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2010.08.13

事故調の原因究明と警察の捜査について半歩前進?

朝日新聞より「大事故「捜査優先」見直し 国交相方針、原因究明重視へ

2010年8月13日2時13分

航空や鉄道の重大事故が起きた時、当事者の刑事責任を問う警察の捜査が、事故原因の究明を目指す国(運輸安全委員会)の調査より優先されがちな現状について、前原誠司国土交通相は12日、仕組みを見直す考えを示した。

原因究明を重視する観点から、事故調査が優先されるようにできないか検討する。

米国や欧州の一部では国の事故調査機関の権限が強く、警察の捜査からは完全に独立している。

当事者に刑罰を科さない代わりに、原因調査に協力させる制度もある。
誰かを罰するよりも、真の原因を突き止めることが、再発防止に役立つとの考えからだ。

しかし日本では、たとえば2001年の日航機同士のニアミス事故で、空港到着直後の機内で警察が操縦士から事情聴取するなど、捜査が優先されるケースが目立つ。

また、捜査からの調査の独立性があいまいで、1997年に三重県上空で日航機が乱気流に巻き込まれた事故では、事故調査報告書が機長の刑事裁判で証拠として使われた。

こうした状況では、

「事故の当事者は刑事処分を恐れて国の調査に真実を話すことをためらうようになり、原因究明の妨げになる」
と航空関係者らが指摘してきた。

前原国交相は同日夕、日航機墜落事故の追悼慰霊式で、

「事故の原因をすべての段階で明らかにしていく事故調査の実現」
を図ると言及。
その後の取材に
「事故調査が優先されるような具体的な話し合いを運輸安全委と警察庁で行っていきたい」
と話した。

捜査と調査の関係については、72年に警察庁と旧運輸省とが、互いに協力することを定めた覚書が根拠となっているが、この是非についても「今後の研究テーマと考えている」と見直す可能性を示唆した。

欧米のような免責制度を導入するかについては

「予断を持たずに議論していく」
と述べるにとどめた。

日航機事故の遺族らでつくる「8・12連絡会」の美谷島邦子事務局長は

「調査と捜査をきちんと分けると国交相が話したことは大きな進歩だ」
と評価した。作家の柳田邦男さんも
「事故防止と安全対策のために、真実を話しやすいよう、刑事処分は免責されるようにすべきだ」
と話した。

ようやく、大臣からこういう話が出てきたか、との印象です。
とは言っても、免責しないのでは、現実的効果は無いでしょう。

特に、飛行機事故については、免責制度がある国の人間を日本で調べることについて、協力を得られません。
これについては、日航123便の事故で、修理を担当してボーイング社の関係者を調べることが出来なかったことが有名です。

さらに、医療事故とか、シンドラーエレベーターの事故などに代表される、事故についても原因究明と刑事責任問題については、悩ましい問題が多々あります。

今回の大臣の発言は、航空・鉄道事故調査委員会について語っていますが、道路事故にも大問題があって、東名高速の裾野付近の上り線は、以前は毎週のように死亡事故が発生していました。
それらの責任はすべて運転者にあるとされていましたが、路線を改修したらいきなり死亡事故がほとんど無くなってしまった。
つまり事故原因が道路にあったとなります。
自動車事故の原因究明と、安全対策についても、事故調査は必要なのは明かですが、事故調の担当範囲には入っていません。

航空・鉄道事故調査委員会の問題ではなく、事故つまり刑事責任上の過失罪について見直すべきだろうと思うのです。

8月 13, 2010 at 08:28 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.08.12

深度1万メートルに地震計を設置する

読売新聞より「海底1万mに地震計…水圧に耐える容器開発

世界最深の海底にも置ける地震観測装置を、海洋研究開発機構などが開発した。

太平洋のマリアナ海溝は最深部が水深1万920メートルで、水圧が1000気圧を超えるが、その圧力に耐える容器を作製した。
巨大津波の発生源となる日本海溝などで、観測の空白域を解消できると期待される。

海底地震計は、常設されている一部海域を除き、観測後に船上から信号を出して重りを外し、海上に浮上させて回収する。
そのため、耐圧容器は軽さと強さを両立させる必要があり、これまでは水深6000メートル(600気圧)が限界だった。

研究チームは、容器の素材を従来のガラスからセラミックスに変更。
容器の重量は従来並みの約20キロ・グラムに保ちながら、約2倍の強度を得ることに成功した。

日本海溝は、三陸沖で太平洋側のプレート(板状の岩盤)が、陸側のプレートの下に沈みこんでいる場所で、深さは8058メートルに及ぶ。巨大津波を引き起こす地震が過去に発生しており、観測体制の強化が求められていた。
(2010年8月12日16時06分 読売新聞)

1000気圧に耐える、圧力容器というのはすごいです。
深海調査船「しんかい6500」(最大深度6500メートル)では、耐圧殻は

「しんかい6500」の居住空間は内径2.0mの耐圧殻の中です。そこにパイロット2名と研究者1名が乗り込み、調査を行います。耐圧殻の中には計器類などが設置されているため、居住空間はもっと狭くなります。

耐圧殻は軽くて丈夫なチタン合金でできており、厚みが73.5mmあります。

水深6,500mでは水圧が約680気圧にもなるので、耐圧殻の少しのゆがみが破壊につながります。
そこで、可能な限り真球に近づけられました。その精度は、直径のどこを測っても0.5mmまでの誤差しかありません。

横浜のみなとみらい地区にある、三菱みなとみらい技術館にはしんかい6500のモックアップが展示されています。

確かに、厚さが73.5ミリのチタンの耐圧殻にはびっくりします。

今回の地震計を入れる耐圧容器の外寸は、写真で見ると50センチ程度かと思いますが、材質はセラミックですね。
機械加工してありますが、相当大変だったでしょう。

高圧下では、ガラスは液体と同様に否圧縮性の物質として扱えるようです。とはいえ、容器であるから中が中空であり、容器として許せる変形量も限界があるわけだから、大変な技術であることは確かですね。

8月 12, 2010 at 05:01 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

最悪の名古屋中央児童相談所

FNNニュースより「大阪・2幼児放置死事件 1年前に名古屋市で警察が長女を児童相談所に保護するよう通告

大阪市西区で母親が子ども2人を放置し殺害したとされる事件で、1年前に住んでいた名古屋市で、警察が長女を児童相談所に保護するよう通告していたことがわかった。

無職のS容疑者(23)は、2010年6月初旬から2カ月近く、長女(3歳)と長男(1歳)をマンションに放置し、衰弱死させた殺人の疑いが持たれている。

その後の調べで、S容疑者が家を出た6月初旬には、2人が会話もできないほど衰弱していた疑いが強いことがわかった。

また2009年8月には、当時住んでいた愛知・名古屋市で、長女を保護した警察が、「ネグレクトに発展するおそれがある」と児童相談所に通告していた。

名古屋市中央児童相談所は

「虐待としての緊急性は、(警察は)感じていなかった、考えていなかったということでしたので、そこまで踏み込んだ深い調査っていうのは、してなかったです」
と語った。

児童相談所は、住民票がない世帯への支援方法を検討したいとしている。

名古屋市中央児童相談所には、警察から「ネグレクトに発展する可能性がある」であり、その対象が、当時おそらく2歳の長女であったわけです。
それで、結局はろくろく調べていなかったわけですが、その言い訳が

「虐待としての緊急性は、(警察は)感じていなかった、考えていなかったということでしたので、そこまで踏み込んだ深い調査っていうのは、してなかったです」
要するに、警察が調べてから児童相談所にもって来い、という風に見えます。
じゃあ、一般市民からの通告だったらどうしたというのか?

なんで、報道記者はそこを突っ込まなかったのか?

誰がなんと言おうと、このケースは「児相が本来業務を積極的にサボタージュした」としか評価できません。
「誰それが、積極的でないから、調査しない」なんてのは言い訳にすらならない。

8月 12, 2010 at 04:24 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.08.11

ホメオパシー問題とは医療ネグレクトだ

朝日新聞より「代替療法ホメオパシー利用者、複数死亡例 通常医療拒む

2010年8月11日5時46分

代替療法ホメオパシーを利用している人の中で、病気が悪化して死亡する例が相次いでいる。

通常の医療は末期になるまで受けていなかった。

東京では5月、国立市の女性(当時43)が、がんで死亡した。

埼玉でも昨年5月、男児(同生後6カ月)が死亡した。
女性の遺族らは先月、「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。

5月16日、東京都東大和市内の病院の集中治療室。
女性は、悪性リンパ腫が悪化して人工呼吸器を付け、声も出せない状態だった。
親交のあった荒瀬牧彦牧師=めぐみ教会(東大和市)=が見舞うと、手話で3回、「ごめんなさい」と訴えた。
ホメオパシーに頼り、前日に救急搬送されたばかり。入院から11日後に死亡した。

荒瀬牧師は「最後の最後になり、自分の誤りに気づいたのかもしれない」と話す。

両親によると、女性がホメオパシーを始めたのは3年前。

離婚直後で精神的に不安定な時に友人に紹介された。

昨春から体調を崩し、全身の痛み、強い肌荒れを訴え始めた。
荒瀬牧師は何度も病院受診を勧めた。だが女性は「今までのホメオパシーの努力が無駄になる」と拒み続けたという。

5月には外出も困難に。
激しい胸の痛みに母親(69)が救急車を呼ぼうとすると、「西洋医学はダメ」と最後まで拒んだ。
気を失いかけたすきに、母親が救急車を要請。
搬送先で、初めて悪性リンパ腫と診断された。

さいたま市では昨年5月、生後6カ月の男児が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。

両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒。
市によると、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していたという。

市児童相談所は、病院の受診拒否などを虐待と判断。

保健師の指導で男児が4月に入院した際、両親が連れ戻さないよう病院に要請していた。
男児は5月2日に死亡した。

ホメオパシーでは、病気の症状が重くなっても、自然治癒力が増した証拠の「好転反応」ととらえる。これが患者を病院から遠ざけているとの指摘がある。

女性や男児の両親が頼った療法家を認定した日本ホメオパシー医学協会は取材に「現代医療を否定してはいない。
(女性が死亡した)案件は調査中」と回答した。(長野剛、岡崎明子)

ようやく新聞に

病気の症状が重くなっても、自然治癒力が増した証拠の「好転反応」ととらえる
と出たか、と思います。

「好転反応」は、この手の事件にしばしば登場するもので、わたしが応援している「真光元裁判」でも登場しました。

に書いた通りです。

好転反応という言葉を誰が言い出したのか分かりませんが、平たく言うと「好転反応」=「症状が悪化」です。
現実は順序が逆で、症状の悪化した患者に対して、「それは好転反応だ」と通常の医療を拒否するように説得する言葉として使われているわけです。

真光元事件で、小児糖尿病の被害者が、意識不明の状態になっても「好転反応」だとしていて、医療機関への搬送が遅れて亡くなりました。

真光元裁判では、一審で被害者(原告)が敗訴していますが、控訴審が8月26日に始まります。

  1. 8月26日(木)
  2. 午前10時30分~
  3. 東京高等裁判所824号法廷

わたしには、強力な洗脳がセットになって、事件を引き起こしているように思えます。
新聞に紹介されている例はいずれも、患者本人や、親が積極的に通常医療を拒否しているわけで、その理由が、代替医療が通常医療を否定しているから、患者本人や患者の親が代替医療を信じ込むと、通常医療を否定する、となるのです。
そのように信じ込むのは、強力な洗脳によるものだ、と解釈するべきでしょう。

人が何かを信ずるのは、程度の差はあっても自然なことですから、それを否定することは出来ません。
しかし、積極的に通常医療を拒否するというのは、患者本人ならとにかく、親が子供の医療を拒否するのは「医療ネグレクト」です。

わたしの考えでは、通常の知識(常識)のある人が、積極的に医療を拒否する場合、周囲の人たちの影響が大きいでしょう。
真光元事件は、まこも神社という宗教組織の影響を受けての事件ですし、新聞の記事のように「ホメオパシー」、「手かざし」「浄霊」などが挙げられます。
これらすべてを説明するのには、代替医療問題の本質が「カルト問題である」と言うしか無いです。

8月 11, 2010 at 09:26 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.08.10

ウイルス作成罪がようやく作られるか?

毎日新聞より「サイバー犯罪:「ウイルス作成罪」創設へ 刑法改正を検討

コンピューターウイルスを使って個人情報を流出させるなどのサイバー犯罪を阻止するため、法務省はいわゆる「ウイルス作成罪」を新たに創設する刑法改正の検討に入った。

ウイルスを使った犯罪が相次ぐ一方、これまでウイルスの作成や頒布を直接罪に問える法律がなかった。
同種の事件は時間の経過とともに被害が飛躍的に拡大する恐れが強いことから、法務省は早期の法案提出を目指す。

法務省が創設を検討しているのは、ウイルスを作成したり、ばらまくことを禁止する「不正指令電磁的記録作成罪」(仮称)。
懲役刑を科すことも可能とする。

警視庁は5月、ファイル共有ソフトに個人情報を流出させるウイルスを仕掛け、被害者から個人情報の削除を理由に現金をだまし取ったなどとしてインターネット広告会社役員らを詐欺容疑で逮捕。
今月にはパソコン内のファイルを勝手に上書きする「タコイカウイルス」を送りつけてパソコンを感染させ使用不能にしたとして、会社員にネット犯罪では異例の器物損壊容疑を適用して逮捕した。

いずれもウイルスをばらまくだけでは現行法で罪に問えないことから、適用罰則に苦慮したとされる。

同種の刑法改正案は共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正案とともに03年以降3度、政府が国会に提出し、いずれも廃案となった。

今回はサイバー犯罪防止の重要性がより高まっているとして、共謀罪を除き提出する方向で検討している。【石川淳一】

◇早期摘発に期待

コンピューターウイルスを使った犯罪を阻止するため法務省が刑法改正で導入する検討を始めた「ウイルス作成罪」。
「タコイカウイルス」を作成した大阪府泉佐野市の会社員の男(27)を器物損壊容疑で初摘発した警視庁の捜査幹部は

「こうした罪があれば、もっと早く検挙できた」
と、ウイルス犯罪捜査の難しさを痛感している。

警視庁がネット上で警戒する「サイバーパトロール」で、ファイル共有ソフトに仕掛けられた「タコイカウイルス」を発見したのは09年11月。

ウイルスの放出源を突き止めるには、通信事業者が保有するファイル共有ソフトの通信履歴解析が不可欠だが、そのためには罪名を特定した上で裁判所に令状請求しなければならなかった。

捜査幹部は「被害実態に合わせて、考えられるだけの罪名を検討した」。

例えば私用文書等毀棄(きき)罪の適用も検討されたが、同罪は破損されたデータが「権利または義務に関する文書」であることを立証しなければならず、最終的に器物損壊罪で落ち着いたという。

摘発までにはさらにハードルがあった。器物損壊罪は、被害者からの届け出が必要な親告罪だったためだ。男が作成したウイルスはアニメ音楽ファイルを装っており、被害者が違法ファイルをダウンロードした後ろめたさから被害届を出すことに尻込みする事情もあった。
このため被害者の特定に時間を要してしまい、その間に被害は約5万人にまで拡大したとみられる。

捜査幹部は「作成者からウイルスを譲渡された第三者がウイルスを拡散させる犯罪も今後想定されるが、法改正されれば対応できる」と期待を寄せる。【町田徳丈】

毎日新聞 2010年8月7日 2時30分

以前から「さっさと法律を作れ」と言われ続けていた問題です。

いまだに、コンピュータウイルスの犯罪性について、「子供のいたずらのようなもの」と捉えられている感じがありますが、すでに組織化されていると報告されています。

  • ウイルスの作成
  • 配布
  • ハッキングした情報の転売
  • ハッキング情報を購入して攻撃
このような行動が、ビジネス化してる。
ようするに、組織犯罪であり、ヤクザの世界そのものです。

もう「わたしのPCの情報を盗む理由がない」といった考え方では、通用しません。
怖いのは、ボットです。 ボット自体の説明は、総務省・経産省連携プロジェクト「サイバークリーンセンター」に説明があります。

ボット ウイルス(BOT)とは

ボット ウイルスとは、コンピュータを悪用することを目的に作られた悪性プログラムで、コンピュータに感染すると、インターネットを通じて悪意を持った攻撃者(以下「攻撃者」という)が、あなたのコンピュータを外部から遠隔操作します。

感染すると、この攻撃者があなたのコンピュータを操り「迷惑メールの大量配信」、「特定サイトの攻撃」等の迷惑行為をはじめ、あなたのコンピュータ内の情報を盗み出す「スパイ活動」など深刻な被害をもたらします。

この操られる動作が、ロボット(Robot)に似ているところから、ボット(BOT)ウイルスと呼ばれています

感染したコンピュータ自体は、ちょっと動作が遅くなるぐらいで具体的な障害が出ませんから、気がつかないわけです。
「被害がないなら気にしないでよいだろう」となりそうですが、持ち主が気がつかない間に、制御できることを利用して、ボットネットを構築しているのです。ウィキペディアの解説。

ボットネット(Botnet)とは、サイバー犯罪者がトロイの木馬やその他の悪意あるプログラムを使用して乗っ取った多数のコンピュータ(ゾンビPCという)で構成されるネットワークのことである[1]。

サイバー犯罪者の支配下に入ったコンピュータ(ゾンビPCという)は、使用者本人の知らないところで犯罪者の片棒を担ぐ加害者(踏み台など)になりうる危険性がある[2]。

ボットネットにおいて、指令者(ボットハーダーまたはボットマスターもしくは単にハーダーという)を特定することはボットネットの性質上、非常に困難である。

そのため、近年では組織化された犯罪者集団がボットネットを構築し、それを利用して多額の金銭を得ている[3]。

これらの犯罪行為の実際の発生例の内、よく知られているのがスパムメールの配布です。
スパムメールの発信者を追及して責任を取らせようと、考えるのはごく自然ですが、配布しているのは乗っ取られたコンピュータで、持ち主もスパムメールを発信していることを知らない、となります。

このような現状に対して、法律を整備していくことは今や遅すぎると言うべき段階であって、早急に実現させるべきです。

8月 10, 2010 at 09:06 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.08.09

第四回高校生模擬裁判選手権東京大会

2010年8月7日に、霞ヶ関の弁護士会館で「第四回高校生模擬裁判選手権」を観戦してきました。
様子は、NHKニュースに流れています。「模擬裁判員裁判 高校生が体験

8月7日 16時34分

裁判員制度について理解を深めてもらおうと、高校生たちが検察官役と弁護士役を務め、どちらの主張が裁判員に支持されるかを競う大会が、全国4か所で開かれました。

この大会は、日本弁護士連合会が開いたもので、東京、大阪、福岡、高松の4つの会場で開かれたことしの大会には、あわせて22の高校が参加しました。

このうち、東京地方裁判所で開かれた大会には、関東地方の8校が参加し、42歳の男が知人の男性の腹をけって死亡させた罪に問われているという事件を題材に、模擬裁判を行いました。

高校生たちは、実際の法廷で検察官役と弁護士役に分かれて対戦し、裁判員役を務める審査員がどちらの主張に説得力があるかを判断します。

高校生たちは、証人が話した内容の矛盾を鋭く追及したり、主張のポイントを大きな画用紙に書いて説明したりして、裁判員に向かって懸命にアピールしていました。

大会に参加した女子生徒は

「相手の主張を聞いて臨機応変に反論するのが難しかったです。裁判員に選ばれたらどのような気持ちだろうと考える機会になりました」
話していました。

日本弁護士連合会では、若い人たちを対象にしたこうした取り組みを今後も続けて、裁判員制度への理解や関心を深めてもらうことにしています。

東京大会の参加校は次の通りです。

  1. 公文国際学園高等部
  2. 湘南白百合学園高等学校
  3. 千葉県立東葛飾高等学校
  4. 東京都立西高等学校
  5. 日本学園高等学校
  6. 山梨学院大学附属高等学校
  7. 早稲田大学高等学院
  8. 早稲田大学本庄高等学院

このうち、東葛飾高校だけが初出場で、湘南白百合は過去三回を三連勝しています。

山梨学院が、中央線の事故のために午前の第一試合には間に合わず、13時近くになってようやく到着して第二試合だけに参加しました。

今回の教材(事件)は、昨年の春に行われた、法曹三者による「裁判員裁判のための最後の模擬裁判」で使われた、教材そのものだそうで、わたしの目でもきわめて難しい事件です。
これが現実の裁判となったら、捜査が不十分などと警察批判なども起こりそうですし、裁判も上訴しては差し戻しでいつまで経っても終わらない、といった事になるかもしれません。

登場人物は、被告、被害者(死亡)、同僚(証人)の3名。
被告は、被害者と証人の雇い主。

朝から、3人は被告の指示の元で働いていた。
午後になって、仕事を切り上げ(日曜日であった)、証人はいったん帰宅、被告と被害者は、一軒目の店で飲食。
夕方、そろそろ日が暮れる頃、二軒目の店に移動。この頃に、被告は記憶が曖昧になった。

二軒目の店で、被害者は退店して路上に出た。
そのとき、被告はトイレに行って、15分後に店の外に出たところ、被害者が歩道に倒れていた。
その後、被告は車を取ってきて、被害者を車に乗せ、コンビニに向かうが、被害者が怪我していることには気がつかなかった。

被告がコンビニで買い物をして、車に戻ったときに、被害者の様子がおかしいことに気がついて、証人に電話をして相談する。

証人は、色々アドバイスし、何度目かの電話で「救急車を呼んだ方がよい」とアドバイスするが、被告は証人に「コンビニに来てくれ」と頼むのみで、証人がコンビニに着いたときには、被害者に心臓マッサージをしていた。

証人が、車を運転して、病院に3人で向かうが、被害者は病院で死亡。
死因は、小腸腸間膜破裂による腹腔内出血によるショック死。

被害者には、シャツに被告のサンダルと思われる左足の足跡、顔面左目の下に小さな殴打痕とみられる傷。
被告は、証人・従業員に「殴ったかもしれない」と話した。

被告は、病院に被害者を搬送した後、血の付いてシャツを車で着替えた、このシャツの血痕は、被害者のものと一致した。

簡単に言えば、物証はあるものの、被告と直結していない。(鑑定結果がない)
その一方、状況証拠は被告の犯行を伺わせる。
しかし、動機が全く無い。
さらに、被害者が歩道に横たわっているときに、被告は15分間トイレに入っていた。この間の、被害者の状況については全く情報が無い。(空白の時間)

というものです。
これを、検察側は裁判所に有罪を認めさせ、弁護側は無罪を勝ち取るという争いです。

公表で指摘がありましたが、弁護側にとっては「証拠不十分で無罪」を主張すれば、基本的にOKで、そのためには、証人の信頼性を崩せば、もともと物証がアイマイだから、弁護側の勝利となる裁判でしょう。

高校生模擬裁判選手権は、午前と午後の2試合で、組み合わせは次の通りでした。

 第一試合(1時30分~12時20分)第二試合(13時20分~15時10分)
 検察側弁護側検察側弁護側
101号法廷都立西高校日本学園山梨学院早稲田高等学院
102号法廷早稲田本庄学院混成チーム公文国際千葉県立東葛飾
103号法廷早稲田高等学院公文国際湘南白百合都立西高校
104号法廷千葉県立東葛飾湘南白百合日本学園早稲田本庄学院

試合は、東京地裁一階の、4つの大きな法廷を使います。
このうち、104号法廷は裁判員裁判が行われる法廷で、ニュース映像に見える通りモニターなどがたくさんあります。

わたしが、見た試合は、午前中が早稲田本庄 vs 混成チーム、午後が湘南白百合 vs 都立西高校です。
なぜ、この組み合わせでみたのか?ですが、大本命の湘南白百合は、午後の試合を見ることを決めていて、午前中は別の学校をみることにしたので、早稲田本庄を見に行ったのですが、試合の相手である山梨学院が到着しないので、急遽混成チームを作りました。

混成チームの構成は、公文国際、東葛飾、日本学園から2名の合計4名、弁護側なので被告を出す必要があり、これは弁護士が被告役になりました。
この4名は、検察役だったそうですが、じつに速成のチームとは思えない対応で、4人ともよく事件を読み込んでいて、個人としてのスキルの高さを見せました。
この4人には、特別に表彰がありました。

法廷の様子は、以下の写真の通りで、裁判官席に審判役が7名座ります。
裁判官席(法壇)に向かって、左側が警察官役、右側が弁護士役です。
この写真は、被告人尋問のシーンですね。

Up_3

午後の湘南白百合は、103号法廷で都立西高校と戦ったのですが、ある意味手慣れているというか、裁判員裁判のあるべき形を示していました。

Up1_2

写真の3人の生徒は、模造紙に書いてあるプレゼンテーションを裁判官席に向けて掲示しています。一番端の生徒が、サシ棒でプレゼンテーションを指しながら、論告しています。

全部の学校に言えることなのですが、目をつぶって聞いているだけなら、高校生がやっているとはとても思えない、どうどうとした発言をしています。

この模擬裁判がなぜ試合いと言えるのか?は自分たちの発言は練習できますが、相手の発言はその場にならないと分からないわけです。
だから、堂々と臨機応変に発言する、というとても難しいことを要求されているわけで、現実の裁判でも、準備不足のためか口ごもってしまう弁護士もいます。

この点について、観覧に来ていた父兄の方と話したのですが、間違えなくあらかじめ、ありとあらゆる問答を書き出して、それを必要なところだけを選んで、発言するように準備していたはずです。 これは、実際の裁判での証人尋問でも弁護士が用意するもので、こんなことが出来るのは、各学校に指導弁護士が付いているからです。

この点について、アンケートで「高校生にこのようなシナリオをどうやって訓練するのか?」と質問があったそうで、主催者が特に強調して「シナリオはありません」と言っていました。
裁判は人間が行うものですから、よく考えれば高校生でも同じように対応出来ることを示しています。
しかし、大変なことに代わりはない。

課題が配布されたのは、5月になってからだそうで、実際には湘南白百合では週末に集まって練習したというのですから、よくぞ短期間でここまで仕上げたと感心します。
さらに驚いたことに、連続優勝の湘南白百合ですが、1名の2年生を除いて全員が1年生だそうです。

校長先生も「今年は1年生ばかりだから」と心配されていました。

わたしにとっては、夏の楽しみになってしまいました。
こういう風景を見ると、若者に大いに期待できます。

8月 9, 2010 at 04:00 午後 裁判傍聴 | | コメント (3) | トラックバック (0)

大阪府が貧困ビジネス条例制定へ

読売新聞より「貧困ビジネス規制条例、大阪府が制定へ

生活保護費から高額の家賃や生活サービス料を徴収する「囲い屋」が横行している貧困ビジネス問題で、大阪府が、囲い屋を規制する全国初の条例制定を検討していることがわかった。

サービス内容や金額の明示を義務づけ、利用者側からの解約を自由にすることなどが柱。
来年度施行を目指し、早ければ9月議会に提案する。

条例案では、業者側に家賃と、生活サービスの内容・料金の内訳を契約書に明記させ、口頭でも説明するよう義務づける。

また、利用者が申し出れば、無条件に解約できるとする条項も設ける。生活保護受給者が生活サービスだけの解除を申し出ると、住居からの退去を求められたり、高額な違約金を請求されたりするケースがあったためだ。条例に違反した場合の罰則や、業者の登録、届け出制も検討している。

ただ、生活サービスと住居の「セット契約」自体は、適正価格で行っている業者もあり、禁止はしない方針。8月中に、条例案について府民の意見を募るパブリックコメントを実施し、最終的に内容を詰める。

生活保護受給者の住居を巡っては昨年夏頃から、高額な家賃と食事などの生活サービス料名目で保護費の大半を差し引く不明朗な契約実態が府内各地で表面化。
府は、調査に乗り出した大阪市と連携し、条例制定の準備を進めていた。

国政レベルでは、民主党も貧困ビジネス対策を考える議員連盟を今年4月に発足させ、規制強化に向けた議員立法を検討している。
(2010年8月9日08時09分 読売新聞)

そもそも、小泉改革(世界的に見ても、改革ブームの最終段階だったのかな?)などは「すべてを市場に任せた方がよい」であったと思いますから、貧困対策がビジネス化して「貧困ビジネス」が生まれたことは、改革の方向性としては正しかったのではないのか?

結局、グッドウィルグループの一員であったコムスンが介護ビジネスを大々的に立ち上げ、介護報酬不正請求事件をきっかけにして、結局は消滅してしまったのと同じことではないのか?

事業によって、利益を得るためには複数の手段があって、経営情報がすべてオープンされていない状態での競争では、市場原理すら働かない。
むしろ、直接競争を避けた方が儲かると考える経営者が先に参加してくるのは当然だろう。

小泉改革に象徴される「改革」の実態はビジネス展開だけを自由化する改革であって、経営情報をオープンしなかったから、この20年ぐらい日本の企業はどんどん経営が悪質化した、という指摘は放送大学の授業ですら取り上げられています。

大阪府の取り組みは、当然ではあるけど、ちょっと方向違いのような気がします。
どうせなら、徹底的な経営情報の公開を義務づける方が、将来のためには有効なのではないだろうか?
所詮は、このような手法ではパッチを当てているだけだと思う。

8月 9, 2010 at 10:11 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

チベット族自治州舟曲県の土石流事件

サンケイ新聞より「【中国土石流】1300人の行方不明者の捜索に全力 数千人動員、徹夜態勢も捜索は難航

2010.8.9 07:09

中国甘粛省甘南チベット族自治州舟曲県で8日発生した大規模土石流災害で、現地対策本部は9日未明も徹夜態勢で、1300人近い行方不明者の捜索に全力を挙げた。被災地では土砂が厚く積もった場所も多く、捜索は難航しているが、数千人に上る軍兵士や武装警察部隊を動員、救助作業を加速させている。

中国メディアによると、地元対策本部は8日夜、死者127人、負傷者117人を確認し、1294人が行方不明と発表。倒壊家屋のがれきの中や屋上などから1200人余りを救出したとしているが、幅約500メートル、長さ約5キロにわたり土石流に襲われた地域もあり、死傷者数はさらに増えるとみられている。

被災者は5万人を超え、約4万5千人が緊急避難。不明者は一時2千人に上った。さらに数日、悪天候が続くとの予報も出ており、捜索は時間との闘いになっている。(共同)

朝日新聞より「チベット自治州で土石流、127人死亡2千人不明 中国

2010年8月8日20時26分

【上海=奥寺淳】
新華社通信によると、中国甘粛省甘南チベット族自治州舟曲県で7日夜から8日にかけ、豪雨による大規模な土石流が発生し、127人の死亡が確認された。2千人以上が行方不明となっており、被害が拡大している。温家宝(ウェン・チアパオ)首相が8日、現地に入り、復旧作業の指揮を始めた。

集落の一つが土石流にのみ込まれ、約300戸の家屋が泥の下に埋まった。

近くを流れる白竜江には、土砂崩れによって川がせき止められた「土砂ダム」ができ、市街地に水が流れ込んで多数の建物が浸水。地元当局はたまった水を下流に流すため爆破作業を実施した。

被災者は5万人に上り、うち約4万5千人が避難した。

現場は甘粛省南部の標高約2千メートルの山岳地帯。人口約13万人の3分の1をチベット族が占める。

どんなところかと調べたら、ココでした。

Up_2

さすがに、自治区なのですが、Google Earth を拡大してみている内に、すごい写真があってびっくりしました。

Up2

確かに、報道でも数万人とか言っているわけですから、大都会があっても不思議は無いですが、「なんですか?これは」状態でありました。
この写真の元ネタを探っていくと、このサイトでありました。

藏?江南泉城舟曲 拉?仙境??迎客」観光案内のようです。

Google Earth を傾けてみると、町は標高2000メートル以下のようですが、周囲の山は4000メートルぐらいに取り囲まれていて、秩父や奥多摩をスケールアップしたようなところです。

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Google Earth でみると、どうもこのあたりが、近代的都市に開発された最奥地のようで、そこでこのような大災害が起きたとなると、中国政府が全力を投入するのも分かります。

8月 9, 2010 at 09:45 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (2)