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2012.11.01

下ヨシ子裁判結審

下ヨシ子事件控訴審第一回口頭弁論の続きです。

この事件は、宗教団体に悩みを相談したところ、結果的に多額の金銭被害を受けたとする被害者が損害賠償を求めて提訴し、名古屋地裁で原告(被害者)勝訴となった裁判の控訴審です。

控訴したのは一審で敗訴した宗教団体側です。

車で行ったので13時45分開廷に合わせて13時30分に名古屋高裁の駐車場に着いたら、ちょうど一台が駐車場から出るところで、ラッキーと右折して駐車場に入ろうとしたら、対向車線から左折で駐車場に入った一台に先を越されて満車。
仕方ないので、名古屋城の駐車場に駐めました。

13時35分ぐらいに10階の法廷に入ると、傍聴席(48人分)の半分が宗教団体側の傍聴者(応援者)で埋まっています。
前回より増えているみたい。

対して被害者側の傍聴人は、わたしを含めて2名。

開廷時刻になっても、裁判官が入廷しないので、事務官が
「本日提出された証拠申請を検討していて遅れているのだと思います」
と発言して、わたしは「へ~」と待っていると、13時47分に裁判官が入廷して、開廷。

宗教団体側から、新たな証拠の提出があって、細かい点の確認が進む。

この新たな証拠申請の中核が証人尋問の申請で、六人の証人尋問の必要性を宗教団体側の弁護士が述べました。

そもそも控訴審なのだから、全く新しい証拠が出てきたといった事情がないと、
証拠調べも事実確認以上の意味はないわけで、
まして証人調べとなると、なぜ証人調べが必要なのかという証拠が事前に出ているべきで、
いきなり「証人尋問が必要」と主張しても、反論されるだけです。

被害者側弁護士は「証人尋問の必要がない理由」と反論を淡々と述べます。

裁判の技術としては、当日になってこのような証拠申請をすると
反論する弁護士が自信を持って法廷で反論しないで
「持ち帰って検討」などと言ってしまうと、当然裁判は延びる事になります。
判決を先延ばしするという狙いからは、事件そのものではなくて相手弁護士などの
体制を攻撃することもあります。

後になって考えてみると、証人尋問が必要だ、という主張を打破する反論を即座に論理的にまとめるのは大変な事だと思います。
慎重になれば「持ち帰って検討」となってしまうでしょう。

裁判官は13時59分「合議します」と退廷。

時間がかかるのかな?とノートを整理していると、14時01分に裁判官が入廷。

3分間の合議でした。起立した傍聴人が着席したとたんに裁判官が

証拠申請は却下。弁論を終結します。判決日は・・・・

と一気に述べてしまい、宗教団体側弁護士がここで「証拠を出す」と発言すると、
裁判長は「分かりました」とでもいった対応で

「判決は、1月24日、2時半」

とのべて14時2分に閉廷しました。

わずか15分の法廷でしたが、非常に興味深い点が幾つもありました。

  1. 当日の証拠申請
  2. 裁判官の合議
  3. 証拠申請却下
  4. 弁論終結、判決日確定

これらのそれぞれに思惑があって、まさに裁判の攻守が凝縮していて「これぞ裁判」といった感じでした。

11月 1, 2012 at 01:22 午後 裁判傍聴 |

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コメント

こんばんは。

この訴訟は、酔うぞさんと紀藤弁護士のブログしか見ておらず、原審でどんな議論があったのかは想像するしかないのですが…。

控訴審における被告の主張というか、ポイントは何だったのでしょうか?
原審の判決文に対する反論であれば、既に原告が散々しているでしょうし。
信者連れてきて「私は(私に対する)勧誘は問題ないと判断した」と証言させたとしても、原告への勧誘に問題があったかどうかとは無関係でしょう。

明確な法令違反でもあったのでしょうか?
そうでないとするならば、comには代理人が被告の暴走をもっとしっかりと止めないと、と思ってしまいました。

ほぼ覆ることはないような案件で控訴しても、諸経費と賠償金の金利が増えるだけですしね。

投稿: com | 2012/11/11 21:15:35

わたしも細かくは承知していませんが、被害は金銭であり、被害者は不当に取られたであり、宗教団体側は正当な宗教行為である、という衝突でした。

第一審は、不安畏怖によって払わされたと認定して宗教団体側に賠償を命じました。

控訴審では、3点の争いがあると始まりしたが、わたしのメモでは
  1 宗教行為か、不安畏怖によるものかの再判断
  2 被害者の経済状況に不明な点がある
  3 (よく分からないのですが)被害者に裁判中(?)に金銭を提供するとの話があった。

といったところが争点になる予定でした。
一番大きいのが1番で、宗教団体側は証人調べを申請しました。

しかし、宗教行為か無理強いかという問題の証言では、程度問題になってしまうのは明らかな上、一審で同様な証言がすんでいるのですから、一審で勘違いだったという証言であっても、決定的ではないのは明かで裁判所が認めなかったのも当然です。

なぜ控訴審の弁護を引き受けたのか?というのは分かりませんが、控訴審で戦って負けるというのは社会的には宗教団体の今後の暴走に歯止めをかける効果はあったでしょう。

これが、弁護士が最初から「止めた方がよい」と降りたとする、別の弁護士に行くでしょうし、控訴を取りやめたら「次は何とかなる」と逆の自信を付けたかもしれません。

難しいものですね。

投稿: 酔うぞ | 2012/11/12 22:36:29

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