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2011.08.28

安愚楽牧場・さいたま市説明会

毎日新聞より「安愚楽牧場:破綻 被害対策弁護団、さいたまで説明会 刑事告訴も /埼玉

和牛オーナー制度で資金を集め、民事再生法の適用を申請した「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)について、被害対策埼玉弁護団が27日、さいたま市の浦和コミュニティセンターで被害者説明会を開いた。

集まった約430人に現状と今後の見通しについて説明。
損害賠償請求訴訟で責任追及する方針を改めて示し、詐欺罪などでの刑事告訴の考えも明らかにした。

弁護団の中村弘毅弁護士は

「安愚楽牧場は赤字経営で、自転車操業状態だった事実を隠し、次々に契約金を払わせた」
と話した。

会場からは質問が相次いだ。県内に住む看護師の女性(43)は、数年前に100万円余りを契約したという。

「銀行は利息がよくないから使わないお金を回した。自分にとって大金なので返してほしい」
と不安げな表情を浮かべた。
数千万円を契約したという60歳代の無職男性は
「震災後、利率がよく短期の契約コースへの勧誘が増えたので心配はしていた。自己責任と言われるかもしれないが悔しい」
と憤りを見せた。

弁護団は今後も相談を受け付け、弁護団への参加を呼び掛ける。

問い合わせは、さいたま市浦和区高砂2の1の16浦和大熊ビル3階、つきのみや法律事務所中村弘毅弁護士に郵送またはファクス(電話048・799・3405)。

【平川昌範】

東京新聞より「安愚楽牧場の債務弁済問題 オーナー説明会に430人

和牛オーナー制度で金を集め、東京地裁に民事再生法の適用を申請した畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県)の債務弁済問題で、埼玉弁護士会の有志が結成した弁護団が二十七日、さいたま市でオーナー向け説明会を開いた。

説明会後に個別相談を受ける予定だったが、「参加者数が予想を上回った」として急きょ中止。
説明会を二回に分けて開き、延べ約四百三十人が参加した。

弁護団によると、埼玉は全国で三番目にオーナーの数が多いという。

説明会では、担当の弁護士が民事訴訟の流れや現状を説明。

  1. 同社が地裁への申し立ての中で「約四千三百億円の負債がある。
  2. 一九九一年の牛肉の輸入自由化以来、一頭当たりの利益は赤字傾向。
  3. オーナーには投資金の1%程度が戻る試算」とみていることを明らかにした。

弁護士は

「会社は客観的価値の約十倍で牛を売っていた。少しでも多くの債権を回収し経営責任も問う」
とし、訴訟の原告になるよう呼び掛けた。

長野県に住む家族と合わせて三千万円以上を支払った川口市内の主婦(26)は

「親が二十年以上続けていて、安定的だと思っていたのに。一円でも多く取り戻したい。裁判への参加を検討する」
と話していた。

(池田宏之)

この2本の記事は、8月27にさいたま市で開かれた「被害者説明会」の様子を伝えています。
430人が参加したというのはちょっと驚きですが、9月1日に東京霞が関の弁護士会館で予定されている「被害者説明会」は、3回制になりました。
2000人から3000人ぐらいが参加する可能性がありますね。

わたしが注目したのは、

  • 一九九一年の牛肉の輸入自由化以来、一頭当たりの利益は赤字傾向。
  • 会社は客観的価値の約十倍で牛を売っていた。

「安愚楽牧場・あり得ない高利回り」で示したように、どう見ても安愚楽牧場は配当を支払うと赤字になっていたはずです。
そして、それはビジネスモデルそのものの問題だから、ネズミ講のように新規入会者を集め続けないと、破たんするものでした。

何人かの弁護士が、安愚楽牧場の民事再生手続をすすめるべきで、早急にスポンサーを見つけて牧場事業を引き継ぐべきだ、と主張していますが、これはビジネスとしてまともな経営が行われていた場合の話しでしょう。

そもそも、個々の商品(この場合は牛)が市場価格で評価されていれば、事業を譲渡できますが商品の評価が極端に市場の評価とかけ離れている場合には、譲渡価格が1/10とか1/100といったことになりかねません。

評価に関しては、きちんとやれば破算手続でも民事再生でも同じですが、その過程で安愚楽牧場の経営陣が出資法違反とか詐欺の疑いがある、となりそうなのですから普通に考えて、民事再生手続にすると後々かえって混乱する、その間に現在でも多額の使途不明金がもっと増える、という可能性が大きいでしょう。

消費者被害事件は、出発点はビジネスの顔をしていますが、結局は情報格差を利用した詐欺的手法で、大勢を騙します。
これに対して「外見的にビジネスだから、ビジネスの処理をするべきだ」と声高に主張するのは、わざわざ主張するまでもなく「自己責任ですあきらめて下さい」と言えば良いことでしょう。
そして、「消費者被害というようなものはあり得ない」という昔の話しを言っているだけです。

次の国会で、最終的にどのようになるのか分かりませんが、消費者被害救済のための集団訴訟に関する法律改正が成立しそうです。
このような背景を踏まえた上で、安愚楽牧場のような「インチキ経営」にもビジネス的手続を優先するべき、という発言が出来る人に驚きます。

8月 28, 2011 at 12:55 午後 事件と裁判 |

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コメント

個別には、出資法違反や詐欺罪に問える事例もあるでしょうが、被害がこれほど大きな規模になりますと、もっと広い概念の「ぎまん的顧客誘引」で規制できるのではないでしょうか。
要するに、今度こそ、公取委がガイドラインを出しそうだと思っています。

投稿: mimon | 2011/08/28 17:26:26

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