2009.06.30

GMトヨタも大変だ

Bloomberg.co.jp より「米GM:トヨタとの米加州合弁から撤退-将来の製品計画で合意できず

6月29日(ブルームバーグ):

経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、カリフォルニア州フレモントにあるトヨタ自動車との合弁工場で今後生産する製品についてトヨタと合意できなかったとし、合弁事業から撤退すると発表した。

「ポンティアック」ブランドの小型車「バイブ」やトヨタのハッチバック「マトリックス」を生産する合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI)は8月にGM車の生産を打ち切る。

GMはトヨタの生産について学ぶ方法として、1984 年にNUMMIを立ち上げた。
一方、トヨタは米国で自社の生産方式を試した。

GMの北米部門責任者、トロイ・クラーク氏は発表文で
「広範な分析の結果、GMとトヨタはあらゆる当事者にとって意味のある将来の製品計画について合意できなかった」と説明した。

今回の提携終了は、GMが1日に破産法適用による会社更生手続きを申請した後、経費節減を推進していることに伴うものだ。GMは赤字に陥っているドイツ部門オペルの大半を売却するほか、1300余りのディーラー削減、15工場の閉鎖または休止、数千人規模の人員削減を計画している。

CSMワールドワイドの産業アナリスト、マイケル・ロビネット氏は「1984年の時点では、NUMMIには明確な使命があり、トヨタとGMの双方にとって有用だった」とし、「その段階は過ぎた可能性が高い。トヨタは今やNUMMIの事業の存続性を見直さざるを得ない」と指摘した。

トヨタは29日、GMがNUMMI合弁事業からの撤退を選択し、 25年にわたる長期間に成功を収めてきた提携を終わらせることを残念に思うとし、トヨタは折半出資の合弁事業の存続を望んでいたとの声明を発表した。

IBTimes より「米GM、トヨタとの合弁会社から撤退

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車は29日、両社の合弁会社ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチュアリング(NUMMI、米カリフォルニア州)から撤退すると発表した。注目を集めた25年に渡る合弁事業が終了する。

GMの広報担当エレイン・レッド(Elaine Redd)氏は「(同合弁事業は)新しいGMの一部にはならない」と述べた。

GMは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の手続き完了後、優良資産で構成される「新GM」と清算会社の「旧GM」に事業を分けて運営していく方針で、NUMMIの経営方針についてもトヨタと協議を進めていた。
しかし「将来の生産計画について合意に至ることができなかった」ため、NUMMIは「旧GM」の保有株に移されることになったという。

NUMMIでは8月末までステーションワゴン「ポンティアック・バイブ」の生産が予定されていた。
しかしポンティアックブランドは廃止が予定されており、両社の間では次に生産する車種選定のための協議が難航していた。

同工場では約4,600人の従業員が働いており、トヨタの小型乗用車「カローラ」とピックアップトラック「タコマ」も生産されている。

トヨタの広報担当ゾー・ジーグラー(Zoe Zeigler)氏は、同社がGM撤退の埋め合わせのため、NUMMIでの生産車種を増やすか、もしくは現行生産ラインの質を高めるについてはまだ決定していないと語った。

GMとトヨタは1984年、折半出資し同合弁事業を立ち上げた。GMにとってはトヨタの生産ノウハウを学ぶ機会となり、トヨタにとっては米国への進出を達成する機会となった。

Bloomberg.co.jp より「トヨタ、GMにプリウスをベースとする車種供給を提案も

6月29日(ブルームバーグ):

トヨタ自動車は再建中の米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、ハイブリッド車「プリウス」をベースとする1車種の供給を提案する公算がある。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

計画が非公開であることを理由に関係者らが匿名を条件に明らかにしたところでは、8月に予定されるトヨタの豊田章男社長とGMのフリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)との会談で提案が行われる可能性がある。

両社の合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI、カリフォルニア州)で製造するGMの小型車「ポンティアック・バイブ」は生産の打ち切りが決まっているが、関係者らによれば、これに代わる新製品として、プリウスをベースとするGMブランドの乗用車など複数の選択肢が検討されている。

世界で最も売れているハイブリッド車、プリウスをベースとする車種をGMが製造することになれば、輸入車の購入に抵抗がある消費者の獲得に役立つほか、GMが合弁工場の操業を継続する可能性が出てくる。

一方、関係者2人が今月ブルームバーグ・ニュースに語ったところでは、トヨタはミシシッピ州工場でのプリウス生産計画を棚上げにした後、NUMMIをプリウスの生産拠点とすることを検討しているという。

GMが新旧に分かれることは決定事項なので、NUMMIが旧GMになった場合は、オペル同様に売却といったことになりますから、結果として合弁解消になります。
もちろん、合弁事業の継続が出来ないから旧GMに移行するということもあるわけで、ニワトリと卵の関係です。

そこにNUMMIでプリウス生産では、当事者(4000人)にとっては疑心暗鬼になってしまいそうですね。厳しいものですね。

6月 30, 2009 at 12:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.26

787・6月の初飛行は実現せず

FujiSankei Business iより「787初飛行、5回目のお預け 納入時期未定、ボーイング株急落

米ボーイングは23日、今月30日を目標としていた次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の初飛行を延期し、航空会社への納入時期も向こう数週間未定だと発表した。

これを受け、23日の米株式市場で同社の株価は昨年11月以来最大の下げとなった。

同社民間航空機部門のカーソンCEO(最高経営責任者)はこの日の電話会議で、主翼よりも上の胴体部分に想定を上回る負荷がかかっている状況が判明したため、初飛行延期を決めたと述べた。

今回で初飛行の延期は5回目。

初延期となった2007年10月以降、ボーイングの株式時価総額は半分余り減少している。

カーソンCEOは今月16日、同日にも787が「飛行できる」との認識を示し、月末までに飛行実施する計画を強調していた。
同CEOはこの日、16日時点でボーイングは問題を把握していたが、19日まで飛行延期を決定しなかったと説明した。

787は来年1~3月期の納入が計画されている。

DAデービッドソンのアナリスト、J・B・グロー氏はインタビューで「初飛行延期で少なくとも納入開始が数カ月遅れる」と指摘し、「最良のシナリオでも開始は2010年半ばだろう」と語った。

787型機の複合材主翼のメーカーは三菱重工業で、同主翼と結合する胴体部品を製造するのは富士重工業。
問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われており、これら3社が解決に向けて取り組んでいると、同機を担当するボーイングのゼネラルマネジャー、スコット・ファンチャー氏は説明した。
同氏によれば、初飛行の新たな時期は「向こう数週間以内に」明らかにする。

787は、材質を工夫することで同社の従来機に比べて20%燃費効率を高めた点が特徴。
今回、問題となっている部分について、同社は比較的修正は簡単で、飛行機全体の重量を増やすことにはならないとしている。

ノースウエスト航空と合併し世界最大の航空会社となったデルタ航空の広報担当者は、今回の初飛行延期を受け、「787の発注については何の変更もない」と説明した。
同社は787を18機発注しており、2013年に初めての納入される予定。
同氏は納入スケジュールについて、「ボーイングと緊密に連絡をとっている」とした。(Drew Benson)

Bloomberg

technobahnjapan より「B787構造欠陥問題、問題箇所は三菱重工の製造部品

009/6/26 00:25

ボーイングが開発中の次世代旅客機、B787で新たに見つかった構造上の欠陥(強度不足)は日本の三菱重工 (7011) が生産を請け負った主翼を機体本体とを接続する構造部分であることが24日までに明らかとなった。

英航空専門誌「フライトグローバル」によると、構造上の欠陥が見つかったのは具体的には、三菱重工が生産した「Section 12」と呼ばれている主翼構造部品。

「Section 12」には主翼構造を支えるストリンジャー(stringer)と呼ばれる梁が主翼の先端から付け根まで通っており、ストリンジャーキャップを通じて機体本体と接合が行われている。
しかし、規定値の120~130%の負荷をかけたストレステストの結果、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの一部に損傷が生じ、ストレス要件を満たすことができないことが判った模様だ。

ボーイングでは当初、主翼のストレステストの結果、ストリンジャーキャップに生じた損傷は軽微なもので深刻な問題ではないと判断をしていたが、その後、実施された詳細検査の結果、ストリンジャーキャップの強化が必要であるという判断に至ったとしている。

「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化を行う場合、既に完成した飛行テスト用の2機(ZA001/ZA002)に関しては再び製造工程に戻して主翼部分の接合をし直す必要が生じる。また、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化は単に強化を施せば良いという性格のものではなく、強化を実施した場合には再び、主翼のストレステストまで戻って品質検査をやり直す必要性が生じることとなり、B787の製造開発は大幅な後退を余儀なくされることとなる。

今のところ、新たに見つかった機体の構造問題に関連してボーイングからは納期再延長の正式発表は行われていないが、状況的に顧客納期が数ヶ月から半年程度の遅延が生じるのは必至な状況だ。

製造・製法のミスであれば作り直せば良いわけですが、荷重を掛けたら破損したというのでは、設計の失敗なのでありましょうか?

日本でも、自衛隊の新型輸送機C-Xが似たような強度不足で2007年7月にロールアウトしましたが、現在に至るまで飛行せずに改修中です。

あまりにギリギリなところを狙って、設計上の見逃しや検討不足が現物を作ってから明らかになる、といったところがあるのでしょうか?

787は軽量化による大幅な燃費向上がウリなので、あまりに極端な重量増加は787の商品価値そのものを下げることにもなり、ポーイングとしては厳しい局面に至ったというべきでしょう。

6月 26, 2009 at 08:48 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2009.06.21

高温ガス炉発電所をカザフスタンに建設?

東京新聞より「カザフ、日本の新型原発導入へ 18年完成目指す

【セメイ(カザフスタン北東部)20日共同】
カザフスタン北東部にある旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に接する、かつての軍事閉鎖都市クルチャトフに、日本の技術を導入して発電効率の高い原子炉「高温ガス炉」による新型原子力発電所の1号機の建設が計画されていることが分かった。

カザフスタン国立原子力センターのカディルジャノフ総裁が19日、共同通信に明らかにした。

同実験場は旧ソ連最大の核実験場で、1949~89年に450回を超す実験が繰り返された。

1号機は2018年に完成、22年ごろ稼働する計画。

核兵器の被ばく問題を抱える両国が、原子力の平和利用で協力を深める象徴的な共同事業になりそうだ。

総裁によると、茨城県大洗町に研究用の高温ガス炉を持ち、世界最先端の実証試験を行ってきた日本原子力研究開発機構の技術を基礎に、東芝やカザフ国営原子力企業カザトムプロムなどと合弁企業の創設を協議中。

日本側は半分程度を出資する方向で、ロシアとスロバキアも参加の意向を示しているという。

1号機の発電能力は5万キロワットで、暖房用の温熱も供給する方針。

予算は5億ドル(約480億円)以上で、カザフ側は日本の国際協力銀行(JBIC)に資金協力を要請しているという。

本当かよ?としか思えないニュースですが、日本の高温ガス炉については独立行政法人・日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センターのHPにある、「HTTR」に詳細が出ています。

HTTRの構造と特徴

HTTRの構造と特徴について説明致します。

  1. 燃料について
    燃料には、仁丹粒の大きさの約半分ほどの被覆燃料粒子を用います。この被覆粒子燃料は、小さなウラン燃料の球状の粒子をセラミックで4重に包むことで、高温に耐え放射性物質が燃料粒子の外にでるのを防止する構造になっています。
  2. 炉心構造材について
    炉心構造材には昇華点が約3700℃の黒鉛を使いますので、耐久温度が極めて高く、かつ熱容量の大きな炉心になっています。
  3. 冷却材について
     冷却材にはヘリウムガスを使用します。ヘリウムガスは化学反応せず、放射性を帯びることもない非常に安定なガスで、また相変化もしません。

HTTRの主要仕様

熱出力30MW
一次冷却剤ヘリウムガス
一次冷却剤圧力4MPa
原子炉入口温度395度C
原子炉出口温度最高950度C
炉心構造物黒煙
燃料セラミック被覆した、二酸化ウラン微粒子
国外の動向を見てみると、発電プラントとして実用にはなっておらず、研究炉止まりのようですから、日本も競争力があるということのようです。
気になる記述としては

海外で高温ガス炉の開発を積極的に進めた国にアメリカとドイツがあります。
これらの国の発電用原型炉は、財政的理由等から運転を終了していますが、
その成果は日本、中国や南アフリカなどの計画に引き継がれています。

実用化するためには、投資可能なコストの範囲で元が取れなくては絵に描いた餅になってしまうわけで、実用になっている原子力発電は100万キロワット以上ですから、HTTR では1桁は出力が少ない。

以下は、各国の計画です。

南アフリカPBMR400MW
ロシア、アメリカGT-MHR600MW
アメリカNGNP600MW

こうなると、ニュース記事の「1号機の発電能力は5万キロワット」というのはどういう意味があるのだろう?
なんかよく分かりません。

高温ガス炉は、比較的安くできるのだそうですが、それでも出力がどのくらいにするのが適切のか?と感じます。

6月 21, 2009 at 09:55 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.05.25

ボーイング787・まだ飛ばない

technobahn から、最近のボーイング787の記事を並べてみます。

2009/05/2319:05ボーイング、B787の初飛行テスト日程を再調整
2009/05/2318:47ボーイング、B787のエンジンテストを開始
2009/05/1621:04ボーイングの次世代旅客機「B787」が遂に完成
2009/03/0619:26ボーイング、B787の飛行テストを6月から開始へ
2008/10/2411:55ボーイング、B787の出荷予定日がまた延期の可能性・ストライキの長期化で生産遅延
2008/08/2820:16ギアアップ!
2008/06/2419:09ボーイング787の1号機がようやく完成、これから電源を入れます
2008/04/1019:27ボーイング、B787「ドリームライナー」の納期を再々延期

2008年4月から2009年5月23日までの記事ですから、約1年分と言えますが苦闘の連続とでも言うべきでしょう。

全日空も待機状態なのでしょうが、1号機はエンジンテストを開始。量産2号機は全日空の塗装で公開済み、試験飛行に使用予定。全日空への納入(納入1号機)は量産7号機。ということらしいです。
かなり複雑なプログラムを動かしていますね。

これでテスト段階でまた大修正箇所が見つかったら大変です。

ボーイング、B787の初飛行テスト日程を再調整

2009/5/23 19:05 -
ボーイングは21日、地上試験日程の都合によりB787の初飛行テストのスケジュールに再調整したことを明らかにした。

同日行われた株主向け説明会の席上で、スコット・フランチャー(Scott Fancher)ジェネラル・マネジャーは、地上試験の日程を再調整する必要性が生じたとした上でB787の初飛行は2009年第2四半期(4-6月期)の後半に実施する方向で調整していると述べた。

同社では当初、B787の初飛行は今月末から来月初頭にかけて実施するとの見解を示していた。

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ボーイング、B787のエンジンテストを開始

2009/5/23 18:47 -
ボーイングは21日、先月末に完成したばかりのB787の1号機を使った最初のエンジン稼働テストに着手したことを発表した。

エンジン稼働テストは太平洋標準時で同日午前9時30分から開始され、できたての航空機に据え付けられた2基のロールスロイス・トレント1000型(Rolls-Royce Trent 1000)エンジンは電子制御で起動された後、約40分に渡って稼働を続けた。

同社では初のエンジン稼働テストは順調に進んでいると述べており、飛行テストに向けた地上での最終準備段階に移る。

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ボーイングの次世代旅客機「B787」が遂に完成

2009/5/16 21:04 -
ボーイングが開発を進めてきた次世代旅客機「B787」が遂に完成、マスコミ向けに映像が公開された。

今回、公開されたB787は量産2号機で6月末からの開始が予定されている試験飛行用の機体となる。

機体は日本の旅客会社、全日空 (9202) からの要望を受けてTV CM撮影用に全日空の機体ペインティングが施された状態となっており、初飛行の模様は全日空のCMにも利用される予定ともなっている。

ただし、ボーイングでは、この機体は試験飛行専用のもので実際に全日空向けに納品される機体は量産7号機になると説明している。

量産2号機を使った全日空のCMは来年夏頃のオンエアとなる見通し。

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ボーイング、B787の飛行テストを6月から開始へ

2009/3/6 19:26 -

ボーイングは製造開発中の次世代中型旅客機、B787「ドリームライナー(Dreamliner)」の初飛行テストを6月に実施する方向で最終準備段階に入った。

ボーイングでは当初、2007年中に飛行テストを終えて2007年5月に最初の機体を日本の全日空 (9202) に納品を行うことを予定していたが、B787から新しく導入した機体の製造管理につまずき、納品予定日を再三に渡って延期。更に昨年10月には国際機械整備士組合(International Association of Machinists)との間の労使交渉がこじれてストライキにもつれ込んでしまったためて、改めて納品予定日の延期を行っていた。

今のところ再遅延が発生しなければ飛行テストは6月から開始。その後、米連邦航空局(FAA)による型式認定作業が実施された上で、2010年8月に最初の機体の納品が実施される予定。

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ボーイング、B787の出荷予定日がまた延期の可能性・ストライキの長期化で生産遅延

2008/10/24 11:55 -
ボーイングのジム・マックナーニCEO(経営最高責任者)は23日、決算発表後に行われたプレス向けのカンファレンスの席上でB787「ドリームライナー」の生産スケジュールに付いて言及し、「ストライキの影響により787の生産に僅かだが遅延が生じる恐れがでてきた」と述べた。

2000名の整備士削減計画を掲げたボーイングの方針に対抗するために、職業別労働組合の一つとなる国際機械整備士組合(International Association of Machinists)とのストライキを起こすと同時に、労使交渉も難航し、ストライキ長期化の見通しとなってきたことが、今回の納期予定日延期の原因。

現状のスケジュールでも既に当初の計画に比べて15ヶ月の遅延が発生しており、今後、AMのストライキによる生産遅延分が加味された場合は遅延は16~17ヶ月に達する恐れがでてきた。

ボーイングは今のところ、2009年7-9月期に最初の飛行テストを実施し、続く10-12月期に顧客(全日空)へのファーストデリバリーを行うことを計画していていた。

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ギアアップ!

2008/8/28 20:16 - 画像は今月実施された開発中のボーイング787「ドリームライナー」の着陸用ギア昇降テストの模様。

テストは操縦席にある着陸用ギアの計器を操作することにより実施され、開発中の787の着陸用ギアは無事に、規定のポジションまで昇降した上で機体内に格納、その後、再び、ダウンポジションまで降下する一連の動作を繰り返すことに成功した。

着陸用ギアの昇降操作には電気系統から油圧系統、機体構造部分まで複数の機構が複合的に関わる複雑なもので、今回のテストでは、ノーズギア、レフトギア、ライトギアの3つのギアの昇降テストを個別に実施した後、今度は3つを連動しれ動かすテストが実施された。

今回、着陸用ギア昇降テストが終了したことを受けて、787の開発もいよいよ最終段階に近づいてきたこととなる。

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ボーイング787の1号機がようやく完成、これから電源を入れます

2008/6/24 19:09 - 画像は今月初頭、完成したばかりのボーイングの次世代旅客機、B787「ドリームライナー」を起動するための「パワーオンシーケンス」を実行するために機体に電源プラグを挿す作業員の模様を撮影したもの。

「パワーオンシーケンス」を実施するに先駆けてボーイングでは、B787の膨大な配線の接続性や、電子回路の全ての状態を個々に確認する作業を数ヶ月に渡って実施。6月に入ってからようやく、電源を入れる「パワーオンシーケンス」を実施できる状態にまで漕ぎ着けた。

電気系統は複数のセグメントに分かれており、この画像に写っているのはその内の一つとなる。

しかし、ボーイングが社運をかけて開発をしてきたB787の場合でも普通の電気機器と同じようなコンセントプラグがあり、電源を入れるには電源コードをプラグに挿さなければならないというのはちょっと面白い。

今回、完成したこの1号機、今後更に機体の機器の検証が行われた後、年末にも最初の試験飛行が予定されている。

遅延に遅延を重ねてきたB787がここにきてようやく完成し、初飛行に向けた最終準備(といってもまだ初飛行には半年近くもかかるが)に漕ぎ着けることができたのは、ボーイングにとっては最大の朗報に違いない。

しかし、ここにきてボーイングにはもう一つ、大きな朗報が寄せられる結果となった。

米空軍が今年の2月末、次期空中給油機に欧州航空宇宙最大手のEADSとノースロップ・グラマンが中心となって開発を進めてきたにKC-45/A330 を選定したことは不当だとして、ボーイングからの監査請求を受け、調査を進めてきた米会計検査院(Government Accountability Office)は18日、ボーイング側の主張を認め、米空軍がKC-45/A330を選定したのは誤りであったという判断を下したからだ。

米空軍の次期空中給油機選定は振り出しに戻ったわけだが、監査報告書のなかでGAOは、米空軍が次期空中給油機にKC-45/A330を選定した理由には「複数の重大な誤り」があったと述べた上で、公平な観点から両者のコストパフォーマンスを比較検討した結果、KC-45/A330を次期空中給油機に選定した米空軍の判断は誤りだったとする見方を示すなど、ボーイング社の主張をほぼ100%組み入れたものとなった。

良いことは続くものである。

もっとも、競合のEADS(エアバス社の親会社)にとってはこの上もない悪いニュースではあるが…

画像提供:Boeing

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ボーイング、B787「ドリームライナー」の納期を再々延期

2008/4/10 19:27 - ボーイング社は9日、開発中の次世代中型旅客機、B787「ドリームライナー」のファーストデリバリーの納期を2009年7-9月期に延期したことを発表した。

B787の納期は当初、今年5月の予定だったが、昨年10月に2007年11月か12月に延期。今年の1月には再び、2009年始めに延期していた。

初号機の組み立ては順調に進んでいる模様だが、下請け業者からの部品到着が予定以上に遅れる事態が発生したため、予期していなかった再作業が発生したことや、試験スケジュール確保のために、初飛行の実施時期を2008年10-12月期に延期したことが今回の納期の再々延期へとつながった。

今回の納期延期の発表に関してボーイング社の民間機部門担当のスコット・カーソンCEO(経営最高責任者)は「これまで数ヵ月以上にわたり、我々は、プログラムが直面している解決しなくてはならない問題に積極的に取り組んでおり、着実に前進しています。それでもなお、サプライヤーからの調達状況の遅れ、予期していなかった再作業が発生し、2008年1月に打ち出したマイルストーン達成を阻む結果となってしまいました。我々が今回変更したスケジュールは、達成可能かつ信頼性の高いものです。 787型機の基本設計および技術は依然として信頼性の高いものですが、ファーストフライト前の試験やフライトテスト・プログラムにおける試験など、これから対応していく課題のために、スケジュールに余裕をもたせているのです」と述べ、今回発表した納期に関しては厳守する考えを明らかにした。

今回、ボーイング社がB787の納期を再々延期したことに関しては、B787の導入を決めていた航空会社の間からも不満の声も持ち上がってきており、 B787のファーストデリバリー組に入っている航空会社からはボーイング社に対して納期遅延によって生じる損害金の賠償を要求する動きなどもでてきている。

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5月 25, 2009 at 09:41 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.30

シンドラーエレベータ事故・メーカの担当者を立件

サンケイ新聞より「シンドラー社 週内にも書類送検 EV事故 情報引き継ぎ不十分

東京都港区のマンションで平成18年6月、都立高2年生=当時(16)=がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、警視庁捜査1課は29日、保守点検に必要な過去のトラブル情報を保守点検業者に十分に引き継がなかったことなどが事故につながったとして、業務上過失致死の疑いで、製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守点検を請け負った「エス・イー・シーエレベーター(SEC)」(台東区)の担当者ら数人を週内にも書類送検する方針を固めた。

シンドラー社は事故の1年以上前に保守点検業務から外れ、事故機はかごの上下動を指示する制御盤などに構造上の欠陥がなかった可能性も高い。

このためシンドラー社の過失の立証は難航したが、捜査当局は「メーカーが一義的に責任を負うべきだ」との認識から捜査を続け、情報の引き継ぎが不十分だったと判断。発生から約2年10カ月で立件にこぎつけた。

同課によると、事故機はブレーキドラムを左右からブレーキパッド付きのアームで挟んで静止させる。
制御盤と連動した電磁コイルが作動してアームが開閉されるが、コイルの不具合でパッドが完全に離れないままドラムが回転したことでパッドの摩耗が進み、ドラムを押さえつけられなくなったとみられる。ブレーキ周辺ではパッドが削れてできた黒い粉が落ちていた。

SECの点検員は事故の9日前に事故機を点検していたが、「黒い粉はなかった」と供述。しかし同課は同機種の再現実験で点検前には黒い粉が落ちるなど異常があり、点検員が見落とし、パッド交換などの処置を怠ったと断定した。

同課によると、シンドラー社は10年から17年3月まで事故機の点検を請け負っていた。

この間に事故機でトラブルが度々あり、16年11月にはブレーキの不具合も発生。

同課はシンドラー社側から事情聴取を重ね、過去のトラブルに関する情報が後継の保守管理業者だったSECなどに引き継がれず、SECによる保守点検を不十分にさせた一因との結論に達したという。

毎日新聞より「エレベーター事故:シンドラー社員も立件 6人書類送検へ

東京都港区のマンションで06年、都立小山台高2年生(当時16歳)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査1課は週内にも製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)と保守管理会社「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の担当者計6人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。

シンドラー社についてはエレベーターの製品自体には欠陥がないとして、立件は困難と見られてたが、稼働当初の7年間に保守管理も請け負っていた点を重視。故障情報や点検マニュアルなどを引き継いでいれば事故は防げた可能性が高いと判断した模様だ。

高校生は06年6月3日午後7時20分ごろ、港区芝の自宅マンション12階で、降りようとしたエレベーターの扉が開いたまま急上昇し、建物の天井とエレベーターの床との間に挟まれ死亡した。

港区などによると、シンドラー社はエレベーターの稼働が始まった98年4月~05年3月まで保守管理を担当。その後は別の会社が引き継ぎ、事故2カ月前の06年4月からエス社が担当していた。

シンドラー社は事故後の会見で、保守管理を担当していた7年間で住民が閉じ込められるなどの故障が27件あったことを明らかにしている。

捜査幹部によると、04年11月にはブレーキの不具合が原因とみられるかごの停止もあったという。しかし、シンドラー社はこれらの故障情報などを引き継がず、点検マニュアルも渡していなかった疑いがある。

一方、エス社は、点検作業員(29)らが事故9日前に点検した際、ブレーキパッドの摩耗で出た粉の堆積(たいせき)などの異常を見逃した疑い。

捜査1課の実験で、事故機はブレーキを作動させる電磁コイルに不具合が生じ、ブレーキがかかった状態での運転が続いたことが判明している。このためブレーキパッドが摩耗し、ブレーキが機能しなくなり、かごが急上昇したとみられる。
【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】

◇消費者保護の流れが加速

警視庁が製造元の「シンドラーエレベータ」の担当者を立件する方針を固めた背景には、製品による被害の防止や救済を目的とした消費者保護の流れを重視したことがあるとみられる。

事故機を巡っては、シ社が保守管理を請け負っていた稼働当初の7年間で計27件の故障が発生。
当初はエレベーター自体の欠陥を問う見方もあった。しかし、製品には問題がないことが判明したため、警視庁は故障情報や点検マニュアルを引き継いでいなかったという点に着目し、立件の「壁」を突破した。

エレベーターの保守点検は、大手メーカー系列の会社と「エス・イー・シーエレベーター」のような独立系に分かれる。
業界関係者によると、大手は秘密保持を理由に自社系列でない会社に設計図などを渡さないことが多いという。

シ社は事故後の会見で、点検マニュアルなどについて「業者側から要請がなかった」と説明した。

事故を受け、国土交通省は定期検査・報告制度(年1回)を見直すなど建築基準法令を改正。エレベーターの所有者に、自治体への故障情報の報告を義務づけた。保守会社の間での情報共有などを目指したものだが、メーカーを含めたすべての関係業者が事故を教訓に徹底した安全対策を進める必要がある。【佐々木洋】

個人的な感想としては、どうにも抵抗がある立件ですね。

エレベーターの設計思想に問題があるのではないのか?と思いますが、製品がどのような設計思想で作られていて、どういう使い方をするべきなのかは購入者が判断するべき事柄でしょう。

そうなりますと、エレベーターのように複数のメーカーがありビルのオーナーが設備として選択するときに、どのような判断基準で購入したのか?によっても、事故になる・ならないといった現実があると考えます。

すべての工業製品が、一様の性能を持つことはあり得ないわけで、例えば「メンテナンス費用を掛ければ長期間使える」、というヨーロッパの自動車の設計と「短期間で更新するからランニングコストは安い」という考え方の日本車は、何十年か前は全くの別物と言っても良いほどの違いがありました。

この事故は、電磁ブレーキの故障が原因です。
電磁ブレーキの電力が切れますと、バネの力でブレーキが掛かる仕組みになっていました。
これが、不良になって、常時ブレーキパッドが接触していたために、摩耗してしまったついにはブレーキが利かなくなって、重りに引っ張られたかごが勝手に上昇しました。
ということでした。

制御的には、ブレーキが掛かっている状態の時に、それが制御信号以外の状況であるとこを関知する動作確認機構が無かったのではないのか?と思われるのですが、もしそうであれば根本的に設計が危ういというべきでしょう。

設計ミスが死亡事故になった、と判断して良いと思うモノには、三菱ふそうの車輪脱落事故がありました。
しかし、これも国交省がかなり怒っていたようですが、結局は設計ミスとはなりませんでした。

こうなりますと、事故調査委員会の拡充をして、非常識な設計について危険を指摘するようにするべきだと強く思うのです。
個人の責任を追及して、かかわる人を恐れさせても、事故原因が無くなるわけではありません。それでは社会は進歩しません。

3月 30, 2009 at 10:39 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.23

森精機・DMGが資本提携

サンケイ新聞より「森精機製作所が独工作機械最大手と業務・資本提携

工作機械大手の森精機製作所は23日、欧州最大手の工作機械メーカー、ギルデマイスター(DMG、ドイツ・ビーレフェルト市)と業務・資本提携したと発表した。

今回の提携により、4兆円規模といわれる工作機械の世界市場で、両社あわせた売り上げシェアは業界トップの10%に達することになる。

両社は発行済み株式の5%ずつを相互に持ち合う方針で、すでにDMGは、森精機の株式を取得。森精機も、4月2日にはDMGの筆頭株主になる見通し。

また、今年中に森精機の森雅彦社長がDMGの監査役に、DMGのルーティガー・カピッツァCEO(最高経営責任者)が森精機の専務執行役員に就任する。

一言「ほ~~~」であります。

3月 23, 2009 at 10:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.05

トルコ航空機事故・高度計の故障?

AFP BB より「トルコ航空機墜落事故、高度計の故障が原因か

【3月5日 AFP】
オランダ・アムステルダムのスキポール空港で2月25日に起きたトルコ航空機墜落事故で、オランダの国家安全委員会は4日、事故は高度計の故障が原因だった可能性が高いと発表した。

故障した高度計から誤ったデータを受け取った自動操縦装置が、実際には降下中で滑走路まではまだ距離があったにもかかわらず、着陸直前であるかのようにエンジンの出力を絞ってしまった。

失速警報が鳴ったが操縦士の対応が間に合わず、機体を上昇させることが出来なかったという。

当時は天候が悪く、雲が低くたれ込めて霧も発生していたため、乗員らは恐らく地上を確認することができず、気づいたときには遅すぎたのではないかとみている。

また、同機の高度計は過去に2度故障していたにもかかわらず、乗員らはそれを軽視していた可能性もあると指摘した。

国家安全委員会はボーイング社に対し、自動操縦中の高度計故障の危険性について警告し、通常の飛行でも同じ問題が起きるかどうか確認するよう求めたことも明らかにした。

事故を起こしたトルコ航空のボーイング737-800型旅客機は、乗客127人と乗員7人を乗せ、トルコ・イスタンブールからアムステルダムに向かっていた。
同機の尾翼が地面にぶつかった時の時速は175キロで、機体は大破して3つに分かれた。

乗客乗員のうちトルコ人5人と米国人4人が死亡、86人が負傷した。4日現在で負傷者のうち28人が入院している。(c)AFP

にわかには信じがたい話です。

自動着陸機能が働いているのなら、複数の高度計のデータを比較していたはずで、全てのデータが一致していた、ということになりそうです。

それにしても、高度計だけで自動着陸する仕組みになっているとは・・・・。
なんらかのバックアップ機能があると思っていたのですが、どういうことなのでしょうか?

3月 5, 2009 at 04:29 午後 もの作り | | コメント (4) | トラックバック (0)

韓国で小学生が無断で他人の車を運転・驚愕のニュース

FNNニュースより「韓国で小学生が他人の車を勝手に運転し事故起こす 一部始終が防犯カメラに

韓国で、小学生が他人の車を勝手に運転し事故を起こしていた。その一部始終を、駐車場に設置された防犯カメラがとらえていた。

自転車に乗って姿を現した2人の小学生は、周囲をうかがいながら、急いで車に乗り込んだ。

小学生たちは、駐車場内で運転を始めるが、駐車スペースに入ろうとして失敗し、隣の車にぶつけてしまった。

この防犯カメラの映像で事件は発覚したが、その後の調べで、小学生たちは、3カ月前から勝手に運転を繰り返していたことがわかった。

車は、スタートボタンを押すだけでエンジンがかかるタイプで、自動でドアに鍵がかかる装置がついていたが、小学生たちは「鍵がなくてもドアが開き、運転できた」と話していることから、警察がくわしい状況を調べている。

一番ビックリするが、車のドアにカギが掛かっておらず、かつボタンを押したらエンジンがかかってしまう車だったという点ですね。

3ヶ月前から無断運転を繰り返していたというのは、それだけ多数の車が同様の状況にある、ということですよね。

どうやればそんな事になるのだろう?

3月 5, 2009 at 01:59 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.18

韓国KTXの欠陥枕木製造事件

韓国KBSニュースより「KTXの工事区間で枕木332本に亀裂 大邱-釜山間

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間の大邱-釜山間でレールの敷設工事に使うコンクリート製の枕木のうち332本に亀裂が入っていることが分かりました。

KTXの第2期工事区間は総延長が254.2キロで、レールの敷設工事は2002年に始まり、これまでに96.9キロの区間にコンクリート製の枕木15万5000本が敷かれています。

韓国鉄道施設公団は先月5日、一部の枕木で亀裂が見つかったため、先月19日から今月12日まで3回にわたって全ての枕木を調査し、332本に亀裂が入っていることを確認しました。

時速300キロで走る高速列車とレールを支える枕木に亀裂が入れば、レールが曲がって列車が脱線するなど、大規模な事故につながる恐れがあり、枕木の取替え作業が行われることになりました。

鉄道施設公団は、レールに枕木を固定する部品に欠陥があったのが原因と見ており、亀裂が見つかった枕木を全て取り替え、亀裂が見つかっていない枕木についても改めて検査をして、亀裂が見つかれば取り替える方針です。

韓国鉄道施設公団はまた、工事をした会社が故意に設計通りに施工しなかった可能性もあるとして、捜査機関に捜査を依頼することも検討しています。 韓国鉄道施設公団の関係者は、「問題がある枕木は上半期中に全て取り替え、品質と安全管理を徹底させる。工事期間内に工事を終わらせることはできるだろう」と話しています。

ナンダなんだ?という記事ですが、韓国朝鮮日報にもっと詳しく記事が出ています。

KTX欠陥工事:枕木15万本、すべて不良品

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱‐釜山間のレール敷設工事で、コンクリート製の枕木数百本に亀裂が入っていることが判明した問題で、工事に使われた枕木約15万3000本がすべて不良品だったことが確認された。
これにより、工事費がさらに数十億ウォンかかり、工事期間にも遅れが生じることが避けられない見通しとなった。

韓国鉄道施設公団と軌道の敷設を担当した「サムピョE&C」社、枕木を製造した「チョノン・レールワン」社などは16日、「2008年3月から現在までに、大邱‐慶州間の96.9キロの区間に設置された枕木は15万3394本だが、そのすべてで設計図に示された防水材ではなく、吸収材を使用していた」と発表した。
このため、現在のところ亀裂が見つかっていない枕木も、雨水などがしみ込んで凍結すれば、すべて亀裂が入る可能性が高い。一方、同公団側はこの日、亀裂が入っていた枕木の数が、当初判明した222本よりも100本余り多い332本であることが分かった、と発表した。

大邱=チェ・スホ記者

KTX欠陥工事:欠陥品の枕木フックボルトは韓国製

韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱-釜山間のレール敷設工事で発覚した枕木の亀裂は、専門性のないメーカーとずさんな現場監理による「共同作品」だった。
軌道分野での経験者が一人もいない会社が不良品を生産し、現場監理業者は外国の技術を盲信するだけで十分な役割を果たせなかった。

枕木を製造した慶尚北道尚州市化西面の「チョノン・レールワン」社は2006年12月、コンクリート製品メーカーの「チョノン工業」社と、ドイツの「レールワン」社の合弁で設立された。
事実上、KTXの第2期工事のために設立された会社で、軌道分野での施工実績はまったくなかった。

現在、約60人の社員が在籍しているが、軌道分野での経験を持つ社員は一人もいない。
品質管理を担当する6-7人の管理職でさえ、建設現場でコンクリートやセメントを取り扱った経験はなかった、と会社側は話している。
イ・ハンセ工場長は「社名を明かすことはできないが、全羅道のある業者が製造したフックボルト(枕木を固定する部材)の納品を受け、これを使って枕木を製造し、施工会社に納品しただけだ。
亀裂が見つかっていなければ、今も(設計図に示された)防水材が使われているのか、吸収材が使われているのか分からなかっただろう」と釈明した。

一方、工事現場の監理を担当した韓国鉄道技術公社は「枕木を製造した会社にはドイツの技術者たちが常駐しているため、製品の品質を疑うことはなかった」と語った。
部材の監理を担当したチン・ヒョンムン課長(51)は「枕木の製造工程だけを監督していたため、枕木に使われるフックボルトに問題があるなどとは考えもしなかった。
亀裂が見つかるまで、フックボルトはドイツで製造され、枕木に取り付けられたものとばかり思っていた」と述べた。

これに対し、軌道関連の会社は「外国の技術にばかり依存し、専門性に欠けていたためにこうした事態になった」と指摘した。
防水材として使われる半固形状の圧縮用潤滑油(50ミリリットル当たり250ウォン=約16円)は、吸収材に使われるスポンジ(1個当たり50ウォン=約3円未満)より5倍ほど高いが、単価が非常に安いことから、コスト削減のために不良品を生産したという可能性は低いという。
軌道関連会社のある関係者は「この業者が、大邱から蔚山までの131キロ(上下線の合計)の区間(第4工区)で、枕木に吸収材を使うことによって節約できる金額は約4100万ウォン(約260万円)=差益200ウォン(約13円)×20万6514本=にすぎない。コスト削減よりも、経験不足がゆえに起こったトラブルだ」と話している。

一方、監督官庁である国土海洋部は、枕木に亀裂が入っているのが見つかってから1カ月以上も報告を受けていなかった。
同部とKTXを運行する韓国鉄道公社は「手抜き工事の実態について、専門家との合同調査団を派遣して調査を行っていく予定だ」と語った。

大邱=チェ・ジェフン記者

尚州(慶尚北道)=チェ・スホ記者

【社説】KTX、ひび割れた枕木の上を走るのか

京釜高速鉄道(KTX)の第2期整備区間の大邱-釜山間のレール敷設工事でコンクリート製の枕木の一部がひび割れで折れた。
列車とレールの重みを支える枕木が破損すれば、レールが曲がり、時速300キロで走る列車が脱線する事故が起きる可能性がある。
7兆ウォン(約4500億円)もの建設費が投入される高速鉄道の安全性に致命的な欠陥が見つかった形だ。

れまでに敷設された枕木15万3000本のうちひびが見つかったのは332本だが、全ての枕木が危険状態に置かれている。
枕木にレールを取り付ける締結装置とその下部の埋め込み栓がすべて不良品と判明したためだ。
設計図面には埋め込み栓に防水物質を使うことになっているが、それが守られていないために雨水が入り込み、寒さで水が凍結して体積が増えたことで枕木にひびが入った。
現在表面的には異常がない枕木もいつ折れたり割れたりするか分からない

埋め込み栓メーカーは、設計図面と異なる不良品を作り、枕木メーカーは納品された埋め込み栓が不良品かどうか検査もせずにそのまま使用し、施工業者と管理業者もそれに目をつぶり、何の手も打たなかった。
このうちの誰かがしっかり仕事をすれば、こんなことは起きなかったはずだ。巨額の国民の税金が使われる大型国策事業の工事がこれほどいい加減だとは話にならない。
工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。

ひびが入った枕木とは別に、鉄道施設公団が第2期区間に使用する締結装置として選定した英パンドロール社の製品も時速300キロの高速鉄道には使われた実績がなく、性能が確認されていないという。
監査院も2007年に安全性が立証されていない製品なので、軌道のずれやレール損傷などの問題が発生する可能性があると指摘していた。

高速鉄道の第1期工事は、1992年に車種も決まらず、設計図面もない状態で着工された。
結局1996年に米安全診断業者に精密調査を依頼し、190カ所は補修、39カ所は部分的な再工事が必要と判断された、当時、韓国政府は常時点検班を設置するなどの対策を取り、徹底した安全管理を誓った。
しかし、第2期で再び問題が明るみに出た。責任者を探し出し、国策事業の手抜き工事を防ぐための抜本的な対策を示すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

詳しく読んでみると、わけの分からない話です。

問題の工事は、KTXの第2期工事でウィキペディアの説明では

2010年には、ソウル近郊と釜山近郊を除く全区間が高速路線に移行し、ソウル-釜山間は1時間56分に短縮される計画であった。
しかし、慶州市街地の地下化および周囲の山へのトンネル建設をめぐって自然保護などの立場から反対運動が起こり、トンネル計画の中止などの理由により当初の計画の2時間以内の走行は不可能になってしまった。

大邱から慶州を経て釜山につながる部分の専用路線を建設する第2期工事は、2002年6月に始まった。
2006年8月、建設交通部は大田市内及び大邱市内の専用線増設について、地下短絡化ではなく、在来線と並行する高架化を正式決定。
それぞれ1兆ウォン超の費用で高架化、沿線道路立体化、沿線の緩衝緑地の設置などの事業が始まり、2010年の完成を予定している。
また五松、金泉亀尾、新慶州の駅新設とあわせて、全通後の所要時間は現行より約30分短縮の2時間10分を予定している。

となっていますから、2010年完成予定の工事であった、となります。
事実、朝鮮日報の社説には「工事中に問題が明らかになり、大惨事を防ぐことができたことは幸いだった。」とまで書いていますが、第1期工事で完成したKTXは運行しているわけです。
そうなると、第1期工事と第2期工事の間で「経験の会社が重要部品を受け持ち、それ自体をチェックしなかった」ということになってしまいます。

第1期の工事の経験が第2期工事に活かせなかったところこそが最大の問題点でしょう。
情報伝達の重要性を教えてくれる事件と言えます。

2月 18, 2009 at 11:34 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2009.01.24

タラップ落下・死亡事故

朝日新聞より「フックのボルト折損 タラップ落下原因か 造船所の事故

大分市の南日本造船(本社・大分県臼杵市)大在工場で23日にタラップが落下した事故で、船体に掛けていた先端のフックがタラップから外れたのが原因だったことが、わかった。

死傷者は作業員26人に増えた。

同社はフックの強度を把握しておらず、落下防止用ワイヤで船体とつなぐ措置もとっていなかった。大分県警は業務上過失致死傷容疑で、大分労働局も労働安全衛生法違反容疑で調べ始めた。

死傷した26人はいずれも下請け会社の作業員。けがをした24人のうち、一人が水中転落による急性呼吸不全で重体となっている。

県警や南日本造船などによると、タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。
午前9時20分ごろ、クレーンでタラップをつり上げて岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけ、作業員が上った際に落ちた。

タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていたが、すべて外れ、県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。
タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。

運搬船は22日に進水。それ以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。
階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。

斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。
同日は作業開始が約1時間遅れ、大勢の作業員がタラップを上っていて事故が起きたという。

同社は23日夕の会見で、フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかったことを認めた。
吉田泰社長は「事故が起きたのは当社のミス。安全確認が完全ではなかった」と謝罪した。

厚生労働省は安全衛生部門の専門官を現地に派遣した。大分県警は24日午前10時から現場検証を行う。

昨日(2009/01/23)の第一報からかなり混乱気味に情報が出てきていました。
この記事を元に問題になりそうなところを挙げてみます。

  • タラップは鉄製で長さ約30メートル、幅約1メートル、重さ約3トン。
  • 岸壁から高さ約10メートルの位置にある右舷の開口部にかけた。
  • タラップの先端にはフックが左右2本ずつの鉄製ボルト(直径18ミリ)で固定されていた
  • 県警が3本を海中から回収すると、いずれも折損していた。
  • タラップと船体はワイヤでもつなぐことになっていたが、ワイヤは使われなかった。
  • フックとタラップの接合部の強度を把握しておらず、何人乗れるのかを現場に示していなかった。
  • 以前は船体の開口部と同じ高さに足場がある作業場で建造していたため、タラップは水平に渡して使っていた。
  • 階段のように斜めに船体にかけたのは23日が初めて。
  • 斜めにかけるために、下請け業者がフックを取り付けた。

死傷者が26人ですから、50人ぐらいが乗っていたかもしれませんね。
タラップそのものは以前から使っているようですし、壊れたのがフックのボルトだけであるようなので、新たに付けられたフックに問題がありそうです。

直感的には、18ミリ(?)のボルト4本が破断するほどの重量が掛かったとは思えません。
そこで考えてみると、幅1メートル長さ30メートルのタラップが3トンというのが「本当か?」と感じます。

Up

この写真を見ると、このタラップの構造は上下左右で合計4本のチャンネル材が通っているようですね。
この部材の板厚が2ミリぐらいなのでしょうか?それでも3トン以下に出来るものなのか?

仮に50人乗ったとすると、5トンぐらいは静止重量で増加しそうです。そうなると、どうも折れたボルトには瞬間的には50トンぐらい掛かっても不思議ではないですね。

こんな風に考えてみると、どうもボルトの強度が見事に余裕が無かったようです。
水平に渡していたときには、タラップは滑っていたのでしょう。それがフック → ボルト → タラップという構造になって、全ての荷重が4本のボルトにかかった。
振動や衝撃などが無い静止荷重では問題が無かったのが、作業員の歩く振動や船の動き等で、限界を超えた、ということでしょうか?

それにしても、船に掛けるタラップをフックで引っかけるのなら、地面側にはローラーなどで水平に動くようにする必要があるし、船側のフックも自由に回転出来るようにしないとまずいですね。
なんか変だなあ?

Up1

【追記!!】

読売新聞より「大分・造船所の死傷事故、落下タラップの重さは会社発表の倍

大分市青崎の南日本造船大在(おおざい)工場で23日、建造中の船に架けられた鋼鉄製タラップ(長さ29メートル、幅90センチ)が落下して2人が死亡、24人が重軽傷を負った事故で、大分労働局が事故後にタラップの重量を計ったところ、同社が発表した重量の2倍以上の6・8トンだったことが24日わかった。

同社の工場長は24日午前、読売新聞の取材に対し、「実際の重さは把握していなかった」と話した。

同社は、社長らが出席した23日午後の記者会見で、「タラップの重さは約3トンで、1・5トンの重みまで耐えられる」と説明した。3トンの根拠については、「タラップをつくらせた大分県内の下請け会社の報告」としていた。

しかし、大分労働局が23日の事故直後、クレーンでタラップをつるして重量を計測したところ、6・8トンだったことが判明した。

(2009年1月24日16時07分 読売新聞)

ブツを見て重量が判断できないのなら、製造業には不適ですよ。>工場長

1月 24, 2009 at 01:37 午後 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.12.20

自動車産業の記事

  1. 東京新聞より「GM会長、リストラの推進表明 労組は反発、再建難航も」
  2. 日経新聞より「トヨタ、富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に」
  3. 朝日新聞より「トヨタ九州、派遣1100人雇い止めへ 製造現場全員」
  4. 朝日新聞より「円高進めば正規雇用まで危うくなる ホンダ・福井社長」

自動車各社の動向に関する記事を集めました。

トヨタ、ホンダとも非常に危機感を持っていることがよく分かります。
日本の政策決定が、過去の延長の先に全く違う政策を付け加えてみる、といったいわば「木に竹をつぐ」といった面があったのではないかと思います。

自動車会社にとって日本で商売することを考えると、若い人が自動車に乗らなくなったというのが最大の難関でしょう。
さらに、都会では公共交通機関が便利なので自動車が無くても何とかなる。新幹線が各地に伸びるにつれて長距離ドライブも魅力が無くなった。

おそらくは、都会でより便利に車を使う方向に誘導するべきなのでしょう。しかし、政策全体としては高度成長期以来の政策から余り変化していない。

一方、全米自動車労組の主張は今や通用しないでしょう。とは言え、そういう将来の危機に備えて商品開発などを指導する責任がビッグスリーの経営陣にはあったはずで、GMが右ハンドル車を日本の輸出するようになったのはごく最近です。

ビッグスリーは経営陣も労働組合も、極めてアメリカ国内向けの面しかなかったと言えます。
アメリカは巨大な消費市場がある国であることは間違えありませから、国内向け専門の企業でも成り立つはずですが、それが外国企業からの攻勢をしのげるかどうかは別問題で、少なくとも今までのやり方ではダメだったというのは明らかでしょう。

ホンダの福井社長が「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう。自動車などの輸出産業がしっかりしないで国が存続できるかは疑問だ」として「1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とのことですが、アメリカの状況がこれでは、80円で止まるかも疑問ですね。
ドルはもっと長期間に渡って安くなっていくように思います。

「GM会長、リストラの推進表明 労組は反発、再建難航も」

【デトロイト19日共同】 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長は19日、米政府による総額174億ドル(約1兆5500億円)の救済策発表を受け、デトロイトの本社で記者会見し「生き残れることを証明する計画づくりが最も重要になる」と述べ、来年3月までにまとめる経営再建計画でリストラを推進する考えを表明した。

救済策では、労務費削減などで競争力の回復を示す再建計画の提出が求められたが、全米自動車労働組合(UAW)のゲテルフィンガー委員長は同日発表したコメントで「労働者だけに不公平な条件を加えた」と反発。計画の取りまとめに失敗すると、政府による緊急融資の返済を求められ、経営破たんする恐れもあり、再建計画は難航も予想される。

ワゴナー会長は会見で「関係者の協力が必要だ」と述べ、組合側の譲歩を求めた。経営危機に陥り、政府救済に至った責任を取っての辞任は「するつもりはない」と強く否定した。

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「トヨタ、富士重との新型スポーツ車投入を先送り 2012年以降に」

トヨタ自動車は富士重工業と共同開発を進めている新型の小型スポーツ車の生産、商品化を先送りする方針を固めた。

当初は2011年末に生産を開始して国内で投入する計画だった。
延期期間は未定だが、12年以降で市場動向を見て判断する。両社は4月に提携を拡大、スポーツ車事業は協業の柱だったが国内市場の低迷が深刻化。十分な販売を確保するのが難しいと判断した。

両社は4月、トヨタが富士重工への出資比率を8.7%から16.5%に引き上げることを決めたのを受け、共同で小型のFR(後輪駆動)式スポーツ車の開発に着手した。

富士重が群馬県大泉町に専用の新工場を建設し2011年末に生産を開始、一部をトヨタに供給して両社ブランドで販売する計画だった。
生産台数は年間10万―15万台を想定していた。
(07:00)

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「トヨタ九州、派遣1100人雇い止めへ 製造現場全員」

トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)が組み立て工場で働く全派遣社員約1100人の契約を09年度中に終了する方針を固めた。中途解約はせずに期間満了で順次契約を終え、直接雇用はしない。

今年度に派遣社員約800人を中途解約したのを上回り、過去最多の人員削減となる。親会社のトヨタ自動車が今期の業績予想を下方修正してから言われ始めた「トヨタ・ショック」が九州でも一段と広がってきた。

親会社のトヨタも今年度に期間従業員を約6千人減らす計画。北米などでの販売不振を受けて減産が続き、人減らしを強化する。トヨタ九州の人員は約7700人で、うち約1400人が派遣社員。今回の削減は事務系などを除く製造現場の全約1100人が対象になる。

労働者派遣法は派遣期間の上限を3年と定めており、それを超えて働かせたい場合、派遣先は派遣社員に直接雇用を申し入れなければならない。
トヨタ九州では、06年度に受け入れ、09年度中に3年を迎える派遣社員が1100人の大半を占めるが、減産するため、直接雇用を申し入れず、契約を終える「雇い止め」とする。

同社は07年度には過去最多の44万3千台を生産した。今年度は同水準を計画したが下方修正が相次ぎ、約29万台まで引き下げた。今年度は100億円規模の営業赤字に陥る見通し。

来年1、2月からは約6500人が働く宮田工場(宮若市)の二つの組み立てラインで夜勤を休止し、在庫調整のため生産能力をほぼ半減させる。

同社は人員に「大幅な余力」が生じ、今夏と同様の中途解約を検討していた。しかし、北部九州の雇用環境が急激に悪化したため「派遣社員が次の仕事を見つけるまでに時間がかかる」(同社幹部)と判断し、中途解約は避けることにしたと説明している。

親会社のトヨタは先月、来年3月期の連結営業利益予想を前期比73%減の6千億円に大幅に引き下げた。その後、下期営業赤字の見通しとなっている。

同じく減産が続き、今年度の生産台数が前年割れする日産自動車九州工場(福岡県苅田町)も、今年4月に約900人いた派遣社員を来年1月までにゼロにする計画だ。

あいつぐ人員削減は地域経済に悪影響を与え、福岡県などの自治体が対策に乗り出している。(福山崇)

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「円高進めば正規雇用まで危うくなる ホンダ・福井社長」

ホンダの福井威夫社長(64)は19日、朝日新聞社などのインタビューに応じ、円高ドル安の影響について「(円高が進めば)国内工場のリストラに追い込まれる可能性がある。正規雇用まで危うくなる。日本の輸出産業は全滅するだろう」と為替の先行きに強い危機感を示した。

福井社長は1ドル=90円前後で推移している現状の水準について「100円までは手を打ってきたが、90円、80円は想定していない」とした上で、円高が加速すれば、埼玉製作所(埼玉県狭山市)を、計画中の新工場に集約するなど生産拠点の大幅な見直しに迫られる可能性を示唆した。

主な一問一答は次の通り。

世界の自動車販売の落ち込みを受け、様々なリストラ策を発表しました。

「ホンダの象徴だったF1から撤退し、役員報酬も下げる。自ら痛みを感じないで期間従業員を削減するというのは、順番が違うと思った」

埼玉県寄居町などに新工場を建設中です。今後も国内生産力は強化しますか。

「その方向は変わらない。1ドル=100円なら、競争力の高い新工場の代わりに老朽化した埼玉製作所のラインを一部止め、国内生産能力を年間130万台にする考えだった。だが、円高が続けば100万や50万台でいいという話になるかもしれない」

「(円高が止まらなければ)国内工場の生産量は最後はゼロになり、日本はすべて輸入でまかなうようになってしまう。自動車などの輸出産業がしっかりしないで国が存続できるかは疑問だ」

逆風が吹く中で、国内メーカーは数が多すぎるとの指摘があります。

「数が多いのは事実で、顧客に選別されていくのではないか。ただ、M&A(企業の合併・買収)には消極的だ。他の資本には支配されたくない。複雑な資本関係ではスピードが重要な時代に素早く意思決定ができない」

環境対応車の開発強化を打ち出していますが。

「景気が戻ってきても原油価格が上昇して、大型車が繁栄する昔の自動車業界は再現しないだろう。全く新しい時代がくると思う」

「(次の時代は)高い原材料を多く使わず、二酸化炭素の排出がゼロに近い乗り物が主流になるだろう。太陽エネルギーを電気に変えて走る電気自動車や、植物からできるバイオ燃料を使うハイブリッド車など、化石燃料を使わない形に進化すると思う」

(古屋聡一、鈴木暁子)

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12月 20, 2008 at 12:52 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2008.11.26

トヨタのすごいところ

サンケイ新聞より「ランクル世界販売最高、中東で人気 08年は初の年間30万台突破へ

トヨタ自動車の最上級SUV(スポーツ用多目的車)「ランドクルーザー」の2008年の世界販売台数が、過去最高を更新する見通しだ。中東諸国などでの需要が旺盛で、年間30万台を初めて突破する可能性も出てきた。

ランクルの1~9月の世界販売実績(ランドクルーザープラドを含む)は前年同期比20%増の25万7000台。このうち、国内は1万4000台(同18%増)、海外は24万3000台(同21%増)と、国内外ともに2けた増の伸びをみせている。

昨年は年間27万4000台を販売。今年は9カ月間で月平均約2万8500台ペースで売れており、単純計算では年間34万台前後に達する見込みだ。ただ世界的に自動車販売が低迷するなか、「ここにきて販売が鈍化しつつある」(トヨタ幹部)ものの、過去最高を記録した昨年を上回るのは確実とみられている。

トヨタは昨年9月に9年ぶりにフルモデルチェンジしたランクルの新型車(200系)を発売。高級SUV市場では、オンロード(舗装した道路)性能を重視する傾向が強い中、新型ランクルは従来通り、オフロード(砂利道や土道などの未舗装の道路)での走行性能にこだわった。

トヨタ関係者は「世界中には広大な原野や砂漠地帯などランクルでないと生活できない人たちが存在する。彼らにとっては9年ぶりの新型車で、買う人は絶対に買い替える」と好調な販売の理由をこう説明する。

以前は、三菱のパジェロが大きなシェアを占めていたのですが、極端に売れず三菱自動車そのものが傾いてしまいました。
この理由が、「都会的なオフロード車にモデルチェンジしたから」と言われています。

現在のランドクルーザーの内装はこのような高級車ですが

Up1

構造は、ラダーフレームを堅持しています。

Up

これが「オフロードに強いかどうか」に直結しますし、そもそも日常的にオフロードで自動車を運用するような国では簡単な整備で何とか走り続けることができることも重要ですから、ボディーが無くても走ることができるフレームを採用した車の方が実情に合っているのは当然でしょう。
もちろん、このような旧式の車体設計は、コストを引き上げるからランクルはいまや高級車(高価格車)です。しかし、それでも世界中で売れています。

こういう、商品を企画し販売するところがトヨタのすごいところです。

11月 26, 2008 at 09:07 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.10.08

HAL のリース販売が実現

サンケイ新聞より「介護用ロボットスーツをリース販売

筑波大発のベンチャー企業「サイバーダイン」が開発した装着型のロボットスーツ「HAL」が10日からリース販売される。年間約500台を目標に介護施設や福祉施設向けに製造される。

HALは、筑波大の山海嘉之教授が開発したロボットスーツ。体に装着して脳から出る電気信号を皮膚の表面に付けたセンサーで読みとり、コンピューター制御で、高齢者や障害がある人の歩行を補助する。

今回販売されるのは下半身に装着する両足用と単脚用の2タイプ。介護する側が装着する全身タイプも開発中だとか。SF映画のような光景が、近い将来に介護の現場で見ることができるかも。

この記事にある、障害者用の HAL の研究は、たしかNHKで見た記憶があるのですが、健常者に比べて格段に難しいようでした。

サイバーダイン社が創立する以前、2006年のロボット見本市で「誰にでもすぐに装着できるのか?」かと質問したところ「無理」という割と当然の回答でした。
このために、当時は「介護する側用」という話だったのですが、サンケイ新聞の記事で入れ替わっている感じですね。

日経新聞より「サイバーダイン、ロボスーツを福祉用にリース販売

筑波大学発ベンチャーのサイバーダイン(茨城県つくば市、山海嘉之社長)は10日から、同社に出資する大和ハウス工業と共同で、着用した人の動作を支援するロボットスーツ「HAL福祉用」のリース販売事業を始める。

>首都圏・関西圏の介護・福祉施設が対象で、7日に量産工場の完成式を開催。12月上旬にも出荷する。
世界初の事業が本格化する。

リースするのはロボスーツの下半身部分で、使用者の自立歩行を支援する。
片足型と両足型の2タイプで使用者の体格に合わせ、S、M、Lの3サイズそろえた。1回の充電で60―90分程度稼働する。

期間は5年間で料金はメンテナンス費用も含め両足型が月22万円、片足型が月15万円。
大和ハウスが施設などから注文を受けてサイバーダインに発注。大和ハウス系のリース会社を通じて契約後、サイバーダインと保守契約を結ぶ。個人向けのリースはしない。

アイザック・アシモフのロボットシリーズを思い出します。

10月 8, 2008 at 09:11 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.09.10

原発のタービン問題・その後

朝日新聞より「中部電力、日立を提訴へ 原発タービン損傷で数百億円

中部電力は9日、06年に発電用タービンの損傷事故で停止した浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)を巡る問題で、タービンを設計・製造した日立製作所を相手取り、原発停止中に割高な火力発電を代替運転することで生じた「逸失利益」の支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こす方針を固めた。電力会社が発電トラブルで重電メーカーに法的措置を取るのは初めて。

中部電の三田敏雄社長が10日、記者会見して正式に表明する。

請求額は数百億円規模となる見通し。
電力会社と重電メーカーは原発の技術開発や施設運営で密接な協力関係を築いてきただけに、中部電が訴訟に踏み切るのは異例の事態。

重電メーカーにとっては原発停止に伴う二次損失の補填(ほてん)まで求められるリスクを抱えていることを意味し、訴訟の行方次第では日立の経営に影響を与えそうだ。

浜岡原発5号機は06年6月にタービンの羽根が破損して緊急停止し、07年3月に営業運転を再開した。

中部電と日立の調査で事故原因は設計不良による金属疲労と特定され、同年10月には、日立がタービンの復旧にかかる直接的な費用(金額は非公表)を負担することで合意した。

しかし、停止期間中に火力発電を使用したことに伴う燃料代などの間接的な「逸失利益」を巡る交渉は決裂。中部電は「損失の規模があまりにも大きく、株主に対する説明責任が果たせない」(幹部)と判断し、提訴に踏み切ることにした。(宮崎健)

発電用のタービン翼が吹っ飛んだという驚くべき事件でした、中部電力浜岡発電所と北陸電力志賀発電所で同じタービンが同じように壊れるという、技術的には「何をやっているのか?」といった感じの事故でした。

「原子力発電所問題」に結構細かく説明記事を書きました。

原因は、設計不良というかテストしていないところが破損したとのことで、基本的には設計不良でしょう。
そのために、電力会社二社は日立製作所に賠償請求の交渉を行うとの報道があって「原発のタービン問題その5」に、

中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷事故の補償問題で、同社の三田敏雄社長は26日の定例会見で、メーカーの日立製作所に賠償請求することを明らかにした。
今後、代替発電コストなどの「逸失利益」の負担も日立側に求めていくとみられる。

と報道されています。
これが、2006年12月ですから、1年半の交渉が決裂した、ということのようです。
どういう交渉をして、決裂したのかが分からないので何とも言いがたいのですが、日立は当初「設計変更したことが、事故の原因で、設計変更は電力会社の許可を得ているから、その通りに作っただけだ」といった感じの主張をしたようです。

需要家である、電力会社が逸失利益を問題にするのは、当然であるし、それに対して「部品を作っただけで、運転の結果については知らない」ではメーカーとして責任放棄だろう、とは思いますが、実際問題として金額交渉がまとまらなかった、ということではないかと思います。

どんなことになるのか、興味津々です。

9月 10, 2008 at 09:39 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.08.30

電動カブは期待できるか?

サンケイ新聞より「電動カブ発進 ホンダが開発へ

ホンダは29日、国内を代表する二輪車「スーパーカブ」の電気自動車(EV)版の開発に乗り出すことを明らかにした。

ガソリン価格の高騰や環境問題への対応策として、日本郵政グループが“電気カブ”導入の意向を示しており、一定の需要が見込めると判断した。

ホンダは「環境対応型バイク」の象徴として開発を進め、5年内の商品化を目指す。

開発に着手する電気カブは、四輪の電気自動車と同様に電池とモーターで駆動する。

電池は大容量で小型・軽量化しやすいリチウムイオン電池を採用する方向だ。
家庭で充電できる長所は残しながら、新型電池の採用で走行距離を大幅に伸ばす。
ホンダでは「過去のノウハウがある」(幹部)と実用化に自信をみている。

ホンダは平成6年に独自開発の電気スクーターを発売した実績がある。ただ、官公庁や自治体などへの販売が中心で、販売台数も200台にとどまり、現在は販売していない。

一方、日本郵政グループは集配用車両として現在8万9000台超の二輪車を保有しているが、次世代車両となる電気カブの開発についてホンダに打診しているもよう。
同グループの郵便事業会社は四輪車について今年度から全保有車両(約2万1000台)をEVに切り替える方針で、二輪車も順次EVに切り替える意向とみられる。

スーパーカブは昭和33年の発売以来、燃費の良さや耐久性が評価されて国内外で普及した。
現在、アジアや中南米を中心に世界15カ国で生産、160カ国以上で販売され、世界販売台数は累計6000万台を突破している。

スーパーカブとマブチモーターは日本でなくては生まれなかった商品だと思います。

両方ともアイデアとしては昔からあるジャンルで、いわば本格的な機械装置とオモチャの中間に位置づけられます。
子細に見ると、両方とも本格的な機械装置が大型化することで無視できた部分を「小型化に必要なことは何か?」といった観点から、当時としては非常に高級・高精度な技術を投入し、量産することで価格を引き下げて大量に販売しました。

電動カブは当然商品化のターゲットになっていると思っていたのですが、「5年以内に商品化を目指す」というのは意外なほどのスローペースと感じますが、価格の問題が大きいのかな?

たまたま昨日、電動(アシスト)自転車を調べていたら、リチウムイオン電池の採用で以前に比べると平均価格が上昇しているのですね。
高級なものだと、12万円ぐらい。「自転車を12万円で売ってしまう商品企画が成り立つとはすごい」と変な感心をしました。

電動カブというか電動原チャリの共通規格を定めれば、有料二輪駐車場で充電サービスといった事も実用になりそうですね。

8月 30, 2008 at 09:16 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.07.24

カミカミマシーン

伊那毎日新聞より「カミカミマシーン 一般発売

喬木村の喬木第二小学校養護教諭の安富和子さん=中川村大草=が駒ケ根市の赤穂南小学校に勤務していた当時「児童の健康づくりのため、かむ回数をカウントする装置が欲しい」との思いから発案した〝カミカミマシーン〟が7月、商品名「かみかみセンサー」として全国に向けて一般発売された。

発売したのは学校などに保健や理科実験関係の機器などを卸している日陶科学(山田光彦社長、本社名古屋市)。
「かみかみセンサー」は、あごの動きを感知する器具を耳に掛けて装着。物を食べると、かんだ回数が魚の形の表示部にデジタル表示される。
安富教諭のアイデアをもとに駒ケ根工業高校(当時)の高田直人教諭の技術協力で3年前に完成して以来、赤穂南小で使用されてきた〝カミカミマシーン〟の基本的な仕組みを踏襲した上で各部を改良、発展させた。

昨年12月、販売代理店を通じて初めてカミカミマシーンを見た同社の企画開発担当者は「きっと役に立つものになると直感」し、商品化に向けた開発がスタートした。
同社によると、試作品は十数個に及び、さまざまな点で改良を重ねてきたという。
最も重視したのはかんだ回数の正確性。
あごの動きを間違いなく検知するためのセンサーの選定などに関連して数多くの試行錯誤を繰り返したほか、消費者に受け入れられやすいデザインにするよう気を配ったという。
赤穂南小の児童にモニターを依頼するなどして開発を進め、6月に最終試作品が完成した。
発売は今月11日。直後から問い合わせが相次ぎ、県内の学校や歯科医院などを中心に十数カ所から注文があったという。

安富教諭は「かむことの大切さを子どもたちに意識してもらおうと始めた小さな取り組みが今こうして商品になって感無量。今後、多くの学校で役に立ってくれればこんなうれしいことはない。高齢者のあごの強化やメタボリック症候群対策などにも利用できるかもしれない」と話している。

「かみかみセンサー」は小学校低学年用のSサイズと、高学年以上用のMサイズがあり、価格はいずれも1万1550円。
センサー部分の質量は約40グラムと軽量で、耳からあごまでの長さは7段階(3~4センチ)に調節可能。表示部内の単4乾電池3本で約30時間使用できる。30回かむと電子音が鳴り、千回かむとメロディが流れるなどの楽しい機能も搭載した。

問い合わせは日陶科学(TEL052・935・8976)へ。

リンク先の写真を見ると、どういう機会でどのような使い方をするのかが分かります。
こういうアイディアを商品化するのはよいですね。

価格はいずれも1万1550円
数が出れば、もうちょっと安くなるでしょう。ちょっと気楽に買える価格では無いのが残念ですね。

7月 24, 2008 at 11:40 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.07.23

湘南モノレール暴走事故の原因?

神奈川新聞より「制御装置誤作動の可能性も/湘南モノレール

湘南モノレールが西鎌倉駅でオーバーランした事故で、事故車両の制御装置が誤作動していた可能性があることが二十二日、分かった。
事故後の調査で、非常ブレーキが作動した状態では電源が切れ停止するはずの駆動用モーターが動こうとする現象が確認された
同社や国交省の航空・鉄道事故調査委員会は誤作動の原因を調べている。

同日、同社が調査状況について中間発表した。事故当時、仮にこの誤作動が発生していた場合、運転士は非常ブレーキをかけていたものの、同時に車両のモーターが動き加速しようとしていたことになるという。
同社は誤作動について「設計上、あってはならないこと。想定外だ」と話している。

また、運転士が「ブレーキが動かなかった」と話していた点について同社は「時速七十キロで走行していた車両が時速二十キロほどまで減速しており、(車両のブレーキディスクは破損していたが)ブレーキは正常に作動していたのではないか」と説明している。

事故車両は運転席のハンドルを前に倒すとブレーキがかかり、後ろに引くと加速する。ハンドルを動かすと車両制御装置に信号が送られる構造で、同社は何らかの原因で誤った信号が出ているとみている。

今年五月十九日、走行試験の準備のため、修理が完了した事故車両を車庫線で走らせようとしたところ、この現象が生じた。誤作動は三十回に一回程度の割合で発生するといい、これまでに数十回確認されたという。

この誤作動は事故車両と同型の別車両では確認されていない。七月に入り実施した事故車両の走行試験では誤作動は発生しなかった。

「湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた」の続報です。

この事故は、2008年2月24日に起きました。
西鎌倉駅に停車するべきところを、約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。というものです。

そして、点検したらブレーキディスクが24枚割れていました。

今回の記事のように、ブレーキを掛けても動力が切れないのであれば、ブレーキの負荷は限界を超えるでしょうから、ディスクが割れるといった事も起こりうるでしょう。

30回に一度発生するのであれば、湘南モノレールでは一往復でも何度も発生することになります。 しかし、5月には発生した現象が7月には発生しないのでは、原因の究明は簡単ではありませんね。 もっとも、技術的には動作確認信号を採っていないから矛盾した命令をシステムのエラーとしてチェックできないのだろう、と判断します。

エレベータの暴走死亡事故などでも、最近の制御系の設計では、信号が行きっぱなしになっているような気がしてなりません。 なんか根本的に人命に関わる機器の制御設計が出来なくなっているのではないでしょうか?

7月 23, 2008 at 09:13 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.06.13

超電導自動車誕生

サンケイ新聞より「世界初 超電導電気自動車公開 住友電工、10年後実用化へ

住友電気工業は12日、超電導技術を応用したモーターを搭載した電気自動車を公開した。

超電導モーターで動く自動車は世界初といい、10年後をめどにバス、トラック、建設機械などへの実用化を目指す。19日から札幌市で開催される「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」で展示される。

市販の乗用車に、同社が開発した世界最高レベルのビスマス系超電導材料を使ったモーターを搭載。液体窒素を利用した冷凍機で零下約200度の超低温状態を維持しながらバッテリーからの電力で動く仕組み。

デモンストレーションでは、ガソリンで動く自動車と変わらない加速性能で、静かでスムーズな走りが披露された。

電気抵抗がゼロで、大きな電流を流せるため強い回転力が得られ、銅線を使う通常のモーターと比べ、大幅な燃費向上が見込めるという。

これではあまりにあっさりした記事ですが、住友電工のプレーリリースに割と詳しく出ていました。
住友電工プレスリリース「世界初となる超電導電気自動車を試作

2008年6月12日
住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社は、このほど世界で初めて超電導モータにより駆動する超電導電気自動車を試作し、本年6月19日より北海道札幌市で開催される「北海道洞爺湖サミット記念 環境総合展2008」において一般公開いたします。

【超電導電気自動車の試作目的】

超電導は、電気抵抗がほとんどないためエネルギー損失が小さく、かつ電流密度が高いという特長により、省エネルギー技術としても期待されています。

当社は、世界最高レベルとなる臨界電流値(*)を有するビスマス系高温超電導線を開発するとともに、米国での高温超電導ケーブル実証実験への参画、産学グループ共同による船舶用超電導モータなど超電導応用製品の開発を進めており、様々な産業分野における高温超電導技術の実用化に向けての研究開発に取り組んでいます。

今般、こうした取り組みの一環として、高温超電導技術の新たな応用分野として考えられる電気自動車用モータへの適用検証を行うために、また実用化に一歩近づいた高温超電導技術を産業界はじめ広く社会にアピールするために、当社の高温超電導技術を結集し、世界初となる超電導モータで駆動する電気自動車を試作しました。

【超電導モータの特長】

通常の電気自動車用モータには銅線が使用されていますが、銅線は電気抵抗で発熱するために電流値を制限しており、この結果大きなトルク(回転力)が得にくくなります。一方、超電導線は電気抵抗がなく、大きな電流を損失無く流すことできます。そのため大きなトルクを連続して得ることができるとともに、バッテリーのエネルギーを効率よく使用できるため省エネルギーに寄与できます。

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【今後について】

当社は、高温超電導線の更なる性能向上を図るとともに、今回の試作車は乗用車をベースとしていますが、バス・トラック等大型車への超電導モータ応用についても検討を進めていきます。

以上

(*) 臨界電流値は、超電導状態で流すことができる最大の電流値であり、超電導線の最重要性能です。臨界電流値の向上により、電力用ケーブル、変圧器、モータ、発電機、電磁石等の応用製品において、電力品質やエネルギー効率の向上が可能になります。また、応用製品に必要な超電導線の使用量を削減できるため、製品のコスト低減と小型・軽量化を実現します。

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乗用車にそのまま搭載できるシステムにまとめたというのは高く評価できますね。
しかし、今のところ冷却がかなり大変ではないか?と感じるところです。液体窒素冷却なのだから、冷凍車にはそのまま使えそうな気もしますが、いくら配線のロスが少ないと言っても、動力の変動が大きい自動車に使うと、定常運転で使える鉄道などよりも効率が悪いのではないか?という気もします。

でも、それもやってみないと分からない事の一つでしょうから、実用テストまでは進んで欲しいものです。

6月 13, 2008 at 09:42 午後 もの作り | | コメント (9) | トラックバック (0)

2008.05.24

全日空機・エンジン水洗いで作業ミス

東京新聞より「エンジン洗浄ミス 06年の全日空機トラブル原因

全日空機が2006年7月に機内の気圧が急低下し中部国際空港に緊急着陸したトラブルで、急減圧の原因は、エンジン洗浄の作業ミスが原因だったとみられることが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で分かった。エンジン洗浄に伴う急減圧は極めて異例。

エンジン洗浄で燃費が良くなり二酸化炭素(CO2)削減にもつながるため、航空各社は、原油高と温暖化を背景に洗浄する機体を急増させており、対策が求められる。

急減圧は06年7月5日朝、中部国際空港の南約130キロの上空約1万1000メートルで発生した。福岡発成田行き全日空2142便ボーイング737-500の気圧が半減し、酸素マスクが落下。同空港に緊急着陸した。乗客乗員46人に酸素不足による低酸素症などは起きなかったが、事故調委は事故に準じた重大トラブルとして、原因の調査に入った。

その結果、エンジンから出る高温高圧の空気を冷やすため、上空の冷たい外気を取り込む量を調節する熱交換器制御弁(直径20センチ、長さ30センチ)などに乾いた洗剤のかすが詰まり、弁の開閉を妨げたことが判明した。

事故調委は、冷たい空気の流入量が減って各空調装置に送る空気が十分に冷えずオーバーヒートセンサーが作動、機内の気圧を保つ空調が止まり急減圧したとみている。

洗剤のかすのほか、熱交換器制御弁などには水が浸入したことを示す水あかもあった。同機は急減圧の4日前まで、中国山東省の整備専門会社で約3週間の整備を受け、エンジン内を洗浄。現地整備士が水を吹き付ける場所を間違え、水や洗剤が入ったらしい。

同機のエンジンは取り込んだ外気を圧縮、燃焼させた高温、高圧ガスでタービンを回し、連動して回る前部の「ファンブレード」で推力を得る。

外気を圧縮する圧縮室に放射状に並ぶ回転羽根という小ブレード(数百枚)に、土やほこりが付くと圧縮効率が低下するが、エンジンを回しながら高圧ホースで年に2回程度洗浄すると、燃費が改善する。

一部の古い機種を除き不要な整備だが、燃料削減のため、航空各社はエンジン洗浄を拡充している。

2006年7月のアクシデントですから、2年前の話で何で今になってやっと調査結果が発表されたのだろう、とちょっと不思議に思うところです。

以前から見ている「航空事故」に記録が出ていました。

  • 2006/07/05
  • 中部国際空港の南約13キロメートル、高度約11,300メートル
  • JA8419 ボーイング 737-500
  • エアーニッポン(株)

当該機は、7月5日

07時24分福岡空港を離陸し飛行中
08時10分ころ上記場所付近において客室余圧の低下を示す計器表示があり、乗客用酸素マスクが自動落下した。当該機は航空交通管制上の優先権を要請のうえ緊急降下を行い、目的地を中部国際空港に変更し
09時09分同空港に着陸した。
出発地及び最初の着陸予定地福岡空港→成田国際空港。
搭乗者乗務員5名、乗客 41名、計46名。
死傷者なし。機体の損壊等:なし。

備考:本件は航空法施行規則第166条の4第10号で規定する「航空機内の気圧の異常な低下」に該当する事態であり、重大インシデントに該当する。

だそうです。今回の整備による故障問題について東京新聞は別の記事を出しています「【関連】コスト対策に“漏れ” エンジン洗浄 海外整備の安全課題

原油高騰と温暖化対策に成果を上げるエンジン洗浄で、安全面の“漏れ”が生じた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調査で、二〇〇六年に全日空機で起きた急減圧の原因に洗浄時の作業ミスが浮上。海外の整備専門会社に委託する海外整備で初の大きなトラブルといい、整備コスト削減のため広がる海外整備の安全確保に課題が浮かんだ。

燃料とCO2の削減を目的とした全日空のエンジン洗浄は、〇三年度の四十回からスタート。〇七年度は千三百十五回と急増中だ。

日本航空も〇五年度の三十数回から始め、〇七年度は四百五十回に拡大。ドラム缶で年間十数万本、東京-札幌間一千数百往復分の燃料を削減できた。

両社は九〇年代から海外整備を始め、海外整備比率は現在、ともに三割を占める。日航はエンジン洗浄の海外委託をしていないが、シンガポールでエンジン洗浄することを検討している。燃費と整備の両コストを削減できる一石二鳥の効果が期待できるという。

事故調委や全日空によると、同社が今回の中国の整備会社に委託を始めたのは〇六年。トラブルが起きたのはこの会社が整備した三機目の全日空機だが、エンジン洗浄の整備は初めてだった。

同年六月十日から七月一日まで、四千飛行時間か一年半に一度の間隔で行う大規模整備でエンジンを洗浄。その際に現地整備士が、水を吹き付ける場所を間違えたという。

現地整備士は全日空の作業基準に沿って洗剤で洗浄。全日空の駐在員も監督したというが、全日空側は洗剤を使わない水洗いを要請したとの情報もあり、事故調委は詰めの調査を急いでいる。
社員常駐や要員訓練作業の「質」確保に努力

海外委託整備は、自社整備に比べ品質を不安視する声が根強い。このため、海外四社に委託する全日空は計六人の社員を常駐させ、現地整備士の訓練期間を拡大。現地整備士を全日空機専用に固定したり、整備士と責任者ら三者でマニュアル通りに整備作業したかを逐一確認したりするシステムにしている。

海外七社に委託する日航グループは、委託の大半が集中する主要二社に計八人の社員を常駐させている。さらにこの二社に出資、役員を送って経営に発言権を持つ。日航本社にも〇六年、海外委託専門部署(二十人)を新設、海外整備の品質確保に努めている。

エンジン内部を水洗いすると効率が回復するというのは、どういう仕組みなのか今ひとつ理解できていません。
回転している羽根の先端は、エンジンの外側のハウジングに接するような感じで、普通に考えても隙間を最小限に減らすようにしないと、圧縮漏れになってしまうでしょう。
テフロンコーティングで滑らせるといった手法も使っているようです。

大型旅客機に使用される大直径のエンジンは当然回転数が遅いのですが、戦闘機に使用するエンジンなどでは、1万回転に近いところで回っています。
円周が2メートルであるとすると、毎分2万メートル、秒速333メートルというとんでもない速度になります。
そこで僅かなゴミも洗い落とすことで回転の抵抗が減るから、効率が向上するのだろうと考えます。

この程度の整備を中国でやった方が安いというのがよく分からないところで、分解整備のように思い切り人手が掛かるところについては、人件費の問題に直結するのは分かりますが、エンジン水洗いといったことぐらいは合理化できるのではないでしょうか?

神戸空港などで24時間体制の整備基地を集約するといったことも考えべきではないかと思います。

5月 24, 2008 at 11:39 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.05.20

ボンバルディア機の製造ミス

東京新聞より「修理マニュアルなし ボンバル機事故で調査委

全日空のボンバルディアDHC8-Q400(乗客乗員60人)が昨年3月、高知空港に胴体着陸した事故で、前輪が下りない原因となった整備ミスの全容が、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。

単純な作業ミスで前輪格納扉開閉装置の一部が損傷。
その修理をマニュアルなしで行った末にボルトを付け忘れるミスが連鎖した可能性が高いという。

事故調委は、近く調査結果を公表する。

事故調委などによると、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が全日空側に機体を納入する1カ月前の2005年6月16日、地上試験中に前輪扉を開けた状態に保つ安全ピンの差し込みが不十分だったため、前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。

ボ社の部品管理記録では、この修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが、実際には別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた。
その取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた可能性が高いという。

このボルトは外周をスペーサーという筒状の金属部品に覆われ、前輪格納扉を動かすアームと連結、上下動で扉を開閉する。
ボルトで固定されなかった事故機のスペーサーは、振動などで外側にせり出し、周辺の金具に引っかかって、アームが動作不能になった。このため扉が開かず、自らの重みで下りる前輪が出せなかったとみられる。

扉開閉装置セットはほぼ組み立てた状態で下請け業者がボ社に納入するため、ボ社に分解や修理作業のマニュアルはなかった。
具体的な検査項目にもなっておらず、ボルトの取り付け忘れを見逃す死角を生んでいた。

◆中部空港でのトラブルは9件

中部国際空港(愛知県常滑市)で唯一、ボンバルディア機を運航する全日空グループのエアーセントラル(同市)によると、同空港発着のボンバルディア機で、航空法に基づいて国に報告したトラブルは2006年10月から今年3月までで計9件あった。

離陸上昇中、客室の気圧調節ができず引き返したり、離陸後脚を上げたが格納室扉が閉じなかったため、脚を下げたまま飛行したりした。

愛知県によると、県営名古屋空港(豊山町)発着の日航などのボンバルディア機で、「イレギュラー運航」として発表されたトラブルは05年2月から現在までで7件。水平尾翼部分に不具合が見つかって欠航したり、飛行中主翼の揚力調整装置が作動せず引き返したりした。

2007.03.14ボンバルディのノーズギア
2007.11.12ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因
2007.12.03ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

この「胴体着陸事故」については上記の3本の記事を書いています。

今回の報道が事実であるとすると、

  1. 前輪扉が誤って作動、開閉装置の可動部を損傷した。
  2. 修理のため損傷部分を含む前輪格納扉開閉装置セットを一式交換することになっていたが
  3. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けようとしたが
  4. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ことになります。
しかし、わたしが書いたコメントの中に重大な内容がありました。

ボンバルディのノーズギアのコメント

テレビのニュースでは、問題のボルトは冷やして締め込んで、ナットと同じ温度になるまで膨張すると外れなくなる、という永久締結機構だったそうで脱落したのではなく、最初から組み立てられていなかったのではないか?となっているようです。

投稿 酔うぞ | 2007/03/15 21:45:14

これで、

  1. 前輪格納扉開閉装置セットを一式交換したことになっていたが
  2. 別の同セットから開閉装置の連結部など一部を取り外し、事故機に取り付けていた
  3. 取り付け時に連結部のボルト(直径8ミリ、長さ4・5センチ)やナットなどを取り付け忘れた

ではなくて、取り付けることが出来ない構造だった。と言えるでしょう。
そういう仕組みだったからこそ、「前輪格納扉開閉装置セットを一式交換」としていたわけだし、「分解や修理作業のマニュアルはなかった」のも当然だと言えます。

内容は修理ですが、これは製造の問題ですね。
修理作業であればユニット交換であったはずで、ユニット交換する仕組みを勝手に作ってしまったわけだから修理とは言えない。強いて言えば、製造時に正しい作業をしていなかったとなりそうです。

結構な大事に発展するかしれません。

5月 20, 2008 at 10:00 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.13

名古屋市営地下鉄エレベータ破損事故その2

「名古屋市営地下鉄のエレベータ破損事故」の続報が、朝日新聞と中日新聞に出ましたが、どちらの記事も何が起きたのが疑念を感じさせる内容です。

朝日新聞より「ブレーキ利かず、乗客一気に落下 エスカレーター事故

名古屋市営地下鉄で乗客が転倒してけがをしたエスカレーター事故の当時、乗客の大半はブレーキがまったく利かない制御不能のなかで最下部まで一気に落下していた状況がわかった。
名古屋市交通局によると、乗客が最下部に重なるように倒れ込んだ際に踏み板の側面のパネルが押されるまで、ブレーキを動かす安全装置は作動していなかった。

この事故では、高さ約9メートル、長さ約20メートルの上りのエスカレーターが突然逆走を始めたことで、乗っていた約25人のうち14人がけがをした。

Up

けがの程度がいずれも軽傷だったことなどから、異物を挟んだときなどに感知する安全装置がどこかで作動し、ブレーキはある程度利いていたとみられていた。

しかし、市交通局の調査で、乗客が倒れ込むまで安全装置が働いた形跡はどこにもなかった。このエスカレーターは、安全装置の稼働で電磁ブレーキが利かなければ、逆走しても、踏み板に動力を伝えるチェーンが切れるなどしない限り緊急停止はしない仕組みになっている。

市交通局によると、踏み板を動かすための、エスカレーター本体と制御装置の歯車をつなぐ金属製チェーンがたるみ、制御装置が載った台座もずれていた。また、制御装置の一部が踏み板にぶつかった跡もあった。

乗客の転倒まで「異常」が感知されなかったことなどから判断すると、台座がずれたことでたるんだチェーンが、制御装置がさらに踏み板にぶつかった衝撃でかみ合わせもはずれ、空回り状態になったと市交通局はみている。踏み板は制御不能状態になり、乗客の重みで加速度的に逆走したとみられる。

事故機の制御装置の台座をとめるボルトは昨年9月に2本が「金属疲労」で折れているのが見つかり、補強工事をしていた。しかし、今回も一部のボルトが折れていたことから、市交通局は疲労破断によってボルトが取れ、台座ごと制御装置が動いたとの見方を強めている。

こういう場合は、金属疲労とは呼ばないで強度不足というべきだと思うのですがね。
もっと怪しげな内容になっているのが中日新聞の記事「補強工事先延ばし、なぜ? 名古屋地下鉄エスカレーター」です。

名古屋市営地下鉄久屋大通駅のエスカレーター事故で、本格的な補強工事の準備が昨年10月には一部、整っていたことが市交通局の調べで分かった。

その時点で、早急に対応していれば、今回の事故は回避できた可能性もある。

昨年9月下旬、久屋大通駅のエスカレーターの機械室でボルト2本の「疲労破断」が見つかり、応急工事した際、製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)は計19基の恒久工事がさらに必要と申し出ていた。

ただ「部品がそろうのに時間がかかる。施工は今年4月以降」と市側に伝えていた。しかし、事故後、市交通局の調べで、昨年10月25日には11基分の製造を終えていたことが判明した。

残る8基分の製造がなぜ遅れたのか、当初めどとしていた4月以降もなぜ工事を始めなかったのか、12日現在、オーチス社は市にも、本紙の取材にも明確に答えていない。

市交通局は、製造済みの部品を使い、12日夜から一晩に1基ずつ、ボルトの直径を16ミリから20ミリに交換するなどの本格的な工事を開始。残る8基分も14日までには準備が整うという。

なんでこんな怪しげなことになっているのだろうか?
エスカレータはユニット化されているのだから、建物に設置するところが場所によって工事が変わってくるのだろう。それぞれの現場特有の工事があるわけで、そこに強度不足があったのだとすると、少なくとも同時に工事したところは全部に危険性があると考えるべきだと思う。

大体「2本のボルトが折れたから、補修する」というが問題だろうと思う。
なぜ折れたのかが問題だし、ボルトの強度不足であれば設計段階からの見直しが必須であろう。早い話がエスカレータの使用中止となったはずだ。

今回の事故は、補修したが壊れたのが現実であって、ボルトを太くすれば大丈夫と言えるのかは大いに疑問である。

16ミリから20ミリに変えるとのことだが、それでは剪断強度は1.5倍になるだけだ。
飛行機の軽量化設計じゃあるまいし、強度が1.5倍になったからOKとはとうてい言えないだろう。

普通に考えて、16ミリのボルトは数トンの負荷までは破断しないから、複数のボルトが切れたというのは10トンといった負荷が掛かったことになるが、それだとチェーンが先に切れるのではないだろうか?

一体何がどうなっているのか?根本的に、負荷対策が出来ていないとかではないのか?
原因不明であるのなら、使用中止にするべきだと考えます。

5月 13, 2008 at 10:20 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.05.12

名古屋市営地下鉄のエレベータ破損事故

中日新聞より「同型式のエスカレーターに補強工事 名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で9日朝、急停止後に上りエスカレーターが後退して11人が軽傷を負った事故で、市交通局は事故が起きたのと同じ型式の18基の本格的な補強工事を、12日夜に開始することを明らかにした。

補強工事は製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)が昨年9月、ボルト2本の破損が判明した際に、必要性を申し出ていた。

工事には8、9時間を要するため、終電前の午後9時ごろから、始発後の午前6時ごろまで毎日行う。1日1基ずつ補強し、30日までに全基を終えたいとしている。

全基の工事完了までは毎朝の始発前に、工事を終えていない同型式のエスカレーターの機械室で、モーターやブレーキが載っている架台とエスカレーターの骨組みをつなぐボルトに問題がないか、ハンマーでたたいて点検する。

市交通局によると、補強工事は、ボルトを現在の直径16ミリから20ミリに交換するほか、今回のように架台がステップからの圧力でずれるのを防ぐことを徹底するため、新たにボルトを上下に1本ずつ打ち込む。

同型式のエスカレーターは久屋大通駅に6基、桜通線の野並駅(天白区)に9基、桜山駅(瑞穂区)に3基ある。事故後は全基を止めたが、安全点検後、10日朝までにすべて運転を再開している。

市営地下鉄のエスカレーターは今回の同型式を含め計377基。今後は他社製も月1回、ハンマーでの安全点検をする。ボルトの点検はこれまでオーチス社が申し出た昨年9月に緊急実施しただけ。

元々6本のボルトでモーターと減速機を一体にしたフレームを取り付けていたようです。
それをさらに、補強工事していたものが今回は1本を残して全部が破断。
フレーム全体がチェーンに引っ張れてずれてしまい急停止し、さらに重量によって下がってしまったようです。

中日新聞より「補強した4カ所も破損 エスカレーター事故

名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で9日、急停止後に後退して11人が軽傷を負う事故を起こした上りエスカレーターは、昨年9月に破損が見つかり補強した4カ所も、今回の事故後の調査で破損していたことが分かった。

市交通局は製造元の日本オーチス・エレベータ(東京)が実施した補強が強度不足で他のボルトの破損を引き起こし、事故につながった可能性があるとみて調べている。

Up

破損していたのは、モーターやブレーキが載っている架台とエスカレーターの骨組みをつなぐ個所。もともとは6本のボルトで架台と骨組みを固定していた。このうち2本が昨年9月、モーターなどの振動による疲労で破断し、根元からちぎれるように折れていた。

オーチス社は、この2本をそのままにした上で、破断個所近くの骨組みに厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接、その上に架台とつなぐように2本のボルトを上から、別の2本を横から埋め込んだ。

この結果、架台についているボルトは、10本(昨年9月に破断した2本を含む)となり、市側はオーチス社から「この補強でこれまでと同等の強度が出る」と説明を受けた。

しかし、わずか7カ月後の今回の事故で、補強した4カ所すべてが破損していたことが判明。うち少なくとも2カ所は、鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた。もともとあった6本のうちの1本のボルト以外すべてが破損していたことになり、架台は反時計回りにずれていた。

市交通局は「補強が適切でなかったか、設計通りに施工が行われなかった可能性がある」として、オーチス社から当時の状況を聴いている。

市交通局は10日、事故のあったエスカレーターの機械室を点検。11日はへこむように破損したステップ以外に異常のあるステップがないかを調べる。

市営地下鉄には、同型のエスカレーターが事故機のほかに、久屋大通、桜山、野並の3駅に合計18基ある。緊急点検の結果、安全が確認できたとして、10日朝までに順次、運転を再開した。

今回の事故では、ステップが破損しているようで破片が噛み込んで過負荷になったのではないかとも思うのですが、動力部がフレームから脱落したのですから機械設計としては落第でしょう。

ちょっと信じがたいのは「厚さ2センチのL字形の鋼板を溶接」「鋼板そのものが溶接個所の根元から外れていた」という部分で、よほどひどい溶接をしない限りは、壊れるとは思えません。

さらには、シアピンなどはどうなっているのでしょうか?

この状態で、ボルトを太くするというのは修理と言えるのでしょうか?
原因が不明のまま補強しているようにしか思えないのですが、なんか三菱自動車のハブ破損事故を思い出してしまいます。

5月 12, 2008 at 09:26 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2008.05.09

大日本スクリーン製造・有機EL製造装置

京都新聞より「有機ELディスプレー・量産技術を開発 大日本スクリーン製造、米デュポンと

大日本スクリーン製造と米化学大手デュポンは8日、次世代の薄型テレビ用として普及が期待される「有機ELディスプレー」の量産に向けた技術を共同開発したと発表した。

2009年度に携帯電話など小型機器向け有機ELディスプレーの製造装置の納入を予定、
10年度からは32-36型テレビ用の装置の供給も始める方針。

スクリーンは、装置供給で10年度に100億円以上の売り上げを目指すとしている。

有機材料に電圧をかけて発光させる有機ELディスプレーは薄くて消費電力が少なく、画像が鮮明なのが特長。パネルの大型化や製造コストの引き下げが課題で、企業が技術開発の競争を繰り広げている。

両社は約3年前から有機ELディスプレーの共同開発に着手。発光材料を超高速でガラス基板に塗り分けるといったスクリーンの独自技術と、デュポンが持つ有機素材や材料技術の知見を組み合わせることで、従来は困難だった大型化や低コストでの量産にめどを立てたという。

当面の製造装置は十インチ程度の小型パネル用だが、大型パネル用の装置開発も進め、将来は40-50型テレビ用の装置も量産できるようにするという。
京都市内でデュポン担当者と会見したスクリーンの矢追善也FPD機器カンパニー社長は「デュポンとの提携で他社より一歩も二歩も先行した。市場の拡大が見込まれており、製品化にあらゆる技術を結集したい」と語った。

大日本スクリーン製造と米化学大手デュポンの組合せは、素材供給側ですからもくろみ通りに2010年度に装置を売上げベースで100億円規模に出来るとすると、一気に有機ELを使用した製品が増えるでしょうね。

大型液晶の試作現場を見たのが1990年頃で、その頃には両さんは不可能ではないのか?というほどの不良率だったのが、今では大型テレビが大量に作られようになっているのですから、すぐに有機EL時代になるのかもしれません。

5月 9, 2008 at 08:47 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.12

静粛な自動車禁止法?

Response より「プリウス に騒音は必要?…車の静かさ防止法案

アメリカ議会では早ければ2010年の実施を目指し、車が出す音の最低限レベルを決定する法案を検討中。

「ハイブリッド、EVなどの音が静かすぎて危険」という不満が、特に視覚障害者などから聞かれることから、歩行者の安全を守るために、車が出す騒音の最低レベルを決定する必要があるかどうか、米運輸省にリサーチを実施させる。

実はこうした法案は州レベルではすでに実施されており、今年3月メリーランド州では実際に音の最低レベルを設定する法案が州議会を通過している。

法案は各自動車メーカーに対し2年間のコンプライアンス期間を設定するもので、今年中に法案が可決されれば2010年に販売予定のモデルから、「最低騒音」が義務づけられることになる。

しかし問題視されているハイブリッドの無音は特にトヨタの『プリウス』、ホンダ『シビックハイブリッド』などが対象で、より大型の2モードハイブリッドを採用しているビッグ3のモデルは特に問題が指摘されていない。

アメリカでは「プリウスは日本政府の支援で作られた」発言など、日本のメーカーに対する警戒感を思わせる動きが高まっており、今回の「騒音は必要」議論も結局は日本車をターゲットにしたもの、と言えるかもしれない。

まあ確かにアメリカがなりふり構わずに日本のハイブリッド車の増加を抑えに掛かるというの大いにあり得ることですが、ハイブリッド車(正確には電動自動車)がエンジン駆動の自動車と騒音発生レベルのが全く違う、というのは社会的に問題になると思います。

たまたま今日「ありゃ??」という経験をしました。

今日(2008/04/12)の昼過ぎに歩いてとなり駅まで行ったのですが、途中の信号付き交差点でエスティマハイブリッドが目の前を横切っていきました。

今エスティマハイブリッドには非常に興味があるために、普通のエスティマと僅かな外形の違いを見分けることが出来ます。
それで、ちょっと向こうにいるエスティマハイブリッドを見て「ハイブリッドだ」と分かったのですが、目の前を通りすぎていく車の姿と音が頭の中で合成しないような感じになりました。

思い出してみますと、目の前を通るところと通り過ぎた後の音が期待していた音ではないと感じたのですね。 明らかに「ヘンな音」というより「なんだこの音の変化は」でした。

エスティマハイブリッドは十字路の交差点をまっすぐに通り抜けてきたのですが、道は交差点に進入する前にはダラダラと続く下り坂です。交差点を通り抜けるとすぐに上り坂になって一時停止になります。

普通のエンジン付きの車であれば、近づいてくるときの音はエンジンを吹かしていない下り坂、通り抜けてすぐに一時停止という状態では、通常走行からエンジンブレーキで減速中でしょうから、非常に静かでしょう。
目の前を通り過ぎると、排気音がはっきり聞こえるから「通過後に音が大きくなる」と判断するようです。

それが、通過前も通過中も通過後も同じような音でした。ほとんどはタイヤの音だったと思います。

これが違和感の原因だと思うのですが、決して無音ではないのです。しかし、聞き慣れている自動車の音でもありません。

そういう違和感を無くそうというアメリカの考えは分からないでもないですが、法律で決めるよりも社会の慣れの方が有効だろうとは思います。

以前、初代プリウスが目の前でバックを始めたときにもビックリしましたっけ。難しいものですね。

4月 12, 2008 at 08:54 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.10

ホーイング787・納期の再々延期

CNN.co.jp より「787型機の納入、3度目の延期 米ボーイング

航空機製造大手の米ボーイング社は9日、製造中の次世代中距離機787型「ドリームライナー」の引き渡し時期を、2009年7─9月期に延期すると発表した。
同社が787型機の納入を延期するのは、今年1月に続いて3度目となる。

最初の納入先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に引き渡す予定だったが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に。

今年の1月には、再度の延期で引き渡しは09年にずれ込んでおり、3度目の延期に全日本空輸は「非常に落胆した」としている。

引き渡しの延期理由は、製造工程の遅れや各国企業が生産する部品の到着遅延などとしている。

  • 2008年5月
  • 2008年12月
  • 2009年3月
  • 2009年9月

と引き渡しが延びてきたわけで、もう単純に四半期単位で延びてますね。
それにしてもまだ初飛行していないんですよね。
「納期がいつになるのか言えない」ということなのでしょう。

もうすでに複数の機体が完成しているという情報もあり、必ずしも1号機を先に飛ばすということにはならないのかもしれませんが、それでは1950年代のジェット機揺籃時代と同じです。
作ってみなければ分からないというか作ってみても分からない、なのかもしれません。

同じく飛べないのが、川崎重工が作っている自衛隊の次期輸送機C-Xでこれは強度不足で設計からやり直ししたそうです。

飛行機はすでに100年の歴史がある技術で、設計については充分に枯れていると思っていたのですが、複合素材を使ったりすると、とんでもないことが起きるのでしょうか?
全日空・日航共に燃料費高騰と787の導入遅れが株価に影響しているそうで、788カスタマーはボーイングに対して続々と賠償請求を起こす可能性があると、AFP BB は報じています。

4月 10, 2008 at 08:23 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.04.05

もんじゅの誤警報問題の原因解明

サンケイ新聞より「もんじゅ 県、全検出器の点検要請 誤警報 施工ミスの可能性

高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)で3月下旬に1次系配管でナトリウム漏れの誤警報が相次いだ問題で日本原子力研究開発機構は4日、接触式ナトリウム漏えい検出器の施工ミスの可能性が高いと発表、国や県、同市などに報告した。
県は、原子力機構に対しもんじゅの全検出器の健全性と整備体制の確認を要請した。また3月26日の誤警報の連絡が遅れたことについても教育や訓練を求め、原子力機構は応じる考えを示した。

◇原因を報告

原子力機構によると、問題の検出器は電極と電極の根本にあるさやが、ナトリウムなどの導電性物質に同時に接触することで警報を出す。

今回の検出器は平成2年2月の施工時に、留め具の設置ミスで予定より約1センチ深く入り、電極が配管内の開閉弁の一部(弁棒)に接触して曲がり、さやだけが接触した状態になったという。
その後、120回以上弁棒が動作する中でさやがこすれ、電極と同時に接触。3月26日と同28日に誤警報が出された。

原子力機構では「検出器としての機能は確保されていたが、施工時に、意図したとおり設置されていなかったことは、改善が必要だ」として、もんじゅに設置された検出器479台の内、今回と同じく1次系に斜めに取り付けてある22台について、6月中旬までに検査を実施する。

また、残りの検出器についても検査を検討しており、プラント確認試験の行程内で適切な時期を選んで実施する方針。もんじゅは10月の運転再開を目指しているが、行程が遅れる可能性があるとしている。

この日、早瀬佑一・敦賀本部長が県庁の旭信昭副知事を訪問。誤警報の原因が部品の製造ミスだったことを伝えた。また、県への連絡が誤警報から3時間後になったことについて所長らが通報を確認していなかったと説明。早期に1次系の検出器の点検、通報体制の確認や意識改革を行うと対策を説明した。

これに対し、旭副知事は昨年来2次系でも誤警報が発生したことを踏まえ、1、2次系すべての検出器の点検を求め、連絡体制のマニュアル整備や見直し、通報責任者の複数配置を行うよう文書で要請。また「漏れの確認手段については県原子力安全専門委員会での要請もあり、複数の方法を講じるようお願いする」と述べ、早瀬本部長は「重く受け止め、信頼回復に努める。委員会の要請も検討し、対策を取りたい」と答えた。

一方、敦賀市役所を訪れた原子力機構の伊藤和元理事は誤警報の原因を説明した後、地元自治体などへの連絡が遅れたことに触れ、「(通報遅れは)市民の皆さまの信頼を損なう重大な問題。一報を入れることより、事実確認を優先してしまった」と謝罪。河瀬一治市長は「電話一本いただければ済んだ話。今回の問題を教訓にしてほしい」と苦言を呈した。

検出器が誤警報を出したのに、「機能が確保されている」というのは無理でしょう。

原子炉の歴史ではナトリウム冷却炉は失敗の連続で成功した例はあるのですかね?

もんじゅがナトリウム漏れ事故を起こしたのは、1995年で以来止まったままです。
とは言っても、ナトリウムを暖め続けるために膨大な電力を消費しているのですから、原子炉として機能停止ではあっても、プラントは動き続けているとも言えるでしょう。

1995年の事故は、二次冷却配管(だから人が立ちいることが出来る部分)の温度計のサヤが破断してナトリウムが漏出して発火した、というものでした。

温度計のサヤが破断した原因は、設計不良による応力集中と管内のナトリウム流によって温度計のサヤが振動したことによるとされましたが、機械工学的にはかなり初歩的なトラブルでした。

今回の「工作ミス」も同じように「機械工学上の初歩的ミス」の印象を受けますが、それがかなりやっかいな事態に展開しているところが「ナトリウム炉は大変だ」と思うのです。

日本での高速増殖炉の計画は、実験炉・常陽、原型炉・もんじゅ、実証炉ということになっていますが、増殖炉・原子炉という以前にいわばボイラーとしてナトリウム冷却機構を使いこなせるのか?という問題のように見えます。
こんな段階でつまずいているようでは、高速増殖炉は本当に「夢の話」になってしまうように思えます。

それにしても、本当に10ミリも間違えて工作したのに、それがチェックできなかったのでしょうか?
そこまでいい加減な設計なのでしょうか?これほどの誤作を許してしまう設計自体が問題じゃないのでしょうか?

4月 5, 2008 at 10:13 午前 もの作り | | コメント (12) | トラックバック (1)

2008.03.28

MRJはどうなるか?

「MRJ事業化決定」はあっちこっちで取り上げられていますが、専門家の鋭い指摘がありました。

松浦晋也のL/Dより「MRJへの不安」から引用します。

 この半月ぐらい、「MRJ、三菱リージョナルジェット」の検索で当ページを訪れる人が急増している。去年の秋に書いたMRJ、大丈夫か?続・MRJ、大丈夫か?が引っかかるらしい。

 三菱重工業が開発を目指す国産旅客機「MRJ」を巡る情勢は急速に動いている。本日、全日空が25機を発注してローンチカスタマーになると発表した。ベトナムや中東への売り込みを行っているというニュースも流れている。

 YS-11以来の国産旅客機の開発だ。もちろん喜ばしい。

 しかし、私にはどうにも引っかかることがある。それは「三菱の技術者は本当に旅客機を設計できるのか」ということだ。

 「何を失礼なことを言っているのか」と怒らずに、以下読み進めて欲しい。三菱の航空技術者の質を疑っているわけではない。経験値が足りているかどうかを気にしているのである。

 長々と書いてきたが、私はMRJが失敗すればいいなどとは決して思っていない。おそらくMRJが失敗すれば、日本の航空機産業は半永久的に旅客機参入の機会を失ってしまうだろう。その意味では、MRJは失敗を許されないプロジェクトとなっている。

 ただただ、心配なのだ。営業面も技術面も。

さらに「MRJ、大丈夫か?」「続・MRJ、大丈夫か?」を読むと、三菱重工のセンスの悪さがはっきりと指摘されていて、わたしが前回書いた「営業的に一度も成功していない」ということが実に大きくのしかかってきています。

大上段に振りかぶってしまいますと、日本はいまだにメーカのプロダクトアウト的な側面が強すぎて、なぜ売れるのかといった問題を追及する姿勢が弱いと言えます。
その中でも三菱重工は営業が得意とは言えないのですから、ここ一番と言うところでは思いきった人材の登用など考慮するべきでしょう。

それが出だしから、「MRJ、大丈夫か?」なのですからそりゃ多少は事情を知っている人は皆揃って心配するわけです。

技術的に成功して、製品を作ることが出来てもビジネス全体を売却してしまう、という可能性は今まで経緯からは決して低いものではなく、作ることの自己満足に終わるようなことにならないように願うところです。

3月 28, 2008 at 02:28 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.27

MRJ事業化決定

日経新聞より「三菱重のMRJ、28日にも事業化決定・全日空は25機、日航も検討

三菱重工業は国産初の小型ジェット機「MRJ」の事業化を28日にも正式決定する。

全日本空輸が27日の取締役会でMRJ25機の購入を決めるほか、日本航空やベトナム航空も導入する方向で検討しており、一定の受注数を確保できると判断した。全日空はMRJの燃費性能などを評価しており、第一号顧客として今後の開発作業に参画し機体設計などに自社の意向を反映させる。約40年ぶりの国産旅客機事業が動き出す。

全日空が購入するMRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)は座席数が70―90席で、1機30億―40億円程度。2012年から地方路線などに順次導入する方針だ。

全日空はボンバルディア(カナダ)、エンブラエル(ブラジル)の2社の小型ジェット機も導入候補として検討してきたが、ボンバルディアは今月中旬に自ら辞退。エンブラエルと比較検討した結果、燃費の3割改善を目標としているMRJを選んだ。

「MRJ発進!?」の続報です。

燃費の3割改善というのはすごいですが、メンテナンス全体のコストダウンということですと、経験が大きくものを言うでしょうから三菱でなくても後発メーカはどこも苦労しています。

顧客のニーズをうまくキャッチアップするだろうか?となりますと、三菱重工が航空ショーでMRJを発表した時点でもかなり強く非難されていますから、心許ないですね。

技術的には一見ハイテクのように見えても、旅客機は元々結構保守的ですから特に問題にはならないでしょう。
超大型とか超斬新でもありません。

しかし民間機ビジネスということを考えますと、今まで一回も成功していないのが日本の航空機製造ビジネスで、個人的には「また売ってしまうことになるのでは?」と心配です。

3月 27, 2008 at 10:53 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.26

全日空787で損害賠償を請求

毎日新聞より「全日空:米ボーイング787納入遅れ、賠償請求へ

全日本空輸(ANA)の山元峯生社長は毎日新聞のインタビューに応じ、納入が遅れている米ボーイングの新型中型機787について、損害賠償請求する方針を明らかにした。
日本航空(JAL)など世界の航空会社にも同様の動きが広がる可能性がある。
一方、三菱重工が事業化を目指す国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」については期待を寄せつつも検討中とし、近く最終判断する意向を示した。

燃油高が続く中、燃費性能の優れた787の納入が遅れたことについて、山元社長は「08年中はもう入ってこないと思った方がいい。頭が痛い」と述べた。ANAは08~11年度の中期経営計画で機材調達の変更を余儀なくされた。米ボーイングに対する損害賠償請求は「当然、その話になる。燃費効率で収益に貢献するとはじいていたのだから」と述べ、納期が決まれば具体的な手続きをとる考えを示した。

◇MRJ導入は近く最終判断

MRJについては「日本の需要より、世界市場で売れる飛行機を作ってほしい。10年たって部品がなくなるというのでは困る」とくぎを刺した。購入判断には、部品供給などの条件の見極めが重要との認識を示した。社内の機種選定委員会から近く答申を受け、最終判断する。

また、10年10月に供用開始が予定される羽田空港の国際線の発着枠について「(国土交通省が予定する)3万回といわず6万回に増やしてほしい」と注文をつけた。羽田を拠点に近距離の国際線を拡充すべきだと主張している。【後藤逸郎】

2007年8月にロールアウトしましたが、いまだに初飛行していません。
計画は、2007年9月に初飛行、引き渡しは2008年5月とされていて、どう見ても「そんなにうまくいくものか?」と思われていましたが、ロールアウト時点で機体が完成していなかったというのですからすごいです。
もっとも日本の次期輸送機C-Xもロールアウトはしましたけど、強度不足で設計のやり直しとか言っていますから、別にボーイングだけの問題でもないようです。

しかし、大量に売れてしまった旅客機ですから各航空会社が経営計画に織り込んでいるのは当然で、賠償問題が出てくるもの当然でしょう。

初飛行が2008年第一四半期と計画されていますから、あと一月の内に飛行テストに入れるものかどうかを注目しましょう。

3月 26, 2008 at 11:01 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.20

4脚ロボット発展す

Engadget Japanese より「動画:蹴られても滑っても立ち直る四脚ロボ BigDog

DARPA出資のもと開発されている四脚ロボBigDogの新しい動画が公開されました(続きに掲載)。Boston DynamicsのBigDogは軍用・荷役用を想定したガソリンエンジン駆動の4脚ロボ。体重は約105kg (旧バージョンは約75kg)、体高約70cmくらい。

エンジン音を鳴らしながらよたよた歩く、蹴られても上手くバランスをとって立ち直るといったあたりは以前の動画でも公開されていましたが、今回の動画に含まれる「約150kgの荷物を背負いつつ、氷の上で同時に2本以上の脚が滑っても一瞬ヒザをついて立ち直る」場面は必見です。下の動画では開始1分20秒くらいから。

Defense Advanced Research Projects Agency は日本語訳だと色々あって、国防高等研究事業局、国防総省高等研究計画局、国防高等研究計画庁、などがありますが有名な無人車での走行実験などを莫大な金額を掛けてやっています。

この4脚荷役用ロボットは発表当時から「気味が悪い」などと言われてましたが、YouTube にアップされている動画「BigDog - Boston Dynamics (2008)」(Engadget Japanese のリンク先そのもの)を見ると、非常に難しいことに挑戦しています。

アシモにはこれは出来ないでしょう。
なんかタチコマを思い出してしまうわけです。

3月 20, 2008 at 03:19 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

MRJ発進!?

日経新聞より「三菱重工、小型旅客機事業化へ・国産40年ぶり

三菱重工業は国産初の小型ジェット旅客機を事業化する方針を固めた。

全日本空輸と日本航空が最大で合計70機を購入する方向で最終調整しており、アジアの航空会社からの打診を含め一定の受注数が確保できると判断した。

今後高成長が見込める小型旅客機市場に参入し、航空機事業を拡大する。国産旅客機の誕生は「YS―11」以来、約40年ぶりで、部品や素材など日本の製造業に幅広い波及効果が期待できそうだ。

三菱重工は小型ジェット旅客機「MRJ」について航空各社と価格や保守、納期遅れの際の補償などで詰めの交渉をしている。条件面で合意すれば、全日空は早ければ月内にも購入を決める見通し。その後、三菱重工が取締役会で事業化を正式決定する段取りだ。

新規にビジネスに挑戦すること自体は大歓迎でありますが、競争激甚のリージョナルジェットの業界に参入することがそれほど良いビジネスなのかな?と思います。

YS-11の研究が始まったのは、戦争が終わってすぐで世界的にも純民間機はどうあるべきか?といった構想が色々と提案されて、世界の航空技術者たちが「戦争用の飛行機から民間機に」と競争していた時代でした。
その意味では「民間機を作る」こと自体に大きな意味がありました。

同時に、少量生産であるために部品製作レベルまで人的資源を投入でき、しかも技術的に高度であるところが波及効果が大きいとされました。

その後、飛行機に使われるバーツも専業メーカが出来て航空機メーカはかなり組み立て産業になってしまい、ボーイングとエアバスの両者は大型部品を結合して飛行機にするメーカとなっています。

今では、パーツの大型化など人手の削減の方向で競争が激しくなっていて、量産効果もビジネス上必須になっています。
つまり以前ほどの波及効果はないと言えるでしょう。

もちろん、航空機製造技術の基盤維持のために航空機開発をすることが必要との意見はその通りだと思いますが、それがビジネス的に厳しいだろうという事実を変えることにはなりません。
第一、YS-11でもビジネス的な失敗でその後が続かなかったのです。
当時よりも現在の方が遙かにライバルは多く、ニーズからすると高級・高価格の機体は売りにくいでしょう。

確かに、技術的な研究や波及効果については飛行機を作ることで得られるものは大きいかとも思いますが、それがビジネスとして良いのか?というのは別問題でしょう。
高級で低価格の商品を少量生産する、というものすごく難しい問題になりそうです。

少量生産にしかならないリージョナルジェットの製造がビジネス的に成功するのか?それこそが大いなる挑戦と言えるかもしれませんが、少なくとも今までのやり方の延長上にはビジネス的にはマイナス要素の方が大きいだろうと思います。

3月 20, 2008 at 12:02 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.03.19

超伝導モーター実用化?

FujiSankei Business iより「世界最大365キロワット 超電導モーター IHIが船舶推進装置向け開発

IHI(旧石川島播磨重工業)は17日、世界最大出力365キロワットの超電導モーターを使った船舶用推進装置=写真=を完成させ、横浜事業所(横浜市磯子区)で報道陣などに公開した。同社は出力を400キロワットに高めた超電導モーターの販売を2009年度から始める。超電導モーターの販売は国内メーカーでは初めてという。

Up

公開した超電導モーターは、福井大学や住友電気工業など7社1大学の産学グループが共同開発した。船舶の分野も二酸化炭素(CO2)の排出削減が課題になっており、この推進装置を搭載した船は従来型のディーゼル駆動船に比べ燃費が15~40%向上する。

一定の温度以下になると電気抵抗がゼロになる超電導材に、高温タイプのビスマス系線材を採用。冷却剤に液体ヘリウム(マイナス269度)に比べて高温の液体窒素(約マイナス200度)が使え、断熱が容易で扱いやすいという。

4月から耐久性を検証するための24時間連続負荷運転に入り、7月から400キロワット超電導モーターの製作に着手する。将来は「船舶以外の分野にも超電導モーターを売り込みたい」(舶用超電導推進事業室部長)としている。

船舶用に普通のモーターとして超電導技術が使われるとは「なるほどねぇ」といったところです。

400キロワットでは、それこそ潜水艦の巡航用でしょうか(^_^;)

液体窒素の冷却で機能するのであれば、充分に実用出来るとは思いますが、冷やし続けなければいけないわけですから、そのエネルギー収支はどうなのでしょうか?
その分を入れても、燃費向上なのでしょうか?

超伝導モーターの制御はどうするのでしょうか?興味深いですね。

3月 19, 2008 at 10:57 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2008.03.02

野村精機倒産とその影響

帝国データバンク・大型倒産速報より「NC旋盤製造・野村精機株式会社

野村精機(株)(資本金3億円、西多摩郡奥多摩町棚澤437、代表佐藤悟氏、従業員129名)は、2月22日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、同地裁より保全監督命令を受けた。

申請代理人は泉義孝弁護士(港区虎ノ門2-5-4、電話03-3500-3655)ほか1名。

当社は、1959年(昭和34年)10月に創業、78年(昭和53年)1月に法人改組した工作加工機械製造業者。66年には山梨県小菅村に工場を開設し、NC旋盤の製造販売を専門に手がけ、海外企業とも提携を行い、88年12月期の年売上高は約58億400万円を計上していた。

しかし、米国子会社における営業展開の失敗に加えて、国内設備投資需要の冷え込みによって受注が落ち込み、93年12月期の年売上高は約22億9000万円に減少。連続欠損を余儀なくされていたうえ、新社屋建設などの設備投資に伴う過剰な借り入れ負担も重荷となり、多額の累積損失を抱え、債務超過に転落していた。

その後、販管費削減などの経営合理化を行い、民間設備投資の回復や海外の需要増によって経営環境も上向いたことで、近時は国内30%、海外70%の比率で国内外2000社以上の得意先を抱え、2004年12月期の年売上高は約55億9700万円に回復していた。

中国・台湾向けなどの輸出が好調に推移し黒字も確保していたものの、多額の債務超過状態が続いていたため、厳しい資金繰りを強いられ支え切れず、今回の措置となった。

負債は2006年12月期末時点で約82億5400万円。

債権者説明会は、3月4日午後3時から、ニッショーホール(港区虎ノ門2-9-16)で開催される予定。

以前は倒産速報を見ていたのですが最近はほとんど見ていませんでした。

今回この情報を拾ったのは、サンケイ新聞・東京地方版の記事「会社経営危機 お見合い中止」を見たからです。

山梨県小菅村は、村内の独身男性のため23日に予定していた「お見合いパーティー」を急遽(きゅうきょ)中止することを決めた。

同村教育委員会によると、参加予定の男性10人のうち6人が勤務する会社が会社更生法を申請。男性らが職を失うことも考えられ、将来的に不透明の中で開催することは応募した女性らに迷惑がかかるとして中止を決定した。

同村教委は応募した女性10人にわび状を送るとともに、電話で謝罪した。奥秋利一教育長は「関係者にご迷惑をかけ、大変申し訳ない」と話している。

小菅村はバイクでは良く行っていたところで知らないところではありませんが、問題になるほどの企業があるのか?と検索した結果が「野村精機の倒産」でした。

野村精機本社は奥多摩町棚沢ですから、小菅村とはかなり離れています。沿革によれば

1959野村精機製作所設立
1966山梨県小菅村に小菅工場を開設
1981埼玉県入間市に入間工場設立
1986野村精機株式会社へ社名改称
1992青梅新町ビル竣工

とのことですから、小菅工場が新聞に報道された工場なのでしょう。

たしか創業者が山の中での気温の変化が工作機械のベッドの製造によい影響を与えるというような理由で場所を選んで工場をつくったと聞いています。

日本の工作機は電子技術などによる高級化で世界に冠たる地位を今も占めていますが、元々のベッドの安定といったようなヨーロッパからの技術が相対的に価値を減らしてきて、国際的な低価格競争で利益にならない商売が続いていたのだろうなと思います。

3月 2, 2008 at 01:40 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

湘南モノレール・ブレーキディスクが割れていた

朝日新聞より「事故3両の全ディスクブレーキが破損 湘南モノレール

神奈川県鎌倉市で湘南モノレールの下り電車(3両編成)が単線でブレーキが利かず対向電車の直前で停止した事故で、同社は1日、

車両すべてのブレーキディスク
計24枚が破損していた

、と発表した。車両は昨年12月に運転を始めた最新型で、同社は破損した原因を調べている。

同社によると、ディスクは内径195ミリ、外径410ミリ、厚さ16ミリ、重さ11.2キロで砂型鋳物製。各ディスクは3~1本の破断やひびが入っていた、という。

1車両に二つの台車があり、各台車には4輪の駆動タイヤが装着。それぞれにディスクがつき、空気の圧力でブレーキをかける仕組み。ディスクをはさむブレーキパッドには異常はなかった。モーターの抵抗を利用したブレーキは作動していたという。

同社は6日に1回検査をしており、この車両は事故発生5日前の2月19日に検査していた。ディスクはタイヤの裏にあるため詳細な点検は難しかったが、目視では異常は見つからなかったという。

事故は2月24日午前、西鎌倉駅を約40メートルオーバーランして、対向車両の19メートル手前で止まった。オーバーランした車両には22人、対向車両には16人の乗客がいた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も調査を進めている。

同社によると、車両は三菱重工、三菱電機による共同企業体が納入。原因が究明されるまで同系車両を含めた運行をやめており、間引き運転をしている。

ブレーキが利かなくなったとのことだったので制御システムのエラーだと思っていたのですが、ブレーキディスクが割れていたというのは驚きです。

3両編成の全てのディスク24枚とのことですから、一両あたり8枚、ボギー台車のような構造で左右2個ずつの車輪4つで一つの台車を構成しているのでしょう。

12月に営業運転を始めたばかりとのことですから、2月24日には全てのディスクプレー気が割れていたというのは品質の安定という意味ではすごいですから、設計の問題ですね。

湘南モノレールはすごいアップダウンなので、ブレーキの負荷はかなりのものだろうと思いますが、ディスクブレーキ自体は特に新しい技術とは言えず実績も沢山あるわけで、今ごろディスクが割れるといったことが起きるとは本当に予想外です。
ましてモノレール(鉄道)なのですから極端な軽量化など技術的な冒険を犯す理由も見あたりません。
なんでこんな事が起きたのでしょうか?

ブレーキ装置自体が壊れると、全てが信用できなくなってしまいます。
シンドラー社のエレベータ問題でもメンテナンスの問題なのか設計の問題なのかという原因解明以前に「信用できない」となってしまいました。

ブレーキが働くから無事に止まることが出来る、というのは最終的な信頼そのもので、ブレーキが機構的に機能しないとなると、全ての信用が失われてしまいます。

全てを公開しながら原因の解明を進めないと、原因は解明できたが信用は取り戻せない、ということもあり得るでしょう。

3月 2, 2008 at 01:21 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.29

無茶苦茶なニッポン(になりつつある)

神戸新聞より「活況で安全後回し 社内規定違反 川崎造船クレーン倒壊

死傷者七人を出した川崎造船神戸工場のクレーン倒壊事故で、極めて危険な作業だったにもかかわらず、元工作部長(55)らが根拠なく安全と過信し、漫然と作業を進めようとしていた実態が、兵庫県警の捜査で浮き彫りになった。

送検された一人は、作業計画の作成を定めた社内規定を認識していたが、「クレーンを休ませることはできない」との理由で、規定に違反したという。

同工場は当時フル稼働の状態で、捜査関係者は業績を優先し、安全対策がおろそかになっていたことを指摘する。

神戸工場で行われたベアリング交換は、ほかの会社では専門業者に委託したり、事前準備に二十日間程度かけたりしているという。

しかし、同工場はクレーンメーカーだけでなく、経験のある社内の別工場にも問い合わせていなかった。

倒壊の直接の原因はクレーンの重心位置を誤ったためだったが、県警は事前にしっかり検討さえしていれば容易に防ぐことができたとみている。

当初、同工場はクレーンの総重量を約八百トンとしていたが、県警の鑑定で約六百七十トンだったことも判明、重量さえも正確に把握していなかった。

事故の背景として、捜査関係者らが指摘するのは好調な業績だ。川崎造船は二〇〇七年度には三年ぶりの営業黒字を見込み、一〇年度の売り上げ目標は〇六年度の倍増を掲げていた。

事故当時はアジア各国から三十一隻の船を受注し、三年先に造る船が決まっていた。送検された一人は「クレーンを休めることはできないと思った」と供述したといい、船の建造を優先させたことをうかがわせている。

活況の陰で、安全がないがしろにされかねない状況は製造現場全体に広がっているという。兵庫労働局の八田雅弘局長は二十八日の会見で「受注が増えている時期だからこそ安全の意識を高め、しっかりと取り組みをしてほしい」と注文した。

川崎造船神戸工場クレーン倒壊事故

2007年8月25日午前9時40分ごろ、船体をつり上げる「走行式ジブクレーン」の部品を交換するため、油圧式ジャッキで持ち上げたところ、上部がバランスを崩して倒壊。地上31メートル付近で作業をしていた同造船社員(40)、派遣会社社員(55)の2人と、同12メートル付近にいた同造船社員(55)の計3人が落下するなどして死亡したほか、4人が重軽傷を負った。
同9月には、兵庫労働局が労働災害の防止を徹底するよう行政指導し、川崎造船は、安全対策などを含む経営体制を強化するため、非常勤の会長ポストを新設した。

このニュースは事故当時気にしていたのですが、遠めがねの記事にはなっていませんね。
この時には中華航空機が炎上という事件がありました。
それで飛ばしてしまったのでしょうが、 最近ちょっと手抜きではありますが、検索機能を付けたので検索してみました。

通りすがりの懐かしい顔 氏がコメントに書いています。

ある程度予想はしてましたが、こんな整備だと船は沈没するし自動車でもブレーキ踏んだ途端にキャリパー脱落なんて事故になりかねません。
(クレーン倒壊の修理手順もかなり怪しいので日本も他人事ではないな)

予想通りに「修理手順を何にも考えていなかった」というべき結論ですね。

何で専門家が存在するのかを考えていないというところが恐ろしいです。
さらに、先日の三菱ふそうのクラッチハウジング破断・死亡事故で被告側の主張が「細かいことまで知らなくて当然」のようなものなのですが、知らないのは当然ではなくて知っているべきなのですね。
その知っているべきとは、専門家がいることを承知している事であって、

「専門家の何が専門の価値なのかよく分からないから、専門家を利用することを無視しても大丈夫だろう」

というのではムチャクチャだ。

1月 29, 2008 at 10:54 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.24

後方警戒レーダ・マツダ車

NIKKEI NET より「マツダ、後側方障害物警報システムを新型「マツダアテンザ」に採用

マツダ株式会社(以下、マツダ)は、高速走行時に後方から接近してくる車両を検出するリアビークルモニタリングシステムを国内で初めて実用化し、今月末に発売予定である新型『マツダアテンザ』に採用する。

この警報システムは、高速走行時に左右の後側方車両を検知し、車線変更により衝突の危険性がある場合にはドライバーに警報を発して注意を喚起する自立型運転支援システムである。今回、検知範囲が広く悪天候の影響も少ない24GHzレーダーの採用により、高速走行時の後方接近車両が検出可能となった。

今回実用化されたリアビークルモニタリングシステムは、60km/h以上の高速走行時に、後方から接近する車両を左右のレーダーモジュールで検出、フロントAピラー部のLEDを点灯させてドライバーに報知する。この状態で方向指示器を操作した場合、LEDが点滅するとともに警告音を発してドライバーに速やかな車線変更の中断を促す。本システムは、後方約50mにわたる広い検知範囲を有しているとともに、悪天候に影響されにくい安定した検出性能を備えている。

ボルボなども提案しているサイドミラーの補助という考え方ですが、ミラーと併用で良いから、後方を見るテレビモニターを付けてくれないでしょうか?

ミラーを見るために、かなり視線を動かさなくてはならないので、もっと見やすいところにモニターを置いて、テレビカメラで見せるというのはレーシングカーのスーパーGTでは使われているんですよね。

レーダーまで行かなくてもだいぶ変わるし、第一トラックやバスなど視角の多い車で常時周囲を見ているカメラがあっても何の不思議も無いだろう。

テレビカメラ使用を制限する理由は「前から決まっているから」という以上のものは無いと思うんですけどね。

1月 24, 2008 at 11:34 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

F2墜落事故の対策?

毎日新聞より「F2戦闘機墜落:三菱重工が陳謝 重く受け止め改善したい

三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所は23日夜記者会見し、山田陽二所長が「防衛省と近隣自治体、住民のみなさまにご迷惑をかけて申し訳ありません」と陳謝した。

同社は再発防止策として、昨年11月から工場にある戦闘機やヘリコプター16機について特別点検を行い、

  • 誤接続の有無を確認
  • 配線と接続部を色分けして判別できるようにする
  • 作業手順書の記載内容やイラストを分かりやすくする
  • 水平尾翼や方向蛇の作動確認

などを導入する。山田所長は「設計上の配慮や作業上の注意、システムに対する理解が不十分だった。重く受け止め改善したい」と述べた。【加藤潔】

これは対策とは言えないだろう。

何かを隠しているとしか思えないのだが・・・・・・

1月 24, 2008 at 10:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.17

ボーイング787再度の納入延期

ボーイング787の納期が再度遅れることについて、AFP BB と CNN.co.jp に記事がでいてますが、原因について微妙に異なっています。

AFP BB より「ボーイング「787ドリームライナー」またも納入延期

【1月17日 AFP】

米航空機器大手ボーイング(本社:シカゴ)は16日、次世代中型機「787型ドリームライナー」の納入が2009年初めにずれ込むと発表した。当初2008年末と予定されていた。

同社民間航空機部門のスコット・カーソン社長兼最高経営責任者は声明の中で「787の基本デザインと技術は問題ないが、工場と世界規模の供給網の立ち上げ問題が解消していない」と述べた。
787は世界各地のメーカーが各部品を製造する手法を採っている。ボーイングは、これによる財政面への大きな影響はないとしている。(c) AFP/Rob Lever

CNN.co.jp より「ボーイング787ドリームライナーに再度の遅れと米紙

シアトル(AP)

米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナ(WSJ)は16日、米航空機製造大手ボーイングがまもなく、開発中の次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の納入が遅れること発表すると報じた。
ボーイング社は昨年10月、納入時期の半年遅れを発表しており、再度の延期となる。この報道を受け、ボーイング社の株価は同日、4.7%下落した。

WSJは787開発計画に詳しい人物の話として、同機の電気系統に不備が出ており、技術者が問題を解明するために2─3カ月が必要だとしている。

787は、1995年に投入された777シリーズ以来のボーイングの新型旅客機。機体の大部分を炭素繊維素材で製造し、軽量化と耐久性を向上させ、燃費効率も改善している。日本メーカーが初めて主翼の生産などを請け負っている。

最初の引き渡し先は全日本空輸。当初の予定では、今年5月に航空会社へ引き渡しを予定していたが、昨年10月に部品納入の遅れが原因だとして、2008年11月から12月に延期されていた。

なんだかわけの分からない事になってきましたね。

当初はボーイングの発表が「ファスナーが無い」ということで「それは無いだろう」という批判がありましたが、その後「客室の情報システムが出来ない」という、これまた「初飛行が出来ない理由か?」と突っ込まれる情報が出てきました。

同じく話題の大型機のエアバスA380の場合は、初飛行後の航空会社向けの開発に手間取って大幅に納期が遅れました。
ボーイング787は、当初の計画では2007年7月に初飛行して2008年5月に全日空に一号機を納入の予定でしたが、2008年になっても初飛行が出来ません。

一号機の組み立てが遅れているのなら分かるのですが、一応ロールアウト(完成披露)しているのですから、外見などではないシステム上の問題があるのだろうと想像されます。

そうなると、初飛行しても航空会社に納入できるレベルになるのはいつなのか?と考えてしまいますが、今回の発表では「2009年初めに納入」ですから、ここ2~3ヶ月ぐらいの内には初飛行しないと間に合わないでしょう。

問題の解明に2~3ヶ月掛かるというのはどういう意味なのでしょうか?

一方で、エアバス社の2007年の受注は過去最高の1341機だそうです。
747の燃費が悪いとのことで、全日空・日航とも747の退役を計画的に進行中で787の納期が何年もずれるようだとかなり大きな影響があるでしょう。

1月 17, 2008 at 02:08 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱ふそう・刑事裁判についての社説

三菱ふそう経営陣への有罪判決についての社説が、朝日新聞、日経新聞、毎日新聞、東京新聞、北海道新聞、中国新聞にありました。

その中から、面白い部分を紹介します。

朝日新聞

ほかの欠陥のクレーム隠しが発覚したのは、今回の事故の2年前だ。当時の運輸省は改善が必要な欠陥をすべて報告するように求めた。ところが、同社はクラッチ系統の欠陥を隠し続けた。

当時社長だった被告は、自社製品のクラッチに欠陥があること自体は知らなかった。しかし、部下が一部の欠陥を隠して運輸省に報告することを承認し、記者会見してリコール隠し問題に区切りをつけるとまで宣言した。

判決はこうした経過を認め、「事故は予測できなかった」という無罪主張を退けた。

そもそも被告は、社長に就任した当初から長年にわたるリコール隠しを知っていたのに、発覚するまで何も手を打たなかったというのだから、なんとも理解しがたい。

日経新聞

判決の「量刑の理由」に並ぶ言葉を見れば、有罪になったのは個人であっても、裁かれたのが「企業の犯罪」であることは明らかだ。

厳密な証拠評価と「疑わしきは被告人の利益に」を原則に行う刑事裁判で、3件で三菱自の隠ぺい工作が指弾され、2件で「リコールなどの改善措置をとっていれば事故は起きず人命は奪われなかった」と断罪された事実を三菱自の経営陣、従業員は重く受け止める必要がある。

自動車の“安全偽装”は、食品表示偽装などとは比べものにならない重大な危険をはらむことを、改めて肝に銘じてもらいたい。

毎日新聞

判決によれば、三菱自動車では30年も前から、販売した車の不具合情報を運輸省(現・国土交通省)に報告するものと秘匿するものに分けて二重管理し、指示改修の名でリコールの届け出をせず、独自に点検・改修していた。本件事故につながった不具合も90年以降、多発し、人身事故も起きていたのに、指示改修で済ませていた。河添被告らは安全対策が不十分だと承知していながら、手を打たなかったというのだから悪質極まりない。

しかも、社長被告は00年にリコール隠しが発覚した後、「今後はオープンにしよう」と指示していながら、実際にはその後もリコール隠しを了承し、自ら虚偽の事実を公表して批判をかわそうとしたという。大企業トップとしてのモラルもプライドも失っていた、と言わざるを得ない。

それにつけても、企業犯罪に対して社会は寛容すぎる。家庭でまで「仕事のため」という言い訳が容認されたり、いつの間にか利益のために不正や不法行為に目をつむることを是とする風潮までがはびこっている。社会を挙げて改善すべき点は少なくない。

業務上過失致死傷罪の法定刑も、妥当と言えるだろうか。いずれは事故を起こす車を世に送り出していた企業のトップの責任が、飲酒運転で人を死傷させた罪よりも軽くてよかろうはずはない。

不祥事が起きると、トカゲのしっぽ切りよろしく末端に責任を転嫁するのが企業体質の常であることにかんがみても、トップの刑事責任を厳しく問う必要がある。偽装トラブルの一掃のためにも、法的責任追及のあり方を見直すべきだ。

東京新聞

経営トップへの欠陥報告が適切にされなかったとすれば、それは組織に欠陥があり、企業統治そのものの問題といわざるを得ない。

消費者の生命や健康、安全を預かる企業であればこそ内部統制システムの確立が欠かせない。

不祥事を起こした企業に求められるのは、隠ぺい体質を打ち破り、速やかな原因分析、情報公開を進める姿勢である。そうした危機管理こそ、企業トップの役割でなければならないことを判決は、あらためて教えている。

いずれの社説も「イライラ感」を感じさせますが、パロマのストーブ事故を引き合いに出しているのは、ちょっと違うと感じます。

パロマの例は、違法修理なども含めて元の原因の大半は経年劣化でした。
死亡事故に至った原因は、メーカのパロマが「経年劣化すれば買い換え需要がある」と考えたようで、その結果修理部品が無くなり、違法修理になり、死亡事故に至った、と判断できることで、商品の経年劣化がガス中毒事故を引き起こすガス器具であったのに対応策を意図的に用意しなかった点が問題になったのでしょう。

三菱の事故は、他社のトラックなどでは起きないところが壊れているのですから、技術的には経年劣化の問題ではないし、点検をしないところが壊れている、つまり突然壊れていて、ガス湯沸かし器の「ガスが着かなくなったから違法修理した」という使用者やサービス業者に相当するところが三菱の事故では関わっていません。

製品が破損して死亡事故になったというところは同じでも、内容が全く違うでしょう。

それを「経営者の責任だ」とだけ言うのは、正に「失敗学」が扱うべき範囲であって、原因はいまだに解明されていないと言うべきだし、原因が未解明であるのなら、「本当の責任(者)はどこにあるのか」を困窮するべきです。
その意味では、社説はいずれも表層的な論に止まっている、と見るべきです。

1月 17, 2008 at 12:45 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

三菱ふそう・刑事裁判の記事

「三菱ふそう・クラッチハウジング破断事故で経営者に刑事責任」の続報です。

東京新聞神奈川版が

と3本の記事を、読売新聞神奈川版が

と2本記事を出しています。裁判は弁護側の即日控訴で東京高裁で続くことになりました。

ここまで大量の記事が出てくるのは異例だと思いますが、読売新聞・東京新聞ともにかなり踏み込むことで間接的に強い批判をしていると感じます。

この事件を刑事裁判で社会的な責任追及をすることが正しいのか、わたし自身は疑問があります。
確かに、O-157による集団食中毒事件での業務上過失致死傷罪での有罪判決と同じ構造という指摘はその通りだと思いますが、弁護側の主張にある「部下がやったこと」というものまた事実でしょう。

もちろん、責任者として社長や上司が事件の責任を追及されるのは当然ですが、責任ではなくて原因はどこにあったのか?を考えると、欠陥部品を設計してしまう会社全体であって、社会的な観点からは「会社があることが良くない」となります。

仮に、会社が潰れてその経営責任を経営者に取らせたらその方が理解しやすかったかもしれない。

法的には「リコールするべきところ隠した」で十分なのかもしれませんが、もう一歩踏み込んで「なぜリコール隠しをすることになったのか?」を解明するべきだったのかもしれません。

技術上のトラブルで事故になった例はたくさんあって、非常に有名なのは最初のジェット旅客機コメットの構造疲労による空中分解事故が連続したのがあります。

コメットの墜落は当時は与圧キャビンの疲労試験が行われていなかったことなど、未知の領域の技術を使用したことによる事故と解釈できます。

その一方で、100年・200年前から知られている技術上の問題に引っかかって事故になることもあるわけで、そのために技術者を高等教育して育成しています。

今回の三菱ふそうのハブ破損事故・クラッチハウジング破損事故は、最終的にリコールになるのですが、公表された範囲でも国交省が「リコールの説明になってない」と突き返していた例があったと記憶しています。

以前から繰り返し書いていますが、ハブ破損事故は他社の例を考えると材質の問題ではないのです。
部品の形状そのものが強度不足を生みだしている、と考えるべきです。
しかし、ハブは周辺に多数の部品があるために、部品の形状を変えると交換する部品数が増えすぎてコストアップになる、という判断があったのだろうと想像しています。

裁判がこのレベルまで踏み込んで判断していれば、後のためにも大変に良かったのではないか、と考えますが今回の判決が法的追求の限界であろう事は分かります。

読売新聞神奈川版より「弁護側「承服できぬ」部下の証言巡り失望感

問われる企業責任

三菱自クラッチ欠陥事件の判決を受け、横浜市中区の横浜弁護士会館で開かれた社長被告らの弁護側の記者会見。
「到底承服できない」「予想外の判決」などとして、控訴して戦う姿勢を強調した。

社長被告の主任弁護人の金森仁弁護士は「結果責任を押しつける検察官の主張を追認し、企業経営者に実現不可能な義務を課す判決であり、到底承服できない。上級審で是正されることを確信している。検察は、単に結果責任を過失とした」と即日控訴した。

ほかの被告の判決の受け止め方について、それぞれの弁護人が説明した。

役員被告は「判決は不当で、承服できない。高裁判決で正当な判断を望みたい」と話しているという。会長被告は「無批判に検察官の主張に追随した判決。必ずや控訴審で是正されると信じる」と判決を批判。品質保証部長被告は「予想外の判決にがく然とし、憤りさえ覚えた。不具合はトラック・バスカンパニーの取り扱う案件であり、乗用車部門に属している私に責任はまったくなかった」と話しているという。

過失認定について、金森弁護士は「検察は2000年のリコール問題で、運輸省にとにかく全部報告していればよかったと主張していたが、判決は本当にそういうことが可能なのかすら判断しておらず、あの時、何をすべきだったのかがわからない」と語った。

企業責任を厳しく問うことになった判決内容について「厳しければ、どういうことをすべきかという規範を示すべき。今回の判決はその規範を示していない」とした。

クラッチの不具合自体を知らなかった社長被告の過失が認定されたことについて、金森弁護士は「過失と結果が結びついていればいいが、結びついていない。公判で部下が『自分は基準に従わないで適当に選び出して、上司にはウソの報告をしました』と法廷で証言しているのに全く無視している。なんのために今まで審理してきたのか」と失望感をあらわにした。

横浜地検の中井国緒次席検事は、判決について「当方の主張が認められた判決であると理解している」とコメントしている。

不具合故意に無視

前田雅英・首都大学東京教授(刑法)の話「埼玉で起きた国内初のO(オー)157による集団食中毒事件と同じ構図。汚染井戸水を幼稚園児に飲ませて死なせ、業務上過失致死罪で有罪となった元園長は、水の危険性は知っていたが、O157は知らなかった。

今回の判決は、社長被告が、汚染井戸水に相当する『安全性にかかわる重要部品の不具合』を知っていたと認定し、クラッチ部品の欠陥に対する認識を問わず、事故の予見可能性につなげた。社長被告は、重要な不具合を故意に無視しており、有罪とした判断は納得できる」

三菱自動車を巡る動き

90年6月ごろ大型車のクラッチ部品の不具合が多発
97年11月総会屋への利益供与事件を受け、会長と社長が引責辞任し、社長被告が社長に就任
00年7月リコール隠しが発覚。社長被告が9月に引責辞任を発表
01年5月リコール隠し事件で三菱自と元副社長らに罰金の略式命令
02年1月横浜市内で大型トレーラーのハブが破断。脱落したタイヤの直撃で母子3人が死傷(ハブ欠陥事件)
10月山口県内で大型トラックのクラッチ部品が破損し、壁に衝突した男性運転手が死亡(クラッチ欠陥事件)
03年1月三菱自から商用車部門が「三菱ふそうトラック・バス」として分社
3月母子死傷事故の被害者の母親が、三菱自や国に損害賠償を求めて横浜地裁に提訴
04年5月神奈川県警が虚偽報告事件で会長被告らを、ハブ欠陥事件で部長被告らを逮捕。三菱ふそうがクラッチ部品の欠陥を認めてリコール
6月神奈川、山口両県警がクラッチ欠陥事件で、社長被告らを逮捕
06年4月三菱自や国に対する損害賠償請求の民事訴訟で、横浜地裁が三菱自に550万円支払い命令。制裁的慰謝料は認めず
12月虚偽報告事件で横浜簡裁が会長被告らに無罪判決
07年12月ハブ欠陥事件で横浜地裁が部長被告らに有罪判決
08年1月クラッチ欠陥事件で横浜地裁が社長被告らに有罪判決

読売新聞神奈川版より「天井に目やる社長被告 クラッチ欠陥隠し有罪

横浜市で母子が脱落タイヤの直撃で死傷した事故に端を発した三菱自大型車欠陥3事件。16日の横浜地裁判決は、男性運転手が死亡したクラッチ欠陥事件で企業トップの刑事責任を初めて認めた。

禁固3年(執行猶予5年)の有罪判決を受けた同社元社長・社長被告(71)やほかの元役員について、鈴木秀行裁判長は部下の欠陥隠しを追認したり、不具合の漏れが出ることを承知したりしていたと指摘。長年続いてきた欠陥隠し体質が、事故につながったと結論づけた。

さらに、「不合理な弁解をろうしている」と批判した。弁護側は判決を不服として、即日控訴した。

◆入 廷

山口県で起きた運転手死亡事故から5年。横浜地裁に午後1時10分、社長被告はコート姿で背筋を伸ばし、三菱ふそうトラック・バスカンパニー元社長・役員(70)、三菱ふそうトラック・バス元会長(67)、三菱自元執行役員・品質保証部長(65)の3被告とともに、ゆっくりとした足取りで正門をくぐった。

◆判 決

午後1時30分。横浜地裁101号法廷。グレーのスーツ姿に青いネクタイの社長ら4被告が、長いすに並んで判決言い渡しに臨んだ。
「被告人社長を禁固3年に処する」
無罪を主張してきた社長被告は、大きく頭を動かし、裁判長の方に向き直って見据えた。ひざの上で手を握り締めた。

「(社長に)就任当初から、不具合情報を二重管理していたことなどを熟知していた」
社長被告は「二重管理」の言葉に大きく首を横に振ったり、天井に目をやったりした。

「事故を未然に防止する注意義務があるのに怠った」「不具合の情報が保存されていたのに、国に調査できないと虚偽の報告書を出した」

2時間に及ぶ判決理由読みあげが進むと、社長被告は険しい表情になり、手をさすったり落ち着かない様子をみせた。

◆企業責任

「リコールを多く出せば会社のイメージを損なう」「費用もかさむ」――。判決は、不具合を隠す三菱自の企業体質についても厳しく指弾した。

さらに、「不具合の情報を国に報告するものと、秘匿するものに区別して二重管理していたことが慣行化していた」とした。

三菱自は大口のユーザーを個別に呼んで改修する「指示改修」を販売会社に指示していたが、「指示改修は安全対策として不十分」と結論付けた。

こうした一連の措置について、「安全上極めて不十分な闇改修」とし、社長被告について「代表者として自覚に欠け、無責任」と批判した。

ほかの元役員らについても「長年にわたる隠ぺい体質を打破しようとの積極的な気持ちをもたなかった」と無責任体質を糾弾した。

役員被告は顔をこわばらせて床を見つめ、会長被告はマユをひそめ目を閉じ、うつむいて聞き入っていた。

■三菱自社員ショック隠せず■

16日夜、東京都港区芝にある三菱自動車本社ビル。元社長ら幹部陣の有罪判決に、中年の男性社員は「えっ、本当に? 全然聞いていなかったので、コメントできない」とショックを隠しきれない様子をみせた。

また、川崎市中原区の「三菱ふそうトラック・バス」川崎製作所では、男性社員が「有罪判決が出たことを重く受け止めている。一連の不祥事の後、現場の社員の安全意識は高まり、幹部らとのコミュニケーションも増えた。三菱の社員として、お客様を第一に考え、仕事に励んでいきたい」と話した。

東京新聞神奈川版より『ブランドイメージ守るため』 三菱自元社長ら有罪 遺族 『少し救われた』

欠陥放置は企業トップの責任-。三菱自動車製大型車の欠陥クラッチ事故をめぐる判決公判で、横浜地裁は十六日、三菱自元社長の社長(71)ら四被告に有罪判決を下し、「会社代表者として無責任な態度だった」と企業トップの過失責任を厳しい口調で断罪した。四被告は即日控訴したが、三菱自製の欠陥車で愛する家族を奪われた遺族らは「少し救われた」と安堵(あんど)の表情も見せた。 (三菱自裁判取材班)

午後一時十分、横浜市中区の横浜地裁前に姿を見せた社長元社長ら四被告はいずれもワイシャツにスーツ姿。やや緊張した面持ちながらもゆっくりとした足取りで、弁護人とともに一〇一号法廷に入廷した。

鈴木秀行裁判長に促され、座ったままで有罪の主文を言い渡されると、社長被告は大きく首をかしげ、残る三被告は硬直したように顔をこわばらせた。ひと息置いた後、鈴木裁判長は淡々とした口調で、判決理由の朗読に入った。その中で裁判長は「ブランドイメージを守る目的で、ヤミ改修を行っていた」と指摘した。

一昨年十二月、虚偽報告事件の横浜簡裁判決で無罪を言い渡された際、「警察と検察は猛省を」とコメントした三菱ふそうトラック・バス元会長の会長被告(67)。今回の公判でも、「検察官は無理やり、過失構成した」と強い口調で捜査当局を批判したが、この日の判決では、その面影はなく、みけんにしわを寄せ、目をつぶったまま動かなかった。

大型車部門の最高責任者だった元役員の役員被告(70)は顔をしかめてうつむいていたが、厳しい判決の朗読が続くと、込み上げるおえつを抑えるようにせき払いをした。品質・技術本部副本部長だった品質保証部長被告(65)は両手をひざの上に置き、目を閉じて、うつむいたままだった。

満員の傍聴席には、欠陥クラッチ事故で亡くなった男性運転手=当時(39)=の遺族もいた。公判で証言台に立ち、「(リコールしないことに)一人でも強く反対していれば、主人は死ぬことはなかった…」と悔しさをにじませた男性の妻に代わり、この日は息子が傍聴。じっと判決に聞き入っていたが、閉廷後はほっとした様子を見せた。

傍聴席抽選 3倍の132人

横浜地裁前には昼すぎから、用意された一般傍聴席四十二席に対して約三倍の百三十二人が抽選に並んだ。二〇〇四年十月六日の初公判から約三年三カ月が経過したが、一流企業の頂点に立った元社長らの刑事責任を追及する裁判への関心の高さをあらためて示した。

抽選に並んでいた横浜市泉区の無職男性(64)は「一流企業の元社長が死亡事故の刑事責任を問われるというのは珍しいと思う。どんな判決が出るか、ちゃんと聞いておきたいと思って来たが、こんなに並んでいるとは」と驚いた様子。同市青葉区の大学院生の男性(25)は「元社長は不具合があることを知っていたのだろうか。知っていて放置していたとすれば、経営者としての元社長から学ぶべきことは何ひとつないと思う」と話した。

判決冷ややかに

三菱自動車から分社化した三菱ふそうトラック・バスの社員らは、元幹部らの有罪判決を冷ややかに受け止めていた。

同社川崎製作所に勤める男性社員(27)は「当たり前」ときっぱり。真剣な表情で「事件については現場に情報が流れず、報道で知ることばかり。生産現場は不良品を売りたくないが、営業は販売台数を優先して考える。互いに交流はなく、現場同士の横のつながりを深めるべきだと思う」と話した。

別の男性社員は「以前、抜き打ち検査というのは社内に存在しなかった。『この日にチェックに入る』ということが分かっているから、担当者は全員で数字やミスのつじつま合わせをして報告していた。どの現場もそういうものだという認識で、グループ全体がそうだった」と隠ぺいが起きた背景に言及。「有罪になった元幹部は全員、こうした土壌の中で育っているので、欠陥隠しは起こるべくして起こったと思う」と、当時の社内体質の問題を指摘した。

東京新聞神奈川版より『欠陥ハブ事件』遺族の増田さん 幾分の心の整理も

「少し、救われた気持ちがします」
横浜母子三人死傷事故で死亡した大和市の主婦岡本紫穂さん=当時(29)=の母増田陽子さん(58)は、三菱自元社長らの有罪判決に、ほっとひと息をついた。

母子三人死傷事故をめぐる「欠陥ハブ事件」の裁判はほとんどすべてを傍聴したが、直接の当事者ではない今回の「欠陥クラッチ事件」は傍聴してこなかった。それでも判決が気になり、仕事中に携帯電話のインターネットで速報を読んだ。

「社長は責任者。一番罪が重いと思っていた」。執行猶予が付いたことには納得がいかないが、欠陥ハブ事件に続く有罪判決となったことで、幾分、心の整理もついた。「私なりに進む方向を変えていきたい」。今後は紫穂さんへの思いをつづった文章をまとめることも考えているという。

鹿児島・息子奪われた母『心癒やされず涙』

「息子の話をすると、今も涙が出てね…」。鹿児島県の男性運転手=当時(39)=が死亡した三菱自動車製大型車のクラッチ事故で、横浜地裁は十六日、被告全員を有罪とした。事故から五年余り。同県霧島市の母親(72)は、自慢の息子を奪われた心の傷が癒やされることはなかった。

「子供を大きくするのは大変だった」。母親は苦労しながら女手一つで子供たちを育て上げた。男性は長男で、サラリーマンなどを経てトラック運転手に。

「『長距離の運転手は危ないからやめて』と頼んだこともあった。巡り合わせで(事故を起こした)トラックに乗ることになって…」と母親は涙を浮かべた。

がむしゃらに働き、幸せな家庭と念願のマイホームも手に入れた男性の命を突然奪ったのは三菱自が隠し続けた「欠陥」だった。高速道で制御不能になったトラックは暴走。懸命のハンドル操作で一般道に出た後、地下道入り口に激突した。

「(激突した場所の)横に上り坂があって、そっちに行けば大丈夫だったかも。でも暗くて、ブレーキも利かなかったのだろう」。おととし初めて事故現場を訪れたという母親はあきらめきれないようにつぶやいた。

三菱自が事故原因のクラッチ系統の欠陥を認識し、社内会議で組織的隠ぺいを決めたのは、男性の事故の約六年半前。二〇〇〇年の「クレーム隠し」発覚後も欠陥を隠し、リコールしたのは事故の一年半後だった。

霧島市の勤務先で有罪判決を聞いた母親は「被告は判決を受け止め、ちゃんと罪を償ってほしい」と、静かに語った。

東京新聞神奈川版より「傍聴を終えて 三菱事故、忘れまい

最初はまさに「ちんぷんかんぷん」だった。

三菱自をめぐる三つの刑事裁判は二〇〇四年九月から、横浜簡裁・地裁で相次いで始まった。異動してきてまもなくのころで、細かい点は頭に入っていなかった。「疲労限」「応力」「トルク」…。法廷で飛び交う専門用語をノートに次々と書き留め、後から意味を確かめた。

「欠陥ハブ事件」の公判では、横浜母子三人死傷事故で亡くなった岡本紫穂さん=当時(29)=の母増田陽子さん(58)が、ほとんど欠かさず傍聴を続けていた。その増田さんが公判途中で突然席を立ち、法廷を後にしたことがあった。

後から聞くと、責任逃れをするような被告の言動に、たまらない気持ちになったという。遺族の深い悲しみを知るとともに、裁判が有罪か無罪かを争う「法廷ゲーム」のようにも思えてきて、やるせない気持ちになった。法廷で証言した三菱自関係者が、問題に関与していたにもかかわらず、同社関連会社にとどまっていることを知った時には、あまりの厚顔無恥ぶりに心底あきれた。

実感を得たくて、事故現場にも足を運んだ。夕暮れの緩やかな坂道。紫穂さんと、手を引いていた長男=同(4つ)=とベビーカーの二男=同(1つ)=はどんな会話を交わしていたのだろう。タイヤが少しでもそれていたら、通る時間が少しでもずれていたら、ガードレールがあったなら…。運命の残酷さを思う。

三つの裁判は合計で百二十回にも上り、「詳報」として県版で掲載した回数は合わせて二十八回を数えた。だが、どれだけ「真相」に迫れたのかは分からない。裁判の舞台は東京高裁へと移されるが、取材した記者として、事故を忘れずにいたい。(佐藤大)

1月 17, 2008 at 10:48 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.16

三菱ふそう・クラッチハウジング破断事故で経営者に刑事責任

サンケイ新聞より「元三菱自社長ら4人全員に有罪判決 横浜地裁、クラッチ欠陥で死亡事故

山口県で平成14年、三菱自動車製大型トラックがクラッチ系統部品の欠陥で暴走し、鹿児島県の運転手=当時(39)=が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた三菱自元社長、社長被告(71)ら元役員4人の判決公判が16日、横浜地裁で開かれた。鈴木秀行裁判長は、社長被告に禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)など4人全員に有罪を言い渡した。

一連の欠陥隠しに絡む3件の刑事裁判で、最後の1審判決。欠陥車による死亡事故でメーカートップの刑事責任が問われたのは初めてで、公判では4人が欠陥を認識し、事故を予見できたかなどが争われた。

ほかに判決を受けたのは、三菱自元役員で大型車部門の最高責任者だった役員被告(70)=禁固3年、執行猶予5年(求刑禁固3年)▽三菱ふそうトラック・バス(商用車部門が三菱自から分社)元会長、会長被告(67)=禁固2年、執行猶予3年(求刑禁固2年6月)▽三菱自元品質・技術本部副本部長被告(65)=禁固2年6月、執行猶予4年(同)。4人はいずれも起訴事実を否認、無罪を主張していた。

検察側によると、三菱自は平成8年5月ごろまでに、

クラッチ系統部品の強度不足

があることを把握。費用が約90億円に上ることなどから、リコール(回収・無償修理)せず、ひそかに修理する「ヤミ改修」(指示改修)で対応。12年のクレーム隠し事件発覚後も、旧運輸省に不具合情報を隠す虚偽報告をし、欠陥を放置した結果、死亡事故を招いた。

検察側は、社長被告はヤミ改修の実態を知っており、4人はクレーム隠しの発覚後もリコール回避の姿勢を貫いたとした。弁護側は「社長被告はクラッチ系統部品の不具合自体を知らず、ほかの3被告も事故の予測は不可能だった」などと反論していた。

一連の裁判では、横浜市の母子3人死傷事故で業務上過失致死傷罪に問われた元同社部長ら2人が昨年12月、横浜地裁で禁固1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け控訴。会長被告ら3人が国に虚偽報告をしたとして起訴された道路運送車両法違反では、横浜簡裁が18年12月に無罪とし、検察側が控訴した。

他の新聞記事では「クラッチ系統部品の欠陥」としているのが多いのですが、サンケイ新聞は「強度不足」であり毎日新が「部品破断」と書いています。
この事件の詳細は「三菱ふそう・クラッチハウジングで記者会見」であってクラッチハウジングの破断です。

大きいけれど基本的にはベアリングを支えているだけの部品ですから、掛かる力もタカがしれているものです。

だから、車の寿命まで交換しないことを前提にしているのに、それが走行中に破断した。

別の部品に置き換えると、車体が折れたというほどのことです。
それくらいあり得ない、壊れてはいけない部品でした。

その部品が現実に割れて、ブレーキが利かなくなりドライバーが死亡しています。
しかもひどいことには、この事件では当初は「ドライパーの責任」とされていました。

どう考えてもクラッチハウジングの破断の全員がドライバーにあるとは思えないわけですが、リコール隠し騒動になってから部品の問題であるとなって、亡くなったドライバーの責任は無いと法的には修正されました。

そういういきさつを経ての裁判だったのですが「部下が隠した」とか主張したとのことですが、先に挙げた「車体が折れた」という事件があっても「部下が隠した」と言うのでしょうか?
どう考えても、メーカの人間の言うセリフではないでしょう。
元々メーカの経営者の器ではなかったということでしょう。

1月 16, 2008 at 05:20 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.09

ボンバルディア機・またもトラブル

読売新聞より「日本エアコミューターのボンバル機、上空で格納部ドア開く

9日午後3時10分ごろ、大阪(伊丹)空港を離陸した松山空港行き日本エアコミューター2313便(ボンバルディアDHC―8Q400型機、乗客乗員13人)で、右主脚を格納後も、格納部のドアが開いていることを示すライトが点滅した。

客室乗務員が確認したところ、ドアが開閉を繰り返していたため、同空港に引き返し、同38分に着陸した。けが人はなかった。

機体点検のため、同路線や、大阪―大分間の計4便が点検のため欠航した。同社でトラブルの原因を調べている。

「これはなんだ?」というのが第一印象です。

第二次大戦中までは、飛行機の引っ込み脚のドアは、脚が下りているときには開いていて、脚が引っ込むと閉じる、分かりやすいものでした。

飛行機の引っ込み脚のドアは分割されている事が多く、脚が出ているときにも一部のドアを閉じておくことが可能ではあったのですが、第二次大戦中の戦闘などでは機構を極力簡単するために、脚が下りている時には全てのドアが開いているのが普通だったのです。

戦後ジェット機が出現すると、地上でも閉めることが出来るドアは閉めてしまう型式が増えました。
基本的には、離陸滑走のために空気抵抗を減らすことが目的であったのでしょう。

脚のドアパネル一枚ずつに油圧シリンダーを付けて作動させる方式でしたから、F86戦闘機では実際にかなり複雑な動きをしました。

  1. 地上で油圧が抜けている状態では、全てのドアが開いてしまう。
  2. エンジンを始動して、油圧が上がると地上で閉じても良いドアが閉まる
  3. 離陸後、脚上げ操作をすると一連のシーケンスに入る。
  4. 全てのドアが開く
  5. 脚を収容する
  6. 全てのドアが閉じて、脚上げ完了

このように、そこそこ複雑なシーケンスではありますが、すでに確立した技術です。

問題の Bombardier Q400 は地上ではこの写真のようにドアがごく一部開いて脚柱が出ています。

Up

脚上げ時には後方のドアが開いて後ろ側に引き上げる事になります。

そこで、最初に説明した「ドア開閉のシーケンス」が働くわけですが、それが誤作動した事になります。

何が起きればこの種のシーケンスが作動不良になるのか考え込んでしまうところですが、ボンバルディア機に起きている一連のトラブルの非常に多くがこの種のシーケンスの動作不良であって、なんか設計思想の根本にトラブルを内包しているのではないか?と強く疑います。

1月 9, 2008 at 10:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.04

コースターでナットが脱落・追突事故

NHKニュースより「走行中脱落か ナット見つかる

先月31日、北九州市八幡東区の遊園地「スペースワールド」で、6両編成のジェットコースターの連結器が外れ、4両目以降が前の車両に追突して13人が手当てを受けました。

この事故では、連結器をつなぐ金属製の棒を固定するための直径およそ4センチの「ナット」とナットが緩まないように固定していた「ピン」が、一つずつなくなっていました。
このため警察が3日、付近を探したところ、なくなった連結器の部品のものと同じ形で大きさもほぼ同じナットが、追突現場の数十メートル手前のレールの下に落ちていました。

ナットには整備で使う油のようなものも付いていて、比較的新しいことから、警察は、このナットが走行中に外れて落ち、事故が起きた可能性があるとみて詳しく調べています。

クラウンナットの割ピンが無くなって、ナットが回ってしまった。ということですね。

コースターの連結器ですから、すごく振動しているはずで割ピンが無くなればすぐにナットは緩んでしまうように思います。
割ピンだけでゆるみ止めにしたことになりますね。
場所というか用途としてはクラウンナットと割ピンで良かったのかな?

点検整備の問題か、設計の問題かどっちでしょうかね?

1月 4, 2008 at 09:33 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.29

バスの火事で考えた

読売新聞より「成田空港行き路線バスでボヤ、けが人なし…東関東自動車道

29日午前10時15分ごろ、千葉県四街道市物井の東関東自動車道下り線で、成田空港行き路線バスの後部から出火、エンジン付近と座席の一部を焼いた。

乗客38人は避難し、同社が用意した代替バスに乗り換えて、予定より45分遅れの午前11時45分に同空港に到着した。けが人はなかった。

バスは群馬県渋川市の関越交通が運行。渋川市を出発して、乗客の大半は成田空港を利用する予定だったとみられる。荷物の焼失はなく、今のところ飛行機に乗り遅れたなどの苦情もないという。

千葉県警高速隊が、男性運転手(45)に事情を聞くなどして出火原因を調べている。

たまにバスの出火というのがありますが、今回も「座席の一部を焼いた」とのことですから、車内に相応に熱が伝わるレベルの出火だったのでしょう。

まぁ利用者に実害は無かったようですが、さらに考えると「もっと早く消火できるのではないのか?」とも思うのです。

簡単に言ってしまえば、火災報知器と消火装置ですね。
飛行機だと常識的に付いてますが、バスはどうなんだ?
消火器を積んでいることは確かですが、火災報知器はあるのかな?火災報知器を付ければ、すぐに消火装置の設置に話は進みますよね。

自動車でタイヤの空気圧を検知できる乗用車はごく少数ですが、飛行機では大昔からある機能です。
自動消火装置なんて太平洋戦争中の日本軍戦闘機ですら実用されてました。

いまだに自動車の安全運行をドライバーの点検を基準にしているのは問題じゃないのか?
普通の乗用車でも、冷却水、エンジンオイルについてはセンサーは整っているわけだから、タイヤの空気圧感知は標準的に欲しいし、業務用であるバス・トラックではブレーキ・ベアリングなどの温度感知、エンジン部の火災感知、消火装置の設置、ぐらいは進めるべきじゃないのか?

ITS(高度道路交通システム)を叫ぶのなら、情報だけでなくハードウェアとして自動車そのものもより高度化するべきだろう。
自動運転がある程度とはいえ実用化されているのにいまだにほとんと一世紀前の車のあり方と同じというのはいくら何でもすでに賞味期限切れだと思う。

12月 29, 2007 at 04:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.20

ジェットコースター脱線死亡事故で送検

産経関西より「エキスポ事故 元取締役ら書類送検 危険認識、利益を優先

大阪府吹田市のエキスポランドで今年5月、立ち乗りコースター「風神雷神Ⅱ」が脱線して乗客1人が死亡、19人が重軽傷を負った事故で、吹田署捜査本部は19日、事故の危険性を認識しながら保守点検を怠ったとして、業務上過失致死傷容疑で、エキスポランド社の伊藤正則・元取締役総括部長(59)と建部淳・元施設営業部長(65)を大阪地検に書類送検した。
また、車軸などの法定検査をせずに吹田市に虚偽報告したとして、建築基準法違反容疑で2人に加えて松田博・元技術課長(58)と法人としてのエキスポ社も書類送検した。

捜査本部は、脱線の原因となった車軸の破断は金属疲労が原因と断定。

昨年11月末には肉眼で見える大きな亀裂があったにもかかわらず同社は車体から車軸を抜き取って目視する作業を怠っていた。
また、車軸検査は建築基準法に定められているが、同社は検査項目を実施せずに吹田市に異常なしと報告していた。

伊藤元取締役らは「このままの検査ではいずれ大事故が起こることは分かっていたが、ゴールデンウイークにコースターを稼働させる利益を優先させ、検査を先送りした」と供述しているという。

調べでは、伊藤元取締役と建部元部長は安全管理を徹底しなければ重大事故が起きることを認識しながらも保守点検を怠り、漫然と「風神雷神Ⅱ」を運行。5月5日午後、車両が乗客20人を乗せたまま脱線し、20人を死傷させた疑い。
また、2人は松田元課長と共謀して3月16日、法定検査を実施しないまま異常なしとする虚偽の報告書を提出した疑い。

捜査本部は鑑定で車軸の破断面を分析。
事故から約半年前の昨年11月末の時点で、直径の約6割、外周の約6割に及ぶ大きな亀裂があったことが分かった。

亀裂は、車体から車軸を取り外して点検すれば肉眼でも確認できたという。

供述によると、昨年12月に伊藤元取締役が新アトラクションの導入を提案。建部元部長が検査用の点検庫に収納することを決め、「風神雷神Ⅱ」の車体検査はGW後に延期した。

そもそも運行開始以来、車軸を車体から取り外した検査は一度もしていなかったという。

吹田市に対しては2人の意向を受けて松田元課長が虚偽の報告書を作成したという。当時社長の山田三郎会長(77)については、伊藤元取締役らから検査を実施したと虚偽の報告を受けていたとして立件を見送った。

2007/06/05に書いた「ジェットコースター脱線死亡事故その8」のその後の話で取締役が責任者として書類送検されました。

どうもこの報道によると「全く点検していなかった」としか読めないので、破断事故が起きるのは必然であった、と言えるのでしょう。

いくら利益優先とは言っても「点検しないでも良い」という考え方はどこから出てきたの知りたいところです。
そもそも、日常点検していたようですから、年に一度といった分解検査だけをしないというのはどういうことなのか?

「検査なんて形だけでよいのだ」ということで押し通していたのでしょうか?
こうなると、検査をしたかどうかといった事実よりも「どういう考えだったのか?」も同一レベルで明らかにするべきでしょうね。
「失敗学」は重要だ、と改めて思うところです。

12月 20, 2007 at 09:09 午前 もの作り, 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.14

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その3

昨日(2007/12/13)の三菱自動車トラックハブ破断・死亡事故の刑事裁判判決についての記事を集めました。

東京新聞の本紙と神奈川版、読売新聞の神奈川版です。

東京新聞本紙は、被害者家族、事故を起こした運転手、販売店といった関わった人々についての記事を中心に構成しています。後半で、新聞社としての意見を述べています。

読売新聞神奈川版は、三菱ふそうトラック・バス会社のコメントを載せています。

東京新聞神奈川版は、直ちに控訴した弁護側の激しい判決批判を載せています。

弁護側の意見に

ハブの強度不足が推認できる、とした点にも「今もハブのリコールが繰り返され、原因が解明されていないのに予見ができるわけがない」とし、控訴審で争う姿勢を見せた。
というのがあるようですが、だとすると結果責任を全社に求めるぐらいしかないわけで、ものを作り社会に供給することをビジネスとしている限り、原因が究明されない欠陥品を出していること自体に責任があるとされて当然でしょう。
一体、何を争うというのか?良く分からない論理です。

東京新聞より「三菱自元部長ら判決   遺影抱き『刑軽すぎる』 娘失った母涙と怒り

「三菱自は絶対に許せない」。判決の瞬間、最愛の娘を失った母親はうつむいたまま遺影を握りしめた。十三日に横浜地裁で開かれた三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)の欠陥車による横浜母子三人死傷事故の判決公判。木口信之裁判長は「欠陥車を社会に放置したため悲惨な事故が起きた」として被告らを指弾した。

「結果はこうだよ。悔しい」。事故で娘の岡本紫穂さん=当時(29)=を亡くした増田陽子さん(58)は判決の主文を聞き、腕の中の遺影につぶやいた。

約三時間に及んだ判決文の朗読。「被告の姿を見たくなかった」という増田さんは、ずっとうつむいたまま聞き入り、涙を何度もぬぐった。何の落ち度もなく突然、命を奪われた紫穂さんの無念さを思い、感情がこみ上げた。

ちょうど一年前、同社の虚偽報告事件で無罪判決が出された法廷を傍聴し、「怒り心頭で言葉が出ません」と語った増田さん。閉廷後、「無罪でなくてよかった」と話したが、「(刑が)軽すぎる。会社が何も問われないのは納得できない。紫穂はもっと納得していないはず」と怒りを見せた。

今も仕事帰りは横浜市瀬谷区の事故現場を通り、心の中で手を合わせる。閉廷後、紫穂さんの墓前に報告した。「少し甘い判決だったけど、一つ終わったよ」

■少しは妻の供養に

事故で亡くなった岡本紫穂さんの夫の明雄さん(41)の話五年余の歳月が流れましたが、事件のことは片時も忘れたことはありません。妻が戻ってくるわけではないが、供養には少しでもなったのではないかと思います。私も亡き妻も願いはただ一つです。もう二度と悲惨な事故を起こさないでください。悲しみ、悔しさ、無念さを味わうのは私たちだけでたくさんです。

■事故車の運転手ら苦難続きの人生

「生きている限り、事故を忘れることはできない」。横浜の母子三人死傷事故を引き起こした三菱自動車製トレーラーのハンドルを握っていた男性(61)の妻は、神奈川県綾瀬市の自宅の庭先で、言葉を選びながら、事故とその後に夫が見舞われた苦難を振り返った。

「人殺し」。事故直後は、ひどい中傷を記したビラが家の壁に張られたこともあった。無言電話もあり、家族をおびえさせた。ほそぼそと営んでいた運送業は廃業に追い込まれた。さらに不運は重なった。男性は転職先の溶接会社で左足を低温やけどし、指三本を切断するけがを負ってしまった。

三菱自が車のハブの欠陥を認めたことで汚名はそそがれたが、その後も男性は、法廷で証言台に立った以外は、事故について沈黙を貫いている。そんな男性の気持ちを妻が代弁する。「理由はどうあれ、事故を起こした責任を感じているのだと思う」

男性は最近、配送の仕事を始めた。家ではあの事故の話はしないが、裁判のニュースがテレビから流れると、じっと画面を見つめているという。

「なんで三菱の車なんか買うのよ」。新車購入を決めた顧客の妻が、翻意を迫った。関東地方で三十年以上も三菱車専門の販売会社を営んだ元経営者の男性は、店頭でのそんな屈辱的なやりとりによく出くわした。

「“天下”の三菱の名前をもらって会社を始めて、お客さんにも応援してもらってきた。でも一連の事件でお客さんを失望させた」

男性は三菱自の度重なるリコール(無料の回収・修理)を振り返り、歯ぎしりした。「修理工場は自分たちが一度売った車でいっぱいになった。この悔しさが分かりますか」

怒りの矛先は三菱自に向けられる。「私たちがユーザーに頭を下げている間に、これでもかと不祥事が出てきた。メーカーがお客さんを裏切り続けるようでは、販売はもたない」

一度離れた顧客が戻ることはなく、男性の会社はこの夏、倒産した。

三菱自の欠陥車をめぐる一連の事件の陰で人生を狂わされた人たちも、複雑な思いでこの日の判決を迎えた。

■安全への意識欠如

製品の安全問題に詳しい明治大理工学部長の向殿政男教授の話三菱自動車にはハブの欠陥を疑わせる事故のデータが多く集まっていたのだから人命を預かる自動車メーカーとして設計の問題を疑わなければいけなかった。だがデータを隠しユーザーの責任にするなど、組織として危険を管理する安全への意識が欠けていたと言わざるを得ない。ユーザーからの事故情報を軽視していた会社全体の問題が、あらためて浮き彫りになった。

■トップ責任も問え

製造物責任(PL)法に詳しい中村雅人弁護士の話三菱自動車がうそをついていくプロセスを詳細に認定した判決。被告らは隠ぺいにかかわった張本人で、有罪は当然だ。トップの責任も問われなければならない。今回の件に限らず、製品事故はたくさんあるのに、これまでは「消費者の使い方が悪かった」と企業側に言われると、消費者は反論できなかった。その意味で、捜査が入り、有罪が認定されたことは大きい。

<解説>ものづくり現場に警鐘

三菱自動車の欠陥車をめぐる横浜地裁の判決は、名門企業のずさんな安全管理態勢を厳しく指弾した。機械製品の欠陥をめぐり、メーカー側の刑事責任が認定されるのは異例で、ものづくりの現場全体に警鐘を鳴らしたと言える。

判決を受けたのは品質保証担当者だったが、裁かれたのは同社の根深い「隠ぺい体質」だ。判決は、同社を「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった」と批判。事故について「同社の業務態勢の中から発生した面がある」と指摘した。何ら落ち度のない歩行者が突然命を奪われた無念を、関係者はかみしめなければならない。

同社の体質が事故を招いたとはいえ、同社だけの問題とは言えない。自動車に限らず、近年、あらゆる製品で事故や不具合が見つかっている。背景には、開発期間の短縮や製品の高度化など、複雑な問題が絡んでいる。

まずはメーカーが、欠陥製品を世に出さない態勢を早急に整える必要があるし、不幸にも欠陥製品が市場に出回ってしまった場合、事故情報を適正に扱い、再発防止に全力を尽くさなければならない。ものづくり企業は、安全な製品を提供するという原点にいま一度、立ち返るべきだ。(横浜支局・佐藤大)(東京新聞)

読売新聞神奈川版より「予見可能性明確に認定 三菱自タイヤ脱落有罪判決

目閉じうつむく被告

リコールなどの改善措置を一切とらずに放置した――。三菱自動車製の大型車のハブ欠陥隠しによる母子3人死傷事故から約6年。横浜地裁は13日、業務上過失致死傷罪に問われた元品質保証責任者2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。「ハブが破断してタイヤが脱落すれば、人に危害が生じることは当然、予測できた」と予見可能性を明確に認定。リコールを避けようとし続けた企業姿勢にも言及した。だが、遺影を手にした遺族は「納得できない」と涙を浮かべた。

「被告人両名を禁固1年6月に処する」

午後1時半過ぎ、木口信之裁判長が主文を読み上げると、三菱自動車元市場品質部長(61)は厳しい表情に変わり、同部元グループ長(59)はぼう然とうつむいた。

3時間に及ぶ判決理由の朗読の間、元部長は神経質な面持ちで裁判官席を見つめ、元グループ長は終始、目を閉じ、うつむいたまま。被害者の岡本紫穂さん(当時29歳)にタイヤが直撃した場面の朗読で、元部長は一度、裁判長に目を向け、まばたきを繰り返した。

被告側の弁護人は判決後に県庁内で記者会見。金森仁弁護士が「不当な判決。到底承服できない」と控訴したことを発表した。さらに、「無罪判決が出ることを信じていただけに、大きな衝撃を受けた。真実が明らかになるまで闘う」とする元部長と、「到底納得できない。目の前が真っ暗です」とする元グループ長のコメントを読み上げた。

法廷の最前列の右側には、紫穂さんの遺影を手にした母親、増田陽子さん(58)の姿があった。

増田さんが裁判の傍聴を始めたのは、第4回公判から。最愛の娘を奪われたショックから、「当初は全く傍聴する気になれなかった」と明かす。だが、「しいちゃん(紫穂さん)のためにも見届けてあげて」という友人の言葉に背中を押され、地裁へと足を運ぶようになった。今年3月には証人として出廷。被告2人に対し、「事故を防ぐために出来たことがあったはず。もっと後悔してほしい」と直接、怒りをぶつけた。

執行猶予の付いたこの日の判決に「自分も納得できないが、娘はもっと納得しない」「企業のトップの責任はどうなるのか」と悔しい気持ちを吐露した。

一方、夫の明雄さん(41)は、報道各社にコメントを寄せた。

「事件のことは片時も忘れたことはありません。妻が戻ってくるわけではありませんが、供養には少しでもなったのではないか。私も亡き妻も願いは一つ。もう二度とこのような悲惨な事故を起こさないで下さい。悲しみ悔しさ無念さを味わうのは私たちだけでたくさんです」

三菱自動車と、バス・トラック部門を分社化した三菱ふそうトラック・バスは、「判決内容に対するコメントは差し控える」とするコメントをそれぞれ発表。その上で、三菱自は「お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に心よりおわびします」と謝罪、三菱ふそうは「『品質』を最優先事項に、順法精神にのっとり、社会的責任を果たしてまいります」とした。

東京新聞神奈川版より『責任認めてくれた』三菱自元部長ら有罪判決 『謝罪し信頼取り戻して』

横浜地裁で十三日に開かれた横浜母子三人死傷事故の判決公判。木口信之裁判長は検察側の主張をほぼ全面的に受け入れ、業務上過失致死傷罪に問われた三菱自動車元市場品質部長(61)と元同部グループ長(59)の両被告に有罪判決を言い渡した。弁護側は「不当判決」として即日控訴したが、遺族は「娘は何も分からないまま亡くなった。悔しい」と、あらためてその無念さを口にした。(三菱自裁判取材班)

「被告両名をそれぞれ禁固一年六月に処する」-。午後一時半、横浜地裁で最も大きい一〇一号法廷。主文の朗読が始まっても、元部長と元グループ長の両被告は表情一つ変えなかった。主文言い渡し後、二人は裁判長に一礼したが、事故で亡くなった岡本紫穂さん=当時(29)=の遺族らのいる傍聴席には目もくれず被告人席に座った。

二被告はいずれも白いシャツにスーツ姿。判決理由の朗読に入ると、裁判長をじっと見つめる元部長に対し、元グループ長は目を閉じてうつむきながら耳を傾けた。無罪を主張してきた弁護団は終始、釈然としない表情を浮かべた。

閉廷後、大きくため息をついた元部長被告と元グループ長被告はその場で、弁護団に控訴の意思を伝え、手続きを行った。

傍聴席には、紫穂さんの夫明雄さん(41)と、母親の増田陽子さん(58)、友人の秋山由美さん(33)の姿があった。明雄さんは、こみ上げる感情をこらえるように口をぐっと閉じ、二被告を断罪する裁判長の朗読に聞き入っていた。

明雄さんは「命を大切にするという人として最低限の気持ちがあったなら、あの事件は起きなかった」とコメント。紫穂さんと家族ぐるみで付き合っていた秋山さんは「(刑は)軽いと思うが、裁判長がはっきり二人の責任を話してくれて良かった」と話した。

『なぜ予見可能なのか』会見で弁護士、争う姿勢

「有罪ありきの判決。これが通るなら、日本の刑事裁判はやっても意味がない」。判決後に即刻控訴した元市場品質部長(61)と元同部グループ長(59)両被告の弁護団は横浜市中区で記者会見し、怒りをあらわにした。

弁護団の金森仁弁護士は「不当な判決で到底承服できない。科学的裏付けを放棄し、蓄積された過失の理論構成を無視して、単に結果責任を押しつけただけだ」とするコメントを読み上げた。

判決で、事故の予見可能性と結果回避可能性を認めた点について、同弁護士は「二人がなぜ予見可能だったのか具体的な事実を何一つ指摘できていない」と批判。

ハブの強度不足が推認できる、とした点にも「今もハブのリコールが繰り返され、原因が解明されていないのに予見ができるわけがない」とし、控訴審で争う姿勢を見せた。

12月 14, 2007 at 10:47 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決その2

「三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決」の詳細です。
朝日新聞より「三菱自元部長ら有罪 母子死傷事故で横浜地裁判決

横浜市で02年、走行中の三菱自動車製大型車の左前輪が外れて歩道の母子を直撃し、3人が死傷した事故を巡り、業務上過失致死傷罪に問われた同社の品質管理部門の元部長ら2人に対し、横浜地裁は13日、禁固1年6カ月執行猶予3年の判決を言い渡した。木口信之裁判長は検察側の主張にほぼ沿って事実認定したうえで、「2人の任務違背は重大で誠に悪質だが、リコールを回避しようとする会社の姿勢の中から発生した犯行」と指摘した。無罪を主張した両被告は同日、控訴した。

欠陥製品による人身事故が相次ぐなか、メーカーの担当幹部の怠慢に対する刑事責任が明確に認定されたことで、メーカー側には、これまで以上にトラブル発生時の誠実で迅速な対応が求められることになりそうだ。

起訴されていたのは、市場品質部の元部長(61)=求刑禁固2年=と、部下だった元グループ長(59)=同1年6カ月。

判決はまず、今回の死傷事故で破断していた車輪と車軸をつなぐ金属部品「ハブ」に欠陥があったかどうかを検討した。

三菱自動車では死傷事故までに39件の破損事故があったことなどから、「強度不足の欠陥があったと十分認定することができる」とし、欠陥が事故につながったと指摘。運転手側の整備不良や過酷な使用が原因だとする弁護側の主張は「運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない」として退けた。

そのうえで、2人が今回の事故を予測できたかどうかについて検討。まず、元グループ長が、同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、広島県で同社製バスのハブ破損事故が起きた99年には知っていたと認定。遅くともこの時点で「ハブの強度不足を疑えた」とした。2人がバス事故の報告を受けていたことと合わせて、いずれも「(ハブ破損で)人身事故が起きることを予測できた」と指摘した。

さらに、2人が今回の事故を回避する措置をとれたかについては、それぞれの職務を分析。旧運輸省からバス事故についての報告を求められた際、元部長については「部下に適切な報告を求め、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった」、部下の元グループ長については「上司に措置をとるよう進言すべきだった」と指摘。2人の怠慢が母子死傷事故に結びついたと認定した。

弁護側は「ハブ破損はユーザーの整備不良が原因とする考えが当時の社内では確立していた」として2人の責任を否定していたが、地裁はこの主張を退けたうえで「リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった。このような業務態勢は、2人が始めたものではない」と述べた。

  1. 死傷事故までに39件の破損事故があった
  2. 強度不足の欠陥があったと十分認定
  3. 運転手の使用状況が異常で悪質だったとまでは言えない
  4. 2人がバス事故の報告を受けていた
  5. 同社製のトラックのハブ破損事故が続出していた事実を、99年には知っていた
  6. 人身事故が起きることを予測できた
  7. 運輸省からバス事故についての報告を求められた際、徹底した原因調査を行わせ、リコールなどの措置に向けた手続きを進めるべきだった
  8. 怠慢が母子死傷事故に結びついた
  9. 業務態勢は、リコールなどの改善措置を回避しようとする姿勢が顕著だった

というのが裁判所の認定ですね。

特に「ハブは強度不足であった」という認定がありますから、ユーザの使用が原因という弁護側の主張の根本が否定されています。

それにしても、三菱自動車はなぜ今になっても「強度不足」=「設計ミス」という事実を裁判で争うのでしょうか?

問題のハブはたびたび変更されているのですが、材質変更がなどが主になっています。
いわば材質変更すること自体が形状が強度不足であることの証明であって、少なくとも適切とはいいがたいわけです。
これを認めるのであれば、大々的な形状変更によるハブと周辺部品の交換になる「大リコール」が発生するはずで、それをいまだにやっていないのは「いずれは市場からトラックが無くなるのを待つ」というパロマのガス湯沸かし器と同じことだと考えます。

12月 14, 2007 at 12:15 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.13

三菱ふそうトラック前輪脱落死亡事故の判決

サンケイ新聞より「三菱自元部長らに有罪判決脱落タイヤ母子死傷事故

横浜市で平成14年、三菱自動車製大型トレーラーのタイヤが脱落、母子3人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた同社元部長(61)と、元グループ長、元グループ長(59)の判決公判が13日、横浜地裁で開かれ、木口信之裁判長は元部長に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固2年)、元グループ長に禁固1年6月、執行猶予3年(求刑禁固1年6月)を言い渡した。

三菱自の欠陥隠し問題をめぐって争われた3つの刑事裁判で、初の有罪判決。

起訴状などによると、同社は平成4年から約7年間でハブ破損による前輪脱落などの不具合が十数件あり事故を予見できたのに、旧運輸省の報告要求に「多発性はなく、処置は不要」と虚偽の報告。リコールなどの改善措置を行わなかったことで、母子3人死傷事故を招いた。

検察側は「欠落車を市場に拡散させており、未必の故意による殺人に比肩する」と指摘。一方弁護側は、ハブの破損・脱落について「ユーザー側の整備不良や過積載によるもので、ハブが強度不足だとの認識はなかった」と無罪を主張し、事故の予見可能性の有無が最大の争点になっていた。

事故は14年1月10日、横浜市瀬谷区の県道で発生。走行中のトレーラーから重さ約140キロのタイヤが外れ、歩道でベビーカーを押して歩いていた大和市の主婦、岡本紫穂さん=当時(29)=らを直撃。岡本さんは死亡し、子供2人が軽傷を負った。

三菱自の欠陥隠し問題をめぐって争われた3つの刑事裁判。

母子死傷事故後に国土交通相にうその報告をしたとして、同社元幹部ら3人が道路運送車両法違反(虚偽報告)の罪に問われた裁判では、
横浜簡裁が昨年12月、「正式な報告要求がなかった」として無罪判決を言い渡し、東京高裁で控訴審中。

もう一つはクラッチ系統の欠陥で14年10月に山口県でトラック運転手が死亡した事件。
業務上過失致死罪に問われた元社長ら4人は「クラッチ系統の不具合は認識していなかった」と無罪主張で結審しており、来年1月の判決が注目される。

現時点での報道ではどのような判断で有罪となったの分からないのですが、欠陥を知りつつ適切な対策を取らなかったから業務上過失致死罪で有罪、ということなのでしょうね。

2004年5月29日にわたしの意見を書いています。「三菱ふそうハブ破損の詳細」

日経ものづくり(ただし無料会員登録が必要)に「三菱ふそうのハブ,摩耗は「つじつま合わせ」---同社の内部技術資料より」という説明図付きの記事が出た。
記事の内容は、予想通りではあるが設計上の犯罪的な怠慢と言えるものだ

問題のB型ハブの破損つまり亀裂の入った内角は2R(半径2ミリの円弧)で加工されていた。つまり機械屋の常識としては「ほとんど角である」だから亀裂(ヒビ)が入って最終的には割れてしまったわけだ。

当然、対策部品であるD型では「Rを大きくする」はずであろう。
ところが、日経ものづくりの説明によると。

付け根の隅Rを大きくするには,付け根と接触するブレーキドラムの金型も新たに設計しなければならない

技術的にはこれでは犯罪である。
どこか一部だけを直すと別のところに負荷がかえって集中するの常識だ。
それをブレーキドラムを既存部品を使うために、というの何だ!
その時点で、止めるべきだったのだ。
予想の範囲ではあるが、ひど過ぎる、当時の設計を承認した設計部長の責任を追求するべきだろ。

実際問題として、問題の車輪の構造は、ホイール→ブレードラム→ハブと繋がっていて、ハブはキノコのような形になっています。

脱落事故は、キノコの傘のが軸から取れてしまった。このために、ブレーキドララムとホイールと、タイヤが一体になったものが車から外れてしまった。

だから問題は「なぜ、ハブの傘の部分が取れたか?」になります。

ところで、タイヤは規格品であって三菱トラック専用タイヤなんてものはあり得ません。
同じくタイヤが取り付くホイールも規格品で互換できる部品です。
当然、ホイルが付くブレーキドラムも・・・・、となっていて機構がほとんど同じなのだから原理的には世界中の他社のトラックでもホイール脱落事故は起こりえます。

ホイル脱落事故について、三菱は一貫して「ユーザの責任」としているわけですが、そうであるのなら他社のトラックでも同様の事故が起きているはずですが、実際にはほとんど無いようです。

つまり、三菱のオリジナル設計の部分に問題があったわけで、それは実際に破断したハブの設計に原因があるとしか考えようがないでしょう。

そしてその理由は、上記にわたしが書いた「設計ミスによる応力集中」ぐらいしか考えられないわけで、基本的には「コンパクトすぎる余裕のない設計」に原因があったのだと思います。

しかし、もっと根本的な問題として「一部の部品の手直しで対策しよう」という姿勢であって、本当の理由が「コンパクト過ぎる設計」であるのなら、他の部品も含めて相当広範囲に部品を変更しなければならないから、材質の強化で何とかなるだろう、といった対策を繰り返しています。

この「手直しでなんとかしよう」という姿勢が対策を遅らせたと考えます。

12月 13, 2007 at 02:57 午後 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.11

実用的SSD?

Engadget Japanese より「東芝から128GB SSD、MLC-NANDフラッシュ採用

東芝から、業界最大容量となる128GBを含むSSDラインナップが発表されました。

フォームファクタは3mm厚のモジュール品および1.8インチ ・ 2.5インチケース入り完成品。
容量はそれぞれ32GB, 64GB, 128GB、インターフェースはSATA2 (3Gbps)。

従来のSSDでは高速なSLC(シングルレベルセル、2値) NANDフラッシュメモリが使用されてきましたが、今回発表されたラインナップではチップあたりの容量が大きいMLC(マルチレベルセル、多値)フラッシュメモリを採用しています(1月あたりに発表されていた56nm プロセス品)。並列書き込み・ウェアレベリング(まんべんなく使って全体の寿命を伸ばす)などMLC-NANDフラッシュに対応した独自開発のコントローラにより、転送速度は読み込み最大 100MB/s 、書き込み40MB/s(シーケンシャル)と「従来のSSDと同等」を実現。MTBFは100万時間。

登場スケジュールはモジュールが来年2月にサンプル出荷開始、3月から量産。

1.8インチおよび2.5インチ版が4月サンプル・5月から量産。現物は来年1月のCESに出展予定。

遂に待望の製品が・・・と言っても良いのでしょうか?(^_^;)
(値段がどうなるのかね?)

しかし、64G、128Gならばモバイル環境に現実的な対応が出来ますよね。
ハードディスクよりも物理的に衝撃などには丈夫だろうし(期待は大きい)必要電力がどうなるのか心配ではありますが、やはり方向性としては正しいのでしょう。

組込機器に使った場合、寿命はどうなるのかな?
本当に100万時間なら非常に有望かとも思いますが・・・・。

12月 11, 2007 at 12:37 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.12.09

戦闘機・心神なのかね?

読売新聞より「国産ステルス実証機「心神」、2011年に初飛行

ステルス性能など最先端の戦闘機技術の検証を目的とした、防衛省の「先進技術実証機」の開発計画が8日、明らかになった。

来年度から計画に着手し、早ければ2011年度中に実証機の初飛行を行う。計画が順調に進めば、国産戦闘機開発につなげたい考えだ。

実証機は全長14メートル、全幅9メートル。「心神(しんしん)」と名付けられ、敵のレーダーに映りにくいステルス性とともに、高運動性を備え、国産エンジンを使用する。機体の形状に沿って配置するレーダー「スマート・スキン」など先進技術も取り入れる。実証機であるため武器は搭載しない。

心神の開発は来年度から6年間で行う計画だ。来年度予算では157億円を要求、総額466億円を見込んでいる。
エンジンや電子機器などの試作は09年度までにほぼ終えて、10年度から実証機製造に着手。早ければ11年度中に初飛行を行う。
機体やエンジンは既に個別開発を進めており、ステルス性に関しては、05年のフランスでの模型実験で「高い性能を確認済み」(防衛省幹部)という。

実証機開発には、日米で共同開発したF2支援戦闘機の生産があと数年で終了することから、国内技術維持の意味合いがある。また、航空自衛隊が次期主力戦闘機(FX)の有力候補としながら、米国が輸出に応じようとしていない「F22ラプター」をめぐる交渉を有利に運べるとの期待感もある。

米国が輸出に慎重なのは、「機密保全だけでなく、日本がステルス技術を独自開発できないとの前提で、将来、高く売ろうという思惑があるため」(政府筋)との見方からだ。

防衛省内には「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」(幹部)との見通しもあり、F15戦闘機の後継機となる可能性もある。ただ、日本の国産戦闘機開発には、有力な輸出先を失うことになる米国内で懸念が出ている。

「戦闘機?」で紹介した機体を実際に作ることになった、というニュースです。

Up

全幅9メートル、全長14メートルとのことなので、F35(JSF)よりも、全幅・全長とも1メートル強小さい機体です。
F35のエンジンは18トン級ですから、心神が5トン級のエンジン双発であってもかなり非力であると言えます。

F35は、最大離陸重量が22トンぐらいですから、心神は最大で16トンぐらいになりうるでしょう。空虚重量が10トン弱といったところかな?

ドンガラを作ること自体は今ではさほど難しい事でないので、10年度に製造に着手して11年度には飛行するのは可能かもしれません。

しかし、その後に戦闘機を開発するとなると、システムとしては極めて難しいのではないか?結局は不可能なのではないか?と思うところです。
少なくても「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」なんて可能性は皆無でしょう。

アメリカがF22ラブターの輸出についていまだにOKしていないことに対しては、強い牽制にはなりますが、そうなると「巨大なアドバルーン」で終わる事になるでしょう。
まぁ、もの作りという観点からは製造経験は何事にも代え難いから大いに「試作」するべきだとは思いますが、現実に「戦闘機を作る」というとはかなり距離があるのではないかな?

12月 9, 2007 at 10:20 午前 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (1)

2007.12.06

CXエンジンと防衛次官

ZAKZAK より「ケチついた英知の結晶…次期輸送機「CX」とは?

収賄容疑で防衛省前事務次官の守屋武昌容疑者(63)が逮捕された防衛省汚職事件で、クローズアップされているのが航空自衛隊の次期輸送機「CX」。
米GE社製のエンジンを積み、この先はエンジンや部品など受注総額が1000億円に達するともいわれる。CXは日本が持つ航空技術の総力を結集した国産輸送機なのだが、思わぬ形でケチがついてしまった。

「今、使われているC-1輸送機が古い2トントラックだとすれば、CXは最新の10トントラック。その導入で航空自衛隊の輸送能力や展開力は飛躍的にアップします」と語るのは、軍事評論家の神浦元彰氏。

現在の主力輸送機「C-1」は初飛行が1970年の国産機で、後に米国製のC-130と並行して使われてきたが、その耐用年数などから、2000年に次期輸送機を国産で開発することが決まった。

その結果、防衛省と主契約を結んだ川崎重工の傘下に、三菱重工や富士重工など日本の航空機関連企業が結集し、早ければ12月中にも試験機の初飛行を行い、来春には防衛省への初導入が予定される段階となっていた。

総開発費は約3500億円で、その設計には国内の航空技術者の3分の1にあたる約1300人が参加したといわれ、文字通り日本の英知の結晶なのだ。

CXの最大積載量はC-1の4倍以上の37.6トンで、航続距離は12トン積載時で8900キロメートル、37トン積載時でも5600キロメートル。約8トンの最大積載時に1300キロメートルしか飛べないC-1を大きく上回り、その導入で、航空自衛隊の機動力や展開力は飛躍的に向上する。

川崎重工などはCXと同時にエンジンまで開発した次期対潜哨戒機「PX」の両機を民間の輸送機や旅客機に転用する意向を持っており、欧米勢と比べて立ち遅れていた日本の航空産業の復権にも繋がる大プロジェクトとして期待されていた。

そんな経緯にケチをつけてしまった守屋容疑者は今年6月14日、航空機課の職員に、米GE製CXエンジンの販売代理店の権利が山田洋行からミライズに事実上移ったことを踏まえ、エンジン調達が「(ミライズと)随意契約にならないのはおかしいのではないか」と詰め寄ったとされる。

当時、ミライズは防衛省との契約実績がなく、入札への参加資格さえなかったのだが、守屋容疑者は防衛省が随意契約の原則廃止を打ち出していたことも知ったうえで、ミライズに有利な発言をしていた疑いが持たれている。

記事に紹介している通り、CXとPXは同時に開発されました。 輸送機のCXは高翼で双発エンジン、対戦哨戒機のPXは低翼で4発エンジンです。
ここまで違う機体に共通部があるのか?とは、最初は不思議でしたが、モックアップの写真を見ると「なかなかよく考えている」と思えるものでした。

さらに、日本は第二次大戦での潜水艦による輸送船撃沈によって海外からの物資輸送が出来無くなくなったことを反省したのか、アメリカに次いで二番目の対潜水艦作戦能力を持つ国になっています。
ところが、そのアメリカも次期対潜水艦哨戒機の開発は大きく遅れていて日本としては独自開発しやすかった。
同時に記事にも紹介があるように、輸送機もC1がいかにもヘンな仕様の輸送機であり改変の必要性はあり、これまたアメリカには適当な機種がないこともあって自主開発の対象に出来ました。

つまり、記事の紹介の通り日本の航空機製造業界としては「ビジネスと成立する企画」でありました。
それに目を付けたのが今回の商社の活動でありましょう。

商社無しで防衛装備品の調達をするというのはコスト高になるかと思いますが、その一方で商権という名の利権であることも確かで、適切な評価が出来ないとダメな仕組みでしょう。
そこに、新会社を作っ参入できるというのがすごい。こんな事が出来ること自体が、癒着がなくては考えつかないことですね。問題の新商社ミライズはこうなりました。

読売新聞より「日本ミライズは業務停止状態…社員大半、先月解雇

「山田洋行」元専務・宮崎元伸被告(69)が同社から独立後に設立した「日本ミライズ」が、11月末までに社員の大半を解雇し、事実上、業務停止していたことが分かった。

同社は10月末、守屋容疑者への過剰接待問題から、ゼネラル・エレクトリックに代理店契約を停止され、社員に給与を払えなくなった。
その後辞任した宮崎被告に代わり、取引先のプラント会社の役員(54)が社長に就任。先月30日には約20人に減っていた社員の3分の2を解雇した。近く東京・赤坂の本社を引き払い、社員2、3人で事業整理に当たるという。

後任の社長は、「唯一の株主である宮崎氏が戻ってこないと、今後のことは分からない」と話している。

なんと言いますか「一発屋」とでも言うのでしょうか?
こんなことに振り回されては、せっかくの企画もメチャメチャになってしまいます。
きちんとした社会的なチェックが必要だという証明でしょう。

12月 6, 2007 at 11:40 午前 もの作り, 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.03

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因その2

「ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因」の続報です。
読売新聞より「ボンバル機胴体着陸、原因は製造段階のボルト付け忘れか

高知空港で今年3月、前輪を格納するドアが開かずに胴体着陸した全日空機は、機体の製造段階でドアに必要なボルトを付け忘れていた可能性が高いことが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。 機体を製造したカナダ・ボンバルディア社側もミスを大筋で認めているといい、事故調は同社の管理体制の不備を指摘する方向で、調査を進めている。 これまでの調べでは、同機は事故当時、前輪格納ドアを開閉する装置のボルト1本がなかったため、本来はボルトを保護する管状の部品が装置からはみ出し、他の部品と接触。
このため、着陸時にドアが開かず、前輪が出なかった。

事故調は、

  1. ボルトが機体内で見つからなかった
  2. 全日空側が問題のボルト周辺を一度も整備対象にしていなかった

ことから、ドアの開閉を妨げていた管状の部品周辺の鑑定を外部機関に依頼。
その結果、部品の内部にボルトが装着されていれば残っているはずの痕跡がないことがわかった。
ボンバル社側は全日空に同機を引き渡す前のテスト中に前輪部全体を交換しており、この段階で作業ミスがあった可能性が高いという。

航空会社にメーカが引き渡す前に交換したら組み立てミスをした、ということなら確かに「製造ミス」になりますが、実際には整備作業ミスでしょうね。

部品を付けないとか、きちんと取り付けないといったことは整備の時に起こりがちですが、脚の構造ですからね、自動車で言えば「重要保安部品」でしょう。
それの組み立てミスを見逃してしまう整備体制というのは大問題だろう。

日本の航空機メーカは「ノックダウン生産」というのをずいぶんやっていました。
一言で言えば「部品から組み立てるだけ」なのですが、これをネタにしたマンガは繰り返し登場していて「一本残ったボルトを前に何人もで図面を見ながら首をひねっている」というものです。
今回はこれと全く同じ状況を見逃したわけです。

新聞記事の通りであるとすると「全体を交換した」だから基本的には全ての部品を用意して組み立てたはずなんですが、その時にボルトを忘れたというのは「ボルトを余らせたままにした」となってしまいますよね。これはかなりまずいですよ。

SASが全機飛行停止にしたのも無理はないし、そもそも今回の全日空機も他にも部品が付いていない箇所があったとのことです。
根本的に飛ばして良い機体と言えるのでしょうかね?

12月 3, 2007 at 12:05 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.11.22

技能五輪の謎

日刊工業新聞より「第39回技能五輪国際大会が閉幕、日本「金16個」獲得で首位

【静岡】日本は2大会連続で金メダル数首位―。
静岡県沼津市で開かれた「第39回技能五輪国際大会」は21日、同市の「キラメッセぬまづ」で行われた閉会式で競技結果が発表された。日本は種目8連覇となる「ポリメカニクス」の畑弾手選手(セイコーエプソン)、「CNC旋盤」の藤本アキラ選手(日立ハイテクノロジーズ)らが金メダル16個を獲得し、前回(05年)のフィンランド大会(金5個)に続いて金メダルでトップとなった。金16は70年の第19回東京大会の17個に次ぐ好成績。「モノづくりニッポン」は完全復活を遂げた格好だ。(技能五輪特別取材班)

日本の最大のライバルである韓国は金メダル11個で国・地域別で2位となり、3位は5個のフランスが食い込んだ。

22歳以下(一部種目を除く)の世界の若者がモノづくりの技を競う技能五輪国際大会は46カ国・地域から選手816人が参加し、15―18日の4日間競技が繰り広げられた。日本開催は85年の第28回大阪大会以来22年ぶり。第38回フィンランド大会で金獲得トップの座を71年の第20回スペイン大会以来34年ぶりに奪い返した日本は今回、過去最多の47職種に総勢51人の選手団を送り込んだ。

日本勢は「ポリメカニクス」の畑選手、「CNC旋盤」藤本選手のほか、「CNCフライス盤」の海老根章友選手(日立ハイテクノロジーズ)、「情報ネットワーク施工」の山口雄基選手(協和エクシオ)、「電子機器組立て」の清水輝選手(日産自動車)、「構造物鉄工」の坂本昭仁選手(日立製作所)、「抜き型」の安達裕喜選手(デンソー)、「木型」の今嵜智也選手(トヨタ自動車)らが主要モノづくり競技でまんべんなく金をとった。

また、「洋菓子製造」の大島千奈選手(にいがた製菓・調理師専門学校えぷろん)、「造園」の早乙女彰将・渡邉久美奈選手(小杉造園)も同種目で日本初の金メダルに輝いた。日本の若者の底力を見せた。

銀メダルでは、惜しくも金を逃した「配管」の遠間潔寿選手(千代田設備)、「製造チームチャレンジ」のチーム・デンソーなどで5個を獲得。銅メダルは3個で、パソコンのトラブルに悩まされた「機械製図CAD」の大須賀孔明選手(日立ハイテクノロジーズ)も必死に追撃し、見事メダリストに輝いた。

【次回大会、カナダ・カルガリーで開催】

次回の第40回技能五輪国際大会は09年にカナダ・カルガリーで開かれる。閉会式にはカナダ大会の公式マスコットである農耕馬の「タグ」(雄)と「テス」(雌)の着ぐるみも登場し、愛嬌を振りまいた。また、閉会に先立って、大会旗が次回開催国のカナダに引き継がれた。

この記事を読むとなんの疑問もなく「首位」を受け入れてしまいますが、韓国KBSの記事にこんなのがありました「韓国4年ぶりに総合優勝、国際技能オリンピック

今月14日から日本の静岡で開かれていた第38回国際技能オリンピックで、韓国は4年ぶりに総合優勝しました。

21日に閉幕した国際技能オリンピックで韓国は、47職種のうち42職種に47人の選手が出場した結果、金メダル11、銀メダル10、銅メダル6で総合得点88点を獲得し、総合成績で1位になりました。 2位は74点の日本、3位は55点のスイスでした。

韓国が金メダルを手にした職種は、板金加工、溶接、配管、ウェブデザインなど11の分野です。 韓国の総合優勝は、2003年以来4年ぶりで、1967年に初参加してから、15回目になります。

へ~と思って改めて「技能五輪公式サイト」を今頃になって探しまたが、これが良く分からない。
結局これだった「SKILLS 2007 2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」全く自慢にならないのですが、 静岡県の作ったページ「2007年ユニバーサル技能五輪国際大会」ばかり見てましたよ。
そもそも検索ワードを「技能五輪」にすると本家のサイトが引っかからない。

ようやく、こんな発表を見つけました。

2007/11/21 ・技能五輪国際大会の競技結果(職種別)
・ 技能五輪国際大会の競技結果(国・地域別数)
・ 大会参加者数及び来場者数
・ 大会参加選手数、参加国 技能五輪国際大会
2007/11/21 ・技能五輪国際大会の競技結果が出ました。(Worldskills International site)
2007/11/16 ・国際アビリンピック 17日の競技結果が出ました。[エクセル]

なんというか、広報のレベルとしては「完全に失格」でありまして、その結果としてニュースとしても日本国内と韓国というか世界レベルで違ってしまっています。

公式の競技結果は「職種別」と「国・地域別」なのですから、報道もフォーマットに沿ったニュースにするべきでしょう。
インターネット時代の技能五輪主宰は失敗でありました。

11月 22, 2007 at 09:51 午前 もの作り | | コメント (10) | トラックバック (1)

2007.11.20

F2墜落事故の原因と問題その2

「F2墜落事故の原因と問題」の続報です。
中日新聞より「F2墜落事故 設計守られず? 配線の長さ誤接続が可能

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日、航空自衛隊F2支援戦闘機が墜落・炎上し乗員2人が重軽傷を負った事故で、飛行制御システムの配線の長さが設計通りでなく、墜落原因となったコードの誤接続が可能なケースがほかにもあることが、県警捜査一課の調べで分かった。

F2を製造・整備する三菱重工業は「設計でコードには一定の長短をもたせており、誤接続は不可能な構造だ」としていた。

県警は製造過程や整備などに問題があった可能性があるとみて、業務上過失致傷容疑で調べを進めている。

墜落原因について防衛省事故調査委員会は15日、飛行制御コンピューターからの2本の配線が、機体の姿勢変化を検知する2種類の機器に入れ違って接続されていたためと断定。
誤った情報がコンピューターに伝わった結果、水平尾翼が異常な動きをして墜落したと分析した。

一方、三菱重工業は同日の会見で「配線の長さやコネクタの向きを接続する機器によって別々にし、誤接続が起きない構造にしている」と主張。

設計書で配線の長さを指示しており、取り違えた場合は、片方の機器にはコードの長さが足りないため届かないと説明していた。

しかし、事故機を整備していた同社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場(豊山町)にあったほかのF2を6機調べたところ、設計通りの長さになっていないコードもあることが判明。
うち1機は事故機と同様、設計上は届かないとされた誤った接続も可能だった。

県警は、事故機の点検を担当した整備士から事情を聴くなど、配線の誤接続が起きた原因について詳しく調べている。

一言で言えば「情けない」です。

墜落機が誤配線が原因で墜落したことが発覚した時点で三菱が「設計上、誤配線不可能になっている」と記者発表したところが分からない。
ことは、現実の事故がなぜ起きたかであって、設計がどうであろうと「問題は何か?」が最重要だろう。

設計・素材・製造・組み立て・使用状況・環境・寿命管理といった様々なことがそれぞれの部品に影響して、そのどこかが破綻すると事故になる。
だから、設計は一つの要素ではあっても他に問題があれば事故にはなるわけです。
三菱はメーカなのだから、設計以外にも製造・組み立て・整備作業・点検などについて責任があるわけで「設計は・・・・」は全体から見ると一部に過ぎない。

なんで「設計上は誤配線出来ない」と事実(誤配線があった)対立するような記者発表をしたのか?
なんか、事実を直視しない企業姿勢が見えてしまう。
現代のメーカとしては根本的な姿勢に問題があると感じる。

11月 20, 2007 at 10:10 午前 もの作り | | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.11.17

エアバス社で大型機暴走

昨日(2007/11/16)朝日新聞を初めとして速報でこんな写真が流れました。

Up

写真は夜でしかも小さいのですが、内容はビックリでした。
朝日新聞より「エアバス旅客機が仏空港で暴走、壁に激突 10人負傷

仏南西部トゥールーズの空港で15日、エアバスA340―600型旅客機が地上でのエンジンテスト中に突然走り出し、空港の防音壁に衝突した。乗っていたエアバス社員ら9人と地上1人の計10人が負傷した。一般の乗客はいなかった。

AFP通信によると同機はトゥールーズにあるエアバス社の工場で完成し、アラブ首長国連邦の航空会社に引き渡される直前だったという。A340―600機は旅客機では世界最長(約76メートル)の大型機。エアバス社は同通信に「今年だけで450回も実施しているテストだが、こんな事故は初めて」と話している。

この機体についているエンジンの推力が25トンぐらいのようで、合計100トンでワイヤー引きちぎったとかでしょうか?
そんな危険なことはやらないとすると、止めておく「足止め」が倒れたのでしょうか?

それにしても、飛行機は意外なほどの重大事故を起こしても修理をしてしまいますから「これも修理するのだろう」と考えました。
日本で、有名なのは日航123便墜落事故(御巣鷹山事故)で墜落した機体の「しりもち事故修理」があります。この修理作業は、実質的に尾部の再構築でした。

それにしても、写真では機体の破損状況が見えないから「どんなものだ?」と思っていたら、こんなサイトがありました。AIRLINENEWS.NETより http://www.airliners.net/open.file/1293784/M/ どう見ても機首がもげております。

エアバス社はA380がようやく商業飛行が始まってヤレヤレといったところなのでしょうが、そこでこんなことになっては、大変でありましょう。
それにしても、なんで走り出してしまったのだろう?

11月 17, 2007 at 06:04 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.16

F2墜落事故の原因と問題

朝日新聞より「空自機墜落、原因は配線ミス防衛省が断定

愛知県豊山町の県営名古屋空港で10月31日に航空自衛隊の支援戦闘機F2Bが離陸に失敗し炎上した事故で、防衛省の事故調査委員会は15日、事故原因を、定期点検をしていた三菱重工業の配線ミスと断定した、と発表した。機体の姿勢を感知するセンサー(ジャイロ)と飛行制御コンピューターの間の配線を誤ったため、水平尾翼が異常な角度で動いて墜落した。今後、配線ミスが起きた原因を調べるとしている。

事故調によると、3種類あるジャイロのうち、機首の上下方向を感知するジャイロと、横回転方向を感知するジャイロの配線が逆になっていた。このため、コンピューターが機長の操縦による離陸時の機首上げを認識できず、さらに機首を上げようとした。機長が上がりすぎた機首を下げようと操作したが、コンピューターはこの機体の動きも認識できず、さらに機首を下げる方向に水平尾翼を動かしたため、機首が急激に下を向き、滑走路上に墜落したとしている。

事故調は、機体から回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)の記録を解析。ジャイロのデータが入れ替わっていたことから、機体を調べて配線が逆に接続されていたのを確認した。二つのジャイロは数センチほどしか離れていないという。エンジンやコンピューターなどに異常はなかった。

事故機は三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)の小牧南工場(豊山町)で定期点検を受け、地上での試験に合格した後の飛行試験で墜落した。事故調は今後、同社の整備担当者などから事情を聴く方針。

防衛省は事故後、各地の基地に配備しているF2の飛行を見合わせていたが、原因断定を受け、配線を確認するなどした後に飛行を再開する。

愛知県警は同社から押収した整備記録をもとに、ジャイロの整備士や整備後に点検をした社員らから事情聴取をする。

同社小牧南工場では02年4~8月、定期修理中の空自F4戦闘機など計9機で電気系統の配線が切られるなどした。県警は内部犯行の疑いもあるとみて、工場内に監視カメラを設置するなどして捜査したが、容疑者特定には至っていない。県警は今回の事故でも、故意に配線が変えられていなかったかについて、慎重に捜査する。

いくら何でもこんなのアリでしょうか?
確かに、3軸のジャイロを同じ物を搭載するのは分かりますが、その出力が入れ替わってしまったら致命傷なのだから、入れ替えようがない仕組みになっていて当然でしょう。

さらに、メーカに戻しての整備なのだから、外部テスト装置などでシステムが正常に作動するかを点検するものじゃないでしょうか?
飛行機の操縦系統が逆向きに接続されていて事故になったという例はかなり昔からあって、機械的な接続ですら間違っていたことがあります。
フライバイワイヤーの初期にもありました。そういう経験があるのだから、テストするものだと思っていたのですが・・・・・。
注目するのは、

フライトレコーダー(飛行記録装置)の記録を解析。ジャイロのデータが入れ替わっていた

この点ですよね。ジャイロのデータを取り出しているのだから、テスト信号を流せば、つじつまが合わないのはすぐに分かるはずで、それをやっていなかった。
飛ばす前に、信号を流してみるのは、いわば操縦桿の動きが舵面の動きと合致しているのかをチェックする程の意味でしょう。

なんか二重三重にやることが間違っているような気がします。

11月 16, 2007 at 12:29 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.11.12

ボンバルディア機の胴体着陸事故の原因

朝日新聞より「製造段階でボルト忘れ高知で胴体着陸のボンバル機

高知空港で3月、全日空機が前輪が出ずに胴体着陸した事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、機体を製造したカナダ・ボンバルディア社が製造段階で、前脚ドア部のボルトを入れ損ねた可能性が高いとの見方を固めた模様だ。
この結果、ドアが開かず、前脚が出なかった。事故による死傷者はなかったが、大惨事になりかねなかっただけに、調査委は、同社の製造管理について調査を進める。

事故が起きたのは3月13日。全日空のボンバルディアDHC8―400型機(乗客乗員60人)が、機首を滑走路にこすりながら胴体着陸した。

問題になったのは、前脚を格納する扉を開閉するアームの支点のボルト。調査委などによると、ボルトがなかったため、ボルトが通る筒状部品が固定されずに穴からせり出し、他の部品と接触。ドアが開かなかった。

ボルトがどの段階ではずれたかが、焦点だった。

関係者によると、筒状部品の奥の「ブッシング」と呼ばれる別の筒状部品に、ボルトが入っていれば残る痕跡が確認できず、全日空側は事故機をボ社から受け取った05年7月以降「(このボルトの)点検整備はしていない」としていることから、調査委は事故機がボ社側にあった製造の段階と見ている模様だ。

この事故は前脚の扉が開かなかったために、前脚が出ず胴体着陸になったというものでした。
旅客機(軍用機もだが)脚の出し入れ機構には非常用の脚下げ機構があって、多くは脚上げ状態で固定しておくロック機構を外すと自重で脚下げ状態になります。

問題の機体でも自重による脚下げを試みたのですが、前脚の扉が開かなかったために前脚が出ませんでした。
前脚扉が閉まった状態でロックしていたのですが、その原因は扉のリンク機構の回転部分にあるブッシュが飛び出して、他の部品と噛んでしまったので扉が動かなくなった、というものでした。

ブッシュですからボルトが貫通していて、ボルトが脱落していたからブッシュが軸方向に動いて飛び出した、というものでした。
問題は、いつボルトが脱落したのか?という調査の記事がこれです。

メーカー側に組み立ての記録がないから分からないということのようですが、メーカにも航空会社にも記録がないから、正常に組み立てられていたかどうか分からないというのは問題でしょう。
前脚扉の開閉機構ですから、写真を撮ることが出来るはずでそれも無いというのは「それってどうよ?」であります。

もちろん、メーカ側に記録がないというのは、考えられない。
少なくとも作業記録はあるでしょう。どうなっているのでしょうか?

11月 12, 2007 at 10:35 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.11.01

ニチアスは会社と言えないだろう

日経新聞より「ニチアス建材偽装、住宅各社が取引見直し・他社製に変更も

建材大手ニチアスが耐火性能を偽った住宅建材を販売していた問題で、納入先の住宅各社は無償改修や取引見直しに乗り出す。

旭化成ホームズは31日、中期的に他社製建材へ切り替えていく検討を始めた。現時点で改修費用は80億円以上になる見通しで、営業活動への影響なども含めた損害金の支払いをニチアスに請求する方針だ。

住友林業も同日、今後は対象の建材の購入を中止し、他の製品の取引も縮小する検討に入った。

ニチアスは問題の軒裏建材を9社に供給していた。

このうち旭化成ホームズは同製品を4万棟の住宅で採用している。

親会社の旭化成の伊藤一郎副社長は31日の2007年度9月中間決算の記者会見で「中期的に取引の見直しもある」と述べ、松下電工など他の建材メーカーへ切り替える検討を始めた。

ニチアスが何を考えていたのかさっぱり分かりません。朝日新聞より「ニチアスが耐火材偽装 01年から10万棟分 公表せず

住宅の軒裏などに使われる耐火材(01年以降の製造)の性能試験に臨む際、試験体に水を含ませたり、実際に販売するものより性能の高い材料を使ったりする偽装を施し、国土交通相の認定を受けていたことが30日、わかった。

社内では06年10月に社内の製品調査で不正が判明していたが、事実を公表しないまま今月29日まで出荷を続けた。しかし、内部告発の動きを受けて今月17日、初めて国交省に報告。30日に記者会見した。

試験の際、軒裏部分や間仕切り壁の建材をあらかじめ水槽につけて水を含ませておき、加熱による蒸発で温度上昇が抑えられるよう細工していた。耐火材部分も、より耐火性能の高いものにすり替えて、試験をパスしていた。

川島吉一社長は記者会見で「不正のあった頃は、事業を拡大するのが目標となっていた。担当者がプレッシャーを感じたのかもしれない」と釈明した。

ひどい話で、賞味期限の偽装などとは比べものにならないですね。
その結果として当然のことながら大混乱です。朝日新聞より「ニチアス偽装問題 住宅メーカーに問い合わせ相次ぐ

公表から一夜明けた31日、ニチアスや建材納入先の住宅メーカー各社には、家を建てたり買ったりした顧客らから抗議や問い合わせの電話が相次いだ。

「ヘーベルハウス」「ヘーベルメゾン」のシリーズで、偽装された耐火材を使っていた旭化成ホームズ(東京都)には、午前9時前から相談窓口に電話が殺到した。偽装建材が使われた計約10万棟のうち国土交通相認定の耐火性能基準を満たしていない約4万棟の大半は同社の住宅とみられ、「うちには使われているのか」「改修にはどんな手続きが必要になるのか」などの問い合わせが続いている。社員13人で電話に対応しているが、「耐火材を使っている住宅は把握しており、各入居者に連絡をしている段階」(同社)という。

ミサワホーム(東京都)は5万棟に使われているのを確認した。大臣認定の性能基準は満たしているとされる製品だというが、11月初旬にも出る国交省の調査結果を受けて対応を決める。

トヨタホーム(名古屋市)も棟数などの確認を進める一方、ホームページでの告知の準備に追われている。一部は耐火性能基準を満たさないことが分かっており、同社は「対応はニチアスからの回答を見てから決める」としている。

国交省の相談窓口(財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)には31日正午までの2時間で67件の問い合わせがあった。一般消費者からの「自分の家は大丈夫だろうか」などの質問が多かった。

会社としてどういうつもりだったのか?となりますが、この社長は全くダメですね。
株価は10月31日は終日売り気配でスットップ安11月1日も現時点では売り気配です。

元々は日本アスベストでアスベスト健康被害問題まっただ中の企業で、売上げは1000億円級の大企業です。

耐火材の試験をごまかすメリットがどこにあるのかさっぱり分からないところですが、ましてやそれが社内調査で明らかになった後も出荷を続けたとはどういうことなのでしょう。

厚さが違うとかでしょうか?
おそらくは、規格外れの製品を作ってしまって、それを偽装工作して試験を通過させてしまったから製品化してしまった。
一旦製品としてカタログに載せてしまったから、引っ込めることが出来なくなった。
といった流れかと思いますが、これでは会社とは言えない。

市場からの猛反発を受けるでしょうし、そもそも社長の記者会見自体が失格ですよ。

11月 1, 2007 at 10:51 午前 もの作り, 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.29

SASでボンバルディア機を運行停止

NHKニュースより「ボンバルディア機の運航中止

スカンジナビア航空が使用の中止を決めたのは、カナダのボンバルディア社のDHC8型機で、先月、デンマークとリトアニアで着陸の際に事故を起こしたのに続いて、27日にもデンマークのコペンハーゲン空港で着陸の際、車輪が十分に出ないまま緊急着陸するトラブルがありました。

これを受けて、スカンジナビア航空は28日、緊急の幹部会議を開いた結果、「DHC8型機の信頼が著しく低下し、利用客も疑いを強めている。
このままではわが社のブランドが傷つけられるおそれもある」として、DHC8型機の運航をすべて中止することを決めました。

スカンジナビア航空は、事故を起こした同型機27機を主にヨーロッパで運航していますが、今後、運航を取りやめる便については、別の便の予約や払い戻しで対応することにしています。

ボンバルディアDHC8型機は日本でもことし3月、高知空港で全日空グループが運航する同型機が胴体着陸するなど、各地で事故やトラブルが相次いでいます。

朝日新聞の記事によると、

「DHC8―400型機」の使用を今後中止する、と発表した。
SASは保有する27機の使用を停止し、リース機などで対応する。「400型機の使用はSASのブランドを損なう恐れがある」としている。

となっています。
一月で二回の同じようなトラブルでは、運行停止という判断は経営的には正当でしょう。

今のところ、色々なトラブルがバラバラに起きていますが、運行する航空会社にとってはトラブル発生自体がとんでもないことだし、そうでなくても顧客(マーケット)の評判も大事です。
世界レベルで、一気に運行停止になるかもしれません。

全機運行停止といった全社的な問題に拡大してしまうことを考えると、保険という意味では、何事も過度に集中させないことも重要ですね。

10月 29, 2007 at 10:36 午前 もの作り, 事故と社会, 海外の話題, 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.10.26

刈羽原発6号機の震災

サンケイ新聞より「タービン部品、地震で破損東電柏崎刈羽原発

東京電力は25日、新潟県中越沖地震で被災して点検中の柏崎刈羽原発(同県柏崎市・刈羽村)6号機で、発電タービンの回転軸の周りにある銅合金製リング2本が破損していたと発表した。

6号機タービンではこれまでに、隣り合う羽根が地震の揺れで接触した跡が見つかっていたが、部品の破損が確認されたのは同原発のタービンでは初めて。東電によると、地震で回転軸が揺れ、過大な力がかかったと考えられるという。

6号機は定期検査による運転停止中で、タービンも止まっていたが、東電は「運転中に同様の破損があった場合にもタービンには損傷を与えない」とみている。今後、地震当時に運転中だったほかの原子炉のタービンも調べる。

破損していたのは回転軸の潤滑油の流れを調節するための直径約60センチのリング。1本は完全に破断していた。

一方、地震発生時に緊急停止のため原子炉内に挿入後、動かなくなっていた7号機の制御棒1本は、あらためて駆動装置を操作した結果、24日に抜けたという。東電は駆動装置を分解して、詳しい原因を調べる。

このほか、同原発1号機の原子炉建屋では、壁のコンクリートの接ぎ目3カ所から放射性物質を含んだ水がにじんでいるのが見つかった。使用済み燃料プールなどからの漏水の兆候はなく、東電は地震の際にプールからあふれた水が、コンクリートの中を伝わってにじんだとみている。

破損していたのは回転軸の潤滑油の流れを調節するための直径約60センチ(銅合金製リング2本)のリング。1本は完全に破断していた。」とはなんかまるで普通の軸受けではないか?と思ってしまいますが、東京電力刈羽原子力発電所のHPにある「柏崎刈羽原子力発電所タービン内部確認状況について(PDF 797KB)」に説明がありました。

主タービンスラスト軸受オイルシーリングの割れ

Up

6号機は整備中で運転停止状態だったから、あっちこっちでヘンなことになっているようです。

10月 26, 2007 at 09:24 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

急速充電路面電車

読売新聞より「電池だけで走行、「省エネ」路面電車が登場

車内に搭載した電池だけで走り、停留所に止まった数十秒間に消費分を急速充電できる路面電車を、財団法人鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)が開発した。

11月末から、札幌市で性能を確認する実証試験を始める。

床が低いバリアフリー型の車両で、搭載したリチウム電池を

  • フル充電すれば約15キロ・メートル走れる。
  • 減速時には、電車の勢いの7割を電気に戻して電池に蓄える。
  • 停留所では、パンタグラフを上げて架線から補い、急速充電する。
現在の路面電車に比べて約1割の電力量を節約できるという。来年3月まで行われる実証試験には、ニッケル水素電池で動く川崎重工の車両も参加。よい結果が出れば、省エネ路面電車の実用化が近づく。

このニュースは昨日(2007/10/25)夕方のテレビニュースで見ましたが、各地で路面電車を運行している組織の関係者に丁寧にインタビューしていました。

  • 架線のメンテナンス不要になりコストダウン
  • 架線用の電柱などが道路整備上邪魔になっている

といった声が多く、「電池電車」とも言っていたので、どういう方式なのだろう?と思っていました。

確かにこの急速充電方式は、良いバランスかもしれませんね。
これで動力用の高性能電池の開発も進めば影響は大きいでしょう。

10月 26, 2007 at 09:02 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.10.22

工作機械も大変だ

FujiSankei Business i より「兵器製造に使わせない工作機械メーカー、移設防止装置の搭載加速

大手工作機械メーカーが、輸出した工作機械の軍事転用防止策を強化している。
高性能な機械は輸出に際し、兵器などの製造に使われることがないよう法律で厳しくチェックされるが、輸出先から第3国への転売に対しては無防備だった。
このため機械の据え付け場所が変われば、作動しなくなる装置の搭載に動き始めた。

工作機械は「機械を作る機械(マザーマシン)」と呼ばれ、ロケットや自動車から小型のデジタル機器まで、産業のあらゆる分野で製品加工に使われる。とくに世界市場でトップシェアを握る日本製品は、性能に優れるうえに信頼性が高く、高い評価を得ている。
半面でこのことは、核兵器やミサイルなどの製造に使われる危険性が大きいことを示し、事実、外国為替管理法で輸出規制の対象となっていながらも、不正輸出が絶えないのが実情だ。

こうした実態をうけて、工作機械各社が取り組みを強めているのが、機械本体に移設を検知する装置を取り付けるという抜本的な対策だ。

業界大手の森精機製作所は、2006年10月の出荷分から、工作機械に移設自動検知装置の搭載を開始した。購入した機械メーカーなどが、工場に据え付けた後に設置場所から移動しようとすると内蔵のセンサーが感知し、機械が作動しなくなる。
再度、作動させるためには、森精機のエンジニアが機械本体の制御部分に秘密の暗証番号を入力する必要がある。

ヤマザキマザックも8月末から、一部製品に移設検知装置の搭載を始め、来春までに海外向けの全機種に搭載する計画。オークマも08年春から海外向けの全機種に搭載していく方針だ。

移設を防止する装置の搭載は、シチズンマシナリーが、業界の先陣を切って00年7月から開始。06年7月には装置の技術を公開するとともに外販にも乗り出し、累計で約3000台を出荷している。

シチズンマシナリーは「同装置販売による利益はほとんど出ない。技術の公開や装置販売は、日本製工作機械の不正輸出防止が目的」と話す。今では工作機械以外の先端技術製品でも採用されているという。

一部海外ユーザーからは、「工場内の機械レイアウト変更が面倒」といった声もあるものの、工作機械各社は、不正防止への理解を求めて、装置の搭載を推進する考えだ。(西村利也)

一種のプロテクト技術と見ることが出来ますが、どの程度の堅さなのか?でしょうね。
裏をかくのはどんな技術でもあることです。

以前、東芝機械の5軸スクリュー加工機が当時のソ連に輸出したことで、東芝本体が制裁された事件があったから、日本の工作機械メーカはナーバスなのでしょう。

東芝機械事件では肝心の5軸制御装置はノルウェー製かなんかで、東芝機械としては「作動しない機械」あるいは「機械のパーツ」を輸出したことになるのですね。

これはどう考えても「技術レベルでは言いがかり」であって、東芝機械の脇が甘かったとは言えるかもしれませんが、それで国際問題になってしまったという経験からこういう問題に対抗するためにという意味合いが大きいのでしょうが、難しい事です。

10月 22, 2007 at 09:52 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.10.14

皇太子の車が路上で故障走行不能に

読売新聞より「皇太子さまの車がエンスト、予備の車で宿泊先へ…秋田

13日夕、秋田県横手市で、同県を訪問中の皇太子さまを乗せた車のエンジンが突然止まるというトラブルがあった。

同日午後5時10分ごろ、同市内の幹線道路で、皇太子さまの車がエンストを起こして停車。車列を組んでいた他の車も一斉に止まった。
皇太子さまにけがなどはなく、同乗していた宮内庁東宮大夫、皇宮護衛官とともに予備の車に乗り換えられ、車列は約2分後に再び動き出した。
皇太子さまの車は同庁車馬課で管理しており、走行中のトラブルは非常に珍しいという。

皇太子さまはこの日、秋田市で開かれた全国障害者スポーツ大会「秋田わか杉大会」の開会式に出席。水泳競技を見学した後、宿泊先のホテルに向かわれる途中だった。

他の新聞記事によると、故障した車は普通に公務で使われている車だそうで、さほど特殊な車ではないようです。
多分、普通に政治家が使っている防弾仕様程度の車でしょう。

第一、我々が日常的に使っている車でも故障で走行中に走行不能になることは滅多にない。
バッテリーの上がりなどでも、エンジンが始動しなくなる事が多くて、走行中にストップとなるる原因の多くは燃料切れとかベルトの切断といったところでしょう。

ありそうなのはベルト切れかなあ?
本当とのところはどんな故障だったのでしょうか?

10月 14, 2007 at 10:47 午前 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

有機ELの長寿命化

日経新聞より「セイコーエプソン、有機ELに参入・寿命、液晶並みに

セイコーエプソンは次世代ディスプレーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)事業に参入する。専用製造ラインを建設、年内にも受注生産を始める。
有機ELの製品寿命はこれまで約3万時間が限界とされてきたが、同社は材料や構造の見直しで2倍近い5万時間以上を可能にし、液晶ディスプレーとほぼ同等にした。
高い耐久性が要求される商業施設向けなどの需要を開拓する考えで、有機ELの用途が広がりそうだ。

有機ELは基板上に配列した有機材料に電気を流して発光させ、表示する仕組み。
材料の耐久性がもともと低く、繰り返し電気を流すことで寿命が短くなっていた。
同社は材料の配合見直しに加え、必要な部位だけに最小限の電気を流すパネル構造を独自開発して採用した。
液晶や一般的なプラズマディスプレーの寿命である約6万時間に大きく近づいた。

初期の液晶が、表示装置なのか温度計なのが区別が付かなかった頃から考えると現在のように液晶が大々的に使われるほど進歩するのですから、有機ELも期待したいです。

ソニーがテレビを発表していますから、モバイルPCのディスプレーとして期待したいですね。
しかし、記事の内容からすると一ヶ所だけを使い続けると寿命が来そうな感じなので「焼き付いた」という言葉が復活するのかもしれません。

10月 14, 2007 at 10:34 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.09.22

737-800胴体の亀裂

朝日新聞より「中華航空、佐賀空港で亀裂発生機の調査開始

佐賀空港に着陸した台北発の中華航空チャーター便(ボーイング737―800型機)の胴体下部に77センチの亀裂が見つかった問題で、同社は22日、亀裂の発生原因の調査を本格的に始めた。

同社が台湾本社から派遣した整備士ら約10人は午前9時前から、駐機場で調査を始めた。
貨物室のハッチを開き、内側と外側から亀裂部分や周囲を細かく確認し、撮影を繰り返した。

同社によると、亀裂は主翼と尾翼の中間付近に前後の方向で一直線に走り、幅、深さとも数ミリ程度。
機長は「運航中、機内の気圧や操縦に問題はなかった」と説明しているという。同社は、機体の本格的な調査は台湾でする意向だ。

これはなんなんでしょうかね?
尻餅事故などは起こしてないそうですし、出発前に見つからなかった亀裂が日本に到着したらすぐに発見された。
この情報だけで判断すると、飛行中に亀裂が入った事になってしまいます。

どの程度の亀裂なのか情報を待っていたのですが前後方向に一直線で77センチとのことですから、製造段階の問題のように感じますね。

737型でも-800ですから、最新技術で作られているのかな?
767や777では三菱重工がケミカルミーリングで加工していますね。こんなところに影響しなければ良いのだが・・・・

9月 22, 2007 at 05:11 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.15

ポンバルディア機主脚の構造

朝日新聞より「欠航、連休にずれ込む ボンバル主脚事故で緊急点検

着陸時に主脚が壊れる事故が3日間で2度もあったカナダ・ボンバルディア社製のDHC8―400型機。
いずれも海外の事故だが、影響は同型機が24機運航する国内にも及び、緊急点検による欠航は連休にずれ込んだ。
同型機は今年3月、高知空港で前脚が出ずに胴体着陸したばかり。「またか」。相次ぐ脚のトラブルに、利用者や航空会社の不安は高まる。

「心苦しく思っています」。14日、羽田空港近くの事務所で記者会見したボンバルディア社のトッド・ヤング副社長は、多くの欠航を出す事態について謝罪した。
この日、同社はアジアで最初のサポート事務所の開設を盛大に披露するはずだったが、会見は事実上、釈明の場になった。
「欠陥機では」との記者団からの問いに、「高いレベルの認証を受けた安全な航空機だ」「今回の点検要請は、迅速に対応した証し」などと答え、火消しに躍起だった。

着陸直後に右主脚が破損する事故は、デンマークで9日、リトアニアで12日に起きた。
同社によると、右主脚を出し入れする油圧ピストンの先端部のボルトが外れ、その影響で主脚が正しく固定されない状態に陥ったらしい。
11日から航空各社に主脚の点検を求め、12日には着陸回数が1万回以上の機体の運航停止を要請。13日には、より詳細な点検指示を出した。

日航と全日空両グループは、連日夜遅くまで点検作業と広報対応に追われた。
それでも13日に計87便、14日に日航系41便が欠航。日航系は3連休中も伊丹―宮崎間など計8便が欠航し、他機種による臨時便を出さざるをえなくなった。

テレビのニュースで着陸したら片方の主脚が引っ込んでしまった、という衝撃的な映像が流されて大問題になっています。
国交省は事故については非常に明快にサイトにアップするので調べるのも簡単になりました。

「ボンバルディアDHC-8-400型機の2件の事故を受けた我が国の同型式機に対する点検指示について(製造国政府の耐空性改善命令TCD-7157-2007に基づく措置)」(PDF)に点検箇所の図がありました。 点検内容は以下だそうです。

  1. 左右の主脚全般について目視点検
  2. 主脚格納作動器のシリンダー先端のナットについて、ナット及びゆるみ止めワイヤーの取付状態の目視点検

全般の点検は当然ですから、問題がシリンダーの先端のナットとそのゆるみ止めのワイヤーとなります。

Up2

シリンダーの先端のナットが緩んでいてはいけないと言うことなのでしょうがどう見ても単なる油圧シリンダーのように見えるし、シリンダーの固定部はナットの隣の部分でしょうね。
どういう具合に取り付けてあるのかというと。

Up3

Up1

こんな具合になっています。
飛行機の可動部分はコンパクトにするために妙に凝った構造が多いのですが、これもそのようで、水平になっているハシゴのようなパーツがトグル機構として脚出し位置でロックするのでしょう。

油圧シリンダーのピストンが押した位置がロック位置まで届かなかったと考えるべきでしょうが、そうなると「ナットはなんの役目をしているのだ?」になりますね。

ナットが回ってしまうとシリンダーの幾何学的位置が狂ってしまうような設計だと言うことなのでしょうか?
なんかちょっと巧妙に過ぎるという印象があります。

9月 15, 2007 at 12:48 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

2007.09.11

スーパーエコシップとはなんぞや?

毎日新聞より「タンカー進水式:電動で環境配慮 佐世保の造船所で建造

国土交通省と独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が建造を後押ししている電気推進船「スーパーエコシップ」のタンカー「なでしこ丸」の進水式が11日、長崎県佐世保市の前畑造船であった。
環境への負荷を軽減した次世代船で国内4隻目。タンカーでは初の建造となる。

白油(精製油)の国内輸送用タンカー(749総トン)で、従来のディーゼルエンジンに代わり、電動モーターでプロペラを回すため、二酸化炭素排出量を約10%軽減し、騒音も抑えることができる。
また、船体が損傷した場合に油の流出を防ぐダブルハル(二重船殻)構造とし、推進効率を向上させる二重反転プロペラも採用している。

同機構が大阪市の海運会社「商運海運」と建造した。同社は同機構などから各種補助を受けて運航する。スーパーエコシップはほかに、フェリー、貨物船、化学薬品輸送船が既に就航している。

このニュースを読んだときに「電気推進にしてエコになるとはどういうことだ?」が最初の印象でした。
電気推進船は珍しくなく、豪華客船ではクイーンメリー2(2004)やクリスタル・ハーモニー(1990)、ダイアモンド・プリンセス(2004)などが知られています。
クイーンメリー2は推進ポッドを採用しポッドを回転させることで舵を不要としました。

当然、発電機を使用してモーターを駆動しているのですから、機械・電気・機械となるエネルギー変換効率が問題だろうから、エコになるというのが理解しがたかったのです。

今回の内航用タンカーは「スーパーエコシップ」(PDF)なのだそうです。
要するに、エンジンなどの配置を自由にすることで船体の効率(荷役を含む)を挙げると言うことなのでしょう。

先に紹介したクイーンメリー2では、ガスタービン発電機を最上部に配置していますね。
客船でもエンジン配置を自由にすることで、使い勝手を良くしたということなのでしょう。

「スーパーエコシップ・フェーズ1規準」(PDF)によると

  1. 総則
    スーパーエコシップ・フェーズ1とは、電気推進システムを採用することにより、環境負荷低減、物流効率化等が図られている船舶をいう。
  2. 設計要件
    船舶の設計が以下の要件を満足すること。

    1. 船舶の推進システムのうち、通常の航行に必要な推力を供給するものが以下のa.の設備のみ又はa.及びb.の設備の組合せにより構成されていること。
      また、当該推進システムを構成する発電用原動機又は推進器駆動用原動機のひとつに異常が生じた場合においても船舶の運航に支障がないこと。

      1. 発電用原動機、発電機、インバーター(又はコンペンセータ)、 推進器駆動用電>動機、推進器等により構成される電気推進ユニット
      2. 推進器駆動用原動機、推進器等により構成される原動機推進ユニット
    2. 以下のいずれかの措置を講じることにより、エネルギー効率の向上が図られていること。

      1. ア バトックフロー船型その他の推進効率の向上に資すると機構が認める技術の採用
      2. イ 電動荷役システムの採用その他のパワーマネージメントの最適化に資すると機構が認める措置

パワーマネージメント、電気式制御による人員の削減や操船の簡易化といったことを総合してエコシップということのようです。
なかなか興味深い内容ですが、新聞の報道はどうにも簡単すぎて説明が伝わっていないと感じましたね。

9月 11, 2007 at 11:54 午後 もの作り | | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.08.31

スキャナ機能のある液晶パネル

日経新聞より「シャープ、名刺を読み取る新型液晶パネルを開発

シャープは31日、スキャナーやタッチパネル機能を持った新型の液晶パネルのサンプル出荷を9月から始めると発表した。携帯電話の液晶画面に名刺を置くと文字を読み取り、電話番号を自動的にメモリーに入力することなどができる。
すでに量産準備に入っており、来年には新型液晶を搭載した製品が登場する見通しだ。

液晶パネルの画素に微細な光学センサーを隣接させて製造する。センサーが画面に触った指先の位置や、名刺の文字を感知する。
タッチペン式の携帯ゲーム機では触った場所は一点ごとしか検知できないが、新型液晶では指で同時に数カ所を押しても感知できる。
「現在のタッチパネル式に比べコストは増えない」(モバイル液晶事業本部本部長)としている。

なんか、将来が有望な技術のように感じますね。タブレットPCに使ってくれないものかな

8月 31, 2007 at 10:58 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.08.30

中華航空機爆発炎上事故その11

朝日新聞より「炎上機と同型のANK機、留め具なし 製造時つけ忘れか

那覇空港での中華航空機(ボーイング737―800型)の炎上事故を受け、同系機の緊急点検を指示していた国土交通省は30日、全日空グループのエアーニッポン(ANK)の1機(同700型)の主翼内部で、固定されていない金属製のボルトが1本見つかったことを明らかにした。那覇の事故は脱落したボルトが燃料タンクに突き刺さったことが原因とされ、ANK機も同様の危険性があった。同機は就航間もなく問題個所は点検対象ではなかったため、製造段階で留め具をつけ忘れた可能性があり、同省は製造国の米国に報告するとともに、原因究明を要請した。

ANKや国交省によると、左主翼の前側に4枚ある可動翼(スラット)のうち、一番翼端側の1番スラットの支柱(アーム)を29日深夜に点検したところ、ワッシャー(座金)と呼ばれる金属部品がボルトについていなかった。

ボーイング社の仕様書によると、アームにあるボルトの取り付け穴は直径1.1センチ。ワッシャーは外径1.57センチ、内径が0.66センチで、ダウンストップという部品を留めている。ダウンストップには真円ではない穴(直径1.04~1.06センチ)が開いており、この穴の摩耗度合いなどによっては、ワッシャーがなければナット(直径1.06センチ)がついたボルトが脱落しかねない状態だった。

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。国交省は「製造段階での付け忘れの可能性がある」としている。

問題のボルトでは、炎上事故以前に海外で2件、ナットの脱落があり、うち1件は燃料漏れにつながっていた。事故を受けた米国の連邦航空局(FAA)の命令に基づく、同系列機約2300機を対象とした緊急点検でも、新たに4件の部品脱落が確認され、うち1件はトラックカンと呼ばれるアームの収容部に損傷があった。FAAは28日付で点検期限の前倒しを命じる耐空性改善命令(AD)を出した。

国交省の報道発表資料より「中華航空事故に関連した我が国航空機に対するスラット機構部取付状態の一斉点検における不具合の発見について」さらに別紙(PDF)に詳細図がありました。

Up

組み立て状態図。

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今回、ワッシャ無しで見つかった状態。

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本来のワッシャが付いている状態。

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今回、ワッシャ無しが発見された機体は

この機体は今年1月に就航し、飛行時間は約1300時間。
ANKは定期点検を2度実施したが、整備士も触れていなかった。

ですから、国交省が「製造段階で取り付けられていなかった可能性あり」と言うのも当然でしょう。

それにしても、なんかすごい乱暴な仕組みですね。

8月 30, 2007 at 11:11 午後 もの作り, 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

エレベータの強度不足?

毎日新聞より「エレベーター強度不足:住友重機械製の変速機使用74台で

国土交通省は30日、住友重機械工業製の変速機を使用したエレベーターの一部に強度不足の可能性があると発表した。
同日までに3社74台について強度不足を確認したとしている。
変速機の安全性の計算式に誤りがあり、実際以上の強度が算出されていたためで、人が乗る「かご」の巻き上げ用ロープを回転させる車軸部分が折れ、停止する恐れがある。

03年以降、かごに人が閉じ込められるなど3件の事故が確認されているが、けが人は出ていない。
同省は、この変速機を導入しているメーカー全25社(計2934台)に点検を指示、同日までに7割に当たる2100台について作業を終えた。
強度不足が判明したエレベーターでは、部品交換を進めている。

問題のあるのは92年以降に製造された変速機。
定員数など使用条件によって問題がないエレベーターもあるが、業界標準の8割程度の強度しかないケースもあった。
今年3月16日には千葉市の郵便関連施設でかごが停止し、人が閉じ込められる事故があった。【高橋昌紀】

なんだ?こりゃ。
シンドラーエレベータで紹介された写真だと、ごく普通のギアード減速機で業界標準の80%程度の強度だと折れることがある、というのはシアピンかな?
それなら「安全装置の早期作動」とかじゃないのかねぇ?

もっとも、シアピンのミスでえらい目に遭った経験はある。すごくまずいことに変わりはないが、誤作かねぇ?
設計ミスとなってますね。同じ強度の部品ではなくて、同じ計算式で個々のエレベータの負荷に合わせて違う部品を作っていた。
その計算式が違っていた。ということかな?
それだと分かりにくいね。う~ん、これも現場感覚の欠如か?

追記

国交省の報道発表を見ていたら、巻き上げ機の詳細とあって「折損した軸」と説明が入っている図面がありました。

それによると、減速機の出力軸が折れたことになっていますが、いくら何でもそれはないのではないかなあ・・・・。
何十ミリもありそうなシャフトですよ。

8月 30, 2007 at 10:30 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)