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2011.01.01

出版業界はもう限界

サンケイ新聞より「“新刊洪水”行き詰まり 自転車操業に限界、9カ月連続前年割れ

2011.1.1 17:07

書籍の新刊点数が減り続けている。

出版界は“新刊洪水”と呼ばれる増加傾向が10年来続いていたが、ここ9カ月連続で前年を下回る異例の事態となり、年間でも前年比4%台の落ち込みになりそうだ。

出版不況が深刻化し、売り上げの減少を新刊の点数増で補う自転車操業が限界に来たとの見方が広がっている。

出版科学研究所(東京)によると、昨年1~10月の書籍の新刊点数は前年比4・6%減の6万2492点。月別(取次経由)では9カ月連続で前年同月を下回り、特に5月(11・8%減)と10月(8・6%減)の落ち込みが大きかった。

点数減の要因にあげられるのが、大手取次が昨年1月に打ち出した配本の「総量規制」だ。

書籍・雑誌の販売金額は一昨年、21年ぶりに2兆円を割り込んだものの、新刊点数は約8万点と依然高水準。
今回の「規制」は、約4割という高返品率の温床とも批判されてきた“新刊洪水”を抑制する狙いがあった。

実際、出版科学研究所によると、1~10月の返品率は39・3%に改善しており、年間返品率が3年ぶりに40%を割り込む可能性もある。

同研究所は「(縮小する)市場に見合った出版活動への転換期に差しかかった」とみる。

“新刊洪水”の行き詰まりが顕在化したのは平成21年9月の「ゴマブックス」(東京)の経営破綻だ。
同社は売り上げ不振で資金繰りが悪化する中、すべての誕生日ごとに1冊ずつ占い本を出すなど、点数を雪だるま式に増やして赤字を埋めようとした。
ところが、返本率も約5割に達し、不良在庫が経営を圧迫する格好になった。

出版不況を背景に、出版社の破綻は相次いでおり、ピークだった9年の4612社から、21年は3902社にまで減っている。

出版ニュース社の清田義昭代表は

「出版各社は促成栽培のような新刊を大量に出す体質から脱却し、吟味した本作りに注力すべきだ」
と指摘している。(海老沢類)

配本の総量規制なんてことをやっているとは知りませんでした。

出版業界は非常に不思議なところで経営だけ考えたら自転車操業になるのも当然と言えます。

よく知られている通り、日本の書籍雑誌は再販指定商品ですから、メーカーである出版社が決めた定価が店頭まで行き届きます。
販売店(書店)が販売努力で値下げするといったことはできません。

つまりは、書店は出版社のために店頭を貸しているようなもので、書店から見ると書籍雑誌は預かり品であり、期限が来ると返品するものです。

このために、出版社の売り上げはよく分かりません。書店の店頭に置いてある物も出版社の在庫なのです。

これで、消費者が本を買ったら初めて出版社の売り上げになる、とやったら出版社は成り立ちませんから、取り次ぎが出版社から本を引き取った時点で仮払いをします。
仮払いですから、いずれ精算するのですが、それまでの期間出版社は存続できます。

そうなると、出版社は本当に困ってくると「売れるわけがない」と分かっていても出版する、という例が出てきます。これが新刊洪水の原因です。

あからさまに言えば、再販制を止めてしまって、書店なり取り次ぎなりが買い取り制にした方が良いと思うのです。
そうすれば、売れるはずがない本、は安く仕入れる(出版社にとっては安売り)ことになりますから、売れない本の洪水といったこと自体は自然と無くなるでしょう。

出版界の活性化のためには、再販制の廃止が手っ取り早いと思うのです。

1月 1, 2011 at 08:07 午後 経済・経営 | | コメント (6) | トラックバック (0)

関越道逆走・何が起きたのだ?

サンケイ新聞より「関越道を軽トラ逆走 5台絡む事故、5人けが

2011.1.1 12:52

12月31日午後9時40分ごろ、東京都練馬区大泉町の関越自動車道下りで、軽トラックが逆走し、対向の乗用車とライトバンに相次いで衝突、さらに後続の乗用車2台も絡む事故になった。

軽トラックを運転していた、さいたま市北区の自営業の男性(76)を含む5人が首などに軽傷を負った。

埼玉県警高速隊によると、現場は練馬インターチェンジから約1・3キロ。男性は少なくとも新座料金所から約3キロを逆走したとみられ「間違って逆走してしまった」と話しているという。

高速隊が逆走の経緯などを調べている。

読み飛ばしていたのですが、よくよく考えると相当ヘンです。

現場は練馬インターチェンジから約1・3キロ。

この「練馬インターチェンジから約1・3キロ」とは、大泉ジャンクションが関越道下り線に合流するところのことです。

だから、それよりも手前(新潟方向)で関越道に入ることができるのは、所沢インターですが関越道ですから、途中に新座料金所のゲートがあります。
ここは上下線ともゲートがありますから、ゲートを突破したことになる。

今まで伝えられた逆走事故は、Uターンした例と、SAなどで逆向きに走った例ばかりで、ゲートを突破したというのは無いようです。

もし、この事件が本当にゲートを突破しているのだとすると、逆走車を止めるという対策は無理なのかもしれないですね。

1月 1, 2011 at 03:49 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

警視庁資料流出は確信犯の行為

サンケイ新聞より「警視庁テロ資料 流出2日前に別サイト掲載 警察官らにメールで知らせる

2011.1.1 11:23

警視庁公安部が作成したとみられる国際テロ捜査資料がインターネット上に流出した事件で、流出2日前に同じ資料がネットのサイトに掲載され、十数カ所に掲載を知らせるメールが送信されていたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。

十数カ所には国内のイスラム教徒が組織する団体や在日大使館のほか警察官も1人含まれていた。

警視庁は警察関係者が犯行に関わった可能性があるとして、引き続き流出元の特定を進めている。

捜査関係者によると、昨年10月26日朝、114件の捜査資料が、オンラインストレージサービスと呼ばれるデータ共有サービスサイトに掲載された。

この後、警視庁から警察庁に出向中の警察官を含む十数カ所に存在を知らせるメールが送信された。
送信元のアドレスは安藤隆春警察庁長官の名前を使用していた。

資料がファイル共有ソフト「ウィニー」上に公開されたのは同28日夜だったが、同日未明には114件の資料が添付されたメールが埼玉県警幹部のキャリア警察官に送られていた。

この際のアドレスは「ヤマダイチロウ」だったという。

迷惑メールを疑ったことなどから受信者がサイトに接続することはなく、警視庁が公式に認めた同30日夜まで流出が発覚することはなかった。

警視庁では、同サービスで流出させようとしたが、反応がなかったためウィニーを使って流出させた疑いがあるとみている。

資料は最終的にルクセンブルクのレンタルサーバーを経由してウィニー上に公開された。

警視庁は偽計業務妨害容疑で国内外のプロバイダから接続記録の提出を受け捜査しているが、匿名化ソフトが使用された疑いがあり特定は容易ではないという。

わたしには、新年早々なかなかの大事件のように見えます。

1995年以降、悪徳商法も含めてネットワーク上の民事・刑事事件に注目して、実際の被害者と話をし始めました。

元もと、1988年にSYSOPになった時点で、著作権法に抵触するアップロードを削除する義務を契約上負っていたので「ネットと著作権」という観点から参考書を探したのですが、ほとんどありませんでした。

仕方ないから、法律的な原理をさかのぼって、現実に起きている事件に自分の判断で適用する、といった手法を採っていました。

その結果、どんどんと法律や刑事捜査の世界に近づいていたわけで、1999年には「コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウム」に参加してしまいました。

本格的な、刑事捜査のお話を聞いていると、自然にネットワーク上でも普通の刑事事件と同じように、動機・手段・方法・結果・社会的影響などを考えるべきだと分かってきました。

ネットワーカとしては、ハッキングとかウィルス放流などを技術の自慢の行き過ぎとか単なるいたずらと捉えがちですが、刑事事件として考えた場合は動機はもっと複雑で金銭目的である可能性も当然ある、となります。

数年前から、シンポジウムでは強調されていますが、ボットネットなどは完全に分業体制の産物であって、奪取したメールアドレスが売れるから成立しているわけです。

では、お金を払ってメールアドレスを取得した者はコストに見合う成果として何を得ているのか?
こんな風に考えると、ネット上の事件を「ネットだから」と考えなしにまとめることはきわめて危険だ、となります。

今回の警視庁資料流出は、当初から確信的意図があってのことだろうという雰囲気がありました。
これは、尖閣事件ビデオ映像の流出と同じです。

問題は、おそらくはそのような確信的な意図を持って、脱法的行為をネット上で行う者について、尖閣ビデオ事件でも警視庁資料流出でも、とりあえずそんなことはないことに出来る、と考えてしまう姿勢にあるのでしょう。

ネットを事実上全世界の人が使えるようになった時代に、「ネットだから」的な思考法的な対応では限界であることは明らかで、ケーススタディとしては企業の不祥事対応がBCP(事業継続計画)そのものである、と指摘されているのと同じでしょう。

今後は、この手の事件が起きたら、政府など行政機関、企業を問わず「BCPの観点から正しい対応なのか?」を評価するべきですね。

1月 1, 2011 at 02:36 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.12.30

iPhone・iPAD に集団訴訟が提起された。

CNN.co.jp より「iPhoneから個人情報流出 ユーザーがアップル提訴

2010.12.29 Wed posted at: 12:00 JST

(CNN)
米アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を通し、ユーザーの個人情報が本人の同意なく広告業者らに流出しているとして、2組のユーザーらが先週同社やアプリメーカーに対するクラスアクション(集団訴訟の一種)を起こした

訴えられているのはアップルのほか、ディクショナリードットコム、ザ・ウェザー・チャンネル、インターネットラジオのパンドラなど計8社。

一方の原告はカリフォルニア州ロサンゼルス郡に住む男性で、

iPhoneや同社の携帯情報端末「iPad(アイパッド)」のユーザーが
「プライバシー侵害や不公正な商行為の被害者」になっていると主張し、
米国内のユーザーを代表してサンノゼ連邦地裁に訴えた。

もう一方の訴訟を起こしたのは、iPhoneユーザーのテキサス州の男性3人とカリフォルニア州の女性1人。

個人情報が知らないうちに流出し、

「個人所有物である機器が乗っ取られネット上での動きを探るスパイ装置として使われていた」
として、賠償金の支払いを求めている。

スマートフォンのアプリをめぐっては、12月17日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルが、ユーザーの同意や了承なしで個人データが収集され広告主らに送られていると指摘する記事を掲載していた。

個人情報を保護するために追跡用ファイル「クッキー」を削除できるコンピューターと違い、iPhoneの端末識別番号「UDID」はユーザー自身で削除したり隠したりすることができないため、広告業者らにとっては、より正確なユーザー追跡情報の獲得が可能になっている。

まあ出る杭は打たれるということでありましょうが、これを社会生活上で是認せざるを得ないことだと考えるのか、とんでもない話だとするのかは、非常に興味深いことです。

ネットワークにおいて、端末を識別することは不可欠ですから、端末識別番号をなくすことは出来ません。
問題は、どのように使うのか、だと思います。

イメージ的には、TCP/IP のレイヤー構造のようなものを考えた場合に、本来はアクセスするべきではないレイヤーに侵入してしまったのではないのかな?と感じるところです。

12月 30, 2010 at 12:16 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.12.29

Kindle3 がアマゾンのベストセラー商品だそうです

Engadget Japanese より「3代目 Kindle、ハリーポッターを抜いてAmazon史上最高のベストセラー商品に

クリスマスも過ぎて、アマゾンが電子ブックリーダー Kindle の好調を伝えるプレスリリースを出しています。

今回の発表は、現行の第三世代 Kindle が『ハリー・ポッター』の7巻を超え、Amazon始まって以来最大のベストセラー商品になったというもの。

三代目 Kindle は出荷前の予約販売だけで Amazon.com全アイテム中 No.1 人気商品になったり、8月の発売から10月末までで前年の年末商戦期合計を超える売上を記録したりと毎月のように絶好調発表を繰り返していますが、今度は世界のAmazon史上で一番人気を更新したという、アマゾンにとってまさに記録すべき内容です。
ただし、具体的な台数については今回も言及がありません。

電子書籍端末としては Kindle のような読書特化デバイスだけでなく iPadなどの液晶タブレットも注目されていますが、Jeff Bezos CEO のコメントは:

「Kindleを購入したユーザーの多くは液晶タブレットも所有している。
そうした購入者はゲームや動画、ウェブブラウズにはタブレットを使い、読書にはKindleを好むという報告がある。
理由はKindleのほうがより軽く、1か月保つバッテリーで充電の心配がなく、紙に似た Pearl E-INKディスプレイならば眼の疲れが少なく、屋外の直射日光下でも読みやすく、また就寝前の読書でも (自発光ディスプレイのように眩しくないため) 睡眠パターンを乱すことがないからと答えている」。
さらにWi-Fi版で139ドルという値段についても
「選ぶ必要がないほどの低価格」であり主要な要素である
と語っています。

続きに掲載したプレスリリース本文ではこのほか、2010年ホリデーシーズンの Amazon関連Factsがいろいろと掲載されています。目についたものを抜き出せば、

  • 一番人気だった商品は Kindle 3G および Kindle Wi-Fi。
  • アマゾンのピーク日は11月29日。世界で1370万以上のアイテムを販売。1秒間に158商品。
  • iPad , iPhone, Androidユーザーのモバイルショッピングのピークは日曜日。一方、BlackBerryユーザーは金曜日。
  • この年末商戦期にアマゾンが販売したジーンズを畳んで重ねるとエベレストの高さに匹敵する。
などなど。

日本語の電子書籍リーダーとしては全く役立たずのKindle3を買った一人でありますが、CEO のコメントのいくつかは使ってみた経験で非常に重要だと分かります。

  1. 1か月保つバッテリーで充電の心配がなく
  2. Pearl E-INKディスプレイならば眼の疲れが少なく
  3. 就寝前の読書でも (自発光ディスプレイのように眩しくないため) 睡眠パターンを乱すことがない

このうち、3番目の「液晶だと就寝前の読書はきつい」というのは、携帯電話の電子ブックリーダー機能を使ったときに実感しました。
以前から、面白半分で寝床にノートPCなど持ち込んだりしていましたが、結構頭が疲れるのです。
それが、内容の問題なのかな?と思っていたのですが、小説を読むのに紙の小説と、携帯電話で読むとは大違いだと分かりました。

携帯電話の画面が小さいからページ数が多いとしても、新書版の小説を読むのに一月近く掛かっています。
紙の本なら、長くても一週間でしょう。

電池が無くなるという意識もあるのかもしれませんが、ページを開いておくだけでも苦しい。

Kindle3 では英語の雑誌しか見ていませんが、病院のベッドという環境でも苦もなく読んでいます。
現時点は、書類入れといったところですが、会議の席上で必要ページを開いたままにしておいて、時間が来て電源が切れると入れ直すといった事をやっています。

液晶画面は「わざわざ見るもの」なのが紙の本を広げっぱなしにしておくのとちがうところなのでしょうが、eインクは正に紙と同等と言えます。

12月 29, 2010 at 09:49 午前 新商品やお買い物 | | コメント (0) | トラックバック (0)

日本の出版業界と電子書籍

毎日新聞より「<電子書籍>世界標準、日本語も対応 EPUB縦書き可能に

米電子書籍標準化団体「国際電子出版フォーラム(IDPF)」の電子書籍の閲覧方式「EPUB(イーパブ)」が来年5月、日本語に正式対応することが28日、分かった。

米アップルの「iPad」が採用するなど事実上の世界標準となっているが、日本語などの縦書きを想定しておらず、国内では普及していなかった。

日本語対応したイーパブを国内の出版社や電子書籍端末のメーカーが採用すれば、開発にかかる時間や費用を大幅に抑えられ、電子書籍のさらなる普及に道を開くことになる。【宇都宮裕一、南敦子】

日本電子出版協会が今年4月、日本語対応を提案。
その後、IDPFから内諾を得た。
日本電子出版協会は技術者を派遣し、日本語対応のためのプログラム作成に協力している。
来年5月に完成予定のイーパブ3.0は、日本語の縦書きや句読点の禁則処理、ルビ表記などに対応する。同じく縦書きの中国語のほか、右から左へ書くアラビア語やヘブライ語にも対応する。

米国の電子書籍市場は、米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」が火付け役となり急成長。10年の電子書籍市場は前年比3倍超との試算もある。

一方、日本国内はシャープが開発した「XMDF」や日本企業ボイジャーの「ドットブック」などが混在。互換性がないため、出版社はそれぞれの方式で書籍のデジタル化を進めている。

インターネット検索最大手のヤフーと集英社は来春販売する電子書籍の漫画にイーパブを採用した。

しかし、国内の大手家電メーカーや書店、携帯電話会社は独自の提携戦略を展開。国内の大手出版社や印刷会社が書籍のデジタル化を容易にする統一規格づくりに乗り出していた。

◇ことば EPUB

欧米の小説を電子化するために生まれ、画面の大きさに応じて文字数やレイアウトが自動的に変わる「リフロー」という機能が特徴。
米アップル、米グーグル、ソニーが採用するなど海外で主流になっている。

毎日新聞 2010年12月29日 2時37分

まあこういう段階なのだから、日本語の電子書籍が普及しないのも当然のように思えますが、わたしはこの問題も含めて技術的な課題をクリアーしても、日本の書籍流通の問題を何とかしないと、本離れ問題は解決しないだろうと思います。

本は、再販指定商品なのでメーカーである出版社が価格を決定します。
そして、日本全国どこでも同じ価格で販売されています。
書店に並んでいる本はメーカーの在庫品であり、書店は期間限定で預かっているだけです。

このために、書店が独自セールで値引き販売すると行ったことが非常にやりにくくなっています。
基本的には、書店が自らの責任で買い取ってしまえば、値引き販売も出来ますが。

では、再販指定商品から外してしまえば良いではないか?と考えると、そうそう簡単な事ではありません。

書籍のコストの大半は、製作段階で生じるものです。しかし、コストを回収するための期間は、売れ行きによって決まりますから学術書のような何年もかかって売り切ることが出来るような出版物のコスト回収に何年も掛けていたら、出版社が持ちません。

これは結局は、金融の問題であって、取り次ぎの業務が出版物の流通であるとともに、金融でもあるのです。

従って、再販指定商品のところをいきなり外しても、出版を保証する金融制度を何とかしないと、出版社が持ちません。

個人的には、あまりに零細な出版社が存続できる状態は好ましいとは思えませんが、現在でもコスト回収のリードタイムが3ヶ月以上であることを考えると、出版社が半年以上の資金がないと出版が出来ないわけで、そのために自転車操業になっているのが実体です。

出版社のビジネス自体を何とかしないと、出版業界は構造的斜陽産業になっていくしかないでしょう。

12月 29, 2010 at 08:36 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.12.28

渋谷区教育委員会の情報非公開決定の程度

毎日新聞より「渋谷区教委:ブログの「中傷」恐れ、給食費情報非公開

東京都渋谷区教育委員会が、市民団体メンバーの情報公開請求に対し「文書を開示した場合、ブログやメディアで『中傷』される恐れがある」として非公開の決定をしていたことが分かった。
専門家からは「誰にでも平等に情報を公開するという制度の趣旨に反している」との指摘が出ている。【日下部聡】

請求したのは「渋谷オンブズマン」の堀切稔仁事務局長(42)。

堀切氏によると同オンブズマンは、区立中学1校の給食に関し、「給食費に比べて食材が粗末だ」などとして、会計に不透明な点があるとみて調査を進めている。

この問題に関する会合があったとみられる、昨年9~12月の区教委職員、全区立中校長・副校長らの「旅行命令簿」など出張の記録を9月8日に情報公開請求したが、今月16日にすべて非公開との決定が出た。

区教委の通知書は、

「請求人所属団体のブログは、保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗(ひぼう)中傷する記事及びコメントが掲載されている」
などと指摘。
公開請求の権利乱用を戒め、得た情報の適正使用を定めた区情報公開条例に違反するとして、非公開にしたと説明している。

さらに、

「一部メディア」に同様の記事が掲載され、学校現場が混乱し、「正常な学校運営に支障を及ぼす」
ことなども理由に挙げている。

同オンブズマンのブログには、保護者や卒業生と学校側のやり取りが校長、教諭らの実名を挙げて記載されている。
また、この経緯を週刊誌「週刊金曜日」が記事にした。

堀切事務局長は

「ブログに書いたのは調査の結果であり、誹謗中傷ではない。別件で区は旅行命令簿を開示しており、区教委は都合の悪い事実を隠そうとしているとしか思えない」
と話しており、非公開決定取り消しを求めて提訴する考えを示した。

区教委は

「通知書に書いた通り。あくまでも条例に適合するかどうかで判断した」
(庶務課)と説明している。

山田健太専修大准教授(言論法)は

「どんな人に対しても、請求の目的を問わずに開示するのが情報公開制度の原則。
目的を理由に非公開とするのは制度の本旨に反している。
個別の情報を審査せずに全体を非公開とするのもおかしい。(区教委は)制度をよく理解していないと思わざるを得ない」
と話している。

毎日新聞 2010年12月28日 15時00分(最終更新 12月28日 17時16分)

イタタタタ・・・・という感想です。

相手がこう使うから、情報公開しない、というのは情報公開ではないですね。
なんでこんなやっかいなことになるような、判断が出来るのだろう?

まあ、尖閣ビデオ隠し事件も出てきてみたら「この程度のモノの何が問題なのだ?」ということになったわけで、どうも日本はものの見方が浅薄になってきていますね。

12月 28, 2010 at 06:16 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

シルバー精工・倒産

サンケイ新聞より「東証1部、編み機老舗のシルバー精工が倒産

2010.12.28 16:05

民間信用調査会社の東京商工リサーチは28日、東証1部上場で編み機やプリンターなどの情報機器を製造する、シルバー精工が同日、銀行取引停止処分を受け、倒産したと発表した。負債総額は約15億7800万円。

1952年、編み機製造を目的に丸越編物機械として設立。
64年に東証2部上場、67年に現社名に変更し、84年には東証1部上場を果たした。

91年3月期には売上高140億7600万円を計上したが、主力の編み機市場の縮小。

情報機器事業などにも進出したが経営に行き詰まった。

増資などで資金繰りをしてきたが、約束手形が2度目の不渡りとなり銀行取引が停止された。

今後については、「営業を継続し、スポンサーを募る意向」としている。

時代の流れというほかないですね。
ミシンや編み機のメーカーは日本の戦後復興に大いに資することになり、工業が重工業から情報技術重視になったときに、カードパンチャー、紙テープパンチャーといった分野の機器の製造を引き受けていました。

しかし、情報技術から機械系統の分野が減ってきて、純粋に電子技術だけになっている現代では、この手のメーカーの苦境は無理からぬところがありますね。

12月 28, 2010 at 06:12 午後 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.12.27

電子書籍はいつ出てくるの?

サンケイ新聞より「【回顧 平成22年】電子書籍、話題先行の1年 向こう数年は混戦模様か

2010.12.27 07:31

「電子書籍元年」といわれた今年は、著名作家が小説の電子版を次々と投入し、出版社をはじめ印刷業界、日本の電機メーカーまで相次いで電子書籍事業に進出して関連ニュースが絶えなかった。
ただ、主な電子書籍端末が出そろったのは年末になってから。
関係者から「電子書籍バブル」との声が出始めているように、話題先行の1年だった感は否めない。
電子書籍に揺れた出版界の状況を概観してみる。(溝上健良、海老沢類)

◆iPadで号砲

電子書籍が一気に注目を集めた背景には、米アップル社の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」が5月に国内で発売されたことが大きい。

この直前、講談社は作家の京極夏彦さんが、新作小説の電子版を出すことを発表。
国内大手出版社がiPad向けの新刊配信に乗り出すのは初めてだった。
発表会見で「実験台を買って出た」と京極さんは語ったが、電子版は発売後5日で1万部を売り上げるヒットとなった。

米国で電子書籍専用端末「キンドル」を発売している米アマゾン・ドットコムは8月、日本語表示にも対応した新型を米国で発売。
「流れに乗り遅れるな」と関係各社の動きがあわただしくなってきた。

こうした中、著名作家も次々と電子書籍を刊行。

村上龍さんは11月、電子書籍の企画・出版会社「G2010」の設立を発表し、「無名の新人でも質が高ければ(同社が電子版で)出す」と語った。

そして年末にソニーとシャープの電子書籍端末「リーダー」と「ガラパゴス」が同時に発売され、主な端末が出そろった。

◆まだ紙のほうが…

端末の充実で普及の下地は整った。

ただ、電子書籍事業は「まだ利益が上がっているとはいえず、ビジネスモデル構築はこれから」(角川歴彦・角川グループホールディングス会長)というのが現状。もうかる仕組み作りが今後の課題だ。

それに、現在の電子書籍が果たして読みやすいのか。

11月に東京都内で開かれたシンポジウムでは、そんな疑問も話題に上った。作家の福井晴敏さんは「(電子版は)厚さが分からないから、私の(分厚い)小説ももっと買ってもらえるかも」。

日本電子書籍出版社協会代表理事を務める野間省伸・講談社副社長は

「正直、まだ紙の本のほうが読みやすい」
とも。
端末の画面で何百ページも読むのは目が疲れるというわけだ。

その点、読書専用端末は目にやさしいとされる電子ペーパーを採用する機種が多く、読書家には朗報かもしれない。

米国でリーダーを販売する米ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫さんによると、電子書籍は文字の拡大が自由で、米国の利用者は50歳代以上の年配者が多いという。

電子書籍端末は規格がバラバラで、専用機と多機能機があり、画面の大小や重さもさまざま。

すぐに淘汰(とうた)が起こって規格の統一に向かうとも考えにくい。自分に合った機能を持つ機種を選ぶ必要がありそうだ。

◆商品提示が課題

出版社が危惧するのが「電子書籍の普及で紙の本は減るのか」だ。野口さんは、米国の状況を「紙の本の売り上げは減っておらず、その上で電子版の売り上げが伸びている」と話す。

日本ではどうか。角川会長は「紙の本は減るが、電子版がカバーして全体では伸びていく」とみる。

紙の書籍の年間発刊数は8万点近いが、書店の本棚には限りがあるため、本が書店に並ぶ期間は数カ月程度にとどまり、返品率が4割にのぼるとされる。

電子書籍は、紙の本のように「場所をとる」ことがない。ただ、一つの画面に目立つよう表示するには限りがあるため、読者の目に触れる本はおのずとしぼられる。

出版関係者は

「電子版の場合は紙の本以上に、どんな本があるのかを送り手から読者へ積極的に発信していくことが必要になる。そこに販売の難しさと面白さがある」
と話す。

書店なら利用者は書棚を眺めて想定外の本を探す楽しみがあるが、ネット上ではそうした体験が難しい。電子書籍の“売り方”も今後の課題となるだろう。

評論家・歌田明弘さんに聞く 「通信各社牽引 出版社は様子見」

電子書籍が普及する環境は「元年」でどこまで整ったのか。『電子書籍の時代は本当に来るのか』(ちくま新書)を刊行した評論家、歌田明弘さん(52)に現状と今後の課題を聞いた。

--年末になって主な電子書籍端末が出そろいました

「『電子書籍の時代が来る』と騒がれたのは今年だけではない。
読書専用端末の発売が相次いだ6年前にもあった。
ただ過去の電子書籍プロジェクトは電機メーカーや出版社が中心だったのに対し、今回は通信会社が熱心。
飽和気味の携帯電話市場の『次』をにらみ、コンテンツ収入やデータ通信料に期待しているのだろう。
『本を読まない人』向けという従来の発想では電子書籍はマイナーな市場にとどまってしまう。端末の開発などで読書家向けのアプローチが増えてきたのも大きな変化といえる。ただ、本格普及に欠かせない魅力的なソフト(電子書籍)はまだまだ少ない」

--出版社がコンテンツ提供に消極的なのでは?

「様子見の段階だろう。電子版を低価格で売りすぎると紙のビジネスモデルを壊してしまう恐れがある。米国では電子書籍の売り上げが書籍全体の1割に迫ろうとしているが、日本は2~3%程度。端末も乱立しているし、自立したビジネスモデルが確立されていない。人気作家が紙と電子版を同時刊行する例が増えているが、電子化の権利を手放さないために、とりあえず電子版を出しているという側面があるのでは」

--自ら電子書籍配信会社を設立する作家も出てきた

「印税率が増える可能性もあるが、著者にとっては厳しい時代ともいえる。米国では、分かりやすいプロット(物語の筋)を書く一部の作家だけが売れる現象が起き始めていて、反発も出ている。電子書籍端末のトップページで一度に見られる本は限られる。検索には優れているが、ランキング依存の本選びが加速する恐れもある」

書店もビジネスモデル模索

電子書籍の普及は既存の書店にもビジネスモデルの変革を迫る。今年は自社サイトなどで紙と電子版を両方売る「ハイブリッド型書店」を目指す動きが目立った。

紀伊国屋書店は今月10日から、同社の電子書籍販売サイトで光文社や講談社などの約1100タイトルの配信を始めた。当面はパソコン向けだが、今後、米アップル社の「iPad(アイパッド)」などの携帯端末にも対応させていく。

大日本印刷とNTTドコモ、書店の丸善なども電子書籍販売サイト「honto」を開設。オンライン書店と実際の店舗を連動させた宣伝やマーケティングを行うという。

一方、三省堂書店は客の注文を受けて店頭で製本する「オンデマンド出版」を15日から東京都千代田区の神保町本店で始めた。米国の製本機を使い、注文から10分前後で紙の本を作るサービスだ。品ぞろえは洋書約300万点と講談社などが出した日本の書籍約2000点に限られるが、1部から注文できる。三省堂書店は「電子書籍販売の一つの形態で、“品切れのない書店”の実現につながる。見た目も面白く集客にも効果的では」とみる。

実際にKindle3を持ってみると、電子書籍ビジネスというか、本を買うことには意外とデリケートな問題が多数あることがよく分かってきました。

わたしかなり前から、電子書籍に興味を持っていて、色々やってきました。 無料で読める、青空文庫も出来た直後にアクセスしていますし、電子書籍を買ってみたりしています。

この段階では、リーダーがPCしかありません。
しかし、それ以上に続けられなかったのです。まず品揃えがなっていない。

長年、大石英司の作品は紙の本で買っていますが、買い損ねた物や、行方不明の物などを含めて、手元にあれば良いなと思うのですが、一作家の全作品すら揃っていない。
致命的だったのは、絶版である最初の作品が当時はなかった。

もう一つは、PCでは読書にならない。
これは、発光しているディスプレーでは目が疲れてとても読めません。

PCでの読書ソフトがダメだった。
簡単に言えば、しおりを挟んでおくようなことができませんでした。

1番の問題は、可搬性が無い。
ノートPCであっても、本と同様の可搬性がありません。
実は本を読むというのが、可搬性とセットであることが分かりました。 ノートPCで持ち出すと電池の寿命が問題、というのとセットでこの頃から、わたしは電子ペーパーで無いとダメだろうと思うようになりました。

結局、電子プックリーダが必要とするハードウェア的仕様は

  • 電子ペーパー
  • 本と同様のサイズ
  • リーダーであること
  • 専用用ソフト
となってしまい、Kindleが売れるのも無理はない。となってKindleを買いました。

Kindle購入直前に、携帯電話で電子書籍を購入しました。
待望の大石英司第一作です。

可搬性、読むのを止めたページから再開する、起動性(携帯電話ですから)などPCで問題であった点は解消されていました(逆に必要性が良く理解できた)が、携帯電話では画面が小さすぎる。
結局、携帯電話よりも大きく、ノートPCよりも小さいサイズが必須であって、理想的にはA5サイズ程度がよいとなりました。

しかし、アマゾンは現状では日本語の電子書籍を発売していません。
何に使うのか?となったのですが、わたしは学校に講義に行っていますので、資料を持っていたいというのがあります。
KindleはPDFなら持って行けますので、持参する資料のペーパーレスが可能なわけで、これはかなり現実的に便利です。

読書というか、書類を読むということが、かなり特殊な作業なのだ、と思い知ったのがKindleを買って分かったことでした。

12月 27, 2010 at 10:16 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)