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2010.07.16

原油流出事故のまとめ記事

ニューズウィーク日本版より「BP原油流出、史上最悪の環境・産業災害を招いた深海油田探査の野望と教訓

全5ページの長いものです。
良くまとまっていて、問題点色々と指摘しています。

原油流出

深海に賭けたBPとオバマの誤算

Crude Awakening

オバマが沖合での石油・天然ガスの探査・開発にゴーサインを出した矢先の大惨事。被害拡大につれ人々の怒りは募りBPの経営危機も深刻に

2010年07月16日(金)12時09分

エバン・トーマス、ダニエル・ストーン(ワシントン支局)、ウィリアム・アンダーヒル(ロンドン支局)、マシュー・フィリップス、ラビ・ソマイヤ

[2010年6月23日号掲載]

「アメリカの敵」ナンバーワンは、もはやトヨタ自動車でもイランでもない。イギリスの国際石油資本BPだと、英フィナンシャル・タイムズ紙は嘆く。

※下記の図はクリックするとポップアップで拡大します


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 4月20日に米ルイジアナ州沖のメキシコ湾の深海油田掘削施設ディープウオーター・ホライズンで作業員11人が犠牲となる爆発事故が起きてから8週間。いまだ原油の流出が止まらず、被害は海洋生物から沿岸の地域住民に拡大。

火消し役のはずのBPのトニー・ヘイワードCEO(最高経営責任者)が、「海の大きさに比べれば流出した原油の量など微々たるもの」と発言するなど無神経ぶりを発揮していることもあって、アメリカ人は日増しにBPへの反発を強めている。

 それと比例するように、バラク・オバマ米大統領の対応にも不満が噴出。

6月7日に発表されたABCニュースとワシントン・ポストの共同世論調査ではオバマに批判的な人が69%に達し、ハリケーン・カトリーナのときのジョージ・W・ブッシュ大統領に対する批判率62%を上回った。

 いら立つ世論に背中を押されるように、オバマ政権がBPに科す「罰金」は次第に厳しくなり、BPの株価は事故発生から40%以上下落した。買収やBPの「プランB(バンクラプシー=破綻計画)」が株式市場やイギリス政府の動揺を誘うまでになっている。

 原油流出量は既にアメリカ史上最大となり、自然破壊はもちろんルイジアナ、フロリダなど沿岸各州の地域経済に対する影響も甚大だ。事故はなぜ起こり、なぜここまで拡大したのか。再発を防止する手だてはあるのか。

 先のABCニュースとワシントン・ポストの世論調査によると、BPに批判的なアメリカ人は81%にも上る。オバマ政権は地域住民への補償や事故対策費用は全面的にBPに支払わせる方針で、BPが負担した事故対策費は既に14億ドルを超える。

イギリス人の年金も減る

 さらにケン・サラザール米内務長官は6月9日、掘削作業の停止で一時解雇される労働者の給与の支払いを新たに要求

BPの株価は1日で16%近く急落した。米政権はBPを「決して容赦しない」と、サラザールは言う。

 米議会は、BPに配当の支払いを停止して原油流出の被害を受けた数百万人の地域住民への補償を優先させることを求めている。

減配に陥るとすれば、92年の景気後退以来のことになる。

 ヘイワードらBPの経営幹部は6月16日、こうした険悪ムードを解消するためオバマに会いに行く。配当停止の「手土産」を持参するという報道もある。高配当(昨年は9%)が魅力のBPのような企業が配当を停止するのは、かなり思い切った行為。株価がさらに下落する可能性もあるからだ。

 イギリス政府も助け舟を出すつもりでいるようだ。キャメロン新政権のビジネス・イノベーション・技能相、ビンセント・ケーブルが先週語ったように、巨大企業BPに何かあればイギリス経済にも直接間接に重大な影響が及ぶ。

 昨年BPが支払った配当総額は100億ドルに上り、イギリスで支払われた配当全体の約14%を占めた。イギリスではほとんどすべての年金基金にBP株が組み込まれており、国内で1800万人、人口の30%が何らかの形で同社の株式を所有しているといわれる。

 デービッド・キャメロン英首相はBP株が急落した翌6月10日に、政府としてBPを支援する用意があると表明。株価は反発した。

 12日にはキャメロンとオバマが電話会談を行い、BPが迅速に対処すべきとの認識で一致した。だが、事故後次々と明らかになったBPの安全対策の不備や技術的な未熟さ、事故対応のつたなさを思えば、それで安心できるわけではない。

 何より原油流出は今も止まっていないし、その流出量や汚染範囲は新たな調査結果が出るたびに大きくなっている。最近、米政府調査団の一員である大学教授がAP通信に語ったところによると、BPが日量220万~450万リットルと推定していた流出量が、実は300万~680万リットルに達する可能性があるという。

 BPはここ数年、企業イメージの向上に力を入れてきた。正式名称をブリティッシュ・ペトロリアムからBPに変更したのは01年のこと。CSR(企業の社会的責任)の流れに乗ってより環境に優しい企業イメージを打ち出すのが目的で、BPとは「石油の先へ(ビヨンド・ペトロリアム)」の略だとうたった。

米政府との癒着もあった

 しかしその後も、05年のテキサス州の製油所爆発事故や06年のアラスカ州の石油パイプライン漏出事故など、大きな事故が相次いだ。現代の石油業界で最大級の惨事となったテキサスの事故では従業員15人が死亡し、180人が負傷。4万3000人がシェルターで避難生活を送る羽目になった。

 07年には、経営諮問委員会を新たに設置し、クリスティーン・ホイットマン元環境保護局長官やトマス・ダシュル前民主党上院院内総務、CIA(米中央情報局)長官就任前のレオン・パネッタら大物メンバーをそろえた(年俸はそれぞれ12万ドル)。

 だが、いずれも誠意ある取り組みではなかったようだ。

「BPは繰り返し安全問題を無視してきた」と、非営利の取材機関プロパブリカとワシントン・ポストの共同調査結果は結論付ける。

 プロパブリカが「BPに近い人物」から入手した社内安全調査に関する資料からは、安全軽視の体質が浮き彫りになった。老朽化した装置をそのまま使ったり、内部告発を封じる圧力をかける行為が組織的に行われていた。

 テキサスの製油所の爆発事故に関する調査では、「米国内5カ所の製油所すべてに重大な安全上の問題がある」と、05年に指摘されていたことが分かった。

 本誌のマイケル・イジコフとマイケル・ハーシュは先月、環境保護局の調査官らが「テキサスシティーでの安全上の欠陥を知りながら善後策を講じなかったとみられる」BP社幹部らを告発しようとしたが、ブッシュ政権時代の司法省に却下されたと報じた。

 米政府上層部が甘い対応をした例はほかにもあった。BPは安全対策の不備を大目に見てもらうためのロビー活動に大金をつぎ込んでおり、それが功を奏したのだろう。

プロパブリカが得た資料により、ディープウオーター・ホライゾンでも事故前に

「エンジンの出力過剰を防止する安全装置が働かなかった」
など数々の安全上の問題が指摘されていたことが分かった。ある機械工はこう証言している。
「エンジン室にガス警報装置があれば、エンジンを止めることができただろう」

 事故発生後のヘイワード「語録」は、石油大手のトップとは思えない認識の甘さをよく表している。ニューヨーク・タイムズによると、事故対応で追われた4月29日にはロンドン本社で「一体どうしてわれわれがこんな目に遭うんだ」と言っている(過去3年間に760件もの安全規定違反を犯していたからでは? ちなみに、エクソンモービル社の違反は1件のみ)。

 5月14日には英ガーディアン紙に「海は広い」発言、5月18日にはスカイ・ニュースに「この災害の環境への影響はおそらく非常に小さいだろう」と言ってのけた。『トゥディ・ショー』に出演した5月30日には、「自分の生活を取り戻したい」と言って同情を買おうとして失敗した。

 今回事故を起こした油井は約1500メートルの深海にある。水は冷たく真っ暗で、近づけるのは遠隔操作のロボット型潜水艇だけだ。

BP買収は時間の問題?

 なぜ爆発したのか、まだはっきりとは分からない。報道によると、爆発の数時間前、海底に掘った油井の周囲を固めるセメントからガス漏れがしていたという。

ニューヨーク・タイムズによれば、

  1. 掘削施設を所有し管理していたのはスイスの掘削請負会社トランスオーシャンで、
  2. セメント工事をしていたのは米複合企業ハリバートン。
各社が責任を押し付け合っているという。

 はっきりしているのは、原油やガスが海面に向かって噴き上げて掘削施設で爆発が起きるのを防ぎ、海面に浮かぶ人工島で作業をする126人を守る役割を果たすはずだった重さ325トン、5階建ての消火栓のような噴出防止装置が、肝心なときに作動しなかったということだ。

 BPは事故後10日間にわたって何度も噴出防止装置を作動させようと試みたが、うまくいかなかった。遠隔操作技術の限界もあり、水深1500メートルの流出個所を完全に塞ぐまでには何カ月もかかりそうだ。

 現に、巨大なドーム型の容器を破損したパイプにかぶせる方法は失敗。パイプにチューブを差し込んで原油を吸い上げることには成功したが、効果は薄かった。油井に泥やセメントを流し込んで原油とガスの噴出を食い止める作業、通称「トップキル」も失敗した。今は流出源にキャップをかぶせる新手法で1日に230万リットルの流出が防げたとBPは言っているが、流出が止まったわけではない。

 失言でBPのイメージを損なったヘイワードに残されたもう1つの使命は何か。同社史上で最も高くつきそうな原油除去費や、補償の負担額を可能な限り少なくすることだ。

 事故が発生した4月20日以降、BP株は40%近く暴落し、時価総額は1830億ドルから約1150億ドルに急減した。投資家たちはまだ、この株価下落は一時的なものと考えている。世間が過剰反応から目覚め、1日300万リットル程度の原油流出が企業を破滅させるはずはないと気が付けば、株価は回復すると信じている。

 だが、誰もが楽観的なわけではない。BPは原油の除去作業に約10億ドルを注ぎ込んでいるが、

ヘイワードは、最終的なコストは約30億ドルにもなり得ると言ってまた失笑を買った。
「断言するが、ウォール街はこの見積もりを信じていない」と、ニューオーリンズを拠点とする原油アナリストのブレーク・フェルナンデスは言う。
本当のコストはおそらく100億~300億ドルに達する
と言うのだ。

 BPの財務状況についてさまざまな憶測が飛び交うなか、世間の関心はもはやこの石油大手が買収されるか否かを通り越して、「いつ」買収されるかに変わっているようだ。

オバマは技術を過信した

 BPの利益は今も莫大で、巨額の手元資金を持っている。今年1~3月期だけで60億ドルと、前年同期の2倍以上の利益を上げた。フリーキャッシュフロー(純現金収支)は70億ドルに上る。フェルナンデスによると、原油価格が1バレル=60ドルを上回る水準である限り、BPが手元資金を使い果たすことはない。5月の原油価格は1バレル=70ドル前後だったから、今のところは安泰に見える。

 だが、BPは同社株の大きな魅力の1つである配当の支払いを停止するかもしれない。メキシコ湾がBPの大きな収益源であることも見逃せない。BPは日量45万バレルという、この地域で最大の原油と天然ガスの生産者だ。同社の世界における原油生産のうちメキシコ湾での生産量は11%を占め、利益でみればその割合はさらに大きい。

 オバマがメキシコ湾における深さ約150メートル以上の海底油田開発を半年間凍結し、メキシコ湾で操業する採掘施設の安全対策規則を強化した今、その事業費が跳ね上がるのは確実だ。

 さらに、BPを欲しがる企業があるかどうかだ。ノルウェーの原油アナリストの最新予想によれば、BPを買えるほどの大規模な企業は英蘭系のロイヤル・ダッチ・シェルだけ。だが、今回の事故で安全対策に問題を抱えていることが分かったBPと手を組むのは事故のリスクを背負い込むも同然で、企業イメージを損ねることにもなる。今のBPは、刑事責任さえ問われかねない立場だ。

 BPの最終的な運命は、原油流出を止められるかどうかに懸かっている。流出を食い止めることに成功すれば、おそらくBPは何とかこの嵐を乗り切り、買収を免れることもできるだろう。だが流出が続けば、BPの負債はどこまでも膨れ上がり、独立した石油会社としての将来は真っ暗になる。それこそ「プランB」しか選択肢はなくなるかもしれない。

 そこへ至るまでには、先週末の時点でまだ34ドルだったBPの株価が、限りなく0ドルに近づいていくはずだ。

 事故はオバマにとってもタイミングが悪かった。オバマは4月1日、環境への影響を懸念する民主党内の声を押し切って、アメリカ沖合での石油・天然ガスの探査・開発にゴーサインを出したばかりだった。

「政府はかなり楽観していたと思う」と、マイアミ大学ローゼンスティール海洋学・大気科学大学院の研究者ビリー・クラファルーは事故の後、本誌に語った。「最新技術は非常に優れているから、もう2度と原油流出事故が起きることはないと聞かされてきた」

 海面に最初の油膜が広がったときから、オバマ政権に政治的な危機が忍び寄っていることは明らかだった。共和党はすかさず、ハリケーンへの対応が遅れたブッシュ政権になぞらえて「オバマのカトリーナ」と攻撃した。

油は大西洋岸まで達する

 オバマは5月2日になってルイジアナ州を訪問して被害の状況を視察。公の場での発言も痛烈になった。5月14日には「石油会社と、彼らに採掘を許した連邦機関のなれ合い関係」を激しく非難。法的な抜け穴を塞ぎ、BPのいいかげんな安全規則を承認していた米内務省鉱物管理局(MMS)を廃止すると明言した。

 5月半ばには、ついに油膜が沿岸にまで達し、現場にはメディアが押し掛けた。油まみれになった鳥の死骸や湿地帯に流れ込む茶色の汚い物質が全米のテレビに映し出された。

 ミシシッピ川の河口に位置し、入り組んだ湿地帯で知られるルイジアナ州プラークマインズ郡のビリー・ナンゲサー郡長にとっては、この世の終わりの光景だった。「以前この湿地帯では魚が跳びはねていた」と、彼は言う。なのに、今では「鳥も虫もいない。すべてが死んでしまった」。

 経済的損失も大きい。民主党政策委員会が5月末に行った試算では、ルイジアナの漁業は24億ドル、フロリダの観光業は600億ドルの規模があるが、それらが大打撃を受けるという。例えばメモリアルデー(毎年、5月の最終月曜日)のホテルの稼働率は、前年より70%減少した。

 当局や関連業界は、夏のハリケーンシーズンを懸念している。強風や大波が原油を分散させて消し去ることもあり得るが、油が海水と混じって粘着性の液体になり、沿岸を覆う事態も想定される。

 また早ければ夏にも原油はメキシコ湾岸をはるかに越え、大西洋岸に到達するかもしれない。

 米大気研究所(NCAR)の科学者らがコンピューターの海流モデルでシミュレーションしたところ、メキシコ湾の高速の海流「ループカレント」に原油が一旦流れ込めば、数週間以内にフロリダ半島の大西洋沿岸に達する。

 さらにメキシコ湾流に乗って北に広がり、ノースカロライナ州のハッテラス岬に到達。そこから東の外洋に拡大しかねないという。原油がループカレントに乗れば1日に65キロ、メキシコ湾流に乗れば1日に160キロ移動する。

「われわれが知る限り、この環境災害の範囲はフロリダのずっと先まで広がるだろう」と、NCARのシンティ・ピーコックは述べた。「その影響はまだ分からない」

 採掘の簡単な油田が世界中で減っている今、メキシコ湾の深海油田は欧米の石油メジャーにとって新たなフロンティアだった。深海での油田開発技術も向上し、ようやく投資が報われ始めた矢先の事故だ。はっきりしたのは、深海で一旦事故が起きてしまえば、被害が拡大するのを食い止めるのは難しいということだ。

 オバマは、エネルギー政策の転換の必要性も訴えるだろう。69年にカリフォルニア州サンタバーバラ沖で起きた原油流出事故による海岸汚染は、画期的な大気浄化法の全面改正につながった。今回の事故も、本格的なクリーンエネルギー時代のきっかけとなるかもしれない。

 それとも、BPを野放しにしてきたのと同じ石油ロビーの力で、ほとぼりが冷めれば再び甘く危険な深海油田開発の道に引き戻されるのだろうか。


■挑戦と失敗のタイムライン

4月20日石油掘削施設が爆発し、作業員11人が死亡
4月22日掘削施設が沈没し、施設と油井をつないでいたパイプが破損
4月24日ロボット型潜水艇が水深1500メートル付近でパイプからの油漏れを確認
4月28日BPが1日1000バレルとしていた推定流出量を、米政府が1日5000バレルと修正
4月29日ナポリターノ国土安全保障長官が「国家的で重大な流出事故」との認識を示す
5月4日BPは3カ所の流出個所のうち1つを封じたが、全体の流出量は変わらず
5月6日流出した原油がルイジアナ州沿岸部に漂着し始め、この後、計4州に汚染が拡大
5月7日流出個所に巨大なドーム型容器をかぶせ、流出原油の一部を吸い上げて回収しようと試みた。だがドーム内にメタンガスと水が結合した氷状の結晶が付着して吸い上げ口が詰まり、失敗に終わる
5月10日BPはより小型のドームを沈める計画を発表したが、実行せず
5月13日ニューヨーク・タイムズ紙などが、流出量は政府の推定値1日5000バレルを大幅に上回ると報道
5月14日BP、トランスオーシャン、ハリバートンの3社による責任のなすり合いをオバマが「ばかげた見せ物」と批判
5月15日薄まった原油が深海の広範囲にわたって広がっていると、科学者チームが報告
5月16日失敗続きのBPが、流出原油の一部を吸い上げて船に回収する作業をようやく開始
5月19日米環境保護局はBPに対し、72時間以内に毒性の低い分散剤に切り替えるよう求めたが、BPは効果が期待できないとして拒否
5月20日情報公開を求める世論に押され、BPが流出現場のライブ中継をウェブ上で始める
5月21日流出事故の原因を究明し、再発を防止するため、オバマが超党派の委員会を設置
5月26日BPは泥状の物質を大量に流し込む「トップキル」作戦を開始したが、3日後に失敗と発表
5月27日連邦政府の調査チームが、1日の推定流出量は1万2000~1万9000バレルと報告
6月6日批判が高まるなか、BPは1日1万バレルを回収中と発表。当局は流出が秋まで続く可能性を示唆

7月 16, 2010 at 09:07 午後 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

阿久根市長・シャレにならない議会否定。

朝日新聞より「議会開かぬ阿久根市長、正当と広報にコラム1400字

2010年7月16日11時21分

議会を開かず、職員や議員のボーナスカットなど専決処分を繰り返す鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、15日発行の「広報あくね」7月号に「市議会を開かないことについて」と題するコラムを載せた。

「政策の妨害を続ける議会に対して、市長が使える対抗策は『専決』しかない」「地方自治法は、議会に最大の権力を与えているおかしな法律」
などと市議会や現行の法制度を批判し、自らの専決処分を正当化している。

1ページを使った1400字ほどのコラム。自分の選挙公約は人件費の削減、市役所改革などだったとし、

「議会と市長は二元代表制ということになっていますが、議会は議論ではなく、議員の独裁で決める仕組み」
とし、
「(議会を)招集すれば彼らは必ず専決した条例を元に戻す」
と主張している。

さらに

「(前市政まで)市長、議員、職員、新聞社まで仲良く手を握り合い、利権を分け合ってきたので談合仲間であるマスコミからも問題にされず、市民には真実が隠されてきた」
とし、
「私のやり方に来るさまざまな抗議は、利権を奪われることに対するアレルギー反応です。私たちがこの試練を乗り越えれば、阿久根ばかりかこの国も変わります」
と締めくくっている。

非常にまずいですね。

参議院選挙が終わったので、以前の予定では市長リコールの運動が始まっているはずなのですが、報道がありません。

法律に反対する発言は、自由ですが、それが現在ある法律を無視することを許すわけではない。
わたしには、法治をの放棄して人治に賛成する根拠は見いだせない。

これでは、今後リコール解職となっても、立てこもりとか公文書の持ち出しといった実力行使もありうるとなってしまう。

7月 16, 2010 at 01:39 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (1) | トラックバック (0)

テレビ・アナログ打ち切りは、2011年6月末。

朝日新聞より「どうするTV局 アナログ終了、実は地デジ化3週間前

2010年7月16日1時56分

地上波テレビ放送が完全デジタル化する来年7月24日まであと1年余り。

テレビコマーシャルなどは盛んに「2011年7月完全移行」をPRしているが、実はアナログによる通常の放送は、総務省の計画では6月末に終わることになっている。

7月24日までの約3週間は「移行期間」とされるが、民放トップが異論をはさむなど、迷走ぎみだ。周知不足も重なり、視聴者が大混乱する恐れもある。

話がややこしくなっている背景には、アナログ放送の通常番組を来年6月30日に打ち切ったあとも、しばらくはアナログ電波は流し、7月24日正午をもって電波を止めるという「二段構え」になっていることがある。

総務省は「7月24日に突然アナログ放送を終了すると視聴者が混乱する」と説明。約3週間の移行期間を設け、軟着陸を図ろうというわけだ。

この方針は昨年4月、放送局も入った総務省の協議会で決めた。では、この約3週間に何を流すのか。協議会では三つの選択肢を示した。

  1. (1)通常番組の上にアナログ放送の終了を伝えるメッセージを重ねて放送する
  2. (2)通常番組をやめてアナログ終了を知らせる別の番組を流す
  3. (3)青い背景画面にお知らせメッセージだけを表示する
という方法だ。各放送局は自らの判断で、いずれかのパターンを選ぶ。

(1)だと、画面いっぱいのメッセージの背景に通常番組が流れ、内容がかろうじて分かる程度。(2)や(3)では、まったく通常番組を見ることができない。7月24日にはこうした放送もやめ、画面は小さな多数の光が明滅する「砂嵐」になる。

ところが、ここにきて各局の足並みが乱れてきた。民放各局が加盟する日本民間放送連盟の広瀬道貞会長(テレビ朝日顧問)は15日の記者会見で、

「50年間、アナログ放送を見ていただいた方には、最後の最後まで見ていただきたい」
と述べ、7月24日ぎりぎりまでアナログの通常放送を続ける考えを表明。昨年決めた三つの選択肢には、強制力はないものの、総務省幹部は「ちゃぶ台をひっくり返された」と困惑を隠さない。

他の民放やNHKは「どの方式にするか、いつまでに決めるかは固まっていない」。

視聴者に通常番組の終了時期をあいまいな表現で伝えてきたことも、混乱を招く一因になりそうだ。

7月1日以降の具体案が決まっていないため、家電メーカーのカタログなどには「7月24日までにアナログ放送は終了」と書かれているものが多い。
「までに」という表現で、終了時期をぼやかしてきたわけだ。

「こうした言い方では、普通の人はアナログの通常番組を7月24日の当日まで視聴できると思ってしまう。通常番組は6月30日に終わると、正確に知らせるべきだ」。

6月の総務省の検討会では、消費者団体などから告知方法の見直しを求める意見が相次いだ。家電メーカーの委員からは「カタログの文章を変えなければならない。早く決めてくれ」と悲鳴が漏れた。

総務省は最新のパンフレットに、7月1日以降は通常の放送ではなく、三つの選択肢のいずれかになることを初めて画像入りで載せた。
放送局にもPRしてもらうよう要請する方針。だが、対応は後手に回り、放送局側の調整不足も含め、視聴者不在の混乱が続きそうだ。

なんとまあ、2011年6月末でアナログ放送は打ち切りですか。

個人的にどうでも良いですが、なんというか「どうやってお金を掛けようか」と策動しているとしか思えないんですよね。

地デジにする必要性なんてほとんど無いでしょう。

7月 16, 2010 at 11:09 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

日航問題・パイロットの希望退職

読売新聞より「今度はパイロット、日航が早期退職募集

会社更生手続き中の日本航空は15日、パイロットを対象とした特別早期退職者の募集を20日から実施すると発表した。

路線撤退やジャンボ機の退役に伴い、人員を最適化する。

日航は2010年度に約1万6000人を削減する計画で、特別早期退職の募集は、他の職種も含めて、会社更生法の適用後で4回目となる。

今回の募集で対象となるのは、機長や副操縦士、訓練生など約2800人で、募集期間は8月16日まで。退職日は10月31日の予定だが、安全運航を維持する観点から、早めに募集を打ち切ったり、退職日を遅らせたりする可能性もある。

(2010年7月15日23時34分 読売新聞)

「日航問題・この期に及んで、まだ泥縄。」で書いた日航の人件費削減は、パイロットの早期退職募集になりましたが、全日空はこんなニュースを流しています。
サンケイ新聞より「全日空、CA170人追加募集 羽田発着枠拡大見据え

2010.7.14 16:31

全日本空輸は14日、今年11月以降に客室乗務職の契約社員約150人を採用する計画を決定した。契約は1年ごとで、最大2回まで更新できる。3年経過後は、本人の希望や適性、実績を踏まえ、長期雇用の社員に登用する方針。

同社は今年4月にも、契約社員252人を採用したが、10月の羽田空港の国際化に合わせ、客室乗務職の陣容を拡大する。

合わせて、同社で3年以上勤続経験がある元客室乗務員を対象に、長期雇用社員20人を再雇用する計画も決定。即戦力を確保すると同時に、同社を離れていた間に積んだ社会経験を業務に活かしてもらうことが狙い。

どんな業種でも同じですが、このような事態になると、優秀な人から抜けていきます。
先日、テレビで紹介されていましたが、FDA(フジドリームエアーラインズ)には、JAL系のパイロットが移ってきているそうです。

こんな事をグズグズやっていると、日航再生は出来ないかもしれません。

7月 16, 2010 at 10:59 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

石油メジャーは少数派なんだと

ニューズウィーク日本版より「BPが国営石油会社じゃなくて助かった

Thank God BP Is a Multinational Company

2010年07月15日(木)17時25分
カイル・トンプソンウェストラ

メキシコ湾にあるBPの海底油田から原油が流出する事故が起きて3カ月近くが経つ。

アメリカの世論の怒りや責任追求は続き、「特別な関係」だったはずの米英関係にも緊張が漂っている。

メキシコ湾の海底油田の操業停止命令は裁判所で覆された。どうしようもない状態だ。

だがこれでもまだマシと言えるかもしれない。
もしBPが国際石油資本(メジャー)でなく国営企業だったらどうなっていたことか。
交渉すべき相手は無能なCEO(最高経営責任者)ではなく、保護主義的な首相になるのだ。

アメリカの周辺海域や世界各地の海では多くの国営石油会社が海底油田の開発を行なっている。次に同じような事故が起きた場合には、経済や環境に大きな打撃を与えるばかりでなく、外交上の危機をももたらすかもしれない。

民間企業であるBPの事故でさえ、米英関係に緊張をもたらした。バラク・オバマ米大統領はイギリスのメディアや高官から、外国人嫌いだのアメリカ人の反英感情をあおっているだのイギリス叩きをしているだのと非難されてきた。デービッド・キャメロン英首相も、もっとBPの味方になるべきだと批判されている。

ではもしBPがイギリスの国営企業だったらどうなっていただろう。それはつまり、アメリカの沖合で発生した深刻な原油流出事故の直接的な責任を外国の政府が負っているという事態だ。

国民感情が絡んだ非難の応酬は今回の10倍もひどいものになっただろう。両国の首脳やエコノミスト、評論家たちは、責任の所在や現状回復のための費用負担、国家の威信、安全保障、経済競争力といったテーマについて延々と議論を続けることになったはずだ。

知名度は高いが規模は小さい欧米メジャー

それでもまだ、これはバラ色のシナリオと言えるだろう。少なくともイギリスは同盟国だからだ。

アメリカと同盟関係になく、なおかつ国営の石油会社を抱えている国はたくさんある。代表的な例がベネズエラや中国、イラン、ロシアだ。

これら産油国は、石油の安定供給を維持して自国内の需要増や石油価格の乱高下から身を守るという観点から、国営石油会社をこれまで以上に重視している。

実は世界の石油関連企業の多くは国営企業だ。名前が知られているのはエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロンといった多国籍企業のほうかもしれない。だが世界の石油資源のうち、多国籍企業が採掘権を握っているのは6%に過ぎない。

石油資源の88%を握るのは国営の石油企業で、既に世界の原油生産量の半分以上を占めている。

今のところ、サウジアラビアのアラムコ、ブラジルのペトロブラス、中国石油化工(シノペック)、メキシコ石油公社(ペメックス)といった国営石油企業の名はあまり知られてはいない。だが石油資源が枯渇して今以上にこうした企業の影響力が強まれば、おのずと知名度も上がることだろう。

国営石油会社がらみの事故を心配しなければならないのはアメリカだけではない。

シェブロンは11年にロスネフチ(ロシア政府が大株主)と合弁で、黒海での海底油田開発を始める。黒海にはロシアの他、グルジアやトルコ、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナが面しているが、これらの国々の間の関係はあまり良好とは言えない。

ここでロシアの国営企業が重大な事故を起こし、これまで軽んじてきた沿岸諸国の環境を汚染したらどうなるか。国際関係上の危機の始まりだ。

「火薬庫」南シナ海で事故が起きたら

トラブルが起こる可能性がさらに高いのは南シナ海だ。ここでは中国国営の中国海洋石油(CNOOC)が油田開発を進めている。

南シナ海は10もの国々に囲まれた海上輸送の要衝であり、環境的な多様性という点でも重要性は高い。すでに南沙諸島をめぐる領有争いがあるこの海で中国の国営企業が大事故を起こせば、これまでに積み重ねられた外交上の努力も水の泡だ。

メキシコ湾でも類似の事故が起きる可能性は残っている。ペトロブラスはメキシコ湾で油田開発を進めている。ブラジルは周辺諸国と比較的良好な関係を保っているが、今回と同じ規模の事故が起きれば南北アメリカにおける国際政治の風向きは大きく変わるだろう。

国際政治を揺り動かすのが海底油田の事故とは限らない。石油のサプライチェーンのどの段階でも事故は起こりうる。

今年4月には、テキサス州にある石油精製施設(英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルとアラムコの合弁)で死亡事故が起きた。採掘であれ精製であれ輸送であれ、重大な事故が起きれば国際関係を損ねる可能性は否定できないということだ。

今回のBPの事故の教訓は「これからも事故は起こりうる」ということだろう。この事故を理由に、海底油田の開発をやめた国はない。海底油田の石油生産量は今後5年間で3分の2増加すると見られている。国営石油会社各社もほぼ順調に成長を続けると見られている。

再生可能エネルギーの普及は、世界の石油需要を大きく減らすほど急速には進んでいない。残っている石油資源は従来ほど簡単に採掘できる場所にはなく、今後石油会社はさらに危険を伴う方法で資源開発を進めることになるだろう。

そしてBPの事故を見れば分かるとおり、永遠に危険を回避し続けることなど不可能だ。

(The Big Money.com特約)

なるほどねぇ~と思って読みました。

実は世界の石油関連企業の多くは国営企業だ。名前が知られているのはエクソンモービルやロイヤル・ダッチ・シェル、BP、シェブロンといった多国籍企業のほうかもしれない。だが世界の石油資源のうち、多国籍企業が採掘権を握っているのは6%に過ぎない。

石油資源の88%を握るのは国営の石油企業で、既に世界の原油生産量の半分以上を占めている。

う~ん・・・・、つまりBPが民間企業としてこれだけの大事故を起こしたこと自体が、確率的に低いところで起きたというわけですか・・・・。

いくら何でも、これほど長引くとは思っていませんでしたが、今後起きるかもしれない、国営企業の事故は、大外交問題に発展する可能性がある、というのは良く分かります。

7月 16, 2010 at 10:42 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.15

口蹄疫問題・宮崎県の隠蔽体質?

読売新聞に宮崎県の口蹄疫に関する記事が二本出ています。
獣医師「典型的な症状」…口蹄疫疑い未報告

特集 口蹄疫

厳戒態勢で口蹄疫(こうていえき)に対峙(たいじ)していた宮崎県で、口に赤い斑点のある牛が、検査も国への報告もなされないまま埋却処分されていた。

県の担当者は「口蹄疫ではないと信じている」と正当性を主張するが、その場に居合わせた獣医師らは「少しでも疑いがあれば調べるべきだった」として、県の対応を疑問視している。

「教科書で見たような、典型的な症状だった」。同県新富町の肉牛農家で6月25日、殺処分にかかわった男性獣医師(34)は、こう振り返る。

読売新聞の取材に応じた複数の獣医師によると、問題の牛は、殺処分中の同日午後4時頃、発見された。舌の奥に白い水ほうができ、赤い斑点が歯茎に数個浮かんでおり、現場に居合わせた別の30歳代の男性獣医師も「ついに出たか、と思った」と話す。

当時、この牛の周囲には10人近い獣医師らが集まり、「血液を採って、検査すべき」との意見が相次いだ。しかし、現場にいた県の家畜保健衛生所の防疫員は、獣医師らに、「疑わしい牛がいたが、殺処分を続ける」と命じたという。

問題の牛の殺処分をした男性獣医師は「注射しながらも、『検査するのが当たり前なのに』と疑問が頭から離れなかった」と話す。別の獣医師は「しばらく発生がなかった時期だったので、感染の事実を認めたくなかったのではないか」とも振り返る。

動物衛生研究所(茨城県つくば市)によると、ワクチンを接種した家畜はワクチンが効果を発揮すれば、体内でウイルスの増殖力が失われ、臨床症状を示すこともウイルスを排出することもほとんどなくなる。しかし、ワクチンの効果には個体差があり、

「症状が出ているということは、ワクチンが効果を発揮せず、ウイルスを排出していた可能性があった」
(疫学情報室)という。

県畜産課の児玉州男(くにお)課長は

「唇に赤い斑点はあったが、疑わしい症状とまではいえなかったと報告を受けている」
と説明。複数の獣医師らの所見を聞き入れなかった防疫員の判断については
「県知事から委嘱を受けた家畜防疫員の現場での権限は大きい。その判断は絶対だ」
としている。

(2010年7月15日08時09分 読売新聞)

宮崎県に口蹄疫隠しの疑い…検査拒否し殺処分

宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、県の家畜保健衛生所の職員らが先月、同県新富町の農家で口蹄疫が疑われる症状の牛1頭を発見しながら、検査や国への通報をしないまま殺処分していたことが14日、わかった。

県は「口蹄疫ではないと判断した」としているが、農林水産省が殺処分に関与した獣医師らから事情を聞いたところ、「明らかに口蹄疫の症状で、検査を求めたが県側に拒否された」と証言。家畜伝染病予防法は疑似患畜を発見した場合、国への通報を義務づけており、同省は同法違反の疑いもあるとみて近く、県に事情を聞く方針。

口蹄疫のような症状が出ていた牛が見つかったのは先月25日。

この時点で同町では同12日を最後に感染が確認されておらず、県全体でも同19日以降発生がなかったため、県は7月1日に「非常事態宣言」を一部解除した。農水省では「解除を遅らせたくないための“感染隠し”と受け止められかねない。検査すべきだった」としている。

農水省によるとこの牛が見つかった場所は、感染が集中した移動制限区域内にある同町内で、約500頭を飼育する畜産農家。5月24日にワクチン接種を終えていた。

6月25日には県家畜保健衛生所の家畜防疫員と獣医師ら計約40人が殺処分を進めていたところ、1頭に口蹄疫のような症状が見つかった。

この症状を確認した獣医師らはその場で、「口蹄疫の典型的な症状」として、口内の写真撮影と血液の採取を求めたが、現場責任者で獣医師の資格を持つ県の家畜防疫員が「必要ない」として、その日のうちに殺処分と埋却を終えたという。

読売新聞の取材に対し、県畜産課の児玉州男(くにお)課長は、現場で異議が出たことは認めたが、

「軽微な症状だったので、口蹄疫ではないと判断した。殺処分と埋却の権限は県の防疫員にあり、対応に問題はない」
としている。

しかし、農水省が現場に居合わせた獣医師ら3人に聞き取り調査を行ったところ、

「牛の舌には水疱(すいほう)ができ、鼻や歯茎などにただれと潰瘍(かいよう)が複数あった」
「典型的な口蹄疫の症状で、獣医師らで家畜防疫員に検査するよう何度も迫ったが、聞き入れられなかった」
などと話したという。

家畜伝染病予防法は、疑似患畜を発見した場合、獣医師や農家に対し、速やかに県を通じて国に報告することを義務づけている。

同省は

「軽微な症状でも、まず検査するのが防疫の鉄則。仮に感染していた場合、人や車を介してウイルスが拡散した危険性もあった」
として県から事情を聞く方針。
(2010年7月15日03時03分 読売新聞)

宮崎県の対策が後手後手になったと感じていましたが、どうも「少しでも小さく見せよう」とした県の姿勢があったようですね。

「牛の舌には水疱(すいほう)ができ、鼻や歯茎などにただれと潰瘍(かいよう)が複数あった」
「典型的な口蹄疫の症状で、獣医師らで家畜防疫員に検査するよう何度も迫ったが、聞き入れられなかった」

というのはけっこうすごい話で、聞き入れない根拠が

「県知事から委嘱を受けた家畜防疫員の現場での権限は大きい。その判断は絶対だ」

ということであれば、全責任を県が取るべきだとなりますね。
しかし、現実には口蹄疫は拡大したわけで、その点について宮崎県はどのように責任を撮るのでしょうか?

どう考えても、疫学や防疫といった科学的な根拠に基づく決定に対して、経済とか行政の裁量といったことを優先したとしか思えません。
要するに、非科学的であり、防疫の観点では数百年前の水準での判断と言えるでしょう。

先ずはこの点を整理して、問題を明らかにしないことには、疑いは残り続けます。
将来の宮崎県の畜産業に相当な損害をもたらす可能性があるでしょう。

7月 15, 2010 at 10:02 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)

宝塚音楽学校・万引き・退学処分・提訴・和解・調停

サンケイ新聞より「宝塚退学処分の女性 「万引の事実なし」と卒業認定の調停成立

2010.7.15 08:14

宝塚歌劇団の劇団員を養成する「宝塚音楽学校」(兵庫県宝塚市)から退学処分を受けた女性(19)が、処分の理由とされた万引の事実はないとして、学校を相手取り処分の取り消しと慰謝料など1千万円の支払いを求めた訴訟は14日、処分を撤回することなどを条件に、神戸地裁で調停が成立した。

原告側の代理人が明らかにした調停条項によると、学校は退学処分を撤回して卒業資格を与えるが、女性は宝塚歌劇団へ入団しないとしている。慰謝料の支払いや謝罪の有無は明らかにしていない。

女性は平成20年4月に入学。同級生から「コンビニで万引した」などと報告され、退学処分となった。女性は「報告は捏造(ねつぞう)」とし、昨年11月に提訴。
和解協議を経て今月からは、調停に切り替えて協議が進められてきた。

女性は「処分が取り消されうれしいが、宝塚の舞台に立つ夢がかなわなかったのは残念」とのコメントを発表。宝塚音楽学校は「裁判という形で争うことになってしまい遺憾」としている。

この記事によれば、同級生の報告によって退学処分を受けた、との事ですから法的には宝塚音楽学校に客観的な事実を示す義務があるところ、それが不十分であったということでしょう。

昔は、このような問題について報告した側にもそれなりの責任と根拠があるということで、報告内容と現実のバランスが取れているのだと考えられていましたが、最近では情報の先走りというか、必ずしも現実とバランスが取れていない情報が出てくることが多くなったように思います。

刑事裁判で問題になっている、自白偏重問題なども同様の傾向のなせるところでしょう。
別の例では、学校でのいじめ問題で「調査したが分からなかった」といった例も同様だと思います。

やはり、情報と現実に起きている事件の調査は、平行して行うべきだとなります。

7月 15, 2010 at 09:40 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.07.14

雑誌が訴訟されたことを訴訟し返す。

共同通信ニュースより「前会長らを提訴へ FACTAの振興銀報道

前会長(48)らが銀行法違反容疑で逮捕された日本振興銀行の報道をめぐり、不当な名誉棄損訴訟を起こしたとして、ファクタ出版(東京)は14日、振興銀や前会長らに約3千万円の損害賠償を求め今月中にも東京地裁に提訴することを明らかにした。

ファクタ出版によると、発行誌「月刊FACTA」は2009年5月号から4回にわたり、商工ローン大手SFCG(破産手続き中)の債権二重譲渡や、融資の採算性などに関する問題を報じた。

振興銀側は名誉を傷つけられたとして、損害賠償や謝罪広告掲載を求める3件の訴訟を東京地裁に起こしたが、警視庁による6月の家宅捜索直後、すべて取り下げたという。

ファクタ出版は

「訴訟対策のため膨大な時間と経費を使い、ほかの取材や報道にも支障が出た」
として
「不当な訴訟を起こした行為は、表現の自由を圧殺するもので断じて許されない」
としている。

FACTAは阿部重夫氏が設立した出版社です。
ログのプロファイルより

発行人 阿部重夫
編集長 阿部重夫

  • 1948年、東京生まれ。
  • 東京大学文学部社会学科卒。
  • 73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。
  • 日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、
  • ケンブリッジ大学客員研究員。
  • 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、
  • 05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

なかなか華々しい経歴の方で、ブログは当初は読んでいました。
現在見ることが出来る一番古いエントリー「ソニーを包む「奇妙な沈黙」」2005年12月10日

新雑誌「FACTA」で何をめざすのか。一例をあげよう。「2ちゃんねる」などネット掲示板ではソニーが袋叩きにあっている。携帯オーディオ市場で6割のシェアを奪ったアップルの「iPod」に対抗し、かつての王者ウォークマンが巻き返しの決め手として11月19日に発売したばかりの「Aシリーズ」に対する怨嗟の嵐が、ネットで吹き荒れた。

不思議なことに新聞・雑誌はそれをほとんど報じない。広告主ソニーに気兼ねしているのかと疑われてもしかたがない。この奇妙な沈黙はまた、ソニー自身が演出しているのだろうか。苛立ってネットに殺到するクレームはほとんど一方的に「ソニー憎し」で、返品をあおるばかりだ。同情的な声があっても「おまえはGK(ゲートキーパーの略語、「仮面をかぶった回し者」の意味)か」と一刀両断である。

ブログは怖い。ネットの“蛮人”たちは落ち目のブランドと見るや、ここぞとばかりに痛めつける。だが、なぜソニーに直あたりしないのだろう。「臭いものにフタ」式なら日光消毒になるし、意識的または無意識の世論操作装置と化している既存ジャーナリズムを破って風穴をあけられる。落書きみたいなソニーの悪口を掲示板に書きこむだけではあまりに悲しい。対象からのフィードバックを欠いたネットは、対人恐怖症の裏返しである。

それなら、と思った。幸い、人に会って喜怒哀楽を引き出すのは苦にならない。どんなジャーナリズムも、取材と回答の往復運動から生まれる。それをネットで見せればいい。ソニーの「沈黙」を俎上にのせよう。だが、ウォークマンAシリーズやコピー制限機能付き音楽CDという、ソニーにとって致命傷と思える問題が続いたせいで他意はない。

そもそも、阿部氏がバリバリの紙メディアの人で、しかも「日経ベンチャー」、「選択」の編集長であった、という方がネットで発言していると非常に注目したわけです。

そのココロが、新雑誌FACTAの発行にあったとしても、その当時の状況が、新雑誌を出しただけではビジネスとして成功する、つまり雑誌ブームのような状態とはかけ離れていたので、「どうするつもりなのだろう」という興味も大きかったです。

しかし、紹介したエントリーにも見られるように、ネットに対する上から目線が段々と強くなったと感じて、ブログを読んでも仕方ないと思うようになりました。

そして今回の報道ですが、なんというか「どっちもどっち」だと感じるのですね。
メディアとして、企業でも個人でも直接叩けば、反発されるのに決まっている。訴訟もあり得る事でしょう。
そして、問題になっている恫喝訴訟もわたしは何度か見ています。

しかし、それはある程度以上に計算しないと、評論なんて出来ないわけです。
逆に言えば、「批判したら反発した、やっばり批判は正しかったのだ」というぐらいが本心でしょう。
本心で「雑誌に書いても、訴訟なんて起こされない」とでも思っているのであれば、それでは「痛すぎる」であります。

というわけで、今回のファクタ社が訴訟を提起することについて、わたし個人としては、ますますFACTAは「ちょっと違うぞ」感が増えました。

7月 14, 2010 at 09:16 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (0)

国税庁が、偽装請負で訴えられる

毎日新聞より「偽装請負:国税寮の管理人、国など提訴へ…時間外手当求め

国税局の単身者寮で「偽装請負」が行われ、管理人が劣悪な労働環境で働かされていた問題で、埼玉県内の寮などで働いていた茨城県潮来市の男性(74)が14日、不当な長時間労働を強いられたとして、国と雇用主の会社を相手取り、時間外手当約900万円の支払いを求めて東京地裁に提訴する。

この問題で管理人が訴訟を起こすのは初めて。

訴えによると、男性は雇用主だったさいたま市のビルメンテナンス会社から「週休2日制で1日8時間労働。時給1000円」と条件を提示され、07年4月に埼玉県内の関東信越国税局の寮の管理人に採用された。

しかし、雇用主の会社からは指示がない一方で、国税局からは「朝6時半から駐輪場の整頓や玄関の掃除を実施する」「午後10時半まで外のパトロールを行う」と記載された業務マニュアルを渡され、15時間労働を強いられた。国税局からは日常的に電話でも指示を受けていたという。

土日も職員のために風呂を沸かす仕事があったほか、週末に分別しないと大量のゴミがたまるため、結局、休める日は1日もなかった。08年4月には、東京都内の東京国税局の寮に異動したが、同様に盆や正月も休むことができなかったとして、2年間の時間外手当に当たる金額の支払いを求めている。両国税局は「訴状を見ていないのでコメントできない」と回答した。

国税局による管理人への業務の直接指示は、使用者責任があいまいになるとの理由で職業安定法が違法としている「偽装請負」に当たるとされ、一部の管理人が労働環境の改善を求めていた。【伊藤一郎】

毎日新聞 2010年7月14日 2時36分

こんな事件が起きていること自体を知りませんでした。
だからと言って、原告の主張を現段階で全部が正しいとも思えません。

むしろ問題はなんでこんな事になったのか?でしょうね。

派遣会社が「週休2日制で1日8時間労働。時給1000円」と条件を提示したのはごく常識的というべきでしょうが、それが実践されているかどうかは、派遣労働という性質上分かりにくい。
その意味では、この事件同様なことがいつでも起こりうると言えます。

一方、国税庁の現場は、おそらく契約が「週休2日制で1日8時間労働。時給1000円」を知らなかったのでしょう。
どういう人が働いているのかを意識しないでも何とかなる、と思っているところがおかしいです。

じゃあ、国税庁の現場が、派遣されている人一人ひとりについて「この人のは今日は公休日」とか有給休暇とか管理するのだとすると、それはそれで大変でしょう。

こういう落とし穴のようなところは、どうしても出て来るでしょう。
これに対する、総合的な「対策」は、派遣労働の最低時給を1万円程度(現在の10倍以上)にしてしまえば良いと思う。

今回提訴した人に、1日8時間、365日勤務したとすると、2920万円を支払う事になる。
これだったら、正規職員の方がはるかに安くなります。
また、派遣される人は大変でも喜んで1年間頑張るでしょう。

労働条件が良く分からないのだから、賃金は高くなる、という当たり前のことを実践すれば、起きない事件ですよ。

7月 14, 2010 at 10:04 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

再捜査で、ひき逃げが追加になった

朝日新聞より「ひき逃げ死傷、不起訴を一転在宅起訴 大津地検が再捜査

2010年7月14日1時20分

滋賀県草津市で昨年11月、歩行者2人が軽乗用車にはねられて死傷する事故があり、車を運転していた女(31)=同県栗東市=について、大津地検がいったん不起訴処分(嫌疑不十分)とした道路交通法違反(ひき逃げ)罪で在宅起訴したことがわかった。

自動車運転過失致死傷罪だけに問われた女は3月に有罪判決(検察側控訴)を受けたが、地検は遺族の求めなどを受けて異例の再捜査をした。

今後、女に対しては大津地裁でひき逃げの罪についてのみ審理され、判決が言い渡されるとみられる。

起訴状などによると、女は昨年11月6日、草津市内の市道で軽乗用車を運転中、同市のSさん(当時69)と妻(64)を後ろからはね、そのまま逃げたとされる。Sさんは頭を強く打って死亡、妻は胸の骨が折れる重傷を負った。

女は約1時間後に現場に戻って110番通報。

ひき逃げと自動車運転過失致死傷の疑いで逮捕されたが、

「人をはねたと思わなかった」
と供述したことなどから、地検はひき逃げについて不起訴処分とした。

これに対し、遺族が大津検察審査会に審査を申し立てたほか、大阪高検などに起訴するよう申し入れていた。

大津地検の広上克洋次席検事は「再捜査をした結果、有罪に持ち込める証拠を得た」と説明。

妻は「主人の無念が晴れたらと思う」と話した。

今回の起訴について、甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は

「検察が被害者目線、市民目線で積極的に事件をとらえ直していこうとする変化の表れだ。
改正検察審査会法に基づく強制起訴制度も少なからず影響しているのだろう」
と話す。

何度も読み直して、やっと理解できました。
加害者の行動と、検察の動き

  1. 軽自動車で、被害者夫婦を轢いた
  2. その後1時間逃走
  3. 現場に戻って、110番
  4. 自動車運転過失致死傷の疑いで逮捕
  5. 「人をはねたと思わなかった」と供述
  6. 検察は、ひき逃げについては不起訴

検察の判断は、1時間後に現場に戻ったことについて、逃走していたのではない、救助などを求めて、現場を離れたということにしたのでしょうね。

確かに「5分間離れた」を「逃走した」とは出来ないでしょう。
じゃあ、1時間なら逃走か?とも言えない。

そうなると必要なのは、逃走なのか、それ以外の何かをやっていたのか?であって、それは検察が捜査するべき事であった。
再送したら有罪に持ち込めることが分かった。

これは、検察としては「事件の解明に全力を尽くしていない」ということではないのか?
ちょっと情けない話だと思う。

7月 14, 2010 at 09:45 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

いよいよ振興銀行に捜査が入るが

サンケイ新聞より「振興銀、SFCGに違法取引持ちかけ 警視庁、出資法違反でも捜査

2010.7.14 01:30

日本振興銀行(東京都千代田区)の銀行法違反(検査忌避)事件に絡み、金融庁が違法性を指摘している日本振興銀行と、商工ローン大手、SFCG(旧商工ファンド、破産手続き中)の債権買い取り取引は、同行側が持ちかけていたことが13日、関係者の話で分かった。

同行の当時の役員らが取引の違法性を認識し、関連するメールを消去して隠蔽(いんぺい)しようとしたことが、検査忌避に発展したとみられる。警視庁は、取引の際に同行が受け取った「手数料」は事実上の金利に相当すると判断、出資法違反の疑いでも捜査している。

捜査関係者や同行元役員らによると、同行は平成19年ごろ、SFCGに持ちかける形で、中小企業などへの貸付債権を買い取る取引を開始した。

この際、SFCGは1・5%の手数料を払っていた。

同行側は手数料収入で潤うほか、債権買い取りは「債務者に融資をしたという扱いになり、融資実績にカウントされることにもなる」(同行元役員)。

一方でSFCGは当時、資金繰りが悪化していたため、債権売却代として当座の現金を受け取れるメリットがあった。

複数回にわたって同行に債権を売り、同行からの資金調達額は最終的に約1千億円に達したという。

しかし、20年以降は同行が買い取った債権の多くが回収不能となり、SFCGに債権を約1カ月後に買い戻させる取引を提案。
その際に手数料を増額し、45・7%に設定した。

金融庁は、買い戻し契約を設定したうえで債権を買い取る取引について、発生する手数料は「実質的に金利に当たる」と指摘。

警視庁は検査忌避容疑の裏付けを急ぐ一方、手数料が出資法の上限金利(29・2%)を上回っているとして、同法違反の疑いでも調べている。

同行元役員によると、同行の木村剛前会長(48)は、SFCG元社長、大島健伸被告(62)=民事再生法違反(詐欺再生)などの罪で起訴=の経営手腕を評価し、親交があったという。

また、同行はSFCG出身者を大量に採用するなどしており、両者は長年にわたって近い関係にあったことがうかがえる。

振興銀行とSFCGの、出資法違反(上限金利を上回る)という記事が流れたときに「ずいぶん強引だな。(捜査側は)大丈夫なのか?」との印象がありました。

その点についての説明が

また、同行はSFCG出身者を大量に採用するなどしており、両者は長年にわたって近い関係にあったことがうかがえる。
ということですか・・・・。

とは言っても、これはけっこう難しい話でしょう。
果たして、事件としてキチンと解決が出来るものなのだろうか?

7月 14, 2010 at 09:25 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

日航問題・この期に及んで、まだ泥縄。

サンケイ新聞日航、パイロットらの乗務保証手当を廃止へ 労組に提示
読売新聞日航、パイロット賃金25%削減…労組に提案
朝日新聞日航、労組に賃下げを提案 パイロット優遇制度は撤廃
毎日新聞日本航空:乗務手当廃止へ…賃金体系変更、労組に提示

と各紙が一斉に採りあげています。
サンケイ新聞

2010.7.14 00:40

会社更生手続き中の日本航空は13日、パイロットと客室乗務員に対して実際の勤務時間とは関係なく一定額の賃金を支給する「搭乗時間保証手当」を廃止すると労働組合側に正式に提示した。

現在はパイロットに月65時間分、客室乗務員に月50時間分をそれぞれ支給している。

整備員などに対するほかの手当についても引き下げる方針。

また年功序列の給与体系も、能力や業績に連動させた体系に抜本的に見直す。

日航は8月末の更生計画の提出に向け、主力取引銀行に債権放棄の増額など支援を要請しているが、交渉は難航している。

このため、高給批判が強いパイロットらの待遇にメスを入れ、人件費を抑制することで銀行団の協力を得たい考えだ。

読売新聞

会社更生手続き中の日本航空が、搭乗時間に関係なくパイロットに保証していた月65時間分の手当の廃止などを労働組合に提案したことが13日、わかった。

この結果、パイロットの賃金は約25%削減となる見通しだ。

他の職種についても手当の引き下げなどを提案している。
4月から従業員に実施している5%の給与カット率をさらに上積みし、コスト競争力の強化を図る考えだ。

対象は、中核子会社の日本航空インターナショナルの従業員で、客室乗務員も搭乗時間と無関係に手当を保証している「最低乗務保証時間」制度の廃止を提案している。

地上職では休日や夜勤手当の引き下げなどを求めており、業績との連動性を高めた給与体系への移行を含め、総人件費のさらなる圧縮を図る。

(2010年7月14日07時34分 読売新聞)

朝日新聞

2010年7月14日3時2分

経営再建中の日本航空は13日、大幅な賃下げとなる給与制度の見直し案を六つの労働組合に提示した。

パイロットは一定の勤務時間分の賃金を保障する制度などを廃止して2~3割程度、社員全体では平均で1割強の賃下げとなる見通し。

日航は9月までに労組と合意し、年度内に賃下げする考えだ。

賃下げの対象は、日航グループの中核会社である日本航空インターナショナルの社員1万4200人。

年功序列を基本にした従来の給与制度を抜本的に見直し、若手や能力の高い人材への配分を厚くする。

2008年時点で平均年収が約1800万円だったパイロットは、実際の乗務の有無にかかわらず、月65時間搭乗した分の賃金を保障してきた制度を撤廃する。

そのうえで、職責手当と実際の乗務時間に応じた給与体系にする。

客室乗務員も月50時間分の保障をなくす。整備など地上勤務の社員についても、時間外や休日などの手当を上乗せして支給してきたが、これらの上乗せ分をなくす。

日航は今年1月の会社更生法申請後の暫定措置として、4月から5%の給与カット、定期昇給の停止、ボーナス全額カットを実施している。

日航は、賃下げのほか、グループ全体の3割にあたる約1万6千人の人員削減などにより、09年度に約3800億円の人件費を12年度に約2500億円まで減らす方針だ。

毎日新聞

会社更生手続きで再建中の日本航空は13日、パイロットなど運航乗務員について、実際の乗務時間にかかわらず一定額を支給していた手当などを廃止し、乗務時間に応じた賃金体系に変更する方針を固め、労働組合に提示した。

地上職も含めて、年功序列の賃金体系も業績や能力に応じた仕組みに改める。

日航は従来、機長は月80時間、副操縦士は65時間、客室乗務員は50時間と、実際の乗務時間と無関係に一定時間乗務したとみなして手当を支給してきた。

しかし、債務超過額が予定より膨らみ、8月末までにまとめる更生計画案で、金融機関に債権放棄額の上積みを求めざるを得なくなったため、高給につながると批判されてきた乗務手当の廃止を提案することにした。 賃金体系の変更で総人件費を圧縮し、銀行団の理解を得たい考えだ。

日航は既に、パイロットや客室乗務員の自宅から空港までタクシーで送迎する待遇を見直す方針を提示し、労働組合側も受け入れる方向だ。【山本明彦】

なんというか、いかにも机上で考えた「策」という印象がつきまといます。
まあ、元々が「銀行団を説得するため」なのですから、賃金体系の見直しは目的ではなく、総人件費の圧縮のために目立つし、以前からどうにもならなかったところに手を付けよう、ということなのでしょうね。

パイロットは航空身体検査が年間に複数回あって、不合格だと乗務停止、繰り返すと解雇になります。
だから高給を支払っていた、という面があったのです。

それをみなし賃金で支払っていたのは、会社の都合の問題であって、現場の責任じゃない。

もちろん、高給だから下げるというのは分かるけど、上記のような事情はどうするのか?
たぶん、追加融資が必要になるまで、「対策」を明示できなかったのは、手を付けられない面倒な問題だったから、なのでしょう。

そういう意味では「ドサクサ紛れ」の感が非常に強いのですが、こんな事ならさっさと普通に倒産させてしまえば、簡単だったろうと思います。

7月 14, 2010 at 09:12 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.13

新タブレットPCが出る?

朝日新聞より「「7」搭載タブレットPC、年内に各社が発売 MS発表

2010年7月13日11時32分

【ニューヨーク=山川一基】
米マイクロソフト(MS)は12日、同社の最新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」を搭載し、薄くて持ち運びができる新型情報端末の新製品を、ソニーや東芝、パナソニックなど21社が年内に発売する、と発表した。人気商品となった米アップルの新型情報端末「iPad(アイパッド)」に対抗する製品となりそうだ。

MSのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)が、開発者を集めた会議で明らかにした。同社は新端末を「スレートパソコン(石板PC)」と呼んでいる。画面を触ることで操作でき、動画や電子書籍を楽しめるなど「iPad」との共通点が多そうだ。

MSによると、参画するのは、日本メーカーではほかに富士通、オンキヨー。米ヒューレット・パッカードやデル、中国のレノボ、韓国のサムスン電子なども加わっており、各社が別々に新製品を開発、発売する。

iPadやスレートPCは「タブレット(平板)PC」とも呼ばれる。MS創業者のビル・ゲイツ氏は2000年ごろ、「今後、タブレットPCの登場で学習形態や職場が変わる」と予言。00年代前半にはMSのOSを載せ、ペンで操作する製品が相次いで発売されたが普及しなかった。

一方、今年4月に発売されたiPadは、画面のきれいさやアプリケーション(ソフト)の豊富さで人気を集め、発売から3カ月足らずで300万台以上を売った。

出遅れたMSは、OSで協力関係にあるメーカー群との連携で巻き返しを図る。

まあ予想通りで、品物が出てきたら考えるといったところでしょう。

実は、この記事で触れられている、タブレットPCは持っていて、今でも年に何度か使う事があります。

現在の(買った当初の目的も)プレゼンテーション用です。

タブレットつまりペンでスクリーンに書き込めることと、パワーポイントの組合せは非常に強力で、レーザーポインターで指し示すのとは比較にならないです。

なにしろ、パワーポイントがスクリーンに示している文字などを後から色つきの線で囲ってしまって強調する、とかやっているのですから、ほとんど板書です。

しかし、板書だけのためのPCというのはさすがに、出番が少ない。
しかし、プレゼンテーション用の機械に、キーボードは必要ないですよ。

こんな事を考えると、

  • キーボードの有無 → 入力するのかしないのか
  • 見るだけの場合 → 必要なのは、立ち上がりの早さ
  • 外部で使うのだから → 電池駆動の時間
といったところが重要だと思っています。

特に「見るだけ」というのは、参考書を持ち歩くと考えると、電子本と同じわけで電池寿命の要求は、数日の会議に耐える、と考えると100時間ぐらい欲しくなります。
一方で、立ち上がりの早さの要求は、紙の本を見るのと同等つまり1秒以下ですね。

この位の製品であれば、買いたいですが、さてどうなりますか。

7月 13, 2010 at 05:41 午後 新商品やお買い物 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.07.12

浄霊で子どもを死なせてしまった夫婦の裁判

サンケイ新聞より「信者両親が起訴内容認める 「教義こだわった」と検察

2010.7.12 18:28

重い皮膚炎を患う生後7カ月の長男に、信仰を理由に治療を受けさせず死なせたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた、いずれも宗教法人「新健康協会」職員の父親(32)、母親(31)両被告=福岡市東区=の裁判員裁判の初公判が12日、福岡地裁(林秀文裁判長)であり、両被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

冒頭陳述によると、両被告は、昨年6月下旬以降、重いアトピー性皮膚炎なを患い体重が激減した長男に「浄霊」と呼ばれる手かざしなどをするだけで医師の診察を受けさせず、昨年10月9日に敗血症で死亡させたとされる。

弁護側は「祖父母の代からの信仰で、教義は生まれたときからある空気のようなものだった。今は誤っていたと認識している」と述べた。

この被告夫婦は、祖父母の代からと述べているとおりで、そもそも医療に頼らないで、大人になっているわけですから、子どもが重体になっても分からなかった、ということなのかもしれません。

問題の宗教法人は、実際に医療に頼ることを教義として抑制しているわけで、その意味では間違えなく、被告はカルト宗教の被害者であるとなりますが、じゃあ今後、カルト宗教から離れて生活できるのか?と考えると「祖父母の代から」なのだから無理でしょう。

見かけ以上に深刻な問題なのです。

7月 12, 2010 at 07:00 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

1学級30人制にすると、教員が増員?本当か?

読売新聞より「小中1学級35人、低学年は30に…中教審提言

中央教育審議会初等中等教育分科会は12日、現在40人が標準の公立小中学校の1学級あたりの人数(学級編成の標準)の引き下げを求める提言案をまとめた。

人数は明記していないが、同分科会は小中とも35人、小学校低学年では30人を念頭にしており、文部科学省は8月までに具体化に向けた年次計画を作る。

ただ、実現には大幅な教員増が必要で、恒久財源が確保できるかは大きな課題だ。

1学級人数の標準は1980年度に45人から引き下げられて以来、約30年間、40人が続いている。提言案は、学力低下問題、学ぶ内容を増やした新しい学習指導要領の実施、児童が学校生活に適応できない「小1プロブレム」などに対応するには40人学級では困難だとした。

また、現場の実態に合わせた対応ができるよう、市町村教育委員会が学級編制を行えるようにすることも求めた。

仮に35人学級とする場合、教員は4万人以上増員となり、新たに年約3000億円が必要との試算もある。このため提言案は、中教審として初めて財源問題に言及。「効果と必要額を国民に示し、恒久財源の確保に理解を得るよう努める必要がある」とした。

提言はさらに、2006年度に国と地方の折半から国3分の1、地方3分の2に変更された教職員給与の負担割合について、教職員の質を保つ必要性から、「税制抜本改革の動向を踏まえ、国庫負担2分の1への復元を検討する」として地方の負担軽減を求めた。
(2010年7月12日14時51分 読売新聞)

文科省の統計ページから引っぱると、下記のような表を作ることが出来ます。

昭和33年(1958年)の小学校在籍者数は、1350万人で、教員数が36万4千人なので、教員一人あたり37人を受け持っていたことになります。

和暦西暦学校数在籍者数児童/教員教員数
33195826,96413,492,08737364,004
55198024,94511,826,57325467,953
21200922,2587,063,60617419,518

それが、平成21年(2009年)には、小学校在籍者数は、1958年に比べて、五二%に減っていますが、教員数は115%と増えています。
このために、教員一人あたりの児童数は、37人から17人に減ったと計算できます。

記事によれば、1980年に一クラスの上限を40人にした、とのことですから教員一人あたり児童25人だと、実際には40人学級だとすると、児童数÷定員×(40/25)が必要教員数だとなります。

事例児童数定員係数必要教員数
基本198011,826,573401.6473,063
例120097,063,606401.6282,544
例220097,063,606351.6322,908
例320097,063,606301.6376,726
例420097,063,606251.6452,071

こんな風に、機械的に計算してみると、

仮に35人学級とする場合、教員は4万人以上増員となり
という計算はどういう根拠から出てきたのだ?と思います。
単なる比例計算では、30人学級を実施しても、教員数はむしろ減るとなります。

現実に学校に行っているわたしから見ると、実際に現場で教えている先生の多忙さは、半端なものでなく特に事務処理の激増や、授業以外の作業のために授業に手が回らないといった現実を見ています。

一言で言えば、これは以上に能率の悪い組織運営の問題ではないでしょうか?
いきなり、「4万人以上増員」と出てきても、その根拠はなんなのだ?となります。

わたしは、教員の授業以外の作業の大幅軽減のために、事務職員の増員とその管理のために、事務長などを置くといった手法が有効であるように思います。

7月 12, 2010 at 04:49 午後 教育問題各種 | | コメント (0) | トラックバック (0)