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2011.01.06

新卒者の即戦力化を求めるというのだが

毎日新聞より「企業採用調査:求む即戦力 「論理的思考力」重視傾向に

企業が採用時に新卒者に求める資質に関し、経済同友会が昨秋行った「採用と教育に関するアンケート」で、“実務能力”を重視する姿勢に変わりつつあることを示す結果が出た。

内定率が就職氷河期を下回る状況が続く中、「熱意・意欲」や「筆記試験の成績」を重視する企業が減少し、説明能力や適性を測る試験の結果を重視する企業が増加。

人材育成の余裕を失い、即戦力を求める採用側の傾向が浮き彫りになった。

調査は97年以降2~4年おきに行っているもので、今回は昨年10月8日~11月8日に経済同友会所属の全国の846社に対して実施、230社から回答を得た。

建築など製造業57社、金融、IT関連など非製造業167社で、回答企業の来年度の新卒者予定採用合計数は約2万6900人。

新卒者を大学院、大学、短大、高専、専修・専門学校の5グループ(前回08年調査は高専を除く4グループ)に分け、「求める能力」「選考方法と基準」などを聞いた。

まとめによると、「求める能力」は、全グループで「熱意・意欲」が1位となったが、重視する企業は、グループ別で前回調査の70.5~78.6%から、67.7~77.1%に減少。前回4~9位とばらつきがあった「論理的思考力」が全グループで4位に上昇。

営業現場などで説得力のある説明をする能力が求められている様子がうかがえた。「問題解決力」の数値のアップも目立った。

また、選考方法で最も重視されるのは、全グループが前回同様に「面接の結果」。

2位は高専を除いて、100問前後のマークシート方式で実行力などを測る「適性試験の結果」となり、大学以外は、一般常識などを問う「筆記試験の結果」が2位だった08年から変化した。

文部科学省の調べでは、昨年10月1日現在の11年春新卒予定者の就職内定率(高校は10月末現在)は大学57.6%、短大は22.5%、高校57.1%で、いずれも93~05年ごろの就職氷河期以下のレベル。このため文科省は11月、経済同友会などの企業側と大学側が参加する懇話会を設置し、この席で企業側から「大学教育の中で、即戦力となる人材を育ててほしい」と要望が出されていた。

アンケートではそのほか、「研修費用の一部個人(本人)負担」について、実施済み企業が12.2%で、今後行いたいとする企業を含めると23.9%に達した。経済同友会の担当者は「長引く不況で研修費を削らざるを得ず、研修が最低限ですむ即戦力を求める傾向が強くなった」と分析している。
【篠原成行】

毎日新聞 2011年1月6日 11時29分(最終更新 1月6日 12時02分)

選考方法の変化

要求順位前回(08年)今回
1位面接の結果面接の結果
2位筆記試験の結果適性試験の結果

求める能力の変化

要求順位前回(08年)今回
1位熱意・意欲熱意・意欲(ただし重要度は減少)
4位論理的思考力(前回は2~9位)論理的思考力

というわけで、即戦力を求める採用側の傾向が浮き彫りになった。記事は述べています。
そのためには、大学で実務教育をしろ、となりますから従来の「企業内で教育するから」という姿勢とは正反対に近くなります。

この点について朝日新聞に経団連の動きが報じられいてます「新卒向け会社説明会遅らせて 経団連が企業へ要請検討

2011年1月6日

日本経団連は、大学新卒者の採用に向けた会社説明会などの広報活動を現行よりも遅らせるよう、会員企業に求める検討を始めた。

大企業の採用活動は早期化しており、学業に専念できない学生が増えているなどと批判されている。

日本経団連が今の採用スケジュールを見直すのは初めてで、採用時期を巡る議論が高まることになる。

米倉弘昌会長が5日の記者会見で

「(選考)活動の開始時期は従来通りとしても、『広報活動』の時期をできるだけ遅らせることを検討中だ」
と述べた。

経団連は、会員企業に対して実際に採用者を決める選考活動は4年生になるまで「厳に慎む」ことを求めている。
一方、採用予定数の公表や会社説明会など、選考に直結しない広報活動は、学業に「十分配慮して実施」するよう求めている。
これを受け、3年生の秋から説明会を始めたり、採用日程や採用数を公表したりする企業が多い。

10月ごろには就職情報会社も3年生向けのホームページを開設して採用情報を公開、登録を受け付け始める。

広報活動とは言っても、多くの学生がこの時期を就職活動の実質スタートと受け止めている面もある。

経団連は、早ければ2013年春入社の新卒者から、説明会などの開始を数カ月程度遅らせ、選考活動との合間を短くする考えとみられる。

選考活動自体を遅らせることについては賛否が割れているとして、今回は見直さない考えだ。

採用の早期化問題では、商社の業界団体である日本貿易会が昨年10月、選考活動の開始時期を4年生の夏以降に遅らせる方針を表明。

12月には日本製薬工業協会が説明会を3年生の春季休暇(2~3月)に遅らせる会長声明を出している。(吉田博紀)

大学2年生から就職活動が始まるということ自体が問題だ、といわれていて経団連の動きは当然であると見えますが、その裏側に新卒者を即戦力として使いたい、というのが隠れていたと見ることが出来るでしょう。

しかしこれは言うほど簡単な事ではなくて、日本の企業内キャリア形成のあり方から見直さないと、即戦力の新卒者なんてのは成り立たないのではないでしょうか?

今までは、即戦力とは経験者の転職と同義語でした。
要するに中途入社ですが、企業内でのキャリアはほとんど「生え抜き」重視のようなところがあって、中途入社の人が出世するとニュースになる、ほどでしたし最近の人材流動化にともなって「中途入社の人が生え抜きよりも良い待遇なのが納得出来ない」といった相談がネット上に沢山出ています。

こういうのは文化ですから、簡単に変わるものではない、10年20年といった時間を掛けて変わっていくものでしょう。

少なくとも、企業側(社会)が学校に「即戦力」を求めるのであれば、社会は学校(若い人)により多くの直接投資をするべきです。
企業が学校教育に関わっていくべきです。

育てることなく、別の成果をよこせというのは無理がありすぎる。

1月 6, 2011 at 01:21 午後 教育問題各種 |

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