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2010.10.16

郵便不正事件・びっくりの展開・その7

サンケイ新聞より「前特捜部長ら懲戒免職へ

2010.10.16 02:00

大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)犯人隠避事件を受け、法務省が犯人隠避容疑で逮捕された前特捜部長と元副部長を勾留期限の21日にも懲戒免職とする方針を固めたことが15日、検察関係者への取材で分かった。

2人は容疑を一貫して否認しており、懲戒免職された場合、弁護団は人事院への不服申し立てなど対抗措置を取るとみられる。

一方、最高検は15日、前大阪高検検事長(退官)から事情聴取。

すでに大阪高検ナンバー2の前次席検事(現京都地検検事正)、今年1月まで大阪地検検事正だった福岡高検検事長らも事情聴取しており、法務省は監督責任が及ぶ範囲の確定を急いでいる。

拘留期限で懲戒免職というのはちょっと意外でした。
おそらくは、特捜部ぐるみの証拠改ざんであるとの方向が固まりつつあるからだろうと思います。

読売新聞より「改ざん前後のデータ、主任検事がメモリーに保存

郵便不正を巡る証拠品のフロッピーディスク(FD)改ざん事件で、元大阪地検特捜部主任検事(43)(証拠隠滅罪で起訴)が、改ざんする前と後のFDのデータを私物のUSBメモリーに移して保存していたことが分かった。

最高検はUSBを押収。
主任検事は故意の改ざんを認めているが、最高検は裏付けとなる物証とみている。

一方、最高検は15日、当時の大阪高検検事長(63)から参考人として事情聴取した。
改ざん問題について、当時の認識を確認したとみられる。
取材に、「問題の報告は一切、受けていない」と話していた。

主任検事は昨年7月13日、郵便不正事件の捜索で押収したFDに記録されていた偽証明書の最終更新日時を「2004年6月1日」から、特捜部が描いていた事件の構図に合う「6月8日」に改ざんしたとして起訴された。

捜査関係者によると、主任検事は

  1. 改ざん前の「6月1日」の偽証明書のデータをUSBに移した上で、
  2. FDのデータを「6月8日」に改ざん。
  3. さらに、改ざんしたデータもUSBに移して保存
していたという。

(2010年10月16日03時03分 読売新聞)

主任検事が、FDの日付を書き換えたときに、こんなていねいな作業をして、バックアップを取っていたというのは、主任検事の当初の主張のように「遊びでやった」ではないことを証明したと言えるでしょう。

そうなると、主任検事が特捜部長らに報告したのが、内部で問題になった以降であり、かつ特捜部長らが「よく分からないから大した問題ではないと考えた」という話が信用できない、となってきます。

最悪の場合、特捜部長らが内部で問題になる以前に、主任検事が証拠の日付を書き換えたことを知っていたとすると、証拠改ざんではなくて、証拠創作になってしまいます。

朝日新聞より「主任検事、FDページ順も入れ替え 見立てに合わせ?

2010年10月16日3時0分

大阪地検特捜部の元主任検事(43)=証拠隠滅罪で起訴=が、郵便不正事件の捜査で押収したフロッピーディスク(FD)内の文書について、更新日時を改ざんしたほかに、ページ順を入れ替えていたことが最高検の調べで分かった。

主任検事も故意に入れ替えたことを認めているという。

最高検は、この行為も見立てに合わせようとした証拠の改ざんにあたると認定し、公判で立証する方針だ。

主任検事は昨年、郵便割引制度の適用を不正に受けるため、自称障害者団体「凛(りん)の会」に偽の証明書を発行した事件の捜査を指揮した。

厚生労働省の元係長宅から押収したFDに偽の証明書が保存されており、その最終更新日時を「2004年6月1日未明」から「04年6月8日夜」に改変したとして逮捕、起訴された。

この偽の証明書は、FD内で「コピー~通知案」というファイル名で保存されていた。

このファイル内にはもともと、1ページ目に偽の証明書があった。
凛の会について「国内郵便約款料金表に規定する心身障害者団体」と、不正な証明をする内容だった。

同じファイルの2ページ目には、元係長が凛の会にあてた「低料第三種郵便物の許可申請手続きは、近日中に滞りなく進める」という内容の文書が入っていた。

ところが、最高検の調べで、主任検事がこの1ページ目と2ページ目を故意に入れ替えていたことが新たに判明した。

特捜部は、

  1. 元係長が04年5月中旬に「手続きは近日中に進める」との文書を凛の会にファクスで送信した
  2. 翌6月上旬に同省元局長から指示を受け、元係長が偽の証明書を作成した
という構図を描いていた。

主任検事は最高検の調べに対し、文書を並び替えた動機について

「1ページ目に偽の証明書があると、描いた時系列に合わないと考えた」
という趣旨の供述をしているという。

下書きとして、同じFDに保存されていた「通知案」という名の別のファイルについても、同様にページを入れ替えていたという。

朝日新聞の記事の

特捜部は、
  1. 元係長が04年5月中旬に「手続きは近日中に進める」との文書を凛の会にファクスで送信した
  2. 翌6月上旬に同省元局長から指示を受け、元係長が偽の証明書を作成した
という構図を描いていた。

主任検事は最高検の調べに対し、文書を並び替えた動機について

「1ページ目に偽の証明書があると、描いた時系列に合わないと考えた」
という趣旨の供述をしているという。

ここが重要ですね。

元係長は、障害者団体からの申請を処理せずに長い間放置していたので、自分で勝手にニセ証明書を出した、と供述しています。
そういう見方をすると、先に「近日中に進める」とファックスしてから、ニセ証明書を作る事に問題は無いわけですが、特捜部は元局長が元係長に指示してニセ証明書を出させたことにするために、この部分の事実関係をねじ曲げたわけです。

これでは、どう見ても「特捜ぐるみ」としか思えません。
その結果が、特捜部長らの懲戒免職になったのでしょう。

特捜部長らは、元もとの事件である「供述重視のやり過ぎ」を逆手にとって「物証がないだろう」という点から「検察捜査の可視化」の要求などをしていたのでしょうが、今回の報道では物証が出てきましたね。

主任検事の供述は、物証によって裏付けられていますから、特捜部長らが主任検事の供述を突き崩すのはほとんど無理でしょう。
唯一可能性があるのは、物証の改ざんですが、さすがにそれに対しては、現在捜査を進めている最高検は、万全の記録を残しているはずです。

特捜部ぐるみだと認定された場合、大阪地検特捜部は廃止になって、東京地検特捜部と一体化することになるでしょう。

10月 16, 2010 at 08:45 午前 事件と裁判 |

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コメント

元主任検事・前田恒彦被告もそうだったが、今度も逮捕時点では現職に留め置き、起訴直前に懲戒免職。
現職の懲戒免職を防ごうとしている。いまだに組織防衛に必死。こんなやり方では検察組織の信頼はどんどん地に落ちる。
起訴前に懲戒免職にして起訴前に既に社会的制裁を受けた事実を造り上げ、裁判官に対する心証を良くし、かつ情状酌量の範囲を広げられ、結局、反省無しの再起がたやすくなる。
免職にならない場合、給与の支払い義務が生じて無駄な税金が費やされる、と反論する人もいるが、厳罰に処すことの意思表示として、起訴してからの懲戒処分の方が国民の眼には良く写るだろう。

投稿: 昭ちゃん | 2010/10/16 10:09:51

前発言の一部訂正です。
 誤:現職の懲戒免職を防ごうとしている。
 正:現職の起訴を防ごうとしている。
お騒がせしました。

投稿: 昭ちゃん | 2010/10/16 12:05:43

こんにちは
 私も早めの懲戒免職にはちょっと違う意味で違和感を覚えました。
 正直、国家公務員のルールは知らないのですが……
 素朴に考えて、法務省のお膝元(この言い方もおかしいですが)ですから、有罪確定まで休職で良かったような気がします。休職なら給与も必要ないし。
 まあ、本人が認めているから、かなあ。(でも、認めていない人もいますね)
 現行犯でも推定無罪(推定というのは多分「推測」的な意味ではないと思いますが)が適用されるらしいし、そのくらいの堅苦しさで運用してくれれば、多少なりとも「法の番人」への信頼が回復するのではないでしょうか。……もう無理かな。

投稿: miya-h | 2010/10/17 22:48:20

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