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2010.02.20

続・永住外国人の参政権問題にビックリ

「永住外国人の参政権問題にビックリ」の続きです。

イザ!記者ブログ・阿比留瑠比記者の国を憂い、われとわが身を甘やかすの記より
外国人参政権にかかわる園部元最高裁判事インタビュー

元記事は2010/02/19のサンケイ新聞一面トップ記事だそうです。
サイトから引っぱることが出来ないので、ブログから引っぱりました。
「永住外国人の参政権問題にビックリ」に書いた、園部逸夫元最高裁判事のインピュー全文です。

アウトラインの説明

鳩山首相らが、進めようとしている永住外国人に地方参政権を与えるという問題に対して、サンケイ新聞は新聞社として反対しています。
反対意見は民主党内にもあり、与党国民新党、野党自民党も反対で、政治課題としてはかなり危なっかしい問題です。

このような問題について「政治的希望」を述べるのは、自由ですが法律や制度改正するのには社会が納得する根拠が必要です。
外国人の地方参政権について、政治的判断の根拠とされているのが「最高裁判決の傍論」であるとされています。

最高裁判例

事件番号平成5(行ツ)163
事件名選挙人名簿不登録処分に対する異議の申出却下決定取消
裁判年月日平成7年02月28日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果棄却
判例集巻・号・頁第49巻2号639頁
原審裁判所名大阪地方裁判所
原審事件番号
原審裁判年月日平成5年06月29日
判示事項日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項と憲法一五条一項、九三条二項
裁判要旨日本国民たる住民に限り地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有するものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項は、憲法一五条一項、九三条二項に違反しない。
参照法条憲法15条1項,憲法93条2項,地方自治法11条,地方自治法18条,公職選挙法9条2項

主    文

     本件上告を棄却する。

     上告費用は上告人らの負担とする。

         
理    由

 上告代理人相馬達雄、同平木純二郎、同能瀬敏文の上告理由について

 憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものである。

そこで、憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。

そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。

そして、地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。

以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(最高裁昭和三五年(オ)第五七九号同年一二月一四日判決・民集一四巻一四号三〇三七頁、最高裁昭和五〇年(行ツ)第一二〇号同五三年一〇月四日判決・民集三二巻七号一二二三頁)の趣旨に徴して明らかである。

 このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。

しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。

以上のように解すべきことは、当裁判所大法廷判決(前掲昭和三五年一二月一四日判決、最高裁昭和三七年(あ)第九〇〇号同三八年三月二七日判決・刑集一七巻二号一二一頁、最高裁昭和四九年(行ツ)第七五号同五一年四月一四日判決・民集三〇巻三号二二三頁、最高裁昭和五四年(行ツ)第六五号同五八年四月二七日判決・民集三七巻三号三四 五頁)の趣旨に徴して明らかである。

 以上検討したところによれば、地方公共団体の長及びその議会の議員の選挙の権利を日本国民たる住民に限るものとした地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項の各規定が憲法一五条一項、九三条二項に違反するものということはできず、その他本件各決定を維持すべきものとした原審の判断に憲法の右各規定の解釈の誤りがあるということもできない。

所論は、地方自治法一一条、一八条、公職選挙法九条二項の各規定に憲法一四条違反があり、そうでないとしても本件各決定を維持すべきものとした原審の判断に憲法一四条及び右各法令の解釈の誤りがある旨の主張をもしているところ、右主張は、いずれも実質において憲法一五条一項、九三条二項の解釈の誤りをいうに帰するものであって、右主張に理由がないことは既に述べたとおりである。

 以上によれば、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。

論旨は採用すること ができない。

 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官  可部 恒雄
裁判官  園部 逸夫
裁判官  大野 正男
裁判官  千種 秀夫
裁判官  尾崎 行信

上記判決文の青色で示したところが、「傍論」であり外国人に地方参政権があるとする最高裁判決だ、となっていました。

ところが、この判決を下した、園部逸夫元最高裁判事が「それは解釈が間違っている」と言うがごとき発言をサンケイ新聞のインタビューで述べていますから、改めてインタービューの全文読み、判決文が必要だとなって上記に転載した次第です。

判決文では、明らかに

  1. 我が国に在留する外国人のうちでも
  2. 永住者等であって
  3. その居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、
  4. その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、
  5. 法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、
  6. 憲法上禁止されているものではない
  7. と解するのが相当である。
という論理展開になっています。
つまり、逆向きに読むと、日常生活の基盤である居住地の地方議会などの選挙に、居住していて実際的に不便があるような場合、外国人でも地方参政権があっても良いだろう。と憲法を読むことが出来る。
といった解釈をしたものです。

「永住外国人の参政権問題にビックリ」にも書きましたが、これは選挙権と呼んで良いものか分かりませんね。
どちらかというと、公聴会程度ものではないでしょうか?

つまり、問題の判決がその後の混乱をもたらしたのは、かなり乱暴なバランス感覚に欠けている判決であった、ということが理由のように思います。
以下、インタビュー記事です

今朝の産経は1面トップで、永住外国人への地方参政権付与問題に関する平成7年の最高裁判決にかかわった園部逸夫元最高裁判事のインタビュー記事と解説記事を載せています。
小島優記者の取材ですが、判決の背景を知る意味で非常にいい仕事をしてくれました。

小島記者は1月には、日本に最初に外国人参政権の部分的許容説を紹介した長尾一紘中央大教授のインタビューもしており、それについては私の1月29日のエントリ「外国人参政権・過去の自説は『慚愧に堪えない』と長尾教授」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1435935/)で紹介しました。

 そこで本日は、小島記者がテープ起こしをしてくれた園部氏とのやりとりを報告します。

原文はあまりに長く、イザの字数制限に引っかかるので、園部氏の個人的見聞、重いなどを一部割愛したことをあらかじめ記しておきます。

おおむね趣旨は網羅できたと思います。内容については、特に私の感想や意見ははさまず、興味深いところを「太字」にするにとどめます。
注記 阿比留記者の「太字」と青の太字に代えました。

Q 平成7年2月の外国人地方参政権をめぐる最高裁判決について

園部氏

 私は1929年に韓国で生まれたが、これは植民地時代なんです。(中略)私はその後、小学校2年のときに台湾に行ってますから、台湾にも10年いた。だから、日本の植民地時代というのを朝鮮と台湾と両方経験している。

(中略)日本語でしゃべり、日本語で考え、そういう人たちがもういっぱい、大阪あたりには住んでるわけで。
そんなら帰化したらいいじゃないか、というのは日本人の勝手な理屈なんですよ。

無理矢理連れてこられて、帰化したらいいじゃないかと、こっちきたら日本人にならなきゃいけないなんて、彼らのように先祖を大事にする人間というのは、そう簡単に日本人になりませんよ。嫌いな日本人に。

それが日本人にはわかってない。だから、帰化したらいいじゃない、いくらでも(国籍)あげますよといっても、それは理屈の問題であって、感情の問題と違う。

(中略)この判決について言えば、これは私の「最高裁10年」(「最高裁判所十年-私の見たこと考えたこと」、平成13年10月発行)の中なんですけどね(※コピー渡される)。
それで、基本的なことから、講義をしなければいけないそのために。141ページ、一番最後、わかりやすいように、(1)(2)(3)と書いてあります(※判決理由を3つの段落に分けて、番号を振ってある)。

(1)が先例法理、(stare decisis)で(2)が傍論(obiter dictum)である。また、逆に(2)を重視して、傍論を重視する論調もある。(1)を重視する論調もある。

アメリカには、このstare decisisとobiter dictumのこの二つの判例があることは確かです。

なぜかというと、アメリカの判決は長いんです。日本みたいに簡潔じゃないんだから。
長いから、どれが先例法理で、どれが付け加えの傍論であるということをはっきりさせないと、どこまでが判例かということがわからない。
それで、判例変更というのは、傍論の部分じゃない、先決法理(先例法理?)の部分を判決として、それを変更したり、それに従ったりするというのがアメリカの考え方。

で、この傍論なる言葉を、どこの誰、どこのバカが覚えたのかしらないけど、やたら傍論、傍論と日本で言い出すようになっちゃった。

(中略)この判決は、全員一致の判決で、そして、この(1)(2)(3)というのは、理論の流れとしてどうしても必要なんです。

なぜ、必要かということを今から説明すると、(1)は、憲法の基本的人権の保障というのは、「日本国民を対象と解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても本来等しく及ぶべきものである」と書いてある。これは当たり前のことなんです。

(中略)ただし、そこでですよ、その中で、公務員を選定罷免する権利の保障は何かと。これまで外国人に保障するのかというと、この規定は、「国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明した」。

これは、はっきりそう書いてある。従って、「主権が『日本国民』に存するものとする憲法前文及び1条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである」。これですよ。これがこの判決の中心部分です。

ということは、この部分がまず序文としてある。前提条件として。

ただし、ここが非常に大事なとこなんで、(2)のところは、国民主権の原理の問題ではなくて、憲法8章の地方自治に関する規定。

これは、「民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み」、これは住民が出てくるわけです、国民じゃなくて、そして、われわれの周りにいっぱい住んでいる韓国人、その他の外国人はみんな住民なんです。

住民であるということによって、地方自治の本旨に基づいてこれは扱かわなきゃなんない。だから、国民と住民とは、扱い方が多少違うというのは、憲法上認められていることなんです。
そこがはっきりさせないと、後でわけのわからないことになる。

(中略)参政権の問題を基本にして、訴訟が起きてきているわけです。それに目をつぶるわけにいかないですよ、最高裁としてはね。

国民のことしか言わない、住民のことは言わないと、そういうわけにはいかないですよ、争われている以上。

(中略)「その居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至った」、これが大事なんですよ。

特段に緊密な関係って、ちょっとやってきて、2、3日泊まっているとか、1カ月でさっさと帰っちゃうとか、そういうんだと、台湾から岩手県にたくさん雪を見にやってきますわな。せいぜいまあ1週間か2週間、これは違います、全く。そんなものに選挙権与えるなんて誰も考えもしないでしょ。

だけど、日本と朝鮮、韓国、台湾、等々の非常に長い歴史の、そういう特別な事情にある関係で、朝鮮の人や台湾の人やその他、特に永住して、永住の理由はいろいろあると思います。

(中略)何も国の選挙権とか言ってない。まず、地方の選挙権。市長さんとか、知事さんとか、そういうものをみんなで一緒に選挙するのは、問題ないんじゃないかという話にその段階ではなってきたんです。

私、国粋主義の国ってのは嫌いなんです。この国際的な時代に。だから、それは私の個人的感覚ですよ。だから、私は国粋主義者じゃないんだけど、同時に外国人べったり主義とか、何でも外国人の言うこと聞くとか、そんなことしてたら、日本はつぶれちゃうからもしれない。

例えば、中国から、多数の人がやってきて、移住して、そして50年も住んで、その人達がどんどん、これから移民がものすごく増えてきますから、これは非常に用心しなきゃいけない。

移民が来て、数年住んで、それで選挙権持つと、だんだん日本は中国人の国になっちゃうから、それまで賛成しません。だけど、そういうことじゃなくて、日本に来た理由がいろいろあって、永住等の状況があって、且つ、非常にその地方と関係が深い人たちについては、選挙権を与えたからといって、ただちに憲法違反の咎にはならないと、いうことを逆に裏から言ってるわけです。

(中略)例えば、大阪に30年も住んでた。ある日、突如、東京に来て3カ月住んでたと。東京都の選挙権与えるかというと、そんなことはとんでもない話だ。
それじゃあ、国民と同じになっちゃいますから。

やっぱり、非常に特別な関係のある大阪で、一つ選挙権を与えるのはいいんだけど、その人達が、突如、日本人と同じように移住して、そして、そちらでまた(選挙権を)もらうと、東京都の選挙権もらうとか、岩手の選挙権もらうとか、そんなことやってたら、これは無茶苦茶になっちゃいますから。それはやらない。

だから、これは非常に重要な問題ですけど、地方自治の本旨に従って、ある特定の地域と非常に密接な関係のある永住者については、非常に制限的に選挙権を与えて、なぜ悪いという話にきているわけです。

それは、地方自治の本旨から見て、まったく憲法違反だとは言い切れないということを言ってる。ここは、裏から言ってます。

それと、地方自治の本旨ということと、国民に対する基本的人権の保障ということは基本的に違うわけです。

国民に対しては、これはどこにいてもどこに移住されても、必ず国会議員の選挙権、その他を与えると、これは当然。

ただし、一定の期間住まなきゃいけませんけど。きのう、きょう選挙するってわけにはいかないけど。これは一般の国民には認めている。

だから、非常にはっきり言えば、国民条項と住民条項は違うんだという考え方がこの判決には出ているわけで、そういう具合にいろいろ議論をしたあげく、最後の3番目で、「以上検討したところによれば、地方公共団体の長及びその議会の議員の選挙の権利を日本国民たる住民に限るものとした地方自治法これこれ(11条、18条、公職選挙法9条2項)」が直ちに憲法(15条1項)に違反するわけじゃないと。

だから、現状に対しては、外国人に選挙権与えてないということは、何も憲法に違反するものではないということを、はっきり言ってるわけです。それが、まず、第一です。

この判決の基本的な部分というのは、この議論の流れの部分と言うよりも、3番目が大事なんです。

だから、要するに国籍を持ってなければ、国民の、殊に「地方公共団体の長及びその議会の(議員の)選挙の権利を日本国民たる住民に限ることにした」ということ自体は、それは日本国民たると書いてあるから、それは問題ない。
現にそうなっていることに対して、憲法違反だとはいいませんよと。

ただし、将来、そういう公職選挙法の改正をして、韓国国籍を持っている人たちで、日本に永住をしている人に、仮に公務員の選定罷免に対する、地方における公務員の選定罷免に対する、仮に法律をつくったからといって、すぐ、何もそれが憲法違反だというふうには言わない。

ただし、これ非常に大事なこと、それは許容範囲だと。2番目の部分(判決の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つ永住在留外国人への参政権付与は憲法上禁止されていないとする「傍論」部分)は、許容範囲なんだけれども、例えば、今、民主党その他、外国人参政権、住民に与えると、韓国の人にも与えると、そういう法律をつくったとします。
で、つくったこと自体はこの判例に引っかからないんだけど、あるいは、違憲訴訟が起きるかもしれない。

今の国民の感覚から見て、韓国人嫌いと、日本人になりなさいという国粋主義が非常にはびこってきて、韓国の国籍のままでは日本の選挙権、殊に住民としての選挙権は与えられないという世論が高まってくると、違憲訴訟が起きるでしょう。

その法律を適用して、韓国人で選挙をした事実について、それは本来の憲法に違反するという訴訟が起きるかもしれませんね。
事実、起こそうとしようとしている人もいるわけで。
その時に日本の最高裁はどう判断するだろうか。これ(平成7年2月の判決)で判断するんではなくて、最高裁の大法廷で、この判決を見直すとういうことはできる。

それは時代が変わってきているから、日本人は国粋主義一辺倒になってきたから、これをやったころと大分違うと。この際、違憲にするといって、日本の最高裁が大法廷を開いて、この2番目の部分は判例の中に入っているけど、おかしいと、憲法にそれ自体が違反するというのは、なさったらよろしい、その時の判断だ。その時の大法廷の判断、判例を変更したらいいのであって、それによって韓国との関係が非常に悪化して、何しようが、日本のその時の最高裁が考えたことだから、非常に政治的な意味も含めて、あえて選挙権に基づいて韓国と戦争する、それはないけど、争うというのなら、それはそれで、少しも構わないです。

これ(平成7年2月判決)は金科玉条で、これが絶対って、これは小法廷判決ですから。金科玉条でいっさい動かせないということは、私たちは考えてないです。

それは、その時、その時の国民の風潮とか、政権を担っている人たちの考え方とか、あるいは日韓の国民感情とか、そういうものを全部考えて、やっぱり外国人には選挙権与えるのはよそう、と。それで、勘弁してくださいと日本が言うなら、それはそれでもいいんですよ。私は、そう思ってます。

その時その時の最高裁が、日本の国民の風潮というのを十分考えて、最高裁だけ独走しちゃだめなんで、必ず国民とともになきゃいけませんから。

この時代(平成7年判決の時期)は割合と、まだまだ強制連行したりした人たちの恨み辛みが非常にきつい時代ではあったから、それを考えて、それをなだめる意味で、これ(判決)書いてます

ですけど、(中略)日本としての独自の生き方をするというのなら、それはそれで憲法に違反することでもなければ、憲法の解釈の問題ですから。憲法の解釈上、日本の最高裁がそういう判決を出すというのなら、それはそれで結構です。問題はない。

ただし、そこで、韓国との関係がうまくいかなくなっても、知ったことじゃない、日本人がみんなそう思ってるということになるわけだから。

(中略)民主党政権として、それで仮に自民党と争っても、ちゃんとこの問題、決着つけるというのであれば、それはそれで一つの方法だし、いろいろ先のこともおもんぱかって、柔軟な考え方を示すというのも一つの方法だし、これは政策の問題である。国際的な問題、外交上の問題、私が直接関わる問題じゃないけども、違憲訴訟が起きてきた場合には、それなりに対応をしなければならなくなるということはあります。(中略)

Q 非常に限られた外国人に参政権を付与することができる、という主張か

園部氏

 そう、それをはっきり朝鮮の人とかなんとか言わなかったのは、最高裁の判決はそんなこと言うわけにいかないから、非常に限られた、非常に歴史的、非常に人間の怨念のこもった部分、そこにもう少し光を当てなさいよと、こう言ってる。ただ、それは、立法政策の問題ですから。

Q 政府・民主党には、特別永住者、一般永住者を含めて、外国人参政権を付与しようという考えがあるが、この判決では、いわゆる在日韓国人、台湾人に限って、しかも、何世代にも渡って住んだ地域に限ってのみ付与するということか

園部氏
 よくわかってくれた。その通りです。

Q 外国人参政権推進派はこの判決を根拠に、全ての永住者に参政権を付与すると言っているが

園部氏
 そんなことあり得ないじゃないですか。困ったな。

Q この前、自民党の小池百合子氏が国会質問(1月22日衆院予算委)で言っていたように、一般永住者まで認めれば中国人や韓国人が大挙して、小さな島に住民登録し、主導権を握るとの指摘もある

園部氏
 それは、その通り。移住させといて、5年、10年、住まわせといて、選挙権与えるって、そんなこと、全然考えてないですよ。

Q この判決を論拠にして、そういうことを言っている人がいる

園部氏

 裁判官は弁解せず、弁明せずだけど、そんなことになったら、何とか、大きな声で、私でも何でもかり出していただいて結構ですよ。

ごく限られた歴史的な感覚で、この人たちなら、仕方がないという人に与えるんであって、大阪に長くいて、あっという間に東京に移住したら、その人にも東京の選挙権与えるんですか、ってそんなこと全然考えられもしない。

そんなことやったら、日本中、韓国人、中国人でいっぱいになっちゃう。それはダメだと私もはっきり言ってるわけです。

ただ、そこは政治的に利用されて、この傍論部分をどーんと表に出すと、傍論って、いわゆる、傍論じゃないですよ。

今、たまたま、傍論って言っちゃったけど、巷間、言われている傍論部分だけクローズアップしたり、巷間、言われている傍論部分を全く無視したり、それはダメだと。これはやっぱり、バランスの問題でね。

こんなに広げるのもおかしいし、こんなになくしちゃうのもおかしい。
これはやっぱり、政治が、韓国と日本、日本と台湾の特別の関係を十分頭に入れて、ここまでぎりぎりのところで、ここまで認めるとおっしゃるならいいんだけど、そこを突破口にして、どばーっと入ってきたらそれはもう大変ですよ。

Q 昔から住んでいて、何世代も同じ場所に住み続けている人に限ると

園部氏

 それは法律で、本当に制限的にしておかなければいけません。

そして、韓国人にもわかってもらう。そういう韓国と日本の歴史的状況を踏まえて、ここまでは、くれたと、それ以上はちょっと無理だと。

(中略)ウイグル人がどかーんと中国人に攻められてやってきたら、大問題になるでしょ。

民主党はわーっと中国に行ってね、議員が。昔の朝貢制度と同じですよ、そんなの。
何もそんなに中国に頭下げることない。まして、日本の天皇が日韓併合の何周年で韓国に行くのもやめた方がいい。(中略)

Q この判決は非常に限定的なことを書いているのか

園部氏
 そうそう。非常に限定的に。といって、全く触れないんじゃ、日本の最高裁は韓国のことまったく考えないのかと言われても困るから、そこはその時の政治的配慮があったと見ていただいて結構です。
杓子定規に国民じゃなきゃダメと一言、言えば済むことです。だけど、なんなんだ日本の最高裁はと言われても困るから。ちょっとばかり、突破口があっても、仕方がないと。ただし、この突破口にものすごい勢いで水が入ってきたら、困るんだけど。

Q 付与される人は非常に限られると。

園部氏
 そうそう。むしろそういうふうに、この傍論を将来、この政治的状況から、永住外国人に選挙権を認めなければいけないようなことになったとしても、非常に限られた、歴史的状況のもとで認めなきゃだめですよ。どかーっと開いたら終わりですと。日本はそうでなくても、国力がどんどん弱っている。

Q 推進派からすれば、この部分で大きく開いているというふうにとれる

園部氏
 それは違いますよ。それは、はっきり誰の前でも言うし、逆に全く認めないということも、それは最高裁としては書けなかったんだと。
そんな杓子定規なこと言ってたら、国の動きが取れなくなる可能性があるから、それはそこに、地方自治の本旨というものを、地方自治のレベルで考えるということを言おうとしているんだけど、そこは判決というものは怖いもので、独り歩きじゃなくて、勝手に人が動かすわけだから。

Q 韓国は在外選挙権を在日韓国人に認めている。選挙権の二重取りにならないか

園部氏
 あちらも認めて、こちらも認めるというやつでしょ。
それは、本当言うと、おかしいんだけど。帰化してないもんだから、そこは言いづらい。
外国人だから。自分の国の選挙権持ってどうして悪いと開き直られるとね。
だけど、そんな両方、あっち行って選挙する、こっち行って選挙するなんてことは、基本的にはやめてほしいですね。

Q 仮に外国人参政権を付与した場合には、どちらかの権利を放棄すべきか

園部氏

 じゃあ、なんのために韓国の選挙権持たなければいけないのか、日本でずっと移住して、日本にとけ込んで、帰化はしていないけど、ほとんど日本人と同じ生活している人が、わざわざ韓国の大統領選挙に行く必要がどうしてあるんだということになる。

これは非常におもしろい政治学の問題で、あっちこっち行って、土着に近くなったら、そんなに韓国の選挙権持ちたいのなら、どうぞ、韓国に帰ってくださいと、こんなこと言ったら、怒られちゃうけど。それはちょっとおかしいじゃないかと、いう気持ちはあります。

ただ、韓国人が本当にどういう趣旨で、両方に認めろと言ってるのか、それは私は分かりませんから、奥深いものがあるのかもしれないけど、どうしてそういうことにするのか。韓国の大統領がどうなったってかまわんじゃないですか、大阪に住んでる、生活している人は。

Q 二重取りになるのはやはりおかしいと

園部氏

 そこは冷静沈着にやってもらわないと、今は戦争してないでしょう。そのうち、難しい状態になってきて、徴兵だとか、いろんなことになってきたときに、日本から、選挙権持ってるから、徴兵だって出来ないことはないよと、言い出されたら終わりです。韓国人はみんな徴兵やってるんだから。どうして、韓国はそういう(日本でも付与しろ)ことにこだわるのか。

Q 一般永住者にまで付与すると、小さい自治体の選挙に大きく影響し、名護市や与那国のように安全保障に関わることもあるとの指摘もある

園部氏 

もっともなことです。私もそう思ってます。

国粋主義者じゃないけど、そんなことまでして、門戸を開く必要はない

日本のために、一生懸命やってきて、親子3代ぐらい住んでいて、日本に同化している人で、韓国人は自分の祖先を非常に大事にする国だから、(帰化して)そこは切られてしまうことは嫌がる。そこは韓国の独特のところだから、有る程度認めて行かなきゃいけない。だから、帰化しないんですから。それは分かったけど、政治的な権利から、何から、両方で持とうというのは無茶苦茶な話です

 出ている解釈だけを見ると非常に危ないという気がする

園部氏
 そんな危ないことを最高裁が言うわけがない。

Q 参政権付与法案の政府提出は賛成できないと

園部氏
 そう。政府の立法方針がはっきりしますから、そうしない方がいろんな意味でいいでしょう。そこは国会が全部納得できるような、出すなら議員立法で出してもらわないと。それは国策であり、外交問題であり、国際問題でもありますから、日本だけがあまり意固地なことをやっていてもしょうがない。

Q 園部氏は「自治体法務研究」(平成19年夏号)の「判例による法令の解釈と適用」で、「第二(傍論部分)を重視したりするのは、主観的な批評にすぎず、判例の評価という点では、法の世界から離れた俗論である」と書いているが

園部氏

 法の世界は専門的で難しいものがあるけれども、俗論というのは、私は別に悪い意味で言っているわけじゃないです。

世の中の人がいろいろ言うけど、法の世界から見れば、正論と言うよりは俗論なんだなと、それぞれのその時の気持ちでおっしゃっているわけですから。

俗論とは世俗の論だと、法の世界の論は必ずしも正しいとか何とかいうんじゃなくて、ちょっと変わってますと、それじゃなくて、一般の人の耳になじむような俗論であるということです。

Q 傍論はないと言っているが、朝日新聞のインタビュー(平成11年6月24日付)では自ら傍論と言っているが

園部氏
 これはちょっと言葉が悪かったね。

Q これでみんなが傍論と言ってるのでは

園部氏

 これだね。僕が傍論と言ってるんだ

これ、傍論なんて言った覚えないんだけど。
私が傍論述べたわけじゃないんでね、そこは間違えないでほしい。
僕が傍論と言ったかどうか、そこもよく覚えてないんだけど。
これで、私が何か傍論を書いたかのように、仮に傍論だとしても、思われていると、この文書はちょっと良くない。

Q みんなこのインタビュー記事を見て、傍論部分は園部氏が書いたと思っている

園部氏

 それは、私が傍論つけたというよりは、みんなで、合議で(判決理由を)つくっているわけです。一言も、傍論とも、少数意見とも書いてないんで、これ全部の意見で、共同の責任で書いている。

もし、これちょっとまずいよという人がいたら、個別意見でつけますから。しかし、これ(判決理由)をみんながオーケーしているわけですから。
今になって、あれは園部の傍論だと言われても困る。確かに自分の植民地経験とかそういうのは述べていますけど。

確かに本筋の意見ではないですよね。つけなくても良かったかもしれません

そういう意味で、中心的なあれ(判決理由)ではないけども、一応ついてると。

それを傍論というか言わないかは別として、(1)と(3)があればいいわけだと、(2)なんかなくてもいいんだと、でも、(2)をつけようとしたのには、みんながそれなりの思いがあったんだと思いますね。みんなで。

Q 推進派は、(2)を持って、広く解釈している

園部氏
 それは、危ないです。(了)

2月 20, 2010 at 02:40 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.02.19

眞鍋かをり契約解除を求めて提訴

サンケイ新聞より「眞鍋かをりさん「家宅捜索受け屈辱的思い」契約解除求め事務所を提訴

芸能プロダクション「アバンギャルド」(現・市エステートコーポレーション、東京)の脱税事件などで社会的信頼を失ったとして、所属していたタレントの真鍋かをりさん(28)が、同社や現在の所属事務所に契約解除を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが18日、分かった。

真鍋さん側は訴状で、「事件の関係先として自宅を家宅捜索され、屈辱的な思いをした」などと主張している。

真鍋さんは平成20年3月、同社から現在の事務所に移籍。
現在所属する事務所のタレントの多くは同時期に同社から移籍した。

同社をめぐっては昨年8月、3年間で約3億4500万円を脱税したとして、社長(42)=公判中=が東京地検特捜部に逮捕された。

訴状で真鍋さん側は「自分の名前を含む形で事件報道され、名誉を傷つけられた」と主張。
自宅が事務所名義だったため、真鍋さん在宅中に事件の関係先として東京国税局による家宅捜索を受け、事情聴取が行われたことを明らかにした。

また、「昨年の衆院選に立候補した特定の政治家のポスターに利用された」ことなどを挙げ、在籍時の仕事で社会的信頼を失い、契約解除の理由にあたると指摘。

移籍に際して十分な説明はなく、現在の事務所とは契約書を交わしていないとしている。

眞鍋かをりの名前を知ったのは、ブログの女王と言われるようになった頃ですね。
つまりタレントとしては全く知らなかった。

なかなか、才気のある人だな、と楽しみにブログを見ていました。
それが、この一年ぐらい、いろいろとトラブルのニュースが芸能記事に出てきていて、半月ぐらい前から「事務所とトラブルで、ドタキャン」のような記事や、解説のような物が出ていて「へ~」と思っておりました。

今回のニュースで興味深いのは「契約解除を求める訴訟」に尽きますね。
いくらタレントが商品と言っても、会社と従業員の関係でもあるわけですから「辞めます」と言っている人を辞めさせないにしても限度があります。
金銭で解決することもあるでしょう。

眞鍋かをりさんが訴えた、アバンギャルドの会社としての動きとは、かなり異様なもので、最後には脱税で社長が逮捕となりました。
この間の経緯については、表に出て来る記事以外の動きもあるのではないのか?と予想させるものがあり、もし裁判で口頭弁論が開かれることになると、とんでもない話が出て来るのかもしれません。

しかし、どう考えても「普通のビジネス界」では有り得ない話しでありましょう。

2月 19, 2010 at 03:34 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

永住外国人の参政権問題にビックリ

サンケイ新聞より「「政治的配慮あった」外国人参政権判決の園部元最高裁判事が衝撃告白
サンケイ新聞より「園部元判事証言、外国人参政権推進派には大きな打撃

この2本の記事はタイトルで分かる通り、取材と解説と言えますから、ひとまとめに読んだ方が分かりやすいでしょう。

平成7年の最高裁判決が永住外国人への地方参政権(選挙権)付与に関し、判例拘束力のない「傍論」部分で「憲法上禁止されていない」との判断を示した問題で、判決に加わった園部逸夫元最高裁判事は18日までに産経新聞に対し、「(在日韓国・朝鮮人を)なだめる意味があった。政治的配慮があった」と明言した。

さらに判決に際し、地方参政権付与の対象者について「(在日韓国・朝鮮人ら)非常に限られた永住者に限定する」ことを想定したとし、民主党などが「一般永住者」にも与えようと検討していることを「ありえない」と批判した。

園部氏が判決の背景として、「政治的配慮」に言及したことは、最高裁判決の当事者としては極めて異例の発言といえる。

判決は特別永住者に限らず、経済的基盤を日本に持ち10年以上在留など一定要件を満たせば得られる「一般永住者」についても、参政権を付与する案の根拠とされている。

この点について園部氏は「(一般永住者に)選挙権を即、与えることは全然考えていなかった」と語った。同法案を政府提出とすることにも「賛成できない」と表明した。

判決理由については、「憲法の地方自治の本旨に従って、特定地域と非常に密接な関係のある永住者に、非常に制限的に選挙権を与えることが望ましいと判断した」と証言。

歴史的経緯があり、何世代にもわたり日本国内に在留する韓国人、朝鮮人、台湾人に限り、住み続けている地域に限定して地方参政権を付与することは、「全く憲法違反だとは言い切れないという判断だった」という。

園部氏は当時の判決について「金科玉条で一切動かせないとは考えていない」と述べ、時代の変化に合わせ見直すことも可能だとした。

■外国人地方参政権に関する最高裁判決

永住外国人に地方参政権を認めない公選法などの規定は、住民自治を定めた憲法に違反すると、在日韓国人9人が起こした訴訟の上告審で最高裁第3小法廷は平成7年2月、「憲法上、わが国に在留する外国人に対し、選挙の権利を保障したものではない」とした一審判決を支持し、原告の請求を棄却した。

ただ、判決理由の判例拘束力のない「傍論」部分で「永住外国人に対し、地方レベルの参政権を法律をもって認めることは憲法上禁止されていない」との判断も示し、地方参政権付与推進派を勢いづかせた。

園部逸夫元最高裁判事が平成7年の最高裁判決時、地方参政権を付与できるのは歴史的経緯のある在日韓国・朝鮮人ら特別永住者のみを想定したと明らかにしたことは、在日中国人ら一般永住者も含めた参政権付与を目指す民主党、公明党などの外国人参政権推進派にとって、大きな打撃といえる。
推進派の多くは、園部氏が主導的役割を果たしたとされるこの判決を主張の根拠としてきたからだ。

園部氏は特別永住者であっても、転居などで地域との密接な関係を失った場合は、選挙権は認められないとの考えも示した。

これも、推進派の「納税しているのだから選挙権も与えるべきだ」との論法に厳しくクギを刺した形だ。

現在、韓国・朝鮮籍の特別永住者は帰化の増加で年間数千人減り続けている。
一方で、中国籍の一般永住者は平成18年からの3年間で約2万5100人増の約14万人に達している。

一般永住者まで付与の対象とした場合、小さな自治体に特定国の外国人が集団移住し、キャスチングボートを握る可能性も指摘されている。
この懸念について園部氏は「もっともだ。そこまでして、門戸を開く必要はない」と明言した。

ただ、園部氏は永住外国人への参政権付与は合憲との立場は崩していない。判決時の「政治的配慮」を認め、「無理やり連れてこられて、参政権がほしいのなら帰化すればいいというのは、先祖を大切にする韓国人にとっては簡単なことではない」とも述べた。

背景には贖(しよく)罪(ざい)意識があるようだが、この事実認識は疑問だ。
日大の百地章教授らによれば、戦時動員されて日本に来た朝鮮人はほとんどが帰国した。
現在も在留する韓国・朝鮮人の多くは戦前から日本に生活基盤があり、自らの意思で残ったと見るのが妥当で、参政権論議の見直しは必至だ。(小島優)

■外国人地方参政権に関する最高裁判決

永住外国人に地方参政権を認めない公選法などの規定は、住民自治を定めた憲法に違反すると、在日韓国人9人が起こした訴訟の上告審で最高裁第3小法廷は平成7年2月、「憲法上、わが国に在留する外国人に対し、選挙の権利を保障したものではない」とした一審判決を支持し、原告の請求を棄却した。

ただ、判決理由の判例拘束力のない「傍論」部分で「永住外国人に対し、地方レベルの参政権を法律をもって認めることは憲法上禁止されていない」との判断も示し、地方参政権付与推進派を勢いづかせた。

この永住外国人の地方参政権問題というのは、どこかに線引きをすることになるので「どうするのか?」と思っていますが、判決にはこんな背景があったのですね。

そもそも、永住外国人とそうではない人をどうやって区別するのか?という問題があるでしょう。
また、選挙権は権利ではありますが、広い意味での政治参加の義務でもあります。それを地方参政権だけに限定できる根拠をどこに求めるのか?
永住外国人が参政権を拒否できるのか? 参政権を逃れるために、永住外国人の地位を離れることが出来るのか?

一言で言えば、これは選挙人登録制度の変形でしょう。
日本では選挙人登録制度自体がありません。
この段階で、水と油のような関係になります。

裁判所(園部逸夫元最高裁判事)がこのようなわかりきっていることを無視して傍論を出したとはとうてい思えなかったので「どういうことなのだ?」と思っていました。

園部逸夫元最高裁判事のお考えは予想外でありました。
特に

  1. 在日韓国・朝鮮人ら)非常に限られた永住者
  2. 特定地域と非常に密接な関係のある永住者
  3. 非常に制限的に選挙権
  4. 特別永住者であっても、転居などで地域との密接な関係を失った場合は、選挙権は認められない
これらを同時に満たす必要があるというのですが、選挙権というよりも恩寵とでも言うべきものですね。
これは、選挙権を与えられるかもしれない永住朝鮮出身者も含めて、「最高裁判事はそこまでえらいのか?」と思うのではないでしょうか?
上から目線に過ぎると言うべきでしょう。

夫婦別姓問題でも同じですが、国籍とか戸籍といったものは、国によって基盤が全く違うので外国の例をそのまま持ってきても、収まりません。
だからと言って、戸籍制度をいきなり無くすとか、国籍制度を大幅に変更するといったことは、日本の社会文化として許されないでしょう。

そうなると、基盤が変わらないのですから、その上にある行政も含めた実務もまた変わることが出来る範囲が自ずから制限されるわけで、永住外国人に地方参政権を与えるというのが、かなり難しい話しであることが明らかになった、と言うべきでありましょう。

2月 19, 2010 at 03:08 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.18

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その4

「小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その3」の続きです。

朝日新聞より「北教組「主任手当」プールし流用か 小林氏陣営への資金

北海道教職員組合(北教組)から、民主党の小林千代美衆院議員=北海道5区=側に違法提供されたとされる総額1600万円の選挙費用の一部に、公立学校の教員にいったんは支給された後、組合の運動方針の結果、北教組内部にプールされた巨額の「主任手当」の利息が充てられていた可能性があることが、捜査関係者などへの取材で分かった。
札幌地検は、北教組本部の家宅捜索で押収した資料などから裏付けを進めている模様だ。

主任手当は、学校長が任命した「教務主任」や「学年主任」などの教員に対する手当で、1人1日あたり200円が支給される。国が1975年に全国の公立学校で教員の「主任制」を導入した時から始まり、道内では78年から現在までに約110億円が支給されている。

日本教職員組合(日教組)傘下の組合は当初、この主任制について「教員の管理強化につながる」などと反対し、全国で手当の返還運動が行われた。

北教組も組合員から手当相当額を集め、北海道教委に返還。これに対し、道教委は07年6月までこれを返送していたが、「郵送費などに税金を使うのはおかしい」といった批判を受けたため、同年末以降は受領していない。

組合員でない主任教員はそのまま主任手当を受け取っている。

一方、07年末までの約30年間で組合員から集めた手当は約55億円にのぼり、同額が道教委に返還され、北教組に返送されている。

返還運動は全国的にはなくなったが、北教組は現在も主任制を認めておらず、組合員から手当相当額を集め続けているという。道教委によると、北教組の組織率は34.2%(09年10月現在)。

札幌地検は、北教組へ返送された55億円や組合員から現在も集めている手当相当額といった巨額の資金の一部が利息などを生み、選挙資金に利用された可能性があるとみているようだ。

小林氏陣営では当初、北教組委員長(当時)が選対委員長を務めていたが09年6月に死去。後任に北教組副委員長(現委員長代理)が就いた。

捜査関係者などによると、資金提供は、陣営の会計担当者の依頼に応じる形で始まり、この2人から400万円ずつ計4回、直接現金で手渡されたとされる。

札幌地検は、これらの資金提供について、政治家個人への企業・団体献金を禁じた政治資金規正法に抵触した疑いがあるとみている。

う~ん・・・・
何というか「どうするつもりなんだ?」という種類の話しですよね。

会計的には、個人が返還した主任手当は、北教組へ寄附されて組合活動費になっているのですから、バリバリの「団体が政治家個人に政治資金を提供した」以外の解釈が出来ません。

北教組は現在も主任制を認めておらず、組合員から手当相当額を集め続けているという。
道教委によると、北教組の組織率は34.2%(09年10月現在)。

つまり、北教組に所属する34.2%の教員の内、主任手当てを受けている人は組合費が、1日あたり200円高いわけだ。
年間で4万円以上?
けっこう無茶苦茶ではないのか?

読売新聞より「北教組資金、民主・小林氏陣営側が違法性を認識

民主党の小林千代美衆院議員(41)(北海道5区)陣営に、北海道教職員組合(北教組)側から計1600万円の違法な選挙資金が流れていたとされる問題で、小林氏陣営側が提供された資金の違法性を認識していたことが17日、関係者への取材でわかった。

資金は小林氏の選対事務所の経費に充てていたが、札幌地検は、こうした資金の使途が、北教組から小林氏個人への献金にあたる可能性があると見て、政治資金規正法違反容疑で調べている。

1600万円は、小林氏が代表を務める民主党北海道第5区総支部の事務担当者で、小林氏の選対事務所の実質的な会計責任者だった男性(46)からの依頼で、選対委員長だった北教組の委員長らが提供した。

男性は読売新聞の取材に対し、資金を受領した当時の認識について、「表に出してはいけないお金と思った。収支報告書には意図的に載せるのをやめた」と、違法な資金だったとみていたことを明らかにした。
(2010年2月18日08時50分 読売新聞)

意味が分からない。

  1. 選対事務所の実質的な会計責任者だった男性(46)からの依頼で
  2. 選対委員長だった北教組の委員長らが提供した。
  3. 資金を受領した当時の認識について、「表に出してはいけないお金と思った。収支報告書には意図的に載せるのをやめた」

会計責任者が、「資金が必要だ」と選対委員長で北教組の委員長に相談したのでしょう。
それで、いきなり北教組から400万円ずつ資金が来たが、団体の献金は禁止されているから

「表に出してはいけない」 → 「選挙資金収支報告書に記載しない」
となったとなります。

選挙の実務を体験しているわたしにはこのような事になること自体が想像しがたいです。
最初から公選法違反を承知で実行する候補者はまずいないでしょう。
ほとんどが単なる無知で違反してしまう、と考えます。具体的には、アルバイトで運動員を雇用してしまったので賃金を払った、というような事例ですね。

アルバイトを運動員に使えない、といったあたりは「選挙の手引」を関係者に周知徹底しないと、すぐに「人を連れてきた」とかなります。
つまり、選挙事務では責任者は公選法などの規定を常に意識していて、それで仕切ることが重要です。

今回の事件については、お金が来た時点で「これは受け取れない」と返すべきでした。
ところが「来たお金をどう隠そうか?」となったわけですから、これは会計責任者が責任者になっていない、さらには選対委員長が必要な法的知識がない。

それでも、ことが進むというのは、選挙関係者以外が選挙を仕切った、としか見ようがありません。
ちょっとひどすぎるでしょう。

2月 18, 2010 at 11:37 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.17

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その3

「小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その2」の続きです。

読売新聞より「民主今度は「労組とカネ」←野党「3大疑惑だ」

民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区)側が北海道教職員組合(北教組)側から選挙資金を違法に受け取ったとされる問題が表面化し、党内では、政治とカネを巡る新たな疑惑の浮上に懸念が広がっている。

党の支持母体である労組が絡む問題だけに、大きな打撃となりそうだ。

小林氏は16日、北教組が強制捜査を受けたことについて、国会内で記者団に、

「びっくりしている。遺憾に思う。(選挙資金の授受は)全く私は知らなかった」
と強調した。
自らの責任については、
「今は申し上げられない」
と述べただけだった。

北教組は、党最大級の支持団体である日本教職員組合(日教組)の下部組織だ。
日教組の下部組織の中でも、強固なことで知られる。

小林氏は食品会社の労組出身だが、選挙では北教組の厚い支援を受けた。 昨年の衆院選でも、北教組関係者が小林氏の選対事務局の幹部となり、選挙運動の陣頭指揮にあたった。

民主党の高嶋良充参院幹事長は16日の記者会見で、小林氏の進退について聞かれ、

「党として何の相談もしていない。推移を見守っている」
と語った。
しかし、鳩山首相の偽装献金事件や小沢幹事長の資金管理団体の政治資金規正法違反事件など、政治とカネの問題で党への逆風が続く中の問題発覚に、党内では批判が強まっている。
「選挙資金の提供という直接的な問題だけに、事実なら議員辞職も考えてもらわないといけない」
(国会対策委員会幹部)という声も出ている。

ただ、小林氏が3月15日までに辞職すれば、公職選挙法の規定で補欠選挙は4月に実施されることになる。

政治とカネの問題で議員辞職した後の補選は苦戦が予想されるため、党執行部は「当面は議員辞職は不要だ」としている。

民主党と日教組の間では、2004年の参院選の際も、輿石東参院議員会長を支持する山梨県教職員組合の教諭らが、教育公務員特例法などに違反して選挙資金を集めた疑いが持たれた。

党内では、「国民に『ベッタリ』と思われてしまうのはまずい」(中堅議員)という声も漏れている。

自民党の大島幹事長は16日の記者会見で、「首相の脱税、小沢幹事長の資金、北教組の選挙資金にかかわる『3大疑惑』が表れている」としたうえで、労組の政治活動に関する調査を命じたことを明らかにした。

谷川秀善参院幹事長も「根深い問題だ。労組のカネが(民主党議員に)流れているようだ」と述べた。
政治資金規正法は、企業や労組などの団体から政党への献金は認めているが、政治家個人への献金は禁じている。

(2010年2月17日10時48分 読売新聞)

こうなると、辞職を取るか、失職を取るか、という二者択一になりかねないですが、石川知裕議員の離党もあり北海道での失点続きは大きなダメージになりますから、ますます動けずに事態が悪化する事になりそうです。

それにしても「ビックリしている」では議員の資格がないですよ。これを理由に辞めても良いくらいだ。
自分の事務所の中も分からない国会議員なんてのは有り得ないでしょう。

2月 17, 2010 at 12:05 午後 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題・その2

「小林千代美衆院議員陣営の裏金問題」の続きです。

NHKニュースより「北教組幹部 陣営要請で金渡す

北教組=北海道教職員組合が、民主党の小林千代美衆議院議員の陣営に不正な資金提供をしていた疑いが持たれている事件で、資金提供は小林議員の陣営の要請を受けて行われ、北教組の幹部がみずから金を渡していたことが、関係者への取材でわかりました。

北教組=北海道教職員組合は、民主党の小林千代美衆議院議員の陣営に1600万円を不正に提供した疑いが持たれ、札幌地方検察庁は政治資金規正法違反の容疑で組合の事務所などを捜索しました。

関係者によりますと、北教組からの資金提供は去年の衆議院選挙を前に小林議員の陣営が要請し、北教組の幹部がみずから金を陣営に渡していたことがわかりました。

札幌地検の調べによりますと、資金提供は400万円ずつを4回に分けて行われたということで、小林議員の陣営の担当者は札幌地検の事情聴取に対し、金を受け取ったことを認めているということです。

札幌地検は今後、北教組の幹部から事情を聴いて、資金が提供されたいきさつや資金の流れの解明を進めるものとみられます。

この小林議員の陣営の担当者とは、小林氏の選対委員長を務めた北教組の長田秀樹委員長代理のことではないでしょうかね?

長田氏の立場は次のようなものだそうです。

長田委員長代理は、小林陣営の選対委員長を務めていた北教組委員長が選挙直前の昨年6月に死去した後、
陣営入りし、北教組とのパイプ役を果たしたとされる。

まあ、こうなると「組織丸抱え選挙」の典型でありますが、自民党が弱体化した背景には、企業団体献金の禁止などがあり、公選法の運用もどんどん純粋なボランティア活動を基準に判断するようになってきています。

先にも書いた通り、個人献金にすれば良かったわけですし、そもそも1600万円の献金が必要だ、というところが分かりません。
選挙のたびに、これほどの外部からの献金が必要ならば選挙なんてとてもやってられません。
全くの無一文の候補者が、資金豊富な候補者と同党の運動をするために献金を求めた、というのであればそれは政治家としては著しくバランス感覚に欠けている、と言わざるを得ません。

以前の報道によれば、予想外に衆院選挙が遅れたために、事務所維持費が掛かったとのことですが、それだって選挙に挑戦することのリスクに過ぎません。
基本的に世間をなめている態度と言えます。

2月 17, 2010 at 11:49 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

小林千代美衆院議員陣営の裏金問題

サンケイ新聞より「カンパを裏金化? 北教組幹部宅も捜索 民主陣営への違法献金で

民主党の小林千代美衆院議員(41)=北海道5区=側が北海道教職員組合(北教組)側から違法な選挙費用を受け取っていたとされる事件で、北教組が選挙の度などに組合員から1人1千円ずつカンパを集めて裏金化しており、一部がこの選挙費用の原資になっていた疑いのあることが16日、関係者への取材で分かった。

札幌地検は同日、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)容疑で、小林氏の選対委員長を務めた北教組の長田秀樹委員長代理の自宅などを新たに家宅捜索した。

札幌地検の調べによると、小林氏側は昨年8月30日に行われた衆院選の選挙費用として、北教組側から4回に分け、計1600万円の違法な資金を受け取った疑いが持たれている。

関係者によると、北教組では以前から国政などの選挙の度や年に数回程度、「民主党候補者を支援するため」として組合員の教職員から1千円のカンパを徴収し、裏金としてプールしていた。カンパは学校単位の「分会」ごとに集められ、北教組の各支部を経て本部に集約されるシステムだったという。

札幌地検は、小林氏側への提供資金の原資の一部にこうした裏金が含まれていた疑いもあるとみている。

一方、札幌地検は16日、札幌市内にある北教組の長田委員長代理の自宅マンションを捜索した。

長田委員長代理は、小林陣営の選対委員長を務めていた北教組委員長が選挙直前の昨年6月に死去した後、陣営入りし、北教組とのパイプ役を果たしたとされる。

札幌地検は15日に、同市内の北教組本部事務所を捜索しており、2日間で押収した会計帳簿や名簿などの分析を進め、小林氏側と北教組側について、政治家個人への企業・団体献金を禁じた規正法違反容疑での立件に向けて捜査を進める。

また小林氏側については、選挙費用の収支報告を義務付けた公選法違反の疑いもあり、同法の適用も検討する方針だ。

大々的に報道されていることもあって、注目していましたが公選法違反の話にならないから「なぜだろう?」と考えてしまいました。

公選法では、買収を問題にするのが主眼ですから、候補者からお金が出ていく場合に事件になります。
それに対して、今回は候補者にお金が入ったからとりあえず買収にはならないわけです。

もちろん、記事の最後にあるように、選挙費用の申告で違反していますから事実が確定すると、公選法違反になりますね。
有罪になれば議員を失職でしょう。

そうなると、今までの教職員組合側だけを問題にしていたことの意味は?となりますが、検察の目標が北教組に向いている、ということなのでしょう。

北教組を落とすことが出来れば、公選法違反は後から付いてくる、という感じなのでしょうか?
状況的にはかなりはっきりしているので、早々に決着が付くのではないかと思います。

それしても、今まで記事からまとめてみると

  1. 選挙対策費をカンパした
  2. 政治活動資金として献金したいが、団体献金が禁止なので、裏金にした
  3. 裏金なので、選挙活動収支報告がウソになった
というあまりに分かりやすい構図に、選挙に関わった経験者としてはめまいがします。
個人献金にすれば、なんの問題もないわけです。
それをしなかった理由は何なのか?あるいは、団体献金でも見逃されると判断していたのか?

あまりに乱暴すぎる、政治活動と言えるでしょう。

2月 17, 2010 at 11:19 午前 選挙 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.02.16

大学なのか小学校なのか

読売新聞より「「日本語」全学部必修…山形大、能力向上目指す

学生の日本語能力の向上を目指し、山形大は新年度から、新入生向けに作文やディベート技術を習得する「スタートアップセミナー」を新設することを決め、学習用テキスト「なせば成る!」を発刊した。

テキストは、同大が2009年10月に設立した基盤教育院が編集。

同大の学生が、試験やリポートなどで話し言葉の文章を書いたり、就職活動で面接や集団討論が苦手だったりする実情を踏まえ、日本語スキルの向上を重視した。

作文の書き方などについて説明した「学びの技法」、ディベートの仕方などを学習する「グループで学ぶ」などの章から構成される。

基礎的な学習スキル習得のための科目を全学部必修で行うのは初めての試みで、「半年間の授業が終わった後もテキストを生かし、コミュニケーション能力を鍛えてほしい」としている。
(2010年2月16日17時39分 読売新聞)

こうなると「必修の日本語を落として進級できませんでした」とかになるのでしょうか?

正直な話しが、このプロジェクトはちょっと誤解から始まっているように思います。

同大の学生が、

  • 試験やリポートなどで話し言葉の文章を書いたり
  • 就職活動で面接や集団討論が苦手だったりする
実情を踏まえ、日本語スキルの向上を重視した。

この部分を「日本語が正しく使えないから、これらのことが出来ない」と考える「原因説」を取るのか、試験やリポートが相手に読んでもらうことを理解していないとか、集団討議そのものが出来ないなどで、うまく日本語が扱えない「結果説」を取るのか?という問題があるでしょう。

わたしは小学生から高校生まで見ていて日本語の使い方がうまくない子どもたちの評価には「結果説」を取ります。

大学生になってまで、人とのつき合い方が分からないから、結果として日本語をうまく使う訓練が出来ていない、というのでは「人として終わっている」となってしまいますが、事実はこれだと思っています。

確かに、日本語がキチンと使えれば人とのつき合いも円滑に出来る、という面は大きいですが、それ以前の子どもたちが大勢いる事も事実で、特に自分の得意不得意と他人の得意不得意が違うことを実感していない子どもが少なからずいます。
ここが分からないと、手伝ったり任せたりといったチームワークの基本が出来ません。

こういった、同世代間での助け合いとかケンカなどは兄弟間や近所の子どもたちで学ぶことなのでしょうが、少子化でそういう機会が減ってしまったのが遠因だろうと思います。

原因はとにかく、現実問題として「問題を解くだけ」で大学まで進学できますから、大学での抽象的な設問に答えられなくても不思議は無いです。

こう考えると、日本語の使い方とはツールの使いこなしと見ることが出来ますが、ツールの使用目的が分からない人に使い方だけ教えても身につかないのは当たり前です。
まあ、大学としては「大学生にふさわしい成熟段階に達していない」との理由で、不合格にする必要があると思います。

2月 16, 2010 at 09:43 午後 教育問題各種 | | コメント (5) | トラックバック (0)

土地買収がインチキなのか?

サンケイ新聞より「福岡市が職員ら7人提訴 土地取得で面積水増し契約

福岡市は16日までに、市土地開発公社の道路用地買収で、地権者の意に沿う補償金を捻出(ねんしゅつ)するため土地面積を水増しして契約を結び、市に補償金を過払いさせたとして、職員と元職員の7人に計約1億3200万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴した。

市によると、不正な契約は平成11年から13年にかけ8件あり、市の損害額は約1億3400万円に上るという。
市は昨年8月、関与した職員と元職員計9人に支払いを請求。これに応じて計約200万円を支払った2人を除く7人を提訴した。

今ひとつ理解し難いのですが、道路用地の買収で買収した面積が必要以上であった、ということでしょうか?
そうなると、必要な面積をどうやって割り出したのか?という問題になりませんかねぇ?

おそらくは、道路の計画に基づいて、買収するべき用地を決めて、最終的には買収した土地は測量して位置を決めて当然面積も確定する、ということでしょう。
では、買収以前に完全な測量が出来るのか?となると、これはこれでけっこう難しいことです。
同様な話しは、宅地開発でもあって、開発中の土地の売買契約では「最終的には完成後の測量による」のような注釈付きの契約をします。

つまり土地取引ではある程度の、面積の誤差はあります。

その誤差が問題になるほどであった、ということだと道路を作ってみたら、土地が余ってしまった。といったじょうきょうかとおもいますが、それほどの無茶苦茶が出来るものでしょうかね?
普通は、すぐにばれそうなものだと思うのだけど。

それとも、買収後に道路の設計をしてみたら、土地があまっていることが分かった、とかでしょうか?
一体どういうことなのか、詳細を知りたいものです。

2月 16, 2010 at 09:12 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

千葉法相が亀井大臣を説得するというのだが

サンケイ新聞より「夫婦別姓で千葉法相「亀井氏を説得していく」

千葉景子法相は16日の記者会見で、選択的夫婦別姓制を導入する民法改正案に国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相が反対していることについて

「亀井大臣のご発言は大変重い。ただ、内容について細かい理解をいただいているか必ずしも定かではない」

と述べた。引き続き法案提出への理解を求めていく考えを示した発言だ。
また、これまでも亀井氏に直接説明してきたとした上で

「内閣としての方向付けは、そんなに時間がないので最終的に詰めをしていきたい」

とも強調した。

わたしも、この法案を理解していません。
というよりも「どういう原理の法律にするのかが、分かりません!」

民法の改正案です。改正する部分は

第750条(夫婦の氏)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

を改正するというものですが、要するに「称する」の部分を変えるわけです。
しかし、そもそも婚姻の際にというの戸籍の問題もあるわけで、戸籍法は簡単にどうにか出来る法律ではありません。
そもそも、戸籍という概念が法律でガッチリ決まっているというのが世界的には珍しい。

文化的には、「Aの妻であるB」といった表現が一般的であることが、夫婦別姓の必要条件だと思います。
「Aの妻です(名前はない)」で通用にする文化において、夫婦別姓にすると言うのは要するに法律で文化を変えようと言うことでしょう。

それ自体は是認するとして、戸籍はどうするのか?
戸籍法をそのままにしておくと、戸籍の中に注釈を作る必要が出て来るのではないでしょうか?
要するに、戸籍の基本的な手続が「一つの戸籍に一つの姓」で成立しているわけですから(結婚して、姓が変わると別の戸籍が出来る)そこに二つの姓ができるとなると、これはどうなるのか?

そんな事を考えると「夫婦別姓の法的な考え方自体が理解できない」になってしまっています。
一言で言えば、極めて説明不足でありますよ。

2月 16, 2010 at 01:22 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

捜査の録画で自白が否定された。追記あり

読売新聞より「DVD録画の自白に疑い…西成の放火無罪判決

大阪市西成区で2007年5月、木造アパートが全焼し、住人3人が死亡した火災で、現住建造物等放火の罪に問われた無職(61)の判決が16日、大阪地裁であった。

中川博之裁判長は「自白には信用性がない。第三者の犯行の可能性も否定できず、被告を犯人とするには合理的疑いが残る」として無罪(求刑・懲役18年)を言い渡した。

被告は、当時住んでいた2階建てアパートの1階廊下で置いてあった新聞紙にライターで火をつけ、延べ約180平方メートルを全焼させたとして起訴された。この火災では、住人の男性(当時67歳)ら3人が死亡、2人が負傷した。

被告は捜査段階で「酒を飲んで火をつけた」と犯行を認めたが、公判では「覚えていない」と否認に転じ、無罪を主張していた。

判決で、中川裁判長は、自白の信用性について検討。医師の鑑定結果などから被告には他人への依存傾向があるとした。

  • 検察官の取り調べを録音録画したDVDのなかで被告が否認を試みたが、
  • 検察官の心外な態度に接すると犯行を認めた場面を指摘し、
  • 「取調官の意向に沿う形で虚偽の供述をした疑いをぬぐえない」
  • と述べた。

    さらに、アパートの玄関が無施錠だったことや、被告の部屋に燃え移る危険性があったことなどから、被告以外の犯行の可能性も否定できないとした。
    (2010年2月16日10時24分 読売新聞)

    【追記】

    朝日新聞より「放火罪の被告に無罪 大阪地裁「自白信用できぬ」

    2007年5月に大阪市西成区のアパートが全焼し、住人3人が死亡した火災で、大阪地裁は16日、現住建造物等放火の罪に問われた住人の無職(61)に無罪(求刑懲役18年)の判決を言い渡した。

    中川博之裁判長は、放火を認めた捜査段階の供述内容について、他人に迎合しやすい性格の被告が取調官の意向に沿って虚偽の説明をした可能性があると指摘。
    「犯人であっても矛盾はない」としつつ、被告以外による放火の可能性を否定できないと判断した。

    起訴内容は、07年5月5日午後11時ごろ、西成区萩之茶屋3丁目のアパート1階の廊下付近で、げた箱の上に置かれた新聞紙にライターで火を付け、木造2階建ての同アパート延べ約180平方メートルを全焼させ、隣の文化住宅の一部にも延焼させたとするもの。
    この火災で、当時67~71歳の住人男性3人が死亡した。

    被告は07年8月、大阪府警の事情聴取に放火を認めて逮捕され、「コンビニエンスストアで万引きが見つかったり、アパートの大家を夜間に訪ねて怒られたりして、いらいらしていた」と供述したとされていた。公判では一転して無罪を主張していた。

    判決は、公判での被告人質問でのやりとりなどから、被告には質問内容を理解しないまま迎合的な答えをする傾向が強くあると指摘。

    検察官の取り調べ状況を撮影した録画映像でも、
    一度は「火をつけたことはない」と否定する発言をしたのに、
    検察官が心外そうな態度を見せるとすぐに打ち消した点などからも
    「自白」は信用できないとした。

    さらに、

    • 出火元とされる廊下付近には第三者の出入りも可能
    • 被告は出火直後に裸足に下着姿で逃げており、火事を想定していたとはうかがえない
    などの状況を挙げ、被告を犯人とみるには合理的な疑いが残るとした。

    閉廷後、被告の弁護人は報道陣に「被告の性格や不自然な自白の経過などをきっちりと見てくれた」と話した。一方、大阪地検の玉井英章・次席検事は「意外な判決。上級庁とも協議のうえ適切に対応したい」との談話を出した。

    検察官の取り調べの様子を録画したものを根拠に、自白を否定したもので、検察はメンツの問題としても控訴するでしょうが、問題の場面の評価がどうなるのか?が争いになるのか?が注目点でしょう。

    控訴審での判決では、

    • 地裁判断と同じく、自白場面から自白は有効ではない。
    • 自白の問題の場面について地裁の判断が間違っている。
    • 録画を判断基準にするべきではない。
    いずれの判決が出るのでしょうか?

    自白の結果ではなくて、自白のプロセスまで判断の対象にするというのは当然のことであって、捜査の録画を否定する主張の根拠がさっぱり分かりません。
    昔は技術的・コスト的に大変であったから録画しなかったのでしょうが、今では極めて簡単になったのですから、録画するべきでしょう。

    朝日新聞の報道でより具体的に、分かりましたが、検察がこの程度のことでひっくり返されるような立証をしたのであれば、結果は別にして「捜査不十分」のそしりを逃れることは出来ないでしょう。
    世間は「意外な判決」とは思わないでしょう。

    2月 16, 2010 at 12:21 午後 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

    2010.02.15

    千代田区・路上喫煙の全面禁止へ

    東京新聞より「路上喫煙の罰則地域拡大へ 千代田区

    全国で初めて条例で指定地区での路上喫煙に罰則を設けた東京都千代田区は四月一日から、指定地区を区内全域に拡大する。

    過料は一回当たり二千円。二〇〇二年の区条例施行後、罰則を設けた条例を制定する自治体が相次いだが、全域指定は全国初で、新年度予算案に関連費約三千六百万円を計上した。

    罰則対象の路上禁煙地区に新たに指定するのは、官庁街の霞が関、内幸町、永田町。

    指定地区は皇居と都が管理する日比谷公園を除き区内全域となる。

    過料を取るのは五月から。これに伴い、路上を巡回して違反者に注意し、過料を徴収する生活環境改善指導員を二人増やし十八人にする。

    条例施行後、一月末までの違反は累計五万五千三百七十九件に上る。

    ここ数年は指定地区を拡大しているにもかかわらず、〇六年ごろ月約千件だった違反が半減している。
    一方、秋葉原の定点観測地では、施行直前に約千本あった吸い殻が十数本に減るなど、ポイ捨て減少の効果も表れている。

    路上禁煙地区では、地元商店街や町内会が自主的にパトロールしているが、新たな指定地区はほとんど住民がいないため、隣接地区住民との合同パトロールなどで対応する方針。

    千代田区は路上喫煙を区内全域で禁止

    ということですね。(^_^;)

    しょっちゅう霞が関の東京地裁に行っていますが、裁判所に一番近い地下鉄霞ヶ関駅A1出口から裁判所の門までの50メートル程の歩道にけっこう吸い殻が落ちています。
    裁判所から出てきた緊張感でタバコを吸う歩行者が多いのでしょうか?

    路上喫煙禁止だから、お店を含めて建物や敷地内に喫煙所が増えるのでしょうかねぇ?

    2月 15, 2010 at 09:21 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

    大学教員発砲事件に新たな謎

    読売新聞より「准教授が銃乱射なぜ?アメリカの大学の光と影

    【ワシントン=山田哲朗】
    米南部アラバマ州のアラバマ大学ハンツビル校で12日に起きた女性科学者による発砲事件をきっかけに、米国で研究者にかかる心理的重圧が議論を呼んでいる。

    同大の生物科学部准教授(45)は同日午後、学部の教職員会議で同僚に拳銃を発砲。
    教授ら教員3人が死亡、ほかの教職員3人が負傷した。

    警察で動機を調べているが、米メディアは容疑者が昨年から「テニュア(終身在職権)」の審査を受けており、事件の直前に却下が決まっていたことに焦点を当てている。

    米国では、テニュアは若手研究者が目指す大きな目標だ。
    5~6年のうちに研究成果を上げ、教授会の審査を通ることで、「テニュア」を獲得できる。連邦教育省の統計(2005~06年)によると、大学教員のうちテニュアを所持するのは半数にとどまる。

    テニュアがないと、任期付きの雇用契約など不安定な地位に追い込まれ、肩書も准教授止まりが普通。

    ビショップ容疑者も2003年にハーバード大からアラバマ大に移り、今学期限りで雇用契約の打ち切りを迫られていた。
    報道によると、最近は「テニュアの審査が公平でない」と周囲に不安を漏らしていた。

    米紙ニューヨーク・タイムズのウェブサイトでは事件後、「パブリッシュ・オア・ペリッシュ(論文を書かなければ消え去るのみ)という文句が、どれほど人間の心理をゆがめるか」「大学当局がパートタイム依存を強め、少ないテニュアの口への競争が激化している」「テニュアの審査をもっと透明に」など、テニュアに関する読者投稿が相次いだ。
    (2010年2月15日06時42分 読売新聞)

    ということで、大学教授の座を争う厳しい競争といった面が、日本のネット界でも話題になっていました。
    そこにCNNニュースにこんな記事が「銃乱射事件容疑者の大学助教授、23年前に「弟を殺害」

    (CNN)
    米アラバマ州のアラバマ大学で12日夕に発生した銃乱射事件で、マサチューセッツ州警察の関係者は13日記者団に対し、拘束された生物学助教授(45)が、約23年前に銃で弟を死亡させていたことを明らかにした。

    事件は1986年に起きた。
    当時の詳しい捜査記録は紛失しており、事件は警察で現在「事故」扱いにされている。
    同年12月8日付の米紙ボストン・グローブは、容疑者が12口径散弾銃から銃弾を抜き取る方法を母親に尋ねていた際、誤って弟を銃撃したと伝えた。

    しかし当時捜査に携わっていたある警官は、容疑者が寝室で弟と口論した末、弟の胸部を銃撃したと指摘した。
    同容疑者は自宅から逃走する際にも再び銃を発砲した。

    容疑者は自宅付近で車を止めようとして運転手に拒否され、銃を車に向けたとして拘束された。
    しかし調書を取る手続きの際、ボストン・グローブの取材に応じた当時の警察署長の電話要請で、同容疑者は釈放されたという。

    しかし現在87歳で既に退職している元警察署長はCNNに対し、当時同容疑者の釈放を電話で要請したことを否定。

    捜査官らが容疑者と、警察当局の人事部で働いていた同容疑者の母親、主任捜査官の3人を聴取し、主任捜査官が銃発砲は事故の可能性が高いとの見解を示したことを明らかにした。元署長と主任捜査官の2人は同容疑者を母親に引き渡す方針で合意。

    その後同容疑者は書類送検されたものの、検察当局者は同容疑者を不起訴とした。

    当時の検察当局者は現在マサチューセッツ州選出の米連邦議会議員だが、外遊中のため今のところコメントは得られていない。

    45歳の助教授が23年前に事件を起こしたのだから、当時22歳つまり大学を卒業した頃ですね。
    23年前に事件そのものがあったことは新聞記事に記録があるようですから、確かなことだとすると、警察・検察がどのような判断をして不起訴釈放となったのか?に関心が集まるのは当然ですが、なんで捜査記録が紛失しているのだ?

    けっこう全く別の問題に展開しそうになってきました。

    2月 15, 2010 at 09:10 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

    2010.02.14

    少子化問題に取り組むのにはどうするのか?

    サンケイ新聞より「【静かな有事】特別版 小宮山宏氏インタビュー 創造型需要を喚起せよ

    世界で最も早く進む少子高齢化を乗り越えるために、われわれは何をしたらよいのか。前東京大学総長で三菱総合研究所の小宮山宏理事長に聞いた。

    Q 少子化を止めるために必要な対策は

    「やるべきことは3つ。

    • まずは午後5時になったら家族が一緒に暮らせる雇用環境をつくる。
    • 2番目が保育所の問題。
    • 3番目が家庭への経済的支援。

    この3つがだいたいできれば、かなり変わる。フランス、デンマーク、スイス、スウェーデンでは、夕方になるといったん家に帰った人が再び街に出る。子供が走り回るのをみると『家庭はいいな』と思う人が増える」

    Q 政府は4月から「子ども手当」を支給する

    「やらないよりはいいが、順序でいえば1、2、3の3番目だ。

    保育所に子供を預けたい人が確実に預けられる体制をつくらなくてはいけない。

    父親が働いて家族を支え、妻が子供を育てて必死に頑張るというモデルは終わった。
    これに早く気づかなければいけない。

    核家族化した家庭に入り、夫は午後9~10時まで帰ってこないと、女性は子供を産む気になるだろうか。
    そこが一番遅れている。

    1、2、3の順番通りに大事だ。
    決して逆ではない」

    Q 将来的な労働力不足も心配される

    「現実にはむしろ仕事が少ない。この対応が重要。

    今は変な状況で、

    • 若い人が職を探せない。
    • 高齢者も60歳の定年後、65歳で年金をもらうまで“穴”があいている。
    • 労働力が余っているから失業率が上がる。

    もう少し経済を活性化し、仕事を増やさなければいけないという部分が今は顕在化している」

    Q 政府は需要重視の経済成長を目指している

    「需要には2つある。『普及型需要』と『創造型需要』だ。

    例えば日本では自動車や家はもうみんなが持つようになった。道路などインフラもだいたいできている。これが『普及型需要』だ。

    しかし、人口はピークアウトしている。

    需要があるのは買い替えのときなどだ。
    ほとんどの先進国では普及型需要が飽和し、需要不足を招いている。
    だから普及型需要が旺盛な中国を中心に発展途上国にモノを売る」

    Q 創造型需要とは

    「中国でも普及型需要は早ければ2020年ごろには飽和する。遅くても2030年だ。

    次はインドに行くかもしれないが、こうした需要のあり方では人類の経済はやっていけない。

    じゃあ、もう需要がないのかとなるが、そこで重要となるのが『創造型需要』だ。

    これは新しい状況に対する需要であり、ひとつが環境分野、もうひとつが高齢化分野。
    これを意識して開発することができるかが重要だ。

    グリーンイノベーションを重視するのは正しい。
    日本はグリーンイノベーションに絶対に勝たなくてはいけないし、勝てる」

    Q 高齢化社会に対する需要とはどのようなものが考えられるか

    「例えば装着すると力が出て介護やリハビリで使えるロボットスーツ。角膜の再生も新しい技術だ。

    高齢者が社会参加できなくなることが高齢化社会を一番悪くする。

    誇りを持って社会参加する高齢者はなかなか要介護の状態にならない。
    モノをつくることが人々を幸せにするし、介護の負担も減り医療費も減る」

    Q うまくいっている例は

    「『葉っぱビジネス』で有名な徳島県上勝町では高齢者が元気で、一番多い人で2000万円近く稼ぐと聞く。
    県内でも高齢者1人あたりの医療費が少ない。

    高齢者は稼ぐ以上に使うそうだ。
    もともと蓄えがあるから、稼ぎがあり安心すればそれを使う。

    どういう高齢社会をつくらなくてはいけないの。高齢者ができる限り長く動け、できればお金を稼ぐ形で働ける。
    社会に尊敬されて働ける社会を作れれば、いい高齢社会になると思う」

    Q 「日本は課題先進国だ」と指摘しているが

    「高齢化は先進国共通の課題だ。

    高齢化社会の日本に必要なものをつくり、日本の課題を解決することは世界の課題解決につながる。

    ゼロからモノを作れる力は世界にそんなに残っていない。

    ロボットスーツなど世界にいまだない高齢化社会用商品をつくっていけば、巨大な産業を日本が引っ張ることになる。

    高齢化社会の社会制度の点で引っ張っている北欧やフランスにはモノづくりの力がない。

    日本はモノづくりが強い国であり、それを生かすべきだ」

    Q 地方は若者が流出し厳しい状態にある

    「私はいま『プラチナ構想ネットワーク』というのを呼びかけており、三十数カ所の自治体が参加したいといっている。

    エコや高齢化への対応などをキーワードに地域が特徴を生かしたまちづくりを行い、大学が地域間の連携の起点となる。

    ある自治体でやった実験の知識を大学を通じて別の自治体に伝える。

    国主導で産業を引っ張り人々を幸せにしてきたが、これからは強い自治体をつくり、企業や大学と連携してまちづくりを進める。国は制度をつくるなど支援に回る」

    Q 社会のあり方が大きく変わるということか

    「発想を転換させなくてはいけない。

    産業を興せば、国内総生産(GDP)が増え、人が幸せになる。
    これが明治以降の日本のモデル。それは『坂の上の雲』の時代、つまり途上国のモデルだ。
    そのための国策が所得倍増論であり、日本列島改造論だった。

    先進国になったら、さらに自分らの暮らしをよくしようと考え、そこに新しい産業が興る。
    結果的にGDPも増えて経済も成長する。これがこれからのモデルだ」

    Q モデル転換は容易でないのではないか

    「簡単にいかない。

    明治時代は外国人教師を呼んできたが、今度は新しいことをやろうとしているので先生がいない。
    だが、始めなければいけない。

    失敗もあるだろうが、やらないと人も育たない。
    これが先進国の苦しさだ。

    『坂の上の雲』の時代は先進国が美しい雲だった。
    われわれはそこに入ってしまった。雲に入れば中は霧だ。

    霧の中で前に進むのは勝手が違うが、進む以外にない。
    逆に初めておもしろい時代に入るということでもある。

    これはチャンスだ。どれほどの人がチャンスだと思えるかが重要だ」

    サンケイ新聞の連載【静かな有事】はなかなか興味深く読んでいますが、今回の記事は一連の提言をキチンと説明しているところがよいですね。

    少子化問題は、私が知っている限りでも20年ぐらいは新聞に出ているほどの問題ですが、歴代の政権はもちろん、政治家も直視した意見を避けてきたから「少子化問題は誰かが何とかしてくれる」的な事で政治的な課題としては避けてきました。

    いまだに、ニュータウン開発の小型版のようなものが各地で計画されていますが、現実は巨大住宅団地の統廃合こそが一番の問題でしょう。

    地方都市では、マンションが新築されると、隣のマンションが空き家になるといった減少が20年ぐらい前から報告されています。
    人口が増えずに減っていくのですから、新築住宅を100軒建てて旧住宅100軒分に相当するのか?というと、110軒とかになるわけです。
    トータルでは10軒が減る。

    量的な投資に効果がなくなることの象徴ですね。

    クリフォード・D・シマックの「都市」では、エネルギー革命によって、人類は都市から郊外に移り住み、巨大な敷地の中でロボットに世話をされながら孤立した生活をしつつ、人として衰退していく。という世界が描かれていました。

    わたしの住んでいる、横浜市北部のちょっと先には、多摩ニュータウンがあります。
    このあたりが開発される直前の様子を良く覚えていますが、分かりやすく言えば丘陵地でありました。人口が減るということは、また丘陵地に戻るということでもあります。

    天然自然に人口も経済規模も量的に増えるという前提では、すでに社会が進めない状況になっています。
    やはり、高等教育の作り替えが重要ではないかなあ?

    2月 14, 2010 at 11:03 午前 人口問題 | | コメント (9) | トラックバック (0)

    空中発射レーザーでミサイル撃墜実験

    FNNニュースより「空中レーザー発射試験機の弾道ミサイル撃墜試験初成功 米国防総省ミサイル防衛局が発表

    アメリカ国防総省のミサイル防衛局は12日、敵が弾道ミサイルを発射したあと、上昇中の段階で撃ち落とすALTB(空中レーザー発射試験機)の初の撃墜試験が成功したと発表した。

    ALTBは、ジャンボジェットの機首に大型のレーザー砲を搭載したレーザー戦闘機の試験機で、敵が発射した弾道ミサイルを上昇途中で撃ち落とすために、ミサイル防衛局が開発中の兵器。

    発表によると、11日午後、カリフォルニア州沖から、標的となる液体燃料の短距離弾道ミサイルが発射された数秒後に、ALTBは、赤外線センサーなどで標的のミサイルを見つけ出し、低出力レーザーで追尾、計測などを行ったあと、メガワット級の大出力レーザーを照射し、発射から2分以内にミサイルを破壊したという。

    レーザー砲の最大射程は400kmとされ、朝鮮半島の休戦ラインの南を高度1万5,000メートルでレーザー戦闘機が飛行すれば、北朝鮮から発射される弾道ミサイルを射程内に収めるとみられる。

    標的が液体燃料の短距離弾道ミサイル(そんなモノがアメリカにあるのかね?)というのがいかにもでありますが、このプロジェクトは中止の報道もありました。本当のところはどうなるのでしょうか?

    しかし、どういう原理でレーザーでミサイルを破壊するのだろうか?
    ミサイルの何が壊れるのだろうか?
    精緻な誘導をしているミサイルの制御機構をレーザーで狂わせたというのならとにかく、単なるロケットが弾道飛行している場合は、レーザーでは阻止できないから物理的(キネティック)弾丸による破壊しかできないだろう。

    そんな事を考えると、今回の実験は北朝鮮向けのアピールということか?

    2月 14, 2010 at 10:25 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (7) | トラックバック (0)

    医療問題・電子化反対裁判をやっていて良いのか?

    東京新聞より「レセプト訴訟取り下げへ オンライン義務化撤回で

    レセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求の義務化に反対し、その義務がないことの確認を求め、横浜地裁で係争中の医師と歯科医師約1740人は13日、昨年の政権交代により厚生労働省が全面義務化を撤回したことを受け、訴えを取り下げることを決めた。
    22日の口頭弁論で取り下げる。

    原告団は13日、横浜市西区のホテルで総会を開催。平尾紘一団長は「(義務化撤回は)われわれの勝利で、本当にうれしく思う」と話した。

    弁護団によると、大阪地裁での同様の訴訟も、既に訴えを取り下げたとの連絡が大阪の原告団からあったという。

    厚労省は2011年度からすべての医療機関と薬局にオンライン請求を原則義務化する方針だったが、日本医師会などが反発。昨年11月、省令を改正し、高齢の医師の診療所や零細な病院など一部について義務化を免除した。
    (共同)

    要するに、医療の電子化に反対しているわけだが、その一方で医療機関が出す薬は患者が調剤薬局で個別に購入することになる。
    このために、薬の一元管理が必要だとなるのだが、それを電子化しないでどうするつもりなのだ?

    ネットワーク・セキュリティ・ワークショップ in 越後湯沢で、何度も秋山 昌範先生の講演を聴いています。
    「医療におけるデジタル・フォレンジック導入の必然性とは」などを読むと分かると思いますが、秋山先生の講演で一番ビックリしたのが、「電子カルテを使ったら事故が増えた」でありました。

    要するに、単に電子化だけではダメだ、という話しなのですが、その一方で電子化によって莫大な薬の廃棄が無くなったのだそうです。
    わたしが例に挙げた、家庭内で薬を管理しなければならないという問題も、例えばICカードに記録していけば、同じ薬を二重に処方すると行ったことが防げるわけで、医薬分業にしてしまったのだから、情報流通の電子化以外に医薬分業を成り立たせるための方策はない、と思います。

    このような状況に対して、医師と歯科医師約1740人が裁判で争うとはどういうことだ。

    高齢の医師の診療所や零細な病院など一部について義務化を免除した。
    ではなくて、職業としての医師を引退していただくのがスジでしょう。

    2月 14, 2010 at 10:09 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (4) | トラックバック (0)