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2011.08.09

取り調べの可視化拡大か?

読売新聞より「取り調べ可視化、否認事件にも…法相指示

犯罪捜査の取り調べの録音・録画(可視化)のあり方を検討してきた法務省は8日、

「可視化を制度化することはぜひとも必要で、法務省として責任を持って実現しなければならない」
とする方針を発表した。

また、江田法相は同日、裁判員裁判対象事件の自白事件で行われている一部可視化について、否認事件にも広げ、裁判員対象の全事件で試行的に実施することなどを笠間治雄検事総長に指示した。
指示は検察庁法で定める一般的な指揮にあたるが、法相が検事総長に直接行うのは異例。

同省は2009年10月、当時の千葉法相のもとで省内勉強会を設置し、海外の制度や国内の取り調べの状況を調査するなど、可視化の制度化について検討を続けてきた。

「被疑者取り調べの可視化の実現に向けて」と題されたこの日の方針は、同省が同日公表した勉強会の最終報告を踏まえたもので、同省の最終見解にあたる。

方針は、法制審議会(法相の諮問機関)の特別部会で可視化の法制化の検討が始まっている点に触れ、

「できる限り速やかに答申を受け、制度としての可視化を実現する」
とした。

(2011年8月9日03時03分 読売新聞)

日テレNEWS24 より「取り調べ可視化「一律義務付け適当でない」

< 2011年8月8日 22:17 >

法務省は8日、取り調べの録音・録画の在り方に関する省内の検討結果を公表した。

取り調べの全ての過程での録音・録画については、

「一律に義務付けるのは適当ではない」
としている。

法務省の検討結果では、どのような事件で録音・録画を行うかについて、裁判員裁判の対象事件のうち、容疑者の身柄が拘束されているケースが対象になるとしている。

一方、取り調べの全ての過程での録音・録画については「一律に義務付けるのは適当ではない」とした上で、「必要性と捜査などへの支障との間でバランスの取れた制度が必要」との考えをまとめた。

また、今後の法制審議会での議論のため、検察が行っている録音・録画の対象を否認事件などにも拡大し、多角的な検証を行うべきだとして、笠間検事総長に対応を指示した。

この二つのニュースはタイトルだけ見ると、全く正反対のことを伝えているかのように感じます。

日テレNEWS24 の方が、精密な報道のようです。
非常に分かりにくいのが、録音録画の拡大を図るとしても、現在の運用がどうなっているのかが分からないので、一方で拡大するとし、他方で取り調べの全過程への義務づけは適当ではない、というのはアクセルを踏みつつブレーキを踏んでいるかのようで、論理としては正しくても、実感を持って伝わってこないのです。

録音録画については、わたしは賛成派なのですが、反対派の論拠が「こんな場合にはダメだ」ということばかりであって、結局は反対派が「完璧でないからダメ」と主張するのは一見もっともなようですが、元々がえん罪の防止が目的です。
えん罪は、取り調べが完璧でないから起きるのは自明のことで、それを録音録画によって改善しようという試みに対して、「完璧でないから、今の方がまだマシだ」という論理は通用しないでしょう。

そして、一部で実験した結果が、今回の「より拡大」の方針になったのは、ある意味で当たり前であって、次の段階としては「あらゆる捜査段階での録音録画」を試行するべきでしょう。

これは、「質と量」の問題のように感じられます。

機械的に録音録画をすると、その結果として取り調べの技術としての職人技が発揮できなくなる可能性はあるでしょう。結果として、取り調べの質的レベルが下がる可能性はある。

しかし、いわば機械的にチェックしているのだから、バラツキは防止できるはずです。
つまり、取り調べ技術レベルのピークは下がるかもしれないが、失敗も減るはずでケットして取り調べ成功の件数が増えると思われます。

機械的に記録することで、捜査側が余分な配慮をしないで、取り調べそのものに集中できるといった指摘は以前からありました。
想像していたよりは、録音録画の拡大が速いと感じています。制度化を急ぐべきだという事なのでしょう。

8月 9, 2011 at 10:21 午前 国内の政治・行政・司法 |

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