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2012.03.29

神世界裁判2012/03/27

時事通信より「教祖に懲役10年求刑=「神世界」霊感商法-横浜地裁

 有限会社「神世界」(山梨県甲斐市)グループの霊感商法事件で、祈願料名目で現金をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪に問われたグループトップの斉藤亨被告(54)ら4人の論告求刑が27日、横浜地裁(朝山芳史裁判長)であった。検察側は、「教祖」と呼ばれた斉藤被告に懲役10年を求刑した。

判決は5月1日。

 元幹部の佐野孝被告(43)には懲役6年、傘下のサロン運営会社元役員浅原史利(48)、嘉子(48)両被告にはそれぞれ懲役4年を求刑した。

 検察側は論告で

「他人の悩みを解決する能力がないのに、心霊能力で解決できるように装い、
多額の違法な利益を得た」
と批判した。

一方、弁護側は最終弁論で「反省、謝罪し神世界を解散した。被害者と示談や和解が成立し、被害金を返金している」として、執行猶予付き判決を求めた。
(2012/03/27-13:05)

一昨日(2012/03/27)、横浜地裁で神世界事件の刑事裁判を傍聴してきました。

今回で、結審で次回は判決です。

405号法廷は、10席程度が記者席になっていて、記者で埋まりました。
報道用の撮影もあったために、開始まで少々時間が掛かりました。

最初に弁護側が証拠を提出しました。弁1から弁48までです。

内容はほとんどがネットに発表した神世界グループを構成していた会社の解散手続などの書類、和解金の振り込み実績などでした。

なんで今ごろになって、こんなものを出してくるのだろう?と思っていましたが、日付が早いものでも23年12月で、遅いものだと24年3月26日つまり昨日付というものでした。

そもそも、神世界グループを構成する会社の解散については、3月22日付けというのですから、裁判の最後での証拠提出で、検察も争うところのない事実で、証拠採用になりました。

裁判の最終日ということで、被害者代表の意見陳述がありました。

この方は、以前証人として証言しているのですが、その後、裁判を傍聴していて、証言時とは意見を変えたとのことで、裁判の進行中の状況についての陳述が中心でした。

組織的詐欺と聞いて、驚いた。

傍聴していると、弁護団への批判、警察への批判、被害者調書への批判などが あって、言い逃ればかりであり、反省を感じられなかった。

傍聴している信者が法廷で御霊光を送る動作をしていた。

多数の信者を動員して、傍聴券を確保し、実際に傍聴するのは、 コアな信者に限っていた。

法廷から自宅に戻るときに、尾行され県警に相談したこともある。

信者の様子は反省しているようには見えない。 今後も名前を変えて続けていくのだろう。

多くの被害者が恐れて、被害弁済を求めていない。

自分自身は、誘った人から今も恨まれていて、 人間関係の回復は不可能である。

ホームオブハート事件でも、ほとんど同じ構造でした。

多数の信者がいて、信者自身や家族に多額の金銭的被害が事実として生じているが、信者自身は洗脳されているために、被害感情がない人もいます。
その一方で、裁判で戦う被害者もいるので、この間には個々の被害者の色々な判断などがあって、一律に行動する、といった事にはなりません。

この当たり前のところを、被告側の団体が利用して「小数の被害者は弁護団に欺された人」だとか「被害者は小数なのだから、団体が正しいことは証明されている」といった論理展開をしています。

ホームオブハート裁判を見ていたわたしには「全く同じだね」と感じました。
神世界は賠償済ませて民事で和解が成立していますが、これは言わば「トカゲのシッポ切り」であって、被害者代表の意見の通り「名前や形を変えて、同じような事を続ける」と見るべきでしょう。

検察は組織的詐欺罪に当たるとした、神世界グループの構造を延々と説明しました。

そもそも、神世界は宗教の枠に収まらない超宗教だということで、会社組織にした、と主張しているようです。

このため、見かけ上はグループを構成する会社や社員の不祥事やミスであったという主張で、神世界グループの活動には問題がない、との主張でした。

現実には「効果がなかったから、もっと効果ある・・・・」といった手法で被害者により多くの金銭を取った、となるのですが、このような場合「効果がなかったのは事実だが、たまたま被害者にだけ効果がなかったのだ」との主張です。

「効果」がたまたま無い人が被害者になった、ということであれば「組織的に欺した」ことにはなりません。

そこで検察は

効果の有無といった核心の部分については、被告に問いただしたが、あいまいで説明になっていない、だから「たまたま効果がない」のではなくて「欺すのが目的だ」
と主張しました。

検察官は、会社の形態を取った理由の一つは、各会社の業績を競わせることで、より多くの金銭を得る仕組みであった、としています。

被害者に宗教であるとは言っていませんし、被害者も「宗教であれば入らなかった」と言っているのですから、組織として宗教色を薄めていたのは確かです。

しかし、やっていることは普通に宗教活動的であり、被告の説明では、父親の信仰の影響で宗教家になり、宗教の枠に収まらない超宗教だと考えたから、会社組織にして宗教とは名乗らなくなった。
しかし、被害者に対しては「宗教家として」とか言っているのですから、首尾一貫していません。

報道にあるとおり検察は、斉藤被告には懲役10年、佐野被告には懲役6年、浅原史利被告、浅原嘉子被告には懲役4年を求刑しました。

被告人の陳述は、斉藤被告が一番長いものでしたが、「被害者、一般会員、その家族に申し訳ない。宗教家として慚愧に堪えない」といったものでした。

非常に異様に感じたのは、「一般会員に申し訳ない」とは、裁判になったことだとしか思えないのです。

つまり、事件の内容に対しての反省など無いわけで、会社を解散したのはどういう意味か?となります。

佐野被告の陳述では、指導力不足を謝罪する、とあって犯罪目的があったこと自体を認めていません。インシデントであったとなります。

結局この2名の陳述の背景には「止めないぞ」との意図しか見えないわけで、この種の事件の深刻さを浮かび上がらせたと感じました。

3月 29, 2012 at 09:58 午後 裁判傍聴 | | コメント (0) | トラックバック (0)