« 2010年6月27日 - 2010年7月3日 | トップページ | 2010年7月11日 - 2010年7月17日 »

2010.07.10

シーシェパードはカルト団体

サンケイ新聞より「ベスーン元船長「調査捕鯨妨害を継続」 裁判終え一転表明

2010.7.10 11:36

【シンガポール支局】
フランス通信(AFP)によると、環境保護を標榜(ひようぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」による調査捕鯨妨害事件で東京地裁の執行猶予付きの有罪判決を受け、強制退去処分となったSS抗議船のピーター・ベスーン元船長(45)が10日、母国ニュージーランドに帰国、今後も反捕鯨活動を継続する考えを明らかにした。

公判でベスーン元船長は、南極海での妨害活動に参加しない意思を表明、それが執行猶予の理由の一つとなった。

しかし、この日は記者団に

「日本の捕鯨をやめさせるのをあきらめることはない」
などと強調。
再び抗議船に乗り込むかどうかは明言しなかったものの、
「次に何をするか、何人かと話をしなくてはならない」
と述べ、SS幹部らと今後の活動について話し合う姿勢を示した。

妨害活動に参加しないとのベスーン元船長の発言についてSS代表のポール・ワトソン容疑者(59)=国際指名手配中=は、公判後、「単なる法廷戦術だ」と述べていた。

この記事だけ読むと、判決を受けたのに無視かよ、といった印象を受けますが、同じサンケイ新聞のイザ!記者ブログ佐々木正明記者が拘置所でベスーン被告とのインタビューについて感想を書いていました。

「【SS船長判決】ベスーンはニュージーランドに帰って何を言うのか?」   2010/07/07 18:00

調査捕鯨妨害事件で立件されたニュージーランド人、ピーター・ベスーン被告に、7日、判決が言い渡されました。懲役2年、執行猶予5年の有罪判決です。

東京地裁の多和田隆史裁判長は「シー・シェパードの調査捕鯨は違法だという主義主張に基づいて、IWCの決議や声明を無視して、危険で悪質な妨害行為を繰り返していたもので、独善的な考えで妨害行為に加わった被告の刑事責任は重い」と指摘。

一方で、「被害者の一部に被害弁償を行ったほか、今後は南極海での反捕鯨活動に参加しないという意向を表明している」として刑の執行を猶予する決定を下しました。

ベスーンはこのまま日本にとどまることはなく、かねてから「家族に会いたい」と切望していましたので、判決後すぐに強制送還の手続きに入り、ニュージーランドに帰国するようです。

このブログでもお伝えしてきましたし、拙書「シー・シェパードの正体」にも詳細に記しましたように、私は東京拘置所に何度も出向き、拘留中のベスーン被告に接見してきました。

1回わずか15分の面会時間。それでも、10数回は回数を重ねましたから、だいぶ、彼の考え方がわかったように思います。

語弊がある言い方かもしれませんが、ベスーン被告は狂信者ではありませんでした。体育会系のノリがあって、裏表があまりない人のように見えました。

会うたびに、「ササキサン」と呼びかけ、礼を尽くそうとする。活動家というより、根っからの船乗りなんですね。

彼はかつて世界一周最速航行の記録を持っていたニュージーランドの英雄であり、キャプテンとしてクルーたちを束ねていましたから、自分の言動には責任を持っているような印象も持ちました。

しかし、私は、それが日本の拘置所という特別な空間で会っているからとも深く認識していました。

彼がシー・シェパードの理念や暴力を受け入れて、別の側面では、笑いながら日本の捕鯨船を攻撃している姿も知っていましたので、注意深く彼の言葉に耳を傾けてきたつもりです。

ベスーン被告は、なぜ、世界的な批判を受けながら、日本は南極海まで出向いて調査捕鯨を続けるのかということを何度も口にしていました。

そして、自らの愛する船、アディ・ギル号を沈没させた第2昭南丸の行為を日本の捜査当局はなぜ追及しないのだとも嘆いていました。

私は聞き役に徹することを心がけました。限られた空間、そして時間の制約があるなかで、彼にしゃべってもらうことを第一に考えました。

日本の文化が好きだと言っていましたので、彼には「武士道」など多くの本も贈りましたし、四方山話で、ワールドカップでニュージーランド代表が奮闘していることや海洋での航海がどんなものなのかも話し合いました。

そんな中で、彼がもらした「私は娘2人を持つ父親であり、ワトソンが言うように戦士ではない。彼は間違っている」という言葉も本心だと思います。

ベスーンはシー・シェパードやその活動の実態をよく知らないようでした。

彼が初めて代表のポール・ワトソンと会ったのは昨年の夏です。
ワトソンとも数回しか会っておらず、情報はワトソンやSSのメンバーからの受け売りで、私が知っているような正体も知らないようでした。

私がワトソンは暴力を否定しないテロリストであり、

「これまで人を傷つけたことがないなどというのは嘘だ」
と言って、数々の例をあげて隠された情報を教えてあげると、急に無口になって戸惑っているような素振りも見せました。

そのためか私の言っていることにも信用しようとせず、自らの妨害行為を冷静に振り返ることはあっても、ワトソンについては

「偉大なリーダーであり、優れた環境活動家だ」
などと言って、否定的な見解は語りませんでした。

私は「洗脳は解けていないのか」とも思いながら、日本にクルーを騙して送り込むことさえ容易なワトソンのカリスマ性と決して自分に負い目がこないようにするしたたかな戦略が怖くなったりもしました。

だからこそ、数々の嘘を重ねても、騙された人々が彼の元をついてくるのでしょう。
シー・シェパードはまさに、ワトソンをトップとするカルト集団なのです。

ベスーンはニュージーランドに帰ります。現地では「英雄」として出迎える人たちもいるはずです。もちろん、「馬鹿なことをした」と冷静に受け止める層も半々ぐらいでいるのではないかとも思います。

空港に着くなり、ニュージーランドの報道陣に囲まれるはずです。一気にこの4ヶ月の情報の埋め合わせをして、自分がどのように語られていたかを知るでしょう。

そして、しばらくはテレビにも引っ張りだこになり、捕鯨を決して許さない記者達の誘導尋問にも答えるはずです。

もう歯止めがないわけですから、気を許して、一気にたまったものを放出するでしょう。
手のひらを返したように、私の前で言ったこととは別のことを語り始める可能性もあります。

私はベスーンをいい奴だといいましたが、それはあくまでフリートークができない状況の中で受け取った仮の印象です。

彼は手記を公表するため、拘置所の中で昨年夏にシーシェパードに加わってから、南極海で拘束されて、裁判を受けることまでの日常について文章を書きためていました。

そのうち、手記が発表されるはずです。私はベスーンがニュージーランドのメディアに何を言うのか、手記にはどんなことが書かれているのか、そして、日本やシーシェパードについて、どんなことを語るのかを注意深く見守りたいと思います

場合によっては、ベスーンがシー・シェパードの暴力を止める大きな役割を果たすかもしれないと接見中に思ったこともありますが、それは今後の彼の言動次第です。

あっさりとその期待も泡となって消えることだってあるでしょう。
そのときには、また彼とコンタクトをとって、今度は制約もありませんから、シー・シェパードの正体をじっくりと伝えるつもりでいます。

ニュージーランドではさっそく、この判決についてかなりのボリュームで報じ始めています。

娘達は父親を心から尊敬しており、「動物を殺すことは残酷。だから私はベジタリアンになった。将来は動物を守るために手伝いたい」と言って、活動家になることを夢見ているようです。

ベスーンは今後、ニュージーランドの社会に少なからぬ影響を与える人物になりうるかもしれません。
謀略家、ワトソンも彼の役割を考えていることでしょう。

佐々木記者が特にカルトについて詳しいとも思えないのですが、わたしが何年もホームオブハート裁判に付き合って、教えてもらったり本を読んだりして知ったカルトの特徴を実にうまく捉えたと思います。

カルトが社会と摩擦を起こしたときに、普通の人は問題について客観的事実や、科学的な根拠でカルト内部の人の考えを変えることが出来るだろう、と考えます。
というよりも、それ以外に改宗を迫る方法がない。

事実の前には騙されていたとしても、考えを改めざるを得ないだろう、と誰もが考えます。

これで、簡単に考えが変わればカルト問題なんて起きないと思います。
客観的に騙されている、と証明されても「わたしの信仰が足りないから」といった方向に行ってしまうのです。

カルト内部の人のやることは、一般的に話が繋がっていません。
だから、前の日に理解した事を翌日にはひっくり返す。
自分自身の考えよりも、教義などが正しいのです。

カルトでは、リーダーの見解が最優先ですから、個々の信者を説得しても、すぐにリーダーにひっくり返されます。
そして、カルトのリーダーの考えそのものが、社会的には認めがたいものですから結果として、カルトは集団として社会と摩擦を起こします。

ワトソンは、ベスーンをシーシェパードから除名していますが、すでにコロッと変わって「法廷戦術だった」などと言っています。

カルトの一つの側面として

  • 約束を守らない(もっと優先することがある)
  • 社会生活上のルールについても同じ(犯罪の実行も含めて法規範がない)
  • 追い詰められるのが組織強化だと思っている。
こんなところがありますが、ワトソンに当てはめると、一直線といった感じで、シーシェバードはテロ的なカルト集団、と言えるでしょう。

と言うことは、今後シーシェパードの発言自体を信用してはいけないです。
何を言い出すか、やるか予測が付きませんから、信用すると社会が振り回されてしまいます。
カルトが極端なことを言うと、どういうわけかお金も集まったりするものなのですよね。
ベスーンが失った、アディ・ギル号をワトソンは寄附させたと言えるわけですから。

7月 10, 2010 at 01:35 午後 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2010.07.08

飛行機での生ビールサービス

毎日新聞より「ANA:上空でたる生ビール 世界

全日空(ANA)は8日、厨房機器メーカーのホシザキ電機と共同で、世界初となる航空機用ビールディスペンサーを開発し、20日から国内線の機内でたる生ビールの提供を開始することを発表した。

一般的なビールディスペンサーでは、航空機内への持ち込みが禁じられている高圧の炭酸ガスボンベを使用するため、航空機内ではたる生ビールの提供はできなかった。

新たに開発された航空機用ビールディスペンサーは、炭酸ガスボンベの代わりにドライアイスから昇華した炭酸ガスを容器に蓄えて調整することで、生ビールを注出できるようにしている。

また、ドライアイスを使うことで6時間ほど適温に保冷することができるようになったという。

ホシザキ電機によると、高圧ガスが使えないことや上空の低い気圧での注出は未知数の分野だったことや機内で使うカートに入るようにするための製品化に苦労し、開発には1年ほどかかったという。

ANAでは航空機用ビールディスペンサーを250台配備することにしている。

提供予定路線は、沖縄-東京、伊丹、名古屋、福岡の各便と東京-札幌、東京-福岡の午後5時以降出発の便で1日約70便が対象となる。

価格はおつまみつきで1杯1000円。各便20杯限定で、東京-沖縄のボーイング777型と747型は40杯の提供を予定している。【米田堅持】

このニュースは数日前に「ANAがビールディペンサーを」という記事で知ったのですが、その記事には「上空で気圧が低下するから、普通のビールディスペンサーが使えない」となって、わたしは「圧力調整ぐらい出来るだろう」と思って「何が新開発なのさ?」と思っていました。
炭酸ガスボンベの代わりにドライアイスから昇華した炭酸ガスを容器に蓄えて調整することで、生ビールを注出できるようにしている。

ポイントは、高圧ボンベを使わないだったのですね。
それをドライアイスで低圧ボンベを作ったわけで、コロンブスのタマゴのような話ですね。

一杯千円ねぇ・・・・・。

7月 8, 2010 at 09:04 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

学者同士の名誉毀損事件ではあるが

読売新聞より「東北大、学長が教授を提訴…論文で全面対決

論文に不正があったという告発文を、個人のホームページ(HP)に掲載されて名誉を傷つけられたとして、東北大の井上明久学長らが、HPに掲載した同大の大村泉教授ら4人を相手取り、1650万円の損害賠償などを求める訴えを仙台地裁に起こした。

井上学長らは、謝罪広告の掲載やHP上の告発文の削除も求めている。

原告側の弁護士によると、大村教授らは昨年10~12月、井上学長と同大の横山嘉彦准教授が1996年と2007年に共同で執筆した金属ガラスに関する論文2本について、データの改ざんや捏造(ねつぞう)があったとする告発文をHPに掲載。
井上学長らの社会的評価を失墜させた、としている。

井上学長の研究を巡っては、大村教授らが09年10月、「07年の論文などに改ざんの疑いがある」と同大に告発したが、受理されなかった。

大村教授らはさらに、今年6月下旬にも井上学長が日本金属学会の論文賞を受賞した99年の論文にも捏造があるとして、同学会理事会に授賞取り消しを申し入れた。

大村教授は

「学術的な説明を求めただけなのに、名誉棄損とは理解に苦しむ。訴えには全面的に争う」
とし、不当提訴として反訴する方針だ。

(2010年7月8日10時24分 読売新聞)

う~ん、特に舞台がHPということで「ネット上の表現の自由問題」と捉えることができますが、その一方で、学者同士の意見の衝突が裁判沙汰になった例としては「中西裁判」を思い出します。

中西裁判では環境問題の専門家として互いに認める二人の学者の学術上の見解について、表現の仕方が名誉毀損に当たるのか?という事件でした。
わたしは、被告である中西先生の応援をしたのですが、学問上の発表について意見の相違は学問上の議論として戦うべきであろうという比較的単純な考え方でした。

今回の東北大学を舞台にした事件は、ちょっと不思議なことに、原告と被告の専門分野がまるで違っていることです。
記事にあるとおり、問題となった論文はどう見ても工学系の論文ですが、HPで告発した大村教授は、経済学の先生です。

要するに、大村教授のコメント

「学術的な説明を求めただけなのに、名誉棄損とは理解に苦しむ。訴えには全面的に争う」
とは専門分野の争いではなくて、研究者あるいは教育者としての、態度について「告発」した物らしいです。

「井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)」というHPがあったようです。
http://sites.google.com/site/httpwwwforumtohoku/Home

これをざっと読んでも、「告発者」は自分の手の届かない研究内容について、他の研究者の結果などを引っぱっていますが、これでは「トンデモ本の手法」でしょう。
「「研究者の作法」に合致しない、というのが主張の根幹なのでしょうが、それは「告発」者があきらかにできる範囲のことだったのだろうか?

なぜ自らは詳細部分については、説明できないような範囲で「告発」をしたのか?という動機の問題になるが、普通に考えて学内の権力争いと見るのが普通だろう。

というわけで、これは「表現の自由」問題以前の争いなのかもしれない。

7月 8, 2010 at 12:32 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

タクシーの暴走事故

朝日新聞より「タクシー、ビルに突っ込む 乗客2人含む7人けが 大阪

2010年7月8日11時21分

8日午前1時半ごろ、大阪市中央区道頓堀の繁華街で、客を乗せたタクシーが車道と歩行者専用道路を暴走し、通行人をはねながらビル1階の店舗に突っ込んだ。

大阪府警によると、通行人5人とタクシーの客2人の計7人が腰や足などを打って病院に運ばれたが、いずれも軽傷だった。

府警によると、けがをしたのは、路上にいた21~48歳の女性3人と男性2人、タクシー乗客の23歳と32歳の女性。タクシーの男性運転手(73)=同市大正区=は「突然エンジンがうなって加速し、ブレーキが利かなくなった」などと説明しており、府警は、運転手による過失傷害と、車の問題の両面で調べている。

大阪市中央区宗右衛門町の道頓堀交番の北側で男女5人の客を乗せ、南へ直進。
そのまま道頓堀川にかかる歩行者専用の「太左衛門橋」に進入し、通行人5人をはねながら、突き当たりのビル1階にある飲食店案内所に突っ込んだ。
案内所は閉店後で、1階に人はいなかったという。

運転手は

「走っていたら突然エンジンの回転数が上がった。左折しようとしたができず、ブレーキを踏んだが利かなかった。橋の欄干に車体をこすりつけて止まろうとしたが止まらず、突っ込んだ」
などと説明しているという。

タクシー会社によると、男性運転手は3日未明に営業所に戻ってきた際、

「エンジンの回転数が急に上がるのでおかしい」
と訴えた。
整備士が点検したが異常は見つからず、念のため回転数を下げる部品に交換し、アクセルペダルに引っかかって急加速しないよう、マットを2枚から1枚に減らしたという。
修理後の車は6日から使ったが、同日は異常がなかったという。

同社は「走行距離は48万キロでとくに長いわけではない。整備不良とは考えていない」と説明している。

3日に点検したが、異常は見つからず、というのは事故調査という点では、非常に良い条件だと言えますね。

詳細に調べて何かが分かることを期待します。

7月 8, 2010 at 11:56 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.07

戦争ポルノの価値は?

NHKニュースより「民間人殺害映像漏えいで訴追

7月7日 17時0分 動画あり

イラクでアメリカ軍の攻撃用ヘリコプターが多くの民間人を攻撃して殺害する様子を映した映像を市民団体が公開して告発した問題で、アメリカ軍は、この映像を提供したとされる陸軍の兵士を軍の機密映像を漏えいした罪などで訴追しました。

問題の映像は、3年前の2007年7月、イラクのバグダッド近郊で、アメリカ軍の攻撃用ヘリコプターが、通りに集まっていた人たちを上空から機関砲で攻撃する様子を撮影したもので、この攻撃でロイター通信のカメラマンを含む民間人十数人が死亡したものとみられています。

この映像は、非公開の情報を独自に入手して公開している市民団体「ウィキリークス」のインターネットサイトに、ことし4月に公開され、これをきっかけにアメリカ軍への批判が集まり、国防総省は「誤射」だったことを認めました。

この映像に関連して、アメリカ軍は6日、イラクで情報分析を担当していた陸軍上等兵(22)を軍の機密映像を漏えいしたなどの罪で訴追し、近く軍法会議にかけるかどうか判断すると発表しました。

アメリカ軍は先月、アフガニスタンに駐留する司令官が雑誌の取材で政権を批判して解任されたばかりで、今回の訴追は、当局が軍人の情報管理に神経をとがらせていることをうかがわせています。

この記事だと、いかにも機密情報である動画が流出したので、アメリカ軍が神経を尖らせている、といった印象だけになりますが、同じニュースソースに対して、ニューズウィーク日本版には「ネットに巣くう戦争ポルノの闇」というタイトルの記事が出ています。

米軍の誤射でカメラマンが死ぬ映像が4月に公開されて衝撃を与えたが、この手の「衝撃映像」はいくらでも見られる。供給源は米軍そのものだ

2010年07月06日(火)15時08分
ジェシカ・ラミレス

[2010年6月16日号掲載]

あまり鮮明な動画ではない。写っているのは3人のイラク人男性。米軍の攻撃ヘリに遠くから監視されていることに気付かないまま、そのうち2人は武器のようなものをいじっている。ヘリのパイロットに指令が下る。「奴らを撃て」

30ミリ機関砲の音が響く。「(1人)仕留めた」。パイロットが言う。「もう1人も撃て」と、無線の声が言う。ダ、ダ、ダ、ダ、ダ。2人目の男が倒れる。

3人目が隠れたトラックに砲弾が浴びせられ、はうようにして人影が現れる。「(もう一度)撃て」。無線の声がパイロットに命じる。砲撃が巻き起こした砂ぼこりが収まった後、地面には男の死体が転がっている──。

イラクから約1万キロ離れたアメリカで、ネイト・Jはパソコン画面に映し出された映像に心を奪われた。

06年のその日、彼は兵士や学者が言う「戦争ポルノ」の味を初めて知った。

シールの印刷会社を経営するネイトは軍事マニア。

だがイラク人3人が射殺されるこの動画は、テレビのミリタリー専門番組でも見たことがないものだった。
「ワオ、という感じだった。こういう映像をもっと見たいと思った」

願いはすぐかなった。今年4月、07年にイラクでロイター通信のカメラマンらが米軍に誤射されて死亡した瞬間の映像が公開され、多くの人に衝撃を与えた。実際には、この手の「戦争系衝撃映像」はYouTubeをはじめとする動画サイトでいくらでも見つかる。

ネイト自身も今や、戦争や犯罪専門の動画共有サイト「ライブリーク・ドットコム」などに動画を800件以上アップロードしている(殺すという脅迫を受けているため名字は伏せてほしいと彼は希望した)。

米軍が戦闘の模様を収めた映像をインターネット上で公開し始めたのは、アフガニスタンとイラクでの戦争がきっかけだった。

前線と「銃後」の絆を強化することが目的だった。戦場の兵士も手持ちのカメラで動画を撮影し、無人偵察機が捉えた映像を個人的に入手するようになった。

こうした動画を手にした民間人と兵士は同じことをやりだした。
映像を編集してBGMを付け、ネット上で流通させ始めたのだ。

現在、公開されている戦争ポルノ動画は数千件、視聴回数は膨大な数に上る。

長い戦争の出口は見えてきたが、戦争ポルノを楽しむ人は増える一方。
テレビゲームと同じく、この手の動画はハイテク戦争の最も残酷な側面を歪曲し、フェティシズムの対象に変える。

始まりはアブグレイブ

戦争を捉えたイメージはこれまで、ロバート・キャパなど一部のプロの写真家によって撮影され、広められてきた。

だが即時性の高いインターネットと安価な動画テクノロジーの普及で、今では誰もが目の前の情景を自分の視点で記録できるようになった。

「新しい傾向が生まれた」と、米ブラウン大学ワトソン国際問題研究所のジェームズ・ダーデリアン教授は言う。

「写真と違って動画は内容をより正確に描写しているとの印象を与える。実際に正確であるかどうかにかかわらず、だ」

研究者によれば、戦争ポルノの始まりはイラクのアブグレイブ刑務所で撮影された一連の捕虜虐待写真にさかのぼる。

米軍女性兵士が裸のイラク人男性を犬のように従えた画像はイラク戦争を象徴するイメージになった。

この事件の後、氾濫が始まった。
米軍兵士の中には、戦争ポルノを通常のポルノを手に入れる「貨幣」として使う者も現れた

これは、すごいことですね。
取締でどうこうなるのではない。

アメリカ軍が、無人機を投入し、戦場を無人化しようとしているのも、基本的には味方の損害を減らしたいからですが、戦場の映像に興味が集まるのであれば、戦争ポルノという指摘が正しいでしょう。

しかし、禁止しても流通するだけだし、下手すると高い映像を作るために、本来の先頭から逸脱する、という可能性もあります。というか、いつかかならずそういう事件が起こります。

そこまで見通すと、戦争のコストアップがすごいものになった、と言うべきでしょうね。
戦争の歴史上画期的な事件であった、と歴史に書かれると思います。

7月 7, 2010 at 05:55 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

5軸マシニングの加工ビデオ

だいぶ前に見つけていたのですが、なんとなく紹介する機会がありませんでした。

ブロック材からヘルメットを削りだしてしまうという、5軸マシニングのデモですが、問題は何でこのビデオを撮ったのか、それが YouTube に公開されているのか?でしょう。

種明かしをすると簡単な事で、株式会社大槇精機がギャラリーに載せたビデオを YouTube で公開しているわけです。

2009年9月28日公開で、現時点で40万5千回再生されています。
非常に広範で強力なプロモーションになっているわけです。

7月 7, 2010 at 05:13 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

貧困ビジネス・なんでこの程度のことを抑止できないのか?

サンケイ新聞より「【貧困ビジネス】NPO元代表を再逮捕 うそ転居で生活保護費詐欺

2010.7.7 08:46

NPO法人「いきよう会」(解散)による生活保護費詐取事件で、保護費を目的に受給者を転居させ、大阪市から敷金など約40万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査4課は6日、詐欺の疑いで、いきよう会元代表(51)=詐欺罪で起訴=を再逮捕した。

府警によると「間違いありません」と容疑を認めている。

逮捕容疑は、平成20年11月、受給者の女性(43)が実際は家賃滞納で家主から立ち退きを要求されたのに、市の担当者に「家主から、身内を住まわせるので出てほしいといわれている」とうそをつかせ、虚偽の賃貸借契約解除書を提出。新居の敷金など転居にかかる保護費約40万円を市から詐取したとしている。

府警によると、女性はこれまでにさまざまな名目でNPO元代表に借用書を書かされ、受給していた障害者基礎年金などを取られていたといい、渡した金からNPO元代表が家賃を支払っていたと思い込んでいたという。

こういう事件の可能性は、常にあるわけでこの事件が特に異例なことではないでしょう。

であるならば、事件をどうやって抑止するのか?を考えるべきですが、全てを行政がやったら社会全体としては、非常に不効率になるでしょうから、民間の事業も促進するべきだ、となります。

民間が動きかつ、事件を抑止するためには、会計監査など結果や途中経過の公表の義務づけが不可欠です。

「小泉改革」に代表され、今も声高に叫ばれている「改革」や「事業仕分け」は行政がやっていた実務部門だけを民間に放り出す、といったないようで、行政が実施していたときと同じ結果を保証する担保無しに、「改革」してきました。

その結果が、極めて安定性のない社会になってきた。

安定性がないこと自体は、素早い変化が期待できるという意味では「改革」の結果ではありますが、それが犯罪的な分野に踏み込んでも良いとするのか?という問題です。

アメリカの金融不安の元は、「わけの分からない証券を販売」できた事でしょう。
「改革」とは単に歯止めを無くせばよい、ということではないはずです。 現時点の歯止めの1が正しく無いから、ずらすというのが趣旨であるはずで、そのずれた範囲でのルール違反については、従来以上の重い罰則を課すといった配慮が必要であったはずです。

7月 7, 2010 at 10:23 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

法科大学院・個々の大学院ではなくて仕組みを見直すべきだ

NHKニューより「法科大学院 組織見直しを

7月7日 4時34分 動画あり

法科大学院のあり方について、政府の作業チームは検討結果をまとめ、この中で、法科大学院の中には教育の質の確保など問題が改善されていない学校があり、統廃合を含めた組織の見直しなどを進めるべきだとしています。

法科大学院をめぐっては、卒業生の司法試験の合格率が年々下がっていて、去年は28%にとどまったことなどから、政府は法科大学院のあり方を見直すため、法務省や文部科学省などによる作業チームを設けて検討を進め、6日、検討結果を発表しました。

それによりますと、全国で現在74ある法科大学院の中には、入学試験の競争性が十分に確保されていないうえ、質の高い教員も確保できておらず、こうした問題への改善が進んでいない学校もあると指摘しています。

そして、今後、全体の定員の削減や法科大学院の統廃合を含めた組織の見直しを進める必要があるとしたうえで、改善が進まない場合は、国からの財政支援などを中止することも検討すべきだとしています。

加藤法務副大臣は、記者会見で「今回取りまとめた結果が、今後の議論の土台になる。できるだけ速やかに政府全体で検討を始めたい」と述べました。

政府は法科大学院のあり方を見直すため、法務省や文部科学省などによる作業チームを設けて検討を進め、6日、検討結果を発表しました。

何度か指摘していますが、法科大学院の管轄は文科省です。
わたしには、実務家養成という観点で大学とは別の組織にするのだから、法務省管轄での方が良いだろうと思えるのですが、文科省管轄です。

その結果、成績評価が相対評価になってしまった。
当然、同じ法科大学院内での相対評価です。

まあ、司法試験が資格試験だとすると(実際には競争選抜)法科大学院での評価が相対評価であっても構わないような気がしますが、それなら司法試験の直接受験を認めればよいのに、現実的に直接受験はほぼ不可能なので法科大学院の修了が事実上義務化されています。

法科大学院生の立場から見ると、全司法試験受験生(ライバル)の中で、自分がどの成績であるかをしる方がはるかに現実的でしょうから、統一試験でもやって絶対評価を示した方が良いと思うのです。

色々な問題を含みつつ、今回の「政府の作業チーム検討結果報告」になったわけですが、面白いのは、法務省が主導したように見えることです。

そもそも、法科大学院を作って何をするつもりだったのでしょうか?

確かに、法曹人が足りないという声はありました。また、会社などで法律の専門家が必要になる、という将来予測もありました。

しかし、それだけでは司法研修所の機能拡大ぐらいで対処できたはずで、法科大学院を作るのが合理的であったかは、大いに疑問です。

おそらくは、法科大学院制度を検討し始めた時点でも、上記のような議論はあっただろうと思いますが、それを一気に多数の法科大学院の設置に動いたのは、大学側つまり文科省の意向であったのでしょう。

大学にとって18歳年齢の減少に対抗して、収益の元である学生を確保するために、全く新たな学校を作るのが大変魅力的だった、というのは間違えないでしょう。

おそらくは、法科大学院を作ることだけを文科省は強力に推進した。法務省などは「勝手にやってくれ」と放置した。
しかし、いよいよ司法試験受験者が法科大学院卒業者に限定されると、色々な問題点が明らかになってきて、行政全体として「このままではダメだ」となったのだと思います。

司法試験が、実務家の資格試験であるのなら、そもそも受験資格を問うのがおかしいと思います。 学歴に関係なく、実力試験でよいでしょう。

日弁連会長の宇都宮弁護士、弘中淳一郎弁護士、久保利英明弁護士はいずれも法学部在学中に司法試験に合格しています。

確かに、あまり若くして弁護士として独立すると「世間知らず」とか言われることもありますが、それは個人的な問題であって一律に法科大学院に放り込めば、人格的に練れた弁護士になるとはとうてい思えない。

多様な法曹人を要請する必要があるのは間違えなく、法科大学院だけが法曹人の入口である仕組みはまずいと思います。

7月 7, 2010 at 10:02 午前 セキュリティと法学 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.07.06

港区がシンドラーエレベータ他に損害賠償請求訴訟を起こす・その2

6月3日に書いた「港区がシンドラーエレベータ他に損害賠償請求訴訟を起こす」には沢山のコメントが付きましたが、今日(2010年7月6日)港区は実際に提訴しました。

NHKニュースより「エレベーター事故 港区が提訴

7月6日 18時13分 動画あり

4年前、東京・港区のマンションで高校生がエレベーターに挟まれて死亡した事故をめぐり、マンションを所有する港区は、事故に伴ってエレベーターを交換するなど多額の損害が生じたとして、メーカーやメンテナンス会社などに総額およそ14億円の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

この事故は、4年前の平成18年6月、東京・港区のマンションで「シンドラーエレベータ」社製のエレベーターが突然上昇し、高校2年生(16)がドアに挟まれて死亡したものです。

訴えによりますと、マンションを所有する港区は、事故が起きたエレベーター1基と同じマンションや区の施設に設置されていたシンドラー社製のエレベーター4基を交換するなどの損害を受けたとして、シンドラー社やその親会社、それにメンテナンス会社の「エス・イー・シーエレベーター」と「日本電力サービス」の4社に対し、総額13億8400万円の賠償を求めています。

これについて、シンドラー社は「提訴されたことは遺憾です。主張は裁判の中で明らかにしていきたい」とコメントしています。

また、エス・イー・シーエレベーターは「訴状を見ていないのでコメントできない」、日本電力サービスは「担当者がいないので答えられない」としています。

事故をめぐっては、去年7月、シンドラー社とエス・イー・シー社の当時の担当者5人が、エレベーターの安全管理を怠ったとして業務上過失致死の罪で起訴されています。

マンションを所有する港区は、事故に伴ってエレベーターを交換するなど多額の損害が生じた

損害保険の考え方をひっくり返すようなもので、事故に伴ってエレベーターを交換した事実の責任が、被告にあると具体的な立証を必要としますが、それは可能なのでしょうかねぇ?

傍聴したいものです。

7月 6, 2010 at 07:11 午後 もの作り | | コメント (1) | トラックバック (0)

高校生二人水死、一年がかりで事件になった

NHKニュースより「高校生水死 過失致死で送致へ

去年7月、東京・大田区の多摩川で、川遊びをしていた男子高校生2人がおぼれて死亡した事故で、警視庁は、いっしょにいた同級生の少年と少女が、2人の背中を押して川に落として死亡させた疑いが強まったとして、近く過失致死の疑いで同級生2人の書類を家庭裁判所に送る方針です。

この事故は、去年7月、東京・大田区の多摩川で、いずれも私立高校1年生で16歳の男子生徒2人が川に転落しておぼれて死亡したものです。

警視庁は当初、2人はいっしょに川遊びをしていて、1人が川に飛び込んでおぼれたところをもう1人が助けようとして2人ともおぼれて死亡したものとみていました。

しかしその後、2人といっしょに川で遊んでいた同級生の携帯電話に、死亡した生徒の背中を別の生徒が押している動画が残されていたことがわかり、警視庁が当時の状況についてあらためて同級生から事情を聞いたところ、いっしょにいた同級生の少年と少女が死亡した2人の背中を押して川に落としたことを認めたということです。

警視庁は、同級生の少年と少女が男子高校生2人を川に落として死亡させた疑いが強まったとして、近く過失致死の疑いで同級生2人の書類を家庭裁判所に送る方針です。

事件のあった場所は、わたしが小学校から就職するまで住んでいた大田区矢口の工場街です。

もちろん、遊び場であってよく知っているところですが、テレビニュースで見ると護岸工事のために水に落ちると上がれないのですね。

それにしても、落とすところをムービーで撮っていながら、救助努力をロクロクしていないように見えるのはなんとも分からないです。

7月 6, 2010 at 08:05 午前 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (0)

ゆうパックとペリカン便

読売新聞より「ゆうパック遅配32万個に…他社切り替えも

日本郵政グループの宅配便「ゆうパック」で荷物の遅配が発生している問題で、郵便事業会社は5日、新たに約6万個の遅配が判明したと発表した。

遅配の総計は計32万個に上る見通し。

同社では、荷物の集約拠点で、仕分け作業に手間取ったことが主な原因としており、総務省は6日、同社の鍋倉真一社長を呼び、報告を求める方針。
同省は詳しい聞き取り調査を行ったうえで、業務改善命令などの行政処分を行うかどうか検討する。

同社によると、トラブルが起きたのは、大阪、千葉、埼玉などにある、各支店からの荷物を集約するターミナル拠点。

今月1日から、日本通運との共同出資会社で運営していた「ペリカン便」と配送業務を一体化した影響で、荷物の取扱数が急増して作業が滞り、混乱が生じたという。

同社では混乱が起きたターミナル拠点の利用を避け、別の作業場に荷物の集約を進めるなどの対策を取っており、6日夕にも問題を解消したいとしている。

今回の混乱は、ゆうパックを利用していた大手スーパーなどにも影響が出ている。

中元商品の約半数をゆうパックで発送しているダイエー(本社・東京都江東区)は、配達が遅れている生鮮品について、再配達の手続きを取った。

「今後、必要になれば他社への切り替えも検討する」
としている。ネット通販大手の「アマゾンジャパン」(渋谷区)は、ゆうパックでの発送分を他の宅配便業者に変更。広報担当者は
「一時的な措置だが、いつもとに戻すかは決めていない」
とした。

(2010年7月6日03時08分 読売新聞)

なんというか、郵便と宅配便の区別が分かっていない、といった感じですね。

受領書にサインをもらって、持って帰るべきところをそのままおいていっただけ(郵便と同じ)という例もあったそうです。

単に配送が遅れただけではなく、配送指定時刻を守らないことで業者間の商売全体が壊れた例もあるようです。

郵政逆改革との絡みで、消極的なサボタージュなのではないか?という意見まで出てきています。

生鮮食品系では、産直系が一斉に乗換になりそうです。
損害賠償の問題になるでしょうねぇ。

7月 6, 2010 at 07:51 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.05

大相撲じゃなくて、大思惑だな

読売新聞に「放駒案なら辞める…理事会ドキュメント1
貴乃花、突然の退職願…理事会ドキュメント2
「はっきり言ってくれ」…理事会ドキュメント3
と3本の記事が上がっています。

3時間を超える相撲協会の緊急理事会は紛糾を極めた。謹慎する武蔵川理事長の代行人事を巡り親方衆は前日、急きょ役員会を開いて放駒親方を担ぎ上げる独自案をまとめた。

しかし、この「放駒案」を当日朝の新聞報道で初めて知らされた外部役員3氏が激怒。理事会の冒頭、協会に辞職願を突きつける対立の構図で会議は始まった。

「新聞の通りなら、我々は辞める」。外部役員の村山弘義、伊藤滋の両理事と吉野準監事(元警視総監)が席を立とうとした。文部科学省の意向もあり、特別調査委員会の内部では、「代行人事は村山理事を推薦」でまとまっていたからだ。

だが、親方衆にも言い分があった。伊藤理事らに対し、「あなた方は新聞記事を元に話をするが、文科省の意向や特別調査委の推薦案も、我々だって新聞でしか知らない。理事長代行を置けという勧告は受け入れているではないか」と、一歩も引かなかった。

対立姿勢に危機感を抱いた武蔵川理事長は

「あなたたちがいなくなれば、名古屋場所は中止せざるを得ない。考え直してほしい」と慰留。3氏は一度、15分ほど退席して相談、「親方たちが協力してくれるなら頑張りましょう」
と辞職願を引っ込めた。結局、放駒案は立ち消えとなり、村山理事長代行が決まった。

これで落ち着いたかに見えた理事会。琴光喜や大嶽親方の解雇も決まり、閉会となりかけた最後に貴乃花親方が立ち上がり、突然、「退職願」を出した。(大相撲賭博問題取材班)

2に続く
(2010年7月5日03時06分 読売新聞)

日本相撲協会の緊急理事会が終了直前、突如、立ち上がった貴乃花親方は「責任を感じる」との一言を添え、村山理事長代行に「退職願」を提出した。

唐突な行動に理事会の空気は一気に凍り付いた。

理事の一人が机をたたいて貴乃花親方の行動を制止しようとした。だが、親方は足を止めなかった。退職願を手渡された村山理事長代行は一度は「保留扱い」としたが、最後には「やはり受け取れない」と貴乃花親方に返したという。

ある理事は「琴光喜をかばいきれず、解雇されたことを悔やんでいた」と、その心理を推し量った。うわさの域を出ない話だが、親方衆の間では2月の役員選挙で、「琴光喜が貴乃花に1票を入れた」という説がある。その通りだったと仮定しても、貴乃花親方が言う「責任」の意味は、理解できなかったという。

親方衆が神経質になる議案は理事長代行の人事案のほかにもあった。それは協会全体の組織を見直す「改革委員会」の位置づけだ。

ある役員が特別調査委の伊藤座長に念を押すように問い掛けた。

「我々はオブザーバーで入るとしても改革委員会は協会が設置する委員会ですね」。
伊藤座長は肯定した。さらに
「ものごとを決める際は協会理事会が最優先ですね」。
これにも伊藤座長は「そうですよ」と答えたという。
改革委のメンバーは、外部の有識者で構成することが望ましいとする文科省の意向を意識したやりとりだ。

外部役員の理事長代行就任は、文科省主導であると見る理事の一人は、

「村山さんを受け入れたのは名古屋場所開催が、念頭にあったからだ。
この先、代行人事が外部理事長に向かうことは容認できない」
と、警戒感を強める。

改革委は「外部の人」を軸にすることは認めても、

「その人選を含めた主導権は協会にある」
とする一線は譲れないということだ。

3に続く
(2010年7月5日03時06分 読売新聞)

この日、協会の理事会決定を受けて文科省の鈴木寛副大臣が都内で取材に応じた。

理事会に向けては、文科省の担当者を通じて特別調査委の伊藤座長らと連絡を取り合ってきたことを明かし、村山理事の理事長代行就任には

「時間はかかったが、事態の深刻さを丁寧に説明し、すべての関係者に深く理解してもらった結果」
と述べた。その上で、
「大相撲の本当の改革に向けて、文科省としても村山理事長代行の体制を支えていく」
と今後も指導の手を緩めないことを明言した。

間接的な形で意向を反映させようとする文科省の対応方法に、ある理事は

「特別調査委も文科省も、我々に、はっきりとものを言ってくれ」
と、注文をつけた。
理事長代行人事に協会の独自案を出したことも踏まえ、
「私たちは何を、どう求められているのか分からない。新聞で意向を伝えるようなやり方は考え直してほしい」
とも訴えた。

理事長を始め、役員5人が謹慎となるなど協会の本丸が大揺れの中、名古屋場所は11日、何とか初日を迎えられる体制が整ってきた。

文科省、改革委、協会――。どの立場の人間も、本場所開催が一つの区切りになるなどとは考えていない。この先の改革に向け、3者が協調して進んでいけるか、どうか。大きな焦点だ。

(2010年7月5日03時01分 読売新聞)

なんというか「もうどうでも良い」と思ってしまいますな。

7月 5, 2010 at 09:38 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.04

行政の連携で何とかなるものか?

読売新聞より「子供に3回会えなければ児相通告…福岡市に提言

福岡市内に総本部を置く宗教団体の職員夫婦が今年1月、病気の長男(生後7か月)に医師の治療を受けさせず死亡させた事件を受け、市は2日、弁護士や大学教授ら外部の専門家6人が再発防止策をまとめた検証報告書を発表した。

乳幼児健診や民生委員らが家庭訪問を3回試みても、子どもに会えなかった場合、児童相談所に虐待通告する仕組みをつくるよう市に提言している。

報告書によると、市は昨年5月14日、福岡市東区の自宅に民生委員を派遣したが、母親は顔を見せず、インターホン越しに応対しただけだった。

1週間後に4か月健診の案内を郵送したが受診せず、同年9月に保健師が訪問した時も不在だった。

重度のアトピー性皮膚炎にかかっていた長男は同年10月、低栄養による敗血症などで死亡した。

報告書では、市が乳幼児健診を受けない家庭の状況を把握できなくても、虐待の疑いを察知しなければ、特段の措置を取っていない点を重視。
子育て支援の部署に虐待防止への積極的関与を求めた。

提言について児童虐待に詳しい関西学院大の才村純教授(児童福祉論)は、

「乳幼児健診を受けない家庭で虐待が起きていたケースは多い。この仕組みがうまく機能すれば他の自治体の参考になるだろう」
と評価。
しかし、市こども家庭課は、4か月健診を受けない家庭だけでも年間約300世帯に上り、態勢を整えるためには費用と人員が必要、としている。

この事件で、夫婦は保護責任者遺棄致死罪で福岡地裁に起訴され、12日に裁判員裁判の初公判が行われる。

(2010年7月4日12時14分 読売新聞)

まあ、やらないよりはよほどマシでしょうが、もうちょっと全体的なシステム設計が必要なように思います。

確かに、民生委員が家庭の様子を察知しつつ、児童を保護するに至らなかったのだから、児童の保護を専門とする、児童相談所に通知するのは当然ではありますが、児相が行ったが拒否されたという例も多数報告されています。

全体としてどうするか?という仕組みを考えないと「あっち任せたから・・・・」という言い訳に使われそうにも思います。

ところで、再発防止策のきっかけになった「宗教団体の職員夫婦が病気の長男(生後7か月)に医師の治療を受けさせず死亡」という事件は、バリバリのカルト宗教事件であって、浄霊などとやっているわけです、そういうこと自体が危ういのだから、今後も同じように児童の死亡事件の可能性はあると考えるべきで、それなりに注視している必要があると思うのですが。

7月 4, 2010 at 12:32 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

非実在都条例問題は面白い

サンケイ新聞より「【日本の議論】「子供を守る」どこ行った? 大人の都合で“政争の具”へ 漫画児童ポルノ条例をめぐる議論

2010.7.4 07:00

東京都議会6月定例会が閉会した6月16日。子供を性的対象にした漫画やアニメといった商品の区分陳列など、販売規制を目指す都青少年健全育成条例の改正案が最大会派の民主などの反対多数で否決された。

だが、石原慎太郎知事は9月議会への再提出を目指す考えを明言。「表現の自由」と「子供の健全育成」をめぐって交わされた議論は、いつの間にか“政争の具”に発展してしまった。

否決を前提として建設的な議論を避けた民主への批判に加え、都議会や関係先への根回しを怠ってきた都最高幹部や担当部局による“不作為”を指摘する声もある。(宮原啓彰)

“汚い花”を断つと植物全体が滅ぶ

都条例の改正案をめぐる議論は3カ月にわたって迷走を続けた。発端は今年3月議会の会期中、改正案に反対する著名漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんらが都庁で記者会見を開いたことだった。

「表現で新しいものが起きるときは色んな種類の花が咲く。スミレなどかれんな花も、ジャングルのラフレシアのような花も、根っこですべて繋がっている。この花は汚いと根を断つと植物群全体が滅ぶ」
ちばさんは、漫画文化を生態系に例えて改正案を批判した。

この会見により反対運動が一気に拡大した。

日本ペンクラブや出版倫理協議会などの各団体の反対表明に加え、反対派によるインターネットでの呼びかけで、都だけでなく民主、自民など各会派にメールやファクスで抗議が殺到した。

議論の焦点は改正案条文の文言の定義と適用範囲だった。

規制対象となる漫画などの18歳未満と想定されるキャラクター「非実在青少年」や「青少年性的視覚描写物」など用語の定義のほか、行政による恣意(しい)的な運用を招き、表現の自由を脅かすというのが主な主張だ。

民主幹部は当時、条文について

「まるで警察用語。わざと分かりにくくしているのかと思った」
とあきれた。
その一方で、改正案を提出した都青少年・治安対策本部の幹部は
「『非実在青少年』とは『非、実在、青少年』という意味だ。何が分からないのか、分からない」
と余裕の笑みを浮かべていた。

しかし、実際には3月議会で改正案の可否を問う集中審議はなく、その余裕も都議会にはなかった。

なぜか-。

当時、都政で最大焦点となっていた築地市場の移転関連予算を盛り込んだ平成22年度の中央卸売市場会計予算案審議が佳境を向かえていたことが理由だ。

賛否をめぐるさまざまな思惑が交錯する中で、改正案は結局、全会一致で継続審議となり、結論は6月議会に持ち越されることとなった。

しずかちゃんの裸はOK

一方、都庁内には、継続審議となったことで改正案をまとめた担当局の不手際をなじる声も上がった。

都幹部の1人は

「舐(な)めてかかっていたのではないか。明らかに業界や都民、議会への根回し、説明不足だ」
と眉(まゆ)をひそめた。
担当幹部も
「正直、ここまで反発が強くなるとは思わなかった。事前の説明不足は否めない」
と述べる。

強まる批判に担当者らは巻き返しにやっきとなる。

「都民に条例改正の周知が不十分だった」
(都担当者)として、
「ドラえもんのしずかちゃんの入浴シーンやサザエさんのワカメちゃんのパンチラなどは規制に該当しない」
などとする質問回答集を都のHPに掲載。

また、改正案を象徴する用語となった

「非実在青少年」についても「年齢、学年の明確な描写やセリフ、ナレーションで明らかに18歳未満に設定されたキャラクター」
と規定し、その
「性行為がメーンとなっているもの」
が規制対象になることを明記した。

しかし、5月初旬に起きたある“事件”が情勢を一変させた。

石原知事が定例会見で

「「(条文は)説明不足。『非実在青少年』という言葉は何だこれ一体? 幽霊の話か? 役人が作るくだらない言葉は世間に通用しない。誤解を受ける文言が悪い。どんどん変えたらいい」
と述べたのだ。

都幹部は

「あの発言が条例に反対する民主につけ込む隙(すき)を与えた。記者会見を補佐する知事本局や執行部は、知事答弁の打ち合わせをしていなかったのか…」
とため息をつき、公明幹部も
「明らかな失言だった」
と肩を落とした。

落とし所を失っていた民主は、これに乗じて反対姿勢をさらに強めていった。

「まさに、渡りに船とはこのこと。民主も助かったんじゃないか」
と、別の野党幹部は苦笑いを浮かべた。

都議会総務委員会の参考人招致で民主は反対派の急先鋒(せんぽう)、宮台真司首都大教授(社会学)らを招致。

宮台教授は

「主観だけで何でも規制できる。こんな条例を掲げること自体が東京都の恥」
と批判。
「非実在青少年」について
「設定が問題なら『これは成人コスプレ』と断れば何でもありで、ナンセンスだ」
と述べ、都の質問回答集を
「法律は条例を含め条文がすべてで無意味だ」
と切って捨てた。

これに対し、条例改正に賛成する自公は改正案の条文作成にかかわった前田雅英首都大教授(法学)を招致した。

前田教授は

「改正案は子供が見にくい場所に置くことはできないかという提案だ」
と改正案の趣旨を説明したが、
「条文にあいまいな部分がないわけではないが、法律は素人が分かる言葉でできていない」
と主張した。

民主都議の1人は

「反対派の主張の方が説得力があった」
とニンマリ。
「改正案に賛成意見なんて実際はPTAにさえない」
と述べるなど、自信をのぞかせる発言が目立つようになっていった。

「民主の方が無責任」?

勝負となった6月議会。民主幹部は代表質問で早速、

「自ら責任を持てないものを議会に提出したのは無責任」
と知事の発言を非難し、撤回を受け入れない場合は否決する方針を打ち出した。

だが、担当局幹部によると、石原知事サイドを無責任となじった当の民主幹部は、改正案を答申した「都青少年問題協議会」に名を連ねながら、一度も会に出席していなかった事実も発覚。

「最初から関心がなかったことの表れで、どちらが無責任か。一度、議会で受けた議案の撤回要求は責任放棄。民主こそ修正案を出すべきだ」
と自民幹部は憤った。
また、公明幹部も
「民主から民主案について『会派内がまとまらないので今回は出せない』といわれた。これが、最大会派のやることか」
と憮然(ぶぜん)とした表情を浮かべた。

自公は早期成立を求める保護者の署名が約4万5千筆集まったとし、対抗措置として独自の修正案を提出した。「非実在青少年」を「描写された青少年」に、また「青少年性的視覚描写物」を「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」に変更するなど用語を変えた上で、表現の自由を侵害するとの懸念に対して、付則で「条例施行3年経過後に検討の上、必要な措置を講じる」とした。

ところが、民主幹部は

「改正案の文言を変えただけだ。自公が担当局に作らせたに決まっている」
と批判、別の幹部は
「民主の独自案はできている」
と明かしたが、それが白日の下にさらされることは最後までなかった。

都議会で民主と自公がさや当てを行う一方、石原知事は

「7、8歳の女の子をセックスの対象にする漫画を子供の目に触れさせないようにすることがなぜいけないのか」
と強調。
「反対のための反対で都民が迷惑。ばかなことをやっている。抽象論ではなく具体的な対案を出すべきだ。(出さないなら)『現状を認める』と都民の前で言えばいい」
と怒号した。

落としどころは…

6月議会閉会後、都議会各会派を回った石原知事。

民主の控室で

「日本語の解読能力がないな、君らは」
とチクリ。
これに対して大沢昇幹事長は
「自分だってそうじゃないか。言われたくないよ」
と言い返す場面もみられた。

改正案に反対する藤本由香里・明治大准教授は

「都はエロ漫画に限定しての規制というが、条文では拡大解釈ができるようになっている」
と改正案の否決を喜び、
賛成派の赤枝恒雄・赤枝六本木診療所院長は
「未成年者が漫画の影響でレイプされている現実があることを知るべきだ」
と肩を落とした。

都幹部は

「条例規制か、それとも自主規制か。議論はそこで平行線をたどっただけ」
と総括。結局、着地点を見いだせないまま時間切れになった格好だ。

石原知事は、9月議会への再提出を目指す意向だが、インターバルはわずか。

「もっと時間がほしいのが本音。誰もが6月議会で流れは否決といった状況を感じていたはずだが、『俺に任せとけ』と言って問題を抱え込んだものの、民主対策を怠っていたにもかかわらず、知事には耳障りの良い情報しか伝えていなかった担当の最高幹部は責任をどう感じているのか」
などの“恨み節”も庁内からは聞こえてくる。

一方、自民幹部も

「民主はこの問題を知事選まで引き延ばすつもりだ。再提出は少なくても12月議会まで待った方が良い」
とうめいた。

いつの間にか“政争の具”と化した改正案をめぐる議論に、子供を守るという当初の目的が薄れ始めている。文字通り“非実在青少年”化しているようだ。

右派のサンケイ新聞のまとめ記事ですから、それなりでありますが、いや面白い。

と言うか、時間切れで何も決まらずというのは当然ではないだろうか?
逆に言えば、こんなややこしい問題を条例で何とかしようと考えるところが、まずいでしょう。

じゃあなんでこんな大騒ぎになったのか?と言えば、一方に石原都知事、片方に表現の自由の侵害に敏感な人たち、という大きな力があって、それを正当が担いだからで、サンケイ新聞が言う

いつの間にか“政争の具”と化した改正案をめぐる議論に、子供を守るという当初の目的が薄れ始めている。文字通り“非実在青少年”化しているようだ。
というのは、「いつの間にか」ではなくて「最初から」でしょう。

社会全体が、なんとなく安定性が無くなって来て、法律に安定を求める傾向が強くなってきているのだと思います。
そのために法律がどんどんビッグブラザー化してきている。

法律のビッグブラザー化の速度に対して「それは急ぎすぎだろう」というのが、今回の反対運動の根本だと思う。

だから、条例案に「いかなる内容でも反対」という意見はなくて、対案がどうのこうのと言ったことになっている。
しかし、条例がなければ野放しか?と言うと、自主規制とか世論の批判は当然あるわけで、自主規制でよいでしょう。という意見に対して、石原都知事は

「7、8歳の女の子をセックスの対象にする漫画を子供の目に触れさせないようにすることがなぜいけないのか」
「反対のための反対で都民が迷惑。
ばかなことをやっている。
抽象論ではなく具体的な対案を出すべきだ。(出さないなら)『現状を認める』と都民の前で言えばいい」
と言わざるを得ないということなのだろう。

ここまで来ると、さすがにまとまるとも思えないわけで、完全に「言った言わない」レベルの、政争の具になった、ということですね。

7月 4, 2010 at 10:58 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

大相撲の大混乱

読売新聞より「外部拒否、理事長代行に放駒親方案…相撲協会

野球賭博問題に揺れる日本相撲協会は3日、名古屋市の愛知県体育館で緊急の役員会を開き、特別調査委員会から謹慎を勧告されている武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)の代行人事について、4日の理事会で放駒(はなれごま)理事(62)(元大関魁傑=巡業部長)を理事長代行に指名する案をまとめた。

特別調査委は外部役員の村山弘義理事(元東京高検検事長)を理事長代行に推薦することでまとまっている。

しかし、相撲協会は理事長代行設置の勧告を受け入れるものの、人事権は理事長と理事会にあるとする協会規定を根拠に独自の人事案を打ち出すこととした。

また、懲戒処分を勧告されている大関琴光喜(佐渡ヶ嶽部屋)、大嶽(おおたけ)親方(元関脇貴闘力)は除名ではなく解雇、時津風親方(元幕内時津海)は主任から平年寄(ひらどしより)への降格5年間で固まった。力士8人と床山の野球賭博関与を出した阿武(おうの)松(まつ)親方(元関脇益荒雄(ますらお))は委員から平年寄へ2階級降格5年以上となる見通し。

この日の役員会には力士出身の理事ら17人と、特別調査委座長の伊藤滋外部理事(早大特命教授)、調査委員の望月浩一郎弁護士の計19人が出席。外部役員も放駒理事の人事案を了承したと見られる。

役員の1人は読売新聞の取材に対し、

「規定にのっとって決めた。外部の方が土俵に上がって協会あいさつをすることは納得できない。人事権は理事長にある」
と説明。また別の役員は
「4日の理事会がぶれないように意思統一した」
と語った。

相撲協会は6月28日の緊急理事会、評議員会で特別調査委が出した9項目の勧告を大筋で受け入れ、名古屋場所(7月11日初日・愛知県体育館)の開催を決定した。
(2010年7月4日03時04分 読売新聞)

勝手に自殺して下さい、といった感じですね。

とりあえず、文科省は納得しないでしょうね。
公益法人格が無くなっても、協会はやっていけるのでしょうか?

特別調査委員会の最終報告が、「全部ダメ」とか出てきたらどうなるのだろう?

7月 4, 2010 at 10:19 午前 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (0)

大阪府が金融特区案

毎日新聞より「大阪府:「貸金特区」設置提案へ 上限金利引き上げを検討

大阪府は3日、改正貸金業法の完全施行で導入された、個人の借入総額を年収の3分の1までに制限する「総量規制」と、年15~20%の上限金利規制を一部緩和する構造改革特区の設置構想を政府に提案する方向で最終調整に入った。

規制の強化で中小事業者などが違法な「ヤミ金融業者」に流れるのを防ぐことが狙いだが、実施されれば全国の貸金業界に影響が出ることは必至だ。

政府との交渉は難航が予想されるが、提案で同法のあり方に一石を投じる意味もあるとみられる。

構想によると、中小事業者向けの1年以内の融資は上限金利を改正前の年29.2%に戻すほか、個人に返済能力があれば総量規制を超えた無担保融資ができるよう緩和。

府内に本店を置く貸金業者が府内の店舗で融資する際に適用することを想定しており、借り手は府民でなくてもいい。

改正法による金利引き下げで、貸金業者はリスクの高い中小事業者向け融資を縮小。

廃業する業者も多い。府は、担保の少ない中小事業者に「金利が高くても無担保で即日融資を受けたい」との声が強い点を重視。
また、返済能力のある利用者への融資まで一律に制限する総量規制は硬直的だと判断し、多重債務者の救済体制を充実したうえで規制緩和を実施したい考えだ。

近畿財務局が3~4月に実施した調査によると、近畿2府4県の貸金業63業者の利用者のうち、総量規制に抵触する人は49.4%と全国平均の42.0%より多い。

また、府が個人債務者500人に実施した調査では、7人に1人が「ヤミ金融利用は仕方ない」と回答したため、府はヤミ金融に利用者が流れる可能性があることを懸念していた。

政府は、9月末をめどに特区設置の可否を判断する。しかし、6月18日に完全施行されたばかりの改正貸金業法の一部緩和は、消費者団体などからの反発も予想され、すんなり認められる可能性は低い。
ただ、府の動きで改めて規制強化の是非論が浮上する可能性はある。
【中井正裕、宇都宮裕一】

毎日新聞 2010年7月4日 2時30分

いくら何でも「貸金特区」は無理がありすぎでしょうが、総量規制が現実的ではないのも明らかで、早晩こういった議論になるだろうとは思っていましたが、ビックリするほど早いですね。

参議院選挙の最中だからこういう話を大阪府は打ち上げたのでしょうか?

問題なのは、この種の話は全国レベルで一斉にやらないとダメなわけで、地域特区では明らかに実現性がないです。
その一方で、総量規制の是非は議論するべきです。

昨日(2010年7月3日)車で放送大学を聞いていたら、金融政策論をやっていました。
この中で、戦後の高度成長期を支えた、金融政策は国が全部を主導してその実施を銀行に任せるという形であった。
この時代には、先進国アメリカをキャッチアップすれば経済は成長したから、製造業が進歩するための情報も国が収集し提供することが出来た。
しかし、製造業の競争市場が最先端になると、国が関与できなくなった。
必然的に、国が関与するよりも、金融の自由化も含めて、企業活動を市場原理に任せることになって、その後、現実にはバブルと不景気を繰り返すようになった。

この授業を最後までは聞いていなかったのですが、講師はこの問題について、高度成長期に銀行の支店の設置にまで、行政がチェックすることで、供給側を強くコントロールして、全体の経済秩序を維持していた。

国は銀行を通じて、資金供給を事前にチェックしたから企業の暴走も抑えることが出来た。
金融自由化によって、企業の資金調達のルートが直接金融(株式公開など)に変わったのだから、事前チェックが出来なくなった。当然、結果チェックに切り替えるべきであった。

要するに、決算を含めて情報開示の義務化、重罰化するべきだ。と言うのです。
しかし、現実は情報開示と責任追及の体制は全くできず、その結果が北海道拓殖銀行や山一証券といった予想しがたい倒産事件になり、今度は大きすぎてそのまま潰せないから、結果的に救済する。つまりは、罰であるところの市場からの追放すら出来ない、という意見であったようです。

今回の、大阪府の「総量規制骨抜き特区」案は、結局は金融市場の透明性の管理が出来ないまま、「とりあえずず金融業者を抑え込む」という「総量規制」に対して、同じく「どうでも良いから金を供給しろ」という市場無視、つまりはヤミ金公認とどこが違うのだ?という種類のものです。

先に紹介した放送大学の授業では、金融の自由化に伴う、市場のチェック機能の不十分さ問題は、日本に限ることではない、とのことでした。
実際アメリカのノーベル賞を取った金融工学という名のトンでもないマネーゲームは世界の経済を不安定にしています。

これでは、国に対する信頼が無くなるのも当然というべきでしょう。
問題は、国に対する信頼=未来に対する信頼を、金融がぶち壊しつつあることで、早晩国という存在そのものが壊れるでしょう。
それに対して各国政府が何の手も打てないことが問題ですが、このような国イコール行政に対する信頼の崩壊は、軍事クーデーターなどになっていくしかないのですよね。
今後の数十年間は、各国政府の崩壊、貿易の途絶といったことになっていくのかもしれません。

7月 4, 2010 at 10:12 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)