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2010.12.03

こども園のやっぱり

読売新聞より「「こども園」、幼稚園・保育所と併存で集約へ

政府が2013年度からの導入を目指す幼稚園と保育所を一体化した「こども園」(仮称)は、当初案である「幼保をすべてこども園に統合」という方式ではなく、幼保両施設を併存させながら「こども園」を増やす方式で、意見集約が図られる方向となった。

政府は来年1月にも「こども園」の設置基準など制度設計をとりまとめ、通常国会への法案提出をめざす。

2日に開かれた、政府の「子ども・子育て新システム検討会議」の幼保一体化ワーキングチームでは、政府が「こども園」実現に向けて例示した5案を巡り、関係者の意見を聞いた。

その結果、幼保を完全に統合する当初案には「拙速だ」などと反対意見が続出。

一方で、文部科学省と厚生労働省の2省が管轄する法律と財源を一本化した上で、こども園、幼稚園、保育所の3者を併存させる案に対しては、「将来のこども園への完全移行にもつながり、現実的だ」などと支持する声が目立った。

(2010年12月3日03時06分 読売新聞)

なんかほとんど最悪の方向に向かっているように感じます。

わたしは、こども園という名前が出てくる頃(2006~7年頃)に初めて「幼稚園と保育園の一体化」案があることを知りました。

高校で、職業講話をしている関係で、幼稚園は文科省の管轄、保育園は厚労省の管轄で教員資格も別であることを知っていました。

ウィキペディアに次のような説明があります。

根拠法の違い

保育所は保育に欠ける児童を収容する児童福祉施設であり、
幼稚園は就学前に通わせる教育施設である。
その目的にあわせて、施設整備や人員配置、カリキュラム作成が行われている。

保護者の違い

保育所児の保護者は原則として、共働き又は一人親家庭であり、幼稚園の保護者は片働きである事が多い。
幼稚園の保護者会は専業主婦の都合に合わせ昼間の時間帯に行われることが多いが、保育園では保護者会は就労事情を考慮し就労時間外に行なうことが多い。

設備

保育所は0歳~就学前の乳幼児、幼稚園は3歳~就学前の幼児を扱う。

乳児を扱うには、専用のトイレ設備、沐浴設備、調乳・離乳食・アレルギーに対応した給食設備などが必要。

幼稚園が乳児を扱うには経験のない分野での多大な設備投資と人材確保が必要になる(保育に欠けない0歳~2歳については根拠となる法律がなく、どちらの園でも収容することができない)。

資格

幼稚園教職員は幼稚園教諭免許状が必要、
保育所は保育士資格を有する職員を置かなければならない。

大学・短大・専修学校等の養成課程では認定こども園制度の発足に伴い、幼稚園教諭・保育士を両方取得できるようにカリキュラムを改定している。

幼稚園教諭資格を有する者が保育士試験を受験する場合は、発達心理学・教育原理・実技試験の免除に加えて、2010年度より養成課程で履修した教科に対応する試験科目が免除される事に制度が改められた。

一定の学歴を有する保育士資格を有し、児童福祉施設・へき地保育所・認定こども園で3年以上の実務経験を有する者は幼稚園教員資格認定試験の受験資格を得る。

入所選考について

幼保連携型認定こども園の保育所部分の入所選考は、当該自治体の保育所の選考基準に準じて認定こども園が定めた基準により行なわれる。

給食について

保育所は児童福祉施設最低基準により給食が義務付けられ、3歳未満児に対しては所内調理が必要である(3歳以上児は2010年6月1日以降、外部搬入が認められた)。

そのため、3歳未満児を収容する保育所は、他の社会福祉施設と併設される場合を除き調理室の設置が必要である。

こんな事情なので、高校生が将来つきたい職業として「幼稚園か、保育園の先生」という話をするたびに、「二つは全く別物だ」と説明してきました。

もちろん、小学生以前の子供たちのために、幼稚園と保育園があり、それを一つにすることは、賛成なのですが、元となっている根拠法から、業界団体まで別物なのです。

そこで、子供園案については、

  1. 文科省と厚労省が、それぞれ自分の管轄から幼稚園あるいは保育園の管轄を他方の役所に引き渡す。
  2. 文科省と厚労省にそれぞれこども園管轄部署が出来る。
  3. こども園管轄部署を全く別の役所(総理府とか)に作り。幼稚園・保育園の管轄を文科省と厚労省から削除する。
  4. 文科省と厚労省に幼稚園と保育園の管轄を残したまま、こども園の管轄を別の役所に作る。
といった組み合わせになるだろうから、こども園は実現困難だろうと思っていました。

そこで改めて、幼保一体化とはいつ頃から始まった話なのか?見て驚いた。
ウィキペディアより「幼保一元化の歴史

1996年12月20日地方分権推進委員会第一次勧告で地域の実情に応じた幼稚園・保育所の施設の共用化等の弾力的な運用を確立を求めた。
1997年1月24日教育改革プログラムで、国民のニーズに的確に応えるための幼稚園と保育所の在り方について、地方分権推進委員会の勧告等をも踏まえ、厚生省と共同で検討する。当面は、地域の実情に応じた幼稚園と保育所の施設の共用化について弾力的な運営が図られるよう検討を進め、平成9年度中に具体的な方針をまとめる事が定められた。
1997年4月幼稚園と保育所の在り方に関する検討会で、幼稚園と保育所の在り方について、1997年度に両施設の共用化等に関する具体的方針をまとめることを中心に検討。
1998年3月10日幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針が通知され、施設共用が開始された。
2003年4月21日構造改革特別区域法に基づく構造改革特別区域計画の第1回認定で幼保合築施設での幼稚園児・保育所児等の合同活動が初めて容認された。
2004年3月29日構造改革特別区域における『公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業』についてが通知され、公立保育所での給食の外部搬入が容認された。
2004年3月31日保育所の調理室と学校の給食施設の共用化についてが通知され、学校と敷地や建物を共用する場合等での学校と保育所の給食施設の共用が認められた。
2004年12月24日中央教育審議会幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議にて「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設について」の骨子が取りまとめられた。
2005年4月6日「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設について」に基づく総合施設のモデル事業が採択された。
2006年3月31日総合施設モデル事業評価委員会により総合施設のモデル事業の最終まとめが行われた。
2006年6月15日就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が公布される。
2010年3月11日幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的・一元的なシステムの構築について検討を行うため、「子ども・子育て新システム検討会議」を開催。
2010年6月1日児童福祉施設最低基準が改正され、3歳以上児の給食は特区申請を要せずに外部搬入が認められた。

どうも最初は、「似たような施設なのだから、弾力的な運用が出来ないか?」ぐらいから始まった考えのようですね。
それが、どんどんと大げさになっていった。

あげくに、幼稚園、保育園、こども園の三者並立ですよ。
普通こういうのは、焼け太りというのだと思います。

12月 3, 2010 at 10:56 午前 国内の政治・行政・司法 |

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