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2010.03.06

アメリカ外交のバカバカしさ

読売新聞より「アルメニア「集団虐殺」、米下院本会議は採決せず

【ワシントン=本間圭一】

米下院多数派の民主党筋は5日、ロイター通信に対し、オスマン帝国末期に発生したアルメニア人殺害事件をジェノサイド(集団虐殺)と認定した下院外交委員会の決議を本会議で採決しない方針であることを明らかにした。

国務省高官も5日、記者団に対し、同様の見解を示した。

国務省筋によると、オバマ政権高官が民主党幹部に本会議で採決を行わないよう働きかけており、決議は委員会止まりとなる方向だ。

オバマ政権は、イランの核問題やアフガニスタンの旧支配勢力タリバンの掃討作戦で、トルコの協力を重視しており、トルコを刺激したくない事情がある。
(2010年3月6日19時23分 読売新聞)

タイトルを読んだときには「ソ連崩壊時に、集団虐殺なんてのがあったのか?」と思ったのですが、オスマン帝国末期というのでは、1922年以前=第一次大戦の頃の話しですよ。

ウィキペディアより「アルメニア人虐殺問題

アルメニア人虐殺問題は、19世紀末から20世紀初頭のオスマン帝国において、帝国の少数派・辺境住民であるアルメニア人に対して、多数派のムスリム(イスラム教徒)住民たちが行ったとされる迫害事件を巡る問題である。

大規模な迫害は第一次世界大戦中のアルメニア人の強制移住と、それに伴う多数のアルメニア人が命を落とした事件とされる。これらを「組織的虐殺」とする意見はヨーロッパに多く見られるが、トルコ政府はこれを認めていない。従い、21世紀に至るまで、この事象はトルコの「歴史問題」として国際的にも論争が続いている。

19世紀末と20世紀初頭の二度にわたり、オスマン帝国領内でアルメニア人に対する大規模な迫害が起こったことは歴史的事実として知られている。これを「トルコ国家」によるアルメニア人の組織的虐殺であるとみなす人々は、この一連の事件を「アルメニア人虐殺」と呼んで非難している。

二度の迫害のうち、一度目はアブデュルハミト2世専制期の1894年から1896年にかけて行われた迫害・襲撃であり、イスタンブルなど西部の大都市を含む帝国全土でアルメニア人が迫害された。

1894年から1896年というのは、日本に当てはめると日清戦争の頃です。

114年も前の、全くの別の国の事件について「認定決議」をしようとする、アメリカの議会の異常さは、それ自体を非難するべきだと思います。
オバマ政権が、止めに入るのは当然ですね。

アメリカ下院外交委員会は、こんなバカバカしいことを決議できる程度のところである、と銘記するべきですよ。

3月 6, 2010 at 08:59 午後 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

阿久根市長の行動は奇行と呼ぶしかない

「阿久根市長・今度は議会と対立」の続きです。

以前から注目してはいたのですが、この市長は次から次に報道されるような変なことばかりを引き起こしていて、まとめておかないと、後からではわけが分からなくなりそうです。

整理し意見を述べているのが西日本新聞の社説であったので、先頭にしました。

しかし、「阿久根市長・今度は議会と対立」は2010年3月4日の事であって、定例市議会ですから連日開会です。「2010年3月5日はどうなるかな?」と報道もやじ馬も注目していたわけです。

結局、昨日の議会には市長は「市議会がカメラを入れているから、出席しない」と当初は述べていました。
そのことを伝えたのが、次の読売新聞の記事です。

この記事を読むと分かりますが、
読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、南日本新聞、南日本放送の5社を指名して、カメラの持ち込みを議会が禁止しないから、議会に出席しない。
という意味に取れます。

ところが、市議会の日程が16時までとしていたところに「15時50分に議場に現れた」というのが、次の朝日新聞の記事で、そりゃ市議会だって怒りますよ。
記事中に「市長派議員4人が残る」とありますが、阿久根市の市議会議員名簿によると市議会議員は16名です。
要するに、市長派は1/4の小数なのですから「何で市長を取り替えることができないのか?」と考えるところですが、最後の読売新聞の記事に、そこらへんの事情が載っています。

  • 阿久根市では昨年4月にも不信任案が可決され、出直し市長選で竹原市長が再選されたばかり。
  • 前回の市長選から1年もたっておらず、市民は一連の混乱にうんざりしている。
  • 不信任案を出すのなら、確実に勝てる候補が必要

正直な話が、もはや「奇行」というレベルだと思います。
このまま行くと、市が差し押さえを受けたり刑事告発から捜査を受けるといったことになるでしょう。
市議会が、解職決議をしても、後継候補者を出せないから現状が続いているというのではあまりにひどいでしょう。

西日本新聞社説より「阿久根市長 拒むばかりでは通らない

信じ難い話である。その言動が何かと物議を醸す鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、今度は「嫌いなマスコミが議場にいる」として市議会本会議への出席を拒んだのだ。

新年度当初予算案の総括質疑が行われる予定だった本会議が、2日続けて流会となる異常事態となった。

地方自治法で自治体の長は、議長から議会審議に必要な説明のため出席を求められれば、議場に出席しなければならないと定めているが、罰則規定はない。
法律も想定外の行為ということだろう。

出席拒否は「市民への冒涜(ぼうとく)行為」(浜之上大成議長)にほかならない。

議場で説明責任を果たすのが市長の責務ではないのか。民主主義の原点といえる議会を軽視した前代未聞の“職場放棄”で、市長としての資質を疑わざるを得ない。

竹原市長は、障害者を差別的に記載したとされるブログが問題化した昨年12月以降、一部報道機関を除いて取材拒否を貫いている。

今年1月には県内報道機関12社に対して、市庁舎内での撮影を原則禁止することを一方的に通達した。

今回も、市長は議会側に対し一部報道機関の議場撮影を許可しないよう求め、2日目には地元紙など報道機関を名指しして要求した。
これに対して、議長は「一部報道機関の排除は公開原則に反する」と拒否した。当然のことだ。

竹原市政の混迷は深まるばかりである。庁舎内に掲示した職員人件費総額の張り紙をはがした元係長を懲戒免職にした件でも、独善的言動が目立つ。

鹿児島地裁で3日に言い渡された元係長への未払い給与請求訴訟判決では、市が全面的に敗訴した。

これで市政の法廷闘争は、元係長の懲戒免職処分の効力停止決定や市職労事務所の使用許可をめぐる訴訟など、市側が4連敗となった。

市長は徹底抗戦する構えだが、給与請求訴訟の判決では、控訴しても強制執行が可能な「仮執行宣言」が付いた。

元係長側は市側が判決に従わなければ、仮執行宣言に基づいて市の預貯金差し押さえを地裁に申し立てると同時に、市長と市を労働基準法違反(賃金不払い)の疑いで刑事告発する方針という。

さらに障害者差別の問題では、市主催行事にも影響が出始めている。
14日に阿久根市である市長旗九州選抜高校駅伝大会に選ばれていた大牟田高(福岡県大牟田市)が、出場を辞退した。市長が障害者団体への謝罪要求を受け入れていないことなどが理由という。
このままでは市のイメージダウンも避けられない。

市民が竹原市長に期待したのは市の活性化であって、混乱ではないはずだ。
自らの言動が誤解されて伝わっているというなら、あらゆる機会をとらえて真意を説明し続けることこそが、市の最高権力者たる市長のやるべきことだろう。

これまでのような価値観や意見が異なる者を排除する姿勢では、市民の一体感は生まれない。いま市長に求められているのは、対話を尽くすことである。

=2010/03/06付 西日本新聞朝刊=

読売新聞より「議会出席拒否の阿久根市長、カメラ禁止も要求

開会中の市議会本会議への出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は、5日も議場に姿を現さなかった。

市長は新たに、一部報道機関について議場内へのカメラ持ち込み禁止を求める要求書を議長に提出。

議会は新年度予算案などの審議に入れない状態が続いた。

市議会は4、5日の2日間で、計7人が新年度予算案について総括質疑を行い、市長に答弁を求める予定だった。
5日は午前10時に開会したが、市長は4日に続いて欠席。

浜之上大成議長が「議案提出者の市長が出席を拒んでいます」と伝えた。

市議からは「総括質疑を割愛し、予算特別委員会での審議を進めるべきだ」との意見も出たが、いったん休憩とし、市議らは控室で対応の協議に入った。

議長によると、市長の新たな要求書は5日午前に提出された。
「庁舎内の撮影許可を取るよう求めたのに無視している」などと記され、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、南日本新聞、南日本放送の5社について、議場内へのカメラの持ち込み禁止を求めている。

市長は4日、報道機関が議場にいることを理由に議会への出席を拒否。
出席する条件として、議場内の撮影禁止を求める要求書を議長に提出していた。

読売新聞は市庁舎や議場は公共の場であり、撮影制限される理由はないため、撮影禁止の要求を拒否している。

(2010年3月5日 読売新聞)

朝日新聞より「阿久根市長、議会残り10分に登場「ちゃんとやろうよ」

傍聴席に報道陣がいるとの理由で2日連続で市議会をボイコットした鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は5日夕になって議場に姿を現した。

しかし、本会議は開かれず、この日予定された新年度予算案の総括質疑は10日に延期された。

竹原市長は「ちゃんとやろうよ」と、開き直るような発言を議場で繰り返した。

事態が動いたのは午後3時すぎ。総務課長が議長に「市長が本会議に出席する」と伝達。
議会が散会を申し合わせていた時刻まで残り10分となった午後3時50分ごろ、竹原市長が議場に現れた。

同じころ、議会側は別室で全員協議会を開催。
「市長の身勝手だ」「予定の7人が質問する時間はない」として日程の延期を決めた。

議場に戻り、荷物を持って帰ろうとする反市長派議員に対し、竹原市長が挑発するように言った。

「まだ時間があるよ。ちゃんとやろうよ」
「バカにするな」
議員からは怒りの声が飛んだ。
「なぜ朝から来なかったんだ」
「2日も待たせておいて」。
氏名が書かれた議席の札をたたきつけるように倒して帰る議員もいた。

議場は竹原市長や執行部、市長派議員4人が残る形に。

「市長は出てきたけど今度は議会が拒否。面白いな」。
ある議員が大声で笑った。竹原市長は4人とのやりとりで
「(報道5社の議場へのカメラ持ち込み禁止などを求めた)要求文書はちゃんと出した。
それに議会が応じてくれれば良かっただけで、おかしな話だ。
議会(の進行)よりも5社の方が重いということだ」
と発言。
「まだ時間はある。(本会議を)やれる。議会が要求を受けなかった」
と話しながら市長室に戻った。

朝日新聞などは、総務課職員を通じて竹原市長に真意を尋ねる質問項目を出してコメントを求めたが、竹原市長からの回答はなかった。

記者会見した浜之上議長は、竹原市長が突然、議場に戻ったことには「議会の意向を受け入れてくれたのではないか」と語った。

毎日新聞より「鹿児島・阿久根市長:市議会閉会25分前に突然登場 議会反発、また流会

「議場に報道関係者がいる」として市議会本会議への出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は5日、当初の閉会予定時刻の25分前、突然議場に姿を見せた。

残り時間わずかでの出席に議会側が猛反発し、本会議は2日連続で流会した。

市長は報道陣に「議会が要求を受け入れなかった」と繰り返し、議会に責任を転嫁した。

議会はこの日、10年度一般会計当初予算案の総括質疑を予定していたが、竹原市長は前日に続き姿を見せず、本会議は午前10時の冒頭から空転した。

午後4時の閉会予定時間まで1時間を切った午後3時過ぎ、市長側から

「3時35分に出席する」
との連絡が入った。議会運営委員会は
「残り時間がわずかで質疑できない」
として流会を決めたが、市長は構わず議場へ。
「まだ4時になってないよ。やろうよ」「民間は5時まで仕事するよ」
などと、挑発的な言葉を投げかけた。

【馬場茂、福岡静哉】

読売新聞より「阿久根市長の出席拒否、法の想定外に議会苦慮

開会中の市議会本会議への出席を拒否している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長。

地方自治法には、自治体の首長が議会に出席しない場合の罰則規定はない。
法の想定外のケースと言えそうだ。

同法は

115条で
「地方公共団体の議会の会議は、これを公開する」
121条で
「地方公共団体の長は、議会の審議に必要な説明のため議長から出席を求められた時は、議場に出席しなければならない」
と定めている。

竹原市長の対応はいずれの条文にも反している。

総務省行政課は

「議案の提案者である市長が議会に誠意ある対応を取っておらず、道義的責任は当然ある。
しかし、法律には、議会に出席しなかった場合にどうするかという規定まではない。
議長は出席を促し続けるしかない」
と話す。

市長はすでに予算案を議会に提出しており、議会が独自に審議し、議決することはできるという。同課は

「議決にあたり、市長の説明を聞くことは法的要件ではなく、議会が完全に行き詰まるわけではない。
ただ、予算の提案権は市長にしかなく、その説明を聞かずに進めるか、議会がどう考えるかにかかっている」
と指摘する。

事態打開のため、議員が市長不信任案を提出する方法もあるが、
阿久根市では昨年4月にも不信任案が可決され、出直し市長選で竹原市長が再選されたばかり。

反市長派の市議は

「前回の市長選から1年もたっておらず、市民は一連の混乱にうんざりしている。
不信任案を出すのなら、確実に勝てる候補が必要」
と打ち明ける。市議らの間では、市内の若手企業経営者ら数人の名が挙がっているが、擁立に向けた具体的な動きには至っていない。
市長が議会出席を拒み、議会側も打つ手がない異例の状態が続きそうだ。

一方、1月に阿久根市の会社社長らが設立した市民団体は、竹原市長の市政運営や政治姿勢を検証し、改善の余地がなければリコール(解職請求)も辞さない、としている。

(2010年3月5日23時09分 読売新聞)

3月 6, 2010 at 02:22 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

需要の3倍の空港建設

東京新聞より「航空需要 国に配慮、過大予測

全国で空港の需要予測を手掛けてきた財団法人「運輸政策研究機構」(東京都港区)の羽生(はにゅう)次郎会長(元国土交通審議官)が本紙の取材に応じ、機構自らの予測の多くが過大だったことを認めた。

その背景について、空港建設を進めたい国の意図に配慮し、過大な数字を出してしまう現実があると言明した。

同機構は昨年六月に開港した静岡空港や北九州空港などの需要予測を担当。

予測は建設の必要があるのか、事前に検証する重要な数字だが、多くのケースで実需の二、三倍もの予測を出し、「無駄」批判を浴びる空港建設につながってきた。

外れ続きの予測について、羽生会長は

「反復的に大幅に外してきたのは恥ずかしい。
発注者(国)側からこういう結果を出せとまでは言われないが、造りたい国の意図をおもんぱかってしまう。
地元業者の期待感もあり、これに反する結果を出せればいいが、そうもいかない」
と語った。

その上で、近年造られた空港の必要性について、

「お金があるときならたくさん空港がある方が便利。
離島などは別として、本当に必要なものと言えるのは羽田空港の第四滑走路(建設中)くらいだろう」。
静岡空港のほか、今月十一日に開港する茨城空港などを挙げ、
「建設の是非を問われれば反対だ」
と述べた。

今後の財団のあり方については、国や自治体の事業の受注はできる限り減らし、自主財源による研究や提言を中心にしたい考えを強調した。

(東京新聞)

「身も蓋もない話し」というのはこう言うことでしょうか?

一方で、少子化から人口減に転じているのに、相変わらず「成長戦略」しか提示しないという日本全体の方向性が、このようなひずみを生み出している、というべきでしょう。

言葉が見つからないのですが「成長戦略」を戦争での「攻撃」にたとえるのであれば、今の日本に必要なの「撤退の政略」なのではないでしょうか?
成長戦略で進みつつ、現実には人口減などであらゆる分野が縮小するのですから、空港を建設したが需要がない、ぐらいのことは当たり前に起きます。
問題は、そのコストであって、需要の3倍の規模の空港でも1/3の費用で作る事が出来ればOKだとも言えます。

こういう意見が当事者から出てきたということは、そろそろ「成長戦略を止めよう」という議論が出て来るのでしょうか?

3月 6, 2010 at 11:34 午前 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.05

児童虐待・家裁の判断が間違っていないか?

読売新聞より「衰弱死の4歳児、児童相談所が強制保護断念

4歳の次男を衰弱させて放置したとして、埼玉県蕨市中央の無職(47)、妻(37)両容疑者が保護責任者遺棄容疑で逮捕された事件で、県南児童相談所(南児相)が

次男を職権で強制的に保護することを検討しながら、
さいたま家裁に相談し、
「明確な虐待が認められなければ難しい」とする回答を受け
て断念していたことがわかった。

南児相や蕨市によると、両容疑者は03年3月頃に家賃滞納でアパートを追い出され、3歳だった長男と公園を転々とする路上生活をしていた。

次男のは同年9月に生まれたが、両容疑者が「ホームレス状態で育てられない」と訴えて乳児院に保護された。

市などは長男の保護や生活保護申請を再三働きかけ、04年3月に南児相が長男を保護。
両容疑者は生活保護を申請し、市の紹介でアパートに入った。

保護が解除されたのは、長男が同年6月、次男が06年1月。

しかし、次男は3歳児健診を受けず、入園した公立保育園に一度も行かなかった。
隣室に住んでいた女性(67)は「子どもが泣き叫ぶ声が毎日のように聞こえ、母親は朝から晩まで『うちの子じゃない』『お前なんか養う義理がない』と次男をどなっていた」と話す。

南児相や市は06年5月から08年1月まで13回、蕨署なども交えて対策会議を開き、次男らの職権保護も検討。しかし、さいたま家裁に「暴行の痕跡など、明確な虐待が認められなければ強制保護は難しい」と回答されて断念したという。

南児相は月数回の訪問も続け、虐待を疑わせる痕跡は確認できなかったが、事件直前の08年1、2月、容疑者は「いない」「昼寝をしている」などと言って会わせなかったという。

次男の遺体は、低栄養状態で複数の打撲痕や擦り傷が確認されており、蕨署は、容疑者が虐待を隠そうとした可能性もあるとみて保護責任者遺棄致死などの疑いでも調べる。

蕨署の高野邦夫副署長は逮捕まで2年余を要したことについて「両親を再三にわたって呼び出したが、『病気だ』などと繰り返し、聴取に応じなかった」と釈明。
蕨市の担当者は、県警に「客観的証拠がないため、立件は困難」と説明されたことを明らかにした。
(2010年3月5日03時10分 読売新聞)

ホームオブハート裁判でも、児童相談所の一時保護が争点になりました。
児童を親から離して保護することができる機関ですから、極めて強大な権力を持っていると言えますが、当然権力の行使については議論の対象になるから、積極論と消極論が出てきます。

今回の事件について、さいたま家裁が「暴行の痕跡など、明確な虐待が認められなければ強制保護は難しい」と回答したというのは信じがたいところです。
言うまでもなく「暴行の痕跡の残らない虐待行為」はいくらでもあるわけで、保護を実施せずにちょっと見ただけで明確に判断できる暴行の痕跡というのでは、命に関わる危険性が相当高い場合になるでしょう。
それを判断基準にしては、マズイでしょうし、実際に今回の事件に至った。

やはり、総合的に考えるべきであって「明確に分かる暴行の痕跡」を必要条件とするのは明らかに間違っている、と考えます。

Up

この説明図を見ますと、2004年に長男が一時保護されています。
2004年に何か法律か規則が変わって、児童相談所は通告があった場合に即座に立ち入り、必要があれば即座に保護する義務が課せられました。
これによって、ホームオブハート事件では児童虐待と認定されて、保護されました。

今回の事件で、長男・次男とも保護になったのは、この頃の影響が大きかったのではないか?と想像します。

それが、2006年2007年と上記のような行政機関間のやり取りをしている間に、死亡事件になってしまった。
どうも、行政で担当者が移動すると、当初の目的も分からなくなってしまう、ということのようです。

3月 5, 2010 at 08:14 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

阿久根市長・今度は議会と対立

毎日新聞より「鹿児島・阿久根市長:議会出席を拒否 「マスコミが議場にいる」

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は4日、開会中の市議会定例会への出席を拒否した。理由は「マスコミが議場にいる」ためで、排除を求めている。

議長の出席要請も拒否し、議会は同日予定していた10年度予算案に対する総括質疑が行われないまま夕方散会した。

民主主義の原則である「議会の公開」を否定する言動に、議会側は猛反発。

議場では「子供じみて情けない」とあきれる声も漏れた。

竹原市長は1月、庁舎内の「撮影原則禁止」を報道各社に一方的に通告したが、議会側は従来通り取材を認める方針を確認していた。

議会関係者によると、市長の「報道排除」は撮影だけでなく、傍聴席で記者が取材することも含むという。

このため浜之上大成議長は開会後「議会は開かれたものでなくてはならず、マスコミ排除は論外」として、市長に地方自治法に基づく「出席要求書」を出した。

しかし市長は改めて「議場内撮影を許可しないよう」要求。
議長は「排除しない」と拒否したという。【馬場茂】

この市長、前日の3月3日に鹿児島地裁で「給与支払い命令」の判決を受けているのですよね。
連日の「法律無視」というのでは、首長として不適任と言わざるを得ないでしょう。
朝日新聞より「阿久根市財産差し押さえも 給与支払い命令

阿久根市政にまたも司法がストップをかけた。

職員の懲戒免職処分を巡る問題で、竹原信一市長が裁判所の命令を無視し続けたことから生じた未払い給与請求訴訟。

鹿児島地裁は3日、元係長男性(45)の訴えを全面的に認めた。今回の判決には強制力が伴うため、竹原市長が従来の姿勢を崩さず判決に従わない場合には、市役所の財産差し押さえという異例の事態に発展する可能性もある。

竹原市長はこれまで、懲戒処分の効力停止を命じた裁判所の決定を無視し、元係長の復職を認めず給与も支払っていなかった。

そのため処分取り消しの訴えに追加する形で訴えが起こされた。
判決では昨年10月の効力停止決定以降の未払い給与約180万円と、今後毎月の給与支払いを命じた。

竹原市長は同日、今回の判決を不服として控訴する方針を一部の報道関係者に明らかにした。

だが控訴しても、判決で認められた強制力を伴う仮執行は有効なため、原告側は強制的に阿久根市の財産を差し押さえて給与を支払わせる申し立てを裁判所に起こすことができる。

原告側はひとまず竹原市長に支払いを求めるが、応じなかった場合は来週中にも、財産差し押さえを裁判所に申し立てる方針だ。

裁判所が申し立てを認めた場合、阿久根市の預貯金が差し押さえられることになる。

財産差し押さえを回避するためには、竹原市長も担保金を納めるなど法的な手続きを踏まなければならない。

原告側の弁護士は、竹原市長を労働基準法違反(賃金未払い)の疑いで鹿児島地検に刑事告発する方針も固めている。
同法では、違反した場合30万円以下の罰金と定められている。

元係長は「今までの市の対応から言って判決が出ても状況は変わらないと思う。考えられる法的手続きを進めるしかない」と話す。

一方の竹原市長はこの日の法廷には出席せず、総務課を通じて「取材についてはお受けしません」とだけコメント。
一部の報道関係者以外の取材には応じなかった。

元係長が懲戒免職処分の取り消しを求めている訴訟の判決は4月9日にある。竹原市長の行政手法については、市職員労働組合事務所の使用許可取り消しを巡る訴訟で、昨年10月に鹿児島地裁が「違法」と判断している。

普通に考えると市長としてはメチャクチャをやっていると思いますが、それでも議会が一致して反市長派になるといったことはなく、また極端とは言え手腕を支持する人も多かったとのことですが、議会の側から見ると「議会軽視だ」となるでしょうね。

これでは、どんどん支持者が減って行くでしょうし、議会を敵に回すと予算が組めませんから、市政そのものが止まります。
このまま、定例議会を開けないという事態を続けるわけにはいきませんから、阿久根市長問題はどん詰まりに来た、と見るべきなのかもしれません。

3月 5, 2010 at 07:25 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (1)

富士通・社長辞任でお家騒動?

朝日新聞より「富士通前社長、辞任取り消し要求「虚偽の理由だった」

昨年9月に富士通の社長を辞任した野副(のぞえ)州旦(くにあき)氏が、社長辞任の取り消しを求める文書を同社に提出していたことが4日、わかった。

文書では臨時取締役会を開き、本人による釈明の場を設けるよう求めている。同社は社長交代の理由を野副氏の「病気療養」としていたが、同氏側によると、取締役会直前に秋草直之取締役相談役らから「『社長として適切ではない』と言われ、辞任を迫られた」という。

富士通は記者会見で、「野副氏から、病気を理由に社長を辞したいと申し出があった」と説明。
「病気の詳細については本人のプライバシーにかかわるので、これ以上申し上げることはない」と発表していた。

野副氏側が富士通に提出した文書などによると、

富士通の取締役会が予定されていた昨年9月25日朝、出社した野副氏は、秋草氏や間塚道義会長(現会長兼社長)ら同社の幹部数人がいる部屋に呼び出された。
子会社の株式売却交渉に絡み、「(野副氏が)反社会的な勢力とつきあっているという話がある。上場企業として問題なので、辞めてもらいたい」
という趣旨の申し出があったという。

これに対して野副氏は「自分がつきあっていた人間が反社会的勢力という認識は持っていない」と反論したものの、最終的には「会社に迷惑がかかるなら」と、辞任する結論に至ったという。

その後開かれた取締役会に野副氏は出席せず、

間塚氏が出席者に「野副氏から辞任したいという申し出があった」と説明。間塚氏が当面の間、会長と社長職を兼務することになった。
野副氏が自分の辞任理由が病気療養だと知ったのは、取締役会の翌日だったという。

野副氏は、「辞任を求められた理由は虚偽だった」とし、辞任の取り消しとともに、外部の人間による調査委員会を設け、ガバナンスが機能しなかった問題点を検証するよう求めている。

富士通の広報担当者は「文書を受け取ったのは事実だが、内容はコメントできない。対応は検討中だ」と話している。

いやはや、21世紀に起きたとは思えないような「スキャンダル」でありますね。

確かにいきなり社長が病気辞任というのでけっこう驚いたものですが、そのあげくに「陰謀だ」では単にイメージとしても極めて悪い影響を与えるでしょう。
仮にこのような事情があったにしろ、表沙汰気にすることが一番良いと言えるのか?とも思うわけで、実業界のやることじゃないね、といった印象の方が強いです。

なにか変な騒動が多い富士通という印象に拍車をかける事件ですね。

3月 5, 2010 at 07:02 午前 経済・経営 | | コメント (10) | トラックバック (0)

2010.03.04

高松高裁被告人質問を制限

朝日新聞より「弁護側の質問制限「一審が裁判員裁判だから」高裁裁判長

徳島地裁で昨年11月に開かれた裁判員裁判で、統合失調症の長男(当時33)を殺害したなどとして殺人、死体損壊・遺棄の罪に問われ懲役12年の判決を受けた元トラック運転手(63)=大阪府八尾市=の控訴審第1回公判が2日、高松高裁であった。

弁護側は、長男に対する現在の思いや一審判決への感想などを尋ねようと被告人質問を求めたが、長谷川憲一裁判長は「一審が裁判員裁判ということをかんがみ、控訴審で改めて被告人に話を聞くことはしません」と述べて請求を却下し、結審した。

弁護人の吉田哲郎弁護士は閉廷後、「被告人質問で聞きたかったことは一審判決を受けてのことだった。聞く必要がないという裁判所の判断には納得できない。一審が裁判員裁判ということは関係ないはずだ」と取材に述べた。

被告は「一審判決が重すぎる」として控訴した。判決は3月18日に言い渡される予定。

最高裁の司法研修所は、裁判員裁判の控訴審について、市民が参加した一審の結論をできる限り尊重するべきだとの見方を示している。

福岡高裁は昨年12月、弁護側が求めた被告人質問に対し「すべて(一審)当時の証拠で判断するのが裁判員裁判での高裁のあり方だと思う」として請求を却下している。

毎日新聞より「徳島・鳴門の殺人死体遺棄:裁判員裁判尊重、質問請求を却下--高松高裁初公判

昨年5月、長男を殺害し、遺体を切断して海に捨てたとして、殺人罪などに問われ、徳島地裁の裁判員裁判で懲役12年の実刑判決を言い渡された、大阪府八尾市無職(63)の控訴審初公判が2日、高松高裁(長谷川憲一裁判長)であった。

弁護側は被告人質問を請求したが、長谷川裁判長は示談など新たな動きがないことを確認したうえで「1審が裁判員裁判であることを考えると、改めて取り調べる必要はない」として請求を却下した。判決は18日に言い渡される。【松倉佑輔】

この情報は、ボ2ネタ [ボ2] で知りました。
ボ2ネタ [ボ2]2010-03-04の記事より

■[司法]弁護側の質問制限「一審が裁判員裁判だから」高裁裁判長 弁護側の質問制限「一審が裁判員裁判だから」高裁裁判長

http://www.asahi.com/national/update/0303/OSK201003030010.html
http://mainichi.jp/kansai/archive/news/2010/03/02/20100302ddf041040008000c.html

「裁判長は示談など新たな動きがないことを確認したうえで」

確かこの事件は家庭内の事件で,しかも遺族兼被告人の家族が一審で既に出廷して猶予を求める旨の供述していたんじゃ…。
一審後の示談って想定できたのかな…?

福岡でも同様の訴訟指揮がありましたが,こういう流れが定着するのなら,被告人の一審後の反省という事情は原審判決後の事情としては考慮しない,ということになっていくのでしょうか。
一審としては,ともあれ一審の判決を受けてからもう一度控訴審できちんと考えて欲しいと思って判決することはあると思うのですが…。

ボ2ネタ [ボ2] の書き手は、専門家だと思うので裁判の記事については評価を重視して見ていますが、今回のボ2ネタ [ボ2] の「思うのですが・・・」というところが気になって、元の新聞記事を何度も読み返してみました。

事件は、長男を殺害して海に捨てた、というものでした。
サンケイ新聞より「「家庭内暴力に悩み襲う」 鳴門の死体遺棄 父親逮捕
この記事は、2009年5月13日付けで記事中の日にちはすべて2009年5月です。

徳島県鳴門市の海岸で頭部と両手足が切断された男性の胴体部分の遺体が見つかる死体遺棄事件があり、県警鳴門署捜査本部は13日、遺体の身元を大阪府八尾市の無職、(33)と断定するとともに、死体損壊・遺棄容疑で同居の父親でトラック運転手(62)を逮捕した。

捜査本部によると、容疑者は取り調べに対し、「息子の家庭内暴力に悩み、将来を悲観してやった。寝込みを襲って工具で頭を殴った」と供述しており、殺人容疑でも追及する。

逮捕容疑は2日ごろ、大阪府八尾市の自宅内で、長男の死体の首と四肢を切断し、10日午前3時20分ごろ、鳴門市鳴門町土佐泊浦の神戸淡路鳴門自動車道・大鳴門橋の上から切断遺体を遺棄した疑い。

求刑が懲役15年で、裁判員裁判であって地裁判決は懲役12年でした。
徳島新聞より「鳴門殺人・遺棄、懲役12年 裁判員裁判、検察側求刑に近く

徳島地裁で17日に始まった県内2例目の裁判員裁判で、畑山靖裁判長は20日、裁判員との評議を経て、殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われた大阪府八尾市、元トラック運転手(62)に懲役12年を言い渡した。

弁護側は懲役5年が相当と主張していたが、裁判員らは検察側が求刑した懲役15年に近い刑を選択した。判決後、裁判員4人と補充裁判員1人が記者会見に応じ、感想を語った。

判決公判には、裁判官3人と裁判員6人、補充裁判員3人が臨んだ。

判決では、統合失調症だった長男=当時(33)=の暴力に悩み、精神的に追い詰められて犯行に及んだ経緯に「同情すべき点はある」としながらも、「いかに苦しい状況に置かれていたにせよ、人の生命を奪うことは許されない」と非難した。

弁護側が主張していた精神障害者の家族への支援制度の不備については「同じように苦しみながら、現実に向き合っている人が少なくないことは忘れてはならない」とした。

自首を考えず、犯行後も平静を装って生活しており、「後悔の念がうかがえない」と指摘。
被告の次男が供述調書の中で、遺体の切断と遺棄に憤りを感じていたことに触れたほか、「被害者への言葉は少なく、社会や制度のためにやむを得なかったような供述もしている」とも指弾した。

量刑については、殺害から遺体の切断、遺棄までを「全体として重く処罰すべき犯罪類型」ととらえ、死体損壊・遺棄罪は重視すべきではないとした弁護側の主張を否定。

殺人罪の法定刑の下限である懲役5年では「被告の犯罪行為に見合っていない」と退け、「当初から死体遺棄を考えたことなどは、厳しい非難を免れない」として懲役12年を導き出したことを説明した。

判決言い渡し後、畑山裁判長は被告に対して、最終陳述で被害者に向けた言葉がなかったことを「残念に思う」と述べ、「人の命の大切さを知っておいてもらいたかった」と語り掛けた。

判決について、豊永寛二弁護人は「被告は刑に服す趣旨の発言をしていた」と控訴しない方針を示した。
一方、徳島地検の織田武士次席検事は「適正な範囲内の結果であり、控訴は考えていない」とした。

こんな経過を経て、当初は控訴しない意向だったようですが、刑が重すぎると控訴した、ということのようです。

高裁で、

  1. 弁護側は、長男に対する現在の思いや一審判決への感想などを尋ねようと被告人質問を求めた
  2. 長谷川憲一裁判長は「一審が裁判員裁判ということをかんがみ、控訴審で改めて被告人に話を聞くことはしません」と述べて請求を却下
  3. 弁護人の吉田哲郎弁護士は閉廷後、「被告人質問で聞きたかったことは一審判決を受けてのことだった。
    聞く必要がないという裁判所の判断には納得できない。一審が裁判員裁判ということは関係ないはずだ」
  4. ボ2ネタ [ボ2] さんは、福岡でも同様の訴訟指揮がありましたが,こういう流れが定着するのなら,
    被告人の一審後の反省という事情は原審判決後の事情としては考慮しない,ということになっていくのでしょうか。
というところが問題だとボ2ネタ [ボ2] さんは述べているわけです。

裁判長が「一審が裁判員裁判ということをかんがみ」と述べたところには「???」と感じるところですが、今回はどうなっているのか分かりませんが、弁護側が漠然と「一審判決を受けてどう思いますか?」のような観点から被告人質問をすると言うのでは、裁判所に拒否されても仕方ないかな?という印象があります。
基本的には、裁判は起こった事件の解明が目的ですから、判決を受けたことについての感想は事件の解明そのものではないですよね。

一方、ボ2ネタ [ボ2] さんが問題にしている「被告人の一審後の反省という事情」という部分は、事件の解明に役に立つ、つまり新証拠の可能性があるのか?ということで決まってくるように感じます。

今回の事件報道を読むと、被告の情動が普通よりもかなり感度が低いのではないのか?と感じます。

  1. 自首を考えず、犯行後も平静を装って生活しており、「後悔の念がうかがえない」
  2. 最終陳述で被害者に向けた言葉がなかったこと
  3. 地裁判決後に、被告は刑に服す趣旨の発言をしていた
  4. 長谷川裁判長は示談など新たな動きがないことを確認した

ボ2ネタ [ボ2] さんが問題にしている点は、わたしの考えでは一審で被告側の状況が十分に解明されていないから、ではないかと思います。
自首を考えず、犯行後も平静を装って生活しており、「後悔の念がうかがえない」というのを「隠ぺいを意図する確信的な行動」と見るのか、これほど重大な事態に対してもあまり感情がないという病的な人だったのか?という全く別評価があり得るでしょう。
そして、どうもそこらが解明されていないのではないのか?

結局、どうも一審の弁護が不十分なものになってしまったから、控訴審でやり直しを企図したと、高裁は判断したのではないでしょうか?
ボ2ネタ [ボ2] さんが「上訴審で、一審後の反省という事情を・・・・」と心配されているところまで、問題として煮詰まっていないのではないのか?という気がします。
あえて言えば、裁判員裁判の「短期間審理」が影響したのかもしれない、という点ではないでしょうか?

3月 4, 2010 at 11:19 午前 裁判員裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.03.03

電子書籍・「国内出版社」を保護する理由は無い

読売新聞より「電子書籍普及へルール作り、流通や著作権研究へ

総務、経済産業、文部科学の3省は2日、本や雑誌をデジタル化した電子書籍の普及に向け、国内での流通や著作権に関するルール作りに乗り出す方針を固めた。

出版社や通信会社、著作権団体、国立国会図書館などによる官民合同の研究会を3月中に発足させ、今夏までに具体策をまとめる。

米国では、2007年に発売されたインターネット小売り最大手アマゾン・ドット・コムの情報端末「キンドル」がヒットし、電子書籍が急速に普及している。

日本では出版社や通信会社などの準備が遅れており、アマゾンなどが進出すれば、日本でも主導権を握る可能性が指摘されている。

そのため、3省は国内ルールを整備して日本企業によるビジネスを後押しし、中小・零細の出版業者の保護を図る必要があると判断した。

研究会では、ネット配信する電子書籍のデータ形式の共通化やコピー制限などの著作権管理、書店での「立ち読み」に相当する一時的な無料閲覧に関するルール作りなどを検討する。

印刷会社、書店、インターネットの検索サイト運営企業や、著作権団体代表として現役の作家らもメンバーとして参加する予定だ。

電子書籍では、アマゾンが1月、米国で販売価格の7割を著者に報酬として支払う事業モデルを発表し、印税が約1割にとどまる紙の書籍などのビジネスを脅かしつつある。
(2010年3月3日03時05分 読売新聞)

「「政治主導」の電子書籍対応」の続きですね。

前にも書いていますが、何で今ごろになってこんな事を「研究」するのでしょうか?
アマゾンが日本語化ビジネスに成功したら、アマゾンから「出版する日本人」がたくさん出るでしょう。
私だって考えるもんね。

「電車男」を代表にして良いかと思いますが、ネット上に溢れる日記などを電子出版して、70%が版権として著者に戻るのであれば、国内で出版する理由は全く無いのです。

別に日記じゃなくても良い、団塊の世代が一斉に現役を離れれば、仕事の記録が、科学者や技術者も同じように「出版」することが出来る素材は持っているでしょう。

出版できない最大の理由は「ビジネスとしてハードルが高すぎた」からです。
コストが高すぎた。
著者に10%しか払わなくても、採算が合わない、というのでしょうから、コストを下げればよいと誰でも考えるわけですが、その評価基準としてアマゾンは著者に70%支払えるということは、コストを1/7に出来るという宣言ですよ。

電子書籍では、アマゾンが1月、米国で販売価格の7割を著者に報酬として支払う事業モデルを発表し、印税が約1割にとどまる紙の書籍などのビジネスを脅かしつつある。

日本で出版を維持するために、著者に80%を支払う、とでもしない限りどんどんと「アマゾンからの出版」に雪崩のように著者が移動するでしょう。

3月 3, 2010 at 09:47 午前 書籍・雑誌 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2010.02.28

未だに続く日航問題。

Gendai.Net より「思わずズッコケた JAL決算発表オソマツ会見

たった2枚の資料でお茶を濁す

純損失が1779億円――。

02年の旧JASとの統合後で最悪の大赤字となったJALの09年4―12月期連結決算。倒産直前の業績だけに予想通り数字はメタメタだったが、
それ以上にヒドかったのが、26日の決算発表会見のやりとりだ。

お高くとまった官僚体質が抜けきれなくて、集まった大報道陣はズッコケていた。

「最初は会見すら設定されていなかった。JALは上場廃止になったので、決算資料の配布だけでお茶を濁そうとしていた。
しかし、公的資金が入っているのに、きちんとした説明がないのはおかしい。記者クラブが会見を要求して、急きょ、開催となったのです」(出席した記者)

だからなのか、JALが用意した決算資料はたった2枚だけ。

これまでは十数枚の決算短信など投資家向けの説明資料があったが、「上場廃止なので作らない」という。
配布された資料には、営業収益や経常損益など最も基本的な数字しかない。

「以前と違って資料がわかりにくい。ここまで簡略化して出さなければいけないのか」と、記者から不満の声が上がっていた。

質問にすぐ答えられなかったり、答えに詰まる場面もあった。

「不当な安売り」とANAや国交省が懸念を示した「バースデー割引」について、企業再生支援機構出身の管財人が、「僕はよくわかっていない」と驚くような発言も。
慌てて「うちのチームは知っているはずです」と言い直した。オイオイ、大丈夫か?

上場廃止と100%減資で一般株主がいなくなったから、詳しい説明をする必要はないと、もしJALが考えているなら大間違いだ。

政府保証の付いた3000億円の融資が既に実行されているし、公的資金は最大9000億円まで用意される。
これが焦げ付いたら、損失は税金で穴埋めされるのだ。見方を変えれば、国民全員が株主のようなもの。今まで以上に丁寧に情報公開すべきだろう。

稲盛会長のコメントが欲しいところです。
日航問題は、現場とか技術の問題じゃない。今や航空会社がやっていることは世界中同じで、差が出てくるのは経営というかマネージメントの巧拙でしょう。

日航のマネージメントのひどさは燃料の手当てですら、他社に格段の差を付けられるといったところにあらわれています。
マネージメントだけが正面に出て来るのが決算発表で、こればかりは社内の他部門に責任転嫁は出来ない。

それが、この様だというのは、やはり清算した方が良かったのではないのか?
どこをどうやると、入れ替えたはずの経営陣がこういうことをやるの?

普通に考えると、元もとこういう連中が黒子として裏で日航を操っていたのだろう。
それが行き詰まったから表に出てきた。
全然改善になっていない。と理解するのが自然だと思う。

2月 28, 2010 at 10:48 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)