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2010.07.10

シーシェパードはカルト団体

サンケイ新聞より「ベスーン元船長「調査捕鯨妨害を継続」 裁判終え一転表明

2010.7.10 11:36

【シンガポール支局】
フランス通信(AFP)によると、環境保護を標榜(ひようぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」による調査捕鯨妨害事件で東京地裁の執行猶予付きの有罪判決を受け、強制退去処分となったSS抗議船のピーター・ベスーン元船長(45)が10日、母国ニュージーランドに帰国、今後も反捕鯨活動を継続する考えを明らかにした。

公判でベスーン元船長は、南極海での妨害活動に参加しない意思を表明、それが執行猶予の理由の一つとなった。

しかし、この日は記者団に

「日本の捕鯨をやめさせるのをあきらめることはない」
などと強調。
再び抗議船に乗り込むかどうかは明言しなかったものの、
「次に何をするか、何人かと話をしなくてはならない」
と述べ、SS幹部らと今後の活動について話し合う姿勢を示した。

妨害活動に参加しないとのベスーン元船長の発言についてSS代表のポール・ワトソン容疑者(59)=国際指名手配中=は、公判後、「単なる法廷戦術だ」と述べていた。

この記事だけ読むと、判決を受けたのに無視かよ、といった印象を受けますが、同じサンケイ新聞のイザ!記者ブログ佐々木正明記者が拘置所でベスーン被告とのインタビューについて感想を書いていました。

「【SS船長判決】ベスーンはニュージーランドに帰って何を言うのか?」   2010/07/07 18:00

調査捕鯨妨害事件で立件されたニュージーランド人、ピーター・ベスーン被告に、7日、判決が言い渡されました。懲役2年、執行猶予5年の有罪判決です。

東京地裁の多和田隆史裁判長は「シー・シェパードの調査捕鯨は違法だという主義主張に基づいて、IWCの決議や声明を無視して、危険で悪質な妨害行為を繰り返していたもので、独善的な考えで妨害行為に加わった被告の刑事責任は重い」と指摘。

一方で、「被害者の一部に被害弁償を行ったほか、今後は南極海での反捕鯨活動に参加しないという意向を表明している」として刑の執行を猶予する決定を下しました。

ベスーンはこのまま日本にとどまることはなく、かねてから「家族に会いたい」と切望していましたので、判決後すぐに強制送還の手続きに入り、ニュージーランドに帰国するようです。

このブログでもお伝えしてきましたし、拙書「シー・シェパードの正体」にも詳細に記しましたように、私は東京拘置所に何度も出向き、拘留中のベスーン被告に接見してきました。

1回わずか15分の面会時間。それでも、10数回は回数を重ねましたから、だいぶ、彼の考え方がわかったように思います。

語弊がある言い方かもしれませんが、ベスーン被告は狂信者ではありませんでした。体育会系のノリがあって、裏表があまりない人のように見えました。

会うたびに、「ササキサン」と呼びかけ、礼を尽くそうとする。活動家というより、根っからの船乗りなんですね。

彼はかつて世界一周最速航行の記録を持っていたニュージーランドの英雄であり、キャプテンとしてクルーたちを束ねていましたから、自分の言動には責任を持っているような印象も持ちました。

しかし、私は、それが日本の拘置所という特別な空間で会っているからとも深く認識していました。

彼がシー・シェパードの理念や暴力を受け入れて、別の側面では、笑いながら日本の捕鯨船を攻撃している姿も知っていましたので、注意深く彼の言葉に耳を傾けてきたつもりです。

ベスーン被告は、なぜ、世界的な批判を受けながら、日本は南極海まで出向いて調査捕鯨を続けるのかということを何度も口にしていました。

そして、自らの愛する船、アディ・ギル号を沈没させた第2昭南丸の行為を日本の捜査当局はなぜ追及しないのだとも嘆いていました。

私は聞き役に徹することを心がけました。限られた空間、そして時間の制約があるなかで、彼にしゃべってもらうことを第一に考えました。

日本の文化が好きだと言っていましたので、彼には「武士道」など多くの本も贈りましたし、四方山話で、ワールドカップでニュージーランド代表が奮闘していることや海洋での航海がどんなものなのかも話し合いました。

そんな中で、彼がもらした「私は娘2人を持つ父親であり、ワトソンが言うように戦士ではない。彼は間違っている」という言葉も本心だと思います。

ベスーンはシー・シェパードやその活動の実態をよく知らないようでした。

彼が初めて代表のポール・ワトソンと会ったのは昨年の夏です。
ワトソンとも数回しか会っておらず、情報はワトソンやSSのメンバーからの受け売りで、私が知っているような正体も知らないようでした。

私がワトソンは暴力を否定しないテロリストであり、

「これまで人を傷つけたことがないなどというのは嘘だ」
と言って、数々の例をあげて隠された情報を教えてあげると、急に無口になって戸惑っているような素振りも見せました。

そのためか私の言っていることにも信用しようとせず、自らの妨害行為を冷静に振り返ることはあっても、ワトソンについては

「偉大なリーダーであり、優れた環境活動家だ」
などと言って、否定的な見解は語りませんでした。

私は「洗脳は解けていないのか」とも思いながら、日本にクルーを騙して送り込むことさえ容易なワトソンのカリスマ性と決して自分に負い目がこないようにするしたたかな戦略が怖くなったりもしました。

だからこそ、数々の嘘を重ねても、騙された人々が彼の元をついてくるのでしょう。
シー・シェパードはまさに、ワトソンをトップとするカルト集団なのです。

ベスーンはニュージーランドに帰ります。現地では「英雄」として出迎える人たちもいるはずです。もちろん、「馬鹿なことをした」と冷静に受け止める層も半々ぐらいでいるのではないかとも思います。

空港に着くなり、ニュージーランドの報道陣に囲まれるはずです。一気にこの4ヶ月の情報の埋め合わせをして、自分がどのように語られていたかを知るでしょう。

そして、しばらくはテレビにも引っ張りだこになり、捕鯨を決して許さない記者達の誘導尋問にも答えるはずです。

もう歯止めがないわけですから、気を許して、一気にたまったものを放出するでしょう。
手のひらを返したように、私の前で言ったこととは別のことを語り始める可能性もあります。

私はベスーンをいい奴だといいましたが、それはあくまでフリートークができない状況の中で受け取った仮の印象です。

彼は手記を公表するため、拘置所の中で昨年夏にシーシェパードに加わってから、南極海で拘束されて、裁判を受けることまでの日常について文章を書きためていました。

そのうち、手記が発表されるはずです。私はベスーンがニュージーランドのメディアに何を言うのか、手記にはどんなことが書かれているのか、そして、日本やシーシェパードについて、どんなことを語るのかを注意深く見守りたいと思います

場合によっては、ベスーンがシー・シェパードの暴力を止める大きな役割を果たすかもしれないと接見中に思ったこともありますが、それは今後の彼の言動次第です。

あっさりとその期待も泡となって消えることだってあるでしょう。
そのときには、また彼とコンタクトをとって、今度は制約もありませんから、シー・シェパードの正体をじっくりと伝えるつもりでいます。

ニュージーランドではさっそく、この判決についてかなりのボリュームで報じ始めています。

娘達は父親を心から尊敬しており、「動物を殺すことは残酷。だから私はベジタリアンになった。将来は動物を守るために手伝いたい」と言って、活動家になることを夢見ているようです。

ベスーンは今後、ニュージーランドの社会に少なからぬ影響を与える人物になりうるかもしれません。
謀略家、ワトソンも彼の役割を考えていることでしょう。

佐々木記者が特にカルトについて詳しいとも思えないのですが、わたしが何年もホームオブハート裁判に付き合って、教えてもらったり本を読んだりして知ったカルトの特徴を実にうまく捉えたと思います。

カルトが社会と摩擦を起こしたときに、普通の人は問題について客観的事実や、科学的な根拠でカルト内部の人の考えを変えることが出来るだろう、と考えます。
というよりも、それ以外に改宗を迫る方法がない。

事実の前には騙されていたとしても、考えを改めざるを得ないだろう、と誰もが考えます。

これで、簡単に考えが変わればカルト問題なんて起きないと思います。
客観的に騙されている、と証明されても「わたしの信仰が足りないから」といった方向に行ってしまうのです。

カルト内部の人のやることは、一般的に話が繋がっていません。
だから、前の日に理解した事を翌日にはひっくり返す。
自分自身の考えよりも、教義などが正しいのです。

カルトでは、リーダーの見解が最優先ですから、個々の信者を説得しても、すぐにリーダーにひっくり返されます。
そして、カルトのリーダーの考えそのものが、社会的には認めがたいものですから結果として、カルトは集団として社会と摩擦を起こします。

ワトソンは、ベスーンをシーシェパードから除名していますが、すでにコロッと変わって「法廷戦術だった」などと言っています。

カルトの一つの側面として

  • 約束を守らない(もっと優先することがある)
  • 社会生活上のルールについても同じ(犯罪の実行も含めて法規範がない)
  • 追い詰められるのが組織強化だと思っている。
こんなところがありますが、ワトソンに当てはめると、一直線といった感じで、シーシェバードはテロ的なカルト集団、と言えるでしょう。

と言うことは、今後シーシェパードの発言自体を信用してはいけないです。
何を言い出すか、やるか予測が付きませんから、信用すると社会が振り回されてしまいます。
カルトが極端なことを言うと、どういうわけかお金も集まったりするものなのですよね。
ベスーンが失った、アディ・ギル号をワトソンは寄附させたと言えるわけですから。

7月 10, 2010 at 01:35 午後 事件と裁判 |

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バタバタしていたせいもあって判決時のニュースに関連してエントリしようと思いつつで 続きを読む

受信: 2010/07/10 21:35:56

コメント

カルトの指摘はまさにその通りだと思います。
シーシェパードの態度はシーズン3の宣伝としては十分理解できますね。私も彼の行動は冷静に見るべきだともいます。鍵はお金だと思いますが。なぜなら、人身事故の賠償金のためにお金が必要で船を売り出したことがSSCS参加のきっかけであるが、70万ドルの未払いがあるようで、経済的に追い込まれており、場合によっては離婚(債務を妻子に及ばせないため)もあり、窮したときに何か起きると思います。

投稿: ednakano | 2010/07/11 6:51:12

ednakano さん

>鍵はお金だと思いますが。

この点ですが、ワトソンが「本物のカルト」であれば、特に何も起きないと思います。

社会常識では、カルト団体はまともに稼いでいないので、全文が「経済的に追い込まれているはず」なのですが、そういう話になったことがない。

実際には、踏み倒しとか、有名人からまきあげるとかやっています。

ホームオブハート事件では、Toshiから巻き上げていたことをToshiが告白しています。

カルト宗教で、有名人が広告塔として出て来ることもさりながら、「(広告塔の)有名人がこれだ寄附しているのだから」といった展開が多いのです。

こんなことできるから、経済的に困窮することがないわけです。

もし、ワトソンが経済的に困窮して、何かが起きるのであれば、本格カルトではなかった、と判定しても良いかもしれません。

投稿: 酔うぞ | 2010/07/12 16:58:09

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