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2010.08.24

ホメオパシーは「荒唐無稽」

朝日新聞より「ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話

日本学術会議は代替療法「ホメオパシー」の効果について、「科学的な根拠がなく、荒唐無稽(こうとうむけい)」とし、医療従事者が治療法に用いないよう求める会長談話を24日、発表した。

山口市の女児ら死亡例が出たことを重視し、この療法が広まる前に、医療現場から排除する必要があると判断した。同会議が、特定の療法を否定するのはきわめて異例だ。

東京大名誉教授の金澤一郎会長が会見で発表した。

会長談話では、現段階でホメオパシーを信じる人はそれほど多くないが、医療現場から排除されないと「自然に近い安全で有効な治療という誤解」が広がると指摘。科学的根拠は明確に否定されており、医療関係者が治療に用いることは認められないとした。

日本学術会議は、約84万人の科学者の代表として選ばれた210人の会員と、約2千人の連携会員からなる日本の「頭脳集団」。

政府に対する政策提言や、社会への啓発などを行う。唐木英明副会長によると、1年半ほど前からこの問題について議論してきたという。
昨年2月の厚生労働省の厚生科学審議会でも、金澤会長が指摘していた。

唐木副会長は

「十分理解した上で個人的に使うことは自由だが、科学的に全否定されているものを医療従事者が使うことは、通常医療を遠ざけることにつながり危険。日本学術会議として、『ホメオパシーは効かない』というメッセージを伝えることが重要と考えた」
と説明した。

ごく当然のことと思いますが、何でこんなことをわざわざ言うのか?となると、元は「ようやく、周産期・新生児医学会が緊急声明を出した」で紹介した、ビタミンKの投与をしなかったために、乳児が死亡したという事件が裁判になったからです。

しかし、「ようやく、周産期・新生児医学会が緊急声明を出した」に書いた通り、助産師会の一部が積極的に、ホメオパシーを推進しているとなっていて、日本ホメオパシー医学協会の動向が問題視されています。

今回の学術会議の声明は、医療関係でホメオパシーを使ってはならない、となりますから日本ホメオパシー医学協会という名称自体が不適切である、ということになるでしょう。

今後、ホメオパシー推進論者からの反撃が予想されます。

それにしても、社団法人日本助産師会の「ビタミンK2投与に関する日本助産師会の見解」(PDF)

助産師は、安全かつ有効な助産行為を行うことを前提に業務を遂行しているものである。安全かつ有効な助産行為とは、現在の医療水準において、科学的な根拠に基づいた医療を実践することである。

山口県で起こったビタミンK2シロップを投与せず児がビタミンK 欠乏性出血症により死亡した事例については、当該助産師が補完代替医療の一つであるホメオパシーによる効果を過大に期待したためと考える。ホメオパシーのレメディはK2シロップに代わりうるものではない。

日本助産師会はこの件を重く受け止め、全会員に対して、科学的な根拠に基づいた医療を実践するよう勧告する。

2010 年8 月10 日
社団法人日本助産師会
会 長 加藤尚美

ホメオパシーがK2シロップに代わりうるものではない。というのなら、レメディの処方は禁止する。 が正しいのではないのか?

それが「科学的な根拠に基づいた医療を実践するよう勧告する。」とはどういう事だ?
実際には、非科学的医療が行われていることを、助産師会は是認しているというのだろうか?

問題の根源には、ある種の「天然信仰ヒステリー」のようなものがあって、以下の投稿にはさすがに反対ばかりが集まっています。
発言小町より「無介助分娩を理解しない実母と義母

妊娠7ヶ月ぐらいの妊婦です。
「ぐらい」と書いたのは、予定日を最終月経から自己計算したためです。

昔から自然なお産に憧れているので、自宅で誰の手も借りずに出産します。
妊娠出産に関してたくさん本を読み、ネットでも勉強しました。

そのため、医師や助産師の手など借りなくても出産できます。
また、病院や医療行為がいかに危険なのかも把握しています。

どこかの自然派出産の先生が「女性には本来生む力が備わっている」と仰っていました。
しっかり体を動かし、食事に気をつければ一人で元気な子を生めます。
医療行為に頼って生むのは、怠け以外のなんでもありません。

しかし、この考えに義母と実母が大反対します。

「母子手帳の交付を受けなさい」
「産婦人科の検診に行きなさい」
「自宅で生むなら、せめて信頼のおける助産師に…」

そもそも母子手帳なんて、病院にかかる人のためにあるものですよね?
他人に自分の体の状態をさらすなんて嫌です。

妊娠出産は病気でもなく順調なのに、なぜ病院に行かなければならないのでしょうか?

助産師だって他人ですので、医師と同じです。
医療従事者という他人に、自分の体を把握されたくないです。

先日、義母が知り合いだという助産師を紹介しようとしました。
余計なお世話です。

ちなみに、夫はこの件に関して一切口を出して来ないのでありがたいです。
出産や育児に関して、男性は不必要ですので。

無介助分娩を経験された方、周りの反対にあいませんでしたか?
なぜ、自分の出産に関して自分で決められないのでしょうか。
経験者の意見をおきかせ下さい。

病院に行けとかの批判は結構です。

細かくは、この種の問題を扱っているブログなどを見ていただくとして、多くのこの種の騒動では「天然成分なら全部安心」のような話を信じ込んでいる人や、医療事故のようなまれに起きる事故を取り上げて「医者にかかると寿命が縮む」のような記事が表れます。
元もと、健康問題一般と、個々の医療事故などを比較することが難しいわけで、基本的にはどちらがリスクが高いのか?という問題になるでしょう。

リスクについて研究するのは「リスク学」と呼びますが、その第一人者が産業総合研究所安全科学部門長の中西準子先生です。
強くお勧めするのは「環境リスク学―不安の海の羅針盤」日本評論社刊です。
こういうバランスのとれた考え方が当たり前でなくなりつつあるところこそが問題なのだと考えます。

8月 24, 2010 at 10:05 午後 医療・生命・衛生 |

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コメント

「発言小町」を読むと、批判はしつつ「トピ主のお好きなように」という回答が多いのですが、

何かあったときに医療や福祉のリソースや税金を無駄に消費されるわけだから、好きにしろというのは如何なものかと思います。

投稿: Enzo Romeo | 2010/08/25 13:53:10

うーむ。。。お好きにどうぞとしか言いようがありませんが(聞く耳持たないようなので)、危機管理ゼロ・・
私も、助産師による分娩を考えたこともありましたが、何かあった時、医療行為ができないときいて、やめにしました。
この発言の方、もし何かあって、母体なりベビーに異常が起こっても、後悔しない自信と覚悟がおありなのでしょうかね。
母子手帳は、健康な妊娠出産育児をするための自らの情報管理で、病院とは関係ないです。(あれば参考になりますけど)

投稿: tambo | 2010/08/26 11:22:28

>今回の学術会議の声明は、医療関係でホメオパシーを使ってはならない、となりますから日本ホメオパシー医学協会という名称自体が不適切である、ということになるでしょう。

学術会議の声明以前に、JPHMAは言うことのつじつまが合っていません。

ホメジャ系のホメオパシー医学協会は、ホメオパシーは医療ではなく、レメディは食品であるので、ホメオパスは医師である必要はないという考え方です。医師に限定するホメオパシー医学会とは異なる考え方です。

http://jphma.org/About_homoe/jphmh_oshirase0805.html

でもって、「医学協会」と称するのですね。

また、
「JPHMAは、協会倫理規定にも書かれている通り、現代医学とホメオパシー医学の両者の長所を生かして医療機関との協力体制を理想とする姿勢を1998年の設立以来一貫して打ち出しています。」ということで、ワクチンや薬を飲むななどとは言わないと。で、実態を正直に暴露している「ホメオパシー体験談」のホメオパスの指導をみると、毒(薬)出しがズラリという状況です。おそらく、このコーナーはそのうち削除されるのではないかと。

責任逃れの建前と、営業のセールストークで都合良く、二枚の舌を使い分ける団体です。

投稿: zorori | 2010/08/27 19:33:34

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