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2011.10.22

東電OL殺人事件の再審の行方

毎日新聞より「東京電力女性社員殺害:右胸など付着物DNA型、第三者と一致 高検、鑑定一部開示

東京電力の女性社員殺害事件(97年)で無期懲役が確定したネパール人の受刑者(45)の再審請求審で、東京高検が実施したDNA型鑑定の結果が一部開示され、被害者の右胸部や陰部、肛門周辺から採取された付着物のDNA型が、被害者の体内に残っていた第三者の精液の型とほぼ一致したことが21日、分かった。

これらの付着物から 受刑者の型は検出されなかった。高検から結果を開示された弁護団が同日明らかにした。

弁護団によると、今回結果が出たのは、

  1. (1)口や唇の周辺
  2. (2)左胸部周辺
  3. (3)右胸部周辺
  4. (4)陰部
  5. (5)肛門周辺
--の付着物5点。
弁護団は(4)(5)については「第三者の型とおおむね一致した」とし、(3)については「別の鑑定方法で一致した」という。(1)と(2)については「型がはっきりしない部分もあり評価は控えたい」とした。

再審請求審では、東京高検が9月、被害者の胸部に付着した唾液とみられる液体や陰部、肛門の周辺の付着物、首の微物などの試料計42点を新たに弁護団に開示。
右胸部の付着物は、捜査段階の鑑定でも 受刑者の血液型(B)の反応は出ておらず、弁護団は開示を受け「受刑者の犯人性に疑いを生じさせる新しい重要証拠」とする意見を東京高裁に提出した。
42点のうち弁護団が同意した15点について、東京高検が先行して鑑定を実施。
今回の結果は弁護団の主張を補強するものとみられる。

今回の鑑定とは別に、高検が7月に開示した鑑定結果でも精液の型は 受刑者のDNA型と異なり、現場のアパート室内に落ちていた3本の体毛と同一とみられるか完全に一致していた。

弁護団は今回の結果について

「これまでの主張を裏付ける内容で、速やかに再審開始が決定されるべきだ」
と評価している。【鈴木一生、山本将克、和田武士】

◇検察幹部「新証拠でない」

検察幹部は

「被害者と第三者は他の場所で接触したと考えられ、DNA型の一致は第三者が現場の部屋にいたことの証明にはならない。検察のこれまでの主張を覆すような新証拠ではない」
と指摘した。

毎日新聞 2011年10月22日 東京朝刊

一審は証拠不十分で無罪、控訴審と上告審で有罪になっています。

しかし、DNA鑑定などの証拠は、被害者と接触した人物を特定できても、その人物が殺人を実行したという証拠にはなり得ないわけで、この点で決定的に証拠に欠けている、と感じます。

だから、検察幹部の発言は正しいのだけれども、単純に複数の人物が被害者に接触したから、殺す機会があった場合に、どうやって犯人を特定するのかは、接触があったという証拠ではダメでしょう。
検察のシナリオは、他に接触した人物が居ない、ということにしたかったから、他の証拠を開示しなかった、ということになってしまって、97年の事件の解明を14年も遅らせてしまった、ということは再審決定になるのかならないのかを別にしても、強く非難されるべきことです。

10月 22, 2011 at 03:13 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.10.19

ようやく出てきた天然放射線の話

朝日新聞より「新潟知事が汚染マップ批判 「天然放射線を配慮せず」

東京電力福島第一原発事故を受け、文部科学省が航空機で各地の放射性セシウムの蓄積量を測り、公表した汚染マップについて、新潟県の泉田裕彦知事は19日の記者会見で

「天然の放射線を配慮していない。いい加減な数値である可能性がある」
と激しく批判した。

マップの値は、新潟県内に幅広く分布する花崗岩(かこうがん)から出る放射線の影響を踏まえていない、と同県は主張している。

文科省が12日に公表した汚染マップによると、新潟県では福島県境や北部で比較的、高い蓄積の地域が見られ、一部で1平方メートルあたりの蓄積量が3万~6万ベクレルに上った。

新潟県は花崗岩分布とマップの「汚染地域」がほぼ一致しているとして、発表直後から

「すべてが原発事故による影響ではない」
としてきた。

最近になって、TVでも石造りの橋の放射線量を測ったり、という報道が流れ来ましたが、ようやくこの話が出てきたな、と思うところです。

しかし、放射線量を心配する方の多くはどうも「放射線の数値があること自体が問題」と考えているようで、事故以前にはどの地区の放射線量(バックグラウンド)がどれくらいか、なんて知らなかったでしょうから「ゼロだと思っている」」なのでしょうね。

結果として、心配は収まらないわけです。
今日も、発言小町に「原発から100キロ地点に転勤、付いて行きますか?」という相談が出ていました。

TVの「石造りの橋」「温泉」「トンネルの中」といったところのバックグランウド放射線量を示した、番組でコメントする人は「だから注意して」のごとき、どっちつかずの発言をしていましたが、これではますます不安感を煽るだけでしょう。

放射線量は、0ではあり得ないのだから、これをはっきりさせることが肝心でしょうね。
仕組みを無視して、危険だ・安全だと言い合うのは、無駄な論争だと思います。

10月 19, 2011 at 05:37 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (2) | トラックバック (0)

オリンパスの社長解任劇

日経新聞より「「発言禁じられ解任」オリンパス前社長、経緯明かす買収額、会社側「監査役会が不正なしと結論」

2011/10/19 14:13|日本経済新聞電子版

【ロンドン=松崎雄典】
オリンパスのマイケル・ウッドフォード前社長は19日、自身が14日付で 解任された経緯を、菊川剛会長(当時)や森久志副社長との9月下旬から約3週間にわたる やり取りを記録した社内文書とともに日本経済新聞に明らかにした。同日までの菊川氏の説 明とは異なり、双方の主張は平行線をたどっている。

ウッドフォード氏は日本経済新聞からの電子メールに返信するかたちで回答した。

同氏は「英医療機器メーカーのジャイラス買収に伴うファイナンシャルアドバイザー(FA)へ の手数料や国内3社の買収額が過大なことについて9月から両氏に何度か質問したが、明確 な回答はなかった」とした。

そして「買収当時の経営陣の責任を問う内容の外部調査に基づき、10月に入って両氏へ辞 任を要求したところ、10月14日の取締役会で、発言を禁じられたまま解任された」と説明してい る。

文書によれば、同氏は化粧品販売のヒューマラボ(東京・港)など国内3社の買収価格決定 の経緯や資金の調達手段などの報告を森副社長に要求。英ジャイラスなど国内外3件の買収 についても仲介したコンサルティング会社へのオリンパスからの資金提供の詳細な情報など を求めた。これらに対し「十分な回答は得られなかった」という。

一方、オリンパスは19日、英ジャイラス買収に伴うFAへの手数料や、2006年~08年に傘下 に収めた国内3社の買収額を発表した。手数料は約2億4千万ドル(約240億円)。さらにジャ イラスの優先株の買い取りに約4億4千万ドル(同約440イ意円)を使った。同社は「監査役会が 不正一違法行為は認められないと結論づけた」と説明している。[Ξ]内企業はヒューマラボなど3 社合計で734億円。「外部会計事務所の評価を得ている」(同社)という。

菊川氏は同日までの日本経済新聞の取材に対し、「ジャイラスや国内3社の買収に当たって は第三者意見を得ており、手数料や価格は適正だ」と説明していた。

朝日新聞より「オリンパス、解任の前社長に法的措置検討

オリンパスは19日、14日付で社長を解任されたマイケル・ウッドフォード前社長に対し、

「経営の混乱を招き、企業価値を損ねた」
などとして、法的措置を検討すると発表した。

解任理由を巡って同社と対立している同氏が、社内情報を社外に漏らしていることなどを問題視している。

オリンパスは14日、「経営の方向性や手法の違い」を理由に、ウッドフォード氏を解任し、菊川剛会長が社長に復帰する人事を発表したが、ウッドフォード氏は「過去の企業買収案件などで不明朗な支出があり、菊川剛会長に辞任を求めたら、解任された」と主張している。

オリンパスは19日、ウッドフォード氏が問題視した過去の買収案件の詳細を発表。
いずれの案件も「監査役会から取引自体に違法行為は認められないとの結論を得ている」と反論している。

サンケイ新聞より「英社買収に違法行為なし オリンパスが見解

2011.10.19 13:24

オリンパスは19日、社長を解職されたマイケル・ウッドフォード氏が、不明朗な資金の動きだと指摘した英医療機器メーカーの買収について「監査役会は取引に不正や違法な行為は認められないとの結論に至っている」との見解を発表した。

オリンパスは2008年、英医療機器メーカー「ジャイラス・グループ」を約10億2600万ポンドで買収した。
ウッドフォード氏は解職前に社外機関に調査書の作成を依頼。
買収を助言した会社に支払う手数料を含め、買収額が過大であった可能性があると指摘していた 。

オリンパスは助言会社に支払った総額は6億8700万ドルと公表。

買収金額は「オリンパスの企業価値の最大化に貢献するもので妥当だ」と強調した。
ウッドフォード氏による調査書に関しては「事実と異なる記述や誤解を招く恐れのある内容だ」と批判した。

簡単にまとめてしまうと、新社長(マイケル・ウッドフォード氏)が菊川剛会長の行った企業買収のコストが過大ではないか、と批判したが前会長らは正当であると主張して、就任5ヶ月の社長を解任した。
ということです。

分からないのが、これが「解任するほどのことか?」です。
就任5ヶ月で社長を解任するというほどの目立つことを実行したら、世間の注目が集まるに決まっているわけで、世間から痛くない腹を探られると判断したらこんな乱暴な手段は採らないでしょう。

しかし現実に解任した結果、今では泥仕合的になってきていて、会社がいくら「大丈夫」と言い張っても、世間の目は「開示しろ」となります。
正に「痛くもない腹を探られる」状態になってしまったわけで、この点については解任した取締役会の責任は逃れようがないでしょう。

双方の主張が、それぞれそれなりに真実と考えているものであったとしても、やり方の下手さ加減で会社の価値を貶めたのは、取締役会であって、BCP的な観点からは「早急に必要な情報を開示する」しか対策がないのは明らかです。

しかし、そこで「法的措置を検討」というのに至っては、まるで方向違いであって、このままだと状況はますます悪化することになるでしょう。

10月 19, 2011 at 02:54 午後 経済・経営 | | コメント (1) | トラックバック (0)