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2010.12.21

家系図は誰でも書ける

朝日新聞より「観賞用家系図、作成に資格無用 最高裁、逆転無罪判決

2010年12月21日3時4分

家系図を無資格で作成したことが行政書士法違反にあたるかが争われた事件で、最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)は20日、懲役8カ月執行猶予2年(求刑・懲役8カ月)とした一、二審の有罪判決を破棄し、改めて無罪を言い渡した。

最高裁が一、二審の有罪判決を破棄して無罪を言い渡したのは、傷害事件で正当防衛を認めた昨年7月の判決以来。

無罪判決を受けたのは、北海道大空町の介護士(28)。
2006年6月から07年4月まで、行政書士2人=同法違反で罰金刑=と共謀の上、資格がないのに計6通の家系図を作成したとして逮捕、起訴された。

戸籍の内容に基づいて親族の名前、続き柄、出生・死亡年月日、婚姻年月日などを図表として記載。
和紙に毛筆体で印字して巻物状にし、キリの箱に収めて20万~100万円で販売していた。

行政書士法は「事実証明に関する書類」の作成業務を行政書士だけに認めているため、作成した家系図がこれにあたるかどうかが争われた。

検察側は「相続や遺言など社会生活上、重要な場面で使われることも十分想定され、違反は明らか」と主張した。

しかし、第一小法廷は「個人の観賞用や記念品と認められ、対外的な証明文書として使われることをうかがわせる事情は見あたらない」と指摘し、個人的に楽しむ範囲内なら、行政書士以外にも作成を認める判断を示した。

さらに宮川裁判官は補足意見で、

「家系図は公的には証明文書といえず、行政書士が作成しなければ国民生活や親族関係が混乱するという判断は大げさ。独占業務にするのは相当でない」
と述べた。

家系図作成をめぐっては、一、二審で有罪判決が出たこともあり、

「家系図は資格を持つ行政書士に」
などとネット上で宣伝する行政書士も多かった。

判決後、介護士は

「多くの人が同じことをしており、無罪を確信していた。大きな事件ではないが、きちんと判断してくれた最高裁に感謝したい」
と話した。(延与光貞)

そもそも「事実を証明する書類」という漠然とした括りに無理があるでしょう。
誰だって「事実を証明する書類」は年中書いています。何かの購入申込書、などは事実を書かないと使い物にならない。

それが、他人から依頼されたとか第三者のためにと限定しても、家族のために書類を作ることは珍しいことではない。
そんな事を考えると、行政書士法が定義している「書類」はそれなりに限定的に解釈せざるを得ないわけで、そこに「家系図」が入ってくるのか?となると、判決のように「大げさに過ぎる解釈」だし、社会生活に不便をもたらすとしか言いようがないでしょう。

第一、「事実を証明する書類」の重要な点は、「証明」であって「書類」ではないでしょう。
そうなると、行政書士なら「家系図の事実性の証明が出来るのか?」となります。

一般的な解釈としては、家系図が戸籍の履歴以前の情報も含むものと解釈できるので、たぶん行政書士どころか、裁判所にも家系図の事実性の証明は不可能でしょう。
そのような「書類」にたいして行政書士法を適用するのは、非現実的であると言わざるを得ないと考えます。

12月 21, 2010 at 10:56 午前 事件と裁判 |

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