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2010.06.14

口蹄疫対策手抜きのひどさ

東京新聞より「口蹄疫 1キロ圏抗体検査へ

宮崎県の口蹄(こうてい)疫問題で農林水産省の牛豚等疾病小委員会が十三日、都内で開かれ、被害が集中した同県川南町周辺を除いた新たな地域で発生が確認された場合、発生農場から半径一キロ圏内の大規模肉用牛経営農家を対象に、一定頭数の家畜の抗体検査を実施するべきだとする意見をまとめた。

農水省が今後、詳細を決める。

抗体検査では臨床症状がなくても感染の有無を確認できる。

早期に感染拡大の程度を把握し、封じ込めの迅速化を図るのが狙い。

また、新たに発生した農場から半径十キロ圏内の移動制限区域内では、大規模農家に家畜防疫員を立ち入り調査させ、異常の早期発見に努める。

宮崎県は十三日、感染疑いが確認された牛や豚が同日は「ゼロだった」といったん明らかにしたが、夜遅くになって新たに西都市のワクチン接種対象地域外で、感染疑いの牛が確認されたと十四日未明、発表した。

また、都城市の発生農場から半径一キロ圏内にある農家八戸の計十一農場を対象に、飼育されている牛や豚のうち計九十六頭から既に検体を採取、動物衛生研究所の検査施設に送った。

十四日から検査を始めるという。

「口蹄疫・防疫の失敗」で、典型的な、戦力の逐次投入と今までの「対策」を批判したのですが、いまだに組織的に抗体検査もしていなかったというのは、驚きです。

動物だけの病気とはいっても典型的な伝染病なのだから、基本的な対処方針は、伝染の防止が他のなによりも優先されて当然でしょう。

そうなると、いちばん簡単なのは「地域全体を隔離する」だとなりますが、これを実したら地域内の生活も経済も大変なことになります。

そこで、全車両の消毒といったことになっていくのでしょうが、当然「あの地区は病気で入ることができない」などといった風評被害のようなことも出て来るでしょう。

しかし、元が「伝染の遮断」なのですから、二次的な損害は覚悟の上で実施するべきだ、というのが人類の知恵となっているはずです。

しかし、今回の「対策」はどう見ても「被害が少ない」と見せるために、対策そのものを小規模にした、としか思えない。

人間の伝染病でも、家庭内や職場で下手に隠すから拡大したというのは、年中聞く話しであって、今回の口蹄疫の拡大が「厄介になるから、対策しない」とか「調べない」といった手抜きをした結果ではないのか?

抗体検査なんてのは、緊急事態だとして可能な限りの多数を継続して調べて当然だろう。
もしそれで検査結果が役に立たなくても議論しているより実施するべきだろう。

こんな「議論」つまり「紙の上の計画」だけをやっている間に事態はドンドン悪化する。

ガダルカナル島の攻略とかインパール作戦と同じか?
最近の日本は、現場を無視して建前論で現実が何とかなるという風潮が強すぎる。
このままでは、もっと大きな事件が起きるだろうと思う。

6月 14, 2010 at 09:33 午前 医療・生命・衛生 |

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コメント

口蹄疫が蔓延した原因は民主党の不策にあると櫻井よしこさんは言っている。

投稿: 左巻き菅 | 2010/06/14 14:19:19

えーっ、まだ抗体検査をしていなかったとは、おどろきです。
そういえば、抗体検査で感染が発見された例は、ありませんでしたね。
そういった疫学的調査もせずに、どうやって、ワクチン接種の範囲を決めたのでしょう。まさか、発病地域からの地理的距離でだけ決めたとか、・・・。
それに、検査対象が「大規模肉用牛経営農家」です。ウシは、後でいいから、ブタを検査すべきです。ブタは、潜伏期間が長い上に、発症前から大量のウィルスを排出しますので、発症したら即日殺処分しても、もう、手遅れなのです。
そんなこと、素人の私だって、わかることですのに。役人の考えることは、理解不能です。

投稿: mimon | 2010/06/14 19:36:34

mimon さん

結局、感染防止のために必要不可欠な、防疫措置を完遂していないのですよ。

人間の伝染病でいえば、患者を隔離しないようなものだ。

それで「対策」とは言えないでしょう。
他に何をやっても、防疫措置を全部やった上での、追加措置であるはずで、ロクロク車の消毒をしていないのだから、人の靴なんてどうなっているのか?

こんな事を考えると、飛び火して当然で、昆虫説とか風説を出す以前に、いちばんの運び手である人間の行動を保証していないだろう、となります。

全くもってひどすぎる。

投稿: 酔うぞ | 2010/06/14 19:50:35

asahi.comに載った記事です。
http://www.asahi.com/national/update/0627/SEB201006270048.html
感染しやすいウシで抗体反応がなさそうだということですから、ひとまず安心ですね。
感染が広まっていないことの確認を行う検査と、感染が広まったら大変だから行う検査とは、おのずと異なります。
行政は、前者(ウシ)を優先して行いましたが、私だったら、先に後者(ブタ)を行って、シロだったら、念のため、あとから前者を実施します。
変な例えですけれども、ガス漏れによる火災が発生した場合、真っ先にするべきことは、ガスの元栓を閉めることで、類焼の確認とかは、後からしたので間に合うのです。
今回は、幸運にも、類焼がなかったことが確認できたから良かったようなものの、一歩間違ったら、大変なことになる所でした。こういう、大きな災害のときに、運を天に任せるような、優先順位を間違った行動をとるようでは、危機管理ができているとはいえません。

投稿: mimon | 2010/06/28 2:23:28

>こういう、大きな災害のときに、運を天に任せるような、優先順位を間違った行動をとるようでは、危機管理ができているとはいえません。

正直な印象が、「これは運だめしです」という認識すらなかったのだろうと思っています。

ご指摘の通り、感染予防と、感染確認の使い分けといったところは、防疫の基本ですが、それらの知識がキチンとしていれば、わたしの言う「戦力の逐次投入」のようなことが是認されるとは思えない。

  1 口蹄疫らしいです
  2 じゃ防疫措置をしなくちゃ
  3 らしいの段階で、そんな騒ぎにしたら風評被害が
  4 じゃあ、感染確認を優先する
  5 だから確認を内緒にしないと、風評問題に
  6 じゃ、とりあえず防疫体制は取ろう
  7 あまり厳重にやると、問題がありますから、該当農場だけを
  8 それでは、網から漏れたら、感染拡大ですよ
  9 だから、まだ確認出来ていない
 10 だからこそ、感染確認を大々的にやるべきで
 11 それでは不安が広がる、根拠無くそんなことできない

こんな調子だったんじゃないですかね?
全くの神頼みかもしれない。

投稿: 酔うぞ | 2010/06/28 8:24:02

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