« 札幌地裁、B型肝炎訴訟和解協議で国に和解条件変更を求めた | トップページ | ミッフィー問題 »

2010.10.28

管制官の誤指示・何が起きたのか?

朝日新聞より「管制官が誤指示、山肌まで520メートル ANK機

2010年10月28日3時4分

北海道・旭川空港近くの山岳地帯で26日、全日空系のエアーニッポン(ANK)機の対地接近警報装置(GPWS)が作動したトラブルで、国土交通省は27日、管制官が同機に、周囲の山の標高よりも低い高度まで降下するよう誤って指示していたことを明らかにした。

最接近時には山肌まで520メートルしかなかったとみられ、操縦士が回避操作しなければ山に衝突していた。

国交省によると、誤指示をしたのは札幌航空交通管制部(札幌市)の30代の男性管制官。2千メートル級の山が連なる空港東側の空域は、管制官がレーダーで航空機を誘導する際の最低高度が内規で約3千メートルと定められている。

だが、管制官はANK機に約1500メートルまで降下するよう指示していた。

管制官は国交省の調査に対し、

最低高度を失念していた
と話しているという。

全日空によると、機長は「管制官の指示通りに飛んでいた」と話しているという。
当時は悪天候で、雲の中を飛んでいて視界はきかなかったとみられる。

高度約2100メートル付近を降下中にGPWSの警報が鳴ったため、操縦士は急上昇して回避したが、約1分後に高度2560メートル付近で地表に最接近したとみられる。航空機の速度を時速800キロとすると、1秒で222メートル進む計算になる。

GPWSは電波高度計や降下率計などを使い、山や地表に近づきすぎると警報を発する。

このANK機では、地表が近いことを示す警報に加え、機体を上昇させるよう求めるさらに強い警報が鳴っていた。操縦士はこの警報が鳴るとエンジン出力を最大にして急上昇するよう訓練されているという。国交省によると、GPWSが作動して危険を回避したケースは2009年度に30件あったが、事故につながる可能性があったと判断された例は過去にない。

運輸安全委員会は27日、機長らから経緯を聴くなど調査を始めた。今後は機体のデジタル飛行データ記録装置や交信記録を解析し、詳しい原因を調べる。

現役のパイロット(59)は

「GPWSに従ったから助かったが、相当危険な状況。管制官にあってはならないミスだ」
と指摘する。元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さん(64)は
「この状態の危険度は、機体がどれぐらい降下していたかにもよるが、GPWSが鳴るのは一番危険度が高い状態だ。パイロットも最低高度より低い高度に誘導されたら管制官に確認すべきだ」
と話す。(永田工)

この記事だけだと、単に「(高度の)数字を間違え」のようにも取れますが、読売新聞には「全日空系機の異常接近、管制官が誤った指示」として説明があります。

国土交通省は27日、北海道・旭川空港に着陸するため、大雪山系の山間部を旋回中だった全日空系のエアーニッポン機(ボーイング737―800型機、乗員乗客57人)が26日午後、管制官の誤った指示で地表に約520メートルまで異常接近していたと発表した。

同山系は標高2000メートル級で、周辺空域の最低誘導高度は3048メートル(1万フィート)だったが、管制官は同機に対し高度1524メートル(5000フィート)に降下するよう指示。同機は雲の中を降下中、対地接近警報装置(GPWS)が作動し、乗員が機体を急上昇させて衝突を回避した。

運輸安全委員会は27日、視界不良での運航で、事故につながりかねない「重大インシデント」に該当するとして調査に乗り出した。けが人はなかった。

(2010年10月28日03時05分 読売新聞)

この記事には、絵がありますが記事中にもあるように、空港から30キロぐらい東側の大雪山のあたりで、山よりも低い高度指示をしたというものです。
問題の大雪山のあたりの山の高さは、2000メートルを超えていますが30キロ西の旭川空港の標高は210メートル。

おおざっぱに考えると、水平に30000メートル、垂直に2000メートルですから、4度の傾きで空港との位置関係を保てばよい、となります。

このような事があるので、空港官制(今回の場合は札幌航空交通管制部だから空港ではないが)にとっては、高度が低いと水平の広がりは小さく、高度が上がると水平の範囲が広がる、漏斗形の空間で飛行機を誘導するのだそうです。

つまり、「高度を取り違えた」のは、「水平位置を間違えた」かもしれないわけです。
むしろこっちが怪しい。
高度ではなくて、位置を間違えているのではないのか?

その場合、飛行機そのものを取り違えていた、という可能性も出てくるわけです。
札幌航空交通管制部ということは、北海道全域を見ているはずで、相当忙しいのだろうと想像はしますが、単に「高度指示を間違えた」ではなくて、何でこんなことが起きたのかを詳しく発表して欲しいものです。

10月 28, 2010 at 09:26 午前 事故と社会 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/49866934

この記事へのトラックバック一覧です: 管制官の誤指示・何が起きたのか?:

コメント

コメントを書く