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2011.03.26

責任追及ではなくて原因解明を優先する社会にするべきだ

東京電力のプレスリリースを見てみると、地震直後も現在も根本的な姿勢が全く変わっていないことがよく分かる。
以下が、3月11日の地震後の最初の発表。

原子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象の発生について(PDF8.36KB)

原子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象の発生について
  1. 平成23年3月11日
  2. 東京電力株式会社
  3. 福島第一原子力発電所

本日、当社・福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワ ット、2号機および3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)は定格 出力一定運転中のところ、午後2時46分頃に宮城県沖地震により、タービンお よび原子炉が自動停止しました。

上記3プラントにおいて、2系統ある外部電源のうちの1系統が故障停止し、 外部電源が確保できない状態となり、非常用ディーゼル発電機が自動起動しまし た。

その後、午後3時4↓分、非常用ディーゼル発電機が故障停止し、これにより 1、2および3号機の全ての交流電源が喪失したことから、午後3時42分に原 子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象*1が発生したと 判断し、第1次緊急時態勢を発令するとともに、同項に基づき経済産業大臣、福 島県知事、大熊町長および双葉町長ならびに関係行政機関へ通報しました。

今後、非常用ディーゼル発電機が停止した原因等を調査し復旧に取り組んでまい ります。

放射線を監視している排気筒モニタの指示値は通常値と変かっておらず、現時点 において外部への放射能の影響は確認されておりません。詳細について、引き続き 調査してまいります。

以上

*1原子力災害対策特別措置法第10条第1項の規定に基づく特定事象

原子力災害対策特別措置法は、原子力災害から国民の生命、身体および財産を保護するこ とを目的としている。このため、原子力発電所で一定の事故・故障等が生じた場合に音切な 初期動作の確保と迅速な情報の把握が出来るよう、原子力災害対策特別措置法第10条で国、 県および市町村に原子力の事故・故障を通報することが義務付けられている。通報の必要な 事故・故障には原子炉が非常停止できない場合や原子炉への給水が喪失した場合等いくつも の事象が規定されている。

特徴というか、問題というべきかと思いますが、そもそも「全体としてどうなっている」という話が一切出てきてません。
「どの部分のどこを調べた。あっちの部分は調べていない」といった情報すら出てきません。

この状態が、現在に至るまで続いているわけで、どんどんと情報の信頼性が落ちていっています。
物事は、原因が結果となり、その結果が原因となって・・・と繰り返していくわけですが、明らかになった結果についても、それで止まってしまって、その結果を引き起こした原因はなんなのか?というメッセージは出てきません。

これでは、どうにもならないわけで、いわば呆然と事態の推移を見ているだけとなってしまいます。

原発反対論者が「重大事故に学ばない」と言っているのは正しいが、それは原発だけのことなのか?
わたしの見るところ、近年は重大事故でも全く原因が追及されていないと思う。
追及されているのは責任だけ。

その結果、企業側の発表も「とりあえず、シッポを捕まれないように」と原因から遠ざかる方向に向かう。
その上で、「責任は・・・・。今後はこのような事がないように」で済ませてしまう。
そうすると、社会は満足している。

全然、原因解明になっていないのに、それで社会は満足している。

いじめ問題も、銀行の処理システム停止問題も、トラックのホイールが飛ぶ事件も、電車がマンションに突入した事件も、エレベーターの事件も、原因ではなくて、責任を追及している。

この点がおかしいのだ、と強く言いたい。

3月 26, 2011 at 11:30 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

原因はどうでも良い社会の恐ろしさ。

読売新聞より「1号機の水にも高濃度放射性物質…通常の1万倍

東京電力は25日午後11時過ぎの記者会見で、福島第一原子力発電所1号機のタービン建屋地下1階にたまっていた水を分析した結果、1立方センチ・メートルあたり約380万ベクレルの放射性物質が検出されたことを明らかにした。

東電によると、水を採取したのは24日午前中で、放射性物質の濃度は、通常運転時の原子炉内の冷却水の約1万倍。作業員3人が被曝(ひばく)した3号機のタービン建屋地下1階にたまっていた水と同程度にあたるという。

(2011年3月25日23時48分 読売新聞)

タービン建屋の人が作業するところには普通水はないだろう。

それを「通常の1万倍」って何が「通常」なのだろうか?
ちょっと考えだけでも、支離滅裂で意味が通じない。

これでは、情報としてクズである。

ところが、読売新聞のサイトには、サイバー護身術に「震災でのデマ・ガセ情報に踊らされるな」が出ている。

 東日本巨大地震では、メールやTwitterでデマや(うそ)の情報が大量に流れている。デマや詐欺に踊らされないようにしたい。(テクニカルライター・三上洋)

震災被害・原発事故でのデマが出回る

 「製油所火災で有害物質の雨が降る」「放射線に対する備えにはうがい薬を飲め」こんなメールやTwitterのつぶやきが流れている。もちろん、どちらもデマだ。東日本巨大地震直後から、携帯電話メールやTwitterなどでデマや嘘、不安をあおる情報が目立っている。デマやガセ情報のパターンはいくつかある。今回の震災で流れているデマをパターン別に見ていこう。「→」は筆者による注意書きだ。

●震災被害・原発事故の不安をあおるもの

 デマ:『千葉の石油会社の火災で、有害物質の雨が降る可能性があるとの情報をもらいました。できるだけ外出せず、雨が身体にかからないようにしてください』
→事実とは大きく異なる。火災が起きたのはLPガスのタンクであり、燃焼により発生した大気が人体に及ぼす影響は、あったとしても非常に小さい。このデマは携帯電話メールで関東地方を中心に大量に流れた。浦安市やコスモ石油株式会社が、デマであるとして注意喚起を出している。
http://www.cosmo-oil.co.jp/information/110312/index.html

●間違った知識を広めるもの

 デマ:『放射線被害を防ぐには、ヨウ素を含んだものを口にすればいい。市販のうがい薬にはヨウ素が含まれている』
→医師が処方する「安定ヨウ素剤」には一定の効果があるが、市販のうがい薬(デマでは商品名「イソジン」と書かれていた)では効果がなく、大量に飲むと身体に有害となることがある。また他にも、昆布などが有効とのデマが流れていたが、放射線医学総合研究所は「海藻等を食べても十分な効果はありません」と否定している。
http://www.nirs.go.jp/data/youso-1.pdf

●善意のつもりでデマ拡散

 デマ:『関西電力の友人から節電のお願いが来ています。少しでも節電して被災地を支援しましょう』
→携帯メールやTwitterで流れたものだが、関西電力が否定。融通可能な範囲で関東へ送電しており、関西電力では特別に節電をお願いする状況ではないとしている。
http://www.kepco.co.jp/

●SOS、救助要請のアナウンス

 『○○地域の避難所では、まったく食料が無く餓死者が出ています。いますぐ救援を!』『津波で流されて孤立している。いますぐヘリで助けて欲しい』
→震災直後に、メールやTwitterで大量拡散したのがSOSの情報だ。上記の『餓死者』というのは、友人からの情報としてTwitterで拡散されたのだが、避難所にいた人からの否定コメントが出ている。また、本当のSOSであった場合、メールやTwitterで拡散させる意味はない。それよりも最寄りの警察署、災害対策本部に救助の連絡をするのが先決。デマとは言えないが、不安をあおる情報だと言えるだろう。

チェーンメールとTwitterのリツイート(RT)

 これらのデマは、携帯電話のチェーンメール、そしてTwitterによるリツイート(RT)として大量拡散されている。チェーンメールは古くからあるものだが、携帯電話時代になってより加速している。特に今回の震災のような社会的不安が広がっている状態では、知識があるはずの大人でさえ、チェーンメールを転送してしまう場合がある。

 厄介なのはチェーンメールの多くが「善意」「支援」「注意喚起」を呼びかけていること。たとえば善意のつもりで無意味な節電を呼びかけたり、友人を助けるつもりで「雨にあたるな」というメールを転送したりする。悪意やデマを広めるつもりはなく、他人を助けるつもりで送ってしまうのだ。

 そしてチェーンメールでは、内容が過激に改変されるほど、より拡散されるという性質がある。「火災の後の雨が怖いね」というメールが「火災の後の雨が危険」、さらに「有害物質の雨が降る」といったように、どんどん改変されて出回る。穏当な内容や嘘のない情報は危険だと感じないため出回らず、改変されたデマメールだけが大量拡散されてしまうのだ。

 今回の震災では、Twitterでも多くのデマが流れた。原因は二つある。一つは「非公式リツイート」によるもの。Twitterは140文字の文字制限があるため、同じ内容をコピーして送るリツイート(非公式)の場合、短く省略されてしまう傾向がある。そのため改変が起きて、過激な部分だけが残ってデマとなったり、発言元がわからなくなる場合が多い。

 もう一つは「公式リツイート」と呼ばれる機能で、元の書き込み(つぶやき)を改変せずにそのまま転送することができる。発言元がたどれるほか、元の書き込みをした人が削除すると、公式リツイートされたものも消えるので比較的安全に思える。しかしながら公式リツイートでも、時間がたっていて意味の無い情報になっていたり、そもそも情報源が怪しいということがある。ボタン一つで情報をコピーして転送できるため、デマを加速する原因の一つとなっている。

 ただしTwitterの場合は、「これはデマだ」という情報も素早く流れる。デマが大量拡散するスピードが速いだけでなく、訂正されるスピードも速いのだ。そのため信頼できる人をフォローしていれば、デマにだまされる可能性は低くなるだろう。

デマや嘘情報を見破るための心得

 このようにデマや嘘情報は、善意や注意喚起のつもりで送られ、極端な内容になるほど大量拡散されるという性質があるため、阻止することが難しい。デマに踊らされないための心得をまとめておこう。

●「転送して!」「拡散希望」はデマと疑え

 チェーンメールやデマツイートでは、「危ないから今すぐ転送して!」「RT拡散希望」といったキーワードが付いていることが多い。しかし、善意や支援のつもりからだとしても、このキーワードが出た時点で、内容にかかわらず疑いの目を向け、細心の注意を払ったほうがよい。転送や拡散を希望するメール・書き込みは基本的に無視するのも一つの選択肢だ。

●発言元を確かめよう

 デマの多くが「友人から聞いた」「関係者にこっそり教えてもらった」「情報を流すように頼まれた」など、発言元があやふな情報となっている。この時点で怪しく、デマや嘘情報だと考えたほうがいい。メールでこの手の内容が来た場合は、できる限り取り合わないこと。そしてTwitterでは、最初の発言者が誰かをたどってみること。最初の発言者が本当に信頼できるか、その情報が正しいかをチェックすることが大切だ。

●Twitterでは発言日時を確かめよ

 Twitterでは発言元だけでなく、日時を確かめることも大切だ。Twitterでは、その時点のリアルタイム情報が流れるため、時間がたつと情報の意味がなくなることがある。たとえば震災直後に「危険だ」とした内容も、復旧した現在ではまったく安全という場合も多い。誰が最初に発言し、それがいつかを確認することが大切だ。

●信頼できるソースにあたれ

 発言元が本当に信頼できるのか、よくチェックすることが大切だ。有名人からであっても、有名=信頼できるとは限らない。放射性物質のことであれば専門の研究機関や団体の発表・発言を確かめる、といったように信頼できるソースからの情報を確かめることが大切だ。

●詐欺にだまされるな

 メールやウェブサイト、家庭訪問などの形で、募金・義援金の詐欺が増えている。デマを利用して募金させるパターンもあるので注意が必要だ。募金する前に、その団体が本当に信頼できるのか、実在しているのかを確かめよう。

●メール転送・リツイートでは支援にならない

 繰り返しになるが、多くの場合、善意や支援は人の心を動かすものだ。メールを転送することや、Twitterでリツイートすることが「人のためになる」「被災地の支援になる」と思い込んでボタンを押してしまう。ボタンを押すだけで満足してしまい、それ以外の行動をしなくなる場合もあるだろう。しかし、私たちに今必要なのは、ボタンを押すことではなく、募金や行動で支援すること。メール転送やTwitterでのリツイートだけでは支援にはならないと考えたほうがいいだろう。

 原発事故の影響で、今後さらにデマや風評被害が広がる可能性が高い。メールやリツイートで流れてくる情報を安易に信用せず、転送やリツイートはしないように心がけよう。

これによると、読売新聞の記事は「聞いた話しのたれ流し」に相当しているのではないのか?
今回の、原発事件で一番目につくのが、情報隠しです。
そして、情報隠しに大いに「貢献」しているのが、マスコミの「分からないけど情報をとして流す」姿勢にあると強く思うのです。

企業も、政府も自分に有利な情報しか流さない、のが常識です。それを検証するのがマスコミの責任なのに、マスコミが「結果責任だけを追求する」姿勢であるから、企業や政府で起きている事実を抜きにして、その時点での責任逃れのために、事実を出さなくても、それを追及出来ない、あるいは追求することに意味がないと判断している社会を作ってしまった。

だから、「通常の一番倍」という意味不明の情報が出てきても批判されない。
実に恐ろしい社会になりつつあると思う。

3月 26, 2011 at 10:29 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2011.03.25

引き裂かれているって!

朝日新聞より「「ひび割れた日の丸」掲載の米誌に抗議 在NY総領事館

2011年3月25日9時37

【ニューヨーク=田中光】在ニューヨーク総領事館は24日、米誌「ブルームバーグ・ビジネスウイーク」に対し、3月21日号の表紙にひび割れた日の丸のデザインを掲載したことについて、「不適切だ」と抗議したことを明らかにした。

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総領事館によると、同誌は「日本国民に不快感を与える趣旨ではなかったが、配慮が欠けていた」と述べたという。

総領事館は抗議にあたって、デザインが「日本自体が『壊れた』ないし今回の危機で日本国民が引き裂かれたことを表しているようにもみえる」と指摘し、「大多数の日本国民を落胆させるものだ」とした。

これ、総領事館が抗議するというほどのものとは思えないんですけどね。
むしろ「関心を持ってくれてありがとう」でしょう。

そもそも、日本の実情は、色々なものが引き裂かれている、と言って良いわけで、それを「引き裂かれているという表現が悪い」というのは、今回の原発事故であからさまになった、詳細隠しそのものの思考ではないのか?

この20年間ぐらい、「○○責任」といったことで、原因ではなく結果だけを問題にする傾向がかなり強くなってしまった、と感じています。

三菱ふそうのホイール破断事故(事件)についても、原因つまり技術的な解明よりも、リコール制度に対する違反という行政手続きが問題になった。

飛行機事故の調査などでも、原因究明を刑事捜査に優先させるべきだ、といった声は以前からあるのだけれども、現実は原因追及よりも、処罰と賠償ばっかりが優先される傾向が強くなってきた。

処罰も賠償も原因究明と同じ重要さで進めば問題無いのだろうが、現実には処罰を逃れるために、原因を隠すようになってきている。
そして恐ろしいことに、「明らかになっていないから無かった」という話しになってきた。

書類上無いから無い、というのでは中世の宗教裁判のようなものになってしまう。

今の日本社会は、高度な技術に支えられている宗教国家のようなものなのかも知れない。

3月 25, 2011 at 12:34 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)