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2011.09.25

プーチン大統領復活

サンケイ新聞より「露大統領選 権力闘争に敗れたメドベージェフ氏 佐藤優

2011.9.25 06:45 (1/2ページ)

ロシアのプーチン首相の大統領選出馬が決まった背景には、メドベージェフ大統領の力不足、このままでは国家が崩壊するというプーチン首相と官僚、国会議員ら政治エリートの強い危機意識があった。

メドベージェフ氏は再選への強い意欲を持っていたが、日本や中国をめぐるプーチン氏との戦略の違いから、大統領職を辞さなくてはならない“包囲網”を敷かれてしまっていた。

プーチン氏は中国をアジア最大の脅威と見なし、それに対抗するため日本との関係を重視していた。
しかしメドベージェフ氏が対日関係悪化を招き、日本というカードを使えない状況を生み出してしまっていた。

メドベージェフ氏の最大の失敗は対北朝鮮外交だ。

メドベージェフ氏は北朝鮮との関係改善で国際社会での地位向上を目指す戦略を打ち出したが、プーチン氏は北朝鮮が日本との間で拉致問題を抱えている事実を強く認識していた。
さらに大統領は天然ガスを韓国、北朝鮮に送る方針を示したが、これはガスの対日輸出が細ることを意味する。
今回、北朝鮮の金正日総書記はモスクワを訪問しなかったが、これはプーチン氏側が金総書記の公式訪問という形を取らせなかったためだ。

またメドベージェフ氏はロシアのナショナリズムをあおるため北方領土を訪問し、領土交渉は完全にゼロの状態に陥った。

プーチン氏は(平和条約締結後の歯舞、色丹両島の日本への引き渡しを定めた)「56年宣言」をロシアにとって「義務的なもの」と認識しており、この点でも2人の戦略は大きく異なる。

ただ、プーチン氏が親日家だというわけではない。
中国に対抗するために日本が大事だという、乾いた力の外交の考えを持っているということだ。

プーチン氏が大統領となれば、日本との関係ではまず北方領土問題が動き始めるだろう。

交渉は大変で、ロシアが四島をすぐに返すということは考えられないが、日本人の感情を逆なでするやり方はないだろう。
また日本へのガス輸出でも、対中牽制(けんせい)という意味合いから日本に優先的に送ると考えられる。

ただ、プーチン氏はタフ・ネゴシエーターだ。それに向き合うだけの外交的な基礎体力が日本側にあるだろうか。
野田佳彦首相は外交に弱いという側面が否めず、ロシアに“してやられる”可能性は少なくない。(談)

【プロフィル】佐藤優

さとう・まさる昭和60年外務省入省。63年から平成7年までロシアの日本大使館勤務、10年に国際情報局分析第1課主任分析官。21年7月失職。主な著書に「国家の自縛」など。

サンケイ新聞が佐藤優氏の分析を載せたのですから、それだけで「!?」な感じではありますが、それでもこういう解説は聞かないと分からないものです。

事実として、メドベージェフ大統領の施策はかなりの疑問符付きで、北方四島への特別な支援や北朝鮮経由で韓国まで延ばすパイプラインの敷設などは、経済合理性の観点からはマイナスでありましょう。

にもかかわらずこんな施策を推し進めたのは、日本に対抗するため、ぐらいしか理由が想像できません。
実際にもウラジオストック港などでの日本からの貨物に対する規制、特に中古車輸入制限では反対運動が起きました。

考えてみると、これは戦前の日本が満州に進出した時と同じような問題ではないのか?

当時の日本から見ると、満州は中国とロシアの間の不安定な地域でありました。だから、満州に進出という無茶をやったのですが、今ロシアから見ると北朝鮮が不安定地域であることは明らかでしょう。

ロシアが実際に北朝鮮に進出したら、間違えなく中国と対立することになるでしょう。
プーチン首相などの考え方は、北朝鮮に白黒を付けることはしないで放置、その状態を維持するために日本に中国と対峙させる、ということでしょう。

戦前の日本は、ソ連との連携によって満州を安定化させることを考えたのでしょうが、満州に進出したために中国と戦争になってしまった。
この地域に進出することが、戦争に近づくという意味でメドベージェフ大統領の施策はロシア国内からも批判されている、と理解して良いようです。

9月 25, 2011 at 10:49 午前 海外の政治・軍事 |

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