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2011.08.16

安愚楽牧場・あり得ない高利回り

読売新聞より「安愚楽牧場、悪化後の高利回り勧誘で被害拡大

4300億円を超える負債が判明した和牛オーナー制度を運営する「安愚楽牧場」(栃木県那須塩原市)。
全国安愚楽牧場被害対策弁護団(団長・紀藤正樹弁護士)は、違法な勧誘が行われていた可能性があるとして消費者庁に行政処分などを求め、

「5000億円以上の被害規模が確実な情勢で、豊田商事事件を上回る戦後最大の消費者被害となる」
と危機感を強める。

同社は経営が悪化した7月中旬、これまでより高利回りで新たなオーナーを勧誘しており、被害拡大につながったとみられる。

同弁護団が入手した7月19日付の「肥育牛売買コース」案内は、1頭48万円で契約すると、6か月後に牛が60万円(2010年度の平均価格)で売却できた場合、飼育の委託費8万円を差し引いた52万円が受け取れると勧誘していた。半年で8%を超える利回りで、売却価格が60万円を下回れば、委託費は同社が負担するとしている。

(2011年8月16日09時10分 読売新聞)

「安愚楽牧場・清算するという」で引用した、「指定市場における子牛価格の推移」というのは、JAが作っているデータ集積サイトで、2011年(平成23年)のデータは以下の通りです。

頭数(雄)頭数(雌)頭数(計)価格(雌)価格(雄)平均価格
23年1月15,93318,99234,925378,796434,078408,858
2月13,19815,33128,529391,679448,326422,120
3月14,78517,64032,425391,950456,152426,878
4月14,38016,50430,884380,442443,920414,364
5月16,49318,77235,265371,239431,085403,096
6月13,12715,19728,324348,214408,441380,528

「7月19日付の「肥育牛売買コース」案内」がいつ作られたのかを考えるまでもなく、「指定市場における子牛価格の推移」では平成13年度からの10年間の価格推移で考えると、とても60万円で売れるとは思えないし、48万円の「出資価格」ですら下回っています。

売価が安くなれば、仕入れる子牛の価格も下がるはずで、一頭48万円を掛けて購入する必要自体がないでしょう。
仮に、半額が子牛の購入か価格であったとして、残りの半分はどこに消えたのか?

自転車操業で累積赤字を増やしたとしか見ることが出来ません。
今回は、「7月19日付の「肥育牛売買コース」案内」のデータでしたが、勧誘パンフレットと市場取引の実情を比較する必要がありますね。

8月 16, 2011 at 10:10 午前 事件と裁判 |

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コメント

金額以外に、6か月後に売りに出るというのも、おかしな話です。
牛はブロイラーではないのですから、たった6か月では、それほど大きくなりません。
下のURLは、適当に検索して見つけたパンフレット(".pdf"ファイル)で、平成18年ころの牛の価格が高かったころのものですから、金額はあまりあてにならないのですが、
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a17600/ninaite/nougai/apd1_1_2008021027111046.pdf
牛の肥育は、20か月くらいが普通のようで、6か月で手放すというのは、稲作の「青田売り」に相当する、不自然な畜産経営といえるでしょう。
このあたりからも「自転車操業」が疑われます。

投稿: mimon | 2011/08/16 15:29:47

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