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2010.06.26

トヨタ・アメリカで燃料漏れがあると、リコール

東京新聞より「トヨタ、米でHV販売中止 追突時に燃料漏れの恐れ

【ニューヨーク共同】
トヨタ自動車は25日、米国で販売している高級ハイブリッド車(HV)「レクサスHS250h」の2010年モデルが追突された際に燃料漏れの恐れがあり、米国の安全基準を満たしていないとして、同日販売を中止したと発表した。原因を調査し、対策が固まり次第、リコール(無料の回収・修理)する。これまでに販売した1万7千台が対象。

トヨタは、日本で販売されている同型車は安全基準を満たしており、日本でリコールの予定はないとしている。

HS250hは、同社の看板HVのプリウスなどとともにブレーキに不具合があるとして2月にも別のリコールの対象となった。
大規模リコールによるイメージダウンから抜け出しつつあったトヨタの米事業への打撃が懸念される。

追突事故を想定した道路交通安全局(NHTSA)による衝突実験で基準を上回る燃料が流出した。
トヨタが行った同様の社内実験では問題がなかったという。

あまりにも、変な話ですね。

同じ試験をやって、片方が合格で、もう一方が不合格なのかがでは、問題でしょう。
普通に考えると試験の設定が狂っているのではないのか?

6月 26, 2010 at 02:34 午後 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.06.25

バイオセーフティ議定書に原状回復責任を追加

毎日新聞より「遺伝子組み換え:事業者に原状回復責任 輸入国が「被害」

2010年6月25日 2時33分

遺伝子組み換え作物など人為的に改変された生物の国際取引に伴い、移動先の国の生物多様性が悪影響を受けた場合の国際協定案が24日、明らかになった。

被害国は原因を作った事業者に対して原状回復を命令できる。

国連生物多様性条約に基づく「バイオセーフティーに関するカルタへナ議定書」の補足議定書として、10月に名古屋市で開かれる同条約第10回締約国会議(COP10)で採択を目指す。

補足議定書案は、国境を越えて移動した遺伝子組み換え作物などにより「生物多様性の保全と持続可能な利用に影響する被害」が出た場合を想定。
被害を受けた国は、輸出入業者など原因生物を管理する事業者に対して、元の状態かそれに近い状態に戻すことを命令できるとしている。

「被害」については、客観的、科学的に証明可能で、かつ重大なものと規定。
人の健康被害も考慮するとした。

カルタへナ議定書は03年に発効し、締約国は現在、日本を含む157カ国と欧州連合(EU)。遺伝子組み換え作物などが生物多様性に悪影響を及ぼさないよう、輸入に際して事前にリスク評価することなどを定めている。

しかし、実際に悪影響が出た場合の責任と救済については合意できず、「補足議定書」としてまとめることになっていた。

補足議定書の締約国は関連する国内法を整備する必要がある。
日本の場合、カルタヘナ議定書に対応した国内法を04年に施行済みで、政府は同法の改正も視野に入れ補足議定書に対応する方針だ。【足立旬子、江口一】

国際協定なのだから、「被害回復」について定めないわけにはいかないだろうが、実際には機能しないだろうね。
まあ、事業者が無茶をやって大被害が発生するといったケースを想定した場合、この規定が業者に対する牽制にはなるだろう。

  1. 客観的、科学的に証明可能で、かつ重大な被害が発生した場合
  2. 被害国は原因を作った事業者に対して原状回復を命令できる
ですから、ハードルがものすごく高い。

「客観的、科学的に証明可能」と言っても、被害の原因が遺伝子組み換え生物が原因であるとの証明は必ずしも簡単では無いだろう。

「かつ重大な被害が発生した場合」これは、もっと大変だと思う。
基本的には、遺伝子組み換え生物が、他の生物を駆逐したといった場面が、被害なのだろうけれども、元もと人類が「品種改良」してきたことと本質は変わらないわけで、どのような状況を「重大な被害」と認定するのか?は、被害を受けた人の立場によって大幅に変わるだろう。
つまり「被害」そのものが、客観的に確定できるものかが問題だろう。

こんな協定があると知っておくぐらいの意味しかないのかな?

6月 25, 2010 at 09:12 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.23

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その6

読売新聞より「ボート転覆で死亡、西野さんの告別式しめやかに

浜松市の浜名湖で起きたボート転覆事故で亡くなった愛知県豊橋市立章南中学校1年の女子生徒(12)の告別式が22日、同市牧野町の葬儀場で営まれた。

女子中学生が所属していた同校吹奏楽部のメンバーや同級生、豊橋市の加藤正俊教育長、川勝平太静岡県知事ら約330人が参列し、女子中学生の遺影が飾られた祭壇に焼香した。

この日は女子中学生が小学生のときから習っていたピアノとバイオリンの先生、吹奏楽部のメンバーが遺影の前で「カノン」「それが大事」を演奏。
同級生らが女子中学生へのメッセージを書いた寄せ書きのカードを花と一緒にひつぎに入れて最後の別れを惜しんだ。

父親は「たくさんのみなさんに来ていただいて娘も喜んでいると思う」と涙をこらえてあいさつした。

川勝知事は参列後、

今回の事故は完全に不可抗力とは言えず、誠に残念。原因を徹底的に究明し、委託業者が自然体験学習の危機管理を徹底できるようなマニュアルをつくり、再発防止に取り組んでいきたい」
と述べた。

(2010年6月23日09時27分 読売新聞)

県知事が「不可抗力ではない」と言ってしまいましたね。
まあ、正しい判断だとは思いますが、県知事がこの時点で言って良いことだったのかは、いささか疑問があります。

なによりも、今回の事件全体を通じて感じるのは「なんで、そう先走るの?」でした。

  • 天候をじっくりと確認していない
  • 学校の先生、施設側の職員とのキチンとした打合せをしていない
  • 乗船名簿を作っていない。当然、乗船者の氏名確認をしていない。
  • カッターが動けなくなったときに、各方面に協力を要請する前に、所長が自分でモーターボートで「救助」に向かった。
  • えい航には、牽かれる側の操船技量が必要なのに、教師しか乗っていないカッターをえい航した。
  • 転覆後に、モーターボートに救助したのが、10人で残り10人は救助の手立て無く放置
  • 転覆しなかった、ボートをバラバラに岸に着けたために、点呼が出来なかった。
  • 点呼が、人数ではなくて、個人名で行うことを消防が行った。

これらの、一つ一つが「とりあえずやる」であったと思うのです。
別の言い方をすると「この程度でよいはずだ」という思い込みと言えるでしょう。
そして、それらが犠牲者をひっくり返ったボートに中に放置して、その結果死亡した、となります。

根本的な問題点は「とりあえず」とか「この程度でよい」といった先を考えない行動にあったはずです。

こういう観点で、県知事の「不可抗力ではない」発言が、今後どういう影響を及ぼすのか?を考えてみると、全く問題なしとは言いがたいでしょう。
それに

原因を徹底的に究明し、
委託業者が自然体験学習の危機管理を徹底できるようなマニュアルをつくり、
再発防止に取り組んでいきたい

というのは問題でしょう。

原因を徹底的に究明するのはよいとして、マニュアルが完成すれば、委託業者は危機管理ができるのか?というのは、まだ分からないでしょう。
そもそも、委託業者が危機管理できる綿密なマニュアルが出来るのかどうか分からないですし、カッター訓練を安全に出来るというところまで見直したら、カッター訓練は廃止、という結論になるかもしれないでしょう。
また、徹底的な危機管理マニュアルを作ってみたら、委託できる業者がなくなってしまった、ということもありうるでしょう。

県知事の発言は

  1. 不可抗力の事故ではない=対応が不十分であった
  2. だから、原因を徹底的に究明する。
  3. しかし、カッター訓練は委託業者で継続する
  4. 十分に危機管理が出来るマニュアルを作る
  5. これで事故の再発は防止できる

ということになりますが、全部が繋がっていないことは明らかで、それをまとまっているかのように述べるのは、先走りなのではないかと思います。

6月 23, 2010 at 11:03 午前 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

郵便制度悪用事件・検察論告

東京新聞より「元局長に懲役1年6月求刑 厚労省文書偽造事件

2010年6月22日 21時29分

郵便制度悪用に絡む厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元局長(54)=休職中=の公判が22日、大阪地裁であり、検察側は

「元局長の指示か了解がなければ、偽造は実行不可能だった」
として懲役1年6月を求刑した。

横田信之裁判長は5月の公判で、検察側が立証の柱としていた元係長(40)=公判中=の捜査段階の供述調書15通をすべて証拠採用しないことを決めており、元局長が無罪となる公算が大きくなっている。

検察側は論告で、当時の厚労省が、民主党の石井一参院議員の口添えによる「議員絡みの案件」として偽造証明書作りを組織的に行ったと指摘。

捜査段階で元局長の関与を認めた元係長が「単独でやった」と法廷で証言したことについて

「1人でリスクを冒す必要性はなく『上司にとがめられない』という確信があったはずだ。法廷証言は不自然で荒唐無稽ともいえる」
と、信用性を否定した。
(共同)

1人でリスクを冒す必要性はなく『上司にとがめられない』という確信があったはずだ。
法廷証言は不自然で荒唐無稽ともいえる

いくら何でも、この論告はないと思いますよ。

「○○が無いのだから、××があったはずだ」というのは刑法の概念としてアウトですよ。
こんな論告には反論のしようがない。

荒唐無稽であろうが、信じがたい事であろうが、事実(真実ではないかもしれないが)を示して戦うのが裁判です。

事実はないが、信じられないから、否定する。というのは、本来必要ないことだし、検察側が、被告側証言を否定するのは当然であるから、理由を特には必要としないでしょう。
否定する合理的な事実を示すのであれば、意味があるけど事実が無く、不自然だと考えるでは、いわば失敗の糊塗です。

いったいどういう事になっていくのでしょうか?

6月 23, 2010 at 12:51 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.06.22

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その5

どうにもひどい事件(事故とは言いがたい)であることが徐々に明らかになってきました。

7本の新聞記事を並べてみると、いろいろな事が分かってきます。

時刻所要時間経過時間
02:3500:2000:00出発
02:5500:3600:20救難要請
03:3100:2000:56199番通報
04:1800:4701:43消防隊が救助対象者の人数把握。行方不明者1名を確認
04:2000:0201:45救助対象者の人数が混乱
04:3800:1802:03消防は、行方不明1名が確実だと認識
04:4000:0202:05警察が乗船名簿を入手。女子生徒だと判明
05:1500:3502:40ダイバーが水上バイクで到着
05:2100:0602:46救助された生徒を点呼して、女子生徒がいないことを確認
05:4100:2003:06救助開始
05:5100:1003:16ボート内で、女子生徒発見

この記事を書くために、時刻を確認しようとして、各紙を繰り返し調べたのですが、どうも確定的な時刻なのかも判然としません。

2時55分の「救助要請」はボートが身動きできなくなった時刻なのかもしれませんが、その後、えい航作業を開始して数分で転覆した、となっています。
つまり、この表では、何時に転覆したのかが今ひとつ分かりません。

全然分からないのが、4隻の内転覆したのは1隻で、乗っていたのが20人。
残りの3隻は、とりあえず陸に帰還できました。
陸に上がった、生徒の数が確認出来ないというのはどういう事か?
人数の把握に1時間以上掛かっています。

それを「3ヵ所に分かれたから人数の把握に時間が掛かった」という言い分がそもそも分からない。
目的が人数の把握でしょう。
さっさと1ヵ所に集めるなりなんなりすれば良いことで、なんのために何をやっているのか理解していなかったのだろう。

この学校は、今も「何が問題だったのか」が分かっていないのではないだろうか?

それにしても「乗船名簿」がないというのは、どういう事なのだ?
転覆でなくても、落水とか病気の時にどういう対応をするつもりだったのだろうか?
金を取って船に乗せる、という観点だけで見ても失格だろう。

それが、その後の情報混乱の元なのだから、この点についての「青年の家」の責任は極めて重い、と言わざるを得ないし学校にはそれを是認した責任があることは言うまでもない。

サンケイ新聞より「【浜名湖ボート転覆事故】50分間行方不明に気付かず 静岡

2010.6.21 21:21

愛知県の中学生ら20人が乗ったボートが浜名湖(浜松市北区)で転覆し、中学1年の女子生徒(12)が死亡した事故で、現地で情報が錯綜(さくそう)し、消防隊が行方不明者の存在に気付くまでに事故発生から約50分間経過していたことが21日、救助関係者への取材で分かった。

浜松市消防局は、救助された生徒や教諭の情報を基に懸命に救助作業に当たった。

だが、消防隊が救助対象者の人数を完全に把握したのは、ボート転覆から約50分後の4時18分だった。その時点でも、行方不明者が死亡した女子生徒と特定できていなかったという。

また、訓練を実施した「県立三ケ日青年の家」を所管する県教委によると、青年の家には参加者の一覧名簿しかなく、どの生徒がどのボートに乗ったかなど緊急時を想定した名簿を作成していなかったことも明らかになった。

こうした態勢の不備が発覚する中、県教委は21日朝、教育施設の担当者による緊急会議を開催。
青年の家を当面の間、閉所することを決めるとともに再発防止措置の徹底を求めた。

県教委は、再発防止策として、

  • 野外訓練実施の可否の判断基準の明文化
  • 緊急時マニュアルの作成
  • 実践を想定した設備や機材の点検
  • 所員間での情報共有
  • 警察や消防と連携した訓練の実施
を青年の家に指示した。

同日午後には、青年の家の運営を県から委託された「小学館集英社プロダクション」(東京都千代田区)の社長ら幹部2人が県庁に川勝平太知事を訪ねた。
八木正男社長は今回の事故を謝罪した上で、

「(野外学習は)子供たちにとっては良い思い出になるので、引き続き運営できるよう万全を尽くしていきたい。再発防止に向け尽力したい」
などと述べた。

中日新聞より「乗船名簿なしで安否確認ボート転覆で救助の現場本部

2010年6月21日 16時00分

浜松市北区の浜名湖で18日、野外活動中の愛知県豊橋市立章南中学校の生徒ら20人が乗ったボートが転覆し、1年生の女子生徒(12)が死亡した事故で、救助に当たった消防の現場本部に、発生から1時間以上にわたりボートごとの乗船者が分かる名簿が届かず、転覆したボートとの無線連絡のみで安否の確認をしていたことが分かった。

このため「全員無事」の誤報が保護者らに伝わることになった。

関係者によると、転覆直後に静岡県立三ケ日青年の家のボートがまず生徒、教員の10人を救出し、教員が

「残る生徒6人が(転覆した)ボートにまたがり4人が不明」
と証言。この情報に基づいて救出活動が始まった。

発生から約1時間後の午後4時20分すぎ、転覆したボートから

「(救出後に残った所長を含め)11人いる」
と誤った情報が伝わった。
所長が手持ちの無線で応対したとみられる。

現場では2つの情報を基に「不明の4人の生存を確認」との解釈が広がり、消防にも伝えられた。

この結果、「すべての生徒が水から上がった」との情報が静岡県教委、豊橋市教委へと流れた。

当初、消防の現場本部にあった名簿は、1年生96人全員が記載されたものだけ。

乗船の割り振りがなく、欠席や見学者も判別できなかったという。

警察が入手した乗船名簿が現場本部に届いたのは、午後4時40分すぎ。

乗船名簿は学校が作成し、青年の家に渡していたが、訓練には携行せず、警察が入手するまで消防には伝わらなかった。

名簿到着に前後して、救出に向かった消防ボートが10人しかまたがっていないことを確認し、名簿と照らして女子生徒が不明であることが分かった。

浜松市消防局は

「人数の情報だけで安否確認をしてはならないことは鉄則」
としているが、確認方法などに問題がなかったかどうかを検討する。

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:3カ所に救助分散…安否確認に手間取る

浜松市の浜名湖で愛知県豊橋市立章南中学校(水野克昭校長)の1年生ら20人乗りの手こぎボートが転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、救助された生徒らは3カ所に分散し、全員の安否確認に手間取っていたことなどが関係者の話で分かった。

豊橋市教委や水野校長らの説明によると、転覆した手こぎボートには教諭2人と生徒18人が乗っていた。

亡くなった女子生徒は最後列付近におり、その後ろに教諭2人がいたという。

ボートが転覆後、数人が内部に閉じこめられたが、正確な人数はわからなかった。

水野校長は

「ボートの中で教諭が生徒を励ましながら救助を待っていたが、『死にたくないよー』という声も聞こえたと教諭から聞いている」
と話した。

救助された生徒らは、転覆したボートに乗っていた生徒も含めて三ケ日青年の家や近くのホテル、病院の3カ所に集まったが、分散したため教諭らが姿が見えない生徒の確認や、連絡が遅れたといい、水野校長も「人員確認の点呼が遅れたのは事実」と話している。

市教委によると、ボートは午後2時35分に出発。
その20分後に青年の家に救助要請が入り、青年の家は午後3時31分に119番通報した。【沢田均】

毎日新聞2010年6月22日13時51分(最終更新6月22日13時58分)

中日新聞より「かじ操作、熟練必要ボート転覆・中1死亡

浜松市の浜名湖で愛知県豊橋市立章南中学校の生徒ら20人が乗ったカッターボートがえい航中に転覆し、1年生の女子生徒(12)が死亡した事故で、
ボートを製造した静岡県内のメーカーが21日、中日新聞の取材に応じ

「えい航されるボートは、えい航する船と同じ方向にかじを切り続けないと、横方向に引っ張る力がかかる」
と話し、技術的な難しさを指摘した。

役員の男性によると、ボートは約20年前に納入。

材質は繊維強化プラスチック(FRP)で、重量750キロ。生徒18人と教員2人を加えた重さは約1・6トンになると推定される。

教員2人が座っていた船尾にかじがついている。1・6トンのボートは進行方向に強い慣性力が働くため、ボート側のかじを操作せずに引っ張る船が進行方向を変えると、不規則な力が横方向にかかるという。

専門家は、えい航には高度な技術が必要だと話す。東京海洋大でカッター部顧問の経験があり、造船に詳しい石橋篤講師は

「ボートが波に対してどのような姿勢になるのか、えい航する側に注意が必要」
と指摘。
「かじの操作を合わせねばならず、熟練者でも緊張する作業だ」
という。

東海大の佐藤治夫教授は

「横波を受けてもいけないが、追い波や向かい波でも船首や船尾が振られる。
双方とも波の方向に対して30~40度の姿勢を保つのが望ましい」
と解説する。

ボートをえい航した静岡県立三ケ日青年の家の所長(52)は「えい航は初めてだった」と話している。
教員には船着き場内でこぎ方を教え、湖に出てからかじの取り方を説明したという。

所長は「えい航を始めて5、6分で転覆した」とも話しており、県警はえい航方法に問題がなかったかなどの調べを進めている。

一方、ボートをえい航する際のマニュアルがなかったことも分かった。
青年の家の指定管理者「小学館集英社プロダクション」(東京都千代田区)の八木正男社長が21日、同県の川勝平太知事に事故の経緯を説明した際に明らかにした。

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:中1死亡「青年の家」所長、えい航経験なし移送手段に疑問の声

浜松市の浜名湖で愛知県豊橋市立章南中の1年生ら20人が乗った手こぎボートがモーターボートによるえい航中に転覆し1人が死亡した事故で、モーターボートを運転していた「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)は約20年前に操縦免許を取得したものの、えい航の経験はなかったことが関係者の話で分かった。

一部の専門家からは「生徒らを他の船に移す必要があったのでは」との指摘も上がっている。

県や所長らの説明によると、所長は18日の事故時、風に流されていた手こぎボートの船首に約20メートルのロープをつないでえい航を始めたが、5~6分で転覆。青年の家は今年4月に県から民間会社の「小学館集英社プロダクション」に移管されたばかりだった。

19日の会見で所長は

「20人をモーターボートに移すのは無理で(えい航は)妥当な手段」
と述べた。

しかし東海大海洋学部航海学科の佐藤治夫教授は

「えい航される船は左右に揺れ、引っ張られる船に、かじを切る専門家がいないと難しい。湖が荒れている場合はなおさらだ」
と指摘。
日本海洋少年団中部地区連盟(名古屋市)の男性職員も
「なぜモーターボートに生徒を移し(岸と)往復しなかったのかと思うが、批判はできない」
と話す。【山田毅、平林由梨】

朝日新聞より「「死にたくない」叫ぶ生徒浜名湖転覆、安否確認で混乱

2010年6月22日3時0分

浜松市の浜名湖で訓練中だった愛知県豊橋市立章南中学校の手こぎボートが転覆して1年の女子生徒(12)が死亡した事故で、ひっくり返った真っ暗なボートの中で生徒が叫ぶなか、湖に投げ出された教諭が号令をかけてボートの内側から脱出していたことが分かった。

その一方で、教諭もモーターボートで助けられて現場を離れるなどしたため安否確認が混乱するなど、事故直後の様子が学校側への取材などで明らかになった。

事故をめぐっては、波が高く生徒が体調不良を訴えたため迎えに来たモーターボートに引かれている最中、手こぎボートが転覆した疑いが強まっている。

手こぎボートにはインストラクターは同乗しておらず、教諭の男女2人と生徒18人、モーターボートには「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)らが乗っていた。

教諭から水野克昭校長が聞き取りした話によると、転覆したボートの内側には教諭と10人以上の生徒が取り残された。

水は胸のあたりまできていた。呼吸はできる状態だったが、中は真っ暗だった。

水位が上がってきて、「死にたくないよー」と叫ぶ生徒もいたという。教諭が「みんな、しっかりつかまって。出るよ」と叫び、「1、2の3」と号令をかけて、ボートの下から脱出したという。

生徒とともに2人の教諭もモーターボートに引き上げられ、先に計10人が岸に戻った。

亡くなった女子生徒をのぞく9人の生徒は、転覆したボートの上で所長が一緒に救助を待った。

教諭の1人は水野校長に、

「(モーターボートが)現場にまた戻ると思ったが波が非常に高く、二次被害を考えてかボートが再び出動しなかった」
と話しているという。

安否確認の混乱について水野校長は、

「(青年の家に引き揚げてきた人を対象に)誰がいるかを点呼で確認したが、転覆現場ではわからない状況だった」
と話す。
豊橋市教委は20日夜、会見で
「救助先が青年の家、ホテル、病院の3カ所に分かれてしまい、全員の安否確認が遅れたのは事実だ」
と説明している。

教諭2人のうち、女性教諭は聞き取りに応じている。

もう1人の男性教諭は出勤しているが体調が優れず、聞き取りができていない。

水野校長は

「2人から詳しく聞いて、現場で教諭がどういう判断をしたか解明しないといけないが、教諭も生徒も息も絶え絶えの状態だった」
と話す。

浜松市消防局によると、行方不明者が1人いることを同局が把握したのは18日午後4時18分。

「ボートが転覆した」との通報があった午後3時31分から47分が経過していた。

全員無事との情報も入り乱れる中、転覆したボートの船底にまたがって助けを待っていた生徒らの救助に向かった水難隊員が、人数を数えて確認したという。

行方不明者が女子生徒だとわかったのは午後4時半過ぎ。

素潜りで捜索していたが、天候の悪化もあり発見できなかった。

ダイバーが午後5時51分に女子生徒をボートの中から発見した。

事故があったのは18日午後で、野外教育活動の一環として手こぎボートで沖に出た4艇のうちの1艇が転覆し、約20人が投げ出された。
ボートの下に取り残されていた女子生徒の死亡が確認された。(山田雄介、小山裕一)

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:中1死亡救助開始まで2時間情報錯綜、人数確認が遅れ/静岡

◇人数確認作業が遅れ

浜松市北区三ケ日町の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学1年の生徒ら20人乗りの手こぎボートがえい航中に転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、現場での行方不明者情報が混乱し、ボート内側にいた女子生徒の救助が始まったのは、事故発生から2時間以上経過してからだったことが20日、消防関係者への取材でわかった。【山田毅】

事故は18日午後3時半ごろ発生。生徒の船酔いなどで操船できなくなった手こぎボートを、「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)らがモーターボートでえい航中に起こった。

浜松市消防局の関係者によると、発生直後、所長が生徒らを助けるため海に飛び込み、現場の救助対象者が計21人となった。

ところが、この情報がうまく伝わらず、対象者が計20人か21人かで、情報が混乱。

所長を含む20人が救助され、「行方不明者1人」「全員無事を確認」という二つの情報が錯綜(さくそう)したという。

消防が、確実に行方不明者が1人いることを認識したのは、発生から1時間以上経過した午後4時38分。

ボートの船底にまたがった生徒らを救助した海難救助隊の隊員が、生徒の数を数えて1人足りないことに気付いたという。

その後、海難救助隊のダイバーに出動を要請。

ダイバーは水上バイクで午後5時15分ごろ現場に到着したが、荒波で転覆した船に近寄れず、救助が開始されたのが午後5時41~42分。

女子生徒が船の内側から発見されたのは約10分後の午後5時51分だった。

事故発生直後、所長が海に飛び込み、転覆した船の内側から生徒3人を救出していた。

県教委の聞き取りによると、所長は

「3人を救助した時点で、体力的にそれ以上潜れなかった。救助の際に4人目がいたとは気付かなかった」
と話しているという。

一方、陸上では近くのホテルで、県警や中学の教師らが救助された生徒たちを点呼し、午後5時21分に女子生徒がいないことが最終的に確認された。

消防関係者は

「救助対象者が何人か把握するのは基本。確認が遅れて人命が失われたことは申し訳なく思う」
と話した。

◇現場水域など見分--県警と国交省運輸安全委

県警と国土交通省運輸安全委員会は20日、事故現場となった水域などの見分を実施した。

同日午前、県警の警備艇に捜査員と同委の調査官2人、転覆したボートをえい航した「県立三ケ日青年の家」の所長が乗り込んで出航。

所長の説明で、ボートが転覆した場所やえい航を始めた地点などを確認した。

調査官はこの後、転覆したボートを計測したり、前日に引き続き青年の家で関係者に事情を聴いた。記者団の取材に応じた酒井郁夫・統括船舶事故調査官は「幅広く調べ、(初日に述べた)『1年以内』と限らず、早めに報告書を出したい」と話した。21日も引き続き調査する。

一方県警は、えい航に使われたモーターボートを、係留されている青年の家で見分した。【仲田力行】

6月 22, 2010 at 04:29 午後 事故と社会 | | コメント (7) | トラックバック (0)

2010.06.21

日光から江戸時代に(和時計の話)

朝日新聞より「クールビズの次は「朝型生活」、日光活用しCO2削減

家庭の二酸化炭素(CO2)排出量を減らそうと、環境省は21日から早寝早起きの朝型生活を呼びかけるキャンペーンを始めた。

朝型生活で電力の使用を減らし、地球温暖化防止に役立てるのが狙い。

都内で開かれたイベントでは、女優の辺見えみりさんや小沢鋭仁環境相らが

「朝、太陽の明かりで暮らすことがCO2カットの早道」
と呼びかけた。

環境省は2005年に打ち出した「クールビズ」が一定程度定着したことを受け、新たなCO2削減の生活習慣を考えてきた。

最近、時間の有効利用や健康を考える人たちが増えて注目される朝型生活に「CO2の削減効果もある」(環境省)と目をつけた。

同省によると、日光で過ごす朝の時間を1日当たり1時間増やし、夜の就寝をその分だけ早めると、平均的な家庭の場合、照明による1年間のCO2排出量の5分の1にあたる約85キログラムを削減できる、としている。

政府は20年までに、温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する目標を掲げている。

総論賛成各論反対なるのに決まっておりますが、まあ総論としては良い事でしょう。

しかし、漠然とこんな事を言っても効果はないわけで、だからこそサマータイムが良いとする論拠にも採りあげられています。

がしかし、日本には日の出日の入りを基準にした和時計があります。
不定時法とと呼ばれる技術で、インターネット時代になって全てのPCの時計を合わせようと言っている時代には不向きでありますが、日常生活的には和時計はかなり良くできています。

和時計についての素晴らしいコンテンツは、マカロニアンモナイトに「~和時計の暮らし~」があります。
その中から、「江戸の暮らし」を引用します。

江戸の時代は「日が昇れば生活が始まり、暮れればおしまい」というお天道様中心の生活だ。

なぜかといえば、夜は暗い。

行燈の明かりは暗く、「油一升、米三升」といわれた菜種油は米の約3倍もするほど非常に高価なものだった。もう少し安い、鯨や鰯の油は、化け猫には好まれたのだろうけれど、油煙が多くて臭かった。

どのみち早く寝た方が経済的だから、否応なしに早寝早起きだった。

時の基準となる「明六ツ(あけむつ)」「暮六ツ(くれむつ)」は生活の始まりと終わりでもあり、江戸城や見附の門、商店の開閉はこの時刻だった。

雇人は「朝五ツ」から「夕七ツ」の勤務時間だったというから「明六ツ」の頃には家を出て「暮六ツ」の頃には帰宅していたのだろう。

もっと気ままに暮らせそうな職人だって「明六ツ半」から「夕七ツ半=暮六ツの半時(はんとき)前」まで働いていた。

「暮六ツ」に星が見え始めて、それから一刻(いっとき)過ぎた「宵五ツ」頃に子供たちを寝かしつけて、「夜四ツ」には長屋の木戸が閉まり、「真夜九ツ」までには夜回りが終わる。

日の出とともに起床どころではない。すでに働き始めてた。そのくらい明るさは貴重だということなんだろう。

※通常は明るさで分かるので、単に「五ツ」「四ツ」と用いられますが、ここでは時間帯がわかりやすいよう「朝五ツ」「宵五ツ」と表現しています。

江戸時代の生活はこんな調子だったのだから、日光の全面活用だったと言うべきでしょう。
和時計は、明治に入って一気に現代の時計に取って代わられてしまいますが、いちばんの弱点が腕時計が成立しなかったことでしょう。
なにしろ「日の出日の入り基準」ですから、時計のある場所によって、基準がずれるわけです。だから、時計は同じ位置に置いておかないと意味がない=腕時計には出来ない。

GPSを利用すれば、時計の現在位置は分かりますから、これで腕時計の和時計の完成型になります。

和時計は、一周が24時間で針が動くのではなくて、文字盤が回転するのが標準でした。
そこで、文字盤を一月おきに取り替えることで、実用にしていました。
この文字盤を取り替えるという作業を自動化してしまって、文字盤の文字の位置が動くというビックリするような機構のものもありました。

この仕組みを、PCのデスクトップに置ける和時計として、Rainmeter のスキンとして開発されたのが、http://sites.google.com/site/code565472/homeにある「和時計」です。
開発者は、台湾の方なんですね・・・・・・。

デモは、YouTube の「Rainmeter De 和時計 」で見ることが出来ます。

わたしは何年もこの時計をデスクトップに置いています。
そう言えば、夏至ですね。

6月 21, 2010 at 05:38 午後 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その4

NHKニュースより「学校側 混乱で不明に気づかず

6月21日 6時54分 動画あり

今月18日、静岡県の浜名湖で中学生など20人が乗った手こぎのボートが転覆し、生徒1人が死亡した事故で、学校側が20日夜、記者会見をして、
転覆直後は混乱していたため、死亡した生徒がいなくなっていることに気づいていなかったことを明らかにし、あらためて謝罪しました。

今月18日、浜松市北区の浜名湖で、愛知県豊橋市の章南中学校の生徒と教師20人が乗った手こぎのボートが、モーターボートでえい航されていたときに転覆し、1年生の女子生徒(12)が死亡しました。

事故を受け、章南中学校の校長らが20日夜記者会見をして、転覆直後の状況について

「教師1人を含む数人の生徒が転覆したボートの下に閉じ込められていた」
と説明しました。

そのうえで、校長は

「自力で脱出したり、救助されたりした生徒や教師が次々と病院やホテルに運ばれた。
混乱の中、女子生徒がまだ見つかっていないことがあとになってわかった。
救助が遅れ、最悪の事態になってしまい、申し訳ない」
とあらためて謝罪しました。

また、同席した豊橋市教育委員会の白井宏治課長も

「結果的に、転覆したあとの生徒の点呼が遅れたのは事実だ」
と述べ、21日午後、臨時の校長会を開いて、野外活動の際には生徒の安全管理を徹底させるよう指導することにしています。

「浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その3」で指摘した通り、現場で点呼を取っていなかった。

この事件というか事件以前から、組織的な行動が出来ない人たちだけでやっていたように見えます。

  • 天気予報の確認
  • 中止の判断を誰が行うのか
  • 教師だけが付き添ったボートの緊急時の行動手順
  • 転覆時の対応
  • サポート艇の存在
  • 非常連絡体制

このような重要な事柄に疑義がある場合、教師などが誰でも良いから「確認出来ていないから、ストップ」とやれないのでは、危なっかしくてとてもこんな行事を実行することは出来ないだろう。

どこをどうやれば、湖岸のホテルに到着し点呼する、まで行方不明者がいることに気づかないなんてことができるのだ? 当然、同じカッターに乗っていた生徒・教師間で「行方不明の生徒の安否」を心配する声はあっただろう。
それにどう対応したのだろうか?

そもそも、この手の「大事故」では問題になるのだが、当事者の学校は「情報の後だし」を異常だと思わないのか?
事故当時に混乱していたとして、今は混乱がないのなら、情報を隠していることになる。
いまだに混乱しているのなら、当事者能力が全く無いことになる。

この中学校は、自分の立場を理解していないのではないのか?

6月 21, 2010 at 09:23 午前 事故と社会 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2010.06.20

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その3

中日新聞より「経緯の説明、二転三転 中1死亡のボート転覆事故

浜松市北区の浜名湖で豊橋市章南中学校の1年生ら20人の乗った手こぎボートが訓練中に転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、
豊橋市教委と同校は18日深夜から19日未明にかけて記者会見したが、
ボート訓練の実施を判断した経緯の説明が二転三転した。

市教委幹部は当初、静岡県立三ケ日青年の家の所長と学校長が事前に協議して実施を決めたと説明していたが、その後、引率していた水野克昭校長本人が協議はなかったと明かした。

市教委によると、注意報が発令された場合、ボートの訓練は青年の家の所長と学校長が協議して実施するかどうかを判断する取り決めがある。

静岡地方気象台によると当時、浜名湖を含む浜松市南部には強風や波浪などの注意報が出ていた。

同校での記者会見で、市教委幹部は

「実施の判断をめぐり協議の上で総合的に判断した」
と説明。ところが、静岡県警の聴取を終え、
途中から会見に参加した水野校長が
「施設職員と学年主任が話し合った結果を伝え聞いたが、所長とは協議しなかった」と明かし
「注意報も知らなかった」
と話した。

こうした食い違いについて市教委は

「職員と話し合ったのだから、いわゆる『協議』はあったとの認識だったと思う」と釈明。
「施設の取り決め通りに所長と学校長で協議するべきだった」
と判断ミスを認めた。 (諏訪慧)

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:移管後えい航初めて 青年の家所長謝罪

浜松市北区三ケ日町の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学1年の生徒ら20人乗りの手こぎボートがえい航中に転覆し女子生徒1人が死亡した事故で、ボートのえい航にあたった「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)が19日、記者会見した。
所長は転覆後、湖に飛び込み、ボートの内側から生徒3人を見つけて救助したことを明らかにした。

亡くなった女子中学生(12)はその後、同じボートの内側から見つかった。

所長は会見で「風が強くなることを予測できなかった。生徒の命を奪うことになり、おわびしたい」と謝罪した。

転覆後のボート内側の様子については

「空気があり息ができる状態だった。水面からぼんやり光が回る状態だった。生徒の姿は確認できなかった」

と説明。
生徒がいないのに気付いたのは、湖岸のホテルに到着し、点呼した時だったという。

青年の家は県が管理していた3月までは救助のため今回同様、ボートをえい航した経験があった。

しかし4月に民間業者に管理・運営が移って以降、救助のためにモーターボートでえい航するのは初めてだった。

所長は、えい航の速度について

「少しスピードが上がっていたのではないか。子供たちを早く岸に戻したい気持ちがあった」
と述べた。

転覆したボートは、生徒の船酔いなどで操船できなくなり、所長が職員と2人でモーターボートに乗って駆け付けた。

ボートの船首に約20メートルのロープをつないでえい航中、「5、6分で転覆した」(所長)という。

静岡県警細江署は19日、事故で亡くなった生徒の死因を水死と発表。転覆したボートを引き揚げて実況見分した。国土交通省運輸安全委員会の調査官も現地に入り、関係者の聴取を始めた。【瀬上順敬、仲田力行】

◇死亡の生徒、能楽教室に通う 「芯の強い子」

「芯の強い子でした。こんな事故は二度と起こしてほしくない」。ボート転覆事故で死亡した生徒が通っていた豊橋能楽こども教室を運営する朝川知勇(ともお)さん(71)は生徒の突然の死を悲しんだ。

教室は月2回土曜日に市内の神社で開き、幼児から中学生までの10人ほどが能楽師の手ほどきを受ける。

19日のけいこに集まった子どもたちは生徒の死にショックを受けた様子。朝川さんは「練習や発表会で撮った花菜ちゃんの写真を見ながら冥福を祈ろう」と語りかけたという。朝川さんによると、生徒は06年ごろに教室に入った。【高木香奈】

◇学校に苦情電話

豊橋市立章南中の教諭ら12人は19日、1年生を中心に生徒の家を訪問した。

鈴木宏道教務主任によると、1年生は疲れた様子の生徒が多く、動揺が続いているようだった。悲しい気持ちが抑えきれず前夜は涙が止まらなかった、と訴える生徒や、寝込んだままの生徒もいたという。家庭訪問は20日も続ける。

一方、学校関係者によると、章南中には19日朝から苦情の電話が相次いだ。

多くは、荒天なのにカッター訓練実施に踏み切った判断を非難する内容という。電話は「ほとんどひっきりなしにかかってくる」(関係者)状態で、午前中だけで数十件。学校は終日対応に追われた。【沢田均】

毎日新聞 2010年6月19日 21時30分(最終更新 6月20日 1時02分)

読売新聞より「浜名湖転覆「荒天とはとらえず」

校長が会見 生徒のストレス予想以上

浜松市北区の浜名湖で、体験学習中に手こぎボートが転覆し、女子生徒1人が死亡した豊橋市立章南中学校の水野克昭校長は19日未明、同校で記者会見し、

「大きな事故を起こしてしまい、申し訳ありません。学校行事で生徒が命を落とし、厳粛に受け止めている」
と謝罪した。

水野校長は事故後、現地で静岡県警の事情聴取を受けた後、学校側の会見に加わった。

水野校長によると、ボートに乗る前、静岡県立三ヶ日青年の家の職員から

「岸沿いのコースに変更する」
と知らされたという。

今回のコース設定について、水野校長は

「湖の真ん中を行くコースは、岸が遠くに映って不安になるが、近場のコースなら子どもも安心できると思った」
と述べた。

荒天かどうか判断する基準については、

「青年の家の職員と学年主任が相談して、大丈夫ですという言葉をもらった」
「波を見て大丈夫と判断した」
などとあいまいな答えに終始。
「テレビの天気予報と現場の確認で、荒天とはとらえなかった」
と釈明した。

一方、19日朝、同校の教員12人が1年生3クラス96人の家を訪ねて回った。

仲間を失ったショックで涙が止まらない生徒や疲れて寝込んでいる生徒が多く、鈴木宏道教務主任は「事故で生徒が受けたストレスは予想以上に大きい。心のケアにあたっていく」と述べた。

学校には早朝から「なぜ決行したのか」「自然を相手に判断が甘かった」などと、学校側の判断を非難する一般市民からの電話が相次いだという。
(2010年6月20日 読売新聞)

少しずつ出て来る情報が、バラバラで何がどうなっているのかよく分かりません。

浜松市教育委員会が、現場である静岡県立三ケ日青年の家が何をやっているのかは、通常事後報告でしょう。
にもかかわらず「協議があった」など、記者会見するというのもヘンですね。
だから、校長の話とズレがあって、後から訂正したのでしょう。

わけの分からないのが、毎日新聞の記事にある

所長は会見で「風が強くなることを予測できなかった。生徒の命を奪うことになり、おわびしたい」と謝罪した。

生徒がいないのに気付いたのは、湖岸のホテルに到着し、点呼した時だったという。

所長が、なんで生徒がいないことについて言及するのだ?
生徒の点呼は、転覆したボートに乗っていた二名の教師の責任だろう。

担当の教師が転覆直後から繰り返し点呼するのが当然だろう。
なんで、陸に上がってから点呼し、やっと分かった、という話しになるのだ?

極めて不思議なことに、学校側から引率に何人が参加したのかも報道されていないし、転覆時にそれぞれが何をしたのかも伝わってこない。
つまりは、大変な大混乱になったというのは分かるが、じゃあ「なんかあったらどうする?」という対策を学校は用意していなかった?とでも言うのか?

水に入るというのは、夏の海水浴シーズンでも、毎年のようにあるがショック死などもあり得るし、まして救命胴衣を付けているのだから落水したらどうする、という手順を考えないわけにはいかないだろう。

なんというか、恐るべき無責任体制で、行われていたのではないのか?
学校に抗議電話をしてもしょうがないとは思うが、抗議電話をする人の気持ちも分かるところがある。

6月 20, 2010 at 11:58 午前 事故と社会 | | コメント (2) | トラックバック (0)