょうか?
その分を入れても、燃費向上なのでしょうか?

超伝導モーターの制御はどうするのでしょうか?興味深いですね。

3月 19, 2008 at 10:57 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.03.02

野村精機倒産とその影響

帝国データバンク・大型倒産速報より「NC旋盤製造・野村精機株式会社

野村精機(株)(資本金3億円、西多摩郡奥多摩町棚澤437、代表佐藤悟氏、従業員129名)は、2月22日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、同地裁より保全監督命令を受けた。

申請代理人は泉義孝弁護士(港区虎ノ門2-5-4、電話03-3500-3655)ほか1名。

当社は、1959年(昭和34年)10月に創業、78年(昭和53年)1月に法人改組した工作加工機械製造業者。66年には山梨県小菅村に工場を開設し、NC旋盤の製造販売を専門に手がけ、海外企業とも提携を行い、88年12月期の年売上高は約58億400万円を計上していた。

しかし、米国子会社における営業展開の失敗に加えて、国内設備投資需要の冷え込みによって受注が落ち込み、93年12月期の年売上高は約22億9000万円に減少。連続欠損を余儀なくされていたうえ、新社屋建設などの設備投資に伴う過剰な借り入れ負担も重荷となり、多額の累積損失を抱え、債務超過に転落していた。

その後、販管費削減などの経営合理化を行い、民間設備投資の回復や海外の需要増によって経営環境も上向いたことで、近時は国内30%、海外70%の比率で国内外2000社以上の得意先を抱え、2004年12月期の年売上高は約55億9700万円に回復していた。

中国・台湾向けなどの輸出が好調に推移し黒字も確保していたものの、多額の債務超過状態が続いていたため、厳しい資金繰りを強いられ支え切れず、今回の措置となった。

負債は2006年12月期末時点で約82億5400万円。

債権者説明会は、3月4日午後3時から、ニッショーホール(港区虎ノ門2-9-16)で開催される予定。

以前は倒産速報を見ていたのですが最近はほとんど見ていませんでした。

今回この情報を拾ったのは、サンケイ新聞・東京地方版の記事「会社経営危機 お見合い中止」を見たからです。

山梨県小菅村は、村内の独身男性のため23日に予定していた「お見合いパーティー」を急遽(きゅうきょ)中止することを決めた。

同村教育委員会によると、参加予定の男性10人のうち6人が勤務する会社が会社更生法を申請。男性らが職を失うことも考えられ、将来的に不透明の中で開催することは応募した女性らに迷惑がかかるとして中止を決定した。

同村教委は応募した女性10人にわび状を送るとともに、電話で謝罪した。奥秋利一教育長は「関係者にご迷惑をかけ、大変申し訳ない」と話している。

小菅村はバイクでは良く行っていたところで知らないところではありませんが、問題になるほどの企業があるのか?と検索した結果が「野村精機の倒産」でした。

野村精機本社は奥多摩町棚沢ですから、小菅村とはかなり離れています。沿革によれば

1959野村精機製作所設立
1966山梨県小菅村に小菅工場を開設
1981埼玉県入間市に入間工場設立
1986野村精機株式会社へ社名改称
1992青梅新町ビル竣工

とのことですから、小菅工場が新聞に報道された工場なのでしょう。

たしか創業者が山の中での気温の変化が工作機械のベッドの製造によい影響を与えるというような理由で場所を選んで工場をつくったと聞いています。

日本の工作機は電子技術などによる高級化で世界に冠たる地位を今も占めていますが、元々のベッドの安定といったようなヨーロッパからの技術が相対的に価値を減らしてきて、国際的な低価格競争で利益にならない商売が続いていたのだろうなと思います。

3月 2, 2008 at 01:40 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた

朝日新聞より「事故3両の全ディスクブレーキが破損 湘南モノレール

神奈川県鎌倉市で湘南モノレールの下り電車(3両編成)が単線でブレーキが利かず対向電車の直前で停止した事故で、同社は1日、

車両すべてのブレーキディスク
計24枚が破損していた

、と発表した。車両は昨年12月に運転を始めた最新型で、同社は破損した原因を調べている。

同社によると、ディスクは内径195ミリ、外径410ミリ、厚さ16ミリ、重さ11.2キロで砂型鋳物製。各ディスクは3~1本の破断やひびが入っていた、という。

1車両に二つの台車があり、各台車には4輪の駆動タイヤが装着。それぞれにディスクがつき、空気の圧力でブレーキをかける仕組み。ディスクをはさむブレーキパッドには異常はなかった。モーターの抵抗を利用したブレーキは作動していたという。

同社は6日に1回検査をしており、この車両は事故発生5日前の2月19日に検査していた。ディスクはタイヤの裏にあるため詳細な点検は難しかったが、目視では異常は見つからなかったという。

事故は2月24日午前、西鎌倉駅を約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。オーバーランした車両には22人、対向車両には16人の乗客がいた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も調査を進めている。

同社によると、車両は三菱重工、三菱電機による共同企業体が納入。原因が究明されるまで同系車両を含めた運行をやめており、間引き運転をしている。

ブレーキが利かなくなったとのことだったので制御システムのエラーだと思っていたのですが、ブレーキディスクが割れていたというのは驚きです。

3両編成の全てのディスク24枚とのことですから、一両あたり8枚、ボギー台車のような構造で左右2個ずつの車輪4つで一つの台車を構成しているのでしょう。

12月に営業運転を始めたばかりとのことですから、2月24日には全てのディスクプレー気が割れていたというのは品質の安定という意味ではすごいですから、設計の問題ですね。

湘南モノレールはすごいアップダウンなので、ブレーキの負荷はかなりのものだろうと思いますが、ディスクブレーキ自体は特に新しい技術とは言えず実績も沢山あるわけで、今ごろディスクが割れるといったことが起きるとは本当に予想外です。
ましてモノレール(鉄道)なのですから極端な軽量化など技術的な冒険を犯す理由も見あたりません。
なんでこんな事が起きたのでしょうか?

ブレーキ装置自体が壊れると、全てが信用できなくなってしまいます。
シンドラー社のエレベータ問題でもメンテナンスの問題なのか設計の問題なのかという原因解明以前に「信用できない」となってしまいました。

ブレーキが働くから無事に止まることが出来る、というのは最終的な信頼そのもので、ブレーキが機構的に機能しないとなると、全ての信用が失われてしまいます。

全てを公開しながら原因の解明を進めないと、原因は解明できたが信用は取り戻せない、ということもあり得るでしょう。

3月 2, 2008 at 01:21 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.29

無茶苦茶なニッポン(になりつつある)

神戸新聞より「活況で安全後回し 社内規定違反 川崎造船クレーン倒壊

死傷者七人を出した川崎造船神戸工場のクレーン倒壊事故で、極めて危険な作業だったにもかかわらず、元工作部長(55)らが根拠なく安全と過信し、漫然と作業を進めようとしていた実態が、兵庫県警の捜査で浮き彫りになった。

送検された一人は、作業計画の作成を定めた社内規定を認識していたが、「クレーンを休ませることはできない」との理由で、規定に違反したという。

同工場は当時フル稼働の状態で、捜査関係者は業績を優先し、安全対策がおろそかになっていたことを指摘する。

神戸工場で行われたベアリング交換は、ほかの会社では専門業者に委託したり、事前準備に二十日間程度かけたりしているという。

しかし、同工場はクレーンメーカーだけでなく、経験のある社内の別工場にも問い合わせていなかった。

倒壊の直接の原因はクレーンの重心位置を誤ったためだったが、県警は事前にしっかり検討さえしていれば容易に防ぐことができたとみている。

当初、同工場はクレーンの総重量を約八百トンとしていたが、県警の鑑定で約六百七十トンだったことも判明、重量さえも正確に把握していなかった。

事故の背景として、捜査関係者らが指摘するのは好調な業績だ。川崎造船は二〇〇七年度には三年ぶりの営業黒字を見込み、一〇年度の売り上げ目標は〇六年度の倍増を掲げていた。

事故当時はアジア各国から三十一隻の船を受注し、三年先に造る船が決まっていた。送検された一人は「クレーンを休めることはできないと思った」と供述したといい、船の建造を優先させたことをうかがわせている。

活況の陰で、安全がないがしろにされかねない状況は製造現場全体に広がっているという。兵庫労働局の八田雅弘局長は二十八日の会見で「受注が増えている時期だからこそ安全の意識を高め、しっかりと取り組みをしてほしい」と注文した。

川崎造船神戸工場クレーン倒壊事故

2007年8月25日午前9時40分ごろ、船体をつり上げる「走行式ジブクレーン」の部品を交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げたところ、上部がバランスを崩して倒壊。地上31メートル付近で作業をしていた同造船社員(40)、派遣会社社員(55)の2人と、同12メートル付近にいた同造船社員(55)の計3人が落下するなどして死亡したほか、4人が重軽傷を負った。
同9月には、兵庫労働局が労働災害の防止を徹底するよう行政指導し、川崎造船は、安全対策などを含む経営体制を強化するため、非常勤の会長ポストを新設した。

このニュースは事故当時気にしていたのですが、遠めがねの記事にはなっていませんね。
この時には中華航空機が炎上という事件がありました。
それで飛ばしてしまったのでしょうが、 最近ちょっと手抜きではありますが、検索機能を付けたので検索してみました。

通りすがりの懐かしい顔 氏がコメントに書いています。

ある程度予想はしてましたが、こんな整備だと船は沈没するし自動車でもブレーキ踏んだ途端にキャリパー脱落なんて事故になりかねません。
(クレーン倒壊の修理手順もかなり怪しいので日本も他人事ではないな)

予想通りに「修理手順を何にも考えていなかった」というべき結論ですね。

何で専門家が存在するのかを考えていないというところが恐ろしいです。
さらに、先日の三菱ふそうのクラッチハウジング破断・死亡事故で被告側の主張が「細かいことまで知らなくて当然」のようなものなのですが、知らないのは当然ではなくて知っているべきなのですね。
その知っているべきとは、専門家がいることを承知している事であって、

「専門家の何が専門の価値なのかよく分からないから、専門家を利用することを無視しても大丈夫だろう」

というのではムチャクチャだ。

1月 29, 2008 at 10:54 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.24

後方警戒レーダ・マツダ車

NIKKEI NET より「マツダ、後側方障害物警報システムを新型「マツダアテンザ」に採用

マツダ株式会社(以下、マツダ)は、高速走行時に後方から接近してくる車両を検出するリアビークルモニタリングシステムを国内で初めて実用化し、今月末に発売予定である新型『マツダアテンザ』に採用する。

この警報システムは、高速走行時に左右の後側方車両を検知し、車線変更により衝突の危険性がある場合にはドライバーに警報を発して注意を喚起する自立型運転支援システムである。今回、検知範囲が広く悪天候の影響も少ない24GHzレーダーの採用により、高速走行時の後方接近車両が検出可能となった。

今回実用化されたリアビークルモニタリングシステムは、60km/h以上の高速走行時に、後方から接近する車両を左右のレーダーモジュールで検出、フロントAピラー部のLEDを点灯させてドライバーに報知する。この状態で方向指示器を操作した場合、LEDが点滅するとともに警告音を発してドライバーに速やかな車線変更の中断を促す。本システムは、後方約50mにわたる広い検知範囲を有しているとともに、悪天候に影響されにくい安定した検出性能を備えている。

ボルボなども提案しているサイドミラーの補助という考え方ですが、ミラーと併用で良いから、後方を見るテレビモニターを付けてくれないでしょうか?

ミラーを見るために、かなり視線を動かさなくてはならないので、もっと見やすいところにモニターを置いて、テレビカメラで見せるというのはレーシングカーのスーパーGTでは使われているんですよね。

レーダーまで行かなくてもだいぶ変わるし、第一トラックやバスなど視角の多い車で常時周囲を見ているカメラがあっても何の不思議も無いだろう。

テレビカメラ使用を制限する理由は「前から決まっているから」という以上のものは無いと思うんですけどね。

1月 24, 2008 at 11:34 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

F2墜落事故の対策?

毎日新聞より「F2戦闘機墜落:三菱重工が陳謝 重く受け止め改善したい

三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所は23日夜記者会見し、山田陽二所長が「防衛省と近隣自治体、住民のみなさまにご迷惑をかけて申し訳ありません」と陳謝した。

同社は再発防止策として、昨年11月から工場にある戦闘機やヘリコプター16機について特別点検を行い、

  • 誤接続の有無を確認
  • 配線と接続部を色分けして判別できるようにする
  • 作業手順書の記載内容やイラストを分かりやすくする
  • 水平尾翼や方向蛇の作動確認

などを導入する。山田所長は「設計上の配慮や作業上の注意、システムに対する理解が不十分だった。重く受け止め改善したい」と述べた。【加藤潔】

これは対策とは言えないだろう。

何かを隠しているとしか思えないのだが・・・・・・

1月 24, 2008 at 10:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.17

ボーイング787再度の納入延期

ボーイング787の納期が再度遅れることについて、AFP BB と CNN.co.jp に記事がでいてますが、原因について微妙に異なっています。

AFP BB より「ボーイング「787ドリームライナー」またも納入延期

【1月17日 AFP】

米航空機器大手ボーイング(本社:シカゴ)は16日、次世代中型機「787型ドリームライナー」の納入が2009年初めにずれ込むと発表した。当初2008年末と予定されていた。

同社民間航空機部門のスコット・カーソン社長兼最高経営責任者は声明の中で「787の基本デザインと技術は問題ないが、工場と世界規模の供給網の立ち上げ問題が解消していない」と述べた。
787は世界各地のメーカーが各部品を製造する手法を採っている。ボーイングは、これによる財政面への大きな影響はないとしている。(c) AFP/Rob Lever

CNN.co.jp より「ボーイング787ドリームライナーに再度の遅れと米紙

シアトル(AP)

米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナ(WSJ)は16日、米航空機製造大手ボーイングがまもなく、開発中の次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の納入が遅れること発表すると報じた。
ボーイング社は昨年10月、納入時期の半年遅れを発表しており、再度の延期となる。この報道を受け、ボーイング社の株価は同日、4.7%下落した。

WSJは787開発計画に詳しい人物の話として、同機の電気系統に不備が出ており、技術者が問題を解明するために2─3カ月が必要だとしている。

787は、1995年に投入された777シリーズ以来のボーイングの新型旅客機。機体の大部分を炭素繊維素材で製造し、軽量化と耐久性を向上させ、燃費効率も改善している。日本メーカーが初めて主翼の生産などを請け負っている。

最初の引き渡し先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に航空会社へ引き渡しを予定していたが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に延期されていた。

なんだかわけの分からない事になってきましたね。

当初はボーイングの発表が「ファスナーが無い」ということで「それは無いだろう」という批判がありましたが、その後「客室の情報システムが出来ない」という、これまた「初飛行が出来ない理由か?」と突っ込まれる情報が出てきました。

同じく話題の大型機のエアバスA380の場合は、初飛行後の航空会社向けの開発に手間取って大幅に納期が遅れました。
ボーイング787は、当初の計画では2007年7月に初飛行して2008年5月に全日空に一号機を納入の予定でしたが、2008年になっても初飛行が出来ません。

一号機の組み立てが遅れているのなら分かるのですが、一応ロールアウト(完成披露)しているのですから、外見などではないシステム上の問題があるのだろうと想像されます。

そうなると、初飛行しても航空会社に納入できるレベルになるのはいつなのか?と考えてしまいますが、今回の発表では「2009年初めに納入」ですから、ここ2~3ヶ月ぐらいの内には初飛行しないと間に合わないでしょう。

問題の解明に2~3ヶ月掛かるというのはどういう意味なのでしょうか?

一方で、エアバス社の2007年の受注は過去最高の1341機だそうです。
747の燃費が悪いとのことで、全日空・日航とも747の退役を計画的に進行中で787の納期が何年もずれるようだとかなり大きな影響があるでしょう。

1月 17, 2008 at 02:08 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱ふそう・刑事裁判についての社説

三菱ふそう経営陣への有罪判決についての社説が、朝日新聞、日経新聞、毎日新聞、東京新聞、北海道新聞、中国新聞にありました。

その中から、面白い部分を紹介します。

朝日新聞

ほかの欠陥のクレーム隠しが発覚したのは、今回の事故の2年前だ。当時の運輸省は改善が必要な欠陥をすべて報告するように求めた。ところが、同社はクラッチ系統の欠陥を隠し続けた。

当時社長だった被告は、自社製品のクラッチに欠陥があること自体は知らなかった。しかし、部下が一部の欠陥を隠して運輸省に報告することを承認し、記者会見してリコール隠し問題に区切りをつけるとまで宣言した。

判決はこうした経過を認め、「事故は予測できなかった」という無罪主張を退けた。

そもそも被告は、社長に就任した当初から長年にわたるリコール隠しを知っていたのに、発覚するまで何も手を打たなかったというのだから、なんとも理解しがたい。

日経新聞

判決の「量刑の理由」に並ぶ言葉を見れば、有罪になったのは個人であっても、裁かれたのが「企業の犯罪」であることは明らかだ。

厳密な証拠評価と「疑わしきは被告人の利益に」を原則に行う刑事裁判で、3件で三菱自の隠ぺい工作が指弾され、2件で「リコールなどの改善措置をとっていれば事故は起きず人命は奪われなかった」と断罪された事実を三菱自の経営陣、従業員は重く受け止める必要がある。

自動車の“安全偽装”は、食品表示偽装などとは比べものにならない重大な危険をはらむことを、改めて肝に銘じてもらいたい。

毎日新聞

判決によれば、三菱自動車では30年も前から、販売した車の不具合情報を運輸省(現・国土交通省)に報告するものと秘匿するものに分けて二重管理し、指示改修の名でリコールの届け出をせず、独自に点検・改修していた。本件事故につながった不具合も90年以降、多発し、人身事故も起きていたのに、指示改修で済ませていた。河添被告らは安全対策が不十分だと承知していながら、手を打たなかったというのだから悪質極まりない。

しかも、社長被告は00年にリコール隠しが発覚した後、「今後はオープンにしよう」と指示していながら、実際にはその後もリコール隠しを了承し、自ら虚偽の事実を公表して批判をかわそうとしたという。大企業トップとしてのモラルもプライドも失っていた、と言わざるを得ない。

それにつけても、企業犯罪に対して社会は寛容すぎる。家庭でまで「仕事のため」という言い訳が容認されたり、いつの間にか利益のために不正や不法行為に目をつむることを是とする風潮までがはびこっている。社会を挙げて改善すべき点は少なくない。

業務上過失致死傷罪の法定刑も、妥当と言えるだろうか。いずれは事故を起こす車を世に送り出していた企業のトップの責任が、飲酒運転で人を死傷させた罪よりも軽くてよかろうはずはない。

不祥事が起きると、トカゲのしっぽ切りよろしく末端に責任を転嫁するのが企業体質の常であることにかんがみても、トップの刑事責任を厳しく問う必要がある。偽装トラブルの一掃のためにも、法的責任追及のあり方を見直すべきだ。

東京新聞

経営トップへの欠陥報告が適切にされなかったとすれば、それは組織に欠陥があり、企業統治そのものの問題といわざるを得ない。

消費者の生命や健康、安全を預かる企業であればこそ内部統制システムの確立が欠かせない。

不祥事を起こした企業に求められるのは、隠ぺい体質を打ち破り、速やかな原因分析、情報公開を進める姿勢である。そうした危機管理こそ、企業トップの役割でなければならないことを判決は、あらためて教えている。

いずれの社説も「イライラ感」を感じさせますが、パロマのストーブ事故を引き合いに出しているのは、ちょっと違うと感じます。

パロマの例は、違法修理なども含めて元の原因の大半は経年劣化でした。
死亡事故に至った原因は、メーカのパロマが「経年劣化すれば買い換え需要がある」と考えたようで、その結果修理部品が無くなり、違法修理になり、死亡事故に至った、と判断できることで、商品の経年劣化がガス中毒事故を引き起こすガス器具であったのに対応策を意図的に用意しなかった点が問題になったのでしょう。

三菱の事故は、他社のトラックなどでは起きないところが壊れているのですから、技術的には経年劣化の問題ではないし、点検をしないところが壊れている、つまり突然壊れていて、ガス湯沸かし器の「ガスが着かなくなったから違法修理した」という使用者やサービス業者に相当するところが三菱の事故では関わっていません。

製品が破損して死亡事故になったというところは同じでも、内容が全く違うでしょう。

それを「経営者の責任だ」とだけ言うのは、正に「失敗学」が扱うべき範囲であって、原因はいまだに解明されていないと言うべきだし、原因が未解明であるのなら、「本当の責任(者)はどこにあるのか」を困窮するべきです。
その意味では、社説はいずれも表層的な論に止まっている、と見るべきです。

1月 17, 2008 at 12:45 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱ふそう・刑事裁判の記事

「三菱ふそう・クラッチハウジング破断事故で経営者に刑事責任」の続報です。

東京新聞神奈川版が

と3本の記事を、読売新聞神奈川版が

と2本記事を出しています。裁判は弁護側の即日控訴で東京高裁で続くことになりました。

ここまで大量の記事が出てくるのは異例だと思いますが、読売新聞・東京新聞ともにかなり踏み込むことで間接的に強い批判をしていると感じます。

この事件を刑事裁判で社会的な責任追及をすることが正しいのか、わたし自身は疑問があります。
確かに、O-157による集団食中毒事件での業務上過失致死傷罪での有罪判決と同じ構造という指摘はその通りだと思いますが、弁護側の主張にある「部下がやったこと」というものまた事実でしょう。

もちろん、責任者として社長や上司が事件の責任を追及されるのは当然ですが、責任ではなくて原因はどこにあったのか?を考えると、欠陥部品を設計してしまう会社全体であって、社会的な観点からは「会社があることが良くない」となります。

仮に、会社が潰れてその経営責任を経営者に取らせたらその方が理解しやすかったかもしれない。

法的には「リコールするべきところ隠した」で十分なのかもしれませんが、もう一歩踏み込んで「なぜリコール隠しをすることになったのか?」を解明するべきだったのかもしれません。

技術上のトラブルで事故になった例はたくさんあって、非常に有名なのは最初のジェット旅客機コメットの構造疲労による空中分解事故が連続したのがあります。

コメットの墜落は当時は与圧キャビンの疲労試験が行われていなかったことなど、未知の領域の技術を使用したことによる事故と解釈できます。

その一方で、100年・200年前から知られている技術上の問題に引っかかって事故になることもあるわけで、そのために技術者を高等教育して育成しています。

今回の三菱ふそうのハブ破損事故・クラッチハウジング破損事故は、最終的にリコールになるのですが、公表された範囲でも国交省が「リコールの説明になってない」と突き返していた例があったと記憶しています。

以前から繰り返し書いていますが、ハブ破損事故は他社の例を考えると材質の問題ではないのです。
部品の形状そのものが強度不足を生みだしている、と考えるべきです。
しかし、ハブは周辺に多数の部品があるために、部品の形状を変えると交換する部品数が増えすぎてコストアップになる、という判断があったのだろうと想像しています。

裁判がこのレベルまで踏み込んで判断していれば、後のためにも大変に良かったのではないか、と考えますが今回の判決が法的追求の限界であろう事は分かります。

読売新聞神奈川版より「弁護側「承服できぬ」部下の証言巡り失望感

問われる企業責任

三菱自クラッチ欠陥事件の判決を受け、横浜市中区の横浜弁護士会館で開かれた社長被告らの弁護側の記者会見。
「到底承服できない」「予想外の判決」などとして、控訴して戦う姿勢を強調した。

社長被告の主任弁護人の金森仁弁護士は「結果責任を押しつける検察官の主張を追認し、企業経営者に実現不可能な義務を課す判決であり、到底承服できない。上級審で是正されることを確信している。検察は、単に結果責任を過失とした」と即日控訴した。

ほかの被告の判決の受け止め方について、それぞれの弁護人が説明した。

役員被告は「判決は不当で、承服できない。高裁判決で正当な判断を望みたい」と話しているという。会長被告は「無批判に検察官の主張に追随した判決。必ずや控訴審で是正されると信じる」と判決を批判。品質保証部長被告は「予想外の判決にがく然とし、憤りさえ覚えた。不具合はトラック・バスカンパニーの取り扱う案件であり、乗用車部門に属している私に責任はまったくなかった」と話しているという。

過失認定について、金森弁護士は「検察は2000年のリコール問題で、運輸省にとにかく全部報告していればよかったと主張していたが、判決は本当にそういうことが可能なのかすら判断しておらず、あの時、何をすべきだったのかがわからない」と語った。

企業責任を厳しく問うことになった判決内容について「厳しければ、どういうことをすべきかという規範を示すべき。今回の判決はその規範を示していない」とした。

クラッチの不具合自体を知らなかった社長被告の過失が認定されたことについて、金森弁護士は「過失と結果が結びついていればいいが、結びついていない。公判で部下が『自分は基準に従わないで適当に選び出して、上司にはウソの報告をしました』と法廷で証言しているのに全く無視している。なんのために今まで審理してきたのか」と失望感をあらわにした。

横浜地検の中井国緒次席検事は、判決について「当方の主張が認められた判決であると理解している」とコメントしている。

不具合故意に無視

前田雅英・首都大学東京教授(刑法)の話「埼玉で起きた国内初のO(オー)157による集団食中毒事件と同じ構図。汚染井戸水を幼稚園児に飲ませて死なせ、業務上過失致死罪で有罪となった元園長は、水の危険性は知っていたが、O157は知らなかった。

今回の判決は、社長被告が、汚染井戸水に相当する『安全性にかかわる重要部品の不具合』を知っていたと認定し、クラッチ部品の欠陥に対する認識を問わず、事故の予見可能性につなげた。社長被告は、重要な不具合を故意に無視しており、有罪とした判断は納得できる」

三菱自動車を巡る動き

90年6月ごろ大型車のクラッチ部品の不具合が多発
97年11月総会屋への利益供与事件を受け、会長と社長が引責辞任し、社長被告が社長に就任
00年7月リコール隠しが発覚。社長被告が9月に引責辞任を発表
01年5月リコール隠し事件で三菱自と元副社長らに罰金の略式命令
02年1月横浜市内で大型トレーラーのハブが破断。脱落したタイヤの直撃で母子3人が死傷(ハブ欠陥事件)
10月山口県内で大型トラックのクラッチ部品が破損し、壁に衝突した男性運転手が死亡(クラッチ欠陥事件)
03年1月三菱自から商用車部門が「三菱ふそうトラック・バス」として分社
3月母子死傷事故の被害者の母親が、三菱自や国に損害賠償を求めて横浜地裁に提訴
04年5月神奈川県警が虚偽報告事件で会長被告らを、ハブ欠陥事件で部長被告らを逮捕。三菱ふそうがクラッチ部品の欠陥を認めてリコール
6月神奈川、山口両県警がクラッチ欠陥事件で、社長被告らを逮捕
06年4月三菱自や国に対する損害賠償請求の民事訴訟で、横浜地裁が三菱自に550万円支払い命令。制裁的慰謝料は認めず
12月虚偽報告事件で横浜簡裁が会長被告らに無罪判決
07年12月ハブ欠陥事件で横浜地裁が部長被告らに有罪判決
08年1月クラッチ欠陥事件で横浜地裁が社長被告らに有罪判決

読売新聞神奈川版より「天井に目やる社長被告 クラッチ欠陥隠し有罪

横浜市で母子が脱落タイヤの直撃で死傷した事故に端を発した三菱自大型車欠陥3事件。16日の横浜地裁判決は、男性運転手が死亡したクラッチ欠陥事件で企業トップの刑事責任を初めて認めた。

禁固3年(執行猶予5年)の有罪判決を受けた同社元社長・社長被告(71)やほかの元役員について、鈴木秀行裁判長は部下の欠陥隠しを追認したり、不具合の漏れが出ることを承知したりしていたと指摘。長年続いてきた欠陥隠し体質が、事故につながったと結論づけた。

さらに、「不合理な弁解をろうしている」と批判した。弁護側は判決を不服として、即日控訴した。

◆入 廷

山口県で起きた運転手死亡事故から5年。横浜地裁に午後1時10分、社長被告はコート姿で背筋を伸ばし、三菱ふそうトラック・バスカンパニー元社長・役員(70)、三菱ふそうトラック・バス元会長(67)、三菱自元執行役員・品質保証部長(65)の3被告とともに、ゆっくりとした足取りで正門をくぐった。

◆判 決

午後1時30分。横浜地裁101号法廷。グレーのスーツ姿に青いネクタイの社長ら4被告が、長いすに並んで判決言い渡しに臨んだ。
「被告人社長を禁固3年に処する」
無罪を主張してきた社長被告は、大きく頭を動かし、裁判長の方に向き直って見据えた。ひざの上で手を握り締めた。

「(社長に)就任当初から、不具合情報を二重管理していたことなどを熟知していた」
社長被告は「二重管理」の言葉に大きく首を横に振ったり、天井に目をやったりした。

「事故を未然に防止する注意義務があるのに怠った」「不具合の情報が保存されていたのに、国に調査できないと虚偽の報告書を出した」

2時間に及ぶ判決理由読みあげが進むと、社長被告は険しい表情になり、手をさすったり落ち着かない様子をみせた。

◆企業責任

「リコールを多く出せば会社のイメージを損なう」「費用もかさむ」――。判決は、不具合を隠す三菱自の企業体質についても厳しく指弾した。

さらに、「不具合の情報を国に報告するものと、秘匿するものに区別して二重管理していたことが慣行化していた」とした。

三菱自は大口のユーザーを個別に呼んで改修する「指示改修」を販売会社に指示していたが、「指示改修は安全対策として不十分」と結論付けた。

こうした一連の措置について、「安全上極めて不十分な闇改修」とし、社長被告について「代表者として自覚に欠け、無責任」と批判した。

ほかの元役員らについても「長年にわたる隠ぺい体質を打破しようとの積極的な気持ちをもたなかった」と無責任体質を糾弾した。

役員被告は顔をこわばらせて床を見つめ、会長被告はマユをひそめ目を閉じ、うつむいて聞き入っていた。

■三菱自社員ショック隠せず■

16日夜、東京都港区芝にある三菱自動車本社ビル。元社長ら幹部陣の有罪判決に、中年の男性社員は「えっ、本当に? 全然聞いていなかったので、コメントできない」とショックを隠しきれない様子をみせた。

また、川崎市中原区の「三菱ふそうトラック・バス」川崎製作所では、男性社員が「有罪判決が出たことを重く受け止めている。一連の不祥事の後、現場の社員の安全意識は高まり、幹部らとのコミュニケーションも増えた。三菱の社員として、お客様を第一に考え、仕事に励んでいきたい」と話した。

東京新聞神奈川版より『ブランドイメージ守るため』 三菱自元社長ら有罪 遺族 『少し救われた』

欠陥放置は企業トップの責任-。三菱自動車製大型車の欠陥クラッチ事故をめぐる判決公判で、横浜地裁は十六日、三菱自元社長の社長(71)ら四被告に有罪判決を下し、「会社代表者として無責任な態度だった」と企業トップの過失責任を厳しい口調で断罪した。四被告は即日控訴したが、三菱自製の欠陥車で愛する家族を奪われた遺族らは「少し救われた」と安堵(あんど)の表情も見せた。 (三菱自裁判取材班)

午後一時十分、横浜市中区の横浜地裁前に姿を見せた社長元社長ら四被告はいずれもワイシャツにスーツ姿。やや緊張した面持ちながらもゆっくりとした足取りで、弁護人とともに一〇一号法廷に入廷した。

鈴木秀行裁判長に促され、座ったままで有罪の主文を言い渡されると、社長被告は大きく首をかしげ、残る三被告は硬直したように顔をこわばらせた。ひと息置いた後、鈴木裁判長は淡々とした口調で、判決理由の朗読に入った。その中で裁判長は「ブランドイメージを守る目的で、ヤミ改修を行っていた」と指摘した。

一昨年十二月、虚偽報告事件の横浜簡裁判決で無罪を言い渡された際、「警察と検察は猛省を」とコメントした三菱ふそうトラック・バス元会長の会長被告(67)。今回の公判でも、「検察官は無理やり、過失構成した」と強い口調で捜査当局を批判したが、この日の判決では、その面影はなく、みけんにしわを寄せ、目をつぶったまま動かなかった。

大型車部門の最高責任者だった元役員の役員被告(70)は顔をしかめてうつむいていたが、厳しい判決の朗読が続くと、込み上げるおえつを抑えるようにせき払いをした。品質・技術本部副本部長だった品質保証部長被告(65)は両手をひざの上に置き、目を閉じて、うつむいたままだった。

満員の傍聴席には、欠陥クラッチ事故で亡くなった男性運転手=当時(39)=の遺族もいた。公判で証言台に立ち、「(リコールしないことに)一人でも強く反対していれば、主人は死ぬことはなかった…」と悔しさをにじませた男性の妻に代わり、この日は息子が傍聴。じっと判決に聞き入っていたが、閉廷後はほっとした様子を見せた。

傍聴席抽選 3倍の132人

横浜地裁前には昼すぎから、用意された一般傍聴席四十二席に対して約三倍の百三十二人が抽選に並んだ。二〇〇四年十月六日の初公判から約三年三カ月が経過したが、一流企業の頂点に立った元社長らの刑事責任を追及する裁判への関心の高さをあらためて示した。

抽選に並んでいた横浜市泉区の無職男性(64)は「一流企業の元社長が死亡事故の刑事責任を問われるというのは珍しいと思う。どんな判決が出るか、ちゃんと聞いておきたいと思って来たが、こんなに並んでいるとは」と驚いた様子。同市青葉区の大学院生の男性(25)は「元社長は不具合があることを知っていたのだろうか。知っていて放置していたとすれば、経営者としての元社長から学ぶべきことは何ひとつないと思う」と話した。

判決冷ややかに

三菱自動車から分社化した三菱ふそうトラック・バスの社員らは、元幹部らの有罪判決を冷ややかに受け止めていた。

同社川崎製作所に勤める男性社員(27)は「当たり前」ときっぱり。真剣な表情で「事件については現場に情報が流れず、報道で知ることばかり。生産現場は不良品を売りたくないが、営業は販売台数を優先して考える。互いに交流はなく、現場同士の横のつながりを深めるべきだと思う」と話した。

別の男性社員は「以前、抜き打ち検査というのは社内に存在しなかった。『この日にチェックに入る』ということが分かっているから、担当者は全員で数字やミスのつじつま合わせをして報告していた。どの現場もそういうものだという認識で、グループ全体がそうだった」と隠ぺいが起きた背景に言及。「有罪になった元幹部は全員、こうした土壌の中で育っているので、欠陥隠しは起こるべくして起こったと思う」と、当時の社内体質の問題を指摘した。

東京新聞神奈川版より『欠陥ハブ事件』遺族の増田さん 幾分の心の整理も

「少し、救われた気持ちがします」
横浜母子三人死傷事故で死亡した大和市の主婦岡本紫穂さん=当時(29)=の母増田陽子さん(58)は、三菱自元社長らの有罪判決に、ほっとひと息をついた。

母子三人死傷事故をめぐる「欠陥ハブ事件」の裁判はほとんどすべてを傍聴したが、直接の当事者ではない今回の「欠陥クラッチ事件」は傍聴してこなかった。それでも判決が気になり、仕事中に携帯電話のインターネットで速報を読んだ。

「社長は責任者。一番罪が重いと思っていた」。執行猶予が付いたことには納得がいかないが、欠陥ハブ事件に続く有罪判決となったことで、幾分、心の整理もついた。「私なりに進む方向を変えていきたい」。今後は紫穂さんへの思いをつづった文章をまとめることも考えているという。

鹿児島・息子奪われた母『心癒やされず涙』

「息子の話をすると、今も涙が出てね…」。鹿児島県の男性運転手=当時(39)=が死亡した三菱自動車製大型車のクラッチ事故で、横浜地裁は十六日、被告全員を有罪とした。事故から五年余り。同県霧島市の母親(72)は、自慢の息子を奪われた心の傷が癒やされることはなかった。

「子供を大きくするのは大変だった」。母親は苦労しながら女手一つで子供たちを育て上げた。男性は長男で、サラリーマンなどを経てトラック運転手に。

「『長距離の運転手は危ないからやめて』と頼んだこともあった。巡り合わせで(事故を起こした)トラックに乗ることになって…」と母親は涙を浮かべた。

がむしゃらに働き、幸せな家庭と念願のマイホームも手に入れた男性の命を突然奪ったのは三菱自が隠し続けた「欠陥」だった。高速道で制御不能になったトラックは暴走。懸命のハンドル操作で一般道に出た後、地下道入り口に激突した。

「(激突した場所の)横に上り坂があって、そっちに行けば大丈夫だったかも。でも暗くて、ブレーキも利かなかったのだろう」。おととし初めて事故現場を訪れたという母親はあきらめきれないようにつぶやいた。

三菱自が事故原因のクラッチ系統の欠陥を認識し、社内会議で組織的隠ぺいを決めたのは、男性の事故の約六年半前。二〇〇〇年の「クレーム隠し」発覚後も欠陥を隠し、リコールしたのは事故の一年半後だった。

霧島市の勤務先で有罪判決を聞いた母親は「被告は判決を受け止め、ちゃんと罪を償ってほしい」と、静かに語った。

東京新聞神奈川版より「傍聴を終えて 三菱事故、忘れまい

最初はまさに「ちんぷんかんぷん」だった。

三菱自をめぐる三つの刑事裁判は二〇〇四年九月から、横浜簡裁・地裁で相次いで始まった。異動してきてまもなくのころで、細かい点は頭に入っていなかった。「疲労限」「応力」「トルク」…。法廷で飛び交う専門用語をノートに次々と書き留め、後から意味を確かめた。

「欠陥ハブ事件」の公判では、横浜母子三人死傷事故で亡くなった岡本紫穂さん=当時(29)=の母増田陽子さん(58)が、ほとんど欠かさず傍聴を続けていた。その増田さんが公判途中で突然席を立ち、法廷を後にしたことがあった。

後から聞くと、責任逃れをするような被告の言動に、たまらない気持ちになったという。遺族の深い悲しみを知るとともに、裁判が有罪か無罪かを争う「法廷ゲーム」のようにも思えてきて、やるせない気持ちになった。法廷で証言した三菱自関係者が、問題に関与していたにもかかわらず、同社関連会社にとどまっていることを知った時には、あまりの厚顔無恥ぶりに心底あきれた。

実感を得たくて、事故現場にも足を運んだ。夕暮れの緩やかな坂道。紫穂さんと、手を引いていた長男=同(4つ)=とベビーカーの二男=同(1つ)=はどんな会話を交わしていたのだろう。タイヤが少しでもそれていたら、通る時間が少しでもずれていたら、ガードレールがあったなら…。運命の残酷さを思う。

三つの裁判は合計で百二十回にも上り、「詳報」として県版で掲載した回数は合わせて二十八回を数えた。だが、どれだけ「真相」に迫れたのかは分からない。裁判の舞台は東京高裁へと移されるが、取材した記者として、事故を忘れずにいたい。(佐藤大)

1月 17, 2008 at 10:48 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.16

三菱ふそう・クラッチハウジング破断事故で経営者に刑事責任

サンケイ新聞より「元三菱自社長ら4人全員に有罪判決 横浜地裁、クラッチ欠陥で死亡事故

山口県で平成14年、三菱自動車製大型トラックがクラッチ系統部品の欠陥で暴走し、鹿児島県の運転手=当時(39)=が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた三菱自元社長、社長被告(71)ら元役員4人の判決公判が16日、横浜地裁で開かれた。鈴木秀行裁判長は、社長被告に禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)など4人全員に有罪を言い渡した。

一連の欠陥隠しに絡む3件の刑事裁判で、最後の1審判決。欠陥車による死亡事故でメーカートップの刑事責任が問われたのは初めてで、公判では4人が欠陥を認識し、事故を予見できたかなどが争われた。

ほかに判決を受けたのは、三菱自元役員で大型車部門の最高責任者だった役員被告(70)=禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)▽三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自から分社)元会長、会長被告(67)=禁固2年、執行猶予3年(求刑禁固2年6月)▽三菱自元品質・技術本部副本部長被告(65)=禁固2年6月、執行猶予4年(同)。4人はいずれも起訴事実を否認、無罪を主張していた。

検察側によると、三菱自は平成8年5月ごろまでに、

クラッチ系統部品の強度不足

があることを把握。費用が約90億円に上ることなどから、リコール(回収・無償修理)せず、ひそかに修理する「ヤミ改修」(指示改修)で対応。12年のクレーム隠し事件発覚後も、旧運輸省に不具合情報を隠す虚偽報告をし、欠陥を放置した結果、死亡事故を招いた。

検察側は、社長被告はヤミ改修の実態を知っており、4人はクレーム隠しの発覚後もリコール回避の姿勢を貫いたとした。弁護側は「社長被告はクラッチ系統部品の不具合自体を知らず、ほかの3被告も事故の予測は不可能だった」などと反論していた。

一連の裁判では、横浜市の母子3人死傷事故で業務上過失致死傷罪に問われた元同社部長ら2人が昨年12月、横浜地裁で禁固1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け控訴。会長被告ら3人が国に虚偽報告をしたとして起訴された道路運送車両法違反では、横浜簡裁が18年12月に無罪とし、検察側が控訴した。

他の新聞記事では「クラッチ系統部品の欠陥」としているのが多いのですが、サンケイ新聞は「強度不足」であり毎日新が「部品破断」と書いています。
この事件の詳細は「三菱ふそう・クラッチハウジングで記者会見」であってクラッチハウジングの破断です。

大きいけれど基本的にはベアリングを支えているだけの部品ですから、掛かる力もタカがしれているものです。

だから、車の寿命まで交換しないことを前提にしているのに、それが走行中に破断した。

別の部品に置き換えると、車体が折れたというほどのことです。
それくらいあり得ない、壊れてはいけない部品でした。

その部品が現実に割れて、ブレーキが利かなくなりドライバーが死亡しています。
しかもひどいことには、この事件では当初は「ドライパーの責任」とされていました。

どう考えてもクラッチハウジングの破断の全員がドライバーにあるとは思えないわけですが、リコール隠し騒動になってから部品の問題であるとなって、亡くなったドライバーの責任は無いと法的には修正されました。

そういういきさつを経ての裁判だったのですが「部下が隠した」とか主張したとのことですが、先に挙げた「車体が折れた」という事件があっても「部下が隠した」と言うのでしょうか?
どう考えても、メーカの人間の言うセリフではないでしょう。
元々メーカの経営者の器ではなかったということでしょう。

1月 16, 2008 at 05:20 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.09

ボンバルディア機・またもトラブル

読売新聞より「日本エアコミューターのボンバル機、上空で格納部ドア開く

9日午後3時10分ごろ、大阪(伊丹)空港を離陸した松山空港行き日本エアコミューター2313便(ボンバルディアDHC―8Q400型機、乗客乗員13人)で、右主脚を格納後も、格納部のドアが開いていることを示すライトが点滅した。

客室乗務員が確認したところ、ドアが開閉を繰り返していたため、同空港に引き返し、同38分に着陸した。けが人はなかった。

機体点検のため、同路線や、大阪―大分間の計4便が点検のため欠航した。同社でトラブルの原因を調べている。

「これはなんだ?」というのが第一印象です。

第二次大戦中までは、飛行機の引っ込み脚のドアは、脚が下りているときには開いていて、脚が引っ込むと閉じる、分かりやすいものでした。

飛行機の引っ込み脚のドアは分割されている事が多く、脚が出ているときにも一部のドアを閉じておくことが可能ではあったのですが、第二次大戦中の戦闘などでは機構を極力簡単するために、脚が下りている時には全てのドアが開いているのが普通だったのです。

戦後ジェット機が出現すると、地上でも閉めることが出来るドアは閉めてしまう型式が増えました。
基本的には、離陸滑走のために空気抵抗を減らすことが目的であったのでしょう。

脚のドアパネル一枚ずつに油圧シリンダーを付けて作動させる方式でしたから、F86戦闘機では実際にかなり複雑な動きをしました。

  1. 地上で油圧が抜けている状態では、全てのドアが開いてしまう。
  2. エンジンを始動して、油圧が上がると地上で閉じても良いドアが閉まる
  3. 離陸後、脚上げ操作をすると一連のシーケンスに入る。
  4. 全てのドアが開く
  5. 脚を収容する
  6. 全てのドアが閉じて、脚上げ完了

このように、そこそこ複雑なシーケンスではありますが、すでに確立した技術です。

問題の Bombardier Q400 は地上ではこの写真のようにドアがごく一部開いて脚柱が出ています。

Up

脚上げ時には後方のドアが開いて後ろ側に引き上げる事になります。

そこで、最初に説明した「ドア開閉のシーケンス」が働くわけですが、それが誤作動した事になります。

何が起きればこの種のシーケンスが作動不良になるのか考え込んでしまうところですが、ボンバルディア機に起きている一連のトラブルの非常に多くがこの種のシーケンスの動作不良であって、なんか設計思想の根本にトラブルを内包しているのではないか?と強く疑います。

1月 9, 2008 at 10:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.04

コースターでナットが脱落・追突事故

NHKニュースより「走行中脱落か ナット見つかる

先月31日、北九州市八幡東区の遊園地「スペースワールド」で、6両編成のジェットコースターの連結器が外れ、4両目以降が前の車両に追突して13人が手当てを受けました。

この事故では、連結器をつなぐ金属製の棒を固定するための直径およそ4センチの「ナット」とナットが緩まないように固定していた「ピン」が、一つずつなくなっていました。
このため警察が3日、付近を探したところ、なくなった連結器の部品のものと同じ形で大きさもほぼ同じナットが、追突現場の数十メートル手前のレールの下に落ちていました。

ナットには整備で使う油のようなものも付いていて、比較的新しいことから、警察は、このナットが走行中に外れて落ち、事故が起きた可能性があるとみて詳しく調べています。

クラウンナットの割ピンが無くなって、ナットが回ってしまった。ということですね。

コースターの連結器ですから、すごく振動しているはずで割ピンが無くなればすぐにナットは緩んでしまうように思います。
割ピンだけでゆるみ止めにしたことになりますね。
場所というか用途としてはクラウンナットと割ピンで良かったのかな?

点検整備の問題か、設計の問題かどっちでしょうかね?

1月 4, 2008 at 09:33 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.29

バスの火事で考えた

読売新聞より「成田空港行き路線バスでボヤ、けが人なし…東関東自動車道

29日午前10時15分ごろ、千葉県四街道市物井の東関東自動車道下り線で、成田空港行き路線バスの後部から出火、エンジン付近と座席の一部を焼いた。

乗客38人は避難し、同社が用意した代替バスに乗り換えて、予定より45分遅れの午前11時45分に同空港に到着した。けが人はなかった。

バスは群馬県渋川市の関越交通が運行。渋川市を出発して、乗客の大半は成田空港を利用する予定だったとみられる。荷物の焼失はなく、今のところ飛行機に乗り遅れたなどの苦情もないという。

千葉県警高速隊が、男性運転手(45)に事情を聞くなどして出火原因を調べている。

たまにバスの出火というのがありますが、今回も「座席の一部を焼いた」とのことですから、車内に相応に熱が伝わるレベルの出火だったのでしょう。

まぁ利用者に実害は無かったようですが、さらに考えると「もっと早く消火できるのではないのか?」とも思うのです。

簡単に言ってしまえば、火災報知器と消火装置ですね。
飛行機だと常識的に付いてますが、バスはどうなんだ?
消火器を積んでいることは確かですが、火災報知器はあるのかな?火災報知器を付ければ、すぐに消火装置の設置に話は進みますよね。

自動車でタイヤの空気圧を検知できる乗用車はごく少数ですが、飛行機では大昔からある機能です。
自動消火装置なんて太平洋戦争中の日本軍戦闘機ですら実用されてました。

いまだに自動車の安全運行をドライバーの点検を基準にしているのは問題じゃないのか?
普通の乗用車でも、冷却水、エンジンオイルについてはセンサーは整っているわけだから、タイヤの空気圧感知は標準的に欲しいし、業務用であるバス・トラックではブレーキ・ベアリングなどの温度感知、エンジン部の火災感知、消火装置の設置、ぐらいは進めるべきじゃないのか?

ITS(高度道路交通システム)を叫ぶのなら、情報だけでなくハードウェアとして自動車そのものもより高度化するべきだろう。
自動運転がある程度とはいえ実用化されているのにいまだにほとんと一世紀前の車のあり方と同じというのはいくら何でもすでに賞味期限切れだと思う。

12月 29, 2007 at 04:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.20

ジェットコースター脱線死亡事故で送検

産経関西より「エキスポ事故 元取締役ら書類送検 危険認識、利益を優先

大阪府吹田市のエキスポランドで今年5月、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」が脱線して乗客1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、吹田署捜査本部は19日、事故の危険性を認識しながら保守点検を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑で、エキスポランド社の伊藤正則・元取締役総括部長(59)と建部淳・元施設営業部長(65)を大阪地検に書類送検した。
また、車軸などの法定検査をせずに吹田市に虚偽報告したとして、建築基準法違反容疑で2人に加えて松田博・元技術課長(58)と法人としてのエキスポ社も書類送検した。

捜査本部は、脱線の原因となった車軸の破断は金属疲労が原因と断定。

昨年11月末には肉眼で見える大きな亀裂があったにもかかわらず同社は車体から車軸を抜き取って目視する作業を怠っていた。
また、車軸検査は建築基準法に定められているが、同社は検査項目を実施せずに吹田市に異常なしと報告していた。

伊藤元取締役らは「このままの検査ではいずれ大事故が起こることは分かっていたが、ゴールデンウイークにコースターを稼働させる利益を優先させ、検査を先送りした」と供述しているという。

調べでは、伊藤元取締役と建部元部長は安全管理を徹底しなければ重大事故が起きることを認識しながらも保守点検を怠り、漫然と「風神雷神Ⅱ」を運行。5月5日午後、車両が乗客20人を乗せたまま脱線し、20人を死傷させた疑い。
また、2人は松田元課長と共謀して3月16日、法定検査を実施しないまま異常なしとする虚偽の報告書を提出した疑い。

捜査本部は鑑定で車軸の破断面を分析。
事故から約半年前の昨年11月末の時点で、直径の約6割、外周の約6割に及ぶ大きな亀裂があったことが分かった。

亀裂は、車体から車軸を取り外して点検すれば肉眼でも確認できたという。

供述によると、昨年12月に伊藤元取締役が新アトラクションの導入を提案。建部元部長が検査用の点検庫に収納することを決め、「風神雷神Ⅱ」の車体検査はGW後に延期した。

そもそも運行開始以来、車軸を車体から取り外した検査は一度もしていなかったという。

吹田市に対しては2人の意向を受けて松田元課長が虚偽の報告書を作成したという。当時社長の山田三郎会長(77)については、伊藤元取締役らから検査を実施したと虚偽の報告を受けていたとして立件を見送った。

2007/06/05に書いた「ジェットコースター脱線死亡事故その8」のその後の話で取締役が責任者として書類送検されました。

どうもこの報道によると「全く点検していなかった」としか読めないので、破断事故が起きるのは必然であった、と言えるのでしょう。

いくら利益優先とは言っても「点検しないでも良い」という考え方はどこから出てきたの知りたいところです。
そもそも、日常点検していたようですから、年に一度といった分解検査だけをしないというのはどういうことなのか?

「検査なんて形だけでよいのだ」ということで押し通していたのでしょうか?
こうなると、検査をしたかどうかといった事実よりも「どういう考えだったのか?」も同一レベルで明らかにするべきでしょうね。
「失敗学」は重要だ、と改めて思うところです。

12月 20, 2007 at 09:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.14

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その3

昨日(2007/12/13)の三菱自動車トラックハブ破断・死亡事故の刑事裁判判決についての記事を集めました。

東京新聞の本紙と神奈川版、読売新聞の神奈川版です。

東京新聞本紙は、被害者家族、事故を起こした運転手、販売店といった関わった人々についての記事を中心に構成しています。後半で、新聞社としての意見を述べています。

読売新聞神奈川版は、三菱ふそうトラック・バス会社のコメントを載せています。

東京新聞神奈川版は、直ちに控訴した弁護側の激しい判決批判を載せています。

弁護側の意見に

ハブの強度不足が推認できる、とした点にも「今もハブのリコールが繰り返され、原因が解明されていないのに予見ができるわけがない」とし、控訴審で争う姿勢を見せた。
というのがあるようですが、だとすると結果責任を全社に求めるぐらいしかないわけで、ものを作り社会に供給することをビジネスとしている限り、原因が究明されない欠陥品を出していること自体に責任があるとされて当然でしょう。
一体、何を争うというのか?良く分からない論理です。

東京新聞より「三菱自元部長ら判決   遺影抱き『刑軽すぎる』 娘失った母涙と怒り

「三菱自は絶対に許せない」。判決の瞬間、最愛の娘を失った母親はうつむいたまま遺影を握りしめた。十三日に横浜地裁で開かれた三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)の欠陥車による横浜母子三人死傷事故の判決公判。木口信之裁判長は「欠陥車を社会に放置したため悲惨な事故が起きた」として被告らを指弾した。

「結果はこうだよ。悔しい」。事故で娘の岡本紫穂さん=当時(29)=を亡くした増田陽子さん(58)は判決の主文を聞き、腕の中の遺影につぶやいた。

約三時間に及んだ判決文の朗読。「被告の姿を見たくなかった」という増田さんは、ずっとうつむいたまま聞き入り、涙を何度もぬぐった。何の落ち度もなく突然、命を奪われた紫穂さんの無念さを思い、感情がこみ上げた。

ちょうど一年前、同社の虚偽報告事件で無罪判決が出された法廷を傍聴し、「怒り心頭で言葉が出ません」と語った増田さん。閉廷後、「無罪でなくてよかった」と話したが、「(刑が)軽すぎる。会社が何も問われないのは納得できない。紫穂はもっと納得していないはず」と怒りを見せた。

今も仕事帰りは横浜市瀬谷区の事故現場を通り、心の中で手を合わせる。閉廷後、紫穂さんの墓前に報告した。「少し甘い判決だったけど、一つ終わったよ」

■少しは妻の供養に

事故で亡くなった岡本紫穂さんの夫の明雄さん(41)の話五年余の歳月が流れましたが、事件のことは片時も忘れたことはありません。妻が戻ってくるわけではないが、供養には少しでもなったのではないかと思います。私も亡き妻も願いはただ一つです。もう二度と悲惨な事故を起こさないでください。悲しみ、悔しさ、無念さを味わうのは私たちだけでたくさんです。

■事故車の運転手ら苦難続きの人生

「生きている限り、事故を忘れることはできない」。横浜の母子三人死傷事故を引き起こした三菱自動車製トレーラーのハンドルを握っていた男性(61)の妻は、神奈川県綾瀬市の自宅の庭先で、言葉を選びながら、事故とその後に夫が見舞われた苦難を振り返った。

「人殺し」。事故直後は、ひどい中傷を記したビラが家の壁に張られたこともあった。無言電話もあり、家族をおびえさせた。ほそぼそと営んでいた運送業は廃業に追い込まれた。さらに不運は重なった。男性は転職先の溶接会社で左足を低温やけどし、指三本を切断するけがを負ってしまった。

三菱自が車のハブの欠陥を認めたことで汚名はそそがれたが、その後も男性は、法廷で証言台に立った以外は、事故について沈黙を貫いている。そんな男性の気持ちを妻が代弁する。「理由はどうあれ、事故を起こした責任を感じているのだと思う」

男性は最近、配送の仕事を始めた。家ではあの事故の話はしないが、裁判のニュースがテレビから流れると、じっと画面を見つめているという。

「なんで三菱の車なんか買うのよ」。新車購入を決めた顧客の妻が、翻意を迫った。関東地方で三十年以上も三菱車専門の販売会社を営んだ元経営者の男性は、店頭でのそんな屈辱的なやりとりによく出くわした。

「“天下”の三菱の名前をもらって会社を始めて、お客さんにも応援してもらってきた。でも一連の事件でお客さんを失望させた」

男性は三菱自の度重なるリコール(無料の回収・修理)を振り返り、歯ぎしりした。「修理工場は自分たちが一度売った車でいっぱいになった。この悔しさが分かりますか」

怒りの矛先は三菱自に向けられる。「私たちがユーザーに頭を下げている間に、これでもかと不祥事が出てきた。メーカーがお客さんを裏切り続けるようでは、販売はもたない」

一度離れた顧客が戻ることはなく、男性の会社はこの夏、倒産した。

三菱自の欠陥車をめぐる一連の事件の陰で人生を狂わされた人たちも、複雑な思いでこの日の判決を迎えた。

■安全への意識欠如

製品の安全問題に詳しい明治大理工学部長の向殿政男教授の話三菱自動車にはハブの欠陥を疑わせる事故のデータが多く集まっていたのだから人命を預かる自動車メーカーとして設計の問題を疑わなければいけなかった。だがデータを隠しユーザーの責任にするなど、組織として危険を管理する安全への意識が欠けていたと言わざるを得ない。ユーザーからの事故情報を軽視していた会社全体の問題が、あらためて浮き彫りになった。

■トップ責任も問え

製造物責任(PL)法に詳しい中村雅人弁護士の話三菱自動車がうそをついていくプロセスを詳細に認定した判決。被告らは隠ぺいにかかわった張本人で、有罪は当然だ。トップの責任も問われなければならない。今回の件に限らず、製品事故はたくさんあるのに、これまでは「消費者の使い方が悪かった」と企業側に言われると、消費者は反論できなかった。その意味で、捜査が入り、有罪が認定されたことは大きい。

<解説>ものづくり現場に警鐘

三菱自動車の欠陥車をめぐる横浜地裁の判決は、名門企業のずさんな安全管理態勢を厳しく指弾した。機械製品の欠陥をめぐり、メーカー側の刑事責任が認定されるのは異例で、ものづくりの現場全体に警鐘を鳴らしたと言える。

判決を受けたのは品質保証担当者だったが、裁かれたのは同社の根深い「隠ぺい体質」だ。判決は、同社を「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった」と批判。事故について「同社の業務態勢の中から発生した面がある」と指摘した。何ら落ち度のない歩行者が突然命を奪われた無念を、関係者はかみしめなければならない。

同社の体質が事故を招いたとはいえ、同社だけの問題とは言えない。自動車に限らず、近年、あらゆる製品で事故や不具合が見つかっている。背景には、開発期間の短縮や製品の高度化など、複雑な問題が絡んでいる。

まずはメーカーが、欠陥製品を世に出さない態勢を早急に整える必要があるし、不幸にも欠陥製品が市場に出回ってしまった場合、事故情報を適正に扱い、再発防止に全力を尽くさなければならない。ものづくり企業は、安全な製品を提供するという原点にいま一度、立ち返るべきだ。(横浜支局・佐藤大)(東京新聞)

読売新聞神奈川版より「予見可能性明確に認定 三菱自タイヤ脱落有罪判決

目閉じうつむく被告

リコールなどの改善措置を一切とらずに放置した――。三菱自動車製の大型車のハブ欠陥隠しによる母子3人死傷事故から約6年。横浜地裁は13日、業務上過失致死傷罪に問われた元品質保証責任者2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。「ハブが破断してタイヤが脱落すれば、人に危害が生じることは当然、予測できた」と予見可能性を明確に認定。リコールを避けようとし続けた企業姿勢にも言及した。だが、遺影を手にした遺族は「納得できない」と涙を浮かべた。

「被告人両名を禁固1年6月に処する」

午後1時半過ぎ、木口信之裁判長が主文を読み上げると、三菱自動車元市場品質部長(61)は厳しい表情に変わり、同部元グループ長(59)はぼう然とうつむいた。

3時間に及ぶ判決理由の朗読の間、元部長は神経質な面持ちで裁判官席を見つめ、元グループ長は終始、目を閉じ、うつむいたまま。被害者の岡本紫穂さん(当時29歳)にタイヤが直撃した場面の朗読で、元部長は一度、裁判長に目を向け、まばたきを繰り返した。

被告側の弁護人は判決後に県庁内で記者会見。金森仁弁護士が「不当な判決。到底承服できない」と控訴したことを発表した。さらに、「無罪判決が出ることを信じていただけに、大きな衝撃を受けた。真実が明らかになるまで闘う」とする元部長と、「到底納得できない。目の前が真っ暗です」とする元グループ長のコメントを読み上げた。

法廷の最前列の右側には、紫穂さんの遺影を手にした母親、増田陽子さん(58)の姿があった。

増田さんが裁判の傍聴を始めたのは、第4回公判から。最愛の娘を奪われたショックから、「当初は全く傍聴する気になれなかった」と明かす。だが、「しいちゃん(紫穂さん)のためにも見届けてあげて」という友人の言葉に背中を押され、地裁へと足を運ぶようになった。今年3月には証人として出廷。被告2人に対し、「事故を防ぐために出来たことがあったはず。もっと後悔してほしい」と直接、怒りをぶつけた。

執行猶予の付いたこの日の判決に「自分も納得できないが、娘はもっと納得しない」「企業のトップの責任はどうなるのか」と悔しい気持ちを吐露した。

一方、夫の明雄さん(41)は、報道各社にコメントを寄せた。

「事件のことは片時も忘れたことはありません。妻が戻ってくるわけではありませんが、供養には少しでもなったのではないか。私も亡き妻も願いは一つ。もう二度とこのような悲惨な事故を起こさないで下さい。悲しみ悔しさ無念さを味わうのは私たちだけでたくさんです」

三菱自動車と、バス・トラック部門を分社化した三菱ふそうトラック・バスは、「判決内容に対するコメントは差し控える」とするコメントをそれぞれ発表。その上で、三菱自は「お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に心よりおわびします」と謝罪、三菱ふそうは「『品質』を最優先事項に、順法精神にのっとり、社会的責任を果たしてまいります」とした。

東京新聞神奈川版より『責任認めてくれた』三菱自元部長ら有罪判決 『謝罪し信頼取り戻して』

横浜地裁で十三日に開かれた横浜母子三人死傷事故の判決公判。木口信之裁判長は検察側の主張をほぼ全面的に受け入れ、業務上過失致死傷罪に問われた三菱自動車元市場品質部長(61)と元同部グループ長(59)の両被告に有罪判決を言い渡した。弁護側は「不当判決」として即日控訴したが、遺族は「娘は何も分からないまま亡くなった。悔しい」と、あらためてその無念さを口にした。(三菱自裁判取材班)

「被告両名をそれぞれ禁固一年六月に処する」-。午後一時半、横浜地裁で最も大きい一〇一号法廷。主文の朗読が始まっても、元部長と元グループ長の両被告は表情一つ変えなかった。主文言い渡し後、二人は裁判長に一礼したが、事故で亡くなった岡本紫穂さん=当時(29)=の遺族らのいる傍聴席には目もくれず被告人席に座った。

二被告はいずれも白いシャツにスーツ姿。判決理由の朗読に入ると、裁判長をじっと見つめる元部長に対し、元グループ長は目を閉じてうつむきながら耳を傾けた。無罪を主張してきた弁護団は終始、釈然としない表情を浮かべた。

閉廷後、大きくため息をついた元部長被告と元グループ長被告はその場で、弁護団に控訴の意思を伝え、手続きを行った。

傍聴席には、紫穂さんの夫明雄さん(41)と、母親の増田陽子さん(58)、友人の秋山由美さん(33)の姿があった。明雄さんは、こみ上げる感情をこらえるように口をぐっと閉じ、二被告を断罪する裁判長の朗読に聞き入っていた。

明雄さんは「命を大切にするという人として最低限の気持ちがあったなら、あの事件は起きなかった」とコメント。紫穂さんと家族ぐるみで付き合っていた秋山さんは「(刑は)軽いと思うが、裁判長がはっきり二人の責任を話してくれて良かった」と話した。

『なぜ予見可能なのか』会見で弁護士、争う姿勢

「有罪ありきの判決。これが通るなら、日本の刑事裁判はやっても意味がない」。判決後に即刻控訴した元市場品質部長(61)と元同部グループ長(59)両被告の弁護団は横浜市中区で記者会見し、怒りをあらわにした。

弁護団の金森仁弁護士は「不当な判決で到底承服できない。科学的裏付けを放棄し、蓄積された過失の理論構成を無視して、単に結果責任を押しつけただけだ」とするコメントを読み上げた。

判決で、事故の予見可能性と結果回避可能性を認めた点について、同弁護士は「二人がなぜ予見可能だったのか具体的な事実を何一つ指摘できていない」と批判。

ハブの強度不足が推認できる、とした点にも「今もハブのリコールが繰り返され、原因が解明されていないのに予見ができるわけがない」とし、控訴審で争う姿勢を見せた。

12月 14, 2007 at 10:47 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その2

「三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決」の詳細です。
朝日新聞より「三菱自元部長ら有罪 母子死傷事故で横浜地裁判決

横浜市で02年、走行中の三菱自動車製大型車の左前輪が外れて歩道の母子を直撃し、3人が死傷した事故を巡り、業務上過失致死傷罪に問われた同社の品質管理部門の元部長ら2人に対し、横浜地裁は13日、禁固1年6カ月執行猶予3年の判決を言い渡した。木口信之裁判長は検察側の主張にほぼ沿って事実認定したうえで、「2人の任務違背は重大で誠に悪質だが、リコールを回避しようとする会社の姿勢の中から発生した犯行」と指摘した。無罪を主張した両被告は同日、控訴した。

欠陥製品による人身事故が相次ぐなか、メーカーの担当幹部の怠慢に対する刑事責任が明確に認定されたことで、メーカー側には、これまで以上にトラブル発生時の誠実で迅速な対応が求められることになりそうだ。

起訴されていたのは、市場品質部の元部長(61)=求刑禁固2年=と、部下だった元グループ長(59)=同1年6カ月。

判決はまず、今回の死傷事故で破断していた車輪と車軸をつなぐ金属部品「ハブ」に欠陥があったかどうかを検討した。

三菱自動車では死傷事故までに39件の破損事故があったことなどから、「強度不足の欠陥があったと十分認定することができる」とし、欠陥が事故につながったと指摘。運転手側の整備不良や過酷な使用が原因だとする弁護側の主張は「運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない」として退けた。

そのうえで、2人が今回の事故を予測できたかどうかについて検討。まず、元グループ長が、同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、広島県で同社製バスのハブ破損事故が起きた99年には知っていたと認定。遅くともこの時点で「ハブの強度不足を疑えた」とした。2人がバス事故の報告を受けていたことと合わせて、いずれも「(ハブ破損で)人身事故が起きることを予測できた」と指摘した。

さらに、2人が今回の事故を回避する措置をとれたかについては、それぞれの職務を分析。旧運輸省からバス事故についての報告を求められた際、元部長については「部下に適切な報告を求め、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった」、部下の元グループ長については「上司に措置をとるよう進言すべきだった」と指摘。2人の怠慢が母子死傷事故に結びついたと認定した。

弁護側は「ハブ破損はユーザーの整備不良が原因とする考えが当時の社内では確立していた」として2人の責任を否定していたが、地裁はこの主張を退けたうえで「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった。このような業務態勢は、2人が始めたものではない」と述べた。

  1. 死傷事故までに39件の破損事故があった
  2. 強度不足の欠陥があったと十分認定
  3. 運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない
  4. 2人がバス事故の報告を受けていた
  5. 同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、99年には知っていた
  6. 人身事故が起きることを予測できた
  7. 運輸省からバス事故についての報告を求められた際、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった
  8. 怠慢が母子死傷事故に結びついた
  9. 業務態勢は、リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった

というのが裁判所の認定ですね。

特に「ハブは強度不足であった」という認定がありますから、ユーザの使用が原因という弁護側の主張の根本が否定されています。

それにしても、三菱自動車はなぜ今になっても「強度不足」=「設計ミス」という事実を裁判で争うのでしょうか?

問題のハブはたびたび変更されているのですが、材質変更がなどが主になっています。
いわば材質変更すること自体が形状が強度不足であることの証明であって、少なくとも適切とはいいがたいわけです。
これを認めるのであれば、大々的な形状変更によるハブと周辺部品の交換になる「大リコール」が発生するはずで、それをいまだにやっていないのは「いずれは市場からトラックが無くなるのを待つ」というパロマのガス湯沸かし器と同じことだと考えます。

12月 14, 2007 at 12:15 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.13

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決

サンケイ新聞より「三菱自元部長らに有罪判決脱落タイヤ母子死傷事故

横浜市で平成14年、三菱自動車製大型トレーラーのタイヤが脱落、母子3人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた同社元部長(61)と、元グループ長、元グループ長(59)の判決公判が13日、横浜地裁で開かれ、木口信之裁判長は元部長に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固2年)、元グループ長に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固1年6月)を言い渡した。

三菱自の欠陥隠し問題をめぐって争われた3つの刑事裁判で、初の有罪判決。

起訴状などによると、同社は平成4年から約7年間でハブ破損による前輪脱落などの不具合が十数件あり事故を予見できたのに、旧運輸省の報告要求に「多発性はなく、処置は不要」と虚偽の報告。リコールなどの改善措置を行わなかったことで、母子3人死傷事故を招いた。

検察側は「欠落車を市場に拡散させており、未必の故意による殺人に比肩する」と指摘。一方弁護側は、ハブの破損・脱落について「ユーザー側の整備不良や過積載によるもので、ハブが強度不足だとの認識はなかった」と無罪を主張し、事故の予見可能性の有無が最大の争点になっていた。

事故は14年1月10日、横浜市瀬谷区の県道で発生。走行中のトレーラーから重さ約140キロのタイヤが外れ、歩道でベビーカーを押して歩いていた大和市の主婦、岡本紫穂さん=当時(29)=らを直撃。岡本さんは死亡し、子供2人が軽傷を負った。

三菱自の欠陥隠し問題をめぐって争われた3つの刑事裁判。

母子死傷事故後に国土交通相にうその報告をしたとして、同社元幹部ら3人が道路運送車両法違反(虚偽報告)の罪に問われた裁判では、
横浜簡裁が昨年12月、「正式な報告要求がなかった」として無罪判決を言い渡し、東京高裁で控訴審中。

もう一つはクラッチ系統の欠陥で14年10月に山口県でトラック運転手が死亡した事件。
業務上過失致死罪に問われた元社長ら4人は「クラッチ系統の不具合は認識していなかった」と無罪主張で結審しており、来年1月の判決が注目される。

現時点での報道ではどのような判断で有罪となったの分からないのですが、欠陥を知りつつ適切な対策を取らなかったから業務上過失致死罪で有罪、ということなのでしょうね。

2004年5月29日にわたしの意見を書いています。「三菱ふそうハブ破損の詳細」

日経ものづくり(ただし無料会員登録が必要)に「三菱ふそうのハブ,摩耗は「つじつま合わせ」---同社の内部技術資料より」という説明図付きの記事が出た。
記事の内容は、予想通りではあるが設計上の犯罪的な怠慢と言えるものだ

問題のB型ハブの破損つまり亀裂の入った内角は2R(半径2ミリの円弧)で加工されていた。つまり機械屋の常識としては「ほとんど角である」だから亀裂(ヒビ)が入って最終的には割れてしまったわけだ。

当然、対策部品であるD型では「Rを大きくする」はずであろう。
ところが、日経ものづくりの説明によると。

付け根の隅Rを大きくするには,付け根と接触するブレーキドラムの金型も新たに設計しなければならない

技術的にはこれでは犯罪である。
どこか一部だけを直すと別のところに負荷がかえって集中するの常識だ。
それをブレーキドラムを既存部品を使うために、というの何だ!
その時点で、止めるべきだったのだ。
予想の範囲ではあるが、ひど過ぎる、当時の設計を承認した設計部長の責任を追求するべきだろ。

実際問題として、問題の車輪の構造は、ホイール→ブレードラム→ハブと繋がっていて、ハブはキノコのような形になっています。

脱落事故は、キノコの傘のが軸から取れてしまった。このために、ブレーキドララムとホイールと、タイヤが一体になったものが車から外れてしまった。

だから問題は「なぜ、ハブの傘の部分が取れたか?」になります。

ところで、タイヤは規格品であって三菱トラック専用タイヤなんてものはあり得ません。
同じくタイヤが取り付くホイールも規格品で互換できる部品です。
当然、ホイルが付くブレーキドラムも・・・・、となっていて機構がほとんど同じなのだから原理的には世界中の他社のトラックでもホイール脱落事故は起こりえます。

ホイル脱落事故について、三菱は一貫して「ユーザの責任」としているわけですが、そうであるのなら他社のトラックでも同様の事故が起きているはずですが、実際にはほとんど無いようです。

つまり、三菱のオリジナル設計の部分に問題があったわけで、それは実際に破断したハブの設計に原因があるとしか考えようがないでしょう。

そしてその理由は、上記にわたしが書いた「設計ミスによる応力集中」ぐらいしか考えられないわけで、基本的には「コンパクトすぎる余裕のない設計」に原因があったのだと思います。

しかし、もっと根本的な問題として「一部の部品の手直しで対策しよう」という姿勢であって、本当の理由が「コンパクト過ぎる設計」であるのなら、他の部品も含めて相当広範囲に部品を変更しなければならないから、材質の強化で何とかなるだろう、といった対策を繰り返しています。

この「手直しでなんとかしよう」という姿勢が対策を遅らせたと考えます。

12月 13, 2007 at 02:57 午後 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.11

実用的SSD?

Engadget Japanese より「東芝から128GB SSD、MLC-NANDフラッシュ採用

東芝から、業界最大容量となる128GBを含むSSDラインナップが発表されました。

フォームファクタは3mm厚のモジュール品および1.8インチ ・ 2.5インチケース入り完成品。
容量はそれぞれ32GB, 64GB, 128GB、インターフェースはSATA2 (3Gbps)。

従来のSSDでは高速なSLC(シングルレベルセル、2値) NANDフラッシュメモリが使用されてきましたが、今回発表されたラインナップではチップあたりの容量が大きいMLC(マルチレベルセル、多値)フラッシュメモリを採用しています(1月あたりに発表されていた56nm プロセス品)。並列書き込み・ウェアレベリング(まんべんなく使って全体の寿命を伸ばす)などMLC-NANDフラッシュに対応した独自開発のコントローラにより、転送速度は読み込み最大 100MB/s 、書き込み40MB/s(シーケンシャル)と「従来のSSDと同等」を実現。MTBFは100万時間。

登場スケジュールはモジュールが来年2月にサンプル出荷開始、3月から量産。

1.8インチおよび2.5インチ版が4月サンプル・5月から量産。現物は来年1月のCESに出展予定。

遂に待望の製品が・・・と言っても良いのでしょうか?(^_^;)
(値段がどうなるのかね?)

しかし、64G、128Gならばモバイル環境に現実的な対応が出来ますよね。
ハードディスクよりも物理的に衝撃などには丈夫だろうし(期待は大きい)必要電力がどうなるのか心配ではありますが、やはり方向性としては正しいのでしょう。

組込機器に使った場合、寿命はどうなるのかな?
本当に100万時間なら非常に有望かとも思いますが・・・・。

12月 11, 2007 at 12:37 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.09

戦闘機・心神なのかね?

読売新聞より「国産ステルス実証機「心神」、2011年に初飛行

ステルス性能など最先端の戦闘機技術の検証を目的とした、防衛省の「先進技術実証機」の開発計画が8日、明らかになった。

来年度から計画に着手し、早ければ2011年度中に実証機の初飛行を行う。計画が順調に進めば、国産戦闘機開発につなげたい考えだ。

実証機は全長14メートル、全幅9メートル。「心神(しんしん)」と名付けられ、敵のレーダーに映りにくいステルス性とともに、高運動性を備え、国産エンジンを使用する。機体の形状に沿って配置するレーダー「スマート・スキン」など先進技術も取り入れる。実証機であるため武器は搭載しない。

心神の開発は来年度から6年間で行う計画だ。来年度予算では157億円を要求、総額466億円を見込んでいる。
エンジンや電子機器などの試作は09年度までにほぼ終えて、10年度から実証機製造に着手。早ければ11年度中に初飛行を行う。
機体やエンジンは既に個別開発を進めており、ステルス性に関しては、05年のフランスでの模型実験で「高い性能を確認済み」(防衛省幹部)という。

実証機開発には、日米で共同開発したF2支援戦闘機の生産があと数年で終了することから、国内技術維持の意味合いがある。また、航空自衛隊が次期主力戦闘機(FX)の有力候補としながら、米国が輸出に応じようとしていない「F22ラプター」をめぐる交渉を有利に運べるとの期待感もある。

米国が輸出に慎重なのは、「機密保全だけでなく、日本がステルス技術を独自開発できないとの前提で、将来、高く売ろうという思惑があるため」(政府筋)との見方からだ。

防衛省内には「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」(幹部)との見通しもあり、F15戦闘機の後継機となる可能性もある。ただ、日本の国産戦闘機開発には、有力な輸出先を失うことになる米国内で懸念が出ている。

「戦闘機?」で紹介した機体を実際に作ることになった、というニュースです。

Up

全幅9メートル、全長14メートルとのことなので、F35(JSF)よりも、全幅・全長とも1メートル強小さい機体です。
F35のエンジンは18トン級ですから、心神が5トン級のエンジン双発であってもかなり非力であると言えます。

F35は、最大離陸重量が22トンぐらいですから、心神は最大で16トンぐらいになりうるでしょう。空虚重量が10トン弱といったところかな?

ドンガラを作ること自体は今ではさほど難しい事でないので、10年度に製造に着手して11年度には飛行するのは可能かもしれません。

しかし、その後に戦闘機を開発するとなると、システムとしては極めて難しいのではないか?結局は不可能なのではないか?と思うところです。
少なくても「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」なんて可能性は皆無でしょう。

アメリカがF22ラブターの輸出についていまだにOKしていないことに対しては、強い牽制にはなりますが、そうなると「巨大なアドバルーン」で終わる事になるでしょう。
まぁ、もの作りという観点からは製造経験は何事にも代え難いから大いに「試作」するべきだとは思いますが、現実に「戦闘機を作る」というとはかなり距離があるのではないかな?

12月 9, 2007 at 10:20 午前 もの作り | | コメント (7) | トラックバック (1)

2007.12.06

CXエンジンと防衛次官

ZAKZAK より「ケチついた英知の結晶…次期輸送機「CX」とは?

収賄容疑で防衛省前事務次官の守屋武昌容疑者(63)が逮捕された防衛省汚職事件で、クローズアップされているのが航空自衛隊の次期輸送機「CX」。
米GE社製のエンジンを積み、この先はエンジンや部品など受注総額が1000億円に達するともいわれる。CXは日本が持つ航空技術の総力を結集した国産輸送機なのだが、思わぬ形でケチがついてしまった。

「今、使われているC-1輸送機が古い2トントラックだとすれば、CXは最新の10トントラック。その導入で航空自衛隊の輸送能力や展開力は飛躍的にアップします」と語るのは、軍事評論家の神浦元彰氏。

現在の主力輸送機「C-1」は初飛行が1970年の国産機で、後に米国製のC-130と並行して使われてきたが、その耐用年数などから、2000年に次期輸送機を国産で開発することが決まった。

その結果、防衛省と主契約を結んだ川崎重工の傘下に、三菱重工や富士重工など日本の航空機関連企業が結集し、早ければ12月中にも試験機の初飛行を行い、来春には防衛省への初導入が予定される段階となっていた。

総開発費は約3500億円で、その設計には国内の航空技術者の3分の1にあたる約1300人が参加したといわれ、文字通り日本の英知の結晶なのだ。

CXの最大積載量はC-1の4倍以上の37.6トンで、航続距離は12トン積載時で8900キロメートル、37トン積載時でも5600キロメートル。約8トンの最大積載時に1300キロメートルしか飛べないC-1を大きく上回り、その導入で、航空自衛隊の機動力や展開力は飛躍的に向上する。

川崎重工などはCXと同時にエンジンまで開発した次期対潜哨戒機「PX」の両機を民間の輸送機や旅客機に転用する意向を持っており、欧米勢と比べて立ち遅れていた日本の航空産業の復権にも繋がる大プロジェクトとして期待されていた。

そんな経緯にケチをつけてしまった守屋容疑者は今年6月14日、航空機課の職員に、米GE製CXエンジンの販売代理店の権利が山田洋行からミライズに事実上移ったことを踏まえ、エンジン調達が「(ミライズと)随意契約にならないのはおかしいのではないか」と詰め寄ったとされる。

当時、ミライズは防衛省との契約実績がなく、入札への参加資格さえなかったのだが、守屋容疑者は防衛省が随意契約の原則廃止を打ち出していたことも知ったうえで、ミライズに有利な発言をしていた疑いが持たれている。

記事に紹介している通り、CXとPXは同時に開発されました。 輸送機のCXは高翼で双発エンジン、対戦哨戒機のPXは低翼で4発エンジンです。
ここまで違う機体に共通部があるのか?とは、最初は不思議でしたが、モックアップの写真を見ると「なかなかよく考えている」と思えるものでした。

さらに、日本は第二次大戦での潜水艦による輸送船撃沈によって海外からの物資輸送が出来無くなくなったことを反省したのか、アメリカに次いで二番目の対潜水艦作戦能力を持つ国になっています。
ところが、そのアメリカも次期対潜水艦哨戒機の開発は大きく遅れていて日本としては独自開発しやすかった。
同時に記事にも紹介があるように、輸送機もC1がいかにもヘンな仕様の輸送機であり改変の必要性はあり、これまたアメリカには適当な機種がないこともあって自主開発の対象に出来ました。

つまり、記事の紹介の通り日本の航空機製造業界としては「ビジネスと成立する企画」でありました。
それに目を付けたのが今回の商社の活動でありましょう。

商社無しで防衛装備品の調達をするというのはコスト高になるかと思いますが、その一方で商権という名の利権であることも確かで、適切な評価が出来ないとダメな仕組みでしょう。
そこに、新会社を作っ参入できるというのがすごい。こんな事が出来ること自体が、癒着がなくては考えつかないことですね。問題の新商社ミライズはこうなりました。

読売新聞より「日本ミライズは業務停止状態…社員大半、先月解雇

「山田洋行」元専務・宮崎元伸被告(69)が同社から独立後に設立した「日本ミライズ」が、11月末までに社員の大半を解雇し、事実上、業務停止していたことが分かった。

同社は10月末、守屋容疑者への過剰接待問題から、ゼネラル・エレクトリックに代理店契約を停止され、社員に給与を払えなくなった。
その後辞任した宮崎被告に代わり、取引先のプラント会社の役員(54)が社長に就任。先月30日には約20人に減っていた社員の3分の2を解雇した。近く東京・赤坂の本社を引き払い、社員2、3人で事業整理に当たるという。

後任の社長は、「唯一の株主である宮崎氏が戻ってこないと、今後のことは分からない」と話している。

なんと言いますか「一発屋」とでも言うのでしょうか?
こんなことに振り回されては、せっかくの企画もメチャメチャになってしまいます。
きちんとした社会的なチェックが必要だという証明でしょう。

12月 6, 2007 at 11:40 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.03

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

「ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因」の続報です。
読売新聞より「ボンバル機胴体着陸、原因は製造段階のボルト付け忘れか

高知空港で今年3月、前輪を格納するドアが開かずに胴体着陸した全日空機は、機体の製造段階でドアに必要なボルトを付け忘れていた可能性が高いことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。 機体を製造したカナダ・ボンバルディア社側もミスを大筋で認めているといい、事故調は同社の管理体制の不備を指摘する方向で、調査を進めている。 これまでの調べでは、同機は事故当時、前輪格納ドアを開閉する装置のボルト1本がなかったため、本来はボルトを保護する管状の部品が装置からはみ出し、他の部品と接触。
このため、着陸時にドアが開かず、前輪が出なかった。

事故調は、

  1. ボルトが機体内で見つからなかった
  2. 全日空側が問題のボルト周辺を一度も整備対象にしていなかった

ことから、ドアの開閉を妨げていた管状の部品周辺の鑑定を外部機関に依頼。
その結果、部品の内部にボルトが装着されていれば残っているはずの痕跡がないことがわかった。
ボンバル社側は全日空に同機を引き渡す前のテスト中に前輪部全体を交換しており、この段階で作業ミスがあった可能性が高いという。

航空会社にメーカが引き渡す前に交換したら組み立てミスをした、ということなら確かに「製造ミス」になりますが、実際には整備作業ミスでしょうね。

部品を付けないとか、きちんと取り付けないといったことは整備の時に起こりがちですが、脚の構造ですからね、自動車で言えば「重要保安部品」でしょう。
それの組み立てミスを見逃してしまう整備体制というのは大問題だろう。

日本の航空機メーカは「ノックダウン生産」というのをずいぶんやっていました。
一言で言えば「部品から組み立てるだけ」なのですが、これをネタにしたマンガは繰り返し登場していて「一本残ったボルトを前に何人もで図面を見ながら首をひねっている」というものです。
今回はこれと全く同じ状況を見逃したわけです。

新聞記事の通りであるとすると「全体を交換した」だから基本的には全ての部品を用意して組み立てたはずなんですが、その時にボルトを忘れたというのは「ボルトを余らせたままにした」となってしまいますよね。これはかなりまずいですよ。

SASが全機飛行停止にしたのも無理はないし、そもそも今回の全日空機も他にも部品が付いていない箇所があったとのことです。
根本的に飛ばして良い機体と言えるのでしょうかね?

12月 3, 2007 at 12:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.22

技能五輪の謎

日刊工業新聞より「第39回技能五輪国際大会が閉幕、日本「金16個」獲得で首位

【静岡】日本は2大会連続で金メダル数首位―。
静岡県沼津市で開かれた「第39回技能五輪国際大会」は21日、同市の「キラメッセぬまづ」で行われた閉会式で競技結果が発表された。日本は種目8連覇となる「ポリメカニクス」の畑弾手選手(セイコーエプソン)、「CNC旋盤」の藤本アキラ選手(日立ハイテクノロジーズ)らが金メダル16個を獲得し、前回(05年)のフィンランド大会(金5個)に続いて金メダルでトップとなった。金16は70年の第19回東京大会の17個に次ぐ好成績。「モノづくりニッポン」は完全復活を遂げた格好だ。(技能五輪特別取材班)

日本の最大のライバルである韓国は金メダル11個で国・地域別で2位となり、3位は5個のフランスが食い込んだ。

22歳以下(一部種目を除く)の世界の若者がモノづくりの技を競う技能五輪国際大会は46カ国・地域から選手816人が参加し、15―18日の4日間競技が繰り広げられた。日本開催は85年の第28回大阪大会以来22年ぶり。第38回フィンランド大会で金獲得トップの座を71年の第20回スペイン大会以来34年ぶりに奪い返した日本は今回、過去最多の47職種に総勢51人の選手団を送り込んだ。

日本勢は「ポリメカニクス」の畑選手、「CNC旋盤」藤本選手のほか、「CNCフライス盤」の海老根章友選手(日立ハイテクノロジーズ)、「情報ネットワーク施工」の山口雄基選手(協和エクシオ)、「電子機器組立て」の清水輝選手(日産自動車)、「構造物鉄工」の坂本昭仁選手(日立製作所)、「抜き型」の安達裕喜選手(デンソー)、「木型」の今嵜智也選手(トヨタ自動車)らが主要モノづくり競技でまんべんなく金をとった。

また、「洋菓子製造」の大島千奈選手(にいがた製菓・調理師専門学校えぷろん)、「造園」の早乙女彰将・渡邉久美奈選手(小杉造園)も同種目で日本初の金メダルに輝いた。日本の若者の底力を見せた。

銀メダルでは、惜しくも金を逃した「配管」の遠間潔寿選手(千代田設備)、「製造チームチャレンジ」のチーム・デンソーなどで5個を獲得。銅メダルは3個で、パソコンのトラブルに悩まされた「機械製図CAD」の大須賀孔明選手(日立ハイテクノロジーズ)も必死に追撃し、見事メダリストに輝いた。

【次回大会、カナダ・カルガリーで開催】

次回の第40回技能五輪国際大会は09年にカナダ・カルガリーで開かれる。閉会式にはカナダ大会の公式マスコットである農耕馬の「タグ」(雄)と「テス」(雌)の着ぐるみも登場し、愛嬌を振りまいた。また、閉会に先立って、大会旗が次回開催国のカナダに引き継がれた。

この記事を読むとなんの疑問もなく「首位」を受け入れてしまいますが、韓国KBSの記事にこんなのがありました「韓国4年ぶりに総合優勝、国際技能オリンピック

今月14日から日本の静岡で開かれていた第38回国際技能オリンピックで、韓国は4年ぶりに総合優勝しました。

21日に閉幕した国際技能オリンピックで韓国は、47職種のうち42職種に47人の選手が出場した結果、金メダル11、銀メダル10、銅メダル6で総合得点88点を獲得し、総合成績で1位になりました。 2位は74点の日本、3位は55点のスイスでした。

韓国が金メダルを手にした職種は、板金加工、溶接、配管、ウェブデザインなど11の分野です。 韓国の総合優勝は、2003年以来4年ぶりで、1967年に初参加してから、15回目になります。

へ~と思って改めて「技能五輪公式サイト」を今頃になって探しまたが、これが良く分からない。
結局これだった「SKILLS 2007 2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」全く自慢にならないのですが、 静岡県の作ったページ「2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」ばかり見てましたよ。
そもそも検索ワードを「技能五輪」にすると本家のサイトが引っかからない。

ようやく、こんな発表を見つけました。

2007/11/21 ・技能五輪国際大会の競技結果(職種別)
・ 技能五輪国際大会の競技結果(国・地域別数)
・ 大会参加者数及び来場者数
・ 大会参加選手数、参加国 技能五輪国際大会
2007/11/21 ・技能五輪国際大会の競技結果が出ました。(Worldskills International site)
2007/11/16 ・国際アビリンピック 17日の競技結果が出ました。[エクセル]

なんというか、広報のレベルとしては「完全に失格」でありまして、その結果としてニュースとしても日本国内と韓国というか世界レベルで違ってしまっています。

公式の競技結果は「職種別」と「国・地域別」なのですから、報道もフォーマットに沿ったニュースにするべきでしょう。
インターネット時代の技能五輪主宰は失敗でありました。

11月 22, 2007 at 09:51 午前 もの作り | | コメント (10) | トラックバック (1)

2007.11.20

F2墜落事故の原因と問題その2

「F2墜落事故の原因と問題」の続報です。
中日新聞より「F2墜落事故 設計守られず? 配線の長さ誤接続が可能

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日、航空自衛隊F2支援戦闘機が墜落・炎上し乗員2人が重軽傷を負った事故で、飛行制御システムの配線の長さが設計通りでなく、墜落原因となったコードの誤接続が可能なケースがほかにもあることが、県警捜査一課の調べで分かった。

F2を製造・整備する三菱重工業は「設計でコードには一定の長短をもたせており、誤接続は不可能な構造だ」としていた。

県警は製造過程や整備などに問題があった可能性があるとみて、業務上過失致傷容疑で調べを進めている。

墜落原因について防衛省事故調査委員会は15日、飛行制御コンピューターからの2本の配線が、機体の姿勢変化を検知する2種類の機器に入れ違って接続されていたためと断定。
誤った情報がコンピューターに伝わった結果、水平尾翼が異常な動きをして墜落したと分析した。

一方、三菱重工業は同日の会見で「配線の長さやコネクタの向きを接続する機器によって別々にし、誤接続が起きない構造にしている」と主張。

設計書で配線の長さを指示しており、取り違えた場合は、片方の機器にはコードの長さが足りないため届かないと説明していた。

しかし、事故機を整備していた同社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場(豊山町)にあったほかのF2を6機調べたところ、設計通りの長さになっていないコードもあることが判明。
うち1機は事故機と同様、設計上は届かないとされた誤った接続も可能だった。

県警は、事故機の点検を担当した整備士から事情を聴くなど、配線の誤接続が起きた原因について詳しく調べている。

一言で言えば「情けない」です。

墜落機が誤配線が原因で墜落したことが発覚した時点で三菱が「設計上、誤配線不可能になっている」と記者発表したところが分からない。
ことは、現実の事故がなぜ起きたかであって、設計がどうであろうと「問題は何か?」が最重要だろう。

設計・素材・製造・組み立て・使用状況・環境・寿命管理といった様々なことがそれぞれの部品に影響して、そのどこかが破綻すると事故になる。
だから、設計は一つの要素ではあっても他に問題があれば事故にはなるわけです。
三菱はメーカなのだから、設計以外にも製造・組み立て・整備作業・点検などについて責任があるわけで「設計は・・・・」は全体から見ると一部に過ぎない。

なんで「設計上は誤配線出来ない」と事実(誤配線があった)対立するような記者発表をしたのか?
なんか、事実を直視しない企業姿勢が見えてしまう。
現代のメーカとしては根本的な姿勢に問題があると感じる。

11月 20, 2007 at 10:10 午前 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.11.17

エアバス社で大型機暴走

昨日(2007/11/16)朝日新聞を初めとして速報でこんな写真が流れました。

Up

写真は夜でしかも小さいのですが、内容はビックリでした。
朝日新聞より「エアバス旅客機が仏空港で暴走、壁に激突 10人負傷

仏南西部トゥールーズの空港で15日、エアバスA340―600型旅客機が地上でのエンジンテスト中に突然走り出し、空港の防音壁に衝突した。乗っていたエアバス社員ら9人と地上1人の計10人が負傷した。一般の乗客はいなかった。

AFP通信によると同機はトゥールーズにあるエアバス社の工場で完成し、アラブ首長国連邦の航空会社に引き渡される直前だったという。A340―600機は旅客機では世界最長(約76メートル)の大型機。エアバス社は同通信に「今年だけで450回も実施しているテストだが、こんな事故は初めて」と話している。

この機体についているエンジンの推力が25トンぐらいのようで、合計100トンでワイヤー引きちぎったとかでしょうか?
そんな危険なことはやらないとすると、止めておく「足止め」が倒れたのでしょうか?

それにしても、飛行機は意外なほどの重大事故を起こしても修理をしてしまいますから「これも修理するのだろう」と考えました。
日本で、有名なのは日航123便墜落事故(御巣鷹山事故)で墜落した機体の「しりもち事故修理」があります。この修理作業は、実質的に尾部の再構築でした。

それにしても、写真では機体の破損状況が見えないから「どんなものだ?」と思っていたら、こんなサイトがありました。AIRLINENEWS.NETより http://www.airliners.net/open.file/1293784/M/ どう見ても機首がもげております。

エアバス社はA380がようやく商業飛行が始まってヤレヤレといったところなのでしょうが、そこでこんなことになっては、大変でありましょう。
それにしても、なんで走り出してしまったのだろう?

11月 17, 2007 at 06:04 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.16

F2墜落事故の原因と問題

朝日新聞より「空自機墜落、原因は配線ミス防衛省が断定

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日に航空自衛隊の支援戦闘機F2Bが離陸に失敗し炎上した事故で、防衛省の事故調査委員会は15日、事故原因を、定期点検をしていた三菱重工業の配線ミスと断定した、と発表した。機体の姿勢を感知するセンサー(ジャイロ)と飛行制御コンピューターの間の配線を誤ったため、水平尾翼が異常な角度で動いて墜落した。今後、配線ミスが起きた原因を調べるとしている。

事故調によると、3種類あるジャイロのうち、機首の上下方向を感知するジャイロと、横回転方向を感知するジャイロの配線が逆になっていた。このため、コンピューターが機長の操縦による離陸時の機首上げを認識できず、さらに機首を上げようとした。機長が上がりすぎた機首を下げようと操作したが、コンピューターはこの機体の動きも認識できず、さらに機首を下げる方向に水平尾翼を動かしたため、機首が急激に下を向き、滑走路上に墜落したとしている。

事故調は、機体から回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)の記録を解析。ジャイロのデータが入れ替わっていたことから、機体を調べて配線が逆に接続されていたのを確認した。二つのジャイロは数センチほどしか離れていないという。エンジンやコンピューターなどに異常はなかった。

事故機は三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)の小牧南工場(豊山町)で定期点検を受け、地上での試験に合格した後の飛行試験で墜落した。事故調は今後、同社の整備担当者などから事情を聴く方針。

防衛省は事故後、各地の基地に配備しているF2の飛行を見合わせていたが、原因断定を受け、配線を確認するなどした後に飛行を再開する。

愛知県警は同社から押収した整備記録をもとに、ジャイロの整備士や整備後に点検をした社員らから事情聴取をする。

同社小牧南工場では02年4~8月、定期修理中の空自F4戦闘機など計9機で電気系統の配線が切られるなどした。県警は内部犯行の疑いもあるとみて、工場内に監視カメラを設置するなどして捜査したが、容疑者特定には至っていない。県警は今回の事故でも、故意に配線が変えられていなかったかについて、慎重に捜査する。

いくら何でもこんなのアリでしょうか?
確かに、3軸のジャイロを同じ物を搭載するのは分かりますが、その出力が入れ替わってしまったら致命傷なのだから、入れ替えようがない仕組みになっていて当然でしょう。

さらに、メーカに戻しての整備なのだから、外部テスト装置などでシステムが正常に作動するかを点検するものじゃないでしょうか?
飛行機の操縦系統が逆向きに接続されていて事故になったという例はかなり昔からあって、機械的な接続ですら間違っていたことがあります。
フライバイワイヤーの初期にもありました。そういう経験があるのだから、テストするものだと思っていたのですが・・・・・。
注目するのは、

フライトレコーダー(飛行記録装置)の記録を解析。ジャイロのデータが入れ替わっていた

この点ですよね。ジャイロのデータを取り出しているのだから、テスト信号を流せば、つじつまが合わないのはすぐに分かるはずで、それをやっていなかった。
飛ばす前に、信号を流してみるのは、いわば操縦桿の動きが舵面の動きと合致しているのかをチェックする程の意味でしょう。

なんか二重三重にやることが間違っているような気がします。

11月 16, 2007 at 12:29 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.12

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因

朝日新聞より「製造段階でボルト忘れ高知で胴体着陸のボンバル機

高知空港で3月、全日空機が前輪が出ずに胴体着陸した事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が製造段階で、前脚ドア部のボルトを入れ損ねた可能性が高いとの見方を固めた模様だ。
この結果、ドアが開かず、前脚が出なかった。事故による死傷者はなかったが、大惨事になりかねなかっただけに、調査委は、同社の製造管理について調査を進める。

事故が起きたのは3月13日。全日空のボンバルディアDHC8―400型機(乗客乗員60人)が、機首を滑走路にこすりながら胴体着陸した。

問題になったのは、前脚を格納する扉を開閉するアームの支点のボルト。調査委などによると、ボルトがなかったため、ボルトが通る筒状部品が固定されずに穴からせり出し、他の部品と接触。ドアが開かなかった。

ボルトがどの段階ではずれたかが、焦点だった。

関係者によると、筒状部品の奥の「ブッシング」と呼ばれる別の筒状部品に、ボルトが入っていれば残る痕跡が確認できず、全日空側は事故機をボ社から受け取った05年7月以降「(このボルトの)点検整備はしていない」としていることから、調査委は事故機がボ社側にあった製造の段階と見ている模様だ。

この事故は前脚の扉が開かなかったために、前脚が出ず胴体着陸になったというものでした。
旅客機(軍用機もだが)脚の出し入れ機構には非常用の脚下げ機構があって、多くは脚上げ状態で固定しておくロック機構を外すと自重で脚下げ状態になります。

問題の機体でも自重による脚下げを試みたのですが、前脚の扉が開かなかったために前脚が出ませんでした。
前脚扉が閉まった状態でロックしていたのですが、その原因は扉のリンク機構の回転部分にあるブッシュが飛び出して、他の部品と噛んでしまったので扉が動かなくなった、というものでした。

ブッシュですからボルトが貫通していて、ボルトが脱落していたからブッシュが軸方向に動いて飛び出した、というものでした。
問題は、いつボルトが脱落したのか?という調査の記事がこれです。

メーカー側に組み立ての記録がないから分からないということのようですが、メーカにも航空会社にも記録がないから、正常に組み立てられていたかどうか分からないというのは問題でしょう。
前脚扉の開閉機構ですから、写真を撮ることが出来るはずでそれも無いというのは「それってどうよ?」であります。

もちろん、メーカ側に記録がないというのは、考えられない。
少なくとも作業記録はあるでしょう。どうなっているのでしょうか?

11月 12, 2007 at 10:35 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.01

ニチアスは会社と言えないだろう

日経新聞より「ニチアス建材偽装、住宅各社が取引見直し・他社製に変更も

建材大手ニチアスが耐火性能を偽った住宅建材を販売していた問題で、納入先の住宅各社は無償改修や取引見直しに乗り出す。

旭化成ホームズは31日、中期的に他社製建材へ切り替えていく検討を始めた。現時点で改修費用は80億円以上になる見通しで、営業活動への影響なども含めた損害金の支払いをニチアスに請求する方針だ。

住友林業も同日、今後は対象の建材の購入を中止し、他の製品の取引も縮小する検討に入った。

ニチアスは問題の軒裏建材を9社に供給していた。

このうち旭化成ホームズは同製品を4万棟の住宅で採用している。

親会社の旭化成の伊藤一郎副社長は31日の2007年度9月中間決算の記者会見で「中期的に取引の見直しもある」と述べ、松下電工など他の建材メーカーへ切り替える検討を始めた。

ニチアスが何を考えていたのかさっぱり分かりません。朝日新聞より「ニチアスが耐火材偽装 01年から10万棟分 公表せず

住宅の軒裏などに使われる耐火材(01年以降の製造)の性能試験に臨む際、試験体に水を含ませたり、実際に販売するものより性能の高い材料を使ったりする偽装を施し、国土交通相の認定を受けていたことが30日、わかった。

社内では06年10月に社内の製品調査で不正が判明していたが、事実を公表しないまま今月29日まで出荷を続けた。しかし、内部告発の動きを受けて今月17日、初めて国交省に報告。30日に記者会見した。

試験の際、軒裏部分や間仕切り壁の建材をあらかじめ水槽につけて水を含ませておき、加熱による蒸発で温度上昇が抑えられるよう細工していた。耐火材部分も、より耐火性能の高いものにすり替えて、試験をパスしていた。

川島吉一社長は記者会見で「不正のあった頃は、事業を拡大するのが目標となっていた。担当者がプレッシャーを感じたのかもしれない」と釈明した。

ひどい話で、賞味期限の偽装などとは比べものにならないですね。
その結果として当然のことながら大混乱です。朝日新聞より「ニチアス偽装問題 住宅メーカーに問い合わせ相次ぐ

公表から一夜明けた31日、ニチアスや建材納入先の住宅メーカー各社には、家を建てたり買ったりした顧客らから抗議や問い合わせの電話が相次いだ。

「ヘーベルハウス」「ヘーベルメゾン」のシリーズで、偽装された耐火材を使っていた旭化成ホームズ(東京都)には、午前9時前から相談窓口に電話が殺到した。偽装建材が使われた計約10万棟のうち国土交通相認定の耐火性能基準を満たしていない約4万棟の大半は同社の住宅とみられ、「うちには使われているのか」「改修にはどんな手続きが必要になるのか」などの問い合わせが続いている。社員13人で電話に対応しているが、「耐火材を使っている住宅は把握しており、各入居者に連絡をしている段階」(同社)という。

ミサワホーム(東京都)は5万棟に使われているのを確認した。大臣認定の性能基準は満たしているとされる製品だというが、11月初旬にも出る国交省の調査結果を受けて対応を決める。

トヨタホーム(名古屋市)も棟数などの確認を進める一方、ホームページでの告知の準備に追われている。一部は耐火性能基準を満たさないことが分かっており、同社は「対応はニチアスからの回答を見てから決める」としている。

国交省の相談窓口(財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)には31日正午までの2時間で67件の問い合わせがあった。一般消費者からの「自分の家は大丈夫だろうか」などの質問が多かった。

会社としてどういうつもりだったのか?となりますが、この社長は全くダメですね。
株価は10月31日は終日売り気配でスットップ安11月1日も現時点では売り気配です。

元々は日本アスベストでアスベスト健康被害問題まっただ中の企業で、売上げは1000億円級の大企業です。

耐火材の試験をごまかすメリットがどこにあるのかさっぱり分からないところですが、ましてやそれが社内調査で明らかになった後も出荷を続けたとはどういうことなのでしょう。

厚さが違うとかでしょうか?
おそらくは、規格外れの製品を作ってしまって、それを偽装工作して試験を通過させてしまったから製品化してしまった。
一旦製品としてカタログに載せてしまったから、引っ込めることが出来なくなった。
といった流れかと思いますが、これでは会社とは言えない。

市場からの猛反発を受けるでしょうし、そもそも社長の記者会見自体が失格ですよ。

11月 1, 2007 at 10:51 午前 もの作り, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.29

SASでボンバルディア機を運行停止

NHKニュースより「ボンバルディア機の運航中止

スカンジナビア航空が使用の中止を決めたのは、カナダのボンバルディア社のDHC8型機で、先月、デンマークとリトアニアで着陸の際に事故を起こしたのに続いて、27日にもデンマークのコペンハーゲン空港で着陸の際、車輪が十分に出ないまま緊急着陸するトラブルがありました。

これを受けて、スカンジナビア航空は28日、緊急の幹部会議を開いた結果、「DHC8型機の信頼が著しく低下し、利用客も疑いを強めている。
このままではわが社のブランドが傷つけられるおそれもある」として、DHC8型機の運航をすべて中止することを決めました。

スカンジナビア航空は、事故を起こした同型機27機を主にヨーロッパで運航していますが、今後、運航を取りやめる便については、別の便の予約や払い戻しで対応することにしています。

ボンバルディアDHC8型機は日本でもことし3月、高知空港で全日空グループが運航する同型機が胴体着陸するなど、各地で事故やトラブルが相次いでいます。

朝日新聞の記事によると、

「DHC8―400型機」の使用を今後中止する、と発表した。
SASは保有する27機の使用を停止し、リース機などで対応する。「400型機の使用はSASのブランドを損なう恐れがある」としている。

となっています。
一月で二回の同じようなトラブルでは、運行停止という判断は経営的には正当でしょう。

今のところ、色々なトラブルがバラバラに起きていますが、運行する航空会社にとってはトラブル発生自体がとんでもないことだし、そうでなくても顧客(マーケット)の評判も大事です。
世界レベルで、一気に運行停止になるかもしれません。

全機運行停止といった全社的な問題に拡大してしまうことを考えると、保険という意味では、何事も過度に集中させないことも重要ですね。

10月 29, 2007 at 10:36 午前 もの作り, 事故と社会, 海外の話題, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.10.26

刈羽原発6号機の震災

サンケイ新聞より「タービン部品、地震で破損東電柏崎刈羽原発

東京電力は25日、新潟県中越沖地震で被災して点検中の柏崎刈羽原発(同県柏崎市・刈羽村)6号機で、発電タービンの回転軸の周りにある銅合金製リング2本が破損していたと発表した。

6号機タービンではこれまでに、隣り合う羽根が地震の揺れで接触した跡が見つかっていたが、部品の破損が確認されたのは同原発のタービンでは初めて。東電によると、地震で回転軸が揺れ、過大な力がかかったと考えられるという。

6号機は定期検査による運転停止中で、タービンも止まっていたが、東電は「運転中に同様の破損があった場合にもタービンには損傷を与えない」とみている。今後、地震当時に運転中だったほかの原子炉のタービンも調べる。

破損していたのは回転軸の潤滑油の流れを調節するための直径約60センチのリング。1本は完全に破断していた。

一方、地震発生時に緊急停止のため原子炉内に挿入後、動かなくなっていた7号機の制御棒1本は、あらためて駆動装置を操作した結果、24日に抜けたという。東電は駆動装置を分解して、詳しい原因を調べる。

このほか、同原発1号機の原子炉建屋では、壁のコンクリートの接ぎ目3カ所から放射性物質を含んだ水がにじんでいるのが見つかった。使用済み燃料プールなどからの漏水の兆候はなく、東電は地震の際にプールからあふれた水が、コンクリートの中を伝わってにじんだとみている。

破損していたのは回転軸の潤滑油の流れを調節するための直径約60センチ(銅合金製リング2本)のリング。1本は完全に破断していた。」とはなんかまるで普通の軸受けではないか?と思ってしまいますが、東京電力刈羽原子力発電所のHPにある「柏崎刈羽原子力発電所タービン内部確認状況について(PDF 797KB)」に説明がありました。

主タービンスラスト軸受オイルシーリングの割れ

Up

6号機は整備中で運転停止状態だったから、あっちこっちでヘンなことになっているようです。

10月 26, 2007 at 09:24 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

急速充電路面電車

読売新聞より「電池だけで走行、「省エネ」路面電車が登場

車内に搭載した電池だけで走り、停留所に止まった数十秒間に消費分を急速充電できる路面電車を、財団法人鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)が開発した。

11月末から、札幌市で性能を確認する実証試験を始める。

床が低いバリアフリー型の車両で、搭載したリチウム電池を

  • フル充電すれば約15キロ・メートル走れる。
  • 減速時には、電車の勢いの7割を電気に戻して電池に蓄える。
  • 停留所では、パンタグラフを上げて架線から補い、急速充電する。
現在の路面電車に比べて約1割の電力量を節約できるという。来年3月まで行われる実証試験には、ニッケル水素電池で動く川崎重工の車両も参加。よい結果が出れば、省エネ路面電車の実用化が近づく。

このニュースは昨日(2007/10/25)夕方のテレビニュースで見ましたが、各地で路面電車を運行している組織の関係者に丁寧にインタビューしていました。

  • 架線のメンテナンス不要になりコストダウン
  • 架線用の電柱などが道路整備上邪魔になっている

といった声が多く、「電池電車」とも言っていたので、どういう方式なのだろう?と思っていました。

確かにこの急速充電方式は、良いバランスかもしれませんね。
これで動力用の高性能電池の開発も進めば影響は大きいでしょう。

10月 26, 2007 at 09:02 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.10.22

工作機械も大変だ

FujiSankei Business i より「兵器製造に使わせない工作機械メーカー、移設防止装置の搭載加速

大手工作機械メーカーが、輸出した工作機械の軍事転用防止策を強化している。
高性能な機械は輸出に際し、兵器などの製造に使われることがないよう法律で厳しくチェックされるが、輸出先から第3国への転売に対しては無防備だった。
このため機械の据え付け場所が変われば、作動しなくなる装置の搭載に動き始めた。

工作機械は「機械を作る機械(マザーマシン)」と呼ばれ、ロケットや自動車から小型のデジタル機器まで、産業のあらゆる分野で製品加工に使われる。とくに世界市場でトップシェアを握る日本製品は、性能に優れるうえに信頼性が高く、高い評価を得ている。
半面でこのことは、核兵器やミサイルなどの製造に使われる危険性が大きいことを示し、事実、外国為替管理法で輸出規制の対象となっていながらも、不正輸出が絶えないのが実情だ。

こうした実態をうけて、工作機械各社が取り組みを強めているのが、機械本体に移設を検知する装置を取り付けるという抜本的な対策だ。

業界大手の森精機製作所は、2006年10月の出荷分から、工作機械に移設自動検知装置の搭載を開始した。購入した機械メーカーなどが、工場に据え付けた後に設置場所から移動しようとすると内蔵のセンサーが感知し、機械が作動しなくなる。
再度、作動させるためには、森精機のエンジニアが機械本体の制御部分に秘密の暗証番号を入力する必要がある。

ヤマザキマザックも8月末から、一部製品に移設検知装置の搭載を始め、来春までに海外向けの全機種に搭載する計画。オークマも08年春から海外向けの全機種に搭載していく方針だ。

移設を防止する装置の搭載は、シチズンマシナリーが、業界の先陣を切って00年7月から開始。06年7月には装置の技術を公開するとともに外販にも乗り出し、累計で約3000台を出荷している。

シチズンマシナリーは「同装置販売による利益はほとんど出ない。技術の公開や装置販売は、日本製工作機械の不正輸出防止が目的」と話す。今では工作機械以外の先端技術製品でも採用されているという。

一部海外ユーザーからは、「工場内の機械レイアウト変更が面倒」といった声もあるものの、工作機械各社は、不正防止への理解を求めて、装置の搭載を推進する考えだ。(西村利也)

一種のプロテクト技術と見ることが出来ますが、どの程度の堅さなのか?でしょうね。
裏をかくのはどんな技術でもあることです。

以前、東芝機械の5軸スクリュー加工機が当時のソ連に輸出したことで、東芝本体が制裁された事件があったから、日本の工作機械メーカはナーバスなのでしょう。

東芝機械事件では肝心の5軸制御装置はノルウェー製かなんかで、東芝機械としては「作動しない機械」あるいは「機械のパーツ」を輸出したことになるのですね。

これはどう考えても「技術レベルでは言いがかり」であって、東芝機械の脇が甘かったとは言えるかもしれませんが、それで国際問題になってしまったという経験からこういう問題に対抗するためにという意味合いが大きいのでしょうが、難しい事です。

10月 22, 2007 at 09:52 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.14

皇太子の車が路上で故障走行不能に

読売新聞より「皇太子さまの車がエンスト、予備の車で宿泊先へ…秋田

13日夕、秋田県横手市で、同県を訪問中の皇太子さまを乗せた車のエンジンが突然止まるというトラブルがあった。

同日午後5時10分ごろ、同市内の幹線道路で、皇太子さまの車がエンストを起こして停車。車列を組んでいた他の車も一斉に止まった。
皇太子さまにけがなどはなく、同乗していた宮内庁東宮大夫、皇宮護衛官とともに予備の車に乗り換えられ、車列は約2分後に再び動き出した。
皇太子さまの車は同庁車馬課で管理しており、走行中のトラブルは非常に珍しいという。

皇太子さまはこの日、秋田市で開かれた全国障害者スポーツ大会「秋田わか杉大会」の開会式に出席。水泳競技を見学した後、宿泊先のホテルに向かわれる途中だった。

他の新聞記事によると、故障した車は普通に公務で使われている車だそうで、さほど特殊な車ではないようです。
多分、普通に政治家が使っている防弾仕様程度の車でしょう。

第一、我々が日常的に使っている車でも故障で走行中に走行不能になることは滅多にない。
バッテリーの上がりなどでも、エンジンが始動しなくなる事が多くて、走行中にストップとなるる原因の多くは燃料切れとかベルトの切断といったところでしょう。

ありそうなのはベルト切れかなあ?
本当とのところはどんな故障だったのでしょうか?

10月 14, 2007 at 10:47 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

有機ELの長寿命化

日経新聞より「セイコーエプソン、有機ELに参入・寿命、液晶並みに

セイコーエプソンは次世代ディスプレーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)事業に参入する。専用製造ラインを建設、年内にも受注生産を始める。
有機ELの製品寿命はこれまで約3万時間が限界とされてきたが、同社は材料や構造の見直しで2倍近い5万時間以上を可能にし、液晶ディスプレーとほぼ同等にした。
高い耐久性が要求される商業施設向けなどの需要を開拓する考えで、有機ELの用途が広がりそうだ。

有機ELは基板上に配列した有機材料に電気を流して発光させ、表示する仕組み。
材料の耐久性がもともと低く、繰り返し電気を流すことで寿命が短くなっていた。
同社は材料の配合見直しに加え、必要な部位だけに最小限の電気を流すパネル構造を独自開発して採用した。
液晶や一般的なプラズマディスプレーの寿命である約6万時間に大きく近づいた。

初期の液晶が、表示装置なのか温度計なのが区別が付かなかった頃から考えると現在のように液晶が大々的に使われるほど進歩するのですから、有機ELも期待したいです。

ソニーがテレビを発表していますから、モバイルPCのディスプレーとして期待したいですね。
しかし、記事の内容からすると一ヶ所だけを使い続けると寿命が来そうな感じなので「焼き付いた」という言葉が復活するのかもしれません。

10月 14, 2007 at 10:34 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.09.22

737-800胴体の亀裂

朝日新聞より「中華航空、佐賀空港で亀裂発生機の調査開始

佐賀空港に着陸した台北発の中華航空チャーター便(ボーイング737―800型機)の胴体下部に77センチの亀裂が見つかった問題で、同社は22日、亀裂の発生原因の調査を本格的に始めた。

同社が台湾本社から派遣した整備士ら約10人は午前9時前から、駐機場で調査を始めた。
貨物室のハッチを開き、内側と外側から亀裂部分や周囲を細かく確認し、撮影を繰り返した。

同社によると、亀裂は主翼と尾翼の中間付近に前後の方向で一直線に走り、幅、深さとも数ミリ程度。
機長は「運航中、機内の気圧や操縦に問題はなかった」と説明しているという。同社は、機体の本格的な調査は台湾でする意向だ。

これはなんなんでしょうかね?
尻餅事故などは起こしてないそうですし、出発前に見つからなかった亀裂が日本に到着したらすぐに発見された。
この情報だけで判断すると、飛行中に亀裂が入った事になってしまいます。

どの程度の亀裂なのか情報を待っていたのですが前後方向に一直線で77センチとのことですから、製造段階の問題のように感じますね。

737型でも-800ですから、最新技術で作られているのかな?
767や777では三菱重工がケミカルミーリングで加工していますね。こんなところに影響しなければ良いのだが・・・・

9月 22, 2007 at 05:11 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.15

ポンバルディア機主脚の構造

朝日新聞より「欠航、連休にずれ込む ボンバル主脚事故で緊急点検

着陸時に主脚が壊れる事故が3日間で2度もあったカナダ・ボンバルディア社製のDHC8―400型機。
いずれも海外の事故だが、影響は同型機が24機運航する国内にも及び、緊急点検による欠航は連休にずれ込んだ。
同型機は今年3月、高知空港で前脚が出ずに胴体着陸したばかり。「またか」。相次ぐ脚のトラブルに、利用者や航空会社の不安は高まる。

「心苦しく思っています」。14日、羽田空港近くの事務所で記者会見したボンバルディア社のトッド・ヤング副社長は、多くの欠航を出す事態について謝罪した。
この日、同社はアジアで最初のサポート事務所の開設を盛大に披露するはずだったが、会見は事実上、釈明の場になった。
「欠陥機では」との記者団からの問いに、「高いレベルの認証を受けた安全な航空機だ」「今回の点検要請は、迅速に対応した証し」などと答え、火消しに躍起だった。

着陸直後に右主脚が破損する事故は、デンマークで9日、リトアニアで12日に起きた。
同社によると、右主脚を出し入れする油圧ピストンの先端部のボルトが外れ、その影響で主脚が正しく固定されない状態に陥ったらしい。
11日から航空各社に主脚の点検を求め、12日には着陸回数が1万回以上の機体の運航停止を要請。13日には、より詳細な点検指示を出した。

日航と全日空両グループは、連日夜遅くまで点検作業と広報対応に追われた。
それでも13日に計87便、14日に日航系41便が欠航。日航系は3連休中も伊丹―宮崎間など計8便が欠航し、他機種による臨時便を出さざるをえなくなった。

テレビのニュースで着陸したら片方の主脚が引っ込んでしまった、という衝撃的な映像が流されて大問題になっています。
国交省は事故については非常に明快にサイトにアップするので調べるのも簡単になりました。

「ボンバルディアDHC-8-400型機の2件の事故を受けた我が国の同型式機に対する点検指示について(製造国政府の耐空性改善命令TCD-7157-2007に基づく措置)」(PDF)に点検箇所の図がありました。 点検内容は以下だそうです。

  1. 左右の主脚全般について目視点検
  2. 主脚格納作動器のシリンダー先端のナットについて、ナット及びゆるみ止めワイヤーの取付状態の目視点検

全般の点検は当然ですから、問題がシリンダーの先端のナットとそのゆるみ止めのワイヤーとなります。

Up2

シリンダーの先端のナットが緩んでいてはいけないと言うことなのでしょうがどう見ても単なる油圧シリンダーのように見えるし、シリンダーの固定部はナットの隣の部分でしょうね。
どういう具合に取り付けてあるのかというと。

Up3

Up1

こんな具合になっています。
飛行機の可動部分はコンパクトにするために妙に凝った構造が多いのですが、これもそのようで、水平になっているハシゴのようなパーツがトグル機構として脚出し位置でロックするのでしょう。

油圧シリンダーのピストンが押した位置がロック位置まで届かなかったと考えるべきでしょうが、そうなると「ナットはなんの役目をしているのだ?」になりますね。

ナットが回ってしまうとシリンダーの幾何学的位置が狂ってしまうような設計だと言うことなのでしょうか?
なんかちょっと巧妙に過ぎるという印象があります。

9月 15, 2007 at 12:48 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.09.11

スーパーエコシップとはなんぞや?

毎日新聞より「タンカー進水式:電動で環境配慮 佐世保の造船所で建造

国土交通省と独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が建造を後押ししている電気推進船「スーパーエコシップ」のタンカー「なでしこ丸」の進水式が11日、長崎県佐世保市の前畑造船であった。
環境への負荷を軽減した次世代船で国内4隻目。タンカーでは初の建造となる。

白油(精製油)の国内輸送用タンカー(749総トン)で、従来のディーゼルエンジンに代わり、電動モーターでプロペラを回すため、二酸化炭素排出量を約10%軽減し、騒音も抑えることができる。
また、船体が損傷した場合に油の流出を防ぐダブルハル(二重船殻)構造とし、推進効率を向上させる二重反転プロペラも採用している。

同機構が大阪市の海運会社「商運海運」と建造した。同社は同機構などから各種補助を受けて運航する。スーパーエコシップはほかに、フェリー、貨物船、化学薬品輸送船が既に就航している。

このニュースを読んだときに「電気推進にしてエコになるとはどういうことだ?」が最初の印象でした。
電気推進船は珍しくなく、豪華客船ではクイーンメリー2(2004)やクリスタル・ハーモニー(1990)、ダイアモンド・プリンセス(2004)などが知られています。
クイーンメリー2は推進ポッドを採用しポッドを回転させることで舵を不要としました。

当然、発電機を使用してモーターを駆動しているのですから、機械・電気・機械となるエネルギー変換効率が問題だろうから、エコになるというのが理解しがたかったのです。

今回の内航用タンカーは「スーパーエコシップ」(PDF)なのだそうです。
要するに、エンジンなどの配置を自由にすることで船体の効率(荷役を含む)を挙げると言うことなのでしょう。

先に紹介したクイーンメリー2では、ガスタービン発電機を最上部に配置していますね。
客船でもエンジン配置を自由にすることで、使い勝手を良くしたということなのでしょう。

「スーパーエコシップ・フェーズ1規準」(PDF)によると

  1. 総則
    スーパーエコシップ・フェーズ1とは、電気推進システムを採用することにより、環境負荷低減、物流効率化等が図られている船舶をいう。
  2. 設計要件
    船舶の設計が以下の要件を満足すること。

    1. 船舶の推進システムのうち、通常の航行に必要な推力を供給するものが以下のa.の設備のみ又はa.及びb.の設備の組合せにより構成されていること。
      また、当該推進システムを構成する発電用原動機又は推進器駆動用原動機のひとつに異常が生じた場合においても船舶の運航に支障がないこと。

      1. 発電用原動機、発電機、インバーター(又はコンペンセータ)、 推進器駆動用電>動機、推進器等により構成される電気推進ユニット
      2. 推進器駆動用原動機、推進器等により構成される原動機推進ユニット
    2. 以下のいずれかの措置を講じることにより、エネルギー効率の向上が図られていること。

      1. ア バトックフロー船型その他の推進効率の向上に資すると機構が認める技術の採用
      2. イ 電動荷役システムの採用その他のパワーマネージメントの最適化に資すると機構が認める措置

パワーマネージメント、電気式制御による人員の削減や操船の簡易化といったことを総合してエコシップということのようです。
なかなか興味深い内容ですが、新聞の報道はどうにも簡単すぎて説明が伝わっていないと感じましたね。

9月 11, 2007 at 11:54 午後 もの作り | | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.08.31

スキャナ機能のある液晶パネル

日経新聞より「シャープ、名刺を読み取る新型液晶パネルを開発

シャープは31日、スキャナーやタッチパネル機能を持った新型の液晶パネルのサンプル出荷を9月から始めると発表した。携帯電話の液晶画面に名刺を置くと文字を読み取り、電話番号を自動的にメモリーに入力することなどができる。
すでに量産準備に入っており、来年には新型液晶を搭載した製品が登場する見通しだ。

液晶パネルの画素に微細な光学センサーを隣接させて製造する。センサーが画面に触った指先の位置や、名刺の文字を感知する。
タッチペン式の携帯ゲーム機では触った場所は一点ごとしか検知できないが、新型液晶では指で同時に数カ所を押しても感知できる。
「現在のタッチパネル式に比べコストは増えない」(モバイル液晶事業本部本部長)としている。

なんか、将来が有望な技術のように感じますね。タブレットPCに使ってくれないものかな

8月 31, 2007 at 10:58 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

Up1

今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

Up2

本来のワッシャが付いている状態。

Up3

今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エレベータの強度不足?

毎日新聞より「エレベーター強度不足:住友重機械製の変速機使用74台で

国土交通省は30日、住友重機械工業製の変速機を使用したエレベーターの一部に強度不足の可能性があると発表した。
同日までに3社74台について強度不足を確認したとしている。
変速機の安全性の計算式に誤りがあり、実際以上の強度が算出されていたためで、人が乗る「かご」の巻き上げ用ロープを回転させる車軸部分が折れ、停止する恐れがある。

03年以降、かごに人が閉じ込められるなど3件の事故が確認されているが、けが人は出ていない。
同省は、この変速機を導入しているメーカー全25社(計2934台)に点検を指示、同日までに7割に当たる2100台について作業を終えた。
強度不足が判明したエレベーターでは、部品交換を進めている。

問題のあるのは92年以降に製造された変速機。
定員数など使用条件によって問題がないエレベーターもあるが、業界標準の8割程度の強度しかないケースもあった。
今年3月16日には千葉市の郵便関連施設でかごが停止し、人が閉じ込められる事故があった。【高橋昌紀】

なんだ?こりゃ。
シンドラーエレベータで紹介された写真だと、ごく普通のギアード減速機で業界標準の80%程度の強度だと折れることがある、というのはシアピンかな?
それなら「安全装置の早期作動」とかじゃないのかねぇ?

もっとも、シアピンのミスでえらい目に遭った経験はある。すごくまずいことに変わりはないが、誤作かねぇ?
設計ミスとなってますね。同じ強度の部品ではなくて、同じ計算式で個々のエレベータの負荷に合わせて違う部品を作っていた。
その計算式が違っていた。ということかな?
それだと分かりにくいね。う~ん、これも現場感覚の欠如か?

追記

国交省の報道発表を見ていたら、巻き上げ機の詳細とあって「折損した軸」と説明が入っている図面がありました。

それによると、減速機の出力軸が折れたことになっていますが、いくら何でもそれはないのではないかなあ・・・・。
何十ミリもありそうなシャフトですよ。

8月 30, 2007 at 10:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.27

中華航空機爆発炎上事故その10

沖縄タイムスより「ボルト外し先月点検/中華航空炎上機体

那覇空港での中華航空機炎上事故で、燃料タンクに穴を開けたとみられるボルトについて中華航空が七月六日に点検していたことを二十五日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が明らかにした。事故調査委は「この点検でボルトがいったん外され、ナットが付け替えられた可能性もある」とみている。
事故調査委と県警の現場検証は同日、すべて終了した。

点検は、機体製造元のボーイング社が二〇〇六年、事故機の同系列機について「スラット(高揚力装置)のアーム部分に取り付けたボルトを締めるナットが緩む恐れがある」との文書を出していたことを受け実施された。

文書では「ナットを外して点検した場合は、元に戻す際に古いナットを取り換え、新しいナットを締めるように」とされているという。
中華航空の整備記録には「手順通りに点検を実施した」と記述されていることから、事故調査委は、この点検の際にナットの付け替え作業が行われた可能性があるとみている。

事故機では、ボルトとナットの間に取り付け、ボルトの脱落を防止するようになっているワッシャーなどの部品三個が、ボルトから外れた状態で見つかっていた。

また、事故調査委は、燃料漏れの原因とみられる穴が開いていた、燃料タンクに接する収納部品「トラックカン」も回収した。穴は幅約六・五センチ、厚さ約二ミリのトラックカンの底部に斜めに開いていた。
長さ四・一センチ、幅二・三センチだった。一方の先がすぼまった水滴のような形で、丸みを帯びた部分から、ナットが突き出ている状態だったという。

事故調査委は穴の形状や、ボルトが押し付けられていた状態などを詳しく調べ、どのように力が加わり、穴が開いたのかを検証していく。

日経新聞より「中華航空機炎上、整備ミス強まる・事故調、台湾に調査官派遣へ

那覇空港の中華航空機炎上事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は26日、事故機の燃料タンクに穴を開けたボルトの脱落は、留め具のワッシャー(座金)などの部品が外れていたことが原因との見方を強めた。
事故調は整備時に付け忘れた可能性があるとみて、今後、中華航空の整備記録などを確認し、担当者らからも事情を聴く方針を固めた。

これまでの調べでは、飛行機の揚力を調整する可動翼(スラット)を動かすアームからボルトが脱落していたことが判明。ボルトがアームの収納ボックス(トラックカン)を破り、燃料タンクに約4センチの穴を開けた。

確かに、部分的改修工事で点検とナットの交換だけの臨時作業の場合、時間に追われてミスする可能性は大きくなるかもしれません。
こういう「常識ではそういうことはしないだろう」というのが次々に破られているような気がしますね。

最終報告がどうなるのか、ですね。

8月 27, 2007 at 10:06 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

中華航空機爆発炎上事故その9

読売新聞より「中華機炎上、整備ミス濃厚…ボルト脱落防ぐ座金付け忘れか

那覇空港で中華航空機(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、脱落して燃料タンクを突き破っていた右主翼前端の可動翼(スラット)内部のボルトは、中華航空が今年7月の定期点検で脱着作業を行い、完了検査も受けていたことが25日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

ボルトは、脱落を防ぐ留め具の「ワッシャー(座金)」などが外れた状態で見つかっており、部品が誤って取り付けられ、整備後のチェックもすり抜けていた可能性が高い。
事故調では、中華航空の整備ミスが原因とみて調査を進める。

事故調は25日、現場での検証を終了。この日は事故調が当初、燃料漏れの原因とみていた右主翼下のパイロン内部の燃料管に不具合は見つからず、燃料漏れは脱落ボルトが燃料タンクを突き破ったためと断定した。穴の空いた部分(厚さ2ミリ)は、長さ41ミリ、幅23ミリだった。

事故調によると、事故機は先月6日の年1回の定期点検で、スラットの支柱後端部の部品を脱着。この部品は、ボルト(長さ42ミリ)とナット(外径10・4ミリ)の間に六つの部品を挟み込んで後端部の穴(直径14ミリ)に取り付けられており、穴から脱落しないよう二つの座金(外径15・9ミリ)が留め具になっている。

事故機の整備記録では、部品の交換作業は製造元の米ボーイング社の指示通りに行われた。航空機の整備作業は、作業が完了すると別の整備士が手順通りに作業が行われていたかを照合し、全整備完了後に再度、最終チェックを受けることになっている。各工程ごとに担当者が整備記録に署名しており、事故機の整備記録にも、部品交換、検査の項目ごとにサインが残っていた。

脱落したボルトにはナットが付いていたが、留め具の座金など三つの部品が外れた状態で脱落し、燃料タンクを突き破っていた。このため事故調では、ボルトを脱着した際に、〈1〉座金の一つを付け忘れたため飛行中の振動などで脱落した〈2〉整備士が部品の装着を忘れ、部品が燃料タンク組み込み部に放置されていた――など、整備ミスの可能性があるとみている。

国内航空会社の整備関係者は、「作業中は細かい部品が散逸しないようボルトに部品を装着してナットを付け、そばに置いておくことがある」として、「別の作業を同時並行で行っていて、装着し忘れた可能性もある」と指摘。別の整備関係者は、「事故機は就航から5年が経過しており、製造時の誤装着であればもっと早く検査で見つかっている」として、製造ミスの可能性は低いとしている。

Up

琉球新報の記事「中華航空機、燃料気化し延焼 事故調、トラックカン回収」に掲載されていた回収された穴の開いたトラックカンです。幅は100ミリは無いですね

脱落したボルトの長さが42ミリとのことですから、トラックカンの中ではギリギリの大きさであったと想像できます。
説明図によると、スラットのレールはスラット本体と一体で移動する仕組みで、問題のボルトもレールと一体で移動し、ストッパーとして機能した。

このトラックカンの中をボルトは移動する仕組みになっていたのですが、トラックカンを突き破ってしまった。

レールの穴はボルトが抜け落ちるサイズですが、トラックカン内部でどのようになっていたのでしょうか?

完全に脱落していたのか、レールには付いているが付きだしていたのか。
おそらくは、見つかったときには完全に脱落していたのではないかと思いますが、そうなるとトラックカン内部でレールからボルトは脱落する余地があるのか?
脱落する余地がないのなら、最初から取り付けられていなかった、置いてあっただけ。という可能性が出てきます。

けっこうタチの悪い話のようですね。

8月 26, 2007 at 10:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.25

中華航空機爆発炎上事故その8

朝日新聞より「留め具つけ忘れボルト脱落、整備状況調査へ 中華機炎上

那覇空港の中華航空機炎上事故で、燃料漏れを引き起こした金属製ボルトは、差し込み穴より大きな金具三つが外れていたため、脱落して燃料タンクに突き刺さったことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。
ボルトは穴に差し込んだだけで固定されていなかったことになる。
機体整備時に金具をつけ忘れるミスがあり、飛行の振動などで徐々に抜けていったと見られる。中華航空側は7月に事故機のボルトを締め直したと説明しており、調査委が経緯や作業内容を調べる。

調査委によると、ボルトは長さ約4センチ。先端にナット(直径1.04センチ)がついた状態で、燃料タンクに突き刺さっていた。

本来、ボルトには、ナットの内側にワッシャーやダウンストップという金具がついている。
ボルトが差し込まれる可動翼(スラット)の支柱(アーム)の穴は直径1.4センチ。ワッシャーやダウンストップの外径はこの穴より大きいため、これらが正しくついていれば、ナットのついたボルトが穴から抜け落ちることはありえない。

Up

ボルトから外れていたのは、ストップロケーションとナット側にあるはずのワッシャーとダウンストップの三つの金具。
これらはアームを格納する主翼内の燃料タンクのへこみ(トラックカン)内などに転がっているのが見つかった。アームの穴に損傷はなかった。

このため、事故機はこれらの金具をつけ忘れたままで運航され、振動などでボルトが抜け落ちたと見られる。

ダウンストップは、機体の揚力を調整するスラットが主翼から脱落するのを防ぐ金具。
ワッシャーは、ボルトからダウンストップが外れないように取り付けられている。

調査委は23日の調査で、右主翼内の燃料タンクにあるトラックカンの壁面にボルトが突き刺さっているのを発見した。

スラットは、離着陸時に主翼の前側にアームで押し出され、その後に格納される。格納時には、アームがトラックカンの中に引き込まれるため、落ちていたボルトがアームに押されて燃料タンクに突き刺さった可能性が高いと見ていた。漏れた燃料は右エンジン周辺に流れ、エンジンの余熱で燃え上がったと見られる。

調査委は今後、7月の中華航空の整備内容を調べ、整備不良によるものかどうかを確認する。
機体製造時からワッシャーなどがついていなかった可能性について、航空関係者には「事故機は就航から5年以上たっており、部品がないまま抜け落ちなかったとは考えにくい」との見方が有力だ。

図の赤線で囲ってある部品がボルトについていなかったとということになる。
しかし、付近に転がっていたというのだから

組み立てないで放り出してあった

ということになる。
整備不良といってもすご過ぎる。

新聞記事では「整備ミス」としているが、サボタージュでないと言えるのだろうか?
あるべき部品が無いというのであれば、部品出庫の管理なども含めて問題になるが、部品が機体に供給されたのに組み立てられずに放り出してあった、というのではチェックするのは作業内容の検査しかない。
それが甘かったのは間違えないが、ミスなのか故意なのかはやはり問題になるだろう。

少なくとも、機械類の整備で「故意に正式な状態にしない」とされたら、どうにもならない。
例えば、ボルト・ナットなどのように手加減の問題があるものや、配線などのように同じようなものが複数あって間違える可能性がある、といった非常に注意を要するものもさほどコスト掛けないで実用になっているのは「きちんとやる」が前提になっている。
今回の事故の原因よっては、非常に深刻な問題になるだろ。

8月 25, 2007 at 09:53 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.15

リチウムイオン電池・大量リコール

毎日新聞より「ノキア:松下製の携帯電池交換 4600万個対象

フィンランドにある世界最大の携帯電話メーカー、ノキアは14日、松下電池工業(本社・大阪府守口市)が製造した携帯電話用リチウムイオン電池パックが異常発熱する恐れがあるとして、約4600万個を対象に無料交換すると発表した。
リチウムイオン電池の交換では、ソニーによるノートパソコン用電池の960万個(06年)を上回り過去最大規模。費用は最大数百億円規模になる見通しだ。

松下電池は松下電器産業の全額出資子会社。対象は、松下電池が05年12月~06年11月の間に製造した「BL-5C」電池パック。
ノキア・ジャパンと松下電池によると、充電中にショートして発熱、膨張し携帯本体から外れる可能性がある。
全世界で約100件、日本では2件を確認しているが、重大な人的被害は出ていないとしている。

松下電池は、製造工程で電池に微細な傷が入ったことが原因とみて、第三者機関に詳細な調査を依頼した。

交換対象の電池を使ったノキア製携帯は、国内ではノキア・ジャパン、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)、NTTドコモの3社が計7機種、約17万台を販売。
電池が交換対象かどうかについて、ノキアは電池パックの表で「Nokia」か「BL-5C」との印字を確かめた上で、裏にある26文字の製造番号を同社のサイト(www.nokia.com/batteryreplacement)に入力して確認してほしいと呼びかけている。

一方、NTTドコモとソフトバンクモバイルも14日、電池パックを無償交換すると発表した。

ドコモの機種でBL-5Cを使っているのは約3万3000台。同社は、不具合のある電池パックを使っている端末を絞り込み、使用者に新しい電池パックを郵送する。問い合わせの専用窓口は準備中。

ソフトバンクでは、計約13万6000台で使用しており、使用者全員に新しい電池パックを郵送する方針。問い合わせは、専用窓口0088・21・0035。【宮崎泰宏、前川雅俊】

4600万個とはすごい数ですね。
一点集中もここまで来るとどうかと思いますが・・・・・・
これもリチウムイオン電池の量産は日本が独占している、という事なのでしょうか?

ノキアのサイトによると、2005年12月から2006年11月の間に製造された松下製のBL-5C電池パックとなっていますから、1年間で4600万個なんですかねぇ?さすがノキアと言ったところでしょうか。

8月 15, 2007 at 11:19 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.08.11

戦闘機?

東京新聞より「国産でステルス戦闘機 防衛省、実証機開発へ

防衛省は10日、来年度防衛費の概算要求で最先端の国産戦闘機技術を結集し、テスト飛行を行う「先進技術実証機」を開発することを決めた。
レーダーに映りにくいステルス性と高運動性を併せ持ち、エンジンも国産を使用、5年以内の初飛行を目指す。成功すれば航空自衛隊のF15主力戦闘機の後継となる初の純国産戦闘機の開発に移行するが、戦闘機の売り込みを図る米国の反発も予想される。

これにより、将来の空自戦闘機は米国、欧州の6機種が候補に上っているF4戦闘機の後継機、米国ライセンスのエンジンを搭載した半分国産のF2支援戦闘機、純国産となるF15後継機の3機種となる見通し。

実証機は1995年、防衛庁技術研究本部で始まった戦闘機開発に必要な要素研究を集大成する。
要素研究は、ステルス性と高運動性を備えた機体を意味する「高運動飛行制御システム」、推力5トンの「実証エンジン」、高性能のフェーズド・アレイ・レーダーに電子妨害装置を組み込んだ「多機能RFセンサー」、機体に張り付ける薄いレーダーの「スマート・スキン」の4項目。

このうち、中核となる機体はフランスでのステルス性試験を終え、飛行試験を含む開発への移行を待つばかりだった。
外観はレーダー反射を防ぐため曲線を多用、軽量化を図り、炭素繊維でつくられている。双発エンジンの噴射口には推力を上下左右に変更する3枚の羽がそれぞれ付き、急な方向転換も可能という。

ただ、F15のエンジンが1基当たり推力10トンなのに対し、実証エンジンは半分の推力でしかない。機体もエンジンに合わせて全長14メートルと軽戦闘機並みだが、技術研究本部関係者は「開発段階では大型エンジンの国産化も可能」としている。

実証機開発の背景には、F2支援戦闘機の製造がほぼ終わり、このままでは消滅する戦闘機の開発技術を維持、向上させる狙いがある。
飛行試験は早ければ4年後とみられ、順調にいけば10年前後で純国産戦闘機が誕生する。

だが、純国産を目指した次期支援戦闘機(FSX=F2)が米国の圧力によって日米共同開発になった過去の経緯があり、日本が戦闘機開発に踏み出せば、米国による売り込み攻勢が強まりそうだ。

記事に出ている写真は、ドンガラとは言え実物大模型だそうで、急激な運動をせず、あまり速度を出さないモデルであれば、すぐに出来るでしょう。

しかし、それでは戦闘機ではないし、記事も指摘しているようにエンジンという難物があります。
というわけで、これは巨大なアドバルーンじゃないか思うのであります。

8月 11, 2007 at 01:03 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.01

エレベータケーブルの怪

朝日新聞より「フジテックと商社、主張は依然対立 エレベーター偽装

フジテック(滋賀県彦根市)製のエレベーターに設計よりも強度の低い鋼材が偽装して使われていた問題で、フジテックと鋼材商社のJFE商事建材販売(大阪市)は31日、それぞれ社内調査の結果を国土交通省に報告した。

鋼材商社は「フジテックも合意の上で低強度の鋼材を納入した」、フジテックは「知らされていなかった」と当初からの主張を繰り返した。両社とも訴訟を辞さない構えでおり、決着は法廷に持ち込まれる可能性が大きくなった。

このニュースは当初から気になっていたのですが、ワイヤー用の鋼材が規格違いで強度不足だということでした。
エレベータメーカはワイヤーを作っているのだ、ちょっと驚いたのですが同時に最重要部品なのだから検査で破断試験をしてるのではないのか?と思うのです。
それがユーザに納入されていた。

品質保証はどうなっているのでしょうか?
いろいろな段階でチェックはあるはずで、それを鋼材をスチールメーカ段階ですり替えたらユーザのところまで通り抜けてしまうのであれば、そっちの方がよほど問題だと思います。

8月 1, 2007 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.07.19

三菱ふそう・クラッチハウジング破断死亡事故・結審

東京新聞神奈川版より「欠陥クラッチ事件結審 あらためて潔白主張

三菱自動車(三菱ふそうトラック・バス)のハブ破損、クラッチハウジング破損については大量の批判記事を書いてきました。
上記記事の裁判は法的にどう見るかということですが、技術上の問題や会社の文化、社会が期待する水準といったものを全体的に評価する必要があります。
わたしが「酔うぞの遠めがね」にクラッチハウジングについて書いた記事を並べてみます。

作成日
記事タイトル
2004.05.27三菱ふそう・クラッチハウジング・リコール
2004.06.01続・三菱ふそう・クラッチハウジング・リコール
2004.06.03三菱自動車・業務上過失致死罪で捜査
2004.06.06三菱自動車・元社長の事情聴取
2004.06.10三菱自動車の元役員に逮捕状請求
2004.06.12三菱自動車・元社長が公表に反対
2004.07.09三菱・クラッチハウジングに裂け目6個
2004.07.14三菱ふそう・新たにクラッチハウジング破断7件
2004.07.26三菱ふそう・クラッチハウジング対策
2004.08.07三菱ふそう・クラッチハウジングで記者会見
2004.08.31三菱(ふそう)クラッチハウジング破損は49個以上
2004.09.15三菱ふそう・クラッチハウジングやっと対策

詳しくはこれらの記事に書いてありますが、クラッチハウジングが破断するといったことは技術的な常識レベルであり得ないことです。
つまり、対策がどうのこうのと言う以前に「根本的におかしい」という観点からその時々の報道についてコメントしてきました。
事故の場合は原因などについては当事者である企業などの発表しかソースがないわけで、新聞記事などは「それは違うだろう」と考えても発表がウソだとまでは言えない、という関係にあります。
そこで、意図的に裏読み的な記事を書いてきました。ようやく結審したわけですが、被告の元社長の最終陳述が紹介されています。

三菱自動車のクラッチ系統部品の欠陥により発生した山口県の運転手死亡事故で、同社元社長らが業務上過失致死罪に問われた裁判は十八日、横浜地裁で結審し、判決期日は来年一月十六日に指定された。
被告は企業のトップとしての道義的責任を認めながらも、刑事責任については検察批判を展開し、あらためて身の潔白を主張。
同社の車輪と車軸をつなぐ部品「ハブ」の欠陥をめぐる事件の判決も今年十二月に予定されており、二〇〇四年九月に始まった同社をめぐる一連の裁判は、いよいよ大詰めを迎える。

「全部の調書を撤回し、起訴そのものを撤回してもらいたい」。
最終陳述で河添被告は激しい言葉を連ね、検察側を痛烈に批判した。

被告は社長だった当時、不具合情報の二重管理や指示改修(ヤミ改修)についてよく知らず、クラッチの不具合も認識していなかったと主張。
検察官が強引に調書を作成したとし、「当時社長だった私を起訴するため、過失が成立するよう事実をねじ曲げようとしていたのではないか」と力を込めた。

一方で、リコール隠し発覚後に不具合の選別作業をした担当者が、同被告ら上司に虚偽の報告をしていたことが事故に結びついたとし、「このような企業風土が残っていたということは、当該社員の責任というよりも、むしろ私自身を含めた経営責任者の不徳のいたすところ」と反省の弁。

涙声になりながら「私たちの事件を糧としてさらに、技術の向上や社会へ適合する会社経営に工夫していただきたい。再度、同じ過ちを繰り返さないようにすることが重要と考えている」と結んだ。

他の三被告も検察側の捜査を「むしろ正義の敵」などと批判し、無罪を主張した。

これに先立ち、最終弁論で弁護側は、車の欠陥を把握しながらリコールせず熊本県内で人身事故を引き起こしたとして、業務上過失傷害容疑で書類送検されたトヨタ自動車の品質保証部門の歴代の三部長が今月十三日、熊本地検から嫌疑不十分で不起訴処分とされたことと比較し、「司法の公平性に強い疑問を抱かせる」と指摘した。

実のことを言えば、三菱ふそうのハブ破損、クラッチハウジング破損による(死亡)事故については、二つ以上の性質の異なる問題があると考えます。

事故原因究明のためには刑事免責が必要なのではないか

航空機事故では以前から問題になっていて、アメリカでは事故調査を有効にするために刑事責任を免責している例がよく知られています。
事故原因を明らかにすると、刑事責任が重くなるというのでは、当事者が事故原因究明に協力するわけがない。
また、刑事捜査では原理的に一番有力な事故原因とされる人物の責任だけを追及するから、例えば道路環境の問題などは明らかにされないし、当然責任も追及されない。しかし、社会的な効果という面で言えば、道路環境の整備の方が刑事的処罰よりも有効である場合が少なくないだろう。
つまり刑事責任追及と事故原因の解明には違いあると言えます。

事故原因の究明のためには、刑事免責にする必要があると思うし、第一事故調査を警察が行うのでは、極端に言えば事故原因の総合的な調査を誰もやっていないと言える。
事故調査委員会のようなものをもっと拡充するべきだと思う。

事故について技術的な批判をするべきだ

社会的・技術的な観点からは技術は批判されてこそ進歩するものであって、刑事責任になるから何も発表しないとしたシンドラーエレベータのような例もあります。
技術的な批判をする必要があり、そのためには即時に情報を公開して社会から批判されるべきなのです。
こういう観点から三菱ふそうの一連の対応を見ると「情報の小出し」の連続なのですよね。
まだ「情報は出しません」としたシンドラーエレベータの方が分かりやすい。
小出しな情報では、どうしても推測が入ってくるから全体を誤誘導します。三菱ふそうのハブ破損問題はずいぶん前からある問題だったのですが「摩耗が原因だから、使用者の整備責任だ」と押し切っていたのです、その結果は死亡事故に発展した。

クラッチハウジングに至っては点検項目にすらなってません。つまり車の寿命まで壊れないことになっていた。これは世界中の他のトラックだけでなく自動車は全部同じです。
その部品が壊れた、という時点で大問題でしょう。
なんで、死亡したドライバーに刑事責任が課せられたのか?

誰がなんと言おうと、結果として「事故原因についての技術情報の小出し」は、他者に責任や損害を押しつける事に直結します。
要するに、技術的問題について批判に耐えられなければならない、という当たり前の話であって「我が社はこう考えている。以上終わり」では社会の退歩というべきです。

こんな事を考えつつ、被告の最終陳述を読んでみると

  • 不具合情報の二重管理や指示改修(ヤミ改修)についてよく知らず、クラッチの不具合も認識していなかった
  • リコール隠し発覚後に不具合の選別作業をした担当者が、同被告ら上司に虚偽の報告をしていたことが事故に結びついた
  • 事件を糧としてさらに、技術の向上や社会へ適合する会社経営に工夫していただきたい

わたしは、技術を社会的に批判すること、事故原因調査では刑事免責にすること、を主張しますが、この被告は「技術は知らない」「刑事責任は無い」「後をうまくやってくれ」と言っているわけで、「あなたは、どういう人なのですか?」という問題になりますね。
全くの無関係者とどこが違うのか?
少なくもとダブルスタンダードなわけで、結局は弁護団の主張のように「社会が悪い」のような事になってしまう。

事故調査委員会のような機能がない現在では、刑事責任追及によって事故原因を明らかにするのも仕方ないところですが、仮に公的機関のような形で事故調査委員会が機能した場合には、調査妨害罪は必須でしょう。そして、三菱ふそうの事故原因調査発表では調査妨害と認定されるでしょうね。どっちに転んでも、法的にか社会的にか処罰の対象になるのは仕方ないし、例えば保険料の値上がりなどにペナルティがあって当然だと思います。

7月 19, 2007 at 12:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.06.23

現代の実用的カラクリ

NHK・サイエンスZERO より「第169回 驚き 江戸のテクノロジー

6月22日に再放送されたのを見たので、番組を紹介してもすぐにはご覧いただけないと思うのですが、ある種の感動がありました。

江戸時代も最後の頃から明治に掛けては、「尺原器」といった物まで作っていて江戸時代の細工の技術が極めて高度であったことは知られています。

しかし、近代化で西洋の技術に置き換わってしまったものも多く、技術としてのカラクリも実用にしていませんでした。

サイエンスZERO の番組内容にこんなのがありました。

日本を代表する自動車産業。
部品工場では製品を運搬する際、モーターなどを全く使わず、バネと歯車を巧みに使った運搬機械が使われている。
部品の重さによって歯車を回して運搬。
そして部品を離すとバネが戻る力でもとの場所に戻るという仕組みだ。

そのモデルとなったのが江戸時代に作られたからくり人形。
いわば究極の省エネマシンとして生産設備の大幅な効率化のヒントになるのではと期待されている。

これには感動しました。
上記文章の説明通りなのですが、岡崎のトランスミッション工場です。
基本的には、トランスミッションの搬送を考えます。
重量が100キロぐらいものを工程間移動するための台車なのですが、動作は次のようになります。

  1. 手前の工程は、パレットを搬送車に押し出す。
  2. 搬送車のテーブルは、金型のように4本のポストによって上下にスライド可能な構造で、搭載したものの重量よってテーブルは下がる。
  3. 下がる速度はガイドポストに取り付けたコイルスプリングで調節。
  4. テーブルの降下はラックによって車輪の回転に変換される。
  5. 車輪が回転して、搬送車は次工程に搭載物を搬送。
  6. 搬送車が次工程に到着して、に搬送物は次工程に滑り込む。
  7. 搬送車のテーブルの重量は無くなって圧縮されていたスプリングが反発し始める。
  8. ラックが上がり車輪は逆回転する。
  9. 搬送車は元の位置に戻る。

全くの無動力で重量が100キロ程度の品物の無人搬送を実現していました。
説明でも、多くのメリットが紹介されていました。

  1. エネルギーの節約というか移動のために外部エネルギーは使わない。
  2. 搬送車の構造が簡単なのでメンテナンスが楽(自力で出来る)

これだけも、十分に納得するところですが、これによって10億円程度の経費削減になった、というのですね。

ついつい、メカニズムよりは電子制御とかアクチュエータの組合せでとか考えてしまいますが、簡単な純機械的な制御の仕組みは確かにカラクリの技術にあって、文字書き人形を再生した、東野進氏は文字を人が書いたように三次元制御・速度制御をカムの回転とヒモの張り方で調整できたようです。

とは言え、わたしも「カラクリはカラクリ」と思っていたので、サイエンスZERO の紹介した工場での実用例が、多くの無動力・自動制御・無人搬送車を工場システムとして使って、成果を上げたことに感動したのです。

6月 23, 2007 at 10:21 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.06.19

エレベータのワイヤーが破断していたのは問題なのか?

読売新聞より「エレベーターのワイヤ破断、大手5社の38基で新たに確認

エレベーターのワイヤロープの破断が相次いだ問題で、国土交通省は18日、保守管理大手の5社が担当する全国のエレベーター約50万9000基について、既に判明した4基のほか、新たに計38基でロープの一部破断が見つかったとする調査結果を発表した。

これまで破断が確認されていなかった三菱電機ビルテクノサービス、東芝エレベータの保守管理分も含まれ、同省は、両社が管理する計約26万9000基について緊急点検を指示した。

調査結果は、国交省が社団法人・日本エレベータ協会を通じ、昨年6月以降に確認された破断件数をまとめたもの。

計42基の内訳は、日立ビルシステムが最多で21基、日本オーチス・エレベータ7基、東芝エレベータ、フジテック各5基、三菱電機ビルテクノサービス4基。
いずれも破断が判明後、ロープは交換済みで、日立、フジテックの各1基と、オーチス社2基については既に公表されている。

原因については、設置からの時間経過に伴う経年劣化が15基で最も多く、小石などの異物混入が原因とみられる損傷が7基、さびによる劣化2基などだった。

いずれも直前の定期検査では問題がないと報告されており、同省では「ずさんな検査・点検で劣化が見過ごされた可能性がある」として、今後、エレベーターの定期検査の方法や報告について見直す方針。

日本エレベータ協会では「破断の発生をゼロに近づけるよう、検査・点検を見直していく必要がある」としている。

ロープの一部破断を巡っては、今年3月以降、大手5社のほか、シンドラーエレベータ、日本エレベーター製造が保守管理する各1基でも確認されている。

結構微妙なニュースですね。
エレベータの保守について詳しいことは知らないのですが、元々複数のワイヤーで釣られていて、ワイヤーが一本破断したぐらいでは運用に差しつかえないし、釣っているワイヤーが全部無くなってもカゴは落下しないはずです。
だから、近年のエレベータによる死亡事故はカゴの上昇がコントロールできない時に起きています。

記事をよく読むと

調査結果は、国交省が社団法人・日本エレベータ協会を通じ、昨年6月以降に確認された破断件数をまとめたもの。

とのことですから、素直に読むと個々のエレベータを直接一斉に調査した、ということではないようです。
点検や異常の調査などで、ワイヤーの破断が見つかった、と解釈できます。

そうなると

いずれも直前の定期検査では問題がないと報告されており、同省では「ずさんな検査・点検で劣化が見過ごされた可能性がある」として、今後、エレベーターの定期検査の方法や報告について見直す方針。

とは実際には何が出来ればよいということになるのか?
ワイヤーが切れる前に切れそうだと発見するのはかなり難しいのではないだろうか?
そこで問題になってくるのが

原因については、設置からの時間経過に伴う経年劣化が15基で最も多く、小石などの異物混入が原因とみられる損傷が7基、さびによる劣化2基などだった。

経年劣化が一番多いのであれば、いつ設置されたものか、あるいは運転時間がどれくらいか、を問題にすれば対応策も出来るだろう。
そうなると、個々のエレベータの情報はメンテナンス会社にはあるわけだから、ワイヤーが破断したエレベータの台数よりも、緊急にワイヤーを交換するべき可能性のあるエレベータの台数を問題にするべきではないだろうか?

シンドラー社のエレベータが港区で起こした、高校生死亡事故の現場ではエレベータ管理会社を入札によって入れ替えたらメンテナンス費用(契約高)が数年で何分の1かに下がったとも言います。
どう考えても、点検でどこを手抜きするかを競っているわけで、その中でワイヤーについては「破断が分かればよい」であったのでしょう。
先に書いたとおり、ワイヤーの安全性は極めて高いので破断そのものが危険とは言えない、という解釈が成立しています。

これを問題にするのであれば、エレベータのメンテナンスコストは激増するわけで、国レベルではワイヤーの交換時期を定める、といったことの方が優先度が高いでしょう。
どうもここらにも「事故調査委員会」的な機能が働いていない、問題の提起がなされないと強く感じます。

6月 19, 2007 at 09:07 午前 もの作り, 事故と社会, 国内の政治・行政・司法 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.06.17

産業技術記念館でイベント

トヨタテクノミュージアム・産業技術記念館のHPより「来館者累計200万名達成記念イベントのご案内

当館は5月16日(土)に1994年の開館以来の入館者が200万人を突破しました。お客様に感謝の気持ちを込めて記念イベントを実施します。この機会にに是非ご来館下さい!

だそうです。
産業技術記念館には3・4回は行っています。
最初に行ったのが、FAフォーラムのオフだったと思うのですが、1994年に開館ということは直後に行ったことになりますね。

わたしが好きなのは、ジャガード織機の現物です。
いわばプログラムがパンチカードの形で動くのですが、その仕組みの大きいこと。
中庭のよう空間があるのですが、実はそれが工場動力のボイラーを中央に置くことで効率を高めるためだ、などと非常に興味深いものがあります。

多少とも詳しい人と一緒に行くと面白いですよ。

6月 17, 2007 at 11:29 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.06.15

三菱ふそうのハブ問題裁判・その2

「三菱ふそうのハブ問題裁判」の続きです。

サンケイ新聞より「過失ない と無罪主張 元部長側が最終弁論 タイヤ脱落による母子3人死傷事故

横浜市で平成14年、三菱自動車製大型トレーラーのタイヤが脱落、母子3人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた同社元部長と、元グループ長の公判が14日、横浜地裁(木口信之裁判長)であり、弁護側が改めて無罪を主張し結審した。
判決は12月13日に言い渡される。

最終弁論で弁護側は、

  • 「両被告は事故を予見できず、過失はない」と主張
  • 「検察側はハブ破損の原因究明も十分に行わず短絡的に起訴したもので、論告も過失の有無を検討していない」
と検察側の主張を厳しく批判した。

論告によると、平成11年6月に広島県で同社製バスのタイヤが脱落する事故が発生。
運輸省(当時)が報告を求めたが、両被告は車輪と車軸をつなぐ「ハブ」の破損が原因で過去にも同種の不具合が15件発生していたにもかかわらず、「同種不具合はない」と虚偽報告し、欠陥を放置した結果、母子死傷事故を招いた。

最終意見陳述で被告の元部長は「(11年のバスのタイヤ脱落事故で)ハブの強度不足を疑ったことは全くない」と話し、元グループ長も「あとからハブのリコール届が出されたからといって、結果論だけで処罰を受けるのは納得できない」と訴えた。
検察側は4月の公判で、元部長に禁固2年、元グループ長に禁固1年6月を求刑している。

事故は14年1月10日、横浜市瀬谷区の県道で発生。
走行中の同社製トレーラーの左前輪が脱落、坂道を約50メートル転がり、歩道を歩いていた大和市の主婦(29)の背中を直撃。主婦は死亡し、長男と二男が軽傷を負った。

事故原因の究明を刑事裁判で行うことの問題点は、22年前の日航123便事故の時から問題になっていて、今も続いているというべきでしょう。

三菱ふそう(当時)のハブ破断などによる自己責任ついて、当初はドライバーの過失とされたものが、取り消されたりしています。

わたしは、技術的に三菱には責任があると考えます。
大きな理由は、トラック(バス)という世界中で似たような機構を採用している大型車で、普通に起きる事故・故障ではなくて三菱車に集中して起きているのですから、設計・製造に問題があると考えるからです。

しかし、これを刑事事件として特定の個人に責任を負わせることが出来るのか?となると大いに疑問です。

刑事責任を問うのであれば、間違えなく検察には立証義務がありますが、このような技術的な問題について、明白な過失を立証することは困難でしょう。
今回、弁護側の最終陳述が「過失の有無を検討していない」と指摘したのはこの事をさしているのだと思います。

事故原因の解明と刑事責任を決めることとどちらが大事か?という問題は、比較することが出来ない性質のものですから、刑事責任追及が出来れば事故原因も対策も明らかになるわけではありません。
つまりは、この裁判の決着が付いても本当のに事故原因は何で、どうすれば解決するのかは明らかにならないでしょう。つまりは、同じ事故がまた起きる可能性があるということで、問題解決にならないのではないでしょうか?

自動車事故がこれだけ多数起きても、日本では原因の研究が遅れているし、航空機事故に至っては、資料を提供にすら問題が生じています。
こういうところを逆に突くと、エレベータの死亡事故(メンテナンスコストが急激に低下した)、ジェットコースター死亡事故(検査の問題か設計の問題か)、プール事故(通達の理解不足)といった技術的な安全確保に知恵が回らないことになるのだと考えています。

6月 15, 2007 at 10:11 午前 もの作り | | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.06.01

エレベータ死亡事故・メンテナンスで見逃し?

朝日新聞より「管理会社の立件を検討 シンドラーエレベーター事故

以前から

と延々と書いてきましたが、どうやら事故の直接原因としてメンテナンス不良(メンテナンス会社の責任)ということになりそうです。

東京都港区の公共住宅で06年6月、エレベーターに挟まれて高校生が死亡した事故で、保守管理会社がブレーキの摩耗を見落としていた可能性が高いことがわかった。
警視庁は摩耗が事故につながったと判断、エス社側を業務上過失致死容疑で立件する方向で検討に入った。
製造元の「シンドラーエレベータ」側の刑事責任の有無についても、引き続き調べている。

捜査1課などの調べでは、エス社は06年度から同住宅のエレベーター保守管理業務を受注。
月2回点検の契約で、担当者が直前の4月と5月に計4回点検していた。
最後の定期点検は5月25日で、事故8日前の同月26日にも機械の具合を見ていた。

警視庁が事故機のブレーキを調べたところ、隣の同型機よりパッド部分が摩耗していた。
ブレーキを解放する部品の不具合で、必要ない時もブレーキがかかった状態が続き、パッドが摩耗したとみられる。

その結果、ブレーキが十分に機能せず、12階に止まって扉が開いている最中にかごが上昇。
かごから降りていた市川大輔さん(当時16)が床と天井に挟まれたと判断した。

調べに対し、エス社側は「摩耗は事故直前の数分で進んだ。
点検に不備はなかった」と主張。点検担当者も「ブレーキの構造がよくわからず、細かい調整はできなかったが、外見でわかる摩耗はなかった」と説明したという。

しかし、同庁は、ブレーキの新旧や気温など条件を変えながら実験を入念に重ねた結果、最後の点検から事故までの間では、パッドの摩耗は大きくは進まないとの見方を強めている。

住宅側との契約上、パッドの摩耗具合も重要項目の一つとして点検することになっていた。
事故直前の点検では、摩耗が進んでいたため、ブレーキ周辺にパッドの削れた破片などが散っていたはずで、担当者が摩耗を見落とした疑いが強いと同庁はみている。

ちょっと分かりにくい内容ですが、事故を起こしたエレベータの仕組みは、

  1. カゴを重りでバランスを取っている
  2. カゴは人が乗り降りして重くなったり軽くなったりする
  3. 従って、重りでは完璧にバランスさせることは不可能
という仕組みです。

事故当時のように1人しかカゴに乗っていない場合には、重りが下がりカゴが上がる方向に動く力が掛かっています。(重りの方が重い)
バランスが取れていていないから動いてしまうエレベータを静止させるために電磁式のブレーキが働いています。
当然のことながら停電に対応するために、

  • ブレーキはカゴを静止させる時には電力切り
  • ブレーキを緩めてエレベータが上下する時には磁石に通電してブレーキを緩める
仕組みです。

事故は、エレベータが停止してドアが開き亡くなった高校生が降りようとした時に、エレベータが上昇して天井との間に挟まって死亡しました。

事故の直接原因は、ブレーキパッドの摩耗していてブレーキが働かなくなっていたからで、なぜそのような状態になったのかが問題となっていました。

  1. 静止しているべきエレベータが動いてしまった。
  2. ブレーキバッドが摩耗していたのが原因
  3. なぜブレーキパッドは摩耗したのか
  4. 電磁ブレーキの電磁石機能が弱っていた
  5. エレベータが上下する時に電磁石の力によって離れているべきブレーキパッドが接触していたので急速に摩耗が進んだ
この段階で、メーカー・メンテナンス会社サイドの見解が
  1. ブレーキパッドの摩耗は事故直前の数分間で進んだ
だったものですが、警視庁が実験した結果
  1. ブレーキパッドがブレーキドラムに接触している状態で
  2. 最後の点検から事故発生までの8日間では摩耗しないと判定
定期点検でブレーキパッドの摩耗、電磁ブレーキの劣化を見逃していたと結論づけた。ということでしょう。

それにしても、ブレーキパッドが摩耗してしまうと動いてしまうという構造で良いのでしょうか?
難しいのかもしれませんが、ブレーキパッドが摩耗するとロックしてしまって動かなくなる仕組みも不可能ではないでしょう。
なんか仕組みとしておかしいような気がします。機構を単純化して製作側のコストダウンをしたのだろうと想像しますが、メンテナンスの手間や重大事故の可能性は高くなっていたので果てないでしょうか?それだとトータルコストとしてどう評価するべきなのか?色々な問題が顕わになってきました。

6月 1, 2007 at 10:01 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.05.20

再使用可能ロケット計画

FujiSankei Business i より「繰り返し100回使えるロケット 打ち上げへ計画案 宇宙航空研

繰り返し100回使える小型観測ロケットを開発し、2011年度の初打ち上げを目指すプロジェクト案を、宇宙航空研究開発機構の稲谷芳文宇宙科学研究本部教授らがまとめた。
千葉市で19日から始まった日本地球惑星科学連合大会で発表する。
打ち上げ後はパラシュートに頼らず、エンジンだけで発射場に帰還・着陸するほか、飛行中にホバリングもできるようにする。実現すれば世界初。

現在の観測ロケットは使い捨てで、1機2億~3億円するのに対し、再使用型にすることで打ち上げコストを1回約1500万円に引き下げ、観測・実験回数を増やすのが目的。
将来の有人宇宙飛行に必要な高い安全性と信頼性を実現する狙いもある。
稲谷教授らはこれまで基礎研究を行ってきたが、本格的な研究開発への移行を目指している。

新ロケットは高さ8~9メートル、重さ約8トン(燃料含む)。
大型のH2Aロケットと同じ最も効率が良い液体水素と液体酸素を燃料とするエンジンを4基備え、このうち1基が故障しても飛行できるようにする。
重さ約100キロの観測・実験装置を搭載し、最高で高度約120キロまで到達する。

発射場は鹿児島・内之浦宇宙空間観測所を想定。試験1号機を含む開発費は50億~100億円を見込んでいる。

稲谷教授らは、1999~03年度に秋田・能代多目的実験場で、小型実験機を8回、離着陸させた。その後はエンジンの推力調整や長寿命化の実験を続けている。

ロケットの離着陸なんてことをやっていたとは驚きです。

しかしながら、スペースシャトルが廃止になるのはエンジンの再利用の部分がダメだったとのことですから、再利用=コストダウンになるとは限らないなんですよね。

重量100キロ程度の衛星なら、飛行機から発射しても十分に衛星軌道に投入できると思うのですが・・・・。

5月 20, 2007 at 10:11 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.05.19

もんじゅ再稼働へ

毎日新聞より「もんじゅ:ナトリウム注入し機器の試験 23日から

95年12月のナトリウム漏れ事故から運転を停止している高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、23日から2次系配管に原子炉の熱を伝えるナトリウムを流して機器の試験を行うと18日発表した。
原子力機構は来年5月の運転再開を目指し機器の安全確認作業を進めているが、再開には、国の安全審査を経て県や敦賀市の地元了解が必要になる。

95年の事故では、設計にミスがあった温度計が振動で折れ、配管から2次系ナトリウム約640キロが漏れて火災が発生した。
05年9月以降、折れにくい温度計に交換したり、事故時にナトリウムを素早く抜き取ることができるよう配管を太くするなどの改造工事が行われており、21日にも終了する見込み。

2次系配管はA~Cの3系統があり、23日はまずB系統で午前10時ごろから作業を開始。
タンクに圧力をかけ、約200度に保たれた液体ナトリウム約200立方メートルを、2日間かけて配管に注入する。
その後、他系統でも作業を行い、6月上旬には事故が起きたC系統にも12年ぶりにナトリウムが流れる。

Up03_1

図がもんじゅの一次冷却系の配置図で、パイプがサイフォンのように壁を越えているのがミソなのだそうだ。以下が詳細図。

Up05

要するに原子炉容器の外側に深い受け皿があるということで、ナトリウムのパイプの破断を含む原子炉容器からのナトリウム漏れに対応しています。

加圧水型原子炉のように圧力容器ではない大気圧での運転なので容器の厚さは薄く、液体ナトリウムの液面をアルゴンガスで覆って空気中の水分を遮断するのだそうです。
このために容器から液体ナトリウムが漏れても開放型の容器で受けることでナトリウムの液面が線上運転時と同じにして、空焚きにならないようにするとのことです。

一方、燃料棒の交換などは液体ナトリウムを大気に曝すことが出来ないので、容器を密閉したまま遠隔操作で交換するとのことで、要するに原子炉容器の上側構造はエアロックになっている。

原子炉容器内に受け皿を作ることで、ナトリウム液面が下がらないようにしている、というのは了解するとして、95年の温度計ケースの折損は人が入れる通路があるところで起きた。
つまり格納容器の外側で起きたわけです。

Up30

これではナトリウム漏れについて対策になっているのか?となります。実際に燃焼して大変なことになったから95年から12年も止まってしまった。
ナトリウム冷却原子炉はうまく実用化しているのでしょうかね?
原子力潜水艦の動力源としてはごく初期段階から採用されていますが、失敗して加圧水型原子炉に積み替えられたという話ばかりが伝わっています。

通常の原子力発電所でも年中水漏れは起きているわけで、それがナトリウム漏れだと許されない(火災になる)という問題は解決不可能ではないか?と強く疑ります。
「うまく行けば大丈夫」という機械は信用できないんですよね。

5月 19, 2007 at 10:28 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.04.20

三菱ふそうのハブ問題裁判

「三菱ふそうのハブ問題」の続きと言えます。

読売新聞・神奈川版より「三菱自ハブ欠陥 隠ぺい「殺人に比肩」 検察求刑で指弾
「殺人に比肩する」「組織犯罪」。
横浜市瀬谷区で三菱自動車製大型車の脱落タイヤの直撃により、主婦岡本さん(当時29歳)が死亡し、子供2人が軽傷を負った事故から5年余り。
検察側は19日の公判で、業務上過失致死傷罪に問われた同社元市場品質部長に禁固2年、同部元グループ長に禁固1年6月を求刑した。
論告では、強度不足に疑念を抱きながら、製品の安全を守る立場の2人が、「三菱自の欠陥隠しの中心になった」と厳しく指弾した。
被告弁護側は「証拠に基づかない指摘」と対決姿勢を強めた。

論告によると、2人が所属していた品質保証部門は、販売した車両の不具合情報が集まり、リコール検討会議を開くなどの権限を持っていた。
検察側は、2人がその職責を放置したことが過失にあたると指摘した。

母子死傷事故の2年半前に起きた広島県の中国JRバスのハブ破断事故で、「昔、トラックでもありました」と報告。
トラックではそれまでに15件のハブ破断があったが、整備不良や過積載が原因でユーザーの責任とされていた。
そのため、社内会議で「バスの過積載はあり得ない。(中国JRバスは)大手だから整備もいいはず。うちが悪いとなるとリコールになる」とハブの強度不足を隠ぺいする方針を決めた。

さらに、三菱自は運輸省(当時)が求めた原因調査に「今回の事故が全国で初めて」と虚偽報告した。

2人の対応について、検察側は「組織的に虚偽を作り上げた。自動車メーカーへの社会的信頼を裏切った」と指摘した。

被告の弁護人は「ハブの強度不足を知りながら隠ぺいしたというが、証拠に基づかない指摘。なぜ過失犯なのか、論点が欠落している」と批判した。
刑事事件の裁判の進行はとにかくとして、バブの強度不足問題について原因は解明されたのだろうか?
そもそも、大型車のハブは世界中のメーカでそうそう違ったモノが作られているわけではない。
理由はハブに取り付けるホイールは共通規格だからで、他社製品でもバブ破断が頻発しているとは言えないから、根本的に問題があると考えるべきで、その問題とは何でどうやって解決したのか?という話しかないと思う。

ところが何度も指摘しているが、これが今ひとつはっきりしない。
「大丈夫です」と言うだけでは世間は信用しないという当たり前のことを三菱ふそうは理解していないのではないだろうか?

事故については刑事責任の追及よりも原因の究明を優先するべきだと強く思います。

4月 20, 2007 at 09:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.04.16

ロボットに客引きをさせるのには?

朝日新聞より「風俗店紹介ロボットは条例違反? 大阪・ミナミ
大阪・ミナミで今月、風俗店を紹介する無料案内所の前にセーラー服姿の人間型ロボットが登場した。「俺(おれ)に聞け」と記した旗を上下に開き、客を呼び込む。

05年から路上で風俗店に誘う声掛けが府条例で禁じられ、従業員が無言で「俺にきけ!!」などの看板を掲げる新手の客引きが横行。府警は先月末に中止命令を出した。

ロボットは交通整理用の改造品で身長約175センチ。50万円を投じて作った案内所は「ロボットだから大丈夫」と言うが、条例違反かどうかは「警察に聞け?」
記事のタイトルにはエラク惹かれますけど、ロボットじゃなくて人形ですね。フィギュアーですらない(^^ゞ

ところで、採算という面で言えばこの手のロボットを作った場合一番採算が取りやすいでしょうね。
多分、道路に勝手に看板などを置くことはどこでも禁止でしょうから、ロボットでも人形でも看板でも取締は可能ですが、技術的には視角センサーで客を見つけて反応するような仕組みを作るのはかなり高度な判断技術が必要ですが、それそれで必要不可欠だから受付ロボットの技術を利用して「客引きロボット」が完成するわけです。(^_^;)

4月 16, 2007 at 10:24 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.04.10

エアバス社またも大問題(訂正記事)

この記事は大修正ですm(_ _)m
コメントで指摘していただいたとおり、A380ではなくてA340で問題が起きています。
エアバスA340

航続距離や経済性など多様な運航特質をバランスよく併せ持つ4発ジェット旅客機。
A340-600は機体の全長がA380を上回る380人乗りの大型機。
胴体を短くし、1万6000キロの長航続距離を誇るA340-500など複数の派生型がある。
いずれも床下に大きな貨物フロアを設けている。ボーイング707型機の対抗機として開発された。
上記の引用は FujiSankei Business i からですが、さすがに「ボーイング707型機の対抗機」ではなくて、777型機で長距離用機の競争ですね。
しかし、問題のA340-600は2001年4月初飛行なんですよね。
2007年2月末のデータで74機の納入実績があります。
それが今頃になって何をやっているのでしょうか?


以下オリジナル記事

FujiSankei Business i より「エアバス続く試練 今度は機体重量オーバー
欧州航空機最大手、エアバスの長距離大型旅客機、A340-600の機体重量が設計を大幅に上回っていることがわかり、航空会社から損害賠償を求められる可能性が出てきた。

報道によるとエアバスは、これらの航空会社に対し、同機のファースト、ビジネスクラスの客室が当初の設計に比べ過重となり、飛行中に機首が下がる危険性があると警告。
このうえで、搭載可能量の1割に当たる約5トン分の貨物を減らして飛行中のバランスを取るよう提案したという。

重量超過について、エアバス側は航空会社からの求めに応じ、ファーストクラスの客室などにゲームなどが楽しめるエンターテインメント機器やフルサイズベッドとしても使える大型の座席を装備したことが原因と指摘。
これに対し、航空会社側はエアバス側のミスと主張している。

1トンの重量超過によって、1日に乗客12人を減らさねばならず、5トンの重量超過による旅客輸送可能人数は年間で2万1900人減ると試算されている。
同機を導入している航空会社が損害賠償を請求した場合、請求額が数百万ドル規模に達する可能性があるという。
いやはや、これは驚きです。
イギリス紙タイムズの報道だそうですが、最大離陸重量が560トン365トンですから5トンであれば1%1.3%ですが、前方にあるファーストクラス・ビジネスクラスの重量オーバーによって重心位置が狂ったということのようです。これは重量超過よりも悪質と言えるのでは無いだろうか?
元々が胴体を延長した機体で75.3メートルもあります。その前方となれば重量の変化に敏感なのは誰でも分かることで、どうにもならないから「積荷の制限を」と言い出したのだろうけれど、エアラインとしては「そんなこと聞いてないよ」でもあるでしょうね。

飛行機では搭載物(人員から燃料まで)の変化は主翼付近つまり機体の中央部分で変化させるのは当たり前で、両端である機首付近や後部では重量の変化は大変に大きく影響します。
わたしが高校生の時に試乗したYS11の2号機では「コックピットを見学して良いよ」とのことで前方に歩いていったら機首が下がった。
当初から「(胴体が)長すぎる」という説通りだったな、と感じたものです。

YS11の時代には出来なかったこともジェット時代には当然やらなくてはいけないことになり、技術的に対応できたからA380の巨大な機体が実現したわけです。

そういう前提で「重心位置が適正にならない」というのはなんなんだろうと思うところです。色々な策はあるはずで、もちろんエアバス社も色々な検討をした結果として、エアーラインに「5トンのペイロード削減」提案となったのだろうけど、近年の設計技術をもってしてこんな事が起きるとはちょっと信じがたい。

A380の納期がほとんど一年遅れになった理由として「エアーライン別の仕様対応のために配線の作業が混乱した」とのことでしたが、今度はすでに納入実績もあるA340で「エアラインの要求する装置入れたから重心が許容範囲から外れた」というのでは航空機メーカとしてまともな提案力が無いということになりませんかねぇ?

確かにA380では最大800人乗りですから、箱船状態は勘弁して欲しいところで、それなりに今までにはない快適装備が欲しいのは一般旅客も同じだと思いますが、それはすべて飛行機として機能する上の話であって、装備を増やしたから飛行性能が悪くなりましたなんてのは今どき許せる話ではありません。
A380の行く手に暗雲が立ちこめている、と思ってしまいます。
A380が大幅納入遅れの上に、すでにかなり数を納入しているA340でもエアラインに使用条件の大幅変更を求めるとなっては、エアバス社のビジネスは極めて難しくなるのではないでしょうか?
マクロには、ボーイングだけというのは好ましくないし、実際にエンジンも2社半体制で作っています。
機体の方が一社だけになっては競争もないし、なんかあって飛行停止の機種が出たときなどの影響が大きすぎます。
そんな意味でもエアバス社には頑張って欲しいのだけど、何かヘンですね。

4月 10, 2007 at 07:58 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.03.30

ボンバルディア機のステアリング機構

東京新聞より「前輪の特性、操縦士知らず 04年の高知ボンバル機逸脱
高知空港で2004年11月、全日空のボンバルディアDHC8-Q400が着陸直後に滑走路から脱輪したトラブルで、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は30日、前輪がしっかりと接地していなければ、方向転換ができない同機の特性を全日空や操縦士が知らなかったことが原因とする報告書をまとめた。

カナダのボンバルディア社は、この前輪の特性について航空会社向けのホームページ(HP)でしか公表しておらず、事故調委は設計改善を求める安全勧告をするとともに、特性を運用規定(マニュアル)にも盛り込むよう求めた。

報告書によると、同機は着陸直後、滑走路の中心から右にずれ始め、機長(55)が操縦かんの左側にある車のハンドルに当たる操舵(そうだ)輪で、前輪を左に向けようとした。この時、同機は着陸の反動で前輪がバウンドし、滑走路にしっかりと接地していなかった。
この記事ではそもそもどういう事故だったのかが分からないから、読売新聞記事データベースにアクセスしてみた。

読売新聞 2004. 11. 22 大阪版「高知空港でプロペラ機脱輪、滑走路一時閉鎖」
二十一日午後二時二十五分ごろ、高知県南国市の高知空港で、大阪(伊丹)空港発の全日空1617便のプロペラ機・ボンバルディアDHC8―Q400(乗員四人、乗客十五人)が着陸し、駐機場に向かう際、滑走路中央付近で右主脚の車輪を芝地に脱輪し、動けなくなった。
乗員と乗客にけがはなかった。

国土交通省大阪航空局高知空港事務所によると、同機は着陸後、減速しながら約七百メートル進んだ辺りで、右にそれ始めて脱輪し、芝生を約五十メートル進んで止まった。
元記事を読んでも良く分からないのですが、飛行機の車輪(前輪)のステアリング機構は自動車と違ってハンドルを切る機能が切り離せるようになっているのが普通なので、どうもその問題かな?と思います。

元記事が正しいとすると、着陸後700メートル進んだあたりで脱輪のようですからこの頃にはかなり速度は落ちていて、自動車と変わらない速度であったでしょう。
つまり「ハンドルが利かない」状態であったように思います。

今日の東京新聞記事では
前輪がしっかりと接地していなければ、方向転換ができない
としていますが、これだと前輪が接地していれば方向転換できるはずだと思いますから、なんで脱輪したのだ?となってしまいますが、ハンドル(があると書いています)を活かすことに失敗すると再度活かすことが出来ない(エンゲージしない)機構であったのだとすると設計としては論外じゃないかな?

全くの想像なのですが、ボンバルディア機のトラブルの多くがヘンに自動化しているところの操作に失敗したときに元に戻らない、といった「自動化しているから人間が間違えるな」といったところがあるように感じます。

全く同じようなのエアバス機の設計にあって、1994年4月の名古屋空港での中華航空機の着陸失敗・炎上事故でも指摘されています。
自動化の難しいことを示していますね。

3月 30, 2007 at 12:03 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.03.28

すごいロボット

毎日新聞より「ロボット:66キロの人体模型を抱き寄せる 東京大で公開
30キロの荷物を抱え上げたり、横になった66キロの人体模型を抱き寄せる人型ロボットが28日、東京都文京区の東京大で公開された。
腕や腹など全身の人工皮膚に約1800個の触覚センサーを埋め込んだ世界初のロボットで、物をわずかに浮かせ、「せーの」と一息で引き寄せる、人と同じような動きが特徴だ。

身長155センチ、体重70キロ。
人体模型を引き寄せる場合、ベッドにひざを押し当ててテコの原理を使い、瞬発力で動かす。
この方法で、ロボット本体の重量の約10分の1が持てる重さの限界という従来の常識を破った。
これはすごいですね。
センサーレベルでは個別の技術はほとんど出来上がっていますから、どうやるとアプリケーションにまとまるか、という段階に入ってきていますが、触覚センサーで物を持ち上げるプロセスを制御しているということなのでしょうか?
次は器械体操でもさせますかね?

3月 28, 2007 at 10:22 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (3)

2007.03.14

ボンバルディのノーズギア

読売新聞より「胴体着陸の全日空機、前輪格納する油圧式ドア故障
高知空港で13日、胴体着陸した大阪(伊丹)発高知行き全日空1603便(ボンバルディアDHC8―Q400型機)は、機体下部に前輪を格納するドアが開かなくなっていたことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調べでわかった。

ドアは通常、油圧装置で開閉し、非常時は緊急手動装置で開閉する仕組みになっているが、緊急手動装置も何らかの原因で作動せず、事故機は前輪を出すことができなかった。

機長は、操縦室にあるレバーを操作して手動でドアを開こうとしたが、緊急手動装置も作動しなかった。
テレビニュースで「緊急手動装置はワイヤーを引っ張る仕組みで、機長は引っ張ったが全く動かなかったと言っている」と報道されたのでどんな仕組みなのだろうか?とおもっていたら朝日新聞に構造の記事が出ていました。

事故調、機長らから聞き取りへ 全日空機胴体着陸

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こんな仕組みだそうで
  1. 手動ハンドルを引くと
  2. ドアのロックが外れる
  3. さらに引くと脚柱のロックが外れて
  4. 自重で機体の外に脚が出る
  5. 空気抵抗で固定位置にロックされる
といったシーケンスです。(図は脚の取り付け向きが逆)
何らかの理由でケーブルがロックしてしまうと次のシーケンスである脚下げも出来ない構造ですね。

それにしてもこの程度の機構がロックしてしまうのは例え整備不良であったとしても、バカよけが十分ではない、のは確かでしょう。
どうも余裕がない設計との印象が強いですね。

3月 14, 2007 at 09:51 午後 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.02.28

トヨタ9車種混流ラインへ

FujiSankei Business i より「トヨタ、最大9車種を同時生産 国内で混流ライン
トヨタ自動車は、国内の主力完成車組立工場を世界最先端の混流生産設備に順次改造し、急拡大する海外生産を日本が補完する生産・供給体制を構築する。

国内工場で海外生産車をフレキシブルに生産できるようにすることで、日本が世界市場での需給調整役を果たし、地球規模の需要変化に柔軟に対応するのが狙い。

今夏の一部稼働をめどに、通常の2倍以上の最大9車種を同時生産できる最新混流生産工場に改造中の高岡工場(愛知県豊田市)を戦略モデル拠点とし、国内工場の生産ライン新鋭化に乗り出す計画だ。

モデルとなる高岡工場は、現行ラインで生産できる車種が3、4車種に対し、新ラインでは最大8、9車種の混流生産を実現。
最新の機械設備の導入とともに、部品の組み付け順序などを効率化し、作業者1人当たりの工程時間を50秒前後と、従来に比べ約2割短縮。
海外生産車種を肩代わりするなど、海外工場を補完する国内外の“リーダー工場”と位置付け、同様の生産ライン改造を他の国内組立工場にも広げる。
3車種ぐらいでもすごいモノだ、と思っていたのですが「最大9車種」ですか・・・・・・。
うまく行って欲しいとは思いますが、出来るモノなのかな?という気も一方ではします。

2月 28, 2007 at 11:23 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.02.25

ヤマハ発動機の無人ヘリ輸出問題

サンケイ新聞より「ヘリ不正輸出 規制機種、熟知か ヤマハ発、省令改正に協力
ヤマハ発動機が軍事転用可能な無人ヘリコプターを中国に不正輸出しようとした事件で、平成17年に無人ヘリの輸出規制を強める経済産業省令が改正された際、同社スカイ事業部の社員らが経産省の担当者と意見交換するなど、改正作業に協力していたことが24日、関係者の話で分かった。

無人ヘリの輸出をめぐっては従来、航続距離300キロ以上の機種を規制していたが、テロ防止を目的に17年1月に施行された改正省令では、20リットル以上の農薬を積むことができることに加え、自律的な航行能力を備えるか視認できる範囲を超えて操縦できる機種も対象になった。

この省令改正で経産省は複数の国産無人ヘリメーカーに意見を求めたが、ヤマハ発動機は国内で圧倒的なシェアだったため、経産省の担当者は同社社員との話し合いに多くの時間をかけて条文を作成したという。

一方、同社が中国へ輸出しようとしたヘリは操縦者から3キロ程度離れても操縦できることが、合同捜査本部の調べで分かった。

関係者によると、このヘリは発信機を搭載すれば、機体を視認できない場所でもパソコンで遠隔操作できるように設計されている。
なんでヤマハ発動機はこの段階まで言い逃れをしているのでしょうかね?
近年では、民生品の技術進歩がすごくて軍需製品=高度な技術・高級な製品といった図式が崩れてしまっていて、カーナビに搭載されている半導体ジャイロを開発したメーカに最初に来たのは各国大使館の駐在武官だったそうです。

だからこそ、メーカはエンドユーザも含めて顧客が社会的に許容される取引相手なのかは慎重に判断するべきで、他国の軍隊と直接取引しちゃ問題になるに決まっているでしょう。

農薬散布用無人ヘリコプターというあまりにもニッチな製品であるために、国内市場が飽和してしまって事業の存続に危機感があったという報道があって、それはもっともかと思いますがそれくらい計算しろような、というのが印象ですね。

こんな事を続けていると、ヤマハ発動機のイメージはどんどん悪くなる一方ですが・・・・。

2月 25, 2007 at 09:07 午前 もの作り, 事件と裁判, 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.02.16

パワードスーツの時代

FujiSankei Business i より「大和ハウス ロボットスーツに参入 サイバーダインと提携
大和ハウス工業は15日、筑波大学発のロボットベンチャー企業、サイバーダイン(茨城県つくば市)と資本提携してロボットスーツ事業に参入すると発表した。
これを機にロボットスーツを量産し、価格を現在の4分の1の50万円程度に引き下げ、普及を目指す。

大和ハウスは、サイバーダインが7日に実施した10億円の第三者割当増資を引き受け、出資比率15・43%で第2位の大株主になった。
両社は来年中にロボットスーツを量産し、レンタルするほか販売も行う。

提携を機にサイバーダインは年間400体規模で量産に着手し、大和ハウスは自社の住宅販売網を利用してレンタル、販売する。

現在、同スーツは福祉施設などで試験的に使われており、価格は1体約200万円程度。
価格引き下げが普及のカギを握っている。
大和ハウスは、量産化で1体50万円程度に抑えたいとしている。
これはすごいねぇ。
「こんなものがビジネスになる」ということが証明できればすごいことだと思う。
2005年のロボット展で大々的にデビューしたことになると思いますが、その後にサイバーダイン社が活動を始めて、増資にまでこぎ着けたわけですな。

一部報道では大和ハウスは、筑波大学山海研究室が目差していた「障害者が装着する」方向のバリエーションとも言える「高齢者が装着する」計画があるようです。
これも興味深い。

2月 16, 2007 at 09:05 午前 もの作り, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (3)

2007.02.14

ソニー・半導体事業のリストラ

FujiSankei Business i より「ソニー 半導体事業リストラ加速 次世代型量産を外部委託
ソニーは13日、苦戦が続く半導体事業の黒字化に向け、事業の選択と集中に乗り出すことを明らかにした。
半導体事業は2006年10~12月期に黒字転換したものの、時新型ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」用半導体の立ち上げに伴うコストがかさみ、収益を圧迫していることから、設備投資の縮小など抜本的なリストラ策に踏み切る。

次世代製品の半導体を量産するには、数千億円規模の費用がかかるとされており、量産を外部に委託することで設備投資額を抑制する。

また、半導体事業の早期復活に向け、注力する製品を絞り込む。デジタルカメラ用半導体とゲーム機用半導体、薄型テレビ、次世代DVDなどのデジタル家電用半導体の3つの製品郡には重点的に投資する。

その一方で、昨年末に生産を中止したGPS(衛星利用測位システム)用半導体のように「利益が上がらない製品はやめていく方向」(中川副社長)で、選択と集中を進め、高収益体質の構築を急ぐ。

さらに、研究開発費に関しても、「見直さざるを得ない」(同)とし、研究開発費にもメスを入れる考えだ。

半導体の生産拠点の閉鎖など生産体制の見直しについては、「生産する品目の再配置はもちろんあるが、製造拠点の統廃合は一切、考えていない」(同)と否定。現行の生産体制を維持する考えを強調した。
よく読むと「経営判断としては意味不明」という印象が強いですね。

設備投資の抑制をする、と言いつつ製造拠点の統廃合はしない、というのは両立するものなのか?
つまりは、研究開発費を抑制する、が主力なのかね?
半導体業界のことは知らないけど、ソニーの研究開発体制のバランスはかなり歪んでいると以前から思っています。

金型業界では有名なのがホンダで、ホンダとの取引では金型屋にとって金型を買ってくれるのが、本田技術研究所と各工場との二系統があったのです。
本田技術研究所は金型を量産に使わず、金型屋から購入した金型を量産システムとして工場のラインに組み込むといったことを引き受けていて、工場にとっては技術研究所経由だと金型代が倍になる、と言われてました。

ホンダは全体として金型のようなものでも、開発をしていたわけです。
ソニーについてはこういう話は聞かないですね。
東芝、日立、松下といったところは、基礎技術をガッチリやっていますから、何年か前の話ではありますが金型でも鋳物でもプレスでも自社内で可能でしたしその設計や加工のための投資もしていた。

こういうところがないと、家電系の製品では全くの組み立てメーカが成立するわけで、液晶モニターのような特定の商品だと、飯山などが頑張ったりする余地があったわけです。
しかしながら、特定商品の専門メーカでは大企業にはなれない。

トヨタはいまや工場は組み立てメーカですが、システムとして「トヨタシステム」とでも言うべきで、研究開発部門に相当するデンソーも世界的に見てものすごい実力企業になっています。
今後の大企業メーカのあり方としては、製品企画力・試作能力・量産体制の研究と言ったところが最重要であって、部品レベルの量産は専門の下請けメーカに出す、というのが正しいのではないかと思っています。

そういう点からは、今回のソニーの半導体事業の方向転換はまずいのではないか?と強く思います。

2月 14, 2007 at 10:14 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.02.11

原発のタービン問題その6

「原発のタービン問題その5」の続報です。

朝日新聞より「浜岡原発5号機が発電再開 タービン損傷から8カ月ぶり
中部電力は11日、浜岡原発5号機が、昨年6月のタービン損傷事故以来約8カ月ぶりに発電を再開したと発表した。

中電によると、破損があった羽根を取り除いての「応急復旧」のため、出力は8%低下する。
設計をやり直しての「本格復旧」には数年がかかるが、停止が続くと火力発電による代替運転で1日数億円も燃料費がかかることから、早期復旧を優先した。
「原子力発電所問題」で写真と図を紹介していますが、壊れたのは特定の段でそこを取り除いて運転するというのことなのでしょう。
また、問題のタービンは効率向上のために以前のものとは形状が違っていたようで、その意味では効率を落とせば運転できるということのようです。

それにしても、今後はますます頻繁に点検することになるでしょうし、また対策が出来たタービンと交換することになるわけで「エライことになった」のに代わりはありません。

2月 11, 2007 at 10:06 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.01.18

三菱ふそうののハブ、またもリコール

読売新聞より「三菱ふそう、新型ハブ亀裂で56000台リコールへ
三菱ふそうトラック・バスは18日、車輪部分の金属部品「ハブ」をめぐり、新たに25トントラックなど8車種、約5万6000台をリコール(回収、無償交換)する方針を国土交通省に報告した。

問題のハブは、同社が2004年に計約24万台を対象に行ったハブの大規模リコールの際には、「十分な強度がある」としてリコール対象外とされ、交換用部品にも使われたが、現実の使用条件下では強度不足であることが判明した。
ハブをめぐるリコールはこれで延べ約30万台に達し、三菱ふそうの品質管理などが改めて問われそうだ。

今回のリコール対象は、車輪を車軸に固定する部品ハブのうち、新型の「Fハブ」と呼ばれるもので、通常使用の範囲内なら強度は十分とされていた。

しかし昨年10月、鹿児島県内で25トントラックの右側前輪のFハブが破断。
これをきっかけに三菱ふそうで抽出調査を行ったところ、同型車計7台の前輪ハブで亀裂が見つかった。
これらトラックはいずれも、04年にはリコール対象外とされていた。

同社はこれまでハブの強度について、
  • 〈1〉積載量オーバーが基準の2割以内
  • 〈2〉摩耗量が0・8ミリ以下
  • 〈3〉車輪を固定するホイールナットの締め付け力が適正値の1・6倍以内
  • 以上の条件を満足した上で、走行距離100万キロまでは破断や亀裂が生じないことを基準としていた。
しかし緊急点検で問題が見つかった車両を詳しく調べた結果、ホイールナットの締め付けが強すぎたことが大きく影響し、ハブの寿命が短くなっていたことが判明した。

このため同社は、ホイールナットの締め付け力が適正値の2倍となるまで耐えるようハブの強度基準を変更。また積載量についても基準を強化し、この基準に合わない5万6000台について、さらに強度を高めた最新型ハブに交換するリコールに踏み切ることにした。

Fハブは、04年のリコール対象車のうち約7万台に交換用として取り付けられるなど、1995年~05年に製造された大型車約15万台に使用されている。
今回のリコール対象となるのは、このうち25トントラックや22トンダンプカーなどで、04年のリコールでFハブに交換された約1万3000台も含まれる。
2006年12月11に付けで書いた「三菱ふそうのハブ問題」がようやくリコールの形になりました。

以前は「摩耗したハブをそのまま使い続けるから破断するのだ、点検をすれば回避できる」としていたのですが、実際には点検をするサービス工場がきちんと点検していなかった、ということが露呈したあげくに今度は「ナットに締めすぎが問題」としたようですが、ナットの締めすぎなんてのは防ぎようがないですよ。
いやあるけど、特殊なネジを使うとかが必須だから、トラックのホイールの取付ナットに対しては「締めすぎるな」と注意することそのものが無理なわけです。

大体トラックのタイヤは世界的に共通部品だからタイヤの付くホイール、ホイールがネジで取り付けされるハブと基本的にはどの会社の製品も似たようなモノにしかなりません。
その中で、ハブが割れるといった事故が他社のトラックで起きているのか?
少なくともリコールは他社のトラックでは無い。

じゃあ、三菱ふそうのトラックだけホイールナットを締めすぎるのか、といえばそんなことあるわけがない。
締めすぎならどこのメーカのトラック対しても均等に起きているでしょう。

この事から、三菱ふそうの主張はまたもや現実離れしているとなるでしょう。
じゃあ真実の原因はどこにあるのか?
これは設計がダメだからに帰着するでしょう。設計はOKで出来た部品がダメというのは、材質不良か加工不良しか原因はあり得ません。
材質強度を上げて対応する、ということが設計不良な以外の何者でもない。

ちょっと気になるのは、今回のリコール対象車輌は1995年~05製造の物とされていることです。
しかし、酔うぞの遠めがねで三菱のハブ問題をとりあげたのは2004年4月です。

「三菱自動車の欠陥部品」

ということは2004年の春頃に大問題だと事件なっていたいころに作っていた新車の部品もダメだった、となります。当然ですが、2006年・2007年に作られた新車の部品はどうなのでしょうか?

逆に言えば、現時点で作られているハブは絶対に大丈夫ということならば、それに交換するべきだとなるでしょうし、それが部品として互換性がないつまりは設計を全く変えたものだということであれば、設計を変えないとダメだったと明らかにするべきでしょう。
このままでは、いつまで経っても三菱ふそうのハブはいった壊れるのか分からないと思いながら使うわけで、ユーザがいつまでもそんな状態に甘んじるわけがない。

三菱ふそうが行うべきは、情報公開でありましょう。

1月 18, 2007 at 04:13 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.01.08

組み立てたレゴがレゴを組み立てる

Engadget Japanese より「終わりの始まり:レゴを組み立てるレゴ
ドイツの学生グループがレゴ・マインドストームで制作したレゴ製全自動工場。
レゴがレゴを組み上げてレゴ車を完成させます。

レゴで論理ゲート ・ レゴでディファレンス・エンジンあたりから恐れていたことがついに現実となってしまったようです。
制作したグループに「次の目標」は決して実現してはならないと警告すれば間に合うかもしれませんが、もう手遅れかもしれません。
人類と文明の行く末を考えさせられるニュースの多い日です。
しゃれたコメントはとにかくとして、YouTube のムービーに注目です。
すごいわ。

1月 8, 2007 at 05:02 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.12.31

新ロケット技術

西日本新聞より「火薬使わずロケット発射 混合燃料で、NPOが実験
火薬を使わず、ポリエチレンと液体酸素のハイブリッド(混合)燃料を使った低コストの小型ロケット「カムイ」(全長2・8メートル)の発射実験が23日、北海道大樹町で行われ、上空1000メートル付近まで上昇した。

従来の固体式(火薬式)ロケットと比べ、打ち上げにかかる費用が10分の1程度で済む上、排出するのは水と2酸化炭素が主で、火薬式より有毒ガスが少ないのが特長という。
早速検索してみたら、Camui(カムイ)という名前でたくさんのページが出てきました。

仕組みとしては、ポリエチレンのブロックの前方から液体酸素を放出して、燃焼したものをノズルから吹き出す。という構造のロケットで、ある意味かなり単純化しています。

「CAMUI(カムイ)型ハイブリッドロケットの開発」の説明は以下の通りです。
  • 推進剤に固体燃料(プラスチック等)と液体酸化剤の組合せを用いたロケットエンジン
  • 推進剤に火薬類を使用せず、安全
  • 推進剤が極めて安価・火薬類ではないため、運用・管理コストを大幅に削減可能
  • 機体の再使用化により、打上げコストの削減も可能
  • 固体燃料の燃焼速度が小さく、低推力であるため、小型高推力化が困難で、未だ実用化されず
  • 燃焼ガスが固体燃料表面への衝突を順次繰り返すように燃料形状に工夫を加えた新しい燃焼方式、CAMUI(Cascaded Multistage Impinging-jet、縦列多段衝突噴流)方式を発案、固体ロケット並の小型高推力化に成功。
Up2_2 青いかたまりが、ポリエチレンのブロックで、穴が空いているところを酸素が通り抜けながら燃焼するのでしょうが、ブロックの穴がブロックごとで位置がずれているために、燃焼ガスがブロックに衝突しながら通過することによって高い推進力を生み出したということのようです。

今回の打ち上げ計画は「CAMUI(カムイ)ハイブリッドロケット打上げ試験計画書(PDF)」として発表されています。ロケットの概要は以下の通りです。
8. ロケットの概要
  • 型式: CAMUI-80P 無冷却モデル(外観は上図参照)
  • 推進剤: ポリエチレンと液体酸素の組合せを用いたハイブリッドロケット
  • 外径: 120 mm
  • 全長: 2.8 m(うち搭載物0.5 m、回収用パラシュート0.8 m)
  • 重量: 19 kg(うちロケットモータ本体は6.3 kg)
  • 推力: 80 kgf 未満
  • ペイロード(搭載物): 学生が創案作成した回収可能な模擬衛星で、回収は自律
  • 航行可能なパラフォイルによる。
  • 重量 900 g
  • 寸法 外径100 mm、高さ250 mm の缶形状+パラフォイル
  • 放出方式 TBD(HASTIC で用意する)
  • 打上げ高度 1000 m 未満
  • 外殻は繊維強化プラスチック
実験の経過を読むと゛開発中に異常燃焼があったなど、特に大型化に関しては難しい問題がいくつもあるようですが、窒素化合物の排出が少ないといったような点は、非常に有望ではないかと思います。
また、危険物が少ないということも有望な技術でしょう。

12月 31, 2006 at 04:52 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

SED事業問題

font color="blue">FujiSankei Business i より「キヤノンと東芝 「SED」工場、延期検討 米企業との特許訴訟難航
キヤノンと東芝が、共同開発している次世代薄型テレビ「SED(表面電界ディスプレー)」の量産工場の建設計画を延期する方向で検討していることが30日、分かった。
SED関連技術の特許をめぐるキヤノンと米企業との訴訟が難航しているためで、テレビ事業の参入を目指していたキヤノンにとって工場建設計画の見直しは大きな痛手になる。

キヤノンは、SEDパネルを開発する東芝との折半出資会社「SED」による特許使用をめぐり、ライセンス契約を結んでいる米ナノ・プロプライアタリーと係争中。
ナノ社は「(折半出資会社の)『SED』はキヤノン子会社ではなく、ライセンス移動は認められない」と主張。これに対し、キヤノンはSED社株を東芝より1株多く持つことを理由に「子会社」とする判決を求める動議を米連邦地裁に提出したが、先月中旬棄却された。

このため、キヤノン幹部が「来年1~2月にも」としていた兵庫県での量産工場着工計画は見直しが必至の情勢。
同社と東芝は、1月中にもキヤノンの出資比率引き上げや東芝の米社への特許使用料支払いなどの解決策を打ち出す方針だ。

SEDは、現在主流となっている液晶テレビやプラズマテレビといった薄型テレビよりも鮮やかな画像が楽しめるうえ、消費電力が少ない次世代の薄型テレビ技術として期待されている。キヤノンは1986年から研究を開始。99年からは東芝と共同で商品化に向けた研究開発に取り組んできた。

キヤノンと東芝は、2005年4月にSEDパネルの開発から生産、販売までを手掛ける「SED」(出資比率はキヤノン50・002%、東芝49・998%)を神奈川県平塚市に設立。
当初は、約2000億円を投じて、東芝の姫路工場内にSEDパネルの生産工場を建設し、05年8月から量産を開始する計画を打ち出していた。

ナノ社はクロスライセンス契約を結んでいない東芝に対しても、特許権使用料を求めるとみられる。
キヤノンと東芝は、SEDを07年10~12月に発売する予定だが、交渉次第では、計画そのものを白紙に戻すなどの見極めを迫られそうだ。

【用語解説】SED(Surface-conduction Electoron-emitter Display)

表面電界ディスプレー。
画面に映像を表示する仕組みはブラウン管と同様で、電子を真空中に放出し、発光面に塗られた蛍光体に衝突させて発光させる。
厚みは薄型テレビ並みだが、ブラウン管テレビのように明るく、鮮明な映像が楽しめる。
消費電力はブラウン管の約半分。
液晶やプラズマテレビと比べて部品点数が多いため、商品価格が高くなってしまうのが課題とされている。
前に何度か書いているが、わたしはテレビ放送やホームシアターにあまり高級なものを求めない考えなので、大型テレビについても50インチ以上といったことになると「家庭では使用できないのではないか?」と思ってしまいます。

ヨドバシカメラが、ちょっと前から大型テレビの展示をサイズ別に並べるようにしたので、いろいろな製品を直接比較して見ることができるようになりました。
これでみると、現状ではシャープの液晶がコストパフォーマンスでみても非常に優秀だろうとは思うのですが、その一方で50インチは無理だという印象はますます強くなります。

ところで記事が問題にしている、SEDは解説にもあるようにコストダウンがかなり難しい技術ですが、それでも期待するという記事がありました。

+D Life Style に「CEATECで見つけた4つの次世代トレンド (1/4)」と題する記事が出ています。
この記事を基本的に「SEDは画期的にすばらしいものだから・・・・・」として、高価格化や製品化の遅れなどを「たいした問題ではない」としているのですが、評価基準がきわめてマニアックというか細かすぎるといった印象で「テレビにそこまでのクオリティを要求する人がそれほど居るか?」と感じます。

ヨドバシカメラで見比べてみると、シャープの言うところの「フルハイビジョン」は確かに違うなと感じます。ではこれでSEDがよりよく見えるという情景はどうなのか?と考えると、私にはちょっと想像がつきません。
というよりも「このくらいで充分だ」と感じてしまいます。

もともとハイビジョンという規格にちょっと無理があるのではないか?と思っているのです。
ハイビジョンではないテレビ画像を50インチとか100インチといったディスプレイに表示してみると、ドットが見えてしまうわけですが、ハイビジョンにすればドットは見えなくなります。
つまり、テレビ画面を大型化するためにはハイビジョン化が必要である、とも言えるしハイビジョン化するとテレビ画面を大型化するとも言えます。

このために、ホームシアターといった考え方が出てくるのでしょうが、一方ではどこまでいってもテレビやテレビだろうと思うので、住宅の中に置くことを考えると42インチ級(横120センチ、高さ70センチ)ぐらいが実用的な限界ではないかと思っています。

こうなると、フルハイビジョンでは50インチ以上になるという意見は「テレビを見るなら家を立て直せ」ともいえる提言で、それはもうすでにテレビではなく正にホームシアターなのでしょう。
先に書いた「ハイビジョンという企画に無理があるのではないか?」と考えるのはこの部分であって、いくら大型画面が素晴らしいといっても、家庭で使用するということを前提にすれば物には限界があります。

そこで、キャノンと東芝のSED商品化についての問題となるわけですが、もともとマーケットが小さいところに持ってきて、より高品質な商品の提供となるとこれは数は売れないでしょう。
つまりは値段は下がらない。

まるでVHS対ベータのような感じの話で、SEDが成功するために必要なのは間違いなくコストダウンです。
実際に年ぐらい前に言われていた大型テレビにおける液晶とプラズマの住み分けは、壊れてしまいました。
ビジネス的にみると、キヤノンは家電製品やの進出は無理ではないかと考えます。
今までが基本的に、狭い分野での高性能・高価格商品を販売してきた会社ですから、現在の価格破壊的な市場では徐々に追いつめられていると言って良いでしょう。
その上更に全世界的な激戦区である家電の一角を代表する、テレビ事業に乗り出すというのはたとえば別会社を作るといった方法でない限り、かなりむずかしいのではないかと考えています。

12月 31, 2006 at 11:47 午前 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (1)

2006.12.27

原発のタービン問題その5

「原発のタービン問題その4」の続報です。

毎日新聞より「中部電力:タービン損傷の補償問題で日立に賠償請求へ」「北陸電力:原発タービン羽根損傷で日立に賠償請求へ
中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷事故の補償問題で、同社の三田敏雄社長は26日の定例会見で、メーカーの日立製作所に賠償請求することを明らかにした。
今後、代替発電コストなどの「逸失利益」の負担も日立側に求めていくとみられる。

タービン事故の原因は設計上の問題による金属疲労と判明しており、日立は原状復旧の補修費用は全額負担すると表明している。

しかし5号機は6月の事故から停止したままで、中電は来年3月まで運転再開できなかった場合、コストの割高な火力発電所の代替稼働などで約1280億円の損失が出ると見積もっている。
これが中部電力の対応で北陸電力も同様の発表を行った。
北陸電力の永原功社長は26日、富山市の本店で会見し、設計・製造元の日立製作所に補修費用などの損害賠償を求めて協議を申し入れたことを明らかにした。

タービンの羽根の損傷は「日立の設計が十分でなかったため」と判断。
工事契約に基づき、タービン取り換えや点検費用、原発停止に伴う火力発電所のたき増しなど間接損害も含めた費用負担を求め、同日、日立側に文書で協議開始を申し入れた。
請求金額などは明らかにしていない。
中部電力と北陸電力のこの方針に対して日立製作所は、現在のところ従来からの考えを変えてはいないようだ。

中部、北陸両電力が原発停止による逸失利益を含む損害賠償を請求することを正式に決めたことに対し、日立製作所は「こちらにも株主がおり安易な妥協はできない。
タービンを設計した10年前の知見では今回の事故は予想できず、設計ミスだったとは考えていない。
今後の話し合いで日立の立場は主張する」(首脳)と、争う姿勢を見せている。

日立は既に、タービン修理費用の実費約400億円(2社合計)を負担すると表明。
これらにより、550億円の黒字予想だった07年3月期の最終損益見通しを9月、一転して550億円の赤字予想に修正している。

ただ、2社合わせて最大約1500億円と見込まれる逸失利益まで負担することは業績見通しに織り込んでおらず、両電力との交渉によっては、大幅に損失が膨らむ可能性がある。
日立製作所の主張の根拠はユーザーである電力会社と問題となったタービンを設置することで契約をしたのであって、新型タービンは効率向上のために設計変更されたものであった。
このことによってユーザーである電力会社にまったく責任がない、とは必ずしもいえないことは分かるが実際問題として電力会社は問題のタービンの決定には間違いなく関与していないだろうし、寿命が短いといった警告を日立製作所から受けていたらそれでも採用したのだろうか?

そんなことを考えると、日立製作所の主張にはいささか無理があって、電力会社の逸失利益の総額ではなくともかなりの金額を賠償することになると思う。
ところで肝心のタービンの補修と発電所の運転再開はいつのことになるのだろうか?
2006年12月26日付の中部電力のプレスリーリースがあった。
  1. 6月15日に低圧タービンの羽根の損傷により自動停止
  2. 10月27日に、低圧タービンの羽根の損傷の原因と対策について国に報告
  3. 11月8日には、国に対して、圧力プレートの設置に係わる工事計画の届け出
  4. 12月22日に国の審査が終了
  5. 翌23日より、低圧タービンの組み立て工事に向けて、タービンの軸の羽根取り付け部分を削る工事などの準備作業を開始
  6. 復旧時期につきましては、国による使用前検査の実施など不確定な要素が多く、不明
純粋に技術的な問題とはいえ、原子力発電に関しては国が全面的な審査と管理を行っているわけで、タービンの羽が折れるという致命的な問題を起こしたことは、審査をしている国の責任も問題になるから補修工事完了後の国の検査も相当厳重になるだろう。このために運転再開までの時間が長くなり電力会社の逸失利益もより大きくなることになる。

関係各社にお願いしたいことは、実際に何が起きてこのような事態になったのかを明らかにすることです。

12月 27, 2006 at 10:22 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.12.15

エレベータ死亡事故の原因

読売新聞より「事故原因はブレーキパッド摩耗…エレベーター管理会社
東京都港区の「シティハイツ竹芝」で今年6月、高校2年生がエレベーターに挟まれ死亡した事故の原因について、事故機の保守管理会社が「ブレーキパッドの異常な摩耗で、ブレーキが利かなくなったため」とする調査結果をまとめていたことが、14日わかった。

同社が11月27日付で遺族側の弁護士に回答した文書によると、事故機では、ブレーキを制御するコイルの抵抗値が新品の2分の1にまで減少していたほか、ブレーキパッドが摩耗し、パッドとドラムの間に0・15~0・25ミリのすき間があるのが確認された。

この摩耗は、事故の約1週間前に同社が保守点検をした時には発見されていなかったため、同社は「コイルの不具合発生から、数分で(パッドの異常摩耗が生じ)事故に至ったと考える」としたうえで、管理責任については「捜査中であり、回答は差し控えたい」と明言を避けている。
メーカーのシンドラー社は今も「構造上、設計上の問題はなかったものと確信している」のだそうですが、これは設計上の問題じゃないでしょうかね?

死亡事故の直接の原因はドアが閉まらない状態で上昇したことですが、この動きは重りの落下によるものであって動力で動かしたものではないのです。
もし満員であれば落下だし、同様に重りの落下・カゴの急上昇で最上階の機械室に激突してカゴに乗っていた人が死亡する事件がニューヨーク(かな?)で発生しています。

つまりは、ドアが開いていたから挟まれて死亡というのはあまりにいたましいことですが、故障の本質は動力がないときに暴走したです。
ブレーキが摩耗すると暴走してもしかたない、ということ自体が設計ミスだと思うし、そもそもブレーキが緩んでいる場合に速度制御をするメカニズムがあるのが普通ではないだろうか?

問題のブレーキは自動車ドラムブレーキのような構造らしく、コイルに通電するとブレーキが解放される仕組みになっていた。
コイルに通電しないと、バネによってブレーキが掛かる仕組みでした。

コイルの機能が完全でないから、ブレーキが完全には解放されずに運転して急速に摩耗してブレーキ機能を失った、というのはあり得るシナリオです。

ブレーキの摩耗限界による警報なども無かったのでしょうね。
あれば原因解明にこれほど時間が掛かるわけがない。
シンドラー社の言い分は、メンテナンスをきちんとすれば安全ということで、メーカとメンテナンス会社との責任争いになっていて、今回はメンテナンス会社から「設計上の問題」と指摘した見解が出たといえます。
メンテナンスを怠ると動かなくなる、というのが正しい設計でしょう。
この時点で、設計としては失格だと思う。

12月 15, 2006 at 10:01 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.12.11

三菱ふそうのハブ問題

朝日新聞より「三菱ふそう ハブ破損、想定外の続発 交換基準見直しも
三菱ふそうトラック・バスの大型トラックの前輪ハブで、同社が想定した走行距離や交換基準以下の摩耗でも破断や亀裂が相次いで見つかっている。
実際の使用環境と事前の想定が違った結果、強度に余裕がなくなった可能性が浮上しており、リコール(回収・無償修理)に至らなくても、同社が交換基準の見直しを強いられる事態にもなりかねない。
ただ、車の寿命が長くなるなかで、亀裂を招くとされる要因はいくつもあり、どう影響したかの解析は容易ではない。

同社は当時、2割の過積載、0.8ミリの摩耗、車輪を固定するナットを基準の1.6倍の力で締め付けても走行距離100万キロは亀裂が発生しないと説明。国土交通省もこれを認めていた。

しかし、鹿児島県で10月、走行距離約92万キロでハブが破断。摩耗は約1.2ミリ、締め付け力は1.6倍だった。

すでに作業を終えた96~98年製の同型車94台の詳細点検と244台の大型トラックの重点点検でも、走行距離約87万7000キロ(昨年9月時点、現在不明)~105万9000キロの4台のハブで亀裂が確認された。
うち2台は摩耗が0.68ミリ、0.74ミリと同社の整備基準で定める交換基準(0.8ミリ)以下。ただし、締め付け力は3.6倍以上と2.2倍だった。

基準以下の摩耗で亀裂が生じたことについて同社は「考えていた条件では想定していなかった。前提の是非を含めて見直さないといけない」(長谷川直哉品質保証本部長)とし、今月中をメドに技術的検証を進めている。
原因が設計・製造段階の不適切さだと明確に分かればリコールとなる。

一方、点検では摩耗、締め付け力が基準以上で100万キロ以上でも亀裂がないものも次々と見つかっている。

今回点検した9割以上の車両で締め付け力の測定値が規定以上で、過剰な締め付けが常態化している可能性もある。ただ、締め付け力を正確に把握することは難しい。

同省は、
  • (1)基本的な強度に問題がないか
  • (2)実際の使用環境をどう織り込んだ設計・製造だったか
  • (3)適切な点検・交換が行われるように知らせ、実施を徹底させる取り組みが十分だったかどうかがポイント――と指摘。
早急に技術面の検証を進め、適切な対策を講じるように指示している。
「三菱ふそうトラック、またもハブ破断」
「三菱ふそうのハブの構造」
「三菱ふそうハブ破損の詳細」

などでわたしは「設計ミスである」と断定してきました。
自動車が受ける力は極めて複雑で強度的にかなりの余裕が必要なのは自明のことですが、三菱ふそうはホイールとハブの接触箇所の摩耗つまりハブの摩耗によって破断にいたるとしてきました。
許容される摩耗の量を0.8ミリまでとしているわけですが、破断した箇所の厚さを想定してみると5%~10%摩耗すると破断の可能性がある、という説明に等しいと思います。

摩耗を5%~10%以下にすることが破断させないための絶対条件だとするのならぱ、ユーザとしてはこれを守ること自体が厳しいだろうし、直感的にも摩耗から破断にいたるということが理解しがたいです。

その上に、今回の点検で摩耗が0.8ミリに達しない4%程度の摩耗でもハブに亀裂が入っている物が見つかりました。
これは単純に

ハブに亀裂が入る原因は摩耗の量と関係ない

とするのが常識的判断でしょう。
一言で言えば直感的におかしいのではないか?と思った方が正しかったのです。

ところで問題のハブの部分は数十年ぐらい基本構造は自動車全体で共通です。
だからこそ、タイヤやホイールは共通部品として別の車と互換性があります。そして三菱ふそうはトラックバスなどの大型車の専門メーカとしてトラックを作り続けて現在に至っています。

その中で問題のハブを付けている車輌を生産したのはほんの一時期です。
少なくとも、もっと以前の物にしてしまえば少なくとも破断はしません。

荷重の増加や速度の向上などで負荷が大きくなったことが破断するようになった原因でしょう。
そうであるのなら、どう考えても摩耗に原因があるにしても根本的な解決にはなっていない。
根本的な解決をしないで解消したとすること自体が間違えではないのか?

三菱ふそうは同じような時期にクラッチハウジングの破断、という事故を起こしているがこの時にもクラッチハウジングの強度不足を原因とした。
しかし、クラッチハウジングは点検対象外の部品であることも同時に発表していて、点検不要の部品の強度不足とはどういうことだ?となってしまった。
どうもこれと同じ事ではないのだろうか?

三菱ふそうは「これで大丈夫」という発表ではなくて、過去から現在に至るハブの変遷と破断事故についてはまとまった資料を発表するべきだろう。
現在も同じF型ハブを使用しているのなら、将来(データ的には10年後)に同じ事故が起きる可能性があるわけだし、逆に抜本的に解決しているのならF型ハブを使用している車の部品を取り替えればよい。

根本的な対策に手を付けないままで進めることは不可能だ、ということ以外の何者でもない。

12月 11, 2006 at 10:13 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.11.27

Wii リモコンは空を飛ぶ♪

Engadget Japanese より「Wiiリモコン・サガ:今度はPDAを撃破

Engadget Japanese はなんか喜んでますが、新型ゲーム機 Wii のリモコンを使って、スポーツゲームをしているとリモコンが手から飛んでしまう。
ゲーム中なので、当然テレビに向かってやっているからリモコンが飛んだ先でテレビぶち当たるというのです。

「Wiiリモコン快進撃:さらにテレビを撃破」
とか
「Wiiリモコンが飛行、テレビを破壊」

なんて記事があります。
これらの記事に共通しているのは、電池入りのリモコンを振り回すのだが飛ばないようにストラップを手首に描けていたのが切れた、というところでした。
「そんなことはあるのか?」と思っていたら今回の紹介画像がすごい。

YouTube の動画を観て欲しい。
これでは、ストラップを強化した繊維を使うしかないだろう。

まぁメーカの研究不足とは言えるかな?

11月 27, 2006 at 01:11 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (3)

2006.11.26

日産が電池自動車に

日経新聞より「日産、2009年度メドに電気自動車発売
日産自動車は3年後をめどに電気自動車を商品化する方針を固めた。
自社開発のリチウムイオン電池を搭載して軽量化した小型車を発売する。
日産はハイブリッド車についても自社開発車を投入し、トヨタ自動車やホンダに比べて出遅れていた環境対応車で巻き返しを急ぐ。

日産は電気自動車の性能を左右するリチウムイオン電池の性能を向上させた。

電気自動車は走行中、排ガスが全く出ない環境対応車だが、1回の充電で走行できる距離が短い弱点がある。
新技術で200キロメートル程度の走行を目指す。
通勤用など都市での交通手段として電気自動車の需要があるとみている。
3年後をメドにということは、既存の車種の電気自動車版を作るという意味ですね。
これは、スバルと三菱が軽自動車ベースのモノを作っています。
日産にはオリジナルの軽自動車はないから、マーチなどでやるのでしょうか?
それとも、マーチの次モデルで電池自動車も作るのでしょうか?

インフラとして充電システムを整備することが重要ですね。
現状だと盗電の問題などを防ぐことが出来ない。
しかし航続距離200キロはどうかなあ?
バイク以下ですよね。
ちょっと難しいような印象もあります。

11月 26, 2006 at 10:19 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.10.29

パワードスーツ量産開始

読売新聞より「筑波大開発のロボットスーツ実用化へ
筑波大学が開発した、手足の力を増強するロボットスーツ「HAL」が、国内外で評判となり、実用化されることになった。来年には茨城県つくば市内に生産工場を開設し、量産体制に入る。

当面は年20体程度の生産体制を敷き、2008年には年間400~500体に生産ラインを拡大する。

値段は医療機関向けには約500万~700万円になるが、個人向けにはレンタル料(月7万円)と維持費だけに抑える予定だ。来月上旬、つくば市内の病院に実用化第1号の製品を納入する。
パワードスーツの量産とはすごいです。
テレビで紹介されたときには障害者向けの研究をしていましたが、自動車のパワーステアリングのようなもので、パワーアシストなので障害者向けは難しいようです。

ロボット展で「他人が着てすぐ使うことが出来るのか?」と聞いてみたら「出来ない」とのことで使う人にあわせたチューニングが必要とのことでした。

研究当初のモデルに比べて、ロボット展(記事の写真だと思う)の頃にはモーターの小型化などまるで別の形になっていて「実用化は近い」と感じました。
どこら辺に性能とコストのバランスを取ればよいのかはフィールド試験の必要があるでしょう。その意味でも量産して使用者を増やすことは必要です。

すごい時代になったなぁ。

10月 29, 2006 at 11:19 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.28

三菱ふそうトラック、またもハブ破断

毎日新聞より「三菱ふそう:リコール対応の「ハブ」また破断
三菱ふそうトラック・バス(東京都港区)の大型トラック「スーパーグレート」(25トン)が今月17日、鹿児島県で車軸とタイヤをつなぐ「前輪ハブ」が破断し、タイヤが脱落する事故を起こしていたことが分かった。

今回の前輪ハブはリコール時の交換品として使った強度が高い「Fハブ」だったことから、同社は極めて重大な事案として27日から詳しい原因調査を始めた。

運転手が走行中に右前輪の異音に気づき、近くの空き地に駐車させたところ、前輪ハブが破断し、右タイヤがホイールごと落下していた。左前輪ハブにも約20センチの亀裂があり、危険な状況だったという。トラックは97年製で走行距離は約92万4000キロだった。

ハブとホイールの接触部分の摩耗は交換の目安となる整備基準値の約1.5倍に進んでおり、ハブに大きな圧力が掛かっていたとみられる。

原因について同社は「本来なら車検で交換する必要があり、想定していなかった数値」と整備上の問題点を示唆。トラックは8月に車検を受けたが、問題点は指摘されなかったという。

しかし、Fハブが100万キロの走行に耐えられる安全性があり、国交省も強度を認めていたのに、今回約92万キロで破断したことから、同社は96~98年製のFハブ使用の大型トラック約1万台から100台を抽出し、実態調査を行う方針。Fハブは現在、同社の全大型トラック約18万台のうち、約15万台で使われている。
2004年にわたしは一連の記事を書いて基本的に設計不良であろうとの判断を述べました。
毎日新聞記事の中にある「Fハブ」とは
元々ハブにはA~F型があり、1983年から逐次変更されてきた。 最初にハブ破損事故を起こしたのがB型で、対策としてD型を作ったがこれが、横浜市の死亡事故を起こした型である。
つまり、B型の破損事故対策のためにD型に変更したはずなのに、破損対策になっていなかったわけだ。

B型の破損原因は(ぜひとも、会員登録して図面を見て欲しい)機械屋の用語で言う「内角」のR不足であった。
当然、対策部品であるD型では「Rを大きくする」はずであろう。
ところが、日経ものづくりの説明によると。

付け根の隅Rを大きくするには,付け根と接触するブレーキドラムの金型も新たに設計しなければならない
こんな経過を経て、F型に至るまでに基本形状を変えずに材質強度の向上によって対策が出来た、とされてきました。

確かに基本形状を変えるのは、ブレーキからサスペンションを全部取り替えるようなものですから、リコールで部品交換をして対策できるようなものではなく、車輌そのものの交換に等しくなるでしょう。
しかし元々がトラックのハブというのは、おそらくは戦前から根本的な構造には変化がないもので他社では問題なく機能している部品が、ちょっと摩耗したら破断します。というのは常識的に通用する話ではありません。

それを材質強度を高めたから抜本的に解決した、という解釈も不可能なことで言わば時間を先延ばししただけの効果しかなかったといえるでしょう。

今後は、点検期間を短縮してドンドン交換することになるのでしょうが、それでは使用者の方が困ってしまうわけで、どうするのでしょうか?

10月 28, 2006 at 01:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.10.18

ソニーのリチウムイオン電池事件・その7

「ソニーのリチウムイオン電池事件・その6」ではソニーに対して東芝が損害賠償請求する方向になったと報道されましたが、「ソニーのリチウムイオン電池事件・その2」
ソニーは「発火はデル製パソコンの充電回路と充電池に混入した金属粒子が特定の場所に入り込んだ場合にのみ発生する」と、自社製パソコンでは問題は発生していないと説明する。
パソコン各社も独自に安全確認を行っている。
ソニー製充電池を自社製のパソコンに使用している富士通や東芝は「充電回路の設計がデルとは異なる」などとして、いずれも「発火の可能性はない」とし、NEC、日立製作所、松下電器産業は、パソコンにソニー製リチウムイオン電池は搭載していない。

どんなものだろうか?
なんでソニー製の電池が発火するのか?という問題は、この説明では「発火を回路によって食い止めている」と受け取ることが出来るが、物理的破壊とかPCとして機能しないといった使用状況で発火するというのならとにかく、普通に使える大衆商品であるパソコンにそこまで危なっかしい部品を供給するのは、供給業者としておかしくないか?
と書きました。
この記事の真意は「これほど割り切れるものか?」ということだったのですが、肝心のソニー製品も回収になりました。

サンケイ新聞より「ソニー、自社製品も電池回収 業績下方修正も検討
ソニーは17日、ノート型パソコン「VAIO(バイオ)」の一部機種に搭載した自社製リチウムイオン電池を自主回収・無償交換すると発表した。

対象は当面9万個(国内6万個、中国3万個)だが、全世界では30万個程度になる見通し。
すでにNECと米ヒューレット・パッカード(HP)を除くほとんどのパソコン大手がソニー製電池の回収を発表。全世界で800万個を超える空前規模のリコールになる。
次世代ゲーム機「プレイステーション3」の発売前値下げの影響もあり、ソニーの業績下方修正は必至の情勢だ。
さらには IT+PLUS によると「ソニー製電池の不具合、「金属粉」以外の原因も
ソニー製リチウムイオン電池の事故原因は「電池内部に混入した金属粉によるショート」だけではない可能性が出てきた。
中国レノボ・グループが発火した電池内蔵のノートパソコンを調べたところ、事故原因を特定できなかったためで、ソニーもレノボのケースについてはなお調査中という。

ソニーはレノボ製パソコンでの不具合を受け、9月28日には全面的な自主回収に追い込まれた。
レノボでの発火事故は日米欧で3件確認されている。

レノボはそれぞれの事故で分析を進めたが、原因を特定できていない。
デルやアップル機の事故でソニーは「混入した金属粉でショートが起こった」と認めたが、レノボは日本で回収した事故機の元素分析で「異物混入を見いだせなかった」としている。
直感的にヘンだと思うのです。
金属粉が入っていることが原因のすべてであれば、PCメーカ別に出火の可能性がある・無いといった理屈はあり得ない。
もしPCメーカーの回路設計によって出火する可能性があるのなら、回路設計の制限と現実のPC製品との違いをチェックすればよいことだろう。
さらには、金属粉が混入していない電池に交換することでPCの回路の安全性が多少低くても出火しないようになるのなら、PCの回路について問題にすることでもあるまい。
ところが、レノボのケースでは金属粉ではないという。

これでは、確実な対策は全面使用禁止しかあるまい。
情報を小出しにして分かっていないことを分かっているかのようにコントールして失敗する例はたくさんあって、ソニーの電池問題もこの例に当てはまるのだろう。

10月 18, 2006 at 09:06 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.10.16

ソニーのリチウムイオン電池事件・その6

「ソニーのリチウムイオン電池事件・その5」で損害賠償請求になるかもしれない、と書きましたが現実のものになりそうです。

日経新聞より「東芝、ソニーに賠償請求へ・パソコン電池回収
東芝はノートパソコンに搭載したソニー製リチウムイオン電池の自主回収・交換問題で、電池を供給したソニーに損害賠償を請求する方向で検討に入った。

回収による製品イメージ悪化や販売機会の損失について補償を求める方針だ。

富士通も賠償請求の検討を始める見通し。
大手企業間のトラブルは損害額や補償額を明らかにしないであいまいに解決することが多かったが、株主の監視の目が厳しくなる中で、賠償請求などの手段が広がる可能性がある。

東芝は83万個のソニー製電池の回収を進めている。
電池本体や物流経費など交換にかかわる直接的費用はソニーが負担する方向で交渉が進んでいる。
しかし「販売機会損失やブランド価値の低下などについても補償を求めざるを得ない」(東芝首脳)としている。
サンケイ新聞は10月15日付の記事に「ソニー痛恨、相次ぐ誤算 BDレコーダーもトラブル」と経営全体の問題と取り上げています。
(ソニーは)リチウムイオン電池や次世代ゲーム機の部品調達トラブルに続き、次世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」規格の録画再生機(レコーダー)は、当初目指していた性能に達しないまま発売される状況に陥った。

「数日前から業界内では話題だった。『ソニーがまたしくじった』って」。
電機大手関係者が明かすのはBDレコーダーでのソニーの“誤算”だ。今月開かれた電機・IT(情報技術)の国際見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン」。
開幕直後の華々しい発表会は、皮肉にもソニーに厳しい現実を突きつける場となった。

発表したBDレコーダーは目指していた2層記録ができず、1層しか録画できないことが判明したのだ。
松下電器産業が発表したレコーダーは録画・再生とも2層対応。
BDは1層25ギガバイトを記録できる大容量が魅力だけに痛恨の結果となった。
記事は株価の下落傾向が続いていることにも言及していますが、すべての経営判断にはメリット・デメリットがあるわけで、ソニーは結果において外れクジを引き続けているとも言えますが、そこに保険を掛けることが経営では最重要なポイントでありましょう。

組み立てメーカが先端製品を扱うためには量産技術だけを外部に委託するのが本筋だと思います。
良く分からない部品を買ってきて組み立てるのではメーカとは言えないし、量産も出来ない。
これが最先端技術ではなくて、市場に溢れていて他社も使用している汎用部品であれば、部品メーカが使い方を説明してくれるから、あまりよく判らない部品を使用して組み立ててもリスクは極めて低い。

リチウムイオン電池では絶縁紙のメーカが勝手に品質を変えたのが事故の一因であるとされていますが、勝手に品質を変えたことがチェックできないのではダメだ、という問題になります。
要するにこんな難しいことが出来る会社ではない、となってしまいます。

リチウム電池を使用しているPCメーカが損害賠償請求に進むのは、この先対策などでもっと問題が出てくると見ているからではないでしょうか?

10月 16, 2006 at 08:34 午前 もの作り, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.10.12

電池自動車は実用になるか?

FujiSankei Business i より「電気自動車を実用化へ 三菱自動車が電力5社と共同開発
三菱自動車は11日、東京電力や中国電力など電力5社と共同で電気自動車の研究開発を11月から開始すると発表した。
軽乗用車「i(アイ)」をベースとした電気自動車数十台を11月以降、電力各社に提供。連続走行距離や充電時間などのデータを収集し2010年に市販化する計画だ。

共同開発には、東京、中国のほか、九州、関西、北陸の各電力が参加する。三菱自は、電気容量の大きい高性能リチウムイオン電池と小型モーターを搭載した4人乗りの試験車「i MiEV」を供給。電力各社が収集したデータを基に改善を図り、08年をめどに1回あたり25分の急速充電で160キロの連続走行が可能な性能を目指す。
さらに、商品化する10年には200キロに引き上げる計画だ。販売価格は150万~200万円を想定しているという。


東電と富士重は、昨年9月から共同開発に着手。今年6月から、集金などに使う業務用車両として試験的な納入を始めた。
07年中に40台、13年までに3000台を供給する計画だ。

両社が共同開発した電気自動車は、富士重の軽乗用車「R1」をベースに試作。
家庭用で使われる100ボルトの電源による約8時間の充電で80キロ走行できる。また走行中に充電が切れた場合、据置型充電器により15分で電池容量80%までの充電が可能という。冷暖房完備で定員は2人。

ただ、車両の価格は1台で1000万円以上に上るとみられており、市販に向けては電池やモーターなどを含めた総合的なコスト低減が課題だ。
富士重工(スバル)と東京電力の共同事業は6月に報道されました。
四人乗りの軽自動車を二人乗りに改造した上で充電一回あたりの走行距離が80キロということですから、かろうじて実用になるか?レベルと言えるでしょう。

今回の三菱自動車の提案はかなり意欲的で、duemotori.com の記事「三菱自動車、電気自動車の研究車両『i MiEV』を製作し、電力会社との共同研究を開始」によると
エンジンを後輪車軸の前に配置するユニークな「リヤ・ミッドシップレイアウト」の軽自動車『i(アイ)』をベースに、エンジン・燃料タンクの代わりにリチウムイオン電池、モーター、インバーター等のEV関連システムを搭載した、シングルモーター方式のEVである。

『i MiEV』の特徴として、「リヤ・ミッドシップレイアウト」によるロングホイールベースにより、居住スペースや乗車定員(4名)はベース車と同一のまま、モーターやインバーター等に加えて大容量のバッテリーを搭載することができ、日常での使用に充分な航続距離を確保した。また、車載充電器を搭載することで、一般家庭での充電にも対応している。

このように実用性を重視する一方、『i MiEV』は動力性能面(トルク)でベース車を凌いでおり、また優れた静粛性や振動の少なさといったEV特有のメリットも備えている。

『i MiEV』 主要諸元
 
ベース車 『i(アイ)』
全長×全幅×全高 3395×1475×1600mm
車両重量 1080kg
乗員 4名
最高速度 130km/h
一充電走行距離 (10・15モード) <目標> 130km/160km *
充電時間
(80%充電)
200V・15A (車載充電器) 5時間/7時間 *
100V・15A (車載充電器) 11時間/13時間 *
3相200V・50kW (急速充電機) 20分/25分 *
モーター 種類 永久磁石式同期モーター
最高出力 47kW
最大トルク 180N・m
最高回転数 8500rpm
電池 種類 リチウムイオン
総電圧 330V
総電力量 16kWh/20kWh *
制御装置 インバーター制御
駆動方式 後輪駆動
* : 2006年度共同研究車両/2007年度フリートモニター車両
となっています。

もし実用的に200キロの走行が可能になると軽自動車の使用形態のほとんどをカバーできそうです。
電力供給網の効率がどうなのかが問題になるかもしれません。

現在のところ発電所から各家庭までの距離は大変に遠くて、送電ロスが問題になるでしょう。
ガスを送って各家庭や事業所で発電した方が効率が良いという説もあって、これは電気自動車にも言えそうです。
現在のような遠隔地で発電した方がエネルギー効率が良いのだとすると現在の自動車のエネルギー効率が悪すぎるとも言えるわけで、ハイブリッド車の方が実用的なのかもしれない。

ハイブリッド車や電気自動車も共通して使うのが電池で、電池の高性能低価格が極めて重要になってきましたね。

ハイブリッド車が進化してエンジンが直接車輪を駆動せずに電気による制御が出来るようになると、ミッションや駆動軸といったものを無くすことが出来るでしょう。そうなると現代の自動車とは別物になります。

10月 12, 2006 at 09:47 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006.10.03

ソニーのリチウムイオン電池事件・その5

読売新聞より「ソニー電池発火、05年12月に原因特定していた
ソニーが、昨年11月に起きた米デル製パソコンの発火事故の原因が自社製充電池にあることを直後に把握していたのに、デル以外のメーカー向けの充電池やパソコンのシステムなどの十分な調査を怠っていたことが、2日わかった。

デルとソニーによると、デル製ノートパソコンの発火事故は昨年11月、東京都内で発生した。
事故を受けてデルは翌月、同タイプの充電池を搭載したパソコンで充電池を交換するリコールを行った。

ソニーはこの時点で、発火は自社製充電池の製造時に、金属粒子が混入したのが原因と特定していた。

ソニーは事故を起こしたのと同タイプ、同時期に生産されたデル向けの充電池について安全性を調査した。
しかし、他社向けの充電池の調査は事故が起きていないことを理由に見送られた。
電子回路などパソコン側の調査も不十分だった。

ソニーは充電池の製造工程を改善したが、デル以外のメーカーには事故の概要や原因、デルによる回収を連絡しただけだった。
リコールの要請をしなかったことで、他社は昨年12月以降も、在庫の充電池を使って発火の恐れがあるパソコンを出荷していた可能性がある。
「ソニーのリチウムイオン電池事件・その2」根本的な判断力がヘンではないだろうか?と書いたのだが、結局はこの問題についてソニーが今まで発表してきたことがひっくり返ってしまった。

どう考えても電池自体に発火の原因があるのに、パソコンメーカが違えば発火し得ないと断定できるとは思えない。自社の製品の品質について把握していないソニーが他社であるパソコンメーカの設計から製造の実情をまでを把握しているわけがないだろ。

事故が起きるか起きないかは可能性の問題だから、可能性が高い低いといった判断は出来るが、あり得ないといった断定をすること自体を避けるべきだろう。

これでは回収費用どころか、損害賠償請求が起きても不思議ではない。

10月 3, 2006 at 03:22 午後 もの作り | | コメント (8) | トラックバック (1)

2006.09.28

韓国初の金型展示会?

韓国聯合ニュースより「韓国初の金型関連の展示会、光州で30日まで開催
光州市の主力産業のひとつ金型産業をメーンにした国際機械・金型・自動化産業展「GIMMA2006」が27日に開幕した。市内の金大中コンベンションセンターで、30日まで開催される。

米国や日本など15カ国から130社余りが参加。工作機械や物流機器、金型加工・成型、金型材料、産業用ロボット、制御計測機器、工程制御システムなどが展示されている。また、輸出・購買相談会や金型フォーラム、新製品・新技術説明会なども開かれている。

市は、今回の展示会で国内や海外から3万人近くの観覧客が訪れ、2億ドル規模の輸出相談・契約のほか、宿泊や運送の需要などで300億ウォンの経済効果が期待できると予想している。
韓国初の金型関連の展示会とはどういう意味なのでしょうかね?
テーマにしたことがなかったということなのでしょうか?
ものすごく意外ですね。

9月 28, 2006 at 10:11 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.09.16

原発のタービン問題その4

読売新聞より「日立製作所、550億円の黒字が赤字に…3月期見通し
日立製作所は15日、2007年3月期連結決算の業績見通しについて、税引き後利益を当初見通しの550億円の黒字から、550億円の赤字に大幅に下方修正すると発表した。

営業利益は当初見込みの2900億円から1800億円に1100億円下方修正された。
原発の補修費用のほか、ハードディスクドライブ事業の収益悪化、家庭用エアコンやDVDレコーダーの販売不振なども響いた。

古川社長は15日の記者会見で、原発事故について、「電力会社など関係者にご迷惑をかけて申し訳なく思っている」と改めて謝罪したが、原発の事故原因については「当時の設計では想定外だった」と述べ、設計ミスとの見方を否定した。
最後の「設計ミスとの見方を否定した」というのは、読売新聞の記事だけです。

日経新聞
古川一夫社長は同日、都内の本社で記者会見し、タービン事故に関し「原因究明は続いている」としながらも「(中部電力が最近の中間報告で示した日立の設計ミスとの指摘が)最も可能性が高い原因」と述べた。
毎日新聞
タービンの損傷について中電は12日、損傷は製品を納めた日立の設計に起因するとの中間報告をまとめていた。
15日、東京都内の本社で記者会見した日立の古川一夫社長は、報告の指摘する設計上の問題が「(損傷の原因として)一番可能性が高い」と話し、報告を踏まえて補修費用を負担する考えを明らかにした。
サンケイ新聞
古川一夫社長は浜岡5号機のタービン事故を、「(中電の指摘する)振動が重なった可能性が一番高いが、最終的な結論に至っていない」と説明。その上で、今後予想される中電からの損害賠償請求については「まだ(織り込む)段階でない」と述べた。
中部電力は日立製作所に損害賠償を請求する方向のようですが、1000億円ぐらいになるそうで、北陸電力でもほとんど同じ事なので、賠償額は最大では2千億円となりそうです。
今回発表した2006年前期の業績予想は

   修正前  売上高 4兆5900億円、営業利益 560億円
   修正後  売上高 4兆6600億円、営業損失 170億円

です。 これに、1000億円・2000億円といった賠償額が掛かってくるとかなり大変なことになりますね。
対策がすぐに出来るものでしょうか?あまりに長期に渡って対策が出来ないとそれ自体が問題になってきます。

読売新聞の「設計ミスとの見方を否定した」というのは、設計ミスだから損害賠償の責任があるという言葉が抜けているのではないか?と思います。
将来「設計ミスであるが、不可抗力であった」と主張するための用心をした発言かもしれません。
わたしには、これだけの致命的な障害について不可抗力を主張しても損害賠償を逃れる根拠にはほとんどならないと思いますが、早急に原因と対策の公表が必要です。

9月 16, 2006 at 02:54 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.13

原発のタービン問題その3

朝日新聞より「浜岡原発損傷、中部電力「設計に起因」と中間報告
中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷問題で、中電は12日、蒸気流の乱れや逆流でタービンの羽根の取りつけ部分が疲労破損したことが原因と推定されるとした中間報告を発表し、経済産業省原子力安全・保安院に伝えた。
発表では、損傷はメーカーの日立製作所の設計に起因していると指摘した。

復旧は問題部分を取り外して運転する「応急復旧」と、新たな羽根を取りつける「本格復旧」の2段階を想定、運転再開の時期は「見通し不明」としている。
運転停止が長期化すれば、中電の負担が大きくなるため、日立側との費用負担の交渉が難航しそうだ。

中電によると、羽根の損傷は3基の低圧タービンの外側から3段目の羽根車にある計840枚のうち、663枚で確認された。この段以外には異常は確認されなかった。

中電は、損傷は設計に起因していると指摘したが、設計ミスかどうかについては断定しなかった。
一段分の羽根を取り除いて運転できるものなのでしょうか?

それにしても「原子力発電所問題」に示したようにタービン羽根を軸にさし込んでピンで固定するという箱根細工的な構造なので、ちょっとデリケートすぎるのではないか?といった感じがします。

読売新聞の記事「浜岡原発のタービン羽根損傷、高圧蒸気逆流で金属疲労」では
中電は12日、タービンを回す高圧蒸気の逆流によって羽根に振動が発生し、金属疲労が進んだことが原因とする調査結果を発表した。

タービンの低出力運転や緊急停止時に逆流が起きることは知られていたが、大型タービンで高出力化(138万キロ・ワット)した浜岡5号機では、設計した日立製作所の想定を超える逆流が起きた。

このため、2004年4月~05年1月に試験運転を行った際、ワイヤーによる補強などの振動対策が取られていない羽根に集中的にひび割れが起き、その後の本格運転で傷が拡大した。同様の破損は、同じ日立製タービンを採用した北陸電力志賀原発2号機(石川県)でも見つかった。

ほぼ同出力の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)のタービン(米GE製)では、羽根に十分な補強対策が取られ、破損は起きていない。日立の設計ミスだった可能性が高いが、中電は「設計ミス」とは断定しなかった。
と強くワイヤーによる補強が重要であると指摘しているが、固定方法が全く同じでかつワイヤーによる補強が追加されているのだろうか?
なんかちょっと違うような気がするのだが。

この段だけが破損したとなると、自励振動ではないか?とまで思ってしまうが、まさか実際に壊れるまで運転するわけにはいかないから、十分な検証が不可欠でその中には「一段外して運転」も含まれてしまう。
なんといっても、中部電力の発表に運転再開の見通しがないことが一番の問題で、不安が増大してしまいます。

9月 13, 2006 at 09:28 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.09.10

原発のタービン問題その2

「原発のタービン問題」にコメントをいただきましたが、こっちに続きを書きます。

2005年に発表された「日立評論」というPDFがありました。
「中部電力株式会社浜岡原子力発電所第5号機の建設」(PDF)

2.高効率蒸気タービン 浜岡5号機向け蒸気タービンは,ABWR用蒸気タービンとしては日立製作所の初号機であり,最大容量機となる。
先行機である浜岡4号機(1,137 MW)と比較し,その特徴について以下に述べる。

2.1 蒸気タービンの構造
浜岡4号機との基本諸元比較を表1に示す。
出力が1,380 MWの浜岡5号機では,浜岡4号機よりも排気流量が増加するため,最終段動翼を従来の43インチ(約109 cm)に代えて,52インチ(約132 cm)長翼を採用した。
これにより,車室数を増やすことなく,浜岡4号機と同じ高圧1車室,低圧3車室の計4車室の構造を可能としている。
この52インチ長翼は,1985年に試作,開発したもので,実機への適用は浜岡5号機が初めてとなる。

各車室寸法は,蒸気流量が増加するため,先行機よりも大きくしており,特に低圧車室は52インチ最終段動翼に最適な 排気口面積を確保するよう考慮した。

また,この蒸気タービンでは,近年のロータ素材製造技術の向上を反映させ,従来標準で行ってきたロータ中心孔のせ ん孔,焼鈍,および熱安定試験を省略し,仕様の適正化を図った。

2.2 蒸気タービンの性能向上
この蒸気タービンでは,浜岡4号機よりもさらに性能向上を図るため,静翼と動翼に新技術を採用している。
その中の代表的な技術の一つは,AVN(Advanced Vortex Nozzle)である。
AVNを適用することにより,静翼の翼長方向に湾曲させ,腹側を凸状に形成することができるため,二次流れなどによる 流れの不均一性を緩和することができる(図3参照)。
また,この構造により,静翼で発生する損失を低減し,蒸気タービンの内部効率を向上させることができた。この蒸気 タービンでは,高圧と低圧の全静翼にこのAVNを採用している。


項目5号機4号機
出力(MW)
1,380
1,137
型式
TC6F-52
TC6F-43
主蒸気温度(摂氏)
283.7
282.3
主蒸気圧力(MPa・a)
6.79
6.65
主蒸気流量(t/h)
約7,300
約6,100
回転速度(毎分)
1,800
1,800
段落数 高圧側
7段×2流
6段×2流
低圧側
7段×6流
8段×6流
最終段動翼長(インチ)
52
43
車室数 高圧側
1
1
低圧側
3
3
全長(m)
約49
約45
抽気段数 高圧側
2段
2段
低圧側
4段
4段
特に強調されているのが、低圧側タービンの設計変更で実際に43インチの羽根を52インチと20%も大きくした。
しかし段数は、8段から7段に減らした。

大変に意欲的な設計に挑戦したのは、確かであろうが今回壊れたのはこの低圧段である。

初めて実機装備した仕組みに耐久力がなかったというのは、最近の日本の重電機技術ではそうそう起きる現象ではない。
比較してはナンであるが、一部の家電製品のようだ。

4号機から5号機への設計変更は、効率の向上のためといわれていて、かなり期待されていた。
そのために、志賀原発にも採用されたのだが開けてみたらヒビが入っていて運転停止にせざるを得なかった。

このような事実から見ると、わたしも「枯れた技術」と思っていたし、テスラさんは「歴史の長い装置」とコメントしているとおりで

まさか今どき蒸気タービンの羽根が飛散するものか?

という驚きは大きく、事情が分かってくるにつれて根本原因はナンだったのか?となっています。

9月 10, 2006 at 12:38 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.09.09

原発のタービン問題

毎日新聞より「原発タービン:損傷、日立の設計ミス 保安院が見方固める
経済産業省原子力安全・保安院は、中部電力浜岡原発5号機と北陸電力志賀原発2号機の蒸気タービンで大量に見つかった損傷の原因について、タービン本体の設計ミスによる金属疲労との見方を固めた。

このトラブルでは約1500億円の損害が出ると見込まれ、原因が設計ミスと断定されれば、最終的に設計ミスと断定されれば、両電力は日立に多額の損害賠償を請求する見通しだ。

調査結果によると、このタービンでは、外側から3番目の羽根車に逆流した蒸気が衝突し、羽根の接合部に、ひび割れを起こした。
さらに低出力の運転時に、この羽根車に取り付けられた羽根に不規則な振動が起こり、ひび割れを大きくする要因となったと推定している。

日立は蒸気の逆流や不規則な振動の影響について、外側から2番目の羽根車までしか考慮していなかった。

タービンの損傷は今年6月、浜岡5号機でタービンの異常振動による緊急停止が起きて発覚した。
同原発では計663本の羽根で損傷を発見。志賀2号機でも羽根258本でひび割れや欠損が見つかっていた。
「原子力発電所問題」として取り上げた記事の結末がどうやら見えてきたようです。

どうも今回の記事によると、停止するときに生じる蒸気の逆流による負荷の頻度を低く見積もったので、繰り返し運転で破壊した。と説明しているように思います。
つまりは、原子力発電所のタービンの運転パターンを知らない設計であった、となってしまいます。
分からないのは、なぜこれほど致命的なところで設計ミスをしたのか?です。

1970年代以前なら「やってみないと分からないこともある」で通用しましたが、今ではお金さえ掛ければシミュレーションでたいていのことはチェックできます。
だからこそ、自動車のモデルチェンジの期間を短縮することが出来るようになった。

また、「原子力発電所問題」に貼った写真のようにタービンブレードの根本に穴を開けてピンで留める方式をとっていますが、これはジェットエンジンの開発では、耐久力が無くて放棄された技術でもあるのです。
蒸気タービンとジェットエンジンは違うでしょうから、なんとも言えませんが潜在的に危険ではあった、と言えるでしょう。

なんか原子力発電所だから、核事故の危険がなければ大問題ではない、といったトーンの記事になっていますが、大型蒸気タービンの設計に失敗したことは重大な問題です。
核事故ではないけど、発電所が長期間止まることに違いはないし、ましてチェックできなかったのはどういう理由なのだ?が問題でしょう。

毎日新聞の記事では「日立は蒸気の逆流や不規則な振動の影響について、外側から2番目の羽根車までしか考慮していなかった」となっていますが、この「考慮する」がシミュレーションを含むテストを指すのであれば「テストしなくて良い」とする理由はコストの問題だったのでしょう。
発電機のタービンでは事実上取り替えが利かないのだから、事前に全部検査するしかないわけで、それを省略することを決定したのだとすると、どういう根拠があるのか?こそが追求するべきところです。

問題が極めて根本的なところにあることになってしまって、見かけ上の「破損」よりも大きな問題であると思います。

現時点ではこの問題が「設計ミス」で合意できていないようですが、設計ミスではないのだとすると材質不良となるのでしょうか?
一般的にはこれは無いはずなんですがね。
わたしは、天然ガス用のコンプレッサーの羽根を加工していましたが、ある時に作り直しになりました。
理由は材質を変更したらテストを通らなかった、でした。
つまり、材質が設計強度に耐えるかどうかはテストしているはずだ、となります。

動的な状態のテストや経年変化のテストは現物では確かに困難ですが、それでもシミュレーションを活用すれば何とかなる。
それが「外側から2番目の羽根車までは確認した」となったのでしょう。
つまりは、これは人災ですよ。

どれほどひどい話なのかは、タービン羽根が吹っ飛んだ浜岡5号機は営業運転開始が2005年1月18日です。
2006年6月15日にタービン破損で自動停止です。


1年半と持たなかった。

どうなるのでしょうか?
日本には幸いなことに、重電機メーカは複数ありますし、タービンなどをやっているメーカーは重電機以外にもありますから、全部を取り替えることも不可能ではないですが思い切り基礎的なところでこれはひどいと思う。

9月 9, 2006 at 02:19 午前 もの作り | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006.09.08

PS3のBD障害

ZAKZAK より「ソニー親子、不協和音…会見で怒り爆発
世代ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の欧州での発売を今年11月から来年3月に再延期したソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)。原因が本体のソニーが供給する基幹部品の量産の遅れとあって、親子間の不協和音も聞こえてくる。
ソニー全体のV字回復戦略への影響も懸念される。

11月11日の国内販売初日の出荷は10万台、年内でも100万台に限定される。平成12年のPS2では、発売当初の3日間で100万台を出荷しており、当初は大幅な品薄となるのは確実だ。

来年3月末までに世界で600万台出荷という当初目標は変更しないとしているが、発売中の米マイクロソフトのXbox360に加え、任天堂も年内にWii(ウイー)を投入する中、日米欧のクリスマス商戦で出遅れることになる。

1本10億円以上といわれる開発費用を投じている内外のゲームソフト会社にとっては、ハードの販売拡大の遅れは死活問題だ。

深刻なのは、延期の原因がBDドライブ(駆動装置)に用いる青紫色レーザーの半導体の量産が遅れていること。
作っているのは親会社のソニーだ。

久多良木氏は会見で「本当は(発売延期の原因となった)ソニーの担当者が(記者会見に)来るべきだが来ていない」とカンカン。
ソニーの製造技術や能力が落ちたのではとのマスコミからの質問には、「現時点ではその通りかもしれない」と答えるなど、穏やかでない心中がありありだった。

ソニーはノートパソコン用リチウムイオン電池の発火問題を起こしたばかり。
技術力への信頼も揺らぎかねない。
鳴り物入りのゲーム機がクリスマス商戦に投入できないとなると、ディーラー筋は今後の取引をかなり厳しく見るようになるだろうし、ユーザーも強烈なマニアだけになってしまうかもしれない。
それ以前に、そもそも7万円というのが疑問だが。

それにしても、ブルーレイ・ディスクのためのレーザー半導体の量産が遅れているというのはどういう事なのだろう?
少量生産なら出来る、というのはちょっと了解しがたい。

恐ろしく高コストのものならある、コンシューマー機器に使えるほど低価格で作るラインがいまだに完成しない、ということでないだろうか?
仮にこのようなことであるとすると、ブルーレイ・ディスクを推進するソニーの売り上げはとにかくとして、収益性はどうなのだ?となると思う。

engadget にこんな記事が出てました。「プレイステーション3:HDMI端子搭載版(もっと高いほう)もケーブルは別売り
プレイステーション3の北米版公式サイトによると、プレイステーション3はデジタルHD出力に必要なHDMI端子搭載版(オープン価格の「もっと高いほう」)であってもHDMIケーブルは同梱されないとのこと。

7万円近いHDMI搭載版に挑む選良たる我らにとっていまさら3000円や4000円の追加出費が何だ!
HDMIつきモニタは買えなくてもHDMI搭載版を買っておく者のために分割後払いを用意して下さったと思え!
いま「おもしろい会社」とか言ったやつは誰だ!歯を食いしばれ!
いやはや、これはコンシューマー向けのゲーム機の話なのであろうか? まあ、ハイビジョン対応のテレビ・ディスプレーもそろそろ増えては来ているが、標準とは言い難いからケーブルは別です。というのはありかもしれないが、どっちを向いているのだろうか?との感はつきまとう。

わたしはフライトシュミレータはマイクロソフトに移管する前からやっていたが、リアルになるほど無理になってきた。
PCゲームが急激に衰退したのは「やり過ぎ」との声は大きい。
長寿命のゲームが比較的単純なものが多いことを考えると、ゲームは高級化するべきものなのだろうか?
さらに言えば、コンシューマー向け製品の代表格であるテレビが、CATV化などで多チャンネルになると、年寄りが使えなくなった。選択が増えるのが良いとは言えないのかもしれない。

NIFCON では大広間で太鼓の達人をプロジェクターで投影して置いておいたら、子どもたちが遠慮無く叩いていた。
こういうある種の原始的な楽しみがゲームの基本ではないだろうか?なんか全体としてPS3のコンセプトは方向違いであるような気がする。
おまけに量産できないでは、どうなるのだろうか?

9月 8, 2006 at 12:00 午前 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

2006.09.06

国産輸送機は商売になるのか?

日経新聞より「国産ジェット機、2012年度に商業生産・官民で1200億円拠出
経済産業省は三菱重工業などと進める初の国産ジェット旅客機の商業生産計画の大枠を固めた。
2012年度の運航開始を目指して民間出資による特別目的会社(SPC)を設立し、約1200億円の開発費を調達。
三菱重工が実際の開発・販売を引き受ける。政府は開発費の最大3割を補助金として拠出する方向だ。約半世紀ぶりの国産旅客機の実用化を通じて、航空機産業や部品・素材産業の国際競争力を高める。

開発するジェット機は72席と92席の2タイプの中小型機。競合機よりも燃費を2割以上良くする。
YS-11の時にも特別な会社を作ってやったのですが、技術的にはまあまあだったものの商売としては赤字解散に至ったのですが、それと何が違うのか?と思ってしまいます。

YS-11の時には、離着陸距離が短い割合に乗客が多いというのが先進的なコンセプトであって同時期に出てきたフォッカーF27との競争に勝ちましたが、今回の機体のサイズはすでに激戦区なのではないでしょうかね?

何かと話題のボンバルディアは50人乗りから始めて100人乗りまでシリーズで販売しましたし。私が承知しているだけでも、世界で3社ぐらいが同規模の機体の販売競争をしています。
航空機産業は大型機では多国間で部品生産をするのが当たり前になっています、またエンジンについては事実上アメリカの独占状態ですし、各種の規格の統合の問題であまり独自なパーツを作ることも出来ない。

そういうがんじがらめの状態の時に「全面独自開発」を打ち出すメリットがあるのかな?これは自動車に極めて近い構造ですね。
自動車は、電子化の進展で「自動車の価格の70%がダッシュボード周辺で占める」などという例えが出てきました。
日本では、電子部品メーカが多いしまとめるエンジニアリング会社も優秀な会社が複数あるので自動車の電子化は一気に進みましたが、アメリカでは部品メーカは自動車会社の子会社だから技術的に進歩しなかった。ヨーロッパでは自動車用電装品メーカが少ないからこれまた進歩しなかった。

車体やエンジンといった機械で作る部分では自動車産業は稼ぐことが出来なくなっている。
自動車メーカーは確かに車体を売りますが、商売として稼いでいるのは中身であってドンガラではない、となってしまっています。
飛行機で強烈なのはやはりエンジンで先日NHKで放送された、ジャンボにも使われている大型エンジンについてのメーカの情報独占ぶりはすごいもので、その上でタービンブレード1枚が70万円から200万円とかだそうで、実はエンジンメーカはメンテナンスで稼いでいる。
これこそがキーテクノロジーでしょう。ここに手を出せないのでは、ビジネスとしてのビジョンになっているのか?となります。

リスクが大きいから寄ってたかってというのはちょっと方向が違うのではないか?国が資金を出そうが、何社もが集まっても旅客機マーケットそのものが変わるわけもないだろう。
一方で航空機部品メーカとしての日本の企業は着実に重要な地位を占めていて、今後例えば軍用機の独自開発のための人材確保、といった理由で仕事を作るのだとしても、何もこれほどの激戦区に乗り込む理由になるものだろうか?
形を取ったが中身はない、といったことになりそうな気がする。
むしろ、もっと小型のチャーター向けのビジネスジェットとか方がビジネス的な可能性は大きいのではないかな?

9月 6, 2006 at 09:37 午前 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

2006.08.30

根拠のない回収命令ではないか?

8月28日に経産省はパロマ工業に消費生活用製品安全法に基づき対象製品の回収などを命じる緊急命令を出した。
朝日新聞より「パロマ工業に回収の緊急命令と厳重注意 経産省
経済産業省は28日、同社に対し、消費生活用製品安全法に基づき対象製品の回収などを命じる緊急命令を出した。
二階経産相が同社の小林敏宏社長に処分を伝え、あわせて過去の事故や事故後の対応について厳重注意した。
パロマ製品は安全装置を構成するコントロールボックスにはんだ割れが相次ぎ、かつ不正改造が容易だったことから、同省は製品に欠陥があったと認定した。
これは同じく8月28日に経産省が事故情報を公開するとして法律改正を検討しているとの報道と関係している。 「経産省が事故情報公開に」こ中で自分で前日に書いた記事「事故原因の解明の方が重要」の核心を示しています。
原因も究明されず、対策も立たない状態で何とかしようとすれば「とりあえず使用禁止」しかあるまい。
正に原因が解明されない段階で、経産省はパロマ工業に回収を命じた。となりました。その結果。 朝日新聞より「パロマ工業、製品の欠陥を否定「経産省との見解に違い」」
経済産業省が製品の回収などを命じた緊急命令を受け、同社は29日、名古屋市瑞穂区の本社で会見した。同省は湯沸かし器に欠陥があったと結論づけたが、伊藤栄一広報室長は、製品の欠陥について「経産省と我々の見解に違いがある」と否定した。
第三者委員会の意見も踏まえたうえで、同省に対する意見書の提出も検討するとしている。
結局は水掛け論になった。
もちろんパロマ工業がこのような対応を取ることが、営業的にも社会的評価の点からも有利なこととは思えないから、「会社としては欠陥があるのは明らか」と評価される方もいらっしゃいます。

しかし、評価や損得は別にしてもパロマ工業としては「回収するべき欠陥とは何がはっきりしていない」との主張はあるでしょう。
回収を求めるとは、将来の危険を常識的な見地から予防するためには必要、という前提があるはずで「常識に反しているから欠陥だ」で十分ではありますが原因を特定するべきです。
それを「事故原因の解明の方が重要」で指摘しました。

経産省の動きは役所の無繆性を前提としているのですが、それで何も証明せず根拠も無しに回収命令を出すこと出来るというのはよほどの緊急事態に限られるでしょう。
何よりも、事故が起きるのには原因があるのだから将来の事故を防止するためには原因を明らかにするのが有効というのは変えようがない。
ところが目先の事故に対処しましたというポーズを示すためには「とにかく回収」とやったのが公開の命令でしょう。
もし、パロマ工業が「シアリルナンバーの何番から何番までを回収するのか決めてくれ」とでも言い出したらどう対応するのか?
今回の問題は回収するべき製品にあるのではなくて、パロマ工業の技術力の評価であることは明らかでしょう。

こんな点からも「原因の解明をする組織」のようなものが不可欠である、と強く思うのです。

8月 30, 2006 at 10:02 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.25

ソニーのリチウムイオン電池事件・その4

IT + PLUS より「米アップル、ソニー製電池180万個をリコール・発火の恐れ
米アップルコンピュータがノート型パソコンに搭載されていたリチウムイオン電池180万個をリコール(回収・無償修理)することが24日、明らかになった。
政府機関の米消費者製品安全委員会(CPSC)にリコールを届け出た。問題の電池はソニー製で、過熱して発火する恐れがあるという。
日経新聞より「リコール費用200億―300億円、ソニー「これ以上回収ない
ソニーは25日朝、米アップルコンピュータが24日にノート型パソコンに使用するソニー製リチウムイオン電池に発火の恐れがあるとしてリコール(回収・無償修理)すると発表したことについて、今回対象の電池パックは「現時点でこれ以上の回収が行われることはないと考えている」との声明を発表した。

14日に明らかになった米デルの回収と合わせ、ソニーが負担するリコール費用は合計で200億―300億円を見込んでいる。
アップルののーとPCが出火したというのは、デルのPCを対象とした電池回収決定以前に報道されていて、それだけで「デルは回収するが、アップルは回収しない」という決定が出来るものなのか疑問視されていたが、結局回収に決まった。

ソニーは「それ以上回収を行わない」と言っているが、ソニーのPCでの出火が報告されているのだから、これにどう対処するのか?

戦争を論評する言葉で「戦力の逐次投入」がある。
これは一気に大きな戦力を投入して決着をつけるのではなく、事態の進行に応じて戦力を投入するために、戦争(戦闘)が長引くまずい戦略を批判する言葉です。
先日のパロマの対応や、ちょっと前になるが三菱ふそうの対応なども後から後から問題が出てき「この会社はどういう事だ」と大批判に発展してしまうのは、戦力の逐次投入による失敗と言えるでしょう。

つまり、ソニーが「三菱ふそうのような評価になる」可能性がが出てきたと感じます。
どうして社会一般に「それで大丈夫なのか?」という内容を断定的に「やらない」とか「大丈夫」とか発表できるのだろう?
ソニーの株価は8月24日は前日比150円安の5100円と3%の下げでした。一時は180円安(3.43%)でした。
どうも悪い展開になってきたように感じます。

8月 25, 2006 at 09:01 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.24

ソニーのリチウムイオン電池事件・その3

「ソニーのリチウムイオン電池事件・その2」で、ソニーのコメントを紹介した。


ソニーは「発火はデル製パソコンの
充電回路と充電池に混入した金属粒子が
特定の場所に入り込んだ場合
にのみ発生する」と、
自社製パソコンでは問題は
発生していないと説明する。



このソニーのコメントについて、わたしは疑問符があると書きましたが、engadget「ソニーVAIOノートも炎上」の記事が出ました。
遂に真打ち・ソニーバイオが爆発炎上しています。

事件が起こったのは米カンザス州ShawneeのPaul Kuppermanさん宅で、電源を切って充電中だったバイオが突然炎を噴きだしたとのこと。
いったんは消火器で消し止めたものの数分後にまた発火したため消防当局が呼ばれる騒ぎになりました。
幸い被害はVaioそのものを除けば壁の焼け焦げと家具が消火剤を被っただけと伝えられています。

地元局のTVニュースによれば炎上バイオは4年前に購入したモデルということですが、発火原因やリコールとの関連は不明。
世界で大人気のVAIOノートだけに速やかな原因解明が望まれるところです。
大丈夫なんて事を言って良いのか?と思っていたらこんな事になりました。
なんかパロマとかプールの吸い込み危険性の調査漏れとかと同じ「だろう。発表」がソニーでもあらわになりました。
しかし、通常使用している状態で火を吹くなんて論外だと思うけどね。

8月 24, 2006 at 01:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.08.23

シュレッダーで幼児が指を切断

毎日新聞より「シュレッダー事故:2歳児の指切断2件発生 経産省注意
業務用シュレッダーに2歳の幼児が指を巻き込まれて切断する事故が、今年3月と7月に相次いで発生していたことが分かった。
メーカーから報告を受けた経済産業省は「家庭でシュレッダーを使う機会が増えており、同種事故が続く可能性がある」として、23日に事故を公表するとともに、シュレッダーに幼児を近づけないようにするなどの注意を呼び掛けることを決めた。
メーカーは再発防止策を同省に報告、要望がある場合は無償で対応する措置を取る。

3月の事故は、大手生活用品会社「アイリスオーヤマ」(仙台市)製の業務用シュレッダー「SCA-410D」(高さ約60センチ)。
同10日、静岡市内の女児(2)が、両親が経営する事務所内で、電源が入っていたシュレッダーの紙投入口に誤って指を入れ、両手の指を9本切断した。

シュレッダーはA4用紙約10枚の処理が可能で、1度に処理できる枚数を増やすため、紙投入口の幅が約8ミリあった。
事故後、同社は紙投入口を約3ミリに縮小した。

同社は23日から、事故が起きた機種と同じタイプのシュレッダー計5種約4万5000台を無償で改良品と交換する。


7月の事故は、「カール事務器」(東京都葛飾区)社製の同「DS-4000」(高さ55センチ)。同15日、東京都板橋区の自宅で、男児(2)の左手が同様に、シュレッダーに巻き込まれ、指を2本切断した。

このシュレッダーはA4用紙4枚を裁断できる。
紙投入口の幅は4~4.5ミリだが、今後2.5~3ミリに狭くする。

同社によると、同機種は約9100台を販売。特に家庭で使用している場合、無償で投入口を狭くする。
子どもの目からは魅力的に見える仕組みですから、家庭に普及したことで起きるようになった事故ですね。
しかし事故を起こした機種の投入口が、8ミリ~4ミリとは、ずいぶん大きいような気がする。
わたしが使っている機種は4ミリだと押し込まないと入らない。
この程度でもクロスカットだし、大量のゴミ処理でもしない限り通常は十分な性能を持っています。

事故を起こした機種は、より業務用だったのだろうか?
しかし業務用であれば、業務用としての安全設計の考え方もあるはずで、なかなか難しいところですね。

8月 23, 2006 at 08:38 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (14) | トラックバック (3)

2006.08.18

ソニーのリチウムイオン電池事件・その2

読売新聞より「ソニー製充電池問題、パソコン各社に聞き取り調査
電子情報技術産業協会(JEITA)は17日、国内パソコンメーカー各社に対し、トラブルの有無などの聞き取り調査を始めたことを明らかにした。

15日の問題発覚後の調査では、「現時点ではデル製パソコン以外のトラブルは確認していない」という。


ソニーは「発火はデル製パソコンの
充電回路と充電池に混入した金属粒子が
特定の場所に入り込んだ場合
にのみ発生する」と、
自社製パソコンでは問題は
発生していないと説明する。



パソコン各社も独自に安全確認を行っている。
ソニー製充電池を自社製のパソコンに使用している富士通や東芝は「充電回路の設計がデルとは異なる」などとして、いずれも「発火の可能性はない」とし、NEC、日立製作所、松下電器産業は、パソコンにソニー製リチウムイオン電池は搭載していない。
どんなものだろうか?
なんでソニー製の電池が発火するのか?という問題は、この説明では「発火を回路によって食い止めている」と受け取ることが出来るが、物理的破壊とかPCとして機能しないといった使用状況で発火するというのならとにかく、普通に使える大衆商品であるパソコンにそこまで危なっかしい部品を供給するのは、供給業者としておかしくないか?

パソコンといった非常に設計変更が多い製品に組み立てメーカ(デル)が使いがたい部品を供給するのであれば、ソニーがデルの技術を管理するべきだ、となってしまう。
なんか根本的な判断力がヘンではないだろうか?
まして「自社のパソコンは大丈夫」とはどういう事だ?この情報をデル社に伝えていなかったのか?

信用を大きく傷つけたと思う。

8月 18, 2006 at 11:04 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

原子力発電所問題

読売新聞社説 [原子力立国]「実現に欠かせぬ技術力と緊張感」

今、静岡県の中部電力・浜岡原子力発電所5号機と石川県の北陸電力・志賀原子力発電所2号機でともに低圧タービンの破損があり、現在停止しています。
以前からまとめようとしていたのですが、あまりに膨大な情報で全体像が掴めないまま過ぎてしまいましたが、今日の読売新聞社説に
技術力に不安を抱かせる例もある。国内メーカーの最新型タービンの羽根の脱落と破損だ。
6月以降、中部電力浜岡原発と北陸電力志賀原発が、このトラブルで停(と)まっている。
いずれも新設炉で、設計施工ミスの疑いが浮上している。
と書いています。
浜岡5号機のタービン破損は写真が公表されています。
こんな事が起きるとはちょっと想像外です。

原子力発電所はもともと発生する熱の温度は低いはずで、さらに低圧タービンだから温度はさらに低いのではないでしょうか?それでもこんな事になった。

志賀2号機でも、浜岡5号機と全く同じ「フォーク部のひび割れ」が確認されています。
この二つのタービンは日立製作所が製作したもので、同じ構造のようです。


Hamaoka

左の図は浜岡5号機の報告書です。

右上の図がタービン羽根の列を横から見たところで、赤く書いてある羽根が脱落しました。
下側にモノクロで3つある図が、羽根の詳細と取付部です。
フォーク状に加工してあるタービン羽根の根本をタービンホイールにさし込んで、ピンで留める構造です。









Siga この図は、志賀2号機の報告書ですが、浜岡5号機と全く同じ構造です。

下の写真に赤丸で印が付いているところにヒビが発見されました。
このヒビ自体は、磁粉探傷で発見されています。







図示されているタービンの付け根のところからひびが入り、脱落したという事のようです。
これでは、設計か材質の問題となりますが、わたしは設計の問題ではないか?という気が強くしています。


戦前のジェットエンジンの開発競争時代にタービン羽根の固定方式に世界中で苦労していて、現在の方式にすることで実用的なエンジンの製作に成功したのはイギリスのホイットルです。

タービン羽根をタービンホイールにピンで留めるというのは、その頃に失敗した技術の一つなんですけどね。
時代が違うからピンで留めても問題ない、ということではあるのでしょうがちょっと応力が集中するのではないか?と考えてしまいます。

タービン羽根の取付の問題ですから、タービン羽根と取り付ける翼車(タービンホイール)の両方の問題であり、変更するとなると実質的にタービンの内部の全交換になってしまいます。
さらにその耐久力の試験とかを完了しないとユーザーである原子力発電所では使えない。
ということはどのくらいこの二つの発電所は停止するのだろうか?

日本の原子力発電所は安全性はかなり高いが稼働率が低くその理由が点検時間が多すぎる、とされていますがそれでもタービン羽根が飛ぶという聞いたことがない事故になりました。

大型タービンは日本が得意とするものの一つで、船、火力発電所、石油プラントなどで大量に使われていて原子炉本体になどに比べると「枯れた技術」だと思っていたのですが、こんな事が起きるとは予想をはるかに超えていて驚いています。

8月 18, 2006 at 10:42 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.08.16

ソニーのリチウムイオン電池事件

日経新聞より「米デル、ソニー製パソコン電池410万個回収へ・発火の恐れ
パソコン世界最大手の米デルは14日、ノートパソコン用の電池410万個を自主回収すると発表した。
回収するのはソニー製のリチウムイオン電池。過熱し発火する可能性があるという。
パソコン関連製品のリコール(回収・無償修理)では最大規模になるもようだ。
この事件は以前から engadget などでは大々的に取り上げて話題になっていました。
これで、410万本の回収騒ぎになりましたが、その理由をソニーは次のように述べています。

朝日新聞より「電池供給のソニーにダメージも デルPCのリコール
充電池の製造元であるソニーも同日、不具合を認めた。
同社によると、微小な金属片が製造過程で電池内に混入し、パソコン側の充電システムにつなげると、ごくまれに電池内でショートした状況になり、過熱・発火する場合があるという。

ソニーはこの電池を子会社ソニーエナジー・デバイス(福島県郡山市)で製造している。
国内2カ所、中国1カ所の工場は工程の大半を自動化。


「出荷前の電池の動作テストでは異常がなかった。
事故を受け、金属片の除去工程を増やした」

(同社)という。

こうした見方に対し、

国内電池メーカーで構成する社団法人電池工業会は
「異物混入は最も避けねばならず、ゆゆしき問題だ。
品質管理は二重三重にやるのが普通だ」と
ソニーの検査態勢に首をかしげる。

近く同社に直接事情を聴く方針だ。

リチウムイオン電池はソニーが世界で初めて実用化に成功し、91年に自社製の携帯電話に搭載した。
その後、ノート型パソコンやデジタルカメラなどの軽量小型化が進み、充電池の主役の座をニッケル水素電池から奪った。
一時は三洋電機やソニー、松下電池工業など日本勢が世界シェアの9割超を占めた。現在のシェアは7割程度。
費用も350億円に達するとの説もあって大変ですが、原因は本当にに金属片の混入だけなのでしょうか?
もし別にも原因があれば、対策してもまた出火したという最悪の事態もあり得ます。

そこでこんな事になった。
朝日新聞より「ソニー製電池すべて調査へ 米製品安全委
米消費者製品安全委員会は15日までにPC用電池の安全性に関する調査を本格化させた。
ソニー製のPC向けリチウムイオン電池すべてを対象に、デル社以外のPCでも過熱・発火の危険性がないかどうか調べる方針だ。

委員会関係者はソニー製電池が他社のPCにも搭載されていることに注目し、同様のトラブルが起きる恐れがないかどうか調べるという。

委員会の調査対象を「ソニー製すべての電池を視野に入れている」と伝えたロイター通信によると、米ヒューレット・パッカードや米アップルコンピュータ、中国レノボもソニー製内蔵電池を使用。
米国では15日、車内に置いていたPCが発火して小型トラックが燃えたという持ち主が、車両の前で炎上の模様を語る映像も放映され、情報家電では過去最大というリコール作業のテンポも速まっているという。

リチウム電池に関する過熱などの報告例は、デル社以外のメーカーや携帯電話なども含め、03~05年に339件あったという。
航空機内で発火するケースも問題化しており、当局はリチウムイオン電池を大量に空輸する際の規制強化も検討していると伝えられている。
PCの機能向上が内蔵電池の負担増につながっている側面も指摘されており、電池メーカーだけでなくPC業界としての取り組み改善を促す声が強い。
大騒ぎになってしまいました。

8月 16, 2006 at 05:32 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (26) | トラックバック (0)

2006.07.04

エレベータ死亡事故・その15

読売新聞より「シンドラー社製「閉じ込め事故」、1年間で320件
業界団体「日本エレベータ協会」が公表した大手5社のエレベーターの閉じこめ発生率は平均で1月当たり0・15%だが、シンドラー社製は0・4%台で約3倍の高い発生率となった。

シンドラー社は「エレベーターは数多くの安全装置を備えており、乗客の安全が脅かされる状態から守るために閉じこめが起きる」と説明している。
エレベータはカゴの中で飛び跳ねたりすると、安全装置で緊急停止して閉じ込められることがあります。
そこでシンドラー社のエレベータが大手5社に比べて3倍の閉じ込め報告があったことの意味を考えてみると、機械であって各種センサーの働きで緊急停止・閉じ込めと至るわけですから、原因・感度といったもので閉じ込めの件数も変わる可能性があります。 しかし、人が飛び跳ねるといった原因がシンドラー社のエレベータでは多いというのあり得ないでしょう。
一方、ゴミが挟まったとか光学センサを使っているのだとするとレンズが汚れていたといった機械的な感度が他のメーカーと違うことはあり得ますが、それだと例えば年中止まってしまうといった実用上の問題になりそうです。

人の使い方や機械がシンドラーエレベータの製品と他社製品があまり変わりがないだのだとすると、閉じ込め報告数の他社よりも多い部分は他社にはない原因で閉じ込め事故を起こした。となりますね。

具体的には乗っている人も平均、機械の仕組みも平均、メンテナンスの状況も平均だとすると閉じ込め事故を引き起こした原因が、通常の機械の状況や使う人の使い方など以外の主に設計上に問題がある、としかなら無いでしょう。

7月 4, 2006 at 02:30 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (1)

六ヶ所村で起きたこと

「六ヶ所村で何が起きた?」では
朝日新聞の記事通りの作業であったとすると、粉末とか液体といったものを扱っていたのではないのでしょう。
それがなぜまるで粉末を扱っていたかのように、手袋・靴さらに鼻孔?
どうすればこんなことが起きるのだろうか?
被爆したことよりも、この作業で想定していないヘンなことが起きたのではないでしょうか?

必要なのは「何でそんなことになるのか」であり「間違ってもそんなことを起こすことが出来ない」とするのにはどうすれば良いかの?が対策になるのだ。
と書きました。
要するに

「事件報道の範囲の事実はないだろう」


と考えていたのです。今日になってこんな記事が出ました。

朝日新聞より「日本原燃「被曝なかった」と報告 一方、人為的ミス判明
  1. 前処理の際、別の作業員による前処理の際、装置の画面に表示された文字を見誤って、放射性の高い成分を取り除く作業をしなかった。
  2. プルトニウム濃度が高い状態で試料が皿に固着した
  3. 濃度を確認する検出器も正常に機能せず、そのままトラブルの起きた分析室に持ち込まれた
  4. 検出値の異常に気付いた作業員が、試料を固着させた皿を取り出して袋に入れ、別の分析室にいったん持ち出したという。
  5. 人為的ミスからプルトニウムの試料が分析室に飛散した
  6. 一連の作業の中で、試料の一部がはがれて飛び散り、作業員の鼻や床に付着した
  7. 作業員の排泄(はいせつ)物から放射性物質は検出されず、原燃は体内被曝はなかった
スリーマイル島事故もチェルノブイリも作業員が予想していない事態に巻き込まれたときに間違えた行動をした(スリーマイル島事故)となっています。作業員のパニックがより大きな問題になっていくというのは今回も全く同じではないか?という印象を強く受けます。そのためか、原燃も重大視しているようで以下のコメントを出しています。
原燃は、前処理が未実施の試料が持ち出されないようシステムを改良するほか、作業員の教育の徹底や作業種別に管理者を置くなどして再発防止を図るとしている。

原子力安全・保安院の広瀬研吉院長は「必ずしも作業員の単純ミスだけによるとはいえず、分析の行程をよく見直して原因を洗い直す必要がある。品質保証や安全管理について専門家の意見を聞きながら検証していきたい」と話している。
危なっかしいことをやってますね。

7月 4, 2006 at 12:52 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.07.02

エレベータ死亡事故・その14

読売新聞より「シ社製エレベーターで閉じ込め、40分後に救出…横浜

わたしは、エレベータが何らかの異常で「正常に止まる」のは事故ではないと考えています。その結果、何分間か人が閉じ込められるもの仕方ないし、これも事故とは思いません。
しかし、このニュースはどうもちょっと違う。

2日午前1時ごろ、横浜市西区南幸のディスカウント店「ドン・キホーテ横浜西口店」(7階建て)で、買い物に訪れたの男性会社員が1階から「シンドラーエレベーター」社製のエレベーターに乗り込み、上昇した際、ドアが開かなくなって閉じこめられた。

1階から7階まで何度か行き来したが、どの階でもドアが開かず、約40分後、駆け付けた同社社員に救出された。
どういう事だ?
ドンキホーテだから深夜といっても客は大勢いるだろ。さらに、被害者だってボタンを押しただろ。
それを無視して上下したというのでは、安全もヘチマもないだろ。

何か異常があれば止まって当然で、動き続けたとはどういうことなのだ?
これでは、全面的に使用禁止になって仕方ないと思う。

7月 2, 2006 at 09:28 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.06.27

鉄鋼業界再編ニュース

日経新聞と毎日新聞が社説で鉄鋼業界再編を取り上げています。
微妙に二社の社説のトーンが違います。

日経新聞社説 「グローバル再編の号砲鳴った鉄鋼産業
  • 中国などの新興市場の成長で、もはや成熟産業ではなくなった。
  • 鉄鋼業界はカルテル体質が目立ったが、市場が成長性を回復するとともに、(今後は)競争は激化する。
  • 買収に次ぐ買収でのし上がる新興勢力は成長分野では珍しくない。
  • M&Aの奔流にのみ込まれる時代が素材産業にも到来した。
  • もう1つの教訓は産業ナショナリズムの限界だ。
  • グローバル再編の幕が開けた鉄鋼産業。
  • その中で生き残り、成長するには技術力だけでなく、ときに大胆な買収を仕掛けたり、独自の世界戦略を描いたりする経営力が不可欠。
毎日新聞社説 「鉄鋼巨大買収 対岸の火事ではすまない

  • 買収の成功は、日本の鉄鋼メーカーにとっても対岸の火事と、傍観してはいられないことを示している。
  • 日本のメーカーが持つ高い技術力は、海外のメーカーにとっても魅力だからだ。
  • 鉄鋼原料の鉄鉱石や原料炭は供給の寡占化が進んでいる。
  • 鉄鋼メーカーは、原料供給と自動車という巨大企業の間にはさまれ、価格交渉などで十分に力を発揮できない。
  • 交渉力を高めるためにも再編が必要となっている。
  • 素材開発から製品の製造まで一貫した生産の仕組みを日本企業が主導できる体制は今後も維持すべきだろう。
  • 鉄鋼以外でも産業のグローバルな競争が進もうとしている。それに備え、競争政策のあり方も再検討が必要だ。
わたしには、日経新聞社説は情勢分析の結果、巨大再編は驚くことではなく経営戦略にM&Aも視野に入れるのは当然、と比較的に肯定的というか促進的に感じます。
毎日新聞社説は、危険であるといった防御的なトーンに感じます。

日経新聞社説は鉄鋼産業を巨大素材産業の一つであるとして、他の業界でも同じ事を考慮するべきとしているのに対して、毎日新聞社説では鉄鋼業界の特徴について説明していて、ちょっと範囲が狭いです。
さらに、ちょっと気になるのは毎日新聞社説では
インド出身のミタル会長がインドネシアで電炉事業を起こしてから30年で世界一になった。
買収してきた企業は、リストラの結果、収益力は改善された。
しかし、棒鋼など低価格の汎用品が主体で、自動車や家電製品向けの薄板など高級鋼材分野は弱い。
そこで、欧州の自動車メーカーなどに鋼材を供給しているアルセロールの敵対的買収に踏み切った。
との記述で、これは事実上日本の鉄鋼業の高炉メーカと電炉メーカの立場と対立関係をそのまま反映している記事だと感じます。

一言でいえば「高炉メーカは一流で、電炉メーカは二流」であって、「棒鋼など低価格」というところに現れています。

これは、事実ではありますがリサイクルという観点からは鉄鉱石から高炉で鉄を作るよりも電炉による再生の方が圧倒的にエネルギー効率がよいのは当然で、将来的には確実に有利になると思われます。
つまり「高炉メーカは高級」という考え方自体に転換を求められているのが現在であって、鉄鉱石とコークス用の石炭産出国の圧力は将来は減ると考える方が合理的でしょう。

やはりここでも毎日新聞社説のベースになっている考え方は古いというか後ろ向きの面があると指摘せざるを得ないでしょう。

6月 27, 2006 at 11:22 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.06.26

エレベータ死亡事故・その13

朝日新聞より「体育館の工事 豊田市がシンドラー社に中止申し入れ
豊田市は26日、シンドラー社が工場で始めているエレベーターの製造を7月31日まで中止するよう同社に申し入れた。
豊田市総合体育館のエレベーターは、指名競争入札で同社が落札した。
市は市民の不安を考慮し、製造を中止させた上で同社製エレベーターの安全性を確認したいとしている。

ただ、短期間での安全性の確認は難しく、市はこの間に同社に契約の辞退や解除を申し入れる方針だ。
しかし一方的に解除できる条項が契約になく、同社が辞退するかどうかは不透明だ。市は7月までに、同社に損害賠償をして別の会社に変えるか、安全面などの条件を付けた上で同社に設置させるか判断したいとしている。
これ、大問題でしょう。
入札で決めたものが信用できませんというのでは、入札制度がそのものが信用できないということでないですか。

単純に価格競争をするのであれば、競争する各社の製品の品質が同じである、ということが前提条件になるか、行政側が品質をチェックし保証する技術力があるか、どちらかしかないでしょう。
行政が品質を技術的にチェックする能力は無いのですから、仮に「安かろう悪かろう」であっても、悪いかどうかが判断できない、ということです。

入札では「1円入札」といったこともあって「どうよ?」なのですが、どうするでしょうかね?

損害賠償金を支払って契約を解除するにはその必要性をどうやって主張するのだ?「短期間じゃできない」のなら長期間掛けて検討したらどうなのよ。
死亡事故になった港区では住宅管理を行っている公社を解体しちゃうらしいし、実は責任の多くは入札制度にあるのではないか?

6月 26, 2006 at 03:25 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.06.25

六ヶ所村で何が起きた?

読売新聞より「再処理工場で溶液分析作業の男性、体内被ばくか
日本原燃は24日、最終試運転(アクティブ試験)を行っている使用済み核燃料の再処理工場(青森県六ヶ所村)で、男性作業員(19)が放射性物質を吸い込み、体内被ばくした可能性があると発表した。

同工場での体内被ばく事故は2人目。

外出のため、放射性物質が付いていないかどうかを調べたところ、両手袋と靴からごく微量の放射性物質が検出された。全身を調べたところ、鼻孔内でごく微量の放射性物質が確認された。
一体何が起きたのだろうか?
そもそもどういう作業をしていたのか?については、朝日新聞に「使用済み核燃料再処理工場で体内被曝の恐れ 六ケ所村」に出ています。
作業員はこの日午前中から、放射線管理区域内にある試料を分析する建物で、使用済み核燃料を切断して溶かした溶液を焼き付けた小皿を、測定装置で計測していた。
朝日新聞の記事通りの作業であったとすると、粉末とか液体といったものを扱っていたのではないのでしょう。それがなぜまるで粉末を扱っていたかのように、手袋・靴さらに鼻孔?
どうすればこんなことが起きるのだろうか?
被爆したことよりも、この作業で想定していないヘンなことが起きたのではないでしょうか?

再処理工場での作業はタテマエとしては限定された作業員が行うから「訓練を受けた専門家が扱う」という前提で計画されたのだろうと思う。これは別に再処理工場だけの問題ではなくて、一般の工場などでも同じ事だ。
割と有名な例では工場内の掲示を各国語にしたら効果があった、というのがあります。こんなのも以前は「人の方が慣れるのが職域の文化だ」という考え方もあって対策としては遅れていたのですが、どうも「工場内だから専門家」的な考え方では無理な時代になってきているのではないか?

今回の事例は、この19歳の作業員にどういう教育をして、実際にはどんな行動をしたのかを克明に調べるべきだと思う。もちろん、問題のある行動だったという調査結果が出るとは思うが、それを「不注意でした」とか「個人の責任です」などという話に矮小化してはいけない。必要なのは「何でそんなことになるのか」であり「間違ってもそんなことを起こすことが出来ない」とするのにはどうすれば良いかの?が対策になるのだ。

6月 25, 2006 at 10:03 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.06.18

エレベータ死亡事故・その12

朝日新聞より「シ社エレベーター停止、4人閉じこめられる 横浜地下鉄
7日午後7時10分ごろ、横浜市西区南幸1丁目の横浜市営地下鉄横浜駅の地下2階改札階で、シンドラー社製のエレベーターが約30センチ上昇したところで突然停止し、大人と幼児ら4人が閉じこめられた。
乗客からインターホン通報を受けて駆けつけた駅職員と他機の点検中だったシンドラー社社員が扉を開け、約3分後に助け出した。乗客にけがはなかった。
最初は「3分後に駅員が救出した」という報道だったので「イヤに速いね」と驚いたのですが、社員がタマタマいたわけですね。
わたしは「正常に止まるのは事故ではない」としてますから、これも事故じゃないと思いますが、原因には問題ありではないか?と思うのです。

産経新聞より「シンドラー製エレベーター、また閉じ込め 市営地下鉄横浜駅
レベーターは油圧式で、同社の点検の結果、油の流量をチェックするセンサーが誤作動したことが分かり、センサーを交換し運転を再開した。
油圧式で流量調整でセンサーがあるのは当然であるが、それで閉じ込められてしまうのというのはヘンではないか?と思う。
通常は油圧式エレベータではカゴを油圧で持ち上げているはずだから、油圧が抜ければ一番下(構造によっては一番上)まで動くはずだ。
ホースが切れたとかでない限り、油圧は一気には失われないので自由落下でもその速度はゆっくりしている。
つまり閉じ込めになるという選択ばかりではないようにも思う。
ところが、今回は記事によれば、センサーの異常で停止閉じ込めだそうで、ちょっと制御の頭が悪すぎないか?

どうもシステム全体に危険なほど冗長度が低い物を、メンテナンスで動かしている。という感じがしてならない。

6月 18, 2006 at 06:35 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (0)

エレベータ死亡事故・その11

読売新聞より「エレベーター事故、ブレーキ異常と断定…警視庁
警視庁捜査1課は、事故機が急上昇して高校2年の男子生徒(16)を挟んだ原因について、ブレーキに異常が生じ、つるべ式のおもりの力を制御できなかったためと断定した。
おもりの重さだけで、事故機が引き上げられる力を測定したところ、男子生徒が事故時に受けた圧力と、ほぼ一致したことを確認。
同課は、事故当時、モーターが作動した可能性はないと判断した。
ブレーキが摩耗していて効きが悪かった。という報告は出ていますから予想通りではありますが、もう一面で疑問が出来ます。
  • エレベータが停止するときには巻き上げモータは停止する(当然ですが)
  • ブレーキは電磁式だから、ブレーキが掛かっているときには通電しない(停電してもブレーキが利くためには必須)
  • 事故は、ブレーキの効きが悪く止めることが出来なかった。
要するに
「安全装置がない」

ということになってしまうのだが?
そんな設計がありうるものなのか?

停電などで電気が無い場合にもエレベーターは通常通りの運行が出来なくてはいけない、とは誰も考えないだろう。
それでも停電した場合には止まった位置から全く動かすことが出来ず、中の人は電気が車で閉じ込められます。ではこれも許されることではない。
非常時には電力が無くても人力など出て安全適切に動かすことが出来て当然だ。となりますが・・・・・。

実際には空荷のカゴが急上昇して最上部に激突してワイヤーが滑車から外れたとか、レールからカゴが外れて傾いていると伝えられています。
つまり「人力では制御不可能であった」のです。
電気はメインの電源を切ってあったので、ちょうど停電状態であったのです。

これで分かることは、電気的に適切な制御があった上で、停電などでも人力での操作を含めて適切で制御可能であること、を要求されているわけですがこれが両方ともダメだった。ということになりますね。
少なくもと「ブレーキが壊れたら暴走します」が理由を問わずに許されるとは思えない。

明らかにするべきは、どういう設計であったのか?でありましょう。

6月 18, 2006 at 09:03 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エレベータ死亡事故・その10

毎日新聞より「エレベーター事故:事故機の保守会社員、ずさんな点検証言
事故機の保守点検を請け負っていた「エス・イー・シーエレベーター」の技術系社員が毎日新聞の取材に応じ、「メーカーからの製品情報がほとんどなく、部品の調整が怖くてできない」と証言した。
業界の情報の閉鎖性と保守点検業務の危うさが浮かび上がった。

事故機の保守点検は当初、製造元のシンドラーエレベータ(江東区)が行っていたが、その後競争入札になり、
05年度は「日本電力サービス」(多摩市)、
06年度はエス社になった。

エス社は今年4月から事故発生の6月3日までに4回の点検をしていたが、ブレーキの不具合を感じながら補修は一度もしていなかったことが明らかになっている。
その間もトラブルは何回か起きていた。

保守点検が不十分な理由についてこの社員は、
シンドラー社製の情報がほとんどないことを挙げた。
「メーカーは自社系列でない会社に設計図や点検マニュアルを渡さない。
大手メーカー系列から中途入社した社員が製品の知識を伝授しているが、
大手以外のOBはほとんどいない」という。

エス社は06年度の保守点検を約115万円(前年度比43万円減)で落札した。
シンドラー社が随意契約で請け負っていた03年度に比べると3年間で4分の1の価格になった。

安値受注について社員は「メンテナンスに限界がある。5年、10年と継続受注してはじめて部品代もねん出できる。入札で1年ごとに業者が代わるのでは部品交換もままならない」と訴える。
部品交換が出来ないのでは何を点検しているのか分からない、というか意味がない。
わたしは、「シンドラーエレベータ・自治体困惑と言うが」
値段だけを見れば悪くても安いものを買わざる得ない、内容はさっぱり判らない。
一体どうやって入札を成立させるのでしょうか?基本的に入札制度自体が無理に近いんじゃないでしょうかねぇ?
と書きましたが、今回の事件では現実のものになったと思います。

どういう入札で公社がメンテナンス会社を決定したのか分かりませんが、メンテナンス業務の価格は幾つかの要素によって決まるでしょう。
  • 規模 多数のメンテナンス業務を引き受ければ量産効果がある
  • 部品の価格 メーカー系と非メーカー系では部品の価格は違うはずだ。
  • 技術情報の質 メーカ系の情報レベルは当然高い
入札を実施した公社がここらを総合的に判断すれば「この価格でこのサービスが実現できるとは思えない」といった判断は出来るはずです。
しかし公社がこういう判断をすることなく、公社が入札のために作った条件を満足するという前提だとして価格だけで判断したというのなら、実際の作業で条件通りにしているのかをチェックする必要が出てきてしまう。

ところが実態は技術情報をメンテナンス会社は出さない(だから引き継ぎがない)のだから公社がチェックしていないのは明らかで、要するにやりっぱなしだった。
入札制度の実態が技術的とか質的な内容については無視して安ければよいという姿勢で一貫していた(だから3年間で1/4に出来た)
一言でいえば「安かろう(当初の1/4にした)悪かろう」の犠牲者が亡くなった高校生だと言えますね。

6月 18, 2006 at 08:26 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.16

エレベータ死亡事故・その9

産経新聞より「ドア開いたまま昇降のプログラムミス52台 シンドラー社が発表
シンドラー社の説明によると、平成3年から5年に出荷した52台の制御盤のプログラムにミスがあった。
ドアが閉まりきる前に「開」のボタンを押すと、閉まったと認識した制御盤の指示で昇降が始まるが、ボタンに従いドアが再び開いてしまう誤作動を起こす。

シンドラー社は5年にミスに気が付きプログラムを修正。
出荷済みのものについてもソフトを交換したが、リスト漏れが3台あったほか、古くなったエレベーターについてシンドラー社が改修工事をした際、6台を古いプログラムに戻してしまったといい、東京など1都4県で計9台にプログラムミスが残っていた。
平成3年というと1991年である。
15年も分からなかったというのは「管理していません」ということだろう。

さらにタチの悪いのは「一度なおしたものを、間違えて元に戻してしまった」でこんなのは書類で管理していても書類上は「改修済み」になっているわけだから、今回のような寺家が起こらない限り「書類上は正常」のままだ。

ソフトウェアを売っていた時代には、必ずユーザと同じコピーを保管していて常に同じものをテストできるようにしていたものだが、その後に知り合った連中の中には客先で修正してしまうために修正したものが元に戻ってしまう、なんてひどいことをやっていた奴が居た。
それと同じ事をやっているのではないか?ソフトウェアを商売として扱う資格がないと言っても過言ではあるまい。

ましてシンドラー社はこんなことを言っている。
「港区の事故機はプログラムの種類が違い、関連はない」
しかしドアが開いたまま動いたことに変わりはないわけで、同じ現象に複数の原因が推定されるわけだ。
かえってタチが悪いだろう。
その一方では新品では利いたブレーキが激突を引き押すほど摩耗などしているのにメンテナンス対象から見逃されていたらしい、というメンテナンス体制の問題が見つかっている。
一体これでどうやって安全を確保することが出来るのだろうか?

6月 16, 2006 at 09:51 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (3)

エレベータ死亡事故・その8

読売新聞より「事故エレベーター、ブレーキ異常が濃厚…新品では正常
警視庁捜査1課が15日、事故機のブレーキを新品に取り換えて再現実験をしたところ、エレベーターは正常に作動した。

このため同課は、ブレーキに何らかの異常があった可能性が高いとみて、事故時のブレーキを分解するなど、詳しく調べる方針。
立証するために実験するのは重要ではありますが、この結論は分かっていたことです。
新品を付けてもブレーキが利かないのでは最初から機能しません。
記事ではもう一つ重要な指摘をしています。
事故は、電源が入った状態で起きていたことから、制御盤にも何らかの異常が発生した可能性があるとみて捜査を進める。
これはカゴが上昇して高校生が挟まれた、という意味で受け取ると話が通じないですね。
事件の構造を結果から逆の順序に書いてみます。
  1. 高校生がドアが開いたまま上昇したエレベータに挟まれて死亡した。
  2. エレベータは定員の半分以下の負荷だと重りのバランスの関係で上昇する。
  3. 上昇(降下もだろう)を止めるのはブレーキである。
  4. ブレーキは電気が通電することで開放(自由)になり、電気が切れる(通電しない)と制動する。
ですから記事の「電源が入った状態で事件が起きた」というの事実であっても技術的には「電気が通電しているときにはブレーキが掛かる」という話にしないと意味が通じません。

ただ「ドアが自動で開く」とか「(ボタンを押した)指定した階に到着する」といった機能は間違えなく電気が通電して制御している状態ですから、この部分で異常があれば「制御盤の異常」でしょうね。

むしろ問題は、一つのブレーキの不調で暴走するエレベータでは安全設計とは言えないだろ。ですね。
これをメンテナンス会社の全面的な責任とすることが出来ることなのでしょうかね?

6月 16, 2006 at 08:12 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (3) | トラックバック (1)

2006.06.14

エレベータ死亡事故・その7

読売新聞より「不具合情報は社外秘…エレベーター業界は密室体質
過去のトラブル情報が製造元のシンドラーエレベータ(江東区)から保守管理会社に引き継がれていなかったが、現状では情報引き継ぎを義務付ける法令などはないのが実態だ。

またエレベーターメーカーが系列外の管理会社に情報を出し渋るという業界の「悪弊」も背景にはある。

このため国土交通省は、エレベーターのトラブル情報の引き継ぎや情報開示など、新たなルール作りを進める方針を固めた。

「メーカーは不具合情報を決して、系列以外の管理会社に漏らさない」。
メーカーの系列には属さない、都内の独立系保守管理会社の社長はそう明かす。

国内で60万~70万基が稼働中とされるエレベーター。
新規設置分のうち、三菱電機や日立製作所など大手5社が9割超。
設置後の保守管理も系列会社が受託するのが圧倒的に多い。
独立系18社で組織する「エレベーター保守事業協同組合」(豊島区)によると、国内では現在、独立系が五十数社で、全体の約1割の管理を請け負っている。

だが関係者によると、管理会社が交代すると、元のメーカー系がエレベーターのかごの上部にある動作点検用のスイッチを取り外していったり、閉じこめ時にドアを開ける専用キーを売らないなど、様々な“締め付け”が始まるという。
「管理会社に黙ってメーカーが機械を直していくこともある。機種に欠陥があっても公表されることはない」と、先の独立系の社長は語る。
2002年には国内最大手の三菱電機系の「三菱電機ビルテクノサービス」が、独立系に対する保守部品の納入をわざと遅らせたり、不当な高値で売ろうとしたとして、公正取引委員会から排除勧告を受けている。
これに対し、大手メーカーなどで作る「日本エレベータ協会」は、「情報の引き継ぎなどの問題は、管理会社を変更する際、所有者の責任で対処すべきだ。
メーカー側の問題ではない」と話す。
昨日見た記事を探したのですが見つかりませんでした。
日本全国では1年ちょっとの期間で数百件のエレベータトラブルがあるという記事でした。
1000台のエレベータが1年動く、1件のトラブルがある。というのは直感的には多いではないか?と感じますが、別記事のコメントでも書きましたがエレベータ内で人が飛び跳ねたりすると停止します。これは正常な安全装置の作動ですが停止したから閉じ込められたという場合もあると思いますが、閉じ込められただけを見ると機械的なトラブルと区別が付かないでしょう。つまりは機能は正常で安全に問題がないのか、正常であると確認出来ない、故障あるいはシステムの原因不明の異常の本当の数が分かっているか?という問題に直面します。

ここにメンテナンス情報を引き継がないでは状況が分からないし、分からないのでは有効な対策も基準も作ることが出来ないでしょう。
それにしても、産経新聞の記事「エレベーター圧死、ブレーキ異常が原因 ディスクに多数の傷
エレベーター圧死事故は、ブレーキ異常が直接の原因だったことが13日、警視庁捜査1課の調べで分かった。
鑑定した結果、ブレーキディスクに多数の傷が見つかった。これらの傷で利きが悪くなったとみられる。
モーターへの送電が止まるとブレーキが作動する仕組みで、ドアが開いた状態では制御盤の指示で送電が止まり、重りの重量でかごが上下しないようディスクを押さえつける。

警視庁でブレーキを分解して鑑定を進めたところ、アーム部分やバネには異常がなく、ブレーキパッドの摩耗も許容範囲内だったが、ディスクに新旧の無数の傷があることが新たに判明。これらの傷がブレーキの利きを甘くしたとみられるという。
警視庁では管理会社がこれらの重大な傷を見落とした可能性があるとみて捜査するとともに、事故機などがトラブル続きだったことから、ブレーキ異常につながる構造的欠陥の有無について製造元の「シンドラーエレベータ」側から事情を聴いている。
過去のトラブルについて管理会社間の引き継ぎがなかったことも明らかになっており、委託元の「港区住宅公社」の安全管理に問題がなかったかについても調べている。
これでは、いったい何を点検していたのかですし、メンテナンス会社は何を重点的に点検するべきかが分からないからブレーキディスクを見ていなかったというのは論外ですね。
点検とは一体何をすることだったのか?というところまで踏み込んで調べないとまずいでしょう。
警察は刑事事件の犯人捜しに重点を置くので事故防止のために再発防止のために技術基準を改めるといった方向に影響が少ないのは、航空機から自動車その他の機械類などの事故についても同じ事でここらヘンの仕組みそのものを何とかするべきだと思うのですがね。

6月 14, 2006 at 08:55 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (6) | トラックバック (3)

2006.06.13

エレベータ死亡事故・その6

テレビのニュースでちょっと流れたのだけど、事故を起こしたエレベータのブレーキ機構を取り外して調べている警視庁はブレーキ機構のボルトが緩んでいた、という情報を出したようです。
しかも問題のボルトが緩むとブレーキの効きが悪くなる。つまりはメンテナンスの問題か?ということになってきたようです。

さらに、メンテナンス会社の元従業員が「メンテナンスが手抜きである」という発言をしていて、メンテナンス会社に取材を申し入れたらメンテナンス会社は取材拒否した。というのですね。

それにしても、ポルトが緩むとブレーキの効きがダメになるというのは設計的におかしく無いですかねぇ?
複合トラブル事故、といったところでしょうか?

6月 13, 2006 at 09:22 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2006.06.10

エレベータ死亡事故・その5

NHKニュースより「エレベーター事故 断線はなし
エレベーターの電源を入れて通電状態を調べたところ、ドアの安全装置やブレーキ、それにモーターなど装置全体に正常に電気が流れ、断線などの異常はなかったことがわかりました。コンピューターが入った制御盤にも、外見上、特に変わった点は見られないということです。 このため警視庁は、コンピューターのプログラムにトラブルが生じた疑いもあるとみて、今後、エレベーターを実際に動かしてコンピューターからの信号の流れ方に異常がないかを調べ、事故原因の特定を進めることにしています。
なんというか「外見上で異常があるものだ」というのは、調査過程の一つではあっても外見上に異常がありそれが故障の直接的な原因になるとは限らない。
なぜなら、エレベータを機能させている根本は電気(電流)であって、例え配線が切れていようとそれで分かるのは「この配線には電気はたぶん流れないだろう」だけであって、現実の作動を引き起こす「実際の電気流れが見えないことに変わりはない」=「見えない」=「分からない」なんですどねぇ。なんでこんな記事になるのだろう?

読者の多くは技術者でしょうから、釈迦に説法ではありますが今回の事故に至るまで「不具合が再現せず」的な状況であっただろうことは容易に想像できます。
一般にこのような「原因不明の故障」に対する判断は「制御回路など電気部品の劣化」といったとらえ方を多くしますが、詳細はもちろん分かりませんが制御用に使用する機器は専業メーカが作ったもので、極めて信頼性が高く機器や部品の個々の故障は事実上考えないでも良いほどです。
特にあっちこっちでいくつもの不具合があったということは、機器や部品の問題ではなくて、組み立ての問題かシステムの問題です。

今回も香港での同様な事故でも「ドアが全開のまま上昇した」というのですね、なんでドアが開いたままで動くことが出来るのか?という疑問が出てきますが、常識的には「ドアが開いていることを感知していないから」でしょう。

ドアは動作として、閉めておく・開けておく・閉め始める・開け始めるといった4つの作動状況があり、かつ作動状況の確認をしないとドアの開け閉めの制御にはなりません。
だから常識的には「スイッチは一個ではない」のであって、それだからこそ「複数のスイッチが同時に壊れることは無いだろう」というの自動運転(自動制御)が安全上で実用に耐える最大の理由となっています。

今回は、この部分が機能しなかったから死亡事故になっていますから原因を追及するべきところは「一ヶ所壊れると致命的なところがあるか?」であって、これは設計の検証に他ならないでしょう。
もし、根本的に設計の問題でかつ修正することが出来ないところ例えば信号をバスに流していて、その扱いをしているソフトウェアの中核がダメである、といった場合には不具合の修理は利かなかったのではないか?と思うのです。
エレベータの不具合の修理では、機械部分の清掃でゴミなどを取り除くこと、センサーの感度(感知位置)の調整をすること、が中心でしょう。ソフトウェアの入れ替えとかなら大騒動になるはずです。(やっていたら怖いというか、論外)
つまりバスの不調などなら「いくら調整しても直らない」という現象が出たはずで、今のところそういう報告は無いようで、むしろ東工大すずかけ台キャンパスの「ドアが外れた」といった、機械的なトラブルのすごさの方に注目したいと思います。

ドアが取れるというのは、ちょっと考えがたいことですが本質は「機械的な出来が悪い」としかならない。そこで、センサーの取り付けなども同様に「出来が悪い」さらには「センサーの数が少ない」(兼用している)というのがあるのではないか?と考えています。

これも専門家には釈迦に説法ですが、ドアを開くといった動作を考えると「ドアと開くためにモーターを作動させる」→「ドアが定位置まで開いたら、モータのスイッチを切り、ドアは開いた位置で止まる」とすれば良いのですが、もし開きすぎたらどうする?ということを織り込むのが設計です。
開きすぎるというのは、定位置でスイッチが切れないあるいは外部の力で動いたですから、ドアがどの位置にあるのか分からないとなります。
そこで「開きすぎた場合を調べるスイッチを付ける」となります、同様に「もうじき開いた側の定位置にあるとチェックするスイッチ」を付けることも精密な位置制御が必要な場合には良くやります。
原理的には「異常になった場合に、異常な状況そのものを感知する」であって正常作動時には使わない機能を付けておくのです。
これを「普通は使わないから無くても良いだろう」とやると、故障した時に「後がない」か結果的に暴走するのですね。
高級に言い方だと「フェイル(失敗)セーフ(しても大丈夫)」なのですが、少なくとも結果的に作動していませんでした。

香港の事故、港区の事故ともに少年が被害者です。
これをメーカ主張の通り「使い方の問題」だとすると「少年が乗ると正常動作が保証できない」というつもりなのかもしれません。
かなり問題は深いと思いますね。

6月 10, 2006 at 09:02 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

エレベータ死亡事故・その4

毎日新聞より「エレベーター事故:マンションの5台、他社に交換 港区
武井港区長は9日夜の記者会見で、同マンションに設置している「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)製のエレベーター5基を他社製に取り換える方針を明らかにした。

最近は駅に設置されたエレベータを見るとエレベータの構造が良く分かりますが、ユニット化・プレハブ化が進んでいて、駅に後からエレベータを設置するなどでは建物に穴を空けるといった工事の方が大変です。
ビルのエレベータでは最上階の機械室に動力部分があるので、これの扱いは簡単では無いでしょうが取り替えはむしろ簡単にできるといって良いでしょう。
問題のマンションは管理者が実質的に港区ですから、区長が決定するのは自然なことですが、ようやく出てきた不具合は
シティハイツ竹芝では03年4月~06年5月の間に計43回の不具合が起きていたことが区の調査で明らかになった。
わたしは「建物は98年に出来て、エレベータもそれ以来動いているのに、03年になってから不具合の報告が激増した」という点にこそに問題の本質がある、と考えます。
まる4年間で43回では毎月どこがに不具合があったわけで、これでは幼児も含めて誰もが使用する公共物としては故障頻度だけを見ても失格でしょう。

6月 10, 2006 at 08:18 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.06.08

エレベータ死亡事故その3

毎日新聞より「エレベーター事故:ブレーキ利かない…救出の点検会社社員
救出作業に加わった保守点検会社の社員が警視庁捜査1課の事情聴取に、救出作業後のエレベーターの急上昇について「機械室で巻き上げ機のブレーキをかけていたのに利かなかった」と証言していることが分かった。

これはきわめて大きな技術的な告発と言えるでしょう。新聞記事のポイントを並べると
  1. マンション屋上にある機械室で救出作業に加わり
  2. 市川君の体を挟んだエレベーターを下げる作業に当たった
  3. エレベーターの主電源を切った
  4. 手動でブレーキを解除
  5. ハンドル式の昇降装置を回してエレベーターを下げようとした
  6. ハンドルが重かったため操作を断念
  7. 手動でブレーキをかけた
  8. が、エレベーターが上昇する方向に少しハンドルが動いた
  9. ロープでハンドルを固定した
  10. 市川君が救出された
  11. ロープをはずした
  12. エレベーターの上昇に連動してハンドルが回り出し
  13. 回転は最初はゆっくりだったが、だんだん速くなり
  14. まもなくエレベーターが機械室の床下にある最上階の天井に衝突

このことから、重りとかごの重量バランスがまともで無い可能性が出てきましたね。
手動ハンドルが使えない、手動ブレーキでは止めることが出来ない。ということですね。
基本的な設計が危険な方向に寄りすぎていた、それを制御で強引に止めていたといったところでしょうか?
ボタンを押した方向に動かないとか、ドアが閉まったまま・開いたままといったところは制御シーケンスが甘すぎるというのも確実だとは思いますが、これはどうも重量バランス、ブレーキの効き、制御のレベルの浅さなどあっちもこっちも手抜きという印象ですね。
それが何年間か機能していたのは、メンテナンスでカバーしていた、それがコスト増加になったので自社で