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2010.07.28

阿久根市問題・議会の招集について

読売新聞より「鹿児島知事、阿久根は「法治国家で想定外」

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が市議会を招集せずに専決処分を繰り返している問題は、地方自治法が議会の招集権を首長だけに与える一方、違反しても罰則のない現行法の限界を浮き彫りにした。

市議からは「議長にも招集権を認めるべき」との声が高まり、伊藤祐一郎・鹿児島県知事も法改正の必要性に言及している。

市議会の多数を占める反市長派市議と対立する竹原市長は4月以降、職員や市議らのボーナス半減や補正予算、市議の日当制導入などを議会を招集しないまま、専決処分で次々と成立させた。

地方自治法101条では、首長は臨時議会の招集請求から20日以内の招集を規定しているが、市長は反市長派市議が請求した臨時議会の招集にも応じず専決処分を繰り返している。
違法状態だが、現行法では議会を招集しない首長に罰則が科せられることはない。

市では住民団体による市長リコール(解職請求)運動の準備が進んでおり、今年中にも失職の可能性がある竹原市長が「公約を実現させるため」として、今後も専決処分を乱発する可能性がある。

「法治国家の中でおよそ想定できないことがどんどん起こっている。誠に遺憾としか言いようがない」

副市長人事の専決処分について伊藤知事は26日、記者団にこう語り、市で繰り返される専決処分について、法の想定外との認識を改めて示した。

地方自治法は、定例会も含め首長にしか議会の招集権を認めていない。

阿久根市議会の浜之上大成議長は「首長と議会が対等な関係である二元代表制で、市長を止める手段がないのは法の不備」と話す。

総務省出身で同法に詳しい伊藤知事も23日の記者会見で「議長に招集権を与えるのは一つの方法ではないか」と述べた。

浜之上議長は29日に西之表市で開かれる県市議会議長会で、議長に招集権を与えるよう法改正を国に要望する議案を提出する。
(2010年7月28日11時59分 読売新聞)

地方自治法は、議会の仕事についてこのような事を決めています。

  • 条例を設け又は改廃すること。
  • 予算を定めること。
  • 決算を認定すること。
  • 普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。
  • 議長は、議会運営委員会の議決を経て、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。
  • 定例会は、毎年、条例で定める回数これを招集しなければならない。
  • 臨時会は、必要がある場合において、その事件に限りこれを招集する。

地方自治体の実務は、すべて条例によりますから、議会が決定しないと自治体は仕事が出来ません。
阿久根市長は、専決処分で議会を招集することなく決定しています。
何しろ議会無用論ととれる発言をしています。

第179条〔長の専決処分〕

普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。

②議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。

③前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。

地方自治法は専決処分が出来る条件を「議会が成立しないとき」と定めているわけですが、一方で議会の招集については

第101条〔招集〕

普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。

②議長は、議会運営委員会の議決を経て、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。

③議員の定数の四分の一以上の者は、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。

④前二項の規定による請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、請求のあつた日から二十日以内に臨時会を招集しなければならない。

⑤招集は、開会の日前、都道府県及び市にあつては七日、町村にあつては三日までにこれを告示しなければならない。ただし、緊急を要する場合は、この限りでない。

となっています。まとめると

  1. 首長は議会を招集する
  2. 議会は条例を決する
  3. 議会を開くことが出来ないときには、首長は専決が出来る。

となっていますから、阿久根市の現状が

  1. 市長が議会を招集しない
  2. 議会は条例を審議できない
  3. 市長は専決している

ではまるで裏返しと言えます。
少なくとも、地方自治法の考え方に対しては、阿久根市長は間違った解釈をしているといわざるを得ません。

議長も議会の招集が出来るようにする、というのは首長が議会を招集せずに専決処分をするような場合に対抗するためには、有効だろうと思うところです。

7月 28, 2010 at 03:14 午後 国内の政治・行政・司法 |

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