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2011.08.17

高齢者の、自動車道立入対策について

神奈川新聞より「高速道迷い込む高齢者、保護された人の半数以上は65歳以上/神奈川

高速道路などに歩行者が立ち入るケースが後を絶たない。

県警高速隊によると、同隊が管轄する高速道路などで起きた立ち入りは昨年1年間で500件以上。保護された人の半数以上は65歳以上の高齢者で、認知症の人も多く、死亡事故につながるケースもある。

県警はすでに実施している立ち入り多発地の重点パトロールのほか、道路管理者と協力した防止策の強化を検討している。

今月10日、横浜市神奈川区新浦島町の首都高速道路横浜羽田空港線で、男性が倒れて死亡しているのが見つかった。
直前に「人が高速道路内を歩いている」との通報が複数あり、付近に停車車両もないことなどから、高速道路に侵入して複数の車にひかれたとみられるという。

同隊によると、歩行者が高速道路などに立ち入ったケースは、昨年1年間で507件発生。
うち同隊が保護したのは159人で、半数を超える85人は65歳以上。
認知症かその疑いがある高齢者は47人だった。

今年に入っても立ち入りはなくならず、7月末までですでに107人を保護した。
48人が65歳以上で、21人が認知症かその疑いがある人だったという。

2007年12月には横浜市南区南太田4丁目の首都高速道路狩場線上で、認知症とみられる無職男性(71)が死亡しているのが見つかっている。

立ち入りが後を絶たない背景について、同隊は

「県内はさまざまな路線が入り組んでおり、どこからでも入れる状態。一般道とつながっている所も多い」
と分析。
「自動料金収受システム(ETC)の普及で料金所の人員が減り、目が届かなくなったのも一因ではないか」
と推測している。

また県警第2交通機動隊が管轄する西湘バイパスなど三つの自動車専用道路などでは昨年1月から今年6月末までに、71人が保護されている。このうち65歳以上は20人で、認知症とみられる人は12人だった。

第3京浜道路や横浜新道などを管理する「NEXCO東日本」では現在、立ち入り禁止の看板を立てるなどの対策を行っているが、今後は路面に注意を呼び掛けるシートを貼るなど、

「とにかく目立つ所に大きく表示し、立ち入りを減らしたい」
と対策を強化したい考えだ。

また県警高速隊も立ち入りが多い場所で隊員が重点的にパトロールを行っており、「今後、道路管理者と協力し、防止対策を強化したい」と話している。

一方、「認知症の人と家族の会神奈川県支部」の杉山孝博代表(64)は

「看板だけでは全く意味がない」
と指摘。
「料金所の職員や運転手が認知症への理解を深め、『みんなで守る』という意識を持ってもらい、人がいれば素早く通報してほしい」
と呼び掛ける。

歩行者らの侵入を素早く把握するシステムを導入している地域もある。京都府の高速道路を管理する会社などは07年、立ち入りに伴う事故を防ぐ全国初の協議会を設立。
監視カメラで人を識別する機器を導入しているという。

「認知症の人と家族の会神奈川県支部」代表の「立入を防止する策は意味がない」という意見には全面的に同意します。

高速道路の逆走でも同じことですが、分からないから自動車専用道路に進入するのだし、逆走もするわけです。
そういう分からない人たちに分からせることで何とかなると考えているのだとすると、どういう思考過程でそういう結論に達するのか?直接聞いてみたいくらいです。

歩行者の立入、高速道路の逆走も、事故にしないためには正常に走っている車を止める方が、実際的な効果は大きいでしょう。
もちろん、現実に止める前に注意喚起とか色々やれることはあります。
正常に走っている車に対して、何の情報を出さないというのは、道路管理の観点で失格と言うべきです。

路車間通信で、自動車に直接警報を送ることも出来ます。
それでも「分からない人に分かるようにするのが対策」というのはあまりにバカすぎる。

8月 17, 2011 at 07:46 午後 事故と社会 |

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コメント

この記事を読むと、保護した侵入者のうち半数が高齢者で、さらにその半分が痴呆症またはその疑いがあると言う事ですよね。
であれば、侵入者の3/4は「訳の判る」人となりますから、県警高速隊やNEXCOの「気づかせる」対応はバカ呼ばわりするほどの愚作とも思えません。
侵入者の多数への対策を取って総数を減らすのは、コストパフォーマンスの点でも問題はないと思います。
この記事を読んでの違和感は、県警高速隊やNEXCOは侵入者についてコメントしているのに対し、痴呆症関係者の会のコメントを入れて痴呆症患者が立ち入る事に対する策がなってないかのごとき印象を与えている事でしょうか。
取材の主題の解釈に違いがあったのか、取材者が意図的に主題をぼかしたのか、記事を書く段階で偏向が入ったのかまでは読み取れませんでしたが。

投稿: フックランナー | 2011/08/21 11:01:33

>侵入者の3/4は「訳の判る」人となりますから

これはちょっと無理な推論でしょう。

一瞬でも、わけの分からなくなった人が逆走すると考えるべきだと思います。

最初から最後まで分かっていたら、逃走している確信犯(実例あり)か、自殺志望者です。

そういう意味では、ほとんど100%が一瞬であっても、わけ分からないのであって、タイミング良く警告して事故が回避できればよいですが、道路の構造上も難しいだろうと思います。

SAの正規の進入路に逆走で進入してしまった場合、正しいのはその場で直ちにバックして駐車場まで戻ることですが、中には「もうちょっと進んでUターンしよう」と考える人もいるでしょう。

ここらを秩序正しく判断できる明晰な頭脳の状態を前提に考えるのは無理があるように思います。

つまり、事故を無くすという目標に対して、半分になったから良い、とするのか5%まで減らさないとダメか、といったところかと思います。

投稿: 酔うぞ | 2011/08/21 12:59:26

引用された記事の解釈にずれがある様に思えます。

まず「保護された侵入者のうち半分が高齢者だった」 これはよろしいですね。
そして「高齢者のうち認知症又はその疑いがあるのは半分」これもよろしいですね。

ここからは数字の遊びになりますが、上記から「保護された侵入者のうち1/4は認知症又はその疑いがある」と導かれますが、これもよろしいですか。
記事中には認知症以外の訳が判らなくなる疾患等については記述がありませんから、私は保護された3/4の侵入者には認知症による判断力喪失は無いと読み取りましたが、3/4の侵入者が判断力喪失していると、記事中のどの部分から判断されていますか?

普通に生活していても「気づかずに」とか「ついうっかり」と言った理由でポカをやらかす事は良くあることです。
であれば、そういう「気づかなかった侵入者」に対するNEXCOの「気づかせる事を強化する策」は有効と考えますが、どの様な論理で有効でないと判断されましたか?
記事を読む限り、NEXCOがやろうとしている策は侵入者の総数を減らす事とみたのが先のコメントとなります。
記事にミスリードを感じるのは、そこに認知症者を絡めている事です。
記者の質問が「認知症者への対策は?」であれば、また別の答えが出た可能性はありますがそう言う意味合いの質問をしている様に記事には書かれていない。
記事中に出てくる「認知症の専門家」らしき人のコメントもある意味無責任です。
役に立たないと言うならば「何故だめなのか」を論理的に示し、具体的な代案を出すべきであって、「理解を深めてみんなで守れ」なんて抽象的な案を出すべきではない。
ここも記者どういう質問をしたかによりますが。

大事なのはまず侵入者の総数を減らす事であり、侵入者対策の負担を下げる事ではないかと。
気づいた人が侵入しなくなれば認知症者の比率が上がりますが、総数は減少している訳ですから、認知症者対策に掛けるリソースを増やす事が可能となり、結果として認知症者の侵入も減らす対策を打てる事が出来るでしょう。
この手の問題を「いきなり0件」にしろと言うのは宇宙を飛ぶスペースシャトルに即着陸しろと言うようなもんで、できる対策を進めながら少しずつ下げていくしか無い。
気づける人のうち50%が気づいてくれれば、それで侵入者の1/3は減少する訳ですからこれは大きな数字です。
事故は0件で無ければならないと言うのは「原発の危険率が0.001%あったら再稼働はダメ」と言うプロ市民位しか通用しませんよ。

そしてコメントにあった「逆走」ですが、引用記事の中には「逆走」についての記載はありません。
引用部分外に書かれていたのでしょうか?
侵入者と逆走では対策が異なるのは当然の事ですし、NEXCOも高速隊も「逆走」について聞かれている訳で無いのですから、回答が的外れなのは当たり前です。

投稿: フックランナー | 2011/09/07 0:34:15

フックランナーさん、コメントありがとうございます。

わたしは、以前から今の記事と同様に「高速逆走」について書いていて、逆走する車に対する対策よりも、逆走してくる車があることを警告する方が有効だろう、と主張しています。

つまり、この記事はそういったわたしの一貫した主張を書いたものです。


ところで、わたしの考えでは

>侵入者の3/4は「訳の判る」人となりますから

というところは、「少なくとも進入した時にはワケが分からない状態」であろうと考えています。

逆に、進入した時にも「ワケが分かっていた」のなら、故意の進入だとなってしまいます。

例えば、泥酔したとか薬物の影響や、極度の睡眠不足、といったごく普通に健康な人が、その瞬間に「ワケが分からなくなる場合がある」のはごく普通のことですから、その人たちのことを「ワケの分かっている人」として、病気などで判断できない人と区別する必要があるのでしょうか?

認知症とか、そのた病気で判断力が無く、誤進入をする人たちと、その瞬間にたまたま、はっきり言えば単なる「間違え」で誤進入する人を区別して、対策するのは意味のあることなのか?

これは、病気の研究と、健康の維持、のような関係だと思います。
研究は重要ではあるけれど、結果とつながっているのか?は常にチェックするべきです。

こういった観点からは、社会の安全のために、もっとやれることがあるのではないのか?と考えています。

これについては、もっと掘り下げた議論がしたいものです。

投稿: 酔うぞ | 2011/09/07 9:00:55

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