« 集合訴訟シンポジウム | トップページ | フール死亡事故・またもやいい加減な管理体制 »

2011.08.02

安愚楽牧場倒産

東京商工リサーチ倒産速報より「(株)安愚楽牧場

(株)安愚楽牧場

[栃木] 和牛畜産、和牛オーナー制度運営
 

弁護士一任 / 負債総額 619億8705万円

~放射性セシウムの検出影響~

TSR企業コード:26-013666-2
(株)安愚楽牧場(那須郡那須町埼玉2-37、登記上:同郡那須町高久丙1796、設立昭和56年12月、資本金3000万円、三ヶ尻久美子社長、従業員514名)は8月1日、栃木義宏・柳澤憲の両弁護士(栃木・柳澤法律事務所、東京都港区虎ノ門1-22-13秋山ビル3階、電話03-3580-1331)に債務調査を依頼した。
負債総額は平成23年3月期末時点で619億8705万円。

昭和54年1月那須町で共済方式による牧場経営を開始。

和牛オーナー制度(繁殖牛のオーナーを募集し、生まれた仔牛を買い取るシステム)で資金調達する独自のビジネス手法を開発・確立。

超低金利の続く経済環境の中、「高利回り金融商品」の一つとして一般投資家に注目され、事業規模は拡大を続け、会員数は全国各地で3万人を数える。

北海道から沖縄までの全国40カ所に自社牧場を運営するほか、預託先牧場は全国に338カ所あり、黒毛和種牛牧場として国内最大規模を誇り、平成23年3月期は1027億2394万円と初の1000億円超と業績を伸ばしていた。

 しかし、平成22年に発生した口蹄疫問題では、宮崎県内の牧場で症状が発生した牛が発見され、最終的に約1万5000頭が殺処分された。

また、東日本大震災に伴う福島第1原発の放射能漏れ事故による対象地区での牛の放牧制限、放射性セシウムの検出による福島県産牛肉の出荷制限等があり、また風評被害から牛肉消費が落ち込み市場価格が急落したため、出荷を見合わせる事態に至った。

 その結果、資金繰りが悪化し、取引先への代金支払は現在停止状態となっている。

担当弁護士側は資産・負債の調査は1カ月以内に終了することとし、その後今後の方針決定した際に改めて発表するとしている。 

弁護士事務所では債権者向けに専用のコールセンター(050-5505-3720、受付時間:月曜日~金曜日、午前9時~午後5時)を開設している。

これが第一報でした。
これに対して、紀藤正樹弁護士が即座にブログで取り上げています。

速報:和牛預託商法-先ほど、あの(株)安愚楽牧場(旧安具楽共済牧場)の倒産速報が出ました。By東京商工リサーチ

これは速報です。

最後まで残った和牛預託商法業者で最大の業者であった。あの安愚楽牧場が東京商工リサーチの倒産速報に掲載されました。

既に支払を停止しています。

このまま推移すると戦後最大規模の消費者被害になるおそれがあります。弁護団の早急な立ち上げも必要かもしれません。

⇒http://t.co/qSZwdRV via @TSR_NEWS

・(株)安愚楽牧場 | 倒産速報 | 最新記事 |
東京商工リサーチ.

なお「和牛預託商法」については、僕の以前に「ふるさと牧場」について書いたBLOGの記事を参照してください。 ⇒2007.11.29

和牛預託商法-ついに最後に残った二つの共済牧場のうちの1社「ふるさと牧場」が破綻しました。

1997年当時に、17社あって破綻せず残っていた最後の1社となっていたのが、安具楽牧場でした。

⇒今後のより速い速報は、僕のTWITTERをフォローしていただければと思います。

この記事だけでは、安愚楽牧場の商法のどこに問題があるのか具体的には分かりませんが、紀藤弁護士が紹介している「和牛預託商法-ついに最後に残った二つの共済牧場のうちの1社「ふるさと牧場」が破綻しました。」に詳しく書かれています。

 1997年当時に17社あって破綻せず残っていた最後の2社のうちの一つ「ふるさと共済牧場」(平成12年8月1に商号変更して、現「ふるさと牧場」)が、破綻状態に陥っています。
 被害者が多数出ているようです。10年も放置した警察の責任は重大だと思います。

 なお最近の真珠養殖詐欺商法や、えび養殖詐欺商法-ワールドオーシャンファーム事件僕も、ワールドオーシャンファーム被害対策弁護団に参加しています。などの走りの、和牛預託商法については、過去の経過を知らない方がおられますので、僕のホームページ等に書いた以前の経過を、まとめて直してみました。

1 和牛預託商法とは?
 ・子牛を買って成牛にして売れば利益が出ると称して、多数の消費者から金銭を預って、運用するという商法
 ・和牛預託商法の内容は、東京三弁護士会が、1997年6月に設置した110番の結果についての僕の原稿参照。

■和牛預託商法への強制捜査と弁護士会の課題

 元本保証や高配当をうたってオーナーを募集する和牛預託商法に対し、埼玉県警と群馬県警は、5月8日、出資法2条(預かり金の禁止)違反容疑で強制捜査に入りました。

 今回強制捜査を受けたのは、長野県に本社がある有限会社「千紫(せんし)牧場」と、群馬県に本社がある有限会社「はるな共済牧場」の2社ですが、同種の業者は、農水省の調査で少なくとも17社あります。

 同日付読売新聞夕刊によると、前社は、1昨年秋ごろから1年半の間に、約2000人の顧客から22~3億円を、後社は、約180人の顧客から約2億円を集めたと報道されています。業界全体では約7万人のオーナーから約1000億円を集めたと見られています。

 東京3会では、6月2日午前10時から午後4時まで110番を実施し、15本の電話を用意するという異例の体制で臨みましたが、朝から電話がなりっぱなし。最終的に413件の相談が殺到する事態となりました。

 農水省の統計によると、平成3年に牛肉の輸入が自由化されて以後、和牛1頭あたりの利益は赤字傾向が続いており、平成5年~7年まで赤字。平成8年も売却単価75万2312円の内1万6829円の黒字が出ているにすぎません。しかも1社を除いてすべての業者がこれまで1度も和牛売却の実績がありません。ですから元本保証や高配当をうたうこと自体が詐欺罪にあたる可能性もあります。

 強制捜査とマスコミの報道を通じて、和牛預託商法は経営リスクと出資法違反というリーガルリスクを伴う商法であることが明らかとなりました。新たな顧客を開拓することで伸びてきた和牛預託業者が、今後は次々と破綻する可能性が生じています。既に破綻の兆候がある業者も出始めました。その場合、KKCやココ山岡以上の大規模な消費者被害事件に発展する可能性があります。既に110番実施前にも、不安を感じたオーナーが多数弁護士会の法律相談窓口に殺到し、1時相談事務が混乱するという事態がありました。

 消費者事件の救済でいつも思うことですが、現状の弁護士会の法律相談体制では、和牛預託商法のような弁護士人口をはるかに越える大量の被害者が出る消費者事件に即応でき

ません。会に相談が殺到するような緊急時の相談体制を予想していないからです。昨年のKKCやオレンジ共済の場合もそうでしたが、このような事態が生じた場合、110番とは別に法律相談窓口でも対応できる仕組みが必要だと思います。相談場所の確保や特別案件相談者リストの作成は最低限必要ですが、あっせんの省略や、クレサラ事件の報酬基準のように、報酬規定を関連委員会の意見で暫定的に変更して処理できるような柔軟な処理も必要だと思います。

 弁護士会が、真に市民に開かれた法律相談体制を目指すなら、心配して駆けつけてきた相談者が、いち早く弁護士にたどり着けるような体制作りが緊急の課題だと思います。

(消費者問題対策委員会 紀藤 正樹)

2 当時の和牛預託商法関係5弁護団について
 既に以下の5弁護団は解散していますのでご注意ください。
 お困りの方は、各地の弁護士会

 □和牛の里共済牧場被害対策弁護団
 □あさぎり高原共済牧場被害対策弁護団
 □ふるさと共済牧場被害対策弁護団
 □みちのく都路村共済牧場被害対策弁護団
 □軽井沢ファミリー千紫牧場 /安愚楽共済牧場被害対策弁護団

3 その後の摘発経過
 ・1999年2月26日付け読売新聞夕刊によると、浦和地裁は、1997年5月に摘発された軽井沢ファミリー千紫牧場の元社長に、詐欺と出資法違反により懲役5年(求刑7年)の有罪判決を言い渡したたとのことである。和牛商法での詐欺罪の適用は初めて。少なくとも和牛預託商法が出資法違反だとすると、他の和牛預託業者にいまだ強制捜査がなされないのは、不平等、不正義であり、不可思議と言うほかない。実刑判決を受けた元社長もそう思っているに違いない。 UP99/03/01
 ・1999年4月21日付け朝日新聞速報によると、和牛預託業者「ジェイファーム」元社長に、出資法違反により懲役2年(求刑懲役3年)が言い渡された。UP99/04/21

一言でいうと、「そもそも、牛の飼育は儲かるものではないし。破たんした事業者の中には販売実績がない。つまり、消費者から金を巻き上げるだけの、悪徳詐欺商法だ」ということでしょう。

安愚楽牧場は、販売実績はありますが、販売単価が資金コストに見合うほど高かったのか?となると、疑問がありました。
一言で言えば「なぜ安愚楽牧場はだいじょうぶと言えるのか?」です。

一日経つと、こんな記事が出てきています。毎日新聞より「安愚楽牧場:経営悪化 和牛オーナー商法、出資者ら「元金だけは返して」

◇那須塩原本社に

 会員3万人の「和牛オーナー」制度で知られる安愚楽(あぐら)牧場(栃木県那須塩原市、三ケ尻久美子代表)の経営悪化が報じられたことなどを受け、同市埼玉の本社には出資者らが説明や出資金の返還を求めて駆けつけた。

 代理人弁護士の通知書や出資者らによると、先月分の配当金などがまだ支払われていないという。

 1日には本社の電話も通じない状況。門扉には「社員以外立入禁止」と書かれた張り紙が張られていた。警備員から通知書を手渡された出資者らが、不満を口にしながらもなすすべなく引きあげる姿も見られた。

 通知書には代理人弁護士名で経営悪化が報告され「負債状況を正確に把握し、今後の方針を早々に決定する必要から、お支払いは目下停止させていただいている」と書かれている。

 1億円を投資しているという群馬県内の主婦(47)は「先月の配当金が入らず電話も通じないので確認しに来ました」と夫と車でやってきたと話す。通知書を見て「どうなるのか」と不安を隠し切れない表情だった。

 また、2500万円を出資しているという埼玉県内の主婦(61)は「元金だけは返してもらいたい」と怒りをあらわにしていた。

 栃木県にも出資者から数件の問い合わせが寄せられたという。

 同牧場は1981年設立。「繁殖牛のオーナー」として会員から出資を募り、生まれた子牛の売却益を配当金とする方式で資金調達してきた。

 同社のホームページによると、「売買・飼養委託契約金」として100万円(4年契約)を同社に支払うと、年1回、3万8000円の配当が得られるとしている。金融商品としては年利3・8%の高利回りで人気となっていた。同社はその商法の元祖といわれている。

 しかし、同種のビジネスを手がけた後続業者の中には、実際には牛を飼育しないで資金集めだけをする詐欺や、自転車操業による破たんなどが、90年代に相次いで発生、社会問題化した。同社は「最後の砦(とりで)」と言われていた。

 同社が出資者に示した通知書によると、問い合わせ先は電話050・5505・3720。受付時間は月~金曜日の午前9~午後5時。【柴田光二、泉谷由梨子】

2011年8月2日

紀藤弁護士のtwitterによると、

安愚楽牧場の被害者からの相談が当事務所に殺到しています。
弁護団を結成すべく準備中です。
弁護団からの連絡が必要な方は僕の事務所に電話をしていただき、とりあえずご連絡先の登録をお願いします。
結成後、ご連絡を差し上げます。

となっています。

けっこうな大事件になるような気がします。

8月 2, 2011 at 08:59 午後 経済・経営 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/52374974

この記事へのトラックバック一覧です: 安愚楽牧場倒産:

コメント

コメントを書く