« 検察官も可視化は効果あり | トップページ | 中国高速鉄道・赤信号であるべきところが緑信号? »

2011.07.28

津波で死亡したから、損害賠償請求訴訟。

読売新聞より「津波で25人死亡の自動車学校、遺族が提訴へ

宮城県山元町の常磐山元自動車学校が東日本大震災の津波に襲われ、送迎用マイクロバスなどに分乗して帰宅しようとしていた18~19歳の教習生25人が死亡した。

25人の遺族は「学校が迅速に避難させていれば犠牲者は出なかった」として、同校側を相手取り、総額約17億円の損害賠償を求めて9月に仙台地裁に提訴する方針を固めた。

同校が遺族会に行った説明などによると、3月11日午後2時46分に地震が起きると、教習生ら約40人は校舎外や車外に出た。校舎が壊れた恐れがあり、寒さをしのぐため、教官らの指示で何台かのマイクロバスに乗り込んだ。

「地震直後、教官らには『1時間後に教習を再開するので、少し待っていてください』と大きい声で言われた」と、助かった女子大学生(19)は証言する。

しかし、同3時20分頃に停電し、同校側は教習生を帰宅させることにした。

教習生らはマイクロバスやワゴン車、教習車計7台に分乗して同3時40分頃から順次出発。約10分後に山元町の沿岸部が津波に襲われ、7台のうち、山の手に向かったワゴン車と教習車を除く5台がのみ込まれた。

死亡した教習生25人は、5台に乗っていた23人と、路上教習を打ち切って同校に戻った後、徒歩で帰宅していた2人。

同校側も、校舎が津波で壊滅し、マイクロバスなどを運転していた教官4人と、学校にいた校長や教官、事務員ら5人が犠牲になった。

遺族会によると、同校側は「津波の際の避難マニュアルは用意しておらず、対応に危機感がなかった」ことは認めたという。だが、話し合いを重ねている途中、代理人弁護士から「このような大規模な津波は予見できなかった。仮に予見が可能だったとしても、生徒たちは自ら避難することができた」などとして、一連の対応に過失はなかったと主張する文書が遺族に送られてきたという。

(2011年7月28日09時18分 読売新聞)

教習生25人の損害賠償請求総額が17億円ですから、一人あたり平均の損害賠償請求額は6800万円となります。
一言で言えば、全ての責任が自動車学校にある、という請求内容だと読めます。

まことにお気の毒ではあるけど、津波での死亡の原因の全てが自動車学校などにある、という論理構成は無理がありすぎるでしょう。

交渉の経過によって提訴となったのだろうとは思いますが、ちょっと無謀な提訴であるように感じます。

もともと、損害賠償ですから自動車学校の過失によって教習生が亡くなった、という関係が必要ですがこのケースでは、自動車学校の車に乗っているときに、津波に襲われたわけでそこを過失と捉えると、津波の危険があるのに車に乗せたから、ということになるでしょう。

普通、津波の危険を十分に理解していれば、車には乗せないでしょうね。
車に乗せたのは、危険がないと考えていた、となりそうです。

自動車学校の対応と、死亡との因果関係を証明する事も、困難であるように思えます。

7月 28, 2011 at 10:00 午前 事件と裁判 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/52328379

この記事へのトラックバック一覧です: 津波で死亡したから、損害賠償請求訴訟。:

コメント

コメントを書く