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2010.09.25

郵便不正事件・びっくりの展開・その3

サンケイ新聞より「【検事逮捕】「故意」否定の主任検事 「客観的事実」と矛盾

2010.9.25 00:20

郵便不正事件で押収されたフロッピーディスク(FD)を改竄(かいざん)したとして、証拠隠滅容疑で逮捕された大阪地検特捜部主任検事は最高検の調べには「故意ではなく過失だ」と主張し続けている。

証拠隠滅罪の成立には「故意」が必要だが、その主張と「客観的事実」の間には矛盾点が浮かびつつある。

最高検は「故意は明らか」として全容解明を進めている。

■「爆弾」の意図は

「時限爆弾を仕掛けた」。

主任検事が同僚検事に漏らしたとされるこの発言は故意を示唆するものとみられるが、「爆弾」の狙いは何だったのか。

最高検によると、主任検事は昨年7月13日、厚生労働省元係長(41)=公判中=のFDに記録された偽の証明書の最終更新日時を「2004年6月1日1時20分6秒」から「2004年6月8日21時10分56秒」に書き換えたとされる。

主任検事は改竄から3日後にFDを元係長に返却した。

特捜部は関係者の供述から、厚労省元局長(54)=無罪確定=が元係長に偽の証明書作成を指示した時期を「6月上旬」と断定。

「6月8日」の日付は検察側の主張を裏付けるものだった。
元係長が公判でも「指示があった」と主張し、量刑などで有利になるようFDを証拠申請する-。

そんな筋書きを描いたのではとの見方もある。

だが、元係長は公判では「単独犯」を主張。「爆弾」は不発に終わった。

■書き換え専用

捜査関係者によると、主任検事は最高検の調べに対し、「USBメモリーにコピーして操作しているつもりだったが、間違えてFD本体を書き換えてしまったようだ」と述べ、意図的な書き換えを否定した。

FDに触るきっかけについては

「元係長が証明書の作成日時を改竄していないか調べるため、FDの中身を確認した」
と主張したという。

しかし、この言い分には不自然な点がある。

主任検事はデータの書き換え専用ソフトを私物のパソコンにダウンロードした上で、証明書の更新日時を書き換えていた。

このソフトには主任検事が供述したような「改竄の有無を調べる」というチェック機能はなく、あくまで書き換え専用だったというのだ。

■「都合のよい日」

最高検が重視している「客観的事実」は、主任検事が書き換えた「6月8日」という日付だ。

特捜部が元局長から元係長への指示を「6月上旬」と見立てていたことに加え、主任検事が「6月8日」にこだわったとみられる理由がある。障害者団体「凛の会」側が厚労省の証明書がなかったため、郵便局で割引制度の適用を受けられなかったのが「6月8日」だった。

その2日後に同会は元係長が作成した偽の証明書を使って同制度の適用を受けている。

つまり、FDの正規のデータである「6月1日未明」のままでは、元局長の指示が5月31日以前になり、特捜部の見立てと合わなくなる。
「6月8日夜」であれば、特捜部が描いた構図とつじつまが合う。

捜査関係者は「『6月8日』は主任検事にとって最も都合のよい日。

わざわざ『6月8日』に書き換えたことが、故意性の立証材料になる」としている。

結構複雑ですね。

特捜部は関係者の供述から、厚労省元局長(54)=無罪確定=が元係長に偽の証明書作成を指示した時期を「6月上旬」と断定。

  1. 偽の証明書の最終更新日時を「2004年6月1日1時20分6秒」
  2. 障害者団体「凛の会」側が厚労省の証明書がなかったため、郵便局で割引制度の適用を受けられなかったのが「6月8日」だった。
  3. 最終更新日時を「2004年6月8日21時10分56秒」に書き換えた

「6月8日」の日付は検察側の主張を裏付けるものだった。

元係長が公判でも「指示があった」と主張し、量刑などで有利になるようFDを証拠申請する-。

番号を振った部分が、現時点での客観的な事実です。
元係長は、供述で「元局長から指示があった」と供述しているのですが、文章作成の日付はFDを押収した時点で「6月1日」と「捜査報告書」に記録されました。

供述調書には物証がない。

一方、現実は「凛の会」が割引制度の適用を受けられなかったのが「6月8日」。
その結果、ニセの証明書が6月8日21時に作成したことにすると、供述調書の物的証明とニセ証明書の発行動機がスッキリと説明できる。

しかし、捜査報告書にはニセの証明書の最終更新日が6月1日となっているから、検察は証拠申請しなかった。

ここから先はよく分からないですね。

  • 元係長が、検察の主張に迎合して、元局長の指示に従ったから、としてFDを証拠申請する。
  • 元係長が、供述調書を翻して、証拠申請されていない捜査報告書の代替として、FDを証拠申請する。

どちらの場合でも、捜査報告書が証拠になっていないのだから、改ざんされたFDが唯一の証拠となってしまって、6月8日がニセ証明書の最終更新日と確定する。

結果として、別の裁判である、元局長の裁判で検察が勝利する。

現実は、次のように進行しました。
サンケイ新聞より「【押収資料改竄】「検察捜査の根幹揺るがす」元局長の弁護人

 

「改竄(かいざん)が事実ならば、検察捜査を根幹から揺るがす大変な事件だ」。

厚生労働省の元局長(54)の主任弁護人、弘中惇一郎弁護士が21日午前、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、証拠改竄の疑いが浮上した検察捜査に対して不信感をあらわにした。

会見では、元局長が

「恐ろしいこと。検察官1人の行動だとされてしまうのではないかと心配している」
と話していることも明らかにした。

弘中氏は午前8時45分から約15分間会見に応じ、

「朝日新聞の報道で(改竄の疑いを)知ったが、訴訟をやっていくなかで疑問感、不信感を持っていた
と淡々と語った。

問題のフロッピーディスク(FD)は、元局長の部下の元係長(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=が、障害者団体として実体のない「凛(りん)の会」が郵便割引制度の適用を受けるために、偽の証明書を作成したデータが保存されていた。

主任検察官によって更新日時が改竄された疑いが浮上しているが、実際の元局長の公判では採用されず、更新日時を正しく記載した捜査報告書が証拠採用された。

弘中氏は、争点整理などをする公判前整理手続きでの検察側とのやりとりを振り返り、「捜査報告書の存在に最初に気付いたのは元局長だった。

検察官にとって重要な証拠。それを開示はしたものの、なぜ検察側から証拠申請しないのか。

普通では考えられないことだ」と語り、また、検察側が押収した元係長のFDについても

「なぜ検察官から証拠申請しないのか不思議だった」
とした。

最後に

「主任検察官が一番重要な証拠に自ら手を加えて、ストーリーにあうように改竄していたとすれば、捜査の根幹を揺るがす事件。

しかるべき措置をとってほしい」と語気を強め、今後の対応は「証拠隠滅罪などで告発することも含めて検討したい」
とした。

この記事は、サラッと読むと誤解しますが、
元局長が、捜査報告書が検察が証拠申請していないことに気づいて、弁護側が証拠申請したから、特捜部から公判部に捜査報告書が送られて、証拠採用されました。
つまり、検察側は捜査報告書を裁判所に示すつもりはなかった。
にもかかわらず、FDは元係長に返却した。
それ自体が、裁判中に押収した証拠を返却するという普通はあり得ない意図の元に返却した。

捜査報告書は検察の主張と矛盾しているから、裁判所は「矛盾していて、証明されない」として元局長に無罪判決を出しました。

元局長の弁護側(弘中弁護士)が捜査報告書を証拠申請せず、元係長の弁護側がFDを証拠申請した場合、6月8日にニセの証明書が作られた、と確定していたでしょう。

こんな話のどこに「過失」があるんでしょうかね?

9月 25, 2010 at 09:03 午前 事件と裁判 |

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