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2011.09.29

737の背面飛行

読売新聞より「副操縦士がスイッチ間違えて…全日空機背面飛行

「旅客機が一時、ほぼ背面飛行をしていた」。

那覇発羽田行き全日空140便(エアーニッポン運航)の急降下トラブルの際の詳しい機体状況が28日、判明し、失速寸前の危険な状態に陥っていたことに、航空関係者は強い衝撃を受けた。

「旅客機がこんな姿勢になることは通常、あり得ない。大事故につながる可能性もあった」
との声も上がった。

運輸安全委員会の発表によると、飛行記録装置(DFDR)データ解析の結果、機長のトイレ中に操縦室に一人でいた副操縦士が、ドアロックを解除するスイッチと間違えて、機首の向きを変える方向舵を動かすダイヤル式スイッチを2回、計約10秒左に回していた。

その結果、機体は左旋回しながら左に大きく傾き、機首が下がって急降下したとみられるという。

全日空によると、旅客機は通常、旋回時の傾きは30度以内、機首の角度も上に20度、下に10度の範囲内で運航している。今回の左への傾きが131・7度、機首の角度が下向きに35度という数値は、

「危険回避などで急な操作を必要とするケースでも、到底考えられない数値」(全日空関係者)
という。

(2011年9月29日02時00分 読売新聞)

「737-700が急降下」で説明した通りに、見えないところにあるダイアルを手探りで回すわけですが、コックピットのドアロックと方向舵トリムはほとんど同じ場所にあって、取り違える可能性が大きい構造です。

その結果として背面飛行のようになってしまった、ということで当初急降下と伝えられていたので方向舵ではなくて補助翼のトリムスイッチかな?とも思っていましたが、基本的に失速でしょうね。

飛行機が空中に浮いているためには、重量を揚力で相殺しなければなりません。
しかし、揚力は翼の鉛直方向の投影面積と速度で決まります。

単純化すると、飛行機が90度傾いて揚力が地面に対して横向きになれば、飛行機は浮いていることが出来ず降下します。
機体を傾けただけで降下してしまいます。

その一方、水平にとんでいる場合には速度を上げると、揚力が増加して上昇し、速度を下げると揚力が減少して降下します。
一言で言えば飛行機が空中に浮いているためには、機体重量・速度・姿勢のバランスが取れていることが不可欠です。

今回は、パイロットが身動きできなくなるようなGが掛からなかったから、リカバリーできたのであって過去には姿勢を乱した機体でパイロットが身動きできなくなってそのまま墜落してしまった事故もあります。

「アエロフロート航空593便墜落事故」

こんな事を考えると、極めてラッキーというべき事故であって、わたしはフェイルセーフの観点からは間違えたら致命的な結果になるスイッチの配置に大いに問題があると思います。

9月 29, 2011 at 10:49 午前 事故と社会 |

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受信: 2011/09/29 18:14:09

コメント

こんにちは。
グラスコックピット化した時に、このような調整ダイアルみたいなのも一緒にグラス化して、ダイアルは副でいじってもすぐに変更できない、等のようにできんかったのでしょうか。

まぁ、別の作業しながら手を伸ばし、手に触れたダイアルをエイっ、と捻る・・・なんてお約束なHHでしょうか。

ところで・・・毎日新聞等のマスコミが「背面飛行を把握してたのに隠してた」的な報道に、思わず失笑が。
マスコミ様に全て知らせる義務なんぞないし、引っ掻き回されて調査委員会のジャマをしたり、あるかもしれない刑事訴訟の不利になるかもしれない・・・こう考えただけでも、公開しない理由が山ほど思い付きますね。

投稿: com | 2011/09/29 16:02:24

>グラスコックピット化した時に、このような調整ダイアルみたいなのも一緒にグラス化して、
>ダイアルは副でいじってもすぐに変更できない、等のようにできんかったのでしょうか。

完全に推測ですが、ウィキペディアに紹介されていた、旧737機のライセンスがそのまま使える。
というのがミソなのだと思います。

つまり、古い方式に合わせた。

そういう意味では、設計した側の罪は重いわけなのですか、コックピットドアのロックスイッチの位置は、航空会社が決めているのだそうです。
いわゆるオプション扱いですね。

しかしだからといって、メーカーのボーイングがそれなりの管理をしないというのもヘンだとも思うのです。

投稿: 酔うぞ | 2011/10/03 22:55:28

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