« 2011年7月3日 - 2011年7月9日 | トップページ | 2011年7月17日 - 2011年7月23日 »

2011.07.14

データセンターの生産性

日本経済新聞より「データセンターも「ガラパゴス」か 節電の夏が問う日の丸IT

2011/7/14 7:00

原発事故による電力不足で迎えた「節電の夏」。危機回避のため産業界が15%の使用削減を迫られるなか、大事な情報を扱うサーバーは止められないと、データセンターは制限を緩和されている。

ところが

「日本的なセンター運用が電力の無駄遣いを生んでいる」
との声が聞こえてくる。
成長するクラウドコンピューティングのインフラ分野でも、日本は「ガラパゴス」なのか。

群馬県館林市。最高気温が30度以上の真夏日になると特別セールを実施する商店街があるなど、暑さで有名だ。
この夏も各地で初の猛暑日を記録した6月22日、36.5度を観測した。
日本を代表するデータセンター、富士通の「館林システムセンター」がここにある。

データセンターでは大量の熱を出すサーバーの安定的な冷却が重要なはず。
素朴な疑問がわいてくる。そんな施設を日本有数の暑い土地に置くのはなぜ――。

富士通によると、データセンターに情報やデータを預けている顧客企業は、1社当たり年に数回センターを訪れる。

運用体制やサーバーの状況を見たいという要望が多いのだという。
館林市の公式ホームページを見ると

「東京との交流は密接。鉄道や道路などの地理的条件に恵まれている」とある。特急列車なら東京・浅草から1時間。「すぐ行ける場所という心理的メリットが大きい」。
富士通は館林立地について説明する。

富士通だけではない。新日鉄ソリューションズでも、定期的にセンターを訪れて作業をする顧客企業は多く、常駐するケースさえあるという。

同社は東京都三鷹市に120億円を投じるデータセンターを新設中。

着工は1月で、その後、東日本大震災が起こったが、計画に変更はなし。「災害時にオフィスから駆けつけられることを事業継続計画(BCP)の要件にする企業も多い。メーンのセンターは東京やその近郊にと考える顧客が依然多い」とみる。

データセンターはサーバーが持つコンピューター能力をインターネット経由で使う。

技術的にはサーバーを遠隔管理することも可能だが、それでも「センターに出向いて直接作業」が日本では好まれる。首都圏に7割のデータセンターが集中する背景だ。

今回の電力不足をきっかけに、リスク回避のため西日本にデータセンターを移すといった動きも一部で出てきたが、問題は地域的な偏在に限らない。
そもそも、

人間が頻繁に出入りすることを前提にした日本のセンターは運用上、構造的に電力効率が悪くなる
との指摘がある。

「日本のデータセンターは人間が涼しいと感じるところまで室内温度を下げている。人間が作業するとなれば照明も必要になる」。
こう話すのは、世界のデータセンター事情に詳しいコンサルティング会社カミノス・コーポレーション(東京・世田谷)の西川宏代表取締役だ。

一般にサーバーは気温35度の環境でも機能するが、例えば富士通の場合、センター内の設定温度は22~26度と日本の標準的なレベル。

だが、西川氏は

「米国では人間とサーバーを同居させない。設定温度は日本より2~3度は高い」
と証言する。

日本マイクロソフトが東京電力管内にある企業内データセンター(富士通のような専門センターではなく一般企業が自社で運用するもの)を対象に調べたところ、サーバー1台を動かすのに必要な総消費電力は346ワット。

このうちサーバー自体に回るのは43%で、最も電力を消費するのは52%を占める空調だった。

同社はデータセンターの室温設定を2度上げれば20%の節電効果があると試算する。データセンターの運用を総合的に見直せば、サーバーを止めなくても節電の余地があるようにみえる。

データセンターの電力効率を示す「PUE」という指標がある。

データセンター全体の消費電力を、サーバーなどIT(情報技術)機器の電力で割って算出する。

仮にIT機器以外に一切電力がかからなければ数値は1。
空調や照明などの付帯電力が膨らむと数値は大きくなり、非効率となる。
カミノスの西川氏によれば、日本のデータセンターは2~3が多く、米国では1.2~2が中心。
米国ではセンターを建設する際、水冷や空冷などなるべく電力に頼らず冷却できる立地を意識するという。

日本勢でも複数のデータセンターを持つような大手は必ずしもPUEで米国勢にひけをとらない。

  • 富士通(館林新棟)=1.5
  • 新日鉄ソリューションズ(三鷹)=1.4以下
  • 日立製作所(横浜第3)=1.6
など1台の数値だ。
だが安心するのは早い。米国ではさらに1.07をたたき出す企業が現れているからだ。SNS(交流サイト)最大手のフェイスブックだ。

同社がオレゴン州に持つ最新データセンターは、部品を減らし構造をシンプルにしたサーバーを採用。冷却システムの工夫でエネルギー効率を従来比38%向上させた。
技術仕様も公開し、インテルやAMD、デル、ヒューレット・パッカードなど有力企業と連携し改良を重ねる。

「ネットビジネスで最もコストのかかるインフラ部分にメスを入れたい」とフェイスブック幹部。電力を無駄にしないデータセンターを抜きに長期的な成長はないとの危機感が伝わってくる。

「データセンターやクラウド事業で日本が後れをとるのは、ものを大事にしすぎるからではないか」。
元ソニー幹部でグーグル日本法人の社長もつとめた辻野晃一郎氏はそんな見方をしている。

「日本はサーバーの寿命を延ばそう、壊さないようにしようと冷却にこだわるが、ムーアの法則がある限りハードは2~3年で古くなる。
そうなったら捨てて新しいものに置き換えた方がいい。
サーバーを耐久品ではなく、消耗品と考えれば冷却の必要性は下がる。
米国はそんな風に割り切った発想をし、グーグルのPUEは1.1~1.2程度。品質を高める、ものを大事にするというのは日本人の強み、美徳だが、それがネットのネーチャー(性質)にあわず、動きが遅くなっているのは否めない」

シスコシステムズの予測では、ネットを行き交うデータの量は2015年に10年の4倍と急増する。膨大な情報の高速処理を求められるクラウド時代には、電力対策でも先端を走らなければIT企業としての競争力を保てない。
もしも15%の電力削減を免除され、エネルギー問題に鈍感になっているデータセンター関係者が日本にいるとすれば、それこそ危機的だ。

(電子報道部 村山恵一)

非常に興味深い記事で、ガラパゴスと名付けた編集部の理解はずいぶんと深いものだ、と感心するところです。

データセンターの省電力について二つの問題点が指摘されています。

  1. データセンターで人が作業するのが普通である。
  2. 機器の寿命を延ばすために、冷却をオーバースペックでやっている。
ファナックの工場は、無人操業を前提としているから、人が入れないようになっています。
照明などがありません。
実際に機械などを作る工場ですら、無人運転が出来るのに、データセンターを無人運転しないというのは、どういう事なのだ?

その理由が「クライアントかが確認するからだ」というのはあまりに情けない。

わたしには、2番目の方が衝撃であったのだけど「機器の寿命を考える冷却にするべきだ」
これは「全体のバランスを考えろ」という意味であって、各部門の最適の積み上げでは全体が最善にはならない、という生産管理ではおなじみのことである。

しかし、ついつい忘れてしまうのも無理ないところであって、リスク管理も含めて日本のIT業界ではもっと全体の生産性を評価する仕組みを作らないといけないと思う。

7月 14, 2011 at 09:58 午前 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.07.13

電信黒板なんて使えません=4割もいる

読売新聞より「ICTで指導できる教員は6割…文科省調査

パソコンや電子黒板などのICT(情報通信技術)を使って授業ができる教員は、全体の6割にとどまる
ことが文部科学省の調査で13日、わかった。

昨年度にICTの研修を受けた教員は2割で、同省では各学校や教育委員会に研修実施を呼びかけている。

東日本大震災のため回答できなかった岩手、宮城、福島県の373校を除く、全国の公立小中高校計約3万5600校の教員約87万人を対象に今年3月1日時点の状況を尋ねた。

都道府県別で授業中にICTを使って指導ができると答えた教員の割合は、上位の三重、愛媛県が8割を超えた一方、下位の島根、滋賀など19都府県は5割台にとどまった。

同省では、子供の情報教育充実などを目的に、学校へのICT配備を進めている。

電子黒板の学校配備数は6万474台となり、昨年3月末時点から4066台増えた。

(2011年7月13日21時00分 読売新聞)

最初この記事のタイトルを読んだときに「ネット安全教育の出来る教員」と誤読してしまった。
6割もいるのか?と思ったのだが、PCや電信黒板を使ってというのでは、教員にとって日常業務をICT化するだけの話で、「出来ない」と答えた教員が4割もいるというのは、ものすごく絶望的な印象です。

昨今では、普通の会社で「PCは使えません」といっても通用しないですよ。 下手すれば、クビだ。

それを、文科省の調査に「使えません」と答えられるというのはどういう事だ?

むしろ、「装置があれば、すぐにでも使えるが、まだ職場に装置がないから使う機会がない」といった回答が常識だろう。
どこをどうやると、こんな結果になるのだろう?
明らかに、一般的な職業人として、現代社会に不適応な教員が4割は居る、と見るべきだろう。

7月 13, 2011 at 11:17 午後 教育問題各種 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2011.07.12

PCや携帯電話でも受信料徴収するべき

読売新聞より「ネット視聴でも受信料徴収、NHK調査会が答申

NHK会長の諮問機関「NHK受信料制度等専門調査会」(座長=安藤英義専修大商学部教授)は12日、インターネットで番組を見ている世帯からも受信料を徴収する方向性を打ち出すなど、新たな受信料制度に関する答申をまとめた。

答申は、地上放送と衛星放送を将来的にNHKの一体的なサービスとし、地上・衛星契約を一本化した「総合的な受信料」に集約させる手法を「有力な選択肢」としている。

また、NHKの業務は放送法上、原則的に放送事業に限られているが「NHKはインターネットでも『放送』で果たしてきた役割・機能を提供できる」と指摘。

受信料を財源として、インターネットに番組を送信する考え方を提示した。

その上で、テレビがなくてもインターネット経由の受信機で番組を見ることの出来る世帯が判明した場合「新たな受信料体系に組み入れ、受信料支払い対象者に追加する」と提案している。

(2011年7月12日20時02分 読売新聞)

いよいよ出てきたか、と感じますね。
しかし、本気でこんなことができると思っているのかね?

元もと、放送法が電波放送を対象とした法律だったので、CATVを対象とする「有線テレビジョン放送法」なんて法律を作っていたのですが、それらを放送法に統一してしまいました。

電波による放送に限定されなくなったから、インターネットでも受信料、と言い出しているわけです。

携帯電話機に、ワンセク受信能力がありますが、これも対象です。

簡単言えば「受信料を払わない理由を無くした」ということなのでしょうが、「やり過ぎだろう」という感じも大きいです。

7月 12, 2011 at 09:16 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (1)

留置場で睡眠導入剤を与えていた

読売新聞より「留置場で容疑者に睡眠導入剤「秩序維持のため」

岐阜県警は12日、岐阜中署の留置場で、十数人の看守担当の署員が医師の処方に基づかず、勾留中の容疑者に睡眠導入剤を飲ませていたと発表した。

県警監察課は、薬事法違反や暴行の疑いがあるとみて、関与した警察官から事情を聞いている。

発表によると、同署の20~30歳代の十数人の看守担当が今年1月下旬から3月下旬と、5月に、勾留中の容疑者計7人に対し、睡眠導入剤を溶かしたお茶を飲ませた。

7人は医師から睡眠薬を処方されていたというが、看守担当は「さらに薬がほしい」と頼まれた時や、消灯後に騒いだ時に施設の秩序維持のために与えていたという。

同署は、処方された薬が余った際に廃棄せず、一時保管して、それを提供していたとみている。

同署では5月31日、勾留中の容疑者の一人が自分で保管していた薬を飲んで病院に搬送される自殺未遂事案があり、県警が、同署の薬の管理態勢を調べる中で発覚した。

相川哲也警務部長は

「留置業務の基本を逸脱した行為で遺憾だ。厳正に処分する」
とコメントした。

(2011年7月12日16時22分 読売新聞)

これは、極めて危険ですよ。

そもそも、そんな事が出来るほど長期間、留置場に入れておくのも問題で、やはり警察官では無理と言うことではないのか?

薬が余る、とかが内部の通貨になっていくわけです。
そして、そういうわずかなルール違反で、こんどは警察官がルール破りを勾留されている者に強制される。
これが典型的な、勾留施設の不正事件であり、その末には武器の持ち込みといったことにもなるのですね。
世界中で起こっていることで、すごく危ない。

7月 12, 2011 at 08:11 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)