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2011.11.01

小金井ゴミ戦争に発展するのか?・その一つの結末か?

読売新聞より「小金井市長、ゴミ収集危機で引責…辞意表明

東京都小金井市の佐藤和雄市長(54)は1日、自らの選挙戦での言動をきっかけに、可燃ゴミ収集停止の恐れが出ている問題の責任を取る形で、市議会議長に辞表を提出した。

地方自治法では、市長が20日以内に退職する場合は議会の同意が必要と定めている。佐藤市長の辞職は、1日午後にも開かれる市議会で諮られる予定。

佐藤市長は今年4月の統一地方選で初当選。市長選の選挙公報などで、可燃ゴミの焼却を依頼している周辺自治体に支払うゴミの委託処理費の増加分について、「ムダ使い」などと指摘したため、周辺市の反発を招いた。今年度排出見通しの可燃ゴミのうち未契約だった約5500トンの搬出先がいまだ決まらず、今月半ばにも収集停止の恐れが出ていた。

(2011年11月1日14時41分 読売新聞)

近来まれに見るひどい話ですね。
「小金井ゴミ戦争に発展するのか?」に書きましたが、今年の春の統一地方選挙で、現職を破って市長に当選した人です。
近隣の自治体にゴミ処理費を支払って、なるべく早く新焼却場を完成させるという選挙せん当時の実情以外の選択肢があると公約したのでしょう?
だから、「ごみ処理4年間で20億円」が無駄だと選挙戦で述べた。

そして、現実にはゴミ処理自体が出来なくなりそうなところに追い込まれたから、辞職って何です?
市長として、任務を遂行しなさいよ。
口から出まかせをいって、当選したら「出来ません」とはあり得ない話しだ。

いわば、選挙詐欺だろう。

11月 1, 2011 at 04:31 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2011.10.30

アマゾンという黒船

BLOGOSの記事より「「こんなの論外だ!」アマゾンの契約書に激怒する出版社員 国内130社に電子書籍化を迫る

 「今、話題になっているTPPと同じですよ。期限を区切って、回答を要求する。アメリカ人の大好きな手口です」。10月中旬、都内の喫茶店で、男性が声を潜めながらも憤りを露わにしていた。彼は都内の中堅出版社「S出版」(仮名)に勤める書籍編集者。編集業務のみならず著作権管理にも精通したベテランだ。


 ネット通販大手の米国のアマゾン・ドット・コム社(以下、アマゾン)からS出版に送られてきた封筒。そこに入っていた契約書案を見て、男性は愕然としたという。彼の話によると、アマゾンは年内にも日本で電子書籍事業に参入する予定。国内の出版社130社に対して共通の書面で契約を迫っているそうだ。しかし、その契約書は「アマゾンは出版社の同意なく全書籍を電子化できる」「売上の55%はアマゾンに渡る」「価格は書籍版より必ず低くせよ」など、出版社側に不利な内容だった。アマゾンは「10月31日までに返答せよ」と要求している。

 「こんなの論外ですよ。もはやロイヤリティ以前の問題です。一読してもらえば、どんなにひどい内容か分かりますよ」と、男性は吐き捨てるように言った。アマゾンは一体何を狙っているのか。男性の話から、「黒船」来襲で動揺する出版業界の内幕が見えてきた。【取材・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】

「これまでの全書籍を電子化せよ」



 男性はこう説明する。
 
「10月上旬に説明会があったんです。渋谷にある日本法人"アマゾンジャパン"に、うちも含めて各出版社の担当者が呼ばれました。全部で130社が集まったそうです。そこでアマゾン側が『我々は日本でも電子書籍事業を開始することにした。後日、契約書を送るのでサインして欲しい』と表明しました。しかし、数日後に、送られた書面を見て、呆れるほかなかったんです」

 そう言いながら、男性は契約書のコピーをこっそりと差し出した。「KINDLE電子書籍配信契約」と書かれたその文書には、事細かに契約条項が並べられている。KINDLE(キンドル)とは、アマゾンの電子書籍端末の名前だ。キンドル向けに提供されるコンテンツは、他社のスマートフォンやタブレット端末で読むことができる。

 「まず問題なのは、この部分です」。男性が、契約書の冒頭部分を指差した。そこにはこう書かれていた。
出版社の新刊書籍をすべて本件電子書籍として本件プログラムに対し提供するものとする。

さらに、出版社は、権利を有する限りにおいて、既刊書籍についても本件電子書籍として本件プログラムに対し提供するために商業的合理的努力を尽くすものとする。

出版社が上記権利を有しているにもかかわらず本件電子書籍として提供されていないタイトルがある場合、出版社は、Amazonが自己の裁量および負担で当該タイトルの本件電子書籍を作成し、出版社の最終承認を得ることを条件として(ただし、かかる承認は不合理に留保されないものとする)、当該本件電子書籍を本件プログラムにおいて配信することを許諾する。
 「ひどいものですよ」と男性はため息をつく。「新刊だけでなく、これまでに出した全ての書籍を電子化する権利を渡せというんです。しかも、それに対して出版社側は拒否権を持てないというんです」。確かに、これではアマゾンにあまりに都合がいい条文だ。「しかし、これなどまだ甘い方です。肝心のライセンス料が法外なんです」。男性は続けた。

売り上げの半分以上はアマゾンへ


Amazonは当月中の各本件電子書籍の顧客による購入の完了につき、希望小売価格から以下に定める金額を差し引いた正味価格を出版社に対して支払うものとする。

i.推奨フォーマットで提供された本件電子書籍については、希望小売価格に[55%](100%-正味)を乗じた金額

ii.推奨フォーマット以外のフォーマットで提供された本件電子書籍については、希望小売価格に[60%](100%-正味)を乗じた金額

iii.本件電子書籍の特別プロモーションのために双方間において合意するより高い料率(100%-正味)を希望小売価格に乗じた金額
 アマゾンの価格設定は以上のように記載されていた。若干分かりにくかったので、男性にどういうことか確認してみた。

「要するにアマゾンが推奨するAZWフォーマットで電子化された書籍は、小売価格のうち55%をアマゾンが得るということのようです。評判の悪いiBookstoreですら、アップルの取り分は30%なのに段違いです。つまり、アマゾンで電子書籍化すると、出版社に渡るのはわずか45%。この中から、著者への印税を我々が払わないといけないんです」

 そう男性は語る。ちなみに推奨フォーマット以外だとさらに出版社への分け前は減り、わずか4割に。特別プロモーションの場合には、さらに下がるという。

欧米流の「著作権管理」を要求



 契約書を読んでいて気になる文面があった。「権利帰属および支配」という条項に以下のように書かれているのだ。
出版社は、本件コンテンツに関する著作権およびその他の全ての権利および利益を保有
 「あれ?著作権って、本の著者が持っているはずでは」。出版社が著作権を保有するとはどういうことなのだろう。不思議に思って、男性に質問してみた。

「よく気づきましたね。実はこの条文が、今回の契約書の肝なんです。日本の出版社が持っているのは単行本の出版権だけで、著作権は著者個人に帰属しています。ところが、この条文には全書籍の著作権を出版社が一括して管理せよという風に書いてあるんです。欧米では普通のやり方ですが、日本でやっている出版社はまずありません。今回、アマゾンと契約書を締結するためには、今まで本を出した全て著者に『アマゾンで電子書籍化するので、著作権を全て我々に管理させてください』と了解を取ってライセンス料も払わないといけない。これを一ヶ月以内にやるのは、はっきり言ってどんな会社でも不可能です」

 なるほど……。 欧米で本や雑誌を出版する場合は、出版社は作家から本・雑誌記事の著作権を買い取る契約をするのが通常だと言われている。今回のアマゾンの契約書は、欧米の出版方式に合わせた契約書になっており、日本の出版界の実情とは全く異なっていたのだ。

「紙の書籍より高くしてはならぬ」



 このほか、価格決定権もアマゾン側が握っているという。契約書には以下のように書かれている。
本件電子書籍の希望小売価格の税込価格が当該国における当該本件電子書籍の紙書籍版の最も低い希望小売価格(または定価)を超過する場合、当該本件電子書籍の希望小売価格の税込価格は、同日付で当該価格と同額とみなされるものとする。
 つまり、アマゾンで売られる電子書籍版の価格が、一円でも紙の書籍を上回った場合には、強制的に紙の書籍と同額になるというのだ。

 「本来、本を売る書店であるはずのアマゾンという業者が、本の価格決定およびリアル出版の部分に影響を与える可能性を多分に秘めている条項なんです」と男性は指摘する。

 このほか「カスタマー対応のために、データを返却しない」などアマゾン側に有利な条項が続々と並べられていた。

日経スクープはアマゾン側のリーク?



 あまりにも日本の出版事情に合わない契約書。男性は「130社のうち、アマゾンと契約する会社はまずないでしょう」と打ち明ける。S出版も、すでに今回の契約には応じないことをすでに決めているそうだ。

 ところが、その最終調整の最中に意外な新聞報道があった。10月20日の日経新聞朝刊で、「アマゾン、日本で電子書籍」という記事が一面トップを飾ったのだ。内容を一部抜粋しよう。
インターネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは日本で電子書籍事業に参入する。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、年内にも日本語の電子書籍を購入できるサイトを開設。

スマートフォン(高機能携帯電話)などに配信し、自社の電子書籍端末「キンドル」も投入する構え。日本勢も紀伊国屋書店や楽天がソニー製端末への書籍提供を始める。日本でも電子書籍の普及が本格化しそうだ。

アマゾンは講談社、新潮社などとも交渉しており、1~2カ月以内に数社との契約を目指している。中堅出版のPHP研究所(京都市)とは合意した。PHPは約1000点の書籍を電子化して提供する方針。

(略)

国内ではアマゾンの安売りを警戒する出版社側がアマゾンへの電子書籍提供に難色を示していた。アマゾンは出版社側に対し、電子書籍の発売時の価格設定や値下げのタイミングについて両者が事前に協議する仕組みを提案したもようで、交渉が進展した。
 この記事を読む限りでは、各出版社との交渉が進展しているように見える。この記事は事実に反しているとでも言うのだろうか。「はい、交渉の進展については全く事実と違いますよ」と、男性は断言する。
 
「この記事は、実態を知っている物からすると非常にキナ臭い内容でした。大手の講談社、小学館、新潮社、集英社と交渉中だと報じていましたが、私のところに入ってきた情報だと少なくとも講談社と小学館とは破談。新潮社との交渉も一ヶ月近く止まっているようです。PHPの情報は掴んでいませんが、他の大手も進展はないでしょう。これらの大手出版社には、10月初旬の一斉説明会の前に、事前に話が行ってたようで、大手との協議が進まないから、中堅どころを一斉に呼んで契約書を送りつけたというのが実態のようです。下手な鉄砲、数打てば当たるという目論見ですよ」

 その上で、「日経新聞のスクープは、アマゾン側のリーク情報だったのではないか」と驚くべき指摘をした。

「10月20日にこの記事が出たというところがポイントです。恐らく10月31日の期限を前に、130社に対する脅しなんです。『他社は契約するよ。この流れに乗らないとやばいよ』と危機感を煽らせるために、アマゾン側がわざとリークして日経に書かせたのではないでしょうか」
 
 そう言って、男性は苦々しげな顔でコーヒーを飲み干した。

「誰も幸せにならない電子書籍」



「これまで『電子書籍は取次を通さない分安くなる』、『紙の本よりもコスト減になる』など、著作権者も出版社も儲かるというような夢物語が語られてきましたが、それらは本当に夢物語だったんです。」

 彼は電子書籍の将来について、バサっと切り捨てる。

「電子書籍全体の売り上げは伸びているのは当たり前です。電子書店が、それだけたくさんできているからです。ただ、その伸びは鈍化しています。特に牽引役だった携帯電話向けコミックの息切れが如実なんですよ。出版業界は再販制度という流通制度に守れていながら、構造不況が続いてました。わずかに残された企業体力を加速度的に奪って、どん底へ叩き落す電子書籍の仕組みのバカさに付き合う必要がありません。そのことを著者も出版社もそろそろ気付くべきなんです。電子書籍は、結局、誰も幸せにならないんですよ」

 出版不況にあえぐ出版社にとって、電子書籍は「救世主」のように見られていたが、実態は違っていたようだ。

取材を終えて



 今回、明らかになったアマゾンの契約書では、書き手が著作権を管理する日本の出版システムがガラリと変わり、出版社が著者から著作権を買い取ることが必要になる。現状では、ハードルがかなり高いと言っていいだろう。

 ただし、もし出版システムを欧米流に切り替えて、作家から著作権を買い取り、アマゾンで電子書籍を流す役割をする出版社が一社でも出てきた場合、インパクトは大きい。作家の中にも、「紙の本が全然売れない今、電子書籍を主戦場にしたい」と思って、アマゾンの路線に乗る人が出てくるかもしれない。

 アマゾンは今のところ、作家への個別交渉は行っておらず、電子書籍版の印税も出版社任せになるようだ。しかし、電子書籍化することで、より多くの印税を得ることができ、実際にヒット作も出てくる状況になれば、旧来型の出版社から作家が次々に流出する可能性がある。そうなると、全国の出版社や書店は、アマゾンに圧倒されてしまう可能性すらあるのだ。

 今回の契約書は日本の出版社にとっては、あまりにも不平等な物で、取材に応じた男性が激怒するのはよく分かる。だが、出版不況が長引く中で、対応策が練られて来なかったのも事実。アマゾンという「黒船」が、日本の出版界にどんな影響を与えるのか。注意深く見守っていく必要がありそうだ。

この記事を読んで、大変だと思うのは出版業界にかなり詳しい人だろう。
個別の事実を知っている人は多いと思う。例えば、取次の存在、印税があることなど。

しかし、そういうものがどのようになって現在の日本の出版業界として成り立っているのかを全般的に理解しているのは、出版業界人だけではないだろうか?

実際の書籍販売においては、出版社が出発点である。そして、出版社はすべての調整を行って、出版ビジネスを動かしている。

出版は大体は次のような手順で進んでいく。

  1. 出版社が企画を作る
  2. 著者が原稿を作り、出版社の編集部門が書籍の体裁に整える。
  3. 出版社は印刷・製本業者に発注して、書籍を製造する。
  4. 出版社は取次と交渉して、取次に書籍を売却する。
  5. 取次は、期間を定めて書店に書籍を配布する。
  6. 読者は、書店で書籍を購入する。

ではこの一連の作業の対価はどのようになっているのか?

  1. 著者には、原稿料であれば、一括で出版社が支払うし、印税契約であれば取次からの売上げ情報に基づいて印税を支払う。
  2. 印刷・製本業者には、手形で支払う。これは、まだ書籍がお金になっていないのだから、手形支払になる。
  3. 取次に売却する金額は卸値であって、取次・書店の取り分を含んでいるのだが、この率が出版社と取次との力関係で決まっていて、老舗の出版社は高く売ることが出来る。
    同時に、取次の支払額は返品を見込んで引き取り数の7割といった数量で計算する。

こんな事をしているから、後から取次と出版社の間で精算する必要がある。

取次からは、月々の支払として精算した結果が出版社に支払われる。
このために、出版社にとっては月々の収入がよく分からない。

手形で回っている業界だから、手形を受け取れば続けることが出来るから、極論を言えば一冊も売れない本でも作れば当座の収入は得られる。
といったことがまかり通ってしまう。

取次は、結局は金融と配送の機能に意味がある存在で、このために出版社は営業努力をしなくなることにもつながっている。
いちばんすごいのが、書店の在庫も出版社のもので、通常書店は書籍を買い取らない。
買っていないのだから、値引きなども出来ない。

再販指定商品だから、出版社が定めた値段のままズーと続いていく。
これらが全部重なって、極めて硬直した業界になってしまっている。

そこにアマゾンが来たわけで、電子書籍なのだから、在庫はあり得ないし、当然仕入れないし、前払いもない。
その代わり精算もない。
いちばん大きいのが原理的に、取次が不要になる。ブツとしての本がないのだから、書店もいらない。

現実問題としては、アメリカのアマゾンでも紙の本の電子版をアマゾンが独占販売していると言って良いわけで、結局は紙の書籍と電子本は別物であり、別の商品として扱うのが正しいのではないだろうか?

いずれは、紙のない電子だけの本、というのもあらわれるだろうが、まだ何年か先のことだろう。
しかし、純粋な電子本は絶対に登場するはずで、その時に紙の書籍と同じ流通を取ることが出来ないのは自明のことである。
だから、今の内に電子本の流通の仕組みを確立するべきであって、紙の書籍の付け足しではダメである。

電子本に反対する作者たちは、ネット上にコピーされてタダで読まれてしまい、収入にならないという声が多いのだが、音楽ではCDが売れない理由として同様の理由が挙げられている、しかしすでにCDを無視してダウンロードでしか楽曲を提供しない作品作りをしているアーティストが登場している。

本でも、音楽でも、映画でも、書籍やCDあるいはDVDといったものは、コンテンツの容れ物(エンベロープ)であって、本来のデータとしてのコンテンツが容れ物に縛られていた、と見る事も出来る。 技術の進歩によって、容れ物が変わっていくのは、映画がビデオを経てDVDになり、音楽はレコードからテープを経てCDになった。今後も容れ物が変わっていくことに疑いの余地はない。

こんな事を考えると、出版界が「今までと違う」といくら声高に叫んでも、社会全体の動きから見ると、非常にむなしいことだと思うのです。

10月 30, 2011 at 10:38 午後 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)