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2011.08.05

安愚楽牧場・紀藤弁護士のtwitterから

「安愚楽牧場倒産」にはやはり注目が集まっているようなので、紀藤弁護士のtwitterを転載します。

安愚楽牧場:今日も被害者から電話が殺到。
当事務所に電話が通じない場合は各地の弁護士会にも相談の電話を入れてみてください。

東京では

第二東京弁護士会03-3581-2255
東京東京弁護士会03-3581-2201
第一東京東京弁護士会03-3595-8585

三弁護士会は消費者相談に応じています #agura

全国の弁護士会の連絡先は、⇒全国の弁護士会・弁護士会連合会(日弁連)http://t.co/mrhHa67 #agura 
安愚楽牧場:消費者庁の電話番号は 0570-064-370(ゼロ・ゴー・ナナ・ゼロ 守ろうよ、みんなを)です。
安愚楽被害:最寄りの消費者センター 全国の消費生活センター等http://t.co/rTldEms #agura

安愚楽被害:以後「紀藤」からの安愚楽牧場の被害救済関連のTWEETは、冒頭「安愚楽被害:」で統一させていただきます。

検索の際の便宜に使ってください。
またハッシュタグは #agura としていますので、安愚楽関連の有用な情報を出される方は、ご協力をお願いします。

安愚楽被害:
消費者庁への意見は、大代表;03-3507-8800(平日8:30~18:15)、
消費者委員会への意見は、電話番号 03-3507-8855です。

今回の事態は行政の失策でもありますので、意見は言わないと始まりません。 #agura

8月 5, 2011 at 11:51 午前 事件と裁判 | | コメント (3) | トラックバック (0)

フール死亡事故・またもやいい加減な管理体制

サンケイ新聞より「市教委ずさん巡回、監視人数も確認せず 小1プール水死

2011.8.5 08:28

大阪府泉南市立砂川小の一般開放のプールで同小1年(7)が溺れて死亡した事故で、市教委が水質チェックや安全管理状況の把握を目的に行っていたとする巡回の際、監視員の人数を全くチェックしていなかったことが4日、市教委への取材で分かった。

そもそも、巡回で監視員の人数を確認することをチェック項目として定めておらず、改めて市教委の監督態勢が問われそうだ。

市教委によると、巡回はプールの一般開放中、1日1回、職員1~2人が不定期で行っていた。
巡回の目的は、保健所に提出する水を採取するなどの水質管理や、委託業者の安全管理状況の把握、監督業務のためと説明していた。

しかし、監視員の人数確認は期間中行っておらず、37回あったプールの一般開放のうち、32回で監視員が不足していた事実を見過ごしていた。

また、市から運営を委託されていたビル管理会社「ダイショウコーポレーション」(泉南市)の社長(35)は3日の記者会見で、

事故のあったプールは身長120センチ以上でないと利用できないという市の規定について「ケース・バイ・ケースで」
と市教委から言われたことを明らかにしている。
府警は、市教委がずさんな監督態勢を続けていたとみている。

この事故の問題点が、大々的に報道されたのは「37回あったプールの一般開放のうち、32回で監視員が不足していた」と委託されていた会社が発表したときでした。

しかし、もし単に監視員が契約人数から一人欠けている、ぐらいであればよほどの不運でない限り死亡事故にはならないでしょう。
つまり、管理体制が不十分であることと、死亡事故は偶然の一致かも知れない、と思っていました。

ところが、今回出てきた「身長制限もあいまいだった」というのは大問題でしょう。

これでは、管理の契約とは何をやっていたのか?
という全体が信用できない、となってしまいます。

2006年7月に起きた、ふじみ野市のプール吸い込み死亡事件でも、教育委員会はプールの内部を確認せずに、外側を見ただけとの報道がありました。
それで、管理したとされていた。

結局のところ、プールの管理なんてものは教育委員会の仕事の中で非常にマイナーなものだから、とのことのように思えます。
しかし、それが死亡事故になっているわけで、設備を設置するだけが教育委員会(自治体)の仕事であれば、建設会社と同等になってしまうでしょう。
運営の名目が教育委員会などになっていれば、委託先のミスは委託した側の責任という当たり前の話になぜならないのか?

なんか根本的なところが狂っているような気がします。

8月 5, 2011 at 09:42 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.08.02

安愚楽牧場倒産

東京商工リサーチ倒産速報より「(株)安愚楽牧場

(株)安愚楽牧場

[栃木] 和牛畜産、和牛オーナー制度運営
 

弁護士一任 / 負債総額 619億8705万円

~放射性セシウムの検出影響~

TSR企業コード:26-013666-2
(株)安愚楽牧場(那須郡那須町埼玉2-37、登記上:同郡那須町高久丙1796、設立昭和56年12月、資本金3000万円、三ヶ尻久美子社長、従業員514名)は8月1日、栃木義宏・柳澤憲の両弁護士(栃木・柳澤法律事務所、東京都港区虎ノ門1-22-13秋山ビル3階、電話03-3580-1331)に債務調査を依頼した。
負債総額は平成23年3月期末時点で619億8705万円。

昭和54年1月那須町で共済方式による牧場経営を開始。

和牛オーナー制度(繁殖牛のオーナーを募集し、生まれた仔牛を買い取るシステム)で資金調達する独自のビジネス手法を開発・確立。

超低金利の続く経済環境の中、「高利回り金融商品」の一つとして一般投資家に注目され、事業規模は拡大を続け、会員数は全国各地で3万人を数える。

北海道から沖縄までの全国40カ所に自社牧場を運営するほか、預託先牧場は全国に338カ所あり、黒毛和種牛牧場として国内最大規模を誇り、平成23年3月期は1027億2394万円と初の1000億円超と業績を伸ばしていた。

 しかし、平成22年に発生した口蹄疫問題では、宮崎県内の牧場で症状が発生した牛が発見され、最終的に約1万5000頭が殺処分された。

また、東日本大震災に伴う福島第1原発の放射能漏れ事故による対象地区での牛の放牧制限、放射性セシウムの検出による福島県産牛肉の出荷制限等があり、また風評被害から牛肉消費が落ち込み市場価格が急落したため、出荷を見合わせる事態に至った。

 その結果、資金繰りが悪化し、取引先への代金支払は現在停止状態となっている。

担当弁護士側は資産・負債の調査は1カ月以内に終了することとし、その後今後の方針決定した際に改めて発表するとしている。 

弁護士事務所では債権者向けに専用のコールセンター(050-5505-3720、受付時間:月曜日~金曜日、午前9時~午後5時)を開設している。

これが第一報でした。
これに対して、紀藤正樹弁護士が即座にブログで取り上げています。

速報:和牛預託商法-先ほど、あの(株)安愚楽牧場(旧安具楽共済牧場)の倒産速報が出ました。By東京商工リサーチ

これは速報です。

最後まで残った和牛預託商法業者で最大の業者であった。あの安愚楽牧場が東京商工リサーチの倒産速報に掲載されました。

既に支払を停止しています。

このまま推移すると戦後最大規模の消費者被害になるおそれがあります。弁護団の早急な立ち上げも必要かもしれません。

⇒http://t.co/qSZwdRV via @TSR_NEWS

・(株)安愚楽牧場 | 倒産速報 | 最新記事 |
東京商工リサーチ.

なお「和牛預託商法」については、僕の以前に「ふるさと牧場」について書いたBLOGの記事を参照してください。 ⇒2007.11.29

和牛預託商法-ついに最後に残った二つの共済牧場のうちの1社「ふるさと牧場」が破綻しました。

1997年当時に、17社あって破綻せず残っていた最後の1社となっていたのが、安具楽牧場でした。

⇒今後のより速い速報は、僕のTWITTERをフォローしていただければと思います。

この記事だけでは、安愚楽牧場の商法のどこに問題があるのか具体的には分かりませんが、紀藤弁護士が紹介している「和牛預託商法-ついに最後に残った二つの共済牧場のうちの1社「ふるさと牧場」が破綻しました。」に詳しく書かれています。

 1997年当時に17社あって破綻せず残っていた最後の2社のうちの一つ「ふるさと共済牧場」(平成12年8月1に商号変更して、現「ふるさと牧場」)が、破綻状態に陥っています。
 被害者が多数出ているようです。10年も放置した警察の責任は重大だと思います。

 なお最近の真珠養殖詐欺商法や、えび養殖詐欺商法-ワールドオーシャンファーム事件僕も、ワールドオーシャンファーム被害対策弁護団に参加しています。などの走りの、和牛預託商法については、過去の経過を知らない方がおられますので、僕のホームページ等に書いた以前の経過を、まとめて直してみました。

1 和牛預託商法とは?
 ・子牛を買って成牛にして売れば利益が出ると称して、多数の消費者から金銭を預って、運用するという商法
 ・和牛預託商法の内容は、東京三弁護士会が、1997年6月に設置した110番の結果についての僕の原稿参照。

■和牛預託商法への強制捜査と弁護士会の課題

 元本保証や高配当をうたってオーナーを募集する和牛預託商法に対し、埼玉県警と群馬県警は、5月8日、出資法2条(預かり金の禁止)違反容疑で強制捜査に入りました。

 今回強制捜査を受けたのは、長野県に本社がある有限会社「千紫(せんし)牧場」と、群馬県に本社がある有限会社「はるな共済牧場」の2社ですが、同種の業者は、農水省の調査で少なくとも17社あります。

 同日付読売新聞夕刊によると、前社は、1昨年秋ごろから1年半の間に、約2000人の顧客から22~3億円を、後社は、約180人の顧客から約2億円を集めたと報道されています。業界全体では約7万人のオーナーから約1000億円を集めたと見られています。

 東京3会では、6月2日午前10時から午後4時まで110番を実施し、15本の電話を用意するという異例の体制で臨みましたが、朝から電話がなりっぱなし。最終的に413件の相談が殺到する事態となりました。

 農水省の統計によると、平成3年に牛肉の輸入が自由化されて以後、和牛1頭あたりの利益は赤字傾向が続いており、平成5年~7年まで赤字。平成8年も売却単価75万2312円の内1万6829円の黒字が出ているにすぎません。しかも1社を除いてすべての業者がこれまで1度も和牛売却の実績がありません。ですから元本保証や高配当をうたうこと自体が詐欺罪にあたる可能性もあります。

 強制捜査とマスコミの報道を通じて、和牛預託商法は経営リスクと出資法違反というリーガルリスクを伴う商法であることが明らかとなりました。新たな顧客を開拓することで伸びてきた和牛預託業者が、今後は次々と破綻する可能性が生じています。既に破綻の兆候がある業者も出始めました。その場合、KKCやココ山岡以上の大規模な消費者被害事件に発展する可能性があります。既に110番実施前にも、不安を感じたオーナーが多数弁護士会の法律相談窓口に殺到し、1時相談事務が混乱するという事態がありました。

 消費者事件の救済でいつも思うことですが、現状の弁護士会の法律相談体制では、和牛預託商法のような弁護士人口をはるかに越える大量の被害者が出る消費者事件に即応でき

ません。会に相談が殺到するような緊急時の相談体制を予想していないからです。昨年のKKCやオレンジ共済の場合もそうでしたが、このような事態が生じた場合、110番とは別に法律相談窓口でも対応できる仕組みが必要だと思います。相談場所の確保や特別案件相談者リストの作成は最低限必要ですが、あっせんの省略や、クレサラ事件の報酬基準のように、報酬規定を関連委員会の意見で暫定的に変更して処理できるような柔軟な処理も必要だと思います。

 弁護士会が、真に市民に開かれた法律相談体制を目指すなら、心配して駆けつけてきた相談者が、いち早く弁護士にたどり着けるような体制作りが緊急の課題だと思います。

(消費者問題対策委員会 紀藤 正樹)

2 当時の和牛預託商法関係5弁護団について
 既に以下の5弁護団は解散していますのでご注意ください。
 お困りの方は、各地の弁護士会

 □和牛の里共済牧場被害対策弁護団
 □あさぎり高原共済牧場被害対策弁護団
 □ふるさと共済牧場被害対策弁護団
 □みちのく都路村共済牧場被害対策弁護団
 □軽井沢ファミリー千紫牧場 /安愚楽共済牧場被害対策弁護団

3 その後の摘発経過
 ・1999年2月26日付け読売新聞夕刊によると、浦和地裁は、1997年5月に摘発された軽井沢ファミリー千紫牧場の元社長に、詐欺と出資法違反により懲役5年(求刑7年)の有罪判決を言い渡したたとのことである。和牛商法での詐欺罪の適用は初めて。少なくとも和牛預託商法が出資法違反だとすると、他の和牛預託業者にいまだ強制捜査がなされないのは、不平等、不正義であり、不可思議と言うほかない。実刑判決を受けた元社長もそう思っているに違いない。 UP99/03/01
 ・1999年4月21日付け朝日新聞速報によると、和牛預託業者「ジェイファーム」元社長に、出資法違反により懲役2年(求刑懲役3年)が言い渡された。UP99/04/21

一言でいうと、「そもそも、牛の飼育は儲かるものではないし。破たんした事業者の中には販売実績がない。つまり、消費者から金を巻き上げるだけの、悪徳詐欺商法だ」ということでしょう。

安愚楽牧場は、販売実績はありますが、販売単価が資金コストに見合うほど高かったのか?となると、疑問がありました。
一言で言えば「なぜ安愚楽牧場はだいじょうぶと言えるのか?」です。

一日経つと、こんな記事が出てきています。毎日新聞より「安愚楽牧場:経営悪化 和牛オーナー商法、出資者ら「元金だけは返して」

◇那須塩原本社に

 会員3万人の「和牛オーナー」制度で知られる安愚楽(あぐら)牧場(栃木県那須塩原市、三ケ尻久美子代表)の経営悪化が報じられたことなどを受け、同市埼玉の本社には出資者らが説明や出資金の返還を求めて駆けつけた。

 代理人弁護士の通知書や出資者らによると、先月分の配当金などがまだ支払われていないという。

 1日には本社の電話も通じない状況。門扉には「社員以外立入禁止」と書かれた張り紙が張られていた。警備員から通知書を手渡された出資者らが、不満を口にしながらもなすすべなく引きあげる姿も見られた。

 通知書には代理人弁護士名で経営悪化が報告され「負債状況を正確に把握し、今後の方針を早々に決定する必要から、お支払いは目下停止させていただいている」と書かれている。

 1億円を投資しているという群馬県内の主婦(47)は「先月の配当金が入らず電話も通じないので確認しに来ました」と夫と車でやってきたと話す。通知書を見て「どうなるのか」と不安を隠し切れない表情だった。

 また、2500万円を出資しているという埼玉県内の主婦(61)は「元金だけは返してもらいたい」と怒りをあらわにしていた。

 栃木県にも出資者から数件の問い合わせが寄せられたという。

 同牧場は1981年設立。「繁殖牛のオーナー」として会員から出資を募り、生まれた子牛の売却益を配当金とする方式で資金調達してきた。

 同社のホームページによると、「売買・飼養委託契約金」として100万円(4年契約)を同社に支払うと、年1回、3万8000円の配当が得られるとしている。金融商品としては年利3・8%の高利回りで人気となっていた。同社はその商法の元祖といわれている。

 しかし、同種のビジネスを手がけた後続業者の中には、実際には牛を飼育しないで資金集めだけをする詐欺や、自転車操業による破たんなどが、90年代に相次いで発生、社会問題化した。同社は「最後の砦(とりで)」と言われていた。

 同社が出資者に示した通知書によると、問い合わせ先は電話050・5505・3720。受付時間は月~金曜日の午前9~午後5時。【柴田光二、泉谷由梨子】

2011年8月2日

紀藤弁護士のtwitterによると、

安愚楽牧場の被害者からの相談が当事務所に殺到しています。
弁護団を結成すべく準備中です。
弁護団からの連絡が必要な方は僕の事務所に電話をしていただき、とりあえずご連絡先の登録をお願いします。
結成後、ご連絡を差し上げます。

となっています。

けっこうな大事件になるような気がします。

8月 2, 2011 at 08:59 午後 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.31

集合訴訟シンポジウム

昨日(2011/07/30)、霞が関の弁護士会館で開催された「集合訴訟シンポジウム」に参加してきました。

繰り返される大規模な消費者被害。

その一方で被害を受けながら、泣き寝入りを強いられている消費者は少なくありません。
そのような消費者の権利を糾合して、消費者が容易に被害回復を求められる画期的な訴訟制度の検討がいま大詰めを迎えています。

本シンポジウムでは、内閣府消費者委員会に設置された集団的消費者被害救済制度専門調査会の最終報告案の内容についてわかりやすく紹介すると共に、当連合会がこれまで公表した提言(「損害賠償等消費者団体制度要綱案」等)の内容を踏まえて評価すべき点や問題点を明らかにします。

当連合会は、本シンポジウムを通じて、市民の皆さまとともに、集団的消費者被害救済制度はどうあるべきか、同制度導入の必要性について改めて確認し、より良い制度の実現に向けて、今後どのような取組が必要かを考える機会としたいと考えています。是非、御参加ください。

消費者庁及び消費者委員会設置法の付則

   附 則

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(検討)

2 政府は、消費者委員会の委員について、この法律の施行後二年以内の常勤化を図ることを検討するものとする。

3 政府は、この法律、消費者庁及び消費者委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成二十一年法律第四十九号)及び消費者安全法(以下「消費者庁関連三法」という。)の施行後三年以内に、消費者被害の発生又は拡大の状況、消費生活相談等に係る事務の遂行状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者の利益の擁護及び増進を図る観点から、消費者の利益の擁護及び増進に関する法律についての消費者庁の関与の在り方を見直すとともに、当該法律について消費者庁及び消費者委員会の所掌事務及び組織並びに独立行政法人国民生活センターの業務及び組織その他の消費者行政に係る体制の更なる整備を図る観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

4 政府は、消費者庁関連三法の施行後三年以内に、消費生活センター(消費者安全法第十条第三項に規定する消費生活センターをいう。)の法制上の位置付け並びにその適正な配置及び人員の確保、消費生活相談員の待遇の改善その他の地方公共団体の消費者政策の実施に対し国が行う支援の在り方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

5 政府は、消費者庁関連三法の施行後三年以内に、適格消費者団体(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体をいう。以下同じ。)による差止請求関係業務の遂行に必要な資金の確保その他の適格消費者団体に対する支援の在り方について見直しを行い、必要な措置を講ずるものとする。

6 政府は、消費者庁関連三法の施行後三年を目途として、加害者の財産の隠匿又は散逸の防止に関する制度を含め多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪し、被害者を救済するための制度について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

この、赤字にした部分について、新たに法律を作る必要がある、ということで「集団的消費者被害救済制度専門調査会」で検討が進んできて、8月に最終報告のとりまとめを行い、平成24年通常国会で法案提出の予定になっています。

消費者被害と言っても、極めて軽微なものから、人命に関わるものまであるわけで、集合訴訟がどんな亊案を対象にして、どのように運用するべきか?というところに興味があって、覗いてきました。

わたしの感想は「いやはや、難しい」です。

シンポジウムを主催している方々、参加している聴衆の多くが、集合訴訟を強力に推進する、という立場の方々だったのですが、正直に言って「生煮え」な感じであり、個人情報保護法が使い物にならない、あるいは誤解している人が多い、という例を思い出してしまいました。

基本的な考え方としては、従来の訴訟が原告一人一人が、同じ被告を訴えるという形であったのに対して、原告を代表するもの一人が被告を訴える形になります。

逆に言うと、原告の意志はどのように反映されるか?がいくつか想定できます。

  • 被害者(利用者)全員を機械的に対象とする
  • 被害者(利用者)の内、訴訟に参加する意志を表明した人を対象にする

なんでこんな事になるのか?というと、「被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪」が利いてくるわけです。
不当利得だとして、剥奪した財産を被害救済として被害者に給付することになりますから、訴訟と給付という二段階があります。

こんな当たり前のことが、なんで問題になるのか?というと、事件の内容によっては被害者自身が被害に遭っているのかどうか分からないのです。
例えば、食中毒事件の場合、中毒症状が出た人と出ない人が居るわけですが、これを厳密に分けているから従来の訴訟では莫大な手間が掛かった。
そこで「製品に欠陥があったのだから、出荷した製品に応じて賠償するべき」といった考え方なのです。

そうして、賠償金を代表原告の手元に入ったとして、それをどのようにして給付するのか?というところは、従来の訴訟の手間がそのまま代表原告のところに来るでしょう。
被害者の中には、給付金を受け取らない、という人も出て来るでしょう。

こんな状況が分かりました。

わたしには、「これで法律に出来るものなのか?」という印象が極めて強いです。
広範な消費者に被害を及ぼした被告から、まとめて賠償金を取り上げるのは悪徳商法撲滅などにも有効なはずですから、賛成なのですが、その先をどうするのか?

諸外国の例の説明はあまりありませんでしたが、消費者教育のために寄附になる、といったこともあるようです。
日本では、寄附する先があるのだろうか?なんて考えてしまいました。

7月 31, 2011 at 11:10 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)