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2010.08.19

ブラックベリー問題とは

読売新聞より「ブラックベリー、規制広がる理由は?

世界的に普及している高機能携帯電話(スマートフォン)「ブラックベリー」を巡り、アラブ首長国連邦(UAE)やインドなど、世界各国で電子メールやサイトの閲覧機能を制限する動きが広がっている。

何が起きているのだろうか。

ブラックベリーは、カナダの携帯電話メーカー「リサーチ・イン・モーション(RIM)」社の製造するスマートフォン。
1990年代末から北米で人気となり、オバマ大統領も愛用していることで知られる。
今年5月末時点で、175か国で累計1億台以上を販売。利用者はビジネスマンなど約4600万人に上る。

人気の一つは、独自の通信方法。データ通信の内容を暗号化して、サーバーに送信する仕組みで、企業情報などの秘密を守りたい顧客のニーズに応えてきた。

ところが、この「強み」がむしろ、各国で問題になっている。強力な暗号化が施されている上に、サーバーが国内にないため、当局が通信内容を監視するのは困難だ。このため、「テロや犯罪に使われるのでは」との懸念を抱く国が反発を強めている。

UAE政府は今月1日、10月からブラックベリーのメールやサイト閲覧などの機能を禁止すると表明。

サウジアラビア政府も、「改善策がとられない場合、6日から機能を制限する」と発表した。同国では実際に一時、利用の一部が制限され、RIM社は、当局が通信内容を監視できるよう、サウジ国内にサーバーを設置することで合意した。

インド政府も、「月末までに懸念が解消されない場合は国内サービスを停止する」と迫っているとされる。RIM社は「各国政府との協議内容は明かせないが、できる限り協力するよう真摯(しんし)に努力している」としている。

慶応大の武田圭史教授(情報セキュリティー)は

「現在、ブラックベリーを問題視している国の多くはこれまでも政治的内容などに関して、ネットへのアクセス制限をかけており、今回もその一環」
としながら、こうも話す。
「それぞれの国では、官僚や重要なビジネスマンにおけるブラックベリーの利用率が高く、特定の企業のサーバーを経由することで、自国の情報が他国に筒抜けになることへの警戒心もあるのではないか

では、日本はどうなのか。日本では2006年から法人向けに、08年からは個人向けにも販売が始まったが、調査会社MM総研の調べによると、09年度の全携帯端末の国内出荷台数におけるシェア(占有率)はわずか0・3%(10万台)。

通信の秘密もあり、サービス停止の問題が突然浮上する可能性は低いだろう。

武田教授は

例えば、他国のテロリストが日本でブラックベリーを使い、テロを起こした場合、日本の当局の捜査は困難になる。セキュリティーとプライバシーの兼ね合いという意味では日本も無縁ではない
と話している。(十時武士)

◆高機能携帯電話(スマートフォン)

小型キーボードか、指で画面に触って操作できるタッチパネルの付いた携帯電話。パソコン用のインターネットサイトが閲覧でき、パソコンのようにソフトウエアを取り込み、自分の使いやすいよう仕様の変更もできる。iPhone(アイフォーン)の登場などで国内でも普及が進んでいる。
(2010年8月19日18時04分 読売新聞)

ホンネとタテマエの争いのようなところがありますね。

通信の秘密とは何を秘密にするべきなのか、誰が何の秘密を守るのか?という問題に直面します。

通信には、

  • アドレス(発信者・受信者)
  • 本文
  • 通信の記録(ログ)
が、含まれていて、直感的に本文が秘密の対象であることは、分かりますが、通信したこと自体も秘密である、というのが法学上の一般的解釈です。
確かに「内容は言えませんが、AさんはBさんに、1日に100通の発信をしています」なんて情報を公開されたら「何かがあった」と分かってしまいますから、秘密の暴露になります。

しかし、アドレス情報に属する、メールアドレス、電話番号、氏名、住所、といったものは、ある程度社会に公表しないと、意味がない。
これは結局は「Aさんは日本に住んでます」といった情報は、秘密とは言い難いということでしょう。

通信は、仲介者(通信事業者)が居て成り立つことですから、上記の「通信の秘密」は結局は通信事業者の秘密保持義務、となります。
このときに、通信事業者は誰に対してどの程度の秘密保持をするのか?という程度問題が出てきます。

通信事業者が、裁判所の命令に対しても「通信の秘密だ」といって情報を開示しない場合、テロ事件を含めて、事件事故で被害を食い止められない、といった事になるでしょうから、ある条件下では通信事業者は秘密の開示をします。
主に、政府にですね。

それが、インターネット時代で、通信事業者自体が国境を越えてしまった。
このために、上記の条件を満たすべく、各国が動いたわけで、法律が国境を越えられないことの問題が、また一つ具体的になった。と理解するべきでしょう。

8月 19, 2010 at 07:32 午後 セキュリティと法学 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.08.16

阿久根市長・ようやくリコール運動スタート

読売新聞より「阿久根市長のリコール手続き開始…住民投票は必至

議会への出席を拒否したり、議会を開かないで専決処分を繰り返したりしてきた鹿児島県阿久根市の竹原信一市長に対して、市民でつくる「阿久根市長リコール委員会」が16日午前、地方自治法に基づくリコール(解職請求)の手続きを開始した。

有権者の3分の1以上の署名が集まれば解職の賛否を問う住民投票が行われる。
市長への批判の声は強く、住民投票は避けられない見通しだ。

リコール委員会の川原慎一委員長(42)らが市選挙管理委員会を訪れ、市長の解職請求書と、署名活動に必要となる代表者証明書の交付申請書を提出した。

請求理由について

「議会を招集せず、専決処分で決めていく手法に市民は不安を覚えている。周りの意見を聞かず、独善的に市政運営を行うやり方はまさに独裁」
と指摘している。

市選管は書類を審査し、17日に証明書を交付する。署名集めは早ければ同日始まり、1か月以内に有権者(6月23日現在、2万18人)の3分の1にあたる6673人以上の有効署名が集まれば、解職請求ができる。

請求の受理から60日以内に解職の是非を問う住民投票が行われ、過半数が賛成すれば市長は自動的に失職、出直し市長選が実施される。順調に進めば住民投票は年内、市長選は年明けになる見通し。

同委員会によると、解職請求の署名を集める「受任者」の希望者は目標を大幅に上回り、520人に達している。目標は有権者の約4割にあたる8000人。受任者1人当たり16人集めれば達成できる計算だ。

川原委員長は書類の提出後、

「竹原市長の資質に疑問を感じており、市民から『一日も早くリコールしてほしい』という声が寄せられている」
と話した。

一方、竹原市長は16日午前、取材に応じなかった。代わりに専決処分で副市長に就任した仙波敏郎氏が記者会見し、「市民がリコールで市政に直接関心を持つことは良いこと」という市長のコメントを発表した。

竹原市長は2008年8月の市長選で新人3人を破って初当選。自身のブログで「最も辞めてもらいたい議員は」と投票を呼びかけ議員批判を繰り返すなど市議会と対立を深めた。09年2月の臨時議会で不信任案が可決され、議会を解散。出直し市議選では反市長派が多数を占め、2度目の不信任案の可決を受けて失職。09年5月の出直し選で再選されている。 
(2010年8月16日13時49分 読売新聞)

読売新聞より「「阿久根を正常に戻して」市長暴走に市民決起

市長の“暴走”を食い止める――。

議会を招集せずに専決処分を繰り返すなど異例の市政運営を続ける鹿児島県阿久根市の竹原信一市長に対し、住民らが16日、リコール(解職請求)運動に乗り出した。

署名を集める「受任者」は目標を大幅に上回っており、住民投票を経て市長選になれば、昨年の出直し市議選、市長選に続いて市長絡みで3度目の選挙になる。
市民からは「今度こそ市を活性化してくれる人を選びたい」といった声が上がった。

「市長は市議会を無視して自分の好き勝手に専決処分を繰り返しており、世間の笑いもの。
もっと堂々と自分のやっていることを説明してほしかった」。
市内のある主婦(60)はこう話した。
「今度こそ寂れてしまった阿久根を元気にしてくれる人に市長をやってもらいたい」

市内で不動産業を営む浜崎充伸さん(70)は

「議会制民主主義で、本来は議会が不信任案を出すべきだが、それでは昨年(の市長選)と同じ結果になる。
リコールは異常な事態。恥ずかしいと思うが、阿久根を正常に戻すためには仕方がない」
と強調した。

これに対し、阿久根市の肥薩おれんじ鉄道・阿久根駅近くの商店街で、自営業女性(67)は

「低所得者を助ける市長の政策に大いに賛成。市長が議会を開かないのも市民のための議案をすべて否決してしまうから。
市民が一番市長を理解してあげるべきなのにリコールだなんて情けない」
と市長を擁護する。

最近になって竹原市長支持をやめたという同市の会社員男性(60)は

「市長は市民の方を見ていない気がする。
リコールは支持するが、元のなれ合いの行政に逆戻りも困る。
誰が対抗馬になるのかを見てから判断したい」
と話した。

一方、市議会では浜之上大成議長が16日午前、記者会見を開き、

「市民に市長の解職を委ねる形になった責任は私たち議会にもある。
ただ、竹原市長が3月定例会に出席していればこういう状況にはならなかった」
と話した。

市長を支持する石沢正彰市議は

「リコール運動は、市の既得権益を持っていた人が裏で動き回っているだけ。
運動は住民投票で挫折するだろう。
市長の功績を評価する意見は根強い」
と自信を見せた。

(2010年8月16日14時42分 読売新聞)

これまでの、竹原市長を巡る政治情勢の推移をまとめます。

2005年阿久根市議会議員選挙で初当選
2008年8月31日阿久根市長選挙で初当選する。
2009年2月6日阿久根市議会は臨時会で市長不信任決議案を全会一致で可決
2009年2月10日竹原市長は議会解散
2009年3月22日市議会議員選挙の結果、市長派5人、反市長派10人が当選
2009年4月17日出直し市議選後の市議会臨時会で、賛成11、反対5の賛成多数で再度市長不信任。自動失職
2009年5月31日出直し市長で、再選された

市議会で2回不信任を決議されて、自動失職後の市長選挙で勝って現在の市長職に就いたのです。

これでは、反竹原の市長候補が弱かった、としか言い様がないでしょう。
竹原氏が市長に就任するまでの阿久根市政が「なれ合いだ」というの誰も否定していないようなので、こういう点も含めて信頼できる候補が出てくるかによって、市長選挙の結果が決まるでしょう。

それにしても、竹原氏の手法はクーデターとか革命に近く、そのこと自体がきわめて良くないと考えます。
そういう点を問題にする、政治勢力が力を持てないのでしょうか?

8月 16, 2010 at 08:00 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)