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2010.11.26

食品による窒息事故の法律問題

毎日新聞より「食品による窒息事故:増加する死亡者数 未然防止へ法整備、急務に

ミニカップ入りこんにゃくゼリーによる窒息事故を巡る民事訴訟で17日、神戸地裁姫路支部は「商品(マンナンライフ社の蒟蒻(こんにゃく)畑)に製造物責任法上の欠陥はない」と判断した。

一方、判決を受けて消費者庁は

「法整備が必要との認識に変わりはない」(福嶋浩彦長官)
として、改めてこんにゃくゼリーを含めた食品全般で窒息事故を防ぐための法整備を目指す方針を示した。
一見矛盾するような両者の判断だが、消費者庁が目指す法整備は何だろうか?【山田泰蔵】

福嶋長官は、同庁が現在進めているこんにゃくゼリーについての安全指針作りだけでなく、さらに大きなテーマとして「食品全体」での窒息事故対策の法整備を強調した。

背景には、国内での食品などがのどに詰まる窒息事故死亡者数の増加がある。

厚生労働省によると、交通事故など不慮の事故での死亡数は毎年4万人弱で推移する中、窒息事故による死亡数は95年の7104人から年々増え続けており、09年は9401人だった。
06年以降は交通事故の死者数を上回っている。

◇明らかな「法のすき間」

日本で窒息による事故死が増えているのは、法制度の不備が一因になっているとも言える。

食品の安全性を主に担う食品衛生法は、食中毒など衛生上の危害を防ぐ目的でしか製造や販売を規制することはできない。食品の大きさや硬さ、形状などから包括的に規制する法律は存在しない。

90年代半ば以降相次いだこんにゃくゼリーによる窒息事故で、窒息事故対策のように規制する法律がない「法のすき間」が浮き彫りになった。
このため、政府はすき間の事案に対し、緊急措置をとることができる消費者安全法を消費者庁の発足(09年)にあわせて整備した。

◇規制は現時点で困難

同法は、硬さや大きさに問題がある危険な食品に対して、回収や販売禁止などの緊急措置を講じることはできる。

しかし、死亡など重大事故が発生した場合に限られ、禁止措置なども一時的なもので、事故を未然に防ぐ効果には乏しい。

消費者庁は「こんにゃくゼリーについては2年以上、事故が発生していない」として同法を使った事業者規制は「現時点では不可能」と判断している。

一方、すき間を埋めるための法整備は取り残されたままで、依然として政府の具体策は見えてこない。

◇食品全般の安全性を

福嶋長官が

「今回は具体的な商品に対する責任を問うた判決。法整備とは別の話だ」
と言うのは、食品全般の安全性を網羅する法整備が急がれているためだ。
内閣府の消費者委員会も今年7月、政府に対し
「適切な法整備を図ることは政府の基本的責務だ」
として新法も視野に入れた検討を提言した。
消費者庁幹部は
「窒息事故に対して法律のすき間を埋めるのが大きな課題。
こんにゃくゼリーに規制が必要かどうかは、全体の枠組みの中で検討していきたい」
と話している。

◇欧米は包括的に規制 企業側もリスク意識

海外では、窒息事故防止のために、回収命令など一時的な緊急措置のほか、食品の販売規制などを行える包括的な法整備が着々と進んでいる。

米国では1938年に食品の安全などに関する法律に販売規制の根拠条文が盛り込まれ、02年には、こんにゃくゼリーの自主回収に応じない業者から製品を押収した際に活用された。
欧州連合(EU)でも同様の法律がある。

こうした法制度を背景に、メーカー側にも「窒息リスクは商品の欠陥」という意識が生まれている。

07年に米国でシリアルが「水やミルクに溶けにくく、窒息のリスクがある」としてメーカーが自主回収したほか、今年4月には英国で幼児用食品に「硬い野菜が入っており、窒息リスクがある」として自主回収された。

また、窒息事故対策は食品だけが対象ではない。
米国では95年に子どもが口に入れやすい直径約4・5センチ以下の玩具の販売を禁止するなど各国で法整備が進む。
日本では、食品衛生法で乳幼児用の玩具にカドミウムや重金属など有害物質が含まれないようにする基準は設けられているが、窒息を防ぐための形状や材質などの基準はない。

これは、結局は法律や行政の問題というよりも、それらを形作っている文化といった面の問題といえるように思います。

日本では、安全などを保証する仕組みとして、上流を管理することにしています。
生産段階で保証すれば、消費段階では安全だ、という仕組みです。

しかし、生産者が考えていない使い方で消費者が利用したときに事故が起きると、生産者の責任か消費者の責任か、と問題になります。

このときに、問題になるのは「刑事責任」であって「原因究明」ではありません。
こうして、日本の文化は「原因は覆い隠して、結果を求めるで良い」とやってきたのでしょう。

本来は、社会で問題が起きたのなら生産者と消費者の双方で、原因究明を進めるべきなのでしょうが、それは手間がかかるから責任だけを明らかにして、同じことが起きないように生産者に強制する方が簡単だ、ということでやってきたのでしょう。

その結果、原因が不明のままなので繰り返して同じようなことが起きることもあるわけです。
責任は追及しても原因が改善される保証がないからです。

確かに下手に原因追及だけを進めれば、とんでもないコスト高になる可能性はありますが、逆に責任を軽減するために、原因追及をしなくなることもあり得ます。

こんなことを考えると、法の隙間には違いないだろうけど、法を整備すれば何とかなる、という問題ともいいがたい面があるのではないのか?と強く思います。

11月 26, 2010 at 11:43 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

電子ブックリーダ競争スタート

朝日新聞より「読書専用機か多機能型か、電子書籍端末は戦国時代

「電子書籍元年」といわれる今年の年末商戦をにらみ、本を読める携帯型の情報機器が次々登場している。

25日にはソニーが新端末「リーダー」を12月10日に発売すると発表した。読書に特化した「専用機」で、市場は米アップル製のiPadなどネットにつながる「多機能型」と二分。
参入が相次ぐコンテンツ配信ビジネスと連動して、激しい競争が始まる。

■「読書好きには受け入れやすい」

「1400冊を1台に保存でき、月3冊読む人には38年分の本になる。まさに『ポケットに本棚』だ」。

ソニーマーケティングの栗田伸樹社長は25日の発表記者会見で、「リーダー」をこうアピールした。
会場に約1400冊を並べた本棚を置き、分量を見せる凝りようだ。

2006年から順次売り出した欧米など13カ国に続き、日本でも発売。
画面サイズが文庫本に近い5型の「ポケット」(店頭想定価格約2万円)と、6型の「タッチ」(同約2万5千円)の2機種をそろえた。
発売1年で30万台を売るのが目標という。

最大の特徴は、読書に特化した点だ。
タッチパネル式の画面は「電子ペーパー」と呼ばれる技術を使い、白黒のみ。
液晶ディスプレーと違いバックライトがなく、長時間の読書でも目が疲れにくいといわれる。
画面の切り替え時以外は電力をほとんど消費せず、通常の使い方なら1回の充電で約2週間持つ。
通信機能はなく、パソコンにつないで書籍データを取り込む。

電子ペーパーを使った読書専用端末は、米国にアマゾンの「キンドル」があるが、日本語対応機の投入時期は未定。
この分野ではソニーが先行するが、液晶画面を備えた別タイプの多機能端末は、すでに普及し始めている。

先陣を切ったのは、今年5月に発売された米アップル製のiPad。
このヒットに刺激を受けたライバルは、次々とグーグル製の基本ソフトを積んだ同種の端末を発表。
NTTドコモは今月26日に韓国サムスン電子製の「ギャラクシータブ」を、シャープは12月中に「ガラパゴス」を投入する。
NECビッグローブも25日、7型画面の「スマーティア」を12月6日に発売すると発表した。

多機能型の特徴は、インターネットに直接接続でき、さまざまなソフトを取り込めることだ。

電子メールや動画の視聴、ゲームなど使い方はさまざまで、読書は「機能の一つ」という位置づけだ。
価格は4万~8万円程度と、専用機に比べ高い。

読書端末全体の台数では、今後も多機能型が主流とみられている。
ただ、電子書籍が一足早く普及した米国では、専用機向けの書籍販売額が多機能型向けを大きく上回るとの予測もあり、ソニーは「読書好きには専用機が受け入れられやすい」とみている。

■「電子書店」も乱立の様相

ソニーはこの日、リーダー向けに電子書籍を配信するネット書店「リーダーストア」を始めることも発表した。

スタート時に、「悪人」(吉田修一著)など2万点以上をそろえる。
小説や実用書などが中心で、今後はマンガも加える。価格は多くの場合、紙の本より安くする方向だ。

配信システムは、KDDI、凸版印刷、朝日新聞社と共同で設立した新会社のシステムを採用。
特定分野の本を利用者にすすめる「本棚」など独自の機能も加え、読書端末と合わせて売り込む。

「電子書店」も端末と同様、乱立の様相だ。
KDDI以外の通信大手では、NTTドコモが大日本印刷と配信事業を開始。
iPadを独占販売するソフトバンクは、グーグル製基本ソフトを搭載した端末向けの配信も準備中だ。

このほか、シャープや、書店大手の紀伊国屋書店、出版大手の角川グループホールディングスなど、関係するあらゆる業種からの参入が続く。

国内の電子書籍市場は、数年前に携帯電話やパソコン向けのマンガ配信から育ち始めた。

矢野経済研究所の推計では、2010年度に670億円の規模がある。
今後はiPadのような多機能端末やリーダーのような専用機向けが成長を引っ張り、14年度には1500億円超になる見通しという。

ソニーの電子書籍事業の責任者で、米国ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫・上級副社長は

「日本の電子書籍市場は米国に次いで高い可能性がある」
と話す。しかし、
「これほど複雑で分かりにくいのは日本だけ」
とも。電子データ化の規格統一や、出版業界に根強い電子書籍への警戒感の解消などが、課題になりそうだ。(大宮司聡、野村周)

実は、10月21日に Kindle3 を入手しました。

Kindle=アマゾンでは、日本語の電子ブックを入手することが出来ませんが、Kindle3 は日本語表示はOKなので、PDF化したドキュメントであれば持ち歩くことが出来ます。
この機能利用して、自分で作った書類を持ち歩けないか、ということで買ってました。

電子機器としては、1万8千円ぐらいなのですから安い方だと言えます。

その後、11月15日から17日まで、2泊3日の入院という予期しない経験をした上での、Kindle3 の使い勝手報告です。

PDFについて

Kindle は AZW フォーマットにすると、きれいに表示しますし、フォントを換えたり出来ますが、PDFだと単に見せるだけになってしまう。
しかし、メモとして持ち歩くのであれば、PDFでも全くかまわないです。
Outlook の予定表を、PDFで印刷して持ち歩いていますが、文庫本サイズに一週間の予定表を印刷したと思えばよいわけで、ちょっとも字が小さいけど、読むのに問題は無いといったレベルです。

通信機能について

Kindle3 には、G3と wifi が付いてます。
これで、ウェブにアクセス出来ますから、G-MAIL などでメールも読める。
当然、アマゾンから電子ブックの購入も出来ます。

しかし、ブラウザーの操作性や、G3での遅さなどは、通信端末としては携帯電話の方がマシかな?というレベルであって、主たる用途には向きません。wifi を主にすれば、通信速度は上がりますが。

電子ブックについて

ところが、入院中にあまりの暇さに、電子ブックというか雑誌を契約してみました。

technology revew

月刊技術誌ですから、そうそう一生懸命に読まないが、全く見ないと心細いといった種類の雑誌ですね。

Delivered: Bi-monthly
Monthly Price: $2.49 includes free international wireless delivery via Amazon Whispernet
Monthly Price: $2.49 ですよ。しかも、紙じゃないから場所も取らない。
これなら、あまり読まない技術雑誌でも見ようか、となるでしょう。

入院中に

2泊3日と短期間でもあったので、MP3で4時間分ぐらいの音楽を入れていきました。
とりあえず、イヤフォンで聞くのなら実用になります。

PCとは違う、本棚の持ち歩きというのはアリだな、というのが実際に使って見ての印象です。
Kindleは、日本語入力が出来ないので、メールの返信をしたり、ウェブで検索したりも実用になりませんが、まあ入力は出来るようになるでしょう。
通信機能が頼りないと言いつつも、ちょっと使うのであれば十分で wifi が確実に使える人にとっては、十分に実用になるでしょう。

今回のソニー製品に通信機能がないというのは、本当に読書端末に特化したのだろうと思いますが、昨日のテレビニュースでも「自分の作った書類を持ち歩く」といったビジネス的な使い方を述る人もいて、通信機能はあっても良いのではないか?という印象です。

eインクの威力はすごいモノで、ほとんど充電のことを考える必要がありません。
PCに接続するだけで充電しますし、そもそも通信など電力を使うことさせすに表示だけなら、一ヶ月間は充電不要とも言われています。

それにしても、コンテンツの遅れはどうにもなりませんね。
場所を食わないということで考えれば、紙の本と同じ価格でもかまわないと言えますが、価格を下げることが出来れば、より多く売れるだろうという気もします。
特に、技術雑誌などに代表される、情報誌系統は大幅に読者が増える可能性があるように思います。

11月 26, 2010 at 09:29 午前 新商品やお買い物 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.11.25

オウム被害者が殺人事件

毎日新聞より「埼玉・八潮の元妻殺害:容疑で逮捕の男「アレフから娘取り戻したかった」

◇教団と対決、手記も出版

埼玉県八潮市で24日、女性が元夫に包丁で刺され死亡した事件で逮捕された住所不定、元食品販売会社社長、(70)=殺人未遂容疑=が、「(オウム真理教から分裂した)アレフ信者の妻を殺せば娘を取り戻せると思った」と供述していることが、県警への取材で分かった。女性は、30代の長女とともに現場近くのアレフの修行施設に住んでいたという。

女性(63)の死因は失血性ショック。県警は殺人容疑に切り替えて調べている。

容疑者は、オウム真理教に入信して家を出た被害女性や娘を取り戻そうと対決してきたことで知られる。

07年には手記「引き裂かれた二十年-私と五人の子供たち-『鐘の音』」を出版。
家庭が崩壊していく様子や、教団幹部とのやりとりなどを描いた。

県警によると、

  1. 10月下旬、住んでいた福岡県を出て関東方面に向かった。
  2. 24日午前、八潮市内の修行施設に自転車で行き、
  3. 自転車で出てきた九十九さんを、約1キロ離れた現場まで追いかけ襲った。
「娘を巡って口論となり刺した」と供述しているという。

西村容疑者は出版当時、「行方不明になっている子供たちをこれからも捜したい」と話していた。【飼手勇介、山本愛】

なんとも、悲惨な事件になってしまいました。
わたしにとっては、最近の七年間はホームオブハート事件の応援で知り合った、VXガス被害者の永岡さんご夫妻とは親しくさせていただいていますから、すぐそばの事件という感じです。

オウムに限らず、事件の被害者が多い場合も、個人個人の考えや立場はバラバラで、被害の回復といった大きな目標は共有できるのですが、現実の対応には個人的な事情が大きく影響します。
ですから、被害者だからなんかの事件を引き起こす、なんてことはあり得ないのですが、それでも今回の事件についていえば「オウムに引っかかりさえしなければ」ですし、オウムが形を変えて存続せずに解散していれば、とは言えます。

追伸

ずっと更新をサボっておりましたが、実は11月1日に右手の親指の付け根の舟状骨を骨折してしまいました。
ようやく、なんとか復帰できそうになってきました。
たぶん、来週末には何とかなると思います。

11月 25, 2010 at 08:20 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)