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2010.06.19

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その2

FNNニュースより「静岡・浜松市浜名湖ボート転覆 事故当時、大雨や強風などの注意報

静岡県の浜名湖で、野外学習の中学生ら20人が乗ったボートが転覆し、全員が湖に投げ出された。駆けつけた消防などが救助したが、女子生徒1人が死亡した。

現場では当時、大雨や強風などの注意報が出ていた。

18日午後9時半すぎ、愛知・豊橋市の章南中学校の生徒たちが、重い足取りで体育館へ入っていった。

保護者の待つ学校へ戻ってき生徒たちは、みな疲れきった表情をしていた。

18日午後、静岡県の浜名湖で、学校行事の野外学習を行っていたところ、生徒ら20人が乗ったボートが転覆し、女子生徒1人が死亡した。

転覆時、生徒たちは船底を上に向けたボートの上で、助けを待った。

救助の船は、強風と高い波のせいか、ボートに近づけず、その作業は思うようにいかなかった。

しかし、ボートの横になんとか回り込み、生徒たちを船に乗り移らせることに成功した。

その間も、転覆しなかったほかのボートから、生徒たちが次々と地元消防などによって救出されたが、意識不明で見つかった女子生徒(12)の死亡が搬送先の病院で確認された。

救助された生徒は

「(湖の上はどうだった?)寒かったです」、
「なんかすげぇ、荒れとったな。なんか風も強くて」
、「(船はどんな感じで転覆?)
なんか、帰ってる時になんか、斜めになって、いきなり倒れた」
と話した。

転覆したボートに乗っていた生徒らは、17日から2泊3日の予定で、浜松市にある三ケ日青年の家を訪れていた。

三ケ日青年の家・所長は

「出艇の段階では風がありませんでしたので。
(まったくなかった?)
えーと、東の風4メートル程度でしたので、その状況で出艇はさせていただきました」
と話した。

事故当時、浜名湖周辺では大雨注意報をはじめ、強風、波浪など、各種の注意報が出ていた。

18日夜、章南中学校が会見を行い、

「結果として、こうした最悪の事故を招いてしまったということは、やはりその判断に大きな問題があったんではないかというふうに考えております」
と話した。

事故の原因については、警察が章南中学校の校長と青年の家の所長から事情聴取を行っているほか、19日、国土交通省の運輸安全委員会が現地入りし、調査をする予定。

毎日新聞より「ボート転覆:「全員無事」が暗転 父母ら悲報に絶句

2010年6月19日 0時43分

浜松市の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学校(水野克昭校長)の生徒18人と教師2人が乗ったカッターボートが転覆し、同中1年、女子生徒(12)が死亡した事故。

章南中では事故の一報が入った直後から、教職員ら10人ほどが職員室で現地と携帯電話で連絡を取り合い、情報収集にあたった。

森下郁夫教頭は職員室前に集まった報道陣に「昨年も(野外学習を)実施している。雨でもやる予定にしていた」とこわ張った表情で話した。

ニュースや学校の緊急メールで事故を知った父母らは午後5時前から次々と学校に駆け付け、約50人が職員室から約100メートル離れた柔剣道場に待機して学校の説明を待った。

情報は職員室から30分置きに柔剣道場に伝えられたが、断片的な情報に父母らがいら立ちを募らせた。

同6時前、父母らの携帯電話に

「三ケ日青年の家でのボート転覆の件についてお知らせします。全員無事救助されました。ご安心ください」
とのメールがあり、一時は安堵(あんど)が広がった。だがその後、女子生徒1人が亡くなったとの情報が入ると、「えー」という驚きの声とおえつが漏れ、ハンカチで目頭を押さえる姿もあった。

同11時から加藤正俊・市教育長ら4人が同中で記者会見。加藤教育長は

「教育活動の場で最悪の事故が起き、亡くなった生徒、家族に申し訳ない気持ちでいっぱいです」
と陳謝し
「今日は天候が悪く、湖上の様子や気象情報などさまざまな情報の中で判断して活動したと思うが、最悪の結果になったということは判断に間違いがあったのではないか」
と述べた。体験学習には1年生96人のうち94人が参加。教師6人が引率したという。【沢田均】

読売新聞より「浜名湖転覆「大雨強風注意報の中、なぜ決行」

大雨強風注意報が発令される中、荒れた浜名湖(浜松市)で18日に起きたボート転覆事故は、愛知県豊橋市立章南中学校の女子生徒が亡くなる惨事になった。

救助されるまで1時間以上、生徒たちはボートにしがみついた。
ボートのえい航の仕方や、悪天候での決行には問題はなかったのか。
関係者から疑問の声もあがった。

「ボートには最初から水が入り、少し傾いていた。岸に戻る途中スピードが出てきて、ひっくり返ってしまった。怖かった」。
転覆したボートから救助された男子生徒は唇を震わせた。

浜名湖を望むホテルから、転覆を目撃したという東京都八王子市の女性(46)は、

「波が高く、ボートが流されていた。『キャー』という悲鳴も聞こえ、危ないと思ったら、一瞬のうちにひっくり返った」
と青ざめていた。

静岡県警などによると、生徒らは17日から2泊3日の予定で湖畔にある県立三ヶ日青年の家に滞在。

18日は午後2時過ぎから、自然体験学習の一環として、生徒92人と教師5人が、青年の家の職員3人とともに4隻の手こぎボートに分乗し、ボートをこいでいた。

転覆したボートには職員はいなかった。

転覆したボートの教師から、

「風雨が強くなり、生徒がひどい船酔いで、これ以上こげない」
と無線連絡があり、青年の家がモーターボートを出し、ボートをえい航して岸に向かっている途中で転覆したという。
他の3隻は湖上で救助を待った。同日夕、県警の警備艇にえい航され、転覆を免れた。

「浜名湖ボートクラブカナル」の柴田昌宏代表(48)によると、悪天候の中、大勢の人を乗せたままボートをえい航すると、予想のつかない横揺れなどが生じることがあるという。柴田さんは

「結果論かも知れないが、引っ張る船に救助対象の人たちを乗せて運び、無人になった船を岸辺に運んだ方が安全だった可能性がある」
と話した。

一方、青年の家を管理する県教育委員会の安倍徹教育長は18日夜、県庁で記者会見し、「大変申し訳ない」と陳謝、

「なぜこんな天候で訓練を行ったのかと思った。もう少し慎重に判断すべきだった」
と述べた。

県教委によると、ボート訓練は、大雨などの注意報が出ていた場合、施設と学校側で協議して判断することになっている。
今回は、同施設の所長らが、

「天候の急変はない」
とみて実施を決めたという。

豊橋市老津町の章南中学校には、保護者約50人が続々と集まった。安否情報が二転三転し、泣き出す人も。保護者の男性(37)は

「この雨の中で(ボート訓練を)決行するのはどうかしている」
と声を荒らげた。

森下郁夫教頭によると、亡くなった女子生徒(12)は吹奏楽部に所属し、優しくまじめだった。18日の朝の集いで生徒を代表して

「きょうのボート教室を頑張りたい。仲間のきずなを深めたい」
とあいさつしたという。

今回の事故について、「日本海洋少年団中部地区連盟」(名古屋市)の木下登事務局長(80)は、

「海洋少年団では、強風注意報が出ている場合は、波が高くなるので、子供たちを海に出さないようにしている」
と話している。

(2010年6月19日01時32分 読売新聞)

東京新聞より「ボート転覆、中1女子死亡 浜名湖 荒天下の野外活動中

十八日午後三時半ごろ、浜松市北区の浜名湖の約二百メートル沖合で、愛知県豊橋市立章南中学の生徒ら二十人が乗っていたボートがモーターボートでえい航中に転覆、全員が投げ出された。

地元消防などが間もなく十九人を救助。

同中学一年女子生徒(12)が転覆したボートの内側から見つかったが、搬送先の病院で死亡した。

静岡県警によると、ボートは全長約七メートルの手こぎ式カッターボート。

同中学一年の生徒十八人と教諭二人が乗り、訓練中だった。全員が救命胴衣を着用していたという。

ほかに生徒八人が病院で手当てを受けた。

ボートに同乗していた教諭が直前に

「強風で生徒の船酔いがひどく、こげない」
と無線で連絡、助けに向かったモーターボートがえい航して岸に戻る途中で転覆しており、県警は訓練やえい航の方法に問題がなかったか関係者から事情を聴くなど、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査。運輸安全委員会は十九日に船舶事故調査官二人を現地に派遣する。

章南中によると、一年生計九十四人が野外活動のため、十七日から二泊三日の予定で静岡県立三ケ日青年の家(浜松市)に滞在。十八日は青年の家が管理するボート四艇に分乗し、午後二時ごろ訓練を開始。

二艇には青年の家の職員が同乗したが、転覆したボートを含む二艇には生徒と教諭だけが乗っていた。

気象庁によると、浜名湖周辺では十八日昼すぎから強い雨が降り静岡地方気象台は大雨や強風、波浪などの注意報を発表していた。

浜松市では午後四時ごろ、最大瞬間風速一三・四メートルを記録した。

静岡県教育委員会に対し、青年の家は「

注意報の発令は確認したが、波が高くなかったので実施を決めた」
と説明している。

東京新聞より「ボート転覆、責任者の聴取続行 静岡県警、原因調べる

浜松市北区の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学の1年生ら20人が乗ったカッターボートが転覆、女子生徒(12)が死亡した事故で、静岡県警は19日、過失がなかったか、ボート訓練を実施した「静岡県立三ケ日青年の家」の関係者から事情聴取を続けるとともに、女子生徒の遺体を司法解剖して死因を調べる。

モーターボートがえい航中に転覆しており、県警は業務上過失致死傷容疑も視野に捜査。

運輸安全委員会の船舶事故調査官2人も現地入りし、事故原因を調べる。

県警によると、転覆したボートには生徒18人と教職員2人が乗っていた。教諭がボートから「強風で生徒が船酔いしてこげない」と無線で連絡、モーターボートがえい航し戻る途中に転覆。

えい航の仕方などに問題があった可能性が出ている。

章南中は1年生計94人が野外活動のため17日から2泊3日で青年の家に滞在していた。
(共同)

事実関係は以下のようです。

  1. 浜名湖周辺では十八日昼すぎから強い雨が降り静岡地方気象台は大雨や強風、波浪などの注意報を発表していた。
  2. 三ケ日青年の家・所長は「出艇の段階では、東の風4メートル程度でしたので、その状況で出艇はさせていただきました」 と実行
  3. 転覆したボートの教師から、 「風雨が強くなり、生徒がひどい船酔いで、これ以上こげない」と連絡が入って、青年の家がモーターボートを出し、ボートをえい航して岸に向かっている途中で転覆

昨日(2010年6月18日)は全国天気予報でも、朝から「西から雨が降ってくる」といった内容でした。

普通に考えて「天候は悪化する」であり、出かけるのを控えようか?という状況でしょう。
それを「「出艇の段階では、東の風4メートル程度でしたので」というのは、「判断していません」というほどの意味しかないだろう。

さらにえい航中に転覆したとのことだが、中学生の証言で

「ボートには最初から水が入り、少し傾いていた。
岸に戻る途中スピードが出てきて、ひっくり返ってしまった。怖かった」。
というのだから、えい航船がひっくり返した、という意味だろう。
実際に、消防などがえい航した他のカッターは無事に帰還している。

「三ケ日青年の家」はいったい何を考えて、動いていたのだろう?
少なくとも、緊急事態に対応出来る準備をしていなかったことだけは確実だろう。

6月 19, 2010 at 10:10 午前 事故と社会 |

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コメント

青年の家は、今はやりの指定管理者制度だそうです。
野外活動のプロが常駐していないのでしょう。
まさか定員オーバーじゃないでしょうねー。

投稿: 昭ちゃん | 2010/06/19 14:08:08

>野外活動のプロが常駐していないのでしょう。

そうとも言えないようなのです。
過半数の職員が小型船操縦免許を持っているとか。
だからと言って「プロか?」となると、2009年7月、北海道大雪山系で10人が遭難死した山岳事故では、ガイドの能力不足が強く非難されました。

危機に対処できてのプロということだと、プロとは言えないでしょうね。

救助に50分がかりとかなので、ひょっとすると転覆した時点で消防などに応援を頼んでいないのかもしれません。

まあ、あからさまに判断力の無い人たちが、生徒を危険なところに放り込んで、一人が亡くなった、ということですよ。

投稿: 酔うぞ | 2010/06/19 14:20:31

小型船操縦免許って、航海の基本は教わりますが操船は動力船相手だし、曳航なんて教則に無かったような気がします。無動力の操船は着岸のために教わる程度だったはず。
つまり、直接的には、モーターボートの操船方法と海上救助の基本しか教わっていない職員に、安易にカッターボートの指導と曳航をさせたのが原因ですね。
まあその前に、天候変化の把握をし損なった引率側・指導者側の責任も大いにあります。

投稿: 昭ちゃん | 2010/06/19 23:11:38

書き落としたので追加です。
荒天下で曳航なんて、小型船操縦免許の技量外でしょう。当然、横転や沈没の可能性は十分大です。事故が起こらず曳航できる方が珍しいかと。
まだ、大揺ボートをそのまま漂流させ(動力船を接舷させられれば生徒達にも安心感は与えられます)、別の動力船に生徒を少しずつ乗り移らせての救助活動を優先すべきだったのです。

投稿: 昭ちゃん | 2010/06/19 23:25:14

今朝の朝刊によると、ボートを操縦していた所長さんは、えい航は初めての経験だったそうです。

投稿: zorori | 2010/06/20 7:09:06

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