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2010.07.14

雑誌が訴訟されたことを訴訟し返す。

共同通信ニュースより「前会長らを提訴へ FACTAの振興銀報道

前会長(48)らが銀行法違反容疑で逮捕された日本振興銀行の報道をめぐり、不当な名誉棄損訴訟を起こしたとして、ファクタ出版(東京)は14日、振興銀や前会長らに約3千万円の損害賠償を求め今月中にも東京地裁に提訴することを明らかにした。

ファクタ出版によると、発行誌「月刊FACTA」は2009年5月号から4回にわたり、商工ローン大手SFCG(破産手続き中)の債権二重譲渡や、融資の採算性などに関する問題を報じた。

振興銀側は名誉を傷つけられたとして、損害賠償や謝罪広告掲載を求める3件の訴訟を東京地裁に起こしたが、警視庁による6月の家宅捜索直後、すべて取り下げたという。

ファクタ出版は

「訴訟対策のため膨大な時間と経費を使い、ほかの取材や報道にも支障が出た」
として
「不当な訴訟を起こした行為は、表現の自由を圧殺するもので断じて許されない」
としている。

FACTAは阿部重夫氏が設立した出版社です。
ログのプロファイルより

発行人 阿部重夫
編集長 阿部重夫

  • 1948年、東京生まれ。
  • 東京大学文学部社会学科卒。
  • 73年に日本経済新聞社に記者として入社、東京社会部、整理部、金融部、証券部を経て90年から論説委員兼編集委員、95~98年に欧州総局ロンドン駐在編集委員。
  • 日経BP社に出向、「日経ベンチャー」編集長を経て退社し、
  • ケンブリッジ大学客員研究員。
  • 99~2003年に月刊誌「選択」編集長、
  • 05年11月にファクタ出版株式会社を設立した。

なかなか華々しい経歴の方で、ブログは当初は読んでいました。
現在見ることが出来る一番古いエントリー「ソニーを包む「奇妙な沈黙」」2005年12月10日

新雑誌「FACTA」で何をめざすのか。一例をあげよう。「2ちゃんねる」などネット掲示板ではソニーが袋叩きにあっている。携帯オーディオ市場で6割のシェアを奪ったアップルの「iPod」に対抗し、かつての王者ウォークマンが巻き返しの決め手として11月19日に発売したばかりの「Aシリーズ」に対する怨嗟の嵐が、ネットで吹き荒れた。

不思議なことに新聞・雑誌はそれをほとんど報じない。広告主ソニーに気兼ねしているのかと疑われてもしかたがない。この奇妙な沈黙はまた、ソニー自身が演出しているのだろうか。苛立ってネットに殺到するクレームはほとんど一方的に「ソニー憎し」で、返品をあおるばかりだ。同情的な声があっても「おまえはGK(ゲートキーパーの略語、「仮面をかぶった回し者」の意味)か」と一刀両断である。

ブログは怖い。ネットの“蛮人”たちは落ち目のブランドと見るや、ここぞとばかりに痛めつける。だが、なぜソニーに直あたりしないのだろう。「臭いものにフタ」式なら日光消毒になるし、意識的または無意識の世論操作装置と化している既存ジャーナリズムを破って風穴をあけられる。落書きみたいなソニーの悪口を掲示板に書きこむだけではあまりに悲しい。対象からのフィードバックを欠いたネットは、対人恐怖症の裏返しである。

それなら、と思った。幸い、人に会って喜怒哀楽を引き出すのは苦にならない。どんなジャーナリズムも、取材と回答の往復運動から生まれる。それをネットで見せればいい。ソニーの「沈黙」を俎上にのせよう。だが、ウォークマンAシリーズやコピー制限機能付き音楽CDという、ソニーにとって致命傷と思える問題が続いたせいで他意はない。

そもそも、阿部氏がバリバリの紙メディアの人で、しかも「日経ベンチャー」、「選択」の編集長であった、という方がネットで発言していると非常に注目したわけです。

そのココロが、新雑誌FACTAの発行にあったとしても、その当時の状況が、新雑誌を出しただけではビジネスとして成功する、つまり雑誌ブームのような状態とはかけ離れていたので、「どうするつもりなのだろう」という興味も大きかったです。

しかし、紹介したエントリーにも見られるように、ネットに対する上から目線が段々と強くなったと感じて、ブログを読んでも仕方ないと思うようになりました。

そして今回の報道ですが、なんというか「どっちもどっち」だと感じるのですね。
メディアとして、企業でも個人でも直接叩けば、反発されるのに決まっている。訴訟もあり得る事でしょう。
そして、問題になっている恫喝訴訟もわたしは何度か見ています。

しかし、それはある程度以上に計算しないと、評論なんて出来ないわけです。
逆に言えば、「批判したら反発した、やっばり批判は正しかったのだ」というぐらいが本心でしょう。
本心で「雑誌に書いても、訴訟なんて起こされない」とでも思っているのであれば、それでは「痛すぎる」であります。

というわけで、今回のファクタ社が訴訟を提起することについて、わたし個人としては、ますますFACTAは「ちょっと違うぞ」感が増えました。

7月 14, 2010 at 09:16 午後 事件と裁判 |

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コメント

>企業でも個人でも直接叩けば、反発されるのに決まっている。訴訟もあり得る事でしょう。

まさに其の様な事例が現在進行形であります。>自分(^_^;)
此方は「個人対個人」ですが、矢張り上から見(俯瞰す)れば「どっちもどっち」の泥仕合なんでしょうねぇ。
自分が物凄くどん臭く感じますが、まぁ起きた(ヤッチャッタw)事は仕方がないと、諦めて対処しますです。
ハイ(^^;ゞ

投稿: 我楽者 | 2010/07/14 21:39:27

どもども(^_^;)

blog を始めた当初は、全く意識の外にあったのですが、2003年から続けていると、新聞のデータベースよりも便利になってました。

こうなると、「とりあえず実名は書かない」と方針転換しましたね。

将来の問題を避けるというのはありますが、それ以上にネットで発言することのパワーがわたしの個人的な実力を上回ってきているな、と感じるからです。

わたしにとって、エントリーを作るのも、「身の程に合わせる」ということであって、これが本来の庶民のあり方だと思います。

わたしは、落首を発明した日本人はえらいと思っているのですよ。

投稿: 酔うぞ | 2010/07/14 21:47:16

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