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2010.08.10

ウイルス作成罪がようやく作られるか?

毎日新聞より「サイバー犯罪:「ウイルス作成罪」創設へ 刑法改正を検討

コンピューターウイルスを使って個人情報を流出させるなどのサイバー犯罪を阻止するため、法務省はいわゆる「ウイルス作成罪」を新たに創設する刑法改正の検討に入った。

ウイルスを使った犯罪が相次ぐ一方、これまでウイルスの作成や頒布を直接罪に問える法律がなかった。
同種の事件は時間の経過とともに被害が飛躍的に拡大する恐れが強いことから、法務省は早期の法案提出を目指す。

法務省が創設を検討しているのは、ウイルスを作成したり、ばらまくことを禁止する「不正指令電磁的記録作成罪」(仮称)。
懲役刑を科すことも可能とする。

警視庁は5月、ファイル共有ソフトに個人情報を流出させるウイルスを仕掛け、被害者から個人情報の削除を理由に現金をだまし取ったなどとしてインターネット広告会社役員らを詐欺容疑で逮捕。
今月にはパソコン内のファイルを勝手に上書きする「タコイカウイルス」を送りつけてパソコンを感染させ使用不能にしたとして、会社員にネット犯罪では異例の器物損壊容疑を適用して逮捕した。

いずれもウイルスをばらまくだけでは現行法で罪に問えないことから、適用罰則に苦慮したとされる。

同種の刑法改正案は共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正案とともに03年以降3度、政府が国会に提出し、いずれも廃案となった。

今回はサイバー犯罪防止の重要性がより高まっているとして、共謀罪を除き提出する方向で検討している。【石川淳一】

◇早期摘発に期待

コンピューターウイルスを使った犯罪を阻止するため法務省が刑法改正で導入する検討を始めた「ウイルス作成罪」。
「タコイカウイルス」を作成した大阪府泉佐野市の会社員の男(27)を器物損壊容疑で初摘発した警視庁の捜査幹部は

「こうした罪があれば、もっと早く検挙できた」
と、ウイルス犯罪捜査の難しさを痛感している。

警視庁がネット上で警戒する「サイバーパトロール」で、ファイル共有ソフトに仕掛けられた「タコイカウイルス」を発見したのは09年11月。

ウイルスの放出源を突き止めるには、通信事業者が保有するファイル共有ソフトの通信履歴解析が不可欠だが、そのためには罪名を特定した上で裁判所に令状請求しなければならなかった。

捜査幹部は「被害実態に合わせて、考えられるだけの罪名を検討した」。

例えば私用文書等毀棄(きき)罪の適用も検討されたが、同罪は破損されたデータが「権利または義務に関する文書」であることを立証しなければならず、最終的に器物損壊罪で落ち着いたという。

摘発までにはさらにハードルがあった。器物損壊罪は、被害者からの届け出が必要な親告罪だったためだ。男が作成したウイルスはアニメ音楽ファイルを装っており、被害者が違法ファイルをダウンロードした後ろめたさから被害届を出すことに尻込みする事情もあった。
このため被害者の特定に時間を要してしまい、その間に被害は約5万人にまで拡大したとみられる。

捜査幹部は「作成者からウイルスを譲渡された第三者がウイルスを拡散させる犯罪も今後想定されるが、法改正されれば対応できる」と期待を寄せる。【町田徳丈】

毎日新聞 2010年8月7日 2時30分

以前から「さっさと法律を作れ」と言われ続けていた問題です。

いまだに、コンピュータウイルスの犯罪性について、「子供のいたずらのようなもの」と捉えられている感じがありますが、すでに組織化されていると報告されています。

  • ウイルスの作成
  • 配布
  • ハッキングした情報の転売
  • ハッキング情報を購入して攻撃
このような行動が、ビジネス化してる。
ようするに、組織犯罪であり、ヤクザの世界そのものです。

もう「わたしのPCの情報を盗む理由がない」といった考え方では、通用しません。
怖いのは、ボットです。 ボット自体の説明は、総務省・経産省連携プロジェクト「サイバークリーンセンター」に説明があります。

ボット ウイルス(BOT)とは

ボット ウイルスとは、コンピュータを悪用することを目的に作られた悪性プログラムで、コンピュータに感染すると、インターネットを通じて悪意を持った攻撃者(以下「攻撃者」という)が、あなたのコンピュータを外部から遠隔操作します。

感染すると、この攻撃者があなたのコンピュータを操り「迷惑メールの大量配信」、「特定サイトの攻撃」等の迷惑行為をはじめ、あなたのコンピュータ内の情報を盗み出す「スパイ活動」など深刻な被害をもたらします。

この操られる動作が、ロボット(Robot)に似ているところから、ボット(BOT)ウイルスと呼ばれています

感染したコンピュータ自体は、ちょっと動作が遅くなるぐらいで具体的な障害が出ませんから、気がつかないわけです。
「被害がないなら気にしないでよいだろう」となりそうですが、持ち主が気がつかない間に、制御できることを利用して、ボットネットを構築しているのです。ウィキペディアの解説。

ボットネット(Botnet)とは、サイバー犯罪者がトロイの木馬やその他の悪意あるプログラムを使用して乗っ取った多数のコンピュータ(ゾンビPCという)で構成されるネットワークのことである[1]。

サイバー犯罪者の支配下に入ったコンピュータ(ゾンビPCという)は、使用者本人の知らないところで犯罪者の片棒を担ぐ加害者(踏み台など)になりうる危険性がある[2]。

ボットネットにおいて、指令者(ボットハーダーまたはボットマスターもしくは単にハーダーという)を特定することはボットネットの性質上、非常に困難である。

そのため、近年では組織化された犯罪者集団がボットネットを構築し、それを利用して多額の金銭を得ている[3]。

これらの犯罪行為の実際の発生例の内、よく知られているのがスパムメールの配布です。
スパムメールの発信者を追及して責任を取らせようと、考えるのはごく自然ですが、配布しているのは乗っ取られたコンピュータで、持ち主もスパムメールを発信していることを知らない、となります。

このような現状に対して、法律を整備していくことは今や遅すぎると言うべき段階であって、早急に実現させるべきです。

8月 10, 2010 at 09:06 午前 セキュリティと法学 |

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