2013.08.02

堀越二郎展を見てきました

夏休みになって、ちょっと暇になったので「堀越二郎の軌跡」を見に行きました。

最初は藤岡市役所に行ってしまって、改めて会場を調べたら「藤岡歴史館」が会場でした。
地図で確認すると藤岡市役所から歴史館まで直線で3キロ以上離れています。
藤岡歴史館の案内写真の通り、なだらかな丘陵に建っていて、隣に古墳がある。常設展示は遺跡展示です。

家を出かけたのが、13時過ぎだったので到着したのが15時過ぎになってしまいました。
売店が15時で終了で、ちょうど片付けているところでした。
入場が16時30分までで、17時終了ですからこれから行く方はご注意下さい。

非常に小規模な展示場で、二部屋を使っていますが、小規模なセミナールーム程度なのですぐに見終わってしまいます。
今回初公開の「烈風改の青図」は貴重な記録で、すべて(十数枚)の図面の右下が、破ってあります。

これらの図面は、元々は堀越二郎氏個人が所蔵していたものだそうで、別に展示されていた零戦の図面などは三菱重工の所蔵品でした。

個人の所蔵だから流出で、流出元を隠すために検印があったであろう図面の右下を破ったのでしょう。
こんなことも含めて、今回の展示は規模は小さいし、説明も不十分ですが、非常に興味深いもので、9月8日までの夏休み期間中の展示ですから、興味のある方にはお勧めです。

堀越二郎氏の手帳や報告書などが展示されていました。
これらを子細に見ているうちに、設計者というよりも研究者だったのだな、といった感じが強くなってきました。
日本の大戦機が試作は出来るのに生産段階で全くダメになってしまったのもしかたないです。

行きは、全部高速道路利用でしたが、帰り道はR254を使ってブラブラと戻ってきました。
実は、永井電子の「ドライブモニター4020」を付けたので、カーナビの決定したルートの距離と時間で平均速度を計算したら、時速29キロで3時間強走るとなっていたので、ドライブモニターに時速29キロで走ると入力して、リアルタイムで進み遅れを見ていました。

結果は、新座あたりで22分プラスでした。
その後は、清瀬・小金井を回ったのでがっくりと速度が落ちて19キロぐらいになってしまいましたが、逆にカーナビの計算がかなり正確であることが確認出来ました。

8月 2, 2013 at 02:07 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2012.11.03

シンドラーー社製エレベータでの二度目の死亡事故

NHKニュースより「なぜ起きた エレベーター事故

金沢市のホテルで清掃会社の従業員の女性がエレベーターに挟まれ死亡した事故は、これまでの調べで死亡した女性はエレベーターの扉が開いたまま上昇しているのに気付かず、つまづいて中に倒れ込み、上半身がエレベーターの床と4階の天井の間に1時間近く挟まれていたことが分かっています。

警察は、エレベーターの機能に何らかの障害が起きていたとみて、メーカーや保守点検会社の担当者から話を聞くなどして原因を詳しく調べています。

エレベーターの仕組みは

今回のエレベーターの仕組みは、人を乗せる「かご」と、釣り合いをとる「おもり」が、滑車を介してワイヤーでつり下げられていて、滑車をモーターの力で回転させることでかごを上下させます。

ある階にかごを停止させるにはまず滑車の動きを止め、さらにモーターの回転を滑車に伝える部分をブレーキで押さえつけ、ロックをかけることで、かごが勝手に動きださないようにします。

平成21年以降に義務づけられた、いわゆる「ブレーキの二重化」は、このブレーキを1か所ではなく2か所にして安全性を高めようという仕組みです。

さらに扉が閉じた状態にならないとモーターに電気が流れないようにするなどして事故を防ぐ仕組みもあります。

エレベーターは、「かご」より「おもり」の方が重くなっていて、ブレーキがかかっていなければかごが上昇するようになっているということです。

今回の事故の原因は分かっていませんが、扉が開いた状態でエレベーターが上昇を始めていることから、専門家は、何らかの不具合で、ブレーキの効きが弱くなったり、扉が開いている時は止まっているはずのモーターが動きだしたりするなどのケースが考えられるとしています。

ブレーキ「2重化」に課題も

今回の事故と同じように、エレベーターの扉が開いたまま動き出した事故は、6年前の平成18年に、東京・港区のマンションでも発生し、男子高校生が、エレベーターの床部分と出入り口の間に挟まれて死亡しました。

その後の警察などの調査で、エレベーターのワイヤーを巻き上げる機械でブレーキの板が摩耗し、ブレーキが効かなくなっていたと見られることがわかりました。

この事故を受けて国土交通省は、3年前の平成21年9月に建築基準法を改正し、新たに設置されるエレベーターには、ブレーキを二重にするなど安全装置の設置を義務づけました。

しかし、法改正以前に設置されたエレベーターについては、既存の建物にはただちに法律を適用せず、増改築などの際に適用するという建築基準法の原則から義務づけの対象になりませんでした。

国土交通省によりますと、法改正前に設置されたエレベーターは、全国におよそ70万台あり、このうちおよそ40万台は、ブレーキが二重になっていないと見られています。

改修を進めるには、ワイヤーを巻き上げる機械やブレーキの板を交換するなど、大がかりな工事が必要で、2週間程度エレベーターを止めなければならず、数百万円の費用がかかるということです。

国土交通省は、今年度からホテルやマンションなど、一定規模の建物のエレベーターを対象に、改修にかかる費用のうち最大3分の1を補助する制度を始めました。

また、業界内では、ワイヤーを巻き上げる機械を交換せずに、短い工期で比較的安く取り付けることができる小型のブレーキを開発する動きもあります。

しかし費用と期間の問題に加え、商業ビルなどでは、エレベーターを止めると営業に支障が出るところがあるほか、マンションでは住民の合意が必要になることから、なかなか進んでいないのが実情です。

大変に分かりやすい説明で、一言で言えば芝浦の事故とほぼ同じであった、という事のようです。

芝浦の事故の際に明らかになった、シンドラー社製エレベーターの設計はわたしには理解し難いモノでした。

一言で言えば、オモチャや模型の制御と同様な設計思想で出来ていました。
オモチャや模型でも最近は自動制御機構が入っていて、その気になればエレベーターの模型ぐらいは作れます。

しかし現実の機械では、安全のための設計も組み込むべきであって、例えばエレベーターのかごが動いたら扉が閉まってしまう。扉が開いているときには、ブレーキが掛かっている。
といった「チェック機構」を使うべきなのです。

これらの「チェック機構」は機械が正常に機能している時には、全く無駄な機能になります。
その無駄な機能を働かせるのかどうかを判定する「確認スイッチ」を設置します。

一定の位置で止まるためには、位置検出スイッチが必要になりますが、これが壊れたら止まらなくなります。
そこで、正しく止まっているのかどうかを検出するスイッチも付けるわけです。
だから正常に機能して止まっている間は「確認スイッチ」が機能することはありません。

こういった制御は、動作部分が大きくなるとだんだんと大変になります。
ブレーキが壊れたら、別のブレーキで止める、といった機構が必要になります。

エレベーターの場合、落下防止のためにケーブールが切れた場合はガイドのレールを掴んで停止させる機械的ブレーキが安全装置として必ず付いています。
だから、人を乗せるエレベーターの落下事故はありません。

しかし、説明にある通り、エレベーターは錘で引き上げられる構造のため、上昇を止めるためにはブレーキが必ず掛かっていることが必要です。

これは形を変えた自然落下なので、ブレーキは電力がONになると解放され、電力がOFFになると効くように設計されています。
従って、ブレーキの摩擦力が正常であれば、停電になっても止まっています。

芝浦の事故では、電力でブレーキを解放する、という仕組みがうまく機能せず、ブレーキが半分効いている状態で稼働させたために、ブレーキパッドが摩耗してブレーキが効かなくなってしまいました。

芝浦の事故を承けて、ブレーキの二重化などを義務づけたのですが、記事の解説によるとエレベーターを止めること自体が出来ないから改造できない、となってしまいました。

では、どんな対策が考えられ、実行されるべきだったのかを考えてみますと、以下のような選択があっだでしょう。

  • 日常点検の厳重化=機構の変更は一切しない
  • ブレーキの二重化=機構の大改造
  • センサーの増設=制御機構の交換
  • 使用禁止

安全面からは使用禁止が一番ですが、これは「使用禁止にする論理」が難しいです。
「きちんとした維持管理」対「壊れても安全を確保する」という思想的対決、といえる問題になります。
国が物作りの基準を決定することは、技術の進歩を妨げるといった面もあって、法的に決めれば良いとも言いがたいと思います。

しかし、エレベーターのかごが上昇して死亡事故を起こす、といったまれなことが特定のエレベーター製造会社で起きては、他のエレベータ製造会社にとっては迷惑この上ないわけで、これをなんとかするべきだとなります。

今回は同じ事故を二度起こしたわけで、一度目の事故の際に「懲罰的責任賠償」を課すべきだったのかもしれません。

少なくとも、事故調査委員会の能力を大幅に高くするべきだったでしょう。
例えば、事故調査委員会が原因不明としたら、使用禁止になってしまう、といった仕組みであるべきでした。

わたしは、今回の問題は技術上の問題というよりも社会的あるいは文化的な問題だと捉えています。

11月 3, 2012 at 12:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.03.04

シボレーボルト生産中断

読売新聞より「GM復活の象徴だが…ボルトの生産、一時中断

【ニューヨーク=小谷野太郎】
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が、プラグインハイブリッド車(PHV)「シボレー・ボルト」の生産を19日から一時中断することが分かった。

米メディアが報じた。販売不振で在庫調整が必要になったためで、米ミシガン州の組み立て工場では、約1300人の従業員を5週間の一時帰休とする。

「GM復活の象徴」とされたボルトの販売不振は、環境対応車への対応で日米韓など競合他社との差が、依然として大きいことを浮き彫りにした。

米メディアによると、GMは3月19日から4月23日まで生産を止める。

ボルトの11年の販売台数は約7700台で、目標の1万台を下回った。

米政府が昨年行った衝突実験で、搭載する電池から出火の恐れがあると指摘されたことも、イメージ悪化につながった。GMは、引き続き車両の改善や販売強化策を検討するという。

(2012年3月3日21時21分 読売新聞)

2011年の販売計画が1万台というのは、プリウスの日本国内実績が2011年に25万2千台なのだから、ずいぶんと控えめであるのだがそれが実現できなかったわけだ。

まあ、プリウスは乗用車のトップセールスなのだから比較するのなら、アメリカの一位と比べるべきなのだろうが、アメリカの一位はフォードF150、日本人の目にはトラックだ。これが39万台売れている。

こういう国で、ハイブリッド車が売れないのも無理はないかな?と思う一方、プリウスが世界の都市で受け入れられていることを考えると、アメリカの自動車産業はどうするのだろう?と思ってしまう。

3月 4, 2012 at 12:22 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.11.13

ロボットが来るよ

昨日(2011/11/12)2011国際ロボット展の最終日に行ってきました。

技術的には一段落という感じで、特に目新しいものはありませんでしたが、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の人が面白いことを言っていた。

筑波大のベンチャー企業・サイバーダインが作ったHALを前にして、「国際規格を作ろうとしています」とのことであった。
人体に直接触れる、介護や補助の装置について、安全面を中心に規格を作るのは当然であるし、それも急ぐべきだと思うのだが、NEDOが中心になって出来る事なのか?と反射的に思ったわけです。

案の定で彼は「日本はロボット先進国ですから」というわけだ。
しかし、韓国や台湾がモジュールをたくさん展示しているし、技術的には目新しい展示がない、国際ロボット展なのだから、先進国らしいところはすでに埋没してしまっているではないか。

だからこそ、人の安全に関わる規格を作ろうとなるのだが、それこそがロボットが社会に出て行くことであって、規格も作る側の規格ではなくて、使う側の規格さらには社会にとってどうか?という観点からの規格こそが大事であろうし、むしろ作る側の規格は社会的要請の従属物であるべきだ。

NEDOや通産省が「ロボットを社会に出すのにどういう事に注意したらよいでしょうか?」なんて調査がすぐに出来るぐらいなら、昨今の消費者問題事件なんて起きるはずがない。

日本の行政組織も、学会も社会という漠然としたものを対象に何かをするのが非常に不得意なのだろう。
特に行政の手法は、つねに「最小の投入で最大の効果」しか狙わないから、生産側の規制に走る。
そりゃ生産していないもので、トラブルは起きようもない。

しかし、そういう「最小の手間」ばかりの目指すから、本末転倒なことにもなる。
個人情報保護法なんてのは、なんのための法律だかわけが分からなくなっているが、あれは特にヨーロッパとの月愛情つき合い上不可欠な法律であったのだ。

つまり、作ることではなくて使うことを考えると、日本以外の社会にも通用する考え方を提示しないといけない。
これが出来ないと、使える規格にはならない。 しかし、そこまで勉強している人が何人いるのだろうか?

声を大きくして言いいたのは、ロボットを社会に組み込むのにはどのよう問題が起きるのだろうか?を考えよう、ということです。
そして、人はロボットだけを利用するのではなく、ロボットを利用してその向こう側にいる人とのやり取りを始めるのです。そのためのロボットの社会進出なのです。
だから、ロボットの規格を決めるということは、人と人のつき合い方の定義をも必要だとなってきます。

わたしは、学校でロボットを使った授業を展開していますが、キーはロボットを使って社会と上手くやる技術を練習しよう、でにしています。
早い話が、携帯電話がつき合い方を大きく変えたのと同じで、ロボットはもっと協力に人と人のつき合いに影響を及ぼすでしょう。

そういう、哲学的ともいえる視点からの規格作りを考えるべきなのです。

11月 13, 2011 at 11:43 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.10.05

二足歩行台車

NHKニュースより「2足歩行で荷物運ぶ ロボット開発

10月5日 16時51分

人が押すと2本の足で歩く「ロボット」を名古屋工業大学の研究グループが開発し、山の斜面や荒れた地面などでも楽に荷物を運ぶことができるとして実用化を目指しています。

名古屋工業大学の佐野明人教授らの研究グループが開発したロボットは、2本の足と荷台があり、人がつかんで押す取っ手が付いています。

通常、2足歩行のロボットは、センサーやコンピューターで体の重心を計算しながら歩きますが、今回のロボットは、モーターなどの動力も使わず、人が後ろから押す力と重力だけで2本の足を振り子のように交互に前に出して歩きます。

滑らかな歩行のため、足の関節には「ダンパー」と呼ばれる衝撃を吸収する材料が取り付けられ、関節を伸ばした状態で着地する際の衝撃を和らげ、反対の足がスムーズに前に出るようにしています。

10キロから20キロ程度の重さの荷物を運ぶことができ、10センチ程度の段差ならつまづくことはないということです。

研究グループによりますと、操作に慣れれば、山の斜面や荒れた地面でも楽に荷物を運ぶことができるということで、農地や工事現場での実用化を目指しています。

佐野教授は

「動力はなくても予想以上に軽い力で押すことができるので、省エネの時代に使える技術になるはずだ。いずれは農業の現場で高齢者が簡単に使えるように改良したい」
と話しています。

ぜひとも動画を見て下さい。

昔、おもりを机の端などから垂らすと、糸に引っ張れて歩くオモチャがありましたが、似たような原理ですね。

あまり広範囲なこと狙わなければ、実用になりそうな気がします。

人の足に付けて、ジャンプ力を飛躍的に高くする、カーボン製の板バネがありますが、この「ロボット」に付けたらおもしろそう。
しかし、「ロボット」はないだろう。一種の台車だろうけど、なんか名前考えるべきですな。

10月 5, 2011 at 07:34 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.09.13

あ~~ぁしょうもないことを・・・

朝日新聞より「入札システム、透明性あり過ぎた 4年間丸見え 愛媛県

愛媛県は12日、県発注の土木工事などに導入している電子入札システムで、入札者がパソコン画面を操作すると入札前に最低制限価格が見えてしまう不具合があった、と発表した。

同システムは4年半前から使われており、県は開発したNECにシステムの修正を指示し、今後1カ月に予定されている入札を中止した。

県土木管理課によると、9日に実施された同県宇和島市での河川工事の入札で、最低制限価格と同額の入札があった。

不審に思った県の担当者が応札した業者に確認したところ、

「たまたま開いた画面で最低制限価格が見えた」
と説明。

県側が確認したところ、プログラムを表示する画面(ソースコード画面)を参照すると、800万円未満の指名競争入札と23億円以上の一般競争入札の最低制限価格(調査基準価格)が誰にでも見えるようになっていたという。

県の電子入札システムは2007年4月に全面導入され、11年9月までに約8500件、計約355億円分の入札で使われていた。

たぶん、webシステムでの入札だったのでしょうね。
で、ソースを見るとデータがあった。

根本的に、隠すということの意味が分からない奴が作ったシステムで、困ったものです。

これって、以前ワード文章をワードで黒塗りして、ワード文章のまま公開したから、編集したら黒塗りが取れちゃった、という事件がありましたが、同じ構造ですね。

なんか、理科系バカの一直線思考、といった印象を受けます。

9月 13, 2011 at 08:22 午後 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.09.08

737-700が急降下

朝日新聞より「全日空便1900メートル急降下 機長離席中、機体傾く

静岡県沖を飛行中の全日空便で6日夜、機体が傾いて約1900メートル急降下するトラブルが起きていたことが分かった。
当時、男性機長(64)は席を離れ、操縦室では男性副操縦士(38)が1人で操縦していた。

トラブルがあったのは、全日空の子会社エアーニッポン(ANK)が運航する那覇発羽田行きの全日空140便(ボーイング737―700型、乗客乗員117人)。

全日空とANKによると、副操縦士がトイレから戻った機長を操縦室に入室させる際、扉を解錠するスイッチと、尾翼のかじを操作するスイッチのつまみを間違えて操作したため、機体の姿勢が不安定になったという。

乗客112人にけがはなかったが、客室乗務員の女性2人がむち打ちの症状を訴えたり擦り傷を負ったりした。
運輸安全委員会は事故につながる恐れのあった重大なトラブルにあたるとして調査を始めた。

全日空などによると、6日午後10時50分ごろ、トイレに立った機長が操縦室に入ろうとしたところ、機体が左に傾き、降下を始めた。

機体は30秒弱の間に高度約1万2500メートルから約1万600メートルまで急降下した。

ANKが7日午後、機長と副操縦士から当時の状況を聞き取ったところ、副操縦士の操作ミスが分かった。

かじのつまみと操縦室の鍵のつまみはいずれも副操縦士席の左側にあり、形も似ている。
かじは通常、機体の姿勢を微調整するために使うが、鍵のつまみと同様に左側に目いっぱい回したため、機体が急激に左に傾いたとみられる。

その後、副操縦士は機体の姿勢を立て直し、機長は自分で解錠して席に戻ったという。

同機は当時、浜松市の南約40キロを時速約500キロで飛行していたが、急降下した際に最大で数十キロ程度、機体に定められた速度を超過したという。

今どきこんな事が起きるものなんですね。

たぶんトリムタブの操作ダイアルを目一杯回した、ということだろうと思うのですが、コックピットの図が分からないので、間違える可能性については何とも言えません。

ウィキペディアの解説によると、737-700型は旧来の737型機を再設計したもので、コックピットは液晶ディスプレーを多用したグラスコックピット化されました。
しかし、同時にパイロットのライセンスは旧737のままで有効なのだそうで、旧737との互換性を持たせていたようです。

トリムタブは、元もとワイヤーで操縦舵面についている小さな可動部分を動かすもので、このために3軸装備されていて、そこそこ大型のハンドルになっていました。
これは、何回転もすることがあったからです。

上下つまり昇降舵のトリムタブは、パイロットが前後に回す向きになっています。回転軸としては機体の左右方向になります。
旋回の方向である方向舵用には、パイロットが水平に設置されているダイアルを左右に回します。回転軸は機体の上下方向です。
左右の傾き、補助翼用は回転軸が機体の前後方向になっています。

この配置は、戦前から同じであって、機体の3軸方向の制御に合わせて配置されていました。
配置されているのは、旅客機などでは中央のスロットルレバーなどがついているコンソールの後方でした。
つまり操作としては、手探りというか視界外です。

これが、グラスコックピット化以前までの普通の配置でした。
737-700型が、以前のコックピット配置を維持しているのだとすると、補助翼のトリムタブはやはり手探りで操作する位置にあったのかもしれません。
そして、そのそばにドアロック解除のスイッチがあった。

もし本当にこのような配置であったのだとすると、潜在的に危険であったとしか言いようがないし、そもそもパイロットが注意して何とかなるものではないように思います。
耐空性改善命令を出すべき問題じゃないですかね?

9月 8, 2011 at 11:04 午前 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.09.01

セシウム汚染除去技術

NHKニュースより「新技術でセシウムを除去

8月31日 21時23分

土壌に含まれるセシウムだけをより分け取り除く新しい技術を開発したと茨城県つくば市の産業技術総合研究所が発表しました。汚染土壌の表面を削り取る方法に比べて廃棄物の量が大幅に少なくなるということです。

発表したのは茨城県つくば市にある産業技術総合研究所の川本徹研究グループ長らのグループです。

この技術は、土壌に含まれるセシウムを低い濃度の酸で抽出したあと、顔料に吸着させるもので、99.5パーセントのセシウムを取り除くことができるということです。

東京電力福島第一原子力発電所の事故で広がった放射性セシウムに汚染された土壌への対策として、現在、表面を削り取る方法が主に行われていますが、削った土壌の廃棄方法が課題となっています。

研究グループによりますと、この技術はセシウムだけを分離するため、表面を削り取る方法に比べて、廃棄物の量がおよそ150分の1と大幅に少なくなるということです。

川本研究グループ長は「廃棄物の量が少なくなるのが最大の特長です。低濃度の酸で抽出するため、土壌に与えるダメージが少ないのもメリットです」と話していました。

研究グループは、今後、さらに技術改良を進め、企業の協力を募ったうえで福島県などの土壌を使った実証試験を行い、実用化を目指したいとしています。

実用になれば、有用であろうと思いますが、それ以上に気になるのは、放射性物質の環境からの分離といった技術は今まで使い道がほとんど無かったから、開発されてこなかったのでしょう。

しかし、今回の原発事故が地震国日本で今後起きないと保証できるものではないし、だからといって直ちに原発全廃も出来ない。
つまりは、被害回復技術を幾つも確保しておくことが肝心だ、となります。

一番の問題は、実験室規模で成功した技術を、環境全体といった広範囲で適用するのは、ビッグプロジェクトにならざるを得ない事です。
要するに、新たな公共事業にせざるを得ない。

公共事業・公共投資として今までやったことがない方面に資本を投下することは、将来の発展そのものだという考えで進めるべきでしょう。

高速道路の無料通行が廃止になりますが、こんなものは集金システムのソフトウェアの改修で対応出来るはずです。
例えば、下りたICからすぐに高速道路に再進入した場合には、無料扱いにしない、という設定は出来るでしょう。
現実的には3時間以内に、のったら認めない。

早い話が今の日本では「知恵を出してなんとかする」姿勢に欠けすぎているのではないか?
出来ない条件のようなものを並べて、だから止めるのようなことだけでは、滅んでしまうのは確実で、原発事故といった世界的にも珍しい現象に対応するための技術開発は、新産業の育成そのものだ、という姿勢に切替えるべきだと強く思います。

9月 1, 2011 at 09:34 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.08.28

欠陥マンションの建て替え

サンケイ新聞より「構造欠陥、建て替え 柱に発泡スチロール 大京マンション

2011.8.28 09:06

分譲マンション大手の大京(東京)が平成8年から販売した川崎市川崎区の築14年のライオンズマンション京町(7階建て、72戸)で、柱への発泡スチロールなどの異物混入や鉄筋不足など構造上の欠陥が判明し、大京と施工会社が費用を全額負担して異例の建て替えをすることが27日、川崎市などへの取材で分かった。

全国で約6千棟のマンションを手掛ける大京は

「築十数年であれば通常は修繕工事で済むので、こうした建て替えは過去に例がない。あってはならないことで反省している。住民の不安解消のため、誠心誠意対応している」
としている。

大京の説明や川崎市に提出された建て替えの事業計画書類によると、同マンションは川崎区京町2丁目に9年3月完成。
施工は東亜建設工業(東京)だったが、実際は都内の別の建設業者に工事を一括外注した。

20年ごろから一部の部屋で雨漏りするようになり、21年に住民の管理組合が業者に依頼して補修工事や調査をした結果、ベランダの柱と梁(はり)の結合部分などに発泡スチロールや木材の混入と空洞が確認された。

柱の鉄筋が設計図より不足しているなど、構造上の欠陥も複数見つかった。
その後、大京が委託した第三者機関の審査でも、強度の基準を満たさない恐れのある階があると指摘された。

管理組合は「修繕工事では補強は不可能」として建て替えを要望。

大京と東亜建設工業が建て替え費用約16億6千万円と引っ越し代などを払うことで今年3月に合意した。

今後解体し、来年夏に着工、25年完了の予定。

東亜建設工業は

「元請けとして建て替えには真摯(しんし)に対応したい。工事の外注先は大京から紹介された業者で、その後会社を分割して別会社になっており、施工不良の原因は問い合わせたが分からなかった」
と説明している。

サンケイ新聞より「震災時、複数ひび割れ…構造欠陥に住民絶句「ひどい」「悪質な手抜き」

2011.8.28 09:08

ベランダの壁のタイルをはがすと、次々と出てきた発泡スチロールや木枠、網…。

数々の欠陥が判明し、異例の建て替えが決まった川崎市のライオンズマンション京町。
欠陥を目の当たりにした住民たちは「これはひどい」と絶句した。

東日本大震災でも建物は大きく揺れ、壁面に複数のひび割れが生じたという。

「壁の中身はめちゃくちゃ。驚かない方がおかしい」「一刻も早く危ないマンションから出たい」。

住民は団結し、大京側と協議。震災後の3月27日に建て替えを決議し、既に引っ越しを進めている。

欠陥住宅問題に詳しい1級建築士の岩山健一さんは

「発泡スチロールや木材はコンクリートを流し込む型枠に使った物が残ったのだろう。悪質な手抜きがあったとしか思えない」
と指摘する。

マンション施工を下請けした業者はその後会社を分割し、取材に

「今は別会社なので当時のことは分からない」
と回答。
なぜこのような工事が行われ、大京や元請け会社が見抜けなかったのかは不明のままだ。

建設工事を一括して下請けに出す「丸投げ」は平成18年の建設業法改正で全面禁止された。
だが、岩山さんは

「大手が建設費を差し引いて下請けに出し、工事がいいかげんに行われるという業界の体質は今も残っていると感じる」
と話した。

平成9年(1997年)完成だから、ITバブルになっていく頃ですね。

この頃は、この現場に近くの事務所に良く顔を出していました。
丁度、阪神淡路大震災(1995年1月17日)、地下鉄サリン事件(1995年3月20日)の当日に、この事務所で話しをしたのを覚えています。

ある種の世紀末感が、社会の感覚にもあって、投げやりと挑戦が同時に台頭してくるような時期でもあったと思います。
そんな中で完成したマンションではありますが、構造的な基準などはこの頃には完成していて、工事の記録なども取っているはずですから、ここまでひどいことになるのは計画的な犯行、と言わざるを得ないでしょう。

逆に言えば、現在でも意図して、このような「積極的な手抜き工事」が行われたら、欠陥建物を作ることは可能であろうと思います。

このような現場での手抜きを防止するためには、現場に対する評価を弾力的にすることが必要であろうと考えます。
良いものには、高い評価、悪いものには懲罰的評価、といった事でしょう。
単に「高いか安いかだけ」の評価では、品質も当然どんどん落ちていきます。

8月 28, 2011 at 11:22 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.08.25

樹脂製タンクに乗って転落死亡事故

東京新聞より「塩酸タンク2人転落死 点検中、上部突き破る?

十四日午前九時三十五分ごろ、千葉県船橋市西浦一、鋼板製造会社の「日鉄住金鋼板」船橋製造所で、屋外の塩酸貯蔵タンク(高さ約五メートル、直径約三メートル)の保守点検作業中だった男性作業員二人が、塩酸の入ったタンクに転落した。救急隊が塩酸を抜いて二人を救出したが、現場で死亡が確認された。

製造所によると、二人は、下請けの配管工事会社に勤めるSさん(42)と、同僚のGさん(43)とみられる。遺体の損傷が激しく、船橋署は歯型やDNA鑑定で身元確認を進め、事故原因を調べている。

製造所などによると、タンク上部には約六十センチほどの穴が二カ所開いており、二人は作業中にタンク上部を突き破り、誤って転落したとみられる。

タンクは強化プラスチック製で十トン入り。

事故当時は塩酸約七トンが入っていた。人が上ると危険なため

「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」(同社担当者)
という。二人は鉄製はしごを使って上り、配管を外す作業中だった。

Up

「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」(同社担当者)

と言っても、この写真を見て配管を外すのにタンクに載らないでどうやって作業するというのですかね?
足場をつくらないと、タンクに乗らないで、タンク上部の作業は不可能でしょう。

たぶん、足場をつくると、それだけでコストが十倍になるといったところかと思いますが、だからと言って後出しで、「作業前にタンクに上ってはいけないと指導していた」が言い訳になるものなのか?

その一方で、現場作業員の基本的なスキルが下がっているのも事実で、最近はとんでもない労災事故が結構増えています。
物が倒れて、下敷きになるなんてのは、プロの作業者としては本来は恥じるべき事で、素人なら起こす可能性のある事故を当然のように避けることが出来てこそのプロであるはずです。

政治家も含めて、日本のあらゆるところが「素人化」していると感じますが、これが劣化そのものでありましょう。

8月 25, 2011 at 11:17 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2011.08.21

陽電子頭脳誕生?

CNN.co.jp より「人間の脳の能力模倣したチップ開発に成功、IBM発表

2011.08.20 Sat posted at: 14:57 JST

(CNN)
IBMは18日、人間の脳が持つ認知力、行動力や複雑なデータの理解力などを模倣した実験的なチップの開発に成功したと発表した。

実用化されれば、過去半世紀の間、コンピューターが頼ってきた作動プログラムの作成が不要となり、経験から学び自らの構築した理論に従って動く次世代の「認識コンピューター」の開発につながると期待している。

チップは「SyNAPSE」と呼ばれるプロジェクトの成果の1つで、2個の試作品を作った。

IBMによると、このチップを使えばコンピューターは作動のため事前にプログラムされたデータに頼ることなく、自ら「思考」する機能を持つことになる。

試作品1個には、プログラム作成が可能な26万2144のシナプスと学習が可能な6万5536のシナプスが組み込まれている。

SyNAPSEの責任者は

「思考するプロセッサーの力によって、サーバー、ラップトップ、タブレットや電話が環境とのより良い相互作用を図る機能を持つことを想像して欲しい」
と指摘。
現在のコンピューターは計算器のようなものだとし、脳の働きに似た機能を持つコンピューターを開発したいとしている。

また、現在のプログラム技術を使ったコンピューターがSyNAPSEの成果を取り入れようとすればより大型になり、消費電力も増えると話している。

開発したチップは、クイズ番組で人間のチャンピオン2人を今年破ったIBMのスーパーコンピュター「ワトソン」に組み入れられているチップと似ていないことはないという。

IBMの技術者はこのチップを使えば、世界の水供給量を温度、水圧、波の高さや海中の音響などの面で観測し、津波発生の可能性が高い時には警告出来るコンピューターの利用方法なども可能と話している。

同社の技術者は既に、開発したチップを使ってカリフォルニア州サンノゼの研究所に特別な装置を設けた。
長期的には100万ニューロンと100億シナプスの機能を持つ1平方センチ大のチップ完成を目指す。

SyNAPSEの次の研究分野に進むため、IBMはコロンビア、コーネル、カリフォルニア、マーセッドやウィスコンシン各大学から研究者を集めてチームを結成した。
また、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)から2100万ドル(約16億円)の助成金も得ている。

この記事だけでは、今ひとつどこが優れているのかがよく分かりません。
ソフトウェアだけで組むよりもチップ化した方がコンパクトになる、というのは分からないでもないのですが、本当に「試行思考する」ようになるのかは別の問題でしょう。

しかし、人類の技術がアシモフの描いたロボットのような機械を作り出すことは確実でしょうから、祖のステップとしてこのような研究成果が登場することも確実で、その一つなのかもしれません。

注目するべきでしょう。

8月 21, 2011 at 08:18 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.07.29

エレベータのケーブル破断した?

読売新聞より「地下鉄駅でエレベーター落下、ロープ全3本切断

東京メトロは29日、東京都練馬区の有楽町線・副都心線平和台駅で26日午後3時頃、エレベーターが数メートル落下する事故があり、乗っていた50歳代の女性が、尻や肘に2週間の打撲傷を負ったと発表した。

発表によると、事故があったのは、地下1階と地上とを結ぶエレベーター(高低差約7・5メートル、定員11人)。

上昇中に急に落下し始め、非常停止装置が作動して止まったという。

同社などが調べたところ、エレベーターのかごをつり下げている直径1センチの金属製ワイヤロープ3本が全て切れていた。

メンテナンス会社の三菱電機ビルテクノサービスによると、エレベーターは2004年1月に導入。

今月14日に目視による定期点検が行われた際には異常は確認できなかったが、事故後の調査でロープにさびが見つかった。

東京メトロは事故後、同型のエレベーター64台のロープを緊急点検し、さびが発見された4台のロープを交換したという。

機械を使ってロープの強度などを測る点検は年1回で、昨年9月に行っていた。

三菱電機ビルテクノサービス広報室は「ロープ全てが一気に切れるという事態は過去に例がない。原因究明に全力を挙げる」としている。

(2011年7月29日13時39分 読売新聞)

エレベーターのケーブルが切れて落下したなんて事故は聞いたことが無いし、おそらくは実際に起きていないのだろうと思います。

今回の事故は、3本のケーブル全部切れたとのことですが、確かエレベーターのケーブルは一本でも十分に余裕があるはずで、一本が切れたからその衝撃で残りの二本も切れた、という可能性もあまりないだろと思います。

疑わしいのは、ケーブルの交換工事のミスで正しく設置されておらず、固定部が外れたといったことではないでしょうか?
個人的には、地下鉄有楽町線平和台駅は利用しているところなので、いささか気持ちが悪いです。

7月 29, 2011 at 02:23 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2011.07.28

中国高速鉄道・赤信号であるべきところが緑信号?

読売新聞より「国高速鉄道、信号「赤」に変わらない重大欠陥

【温州(中国浙江省)=比嘉清太】
新華社通信によると、中国浙江省温州で起きた高速鉄道事故で、国務院(政府)の事故調査チームは28日、第1回全体会議を開き、

「温州南駅の信号機に重大な設計上の欠陥があったうえ、落雷で信号機が故障し、赤信号を表示すべき区間の信号機が誤って緑の信号を表示した」
との初期分析結果を報告した。

後続の列車が緑の信号を見て走行を続け、追突した可能性を指摘したものだ。

中国中央テレビによると、温家宝首相は27日、国務院の緊急会議を開き、

「調査結果を社会に発表し、国民に誠意と責任のある説明を行わなければならない」
と強調した。
温首相は28日、現地入りした。負傷者や遺族らを見舞う予定。

(2011年7月28日11時44分 読売新聞)

こんな報告が出て来る状態なのに、それ以前に運行してしまうのは危なすぎるでしょう。

かなりの混乱ぶりですが、背景には中央政府(共産党)の権力争いがあるのだそうで、どこにどう影響が出るのか予測が出来ない今回の事故です。

7月 28, 2011 at 12:26 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.25

中国・高速鉄道追突その2

朝日新聞より「事故車両の運転席、当局が現場の穴に埋める 中国脱線

中国浙江省で23日夜に起きた高速鉄道の追突・脱線事故から一夜明けた24日早朝、中国当局は、追突したとみられる車両の運転席部分を、現場に掘った穴に埋めてしまった。

事故から約半日後の24日午前4時半過ぎ、現場に入った記者が一部始終を目撃した。

夜明け前。現場では、落下した1両の車体が、一部は地面に突き刺さり、高架に寄りかかるように立っていた。

わきの地面の上では、追突した後続列車とみられる先頭車両が、真っ二つになっていた。切断部分は鉄板や部品がめくれ、後ろ半分は原形をとどめていなかった。

空が明るくなり始めた午前6時ごろ、7台のショベルカーがすぐ横の野菜畑に穴を掘り始めた。

深さ4~5メートル、幅も約20メートルと大きい。

午前7時半過ぎ、ショベルカーがアームを振り下ろし、大破した先頭車両を砕き始めた。

計器が詰まっている運転席も壊した。
そして残骸を、廃棄物のように穴の中に押しやってしまった。(温州=奥寺淳)

なんともすごい話で、日本も事故原因調査という点では誉められたものではないのですが、調査しないことを前提に後処理をするというのでは、どこにも通用しません。

時刻表では、追突した列車が先に通過しているはずなのだそうで、どうも一体化した運行管理をしていないのではないのか?という印象が強いです。

同じ線路上を走っている列車の片方が、落雷で停車したのに速度を落とさないで追突した列車が走っていた、ということ自体が普通はあり得ません。
また、そもそも列車の無線通信はどうなっていたのか?

ひょっとすると、列車がどこを走っているのか?というデータがどこにも無い、つまり「予定しかない」管理体制であったのではないのか?と疑われます。

7月 25, 2011 at 08:45 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.07.24

中国・高速旅客鉄道追突

朝日新聞より「「夢の鉄道」無残な姿 雨で救出難航 中国版新幹線脱線

高架から落ちた車両が横倒しになり、無残な姿をさらしていた。中国・浙江省で23日に起きた高速鉄道の衝突、脱線事故。中国の威信をかけた「夢の鉄道」の事故に、市民らも衝撃を隠せない。

「雷のような大きな音が響いた」。事故当時、現場付近の路上にいた男性は地元の報道機関に事故発生時の様子を語った。「音がして振り返ると列車が衝突していた」。すぐに付近の住民に知らせ、救援を求めたという。

事故は午後8時半過ぎ、浙江省温州付近で起きた。中国政府系の通信社・中国新聞社が乗客の話として伝えたところによると、

先行する列車が減速したところに後続の列車が突っ込んできた。
脱線したのは、最後尾の15両目と16両目の車両
だという。

現場は高架だった。中国国営新華社によると、高さは20~30メートル。
事故から間もなく撮影されたとみられる写真をみると、少なくとも2両がコンクリート壁をなぎ倒して脱線、落下した模様だ。
1両は地上に完全に落ちて横倒しになり、1両は片側が高架部分にひっかかって直立するような形になっている。

落下した車両には「和諧号」の文字。
外壁がめくれ上がり、一部は外形をとどめていない。暗闇を照らすライトのもとで、駆けつけた救急隊が懸命に乗客らの救出にあたっている。
脱線した車両からは一部の乗客が自力で逃げ出したが、60~70人が救助を待っているという。

地元の報道によると温州市内の病院には、腰の骨が折れた50代の女性や、頭部をけがして全身血だらけとなった複数の乗客など、負傷者が次々と救急車で運び込まれているという。

だが、救援作業は難航している。地元報道によると現場付近は道路が狭く、雨でぬかるんでおり、大型の救援車両が近寄れる状況でないという。(林望=広州、西本秀)

読売新聞より「中国高速鉄道が停止中の列車に追突、11人死亡

【北京=関泰晴】
新華社電などによると、中国東部・浙江省温州で23日午後8時半(日本時間同9時半)頃、

北京発福建省福州行きの高速鉄道列車が、
止まっていた浙江省杭州発福州行きの別の高速鉄道列車に追突、
杭州発の列車の2両が橋から川へ落ちた。

新華社は、この事故で11人が死亡、89人が病院に運ばれたと伝えた。上海の日本総領事館は日本人が事故に巻き込まれていないかどうか調べている。突貫工事が続いた中国の高速鉄道は、安全性をめぐって不安の声が出ていた。

中国中央テレビによると、

事故当時に付近で落雷があり、信号システムが故障した杭州発の列車が線路上で止まっていたという。
追突された列車は満員で、1300~1400人の乗客がいたとの情報もある。落下した車両に乗客が閉じ込められている模様。現場で消防当局の救急隊員が乗客の救出にあたっている。

(2011年7月24日01時46分 読売新聞)

朝日新聞より「脱線、運行システムトラブルか 日本技術は車両のみ

中国の高速鉄道事故。何が起きたのか。

日本の新幹線の技術に詳しいJR関係者によると、中国の高速鉄道で日本の技術が採用されているのは車両だけで、
信号などの運行システムは中国独自のものが使われているという。

この関係者は

「パンタグラフの損傷など車両自体の問題でなければ、運行システムの不具合の可能性がある。衝突であったとすれば、車両ではなく運行システム上のトラブルとしか考えられない」
と指摘する。

日本の新幹線の場合、輸送指令室による制御に加え、車両同士が一定の距離以上に近づかないために幾重もの対策が講じられている。

「他に考えられるとすれば、レールなど構造物の問題もありうる。
中国の高速鉄道は日本やドイツなど多くの国の技術の寄せ集め。
何が原因か解明するのは容易ではないだろう」
と話す。

国内外の鉄道に詳しい専門家によると、

中国の高速鉄道では一つの路線に異なる方式の信号システムが使われている場所がある
という。

この専門家は

「列車同士が衝突や追突をしないため、一定の区間にほかの列車を入れないというのが世界共通の鉄道の安全の原則。
今回の事故は、信号や制御システムに何らかのトラブルが起きた可能性がある」
と指摘。
複数のシステムの制御が適切だったかどうかもポイントとみる。

なんというか、似て非なるもの、としか言いようがないですね。
中国の技術力の信用は一気に下がってしまった、と言って間違えないでしょう。

7月 24, 2011 at 10:46 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.07.14

データセンターの生産性

日本経済新聞より「データセンターも「ガラパゴス」か 節電の夏が問う日の丸IT

2011/7/14 7:00

原発事故による電力不足で迎えた「節電の夏」。危機回避のため産業界が15%の使用削減を迫られるなか、大事な情報を扱うサーバーは止められないと、データセンターは制限を緩和されている。

ところが

「日本的なセンター運用が電力の無駄遣いを生んでいる」
との声が聞こえてくる。
成長するクラウドコンピューティングのインフラ分野でも、日本は「ガラパゴス」なのか。

群馬県館林市。最高気温が30度以上の真夏日になると特別セールを実施する商店街があるなど、暑さで有名だ。
この夏も各地で初の猛暑日を記録した6月22日、36.5度を観測した。
日本を代表するデータセンター、富士通の「館林システムセンター」がここにある。

データセンターでは大量の熱を出すサーバーの安定的な冷却が重要なはず。
素朴な疑問がわいてくる。そんな施設を日本有数の暑い土地に置くのはなぜ――。

富士通によると、データセンターに情報やデータを預けている顧客企業は、1社当たり年に数回センターを訪れる。

運用体制やサーバーの状況を見たいという要望が多いのだという。
館林市の公式ホームページを見ると

「東京との交流は密接。鉄道や道路などの地理的条件に恵まれている」とある。特急列車なら東京・浅草から1時間。「すぐ行ける場所という心理的メリットが大きい」。
富士通は館林立地について説明する。

富士通だけではない。新日鉄ソリューションズでも、定期的にセンターを訪れて作業をする顧客企業は多く、常駐するケースさえあるという。

同社は東京都三鷹市に120億円を投じるデータセンターを新設中。

着工は1月で、その後、東日本大震災が起こったが、計画に変更はなし。「災害時にオフィスから駆けつけられることを事業継続計画(BCP)の要件にする企業も多い。メーンのセンターは東京やその近郊にと考える顧客が依然多い」とみる。

データセンターはサーバーが持つコンピューター能力をインターネット経由で使う。

技術的にはサーバーを遠隔管理することも可能だが、それでも「センターに出向いて直接作業」が日本では好まれる。首都圏に7割のデータセンターが集中する背景だ。

今回の電力不足をきっかけに、リスク回避のため西日本にデータセンターを移すといった動きも一部で出てきたが、問題は地域的な偏在に限らない。
そもそも、

人間が頻繁に出入りすることを前提にした日本のセンターは運用上、構造的に電力効率が悪くなる
との指摘がある。

「日本のデータセンターは人間が涼しいと感じるところまで室内温度を下げている。人間が作業するとなれば照明も必要になる」。
こう話すのは、世界のデータセンター事情に詳しいコンサルティング会社カミノス・コーポレーション(東京・世田谷)の西川宏代表取締役だ。

一般にサーバーは気温35度の環境でも機能するが、例えば富士通の場合、センター内の設定温度は22~26度と日本の標準的なレベル。

だが、西川氏は

「米国では人間とサーバーを同居させない。設定温度は日本より2~3度は高い」
と証言する。

日本マイクロソフトが東京電力管内にある企業内データセンター(富士通のような専門センターではなく一般企業が自社で運用するもの)を対象に調べたところ、サーバー1台を動かすのに必要な総消費電力は346ワット。

このうちサーバー自体に回るのは43%で、最も電力を消費するのは52%を占める空調だった。

同社はデータセンターの室温設定を2度上げれば20%の節電効果があると試算する。データセンターの運用を総合的に見直せば、サーバーを止めなくても節電の余地があるようにみえる。

データセンターの電力効率を示す「PUE」という指標がある。

データセンター全体の消費電力を、サーバーなどIT(情報技術)機器の電力で割って算出する。

仮にIT機器以外に一切電力がかからなければ数値は1。
空調や照明などの付帯電力が膨らむと数値は大きくなり、非効率となる。
カミノスの西川氏によれば、日本のデータセンターは2~3が多く、米国では1.2~2が中心。
米国ではセンターを建設する際、水冷や空冷などなるべく電力に頼らず冷却できる立地を意識するという。

日本勢でも複数のデータセンターを持つような大手は必ずしもPUEで米国勢にひけをとらない。

  • 富士通(館林新棟)=1.5
  • 新日鉄ソリューションズ(三鷹)=1.4以下
  • 日立製作所(横浜第3)=1.6
など1台の数値だ。
だが安心するのは早い。米国ではさらに1.07をたたき出す企業が現れているからだ。SNS(交流サイト)最大手のフェイスブックだ。

同社がオレゴン州に持つ最新データセンターは、部品を減らし構造をシンプルにしたサーバーを採用。冷却システムの工夫でエネルギー効率を従来比38%向上させた。
技術仕様も公開し、インテルやAMD、デル、ヒューレット・パッカードなど有力企業と連携し改良を重ねる。

「ネットビジネスで最もコストのかかるインフラ部分にメスを入れたい」とフェイスブック幹部。電力を無駄にしないデータセンターを抜きに長期的な成長はないとの危機感が伝わってくる。

「データセンターやクラウド事業で日本が後れをとるのは、ものを大事にしすぎるからではないか」。
元ソニー幹部でグーグル日本法人の社長もつとめた辻野晃一郎氏はそんな見方をしている。

「日本はサーバーの寿命を延ばそう、壊さないようにしようと冷却にこだわるが、ムーアの法則がある限りハードは2~3年で古くなる。
そうなったら捨てて新しいものに置き換えた方がいい。
サーバーを耐久品ではなく、消耗品と考えれば冷却の必要性は下がる。
米国はそんな風に割り切った発想をし、グーグルのPUEは1.1~1.2程度。品質を高める、ものを大事にするというのは日本人の強み、美徳だが、それがネットのネーチャー(性質)にあわず、動きが遅くなっているのは否めない」

シスコシステムズの予測では、ネットを行き交うデータの量は2015年に10年の4倍と急増する。膨大な情報の高速処理を求められるクラウド時代には、電力対策でも先端を走らなければIT企業としての競争力を保てない。
もしも15%の電力削減を免除され、エネルギー問題に鈍感になっているデータセンター関係者が日本にいるとすれば、それこそ危機的だ。

(電子報道部 村山恵一)

非常に興味深い記事で、ガラパゴスと名付けた編集部の理解はずいぶんと深いものだ、と感心するところです。

データセンターの省電力について二つの問題点が指摘されています。

  1. データセンターで人が作業するのが普通である。
  2. 機器の寿命を延ばすために、冷却をオーバースペックでやっている。
ファナックの工場は、無人操業を前提としているから、人が入れないようになっています。
照明などがありません。
実際に機械などを作る工場ですら、無人運転が出来るのに、データセンターを無人運転しないというのは、どういう事なのだ?

その理由が「クライアントかが確認するからだ」というのはあまりに情けない。

わたしには、2番目の方が衝撃であったのだけど「機器の寿命を考える冷却にするべきだ」
これは「全体のバランスを考えろ」という意味であって、各部門の最適の積み上げでは全体が最善にはならない、という生産管理ではおなじみのことである。

しかし、ついつい忘れてしまうのも無理ないところであって、リスク管理も含めて日本のIT業界ではもっと全体の生産性を評価する仕組みを作らないといけないと思う。

7月 14, 2011 at 09:58 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.06.29

もんじゅを運転するといっているのだが

中日新聞より「もんじゅ「出力試験遅れても」 石橋・敦賀本部長代理、中日福井支社で懇談

2011年6月28日

日本原子力研究開発機構の石橋達郎敦賀本部長代理が27日、福井市大手3丁目の中日新聞福井支社を訪れ、大河原保顧問と懇談した。

福島第1原発事故で日本の核燃料サイクル政策の見直し議論が避けられない情勢を踏まえ、本年度中を目指す高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の40%出力試験は「遅れてもやむを得ない」との見方を示した。

西川一誠知事が停止中原発の再稼働を容認していないことにも触れ

「軽水炉の安定した運転が再開されない限り、高速増殖炉はその先にあるもの」と見通した。もんじゅの年間維持費は140億~150億円が必要で、2012年度政府予算案の夏の概算要求も「どう扱われるか気になる」
と述べた。

24日に原子炉容器内から回収した炉内中継装置は

「今のところ外観上、異常はなかった」
と語った。

今後、約1カ月かけて装置や原子炉内の損傷の有無を確認する。

「(早ければ)秋には復旧できる。苦しい立場だが(40%出力試験に入れるよう)淡々と準備を進めるだけ」
と話した。 

  (尾嶋隆宏)

「今のところ外観上、異常はなかった」
ってそういう問題なのか?中継装置が落下したことが問題だし、取り出すのがこれほど大変だったことが問題だろう。

溶けているナトリウムのプールの中を細工するのには、不活性ガスでナトリウムの表面を覆って空気との接触をあゃだんしておこなうひつようがある。
もちろん、金属ナトリウムなのだから内部を光学的に見ることも難しい。

そんな事に機材を落とすというのは、いわば月面に忘れ物をしたようなもので、回収することが極めて困難なのに、落下させてしまったこと問題だろう。

だとすると、「回収したら無傷だった」なんて話はどうでも良いわけで、他にも落下氏ら回収するのに問題がある機材に何があるのか?が問題になるし、落下しないように対策せざるを得ないだろう。

そういった「対策」ができない限り、再度の落下は避けられないだろうし、その場合回収できないとか、高速増殖炉本体を破損するといったことになるかもしれない。

こんな事は誰でも考えつくことなのに、「復旧できる」とは何をどう復旧するのだろうか?
こんなバカなこと発言するような人物が仕切っていて、もんじゅがうまく可動するわけがないだろう。
さっさっと廃炉にしてしまえ。

6月 29, 2011 at 09:13 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.06.24

もんじゅ・燃料交換装置を抜き取った

読売新聞より「「もんじゅ」炉内落下の装置、回収完了

日本原子力研究開発機構は24日、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月に原子炉容器内に落下した核燃料交換用の炉内中継装置(長さ12メートル、重さ3・3トン)を引き抜く作業を終えた、と発表した。

回収した装置を詳細に点検し、落下の衝撃で炉内を傷つけていないか確認する。

発表によると、クレーンで装置を引き抜く作業を始めて約8時間後の24日午前4時55分に回収を終えた。機構は引き抜き作業のために取り外した炉上部の機器を元に戻し、今秋頃に復旧させる。

このトラブルで機構は、「2012年度内」としていた本格運転開始時期を「13年度内」に変更。今年度内に、発電を伴う出力40%での試験運転を行う予定だ。
ただ福島第一原発事故を受け、安全性に対する福井県や敦賀市の見方は厳しくなっており、計画がずれ込む可能性もある。

(2011年6月24日07時48分 読売新聞)

ちょっと探し出せないのですが、落下した燃料交換装置はマシニングセンターの自動工具交換装置のような構造で、爪が下りていって掴んで引き上げる構造でした。

こんなモノがどうして失敗できるのか?と思ったら、プルボルトに相当する部分が、四角形のようです。
丸ければどちらに回転しても爪が掴むことに問題は無いのですが、四角形だから回転したら掴めない。それで落下した。ということのようです。

しかも、どうも斜めになったらしく、引き抜くことが出来なくなった。
そこで、引っかかっているところを含めて全体を抜いてしまったらしい。
この話が真実であれば、部品が引っかかって抜けないから、分解してしまった。という種類の話になります。

しかも、これナトリウムが入っている状態でやったのですね。
そうなると、元に戻せないのではないか?

ナトリウム冷却炉だから、大変だというところが多くて、こんな事では実用化などほど遠いと思うのです。

6月 24, 2011 at 10:31 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.02.05

もんじゅの事故は、回復できないと思う。

朝日新聞より「もんじゅの装置落下 復旧に9億4千万円

2011年2月5日7時31分

日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で燃料交換装置が炉内に落下したトラブルで、落下した装置を引き抜くための追加工事や試験などの復旧作業に、新たに約9億4千万円の追加費用がかかることが4日、わかった。

機構によると、1月28日にもんじゅの復旧作業について東芝と契約した。

復旧作業では、炉のふたにひっかかった燃料交換装置を取り外すのに必要な機器を新たに設計・製作したり、外した燃料交換装置を分解調査したりする。

もんじゅにはこれまで約9千億円の費用がかかっている。
運転開始後の1995年に冷却材のナトリウムが漏れる事故を起こした後、事故現場を撮ったビデオを改ざんしたことなどが発覚して批判を受け、長期間停止していた。

昨年5月に運転を再開したが、第1段階の試験終了後の8月末、燃料交換に使う「炉内中継装置」(重さ3.3トン)を原子炉に落とした。

装置の一部が落下の衝撃で膨らみ、ふたにひっかかって抜けなくなり、運転できない状態になっている。

次の段階の試験開始は2011年度中を目指すが、復旧作業に時間がかかるため、当初より半年ほど延びている。
(小堀龍之)

これはずいぶんひどい話で、「炉内中継装置のこれまでの状況及び今後の進め方(PDF)」独立行政法人日本原子力研究開発機構、に説明が出ていますが、なぜ落下したのか?というところがすごいです。

  1. 平成22年8月26日(水)14時48分頃、原子炉機器輸送ケーシングを用いて炉内中継装置を取り出す作業中、原子炉容器内より約2m吊り上げた時点で、炉内中継装置が落下した。
  2. 落下した原因は、爪開閉ロッドの回転により、グリッパの爪が正常に作動せず、つかみ不足により落下したものと推定。
  3. 作業を実施したところ、炉内中継装置が ・平成22年10月13日に炉内中継装置の引抜き引き抜けないことを確認。
  4. 引き抜けない原因は、落下時の衝撃により炉内中継装置の接続部で変形が生じ、燃料出入孔スリーブの入口部で接触しているためと推定。
  5. 炉内中継装置と燃料出入孔スリーブの一体引抜きによる炉内中継装置の引抜き復旧工事(準備含む)の方法を検討

PDFの図を見ると分かりますが、マシニングセンターなどの自動工具交換装置の考え方で出来ています。
しかし、爪が回転してしまう構造であり、それによって片吊状態になってしまった。
何でこの段階で停止する仕組みになっていないのかが理解し難いところです。

そもそも、まっすぐ引き抜く仕組みなのだから、穴の構造は基本的にはストレートか上開きであるべきところが、中に段差というか出っ張りがある。
そこに引っかかってしまって、それを無理に引っ張ったものだから変形してしまって、身動きできなくなってしまった。

そのために全体を引き抜く事になったという事のようです。

しかし、爪が回転すると開き角度が変わってしまう、といった危うい設計があっちこっちにあるとしか思えないのですから、今後順調に動くとは思えないです。

仕組みとして、国(独立法人)がやること自体に無理があるのではないかと思いますね。

2月 5, 2011 at 11:48 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.02.02

コースターの安全バーは期待に反していると思う

読売新聞より「安全バー確認は日頃から目視…聴取でバイト説明

東京都文京区の遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」で会社員(34)が小型コースターから転落死した事故で、安全バーの固定状況を点検する担当だったアルバイトの女子大生が警視庁の事情聴取に対し、

「確認は日頃から目視で済ませていた」
と説明していることが、捜査関係者への取材でわかった。

遊園地を運営する東京ドーム社(文京区)は

「従業員にはバーを手で触って確認するよう指導していた」
としているが、同庁は、同社の安全教育が適切だったかどうかについても調べを進めている。

同庁幹部によると、女子大生は安全バーの固定状況を確認し、発車ボタンを押す業務を一人で担当していた。

同庁の事情聴取には、

「利用者の体格などによってバーの固定具合が不安な場合は手で触っていたが、それ以外は目視で済ませていた」
と話しているという。

(2011年2月2日03時04分 読売新聞)

この事件は、安全バーがロックされていなかったから、転落したという事なのですが、どういう機構になっていたのでしょうかね?

自動車などのシートベルトでも、うまく固定できない、外せない、ということが起きます。
これが、公開されているコースターなどではかなり難しい課題になります。

例えば、付ける方は手動で、開放する方は動力、という仕組みがありますが、動力で開くのであれば制御しているわけだから、当然ロックしているか否かをシステムで監視できます。

今回の事故では、係員の警察での証言では「固定具合が不安な場合は、手で触って確認していた」となっていますから、係員が手で触るとロック状態が確認出来るものだったとなりますが、ラッチが入る仕組みだったのでしょうか?
つまり、ドアのような仕組みで閉める時は勝手に閉まるが、開く時には何かひっぱるなどしないとロックが外れない。

ドアと同様であれば、確実に引っ張ってチェックするか?と言えば、それは信用できないですね。

いわゆるバカよけの考え方を採用して、インターロックを作動させておけば、発進する事が出来ないのだから、事故にはならないでしょう。
被害者は、どうも「安全装置で機械的にチェックされていて、安全バーが降りていない時には、発進しないだろう」と期待していたのではないかと思われます。

遊園地の安全装置に、チェックミスを見逃すような機構を採用していたこと自体が、安全設計という観点では過失よりもむしろ故意に近いのではないのか?と思います。

2月 2, 2011 at 10:29 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2011.01.21

日本字のコードを増やすのだそうだ

朝日新聞より「日本IT界の鬼っ子「外字問題」解消を 経産省が着手

2011年1月21日8時45分

「外字(がいじ)」。コンピューターで使う漢字として日本工業規格(JIS)が定めた約1万字に含まれない、規格外の文字たち。

文字化けや正常なデータ通信ができない原因になり、IT業界にとって悩ましい、この「外字問題」を一気に解消しようというプロジェクトが始まった。パソコンで文章を書くときの使い勝手は大きく変わるのか――。

例えば「渡辺」の「辺」。
JIS規格には「邊」「邉」をあわせた3文字しか含まれないが、100字近い異体字があるとされる。

約58万人分の戸籍を扱う東京都足立区。区役所のパソコン画面には49もの「辺」の異体字が現れた。戸籍などを管理するコンピューターシステムに区が登録したものだ。名前に未登録の漢字がある住民が転入するたびに増え、今では外字全体で約5千もある。

外字を作るのは区職員。パソコンで、1文字に30分ほどかけて点描する。完成後は庁内や出先機関にある千数百台のパソコンに登録する。

さらにややこしいことに、新たに作った一つの漢字を外字登録する際、区が割り当てる文字コード番号はコンピューターシステムごとに異なる。メーカーが違うことなどが理由で、例えば住民基本台帳システムの個人情報を国民健康保険のシステムにそのまま転送しても同一人物とは認識されない。

このため、区はコンピューターがデータをやりとりする際に文字コードを変換するシステムを約1億8千万円かけて導入した。

足立区戸籍住民課の初鹿野(はじかの)学課長は

「どの自治体にもある問題。膨大なコストがかかるが、システムが変われば作り直し。無駄でしかない」。
こうした問題は企業でも同じだ。異体字を正字に直して登録するケースもあるが、金融機関などでは、公的書類と照合する本人確認の妨げになるとして対応が分かれる。

プロジェクトを進めるのは経済産業省と大手IT企業。民間側の協議会は昨年12月6日に発足し、コンピューターで日本語を扱うのに不可欠なソフトを作っているマイクロソフト、ジャストシステムなど9社・団体が加わった。マイクロソフトの加治佐俊一CTO(最高技術責任者)は「外字問題という、世界でも例のない日本固有の問題が解決に向かう」と語る。

経産省が動いたのは、官民ともにインターネットによる電子的な手続きの導入が進むなか、正しい人名表記を扱う必要に迫られると考えたためだ。

法務省が幅広い電子化を目指して04年にまとめた「戸籍統一文字」(5万6040字)をもとに5万8713字のデータベースを作る。

世界共通の文字コード体系「ユニコード」に反映させ、あらゆるコンピューターで人名や地名を網羅する狙いだ。

外字の存在はネット上の同じサービスを大勢の個人や企業が共有する「クラウド」化を妨げ、日本が世界的な流れに取り残される原因にもなりかねないとされ、解決が急がれている。

政府側でプロジェクトを統括する経産省の平本健二さんは「1980年代から続く問題を解決したい」と語った。

普及が進む電子書籍についても成果が期待できる。日本文芸家協会副理事長で芥川賞作家の三田誠広さんは

「文字が1万字しか使えないのは大きなネックだ。特に人名が表記できないのは致命的欠陥。文学書や歴史書を正確に電子書籍化できない」
と語る。

一方で、懸念の声もある。

国立国語研究所の高田智和准教授は

「戸籍や地名にはすでに使われていない異体字や誤字も多い。いたずらに使える字を増やすのでなく、使われているかどうかで仕分けるのが先ではないか」
という。

プロジェクトが完了すれば、パソコンの日本語変換で「渡辺」の候補は現状の3から一気に22に増える。

JIS規格を決める際、多くの異体字を集約した東京外語大の芝野耕司教授(言語学)も

「多くの漢字が画面上に並ぶ中から、延々探せというのか。漢字を増やすことはコンピューターにとって意味のある行為かも知れないが、人にとっては使い勝手が悪化するだけだ」
と話している。

何とも悩ましい話ですね。

ワープロが出来た当初「ワープロの文字は活字と同等に扱って良いのか?」という議論がありました。
プリンターでドットの集まりとして示した文字と、活字の文字が同じとみるかどうか?という話ですね。

ぞの後に、コンピュータの文字コードが規格化されたのですが、かなり色々な文字を組み込まない規格になりました。

そもそも文字の規格化というのは、ある意味でキリがないわけで、無制限に異字体を組み込むというのは間違っているでしょう。
実用上で困るのが、人名であれば人名に使われる文字についてだけ組み込むというのでも良いかと思います。

例えば、地名などで昔の名前の文字は使っていない、といった場合にその時代の文字をコンピュータで扱えなくてはならない、との考え方はまずいと思います。
あくまでも、現時点での実用性の範囲の中だけで文字数を増やすべきでしょう。

1月 21, 2011 at 07:58 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2011.01.20

新幹線システムトラブルを報道した記事に違和感

読売新聞より「新幹線システム、処理限界警告なし…設計不備か

JR東日本の新幹線が総合管理システム「COSMOS(コスモス)」のトラブルで運行ができなくなった問題で、同システムがダイヤ修正などで処理能力の限界を超えた際、パソコン画面上などで係員に警告する機能を備えていなかったことがわかった。

今回のトラブルでは、処理能力を超えてデータが表示されなくなる現象が起こり、同社はこれをシステムダウンと疑って新幹線全線の運行を停止していた。

国土交通省ではシステムの設計に不備があったとみて調べている。

JR東日本によると、17日朝は雪の影響で東北新幹線24本のダイヤ修正を処理したところ、「1分あたり600件」の設定上限を超過してしまったという。
その結果、運行本部のパソコン画面上で運行情報の一部が表示されなくなる不具合が起きた。

システムにはパソコン画面に処理件数を表示する機能や、限界が近づいたことを警告する仕組みがなかった。
(2011年1月20日09時00分 読売新聞)

朝日新聞より「新幹線運休、同じフロアにシステム開発者 連携できず

2011年1月20日8時47分

JR東日本の新幹線が一時運休した問題で、「システムの不具合が発生した」と誤解した運行担当の指令部門が所属する新幹線運行本部には、システムの開発者もいたことが関係者への取材でわかった。

しかし連携できず「不具合ではない」と見抜けなかったため、1時間15分の全面運休を招いた。

JR東の発表によると、17日朝、東北新幹線の沿線で雪が降り、福島県内でポイントが切り替わらなくなる事故が相次いだ。
新幹線運行本部(東京都)では同8時ごろから、指令部門の7人が、24本の列車ダイヤの変更を入力し始めた。

運行管理システム「COSMOS(コスモス)」では1分ごとにデータ修正が必要な箇所をチェックしており、上限の600件を超えると各列車の駅到着予定時刻を示す線がモニター上から消える仕組みになっていた。
だが、これを知らされていなかった指令部門はシステムの不具合が起きたと考え、同8時23分に全線で停車を指示した。

しかし、JR東の関係者によると、同じフロアにあるシステム部門には、システムを開発して仕組みをすべて把握している社員が複数いた。
だが、発生時のシステム部門の当番は開発者に連絡をとらず、指令部門とも十分な協議をしなかったという。

同本部に詳しいJR東社員は「表示が適正だと知っていれば列車は止めない」と指摘する。

同本部の元幹部は「指令はシステムに聞くべきだったし、システムは情報を集約して指令に教えるべきだった」と話す。

JR東は朝日新聞の取材に

「システムに最も詳しい社員の勤務は午前9時からだった。発生時に適切な助言ができる社員がいたとは承知していない」
としている。

今回の問題でJR東は、システム導入以降に列車本数が4割増え、2008年にはシステム更新をしたのに上限は600件のままにしていたことが原因で、「配慮不足だった」と説明した。

その上で

  1. (1)続けてデータを修正する場合、時間をおいて入力する
  2. (2)600件を超えても到着予定時刻を示す線をモニターに表示するようにする
を再発防止策に掲げた。

だが、元幹部は「対症療法でしかない。部門間の連携を密にしなければ同じトラブルが繰り返される」と危惧する。(小林誠一、宮嶋加菜子)

わたしは、どうもこの2本の記事には、かなりの違和感を感じます。
そもそも、今回のシステムエラーとその対処が、それほど問題になることなのだろうか?

読売新聞の記事は、設計不備かとありますが、設計時の入力想定を超えたという事実があって、それに適切な対処が出来なかったから、システムを止めたわけです。
だから記事は、その通りなのだが、原因が分かって対策が出来たのだから、同じことは今後起きないでしょう。

そうなると、入力範囲のチェックが不完全なシステムであった事が、大問題なのか?となりますが、現場の実情から言えば、この種のトラブルはそうそう珍しい事ではないし、特に古いシステムではおきがちな事です。
つまり、わたしにはわざわざ報道するほど珍しい事件とは思えないのです。

朝日新聞の記事は全く違う観点からの記事ですが、運用の現場に開発の人間がいたから、ちゃんと対応出来て当然だ、という事なのですが、これは全く間違っていると思いますね。

基本的に新幹線のダイヤ管理システムは、巨大システムに分類されるものであって、そこに偶然対応できる人がいたから、何とかなるはずだ、はあり得ない。
そんな事が「出来るべきだ」だとすると、現場に開発担当が張り付いていて当然だ、となってしまって合理化の観点からはあり得ないし、そもそもヒューマンエラーの原因を大増産します。

大昔の本で「自動車絶望工場」1973年がありますが、その中に著者の鎌田慧氏が「労働とは・・・・」として、趣味の園芸のような組織化されない、個人的な「働き」が本来の労働の姿である、として自動車の量産工場自体を否定しています。

わたしが、この本で一番異様に感じたのが「本来の労働」が、趣味の園芸作業のような「隣の人と手を携えて」という範囲に限定したら、中世以前ぐらいでしか成り立たない世界になってしまうと思ったところです。

今回の朝日新聞の記事には「隣の人と手を携えて」という雰囲気を感じて、近代社会はそれでは動かないし、オフショア開発といった事が日常化している現在この記事はいったいどういう世界観で書いているのか?大いに疑問があります。

この2本の記事は、どうも方向性がヘンで、新幹線のような巨大システムを正しく評価する視点が報道機関にはないのでは?という危惧を感じました。

1月 20, 2011 at 10:19 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.19

H3ロケットの開発計画

朝日新聞より「宇宙機構、3段ロケット「H3」開発検討 有人も視野

Up

2011年1月19日3時0分

宇宙航空研究開発機構と三菱重工業が、次世代ロケット「H3」の技術的な検討を始めた。 国産の主力ロケットH2A、H2Bは2段ロケットだが、H3はまったく新しい3段ロケットを想定。

有人飛行に使うことができ、太陽系探査では「はやぶさ」などより大きな探査機も打ち上げられる。H2シリーズは基本設計から30年になるため、部分改良よりも新規開発する方が多目的化できるとみている。

試案によると、H3は1段目に、H2Aの2段目と同じ形式のエンジンを3基ほど並べる。1基ずつは高出力ではないが、噴射される燃料の温度が低く、安全性が高い。
複数積むことで、国際宇宙ステーション(ISS)の高度に6トンの有人船を運べる能力を持たせる。1基故障しても推進力を確保でき、このエンジンを2段目にも使えば低コスト化を図れる。

20日には、H2Bで有人船にも発展可能な無人補給船「HTV」2号機が打ち上げられる予定だ。H2Bなどは固体燃料の補助ロケットで推進力を補っているが、固体燃料は米スペースシャトル・チャレンジャー爆発の原因にもなった。このため、H3を有人で打ち上げる際は、固体燃料を使わない方針だ。

3段ロケットにすれば、有人飛行では3段目エンジンを打ち上げ失敗時の緊急脱出に使える。太陽系探査でも、探査機を飛ばす方向の自由度が増す。

日本の探査機はこれまで、ロケットの制約から大型化が難しかった。
観測機器を多く積むと予備系を少なくしなければならず、失敗の一因にもなっていたが、ロケットの運用に幅ができることで、大型化も図れそうだ。

静止軌道など普通の衛星には下2段を使えばすむようにし、打ち上げ費はH2Aの80億~120億円より2~3割ほど安くする。技術的には2020年ごろに初飛行できるという。

1段目に小さめのエンジンを複数使うのは、ロシアのソユーズや米民間ロケット「ファルコン9」などと同じ設計思想だ。

米オバマ政権は昨年、米航空宇宙局(NASA)によるロケット開発をやめ、民間ロケットの活用を打ち出した。

ただ、ファルコン9などは旧世代の技術を使っており、新しいロケットを開発し続けている欧州のアリアンスペースに差をつけられつつある。

09年に策定された宇宙基本計画は、月面有人活動も視野に入れた基盤技術を構築するとしている。
有人月探査のハードルは高いが、宇宙機構の立川敬二理事長は13日の会見で「有人ロケットについて国の決定は出ていないが、研究は続けたい」と話していた。(東山正宜)

絵を見ると、ちょっと小型化していて、これでより大型の衛星などを打ち上げることが出来るのが、ちょっと不思議な感じです。2段目・3段目により大出力のエンジンが使えるようになる、ということなのでしょうね。

記事中にもありますが、宇宙開発も民間主導が当たり前になりつつあり、日本が三菱重工が主体になってエンジンの改良が進んだのも、世界的に見れば先行事例のようです。

特に有人衛星を日本が打ち上げる必然性はないでしょうが、より制御しやすいロケットを使うと、いろいろな事が出来るようになり、火星に探査機を送るといった事がやりやすくなるでしょう。

さほど開発に手間が掛かるようにも見えないから、是非とも速く実現して欲しいものです。
こういった「未知の方面の実現」こそが今の日本で一番重要な事だと思うのです。

1月 19, 2011 at 07:58 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.14

拳銃にヒビが入った

東京新聞より「警察の拳銃200丁にひび けが人なし、回収へ

2011年1月13日 22時45分

全国の警察に配備されている拳銃約200丁に、数ミリ~十数ミリのひびが見つかっていたことが13日、警察庁への取材で分かった。
事故の発生やけが人などは出ていない。
銃の不具合が原因とみられ、同庁は回収を進めるとともに、納入業者に原因究明を要請している。

警察関係者によると、警察内で「サクラ」と呼ばれている米国メーカー製の回転式拳銃。
警察庁によると、2006年度から導入が始まり、昨年度までに約2万5千丁が全国の警察に配備されていた。

09年1月、埼玉県警で2丁にひびが見つかり新品に交換したが、昨年3~9月に警視庁など数都県警から同様の報告があった。

(共同)

いったいどこにヒビが入ったのか?、そもそもどういう拳銃なのか?とちょっと調べてみました。

ウィキペディアによると、「スミス&ウェッスン(S&W社)M360(エア・ライト.357マグナム)の日本警察向け特注モデル」だそうです。
エアウェイトとは、フレームをアルミ合金に変更した拳銃に付けられているのだから、ヒビが入ったのはアルミ合金のフレーム部分で、銃身をねじ込んであるところらしい。

スチールフレームでも、鋳造品(鋳鋼)なのだから、アルミ合金製もロストワックス(プレシジョンキャスティング)だろうと思われる。

メーカーのS&Wが保証しているよりも耐久力が無かったのだから、材質か熱処理の問題だと予想できますね。
2万5千丁中の200丁では、1%に近いし精密に検査(マグナフラックスなど)すれば1%超えになるかと思うが、交換となったらちょっと大変ですな。

1月 14, 2011 at 09:17 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.01.04

プリウスがトップ

毎日新聞より「プリウス:販売台数、歴代首位に 90年のカローラ抜く

トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」の10年の国内の年間新車販売台数が31万5000台を超え、
これまで車名別で最も多かった1990年のトヨタ「カローラ」(30万8台)を上回り、
20年ぶりに歴代首位が入れ替わったことが3日、分かった。

プリウスは10年1~11月の11カ月間ですでに29万7563台を販売。同12月も28日時点で約1万8000台を販売し、年間での過去最高を更新した。
低燃費や従来のHVより割安な価格に加え、エコカー補助金と減税を追い風に販売を伸ばした。

10年の国内の新車販売台数は500万台を切ったとみられ、90年(約778万台)と比べ大きく減少。
市場が大幅に縮小する中、大衆車の代名詞とされるカローラをプリウスが上回ったことは、環境重視の世相を色濃く映した出来事といえそうだ。

10年の詳細な販売台数は、業界団体の日本自動車販売協会連合会などが今月11日に発表する。

プリウスは月間販売台数でも、昨年12月まで19カ月連続の首位になったもようだ。
ホンダが同10月にHVを追加した小型車「フィット」の昨年12月の販売は、約1万5000台にとどまる見通しだ。

昨年9月のエコカー補助金終了後、国内の新車販売は急減。プリウスの同12月の販売台数も前年同月より約20%減の見通しだが、「エコカー減税のある間はプリウスの優位が続くのではないか」(自動車メーカー幹部)との見方が出ている。

毎日新聞 2011年1月3日 19時44分

正直な話が大したものだと思います。

しかし、これをエコカーを作ったから売れた、と見るのは間違っているように思う。
トヨタの営業戦略がプリウスという車を市場に浸透させて、その車がハイブリッド車だった、という順序だと思う。

市場に認知されるのは、どんな商品を出した場合でも、大変な努力が必要なことに代わりは無いと思う。

1月 4, 2011 at 07:40 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.12.23

フォードのミニバン、リアアクスル破断でリコール(動画)

YouTube より「ABC World News with Di...: Ford Issues Recall on Windstar Minivans

この動画は ABC NEWS そのものですが、わたしは一昨日(2010年12月21日)NHK・BSニュースで見ました。
そこで、ネット上に紹介されるのを待っていました。

フォードのミニバンのリアアクスルが破断して、死亡事故が起きていてフォードはリコールすることにした、というのがニュースの概略ですが、どうも左右の後輪を位置決めするために、左右をつないでいる部材が破断してしまうというもので、基本的には長期間使用による腐食が原因であろうと思われます。

しかし、こんなところが先に破断してしまうというのは、自動車の設計としては許されないことで、なんともすごいものだと思います。
部分的に強度を変えて、破断する前に曲がってしまうようにするべきであったでしょう。

ぜひとも、動画をご覧下さい。

12月 23, 2010 at 11:38 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.12.10

四日市で瞬間停電、工場の操業に支障あり

朝日新聞より「電圧低下0.07秒、月100億円減収の恐れ 東芝工場

2010年12月10日5時1分

「0.07秒」の電圧低下が、日本のものづくりを揺るがしている。

8日早朝、中部電力管内で電圧が一瞬低下。
東芝の半導体製造の主力である四日市工場が一部操業を停止した。
コスモ石油四日市製油所も操業を停止したままだ。高い品質の電力に頼る日本の製造現場のもろさを露呈した。

東芝四日市工場は、電源を切っても記録データが保たれる「NAND型フラッシュメモリー」を生産している。
パソコン用のメモリーカードやスマートフォン(多機能携帯電話)、デジタルカメラ向けの需要が急増し、フル操業を続けるなかで事態は起きた。

半導体工場は精密な製造装置が多く、電圧の安定した質の高い電気が欠かせない。
このため、落雷などで電圧が変動した影響を製造装置に伝えないように「UPS」(無停電電源装置)を備えるのが一般的だ。

東芝によると、四日市工場も主な製造装置にUPSを付けていたが、製造装置のあるクリーンルームの空調設備が停止。
電圧低下の落ち幅や時間が想定よりも大きく、対応しきれなかったという。

半導体製造では、ほこり一つない状態が必要だ。いったん止まると設備の洗浄や製造途中の半製品の撤去、設備の点検を経ないと、再開できない。

東芝は現在、設備が正常に動くか確認中で

「7割程度が復旧し、10日には通常通りの操業に戻る見通し」。
ただ、来年1~2月の出荷量は最大2割減る恐れがあるという。同社は1~3月のフラッシュメモリーの売上高を約1700億円と予想。
単純計算では2割減ると月額100億円程度の減収になるとみられ、業績への影響も懸念される。

コスモ石油四日市製油所では、電圧低下の影響で停電が3時間弱続いた。
自家発電設備は平時から動いており、非常時には完全に切り替わるはずが、この電源まで止まった。
原因を調査中だ。

中部電力によると、今回、少なくとも大口の取引先146件に影響が出た。
四日市火力発電所にある変電設備のスイッチの不具合が原因だが、なぜ起きたかは不明だ。

専門家の中には、精密装置は、電圧が2割を超えて下がり、その状態が0.01秒以上続くと、影響を受けやすいという見方がある。
今回は電圧が約0.07秒間、最大で半分程度低下したとされ、「瞬間的な電圧低下としては比較的大規模」との指摘もある

電圧低下の影響を被った主な企業

東芝「フラッシュメモリー」の生産ラインが停止。全面再開は早くても10日
三菱マテリアル運転中の炉が一時停止し、月産ベースで5~10%の減産見込み。
コスモ石油2基の精製装置が停止。稼働は1基が週内、もう1基は来週中の見通し。供給は在庫で対応。
ホンダ部品の加工設備の一部が停止。すぐに復旧し、生産計画に影響なし
東ソーポリエチレンの3本の製造ラインや電気分解プラントが半日停止
三菱ケミカルHDポリカーボネートの加工装置が一時的に停止。実害はなし
トヨタ車体生産ラインの操業開始に1時間の遅れ。残業でカバー

ずいぶん大規模な「瞬停」だと感じます。
設備側の対策を上回る事態になったのが、ちょっと不思議な気もしますが、基本的にはこのような事もあるということで、対策を強化するしかないですね。

自動車会社は、扱っている物が目に見えるサイズだけれども、半導体製造や化学プラントでは目に見えないサイズであって、そこに電力問題が影響した、というのは興味深い点です。

電力供給は、地域サービスだから企業から見れば、立地条件になりうるわけで、自治体も深刻に考えるべきでしょう。

しかし、朝日新聞の「電圧低下が、日本のものづくりを揺るがしている」というキャプションは、なんか違和感を感じるな。
これは、あたしだけの個人的感想でしょうかね?

12月 10, 2010 at 10:47 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.12.09

宇宙船ドラゴンの帰還

CNN.co.jp より「商業宇宙船が大気圏再突入に成功、シャトル後継に期待

2010.12.09 Thu posted at: 09:48 JST

米スペースX社の商業ロケット「ファルコン9」が8日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、約3時間後の米東部時間午後2時過ぎ、メキシコ沖の太平洋上に無事着水した。

米航空宇宙局(NASA)によると、ファルコン9に搭載されていた無人宇宙船「ドラゴン」は、目標通りの場所に着水したという。

ファルコン9は軌道に到達後、大気圏への再突入に成功した模様。
NASAのスペースシャトル引退が2011年に迫る中、商業宇宙飛行の実現に向けた大きな前進となる。

ファルコン9は7月に実施した打ち上げ実験で、大気圏を脱出してドラゴンの模型を軌道に乗せることに成功していた。

NASAはこれまでスペースシャトルを使って国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士や物資を送り届けていたが、シャトル引退後は民間企業を活用してコスト削減と効率性向上を図りたい考え。
そのための軌道到達機の開発を担う民間企業として、スペースXなど2社を選定していた。

スペースXはこの夏までに約4億ドルをかけてロケットの打ち上げを成功させ、宇宙に物資を輸送する16億ドル相当の契約をNASAから獲得している。

スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7月の時点で、すべて順調に行けば来年にはISSへの貨物便を運航する準備が整い、3年以内にも有人飛行も可能になると話していた。

SPACEX 社のサイトを見ると、UPDATE にファルコン(ロケット)やドラゴン(宇宙船)のかなり詳細な写真があがっています。
全体に、非常にコンパクトでシンプルな印象があって、いかにも「民間」という感じです。

その中で、わたしが非常に興味深く見たのが、ドラゴンの機体の写真
これ、削りだしています。
現在では、五軸マシニングセンターで加工すればさほどのことではないのですが、スペースシャトル製造の頃には、ここまで大きな物はやりませんでした。

こんな巨大なものを、ほとんど組み立てないのだから、そりゃコストダウンになるでしょう。

機械製造の視点からは、宇宙船を民間企業が製作可能になったこと自体が、技術的な頂点に達したような感じを受けます。

12月 9, 2010 at 11:56 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.10.23

マツダが発表した新技術

webCG より「マツダ、次世代のベース技術「スカイアクティブ」を発表

マツダは2010年10月20日、次世代技術の総称となる「スカイアクティブ(SKYACTIV)」と、それを構成するパワートレイン、プラットフォームの技術概要を発表した。

■6つのスカイアクティブ

マツダは、2007年に発表した「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」で、2015年までに世界規模での平均燃費を約30%引き上げると公言している。
その実現のために、車両の軽量化、パワートレインの効率化、プラットフォームの見直しといったベース技術を進化させたうえで、アイドリングストップやエネルギー回生、ハイブリッドといった電子デバイスを段階的に導入するという「ビルディングブロック戦略」を採用している。

2009年の東京モーターショーでは、次世代のベース技術を「スカイコンセプト」と名づけ、次世代ガソリンエンジンの「スカイG」やディーゼルエンジンの「スカイD」などを紹介。そのスカイコンセプトが、具体的な商品の登場を前に「スカイアクティブ」に名称が変更され、より詳しい内容が示された。

スカイアクティブを構成するのは、ガソリンエンジンの「スカイアクティブG」、ディーゼルエンジンの「スカイアクティブD」、オートマチックトランスミッションの「スカイアクティブ・ドライブ」、マニュアルトランスミッションの「スカイアクティブMT」、軽量高剛性ボディの「スカイアクティブ・ボディ」、高性能軽量シャシーの「スカイアクティブ・シャシー」の6つ。

その第1弾として、スカイアクティブG搭載の「デミオ」を2011年前半に日本に導入する。アイドリングストップシステムの「i-stop」とCVTを搭載したデミオで30km/リッターの10・15モード燃費を達成するというというのだ。さらに、スカイアクティブ・ドライブを2011年に、スカイアクティブDを2012年に市場に投入するなどして、サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言の実現を目指す。

■ガソリンエンジンは世界一の高圧縮比に

次世代直噴ガソリンエンジンのスカイアクティブGは、15%の燃費向上と、低中速トルクの15%向上を狙う。これを達成するために、14.0という非常に高い圧縮比を量産エンジンとして初めて実現。ガソリンエンジンでは圧縮比が高いほうが燃費には有利だが、あまりに高いとノッキング(異常燃焼)が発生して、かえってトルクが低下してしまうという問題があった。そこでマツダは4-2-1排気システムや、最適化したピストン形状、マルチホールインジェクターなどにより課題を克服。さらに、機械抵抗やポンピングロスの低減などにより、目標とする性能を得るとしている。

一方、次世代クリーンディーゼルターボのスカイアクティブDでは、燃費の20%向上や低中速トルクのアップに加えて、日本、アメリカ、ヨーロッパの排ガス規制を、リーンNOx触媒や尿素SCRシステムなどを使わずにクリアするのが特徴だ。ここでキーとなるのが、ディーゼルエンジンとしては極めて低い圧縮比の実現。スカイアクティブGとは対照的に、スカイアクティブDでは圧縮比を世界一低い14.0に設定。圧縮比が低ければ、シリンダー内の燃料が均等に燃えるためNOxが減少し、また、燃料分子のまわりに酸素が十分に供給されるため、“すす”が少なくなるという。低圧縮比とすることで、均質な混合気を最適なタイミングで燃焼させることが可能になるため、出力アップや燃費の向上も期待できるという。

新世代エンジンに組み合わされることになるスカイアクティブ・ドライブは、CVTやデュアルクラッチトランスミッション(DCT)の利点をトルクコンバーター式オートマチックに取り入れたものだ。発進と停止以外はロックアップ機構を働かせ、トルクコンバーターのすべりをなくすことで、マニュアルトランスミッション並みのダイレクト感を実現。そのぶん伝達効率も高まり、従来比4~7%の燃費向上を見込んでいる。マニュアルのスカイアクティブMTは、ショートストロークと軽い操作性を両立させるとともに、内部抵抗を減らすことでさらなる高効率を目指す。

■ボディとシャシーも進化

パワートレインの進化に加えて、プラットフォームにも見直しが図られる。スカイアクティブ・ボディは、高張力鋼板の使用比率を増やすことに加えて、基本骨格をできるかぎり直線で構成するなどして、高い剛性と衝突安全性能を実現しつつ、軽量化を図る。説明によれば、剛性は30%の向上、重量は8%の低減となる。一方、スカイアクティブ・シャシーは、軽量サスペンションや電動パワーステアリングの開発により、14%の軽量化を図りながら、マツダらしい「人馬一体のドライビングプレジャー」を追求する。

これらの技術により、エンジンで15~20%、オートマチックトランスミッションで4~7%、軽量化ボディなどにより3~5%の燃費向上が見込まれ、ベース技術だけでも20~30%の低燃費が図られることになる。マツダでは、今後登場する新型車に順次スカイアクティブ技術を適用し、これに電子デバイスを段階的に追加することで、多くのユーザーに低コストで燃費の優れたクルマを供給したい考えだ。すべてが出そろうにはまだしばらく時間が掛かるが、われわれとしてはそのひとつひとつの仕上がりに注目していきたい。

(文=生方聡)

ビジネスとして成功するのか?という不安はありますが、圧縮比14のガソリンエンジンとディーゼルエンジンというのは、面白いですね。

わたしが注目するのは、発進と停止以外は、ロックアップするATですが、そうまでしてトルコン式のATを使い続ける意味があるのか?という疑問がで出来ますね。

いずれにしても、後付けではない技術で改良できる場合には、大いに開発を進めるべきだと思います。
これは、ブレーキペダルの踏み間違え問題と同じですね。

自動車は世界中のインフラに合わせなくてはいけないので、どうしても保守的になりますが、どうも既存技術では限界になりつつあるように感じます。
だからといって、いきなり「無人走行」とか言い出しても、実用には遠いでしょう。

ラジカルに、かつ社会的に抵抗がない道を作っていくことが、自動車業界の最大の課題だろうと思います。
あまりに、既存の規制などにとらわれていると、技術的には変なことになっていくだろうと思います。

10月 23, 2010 at 12:15 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.10.20

アクセル・ブレーキ踏み間違え問題・クローズーアップ現代より

昨日(2010年10月19日)NHKのクローズアップ現代で「見過ごされてきた踏み間違い事故」が放送されました。

8月、米運輸省は、トヨタ車の急加速問題について、多くが「ドライバーのペダルの踏み間違い」だったと示唆する中間報告を出した。

アクセルとブレーキの踏み間違い事故は、日本でも年間およそ7000件、幅広い年齢層で起きている。

交通心理学の研究者たちは、このところ、事故の原因を「車の構造」と「人間の心理」から検証、ペダルの配置が操作ミスを誘発しているとの報告を出している。

AT車が普及した頃から事故は続いてきたものの、メーカーは車の構造に踏み込む対策をとれずにいた。

こうした中、地方の自動車整備工場などで、事故を防ぐための独自の装置の開発が始まっている。

番組では「単なるミス」と放置されてきた事故が、実は、人の心理に深く関わっていることを明らかにするとともに、問題解決への課題を探る。

コメンテーターは、工学院大学教授で「失敗学」で有名な畑村先生でしたが、けっこうメーカーというか、保守派の意見が強すぎるのではないか?という印象でした。

放送によるとアクセルとブレーキの踏み間違えは、AT車が普及し始めた頃に問題になって、自動車メーカー側は調査結果として、

ドライバーがAT車に不慣れなために起きた事故であって、AT車の普及によって減少するはずだから、製品として対策する必要がない。
という報告書を出しているのだそうです。

米国でのトヨタ車暴走事故で、踏み間違えに対する技術開発が公開されるようになって、スバルはカメラによる衝突防止装置「アイサイト」を搭載しました。

メーカーは全体としては「構造を変える必要は無い」であり衝突防止装置の開発に向かっています。
これに対して、中小企業などが「ブレーキの仕組みを変えてしまえ」といろいろとやっています。

番組で紹介されたのが「玉名市ナルセ機材のワンペダル」です。
右足を、一つだけのペダルにおいて、足を右に寄せると右側の壁になっているパーツが右側に押されて、アクセルを開けることになります。
ペダルを踏み込むと、ブレーキ。

かなり良くできている考え方だと思います。

わたし自身は、AT車では常に左足ブレーキになってしまいます。完全にクセです。
ところが、左足ブレーキは良くないとされていて、その理由がよく分からない。
たぶん、MT車では、右足でブレーキを踏むからなのでしょう。

だとすると、クラッチ付きのMT車がほぼ絶滅する時代に、「右足でブレーキを踏まねばならない」理由の説明はほぼ無意味というか、左足ブレーキを否定する理由自体がないではないか?

アクセルとブレーキを動じにふむとスピンする、といった指摘はありますが、これはブレーキ操作をアクセル操作に優先するシーケンスを付けるだけで解決します。

畑村先生は、衝突防止装置を上乗せするよりも、現在のアクセル・ブレーキの関係などを見直して、長時間掛けて人の心理や行動によって事故を防止できるように改良するべきだ、と述べていました。

わたしは、AT車の左足ブレーキを促進するのが、手っ取り早いと思うのですが、いかがですかね?

10月 20, 2010 at 11:38 午前 もの作り | | コメント (8) | トラックバック (0)

2010.08.12

深度1万メートルに地震計を設置する

読売新聞より「海底1万mに地震計…水圧に耐える容器開発

世界最深の海底にも置ける地震観測装置を、海洋研究開発機構などが開発した。

太平洋のマリアナ海溝は最深部が水深1万920メートルで、水圧が1000気圧を超えるが、その圧力に耐える容器を作製した。
巨大津波の発生源となる日本海溝などで、観測の空白域を解消できると期待される。

海底地震計は、常設されている一部海域を除き、観測後に船上から信号を出して重りを外し、海上に浮上させて回収する。
そのため、耐圧容器は軽さと強さを両立させる必要があり、これまでは水深6000メートル(600気圧)が限界だった。

研究チームは、容器の素材を従来のガラスからセラミックスに変更。
容器の重量は従来並みの約20キロ・グラムに保ちながら、約2倍の強度を得ることに成功した。

日本海溝は、三陸沖で太平洋側のプレート(板状の岩盤)が、陸側のプレートの下に沈みこんでいる場所で、深さは8058メートルに及ぶ。巨大津波を引き起こす地震が過去に発生しており、観測体制の強化が求められていた。
(2010年8月12日16時06分 読売新聞)

1000気圧に耐える、圧力容器というのはすごいです。
深海調査船「しんかい6500」(最大深度6500メートル)では、耐圧殻は

「しんかい6500」の居住空間は内径2.0mの耐圧殻の中です。そこにパイロット2名と研究者1名が乗り込み、調査を行います。耐圧殻の中には計器類などが設置されているため、居住空間はもっと狭くなります。

耐圧殻は軽くて丈夫なチタン合金でできており、厚みが73.5mmあります。

水深6,500mでは水圧が約680気圧にもなるので、耐圧殻の少しのゆがみが破壊につながります。
そこで、可能な限り真球に近づけられました。その精度は、直径のどこを測っても0.5mmまでの誤差しかありません。

横浜のみなとみらい地区にある、三菱みなとみらい技術館にはしんかい6500のモックアップが展示されています。

確かに、厚さが73.5ミリのチタンの耐圧殻にはびっくりします。

今回の地震計を入れる耐圧容器の外寸は、写真で見ると50センチ程度かと思いますが、材質はセラミックですね。
機械加工してありますが、相当大変だったでしょう。

高圧下では、ガラスは液体と同様に否圧縮性の物質として扱えるようです。とはいえ、容器であるから中が中空であり、容器として許せる変形量も限界があるわけだから、大変な技術であることは確かですね。

8月 12, 2010 at 05:01 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.31

世帯あたり車の保有数が減少

読売新聞より「広がる車離れ、世帯あたり保有台数が初の減少

総務省が30日に発表した2009年の全国消費実態調査によると、1世帯(2人以上)あたりの自動車の保有台数(09年10月末時点)は1・414台で、5年前の前回調査より2・2%減少した。

自動車を調査対象に加えた1964年以降、初めての減少となる。

世帯主の世代別では、50歳代以下でいずれも減少しており、車離れは若年層だけでなく中高年層にも広がっている。

都道府県別では、神奈川が7・7%減、千葉が7・5%減、埼玉が7・2%減、東京が6・9%減など、特に南関東で車離れが進んでいる。

(2010年7月31日09時53分 読売新聞)

神奈川県では、5年間で7・7%減ですか・・・・・。

ディラーに聞いたところ「一家で2台から1台にといったケースが多い」のだそうです。
ディーラーにとっては、整備(サービス)の対象が直接減るのが、きわめて痛いとのことでした。

世帯主の世代別では、50歳代以下でいずれも減少しており、車離れは若年層だけでなく中高年層にも広がっている。

この部分は、記事としておかしいだろう。
中高年層が車を手放すのは、ライフスタイルとして当たり前のことであって、それを埋めるのが若者層であるはずだから、世代が変わっても必ず使うものであれば、世帯数に対する比率は変化しないはずだ。

それが世帯あたりの保有台数が減ったというのは、中高年世帯が車を手放すのに、対応する若者世帯の車の購入がない、ということであって若者層の車離れがきわめて深刻だということだろう。

7月 31, 2010 at 11:19 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.08

飛行機での生ビールサービス

毎日新聞より「ANA:上空でたる生ビール 世界

全日空(ANA)は8日、厨房機器メーカーのホシザキ電機と共同で、世界初となる航空機用ビールディスペンサーを開発し、20日から国内線の機内でたる生ビールの提供を開始することを発表した。

一般的なビールディスペンサーでは、航空機内への持ち込みが禁じられている高圧の炭酸ガスボンベを使用するため、航空機内ではたる生ビールの提供はできなかった。

新たに開発された航空機用ビールディスペンサーは、炭酸ガスボンベの代わりにドライアイスから昇華した炭酸ガスを容器に蓄えて調整することで、生ビールを注出できるようにしている。

また、ドライアイスを使うことで6時間ほど適温に保冷することができるようになったという。

ホシザキ電機によると、高圧ガスが使えないことや上空の低い気圧での注出は未知数の分野だったことや機内で使うカートに入るようにするための製品化に苦労し、開発には1年ほどかかったという。

ANAでは航空機用ビールディスペンサーを250台配備することにしている。

提供予定路線は、沖縄-東京、伊丹、名古屋、福岡の各便と東京-札幌、東京-福岡の午後5時以降出発の便で1日約70便が対象となる。

価格はおつまみつきで1杯1000円。各便20杯限定で、東京-沖縄のボーイング777型と747型は40杯の提供を予定している。【米田堅持】

このニュースは数日前に「ANAがビールディペンサーを」という記事で知ったのですが、その記事には「上空で気圧が低下するから、普通のビールディスペンサーが使えない」となって、わたしは「圧力調整ぐらい出来るだろう」と思って「何が新開発なのさ?」と思っていました。
炭酸ガスボンベの代わりにドライアイスから昇華した炭酸ガスを容器に蓄えて調整することで、生ビールを注出できるようにしている。

ポイントは、高圧ボンベを使わないだったのですね。
それをドライアイスで低圧ボンベを作ったわけで、コロンブスのタマゴのような話ですね。

一杯千円ねぇ・・・・・。

7月 8, 2010 at 09:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.07

5軸マシニングの加工ビデオ

だいぶ前に見つけていたのですが、なんとなく紹介する機会がありませんでした。

ブロック材からヘルメットを削りだしてしまうという、5軸マシニングのデモですが、問題は何でこのビデオを撮ったのか、それが YouTube に公開されているのか?でしょう。

種明かしをすると簡単な事で、株式会社大槇精機がギャラリーに載せたビデオを YouTube で公開しているわけです。

2009年9月28日公開で、現時点で40万5千回再生されています。
非常に広範で強力なプロモーションになっているわけです。

7月 7, 2010 at 05:13 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.06

港区がシンドラーエレベータ他に損害賠償請求訴訟を起こす・その2

6月3日に書いた「港区がシンドラーエレベータ他に損害賠償請求訴訟を起こす」には沢山のコメントが付きましたが、今日(2010年7月6日)港区は実際に提訴しました。

NHKニュースより「エレベーター事故 港区が提訴

7月6日 18時13分 動画あり

4年前、東京・港区のマンションで高校生がエレベーターに挟まれて死亡した事故をめぐり、マンションを所有する港区は、事故に伴ってエレベーターを交換するなど多額の損害が生じたとして、メーカーやメンテナンス会社などに総額およそ14億円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

この事故は、4年前の平成18年6月、東京・港区のマンションで「シンドラーエレベータ」社製のエレベーターが突然上昇し、高校2年生(16)がドアに挟まれて死亡したものです。

訴えによりますと、マンションを所有する港区は、事故が起きたエレベーター1基と同じマンションや区の施設に設置されていたシンドラー社製のエレベーター4基を交換するなどの損害を受けたとして、シンドラー社やその親会社、それにメンテナンス会社の「エス・イー・シーエレベーター」と「日本電力サービス」の4社に対し、総額13億8400万円の賠償を求めています。

これについて、シンドラー社は「提訴されたことは遺憾です。主張は裁判の中で明らかにしていきたい」とコメントしています。

また、エス・イー・シーエレベーターは「訴状を見ていないのでコメントできない」、日本電力サービスは「担当者がいないので答えられない」としています。

事故をめぐっては、去年7月、シンドラー社とエス・イー・シー社の当時の担当者5人が、エレベーターの安全管理を怠ったとして業務上過失致死の罪で起訴されています。

マンションを所有する港区は、事故に伴ってエレベーターを交換するなど多額の損害が生じた

損害保険の考え方をひっくり返すようなもので、事故に伴ってエレベーターを交換した事実の責任が、被告にあると具体的な立証を必要としますが、それは可能なのでしょうかねぇ?

傍聴したいものです。

7月 6, 2010 at 07:11 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.07.02

空飛ぶ自動車

CNN.co.jp より「「空飛ぶ自動車」実用化へ前進、米航空局の規制をクリア

(CNN)
米国のメーカーが開発中の「空飛ぶ自動車」がこのほど米連邦航空局(FAA)の重量要件を満たし、生産開始に1歩近付いた。

米テラフュジア(本社マサチューセッツ州)が開発した小型軽量機の「トランジション・ローダブル・エアクラフト」は、着陸した状態で翼を折り畳むと自動車に変身する。

飛行機から自動車への切り替えはコックピットから操作でき、所要時間は「オープンカーの屋根を閉めるのとほぼ同じくらい」(同社幹部のアナ・ディートリク氏)しかかからないという。

FAAは同機について最大離陸重量の緩和を認め、水陸両用飛行機と同じ約650キロでの離陸が認められることになった。

このクラスの軽量スポーツ機の最大離陸重量は通常約600キロだが、トランジション機は道路の走行を想定してエアバッグなど通常の軽量機にはない安全装備を搭載したため、重量が重くなったという。

ディートリク氏によると、トランジションの飛行速度は時速約160キロ、地上では約100~110キロほどの速度で走行できる。
最大約720キロの飛行・走行を想定した設計になっており、機能的には自動車よりも航空機に近いという。

軽量スポーツ機には操縦士と乗客1人が搭乗でき、操縦に必要なスポーツ操縦士免許の取得には20時間の飛行訓練が必要となる。

今後FAAの認可を経て米高速道路交通安全局(NHTSA)の検査に合格すれば生産を開始する。想定小売価格は19万4000ドル。1年半後をめどに出荷を開始する見通しだという。

この手の兼用機は今までも数多く作られていますが、いずれも試作で終わっています。
もし商業生産できるようなことになれば、画期的と言えます。

しかし、どこにニーズがあるのでしょうかね?
普通の飛行機として飛行場で離発着し、そのまま公道を走ることが出来る、ということが何の役に立つのかな?

7月 2, 2010 at 11:27 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.07.01

原子力発電船

日テレNEWS24 より「世界初…海に浮かぶ原発の進水式 ロシア

2010年7月1日 10:05

海に浮かんだ状態で発電する、世界で初めての移動式の原子力発電所「ロマノソフ号」が先月30日、ロシア・サンクトペテルブルクで進水式を迎えた。

この原発は、発電所の建設が困難な地域や災害に遭った地域のために開発された。

海に浮かんだ状態で発電して、陸地に電気や暖房用の温水などを供給する。建造は3年前にスタートし、地上の発電所と同じように原子炉は5重の安全システムで守られる。

搭載する原子炉は潜水艦や砕氷船で使われているタイプで、出力は2基で7万キロワット、20万人に電力を供給できるという。

この原発に対し、既にヨルダンなど12か国が購入を希望している。

一方で、核の管理が難しくなると指摘する声もある。
環境保護団体

「グリーンピース」の核問題担当者は「搭載している核物質は約1トン。テロリストにとっては甘い獲物です」
と話す。

ロマノソフ号は今後、原子炉のチェックや発電システムの整備などを行い、2年後の稼働を目指す。

テレビニュースの動画を見ると、小さい船なんですよね。
航海が目的でないから、巨大なはしけだと考えれば、立派な物ですが。

出力は2基で7万キロワット

日本にある普通の原子力発電所は、一基で100万キロワット以上ですから、ものすごく小さいですね。

コスト次第とは言えますが、こんな手もあるということでしょうか。

7月 1, 2010 at 10:55 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.06.30

テスラ、初日4割上昇

サンケイ新聞より「EVの米テスラが上場 トヨタ提携、初日4割上昇

2010.6.30 08:45

米電気自動車(EV)ベンチャーの「テスラ・モーターズ」(カリフォルニア州)が29日、米ナスダック市場に上場し、公開価格の17ドルを上回る19ドルの初値を付けた。

その後も株価は上昇し、公開価格から約41%高い23・89ドルで初日の取引を終えた。

米メディアによると米自動車メーカーの新規上場は、1956年のフォード・モーター以来、約半世紀ぶり。

テスラはEV開発で独自技術を持ち、5月にトヨタ自動車と共同開発などで提携。
トヨタのテスラへの出資計画も投資家から評価され、買い注文が膨らんだ。

テスラは上場で約2億ドル(約177億円)を調達する見込み。

トヨタと米ゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社で、閉鎖した「NUMMI(ヌーミー)」(カリフォルニア州フリーモント)の跡地買収費用に資金を投じる方針。
(共同)

投資としては大ばくちといった感じがつきまといますが、とりあえずはめでたいと言えるのでしょう。
が、ニューズウィーク日本版にはこんな記事が出ています。「テスラIPOで明るみに出た投資リスク

2010年06月24日(木)14時31分

2010年6月30日号掲載]

電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズは6月29日にナスダック(米店頭市場)で新規株式公開(IPO)を行う見込みだ。

1株14~16ドルで約1000万株を発行する予定だが、テスラが米証券取引委員会(SEC)に提出した計画書を読めば、同社が多くの問題点を抱えていることは一目瞭然。

テスラ自身が挙げるテスラ投資のリスクとは......。

■テスラのスポーツタイプ車の価格は10万ドル。

3.9秒で時速約100キロという加速性能を誇るが、これまでに1063台しか売れていない。家族向けのセダンタイプの生産は12年以降になる。

■08年にEVを市場投入して以降、1度も利益を出していない。

10年1~3月期の損失は2950万ドル。

■政府の支援に依存したために、経営の手足が縛られる結果となった。

赤字補填のためエネルギー省から4億6500万ドルの融資を受けたが、条件としてセダンの開発に3300万ドルを投じ、セダン発売後は、売り上げの半分を設備投資と動力伝達システムの開発に回さなければならない。

■イーロン・マスク会長兼CEO(最高経営責任者)はテスラの顔だが、アキレス腱でもある。

オンライン決済サービス、ペイパルの共同創業者として知られ、有力な人脈とともに数々のゴシップをテスラにもたらしてきた(SF作家と離婚し、モデルと同居中)。
これまで自己資金をテスラにつぎ込んできたが、貯金も底を突いた。

■そもそも10万ドルもするEVを誰が買うのか。

計画書を見る限り、テスラも自信がなさそうだ。

わたしの叔父の一人は、日本テレビの「鉄腕ダッシュ」に登場する「ソーラーカー だん吉」の政策に関わった山本悌二郎です。

当然のように、ずっと以前から色々と話を聞いていますが、簡単に言えば「日本EVクラブ」の手作りEVとして、軽バンを改造してしまったものが、テレビ関係者の目に止まった、のがきっかけだそうです。

オリジナル(?)「だん吉」は、DIYであり車検も取得していますが、エンジンをおろしてモーターに取り替えるのですから、それなりの使いやすいモーターが必要なわけで、アメリカでは改造キットとして発売されていたのだそうです。

つまり、アメリカでは早期にDIYなどでEVを作ることは広く行われていた。
これに対して、日本では主にメーカーの主導でEVが何度も発表されています。

EVの可能性をうまく示したのは、慶応大学が発表したエリーカでしょう。
エリーカは、8輪車でホイールインモーターであるために、80馬力のモーター8個で合計640馬力となり、最高速度300キロを達成しています。

高度なモーターを開発したのが、エリーカの成功に繋がっていますが、これを開発したのが明電舎です。

明電舎は、現在、事業として三菱自動車のEVであるアイミーブのモーターとインバーターを生産しています。

ご承知の通り、モーターに使用する鉄心は鉄板を積層して作りますが、このためのプレス技術は日本が開発しました。

日本には、EVを工業生産するための、インフラが整っているから、自動車会社各社が大規模な計画を立てて、自動車のEV化を進める方向に動けるわけです。

しかし、エリーカの開発では意図して自動車会社とは距離を置いたのだそうです。
大学の研究ですから、自動車ではない地上交通システムの研究、という側面があったのだそうで、発想が電車のような感じになっています。

テスラ・モーターズの方向性は、最初は自動車と違うものを目指していたように感じるのですが、その後、トヨタが撤退したNUMMIの利用とか、トヨタとの提携など、自動車業界に巻き込まれた感じがあって、けっこう話がフラフラしている印象を受けます。

株価上昇が示す、期待の通りに進むのか、ニューズウィークの危惧が現実になるのか、興味深く見ていきましょう。

6月 30, 2010 at 09:56 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.26

トヨタ・アメリカで燃料漏れがあると、リコール

東京新聞より「トヨタ、米でHV販売中止 追突時に燃料漏れの恐れ

【ニューヨーク共同】
トヨタ自動車は25日、米国で販売している高級ハイブリッド車(HV)「レクサスHS250h」の2010年モデルが追突された際に燃料漏れの恐れがあり、米国の安全基準を満たしていないとして、同日販売を中止したと発表した。原因を調査し、対策が固まり次第、リコール(無料の回収・修理)する。これまでに販売した1万7千台が対象。

トヨタは、日本で販売されている同型車は安全基準を満たしており、日本でリコールの予定はないとしている。

HS250hは、同社の看板HVのプリウスなどとともにブレーキに不具合があるとして2月にも別のリコールの対象となった。
大規模リコールによるイメージダウンから抜け出しつつあったトヨタの米事業への打撃が懸念される。

追突事故を想定した道路交通安全局(NHTSA)による衝突実験で基準を上回る燃料が流出した。
トヨタが行った同様の社内実験では問題がなかったという。

あまりにも、変な話ですね。

同じ試験をやって、片方が合格で、もう一方が不合格なのかがでは、問題でしょう。
普通に考えると試験の設定が狂っているのではないのか?

6月 26, 2010 at 02:34 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.06.03

港区がシンドラーエレベータ他に損害賠償請求訴訟を起こす

読売新聞より「高2死亡、港区がシ社などに13億円請求へ

東京都港区の公共住宅で2006年6月3日、都立高2年(当時16歳)がエレベーターに挟まれて死亡した事故を巡り、住宅を管理する港区は3日、エレベーター製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)や保守点検業者など4社に、エレベーターの交換費用など計約13億8400万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすと発表した。

9日に開会する区議会に関係議案を提出、今月中にも提訴する。

議案書などによると、訴えられるのは、シンドラー社と同社のスイスの親会社、事故当時の保守点検会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)、事故の3か月前まで管理していた「日本電力サービス」(多摩市)の計4社。

同区は、事故後に建物内にあった同社製の5基を別の機械に交換した費用や事故調査費などについて、「エレベーターには欠陥があり、適切な保守点検も行われなかった」として負担を求める。

シンドラー社は「コメントできない」としている。

(2010年6月3日19時04分 読売新聞)

これはどうなんだろう?
けっこう無理筋の訴訟ではないだろうか?

そもそも、エレベーターを他社製に交換する必要がある欠陥品である、という証明を港区ができるものなのだろうか?

さらに、

事故当時の保守点検会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)、事故の3か月前まで管理していた「日本電力サービス」

この二社の関係は、競争入札によってメンテナンス会社を交代したわけだから、それ自体は港区の責任において交代を決めたわけで、交代前の会社に責任があると主張するのは、業務の引き継ぎについてだろう。

業務を引き継いだ際に潜在的に存在するリスクに対しては、交代を決定した港区の負うべきものなのではないのか?

結局、14億円に近い損害が生じたことについて、港区には全く責任が無いということのように見えるが、もしこういうレベルで買い手に責任が無いとすると、価格と品質は無関係だということになってしまうわけで、逆に購入の選択が出来なくなってしまう。

簡単に言えば、欠陥品を購入しても購入者には全く責任が無い、ということで良いのか?
それで競争入札は成立するのだろうか?

メンテナンスサービスの競争入札において、サービスの質と価格は比例するだろうから、質と価格を切り離した議論にすると、結局は「可能な限り高品質のサービス」という測りがたいモノについて「無料も含む可能な限りの低価格での提供」が正しいとなってしまって、確実に最低限を割り込む質のサービスになっていくだろう。
要するに、港区の主張が「サービスの品質と対価の間には関係がない」ということになるから、こんな主張が成立するのであれば港区とは商売が出来ない、となるだろう。

この構造は、競争入札において、サービスの質というあいまいなものをどれほどキチンと測れるのか?ということに尽きるわけで、港区の主張が正当であることを証明するのには、サービスの質と価格の関係をキチンと説明するべきだ、となるように思うがそんな証明を港区ができるものなのか?

【追記】

サンケイ新聞に少し詳しい記事がありました。「エレベーター欠陥で交換迫られ損害 港区がシンドラー社など提訴へ

2010.6.3 18:41

東京都港区のマンションで平成18年、住民の男子高校生=当時(16)=がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、マンションを管理する区は3日、エレベーターの製造、保守管理をしていた「シンドラーエレベータ」(江東区)など4社に計約13億8400万円の損害賠償請求訴訟を起こすことを明らかにした。9日に区議会に関連議案を上程し、可決され次第、東京地裁に提訴する方針。

議案書などによると、事故の原因はエレベーターの電磁ブレーキのブレーキコイルの欠陥など。
区は欠陥のためにマンションのエレベーター計5台を交換することになり損害を被ったとしている。

この事故をめぐっては、シンドラー社幹部ら計5人が21年、業務上過失致死罪で起訴されたほか、男子高校生の遺族が20年、区やシンドラー社などに計2億5000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。

損害賠償請求訴訟で、シンドラー社はブレーキコイルの欠陥を否認している。

報道では、高校生が死亡した事故では、電磁ブレーキのコイルは通電するとブレーキが緩み、電力が切れるとブレーキが掛かる仕組みになっていたのですが、ブレーキが完全に緩まない状態で運転したために、定期点検の間隔の間でブレーキシューが摩滅してしまい、ブレーキが利かなくなった。とされています。

この現象をコイルの欠陥と言えるのか?となると、難しいように思います。
機械である限りは、完璧に作動し続けることは有り得ないわけで、コイルの欠陥のように一つの原因が唯一無二である、ということ自体がほぼ有り得ない。

ブレーキが完全に緩んでいるのかをチェックする回路がなかったのであれば、それ自体は設計としてはリスクが高いといえるが、十分なメンテナンスで事故を回避しうるという見解をくつがえせるか?というのは客観的事故調査で設計を評価しない限り判断のしようがないだろう。

シンドラー社のエレベータが起こした事故では、どうも設計上の余裕が少ないのではないのか?と思えるところが多々あって、簡単に言えば「質が怪しいのではないのか?」と思うわけです。

その結果として、低価格であるから競争入札に勝って納入される、というのであれば品質と価格のバランスを購入者が判断していることが前提になりますが、港区が事故後すぐにエレベータ自体を取り替えてしまったのは、どういう意味なのか?によって、この訴訟が妥当なものなのか?となりそうです。

明らかに、住人にとっては「死者を出したエレベーターには乗りたくない」でしょうから、エレベーターを取り替えるというのは、サービスを提供する港区の営業的なの判断でしょう。

しかし、その全てが港区以外の事業者の責任に帰すると証明するのはかなり大変でしょう。
普通に考えると「イメージ上の損失」ですよね。

朝日新聞より「失った命 無駄にしない

◆港区エレベーター事故から4年

遺族ら 調査機関の必要性訴え
あす、柳田邦男さん招き講演会

港区のマンションでエレベーターが急上昇し、高校2年(当時16)が挟まれて死亡する事故が起きてから4年となる3日、遺族と支援者が作家の柳田邦男さんを招いて講演会を開く。母親は「失った命を無駄にしないよう、講演会を通じて事故調査機関の必要性を訴えたい」と話す。(茂木克信)

2006年6月3日。被害者は12階でエレベーターを降りようとしたときだった。エレベーターは扉が開いたまま急上昇し、被害者は床と建物の天井の間に挟まれ、命を落とした。事故機はシンドラーエレベータ社製だった。

設計や製造に問題はなかったのか。保守点検は十分だったのか。母親ら遺族が説明を求めても、シンドラー社や管理会社は「警察に協力しているから言えない」、警察は「捜査上の秘密」、国土交通省は「警察が事故機を押収しているので原因究明できない」を繰り返した。

どこからも説明がない状態は3年間続いた。くじけそうになる心を支えてくれたのは、被害者の同級生やその保護者たちだった。事故原因の究明を求める署名を街頭で募り、08年6月と11月、計46万人分を警察庁や国交省などに提出した。母親は「支援者がいたからやってこられた」と言う。

すでに二十歳になった同級生たちは、今回の講演会の運営も手伝ってくれる。同級生の一人はチラシ入りのポケットティッシュを約1500個用意し、JR田町駅前で何日も配った。

東京地検は昨年7月、シンドラー社などの社員5人を業務上過失致死罪で在宅起訴した。同地検からはようやく、同社と管理会社の事故防止策が不十分だったとの説明が遺族にあった。国交省が設けた有識者らの事故対策委員会も同年9月、設計上の問題を指摘した。

だが、母親は事故対策委員会は権限が弱く、関係者から十分な資料を集められないため決定的な原因解明ができていない、との思いを深めている。「警察が刑事責任を追及するのとは別に、再発防止のための原因解明にあたる強い権限をもった事故調査機関が必要だ」と話す。

柳田さんの講演は「生きる力」がテーマ。母親は柳田さんと、事故調査の勉強会などを通じて交流してきた。

「社会を変えるには声を上げ続けることが大切だと教わった。柳田さんの訴え続けるエネルギーを学びたい」

講演会は3日午後6時半から港区芝1丁目の区立障害保健福祉センター(ヒューマンぷらざ)で。被害者や支援者の活動の写真展示もある。入場無料で事前の申し込みは不要。

結局、原因解明よりも刑事捜査が優先と相変わらずやっている日本の事故調査のあり方が、こんなところにも影響したというべきでしょう。

現時点でも事故調査委員会は「設計上の問題を指摘した」とありますし、わたしもブレーキシューが完全に離れたかが分からないのは設計上の大問題だと思いますが、それがどれほど重大な問題なのか?という点については、しっかりとした事故調査委員会が刑事捜査よりも優先して、調査し判定するしかないでしょう。

このような権能がある事故調査委員会は、非常に権威があるものとなるはずですが、刑事免責とセットでなければ事故調査は進みません。

こういう点からは、行政が事後原因をよく分からないけどメーカーの責任にしておけばよい、といった動きをしがちだということなのでしょうか?

6月 3, 2010 at 11:23 午後 もの作り | | コメント (12) | トラックバック (0)

2010.05.31

エレベーターロープ切断の怪

朝日新聞より「シンドラー製エレベーターのロープ破断 渋谷東口歩道橋

2010年5月31日18時32分

国土交通省は31日、東京都渋谷区の渋谷駅東口の歩道橋に設置されたエレベーターで、かごをつっているワイヤロープ3本のうち1本が切れる不具合が起きていたと発表した。

シンドラーエレベータ(東京)製で、保守管理も同社が担当している。

国交省は、同社が管理する全国5千基のエレベーターの緊急点検を始めた。
同社の製品や保守管理について全国規模の緊急点検が実施されるのは3回目。

ロープはピアノ線の束八つをよりあわせたもので、国交省は少しずつ破断せず、いきなり切れた点を問題視している

現場は繁華街で、エレベーターは月4万回使われていた。

国交省によると、ロープが切れたのは4月23日。

安全装置が作動して自動的に運転が止まり、けが人はなかった。

同社の定期点検は月1回で、直前の点検ではロープが「さびている」との報告はあったが、交換はしていなかったという。

ロープの破断は重大事故につながるため、傷みが目立ってきたら定期的に交換するのが通常の管理方法とされている。

エレベーターのつり下げロープの安全率はものすごく高いですから、負荷で切れることはないでしょう。

ありそうなのは、欠陥ですかね?
それにしても、一本がスッパリ切れるというのは、起こりそうもないですね。
人為的に切断されたのかな?

5月 31, 2010 at 08:43 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.05.19

レクサスのハンドルソフトウェアって?

毎日新聞より「トヨタ:「レクサス」リコールへ ハンドル不具合で

トヨタ自動車は19日、09年秋以降に販売した最高級車「レクサスLS」でハンドルの動きが一時的にタイヤと連動しなくなる不具合があり、21日にも国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出ることを明らかにした。

対象台数は約4500台。海外約50カ国での販売分も近くリコールする方針で、国内外の回収台数は約1万1500台になる。【宮島寛】

リコールするのは、ハイブリッド仕様の「LS600hL」「LS600h」の09年11月以降に販売した分と、ガソリン仕様車「LS460L」と「LS460」の10月以降販売分。

車速に応じてハンドルの利き具合を調節するVGRS(ギア比可変ステアリング)の制御プログラムに問題があり、

  1. 低速でUターンする際などにハンドルを最大に切った後で急に戻すと、
  2. 勢い余ってハンドルが直進の状態より反対方向に最大90度近く動くという。
その際も車は正常に直進し、ハンドルは数秒後に正常位置に戻る。

プリウスのリコール後の今年3月以降、顧客からトヨタに不具合の指摘が12件あり、トヨタは4月末から国交省に相談し、リコールの準備を進めていた。
国交省にこの問題が原因とみられる事故報告はないという。

トヨタ幹部によると、

  1. ハンドルが一時的に戻りすぎるのは機構上の特性で、
  2. 説明書に注意書きも入れていた。
  3. しかし「対象の車は戻り方が極端で、顧客に不安を与えてしまった。
  4. より運転しやすくするために昨年秋の一部改良でプログラムを変更したことが裏目に出た」
と説明している。

こんな「高級車」に乗ったことがないので、どういうことなのか理解できませんが、なんでハンドルの特性を積極的に制御する必要がなるのでしょうかね?

いずれにしろ、ドライバーの感覚とズレがあることを承知で、それを説明書に書いた、というのはヘンではないだろうか?

自動車が採用な可能な技術は沢山あるが、多くは整備とかドライバーの慣れていないなど、社会的に許されないから実用されていないわけで、トヨタはそこらへんに問題があることを承知してやっているのだろうか?
プリウスのABSが感覚的にずれている、という問題もどうもトヨタは「ユーザーがなれるべきだ」と技術の採用に踏み切っているのではないだろうか?

5月 19, 2010 at 05:15 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.05.11

パロマ湯沸かし器事故で有罪判決

毎日新聞より「パロマ中毒事故:元社長らに有罪判決 東京地裁

2010年5月11日 13時38分 更新:5月11日 13時54分

パロマ工業(名古屋市)製湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、東京地裁(半田靖史裁判長)は11日、業務上過失致死傷罪に問われた元社長(72)に禁固1年6月・執行猶予3年(求刑・禁固2年)、同社元品質管理部長(60)に禁固1年・執行猶予3年(求刑・禁固1年6月)の判決を言い渡した。

販売後の改造による事故でメーカー側の責任が問われていたが、トップに厳しい判断が示された。

検察側は、問題の湯沸かし器について、不完全燃焼を防ぐ安全装置が故障しやすく、装置が動かないままでも湯沸かし器を使えるようにする不正改造が横行していたと指摘。

「元社長は社長として安全確保を含む業務を統括し、元品質管理部長は事故対応の責任者だったが、事故を認識しながら抜本的な対策を取らずに放置した」
と主張した。

これに対し弁護側は

  1. パロマは修理業者を指揮監督する立場になかった
  2. 修理業者に不正改造の禁止を連絡しており、事故はなくなったと思っていた
  3. 全国的な防止策を取ることができたのは経済産業省だけだった
などと無罪を主張していた。

検察側は、元社長らが不正改造された湯沸かし器の事故で85~01年に計14人が死亡していたことを認識しながら、回収などの安全対策を怠り、05年11月に東京都港区のマンションで大学生(当時18歳)をCO中毒で死亡させ、兄(29)に重傷を負わせたとして起訴していた。

マンションの湯沸かし器を不正改造したパロマ系列の販売店員は07年8月に病死している。

一連の事故は全国で28件あり、死者は21人に上る。96年に起きた別の事故の遺族の要望で再捜査した警視庁が経産省に連絡し、同省が06年7月に事故情報を公表して初めて問題が表面化した。【伊藤直孝】

メーカーが出荷した製品を市場で不正改造したものについて、メーカー側に責任があるのか?という正面衝突型の裁判ですね。

NHKニュースより「パロマ元社長に猶予付き有罪

ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒で大学生が死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われたパロマ工業の元社長に、東京地方裁判所は「事故が起きることは予測できたのに、対策をとらず漫然と放置し続けた」と指摘し、執行猶予の付いた禁固1年6か月を言い渡しました。

この事故は、平成17年に、東京・港区の大学生(当時18歳)がパロマ工業のガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒で死亡し、兄が重傷を負ったものです。

パロマ工業の社長だった元社長(72)は、修理業者によって安全装置が不正に改造されて死者が出ていたのに対策をとらなかったとして、業務上過失致死傷の罪に問われました。

検察が禁固2年を求刑したのに対して、元社長側は「製品自体には欠陥はなく、パロマには点検や回収を行う義務はなかった」と無罪を主張していました。

判決で、東京地方裁判所の半田靖史裁判長は

「昭和60年以降、不正改造が原因の事故が13件起きて15人が死亡し、このうち12件の事故についてパロマは情報を入手し、独自に点検や回収を行うことができたのに、対策をとらず漫然と放置し続けた」
と指摘し、元社長に禁固1年6か月、執行猶予3年を言い渡しました。

また、いっしょに起訴された元品質管理部長(60)には禁固1年、執行猶予3年が言い渡されました。

判決は、製品そのものの欠陥がなくても修理業者の不正改造によって起きた事故をめぐって、メーカートップの刑事責任を認めるものとなりました。

結局、この判決では「実態として事故が起きていることを知っているのだから、何とかしろ」という考え方だと見えます。

対して、弁護側の主張が「指揮監督する立場になかった」といった、外形的条件を重視したものですが、これは悪徳商法裁判で被害者側が勝訴した時の型式にそっくりですね。

おそらくは、改修漏れであって、不正改造した業者が系列販売店ではない、といったことであれば、「偶然の事故」であったとされたかと思います。

簡単に言えば、「安全の確保が不十分であった。その理由についてメーカー側が納得出来る説明がなかった」ということかと感じます。

なによりも、不正改造があった場合に、どう対策するのか?という問いかけに対して、「不正改造の禁止を通達していた」だけでは、弁明としては弱すぎるでしょう。

それゆえ「回収の義務がなかった」という主張になったわけですが、普通に考えて、不正改造の事実を知ったら、それは回収し不正回収した業者に、ペナルティーを課すべきだったでしょう。
そうでなければ、結果として不正改造機が市場に増えてしまう。

全体として、メーカーの主張は矛盾があった、ということだったのだと思います。

5月 11, 2010 at 06:41 午後 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.04.30

セイコーホールディングスでお家騒動?

朝日新聞より「セイコーHD村野社長を電撃解任 創業家の内紛の様相

セイコーホールディングス(HD)は30日、村野晃一会長兼社長(72)を同日付で解任して非常勤取締役とし、後任の社長に創業家出身の服部真二副社長(57)を充てる人事を決めた。

村野氏と近い大株主の服部礼次郎名誉会長(89)の影響力を排除し、時計事業の立て直しを進める方針だ。服部新社長は礼次郎氏のおいで養子。

老舗(しにせ)企業での突然のトップ交代は、創業家の内紛の様相を見せている。

記者会見した服部新社長は、

「村野氏はここ数年、服部礼次郎名誉会長とその腹心といえる鵜浦典子取締役の意向に無条件に服従しているとしか思えない言動をし、合理的判断に支障をきたした」
と説明。

同社では近年、4人の取締役が任期途中で辞任に追い込まれるなど、不透明な人事が続いたという。

同社によると、人事はこの日の取締役会で社外取締役が緊急動議を出し、議決権のある取締役5人のうち3人の賛成で決めた。

村野氏のほか鵜浦氏も非常勤取締役に降格。
子会社で東京・銀座の高級宝飾品店を運営する和光でも、礼次郎氏を会長兼社長から、鵜浦氏を専務から解任した。

会見で服部新社長は、村野氏らが和光の経営不振を放置してきたことを批判。

和光で鵜浦氏が部下に対するパワーハラスメント行為を行っていたことも指摘した。

HDの経営陣の混乱については、グループ企業の労働組合が3月、取締役5人に対する株主代表訴訟を起こすようHD側に請求している。

89歳の名誉会長の意を呈して独断専行する72歳の会長兼社長、という構図は健全とは言いがたいと思いますね。
そもそも、現場を仕切る社長が72歳というのはまずいでしょう。

社外取締役の緊急動議があって、その場で可決というのは、本来の意味での取締役会が機能したと言えます。
確かに、最近のセイコーは全体としてパワーが落ちていることを感じさせます。

時計については世界に冠たる大メーカーであり、製造技術や電子機器についても十分なポテンシャルがある企業ですから、これからのパーソナル機器の大発展の時代においては、十分に世界をリード出来るだろうと思っています。
そういう意味では、内部摩擦を無くして、外部に向けてパワーを出して欲しいものです。

4月 30, 2010 at 11:18 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.04.22

携帯電話低温ヤケド・欠陥商品だと仙台高裁

共同通信ニュースより「携帯電話の過熱でやけどに賠償 仙台高裁

こたつの中で携帯電話が異常過熱し、やけどを負ったとして宮城県亘理町の男性(54)が製造物責任法(PL法)に基づき、パナソニックモバイルコミュニケーションズ(横浜市)に約545万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は22日、男性の訴えを退けた一審判決を取り消し、同社に約221万円の支払いを命じた。

小磯武男裁判長は「(携帯電話は)ポケットに収納し、こたつで暖をとることは通常予想され、取扱説明書で禁止したり、危険を警告する表示をしていない。

本件事故は製造物が通常有すべき安全性を欠き、製造上の欠陥があると認められる」とした。

判決によると、男性は2003年5月、自宅でズボンのポケットに同社の携帯電話「P503iS」を入れたまま、約2時間半にわたりこたつに入って座るなどしていた。

その後、左太ももが携帯電話とほぼ同じ形に赤くなっているのに気付き、皮膚科の医師から熱傷2度と診断された。

製造物責任法(PL法)に基づき、パナソニックモバイルコミュニケーションズ(横浜市)に約545万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は22日、男性の訴えを退けた一審判決を取り消し、同社に約221万円の支払いを命じた。

う~ん・・・・・、2度のヤケドでしょう?
それで、500万とか200万とかになるんですねぇ~。

別に、携帯電話が特別ではなく、デジカメとか、iPod とか色々な電子機器を身につ行けていることは多いわけで、低温ヤケドの可能性はあるといえばありますが、それが賠償の対象になることなのでしょうか?

「製造物が通常有すべき安全性を欠き、製造上の欠陥があると認められる」
ここは争いになるのではないかなあ?

4月 22, 2010 at 05:22 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.04.17

2度も成田に引き返した、エア・カナダ

毎日新聞より「エアカナダ機が2度も緊急着陸 成田空港に

16日午後4時50分ごろ、千葉県沖約200キロの太平洋上で高度約9800メートルを巡航中の成田国際空港発カナダ・カルガリー行きエア・カナダ10便(ボーイング767-300型、乗員10人・乗客181人)が、エンジン故障を示す警告が表示されたため成田に引き返し、約50分後に緊急着陸した。

点検を終え午後8時20分ごろ再離陸したが、同じエンジンの故障表示が出て、約1時間後に再び成田に緊急着陸した。けが人はなかった。

国土交通省成田空港事務所や空港会社によると、故障の表示が出たのは2基あるエンジンのうち右主翼の第2エンジン。最初の着陸後の点検で、燃料に混じった異物を取り除くフィルターの目詰まりがあり、フィルターを交換して2度目の出発をしたという。

同機は当初、長さに余裕があるA滑走路(4000メートル)に着陸予定だったが、直前に着陸した米フェデラル・エクスプレスの貨物機から部品が落下、散乱していたため破片の回収作業でA滑走路は閉鎖されており、急きょB滑走路(2500メートル)に着陸した。
【山田泰正、斎川瞳】

この便は、16時発なのですね。

  1. 16時発
  2. 16時50分着陸
  3. 20時20分離陸
  4. 21時過ぎ着陸
5時間も掛けて、成田から出発できないとは、お気の毒なことであります。

最近では、4発旅客機からドンドン双発機に機種改変が進んでいますが、エンジンにちょっとでも異常があれば、すぐに引き返さざる得ませんね。

アメリカ大統領専用機は現在はボーイング747の改造機ですが、アメリカではすでに4発旅客機を製造していないので、「後継機をどうしたものか?」となっているそうです。

コストの問題とは言え、整備水準をこれ以上下げるのは論外で、もっと向上させるように、当局が介入するべきでしょうね。

4月 17, 2010 at 12:43 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.30

マイクロバスの炎上

サンケイ新聞より「120メートル手前、不整脈で意識不明か 大阪の送迎用バス衝突炎上で

大阪府高槻市の市道でスイミングスクールの送迎用バスが側壁に衝突、炎上した事故で、死亡した運転手(65)は、現場の約120メートル手前から不整脈で意識を失っていたとみられることが30日、高槻署による司法解剖の結果などから分かった。

解剖結果によると、気道にすすが残っていたため、死因は焼死と判明。心臓肥大が見つかったことなどから、不整脈を引き起こして意識を失ったとみられる。

高槻署によると、バスの同乗者が「(事故直前に)胸を押さえ込むように苦しみだした後、ぐったりした」と話していることも分かり、同署は病理検査などで詳しく調べる。

ほかにバスに乗っていたのは、保護者の女性1人と子ども13人の計14人。けが人は10人とされていたが、全員が打撲など軽傷を負った。

蛇行して、衝突停止のようでしたから、運転手の心臓発作であろうとは想像していました。

むしろ、問題なのは「出火」でしょう。

たぶん、30人以下の送迎用バスですから、フロントエンジンで後輪がダブルタイヤでしょう。
仮に車体の下に何か巻き込んで、エンジンなどに当たったにしても、出火しちゃまずい。

衝突して、メチャメチャに壊れたということでも無いようなので、この程度で出火したことが問題だと感じるところです。

3月 30, 2010 at 10:33 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

XC2が防衛省に納入

サンケイ新聞より「搭載3倍、空自次期輸送機2年遅れの納入 川重工場で式典

航空自衛隊の次期輸送機(XC2)の1号機が試験を終え、開発した川崎重工業が30日、防衛省に納入した。
最大の国産機。
機体の強度不足が判明し、約2年遅れの納入となった。

式典が開かれた同社岐阜工場では、XC2が展示された格納庫に北沢俊美防衛相や同社関係者ら約350人が集まった。

同社によると、XC2の全長は現行のC1輸送機を15メートル上回る44メートル。
搭載量が3倍になるなど性能が向上し「使い勝手が良く、民間でも使ってもらえる」としている。

製造中の2号機は平成23年度末に納入予定。

開発費は部品を共通化した海上自衛隊の次期哨戒機(XP1)と合わせて約3450億円。

ようやく、ユーザーである防衛省の手でテストが始まるわけです。

問題になった強度不足は、後部貨物ドアの周辺らしく、一部ではかなり痛々しく改修された写真がありました。

2号機は平成23年度末に納入予定。というのですから、ずいぶん時間が掛かるわけで、二号機の方が量産原型機なのでしょう。

何はともあれ、所期の性能が出れば、世界有数というか世界一の輸送機になり得る機体です。
間違えなく、ハイチの大地震といった場合にも極めて有用な飛行機です、今後の開発が順調に進むことを願うばかりです。

3月 30, 2010 at 03:06 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.27

オカエリナサト

読売新聞より「小惑星探査機「はやぶさ」地球への軌道に乗る

小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰るために行っていた軌道変換が、27日午後3時過ぎに完了した。

宇宙航空研究開発機構が発表した。故障続きのエンジンを動かし続けるという最大の山場を越え、地球帰還へと大きく近づいた。

今後は、基本的にエンジンを動かさない慣性飛行で地球へ向かい、6月に大気圏内へ突入する予定。

はやぶさは、2003年5月に地球を出発。05年11月に小惑星「イトカワ」に着陸した後、燃料漏れや通信途絶、エンジン故障など様々なトラブルに見舞われた。

不調のエンジン2台を組み合わせて1台分の推進力を得るなど、曲技のような手段を駆使して、地球への帰路を進んでいた。

今後は、正確な軌道に乗せるための微調整を行い、徐々に地球へと近づく。宇宙機構は、内蔵のカプセルをオーストラリアのウーメラ砂漠に落下させる計画。
豪政府の許可が下りれば、大気圏突入の約10日前にエンジンを短時間噴射させて、突入角度を最終調整する。

カプセルには小惑星「イトカワ」の砂やちりが入っている可能性があり、太陽系の成り立ちなどの謎を解く手がかりになるとして期待されている。
(2010年3月27日15時52分 読売新聞)

3月 27, 2010 at 04:38 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.10

トヨタ・タンドラリコールの地域拡大

ロイターより「トヨタ、「タンドラ」のリコール対象地域を全米に拡大

[デトロイト 9日 ロイター] トヨタ自動車は9日、米国内20州で実施していたピックアップトラック「タンドラ」2000─03年モデルのリコール対象地域を全米に拡大する方針を明らかにした。

同社は昨年11月、路面凍結防止用にまく塩の影響で車体フレームが腐食する可能性があるとして、米国の寒冷地域20州で販売された「タンドラ」11万台のリコールを発表した。

同社は9日、タンドラのリコール対象地域を同モデルを販売する全米50州に拡大する方針を米国のディーラーに通知した。車体フレームが腐食する可能性があり、スペアタイヤ、さらにはガソリンタンクの落下を招く恐れがあるという。

以前タンドラリコールのニュースを聞いた時に「寒冷地でリコール」とあって「???」でありました。
そもそも、最近の車がフレームが腐食するというのが信じがたいのでしたが、腐食して部品が落ちるというほどであれば、寒冷地限定の話しなのか?と思ったわけです。

その後に、こんな事になった。
いわば当然でしょう。なぜ、寒冷地限定で良いとしたのかが分からない。

アメリカですっぱ抜かれた形になりましたが、リコール扱いにしなかったから何億ドルの節約、といった内部資料が見つかったそうですが、それ自体は良いとしても、リコール対策の局限化を優先しすぎているのではないのか?

問題のリコール車も2000~2003年モデルとのことですから、2004年モデル以降は対策したという意味でしょう。
そうすると、対策以前のリコール対象モデルが寒冷地だけで腐食する、という判断はおかしいだろう。

このように考えると、トヨタには「リコールの決定に技術情報はよく分からないけど」といった、問題を技術的につめないで決めているところがあるのではないのか?

元もと、自動車会社は組立産業だから、詳細情報が分かりにくい面はあって、部品メーカーが優秀だから成り立っているところがありますが、そこに「マネージメントだけ優先」を持ちこむと、一気に状況が悪化する可能性がある、ということなのでしょうか?

どうも、トヨタのやっていることは、視野狭窄なのではないのか?という感じがあります。

3月 10, 2010 at 10:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.13

トヨタリコール問題・対策の方向がアウトだろう

トヨタのリコール騒動についての記事を三本集めました。

NHKニュース米 トヨタに再三対応求める
読売新聞トヨタ、品質特別委に欧米の専門家起用へ
日経新聞トヨタ、リスク対策で新組織 社長直轄、世界規模で情報収集

各新聞の記事は次の通りで、タイトル通りに別々の記事なのですが、どうもトヨタが勘違いから今回の大騒動になり、必要なのか勘違いしないためにどうするのか?だと思うのですが、そのこと自体をトヨタは分かっていないのではないのか?という印象を強く受けます。

象徴的なのが、NHKニュースでのアメリカとのやり取りの部分にあると思います。

アメリカの監督当局が作成した文書によりますと、国内で販売されたトヨタの乗用車で運転席のフロアマットがずれて、アクセルが戻らなくなるという苦情が相次いだ問題について、去年11月にトヨタが、「車に欠陥はないと当局に認定された」と、当局の意思に反する説明をし、その後、訂正したと指摘しています。

一言でいえば当時のトヨタは「運輸当局が納得したのだから、市場はそれに従う」という判断をしたわけです。
その構造は、会社は当局(上)と市場(下)に接していて、当局は上から市場をコントロールしている、だから効率を考えると、「当局だけを相手にしていれば結果OK」というものでしょう。

これが通用しないのが、マスコミであり、ネットワークなわけです。
フロアーマット問題は、フロアーマットそのものが原因ではなくて警察への電話がネット上に流れた事が大問題になった原因です。だから、問題はネットでの炎上をどうするか?という危機対策=BCPそのものでした。
それを「フロアーマットが間違っている」で済むだろうと思った。これが大間違いでした。

そういう視点で、以下の記事を見るとトヨタは現時点でも「(原因は明らかだから)どうやって効率的に炎上を納めるか」に腐心しているように見えます。
そういう先入観が通用しないから、BCPの研究は続いているわけで、トヨタがここまでひ弱な体質になっていたとはビックリです。
会社の文化の問題だから、これは深刻です。

NHKニュースより米 トヨタに再三対応求める

トヨタ自動車のリコール問題に関連して、アメリカの監督当局がトヨタに対し、再三にわたって速やかな対応を求めていたことが、当局への取材で明らかになり、アメリカ議会の公聴会でも、こうした経緯に焦点があたるものと見られます。

アメリカの監督当局が作成した文書によりますと、国内で販売されたトヨタの乗用車で運転席のフロアマットがずれて、アクセルが戻らなくなるという苦情が相次いだ問題について、去年11月にトヨタが、「車に欠陥はないと当局に認定された」と、当局の意思に反する説明をし、その後、訂正したと指摘しています。

そのうえで、およそ1か月後の去年12月15日には、道路交通安全局の幹部が日本を訪れてトヨタの役員らと直接会談し、アメリカの法律に基づいて車の不具合を調査し、速やかに報告するよう求めたとしています。

さらに文書では先月19日、北米トヨタの稲葉社長らが運輸省に呼ばれ、アクセルペダルの部品に不具合があると報告した際にも、当局は、改めて速やかな対応を促したとしたうえで、こうした働きかけによって、問題解決の遅れを免れることができたとしています。

これに関連してトヨタの佐々木副社長は、今月2日の記者会見で「アメリカ道路交通安全局の忠告は、トヨタが早く決断することに大きな力をもった」と述べており、今月下旬から行われるアメリカ議会の公聴会でも、こうした経緯に焦点が当たるものと見られます。

読売新聞よりトヨタ、品質特別委に欧米の専門家起用へ

トヨタ自動車は12日、世界各地で相次ぐ大規模リコール(回収・無償修理)の問題を受け、豊田章男社長をトップにした「危機管理委員会」を社内に新設したことを明らかにした。

委員会は社長をはじめ副社長、専務クラスで構成。不具合などのマイナス情報を一元的に集約して迅速に対処し、業績への打撃を最小限に抑えるのが狙いだ。

一連の品質問題では、トヨタの対応が後手に回ったとの批判が集まり、ブランドイメージが悪化した。

品質問題が浮上した1月下旬以降、トヨタの株式時価総額が約3兆円減少したほか、米国で販売減も鮮明になっている。

2月下旬の米議会の公聴会では、厳しい追及が予想され、「会社の危機」(幹部)に全社一丸での対処が不可欠と判断した。

また、世界規模で品質向上を図るため、豊田社長をトップに発足する「グローバル品質特別委員会」の委員には、日本のほか米欧などから外部の専門家10人前後を起用する方針を固めた。

海外展開を加速させたトヨタは2007年に初めて海外生産が国内生産を上回り、部品の現地調達が拡大。

海外での部品の品質チェック体制の整備が遅れているため、各地域の専門家の意見を積極的に反映させる。
(2010年2月13日03時03分 読売新聞)

日経新聞よりトヨタ、リスク対策で新組織 社長直轄、世界規模で情報収集

トヨタ自動車が一連の品質問題を受け、事業を進める上で起こりうる様々なリスクへの対策を練るための専門組織を発足させたことが12日明らかになった。

豊田章男社長がトップに就き、国内外からリスク情報を迅速に収集・分析する。品質問題への対応が批判された経緯を踏まえ、リスク管理体制を世界規模で見直す考えだ。

新設した「危機対策委員会」には豊田社長のほか、専務以上の役員が参加する。発生する問題や地域によって、構成メンバーを機動的に変える。

今回の品質問題を受け、すでに品質保証や技術、設計などの役員が中心となり部品調達や消費者対応を進める上でのリスクの洗い出しを始めた。 (08:56)

2月 13, 2010 at 11:10 午前 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.02.11

トヨタ・の経営危機管理

毎日新聞より「トヨタ:社長が米運輸長官と面会へ 不信感解消へ直接説明

一連の自主改修・リコール問題で渡米するトヨタ自動車の豊田章男社長が、ラフード米運輸長官と面会することが分かった。

10日に渡米する予定だったが、現地の大雪で飛行機が飛ばず、再度日程を調整している。

米国は昨年のフロアマット問題に端を発した一連のトヨタ不具合問題の震源地。米議会や世論がトヨタへの不信感を強めているため、経営トップが自ら現地入りして説明を尽くし、不安解消に努める。

10日には米議会下院の監視・政府改革委員会の公聴会が開かれる予定だったが、大雪のため24日に延期になった。
公聴会には現地法人トップの北米トヨタ自動車・稲葉良※社長が出席し、詳しく事情を説明する予定だった。

トヨタは9日に米国でも、ブレーキが利きにくくなる問題で新型プリウスなどのリコールを届け出ている。

豊田社長は24日の公聴会前に渡米し、議会関係者らとも会談して理解を求める見通しで、現地での記者会見も検討している。【宮島寛、米川直己、鈴木泰広】

この社長「上を見て仕事をしている」ではないのか?

プリウスのブレーキ問題についての記者会見をした、品質管理担当役員のやった事は「上を見て仕事をしている」の典型でありましょう。

そもそも、なんで「公聴会に出席する」とか「運輸長官に面会する」といった内容を発表するのかな?
お上意識に取り憑かれているのではないのか?

結局は市場を無視している、ととらえられるだろう。
この社長は、結局はパフォーマーだった、という事になりそうだ。

2月 11, 2010 at 01:22 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.08

旅客機座席の試験結果の偽造?

読売新聞より「小糸、旅客機座席の強度偽装…世界の千機に影響

航空機の座席メーカー「小糸工業」(本社・横浜市)が製造した座席で、強度や耐火性などの試験結果に改ざんや捏造(ねつぞう)が発覚し、国土交通省が8日、業務改善勧告を出した。

すぐに運航を止める必要はないが、改ざんなどが行われた同社製の座席を使用した航空機は1000機あり、国内外の32の航空会社が運航しているという。
(2010年2月8日17時02分 読売新聞)

なんですか?これは?

そんなところを改竄することにメリットがあるものなのかね?
まあ、耐火性については材質をかえてしまうことでコストダウンの可能性はあるだろうが、強度試験のデータの改竄というのは想像しがたい。

基準変更に追従出来なかった、とかなのだろうか?

2月 8, 2010 at 05:36 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.02.07

トヨタのブレーキ問題・その後

「トヨタのアクセルペダル問題」にたくさんのコメントが付きました。

FAフォーラムの流れで、現場に強い方がおおぜいいらっしゃるのですが、今回のトヨタのブレーキ問題は技術や製造の問題なのか、会社の経営の問題なのか?という点を考えるべきでしょう。

結論から言いますと、わたしの考えは「豊田章男氏を社長にしたトヨタ自動車の経営問題」が大変に大きいと思っています。

ZAKZAK より「トヨタ“こども社長”やっと会見 「空々しい」対応に批判噴出

豊田章男・トヨタ自動車社長が5日夜、リコール、新型プリウスのブレーキなど一連の品質問題で緊急会見し、「心よりおわび申し上げます」と陳謝した。

昨年秋以降、品質問題が広がる中で、初めての経営トップ会見。だが、もはや時機を逸し、「製品品質ではなく、経営者の質の問題」(自動車ジャーナリスト)という激しい意見も出るなど、豊田社長への批判はおさまらない。

会見では明らかにはならなかったが、豊田社長は直前までスイスのリゾート地、ダボスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会、通称ダボス会議に出席していた。

政治家、経営者、財界人、学者、芸能人ら世界のリーダーが登場。経営トップ同士が直接顔を合わせることから、「大型の企業提携や、合併などのきっかけ」(証券会社首脳)になり、経済界では重要視されてはいる。豊田社長にとっても、この会議にでることは、名誉でもあり、今後の戦略を考えても有効だ。

しかし、ダボス会議は個人の資格で招待され、社業とは位置づけられないのが一般的だ。

1月後半からの会議期間は、リコール問題への対応が鈍いトヨタに業を煮やした米国政府が、公聴会の開催などで、安全面での厳しい改善要求を突きつけていた。

さらに、プリウスブレーキ問題が新たに報道され、株価も急落し、時価総額も半月で約3兆円目減りした。5日の会見で豊田社長が「(会社が)危機的状況」と表現する事態ながらも、ダボス会議出席を続け、会見開催が遅れたことは問題視されそうだ。

創業家出身でありながら「現場に最も近い社長でありたい」と、就任に際して語った豊田社長。
しかし、一連の行動に「空々しさを感じる」と語るトヨタ幹部がいるほどだ。

「品質問題の“現場”は、製造や設計、メンテナンスだけではない。それよりも経営体制やどう取り組むのかのトップの姿勢が重要」(自動車ジャーナリスト)とされる。
“現場”を間違えたのか。品質問題を軽視したのかは不明だが、豊田社長の対応は、完全に後手に回った。

すでにネットの掲示板ではトヨタのCMになぞらえ豊田社長を「こども社長」という言葉が飛び交い始めた。この苦境を乗り越えるには、本当の意味での現場主義が必要だ。

ひどい言われようだが、なぜ豊田章男氏が社長になったのかという必然性が見えない。
トヨタほどの人材豊富な会社で、「豊田家だから」では通用するわけがないと思うのだが。

確かに、タレントではあると思うのだが、経営者として駆け出しであるわけで、その点だけを見れば経営者としての能力で有名になったわけではない。
むしろ、トヨタが「有名な経営者を欲した」と考えるべきなのだろう。

大企業で、就任したときから有名な経営者と言えばソニーの大賀社長を思い出します。
ソニーについて言えば、経営者が有名人であり、音楽業界にはかなりの影響力があったことから、それなりの効果はあったのだが、その裏面としてソニーはもの作り競争で大きく遅れてしまった、とわたしは考えています。

いわば、ソニーもトヨタも「世界一」のようなポジションに就いたときに「社長も有名でなくては」と考えてしまったのではないのか?

大小多くの企業で「有名人だから社長に据えた」という例は少なからずあります。
しかし多くの場合は、業績が向上したということはないようです。

トヨタが攻めの姿勢ではなく、内側を向いてしまったから「社長も有名でなくては」とか思ったのだと想定すると、今回のプリウスのABS問題記者会見も理解出来ます。

中日新聞より「トヨタ、ブレーキ欠陥を否定 プリウス苦情で会見

トヨタ自動車の横山裕行常務役員(品質保証担当)は4日、東京都内で記者会見し、ハイブリッド車「プリウス」のブレーキに対する苦情問題について、「ブレーキを踏み増せば安全に車は止まる」と述べ、ブレーキの性能に欠陥はない、との認識を示した。

プリウスはガソリン車と同じ「油圧ブレーキ」と、ハイブリッド車特有の「回生ブレーキ」を併用。走行状態に合わせ、自動的に車自体が最善の組み合わせを選ぶ仕組みだ。

ただ、凍結など滑りやすい路面で車体をコントロールするアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)が作動すると、回生ブレーキとの併用から油圧ブレーキ単独への切り替えに、時間差が生じるという。

これについて横山氏は「ブレーキを踏めば(車は)きちっと止まる。(制動距離が)伸びることはない」と車両の安全性を強調。ただ、トヨタはドライバーが感じる「違和感」を解消するため、2009年5月の発売から10年1月下旬にかけ国内で販売した車両を対象に、ブレーキ制御のコンピューターを改良ソフトに書き換える無料改修を行う。

◆3月期予想は800億円黒字

トヨタ自動車は4日、2010年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想を発表し、日米欧の需要刺激策に伴う販売増などで、純損益を従来の2000億円の赤字から800億円の黒字に上方修正した。

ただ、米フロアマット問題とアクセル不良の改修問題の対策費が約1700億~1800億円に達するとみて、営業損益は200億円の赤字とした。プリウスのブレーキに対する苦情問題は、業績予想に反映させていない。

今の時代、品質保証担当役員がこのような発言をすること自体にビックリします。

世間がたとえ偏見であってもこの発言に反発することは分かるでしょう。
しかし「欠陥はない」と言ったのはどこに向けてなのか?

要するに社内向けなのでしょうね。

ここがダメだ、と思うのです。
子ども社長についても同じ。社内をみて決定しているから、万事が批判されるようなことになる。
結局、現在のトヨタが直面している難題は、それらの決定を下す、社内文化の微妙な変質にこそ原因があるのだと思います。

2月 7, 2010 at 05:19 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (1)

2010.01.26

C-X(XC-2)初飛行

時事ニュース速報より「空自次期輸送機の初飛行試験=機体不具合で大幅遅れ-川重

川崎重工業は26日、航空自衛隊の次期輸送機試作1号機(XC2)の初飛行を空自岐阜基地(岐阜県各務原市)で行った。

XC2はC1輸送機の後継として2001年度に開発が始まったが、強度不足などが判明し、07年9月の予定だった初飛行が大幅に延期されていた。

防衛省によると、今後、同社や同省が飛行試験を重ね、量産化に向けた予算要求をする。

XC2は全長、全幅各約44メートル、高さ約14メートルで最大積載量はC1の約4倍の約30トン。航続距離は12トン搭載時で6500キロ(C1は2.6トン搭載で1700キロ)など輸送力が大幅に向上する。
(2010/01/26-10:26)

CX(次期輸送機)となっていましたが、正式名XC-2として初飛行しました。
防衛省発表「次期輸送機試作1号機の初飛行について

平成22年1月25日
防衛省

現在開発中の次期輸送機については、飛行試験への移行に向けて行う必要な確認作業を全て終了しました。

試作1号機の初飛行について、航空自衛隊岐阜基地において1月26日以降に行う旨、製造会社である川崎重工業(株)より報告を受けておりますが、初飛行は、当日の天候等の諸条件により直前に中止、延期される可能性が十分ありますので予めご了承下さい。

なお、初飛行に際して、当該飛行試験機に対して、「XC-2」の型式を付与したところであります。

この種の輸送機(軍用輸送機)としては世界に例のない性能を狙っていますから、航空産業という面からも成功して欲しいものです。

1月 26, 2010 at 12:27 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.15

アイ・ミーブ好調

毎日新聞より「三菱自:EV「アイ・ミーブ」増産 本格量産も1年前倒し

三菱自動車は、世界初の量産電気自動車(EV)「アイ・ミーブ」の生産計画を大幅に上方修正する。

受注が想定を大きく上回っているためで、10年度の生産台数を当初計画比約2割増の8500台に引き上げる。

年間3万台以上の本格量産体制に移行する時期も当初計画から1年前倒しして12年度にする。

アイ・ミーブは昨年7月、法人向けに発売されすでに1650台販売。環境意識の高まりや政府のエコカー支援を追い風に、今年4月から始める個人向け販売も、高水準の受注を見込んでいる。

10月には左ハンドル仕様車を追加予定で、輸出の拡大も期待できるとして増産を決めた。

輸出のうち、2000台以上は業務提携先の仏自動車大手、プジョー・シトロエン・グループ(PSA)にOEM(相手先ブランドによる受託生産)供給する。

11年度からは米国への輸出も始め、一層の増産を目指す。

三菱自首脳は「実売価格を増産効果で数年後にはガソリン車並みの200万円前後まで引き下げたい」としている。【宮崎泰宏】

わたしの所属しているNPOは「小学生のもの作り教室」を明電舎と共同で実施しています。
アイ・ミーブのモーターとインバーターは明電舎製で、明電舎も最初期ロットのアイ・ミーブを所有していますから、試乗させてもらったこともあります。

明電舎と電気自動車i-MiEV(アイ・ミーブ)

仕様が掲載されていますが、そもそもモーターが軽自動車用ですから66馬力です。実物は直径・長さとも30センチほどのもので、これで66馬力を出すために水冷となっています。
インバーターも同様に水冷です。

「まだ量産のためのラインがない」とのことで、いわば試作段階の作り方のようです。
そのような生産体制でありながら、1650台を販売しているのですから、生産が比較的容易だと言えます。これは内燃機関では極めて難しいことの一つで、モーターが機械的には簡単な構造であることの証明だと感じます。

アイ・ミーブは軽自動車のエンジンをモーターに取り換えたものですから、ミッションなどは基本的にエンジン用のものを使っているわけですが、モーターで直接ホイールを駆動する手もあるわけですから、電気(電池)自動車は今後いろいろな展開があるでしょう。

今のところ、電池の性能がようやく自動車を走らせることが出来るようになった、という最低限のレベルとも言えます。このためにアイ・ミーブではモーターが非常な高回転で66馬力を出しています。また電池のコストが素材レベルで高価なので、モーターなどのコストを下げても電池自動車の価格そのものが下がらないとか、充電できる場所が不足しているといったインフラ問題がありますから、電池自動車用の社会に変えるのには、いろいろな事をやらないといけないということが分かってきました。

明電舎と電気自動車i-MiEV(アイ・ミーブ)の中にある「アイ・ミーブでお出かけ!」はぜひともお読みいただきたい記事です。

たまたま、リアルタイムで知っていたのですが、明電舎沼津事業所から大崎の本社まで100キロ以上をアイ・ミーブで移動する、というものです。

当日は、台風並みの大雨の日で、記事の通りアイ・ミーブは沼津事業所から、高速道路を使わずに東京に向かっていますが、わたしは沼津事業所に小学校のもの作り教室のために高速道路で向かっていました。
東名は事故多発で大変でありましたが、アイ・ミーブは電力不足が大変だったようで、公表値では航続性能が160キロとなっていますが、これはエアコンやヒーターを使わないときのデータだそうで、ヒーターを使うと半減するそうです。
このために、沼津から大崎まで無充電で走りきることは出来ず、充電出来るという理由から1号線で箱根越えにして途中で急速充電しています。

実際に乗ったアイ・ミーブは普通の軽自動車よりも若干力強く感じる以外は、普通に走っているときの乗り心地は普通の車です。車体が重いためにちょっと重厚な感じです。
しかし、信号などで止まると当然モータは動かないのでウインカーの警報音が異様に大きく車内に響き「電池自動車だなあ」と実感します。

区内から出ないといった使い方であれば、実用上十分だと言えます。
ですから、まずは法人が使用するサービス用の車として、価格が下がったら家庭用として、十分に使えるだろうと思っています。

1月 15, 2010 at 09:01 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.01.08

C-Xようやく飛ぶか

東京新聞より「空自次期輸送機CX、今月にも初飛行

防衛省が導入を目指す航空自衛隊の次期輸送機(CX)開発計画で、同省やメーカーが今月中にも、岐阜県各務原市の空自岐阜基地で試作機の初飛行を実施する方向で調整していることが分かった。

複数の関係者が明らかにした。初飛行が成功し、安全性が確認されれば納品される。

CXは緊急援助や平和協力など海外での活動も想定し、防衛省が国産のC1輸送機の後継として2001年度から開発に着手。川崎重工業を中心に、岐阜基地隣の同社岐阜工場で開発している。

当初は07年9月に初飛行が予定されたが、機体の組み立てに必要な鋲(びょう)や胴体フレームの強度不足などの不具合が相次いで判明。
開発スケジュールが大幅にずれ込んでいた。

CXは全長、全幅とも44メートルでC1の1・5倍。エンジンは米国製で日本が自主開発する機体としては最大規模となる。航続距離や輸送量はC1の4倍でイラクに派遣された米国製のC130輸送機の性能も上回る。

CXは既に完成した海自の次期固定翼哨戒機(XP1)と同時開発。将来的な民間転用も検討されており、量産化されれば東海地方の航空機産業への波及効果が期待される。

2年半延期ですから「飛べない飛行機」として有名で、ボーイング787、エアバスA400と並んで「どれが先に飛ぶか?」となどやられていました。

この飛行機は、計画通りの性能が出るとちょっと他に例のない機体になることになっていますが、改修の結果大幅な重量増加があると、性能のどれかが予定通りにならない可能性があります。
特に航続距離の大幅減だと、存在意義自体に問題が出てきますから、心配です。

1月 8, 2010 at 11:59 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.01.07

工場爆発・横浜市金沢区福浦の同じ工場でまた爆発

毎日新聞より「工場火災:横浜で化学工場が爆発 8棟全焼し7人がけが

7日午後5時50分ごろ、横浜市金沢区福浦1の化学メーカー「日本カーリット」横浜工場で爆発が起きたと110番があった。

神奈川県警金沢署と市安全管理局によると、事務所などを含む工場内の建物11棟のうち8棟(面積約2229平方メートル)が倒壊・全焼し、同8時15分に鎮火した。工場の従業員5人と別の工場の男性従業員、近くを車で走行中に割れたフロントガラスで右手を切った男性の計7人が軽傷を負った。

県警によると、爆発当時、従業員15人が工場内にいたという。
1棟で2回の爆発があったとみられる。工場では工業化学薬品を製造しており、同社によると、薬品を合成する「有機製造所」と呼ばれる工場棟が爆発したとみられる。

日本カーリットによると、横浜工場は敷地約9900平方メートルで、従業員25人。

工場は08年4月にも実験棟が爆発し従業員2人が死傷しており、当時の工場長ら3人が先月、業務上過失致死傷などの容疑で県警に書類送検されていた。
当時、同社の担当者は「爆発を招くような危険物を扱う業務をやめた」と説明していた。

7日の爆発では、約200メートル離れた自動車部品製造工場の窓ガラスが割れたり、敷地内に金属製の階段の一部や鉄パイプなどが落下。

男性社員(41)は

「赤い火が見えたので窓を開けて外を見たら、火柱が上がり、数秒後にドーンという音と衝撃が2回走った。火柱は打ち上げ花火みたいに200メートルぐらい上がり、建物のガラスがバリバリと鳴っていた。上空に何かが飛んでいるのが見えたので、外に出た従業員に建物内に入るよう声をかけた」
と話した。別の工場の従業員(31)は
「(自分の)工場が揺れるほどの衝撃で、2年前の爆発とは比べ物にならないくらい大きかった」
と驚いていた。

現場は横浜新都市交通・金沢シーサイドライン産業振興センター駅の約500メートル東にある工業団地の一角で、横浜港に面している。【池田知広、吉住遊、中島和哉】

ここですね。


大きな地図で見る

大きな地図では、「産業振興センター」とあるところを海側に突き当たったあたりです。
このあたりは2~3軒のクライアントがあったので、何度も行ったところであり、よく知っています。


大きな地図で見る

報道にもある通り、つい先日死亡事故の刑事責任を追及されたところでした。

11棟中の8棟が倒壊というのでは、工場としては全壊ですが、道路を走っていた車で怪我人が出た、というのもうなずけます。

これほどの大惨事が起きるとはビックリです。

1月 7, 2010 at 11:46 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.12.26

照明に通信を載せる技術

日経新聞より「LEDで動画通信 NEC、病院など需要開拓

NECは発光ダイオード(LED)の照明を人間にはわからないほど高速に点滅させてデータを送る「可視光通信技術」を使い、動画を送受信する実験に成功した。

これまで静止画しか送れなかった。

電波による無線通信が難しい病院や工場などで病状や作業手順を示す動画を流したり、映画を上映したりできる新タイプのシステムとして需要開拓を目指す。

室内照明用の白色LEDを毎秒500万回点滅させてデータを送信し、光検出装置で受け取る仕組み。

実験では広告用動画を送信し、受信側で正確に再生できた。受信部をLED照明から1.5メートル以内に設置したが、技術的には数メートル離しても可能という。(16:00)

とりあえず、講演会の会場などで手もとのターミナルに送信するといったことが出来ますね。
しかし、この程度のことが今までできていなかったのには、ある意味で驚きです。

確かに、ビル間を送信するとか、広いホールのあっちとこっちで通信するといった仕組みは何度か見ていますが、結局は有線LANや無線LANが普及して見かけなくなっています。

照明光に混ぜて、信号を送るのであれば受光部の性能の問題でしょうから、割と使いやすい仕組みになるように思います。

12月 26, 2009 at 04:34 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.12.20

ガソリンスタンドの減少

朝日新聞より「千円高速「ガス欠」急増 増える渋滞、減るスタンド

高速道路の大幅な割引が始まった今春以降、高速道路を走行中に燃料がなくなった自動車から日本自動車連盟(JAF)に出動を求めるケースが急増している。

割引で利用者が増え、渋滞が多発した影響という。
景気低迷で高速道のガソリンスタンドが減っていることも、追い打ちをかけているようだ。

「予想外の渋滞でガソリンがなくなってしまった」「なんとかパーキングエリアまでたどり着いたが、次の給油所までもちそうもない」。JAFには4月以降、高速道を走行中の会員からのこんな連絡が相次いでいる。

いまのところガス欠による事故の報告はJAFに寄せられていないが、走行中に本線で止まれば追突される恐れがある。故障などで路肩に停車中の車が追突された例は過去にあり、極めて危険だ。

JAFによると、燃料切れによる出動はここ数年、減少傾向にあった。
ところが、高速道で「一律千円」の割引が始まった3月末以降、状況は一転した。4月は前年比約11%増の1289件。割引のある土曜、日曜が突出して多い。
その後も前年を上回るペースで出動が続き、夏休みの8月には1769件で前年を25%も上回った。

お盆期間(8~16日)に限ると36%も増えている。
単に高速利用者が増えただけではなく、「これまで高速道を使うことが少なかったドライバーが、燃料消費のペースを読み違えた」といったケースもあるという。

さらに、最近の給油施設の減少も関係しているとJAFはみている。

高速道路各社では旧日本道路公団時代からの指針で、おおむね50キロごとに給油施設があるサービスエリア(SA)を設置してきた。

しかし、最近は景気低迷や原油価格の高騰で、採算がとれなくなった給油施設の閉鎖が相次いでいる。
東北自動車道の下りでは今年3月末、花輪SA(秋田県)の給油施設が閉鎖された。これにより、岩手山SA(岩手県)から青森東インターチェンジ(IC)まで、約156キロも給油施設がない状態になっている。

東日本高速道路の管内では05年以降、8カ所の給油施設がなくなった。

九州・沖縄でも今春、24カ所のうち7カ所が休止や廃止に。九州自動車道下りの宮原SA(熊本県)から宮崎ICの約140キロなどで給油施設がなくなった。

JAFによると、こうした「空白地帯」でガス欠を起こすケースが目立っている。西日本高速道路は「利用の少ない給油施設はやむなく閉鎖したが、残っている施設はできる限り維持してゆきたい」と話している。

気温が下がる12月は、バッテリーがあがってしまうトラブルに対応する出動がもっとも多い季節でもある。JAF広報部は「万が一のためにJAFが控えているわけだが、安全のためにも高速の利用前に燃料の残量と、バッテリーの状態をチェックして」と呼びかけている。(佐々木学)

ガソリンスタンドが減ってきて、さらにセルフばかりになってしまって、女性などを中心に困惑している人が多いようです。

記事は高速道路についてですが、よく使っている国道246などでも目に見えてガソリンスタンドが減っているために、都合の良いスタンドが出て来るのが10キロ先といった状況になってきています。

高速道路で、ガソリンスタンドが150キロ先となると、走り方によっては「燃料ゲージが半分になったら給油」というアメリカ流のスタイルに切り替える必要がありそうです。

最新のカーナビは路車間通信が強化されて、DSRC対応の製品が登場してきています。 三菱電機カーナビの説明です。

こんなことができるのですから、ガソリンスタンドの営業情報をリアルタイムで送信して、給油を促進するといった仕組みぐらいすぐに出て来るでしょうね。

12月 20, 2009 at 08:18 午前 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.12.17

実物大の初音ミク

サンケイ新聞より「【ネット番記者】等身大の初音ミク誕生

「架空のアイドルに、自分の目の前で歌ってもらいたい」。

そんな願望を持った“職人”が、ボーカロイド(音声合成ソフト)のキャラクター「初音ミク」の等身大ロボットをリアルに作ってしまった。

まずは設計図を描く。
そして、断熱素材で体のパーツを作製。
モーターや制御盤を改良し、体内に埋め込む。
ミシンで布を縫い合わせ、衣装を作る…。分野の違うはずの作業が、高い技術で行われる。
ラストでついに身長158センチの等身大ミクが誕生。
さすがに直立できず、壁にもたれながらもフリつきでバラードを歌ってくれる。

ぐっと見入ってしまう36分間。歌声と職人の愛情に感動しながらも、ちょっと怖さも感じたりした。(織田淳嗣)

不覚にも見逃していた。・・・・・・orz

これです「【等身大】初音ミク作ってみた【01_balladePV】

実際に、30分以上が製作過程のスライドショーなのだけど、実に色々な技術を組み合わせないと、ヒューマノイド型の3Dボーカロイドにはならない、のがよく分かります。

それにしても、ものすごく細かい観察力と、実現するためのアイデアの豊富さには感嘆します。
ニコニコ動画は、会員制ですがいくつかの誰が見てもすごいという作品もあります、この動画はお勧めです。

12月 17, 2009 at 09:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.12.03

三菱自動車にプジョーシトロエングループが出資

日経新聞より「三菱自、仏プジョーが出資 3~5割で最終調整

仏自動車大手のプジョーシトロエングループ(PSA)が、三菱自動車に資本参加することが2日、明らかになった。

PSAが三菱自の2000 億~3000億円規模の第三者割当増資を引き受けて筆頭株主となり、議決権の3~5割を取得する案を軸に最終調整している。

三菱自は資本支援を受け経営再建を加速する一方、PSAは三菱自が持つ電気自動車など環境技術や新興国の事業基盤を活用。

環境車の共同開発なども検討しており、激変期の世界市場を共同で開拓する。

海外勢による日本の自動車メーカーへの大規模な資本参加は、1999年の日産自動車と仏ルノーの資本提携以来、約10年ぶり。

金融危機後の世界的な需要急減と環境車シフトで自動車業界はかつてない試練に直面している。

環境技術を軸とした「三菱自―PSA連合」の誕生は、合従連衡の新たな枠組みとして世界の自動車メーカーの再編戦略に影響を与えそうだ。 (06:00)

たまたま、三菱自動車とPSAに電気自動車のモーターとインバーターを供給している明電舎をよく知っていて、色々な話を聞いていますが、三菱自動車とPSAという自動車業界内では小規模メーカーが電気自動車の製造で先行しているところが歴史的にも面白いことだと見ています。

電気自動車自体は自動車が発明されるとほとんと同時期に出てきていて、電力を使って走るトロリーバスは日本でも昔ありました。
明電舎が電気自動車のモーターを製造することになったのは、電動フォークリフトのモーターなどを生産しているからだそうです。

つまり車輌にモーターを使うこと自体は極端に変わった技術とは言えないのですが、現実には電気自動車の量産はいまだに行われていないようです。
三菱自動車とスバルが電池自動車の商品化を決めていますが、まだ試作程度の生産速度です。

数年前に慶応大学が作った、電池自動車エリーカの開発について聞いたことがあります。

エリーカが8輪のホイール内にモーターがある、インホイールモーターであることは有名ですが、このためにエリーカは外見は自動車のような形をしていますが、構造的には電車に近いです。

平らなフレームの内部に電池を詰め込んで、板状にしたところにモーター付きをホイールを取付、その上にボディーを載せています。

このアイデイアのために、全長が調整できるということで、コミュニティーバスの提案もあります。

外見は自動車ですが、構造が自動車とは言いがたいわけで、衝突安全性などについては「横に置いて」開発したのでしょう。
「自動車の専門家ではこの設計は出来ない」と言われています。

この話を拡大すると、電気自動車を開発するのは自動車メーカーではないのかもしれません。
自動車生産では、エンジンを量産するためにトランスファマシンを製造することが必要ですが、そのためにエンジンの種類は自動車の種類に比べても格段に少なくなります。
これに対して、モーターでは同じ原理のモーターが無数と言って良いほどの多種類が作られています。

つまり、動力機関としてはモーターはエンジンに比べて極端に小規模な生産体制で製作できます。
これらが、三菱自動車・PSAといった小規模メーカーが電気自動車に手を出せる理由でしょう。

電気自動車の将来は、電池のコストが下がらないと内燃機関搭載の自動車とは競争できそうもありません。
その上で、ガソリンスタンドに変わるインフラの整備も不可欠です。
しかし、エリーカの例に見られるように、色々な種類・性能の車を作り分けることが出来る可能性もあるわけで、自動車と電気自動車は別の物と考えた方が妥当かもしれません。

わたし自身は、電気自動車と自動車は自動車と鉄道ぐらいの違いがある交通機関ではないかと思っています。

12月 3, 2009 at 08:53 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.11.25

アメリカのトヨタ車・アクセルペダルでリコールなのだが・追記あり

朝日新聞より「トヨタ、米で400万台ペダル交換へ 暴走事故受け

高級車レクサスが米国で暴走し、乗員4人が死亡した事故に関連し、トヨタ自動車は、アクセルペダルをフロアマットに引っかかりにくい形のものに交換するリコールを実施する方針を固めた。日本時間の25日夜にも米国で発表する。

対象は、米国で販売したトヨタブランドのプリウス、カムリ、アバロン、タコマ、タンドラと、レクサスブランドのESとISの計7車種約400万台になる見通し。9月29日にトヨタが暴走の危険を警告した際には約380万台としていたが、その後の販売車両も含める。

トヨタは当初、フロアマットを適切に固定しなかったり、二重に敷いたりしなければ問題は起きないと主張していた。
しかし、10月に入り、「事故が発生する危険性を減らすため、車両本体を改良する」との意向を米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に伝えていた。

リコールでは、アクセルペダルを短いものに交換。床板との距離に余裕を持たせ、フロアマットがずれたり、二重に敷かれたりしても、引っかからないようにする。
リコール費用は数百億円規模になるとみられる。

また、トヨタはアクセルと同時にブレーキがいっぱいまで踏み込まれた場合、電子制御でアクセルを解除し、ブレーキの作動を優先する装置の導入や、エンジンを緊急停止する操作を分かりやすくする方法についても検討しており、併せて対策に盛り込まれる可能性がある。

今回のリコールは、8月下旬に米サンディエゴ市郊外で、レクサス「ES350」が暴走し、4人が死亡した事故が契機となった。

ES350は07年にも同じ問題でフロアマットを交換するリコールを実施。

トヨタはあくまでもフロアマットの問題としていたが、今回は、車両本体の重要部分であるアクセルペダルをリコールせざるをえなくなった。

トヨタは、日本など米国以外で販売した車については、「北米のような厚みのある全天候型のフロアマットは販売しておらず、現時点で問題があるとは考えていない」(幹部)としており、リコールする予定はないという。

このニュースが伝わってきたときに、フロアマットを二重にするとペダルが引っかかるとはどういう事なのだろう?と思っていました。

ごく普通に二重にしても、そうそう厚くなるわけではないから「引っかかるものなのか、事故になるようなの極めて例外的な状況では無いのか?」とも考えていました。

Up

この写真を見ると、そういう「甘い考え」ではありませんでしたね。

フチ付きミゾ付きのマットとは・・・・・・。
こんなモノが、流行している土地では、アクセルペダルが引っかからないアクセルペダルが当然でしょう。
さらには、自動車用品の展示会や業界団体もあるわけですから、情報を取るなり、フロアマットの基準を定めるなりの行動は自動車メーカーの義務であったでしょう。

今のトヨタは、いささか以上に市場と距離があるのではありませんか?


以下、2009/11/26追記

毎日新聞より「トヨタ:信頼回復に全力 大規模ペダル無償交換

フロアマットが原因で米国で販売した車が暴走事故を起こしたとされる問題で、トヨタ自動車が400万台以上にのぼる大規模な自主改修に踏み切るのは、ブランドイメージの決定的な悪化を避けるためだ。

アクセルペダル交換など、改修には数百億円規模の費用が必要で10年3月期も3500億円の営業赤字を見込む業績への影響は小さくない。

しかし、世界新車販売首位まで上り詰めたトヨタ車を支えてきた「高品質・安全」のブランドイメージを守るには「背に腹は代えられなかった」(トヨタOB)ようだ。【大久保渉、米川直己】

◇米市場への影響重視

「原因がどうであれ、事故が起きたのは事実。ユーザーの不安を取り除くために必要な措置は取らなければならない」--。トヨタ幹部は大規模な部品改修を決断した理由をこう説明。
問題長期化によるトヨタブランドへの深刻な影響を回避するギリギリの判断だったことを強調した。

発端は、今年8月、高級車「レクサス」に乗った一家4人の死亡事故。

事故を起こした車はかなりの高速で走行していたうえ、異なる車種のフロアマットが取り付けられていた。このため、トヨタは問題表面化後も「車両に欠陥はない」と主張してきた。

しかし、米テレビなどマスコミでは「レクサス運転中にアクセルペダルがマットに引っかかり戻らなくなった」という部分がクローズアップされ、死亡事故を重大視した米道路交通安全局(NHTSA)内では強制力の強いリコール(無償の回収・修理)など抜本的な対応を求める圧力が強まっていた。

ただ、車両の欠陥を認めるリコールでは、米国でのブランドイメージへの深刻な打撃は避けられなくなってしまう。
そこでトヨタは希望者にアクセルペダルの無償交換をする踏み込んだ措置を取る一方、あくまで自主的な安全対策としての位置付けは譲らない「実は捨てても、名を取る措置」作戦に出た。

米国トヨタとしては過去最大規模の400万台以上の改修には、数百億円にのぼるという費用がかかる。

トヨタ幹部は「引当金などを約4300億円積んでおり、その範囲で対応可能」というが、昨秋以降の自動車不況の病み上がりのトヨタにとって、目先の収益への影響は小さくない。それでも、トヨタにとってユーザーの不安を解消する措置を一刻も早く打つ必要があった。

ただ、トヨタ流の手厚い対応がどこまで消費者に受け入れられるか。巨額赤字の元凶となった米国事業の立て直しはトヨタ復活に不可欠だが、今回の問題はその作業を厳しくさせる可能性もある。

◇日欧は改修対象外

米国で無償交換を行う8車種約400万台のうち、プリウスなど4車種は日本国内でも販売されている。

車体の設計に違いはないものの、トヨタは北米以外で販売された車両での無償交換は行わない方針だ。ただ、日本や欧州などのユーザーの不安解消には、全社的な丁寧な説明が求められそうだ。

トヨタによると、今年8月に起きた高級車レクサスのES350による一家4人死亡事故の際に、運転席に敷かれていたフロアマットは、米国だけで販売されている厚さ2~3センチの全天候型の商品。

米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いといい、上部のマットが定位置から前方にずれると、アクセルペダルの下部がマットの縁に引っ掛かり、アクセルが全開のまま戻らなくなる可能性があるという。

このため、トヨタは当初「車の構造に欠陥は無く、マットを正しく使用すれば問題はない」(幹部)との姿勢を示していた。

しかし、4人死亡事故が度々米国のテレビで報道されたうえ、問題を長期化させれば、米消費者の間にトヨタ・レクサスブランドに対する深刻なイメージダウンを引き起こしかねないため、米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

この毎日新聞の記事は、トヨタの言い分だけで書かれたのではないだろうか?

トヨタの主張は、アメリカだけで引っかかるフロアマットを使っているのだから、アメリカ国民はトヨタのやり方に合わせるべきだ、と言っているわけです。

では問題のフロアマットが非常識なものであったり、非常識な使い方であるのか?と写真を見てみると、会っても不思議は無い品物です。
そしてそれは米国では通常のマットの上に全天候型マットを二重に敷いて運転するケースも多いのだから、アメリカ国民の使い方に合わせるのは当然でしょう。

にもかかわらず、400万台を改修しなければならないほど長期間放置したと言えます。
普通に考えて「これほどの長期間放置する問題か?」となりますが、それでもなおかつ

米国に限って無償交換に踏み切ることで、問題解決の妥協点を見いだすことにした。

などと言っているのだとすると「供給者の論理」から一歩も出ていない。と評価せざるを得ません。
この事自体が、以前のトヨタとは大違いではないのだろうか?
トヨタのやるべき事は、こんな状態にまで放置したことについて、責任を明確化することだと思う。

妥協点を探るではなくて、妥協の余地がない事態に追い込まれている、と言うべきだし毎日新聞も朝日新聞も、トヨタの宣伝費の問題とは別に企業文化の問題としてキッチリとした評価記事を書くべきだと強く思う。

11月 25, 2009 at 07:30 午後 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

2009.11.23

八幡製鉄所から高炉が無くなる日

朝日新聞より「八幡製鉄所第1高炉、解体へ 停止後、再稼動めど立たず

新日本製鉄が八幡製鉄所(北九州市)の戸畑第1高炉を解体することが分かった。

1959(昭和34)年に稼働し、98年に停止した後も予備として保存されていたが、再稼働のめどがつかず廃炉を決めた。

現在、同製鉄所で唯一操業している第4高炉は数年後に2カ月程度かけて改修する見込みだが、代替の炉がなくなるため、この改修期間中は長年続いた「高炉の火」が消えることになりそうだ。

解体作業は今夏から始めており、11年度前半までに更地にする。

八幡の総務部は「屋外設備の腐食や劣化が進み、安全性も考えて解体を決めた。
第4高炉の改修時は、スラブ(鉄の半製品)などを他の製鉄所から運んでくることになる」と説明している。跡地の利用方法は未定という。

第1高炉は高さおよそ100メートル、炉容積4千立方メートル余り。鉄鉱石とコークスを主原料に、鋼に精製する前の銑鉄(せんてつ)をつくる。

八幡製鉄所は1901(明治34)年に操業開始。一番多い時で12基の高炉があったが、新鋭製鉄所への生産移管や合理化で徐々に削減された。

まあ、時代の流れそのものですが、高炉は鉄鉱石から鉄を作りますが、すでにある鉄のスクラップを再生するのには、電炉を使用します。
なぜなのか分からないのですが、日本では高炉メーカと電炉メーカに別れていて、一つの会社で両方をやってはいないようです。

電炉の方がエネルギーコストが格段に安くなるので、現在の日本では電炉の方が向いていると言えますね。
そもそも高炉メーカーと電炉メーカーが別れていること自体が今の時代には意味がないでしょう。

明治時代に出来た各種制度や設備なども100年を超えてさすがに同じことを続けることが出来ない、と言うかのが続々と出てきています。
教育制度や法律なども「100年に一度」の改変をする必要が出てきていて、取りかかっていますがどうも抜本的にやり直し、と改修を主張する派が衝突しているところがありますね。
官営八幡製鉄所から高炉が無くなる時代が来たというのは象徴的です。

11月 23, 2009 at 09:06 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.11.14

トヨタ・アメリカでアクセルペダル改修400万台

日経新聞より「トヨタ、米でペダル改修 当局と合意、床マット問題で400万台超

トヨタ自動車は13日、同社が米国で販売する車種でアクセルペダルがフロアマットに引っかかり事故を招く恐れがある問題で、「レクサスES350」など8車種の車両を改修する方針を固めた。

ディーラーを通じて対象車両を自主的に回収したうえで、アクセルペダルを改修し、マットに引っかかりにくい形状に変える。

トヨタと米運輸省高速道路安全局(NHTSA)との間で大筋合意した。 NHTSAは早ければ週明けにも発表する。

改修するのはESのほか「カムリ」「プリウス」など8車種。

問題の発覚時には380万台が対象とされたが、その後、新たに生産・販売された分が加わるため、400万台を超える車が改修される見込み。

車両の改修には数百億円規模の費用がかかる見込み。
トヨタはこれまで品質保証費用を引き当てており、「今期業績には大きな影響はない」(同社幹部)としている。 (07:00)

400万台に500億円掛けるというのは、1台に1万2500円を要するということで、内容的になかなか大変だと言えます。

アメリカ向け車は左ハンドルなので、アクセルペダルの右側のフロアーパネルが盛り上がっています。そのためにアクセルペダルと床の隙間が右ハンドル車よりも狭くなっているのかな?とは思います。

しかしながら、FF車とFR車では床の出っ張りも違うわけで、もちろんメーカーはそこらはそれなりに検討した結果が現状でしょうから、問題があるとすると「それなり」の部分が不十分であった、ということになりそうです。

最近になって、トヨタに対して出されている批判の一つに「部品の共通化のやり過ぎ」というのがあります。ひょっとすると共通化が前面に出すぎた結果、リスク(危険性)の判断基準が緩んでしまったのかもしれません。

ユーザーの使い方に依存するような部分は、現時点の使用国や社会環境によるだけではなく、社会の文化的な変化や将来の流行といったものにまで、配慮した製品設計が必要だとなります。

今回の問題は、そういった広い視点から検討するとどうなのでしょうか?非常に興味があります。

11月 14, 2009 at 09:58 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.14

日産が10万台越えのリコールなのだが

朝日新聞より「日産、2車種10万台リコール ハンドル操作不能の恐れ

日産は13日、乗用車エクストレイルとデュアリス(英国製を含む)の2車種計10万7929台(07年1月~09年7月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

かじ取り装置の部品に不具合があり、事故例は出ていないものの、ハンドル操作ができなくなる恐れがあるという。

国産車については、燃料タンクの不具合で燃料が漏れる恐れもある。14日から回収を始める。

ハンドル操作ができなくなるというのはナンなんだ?と日産サイトを見に行きました。

日産自動車リコール情報より「2009/10/13 エクストレイルなど2車種のリコールについて

基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因

  1. かじ取装置のステアリングギヤにおいて、ピニオンシャフト固定用ナットの加工が不適切なため、使用過程において当該ナットの締付力が低下することがあります。

    そのため、当該ナットが徐々に緩み、最悪の場合、ピニオンシャフトが抜けて、ハンドル操作ができなくなるおそれがあります。

  2. 燃料タンクの燃料ポンプユニットの取付け部において、穴あけ加工が不適切なため、取付け部に鋭利な突起を有するものがあります。

    そのため、そのまま使用を続けると、当該取付け部のパッキンに亀裂が発生し、最悪の場合、パッキンから燃料が漏れるおそれがあります。

改善の内容

  1. 全車両、当該ナットの締付状態を点検し、固定用ナットの緩み防止クランプを追加します。
  2. 全車両、当該燃料ポンプユニットの取付け部を修正し、パッキンを新品と交換します。
  • リコール対象車の含まれる車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれておりますので、詳細につきましては
  • お買い求めの販売会社までお問い合わせ下さい。
  • リコール対象車の製作期間は、ご購入の時期とは一致しておりません。
  • 車台番号は、車検証に印刷されております。

燃料ポンプの方は割と分かりやすいのですが、ナットが落ちる可能性がある、というのはどういうことよ?

しかも、車体番号に直結していないとは、ユニットの生産段階で加工がバラついた、と読めるのですが、こんな基本的なところでバラつくものなのだろうか?

ネジが緩まないようにするというのは、難しいことではあるのだが、対応策も確立していて、ちゃんとやれば問題にならないから、広く使われているわけで、こんなことが21世紀に起きるとはビックリです。
何が起きたのだろう?

10月 14, 2009 at 12:12 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.10.10

Winny 事件の問題点

昨日(2009/10/09)は朝6時出発で、翌朝3時に帰宅の日帰りで、ネットワーク・セキュリティワークショップ in 越後湯沢に参加してきました。

白浜シンポジウムと同じく、木曜の昼に始まって土曜日の昼で終わる、足かけ3日のプログラムの真ん中だけ参加しているわけです。
さらに、わが家から湯沢だと3時間弱ですから、24時過ぎまで議論(?)していても、3時には帰宅出来ます。

今回の目玉は、誰がなんと言おうと、Winny 控訴審・無罪判決でありました。
3日間のプログラムはこれですが、2日目午後一番の講演「情報セキュリティ、個人情報保護、内部統制の相互関係を読み解く」の発表者である岡村久道弁護士は、パワーポイントを書き換えて、Winny 控訴審についての見解と解説を先にしました。

今回も、上原先生、岡村弁護士、丸山さん、佐々木先生、といった大物を初め、院生やOBといった方々と話をしてみました。話しているうちに段々と固まってきたのが、Winny 裁判を法律問題だけでとらえるのは間違いの元ではないのか?です。

上原先生は、控訴審について「包丁なのかピストルなのか、調べないで判決しているのは問題だろう」とのご意見であり、さらに「コードを読めば、何を作ろうとしたのか意図も分かるはずだ」と判決の論拠を問題にされています。

Winny 裁判については、当初から「包丁を作る事と、悪用することは別だ」論が強調されていて、特に技術開発の観点からは「開発自体を阻害するのは国家的損失である」といった意見が主流でありました。
もともと、この裁判は「著作権法違反」であり、さらにそのほう助が成立するか?だったのですから、論点は「著作権法違反をするためにソフトウエアを作ったことになるのか?」でありました。
ソフトウエアを制作する事についてだけ見てみると、検察側のこの主張はかなり無理があります。

しかし、現実には Winny は今も著作権法違反事件の道具として使われているわけで、この二つの間にある「何か」をどう考えるのか?という議論がほとんど無いと気づきました。

この「何か」を他の事件に当てはめてみると「事故」が相当するのではないのか?と思いつきました。

Winny 裁判について、刑事・民事で法的に決着が付いたとしても、ソフトウエアとしての Winny に問題がないことにはなりません。
刑事・民事の責任が明確になっても、事故が無くならないのでは社会的に問題だ、というのは航空機事故などを初めとする事故調査の問題としてわたしが以前から強く主張しているところです。

法的責任と社会的な問題解決はイコールではありません。
Winny は社会的な問題を解決するべきですし、Winny の公開について社会的に問題があったのではないのか?との評価と議論は不可避でしょう。

わたしは、Winny を誰でも使える状態で公開したのは、技術者の倫理の点では間違えであると考えます。
何かを作ったり、売ったりする場合には製造物責任といった形で、供給側には相応に責任があり、その中には倫理的な側面も当然あります。

ほとんどすべての技術は、もろ刃の剣であり、人を助ける技術の裏返しは人を殺す技術でもあります。
そこで、ほとんどの業界では「これをやると人が死ぬからやってはいけない」といったノウハウがあるわけですが、このノウハウを使うのは「プロフェッショナル限定・業界限定」ですから、ノウハウの共有が出来るわけです。
そこには「情報共有範囲を限定する倫理」が求められているわけで、すべてをオープンにして良いわけがありません。

Winny については、開発も利用も技術的には問題がない、と考えるべきです。
特に技術という面からは「作ってみないと分からない」ことは多いのですから、基本的に技術開発自体を事前に差し止めてはいけません。
しかし、それが全面公開して良い事ではないのですから、問題点は「公開のやり方」であったと言えましょう。

要するに「問題点」があって、それが解決していない事こそが、Winny 裁判で一番の問題なのではないでしょうか?と強く思うのです。

10月 10, 2009 at 10:08 午前 もの作り | | コメント (10) | トラックバック (0)

2009.10.02

コンテナー内の荷物の片寄りぐらい計測できるはずだ

サンケイ新聞より「相次ぐトレーラー事故、中身分からず過積載や荷崩れ

コンテナを積んだ大型トレーラーの横転事故が相次いでいる。

海外から船で運ばれたコンテナの中身を運転手が知る手立てがないため、過積載や荷崩れを起こしているのが一因とみられる。
さらに狭い都市部を縫うように走る道路はカーブが多く、巨大化するコンテナを積むとバランスが難しい。

運転手の間で「ブラックボックス」と恐れられているコンテナ。国土交通省は中身の情報開示の義務化を検討し始めた。

今年2月、東京都板橋区の首都高5号線で大型トレーラーが横転し、運転手が閉じ込められて死亡した。
5月には名古屋市でコンテナが隣を走行中の乗用車に横倒しになり、3人が死傷する事故も起きている。

ここ数年、コンテナを積んだ大型トレーラーの事故が続発。
背景について、全日本トラック協会の担当者は「複雑な事情がある」と説明する。

コンテナのうち海外から来た国際コンテナは、荷主が運転手らに中身の情報を開示する義務がない。

国交省は、すでに情報開示のガイドラインを作成。情報伝達の徹底を図っているが、同協会担当者は

「浸透していないし、たとえ伝票があっても情報が外国語で書かれている場合は読み取れない」と話す。
重量をチェックする仕組みもない
という。

国交省が8月にまとめた運転手などへの調査では、「内容の分からない荷物を運んだ」と答えた運転手は26・2%に達した。

コンテナは長い輸送の過程で積み荷が崩れたり、積み込む際にバランスが悪く配置されているケースがある。
「重心が偏った荷物を運んだ」とする回答も55・3%と半分以上にのぼった。

こうした事情から、民主党はコンテナの中身情報開示を義務化する法案成立を公約に提示。
国交省も対応を始めた。

しかし、義務化には課題も多い。

海外からのコンテナは、船が到着すると十数秒単位で次々とトレーラーに積まれる。
チェックが義務化されれば、物流のスピードや船の出航に影響が出るケースも想像できる。
さらに、すべて開封して中身の配置状況を調べるとなれば、広大な検査場所の確保も問題になる。

一方、都市部の道路は幅が狭く、ビルを縫うように張り巡らされている。

2月の首都高の横転事故現場も「魔のカーブ」とされ、その半年前にも全面復旧まで2カ月かかる横転炎上事故が起きた。
同協会の担当者は、「構造上、不安定なトレーラーがスムーズに走れる環境が整っていない。コンテナは大型化が進み、ますます輸送は難しい」とこぼす。

国交省は制限速度を下回る「慎重走行」を指導、協会も運転手に順守を徹底するが、5月の名古屋の事故でも制限速度は守られており、対策は一筋縄ではいかない。

国交省自動車交通局の担当者は「コンテナの中身の問題のほか、道路事情も事故の一因だ。ただ、いずれも解決は難しく、関係者間の調整を図りたい」と話している。(森本充)

コンテナー内での荷物の片寄りが、トレーラーの転覆の原因になるというのはよく分かるが、それを現実的にチェックする手立てがない、というほどのことは無いだろうと思う。

トレーラーに積んだ状態で、重量全体を見るのであれば、これは秤に乗せるしかないわけで、時間のことを考えると、これはちょっと現実的では無いかな?と思います。
しかし、トレーラーが転覆する程の重心の片寄りがあれば、車体の揺れが転覆以前でも相当偏っているはずですから、これをチェックできれば良いとなります。

コンテナーは港から道路に出て行くのがほとんどでしょうから、ヤードの出口付近でトレーラーの揺れを計測すれば、危険性の判定は出来るだろうと思います。
幸いなことに、コンテナ自体は規格品ですから、計測対象としては容易な部類でしょう。
レーザー測定で揺れを調べることは出来ますから、ちょっとした技術開発で危険なコンテナーが市内に出て行くことを防止できるでしょう。

正体不明の路車間通信よりも、この方がよほど役に立つだろうと思うのですがね。

10月 2, 2009 at 12:38 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.09.27

飛行昆虫形ロボット(?)の動画

Live Leak より「Remote Control Cyborg Insects Now A Reality

By using direct optical lobe stimulation, the bugs can be steered left and right and up and down, and they also respond to stop and start commands. Basically, everything you could want in a remote control bug.

REMOTE-CONTROLLED insects may sound like the stuff of science fiction, but they have already been under development for some time now. In 2006, for example, the Defense Advanced Research More..Projects Agency (DARPA, the Pentagon's research and development branch) launched the Hybrid Insect Micro-Electro-Mechanical Systems program, whose ultimate aim is to turn insects into unmanned aerial vehicles.

Such projects provide proof of principle, but have met with limited success. Until now, that is. In the open access journal Frontiers in Integrative Neuroscience, a team of electrical engineers led by Hirotaka Sato of the University of California, Berkeley, report the development of an implantable radio-controlled neural stimulating device, with which they demonstrate, for the very first time, the accurate control of flight in freely flying insects.

The miniaturized system developed by Sato and his colleagues is mounted onto the pronotum (the dorsal, or upper, plate of the exoskeleton), and consists of electrodes implanted into the brain and wing muscles and a microbattery. Flight commands to start and stop flight and control the insect's elevation and turning were generated on a personal computer running specialized software, and transmitted to a microcontroller equipped with a radio transceiver.

The device is much simpler to program and use than similar ones developed previously, because it makes implicit use of the beetle's own flight control capabilities. The researchers found that flight could be initiated by simply applying a single pulse of electrical stimulation via the electrodes implanted into the left and right optic lobes. A single pulse from the same electrodes was also sufficient to stop the wing beats. Exactly how this occurs is unclear; it is known that visual inputs can initiate flight in locusts and fruit flies, and the researchers speculate that stimulation of the optic lobe activates large diameter "giant fibre" motor neurons which project from the brain to the wing muscles.

Once initiated, flight continued in the absence of further stimulation. The beetle powers its own flight, and levels with the horizon on its own, so that the neural and muscle stimulators are only used when a change in orientation or elevation is required. Turning could be initiated by asymmetrical stimulation of the muscles at the base of the wings, with a left turn being triggered by an electrical pulse to the right flight muscle, and vice versa. The stimulator could also be used to modulate the frequency of wing oscillations, which caused changes in altitude.

Electrically-controllable insects have obvious military applications. They could be used as micro air vehicles for reconnaissence missions, or as couriers which deliver small packages to locations that are not easily accessible to humans or terrestrial robots. The beetles used here (Mecynorrhina torquata) are among the largest of all insect species, and are capable of carrying addditional loads of up to 30% of their 8g body weight. But they could also be very useful to researchers who study insect mating behaviour, the foraging behaviour of insect predators, and flight dynamics and energetics.

昆虫形のロボットが飛んでいるのですが、ものすごい。
まあ、軍事開発だと言われると「ここまでやるのは軍事かな」とは思ってしまいます。
小説の世界が現実化してきた、というところですね。

飛行をリモコンで技術的にコントロールしているのですからロボットなのですが、

implantable radio-controlled neural stimulating device, with which they demonstrate, for the very first time, the accurate control of flight in freely flying insects.

植込み型の無線神経刺激制御装置は、素早く正確に昆虫の飛行を制御します。(かな?)

ロボットと書きましたが、Remote Control Cyborg Insects スレーブマスタータイプ・昆虫形サイボーグが適切ですかね?

しかし、飛び立ったり、カーテン着地(?)するところは、昆虫の動作そのものであって、なおかつ飛行方向は制御しているのですね。
良くもこんな事をやったものだ、と感心しますが「フランケンシュタイン」という単語がちらつきます。
Hirotaka Sato of the University of Californiaとはこの方のようです

BIOGRAPHY

Hirotaka Sato received his B.S.(2000), M.S. (2002), and Ph.D. (2005) in Applied Chemistry from Waseda University (Tokyo, Japan) for his work on nano/micro fabrication for MEMS using electrochemical processes including electrodeposition, electroless deposition, electrochemical etching under Professor T. Homma (Applied Chem.), Professor S. Shoji (EECS) and Prof. T. Osaka (Applied Chem.). Dr. Sato was a research associate in Waseda University from 2004 to 2006. Dr. Satos current research interests include micro bio-interface as well as nano/micro fabrication. He joined Professor Michel M. Maharbiz group to work on Hybrid Insect MEMS project in 2007 and has been developing cyborg beetles, the worlds first tetherless, neurocontrolled insects.

A Cyborg Beetle: Insect Flight Control by a Neural Stimulator [BPN451]

Despite major advances, performance of micro air vehicles (MAV’s) is still limited in terms of size, payload capacity, endurance, and controllability. Various species of insects have as-yet unmatched flight capabilities and increasingly well understood muscular and nervous systems. Additionally, some of these insects undergo complete metamorphosis making them amenable to implantation and internal manipulation during metamorphosis. In light of this, we attempt to create implantable bio-interface to electrically stimulate nervous and muscular systems of alive insect to control its flight. Our first target is beetle for the insect platform, and we would like to call it 'cyborg beetle'.

9月 27, 2009 at 01:03 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.09.18

HTV目的地に到着

NHKニュースより「宇宙輸送船HTV ドッキング

今月11日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた日本の宇宙輸送船「HTV」は、飛行7日目の18日午前7時26分すぎ、国際宇宙ステーションとドッキングしました。

18日午前0時すぎ、「HTV」は宇宙ステーションの下からドッキングに向けて接近を始め、10メートルの距離まで近づくと、宇宙飛行士がロボットアームを操作してHTVをつかまえました。

ドッキングに向けた作業はきわめて順調に進み、午前7時26分すぎ、日本の実験棟「きぼう」のすぐ近くにある「ハーモニー」と呼ばれるドッキング用の結合部に取り付けられました。

HTVはこのあと、ボルトで固定したり、電力を供給するための配線をつないだりする作業が行われ、ドッキングのすべての作業を終えるのは昼すぎになる見込みです。

今回が初めての打ち上げとなる「HTV」には、食料や衣類のほか、「きぼう」の実験用の装置など、宇宙ステーションの運用に必要な物資が積み込まれています。
「HTV」は、スペースシャトルの引退後、国際宇宙ステーションへの物資の重要な輸送手段として期待されており、今回のドッキングに世界も注目しています。

打ち上げロケットのH2Bも初号機で、そもそも無事に機能するのか?との心配ものあったのに、さらに無人輸送船で国際宇宙ステーションに無事に到着したのは、すごいですね。

とは言っても、巨額を注ぎ込んでいるわけで、技術開発のコストパフォーマンスは良いとは言うものの、これからもこれで良いのか?というのは考えてしまうところですね。

9月 18, 2009 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.09.06

プラント技術のライセンスビジネス

サンケイ新聞より「【すごいぞ!ニッポンのキーテク】温暖化の元凶を樹脂原料に 旭化成のウルトラC

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)。旭化成は、その元凶を回収し、CDやDVDなどの光ディスクに使われるポリカーボネート(PC)樹脂の原料として活用する画期的な製法「ノンホスゲン法」を編みだし、世界展開に取り組んでいる。

一石四鳥の利点

PC樹脂は透明度が高いのが特長で、光ディスクのほか、自動車のテールランプカバーや家電部材向けで広く使われており、今後も中国などの新興国の需要拡大を背景に、市場の成長が見込まれている。

地球温暖化防止が急務となるなか、CO2を原料とするノンホスゲン法への期待は大きい。

ノンホスゲン法は、CO2を他の化学物質と反応させることで一酸化炭素と酸素に分離。PC樹脂と衣料品に使うポリスエステル繊維の原料になるエチレングリコールを生成する。

通常の製造法で必要な猛毒ガスのホスゲンを使わずに済むことに加え、CO2排出量の削減にもつながる“一石二鳥”の製法だ。

しかも、ホスゲンを使う従来の製造法では、ガス漏れを防ぐための設備や、塩素系の有毒廃棄物が含まれた排水を浄化する処理装置が必要だ。しかし、ホスゲンを使わなければ、こうした大がかりな設備も不要になる。環境対応に優れているだけでなく、プラントを建設する際のコストも割安になる。

利点はまだまだある。旭化成の林善夫取締役は「アルミの膜と組み合わせて作る光ディスクの製造にノンホスゲン法のPC樹脂を使うと、製造過程で塩素を使う必要がないため、アルミの劣化も防げる」とし、品質面でのメリットを強調する。一石二鳥どころか、四鳥の大収穫だ。

実用化に25年の歳月

同社がノンホスゲン法の開発に着手したのは、昭和52年までさかのぼる。63年に実証プラントを稼働させ、平成14年に台湾の化学メーカーと合弁でプラントを建設し、25年の歳月をかけて商業生産にこぎつけた。

苦労に苦労を重ねた独自技術だが、実は旭化成ではPC樹脂の生産は行っていない。製造技術を供与して対価を受け取るライセンス契約をPC樹脂メーカーと結び、ノンホスゲン法を世界に広げるという戦略をとっている。

自らPC樹脂生産に乗り出さないのは、後発の立場で参入するよりも、市場動向に左右されないライセンス契約で事業を展開した方が収益性が高いと判断したためだ。林氏は「環境対応に優れた製造法として、世界のPC樹脂メーカーに向けて技術を広めたい」と意気込む。

全世界に広がる

現在、ノンホスゲン法によるPC樹脂の年産能力は、世界全体の1割弱を占める33万5000トンに達する。海外では台湾のほか、韓国、ロシア、サウジアラビアの4カ国・地域で5プラントが稼働している。さらに来年には、サウジアラビアで年産能力26万トンの大型プラントが動き出す。

林氏は「ライセンス契約の拡大を通じ、2015~20年をめどにノンホスゲン法による生産能力を100万トン以上に高め、約25%のシェアを確保したい」として、今後は欧州や中国の化学メーカーとも積極的に契約を結んでいく考えだ。

本来なら生産能力を増やせば、CO2の排出量も増えてしまうが、ノンホスゲン法なら排出量削減に貢献できる。今後も各国で旭化成の独自製法が広がりそうだ。(山田泰弘)

化学方面の知識はさっぱりなので、紹介されるまで知りませんでした。
ちょっと検索してみると、メルト法とも言うようですが、CO2を原料(出発物質)として製造する、というところがポイントのようです。

総合的に、プラントにしてそれをライセンスにして、世界中に製造プラントを作るところが、特に注目するところなのでしょう。

ビジネス展開として楽しみですね。

9月 6, 2009 at 09:42 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.09.04

電気自動車に初同乗

今日(2009/09/04)三菱自動車の電気自動車 i-MiEV に乗せてもらいました。

沼津の小学校でもの作り教室(NPO活動)を行いました。
明電舎沼津事業所と共同で行っている事業で、沼津工場に i-MiEV がありました。

明電舎は、i-MiEV のモーターとインバーターを製造しているので、ローソンなど並んで初期ユーザとなり、電気自動車のプロモーションも行うようです。

仕様が、

モータ
型式水冷式永久磁石同期電動機
最大出力47kW
最大トルク180Nm
最高回転数8500min-1
  
インバータ
型式水冷式可変周波数電源装置
主要電源電圧DC330V
制御電源電圧DC12V
交流出力最大330Arms

となっていて、ちょっとビックリです。

出力は軽自動車のリミットである64馬力になっています。

同乗した感想

多少は予備知識がある方だと思っていますが、説明する方が運転席に着いて普通にキーを差し込むと、カーナビが起動しました。
ここで「あっ、エンジンが回っていない!」と実感しました。

エアコンのファンの回転音などがわずかにしますが、これはエンジン付き車でもエンジンを始動する前と同じですが、無音の状態で走行に移行する(としか言いようがない)のは非常に珍しいことと感じました。

一旦、道路に出ると自動車雑誌に紹介されている通り、トルク感はすごくてターボ車のような感じです。
速度が速くなるにつれて、走行音が大きくなって静粛という感じから、普通の車になりますが、信号待ちなどでは、ウィンカーの音が非常に大きく聞こえます。
止まっているときの静粛さは、すごいものでセンチュリーか?というほどのものです。

見かけよりも重いせいか、走行感そのものはけっこうゴッツイ車の印象がありますが、冷静に見ると普通の車であって、日常の実用には十分だと感じました。

冬場にヒーターを使うと、大幅に航続距離が短くなってしまうようですが、とにかく社会実験的にも使ってみるべき新型自動車であり、試乗するといった範囲では特別に問題もない、と思います。

9月 4, 2009 at 09:16 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.08.29

半球形ディスプレーシステム・14万円

technobahn より「14万円台で180度パノラマ型ディスプレイ、米社が販売を開始

カリフォルニア州に本拠を置くTOOB社というベンチャー企業が180度パノラマ映像を描写可能なディスプレイの販売を開始した。

180センチx90センチのドーム型パネル込みで販売価格は1440ドル(約14万円)と従来型の業務用ドーム型パノラマディスプレイと比べると価格は10分の1以下ということもあり、ゲームマニアの間では早くも注目を集めている。

このパノラマ型ディスプレイは半円形のドームの後ろ側から市販のプロジェクター(別売)を使って映像を入力し、それをディスプレイの前面に設置したドーム型ミラーに反射させることでパノラマ映像をドーム型パネルに映写するというものとなる。

TOOB社では市販のプロジェクターを利用できるようにすることで販売価格の大幅な低下を可能としたと述べている。

プロジェクターには民生用製品を使っているということもあり、プロジェクターが対応する限り、どんな映像入力であっても360度パノラマに変換することができるという利点は、3Dシューティングゲームやフライトシミュレーターなど幅広いエンタテイメントの領域に活用ができそうだ。

下の動画の場合、映像が歪んでいるように見えるが、ドームの手前中央部から見る限り、映像は正しく見える。

コロンブスの卵とでも言うべきなのかもしれませんが、動画にある通り半球形のスクリーンと対になっている半球形の反射鏡を用意して、普通のプロジェクターで投影すると半球形の動画が映し出されるというものです。

スクリーンと反射鏡で1440ドルはかなり微妙な価格だと思いますが、用途次第では色々使えそうです。

筑波科学博あたりでやっていたことが家庭レベルで実現することができるようになった、ということでしょうね。

8月 29, 2009 at 09:25 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.08.12

燃費の基準を作れ

AFP BB より「GM、新型ハイブリッド「ボルト」を11年発売 トヨタ追撃に本腰

【8月12日 AFP】
米自動車大手ゼネラル・モーターズは11日、2010年後半にプラグイン式ハイブリッド車の「シボレー・ボルト」の生産を開始し、11年に市場投入すると発表した。

GMによると、ボルトの市街走行時の燃費は、米基準で少なくとも1リットルあたり97キロとなる見通しだ。対するトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」は1リットルあたり21.26キロ。

GMはボルトについて、「プリウスの約4倍の燃費効率」をうたい、「ガソリン1ガロン当たり100マイル(1リットルあたり42.51キロ)以上の走行が可能な低燃費車としては、世界初の量産車」だとしている。

技術的に見ると、ボルトはハイブリッド車というより電気自動車に近い。

ガソリンエンジンも搭載するが、通常の動力源としては使用せず、主要動力源のリチウム電池の充電が切れた場合の発電用。

プラグインによる1回の充電で最高40マイル(約64キロ)の走行が可能で、ガソリン満タン時には300マイル(483キロ)以上の走行が可能だという。

GMのフリッツ・ヘンダーソン社長兼最高経営責任者は、「データで見る限り、日常走行においてはガソリンを使う必要はなく、純粋な電気自動車として使えるだろう」と語っている。
(c)AFP/Amandine Ambregni

この記事は朝から「プリウスの4倍」といった数字だけが伝わっていて「???」のままだったのだが、どうもキーワードは「現在のアメリカ基準」らしい。

ボルトは、自動車ニュースサイト Respose によると

GM(ゼネラルモーターズ)は9月16日、米デトロイトで創立100周年記念式典を行い、新型プラグインハイブリッドカー、シボレー『ボルト』を初公開した。ボルトは2007年1月のデトロイトモーターショーでコンセプトモデルを展示。今回は市販モデルが発表された。

ボルトは5ドアのFFセダンで、ボディサイズは全長4404×全幅1798×全高1430mm、ホイールベースは2685mm。トヨタ『プリウス』とほぼ同サイズだが、ボルトのほうが全幅は約75mmワイドで、全高は約60mm低い。エアロダイナミクスを徹底追求したボディは、とてもスタイリッシュだ。

ボルトの最大の特徴は、家庭用コンセントで充電できるプラグインハイブリッドカーという点。

最大出力16kWの大型リチウムイオンバッテリーを搭載しており、プラグを差し込んでおけば、240Vコンセントでは約3時間、120Vコンセントでは約8時間で充電が完了する。
GMは「1日あたりの電気代は約80 セント(約84円)と、コーヒー1杯の値段程度」と説明している。

フル充電時の最大航続距離は40マイル(約64km)と、多くのアメリカ人の通勤距離、20マイル(約32km)をカバー。
モーターは最大出力 150ps、最大トルク37.7kgmを発生し、最高速度は約161km/hと実用性も十分だ。もちろん、基本的にEVなので環境に優しい。

ボルトはエンジンも搭載しているが、プリウスとの最大の違いはエンジンが駆動用ではなくバッテリー充電専用という点。

バッテリー残量が少なくなると、発電用の小型エンジンが始動。スムーズに充電が行われ、航続距離は数百マイル伸びる。エンジンの燃料はガソリンだけでなく、エタノール85%とガソリン15%を混合した「E85」燃料にも対応している。

ボルトは2010年後半から生産が始まり、アメリカに2011年モデルとして投入される。

GMのリック・ワゴナーCEOは創立100周年記念式典で、「ボルトがGMの次の100年を切り開く革新的モデルとなる」と自信たっぷりのスピーチ。
ガソリン価格高騰が続く中、GMはボルトの維持コストについて、「同クラスガソリン車の約6分の1」と試算しており、車両価格次第では大ヒットとなる可能性がありそうだ。

ガソリンの他に電気を補給できると考えるべきで、いきなりガソリン消費量で走行距離を割っても、ガソリンを使用しない、20マイルの範囲では「燃費は無限大(の走行距離)」になってしまう。

普通に走行に必要なエネルギーをガソリンから供給したら、リッター当たり100キロなどというのスパーカブを上回ってしまう。
(スパーカブは60km/h定地走行で63.5km/L)

要するに、電池だけで走っている区間も織り込んで「燃費」と言っているわけで、これでは比較のしようがない。

今までは、一種類の燃料だったから「燃費」という分かりやすいデータの比較が出来た。
それがエネルギー源が二種類になったから、こんなことになるのですね。

電池自動車も登場したのだから、もっと分かりやすく間違えようのない「燃費」の定義を決める必要があります。

8月 12, 2009 at 07:58 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.07.29

競泳用水着の新規定

朝日新聞より「非透水性素材は一切認めず 高速水着めぐり新規定

国際水連は28日の理事会で、記録の大幅な伸びを助けている高速水着に歯止めをかけるため、素材を織物のみとする新規定を決めた。

透水性のない素材は一切認めず、世界選手権で続出している新記録を助けているラバーやポリウレタン製水着だけでなく、織物素材にポリウレタン製パネルを張り付けている高速水着の火付け役ともなった「レーザー・レーサー」も使用できなくなる。

当初は10年1月から適用予定だったが、メーカーなどが対応に時間が必要として来春まで延ばした。

水着が体を覆う範囲を男子選手は腰からひざまで、女子選手は肩からひざまでとした。

あるメーカー担当者は「これで水着はシドニー五輪以前の水準まで戻る。現在の記録を破るのは相当難しい」と話した。(阿久津篤史)

透水性のない素材は一切認めず
としても今度は「透水性とはなんぞや」ということになりそうに思います。

記事では「繊維製品はOK」のように受け取れますが、原理的にはどういう繊維だって作れるわけで、非透水性の繊維製品は成り立つだろう。

いっそ、自由勝手にした方が面白いのではないだろうか?

7月 29, 2009 at 07:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.25

2007年から飛べない飛行機

朝日新聞より「空自次期輸送機、飛べるのはいつ 強度不足解決できず

航空自衛隊の主力輸送機C1の後継の次期輸送機(CX)開発をめぐって、試作機の製作段階で発覚した機体の強度不足が解決できず、当初07年夏に予定されていた初飛行が現時点でも見通しさえ立っていないことが分かった。

量産化の予算計上も見送られており、12年度に始まる予定だった部隊での運用も大幅に遅れる公算だ。
C1の退役を遅らせる必要があり、空自の輸送業務に支障が出る可能性も出てきた。

防衛省によると、当初の計画では、主担当企業である川崎重工業が

  1. 07年夏ごろに社内で試作機の初飛行を実施。
  2. 08年3月末に試作機1号機を、
  3. 09年度半ばに試作機2号機を防衛省側に引き渡す予定だった。
  4. その後は防衛省が飛行試験を重ねながら改良を加える計画だった。

ところが、07年5~7月、強度試験用に同省に納入された試作機を使って同省技術研究本部が調べたところ、荷重を加えると水平尾翼の一部が盛り上がったり主脚が傾いて胴体部と接触したりするなど、構造上の強度不足が次々と明らかになった。

08年度から始まる予定だった量産化の機体調達のための予算計上も見送りが続いている。

防衛省幹部は「事実上、設計やり直しの状態。部隊での運用も当初予定より大幅にずれ込むだろう」と話す。

胴体部の太さが前部から後部までほぼ均一な民間機の形状と比べ、物資の出し入れのため尾翼下の後部扉が開閉する輸送機の構造は、胴体後部が胴体前部よりかなり細いのが特徴。

また、CXはデザインも重視して機体の背中の部分をかなり平べったい形状にしており、強度不足につながっている、との分析も防衛省内にはあるという。

自衛隊幹部は「民間機と比べ輸送機の強度計算は複雑なので、機体の設計も難しい。C1以来、40年近く国産で輸送機を作っておらず、技術が伝承できていない、という防衛産業が抱える課題が根底にある」と指摘する。

CXの実用化が遅れる間は、運用開始から35年以上たつ現在のC1の退役を遅らせて「時間を稼いで延命する必要がある」(防衛省幹部)という。

耐用年数を延ばすためには、C1の飛行時間を少しずつでも減らす工夫が必要。

本来、C1が担っている国内の輸送業務の一部を民間航空機や地上の輸送に振り替えたり、もう一つの固定翼輸送機であるC130(16機保有)に代用させたりするなどの案が検討されている。

ただ、C130はイラクでの多国籍軍のための輸送任務が終わったことで一時期よりは運用に余裕が出てきたとはいえ、「今後、海外で新たな輸送任務が課せられた場合、足りなくなる」(自衛隊幹部)との懸念もぬぐいきれない状態だ。(土居貴輝)

〈次期輸送機(CX)〉

73年に運用が始まった航空自衛隊の現在の主力輸送機C1(26機保有)が耐用年数を迎えるため、防衛省が01年度から開発を進めている次期輸送機。

40機を調達する予定。
海上自衛隊のP3C哨戒機の後継機「PX」と同時開発を進めており、開発費はCXとPXあわせて約3400億円。

C1が貨物を2.6トン積んだ際の航続距離が1700キロであるのに対し、CXは12トン積んだ際の航続距離が6500キロと、輸送力が大幅に向上する。

2007年7月4日にロールアウトして、7月末には地上走行する動画がネットにアップされていますが、その後記事の通り強度不足だとなって丸々2年経った現在でも、初飛行のめどが立たないとなってしてしまっています。

全然初飛行できない大物飛行機がボーイング787ですが、こんな記事がありました。
西川渉氏の Aviation Now より「年内の飛行は無理か

ボーイング787は7月7日から走行試験を始めたが、初飛行の日程はまだ決まっていない。主翼取りつけ部の強度補修をどのように実施するか、その方法も未定。

というのも強度不足の問題が、予想以上に複雑であることが判明したためで、この分では初飛行は年内は無理かもしれないと見られるに至った。

それというのも、まず主翼と胴体の接合部を再設計する必要があるかもしれない。そのうえで飛行試験に使う機体を補修する前に、先ず地上試験機の補修をして強度試験にかけ、結果を確認したうえで飛行試験機を補修する必要があるのではないかという考えが出てきた。

とすれば、地上試験機の補修と確認試験だけで1~2ヵ月を要する。その後で飛行試験機を補修し、飛行までの確認試験をおこなうのに再び2ヵ月ほどかかる。さらに、いったん完成した機体に新しい部品を組みこむのは極めて困難という意見もあって、年内の飛行は難しいというのである。

当初、6月23日に初飛行の延期を決めたとき、ボーイングの説明は少数の部品を改修するだけだから、作業は簡単ということだった。しかし、問題を探ってゆくうちに意外に難しいことが分かってきたのである。

第一に上記のような問題があるが、補修の方法と設計が完成しても、次は主翼取りつけ部の内部に作業員がもぐりこんで、狭いところで細かい作業をしなければならない。それもチタニウムや複合材に微妙な穴をあけたりするわけだが、これらの材料に穴をあけるだけでも容易ではない。

もとより作業をする前には、主翼の中から完全に燃料を抜かなければならない。これまた厄介な仕事である。

B787の当初の開発予定は、

  1. 2007年7月のロールアウト
  2. 8月から9月ごろに初飛行
  3. 型式証明取得は2008年5月
  4. 2008年8月の北京オリンピック開催時に全日空が羽田 - 北京間のチャーター便に使用

であったのだが、2007年7月8日のロールアウトでは実際に機体内部ができていないドンガラであったと言われ、その後分解されて再加工が続いて、すでに原型4号機を組立中といった情報が伝わってきているのだが、ようやく地上滑走ができる段階で、強度不足で手直しの方法が決定しないというのが現状のようです。

飛行機も100年の技術の集大成ですから、今どき「強度不足」に直面するというのにはビックですが、元もと飛行機はギリギリの設計をするものであるし、新素材の利用など経験がないところも多いのかと思いますが、それにしても実物大模型(モックアップ)をCADの応用であるバーチャルモックアップを使うなど、大幅にコンピューター利用をしていて、この結果というのは「コンピューター利用のレベルが不十分だったのか?」と思ってしまいます。

設計者に必要なセンスが失われたというところがあるのでしょうか?
巨大技術の実現に世界レベルで警報が灯ったと見るべきなのかもしれません。

7月 25, 2009 at 08:17 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.30

GMトヨタも大変だ

Bloomberg.co.jp より「米GM:トヨタとの米加州合弁から撤退-将来の製品計画で合意できず

6月29日(ブルームバーグ):

経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、カリフォルニア州フレモントにあるトヨタ自動車との合弁工場で今後生産する製品についてトヨタと合意できなかったとし、合弁事業から撤退すると発表した。

「ポンティアック」ブランドの小型車「バイブ」やトヨタのハッチバック「マトリックス」を生産する合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI)は8月にGM車の生産を打ち切る。

GMはトヨタの生産について学ぶ方法として、1984 年にNUMMIを立ち上げた。
一方、トヨタは米国で自社の生産方式を試した。

GMの北米部門責任者、トロイ・クラーク氏は発表文で
「広範な分析の結果、GMとトヨタはあらゆる当事者にとって意味のある将来の製品計画について合意できなかった」と説明した。

今回の提携終了は、GMが1日に破産法適用による会社更生手続きを申請した後、経費節減を推進していることに伴うものだ。GMは赤字に陥っているドイツ部門オペルの大半を売却するほか、1300余りのディーラー削減、15工場の閉鎖または休止、数千人規模の人員削減を計画している。

CSMワールドワイドの産業アナリスト、マイケル・ロビネット氏は「1984年の時点では、NUMMIには明確な使命があり、トヨタとGMの双方にとって有用だった」とし、「その段階は過ぎた可能性が高い。トヨタは今やNUMMIの事業の存続性を見直さざるを得ない」と指摘した。

トヨタは29日、GMがNUMMI合弁事業からの撤退を選択し、 25年にわたる長期間に成功を収めてきた提携を終わらせることを残念に思うとし、トヨタは折半出資の合弁事業の存続を望んでいたとの声明を発表した。

IBTimes より「米GM、トヨタとの合弁会社から撤退

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車は29日、両社の合弁会社ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチュアリング(NUMMI、米カリフォルニア州)から撤退すると発表した。注目を集めた25年に渡る合弁事業が終了する。

GMの広報担当エレイン・レッド(Elaine Redd)氏は「(同合弁事業は)新しいGMの一部にはならない」と述べた。

GMは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の手続き完了後、優良資産で構成される「新GM」と清算会社の「旧GM」に事業を分けて運営していく方針で、NUMMIの経営方針についてもトヨタと協議を進めていた。
しかし「将来の生産計画について合意に至ることができなかった」ため、NUMMIは「旧GM」の保有株に移されることになったという。

NUMMIでは8月末までステーションワゴン「ポンティアック・バイブ」の生産が予定されていた。
しかしポンティアックブランドは廃止が予定されており、両社の間では次に生産する車種選定のための協議が難航していた。

同工場では約4,600人の従業員が働いており、トヨタの小型乗用車「カローラ」とピックアップトラック「タコマ」も生産されている。

トヨタの広報担当ゾー・ジーグラー(Zoe Zeigler)氏は、同社がGM撤退の埋め合わせのため、NUMMIでの生産車種を増やすか、もしくは現行生産ラインの質を高めるについてはまだ決定していないと語った。

GMとトヨタは1984年、折半出資し同合弁事業を立ち上げた。GMにとってはトヨタの生産ノウハウを学ぶ機会となり、トヨタにとっては米国への進出を達成する機会となった。

Bloomberg.co.jp より「トヨタ、GMにプリウスをベースとする車種供給を提案も

6月29日(ブルームバーグ):

トヨタ自動車は再建中の米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、ハイブリッド車「プリウス」をベースとする1車種の供給を提案する公算がある。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

計画が非公開であることを理由に関係者らが匿名を条件に明らかにしたところでは、8月に予定されるトヨタの豊田章男社長とGMのフリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)との会談で提案が行われる可能性がある。

両社の合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI、カリフォルニア州)で製造するGMの小型車「ポンティアック・バイブ」は生産の打ち切りが決まっているが、関係者らによれば、これに代わる新製品として、プリウスをベースとするGMブランドの乗用車など複数の選択肢が検討されている。

世界で最も売れているハイブリッド車、プリウスをベースとする車種をGMが製造することになれば、輸入車の購入に抵抗がある消費者の獲得に役立つほか、GMが合弁工場の操業を継続する可能性が出てくる。

一方、関係者2人が今月ブルームバーグ・ニュースに語ったところでは、トヨタはミシシッピ州工場でのプリウス生産計画を棚上げにした後、NUMMIをプリウスの生産拠点とすることを検討しているという。

GMが新旧に分かれることは決定事項なので、NUMMIが旧GMになった場合は、オペル同様に売却といったことになりますから、結果として合弁解消になります。
もちろん、合弁事業の継続が出来ないから旧GMに移行するということもあるわけで、ニワトリと卵の関係です。

そこにNUMMIでプリウス生産では、当事者(4000人)にとっては疑心暗鬼になってしまいそうですね。厳しいものですね。

6月 30, 2009 at 12:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.26

787・6月の初飛行は実現せず

FujiSankei Business iより「787初飛行、5回目のお預け 納入時期未定、ボーイング株急落

米ボーイングは23日、今月30日を目標としていた次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の初飛行を延期し、航空会社への納入時期も向こう数週間未定だと発表した。

これを受け、23日の米株式市場で同社の株価は昨年11月以来最大の下げとなった。

同社民間航空機部門のカーソンCEO(最高経営責任者)はこの日の電話会議で、主翼よりも上の胴体部分に想定を上回る負荷がかかっている状況が判明したため、初飛行延期を決めたと述べた。

今回で初飛行の延期は5回目。

初延期となった2007年10月以降、ボーイングの株式時価総額は半分余り減少している。

カーソンCEOは今月16日、同日にも787が「飛行できる」との認識を示し、月末までに飛行実施する計画を強調していた。
同CEOはこの日、16日時点でボーイングは問題を把握していたが、19日まで飛行延期を決定しなかったと説明した。

787は来年1~3月期の納入が計画されている。

DAデービッドソンのアナリスト、J・B・グロー氏はインタビューで「初飛行延期で少なくとも納入開始が数カ月遅れる」と指摘し、「最良のシナリオでも開始は2010年半ばだろう」と語った。

787型機の複合材主翼のメーカーは三菱重工業で、同主翼と結合する胴体部品を製造するのは富士重工業。
問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われており、これら3社が解決に向けて取り組んでいると、同機を担当するボーイングのゼネラルマネジャー、スコット・ファンチャー氏は説明した。
同氏によれば、初飛行の新たな時期は「向こう数週間以内に」明らかにする。

787は、材質を工夫することで同社の従来機に比べて20%燃費効率を高めた点が特徴。
今回、問題となっている部分について、同社は比較的修正は簡単で、飛行機全体の重量を増やすことにはならないとしている。

ノースウエスト航空と合併し世界最大の航空会社となったデルタ航空の広報担当者は、今回の初飛行延期を受け、「787の発注については何の変更もない」と説明した。
同社は787を18機発注しており、2013年に初めての納入される予定。
同氏は納入スケジュールについて、「ボーイングと緊密に連絡をとっている」とした。(Drew Benson)

Bloomberg

technobahnjapan より「B787構造欠陥問題、問題箇所は三菱重工の製造部品

009/6/26 00:25

ボーイングが開発中の次世代旅客機、B787で新たに見つかった構造上の欠陥(強度不足)は日本の三菱重工 (7011) が生産を請け負った主翼を機体本体とを接続する構造部分であることが24日までに明らかとなった。

英航空専門誌「フライトグローバル」によると、構造上の欠陥が見つかったのは具体的には、三菱重工が生産した「Section 12」と呼ばれている主翼構造部品。

「Section 12」には主翼構造を支えるストリンジャー(stringer)と呼ばれる梁が主翼の先端から付け根まで通っており、ストリンジャーキャップを通じて機体本体と接合が行われている。
しかし、規定値の120~130%の負荷をかけたストレステストの結果、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの一部に損傷が生じ、ストレス要件を満たすことができないことが判った模様だ。

ボーイングでは当初、主翼のストレステストの結果、ストリンジャーキャップに生じた損傷は軽微なもので深刻な問題ではないと判断をしていたが、その後、実施された詳細検査の結果、ストリンジャーキャップの強化が必要であるという判断に至ったとしている。

「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化を行う場合、既に完成した飛行テスト用の2機(ZA001/ZA002)に関しては再び製造工程に戻して主翼部分の接合をし直す必要が生じる。また、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化は単に強化を施せば良いという性格のものではなく、強化を実施した場合には再び、主翼のストレステストまで戻って品質検査をやり直す必要性が生じることとなり、B787の製造開発は大幅な後退を余儀なくされることとなる。

今のところ、新たに見つかった機体の構造問題に関連してボーイングからは納期再延長の正式発表は行われていないが、状況的に顧客納期が数ヶ月から半年程度の遅延が生じるのは必至な状況だ。

製造・製法のミスであれば作り直せば良いわけですが、荷重を掛けたら破損したというのでは、設計の失敗なのでありましょうか?

日本でも、自衛隊の新型輸送機C-Xが似たような強度不足で2007年7月にロールアウトしましたが、現在に至るまで飛行せずに改修中です。

あまりにギリギリなところを狙って、設計上の見逃しや検討不足が現物を作ってから明らかになる、といったところがあるのでしょうか?

787は軽量化による大幅な燃費向上がウリなので、あまりに極端な重量増加は787の商品価値そのものを下げることにもなり、ポーイングとしては厳しい局面に至ったというべきでしょう。

6月 26, 2009 at 08:48 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.06.21

高温ガス炉発電所をカザフスタンに建設?

東京新聞より「カザフ、日本の新型原発導入へ 18年完成目指す

【セメイ(カザフスタン北東部)20日共同】
カザフスタン北東部にある旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に接する、かつての軍事閉鎖都市クルチャトフに、日本の技術を導入して発電効率の高い原子炉「高温ガス炉」による新型原子力発電所の1号機の建設が計画されていることが分かった。

カザフスタン国立原子力センターのカディルジャノフ総裁が19日、共同通信に明らかにした。

同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。

1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。

核兵器の被ばく問題を抱える両国が、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。

総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。

日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。

1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用の温熱も供給する方針。

予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行(JBIC)に資金協力を要請しているという。

本当かよ?としか思えないニュースですが、日本の高温ガス炉については独立行政法人・日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センターのHPにある、「HTTR」に詳細が出ています。

HTTRの構造と特徴

HTTRの構造と特徴について説明致します。

  1. 燃料について
    燃料には、仁丹粒の大きさの約半分ほどの被覆燃料粒子を用います。この被覆粒子燃料は、小さなウラン燃料の球状の粒子をセラミックで4重に包むことで、高温に耐え放射性物質が燃料粒子の外にでるのを防止する構造になっています。
  2. 炉心構造材について
    炉心構造材には昇華点が約3700℃の黒鉛を使いますので、耐久温度が極めて高く、かつ熱容量の大きな炉心になっています。
  3. 冷却材について
     冷却材にはヘリウムガスを使用します。ヘリウムガスは化学反応せず、放射性を帯びることもない非常に安定なガスで、また相変化もしません。

HTTRの主要仕様

熱出力30MW
一次冷却剤ヘリウムガス
一次冷却剤圧力4MPa
原子炉入口温度395度C
原子炉出口温度最高950度C
炉心構造物黒煙
燃料セラミック被覆した、二酸化ウラン微粒子
国外の動向を見てみると、発電プラントとして実用にはなっておらず、研究炉止まりのようですから、日本も競争力があるということのようです。
気になる記述としては

海外で高温ガス炉の開発を積極的に進めた国にアメリカとドイツがあります。
これらの国の発電用原型炉は、財政的理由等から運転を終了していますが、
その成果は日本、中国や南アフリカなどの計画に引き継がれています。

実用化するためには、投資可能なコストの範囲で元が取れなくては絵に描いた餅になってしまうわけで、実用になっている原子力発電は100万キロワット以上ですから、HTTR では1桁は出力が少ない。

以下は、各国の計画です。

南アフリカPBMR400MW
ロシア、アメリカGT-MHR600MW
アメリカNGNP600MW

こうなると、ニュース記事の「1号機の発電能力は5万キロワット」というのはどういう意味があるのだろう?
なんかよく分かりません。

高温ガス炉は、比較的安くできるのだそうですが、それでも出力がどのくらいにするのが適切のか?と感じます。

6月 21, 2009 at 09:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.25

ボーイング787・まだ飛ばない

technobahn から、最近のボーイング787の記事を並べてみます。

2009/05/2319:05ボーイング、B787の初飛行テスト日程を再調整
2009/05/2318:47ボーイング、B787のエンジンテストを開始
2009/05/1621:04ボーイングの次世代旅客機「B787」が遂に完成
2009/03/0619:26ボーイング、B787の飛行テストを6月から開始へ
2008/10/2411:55ボーイング、B787の出荷予定日がまた延期の可能性・ストライキの長期化で生産遅延
2008/08/2820:16ギアアップ!
2008/06/2419:09ボーイング787の1号機がようやく完成、これから電源を入れます
2008/04/1019:27ボーイング、B787「ドリームライナー」の納期を再々延期

2008年4月から2009年5月23日までの記事ですから、約1年分と言えますが苦闘の連続とでも言うべきでしょう。

全日空も待機状態なのでしょうが、1号機はエンジンテストを開始。量産2号機は全日空の塗装で公開済み、試験飛行に使用予定。全日空への納入(納入1号機)は量産7号機。ということらしいです。
かなり複雑なプログラムを動かしていますね。

これでテスト段階でまた大修正箇所が見つかったら大変です。

ボーイング、B787の初飛行テスト日程を再調整

2009/5/23 19:05 -
ボーイングは21日、地上試験日程の都合によりB787の初飛行テストのスケジュールに再調整したことを明らかにした。

同日行われた株主向け説明会の席上で、スコット・フランチャー(Scott Fancher)ジェネラル・マネジャーは、地上試験の日程を再調整する必要性が生じたとした上でB787の初飛行は2009年第2四半期(4-6月期)の後半に実施する方向で調整していると述べた。

同社では当初、B787の初飛行は今月末から来月初頭にかけて実施するとの見解を示していた。

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ボーイング、B787のエンジンテストを開始

2009/5/23 18:47 -
ボーイングは21日、先月末に完成したばかりのB787の1号機を使った最初のエンジン稼働テストに着手したことを発表した。

エンジン稼働テストは太平洋標準時で同日午前9時30分から開始され、できたての航空機に据え付けられた2基のロールスロイス・トレント1000型(Rolls-Royce Trent 1000)エンジンは電子制御で起動された後、約40分に渡って稼働を続けた。

同社では初のエンジン稼働テストは順調に進んでいると述べており、飛行テストに向けた地上での最終準備段階に移る。

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ボーイングの次世代旅客機「B787」が遂に完成

2009/5/16 21:04 -
ボーイングが開発を進めてきた次世代旅客機「B787」が遂に完成、マスコミ向けに映像が公開された。

今回、公開されたB787は量産2号機で6月末からの開始が予定されている試験飛行用の機体となる。

機体は日本の旅客会社、全日空 (9202) からの要望を受けてTV CM撮影用に全日空の機体ペインティングが施された状態となっており、初飛行の模様は全日空のCMにも利用される予定ともなっている。

ただし、ボーイングでは、この機体は試験飛行専用のもので実際に全日空向けに納品される機体は量産7号機になると説明している。

量産2号機を使った全日空のCMは来年夏頃のオンエアとなる見通し。

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ボーイング、B787の飛行テストを6月から開始へ

2009/3/6 19:26 -

ボーイングは製造開発中の次世代中型旅客機、B787「ドリームライナー(Dreamliner)」の初飛行テストを6月に実施する方向で最終準備段階に入った。

ボーイングでは当初、2007年中に飛行テストを終えて2007年5月に最初の機体を日本の全日空 (9202) に納品を行うことを予定していたが、B787から新しく導入した機体の製造管理につまずき、納品予定日を再三に渡って延期。更に昨年10月には国際機械整備士組合(International Association of Machinists)との間の労使交渉がこじれてストライキにもつれ込んでしまったためて、改めて納品予定日の延期を行っていた。

今のところ再遅延が発生しなければ飛行テストは6月から開始。その後、米連邦航空局(FAA)による型式認定作業が実施された上で、2010年8月に最初の機体の納品が実施される予定。

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ボーイング、B787の出荷予定日がまた延期の可能性・ストライキの長期化で生産遅延

2008/10/24 11:55 -
ボーイングのジム・マックナーニCEO(経営最高責任者)は23日、決算発表後に行われたプレス向けのカンファレンスの席上でB787「ドリームライナー」の生産スケジュールに付いて言及し、「ストライキの影響により787の生産に僅かだが遅延が生じる恐れがでてきた」と述べた。

2000名の整備士削減計画を掲げたボーイングの方針に対抗するために、職業別労働組合の一つとなる国際機械整備士組合(International Association of Machinists)とのストライキを起こすと同時に、労使交渉も難航し、ストライキ長期化の見通しとなってきたことが、今回の納期予定日延期の原因。

現状のスケジュールでも既に当初の計画に比べて15ヶ月の遅延が発生しており、今後、AMのストライキによる生産遅延分が加味された場合は遅延は16~17ヶ月に達する恐れがでてきた。

ボーイングは今のところ、2009年7-9月期に最初の飛行テストを実施し、続く10-12月期に顧客(全日空)へのファーストデリバリーを行うことを計画していていた。

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ギアアップ!

2008/8/28 20:16 - 画像は今月実施された開発中のボーイング787「ドリームライナー」の着陸用ギア昇降テストの模様。

テストは操縦席にある着陸用ギアの計器を操作することにより実施され、開発中の787の着陸用ギアは無事に、規定のポジションまで昇降した上で機体内に格納、その後、再び、ダウンポジションまで降下する一連の動作を繰り返すことに成功した。

着陸用ギアの昇降操作には電気系統から油圧系統、機体構造部分まで複数の機構が複合的に関わる複雑なもので、今回のテストでは、ノーズギア、レフトギア、ライトギアの3つのギアの昇降テストを個別に実施した後、今度は3つを連動しれ動かすテストが実施された。

今回、着陸用ギア昇降テストが終了したことを受けて、787の開発もいよいよ最終段階に近づいてきたこととなる。

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ボーイング787の1号機がようやく完成、これから電源を入れます

2008/6/24 19:09 - 画像は今月初頭、完成したばかりのボーイングの次世代旅客機、B787「ドリームライナー」を起動するための「パワーオンシーケンス」を実行するために機体に電源プラグを挿す作業員の模様を撮影したもの。

「パワーオンシーケンス」を実施するに先駆けてボーイングでは、B787の膨大な配線の接続性や、電子回路の全ての状態を個々に確認する作業を数ヶ月に渡って実施。6月に入ってからようやく、電源を入れる「パワーオンシーケンス」を実施できる状態にまで漕ぎ着けた。

電気系統は複数のセグメントに分かれており、この画像に写っているのはその内の一つとなる。

しかし、ボーイングが社運をかけて開発をしてきたB787の場合でも普通の電気機器と同じようなコンセントプラグがあり、電源を入れるには電源コードをプラグに挿さなければならないというのはちょっと面白い。

今回、完成したこの1号機、今後更に機体の機器の検証が行われた後、年末にも最初の試験飛行が予定されている。

遅延に遅延を重ねてきたB787がここにきてようやく完成し、初飛行に向けた最終準備(といってもまだ初飛行には半年近くもかかるが)に漕ぎ着けることができたのは、ボーイングにとっては最大の朗報に違いない。

しかし、ここにきてボーイングにはもう一つ、大きな朗報が寄せられる結果となった。

米空軍が今年の2月末、次期空中給油機に欧州航空宇宙最大手のEADSとノースロップ・グラマンが中心となって開発を進めてきたにKC-45/A330 を選定したことは不当だとして、ボーイングからの監査請求を受け、調査を進めてきた米会計検査院(Government Accountability Office)は18日、ボーイング側の主張を認め、米空軍がKC-45/A330を選定したのは誤りであったという判断を下したからだ。

米空軍の次期空中給油機選定は振り出しに戻ったわけだが、監査報告書のなかでGAOは、米空軍が次期空中給油機にKC-45/A330を選定した理由には「複数の重大な誤り」があったと述べた上で、公平な観点から両者のコストパフォーマンスを比較検討した結果、KC-45/A330を次期空中給油機に選定した米空軍の判断は誤りだったとする見方を示すなど、ボーイング社の主張をほぼ100%組み入れたものとなった。

良いことは続くものである。

もっとも、競合のEADS(エアバス社の親会社)にとってはこの上もない悪いニュースではあるが…

画像提供:Boeing

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ボーイング、B787「ドリームライナー」の納期を再々延期

2008/4/10 19:27 - ボーイング社は9日、開発中の次世代中型旅客機、B787「ドリームライナー」のファーストデリバリーの納期を2009年7-9月期に延期したことを発表した。

B787の納期は当初、今年5月の予定だったが、昨年10月に2007年11月か12月に延期。今年の1月には再び、2009年始めに延期していた。

初号機の組み立ては順調に進んでいる模様だが、下請け業者からの部品到着が予定以上に遅れる事態が発生したため、予期していなかった再作業が発生したことや、試験スケジュール確保のために、初飛行の実施時期を2008年10-12月期に延期したことが今回の納期の再々延期へとつながった。

今回の納期延期の発表に関してボーイング社の民間機部門担当のスコット・カーソンCEO(経営最高責任者)は「これまで数ヵ月以上にわたり、我々は、プログラムが直面している解決しなくてはならない問題に積極的に取り組んでおり、着実に前進しています。それでもなお、サプライヤーからの調達状況の遅れ、予期していなかった再作業が発生し、2008年1月に打ち出したマイルストーン達成を阻む結果となってしまいました。我々が今回変更したスケジュールは、達成可能かつ信頼性の高いものです。 787型機の基本設計および技術は依然として信頼性の高いものですが、ファーストフライト前の試験やフライトテスト・プログラムにおける試験など、これから対応していく課題のために、スケジュールに余裕をもたせているのです」と述べ、今回発表した納期に関しては厳守する考えを明らかにした。

今回、ボーイング社がB787の納期を再々延期したことに関しては、B787の導入を決めていた航空会社の間からも不満の声も持ち上がってきており、 B787のファーストデリバリー組に入っている航空会社からはボーイング社に対して納期遅延によって生じる損害金の賠償を要求する動きなどもでてきている。

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5月 25, 2009 at 09:41 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.30

シンドラーエレベータ事故・メーカの担当者を立件

サンケイ新聞より「シンドラー社 週内にも書類送検 EV事故 情報引き継ぎ不十分

東京都港区のマンションで平成18年6月、都立高2年生=当時(16)=がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、警視庁捜査1課は29日、保守点検に必要な過去のトラブル情報を保守点検業者に十分に引き継がなかったことなどが事故につながったとして、業務上過失致死の疑いで、製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守点検を請け負った「エス・イー・シーエレベーター(SEC)」(台東区)の担当者ら数人を週内にも書類送検する方針を固めた。

シンドラー社は事故の1年以上前に保守点検業務から外れ、事故機はかごの上下動を指示する制御盤などに構造上の欠陥がなかった可能性も高い。

このためシンドラー社の過失の立証は難航したが、捜査当局は「メーカーが一義的に責任を負うべきだ」との認識から捜査を続け、情報の引き継ぎが不十分だったと判断。発生から約2年10カ月で立件にこぎつけた。

同課によると、事故機はブレーキドラムを左右からブレーキパッド付きのアームで挟んで静止させる。
制御盤と連動した電磁コイルが作動してアームが開閉されるが、コイルの不具合でパッドが完全に離れないままドラムが回転したことでパッドの摩耗が進み、ドラムを押さえつけられなくなったとみられる。ブレーキ周辺ではパッドが削れてできた黒い粉が落ちていた。

SECの点検員は事故の9日前に事故機を点検していたが、「黒い粉はなかった」と供述。しかし同課は同機種の再現実験で点検前には黒い粉が落ちるなど異常があり、点検員が見落とし、パッド交換などの処置を怠ったと断定した。

同課によると、シンドラー社は10年から17年3月まで事故機の点検を請け負っていた。

この間に事故機でトラブルが度々あり、16年11月にはブレーキの不具合も発生。

同課はシンドラー社側から事情聴取を重ね、過去のトラブルに関する情報が後継の保守管理業者だったSECなどに引き継がれず、SECによる保守点検を不十分にさせた一因との結論に達したという。

毎日新聞より「エレベーター事故:シンドラー社員も立件 6人書類送検へ

東京都港区のマンションで06年、都立小山台高2年生(当時16歳)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査1課は週内にも製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の担当者計6人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。

シンドラー社についてはエレベーターの製品自体には欠陥がないとして、立件は困難と見られてたが、稼働当初の7年間に保守管理も請け負っていた点を重視。故障情報や点検マニュアルなどを引き継いでいれば事故は防げた可能性が高いと判断した模様だ。

高校生は06年6月3日午後7時20分ごろ、港区芝の自宅マンション12階で、降りようとしたエレベーターの扉が開いたまま急上昇し、建物の天井とエレベーターの床との間に挟まれ死亡した。

港区などによると、シンドラー社はエレベーターの稼働が始まった98年4月~05年3月まで保守管理を担当。その後は別の会社が引き継ぎ、事故2カ月前の06年4月からエス社が担当していた。

シンドラー社は事故後の会見で、保守管理を担当していた7年間で住民が閉じ込められるなどの故障が27件あったことを明らかにしている。

捜査幹部によると、04年11月にはブレーキの不具合が原因とみられるかごの停止もあったという。しかし、シンドラー社はこれらの故障情報などを引き継がず、点検マニュアルも渡していなかった疑いがある。

一方、エス社は、点検作業員(29)らが事故9日前に点検した際、ブレーキパッドの摩耗で出た粉の堆積(たいせき)などの異常を見逃した疑い。

捜査1課の実験で、事故機はブレーキを作動させる電磁コイルに不具合が生じ、ブレーキがかかった状態での運転が続いたことが判明している。このためブレーキパッドが摩耗し、ブレーキが機能しなくなり、かごが急上昇したとみられる。
【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】

◇消費者保護の流れが加速

警視庁が製造元の「シンドラーエレベータ」の担当者を立件する方針を固めた背景には、製品による被害の防止や救済を目的とした消費者保護の流れを重視したことがあるとみられる。

事故機を巡っては、シ社が保守管理を請け負っていた稼働当初の7年間で計27件の故障が発生。
当初はエレベーター自体の欠陥を問う見方もあった。しかし、製品には問題がないことが判明したため、警視庁は故障情報や点検マニュアルを引き継いでいなかったという点に着目し、立件の「壁」を突破した。

エレベーターの保守点検は、大手メーカー系列の会社と「エス・イー・シーエレベーター」のような独立系に分かれる。
業界関係者によると、大手は秘密保持を理由に自社系列でない会社に設計図などを渡さないことが多いという。

シ社は事故後の会見で、点検マニュアルなどについて「業者側から要請がなかった」と説明した。

事故を受け、国土交通省は定期検査・報告制度(年1回)を見直すなど建築基準法令を改正。エレベーターの所有者に、自治体への故障情報の報告を義務づけた。保守会社の間での情報共有などを目指したものだが、メーカーを含めたすべての関係業者が事故を教訓に徹底した安全対策を進める必要がある。【佐々木洋】

個人的な感想としては、どうにも抵抗がある立件ですね。

エレベーターの設計思想に問題があるのではないのか?と思いますが、製品がどのような設計思想で作られていて、どういう使い方をするべきなのかは購入者が判断するべき事柄でしょう。

そうなりますと、エレベーターのように複数のメーカーがありビルのオーナーが設備として選択するときに、どのような判断基準で購入したのか?によっても、事故になる・ならないといった現実があると考えます。

すべての工業製品が、一様の性能を持つことはあり得ないわけで、例えば「メンテナンス費用を掛ければ長期間使える」、というヨーロッパの自動車の設計と「短期間で更新するからランニングコストは安い」という考え方の日本車は、何十年か前は全くの別物と言っても良いほどの違いがありました。

この事故は、電磁ブレーキの故障が原因です。
電磁ブレーキの電力が切れますと、バネの力でブレーキが掛かる仕組みになっていました。
これが、不良になって、常時ブレーキパッドが接触していたために、摩耗してしまったついにはブレーキが利かなくなって、重りに引っ張られたかごが勝手に上昇しました。
ということでした。

制御的には、ブレーキが掛かっている状態の時に、それが制御信号以外の状況であるとこを関知する動作確認機構が無かったのではないのか?と思われるのですが、もしそうであれば根本的に設計が危ういというべきでしょう。

設計ミスが死亡事故になった、と判断して良いと思うモノには、三菱ふそうの車輪脱落事故がありました。
しかし、これも国交省がかなり怒っていたようですが、結局は設計ミスとはなりませんでした。

こうなりますと、事故調査委員会の拡充をして、非常識な設計について危険を指摘するようにするべきだと強く思うのです。
個人の責任を追及して、かかわる人を恐れさせても、事故原因が無くなるわけではありません。それでは社会は進歩しません。

3月 30, 2009 at 10:39 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.03.23

森精機・DMGが資本提携

サンケイ新聞より「森精機製作所が独工作機械最大手と業務・資本提携

工作機械大手の森精機製作所は23日、欧州最大手の工作機械メーカー、ギルデマイスター(DMG、ドイツ・ビーレフェルト市)と業務・資本提携したと発表した。

今回の提携により、4兆円規模といわれる工作機械の世界市場で、両社あわせた売り上げシェアは業界トップの10%に達することになる。

両社は発行済み株式の5%ずつを相互に持ち合う方針で、すでにDMGは、森精機の株式を取得。森精機も、4月2日にはDMGの筆頭株主になる見通し。

また、今年中に森精機の森雅彦社長がDMGの監査役に、DMGのルーティガー・カピッツァCEO(最高経営責任者)が森精機の専務執行役員に就任する。

一言「ほ~~~」であります。

3月 23, 2009 at 10:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.05

トルコ航空機事故・高度計の故障?

AFP BB より「トルコ航空機墜落事故、高度計の故障が原因か

【3月5日 AFP】
オランダ・アムステルダムのスキポール空港で2月25日に起きたトルコ航空機墜落事故で、オランダの国家安全委員会は4日、事故は高度計の故障が原因だった可能性が高いと発表した。

故障した高度計から誤ったデータを受け取った自動操縦装置が、実際には降下中で滑走路まではまだ距離があったにもかかわらず、着陸直前であるかのようにエンジンの出力を絞ってしまった。

失速警報が鳴ったが操縦士の対応が間に合わず、機体を上昇させることが出来なかったという。

当時は天候が悪く、雲が低くたれ込めて霧も発生していたため、乗員らは恐らく地上を確認することができず、気づいたときには遅すぎたのではないかとみている。

また、同機の高度計は過去に2度故障していたにもかかわらず、乗員らはそれを軽視していた可能性もあると指摘した。

国家安全委員会はボーイング社に対し、自動操縦中の高度計故障の危険性について警告し、通常の飛行でも同じ問題が起きるかどうか確認するよう求めたことも明らかにした。

事故を起こしたトルコ航空のボーイング737-800型旅客機は、乗客127人と乗員7人を乗せ、トルコ・イスタンブールからアムステルダムに向かっていた。
同機の尾翼が地面にぶつかった時の時速は175キロで、機体は大破して3つに分かれた。

乗客乗員のうちトルコ人5人と米国人4人が死亡、86人が負傷した。4日現在で負傷者のうち28人が入院している。(c)AFP

にわかには信じがたい話です。

自動着陸機能が働いているのなら、複数の高度計のデータを比較していたはずで、全てのデータが一致していた、ということになりそうです。

それにしても、高度計だけで自動着陸する仕組みになっているとは・・・・。
なんらかのバックアップ機能があると思っていたのですが、どういうことなのでしょうか?

3月 5, 2009 at 04:29 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

韓国で小学生が無断で他人の車を運転・驚愕のニュース

FNNニュースより「韓国で小学生が他人の車を勝手に運転し事故起こす 一部始終が防犯カメラに

韓国で、小学生が他人の車を勝手に運転し事故を起こしていた。その一部始終を、駐車場に設置された防犯カメラがとらえていた。

自転車に乗って姿を現した2人の小学生は、周囲をうかがいながら、急いで車に乗り込んだ。

小学生たちは、駐車場内で運転を始めるが、駐車スペースに入ろうとして失敗し、隣の車にぶつけてしまった。

この防犯カメラの映像で事件は発覚したが、その後の調べで、小学生たちは、3カ月前から勝手に運転を繰り返していたことがわかった。

車は、スタートボタンを押すだけでエンジンがかかるタイプで、自動でドアに鍵がかかる装置がついていたが、小学生たちは「鍵がなくてもドアが開き、運転できた」と話していることから、警察がくわしい状況を調べている。

一番ビックリするが、車のドアにカギが掛かっておらず、かつボタンを押したらエンジンがかかってしまう車だったという点ですね。

3ヶ月前から無断運転を繰り返していたというのは、それだけ多数の車が同様の状況にある、ということですよね。

どうやればそんな事になるのだろう?

3月 5, 2009 at 01:59 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.18

韓国KTXの欠陥枕木製造事件

韓国KBSニュースより「KTXの工事区間で枕木332本に亀裂 大邱-釜山間

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間の大邱-釜山間でレールの敷設工事に使うコンクリート製の枕木のうち332本に亀裂が入っていることが分かりました。

KTXの第2期工事区間は総延長が254.2キロで、レールの敷設工事は2002年に始まり、これまでに96.9キロの区間にコンクリート製の枕木15万5000本が敷かれています。

韓国鉄道施設公団は先月5日、一部の枕木で亀裂が見つかったため、先月19日から今月12日まで3回にわたって全ての枕木を調査し、332本に亀裂が入っていることを確認しました。

時速300キロで走る高速列車とレールを支える枕木に亀裂が入れば、レールが曲がって列車が脱線するなど、大規模な事故につながる恐れがあり、枕木の取替え作業が行われることになりました。

鉄道施設公団は、レールに枕木を固定する部品に欠陥があったのが原因と見ており、亀裂が見つかった枕木を全て取り替え、亀裂が見つかっていない枕木についても改めて検査をして、亀裂が見つかれば取り替える方針です。

韓国鉄道施設公団はまた、工事をした会社が故意に設計通りに施工しなかった可能性もあるとして、捜査機関に捜査を依頼することも検討しています。 韓国鉄道施設公団の関係者は、「問題がある枕木は上半期中に全て取り替え、品質と安全管理を徹底させる。工事期間内に工事を終わらせることはできるだろう」と話しています。

ナンダなんだ?という記事ですが、韓国朝鮮日報にもっと詳しく記事が出ています。

KTX欠陥工事:枕木15万本、すべて不良品

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱‐釜山間のレール敷設工事で、コンクリート製の枕木数百本に亀裂が入っていることが判明した問題で、工事に使われた枕木約15万3000本がすべて不良品だったことが確認された。
これにより、工事費がさらに数十億ウォンかかり、工事期間にも遅れが生じることが避けられない見通しとなった。

韓国鉄道施設公団と軌道の敷設を担当した「サムピョE&C」社、枕木を製造した「チョノン・レールワン」社などは16日、「2008年3月から現在までに、大邱‐慶州間の96.9キロの区間に設置された枕木は15万3394本だが、そのすべてで設計図に示された防水材ではなく、吸収材を使用していた」と発表した。
このため、現在のところ亀裂が見つかっていない枕木も、雨水などがしみ込んで凍結すれば、すべて亀裂が入る可能性が高い。一方、同公団側はこの日、亀裂が入っていた枕木の数が、当初判明した222本よりも100本余り多い332本であることが分かった、と発表した。

大邱=チェ・スホ記者

KTX欠陥工事:欠陥品の枕木フックボルトは韓国製

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱-釜山間のレール敷設工事で発覚した枕木の亀裂は、専門性のないメーカーとずさんな現場監理による「共同作品」だった。
軌道分野での経験者が一人もいない会社が不良品を生産し、現場監理業者は外国の技術を盲信するだけで十分な役割を果たせなかった。

枕木を製造した慶尚北道尚州市化西面の「チョノン・レールワン」社は2006年12月、コンクリート製品メーカーの「チョノン工業」社と、ドイツの「レールワン」社の合弁で設立された。
事実上、KTXの第2期工事のために設立された会社で、軌道分野での施工実績はまったくなかった。

現在、約60人の社員が在籍しているが、軌道分野での経験を持つ社員は一人もいない。
品質管理を担当する6-7人の管理職でさえ、建設現場でコンクリートやセメントを取り扱った経験はなかった、と会社側は話している。
イ・ハンセ工場長は「社名を明かすことはできないが、全羅道のある業者が製造したフックボルト(枕木を固定する部材)の納品を受け、これを使って枕木を製造し、施工会社に納品しただけだ。
亀裂が見つかっていなければ、今も(設計図に示された)防水材が使われているのか、吸収材が使われているのか分からなかっただろう」と釈明した。

一方、工事現場の監理を担当した韓国鉄道技術公社は「枕木を製造した会社にはドイツの技術者たちが常駐しているため、製品の品質を疑うことはなかった」と語った。
部材の監理を担当したチン・ヒョンムン課長(51)は「枕木の製造工程だけを監督していたため、枕木に使われるフックボルトに問題があるなどとは考えもしなかった。
亀裂が見つかるまで、フックボルトはドイツで製造され、枕木に取り付けられたものとばかり思っていた」と述べた。

これに対し、軌道関連の会社は「外国の技術にばかり依存し、専門性に欠けていたためにこうした事態になった」と指摘した。
防水材として使われる半固形状の圧縮用潤滑油(50ミリリットル当たり250ウォン=約16円)は、吸収材に使われるスポンジ(1個当たり50ウォン=約3円未満)より5倍ほど高いが、単価が非常に安いことから、コスト削減のために不良品を生産したという可能性は低いという。
軌道関連会社のある関係者は「この業者が、大邱から蔚山までの131キロ(上下線の合計)の区間(第4工区)で、枕木に吸収材を使うことによって節約できる金額は約4100万ウォン(約260万円)=差益200ウォン(約13円)×20万6514本=にすぎない。コスト削減よりも、経験不足がゆえに起こったトラブルだ」と話している。

一方、監督官庁である国土海洋部は、枕木に亀裂が入っているのが見つかってから1カ月以上も報告を受けていなかった。
同部とKTXを運行する韓国鉄道公社は「手抜き工事の実態について、専門家との合同調査団を派遣して調査を行っていく予定だ」と語った。

大邱=チェ・ジェフン記者

尚州(慶尚北道)=チェ・スホ記者

【社説】KTX、ひび割れた枕木の上を走るのか

京釜高速鉄道(KTX)の第2期整備区間の大邱-釜山間のレール敷設工事でコンクリート製の枕木の一部がひび割れで折れた。
列車とレールの重みを支える枕木が破損すれば、レールが曲がり、時速300キロで走る列車が脱線する事故が起きる可能性がある。
7兆ウォン(約4500億円)もの建設費が投入される高速鉄道の安全性に致命的な欠陥が見つかった形だ。

れまでに敷設された枕木15万3000本のうちひびが見つかったのは332本だが、全ての枕木が危険状態に置かれている。
枕木にレールを取り付ける締結装置とその下部の埋め込み栓がすべて不良品と判明したためだ。
設計図面には埋め込み栓に防水物質を使うことになっているが、それが守られていないために雨水が入り込み、寒さで水が凍結して体積が増えたことで枕木にひびが入った。
現在表面的には異常がない枕木もいつ折れたり割れたりするか分からない

埋め込み栓メーカーは、設計図面と異なる不良品を作り、枕木メーカーは納品された埋め込み栓が不良品かどうか検査もせずにそのまま使用し、施工業者と管理業者もそれに目をつぶり、何の手も打たなかった。
このうちの誰かがしっかり仕事をすれば、こんなことは起きなかったはずだ。巨額の国民の税金が使われる大型国策事業の工事がこれほどいい加減だとは話にならない。
工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。

ひびが入った枕木とは別に、鉄道施設公団が第2期区間に使用する締結装置として選定した英パンドロール社の製品も時速300キロの高速鉄道には使われた実績がなく、性能が確認されていないという。
監査院も2007年に安全性が立証されていない製品なので、軌道のずれやレール損傷などの問題が発生する可能性があると指摘していた。

高速鉄道の第1期工事は、1992年に車種も決まらず、設計図面もない状態で着工された。
結局1996年に米安全診断業者に精密調査を依頼し、190カ所は補修、39カ所は部分的な再工事が必要と判断された、当時、韓国政府は常時点検班を設置するなどの対策を取り、徹底した安全管理を誓った。
しかし、第2期で再び問題が明るみに出た。責任者を探し出し、国策事業の手抜き工事を防ぐための抜本的な対策を示すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

詳しく読んでみると、わけの分からない話です。

問題の工事は、KTXの第2期工事でウィキペディアの説明では

2010年には、ソウル近郊と釜山近郊を除く全区間が高速路線に移行し、ソウル-釜山間は1時間56分に短縮される計画であった。
しかし、慶州市街地の地下化および周囲の山へのトンネル建設をめぐって自然保護などの立場から反対運動が起こり、トンネル計画の中止などの理由により当初の計画の2時間以内の走行は不可能になってしまった。

大邱から慶州を経て釜山につながる部分の専用路線を建設する第2期工事は、2002年6月に始まった。
2006年8月、建設交通部は大田市内及び大邱市内の専用線増設について、地下短絡化ではなく、在来線と並行する高架化を正式決定。
それぞれ1兆ウォン超の費用で高架化、沿線道路立体化、沿線の緩衝緑地の設置などの事業が始まり、2010年の完成を予定している。
また五松、金泉亀尾、新慶州の駅新設とあわせて、全通後の所要時間は現行より約30分短縮の2時間10分を予定している。

となっていますから、2010年完成予定の工事であった、となります。
事実、朝鮮日報の社説には「工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。」とまで書いていますが、第1期工事で完成したKTXは運行しているわけです。
そうなると、第1期工事と第2期工事の間で「経験の会社が重要部品を受け持ち、それ自体をチェックしなかった」ということになってしまいます。

第1期の工事の経験が第2期工事に活かせなかったところこそが最大の問題点でしょう。
情報伝達の重要性を教えてくれる事件と言えます。

2月 18, 2009 at 11:34 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.01.24

タラップ落下・死亡事故

朝日新聞より「フックのボルト折損 タラップ落下原因か 造船所の事故

大分市の南日本造船(本社・大分県臼杵市)大在工場で23日にタラップが落下した事故で、船体に掛けていた先端のフックがタラップから外れたのが原因だったことが、わかった。

死傷者は作業員26人に増えた。

同社はフックの強度を把握しておらず、落下防止用ワイヤで船体とつなぐ措置もとっていなかった。大分県警は業務上過失致死傷容疑で、大分労働局も労働安全衛生法違反容疑で調べ始めた。

死傷した26人はいずれも下請け会社の作業員。けがをした24人のうち、一人が水中転落による急性呼吸不全で重体となっている。

県警や南日本造船などによると、タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。
午前9時20分ごろ、クレーンでタラップをつり上げて岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけ、作業員が上った際に落ちた。

タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていたが、すべて外れ、県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。
タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。

運搬船は22日に進水。それ以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。
階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。

斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。
同日は作業開始が約1時間遅れ、大勢の作業員がタラップを上っていて事故が起きたという。

同社は23日夕の会見で、フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかったことを認めた。
吉田泰社長は「事故が起きたのは当社のミス。安全確認が完全ではなかった」と謝罪した。

厚生労働省は安全衛生部門の専門官を現地に派遣した。大分県警は24日午前10時から現場検証を行う。

昨日(2009/01/23)の第一報からかなり混乱気味に情報が出てきていました。
この記事を元に問題になりそうなところを挙げてみます。

  • タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。
  • 岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけた。
  • タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていた
  • 県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。
  • タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。
  • フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかった。
  • 以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。
  • 階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。
  • 斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。

死傷者が26人ですから、50人ぐらいが乗っていたかもしれませんね。
タラップそのものは以前から使っているようですし、壊れたのがフックのボルトだけであるようなので、新たに付けられたフックに問題がありそうです。

直感的には、18ミリ(?)のボルト4本が破断するほどの重量が掛かったとは思えません。
そこで考えてみると、幅1メートル長さ30メートルのタラップが3トンというのが「本当か?」と感じます。

Up

この写真を見ると、このタラップの構造は上下左右で合計4本のチャンネル材が通っているようですね。
この部材の板厚が2ミリぐらいなのでしょうか?それでも3トン以下に出来るものなのか?

仮に50人乗ったとすると、5トンぐらいは静止重量で増加しそうです。そうなると、どうも折れたボルトには瞬間的には50トンぐらい掛かっても不思議ではないですね。

こんな風に考えてみると、どうもボルトの強度が見事に余裕が無かったようです。
水平に渡していたときには、タラップは滑っていたのでしょう。それがフック → ボルト → タラップという構造になって、全ての荷重が4本のボルトにかかった。
振動や衝撃などが無い静止荷重では問題が無かったのが、作業員の歩く振動や船の動き等で、限界を超えた、ということでしょうか?

それにしても、船に掛けるタラップをフックで引っかけるのなら、地面側にはローラーなどで水平に動くようにする必要があるし、船側のフックも自由に回転出来るようにしないとまずいですね。
なんか変だなあ?

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【追記!!】

読売新聞より「大分・造船所の死傷事故、落下タラップの重さは会社発表の倍

大分市青崎の南日本造船大在(おおざい)工場で23日、建造中の船に架けられた鋼鉄製タラップ(長さ29メートル、幅90センチ)が落下して2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故で、大分労働局が事故後にタラップの重量を計ったところ、同社が発表した重量の2倍以上の6・8トンだったことが24日わかった。

同社の工場長は24日午前、読売新聞の取材に対し、「実際の重さは把握していなかった」と話した。

同社は、社長らが出席した23日午後の記者会見で、「タラップの重さは約3トンで、1・5トンの重みまで耐えられる」と説明した。3トンの根拠については、「タラップをつくらせた大分県内の下請け会社の報告」としていた。

しかし、大分労働局が23日の事故直後、クレーンでタラップをつるして重量を計測したところ、6・8トンだったことが判明した。

(2009年1月24日16時07分 読売新聞)

ブツを見て重量が判断できないのなら、製造業には不適ですよ。>工場長

1月 24, 2009 at 01:37 午後 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.12.20

自動車産業の記事

  1. 東京新聞より「GM会長、リストラの推進表明 労組は反発、再建難航も」
  2. 日経新聞より「トヨタ、富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に」
  3. 朝日新聞より「トヨタ九州、派遣1100人雇い止めへ 製造現場全員」
  4. 朝日新聞より「円高進めば正規雇用まで危うくなる ホンダ・福井社長」

自動車各社の動向に関する記事を集めました。

トヨタ、ホンダとも非常に危機感を持っていることがよく分かります。
日本の政策決定が、過去の延長の先に全く違う政策を付け加えてみる、といったいわば「木に竹をつぐ」といった面があったのではないかと思います。

自動車会社にとって日本で商売することを考えると、若い人が自動車に乗らなくなったというのが最大の難関でしょう。
さらに、都会では公共交通機関が便利なので自動車が無くても何とかなる。新幹線が各地に伸びるにつれて長距離ドライブも魅力が無くなった。

おそらくは、都会でより便利に車を使う方向に誘導するべきなのでしょう。しかし、政策全体としては高度成長期以来の政策から余り変化していない。

一方、全米自動車労組の主張は今や通用しないでしょう。とは言え、そういう将来の危機に備えて商品開発などを指導する責任がビッグスリーの経営陣にはあったはずで、GMが右ハンドル車を日本の輸出するようになったのはごく最近です。

ビッグスリーは経営陣も労働組合も、極めてアメリカ国内向けの面しかなかったと言えます。
アメリカは巨大な消費市場がある国であることは間違えありませから、国内向け専門の企業でも成り立つはずですが、それが外国企業からの攻勢をしのげるかどうかは別問題で、少なくとも今までのやり方ではダメだったというのは明らかでしょう。

ホンダの福井社長が「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう。自動車などの輸出産業がしっかりしないで国が存続できるかは疑問だ」として「1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とのことですが、アメリカの状況がこれでは、80円で止まるかも疑問ですね。
ドルはもっと長期間に渡って安くなっていくように思います。

「GM会長、リストラの推進表明 労組は反発、再建難航も」

【デトロイト19日共同】 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は19日、米政府による総額174億ドル(約1兆5500億円)の救済策発表を受け、デトロイトの本社で記者会見し「生き残れることを証明する計画づくりが最も重要になる」と述べ、来年3月までにまとめる経営再建計画でリストラを推進する考えを表明した。

救済策では、労務費削減などで競争力の回復を示す再建計画の提出が求められたが、全米自動車労働組合(UAW)のゲテルフィンガー委員長は同日発表したコメントで「労働者だけに不公平な条件を加えた」と反発。計画の取りまとめに失敗すると、政府による緊急融資の返済を求められ、経営破たんする恐れもあり、再建計画は難航も予想される。

ワゴナー会長は会見で「関係者の協力が必要だ」と述べ、組合側の譲歩を求めた。経営危機に陥り、政府救済に至った責任を取っての辞任は「するつもりはない」と強く否定した。

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「トヨタ、富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に」

トヨタ自動車は富士重工業と共同開発を進めている新型の小型スポーツ車の生産、商品化を先送りする方針を固めた。

当初は2011年末に生産を開始して国内で投入する計画だった。
延期期間は未定だが、12年以降で市場動向を見て判断する。両社は4月に提携を拡大、スポーツ車事業は協業の柱だったが国内市場の低迷が深刻化。十分な販売を確保するのが難しいと判断した。

両社は4月、トヨタが富士重工への出資比率を8.7%から16.5%に引き上げることを決めたのを受け、共同で小型のFR(後輪駆動)式スポーツ車の開発に着手した。

富士重が群馬県大泉町に専用の新工場を建設し2011年末に生産を開始、一部をトヨタに供給して両社ブランドで販売する計画だった。
生産台数は年間10万―15万台を想定していた。
(07:00)

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「トヨタ九州、派遣1100人雇い止めへ 製造現場全員」

トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)が組み立て工場で働く全派遣社員約1100人の契約を09年度中に終了する方針を固めた。中途解約はせずに期間満了で順次契約を終え、直接雇用はしない。

今年度に派遣社員約800人を中途解約したのを上回り、過去最多の人員削減となる。親会社のトヨタ自動車が今期の業績予想を下方修正してから言われ始めた「トヨタ・ショック」が九州でも一段と広がってきた。

親会社のトヨタも今年度に期間従業員を約6千人減らす計画。北米などでの販売不振を受けて減産が続き、人減らしを強化する。トヨタ九州の人員は約7700人で、うち約1400人が派遣社員。今回の削減は事務系などを除く製造現場の全約1100人が対象になる。

労働者派遣法は派遣期間の上限を3年と定めており、それを超えて働かせたい場合、派遣先は派遣社員に直接雇用を申し入れなければならない。
トヨタ九州では、06年度に受け入れ、09年度中に3年を迎える派遣社員が1100人の大半を占めるが、減産するため、直接雇用を申し入れず、契約を終える「雇い止め」とする。

同社は07年度には過去最多の44万3千台を生産した。今年度は同水準を計画したが下方修正が相次ぎ、約29万台まで引き下げた。今年度は100億円規模の営業赤字に陥る見通し。

来年1、2月からは約6500人が働く宮田工場(宮若市)の二つの組み立てラインで夜勤を休止し、在庫調整のため生産能力をほぼ半減させる。

同社は人員に「大幅な余力」が生じ、今夏と同様の中途解約を検討していた。しかし、北部九州の雇用環境が急激に悪化したため「派遣社員が次の仕事を見つけるまでに時間がかかる」(同社幹部)と判断し、中途解約は避けることにしたと説明している。

親会社のトヨタは先月、来年3月期の連結営業利益予想を前期比73%減の6千億円に大幅に引き下げた。その後、下期営業赤字の見通しとなっている。

同じく減産が続き、今年度の生産台数が前年割れする日産自動車九州工場(福岡県苅田町)も、今年4月に約900人いた派遣社員を来年1月までにゼロにする計画だ。

あいつぐ人員削減は地域経済に悪影響を与え、福岡県などの自治体が対策に乗り出している。(福山崇)

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「円高進めば正規雇用まで危うくなる ホンダ・福井社長」

ホンダの福井威夫社長(64)は19日、朝日新聞社などのインタビューに応じ、円高ドル安の影響について「(円高が進めば)国内工場のリストラに追い込まれる可能性がある。正規雇用まで危うくなる。日本の輸出産業は全滅するだろう」と為替の先行きに強い危機感を示した。

福井社長は1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とした上で、円高が加速すれば、埼玉製作所(埼玉県狭山市)を、計画中の新工場に集約するなど生産拠点の大幅な見直しに迫られる可能性を示唆した。

主な一問一答は次の通り。

世界の自動車販売の落ち込みを受け、様々なリストラ策を発表しました。

「ホンダの象徴だったF1から撤退し、役員報酬も下げる。自ら痛みを感じないで期間従業員を削減するというのは、順番が違うと思った」

埼玉県寄居町などに新工場を建設中です。今後も国内生産力は強化しますか。

「その方向は変わらない。1ドル=100円なら、競争力の高い新工場の代わりに老朽化した埼玉製作所のラインを一部止め、国内生産能力を年間130万台にする考えだった。だが、円高が続けば100万や50万台でいいという話になるかもしれない」

「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう。自動車などの輸出産業がしっかりしないで国が存続できるかは疑問だ」

逆風が吹く中で、国内メーカーは数が多すぎるとの指摘があります。

「数が多いのは事実で、顧客に選別されていくのではないか。ただ、M&A(企業の合併・買収)には消極的だ。他の資本には支配されたくない。複雑な資本関係ではスピードが重要な時代に素早く意思決定ができない」

環境対応車の開発強化を打ち出していますが。

「景気が戻ってきても原油価格が上昇して、大型車が繁栄する昔の自動車業界は再現しないだろう。全く新しい時代がくると思う」

「(次の時代は)高い原材料を多く使わず、二酸化炭素の排出がゼロに近い乗り物が主流になるだろう。太陽エネルギーを電気に変えて走る電気自動車や、植物からできるバイオ燃料を使うハイブリッド車など、化石燃料を使わない形に進化すると思う」

(古屋聡一、鈴木暁子)

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12月 20, 2008 at 12:52 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.11.26

トヨタのすごいところ

サンケイ新聞より「ランクル世界販売最高、中東で人気 08年は初の年間30万台突破へ

トヨタ自動車の最上級SUV(スポーツ用多目的車)「ランドクルーザー」の2008年の世界販売台数が、過去最高を更新する見通しだ。中東諸国などでの需要が旺盛で、年間30万台を初めて突破する可能性も出てきた。

ランクルの1~9月の世界販売実績(ランドクルーザープラドを含む)は前年同期比20%増の25万7000台。このうち、国内は1万4000台(同18%増)、海外は24万3000台(同21%増)と、国内外ともに2けた増の伸びをみせている。

昨年は年間27万4000台を販売。今年は9カ月間で月平均約2万8500台ペースで売れており、単純計算では年間34万台前後に達する見込みだ。ただ世界的に自動車販売が低迷するなか、「ここにきて販売が鈍化しつつある」(トヨタ幹部)ものの、過去最高を記録した昨年を上回るのは確実とみられている。

トヨタは昨年9月に9年ぶりにフルモデルチェンジしたランクルの新型車(200系)を発売。高級SUV市場では、オンロード(舗装した道路)性能を重視する傾向が強い中、新型ランクルは従来通り、オフロード(砂利道や土道などの未舗装の道路)での走行性能にこだわった。

トヨタ関係者は「世界中には広大な原野や砂漠地帯などランクルでないと生活できない人たちが存在する。彼らにとっては9年ぶりの新型車で、買う人は絶対に買い替える」と好調な販売の理由をこう説明する。

以前は、三菱のパジェロが大きなシェアを占めていたのですが、極端に売れず三菱自動車そのものが傾いてしまいました。
この理由が、「都会的なオフロード車にモデルチェンジしたから」と言われています。

現在のランドクルーザーの内装はこのような高級車ですが

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構造は、ラダーフレームを堅持しています。

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これが「オフロードに強いかどうか」に直結しますし、そもそも日常的にオフロードで自動車を運用するような国では簡単な整備で何とか走り続けることができることも重要ですから、ボディーが無くても走ることができるフレームを採用した車の方が実情に合っているのは当然でしょう。
もちろん、このような旧式の車体設計は、コストを引き上げるからランクルはいまや高級車(高価格車)です。しかし、それでも世界中で売れています。

こういう、商品を企画し販売するところがトヨタのすごいところです。

11月 26, 2008 at 09:07 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.08

HAL のリース販売が実現

サンケイ新聞より「介護用ロボットスーツをリース販売

筑波大発のベンチャー企業「サイバーダイン」が開発した装着型のロボットスーツ「HAL」が10日からリース販売される。年間約500台を目標に介護施設や福祉施設向けに製造される。

HALは、筑波大の山海嘉之教授が開発したロボットスーツ。体に装着して脳から出る電気信号を皮膚の表面に付けたセンサーで読みとり、コンピューター制御で、高齢者や障害がある人の歩行を補助する。

今回販売されるのは下半身に装着する両足用と単脚用の2タイプ。介護する側が装着する全身タイプも開発中だとか。SF映画のような光景が、近い将来に介護の現場で見ることができるかも。

この記事にある、障害者用の HAL の研究は、たしかNHKで見た記憶があるのですが、健常者に比べて格段に難しいようでした。

サイバーダイン社が創立する以前、2006年のロボット見本市で「誰にでもすぐに装着できるのか?」かと質問したところ「無理」という割と当然の回答でした。
このために、当時は「介護する側用」という話だったのですが、サンケイ新聞の記事で入れ替わっている感じですね。

日経新聞より「サイバーダイン、ロボスーツを福祉用にリース販売

筑波大学発ベンチャーのサイバーダイン(茨城県つくば市、山海嘉之社長)は10日から、同社に出資する大和ハウス工業と共同で、着用した人の動作を支援するロボットスーツ「HAL福祉用」のリース販売事業を始める。

>首都圏・関西圏の介護・福祉施設が対象で、7日に量産工場の完成式を開催。12月上旬にも出荷する。
世界初の事業が本格化する。

リースするのはロボスーツの下半身部分で、使用者の自立歩行を支援する。
片足型と両足型の2タイプで使用者の体格に合わせ、S、M、Lの3サイズそろえた。1回の充電で60―90分程度稼働する。

期間は5年間で料金はメンテナンス費用も含め両足型が月22万円、片足型が月15万円。
大和ハウスが施設などから注文を受けてサイバーダインに発注。大和ハウス系のリース会社を通じて契約後、サイバーダインと保守契約を結ぶ。個人向けのリースはしない。

アイザック・アシモフのロボットシリーズを思い出します。

10月 8, 2008 at 09:11 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.10

原発のタービン問題・その後

朝日新聞より「中部電力、日立を提訴へ 原発タービン損傷で数百億円

中部電力は9日、06年に発電用タービンの損傷事故で停止した浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)を巡る問題で、タービンを設計・製造した日立製作所を相手取り、原発停止中に割高な火力発電を代替運転することで生じた「逸失利益」の支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こす方針を固めた。電力会社が発電トラブルで重電メーカーに法的措置を取るのは初めて。

中部電の三田敏雄社長が10日、記者会見して正式に表明する。

請求額は数百億円規模となる見通し。
電力会社と重電メーカーは原発の技術開発や施設運営で密接な協力関係を築いてきただけに、中部電が訴訟に踏み切るのは異例の事態。

重電メーカーにとっては原発停止に伴う二次損失の補填(ほてん)まで求められるリスクを抱えていることを意味し、訴訟の行方次第では日立の経営に影響を与えそうだ。

浜岡原発5号機は06年6月にタービンの羽根が破損して緊急停止し、07年3月に営業運転を再開した。

中部電と日立の調査で事故原因は設計不良による金属疲労と特定され、同年10月には、日立がタービンの復旧にかかる直接的な費用(金額は非公表)を負担することで合意した。

しかし、停止期間中に火力発電を使用したことに伴う燃料代などの間接的な「逸失利益」を巡る交渉は決裂。中部電は「損失の規模があまりにも大きく、株主に対する説明責任が果たせない」(幹部)と判断し、提訴に踏み切ることにした。(宮崎健)

発電用のタービン翼が吹っ飛んだという驚くべき事件でした、中部電力浜岡発電所と北陸電力志賀発電所で同じタービンが同じように壊れるという、技術的には「何をやっているのか?」といった感じの事故でした。

「原子力発電所問題」に結構細かく説明記事を書きました。

原因は、設計不良というかテストしていないところが破損したとのことで、基本的には設計不良でしょう。
そのために、電力会社二社は日立製作所に賠償請求の交渉を行うとの報道があって「原発のタービン問題その5」に、

中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷事故の補償問題で、同社の三田敏雄社長は26日の定例会見で、メーカーの日立製作所に賠償請求することを明らかにした。
今後、代替発電コストなどの「逸失利益」の負担も日立側に求めていくとみられる。

と報道されています。
これが、2006年12月ですから、1年半の交渉が決裂した、ということのようです。
どういう交渉をして、決裂したのかが分からないので何とも言いがたいのですが、日立は当初「設計変更したことが、事故の原因で、設計変更は電力会社の許可を得ているから、その通りに作っただけだ」といった感じの主張をしたようです。

需要家である、電力会社が逸失利益を問題にするのは、当然であるし、それに対して「部品を作っただけで、運転の結果については知らない」ではメーカーとして責任放棄だろう、とは思いますが、実際問題として金額交渉がまとまらなかった、ということではないかと思います。

どんなことになるのか、興味津々です。

9月 10, 2008 at 09:39 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.30

電動カブは期待できるか?

サンケイ新聞より「電動カブ発進 ホンダが開発へ

ホンダは29日、国内を代表する二輪車「スーパーカブ」の電気自動車(EV)版の開発に乗り出すことを明らかにした。

ガソリン価格の高騰や環境問題への対応策として、日本郵政グループが“電気カブ”導入の意向を示しており、一定の需要が見込めると判断した。

ホンダは「環境対応型バイク」の象徴として開発を進め、5年内の商品化を目指す。

開発に着手する電気カブは、四輪の電気自動車と同様に電池とモーターで駆動する。

電池は大容量で小型・軽量化しやすいリチウムイオン電池を採用する方向だ。
家庭で充電できる長所は残しながら、新型電池の採用で走行距離を大幅に伸ばす。
ホンダでは「過去のノウハウがある」(幹部)と実用化に自信をみている。

ホンダは平成6年に独自開発の電気スクーターを発売した実績がある。ただ、官公庁や自治体などへの販売が中心で、販売台数も200台にとどまり、現在は販売していない。

一方、日本郵政グループは集配用車両として現在8万9000台超の二輪車を保有しているが、次世代車両となる電気カブの開発についてホンダに打診しているもよう。
同グループの郵便事業会社は四輪車について今年度から全保有車両(約2万1000台)をEVに切り替える方針で、二輪車も順次EVに切り替える意向とみられる。

スーパーカブは昭和33年の発売以来、燃費の良さや耐久性が評価されて国内外で普及した。
現在、アジアや中南米を中心に世界15カ国で生産、160カ国以上で販売され、世界販売台数は累計6000万台を突破している。

スーパーカブとマブチモーターは日本でなくては生まれなかった商品だと思います。

両方ともアイデアとしては昔からあるジャンルで、いわば本格的な機械装置とオモチャの中間に位置づけられます。
子細に見ると、両方とも本格的な機械装置が大型化することで無視できた部分を「小型化に必要なことは何か?」といった観点から、当時としては非常に高級・高精度な技術を投入し、量産することで価格を引き下げて大量に販売しました。

電動カブは当然商品化のターゲットになっていると思っていたのですが、「5年以内に商品化を目指す」というのは意外なほどのスローペースと感じますが、価格の問題が大きいのかな?

たまたま昨日、電動(アシスト)自転車を調べていたら、リチウムイオン電池の採用で以前に比べると平均価格が上昇しているのですね。
高級なものだと、12万円ぐらい。「自転車を12万円で売ってしまう商品企画が成り立つとはすごい」と変な感心をしました。

電動カブというか電動原チャリの共通規格を定めれば、有料二輪駐車場で充電サービスといった事も実用になりそうですね。

8月 30, 2008 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.24

カミカミマシーン

伊那毎日新聞より「カミカミマシーン 一般発売

喬木村の喬木第二小学校養護教諭の安富和子さん=中川村大草=が駒ケ根市の赤穂南小学校に勤務していた当時「児童の健康づくりのため、かむ回数をカウントする装置が欲しい」との思いから発案した〝カミカミマシーン〟が7月、商品名「かみかみセンサー」として全国に向けて一般発売された。

発売したのは学校などに保健や理科実験関係の機器などを卸している日陶科学(山田光彦社長、本社名古屋市)。
「かみかみセンサー」は、あごの動きを感知する器具を耳に掛けて装着。物を食べると、かんだ回数が魚の形の表示部にデジタル表示される。
安富教諭のアイデアをもとに駒ケ根工業高校(当時)の高田直人教諭の技術協力で3年前に完成して以来、赤穂南小で使用されてきた〝カミカミマシーン〟の基本的な仕組みを踏襲した上で各部を改良、発展させた。

昨年12月、販売代理店を通じて初めてカミカミマシーンを見た同社の企画開発担当者は「きっと役に立つものになると直感」し、商品化に向けた開発がスタートした。
同社によると、試作品は十数個に及び、さまざまな点で改良を重ねてきたという。
最も重視したのはかんだ回数の正確性。
あごの動きを間違いなく検知するためのセンサーの選定などに関連して数多くの試行錯誤を繰り返したほか、消費者に受け入れられやすいデザインにするよう気を配ったという。
赤穂南小の児童にモニターを依頼するなどして開発を進め、6月に最終試作品が完成した。
発売は今月11日。直後から問い合わせが相次ぎ、県内の学校や歯科医院などを中心に十数カ所から注文があったという。

安富教諭は「かむことの大切さを子どもたちに意識してもらおうと始めた小さな取り組みが今こうして商品になって感無量。今後、多くの学校で役に立ってくれればこんなうれしいことはない。高齢者のあごの強化やメタボリック症候群対策などにも利用できるかもしれない」と話している。

「かみかみセンサー」は小学校低学年用のSサイズと、高学年以上用のMサイズがあり、価格はいずれも1万1550円。
センサー部分の質量は約40グラムと軽量で、耳からあごまでの長さは7段階(3~4センチ)に調節可能。表示部内の単4乾電池3本で約30時間使用できる。30回かむと電子音が鳴り、千回かむとメロディが流れるなどの楽しい機能も搭載した。

問い合わせは日陶科学(TEL052・935・8976)へ。

リンク先の写真を見ると、どういう機会でどのような使い方をするのかが分かります。
こういうアイディアを商品化するのはよいですね。

価格はいずれも1万1550円
数が出れば、もうちょっと安くなるでしょう。ちょっと気楽に買える価格では無いのが残念ですね。

7月 24, 2008 at 11:40 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.23

湘南モノレール暴走事故の原因?

神奈川新聞より「制御装置誤作動の可能性も/湘南モノレール

湘南モノレールが西鎌倉駅でオーバーランした事故で、事故車両の制御装置が誤作動していた可能性があることが二十二日、分かった。
事故後の調査で、非常ブレーキが作動した状態では電源が切れ停止するはずの駆動用モーターが動こうとする現象が確認された
同社や国交省の航空・鉄道事故調査委員会は誤作動の原因を調べている。

同日、同社が調査状況について中間発表した。事故当時、仮にこの誤作動が発生していた場合、運転士は非常ブレーキをかけていたものの、同時に車両のモーターが動き加速しようとしていたことになるという。
同社は誤作動について「設計上、あってはならないこと。想定外だ」と話している。

また、運転士が「ブレーキが動かなかった」と話していた点について同社は「時速七十キロで走行していた車両が時速二十キロほどまで減速しており、(車両のブレーキディスクは破損していたが)ブレーキは正常に作動していたのではないか」と説明している。

事故車両は運転席のハンドルを前に倒すとブレーキがかかり、後ろに引くと加速する。ハンドルを動かすと車両制御装置に信号が送られる構造で、同社は何らかの原因で誤った信号が出ているとみている。

今年五月十九日、走行試験の準備のため、修理が完了した事故車両を車庫線で走らせようとしたところ、この現象が生じた。誤作動は三十回に一回程度の割合で発生するといい、これまでに数十回確認されたという。

この誤作動は事故車両と同型の別車両では確認されていない。七月に入り実施した事故車両の走行試験では誤作動は発生しなかった。

「湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた」の続報です。

この事故は、2008年2月24日に起きました。
西鎌倉駅に停車するべきところを、約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。というものです。

そして、点検したらブレーキディスクが24枚割れていました。

今回の記事のように、ブレーキを掛けても動力が切れないのであれば、ブレーキの負荷は限界を超えるでしょうから、ディスクが割れるといった事も起こりうるでしょう。

30回に一度発生するのであれば、湘南モノレールでは一往復でも何度も発生することになります。 しかし、5月には発生した現象が7月には発生しないのでは、原因の究明は簡単ではありませんね。 もっとも、技術的には動作確認信号を採っていないから矛盾した命令をシステムのエラーとしてチェックできないのだろう、と判断します。

エレベータの暴走死亡事故などでも、最近の制御系の設計では、信号が行きっぱなしになっているような気がしてなりません。 なんか根本的に人命に関わる機器の制御設計が出来なくなっているのではないでしょうか?

7月 23, 2008 at 09:13 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.06.13

超電導自動車誕生

サンケイ新聞より「世界初 超電導電気自動車公開 住友電工、10年後実用化へ

住友電気工業は12日、超電導技術を応用したモーターを搭載した電気自動車を公開した。

超電導モーターで動く自動車は世界初といい、10年後をめどにバス、トラック、建設機械などへの実用化を目指す。19日から札幌市で開催される「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」で展示される。

市販の乗用車に、同社が開発した世界最高レベルのビスマス系超電導材料を使ったモーターを搭載。液体窒素を利用した冷凍機で零下約200度の超低温状態を維持しながらバッテリーからの電力で動く仕組み。

デモンストレーションでは、ガソリンで動く自動車と変わらない加速性能で、静かでスムーズな走りが披露された。

電気抵抗がゼロで、大きな電流を流せるため強い回転力が得られ、銅線を使う通常のモーターと比べ、大幅な燃費向上が見込めるという。

これではあまりにあっさりした記事ですが、住友電工のプレーリリースに割と詳しく出ていました。
住友電工プレスリリース「世界初となる超電導電気自動車を試作

2008年6月12日
住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社は、このほど世界で初めて超電導モータにより駆動する超電導電気自動車を試作し、本年6月19日より北海道札幌市で開催される「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」において一般公開いたします。

【超電導電気自動車の試作目的】

超電導は、電気抵抗がほとんどないためエネルギー損失が小さく、かつ電流密度が高いという特長により、省エネルギー技術としても期待されています。

当社は、世界最高レベルとなる臨界電流値(*)を有するビスマス系高温超電導線を開発するとともに、米国での高温超電導ケーブル実証実験への参画、産学グループ共同による船舶用超電導モータなど超電導応用製品の開発を進めており、様々な産業分野における高温超電導技術の実用化に向けての研究開発に取り組んでいます。

今般、こうした取り組みの一環として、高温超電導技術の新たな応用分野として考えられる電気自動車用モータへの適用検証を行うために、また実用化に一歩近づいた高温超電導技術を産業界はじめ広く社会にアピールするために、当社の高温超電導技術を結集し、世界初となる超電導モータで駆動する電気自動車を試作しました。

【超電導モータの特長】

通常の電気自動車用モータには銅線が使用されていますが、銅線は電気抵抗で発熱するために電流値を制限しており、この結果大きなトルク(回転力)が得にくくなります。一方、超電導線は電気抵抗がなく、大きな電流を損失無く流すことできます。そのため大きなトルクを連続して得ることができるとともに、バッテリーのエネルギーを効率よく使用できるため省エネルギーに寄与できます。

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【今後について】

当社は、高温超電導線の更なる性能向上を図るとともに、今回の試作車は乗用車をベースとしていますが、バス・トラック等大型車への超電導モータ応用についても検討を進めていきます。

以上

(*) 臨界電流値は、超電導状態で流すことができる最大の電流値であり、超電導線の最重要性能です。臨界電流値の向上により、電力用ケーブル、変圧器、モータ、発電機、電磁石等の応用製品において、電力品質やエネルギー効率の向上が可能になります。また、応用製品に必要な超電導線の使用量を削減できるため、製品のコスト低減と小型・軽量化を実現します。

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乗用車にそのまま搭載できるシステムにまとめたというのは高く評価できますね。
しかし、今のところ冷却がかなり大変ではないか?と感じるところです。液体窒素冷却なのだから、冷凍車にはそのまま使えそうな気もしますが、いくら配線のロスが少ないと言っても、動力の変動が大きい自動車に使うと、定常運転で使える鉄道などよりも効率が悪いのではないか?という気もします。

でも、それもやってみないと分からない事の一つでしょうから、実用テストまでは進んで欲しいものです。

6月 13, 2008 at 09:42 午後 もの作り | | コメント (9) | トラックバック (0)

2008.05.24

全日空機・エンジン水洗いで作業ミス

東京新聞より「エンジン洗浄ミス 06年の全日空機トラブル原因

全日空機が2006年7月に機内の気圧が急低下し中部国際空港に緊急着陸したトラブルで、急減圧の原因は、エンジン洗浄の作業ミスが原因だったとみられることが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で分かった。エンジン洗浄に伴う急減圧は極めて異例。

エンジン洗浄で燃費が良くなり二酸化炭素(CO2)削減にもつながるため、航空各社は、原油高と温暖化を背景に洗浄する機体を急増させており、対策が求められる。

急減圧は06年7月5日朝、中部国際空港の南約130キロの上空約1万1000メートルで発生した。福岡発成田行き全日空2142便ボーイング737-500の気圧が半減し、酸素マスクが落下。同空港に緊急着陸した。乗客乗員46人に酸素不足による低酸素症などは起きなかったが、事故調委は事故に準じた重大トラブルとして、原因の調査に入った。

その結果、エンジンから出る高温高圧の空気を冷やすため、上空の冷たい外気を取り込む量を調節する熱交換器制御弁(直径20センチ、長さ30センチ)などに乾いた洗剤のかすが詰まり、弁の開閉を妨げたことが判明した。

事故調委は、冷たい空気の流入量が減って各空調装置に送る空気が十分に冷えずオーバーヒートセンサーが作動、機内の気圧を保つ空調が止まり急減圧したとみている。

洗剤のかすのほか、熱交換器制御弁などには水が浸入したことを示す水あかもあった。同機は急減圧の4日前まで、中国山東省の整備専門会社で約3週間の整備を受け、エンジン内を洗浄。現地整備士が水を吹き付ける場所を間違え、水や洗剤が入ったらしい。

同機のエンジンは取り込んだ外気を圧縮、燃焼させた高温、高圧ガスでタービンを回し、連動して回る前部の「ファンブレード」で推力を得る。

外気を圧縮する圧縮室に放射状に並ぶ回転羽根という小ブレード(数百枚)に、土やほこりが付くと圧縮効率が低下するが、エンジンを回しながら高圧ホースで年に2回程度洗浄すると、燃費が改善する。

一部の古い機種を除き不要な整備だが、燃料削減のため、航空各社はエンジン洗浄を拡充している。

2006年7月のアクシデントですから、2年前の話で何で今になってやっと調査結果が発表されたのだろう、とちょっと不思議に思うところです。

以前から見ている「航空事故」に記録が出ていました。

  • 2006/07/05
  • 中部国際空港の南約13キロメートル、高度約11,300メートル
  • JA8419 ボーイング 737-500
  • エアーニッポン(株)

当該機は、7月5日

07時24分福岡空港を離陸し飛行中
08時10分ころ上記場所付近において客室余圧の低下を示す計器表示があり、乗客用酸素マスクが自動落下した。当該機は航空交通管制上の優先権を要請のうえ緊急降下を行い、目的地を中部国際空港に変更し
09時09分同空港に着陸した。
出発地及び最初の着陸予定地福岡空港→成田国際空港。
搭乗者乗務員5名、乗客 41名、計46名。
死傷者なし。機体の損壊等:なし。

備考:本件は航空法施行規則第166条の4第10号で規定する「航空機内の気圧の異常な低下」に該当する事態であり、重大インシデントに該当する。

だそうです。今回の整備による故障問題について東京新聞は別の記事を出しています「【関連】コスト対策に“漏れ” エンジン洗浄 海外整備の安全課題

原油高騰と温暖化対策に成果を上げるエンジン洗浄で、安全面の“漏れ”が生じた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で、二〇〇六年に全日空機で起きた急減圧の原因に洗浄時の作業ミスが浮上。海外の整備専門会社に委託する海外整備で初の大きなトラブルといい、整備コスト削減のため広がる海外整備の安全確保に課題が浮かんだ。

燃料とCO2の削減を目的とした全日空のエンジン洗浄は、〇三年度の四十回からスタート。〇七年度は千三百十五回と急増中だ。

日本航空も〇五年度の三十数回から始め、〇七年度は四百五十回に拡大。ドラム缶で年間十数万本、東京-札幌間一千数百往復分の燃料を削減できた。

両社は九〇年代から海外整備を始め、海外整備比率は現在、ともに三割を占める。日航はエンジン洗浄の海外委託をしていないが、シンガポールでエンジン洗浄することを検討している。燃費と整備の両コストを削減できる一石二鳥の効果が期待できるという。

事故調委や全日空によると、同社が今回の中国の整備会社に委託を始めたのは〇六年。トラブルが起きたのはこの会社が整備した三機目の全日空機だが、エンジン洗浄の整備は初めてだった。

同年六月十日から七月一日まで、四千飛行時間か一年半に一度の間隔で行う大規模整備でエンジンを洗浄。その際に現地整備士が、水を吹き付ける場所を間違えたという。

現地整備士は全日空の作業基準に沿って洗剤で洗浄。全日空の駐在員も監督したというが、全日空側は洗剤を使わない水洗いを要請したとの情報もあり、事故調委は詰めの調査を急いでいる。
社員常駐や要員訓練作業の「質」確保に努力

海外委託整備は、自社整備に比べ品質を不安視する声が根強い。このため、海外四社に委託する全日空は計六人の社員を常駐させ、現地整備士の訓練期間を拡大。現地整備士を全日空機専用に固定したり、整備士と責任者ら三者でマニュアル通りに整備作業したかを逐一確認したりするシステムにしている。

海外七社に委託する日航グループは、委託の大半が集中する主要二社に計八人の社員を常駐させている。さらにこの二社に出資、役員を送って経営に発言権を持つ。日航本社にも〇六年、海外委託専門部署(二十人)を新設、海外整備の品質確保に努めている。

エンジン内部を水洗いすると効率が回復するというのは、どういう仕組みなのか今ひとつ理解できていません。
回転している羽根の先端は、エンジンの外側のハウジングに接するような感じで、普通に考えても隙間を最小限に減らすようにしないと、圧縮漏れになってしまうでしょう。
テフロンコーティングで滑らせるといった手法も使っているようです。

大型旅客機に使用される大直径のエンジンは当然回転数が遅いのですが、戦闘機に使用するエンジンなどでは、1万回転に近いところで回っています。
円周が2メートルであるとすると、毎分2万メートル、秒速333メートルというとんでもない速度になります。
そこで僅かなゴミも洗い落とすことで回転の抵抗が減るから、効率が向上するのだろうと考えます。

この程度の整備を中国でやった方が安いというのがよく分からないところで、分解整備のように思い切り人手が掛かるところについては、人件費の問題に直結するのは分かりますが、エンジン水洗いといったことぐらいは合理化できるのではないでしょうか?

神戸空港などで24時間体制の整備基地を集約するといったことも考えべきではないかと思います。

5月 24, 2008 at 11:39 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.20

ボンバルディア機の製造ミス

東京新聞より「修理マニュアルなし ボンバル機事故で調査委

全日空のボンバルディアDHC8-Q400(乗客乗員60人)が昨年3月、高知空港に胴体着陸した事故で、前輪が下りない原因となった整備ミスの全容が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。

単純な作業ミスで前輪格納扉開閉装置の一部が損傷。
その修理をマニュアルなしで行った末にボルトを付け忘れるミスが連鎖した可能性が高いという。

事故調委は、近く調査結果を公表する。

事故調委などによると、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が全日空側に機体を納入する1カ月前の2005年6月16日、地上試験中に前輪扉を開けた状態に保つ安全ピンの差し込みが不十分だったため、前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。

ボ社の部品管理記録では、この修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが、実際には別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた。
その取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた可能性が高いという。

このボルトは外周をスペーサーという筒状の金属部品に覆われ、前輪格納扉を動かすアームと連結、上下動で扉を開閉する。
ボルトで固定されなかった事故機のスペーサーは、振動などで外側にせり出し、周辺の金具に引っかかって、アームが動作不能になった。このため扉が開かず、自らの重みで下りる前輪が出せなかったとみられる。

扉開閉装置セットはほぼ組み立てた状態で下請け業者がボ社に納入するため、ボ社に分解や修理作業のマニュアルはなかった。
具体的な検査項目にもなっておらず、ボルトの取り付け忘れを見逃す死角を生んでいた。

◆中部空港でのトラブルは9件

中部国際空港(愛知県常滑市)で唯一、ボンバルディア機を運航する全日空グループのエアーセントラル(同市)によると、同空港発着のボンバルディア機で、航空法に基づいて国に報告したトラブルは2006年10月から今年3月までで計9件あった。

離陸上昇中、客室の気圧調節ができず引き返したり、離陸後脚を上げたが格納室扉が閉じなかったため、脚を下げたまま飛行したりした。

愛知県によると、県営名古屋空港(豊山町)発着の日航などのボンバルディア機で、「イレギュラー運航」として発表されたトラブルは05年2月から現在までで7件。水平尾翼部分に不具合が見つかって欠航したり、飛行中主翼の揚力調整装置が作動せず引き返したりした。

2007.03.14ボンバルディのノーズギア
2007.11.12ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因
2007.12.03ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

この「胴体着陸事故」については上記の3本の記事を書いています。

今回の報道が事実であるとすると、

  1. 前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。
  2. 修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換することになっていたが
  3. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けようとしたが
  4. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ことになります。
しかし、わたしが書いたコメントの中に重大な内容がありました。

ボンバルディのノーズギアのコメント

テレビのニュースでは、問題のボルトは冷やして締め込んで、ナットと同じ温度になるまで膨張すると外れなくなる、という永久締結機構だったそうで脱落したのではなく、最初から組み立てられていなかったのではないか?となっているようです。

投稿 酔うぞ | 2007/03/15 21:45:14

これで、

  1. 前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが
  2. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた
  3. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ではなくて、取り付けることが出来ない構造だった。と言えるでしょう。
そういう仕組みだったからこそ、「前輪格納扉開閉装置セットを一式交換」としていたわけだし、「分解や修理作業のマニュアルはなかった」のも当然だと言えます。

内容は修理ですが、これは製造の問題ですね。
修理作業であればユニット交換であったはずで、ユニット交換する仕組みを勝手に作ってしまったわけだから修理とは言えない。強いて言えば、製造時に正しい作業をしていなかったとなりそうです。

結構な大事に発展するかしれません。

5月 20, 2008 at 10:00 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.13

名古屋市営地下鉄エレベータ破損事故その2

「名古屋市営地下鉄のエレベータ破損事故」の続報が、朝日新聞と中日新聞に出ましたが、どちらの記事も何が起きたのが疑念を感じさせる内容です。

朝日新聞より「ブレーキ利かず、乗客一気に落下 エスカレーター事故

名古屋市営地下鉄で乗客が転倒してけがをしたエスカレーター事故の当時、乗客の大半はブレーキがまったく利かない制御不能のなかで最下部まで一気に落下していた状況がわかった。
名古屋市交通局によると、乗客が最下部に重なるように倒れ込んだ際に踏み板の側面のパネルが押されるまで、ブレーキを動かす安全装置は作動していなかった。

この事故では、高さ約9メートル、長さ約20メートルの上りのエスカレーターが突然逆走を始めたことで、乗っていた約25人のうち14人がけがをした。

Up

けがの程度がいずれも軽傷だったことなどから、異物を挟んだときなどに感知する安全装置がどこかで作動し、ブレーキはある程度利いていたとみられていた。

しかし、市交通局の調査で、乗客が倒れ込むまで安全装置が働いた形跡はどこにもなかった。このエスカレーターは、安全装置の稼働で電磁ブレーキが利かなければ、逆走しても、踏み板に動力を伝えるチェーンが切れるなどしない限り緊急停止はしない仕組みになっている。

市交通局によると、踏み板を動かすための、エスカレーター本体と制御装置の歯車をつなぐ金属製チェーンがたるみ、制御装置が載った台座もずれていた。また、制御装置の一部が踏み板にぶつかった跡もあった。

乗客の転倒まで「異常」が感知されなかったことなどから判断すると、台座がずれたことでたるんだチェーンが、制御装置がさらに踏み板にぶつかった衝撃でかみ合わせもはずれ、空回り状態になったと市交通局はみている。踏み板は制御不能状態になり、乗客の重みで加速度的に逆走したとみられる。

事故機の制御装置の台座をとめるボルトは昨年9月に2本が「金属疲労」で折れているのが見つかり、補強工事をしていた。しかし、今回も一部のボルトが折れていたことから、市交通局は疲労破断によってボルトが取れ、台座ごと制御装置が動いたとの見方を強めている。

こういう場合は、金属疲労とは呼ばないで強度不足というべきだと思うのですがね。
もっと怪しげな内容になっているのが中日新聞の記事「補強工事先延ばし、なぜ? 名古屋地下鉄エスカレーター」です。

名古屋市営地下鉄久屋大通駅のエスカレーター事故で、本格的な補強工事の準備が昨年10月には一部、整っていたことが市交通局の調べで分かった。

その時点で、早急に対応していれば、今回の事故は回避できた可能性もある。

昨年9月下旬、久屋大通駅のエスカレーターの機械室でボルト2本の「疲労破断」が見つかり、応急工事した際、製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)は計19基の恒久工事がさらに必要と申し出ていた。

ただ「部品がそろうのに時間がかかる。施工は今年4月以降」と市側に伝えていた。しかし、事故後、市交通局の調べで、昨年10月25日には11基分の製造を終えていたことが判明した。

残る8基分の製造がなぜ遅れたのか、当初めどとしていた4月以降もなぜ工事を始めなかったのか、12日現在、オーチス社は市にも、本紙の取材にも明確に答えていない。

市交通局は、製造済みの部品を使い、12日夜から一晩に1基ずつ、ボルトの直径を16ミリから20ミリに交換するなどの本格的な工事を開始。残る8基分も14日までには準備が整うという。

なんでこんな怪しげなことになっているのだろうか?
エスカレータはユニット化されているのだから、建物に設置するところが場所によって工事が変わってくるのだろう。それぞれの現場特有の工事があるわけで、そこに強度不足があったのだとすると、少なくとも同時に工事したところは全部に危険性があると考えるべきだと思う。

大体「2本のボルトが折れたから、補修する」というが問題だろうと思う。
なぜ折れたのかが問題だし、ボルトの強度不足であれば設計段階からの見直しが必須であろう。早い話がエスカレータの使用中止となったはずだ。

今回の事故は、補修したが壊れたのが現実であって、ボルトを太くすれば大丈夫と言えるのかは大いに疑問である。

16ミリから20ミリに変えるとのことだが、それでは剪断強度は1.5倍になるだけだ。
飛行機の軽量化設計じゃあるまいし、強度が1.5倍になったからOKとはとうてい言えないだろう。

普通に考えて、16ミリのボルトは数トンの負荷までは破断しないから、複数のボルトが切れたというのは10トンといった負荷が掛かったことになるが、それだとチェーンが先に切れるのではないだろうか?

一体何がどうなっているのか?根本的に、負荷対策が出来ていないとかではないのか?
原因不明であるのなら、使用中止にするべきだと考えます。

5月 13, 2008 at 10:20 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.12

名古屋市営地下鉄のエレベータ破損事故

中日新聞より「同型式のエスカレーターに補強工事 名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で9日朝、急停止後に上りエスカレーターが後退して11人が軽傷を負った事故で、市交通局は事故が起きたのと同じ型式の18基の本格的な補強工事を、12日夜に開始することを明らかにした。

補強工事は製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)が昨年9月、ボルト2本の破損が判明した際に、必要性を申し出ていた。

工事には8、9時間を要するため、終電前の午後9時ごろから、始発後の午前6時ごろまで毎日行う。1日1基ずつ補強し、30日までに全基を終えたいとしている。

全基の工事完了までは毎朝の始発前に、工事を終えていない同型式のエスカレーターの機械室で、モーターやブレーキが載っている架台とエスカレーターの骨組みをつなぐボルトに問題がないか、ハンマーでたたいて点検する。

市交通局によると、補強工事は、ボルトを現在の直径16ミリから20ミリに交換するほか、今回のように架台がステップからの圧力でずれるのを防ぐことを徹底するため、新たにボルトを上下に1本ずつ打ち込む。

同型式のエスカレーターは久屋大通駅に6基、桜通線の野並駅(天白区)に9基、桜山駅(瑞穂区)に3基ある。事故後は全基を止めたが、安全点検後、10日朝までにすべて運転を再開している。

市営地下鉄のエスカレーターは今回の同型式を含め計377基。今後は他社製も月1回、ハンマーでの安全点検をする。ボルトの点検はこれまでオーチス社が申し出た昨年9月に緊急実施しただけ。

元々6本のボルトでモーターと減速機を一体にしたフレームを取り付けていたようです。
それをさらに、補強工事していたものが今回は1本を残して全部が破断。
フレーム全体がチェーンに引っ張れてずれてしまい急停止し、さらに重量によって下がってしまったようです。

中日新聞より「補強した4カ所も破損 エスカレーター事故

名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で9日、急停止後に後退して11人が軽傷を負う事故を起こした上りエスカレーターは、昨年9月に破損が見つかり補強した4カ所も、今回の事故後の調査で破損していたことが分かった。

市交通局は製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)が実施した補強が強度不足で他のボルトの破損を引き起こし、事故につながった可能性があるとみて調べている。

Up

破損していたのは、モーターやブレーキが載っている架台とエスカレーターの骨組みをつなぐ個所。もともとは6本のボルトで架台と骨組みを固定していた。このうち2本が昨年9月、モーターなどの振動による疲労で破断し、根元からちぎれるように折れていた。

オーチス社は、この2本をそのままにした上で、破断個所近くの骨組みに厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接、その上に架台とつなぐように2本のボルトを上から、別の2本を横から埋め込んだ。

この結果、架台についているボルトは、10本(昨年9月に破断した2本を含む)となり、市側はオーチス社から「この補強でこれまでと同等の強度が出る」と説明を受けた。

しかし、わずか7カ月後の今回の事故で、補強した4カ所すべてが破損していたことが判明。うち少なくとも2カ所は、鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた。もともとあった6本のうちの1本のボルト以外すべてが破損していたことになり、架台は反時計回りにずれていた。

市交通局は「補強が適切でなかったか、設計通りに施工が行われなかった可能性がある」として、オーチス社から当時の状況を聴いている。

市交通局は10日、事故のあったエスカレーターの機械室を点検。11日はへこむように破損したステップ以外に異常のあるステップがないかを調べる。

市営地下鉄には、同型のエスカレーターが事故機のほかに、久屋大通、桜山、野並の3駅に合計18基ある。緊急点検の結果、安全が確認できたとして、10日朝までに順次、運転を再開した。

今回の事故では、ステップが破損しているようで破片が噛み込んで過負荷になったのではないかとも思うのですが、動力部がフレームから脱落したのですから機械設計としては落第でしょう。

ちょっと信じがたいのは「厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接」「鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた」という部分で、よほどひどい溶接をしない限りは、壊れるとは思えません。

さらには、シアピンなどはどうなっているのでしょうか?

この状態で、ボルトを太くするというのは修理と言えるのでしょうか?
原因が不明のまま補強しているようにしか思えないのですが、なんか三菱自動車のハブ破損事故を思い出してしまいます。

5月 12, 2008 at 09:26 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.05.09

大日本スクリーン製造・有機EL製造装置

京都新聞より「有機ELディスプレー・量産技術を開発 大日本スクリーン製造、米デュポンと

大日本スクリーン製造と米化学大手デュポンは8日、次世代の薄型テレビ用として普及が期待される「有機ELディスプレー」の量産に向けた技術を共同開発したと発表した。

2009年度に携帯電話など小型機器向け有機ELディスプレーの製造装置の納入を予定、
10年度からは32-36型テレビ用の装置の供給も始める方針。

スクリーンは、装置供給で10年度に100億円以上の売り上げを目指すとしている。

有機材料に電圧をかけて発光させる有機ELディスプレーは薄くて消費電力が少なく、画像が鮮明なのが特長。パネルの大型化や製造コストの引き下げが課題で、企業が技術開発の競争を繰り広げている。

両社は約3年前から有機ELディスプレーの共同開発に着手。発光材料を超高速でガラス基板に塗り分けるといったスクリーンの独自技術と、デュポンが持つ有機素材や材料技術の知見を組み合わせることで、従来は困難だった大型化や低コストでの量産にめどを立てたという。

当面の製造装置は十インチ程度の小型パネル用だが、大型パネル用の装置開発も進め、将来は40-50型テレビ用の装置も量産できるようにするという。
京都市内でデュポン担当者と会見したスクリーンの矢追善也FPD機器カンパニー社長は「デュポンとの提携で他社より一歩も二歩も先行した。市場の拡大が見込まれており、製品化にあらゆる技術を結集したい」と語った。

大日本スクリーン製造と米化学大手デュポンの組合せは、素材供給側ですからもくろみ通りに2010年度に装置を売上げベースで100億円規模に出来るとすると、一気に有機ELを使用した製品が増えるでしょうね。

大型液晶の試作現場を見たのが1990年頃で、その頃には両さんは不可能ではないのか?というほどの不良率だったのが、今では大型テレビが大量に作られようになっているのですから、すぐに有機EL時代になるのかもしれません。

5月 9, 2008 at 08:47 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.12

静粛な自動車禁止法?

Response より「プリウス に騒音は必要?…車の静かさ防止法案

アメリカ議会では早ければ2010年の実施を目指し、車が出す音の最低限レベルを決定する法案を検討中。

「ハイブリッド、EVなどの音が静かすぎて危険」という不満が、特に視覚障害者などから聞かれることから、歩行者の安全を守るために、車が出す騒音の最低レベルを決定する必要があるかどうか、米運輸省にリサーチを実施させる。

実はこうした法案は州レベルではすでに実施されており、今年3月メリーランド州では実際に音の最低レベルを設定する法案が州議会を通過している。

法案は各自動車メーカーに対し2年間のコンプライアンス期間を設定するもので、今年中に法案が可決されれば2010年に販売予定のモデルから、「最低騒音」が義務づけられることになる。

しかし問題視されているハイブリッドの無音は特にトヨタの『プリウス』、ホンダ『シビックハイブリッド』などが対象で、より大型の2モードハイブリッドを採用しているビッグ3のモデルは特に問題が指摘されていない。

アメリカでは「プリウスは日本政府の支援で作られた」発言など、日本のメーカーに対する警戒感を思わせる動きが高まっており、今回の「騒音は必要」議論も結局は日本車をターゲットにしたもの、と言えるかもしれない。

まあ確かにアメリカがなりふり構わずに日本のハイブリッド車の増加を抑えに掛かるというの大いにあり得ることですが、ハイブリッド車(正確には電動自動車)がエンジン駆動の自動車と騒音発生レベルのが全く違う、というのは社会的に問題になると思います。

たまたま今日「ありゃ??」という経験をしました。

今日(2008/04/12)の昼過ぎに歩いてとなり駅まで行ったのですが、途中の信号付き交差点でエスティマハイブリッドが目の前を横切っていきました。

今エスティマハイブリッドには非常に興味があるために、普通のエスティマと僅かな外形の違いを見分けることが出来ます。
それで、ちょっと向こうにいるエスティマハイブリッドを見て「ハイブリッドだ」と分かったのですが、目の前を通りすぎていく車の姿と音が頭の中で合成しないような感じになりました。

思い出してみますと、目の前を通るところと通り過ぎた後の音が期待していた音ではないと感じたのですね。 明らかに「ヘンな音」というより「なんだこの音の変化は」でした。

エスティマハイブリッドは十字路の交差点をまっすぐに通り抜けてきたのですが、道は交差点に進入する前にはダラダラと続く下り坂です。交差点を通り抜けるとすぐに上り坂になって一時停止になります。

普通のエンジン付きの車であれば、近づいてくるときの音はエンジンを吹かしていない下り坂、通り抜けてすぐに一時停止という状態では、通常走行からエンジンブレーキで減速中でしょうから、非常に静かでしょう。
目の前を通り過ぎると、排気音がはっきり聞こえるから「通過後に音が大きくなる」と判断するようです。

それが、通過前も通過中も通過後も同じような音でした。ほとんどはタイヤの音だったと思います。

これが違和感の原因だと思うのですが、決して無音ではないのです。しかし、聞き慣れている自動車の音でもありません。

そういう違和感を無くそうというアメリカの考えは分からないでもないですが、法律で決めるよりも社会の慣れの方が有効だろうとは思います。

以前、初代プリウスが目の前でバックを始めたときにもビックリしましたっけ。難しいものですね。

4月 12, 2008 at 08:54 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.10

ホーイング787・納期の再々延期

CNN.co.jp より「787型機の納入、3度目の延期 米ボーイング

航空機製造大手の米ボーイング社は9日、製造中の次世代中距離機787型「ドリームライナー」の引き渡し時期を、2009年7─9月期に延期すると発表した。
同社が787型機の納入を延期するのは、今年1月に続いて3度目となる。

最初の納入先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に引き渡す予定だったが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に。

今年の1月には、再度の延期で引き渡しは09年にずれ込んでおり、3度目の延期に全日本空輸は「非常に落胆した」としている。

引き渡しの延期理由は、製造工程の遅れや各国企業が生産する部品の到着遅延などとしている。

  • 2008年5月
  • 2008年12月
  • 2009年3月
  • 2009年9月

と引き渡しが延びてきたわけで、もう単純に四半期単位で延びてますね。
それにしてもまだ初飛行していないんですよね。
「納期がいつになるのか言えない」ということなのでしょう。

もうすでに複数の機体が完成しているという情報もあり、必ずしも1号機を先に飛ばすということにはならないのかもしれませんが、それでは1950年代のジェット機揺籃時代と同じです。
作ってみなければ分からないというか作ってみても分からない、なのかもしれません。

同じく飛べないのが、川崎重工が作っている自衛隊の次期輸送機C-Xでこれは強度不足で設計からやり直ししたそうです。

飛行機はすでに100年の歴史がある技術で、設計については充分に枯れていると思っていたのですが、複合素材を使ったりすると、とんでもないことが起きるのでしょうか?
全日空・日航共に燃料費高騰と787の導入遅れが株価に影響しているそうで、788カスタマーはボーイングに対して続々と賠償請求を起こす可能性があると、AFP BB は報じています。

4月 10, 2008 at 08:23 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.05

もんじゅの誤警報問題の原因解明

サンケイ新聞より「もんじゅ 県、全検出器の点検要請 誤警報 施工ミスの可能性

高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)で3月下旬に1次系配管でナトリウム漏れの誤警報が相次いだ問題で日本原子力研究開発機構は4日、接触式ナトリウム漏えい検出器の施工ミスの可能性が高いと発表、国や県、同市などに報告した。
県は、原子力機構に対しもんじゅの全検出器の健全性と整備体制の確認を要請した。また3月26日の誤警報の連絡が遅れたことについても教育や訓練を求め、原子力機構は応じる考えを示した。

◇原因を報告

原子力機構によると、問題の検出器は電極と電極の根本にあるさやが、ナトリウムなどの導電性物質に同時に接触することで警報を出す。

今回の検出器は平成2年2月の施工時に、留め具の設置ミスで予定より約1センチ深く入り、電極が配管内の開閉弁の一部(弁棒)に接触して曲がり、さやだけが接触した状態になったという。
その後、120回以上弁棒が動作する中でさやがこすれ、電極と同時に接触。3月26日と同28日に誤警報が出された。

原子力機構では「検出器としての機能は確保されていたが、施工時に、意図したとおり設置されていなかったことは、改善が必要だ」として、もんじゅに設置された検出器479台の内、今回と同じく1次系に斜めに取り付けてある22台について、6月中旬までに検査を実施する。

また、残りの検出器についても検査を検討しており、プラント確認試験の行程内で適切な時期を選んで実施する方針。もんじゅは10月の運転再開を目指しているが、行程が遅れる可能性があるとしている。

この日、早瀬佑一・敦賀本部長が県庁の旭信昭副知事を訪問。誤警報の原因が部品の製造ミスだったことを伝えた。また、県への連絡が誤警報から3時間後になったことについて所長らが通報を確認していなかったと説明。早期に1次系の検出器の点検、通報体制の確認や意識改革を行うと対策を説明した。

これに対し、旭副知事は昨年来2次系でも誤警報が発生したことを踏まえ、1、2次系すべての検出器の点検を求め、連絡体制のマニュアル整備や見直し、通報責任者の複数配置を行うよう文書で要請。また「漏れの確認手段については県原子力安全専門委員会での要請もあり、複数の方法を講じるようお願いする」と述べ、早瀬本部長は「重く受け止め、信頼回復に努める。委員会の要請も検討し、対策を取りたい」と答えた。

一方、敦賀市役所を訪れた原子力機構の伊藤和元理事は誤警報の原因を説明した後、地元自治体などへの連絡が遅れたことに触れ、「(通報遅れは)市民の皆さまの信頼を損なう重大な問題。一報を入れることより、事実確認を優先してしまった」と謝罪。河瀬一治市長は「電話一本いただければ済んだ話。今回の問題を教訓にしてほしい」と苦言を呈した。

検出器が誤警報を出したのに、「機能が確保されている」というのは無理でしょう。

原子炉の歴史ではナトリウム冷却炉は失敗の連続で成功した例はあるのですかね?

もんじゅがナトリウム漏れ事故を起こしたのは、1995年で以来止まったままです。
とは言っても、ナトリウムを暖め続けるために膨大な電力を消費しているのですから、原子炉として機能停止ではあっても、プラントは動き続けているとも言えるでしょう。

1995年の事故は、二次冷却配管(だから人が立ちいることが出来る部分)の温度計のサヤが破断してナトリウムが漏出して発火した、というものでした。

温度計のサヤが破断した原因は、設計不良による応力集中と管内のナトリウム流によって温度計のサヤが振動したことによるとされましたが、機械工学的にはかなり初歩的なトラブルでした。

今回の「工作ミス」も同じように「機械工学上の初歩的ミス」の印象を受けますが、それがかなりやっかいな事態に展開しているところが「ナトリウム炉は大変だ」と思うのです。

日本での高速増殖炉の計画は、実験炉・常陽、原型炉・もんじゅ、実証炉ということになっていますが、増殖炉・原子炉という以前にいわばボイラーとしてナトリウム冷却機構を使いこなせるのか?という問題のように見えます。
こんな段階でつまずいているようでは、高速増殖炉は本当に「夢の話」になってしまうように思えます。

それにしても、本当に10ミリも間違えて工作したのに、それがチェックできなかったのでしょうか?
そこまでいい加減な設計なのでしょうか?これほどの誤作を許してしまう設計自体が問題じゃないのでしょうか?

4月 5, 2008 at 10:13 午前 もの作り | | コメント (12) | トラックバック (1)

2008.03.28

MRJはどうなるか?

「MRJ事業化決定」はあっちこっちで取り上げられていますが、専門家の鋭い指摘がありました。

松浦晋也のL/Dより「MRJへの不安」から引用します。

 この半月ぐらい、「MRJ、三菱リージョナルジェット」の検索で当ページを訪れる人が急増している。去年の秋に書いたMRJ、大丈夫か?続・MRJ、大丈夫か?が引っかかるらしい。

 三菱重工業が開発を目指す国産旅客機「MRJ」を巡る情勢は急速に動いている。本日、全日空が25機を発注してローンチカスタマーになると発表した。ベトナムや中東への売り込みを行っているというニュースも流れている。

 YS-11以来の国産旅客機の開発だ。もちろん喜ばしい。

 しかし、私にはどうにも引っかかることがある。それは「三菱の技術者は本当に旅客機を設計できるのか」ということだ。

 「何を失礼なことを言っているのか」と怒らずに、以下読み進めて欲しい。三菱の航空技術者の質を疑っているわけではない。経験値が足りているかどうかを気にしているのである。

 長々と書いてきたが、私はMRJが失敗すればいいなどとは決して思っていない。おそらくMRJが失敗すれば、日本の航空機産業は半永久的に旅客機参入の機会を失ってしまうだろう。その意味では、MRJは失敗を許されないプロジェクトとなっている。

 ただただ、心配なのだ。営業面も技術面も。

さらに「MRJ、大丈夫か?」「続・MRJ、大丈夫か?」を読むと、三菱重工のセンスの悪さがはっきりと指摘されていて、わたしが前回書いた「営業的に一度も成功していない」ということが実に大きくのしかかってきています。

大上段に振りかぶってしまいますと、日本はいまだにメーカのプロダクトアウト的な側面が強すぎて、なぜ売れるのかといった問題を追及する姿勢が弱いと言えます。
その中でも三菱重工は営業が得意とは言えないのですから、ここ一番と言うところでは思いきった人材の登用など考慮するべきでしょう。

それが出だしから、「MRJ、大丈夫か?」なのですからそりゃ多少は事情を知っている人は皆揃って心配するわけです。

技術的に成功して、製品を作ることが出来てもビジネス全体を売却してしまう、という可能性は今まで経緯からは決して低いものではなく、作ることの自己満足に終わるようなことにならないように願うところです。

3月 28, 2008 at 02:28 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.27

MRJ事業化決定

日経新聞より「三菱重のMRJ、28日にも事業化決定・全日空は25機、日航も検討

三菱重工業は国産初の小型ジェット機「MRJ」の事業化を28日にも正式決定する。

全日本空輸が27日の取締役会でMRJ25機の購入を決めるほか、日本航空やベトナム航空も導入する方向で検討しており、一定の受注数を確保できると判断した。全日空はMRJの燃費性能などを評価しており、第一号顧客として今後の開発作業に参画し機体設計などに自社の意向を反映させる。約40年ぶりの国産旅客機事業が動き出す。

全日空が購入するMRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)は座席数が70―90席で、1機30億―40億円程度。2012年から地方路線などに順次導入する方針だ。

全日空はボンバルディア(カナダ)、エンブラエル(ブラジル)の2社の小型ジェット機も導入候補として検討してきたが、ボンバルディアは今月中旬に自ら辞退。エンブラエルと比較検討した結果、燃費の3割改善を目標としているMRJを選んだ。

「MRJ発進!?」の続報です。

燃費の3割改善というのはすごいですが、メンテナンス全体のコストダウンということですと、経験が大きくものを言うでしょうから三菱でなくても後発メーカはどこも苦労しています。

顧客のニーズをうまくキャッチアップするだろうか?となりますと、三菱重工が航空ショーでMRJを発表した時点でもかなり強く非難されていますから、心許ないですね。

技術的には一見ハイテクのように見えても、旅客機は元々結構保守的ですから特に問題にはならないでしょう。
超大型とか超斬新でもありません。

しかし民間機ビジネスということを考えますと、今まで一回も成功していないのが日本の航空機製造ビジネスで、個人的には「また売ってしまうことになるのでは?」と心配です。

3月 27, 2008 at 10:53 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.26

全日空787で損害賠償を請求

毎日新聞より「全日空:米ボーイング787納入遅れ、賠償請求へ

全日本空輸(ANA)の山元峯生社長は毎日新聞のインタビューに応じ、納入が遅れている米ボーイングの新型中型機787について、損害賠償請求する方針を明らかにした。
日本航空(JAL)など世界の航空会社にも同様の動きが広がる可能性がある。
一方、三菱重工が事業化を目指す国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」については期待を寄せつつも検討中とし、近く最終判断する意向を示した。

燃油高が続く中、燃費性能の優れた787の納入が遅れたことについて、山元社長は「08年中はもう入ってこないと思った方がいい。頭が痛い」と述べた。ANAは08~11年度の中期経営計画で機材調達の変更を余儀なくされた。米ボーイングに対する損害賠償請求は「当然、その話になる。燃費効率で収益に貢献するとはじいていたのだから」と述べ、納期が決まれば具体的な手続きをとる考えを示した。

◇MRJ導入は近く最終判断

MRJについては「日本の需要より、世界市場で売れる飛行機を作ってほしい。10年たって部品がなくなるというのでは困る」とくぎを刺した。購入判断には、部品供給などの条件の見極めが重要との認識を示した。社内の機種選定委員会から近く答申を受け、最終判断する。

また、10年10月に供用開始が予定される羽田空港の国際線の発着枠について「(国土交通省が予定する)3万回といわず6万回に増やしてほしい」と注文をつけた。羽田を拠点に近距離の国際線を拡充すべきだと主張している。【後藤逸郎】

2007年8月にロールアウトしましたが、いまだに初飛行していません。
計画は、2007年9月に初飛行、引き渡しは2008年5月とされていて、どう見ても「そんなにうまくいくものか?」と思われていましたが、ロールアウト時点で機体が完成していなかったというのですからすごいです。
もっとも日本の次期輸送機C-Xもロールアウトはしましたけど、強度不足で設計のやり直しとか言っていますから、別にボーイングだけの問題でもないようです。

しかし、大量に売れてしまった旅客機ですから各航空会社が経営計画に織り込んでいるのは当然で、賠償問題が出てくるもの当然でしょう。

初飛行が2008年第一四半期と計画されていますから、あと一月の内に飛行テストに入れるものかどうかを注目しましょう。

3月 26, 2008 at 11:01 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.20

4脚ロボット発展す

Engadget Japanese より「動画:蹴られても滑っても立ち直る四脚ロボ BigDog

DARPA出資のもと開発されている四脚ロボBigDogの新しい動画が公開されました(続きに掲載)。Boston DynamicsのBigDogは軍用・荷役用を想定したガソリンエンジン駆動の4脚ロボ。体重は約105kg (旧バージョンは約75kg)、体高約70cmくらい。

エンジン音を鳴らしながらよたよた歩く、蹴られても上手くバランスをとって立ち直るといったあたりは以前の動画でも公開されていましたが、今回の動画に含まれる「約150kgの荷物を背負いつつ、氷の上で同時に2本以上の脚が滑っても一瞬ヒザをついて立ち直る」場面は必見です。下の動画では開始1分20秒くらいから。

Defense Advanced Research Projects Agency は日本語訳だと色々あって、国防高等研究事業局、国防総省高等研究計画局、国防高等研究計画庁、などがありますが有名な無人車での走行実験などを莫大な金額を掛けてやっています。

この4脚荷役用ロボットは発表当時から「気味が悪い」などと言われてましたが、YouTube にアップされている動画「BigDog - Boston Dynamics (2008)」(Engadget Japanese のリンク先そのもの)を見ると、非常に難しいことに挑戦しています。

アシモにはこれは出来ないでしょう。
なんかタチコマを思い出してしまうわけです。

3月 20, 2008 at 03:19 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

MRJ発進!?

日経新聞より「三菱重工、小型旅客機事業化へ・国産40年ぶり

三菱重工業は国産初の小型ジェット旅客機を事業化する方針を固めた。

全日本空輸と日本航空が最大で合計70機を購入する方向で最終調整しており、アジアの航空会社からの打診を含め一定の受注数が確保できると判断した。

今後高成長が見込める小型旅客機市場に参入し、航空機事業を拡大する。国産旅客機の誕生は「YS―11」以来、約40年ぶりで、部品や素材など日本の製造業に幅広い波及効果が期待できそうだ。

三菱重工は小型ジェット旅客機「MRJ」について航空各社と価格や保守、納期遅れの際の補償などで詰めの交渉をしている。条件面で合意すれば、全日空は早ければ月内にも購入を決める見通し。その後、三菱重工が取締役会で事業化を正式決定する段取りだ。

新規にビジネスに挑戦すること自体は大歓迎でありますが、競争激甚のリージョナルジェットの業界に参入することがそれほど良いビジネスなのかな?と思います。

YS-11の研究が始まったのは、戦争が終わってすぐで世界的にも純民間機はどうあるべきか?といった構想が色々と提案されて、世界の航空技術者たちが「戦争用の飛行機から民間機に」と競争していた時代でした。
その意味では「民間機を作る」こと自体に大きな意味がありました。

同時に、少量生産であるために部品製作レベルまで人的資源を投入でき、しかも技術的に高度であるところが波及効果が大きいとされました。

その後、飛行機に使われるバーツも専業メーカが出来て航空機メーカはかなり組み立て産業になってしまい、ボーイングとエアバスの両者は大型部品を結合して飛行機にするメーカとなっています。

今では、パーツの大型化など人手の削減の方向で競争が激しくなっていて、量産効果もビジネス上必須になっています。
つまり以前ほどの波及効果はないと言えるでしょう。

もちろん、航空機製造技術の基盤維持のために航空機開発をすることが必要との意見はその通りだと思いますが、それがビジネス的に厳しいだろうという事実を変えることにはなりません。
第一、YS-11でもビジネス的な失敗でその後が続かなかったのです。
当時よりも現在の方が遙かにライバルは多く、ニーズからすると高級・高価格の機体は売りにくいでしょう。

確かに、技術的な研究や波及効果については飛行機を作ることで得られるものは大きいかとも思いますが、それがビジネスとして良いのか?というのは別問題でしょう。
高級で低価格の商品を少量生産する、というものすごく難しい問題になりそうです。

少量生産にしかならないリージョナルジェットの製造がビジネス的に成功するのか?それこそが大いなる挑戦と言えるかもしれませんが、少なくとも今までのやり方の延長上にはビジネス的にはマイナス要素の方が大きいだろうと思います。

3月 20, 2008 at 12:02 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.19

超伝導モーター実用化?

FujiSankei Business iより「世界最大365キロワット 超電導モーター IHIが船舶推進装置向け開発

IHI(旧石川島播磨重工業)は17日、世界最大出力365キロワットの超電導モーターを使った船舶用推進装置=写真=を完成させ、横浜事業所(横浜市磯子区)で報道陣などに公開した。同社は出力を400キロワットに高めた超電導モーターの販売を2009年度から始める。超電導モーターの販売は国内メーカーでは初めてという。

Up

公開した超電導モーターは、福井大学や住友電気工業など7社1大学の産学グループが共同開発した。船舶の分野も二酸化炭素(CO2)の排出削減が課題になっており、この推進装置を搭載した船は従来型のディーゼル駆動船に比べ燃費が15~40%向上する。

一定の温度以下になると電気抵抗がゼロになる超電導材に、高温タイプのビスマス系線材を採用。冷却剤に液体ヘリウム(マイナス269度)に比べて高温の液体窒素(約マイナス200度)が使え、断熱が容易で扱いやすいという。

4月から耐久性を検証するための24時間連続負荷運転に入り、7月から400キロワット超電導モーターの製作に着手する。将来は「船舶以外の分野にも超電導モーターを売り込みたい」(舶用超電導推進事業室部長)としている。

船舶用に普通のモーターとして超電導技術が使われるとは「なるほどねぇ」といったところです。

400キロワットでは、それこそ潜水艦の巡航用でしょうか(^_^;)

液体窒素の冷却で機能するのであれば、充分に実用出来るとは思いますが、冷やし続けなければいけないわけですから、そのエネルギー収支はどうなのでしょうか?
その分を入れても、燃費向上なのでしょうか?

超伝導モーターの制御はどうするのでしょうか?興味深いですね。

3月 19, 2008 at 10:57 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.03.02

野村精機倒産とその影響

帝国データバンク・大型倒産速報より「NC旋盤製造・野村精機株式会社

野村精機(株)(資本金3億円、西多摩郡奥多摩町棚澤437、代表佐藤悟氏、従業員129名)は、2月22日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、同地裁より保全監督命令を受けた。

申請代理人は泉義孝弁護士(港区虎ノ門2-5-4、電話03-3500-3655)ほか1名。

当社は、1959年(昭和34年)10月に創業、78年(昭和53年)1月に法人改組した工作加工機械製造業者。66年には山梨県小菅村に工場を開設し、NC旋盤の製造販売を専門に手がけ、海外企業とも提携を行い、88年12月期の年売上高は約58億400万円を計上していた。

しかし、米国子会社における営業展開の失敗に加えて、国内設備投資需要の冷え込みによって受注が落ち込み、93年12月期の年売上高は約22億9000万円に減少。連続欠損を余儀なくされていたうえ、新社屋建設などの設備投資に伴う過剰な借り入れ負担も重荷となり、多額の累積損失を抱え、債務超過に転落していた。

その後、販管費削減などの経営合理化を行い、民間設備投資の回復や海外の需要増によって経営環境も上向いたことで、近時は国内30%、海外70%の比率で国内外2000社以上の得意先を抱え、2004年12月期の年売上高は約55億9700万円に回復していた。

中国・台湾向けなどの輸出が好調に推移し黒字も確保していたものの、多額の債務超過状態が続いていたため、厳しい資金繰りを強いられ支え切れず、今回の措置となった。

負債は2006年12月期末時点で約82億5400万円。

債権者説明会は、3月4日午後3時から、ニッショーホール(港区虎ノ門2-9-16)で開催される予定。

以前は倒産速報を見ていたのですが最近はほとんど見ていませんでした。

今回この情報を拾ったのは、サンケイ新聞・東京地方版の記事「会社経営危機 お見合い中止」を見たからです。

山梨県小菅村は、村内の独身男性のため23日に予定していた「お見合いパーティー」を急遽(きゅうきょ)中止することを決めた。

同村教育委員会によると、参加予定の男性10人のうち6人が勤務する会社が会社更生法を申請。男性らが職を失うことも考えられ、将来的に不透明の中で開催することは応募した女性らに迷惑がかかるとして中止を決定した。

同村教委は応募した女性10人にわび状を送るとともに、電話で謝罪した。奥秋利一教育長は「関係者にご迷惑をかけ、大変申し訳ない」と話している。

小菅村はバイクでは良く行っていたところで知らないところではありませんが、問題になるほどの企業があるのか?と検索した結果が「野村精機の倒産」でした。

野村精機本社は奥多摩町棚沢ですから、小菅村とはかなり離れています。沿革によれば

1959野村精機製作所設立
1966山梨県小菅村に小菅工場を開設
1981埼玉県入間市に入間工場設立
1986野村精機株式会社へ社名改称
1992青梅新町ビル竣工

とのことですから、小菅工場が新聞に報道された工場なのでしょう。

たしか創業者が山の中での気温の変化が工作機械のベッドの製造によい影響を与えるというような理由で場所を選んで工場をつくったと聞いています。

日本の工作機は電子技術などによる高級化で世界に冠たる地位を今も占めていますが、元々のベッドの安定といったようなヨーロッパからの技術が相対的に価値を減らしてきて、国際的な低価格競争で利益にならない商売が続いていたのだろうなと思います。

3月 2, 2008 at 01:40 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた

朝日新聞より「事故3両の全ディスクブレーキが破損 湘南モノレール

神奈川県鎌倉市で湘南モノレールの下り電車(3両編成)が単線でブレーキが利かず対向電車の直前で停止した事故で、同社は1日、

車両すべてのブレーキディスク
計24枚が破損していた

、と発表した。車両は昨年12月に運転を始めた最新型で、同社は破損した原因を調べている。

同社によると、ディスクは内径195ミリ、外径410ミリ、厚さ16ミリ、重さ11.2キロで砂型鋳物製。各ディスクは3~1本の破断やひびが入っていた、という。

1車両に二つの台車があり、各台車には4輪の駆動タイヤが装着。それぞれにディスクがつき、空気の圧力でブレーキをかける仕組み。ディスクをはさむブレーキパッドには異常はなかった。モーターの抵抗を利用したブレーキは作動していたという。

同社は6日に1回検査をしており、この車両は事故発生5日前の2月19日に検査していた。ディスクはタイヤの裏にあるため詳細な点検は難しかったが、目視では異常は見つからなかったという。

事故は2月24日午前、西鎌倉駅を約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。オーバーランした車両には22人、対向車両には16人の乗客がいた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も調査を進めている。

同社によると、車両は三菱重工、三菱電機による共同企業体が納入。原因が究明されるまで同系車両を含めた運行をやめており、間引き運転をしている。

ブレーキが利かなくなったとのことだったので制御システムのエラーだと思っていたのですが、ブレーキディスクが割れていたというのは驚きです。

3両編成の全てのディスク24枚とのことですから、一両あたり8枚、ボギー台車のような構造で左右2個ずつの車輪4つで一つの台車を構成しているのでしょう。

12月に営業運転を始めたばかりとのことですから、2月24日には全てのディスクプレー気が割れていたというのは品質の安定という意味ではすごいですから、設計の問題ですね。

湘南モノレールはすごいアップダウンなので、ブレーキの負荷はかなりのものだろうと思いますが、ディスクブレーキ自体は特に新しい技術とは言えず実績も沢山あるわけで、今ごろディスクが割れるといったことが起きるとは本当に予想外です。
ましてモノレール(鉄道)なのですから極端な軽量化など技術的な冒険を犯す理由も見あたりません。
なんでこんな事が起きたのでしょうか?

ブレーキ装置自体が壊れると、全てが信用できなくなってしまいます。
シンドラー社のエレベータ問題でもメンテナンスの問題なのか設計の問題なのかという原因解明以前に「信用できない」となってしまいました。

ブレーキが働くから無事に止まることが出来る、というのは最終的な信頼そのもので、ブレーキが機構的に機能しないとなると、全ての信用が失われてしまいます。

全てを公開しながら原因の解明を進めないと、原因は解明できたが信用は取り戻せない、ということもあり得るでしょう。

3月 2, 2008 at 01:21 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.29

無茶苦茶なニッポン(になりつつある)

神戸新聞より「活況で安全後回し 社内規定違反 川崎造船クレーン倒壊

死傷者七人を出した川崎造船神戸工場のクレーン倒壊事故で、極めて危険な作業だったにもかかわらず、元工作部長(55)らが根拠なく安全と過信し、漫然と作業を進めようとしていた実態が、兵庫県警の捜査で浮き彫りになった。

送検された一人は、作業計画の作成を定めた社内規定を認識していたが、「クレーンを休ませることはできない」との理由で、規定に違反したという。

同工場は当時フル稼働の状態で、捜査関係者は業績を優先し、安全対策がおろそかになっていたことを指摘する。

神戸工場で行われたベアリング交換は、ほかの会社では専門業者に委託したり、事前準備に二十日間程度かけたりしているという。

しかし、同工場はクレーンメーカーだけでなく、経験のある社内の別工場にも問い合わせていなかった。

倒壊の直接の原因はクレーンの重心位置を誤ったためだったが、県警は事前にしっかり検討さえしていれば容易に防ぐことができたとみている。

当初、同工場はクレーンの総重量を約八百トンとしていたが、県警の鑑定で約六百七十トンだったことも判明、重量さえも正確に把握していなかった。

事故の背景として、捜査関係者らが指摘するのは好調な業績だ。川崎造船は二〇〇七年度には三年ぶりの営業黒字を見込み、一〇年度の売り上げ目標は〇六年度の倍増を掲げていた。

事故当時はアジア各国から三十一隻の船を受注し、三年先に造る船が決まっていた。送検された一人は「クレーンを休めることはできないと思った」と供述したといい、船の建造を優先させたことをうかがわせている。

活況の陰で、安全がないがしろにされかねない状況は製造現場全体に広がっているという。兵庫労働局の八田雅弘局長は二十八日の会見で「受注が増えている時期だからこそ安全の意識を高め、しっかりと取り組みをしてほしい」と注文した。

川崎造船神戸工場クレーン倒壊事故

2007年8月25日午前9時40分ごろ、船体をつり上げる「走行式ジブクレーン」の部品を交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げたところ、上部がバランスを崩して倒壊。地上31メートル付近で作業をしていた同造船社員(40)、派遣会社社員(55)の2人と、同12メートル付近にいた同造船社員(55)の計3人が落下するなどして死亡したほか、4人が重軽傷を負った。
同9月には、兵庫労働局が労働災害の防止を徹底するよう行政指導し、川崎造船は、安全対策などを含む経営体制を強化するため、非常勤の会長ポストを新設した。

このニュースは事故当時気にしていたのですが、遠めがねの記事にはなっていませんね。
この時には中華航空機が炎上という事件がありました。
それで飛ばしてしまったのでしょうが、 最近ちょっと手抜きではありますが、検索機能を付けたので検索してみました。

通りすがりの懐かしい顔 氏がコメントに書いています。

ある程度予想はしてましたが、こんな整備だと船は沈没するし自動車でもブレーキ踏んだ途端にキャリパー脱落なんて事故になりかねません。
(クレーン倒壊の修理手順もかなり怪しいので日本も他人事ではないな)

予想通りに「修理手順を何にも考えていなかった」というべき結論ですね。

何で専門家が存在するのかを考えていないというところが恐ろしいです。
さらに、先日の三菱ふそうのクラッチハウジング破断・死亡事故で被告側の主張が「細かいことまで知らなくて当然」のようなものなのですが、知らないのは当然ではなくて知っているべきなのですね。
その知っているべきとは、専門家がいることを承知している事であって、

「専門家の何が専門の価値なのかよく分からないから、専門家を利用することを無視しても大丈夫だろう」

というのではムチャクチャだ。

1月 29, 2008 at 10:54 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.24

後方警戒レーダ・マツダ車

NIKKEI NET より「マツダ、後側方障害物警報システムを新型「マツダアテンザ」に採用

マツダ株式会社(以下、マツダ)は、高速走行時に後方から接近してくる車両を検出するリアビークルモニタリングシステムを国内で初めて実用化し、今月末に発売予定である新型『マツダアテンザ』に採用する。

この警報システムは、高速走行時に左右の後側方車両を検知し、車線変更により衝突の危険性がある場合にはドライバーに警報を発して注意を喚起する自立型運転支援システムである。今回、検知範囲が広く悪天候の影響も少ない24GHzレーダーの採用により、高速走行時の後方接近車両が検出可能となった。

今回実用化されたリアビークルモニタリングシステムは、60km/h以上の高速走行時に、後方から接近する車両を左右のレーダーモジュールで検出、フロントAピラー部のLEDを点灯させてドライバーに報知する。この状態で方向指示器を操作した場合、LEDが点滅するとともに警告音を発してドライバーに速やかな車線変更の中断を促す。本システムは、後方約50mにわたる広い検知範囲を有しているとともに、悪天候に影響されにくい安定した検出性能を備えている。

ボルボなども提案しているサイドミラーの補助という考え方ですが、ミラーと併用で良いから、後方を見るテレビモニターを付けてくれないでしょうか?

ミラーを見るために、かなり視線を動かさなくてはならないので、もっと見やすいところにモニターを置いて、テレビカメラで見せるというのはレーシングカーのスーパーGTでは使われているんですよね。

レーダーまで行かなくてもだいぶ変わるし、第一トラックやバスなど視角の多い車で常時周囲を見ているカメラがあっても何の不思議も無いだろう。

テレビカメラ使用を制限する理由は「前から決まっているから」という以上のものは無いと思うんですけどね。

1月 24, 2008 at 11:34 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

F2墜落事故の対策?

毎日新聞より「F2戦闘機墜落:三菱重工が陳謝 重く受け止め改善したい

三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所は23日夜記者会見し、山田陽二所長が「防衛省と近隣自治体、住民のみなさまにご迷惑をかけて申し訳ありません」と陳謝した。

同社は再発防止策として、昨年11月から工場にある戦闘機やヘリコプター16機について特別点検を行い、

  • 誤接続の有無を確認
  • 配線と接続部を色分けして判別できるようにする
  • 作業手順書の記載内容やイラストを分かりやすくする
  • 水平尾翼や方向蛇の作動確認

などを導入する。山田所長は「設計上の配慮や作業上の注意、システムに対する理解が不十分だった。重く受け止め改善したい」と述べた。【加藤潔】

これは対策とは言えないだろう。

何かを隠しているとしか思えないのだが・・・・・・

1月 24, 2008 at 10:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.17

ボーイング787再度の納入延期

ボーイング787の納期が再度遅れることについて、AFP BB と CNN.co.jp に記事がでいてますが、原因について微妙に異なっています。

AFP BB より「ボーイング「787ドリームライナー」またも納入延期

【1月17日 AFP】

米航空機器大手ボーイング(本社:シカゴ)は16日、次世代中型機「787型ドリームライナー」の納入が2009年初めにずれ込むと発表した。当初2008年末と予定されていた。

同社民間航空機部門のスコット・カーソン社長兼最高経営責任者は声明の中で「787の基本デザインと技術は問題ないが、工場と世界規模の供給網の立ち上げ問題が解消していない」と述べた。
787は世界各地のメーカーが各部品を製造する手法を採っている。ボーイングは、これによる財政面への大きな影響はないとしている。(c) AFP/Rob Lever

CNN.co.jp より「ボーイング787ドリームライナーに再度の遅れと米紙

シアトル(AP)

米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナ(WSJ)は16日、米航空機製造大手ボーイングがまもなく、開発中の次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の納入が遅れること発表すると報じた。
ボーイング社は昨年10月、納入時期の半年遅れを発表しており、再度の延期となる。この報道を受け、ボーイング社の株価は同日、4.7%下落した。

WSJは787開発計画に詳しい人物の話として、同機の電気系統に不備が出ており、技術者が問題を解明するために2─3カ月が必要だとしている。

787は、1995年に投入された777シリーズ以来のボーイングの新型旅客機。機体の大部分を炭素繊維素材で製造し、軽量化と耐久性を向上させ、燃費効率も改善している。日本メーカーが初めて主翼の生産などを請け負っている。

最初の引き渡し先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に航空会社へ引き渡しを予定していたが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に延期されていた。

なんだかわけの分からない事になってきましたね。

当初はボーイングの発表が「ファスナーが無い」ということで「それは無いだろう」という批判がありましたが、その後「客室の情報システムが出来ない」という、これまた「初飛行が出来ない理由か?」と突っ込まれる情報が出てきました。

同じく話題の大型機のエアバスA380の場合は、初飛行後の航空会社向けの開発に手間取って大幅に納期が遅れました。
ボーイング787は、当初の計画では2007年7月に初飛行して2008年5月に全日空に一号機を納入の予定でしたが、2008年になっても初飛行が出来ません。

一号機の組み立てが遅れているのなら分かるのですが、一応ロールアウト(完成披露)しているのですから、外見などではないシステム上の問題があるのだろうと想像されます。

そうなると、初飛行しても航空会社に納入できるレベルになるのはいつなのか?と考えてしまいますが、今回の発表では「2009年初めに納入」ですから、ここ2~3ヶ月ぐらいの内には初飛行しないと間に合わないでしょう。

問題の解明に2~3ヶ月掛かるというのはどういう意味なのでしょうか?

一方で、エアバス社の2007年の受注は過去最高の1341機だそうです。
747の燃費が悪いとのことで、全日空・日航とも747の退役を計画的に進行中で787の納期が何年もずれるようだとかなり大きな影響があるでしょう。

1月 17, 2008 at 02:08 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱ふそう・刑事裁判についての社説

三菱ふそう経営陣への有罪判決についての社説が、朝日新聞、日経新聞、毎日新聞、東京新聞、北海道新聞、中国新聞にありました。

その中から、面白い部分を紹介します。

朝日新聞

ほかの欠陥のクレーム隠しが発覚したのは、今回の事故の2年前だ。当時の運輸省は改善が必要な欠陥をすべて報告するように求めた。ところが、同社はクラッチ系統の欠陥を隠し続けた。

当時社長だった被告は、自社製品のクラッチに欠陥があること自体は知らなかった。しかし、部下が一部の欠陥を隠して運輸省に報告することを承認し、記者会見してリコール隠し問題に区切りをつけるとまで宣言した。

判決はこうした経過を認め、「事故は予測できなかった」という無罪主張を退けた。

そもそも被告は、社長に就任した当初から長年にわたるリコール隠しを知っていたのに、発覚するまで何も手を打たなかったというのだから、なんとも理解しがたい。

日経新聞

判決の「量刑の理由」に並ぶ言葉を見れば、有罪になったのは個人であっても、裁かれたのが「企業の犯罪」であることは明らかだ。

厳密な証拠評価と「疑わしきは被告人の利益に」を原則に行う刑事裁判で、3件で三菱自の隠ぺい工作が指弾され、2件で「リコールなどの改善措置をとっていれば事故は起きず人命は奪われなかった」と断罪された事実を三菱自の経営陣、従業員は重く受け止める必要がある。

自動車の“安全偽装”は、食品表示偽装などとは比べものにならない重大な危険をはらむことを、改めて肝に銘じてもらいたい。

毎日新聞

判決によれば、三菱自動車では30年も前から、販売した車の不具合情報を運輸省(現・国土交通省)に報告するものと秘匿するものに分けて二重管理し、指示改修の名でリコールの届け出をせず、独自に点検・改修していた。本件事故につながった不具合も90年以降、多発し、人身事故も起きていたのに、指示改修で済ませていた。河添被告らは安全対策が不十分だと承知していながら、手を打たなかったというのだから悪質極まりない。

しかも、社長被告は00年にリコール隠しが発覚した後、「今後はオープンにしよう」と指示していながら、実際にはその後もリコール隠しを了承し、自ら虚偽の事実を公表して批判をかわそうとしたという。大企業トップとしてのモラルもプライドも失っていた、と言わざるを得ない。

それにつけても、企業犯罪に対して社会は寛容すぎる。家庭でまで「仕事のため」という言い訳が容認されたり、いつの間にか利益のために不正や不法行為に目をつむることを是とする風潮までがはびこっている。社会を挙げて改善すべき点は少なくない。

業務上過失致死傷罪の法定刑も、妥当と言えるだろうか。いずれは事故を起こす車を世に送り出していた企業のトップの責任が、飲酒運転で人を死傷させた罪よりも軽くてよかろうはずはない。

不祥事が起きると、トカゲのしっぽ切りよろしく末端に責任を転嫁するのが企業体質の常であることにかんがみても、トップの刑事責任を厳しく問う必要がある。偽装トラブルの一掃のためにも、法的責任追及のあり方を見直すべきだ。

東京新聞

経営トップへの欠陥報告が適切にされなかったとすれば、それは組織に欠陥があり、企業統治そのものの問題といわざるを得ない。

消費者の生命や健康、安全を預かる企業であればこそ内部統制システムの確立が欠かせない。

不祥事を起こした企業に求められるのは、隠ぺい体質を打ち破り、速やかな原因分析、情報公開を進める姿勢である。そうした危機管理こそ、企業トップの役割でなければならないことを判決は、あらためて教えている。

いずれの社説も「イライラ感」を感じさせますが、パロマのストーブ事故を引き合いに出しているのは、ちょっと違うと感じます。

パロマの例は、違法修理なども含めて元の原因の大半は経年劣化でした。
死亡事故に至った原因は、メーカのパロマが「経年劣化すれば買い換え需要がある」と考えたようで、その結果修理部品が無くなり、違法修理になり、死亡事故に至った、と判断できることで、商品の経年劣化がガス中毒事故を引き起こすガス器具であったのに対応策を意図的に用意しなかった点が問題になったのでしょう。

三菱の事故は、他社のトラックなどでは起きないところが壊れているのですから、技術的には経年劣化の問題ではないし、点検をしないところが壊れている、つまり突然壊れていて、ガス湯沸かし器の「ガスが着かなくなったから違法修理した」という使用者やサービス業者に相当するところが三菱の事故では関わっていません。

製品が破損して死亡事故になったというところは同じでも、内容が全く違うでしょう。

それを「経営者の責任だ」とだけ言うのは、正に「失敗学」が扱うべき範囲であって、原因はいまだに解明されていないと言うべきだし、原因が未解明であるのなら、「本当の責任(者)はどこにあるのか」を困窮するべきです。
その意味では、社説はいずれも表層的な論に止まっている、と見るべきです。

1月 17, 2008 at 12:45 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱ふそう・刑事裁判の記事

「三菱ふそう・クラッチハウジング破断事故で経営者に刑事責任」の続報です。

東京新聞神奈川版が

と3本の記事を、読売新聞神奈川版が

と2本記事を出しています。裁判は弁護側の即日控訴で東京高裁で続くことになりました。

ここまで大量の記事が出てくるのは異例だと思いますが、読売新聞・東京新聞ともにかなり踏み込むことで間接的に強い批判をしていると感じます。

この事件を刑事裁判で社会的な責任追及をすることが正しいのか、わたし自身は疑問があります。
確かに、O-157による集団食中毒事件での業務上過失致死傷罪での有罪判決と同じ構造という指摘はその通りだと思いますが、弁護側の主張にある「部下がやったこと」というものまた事実でしょう。

もちろん、責任者として社長や上司が事件の責任を追及されるのは当然ですが、責任ではなくて原因はどこにあったのか?を考えると、欠陥部品を設計してしまう会社全体であって、社会的な観点からは「会社があることが良くない」となります。

仮に、会社が潰れてその経営責任を経営者に取らせたらその方が理解しやすかったかもしれない。

法的には「リコールするべきところ隠した」で十分なのかもしれませんが、もう一歩踏み込んで「なぜリコール隠しをすることになったのか?」を解明するべきだったのかもしれません。

技術上のトラブルで事故になった例はたくさんあって、非常に有名なのは最初のジェット旅客機コメットの構造疲労による空中分解事故が連続したのがあります。

コメットの墜落は当時は与圧キャビンの疲労試験が行われていなかったことなど、未知の領域の技術を使用したことによる事故と解釈できます。

その一方で、100年・200年前から知られている技術上の問題に引っかかって事故になることもあるわけで、そのために技術者を高等教育して育成しています。

今回の三菱ふそうのハブ破損事故・クラッチハウジング破損事故は、最終的にリコールになるのですが、公表された範囲でも国交省が「リコールの説明になってない」と突き返していた例があったと記憶しています。

以前から繰り返し書いていますが、ハブ破損事故は他社の例を考えると材質の問題ではないのです。
部品の形状そのものが強度不足を生みだしている、と考えるべきです。
しかし、ハブは周辺に多数の部品があるために、部品の形状を変えると交換する部品数が増えすぎてコストアップになる、という判断があったのだろうと想像しています。

裁判がこのレベルまで踏み込んで判断していれば、後のためにも大変に良かったのではないか、と考えますが今回の判決が法的追求の限界であろう事は分かります。

読売新聞神奈川版より「弁護側「承服できぬ」部下の証言巡り失望感

問われる企業責任

三菱自クラッチ欠陥事件の判決を受け、横浜市中区の横浜弁護士会館で開かれた社長被告らの弁護側の記者会見。
「到底承服できない」「予想外の判決」などとして、控訴して戦う姿勢を強調した。

社長被告の主任弁護人の金森仁弁護士は「結果責任を押しつける検察官の主張を追認し、企業経営者に実現不可能な義務を課す判決であり、到底承服できない。上級審で是正されることを確信している。検察は、単に結果責任を過失とした」と即日控訴した。

ほかの被告の判決の受け止め方について、それぞれの弁護人が説明した。

役員被告は「判決は不当で、承服できない。高裁判決で正当な判断を望みたい」と話しているという。会長被告は「無批判に検察官の主張に追随した判決。必ずや控訴審で是正されると信じる」と判決を批判。品質保証部長被告は「予想外の判決にがく然とし、憤りさえ覚えた。不具合はトラック・バスカンパニーの取り扱う案件であり、乗用車部門に属している私に責任はまったくなかった」と話しているという。

過失認定について、金森弁護士は「検察は2000年のリコール問題で、運輸省にとにかく全部報告していればよかったと主張していたが、判決は本当にそういうことが可能なのかすら判断しておらず、あの時、何をすべきだったのかがわからない」と語った。

企業責任を厳しく問うことになった判決内容について「厳しければ、どういうことをすべきかという規範を示すべき。今回の判決はその規範を示していない」とした。

クラッチの不具合自体を知らなかった社長被告の過失が認定されたことについて、金森弁護士は「過失と結果が結びついていればいいが、結びついていない。公判で部下が『自分は基準に従わないで適当に選び出して、上司にはウソの報告をしました』と法廷で証言しているのに全く無視している。なんのために今まで審理してきたのか」と失望感をあらわにした。

横浜地検の中井国緒次席検事は、判決について「当方の主張が認められた判決であると理解している」とコメントしている。

不具合故意に無視

前田雅英・首都大学東京教授(刑法)の話「埼玉で起きた国内初のO(オー)157による集団食中毒事件と同じ構図。汚染井戸水を幼稚園児に飲ませて死なせ、業務上過失致死罪で有罪となった元園長は、水の危険性は知っていたが、O157は知らなかった。

今回の判決は、社長被告が、汚染井戸水に相当する『安全性にかかわる重要部品の不具合』を知っていたと認定し、クラッチ部品の欠陥に対する認識を問わず、事故の予見可能性につなげた。社長被告は、重要な不具合を故意に無視しており、有罪とした判断は納得できる」

三菱自動車を巡る動き

90年6月ごろ大型車のクラッチ部品の不具合が多発
97年11月総会屋への利益供与事件を受け、会長と社長が引責辞任し、社長被告が社長に就任
00年7月リコール隠しが発覚。社長被告が9月に引責辞任を発表
01年5月リコール隠し事件で三菱自と元副社長らに罰金の略式命令
02年1月横浜市内で大型トレーラーのハブが破断。脱落したタイヤの直撃で母子3人が死傷(ハブ欠陥事件)
10月山口県内で大型トラックのクラッチ部品が破損し、壁に衝突した男性運転手が死亡(クラッチ欠陥事件)
03年1月三菱自から商用車部門が「三菱ふそうトラック・バス」として分社
3月母子死傷事故の被害者の母親が、三菱自や国に損害賠償を求めて横浜地裁に提訴
04年5月神奈川県警が虚偽報告事件で会長被告らを、ハブ欠陥事件で部長被告らを逮捕。三菱ふそうがクラッチ部品の欠陥を認めてリコール
6月神奈川、山口両県警がクラッチ欠陥事件で、社長被告らを逮捕
06年4月三菱自や国に対する損害賠償請求の民事訴訟で、横浜地裁が三菱自に550万円支払い命令。制裁的慰謝料は認めず
12月虚偽報告事件で横浜簡裁が会長被告らに無罪判決
07年12月ハブ欠陥事件で横浜地裁が部長被告らに有罪判決
08年1月クラッチ欠陥事件で横浜地裁が社長被告らに有罪判決

読売新聞神奈川版より「天井に目やる社長被告 クラッチ欠陥隠し有罪

横浜市で母子が脱落タイヤの直撃で死傷した事故に端を発した三菱自大型車欠陥3事件。16日の横浜地裁判決は、男性運転手が死亡したクラッチ欠陥事件で企業トップの刑事責任を初めて認めた。

禁固3年(執行猶予5年)の有罪判決を受けた同社元社長・社長被告(71)やほかの元役員について、鈴木秀行裁判長は部下の欠陥隠しを追認したり、不具合の漏れが出ることを承知したりしていたと指摘。長年続いてきた欠陥隠し体質が、事故につながったと結論づけた。

さらに、「不合理な弁解をろうしている」と批判した。弁護側は判決を不服として、即日控訴した。

◆入 廷

山口県で起きた運転手死亡事故から5年。横浜地裁に午後1時10分、社長被告はコート姿で背筋を伸ばし、三菱ふそうトラック・バスカンパニー元社長・役員(70)、三菱ふそうトラック・バス元会長(67)、三菱自元執行役員・品質保証部長(65)の3被告とともに、ゆっくりとした足取りで正門をくぐった。

◆判 決

午後1時30分。横浜地裁101号法廷。グレーのスーツ姿に青いネクタイの社長ら4被告が、長いすに並んで判決言い渡しに臨んだ。
「被告人社長を禁固3年に処する」
無罪を主張してきた社長被告は、大きく頭を動かし、裁判長の方に向き直って見据えた。ひざの上で手を握り締めた。

「(社長に)就任当初から、不具合情報を二重管理していたことなどを熟知していた」
社長被告は「二重管理」の言葉に大きく首を横に振ったり、天井に目をやったりした。

「事故を未然に防止する注意義務があるのに怠った」「不具合の情報が保存されていたのに、国に調査できないと虚偽の報告書を出した」

2時間に及ぶ判決理由読みあげが進むと、社長被告は険しい表情になり、手をさすったり落ち着かない様子をみせた。

◆企業責任

「リコールを多く出せば会社のイメージを損なう」「費用もかさむ」――。判決は、不具合を隠す三菱自の企業体質についても厳しく指弾した。

さらに、「不具合の情報を国に報告するものと、秘匿するものに区別して二重管理していたことが慣行化していた」とした。

三菱自は大口のユーザーを個別に呼んで改修する「指示改修」を販売会社に指示していたが、「指示改修は安全対策として不十分」と結論付けた。

こうした一連の措置について、「安全上極めて不十分な闇改修」とし、社長被告について「代表者として自覚に欠け、無責任」と批判した。

ほかの元役員らについても「長年にわたる隠ぺい体質を打破しようとの積極的な気持ちをもたなかった」と無責任体質を糾弾した。

役員被告は顔をこわばらせて床を見つめ、会長被告はマユをひそめ目を閉じ、うつむいて聞き入っていた。

■三菱自社員ショック隠せず■

16日夜、東京都港区芝にある三菱自動車本社ビル。元社長ら幹部陣の有罪判決に、中年の男性社員は「えっ、本当に? 全然聞いていなかったので、コメントできない」とショックを隠しきれない様子をみせた。

また、川崎市中原区の「三菱ふそうトラック・バス」川崎製作所では、男性社員が「有罪判決が出たことを重く受け止めている。一連の不祥事の後、現場の社員の安全意識は高まり、幹部らとのコミュニケーションも増えた。三菱の社員として、お客様を第一に考え、仕事に励んでいきたい」と話した。

東京新聞神奈川版より『ブランドイメージ守るため』 三菱自元社長ら有罪 遺族 『少し救われた』

欠陥放置は企業トップの責任-。三菱自動車製大型車の欠陥クラッチ事故をめぐる判決公判で、横浜地裁は十六日、三菱自元社長の社長(71)ら四被告に有罪判決を下し、「会社代表者として無責任な態度だった」と企業トップの過失責任を厳しい口調で断罪した。四被告は即日控訴したが、三菱自製の欠陥車で愛する家族を奪われた遺族らは「少し救われた」と安堵(あんど)の表情も見せた。 (三菱自裁判取材班)

午後一時十分、横浜市中区の横浜地裁前に姿を見せた社長元社長ら四被告はいずれもワイシャツにスーツ姿。やや緊張した面持ちながらもゆっくりとした足取りで、弁護人とともに一〇一号法廷に入廷した。

鈴木秀行裁判長に促され、座ったままで有罪の主文を言い渡されると、社長被告は大きく首をかしげ、残る三被告は硬直したように顔をこわばらせた。ひと息置いた後、鈴木裁判長は淡々とした口調で、判決理由の朗読に入った。その中で裁判長は「ブランドイメージを守る目的で、ヤミ改修を行っていた」と指摘した。

一昨年十二月、虚偽報告事件の横浜簡裁判決で無罪を言い渡された際、「警察と検察は猛省を」とコメントした三菱ふそうトラック・バス元会長の会長被告(67)。今回の公判でも、「検察官は無理やり、過失構成した」と強い口調で捜査当局を批判したが、この日の判決では、その面影はなく、みけんにしわを寄せ、目をつぶったまま動かなかった。

大型車部門の最高責任者だった元役員の役員被告(70)は顔をしかめてうつむいていたが、厳しい判決の朗読が続くと、込み上げるおえつを抑えるようにせき払いをした。品質・技術本部副本部長だった品質保証部長被告(65)は両手をひざの上に置き、目を閉じて、うつむいたままだった。

満員の傍聴席には、欠陥クラッチ事故で亡くなった男性運転手=当時(39)=の遺族もいた。公判で証言台に立ち、「(リコールしないことに)一人でも強く反対していれば、主人は死ぬことはなかった…」と悔しさをにじませた男性の妻に代わり、この日は息子が傍聴。じっと判決に聞き入っていたが、閉廷後はほっとした様子を見せた。

傍聴席抽選 3倍の132人

横浜地裁前には昼すぎから、用意された一般傍聴席四十二席に対して約三倍の百三十二人が抽選に並んだ。二〇〇四年十月六日の初公判から約三年三カ月が経過したが、一流企業の頂点に立った元社長らの刑事責任を追及する裁判への関心の高さをあらためて示した。

抽選に並んでいた横浜市泉区の無職男性(64)は「一流企業の元社長が死亡事故の刑事責任を問われるというのは珍しいと思う。どんな判決が出るか、ちゃんと聞いておきたいと思って来たが、こんなに並んでいるとは」と驚いた様子。同市青葉区の大学院生の男性(25)は「元社長は不具合があることを知っていたのだろうか。知っていて放置していたとすれば、経営者としての元社長から学ぶべきことは何ひとつないと思う」と話した。

判決冷ややかに

三菱自動車から分社化した三菱ふそうトラック・バスの社員らは、元幹部らの有罪判決を冷ややかに受け止めていた。

同社川崎製作所に勤める男性社員(27)は「当たり前」ときっぱり。真剣な表情で「事件については現場に情報が流れず、報道で知ることばかり。生産現場は不良品を売りたくないが、営業は販売台数を優先して考える。互いに交流はなく、現場同士の横のつながりを深めるべきだと思う」と話した。

別の男性社員は「以前、抜き打ち検査というのは社内に存在しなかった。『この日にチェックに入る』ということが分かっているから、担当者は全員で数字やミスのつじつま合わせをして報告していた。どの現場もそういうものだという認識で、グループ全体がそうだった」と隠ぺいが起きた背景に言及。「有罪になった元幹部は全員、こうした土壌の中で育っているので、欠陥隠しは起こるべくして起こったと思う」と、当時の社内体質の問題を指摘した。

東京新聞神奈川版より『欠陥ハブ事件』遺族の増田さん 幾分の心の整理も

「少し、救われた気持ちがします」
横浜母子三人死傷事故で死亡した大和市の主婦岡本紫穂さん=当時(29)=の母増田陽子さん(58)は、三菱自元社長らの有罪判決に、ほっとひと息をついた。

母子三人死傷事故をめぐる「欠陥ハブ事件」の裁判はほとんどすべてを傍聴したが、直接の当事者ではない今回の「欠陥クラッチ事件」は傍聴してこなかった。それでも判決が気になり、仕事中に携帯電話のインターネットで速報を読んだ。

「社長は責任者。一番罪が重いと思っていた」。執行猶予が付いたことには納得がいかないが、欠陥ハブ事件に続く有罪判決となったことで、幾分、心の整理もついた。「私なりに進む方向を変えていきたい」。今後は紫穂さんへの思いをつづった文章をまとめることも考えているという。

鹿児島・息子奪われた母『心癒やされず涙』

「息子の話をすると、今も涙が出てね…」。鹿児島県の男性運転手=当時(39)=が死亡した三菱自動車製大型車のクラッチ事故で、横浜地裁は十六日、被告全員を有罪とした。事故から五年余り。同県霧島市の母親(72)は、自慢の息子を奪われた心の傷が癒やされることはなかった。

「子供を大きくするのは大変だった」。母親は苦労しながら女手一つで子供たちを育て上げた。男性は長男で、サラリーマンなどを経てトラック運転手に。

「『長距離の運転手は危ないからやめて』と頼んだこともあった。巡り合わせで(事故を起こした)トラックに乗ることになって…」と母親は涙を浮かべた。

がむしゃらに働き、幸せな家庭と念願のマイホームも手に入れた男性の命を突然奪ったのは三菱自が隠し続けた「欠陥」だった。高速道で制御不能になったトラックは暴走。懸命のハンドル操作で一般道に出た後、地下道入り口に激突した。

「(激突した場所の)横に上り坂があって、そっちに行けば大丈夫だったかも。でも暗くて、ブレーキも利かなかったのだろう」。おととし初めて事故現場を訪れたという母親はあきらめきれないようにつぶやいた。

三菱自が事故原因のクラッチ系統の欠陥を認識し、社内会議で組織的隠ぺいを決めたのは、男性の事故の約六年半前。二〇〇〇年の「クレーム隠し」発覚後も欠陥を隠し、リコールしたのは事故の一年半後だった。

霧島市の勤務先で有罪判決を聞いた母親は「被告は判決を受け止め、ちゃんと罪を償ってほしい」と、静かに語った。

東京新聞神奈川版より「傍聴を終えて 三菱事故、忘れまい

最初はまさに「ちんぷんかんぷん」だった。

三菱自をめぐる三つの刑事裁判は二〇〇四年九月から、横浜簡裁・地裁で相次いで始まった。異動してきてまもなくのころで、細かい点は頭に入っていなかった。「疲労限」「応力」「トルク」…。法廷で飛び交う専門用語をノートに次々と書き留め、後から意味を確かめた。

「欠陥ハブ事件」の公判では、横浜母子三人死傷事故で亡くなった岡本紫穂さん=当時(29)=の母増田陽子さん(58)が、ほとんど欠かさず傍聴を続けていた。その増田さんが公判途中で突然席を立ち、法廷を後にしたことがあった。

後から聞くと、責任逃れをするような被告の言動に、たまらない気持ちになったという。遺族の深い悲しみを知るとともに、裁判が有罪か無罪かを争う「法廷ゲーム」のようにも思えてきて、やるせない気持ちになった。法廷で証言した三菱自関係者が、問題に関与していたにもかかわらず、同社関連会社にとどまっていることを知った時には、あまりの厚顔無恥ぶりに心底あきれた。

実感を得たくて、事故現場にも足を運んだ。夕暮れの緩やかな坂道。紫穂さんと、手を引いていた長男=同(4つ)=とベビーカーの二男=同(1つ)=はどんな会話を交わしていたのだろう。タイヤが少しでもそれていたら、通る時間が少しでもずれていたら、ガードレールがあったなら…。運命の残酷さを思う。

三つの裁判は合計で百二十回にも上り、「詳報」として県版で掲載した回数は合わせて二十八回を数えた。だが、どれだけ「真相」に迫れたのかは分からない。裁判の舞台は東京高裁へと移されるが、取材した記者として、事故を忘れずにいたい。(佐藤大)

1月 17, 2008 at 10:48 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.16

三菱ふそう・クラッチハウジング破断事故で経営者に刑事責任

サンケイ新聞より「元三菱自社長ら4人全員に有罪判決 横浜地裁、クラッチ欠陥で死亡事故

山口県で平成14年、三菱自動車製大型トラックがクラッチ系統部品の欠陥で暴走し、鹿児島県の運転手=当時(39)=が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた三菱自元社長、社長被告(71)ら元役員4人の判決公判が16日、横浜地裁で開かれた。鈴木秀行裁判長は、社長被告に禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)など4人全員に有罪を言い渡した。

一連の欠陥隠しに絡む3件の刑事裁判で、最後の1審判決。欠陥車による死亡事故でメーカートップの刑事責任が問われたのは初めてで、公判では4人が欠陥を認識し、事故を予見できたかなどが争われた。

ほかに判決を受けたのは、三菱自元役員で大型車部門の最高責任者だった役員被告(70)=禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)▽三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自から分社)元会長、会長被告(67)=禁固2年、執行猶予3年(求刑禁固2年6月)▽三菱自元品質・技術本部副本部長被告(65)=禁固2年6月、執行猶予4年(同)。4人はいずれも起訴事実を否認、無罪を主張していた。

検察側によると、三菱自は平成8年5月ごろまでに、

クラッチ系統部品の強度不足

があることを把握。費用が約90億円に上ることなどから、リコール(回収・無償修理)せず、ひそかに修理する「ヤミ改修」(指示改修)で対応。12年のクレーム隠し事件発覚後も、旧運輸省に不具合情報を隠す虚偽報告をし、欠陥を放置した結果、死亡事故を招いた。

検察側は、社長被告はヤミ改修の実態を知っており、4人はクレーム隠しの発覚後もリコール回避の姿勢を貫いたとした。弁護側は「社長被告はクラッチ系統部品の不具合自体を知らず、ほかの3被告も事故の予測は不可能だった」などと反論していた。

一連の裁判では、横浜市の母子3人死傷事故で業務上過失致死傷罪に問われた元同社部長ら2人が昨年12月、横浜地裁で禁固1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け控訴。会長被告ら3人が国に虚偽報告をしたとして起訴された道路運送車両法違反では、横浜簡裁が18年12月に無罪とし、検察側が控訴した。

他の新聞記事では「クラッチ系統部品の欠陥」としているのが多いのですが、サンケイ新聞は「強度不足」であり毎日新が「部品破断」と書いています。
この事件の詳細は「三菱ふそう・クラッチハウジングで記者会見」であってクラッチハウジングの破断です。

大きいけれど基本的にはベアリングを支えているだけの部品ですから、掛かる力もタカがしれているものです。

だから、車の寿命まで交換しないことを前提にしているのに、それが走行中に破断した。

別の部品に置き換えると、車体が折れたというほどのことです。
それくらいあり得ない、壊れてはいけない部品でした。

その部品が現実に割れて、ブレーキが利かなくなりドライバーが死亡しています。
しかもひどいことには、この事件では当初は「ドライパーの責任」とされていました。

どう考えてもクラッチハウジングの破断の全員がドライバーにあるとは思えないわけですが、リコール隠し騒動になってから部品の問題であるとなって、亡くなったドライバーの責任は無いと法的には修正されました。

そういういきさつを経ての裁判だったのですが「部下が隠した」とか主張したとのことですが、先に挙げた「車体が折れた」という事件があっても「部下が隠した」と言うのでしょうか?
どう考えても、メーカの人間の言うセリフではないでしょう。
元々メーカの経営者の器ではなかったということでしょう。

1月 16, 2008 at 05:20 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.09

ボンバルディア機・またもトラブル

読売新聞より「日本エアコミューターのボンバル機、上空で格納部ドア開く

9日午後3時10分ごろ、大阪(伊丹)空港を離陸した松山空港行き日本エアコミューター2313便(ボンバルディアDHC―8Q400型機、乗客乗員13人)で、右主脚を格納後も、格納部のドアが開いていることを示すライトが点滅した。

客室乗務員が確認したところ、ドアが開閉を繰り返していたため、同空港に引き返し、同38分に着陸した。けが人はなかった。

機体点検のため、同路線や、大阪―大分間の計4便が点検のため欠航した。同社でトラブルの原因を調べている。

「これはなんだ?」というのが第一印象です。

第二次大戦中までは、飛行機の引っ込み脚のドアは、脚が下りているときには開いていて、脚が引っ込むと閉じる、分かりやすいものでした。

飛行機の引っ込み脚のドアは分割されている事が多く、脚が出ているときにも一部のドアを閉じておくことが可能ではあったのですが、第二次大戦中の戦闘などでは機構を極力簡単するために、脚が下りている時には全てのドアが開いているのが普通だったのです。

戦後ジェット機が出現すると、地上でも閉めることが出来るドアは閉めてしまう型式が増えました。
基本的には、離陸滑走のために空気抵抗を減らすことが目的であったのでしょう。

脚のドアパネル一枚ずつに油圧シリンダーを付けて作動させる方式でしたから、F86戦闘機では実際にかなり複雑な動きをしました。

  1. 地上で油圧が抜けている状態では、全てのドアが開いてしまう。
  2. エンジンを始動して、油圧が上がると地上で閉じても良いドアが閉まる
  3. 離陸後、脚上げ操作をすると一連のシーケンスに入る。
  4. 全てのドアが開く
  5. 脚を収容する
  6. 全てのドアが閉じて、脚上げ完了

このように、そこそこ複雑なシーケンスではありますが、すでに確立した技術です。

問題の Bombardier Q400 は地上ではこの写真のようにドアがごく一部開いて脚柱が出ています。

Up

脚上げ時には後方のドアが開いて後ろ側に引き上げる事になります。

そこで、最初に説明した「ドア開閉のシーケンス」が働くわけですが、それが誤作動した事になります。

何が起きればこの種のシーケンスが作動不良になるのか考え込んでしまうところですが、ボンバルディア機に起きている一連のトラブルの非常に多くがこの種のシーケンスの動作不良であって、なんか設計思想の根本にトラブルを内包しているのではないか?と強く疑います。

1月 9, 2008 at 10:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.04

コースターでナットが脱落・追突事故

NHKニュースより「走行中脱落か ナット見つかる

先月31日、北九州市八幡東区の遊園地「スペースワールド」で、6両編成のジェットコースターの連結器が外れ、4両目以降が前の車両に追突して13人が手当てを受けました。

この事故では、連結器をつなぐ金属製の棒を固定するための直径およそ4センチの「ナット」とナットが緩まないように固定していた「ピン」が、一つずつなくなっていました。
このため警察が3日、付近を探したところ、なくなった連結器の部品のものと同じ形で大きさもほぼ同じナットが、追突現場の数十メートル手前のレールの下に落ちていました。

ナットには整備で使う油のようなものも付いていて、比較的新しいことから、警察は、このナットが走行中に外れて落ち、事故が起きた可能性があるとみて詳しく調べています。

クラウンナットの割ピンが無くなって、ナットが回ってしまった。ということですね。

コースターの連結器ですから、すごく振動しているはずで割ピンが無くなればすぐにナットは緩んでしまうように思います。
割ピンだけでゆるみ止めにしたことになりますね。
場所というか用途としてはクラウンナットと割ピンで良かったのかな?

点検整備の問題か、設計の問題かどっちでしょうかね?

1月 4, 2008 at 09:33 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.29

バスの火事で考えた

読売新聞より「成田空港行き路線バスでボヤ、けが人なし…東関東自動車道

29日午前10時15分ごろ、千葉県四街道市物井の東関東自動車道下り線で、成田空港行き路線バスの後部から出火、エンジン付近と座席の一部を焼いた。

乗客38人は避難し、同社が用意した代替バスに乗り換えて、予定より45分遅れの午前11時45分に同空港に到着した。けが人はなかった。

バスは群馬県渋川市の関越交通が運行。渋川市を出発して、乗客の大半は成田空港を利用する予定だったとみられる。荷物の焼失はなく、今のところ飛行機に乗り遅れたなどの苦情もないという。

千葉県警高速隊が、男性運転手(45)に事情を聞くなどして出火原因を調べている。

たまにバスの出火というのがありますが、今回も「座席の一部を焼いた」とのことですから、車内に相応に熱が伝わるレベルの出火だったのでしょう。

まぁ利用者に実害は無かったようですが、さらに考えると「もっと早く消火できるのではないのか?」とも思うのです。

簡単に言ってしまえば、火災報知器と消火装置ですね。
飛行機だと常識的に付いてますが、バスはどうなんだ?
消火器を積んでいることは確かですが、火災報知器はあるのかな?火災報知器を付ければ、すぐに消火装置の設置に話は進みますよね。

自動車でタイヤの空気圧を検知できる乗用車はごく少数ですが、飛行機では大昔からある機能です。
自動消火装置なんて太平洋戦争中の日本軍戦闘機ですら実用されてました。

いまだに自動車の安全運行をドライバーの点検を基準にしているのは問題じゃないのか?
普通の乗用車でも、冷却水、エンジンオイルについてはセンサーは整っているわけだから、タイヤの空気圧感知は標準的に欲しいし、業務用であるバス・トラックではブレーキ・ベアリングなどの温度感知、エンジン部の火災感知、消火装置の設置、ぐらいは進めるべきじゃないのか?

ITS(高度道路交通システム)を叫ぶのなら、情報だけでなくハードウェアとして自動車そのものもより高度化するべきだろう。
自動運転がある程度とはいえ実用化されているのにいまだにほとんと一世紀前の車のあり方と同じというのはいくら何でもすでに賞味期限切れだと思う。

12月 29, 2007 at 04:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.20

ジェットコースター脱線死亡事故で送検

産経関西より「エキスポ事故 元取締役ら書類送検 危険認識、利益を優先

大阪府吹田市のエキスポランドで今年5月、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」が脱線して乗客1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、吹田署捜査本部は19日、事故の危険性を認識しながら保守点検を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑で、エキスポランド社の伊藤正則・元取締役総括部長(59)と建部淳・元施設営業部長(65)を大阪地検に書類送検した。
また、車軸などの法定検査をせずに吹田市に虚偽報告したとして、建築基準法違反容疑で2人に加えて松田博・元技術課長(58)と法人としてのエキスポ社も書類送検した。

捜査本部は、脱線の原因となった車軸の破断は金属疲労が原因と断定。

昨年11月末には肉眼で見える大きな亀裂があったにもかかわらず同社は車体から車軸を抜き取って目視する作業を怠っていた。
また、車軸検査は建築基準法に定められているが、同社は検査項目を実施せずに吹田市に異常なしと報告していた。

伊藤元取締役らは「このままの検査ではいずれ大事故が起こることは分かっていたが、ゴールデンウイークにコースターを稼働させる利益を優先させ、検査を先送りした」と供述しているという。

調べでは、伊藤元取締役と建部元部長は安全管理を徹底しなければ重大事故が起きることを認識しながらも保守点検を怠り、漫然と「風神雷神Ⅱ」を運行。5月5日午後、車両が乗客20人を乗せたまま脱線し、20人を死傷させた疑い。
また、2人は松田元課長と共謀して3月16日、法定検査を実施しないまま異常なしとする虚偽の報告書を提出した疑い。

捜査本部は鑑定で車軸の破断面を分析。
事故から約半年前の昨年11月末の時点で、直径の約6割、外周の約6割に及ぶ大きな亀裂があったことが分かった。

亀裂は、車体から車軸を取り外して点検すれば肉眼でも確認できたという。

供述によると、昨年12月に伊藤元取締役が新アトラクションの導入を提案。建部元部長が検査用の点検庫に収納することを決め、「風神雷神Ⅱ」の車体検査はGW後に延期した。

そもそも運行開始以来、車軸を車体から取り外した検査は一度もしていなかったという。

吹田市に対しては2人の意向を受けて松田元課長が虚偽の報告書を作成したという。当時社長の山田三郎会長(77)については、伊藤元取締役らから検査を実施したと虚偽の報告を受けていたとして立件を見送った。

2007/06/05に書いた「ジェットコースター脱線死亡事故その8」のその後の話で取締役が責任者として書類送検されました。

どうもこの報道によると「全く点検していなかった」としか読めないので、破断事故が起きるのは必然であった、と言えるのでしょう。

いくら利益優先とは言っても「点検しないでも良い」という考え方はどこから出てきたの知りたいところです。
そもそも、日常点検していたようですから、年に一度といった分解検査だけをしないというのはどういうことなのか?

「検査なんて形だけでよいのだ」ということで押し通していたのでしょうか?
こうなると、検査をしたかどうかといった事実よりも「どういう考えだったのか?」も同一レベルで明らかにするべきでしょうね。
「失敗学」は重要だ、と改めて思うところです。

12月 20, 2007 at 09:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.14

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その3

昨日(2007/12/13)の三菱自動車トラックハブ破断・死亡事故の刑事裁判判決についての記事を集めました。

東京新聞の本紙と神奈川版、読売新聞の神奈川版です。

東京新聞本紙は、被害者家族、事故を起こした運転手、販売店といった関わった人々についての記事を中心に構成しています。後半で、新聞社としての意見を述べています。

読売新聞神奈川版は、三菱ふそうトラック・バス会社のコメントを載せています。

東京新聞神奈川版は、直ちに控訴した弁護側の激しい判決批判を載せています。

弁護側の意見に

ハブの強度不足が推認できる、とした点にも「今もハブのリコールが繰り返され、原因が解明されていないのに予見ができるわけがない」とし、控訴審で争う姿勢を見せた。
というのがあるようですが、だとすると結果責任を全社に求めるぐらいしかないわけで、ものを作り社会に供給することをビジネスとしている限り、原因が究明されない欠陥品を出していること自体に責任があるとされて当然でしょう。
一体、何を争うというのか?良く分からない論理です。

東京新聞より「三菱自元部長ら判決   遺影抱き『刑軽すぎる』 娘失った母涙と怒り

「三菱自は絶対に許せない」。判決の瞬間、最愛の娘を失った母親はうつむいたまま遺影を握りしめた。十三日に横浜地裁で開かれた三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)の欠陥車による横浜母子三人死傷事故の判決公判。木口信之裁判長は「欠陥車を社会に放置したため悲惨な事故が起きた」として被告らを指弾した。

「結果はこうだよ。悔しい」。事故で娘の岡本紫穂さん=当時(29)=を亡くした増田陽子さん(58)は判決の主文を聞き、腕の中の遺影につぶやいた。

約三時間に及んだ判決文の朗読。「被告の姿を見たくなかった」という増田さんは、ずっとうつむいたまま聞き入り、涙を何度もぬぐった。何の落ち度もなく突然、命を奪われた紫穂さんの無念さを思い、感情がこみ上げた。

ちょうど一年前、同社の虚偽報告事件で無罪判決が出された法廷を傍聴し、「怒り心頭で言葉が出ません」と語った増田さん。閉廷後、「無罪でなくてよかった」と話したが、「(刑が)軽すぎる。会社が何も問われないのは納得できない。紫穂はもっと納得していないはず」と怒りを見せた。

今も仕事帰りは横浜市瀬谷区の事故現場を通り、心の中で手を合わせる。閉廷後、紫穂さんの墓前に報告した。「少し甘い判決だったけど、一つ終わったよ」

■少しは妻の供養に

事故で亡くなった岡本紫穂さんの夫の明雄さん(41)の話五年余の歳月が流れましたが、事件のことは片時も忘れたことはありません。妻が戻ってくるわけではないが、供養には少しでもなったのではないかと思います。私も亡き妻も願いはただ一つです。もう二度と悲惨な事故を起こさないでください。悲しみ、悔しさ、無念さを味わうのは私たちだけでたくさんです。

■事故車の運転手ら苦難続きの人生

「生きている限り、事故を忘れることはできない」。横浜の母子三人死傷事故を引き起こした三菱自動車製トレーラーのハンドルを握っていた男性(61)の妻は、神奈川県綾瀬市の自宅の庭先で、言葉を選びながら、事故とその後に夫が見舞われた苦難を振り返った。

「人殺し」。事故直後は、ひどい中傷を記したビラが家の壁に張られたこともあった。無言電話もあり、家族をおびえさせた。ほそぼそと営んでいた運送業は廃業に追い込まれた。さらに不運は重なった。男性は転職先の溶接会社で左足を低温やけどし、指三本を切断するけがを負ってしまった。

三菱自が車のハブの欠陥を認めたことで汚名はそそがれたが、その後も男性は、法廷で証言台に立った以外は、事故について沈黙を貫いている。そんな男性の気持ちを妻が代弁する。「理由はどうあれ、事故を起こした責任を感じているのだと思う」

男性は最近、配送の仕事を始めた。家ではあの事故の話はしないが、裁判のニュースがテレビから流れると、じっと画面を見つめているという。

「なんで三菱の車なんか買うのよ」。新車購入を決めた顧客の妻が、翻意を迫った。関東地方で三十年以上も三菱車専門の販売会社を営んだ元経営者の男性は、店頭でのそんな屈辱的なやりとりによく出くわした。

「“天下”の三菱の名前をもらって会社を始めて、お客さんにも応援してもらってきた。でも一連の事件でお客さんを失望させた」

男性は三菱自の度重なるリコール(無料の回収・修理)を振り返り、歯ぎしりした。「修理工場は自分たちが一度売った車でいっぱいになった。この悔しさが分かりますか」

怒りの矛先は三菱自に向けられる。「私たちがユーザーに頭を下げている間に、これでもかと不祥事が出てきた。メーカーがお客さんを裏切り続けるようでは、販売はもたない」

一度離れた顧客が戻ることはなく、男性の会社はこの夏、倒産した。

三菱自の欠陥車をめぐる一連の事件の陰で人生を狂わされた人たちも、複雑な思いでこの日の判決を迎えた。

■安全への意識欠如

製品の安全問題に詳しい明治大理工学部長の向殿政男教授の話三菱自動車にはハブの欠陥を疑わせる事故のデータが多く集まっていたのだから人命を預かる自動車メーカーとして設計の問題を疑わなければいけなかった。だがデータを隠しユーザーの責任にするなど、組織として危険を管理する安全への意識が欠けていたと言わざるを得ない。ユーザーからの事故情報を軽視していた会社全体の問題が、あらためて浮き彫りになった。

■トップ責任も問え

製造物責任(PL)法に詳しい中村雅人弁護士の話三菱自動車がうそをついていくプロセスを詳細に認定した判決。被告らは隠ぺいにかかわった張本人で、有罪は当然だ。トップの責任も問われなければならない。今回の件に限らず、製品事故はたくさんあるのに、これまでは「消費者の使い方が悪かった」と企業側に言われると、消費者は反論できなかった。その意味で、捜査が入り、有罪が認定されたことは大きい。

<解説>ものづくり現場に警鐘

三菱自動車の欠陥車をめぐる横浜地裁の判決は、名門企業のずさんな安全管理態勢を厳しく指弾した。機械製品の欠陥をめぐり、メーカー側の刑事責任が認定されるのは異例で、ものづくりの現場全体に警鐘を鳴らしたと言える。

判決を受けたのは品質保証担当者だったが、裁かれたのは同社の根深い「隠ぺい体質」だ。判決は、同社を「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった」と批判。事故について「同社の業務態勢の中から発生した面がある」と指摘した。何ら落ち度のない歩行者が突然命を奪われた無念を、関係者はかみしめなければならない。

同社の体質が事故を招いたとはいえ、同社だけの問題とは言えない。自動車に限らず、近年、あらゆる製品で事故や不具合が見つかっている。背景には、開発期間の短縮や製品の高度化など、複雑な問題が絡んでいる。

まずはメーカーが、欠陥製品を世に出さない態勢を早急に整える必要があるし、不幸にも欠陥製品が市場に出回ってしまった場合、事故情報を適正に扱い、再発防止に全力を尽くさなければならない。ものづくり企業は、安全な製品を提供するという原点にいま一度、立ち返るべきだ。(横浜支局・佐藤大)(東京新聞)

読売新聞神奈川版より「予見可能性明確に認定 三菱自タイヤ脱落有罪判決

目閉じうつむく被告

リコールなどの改善措置を一切とらずに放置した――。三菱自動車製の大型車のハブ欠陥隠しによる母子3人死傷事故から約6年。横浜地裁は13日、業務上過失致死傷罪に問われた元品質保証責任者2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。「ハブが破断してタイヤが脱落すれば、人に危害が生じることは当然、予測できた」と予見可能性を明確に認定。リコールを避けようとし続けた企業姿勢にも言及した。だが、遺影を手にした遺族は「納得できない」と涙を浮かべた。

「被告人両名を禁固1年6月に処する」

午後1時半過ぎ、木口信之裁判長が主文を読み上げると、三菱自動車元市場品質部長(61)は厳しい表情に変わり、同部元グループ長(59)はぼう然とうつむいた。

3時間に及ぶ判決理由の朗読の間、元部長は神経質な面持ちで裁判官席を見つめ、元グループ長は終始、目を閉じ、うつむいたまま。被害者の岡本紫穂さん(当時29歳)にタイヤが直撃した場面の朗読で、元部長は一度、裁判長に目を向け、まばたきを繰り返した。

被告側の弁護人は判決後に県庁内で記者会見。金森仁弁護士が「不当な判決。到底承服できない」と控訴したことを発表した。さらに、「無罪判決が出ることを信じていただけに、大きな衝撃を受けた。真実が明らかになるまで闘う」とする元部長と、「到底納得できない。目の前が真っ暗です」とする元グループ長のコメントを読み上げた。

法廷の最前列の右側には、紫穂さんの遺影を手にした母親、増田陽子さん(58)の姿があった。

増田さんが裁判の傍聴を始めたのは、第4回公判から。最愛の娘を奪われたショックから、「当初は全く傍聴する気になれなかった」と明かす。だが、「しいちゃん(紫穂さん)のためにも見届けてあげて」という友人の言葉に背中を押され、地裁へと足を運ぶようになった。今年3月には証人として出廷。被告2人に対し、「事故を防ぐために出来たことがあったはず。もっと後悔してほしい」と直接、怒りをぶつけた。

執行猶予の付いたこの日の判決に「自分も納得できないが、娘はもっと納得しない」「企業のトップの責任はどうなるのか」と悔しい気持ちを吐露した。

一方、夫の明雄さん(41)は、報道各社にコメントを寄せた。

「事件のことは片時も忘れたことはありません。妻が戻ってくるわけではありませんが、供養には少しでもなったのではないか。私も亡き妻も願いは一つ。もう二度とこのような悲惨な事故を起こさないで下さい。悲しみ悔しさ無念さを味わうのは私たちだけでたくさんです」

三菱自動車と、バス・トラック部門を分社化した三菱ふそうトラック・バスは、「判決内容に対するコメントは差し控える」とするコメントをそれぞれ発表。その上で、三菱自は「お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に心よりおわびします」と謝罪、三菱ふそうは「『品質』を最優先事項に、順法精神にのっとり、社会的責任を果たしてまいります」とした。

東京新聞神奈川版より『責任認めてくれた』三菱自元部長ら有罪判決 『謝罪し信頼取り戻して』

横浜地裁で十三日に開かれた横浜母子三人死傷事故の判決公判。木口信之裁判長は検察側の主張をほぼ全面的に受け入れ、業務上過失致死傷罪に問われた三菱自動車元市場品質部長(61)と元同部グループ長(59)の両被告に有罪判決を言い渡した。弁護側は「不当判決」として即日控訴したが、遺族は「娘は何も分からないまま亡くなった。悔しい」と、あらためてその無念さを口にした。(三菱自裁判取材班)

「被告両名をそれぞれ禁固一年六月に処する」-。午後一時半、横浜地裁で最も大きい一〇一号法廷。主文の朗読が始まっても、元部長と元グループ長の両被告は表情一つ変えなかった。主文言い渡し後、二人は裁判長に一礼したが、事故で亡くなった岡本紫穂さん=当時(29)=の遺族らのいる傍聴席には目もくれず被告人席に座った。

二被告はいずれも白いシャツにスーツ姿。判決理由の朗読に入ると、裁判長をじっと見つめる元部長に対し、元グループ長は目を閉じてうつむきながら耳を傾けた。無罪を主張してきた弁護団は終始、釈然としない表情を浮かべた。

閉廷後、大きくため息をついた元部長被告と元グループ長被告はその場で、弁護団に控訴の意思を伝え、手続きを行った。

傍聴席には、紫穂さんの夫明雄さん(41)と、母親の増田陽子さん(58)、友人の秋山由美さん(33)の姿があった。明雄さんは、こみ上げる感情をこらえるように口をぐっと閉じ、二被告を断罪する裁判長の朗読に聞き入っていた。

明雄さんは「命を大切にするという人として最低限の気持ちがあったなら、あの事件は起きなかった」とコメント。紫穂さんと家族ぐるみで付き合っていた秋山さんは「(刑は)軽いと思うが、裁判長がはっきり二人の責任を話してくれて良かった」と話した。

『なぜ予見可能なのか』会見で弁護士、争う姿勢

「有罪ありきの判決。これが通るなら、日本の刑事裁判はやっても意味がない」。判決後に即刻控訴した元市場品質部長(61)と元同部グループ長(59)両被告の弁護団は横浜市中区で記者会見し、怒りをあらわにした。

弁護団の金森仁弁護士は「不当な判決で到底承服できない。科学的裏付けを放棄し、蓄積された過失の理論構成を無視して、単に結果責任を押しつけただけだ」とするコメントを読み上げた。

判決で、事故の予見可能性と結果回避可能性を認めた点について、同弁護士は「二人がなぜ予見可能だったのか具体的な事実を何一つ指摘できていない」と批判。

ハブの強度不足が推認できる、とした点にも「今もハブのリコールが繰り返され、原因が解明されていないのに予見ができるわけがない」とし、控訴審で争う姿勢を見せた。

12月 14, 2007 at 10:47 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その2

「三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決」の詳細です。
朝日新聞より「三菱自元部長ら有罪 母子死傷事故で横浜地裁判決

横浜市で02年、走行中の三菱自動車製大型車の左前輪が外れて歩道の母子を直撃し、3人が死傷した事故を巡り、業務上過失致死傷罪に問われた同社の品質管理部門の元部長ら2人に対し、横浜地裁は13日、禁固1年6カ月執行猶予3年の判決を言い渡した。木口信之裁判長は検察側の主張にほぼ沿って事実認定したうえで、「2人の任務違背は重大で誠に悪質だが、リコールを回避しようとする会社の姿勢の中から発生した犯行」と指摘した。無罪を主張した両被告は同日、控訴した。

欠陥製品による人身事故が相次ぐなか、メーカーの担当幹部の怠慢に対する刑事責任が明確に認定されたことで、メーカー側には、これまで以上にトラブル発生時の誠実で迅速な対応が求められることになりそうだ。

起訴されていたのは、市場品質部の元部長(61)=求刑禁固2年=と、部下だった元グループ長(59)=同1年6カ月。

判決はまず、今回の死傷事故で破断していた車輪と車軸をつなぐ金属部品「ハブ」に欠陥があったかどうかを検討した。

三菱自動車では死傷事故までに39件の破損事故があったことなどから、「強度不足の欠陥があったと十分認定することができる」とし、欠陥が事故につながったと指摘。運転手側の整備不良や過酷な使用が原因だとする弁護側の主張は「運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない」として退けた。

そのうえで、2人が今回の事故を予測できたかどうかについて検討。まず、元グループ長が、同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、広島県で同社製バスのハブ破損事故が起きた99年には知っていたと認定。遅くともこの時点で「ハブの強度不足を疑えた」とした。2人がバス事故の報告を受けていたことと合わせて、いずれも「(ハブ破損で)人身事故が起きることを予測できた」と指摘した。

さらに、2人が今回の事故を回避する措置をとれたかについては、それぞれの職務を分析。旧運輸省からバス事故についての報告を求められた際、元部長については「部下に適切な報告を求め、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった」、部下の元グループ長については「上司に措置をとるよう進言すべきだった」と指摘。2人の怠慢が母子死傷事故に結びついたと認定した。

弁護側は「ハブ破損はユーザーの整備不良が原因とする考えが当時の社内では確立していた」として2人の責任を否定していたが、地裁はこの主張を退けたうえで「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった。このような業務態勢は、2人が始めたものではない」と述べた。

  1. 死傷事故までに39件の破損事故があった
  2. 強度不足の欠陥があったと十分認定
  3. 運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない
  4. 2人がバス事故の報告を受けていた
  5. 同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、99年には知っていた
  6. 人身事故が起きることを予測できた
  7. 運輸省からバス事故についての報告を求められた際、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった
  8. 怠慢が母子死傷事故に結びついた
  9. 業務態勢は、リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった

というのが裁判所の認定ですね。

特に「ハブは強度不足であった」という認定がありますから、ユーザの使用が原因という弁護側の主張の根本が否定されています。

それにしても、三菱自動車はなぜ今になっても「強度不足」=「設計ミス」という事実を裁判で争うのでしょうか?

問題のハブはたびたび変更されているのですが、材質変更がなどが主になっています。
いわば材質変更すること自体が形状が強度不足であることの証明であって、少なくとも適切とはいいがたいわけです。
これを認めるのであれば、大々的な形状変更によるハブと周辺部品の交換になる「大リコール」が発生するはずで、それをいまだにやっていないのは「いずれは市場からトラックが無くなるのを待つ」というパロマのガス湯沸かし器と同じことだと考えます。

12月 14, 2007 at 12:15 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.13

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決

サンケイ新聞より「三菱自元部長らに有罪判決脱落タイヤ母子死傷事故

横浜市で平成14年、三菱自動車製大型トレーラーのタイヤが脱落、母子3人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた同社元部長(61)と、元グループ長、元グループ長(59)の判決公判が13日、横浜地裁で開かれ、木口信之裁判長は元部長に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固2年)、元グループ長に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固1年6月)を言い渡した。

三菱自の欠陥隠し問題をめぐって争われた3つの刑事裁判で、初の有罪判決。

起訴状などによると、同社は平成4年から約7年間でハブ破損による前輪脱落などの不具合が十数件あり事故を予見できたのに、旧運輸省の報告要求に「多発性はなく、処置は不要」と虚偽の報告。リコールなどの改善措置を行わなかったことで、母子3人死傷事故を招いた。

検察側は「欠落車を市場に拡散させており、未必の故意による殺人に比肩する」と指摘。一方弁護側は、ハブの破損・脱落について「ユーザー側の整備不良や過積載によるもので、ハブが強度不足だとの認識はなかった」と無罪を主張し、事故の予見可能性の有無が最大の争点になっていた。

事故は14年1月10日、横浜市瀬谷区の県道で発生。走行中のトレーラーから重さ約140キロのタイヤが外れ、歩道でベビーカーを押して歩いていた大和市の主婦、岡本紫穂さん=当時(29)=らを直撃。岡本さんは死亡し、子供2人が軽傷を負った。

三菱自の欠陥隠し問題をめぐって争われた3つの刑事裁判。

母子死傷事故後に国土交通相にうその報告をしたとして、同社元幹部ら3人が道路運送車両法違反(虚偽報告)の罪に問われた裁判では、
横浜簡裁が昨年12月、「正式な報告要求がなかった」として無罪判決を言い渡し、東京高裁で控訴審中。

もう一つはクラッチ系統の欠陥で14年10月に山口県でトラック運転手が死亡した事件。
業務上過失致死罪に問われた元社長ら4人は「クラッチ系統の不具合は認識していなかった」と無罪主張で結審しており、来年1月の判決が注目される。

現時点での報道ではどのような判断で有罪となったの分からないのですが、欠陥を知りつつ適切な対策を取らなかったから業務上過失致死罪で有罪、ということなのでしょうね。

2004年5月29日にわたしの意見を書いています。「三菱ふそうハブ破損の詳細」

日経ものづくり(ただし無料会員登録が必要)に「三菱ふそうのハブ,摩耗は「つじつま合わせ」---同社の内部技術資料より」という説明図付きの記事が出た。
記事の内容は、予想通りではあるが設計上の犯罪的な怠慢と言えるものだ

問題のB型ハブの破損つまり亀裂の入った内角は2R(半径2ミリの円弧)で加工されていた。つまり機械屋の常識としては「ほとんど角である」だから亀裂(ヒビ)が入って最終的には割れてしまったわけだ。

当然、対策部品であるD型では「Rを大きくする」はずであろう。
ところが、日経ものづくりの説明によると。

付け根の隅Rを大きくするには,付け根と接触するブレーキドラムの金型も新たに設計しなければならない

技術的にはこれでは犯罪である。
どこか一部だけを直すと別のところに負荷がかえって集中するの常識だ。
それをブレーキドラムを既存部品を使うために、というの何だ!
その時点で、止めるべきだったのだ。
予想の範囲ではあるが、ひど過ぎる、当時の設計を承認した設計部長の責任を追求するべきだろ。

実際問題として、問題の車輪の構造は、ホイール→ブレードラム→ハブと繋がっていて、ハブはキノコのような形になっています。

脱落事故は、キノコの傘のが軸から取れてしまった。このために、ブレーキドララムとホイールと、タイヤが一体になったものが車から外れてしまった。

だから問題は「なぜ、ハブの傘の部分が取れたか?」になります。

ところで、タイヤは規格品であって三菱トラック専用タイヤなんてものはあり得ません。
同じくタイヤが取り付くホイールも規格品で互換できる部品です。
当然、ホイルが付くブレーキドラムも・・・・、となっていて機構がほとんど同じなのだから原理的には世界中の他社のトラックでもホイール脱落事故は起こりえます。

ホイル脱落事故について、三菱は一貫して「ユーザの責任」としているわけですが、そうであるのなら他社のトラックでも同様の事故が起きているはずですが、実際にはほとんど無いようです。

つまり、三菱のオリジナル設計の部分に問題があったわけで、それは実際に破断したハブの設計に原因があるとしか考えようがないでしょう。

そしてその理由は、上記にわたしが書いた「設計ミスによる応力集中」ぐらいしか考えられないわけで、基本的には「コンパクトすぎる余裕のない設計」に原因があったのだと思います。

しかし、もっと根本的な問題として「一部の部品の手直しで対策しよう」という姿勢であって、本当の理由が「コンパクト過ぎる設計」であるのなら、他の部品も含めて相当広範囲に部品を変更しなければならないから、材質の強化で何とかなるだろう、といった対策を繰り返しています。

この「手直しでなんとかしよう」という姿勢が対策を遅らせたと考えます。

12月 13, 2007 at 02:57 午後 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.11

実用的SSD?

Engadget Japanese より「東芝から128GB SSD、MLC-NANDフラッシュ採用

東芝から、業界最大容量となる128GBを含むSSDラインナップが発表されました。

フォームファクタは3mm厚のモジュール品および1.8インチ ・ 2.5インチケース入り完成品。
容量はそれぞれ32GB, 64GB, 128GB、インターフェースはSATA2 (3Gbps)。

従来のSSDでは高速なSLC(シングルレベルセル、2値) NANDフラッシュメモリが使用されてきましたが、今回発表されたラインナップではチップあたりの容量が大きいMLC(マルチレベルセル、多値)フラッシュメモリを採用しています(1月あたりに発表されていた56nm プロセス品)。並列書き込み・ウェアレベリング(まんべんなく使って全体の寿命を伸ばす)などMLC-NANDフラッシュに対応した独自開発のコントローラにより、転送速度は読み込み最大 100MB/s 、書き込み40MB/s(シーケンシャル)と「従来のSSDと同等」を実現。MTBFは100万時間。

登場スケジュールはモジュールが来年2月にサンプル出荷開始、3月から量産。

1.8インチおよび2.5インチ版が4月サンプル・5月から量産。現物は来年1月のCESに出展予定。

遂に待望の製品が・・・と言っても良いのでしょうか?(^_^;)
(値段がどうなるのかね?)

しかし、64G、128Gならばモバイル環境に現実的な対応が出来ますよね。
ハードディスクよりも物理的に衝撃などには丈夫だろうし(期待は大きい)必要電力がどうなるのか心配ではありますが、やはり方向性としては正しいのでしょう。

組込機器に使った場合、寿命はどうなるのかな?
本当に100万時間なら非常に有望かとも思いますが・・・・。

12月 11, 2007 at 12:37 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.09

戦闘機・心神なのかね?

読売新聞より「国産ステルス実証機「心神」、2011年に初飛行

ステルス性能など最先端の戦闘機技術の検証を目的とした、防衛省の「先進技術実証機」の開発計画が8日、明らかになった。

来年度から計画に着手し、早ければ2011年度中に実証機の初飛行を行う。計画が順調に進めば、国産戦闘機開発につなげたい考えだ。

実証機は全長14メートル、全幅9メートル。「心神(しんしん)」と名付けられ、敵のレーダーに映りにくいステルス性とともに、高運動性を備え、国産エンジンを使用する。機体の形状に沿って配置するレーダー「スマート・スキン」など先進技術も取り入れる。実証機であるため武器は搭載しない。

心神の開発は来年度から6年間で行う計画だ。来年度予算では157億円を要求、総額466億円を見込んでいる。
エンジンや電子機器などの試作は09年度までにほぼ終えて、10年度から実証機製造に着手。早ければ11年度中に初飛行を行う。
機体やエンジンは既に個別開発を進めており、ステルス性に関しては、05年のフランスでの模型実験で「高い性能を確認済み」(防衛省幹部)という。

実証機開発には、日米で共同開発したF2支援戦闘機の生産があと数年で終了することから、国内技術維持の意味合いがある。また、航空自衛隊が次期主力戦闘機(FX)の有力候補としながら、米国が輸出に応じようとしていない「F22ラプター」をめぐる交渉を有利に運べるとの期待感もある。

米国が輸出に慎重なのは、「機密保全だけでなく、日本がステルス技術を独自開発できないとの前提で、将来、高く売ろうという思惑があるため」(政府筋)との見方からだ。

防衛省内には「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」(幹部)との見通しもあり、F15戦闘機の後継機となる可能性もある。ただ、日本の国産戦闘機開発には、有力な輸出先を失うことになる米国内で懸念が出ている。

「戦闘機?」で紹介した機体を実際に作ることになった、というニュースです。

Up

全幅9メートル、全長14メートルとのことなので、F35(JSF)よりも、全幅・全長とも1メートル強小さい機体です。
F35のエンジンは18トン級ですから、心神が5トン級のエンジン双発であってもかなり非力であると言えます。

F35は、最大離陸重量が22トンぐらいですから、心神は最大で16トンぐらいになりうるでしょう。空虚重量が10トン弱といったところかな?

ドンガラを作ること自体は今ではさほど難しい事でないので、10年度に製造に着手して11年度には飛行するのは可能かもしれません。

しかし、その後に戦闘機を開発するとなると、システムとしては極めて難しいのではないか?結局は不可能なのではないか?と思うところです。
少なくても「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」なんて可能性は皆無でしょう。

アメリカがF22ラブターの輸出についていまだにOKしていないことに対しては、強い牽制にはなりますが、そうなると「巨大なアドバルーン」で終わる事になるでしょう。
まぁ、もの作りという観点からは製造経験は何事にも代え難いから大いに「試作」するべきだとは思いますが、現実に「戦闘機を作る」というとはかなり距離があるのではないかな?

12月 9, 2007 at 10:20 午前 もの作り | | コメント (7) | トラックバック (1)

2007.12.06

CXエンジンと防衛次官

ZAKZAK より「ケチついた英知の結晶…次期輸送機「CX」とは?

収賄容疑で防衛省前事務次官の守屋武昌容疑者(63)が逮捕された防衛省汚職事件で、クローズアップされているのが航空自衛隊の次期輸送機「CX」。
米GE社製のエンジンを積み、この先はエンジンや部品など受注総額が1000億円に達するともいわれる。CXは日本が持つ航空技術の総力を結集した国産輸送機なのだが、思わぬ形でケチがついてしまった。

「今、使われているC-1輸送機が古い2トントラックだとすれば、CXは最新の10トントラック。その導入で航空自衛隊の輸送能力や展開力は飛躍的にアップします」と語るのは、軍事評論家の神浦元彰氏。

現在の主力輸送機「C-1」は初飛行が1970年の国産機で、後に米国製のC-130と並行して使われてきたが、その耐用年数などから、2000年に次期輸送機を国産で開発することが決まった。

その結果、防衛省と主契約を結んだ川崎重工の傘下に、三菱重工や富士重工など日本の航空機関連企業が結集し、早ければ12月中にも試験機の初飛行を行い、来春には防衛省への初導入が予定される段階となっていた。

総開発費は約3500億円で、その設計には国内の航空技術者の3分の1にあたる約1300人が参加したといわれ、文字通り日本の英知の結晶なのだ。

CXの最大積載量はC-1の4倍以上の37.6トンで、航続距離は12トン積載時で8900キロメートル、37トン積載時でも5600キロメートル。約8トンの最大積載時に1300キロメートルしか飛べないC-1を大きく上回り、その導入で、航空自衛隊の機動力や展開力は飛躍的に向上する。

川崎重工などはCXと同時にエンジンまで開発した次期対潜哨戒機「PX」の両機を民間の輸送機や旅客機に転用する意向を持っており、欧米勢と比べて立ち遅れていた日本の航空産業の復権にも繋がる大プロジェクトとして期待されていた。

そんな経緯にケチをつけてしまった守屋容疑者は今年6月14日、航空機課の職員に、米GE製CXエンジンの販売代理店の権利が山田洋行からミライズに事実上移ったことを踏まえ、エンジン調達が「(ミライズと)随意契約にならないのはおかしいのではないか」と詰め寄ったとされる。

当時、ミライズは防衛省との契約実績がなく、入札への参加資格さえなかったのだが、守屋容疑者は防衛省が随意契約の原則廃止を打ち出していたことも知ったうえで、ミライズに有利な発言をしていた疑いが持たれている。

記事に紹介している通り、CXとPXは同時に開発されました。 輸送機のCXは高翼で双発エンジン、対戦哨戒機のPXは低翼で4発エンジンです。
ここまで違う機体に共通部があるのか?とは、最初は不思議でしたが、モックアップの写真を見ると「なかなかよく考えている」と思えるものでした。

さらに、日本は第二次大戦での潜水艦による輸送船撃沈によって海外からの物資輸送が出来無くなくなったことを反省したのか、アメリカに次いで二番目の対潜水艦作戦能力を持つ国になっています。
ところが、そのアメリカも次期対潜水艦哨戒機の開発は大きく遅れていて日本としては独自開発しやすかった。
同時に記事にも紹介があるように、輸送機もC1がいかにもヘンな仕様の輸送機であり改変の必要性はあり、これまたアメリカには適当な機種がないこともあって自主開発の対象に出来ました。

つまり、記事の紹介の通り日本の航空機製造業界としては「ビジネスと成立する企画」でありました。
それに目を付けたのが今回の商社の活動でありましょう。

商社無しで防衛装備品の調達をするというのはコスト高になるかと思いますが、その一方で商権という名の利権であることも確かで、適切な評価が出来ないとダメな仕組みでしょう。
そこに、新会社を作っ参入できるというのがすごい。こんな事が出来ること自体が、癒着がなくては考えつかないことですね。問題の新商社ミライズはこうなりました。

読売新聞より「日本ミライズは業務停止状態…社員大半、先月解雇

「山田洋行」元専務・宮崎元伸被告(69)が同社から独立後に設立した「日本ミライズ」が、11月末までに社員の大半を解雇し、事実上、業務停止していたことが分かった。

同社は10月末、守屋容疑者への過剰接待問題から、ゼネラル・エレクトリックに代理店契約を停止され、社員に給与を払えなくなった。
その後辞任した宮崎被告に代わり、取引先のプラント会社の役員(54)が社長に就任。先月30日には約20人に減っていた社員の3分の2を解雇した。近く東京・赤坂の本社を引き払い、社員2、3人で事業整理に当たるという。

後任の社長は、「唯一の株主である宮崎氏が戻ってこないと、今後のことは分からない」と話している。

なんと言いますか「一発屋」とでも言うのでしょうか?
こんなことに振り回されては、せっかくの企画もメチャメチャになってしまいます。
きちんとした社会的なチェックが必要だという証明でしょう。

12月 6, 2007 at 11:40 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.03

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

「ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因」の続報です。
読売新聞より「ボンバル機胴体着陸、原因は製造段階のボルト付け忘れか

高知空港で今年3月、前輪を格納するドアが開かずに胴体着陸した全日空機は、機体の製造段階でドアに必要なボルトを付け忘れていた可能性が高いことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。 機体を製造したカナダ・ボンバルディア社側もミスを大筋で認めているといい、事故調は同社の管理体制の不備を指摘する方向で、調査を進めている。 これまでの調べでは、同機は事故当時、前輪格納ドアを開閉する装置のボルト1本がなかったため、本来はボルトを保護する管状の部品が装置からはみ出し、他の部品と接触。
このため、着陸時にドアが開かず、前輪が出なかった。

事故調は、

  1. ボルトが機体内で見つからなかった
  2. 全日空側が問題のボルト周辺を一度も整備対象にしていなかった

ことから、ドアの開閉を妨げていた管状の部品周辺の鑑定を外部機関に依頼。
その結果、部品の内部にボルトが装着されていれば残っているはずの痕跡がないことがわかった。
ボンバル社側は全日空に同機を引き渡す前のテスト中に前輪部全体を交換しており、この段階で作業ミスがあった可能性が高いという。

航空会社にメーカが引き渡す前に交換したら組み立てミスをした、ということなら確かに「製造ミス」になりますが、実際には整備作業ミスでしょうね。

部品を付けないとか、きちんと取り付けないといったことは整備の時に起こりがちですが、脚の構造ですからね、自動車で言えば「重要保安部品」でしょう。
それの組み立てミスを見逃してしまう整備体制というのは大問題だろう。

日本の航空機メーカは「ノックダウン生産」というのをずいぶんやっていました。
一言で言えば「部品から組み立てるだけ」なのですが、これをネタにしたマンガは繰り返し登場していて「一本残ったボルトを前に何人もで図面を見ながら首をひねっている」というものです。
今回はこれと全く同じ状況を見逃したわけです。

新聞記事の通りであるとすると「全体を交換した」だから基本的には全ての部品を用意して組み立てたはずなんですが、その時にボルトを忘れたというのは「ボルトを余らせたままにした」となってしまいますよね。これはかなりまずいですよ。

SASが全機飛行停止にしたのも無理はないし、そもそも今回の全日空機も他にも部品が付いていない箇所があったとのことです。
根本的に飛ばして良い機体と言えるのでしょうかね?

12月 3, 2007 at 12:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.22

技能五輪の謎

日刊工業新聞より「第39回技能五輪国際大会が閉幕、日本「金16個」獲得で首位

【静岡】日本は2大会連続で金メダル数首位―。
静岡県沼津市で開かれた「第39回技能五輪国際大会」は21日、同市の「キラメッセぬまづ」で行われた閉会式で競技結果が発表された。日本は種目8連覇となる「ポリメカニクス」の畑弾手選手(セイコーエプソン)、「CNC旋盤」の藤本アキラ選手(日立ハイテクノロジーズ)らが金メダル16個を獲得し、前回(05年)のフィンランド大会(金5個)に続いて金メダルでトップとなった。金16は70年の第19回東京大会の17個に次ぐ好成績。「モノづくりニッポン」は完全復活を遂げた格好だ。(技能五輪特別取材班)

日本の最大のライバルである韓国は金メダル11個で国・地域別で2位となり、3位は5個のフランスが食い込んだ。

22歳以下(一部種目を除く)の世界の若者がモノづくりの技を競う技能五輪国際大会は46カ国・地域から選手816人が参加し、15―18日の4日間競技が繰り広げられた。日本開催は85年の第28回大阪大会以来22年ぶり。第38回フィンランド大会で金獲得トップの座を71年の第20回スペイン大会以来34年ぶりに奪い返した日本は今回、過去最多の47職種に総勢51人の選手団を送り込んだ。

日本勢は「ポリメカニクス」の畑選手、「CNC旋盤」藤本選手のほか、「CNCフライス盤」の海老根章友選手(日立ハイテクノロジーズ)、「情報ネットワーク施工」の山口雄基選手(協和エクシオ)、「電子機器組立て」の清水輝選手(日産自動車)、「構造物鉄工」の坂本昭仁選手(日立製作所)、「抜き型」の安達裕喜選手(デンソー)、「木型」の今嵜智也選手(トヨタ自動車)らが主要モノづくり競技でまんべんなく金をとった。

また、「洋菓子製造」の大島千奈選手(にいがた製菓・調理師専門学校えぷろん)、「造園」の早乙女彰将・渡邉久美奈選手(小杉造園)も同種目で日本初の金メダルに輝いた。日本の若者の底力を見せた。

銀メダルでは、惜しくも金を逃した「配管」の遠間潔寿選手(千代田設備)、「製造チームチャレンジ」のチーム・デンソーなどで5個を獲得。銅メダルは3個で、パソコンのトラブルに悩まされた「機械製図CAD」の大須賀孔明選手(日立ハイテクノロジーズ)も必死に追撃し、見事メダリストに輝いた。

【次回大会、カナダ・カルガリーで開催】

次回の第40回技能五輪国際大会は09年にカナダ・カルガリーで開かれる。閉会式にはカナダ大会の公式マスコットである農耕馬の「タグ」(雄)と「テス」(雌)の着ぐるみも登場し、愛嬌を振りまいた。また、閉会に先立って、大会旗が次回開催国のカナダに引き継がれた。

この記事を読むとなんの疑問もなく「首位」を受け入れてしまいますが、韓国KBSの記事にこんなのがありました「韓国4年ぶりに総合優勝、国際技能オリンピック

今月14日から日本の静岡で開かれていた第38回国際技能オリンピックで、韓国は4年ぶりに総合優勝しました。

21日に閉幕した国際技能オリンピックで韓国は、47職種のうち42職種に47人の選手が出場した結果、金メダル11、銀メダル10、銅メダル6で総合得点88点を獲得し、総合成績で1位になりました。 2位は74点の日本、3位は55点のスイスでした。

韓国が金メダルを手にした職種は、板金加工、溶接、配管、ウェブデザインなど11の分野です。 韓国の総合優勝は、2003年以来4年ぶりで、1967年に初参加してから、15回目になります。

へ~と思って改めて「技能五輪公式サイト」を今頃になって探しまたが、これが良く分からない。
結局これだった「SKILLS 2007 2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」全く自慢にならないのですが、 静岡県の作ったページ「2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」ばかり見てましたよ。
そもそも検索ワードを「技能五輪」にすると本家のサイトが引っかからない。

ようやく、こんな発表を見つけました。

2007/11/21 ・技能五輪国際大会の競技結果(職種別)
・ 技能五輪国際大会の競技結果(国・地域別数)
・ 大会参加者数及び来場者数
・ 大会参加選手数、参加国 技能五輪国際大会
2007/11/21 ・技能五輪国際大会の競技結果が出ました。(Worldskills International site)
2007/11/16 ・国際アビリンピック 17日の競技結果が出ました。[エクセル]

なんというか、広報のレベルとしては「完全に失格」でありまして、その結果としてニュースとしても日本国内と韓国というか世界レベルで違ってしまっています。

公式の競技結果は「職種別」と「国・地域別」なのですから、報道もフォーマットに沿ったニュースにするべきでしょう。
インターネット時代の技能五輪主宰は失敗でありました。

11月 22, 2007 at 09:51 午前 もの作り | | コメント (10) | トラックバック (1)

2007.11.20

F2墜落事故の原因と問題その2

「F2墜落事故の原因と問題」の続報です。
中日新聞より「F2墜落事故 設計守られず? 配線の長さ誤接続が可能

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日、航空自衛隊F2支援戦闘機が墜落・炎上し乗員2人が重軽傷を負った事故で、飛行制御システムの配線の長さが設計通りでなく、墜落原因となったコードの誤接続が可能なケースがほかにもあることが、県警捜査一課の調べで分かった。

F2を製造・整備する三菱重工業は「設計でコードには一定の長短をもたせており、誤接続は不可能な構造だ」としていた。

県警は製造過程や整備などに問題があった可能性があるとみて、業務上過失致傷容疑で調べを進めている。

墜落原因について防衛省事故調査委員会は15日、飛行制御コンピューターからの2本の配線が、機体の姿勢変化を検知する2種類の機器に入れ違って接続されていたためと断定。
誤った情報がコンピューターに伝わった結果、水平尾翼が異常な動きをして墜落したと分析した。

一方、三菱重工業は同日の会見で「配線の長さやコネクタの向きを接続する機器によって別々にし、誤接続が起きない構造にしている」と主張。

設計書で配線の長さを指示しており、取り違えた場合は、片方の機器にはコードの長さが足りないため届かないと説明していた。

しかし、事故機を整備していた同社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場(豊山町)にあったほかのF2を6機調べたところ、設計通りの長さになっていないコードもあることが判明。
うち1機は事故機と同様、設計上は届かないとされた誤った接続も可能だった。

県警は、事故機の点検を担当した整備士から事情を聴くなど、配線の誤接続が起きた原因について詳しく調べている。

一言で言えば「情けない」です。

墜落機が誤配線が原因で墜落したことが発覚した時点で三菱が「設計上、誤配線不可能になっている」と記者発表したところが分からない。
ことは、現実の事故がなぜ起きたかであって、設計がどうであろうと「問題は何か?」が最重要だろう。

設計・素材・製造・組み立て・使用状況・環境・寿命管理といった様々なことがそれぞれの部品に影響して、そのどこかが破綻すると事故になる。
だから、設計は一つの要素ではあっても他に問題があれば事故にはなるわけです。
三菱はメーカなのだから、設計以外にも製造・組み立て・整備作業・点検などについて責任があるわけで「設計は・・・・」は全体から見ると一部に過ぎない。

なんで「設計上は誤配線出来ない」と事実(誤配線があった)対立するような記者発表をしたのか?
なんか、事実を直視しない企業姿勢が見えてしまう。
現代のメーカとしては根本的な姿勢に問題があると感じる。

11月 20, 2007 at 10:10 午前 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.11.17

エアバス社で大型機暴走

昨日(2007/11/16)朝日新聞を初めとして速報でこんな写真が流れました。

Up

写真は夜でしかも小さいのですが、内容はビックリでした。
朝日新聞より「エアバス旅客機が仏空港で暴走、壁に激突 10人負傷

仏南西部トゥールーズの空港で15日、エアバスA340―600型旅客機が地上でのエンジンテスト中に突然走り出し、空港の防音壁に衝突した。乗っていたエアバス社員ら9人と地上1人の計10人が負傷した。一般の乗客はいなかった。

AFP通信によると同機はトゥールーズにあるエアバス社の工場で完成し、アラブ首長国連邦の航空会社に引き渡される直前だったという。A340―600機は旅客機では世界最長(約76メートル)の大型機。エアバス社は同通信に「今年だけで450回も実施しているテストだが、こんな事故は初めて」と話している。

この機体についているエンジンの推力が25トンぐらいのようで、合計100トンでワイヤー引きちぎったとかでしょうか?
そんな危険なことはやらないとすると、止めておく「足止め」が倒れたのでしょうか?

それにしても、飛行機は意外なほどの重大事故を起こしても修理をしてしまいますから「これも修理するのだろう」と考えました。
日本で、有名なのは日航123便墜落事故(御巣鷹山事故)で墜落した機体の「しりもち事故修理」があります。この修理作業は、実質的に尾部の再構築でした。

それにしても、写真では機体の破損状況が見えないから「どんなものだ?」と思っていたら、こんなサイトがありました。AIRLINENEWS.NETより http://www.airliners.net/open.file/1293784/M/ どう見ても機首がもげております。

エアバス社はA380がようやく商業飛行が始まってヤレヤレといったところなのでしょうが、そこでこんなことになっては、大変でありましょう。
それにしても、なんで走り出してしまったのだろう?

11月 17, 2007 at 06:04 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.16

F2墜落事故の原因と問題

朝日新聞より「空自機墜落、原因は配線ミス防衛省が断定

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日に航空自衛隊の支援戦闘機F2Bが離陸に失敗し炎上した事故で、防衛省の事故調査委員会は15日、事故原因を、定期点検をしていた三菱重工業の配線ミスと断定した、と発表した。機体の姿勢を感知するセンサー(ジャイロ)と飛行制御コンピューターの間の配線を誤ったため、水平尾翼が異常な角度で動いて墜落した。今後、配線ミスが起きた原因を調べるとしている。

事故調によると、3種類あるジャイロのうち、機首の上下方向を感知するジャイロと、横回転方向を感知するジャイロの配線が逆になっていた。このため、コンピューターが機長の操縦による離陸時の機首上げを認識できず、さらに機首を上げようとした。機長が上がりすぎた機首を下げようと操作したが、コンピューターはこの機体の動きも認識できず、さらに機首を下げる方向に水平尾翼を動かしたため、機首が急激に下を向き、滑走路上に墜落したとしている。

事故調は、機体から回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)の記録を解析。ジャイロのデータが入れ替わっていたことから、機体を調べて配線が逆に接続されていたのを確認した。二つのジャイロは数センチほどしか離れていないという。エンジンやコンピューターなどに異常はなかった。

事故機は三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)の小牧南工場(豊山町)で定期点検を受け、地上での試験に合格した後の飛行試験で墜落した。事故調は今後、同社の整備担当者などから事情を聴く方針。

防衛省は事故後、各地の基地に配備しているF2の飛行を見合わせていたが、原因断定を受け、配線を確認するなどした後に飛行を再開する。

愛知県警は同社から押収した整備記録をもとに、ジャイロの整備士や整備後に点検をした社員らから事情聴取をする。

同社小牧南工場では02年4~8月、定期修理中の空自F4戦闘機など計9機で電気系統の配線が切られるなどした。県警は内部犯行の疑いもあるとみて、工場内に監視カメラを設置するなどして捜査したが、容疑者特定には至っていない。県警は今回の事故でも、故意に配線が変えられていなかったかについて、慎重に捜査する。

いくら何でもこんなのアリでしょうか?
確かに、3軸のジャイロを同じ物を搭載するのは分かりますが、その出力が入れ替わってしまったら致命傷なのだから、入れ替えようがない仕組みになっていて当然でしょう。

さらに、メーカに戻しての整備なのだから、外部テスト装置などでシステムが正常に作動するかを点検するものじゃないでしょうか?
飛行機の操縦系統が逆向きに接続されていて事故になったという例はかなり昔からあって、機械的な接続ですら間違っていたことがあります。
フライバイワイヤーの初期にもありました。そういう経験があるのだから、テストするものだと思っていたのですが・・・・・。
注目するのは、

フライトレコーダー(飛行記録装置)の記録を解析。ジャイロのデータが入れ替わっていた

この点ですよね。ジャイロのデータを取り出しているのだから、テスト信号を流せば、つじつまが合わないのはすぐに分かるはずで、それをやっていなかった。
飛ばす前に、信号を流してみるのは、いわば操縦桿の動きが舵面の動きと合致しているのかをチェックする程の意味でしょう。

なんか二重三重にやることが間違っているような気がします。

11月 16, 2007 at 12:29 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.12

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因

朝日新聞より「製造段階でボルト忘れ高知で胴体着陸のボンバル機

高知空港で3月、全日空機が前輪が出ずに胴体着陸した事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が製造段階で、前脚ドア部のボルトを入れ損ねた可能性が高いとの見方を固めた模様だ。
この結果、ドアが開かず、前脚が出なかった。事故による死傷者はなかったが、大惨事になりかねなかっただけに、調査委は、同社の製造管理について調査を進める。

事故が起きたのは3月13日。全日空のボンバルディアDHC8―400型機(乗客乗員60人)が、機首を滑走路にこすりながら胴体着陸した。

問題になったのは、前脚を格納する扉を開閉するアームの支点のボルト。調査委などによると、ボルトがなかったため、ボルトが通る筒状部品が固定されずに穴からせり出し、他の部品と接触。ドアが開かなかった。

ボルトがどの段階ではずれたかが、焦点だった。

関係者によると、筒状部品の奥の「ブッシング」と呼ばれる別の筒状部品に、ボルトが入っていれば残る痕跡が確認できず、全日空側は事故機をボ社から受け取った05年7月以降「(このボルトの)点検整備はしていない」としていることから、調査委は事故機がボ社側にあった製造の段階と見ている模様だ。

この事故は前脚の扉が開かなかったために、前脚が出ず胴体着陸になったというものでした。
旅客機(軍用機もだが)脚の出し入れ機構には非常用の脚下げ機構があって、多くは脚上げ状態で固定しておくロック機構を外すと自重で脚下げ状態になります。

問題の機体でも自重による脚下げを試みたのですが、前脚の扉が開かなかったために前脚が出ませんでした。
前脚扉が閉まった状態でロックしていたのですが、その原因は扉のリンク機構の回転部分にあるブッシュが飛び出して、他の部品と噛んでしまったので扉が動かなくなった、というものでした。

ブッシュですからボルトが貫通していて、ボルトが脱落していたからブッシュが軸方向に動いて飛び出した、というものでした。
問題は、いつボルトが脱落したのか?という調査の記事がこれです。

メーカー側に組み立ての記録がないから分からないということのようですが、メーカにも航空会社にも記録がないから、正常に組み立てられていたかどうか分からないというのは問題でしょう。
前脚扉の開閉機構ですから、写真を撮ることが出来るはずでそれも無いというのは「それってどうよ?」であります。

もちろん、メーカ側に記録がないというのは、考えられない。
少なくとも作業記録はあるでしょう。どうなっているのでしょうか?

11月 12, 2007 at 10:35 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.01

ニチアスは会社と言えないだろう

日経新聞より「ニチアス建材偽装、住宅各社が取引見直し・他社製に変更も

建材大手ニチアスが耐火性能を偽った住宅建材を販売していた問題で、納入先の住宅各社は無償改修や取引見直しに乗り出す。

旭化成ホームズは31日、中期的に他社製建材へ切り替えていく検討を始めた。現時点で改修費用は80億円以上になる見通しで、営業活動への影響なども含めた損害金の支払いをニチアスに請求する方針だ。

住友林業も同日、今後は対象の建材の購入を中止し、他の製品の取引も縮小する検討に入った。

ニチアスは問題の軒裏建材を9社に供給していた。

このうち旭化成ホームズは同製品を4万棟の住宅で採用している。

親会社の旭化成の伊藤一郎副社長は31日の2007年度9月中間決算の記者会見で「中期的に取引の見直しもある」と述べ、松下電工など他の建材メーカーへ切り替える検討を始めた。

ニチアスが何を考えていたのかさっぱり分かりません。朝日新聞より「ニチアスが耐火材偽装 01年から10万棟分 公表せず

住宅の軒裏などに使われる耐火材(01年以降の製造)の性能試験に臨む際、試験体に水を含ませたり、実際に販売するものより性能の高い材料を使ったりする偽装を施し、国土交通相の認定を受けていたことが30日、わかった。

社内では06年10月に社内の製品調査で不正が判明していたが、事実を公表しないまま今月29日まで出荷を続けた。しかし、内部告発の動きを受けて今月17日、初めて国交省に報告。30日に記者会見した。

試験の際、軒裏部分や間仕切り壁の建材をあらかじめ水槽につけて水を含ませておき、加熱による蒸発で温度上昇が抑えられるよう細工していた。耐火材部分も、より耐火性能の高いものにすり替えて、試験をパスしていた。

川島吉一社長は記者会見で「不正のあった頃は、事業を拡大するのが目標となっていた。担当者がプレッシャーを感じたのかもしれない」と釈明した。

ひどい話で、賞味期限の偽装などとは比べものにならないですね。
その結果として当然のことながら大混乱です。朝日新聞より「ニチアス偽装問題 住宅メーカーに問い合わせ相次ぐ

公表から一夜明けた31日、ニチアスや建材納入先の住宅メーカー各社には、家を建てたり買ったりした顧客らから抗議や問い合わせの電話が相次いだ。

「ヘーベルハウス」「ヘーベルメゾン」のシリーズで、偽装された耐火材を使っていた旭化成ホームズ(東京都)には、午前9時前から相談窓口に電話が殺到した。偽装建材が使われた計約10万棟のうち国土交通相認定の耐火性能基準を満たしていない約4万棟の大半は同社の住宅とみられ、「うちには使われているのか」「改修にはどんな手続きが必要になるのか」などの問い合わせが続いている。社員13人で電話に対応しているが、「耐火材を使っている住宅は把握しており、各入居者に連絡をしている段階」(同社)という。

ミサワホーム(東京都)は5万棟に使われているのを確認した。大臣認定の性能基準は満たしているとされる製品だというが、11月初旬にも出る国交省の調査結果を受けて対応を決める。

トヨタホーム(名古屋市)も棟数などの確認を進める一方、ホームページでの告知の準備に追われている。一部は耐火性能基準を満たさないことが分かっており、同社は「対応はニチアスからの回答を見てから決める」としている。

国交省の相談窓口(財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)には31日正午までの2時間で67件の問い合わせがあった。一般消費者からの「自分の家は大丈夫だろうか」などの質問が多かった。

会社としてどういうつもりだったのか?となりますが、この社長は全くダメですね。
株価は10月31日は終日売り気配でスットップ安11月1日も現時点では売り気配です。

元々は日本アスベストでアスベスト健康被害問題まっただ中の企業で、売上げは1000億円級の大企業です。

耐火材の試験をごまかすメリットがどこにあるのかさっぱり分からないところですが、ましてやそれが社内調査で明らかになった後も出荷を続けたとはどういうことなのでしょう。

厚さが違うとかでしょうか?
おそらくは、規格外れの製品を作ってしまって、それを偽装工作して試験を通過させてしまったから製品化してしまった。
一旦製品としてカタログに載せてしまったから、引っ込めることが出来なくなった。
といった流れかと思いますが、これでは会社とは言えない。

市場からの猛反発を受けるでしょうし、そもそも社長の記者会見自体が失格ですよ。

11月 1, 2007 at 10:51 午前 もの作り, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.29

SASでボンバルディア機を運行停止

NHKニュースより「ボンバルディア機の運航中止

スカンジナビア航空が使用の中止を決めたのは、カナダのボンバルディア社のDHC8型機で、先月、デンマークとリトアニアで着陸の際に事故を起こしたのに続いて、27日にもデンマークのコペンハーゲン空港で着陸の際、車輪が十分に出ないまま緊急着陸するトラブルがありました。

これを受けて、スカンジナビア航空は28日、緊急の幹部会議を開いた結果、「DHC8型機の信頼が著しく低下し、利用客も疑いを強めている。
このままではわが社のブランドが傷つけられるおそれもある」として、DHC8型機の運航をすべて中止することを決めました。

スカンジナビア航空は、事故を起こした同型機27機を主にヨーロッパで運航していますが、今後、運航を取りやめる便については、別の便の予約や払い戻しで対応することにしています。

ボンバルディアDHC8型機は日本でもことし3月、高知空港で全日空グループが運航する同型機が胴体着陸するなど、各地で事故やトラブルが相次いでいます。

朝日新聞の記事によると、

「DHC8―400型機」の使用を今後中止する、と発表した。
SASは保有する27機の使用を停止し、リース機などで対応する。「400型機の使用はSASのブランドを損なう恐れがある」としている。

となっています。
一月で二回の同じようなトラブルでは、運行停止という判断は経営的には正当でしょう。

今のところ、色々なトラブルがバラバラに起きていますが、運行する航空会社にとってはトラブル発生自体がとんでもないことだし、そうでなくても顧客(マーケット)の評判も大事です。
世界レベルで、一気に運行停止になるかもしれません。

全機運行停止といった全社的な問題に拡大してしまうことを考えると、保険という意味では、何事も過度に集中させないことも重要ですね。

10月 29, 2007 at 10:36 午前 もの作り, 事故と社会, 海外の話題, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.10.26

刈羽原発6号機の震災

サンケイ新聞より「タービン部品、地震で破損東電柏崎刈羽原発

東京電力は25日、新潟県中越沖地震で被災して点検中の柏崎刈羽原発(同県柏崎市・刈羽村)6号機で、発電タービンの回転軸の周りにある銅合金製リング2本が破損していたと発表した。

6号機タービンではこれまでに、隣り合う羽根が地震の揺れで接触した跡が見つかっていたが、部品の破損が確認されたのは同原発のタービンでは初めて。東電によると、地震で回転軸が揺れ、過大な力がかかったと考えられるという。

6号機は定期検査による運転停止中で、タービンも止まっていたが、東電は「運転中に同様の破損があった場合にもタービンには損傷を与えない」とみている。今後、地震当時に運転中だったほかの原子炉のタービンも調べる。

破損していたのは回転軸の潤滑油の流れを調節するための直径約60センチのリング。1本は完全に破断していた。

一方、地震発生時に緊急停止のため原子炉内に挿入後、動かなくなっていた7号機の制御棒1本は、あらためて駆動装置を操作した結果、24日に抜けたという。東電は駆動装置を分解して、詳しい原因を調べる。

このほか、同原発1号機の原子炉建屋では、壁のコンクリートの接ぎ目3カ所から放射性物質を含んだ水がにじんでいるのが見つかった。使用済み燃料プールなどからの漏水の兆候はなく、東電は地震の際にプールからあふれた水が、コンクリートの中を伝わってにじんだとみている。

破損していたのは回転軸の潤滑油の流れを調節するための直径約60センチ(銅合金製リング2本)のリング。1本は完全に破断していた。」とはなんかまるで普通の軸受けではないか?と思ってしまいますが、東京電力刈羽原子力発電所のHPにある「柏崎刈羽原子力発電所タービン内部確認状況について(PDF 797KB)」に説明がありました。

主タービンスラスト軸受オイルシーリングの割れ

Up

6号機は整備中で運転停止状態だったから、あっちこっちでヘンなことになっているようです。

10月 26, 2007 at 09:24 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

急速充電路面電車

読売新聞より「電池だけで走行、「省エネ」路面電車が登場

車内に搭載した電池だけで走り、停留所に止まった数十秒間に消費分を急速充電できる路面電車を、財団法人鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)が開発した。

11月末から、札幌市で性能を確認する実証試験を始める。

床が低いバリアフリー型の車両で、搭載したリチウム電池を

  • フル充電すれば約15キロ・メートル走れる。
  • 減速時には、電車の勢いの7割を電気に戻して電池に蓄える。
  • 停留所では、パンタグラフを上げて架線から補い、急速充電する。
現在の路面電車に比べて約1割の電力量を節約できるという。来年3月まで行われる実証試験には、ニッケル水素電池で動く川崎重工の車両も参加。よい結果が出れば、省エネ路面電車の実用化が近づく。

このニュースは昨日(2007/10/25)夕方のテレビニュースで見ましたが、各地で路面電車を運行している組織の関係者に丁寧にインタビューしていました。

  • 架線のメンテナンス不要になりコストダウン
  • 架線用の電柱などが道路整備上邪魔になっている

といった声が多く、「電池電車」とも言っていたので、どういう方式なのだろう?と思っていました。

確かにこの急速充電方式は、良いバランスかもしれませんね。
これで動力用の高性能電池の開発も進めば影響は大きいでしょう。

10月 26, 2007 at 09:02 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.10.22

工作機械も大変だ

FujiSankei Business i より「兵器製造に使わせない工作機械メーカー、移設防止装置の搭載加速

大手工作機械メーカーが、輸出した工作機械の軍事転用防止策を強化している。
高性能な機械は輸出に際し、兵器などの製造に使われることがないよう法律で厳しくチェックされるが、輸出先から第3国への転売に対しては無防備だった。
このため機械の据え付け場所が変われば、作動しなくなる装置の搭載に動き始めた。

工作機械は「機械を作る機械(マザーマシン)」と呼ばれ、ロケットや自動車から小型のデジタル機器まで、産業のあらゆる分野で製品加工に使われる。とくに世界市場でトップシェアを握る日本製品は、性能に優れるうえに信頼性が高く、高い評価を得ている。
半面でこのことは、核兵器やミサイルなどの製造に使われる危険性が大きいことを示し、事実、外国為替管理法で輸出規制の対象となっていながらも、不正輸出が絶えないのが実情だ。

こうした実態をうけて、工作機械各社が取り組みを強めているのが、機械本体に移設を検知する装置を取り付けるという抜本的な対策だ。

業界大手の森精機製作所は、2006年10月の出荷分から、工作機械に移設自動検知装置の搭載を開始した。購入した機械メーカーなどが、工場に据え付けた後に設置場所から移動しようとすると内蔵のセンサーが感知し、機械が作動しなくなる。
再度、作動させるためには、森精機のエンジニアが機械本体の制御部分に秘密の暗証番号を入力する必要がある。

ヤマザキマザックも8月末から、一部製品に移設検知装置の搭載を始め、来春までに海外向けの全機種に搭載する計画。オークマも08年春から海外向けの全機種に搭載していく方針だ。

移設を防止する装置の搭載は、シチズンマシナリーが、業界の先陣を切って00年7月から開始。06年7月には装置の技術を公開するとともに外販にも乗り出し、累計で約3000台を出荷している。

シチズンマシナリーは「同装置販売による利益はほとんど出ない。技術の公開や装置販売は、日本製工作機械の不正輸出防止が目的」と話す。今では工作機械以外の先端技術製品でも採用されているという。

一部海外ユーザーからは、「工場内の機械レイアウト変更が面倒」といった声もあるものの、工作機械各社は、不正防止への理解を求めて、装置の搭載を推進する考えだ。(西村利也)

一種のプロテクト技術と見ることが出来ますが、どの程度の堅さなのか?でしょうね。
裏をかくのはどんな技術でもあることです。

以前、東芝機械の5軸スクリュー加工機が当時のソ連に輸出したことで、東芝本体が制裁された事件があったから、日本の工作機械メーカはナーバスなのでしょう。

東芝機械事件では肝心の5軸制御装置はノルウェー製かなんかで、東芝機械としては「作動しない機械」あるいは「機械のパーツ」を輸出したことになるのですね。

これはどう考えても「技術レベルでは言いがかり」であって、東芝機械の脇が甘かったとは言えるかもしれませんが、それで国際問題になってしまったという経験からこういう問題に対抗するためにという意味合いが大きいのでしょうが、難しい事です。

10月 22, 2007 at 09:52 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.14

皇太子の車が路上で故障走行不能に

読売新聞より「皇太子さまの車がエンスト、予備の車で宿泊先へ…秋田

13日夕、秋田県横手市で、同県を訪問中の皇太子さまを乗せた車のエンジンが突然止まるというトラブルがあった。

同日午後5時10分ごろ、同市内の幹線道路で、皇太子さまの車がエンストを起こして停車。車列を組んでいた他の車も一斉に止まった。
皇太子さまにけがなどはなく、同乗していた宮内庁東宮大夫、皇宮護衛官とともに予備の車に乗り換えられ、車列は約2分後に再び動き出した。
皇太子さまの車は同庁車馬課で管理しており、走行中のトラブルは非常に珍しいという。

皇太子さまはこの日、秋田市で開かれた全国障害者スポーツ大会「秋田わか杉大会」の開会式に出席。水泳競技を見学した後、宿泊先のホテルに向かわれる途中だった。

他の新聞記事によると、故障した車は普通に公務で使われている車だそうで、さほど特殊な車ではないようです。
多分、普通に政治家が使っている防弾仕様程度の車でしょう。

第一、我々が日常的に使っている車でも故障で走行中に走行不能になることは滅多にない。
バッテリーの上がりなどでも、エンジンが始動しなくなる事が多くて、走行中にストップとなるる原因の多くは燃料切れとかベルトの切断といったところでしょう。

ありそうなのはベルト切れかなあ?
本当とのところはどんな故障だったのでしょうか?

10月 14, 2007 at 10:47 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

有機ELの長寿命化

日経新聞より「セイコーエプソン、有機ELに参入・寿命、液晶並みに

セイコーエプソンは次世代ディスプレーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)事業に参入する。専用製造ラインを建設、年内にも受注生産を始める。
有機ELの製品寿命はこれまで約3万時間が限界とされてきたが、同社は材料や構造の見直しで2倍近い5万時間以上を可能にし、液晶ディスプレーとほぼ同等にした。
高い耐久性が要求される商業施設向けなどの需要を開拓する考えで、有機ELの用途が広がりそうだ。

有機ELは基板上に配列した有機材料に電気を流して発光させ、表示する仕組み。
材料の耐久性がもともと低く、繰り返し電気を流すことで寿命が短くなっていた。
同社は材料の配合見直しに加え、必要な部位だけに最小限の電気を流すパネル構造を独自開発して採用した。
液晶や一般的なプラズマディスプレーの寿命である約6万時間に大きく近づいた。

初期の液晶が、表示装置なのか温度計なのが区別が付かなかった頃から考えると現在のように液晶が大々的に使われるほど進歩するのですから、有機ELも期待したいです。

ソニーがテレビを発表していますから、モバイルPCのディスプレーとして期待したいですね。
しかし、記事の内容からすると一ヶ所だけを使い続けると寿命が来そうな感じなので「焼き付いた」という言葉が復活するのかもしれません。

10月 14, 2007 at 10:34 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.09.22

737-800胴体の亀裂

朝日新聞より「中華航空、佐賀空港で亀裂発生機の調査開始

佐賀空港に着陸した台北発の中華航空チャーター便(ボーイング737―800型機)の胴体下部に77センチの亀裂が見つかった問題で、同社は22日、亀裂の発生原因の調査を本格的に始めた。

同社が台湾本社から派遣した整備士ら約10人は午前9時前から、駐機場で調査を始めた。
貨物室のハッチを開き、内側と外側から亀裂部分や周囲を細かく確認し、撮影を繰り返した。

同社によると、亀裂は主翼と尾翼の中間付近に前後の方向で一直線に走り、幅、深さとも数ミリ程度。
機長は「運航中、機内の気圧や操縦に問題はなかった」と説明しているという。同社は、機体の本格的な調査は台湾でする意向だ。

これはなんなんでしょうかね?
尻餅事故などは起こしてないそうですし、出発前に見つからなかった亀裂が日本に到着したらすぐに発見された。
この情報だけで判断すると、飛行中に亀裂が入った事になってしまいます。

どの程度の亀裂なのか情報を待っていたのですが前後方向に一直線で77センチとのことですから、製造段階の問題のように感じますね。

737型でも-800ですから、最新技術で作られているのかな?
767や777では三菱重工がケミカルミーリングで加工していますね。こんなところに影響しなければ良いのだが・・・・

9月 22, 2007 at 05:11 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.15

ポンバルディア機主脚の構造

朝日新聞より「欠航、連休にずれ込む ボンバル主脚事故で緊急点検

着陸時に主脚が壊れる事故が3日間で2度もあったカナダ・ボンバルディア社製のDHC8―400型機。
いずれも海外の事故だが、影響は同型機が24機運航する国内にも及び、緊急点検による欠航は連休にずれ込んだ。
同型機は今年3月、高知空港で前脚が出ずに胴体着陸したばかり。「またか」。相次ぐ脚のトラブルに、利用者や航空会社の不安は高まる。

「心苦しく思っています」。14日、羽田空港近くの事務所で記者会見したボンバルディア社のトッド・ヤング副社長は、多くの欠航を出す事態について謝罪した。
この日、同社はアジアで最初のサポート事務所の開設を盛大に披露するはずだったが、会見は事実上、釈明の場になった。
「欠陥機では」との記者団からの問いに、「高いレベルの認証を受けた安全な航空機だ」「今回の点検要請は、迅速に対応した証し」などと答え、火消しに躍起だった。

着陸直後に右主脚が破損する事故は、デンマークで9日、リトアニアで12日に起きた。
同社によると、右主脚を出し入れする油圧ピストンの先端部のボルトが外れ、その影響で主脚が正しく固定されない状態に陥ったらしい。
11日から航空各社に主脚の点検を求め、12日には着陸回数が1万回以上の機体の運航停止を要請。13日には、より詳細な点検指示を出した。

日航と全日空両グループは、連日夜遅くまで点検作業と広報対応に追われた。
それでも13日に計87便、14日に日航系41便が欠航。日航系は3連休中も伊丹―宮崎間など計8便が欠航し、他機種による臨時便を出さざるをえなくなった。

テレビのニュースで着陸したら片方の主脚が引っ込んでしまった、という衝撃的な映像が流されて大問題になっています。
国交省は事故については非常に明快にサイトにアップするので調べるのも簡単になりました。

「ボンバルディアDHC-8-400型機の2件の事故を受けた我が国の同型式機に対する点検指示について(製造国政府の耐空性改善命令TCD-7157-2007に基づく措置)」(PDF)に点検箇所の図がありました。 点検内容は以下だそうです。

  1. 左右の主脚全般について目視点検
  2. 主脚格納作動器のシリンダー先端のナットについて、ナット及びゆるみ止めワイヤーの取付状態の目視点検

全般の点検は当然ですから、問題がシリンダーの先端のナットとそのゆるみ止めのワイヤーとなります。

Up2

シリンダーの先端のナットが緩んでいてはいけないと言うことなのでしょうがどう見ても単なる油圧シリンダーのように見えるし、シリンダーの固定部はナットの隣の部分でしょうね。
どういう具合に取り付けてあるのかというと。

Up3

Up1

こんな具合になっています。
飛行機の可動部分はコンパクトにするために妙に凝った構造が多いのですが、これもそのようで、水平になっているハシゴのようなパーツがトグル機構として脚出し位置でロックするのでしょう。

油圧シリンダーのピストンが押した位置がロック位置まで届かなかったと考えるべきでしょうが、そうなると「ナットはなんの役目をしているのだ?」になりますね。

ナットが回ってしまうとシリンダーの幾何学的位置が狂ってしまうような設計だと言うことなのでしょうか?
なんかちょっと巧妙に過ぎるという印象があります。

9月 15, 2007 at 12:48 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.09.11

スーパーエコシップとはなんぞや?

毎日新聞より「タンカー進水式:電動で環境配慮 佐世保の造船所で建造

国土交通省と独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が建造を後押ししている電気推進船「スーパーエコシップ」のタンカー「なでしこ丸」の進水式が11日、長崎県佐世保市の前畑造船であった。
環境への負荷を軽減した次世代船で国内4隻目。タンカーでは初の建造となる。

白油(精製油)の国内輸送用タンカー(749総トン)で、従来のディーゼルエンジンに代わり、電動モーターでプロペラを回すため、二酸化炭素排出量を約10%軽減し、騒音も抑えることができる。
また、船体が損傷した場合に油の流出を防ぐダブルハル(二重船殻)構造とし、推進効率を向上させる二重反転プロペラも採用している。

同機構が大阪市の海運会社「商運海運」と建造した。同社は同機構などから各種補助を受けて運航する。スーパーエコシップはほかに、フェリー、貨物船、化学薬品輸送船が既に就航している。

このニュースを読んだときに「電気推進にしてエコになるとはどういうことだ?」が最初の印象でした。
電気推進船は珍しくなく、豪華客船ではクイーンメリー2(2004)やクリスタル・ハーモニー(1990)、ダイアモンド・プリンセス(2004)などが知られています。
クイーンメリー2は推進ポッドを採用しポッドを回転させることで舵を不要としました。

当然、発電機を使用してモーターを駆動しているのですから、機械・電気・機械となるエネルギー変換効率が問題だろうから、エコになるというのが理解しがたかったのです。

今回の内航用タンカーは「スーパーエコシップ」(PDF)なのだそうです。
要するに、エンジンなどの配置を自由にすることで船体の効率(荷役を含む)を挙げると言うことなのでしょう。

先に紹介したクイーンメリー2では、ガスタービン発電機を最上部に配置していますね。
客船でもエンジン配置を自由にすることで、使い勝手を良くしたということなのでしょう。

「スーパーエコシップ・フェーズ1規準」(PDF)によると

  1. 総則
    スーパーエコシップ・フェーズ1とは、電気推進システムを採用することにより、環境負荷低減、物流効率化等が図られている船舶をいう。
  2. 設計要件
    船舶の設計が以下の要件を満足すること。

    1. 船舶の推進システムのうち、通常の航行に必要な推力を供給するものが以下のa.の設備のみ又はa.及びb.の設備の組合せにより構成されていること。
      また、当該推進システムを構成する発電用原動機又は推進器駆動用原動機のひとつに異常が生じた場合においても船舶の運航に支障がないこと。

      1. 発電用原動機、発電機、インバーター(又はコンペンセータ)、 推進器駆動用電>動機、推進器等により構成される電気推進ユニット
      2. 推進器駆動用原動機、推進器等により構成される原動機推進ユニット
    2. 以下のいずれかの措置を講じることにより、エネルギー効率の向上が図られていること。

      1. ア バトックフロー船型その他の推進効率の向上に資すると機構が認める技術の採用
      2. イ 電動荷役システムの採用その他のパワーマネージメントの最適化に資すると機構が認める措置

パワーマネージメント、電気式制御による人員の削減や操船の簡易化といったことを総合してエコシップということのようです。
なかなか興味深い内容ですが、新聞の報道はどうにも簡単すぎて説明が伝わっていないと感じましたね。

9月 11, 2007 at 11:54 午後 もの作り | | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.08.31

スキャナ機能のある液晶パネル

日経新聞より「シャープ、名刺を読み取る新型液晶パネルを開発

シャープは31日、スキャナーやタッチパネル機能を持った新型の液晶パネルのサンプル出荷を9月から始めると発表した。携帯電話の液晶画面に名刺を置くと文字を読み取り、電話番号を自動的にメモリーに入力することなどができる。
すでに量産準備に入っており、来年には新型液晶を搭載した製品が登場する見通しだ。

液晶パネルの画素に微細な光学センサーを隣接させて製造する。センサーが画面に触った指先の位置や、名刺の文字を感知する。
タッチペン式の携帯ゲーム機では触った場所は一点ごとしか検知できないが、新型液晶では指で同時に数カ所を押しても感知できる。
「現在のタッチパネル式に比べコストは増えない」(モバイル液晶事業本部本部長)としている。

なんか、将来が有望な技術のように感じますね。タブレットPCに使ってくれないものかな

8月 31, 2007 at 10:58 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

Up1

今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

Up2

本来のワッシャが付いている状態。

Up3

今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エレベータの強度不足?

毎日新聞より「エレベーター強度不足:住友重機械製の変速機使用74台で

国土交通省は30日、住友重機械工業製の変速機を使用したエレベーターの一部に強度不足の可能性があると発表した。
同日までに3社74台について強度不足を確認したとしている。
変速機の安全性の計算式に誤りがあり、実際以上の強度が算出されていたためで、人が乗る「かご」の巻き上げ用ロープを回転させる車軸部分が折れ、停止する恐れがある。

03年以降、かごに人が閉じ込められるなど3件の事故が確認されているが、けが人は出ていない。
同省は、この変速機を導入しているメーカー全25社(計2934台)に点検を指示、同日までに7割に当たる2100台について作業を終えた。
強度不足が判明したエレベーターでは、部品交換を進めている。

問題のあるのは92年以降に製造された変速機。
定員数など使用条件によって問題がないエレベーターもあるが、業界標準の8割程度の強度しかないケースもあった。
今年3月16日には千葉市の郵便関連施設でかごが停止し、人が閉じ込められる事故があった。【高橋昌紀】

なんだ?こりゃ。
シンドラーエレベータで紹介された写真だと、ごく普通のギアード減速機で業界標準の80%程度の強度だと折れることがある、というのはシアピンかな?
それなら「安全装置の早期作動」とかじゃないのかねぇ?

もっとも、シアピンのミスでえらい目に遭った経験はある。すごくまずいことに変わりはないが、誤作かねぇ?
設計ミスとなってますね。同じ強度の部品ではなくて、同じ計算式で個々のエレベータの負荷に合わせて違う部品を作っていた。
その計算式が違っていた。ということかな?
それだと分かりにくいね。う~ん、これも現場感覚の欠如か?

追記

国交省の報道発表を見ていたら、巻き上げ機の詳細とあって「折損した軸」と説明が入っている図面がありました。

それによると、減速機の出力軸が折れたことになっていますが、いくら何でもそれはないのではないかなあ・・・・。
何十ミリもありそうなシャフトですよ。

8月 30, 2007 at 10:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.27

中華航空機爆発炎上事故その10

沖縄タイムスより「ボルト外し先月点検/中華航空炎上機体

那覇空港での中華航空機炎上事故で、燃料タンクに穴を開けたとみられるボルトについて中華航空が七月六日に点検していたことを二十五日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が明らかにした。事故調査委は「この点検でボルトがいったん外され、ナットが付け替えられた可能性もある」とみている。
事故調査委と県警の現場検証は同日、すべて終了した。

点検は、機体製造元のボーイング社が二〇〇六年、事故機の同系列機について「スラット(高揚力装置)のアーム部分に取り付けたボルトを締めるナットが緩む恐れがある」との文書を出していたことを受け実施された。

文書では「ナットを外して点検した場合は、元に戻す際に古いナットを取り換え、新しいナットを締めるように」とされているという。
中華航空の整備記録には「手順通りに点検を実施した」と記述されていることから、事故調査委は、この点検の際にナットの付け替え作業が行われた可能性があるとみている。

事故機では、ボルトとナットの間に取り付け、ボルトの脱落を防止するようになっているワッシャーなどの部品三個が、ボルトから外れた状態で見つかっていた。

また、事故調査委は、燃料漏れの原因とみられる穴が開いていた、燃料タンクに接する収納部品「トラックカン」も回収した。穴は幅約六・五センチ、厚さ約二ミリのトラックカンの底部に斜めに開いていた。
長さ四・一センチ、幅二・三センチだった。一方の先がすぼまった水滴のような形で、丸みを帯びた部分から、ナットが突き出ている状態だったという。

事故調査委は穴の形状や、ボルトが押し付けられていた状態などを詳しく調べ、どのように力が加わり、穴が開いたのかを検証していく。

日経新聞より「中華航空機炎上、整備ミス強まる・事故調、台湾に調査官派遣へ

那覇空港の中華航空機炎上事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は26日、事故機の燃料タンクに穴を開けたボルトの脱落は、留め具のワッシャー(座金)などの部品が外れていたことが原因との見方を強めた。
事故調は整備時に付け忘れた可能性があるとみて、今後、中華航空の整備記録などを確認し、担当者らからも事情を聴く方針を固めた。

これまでの調べでは、飛行機の揚力を調整する可動翼(スラット)を動かすアームからボルトが脱落していたことが判明。ボルトがアームの収納ボックス(トラックカン)を破り、燃料タンクに約4センチの穴を開けた。

確かに、部分的改修工事で点検とナットの交換だけの臨時作業の場合、時間に追われてミスする可能性は大きくなるかもしれません。
こういう「常識ではそういうことはしないだろう」というのが次々に破られているような気がしますね。

最終報告がどうなるのか、ですね。

8月 27, 2007 at 10:06 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.26

中華航空機爆発炎上事故その9

読売新聞より「中華機炎上、整備ミス濃厚…ボルト脱落防ぐ座金付け忘れか

那覇空港で中華航空機(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、脱落して燃料タンクを突き破っていた右主翼前端の可動翼(スラット)内部のボルトは、中華航空が今年7月の定期点検で脱着作業を行い、完了検査も受けていたことが25日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。

ボルトは、脱落を防ぐ留め具の「ワッシャー(座金)」などが外れた状態で見つかっており、部品が誤って取り付けられ、整備後のチェックもすり抜けていた可能性が高い。
事故調では、中華航空の整備ミスが原因とみて調査を進める。

事故調は25日、現場での検証を終了。この日は事故調が当初、燃料漏れの原因とみていた右主翼下のパイロン内部の燃料管に不具合は見つからず、燃料漏れは脱落ボルトが燃料タンクを突き破ったためと断定した。穴の空いた部分(厚さ2ミリ)は、長さ41ミリ、幅23ミリだった。

事故調によると、事故機は先月6日の年1回の定期点検で、スラットの支柱後端部の部品を脱着。この部品は、ボルト(長さ42ミリ)とナット(外径10・4ミリ)の間に六つの部品を挟み込んで後端部の穴(直径14ミリ)に取り付けられており、穴から脱落しないよう二つの座金(外径15・9ミリ)が留め具になっている。

事故機の整備記録では、部品の交換作業は製造元の米ボーイング社の指示通りに行われた。航空機の整備作業は、作業が完了すると別の整備士が手順通りに作業が行われていたかを照合し、全整備完了後に再度、最終チェックを受けることになっている。各工程ごとに担当者が整備記録に署名しており、事故機の整備記録にも、部品交換、検査の項目ごとにサインが残っていた。

脱落したボルトにはナットが付いていたが、留め具の座金など三つの部品が外れた状態で脱落し、燃料タンクを突き破っていた。このため事故調では、ボルトを脱着した際に、〈1〉座金の一つを付け忘れたため飛行中の振動などで脱落した〈2〉整備士が部品の装着を忘れ、部品が燃料タンク組み込み部に放置されていた――など、整備ミスの可能性があるとみている。

国内航空会社の整備関係者は、「作業中は細かい部品が散逸しないようボルトに部品を装着してナットを付け、そばに置いておくことがある」として、「別の作業を同時並行で行っていて、装着し忘れた可能性もある」と指摘。別の整備関係者は、「事故機は就航から5年が経過しており、製造時の誤装着であればもっと早く検査で見つかっている」として、製造ミスの可能性は低いとしている。

Up

琉球新報の記事「中華航空機、燃料気化し延焼 事故調、トラックカン回収」に掲載されていた回収された穴の開いたトラックカンです。幅は100ミリは無いですね

脱落したボルトの長さが42ミリとのことですから、トラックカンの中ではギリギリの大きさであったと想像できます。
説明図によると、スラットのレールはスラット本体と一体で移動する仕組みで、問題のボルトもレールと一体で移動し、ストッパーとして機能した。

このトラックカンの中をボルトは移動する仕組みになっていたのですが、トラックカンを突き破ってしまった。

レールの穴はボルトが抜け落ちるサイズですが、トラックカン内部でどのようになっていたのでしょうか?

完全に脱落していたのか、レールには付いているが付きだしていたのか。
おそらくは、見つかったときには完全に脱落していたのではないかと思いますが、そうなるとトラックカン内部でレールからボルトは脱落する余地があるのか?
脱落する余地がないのなら、最初から取り付けられていなかった、置いてあっただけ。という可能性が出てきます。

けっこうタチの悪い話のようですね。

8月 26, 2007 at 10:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.08.25

中華航空機爆発炎上事故その8

朝日新聞より「留め具つけ忘れボルト脱落、整備状況調査へ 中華機炎上

那覇空港の中華航空機炎上事故で、燃料漏れを引き起こした金属製ボルトは、差し込み穴より大きな金具三つが外れていたため、脱落して燃料タンクに突き刺さったことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。
ボルトは穴に差し込んだだけで固定されていなかったことになる。
機体整備時に金具をつけ忘れるミスがあり、飛行の振動などで徐々に抜けていったと見られる。中華航空側は7月に事故機のボルトを締め直したと説明しており、調査委が経緯や作業内容を調べる。

調査委によると、ボルトは長さ約4センチ。先端にナット(直径1.04センチ)がついた状態で、燃料タンクに突き刺さっていた。

本来、ボルトには、ナットの内側にワッシャーやダウンストップという金具がついている。
ボルトが差し込まれる可動翼(スラット)の支柱(アーム)の穴は直径1.4センチ。ワッシャーやダウンストップの外径はこの穴より大きいため、これらが正しくついていれば、ナットのついたボルトが穴から抜け落ちることはありえない。

Up

ボルトから外れていたのは、ストップロケーションとナット側にあるはずのワッシャーとダウンストップの三つの金具。
これらはアームを格納する主翼内の燃料タンクのへこみ(トラックカン)内などに転がっているのが見つかった。アームの穴に損傷はなかった。

このため、事故機はこれらの金具をつけ忘れたままで運航され、振動などでボルトが抜け落ちたと見られる。

ダウンストップは、機体の揚力を調整するスラットが主翼から脱落するのを防ぐ金具。
ワッシャーは、ボルトからダウンストップが外れないように取り付けられている。

調査委は23日の調査で、右主翼内の燃料タンクにあるトラックカンの壁面にボルトが突き刺さっているのを発見した。

スラットは、離着陸時に主翼の前側にアームで押し出され、その後に格納される。格納時には、アームがトラックカンの中に引き込まれるため、落ちていたボルトがアームに押されて燃料タンクに突き刺さった可能性が高いと見ていた。漏れた燃料は右エンジン周辺に流れ、エンジンの余熱で燃え上がったと見られる。

調査委は今後、7月の中華航空の整備内容を調べ、整備不良によるものかどうかを確認する。
機体製造時からワッシャーなどがついていなかった可能性について、航空関係者には「事故機は就航から5年以上たっており、部品がないまま抜け落ちなかったとは考えにくい」との見方が有力だ。

図の赤線で囲ってある部品がボルトについていなかったとということになる。
しかし、付近に転がっていたというのだから

組み立てないで放り出してあった

ということになる。
整備不良といってもすご過ぎる。

新聞記事では「整備ミス」としているが、サボタージュでないと言えるのだろうか?
あるべき部品が無いというのであれば、部品出庫の管理なども含めて問題になるが、部品が機体に供給されたのに組み立てられずに放り出してあった、というのではチェックするのは作業内容の検査しかない。
それが甘かったのは間違えないが、ミスなのか故意なのかはやはり問題になるだろう。

少なくとも、機械類の整備で「故意に正式な状態にしない」とされたら、どうにもならない。
例えば、ボルト・ナットなどのように手加減の問題があるものや、配線などのように同じようなものが複数あって間違える可能性がある、といった非常に注意を要するものもさほどコスト掛けないで実用になっているのは「きちんとやる」が前提になっている。
今回の事故の原因よっては、非常に深刻な問題になるだろ。

8月 25, 2007 at 09:53 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.08.15

リチウムイオン電池・大量リコール

毎日新聞より「ノキア:松下製の携帯電池交換 4600万個対象

フィンランドにある世界最大の携帯電話メーカー、ノキアは14日、松下電池工業(本社・大阪府守口市)が製造した携帯電話用リチウムイオン電池パックが異常発熱する恐れがあるとして、約4600万個を対象に無料交換すると発表した。
リチウムイオン電池の交換では、ソニーによるノートパソコン用電池の960万個(06年)を上回り過去最大規模。費用は最大数百億円規模になる見通しだ。

松下電池は松下電器産業の全額出資子会社。対象は、松下電池が05年12月~06年11月の間に製造した「BL-5C」電池パック。
ノキア・ジャパンと松下電池によると、充電中にショートして発熱、膨張し携帯本体から外れる可能性がある。
全世界で約100件、日本では2件を確認しているが、重大な人的被害は出ていないとしている。

松下電池は、製造工程で電池に微細な傷が入ったことが原因とみて、第三者機関に詳細な調査を依頼した。

交換対象の電池を使ったノキア製携帯は、国内ではノキア・ジャパン、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)、NTTドコモの3社が計7機種、約17万台を販売。
電池が交換対象かどうかについて、ノキアは電池パックの表で「Nokia」か「BL-5C」との印字を確かめた上で、裏にある26文字の製造番号を同社のサイト(www.nokia.com/batteryreplacement)に入力して確認してほしいと呼びかけている。

一方、NTTドコモとソフトバンクモバイルも14日、電池パックを無償交換すると発表した。

ドコモの機種でBL-5Cを使っているのは約3万3000台。同社は、不具合のある電池パックを使っている端末を絞り込み、使用者に新しい電池パックを郵送する。問い合わせの専用窓口は準備中。

ソフトバンクでは、計約13万6000台で使用しており、使用者全員に新しい電池パックを郵送する方針。問い合わせは、専用窓口0088・21・0035。【宮崎泰宏、前川雅俊】

4600万個とはすごい数ですね。
一点集中もここまで来るとどうかと思いますが・・・・・・
これもリチウムイオン電池の量産は日本が独占している、という事なのでしょうか?

ノキアのサイトによると、2005年12月から2006年11月の間に製造された松下製のBL-5C電池パックとなっていますから、1年間で4600万個なんですかねぇ?さすがノキアと言ったところでしょうか。

8月 15, 2007 at 11:19 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.08.11

戦闘機?

東京新聞より「国産でステルス戦闘機 防衛省、実証機開発へ

防衛省は10日、来年度防衛費の概算要求で最先端の国産戦闘機技術を結集し、テスト飛行を行う「先進技術実証機」を開発することを決めた。
レーダーに映りにくいステルス性と高運動性を併せ持ち、エンジンも国産を使用、5年以内の初飛行を目指す。成功すれば航空自衛隊のF15主力戦闘機の後継となる初の純国産戦闘機の開発に移行するが、戦闘機の売り込みを図る米国の反発も予想される。

これにより、将来の空自戦闘機は米国、欧州の6機種が候補に上っているF4戦闘機の後継機、米国ライセンスのエンジンを搭載した半分国産のF2支援戦闘機、純国産となるF15後継機の3機種となる見通し。

実証機は1995年、防衛庁技術研究本部で始まった戦闘機開発に必要な要素研究を集大成する。
要素研究は、ステルス性と高運動性を備えた機体を意味する「高運動飛行制御システム」、推力5トンの「実証エンジン」、高性能のフェーズド・アレイ・レーダーに電子妨害装置を組み込んだ「多機能RFセンサー」、機体に張り付ける薄いレーダーの「スマート・スキン」の4項目。

このうち、中核となる機体はフランスでのステルス性試験を終え、飛行試験を含む開発への移行を待つばかりだった。
外観はレーダー反射を防ぐため曲線を多用、軽量化を図り、炭素繊維でつくられている。双発エンジンの噴射口には推力を上下左右に変更する3枚の羽がそれぞれ付き、急な方向転換も可能という。

ただ、F15のエンジンが1基当たり推力10トンなのに対し、実証エンジンは半分の推力でしかない。機体もエンジンに合わせて全長14メートルと軽戦闘機並みだが、技術研究本部関係者は「開発段階では大型エンジンの国産化も可能」としている。

実証機開発の背景には、F2支援戦闘機の製造がほぼ終わり、このままでは消滅する戦闘機の開発技術を維持、向上させる狙いがある。
飛行試験は早ければ4年後とみられ、順調にいけば10年前後で純国産戦闘機が誕生する。

だが、純国産を目指した次期支援戦闘機(FSX=F2)が米国の圧力によって日米共同開発になった過去の経緯があり、日本が戦闘機開発に踏み出せば、米国による売り込み攻勢が強まりそうだ。

記事に出ている写真は、ドンガラとは言え実物大模型だそうで、急激な運動をせず、あまり速度を出さないモデルであれば、すぐに出来るでしょう。

しかし、それでは戦闘機ではないし、記事も指摘しているようにエンジンという難物があります。
というわけで、これは巨大なアドバルーンじゃないか思うのであります。

8月 11, 2007 at 01:03 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.01

エレベータケーブルの怪

朝日新聞より「フジテックと商社、主張は依然対立 エレベーター偽装

フジテック(滋賀県彦根市)製のエレベーターに設計よりも強度の低い鋼材が偽装して使われていた問題で、フジテックと鋼材商社のJFE商事建材販売(大阪市)は31日、それぞれ社内調査の結果を国土交通省に報告した。

鋼材商社は「フジテックも合意の上で低強度の鋼材を納入した」、フジテックは「知らされていなかった」と当初からの主張を繰り返した。両社とも訴訟を辞さない構えでおり、決着は法廷に持ち込まれる可能性が大きくなった。

このニュースは当初から気になっていたのですが、ワイヤー用の鋼材が規格違いで強度不足だということでした。
エレベータメーカはワイヤーを作っているのだ、ちょっと驚いたのですが同時に最重要部品なのだから検査で破断試験をしてるのではないのか?と思うのです。
それがユーザに納入されていた。

品質保証はどうなっているのでしょうか?
いろいろな段階でチェックはあるはずで、それを鋼材をスチールメーカ段階ですり替えたらユーザのところまで通り抜けてしまうのであれば、そっちの方がよほど問題だと思います。

8月 1, 2007 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.07.19

三菱ふそう・クラッチハウジング破断死亡事故・結審

東京新聞神奈川版より「欠陥クラッチ事件結審 あらためて潔白主張

三菱自動車(三菱ふそうトラック・バス)のハブ破損、クラッチハウジング破損については大量の批判記事を書いてきました。
上記記事の裁判は法的にどう見るかということですが、技術上の問題や会社の文化、社会が期待する水準といったものを全体的に評価する必要があります。
わたしが「酔うぞの遠めがね」にクラッチハウジングについて書いた記事を並べてみます。

作成日
記事タイトル
2004.05.27三菱ふそう・クラッチハウジング・リコール
2004.06.01続・三菱ふそう・クラッチハウジング・リコール
2004.06.03三菱自動車・業務上過失致死罪で捜査
2004.06.06三菱自動車・元社長の事情聴取
2004.06.10三菱自動車の元役員に逮捕状請求
2004.06.12三菱自動車・元社長が公表に反対
2004.07.09三菱・クラッチハウジングに裂け目6個
2004.07.14三菱ふそう・新たにクラッチハウジング破断7件
2004.07.26三菱ふそう・クラッチハウジング対策
2004.08.07三菱ふそう・クラッチハウジングで記者会見
2004.08.31三菱(ふそう)クラッチハウジング破損は49個以上
2004.09.15三菱ふそう・クラッチハウジングやっと対策

詳しくはこれらの記事に書いてありますが、クラッチハウジングが破断するといったことは技術的な常識レベルであり得ないことです。
つまり、対策がどうのこうのと言う以前に「根本的におかしい」という観点からその時々の報道についてコメントしてきました。
事故の場合は原因などについては当事者である企業などの発表しかソースがないわけで、新聞記事などは「それは違うだろう」と考えても発表がウソだとまでは言えない、という関係にあります。
そこで、意図的に裏読み的な記事を書いてきました。ようやく結審したわけですが、被告の元社長の最終陳述が紹介されています。

三菱自動車のクラッチ系統部品の欠陥により発生した山口県の運転手死亡事故で、同社元社長らが業務上過失致死罪に問われた裁判は十八日、横浜地裁で結審し、判決期日は来年一月十六日に指定された。
被告は企業のトップとしての道義的責任を認めながらも、刑事責任については検察批判を展開し、あらためて身の潔白を主張。
同社の車輪と車軸をつなぐ部品「ハブ」の欠陥をめぐる事件の判決も今年十二月に予定されており、二〇〇四年九月に始まった同社をめぐる一連の裁判は、いよいよ大詰めを迎える。

「全部の調書を撤回し、起訴そのものを撤回してもらいたい」。
最終陳述で河添被告は激しい言葉を連ね、検察側を痛烈に批判した。

被告は社長だった当時、不具合情報の二重管理や指示改修(ヤミ改修)についてよく知らず、クラッチの不具合も認識していなかったと主張。
検察官が強引に調書を作成したとし、「当時社長だった私を起訴するため、過失が成立するよう事実をねじ曲げようとしていたのではないか」と力を込めた。

一方で、リコール隠し発覚後に不具合の選別作業をした担当者が、同被告ら上司に虚偽の報告をしていたことが事故に結びついたとし、「このような企業風土が残っていたということは、当該社員の責任とい