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2010.06.20

浜名湖で、カッターが転覆、女子中学生1名が死亡・その3

中日新聞より「経緯の説明、二転三転 中1死亡のボート転覆事故

浜松市北区の浜名湖で豊橋市章南中学校の1年生ら20人の乗った手こぎボートが訓練中に転覆し、女子生徒(12)が死亡した事故で、
豊橋市教委と同校は18日深夜から19日未明にかけて記者会見したが、
ボート訓練の実施を判断した経緯の説明が二転三転した。

市教委幹部は当初、静岡県立三ケ日青年の家の所長と学校長が事前に協議して実施を決めたと説明していたが、その後、引率していた水野克昭校長本人が協議はなかったと明かした。

市教委によると、注意報が発令された場合、ボートの訓練は青年の家の所長と学校長が協議して実施するかどうかを判断する取り決めがある。

静岡地方気象台によると当時、浜名湖を含む浜松市南部には強風や波浪などの注意報が出ていた。

同校での記者会見で、市教委幹部は

「実施の判断をめぐり協議の上で総合的に判断した」
と説明。ところが、静岡県警の聴取を終え、
途中から会見に参加した水野校長が
「施設職員と学年主任が話し合った結果を伝え聞いたが、所長とは協議しなかった」と明かし
「注意報も知らなかった」
と話した。

こうした食い違いについて市教委は

「職員と話し合ったのだから、いわゆる『協議』はあったとの認識だったと思う」と釈明。
「施設の取り決め通りに所長と学校長で協議するべきだった」
と判断ミスを認めた。 (諏訪慧)

毎日新聞より「浜名湖ボート転覆:移管後えい航初めて 青年の家所長謝罪

浜松市北区三ケ日町の浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学1年の生徒ら20人乗りの手こぎボートがえい航中に転覆し女子生徒1人が死亡した事故で、ボートのえい航にあたった「静岡県立三ケ日青年の家」の所長(52)が19日、記者会見した。
所長は転覆後、湖に飛び込み、ボートの内側から生徒3人を見つけて救助したことを明らかにした。

亡くなった女子中学生(12)はその後、同じボートの内側から見つかった。

所長は会見で「風が強くなることを予測できなかった。生徒の命を奪うことになり、おわびしたい」と謝罪した。

転覆後のボート内側の様子については

「空気があり息ができる状態だった。水面からぼんやり光が回る状態だった。生徒の姿は確認できなかった」

と説明。
生徒がいないのに気付いたのは、湖岸のホテルに到着し、点呼した時だったという。

青年の家は県が管理していた3月までは救助のため今回同様、ボートをえい航した経験があった。

しかし4月に民間業者に管理・運営が移って以降、救助のためにモーターボートでえい航するのは初めてだった。

所長は、えい航の速度について

「少しスピードが上がっていたのではないか。子供たちを早く岸に戻したい気持ちがあった」
と述べた。

転覆したボートは、生徒の船酔いなどで操船できなくなり、所長が職員と2人でモーターボートに乗って駆け付けた。

ボートの船首に約20メートルのロープをつないでえい航中、「5、6分で転覆した」(所長)という。

静岡県警細江署は19日、事故で亡くなった生徒の死因を水死と発表。転覆したボートを引き揚げて実況見分した。国土交通省運輸安全委員会の調査官も現地に入り、関係者の聴取を始めた。【瀬上順敬、仲田力行】

◇死亡の生徒、能楽教室に通う 「芯の強い子」

「芯の強い子でした。こんな事故は二度と起こしてほしくない」。ボート転覆事故で死亡した生徒が通っていた豊橋能楽こども教室を運営する朝川知勇(ともお)さん(71)は生徒の突然の死を悲しんだ。

教室は月2回土曜日に市内の神社で開き、幼児から中学生までの10人ほどが能楽師の手ほどきを受ける。

19日のけいこに集まった子どもたちは生徒の死にショックを受けた様子。朝川さんは「練習や発表会で撮った花菜ちゃんの写真を見ながら冥福を祈ろう」と語りかけたという。朝川さんによると、生徒は06年ごろに教室に入った。【高木香奈】

◇学校に苦情電話

豊橋市立章南中の教諭ら12人は19日、1年生を中心に生徒の家を訪問した。

鈴木宏道教務主任によると、1年生は疲れた様子の生徒が多く、動揺が続いているようだった。悲しい気持ちが抑えきれず前夜は涙が止まらなかった、と訴える生徒や、寝込んだままの生徒もいたという。家庭訪問は20日も続ける。

一方、学校関係者によると、章南中には19日朝から苦情の電話が相次いだ。

多くは、荒天なのにカッター訓練実施に踏み切った判断を非難する内容という。電話は「ほとんどひっきりなしにかかってくる」(関係者)状態で、午前中だけで数十件。学校は終日対応に追われた。【沢田均】

毎日新聞 2010年6月19日 21時30分(最終更新 6月20日 1時02分)

読売新聞より「浜名湖転覆「荒天とはとらえず」

校長が会見 生徒のストレス予想以上

浜松市北区の浜名湖で、体験学習中に手こぎボートが転覆し、女子生徒1人が死亡した豊橋市立章南中学校の水野克昭校長は19日未明、同校で記者会見し、

「大きな事故を起こしてしまい、申し訳ありません。学校行事で生徒が命を落とし、厳粛に受け止めている」
と謝罪した。

水野校長は事故後、現地で静岡県警の事情聴取を受けた後、学校側の会見に加わった。

水野校長によると、ボートに乗る前、静岡県立三ヶ日青年の家の職員から

「岸沿いのコースに変更する」
と知らされたという。

今回のコース設定について、水野校長は

「湖の真ん中を行くコースは、岸が遠くに映って不安になるが、近場のコースなら子どもも安心できると思った」
と述べた。

荒天かどうか判断する基準については、

「青年の家の職員と学年主任が相談して、大丈夫ですという言葉をもらった」
「波を見て大丈夫と判断した」
などとあいまいな答えに終始。
「テレビの天気予報と現場の確認で、荒天とはとらえなかった」
と釈明した。

一方、19日朝、同校の教員12人が1年生3クラス96人の家を訪ねて回った。

仲間を失ったショックで涙が止まらない生徒や疲れて寝込んでいる生徒が多く、鈴木宏道教務主任は「事故で生徒が受けたストレスは予想以上に大きい。心のケアにあたっていく」と述べた。

学校には早朝から「なぜ決行したのか」「自然を相手に判断が甘かった」などと、学校側の判断を非難する一般市民からの電話が相次いだという。
(2010年6月20日 読売新聞)

少しずつ出て来る情報が、バラバラで何がどうなっているのかよく分かりません。

浜松市教育委員会が、現場である静岡県立三ケ日青年の家が何をやっているのかは、通常事後報告でしょう。
にもかかわらず「協議があった」など、記者会見するというのもヘンですね。
だから、校長の話とズレがあって、後から訂正したのでしょう。

わけの分からないのが、毎日新聞の記事にある

所長は会見で「風が強くなることを予測できなかった。生徒の命を奪うことになり、おわびしたい」と謝罪した。

生徒がいないのに気付いたのは、湖岸のホテルに到着し、点呼した時だったという。

所長が、なんで生徒がいないことについて言及するのだ?
生徒の点呼は、転覆したボートに乗っていた二名の教師の責任だろう。

担当の教師が転覆直後から繰り返し点呼するのが当然だろう。
なんで、陸に上がってから点呼し、やっと分かった、という話しになるのだ?

極めて不思議なことに、学校側から引率に何人が参加したのかも報道されていないし、転覆時にそれぞれが何をしたのかも伝わってこない。
つまりは、大変な大混乱になったというのは分かるが、じゃあ「なんかあったらどうする?」という対策を学校は用意していなかった?とでも言うのか?

水に入るというのは、夏の海水浴シーズンでも、毎年のようにあるがショック死などもあり得るし、まして救命胴衣を付けているのだから落水したらどうする、という手順を考えないわけにはいかないだろう。

なんというか、恐るべき無責任体制で、行われていたのではないのか?
学校に抗議電話をしてもしょうがないとは思うが、抗議電話をする人の気持ちも分かるところがある。

6月 20, 2010 at 11:58 午前 事故と社会 |

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コメント

既報道を過ぎる整理すると、
>体験学習は、引率教員6人+1年生94人=100人が参加。
>乗船したのは、教員5人+青年の家の職員3人+生徒92人=100人が4艘に分乗。
>転覆したのは、教員2人+生徒18人=20人

残り80人(100-20、教員3人+青年の家の職員3人+生徒74人)が残り3艘に分乗だから、
一艘平均80/3=26~27人で、劃定には必ず教員1人+青年の家の職員1人が乗船、生徒は24~25人。
最も乗員数の少ない艇で、事故が起きてしまったと言うこと。

酔うぞさんの書かれたように同乗した教員2名が何をしていたのか現時点で全く不明。釣り等である程度の操船知識と沈没・救助等非常時対応にたけた教員ならば、天候変化の判断や操船は勿論のこと、乗員の身体・精神状況の判断をしながら安全に操船できたでしょう。荒天下、無理矢理曳航して横風・横波を受ければ、転覆しにくいカッター船とはいえ容易に転覆したのでしょう。なにしろ事故船より大人数の26人も乗船している他の3艇は、無事に帰還しているのですから、やはり乗船した教員2名が指揮能力に欠けていたということでしょう。
もし乗船した教員2名にせめてロープワークの知識だけでもあれば、曳航で危険を感じたら即座に曳航ロープの切り離しも行えたと思うのですが。

そして、生徒が乗船した4艇以外に周辺監視や救助用の予備艇が一隻も出ていないのも疑問の一つですね。

まあ、カッター船操船技術が必須でない中学生に、荒天下で操船訓練をさせたのがそもそも無理だったと言えます。ボーイスカウトだって転覆からの脱出の必要性があるときは、あらかじめ波の静かな浅い岸辺で脱出訓練していると聞いたことがあります。

投稿: 昭ちゃん | 2010/06/20 13:14:27

青年の家HPによれば、カッター船は30人乗りが2艇、20人乗りが3艇。
どうも、30人乗り2艇、20人乗り2艇で、訓練して計算になります。

投稿: 昭ちゃん | 2010/06/20 13:30:06

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