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2011.02.21

高速フェリーの軍事転用・小説そのものだわ

サンケイ新聞より「フェリーを高速輸送艦に 防衛省が転用検討 離島奪還で陸自輸送の切り札

防衛省が、民間フェリーを高速輸送艦として転用することを検討していることが20日、分かった。

中国による東シナ海の離島侵攻の脅威が高まる中、新規建造はコスト高で困難なため、転用によって、奪還作戦で陸上自衛隊部隊を機動展開させる際の輸送手段の「切り札」として位置づけている。

高速輸送艦は在日米軍再編に関する平成17年の日米合意で導入が明記された。

転用を検討しているのは「津軽海峡フェリー」(北海道函館市)が2隻所有する高速フェリー。
全長112メートル、時速約67キロの双胴型で高速フェリーとしては世界最大級。乗客774人、トラック33台、乗用車195台を運べる。

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同社は1隻約90億円で購入し、青森-函館間で運航させたが、燃料高騰による赤字で20年10月から運航を休止している。

東シナ海での島嶼(とうしょ)奪還作戦では、西部方面普通科連隊(長崎県)が中核となる。西普連は隊員約600人で、同社のフェリーは輸送能力を満たす。
高機動車や軽装甲機動車といった装備も搭載可能だ。

昨年12月の「防衛計画の大綱」は「(島嶼攻撃には)機動運用可能な部隊を迅速に展開」と明記した。
だが展開させる輸送手段が担保されていない重大な問題点を抱えていた。

防衛省では民間フェリーの転用でその穴を埋め、本州の部隊を南西方面に展開させる「スイング戦略」の輸送手段としても有効と判断している。

また、東南アジアをはじめ海外での災害時、国際緊急援助活動に部隊を派遣する際にも活用を想定する。

在沖縄米海兵隊は日本本土や西太平洋に展開する際、オーストラリアの民間高速フェリーをチャーターし、高速輸送艦として利用している。

自衛隊がフェリーを導入して海兵隊の輸送機能を代替すれば、本土への訓練移転拡充を米側に求める交渉材料になる。

転用を図るフェリーについて中国が購入に興味を示しているとの情報もあるため、防衛省は検討を急いでいる。
6月までに結論を出し、24年度予算案概算要求にも盛り込みたい考えだ。

写真を見ただけでも、すごい形の船なので、ちょっと検索してみました。
ウィキペディアの記事「ナッチャンWorld

ナッチャンWorldはナッチャンReraに続く双胴式の高速フェリーとして、オーストラリアのインキャット社ホーバート造船所で建造された。

同社の112m級ウェーブ・ピアーサー2 番船で、船体番号は065。

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青森港 - 函館港間をおよそ夏季1時間45分、冬季2時間15分、深夜便2時間30分で結んだ。船体には、2007年11月に「パレード」をテーマとして児童より公募したイラスト538点の中から選ばれた恐竜や海の生物など18作品が描かれている。

2008年2月19日に進水し、4月3日に公試、同月8日に完成記念式典が行われた。その後、同月10日にオーストラリアを出航、ブリスベンを経由して17日の午前7時に函館に到着した。就航に先立つ4月30日には函館港に停泊中の船内でテロ対処訓練が行われたが、この訓練は同年7月7日から9日にかけて開催される北海道洞爺湖サミットに備えたもので、北海道警察と東日本フェリーが合同で実施した。

就航式は同年5月2日に青森市の青森高速船ターミナルで行われ、同時に函館港開港150周年記念イベント「津軽海峡・海と大空のフェスティバル」が開催された。また、本船の就航に合わせて青森フェリー埠頭では新しいターミナルビルと搭乗橋の使用が開始された。

しかし同年8月4日、東日本フェリーは原油高にともなう燃料高騰を理由として、運賃の3割値上げと秋・冬季の減便を発表した(これにより1日6往復12便運航されている便数が9月から4往復8便、11月から2往復4便に減少することになった)。さらに同年9月8日、燃料高騰の影響によりナッチャンRera・Worldの函館 - 青森航路と在来船で運航している函館から青森、室蘭、大間への3航路の合計で本年度49億円の赤字が見込まれることから、同年11月末をもって国内フェリー事業から撤退することを発表するとともに、2隻の高速フェリーは同年11月1日から運航を休止した[1]。

その後は青森・函館の両港に係船されていたが2009年3月、函館開港150周年記念事業のPRのために、同じく開港150周年を迎える横浜港の大さん橋で展示された[2]。また、東日本フェリーから青函航路を承継した道南自動車フェリー(現・津軽海峡フェリー)が国土交通省への期間限定での運航申請が2009年5月20日に認可され、同年7月18日から9月30日までの期間限定で青森港 - 函館港の間を運航した(地元漁協に配慮し減速して運航したため、両港間の所要時間は2時間45分となった)。さらに、2010年も7月17日から10月 31日までの期間限定で運航している。

ウエーブ・ピアーサー型というのは、ウィキペディアの記事中の写真のように水面下に伸びる先端がある船型のことです。

ディーゼルエンジン、ウォータージェット推進、最大36ノット、アルミ合金製、総トン数1万712トン。

これでフェリーですから、軍事輸送にはピッタリと言えるでしょう。

しかし、わたしには「これでは大石英司の小説世界じゃないか」と思うわけであります(^_^;)
すでにご本人がblog で取り上げています。

※ フェリーを高速輸送艦に 防衛省が転用検討 離島奪還で陸自輸送の切り札
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110221/plc11022101000000-n1.htm

 これって「ナッチャン」のことですよね。いきなり1万トンですか。アルミ軽合金製というのがあれだけど(戦車を積めるような強度はあり?)。これでシーデビル以来久しぶりにウェーブピアサーの表紙イラストを描いて貰えるかも(^_^;)。島嶼防衛と言わず、東南アジア方面の災害派遣に転用すれば活躍しますよ。ただ産経お得意のアドバルーンで無ければ良いですが。
 早速、あんな部隊やこんな部隊を乗せて、目指せ! 上海w

サンケイ新聞が「中国が購入に興味を示しているとの情報もあるため、防衛省は検討を急いでいる。」と書いていますから、牽制の意味では有効な記事なのかもしれません。

まあ、軍事技術は第二次大戦ぐらいまでは、飛び抜けてハイテクという位置づけでありましたが、どんどん民需との区別がなくなり、民需の方が性能が高くて有用、という時代になってしまいました。

その意味では、直接兵器以外の品物については、民間品の転用は行うべきでしょう。
1980年代には「なんで軍需品は単価が高いのか?」という批判本が出てました。

そんな流れからすると、実現性はそこそこ高いかと思います。
これで、鳩山前首相が大反対すれば、予想通りと言ったところでしょうか?

2月 21, 2011 at 10:41 午前 国内の政治・行政・司法 |

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コメント

中国海軍が500トンクラスの同じ原理のミサイル艦を大量生産中です。速度はこのフェリーよりずーっと遅いみたいですけどね(^_^;)。

投稿: ジャッキー山川 | 2011/02/21 13:14:29

大英帝国は、フォークランド紛争時にQE2を徴用しています。別に小説の中の話じゃないです。

投稿: Ikegami | 2011/02/21 17:57:33

Ikegami さん

これは、ネタを知らないと分からない話でありまして(^_^;)
大石英司作品世界ならではの話なのであります。

大石氏が「シーデビル」と書いていますが、これが作中に登場する、ウエーブ・ピアーサー艦で海上保安庁と海自が協同運用する、といった話でありました。

大石氏は、週刊誌記者から作家になった人なので、架空戦記でも、かなり細かいところに配慮があって、その一つが予算問題です。

架空戦記を成立させるために、どこから金が出るのか?をベースにしている作品というのは珍しいですが、そうやって小説世界を成立させているわけです。

その小説世界に、現実が近づいてきたな、と思ったわけ。

投稿: 酔うぞ | 2011/02/21 19:23:03

在日米軍ご寵愛のウエストパック・エクスプレスもオーストラリア製、
総トン数1万トン。推進方法も機器数も同じ。
巡航速度までもなっちゃんもウエストパックもほぼ同じ。
軍用輸送船としてしてはもってこいなんでしょうね。
気がつくのが遅かった防衛省の情報能力のほうに?が付きます。

投稿: 昭ちゃん | 2011/02/25 3:22:34

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