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2010.12.12

ネット選挙時代の到来

毎日新聞より「金沢市長選:当選陣営がツイッターで選挙戦 指導を無視し

11月28日投開票の金沢市長選で初当選した山野之義氏(48)の陣営関係者が、公職選挙法で配布が禁じられている文書図画とされる簡易ブログのツイッターで、投票を呼びかけていたことが分かった。

削除を求めた市選管の指導を聞かず、投票当日にも呼びかけていた。
選挙結果は小差で、ネット運動が影響を与えた可能性が高く、公選法改正の動きや来春の統一地方選に向けて波紋を呼びそうだ。【宮嶋梓帆、宮本翔平】

市長選には5人が立候補し、新人の前市議・山野氏が5万8204票で当選。現職市長として全国最多タイの6選を目指した山出保氏(79)は5万6840票と、差はわずか1364票だった。投票率は35.93%で前回(27.39%)から8.54ポイント跳ね上がった。

市選管が問題視するツイッターを書き込んだのは、陣営のネット戦略を担当したIT関連会社社長(48)と山野氏の秘書。

社長は告示(11月21日)後の23日、

「金沢市長候補山野氏。今は金沢ベイで街頭演説中です」
と山野氏の画像を添付して投稿。公選法への抵触を心配する声に
「心配ご無用! メール、電話、ツイッターALL(オール)OK!『一票入れて!』とハッキリ言っていいです」
と、投票呼びかけの拡散を求めるような書き込みをしていた。
28日の投開票日までの書き込みは、選挙に関係ない個人的な内容も含め212回あった。

秘書は市長選を中心に計44回書き込み、投票締め切り約2時間前の28日午後5時51分には

「かなり、せってます。まだの方はその一票で変わる」
と記載。
午後6時36分には社長が
「今、500名差です」「あなたの一票で! 新市長誕生を! 投票所へ! 一番ヤル気満々の男にお願いします」
と書き、文末のURLをクリックすると山野氏の画像が表示されるようにした。

市選管職員は

「投票日の午後6時過ぎから若い人がどっと投票に来た所があった。初めて見る光景に驚いた」
と話している。

金沢市選管は選挙期間中に少なくとも4回、山野氏の事務所に「公選法に触れる」と関係者のツイッター更新をやめ、削除するよう電話で指導。改善されないため、選管は24日に石川県警に連絡した。

県警は警察庁と相談したが、公選法違反の警告はしなかった。県警幹部は

「判断は難しい。ネット選挙解禁の流れから、いま立件するのはどうかというところもある」
としている。

当選した山野氏は

「陣営の中で、そういうことを積極的にやっているのは知っていた」
と話し、秘書のツイッター更新に関しては
「山野という名前は消すように伝えた」
としている。
自分や妻のブログ、ツイッターは選挙期間中の更新を停止していた。

ネット担当の社長は

「公選法は素人目には分からず、無視した。違反と言われれば違反かもしれないが、まあいいやと。逮捕されず当選が取り消されないなら、多少の犠牲は構わないと覚悟していた」
と話し、「選管の指導は知らなかった」としている。

◇「地上VS空中戦」周知への武器に

「ネットをうまく使って話題をつくらないといけない」「ばんばんやろう」

告示まで1カ月を切った10月24日の山野陣営初の選対会議。ネット戦略は固まった。

相手の山出氏は、民主、自民支部、公明支部、社民、国民新が相乗りして推薦・支持。6選を目指し、組織選挙を展開した。
一方、山野氏側は知名度も資金力もない中で、ネットは重要な武器だった。「地上戦対空中戦だ」。
これが選挙戦の合言葉になった。山野陣営は掲示板を作り、社長らがツイッターやブログで若さや「市政刷新」を強調する文章や画像を繰り返し投稿。

動画サイトでは「6選目の79歳山出氏と新人48歳山野ゆきよし氏を比較。

どちらが金沢市長にふさわしいか、よく考えて投票に行こう」のコメントと共に、2人の動画もアップされた。ネット上で山野氏の「刷新」イメージが広がっていった。一方で、応援演説に訪れた中田宏・前横浜市長も自身のツイッターで「山野さんを応援しているのは、自民と民主の1年生議員7人。これは、あっぱれ!」と援護の書き込みをした。

毎日新聞 2010年12月12日 3時00分

開票速報によると

平成22年11月28日執行 金沢市長選挙

届出番号党派名候補者名23:10確定
1無所属米村てるお2,244
2無所属やまで保56,840
3無所属山野ゆきよし58,204
4無所属黒崎きよのり7,370
5無所属沖野正憲2,170
  合計126,828

要するに、1位と2位の争いだったわけですが、79歳で6期目を目指すというのは、それ自体が無茶でしょう。

その意味では、接戦であったことに驚きますが、だからこそネット選挙の展開になったのだろうと考えられます。

しかし、法的にはどう考えても公選法違反でしょう。
それで、公選法が正しく無いから改選する、というのはありかと思いますが、その一方で何らかのルールは必要でしょう。

選挙のネット利用が解禁だから、何をやっても良い、というのは無理があるだろうが、その一方で、特定の技術について可否を決めても、別の技術が出てくるに決まっているから、個々の技術について可否を決めるのも現実的ではない。

さらに、誰でも情報発信が出来るインターネットの性質上、力行放射やその関係者ではない、無関係の人が選挙運動をインターネット上で行う可能性は非常に高く、それをどうやって規制するのか?といういわば物理的な問題にも配慮することになるのだろうか?

12月 12, 2010 at 10:01 午前 国内の政治・行政・司法 |

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コメント

この選挙に対する新聞に出てくる「識者」の論評が気になります。

曰く「ネットで選挙活動が出来ないなんて遅れている」ばかりです。

それはそれなのですが、法を執行するリーダーになろうとするものが、自分に都合の悪い法を無視して平気であるというのは、私には違和感があります。

ところが、今の市民はそうではないようで、大阪の府知事や阿久根の市長の人気を見ていると、ちょっと、この国が不安になります。

投稿: お代官 | 2010/12/13 10:33:34

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